以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。なお本発明は、下記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
[パチンコ遊技機1の概略構成例]
まず、図1を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。パチンコ遊技機1は、1種2種混合タイプと呼ばれるパチンコ遊技機である。図1に示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤102と、遊技盤102を囲む枠部材103とを備えている。枠部材103は、遊技盤102と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持している。遊技盤102の表側におけるこのガラス板により覆われる領域が、遊技球が流下可能な遊技領域110となる。
遊技者がハンドル120を握ってレバー121を時計方向に回転させると、皿128に溜められた遊技球が発射装置(不図示)へと案内され、ハンドル120の回転角度に応じた打球力で遊技領域110へと発射される。この遊技領域110には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技領域110における上部位置へと案内され、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤102に沿って落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン122を操作することによって一時的に停止される。
また、皿128と近接配置された取り出しボタン123を遊技者が操作すると、皿128の下面の一部が開口されて、皿128に溜まった遊技球が皿128の下方に配置された不図示の箱に落下する。なお、皿128は、発射装置へ供給される遊技球及び賞球を溜める上皿と、賞球を溜める下皿との2つの皿によって構成されてもよい。
遊技者がハンドル120を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印131に例示されるように遊技領域110における左側領域を流下する。一方、遊技者がハンドル120を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印132に例示されるように遊技領域110における右側領域を流下する。
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動装置111、第2始動装置112、2つの普通入賞装置114、及び電動チューリップ117が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動装置112、大入賞装置113、2つの普通入賞装置114、ゲート116、上記電動チューリップ117、特定入賞装置119、及び羽根部材190が設けられている。
遊技領域110に打ち出された遊技球は、遊技盤102に沿って流下する過程で、第1始動装置111、第2始動装置112、大入賞装置113、及び普通入賞装置114のいずれかに入球して入賞する。これにより、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が皿128に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口118を介して遊技領域110から排出される。
第1始動領域としての第1始動装置111は、常時開放されている始動装置であり、第2始動領域としての第2始動装置112は、普通電動役物としての電動チューリップ117が作動しているときだけ開放される始動装置である。パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動装置111を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動装置112を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器104に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動装置111への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動装置112への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
大入賞装置113は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この大入賞装置113の開口部には、大入賞装置113を開閉するプレートが設けられている。大入賞装置113は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器104に停止表示された場合、すなわち1種大当たりが発生した場合、上記プレートを作動させて大入賞装置113を開放する大当たり遊技が実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。なお、第2特別図柄判定の結果が小当たりであることを示す所定の小当たり図柄が表示器104に停止表示されると、後述する羽根部材190を作動させて特別入賞領域としての特定入賞装置119を開放する小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技中には、V入賞装置302(所定の領域の一例:図3参照)が一時的に開放され、この間にV入賞装置302に遊技球が入賞することで2種大当たりが発生する。大入賞装置113は、このように2種大当たりが発生した場合にも開放される。
電動チューリップ117は、第2始動装置112に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ117は、一対の羽根部材が第2始動装置112を閉塞する閉姿勢(図1参照)と、第2始動装置112を開放する開姿勢(不図示)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動装置112は、図1に示されるように、通常は電動チューリップ117によって閉塞されている。これに対して、遊技球がゲート116を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動装置112を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動装置112を開放すると判定された場合、電動チューリップ117の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動装置112は、電動チューリップ117が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動チューリップ117が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。なお、以下の説明では、ゲート116への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
普通入賞装置114は、第1始動装置111と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞装置である。なお、第1始動装置111等とは異なり、普通入賞装置114に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
後述する主液晶表示装置105の前面側には、特別図柄判定の結果に応じて一時的に開放される特定領域109が設けられている。この特定領域109については、図3に基づいて後に詳述する。
[表示器104の構成例]
図2は、図1における表示器104の拡大図である。表示器104は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図2に示されるように、第1特別図柄表示器201、第2特別図柄表示器202、第1特別図柄保留表示器203、普通図柄表示器204、普通図柄保留表示器205、及び遊技状態表示器206を有して構成されている。
第1特別図柄表示器201は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。この第1特別図柄表示器201には、第1特別図柄判定の結果が「大当たり」(1種大当たり)であることを示す大当たり図柄、又は第1特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第2特別図柄表示器202は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。この第2特別図柄表示器202には、第2特別図柄判定の判定結果が「大当たり」(1種大当たり)であることを示す大当たり図柄、第2特別図柄判定の結果が「小当たり」であることを示す小当たり図柄、又は第2特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
ところで、特別図柄判定に係る図柄の変動表示中や大当たり遊技中、後述する小当たり遊技中に第1始動装置111に新たに遊技球が入賞した場合、この入賞を契機とする第1特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行することができない。そこで、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、第1始動装置111に遊技球が入賞しても即座に第1特別図柄判定を実行できない場合に、第1特別図柄判定の権利が保留されるように構成されている。第1特別図柄保留表示器203は、このようにして保留された第1特別図柄判定の保留数を表示する。
なお、パチンコ遊技機1では、第2始動装置112に遊技球が入賞しても第2特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行できない場合、すなわち特別図柄判定に係る図柄の変動表示中や大当たり遊技中、小当たり遊技中に第2始動装置112に新たに遊技球が入賞した場合には、第2特別図柄判定は実行されず、また、第2特別図柄判定の権利が保留されることもない。このため、表示器104には、第2特別図柄判定の保留数を表示する表示器は設けられていない。
普通図柄表示器204は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。なお、例えば普通図柄表示器204における図柄の変動表示中など、遊技球がゲート116を通過しても普通図柄判定及び普通図柄判定に係る図柄の変動表示を即座に実行できない場合には、普通図柄判定の権利が保留される。普通図柄保留表示器205は、このようして保留された普通図柄判定の保留数を表示する。遊技状態表示器206は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。パチンコ遊技機1の遊技状態については、図5に基づいて後に詳述する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器204に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
[特定領域109の構成例]
図3は、特定領域109の内部構造を示す模式図である。図3における鉛直方向134及び幅方向135は、図1における鉛直方向134及び幅方向135と対応している。特定領域109は、小当たりが発生することによって遊技球が進入可能に開放される領域であり、その入り口である特定入賞装置119には、特定入賞装置119を開閉する羽根部材190が設けられている。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に特別図柄判定の結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄が判定図柄として停止表示されると、1種大当たりとなって大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技は、所定条件(例えば大入賞装置113への9個の遊技球の入賞、又は大入賞装置113が開放されてから29秒が経過)を満たすまで大入賞装置113を開放した状態を維持した後に大入賞装置113を閉塞する長開放ラウンド遊技を規定回数実行するものである。なお、大当たり遊技として、遊技球が入球困難に大入賞装置113を短開放する短開放ラウンド遊技が規定回数実行される場合もある。
一方、第2特別図柄判定が行われて「小当たり遊技」を実行すると判定されると、第2特別図柄表示器202に第2特別図柄判定の結果が「小当たり」であることを示す小当たり図柄が判定図柄として停止表示される。この場合羽根部材190を作動させて特定領域109を開放する小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技では、特定領域109を開放してから所定時間(例えば3.2秒)が経過するまで特定領域109を開放した状態を維持した後に特定領域109を閉塞する羽根部材190の動作が規定回数(例えば1回)実行される。このように、小当たりが発生することで、特定領域109への遊技球の進入が可能になる。
図3に例示されるように、特定領域109には、案内部材301、V入賞装置302、ハズレ入賞装置303、及びスライド部材304が設けられている。案内部材301は、特定入賞装置119から特定領域109に進入した遊技球をV入賞装置302又はハズレ入賞装置303へと案内するものである。V入賞装置302又はハズレ入賞装置303に遊技球が入賞した場合、所定数の賞球が払い出される。ハズレ入賞装置303が常時開放されているのに対して、V入賞装置302は、通常はスライド部材304によって閉塞されており、特定入賞装置119が開放された後の所定期間だけ開放される。具体的には、本実施形態では、特定入賞装置119が開放されてから例えば0.5秒後にスライド部材304がスライドしてV入賞装置302が開放され、V入賞装置302の開放から0.2秒が経過するとスライド部材304が図3に示される元の位置に戻ってV入賞装置302が閉塞される。そして、このV入賞装置302の開放期間にV入賞装置302に遊技球が入賞(V入賞)することで2種大当たりが発生し、小当たり遊技に続いて大当たり遊技が実行される。なお、V入賞装置302の開放期間中に遊技球がV入賞装置302に入賞しなかった場合、小当たり遊技に続く大当たり遊技は行われない。
なお、本実施形態では、V入賞装置302がスライド部材304によって開閉される場合について説明するが、パチンコ遊技機1の奥行方向を軸方向として回動する羽根部材によってV入賞装置302を開閉するようにしてもよい。また、1回の小当たり遊技中の羽根部材190の動作パターン(特定入賞装置119を開放する時間及び回数)等も適宜変更可能である。
[特別図柄判定の判定結果と遊技状態の変化の説明]
次に、図4を参照しつつ、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。図4は、大当たりと遊技状態について説明するための説明図である。図4に示されるように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、「通常遊技状態」又は「時短遊技状態」にて遊技が制御される。
「通常遊技状態」は、いわゆる電チューサポート機能が付与されない通常の遊技状態である。「通常遊技状態」は、具体的には、第2始動装置112を開放すると普通図柄判定において判定される割合が相対的に低い割合(例えば1/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば25秒)に設定され、且つ第2始動装置112を開放すると判定された場合の第2始動装置112の開放時間が相対的に短い時間(例えば0.1秒×1回)に設定される遊技状態である。
「時短遊技状態」は、電チューサポート機能が付与される遊技状態である。「時短遊技状態」は、具体的には、第2始動装置112を開放すると普通図柄判定において判定される割合が相対的に高い割合(例えば12/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば2秒)に設定され、且つ第2始動装置112を開放すると判定された場合の第2始動装置112の開放時間が相対的に長い時間(例えば0.3秒×5回)に設定される遊技状態である。すなわち、「時短遊技状態」は、通常遊技状態に比べて、第2始動装置112が開放状態に制御され易い遊技状態である。
遊技盤102の盤面構成上、遊技領域110の左側領域に打ち出された遊技球は第1始動装置111に入賞可能であるのに対して、遊技領域110の右側領域に打ち出された遊技球が第1始動装置111に入賞することはない。また、「通常遊技状態」のときには第2始動装置112は開放状態になり難い。このため、「通常遊技状態」のときに右打ちを行うメリットはない。このように、「通常遊技状態」は、遊技球を遊技領域110の左側領域に打ち出した方が右側領域に打ち出すよりも「大当たり」を引き当て易い左側有利状態であるため、遊技者は、主液晶表示装置105あるいは回転表示装置140に表示されるメッセージやスピーカ124から出力される音声ガイダンスに従って左打ちを行うことになる。
「通常遊技状態」のときに遊技者が左打ちを行って遊技領域110の左側領域に打ち出された遊技球が第1始動装置111に入賞すると、第1特別図柄判定が行われ、第1特別図柄表示器201に特別図柄が変動表示された後にその第1特別図柄判定の結果を示す判定図柄が停止表示される。
本実施形態では、第1特別図柄判定において1種大当たりと判定された場合、そのうちの50%が「時短付き1種大当たり」となり、残りの50%が「時短無し1種大当たり」となる。時短無し1種大当たりとなった場合、大当たり遊技が行われた後に、通常遊技状態で遊技が制御されることになる。一方、時短付き1種大当たりとなった場合、大当たり遊技が行われた後に、時短遊技状態で遊技が制御されることになる。
遊技状態が「時短遊技状態」に移行すると、「通常遊技状態」のときに比べて第2始動装置112が開放状態になり易くなる。第2始動装置112に遊技球が入賞すると、第2特別図柄判定が行われて、第2特別図柄表示器202に特別図柄が変動表示された後にその第2特別図柄判定の結果を示す判定図柄が停止表示されるが、上述したように、第2特別図柄判定の判定結果の大半は小当たりである。このように、時短遊技状態のときには第2始動装置112への遊技球の入賞が容易である上に、第2始動装置112に遊技球が入賞することを条件として実行される第2特別図柄判定の判定結果の大半が小当たりとなるために2種大当たりが発生し易い。すなわち、「時短遊技状態」は、遊技球を遊技領域110の右側領域に打ち出した方が左側領域に打ち出すよりも「大当たり」を引き当て易い右側有利状態である。このため、遊技者は、主液晶表示装置105あるいは回転表示装置140に表示されるメッセージやスピーカ124から出力される音声ガイダンスに従って右打ちを行うことになる。
「時短遊技状態」のときに遊技者が右打ちを行って遊技領域110の右側領域に打ち出された遊技球がゲート116を通過すると、普通図柄判定が行われる。「時短遊技状態」のときに普通図柄判定が行われると、12/12という高い割合で第2始動装置112を開放すると判定される。また、第2始動装置112を開放すると判定された場合、第2始動装置112の開放時間が「通常遊技状態」のときに比べて長いので、遊技領域110の右側領域に打ち出された遊技球は、第2始動装置112に容易に入賞する。
「時短遊技状態」において、特別図柄が変動表示されておらず、且つ大当たり遊技中や小当たり遊技中ではないときに第2始動装置112に遊技球が入賞すると、第2特別図柄判定が行われ、第2特別図柄表示器202に特別図柄が変動表示された後にその第2特別図柄判定の結果を示す判定図柄が停止表示される。ここで、第2特別図柄判定によって小当たりと判定された場合には第2特別図柄表示器202にその旨を示す小当たり図柄が停止表示され、特定領域109及びV入賞装置302を一時的に開放する小当たり遊技が実行され、この小当たり遊技中に遊技球がV入賞装置302に入賞することで2種大当たりとなって、当該小当たり遊技に続いて大当たり遊技が実行される。
本実施形態では、小当たり遊技中に遊技球がV入賞装置302に入賞した場合、そのうちの70%が「時短付き2種大当たり」となり、残りの30%が「時短無し2種大当たり」となる。時短付き2種大当たりとなった場合、小当たり遊技に続く大当たり遊技が行われた後に、再び時短遊技状態で遊技が制御されることになる。一方、時短無し2種大当たりとなった場合、小当たり遊技に続く大当たり遊技が行われた後に、通常遊技状態で遊技が制御されることになる。
なお、第2特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には、小当たり遊技が行われることなく大当たり遊技が行われる。そして、この大当たり遊技が終了すると、小当たり遊技に続いて大当たり遊技が行われる場合と同様に、70%の割合で時短遊技状態に移行する一方で、残り30%の割合で通常遊技状態に戻される。
このように、小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球が入賞して大当たり遊技が行われた場合、この小当たり遊技のときに第2特別図柄表示器202に停止表示されていた小当たり図柄の種類に応じて、大当たり遊技終了時に遊技状態が時短遊技状態又は通常遊技状態に設定される。また、第2特別図柄判定においていわゆる直撃当たりが発生した場合には、第2特別図柄表示器202に停止表示されていた大当たり図柄の種類に応じて、大当たり遊技終了時に遊技状態が時短遊技状態又は通常遊技状態に設定される。
なお、図4に例示されるように、時短遊技状態に移行してから100回の特別図柄判定が実行されても大当たりが発生しなかった場合も、遊技状態が通常遊技状態に戻されることになる。
[パチンコ遊技機1の演出手段の構成例]
図1に示されるように、遊技盤102又は枠部材103には、各種の演出を行うものとして、主液晶表示装置105、回転表示装置140、副液晶表示装置150、上部可動役物160スピーカ124、及び枠ランプ125が設けられている。
主液晶表示装置105は、演出画像を表示する画像表示装置であり、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。主液晶表示装置105には、例えば、特別図柄判定の結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、第1特別図柄判定が保留されていることを示す保留表示画像等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、本実施形態では、画像表示装置が主液晶表示装置105によって構成されている場合について説明するが、例えばEL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。
回転表示装置140は、主液晶表示装置105の表示領域の両端前面に各1個(計2個)配置されており、複数のLEDを直線上に配列し、LEDの配列方向と同じ方向の回転軸を遊技盤102の盤面と略平行状態を保ちながら、回転軸を回転中心として回転させることにより移動させつつ、LEDを発光させて残像を発生させて、映像を提示するものである。回転表示装置140の詳細については、後述する。
副液晶表示装置150は、遊技盤102の下部に配置された、主液晶表示装置105よりも小型の表示装置であり、遊技盤102の下部から遊技盤102の中央近傍までの範囲を上下移動するとともに、表裏面が視認できるように回転するようになっている。副液晶装置3500の詳細については後述する。
上部可動役物160は、遊技盤102の上部に配置された、3つの三角柱形状の役物を水平方向に並べ、3個の役物を全体としても三角柱形状を構成するようにし、それぞれの役物側面に装飾を施して、それぞれの役物を回転させて種々の演出表示をする。また、全体を遊技盤102の上部から遊技盤102の中央近傍まで上下移動させることにより、副液晶表示装置150と遊技盤102の中央近傍で合体させるなどして、演出効果を高めることができるようになっている。上部可動役物160の詳細については後述する。
スピーカ124は、主液晶表示装置105で行われる表示演出と同期するように楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。枠ランプ125は、発光色や発光パターン、光の放射方向を変化させることによって光による演出を行う。
[パチンコ遊技機1の操作手段の構成例]
枠部材103には、遊技者が操作する操作手段として、演出ボタン126及び演出キー127が設けられている。演出ボタン126は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。演出キー127は、上下左右のいずれかの方向を指示するためのいわゆる十字キーである。パチンコ遊技機1では、演出ボタン126又は演出キー127から入力された操作情報に応じた演出が行われる場合がある。
[大当たりの内訳及び大当たり遊技の種類]
次に、図5及び図6を参照しつつ、大当たりの内訳及び大当たり遊技の種類について説明する。ここで、図5は、通常遊技状態における大当たりの内訳と時短遊技状態における大当たりの内訳とについて説明するための説明図である。図6は、大当たり遊技中の大入賞装置113又は特定入賞装置119の開放パターンの一例を示すタイムチャートである。なお、図5において、網掛け部分の大当たりは時短付きの大当たりであることを示しており、それ以外の大当たりは時短無し大当たりである。
上述したように、通常遊技状態で遊技が制御されているときには、第2始動装置112が開放され難く、左側有利状態である。このため、通常遊技状態で遊技が制御されているときには、遊技者は、左打ちを行って第1始動装置111に遊技球を入賞させる遊技を行う。よって、通常遊技状態で遊技が制御されているときには、基本的には第2特別図柄判定が行われることはなく、第1始動装置111に遊技球が入賞する毎に第1特別図柄判定が行われる。ただし、通常遊技状態にあっても右打ちを行うことでゲート116を遊技球が通過すると、第2始動装置112が開放される場合がある。このとき、第2始動装置112に遊技球が入賞すると、通常遊技状態であっても、第2特別図柄判定が行われる。
通常遊技状態のときに第1特別図柄判定が行われて大当たりであると判定された場合、図5の左上図に例示されるように、大当たりの種類として、10%の割合で「突然時短当たり」が選択され、40%の割合で「時短付き4R長当たり」が選択され、残り50%の割合で「時短無し8R長当たり」が選択される。
「突然時短当たり」が選択されると、大入賞装置113を短開放する短開放ラウンド遊技を所定回数(本実施形態では16回)繰り返す短当たり遊技が行われ(図6(A)参照)、この短当たり遊技が終了すると、遊技状態が通常遊技状態から時短遊技状態に移行する。
「時短付き4R長当たり」が選択されると、大入賞装置113を開放してから所定条件を満たすまで大入賞装置113を開放した状態を維持する4回の長開放ラウンド遊技と12回の短開放ラウンド遊技とを含む実質4Rの長当たり遊技が行われ(図6(B)参照)、この長当たり遊技が終了すると、遊技状態が時短遊技状態に移行する。
「時短無し8R長当たり」が選択されると、4回の長開放ラウンド遊技と、8回の短開放ラウンド遊技と、4回の長開放ラウンド遊技とを含む実質8Rの長当たり遊技が行われ(図6(C)参照)、この長当たり遊技が終了した後は、通常遊技状態で遊技が制御される。
このように、通常遊技状態で遊技が制御されているときには、「突然時短当たり」又は「時短付き4R長当たり」となった場合に、遊技者が容易に大当たり(2種大当たり)を引き当てることが可能な時短遊技状態へと移行する。その一方で、「時短無し8R長当たり」となった場合には、引き続き通常遊技状態で遊技が制御されるため、遊技者は、大当たり遊技終了後に再び左打ちを行って、「突然時短当たり」又は「時短付き4R長当たり」を目指すことになる。
通常遊技状態のときに第2特別図柄判定が行われて大当たりであると判定された場合、図5の右上図に例示されるように、大当たりの種類として、30%の割合で「時短無し8R長当たり」が選択され、20%の割合で「時短無し4R長当たり」が選択され、残り50%の割合で「時短無し15R長当たり」が選択される。
「時短無し8R長当たり」が選択されると、4回の長開放ラウンド遊技と、8回の短開放ラウンド遊技と、4回の長開放ラウンド遊技とを含む実質8Rの長当たり遊技が行われ(図6(C)参照)、この長当たり遊技が終了した後は、通常遊技状態で遊技が制御される。
「時短無し4R長当たり」が選択されると、図6(B)に基づいて上述した4Rの長当たり遊技が行われ、この長当たり遊技が終了した後は、通常遊技状態で遊技が制御される。
「時短無し15R長あたり」が選択されると、大入賞装置113を開放してから所定条件を満たすまで大入賞装置113を開放した状態を維持する15回の長開放ラウンド遊技を含む長当たり遊技が行われ(図6(D)参照)、この長当たり遊技が終了した後は、通常遊技状態で遊技が制御される。なお、「時短無し15R長当たり」が選択された場合に、5ラウンド目のラウンド遊技において、大入賞装置113が長開放されるのに先立って大入賞装置113の短開放動作が複数回繰り返される開放パターンが選択されることがある(図6(E)参照)。
このように、通常遊技状態のときに第2特別図柄判定が行われて大当たりであると判定された場合、その後は、引き続き通常遊技状態で遊技が制御される。
遊技状態が時短遊技状態に移行すると、上述したように、第2始動装置112が開放され易くなる。このため、遊技者が右打ちを行って第2始動装置112に遊技球を入賞させることにより、第2特別図柄判定が行われる。
第2特別図柄判定において大当たりであると判定された場合、又は小当たりと判定されて実行された小当たり遊技中に遊技球がV入賞した場合、図5の右下図に例示されるように、大当たりの種類として、30%の割合で「時短無し8R長当たり」が選択され、20%の割合で「時短付き4R長当たり」が選択され、残り50%の割合で「時短付き15R長当たり」が選択される。
「時短無し8R長当たり」が選択されると、図6(C)に基づいて上述した8Rの長当たり遊技が行われ、この長当たり遊技が終了した後は、通常遊技状態で遊技が制御される。
「時短付き4R長当たり」が選択されると、図6(B)に基づいて上述した4Rの長当たり遊技が行われ、この長当たり遊技が終了すると、時短遊技状態に移行する。
「時短付き15R長当たり」が選択されると、図6(D)に基づいて上述した15Rの長当たり遊技が行われ、この長当たり遊技が終了すると、時短遊技状態に移行する。なお、図6(E)に基づいて上述した開放パターンが選択されることがある。
なお、これらの長当たり遊技が、小当たり遊技中に遊技球がV入賞したことに応じて行われる場合、すなわち2種大当たりを契機とする長当たり遊技である場合、特定入賞装置119及びV入賞装置302を開放する小当たり遊技中に遊技球がV入賞してからこの小当たり遊技が終了した後に、1ラウンド目の長開放ラウンド遊技が開始されることになる(図6(B)〜(E)参照)。
このように、本実施形態では、時短遊技状態で遊技を制御しているときに第2始動装置112に遊技球が入賞して大当たりであると判定されたことを契機として、「15R長当たり」が選択された場合、15R長当たり遊技が実行された後に、通常遊技状態よりも高い割合で時短遊技状態で遊技が制御される。本実施形態では、15R長当たりが選択された場合には、長当たり遊技の終了後に通常遊技状態で遊技が制御されることはなく、100%の割合で、長当たり遊技の終了後に時短遊技状態で遊技が制御されることになる。
また、時短遊技状態で遊技を制御しているときに第2始動装置112に遊技球が入賞して大当たりであると判定されたことを契機として、「8R長当たり」が選択された場合、8R長当たり遊技が実行された後に、時短遊技状態よりも高い割合で通常遊技状態で遊技が制御される。本実施形態では、8R長当たりが選択された場合には、長当たり遊技の終了後に時短遊技状態で遊技が制御されることはなく、100%の割合で、長当たり遊技の終了後に通常遊技状態で遊技が制御されることになる。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、時短遊技状態が継続しない場合にも、通常遊技状態のときと同様に、8R長当たり遊技が行われるため、例えば4R長当たり遊技が終了した後に通常遊技状態に戻される場合に比べて、時短遊技状態が継続しなかったことによる遊技者の喪失感を軽減することができ、且つ遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
また、時短遊技状態が継続する場合に、8R長当たり遊技よりも遊技者の利益が大きい15R長当たり遊技が行われるため、遊技者は、時短連チャン中に、時短遊技状態に移行したことによる恩恵を十分に得ることができる。
ところで、例えば時短遊技状態に移行した直後に第1特別図柄判定の権利が保留されており、且つ第2始動装置112に遊技球が入賞していない状況では、時短遊技状態であるにも拘わらず、第1特別図柄判定が行われることがある。そして、このような状況下で第1特別図柄判定が行われた場合、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、以下のように大当たりの種類が選択されることになる。
すなわち、時短遊技状態で遊技が制御されているときに第1特別図柄判定が行われて大当たりであると判定された場合、図5の左下図に例示されるように、10%の割合で「突然時短当たり」が選択され、20%の割合で「時短無し4R長当たり」が選択され、同じく20%の割合で「時短付き4R長当たり」が選択され、40%の割合で「時短付き8R長当たり」が選択され、残り10%の割合で「時短無し8R長当たり」が選択される。
「突然時短当たり」が選択されると、図6(A)に基づいて上述した短当たり遊技が行われ、この短当たり遊技が終了すると、時短遊技状態に移行する。すなわち、突然時短当たり前の遊技状態も時短遊技状態であるため、時短遊技状態が継続することになる。
なお、本実施形態では、通常遊技状態で遊技が制御されているときに行われた第1特別図柄判定の判定結果が大当たりとなって「突然時短当たり」が選択される割合と、時短遊技状態で遊技が制御されているときに行われた第1特別図柄判定の判定結果が大当たりとなって「突然時短当たり」が選択される割合とが、いずれも10%に設定されている。
「時短無し4R長当たり」が選択されると、図6(B)に基づいて上述した4Rの長当たり遊技が行われ、この長当たり遊技が終了した後は、通常遊技状態で遊技が制御される。すなわち、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる。
「時短付き4R長当たり」が選択されると、図6(B)に基づいて上述した4Rの長当たり遊技が行われ、この長当たり遊技が終了した後は、時短遊技状態に移行する。すなわち、時短遊技状態が継続する。
「時短付き8R長当たり」が選択されると、図6(C)に基づいて上述した8Rの長当たり遊技が行われ、この長当たり遊技が終了した後は、時短遊技状態に移行する。すなわち、時短遊技状態が継続する。
「時短無し8R長当たり」が選択されると、図6(C)に基づいて上述した8Rの長当たり遊技が行われ、この長当たり遊技が終了した後は、通常遊技状態で遊技が制御される。すなわち、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に戻される。
[乱数による判定方法の説明]
次に、後述する遊技制御基板1500(図15参照)によって実行される乱数による判定方法について説明する。
図7は、特別図柄判定に使用される各種テーブルについて説明するための説明図であり、図7(A)は第1特別図柄判定に使用される大当たり判定テーブルの一例を示し、図7(B)は第2特別図柄判定に使用される大当たり判定テーブルの一例を示している。また、図7(C)は第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合に1種大当たりの種類を決定するための図柄判定テーブルの一例を示し、図7(D)は第2特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合に1種大当たりの種類を決定するための図柄判定テーブルの一例を示している。また、図7(E)は第2特別図柄判定の判定結果が「小当たり」であって、且つ小当たり遊技中に遊技球がV入賞する場合に2種大当たりの種類を決定するための図柄判定テーブルの一例を示している。
図7(A)に示される大当たり乱数は、遊技球が第1始動装置111に入賞したことを契機として実行される第1特別図柄判定に使用される乱数である。本実施形態では、大当たりの当選値として1個の当選値「0」が予め記憶されており、遊技球が第1始動装置111に入賞したタイミングで取得された大当たり乱数がこの当選値と一致した場合に、大当たりである(大当たり遊技を実行する)と判定される。一方、遊技球が第1始動装置111に入賞したタイミングで取得された大当たり乱数が「0」ではなく「1」〜「239」のいずれかである場合、ハズレである(大当たり遊技を実行しない)と判定される。なお、本実施形態では、大当たり乱数の取り得る範囲が「0」〜「239」であるのに対して大当たりの当選値が「0」のみであるため、第1始動装置入賞時の大当たり当選確率は1/240である。
図7(B)に示される大当たり乱数は、遊技球が第2始動装置112に入賞したことを契機として実行される第2特別図柄判定に使用される乱数である。本実施形態では、大当たりの当選値として1個の当選値「0」が予め記憶されており、遊技球が第2始動装置112に入賞したタイミングで取得された大当たり乱数がこの当選値と一致した場合に、大当たりである(大当たり遊技を実行する)と判定される。また、本実施形態では、小当たりの当選値として「1」〜「238」の238個の当選値が予め記憶されており、遊技球が第2始動装置112に入賞したタイミングで取得された大当たり乱数がこれらの当選値のいずれかと一致した場合に、小当たりである(小当たり遊技を実行する)と判定される。また、遊技球が第2始動装置112に入賞したタイミングで取得された大当たり乱数が「239」である場合、ハズレである(大当たり遊技と小当たり遊技とのいずれも実行しない)と判定される。
本実施形態では、大当たり乱数の取り得る範囲が「0」〜「239」であるのに対して、第2特別図柄判定に係る大当たり用の当選値、小当たり用の当選値、及びハズレ用の乱数値が上記のように設定されているので、第2始動装置入賞時の大当たり当選確率は1/240であり、第2始動装置入賞時の小当たり当選確率は238/240であり、第2始動装置入賞時のハズレ確率は1/240である。このため、第2特別図柄判定の判定結果の大半が小当たりとなる。
このようにして第1始動装置111又は第2始動装置112に遊技球が入賞したタイミングで取得された大当たり乱数に基づいて大当たりであると判定された場合、この大当たり乱数と一緒に始動装置入賞時に取得された大当たり用図柄乱数に基づいて、大当たりの種類が決定される。
パチンコ遊技機1には、図7(C)に例示されるように、通常遊技状態で遊技が制御されているときに第1特別図柄判定が行われて大当たりであると判定された場合にその大当たりの種類を決定するための図柄判定テーブルと、時短遊技状態で遊技が制御されているときに第1特別図柄判定が行われて大当たりであると判定された場合にその大当たりの種類を決定するための図柄判定テーブルとが予め記憶されている。これは、通常遊技状態における第1特別図柄判定に係る大当たりの内訳と、時短遊技状態における第1特別図柄判定に係る大当たりの内訳とが相異なるためである(図5の左上図及び左下図を参照)。
図7(C)に例示されるように、通常遊技状態のときに遊技球が第1始動装置111に入賞して行われた第1特別図柄判定の判定結果が大当たり(1種大当たり)となる場合については、大当たりの種類として、「突然時短当たり」(時短付き短当たり)と、「時短付き4R長当たり」と、「時短無し8R長当たり」との3種類が用意されている。
本実施形態では、図7(C)に例示されるように、通常遊技状態における「突然時短当たり」に関して「0」〜「9」の10個の当選値が予め記憶されており、通常遊技状態における「時短付き4R長当たり」に関して「10」〜「49」の40個の当選値が予め記憶されており、通常遊技状態における「時短無し8R長当たり」に関して「50」〜「99」の50個の当選値が予め記憶されている。
これに対して、通常遊技状態で遊技が制御されているときに遊技球が第1始動装置111に入賞して大当たりと判定された場合に、この第1始動装置入賞時に大当たり乱数と一緒に取得された大当たり用図柄乱数がどの当選値と一致するかに基づいて、大当たりの種類が決定される。
図7(C)に例示されるように、大当たり用図柄乱数の取り得る範囲は、本実施形態では、遊技状態に関わらず「0」〜「99」である。これに対して、上述したように大当たり用図柄乱数の当選値が割り当てられているので、通常遊技状態のときに行われた第1特別図柄判定の判定結果が大当たりとなった場合に、10/100(=10%)の割合で「突然時短当たり」となり、40/100(=40%)の割合で「時短付き4R長当たり」となり、50/100(=50%)の割合で「時短無し8R長当たり」となる(図7(C)及び図5の左上図を参照)。
また、図7(C)に例示されるように、時短遊技状態のときに第1特別図柄判定が行われて大当たり(1種大当たり)と判定された場合の大当たりの種類として、「突然時短当たり」と、「時短無し4R長当たり」と、「時短付き4R長当たり」と、「時短付き8R長当たり」と、「時短無し8R長当たり」との5種類が用意されている。
本実施形態では、図7(C)に例示されるように、時短遊技状態における「突然時短当たり」に関して「0」〜「9」の10個の当選値が予め記憶されており、時短遊技状態における「時短無し4R長当たり」に関して「10」〜「29」の20個の当選値が予め記憶されており、時短遊技状態における「時短付き4R長当たり」に関して「30」〜「49」の20個の当選値が予め記憶されており、時短遊技状態における「時短付き8R長当たり」に関して「50」〜「89」の40個の当選値が予め記憶されており、時短遊技状態における「時短無し8R長当たり」に関して「90」〜「99」の10個の当選値が予め記憶されている。
これに対して、時短遊技状態で遊技が制御されているときに遊技球が第1始動装置111に入賞して大当たりと判定された場合、又は通常遊技状態で遊技が制御されているときに遊技球が第1始動装置111に入賞して保留された第1特別図柄判定が時短遊技状態に移行してから消化されてその判定結果が大当たりとなった場合、この第1始動装置入賞時に大当たり乱数と一緒に取得された大当たり用図柄乱数がどの当選値と一致するかに基づいて、大当たりの種類が決定される。
本実施形態では、大当たり用図柄乱数が「0」〜「99」の値を取り得るのに対して、上記5種類の1種大当たりのそれぞれに対して上述したように大当たり用図柄乱数の当選値が割り当てられているので、時短遊技状態のときに行われた第1特別図柄判定の判定結果が大当たりとなった場合に、10/100(=10%)の割合で「突然時短当たり」となり、20/100(=20%)の割合で「時短無し4R長当たり」となり、同じく20/100(=20%)の割合で「時短付き4R長当たり」となり、40/100(=40%)の割合で「時短付き8R長当たり」となり、10/100(=10%)の割合で「時短無し8R長当たり」となる(図7(C)及び図5の左下図を参照)。
通常遊技状態のときに第2始動装置112に遊技球が入賞して第2特別図柄判定が行われ、その判定結果が大当たり(1種大当たり)となる場合については、図7(D)に例示されるように、大当たりの種類として、「時短無し8R長当たり」と、「時短無し4R長当たり」と、「時短無し15R長当たり」との3種類が用意されている。
本実施形態では、図7(D)に例示されるように、通常遊技状態における「時短無し8R長当たり」に関して「0」〜「29」の30個の当選値が予め記憶されており、通常遊技状態における「時短無し4R長当たり」に関して「30」〜「49」の20個の当選値が予め記憶されており、通常遊技状態における「時短無し15R長当たり」に関して「50」〜「99」の50個の当選値が予め記憶されている。
これに対して、通常遊技状態で遊技が制御されているときに遊技球が第2始動装置112に入賞して大当たりと判定された場合に、この第2始動装置入賞時に大当たり乱数と一緒に取得された大当たり用図柄乱数がどの当選値と一致するかに基づいて、大当たりの種類が決定される。
上述したように、大当たり用図柄乱数の取り得る範囲は、遊技状態に関わらず「0」〜「99」である。これに対して、上述したように大当たり用図柄乱数の当選値が割り当てられているので、通常遊技状態のときに行われた第2特別図柄判定の判定結果が大当たりとなった場合に、30/100(=30%)の割合で「時短無し8R長当たり」となり、20/100(=20%)の割合で「時短無し4R長当たり」となり、50/100(=50%)の割合で「時短無し15R長当たり」となる(図7(D)及び図5の右上図を参照)。
一方、時短遊技状態のときに第2始動装置112に遊技球が入賞して第2特別図柄判定が行われ、その判定結果が大当たり(1種大当たり)となる場合については、図7(D)に例示されるように、大当たりの種類として、「時短無し8R長当たり」と、「時短付き4R長当たり」と、「時短付き15R長当たり」との3種類が用意されている。
本実施形態では、図7(D)に例示されるように、時短遊技状態における「時短無し8R長当たり」に関して「0」〜「29」の30個の当選値が予め記憶されており、時短遊技状態における「時短付き4R長当たり」に関して「30」〜「49」の20個の当選値が予め記憶されており、時短遊技状態における「時短付き15R長当たり」に関して「50」〜「99」の50個の当選値が予め記憶されている。
これに対して、時短遊技状態で遊技が制御されているときに遊技球が第2始動装置112に入賞して大当たりと判定された場合に、この第2始動装置入賞時に大当たり乱数と一緒に取得された大当たり用図柄乱数がどの当選値と一致するかに基づいて、大当たりの種類が決定される。
上述したように、大当たり用図柄乱数の取り得る範囲は、遊技状態に関わらず「0」〜「99」である。これに対して、上述したように大当たり用図柄乱数の当選値が割り当てられているので、時短遊技状態のときに行われた第2特別図柄判定の判定結果が大当たりとなった場合に、30/100(=30%)の割合で「時短無し8R長当たり」となり、20/100(=20%)の割合で「時短付き4R長当たり」となり、50/100(=50%)の割合で「時短付き15R長当たり」となる(図7(D)及び図5の右下図を参照)。
通常遊技状態で遊技が制御されているときに遊技球が第2始動装置112に入賞したタイミングで取得された大当たり乱数に基づいて小当たりであると判定された場合、この大当たり乱数及び大当たり用図柄乱数と一緒に取得された小当たり用図柄乱数に基づいて、小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球がV入賞することで発生する2種大当たりの種類が決定される。
小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球がV入賞して2種大当たりが発生する場合の2種大当たりの種類として、図7(E)に例示されるように、「時短無し8R長当たり」と、「時短無し4R長当たり」と、「時短無し15R長当たり」との3種類が用意されている。
図7(E)に例示されるように、「時短無し8R長当たり」に関して「0」〜「29」の30個の当選値が予め記憶されており、「時短無し4R長当たり」に関して「30」〜「49」の20個の当選値が予め記憶されており、「時短無し15R長当たり」に関して「50」〜「99」の50個の当選値が予め記憶されている。
これに対して、通常遊技状態で遊技が制御されているときに遊技球が第2始動装置112に入賞して小当たりと判定された場合に、この第2始動装置入賞時に大当たり乱数、及び大当たり用図柄乱数と一緒に取得された小当たり用図柄乱数がどの当選値と一致するかに基づいて、小当たり遊技中のV入賞により発生する2種大当たりの種類が決定される。
図7(E)に例示されるように、小当たり用図柄乱数の取り得る範囲は、本実施形態では「0」〜「99」である。これに対して、上述したように小当たり用図柄乱数の当選値が割り当てられているので、小当たり遊技中のV入賞により2種大当たりが発生した場合、30/100(=30%)の割合で「時短無し8R長当たり」となり、20/100(=20%)の割合で「時短無し4R長当たり」となり、50/100(=50%)の割合で「時短無し15R長当たり」となる(図7(E)及び図5の右上図を参照)。
一方、時短遊技状態で遊技が制御されているときに遊技球が第2始動装置112に入賞したタイミングで取得された大当たり乱数に基づいて小当たりであると判定された場合、この大当たり乱数及び大当たり用図柄乱数と一緒に取得された小当たり用図柄乱数に基づいて、小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球がV入賞することで発生する2種大当たりの種類が決定される。
小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球がV入賞して2種大当たりが発生する場合の2種大当たりの種類として、図7(E)に例示されるように、「時短無し8R長当たり」と、「時短付き4R長当たり」と、「時短付き15R長当たり」との3種類が用意されている。
図7(E)に例示されるように、「時短無し8R長当たり」に関して「0」〜「29」の30個の当選値が予め記憶されており、「時短付き4R長当たり」に関して「30」〜「49」の20個の当選値が予め記憶されており、「時短付き15R長当たり」に関して「50」〜「99」の50個の当選値が予め記憶されている。
これに対して、時短遊技状態で遊技が制御されているときに遊技球が第2始動装置112に入賞して小当たりと判定された場合に、この第2始動装置入賞時に大当たり乱数、及び大当たり用図柄乱数と一緒に取得された小当たり用図柄乱数がどの当選値と一致するかに基づいて、小当たり遊技中のV入賞により発生する2種大当たりの種類が決定される。
図7(E)に例示されるように、小当たり用図柄乱数の取り得る範囲は、本実施形態では「0」〜「99」である。これに対して、上述したように小当たり用図柄乱数の当選値が割り当てられているので、小当たり遊技中のV入賞により2種大当たりが発生した場合、30/100(=30%)の割合で「時短無し8R長当たり」となり、20/100(=20%)の割合で「時短付き4R長当たり」となり、50/100(=50%)の割合で「時短付き15R長当たり」となる(図7(E)及び図5の右下図を参照)。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、図7に例示した各種テーブルを用いた判定処理を行うことによって、図5に基づいて上述した大当たりの内訳を実現している。
[特別図柄の変動パターンの説明]
次に、図8を参照しつつ、特別図柄の変動パターンについて説明する。ここで、図8は、特別図柄の変動パターンを決定する処理に使用される変動パターンテーブルについて説明するための説明図である。
第1始動装置111又は第2始動装置112に遊技球が入賞すると、大当たり乱数や図柄乱数と共に、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理に使用される変動パターン乱数が取得される。大当たり乱数に基づいて特別図柄判定が行われると、この大当たり乱数と一緒に始動装置入賞時に取得された変動パターン乱数に基づいて、第1特別図柄表示器201(又は第2特別図柄表示器202)において変動表示される特別図柄の変動パターンが選択される。その際、通常遊技状態のときに行われた特別図柄判定の判定結果が大当たりである場合には、図8(A)に例示される通常遊技状態における大当たり用の変動パターンテーブルを参照して、特別図柄の変動パターンが選択される。なお、通常遊技状態においては、基本的に第2始動装置112に遊技球が入賞することがないため、第2特別図柄表示器202において第2特別図柄が変動表示されることはない。このため、図8(A)に例示される変動パターンテーブルは、通常遊技状態における第1特別図柄の変動パターンを決定するために使用される。
図8(A)に例示されるように、通常遊技状態における大当たり用の変動パターンテーブルでは、変動パターン乱数と特別図柄(第1特別図柄)の変動パターンとが対応付けられている。変動パターン乱数の取り得る範囲は、本実施形態では「0」〜「99」である。通常遊技状態のときに大当たりと判定されることになる大当たり乱数と一緒に第1始動装置入賞時に取得された変動パターン乱数が「0」〜「9」のいずれかである場合には変動時間が60秒である第1変動パターンが選択され、「10」〜「29」のいずれかである場合には変動時間が80秒である第2変動パターンが選択され、「30」〜「59」のいずれかである場合には変動時間が120秒である第3変動パターンが選択され、「60」〜「99」のいずれかである場合には変動時間が160秒である第4変動パターンが選択される。
一方、時短遊技状態のときには、基本的には第2特別図柄判定が行われるが、通常遊技状態のときに保留された第1特別図柄判定が時短遊技状態に移行してから消化される場合がある。これら2つの場合で特別図柄判定の判定結果が大当たり(1種大当たり)となった場合、いずれの場合についても、図8(B)に例示される時短遊技状態における大当たり用の変動パターンテーブルを参照して、特別図柄の変動パターンが決定される。
この時短遊技状態における大当たり用の変動パターンテーブルでは、図8(B)に例示されるように、変動パターン乱数の取り得る範囲と、第5変動パターンに対して割り当てられている乱数値とが一致している。このため、時短遊技状態のときに大当たりと判定されることになる大当たり乱数と一緒に第1始動装置入賞時或いは第2始動装置入賞時に取得された変動パターン乱数が「0」〜「99」のいずれであったとしても、変動時間が13秒である第5変動パターンが選択されることになる。
一方、始動装置入賞時に取得された大当たり乱数に基づいて大当たりではないと判定された場合、すなわちハズレの場合、この大当たり乱数と一緒に始動装置入賞時に取得されたリーチ乱数に基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるリーチ演出を行うか否かが判定される。ここで、リーチ演出を行うと判定された場合には、リーチ用変動パターンテーブル(図8(C)参照)を参照して特別図柄の変動パターンが選択される。
本実施形態では、リーチ用変動パターンテーブルとして、通常遊技状態で遊技が制御されているときに使用されるリーチ用変動パターンテーブルと、時短遊技状態で遊技が制御されているときに使用されるリーチ用変動パターンテーブルとが設けられている。
通常遊技状態で遊技が制御されているときにリーチ演出を行うと判定された場合、図8(C)に例示されるように、この判定に使用されたリーチ乱数と始動装置入賞時(通常遊技状態であるため第1始動装置入賞時)に取得された変動パターン乱数が「0」〜「39」のいずれかである場合には変動時間が60秒である第6変動パターンが選択され、「40」〜「69」のいずれかである場合には変動時間が80秒である第7変動パターンが選択され、「70」〜「89」のいずれかである場合には変動時間が120秒である第8変動パターンが選択され、「90」〜「99」のいずれかである場合には変動時間が160秒である第9変動パターンが選択される。
また、時短遊技状態で遊技が制御されているときにリーチ演出を行うと判定された場合、図8(C)に例示されるように、この判定に使用されたリーチ乱数と始動装置入賞時(時短遊技状態であるため第2始動装置入賞時又は第1始動装置入賞時)に取得された変動パターン乱数が「0」〜「99」のいずれであったとしても、変動時間が13秒である第10変動パターンが選択される。
この第10変動パターンは、第2特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合、又は通常遊技状態のときに保留された第1特別図柄判定が時短遊技状態に移行してから消化された際にハズレと判定された場合の一部について選択される。
なお、図7(A)及び(B)に基づいて上述したように、第1特別図柄判定の判定結果がハズレとなる割合が239/240と相対的に高いのに対して、第2特別図柄判定の判定結果がハズレとなる割合は、1/240と相対的に低い。このため、本実施形態では、時短遊技状態のときに第2特別図柄判定が行われてその判定結果がハズレとなる場合には、必ず第10変動パターンが選択されてリーチ演出が行われるように、遊技球が第2始動装置112に入賞した際に取得されるリーチ乱数の当選値が予め設定されている。
図8(D)は、通常遊技状態におけるハズレ用の変動パターンを選択するために使用される変動パターンテーブルを示している。この変動パターンテーブルは、通常遊技状態のときに第1始動装置111に遊技球が入賞して第1特別図柄判定が実行され、その判定結果がハズレであって、且つリーチ演出が行われない場合に、第1特別図柄の変動パターンを選択するために使用される。
通常遊技状態におけるハズレ用変動パターンテーブルでは、図8(D)に例示されるように、第1特別図柄判定の保留数と、変動時間が相異なる変動パターンとが対応付けられている。通常遊技状態のときに第1特別図柄判定が消化されて、その判定結果がハズレであってリーチ演出も行われない場合、その第1特別図柄判定が消化される直前の第1特別図柄判定の保留数に基づいて、いずれかの変動パターンが選択される。
具体的には、通常遊技状態のときに第1特別図柄判定が消化される直前の第1特別図柄判定の保留数が最大の「4」である場合には、変動時間が3秒である第13変動パターンが選択され、第1特別図柄判定の保留数が「3」である場合には、変動時間が8秒である第12変動パターンが選択され、第1特別図柄判定の保留数が「0」〜「2」のいずれかである場合には、変動時間が13秒である第11変動パターンが選択される。
ところで、時短遊技状態で遊技が制御されているときには、第2特別図柄判定の判定結果が小当たりとなったことを条件として実行される小当たり遊技中に遊技球をV入賞させて2種大当たりを発生させるといった遊技が主に行われる。このため、通常遊技状態のときに保留された第1特別図柄判定が時短遊技状態に移行してから消化され、当該第1特別図柄判定の消化に必要以上に時間を要するのは好ましくない。
そこで、本実施形態では、時短遊技状態のときに第1特別図柄判定が行われてその判定結果がハズレとなり、且つリーチ演出が行われない場合には、図8(E)に例示される時短遊技状態における第1始動装置入賞によるハズレ用変動パターンテーブルを参照して、第1特別図柄の変動パターンが決定される。
図8(E)に例示されように、時短遊技状態における第1始動装置入賞によるハズレ用変動パターンテーブルでは、変動時間が2秒である第14変動パターンに対して、変動パターン乱数の当選値として、「0」〜「99」が割り当てられている。このため、時短遊技状態のときに第1特別図柄判定の判定結果がハズレとなり、且つリーチ演出が行われない場合には、図8(E)に例示される変動パターンテーブルが参照されて、必ず第14変動パターンが選択されることになる。
時短遊技状態のときに第1特別図柄判定に関してこのような変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択することにより、時短遊技状態のときに第1特別図柄判定の消化に必要以上に時間を要してしまうのを抑制することができる。
図8(F)は、第2特別図柄判定の判定結果が小当たりとなった場合に、第2特別図柄の変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブルである。
この小当たり用の変動パターンテーブルでは、図8(F)に例示されるように、変動時間が3秒である第15変動パターンに対して、変動パターン乱数の当選値として、「0」〜「99」が割り当てられている。時短遊技状態のときに第2特別図柄判定が行われたその判定結果が小当たりとなった場合、図8(F)に例示される変動パターンテーブルが参照されて、必ず第15変動パターンが選択されることになる。
ここで、時短遊技状態のときに1種大当たりが発生した場合の遊技の流れについて説明する。上述したように、時短遊技状態のときに第2特別図柄判定が行われてその判定結果が大当たり(いわゆる直撃当たり)となった場合、又は時短遊技状態のときに第1特別図柄判定が行われてその判定結果が大当たりとなった場合には、いずれも変動時間が13秒の第5変動パターンが選択される。その一方で、時短遊技状態における第2特別図柄判定の判定結果が小当たりとなった場合には変動時間が3秒である第15変動パターンが選択され、また、時短遊技状態における第2特別図柄判定の判定結果がハズレとなった場合、及び時短遊技状態における第1特別図柄判定の判定結果がハズレとなった場合の一部については、変動時間が13秒である第10変動パターンが選択される。
このため、時短遊技状態で遊技が制御されているときには、遊技者は、特別図柄の変動時間が13秒であるか否か、言い換えれば、主液晶表示装置105に表示されている装飾図柄の変動時間が13秒であるか否かに基づいて、図柄変動終了後に、第2特別図柄判定に係る直撃当たり(1種当たり)、又は第1特別図柄判定に係る大当たり(1種当たり)が確定する可能性の有無を容易に把握することができる。
第2特別図柄表示器202において第2特別図柄が13秒間変動表示されてから大当たり図柄が停止表示された場合、上記直撃当たりが確定して、大当たり遊技として、4Rの長当たり遊技、8Rの長当たり遊技、又は15Rの長当たり遊技が行われることになる(図5の右下図を参照)。これに対して、8Rの長当たり遊技が行われる場合には、この長当たり遊技が終了した後に遊技状態が必ず通常遊技状態に戻されることになる(図5の右下図、及び図7(D)を参照)。このため、遊技者は、第2特別図柄が13秒間変動表示されたことに続いて8Rの長当たり遊技が行われることを認識した時点で、時短遊技状態が継続しないことを認識できてしまうことになる。このため、例えば大当たり遊技のオープニング演出において8Rの長当たり遊技が行われることが予告された時点で、遊技者が遊技意欲を大幅に低下させてしまうおそれがある。
一方、時短遊技状態のときに第1特別図柄表示器201において第1特別図柄が13秒間変動表示されてから大当たり図柄が停止表示された場合、1種大当たりが確定して、大当たり遊技として、短当たり遊技、4Rの長当たり遊技、又は8Rの長当たり遊技が行われることになる(図5の左下図を参照)。これに対して、8Rの長当たり遊技が行われる場合には、通常遊技状態のときの8R長当たりとは異なり、長当たり遊技終了後の遊技状態が再び時短遊技状態に設定される場合がある(図5の左下図、及び図7(C)を参照)。本実施形態では、時短遊技状態における第1特別図柄判定の判定結果が大当たりであった場合、全体の40%の割合で時短付き8R長当たりが選択され、全体の10%の割合で時短無し8R長当たりが選択される。このため、時短遊技状態における第1特別図柄判定に関して、8Rの長当たり遊技が終了した後に再び時短遊技状態に突入する確率は、80%(=40/(40+10)×100)である。
このように、時短遊技状態で遊技が制御されているときに第1特別図柄判定に係る1種大当たりが発生した場合には、8R長当たり遊技が行われたとしても時短が継続する場合がある。このため、主液晶表示装置105に装飾図柄が13秒間変動表示された後に1種大当たりが発生して、その1種大当たりに応じて8Rの長当たり遊技が行われることとなった場合でも、少なくとも遊技状態が明確に報知されるまでは、遊技者が時短継続に対する期待感や遊技意欲を低下させることなく遊技を楽しむことができる。
[大当たり遊技中の特別入賞領域の開放パターンと演出との説明]
次に、図9〜図12を参照しつつ、大当たり遊技中の特別入賞領域の開放パターンと演出とについて説明する。
図9は、短当たり遊技中の大入賞装置113の開放パターンと演出との一例について説明するための説明図である。
大当たりの種類として突然時短当たりが選択された場合、大当たり遊技として、図9に例示されるように、例えば、大入賞装置113を0.1秒間短開放する短開放ラウンド遊技を16回繰り返す短当たり遊技が行われる。なお、図9における「OP」は、短当たり遊技におけるオープニングを意味し、「ED」は、短当たり遊技におけるエンディングを意味している。
これに対して、通常遊技状態のときに突然時短当たりとなった場合には、短当たり遊技中に、時短遊技状態に移行することを示唆するRUSH突入予告演出が行われる。このRUSH突入予告演出は、具体的には、例えば主液晶表示装置105、回転表示装置140、副液晶表示装置150のうち少なくとも1つ(以下、「主液晶表示装置105など」と呼ぶ)に時短遊技状態への移行を示唆する演出表示を行った後に「RUSH突入」といったメッセージを表示する演出である。
また、時短遊技状態のときに突然時短当たりとなった場合には、短当たり遊技中に、時短遊技状態が継続することを示唆するRUSH継続予告演出が行われる。このRUSH継続演出は、具体的には、例えば主液晶表示装置105などに時短遊技状態への移行を示唆する演出表示を行った後に「RUSH継続」といったメッセージを表示する演出である。
本実施形態では、通常遊技状態における突然時短当たり、及び時短遊技状態における突然時短当たりのいずれの突然時短当たりとなった場合にも遊技状態が必ず時短遊技状態に移行するので、短当たり遊技のオープニング開始からエンディング終了に亘って、一連のRUSH突入(或いは継続)予告演出が行われる。
図10は、4R長当たり遊技中の大入賞装置113又は特定入賞装置119の開放パターンと演出との一例について説明するための説明図である。
大当たりの種類として4R長当たりが選択された場合、大当たり遊技として、図10に例示されるように、例えば、大入賞装置113を開放してから所定条件を満たすまで大入賞装置113を開放した状態を維持する4回の長開放ラウンド遊技を行った後に、大入賞装置113を0.1秒間短開放する短開放ラウンド遊技を12回繰り返す実質4Rの長当たり遊技が行われる。
これに対して、通常遊技状態のときに時短付き4R長当たりに当選した場合、すなわち通常遊技状態のときに4R長当たりとなって4Rの長当たり遊技の終了後に時短遊技状態に移行する場合、例えば、4Rの長当たり遊技のオープニング(OP)中には、所定のオープニング演出が行われ、4回の長開放ラウンド遊技が行われている間は、現在のラウンド数や払出賞球数等を主液晶表示装置105などに表示する所定のラウンド中演出が行われる。次に、大入賞装置113の短開放ラウンド遊技が繰り返されている間は、時短遊技状態に移行することを分かり易く報知するために、例えば、敵キャラクタとのバトルを行って最終的に勝利する様子を表すチャレンジゲームの映像が主液晶表示装置105などを用いて表示される。そして、エンディング(ED)では、RUSH突入演出として、「RUSH突入」といったメッセージが主液晶表示装置105などに表示される。
また、時短遊技状態のときに時短付き4R長当たりに当選した場合、すなわち時短遊技状態のときに4R長当たりとなって4Rの長当たり遊技の終了後に再び時短遊技状態で遊技が制御される場合、4回の長開放ラウンド遊技中とそれに続く短開放ラウンド遊技中には、上述した所定のラウンド中演出とチャレンジゲーム(成功)とが行われ、エンディング(ED)では、RUSH継続演出として、「RUSH継続」といったメッセージが主液晶表示装置105などに表示される。
また、時短遊技状態のときに時短無し4R長当たりに当選した場合、すなわち時短遊技状態のときに4R長当たりとなって4Rの長当たり遊技の終了後に通常遊技状態で遊技が制御されることになる場合、短開放ラウンド遊技が繰り返されている間は、時短遊技状態が継続しないことを分かり易く報知するために、例えば、敵キャラクタとのバトルを行って最終的に敗北する様子を表すチャレンジゲームの映像が主液晶表示装置105に表示される。そして、エンディング(ED)では、RUSH非突入演出として、「チャレンジ失敗」といったメッセージが主液晶表示装置105などに表示される。
この図10に基づく説明から明らかなように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、通常遊技状態のときに第1特別図柄判定の判定結果が大当たりとなって4R長当たりが選択され、4R長当たり遊技の終了後に時短遊技状態で遊技が制御される場合(図10における上段のケース)、4R長当たり遊技が実行されているときに、時短遊技状態のときに第1特別図柄判定の判定結果が大当たりとなって4R長当たりが選択され、且つ4R長当たり遊技終了後に通常遊技状態で遊技が制御される場合の4R長当たり遊技中の遊技演出(図10の下段の演出)とは異なる遊技演出が行われる。
このため、大当たり遊技の種類が同じ4R長当たりであったとしても4R長当たり遊技中に相異なる遊技演出が行われるので、遊技者は、4R長当たり遊技終了後の遊技状態を、4R長当たり遊技が終了する前に容易に認識することができる。
図11は、8R長当たり遊技中の大入賞装置113又は特定入賞装置119の開放パターンと演出とについて説明するための説明図である。
大当たりの種類として8R長当たりが選択された場合、大当たり遊技として、図11に例示されるように、例えば、大入賞装置113を開放してから所定条件を満たすまで大入賞装置113を開放した状態を維持する4回の長開放ラウンド遊技を行い、大入賞装置113を0.1秒間短開放する短開放ラウンド遊技を8回繰り返し、その後、再び4回の長開放ラウンド遊技を行う実質8Rの長当たり遊技が行われる。
これに対して、通常遊技状態のときに時短無し8R長当たりに当選した場合、すなわち通常遊技状態のときに8R長当たりとなって8Rの長当たり遊技の終了後に通常遊技状態で遊技が制御される場合、最初の4回の長開放ラウンド遊技が行われているときには所定のラウンド中演出が行われ、大入賞装置113の8回の短開放ラウンド遊技が繰り返されている間は、時短遊技状態に移行しないことを分かり易く報知するために、例えば、敵キャラクタとのバトルを行って最終的に敗北する様子を表すチャレンジゲームの映像が主液晶表示装置105などを用いて表示される。そして、後半の4回の長開放ラウンド遊技中には所定のラウンド中演出が行われ、エンディング(ED)では、RUSH非突入演出として、「チャレンジ失敗」といったメッセージが主液晶表示装置105などに表示される。
また、時短遊技状態のときに時短無し8R長当たりに当選した場合、すなわち時短遊技状態のときに8R長当たりとなって8Rの長当たり遊技の終了後に通常遊技状態で遊技が制御される場合、4回の長開放ラウンド遊技中、8回の短開放ラウンド遊技中、及び後半の4回の長開放ラウンド遊技中は、上述したのと同様に所定のラウンド中演出、チャレンジゲーム(失敗)、及び所定のラウンド中演出が行われる。そして、エンディング(ED)では、RUSH終了演出として、「チャレンジ失敗」といったメッセージが主液晶表示装置105などに表示される。
また、時短遊技状態のときに時短付き8R長当たりに当選した場合、すなわち時短遊技状態のときに8R長当たりとなって8Rの長当たり遊技の終了後に再び時短遊技状態で遊技が制御されることになる場合、上述した例と同様に、時短遊技状態が継続することを分かり易く報知するために、大入賞装置113の8回の短開放ラウンド遊技中は、敵キャラクタとのバトルを行って最終的に敗北する様子を表すチャレンジゲームの映像が主液晶表示装置105に表示される。そして、エンディング(ED)では、RUSH継続演出として、「RUSH継続」といったメッセージが主液晶表示装置105などに表示される。
なお、他の実施形態としては、8回の短開放ラウンド遊技中に、敵キャラクタとのバトルを行って最終的に勝利する様子を表すチャレンジゲームの映像を表示することによって、時短付き4R長当たり遊技(図10の中段の演出を参照)が行われているように見せ掛けた後に、後半の4回の長開放ラウンド遊技中は、ボーナスラウンドを獲得したように見せ掛ける演出を行うようにしてもよい。
この図11に基づく説明から明らかなように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、通常遊技状態のときに第1特別図柄判定の判定結果が大当たりとなって8R長当たりが選択され、8R長当たり遊技の終了後に通常遊技状態で遊技が制御される場合(図11における上段のケース)、8R長当たり遊技が実行されているときに、時短遊技状態のときに第1特別図柄判定の判定結果が大当たりとなって8R長当たりが選択され、且つ8R長当たり遊技終了後に時短遊技状態で遊技が制御される場合の8R長当たり遊技中の遊技演出(図11の下段の演出)とは異なる遊技演出が行われる。
このため、大当たり遊技の種類が同じ8R長当たりであったとしても8R長当たり遊技中に相異なる遊技演出が行われるので、遊技者は、8R長当たり遊技終了後の遊技状態を、8R長当たり遊技が終了する前に容易に認識することができる。
図12は、15R長当たり遊技中の大入賞装置113又は特定入賞領域19の開放パターンと演出との一例について説明するための説明図である。
本実施形態では、15R長当たりは、時短遊技状態のときに行われた第2特別図柄判定で直撃大当たりとなった場合、又は時短遊技状態の小当たり遊技中に遊技球がV入賞装置302にV入賞した場合に選択される。
本実施形態では、15R長当たり遊技用の大入賞装置113の開放パターンが2種類用意されている。1つ目は、15R未満の長当たり遊技であると見せ掛けておいて15Rの長当たり遊技に昇格したように見せるいわゆる昇格演出を行うための開放パターンである(図12(B)参照)。2つ目は、この昇格演出を行わない場合の開放パターンである(図12(A)参照)。
大当たりの種類として15R長当たりが選択され、且つ昇格演出を行わない場合、図12(A)に例示されるように、例えば、大入賞装置113を開放してから所定条件を満たすまで大入賞装置113を開放した状態を維持する15回の長開放ラウンド遊技が行われる。
これに対して、時短遊技状態のときに15R長当たりに当選した場合、例えば、15Rの長当たり遊技のオープニング(OP)中には、15Rの大当たりであることを報知する所定のオープニング演出が行われ、15回の長開放ラウンド遊技が行われている間は、現在のラウンド数や払出賞球数等を主液晶表示装置105などに表示する所定のラウンド中演出が行われる。そして、15R長当たり遊技が行われた場合には必ず時短遊技状態に移行するため、エンディング(ED)では、RUSH継続演出として、「RUSH継続」といったメッセージが主液晶表示装置105などに表示される。
一方、15Rの長当たり遊技中に昇格演出を行う場合、図12(B)に例示されるように、オープニング(OP)に続いて、4回の長開放ラウンド遊技が行われ、次に、大入賞装置113の複数の短開放動作と1回の長開放動作とから構成される5ラウンド目のラウンド遊技が行われる。そして、5ラウンド目のラウンド遊技に続いて、長開放ラウンド遊技が10回繰り返される。
これに対して、まず、オープニング(OP)において、15ラウンドの長当たり遊技であるとは認識できない態様で、所定のオープニング演出が行われる。そして、5ラウンド目のラウンド遊技が開始されると、まず、4ラウンドで終了すると思われていた長開放ラウンド遊技が15ラウンド目まで継続することを報知する昇格演出が行われ、これに続いて、5ラウンド目のラウンド遊技における長開放ラウンド遊技中には、所定のラウンド中演出が行われる。
なお、オープニング演出と5ラウンド目のラウンド遊技中に行われる昇格演出以外の演出は、図12(A)に基づいて上述したものと同じである。
[時短遊技状態における第2特別図柄変動時の演出の説明]
本実施形態では、第2特別図柄の変動中に、大当たり遊技に近い状態にあることを示す演出を行うようにした。具体的には、図13(A)に例示されるように、味方キャラクタが「V」の文字が書かれた風船をキャッチしようとして追いかけるような演出が主液晶表示装置105などを用いて表示される。
時短遊技状態のときに行われた第2特別図柄判定で直撃大当たりとなった場合の1種大当たりでは、上述した例では、図13(B)に示すように、味方キャラクタが「V」の文字が書かれた風船をキャッチする演出が主液晶表示装置105などを用いて表示される。
同様に、第2特別図柄の停止後、小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球がV入賞した場合には、同様に、味方キャラクタが「V」の文字が書かれた風船をキャッチする演出が主液晶表示装置105などを用いて表示される(図13(B)参照)。
一方、第2特別図柄判定で「ハズレ」となった場合、又は、第2特別図柄の停止後、小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球がV入賞しなかった場合には、味方キャラクタが「V」の文字が書かれた風船を取り逃がす演出が主液晶表示装置105などを用いて表示される。
これにより、大当たりに近づいている様子が遊技者にとって目の当たりにできることになり、遊技の興趣を向上させることができる。
ところで、上述したように、時短遊技状態で遊技が制御されているときに遊技球が第2始動装置112に入賞して大当たりと判定された場合に、この第2始動装置入賞時に大当たり乱数と一緒に取得された大当たり用図柄乱数がどの当選値と一致するかに基づいて、大当たりの種類が決定される。
一方、時短遊技状態で遊技が制御されているときに遊技球が第2始動装置112に入賞したタイミングで取得された大当たり乱数に基づいて小当たりであると判定された場合、この大当たり乱数及び大当たり用図柄乱数と一緒に取得された小当たり用図柄乱数に基づいて、小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球がV入賞することで発生する2種大当たりの種類が決定される。
図14は、第2始動装置入賞からの大当たり遊技の内訳を示す。これは、1種大当たり及び2種大当たりを含むものである。
(1)時短付き15R大当たりは、小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球がV入賞することで発生する2種大当たりである。図12(A)に例示されるように、大入賞装置113を開放してから所定条件を満たすまで大入賞装置113を開放した状態を維持する15回の長開放ラウンド遊技が行われる。
(2)時短付き15R大当たり(昇格演出あり)は、小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球がV入賞することで発生する2種大当たりである。図12(B)に例示されるように、オープニング(OP)に続いて、4回の長開放ラウンド遊技が行われ、次に、大入賞装置113の複数の短開放動作と1回の長開放動作とから構成される5ラウンド目のラウンド遊技が行われる。そして、5ラウンド目のラウンド遊技に続いて、長開放ラウンド遊技が10回繰り返される。なお、大入賞装置113の複数の短開放動作中における昇格演出は、チャレンジゲームの映像としてもよく、この意味では、チャレンジゲーム有りの大当たり遊技である。
(3)時短付き4R長当たりは、小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球がV入賞することで発生する2種大当たりである。図10の中段に例示されるように、オープニング(OP)に続いて、4回の長開放ラウンド遊技が行われ、その後、12回の短開放ラウンド遊技が繰り返される。短開放ラウンド遊技では、チャレンジゲームの映像が主液晶表示装置105などを用いて表示される。
(4)時短付き15R長当たり(直撃)は、遊技球が第2始動装置112に入賞して大当たりと判定される1種大当たりである。図12(A)に例示されるように、大入賞装置113を開放してから所定条件を満たすまで大入賞装置113を開放した状態を維持する15回の長開放ラウンド遊技が行われる。
(5)時短付き4R長当たり(直撃)は、遊技球が第2始動装置112に入賞して大当たりと判定される1種大当たりである。図10の中段に例示されるように、オープニング(OP)に続いて、4回の長開放ラウンド遊技が行われ、その後、12回の短開放ラウンド遊技が繰り返される。短開放ラウンド遊技では、チャレンジゲームの映像が主液晶表示装置105などを用いて表示される。
なお、(1)〜(5)に示した大当たり遊技では、その後、必ず時短遊技状態に移行する。
(6)時短無し8R長当たりは、小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球がV入賞することで発生する2種大当たりである。図11の中段に例示されるように、オープニング(OP)に続いて、4回の長開放ラウンド遊技が行われ、次に8回の短開放ラウンド遊技が繰り返された後、4回の長開放ラウンド遊技が行われる。短開放ラウンド遊技では、チャレンジゲームの映像が主液晶表示装置105などを用いて表示される。
(7)時短無し8R長当たり(直撃)は、遊技球が第2始動装置112に入賞して大当たりと判定される1種大当たりである。図11の中段に例示されるように、オープニング(OP)に続いて、4回の長開放ラウンド遊技が行われ、次に8回の短開放ラウンド遊技が繰り返された後、4回の長開放ラウンド遊技が行われる。短開放ラウンド遊技では、チャレンジゲームの映像が主液晶表示装置105などを用いて表示される。
なお、(6)、(7)に示した大当たり遊技では、その後、必ず通常遊技状態に戻る。
これら(1)〜(7)の大当たり遊技の振り分けは、上述したように、大当たり用図柄乱数及び小当たり用図柄乱数に基づいて行われる。大当たり用図柄乱数及び小当たり用図柄乱数は、第2始動装置入賞時に取得される。したがって、時短遊技状態のときに行われた第2特別図柄判定で直撃大当たりとなった場合の1種大当たりはもちろん、小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球がV入賞することで発生する2種大当たりの種類も、第2特別図柄の変動停止の前に、すなわち小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球がV入賞するか否かにかかわらず取得可能である。
そこで、本実施形態では、第2特別図柄判定で直撃大当たり(図14中の(4)、(5))となった場合の1種大当たりに際し、第2特別図柄の変動時に、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態で遊技が制御されることを示唆する演出を行うことを可能にした。つまり、第2特別図柄判定で直撃大当たりとなった場合の1種大当たりでは、大当たり遊技終了後の遊技状態を示唆する演出が可能となっているのである。「可能」とあるのは、所定の割合(確率)で行うことを意味する。もちろん、必ず示唆演出を行うようにしてもよい。
具体的には、図13(C)に例示されるように、「V」の文字に代えて、「RUSH継続」のメッセージが書かれた風船を追いかける演出が主液晶表示装置105などを用いて表示される。もちろん、「V」の文字に加えて「RUSH継続」のメッセージが書かれた風船であってもよい。あるいは、特別のキャラクタや特別のマークが書かれた風船であってもよい。
これにより、大当たりとなったことが報知される前の段階で、すなわち第2特別図柄の停止前に、遊技者は、図13(C)に例示される風船を捕まえることで大当たり遊技が行われた場合には、大当たり遊技終了後に時短遊技状態に移行することを容易に認識することができ、遊技の興趣を向上させることができる。つまり、本実施形態によれば、大当たり遊技に関連する示唆演出を、大当たり遊技の開始に先立って行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、第2特別図柄判定で「ハズレ」となった場合にも、第2特別図柄の変動時に、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態で遊技が制御されることを示唆する演出を行うことを可能にした。この場合、味方キャラクタが「RUSH継続」の文字が書かれた風船を取り逃がす演出が主液晶表示装置105などを用いて表示される。遊技者は、図13(C)に例示される風船を取り逃がすまでは、時短遊技状態への移行を期待することになり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、ここでは時短付き15R長当たり(直撃)、時短付き4R長当たり(直撃)について、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態で遊技が制御されることを示唆する演出を行うこととしたが、例えば8R長当たり(直撃)について、大当たり遊技の終了後に通常遊技状態で遊技が制御されることを示唆する演出を行うようにしてもよい。また、時短付き、時短無しにかかわらず、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態で遊技が制御されることを示唆する演出を行ったり、大当たり遊技の終了後に通常遊技状態で遊技が制御されることを示唆する演出を行ったりしてもよい。ただし、時短無しの8R長当たり(直撃)であるにもかかわらず「RUSH継続」のメッセージの書かれた風船を登場させると時短遊技状態へ移行しないことで遊技の興趣を低下させる虞がある。したがって、「RUSH継続?」というように未確定であることを示す「?」をメッセージに含めてもよい。
本実施形態では、第2特別図柄判定で直撃大当たりとなった場合の1種大当たり、又は、第2特別図柄判定で「ハズレ」となった場合に際し、大当たり終了後の遊技状態を示唆する演出を行うようにした。言い換えれば、小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球がV入賞することで発生する2種大当たりに際しては、大当たり終了後の遊技状態を示唆する演出を行わない。これにより、例えば大当たり遊技の終了後に時短遊技状態で遊技が制御されることを示唆する演出を待って、小当たり時の止め打ちを誘発することがなく、適正に遊技が制御される。
以下、上述したような大当たりの内訳や大当たり遊技中の遊技演出等を実現するためのパチンコ遊技機1の内部構成やパチンコ遊技機1で行われる処理について、詳細に説明する。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤102の裏面側には、賞球として払い出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図15に例示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、判定の実行や演出制御基板1530へのコマンド送信処理等を制御する遊技制御基板1500、遊技制御基板1500から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御基板1530、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板1540、各種のランプや回転表示装置140による演出を制御するランプ制御基板1550等から構成されている。本実施形態では、遊技制御基板1500が遊技の進行を制御する遊技制御部として機能し、演出制御基板1530、画像音響制御基板1540、及びランプ制御基板1550が演出を制御する演出制御部として機能する。
[遊技制御基板1500の構成例]
遊技制御基板1500は、メインCPU1501、メインROM1502、及びメインRAM1503を備えている。メインCPU1501は、メインROM1502に記憶されたプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM1503は、メインCPU1501が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
遊技制御基板1500には、第1始動装置スイッチ1511、第2始動装置スイッチ1512、電動チューリップ開閉部1513、ゲートスイッチ1514、大入賞装置スイッチ1515、大入賞装置制御部1516、普通入賞装置スイッチ1517、特定入賞装置スイッチ1518、特定領域開閉部1519、V入賞装置スイッチ1520、ハズレ入賞装置スイッチ1521、V入賞装置開閉部1522、及び表示器104を構成する各表示器201〜206が接続されている。
第1始動装置スイッチ1511は、第1始動装置111に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板1500に出力する。第2始動装置スイッチ1512は、第2始動装置112に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板1500に出力する。電動チューリップ開閉部1513は、遊技制御基板1500からの制御信号に応じて、電動チューリップ117の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動装置112を開閉する。ゲートスイッチ1514は、遊技球がゲート116を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板1500に出力する。大入賞装置スイッチ1515は、大入賞装置113に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板1500に出力する。大入賞装置制御部1516は、遊技制御基板1500からの制御信号に応じて、大入賞装置113を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、大入賞装置113を開閉する。普通入賞装置スイッチ1517は、遊技球が普通入賞装置114に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板1500に出力する。
特定入賞装置スイッチ1518は、遊技球が特定入賞装置119に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板1500に出力する。特定領域開閉部1519は、遊技制御基板1500からの制御信号に応じて、羽根部材190に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、特定入賞装置119を開閉する。V入賞装置スイッチ1520は、遊技球がV入賞装置302に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板1500に出力する。ハズレ入賞装置スイッチ1521は、遊技球がハズレ入賞装置303に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板1500に出力する。V入賞装置開閉部1522は、スライド部材304に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、V入賞装置302を開閉する。
遊技制御基板1500のメインCPU1501は、第1始動装置スイッチ1511、第2始動装置スイッチ1512、大入賞装置スイッチ1515、普通入賞装置スイッチ1517、V入賞装置スイッチ1520、又はハズレ入賞装置スイッチ1521からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板(不図示)に指示し、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
この払出制御基板は、遊技盤102の裏面側に設けられている球タンクから皿128へ賞球を送り出す駆動モータ等を有して構成されている。
メインCPU1501は、第1始動装置スイッチ1511からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、メインCPU1501は、第2始動装置スイッチ1512からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、「大当たり」であると判定した場合には、大入賞装置制御部1516を介して大入賞装置113を開閉する。
また、メインCPU1501は、第2特別図柄判定の結果が小当たりであると判定した場合には、特定領域開閉部1519を介して羽根部材190を作動させることで特定入賞装置119を開閉すると共に、V入賞装置開閉部1522を介してスライド部材304を作動させることでV入賞装置302を開閉する。そして、スライド部材304の作動中にV入賞装置302に遊技球が入賞した場合、「大当たり」であると判定した場合と同様に、大入賞装置制御部1516を介して大入賞装置113を開閉する。
また、メインCPU1501は、ゲートスイッチ1514からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、第2始動装置112を開放すると判定した場合、電動チューリップ開閉部1513を介して電動チューリップ117を作動させることによって、第2始動装置112を一時的に開放する。
また、メインCPU1501は、表示器104を構成する各表示器201〜206に対して、図2に基づいて上述した処理を実行させる。
[演出制御基板1530の構成例]
演出制御基板1530は、サブCPU1531、サブROM1532、サブRAM1533、及びRTC(リアルタイムクロック)1534を備えている。サブCPU1531は、サブROM1532に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM1533は、サブCPU1531が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC1534は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。
サブCPU1531は、遊技制御基板1500から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、特別遊技等に関する遊技情報に基づいて、通常演出の演出内容を設定する。その際、演出ボタン126又は演出キー127からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。また、サブCPU1531は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板1540及びランプ制御基板1550に送信する。
[画像音響制御基板1540の構成例]
画像音響制御基板1540は、図には示されていないが、統括CPU、制御用ROM、及び制御用RAMを備えている。統括CPUは、制御用ROMに記憶されたプログラムに基づいて、演出制御基板1530において演出内容が設定された演出を表現する画像を制御する際の演算処理を行う。図には示されていないが、画像音響制御基板1540は、主液晶表示装置105及び副液晶表示装置150に表示される演出画像を生成するVDP(Video Display Processor)、及びスピーカ124から出力される音響データを生成する音響DSP(Digital Signal Processor)を備えている。統括CPUは、演出制御基板1530からのコマンド及び制御用ROMに記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成してVDP及び音響DSPに出力することによって、VDP及び音響DSPの動作を制御する。
音響DSPには、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSPによるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSPは、統括CPUからの制御信号に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ124へ出力する。
VDPは、演出画像の生成に必要な素材データを記憶する画像用ROM、演出画像の描画処理を実行する描画エンジン、及び描画エンジンによって描画された演出画像を主液晶表示装置105及び副液晶表示装置150に出力する出力回路を有している。描画エンジンは、統括CPUからの制御信号に基づいて、画像用ROMに記憶されている素材データを用いて、フレームバッファに演出画像を描画する。出力回路は、このフレームバッファに描画された演出画像を所定のタイミングで主液晶表示装置105及び副液晶表示装置150に出力する。
[ランプ制御基板1550の構成例]
ランプ制御基板1550は、図には示されていないが、CPU、ROM、及びRAMを備えている。ランプ制御基板1550のCPUは、ROMに記憶されたプログラムに基づいて、枠ランプ125や回転表示装置140、上部可動役物160の動作を制御する際の演算処理を行う。ランプ制御基板1550のRAMは、CPUが上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプ制御基板1550のROMには、発光パターンデータ及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、枠ランプ125や回転表示装置140、上部可動役物160が備える発光素子のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、回転表示装置140及び上部可動役物160の動作パターンを示すデータである。
ランプ制御基板1550のCPUは、ROMに記憶された発光パターンデータの中から、演出制御基板1530から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをRAMに読み出して、枠ランプ125や回転表示装置140、上部可動役物160の発光素子の発光を制御する。また、ランプ制御基板1550のCPUは、ROMに記憶された動作パターンデータの中から、演出制御基板1530から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをRAMに読み出して、回転表示装置140及び上部可動役物160を動作させるモータの駆動を制御する。
[遊技制御基板1500によるタイマ割込み処理]
次に、図16を参照しつつ、遊技制御基板1500において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図16は、遊技制御基板1500において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御基板1500は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図16に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図16以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御基板1500の処理は、メインROM1502に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU1501が発行する命令に従って行われる。
まず、メインCPU1501は、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、小当たり用図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップ1601)。
ここで、大当たり乱数は、大当たり、小当たり、又はハズレを決定するための乱数である。大当たり用図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類を決定するための乱数である。小当たり用図柄乱数は、小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球が入賞した場合に発生する2種大当たりの種類を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターンを決定するための乱数である。普通図柄乱数は、第2始動装置112を開放するか否かを決定するための乱数である。大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、小当たり用図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1601の処理が行われる毎に「1」ずつ加算される。なお、このステップS1601の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻る。
ステップS1601の処理に続いて、メインCPU1501は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に、スイッチ処理を実行する(ステップS1602)。このスイッチ処理については、図17〜図20に基づいて後に詳述する。
ステップS1602の処理に続いて、メインCPU1501は、特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の結果を示す判定図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS1603)。この特別図柄処理については、図21に基づいて後に詳述する。
ステップS1603の処理に続いて、メインCPU1501は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器204に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS1604)。この普通図柄処理については、図25に基づいて後に詳述する。
ステップS1604の処理に続いて、メインCPU1501は、普通図柄判定を行った結果、第2始動装置112を開放すると判定した場合に、電動チューリップ開閉部1513を介して電動チューリップ117を作動させる電動チューリップ処理を実行する(ステップS1605)。この電動チューリップ処理については、図26に基づいて後に詳述する。
ステップS1605の処理に続いて、メインCPU1501は、ステップS1603の特別図柄処理において小当たりであると判定した場合に、特定領域開閉部1519を介して羽根部材190を作動させると共に、V入賞装置開閉部1522を介してスライド部材304を作動させる特定領域開放制御処理を実行する(ステップS1606)。この特定領域開放制御処理については、図27及び図28に基づいて後に詳述する。
ステップS1606の処理に続いて、メインCPU1501は、ステップS1603において大当たりであると判定した場合、又は小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球が入賞した場合に、大入賞装置制御部1516を制御して大入賞装置113を開放する大入賞装置開放制御処理を実行する(ステップS1607)。この大入賞装置開放制御処理については、図29に基づいて後に詳述する。
ステップS1607の処理に続いて、メインCPU1501は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS1608)。
ステップS1608の処理に続いて、メインCPU1501は、ステップS1608以前の処理ステップにおいてメインRAM1503にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板1530に送信する送信処理を実行する(ステップS1609)。
[遊技制御基板1500によるスイッチ処理]
図17は、図16のステップS1602におけるスイッチ処理の詳細フローチャートである。ステップS1601の処理に続いて、メインCPU1501は、図17に例示されるように、第1始動装置スイッチ1511からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1601の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動装置スイッチ1511からの検知信号が入力された時点の値を取得する第1始動装置スイッチ処理を実行する(ステップS1701)。この第1始動装置スイッチ処理については、図18に基づいて後に詳述する。
次に、メインCPU1501は、第2始動装置スイッチ1512からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1601の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、小当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第2始動装置スイッチ1512からの検知信号が入力された時点の値を取得する第2始動装置スイッチ処理を実行する(ステップS1702)。この第2始動装置スイッチ処理については、図19に基づいて後に詳述する。
そして、メインCPU1501は、ゲートスイッチ1514からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1601の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、ゲートスイッチ1514からの検知信号が入力された時点の値を取得するゲートスイッチ処理を実行する(ステップS1703)。このゲートスイッチ処理については、図20に基づいて後に詳述する。
[遊技制御基板1500による第1始動装置スイッチ処理]
図18は、図17のステップS1701における第1始動装置スイッチ処理の詳細フローチャートである。図18に例示されるように、メインCPU1501は、ステップS1601の乱数更新処理に続いて、第1始動装置スイッチ1511からの検知信号(第1始動装置スイッチ1511が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第1始動装置スイッチ1511が「ON」になったか否かを判定する(ステップS1801)。ここで、第1始動装置スイッチ1511が「ON」になったと判定した場合(ステップS1801:YES)、メインRAM1503に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、予めメインROM1502に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS1802)。
メインCPU1501は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS1802:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新する(ステップS1803)。そして、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得し、これらの乱数を対応付けてメインRAM1503に格納する(ステップS1804〜S1807)。そして、第1特別図柄判定が保留されたことを通知する保留コマンドをメインRAM1503にセットする(ステップS1808)。この保留コマンドは、ステップS1609の送信処理によって演出制御基板1530に送信される。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、第1特別図柄判定の結果が大当たり又はハズレのいずれかとなり、第1特別図柄判定においては、小当たり遊技を発生させる小当たりと判定されないように構成されている。このため、第1始動装置スイッチ処理には、2種大当たりの種類を決定するための小当たり用図柄乱数を取得するステップが含まれていない。
[遊技制御基板1500による第2始動装置スイッチ処理]
図19は、図17のステップS1702における第2始動装置スイッチ処理の詳細フローチャートである。図19に例示されるように、メインCPU1501は、ステップS1701の第1始動装置スイッチ処理に続いて、第2始動装置スイッチ1512からの検知信号(第2始動装置スイッチ1512が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第2始動装置スイッチ1512が「ON」になったか否かを判定する(ステップS1901)。
メインCPU1501は、第2始動装置スイッチ1512が「ON」になったと判定した場合(ステップS1901:YES)、例えば、メインRAM1503に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大入賞装置113を開放する大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS1902)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。
メインCPU1501は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS1902:NO)、例えば、メインRAM1503に記憶されている小当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、特定入賞装置119を開放する小当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS1903)。この小当たり遊技フラグは、特定入賞装置119を開放する小当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、小当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、小当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。
メインCPU1501は、小当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS1903:NO)、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202における特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS1904)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS1904:NO)、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、小当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得し、これらの乱数を対応付けてメインRAM1503に格納する(ステップS1905〜S1909)。
このように、特別遊技中ではなく特別図柄の変動表示中でもないときに第2始動装置112に遊技球が入賞した場合には、メインCPU1501は、第2特別図柄判定に使用する各種乱数を、メインRAM1503の判定用記憶領域に直接格納する。この判定用記憶領域は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種乱数が記憶される記憶領域である。なお、第1始動装置111に遊技球が入賞した場合には、メインCPU1501は、第1特別図柄判定に使用する各種乱数をメインRAM1503の保留記憶領域に格納し、実際に第1特別図柄判定を行って特別図柄の変動表示を開始させるときに、保留記憶領域に記憶されている各種乱数を判定用記憶領域にシフトさせる。
以上説明したように、本実施形態では、特別図柄の変動表示中や特別遊技中に第2始動装置112に遊技球が入賞したためにその入賞に対応する第2特別図柄判定に係る特別図柄の変動表示を直ちに開始できない場合には、第2始動装置112への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄判定は行われない。一方、第1始動装置111に遊技球が入賞したときにその入賞に対応する第1特別図柄判定に係る特別図柄の変動表示を直ちに開始できない場合であっても、第1特別図柄判定の権利は、4つを上限として保留される。
[遊技制御基板1500によるゲートスイッチ処理]
図20は、図17のステップS1703におけるゲートスイッチ処理の詳細フローチャートである。図20に例示されるように、メインCPU1501は、ステップS1702の第2始動装置スイッチ処理に続いて、ゲートスイッチ1514からの検知信号(ゲートスイッチ1514が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、ゲートスイッチ1514が「ON」になったか否かを判定する(ステップS2001)。
メインCPU1501は、ゲートスイッチ1514が「ON」になったと判定した場合(ステップS2001:YES)、メインRAM1503に記憶されている普通図柄判定の保留数Tが、メインROM1502に予め記憶されている普通図柄判定の最大保留数Tmax(例えば「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS2002)。
メインCPU1501は、保留数Tが最大保留数Tmax未満であると判定した場合(ステップS2002:YES)、保留数Tを「1」加算した値に更新し(ステップS2003)、この処理によって保留された普通図柄判定に使用される普通図柄乱数を取得して、メインRAM1503に格納する(ステップS2004)。
[遊技制御基板1500による特別図柄処理]
次に、図21を参照しつつ、遊技制御基板1500によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図21は、図16のステップS1603における特別図柄処理の詳細フローチャートである。図21に例示されるように、遊技制御基板1500のメインCPU1501は、メインRAM1503に記憶されている大当たり遊技フラグ又は小当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中又は小当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS2101)。ここで、大当たり遊技中又は小当たり遊技中であると判定された場合(ステップS2101:YES)、ステップS1604の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU1501は、特別遊技中ではないと判定した場合(ステップS2101:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS2102)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS2102:NO)、第2始動装置入賞に係る各種乱数がメインRAM1503の判定用記憶領域に記憶されているか否かを判定する(ステップS2103)。具体的には、遊技球が第2始動装置112に入賞したことに応じて取得された各種乱数が判定用記憶領域に直接記憶されると共に、第2始動装置入賞に係る各種乱数が記憶されたことを示すフラグが判定用記憶領域に記憶されるので、判定用記憶領域に各種乱数が記憶された際にこのフラグが記憶されているか否かに基づいて、判定用記憶領域に記憶された各種乱数が第2始動装置入賞に係るものであるか或いは第1始動装置入賞に係るものであるかを判定する。ここで、第2始動装置入賞に係る乱数が記憶されていると判定された場合(ステップS2103:YES)、後述するステップS2107に処理が進められる。
メインCPU1501は、第2始動装置入賞に係る乱数が判定用記憶領域に記憶されていないと判定した場合(ステップS2103:NO)、メインRAM1503に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS2104)。ここで、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS2104:YES)、保留数U1を「1」減算した値に更新する(ステップS2105)。そして、メインRAM1503の記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS2106)。具体的には、メインRAM1503の保留記憶領域に記憶されている第1特別図柄判定に係る大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数について、保留記憶領域に最初に格納されたもの(最も古いもの)を判定用記憶領域にシフトさせ、残りのものを判定用記憶領域側にシフトさせる。
メインCPU1501は、ステップS2106の処理を実行した場合、又は第2始動装置入賞に係る乱数が判定用記憶領域に記憶されていると判定した場合(ステップS2103:YES)、判定用記憶領域に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS2107)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たり、小当たり、及びハズレのいずれであるかが判定され、その判定結果を示す判定図柄の設定情報がメインRAM1503にセットされる。そして、大当たり(1種大当たり)であると判定された場合には大当たりの種類が決定され、小当たりであると判定された場合には小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球が入賞したことを契機として発生する2種大当たりの種類が決定される。この大当たり判定処理については、図22に基づいて後に詳述する。
ステップS2107の処理に続いて、メインCPU1501は、変動パターン選択処理を実行する(ステップS2108)。具体的には、メインROM1502に予め記憶されている変動パターンテーブルを参照して、ステップS2107における大当たり判定の判定結果、メインRAM1503にセットされた判定図柄の種類、現在の遊技状態、第1特別図柄判定の保留数U1、上記ステップS2107の処理で使用した大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域に記憶されているリーチ乱数及び変動パターン乱数に基づいて、特別図柄の変動パターンを選択する。このステップS2108の処理が行われることによって、リーチ有り演出を行うか、或いはリーチ無し演出を行うかも併せて決定される。この変動パターン選択処理については、図23に基づいて後に詳述する。
ステップS2108の処理に続いて、メインCPU1501は、ステップS2107の処理で設定した図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS2108の処理で設定した変動パターンの設定情報、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらの演出を行うかを示す情報、パチンコ遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM1503にセットする(ステップS2109)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS1609の送信処理によって演出制御基板1530に送信される。
これに対して、演出制御基板1530は、遊技制御基板1500から受信した変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の結果を特定し、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判定し、特別図柄が変動表示される変動時間を取得し、パチンコ遊技機1の遊技状態を特定する。そして、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202における特別図柄の変動表示に伴って、主液晶表示装置105及び副液晶表示装置150にどのようなパターンで装飾図画を変動表示させるか、スピーカ124からどのような音を出力するか、枠ランプ125をどのような発光パターンで発光させるか、回転表示装置140及び上部可動役物160を作動させるか否か等を決定し、決定した内容の演出を画像音響制御基板1540及びランプ制御基板1550に実行させる。
ステップS2109の処理に続いて、メインCPU1501は、ステップS2109の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS2110)。なお、この特別図柄の変動表示は、判定用記憶領域に第1特別図柄判定に係る乱数が記憶されている状態でステップS2107〜ステップS2109の処理が行われた場合には第1特別図柄表示器201を用いて行われ、第2特別図柄判定に係る乱数が記憶されている状態でステップS2107〜ステップS2109の処理が行われた場合には第2特別図柄表示器202を用いて行われる。
ステップS2110に続いて、メインCPU1501は、ステップS2110における変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始する(ステップS2111)。
メインCPU1501は、ステップS2111の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS2102:YES)、ステップS2111における変動時間の計測開始から、ステップS2108の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS2112)。ここで、変動時間が経過していないと判定された場合(ステップS2112:NO)、一連の特別図柄処理が終了してステップS1604の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU1501は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS2112:YES)、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM1503にセットする(ステップS2113)。この図柄確定コマンドは、ステップS1609における送信処理によって演出制御基板1530に送信される。これにより、主液晶表示装置105に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS2113の処理に続いて、メインCPU1501は、ステップS2110の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了する(ステップS2114)。その際、ステップS2107の処理で設定した判定図柄(大当たり図柄、小当たり図柄、又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。具体的には、第1特別図柄表示器201において特別図柄が変動表示されていた場合には第1特別図柄表示器201に大当たり図柄又はハズレ図柄を停止表示させ、第2特別図柄表示器202において特別図柄が変動表示されていた場合には第2特別図柄表示器202に大当たり図柄、小当たり図柄、又はハズレ図柄を停止表示させる。
ステップS2114の処理に続いて、メインCPU1501は、上記ステップS2111の処理で計測を開始した変動時間をリセットし(ステップS2115)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させ、小当たりである場合に小当たり遊技を開始させる処理等を含む停止中処理を実行する(ステップS2116)。この停止中処理については、図24に基づいて後に詳述する。
[遊技制御基板1500による大当たり判定処理]
図22は、図21のステップS2107における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU1501は、判定用記憶領域に第2特別図柄判定に係る乱数がフラグと共に記憶されていると判定した場合(ステップS2103:YES)、又はステップS2106の処理を実行した場合、図22に例示されるように、大当たり判定を実行する(ステップS2201)。ここで、第2始動装置入賞に係る大当たり判定を実行する場合にはメインROM1502に予め記憶されている第2始動装置入賞用大当たり判定テーブル(図7(B)参照)を参照し、第1始動装置入賞に係る大当たり判定を実行する場合にはメインROM1502に予め記憶されている第1始動装置入賞用大当たり判定テーブル(図7(A)参照)を参照する。
第2始動装置入賞用大当たり判定テーブルには、判定結果と乱数値とが対応付けられて記憶されている。具体的には、大当たりに対する乱数値と、小当たりに対する乱数値と、ハズレに対する乱数値とが記憶されている。メインCPU1501は、第2始動装置入賞に係る大当たり判定を実行する場合、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、第2始動装置入賞用大当たり判定テーブルに規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たり(1種大当たり)であるか、小当たりであるか、又はハズレであるかを判定する。
第1始動装置入賞用大当たり判定テーブルには、判定結果と乱数値とが対応付けられて記憶されている。具体的には、大当たりに対する乱数値とハズレに対する乱数値とが記憶されている。メインCPU1501は、第1始動装置入賞に係る大当たり判定を実行する場合、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、第1始動装置入賞用大当たり判定テーブルに規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たり(1種大当たり)であるか、又はハズレであるかを判定する。
このように、メインCPU1501は、第1特別図柄判定又は第2特別図柄判定に係る各種乱数が判定用記憶領域に記憶されるといった始動条件が成立すると、判定用記憶領域に記憶されている各種乱数に基づいて、大当たり遊技を行うか否かを判定する。
メインCPU1501は、ステップS2201の判定結果に基づいて、1種大当たりであるか否かを判定する(ステップS2202)。ここで、1種大当たりであると判定した場合(ステップS2202:YES)、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(ステップS2203)。具体的には、パチンコ遊技機1の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを示す時短遊技フラグがメインRAM1503に記憶されており、この時短遊技フラグが「OFF」に設定されているか否かに基づいて、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。
メインCPU1501は、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判定した場合(ステップS2203:YES)、通常遊技状態用の図柄判定テーブルをメインROM1502から読み出してメインRAM1503にセットする(ステップS2204)。このステップS2204の処理でセットされる図柄判定テーブルは、図7(C)に例示されている図柄判定テーブルのうちの、通常遊技状態に対応するテーブルである。この図柄判定テーブルを参照して大当たりの種類を決定することにより、図5の左上図に基づいて上述したような大当たりの内訳を実現することが可能である。
メインCPU1501は、現在の遊技状態が通常遊技状態ではないと判定した場合(ステップS2203:NO)、すなわち時短遊技状態である場合、時短遊技状態用の図柄判定テーブルをメインROM1502から読み出してメインRAM1503にセットする(ステップS2205)。本実施形態では、時短遊技状態において第1特別図柄判定が行われる場合と第2特別図柄判定が行われる場合とがあり、これら2つの場合において、大当たりの内訳を異ならせることとしている(図5の左下図及び右下図を参照)。このため、今回の大当たり判定が第1始動装置入賞に係るものである場合には図7(C)に例示された図柄判定テーブルのうちの時短遊技状態に対応するテーブルがメインRAM1503にセットされ、今回の大当たり判定が第2始動装置入賞に係るものである場合には図7(D)に例示された図柄判定テーブルがメインRAM1503にセットされる。これらの図柄判定テーブルを参照して大当たりの種類を決定することにより、図5の左下図及び右下図に基づいて上述したような大当たりの内訳を実現することが可能である。
メインCPU1501は、ステップS2204の処理を実行した場合、又はステップS2205の処理を実行した場合、メインRAM1503にセットされている図柄判定テーブルを参照して、大当たりの種類を決定する(ステップS2206)。なお、この大当たりの種類を決定する処理は、図7(C)及び(D)に基づいて上述した通りであるため、ここでの詳細な説明は省略する。
メインCPU1501は、ステップS2206の処理で決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄を設定情報としてメインRAM1503にセットする(ステップS2207)。これにより、上記ステップS2114の処理の際にここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に判定図柄として停止表示されて、大当たり遊技が実行されることになる。
一方、メインCPU1501は、大当たり判定の結果が1種大当たりではないと判定した場合(ステップS2202:NO)、判定用記憶領域に第2特別図柄判定に係るフラグが記憶されているか否かに基づいて、この大当たり判定が第1始動装置入賞に係る第1特別図柄判定であるか否かを判断する(ステップS2208)。ここで、第1特別図柄判定であると判断した場合(ステップS2208:YES)、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりでない場合にはハズレであるので、ハズレ図柄を設定情報としてメインRAM1503にセットする(ステップS2209)。これにより、上記ステップS2114の処理の際にここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器201に判定図柄として停止表示されることになる。
第2始動装置入賞に係る大当たり判定の判定結果が大当たりではない場合、その判定結果は、小当たり又はハズレとなる。これに対して、メインCPU1501は、第1特別図柄判定ではないと判断した場合(ステップS2208:NO)、すなわち今回の大当たり判定が第2特別図柄判定である場合、ステップS2201における大当たり判定の判定結果が小当たりであるか否かを判定する(ステップS2210)。具体的には、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、第2始動装置入賞用大当たり判定テーブル(図7(B)参照)に規定されている小当たりに対応する乱数値と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄判定の判定結果が小当たりであるかハズレであるかを判定する。
メインCPU1501は、第2特別図柄判定の判定結果が小当たりではないと判定した場合(ステップS2210:NO)、上記ステップS2209の処理を実行する。この場合、上記ステップS2114の処理の際にここでセットされたハズレ図柄が第2特別図柄表示器202に判定図柄として停止表示されることになる。
一方、メインCPU1501は、第2特別図柄判定の結果が小当たりであると判定した場合(ステップS2210:YES)、小当たり時の図柄判定テーブル(図7(E)参照)をメインROM1502から読み出してメインRAM1503にセットする(ステップS2211)。そして、セットした小当たり時の図柄決定テーブルを参照して、小当たりの種類を決定する(ステップS2212)。この小当たりの種類を決定する処理は、図7(E)に基づいて上述した通りである。そして、決定した小当たり図柄を設定情報としてメインRAM1503にセットする(ステップS2213)。これにより、上記ステップS2114の処理の際にここでセットされた小当たり図柄が第2特別図柄表示器202に判定図柄として停止表示されることになる。
このようにして小当たり図柄が第2特別図柄表示器202に停止表示されると、上述した小当たり遊技が開始される。そして、小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球が入賞すると2種大当たりとなり、小当たり遊技に続いて大当たり遊技が行われることになる。なお、2種大当たりの種類は、第2特別図柄表示器202に停止表示された小当たり図柄に基づいて決定される。このため、小当たりの種類を決定する処理は、2種大当たりの種類を決定する処理と捉えることができる。
[遊技制御基板1500による変動パターン選択処理]
図23は、図21のステップS2108における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。メインCPU1501は、図21のステップS2107における大当たり判定処理を実行した後、ステップS2201の判定結果に基づいて、上記ステップS2202の処理と同様に、大当たり判定の判定結果が1種大当たりであるか否かを判定する(ステップS2301)。ここで、1種大当たりであると判定した場合(ステップS2301:YES)、メインRAM1503に記憶されている時短遊技フラグが「OFF」に設定されているか否かに基づいて、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(ステップS2302)。ここで、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判定した場合(ステップS2302:YES)、通常遊技状態における大当たり用の変動パターンテーブル(図8(A)参照)をメインROM1502から読み出してメインRAM1503にセットする(ステップS2303)。逆に、現在の遊技状態が通常遊技状態ではないと判定した場合(ステップS2302:NO)、すなわち現在の遊技状態が時短遊技状態である場合、時短遊技状態における大当たり用の変動パターンテーブル(図8(B)参照)をメインROM1502から読み出してメインRAM1503にセットする(ステップS2304)。このようにしてステップS2303の処理、又はステップS2304の処理が行われた場合、後述するステップS2313に処理が進められる。
メインCPU1501は、1種大当たりではないと判定した場合(ステップS2301:NO)、上記ステップS2210の処理と同様に、小当たりであるか否かを判定する(ステップS2305)。ここで、小当たりであると判定した場合(ステップS2305:YES)、小当たり用の変動パターンテーブル(図8(F)参照)をメインROM1502から読み出してメインRAM1503にセットする(ステップS2306)。
メインCPU1501は、小当たりではないと判定した場合(ステップS2305:NO)、すなわちハズレである場合、遊技者に対して大当たりを期待させるためのリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS2307)。具体的には、判定用記憶領域に記憶されているリーチ乱数が、メインROM1502に記憶されているリーチ乱数と一致するか否かに基づいて、リーチ演出を行うか否かを判定する。なお、メインROM1502には、リーチ演出を行うか否かの判定を通常遊技状態のときに行う場合と、時短遊技状態のときに行う場合とのそれぞれについて、個別にリーチ乱数が記憶されている。具体的には、通常遊技状態のときには例えば10%程度の割合でリーチ演出が行われるように、通常遊技状態における第1特別図柄判定に係るリーチ乱数がメインROM1502に記憶されている。また、時短遊技状態のときに第2特別図柄判定の判定結果がハズレとなる確率が小当たりとなる確率に比べて相対的に低いので、第2特別図柄判定の判定結果がハズレの場合には必ず(100%の割合で)リーチ演出が行われるように、時短遊技状態における第2特別図柄判定に係るリーチ乱数がメインROM1502に記憶されている。また、第1特別図柄判定に関して、時短遊技状態のときには例えば3%程度の割合でリーチ演出が行われるように、時短遊技状態における第1特別図柄判定に係るリーチ乱数がメインROM1502に記憶されている。
メインCPU1501は、リーチ演出を行うと判定した場合(ステップS2307:YES)、上記ステップS2203の処理と同様に、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(ステップS2308)。ここで、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判定した場合(ステップS2308:YES)、通常遊技状態におけるリーチ用の変動パターンテーブル(図8(C)の上段を参照)をメインROM1502から読み出してメインRAM1503にセットする(ステップS2309)。逆に、通常遊技状態ではないと判定した場合(ステップS2308:NO)、時短遊技状態におけるリーチ用の変動パターンテーブル(図8(C)の下段を参照)をメインROM1502から読み出してメインRAM1503にセットする(ステップS2310)。このようにしてステップS2309の処理、又はステップS2310の処理が行われた場合、後述するステップS2313に処理が進められる。
メインCPU1501は、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS2307:NO)、上記ステップS2203の処理と同様に、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(ステップS2311)。ここで、現在の遊技状態が通常遊技状態ではないと判定した場合(ステップS2311:NO)、時短遊技状態における第1始動装置入賞によるハズレ用の変動パターンテーブル(図8(E)参照)をメインROM1502から読み出してメインRAM1503にセットする(ステップS2312)。
次に、メインCPU1501は、ステップS2303、ステップS2304、ステップS2306、ステップS2309、ステップS2310、又はステップS2312の処理でセットされた変動パターンテーブルを用いて変動パターン乱数の判定を行う(ステップS2313)。具体的には、メインRAM1503にセットされた変動パターンテーブルを参照して、判定用記憶領域に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを選択する。このステップS2313の処理が行われることにより、特別図柄の変動パターン(変動時間)が決定されることとなる。
一方、メインCPU1501は、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判定した場合(ステップS2311:YES)、通常遊技状態におけるハズレ用の変動パターンテーブル(図8(D)参照)をメインROM1502から読み出してメインRAM1503にセットする(ステップS2314)。そして、現在の第1特別図柄判定の保留数に対応する変動パターンを通常遊技状態におけるハズレ用の変動パターンテーブルから読み出すことによって、変動パターンを選択する(ステップS2315)。
メインCPU1501は、ステップS2313の処理又はステップS2315の処理によって変動パターンを選択すると、選択した変動パターンを設定情報としてメインRAM1503にセットする(ステップS2316)。この変動パターンの設定情報は、大当たり判定処理によって設定された図柄と共に、上記ステップS2109の処理でセットされる変動開始コマンドに含まれ、ステップS1609の送信処理によって演出制御基板1530に送信される。
[遊技制御基板1500による停止中処理]
図24は、図21のステップS2116における停止中処理の詳細フローチャートである。メインCPU1501は、上記ステップS2115の処理によって変動時間をリセットした後、図24に例示されるように、上記ステップS2201の判定結果に基づいて、上記ステップS2202の処理と同様に、1種大当たりであるか否かを判定する(ステップS2401)。ここで、1種大当たりであると判定した場合(ステップS2401:YES)、大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS2402)。
次に、メインCPU1501は、メインRAM1503に記憶されている時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS2403)。この時短遊技フラグは、パチンコ遊技機1の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを示すフラグであり、通常遊技状態から時短遊技状態に移行する際に「ON」に設定され、時短遊技状態から通常遊技状態に戻される際に「OFF」に設定される。ここで、時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS2403:YES)、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS2404)。
一方、メインCPU1501は、1種大当たりではないと判定した場合(ステップS2401:NO)、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS2405)。ここで、時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS2405:YES)、メインRAM1503に記憶されている時短遊技残余回数Wを「1」減算した値に更新する(ステップS2406)。この時短遊技残余回数Wは、時短遊技状態で第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)が実行される残り回数を示すものであり、時短遊技残余回数Wが「0」になると、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる。
ステップS2406の処理に続いて、メインCPU1501は、時短遊技残余回数Wが「0」であるか否かを判定する(ステップS2407)。ここで、時短遊技残余回数Wが「0」であると判定した場合(ステップS2407:YES)、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS2408)。これにより、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる。
メインCPU1501は、ステップS2408の処理を実行した場合、時短遊技フラグが「ON」ではないと判定した場合(ステップS2405:NO)、又は時短遊技残余回数Wが「0」ではないと判定した場合(ステップS2407:NO)、上記ステップS2207の処理と同様に、小当たりであるか否かを判定する(ステップS2409)。そして、小当たりであると判定した場合(ステップS2409:YES)、小当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS2410)。
メインCPU1501は、ステップS2404の処理を実行した場合、時短遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS2403:NO)、又はステップS2410の処理を実行した場合、メインRAM1503にオープニングコマンドをセットする(ステップS2411)。ここで、オープニングとは、大当たり遊技が開始されてから最初に大入賞装置113が開放され始めるまでの期間、又は小当たり遊技が開始されてから最初に特定入賞装置119が開放され始めるまでの期間のことをいう。これに対して、オープニングコマンドは、これらのオープニングが開始されることを通知するためのコマンドであり、ステップS1609の送信処理によって演出制御基板1530に送信される。ステップS2411の処理がステップS2410に続いて実行される場合には小当たり遊技に係るオープニングコマンドがセットされ、その他の場合には大当たり遊技に係るオープニングコマンドがセットされる。なお、大当たり遊技が開始される場合には、大当たりの種類を示す情報を含むオープニングコマンドが送信される。
[遊技制御基板1500による普通図柄処理]
図25は、図16のステップS1604における普通図柄処理の詳細フローチャートである。図25に例示されるように、メインCPU1501は、ステップS1603の特別図柄処理に続いて、メインRAM1503に記憶されている補助遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS2501)。この補助遊技フラグは、電動チューリップ117が規定時間だけ開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作を規定回数行う補助遊技中であるか否かを示すフラグであり、補助遊技中は「ON」に設定され、補助遊技中でないときは「OFF」に設定される。
ステップS2501において、補助遊技フラグが「ON」に設定されていると判定された場合(ステップS2501:YES)、ステップS1605の電動チューリップ処理に処理が進められる。
メインCPU1501は、補助遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS2501:NO)、普通図柄表示器204における普通図柄の変動表示中であるか否かを判定し(ステップS2502)、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS2502:NO)、普通図柄判定の保留数Tが「1」以上であるか否かを判定する(ステップS2503)。ここで、保留数Tが「1」以上ではないと判定された場合(ステップS2503:NO)、ステップS1605の電動チューリップ処理に処理が進められる。
メインCPU1501は、保留数Tが「1」以上であると判定した場合(ステップS2503:YES)、保留数Tを「1」減算した値に更新し(ステップS2504)、当たり乱数判定処理を実行する(ステップS2505)。具体的には、上記ステップS2004(図20参照)に処理によってメインRAM1503に記憶された普通図柄乱数の中で最も古い普通図柄乱数が、予めメインROM1502に記憶されている普通図柄判定に係る当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判定する。
ステップS2505の処理に続いて、メインCPU1501は、ステップS2505の判定結果に基づいて、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判断し(ステップS2506)、当たりであると判断した場合(ステップS2506:YES)、普通図柄表示器204に判定図柄として停止表示させる当たり図柄をメインRAM1503にセットする(ステップS2507)。逆に、普通図柄判定の判定結果が当たりではないと判断した場合(ステップS2506:NO)、ハズレ図柄をメインRAM1503にセットする(ステップS2508)。
ステップS2507又はステップS2508の処理に続いて、メインCPU1501は、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、パチンコ遊技機1の現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(ステップS2409)。そして、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判定した場合(ステップS2409:YES)、普通図柄表示器204に普通図柄を変動表示させる普通図柄変動時間を例えば25秒にセットする(ステップS2510)。一方、現在の遊技状態が通常遊技状態ではないと判定した場合(ステップS2409:NO)、普通図柄変動時間を例えば2秒にセットする(ステップS2511)。このようにしてステップS2510又はステップS2511の処理によってセットされた普通図柄変動時間は、メインRAM1503に一時的に記憶される。
ステップS2510又はステップS2511の処理に続いて、メインCPU1501は、普通図柄表示器204による普通図柄の変動表示を開始させ(ステップS2512)、その変動表示開始からの経過時間の計測を開始する(ステップS2513)。
一方、メインCPU1501は、普通図柄表示器204による普通図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS2502:YES)、普通図柄の変動表示を終了させるか否かを判定する(ステップS2514)。具体的には、ステップS2513の処理によって計測を開始した経過時間が、ステップS2510又はステップS2511でセットした普通図柄変動時間に達したか否かに基づいて、普通図柄の変動表示を終了させるか否かを判定する。ここで、普通図柄の変動表示を終了させないと判定された場合(ステップS2514:NO)、ステップS1605の電動チューリップ処理に処理が進められる。
メインCPU1501は、普通図柄の変動表示を終了させると判定した場合(ステップS2514:YES)、普通図柄表示器204における普通図柄の変動表示を終了させて、ステップS2507の処理でメインRAM1503にセットされた当たり図柄又はステップS2508の処理でメインRAM1503にセットされたハズレ図柄を停止表示させる(ステップS2515)。そして、ステップS2513の処理で計測を開始した経過時間をリセットする(ステップS2516)。そして、上記ステップS2506の処理と同様に、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判定する(ステップS2517)。ここで、普通図柄判定の判定結果が当たりであると判定した場合(ステップS2517:YES)、補助遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS2518)。このようにして補助遊技フラグが「ON」に設定されることにより、電動チューリップ117を作動させる補助遊技が開始されることになる。
[遊技制御基板1500による電動チューリップ処理]
図26は、図16のステップS1605における電動チューリップ処理の詳細フローチャートである。ステップS4の普通図柄処理に続いて、メインCPU1501は、図26に例示されるように、補助遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS2601)。ここで、補助遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS2601:NO)、ステップS1606の特定領域開放制御処理に処理が進められる。
メインCPU1501は、補助遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS2601:YES)、電動チューリップ117が動作中であるか否かを判定する(ステップS2602)。そして電動チューリップ117が動作中ではないと判定した場合(ステップS2602:NO)、ステップS2506の処理と同様に、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(ステップS2603)。ここで、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判定した場合(ステップS2603:YES)、電動チューリップ117の動作パターンとして、第2始動装置112を0.1秒間開放する動作を1回行う動作パターンをメインRAM1503にセットする(ステップS2604)。逆に、現在の遊技状態が通常遊技状態ではないと判定した場合(ステップS2603:NO)、すなわち時短遊技状態である場合、電動チューリップ117の動作パターンとして、第2始動装置112を0.3秒間開放する動作を5回行う動作パターンをメインRAM1503にセットする(ステップS2605)。
メインCPU1501は、ステップS2604又はステップS2605で動作パターンをセットした後、セットした動作パターンでの電動チューリップ117の動作を電動チューリップ開閉部1513に開始させる(ステップS2606)。
メインCPU1501は、ステップS2606の処理を実行した場合、又は電動チューリップ117の動作中であると判定した場合(ステップS2602:YES)、ステップS2606の処理で開始された電動チューリップ117の動作が完了したか否かを判定する(ステップS2607)。ここで、電動チューリップ117の動作が完了したと判定した場合(ステップS2607:YES)、補助遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS2608)。これにより、補助遊技が終了される。
[遊技制御基板1500による特定領域開閉制御処理]
第2特別図柄判定の結果が小当たりである場合、ステップS1606の特定領域開放制御処理によって小当たり遊技が実行される。以下、図27及び図28を参照しつつ、遊技制御基板1500において実行される特定領域開放制御処理について説明する。ここで、図27及び図28は、図16のステップS1606における特定領域開放制御処理の詳細フローチャートである。
ステップS5の電動チューリップ処理に続いて、メインCPU1501は、図27に例示されるように、小当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS2701)。ここで、小当たり遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS2701:NO)、ステップS1607の大入賞装置開放制御処理に処理が進められる。
メインCPU1501は、小当たり遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS2701:YES)、例えば上記ステップS2411の処理において小当たり遊技に係るオープニングコマンドをセットしてからの経過時間が予め設定されたオープニング時間に達したか否かに基づいて、小当たり遊技のオープニング中であるか否かを判定する(ステップS2702)。ここで、オープニング中であると判定した場合(ステップS2702:YES)、上記オープニング時間が経過したか否かを判定する(ステップS2703)。ここで、オープニング時間が経過していないと判定された場合(ステップS2703:NO)、ステップS1607の大入賞装置開放制御処理に処理が進められる。
メインCPU1501は、オープニング時間が経過したと判定した場合(ステップS2703:YES)、メインRAM1503に記憶されている特定入賞装置119への遊技球の入賞数Xをリセットし(ステップS2704)、特定領域開閉部1519による特定入賞装置119の開放制御を開始し(ステップS2705)、この開放制御が開始されてからの経過時間の計測を開始する(ステップS2706)。このステップS2705の処理が行われることによって、羽根部材190が特定入賞装置119を3.2秒間開放してから閉塞する動作が1回行われることになる。
一方、メインCPU1501は、小当たり遊技におけるオープニング中ではないと判定した場合(ステップS2702:NO)、例えば特定領域開閉部1519の動作状況に基づいて、小当たり遊技のエンディング中であるか否かを判定する(ステップS2707)。ここで、小当たり遊技におけるエンディング中ではないと判定した場合(ステップS2707:NO)、特定入賞装置スイッチ1518からの検知信号の入力の有無に基づいて、特定入賞装置スイッチ1518が「ON」になったか否かを判定する(ステップS2708)。ここで、特定入賞装置スイッチ1518が「ON」になったと判定した場合(ステップS2708:YES)、特定入賞装置119に1個の遊技球が入賞したと判断して、遊技球の入賞数Xを「1」加算した値に更新する(ステップS2709)。
メインCPU1501は、ステップS2709の処理を実行した場合、特定入賞装置スイッチ1518が「ON」ではないと判定した場合(ステップS2708:NO)、又はステップS2706の処理を実行した場合、ステップS2706の処理で計測を開始した経過時間が予め設定された設定時間(例えば0.5秒)と一致するか否かを判定する(ステップS2710)。ここで、設定時間と一致すると判定した場合(ステップS2710:YES)、V入賞装置開閉部1522にスライド部材304を作動させてV入賞装置302を開放する処理を開始させる(ステップS2711)。これにより、上述した2種大当たりが発生可能となる。
メインCPU1501は、ステップS2711の処理を実行した場合、又は経過時間が設定時間と一致しないと判定した場合(ステップS2710:NO)、V入賞装置スイッチ1520からの検知信号の入力の有無に基づいて、V入賞装置スイッチ1520が「ON」になったか否かを判定する(ステップS2712)。ここで、V入賞装置スイッチ1520が「ON」になったと判定した場合(ステップS2712:YES)、メインRAM1503に記憶されているV入賞フラグを「ON」に設定する(ステップS2713)。このV入賞フラグは、小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球が入賞して2種大当たりが発生したか否かを示すフラグであり、V入賞装置302に遊技球が入賞していない状態では「OFF」に設定されており、V入賞装置302に遊技球が入賞すると「ON」に設定される。
メインCPU1501は、ステップS2713の処理を実行した場合、又はV入賞装置スイッチ1520が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS2712:NO)、V入賞装置302の閉塞タイミングであるか否かを判定する(ステップS2714)。具体的には、V入賞装置302が開放されてから所定時間(本実施形態では0.2秒)が経過したか否かを判定する。ここで、閉塞タイミングであると判定した場合(ステップS2714:YES)、V入賞装置開閉部1522にV入賞装置302を閉塞させる(ステップS2715)。
メインCPU1501は、ステップS2715の処理を実行した場合、又はV入賞装置302の閉塞タイミングではないと判定した場合(ステップS2714:NO)、図28に例示されるように、ステップS2706の処理によって計測を開始した経過時間に基づいて、羽根部材190の規定開放動作(本実施形態では、特定入賞装置119を3.2秒間開放する1回の動作)が終了したか否かを判定する(ステップS2801)。
メインCPU1501は、規定開放動作が終了していないと判定した場合(ステップS2801:NO)、今回の小当たり遊技における特定入賞装置119への遊技球の入賞数Xが、予めメインROM1502に記憶されている特定入賞装置119の閉塞タイミングを規定する遊技球数Xmax(例えば「6」)と一致するか否かを判定する(ステップS2802)。ここで、入賞数Xが遊技球数Xmaxと一致しないと判定された場合(ステップS2802:NO)、ステップS1607の大入賞装置開放制御処理に処理が進められる。
一方、メインCPU1501は、入賞数Xが遊技球数Xmaxと一致すると判定した場合(ステップS2802:YES)、又は規定開放動作が終了したと判定した場合(ステップS2801:YES)、ステップS2705の処理で開始した特定入賞装置119の開放制御を終了させ(ステップS2803)、ステップS2706の処理で計測を開始した経過時間をリセットし(ステップS2804)、エンディング時間の計測を開始する(ステップS2805)。ここで、エンディングは、特定入賞装置119の開放が終了してから小当たり遊技が終了するまでの期間をいう。
メインCPU1501は、上記ステップS2707においてエンディング中であると判定した場合(ステップS2707:YES)、又はステップS2805の処理を実行した場合、ステップS2805の処理で計測を開始したエンディング時間が予め設定された小当たり遊技に係るエンディング時間に達したか否かに基づいて、エンディング時間が経過したか否かを判定する(ステップS2806)。ここで、エンディング時間が経過していないと判定された場合(ステップS2806:NO)、ステップS1607の大入賞装置開放制御処理に処理が進められる。
メインCPU1501は、予め設定されたエンディング時間が経過したと判定した場合(ステップS2806:YES)、小当たり遊技を終了させるために小当たり遊技フラグを「OFF」に設定し(ステップS2807)、小当たり遊技の終了を通知するエンディングコマンドをメインRAM1503にセットする(ステップS2808)。このエンディングコマンドは、ステップS1609の送信処理によって演出制御基板1530に送信される。なお、小当たり遊技中に遊技球がV入賞装置302にV入賞した場合には、その旨を通知する情報を含むエンディングコマンドが演出制御基板1530に送信される。
メインCPU1501は、ステップS2808の処理に続いて、V入賞フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS2809)。ここで、V入賞フラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS2809:NO)、小当たり遊技中にV入賞装置302に遊技球が入賞しなかったと判断されて、ステップS1607の大入賞装置開放制御処理に処理が進められる。この場合、特別遊技が小当たり遊技のみで終了することになる。
一方、メインCPU1501は、V入賞フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS2809:YES)、V入賞フラグを「OFF」に設定し(ステップS2810)、小当たり遊技に続いて大当たり遊技を開始させるために大当たり遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS2811)、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS2811)。
[遊技制御基板1500による大入賞装置開放制御処理]
以下、図29を参照しつつ、遊技制御基板1500によって実行される大入賞装置開放制御処理について説明する。ここで、図29は、図16のステップS1607における大入賞装置開放制御処理の詳細フローチャートである。メインCPU1501は、ステップS6の特定領域開放制御処理に続いて、図29に例示されるように、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS2901)。ここで、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS2901:NO)、ステップS1608の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU1501は、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS2901:YES)、例えばステップS2411の処理によって大当たり遊技に係るオープニングコマンドをセットしてからの経過時間が所定のオープニング時間に達したか否かに基づいて、大当たり遊技のオープニング中であるか否かを判定する(ステップS2902)。ここで、オープニング中であると判定した場合(ステップS2902:YES)、同じく経過時間が所定のオープニング時間に達したか否かに基づいて、オープニング時間が経過したか否かを判定する(ステップS2903)。ここで、オープニング時間が経過していないと判定された場合(ステップS2903:NO)、ステップS1608の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU1501は、オープニング時間が経過したと判定した場合(ステップS2903:YES)、大当たり遊技のラウンド数Rmax、大入賞装置制御部1516の動作パターン等を決定して、これらの情報をメインRAM1503に格納する(ステップS2904)。このステップS2904の処理が実行されることによって、ラウンドと次のラウンドとの間のインターバル時間、最終ラウンド終了後のエンディング時間等の大当たり遊技に関する各種時間も併せて設定される。
ステップS2904の処理に続いて、メインCPU1501は、メインRAM1503に記憶されている大入賞装置113への遊技球の入賞数Yをリセットし(ステップS2905)、同じくメインRAM1503に記憶されている大当たり中のラウンド数Rを「1」加算した値に更新する(ステップS2906)。このラウンド数Rは、大当たり開始前は「0」に設定されており、ステップS2906の処理が行われる毎に「1」加算される。
ステップS2906の処理に続いて、メインCPU1501は、大入賞装置制御部1516による大入賞装置113の開放制御を開始し(ステップS2907)、この開放制御が開始されてからの経過時間である開放時間の計測を開始する(ステップS2908)。そして、ラウンド遊技が開始されたことを通知するラウンド開始コマンドをメインRAM1503にセットする(ステップS2909)。なお、このラウンド開始コマンドには、今回のラウンド遊技中における大入賞装置113の開放パターンを示す情報が含まれる。
メインCPU1501は、大当たり遊技におけるオープニング中ではないと判定した場合(ステップS2902:NO)、例えばメインRAM1503に記憶されている現在の状態が大当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、最終ラウンド終了直後のエンディング中であるか否かを判定する(ステップS2910)。ここで、エンディング中であると判定された場合(ステップS2910:YES)、後述するステップS2923に処理が進められる。
メインCPU1501は、大当たり遊技におけるエンディング中ではないと判定した場合(ステップS2910:NO)、例えばメインRAM1503に記憶されている現在の状態が大当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、インターバル中(ラウンドと次のラウンドとの間)であるか否かを判定する(ステップS2911)。ここで、インターバル中であると判定した場合(ステップS2911:YES)、前回のラウンド終了時に大入賞装置113が閉塞してから、ステップS2904の処理によって設定されたインターバル時間が経過したか否かを判定する(ステップS2912)。ここで、インターバル時間が経過したと判定された場合(ステップS2912:YES)、次のラウンドを開始するタイミングになっているため、上記ステップS2905に処理が進められる。逆に、インターバル時間が経過していないと判定された場合(ステップS2912:NO)、ステップS1608の賞球処理に処理が進められる。
一方、メインCPU1501は、インターバル中ではないと判定した場合(ステップS2911:NO)、ラウンド中であると判断して、大入賞装置スイッチ1515からの検知信号の入力の有無に基づいて、大入賞装置スイッチ1515が「ON」になったか否かを判定する(ステップS2913)。ここで、大入賞装置スイッチ1515が「ON」になったと判定した場合(ステップS2913:YES)、大入賞装置113に1個の遊技球が入賞したと判断して、遊技球の入賞数Yを「1」加算した値に更新する(ステップS2914)。
メインCPU1501は、ステップS2914の処理を実行した場合、ステップS2909の処理を実行した場合、又は大入賞装置スイッチ1515が「ON」ではないと判定した場合(ステップS2913:NO)、大入賞装置113の開放開始から規定開放時間が経過したか否かを判定する(ステップS2915)。具体的には、上記ステップS2908の処理によって計測が開始された開放時間が、予めメインROM1502に記憶されている規定開放時間(本実施形態では29秒)に達したか否かを判定する。
メインCPU1501は、規定開放時間が経過していないと判定した場合(ステップS2915:NO)、メインRAM1503に記憶されている今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Yが、予めメインROM1502に記憶されている大入賞装置113の閉塞タイミングを規定する遊技球数Ymax(例えば「9」)と一致するか否かを判定する(ステップS2916)。ここで、入賞数Yが遊技球数Ymaxと一致しないと判定された場合(ステップS2916:NO)、ステップS1608の賞球処理に処理が進められる。
一方、メインCPU1501は、入賞数Yが遊技球数Ymaxと一致すると判定した場合(ステップS2916:YES)、又は規定開放時間が経過したと判定した場合(ステップS2915:YES)、大入賞装置制御部1516に大入賞装置113の開放制御を終了させる(ステップS2917)。
ステップS2917の処理に続いて、メインCPU1501は、メインRAM1503に記憶されている大当たり遊技の現在のラウンド数Rが、上記ステップS2904の処理によって設定されたラウンド数Rmaxと一致するか否かを判定する(ステップS2918)。ここで、ラウンド数Rがラウンド数Rmaxと一致しないと判定した場合(ステップS2918:NO)、次のラウンドの開始タイミングを制御するために、大入賞装置113が閉塞されてからの経過時間であるインターバル時間の計測を開始する(ステップS2919)。このステップS2919の処理によって計測が開始されたインターバル時間は、上記ステップS2912の処理に使用される。
一方、メインCPU1501は、ラウンド数Rがラウンド数Rmaxと一致すると判定した場合(ステップS2918:YES)、エンディング時間の計測を開始し(ステップS2920)、メインRAM1503に記憶されているラウンド数Rをリセットし(ステップS2921)、エンディングコマンドをメインRAM1503にセットする(ステップS2922)。このエンディングコマンドは、大入賞装置113の最後の開放が終了したことを通知するコマンドであり、ステップS1609の送信処理によって演出制御基板1530に送信される。
メインCPU1501は、ステップS2922の処理を実行した場合、又はエンディング中であると判定した場合(ステップS2910:YES)、設定エンディング時間が経過したか否かを判定する(ステップS2923)。具体的には、上記ステップS2920の処理によって計測を開始したエンディング時間が、上記ステップS2904の処理によって設定された設定エンディング時間に達したか否かを判定する。ここで、エンディング時間が経過していないと判定された場合(ステップS2923:NO)、ステップS1608の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU1501は、設定エンディング時間が経過したと判定した場合(ステップS2923:YES)、大当たり遊技終了後のパチンコ遊技機1の遊技状態を設定する遊技状態設定処理を実行する(ステップS2924)。そして、大当たり遊技を終了させるために、大当たり遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS2925)。
ここでは、長開放ラウンド遊技が規定回数実行される大当たり遊技を実現するための大入賞装置開放制御処理について説明したが、短開放ラウンド遊技が規定回数実行される大当たり遊技を実現するための大入賞装置開放制御処理については、例えば大入賞装置113が開放されてからの大入賞装置113への遊技球の入賞数とは無関係に大入賞装置113が閉塞される点や、短開放ラウンド遊技における大入賞装置113の開放時間が長開放ラウンド遊技における大入賞装置113の開放時間よりも短い点などを除いて、図29の処理と同様に行われる。このため、短当たり遊技から構成される大当たり遊技を実現するための大入賞装置開放制御処理についての詳細な説明は省略する。
[遊技制御基板1500による遊技状態設定処理]
図30は、図29のステップS2924における遊技状態設定処理の詳細フローチャートである。メインCPU1501は、設定エンディング時間が経過したと判定した場合(ステップS2923:YES)、今回の大当たり遊技が、小当たり遊技に続く大当たり遊技であるか否かを判定する(ステップS3001)。本実施形態では、小当たり遊技に続いて大当たり遊技が行われる場合には上記ステップS2811(図28参照)の処理で大当たり遊技フラグが「ON」に設定され、小当たり遊技に続く大当たり遊技ではない場合にはステップS2402(図24参照)の処理で大当たり遊技フラグが「ON」に設定される。このため、どちらの処理によって大当たりフラグが「ON」に設定されたかに基づいて、今回の大当たり遊技が小当たり遊技に続くものであるか否かを判定することができる。
メインCPU1501は、小当たり遊技に続く大当たり遊技ではないと判定した場合(ステップS3001:NO)、大当たり遊技開始時に第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に停止表示された大当たり図柄(メインRAM1503に記憶されている大当たり図柄の設定情報)に基づいて、大当たり遊技終了後の時短の有無を判定する(ステップS3002)。逆に、小当たり遊技に続く大当たり遊技であると判定した場合(ステップS3001:YES)、小当たり遊技開始時に第2特別図柄表示器202に停止表示された小当たり図柄(メインRAM1503に記憶されている小当たり図柄の設定情報)に基づいて、大当たり遊技終了後の時短の有無を判定する(ステップS3003)。
メインCPU1501は、ステップS3002の処理を実行した場合、又はステップS3003の処理を実行した場合、いずれか一方の判定結果に基づいて、大当たり遊技終了後の時短の有無を判断する(ステップS3004)。ここで、時短ありと判定した場合(ステップS3004:YES)、時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS3005)、時短遊技残余回数Wを「100」に設定する(ステップS3006)。これにより、大当たり遊技が終了してから100回の特別図柄判定が実行されるまでの間、第2始動装置112が開放され易い時短遊技状態で遊技が制御されることになる。これに対して、時短なしと判定された場合(ステップS3004:NO)、ステップS3005及びステップS3006の処理が行われないので、大当たり遊技が終了した後は、第2始動装置112が開放され難い通常遊技状態で遊技が制御されることになる。
[演出制御基板1530による演出制御処理]
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板1530のサブCPU1531は、後述する演出制御処理を行う周期であるCTC周期を設定する。そして、サブCPU1531は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理をCTC周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、サブCPU1531は、パチンコ遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、CTC周期で演出制御処理(タイマ割込み処理)を繰り返す。
以下、図31及び図32を参照しつつ、演出制御基板1530において実行される演出制御処理について説明する。ここで、図31及び図32は、演出制御基板1530において実行される演出制御処理の一例を示すフローチャートである。サブCPU1531は、遊技制御基板1500で行われるタイマ割込み処理と同様に、図31及び図32に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図31以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板1530で行われる処理は、サブROM1532に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU1531が発行する命令に従って行われる。
図31に例示されるように、サブCPU1531は、まず、遊技制御基板1500から保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3101)。ここで、保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップS3101:YES)、サブRAM1533に記憶されている第1特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新し(ステップS3102)、第1特別図柄判定が保留されていることを示す保留表示画像の更新を画像音響制御基板1540に指示する(ステップS3103)。
サブCPU1531は、ステップS3103の処理を実行した場合、又は保留コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS3101:NO)、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS3104)。具体的には、例えば、遊技制御基板1500から送信された変動開始コマンドに含まれている特別図柄の変動パターンを示す情報に基づいて特別図柄の変動時間を特定し、その変動開始コマンドを受信してからその変動時間が経過したか否かに基づいて、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であるか否かを判定する。
サブCPU1531は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中ではないと判定した場合(ステップS3104:NO)、遊技制御基板1500から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3105)。ここで、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS3105:YES)、その変動開始コマンドを解析する(ステップS3106)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す判定図柄の設定情報、この設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらの演出を行うかを示す設定情報、変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果を特定し、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断し、特別図柄が変動表示される変動時間を特定し、パチンコ遊技機1の遊技状態を特定することが可能である。
変動開始コマンドを解析すると、サブCPU1531は、その解析結果に基づいて、変動演出パターン選択処理を実行する(ステップS3107)。
図には示されていないが、サブROM1532には、特別図柄の変動表示に伴う変動演出に関して、大当たり演出テーブル、ハズレリーチ有り演出テーブル、ハズレリーチ無し演出テーブル、及び小当たり演出テーブルの少なくとも4つの演出テーブルが記憶されている。これらの演出テーブルの各々には、遊技制御基板1500において決定される変動パターン(変動時間)に対応するテーブルが複数設けられている。例えば、ハズレリーチ無し演出テーブルには、3秒用、8秒用、13秒用のテーブルが設けられており、大当たり演出テーブルには、60秒、80秒、120秒、160秒のテーブルが設けられている。サブCPU1531は、これら複数のテーブルの中から、変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、1のテーブルを選択する。例えば、設定情報に「ハズレ」を示す情報、「リーチ無し演出」を行うことを示す情報、特別図柄の「変動時間」が3秒であることを示す変動パターンの情報が含まれている場合、サブCPU1531は、3秒用のハズレリーチ無し演出テーブルを選択する。その際、変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて現在の遊技状態が通常遊技状態であるか或いは時短遊技状態であるかを判断し、遊技状態に応じた演出テーブルを選択する。
演出テーブルにおいては、演出乱数と演出パターンとが対応付けられている。サブCPU1531は、上述した乱数更新処理が行われる毎に更新される演出乱数について、変動開始コマンドを受信した時点の値を取得しておき、選択した演出テーブルに格納されている多数の演出パターンの中から、予め取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって、1つの演出パターンを選択する。
この変動演出パターン選択処理が実行されることによって、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の有無、演出ボタン演出の有無、背景画像の種類等の変動演出を構成する各演出の態様が決定される。
特に本実施形態では、第2特別図柄判定の種類と結果に応じた演出に特徴を有している。すなわち、予め取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって1つの演出パターンが選択されるのであるが、この演出パターンによる演出の態様に特徴を有する。
ステップS3107の処理に続いて、サブCPU1531は、ステップS3107の処理で選択した変動演出パターンの変動演出を開始させる(ステップS3108)。具体的には、ステップS3107の処理で選択した変動演出パターンの変動演出の開始を指示するコマンドを画像音響制御基板1540及びランプ制御基板1550に送信する。これにより、演出制御基板1530において演出パターンが決定された変動演出が、画像音響制御基板1540及びランプ制御基板1550によって実現されることになる。
特に時短遊技状態においては、図13(A)に例示されるように、味方キャラクタが「V」の文字が書かれた風船をキャッチしようとして追いかけるような演出が主液晶表示装置105などを用いて表示される。
ここで特に、本実施形態では、第2特別図柄判定で直撃大当たり(図14中の(4)、(5))となった場合の1種大当たりに際し、所定の割合で、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態で遊技が制御されることを示唆する演出を行う。
また、第2特別図柄判定で「ハズレ」となった場合にも、所定の割合で、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態で遊技が制御されることを示唆する演出を行う。この場合、味方キャラクタが「RUSH継続」の文字が書かれた風船を取り逃がす演出が主液晶表示装置105などに表示される。
ステップS3108の処理に続いて、サブCPU1531は、サブRAM1533に記憶されている第1特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する(ステップS3109)。そして、例えば第1特別図柄判定に係る保留表示画像の中で最古のものを主液晶表示装置105などから消去すると共に、残りの保留表示画像の表示位置をシフトさせる処理を画像音響制御基板1540に実行させる保留表示更新処理を行う(ステップS3110)。なお、このステップS3109の処理及びステップS3110の処理は、今回の特別図柄の変動表示が第1特別図柄判定に係るものである場合に行われ、第2特別図柄判定に係るものである場合には行われない。
一方、サブCPU1531は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であると判定した場合(ステップS3104:YES)、遊技制御基板1500から図柄確定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3111)。ここで、図柄確定コマンドを受信したと判定した場合(ステップS3111:YES)、例えば特別図柄の変動表示に伴う変動演出の終了を指示する変動演出終了コマンドを画像音響制御基板1540及びランプ制御基板1550に送信して、ステップS3108の処理で開始させた変動演出を終了させる(ステップS3112)。
本実施形態では、第2特別図柄判定で大当たり(直撃)である場合、味方キャラクタが「V」又は「RUSH継続」の文字が書かれた風船をキャッチする演出が主液晶表示装置105などに表示される。一方、第2特別図柄判定で「ハズレ」となった場合、味方キャラクタが風船を取り逃がす演出が主液晶表示装置105などに表示される。
サブCPU1531は、ステップS3110の処理を実行した場合、又は変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS3105:NO)、遊技制御基板1500から小当たり遊技に係るオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3113)。
サブCPU1531は、小当たり遊技に係るオープニングコマンドを受信したと判定した場合(ステップS3113:YES)、遊技球がV入賞装置302に入賞することに対する遊技者の期待感を煽る小当たり遊技中演出を画像音響制御基板1540及びランプ制御基板1550に開始させる(ステップS3114)。
この小当たり遊技中演出として、味方キャラクタが「V」の文字が書かれた風船をキャッチしようとして追いかけるような演出が主液晶表示装置105などに表示される(図13(A)参照)。
サブCPU1531は、ステップS3114の処理を実行した場合、又は小当たり遊技に係るオープニングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS3113:NO)、遊技制御基板1500から小当たり遊技に係るエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3115)。
サブCPU1531は、小当たり遊技に係るエンディングコマンドを受信したと判定した場合(ステップS3115:YES)、ステップS3114の処理によって画像音響制御基板1540及びランプ制御基板1550に開始させた小当たり遊技中演出を終了させる(ステップS3116)。ここで、遊技制御基板1500から受信した小当たり遊技に係るエンディングコマンドに、遊技球がV入賞装置302にV入賞したことを通知する情報が含まれている場合には、このステップS3116において、V入賞を報知する報知演出の実行が画像音響制御基板1540及びランプ制御基板1550に指示されて、V入賞が報知される。
本実施形態では、味方キャラクタが「V」の文字が書かれた風船をキャッチする演出が主液晶表示装置105などに表示される(図13(B)参照)。
サブCPU1531は、ステップS3116の処理を実行した場合、又は小当たり遊技に係るエンディングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS3115:NO)、図32に例示されるように、遊技制御基板1500から大当たり遊技に係るオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3201)。
サブCPU1531は、大当たり遊技に係るオープニングコマンドを受信したと判定した場合(ステップS3201:YES)、受信したオープニングコマンドに含まれている大当たりの種類を示す情報に基づいて、今回の大当たりが突然時短当たりであるか否かを判定する(ステップS3202)。ここで、今回の大当たりが突然時短当たりではないと判定した場合(ステップS3202:NO)、画像音響制御基板1540及びランプ制御基板1550に今回の大当たりに応じた所定のオープニング演出を開始させる(ステップS3203、図10〜図12参照)。
サブCPU1531は、今回の大当たりが突然時短当たりであると判定した場合(ステップS3202:YES)、図9に基づいて上述したRUSH突入予告演出(又はRUSH継続予告演出)を画像音響制御基板1540及びランプ制御基板1550に開始させる(ステップS3204)。ここで、今回の突然時短当たりが通常遊技状態において発生したものである場合には時短遊技状態に移行することを通知するRUSH突入予告演出が開始され、今回の突然時短当たりが時短遊技状態において発生したものである場合には時短遊技状態が継続することを通知するRUSH継続予告演出が開始される
サブCPU1531は、ステップS3203の処理を実行した場合、ステップS3204の処理を実行した場合、又は大当たり遊技に係るオープニングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS3201:NO)、遊技制御基板1500からラウンド開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3205)。
ところで、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、大入賞装置113が長開放動作のみを行う長開放ラウンド遊技中にはラウンド数や払出賞球数等を報知する通常のラウンド中演出を行う一方で、大入賞装置113が短開放動作のみを行う短開放ラウンド遊技中にはチャレンジゲームを行い(図10及び図11参照)、大入賞装置113が短開放動作と長開放動作との両方を行うラウンド遊技中には昇格演出を行うこととしている(図12(B)参照)。このため、ラウンド遊技が開始されることを通知するラウンド開始コマンドを受信した場合には、以下のような処理が行われる。
サブCPU1531は、ラウンド開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS3205:YES)、受信したラウンド開始コマンドに含まれている大入賞装置113の開放パターンを示す情報に基づいて、今回のラウンド遊技が、大入賞装置113の長開放動作のみを含むものであるか否かを判定する(ステップS3206)。
サブCPU1531は、今回のラウンド遊技が大入賞装置113の長開放動作のみを含むものであると判定した場合(ステップS3206:YES)、画像音響制御基板1540及びランプ制御基板1550に通常のラウンド中演出を実行させる(ステップS3207)。
サブCPU1531は、今回のラウンド遊技が大入賞装置113の長開放動作のみを含むものではないと判定した場合(ステップS3206:NO)、今回のラウンド遊技が大入賞装置113の短開放動作と長開放動作とを両方含むものであるか否かを判定する(ステップS3208)。
サブCPU1531は、今回のラウンド遊技が大入賞装置113の短開放動作と長開放動作とを両方含むものであると判定した場合(ステップS3208:YES)、画像音響制御基板1540及びランプ制御基板1550に昇格演出を実行させる(ステップS3209、図12(B)参照)。
サブCPU1531は、今回のラウンド遊技が大入賞装置113の短開放動作と長開放動作とを両方とも含むものではないと判定した場合(ステップS3208:NO)、すなわち短開放動作のみを含むものである場合、上述したステップS3202の処理と同様に、今回の大当たりが突然時短当たりであるか否かを判定する(ステップS3210)。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、突然時短当たりとなって大入賞装置113の短開放動作のみを含むラウンド遊技を所定回数(本実施形態では16回)繰り返す短当たり遊技が行われる場合には、オープニング開始からエンディングの終了までの間、一連のRUSH突入予告演出又はRUSH継続予告演出が行われる。
このため、今回の大当たりが突然時短当たりであるとサブCPU1531によって判定された場合(ステップS3210:YES)、後述するステップS3213に処理が進められる。この場合、ラウンド開始コマンドを受信したタイミングで何らかの新たな演出が開始されることはない。
一方、サブCPU1531は、今回の大当たりが突然時短当たりではないと判定した場合(ステップS3210:NO)、今回の大当たりが4R長当たり又は8R長当たりであるので、チャレンジゲーム演出(図10及び図11参照)の実行に関する以下の処理を行う。
すなわち、サブCPU1531は、突然時短当たりではないと判定した場合(ステップS3210:NO)、受信したラウンド開始コマンドが1回目の短開放ラウンド遊技の開始を通知するものであるか否かに基づいて、今回のラウンド遊技が最初の短開放ラウンド遊技であるか否かを判定する(ステップS3211)。ここで、最初の短開放ラウンド遊技ではないとサブCPU1531によって判定された場合(ステップS3211:NO)、後述するステップS3213に処理が進められる。
サブCPU1531は、最初の短開放ラウンド遊技であると判定した場合(ステップS3211:YES)、今回の大当たりの種類に応じたチャレンジゲーム演出を画像音響制御基板1540及びランプ制御基板1550に開始させる(ステップS3212)。
サブCPU1531は、ステップS3207の処理を実行した場合、ステップS3209の処理を実行した場合、ステップS3212の処理を実行した場合、ラウンド開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS3205:NO)、今回の大当たりが突然時短当たりであると判定した場合(ステップS3210:YES)、又は最初の短開放ラウンド遊技ではないと判定した場合(ステップS3211:NO)、遊技制御基板1500から大当たり遊技に係るエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3213)。
サブCPU1531は、大当たり遊技に係るエンディングコマンドを受信したと判定した場合(ステップS3213:YES)、今回の大当たりの種類を示す情報と、遊技制御基板1500から取得した今回の大当たり遊技開始前の遊技状態を示す情報とに基づいて、通常遊技状態が継続するか否かを判定する(ステップS3214)。すなわち、今回の大当たり遊技開始前の遊技状態が通常遊技状態であって、且つ今回の大当たり遊技が終了した後に再び通常遊技状態で遊技が制御されることになるか否かを判定する。ここで、通常遊技状態が継続すると判定した場合(ステップS3214:YES)、エンディング演出として、RUSH非突入演出(図10及び図11参照)を画像音響制御基板1540及びランプ制御基板1550に実行させる(ステップS3215)。
サブCPU1531は、通常遊技状態が継続しないと判定した場合(ステップS3214:NO)、時短遊技状態に移行するか否かを判定する(ステップS3216)。すなわち、今回の大当たりの種類を示す情報と、今回の大当たり遊技開始前の遊技状態を示す情報とに基づいて、今回の大当たり遊技開始前の遊技状態が通常遊技状態であって、且つ今回の大当たり遊技が終了した後に時短遊技状態で遊技が制御されることになるか否かを判定する。ここで、時短遊技状態に移行すると判定した場合(ステップS3216:YES)、エンディング演出として、RUSH突入演出(図10参照)を画像音響制御基板1540及びランプ制御基板1550に実行させる(ステップS3217)。
サブCPU1531は、時短遊技状態に移行しないと判定した場合(ステップS3216:NO)、時短遊技状態が継続するか否かを判定する(ステップS3218)。すなわち、今回の大当たりの種類を示す情報と、今回の大当たり遊技開始前の遊技状態を示す情報とに基づいて、今回の大当たり遊技開始前の遊技状態が時短遊技状態であって、且つ今回の大当たり遊技が終了した後に時短遊技状態で遊技が制御されることになるか否かを判定する。ここで、時短遊技状態が継続すると判定した場合(ステップS3218:YES)、エンディング演出として、RUSH継続演出(図10〜図12参照)を画像音響制御基板1540及びランプ制御基板1550に実行させる(ステップS3219)。
サブCPU1531は、時短遊技状態が継続しないと判定した場合(ステップS3218:NO)、すなわち今回の大当たり遊技の開始前には時短遊技状態で遊技が制御されていて、且つ今回の大当たり遊技が終了した後に通常遊技状態に戻る場合、エンディング演出として、RUSH終了演出(図11参照)を画像音響制御基板1540及びランプ制御基板1550に実行させる(ステップS3220)。
[回転表示装置の構成]
図33に基づき、次に回転表示装置140について説明する。図33は、回転表示装置140の概略の構造を示す図である。図33に示すように、回転表示装置140は、2個の回路基板3301と回転機構3303とを備えている。
回路基板3301は、細長い略長方形の形状であり、長手方向に複数(本実施形態では42個)の発光素子(LED)3302が直線上に配置されている。
LED3302には、回転機構3303のスリップリング(不図示)を介して、ランプ制御基板1550から電源(GNDを含む)及び発光パターンデータなどが入力される。
ランプ制御基板1550から送信される発光パターンデータは、42個のLED3302の発光・消灯を制御するためのデータであり、42個のLED3302発光(オン)・消灯(オフ)に対応した「1(オン)」、「0(オフ)」のデータである。
回転機構3303は、回路基板3301を遊技盤102に取り付けるとともに、回路基板3301を回転させる機構であり、モータ3304及び図示しないギヤ、スリップリング、ブラシを備え、それらをカバーで覆っている。回転機構3303にはランプ制御基板1550からモータ3304に電源(GND)、作動ターンデータデータ(駆動パルス)が送信される。
回転表示装置140は、いわゆる2相(A相、B相)パルスモータ(ステッピングモータともいう)であり、ランプ制御基板1550から供給される電源(GNDを含む)、A相及びB相のパルスにより作動する。より具体的には、A相、B相に供給されるパルスの順で回転方向が制御され、パルスの数により回転角度が制御される。また、単位時間当たりに供給されるパルスの数で回転速度が制御される。また、上記回路基板3301が2個対向して、短手側の一端が回転機構3303に支持されるように配置されている。また、回路基板3301の短手側の反対端は、円形のリング部材により固定され、回転表示装置140の回転時に、回路基板3301が振動しないようになっている。
このような構成の回転表示装置140において、回路基板3301に直線上に配置されたLED3302を発光及び消灯させながら回転させると、LED3302が発光している部分が、それを視認している者(遊技者)に対し残像を発生させる。例えば、42個のLED3302のうち、1個のみを発光させ続けて回転させると、遊技者にとっては、その部分が直線上に見えることになる。
したがって、ランプ制御基板1550から回路基板3301に発光パターンデータを送信し、所望のLED3302を発光させつつ、ランプ制御基板1550から回転表示装置140に対して、所望速度で所望数のパルス(動作パターンデータ)を送信すると、発生する残像により、所望の映像を得ることができる。
図34に残像による映像の例を示す。図34(a)において、LED3302のうち発光・消灯させるものを「■」で示し、消灯させておくものを「□」で示す。ランプ制御基板1550からモータ3304にパルス(動作パターンデータ)を送信して回路基板3301を回転させるとともに、ランプ制御基板1550から回路基板3301に発光パターンデータとして「BKB」を送信すると、「■」のLEDが発光・消灯し、「□」のLEDは消灯したままとなり、図34(b)に示すように、回路基板3301が回転して形成させる回転面に、残像として縦の「BKB」の文字図柄が提示される。
また、ランプ制御基板1550から、モータ3304を制御し、回転表示装置140の2個の回路基板3301のうち1個を、LED3302が配置されている面が遊技盤102の正面に位置するようにして静止させ、LED3302を上下に順に発光させ、光が上下に流れるような演出を行ってもよい。
本実施形態では、回転表示装置140は、主液晶表示装置105の表示領域の左右両端の前面に配置されている(図1参照)。
このように配置されている回転表示装置140をランプ制御基板1550から送信されるパルス(動作パターンデータ)及び発光パターンデータにより制御することにより種々の演出表示を行うことができるようになっている。
具体的には、モータ3304に対して単位時間に所定数のパルス(動作パターンデータ)を送信することにより、所定の回転速度で所定の回転方向に回転機構3303を回転させる。このとき、発光パターンデータによりLED3302をすべて消灯にすると、対向して配置された2個の細長い回路基板3301が主液晶表示装置105の前面で回転していることになるので、遊技者は、回転表示装置140を通して主液晶表示装置105に表示されている演出表示を視認することができる。また、発光しているLED3302の数が少ない場合には、同様に消灯しているLED3302の部分に対応する主液晶表示装置105に表示されている演出表示を視認できる。
逆に、LED3302が全部又は数多く発光している場合には、主液晶表示装置105の前面でLED3302が発光し、残像が発生するため、主液晶表示装置105の表示領域のうち回転表示装置140が配置されている部分は視認が困難となる。また、回転表示装置140の回転速度が小さい場合(遅く回転している場合)、主液晶表示装置105の表示領域のうち回転表示装置140が配置されている部分は、回転表示装置140の回転に伴って、視認できたりできなかったりする状態が交互に発生する。
このように、回転表示装置140を主液晶表示装置105の前面に配置することにより、回転表示装置140の回転速度と発光・消灯パターンを制御することにより、主液晶表示装置105と回転表示装置140とを組み合わせて、種々の演出表示が可能となる。
さらに、図1に示すように、回転表示装置140を主液晶表示装置105の前面左右端部に配置した場合、回転表示装置140は、ランプ制御装置150からそれぞれ逆回転方向に同期して回転するように制御される。
つまり、一方の回転表示装置140の回路基板3301が遊技盤2の正面に位置した場合、他方の回転表示装置140の回路基板3301も遊技盤3301の正面に位置するように制御される。
[副液晶表示装置の移動による演出]
図35に基づき、次に副液晶表示装置150の移動による演出について説明する。なお、副液晶表示装置150が移動するための具体的な機構については後述する。
図35は、副液晶表示装置150の概略の構成を示す図であり、図35(a)は、前面を副表示部3501の表面とした状態の図であり、図35(b)は、副表示部3501の回転途中の状態を示す図であり、図35(c)は、前面を副表示部3501の裏面とした状態の図である。
図35(a)に示すように、副液晶表示装置150は、副表示部3501と移動機構3502とを備えている。
副表示部3501は、略長方形の表裏面を有する表示装置であり、図35(a)に示すように、表面には、主液晶表示装置105に比べ小型の液晶表示画面3501aを有している。
また、副表示部3501の裏面3501bには、後述する上部可動役物160と連動して作動し、図35(c)に示すように、上部可動役物160と一体化した場合に、表示内容として遊技者の興趣を高める演出内容(例えば、一体化したときに、「46」の表示)となるような場合の一部となる表示がなされている。
ここで、「上部可動役物160と一体化した場合に,遊技者の興趣を高める演出内容」とは、副表示部3501の裏側の表示だけでは演出内容とはならないが、上部可動役物160と一体化した場合に演出内容と関連した(又は演出内容となる)装飾、例えば、上部可動役物160と一体化したときに数字の「46」となったり、文字「RUSH」となったり、装飾絵柄となったりするものを意味している。
移動機構3502は、副表示部3501を、主液晶表示装置105の下側から中央部近傍まで上下に移動させる機構であり、下部回転支持部3503と支持装置3504とを備えている。
下部回転支持部3503は、副表示部3501の両側面に配置され、副表示部3501の回転軸を支持するとともに、後述するモータ及びギヤの組み合わせにより、副表示部3501を回転させる。下部回転支持部3503の正面には、図35(c)に示すように、上部可動役物160と一体化したときに、遊技者の興趣を高める演出表示を行うための演出図柄(図37参照)の一部が描かれている。
支持装置3504は、後述するモータと複数のギヤの組み合わせにより下部回転支持部3503及び下部回転支持部3503に支持される副表示部3501を、主液晶表示装置105の上側から中央部分まで上下に移動させる機構である。
このような構成の副表示部3501は、主液晶表示装置105の下側を原点位置としているため、通常主液晶表示装置105の下側に位置しているが、上記機構により、演出内容に応じて、上下移動や回転しながらの上下移動を行って遊技者により興趣を起こさせる演出を行うことが可能となっている。
例えば、副液晶表示装置150を主液晶表示装置105の下側(原点位置)から中央部まで上昇させる場合には、原点位置では、図35(a)に示すように、前面を副表示部3501の表面(液晶表示画面3501a)とし、原点位置から上昇させつつ図35(b)に示すように副表示部3501を回転させ、主液晶表示装置105の中央部では、前面に副表示部3501の裏面となるようにし、上部可動役物160と一体化させるようにする。
[上部可動役物]
図36に基づき、次に上部可動役物160について説明する。図36は、上部可動役物160の概略の構成を示す図である。図36(a)は、上部可動役物160の全体の構成図であり、図36(b)は、回転役物3601の拡大図である。
図36(a)に示すように、上部可動役物160は、回転役物3601、上部移動機構3602及び固定部3603を備えている。
図36(b)に示すように、回転役物3601は、左回転役物3601a、中回転役物3601b及び右回転役物3601cの3個の回転役物からなり、3個の回転役物3601a,3601b、3601cは、すべて三角柱形状であり、三角形状の中心を回転軸として、回転できるようになっている。また、回転役物3601a、3601b、3601cの3個の方形状の面には、図柄表示がなされている。
また、回転役物3601a、3601b、3601cの隣接する面(三角柱形状の底面及び天面の何れか又は両方)には磁石が配置されている。当該磁石の配置については後述する。
上部移動機構3602は、回転役物の両端部(図36では、左回転役物の左側と右回転役物の右側)に配置され、回転役物3601の回転軸を支持するとともに、図示しないモータ及びギヤの組み合わせにより、図36(b)に示すように、3個の回転役物のうち左回転役物3601aと右回転役物3601cとを同じ回転方向、中回転役物3601bを逆回転方向に回転させ、所定の位置で停止させる。
また、上部移動機構3602は、図示しないモータと複数のギヤの組み合わせにより回転役物3601を、主液晶表示装置105の上側から中央部分まで上下に移動させるようになっている。
図37に基づき、ここで、上部可動役物160の作動について説明する。図37は、上部可動役物160の作動状態を示す図である。
図37(a)に示すように、上部移動機構3602は、回転役物3601を、主液晶表示装置105の上側にある原点位置とし、回転役物3601と固定部3603とを一体化させた場合には、固定部3603の後部に位置し、遊技者からは視認できないようになっている。また、原点位置では、回転役物3601は、回転できないようになっている。
そして、図37(b)に示すように、上部移動機構3602により回転役物3601を原点位置から少し下降させた場合には、遊技者から下部が視認できるようになる。
図37(c)に示すように、回転役物3601を更に下降させると、回転役物3601及び上部移動機構3602が視認可能となる。この状態で、回転役物3601を構成する左回転役物3601a、中回転役物3601b及び右回転役物3601cは回転可能となり、図37(a)に示す「K」の下の部分の表示から変化し、図37(d)に示すように「46」の上の部分の表示に変化していく。
固定部3603は、回転役物3601が最上部に位置しているときにその両側に位置するように、主液晶表示装置105の上側に固定されている。また、固定部3603の表面には、図柄表示(本実施形態では、図37(a)に示すように「B」の文字)がなされており、回転役物3601の図柄表示と一体となって、遊技者の興趣を高める演出表示を行うようになっている。
また、各回転役物3601a〜3601cの3角柱形状の四角の側面には、複数の図柄表示がなされている。したがって、図37(a)に示すように、上部移動機構3602により回転役物3601が原点位置に位置すると、固定部3603と一体化して遊技者の興趣を高める演出表示を行うようになっている(本実施形態の場合「BKB]の文字表示)。また、回転役物3601を下降させた場合には、図37(b)〜図37(d)に示すように、各回転役物3601a〜3601cを回転させ、回転役物3601が最上部に位置するときとは異なる演出図柄(本実施形態の場合「46」の文字の一部)を表示するようになっている。
なお、各回転役物3601a〜3601cを回転させて停止させたときは、方形状の面が同一平面上に揃うこととなる。そしてそのとき各方形状の面は固定部3603の前面とも同一平面に位置することとなる。よって、全体として統一感のある形状が完成する。なお、3つの方形状の面が同一平面上にあれば、固定部3603の前面とは同一平面に位置する必要はなく、美観を考慮した様々なデザインとすることができる。
このように、上部回転支持部3604により3つの回転役物3601a,3601b、3601cを回転させたり、静止させたりしながら上部回転支持部3604を上下に移動させることにより、種々の演出を行うことができる(図37(a)〜図37(d)参照)。さらに、副液晶表示装置150と遊技盤102中央近傍で近接させたり一体化させたりすることで、さらに遊技者にとって興趣を高める演出を行うことができる(図38参照)。
[回転表示装置と他の可動役物等との連動作動]
図38及び図39に基づき、次に、回転表示装置140、主液晶表示装置105、副液晶表示装置150及び上部可動役物160の連動作動について説明する。図38は、回転表示装置140、副液晶表示装置150及び上部可動役物160を連動させて演出を行った場合の図であり、図39は、回転表示装置140、主液晶表示装置105、副液晶表示装置150及び上部可動役物160を連動させて演出を行った場合の図である(図38の態様に対し、主液晶表示装置105を加えた態様)。また、図40は、回転表示装置140と主液晶表示装置105を連動させて演出を行った場合の図である。
図38に示すように、上部可動役物160を遊技盤102中央部近傍まで降下させ、副液晶表示装置150(副表示部3501及び下部回転支持部3503を意味する。以下、図38及び図39の説明においては同様の意味とする)を遊技盤102中央近傍まで上昇させ、上部可動役物160と副液晶表示装置150とを一体化させる。このとき、副液晶表示装置150は裏面を表示させて、上部可動役物160の表示と一体化した表示内容(本実施形態の場合「46」)とする。
なお副液晶表示装置150は上昇する前は上部が奥側となるように傾斜しており、上昇して上部可動役物160と一体化するときには奥側が前方に移動して前面が略鉛直になる。
上部可動役物160と副液晶表示装置150とを一体化させたうえで、回転表示装置140の縦方向に、上部可動役物160と副液晶表示装置150とを一体化させたものに表示させている内容と関連させた表示(例えば、グループ名「BKB」)を提示させ、上部可動役物160、副液晶表示装置150と一体になって、グループ名を表示するような演出を行う。
また、図39に示すように、図38に示す態様に加え、主液晶表示装置105のうち、遊技者が視認可能な領域(上部可動役物160と副液晶表示装置150とが一体化して視認できない領域を除く左右両端部分)に、縦に「BKB」の表示を行うようにしてもよい。
さらに、図40に示すように、回転表示装置140と主液晶表示装置105を用い、2個の回転表示装置140に縦に文字表示(「BKB」)を行い、主液晶表示装置105の表示領域の4隅に文字表示(図40(a)において、左上隅に「TYM」、右上隅に「NIM」、右下隅に「SSK」、左下隅に「MNN」の4個)を行う。
そして、2個の回転表示装置140に表示されている文字と主液晶表示装置105の表示領域の4隅に表示されている文字を右回転移動するように表示を変化させる(図40(a)〜図40(d)参照)。
このように、回転表示装置140、主液晶表示装置105、副液晶表示装置150及び上部可動役物160を連動させて作動させることにより、「BKB」の表示を、遊技盤102上で異なる4カ所に表示することができ、遊技者にとって非常にインパクトのある(興趣を高める)表示内容とすることができる。
[副液晶表示装置の移動機構]
図41〜図45に基づき、副液晶表示装置150の移動機構について説明する。まず、図41、図42により上下方向の移動を実現する機構を説明する。
図41(A)は、副液晶表示装置150の正面図である。副表示部3501と下部回転支持部3503を含む前方部4101は破線で示している。副液晶表示装置150のうち、前方部4101を除く部分が、前方部4101を移動させる支持装置3504となる。
本図では上下方向に関して一体となって移動するものについて色分けして示している。支持装置3504は、固定部4102と、第1移動部4103と、第2移動部4104と、を含む。
固定部4102は遊技盤102に固定されている。第1移動部4103及び第2移動部4104は固定部4102に対して上下方向に移動可能に連結されている。また前方部4101は第2移動部4104に取り付けられている。
図41(A)は前方部4101が下方に位置するときの状態を示している。この状態からわずかに前方部4101が上方に移動した状態を図41(B)に示す。図41(B)を用いて、主に固定部4102の構造を説明する。なお図41(B)は図41(A)と同様に副液晶表示装置150の正面図である。
図41(B)に示すように、固定部4102にはモータ4111と、第1回転体4112が設けられている。モータ4111の回転駆動力は図示しないギヤなどを介して第1回転体4112に伝えられる。つまりモータ4111が第1回転体4112を回転させる。
第1回転体4112は回転軸4113を中心に回転する。第1回転体4112における回転軸4113から間隔を空けた位置に突起4114が設けられている。この突起4114は第1移動部4103に設けられた左右方向に長さを有する溝4115の内部に差込まれて溝4115と係合している。
このように構成された固定部4102は、モータ4111が第1回転体4112を回転させると、突起4114が上下移動し、それにより第1移動部4103が上下に移動する。図41(B)の状態は図41(A)の状態よりも第1回転体4112が左回りに回転して突起4114が上昇しており、それにより第1移動部4103は上方に移動している。
図42(A)は、図41(B)よりも前方部4101が上方に移動した状態を示している。図42(A)を用いて、主に第1移動部4103の構造を説明する。なお図42(A)、(B)は副液晶表示装置150の正面図である。
図42(A)に示すように、第1移動部4103にはギヤ4201と、第2回転体4202と、2つの突条4203と、が設けられている。
ギヤ4201は、上下方向に延びるラック4204と係合する。ラック4204は上述した固定部4102に固定されており、第1移動部4103が上下方向に移動したときに、いわゆるラックアンドピニオン構造によりギヤ4201が回転する。
ギヤ4201が回転すると、図示しないギヤなどを介して、第1移動部4103に設けられる回転軸4205を中心に第2回転体4202が回転する。上述したように第1移動部4103はモータ4111により上下動しているため、第2回転体4202はモータ4111の駆動力によって回転しているといえる。
第2回転体4202における回転軸4205から間隔を空けた位置には突起4206が設けられている。この突起4206は第2移動部4104に設けられた左右方向に長さを有する貫通孔4207に差込まれて貫通孔4207と係合している。
そしてモータ4111によって第1移動部4103が上昇すると、第2回転体4202が右回転し、突起4206が上方に移動することにより第2移動部4104を上方向に移動させる。図42(A)の状態から更に第2回転体4202が右回転すると、第2移動部4104が上部まで移動した図42(B)の状態となる。前方部4101は第2移動部4104に取り付けられているため、第2移動部4104の移動に伴って移動する。
以上説明した機構により、副液晶表示装置150の前方部4101は、支持装置3504によって上方向に移動する。また、モータ4111が逆に回転することで、前方部4101は下方向に移動する。
続いて前方部4101の上下移動に伴う回転変位(傾斜)について説明する。まず、回転変位を実現するための第2移動部4104の構造を説明する。
図42(B)は、図42(A)よりも前方部4101が上方に移動した状態である。第2移動部4104には左右方向に延びる軸4211と、つるまきバネ4212と、ローラーユニット4213と、が設けられている。
軸4211は、第2移動部4104における所定の位置において、軸4211の中心軸を中心に回転可能となっている。
つるまきバネ4212は、軸4211を所定方向に回転するように付勢している。付勢方向については後述する。
ローラーユニット4213は、左右方向の間隔を空けた2箇所に設けられており、それぞれ軸4211に固定されている。またローラーユニット4213は、軸4211と同じ方向の回転軸を有するローラ4214を有している。ローラ4214は上述した突条4203と接触可能な位置に配置される。
図43を用いて、前方部4101(表示部3501及び下部回転支持部3503)の高さに応じた傾斜状態を説明する。図43(A)は前方部4101が下方に位置する状態の側面図であり、図43(B)は前方部4101が所定量上昇した状態の側面図であり、図43(C)は前方部4101が上方に位置する状態の側面図である。
図43(C)のように前方部4101が上方に位置する状態であるとき、図1に破線で示すように、副表示部3501は遊技領域110の中央部に位置している。以降、このときの副表示部3501の位置を第1位置とする。また、図43(A)のように前方部4101が下方に位置する状態であるときの副表示部3501の位置を第2位置とする。つまり副表示部3501は少なくとも第1位置と第2位置との間を移動可能である。
補足的に説明すると、第1位置は遊技機1が演出を行う演出領域の中央近傍の位置であって、第2位置はその演出領域の外縁側の位置である。ここでいう演出領域とは遊技中の遊技者に対して視覚的な演出を実行する領域であって、遊技機1においては遊技領域110と同義である。
図43(A)、(C)から明らかなように、副表示部3501が第1位置に位置するときの傾斜角度と、第2位置に位置するときの傾斜角度と、は異なる傾斜角度となる。より具体的には、副表示部3501が第1位置に位置するときは表面(液晶表示画面3501a)が遊技盤102と平行(鉛直方向と略平行)となり、副表示部3501が第2位置に位置するときは遊技者から見て表面の上部が下部よりも奥側に位置するように傾斜する。
図44、図45を用いて、副表示部3501の傾斜機構を説明する。なお、以下では下部回転支持部3503の傾斜について説明するが、副表示部3501はそれを単独で回転させる制御を実行しない限り下部回転支持部3503の変位に従って変位するため、副表示部3501(液晶表示画面3501a)も下部回転支持部3503と同様に傾斜する。また、下部回転支持部3503は左右に設けられているが、傾斜機構の概要は左右同様であるため、一方のみを説明し、他方の説明は割愛する。また、図44、図45の説明において、左右は図面中の方向を意味するにすぎず、実際とは相違する場合がある。
図44は、第1移動部4103に設けられている突条4203を基準として、第2移動部4104に取り付けられている下部回転支持部3503とローラーユニット4213が上下方向に移動した時の状態を示す側面図である。実線で示す下部回転支持部3503とローラーユニット4213は、第1位置のときのそれらの位置を示している。破線は第2位置のときの位置を示している。
ローラーユニット4213は軸4211を中心に回転可能となっており、また本図では図示しないつるまきバネ4212により本図で右回りに軸4211を付勢している。よって、軸4211に固定されているローラーユニット4213の上端のローラ4214は右方向に付勢される。
第2位置のとき、ローラ4214は突条4203と接している。突条4203は、上部の手前側(左側)が削られたように厚みが薄く(第1移動部4103からの突出量が小さく)なる傾斜部4203aが形成されている。よって下部回転支持部3503が上昇すると、傾斜部4203aの形状に合わせてローラ4214が右に移動可能となり、軸4211は右回りに回転する。この軸4211の回転と下部回転支持部3503の回転との関係を図45にて説明する。
図45(A)は軸4211が上述したように右回転する前の下部回転支持部3503状態を示す側面図であり、図45(B)は軸4211が右回転した後の状態を示す側面図である。
軸4211には、軸4211を回転軸として回転するリンク部材4501が取り付けられている。リンク部材4501には、軸4211から間隔を空けて連結軸4502が設けられている。
一方、下部回転支持部3503は第2移動部4104に設けられた回転軸4503を中心に回転可能に構成されている。また下部回転支持部3503は連結軸4502とも連結されている。なお、下部回転支持部3503と連結軸4502との連結部分には若干のクリアランスが設けられている。
ここで、ローラーユニット4213(ローラ4214)の右方向への移動に伴って軸4211が右回転すると、連結軸4502も軸4211を中心に右回転する。そのときの連結軸4502の移動は回転軸4503を基準に見ると左方向への移動となる。よって、連結軸4502と連結している下部回転支持部3503は左方向に回転して傾斜する。
以上説明したように、第2移動部4104が第1移動部4103に対して上昇すると、それに伴って下部回転支持部3503が傾斜する。その結果、副表示部3501も傾斜することとなる。
なお、図38などで示すように、上昇した副表示部3501及び下部回転支持部3503が上部可動役物160と一体化するときには、副表示部3501の液晶表示画面3501aは、鉛直方向と略平行、かつ、遊技機1の後方を向く位置になっている。換言すると、液晶表示画面3501aと平行である副表示部3501の裏面3501bが、鉛直方向と略平行になっている。その結果、副表示部3501及び下部回転支持部3503が上部可動役物160と揃い、上述した「46」などの表示内容が完成することとなる。
なお、第2移動部4104が下降すると、ローラ4214が上記とは逆に移動して軸4211が左回転する結果、下部回転支持部3503及び副表示部3501は元の位置に戻ることとなる。
[副表示部の回転機構]
図46〜図50に基づき、副表示部3501の回転機構について説明する。
図46は、下部回転支持部3503の内部を説明する斜視図である。副表示部3501は左右の下部回転支持部3503により支持されるが、その一方に駆動源が設けられ、他方は単に支持するだけであるため、駆動源が設けられる側のみ説明する。なお回転機構の説明に必須でない構造の一部は図示を省略している。
下部回転支持部3503には、副表示部3501の回転軸となる第1軸4601と、第1ギヤ4602と、第2ギヤ4603と、第2軸4604と、回転制御用ギヤ4605と、副表示部3501を回転させるステッピングモータを備えるモーターユニット4606と、を有している。
第1ギヤ4602はモーターユニット4606の駆動力を受けて回転する。第2ギヤ4603は2段ギヤであり、下段のギヤが第1ギヤ4602とかみ合って回転する。第2ギヤ4603は第1軸4601に固定されている。副表示部3501も第1軸4601に固定されており、第2ギヤ4603は副表示部3501の回転と共に回転する。
回転制御用ギヤ4605は第2ギヤ4603の上段のギヤとかみ合って、第2軸4604を中心として回転する。つまり、副表示部3501の回転と回転制御用ギヤ4605との回転は連動している。
図47(A)、(B)は、下部回転支持部3503の内部を示す側面図である。図47(A)に示されるように、第2軸4604から外側に延び出す突出片4701が設けられている。
また第2軸4604の近傍には板バネ4702が設けられている。板バネ4702は一方の端部4703が下部回転支持部3503にネジ止めにより固定されている。板バネ4702の中央部には、第2軸4604に向かって飛び出すように折り曲げられてなる山折り部4704が形成されている。
また下部回転支持部3503には壁部4705が設けられている。
板バネ4702は、端部4703を基点に第2軸4604に対する距離が変化するように(図47(A)における矢印方向に)弾性変位する。壁部4705は、板バネ4702の他方の端部と接触することで板バネ4702がそれ以上第2軸4604側に変位することを抑制する。
図48(A)、(B)を用いて、回転制御用ギヤ4605の詳細な形状を説明する。図48(A)は回転制御用ギヤ4605を軸方向から見た図であり、図48(B)は斜視図である。回転制御用ギヤ4605は、中心に筒状の軸受4801が形成されており、ここに第2軸4604が挿入される。また軸受4801を中心に板状の歯車4802が形成されている。また軸受4801の周囲を囲うように、軸受4801と略同軸の筒部4803が形成されている。
筒部4803の内側には、軸受4801に向かって延び出す当接部4811が形成されている。また筒部4803は、外側に突出するものを凸として、凸部4812a、凹部4812b、凸部4812cからなる第1凹凸部4812と、凸部4813a、凹部4813bからなる第2凹凸部4813と、凹部4814a、凸部4814bからなる第3凹凸部4814と、が形成されている。
上述した回転制御用ギヤ4605を第2軸4604取り付けると、図47(B)のようになる。
図49(A)、(B)を用いて、回転制御用ギヤ4605による副表示部3501の回転範囲制御について説明する。なお図49(A)、(B)は回転制御用ギヤ4605を軸方向から見た図であるが、回転制御用ギヤ4605における筒部4803以外の構成については図示を省略する。
回転制御用ギヤ4605が回転すると当接部4811も第2軸4604を中心に回転変位するが、突出片4701は、当接部4811が回転変位したときに通過する領域に配置されているため、当接部4811と接触することによって当接部4811の移動を制限する。即ち、図49(A)の位置から図49(B)の位置までの1回転弱の範囲内でのみ当接部4811の移動が許可される。このように、突出片4701と当接部4811により、回転制御用ギヤ4605の回転可能範囲が定められる。
そして、上述したように副表示部3501の回転と回転制御用ギヤ4605の回転とは連動しているため、副表示部3501が、回転制御用ギヤ4605の回転可能範囲により定まる範囲を超えて回転することが抑制される。本実施形態においては、2回転半までの範囲に抑制される。
図50(A)〜(C)を用いて、回転制御用ギヤ4605による副表示部3501の回転方向に関する位置決めについて説明する。なお図50(A)〜(C)は回転制御用ギヤ4605を軸方向から見た図であるが、板バネ4702に関連する部分、及び回転制御用ギヤ4605の筒部4803以外の構成については図示を省略する。
第2軸4604に回転制御用ギヤ4605を取り付けると、筒部4803の外周に山折り部4704が接触する。山折り部4704は板バネ4702全体の弾性力により常に筒部4803に向けて付勢されているため、図50(A)〜(C)に示すように、回転制御用ギヤ4605が回転すると、第1凹凸部4812の凹部4812b、第2凹凸部4813の凹部4813b、第3凹凸部4814の凹部4814a、に山折り部4704が入り込んで係止する。
副表示部3501の回転量はモーターユニット4606のステップ数制御により制御されているが、上述したように回転制御用ギヤ4605の位置を板バネ4702により係止することで、副表示部3501の位置決めが実現される。
なお、第1凹凸部4812において、凹部4812bは両側の凸部4812a、凸部4812cに囲まれることで形成されており、凹部4813b、凹部4814aと比較すると第2軸4604から離れた位置にある。よって板バネ4702の弾性力を強く受けることとなり、位置決めを良好に実現できる。
また第2凹凸部4813において、凹部4813bの深さは凸部4813a側の方が、その反対側の壁面5001側より深い。よって、凹部4813bに山折り部4704が入り込んでいるとき、回転制御用ギヤ4605が回転して山折り部4704が凸部4813aを乗り越える方向には係止が解除されにくい一方、壁面5001側には係止が解除されやすい。
また第3凹凸部4814の場合も同様に、凹部4814aに山折り部4704が入り込んでいるとき、回転制御用ギヤ4605が回転して山折り部4704が凸部4814bを乗り越える方向には係止が解除されにくい一方、壁面5001側には係止が解除されやすい。
即ち、山折り部4704が壁面5001上をスライドして凹部4813bや凹部4814aに入り込むように回転制御用ギヤ4605が回転すると、スムーズに各凹部に山折り部4704が入り込むと共に、回転しすぎて係止が解除されてしまうことが抑制される。また、山折り部4704が壁面5001上に乗りあがる方向への係止解除は相対的に容易であり、スムーズに実現される。
このことを利用して、山折り部4704が第2凹凸部4813と第3凹凸部4814との間(図50(C)における矢印の間)を移動するように副表示部3501を回転制御することで、その位置決め精度を高めるとともにスムーズな回転を実現できる。例えば、山折り部4704が第2凹凸部4813と係止する位置を副表示部3501の表示画面が正面を向く位置とし、山折り部4704が第3凹凸部4814と係止する位置を表示画面が背面を向く位置とすれば、正面から背面へ、又はその反対方向の半回転を滑らかにかつ高い位置決め精度で実現できる。
[モーターユニットの詳細構成]
図51〜図54に基づき、モーターユニット4606の詳細な構成について説明する。
図51(A)はモーターユニット4606の斜視図であり、図51(B)はモーターユニット4606の平面図であり、図51(C)はモーターユニット4606の側面図である。
モーターユニット4606は、モータ5101と、ギヤユニット5102と、を有する。ギヤユニット5102にはモーターユニット4606の出力を行う出力ギヤ5103が設けられている。
図52は、モーターユニット4606の分解斜視図である。図52に示すように、モーターユニット4606は、ギヤユニット5102を構成する、第1ハウジング5201、伝達部5202、3つの補助ギヤ5203、回転体補助部5204、第2ハウジング5205、及びギヤ側ネジ5206と、モータ5101と、モータ側ネジ5207と、を有する。
第1ハウジング5201は、概形が略円筒形状であって、その内側がモータ5101の出力回転軸と同軸の内歯車5208として形成されている。軸方向の一方には貫通孔5209が形成されており、他方は完全に開放されている。
また第1ハウジング5201の外周には、ギヤ側ネジ5206と螺合する上記軸方向と同方向の第1ネジ孔5211と、モータ側ネジ5207と螺合する上記軸方向と同方向の第2ネジ孔5212と、モーターユニット4606を下部回転支持部3503に固定するときに用いる第3ネジ孔5213と、が設けられている。
伝達部5202は全体として略円盤形状であって、一方の面の中央に出力ギヤ5103が設けられている。出力ギヤ5103と反対側の面には、等間隔の3箇所にギヤ軸5214が形成されている。
補助ギヤ5203には、ギヤ軸5214を挿入可能な貫通孔5215が形成されている。補助ギヤ5203は貫通孔5215にギヤ軸5214を挿入した状態でギヤ軸5214を中心に回転可能に構成されている。
回転体補助部5204は、円板状の部材であって、中央に後述するモータギヤ5221が通過する貫通孔5217が形成されている。また回転体補助部5204はギヤ軸5214それぞれと連結可能に構成されており、ギヤ軸5214に補助ギヤ5203を取り付けた状態でギヤ軸5214と連結することで、補助ギヤ5203がギヤ軸5214から脱落してしまうことを抑制する。
第2ハウジング5205は、円板状の部材であって、その外周には、ギヤ側ネジ5206が挿入可能である上記軸方向と同方向の第1挿入孔5218と、モータ側ネジ5207が挿入可能である上記軸方向と同方向の第2挿入孔5219と、が形成されている。
また第2ハウジング5205の中央に、後述するモータギヤ5221が通過する貫通孔5220が形成されている。
そして、伝達部5202のギヤ軸5214に補助ギヤ5203を取り付けて回転体補助部5204を連結したものを、第1ハウジング5201の円筒状部分に挿入して、第1ハウジング5201の開口を第2ハウジング5205で覆い、ギヤ側ネジ5206を第1挿入孔5218を通して第1ネジ孔5211に螺合させて固定することでギヤユニット5102が完成する。
モータ5101は、ギヤレスのステッピングモータであり、電力の供給を受けてモータギヤ5221を回転させる。また外周部には、モータ側ネジ5207が挿入可能である上記軸方向と同方向の挿入孔5222が形成されている。
モータ5101とギヤユニット5102との連結は、回転体補助部5204の貫通孔5217と第2ハウジング5205の貫通孔5220とにモータギヤ5221が挿入された状態で、モータ側ネジ5207を、挿入孔5222及び第2挿入孔5219を通して第2ネジ孔5212に螺合させて固定することで実現される。
図53は、図51(C)のA−A断面図である。モータギヤ5221の回転駆動力は補助ギヤ5203に伝えられる。補助ギヤ5203は内歯車5208とかみ合っているため補助ギヤ5203の回転力は内歯車5208に伝えられるが、内歯車5208はモータ5101に対して固定されているため、内歯車5208が回転することなく、補助ギヤ5203自体がモータギヤ5221の周囲(モータギヤ5221の回転軸を中心とする円周上)を回転移動する。そのときに補助ギヤ5203がギヤ軸5214を回転させることで伝達部5202が回転し、出力ギヤ5103が回転する。
このように補助ギヤ5203がモータギヤ5221の周囲を回転移動することで伝達部5202が回転することから、出力ギヤ5103はモータギヤ5221の回転軸と同軸で回転することとなる。
図54は、副液晶表示装置150を正面から見たときのモーターユニット4606の概略配置を示す図である。モーターユニット4606は厚さが抑えられているため、下部回転支持部3503の内部に収めることができる。
[回転部材の磁石配置]
図55、図56を用いて、回転役物3601の磁石配置について説明する。図55は回転役物3601の斜視図であるが、配置を理解しやすくする目的で左回転役物3601a、中回転役物3601b及び右回転役物3601cの間隔を空けて示している。
図55において、軸55は各回転役物3601が上部移動機構3602によって回転するときの回転軸である。各回転役物3601は側面視で正三角形であり、軸55はその中心を通過する。
各回転役物3601における図55中の左側側面を第1面、右側側面を第2面とする。左回転役物3601aは第1面3601aa、第2面3601abを有する。また中回転役物3601bは第1面3601ba、第2面3601bbを有する。また右回転役物3601cは第1面3601ca、第2面3601cbを有する。
上述したように図55では各回転役物3601は間隔が空いているが、実際には、第2面3601abと第1面3601baが対向して隣接し、第2面3601bbと第1面3601caが対向して隣接している。これら隣接する各面には、磁石5502が配置されている。なお磁石5502は各面の表面に露出していてもよいが、表面には露出しておらず、各面の表面近傍に配置されていてもよい。
図56(A)に第2面3601abにおける磁石5502の配置を示す。磁石5502は第2面3601abにおける3箇所の頂点のうちの1つの近傍に配置されている。より具体的には、軸5501を中心とする第2面3601abの内接円5601の外側に磁石5502の少なくとも一部が位置するように配置される。本実施形態では磁石5502全体が内接円5601の外側に配置される。
図56(B)に第1面3601baにおける磁石5502の配置を示す。磁石5502は第1面3601baにおける3箇所の頂点それぞれの近傍に配置されている。なお第2面3601abの場合と同様に内接円5601の外側に磁石5502の少なくとも一部が位置するように配置される。
回転役物3601を回転駆動させる上部移動機構3602は、各回転役物3601の頂点が揃う位置関係となるように各回転役物3601の回転と停止を制御する。換言すると上部移動機構3602は、対向して隣接する第2面3601abと第1面3601ba、及び第2面3601bbと第1面3601caが、それぞれ頂点が揃う位置関係となるように回転と停止を制御する。
第2面3601abに配置された磁石5502は、上述した位置関係となったときに第1面3601baに配置された各磁石5502のいずれかと吸引し合い、上述した位置関係を保持する位置に配置されている。
なお、第2面3601bbと第1面3601caも、上述した第2面3601abと第1面3601baと同様の位置関係で磁石5502が配置されている。
[磁石配置のバリエーション]
磁石5502の配置は上述したものに限定されないので、以下にそのバリエーションの例を説明する。
なお、ここまでは正三角形である第1面及び第2面の側面の頂点が揃うように隣接する回転役物を回転させることを前提に説明したが、第1面及び第2面は、正三角形以外の多角形であってもよいし、それ以外の形状であってもよい。2つの回転役物が回転に相対的に角度を変更した結果、それらの組み合わせによって何らかの有意の形状を構成するならば、回転役物をそのように回転させる意味が生じる。以降、このように有意の形状を構成するように組み合わせた状態を「回転態様」と述べる。例えば上述した図55の場合は3つの回転態様が3つ存在する。
対向して隣接する2つの面において、配置される磁石の数は特に限定されない。例えば第2面3601abには1つの磁石5502が配置されている構成を例示したが、第1面3601baのように3箇所に配置されていてもよいし、2箇所であってもよい。また、例えば第2面3601abと第1面3601baの両方とも2箇所に磁石5502が配置される構成であってもよい。
なお、取り得る回転態様の全てにおいて、隣接する面のいずれかの磁石5502同士が吸引し合って位置関係を保持するように磁石5502が配置されていると、どの回転態様となるように回転させても位置関係を保持することができる。
図57(A)〜(D)に、回転役物として側面形状が三角形以外のものを用いたときの磁石5502の配置の例を示す。各図は隣接する2つの回転役物の対向する面の組み合わせを示している。つまり各面はそれぞれ異なる回転役物に設けられる面である。図57(A)、(B)は四角形のときの例であり、頂点同士が揃う4つの回転態様が存在する。また図57(C)、(D)は六角形のときの例であり、6つの回転態様が存在する。
図57(A)には、一方の面では磁石5502を1つの頂点の近傍に設け、他方の面では磁石5502を4つの頂点すべての近傍に設ける場合の例を示す。図57(B)には、一方の面では隣り合う2つの頂点の近傍に磁石5502を設け、他方の面では1つ間隔を空けた頂点の近傍の2箇所に磁石5502を設ける場合の例を示す。
図57(C)には、一方の面では隣り合う2つの頂点の近傍に磁石5502を設け、他方の面では1つずつ間隔を空けた3つの頂点の近傍の3箇所に磁石5502を設ける場合の例を示す。図57(D)には、一方の面では順に並ぶ3つの頂点の近傍の3箇所に磁石5502を設け、他方の面では2つ間隔を空けた2つの頂点の近傍の2箇所に磁石5502を設ける場合の例を示す。
図57(A)〜(D)に示す磁石配置は、いずれも、どの頂点同士が揃う回転態様であっても、いずれか一対の磁石5502が吸引し合うこととなる。
次に、複数の回転態様それぞれにおいて少なくともいずれか一対の磁石5502が吸引し合うように磁石5502を配置する場合において、なるべく少ない磁石5502を配置する方法とその数について説明する。
図58(A)のように、隣接する2つの回転役物5801、5802が存在する場合を想定する。これらは回転軸5803を中心として回転する。回転役物5801の面5803と、回転役物5802の面5804とが対向している。
図58(B)に、一対の面5803、5804を正面から見た図を示す。図58(B)は、面5803、5804それぞれに、回転軸5803を中心とする円周上に角度間隔θ(本図の例ではθ=45°)の等間隔で磁石5502が配置されている状態を示している。このように磁石を配置すると、2つの回転役物が相対的に角度θ回転する毎にその位置を維持するように磁石同士が吸引するが、磁石が多く必要となる。なお、磁石同士が隣接することとなる回転位置をこの構成における回転態様とする。
図58(C)は磁石の数を減らした場合の状態を示している。面5803には、磁石5502を角度間隔θでn個(本図においてはn=3)連続して配置している。一方、面5804には、磁石5502を最も広い角度範囲がn×θとなるように配置している。このように配置すると、各回転態様において必ず少なくとも一対の磁石5502が重なる位置関係となる。
次に、上述した図58(C)の磁石配置をとる前提で、いくつの磁石5502が必要となるかを検討する。2つの回転役物が回転することによって取りうる回転態様がm通りであるとする。図58(B)、(C)の場合はm=8である。
図58(C)のように面5803に磁石をn個連続して並べると、面5804では(n−1)個とばして磁石を配置することができる。即ち、配置可能な場所n個につき1つの磁石が必要となる。mは磁石を配置可能な場所の数でもあることから、面5804全体では、m/n個(小数点以下切り上げ)の磁石が必要となる。
つまり、面5803,5804の両面を合わせて必要な磁石の個数Sは、
S=n+(m/n)(小数点以下切り上げ)
となる。
m=8の場合、nが2〜4のときにS=6で最小となる。m=9の場合、n=2であれば、S=2+(9/2)となり7個が必要となる。n=3であればS=3+(9/3)となり6個が必要となる。同様にn=4であればS=4+(9/4)となり7個が必要となる。よってm=9の場合、n=3のときS=6で最小となる。
このように、各m(m≧3)について、nの値を変えて最も少ない磁石の合計数Sを求めた結果、下記式で表されるS個の磁石が必要となることが分かった。
S=(m0.5)×2 (小数点以下切り上げ)
このように、回転態様をm通りとしたときに、各回転態様それぞれにおいて少なくとも一対の磁石が相互に吸引して位置関係を保持するためには、少なくとも上記S個の磁石が必要である。
[本発明の適用範囲]
本実施形態においては、端末2802により読み取り可能な読取用画像を表示し、また読取可能な可動役物を有する遊技機として、いわゆるパチンコ遊技機を例示しているが、本発明はパチンコ遊技機以外の遊技機、例えばパチスロ遊技機において適用されていてもよい。
◇[本実施形態の第1の効果]
本実施形態の遊技機1は、所定の回転軸を中心に回転変位する、隣接して配置される左回転役物3601a、中回転役物3601b及び右回転役物3601c(第1可動部材及び第2可動部材の一例)と、それら回転役物3601の回転及び停止を制御する上部移動機構3602(駆動装置の一例)と、第2面3601ab、第1面3601ba、第2面3601bb、及び第1面3601caに配置された磁石5502(発磁体及び被吸引体の一例)と、を備える。
磁石5502は、隣接する回転役物3601の頂点が揃う位置関係となったときに、互いに吸引してその位置関係を保持する位置保持手段として機能する。また上部移動機構3602は、上述した位置関係となるように回転役物3601を回転させる。
このように構成された遊技機1は、磁石5502によって位置決めの精度を高めることができる。よって回転した後の回転役物3601の位置がずれていることにより遊技者の興趣が低下してしまうことを抑制できる。
なお上記実施形態では、回転役物3601は三角柱形状であったが、四角柱形状や五角柱形状などの多面体や、円柱形状であってもよいし、球状や楕円球状のものを複数並べて配置するようにし、それらの回転角度を変化させることによって、表示内容が変化するようにしてもよい。
また上記実施形態においては、回転役物3601が同一の回転軸を中心に回転する構成を例示したが、役物が所定の範囲で変位し、磁石によって位置決めを行うことができるものであれば、上述した以外の変位を行う構成であってもよい。
図59(A)は、直線的に動く2つの役物5901、5902が磁石により位置決めされる構成を説明する側面図である。このように、回転変位以外の変位においても磁石による位置決めを実現することができる。
図59(B)のように、役物5903が直線的に変位し、役物5904が回転変位する構成であってもよい。また、かさ歯車のように角度が異なる回転軸を中心に回転する2つの役物の位置決めに磁石を用いる構成であってもよい。また、役物のいずれか一方は変位しない構成であってもよい。
また上記実施形態においては、2つの役物に設けられた磁石同士が吸引し合う構成を例示したが、いずれか一方が磁石であって、他方は磁石により吸引されるスチール等の被吸引体であってもよい。また発磁体としては、磁石に変えて電磁石を用いてもよい。
また上記実施形態においては、複数の回転役物3601の位置決めをすることで、一つの有意の形状を精度よく成す構成を例示したが、それ以外の目的で位置決めをしてもよい。
図60は、直線的に移動する2つの役物6001、6002を示している。役物6001、6002が精度よく位置決めされたときに限り、後方に配置される光源6003から照射される光6003aが役物6001、6002のスリット6004、6005を通過して遊技者に到達するように構成されている。このように精度の高い位置決めをすることによって、光による演出を実現する構成としてもよい。
◆[本実施形態の第2の効果]
本実施形態の遊技機1は、遊技盤102に遊技領域110が形成されてなるものであって、画像が表示される液晶表示画面3501aを有する副表示部3501(表示装置の一例)と、副表示部3501を第1位置及び第2位置の間で移動可能に支持する支持装置3504と、を備えている。支持装置3504は、副表示部3501が第1位置に位置するときの液晶表示画面3501aの傾斜角度と、第2位置に位置するときの傾斜角度と、が異なる傾斜角度となるように副表示部3501を支持する。
このように構成された遊技機1は、単に副表示部3501が上下に移動するだけでなく、そのときに傾斜角度を変化させることから、遊技者は副表示部3501の複雑な移動を見て楽しむことができ、興趣の向上を図ることができる。
なおここでいう傾斜角度とは、液晶表示画面3501aやその裏面などを遊技者がどのような傾斜状態であるかを把握できるものを指しており、単に副表示部3501が回転する動作をするもののように、停止することなく、どのような角度状態であるかを把握できないものは含まない。
また本実施形態の遊技機1は、副表示部3501を第1位置及び第2位置のいずれか一方から他方に移動させたときに、液晶表示画面3501aの傾斜角度を変化させる。
このように構成された遊技機1は、副表示部3501が移動するタイミングとは異なるタイミングで傾斜角度が変化する場合と比較して、副表示部3501が移動する時の面白みを深めることができる。
また本実施形態の遊技機1において、上述した第1位置は、第2位置よりも遊技機1が演出を行う演出領域の中央に近い位置である。そして支持装置3504は、副表示部3501が第1位置に位置するときは液晶表示画面3501aが鉛直方向と略平行になるように副表示部3501を支持する。
より詳細には本実施形態の遊技機1は、上述した第1位置が遊技領域110の中央部に位置しており、上述した第2位置は第1位置の下方に位置している。また、副表示部3501が第1位置に位置するときは液晶表示画面3501aが遊技盤102と略平行となり、第2位置に位置するときは液晶表示画面3501aの上部が下部よりも奥側に位置するように、即ち液晶表示画面3501aが斜め上を向くように傾斜する。
通常、遊技者の目線は遊技領域110の中央部に近い高さとなり、遊技領域110の下方を見るときには遊技者は若干俯きながら見ることとなることが多い。よってこのように構成された遊技機1は、副表示部3501が第1位置に位置するときも第2位置に位置するときにも液晶表示画面3501aが遊技者の方向を向く。よって、副表示部3501が移動することで見易さが低下してしまうことを抑制できる。なお液晶表示画面3501aの向く方向とは、その方向から見ると液晶表示画面3501aの視認性が高くなる方向であり、例えば液晶表示画面3501aの法線方向とすることができる。
また、副表示部3501が第2位置に位置しているときは、上部が奥側に傾斜することによって、遊技盤102の視認性低下を抑制できる。遊技機1は副表示部3501の後方に主液晶表示装置105が配置されているが、副表示部3501の上部が奥側に傾斜すると、遊技者から見て副表示部3501により主液晶表示装置105が隠される面積が小さくなるため都合がよい。
もちろん、上述した効果は副表示部3501の裏面3501bが前面にある(遊技者の側を向いている)ときにも奏する。
ところで、上記実施形態においては、副表示部3501に液晶表示装置を備える構成を例示したが、液晶以外の画像表示装置を用いてもよい。
また上記実施形態においては、副表示部3501を第1位置及び第2位置のいずれか一方から他方に移動させるタイミングで液晶表示画面3501aの傾斜角度を変化させる構成を例示したが、そのタイミングに限定されることはなく、予め傾斜角度を変化させてから移動させる構成や、移動させた後に傾斜角度を変化させる構成であってもよい。
また上記実施形態においては、副表示部3501が遊技領域110の中央部(第1位置)に位置しているときは液晶表示画面3501aが遊技盤102に沿う略鉛直となり、中央部より下方(第2位置)に位置しているときは液晶表示画面3501aが斜め上を向く構成を例示したが、このような傾斜角度に限定されず、様々な傾斜角度とすることができる。また、第1位置及び第2位置も上述した位置に限定されず、上下が逆転していたり、第1位置と第2位置が左右や斜めに並ぶ位置関係となっていてもよい。副表示部3501の第1位置と第2位置との間の移動も直線的なものに限られず、曲線的に移動するものであってもよい。即ち、第1位置及び第2位置の具体的な位置と、各位置における傾斜角度は何ら制限されない。
図61を用いて第1位置及び第2位置の例を説明する。図61では理解を容易にする目的で副表示部3501の位置のみを記載し、他の構成については省略する。副表示部3501は演出領域6101を移動する。副表示部3501nは演出領域の中心点6102に相対的に近い第1位置にある副表示部を示している。また副表示部3501mは第1位置よりも中心点6102から遠い第2位置にある副表示部を示している。
図61に示すように、第1位置を中心点6102に近い位置とすることで、副表示部3501を移動させたときの演出効果を増大することができる。そして第1位置において液晶表示画面が鉛直方向に対して略平行とすると、遊技者による視認性を向上でき、更に演出効果を増すことができる。
なお演出領域とは、上記実施形態においては上述したように遊技領域110が該当する。本発明をパチスロ遊技機に用いた場合には、例えばリール上部の液晶表示装置や役物装置が配置される領域が演出領域となる。
◆[本実施形態の第3の効果]
本実施形態の遊技機1は、モータ5101と、該モータに組み付けられるギヤユニット5102と、を含み、副表示部3501(駆動対象物の一例)を駆動させるモーターユニット4606(駆動装置の一例)を備えている。
ギヤユニット5102は、モータ5101の回転軸と同軸に配置され、モータ5101によって回転するモータギヤ5221(第1のギヤの一例)と、モータギヤ5221と同軸で配置される内歯車であり、モータ5101に対して固定される内歯車5208(第2のギヤの一例)と、モータギヤ5221及び内歯車5208と噛み合い、モータギヤ5221の駆動力により回転すると共に、モータギヤ5221の回転軸を中心とする円周上を移動する補助ギヤ5203(第3のギヤの一例)と、補助ギヤ5203を回転可能に支持し、該補助ギヤ5203の移動を駆動力としてモータギヤ5221と同軸の回転軸にて回転する伝達部5202と、を備える。
このように構成された遊技機1では、モーターユニット4606はギヤユニット5102によりモータ5101のトルクを増幅することができる。
そしてギヤユニット5102の厚み(軸方向の幅)が小さいため、モーターユニット4606は全体としての厚みを小さくできる。よって、モーターユニット4606を配置するスペースを小さくできる。本実施形態のように、モーターユニット4606が収められる下部回転支持部3503は支持装置3504に上下方向に移動されて演出に用いられるものであるため、モーターユニット4606が小型化されることで下部回転支持部3503を小さくすることが可能となり、役物のデザインなどの設計の自由度が低下することを抑制できる。
特に、本実施形態のモータ5101はギヤレスモータであるためモータ自体のトルクが小さいが、ギヤユニット5102によりトルクを十分に増幅できる。またギヤレスモータであるためモータ自体の厚みが小さく、モーターユニット4606を高度に薄く構成することができる。
またモーターユニット4606はモータ5101の出力回転軸と出力ギヤ5103とが同軸であるため、モーターユニット4606が組み付けられる下部回転支持部3503の設計を容易にすることができると共に、組み付け作業を簡便なものとすることができる。
またギヤユニット5102はその構造上、高いギヤ比を設定し易く、また各ギヤの歯数を調整することでギヤ比の調整を容易に行うことができ、設計上都合がよい。
またギヤユニット5102には、モーターユニット4606を下部回転支持部3503に固定するときに用いる第3ネジ孔5213を自在に形成することができる。よって、下部回転支持部3503の設計が困難になることを抑制できる。
なお上記実施形態においては、モーターユニット4606は遊技領域110を移動する下部回転支持部3503の内部に設けられる構成を例示したが、移動しない部分に取り付けて用いられる構成であってもよい。
またモーターユニット4606にはギヤレスモータを用いる構成を例示したが、ギヤレスモータ以外にギヤユニット5102を組み付けて用いる構成であってもよい。
◆[本実施形態の第4の効果]
本実施形態の遊技機1は、第1軸4601(第1の回転軸の一例)を中心に回転可能に構成される副表示部3501(可動役物の一例)と、副表示部3501の回転に連動して第2軸4604(第2の回転軸の一例)を中心に回転する回転制御用ギヤ4605(回転体の一例)と、回転制御用ギヤ4605における、第2軸4604の軸心から間隔を有する3箇所に設けられる第1凹凸部4812、第2凹凸部4813、第3凹凸部4814(いずれも第1係止部の一例)と、それらと係止可能であって、その係止によって回転制御用ギヤ4605の回転方向に関する位置決めを実現する山折り部4704(第2係止部の一例)と、を備える。
このように構成された遊技機1は、副表示部3501を回転させたときにその位置決め精度を高めることができる。したがって、副表示部3501が回転したときに適切な位置(所望の位置)からずれた位置に移動して停止してしまい、遊技者の興趣を低下させてしまうことを抑制できる。
また本実施形態の遊技機1は、山折り部4704が板バネ4702の一部であり、その弾性力で山折り部4704は第1〜第3凹凸部と係止する方向に付勢されている。即ち、板バネ4702が付勢手段として機能する。
このように構成された遊技機1は、山折り部4704と第1〜第3凹凸部との係止を適切に実現でき、位置決めの精度を高めることができる。
また本実施形態の遊技機1は、回転制御用ギヤ4605に形成される当接部4811と、回転制御用ギヤ4605の回転に伴って当接部4811が回転変位したときに当接部4811と接触することによって、回転制御用ギヤ4605が予め設定した範囲を超えて回転することを抑制する突出片4701(変位抑制部の一例)と、を備えている。
このように構成された遊技機1は、副表示部3501の回転範囲を制限できるため、副表示部3501が想定していない位置に回転して停止することを抑制できる。それにより遊技者に違和感を与え、興趣を低下させてしまうことや、副表示部3501が回転し過ぎることによりハーネスなどの部品を損傷してしまうことを抑制できる。
なお上記実施形態においては、回転制御用ギヤ4605が1回転以下の回転可能範囲であって、副表示部3501が2回転半の回転可能範囲である構成を例示したが、それらの回転可能範囲は特に限定されず、様々な条件とすることができる。なお回転制御用ギヤ4605の回転可能範囲を1回転以下とすることで設計が容易になる。また、副表示部3501の回転数を大きく設定することで、ダイナミックな動作を実現できる。
また上記実施形態においては、山折り部4704が第1〜第3凹凸部の凹部に入り込むことで係止が実現される構成を例示したが、板バネ4702に溝が形成されており、第1〜第3凹凸部に形成された凸部がその溝に入り込むことで係止が実現される構成であってもよい。
また上記実施形態においては3つの凹凸部を有する構成を例示したが、その数は特に限定されず、副表示部3501の回転制御に合わせて様々な数に設定できる。また凹凸部は凹部と凸部の両方を備えている必要はなく、いずれか一方のみであってもよい。