以下、本発明を具現化したスピーカフォン1について、図面を参照して説明する。なお、参照される図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャート等は、単なる説明例である。
まず、図1を参照して、音声会議システム100の概略構成について説明する。音声会議システム100は、ネットワーク9(例えば、インターネット)に接続可能な複数の通信装置80を含む。本実施形態では、通信装置80の一例として、汎用のノート型パーソナルコンピュータが採用されている。複数の通信装置80のうち、通信装置83だけは、ネットワーク9への接続の有無はどちらでもよい。なお、図1では、複数の通信装置80として、通信装置81から85の5台の通信装置が図示されているが、通信装置80の数は5台に限られない。以下では、複数の通信装置81から85を総称する場合、及び複数の通信装置81から85のうちいずれかを特定せずに指す場合には、「通信装置80」という。
本実施形態では、複数の通信装置80は、例えば、Session Initiation Protocol(SIP)に則って接続を確立し、音データを送受信することで、音声会議を実施することができる。なお、通信装置80は、音データに加え、映像データを送受信することで、テレビ会議を実施可能であってもよい。複数の通信装置80は、SIPに則った呼制御を行うSIPサーバ(図示せず)を介して接続を確立してもよいし、SIPサーバを介さずに接続を確立してもよい。また、相互に接続された複数の通信装置80間で、文書作成アプリケーション及び描画アプリケーション等で作成された資料の画像データを送受信し、複数の通信装置80でその資料の画像を共通して表示することも可能である。これにより、通常の会議と同様、複数の通信装置80で共通して表示される資料(以下、共有資料という)を参照しながら会議を実施することができる。会議実施時の通信装置80における処理の詳細は後述する。
通信装置80には、スピーカフォン1を接続可能である。スピーカフォン1は、携帯音楽端末及びパーソナルコンピュータ(以下、PCという。)等の外部装置から出力される音データに基づき、音を再生させる機能を有する。スピーカフォン1は、周囲の音を表す音データを生成し、音データを外部装置に出力機能を備える。スピーカフォン1は、例えば、他の場所にいるユーザと、音声会議及び電話等の会話をする用途で使用される。スピーカフォン1は、第一接続端子10,第二接続端子20及び第三接続端子30を備える。図1中、第一接続端子10,第二接続端子20及び第三接続端子30の各々を、白色の四角、黒色の四角、及び斜線塗りの四角で示している。スピーカフォン1は、第一接続端子10及び第二接続端子20を利用して、数珠つなぎに連結することが可能である。したがって、スピーカフォン1は、互いにデイジーチェーン接続することによって、同一の音データを同時に再生可能なスピーカフォン1の台数を増やすことができる。本実施形態において、スピーカフォン1がデイジーチェーンの一部を構成する場合、第一接続端子10は、上流側の他のスピーカフォン1と接続するための端子となる。上流側とは、ネットワーク9に接続された通信装置80側である。より具体的には、デイジーチェーン接続されているスピーカフォン2から4のうちのスピーカフォン3において、上流側の他のスピーカフォン1は、スピーカフォン2である。第二接続端子20は、下流側の他のスピーカフォン1と接続するための端子となる。より具体的には、デイジーチェーン接続されているスピーカフォン2から4のうちのスピーカフォン3において、下流側の他のスピーカフォン1は、スピーカフォン4である。
音声会議システム100において通信装置81には、スピーカフォン2が接続されている。スピーカフォン2には、スピーカフォン3が接続されている。スピーカフォン3には、スピーカフォン4が接続されている。通信装置82には、スピーカフォン5が接続されている。スピーカフォン5には、携帯端末91及びスピーカフォン6が接続されている。スピーカフォン6には、通信装置83及び音出力装置93が接続されている。通信装置84には、スピーカフォン7が接続されている。スピーカフォン7には携帯端末92及び音出力装置94が接続されている。通信装置85には、スピーカフォン8が接続されている。スピーカフォン8には、音出力装置95が接続されている。携帯端末91及び携帯端末92は、例えば、携帯電話及びスマートフォンである。音出力装置94及び95は、ユーザが装着して使用するタイプの音出力装置である。音出力装置94は、例えば、ヘッドフォン、マイク付きヘッドフォン(ヘッドセット)、及びイヤホンである。以下では、複数のスピーカフォン2から8を総称する場合、及び複数のスピーカフォン2から8のうちいずれかを特定せずに指す場合には、「スピーカフォン1」という。
図2を参照して、スピーカフォン1の電気的構成について説明する。説明を簡単にするために本実施形態のスピーカフォン1は、互いに同じ構成を有するとする。スピーカフォン1は、CPU41,ROM42,RAM43及びUSBインターフェイス44を備えている。ROM42,RAM43,及びUSBインターフェイス44は、CPU41に接続されている。ROM42には、種々のプログラムデータ等が記憶される。RAM43には、一時的なデータが記憶される。
スピーカフォン1は更に、第一接続端子10,第二接続端子20及び第三接続端子30を備える。第一接続端子10は、少なくとも他のスピーカフォン1及び携帯端末と択一的に接続可能である。第一接続端子10は、他のスピーカフォン1及び携帯端末以外の機器と接続可能であってよい。本実施形態の第一接続端子10は、挿抜検出部11,第一出力部12,及び入力部13を備える4極コネクタである。第一接続端子10には、外部装置に接続されたケーブルの一端に設けられた4極プラグを接続可能である。挿抜検出部11は、第一接続端子10に接続されているか否かを機械的に検出する。挿抜検出部11は、図示しないがCPU41と電気的に接続されており、検出結果をCPU41に入力する。第一出力部12は、第一接続端子10を介して接続された外部装置に音データを出力可能である。入力部13は、第一接続端子10を介して接続された外部装置からの音データを入力可能である。4極プラグは、グランド端子(以下、GND端子という。)、Lch端子、Rch端子、及びマイク端子を有する。Lch端子は、Lch(Left channel)の音を入力するための端子である。Rch端子は、Rch(Right channel)の音を入力するための端子である。スピーカフォン1は、例えば、音データを、4極プラグのマイク端子、第一出力部12を介して、第一接続端子10に接続された他のスピーカフォン1又は携帯端末に送信することができる。また、スピーカフォン1は、例えば、第一接続端子10に接続された他のスピーカフォン1又は携帯端末から送信された音データを、Lch端子、Rch端子、及び入力部13を介して取得することができる。
第二接続端子20は、少なくとも他のスピーカフォン1及び音出力装置と択一的に接続可能な端子である。第一接続端子10は、他のスピーカフォン1及び音出力装置以外の機器と接続可能であってよい。第二接続端子20は、入出力部21及び第二出力部22を備える3極コネクタである。入出力部21は、第二接続端子20に接続された外部装置に応じて、音データを入力又は出力可能である。入出力部21は、第二接続端子20に他のスピーカフォン1が接続された場合、他のスピーカフォン1から出力された音データを入力可能である。入出力部21は、第二接続端子20に音出力装置が接続された場合、音データを出力可能である。第二出力部22は、第二接続端子20を介して接続された外部装置に音データを出力可能である。第二接続端子20には、外部装置に接続されたケーブルの一端に設けられた3極プラグを接続可能である。
第三接続端子30は、音データを入出力可能な端子であって、第一接続端子10及び第二接続端子20の各々とは別の規格の端子である。本実施形態の第三接続端子30は、USB(Universal Serial Bus)規格の端子である。第三接続端子30には、例えば、通信装置80又は電源供給装置が接続される。
スピーカフォン1は更に、内蔵マイク45,スピーカ46,合成回路51から53,可変ゲイン増幅器54から56,スイッチ61から65,基準電源(Vref)47,プルアップ抵抗48及びコンデンサ49を備える。内蔵マイク45は、周囲の音を音データに変換する。スピーカ46は、音データに基づき音を再生する。合成回路51から53は、音データを電気的に足し合わせる機能を備える。具体的には、合成回路51は、第二接続端子20の入出力部21,内蔵マイク45,及びUSBインターフェイス44と接続され、各々から入力された音データを電気的に足し合わせる機能を有する。合成回路52は、第一接続端子10の入力部13及びUSBインターフェイス44と接続され、各々から入力された音データを電気的に足し合わせる機能を有する。合成回路53は、第一接続端子10の入力部13,内蔵マイク45及び第二接続端子20の入出力部21と接続され、各々から入力された音データを電気的に足し合わせる機能を有する。
可変ゲイン増幅器54から56は、CPU41からの指令に応じて、音データのゲインを調整し、調整されたゲインに従って音データを増幅する。可変ゲイン増幅器54は、合成回路51と、第一出力部12との間に設けられている。可変ゲイン増幅器55は、合成回路52と、第二出力部22との間に設けられている。可変ゲイン増幅器56は、合成回路52と、スピーカ46との間に設けられている。
スイッチ61は、第二接続端子20の入出力部21及び合成回路51の間に設けられている。スイッチ61は、CPU41からの指令に応じて、入出力部21が接続される経路を、入出力部21及び合成回路51を繋ぐ経路と、入出力部21及び合成回路52を繋ぐ経路とのいずれかに切り替える。スイッチ62は、第二接続端子20の第二出力部22及び合成回路52の間に設けられている。スイッチ62は、CPU41からの指令に応じて、第二接続端子20の第二出力部22と接続する経路を、第二出力部22及び合成回路52を繋ぐ経路と、第二出力部22及び可変ゲイン増幅器55を繋ぐ経路とのいずれかに切り替える。スイッチ63は、合成回路52及びスピーカ46の間に設けられている。スイッチ63は、CPU41からの指令に応じて、合成回路52と接続する経路を、合成回路52及びスピーカ46を繋ぐ経路と、合成回路52及び第二接続端子20を繋ぐ経路とのいずれかに切り替える。スイッチ64は、USBインターフェイス44及び合成回路51の間に設けられている。スイッチ64は、CPU41からの指令に応じて、USBインターフェイス44から合成回路51に音データを伝達する経路の遮断及び接続を切り替える。スイッチ65は、合成回路53及びUSBインターフェイス44の間に設けられている。スイッチ65は、CPU41からの指令に応じて、合成回路53からUSBインターフェイス44に音データを伝達する経路の遮断及び接続を切り替える。
基準電源47は、基準電圧を印加する。基準電圧は、例えば1.6Vである。プルアップ抵抗48は、基準電源47と第二接続端子20の入出力部21との間に電気的に接続された抵抗体である。基準電源47及びプルアップ抵抗48は、第二接続端子20に接続された外部装置の種類を、電圧判断端部57の電圧(第二電圧)に基づき判断するために設けられている。電圧判断端部57は、プルアップ抵抗48の基準電源47側とは反対側の端部である。コンデンサ49は、電圧判断端部57と、合成回路52の間に設けられている。コンデンサ49は、第二接続端子20への音出力装置の接続が解除された場合に、第二電圧を基準電圧に確実に戻すために設けられる。
図3を参照して、スピーカフォン1のメイン処理について説明する。メイン処理は、音声会議システム1内の複数のスピーカフォン1の各々で実行される処理である。図1に示すメイン処理は、スピーカフォン1の電源がONにされた場合に開始され、電源がOFFにされた場合に終了する。メイン処理は、ROM42に記憶されているプログラムに基づき、CPU41によって実行される。
図3に示すように、CPU41はまず、挿抜検出部11の検出結果に基づき、第一機器がスピーカフォン1に接続されているか否かを判断する(S1)。第一機器は、第一接続端子を介してスピーカフォン1に接続された機器である。第一接続端子10に携帯端末が接続された場合、携帯端末からスピーカフォン1に電圧が印加されるため、第一接続端子10に携帯端末が接続されていない場合に比べ、第一電圧が高くなる。第一電圧は、第一機器が第一接続端子10に接続されたことに起因する電圧である。一方、スピーカフォン1の構成によっては、第一接続端子10に他のスピーカフォン1が接続された場合の第一電圧と、第一接続端子10に他のスピーカフォン1が接続されていない場合の第一電圧とは同様である場合がある。そこで本実施形態のスピーカフォン1は、S1の処理で、挿抜検出部11の検出結果に基づき第一機器の有無を検出する。
第一機器がスピーカフォン1に接続されていない場合(S1:NO)については後述する。図1のスピーカフォン3から7のように、第一機器が第一接続端子10に接続されている場合(S1:YES)、CPU41は第一電圧が1V以上か否かを判断する(S2)。本実施形態では、検出点58の電圧を第一電圧とする。検出点58は、可変ゲイン増幅器54と第一出力部12との間にあるとする。検出点58はCPU41と信号線で接続され、第一電圧はCPU41に入力される。CPU41内部に備えられる非図示のA/Dコンバータによって、第一電圧の値が取得される。第一電圧は、第一機器が他のスピーカフォン1である場合と、携帯電話である場合とで異なる。具体的には、第一機器が携帯端末である場合、携帯端末からスピーカフォン1に電圧が印加されるため、第一接続端子10に携帯端末が接続されていない場合に比べ、第一電圧が高くなる。一方本実施形態では、第一機器が他のスピーカフォン1である場合、第一接続端子10に他のスピーカフォン1が接続された場合の第一電圧と、第一接続端子10に外部装置が接続されていない場合の第一電圧とは同様である。故に、S2の処理によって、第一機器が携帯端末であるか、他のスピーカフォン1であるかを判別する。なお、S2における第一電圧の閾値は、第一機器の種類、特に、携帯端末であるか、他のスピーカフォンであるかを判別することを考慮して設定されている。このため、第一機器の種類及び判別精度等に応じてS2における閾値は適宜変更されてよい。
第一電圧が1V未満の場合(S2:NO)は後述する。図1のスピーカフォン5及び7では、第一電圧が1V以上であると判断される(S2:YES)。CPU41は、スイッチ64,65の各々に指令を出力して、スイッチ64,65の各々を閉じさせる(S3)。S3の処理によって、第三接続端子30を介した音データの入出力が可能となる。CPU41は、可変ゲイン増幅器54に対して、可変ゲイン増幅器54のゲインに小を設定するための指令を出力する(S4)。S4の処理によって、可変ゲイン増幅器54におけるゲインに小が設定される。ゲインに小が設定された場合は、ゲインに大が設定される場合に比べ、可変ゲイン増幅器54での音データの増幅率が小さくなる。したがって、可変ゲイン増幅器54に同じ音データが入力された場合に、ゲインに小が設定された場合は、ゲインに大が設定される場合に比べ、可変ゲイン増幅器54を経た音データが表す音の大きさは小さい。S4の処理は、音データが表す音の大きさを大きくするための回路が携帯端末に備えられていることを考慮した処理である。
CPU41は、第二電圧が0.3V以上であるか否かを判断する(S5)。第二電圧は、第二機器が第二接続端子20に接続されたことに起因する電圧である。第二機器は、第二接続端子20を介して接続された機器である。本実施形態では、電圧判断端部57の電圧を第二電圧とする。電圧判断端部57は、入出力部21とスイッチ61との間にあるとする。電圧判断端部57はCPU41と信号線で接続され、第二電圧はCPU41に入力される。第二電圧は、第二機器が音出力装置である場合と、第二機器が他のスピーカフォン1である場合とで異なる。第二接続端子20に外部装置が接続されていない場合、第二電圧は基準電圧となる。本実施形態では第二機器が他のスピーカフォン1である場合、第二電圧は約0.7Vとなるとする。本実施形態では第二機器が音出力装置である場合、第二電圧は約0Vとなるとする。なお、第二電圧に基づき第二機器を特定する処理で用いる閾値は、上記0.3Vに限定されず、適宜変更されてよい。CPU41内部に備えられる非図示のA/Dコンバータによって、第二電圧の値が取得される。
図1のスピーカフォン5では、第二電圧が0.3V以上であると判断される(S5:YES)。この場合、第二接続端子20には、外部装置が接続されていないか又は他のスピーカフォン1が接続されていることが想定される。CPU41は、スイッチ63に指令を出力し、スイッチ63にスピーカ46及び合成回路52を接続させる(S10)。S10の処理によって、スピーカ46は音データに基づき音を再生可能となる。CPU41は、スイッチ61に指令を出力し、スイッチ61によって第二接続端子20の入出力部21及び合成回路51を繋ぐ(S11)。CPU41は、スイッチ62に指令を出力し、スイッチ62に第二接続端子20の第二出力部22及び可変ゲイン増幅器55を介さずに合成回路52接続させる(S11)。S11の処理によって、第二接続端子20の入出力部21が接続される経路が、合成回路51を介して第一出力部12と接続する第一経路となる。
図1のスピーカフォン7では、第二電圧が0.3V未満であると判断される(S5:NO)。この場合、CPU41は、スイッチ63に指令を出力し、合成回路52及び第二接続端子20を接続する(S12)。S12の処理によって、スピーカ46は音データに基づき音を再生不能となる。CPU41は、スイッチ61に指令を出力し、スイッチ61に第二接続端子20の入出力部21及びコンデンサ49を接続させる(S13)。CPU41は、スイッチ62に指令を出力し、スイッチ62によって第二接続端子20の第二出力部22及び可変ゲイン増幅器55を介して合成回路52を繋ぐ経路を接続する(S13)。S13の処理によって、第二接続端子20の入出力部21が接続される経路が、コンセンサ49を介して合成回路52と接続する第二経路となる。
図1のスピーカフォン3,4及び6の各々は、第一機器がスピーカフォン1に接続され(S1:YES)、第一電圧が1V未満であると判断される(S2:NO)。この場合CPU41は、スイッチ64,65の各々に指令を出力して、スイッチ64,65の各々を開く(S6)。S6の処理によって、第三接続端子30を介した音データの入出力が不能となる。
図1のスピーカフォン2及び8では、第一機器がスピーカフォン1に接続されていないと判断される(S1:NO)。この場合、スピーカフォン1の上流側には、他のスピーカフォン1が接続されていないことになる。このためCPU41は、S3の処理と同様の処理を行う(S7)。S6又はS7の次にCPU41は、可変ゲイン増幅器54に対して、可変ゲイン増幅器54のゲインに大を設定するための指令を出力する(S8)。S8の処理によって、可変ゲイン増幅器54における増幅率が大に設定される。ゲインに大が設定された場合、ゲインに小が設定される場合に比べ、可変ゲイン増幅器54での音データの増幅率が大きくなる。
CPU41は、第二電圧が0.3V以上であるか否かを判断する(S9)。図1のスピーカフォン6,8では、第二電圧が0.3V未満であると判断され(S9:NO)、前述のS12の処理を実行する。図1のスピーカフォン2から4では、第二電圧が0.3V以上であると判断され(S9:YES)、S14及びS15の処理を実行する。S14の処理はS10と同様であり、S15の処理はS11と同様である。S11,S13,S15のいずれかの次にCPU41は、終了の指示が入力されていなければ(S18:NO)、処理をS1に戻る。終了の指示は、スピーカフォン1の電源がOFFにされた場合に入力される。終了の指示が入力された場合(S18:YES)、CPU41はメイン処理を終了する。
スピーカフォン1は、本発明の音データ処理装置に相当する。内蔵マイク45,及びスピーカ46は各々、本発明のマイク、及びスピーカに相当する。第一接続端子10,第一出力部12,及び入力部13は各々、本発明の第一接続端子、第一出力部、及び入力部に相当する。第二接続端子20,入出力部21,及び第二出力部22は、本発明の第二接続端子、入出力部、及び第二出力部に相当する。第三接続端子30は、本発明の第三接続端子に相当する。S1及びS2の処理を実行するCPU41は、本発明の第一判断手段として機能する。S5及びS9の処理を実行するCPU41は、本発明の第二判断手段として機能する。S3,S6及びS7の処理を実行するCPU41は、本発明の第一切替制御手段として機能する。S10,S12及びS14の処理を実行するCPU41は、本発明の第二切替制御手段として機能する。合成回路53は本発明の第一合成手段として機能する。S4の処理を実行するCPU41は、本発明の音データ調整手段として機能する。挿抜検出部11は、本発明の検出手段に相当する。基準電源47,プルアップ抵抗48及びコンデンサ49は各々、本発明の、基準電源、プルアップ抵抗及びコンデンサに相当する。合成回路52は、本発明の第二合成手段として機能する。スイッチ61は、本発明の切替手段に相当する。S13の処理を実行するCPU41は、本発明の第三切替制御手段として機能する。
上記実施形態のスピーカフォン1は、第一接続端子10と、第二接続端子20とを備え、両者を利用して、複数のスピーカフォン1を直列に接続可能である。スピーカフォン1は更に、第三接続端子30を備え、第三接続端子30を介して音データを入出力可能である。スピーカフォン1は、複数のスピーカフォン1がデイジーチェーン接続した状態で、第三接続端子30を介して、音データを入出力可能である。スピーカフォン1は、第一接続端子10に他のスピーカフォン1が接続されているか否かに応じて、第三接続端子30を介した音データの入出力を許可するか否かを自動的に切り替えることができる。スピーカフォン1は、第二接続端子20に他のスピーカフォン1が接続されているか否かに応じて、スピーカ46により音を出力するか否かを自動的に切り替えることができる。このためスピーカフォン1は、これらの切替をユーザが手動で実行する場合に比べ、自身と接続された機器に応じた処理を容易に実行可能である。
スピーカフォン1が第一接続端子10を介して他のスピーカフォン1に接続されている場合、スピーカフォン1はデイジーチェーンの一部であり、第一接続端子10を介して接続された他のスピーカフォン1の下流側の装置を構成していると想定される。そこでスピーカフォン1は挿抜検出部11の検出結果と、第一電圧とに基づき、第一機器がスピーカフォン1であるか否かを判断する(S1:YES,S2:NO)。そしてスピーカフォン1は、第一接続端子10に他のスピーカフォン1に接続されている場合、第三接続端子30を介して音データを入出力する処理を禁止する(S6)。これによりスピーカフォン1は、第三接続端子30から入力された音データに基づき、デイジーチェーンを構成する上流側の他のスピーカフォン1とは異なる音が再生されることを回避することができる。またスピーカフォン1は、デイジーチェーンを構成する他のスピーカフォン1とは別に、第三接続端子30を介して音データを通信装置80に出力することを不能とする。したがって、スピーカフォン1は、自身がデイジーチェーンの一部を構成する装置であるが、最上流の装置ではないと判断される場合には、第三接続端子30を介した音データの入出力を禁止することができる。一方、スピーカフォン2,5,7及び8のように、第二接続端子20に他のスピーカフォン1が接続され、第一接続端子10に他のスピーカフォン1が接続されていない場合、最上流の装置であると想定される。スピーカフォン1は、第二接続端子20に他のスピーカフォン1が接続されていても、第一接続端子10に他のスピーカフォン1が接続されていなければ、第三接続端子30を介して音データを通信装置80に入出力することを禁止しない。スピーカフォン1がデイジーチェーンの最上流の装置である場合には、第三接続端子30を介して通信装置80と音声データの入出力が可能である。このようにスピーカフォン1は、デイジーチェーンを構成するスピーカフォン1において、個々に音データの入出力が許可される場合比べ、音データを第三接続端子30を介して通信装置80に出力する処理の統制を図ることができる。
特に音声会議システム100においては、デイジーチェーン接続されたスピーカフォン1の各々において、同じ音データに基づき、同じ音が再生されることが好ましい。また、デイジーチェーン接続されたスピーカフォン1の各々から収集される音を表す音データが取得され、他の通信装置80に送信されることが好ましい。上記実施形態の音声会議システム100においては、デイジーチェーン接続されたスピーカフォン1の各々において、同じ音データに基づき、同じ音が再生される。またデイジーチェーン接続されたスピーカフォン1の各々で生成された音データは、上流側の他のスピーカフォン1に出力され、合成回路51又は53によって、最終的に1つの音データに合成される。スピーカフォン1は、自身がデイジーチェーンの一部を構成すると判断される場合には、自身が最上流の装置であるときに、スイッチ64,65を制御して、第三接続端子30を介した音データの入出力を可能とすることができる。スピーカフォン1は、デイジーチェーン接続された場合、自身が生成した音データを上流側の他のスピーカフォン1に出力し、複数のスピーカフォン1から出力される音データを1つのデータにまとめて、他の通信装置80に送信することができる。したがって、スピーカフォン1は、デイジーチェーン接続された複数のスピーカフォン1の一部について、音データが他の通信装置80に送信されない事態を回避できる。スピーカフォン1は、デイジーチェーン接続された複数のスピーカフォン1が、個別に音データを音声会議システム100の他の通信装置80に送信することを回避できる。
スピーカフォン1は、第二機器が音出力装置である場合には、スピーカ46から音を出力させない。スピーカフォン1は、第二機器に応じて、スピーカ46により音を出力するか否かをユーザが手動で切り替える手間を省くことができる。スピーカフォン1は、第一機器が携帯端末である場合には、合成回路51のゲインの設定を、第一機器は他のスピーカフォンであると判断された場合に比べ小さくすることができる(S2:YES,S4)。これによりスピーカフォン1は、スピーカフォン1から出力された音データが携帯電話で再生された場合にも、音の大きさが大きすぎるという事態を回避することができる。
スピーカフォン1は、第一電圧と挿抜検出部11の検出結果に基づき、第一機器が他のスピーカフォン1であるか、携帯端末であるかを検出可能である。このためスピーカフォン1は、第一機器の種類に応じた処理を自動的に実行することができる。
スピーカフォン1は基準電源47,プルアップ抵抗48及びコンデンサ49という、比較的簡単な構成によって、第二電圧に基づき、第二接続端子20に何も接続されていない場合と、音出力装置が接続された場合と、他のスピーカフォン1が接続された場合とを識別することが可能である。このためスピーカフォン1は、第二機器の種類に応じた処理を自動的に実行することができる。
本発明の音データ処理装置は、上記した実施形態のスピーカフォン1に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。例えば、以下の(A)から(C)までの変形が適宜加えられてもよい。
(A)スピーカフォン1の構成は適宜変更されてよい。例えば、挿抜検出部11,基準電源47,プルアップ抵抗48及びコンデンサ49の各々は、必要に応じて省略されてよい。合成回路51から53の各々は、必要に応じて省略されてよい。合成回路51から53の各々の機能の一部又は全部を、CPU41によって実現してもよい。可変ゲイン増幅器54から56の各々は、必要に応じて省略されてもよい。可変ゲイン増幅器54から56の各々の機能の一部又は全部を、CPU41によって実現してもよい。音データ処理装置は、スピーカフォン1に限定されず、マイクを備えない装置であってもよい。第一接続端子、第二接続端子及び第三接続端子の構成は各々適宜変更されてよい。例えば、第三接続端子は、USB規格の端子に限定されず、他の規格の端子であってもよい。
(B)図3のメイン処理を実行させるための指令を含むプログラム及び各種設定値は、スピーカフォン1がプログラムを実行するまでに、スピーカフォン1が備える記憶機器に記憶されればよい。したがって、プログラム及び設定値の取得方法、取得経路及びプログラムを記憶する機器の各々は適宜変更されてよい。スピーカフォン1が備えるプロセッサが実行するプログラム及び設定値は、ケーブル又は無線通信を介して、他の装置から受信し、フラッシュメモリ等の記憶装置に記憶されてもよい。他の装置は、例えば、PC,及びネットワーク網を介して接続されるサーバを含む。
(C)図3のメイン処理の各ステップは、CPU41によって実行される例に限定されず、一部又は全部が他の電子機器(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。また、上記処理の各ステップは、複数の電子機器(例えば、複数のCPU)によって分散処理されてもよい。また上記実施形態のメイン処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加が可能である。さらに更に、スピーカフォン1が備えるCPU41からの指令に基づき、スピーカフォン1上で稼動しているオペレーティングシステム(OS)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上記実施形態の機能が実現される場合も本発明の範囲に含まれる。例えば、スピーカフォン1が実行するメイン処理において、以下の変形が適宜加えられてもよい。
(C−1)第一機器がスピーカフォン1である場合と、第一機器が携帯端末である場合と、第一接続端子10に外部装置が接続されていない場合とで、第一電圧が異なる場合には、挿抜検出部11を省略してよい。この場合例えば、S1の処理は省略し、第一電圧に関する2つの閾値を用いて、第一機器がスピーカフォン1である場合と、第一機器が携帯端末である場合と、第一接続端子10に外部装置が接続されていない場合とを判別してもよい。
(C−2)携帯端末において、音データの音量を自動調整する場合等には、S4,S8の処理を省略してよい。
(C−3)S3,S6及びS7において、第三接続端子30を介した音データの入出力の許可及び禁止の切替は、スイッチ64,65を用いて機械的に行う他、CPU41によって第三接続端子30を介した音データの入出力の許可及び禁止を制御してもよい。同様にS10,S12及びS14において、スピーカ46による音データの再生の許可及び禁止の切替は、スイッチ63を用いて機械的に行う他、CPU41によってスピーカ46に対する音データの出力の有無を切り替えてもよい。