JP5864272B2 - 水素濃度計測装置 - Google Patents

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本発明は、水素濃度計測装置に係り、特に、原子力プラントに適用するのに好適な水素濃度計測装置に関する。
原子力プラントの建屋内の水素を計測する水素センサとしては、建屋内の広範囲なエリアで水素を計測する必要があるために、光ファイバを利用した水素センサの使用が考えられる。例えば、特開2004−271525号公報には、ファイバコアにブラッグ格子を形成したいわゆるファイバブラッグ格子(Fiber Bragg Grating)部(FBG部という)の外面を、水素吸蔵材であるパラジウムの層で取り囲んでいる水素センサが開示されている。また、「光ファイバを用いた水素センサの開発動向」,岡崎ら,表面技術,Vol.57,No.4,2006には、光ファイバのクラッドの外面にパラジウムの薄膜を取り付けて構成されたマッハツェンダー型干渉計により水素を計測する方法が記載されている。
特開2004−271525号公報
「光ファイバを用いた水素センサの開発動向」,岡崎ら,表面技術,Vol.57,No.4,2006
特開2004−271525号公報および「光ファイバを用いた水素センサの開発動向」,岡崎ら,表面技術,Vol.57,No.4,2006に記載された従来の光ファイバを用いた水素センサでは、光ファイバのFBG部あるいは光ファイバのクラッドの外面にパラジウムを取り付けているが、その外面へのパラジウムの取り付けには電着または蒸着などの処理方法で行う必要がある。しかしながら、電着または蒸着では、光ファイバの外面のごく一部にしかパラジウム層を形成することができない。広いエリア内で水素濃度を計測する場合には、その広いエリアをカバーできる長さの光ファイバの外面に、パラジウム層を形成する必要がある。このような長い光ファイバの外面への電着または蒸着によるパラジウム層の形成は、非常に手間が掛かるため実現が困難になるという問題が生じる。
また、水素吸蔵合金であるパラジウムが水素吸蔵作用によって体積変化を繰り返すことにより、パラジウムが光ファイバクラッドの外面から剥離して水素センシングの機能を損なう恐れがある。
本発明の目的は、光ファイバの外面へのパラジウムの取り付けが容易であり、かつ光ファイバからのパラジウムの剥離を防止することができる水素濃度計測装置を提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、コアをクラッドで取り囲んで構成される光ファイバと、そのクラッドの外面に被覆されたパラジウムを含む樹脂被覆層を有することにある。
パラジウムを含む樹脂被覆層を光ファイバのクラッドの外面に被覆しているので、パラジウムの光ファイバの外面への取り付けが容易であり、光ファイバからのパラジウムの剥離を防止することができる。
本発明によれば、光ファイバおよびパラジウムを有する水素センサにおいて、パラジウムの光ファイバの外面への取り付けが容易であり、光ファイバからのパラジウムの剥離を防止することができる。
本発明の好適な一実施例である実施例1の水素濃度計測装置に用いられる水素センサの構成図である。 本発明の好適な一実施例である実施例1の水素濃度計測装置の構成図である。 図1に示す水素センサの製造方法を示す説明図である。 原子炉建屋内での、図1に示す水素センサの配置状態を示す説明図である。 図2に示す水素濃度計測装置が接続される、プラント中央制御室に配置された運転監視システムの構成図である。 ブリルアン散乱光の説明図である。 図5に示す大画面可変情報表示装置に表示される水素濃度分布の表示例を示す説明図である。 本発明の他の実施例である実施例2の水素濃度計測装置の構成図である。 図8に示す水素センサの構成図である。 図9に示す水素センサの製造方法を示す説明図である。 本発明の他の実施例である実施例3の水素濃度計測装置の構成図である。 本発明の他の実施例である実施例4の水素濃度計測装置の構成図である。 図12に示す水素センサの製造方法を示す説明図である。
本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である実施例1の水素濃度計測装置を、図1および図2を用いて説明する。本実施例の水素濃度計測装置は、沸騰水型原子力プラントに適用される。本実施例の水素濃度計測装置21は、水素センサ6および信号処理装置7を備えている。
まず、水素濃度計測装置21に用いられる水素センサ6を、図1を用いて具体的に説明する。水素センサ6は光ファイバを用いている。水素センサ6は、コア2の周囲を管状のクラッド3で取り囲んで構成される光ファイバ5、および水素吸蔵合金であるパラジウムの粒子を含んでいる樹脂被覆層1を有する。樹脂被覆層1は、光ファイバ5の外面、すなわち、クラッド3の外面に設けられ、光ファイバ5の外面を取り囲んで被覆している。樹脂被覆層1は、樹脂、例えば、ポリイミドまたはUV硬化樹脂にパラジウムの粒子(またはペースト)を混合し、パラジウム粒子を混合したポリイミド(またはUV硬化樹脂)をクラッド3の外面の周囲に取り付けて加熱(または紫外線照射)によりポリイミド(またはUV硬化樹脂)を硬化させて形成される。
水素センサ6には光ファイバ5の外面を取り囲んで硬化された樹脂被覆層1が形成されているので、光ファイバを用いた水素センサ6が設置された環境に存在する水分が光ファイバ5に浸透することを阻止することができ、光ファイバ5のコア2およびクラッド3にクラックが生じて水素濃度が正しく計測できなくなる恐れを低減できる。
パラジウムは水素を吸蔵することにより体積が膨張する。水素の吸蔵により体積が膨張したパラジウムが光ファイバ5のクラッド3に歪みを与える。後述するが、この歪みによって光ファイバ5のコア2に発生するブリルアン散乱光を計測することにより、水素を検出することができる。
樹脂に混合するパラジウムの割合およびパラジウムが粒子の場合にはその粒径については用いる樹脂の様々な特性に依存するところが大きい。前述のように、樹脂被覆層1は水分の浸透を阻止する役割を担っているため、水分を遮断できるようにする必要がある。パラジウムを混合した樹脂を、クラッド3の外面にコーティングした場合には、パラジウム粒子と樹脂の間に隙間が生じる可能性があり、この隙間を伝って水分が浸透する恐れがある。パラジウムの粒径が大きく樹脂の量が少ない場合には、容易に水分が浸透して光ファイバ5が断線等の不具合を引き起こすことになる。このような状態になることを避けるために、例えば、パラジウムの粒径を1μm以下、パラジウムを含む樹脂被覆層1の厚さを4μm以上、および樹脂被覆層1におけるパラジウムの体積比率を20%以下にする。パラジウムの粒子の粒径は、20nm〜1μmの範囲が好ましい。樹脂が伸縮性に富んでいる場合には、パラジウムの体積比率は50%程度以下でもよい。樹脂被覆層1の厚みが10μmを超える場合には、パラジウムの体積比率を更に大きくすることも可能である。一方で、パラジウムの比率が少な過ぎると水素検知感度が低くなるため、パラジウムの体積比率は少なくとも5〜10%以上が必要となる。
パラジウムは水素吸蔵に際して相転移を生じる。パラジウムは、α相の状態に比べてβ相の状態では、体積膨張が数倍〜数十倍以上変化する。α相になるかβ相になるかは概ね水素センサ6を配置する環境における水素濃度および温度に依存する。環境の水素濃度が、比較的低い場合、例えば10%程度以下であれば、パラジウムはα相となる。水素センサ6を設置する環境が、パラジウムがβ相になる水素濃度が比較的高い環境である場合には、パラジウムの体積変化が大きいため、パラジウムの体積比率を上記割合よりも低下させて水素センサ6を製作することが望ましい。
水素は樹脂被覆層1の樹脂部分を比較的容易に透過するため、樹脂被覆層1内で周囲を完全に樹脂に覆われたパラジウム粒子であっても水素検知に寄与できる。
水素センサ6は、図3に示す水素センサ製造設備を用いて製造される。水素センサ6の製造について説明する。光ファイバ5となる光ファイバ母材8は、例えば石英母材であり、加熱炉9により溶融されて線引きされる。その後、パラジウム粒子を混入した、例えば、ポリイミドの樹脂ペースト(またはワニス)を、ダイス10でダイスコートして線引きされた光ファイバ5の外面に被覆する。その後、パラジウム粒子を含むポリイミドの樹脂ペーストを被覆した光ファイバ5を、焼成炉11で加熱し、被覆したその樹脂ペーストを硬化させる。焼成炉11の代わりに紫外線照射装置を用いて、パラジウム粒子を含むポリイミドの替りに、光ファイバ5を被覆している、パラジウム粒子を含むUV硬化樹脂に紫外線を照射してその樹脂ペーストを硬化させてもよい。巻取りドラム17は、キャプスタン16を利用して、製造された、光ファイバ5を用いた水素センサ6を巻き取る。
前述の水素センサ6が接続される信号処理装置7の詳細な構成を、図2を用いて説明する。信号処理装置7は、光源24、駆動回路25、光電変換器27、サンプリング処理回路29、波長シフト検出回路30及び水素濃度変換器31aを備えている。光電変換器27がフィルタ26および増幅器28に接続される。サンプリング処理回路29が増幅器28及び波長シフト検出回路30に接続される。水素濃度変換器31aが波長シフト検出回路30および表示器32に接続される。水素濃度変換器31aはさらに大画面可変情報表示装置42に接続される。駆動回路25が光源24及びサンプリング処理回路29に接続される。信号処理装置7のコネクタ22が水素センサ6に接続される。
沸騰水型原子力プラントには、複数の水素濃度計測装置21が設けられている。これらの水素濃度計測装置21の各水素センサ6は、沸騰水型原子力プラントの原子炉建屋34内に設置される(図4参照)。炉心(図示せず)を内蔵する原子炉圧力容器36が、原子炉格納容器35内に設置される。原子炉格納容器35が原子炉建屋34内に据え付けられている。各水素濃度計測装置21のそれぞれの信号処理装置7は、中央制御室39に設置される。それぞれの信号処理装置7の各コネクタ22に接続されたそれぞれの水素センサ6は、原子炉建屋34内に配置される。
或る水素センサ6は、中央制御室39から、原子炉建屋34内の運転床37より上方に存在する領域38に配置される。また、他の水素センサ6は、中央制御室39から、原子炉建屋34内の領域を経て原子炉格納容器35内の頂部に配置される。
運転監視システム51が中央制御室39内に設置される(図5参照)。この運転監視システム51は、操作盤43、大画面表示装置41、大画面可変情報表示装置40および42、制御装置48および49、プロセス計算機50および当直用専用コンソール45を備えている。制御装置48および49、およびプロセス計算機50は、データ伝送を行うネットワーク47に接続される。大画面表示装置41、大画面可変情報表示装置40および42、操作盤43および当直用専用コンソール45も、ネットワーク47に接続されている。複数の水素濃度計測装置21、具体的には、各水素濃度計測装置21のそれぞれの信号処理装置7の水素濃度変換器31aが、ネットワーク47に接続される。
当直長46は運転員44に対するスーパーバイザーである。大画面表示装置41は、沸騰水型原子力プラントの系統、このプラントに係わる機器の状態、および主要パラメータ等が表示されており、沸騰水型原子力プラントの運転状態を容易に把握できるようになっている。
沸騰水型原子力プラントにおいて事故が発生してこのときに発生した水素が滞留する可能性が高いのは、原子炉格納容器35内および原子炉建屋34内である。原子炉圧力容器36内の炉心に装荷された燃料集合体に含まれる燃料棒が破損し、燃料棒の被覆管の構成材に含まれるジルコニウムと水との反応により水素が発生する。この水素は、軽いために、原子炉格納容器35内の頂部および原子炉建屋34内の上層部の領域38に溜るようになる。このようなプラント状態では、水素発生と共に、水蒸気、ヨウ素が発生する可能性が高い。しかも、高温下となる。このため、本実施例では、水素が滞留しやすい原子炉格納容器35内の頂部および原子炉建屋34内の領域38にそれぞれ水素センサ6を設置している。
上記のような事象が発生したときにおける水素濃度計測装置21を用いた水素の検出を、図1及び図2を用いて説明する。図4に示された各水素濃度計測装置21における水素検出の原理は同じである。
信号処理装置7の駆動回路25が、光源24から特定波長の光を出力するための第1指令信号を光源24に出力すると共に、サンプリング開始タイミングを指令するための第2指令信号をサンプリング処理回路29に出力する。指令信号を入力した光源24は、指令された特定波長の光を出力する。この光は、ミラー23を通過し、コネクタ22に接続されている水素センサ6の光ファイバ5のコア2内に入射される。
前述の事象で発生した水素は、水素センサ6の樹脂被覆層1に含まれるパラジウムに吸蔵される。パラジウムは水素を吸蔵することによって体積が膨張し、光ファイバ5のクラッド3に歪みを与える。クラッド3に生じた歪みにより、光ファイバ5のコア2内に入射された入射光に対してブリルアン散乱光が発生する(図6参照)。ブリルアン散乱光は入射光に対して波長(周波数と言う場合がある)がシフトしており、この波長シフト量(周波数シフト量と言う場合がある)が、前述のパラジウムの水素吸蔵によってクラッド3に生じる歪みに対応する。このブリルアン散乱光は、コア2内を伝送し、ミラー23で反射されてフィルタ26に導かれる。フィルタ26は、入射した光のフィルタリングを行い、計測対象外の不要な光を除去する。フィルタ26から出力された光は、光電変換器27に伝えられて電気信号に変換される。変換された電気信号は、増幅器28で増幅された後、サンプリング処理回路29に入力される。
サンプリング処理回路29は、前述の第2指令信号が入力された後、所定周期で入力信号をサンプリングし、光源24から特定波長の光が出力された時点からブリルアン散乱光を入力するまでの経過時間を計測する。計測された経過時間は、換算演算処理を実施してどの位置で水素を検出したかを示す水素検出位置信号に変換される。水素検出位置信号は波長シフト検出回路30を介して水素濃度変換器31aに出力される。サンプリング処理回路29でサンプリングされた検出信号は波長シフト検出回路30に入力される。波長シフト検出回路3は、入力した検出信号に基づいて波長シフト量(周波数シフト量ともいう)を計測する。具体的には、信号処理装置7に入力されたブリルアン散乱光の波長の、コア2に入射された入射光の特定波長のシフト量を計測する。計測された波長シフト量は波長シフト検出回路30から水素濃度変換器31aに出力される。水素濃度変換器31aは換算演算処理を実施して波長シフト量に基づいて水素濃度を求める。波長シフト量から水素濃度への換算は、波長シフト量を水素濃度に変換する換算式、または波長シフト量と水素濃度を対応させたテーブル情報を用いて行われる。この換算式またはテーブル情報は、信号処理装置7のメモリ(図示せず)に予め記憶されている。水素濃度変換器31aは求めた水素濃度を水素濃度信号として出力する。水素濃度変換器31aは、入力した水素検出位置信号を水素濃度信号と共に、入力されており、これらを表示器32と大画面可変情報表示装置42に出力する。この結果、表示器32および大画面可変情報表示装置42は、計測点ごとの水素濃度、つまり計測エリアに対する水素濃度分布、および水素検出位置を表示することができる。例えば、図7に示す水素濃度分布情報が、大画面可変情報表示装置42に表示される。
運転員44または当直長46の操作により、前述したように、大画面可変表示装置42に水素濃度計測装置21で計測した水素濃度が表示される。建屋構成図に関連づけて水素濃度を表示することで、運転員44および当直長46、あるいは保守員に対して視認性が高くなる。図7に示した表示画像では、水素濃度計測装置21によって計測される水素濃度を計測するエリアに対応させて原子炉建屋34および原子炉格納容器35の建屋構成の画像情報および水素濃度分布の情報を併せて表示し、かつ両エリアにおける最大水素濃度を示している。このように表示することで、建屋内の水素濃度分布とその最大水素濃度が容易に分かり、安全処置判断をタイムリーに行うことが可能になる。
水素センサ6は、光ファイバ5を含んでおり、原子炉建屋内34および原子炉格納容器35内の広範囲に敷設することができ、その広範囲の領域で水素を容易に検出することができ、水素検出位置も容易に確認することができる。
操作盤43、大画面表示装置41、大画面可変情報表示装置40および42には、所内電源または外部電源から電流が供給される。これに対して、表示器32を含む信号処理装置7には、所内電源または外部電源から電流が供給されるだけでなく、所内電源または外部電源、さらには非常用電源が喪失したときに、バッテリから電流が供給できるようになっている。信号処理装置7は、操作盤43、大画面表示装置41、大画面可変情報表示装置40および42に比べて消費電力が少なく、所内電源、外部電源および非常用電源が喪失したときに、バッテリから供給される電流により、機能することができる。このため、前述の事故発生後において所内電源、外部電源および非常用電源が喪失している場合であっても、水素センサ6で原子炉建屋34および原子炉格納容器35内の水素を検出することができ、信号処理装置7で得られた水素濃度及び水素検出位置等の情報を表示器32に表示することができる。したがって、前述の事故発生後において所内電源、外部電源および非常用電源が喪失している場合であっても、オペレータは、原子炉建屋34および原子炉格納容器35内の水素濃度及び水素検出位置を把握することができる。
本実施例の水素濃度計測装置21は光ファイバ5の外面を取り囲む、パラジウムを含む樹脂被覆層1を形成している。この樹脂被覆層1を形成するために必要となる樹脂の焼結温度は500℃以上であるが、水素センサ6ではパラジウムを焼結させる必要が無く樹脂を硬化させる目的で加熱するため、その加熱温度は300℃程度までとかなり低くすることができる。また、樹脂の硬化は、紫外線照射でも可能となり、水素センサ6の製造が容易になる。
前述したように、樹脂被覆層1に含まれるパラジウムは、水素吸蔵によって体積が膨張する。水素センサ6の樹脂被覆層1はパラジウムの粒子を樹脂で取り囲んでいるので、水素吸蔵によるパラジウムの体積膨張を弾性体である樹脂で吸収することができる。このため、水素吸蔵によりパラジウムの体積が膨張した場合でも、樹脂被覆層1が光ファイバ5から剥離することを防止することができる。すなわち、水素センサ6が配置された環境の水素濃度の高低に関わらず、水素濃度計測装置21は水素検知機能を健全な状態に保つことができる。
水素センサ6は、クラッド3を取り囲む樹脂被覆層1に水素を吸蔵するパラジウムを含んでいるため、コア2内にブリルアン散乱光を発生させることができ、このブリルアン散乱光を信号処理するため、水素検出位置を容易に特定することができる。
水素センサ6において、光ファイバ5のクラッド3の外面を、パラジウムを含む樹脂被覆層1で被覆した場合には、樹脂被覆層1内のパラジウム粒子が光ファイバ5のクラッド3の外面と接触している場所が局所的には存在する可能性がある。この状態で、水素センサ6に外部から曲げおよび伸縮の力が加わった場合には、光ファイバ5のクラッド3が傷つき、光ファイバ5が破断に至る恐れがある。このため、光ファイバ5のクラッド3の外面を、パラジウムを含まない別の樹脂被覆層(図示せず)で予め覆って、この樹脂被覆層の外面を、パラジウムを含む樹脂被覆層1で覆っても良い。この場合、パラジウムを含まない樹脂被覆層の、光ファイバ5のクラッド3の外面へのコーティングの狙いは、樹脂被覆層1に含まれるパラジウム粒子が、直接、クラッド3に接触することを防止するためであるので、パラジウムを含まない樹脂被覆層の厚みは、例えば、1μm程度以上あればよい。このような構造によって、水素センサ6の光ファイバ5の耐久性を更に向上させることができる。
水素濃度計測装置21の信号処理装置7が中央制御室39に設置されるため、中央制御室39で水素濃度を監視することができる。中央制御室39で原子力発電所の運転状態、機器状態と共に水素濃度が監視可能になるために、運転員が原子力発電所の安全性を即座に理解することが可能となり、水素爆発防止のために窒素を充填したり、水素をパージしたりするための判断や操作が短時間で実行でき、そのような操作を実施した結果を即座に確認できるという効果がある。
樹脂被覆層1は、パラジウム単体の替りに、パラジウムと、銀、ニッケルおよびクロムのうちの少なくとも一種の金属との合金を含んでも良い。樹脂被覆層1に含まれるそのような合金は、高濃度水素下での不可逆的な物質特性変化を抑制することができる。パラジウム単体では高濃度水素下で不可逆的な物質特性変化が発生して水素を吸蔵し続け、水素センサ6が配置された領域において水素センサ6の周辺に水素がなくなっても、この状態を正しく検出することができなくなる。水素センサ6の樹脂被覆層1がパラジウムと、銀、ニッケルおよびクロムのうちの少なくとも一種の金属との合金を含むことによって、水素センサ6は、水素センサ6の周辺に水素がなくなってもこの状態を正確に検出することができる。また、パラジウムと、銀、ニッケルおよびクロムのうちの少なくとも一種の金属との合金ではなく、銀、ニッケルおよびクロムのうちの少なくとも一種の金属が、樹脂被覆層1において、パラジウムと混在していても、その合金が存在する場合と同様な効果を得ることができる。
本発明の他の実施例である実施例2の水素濃度計測装置を、図8および図9を用いて説明する。
本実施例の水素濃度計測装置21Aは、実施例1の水素濃度計測装置21において水素センサ6を水素センサ6Aに替えた構成を有する。水素濃度計測装置21Aの他の構成は実施例1の水素濃度計測装置21と同じである。すなわち、水素濃度計測装置21Aは水素濃度計測装置21に用いられる信号処理装置7を有している。水素濃度計測装置21Aは、水素センサ6Aを信号処理装置7のコネクタ22に接続している。
水素センサ6Aは、水素センサ6と同様に、コア2およびクラッド3を有する光ファイバ5、およびクラッド3の外面を被覆する樹脂被覆層1を有する。水素センサ6Aは、樹脂被覆層1の外面を、フッ素を含む樹脂層4で被覆している。樹脂層4は樹脂被覆層1の外面全体を覆っている。樹脂層4は、例えば、ポリイミドまたはUV硬化樹脂(紫外線硬化樹脂)にフッ素を混入したものである。
水素センサ6Aは、図10に示す水素センサ製造設備を用いて製造される。水素センサ6Aの製造について説明する。光ファイバ母材(例えば、石英母材)8は加熱炉9により溶融されて線引きされ、パラジウム粒子を含むポリイミドの樹脂ペースト(またはワニス)を、ダイス10でダイスコートして線引きされた光ファイバ5の外面に被覆する。その後、焼成炉11で加熱により、光ファイバ5に被覆したパラジウム粒子を含むポリイミドの樹脂ペーストを硬化させる。パラジウム粒子を含むポリイミドの替りにパラジウム粒子を含むUV硬化樹脂を光ファイバ5に被覆し、紫外線照射装置からの紫外線照射によりそのUV硬化樹脂を硬化させてもよい。ここまでの工程は、実施例1で用いられる水素センサ6の製造工程と同じである。
水素センサ6Aの製造においては、その後、パラジウム粒子を含むポリイミドペーストを硬化させて生成された樹脂被覆層1を有する光ファイバ5を、さらに、ダイス12内を通して、フッ素を含むポリイミドのペーストを、樹脂被覆層1に被覆する。そして、
焼成炉13内で、被覆したフッ素を含むポリイミドのペーストを硬化させる。この硬化により、樹脂被覆層1の表面を覆う樹脂層4が形成される。巻取りドラム17は、キャプスタン16を利用して、製造された、光ファイバ5を用いた水素センサ6Aを巻き取る。ダイス12において、フッ素を含むUV硬化樹脂のペーストを樹脂被覆層1に被覆した場合には、焼成炉13の替りに、紫外線照射装置を用いてフッ素を含むUV硬化樹脂のペーストに紫外線を照射してこのUV硬化樹脂を硬化させる。
水素濃度計測装置21Aの水素センサ6Aは、実施例1の水素センサ6と同様に、原子炉建屋34内の領域38または原子炉格納容器35の頂部に配置される。水素濃度計測装置21Aも、水素濃度計測装置21と同様に、水素を検出することができ、水素濃度及び水素検出位置の各情報を提供することができる。
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。本実施例は、樹脂被覆層1を樹脂層4で被覆した水素センサ6Aを用いているので、水素センサ6Aが設置される領域に存在する水分が光ファイバ5まで浸透することを更に阻止することができる。このため、水素検出の精度をさらに向上させることができる。
樹脂被覆層1の表面を、フッ素を含む樹脂層4で覆っているので、本実施例は以下の効果を生じる。フッ素を含む樹脂層4、すなわち、フッ素ドープの被覆を、樹脂被覆層1の表面に形成することによって、水素センサ6Aが配置されている環境に同じハロゲンのヨウ素が存在する場合、樹脂層4に侵入したそのヨウ素はフッ素にトラップされ、ヨウ素が樹脂被覆層1に含まれるパラジウムの位置に到達するのを防止することができる。ヨウ素がパラジウムの位置に到達した場合には、パラジウムとヨウ素の化学変化によりパラジウムの水素吸蔵性能が低下する。このため、光ファイバ5を有する水素センサの水素検知性能が低下する。本実施例では、水素センサ6Aの最外層にフッ素を含む樹脂層4を形成しているので、樹脂被覆層1内のパラジウムの水素吸蔵性能の低下を防止することができ、水素センサ6よりもさらに精度良く水素濃度を検出することができる。
したがって、水素センサ6Aを用いた水素濃度計測装置21Aは、水素センサ6Aが水素およびヨウ素が存在する環境に配置された場合であっても、水素をより正確に検出することができる。最外周の樹脂層にフッ素を入れているために、この問題を解決することが可能になる。
水素センサ6Aにおいて、パラジウムを含む樹脂被覆層1を被覆する、フッ素を含む樹脂層4は、樹脂被覆層1の表面を被覆するフッ素層である。樹脂層4以外のフッ素層としては、(a)樹脂被覆層1の表面に、直接、フッ素をコーティングして形成されたフッ素被膜、および(b)樹脂被覆層1の表面を被覆した、パラジウム及びフッ素を含まない樹脂(例えば、ポリイミド)の層およびこの樹脂層の外面にフッ素をコーティングして形成されたフッ素被膜を含むフッ素層がある。
本発明の他の実施例である実施例3の水素濃度計測装置を、図11を用いて説明する。
本実施例の水素濃度計測装置21Bは、実施例1の水素濃度計測装置21において信号処理装置7を信号処理装置7Aに替えた構成を有する。信号処理装置7Aのコネクタ22には水素センサ6が接続される。
信号処理装置7Aは、前述の信号処理装置7において水素濃度変換部31aを水素濃度変換部31cに替え、さらにスイッチ52及び温度計測部53を追加した構成を有する。信号処理装置7Aの他の構成は信号処理装置7と同じである。
信号処理装置7Aでは、スイッチ52がコネクタ22とミラー23の間に配置され、温度計測部53がスイッチ52及び水素濃度変換部31cに接続される。水素濃度変換部31cは、波長シフト検出回路30に接続されると共に、表示器32に接続される。水素濃度変換部31cは、さらに、ネットワーク47を介して大画面可変情報表示装置42に接続される。このような構成を有する信号処理装置7Aは、ブリルアン散乱光を検出して水素吸蔵によって生じる歪み量に基づいて水素濃度を計測する第1計測部、およびラマン散乱光に代表される、温度によって強度や周波数(波長)が変化する光を検出して温度を測定する第2計測部を備えている。第1計測部は、光電変換器27、サンプリング処理回路29および波長シフト検出回路30を有する。第2計測部は温度計測部53を有する。光ファイバ5を通して戻ってきた光の入射先を、第1計測部にするか、または第2計測部にするか、の切り替えは、スイッチ52によって行われる。スイッチ52の切り替えはオペレータによって行われる。
信号処理装置7Aにおいて、実施例1と同様に、ブリルアン散乱光を検出して水素吸蔵によって生じる歪み量に基づいて水素濃度を計測する場合には、スイッチ52は、水素センサ6から戻ってきた光をミラー23に入射するように切り替えられている。このとき、水素センサ6から戻ってきた光は温度計測部53に入力されない。ミラー23で反射された光は、実施例1で述べたように、光電変換器2727に入力されて電気信号に変換される。この電気信号がサンプリング処理回路29に入力され、信号処理装置7Aのサンプリング処理回路29および波長シフト検出回路30は、信号処理装置7のサンプリング処理回路29および波長シフト検出回路30と同様な処理を行い、水素検出位置信号および波長シフト量を出力する。
水素センサ6から戻ってきた光を温度計測部53に入力するようにスイッチ52を切り替えた場合には、その光は温度計測部53に入力される。温度計測部53は、入力された光に含まれている、ラマン散乱光に代表される、温度によって強度や周波数(波長)が変化する光を検出して温度を計測する。温度計測部53で計測された温度は、この温度が生じている特定の場所の情報(位置情報)と対になっている。
波長シフト検出回路30から出力された水素検出位置および波長シフト量の各情報、および温度計測部53から出力された温度の情報が、水素濃度変換部31cに入力される。水素濃度変換部31cは、入力したそれらの情報を用いて水素濃度を求める。
水素センサ6の樹脂被覆層1に含まれるパラジウムは、温度によって水素吸蔵特性が大きく変化する。500℃、600℃となる環境下で水素センサ6が水素を検出する場合も想定できるため、信号処理装置7Aの水素濃度変換部31cでは、求めた水素濃度の温度補償を行う。水素センサ6の樹脂被覆層1に含まれるパラジウムの水素吸蔵特性は、温度によって変化する。このため、波長シフト検出回路30から出力された波長シフト量に基づいて求められた水素濃度は、水素検出位置の温度に基づいて補正することにより、より正確な水素濃度を求めることができる。
本実施例では、温度とパラジウムの水素吸蔵特性の関係に基づいた波長シフト量の変化を対応付けた関係式またはテーブル情報、すなわち、温度とパラジウムの水素吸蔵特性の関係に基づいた水素濃度の変化を対応付けた関係式またはテーブル情報を、信号処理装置7Aのメモリ(図示せず)に予め格納している。水素濃度変換部31cは、実施例1における水素濃度変換部31aと同様に、波長シフト検出回路30から入力した波長シフト量から水素濃度への換算を行って水素濃度を求める。水素濃度変換部31cは、さらに、温度とパラジウムの水素吸蔵特性の関係に基づいた水素濃度の変化を対応付けた関係式またはテーブル情報を用いて、温度計測部53から入力した温度に対応する水素濃度の変化情報を求め、この水素濃度の変化情報を用いて、波長シフト量に基づいて求めた水素濃度を補正する。補正された水素濃度が、水素濃度の真の値として、表示器32及び大画面可変情報表示装置42に表示される。
水素濃度変換部31cは、波長シフト検出回路30から入力した波長シフト量を、温度とパラジウムの水素吸蔵特性の関係に基づいた波長シフト量の変化を対応付けた関係式またはテーブル情報を用いて補正し、補正された波長シフト量を用いて水素濃度を求めても良い。このようにして求められた水素濃度は、実質的に、波長シフト量から求められた水素濃度を、温度とパラジウムの水素吸蔵特性の関係に基づいた水素濃度の変化を対応付けた関係式またはテーブル情報を用いて補正して得られた水素濃度と同じである。
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。さらに、本実施例は、温度情報を用いて波長シフト量に基づいて求めた水素濃度を補正するので、実施例1よりもよりより精度の高い水素濃度を得ることができる。
信号処理装置7Aのコネクタ22に水素センサ6の替りに水素センサ6Aを接続しても良い。
本発明の他の実施例である実施例4の水素濃度計測装置を、図12および図13を用いて説明する。
本実施例の水素濃度計測装置21Cは、水素センサ6Cおよび信号処理装置7Bを備えている。水素センサ6Cは、光ファイバ5の外面に、樹脂層4Aおよびパラジウムを含む樹脂被覆層1を交互に配した構成を有する。樹脂層4Aは、フッ素及びパラジウムを含んでいないポリイミド(またはUV硬化樹脂)の層である。回折格子部15は、光ファイバ5のコア部に回折格子であるブラッグ格子を書き込むFBG(Fiber Bragg Grating)加工を施した部分である。この回折格子部15と、FBG加工が施されていない非回折格子部とが交互に配置されている。そして、この回折格子部15に位置するクラッド3の外面に、パラジウムを含む樹脂被覆層1を施し、この非回折格子部に位置するクラッド3の外面に、フッ素及びパラジウムを含まない樹脂層4Aを施すことにより、水素センサ6Cは構成される。
信号処理装置7Bは、FBG歪み測定部18、水素濃度変換器31bおよび表示器32を有する。FBG歪み測定部18は、コネクタ22および水素濃度変換器31bに接続される。水素濃度変換器31bは、表示器32、および大画面可変情報表示装置42に接続されたネットワーク47に接続されている。
信号処理装置7Bのコネクタ22に接続された水素センサ6Cは、水素センサ6と同様に、原子炉建屋34または原子炉格納容器35内に配置される。
水素センサ6Cが配置された領域に水素が存在する場合には、樹脂被覆層1のパラジウムが水素を吸蔵して体積を変化させる。これにより、回折格子部15の回折格子の間隔が変化し、光は回折格子部15があるコア2の部分を通過する際に回折格子の間隔と屈折率で決まる特定の光だけがこのコア2の部分から反射される。このため、パラジウムの水素吸蔵度合いにより回折格子部15が伸縮すると、回折格子部15の回折格子の間隔が変化して反射する光の波長(または周波数)が変化する。回折格子部15から反射された光は、信号処理装置7BのFBG歪み測定部18に入力される。
FBG歪み測定部18は、入力した光の波長(または周波数)に基づいて、該当する回折格子部15に生じた歪み量(回折格子部15の伸縮度合い)を検出する。水素濃度変換器31bは、FBG歪み測定部18から入力した、検出された歪み量に、換算演算処理を実施し、水素濃度を求める。この水素濃度は、表示器32および大画面可変情報表示装置42に表示される。
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。樹脂被覆層1が光ファイバ5の全長に亘って形成されていないので、水素センサ6Cは水素センサ6に比べたパラジウムの使用量を低減することができる。
実施例3の水素濃度計測装置21Bに用いる信号処理装置7Aと同様に、信号処理装置7Bにスイッチ52及び温度計測部53を設けても良い。
前述した実施例1〜4の各水素濃度計測装置は、沸騰水型原子力プラントだけでなく、加圧水型原子力プラント等の他のタイプの原子力プラントに適用することができる。さらに、それらの実施例は、水素スタンド建屋、および水素を燃料とする車両やロケット等に適用することができる。
1…樹脂被覆層、2…コア、3…クラッド、4…樹脂層、5…光ファイバ、6,6A,6C…水素センサ、7,7A,7B…信号処理装置、18…FBG歪み測定部、21,21A,21B…水素濃度計測装置、24…光源、25…駆動回路、29…サンプリング処理回路、30…波長シフト検出回路、31a,31b,31c…水素濃度変換器、34…原子炉建屋、35…原子炉格納容器、36…原子炉圧力容器、40,42…大画面可変情報表示装置、52…スイッチ、53…温度計測部。

Claims (9)

  1. コアをクラッドで取り囲んで構成される光ファイバ、及び前記クラッドの外面に被覆されたパラジウムを含む樹脂被覆層を有する水素センサと、信号処理装置とを備え、
    前記信号処理装置が、前記水素センサの前記コアに或る波長の光を入射する光源と、前記パラジウムの水素吸蔵により前記クラッドに生じる歪みによって前記光ファイバで発生するブリルアン散乱光を入力し、前記ブリルアン散乱光の波長の、前記コアに入射する前記或る波長の光の波長からのシフト量、および前記ブリルアン散乱光の周波数の、前記コアに入射する前記或る波長の光の周波数からのシフト量のいずれかのシフト量を求める第1計測部と、前記第1計測部で求められた前記シフト量を水素濃度に変換する水素濃度変換器とを備えていることを特徴とする水素濃度計測装置。
  2. 前記樹脂被覆層に含まれるパラジウムの粒径が20nm〜1μmの範囲内に存在する請求項1に記載の水素濃度計測装置
  3. 前記樹脂被覆層は、前記パラジウム以外に、銀、ニッケルおよびクロムの内の少なくとも1種類の金属を含んでいる請求項1または2に記載の水素濃度計測装置
  4. 前記パラジウムは、銀、ニッケルおよびクロムの内の少なくとも1種類の金属との合金として前記樹脂被覆層に含まれている請求項1または2に記載の水素濃度計測装置
  5. 前記樹脂被覆層の外面に被覆されたフッ素層を有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の水素濃度計測装置
  6. 前記フッ素層はフッ素を含む樹脂層である請求項5に記載の水素濃度計測装置
  7. 前記フッ素層は前記樹脂被覆層の外面に被覆されたフッ素単体の被覆層である請求項5に記載の水素濃度計測装置
  8. 前記信号処理装置が、前記光源から前記或る波長の光を出力した時点から前記ブリルアン散乱光を入力するまでの時間に基づいて水素検出位置をさらに求める前記第1計測部を備えている請求項1ないし7のいずれか1項に記載の水素濃度計測装置。
  9. 前記信号処理装置が、前記光ファイバから戻ってくる光に含まれるラマン散乱光に基づいて前記水素センサの温度を計測する第2計測部を有しており、
    前記水素濃度変換器が、前記シフト量に基づいて求めた前記水素濃度を前記第2計測部で計測した温度に基づいて補正する水素濃度変換装置である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の水素濃度計測装置。
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