JP5866362B2 - 画像解析による固形腫瘍進行の予後検査 - Google Patents

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Description

癌は、体の正常組織における異常に高度の細胞増殖を特徴とする疾患であるため、体の生存が脅かされる。これらの細胞は総て、同じクローン、すなわち、無限分裂を可能にする特定の特徴を獲得した発癌イニシエーター細胞に由来する。疾患が進展するにつれて、悪性腫瘍(新生物)を形成するまたは体中に広がり、転移を形成する細胞もある。
危険因子は遺伝学的(単一遺伝または多重遺伝)因子および環境因子(食習慣、喫煙、細菌叢など)である。環境上またはライフスタイル上の理由で複数の種類の癌が増加しているように思われるが、高齢化を理由とした一部の症例もある。癌発見率は各年齢区分で増加しており、発見の向上もこの増加の一因である。
2008年には、特に、発展途上国では、国際癌研究機関(the International Agency for Research on Cancer)(IARC、世界保健機関(the World Health Organization)の付属機関である)の調査によれば、760万人が癌で死亡した。2008年に、発展途上国では、世界中での癌の新たな症例1270万件の56%、癌による死亡760万件の63%が起こった。世界中で最も多く診断される癌は、肺癌(12.7%)、乳癌(10.9%)および結腸直腸癌(9.7%)である。最も死亡率が高いのは、肺癌(18.2%)、胃癌(9.7%)および肝臓癌(9.2%)である。発展途上地域では、子宮頸癌および肝臓癌が非常に多く見られるが、一方、先進地域では、前立腺癌および結腸直腸癌が多く見られる。
腫瘍の種類を高確率で同定することができる多くの要素が存在するが、腫瘍の悪性度の診断および患者の生存の予後については現在腫瘍サンプルの顕微鏡分析(解剖病理学)に基づいてのみ決定される。このサンプルは、位置に応じて、異なる手法(フィブロスコープ検査(fibroscopy)、皮膚穿刺など)を用いて実施され得る生検(腫瘍片の単純なサンプル)から、または手術検体(外科医によって摘出された腫瘍)から得られる。サンプルは通常適当な方法で固定され、切片にされる。これらの切片は、従来の組織化学的処理、必要に応じて、免疫組織化学によって染色され、種々の細胞型の少なくとも同定が可能になり、腫瘍境界の限定が可能になる。
次いで、解剖病理学者の観察により、国際的に認められている基準(TNM分類)に従って腫瘍サンプルが分類され得る。その結果、評価を受けるこの腫瘍を有する(または有していた)患者の生存の見込みが与えられる。
TNM分類では、体内の疾患の程度に従って患者を分類することが可能である。TNM分類は、i)予後を評価すること、ii)治療の適応を導くこと、およびiii)異なる治療プロトコールの結果を比較することを目的としている。国際対癌連合(the Union for International Cancer Control)(UICC)によって定められたTNM分類では、Tコードは原発性腫瘍の大きさおよび局部の程度を指し、Nコードはリンパ節関与の可能性を指し、Mコードは転移を指す。各文字には係数が割り当てられる。3つのコードからなる分類により、ステージ、すなわち、腫瘍のほぼ確実な進展の特徴が決まる。
文字Tは原発性腫瘍の局部の程度を表す。Tは、T0(原発病巣が認められない場合)〜最大限に浸潤している腫瘍の場合のT4というスコアで記される。このスコアリングは腫瘍体積に依存し、病巣の最大直径および/または隣接する組織および器官への浸潤により表される。文字N、N0〜N3は、腫瘍に事実上近いリンパ管領域、リンパ節腫脹の大きさ、その数および/隣接する組織への固着に依存する。最後に、文字Mは、既知転移がない場合のM0またはその転移がある場合のM1というスコアで記され、腫瘍床(単数または複数)には関係ない。
この分類は、医師と研究者との間で情報交換しやすくするために、あらゆる国の腫瘍学者に共通語を与えるように設計された。UICCに関して、この分類は、専門家によって定期的に検討・改訂され、それにより、説明マニュアルとしてその分類を世界中に広めることにもなる。この分類は治療適応の分類に役立つ。腫瘍局在性に従って、3つの基準の組合せであるTNMにより、より統一されたステージ(I〜IV)を確定することが可能になる。しかしながら、癌の特性評価およびそれに基づく治療の選択を改善または単純化するために、機関によりまたは国およびその専門家のレベルで提示された他の分類体系もある。例えば、解剖病理学的分類(またはpTNM)は原発性腫瘍およびリンパ節の病理学的検査により得られた情報を包含する。
しかしながら、画像化による腫瘍塊の体積(基準T)、および顕微鏡的浸潤の大きさの評価は難しい場合が多いため、TNM分類には制限がある。さらに、採取された腫瘍サンプルの解析は視覚によるしかなく、腫瘍が専門の解剖病理学者の技能が必要である。そのために、この解析は、本質的に主観的であり、時間がかかる。
そのために、これらの患者における固形腫瘍の悪性度、それゆえに再発のリスクについての迅速かつ客観的な(それゆえにより信頼性の高い)予測方法が必要である。本発明の予測方法は、情報処理ソフトウェアによるバーチャルスライドの解析に基づく癌の予後を評価するための客観的方法を提供することによりこの必要性に対応する。そのために、本発明の方法は、固形腫瘍、特に、結腸直腸癌を有する患者の生存の予後を評価するための既存の方法よりも信頼性が高くかつ迅速である。さらに、それは、TNM分類により得られた予後を明示するための現行の方法を補完する。
この10年間に、予後判定を目的とする他の画像解析システム開発された。例えば、US2004/0013292には、異なる領域で切片化することによる腫瘍切片の解析が記載されている。US2003/0050553およびRijken P. et al (Molecular Research, 1995)には、腫瘍に存在する微小血管の密度を決定するための方法がより詳しく記載されている。US5616469には、そこから、個体における固形腫瘍の進展の予知のための方法が導き出されている。
しかしながら、これらの方法は総て、実際の腫瘍で取得された画像の解析に基づいており、本発明者らが提示するように、その周辺との比較によるものでも腫瘍伸展境界からの距離に基づくものでもない。リンパ球による腫瘍浸潤密度が同じ腫瘍内でほとんどの場合高度に不均一であること、および最大密度ピークが腫瘍の外側にある場合があることを示すことは可能であった。本発明者らはまた、リンパ系密度の変動性の主な要因が腫瘍伸展境界に対する位置であることも示した(本出願の実施例6を参照)。この理由で、本出願において提示する方法は腫瘍境界の両側における浸潤の性質および密度の測定に基づく。
本出願において提示する方法には、先行技術において公知のものと比べて、数多くの利点がある:1)この方法は、その測定に、主な密度変動要因(すなわち、腫瘍境界に対する距離)を組み込み、2)腫瘍周辺浸潤を考慮し、3)そのために、得られた結果(得られたグラフプロフィールに基づく腫瘍の分類)は高度に再現性がある。
さらに、その実行速度およびその信頼性を向上させるために、バーチャルスライド、画像解析ソフトウェア、およびグラフに表される測定の標準化の使用により、この計数技術を完全に自動化することができる。
腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の定量のための方式もまた開発された。リンパ球は、HE染色により(Jass et al., J. Clin. Pathol. 1996)、またはin situでの免疫組織化学後に計数された。計数は、切片全体(Pages, N. Engl. J. Med., 2005, Laghi Lancet Oncol., 2009)もしくは組織アレイ(Galon et al., Science, 2006、Salama et al., J. Clin. Oncol., 2009)のいずれかにおいて、または病理学者により手動で(Prall. et al., Human Pathol., 2004)、または画像解析ソフトウェアを用いて行われた。ソフトウェアにより、マーキングされた表面の割合(Laghi et al., Lancet Oncol., 2009)、または画像分割後に同定されたリンパ球(Salama et al., J. Clin. Oncol., 2009)のいずれかが計数された。各腫瘍について、引用した研究では臨床進展との相関を得るためにただ1つまたは2つの密度値が用いられた。
実施された研究の数にも関わらず、これらの方式は、腫瘍におけるTILの不均一な分布から再現性の問題が起こるため、それらは医師による実践には用いられない。本発明者らの成果からは、TILの密度が腫瘍境界の相対位置に依存することが実際に示された。従って、腫瘍においていくつかの点で測定されたTILの密度は腫瘍浸潤全体を代表するものではなく、これらの測定は信頼できない。その代わりに、本発明は、腫瘍境界の両側において、TIL分布を連続的に測定することを提示する。
本発明は、個体における固形腫瘍の進展の予測方法に関し、少なくとも次の工程:
a)腫瘍境界を特定することができるバーチャルスライドを腫瘍サンプルから作成する工程、
b)工程a)で作成された前記バーチャルスライド上で、腫瘍境界に重なりかつ腫瘍境界の両側に、0.5mmに少なくとも等しい距離に広がる、「定量領域」と呼ばれる連続領域、好ましくは、矩形領域に存在する細胞および/または血管の密度を定量する工程、
c)該定量から、該患者における術後再発のリスクおよび/または様々な抗腫瘍治療に対する感受性および/または転移を起こすリスクを推定する工程
を含む。
特定の実施形態では、前記矩形定量領域は、
i)この矩形の短辺および長辺の垂直二等分線は前記交点においてそれぞれ腫瘍境界の法線および接線であり、かつ
ii)垂直二等分線の交点は腫瘍境界点である
というものである。
好ましくは、工程a)は、免疫組織化学によりマーキングされた組織切片の顕微鏡画像をデジタル化し、記録することから少なくともなる。
好ましくは、定量工程b)は、コンピューターソフトウェアを用いて行われ、所定の幅で長さが定量領域の幅である矩形領域の連続する群において細胞および/または血管密度をサンプリングすること、および定量領域を腫瘍境界の両側に定量領域の全長にわたって走査することからなる。
好ましくは、前記定量の結果はグラフ上に表され、その解析により前記患者における術後再発のリスクおよび/または様々な抗腫瘍治療に対する感受性および/または転移を起こすリスクを評価することが可能になる。
特定の実施形態では、前記グラフは、
i)x軸は腫瘍境界の両側の距離を示し、
ii)y軸は、各サンプリング領域で測定された細胞および/または血管密度を示す
というものである。
好ましくは、前記リスクの評価は、
i)前記グラフの形を標準プロフィールと比較することにより、または
ii)前および後の腫瘍境界領域各々のグラフ下面積を計算することにより、およびそれを閾値と比較することにより、
iii)腫瘍境界の両側に一定距離にあるグラフの2点で傾き変化を測定することにより、およびそれらを閾値と比較することにより、または
iv)腫瘍境界の両側に一定距離にあるグラフの2点で得られた値を閾値と比較することにより
行われる。
より詳しくは、それゆえに、本発明は、個体における固形腫瘍の進展の予測方法に関し、その方法は次の工程:
a)免疫組織化学によりマーキングされた腫瘍の組織切片についての、腫瘍境界を特定することができるバーチャルスライドを得る工程、
b)このバーチャルスライド上で、腫瘍境界の両側に、0.5mmに少なくとも等しい距離に広がる連続矩形領域において、腫瘍境界の両側に存在する細胞および/または血管の密度を定量する工程、
c)これらの結果をグラフ上に表す工程であって、該グラフのx軸が腫瘍境界からの距離に相当し、y軸が、x軸に沿った幅が所定の幅であり長さが矩形定量領域の幅である矩形面においてこの距離で測定された細胞または血管の量に相当する、工程
d)以下から選択される作業の少なくとも1つを行う工程:
i)該グラフの形を標準プロフィールと比較すること、または
ii)前および後の腫瘍境界領域各々のグラフ下面積を計算し、それを閾値と比較すること、
iii)腫瘍境界の両側に一定距離にあるグラフの2点で傾き変化を測定し、それらを閾値と比較すること、または
iv)腫瘍境界の両側に一定距離にあるグラフの2点で得られた値を閾値と比較すること、
e)工程d)から、該個体における術後再発のリスクおよび/または様々な抗腫瘍治療に対する感受性および/または転移を起こすリスクを推定する工程
を含む。
好ましい実施形態では、定量される細胞は、白血球、例えば、Tリンパ球、Bリンパ球、マクロファージ、NK細胞、樹状細胞、またはこれらの免疫細胞の亜集団などである。
より好ましい実施形態では、定量される細胞は、免疫組織化学によりマーキングされ、マーカーCD3、CD4、CD8、CD45RO、FoxP3およびCD68について陽性である。
図1は、対象となる免疫細胞(リンパ球)をマーキングするために抗CD3抗体を用いた免疫組織化学によりマーキングした結腸直腸腫瘍切片を示すバーチャルスライド上での、本発明の方法において用いることができる、腫瘍境界の両側での矩形定量領域の位置決め(A、左に腫瘍領域を示し、右に非腫瘍組織を示す)、腫瘍境界の両側にある、本発明による定量領域(B、腫瘍境界は黒色矢印により確認される)、最後に、Visilog(登録商標)ソフトウェアを用いた画像解析による、Aで定められた定量領域における腫瘍境界の両側のCD3+細胞密度の自動定量を示すグラフ(C)を示す。 図2は、対象となる免疫細胞をマーキングするために抗CD3抗体を用いた免疫組織化学によりマーキングした結腸直腸腫瘍切片を示すバーチャルスライド(A)に関して示し、腫瘍境界の両側での異なる定量の3領域の位置決め(B)、およびVisilog(登録商標)ソフトウェアを用いた画像解析による、Bで定められた異なる定量領域における腫瘍境界の両側のCD3+細胞密度を示すグラフを示す。 図3は、対象となる免疫細胞をマーキングするために抗CD3抗体を用いた免疫組織化学によりマーキングした結腸直腸腫瘍切片を示すバーチャルスライド(A)に関して示し、腫瘍境界の両側での3つの異なる定量領域の位置決め(B)、およびVisilog(登録商標)ソフトウェアを用いた画像解析による、Bで定められた異なる定量領域における腫瘍境界の両側のCD3細胞密度を示すグラフを示す。 図4は、結腸直腸腫瘍サンプルから得られた異なるグラフプロフィールを示す。3つのグラフの各々において、1曲線は1患者に相当する。患者は曲線のプロフィールによって分類された: A:プロフィール3、「弱い」と考えられ、生存の予後不良と関連付けられる。 B:プロフィール2、腫瘍の外側での「強いピーク」と考えられ、生存の良好な予後と関連付けられる。 C:プロフィール1、「強い腫瘍浸潤」と考えられ、生存の良好な予後と関連付けられる。 図5は、大多数の場合において(染色に関係なく)容易に検出できる腫瘍伸展境界を示す。その境界を腫瘍簇出現象が追い越している場合もある。写真は二重免疫組織化学的マーキング後に撮影し、腫瘍は赤色(抗サイトケラチンAE1/AE3)であり、リンパ球は褐色(抗CD3)であった。 A:この腫瘍については、腫瘍境界(すなわち、赤色領域と非赤色領域との間の境界面)の特定は容易である。最大倍率(右側画像)では、CD3について陽性を示す多くのリンパ球が腫瘍の外側および内側で検出される。 B:このもう1つの腫瘍については、この場合も腫瘍境界の特定は容易である。最大倍率(右側画像)では、CD3について陽性を示すリンパ球はほんの少数しか検出されない。 C:この3番目の腫瘍については、腫瘍境界は広範囲にわたる密な腫瘍塊によって定められる(中央に黒色の線によってその境界は定められる)。最大倍率(最も右側の画像)では、2つの小さめの腫瘍塊に加えて、数多くの孤立腫瘍細胞が検出される。この切片には、多くの陽性CD3リンパ球が存在する。 図6は、同じ定量矩形において、同じサンプルに対して、赤色(A)または青色(B)検出端を変更することによって得られた2つの試験曲線を示す(実験部分の項目5を参照)。これらの較正曲線に基づいて、2つの色の検出に好ましい閾値および調整を設定した。 図7は、「強い腫瘍浸潤」と考えられるプロフィールタイプ1を示している:同じ結腸直腸腫瘍サンプル(同じ患者)について、3つの異なる定量領域を用い(画像Aの測定1、測定2および測定3)、各領域におけるリンパ球浸潤(CD3について陽性を示す細胞)の存在を、本発明の方法を用いて定量し、グラフに表した(B)。 図8は、「弱い浸潤」と考えられるプロフィールタイプ4を示している:同じ結腸直腸腫瘍サンプル(同じ患者)について、2つの異なる定量領域を用い(画像Aの測定1および測定2)、各領域におけるリンパ球浸潤(CD3について陽性を示す細胞)の存在を、本発明の方法を用いて定量し、グラフに表した(B)。 図9は、「強いピーク」と考えられるプロフィールタイプ2を示している:同じ結腸直腸腫瘍サンプル(同じ患者)について、3つの異なる定量領域を用い(画像Aの測定1、測定2および測定3)、各領域におけるリンパ球浸潤(CD3について陽性を示す細胞)の存在を、本発明の方法を用いて定量し、グラフに表した(B)。 図10は、本発明の方法により測定された患者のプロフィールに応じた、患者の癌診断日から肺または肝臓転移検出までの間の、患者のカプラン・メイヤー生存曲線を示す。
本発明の予測方法はex vivoで行われ、その方法により、腫瘍の総てまたは一部をサンプリングした患者における術後再発のリスクおよび/または様々な抗腫瘍治療に対する感受性および/または転移を起こすリスクを評価することが可能になる。
その方法は、少なくとも次の工程:
a)腫瘍境界を特定することができるバーチャルスライドを腫瘍サンプルから作成する工程、
b)工程a)で作成された該バーチャルスライド上で、腫瘍境界に重なりかつ腫瘍境界の両側に、0.5mmに少なくとも等しい距離に広がる、「定量領域」と呼ばれる連続領域に存在する細胞および/または血管の密度を定量する工程、
c)該定量から、該患者における術後再発のリスクおよび/または様々な抗腫瘍治療に対する感受性および/または転移を起こすリスクを推定する工程
を含む。
本発明によれば、「バーチャルスライド」とは、ガラススライド上に固定された組織サンプルのデジタル画像を意味する。このバーチャルスライドが、顕微鏡の接眼レンズを覗いて得られる同じ解像度を有するように、十分な倍率で顕微鏡の対物レンズにより得られるサンプルの何千もの画像が連続して取得され、そのサンプルを完全に再現するようにそれらの画像が再構成される。バーチャルスライドを作成するためには3つの工程が必要である:
1)焦点合わせ:(X座標およびY座標により決定される)一定の位置において、対物レンズにより得られた画像が可能な限り鮮明であるとスキャンプログラムにより判定されるまでサンプルを垂直に移動させる(Z方向)。
2)画像のデジタル化:デジタル撮像素子により写真を取得し、それをそのXおよびY情報とともにコンピューターのハードディスクに保存する。
3)サンプルの移動:サンプルを次の位置へ、X方向およびY方向に移動させ、そのため、次の画像を他の画像に対して正確に配置することができる。
バーチャルスライド取得技術は現在では当業者に周知の技術である。スライドスキャナー(例:Mirax社、Aperio社、Hamamatsu社およびLeica社のスライドスキャナー)または顕微鏡を使用してそのようなスライドを作成することができる顕微鏡プラットフォームまたはソフトウェアは多くの会社により提供されている。
これらのバーチャルスライドは、サンプルを固定する実際の(「従来の」)スライドと比べて数多くの利点を有する:第1に、バーチャルスライドの品質は経時的に変化することはない。さらに、画像読取ソフトウェアを装備しただけのコンピューターを使用して、希望する誰もが、バーチャルスライドを共有し、送信し、それについて意見を求めることができるため、いつでも、遠隔操作によりバーチャルスライドを解析することができる。多くの画像読取ソフトウェアプログラムが公知であり、研究室では日常的に使用されている:NIH Image、Visilog、Metamorph、Histolabなど。
本発明の方法に従って予後を確定するために使用することができる腫瘍サンプルは、生検または外科手術を受けた患者から採取され、ミクロトームにより薄片に切ることができるように処理される。この処理は、集合体を凝固させ、切断を可能にするために、サンプルごとの成分を固定することからなる。研究室でのこの処理に一般的に使用される技術は、特に:ホルマリン(または他の固定剤)による固定または凍結保存である。切断後、腫瘍サンプルの薄片をスライド上に置き、その後、非常に一般的な組織学技術、組織化学技術および/または免疫組織化学技術によって処理して、以下を明らかにする:種々の組織型および細胞型、血管、腫瘍境界、細胞密度など。
そのために、本発明による予測方法は、工程a)が、免疫組織化学によりマーキングされた組織切片の顕微鏡画像をデジタル化し、記録することから少なくともなることを特徴とすることが有利である。
本発明によれば、「腫瘍境界」とは、腫瘍組織と非腫瘍組織との境界を意味する。大部分の腫瘍では、特に、癌腫では、この境界は、通常の組織学的染色または免疫組織化学的染色を用いて容易に特定することができる。一部の腫瘍では、腫瘍境界を超えて(の外側に)、腫瘍簇出現象に相当するいくつかの孤立細胞または細胞塊が存在することがある(図5C参照)。
加えて、本発明の方法により定められる定量領域では、腫瘍境界は、腫瘍内に中心がある円の弧に例えられると考えられ、それは腫瘍組織と非腫瘍組織との境界面領域の推定にあたる。
言い換えれば、本発明の方法において、定量領域は、可能な限り正則である曲率を有する腫瘍境界、すなわち、この境界の少なくとも1つの点において接線が引けるように曲率を有する境界に定量領域が重なるように明確に選択される。
本発明の定量領域は、腫瘍境界を含む必要がありかつその両側に、0.3mm、好ましくは、0.5mmに少なくとも等しい、さらに好ましくは、0.6mmに少なくとも等しい距離に広がる必要がある。この領域が連続している(すなわち、その領域内で任意の2点を結ぶことができ、その外側に出ることがない)ならば、その領域は任意の形をしていてよい。そのような連続領域は、例えば、円形、三角形、菱形、正方形、矩形などである。
好ましくは、定量領域は、矩形であり、次のとおり選択される:第1に、バーチャルスライド上で腫瘍境界の正則の部分が特定される(「腫瘍境界の正則の部分」とは、腫瘍/間質境界面を意味し、その境界面は、腫瘍内に中心がある円の弧に例えられ得る)。第2に、腫瘍境界のこの正則部分上の点が定められ、この点について、この点を通る腫瘍境界の接線、ならびに腫瘍境界の法線が引かれる。最後に、
i)この矩形の短辺および長辺の垂直二等分線はそれぞれ該交点において腫瘍境界の法線および接線であり、かつ
ii)垂直二等分線の交点は、腫瘍境界上に定められた該点である
ように定量法が選択される。
本発明の方法において使用することができる定量領域の例は、本出願の図面に示している(図1、図2および図3参照)。
本発明の方法において、短辺の垂直二等分線は、腫瘍境界の両側に、0.3mm、好ましくは、0.5mmに少なくとも等しい、さらに好ましくは、0.6mmに少なくとも等しい距離に及ぶ必要がある。
好ましくは、定量領域は、2mm、より好ましくは、3mmの面を有する。好ましくは、定量領域が矩形である場合には、該矩形の長さは少なくとも0.6mmであり、該矩形の幅は少なくとも0.2mmである。
本発明による予測方法の第2の工程(工程b)は、上記のように選択された定量領域において、腫瘍境界の両側で測定される、その形,その大きさおよび/またはその染色によって同定することが可能な組織要素(血管、コラーゲン繊維など)または細胞要素(リンパ球、マクロファージなど)の密度を定量することからなる。
密度は、本明細書では、面単位、例えば、mmまたはμmで測定された要素の量であると定義される。
好ましくは、(上に定義した)定量領域に存在する細胞および/または血管の密度が測定される。さらに好ましくは、該領域または該領域のサブセットに存在する免疫系の特定細胞の密度が測定される。これらの細胞は、例えば、白血球、例えば、Tリンパ球、Bリンパ球、マクロファージ、NK細胞、樹状細胞、またはこれらの免疫細胞の亜集団などである。
本発明の方法によれば、これらの細胞は、有利には、免疫組織化学によりマーキングされ、マーカーCD3、CD4、CD8、CD45RO、FoxP3および/またはCD68について陽性である。好ましくは、調べられる細胞はCD3(CD3)マーカーについて陽性である。
CD3マーカー(すなわち、「分化抗原群3」)はTリンパ球を特徴付ける。この周知の膜タンパク質複合体は4本の異なる鎖からなる。哺乳類では、この複合体は、CD3γ鎖、CD3δ鎖および2本のCD3ε鎖によって形成される。これらの膜貫通タンパク質はT細胞受容体(TCR)およびζ鎖を結合して「TCR複合体」を形成し、Tリンパ球活性化シグナルを発生させる。
免疫組織化学的マーキングは、示した例では、ペルオキシダーゼ基質(ジアミノベンジジン)によって明らかにしているが、別の染色基質または別の酵素(アルカリ性ホスファターゼ)または蛍光基質、あるいはこれらの方法の組合せも使用することができる。
実際に、多くの研究により、免疫系が腫瘍制御に強く関わっていること、および腫瘍への免疫浸潤の密度が固形腫瘍を有する外科患者の生存の良好な予後と関係している場合が多いことは明らかに立証されている(Naito Y et al., Cancer Research, 1998、Uppaluri R et al., Cancer immunity 2008、Salama P et al., Journal of clinical oncology 2009、Galon J et al., Science 2006、Badoual et al., Clinical Cancer Research, 2006)。
これに関連して、注目すべきは、現在までに行われた研究でのこれらの免疫細胞(Tリンパ球、制御性T細胞など)の定量技術が、様々な面(TMA(組織マイクロアレイ)スポットまたは顕微鏡高倍率下の視野)の腫瘍領域に存在する免疫細胞の数を比較することで構成されたことである。これらの領域は、通常、無作為にまたは特に、計数領域の位置および面に関して、明確に記載された方法を利用せずに選択された。J. Galonのグループの研究では、境界でおよび腫瘍の内側で浸潤が識別されたが、境界のサンプルが腫瘍の内側に存在するか、逆に、外側に存在するかは示されていない。完全なTMAスポット(一般的には0.6mm径)で行われた計数は広範囲すぎてピークを示すことができず、TMAコアサンプルの位置の変動が小さいことが測定変動が大きい原因である可能性がある。腫瘍の周辺内または周辺部の免疫細胞の存在および数に関する情報は、腫瘍の再発のリスクについての非常に信頼性の高い予後指標であると認められているが、現在までに腫瘍境界周囲の免疫細胞の数の客観的かつ連続的なプロフィールの確立を提示した研究はなかった。
本発明の方法の重要な特別な特徴は、複数回(すなわち、3回以上、好ましくは、4回以上)の密度測定が行われ、それらの各測定が腫瘍境界に対する位置と関係しているということである。
さらに、定量領域を通る血管は免疫組織化学により、例えば、CD34またはCD31マーカーを示すことによりマーキングすることが可能であり、本発明の方法はこれらの血管の数を定量することから非常に信頼性も高い(Couvelard et al., Br J Cancer 2005;Couvelard et al., Mod. Pathol., 2009)。
好ましくは、予後を評価するために調べられる固形腫瘍は結腸癌または直腸癌である。結腸癌は「大腸」または結腸の粘膜で発症する。結腸癌と直腸癌は極めて似ているため、それらは「結腸直腸癌」という用語を使って分類される。結腸直腸癌は常に悪性腫瘍である。結腸直腸癌は女性の(乳癌に次いで)2番目に多い癌であり、男性の(肺癌および前立腺癌に次いで)3番目に多い癌である。フランスでは結腸癌の罹患率が高く:毎日、100人が結腸直腸癌であると知らされている。非喫煙者では、結腸直腸癌は癌による死亡原因の第2位である。男性は女性よりも少し罹患しやすい(それぞれの罹患率は40%と27%)。結腸直腸癌は、本質的には、高齢者が罹患する癌であり、症例の85%近くは65歳を過ぎて起こっている。その発生頻度は増えていくと思われる。
術前段階で使用される唯一の分類がTNM分類であり、2010年にその第7版が刊行された。TNM分類データに基づいて、結腸癌は4つのステージに分類される。回復の見込みはステージIからステージIVまで大きく異なる。治療戦略もまた、それらの各ステージに合わせられる。
結腸直腸腫瘍に関しては、T細胞(記憶T細胞、制御性T細胞および/またはCD8+T細胞)の密度は多くの場合良好な予後と関係していた(Galon J et al., Science 2006、Salama P et al., J. Clinical Oncol., 2009、Pages F et al., N. Engl. J. Med., 2005)。
好ましくは、本発明の予測方法の工程b)で提供される定量は、コンピューターソフトウェアを用いて行われる。免疫組織化学によりマーキングされたバーチャルスライドのマーキングを測定可能な多くのコンピューターソフトウェアが存在する。これらのソフトウェアとしては、NIH Image、Visilog、Metamorph、Histolabなどが挙げられる。調べるマーキングの閾値およびパラメーターを適当に調整することにより、定量領域に存在するマーキングされた細胞の正確な量が評価される。
細胞構造または組織構造の同定、その後の計数を可能にするための画像解析ソフトウェアのパラメーター化はスライド染色技術に合わせられる。示した例では、同じ技術によって染色された複数のスライド間で修正なく使用することができるように調整が設けられており、それにより、これらの調整の各々を少し修正することで、得られたグラフでの修正はごくわずかなものとなる(図6参照)。
有利には、本発明の予測方法の工程b)は、所定の幅で長さが定量領域の幅である矩形領域の連続する群において細胞および/または血管の密度をサンプリングすること、および定量領域を腫瘍境界の両側に定量領域の全長にわたって走査することからなる。
この特定の場合では、コンピューターソフトウェアによって、定量領域の「スライス」において測定要素(細胞および/または血管)を計数し、これらの「スライス」は2〜20μmの間、好ましくは、5μmの所定の幅を有する。このサンプリング工程は画像処理解析のための従来工程であり、定める唯一のパラメーターは定量スライスの幅である。そのために、本発明の方法の工程b)で定量される密度は、本明細書では、定量領域のこれらのサブセットで検出された細胞および/または血管の、面単位当たりの、量であると定義される。
好ましくは、この定量の結果はグラフ上に表される(図1C、図2C、図3Cおよび図4参照)。
このグラフは、好ましくは、次のとおり定義される:
i)x軸は、定量矩形の垂直二等分線の交点である、定められた腫瘍境界の両側の距離を示し、
ii)y軸は、各サンプリング領域で測定された細胞および/または血管密度を示す。
好ましくは、このグラフのx軸は、定量矩形の垂直二等分線の交点にある腫瘍境界点を中心とし、両側に、この点からの定量スライスの距離が示される。
x軸の「ゼロ」は、
−矩形の一端(この場合、この軸の増分はこの端点からのスライスの距離に相当し、グラフに腫瘍境界点の位置を直線または矢印で示すことが適当である、例えば、図1C、図2C、図3Cならびに図4A、図4Bおよび図4C参照)、
−または腫瘍境界点(この場合、この軸の増分はこの中心点に対する値となる)
のいずれかに定めることができる。
そのために、これらのグラフにより、腫瘍境界周囲の細胞および/または血管の分布を迅速に示すことが可能になる。腫瘍を有する患者の生存についての4つの異なる興味深い予測プロフィールが、本発明者らによって確認されている:
プロフィール1:腫瘍の内側にも境界付近外側にもリンパ球が豊富に存在する。境界から距離が離れるにつれて浸潤は見えなくなる。
プロフィール2:免疫細胞が集中しており、腫瘍境界のすぐ外側にピークがある。境界から離れた外側よりも腫瘍の内側に細胞がわずかに多く存在する。
プロフィール3:腫瘍の外側または内側に免疫細胞はほとんど存在しないが、腫瘍境界の外側でピークが見られる。しかしながら、このピークは非常に弱い。
プロフィール4:曲線にピークは見られず、平均細胞密度は腫瘍境界の両側で非常に低い。
そのようなプロフィールの例を、図4A(プロフィール3)、図4B(プロフィール2)、および図4C(プロフィール1)に示している。
本発明者らは、これらのプロフィールが同じ腫瘍の内側で、すなわち、解析領域およびオペレーターと関係なく、再現され得ることを証明することができた(図7、図8および図9参照)。
本発明者らはまた、おおむね良好な予後がこれらの異なるタイプのグラフと関係していること、そして、それゆえに、このグラフを確立して、腫瘍の総てまたは一部をサンプリングした患者における術後再発のリスクおよび/または様々な抗腫瘍治療に対する感受性および/または転移を起こすリスクの評価を十分に改善することができることも証明した。
より詳しくは、本発明者らの研究により、プロフィール1および2で得られた細胞分布が、ステージIIおよびステージIII腺癌の手術を受けた患者の再発率が大幅に低いことと関係していることの確証を得ることができた。CD3に関する免疫組織化学が最も有効なマーカーであると思われる。そのために、このマーカーがとりわけ好ましい。
そのために、本発明の方法を用いて、前記グラフの形を、上に定義した標準プロフィールと比較することにより、または前および後の腫瘍境界領域各々のグラフ下面積を計算することにより、およびそれを閾値と比較することにより、または腫瘍境界の両側に一定距離にあるグラフの2点で傾き変化を測定し、それらを閾値と比較することにより、または腫瘍境界の両側に一定距離にあるグラフの2点で得られた値を閾値と比較することにより、腫瘍を有する患者の転移の発生または生存についての迅速で客観的な信頼性の高い予後を得ることができる。
本発明はまた、顕微鏡により得られた、腫瘍境界が示されたバーチャルスライドの画像処理方法にも関し、その方法は次の工程:
a)免疫組織化学によりマーキングされた腫瘍の組織切片についての、腫瘍境界を特定することができるバーチャルスライドを得る工程、
b)このバーチャルスライド上で、連続矩形領域において、腫瘍境界の両側に存在しかつ腫瘍境界の両側に、0.5mmに少なくとも等しい距離に広がる細胞および/または血管の密度を定量する工程、
c)これらの結果をグラフに表す工程であって、該グラフのx軸が腫瘍境界からの距離に相当し、y座標が、x軸に沿った幅が所定の幅であり長さが矩形定量領域の幅である矩形面においてこの距離で測定された細胞または血管の量に相当する、工程、および
d)次の比較作業の少なくとも1つを行う工程:
i)該グラフの形を標準プロフィールと比較すること、または
ii)前および後の腫瘍境界領域各々のグラフ下面積を計算し、それを閾値と比較すること、
iii)腫瘍境界の両側に所定距離にあるグラフの2点で傾き変化を測定し、それらを閾値と比較すること、または
iv)腫瘍境界の両側に一定距離にあるグラフの2点で得られた値を閾値と比較すること、
e)バーチャルスライドにより調べる腫瘍をサンプリングした患者の術後再発のリスクおよび/または転移を起こすリスクを推定する工程
を含む。
好ましくは、本発明の画像処理プロセスの工程b)で述べた定量領域は、
i)この矩形の短辺および長辺の垂直二等分線はそれぞれ該交点において腫瘍境界の法線および接線であり、かつ
ii)垂直二等分線の交点は、腫瘍境界上に定められた該点である
ように選択される。
本出願はまた、個体における固形腫瘍の進展の予測方法にも関し、その方法は本発明の画像処理方法の前記工程a)〜e)を含む。
標準プロフィールは上に示したように定義される。
好ましくは、それは、測定される前記定量領域または前記定量領域のサブセットに存在する免疫系の特定細胞の密度である。これらの細胞は、例えば、白血球、例えば、Tリンパ球、Bリンパ球、マクロファージ、NK細胞、樹状細胞、またはこれらの免疫細胞の亜集団などである。これらの細胞は、有利には、免疫組織化学によりマーキングされ、マーカーCD3、CD4、CD8、CD45RO、FoxP3および/またはCD68について陽性である。好ましくは、それらの細胞は、抗CD3抗体を用いてマーキングされ、CD3である。
1.コホート
1998年1月〜2005年12月の間にアンボワーズパレ病院(the Amboise Pare hospital)で手術を受けた、結腸および上部直腸の結腸直腸腺癌を有する患者において腫瘍をサンプリングした。適格基準はステージII(T2〜T4、N0)に分類される患者であった。非適格基準は、リンパ節転移または遠隔転移の存在、中部直腸または下部直腸への局在性、穿孔性腫瘍、癌の病歴、ポリポーシスまたはリンチ症候群から発症した癌、追跡不能となったかまたは介入の翌月内に死亡したかまたは補助的化学療法を受けたことがある患者、最後に、切除が顕微鏡学的に完全ではなかった患者(R1またはR2)であった。ステージII患者は様々な予後を有し、その患者において識別のための予後因子を開発することが重要であると思われることから、ステージIIを選択した。
これらの基準によって78人の患者を適格とした。解剖病理学的データの総て(TNM分類、静脈塞栓、神経周囲の鞘形成、調べたリンパ節の数、簇出)を公認のAPIXデータベースに記録した。臨床データは、デジタル化FSD[Formulaire Standard des Donnees; 標準データフォーム(Standard Data Form)]臨床ファイルで利用可能であった。
外科的完全切除後に補助的化学療法を受けたことがある、ステージIIIの、結腸および上部直腸の結腸直腸腺癌を有する他の患者39人も解析した。
2.調査した他の種類の癌
様々な種類の腫瘍に対して本発明の方法の利益を実証するために、上に述べた結腸直腸腫瘍に加えて、他の腫瘍も調査した。従って、本発明の方法を、尿路上皮膀胱癌(n=5)、膵腺癌(n=5)、淡明細胞腎癌(n=5)、および浸潤性結節性皮膚黒色腫(n=10)について検証した。
3.腫瘍サンプルのサンプリング、切断、処置および染色
患者の腫瘍サンプルを解剖病理学研究室でパラフィン保存した。消化器腫瘍学を専門とする解剖病理学者が各患者のスライドを検討し、調査した組織学的データを検証しまたは完成させ、そして、IHCの実施が可能なパラフィンブロックを選択した。この最後の状況で選択されたブロックには、最大の腫瘍−腫瘍周辺環境境界面を有する腫瘍サンプルが含まれた。
そのようにして選択されたブロックを、Microm社製ミクロトームを用いて厚さ3μmのスライドに切った。それらのスライドを炉内で、60℃で24時間保存した。
自動免疫染色装置Bond−Max(Leica Microsystems)を使用し、次の抗体を用いて、単一マーキングにより、免疫組織化学(IHC)を行った:
抗CD3モノクローナル抗体(Tリンパ球マーカー:CD3 Pan T細胞、Dakoフランス、1/50に希釈)
抗CD8モノクローナル抗体(細胞傷害性Tリンパ球マーカー:CD8 Pan T細胞、Dakoフランス、1/25に希釈)
抗CD45ROモノクローナル抗体(記憶リンパ球マーカー:Dakocytomation、1/400に希釈)
抗FoxP3モノクローナル抗体(制御性Tリンパ球マーカー:Abcam、1/100に希釈)。
これらの4種の抗体は、予後の根拠となる効果が示された文献で記載されている唯一の抗体であることから、この調査にはそれらを使用した。
一次抗体の総てを、自動免疫染色装置Bond−Max(Leica)において、Bond polymer Refine Detectionキット(Leica Biosystems, Newcastle Ltd.)を用いて明らかにした。
4.画像解析
MIRAX DESK、Zeiss社製、高解像度スライドスキャナーを使用してスライドを走査した。バーチャルスライドをMRX形式で得、その作業をNoesis社(Saclay, France)開発の画像解析ソフトウェア(VISILOG 6.0)で行った。このソフトウェアのアプリケーションは、リンパ球浸潤を測定するために特別に開発された。バーチャルスライドの解析では、マーキングされ、褐色に染色された、対象となる細胞が認識される。寸法が可変の矩形面が存在し、その面で、マーキングされたリンパ球が計数される。
5.コントラスト調整:青色および赤色検出の臨界閾値の決定
免疫組織化学により、対象となる抗原を有する要素は褐色で表示される。ヘマトキシリンによる対比染色は、青色で現れ、種々の組織成分および細胞成分をより詳しく観察することを可能にする。Visilogソフトウェアは、その色:赤色または青色によってバーチャルスライドの各要素を二元的に分ける。
赤色および青色の強度は、前記ソフトウェアによって、0(最大強度)から255(最小)までに及ぶ単位のない数量で表される。各要素の検出閾値を調整することが可能である。赤色および青色閾値端は0から255までに及ぶ。これらの調整により、その染色の強度に従って要素を同定することが可能になる。実際には、マーキングされたリンパ球では細胞質および/または膜がマーキングされているが、核はマーキングされていないためコアはわずかに青色の状態で残る。この調整は、マーキングされたリンパ球のコアの青色成分が無視され、マーキングされたリンパ球が赤色要素と認識されるように行われる。FoxP3の場合、マーキングされるのは核である。
赤色検出閾値
赤色検出用パラメーターを0〜255に設定した場合には、前記ソフトウェアにより赤系の強度の全範囲が認識される。この調整の利点は、赤色要素の総てが認識され、リンパ球の検出感度が100%になるということである。不利点は、この調整では、特異性を低下させるバックグラウンドノイズも考慮に入れるということである。
非常に濃い赤色領域は高強度の免疫組織化学的反応に相当し、それゆえに、対象となるリンパ球に極めて特有である。そのために、赤色検出閾値の下端を0に設定する、すなわち、最大強度を考慮に入れるように選択した。バックグラウンドノイズなくリンパ球の総てを考慮に入れることを可能にする薄い赤色のレベルを決定するために試験を行った。
閾値を決定するために、分離なく広い腫瘍−腫瘍周辺領域境界面を有するバーチャルスライドを選択した。同一の解析面で測定を5回、逐次的に行った。解析の長さを1800μmに設定した。各測定では赤色検出上端のみ変更し、下端は0に設定した。赤色検出端が100を超える場合、曲線は重なり合い、赤色検出閾値はもはや臨界パラメーターではなくなる。非常に薄い赤色で現れるバックグラウンドノイズは、赤色検出上端の調整が210を上回る場合には、前記ソフトウェアによって検出される。それゆえに、用いる赤色検出端は0〜200である。
それゆえに、調査全体を通じて、赤色検出端を0〜200に設定した。
青色検出閾値
青色検出端の設定も必要である。実際には、前記ソフトウェアの場合、青色で認識される要素の総てが除外される、すなわち、計数されない。同一面の測定を8回、2つの青色検出端を変更して行った。測定した領域でのリンパ球浸潤の密度は、腫瘍周辺領域で非常に低く、腫瘍境界から腫瘍中心へと至る領域で高かった。異なる青色検出閾値に相当する曲線(図6参照)を観察することにより、リンパ球浸潤を代表する曲線は、青色端を100〜250に設定して得られたものであると思われた。
従って、一連の調査の測定の総てを、赤色および青色検出端をそれぞれ0〜180および100〜250に設定して行った。
6.腫瘍におけるリンパ球密度の解析
リンパ球密度を評価するために、無作為に選択した50個の腫瘍サンプルでリンパ球密度を測定した。一連の予備解析各々では、腫瘍境界の両側に4mmの解析領域を選択し(その境界の両側に幅1mmおよび長さ2mmの領域)、5μmごとに計数を行った。よって、500μmの領域について各リンパ球密度を計算し、腫瘍境界からの距離と関連付けた。測定された最大値および最小値は、1mm当たり98 CD3細胞および726 CD3細胞であった。腫瘍において測定された最大密度/最小密度比率の平均は14.2(2.5〜55の範囲)であり、31個(62%)の腫瘍で比率は6より大きかった。
興味深いことに、この比率の高い群の26個の腫瘍では(すなわち、これらの腫瘍の84%では)、密度変化はガウス分布を示し、そのピークは腫瘍浸潤境界の外側400μmと内側200μmとの間に見られた。
これらの結果により、腫瘍内および腫瘍境界の両側ではリンパ球密度が高度に不均一であり、そのため、腫瘍内領域における密度の1回〜数回の測定に基づくだけでは信頼性の高い予後を確定することができないことを示すことができる。
7.プロフィールおよび群の構成
各バーチャルスライド上で、複数回(すなわち、4回を超える)の密度測定を行い、その各々を腫瘍境界に対する位置と関連付ける。示した例における密度測定は5μmごとに行った。
コホートの最初の20人の患者について、上に記載した技術に従って、腫瘍周辺領域から腫瘍中心へと至るリンパ球浸潤を測定した。
得られた20の曲線を、腫瘍境界に関する曲線の一般的プロフィール、すなわち、腫瘍の周辺から中心までのリンパ球密度の変化に従って、亜群に分類した。プロフィールを分類するために用いた基準は以下である:
1)リンパ球密度ピークの存在、
2)その強度、
3)腫瘍周辺および腫瘍内領域におけるその密度。
プロフィールタイプ1:「強い腫瘍内浸潤」
リンパ球密度が高くなっている。腫瘍内領域において、平均密度は、腫瘍周辺領域における平均密度より少なくとも2倍高い(図4C参照)。
プロフィールタイプ2:「腫瘍境界で高いリンパ球密度ピーク」
このピークは、腫瘍周辺領域の平均密度の3倍より高い、解析バンド中のある点でのリンパ球密度と定義される。曲線は、腫瘍伸展境界から300μm未満の距離でのリンパ球密度ピークを示している(図4B参照)。このピークは、幅1000μmで長さ5μmにわたって検出された6種のリンパ球の密度を超えていることから、強いといえる。6種のリンパ球の閾値は、CD3について陽性を示すリンパ球を示している曲線についてのみ定めた(この閾値は、CD8リンパ球では4であり、Foxp3+リンパ球では2.5であり、CD45ROリンパ球では7である)。
プロフィールタイプ3:「腫瘍境界で低いリンパ球密度ピーク」
曲線は、腫瘍伸展境界から300μm未満の距離でのリンパ球密度ピークを示している。このピークは、幅1000μmで長さ5μmにわたって検出された6種のリンパ球の密度閾値より低いままであることから、低いといえる(図4A参照)。
プロフィールタイプ4:「低い全体的浸潤」
曲線にピークは見られない。平均リンパ球密度は、CD3およびCD45ROでの2、Foxp3およびCD8での1という閾値より低い。
8.測定の均一性および再現性
リンパ球浸潤の測定では同じスライドの異なる測定点で差が生じないという仮説を次のとおり検証した:腫瘍−腫瘍周辺領域境界面の大きさに応じて、5枚の連続したスライドについて2〜4回の測定を行った。各測定で得られた曲線を、上に記載したプロフィールに従ってタイプ1〜4に分類した。図7B、図8Bおよび図9Bに示されるように、同じ患者の測定間では、曲線のタイプの違いは見られなかった。
9.結果:予後の根拠となる影響
無作為に選択した50人の患者で得られた曲線プロフィールを、3人の観察者によって独立に解析した。タイプ1、2、3または4への分類についての観察者間での再現性は優れており、κ値0.93であった。
この一連の117人の患者群において、カプラン・メイヤー法により生存曲線を表した。考えられる予後パラメーターの関連性を単変量解析により検証し、さらに、多変量解析により検証した。密度曲線プロフィール(「リンホタム」テスト(lymphotum test))のように、通常の予後変数は単変量解析において有意であった。しかしながら、多変量解析で生存と有意に関連付けられたのは密度曲線プロフィール(リンホタムテスト)だけであった。
下の表1は、これら2つの解析(単変量解析および多変量解析)により得られた結果を示す。
抗CD8、抗CD45ROおよび抗FoxP3によるこれら117人の患者の腫瘍のマーキング後にリンホタムテストも行った。これらのマーカーも、単変量解析で、さらに、多変量解析で生存と有意に関連付けられた。しかしながら、CD3リンホタムテストがわずかに優れていた。
書誌参照

Claims (9)

  1. 個体における固形腫瘍の進展の予測方法であって、少なくとも次の工程:
    a)腫瘍境界を特定することができるバーチャルスライドを腫瘍サンプルから作成する工程、
    b)工程a)で作成された前記バーチャルスライド上で、腫瘍境界に重なりかつ腫瘍境界の両側に、0.5mmに少なくとも等しい距離に広がる、「定量領域」と呼ばれる1または複数の連続領域であって、2mm の面を有する定量領域に存在する細胞および/または血管の密度を定量する工程、
    c)該定量から、該患者における術後再発のリスクおよび/または様々な抗腫瘍治療に対する感受性および/または転移を起こすリスクを推定する工程
    を含
    前記定量の結果がグラフ上に表され、
    前記グラフの解析により、前記患者における術後再発のリスクおよび/または様々な抗腫瘍治療に対する感受性および/または転移を起こすリスクを評価することが可能になり、
    前記グラフが、
    i)x軸は、腫瘍境界の両側の距離を示し、
    ii)y軸は、各サンプリング領域で測定された細胞および/または血管密度を示す
    というものであり、
    前記リスクの評価が、
    i)前記グラフの形を標準プロフィールと比較することにより、または
    ii)前および後の腫瘍境界領域各々のグラフ下面積を計算することにより、およびそれを閾値と比較することにより、
    iii)腫瘍境界の両側に一定距離にあるグラフの2点で傾き変化を測定することにより、およびそれらを閾値と比較することにより、または
    iv)腫瘍境界の両側に一定距離にあるグラフの2点で得られた値を閾値と比較することにより
    行われる、方法。
  2. 工程a)が、免疫組織化学によりマーキングされた組織切片の顕微鏡画像をデジタル化し、記録することから少なくともなることを特徴とする、請求項1に記載の予測方法。
  3. 定量工程b)がコンピューターソフトウェアを用いて行われることを特徴とする、請求項1に記載の予測方法。
  4. 前記連続領域が矩形領域であることを特徴とする、請求項1に記載の予測方法。
  5. 前記矩形領域が、
    i)この矩形の短辺および長辺の垂直二等分線は前記交点においてそれぞれ腫瘍境界の法線および接線であり、かつ
    ii)垂直二等分線の交点は、腫瘍境界上に定められた前記点である
    というものであることを特徴とする、請求項4に記載の予測方法。
  6. 工程b)が、所定の幅で長さが定量領域の幅である矩形領域の連続する群において細胞および/または血管密度をサンプリングすること、および定量領域を腫瘍境界の両側に定量領域の全長にわたって走査することからなる、請求項4および請求項5に記載の予測方法
  7. 個体における固形腫瘍の進展の予測方法であって、次の工程:
    a)免疫組織化学によりマーキングされた腫瘍の組織切片についての、腫瘍境界を特定することができるバーチャルスライドを得る工程、
    b)このバーチャルスライド上で、腫瘍境界の両側に、0.5mmに少なくとも等しい距離に広がる、請求項5に記載の連続矩形領域において、腫瘍境界の両側に存在する細胞および/または血管の密度を定量する工程、
    c)これらの結果をグラフ上に表す工程であって、該グラフのx軸が腫瘍境界からの距離に相当し、y軸が、x軸に沿った幅が所定の幅であり長さが矩形定量領域の幅である矩形面においてこの距離で測定された細胞または血管の量に相当する、工程、および
    d)下記i)〜iv)から選択される作業の少なくとも1つを行う工程:
    i)前記グラフの形を標準プロフィールと比較すること、または
    ii)前および後の腫瘍境界領域各々のグラフ下面積を計算すること、およびそれを閾値と比較すること、
    iii)腫瘍境界の両側に一定距離にあるグラフの2点で傾き変化を測定すること、およびそれらを閾値と比較すること、または
    iv)腫瘍境界の両側に一定距離にあるグラフの2点で得られた値を閾値と比較すること:
    e)工程d)から、該個体における術後再発のリスクおよび/または様々な抗腫瘍治療に対する感受性および/または転移を起こすリスクを推定する工程
    を含む、方法。
  8. 定量される細胞が、白血球、例えば、Tリンパ球、Bリンパ球、マクロファージ、NK細胞、樹状細胞、またはこれらの免疫細胞の亜集団などであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の予測方法。
  9. 定量される細胞が、免疫組織化学によりマーキングされ、マーカーCD3、CD4、CD8、CD45RO、FoxP3およびCD68について陽性であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の予測方法。
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