以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントやドットマトリクスのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bとはそれぞれ、特別図柄の可変表示の終了時に、上記の可変表示の結果として、確定特別図柄を導出表示(ここでは、停止表示)する。可変表示の終了前に表示される特別図柄と、確定特別図柄(つまり、導出表示される可変表示結果)とは同じであっても良いし、異なるものであってもよい。つまり、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bとのうちの少なくとも一方は、例えば順次表示する複数の特別図柄のうちのいずれかの特別図柄を確定特別図柄(つまり、可変表示結果)として導出表示してもよいし(例えば、「0」〜「9」などを可変表示して、「1」を確定特別図柄として表示する。)、可変表示する複数の特別図柄以外の特別図柄を確定特別図柄(つまり、可変表示結果)として導出表示してもよい(例えば、「0」〜「9」を可変表示して、「−」などの「0」〜「9」以外の記号を確定特別図柄として表示する。)。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示、飾り図柄の拡大・縮小など)、つまり、飾り図柄の可変表示が開始される。その後、可変表示の終了時に、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示には、可変表示の開始時には表示されていなかった新たな飾り図柄が登場して変動する態様があってもよい。
なお、特別図柄と同様に、可変表示の終了前に表示される飾り図柄と、確定飾り図柄(つまり、導出表示される可変表示結果)を構成する飾り図柄とは同じであっても良いし、異なるものであってもよい。各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば、「0」〜「9」を可変表示して、「1」を確定飾り図柄として表示してもよいし、例えば、「0」〜「9」を可変表示して、「0」〜「9」以外の飾り図柄を確定飾り図柄として表示してもよい。
図1に示すパチンコ遊技機1の構成例では、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
第1特図保留記憶数は、例えば第1始動入賞口に遊技球が進入(例えば、通過)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ1加算(インクリメント)される。これにより、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。
第2特図保留記憶数は、例えば第2始動入賞口に遊技球が進入(例えば、通過)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ1加算(インクリメント)される。これにより、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。
第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。このように、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態または小当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときには、可変表示の保留が発生する。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
第1保留表示器25Aや第2保留表示器25Bとともに、あるいは、これらの保留表示器に代えて、画像表示装置5の表示領域に始動入賞記憶数表示エリアを設けてもよい。すなわち、始動入賞記憶表示エリアでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
画像表示装置5の表示領域における所定縁部の近傍には、可動演出部材60が設けられている。一例として、表示領域が横長の方形状(横向きの長方形)である場合には、長辺(例えば上縁部となる上辺)における外周縁部の近傍にて表示領域の周囲を装飾する装飾部材の内部または外部に、可動演出部材60が収容されていればよい。このように、可動演出部材60は、画像表示装置5における表示領域の所定端部に近接して設けられたものであればよい。図1では、可動演出部材60が装飾部材の内部に収容されることを、破線により示している。
可動演出部材60は、図2に示す可動演出部材用モータ61の回転駆動により、画像表示装置5における表示領域の前面に進出する演出用模型(演出用役物装置)を構成するものであればよい。すなわち、可動演出部材60は、表示領域の周囲を装飾する装飾部材の内部または外部に収容された退避位置と、表示領域の前面に進出した進出位置とのあいだで、移動可能なものであってもよい。このとき、退避位置から進出位置へと向かう方向は、画像表示装置5における表示領域の所定縁部(例えば上縁部となる上辺)から他の縁部(例えば下縁部となる下辺)へと向かう方向であればよい。なお、所定縁部から他の縁部に達するまで進出してもよいし、他の縁部に達するより前(例えば表示領域の中央部)に進出位置となるようにしてもよい。なお、可動演出部材60は、表示領域の前面に進出可能なものに限定されず、例えば回転装飾体を用いて構成され、表示領域の近傍にて回転する演出動作を行うものであってもよい。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入(ここでは、通過)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入(ここでは、通過)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口に遊技球が進入可能な(つまり、第2可変状態よりも進入しやすい)開放状態(拡大開放状態を含む)といった第1可変状態(例えば、遊技球が進入可能な進入可能状態とも表現される。)と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態(例えば、遊技球が進入可能状態よりも進入困難な進入困難状態とも表現される。)とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(ここでは、通過)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態(又は一部開放状態)となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、例えば、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿が設けられている。打球供給皿を形成する部材には、遊技者により操作可能な操作部30が取り付けられている。操作部30は、押しボタンスイッチからなる平面視で円形の操作ボタンを含んで構成されている。操作部30に対してなされた遊技者の操作行為は、それぞれ図2に示す操作検出回路31によって検出される。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受信する機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。例えば、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。なお、演出制御基板12は、操作検出回路31から伝送された操作検出信号を受信して所定の制御を行う機能も備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。操作検出回路31は、操作部30に対してなされた遊技者の操作行為を検出するものであり、遊技者の操作行為を表す操作検出信号を演出制御基板12に供給する。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120が表示制御指令(表示制御信号)を表示制御部123に供給し表示制御部123を制御する表示制御動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、可動演出部材60を動作させる可動演出部材用モータ61を駆動するためのモータ駆動回路16に対して所定の駆動指令信号を伝送するための配線も接続されている。さらに、演出制御基板12には、操作検出回路31から供給される操作検出信号を伝送する配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令(表示制御信号)などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンド、操作検出回路31から伝送された操作検出信号などを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)、モータ駆動回路16へと伝送される指令(駆動制御信号)などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたり、モータ駆動回路16を介して可動演出部材60を動かしたりして、各種の演出(リーチ演出など、遊技の盛り上げるための演出など)を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を進入する始動入賞(第1始動入賞)が発生したときに、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより、第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を進入する始動入賞(第2始動入賞)が発生したときに、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄以外のハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とし、それ以外の記号、数字、文字などの複数種の特別図柄を大当り図柄とする。この実施の形態では、詳しくは後述する大当り種別の種別1−1〜1−31、2−1〜2−2それぞれに対応する、予め用意された複数種の特別図柄それぞれを大当り図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間などの長期開放期間または長期開放期間よりも短い0.1秒間などの短期開放期間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態(又は一部開放状態)となり、入賞球が発生不可能(又は発生困難)となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「16」又は「4」)に達するまで繰返し実行される。ラウンド遊技の回数をラウンド数などともいう。また、前記所定の上限回数を上限ラウンド数などともいう。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態(確変状態に制御されていない状態)よりも高くなる確変状態に制御される。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。確変状態は、前記の所定回数の可変表示が実行される前に次回の大当り遊技状態が開始された場合にはその確変状態は一旦終了するので、前記の所定回数は、確変状態に制御され得る可変表示の上限回数(この上限回数を上限確変回数ともいう。)となる。なお、確変状態に制御することを適宜「確変制御」ともいう。
また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御される。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。時短状態は、前記の所定回数の可変表示が実行される前に次回の大当り遊技状態が開始された場合にはその時短状態は一旦終了するので、前記の所定回数は、時短状態に制御され得る可変表示の上限回数(この上限回数を上限時短回数ともいう。)となる。なお、時短状態に制御することを適宜「時短制御」ともいう。
時短状態では、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)にする頻度を通常状態(時短状態に制御されていない状態)よりも高くし、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
この実施の形態では、特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が種別1−1から1−31及び種別2−1から2−2のいずれかとなる場合が含まれる。つまり、この実施の形態では、大当り種別が種別1−1から1−31及び種別2−1から2−2である複数種の「大当り」が用意されている(図6参照)。そして、大当り種別が種別1−1から1−31及び種別2−1から2−2それぞれについて、「0」から「9」の数字及び各種記号などの確定特別図柄が割り当てられている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「0」の数字を示す大当り図柄が導出表示された場合には、特図表示結果が「大当り」となり、かつ、大当り種別が「種別1−1」になる。
大当り種別が種別1−1又は種別2−1となる場合(種別1−1又は種別2−1に対応する大当り図柄が導出表示された場合)には、ラウンド遊技の回数が16回(16R(ラウンド))である大当り遊技状態に制御される(図6参照)。このときの各ラウンド遊技では、29秒間などの長期開放期間と、所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間と、のうちのいずれか短い方の期間にて、大入賞口が継続して開放状態になる(図7(A)参照)。つまり、このときの各ラウンド遊技が実行され得る上限期間(各ラウンド遊技が行われ得る最長期間)は、長期開放期間となっている。
大当り種別が種別1−31又は種別2−2となる場合(種別1−31又は種別2−2に対応する大当り図柄が導出表示された場合)には、ラウンド遊技の回数が4回(4R)である大当り遊技状態に制御される(図6参照)。このときの各ラウンド遊技では、29秒間などの長期開放期間と、所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間と、のうちのいずれか短い方の期間にて、大入賞口が継続して開放状態になる(図7(C)参照)。つまり、このときの各ラウンド遊技が実行され得る上限期間(各ラウンド遊技が行われ得る最長期間)は、長期開放期間となっている。
大当り種別が種別1−2〜1−30のいずれかとなる場合(種別1−2〜1−30のいずれかに対応する大当り図柄が導出表示された場合)には、ラウンド遊技の回数が16回(16R)である大当り遊技状態に制御される(図6参照)。このときの各ラウンド遊技では、1回目から4回目(1〜4R)のラウンド遊技においては、29秒間などの長期開放期間と、所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間と、のうちのいずれか短い方の期間にて、大入賞口が継続して開放状態になる(図7(B)参照)。5回目から16回目のラウンド遊技においては、0.5秒間などの短期開放期間と、所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間と、のうちのいずれか短い方の期間にて、大入賞口が継続して開放状態になる(図7(B)参照)。つまり、このときの各ラウンド遊技が実行され得る上限期間(各ラウンド遊技が行われ得る最長期間)は、1回目から4回目においては長期開放期間となり、5回目から16回目においては短期開放期間となっている。
なお、上限期間が長期開放期間であるラウンド遊技を長期開放ラウンドと呼び、上限期間が短期開放期間であるラウンド遊技を短期開放ラウンドと呼ぶこともある。短期開放ラウンドは、長期開放ラウンドよりも短い上限期間のものであればよい。この実施の形態では、短期開放ラウンドは、0.1秒間などの非常に短い期間となっており、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば14個)の出玉(賞球)が得られるが、実質的には出玉(賞球)が得られないようになっている。このため、大当り種別が種別1−2〜1−30のいずれかとなる場合におけるラウンド遊技の回数は、形式上は16回であるものの、実質は、上限期間が長期開放期間となる1回目から4回目の4回とも言える。
以下では、大当り種別が種別1−1又は2−1である大当り遊技状態を「16R大当り遊技状態」などといい、大当り種別が種別1−1又は2−1である「大当り」を「16Rの大当り」などという。大当り種別が種別1−31又は2−2である大当り遊技状態を「4R大当り遊技状態」などといい、大当り種別が種別1−31又は2−2である「大当り」を「4Rの大当り」などという。大当り種別が種別1−2〜1−30のいずれかである大当り遊技状態を「16R(実質4R)大当り遊技状態」などといい、大当り種別が種別1−2〜1−30のいずれかである「大当り」を「16R(実質4R)の大当り」などという。
また、この実施の形態では、時短状態に制御されているとき(単に、「時短中」ともいう。)に、第1特図の可変表示の可変表示結果が「大当り」になった場合、大当り遊技状態の後の上限時短回数は、大当り種別に関わらず100回になっている(図6参照)。一方、時短状態に制御されていないとき(時短中以外のとき)に、第1特図の可変表示の可変表示結果が「大当り」になった場合、大当り遊技状態の後の上限時短回数は、大当り種別が種別1−2〜1−30のいずれかであるか応じて4回から32回のいずれかになるように、種別1−2〜1−30それぞれについて上限時短回数4回から32回が割り当てられている(図6参照)。第2特図の可変表示の可変表示結果が「大当り」になった場合には、大当り遊技状態の後の上限時短回数は、100回である(図6参照)。
また、この実施の形態では、第1特図及び第2特図いずれの可変表示の可変表示結果が「大当り」になった場合の、大当り遊技状態の後の上限確変回数は、全ての場合において32回になっている。
この実施の形態では、時短回数を報知する時短回数報知モードと、時短回数を報知しない時短回数非報知モードとが用意されており、パチンコ遊技機1は、時短制御を行っているときには、いずれかのモードに制御される。いずれのモードに制御されるかは、所定のタイミングに遊技者が操作部30を操作することによって決定される。つまり、モードは、遊技者によって選択される。
時短回数報知モードは、時短状態に制御されている間の各可変表示において、時短状態に制御され得る残りの可変表示の最大回数(残時短回数)を報知するモードである(図19などを参照)。残時短回数とは、次の大当り遊技状態に制御されることが無い場合の上限時短回数に達するまでの可変表示の残りの回数をいい、(上限時短回数)−(時短制御を開始した後の最初の可変表示を1回目としたときの現在の可変表示の回数目)などによって表される。例えば、上限時短回数が32回で、現在の可変表示が時短制御開始から5回目に実行される可変表示である場合には、この「現在の可変表示」では、残時短回数として27回が報知される。上限時短回数が32回で、現在の可変表示が時短制御開始から32回目に実行される可変表示である場合には、この「現在の可変表示」では、残時短回数として0回が報知される。
時短回数非報知モードは、時短状態に制御されている間の各可変表示において、残時短回数を報知しないモードである(図19などを参照)。
なお、確変状態に制御されている間の各可変表示においては、時短回数報知モード及び時短回数非報知モードのいずれのモードにおいても、確変状態に制御され得る残りの可変表示の最大回数(残確変回数)を報知する(図19などを参照)。残確変回数とは、次の大当り遊技状態に制御されることが無い場合の上限確変回数に達するまでの可変表示の回数をいい、(上限確変回数)−(確変制御を開始した後の最初の可変表示を1回目としたときの現在の可変表示の回数目)などによって表される。例えば、上限確変回数は32回であり、現在の可変表示が確変制御開始から5回目に実行される可変表示である場合には、この「現在の可変表示」では、残確変回数として27回が報知される。現在の可変表示が確変制御開始から32回目に実行される可変表示である場合には、この「現在の可変表示」では、残確変回数として0回が報知される。
この実施の形態では、残時短回数及び残確変回数を画像表示装置5の表示領域に表示することによって、残時短回数及び残確変回数を報知するが(図19などを参照)、これら報知は、画像表示装置5におけるこのような表示動作に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(残時短回数又は残確変回数だけ点滅させる点滅動作)などによって、行われてもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
リーチ態様となったこと(以下では、「リーチが成立した」、「リーチ成立」などということがある。)に対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このような、飾り図柄の変動速度の低下、キャラクター画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「期待度」あるいは「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBなどといったリーチ演出が予め設定されている(図9参照)。そして、スーパーA、スーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出のみが実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」(特定表示結果であり、特に特定遊技状態に制御される可能性)となる可能性(大当り期待度)が高くなる。この実施の形態では、ノーマルのリーチ演出が実行された後に、スーパーA又はBのリーチ演出が実行されることになる。また、リーチ演出として、時短中に実行される時短専用のリーチ演出も用意されている(図9参照)。この時短専用のリーチ演出は、ノーマルのリーチ演出が実行された後に実行されてもよいし、ノーマルのリーチ演出が実行されないで、リーチの成立を契機として直接始まってもよい。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される。大当り期待度は、1以下の数値で表され、大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せ(特定表示結果)となる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「1」〜「9」のいずれか)が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、変動パターン決定用の乱数値MR2とが含まれていればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR2は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンド(特に、下記で送信設定される各種の制御コマンド)を伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かが判定される。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づいて、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数を更新するための第1始動入賞処理が行われる。一方、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づいて、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数を更新するための第2始動入賞処理が行われる。
一例として、第1始動入賞処理では、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第1特図保留記憶数が上限値に達していれば、第1始動入賞処理を終了する。一方、第1特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第1特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。
第2始動入賞処理では、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第2特図保留記憶数が上限値に達していれば、第2始動入賞処理を終了する。一方、第2特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第2特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(最初は“0”である。)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を種別1−1から1−31、種別2−1から2−2といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータ(例えば、決定結果に応じた数値データ)がRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。なお、大当り種別が種別1−2から1−30のいずれかである場合には、その時点での遊技状態が時短状態であるか否かを示すデータ(例えば、後述の時短フラグがオンであるか否かの数値データであり、オンである場合には「1」、オフである場合には「0」になる数値データ)も大当り種別とともに大当り種別バッファに記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム(可変表示)における確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄の可変表示結果や大当り種別を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定(選択)する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターンは、1回の飾り図柄の可変表示の内容(可変表示が開始されてから表示結果が導出表示するまでの間の内容)を示すものでもあるため、変動パターンの決定によって、飾り図柄の可変表示の内容も決まることになる。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4A又は4Bにおいて特別図柄の変動を開始させる処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、特別図柄表示装置4において特別図柄を変動させる処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特別図柄表示装置4にて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ、また、停止表示されるときに特別図柄が停止表示されたこと(導出表示されたこと)を通知する制御コマンドである図柄確定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。CPU103は、図柄確定コマンドの送信設定では、主基板11から演出制御基板12に対して図柄確定コマンドを送信するために、予め用意されたコマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する制御コマンドである当り開始指定コマンドの送信設定、確変状態や時短状態中である場合にこれら状態を終了させる処理(例えば、後述の確変フラグや時短フラグをオフ状態にし、確変回数カウンタや時短回数カウンタをリセットする処理)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御タイマ設定部)に設けられた大入賞口制御タイマ(タイマ値を示すデータが記憶される)への大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、画像表示装置5において報知する時間であり、予め定められた時間である。)の設定、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられたラウンド数計数用カウンタ(大当り遊技状態で実行される残りのラウンド数をカウントするためのもの)へのカウント初期値(大当り種別に応じた上限ラウンド数であり、大当り種別が種別1−31又は2−2である場合には「4」、それ以外の場合には「16」)のセットを行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。なお、CPU103は、例えば、当り開始指定コマンドの送信設定では、主基板11から演出制御基板12に対して当り開始指定コマンドを送信するために、予め用意されたコマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理などが含まれている。この処理では、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、また、ラウンド数計数用カウンタの値に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ラウンド遊技が実行され得る上限期間)を設定する。一例として、大当り種別が種別1−2から1−30のいずれかであり、ラウンド数計数用カウンタの値が「12」から「1」のいずれかである(つまり、今回のラウンド遊技が5回目から16回目のいずれかである)場合には、ラウンド遊技が実行され得る上限期間を「0.1秒」などの短期開放期間に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。一方、それ以外の場合には、ラウンド遊技が実行され得る上限期間を「29秒」などの長期開放期間に設定することにより、長期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
なお、ステップS114でラウンド遊技が実行され得る上限期間を長期開放期間に設定する場合、この長期ラウンド遊技が大当り遊技状態における最後の長期開放ラウンドである場合には、これから最後の長期開放ラウンドが開始されることを通知する制御コマンドである最終長期開放ラウンド通知コマンドの送信設定を行うとよい。一例として、大当り種別が種別1−2から1−30のいずれかであり、ラウンド数計数用カウンタの値が「12」である(つまり、今回のラウンド遊技が4回目である)場合に、この送信設定を行う。また、大当り種別が種別1−1又は2−1のいずれかであり、ラウンド数計数用カウンタの値が「16」である(つまり、今回のラウンド遊技が16回目である)場合に、この送信設定を行う。また、大当り種別が種別1−31又は2−2のいずれかであり、ラウンド数計数用カウンタの値が「4」である(つまり、今回のラウンド遊技が4回目である)場合に、この送信設定を行う。なお、CPU103は、最終長期開放ラウンド通知コマンドの送信設定では、例えば、主基板11から演出制御基板12に対して最終長期開放ラウンド通知コマンドを送信するために、予め用意されたコマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミング(前記遊技球の個数が所定個数(例えば9個)に達するか、ステップS114で設定した上限期間に経過時間が達するか、のいずれかがあったタイミング)と判別した場合に大入賞口を閉鎖状態に戻す処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、ラウンド数計数用カウンタの値が「1」減らされ、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否か(ラウンド数計数用カウンタの値が「0」であるか否か)を判定する処理や、上限回数に達していない場合(ラウンド数計数用カウンタの値が「0」でない場合)に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したとき(ラウンド数計数用カウンタの値が「0」になったとき)には、大当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである大当り遊技状態終了コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。CPU103は、大当り遊技状態終了コマンドの送信設定では、例えば、主基板11から演出制御基板12に対して大当り遊技状態終了コマンドを送信するために、予め用意されたコマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。
ステップS114からS116が繰り返し実行されることによって、大当り種別に応じたラウンド遊技(「16R」、「4R」、「16R(実質4R)」)が実行され、「16R大当り遊技状態」(図7(A)参照)、「4R大当り遊技状態」(図7(C)参照)、「16R(実質4R)大当り遊技状態」(図7(B)参照)が実現されることになる。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
大当り終了処理において、CPU103は、確変制御の開始により遊技状態を確変状態とするための設定を行う。例えば、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変フラグをオン状態にセットするとともに、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた、確変制御中に実行される可変表示の残り回数(残確変回数)をカウントする確変回数カウンタに所定のカウント初期値(上限確変回数であり、ここでは「32」)を設定すればよい。確変回数カウンタは、確変制御が終了するまでに実行可能な特図ゲーム(可変表示)の残り回数(残確変回数)をカウントする。また、CPU103は、時短制御を開始するための設定を行う。例えば、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグをオン状態にセットするとともに、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた、時短制御中に実行される可変表示の残り回数(残時短回数)をカウントする時短回数カウンタに所定のカウント初期値(上限時短回数)を設定すればよい。時短回数カウンタに設定されるカウント初期値は、大当り種別バッファに記憶された大当り種別に応じて異なる。大当り種別が種別1−2から1−30のいずれかである場合であって、上記の遊技状態が時短状態であることを示すデータ(例えば、後述の時短フラグがオンであることを示す「1」を示す数値データ)が大当り種別とともに大当り種別バッファに記憶されている場合には、カウント初期値は、種別1−2から1−30のいずれかに応じて「4」から「32」のうちのいずれかになる(図6参照)。それ以外のときのカウント初期値は、「100」になる(図6参照)。時短回数カウンタは、時短制御が終了するまでに実行可能な特図ゲーム(可変表示)の残り回数(残時短回数)をカウントする。
図4は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データ(最も過去に記憶された保留データ)として、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されない。すなわち、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過(進入)した順番で、特図ゲームが実行されるようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データ(最も過去に記憶された保留データ)として、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、乱数値MR1に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」のいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。
図5は、ステップS239の処理による特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り」、「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図5に示す決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグがオンである場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。
図5に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により、大当り種別が「確変」または「突確」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。
一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類(種別1−1から1−31、2−1から2−2)のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出す。さらに、CPU103は、変動特図指定バッファ値に基づいて変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかを判定する(変動特図指定バッファ値が、「1」であれば変動特図は第1特図であり、「2」であれば変動特図は第2特図である。)。CPU103は、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかの判定結果と、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値を示す数値データとに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、判定結果に対応して大当り種別決定用の乱数値に該当する決定値に割り当てられた種別1−1から1−31、2−1から2−2のいずれかを大当り種別として決定(選択)すればよい。
図6は、ステップS242の処理による大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、選択される大当り種別が異なる。具体的には、変動特図が第1特図である場合には、種別1−1から1−31のいずれかが選択され、変動特図が第2特図である場合には、種別2−1から2−2のいずれかが選択される。変動特図が第2特図である場合、16R(実質4R)の大当りという大当り種別が選択されないようになっており、また、16Rの大当りの大当り種別(種別2−1)の決定割合が、変動特図が第1特図である場合よりも、高くなっている(50/100)。このため、変動特図が第2特図の場合には、16R大当り遊技状態に制御される可能性が比較的高くなっている。一方で、変動特図が第1特図の場合には、16Rの大当りの大当り種別(種別1−1)の決定割合が低くなっている(5/100)。一方で、16R(実質4R)の大当りの大当り種別(種別1−2から1−30)の決定割合(合計の決定割合)及び4Rの大当りの大当り種別(種別1−31)の決定割合(合計の決定割合)が高い。変動特図が第1特図の場合には、4R大当り遊技状態又は16R(実質4R)大当り遊技状態に制御される可能性が比較的高くなっている。また、時短中でない場合に16R(実質4R)の大当りの大当り種別(種別1−2から1−30)が選択されると、その後の時短状態の上限時短回数は、4回から32回のいずれかになる。それ以外の場合には、上限時短回数は100回になる。このように、この実施の形態では、大当り種別に応じて上限時短回数が可変になっている。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータ(例えば、数値のデータ)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。また、大当り種別が種別1−2から1−30である場合には、現在時短フラグがオンであるか否かなどを判定して、その判定結果に応じて、今回実行する可変表示が時短中のものであるか否かを示すデータ(上述のように、例えば、時短フラグがオンであるか否かの数値データであり、オンである場合には「1」、オフである場合には「0」になる数値データ)も大当り種別バッファに格納する。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合(ステップS240;No)、ステップS243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図8は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、時短フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS262)。そして、時短フラグがオンである場合には(ステップS262;Yes)、特図表示結果が時短中に「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。時短フラグがオフである場合には(ステップS262;No)、特図表示結果が時短中以外のときに「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS264)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合(ステップS261;No)には、時短フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS265)。そして、時短フラグがオンである場合には(ステップS265;Yes)、時短回数カウンタの値が「1」であるかを判定する(ステップS266)。時短回数カウンタの値が「1」でない場合(ステップS266;No)、今回の可変表示(この後のステップS112などで実行される可変表示)が時短中の可変表示であるが最後に実行される可変表示(時短状態の終了時に実行される可変表示)でないため、特図表示結果が時短中(終了時前)に「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS267)。時短回数カウンタの値が「1」である場合(ステップS266;Yes)、今回の可変表示(この後のステップS112などで実行される可変表示)が時短中の最後に実行される可変表示であるため、特図表示結果が時短中(終了時)に「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS268)。時短フラグがオフである場合(ステップS265;No)には、特図表示結果が時短中以外のときに「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS269)。
図9は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様になる複数の変動パターンが予め用意されている。
図10(A)は、時短中以外の期間での大当り時における変動パターンの決定例を示している。例えば図8に示すステップS264の処理では、CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる変動パターン決定用の乱数値MR2を変動用乱数バッファから読み出し、読み出した乱数値MR2に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意された大当り変動パターン決定テーブルAを参照すること(例えば、RAM102に大当り変動パターン決定テーブルAを使用パターンとしてセットして参照する。)により、図10(A)に示すような決定割合(選択割合)で変動パターンを決定(選択)すればよい。大当り変動パターン決定テーブルAでは、乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、変動パターンPA3−1〜PA3−3に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルAを参照することにより、乱数値MR2に該当する決定値に割り当てられた変動パターンPA3−1〜PA3−3のいずれかを変動パターンとして選択(決定)すればよい。
図10(B)は、時短中での大当り時における変動パターンの決定例を示している。例えば図8に示すステップS263の処理では、CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる変動パターン決定用の乱数値MR2を変動用乱数バッファから読み出し、読み出した乱数値MR2に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意された大当り変動パターン決定テーブルBを参照すること(例えば、RAM102に大当り変動パターン決定テーブルBを使用パターンとしてセットして参照する。)により、図10(B)に示すような決定割合(選択割合)で変動パターンを決定(選択)すればよい。大当り変動パターン決定テーブルBでは、乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、変動パターンPA3−4のみに、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルBを参照することにより、乱数値MR2に該当する決定値すべてに割り当てられた変動パターンPA3−4を変動パターンとして選択(決定)すればよい。
図10(C)は、時短中かつ時短終了時前でのハズレ時における変動パターンの決定例を示している。例えば図8に示すステップS267の処理では、CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる変動パターン決定用の乱数値MR2を変動用乱数バッファから読み出し、読み出した乱数値MR2に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意されたハズレ変動パターン決定テーブルAを参照すること(例えば、RAM102にハズレ変動パターン決定テーブルAを使用パターンとしてセットして参照する。)により、図10(C)に示すような決定割合(選択割合)で変動パターンを決定(選択)すればよい。ハズレ変動パターン決定テーブルAでは、乱数値MR2と比較される数値(決定値)全てが、保留記憶数(第1保留記憶数カウンタの格納値と第2保留記憶数カウンタの格納値の合計値)に応じて変動パターンPA1−1又はPA1−2に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した乱数値MR2を示す数値データに基づいて、ハズレ変動パターン決定テーブルAを参照することにより、保留記憶数が「0」から「1」である場合には、この場合において乱数値MR2に該当する決定値すべてに割り当てられた変動パターンPB1−1を大当り時における変動パターンとして選択(決定)すればよい。保留記憶数が「2」から「8」である場合には、この場合において乱数値MR2に該当する決定値すべてに割り当てられた変動パターンPB1−2を変動パターンとして選択(決定)すればよい。
図10(D)は、時短中かつ時短終了時におけるハズレ時における変動パターン(つまり、時短回数が上限時短回数に達する最後の可変表示の変動パターン)の決定例を示している。例えば図8に示すステップS268の処理では、CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる変動パターン決定用の乱数値MR2を変動用乱数バッファから読み出し、読み出した乱数値MR2に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意されたハズレ変動パターン決定テーブルBを参照すること(例えば、RAM102にハズレ変動パターン決定テーブルBを使用パターンとしてセットして参照する。)により、図10(D)に示すような決定割合(選択割合)で変動パターンを決定(選択)すればよい。ハズレ変動パターン決定テーブルBでは、乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、変動パターンPA2−4のみに、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した乱数値MR2を示す数値データに基づいて、ハズレ変動パターン決定テーブルBを参照することにより、乱数値MR2に該当する決定値すべてに割り当てられた変動パターンPA2−4を変動パターンとして選択(決定)すればよい。
図10(E)は、時短中以外の期間におけるハズレ時における変動パターンの決定例を示している。例えば図8に示すステップS269の処理では、CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる変動パターン決定用の乱数値MR2を変動用乱数バッファから読み出し、読み出した乱数値MR2に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意されたハズレ変動パターン決定テーブルCを参照すること(例えば、RAM102にハズレ変動パターン決定テーブルCを使用パターンとしてセットして参照する。)により、図10(E)に示すような決定割合(選択割合)で変動パターンを決定(選択)すればよい。ハズレ変動パターン決定テーブルCでは、乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、変動パターンPA2−1からPA2−3それぞれと、保留記憶数に応じたPA1−1からPA1−3と、に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した乱数値MR2を示す数値データに基づいて、ハズレ変動パターン決定テーブルCを参照することにより、乱数値MR2に該当する決定値に割り当てられた、変動パターンPA2−1からPA2−3のいずれか、又は、PA1−1からPA1−3を変動パターンとして選択(決定)すればよい。CPU103は、PA1−1からPA1−3を変動パターンとして選択した場合には、保留記憶数に応じて、PA1−1からPA1−3のいずれかを変動パターンとして選択する。具体的には、保留記憶数が「0」から「1」である場合には、変動パターンPA1−1を変動パターンとして選択(決定)すればよい。保留記憶数が「2」から「4」である場合には、変動パターンPA1−2を変動パターンとして選択(決定)すればよい。保留記憶数が「5」から「8」である場合には、変動パターンPA1−3を変動パターンとして選択(決定)すればよい。
図9に示すように、各変動パターンPA2−1からPA2−4と、各変動パターンPA3−1〜PA3−4とでは、内容が対応する変動パターン(例えば、PA2−1とPA3−1、PA2−4とPA3−4など)それぞれの特図変動時間が共通している一方で、可変表示結果が「ハズレ」となるか「大当り」となるかが異なっている。また、図10(A)に示すように、PA3−1からPA3−3の決定割合は、PA3−3が一番高く、PA3−1が一番低い。また、図10(D)に示すように、PA2−1からPA2−3の決定割合は、PA2−1が一番高く、PA2−3が一番低い。これによって、各リーチ演出が実行された場合の大当り期待度は、スーパーBが一番高く、スーパーAがその次に高く、ノーマルが一番低いことが分かる。
また、図10を参照すると、PA3−4は、時短中の可変表示における可変表示結果が「大当り」になったときにのみ選択され、PA2−4は、時短中の可変表示のうち最後の可変表示(上限時短回数に達したときに実行される可変表示)にのみ選択され、それ以外の時短中のハズレ時には、リーチが成立しない。以上から、それ以外の時短中にPA3−4が選択された場合(それ以外の時短中にリーチが成立する場合)、可変表示結果が「大当り」確定となる。例えば、図11のように、上限時短回数が32回で、時短制御の開始から16回目の可変表示で「大当り」が導出表示される場合、この可変表示の変動パターンとしては時短用のPA3−4が必ず選択されることになるので、PA3−4が選択され、この変動パターンでの演出が実行された場合には、可変表示結果が「大当り」確定となる。例えば、図11のように、上限時短回数が32回で、31回目までの可変表示いずれでも「大当り」が導出表示されない場合、最後の可変表示の変動パターンとしては可変表示結果に応じてPA2−4又はPA3−4が選択されることになる。さらに、図9のように、PA3−4とPA2−4とは、共通の特図変動時間となっている。このため、時短中では、大当り時と時短終了時の可変表示において、共通の特図変動時間が選択されることになる(図11参照)。このように、PA3−4とPA2−4の特図変動時間で演出が実行されたときには、時短中かつ時短終了時以外であれば大当り確定になり、終了時であれば、可変表示結果が「大当り」になるか「ハズレ」のいずれにもなり得る。
図8に示すステップS263、S264、S267、S268、S269の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS270)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図9に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS270の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させる(ステップS271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する。
ステップS271の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS272)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、ステップS262において選択された変動パターンの内容を指定する演出制御コマンドであり、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、ステップS246において決定された確定特別図柄に基づいて、特別図柄の可変表示結果(「大当り」、「ハズレ」のいずれであるかや、大当り種別が何であるか、可変表示結果が「大当り」のときの大当り遊技状態の後の確変状態及び時短状態それぞれについての上限確変回数及び上限時短回数)を指定する演出制御コマンドである。上限確変回数は32回で固定である。上限時短回数は、上記のように、大当り種別バッファに記憶された大当り種別に応じて異なる。CPU103は、大当り種別が種別1−2から1−30のいずれかである場合であって、上記の遊技状態が時短状態であることを示すデータ(例えば、後述の時短フラグがオンであることを示す「1」を示す数値データ)が大当り種別とともに大当り種別バッファに記憶されている場合には、上限時短回数を、種別1−2から1−30のいずれかに応じて「4」から「32」のうちのいずれかに指定することを含む可変表示結果通知コマンドを送信する制御コマンドとする。それ以外のときは、上限時短回数を、「100」に指定することを含む可変表示結果通知コマンドを送信する制御コマンドとする。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。
ステップS272の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS273)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS273にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図12は、特別図柄停止処理として、図3のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS351)。大当りフラグがオン状態である場合(ステップS351;Yes)、時短フラグ及び確変フラグをオフ状態にし、時短回数カウンタのカウント値や確変回数カウンタのカウント値を「0」にすることなどによって、時短フラグ及び確変フラグ、時短回数カウンタや確変回数カウンタをリセットし(ステップS352)、大入賞口制御タイマに大当り表時間を設定し(ステップS353)、ラウンド数計数用カウンタにカウント初期値(大当り種別に応じた上限ラウンド数であり、大当り種別が種別1−31又は2−2である場合には「4」、それ以外の場合には「16」)を設定し(ステップS354)、当り開始指定コマンドの送信設定を行い(ステップS355)、特図プロセスフラグを「4」に更新し(ステップS356)、特別図柄停止処理を終了する。
CPU103は、大当りフラグがオン状態でない(オフ状態である)場合(ステップS351;No)、確変フラグがオンであるかを判定し(ステップS361)、オンである場合には(ステップS361;Yes)、確変回数カウンタのカウント値を「1」減らし(ステップS362)、減らした後のカウント値が「0」であるかを判定する(ステップS363)。CPU103は、カウント値が「0」である場合(ステップS363;Yes)、確変フラグをオフ状態にし(ステップS364)、確変状態を終了させる。CPU103は、確変フラグがオンでない場合(ステップS361;No)、カウント値が「0」でない場合(ステップS363;No)、ステップS364の処理を行った後には、時短フラグがオンであるかを判定する(ステップS365)。
CPU103は、時短フラグがオンである場合には(ステップS365;Yes)、時短回数カウンタのカウント値を「1」減らし(ステップS366)、減らした後のカウント値が「0」であるかを判定する(ステップS367)。CPU103は、カウント値が「0」である場合(ステップS367;Yes)、時短フラグをオフ状態にし(ステップS364)、時短状態を終了させる。CPU103は、時短フラグがオンでない場合(ステップS365;No)、カウント値が「0」でない場合(ステップS367;No)、ステップS368の処理を行った後には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新して(ステップS369)、特別図柄停止処理を終了する。
これら一連の処理によって、大当り時には、一旦時短状態や確変状態が終了し、ハズレ時には、時短中では残時短回数が「1回」減らされ、確変中では残確変回数が「1回」減らされる。
図13は、図3のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図3に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値がRAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、CPU103は、時短フラグをオン状態にして(ステップS323)、時短回数カウンタに大当り種別に応じて上限時短回数をカウント初期値として時短回数カウンタに設定する(ステップS324)。CPU103は、ステップS324のときに、大当り種別バッファに格納されている大当り種別を示すデータ、上記の大当り種別とともに大当り種別バッファに格納されている、大当りになる前の遊技状態が時短状態であるか否かを示すデータ(例えば、時短フラグがオンであったことを示す「1」を示す数値データ又は時短フラグがオフであったことを示す「0」を示す数値データ)を読み出し、読み出したデータに基づいて、これからの時短状態における上限時短回数を特定する。CPU103は、大当り種別が種別1−2から1−30のいずれかであって、大当りになる前の遊技状態が時短状態であることを示すデータ(例えば、時短フラグがオンであったことを示す「1」を示す数値データ)が大当り種別バッファに格納されている場合には、種別1−2から1−30のいずれかに応じて「4」から「32」のうちのいずれかを上限時短回数として特定する。それ以外のときは、上限時短回数を「100」に特定する。CPU103は、ステップS324のときに、上記で特定した上限時短回数をカウント初期値として時短回数カウンタに設定する。
ステップS324の後、CPU103は、確変フラグをオン状態にして(ステップS325)、「32回」をカウント初期値として確変回数カウンタに設定し(ステップS326)、特図プロセスフラグの値を「0」に更新して(ステップS327)、大当り終了処理を終了する。
これら一連の処理によって、大当り遊技状態終了後に確変状態及び時短状態に制御されることが開始され、大当り種別や、大当り時の可変表示が時短状態であったか否かに応じて、残時短回数及び残確変回数が設定される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、可動演出部材60の所定動作(例えば揺動または移動)といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図14は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
なお、可変表示中演出処理では、可変表示開始設定処理で決定された演出制御パターンに基づいて、時短回数報知モードでは残時短回数及び残確変回数が報知され、時短回数非報知モードでは残確変回数のみが報知される。
なお、可変表示中演出処理では、「大当り」の確定飾り図柄を導出表示したときに、残時短回数及び残確変回数が設定される。例えば、RAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた、確変制御中に実行される可変表示の残り回数(残確変回数)をカウントする残確変回数カウンタに所定のカウント初期値(上限確変回数であり、ここでは「32」)を設定すればよい。上限確変回数は、主基板11から伝送される可変表示結果通知コマンドによって特定すればよい。例えば、RAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた、時短制御中に実行される可変表示の残り回数(残時短回数)をカウントする残時短回数カウンタに所定のカウント初期値(上限確変回数であり、ここでは「32」)を設定すればよい。上限時短回数は、主基板11から伝送される可変表示結果通知コマンドによって特定すればよい。なお、例えば、残時短回数カウンタのカウント値(残時短回数)は、ステップS171が実行されるごとに「1」減じられ、残確変回数カウンタのカウント値(残確変回数)は、ステップS171が実行されるごとに「1」減じられることなどによって、設定された残時短回数及び残確変回数は可変表示の実行ごとに「1」減じられる。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの大当り遊技状態終了コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
なお、大当り中演出処理では、その後のモードを時短回数報知モードにするか、時短回数非報知モードにするかを、遊技者の操作部30への操作に基づいて決定するためのモード選択処理も実行される。モード選択処理では、遊技者の操作部30への操作が時短回数報知モードを選択するものである場合には、報知フラグをオン状態にすることによって、パチンコ遊技機1は時短回数報知モードになる。遊技者の操作部30への操作が時短回数非報知モードを選択するものである場合には、報知フラグをオフ状態にすることによって、パチンコ遊技機1は時短回数非報知モードになる。報知フラグは、例えば、RAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられる。モード選択処理は、主基板11から伝送された最終長期開放ラウンド通知コマンドを受信したことを契機として開始される。つまり、モード選択処理は、大当り遊技状態における最後の長期開放ラウンドの開始とともに開始される。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図15は、可変表示開始設定処理として、図14のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS501)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS501;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(例えば、PA1−1〜PA1−3、PB1−1〜PB1−2)であるか否かを判定する(ステップS502)。
ステップS502にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS502;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS503)。
一例として、ステップS503の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブル(左確定図柄決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が各左確定図柄に割り当てられたもの(以下、他の確定図柄決定テーブルなどについても適宜同様。))を参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する(例えば、左確定図柄決定用の乱数値に該当する決定値に割り当てられた飾り図柄を左確定図柄として決定(選択)する(以下、他の確定図柄の決定についても適宜同様。))。
次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS502にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合(例えば、変動パターンがPA2−1〜PA2−4である場合)には(ステップS502;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS504)。一例として、ステップS504の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS501にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS501;No)、例えば特図表示結果が「大当り」であるので、演出制御用CPU120は、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS506)。一例として、ステップS506の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブル(大当り確定図柄決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り確定図柄に割り当てられたもの)を参照することなどにより、大当り確定図柄決定用の乱数値に該当する決定値が割り当てられている図柄を、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄(大当り確定図柄)として決定する。
ステップS503、S504、S506の処理のいずれかを実行した後には、演出制御パターン選択処理を実行する(ステップS509)。
図16は、演出制御パターン選択処理として、図15のステップS509にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す演出制御パターン選択処理において、演出制御用CPU120は、まず、残時短回数(例えば、残時短回数カウンタのカウント値)が「0」であるかを判定する(ステップS601)。演出制御用CPU120は、残時短回数が「0」でないと判定した場合(ステップS601;No)、残時短回数を「1」減らし(ステップS602)、報知フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS603)。
報知フラグがオン状態である場合(ステップS603;Yes)には、演出制御用CPU120は、現在の残時短回数(例えば、残時短回数カウンタのカウント値)を報知するときに使用される演出制御パターンである残時短回数報知制御パターン(残時短回数を画像表示装置5に表示させる制御パターン)を使用パターンとして選択しセットする(ステップS604)。演出制御用CPU120は、例えば、残時短回数に基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された複数の残時短回数報知制御パターンのうち、現在の残時短回数を報知する残時短回数報知制御パターンを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。このようなセットによって、可変表示中に報知される残時短回数が特定される。
報知フラグがオフ状態である場合(ステップS603;No)には、演出制御用CPU120は、現在の残時短回数を報知しないときに使用される演出制御パターンである残時短回数非報知制御パターン(残時短回数を伏せた画像(例えば、図19のように「時短残 ??」の画像)を画像表示装置5に表示させる制御パターン)を使用パターンとして選択しセットする(ステップS605)。演出制御用CPU120は、例えば、ROM121に予め記憶された残時短回数非報知制御パターンを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。このようなセットによって、可変表示中に残時短回数を報知しない画像を表示することが特定される。
次に、演出制御用CPU120は、残時短回数(ステップS602で「1」減らした残時短回数であり、例えば、残時短回数カウンタのカウント値)が「0」であるかを判定する(ステップS606)。演出制御用CPU120は、残時短回数が「0」であると判定した場合(ステップS606;Yes)、時短制御は次回以降の可変表示では行われないので、残時短回数を報知する必要もないので報知フラグをオフ状態にする(ステップS607)。
ステップS601で残時短回数が「0」であると判定した場合(ステップS601;Yes)、残時短回数が「0」でないと判定した場合(ステップS606;No)、又は、ステップS607の処理の後、演出制御用CPU120は、残確変回数(例えば、残確変回数カウンタのカウント値)が「0」であるかを判定する(ステップS608)。演出制御用CPU120は、残確変回数が「0」でないと判定した場合(ステップS608;No)、残確変回数を「1」減らし(ステップS609)、現在の残確変回数(例えば、残確変回数カウンタのカウント値)を報知するときに使用される演出制御パターンである残確変回数報知制御パターン(残確変回数を画像表示装置5に表示させる制御パターン)を使用パターンとしてセットする(ステップS610)。演出制御用CPU120は、例えば、残確変回数に基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された複数の残確変回数報知制御パターンのうち、現在の残確変回数を報知する残確変回数報知制御パターンを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。このようなセットによって、可変表示中に報知される残確変回数が特定される。
ステップS608で残確変回数が「0」であると判定した場合、又は、ステップS610の処理の後、演出制御用CPU120は、その他の演出(可変表示や、リーチ演出などを含む)を実行するための演出制御パターンである特図変同時制御パターンを変動パターンに応じて選択してセットし(ステップS611)、演出制御パターン選択処理を終了する。演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、ROM121に予め記憶されて用意された複数の特図変同時制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。このようなセットによって、可変表示中の演出の制御内容(具体的には、リーチ演出などを適宜含む可変表示中の演出態様(可変表示の表示態様なども含む。))が決定される。
なお、変動パターンPA2−1に対応する特図変同時制御パターンと変動パターンPA3−1に対応する特図変同時制御パターンとは、確定飾り図柄が導出表示される前の所定タイミングまでの演出態様が共通となっている。変動パターンPA2−2と変動パターンPA3−2、変動パターンPA2−3と変動パターンPA3−3、変動パターンPA2−4と変動パターンPA3−4、それぞれについても同じである。
次に、演出制御用CPU120は、ステップS509の後、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS510)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させる設定を行う(ステップS511)。このときには、例えばステップS510にて使用パターンとしてセットされた演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS512)、可変表示開始設定処理を終了する。
図17は、可変表示中演出処理として、図14のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS521)。一例として、ステップS521の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターン(特に、特図変同時制御パターン)から終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS521にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS521;No)、例えばステップS509の処理でセットされた各種演出制御パターンにおける設定などに基づいて、飾り図柄の可変表示動作(適宜、リーチ演出なども含まれる。)を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS524)、可変表示中演出処理を終了する。一例として、ステップS524の処理では、演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データなど)に応じて、所定の演出態様によるリーチ演出、飾り図柄の可変表示動作、残確変回数の報知動作(確変状態のとき)、残時短回数の報知動作(時短状態のとき、かつ、時短回数報知モードのとき)、残時短回数の非報知動作(残時短回数を伏せた画像を画像表示装置5に表示させる動作などであり、時短状態のとき、かつ、時短回数非報知モードのときに実行される。)などを実行するために、各種指令を作成して表示制御部123などに対して伝送させればよい。これによって、演出制御用CPU120は、各装置を制御し、リーチ演出、飾り図柄の可変表示を実行する。
一方、可変表示時間が経過した場合には(ステップS521;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS531)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS531;No)、可変表示中演出処理を終了する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS529にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS531;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS532)。このとき、ステップS524の処理において実行している残確変回数の報知動作(確変状態のとき)、残時短回数の報知動作(時短状態のとき、かつ、時短回数報知モードのとき)、残時短回数の非報知動作(時短状態のとき、かつ、時短回数非報知モードのとき)などを適宜継続し、最終停止図柄の導出表示時においても残時短回数の報知(残時短回数の表示など)又は非報知(残時短回数を伏せた画像の表示など)や残確変回数の報知(残確変回数の表示など)を行うとよい。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS533)。次に、演出制御用CPU120は、最終停止図柄(確定飾り図柄)が大当り組み合せを構成するか(可変表示結果が「大当り」であるか)否かを判定する(ステップS534)。「大当り」である場合(ステップS534;Yes)、残時短回数(ここでは、上限時短回数)及び残確変回数(ここでは、上限確変回数)を設定する(ステップS536)。これらは、主基板11から伝送される可変表示結果通知コマンドが指定する上限確変回数及び上限時短回数によって特定されればよい。演出制御用CPU120は、「大当り」でない場合(ステップS534;No)、又は、ステップS536のあと、演出プロセスフラグの値を「2」に更新してから(ステップS537)、可変表示開始設定処理を終了する。
図18は、モード選択処理として、図14のステップS174の処理中に実行される処理の一例を示すフローチャートである。なお、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された最終長期開放ラウンド通知コマンドを受信した後かつモード選択処理の前に、演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データなど)に基づいて、図19の画像902を画像表示装置5の表示領域に表示することで、大当り遊技状態終了後に時短回数報知モード又は時短回数非報知モードのいずれかに制御するかの選択のための操作(操作部30に含まれる操作ボタンを押圧操作)を行うように、遊技者に促す。また、演出制御用CPU120は、モード選択処理の開始後に、モード選択処理と並行して、操作ボタンを押圧したことによって供給される操作検出信号の供給回数(つまり、操作ボタンの押圧操作回数)を、例えば、RAM122の所定領域に設けた操作回数カウンタによってカウントする(例えば、大当り遊技状態終了コマンドを受信するまで。)。
図18に示すモード選択処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から伝送される大当り遊技状態終了コマンドを受信したかを判定し(ステップS651)、大当り遊技状態終了コマンドを受信していない場合には(ステップS651;No)、操作部30への遊技者からの操作の有無に応じて演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データなど)などに基づいて、操作部30への遊技者からの操作の有無に応じた内容の演出動作制御を行い(ステップS652)、モード選択処理を終了する(なお、この終了とともに、可変表示中演出処理を終了してもよい。)。例えば、演出制御用CPU120は、操作部30に含まれる操作ボタンを押圧操作したときの操作検出信号が操作検出回路31から供給された場合に、画像表示装置5に表示している画像902を変化させる。具体的には、演出制御用CPU120は、操作検出信号の供給の有無に基づいて、画像902を変化させるか(具体的には、指の画像902aの指示先を変更するか否か)を判定し、操作検出信号の供給があった場合(つまり、操作ボタンの押圧操作があった場合)には画像を変化させると判定し、画像902を変化させる。具体的には、指の画像902aの現在の指示先が、時短回数報知モードの画像902bであれば、この指示先を時短回数非報知モードの画像902cに変更するようにする。一方で、指の画像902aの現在の指示先が、画像902cであれば、この指示先を画像902bに変更した画像を表示するようにする。また、演出制御用CPU120は、操作検出信号の供給が無かった場合(つまり、操作ボタンの押圧操作が無い場合)には画像を変化させないと判定し、現在の画像902を維持するような制御を行う。これによって、例えば、繰り返し行われるステップS652の処理において、画像表示装置5の表示領域には、図19の画像902が表示され、操作ボタンが押圧操作されるたびに、指の画像902aが指示する画像を、時短回数報知モードの画像902bと時短回数非報知モードの画像902cとのいずれかに切り返る。なお、この実施の形態では、最初は、時短回数報知モードの画像902bが指示されているものとする。
演出制御用CPU120は、大当り遊技状態終了コマンドを受信している場合には(ステップS651;Yes)、所定操作が成立しているかを判定する(ステップS660)。所定操作は、大当り遊技状態終了コマンドを受信したとき(つまり、大当り遊技状態が終了し、大当り中演出が終了してエンディング演出に移行するタイミング)に指の画像902aが時短回数非報知モードの画像902cを指示している操作であり、例えば、操作回数カウンタのカウント値(操作ボタンの押圧回数)が奇数回である場合に所定操作が成立したことになり、偶数回である場合に所定操作が成立しないことになる(このときは、指の画像902aが時短回数報知モードの画像902bを指示している)。
所定操作が成立している場合(ステップS660;Yes)には、時短回数非報知モードが選択されたことになるので、報知フラグをオフ状態にする(ステップS661)。一方、所定操作が成立していない場合(ステップS660;No)、時短回数報知モードが選択されたことになるので、報知フラグをオン状態にする(ステップS662)。なお、所定操作が成立していない場合は、操作ボタンへの押圧操作が行われなかった場合も含まれる。
ステップS661又はS662の後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を「0」に更新してから(ステップS663)、モード選択処理を終了する。なお、この終了とともに、可変表示中演出処理を終了してもよい。
上記処理が実行されることによって実行される演出を図19から図21を参照して説明する。なお、図19から図21の各画像は、液晶表示装置5の表示領域に表示される画像であり、各画像における矢印は飾り図柄が変動中であることを表す。
図19のように、可変表示結果が「大当り」となると、「大当り」を報知する画像901が表示される。その後、大当り遊技状態に制御されるが、最後の長期開放ラウンドの開始から大当り遊技状態の終了(エンディング演出開始)までの間、その後のモードを時短回数報知モードと時短回数非報知モードとのいずれにするかを選択させる画像902が表示される。このとき、操作部30に含まれる操作ボタンが押圧操作されるたびに、指の画像902aが指示する画像を、時短回数報知モードの画像902bと時短回数非報知モードの画像902cとのいずれかに切り返る。最初は、時短回数報知モードの画像902bが指示されているものとする。大当り遊技状態の終了時に、指の画像902aが時短回数報知モードの画像902bを指示していれば、時短回数報知モードが選択されたことになり、指の画像902aが時短回数非報知モードの画像902cを指示していれば、時短回数非報知モードが選択されたことになる。
時短回数報知モードが選択された場合には、その後の可変表示において、画像903のように残時短回数を表示し(「時短残」参照)、残確変回数を表示する(「ST残」参照)。なお、時短状態が終了し、確変状態が継続する場合には、その後の可変表示において、画像904のように、残確変回数だけが表示される。なお、図示はしないが、確変状態が終了し、時短状態が継続する場合には、その後の可変表示において、残時短回数だけが表示される。
時短回数非報知モードが選択された場合には、その後の可変表示において、画像905のように残時短回数を伏せて表示しないようにし(「時短残??回」参照)、残確変回数を表示する(「ST残」参照)。なお、時短状態が終了し、確変状態が継続する場合には、その後の可変表示において、画像906のように、残確変回数だけが表示される。なお、図示はしないが、確変状態が終了し、時短状態が継続する場合には、その後の可変表示において、残時短回数を伏せた画像(「時短残??回」参照)が表示される。
このように、この実施の形態では、時短回数報知モードと、時短回数非報知モードとが用意され、遊技者によってそのいずれかが選択されることになる。遊技者は、例えば、時短回数報知モードを選択することで、時短状態において実行される可変表示の回数を確認しながら、大当り遊技状態に制御されるか否かという本来の興味に集中できるなど、遊技者の嗜好に応じて、時短回数報知モードと時短回数非報知モードとを選択できるので、遊技への興趣を向上させることができる。
なお、残時短回数の報知又は非報知及び残確変回数の報知は、次回の可変表示が開始されるまで継続されるようにしてもよい。この場合、ステップS524の処理において実行している残確変回数の報知動作(確変状態のとき)、残時短回数の報知動作(時短状態のとき、かつ、時短回数報知モードのとき)、残時短回数の非報知動作(時短状態のとき、かつ、時短回数非報知モードのとき)などを次回の可変表示の開始まで継続するとよい。
この実施の形態では、変動パターンPA3−4及びPA2−4が選択された場合には、リーチ態様になった後の所定タイミングまでは同じ態様の演出であり、所定タイミングの後に時短状態が終了することを報知するか(PA2−4が選択された場合)、可変表示結果が「大当り」になることを報知する(PA3−4が選択された場合)演出が実行される。このような演出としては、例えば、リーチ成立後に所定のキャラクター912aが敵キャラクター912bと戦い、勝てば可変表示結果が「大当り」となり、負ければ可変表示結果が「ハズレ」になるバトル演出(リーチ演出の一種)がある(図20及び21参照)。
この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる時短終了時の可変表示(実行回数が上限時短回数に達したときの可変表示)にのみPA2−5が選択されるので、バトル演出が行われ、可変表示結果が「ハズレ」となった場合には、時短状態が終了する。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」のときのバトル演出は、前記所定タイミング後に時短状態の終了も報知する。一方で、可変表示結果が「大当り」の場合、時短中では、PA3−5のみが選択される。これらから、時短終了時の可変表示では、必ずバトル演出が行われ、可変表示結果は「大当り」と「ハズレ」(時短終了の報知)との両者になりうる(図21の画像921から924参照)。一方で、時短中かつ時短終了時以外の可変表示でバトル演出が行われると、可変表示結果は「大当り」確定となる(図20の画像911から913参照)。
例えば、図22に示すように、上限時短回数が32回で、時短制御開始から20回目の可変表示(時短回数報知モードでは、残時短回数として10回を報知)でバトル演出が実行された場合には、「大当り」が確定する。一方で、上限時短回数が32回で、時短制御開始から32回目の可変表示(時短回数報知モードでは、残時短回数として0を報知)でバトル演出が実行された場合には、「ハズレ」で時短終了又は「大当り」のいずれにもなりうる。
以上から、時短回数報知モードでは遊技者は現在の可変表示が時短終了時のものか否か分かるので、時短中かつ時短終了時以外の可変表示(残時短回数が1回以上であることが報知されている可変表示)においてバトル演出が実行された場合には、遊技者は、可変表示結果が必ず「大当り」になることを認識できる。このため、遊技者は、時短中かつ時短終了時以外の可変表示でバトル演出が実行されることに注目し、遊技の興趣が向上する。
一方で、時短回数非報知モードでは遊技者は現在の可変表示が時短終了時のものか否か分からないので、バトル演出が実行された場合に、遊技者は、その可変表示が時短終了時のものなのか時短終了時以外のものなのかが分からない。つまり、バトル演出が実行されたとしても、そのバトル演出後に、大当り遊技状態になるのか、時短状態が終了してしまうのかが分からず、ゲーム性が増す。このため、遊技の興趣が向上する。
この実施形態では、上記の構成によって、パチンコ遊技機1は、遊技領域に設けられた始動領域(ここでは、第2始動入賞口)に遊技媒体(ここでは、遊技球)が進入した後に、可変表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(ここでは、第2特別図柄)の可変表示を実行して表示結果を導出表示し、導出表示した表示結果が予め定められた特定表示結果(ここでは、大当り図柄など)であるときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(ここでは、大当り遊技状態など)に制御するものになっている。
そして、この実施形態では、上記の構成によって、パチンコ遊技機1は、遊技媒体が始動領域に進入し易い開放状態に変化可能な可変入賞装置(ここでは、普通可変入賞球装置6B)と、特定遊技状態が終了した後に可変入賞装置が開放状態となる頻度が通常状態よりも高くなる高頻度状態(ここでは、時短状態)に制御する高頻度状態制御手段(ここでは、CPU103)と、高頻度状態制御手段が高頻度状態に制御可能な可変表示の上限回数(ここでは、上限時短回数)を予め定められた複数の上限回数から決定する上限回数決定手段(ここでは、CPU103)と、遊技者が操作可能な操作手段(ここでは、操作部30)と、遊技者による操作手段への操作に基づいて、上限回数決定手段が決定した上限回数を遊技者に報知可能な報知可能状態(ここでは、時短回数報知モード)と上限回数を遊技者に報知しない非報知状態(ここでは、時短回数非報知モード)とのうちの前記操作に応じた状態に制御する回数報知制御手段(ここでは、演出制御用CPU120)と、を備えることなる。
この実施の形態では、このような構成によって、報知可能状態と非報知状態とが、遊技者の操作手段への操作によって選択されることになるので、例えば、遊技者は、高頻度状態が終了するか否かではなく特定遊技状態に制御されるか否かという本来の興味に集中したい場合には報知可能状態を選択し、高頻度状態中に実行される可変表示の回数を確認して遊技を行うことができるなど、遊技者の嗜好に応じて、報知可能状態と非報知状態を選択できるので、高頻度状態に制御可能な可変表示の回数が固定でない場合であっても、遊技への興趣を向上させることができる。
特に、報知可能状態は、高頻度状態に制御されている間に実行される毎回の可変表示において、高頻度状態に制御されることが可能な可変表示の残り回数を報知することによって上限回数を報知することで(このように、上限回数を報知するとは、高頻度状態に制御されることが可能な可変表示の残り回数を報知するなど、高頻度状態に制御される可変表示のうちの最後の可変表示が分かるような報知を行うことを含む概念である。)、遊技者は、高頻度状態中に実行される可変表示の回数を確認して遊技を行うことができる。なお、上限回数は、そのまま上限回数として、例えば、高頻度状態に制御されることが開始されるタイミングなどにおいて報知されてもよい。
報知可能状態は、高頻度状態の上限回数を遊技者が推測し易い報知(上記報知と同様、高頻度状態に制御される可変表示のうちの最後の可変表示を遊技者が推測しやすい報知を含む概念である。)を行う第1の状態であればよい。つまり、報知可能状態は、上記実施形態のように上限回数をそのまま報知する状態の他、上限回数を直接報知しないで示唆する状態(上限回数を示唆するとは、上記報知と同様、高頻度状態に制御されることが可能な可変表示の残り回数を示唆するなど、高頻度状態に制御される可変表示のうちの最後の可変表示を示唆することを含む概念である。示唆するとは、例えば、おおよその上限回数を把握させることをいう。))であってもよい。一方で、非報知状態とは、報知可能状態よりも、高頻度状態の上限回数や残り回数を遊技者が推測しにくい第2の状態であればよい。
例えば、報知可能状態が、上記実施の形態のように、上限回数をそのまま報知する状態である場合、非報知状態は、前記上限回数を示唆する状態であってもよい。例えば、非報知状態は、少なくとも所定回数分の可変表示において高頻度状態が続くことを、高頻度状態に制御されている間の所定の可変表示において報知することによって、前記上限回数を示唆する状態であってもよい。これによって、非報知状態では、上限回数(上記高頻度状態に制御されることが可能な可変表示の残り回数)を推測し難くなっている。
例えば、時短回数非報知モードが選択された場合に、演出制御用CPU120は、このような報知を実行するか否かを、例えば、エンディング演出時などに、乱数値を用いて決定し(実行するか否かの決定割合は、例えば、50%ずつ)、さらに、残時短回数がいくつ(複数回であってもよい。)のときに、このような報知を行うかを決定し、演出制御用CPU120は、決定した残時短回数のときに実行される可変表示において、このような報知を行う。報知される前記の所定回数は、例えば、予め用意されており、そのときの残時短回数よりも少ない所定回数が選択される。
例えば、図23のように、上限時短回数が32回で、時短回数非報知モードが選択された場合、最初の可変表示で、残時短回数が10回以上であること報知することで、これから実行される少なくとも10回分の可変表示において時短状態が続くことを報知する。これによって、時短状態に制御される可変表示の回数が補償されるので、遊技者は大当り遊技状態に制御されるか否かなどに集中でき、遊技の興趣が向上する。
上記報知可能状態は、上限回数を遊技者に報知可能であればよく、上限回数決定手段が決定した上限回数を遊技者に報知する報知状態(上記実施形態の時短回数報知モードのように上限回数をそのまま報知する状態)の他、例えば、上限回数(時短状態に制御されている間に実行される残りの可変表示の回数)を少なめに報知し、その後に正しい残りの可変表示の回数を報知することで、上限回数を報知する状態であってもよい。この場合、例えば、正しい残りの可変表示の回数を報知する前に、特定遊技状態になることなどによって高頻度状態が終了してしまった場合には、正しい残りの可変表示の回数を報知出来ないが、上限回数をそのまま報知可能ではある。
例えば、時短回数報知モードが選択された場合に、演出制御用CPU120は、上限時短回数(特に、残時短回数)を少なめに報知するか否かを、例えば、エンディング演出時などに、乱数値を用いて決定する(実行するか否かの決定割合は、例えば、50%ずつ)。いくつ少なめにするか(例えば、10回分)と、どのタイミングで少なめの報知を行うか(例えば、最初の可変表示)と、どの段階で正しい残時短回数を報知するか(少なめに報知する残時短回数が「0」であるときに実行される可変表示)は、予め設定されているものとする(これらは、乱数値などで決定してもよい)。なお、演出制御用CPU120は、上限時短回数が、少なめに報知する回数以下である場合には、この報知を行わないようにするとよい。例えば、10回少なめに報知する場合、上限時短回数が10回以下である場合には、この報知を行わない。少なめに報知する上限時短回数が負の値又は「0」になってしまうからである。
例えば、図24のように、上限時短回数が32回で、時短回数報知モードが選択された場合、最初の可変表示で、残時短回数が21回(上限時短回数−10回−1回)であると報知することで、上限時短回数を少なめに報知し、22回目の可変表示時(残時短回数は、0回になっている。)に、残時短回数を10回加える演出を行う。これによって、遊技者は、時短状態に制御される可変表示の回数が途中で増えたように感じ、遊技の興趣が向上する。
また、例えば、非報知状態が、上記実施の形態のように上限回数や残り回数を報知しない状態である場合、報知可能状態は、上限回数を示唆する状態であってもよい。例えば、報知可能状態は、前記で説明したように、上限回数(時短状態に制御されている間に実行される残りの可変表示の回数)を少なめに報知することで、上限回数を示唆する状態であってもよい。このような場合であっても、非報知状態では、上限回数を報知可能状態よりも推測し難くなっている。また、報知可能状態は、例えば、上記で説明した非報知状態と同様に、少なくとも所定回数分の可変表示において高頻度状態が続くことを、高頻度状態に制御されている間の所定の可変表示において報知することによって、上限回数を示唆する状態であってもよい。
上記上限回数の報知や示唆などは、回数によるものの他、画像表示装置5の表示領域内の画像(例えば、背景画像の色)などを上限回数に応じて変化させるものや、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(残時短回数又は残確変回数だけ点滅させる点滅動作)などによって、行われてもよい。上記上限回数の報知や示唆などの具体的態様は、どのようなものであってもよい。
そして、この実施形態では、上記の構成によって、パチンコ遊技機1は、前記特定遊技状態に制御するか否かを可変表示の表示結果の導出表示前に決定する事前決定手段(ここでは、CPU103)と、事前決定手段の決定結果に基づいて、可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの可変表示時間(ここでは、変動パターンによって特定される特図変動時間)を決定する可変表示時間決定手段(ここでは、CPU103)と、可変表示時間決定手段が決定した可変表示時間に応じた演出を可変表示中に実行する演出実行手段(ここでは、演出制御用CPU120)と、を備えることなる。
そして、この実施形態では、上記の構成によって、可変表示時間決定手段は、高頻度状態制御手段が高頻度状態に制御している間の、可変表示の実行回数が上限回数決定手段によって決定された上限回数に達したときと、事前決定手段によって特定遊技状態に制御されると決定されたときとで、特定タイミングまでは同じ態様の演出であり、特定タイミングの後に高頻度状態が終了するか前記特定遊技状態に制御するかを示す特殊演出(ここでは、バトル演出)を実行可能な時間を可変表示時間として決定する(ここでは、CPU103は、ステップS242において、時短中の大当り時の可変表示では変動パターンPA3−4を選択し、時短中のハズレ時かつ時短終了時では変動パターンPA2−4を選択し、両パターンの特図変動時間は同じである。)ことになる。
この実施の形態では、このような構成によって、可変表示の実行回数が上限回数決定手段によって決定された上限回数に達したときと、事前決定手段によって特定遊技状態に制御されると決定されたときとにおいて、特殊演出を実行でき、遊技者の注目度を向上させて、遊技への興趣を向上させることができる。
特に、この実施の形態では、高頻度状態に制御されており、かつ、上限回数に達する可変表示以外の可変表示において、特殊演出が実行された場合には、特定遊技状態になることが確定する。報知可能状態に制御されているときには現在の可変表示が上限回数に達する可変表示以外の可変表示であることが遊技者は認識できるので、このようなタイミングで特殊演出が実行された場合に、遊技者は特定遊技状態に制御されることが確定したことを認識できる。このため、遊技者は、このようなタイミングで特殊演出が実行されるか否かを注目するので、遊技への興趣が向上する。
また、特に、この実施の形態では、非報知状態で特殊演出が実行された場合には、遊技者は、その特殊演出が上限回数に達する可変表示以外の可変表示において実行されたものであるか否かを認識できないので、遊技者は、特殊演出の実行が開始されると、特定タイミングの後に高頻度状態が終了するか前記特定遊技状態に制御するかのいずれかが示される(ここでは報知される)かを注目するので、遊技への興趣が向上する。
そして、この実施形態では、上記の構成によって、パチンコ遊技機1は、特定遊技状態に制御するか否かを可変表示の表示結果の導出表示前に決定する事前決定手段(ここでは、CPU103)と、特定遊技状態が終了した後において可変表示の実行回数が所定回数(ここでは、確変状態に制御される期間に実行可能な可変表示の予め設定されている最大回数(例えば、32回)又は次の特定表示結果が導出表示されるまでの可変表示の回数)に達するまで事前決定手段が特定遊技状態に制御すると決定する割合が通常状態よりも高い特別遊技状態(ここでは、確変状態)に制御する特別遊技状態制御手段(ここで、CPU103)と、を備えることになる。
この実施形態では、上記の構成によって、特定遊技状態が終了した後に高頻度状態に加えて特別遊技状態にも制御される期間があり、高頻度状態への遊技者の興味が向上し、遊技への興趣が向上する。
特に、上限回数決定手段が決定した上限回数が所定の回数以下であることによって少ない場合には、早期に高頻度状態が終了してしまい、遊技者は落胆してしまうが、前記の所定回数が、上限回数決定手段が決定可能な上限回数(予め定められた複数の上限回数)の少なくとも一部の上限回数よりも多い回数とすることで、高頻度状態が終了した後であっても、特別遊技状態が継続するので、遊技者は安心感を得られ、遊技の興趣が向上する。さらに、非報知状態に制御されているときには、高頻度状態が続くかをまず遊技者に注目させ、高頻度状態が終了したあとには特別遊技状態のもと、可変表示結果が特定表示結果に再度なるかを注目させられることが出来、段階的に遊技を楽しませることができ、遊技の興趣が向上する。
また、この実施の形態では、報知可能状態、非報知状態のいずれであっても、特別遊技状態に制御されていることは報知される。このような構成によって、この実施の形態では、遊技者は現在特別遊技状態に制御されているかを把握できるとともに、高頻度状態については報知可能状態、非報知状態のいずれかを遊技者の好みに応じて選択できるので、遊技の選択肢が増え、遊技の興趣が向上する。なお、この実施の形態では、前記の報知は、高頻度状態と同様に、特別遊技状態に制御されることが可能な可変表示の残り回数(上記では、残確変回数や上限確変回数)の報知などによって行われている。
そして、この実施形態では、上記の構成によって、上限回数決定手段が決定する上限回数は、所定回数となっている(ここでは、時短回数は最低4回など)。上記構成によれば、上限回数が所定回数となることによって、可変表示の所定回数分は高頻度状態になることが補償されるので、早期に高頻度状態が終了することによる遊技者の興趣の低下を防止又は軽減できる。なお、このような所定回数は、保留記憶数(第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数と合計保留記憶数とのいずれか)の上限値(上記実施形態では、「4」又は「8」)以上としてもよい。これによって、少なくとも保留記憶分の可変表示については、高頻度状態が補償されるので、例えば、特定遊技状態後の遊技の進行がスムーズであったり、保留記憶分については高頻度状態が保たれたりするので、遊技の興趣が向上する。
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、上記実施の形態などについて様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下に上記実施の形態の変形例を例示するが、各変形例は適宜組み合わせることができる。
例えば、エンディング演出時においては、特別演出が実行されるようにしてもよい(図25参照)。この場合、例えば、CPU103は、遊技球の入賞時に保留記憶される保留データが、可変表示結果を「大当り」とする保留データであるかを判定し、判定結果を示すコマンドを、演出制御用CPU120に送信する。演出制御用CPU120は、このコマンドが示す判定結果をRAM122の所定領域に記憶しておき(判定結果は、対応する可変表示の実行とともに消去される。)、大当り遊技状態開始時、エンディング演出開始時、所定のラウンド終了時などの適宜のタイミングで、RAM122の所定領域に記憶した1以上の判定結果が可変表示結果を「大当り」とする保留データである判定結果を含む場合に、特別演出を実行可能とする。そして、演出制御用CPU120は、特定表示結果が導出表示される可変表示が時短状態に制御されている場合、この時短状態についての上限時短回数が何回であるかに応じて、この特定表示結果が導出表示されてその後に実行されるエンディング演出において、異なる特別演出を実行する。特別演出は複数用意され、上限時短回数が何回であるかに応じて、実行される特別演出が選択される。また、例えば、演出制御用CPU120は、特定表示結果が導出表示される可変表示が時短状態に制御されている場合、この時短状態についてのモードは時短回数報知モードであるか時短回数非報知モードであるかに応じて、この特定表示結果が導出表示されてその後に実行されるエンディング演出において、異なる特別演出を実行する。特別演出は複数用意され、時短回数報知モードであるか時短回数非報知モードであるかに応じて、実行される特別演出が選択される。また、例えば、演出制御用CPU120は、エンディング演出の後のモードは時短回数報知モードであるか時短回数非報知モードであるかに応じて、このエンディング演出において、異なる特別演出を実行する。特別演出は複数用意され、時短回数報知モードであるか時短回数非報知モードであるかに応じて、実行される特別演出が選択される。
上記構成のように、パチンコ遊技機1が、遊技領域に設けられた始動領域に遊技媒体が進入したが、開始条件が成立していない可変表示に関するデータ(ここでは、保留データ)を記憶する保留記憶手段(ここでは、RAM102の特図保留記憶部)と、保留記憶手段が記憶するデータに基づいて、特定遊技状態に制御するか否かを可変表示における表示結果の導出表示前に決定する事前決定手段(ここでは、CPU103)と、可変表示で特定表示結果を導出表示してから事前決定手段による次回の決定前の所定タイミングにおいて保留記憶手段が記憶している1以上のデータのうち、事前決定手段が特定遊技状態に制御すると決定する特定保留データがあるか否かを判定する保留記憶判定手段(ここでは、CPU103)と、保留記憶判定手段が特定保留データがあると判定した場合に可変表示で特定表示結果が導出表示され特定遊技状態に制御された後から次回の可変表示開始前までの間の所定期間(ここでは、エンディング演出の期間)において特別演出を実行する特別演出実行手段(ここでは、演出制御用CPU120)と、を備え、特別演出実行手段は、特定表示結果の導出前の遊技状態が高頻度状態である場合に複数の特別演出のうちのいずれか少なくとも1つを所定の条件(ここでは、特定表示結果の導出前の高頻度状態における上限回数や、特定表示結果の導出前又は導出後が報知可能状態であるか非報知状態であるか)に基づいて選択して実行することで、特定表示結果の導出前の遊技状態が高頻度状態である場合に実行可能な特別演出が複数用意されることによって、遊技への興趣が向上する。また、特別演出が実行されることによって、以降の可変表示において可変表示結果が「大当り」となることが期待できるので、遊技への興趣が向上する。
また、図26のように、時短状態に制御されているときに実行される所定の可変表示(例えば、10回目、20回目、30回目、100回目の可変表示)において、特定演出を実行するようにしてもよい。この場合、上限時短回数に応じて、特定演出の実行回数は異なることになる。例えば、CPU103が、時短中に実行される可変表示の実行回数をカウントし、実行回数が予め定められた10回目、20回目、30回目・・・の所定の可変表示において特定演出を実行する変動時間を選択し、演出制御用CPU120に通知し、演出制御用CPU120は、この変動時間が選択された場合には、特定演出を実行する。なお、特定演出は、上記の特殊演出と同じ演出であってもよい。特定演出の実行時が時短回数報知モードに制御されている場合には、演出制御用CPU120は、可変表示結果が「大当り」になるか否かを示唆する演出を特定演出として実行し、特定演出の実行時が時短回数非報知モードに制御されている場合には、演出制御用CPU120は、時短状態が継続されるか否かを示唆する演出を特定演出として実行する。
上記構成のように、パチンコ遊技機1が、特定遊技状態に制御するか否かを可変表示の表示結果の導出表示前に決定する事前決定手段(例えば、ステップS239の処理を実行するCPU103など)と、事前決定手段の決定結果に基づいて、可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの可変表示時間(ここでは、変動パターンによって特定される特図変動時間)を決定する可変表示時間決定手段(ここでは、CPU103)と、可変表示時間決定手段が決定した可変表示時間に応じた演出を可変表示中に実行する演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120)と、を備え、可変表示時間決定手段は、高頻度状態制御手段が高頻度状態に制御する間に実行される可変表示のうちの所定の可変表示について、所定の特定演出用時間を可変表示時間として決定し、演出実行手段は、可変表示時間決定手段が特定演出用時間を可変表示時間として決定したときに、非報知状態に制御されているときには、所定の可変表示の後において高頻度状態に制御されることが継続するか否かを示唆する第1の特定演出を実行し、報知可能状態に制御されているときには、所定の可変表示において特定表示結果が導出表示されるか否かを示唆する第2の特定演出を実行することが可能であり、所定の可変表示を実行することが可能な回数は、上限回数決定手段が決定した上限回数に応じて異なるようにすることで、例えば、上限回数決定手段が決定した上限回数が多ければ、所定の可変表示の実行可能な回数を増やすなどして、上限回数決定手段が決定した上限回数に応じて第1の特定演出や第2の特定演出を適切に実行できる。また、上記のように、特定回ごとに定期的に特定演出を実行することによって、遊技の興趣を持続させることもできる。
また、時短回数報知モードと時短回数非報知モードとのいずれかを選択させるタイミングは、エンディング演出時でもよいし、上限時短回数の最低値(上記では4回)に達するまでに実行される可変表示(例えば、1回から4回)の実行時であってもよいし、デモ画面の表示時であってもよい。時短回数報知モードと時短回数非報知モードとのいずれかを選択させるタイミングが上限時短回数の最低値に達するまでに実行される可変表示の実行時のときは、残時短回数を報知することによって、上限時短回数が報知されることになる。
特殊演出の変動パターンは、特図変動時間が同じである他の変動パターンと共通としてもよい。この場合、例えば、図10(B)の決定例(時短中の大当り時)では、PA3−2が選択されるようにし、演出制御用CPU120は、変動パターンがPA3−2である場合に、時短中である場合には特殊演出を行うようにしてもよい。
可変表示結果が「大当り」になる場合には、時短中であるか否かに関わらず、共通の変動パターンのいずれかから変動パターン(例えば、PA3−1から3−3)が選ばれるようにしてもよい。このような場合であっても、少なくとも時短中にこの変動パターンで実行される演出の冒頭の演出態様を、時短終了時に実行される特殊演出の冒頭の演出態様と同じにすることで、時短中にバトル演出を実行する場合と同様の効果(上記参照)を得ることができる。
残時短回数や残確変回数は、適宜のタイミング(例えば、当り開始指定コマンド送信時や、大当り遊技状態終了コマンド送信時など)で制御コマンドを用いてCPU103から演出制御用CPU120に伝送すればよく、ステップS534やステップS536の処理は、大当り遊技状態の終了時や、エンディング時に実行してもよい。特に、これら処理を複数回行うことによって、電断でRAM122のデータが消えたときの対策が図られる。また、残時短回数や残確変回数を知らせるコマンドをCPU103から演出制御用CPU120に可変表示ごとに送信するようにし、演出制御用CPU120はコマンド送信ごとに残時短回数や残確変回数を設定しなおしてもよい。
また、上記では、最後の長期開放ラウンド遊技の開始を最終長期開放ラウンド通知コマンドの送信によってCPU103から演出制御用CPU120に通知することで、演出制御用CPU120は、最後の長期開放ラウンド遊技の開始を特定していたが、例えば、各ラウンド遊技の実行において、CPU103から演出制御用CPU120に伝送される、大入賞口が開放している旨、及び、現在のラウンド数などを通知する大入賞口開放中通知コマンドを用いて、最後の長期開放ラウンド遊技の開始を特定してもよい。この場合、演出制御用CPU120は、可変表示結果通知コマンドや当り開始指定コマンド(大当り種別が指定されるコマンドが含まれる場合がある。)で指定される大当り種別によって、大当りが16Rであるか、16R(実質4R)であるか、4Rであるかが特定されるので、大入賞口開放中通知コマンドによって通知されるラウンド数から現在が最後の長期開放ラウンド遊技の開始時(又は開始中)であるかを特定できる。演出制御用CPU120は、現在が最後の長期開放ラウンド遊技の開始時(又は開始中)である場合に、モード選択処理を実行するようにすればよい。大入賞口開放中通知コマンドや当り開始指定コマンドは、通常の制御において伝送されることがあり、前記構成によれば、最終長期開放ラウンド通知コマンドといった専用のコマンドを用いずとも、演出制御用CPU120は、モード選択処理を実行出来る。
また、毎回の可変表示において転落抽選を行ってもよい。転落抽選とは、時短状態を終了させるか否かを所定の決定割合で決定し、時短状態を終了させると決定した場合には、時短状態を終了させることをいう。前記の所定の決定割合は、その時短状態に制御される前の大当り遊技状態時、又は、可変表示の表示結果などに応じて決定される。これらは、例えば、CPU103によって行われる。このような場合、報知可能状態や非報知状態における報知対象(又は示唆対象)は、上限時短回数の代わりに前記所定の決定割合としてもよい。つまり、パチンコ遊技機1は、遊技媒体が始動領域に進入し易い開放状態に変化可能な可変入賞装置(ここでは、普通可変入賞球装置6B)と、特定遊技状態が終了した後に可変入賞装置が開放状態となる頻度が通常状態よりも高くなる高頻度状態(ここでは、時短状態)に制御する高頻度状態制御手段(ここでは、CPU103)と、高頻度状態を終了させるか否かの決定割合を複数種の中から決定する決定手段(ここでは、CPU103)と、所定のタイミング(ここでは、各可変表示の実行タイミング)にて、決定手段が決定した決定割合で高頻度状態を終了させるか否かを判定し、終了させると判定した場合に高頻度状態を終了させる高頻度状態終了手段(ここでは、CPU103)と、遊技者が操作可能な操作手段(ここでは、操作部30)と、遊技者による操作手段への操作に基づいて、決定手段が決定した決定割合を遊技者に報知可能な報知可能状態と決定割合を遊技者に報知しない非報知状態とのうちの前記操作に応じた状態に制御する報知制御手段(ここでは、演出制御用CPU120)と、を備えることなる。このような構成によって、報知可能状態と非報知状態とが、遊技者の操作手段への操作によって選択されることになるので、例えば、遊技者は、高頻度状態が終了するか否かではなく特定遊技状態に制御されるか否かという本来の興味に集中したい場合には報知可能状態を選択し、前記所定の決定割合を確認して遊技を行うことができるなど、遊技者の嗜好に応じて、報知可能状態と非報知状態を選択できるので、遊技への興趣を向上させることができる。
さらに、報知可能状態や非報知状態における報知対象(又は示唆対象)を、特別遊技状態としてもよい。この場合には、例えば、特別遊技状態を高頻度状態のように可変としてもよい。高頻度状態制御手段は、特別遊技状態制御手段になり、上限回数決定手段は、特別遊技状態制御手段が特別遊技状態に制御可能な可変表示の上限回数(上記では、上限確変回数)を予め定められた複数の上限回数から決定する手段になる。特別遊技状態は、上記高頻度状態と同様に、転落抽選の対象であってもよい。このような場合であっても、上記同様、遊技者の嗜好に応じて、報知可能状態と非報知状態を選択できるので、遊技への興趣を向上させることができる。
報知可能状態や非報知状態における報知対象(又は示唆対象)は、例えば、遊技機が所定の状態に制御される期間(可変表示の回数によって表されることもある。)であればよい。例えば、所定の状態は、所謂ミッションモードなどのような演出モードであってもよい。ミッションモードとは、予め定められた所定期間をクリア期限とする指令(ミッション)を提示した後(提示される指令は、例えば、予め用意された複数種類の指令の中から、事前決定手段の決定結果などに基づいて選択される。)、前記所定期限内にその指令をクリアした状態になると(例えば、指令が、特定の飾り図柄を導出表示させろというもので、事前決定手段の決定に基づいて、所定期間内に前記特定の飾り図柄が導出表示された場合)、特定遊技状態に制御されることが確定する(又は可能性が向上する)といった演出をいう。例えば、この場合、前記所定期間を高頻度状態のように可変としてもよい。高頻度状態制御手段は、事前決定手段の決定結果に基づいて所定の状態に制御する(ミッションモードの演出を実行する)所定状態制御手段になり、上限回数決定手段は、所定状態制御手段が所定の状態に制御可能な上限期間を予め定められた複数の上限期間から決定する上限期間決定手段になる。このような場合であっても、上記同様、遊技者の嗜好に応じて、報知可能状態と非報知状態を選択できるので、遊技への興趣を向上させることができる。
特殊演出、リーチ演出などは、可動部材60を用いたものであってもよい。
上記の実施の形態では、時短中の可変表示のうち最後の可変表示以外の可変表示のハズレ時には、リーチが成立しないことになるが、このようなハズレ時に、リーチが成立するようにしてもよい。例えば、ステップS267において、ハズレ時であってリーチが成立する変動パターン(例えば、PA2−1からPA2−4のいずれか)が選択されるようにすることで、時短中の可変表示のうち最後の可変表示以外の可変表示のハズレ時には、リーチが成立するようにしてもよい。
報知可能状態と非報知可能状態との選択は、上記操作ボタンの押圧操作の他、他の操作によって選択されるものであってもよい。例えば、操作部30がレバーなどを備える場合には、レバーの傾動によって、指の画像902aの指示先を変更する等して、報知可能状態と非報知可能状態とのいずれかの選択を遊技者に行わせても良い。また、レバーの傾動によって、指の画像902aの指示先を変更させ、その後に、操作ボタンの押圧操作によって、報知可能状態と非報知可能状態とのいずれか選択を確定させるようにしてもよい。報知可能状態と非報知可能状態とのいずれかを選択するための、遊技者による所定の操作を検出する構成は、レバーや操作ボタンに限定されず、例えば回動操作が可能なジョグダイアルであってもよいし、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよい。また、例えば赤外線センサや超音波センサ、CCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の指示入力行為を検出できるセンサを用いてもよい。所定のカメラを用いて遊技者の手などを撮影した結果を解析(ビデオ式モーションキャプチャ)して、遊技者による指示入力を検出できるようにしてもよい。このような指示入力も、操作の一例とする。このように、遊技者による所定の操作を検出する構成は、遊技者による所定の指示入力行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できる任意の構成であればよい。
これらの他にも、パチンコ遊技機1といった遊技機の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、所定の入賞装置に進入した遊技球の個数に対応して異なる遊技価値を付与するための遊技制御または演出制御を含めた各種の制御内容などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
パチンコ遊技機1は、遊技者に賞球となる遊技球が払い出され、払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であってもよいし、遊技に使用するための得点が付与されて、この得点を使用してパチンコ遊技機1の内部に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われる遊技機であってもよい。すなわち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出する可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機において、所定の遊技に用いられる得点が0でないときに、この得点を使用して遊技機内に封入された遊技媒体を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技媒体の打ち込みに応じて得点が減算され、遊技領域に設けられた入賞領域を遊技媒体が通過(進入)することに応じて得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。こうした遊技機は、得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体の記録情報を読み出す遊技用記録媒体処理手段を備えてもよい。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1といった遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。