JP5876156B2 - ビデオコーディングにおけるスライス境界またはタイル境界の周辺のループフィルタ処理 - Google Patents

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Description

本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2011年10月21日に出願された米国仮出願第61/550,211号の利益を主張する。
本開示は、ビデオコーディングに関し、より詳細には、ビデオコーディングプロセスにおけるループフィルタ処理のための技法に関する。
デジタルビデオ機能は、デジタルテレビジョン、デジタルダイレクトブロードキャストシステム、ワイヤレスブロードキャストシステム、携帯情報端末(PDA)、ラップトップまたはデスクトップコンピュータ、デジタルカメラ、デジタル記録デバイス、デジタルメディアプレーヤ、ビデオゲームデバイス、ビデオゲームコンソール、セルラー電話または衛星無線電話、ビデオ遠隔会議デバイスなどを含む、広範囲にわたるデバイスに組み込まれ得る。デジタルビデオデバイスは、デジタルビデオ情報をより効率的に送信、受信および記憶するための、MPEG−2、MPEG−4、ITU−T H.263、ITU−T H.264/MPEG−4,Part10,アドバンストビデオコーディング(AVC:Advanced Video Coding)によって定義された規格、現在開発中の高効率ビデオコーディング(HEVC:High Efficiency Video Coding)規格、およびそのような規格の拡張に記載されているビデオ圧縮技法など、ビデオ圧縮技法を実装する。
ビデオ圧縮技法は、ビデオシーケンスに固有の冗長性を低減または除去するために空間的予測および/または時間的予測を含む。ブロックベースのビデオコーディングの場合、ビデオフレームまたはスライスはブロックに区分され得る。各ブロックはさらに区分され得る。イントラコード化(I)フレームまたはスライス中のブロックは、同じフレームまたはスライス中の隣接ブロック中の参照サンプルに対する空間的予測を使用して符号化される。インターコード化(PまたはB)フレームまたはスライス中のブロックは、同じフレームまたはスライス中の隣接ブロック中の参照サンプルに対する空間的予測、あるいは他の参照フレーム中の参照サンプルに対する時間的予測を使用し得る。空間的予測または時間的予測は、コーディングされるべきブロックの予測ブロックを生じる。残差データは、コーディングされるべき元のブロックと予測ブロックとの間のピクセル差分を表す。
インターコード化ブロックは、予測ブロックを形成する参照サンプルのブロックを指す動きベクトル、およびコード化ブロックと予測ブロックとの間の差分を示す残差データに従って符号化される。イントラコード化ブロックは、イントラコーディングモードと残差データとに従って符号化される。さらなる圧縮のために、残差データは、ピクセル領域から変換領域に変換されて、残差変換係数が得られ得、その残差変換係数は、次いで量子化され得る。最初は2次元アレイに構成される、量子化された変換係数は、特定の順序で走査されて、エントロピーコーディングのための変換係数の1次元ベクトルが生成され得る。
概して、本開示では、ビデオデータをコーディングするための技法について説明する。特に、本開示では、ビデオコーディングのためのループフィルタ処理プロセスのための技法について説明する。本開示の技法は、スライス境界またはタイル境界を越えるループフィルタ処理に適用され得る。ループフィルタ処理は、適応ループフィルタ処理(ALF:adaptive loop filtering)、サンプル適応オフセット(SAO:sample adaptive offset)フィルタ処理、およびデブロッキングフィルタ処理のうちの1つまたは複数を含み得る。
本開示の一例では、ビデオコーディングプロセスにおいてループフィルタ処理を実行するための方法が提案される。本方法は、現在ピクセルについて、ループフィルタのためのフィルタマスクのフィルタ係数に対応する1つまたは複数のピクセルがスライス境界またはタイル境界の一方を越えていると判断することと、部分ループフィルタを使用して現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行することとを含む。
一例では、本方法は、フィルタマスクから、スライス境界またはタイル境界を越える1つまたは複数のピクセルに対応するフィルタ係数を削除することと、フィルタマスク中の残りのフィルタ係数を使用して部分ループフィルタのための部分フィルタマスクを作成することとをさらに含み得る。この例は、部分フィルタマスクを再正規化することであって、ループフィルタ処理を実行することが、再正規化された部分フィルタマスクとともに部分ループフィルタを使用して現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行することを備える、再正規化することをさらに含み得る。
別の例では、本方法は、フィルタマスクから、スライス境界またはタイル境界を越える1つまたは複数のピクセルに対応する第1のフィルタ係数を削除することと、削除された第1のフィルタ係数に対して対称のフィルタマスクを維持するために、スライス境界およびタイル境界の内側のピクセルに対応する第2のフィルタ係数を削除することと、フィルタマスク中の残りのフィルタ係数を使用して部分ループフィルタのための部分フィルタマスクを作成することとをさらに含み得る。
1つまたは複数の例の詳細を添付の図面および以下の説明に記載する。他の特徴、目的、および利点は、その説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになろう。
例示的なビデオ符号化および復号システムを示すブロック図。 適応ループフィルタのための領域ベースの分類を示す概念図。 適応ループフィルタのためのブロックベースの分類を示す概念図。 フレームのタイルを示す概念図。 フレームのスライスを示す概念図。 スライス境界およびタイル境界におけるループフィルタを示す概念図。 水平境界における非対称部分フィルタを示す概念図。 垂直境界における非対称部分フィルタを示す概念図。 水平境界における対称部分フィルタを示す概念図。 垂直境界における対称部分フィルタを示す概念図。 例示的なビデオエンコーダを示すブロック図。 例示的なビデオデコーダを示すブロック図。 本開示によるループフィルタ処理の例示的な方法を示すフローチャート。
概して、本開示では、ビデオデータをコーディングするための技法について説明する。特に、本開示では、ビデオコーディングプロセスにおけるループフィルタ処理のための技法について説明する。
デジタルビデオデバイスは、デジタルビデオ情報をより効率的に符号化および復号するためのビデオ圧縮技法を実装する。ビデオ圧縮は、ビデオシーケンスに固有の冗長性を低減または除去するために空間的(フレーム内)予測および/または時間的(フレーム間)予測技法を適用し得る。
ITU−T Video Coding Experts Group(VCEG)とISO/IEC Motion Picture Experts Group(MPEG)とのJoint Collaboration Team on Video Coding(JCT−VC)によって開発されている新しいビデオコーディング規格、すなわち、高効率ビデオコーディング(HEVC)がある。「HEVC Working Draft 6」または「WD6」と呼ばれる、HEVC規格の最近のドラフトは、2012年6月1日現在、http://phenix.int-evry.fr/jct/doc_end_user/documents/8_San%20Jose/wg11/JCTVC-H1003-v22.zipからダウンロード可能である、ドキュメントJCTVC−H1003、Brossら、「High efficiency video coding (HEVC) text specification draft 6」、Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT−VC) of ITU−T SG16 WP3 and ISO/IEC JTC1/SC29/WG11、8th Meeting: San Jose、California、USA、February、2012に記載されている。
以下でHEVC WD7と呼ぶ、HEVCの最近の最新のWDは、2012年8月2日現在、http://phenix.int-evry.fr/jct/doc_end_user/documents/9_Geneva/wg11/JCTVC-I1003-v6.zipから入手可能である。
一例として、HEVCの現在のワーキングドラフトに従うビデオコーディングでは、ビデオフレームがコーディングユニットに区分され得る。コーディングユニット(CU:coding unit)は、概して、ビデオ圧縮のために様々なコーディングツールが適用される基本ユニットとして働く画像領域を指す。CUは、通常、Yとして示され得るルミナンス成分と、CrおよびCbとして示され得る2つのクロマ成分とを有する。ビデオサンプリングフォーマットに応じて、サンプルの数で表されるCrおよびCb成分のサイズは、Y成分のサイズと同じであるかまたはそれとは異なり得る。CUは、一般に正方形であり、たとえば、ITU−T H.264などの他のビデオコーディング規格の下でのいわゆるマクロブロックと同様であると見なされ得る。
より良好なコーディング効率を達成するために、コーディングユニットは、ビデオコンテンツに応じて可変サイズを有し得る。さらに、コーディングユニットは、予測または変換のためにより小さいブロックに分割され得る。具体的には、各コーディングユニットは、予測ユニット(PU:prediction unit)と変換ユニット(TU:transform unit)とにさらに区分され得る。予測ユニットは、H.264などの他のビデオコーディング規格の下でのいわゆるパーティションと同様であると見なされ得る。変換ユニット(TU)は、変換係数を生成するために変換が適用される残差データのブロックを指す。
本出願では、例示のために、開発中のHEVC規格の現在提案されている態様のいくつかに従うコーディングについて説明する。ただし、本開示で説明する技法は、H.264または他の規格に従って定義されるビデオコーディングプロセスあるいはプロプライエタリビデオコーディングプロセスなど、他のビデオコーディングプロセスのために有用であり得る。
HEVCの規格化の取り組みは、HEVCテストモデル(HM:HEVC Test Model)と呼ばれるビデオコーディングデバイスのモデルに基づく。HMは、たとえば、ITU−T H.264/AVCによるデバイスに勝るビデオコーディングデバイスのいくつかの能力を仮定する。たとえば、H.264は9つのイントラ予測符号化モードを与えるが、HMは35個ものイントラ予測符号化モードを与える。
HMによれば、CUは、1つまたは複数の予測ユニット(PU)および/または1つまたは複数の変換ユニット(TU)を含み得る。ビットストリーム内のシンタックスデータは、ピクセルの数に関して最大CUである最大コーディングユニット(LCU:largest coding unit)を定義し得る。概して、CUは、CUがサイズの差異を有しないことを除いて、H.264のマクロブロックと同様の目的を有する。したがって、CUはサブCUに分割され得る。概して、本開示におけるCUへの言及は、ピクチャの最大コーディングユニットまたはLCUのサブCUを指すことがある。LCUはサブCUに分割され得、各サブCUはさらにサブCUに分割され得る。ビットストリームのシンタックスデータは、CU深度と呼ばれる、LCUが分割され得る最大回数を定義し得る。それに応じて、ビットストリームは最小コーディングユニット(SCU:smallest coding unit)をも定義し得る。本開示ではまた、CU、PU、またはTUのいずれかを指すために「ブロック」、「パーティション」、または「部分」という用語を使用する。概して、「部分」は、ビデオフレームの任意のサブセットを指すことがある。
LCUは4分木データ構造に関連付けられ得る。概して、4分木データ構造はCUごとに1つのノードを含み、ルートノードはLCUに対応する。CUが4つのサブCUに分割された場合、CUに対応するノードは4つのリーフノードを含み、リーフノードの各々はサブCUのうちの1つに対応する。4分木データ構造の各ノードは、対応するCUのシンタックスデータを与え得る。たとえば、4分木のノードは、そのノードに対応するCUがサブCUに分割されるかどうかを示す分割フラグを含み得る。CUのシンタックス要素は、再帰的に定義され得、CUがサブCUに分割されるかどうかに依存し得る。CUがさらに分割されない場合、そのCUはリーフCUと呼ばれる。
その上、リーフCUのTUもそれぞれの4分木データ構造に関連付けられ得る。すなわち、リーフCUは、リーフCUがどのようにTUに区分されるかを示す4分木を含み得る。本開示では、LCUがどのように区分されるかを示す4分木をCU4分木と呼び、リーフCUがどのようにTUに区分されるかを示す4分木をTU4分木と呼ぶ。TU4分木のルートノードは概してリーフCUに対応し、CU4分木のルートノードは概してLCUに対応する。分割されないTU4分木のTUはリーフTUと呼ばれる。
リーフCUは、1つまたは複数の予測ユニット(PU)を含み得る。概して、PUは、対応するCUの全部または一部分を表し、そのPUの参照サンプルを取り出すためのデータを含み得る。たとえば、PUがインターモード符号化されるとき、PUは、PUの動きベクトルを定義するデータを含み得る。動きベクトルを定義するデータは、たとえば、動きベクトルの水平成分、動きベクトルの垂直成分、動きベクトルの解像度(たとえば、1/4ピクセル精度もしくは1/8ピクセル精度)、動きベクトルが指す参照フレーム、および/または動きベクトルの参照リスト(たとえば、リスト0もしくはリスト1)を記述し得る。(1つまたは複数の)PUを定義するリーフCUのデータはまた、たとえば、CUを1つまたは複数のPUに区分することを記述し得る。区分モードは、CUが予測コーディングされないか、イントラ予測モード符号化されるか、またはインター予測モード符号化されるかに応じて異なり得る。イントラコーディングの場合、PUは、以下で説明するリーフ変換ユニットと同じように扱われ得る。
ブロック(たとえば、ビデオデータの予測ユニット(PU))をコーディングするために、ブロックの予測子が最初に導出される。予測子は、イントラ(I)予測(すなわち、空間的予測)またはインター(PまたはB)予測(すなわち、時間的予測)のいずれかを通して導出され得る。したがって、いくつかの予測ユニットは、同じフレーム中の隣接参照ブロックに対する空間的予測を使用してイントラコーディング(I)され得、他の予測ユニットは、他のフレーム中の参照ブロックに対してインターコーディング(PまたはB)され得る。予測のために使用される参照ブロックは、参照サンプルとしていわゆる整数ピクセル位置における実際のピクセル値を含むか、または参照サンプルとして分数ピクセル位置における補間によって生成された合成ピクセル値を含み得る。
予測子が識別されると、元のビデオデータブロックとそれの予測子との間の差分が計算される。この差分は、予測残差とも呼ばれ、コーディングされるべきブロックのピクセルと、参照ブロック、すなわち、予測子の(上述のように、整数精度ピクセルまたは補間された分数精度ピクセルであり得る)対応する参照サンプルとの間のピクセル差分を指す。より良好な圧縮を達成するために、予測残差(すなわち、ピクセル差分値のアレイ)は、概して、たとえば、離散コサイン変換(DCT)、整数変換、カルーネンレーベ(Karhunen-Loeve)(K−L)変換、または他の変換を使用して、ピクセル(すなわち、空間)領域から変換領域に変換される。変換領域は、たとえば、周波数領域であり得る。
インター予測を使用してPUをコーディングすることは、現在ブロックと参照フレーム中のブロックとの間の動きベクトルを計算することを伴う。動きベクトルは、動き推定(または動き探索)と呼ばれるプロセスを通して計算される。動きベクトルは、たとえば、参照フレームの参照サンプルに対する、現在フレーム中の予測ユニットの変位を示し得る。参照サンプルは、絶対値差分和(SAD:sum of absolute difference)、2乗差分和(SSD:sum of squared difference)、または他の差分メトリックによって判断され得るピクセル差分に関して、コーディングされているPUを含むCUの部分にぴったり一致することがわかるブロックであり得る。参照サンプルは、参照フレームまたは参照スライス内のどこにでも発生し得る。いくつかの例では、参照サンプルは、全体的にまたは部分的に補間され、分数ピクセル位置において発生し得る。現在部分に最も良く一致する参照フレームの部分を見つけると、エンコーダは、現在部分のための現在動きベクトルを、現在部分から参照フレーム中の一致する部分までの(たとえば、現在部分の中心から一致する部分の中心までの)ロケーションの差分として判断する。
いくつかの例では、エンコーダは、符号化ビデオビットストリーム中で、各部分について動きベクトルをシグナリングし得る。シグナリングされた動きベクトルは、ビデオデータを復号するために、デコーダによって動き補償を実行するために使用される。しかしながら、元の動きベクトルを直接シグナリングすると、一般に、情報を搬送するために多数のビットが必要なので、コーディングがあまり効率的でなくなることがある。
現在部分について動きベクトルを判断するために動き推定が実行されると、エンコーダは、参照フレーム中の一致する部分を現在部分と比較する。この比較は、一般に、上述のように、現在部分から参照フレーム中の(「参照サンプル」と通常呼ばれる)部分を減算することを伴い、いわゆる残差データを生じる。残差データは、現在部分と参照サンプルとの間のピクセル差分値を示す。エンコーダは、次いで、この残差データを空間領域から、周波数領域などの変換領域に変換する。通常、エンコーダは、この変換を達成するために、残差データに離散コサイン変換(DCT)を適用する。得られた変換係数は異なる周波数を表し、エネルギーの大部分が、通常、数個の低周波係数に集中するので、エンコーダは、残差データの圧縮を可能にするためにこの変換を実行する。
一般に、得られた変換係数は、特に変換係数が最初に量子化される(丸められる)場合、エントロピーコーディングを可能にする方法で一緒にグループ化される。エンコーダは、次いで、ランレングスコーディングされた量子化変換係数をさらに圧縮するために統計的ロスレス(またはいわゆる「エントロピー」)符号化を実行する。ロスレスエントロピーコーディングを実行した後に、エンコーダは、符号化ビデオデータを含むビットストリームを生成する。
ビデオ符号化プロセスは、いわゆる「再構成ループ」をも含み得、それにより、符号化ビデオブロックは、復号され、後でコーディングされるビデオブロックのための参照フレームとして使用するために参照フレームバッファに記憶される。参照フレームバッファは復号ピクチャバッファ(decoded picture buffer)またはDPBとも呼ばれる。再構成されたビデオブロックは、参照フレームバッファに記憶する前にしばしばフィルタ処理される。フィルタ処理は、通常、たとえば、ブロックベースのビデオコーディングに共通のブロッキネスまたは他のアーティファクトを低減するために使用される。ブロッキネスを低減し、および/または他の方法でビデオ品質を改善することができる、望ましいレベルのビデオブロックフィルタ処理を促進するために、(フィルタタップと呼ばれることがある)フィルタ係数が定義または選択され得る。フィルタ係数のセットは、たとえば、ビデオブロックのエッジまたはビデオブロック内の他のロケーションに沿ってフィルタ処理がどのように適用されるかを定義し得る。異なるフィルタ係数は、ビデオブロックの異なるピクセルに対する異なるレベルのフィルタ処理を生じ得る。フィルタ処理は、たとえば、不要なアーティファクトをなくすのを助けるために、隣接ピクセル値の強度の差を平滑化またはシャープ化し得る。
一例として、コード化ビデオデータのブロック間の外観を改善する(たとえば、エッジを平滑化する)ためにデブロッキングフィルタが使用され得る。別の例示的なフィルタは、画質とコーディング効率とを改善するためにピクセルの再構成されたブロックにオフセットを追加するために使用されるサンプル適応オフセット(SAO)フィルタである。HEVCのための1つの提案における再構成ループ中で使用される別のタイプのフィルタは適応ループフィルタ(ALF:adaptive loop filter)である。ALFは一般にデブロッキングフィルタの後に実行される。ALFは、ビデオコーディング圧縮プロセスによって劣化したピクセルの忠実度を回復する。ALFは、ソースフレーム中の元のピクセル値と再構成されたフレームのピクセル値との間の平均2乗誤差を最小限に抑えることを試みる。ALFはまた、符号化プロセス中に適用されたのと同じ様式でビデオデコーダの出力において適用される。総称して、再構成ループ中で使用されるどのフィルタも「ループフィルタ」と呼ばれることがある。ループフィルタは、1つまたは複数のデブロッキングフィルタ、SAOフィルタ、およびALFを含み得る。さらに、再構成ループ中で使用する他のタイプのフィルタも可能である。
本開示では、ループフィルタ処理のための技法を提示する。特に、本開示では、スライス境界およびタイル境界の周辺のループフィルタ処理のための技法を提示する。本開示の技法は、デブロッキング、ALF、およびSAOのフィルタを含む、任意のループフィルタに適用され得る。
図1は、本開示の例による、ビデオコーディングプロセスにおけるループフィルタ処理のための技法を利用するように構成され得る例示的なビデオ符号化および復号システム10を示すブロック図である。図1に示すように、システム10は、通信チャネル16を介して符号化ビデオを宛先デバイス14に送信するソースデバイス12を含む。符号化ビデオデータはまた、記憶媒体34またはファイルサーバ36に記憶され得、必要に応じて宛先デバイス14によってアクセスされ得る。記憶媒体またはファイルサーバに記憶されたとき、ビデオエンコーダ20は、コード化ビデオデータを記憶媒体に記憶するための、ネットワークインターフェース、コンパクトディスク(CD)、Blu−ray(登録商標)またはデジタルビデオディスク(DVD)バーナーまたはスタンピングファシリティデバイス、あるいは他のデバイスなど、別のデバイスにコード化ビデオデータを与え得る。同様に、ネットワークインターフェース、CDまたはDVDリーダーなど、ビデオデコーダ30とは別個のデバイスが、記憶媒体からコード化ビデオデータを取り出し、取り出されたデータをビデオデコーダ30に与え得る。
ソースデバイス12および宛先デバイス14は、デスクトップコンピュータ、ノートブック(すなわち、ラップトップ)コンピュータ、タブレットコンピュータ、セットトップボックス、いわゆるスマートフォンなどの電話ハンドセット、テレビジョン、カメラ、ディスプレイデバイス、デジタルメディアプレーヤ、ビデオゲームコンソールなどを含む、多種多様なデバイスのいずれかを備え得る。多くの場合、そのようなデバイスはワイヤレス通信が可能であり得る。したがって、通信チャネル16は、符号化ビデオデータの送信に好適なワイヤレスチャネル、ワイヤードチャネル、またはワイヤレスチャネルとワイヤードチャネルとの組合せを備え得る。同様に、ファイルサーバ36は、インターネット接続を含む任意の標準データ接続を介して宛先デバイス14によってアクセスされ得る。これは、ファイルサーバに記憶された符号化ビデオデータにアクセスするのに好適である、ワイヤレスチャネル(たとえば、Wi−Fi(登録商標)接続)、ワイヤード接続(たとえば、DSL、ケーブルモデムなど)、または両方の組合せを含み得る。
本開示の例による、ビデオコーディングプロセスにおけるループフィルタ処理のための技法は、オーバージエアテレビジョン放送、ケーブルテレビジョン送信、衛星テレビジョン送信、たとえばインターネットを介したストリーミングビデオ送信、データ記憶媒体に記憶するためのデジタルビデオの符号化、データ記憶媒体に記憶されたデジタルビデオの復号、または他の適用例など、様々なマルチメディア適用例のいずれかをサポートするビデオコーディングに適用され得る。いくつかの例では、システム10は、ビデオストリーミング、ビデオ再生、ビデオブロードキャスト、および/またはビデオテレフォニーなどの適用例をサポートするために、一方向または双方向のビデオ送信をサポートするように構成され得る。
図1の例では、ソースデバイス12は、ビデオソース18と、ビデオエンコーダ20と、変調器/復調器22と、送信機24とを含む。ソースデバイス12において、ビデオソース18は、ビデオカメラなどのビデオキャプチャデバイス、以前にキャプチャされたビデオを含んでいるビデオアーカイブ、ビデオコンテンツプロバイダからビデオを受信するためのビデオフィードインターフェース、および/またはソースビデオとしてコンピュータグラフィックスデータを生成するためのコンピュータグラフィックスシステムなどのソース、あるいはそのようなソースの組合せを含み得る。一例として、ビデオソース18がビデオカメラである場合、ソースデバイス12および宛先デバイス14は、いわゆるカメラフォンまたはビデオフォンを形成し得る。ただし、本開示で説明する技法は、概してビデオコーディングに適用可能であり得、ワイヤレスおよび/またはワイヤード適用例、あるいは符号化ビデオデータがローカルディスクに記憶された適用例に適用され得る。
キャプチャされたビデオ、以前にキャプチャされたビデオ、またはコンピュータ生成されたビデオは、ビデオエンコーダ20によって符号化され得る。符号化されたビデオ情報は、ワイヤレス通信プロトコルなどの通信規格に従ってモデム22によって変調され、送信機24を介して宛先デバイス14に送信され得る。モデム22は、信号変調のために設計された様々なミキサ、フィルタ、増幅器または他の構成要素を含み得る。送信機24は、増幅器、フィルタ、および1つまたは複数のアンテナを含む、データを送信するために設計された回路を含み得る。
ビデオエンコーダ20によって符号化された、キャプチャされたビデオ、以前にキャプチャされたビデオ、またはコンピュータ生成されたビデオはまた、後で消費するために記憶媒体34またはファイルサーバ36に記憶され得る。記憶媒体34は、Blu−rayディスク、DVD、CD−ROM、フラッシュメモリ、または符号化ビデオを記憶するための任意の他の好適なデジタル記憶媒体を含み得る。記憶媒体34に記憶された符号化ビデオは、次いで、復号および再生のために宛先デバイス14によってアクセスされ得る。
ファイルサーバ36は、符号化ビデオを記憶することと、その符号化ビデオを宛先デバイス14に送信することとが可能な任意のタイプのサーバであり得る。例示的なファイルサーバは、(たとえば、ウェブサイトのための)ウェブサーバ、FTPサーバ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)デバイス、ローカルディスクドライブ、または符号化ビデオデータを記憶することと、符号化ビデオデータを宛先デバイスに送信することとが可能な他のタイプのデバイスを含む。ファイルサーバ36からの符号化ビデオデータの送信は、ストリーミング送信、ダウンロード送信、または両方の組合せであり得る。ファイルサーバ36は、インターネット接続を含む任意の標準データ接続を介して宛先デバイス14によってアクセスされ得る。これは、ファイルサーバに記憶された符号化ビデオデータにアクセスするのに好適である、ワイヤレスチャネル(たとえば、Wi−Fi接続)、ワイヤード接続(たとえば、DSL、ケーブルモデム、イーサネット(登録商標)、USBなど)、または両方の組合せを含み得る。
図1の例では、宛先デバイス14は、受信機26と、モデム28と、ビデオデコーダ30と、ディスプレイデバイス32とを含む。宛先デバイス14の受信機26はチャネル16を介して情報を受信し、モデム28はその情報を復調して、ビデオデコーダ30のための復調されたビットストリームを生成する。チャネル16を介して通信される情報は、ビデオデータを復号する際にビデオデコーダ30が使用する、ビデオエンコーダ20によって生成された様々なシンタックス情報を含み得る。そのようなシンタックスはまた、記憶媒体34またはファイルサーバ36に記憶された符号化ビデオデータとともに含まれ得る。ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30の各々は、ビデオデータを符号化または復号することが可能であるそれぞれのエンコーダデコーダ(コーデック)の一部を形成し得る。
ディスプレイデバイス32は、宛先デバイス14と一体化されるかまたはその外部にあり得る。いくつかの例では、宛先デバイス14は、一体型ディスプレイデバイスを含み、また、外部ディスプレイデバイスとインターフェースするように構成され得る。他の例では、宛先デバイス14はディスプレイデバイスであり得る。概して、ディスプレイデバイス32は、復号ビデオデータをユーザに対して表示し、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、または別のタイプのディスプレイデバイスなど、様々なディスプレイデバイスのいずれかを備え得る。
図1の例では、通信チャネル16は、無線周波数(RF)スペクトルあるいは1つまたは複数の物理伝送線路など、任意のワイヤレスまたはワイヤード通信媒体、あるいはワイヤレス媒体とワイヤード媒体との任意の組合せを備え得る。通信チャネル16は、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、またはインターネットなどのグローバルネットワークなど、パケットベースネットワークの一部を形成し得る。通信チャネル16は、概して、ワイヤード媒体またはワイヤレス媒体の任意の好適な組合せを含む、ビデオデータをソースデバイス12から宛先デバイス14に送信するのに好適な任意の通信媒体、または様々な通信媒体の集合体を表す。通信チャネル16は、ソースデバイス12から宛先デバイス14への通信を可能にするのに有用であり得るルータ、スイッチ、基地局、または任意の他の機器を含み得る。
ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、現在開発中の高効率ビデオコーディング(HEVC)規格などのビデオ圧縮規格に従って動作し得、HEVCテストモデル(HM)に準拠し得る。代替的に、ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、代替的にMPEG−4,Part10,アドバンストビデオコーディング(AVC)と呼ばれるITU−T H.264規格など、他のプロプライエタリ規格または業界規格、あるいはそのような規格の拡張に従って動作し得る。ただし、本開示の技法は、いかなる特定のコーディング規格にも限定されない。他の例にはMPEG−2およびITU−T H.263がある。
図1には示されていないが、いくつかの態様では、ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、それぞれオーディオエンコーダおよびオーディオデコーダと統合され得、また、共通のデータストリームまたは別個のデータストリーム中のオーディオとビデオの両方の符号化を処理するための適切なMUX−DEMUXユニット、または他のハードウェアおよびソフトウェアを含み得る。適用可能な場合、いくつかの例では、MUX−DEMUXユニットはITU H.223マルチプレクサプロトコル、またはユーザデータグラムプロトコル(UDP)などの他のプロトコルに準拠し得る。
ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30はそれぞれ、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ディスクリート論理、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアなど、様々な好適なエンコーダ回路のいずれか、またはそれらの任意の組合せとして実装され得る。本技法が部分的にソフトウェアで実装されるとき、デバイスは、好適な非一時的コンピュータ可読媒体にソフトウェアの命令を記憶し、1つまたは複数のプロセッサを使用してその命令をハードウェアで実行して、本開示の技法を実行し得る。ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30の各々は1つまたは複数のエンコーダまたはデコーダ中に含まれ得、そのいずれも、それぞれのデバイスにおいて複合エンコーダ/デコーダ(コーデック)の一部として統合され得る。
ビデオエンコーダ20は、ビデオコーディングプロセスにおけるループフィルタ処理のための本開示の技法のいずれかまたはすべてを実装し得る。同様に、ビデオデコーダ30は、ビデオコーディングプロセスにおけるループフィルタ処理のためのこれらの技法のいずれかまたはすべてを実装し得る。本開示で説明するビデオコーダは、ビデオエンコーダまたはビデオデコーダを指すことがある。同様に、ビデオコーディングユニットは、ビデオエンコーダまたはビデオデコーダを指すことがある。このコンテキストでは、ビデオコーディングユニットは、物理的ハードウェアであり、上記で説明したCUデータ構造とは異なる。同様に、ビデオコーディングはビデオ符号化またはビデオ復号を指すことがある。
HEVCのための1つのALF提案では、2つの適応モード(すなわち、ブロック適応モードおよび領域適応モード)が提案される。領域適応モードでは、フレームが16個の領域に分割され、各領域が線形フィルタ係数の1つのセット(複数のAC係数および1つのDC係数)を有することができ、1つの領域が同じフィルタ係数を他の領域と共有することができる。図2は、適応ループフィルタのための領域ベースの分類を示す概念図である。図2に示すように、フレーム120が16個の領域に分割され、各領域が複数のCUを含み得る。これらの16個の領域の各々は、その領域によって使用される線形フィルタ係数の特定のセットを示す番号(0〜15)によって表される。それらの番号(0〜15)は、ビデオエンコーダとビデオデコーダの両方において記憶されるフィルタ係数の所定のセットに対するインデックス番号であり得る。一例では、ビデオエンコーダが、符号化ビデオビットストリーム中で、特定の領域のためにビデオエンコーダによって使用されるフィルタ係数のセットのインデックス番号をシグナリングし得る。シグナリングされたインデックスに基づいて、ビデオデコーダが、その領域のための復号プロセスにおいて使用するためにフィルタ係数の同じ所定のセットを取り出し得る。他の例では、フィルタ係数は各領域について明示的にシグナリングされる。
ブロックベースの分類モードでは、フレームが4×4ブロックに分割され、各4×4ブロックが、方向およびアクティビティ情報を使用してメトリックを計算することによって、1つのクラスを導出する。各クラスについて、線形フィルタ係数の1つのセット(複数のAC係数および1つのDC係数)が使用され得、1つのクラスが同じフィルタ係数を他のクラスと共有することができる。図3は、適応ループフィルタのためのブロックベースの分類を示す概念図である。
方向とアクティビティとの計算、および方向とアクティビティとに基づいて得られるメトリックを以下に示す。
・方向
Figure 0005876156
・アクティビティ
Figure 0005876156
・メトリック
Figure 0005876156
Hor_act(i,j)は、概して、現在ピクセル(i,j)の水平アクティビティを指し、Vert_act(i,j)は、概して、現在ピクセル(i,j)の垂直アクティビティを指す。X(i,j)は、概してピクセル(i,j)のピクセル値を指し、iおよびjが現在ピクセルの水平座標および垂直座標を示す。このコンテキストでは、アクティビティは、概して、あるロケーションにおけるピクセルの間の勾配または差異である。
Bは、4×4ブロックの水平アクティビティを指し、これは、この例では、ピクセル(0,0)、(0,2)、(2,0)、および(2,2)のための水平アクティビティの和に基づいて判断される。VBは、4×4ブロックの垂直アクティビティを指し、これは、この例では、ピクセル(0,0)、(0,2)、(2,0)、および(2,2)のための垂直アクティビティの和に基づいて判断される。「<<1」は、2での乗算の演算を表す。HBおよびVBの値に基づいて、方向が判断され得る。一例として、HBの値がVBの値の2倍よりも大きい場合、方向は、垂直アクティビティよりも多くの水平アクティビティに対応し得る、方向1(すなわち水平)であると判断され得る。VBの値がHBの値の2倍よりも大きい場合、方向は、水平アクティビティよりも多くの垂直アクティビティに対応し得る、方向2(すなわち垂直)であると判断され得る。他の場合、方向は、水平アクティビティも垂直アクティビティも支配的でないことを意味する、方向0(すなわち方向なし)であると判断され得る。他の標示と比も使用され得るので、様々な方向のための標示と、それらの方向を判断するために使用された比とは、一例を構成するにすぎない。
4×4ブロックのためのアクティビティ(LB)は、水平アクティビティと垂直アクティビティとの和として判断され得る。LBの値は範囲に分類され得る。この特定の例は5つの範囲を示しているが、より多いまたはより少ない範囲が同様に使用され得る。アクティビティと方向との組合せに基づいて、ピクセルの4×4ブロックのためのフィルタが選択され得る。一例として、フィルタは、アクティビティおよび方向とフィルタとの2次元マッピングに基づいて選択され得るか、またはアクティビティと方向とが組み合わされて単一のメトリックになり得、その単一のメトリックが使用されてフィルタが選択され得る(たとえば、メトリック=アクティビティ+5*方向)。
図3に戻ると、ブロック140はピクセルの4×4ブロックを表す。この例では、ブロックベースのALFのためのアクティビティおよび方向のメトリックを計算するために16個のピクセルのうちの4つのみが使用される。4つのピクセルは、ピクセル141と標示されたピクセル(0,0)、ピクセル142と標示されたピクセル(2,0)、ピクセル143と標示されたピクセル(0,2)、およびピクセル144と標示されたピクセル(2,2)である。ピクセル141の水平アクティビティ(すなわち、hor_act(0,0))は、たとえば、左の隣接ピクセルと右の隣接ピクセルとに基づいて判断される。右の隣接ピクセルは、ピクセル145と標示されている。左の隣接ピクセルは、4×4ブロックとは異なるブロック中にあり、図3には示されていない。ピクセル142の垂直アクティビティ(すなわちver_act(2,0))は、たとえば、上の隣接ピクセルと下の隣接ピクセルとに基づいて判断される。下の隣接ピクセルは、ピクセル146と標示されており、上の隣接ピクセルは、4×4ブロックとは異なるブロック中にあり、図3には示されていない。ピクセル143および144について水平アクティビティおよび垂直アクティビティが同様にして計算され得る。
HEVC規格のための1つの提案では、ALFは他のループフィルタ(たとえば、デブロッキング(DB)およびSAO)とともに実行される。フィルタは、表示のためにビデオデータをピクセルデータとして出力する前にフィルタがビデオコーディングデバイスによってビデオデータに適用されるとき、「ループ内」で実行されると言われることがある。このようにして、ループ内フィルタ処理されたビデオデータは、後でコーディングされるビデオデータによって参照のために使用され得る。その上、ビデオエンコーダとビデオデコーダの両方が、実質的に同じフィルタ処理プロセスを実行するように構成され得る。ループフィルタは、DB、SAO、ALFの順序で処理される。HEVCの1つのWDでは、ループフィルタの各々がフレームベースである。しかしながら、ループフィルタのいずれかが(エントロピースライスを含む)スライスレベルにおいてまたはタイルレベルにおいて適用される場合、特殊なループフィルタハンドリングがスライス境界およびタイル境界において有益であり得る。エントロピースライスは、独立してエントロピーコーディングされるが、異なるスライス間で依存的ピクセル処理(たとえば、イントラ予測)を使用する。
図4は、フレームの例示的なタイルを示す概念図である。フレーム160が複数の最大コーディングユニット(LCU)161に分割され得る。2つ以上のLCUが矩形形状タイルにグループ化され得る。タイルベースのコーディングが有効化されたとき、各タイル内のコーディングユニットは、後続のタイルをコーディングする前に一緒にコーディングされる(すなわち、符号化または復号される)。フレーム160について示すように、タイル162および163が、水平に配向され、水平境界と垂直境界の両方を有する。フレーム170について示すように、タイル171および173が、垂直に配向され、水平境界と垂直境界の両方を有する。
図5は、フレームの例示的なスライスを示す概念図である。フレーム180が、そのフレームを越えるラスタ走査順序における複数の連続するLCU(182)からなるスライスに分割され得る。いくつかの例では、スライスは、均一な形状(たとえば、スライス181)を有し、フレーム中のLCUの1つまたは複数の完全な行を包含し得る。他の例では、スライスは、ラスタ走査順序における特定の数の連続するLCUとして定義され、不均一な形状を呈し得る。たとえば、フレーム190が、ラスタ走査順序における10個の連続するLCU(182)からなるスライス191に分割される。フレーム190は幅が8LCUしかなく、次の行における追加の2つのLCUがスライス191中に含まれる。
いくつかの事例では、スライス境界とタイル境界が一致し得る(すなわち、それらが直接重複する)ことに留意されたい。本開示の技法は、スライス境界とタイル境界が一致する状況において、ならびにスライス境界とタイル境界が一致しない状況において適用される。
図6は、スライス境界およびタイル境界におけるループフィルタを示す概念図である。水平スライス境界および/またはタイル境界201が水平線として示されており、垂直タイル境界202が垂直線として示されている。図中のフィルタマスク200の黒丸(すなわち、ドット)は、スライスおよび/またはタイルにおいて再構成されたビデオブロックのピクセルに適用される、フィルタの係数(すなわち、重み)を表す。すなわち、フィルタの係数の値は対応するピクセルの値に適用され得、その結果、対応するピクセルの値に係数値を乗算して、重み付けされたピクセル値が生成される。ピクセル値は、ルミナンス値および1つまたは複数のクロミナンス値を含み得る。フィルタの中心が、フィルタ処理されるべきピクセルの位置に(またはそのピクセルに極めて接近して)配置されると仮定すると、フィルタ係数は、その係数の位置とコロケートされるピクセルに対応すると言われることがある。フィルタの係数に対応するピクセルは、「サポートピクセル(supporting pixel)」と呼ばれることもあり、または総称して、フィルタのための「サポートのセット」と呼ばれることもある。フィルタマスク200中の各係数にそれの対応するピクセルの値を乗算することと、各得られた値を合計することとによって、(中心ピクセルマスク係数C0に対応する)現在ピクセル203のフィルタ処理された値が計算される。
本開示では、「フィルタ」という用語は、概してフィルタ係数のセットを指す。たとえば、3×3フィルタは9つのフィルタ係数のセットによって定義され得、5×5フィルタは25個のフィルタ係数のセットによって定義され得、9×5フィルタは45個のフィルタ係数のセットによって定義され得るなどである。図6に示すフィルタマスク200は、水平方向における7つのフィルタ係数と垂直方向における5つのフィルタ係数とを有する7×5フィルタであるが(各方向について中心フィルタ係数をカウント)、任意の数のフィルタ係数が本開示の技法に適用可能であり得る。「フィルタのセット」という用語は、概して、2つ以上のフィルタのグループを指す。たとえば、2つの3×3フィルタのセットは、9つのフィルタ係数の第1のセットと9つのフィルタ係数の第2のセットとを含むことができる。「フィルタサポート」と呼ばれることがある、「形状」という用語は、概して、特定のフィルタのためのフィルタ係数の行の数とフィルタ係数の列の数とを指す。たとえば、9×9は第1の形状の一例であり、7×5は第2の形状の一例であり、5×9は第3の形状の一例である。いくつかの事例では、フィルタは、ダイヤモンド形状、ダイヤモンド様形状、円形形状、円形様形状、六角形形状、八角形形状、十字形状、X字形状、T字形状、他の幾何学的形状を含む、非矩形形状、あるいは多数の他の形状または構成をとり得る。図6中の例は十字形状であるが、他の形状が使用され得る。最も一般的なケースでは、フィルタの形状にかかわらず、フィルタマスク中の中心ピクセルにおける中心ピクセルが、フィルタ処理されているピクセルである。他の例では、フィルタピクセルはフィルタマスクの中心からオフセットされる。
いくつかのビデオコーディング技法では、ループフィルタ処理(たとえば、デブロッキング、ALF、およびSAO)がスライス境界および/またはタイル境界を越えて無効化される。これは、隣接スライスおよび/またはタイル中のピクセルが、まだコーディングされていないことがあり、したがって、いくつかのフィルタマスクとともに使用するために利用不可能になるからである。これらの場合、利用不可能なピクセル(すなわち、現在スライスまたはタイルからスライス境界またはタイル境界の反対側にあるピクセル)のためにパディングされたデータが使用され、フィルタ処理は実行されない。そのようなパディングされたデータの使用は、スライス境界および/またはタイル境界の周辺の画像の視覚的品質を減少させ得る。
その欠点に鑑みて、本開示では、スライス境界およびタイル境界に沿ってループフィルタ処理を実行するための技法を提案する。本開示の技法は、ALF、デブロッキング、およびSAOのフィルタなど、ビデオコーディングにおいて使用される任意のタイプのループフィルタとともに使用され得る。概して、本開示では、スライス境界およびタイル境界の周辺の部分フィルタを使用することを提案する。部分フィルタは、フィルタ処理プロセスのために一般に使用される1つまたは複数のフィルタ係数を使用しないフィルタである。一例では、本開示では、少なくとも、スライス境界および/またはタイル境界の反対側のピクセルに対応するフィルタ係数が、使用されない場合、部分フィルタを使用することを提案する。したがって、いくつかの例では、スライス境界および/またはタイル境界の反対側のピクセルのためのパディングされたデータを与える必要がない。むしろ、部分フィルタは、スライス境界および/またはタイル境界の反対側のピクセルを省略するように構成され得る。
一例では、非対称部分フィルタがスライス境界およびタイル境界の近くで使用される。図7は、水平境界における非対称部分フィルタを示す概念図である。図8は、垂直境界における非対称部分フィルタを示す概念図である。この手法では、図7および図8に示すように、利用可能なピクセル(すなわち、現在スライスおよび/またはタイル内のピクセル)のみがフィルタ処理のために使用される。タイル境界またはスライス境界外のフィルタタップはスキップされる。したがって、パディングされたピクセルデータは使用されない。図7および図8中のフィルタは、フィルタマスクの中心の一方の側(水平側または垂直側のいずれか)で使用されるフィルタタップが他方の側よりも多いので、非対称と呼ばれる。フィルタマスク全体は使用されないので、フィルタ係数は、所望の結果を生成するために再正規化され得る。再正規化のための技法について以下でより詳細に説明する。
図7のケース1では、フィルタマスク220の中心221が、水平スライス境界またはタイル境界からピクセルの1つの行離れている。フィルタマスク220は7×5フィルタであるので、垂直方向における1つのフィルタ係数が、水平境界を越えているピクセルに対応する。このフィルタ係数は白で、すなわち、白丸として示されている。白いフィルタ係数に対応するピクセルは、まだコーディングされて(たとえば、符号化または復号されて)いないので、フィルタ処理において使用するために利用不可能である。したがって、そのピクセルに対応するフィルタ係数は使用されない。同様に、ケース2では、フィルタマスク225の中心222が、水平スライス境界および/またはタイル境界に隣接するピクセルの行上にある。この場合、2つのフィルタ係数が、水平境界を越えているピクセルに対応する。したがって、フィルタマスク225中の2つの白いフィルタ係数のいずれもループフィルタ処理のために使用されない。ケース1とケース2の両方において、すべての黒い(すなわち、黒丸の)フィルタ係数が使用される。本開示によるフィルタピクセル値が、ピクセル値のルミナンス成分をフィルタ処理すること、ピクセル値のクロミナンス成分をフィルタ処理すること、またはピクセル値のルミナンス成分とクロミナンス成分の両方をフィルタ処理することを含み得ることに留意されたい。
図8のケース3では、フィルタマスク234の中心235が、垂直タイル境界からピクセルの2つの列離れている。フィルタマスク234は7×5フィルタであるので、水平方向における1つのフィルタ係数が、垂直境界を越えているピクセルに対応する。ここでも、このフィルタ係数は白で示されている。白いフィルタ係数に対応するピクセルは、まだコーディングされて(たとえば、符号化または復号されて)いないので、フィルタ処理において使用するために利用不可能である。したがって、そのピクセルに対応するフィルタ係数は使用されない。同様に、ケース4では、フィルタマスク232の中心233が、垂直タイル境界からピクセルの1つの列離れている。この場合、2つのフィルタ係数が、垂直境界を越えているピクセルに対応する。したがって、フィルタマスク232中の2つの白いフィルタ係数のいずれもループフィルタ処理のために使用されない。ケース5では、フィルタマスク230の中心231が、垂直タイル境界に隣接するピクセルの列上にある。この場合、3つのフィルタ係数が、垂直境界を越えているピクセルに対応する。したがって、フィルタマスク230中の3つの白いフィルタ係数のいずれもループフィルタ処理のために使用されない。ケース1、2または3のすべてにおいて、すべての黒いフィルタ係数が使用される。
別の例では、対称部分フィルタがスライス境界およびタイル境界の近くで使用される。図9は、水平境界における対称部分フィルタを示す概念図である。図10は、垂直境界における対称部分フィルタを示す概念図である。非対称部分フィルタの場合と同様に、この手法では、利用可能なピクセルのみがフィルタ処理のために使用される。すなわち、タイル境界またはスライス境界外のフィルタタップはスキップされる。したがって、パディングされたピクセルデータは使用されない。また、対称フィルタマスクを保持するために、現在スライスまたはタイル内にあるフィルタマスクのいくつかの係数も使用されない。
たとえば、図9のケース6では、フィルタマスク240中の1つのフィルタ係数が水平スライス境界またはタイル境界外にある。フィルタマスクの反対側の、水平境界内の対応するフィルタ係数も使用されない。このようにして、中心係数241の周りの垂直方向における係数の対称構成が保持される。図9のケース7では、フィルタマスク242中の2つのフィルタ係数が水平境界を越えている。水平境界内の中心フィルタ係数243の反対側の対応する2つのフィルタ係数も使用されない。垂直タイル境界について同様の例が図10に示されている。ケース8では、1つのフィルタ係数が、垂直タイル境界を越えるピクセルに対応する。この係数は、中心係数251の周りの対称性を維持するために、フィルタマスク250の水平部分の左側における別のピクセルと同様に、使用されない。2つの(ケース9)および4つの(ケース10)フィルタ係数が、垂直境界を越えるピクセルに対応するケースにおいて、フィルタマスク252および254のために同様のフィルタマスク調整が行われる。ケース9および10に示す、対称性は、それぞれ中心係数253および255の周りで維持される。
図7および図8に示す非対称部分フィルタと同様に、対称部分フィルタのためにフィルタマスク全体は使用されない。したがって、フィルタ係数は再正規化され得る。再正規化のための技法について以下でより詳細に説明する。
繰り返すが、図6〜図10に示すフィルタマスクの各々について、フィルタマスクの中心に対応するピクセルのためのフィルタ処理された値が、(マスク中の暗い丸によって表される)フィルタ係数を関連ピクセル値に乗算することと、次いで乗算された値を合計することとによって計算される。
部分フィルタ(たとえば、非対称部分フィルタまたは対称部分フィルタ)を適用すべきか否かは適応決定であり得る。図7および図9に示す例では、部分フィルタが、ケース2およびケース7のためにではなく、ケース1およびケース6のために使用され得る。未使用フィルタ係数の数がより大きいので、ケース2およびケース7のために部分フィルタを使用することは好ましくないことがある。代わりに、以下で説明する他の技法(たとえば、ミラーパディング、フィルタ処理のスキップなど)がケース2およびケース7のために使用され得る。同様に、図8および図10に示す例では、部分フィルタ処理の使用は、ケース5および10のためにではなく、ケース3、4、8、および9のために適用可能であり得る。
部分フィルタを使用するという、コーダ、すなわち、エンコーダまたはデコーダによって行われる決定は、他の基準にも基づき得る。たとえば、対応するピクセルが利用可能でない係数の数が何らかのしきい値よりも大きいとき、部分フィルタは使用されないことがある。対応するピクセルが利用可能でない係数値の和が何らかのしきい値よりも大きいとき、部分フィルタは使用されないことがある。別の例として、対応するピクセルが利用可能でない係数値の絶対値の和が何らかのしきい値よりも大きいとき、部分フィルタは使用されないことがある。
Figure 0005876156
タイル境界の特定のスライスのための部分フィルタを適用すべきかどうかを決定するために、上記の条件のサブセットが選択され得る。上記の条件では、対応するピクセルは、たとえば、現在ピクセルのフィルタ処理されたピクセル値を生成するためのピクセル値の重み付け和の一部として、ピクセル値を重み付けするために特定の係数がそれに適用されるべきであるピクセル値をもつピクセルである。
本開示の別の例では、部分フィルタ処理は、水平スライス境界およびタイル境界のために有効化されるにすぎないことがある。しかしながら、垂直境界において、ループフィルタ処理は完全にスキップされ得る。より詳細には、一例では、ビデオコーダが、ループフィルタマスクが垂直タイル境界の反対側のピクセルを使用することになると判断した場合、ループフィルタ処理はそのピクセルについてスキップされることになる。他の例では、ビデオコーダが、ループフィルタマスクがコーディングユニット中の1つまたは複数のピクセルのために垂直タイル境界の反対側のピクセルを使用することになると判断した場合、ループフィルタ処理はコーディングユニット全体についてスキップされることになる。
本開示の他の例では、部分フィルタ処理が使用されないとき、追加の技法がスライス境界およびタイル境界において適用され得る。一例では、ループフィルタ処理技法は、繰り返してパディングされたピクセルを使用するのではなく、スライス境界またはタイル境界の反対側のミラーリングされたパディングされたピクセルを使用し得る。ミラーリングされたピクセルは、スライス境界またはタイル境界の内側のピクセル値を反映する。たとえば、利用不可能なピクセルが、タイル境界またはスライス境界に隣接し、すなわち、タイル境界またはスライス境界の外側にある場合、それは、同じくその境界に隣接する、タイル境界またはスライス境界の内側のピクセルの値(すなわち、ミラー)をとることになる。同様に、利用不可能なピクセルが、タイル境界またはスライス境界から1行または1列離れている場合、それは、同じくその境界から1行または1列離れている、タイル境界またはスライス境界の内側のピクセルの値(すなわち、ミラー)をとることになり、以下同様である。
別の例では、タイル境界またはスライス境界の反対側のピクセルのためのフィルタ処理された値は、a*パディングされたデータを使用するループフィルタa+b*事前フィルタ処理された出力、という式に従って計算され得、上式でa+b=1である。すなわち、パディングされたピクセル(すなわち、スライス境界またはタイル境界の反対側に追加されたピクセル)に、パディングされたピクセルに対応するループフィルタ係数を乗算し、定数「a」を乗算する。この値は、次いで、事前フィルタ処理されたパディングされたピクセル値と定数「b」との乗算に追加され、上式でa+b=1である。値aおよびbは、トレーニングに基づいて事前定義された値であり、一般に0.5および0.5である。
対称および非対称部分フィルタのためのフィルタ係数の再正規化は、異なる方法で達成され得る。概して、再正規化プロセスは、部分フィルタマスク中の残りのフィルタ係数の合計値が元のフィルタ係数の合計値に等しくなるように、残りのフィルタ係数の値を再計算する。しばしば、この合計値は1である。元のフィルタ係数がC_1,...,C_Nと標示され、Cが特定の係数の値である例について考えられたい。次に、C_1,...,C_M係数が、利用可能な対応するピクセルを有しない(すなわち、対応するピクセルがスライス境界またはタイル境界を越えている)と仮定されたい。再正規化されたフィルタ係数は以下のように定義され得る。
例1
Figure 0005876156
例1では、Coeff_allは、互いに合計されたフィルタマスク中のすべての係数の値を表す。Coeff_partは、部分フィルタマスク中のすべての係数の値を表す。すなわち、利用不可能なピクセルに対応する係数の合計された値(C_1+...+C_M)がフィルタマスク中のすべての考えられる係数の和(Coeff_all)から減算される。New_coeffs_Ci’は、再正規化プロセスの後の部分係数におけるフィルタ係数の値を表す。上記の例1では、部分フィルタ中に残っている係数の値にフィルタマスク中のすべての考えられる係数の合計値(Coeff_all)を乗算し、それを部分フィルタマスク中のすべての係数の合計値(Coeff_part)で除算する。
以下の例2に、部分フィルタ中のフィルタ係数を再正規化するための別の技法を示す。
例2
C_i、i=M+1,...,Nのサブセットについて、C_k、k=1,...,Mを加算する
たとえば、
Figure 0005876156
この例では、フィルタ係数は、スキップされていないフィルタタップの係数(C_i)にスキップされたフィルタタップの係数(C_k)を加算することによって再正規化される。
図11は、本開示で説明するビデオコーディングプロセスにおけるループフィルタ処理のための技法を使用し得るビデオエンコーダ20の一例を示すブロック図である。ビデオエンコーダ20について、例示のためにHEVCコーディングのコンテキストにおいて説明するが、ループフィルタ処理を必要とし得る他のコーディング規格または方法に関して本開示を限定するものではない。ビデオエンコーダ20は、ビデオフレーム内のCUのイントラコーディングおよびインターコーディングを実行し得る。イントラコーディングは、所与のビデオフレーム内のビデオデータの空間的冗長性を低減または除去するために空間的予測に依拠する。インターコーディングは、ビデオシーケンスの現在フレームと前にコーディングされたフレームとの間の時間的冗長性を低減または除去するために時間的予測に依拠する。イントラモード(Iモード(登録商標))は、いくつかの空間ベースのビデオ圧縮モードのいずれかを指すことがある。単方向予測(Pモード)または双方向予測(Bモード)などのインターモードは、いくつかの時間ベースのビデオ圧縮モードのいずれかを指すことがある。
図11に示すように、ビデオエンコーダ20は、符号化されるべきビデオフレーム内の現在ビデオブロックを受信する。図11の例では、ビデオエンコーダ20は、動き補償ユニット44と、動き推定ユニット42と、イントラ予測モジュール46と、参照フレームバッファ64と、加算器50と、変換モジュール52と、量子化ユニット54と、エントロピー符号化ユニット56とを含む。図11に示す変換モジュール52は、残差データのブロックに実際の変換または変換の組合せを適用するユニットであり、CUの変換ユニット(TU)と呼ばれることもある変換係数のブロックと混同されるべきでない。ビデオブロック再構成のために、ビデオエンコーダ20はまた、逆量子化ユニット58と、逆変換モジュール60と、加算器62と、ループフィルタユニット43とを含む。ループフィルタユニット43は、デブロッキングフィルタユニット、SAOフィルタユニット、およびALFフィルタユニットのうちの1つまたは複数を備え得る。
符号化プロセス中に、ビデオエンコーダ20は、コーディングされるべきビデオフレームまたはスライスを受信する。フレームまたはスライスは、複数のビデオブロック、たとえば、最大コーディングユニット(LCU)に分割され得る。動き推定ユニット42および動き補償ユニット44は、時間圧縮を行うために、1つまたは複数の参照フレーム中の1つまたは複数のブロックに対して受信されたビデオブロックのインター予測コーディングを実行する。イントラ予測モジュール46は、空間圧縮を行うために、コーディングされるべきブロックと同じフレームまたはスライス中の1つまたは複数の隣接ブロックに対して受信されたビデオブロックのイントラ予測コーディングを実行し得る。
モード選択ユニット40は、たとえば、各モードについてのレートひずみ結果に基づいて、コーディングモードのうちの1つ、すなわち、イントラまたはインターを選択し得、得られたイントラまたはインター予測ブロック(たとえば、予測ユニット(PU))を、残差ブロックデータを生成するために加算器50に与え、参照フレーム中で使用する符号化ブロックを再構成するために加算器62に与える。加算器62は、以下でより詳細に説明するように、予測ブロックを、そのブロックについての、逆変換モジュール60からの逆量子化され逆変換されたデータと合成して、符号化ブロックを再構成する。いくつかのビデオフレームはIフレームに指定され得、Iフレーム中のすべてのブロックはイントラ予測モードで符号化される。場合によっては、たとえば、動き推定ユニット42によって実行された動き探索によって得られたブロックの予測が不十分であったとき、イントラ予測モジュール46は、PフレームまたはBフレーム中のブロックのイントラ予測符号化を実行し得る。
動き推定ユニット42と動き補償ユニット44とは、高度に統合され得るが、概念的な目的のために別々に示してある。動き推定(または動き探索)は、ビデオブロックの動きを推定する動きベクトルを生成するプロセスである。動きベクトルは、たとえば、参照フレームの参照サンプルに対する、現在フレーム中の予測ユニットの変位を示し得る。動き推定ユニット42は、予測ユニットを参照フレームバッファ64に記憶された参照フレームの参照サンプルと比較することによってインターコード化フレームの予測ユニットの動きベクトルを計算する。参照サンプルは、絶対値差分和(SAD)、2乗差分和(SSD)、または他の差分メトリックによって判断され得るピクセル差分に関して、コーディングされているPUを含むCUの部分にぴったり一致することがわかるブロックであり得る。参照サンプルは、参照フレームまたは参照スライス内のどこにでも発生し得、必ずしも、参照フレームまたはスライスのブロック(たとえば、コーディングユニット)境界において発生するとは限らない。いくつかの例では、参照サンプルは分数ピクセル位置において発生し得る。
動き推定ユニット42は、計算された動きベクトルをエントロピー符号化ユニット56と動き補償ユニット44とに送る。動きベクトルによって識別される参照フレームの部分は参照サンプルと呼ばれることがある。動き補償ユニット44は、たとえば、PUの動きベクトルによって識別される参照サンプルを取り出すことによって、現在CUの予測ユニットについての予測値を計算し得る。
イントラ予測モジュール46は、動き推定ユニット42と動き補償ユニット44とによって実行されるインター予測の代替として、受信ブロックをイントラ予測し得る。イントラ予測モジュール46は、隣接する、前にコーディングされたブロック、たとえば、ブロックについての左から右へ、上から下への符号化順序を仮定すると、現在ブロックの上、右上、左上、または左のブロックに対して受信ブロックを予測し得る。イントラ予測モジュール46は多種多様なイントラ予測モードで構成され得る。たとえば、イントラ予測モジュール46は、符号化されているCUのサイズに基づいて、一定数の方向性予測モード、たとえば、35個の方向性予測モードで構成され得る。
イントラ予測モジュール46は、たとえば、様々なイントラ予測モードの誤差値を計算し、最も低い誤差値を生じるモードを選択することによって、イントラ予測モードを選択し得る。方向性予測モードは、空間的に隣接するピクセルの値を合成し、その合成された値をPU中の1つまたは複数のピクセル位置に適用するための機能を含み得る。PU中のすべてのピクセル位置の値が計算されると、イントラ予測モジュール46は、PUと符号化されるべき受信ブロックとの間のピクセル差分に基づいて予測モードの誤差値を計算し得る。イントラ予測モジュール46は、許容できる誤差値を生じるイントラ予測モードが発見されるまでイントラ予測モードをテストし続け得る。イントラ予測モジュール46は、次いで、PUを加算器50に送り得る。
ビデオエンコーダ20は、コーディングされている元のビデオブロックから、動き補償ユニット44またはイントラ予測モジュール46によって計算された予測データを減算することによって残差ブロックを形成する。加算器50は、この減算演算を実行する1つまたは複数の構成要素を表す。残差ブロックはピクセル差分値の2次元行列に対応し得、残差ブロック中の値の数は、残差ブロックに対応するPU中のピクセルの数と同じである。残差ブロック中の値は、PU中のコロケートピクセルの値と、コーディングされるべき元のブロック中のコロケートピクセルの値との間の差分、すなわち、誤差に対応し得る。差分は、コーディングされるブロックのタイプに応じてクロマ差分またはルーマ差分であり得る。
変換モジュール52は、残差ブロックから1つまたは複数の変換ユニット(TU)を形成し得る。変換モジュール52は、複数の変換の中から変換を選択する。変換は、ブロックサイズ、コーディングモードなど、1つまたは複数のコーディング特性に基づいて選択され得る。変換モジュール52は、次いで、選択された変換をTUに適用して、変換係数の2次元アレイを備えるビデオブロックを生成する。変換モジュール52は、選択された変換パーティションを符号化ビデオビットストリーム中でシグナリングし得る。
変換モジュール52は、得られた変換係数を量子化ユニット54に送り得る。量子化ユニット54は、次いで、その変換係数を量子化し得る。エントロピー符号化ユニット56が、次いで、走査モードに従って、行列中の量子化された変換係数の走査を実行し得る。本開示では、エントロピー符号化ユニット56が走査を実行するものとして説明する。ただし、他の例では、量子化ユニット54などの他の処理ユニットが走査を実行し得ることを理解されたい。
変換係数が1次元アレイに走査されると、エントロピー符号化ユニット56は、CAVLC、CABAC、シンタックスベースコンテキスト適応型バイナリ算術コーディング(SBAC:syntax-based context-adaptive binary arithmetic coding)、または別のエントロピーコーディング方法などのエントロピーコーディングを係数に適用し得る。
CAVLCを実行するために、エントロピー符号化ユニット56は、送信されるべきシンボルの可変長コードを選択し得る。VLCのコードワードは、相対的により短いコードがより可能性が高いシンボルに対応し、より長いコードがより可能性が低いシンボルに対応するように構築され得る。このようにして、VLCの使用は、たとえば、送信されるべき各シンボルのために等長コードワードを使用するよりも、ビット節約を達成し得る。
CABACを実行するために、エントロピー符号化ユニット56は、送信されるべきシンボルを符号化するために、あるコンテキストに適用すべきコンテキストモデルを選択し得る。コンテキストは、たとえば、隣接値が非0であるか否かに関係し得る。エントロピー符号化ユニット56はまた、選択された変換を表す信号など、シンタックス要素をエントロピー符号化し得る。本開示の技法によれば、エントロピー符号化ユニット56は、コンテキストモデル選択のために使用されるファクタの中でも、たとえば、イントラ予測モードのためのイントラ予測方向、シンタックス要素に対応する係数の走査位置、ブロックタイプ、および/または変換タイプに基づいて、これらのシンタックス要素を符号化するために使用されるコンテキストモデルを選択し得る。
エントロピー符号化ユニット56によるエントロピーコーディングの後に、得られた符号化ビデオは、ビデオデコーダ30などの別のデバイスに送信されるか、あるいは後で送信するかまたは取り出すためにアーカイブされ得る。
場合によっては、エントロピー符号化ユニット56またはビデオエンコーダ20の別のユニットは、エントロピーコーディングに加えて、他のコーディング機能を実行するように構成され得る。たとえば、エントロピー符号化ユニット56は、CUおよびPUのコード化ブロックパターン(CBP:coded block pattern)値を判断するように構成され得る。また、場合によっては、エントロピー符号化ユニット56は係数のランレングスコーディングを実行し得る。
逆量子化ユニット58および逆変換モジュール60は、それぞれ逆量子化および逆変換を適用して、たとえば参照ブロックとして後で使用するために、ピクセル領域において残差ブロックを再構成する。動き補償ユニット44は、残差ブロックを参照フレームバッファ64のフレームのうちの1つの予測ブロックに加算することによって参照ブロックを計算し得る。動き補償ユニット44はまた、再構成された残差ブロックに1つまたは複数の補間フィルタを適用して、動き推定において使用するサブ整数ピクセル値を計算し得る。加算器62は、再構成された残差ブロックを、動き補償ユニット44によって生成された動き補償予測ブロックに加算して、再構成されたビデオブロックを生成する。
ループフィルタユニット43は、次いで、上記で説明した技法による、再構成されたブロックに対するループフィルタ処理を実行し得る。本開示の例では、ループフィルタユニット43は、単独でまたはビデオエンコーダ20の他の構成要素とともに、ビデオコーディングプロセスにおいてループフィルタ処理を実行するように構成され得る。たとえば、ループフィルタユニット43は、再構成されたブロックの現在ピクセルについて、ループフィルタのためのフィルタマスクのフィルタ係数に対応する1つまたは複数のピクセルがスライス境界またはタイル境界の一方を越えていると判断することと、部分ループフィルタ(たとえば、本開示の例による対称または非対称部分ループフィルタ)を使用して現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行することとを行うように構成され得る。
一例では、ループフィルタユニット43は、フィルタマスクから、スライス境界またはタイル境界を越える1つまたは複数のピクセルに対応するフィルタ係数を削除することと、フィルタマスク中の残りのフィルタ係数を使用して部分ループフィルタのための部分フィルタマスクを作成することとを行うようにさらに構成され得る。ループフィルタユニット43はまた、部分フィルタマスクを再正規化し得、ループフィルタ処理を実行することが、再正規化された部分フィルタマスクとともに部分ループフィルタを使用して現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行することを備える。
別の例では、ループフィルタユニット43は、フィルタマスクから、スライス境界またはタイル境界を越える1つまたは複数のピクセルに対応する第1のフィルタ係数を削除することと、削除された第1のフィルタ係数に対して対称のフィルタマスクを維持するために、スライス境界およびタイル境界の内側のピクセルに対応する第2のフィルタ係数を削除することと、フィルタマスク中の残りのフィルタ係数を使用して部分ループフィルタのための部分フィルタマスクを作成することとを行うようにさらに構成され得る。
本開示で説明するループフィルタ処理技法を使用して、ピクセルをフィルタ処理した後に、フィルタ処理された再構成されたビデオブロックは、次いで参照フレームバッファ64に記憶される。再構成されたビデオブロックは、後続のビデオフレーム中のブロックをインターコーディングするために動き推定ユニット42および動き補償ユニット44によって参照ブロックとして使用され得る。このようにして、ループフィルタユニット43は、たとえば、図6〜図10に関して説明したように、本開示の技法によるビデオデータのループ内フィルタ処理を実行するフィルタ処理ユニットの一例を表す。
図12は、符号化ビデオシーケンスを復号するビデオデコーダ30の一例を示すブロック図である。図12の例では、ビデオデコーダ30は、エントロピー復号ユニット70と、動き補償ユニット72と、イントラ予測モジュール74と、逆量子化ユニット76と、逆変換ユニット78と、参照フレームバッファ82と、ループフィルタユニット79と、加算器80とを含む。ビデオデコーダ30は、いくつかの例では、ビデオエンコーダ20(図11参照)に関して説明した符号化パスとは概して逆の復号パスを実行し得る。
エントロピー復号ユニット70は、変換係数の1次元アレイを取り出すために、符号化ビットストリームに対してエントロピー復号プロセスを実行する。使用されるエントロピー復号プロセスは、ビデオエンコーダ20によって使用されたエントロピーコーディング(たとえば、CABAC、CAVLCなど)に依存する。エンコーダによって使用されたエントロピーコーディングプロセスは、符号化ビットストリーム中でシグナリングされるか、または所定のプロセスであり得る。
いくつかの例では、エントロピー復号ユニット70(または逆量子化ユニット76)は、ビデオエンコーダ20のエントロピー符号化ユニット56(または量子化ユニット54)によって使用された走査モードをミラーリングする走査を使用して受信値を走査し得る。係数の走査は逆量子化ユニット76において実行され得るが、走査については、例示のために、エントロピー復号ユニット70によって実行されるものとして説明する。さらに、説明しやすいように別個の機能ユニットとして示されているが、ビデオデコーダ30のエントロピー復号ユニット70、逆量子化ユニット76、および他のユニットの構造および機能は互いに高度に統合され得る。
逆量子化ユニット76は、ビットストリーム中で与えられ、エントロピー復号ユニット70によって復号された、量子化変換係数を逆量子化(inverse quantize)、すなわち、逆量子化(de-quantize)する。逆量子化プロセスは、たとえば、HEVCのために提案されたプロセスまたはH.264復号規格によって定義されたプロセスと同様の、従来のプロセスを含み得る。逆量子化プロセスは、量子化の程度を判断し、同様に、適用されるべき逆量子化の程度を判断するための、CUについてビデオエンコーダ20によって計算される量子化パラメータQPの使用を含み得る。逆量子化ユニット76は、係数が1次元アレイから2次元アレイに変換される前または変換された後に変換係数を逆量子化し得る。
逆変換モジュール78は、逆量子化された変換係数に逆変換を適用する。いくつかの例では、逆変換モジュール78は、ビデオエンコーダ20からのシグナリングに基づいて、あるいはブロックサイズ、コーディングモードなどの1つまたは複数のコーディング特性から変換を推論することによって、逆変換を判断し得る。いくつかの例では、逆変換モジュール78は、現在ブロックを含むLCUのための4分木のルートノードにおけるシグナリングされた変換に基づいて、現在ブロックに適用すべき変換を判断し得る。代替的に、変換は、LCU4分木中のリーフノードCUのためのTU4分木のルートにおいてシグナリングされ得る。いくつかの例では、逆変換モジュール78は、逆変換モジュール78が、復号されている現在ブロックの変換係数に2つ以上の逆変換を適用する、カスケード逆変換を適用し得る。
イントラ予測モジュール74は、シグナリングされたイントラ予測モードと、現在フレームの前に復号されたブロックからのデータとに基づいて、現在フレームの現在ブロックについての予測データを生成し得る。
取り出された動き予測方向、参照フレームインデックス、および計算された現在動きベクトルに基づいて、動き補償ユニットは現在部分の動き補償ブロックを生成する。これらの動き補償ブロックは、本質的に、残差データを生成するために使用される予測ブロックを再現する。
動き補償ユニット72は、動き補償ブロックを生成し、場合によっては、補間フィルタに基づいて補間を実行し得る。サブピクセル精度をもつ動き推定に使用されるべき補間フィルタの識別子は、シンタックス要素中に含まれ得る。動き補償ユニット72は、ビデオブロックの符号化中にビデオエンコーダ20によって使用された補間フィルタを使用して、参照ブロックのサブ整数ピクセルの補間値を計算し得る。動き補償ユニット72は、受信されたシンタックス情報に従って、ビデオエンコーダ20によって使用された補間フィルタを判断し、その補間フィルタを使用して予測ブロックを生成し得る。
さらに、動き補償ユニット72およびイントラ予測モジュール74は、HEVCの例では、(たとえば、4分木によって与えられる)シンタックス情報の一部を使用して、符号化ビデオシーケンスの(1つまたは複数の)フレームを符号化するために使用されたLCUのサイズを判断し得る。動き補償ユニット72およびイントラ予測モジュール74はまた、シンタックス情報を使用して、符号化ビデオシーケンスのフレームの各CUがどのように分割されるか(および、同様に、サブCUがどのように分割されるか)を記述する分割情報を判断し得る。シンタックス情報はまた、各分割がどのように符号化されるかを示すモード(たとえば、イントラまたはインター予測、およびイントラ予測の場合はイントラ予測符号化モード)と、各インター符号化PUについての1つまたは複数の参照フレーム(および/またはそれらの参照フレームの識別子を含んでいる参照リスト)と、符号化ビデオシーケンスを復号するための他の情報とを含み得る。
加算器80は、残差ブロックを、動き補償ユニット72またはイントラ予測モジュール74によって生成される対応する予測ブロックと合成して、復号ブロックを形成する。ループフィルタユニット79は、次いで、上記で説明した技法によるループフィルタ処理を実行する。
本開示の例では、ループフィルタユニット79は、単独でまたはビデオデコーダ30の他の構成要素とともに、ビデオコーディングプロセスにおいてループフィルタ処理を実行するように構成され得る。ループフィルタ処理は、デブロッキング、ALF、およびSAOのフィルタ処理のうちの1つまたは複数を含み得る。たとえば、ループフィルタユニット79は、現在ピクセルについて、ループフィルタのためのフィルタマスクのフィルタ係数に対応する1つまたは複数のピクセルがスライス境界またはタイル境界の一方を越えていると判断することと、部分ループフィルタを使用して現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行することとを行うように構成され得る。
一例では、ループフィルタユニット79は、フィルタマスクから、スライス境界またはタイル境界を越える1つまたは複数のピクセルに対応するフィルタ係数を削除することと、フィルタマスク中の残りのフィルタ係数を使用して部分ループフィルタのための部分フィルタマスクを作成することとを行うようにさらに構成され得る。ループフィルタユニット79はまた、部分フィルタマスクを再正規化し得、ループフィルタ処理を実行することが、再正規化された部分フィルタマスクとともに部分ループフィルタを使用して現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行することを備える。
別の例では、ループフィルタユニット79は、フィルタマスクから、スライス境界またはタイル境界を越える1つまたは複数のピクセルに対応する第1のフィルタ係数を削除することと、削除された第1のフィルタ係数に対して対称のフィルタマスクを維持するために、スライス境界およびタイル境界の内側のピクセルに対応する第2のフィルタ係数を削除することと、フィルタマスク中の残りのフィルタ係数を使用して部分ループフィルタのための部分フィルタマスクを作成することとを行うようにさらに構成され得る。
復号ビデオブロックは、次いで、参照フレームバッファ82に記憶され、参照フレームバッファ82は、インター予測コーディングのためのその後の動き補償のための参照ブロックを与え、また、(図1のディスプレイデバイス32などの)ディスプレイデバイス上での提示のために復号ビデオを生成する。このようにして、ループフィルタユニット79は、たとえば、図6〜図10に関して説明したように、本開示の技法によるビデオデータのループ内フィルタ処理を実行するフィルタ処理ユニットの一例を表す。
図13は、本開示によるループフィルタ処理の例示的な方法を示すフローチャートである。図13に示す技法は、ビデオエンコーダ20またはビデオデコーダ30のいずれかによって(概してビデオコーダによって)実装され得る。ビデオコーダが、現在ピクセルについて、ループフィルタのためのフィルタマスクのフィルタ係数に対応する1つまたは複数のピクセルがスライス境界またはタイル境界の一方を越えていると判断する(820)ように構成され得る。ビデオコーダは、フィルタマスクから、スライス境界またはタイル境界を越える1つまたは複数のピクセルに対応する第1のフィルタ係数を削除する(822)ようにさらに構成され得る。この場合、非対称部分フィルタが形成される。場合によっては、ビデオコーダは、削除された第1のフィルタ係数に対して対称のフィルタマスクを維持するために、スライス境界およびタイル境界の内側のピクセルに対応する第2のフィルタ係数を削除する(824)ようにさらに構成され得る。
ビデオコーダは、フィルタマスク中の残りのフィルタ係数を使用して部分ループフィルタのための部分フィルタマスクを作成する(826)ことと、部分フィルタマスクを再正規化する(828)こととを行うようにさらに構成され得る。フィルタ係数を再正規化することは、部分フィルタマスク中の残りのフィルタ係数の合計値が全フィルタマスク中のフィルタ係数の合計値に等しくなるように、残りのフィルタ係数の値を再計算することを含み得る。しばしば、この合計値は1である。ビデオコーダは、次いで、再正規化された部分フィルタマスクとともに部分ループフィルタを使用して現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行する(830)。
いくつかの例では、ビデオコーダは、現在ピクセルについて、ループフィルタのためのフィルタマスクのフィルタ係数に対応する1つまたは複数のピクセルが垂直タイル境界を越えていると判断することと、現在ピクセルのためのループフィルタ処理を実行することをスキップすることとを行うようにさらに構成され得る。
1つまたは複数の例では、説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいはコンピュータ可読媒体を介して送信され、ハードウェアベースの処理ユニットによって実行され得る。コンピュータ可読媒体は、データ記憶媒体などの有形媒体に対応するコンピュータ可読記憶媒体を含み得、または、たとえば、通信プロトコルに従って、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む通信媒体を含み得る。このようにして、コンピュータ可読媒体は、概して、(1)非一時的である有形コンピュータ可読記憶媒体、あるいは(2)信号または搬送波などの通信媒体に対応し得る。データ記憶媒体は、本開示で説明した技法の実装のための命令、コードおよび/またはデータ構造を取り出すために1つまたは複数のコンピュータあるいは1つまたは複数のプロセッサによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。コンピュータプログラム製品はコンピュータ可読媒体を含み得る。
限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、CD−ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、または他の磁気ストレージデバイス、フラッシュメモリ、あるいは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を備えることができる。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、命令が、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。ただし、コンピュータ可読記憶媒体およびデータ記憶媒体は、接続、搬送波、信号、または他の一時媒体を含まないが、代わりに非一時的有形記憶媒体を対象とすることを理解されたい。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびBlu−rayディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
命令は、1つまたは複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)などの1つまたは複数のプロセッサ、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブル論理アレイ(FPGA)、あるいは他の等価な集積回路またはディスクリート論理回路によって実行され得る。したがって、本明細書で使用する「プロセッサ」という用語は、前述の構造、または本明細書で説明した技法の実装に好適な他の構造のいずれかを指すことがある。さらに、いくつかの態様では、本明細書で説明した機能は、符号化および復号のために構成された専用のハードウェアおよび/またはソフトウェアモジュール内に与えられ得、あるいは複合コーデックに組み込まれ得る。また、本技法は、1つまたは複数の回路または論理要素中に十分に実装され得る。
本開示の技法は、ワイヤレスハンドセット、集積回路(IC)またはICのセット(たとえば、チップセット)を含む、多種多様なデバイスまたは装置において実装され得る。本開示では、開示する技法を実行するように構成されたデバイスの機能的態様を強調するために様々な構成要素、モジュール、またはユニットについて説明したが、それらの構成要素、モジュール、またはユニットを、必ずしも異なるハードウェアユニットによって実現する必要があるとは限らない。むしろ、上記で説明したように、様々なユニットが、好適なソフトウェアおよび/またはファームウェアとともに、上記で説明した1つまたは複数のプロセッサを含めて、コーデックハードウェアユニットにおいて組み合わせられるか、または相互動作ハードウェアユニットの集合によって与えられ得る。
様々な例について説明した。これらおよび他の例は以下の特許請求の範囲内に入る。
以下に本願発明の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] ビデオコーディングプロセスにおいてループフィルタ処理を実行するための方法であって、前記方法は、現在ピクセルについて、ループフィルタのためのフィルタマスクのフィルタ係数に対応する1つまたは複数のピクセルがスライス境界またはタイル境界の一方を越えていると判断することと、部分ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行することとを備える、方法。
[2] 前記部分ループフィルタを定義することをさらに備え、前記部分ループフィルタを定義することは、前記フィルタマスクから、前記スライス境界または前記タイル境界を越える前記1つまたは複数のピクセルに対応する前記フィルタ係数を削除することと、前記フィルタマスク中の残りのフィルタ係数を使用して前記部分ループフィルタのための部分フィルタマスクを作成することであって、前記部分フィルタマスクが前記部分ループフィルタを定義する、作成することとを備える、[1]に記載の方法。
[3] 前記部分ループフィルタを定義することは、前記部分フィルタマスクを再正規化することであって、ループフィルタ処理を実行することが、前記再正規化された部分フィルタマスクとともに前記部分ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行することを備える、再正規化することを備える、[2]に記載の方法。
[4] 前記部分ループフィルタを定義することをさらに備え、前記部分ループフィルタを定義することは、前記フィルタマスクから、前記スライス境界または前記タイル境界を越える前記1つまたは複数のピクセルに対応する第1のフィルタ係数を削除することと、前記削除された第1のフィルタ係数に対して対称のフィルタマスクを維持するために、前記スライス境界および前記タイル境界の内側のピクセルに対応する第2のフィルタ係数を削除することと、前記フィルタマスク中の前記残りのフィルタ係数を使用して前記部分ループフィルタのための部分フィルタマスクを作成することであって、前記部分フィルタマスクが前記部分ループフィルタを定義する、作成することとを備える、[1]に記載の方法。
[5] 前記部分ループフィルタを定義することは、前記部分フィルタマスクを再正規化することであって、ループフィルタ処理を実行することが、前記再正規化された部分フィルタマスクとともに前記部分ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行することを備える、再正規化することを備える、[4]に記載の方法。
[6] 前記部分ループフィルタを定義することは、前記フィルタマスクを再正規化することであって、ループフィルタ処理を実行することが、前記再正規化されたフィルタマスクとともに前記部分ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行することを備える、再正規化することを備える、[1]に記載の方法。
[7] 前記現在ピクセルについて、前記ループフィルタのための前記フィルタマスクのフィルタ係数に対応する1つまたは複数のピクセルが垂直タイル境界を越えていると判断することと、前記現在ピクセルのためのループフィルタ処理を実行することをスキップすることとをさらに備える、[1]に記載の方法。
[8] 前記ビデオコーディングプロセスがビデオ符号化プロセスであり、前記方法は、ビデオデータの符号化ブロックを形成するためにビデオデータのブロックを符号化することと、ビデオデータの再構成されたブロックを形成するためにビデオデータの前記符号化ブロックを再構成することであって、前記現在ピクセルがビデオデータの前記再構成されたブロック内にある、再構成することとをさらに備える、[1]に記載の方法。
[9] 前記ビデオコーディングプロセスがビデオ復号プロセスであり、前記方法は、ビデオデータの符号化ブロックを受信することと、ビデオデータの再構成されたブロックを形成するために予測プロセスを実行することであって、前記現在ピクセルがビデオデータの前記再構成されたブロック内にある、実行することとをさらに備える、[1]に記載の方法。
[10] ループフィルタ処理を実行することが、サンプル適応オフセットフィルタ処理、適応ループフィルタ処理、およびデブロッキングフィルタ処理のうちの1つまたは複数を実行することを備える、[1]に記載の方法。
[11] ビデオコーディングプロセスにおいてループフィルタ処理を実行するように構成された装置であって、前記装置は、現在ピクセルについて、ループフィルタのためのフィルタマスクのフィルタ係数に対応する1つまたは複数のピクセルがスライス境界またはタイル境界の一方を越えていると判断することと、部分ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行することとを行うように構成されたビデオコーダを備える、装置。
[12] 前記ビデオコーダが、前記部分ループフィルタを定義するようにさらに構成され、前記部分ループフィルタを定義することは、前記フィルタマスクから、前記スライス境界または前記タイル境界を越える前記1つまたは複数のピクセルに対応する前記フィルタ係数を削除することと、前記フィルタマスク中の残りのフィルタ係数を使用して前記部分ループフィルタのための部分フィルタマスクを作成することであって、前記部分フィルタマスクが前記部分ループフィルタを定義する、作成することとを備える、[11]に記載の装置。
[13] 前記ビデオコーダは、前記部分フィルタマスクを再正規化することであって、ループフィルタ処理を実行することが、前記再正規化された部分フィルタマスクとともに前記部分ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行することを備える、再正規化することを行うようにさらに構成された、[12]に記載の装置。
[14] 前記ビデオコーダが、前記部分ループフィルタを定義するようにさらに構成され、前記部分ループフィルタを定義することは、前記フィルタマスクから、前記スライス境界または前記タイル境界を越える前記1つまたは複数のピクセルに対応する第1のフィルタ係数を削除することと、前記削除された第1のフィルタ係数に対して対称のフィルタマスクを維持するために、前記スライス境界および前記タイル境界の内側のピクセルに対応する第2のフィルタ係数を削除することと、前記フィルタマスク中の前記残りのフィルタ係数を使用して前記部分ループフィルタのための部分フィルタマスクを作成することであって、前記部分フィルタマスクが前記部分ループフィルタを定義する、作成することと
を備える、[11]に記載の装置。
[15] 前記ビデオコーダは、前記部分フィルタマスクを再正規化することであって、ループフィルタ処理を実行することが、前記再正規化された部分フィルタマスクとともに前記部分ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行することを備える、再正規化することを行うようにさらに構成された、[14]に記載の装置。
[16] 前記ビデオコーダは、前記フィルタマスクを再正規化することであって、ループフィルタ処理を実行することが、前記再正規化されたフィルタマスクとともに前記部分ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行することを備える、再正規化することを行うようにさらに構成された、[11]に記載の装置。
[17] 前記ビデオコーダは、前記現在ピクセルについて、前記ループフィルタのための前記フィルタマスクのフィルタ係数に対応する1つまたは複数のピクセルが垂直タイル境界を越えていると判断することと、前記現在ピクセルのためのループフィルタ処理を実行することをスキップすることとを行うようにさらに構成された、[11]に記載の装置。
[18] 前記ビデオコーダがビデオエンコーダであり、前記ビデオエンコーダは、ビデオデータの符号化ブロックを形成するためにビデオデータのブロックを符号化することと、ビデオデータの再構成されたブロックを形成するためにビデオデータの前記符号化ブロックを再構成することであって、前記現在ピクセルがビデオデータの前記再構成されたブロック内にある、再構成することとを行うようにさらに構成された、[11]に記載の装置。
[19] 前記ビデオコーダがビデオデコーダであり、前記ビデオデコーダは、ビデオデータの符号化ブロックを受信することと、ビデオデータの再構成されたブロックを形成するために予測プロセスを実行することであって、前記現在ピクセルがビデオデータの前記再構成されたブロック内にある、実行することとを行うようにさらに構成された、[11]に記載の装置。
[20] ループフィルタ処理を実行することが、サンプル適応オフセットフィルタ処理、適応ループフィルタ処理、およびデブロッキングフィルタ処理のうちの1つまたは複数を実行することを備える、[11]に記載の装置。
[21] ビデオコーディングプロセスにおいてループフィルタ処理を実行するように構成された装置であって、前記装置は、現在ピクセルについて、ループフィルタのためのフィルタマスクのフィルタ係数に対応する1つまたは複数のピクセルがスライス境界またはタイル境界の一方を越えていると判断するための手段と、部分ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行するための手段とを備える、装置。
[22] 前記部分ループフィルタを定義するための手段をさらに備え、前記部分ループフィルタを定義するための前記手段は、前記フィルタマスクから、前記スライス境界または前記タイル境界を越える前記1つまたは複数のピクセルに対応する前記フィルタ係数を削除するための手段と、前記フィルタマスク中の残りのフィルタ係数を使用して前記部分ループフィルタのための部分フィルタマスクを作成するための手段であって、前記部分フィルタマスクが前記部分ループフィルタを定義する、作成するための手段とを備える、[21]に記載の装置。
[23] 前記部分ループフィルタを定義するための前記手段は、前記部分フィルタマスクを再正規化するための手段であって、ループフィルタ処理を実行することが、前記再正規化された部分フィルタマスクとともに前記部分ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行することを備える、再正規化するための手段を備える、[22]に記載の装置。
[24] 前記部分ループフィルタを定義するための手段をさらに備え、前記部分ループフィルタを定義するための前記手段は、前記フィルタマスクから、前記スライス境界または前記タイル境界を越える前記1つまたは複数のピクセルに対応する第1のフィルタ係数を削除するための手段と、前記削除された第1のフィルタ係数に対して対称のフィルタマスクを維持するために、前記スライス境界および前記タイル境界の内側のピクセルに対応する第2のフィルタ係数を削除するための手段と、前記フィルタマスク中の前記残りのフィルタ係数を使用して前記部分ループフィルタのための部分フィルタマスクを作成するための手段であって、前記部分フィルタマスクが前記部分ループフィルタを定義する、作成するための手段とを備える、[21]に記載の装置。
[25] 前記部分ループフィルタを定義するための前記手段は、前記部分フィルタマスクを再正規化するための手段であって、ループフィルタ処理を実行するための前記手段が、前記再正規化された部分フィルタマスクとともに前記部分ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行するための手段を備える、再正規化するための手段を備える、[24]に記載の装置。
[26] 前記部分ループフィルタを定義するための前記手段は、前記フィルタマスクを再正規化するための手段であって、ループフィルタ処理を実行するための前記手段が、前記再正規化されたフィルタマスクとともに前記部分ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行するための手段を備える、再正規化するための手段を備える、[21]に記載の装置。
[27] 前記現在ピクセルについて、前記ループフィルタのための前記フィルタマスクのフィルタ係数に対応する1つまたは複数のピクセルが垂直タイル境界を越えていると判断するための手段と、前記現在ピクセルのためのループフィルタ処理を実行することをスキップするための手段とをさらに備える、[21]に記載の装置。
[28] 前記ビデオコーディングプロセスがビデオ符号化プロセスであり、前記装置は、ビデオデータの符号化ブロックを形成するためにビデオデータのブロックを符号化するための手段と、ビデオデータの再構成されたブロックを形成するためにビデオデータの前記符号化ブロックを再構成するための手段であって、前記現在ピクセルがビデオデータの前記再構成されたブロック内にある、再構成するための手段とをさらに備える、[21]に記載の装置。
[29] 前記ビデオコーディングプロセスがビデオ復号プロセスであり、前記装置は、ビデオデータの符号化ブロックを受信するための手段と、ビデオデータの再構成されたブロックを形成するために予測プロセスを実行するための手段であって、前記現在ピクセルがビデオデータの前記再構成されたブロック内にある、実行するための手段とをさらに備える、[21]に記載の装置。
[30] ループフィルタ処理を実行するための前記手段が、サンプル適応オフセットフィルタ処理、適応ループフィルタ処理、およびデブロッキングフィルタ処理のうちの1つまたは複数を実行するための手段を備える、[21]に記載の装置。
[31] 実行されたとき、ビデオコーディングプロセスを実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサに、現在ピクセルについて、ループフィルタのためのフィルタマスクのフィルタ係数に対応する1つまたは複数のピクセルがスライス境界またはタイル境界の一方を越えていると判断することと、部分ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行することとを行わせる、命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体。
[32] 前記1つまたは複数のプロセッサが、前記部分ループフィルタを定義するようにさらに構成され、前記部分ループフィルタを定義することは、前記フィルタマスクから、前記スライス境界または前記タイル境界を越える前記1つまたは複数のピクセルに対応する前記フィルタ係数を削除することと、前記フィルタマスク中の残りのフィルタ係数を使用して前記部分ループフィルタのための部分フィルタマスクを作成することであって、前記部分フィルタマスクが前記部分ループフィルタを定義する、作成することとを備える、[31]に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
[33] 前記部分ループフィルタを定義することは、前記部分フィルタマスクを再正規化することであって、ループフィルタ処理を実行することが、前記再正規化された部分フィルタマスクとともに前記部分ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行することを備える、再正規化することを備える、[32]に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
[34] 前記1つまたは複数のプロセッサが、前記部分ループフィルタを定義するようにさらに構成され、前記部分ループフィルタを定義することは、前記フィルタマスクから、前記スライス境界または前記タイル境界を越える前記1つまたは複数のピクセルに対応する第1のフィルタ係数を削除することと、前記削除された第1のフィルタ係数に対して対称のフィルタマスクを維持するために、前記スライス境界および前記タイル境界の内側のピクセルに対応する第2のフィルタ係数を削除することと、前記フィルタマスク中の前記残りのフィルタ係数を使用して前記部分ループフィルタのための部分フィルタマスクを作成することであって、前記部分フィルタマスクが前記部分ループフィルタを定義する、作成することとを備える、[31]に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
[35] 前記部分ループフィルタを定義することは、前記部分フィルタマスクを再正規化することであって、ループフィルタ処理を実行することが、前記再正規化された部分フィルタマスクとともに前記部分ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行することを備える、再正規化することを備える、[34]に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
[36] 前記部分ループフィルタを定義することは、前記フィルタマスクを再正規化することであって、ループフィルタ処理を実行することが、前記再正規化されたフィルタマスクとともに前記部分ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対してループフィルタ処理を実行することを備える、再正規化することを備える、[31]に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
[37] 前記1つまたは複数のプロセッサは、前記現在ピクセルについて、前記ループフィルタのための前記フィルタマスクのフィルタ係数に対応する1つまたは複数のピクセルが垂直タイル境界を越えていると判断することと、前記現在ピクセルのためのループフィルタ処理を実行することをスキップすることとを行うようにさらに構成された、[31]に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
[38] 前記ビデオコーディングプロセスがビデオ符号化プロセスであり、前記1つまたは複数のプロセッサは、ビデオデータの符号化ブロックを形成するためにビデオデータのブロックを符号化することと、ビデオデータの再構成されたブロックを形成するためにビデオデータの前記符号化ブロックを再構成することであって、前記現在ピクセルがビデオデータの前記再構成されたブロック内にある、再構成することとを行うようにさらに構成された、[31]に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
[39] 前記ビデオコーディングプロセスがビデオ復号プロセスであり、前記1つまたは複数のプロセッサは、ビデオデータの符号化ブロックを受信することと、ビデオデータの再構成されたブロックを形成するために予測プロセスを実行することであって、前記現在ピクセルがビデオデータの前記再構成されたブロック内にある、実行することとを行うようにさらに構成された、[31]に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
[40] ループフィルタ処理を実行することが、サンプル適応オフセットフィルタ処理、適応ループフィルタ処理、およびデブロッキングフィルタ処理のうちの1つまたは複数を実行することを備える、[31]に記載のコンピュータ可読記憶媒体。

Claims (20)

  1. ビデオコーディングプロセスにおいて適応ループフィルタ処理を実行するための方法であって、前記方法は、
    現在ピクセルについて、適応ループフィルタのためのフィルタマスクのフィルタ係数に対応する1つまたは複数のピクセルがスライス境界またはタイル境界の一方を越えていると判断することと、
    前記判断に基づいて、部分適応ループフィルタを定義することであって、前記部分適応ループフィルタを定義することが、
    前記フィルタマスクから、前記スライス境界または前記タイル境界を越える前記1つまたは複数のピクセルに対応する第1のフィルタ係数を削除することと、
    前記削除された第1のフィルタ係数に対して対称のフィルタマスクを維持するために、前記フィルタマスクから、前記スライス境界および前記タイル境界の内側のピクセルに対応する第2のフィルタ係数を削除することと、
    前記フィルタマスク中の残りのフィルタ係数を使用して前記部分適応ループフィルタのための部分フィルタマスクを作成することであって、前記部分フィルタマスクが前記部分適応ループフィルタを定義する、作成することと、
    前記部分適応ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対して適応ループフィルタ処理を実行することとを備える、定義することとを備える、方法。
  2. 前記部分適応ループフィルタを定義することは、
    前記部分フィルタマスクを再正規化することであって、適応ループフィルタ処理を実行することが、前記再正規化された部分フィルタマスクとともに前記部分適応ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対して適応ループフィルタ処理を実行することを備える、再正規化することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ビデオコーディングプロセスがビデオ符号化プロセスであり、前記方法は、
    ビデオデータの符号化ブロックを形成するためにビデオデータのブロックを符号化することと、
    ビデオデータの再構成されたブロックを形成するためにビデオデータの前記符号化ブロックを再構成することであって、前記現在ピクセルがビデオデータの前記再構成されたブロック内にある、再構成することとをさらに備える、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ビデオコーディングプロセスがビデオ復号プロセスであり、前記方法は、
    ビデオデータの符号化ブロックを受信することと、
    ビデオデータの再構成されたブロックを形成するために予測プロセスを実行することであって、前記現在ピクセルがビデオデータの前記再構成されたブロック内にある、実行することとをさらに備える、請求項1に記載の方法。
  5. ビデオコーディングプロセスにおいて適応ループフィルタ処理を実行するように構成された装置であって、前記装置は、
    現在ピクセルについて、適応ループフィルタのためのフィルタマスクのフィルタ係数に対応する1つまたは複数のピクセルがスライス境界またはタイル境界の一方を越えていると判断することと、
    前記判断に基づいて、部分適応ループフィルタを定義することとを行うように構成されたビデオコーダであって、前記ビデオコーダが、
    前記フィルタマスクから、前記スライス境界または前記タイル境界を越える前記1つまたは複数のピクセルに対応する第1のフィルタ係数を削除することと、
    前記削除された第1のフィルタ係数に対して対称のフィルタマスクを維持するために、前記フィルタマスクから、前記スライス境界および前記タイル境界の内側のピクセルに対応する第2のフィルタ係数を削除することと、
    前記フィルタマスク中の残りのフィルタ係数を使用して前記部分適応ループフィルタのための部分フィルタマスクを作成することであって、前記部分フィルタマスクが前記部分適応ループフィルタを定義する、作成することと、
    前記部分適応ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対して適応ループフィルタ処理を実行することとを行うように構成された、ビデオコーダを備える、装置。
  6. 前記ビデオコーダは、
    前記部分フィルタマスクを再正規化することであって、適応ループフィルタ処理を実行することが、前記再正規化された部分フィルタマスクとともに前記部分適応ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対して適応ループフィルタ処理を実行することを備える、再正規化することを行うようにさらに構成された、請求項5に記載の装置。
  7. 前記ビデオコーダがビデオエンコーダであり、前記ビデオエンコーダは、
    ビデオデータの符号化ブロックを形成するためにビデオデータのブロックを符号化することと、
    ビデオデータの再構成されたブロックを形成するためにビデオデータの前記符号化ブロックを再構成することであって、前記現在ピクセルがビデオデータの前記再構成されたブロック内にある、再構成することとを行うようにさらに構成された、請求項5に記載の装置。
  8. 前記ビデオコーダがビデオデコーダであり、前記ビデオデコーダは、
    ビデオデータの符号化ブロックを受信することと、
    ビデオデータの再構成されたブロックを形成するために予測プロセスを実行することであって、前記現在ピクセルがビデオデータの前記再構成されたブロック内にある、実行することとを行うようにさらに構成された、請求項5に記載の装置。
  9. ビデオコーディングプロセスにおいて適応ループフィルタ処理を実行するように構成された装置であって、前記装置は、
    現在ピクセルについて、適応ループフィルタのためのフィルタマスクのフィルタ係数に対応する1つまたは複数のピクセルがスライス境界またはタイル境界の一方を越えていると判断するための手段と、
    前記判断に基づいて、部分適応ループフィルタを定義するための手段であって、前記部分適応ループフィルタを定義するための前記手段が、
    前記フィルタマスクから、前記スライス境界または前記タイル境界を越える前記1つまたは複数のピクセルに対応する第1のフィルタ係数を削除するための手段と、
    前記削除された第1のフィルタ係数に対して対称のフィルタマスクを維持するために、前記フィルタマスクから、前記スライス境界および前記タイル境界の内側のピクセルに対応する第2のフィルタ係数を削除するための手段と、
    前記フィルタマスク中の残りのフィルタ係数を使用して前記部分適応ループフィルタのための部分フィルタマスクを作成するための手段であって、前記部分フィルタマスクが前記部分適応ループフィルタを定義する、作成するための手段と、
    前記部分適応ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対して適応ループフィルタ処理を実行するための手段とを備える、定義するための手段とを備える、装置。
  10. 前記部分適応ループフィルタを定義するための前記手段は、
    前記部分フィルタマスクを再正規化するための手段であって、適応ループフィルタ処理を実行するための前記手段が、前記再正規化された部分フィルタマスクとともに前記部分適応ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対して適応ループフィルタ処理を実行するための手段を備える、再正規化するための手段を備える、請求項9に記載の装置。
  11. 前記ビデオコーディングプロセスがビデオ符号化プロセスであり、前記装置は、
    ビデオデータの符号化ブロックを形成するためにビデオデータのブロックを符号化するための手段と、
    ビデオデータの再構成されたブロックを形成するためにビデオデータの前記符号化ブロックを再構成するための手段であって、前記現在ピクセルがビデオデータの前記再構成されたブロック内にある、再構成するための手段とをさらに備える、請求項9に記載の装置。
  12. 前記ビデオコーディングプロセスがビデオ復号プロセスであり、前記装置は、
    ビデオデータの符号化ブロックを受信するための手段と、
    ビデオデータの再構成されたブロックを形成するために予測プロセスを実行するための手段であって、前記現在ピクセルがビデオデータの前記再構成されたブロック内にある、実行するための手段とをさらに備える、請求項9に記載の装置。
  13. 実行されたとき、ビデオコーディングプロセスを実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサに、
    現在ピクセルについて、適応ループフィルタのためのフィルタマスクのフィルタ係数に対応する1つまたは複数のピクセルがスライス境界またはタイル境界の一方を越えていると判断することと、
    前記判断に基づいて、部分適応ループフィルタを定義することであって、前記部分適応ループフィルタを定義することが、
    前記フィルタマスクから、前記スライス境界または前記タイル境界を越える前記1つまたは複数のピクセルに対応する第1のフィルタ係数を削除することと、
    前記削除された第1のフィルタ係数に対して対称のフィルタマスクを維持するために、前記フィルタマスクから、前記スライス境界および前記タイル境界の内側のピクセルに対応する第2のフィルタ係数を削除することと、
    前記フィルタマスク中の残りのフィルタ係数を使用して前記部分適応ループフィルタのための部分フィルタマスクを作成することであって、前記部分フィルタマスクが前記部分適応ループフィルタを定義する、作成することと、
    前記部分適応ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対して適応ループフィルタ処理を実行することとを備える、定義することとを行わせる、命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体。
  14. 前記部分適応ループフィルタを定義することは、
    前記部分フィルタマスクを再正規化することであって、適応ループフィルタ処理を実行することが、前記再正規化された部分フィルタマスクとともに前記部分適応ループフィルタを使用して前記現在ピクセルに対して適応ループフィルタ処理を実行することを備える、再正規化することをさらに備える、請求項13に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
  15. 前記ビデオコーディングプロセスがビデオ符号化プロセスであり、前記1つまたは複数のプロセッサは、
    ビデオデータの符号化ブロックを形成するためにビデオデータのブロックを符号化することと、
    ビデオデータの再構成されたブロックを形成するためにビデオデータの前記符号化ブロックを再構成することであって、前記現在ピクセルがビデオデータの前記再構成されたブロック内にある、再構成することとを行うようにさらに構成された、請求項13に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
  16. 前記ビデオコーディングプロセスがビデオ復号プロセスであり、前記1つまたは複数のプロセッサは、
    ビデオデータの符号化ブロックを受信することと、
    ビデオデータの再構成されたブロックを形成するために予測プロセスを実行することであって、前記現在ピクセルがビデオデータの前記再構成されたブロック内にある、実行することとを行うようにさらに構成された、請求項13に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
  17. 前記適応ループフィルタがブロックベースの分類モードおよび領域ベースの分類モードの一方によって定義される、請求項1に記載の方法。
  18. 前記適応ループフィルタがブロックベースの分類モードおよび領域ベースの分類モードの一方によって定義される、請求項5に記載の装置。
  19. 前記適応ループフィルタがブロックベースの分類モードおよび領域ベースの分類モードの一方によって定義される、請求項9に記載の装置。
  20. 前記適応ループフィルタがブロックベースの分類モードおよび領域ベースの分類モードの一方によって定義される、請求項13に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
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