JP5854392B2 - 暴走しない人工知能装置 - Google Patents

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Description

この発明は逐次、入力した情報から自律的に知識体系を構築するとともに、構築した知識体系を活用して状況の分析および問題の識別を実施し、問題を解決するための情報検索、処理を実施するプログラムの起動、問題解決に必要な情報の生成と知識体系への組み込みを実施し、自律的に問題を処理するとともに更なる知識の向上を行う人工知能、ロボットおよび、その機能を実現するソフトウェアに関するものである。
入力した情報に関して情報の源泉、信頼性、新規性、分野、テーマ、主語、主語の修飾、述語、述語の修飾、修飾関係、文の種類、数式、化学式、記号、いつ、どこで、誰が、何を、どのように、なぜ、したのか、および記録している関連情報との関係を分析し情報を検索し易い構造に整理するとともに有用と判断した情報を自律的に記録し、情報と情報の間に関係性を有した知識体系として構築する。また入力した情報を内部に構築した知識体系と照合して評価し、評価結果に応じた処理(情報の記録、知識体系の更新・改良、指示内容の実行、質問に対する回答)を自律的に実施する。問題解決に必要な記録ユニットを逐次、励起していくことにより問題を解決するための処理および処理プログラムの識別と起動を自律的に実行し、問題を解決する。また、人工知能の中で構築される知識体系が現実に整合して処理できるかという「記号接地問題」を解決した「暴走しない」人工知能、ロボットおよび、その機能を実現するソフトウェアに関するものである。
機械に入力情報の処理等を行わせる場合、機械に搭載した計算機にあらかじめプログラム言語により作成したプログラムを組込み、実行することにより実現する。あらかじめ設定された条件が検出されると対応する動作が実行されるようにプログラムを作成する。条件の検出および対応する動作が適切でなければ、計算機に実装したプログラムを修正する。その他の従来の技術としてはエキスパートシステム、ニューラルネットワークを使用した人工知能技術がある。
エキスパートシステムはルール群から構成されるプログラムであり、固定である推論エンジンと可変である知識データベールから構成されている。推論エンジンは規則群を用いた推論を行っており、推論の論理としては命題論理、述語論理、認識論理、様相論理、時相論理、ファジー論理等が規則群として使用されている。知識データベースは一般的に専門家の知識を入力することにより構成するが、定式化してみると規則間で矛盾している等の問題が文献等において指摘されている。
ニューラルネットワークでは、一般的に入力層、中間層、出力層の人工ニューロンをシリアルに接続し、人工ニューロン間の接続はシナプス学習させることにより実施する。シナプス学習としては誤差逆伝搬法(バックプロパゲーション)が一般的に用いられているが、バックプロパゲーションは下記に示すような欠点が文献等にて指摘されている。
・バックプロパゲーションでは、人工ニューロンで使われる伝達関数が可微分でなければ ならない。
・バックプロパゲーションによる学習での収斂は非常に遅い。
・バックプロパゲーションによる学習は、必ず収斂するとは限らない。
・広域的な最適解ではなく局所的な誤差最少点に収斂することが多い。 等
本人工知能装置の機能についてプログラム(関数)を使用して実現する場合には、次のような機能を具備する必要がある。数々の処理を行うプログラム(関数)(注1:本人工知能装置の構成要素であるパターン記録ユニットはプログラムの関数に相当する機能も有している)の集合から問題を識別および解決するのに最適なプログラム(関数)を自律的に抽出し、プログラム(関数)の実行により変化した状態に対して再度、状況分析、問題の識別および問題を解決するプログラム(関数)の起動を実施していく。問題を解決するために使用する一連のプログラム(関数)の呼び出しは人間の指示または学習により個々のプログラム(関数)の接続情報記録部(注2:現在のプログラム(関数)ではこのような機能は無い)に記録した関連するプログラムとの接続情報とプログラム(関数)の起動履歴との相関またはプログラム(関数)間の接続関係(注3:現在のプログラム(関数)ではこのような機能は無い)を使って実施する。つまり本人工知能装置の動作は個々のプログラム(関数)が状況に応じて適切なプログラム(関数)を自律的に起動していくことに相当する。このようにプログラム(関数)の呼び出しは状況に応じて適切なプログラム(関数)を呼び出す方式となっており、処理の手続きを全て事前に定義する必要があるプログラミングとは大きく異なる。またプログラム(関数)で使用する変数、定数およびプログラム(関数)で生成した出力は連想記憶システムにおける情報の記録および検索のように柔軟にプログラム(関数)間で相互に利用することができる。本人工知能装置における動作についてプログラム(関数)を使用した言葉で表現すると以上のようになるが、この動作例で示した機能は従来の人工知能用プログラムの機能には無いものである。
入力された情報から問題解決の手法を学習し、自律的に問題解決する人工知能は従来無い。また入力した情報に関して情報の源泉、信頼性、新規性、分野、テーマ、主語、主語の修飾、述語、述語の修飾、修飾関係、文の種類、数式、物理式、化学式、記号、いつ、どこで、誰が、何を、どのように、なぜ、したのか、および記録している関連情報との関係を分析し情報を検索し易い構造に整理して記録するとともに有用と判断した情報を自律的に記録し、情報と情報の間に関係性を有した知識体系として構築する人工知能、ロボットおよびソフトウェアは従来無い。また入力した情報を内部に構築した知識体系と照合して評価すること、一連の入力情報から常識および一般的な考え方を自律的に構築していくこと、一連の問題と解決方法に関する入力情報から類似の問題の解決方法を自然言語から自律的に生成することができる人工知能、ロボットおよびソフトウェアは従来無い。
入力した情報から自律的に知識体系を構築するとともに、構築した知識体系を活用して状況の分析および問題の識別を実施し、問題を解決するための情報検索、処理を実施するプログラムの起動、問題解決に必要な情報の生成と知識体系への組み込みを実施し、自律的に問題を処理するとともに更なる知識の向上を行うことができる人工知能、ロボットおよびソフトウェアは従来無い。
従来は機械に入力情報の処理等を行わせる場合、計算機にあらかじめプログラムを設定する必要があった。入力した情報から状況を判断するプログラム、個々の条件に応じて機械に動作させるプログラムを作成し、機械に搭載した計算機に実装し実行する必要があった。プログラムは専用のプログラム言語により作成する必要があり、開発に多大な時間を要する等のデメリットがあった。入力した情報を内部に構築した知識体系と照合して評価すること、一連の入力情報から常識および一般的な考え方を自然言語から自律的に構築していくことは困難であった。また人工知能の中で構築される知識体系が現実に整合して処理できるかという「記号接地問題」に関して明快に答えることが困難であった。
本発明では人間の指示および学習により情報および情報の構造を分析・記録する処理を実施し、情報間の関係をパターン間の接続関係およびパターン間の処理により知識体系として構築していく。入力した情報に関して情報の源泉、信頼性、新規性、分野、テーマ、主語、主語の修飾、述語、述語の修飾、修飾関係、文の種類、数式、化学式、記号、いつ、どこで、誰が、何を、どのように、なぜ、したのか、および記録している関連情報との関係を分析し情報を検索し易い構造に整理して記録し、有用と判断した情報を自律的に記録し知識体系として構築するとともに入力した情報を内部に構築した知識体系と照合して評価し、評価結果に応じた処理(情報の記録、知識体系の更新・改良、指示内容の実行、質問に対する回答)を自律的に実施する。情報に含まれている単語の一部を一般化し、逐次入力される情報と情報の有意な関係を情報に対応するパターンの集合とパターンの集合との関係を強化することにより抽出し、一連の入力情報から常識および一般的な考え方を自律的に構築していく。また一連の問題と解決方法に関する自然言語による入力情報から類似の問題の解決方法を自律的に生成する人工知能、ロボットおよびソフトウェアを実現する。さらに人工知能の中で構築される知識体系が現実に整合して処理できるかという「記号接地問題」を解決し、「暴走しない人工知能」を実現する。さらに問題解決にあたっては構築した知識体系を活用するとともに、問題解決に必要な処理プログラムを自律的に起動し処理結果を知識体系に組み込んで知識体系の向上を図っていく人工知能を実現する。
人間の思考は言語、数、数式、記号等により表現される。また、言語は単語の組合せにより表現されるので、人間の思考は単語、数、数式、記号の組合せで表現することができる。単語、数、数式、記号をそれぞれに対応するパターンに変換すると、人間の個々の思考は個々のパターンの組合せとして表現することができ、人間の思考の変遷はパターンからパターンへの変化としてとらえることができる。
パターンは文および文章のように概念を表現することも可能である。また、パターンは逐次、関連するパターンを励起し、励起したパターンに数々の処理を実行させることが可能である。パターンの励起をトリガーとして処理プログラムを起動し、その結果を別のパターンに取り込むことも可能である。さらに、画像情報、情報の処理および動作を行うために駆動装置を駆動するための信号を生成することも可能である等、扱うことができる範囲が非常に広い概念である。
単語、数、数式、記号に対応するパターンを生成すると、様々な概念はこれらのパターンの組合せで表現することができる。単語、数、数式、記号からパターンへの変換は識別できるものであれば特に形式に制約は無い。本発明の実施例では各単語に識別番号を割り当てることにより実施した。(例えば「私」という単語の単語識別番号は「0」、助詞の「は」の単語識別番号は「1」、「先生」「2」、・・・「立方体」「101」、「球」「102」、「密度」「103」、「重さ」「104」・・・等々)新規の単語が発生した場合には識別番号を逐次追加することにより対応することができる。数々の思考・概念はパターンの組合せ(実施例では各単語、記号に対応付けした識別番号の組合せを主語、述語、修飾関係を識別した構造に整理している)で表現することができる。
人間の思考または情報をパターンとして表現し、パターンからパターンへの自律的な遷移を実現するために本発明に特有の記録ユニットを使用している。図21に記録ユニットの機能概要を示す。記録ユニットは情報に関する各種の内容を記録している。記録する内容の例としては、情報の内容を表現するパターン、情報間の関係を表現する他の記録ユニットとの接続情報(接続数、接続先、接続先との関係性)、記録ユニットが励起するための条件(照合条件、合致条件)、パターンの分析結果(情報の源泉、信頼性、新規性、分野、テーマ、文の種類)等がある。
文の種類としては、平常文、疑問文、命令文、条件文、真実、事実、規則、常識、定義、論理、説明、仮説、予測、意見、感想、噂、数式、化学式、記号等を識別し分析結果として記録する。また、情報の内容であるパターンは主語、主語の修飾、述語、述語の修飾、修飾関係、文の種類、数式、物理式、化学式、記号、いつ、どこで、誰が、何を、どのように、なぜ、したのか、および記録している関連情報との関係を分析し、情報を検索し易い構造に整理して記録する。情報が入力されると情報の分野、テーマ、文の種類、構文(主語、主語の修飾、述語、述語の修飾、修飾関係、文の種類、数式、物理式、化学式、記号、いつ、どこで、誰が、何を、どのように、なぜ、したのか)を分析し、記録している情報との照合を行い情報の価値(信頼性、新規性、妥当性、整合性、既知の情報との関係)を評価する。評価した結果、価値のある情報は分野、テーマ、既知の情報との関係を整理して記録器に記録する。
情報間の関係としては原因と結果、事象と理由、説明と結論、概略と詳細、類似の意味、反対の意見、本文と要約、本文と詳細情報等、様々なものがある。これらの関係性の設定は人間の指示または情報と情報の関係を学習することによる自律設定により実施する。
このように情報は関連情報と関係性を有した知識体系として記録されるので、ある情報が入力され、該当する記録ユニットが励起すると、励起した記録ユニットから関連する記録ユニットの情報(接続先、接続先との関係性)を呼び出し、適切な記録ユニットを逐次、励起し必要な情報を検索していくことが可能となる。記録ユニットの励起をモニターすることにより人工知能装置における処理の中心が現在どこにあるかを確認することができる。人間が思考する場合において、思考の中心が現在何かを確認することに相当する。また、従来型のプログラムで例えればコンパイルした命令コードの実行ポインタの位置をプログラム実行中に逐次、表示することに相当する。従来の人工知能では情報に含まれる単語を検索キーとして関連文書を検索し、欲しい情報との相関が大きいものを選択するという手法が主として取られている。従って、関連文書の情報に誤りがあっても、検索キーと相関が大きいものは回答として出力されるという欠点がある。本発明では入力情報を既に評価済みの知識体系と妥当性、整合性を評価した後に知識体系に組み入れていくので、人間が教育を受けながら正しく知能を向上させていくのと同様に誤った情報を排除しつつ知識体系を構築していくことができる。構築している知識体系には単語間の意味関係(同じ意味、反対の意味等)についても識別することができるので、誤った情報、規則、道徳に反する情報は仮に入力されても内部に構築した知識体系と整合性が取れないということを検出し、知識体系に組み込まずに廃棄することになる。また従来の人工知能技術(データ検索、ニューラルネットワーク)では人工知能が出力した結果の妥当性を詳細に評価することは困難である。なぜならば、データ検索では複雑な検索アルゴリズムを介して相関計算等が実施され結果が導かれるため、人間が理解する形式および論理で途中状況をトレースするのが難しいからである。またニューラルネットワークも多数の人工ニューロン間の結合を機械学習で強化していくことにより出力結果を生成するが、学習の過程を人間が理解できる形式、論理または言語でトレースするのが困難である。つまり、従来の人工知能技術(データ検索、ニューラルネットワーク)では処理の過程がブラックボックスであるという致命的な欠点を有している。(人工知能の自律化、機能、性能を高めていく段階で人工知能が暴走しないということを保証できない。)一方、本発明では各記録ユニットの情報(照合および合致(励起)の条件、パターン、パターン間の接続関係、接続関係のあるパターンとの関係性およびパターンの分析結果)は全て人間が理解できる言語、記号等をパターン化して表現したものである。また各記録ユニットと接続関係のある記録ユニットおよび接続の関係性についても明確であるので論理展開についても容易にトレースすることができる。本発明による人工知能装置は全ての処理過程がモニター可能であり、かつ人間が理解可能な形式、構造を有した透明性の高いシステムである。つまり本発明による人工知能装置は何故そのような結果を出力したのかを全て人間が理解できる形でトレースできるシステムとなっている。(人工知能の自律化、機能、性能を高めていく段階で人間が設定した規則、常識、道徳に関する知識を逸脱しないことを管理していくことができる。)
内部に構築する知識体系は真実、事実、規則、常識、定義、論理に基づいて構築し、これらと整合しない情報は知識体系に取り込まない。全処理は人間が理解できる言語または記号に対応したもので表示することができるので透明性のあるシステムとなっている。また人工知能の中で構築される知識体系が現実に整合して処理できるかという「記号接地問題」に関しては、本人工知能装置の知識体系は知識の源泉として人間が教示する現実に対応する「言語、文、文章、記号、数式、物理式、化学式」を逐次、パターンに変換し、情報間の関係をパターン間の接続関係として構造化したものであり、本質的に入力した情報に対応する「現実」と等価であり、整合性が取れたものとなっている。
さて、人工知能研究者の一部では「認知科学では、神経科学、認知心理学、情報科学、さらには文化人類学などの手法も交えて人間の知性についての研究を進めているが人間の知性の仕組み全体は分かっていない。従って人間の知性に相当する人工知能の実現は困難である。」との意見があるが、人間の知性の仕組み全体について完全には分からなくとも、人間の知性に相当する人工知能の実現は可能と考える。本人工知能装置は人間が築いてきた知性、知識を言語、文、文章等の情報として逐次、入力・評価していき、価値があると判断した情報を既に記録している知識との関係を分析して知識体系に自律的に組み込んでいく。入力情報を既に知識体系に記録している情報と比較・評価し、価値があると判断した情報に分析結果を付加し、さらに発展させるという方式で、自己組織的に構築した知識体系は人間の知性に相当するデータベースとなっている。
本人工知能装置は構築した知識体系を活用し、ある問題に関する関連データを検索する。検索された関連データと関係を有する情報に関しても、接続先、関係性を識別することができる。処理の過程(考え方のプロセス)において適切な関係性のものを逐次、選択していくことにより、複数の関連情報から適切なものに絞り込み、思考プロセスを適切な目標に向けて自律的に進めていくことが可能である。本人工知能装置は真実、事実、規則、常識、定義、論理に相当する情報を逐次入力していくことで、情報と情報の接続関係を自律的に生成していく。情報を入力すると情報に対応する数々のパターンが励起し、パターンの集合(概念)とパターンの集合(概念)との間の接続関係が人間の指示または学習により強化していく。文、文章は単独で存在するのではなく、文脈(コンテキスト)の中で位置づけされる。後に出現する文は前に出現した文の影響を受けている。この事を反映するメカニズムとして本人工知能装置は入力した文に応じて対応するパターンが励起し、励起したパターンの接続関係記録部には、当パターンが励起する前に励起したパターンの履歴が転写され、関連するパターンとの接続関係が逐次強化する機能を組み込んでいる。この機能により、文に対応するパターンは全て関連する文との関係、つまり文脈(コンテキスト)を踏まえて励起するように学習が進んでいく動作を実現することができる。このような情報間の接続関係を真実、事実、規則、常識、定義、論理に相当する情報について実施していくと、真実、事実、規則、常識、定義、論理に相当する知識体系を自律的に生成することができる。学習が進むと本人工知能は入力された情報が既に記録している情報と整合しているが、整合していないかの識別が可能となる。つまり、真実、事実、規則、常識、定義、論理に相当する知識、知性を獲得したことになる。
以下では従来の人工知能技術であるエキスパートシステム、ニューラルネットワーク、有限オートマトンおよび人工知能用プログラミング言語との相違について説明する。
エキスパートシステムはルール群から構成されるプログラムであり、固定である推論エンジンと可変である知識データベールから構成されている。推論エンジンは規則群を用いた推論を行っており、推論の論理としては命題論理、述語論理、認識論理、様相論理、時相論理、ファジー論理等が規則群として使用されている。知識データベースは一般的に専門家の知識を入力することにより構成するが、定式化してみると規則間で矛盾している等の問題が文献等において指摘されている。
一方、本発明における処理はプログラムのように固定ではなく、処理をパターンからパターンへの変化で表現している。処理はパターン間の接続を変更することにより変更可能である。エキスパートシステムでは規則群を用いた推論による論理展開(命題論理、述語論理、認識論理、様相論理、時相論理、ファジー論理等)のみが処理の対象であるが、本発明では論理展開以外の処理(関連性定義、新規性検出、分析、評価等)も可能であり、エキスパートシステムより柔軟性が高いシステムとなっている。また、エキスパートシステムが推論エンジン(固定)、知識データベース(可変)という半データ駆動のシステムであるのに対し、本発明では関数、処理もデータ的に扱うことが可能であり、完全データ駆動のシステムとなっている。エキスパートシステムはルール群から構成されるプログラムであるため、プログラム言語の制約も受ける。本発明では、処理に関してもデータ的に扱える完全データ駆動のシステムであるため、処理の実行中に処理の変更、追加等を容易に実施することが可能である。これは処理を表現するパターンとパターンとの接続を変更することにより実施する。通常、プログラム言語によるプログラミング処理の場合、処理の変更を実施する場合は再プログラミングおよび再コンパイルが必要であるが、本発明では処理の変更、追加等は該当するパターンとパターンの接続関係をローカルに変更することにより実施できるので、再コンパイルのようにシステム全体を再構築する必要は無い。(記録ユニットに記録されている内容を変更することにより対応できる。)
次に有限オートマトンとの相違について説明する。有限オートマトンは、ある時点では1つの状態しかとらないという制約があり、この制約のため、本発明では実現可能である複数の状態を同時にとるという動作を実施することが困難である。人間の思考の内、意識に相当するものは1つの状態をとるという動作で表現することは妥当と考えるが(励起した思考が他の思考を抑制する動作を表現)、人間の無意識に相当する動作の表現としては、1つの状態しかとれないという制約は妥当でないと考える。(無意識の思考では思考間の抑制が弱く、複数の思考が並行して動作することが可能であるため)本発明においてはパターンの励起を1つに制約する必要はないので、有限オートマトンのような制約は無い。(意識および無意識に相当する思考をパターンとして表現できる。)無意識に相当する思考とは、意識に相当する思考のように明示的になる前段階の思考に対応するものを想定している。また複数のパターン励起による並行処理が可能である。(並行処理におけるパターン間の干渉の問題は処理ラインを分離すること、または処理を時間的に分離することにより解決できる。)また、ある問題に対する解決策も1通りでなく、複数通りある場合がある。無理に1通りに絞り込むことなく、途中段階では並行して処理を進め、最終的に最適なものを選択するという動作が可能である。
以下ではニューラルネットワークとの相違について説明する。本発明では記録ユニット間の接続について非常に柔軟に対応することが可能である。パターンとパターンの接続は個々に指定して実施することが可能である。多対多の結合、多段の結合、フィードフォワード結合、フィードバック結合等、あらゆる結合を指定、設定することができる。一方、ニューラルネットワークでは、一般的に入力層、中間層、出力層の人工ニューロンをシリアルに接続し、人工ニューロン間の接続はシナプス学習させることにより実施する。シナプス学習としては誤差逆伝搬法(バックプロパゲーション)が一般的に用いられているが、バックプロパゲーションは下記に示すような欠点が文献等にて指摘されている。
・バックプロパゲーションでは、人工ニューロンで使われる伝達関数が可微分でなければ ならない。
・バックプロパゲーションによる学習での収斂は非常に遅い。
・バックプロパゲーションによる学習は、必ず収斂するとは限らない。
・広域的な最適解ではなく局所的な誤差最少点に収斂することが多い。 等
一方、本発明では記録ユニット間の接続にバックプロパゲーションのような、繰り返し型の最適値探索の手法は用いていないので、上記のような欠点を有さない。
最後に人工知能用のプログラミング言語との比較について示す。本発明では基本的な処理(パターンの検索、照合、比較、差異抽出、記録、出力、パターン間の演算処理等)についてはプログラミング言語での実装を想定しているが、個々の思考に対応する個別処理に対応する箇所についてはパターンを分析し分析結果に応じて制御を行うデータ駆動型のシステムとなっているため個々にプログラミングすることは不要である。入力した情報(言語)を評価し、評価結果に応じて処理を進めていくシステムである。記録ユニットが逐次、励起していくことで記録ユニットの内容が実施される。状況に応じて励起する記録ユニットを変更することができるので、数々の処理を非常に柔軟に構成することができる。当然、通常のプログラムのように決まったシーケンスで処理を逐次、実施していくことも可能である。ある問題を解決するための手順を条件付き処理として記録ユニットに記録すると、一連の手順は条件付き処理のグループとして定義され、条件付き処理に対応する記録ユニットのグループが構成されることになる。条件に応じて記録ユニットが励起すると、その記録ユニットに定義された条件の成立性を確認しながら次の処理に対応する記録ユニットを励起していき、一連の手順が実行されていく。
本人工知能装置の機能についてプログラム(関数)を使用して実現する場合には、次のような機能を具備する必要がある。数々の処理を行うプログラム(関数)(注1:本人工知能装置の構成要素であるパターン記録ユニットはプログラムの関数に相当する機能も有している)の集合から問題を識別および解決するのに最適なプログラム(関数)を自律的に抽出し、プログラム(関数)の実行により変化した状態に対して再度、状況分析、問題の識別および問題を解決するプログラム(関数)の起動を実施していく。問題を解決するために使用する一連のプログラム(関数)の呼び出しは人間の指示または学習により個々のプログラム(関数)の接続情報記録部(注2:現在のプログラム(関数)ではこのような機能は無い)に記録した関連するプログラムとの接続情報とプログラム(関数)の起動履歴との相関またはプログラム(関数)間の接続関係(注3:現在のプログラム(関数)ではこのような機能は無い)を使って実施する。つまり本人工知能装置の動作は個々のプログラム(関数)が状況に応じて適切なプログラム(関数)を自律的に起動していくことに相当する。このようにプログラム(関数)の呼び出しは状況に応じて適切なプログラム(関数)を呼び出す方式となっており、処理の手続きを全て事前に定義する必要があるプログラミングとは大きく異なる。またプログラム(関数)で使用する変数、定数およびプログラム(関数)で生成した出力は連想記憶システムにおける情報の記録および検索のように柔軟にプログラム(関数)間で相互に利用することができる。本人工知能装置における動作についてプログラム(関数)を使用した言葉で表現すると以上のようになるが、この動作例で示した機能は従来の人工知能用プログラムの機能には無いものである。
本発明の方式では処理の実行中に処理の変更、追加等を容易に実施することが可能である。通常、プログラム言語によるプログラミング処理の場合、処理の変更を実施する場合は該当する箇所のプログラム再設計、再プログラムのインストールおよび再コンパイルが必要であるが、本発明では処理の変更、追加等は該当するパターンとパターンの接続関係をローカルに変更することにより実施できるので、再コンパイルのようにシステム全体を再構築する必要は無い。また、プログラミング言語では、プログラムで使用する変数、定数、関数等の名称は厳密に指定しないと動作しない。これに対して本発明では個々の情報を自然言語に対応するパターンとして表現し、処理はパターン間の接続により実施するので、類似のパターンでの処理を可能にする等、多少の曖昧さがあっても動作するシステムを構築することも可能である。つまり、多少の曖昧さがあっても処理が可能であるという、より人間の思考処理に近いシステムの構築が可能である。(情報の検索は自然言語に対応したパターンを使い、同じ意味の文の検出、新規性の検出、記録している情報との整合性確認、相違点抽出等が可能である。)
また、通常のプログラミングでは変数、定数の定義および処理の内容を事前に決めておく必要があるため、処理結果に応じて多くの分岐が生じるような処理の実現には多大な労力を要する。(現実的には複雑過ぎて実現が困難な場合が多い。)一方、本発明では処理に使用する変数および定数に対応する情報の検索は自然言語(単語、記号)を組み合わせたパターンを使用することにより実施しており、より人間の思考に近い情報の検索方式となっている。所謂、連想記憶システムにおける情報の記録および検索の機能も有したシステムとなっているため、処理に使用する変数、定数に対応する情報の格納場所を事前に厳密に定義しておく必要は無い。新規の情報が発生した段階で自然言語(単語、記号)の組み合わせたパターンを検索キーとして逐次、登録・記録することができる。また登録・記録した情報を自然言語(単語、記号)の組み合わせた検索パターンで容易に検索することができる。これによりプログラミングにおける使用する変数および定数を事前に定義する必要があるという制約に縛られないシステムを構成することができる。
さらに、処理の内容については条件付き処理を状況(パターンおよびパターンの分析結果により条件の成立性を識別する)に応じて条件に対応する処理を実施し、実施した処理において、さらに条件付き処理が出現すれば、その条件を分析し処理を決定するという方式で逐次処理を進めていくことが可能である。従って、人間が問題解決するのと同じ思考プロセス(条件文の集合)を自然言語で定義することにより、本人工知能装置はその内容を逐次、解釈し必要な処理を進めていくことができる。処理の結果、新しく生成される情報は処理に応じて適切な単語の組合せを検索キーとして記録するので、別の処理において生成した情報を使用する場合でも容易に検索することができる。つまり生成した情報、知識を知識体系に組み込み、将来において必要になった場合に活用することが容易にできるシステムとなっている。通常のプログラミングでは使用する変数、定数および処理の全てについて事前に定義しておく必要があるが、本発明では処理の結果生成した新規の情報を逐次、知識体系に組み込み、別の処理において知識体系に組み込まれた情報を適宜、検索して処理を進めていくことができる。また情報の検索対象も知識体系全体、直近に処理した処理結果に限定する等、処理に応じて適切に選択することが可能である。
以上では本発明の特徴について説明したが、本人工知能装置に従来型の処理プログラムを組み込み、本人工知能装置の柔軟性(自然言語の解釈、構築した知識体系の活用、自律機能、学習機能等)を有しつつ指定した処理を逐次実施していくというハイブリッドなシステムも当然のことながら実施可能である。
本発明の人工知能装置は従来の人工知能、ロボット等で採用しているエキスパートシステム、有限オートマトン、ニューラルネットワーク、リレーショナルデータベース、仮想テーブルおよび人工知能用のプログラミング言語の機能をカバーするのみならず、それらが有していない機能および柔軟性(完全データ駆動システム、機能拡張の柔軟性(局所的な変更で機能追加可能)、曖昧さを許容するシステムへの対応等、無意識(複数の状態)の模擬機能、並行処理への対応、変数および定数の厳密な定義が不要であること、自然言語ベースによる情報の検索が可能であること、条件付き処理の集合を定義することで様々な自律的処理が実施できること、処理のブラックボックス化を排除していること、接続の多様性(フィードフォワード、フィードバック、多対多結合等)、可微分性の制約が無いこと、バックプロパゲーションにおける収斂の問題が無い等)を有したシステムとなっている。
人間の思考は大きく2つに分類することができる。一つは思考の内容であり、もう一つは思考の仕方(手順、プロセス、考え方)である。本発明の実施例では思考の内容に関しては自然言語を変換したパターンとして定義し、思考の仕方に相当する箇所をプログラムで処理方法を設定することにより機能を実現している。思考の内容は多種多様であるが、思考の仕方は共通的、一般的、汎用的である。例えば、入力情報の処理としては文の種類(平常文、疑問文、命令文、条件文)に応じて対応する処理を設定することができる。平常文であれば入力情報の信頼性、妥当性を評価し、価値が有ると評価すれば知識体系に組み入れていく。疑問文であれば記録している知識体系から関連情報を検索し、適切な情報があれば回答として出力する。命令文であれば、過去に同様の命令を実施した経験の有無、実施手順、実施した場合の影響を評価し対応を決定する。条件文であれば、条件に相当する内容の成立性を知識体系または外部情報から分析し、分析結果に応じた処理を行う。以上に述べた思考の仕方に相当する部分をプログラムで処理方法を実装することにより、多種多様な思考の内容は自然言語のままで処理するシステムを実現することができる。従って、非常に柔軟性、拡張性のある人工知能が非常に小さな労力、開発コストで実現することが可能である。(従来の人工知能では思考の内容に相当する部分も逐一プログラムで実装する必要があり各機能の実現のためには大きな開発コストを要する。)図21に示した記録ユニットは本人工知能を動作させる上で、情報(思考、概念)から情報(思考、概念)への遷移を情報間の関係性を利用することで実現できることを示している。人間は思考する際に、思考内容をどのように変化させるかを関係性(原因と結果、事象と理由、説明と結論、概略と詳細、類似内容、反対の意見等)を使用して実施しており、本人工知能装置も情報(パターン)から情報(パターン)への遷移をパターン間の関係性を使用して遷移させることが可能である。ある情報が入力された場合、関連情報は多岐にわたるが、関連情報の内、各思考段階において適切な関係性(原因と結果、事象と理由、説明と結論、概略と詳細、類似内容、反対の意見等)を選択することにより思考のステップを思考の仕方に沿って適切な次ステップに移行させることができる。
記録ユニットの励起方法としては大きく分けて3通りある。一つ目はパターン制御器から検索用のパターンを各記録ユニットに照射し、相関のある記録ユニットを励起する方法である。(ソフトウェアでの実現方法としては検索用のパターンと各記録ユニットに記録しているパターンとの照合検索を実施する方法がある。)二つ目はパターン照射器から各記録ユニットの接続情報記録部に対し設定した期間分の励起履歴を照射し、励起条件を満足した記録ユニットを励起する方法である。(ソフトウェアでの実現方法としては励起履歴から一定期間分の履歴パターンを切り出し、各記録ユニットの接続情報記録部に記録しているパターンと照合し、励起条件を満足する記録ユニットを抽出する方法がある。)三つ目は記録ユニットに記録している関連する記録ユニットとの接続情報(接続数、接続先、接続先との関係性)を使い、適切な関係性を有する記録ユニットを励起する方法である。(ソフトウェでの実現方法としては選択された記録ユニットに記録している関連する記録ユニットとの接続情報(接続数、接続先、接続先との関係性)を読出し、次ステップの記録ユニットとして適切な(相応しい)関係性のものを抽出し、該当する関係性を有した記録ユニットの接続先を選択し、選択した記録ユニットを次に励起する(選択する)方法がある。)本人工知能装置ではこれら3通りの励起方法を各処理において適宜活用することにより、思考パターンを遷移させる上で最も適切な記録ユニットを励起するようにしている。記録ユニットの励起をモニターすることにより人工知能装置における処理の中心が現在どこにあるかを確認することができる。これは人間が思考する場合において、思考および概念の中心が現在何かを確認することに相当する。
本人工知能装置は自律学習の機能も有している。外部から入力した情報により該当する記録ユニットは逐次励起されていくが、この励起の履歴はパターン照射器に記録される。各記録ユニットが励起する毎に、励起した記録ユニットの接続情報記録部に励起履歴の一部(励起した時点から過去にさかのぼった一定期間の励起履歴)を転写することにより、励起した記録ユニットと励起に関係が強いと考えられる記録ユニットとの接続関係が逐次、強化される。入力情報が学習データである場合、学習データを逐次入力していくことにより、学習データ間の関係(論理関係、因果関係、時系列関係等)が強化される。学習完了後は一部の情報を入力すると、その情報に関連する学習データが逐次励起し、学習した内容が自動的に想起される。なお、各ステップにおいて複数の記録ユニットが同時に励起することが可能である。
本人工知能装置では入力情報の処理を個々にプログラムするのではなく、機械に情報と情報の関係を分析する方法、知識体系の構築の方法および問題解決の方法、入力した情報を一般化する方法等、入力情報の処理の方法を実装することにより実施することが可能である。(当然のことながら入力した情報の処理に関して、個々にプログラムして本人工知能装置に実施させることも可能である。)言語、数、数式、記号で表現された情報を解釈し、解釈した結果に応じて適切な処理を自律的に行う。従来では処理の内容はプログラムで表現されていたが、本発明では自然言語で表現された関連情報に対応するパターンを検索し、条件との照合、条件に応じた処理および分岐を実施することにより次ステップの処理を自律的に行うので、個々の処理の内容をプログラムする必要はなく、自然言語で処理の内容を指示することで済む。つまり各処理を逐次プログラムしていく必要は無く、既に自然言語で表されている知識を本人工知能装置の知識体系の源泉として活用することができる。(本人工知能装置は自然言語で入力した知識を逐次、対応するパターンへ変換して情報と情報の関係性を分析し、さらに整理して知識体系に組み込んでいく。)
入力した情報に関して情報の源泉、信頼性、新規性、分野、テーマ、主語、主語の修飾、述語、述語の修飾、修飾関係、文の種類、数式、化学式、記号、いつ、どこで、誰が、何を、どのように、なぜ、したのか、および記録している関連情報との関係を分析し情報を検索し易い構造に整理して記録するとともに、真理、真実、事実、専門知識、規則および常識を情報と情報の間に関係性を有した知識体系として構築する。
初期では人間が処理の方法を教示し、機械は人間から教示された方法を記録、学習していく。ある程度、学習が進むと機械は自律的に処理を実行するようになる。機械の処理結果を人間が確認し、処理が誤っていれば機械に通知し、処理の修正を適宜行う。学習はパターンとパターンとの関係を指定することにより実施する。自然言語で表現した文と文の関係を指定することにより機械は自動的にパターンとパターンとの関係として接続関係を生成していく。人間の思考プロセスは一般的に思考の内容と思考の仕方に区別することができる。思考の内容は多種多様であるが、思考の仕方は一般的、普遍的、共通的な特徴を有している。本発明では思考の内容に対応するパターンを思考の仕方に対応するパターンまたはプログラムで制御することにより思考のプロセスを適切かつ有意な方向に遷移させていく。情報と情報の関係も一対一の関係ではなく、多対多の関係である。ただし、その関係は一般化して対応づけることができる。例えば関係性は原因と結果、事象と理由、説明と結論、概略と詳細等のように識別することができる。思考パターンの遷移においては、思考段階に応じて各種の思考の仕方および情報と情報の関係の内、適切なものを選択していくことにより、効率的に思考パターンを目標に到達させることができる。このように従来では多種多様の処理を個別にプログラムする必要があったが、多種多様な処理に対応する部分は自然言語で設定し、思考の仕方および情報間の関係を選択する機能に関する部分をプログラムで実装することにより、大幅に開発に要する労力を削減することができる。なお、思考の仕方および情報間の関係の選択する機能に関してもプログラムでの実装ではなくパターン間の処理で実現することも可能である。
人間の思考を表現する言語をパターンに変換し、パターンおよびパターン間の関係を分析すると、文の種類(平常文、疑問文、命令文等)、特徴(真理、真実、事実、定義、規則、常識、説明、仮説、予測、意見、感想)および関係(原因と結果、事象と理由、説明と結論、概略と詳細等)を識別することができる。文の種類および特徴は人間が識別できるように、機械にも識別を学習させることが可能である。文の種類は文に含まれる単語を分析することにより、平常文、疑問文、命令文、条件文等の識別が可能である。文の特徴のうち、真理、真実、事実、定義、規則、常識については個々に関して人間が教示して機械に学習させる。これは各情報を機械に入力する際に、個々の情報の種類(真理、真実、事実、定義、規則、常識)についても識別し、付帯情報を付加して記録することにより実施できる。その他の情報の種類(説明、仮説、予測、意見、感想)の識別は文の種類が(真理、真実、事実、定義、規則、常識)として記録されていないことと、文に含まれる単語(だろう、考える、思う・・等)を分析することにより実施することができる。
言語をパターンに変換し、文を構成する単語に対応するパターンの集合として表現し、単語間の意味的な関係をパターンとパターンとの接続関係で表現すると、文のもつ意味をパターンとパターンの接続関係で表現することができる。入力した情報は語列から単語の識別、単語の特徴(品詞、意味)、文要素の分析、文の構造分析(主語、述語、主語の修飾、述語の修飾、修飾の関係)、文要素と文要素の関係分析(同じ意味、定義、反対の意味等)が実施され、文要素と文要素の関係をパターンとパターンの接続関係として対応付けることにより、情報と情報の意味の関係をパターンとパターンの接続関係に変換していく。パターンとパターンの関係は文要素と文要素だけでなく、文と文、文章と文章の関係についても設定することができる。これは、パターンをグループ化したものを新たなパターンとして定義することにより実施できる。パターンとパターンの関係(原因と結果、事象と理由、説明と結論、概略と詳細等)を示す特徴的な単語を検出すると、該当するパターン間に対応する関係を自律的に記録する。この記録されたパターン間の関係はパターン間の遷移を制御する際に活用することができる。
パターンとパターンの接続関係は論理関係、定義、帰属の関係、類似の関係、作用と結果の関係、推論の展開等、様々な関係を表現することが可能であり、また属性の継承、共通的特徴の継承と個々の特徴の識別ということも柔軟に表現することができる。
このように情報と情報の関係をパターンとパターンとの接続関係として設定していくことにより、情報は単独の状態で記録するのではなく、他の情報との関係をもった知識体系として記録することが可能となる。
情報と情報の関係は多岐の関係を有することになるが、情報間の関係(同じ意味、定義、反対の意味、類似、論理、原因、結果、詳細、概略、要約、関連情報等)をパターンの各処理フェーズ(思考プロセスの段階に対応)において適切なものを選択することにより、パターンからパターンの遷移を適切に制御することができる。
情報が入力されると情報に含まれている単語から意味を分析し、情報と等価な意味を示すパターンを生成する。このパターンは文の主語、述語、主語の修飾、述語の修飾、修飾関係を維持した状態で生成する。この生成したパターンを使って記録されているパターンと照合を行い、関連するパターンが存在するか否かの分析を行う。このように意味レベルで情報の検索を行うことができるので、文言が一致しなくても意味および内容的に関連のある情報を検索することが可能となる。所謂、連想記憶システムにおける検索を実施することができる。
新規に入力した情報は既に記録している知識体系と照合し、整合性および新規性について評価することができる。真理、真実、事実、定義、規則および常識として識別し記録している情報と整合しない場合は、その情報は誤っている可能性が高い。一方、整合しているか整合していないかの判断ができない場合は、その情報を判断できるだけの知識が未だ蓄えられていないと考えられるため、人間に通知し判断を求めることにする。人間がその情報は正しいと判断できる場合は、その結果を機械に通知することとする。機械はその情報を説明または仮説という位置づけで記録し、将来別の情報を得ることにより、真理、真実、事実、定義、規則および常識の組合せで論理展開し、整合性および妥当性を確認できた時に、評価を実施した信頼性の高い情報として識別し記録することとする。
このように、情報をパターンに変換し、情報の種類、特徴を識別、分類して記録し、情報と情報の関係(論理的な関係、類似関係、相反関係、類推等、様々な関係)をパターンとパターンの接続関係として表現することにより、情報を知識体系として構築することができる。
情報を知識体系として構築すると、知識体系を活用した問題解決が可能となる。まず、問題について知識体系を活用して分析し問題点の明確化および問題解決の目標を設定する。次に問題点を解決するための解決策案を抽出し適用する。適用後の状況を評価し、問題解決の目標に到達すれば処理としては完了になる。問題解決の目標に到達していなければ、再度新しい状態に対し、上記のプロセスを適用し、問題解決の目標に近づけていく。これらの処理についても自然言語で指示することにより、本機械はパターン間の接続関係に変換し処理を実行していく。状況に対応するパターンを分析することにより、問題が識別され、問題を解決する上で必要なパターンが逐次、励起し処理を実行する。処理により状況は変化し、変化した状況に対し更に同様のプロセスを作用させていくという方式で問題を解決していく。
問題の分析および問題点の明確化に関しても目標とする状態と現状の差異を検出、識別する方法を学習することにより実施する。また、各問題に対応する解決策も対応する処理を学習することにより実施する。学習はパターンの遷移の履歴を記録することにより行う。人間が教示した内容はパターンからパターンへの遷移として記録される。
学習が進むと、教示したプロセスはパターンからパターンへの遷移として自律的に実行され、教示した内容が実行されることになる。
人間の思考パターンの遷移は条件により遷移先が変わるという観点から、一般的に条件付き処理として表現することができる。本発明では言語の意味を解釈し、必要に応じて自律的に条件付処理に変換する。条件つき処理の条件がどのようなものであるかは、該当する言語から検索用のパターンを生成し、自律的に検索する。検索した情報が条件を満足するか否かの判断を実施し、満足する場合は該当する処理の実行を行う。人間が知識として使用している問題解決策を、そのまま言語として入力しても、その意味を逐次、解釈し条件付処理を自律的に進めていき問題を解決していく。処理の途中で新規の情報が必要な場合は、その情報要求を通知し、該当する適切な情報が獲得されると、その内容に応じた処理を実施する。
学習フェーズにおいては、パターンが励起すると、そのパターンが励起する以前の設定した期間において励起したパターンの履歴が参照され、励起したパターンとの接続関係が強化される。実用フェーズにおいては、記録した励起履歴の一部のデータを使用して各記録ユニットに記録した励起の条件と合致するかを確認し、励起の条件と合致した場合に該当パターンを励起する。パターンが励起すると、励起パターンの履歴が更新され、新しい状態において上記の動作を繰り返し、励起の条件と合致したパターンを逐次、励起していく。
学習フェーズにおいては人間の指示により処理に対応する一連のパターンを逐次、励起していき、その履歴を記録することにより、指示された手順に従って、該当のパターンが励起していく。パターンの動作は静的なものではなく、動的な挙動を示す。パターン内に記録している内部パターンを使用して、必要な情報を検索し、検索結果を必要な場所に格納する。また、パターンに記録している内部パターンを指定された配置に変換する等の処理を実施する。この様なダイナミックな挙動をするパターンを組み合わせることにより、数々の処理(数式処理、化学式処理、翻訳等)を実施させることができる。
本機械への教示はプログラミングすることなく、自然言語を逐次、入力していくことにより実施できる。入力した言語情報は構文、意味、既に記録されている情報との関係が分析され、分析結果に応じて、対応するパターンが励起し、処理が実行される。入力情報の価値評価と記録、指示された命令の実行、問題・課題に対する解決策の生成等、数々の処理の実施が可能である。
本機械の全体動作はパターン制御器にて管理する。各パターンの遷移サイクルで、情報入力、情報分析(文の種類、構文、意味等)、情報評価(新規性、信頼性、妥当性、有用性等)、情報処理(問題・課題の解決策の生成、記録、情報出力等)を実施する。
次に入力情報の一般化について説明する。
入力した文に含まれる単語の一部の特徴抽出および一般化を実施する。例えば、文中に出現する固有名詞は人物A、人物B、物C、物Dというように一般化する。逐次、文をパターンに変換し、変換したパターンを励起していく。この時、一般化したパターンも逐次、励起していくことになる。情報を数多く入力していくことにより、文を構成する特定のパターンとパターンの間の接続関係が強化されていく。入力した文は近傍の文と関係を有している。この関係は文を構成する単語と単語の関係で表現されるので、同じ関係は同一の単語間または類似の単語間の組合せで表現される場合が多い。文のパターンが励起する毎に、文に含まれる単語が励起するが、固有名詞等を一般化することにより、一般化した人物と人物または物との関係が強化されることになり、同様の文が出現する頻度が、固有名詞で表現した場合より多くなる。この効果により固有名詞に依存しない対象間の関係が抽出されることになる。また単語の特徴抽出により個々の単語間の関係では無く単語の特徴間の関係が抽出されるので特徴面からの一般化が可能となる。この関係は特定のパターンとパターンとの接続関係が強化するため検出することができる。特に多くの文例から強化された関係は、一般性を有することになり、常識または一般的な考え方に対応するものが抽出されていく。この常識または一般的な考え方は入力する文章群に依存する。つまり、ある文化に対応する文章群を入力すると、その文化に応じた常識または一般的な考え方が抽出されることになる。同一文化での文章群を入力した場合は考え方が同等と考えられるため、同一文化での多数により強化された考え方が抽出されることになる。
同様に数々の問題とその解決策について一部の単語の特徴抽出および一般化を実施して動作させることにより、問題とその解決策について一般化した関係を抽出することができる。情報入力による学習が進行すると本機械は類似の問題に対して解決方法を自律的に生成することができるようになる。
以下では情報を条件部と処理部に識別し文構造として整理した状態でパターン記録器に記録する動作について説明する。情報の単語を分析することにより情報の条件部と処理部を識別することができる。例えば、「A」「が」「B」「の時」「C」「を実施せよ」という文では[「A」「が」「B」「の時」]が条件部であり、[「C」「を実施せよ」]は処理部である。また、「A」「が」「B」「なら」「C」「は」「D」「である」という文では[「A」「が」「B」「なら」]が条件部であり、[「C」「は」「D」「である」]は処理部である。
このように文を条件部と処理部に分け、条件付処理のパターン間接続を有した構造に変換する。また、条件部のパターンが励起すると、自律的に条件部が成立しているか否かを確認する処理を励起するようにする。このように文を条件付き処理の構造を有したパターンに変換すると、条件付処理で表現できる文が逐次、条件の成立性を確認しながら処理を進めていくという能動的な思考動作を実現することができる。一般的に人間の問題解決、行動決定は条件付処理で表現することができる。人間の問題解決策および行動決定策を自然言語で入力することにより本機械は自律的に条件付処理に変換した上で、条件の成立性を確認しながら処理を進めていくという能動的な思考動作が可能となる。人間の問題解決および行動決定に相当する動作をプログラミングすることなく自然言語で表現された知識(問題解決および行動決定に関する手順および思考方法)を入力することにより、人間が思考により問題解決または行動決定するように問題解決または行動決定を自律的に実施することが可能となる。
図1はこの発明の一実施例における人工知能装置の構成を示した図である。図1において1は情報(言語、文章、知識、数式、記号、画像、音声)をパターンに変換するパターン変換器である。2は変換したパターン、パターンの照合および合致(励起)の条件、パターン間の接続関係、接続関係のあるパターンとの関係およびパターンの分析結果を記録する記録ユニットから構成されたパターン記録器である。3は入力した情報に関して情報の源泉、信頼性、新規性、分野、テーマ、主語、主語の修飾、述語、述語の修飾、修飾関係、いつ、どこで、誰が、何を、どのように、なぜ、したのか、文の種類(平常文、疑問文、命令文、条件文、真実、事実、規則、常識、定義、論理、説明、仮説、予測、意見、感想、噂)、数式、物理式、化学式、記号および記録している関連情報との関係を分析し情報を検索し易い構造に整理してパターン記録器に記録するパターン分析器である。4はパターン、パターンの照合および合致(励起)の条件、パターン間の接続関係、接続関係のあるパターンとの関係を自律的または人間の指示により登録、変更し、パターンの状態およびパターンの分析結果に応じてパターンの処理および制御を実施するパターン制御器である。5はパターンを情報に変換するパターン逆変換器である。6はパターンの励起の履歴を記録し、記録した励起履歴の情報を使用して状況の分析および問題の識別を実施し、問題解決に必要な記録ユニットを励起するパターン照射器である。
次に動作について説明する。
図1において1のパターン変換器は情報をパターンに変換する。変換したパターンは3のパターン分析器において分析され分析結果に応じた処理が実施される。2のパターン記録器は変換したパターン、パターンの照合および合致(励起)の条件、パターン間の接続関係、接続関係のあるパターンとの関係およびパターンの分析結果を記録する。入力したパターンをパターン記録器の記録ユニットと照合し、関連するパターンが記録されているか否かの確認を行う。入力したパターンと同じ、または同等のパターンが記録されていれば該当のパターンを励起し、記録されていなければ新規パターンとして登録し励起する。励起(合致)したパターンの履歴は6のパターン照射器に記録される。ある記録ユニットが励起すると、それ以前に励起したパターンの履歴のデータから当該パターンとの接続関係のデータを生成して当該パターンの記録ユニットの接続関係記録部に記録する。また記録した励起履歴の一部のデータを使用して各記録ユニットに記録した励起の条件と合致するか確認し、励起の条件と合致した記録ユニットを励起する。初期段階においてはパターンとパターンの接続生成は人間からの教示により実施する。
人間の思考は言語、数、数式、記号等により表現される。また、言語は単語の組合せにより表現されるので、人間の思考は単語、数、数式、記号の組合せで表現することができる。単語、数、数式、記号をそれぞれに対応するパターンに変換すると、人間の個々の思考は個々のパターンとして表現することができ、人間の思考の変遷はパターンからパターンへの変化としてとらえることができる。
パターンは文および文章のように概念を表現することも可能である。また、パターンは逐次、関連するパターンを励起し、励起したパターンに数々の処理を実行させることが可能である。プログラミング言語において数々の処理を定義した関数の機能も有する。パターンの励起をトリガーとして処理プログラムを起動し、その結果を別のパターンに取り込むことも可能である。さらに、画像情報、情報の処理および動作を行うために駆動装置を駆動するための信号を生成することも可能である等、扱うことができる範囲が非常に広い概念である。
本発明では入力情報の処理を個々にプログラムするのではなく、機械に情報と情報の関係を分析する方法、知識体系の構築の方法および問題解決の方法、入力した情報を一般化する方法等、入力情報の処理の方法を実装することにより実現する。言語、数、数式、記号で表現された情報を解釈し、解釈した結果に応じて適切な処理を自律的に行う。従来では処理の内容はプログラムで表現されていたが、本発明では自然言語で表現された関連情報を検索、条件との照合、条件に応じた処理および分岐を実施することにより次ステップの処理を自律的に行うので、個々の処理の内容をプログラムする必要はなく、自然言語で処理の内容を指示することで済む。本発明では人工知能装置が自然言語で指示された内容を解釈し自律的に状況の判断、問題の識別を実施し、問題の解決に必要な情報の検索、処理を実施するプログラムの起動、問題解決に必要な情報の生成と知識体系への組み込みを実施する。また入力した情報に関して情報の源泉、信頼性、新規性、分野、テーマ、主語、主語の修飾、述語、述語の修飾、修飾関係、文の種類、数式、化学式、記号、いつ、どこで、誰が、何を、どのように、なぜ、したのか、および記録している関連情報との関係を分析し情報を検索し易い構造に整理して記録するとともに、真理、真実、事実、専門知識、規則および常識を知識体系として構築する。
初期では人間が処理の方法を教示し、機械は人間から教示された方法を記録、学習していく。ある程度、学習が進むと機械は自律的に処理を実行するようになる。機械の処理結果を人間が確認し、処理が誤っていれば機械に通知し、処理の修正を適宜行う。学習はパターンとパターンとの関係を指定することにより実施する。自然言語で表現した概念と概念の関係を指定することにより機械は自動的にパターンとパターンとの関係として接続関係を生成していく。人間の思考プロセスは一般的に思考の内容と思考の仕方に区別することができる。思考の内容は多種多様であるが、思考の仕方は一般的、普遍的、共通的な特徴を有している。本発明では思考の内容に対応するパターンを思考の仕方に対応するパターンまたはプログラムで制御することにより思考のプロセスを適切かつ有意な方向に遷移させていく。情報と情報の関係も一対一の関係ではなく、多対多の関係である。ただし、その関係は一般化して対応づけることができる。例えば関係性は原因と結果、事象と理由、説明と結論、概略と詳細等のように識別することができる。思考パターンの遷移においては、思考段階に応じて各種の思考の仕方および情報と情報の関係の内、適切なものを選択していくことにより、効率的に目標に到達させることができる。このように従来では多種多様の処理を個別にプログラムする必要があったが、多種多様な処理に対応する部分は自然言語で設定し、思考の仕方および情報間の関係を選択する機能に関する部分をプログラムで実装することにより、大幅に開発に要する労力を削減することができる。なお、思考の仕方および情報間の関係を選択する機能に関してもパターン間の処理で実現することも可能である。
図2はパターンの例について示している。入力した文は主部(主語と主語の修飾)および述部(述語と述語の修飾)に整理する。述語の修飾は、さらに、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように実施したのかに整理する。このように整理して格納すると情報を検索する上で非常に有益である。入力した単語パターンは文内パターンとして格納される。単語と単語間の関係は分析され、文要素(主語、述語、修飾語)および修飾関係が分析される。
図3は語列から単語、品詞・意味、文要素、文要素間関係および修飾関係が逐次、識別されていく動作について示したものである。語が入力されると、語検出領域において、入力された語に対応(合致)する記録ユニットが励起する。語に対応する記録ユニットが逐次、励起していくと、語列に対応する単語が検出され、単語に対応する記録ユニットが励起する。各単語に対応する記録ユニットの接続関係記録部には、各単語に対応する語列との接続関係が生成されているので、パターン照射器において語列の履歴が照射されると、相関が大きいことが検出され、当該記録ユニットが励起する。単語パターンが励起すると、単語に対応する単語の品詞・意味のパターンが励起する。次に単語の品詞の出現パターンに応じて文要素および文要素間の修飾関係が検出される。修飾する単語が複数あり、修飾される単語と離れて位置し、どの単語がどの単語を修飾しているか品詞の順番だけで識別することが困難な場合は、単語の意味も使用した識別を実施する。(修飾する単語と修飾される単語の組合せの成立性を検出することにより識別することができる。)文要素間の関係(主語、述語、修飾関係)が識別されると、文要素間の関係が記録される。この関係から入力された文は、主部(主語と主語の修飾)および述部(述語と述語の修飾)に整理され、述語の修飾は、さらに、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように実施したのかに整理され、文内パターンとして記録ユニット内に構造化した状態で格納される。
次に入力した文がどのように分析され、記録ユニット内の文内パターンとして記録されるかについて説明する。
図4は時事文の例を示している。本文例を図3の処理により分析していく手順について示している。単語を検出すると、同時に単語の品詞および意味が分析される。品詞として名詞、動詞、形容詞、形容動詞、副詞、助詞等が識別される。名詞と助詞のタイプから主語の識別、修飾語の識別が実施される。修飾する単語が複数あり、修飾される単語と離れて位置し、どの単語がどの単語を修飾しているか品詞の順番だけで識別することが困難な場合は、単語の意味も使用した識別を実施する。修飾する単語と修飾される単語の組合せの成立性を検出することにより識別することができる。修飾関係を逐次、トレースすることにより、主語の修飾、述語の修飾部を識別することができる。述語の修飾部として、何を(O)、いつ(H1)、どこで(H2)、なぜ(H3)、どのように(H4)実施したのかを識別する。これは各文要素の助詞を識別することにより、修飾関係の途中か、それとも各修飾の文要素の区切りかを識別することにより実施できる。以上に述べた分析により、主語の修飾、主語、述語の修飾部(何を、いつ、どこで、なぜ、どのように)、述語を識別することができる。この分析結果は文内パターンの接続関係として定義され、図2における文内(単語)パターン接続情報として記録される。このような分析を実施することにより文が複文(文の中に文が存在し、単語の修飾等を実施する文)を厳密に解釈することができる。通常、文の中には複数の主語、述語、修飾語が存在する場合が多いが、どの主語と述語が主であり、その他のものが何を修飾しているのかを厳密に識別することができる。入力文に対しこの分析を実施することにより、文と文の関係を厳密に識別することができる。文の主語、述語、修飾語対応で比較することにより、多様な比較(形式的比較、意味的な比較、比較箇所の指定等)ができる。また、過去に記録している文から情報を検索する時に、どの情報(どのような、誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように、何をしたのか)を検索したいのかを指定することができるので、欲しい情報をダイレクトに検索することができる。
次に欲しい情報を検索する方法について説明する。
質問文を上記で説明したように主語、主語の修飾、述語、述語の修飾(何を、いつ、どこで、なぜ、どのように)の形に変換する。この時、質問に対応する箇所については情報が
する検索パターンを生成することができる。また質問の回答として期待する文要素が何なのか(主語、主語の修飾部、述語、述語の修飾部)について検索パターンに設定する。こ
から生成した検索パターンをパターン記録器に照射し、相関があるパターンを検索する。
が、あれば回答の候補となる。複文の場合は質問に対応する述語の階層が重要である。つまり、検索パターンを照射し、関連パターンを検索した時に、質問に対応する述語が励起した階層から回答を抽出することが重要である。複文で述語が複数、存在する場合に、どの述語に対応する回答を期待しているのかを識別する必要がある。
人間の思考を表現する言語をパターンに変換し、パターンおよびパターン間の関係を分析すると、文の種類(平常文、疑問文、命令文、条件文等)、特徴(真理、真実、事実、定義、規則、常識、説明、仮説、予測、意見、感想)および関係(原因と結果、事象と理由、説明と結論、概略と詳細等)を識別することができる。文の種類および特徴は人間が識別できるように、機械にも識別を学習させることが可能である。文の種類は文に含まれる単語を分析することにより、平常文、疑問文、命令文、条件文等の識別が可能である。文の特徴のうち、真理、真実、事実、定義、規則、常識については個々に関して人間が教示して機械に学習させる。これは各情報を機械に入力する際に、個々の情報の種類(真理、真実、事実、定義、規則、常識)についても識別し、付帯情報を付加して記録することにより実施できる。その他の情報の種類(説明、仮説、予測、意見、感想)の識別は文の種類が(真理、真実、事実、定義、規則、常識)として記録されていないことと、文に含まれる単語(だろう、考える、思う・・等)を分析することにより実施することができる。
言語をパターンに変換し、文を構成する単語に対応するパターンの集合として表現し、単語間の意味的な関係をパターンとパターンとの接続関係で表現すると、文のもつ意味をパターンとパターンの接続関係で表現することができる。入力した情報は語列から単語の識別、単語の特徴(品詞、意味)、文要素の分析、文の構造分析(主語、述語、主語の修飾、述語の修飾、修飾の関係)、文要素と文要素の関係分析(同じ意味、定義、反対の意味等)が実施され、文要素と文要素の関係をパターンとパターンの接続関係として対応付けることにより、情報と情報の意味の関係をパターンとパターンの接続関係に変換していく。パターンとパターンの関係は文要素と文要素だけでなく、文と文、文章と文章の関係についても設定することができる。これは、パターンをグループ化したものを新たなパターンとして定義することにより実施できる。パターンとパターンの関係(原因と結果、事象と理由、説明と結論、概略と詳細等)を示す特徴的な単語を検出すると、該当するパターン間に対応する関係を自律的に記録する。この記録されたパターン間の関係はパターン間の遷移を制御する際に活用する。
パターンとパターンの接続関係は論理関係、定義、帰属の関係、類似の関係、作用と結果の関係、推論の展開等、様々な関係を表現することが可能であり、また属性の継承、共通的特徴の継承と個々の特徴の識別ということも柔軟に表現することができる。
このように情報と情報の関係をパターンとパターンとの接続関係として設定していくことにより、情報は単独の状態で記録するのではなく、他の情報との関係をもった知識体系として記録することが可能となる。
情報と情報の関係は多岐の関係を有することになるが、情報間の関係(同じ意味、定義、反対の意味、類似、論理、原因、結果、詳細、概略、要約、関連情報等)をパターンの各処理フェーズ(思考プロセスの段階に対応)において適切なものを選択することにより、パターンからパターンの遷移を適切かつ有意に制御することができる。
情報が入力されると情報に含まれている単語から意味を分析し、情報と等価な意味を示すパターンを生成する。このパターンは文の主語、述語、主語の修飾、述語の修飾、修飾関係を維持した状態で生成する。この生成したパターンを使って記録されているパターンと照合を行い、関連するパターンが存在するか否かの分析を行う。このように意味レベルで情報の検索を行うことができるので、文言が一致しなくても内容的の関連のある情報を検索することが可能となる。所謂、連想記憶システムでの検索が可能である。
新規に入力した情報は既に記録している知識体系と照合し、整合性および新規性について評価することができる。真理、真実、事実、定義、規則および常識として識別し、記録している情報と整合しない場合は、その情報は誤っている可能性が高い。一方、整合しているか整合していないかの判断ができない場合は、その情報を判断できるだけの知識が未だ蓄えられていないと考えられるため、人間の判断を求めることにする。人間がその情報は正しいと判断できる場合は、その結果を機械に通知することとする。機械はその情報を説明または仮説という位置づけで記録し、将来的に別の情報を得ることにより、真理、真実、事実、定義、規則および常識の組合せで論理展開できた時に、評価を実施した信頼性の高い情報として識別し、記録することとする。
このように、情報をパターンに変換し、情報の種類、特徴を識別、分類して記録し、情報と情報の関係(論理的な関係、類似関係、相反関係、類推等、様々な関係)をパターンとパターンの接続関係として表現することにより、情報を知識体系として構築することができる。
図5は入力情報をどのように評価するかについて示したものである。第1段階では情報の信頼性評価を実施する。これは情報源(いつ、誰、何処からの情報か?)の信頼性を確認することにより実施可能である。
第2段階では情報の分野/テーマ分析を実施する。これは情報に含まれている単語から分野/テーマについて検出することが可能である。
第3段階では情報の種類識別を実施する。入力情報の種類の内、真理、真実、事実、定義、規則、常識については人間からの指定に従うこととする。説明、仮説、予測、意見、感想等については情報に含まれる単語(だろう、思う、考える・・等)から識別することが可能である。平常文、疑問文、命令文、条件文、感嘆文の識別についても含まれる単語から実施することが可能である。
第4段階では関心度評価を実施する。関心ある情報の分野/テーマを事前に設定しておき、情報の分野/テーマ分析結果と照合し合致するか否かを確認することにより評価することが可能である。
第5段階では新規性評価を実施する。これは入力情報および入力情報と意味的に等価なパターンを記録領域に照射し、関連するパターンの有無を確認する。関連するパターンが検出された場合はパターン間の相違点について比較し、新規パターンが有るか否かを評価することにより実施可能である。
第6段階では妥当性評価を実施する。これは入力情報と関連情報のパターンを単語間関係について定義した記録領域に照射し、文要素毎に整合、不整合を評価する。不整合が検出された場合は、入力情報と関連情報の信頼性(真理、真実、事実、定義、規則、常識、情報源の信頼度)を評価し、信頼性の高いものを優先的に採用し記録することとする。また、規則、常識、道徳等に反する情報は人工知能装置の知識体系に組み込まず棄却する。
図6〜図10は入力情報を評価し知識体系として構築する動作例について示したものである。
図6は情報の信頼性、分野、テーマ、関心度について分析する動作例を示している。
図7において入力情報のパターンが[PA]であるとすると、[PA]のパターンが単語の意味等を格納した記録領域に照射され、該当する単語の意味が検索される。この検索を文構造(主語、述語、主語の修飾、述語の修飾)に対応づけて実施することにより、入力情報と意味的に等価なパターンを生成することができる。この意味的に等価なパターンを[PA#]と表現することにする。入力情報から関連情報を検索する場合、数々の検索方法を使用することができる。入力情報と厳密に一致する情報、意味的に等価な情報、一部が一致する情報等、検索の目的により選択することが可能である。
図8は意味的に等価なパターン[PA#]を照射し、関連する情報として[PB]が検出されたことを示している。[PB]に関しても同様に意味分析をすることにより、意味的に等価なパターン[PB#]を生成することができる。
図9は入力情報と既に記録している関連情報との関係について分析について示している。[PA#]と[PB#]の差異から一致するパターン、異なるパターンを抽出することができる。また[PA#]と[PB#]を単語間の関係定義(等価、類似、反対等)している記録領域に照射することにより、意味的な相違点について検出することができる。
単語間の関係定義された記録領域では各単語間の関係が接続関係により識別されている。このため、入力情報が励起した単語と、関連情報が励起した単語が意味的に同じであれば、同じ意味を示すパターンが励起し、意味が同じであるとの識別ができる。逆に入力情報が励起した単語と、関連情報が励起した単語が意味的に反対であれば、反対の意味を示すパターンが励起し、意味が反対であるとの識別ができる。図10は入力情報の有用性を評価し、有用であると評価された場合は情報の種類、分野、テーマ、関心度等の識別結果を付帯情報として追加し、所定の記録領域に記録する動作を示している。
このように情報を知識体系として構築すると、知識体系を活用した問題解決が可能となる。まず、問題について知識体系を活用して分析し問題点の明確化および問題解決の目標を設定する。次に問題点を解決するための解決策案を抽出し適用する。適用後の状況を評価し、問題解決の目標に到達すれば処理としては完了になる。問題解決の目標に到達していなければ、再度新しい状態に対し、上記のプロセスを適用し、問題解決の目標に近づけていく。
問題の分析および問題点の明確化に関しても目標とする状態と現状の差異を検出、識別する方法を学習することにより実施する。また、各問題に対応する解決策案も対応する処理を学習することにより実施する。学習はパターンの遷移の履歴を記録することにより行う。人間が教示した内容はパターンからパターンへの遷移として記録される。
学習が進むと、教示したプロセスはパターンからパターンへの遷移として自律的に実行され、教示した内容が実行されることになる。
人間の思考パターンの遷移は条件により遷移先が変わるという観点から、一般的に条件付き処理として表現することができる。本発明では言語の意味を解釈し、必要に応じて自律的に条件付処理に変換する。条件つき処理の条件がどのようなものであるかは、該当する言語から検索用のパターンを生成し、自律的に検索する。検索した情報が条件を満足するか否かの判断を実施し、満足する場合は該当する処理の実行を行う。人間が知識として使用している問題解決策を、そのまま言語として入力しても、その意味を逐次、解釈し条件付処理を自律的に進めていき問題を解決していく。処理の途中で新規の情報が必要な場合は、その情報要求を通知し、該当の情報が獲得されると、その内容に応じた処理を実施する。
学習フェーズにおいては、パターンが励起すると、そのパターンが励起する以前の設定した期間において励起したパターンの履歴が参照され、励起したパターンとの接続関係が強化される。実用フェーズにおいては、記録した励起履歴の一部のデータを使用して各記録ユニットに記録した励起の条件と合致するか確認し、励起の条件と合致した記録ユニットを励起する。パターンが励起すると、励起パターンの履歴が更新され、新しい状態において上記の処理を実施し、各記録ユニットに記録した励起の条件と合致するか確認し、励起の条件と合致した記録ユニットを逐次、励起し処理に関する情報を自律的に検索していく。
この様に、学習フェーズにおいて人間の指示により処理に対応する一連のパターンを逐次、励起していき、その履歴を記録することにより、指示された手順に従って、該当のパターンが励起していく。パターンの動作は静的なものではなく、動的な挙動を示す。パターン内に記録している内部パターンを使用して、必要な情報を検索し、検索結果を必要な場所に格納することができる。また、パターンに記録している内部パターンを指定された配置に変換する等の処理も可能である。この様なダイナミックな挙動をするパターンを組み合わせることにより、数々の処理(数式処理、化学式処理、翻訳等)を実施させることができる。パターンはプログラミング言語における関数の機能を包含している。
本機械への教示はプログラミングすることなく、自然言語を逐次、入力していくことにより実施できる。入力した言語情報は構文、意味、既に記録されている情報との関係が分析され、分析結果に応じて、対応するパターンが励起し、処理が実行される。入力情報の価値評価と記録、指示された命令の実行、問題・課題に対する解決策の生成等、数々の処理の実施が可能である。
本機械の全体動作はパターン制御器にて管理する。各パターンの遷移サイクルで、情報入力、情報分析(文の種類、構文、意味等)、情報評価(新規性、信頼性、妥当性、有用性等)および情報処理(問題・課題の解決策の生成、記録、情報出力等)を実施する。
図11は指示内容の実行例について示したものである。入力文(言語)から条件付き処理を識別し、自律的に条件の成立性を確認しながら処理を実行していく動作について示したものである。入力文を分析することにより、入力文に対応するパターンから条件に対応する文内パターンを抽出し条件検索のための検索パターン[PQ]を生成する。検索パターン[PQ]をパターン記録器に照射することにより検索パターンの中の条件に対応するパタ
る情報を記録しておく。仮にパターン記録器内に条件に関する情報が記録されていない場合は、その旨を通知し、情報の追加入力を要求する。
条件に対応する情報が検索されると、この情報と入力文で記載されている条件との照合を実施する。照合結果が合致するか、否かに応じて処理を決定する。照合が合致した場合は、入力文に記載されている処理に対応するパターンを励起し、処理を実行する。
図12は入力した言語(質問)を分析し、自律的に質問に対する回答を生成する動作について示したものである。入力した文が質問であることを検出すると、入力文に含まれている文内パターンから質問に対応する検索パターンを生成する。入力文は既に主語、述語、主語の修飾、述語の修飾(何を、いつ、どこで、なぜ、どのように)について分析されているので、検索パターンは文要素の内、どの箇所の情報が質問の対象となっているかを識別できる。この識別結果から検索パターンを生成する。次に検索パターンをパターン記録器に照射し、関連情報を検索する。検索パターン照射により相関を示したパターンの内、検索パターンと最も高い相関を示し、質問の対象としている箇所に情報を有したパターンを検索結果として格納する。必要に応じて、検索結果が期待している回答の条件を満足しているか確認する処理を追加する。検索結果および検索パターンから質問に対する回答に対応するパターンが生成され出力される。パターンはパターン逆変換器において情報(言語)に変換し出力する。
図13は励起したパターンの履歴がパターン照射器に記録される動作について示している。ある記録ユニットが励起すると、それ以前に励起したパターンの履歴のデータから当該パターンとの接続関係のデータを生成して当該パターンの記録ユニットの接続関係記録部に記録し、励起に関連するパターンとの接続関係が強化する動作について示している。パターン照射器は現時点から設定した過去までの励起パターンの履歴のデータと各記録ユニットの接続関係記録部に記録した接続関係のデータとを照合させ、相関が大きい記録ユニットを励起する。
図14は励起のパターンが繰り返し出現すると、該当するパターンとパターンとの接続関係が強化される動作について示している。
次に入力情報の一般化について説明する。
入力した文に含まれる単語の一部の特徴抽出および一般化を実施する。例えば、文中に出現する固有名詞は人物A、人物B、物C、物Dというように一般化する。逐次、文をパターンに変換し、変換したパターンを励起していく。この時、一般化したパターンも逐次、励起していくことになる。情報を数多く入力していくことにより、文を構成する特定のパターンとパターンの間の接続関係が強化されていく。入力した文は近傍の文と関係を有している。この関係は文を構成する単語と単語の関係で表現されるので、同じ関係は同一の単語間または類似の単語間の組合せで表現される場合が多い。文のパターンが励起する毎に、文に含まれる単語が励起するが、固有名詞等を一般化することにより、一般化した人物と人物または物との関係が強調されることになり、同様の単語、文が出現する頻度が、固有名詞で表現した場合より多くなる。
この効果により固有名詞に依存しない対象間の関係が抽出されることになる。また単語の特徴抽出により個々の単語間の関係では無く単語の特徴間の関係が抽出されるので特徴面からの一般化が可能となる。この関係は特定のパターンとパターンとの接続関係が強化するため検出することができる。特に多くの文例から強化された関係は、一般性を有しており、常識または一般的な考え方に対応するものが抽出される。この常識または一般的な考え方は入力する文章群に依存する。つまり、ある文化に対応する文章群を入力すると、その文化に応じた常識または一般的な考え方が抽出されることになる。同一文化での文章群を入力した場合は考え方が同等と考えられるため、同一文化での多数により強化された考え方が抽出されることになる。
図15は入力文の一部の単語を一般化または特徴抽出したパターンを生成し、一般化したパターンを逐次入力していき一般化した単語に対応するパターン間の接続関係を強化することにより常識および一般的な考え方を構築する動作例について示したものである。
同様に数々の問題とその解決策について一部の単語の特徴抽出および一般化を実施して動作させることにより、問題とその解決策について一般化した関係を抽出することができる。情報入力による学習が進行すると本機械は類似の問題に対して解決方法を自律的に生成することができるようになる。
図16は問題および解決策のパターンを一般化して入力しパターン間の接続関係を強化することにより問題および解決策を一般化する動作例について示している。
図17〜図20は入力した言語を変換したパターンを使用することにより、プログラミング無しで直接的に処理を実行する動作例について示している。
図17は入力文を文の種類を検出する記録領域に照射し、文の種類(平常文、疑問文、命令文、条件文)を識別し、文の種類に応じた処理シーケンスを呼び出す動作例について示している。図18は条件付処理に対応する入力文(言語)が入力すると、条件の成立性について確認するパターンを励起することにより、条件に対応する情報を自律的に検索し、検索した情報を入力文に記載されている条件と照合した際に、合致すれば対応する処理を実行する動作について示している。
図19は言語で記録されている知識を活用し問題を自律的に解決していく動作例について示している。対象の状態を示すパターンを呼び出し、目標の状態との差異を検出する。差異を示すパターンから原因・課題を分析するパターンおよび対応する対応策のパターンを励起する。対応策に対応するパターンを実行し状態が変化すると、変化した状態について目標の状態に到達するまで上記の処理を繰り返す。
図20は情報を条件部と処理部に識別し文構造として整理した状態でパターン記録器に記録する動作例について示したものである。情報の単語を分析することにより情報の条件部と処理部を識別することができる。例えば、「A」「が」「B」「の時」「C」「を実施せよ」という文では[「A」「が」「B」「の時」]が条件部であり、[「C」「を実施せよ」]は処理部である。また、「A」「が」「B」「なら」「C」「は」「D」「である」という文では[「A」「が」「B」「なら」]が条件部であり、[「C」「は」「D」「である」]は処理部である。
このように文を条件部と処理部に分け、条件付処理のパターン間接続を有した構造に変換する。また、条件部のパターンが励起すると、自律的に条件部が成立しているか否かを確認する処理を励起するようにする。このように文を条件付き処理の構造を有したパターンに変換すると、条件付処理で表現できる文が逐次、条件の成立性を確認しながら処理を進めていくという能動的な思考動作を実現することができる。一般的に人間の問題解決、行動決定は条件付処理で表現することができる。人間の問題解決策および行動決定策を言語(文)で入力することにより本機械は自律的に条件付処理に変換した上で、条件の成立性を確認しながら処理を進めていくという動作が可能となる。人間の問題解決および行動決定に相当する動作をプログラミングすることなく言語(文)で表現された知識(問題解決および行動決定に関する手順および思考方法)を入力することにより、人間が思考により問題解決または行動決定するように問題解決または行動決定を実施することが可能となる。
図26〜図64は本発明にもとづいて製作したプログラムの動作例について示したものである。本プログラムは情報の処理の内、多種多様な処理に対応する部分は自然言語で設定し、思考の仕方および情報間の関係を選択する機能に関する部分をプログラムで製作している。記録ユニットおよびパターン照射器の機能はプログラム言語の配列を使用して実現した。(記録ユニットの接続関係記録部は3次元配列を使用し、ユニット毎に各ステップにおける接続先との接続関係を記録している。各ユニットにおけるパターン、パターン間の接続関係および接続関係のあるパターンとの関係性は2次元配列を使用することにより機能を実現した。またパターン照射器における励起履歴の記録も2次元配列を(記録容量の増大を回避するため)巡回的に使用することにより実現した。)
語列を入力すると該当する語に対応する記録ユニットが逐次、励起していく。単語に対応する記録ユニットの接続関係記録部には単語の語列に対応するパターンが記録されており、該当する語列がパターン照射器から照射されると、対応する単語の記録ユニットが励起する。単語に対応する記録ユニットが励起すると単語の意味、品詞に対応する記録ユニットも逐次励起していく。つまり語列に対応する記録ユニットが逐次、励起していくと、単語、単語の意味、単語の品詞に対応する記録ユニットも逐次、励起していくことになる。単語、単語の意味、単語の品詞に対応する記録ユニットが逐次、励起していくと、文要素(主語、主語の修飾、述語、述語の修飾)を検出し、構文分析が実施される。構文分析により新規に入力された文は主語、主語の修飾、述語、述語の修飾が識別され整理した形で記録ユニットに記録されていく。
図26〜図30は例文を入力し、語列から単語、単語の意味、品詞が識別され、さらに文要素(主語、述語、修飾語)が識別される動作について示している。構文分析を実施し文要素が識別されると翻訳が容易となるため各単語または文要素に対応する英単語に対応する記録ユニットの情報も併記している。日本語の文要素に対応する英語の文要素も同時に生成することができる。構文分析により、主部、述部、主語、主語の修飾、述語、述語の修飾、修飾の関係が明確となっているので、英単語に変換した文要素を英語の英文法に従って適切な配列に変換することで基本的な翻訳を実施することができる。日本語では一般的に述語が最後の方に位置し、修飾は前から逐次、次の文要素にかけて施す場合が多い。英語においては主語の後に述語が位置し、その後に述語を修飾する修飾語、さらにその修飾語の説明という順になり、修飾の方向は日本語と逆の順序になっている。機械翻訳にあたっては、どの語がどの語を修飾するのかを識別するのが難しいが、本発明ではこれらの文要素間の修飾関係は処理の中で識別されるので、英語の語順への変換は容易である。図23では本変換はA2のパターンを作用することにより、E1のパターンから最終形であるE2へのパターン変換を実施している。図22はこれらのパターン間の遷移について構成図を使って表現したものである。
図24は問題を検出して自律的に解決する方法の機能構成例について示したものである。状態から問題を検出し、検出した問題に対応する解決策を適用していくことにより段階的に問題を解決していく。図25は本動作についてパターンの遷移例について示している。
問題の中には与えられた文の要約または詳細化を行うというものもある。このような問題に対しては情報と情報の間に構成している関係性を使って情報の圧縮または拡張を実施することができる。関係性の中には(原因と結果、事象と理由、説明と結論、概略と詳細、類似内容、反対の意見等)が設定されているので、これらの関係性を適宜設定することにより情報の圧縮または拡張が可能である。
次に本人工知能装置の動作例について数々の文例を入力して説明する。
入力した例文を以下に示す。(「ひらがな」の語列を本機械に入力)
図26 例文1:みせaのおすすめはわいんです。
=(店Aのおすすめはワインです。)
図26 例文2:みせbのおすすめはわいんです。
=(店Bのおすすめはワインです。)
図26 例文3:みせcのおすすめはにほんしゅです。
=(店Cのおすすめは日本酒です。)
図26 例文4:みせdのおすすめはわいんです。
=(店Dのおすすめはワインです。)
図27 例文5:みせeのおすすめはにほんしゅです。
=(店Eのおすすめは日本酒です。)
図27 例文6:みせaのきょりは0.5kmです。
=(店Aの距離は0.5kmです。)
図27 例文7:みせbのきょりは1.2kmです。
=(店Bの距離は1.2kmです。)
図28 例文8:みせcのきょりは0.8kmです。
=(店Cの距離は0.8kmです。)
図28 例文9:みせdのきょりは1.5kmです。
=(店Dの距離は1.5kmです。)
図28 例文10:みせeのきょりは0.3kmです。
=(店Eの距離は0.3kmです。)
図29 例文11:みせaのよさんは4000えんです。
=(店aの予算は4000円です。)
図29 例文12:みせbのよさんは6000えんです。
=(店bの予算は6000円です。)
図29 例文13:みせcのよさんは8000えんです。
=(店cの予算は8000円です。)
図30 例文14:みせdのよさんは10000えんです。
=(店dの予算は10000円です。)
図30 例文15:みせeのよさんは5000えんです。
=(店eの予算は5000円です。)
図31は情報が入力されると既に記録している情報との文要素毎の比較を実施し新規性について分析する動作例について示している。図における記号の意味を下記に示す。
cmpsts1の行:主語に対応する文要素どうしの照合結果
cmpsto1の行:目的語(何を)に対応する文要素どうしの照合結果
cmpsth1の行:修飾語(何時)に対応する文要素どうしの照合結果
cmpsth2の行:修飾語(何処で)に対応する文要素どうしの照合結果
cmpsth3の行:修飾語(何故)に対応する文要素どうしの照合結果
cmpsth4の行:修飾語(どのように)に対応する文要素どうしの照合結果
cmpstvtの行:述語(どうした)に対応する文要素どうしの照合結果
cmpstvvの行:述語(どうである)に対応する文要素どうしの照合結果
cmpstvqの行:述語(どうしたか)に対応する文要素どうしの照合結果
totalの行:検索する文に含まれる文要素の内、検索条件として指定した文要素どう しの照合結果の積(AND条件)
recnomax:文の記録領域に割り当てた識別番号
図32、図33は入力した情報をパターンに変換し(本例では各単語、品詞に対応するパターンとして単語識別番号(数字)、品詞識別番号(数字)をアサインしている。)図における記号の意味を下記に示す。
m1の行:主語を修飾する単語の単語番号(1)
m2の行:主語を修飾する単語の単語番号(2)
s1の行:主語の単語番号(1)
s2の行:主語の単語番号(2)
o1の行:目的語(何を)の単語番号(1)
o2の行:目的語(何を)の単語番号(2)
h11の行:修飾語(何時)の単語番号(1)
h12の行:修飾語(何時)の単語番号(2)
h21の行:修飾語(何処で)の単語番号(1)
h22の行:修飾語(何処で)の単語番号(2)
h31の行:修飾語(何故)の単語番号(1)
h32の行:修飾語(何故)の単語番号(2)
h41の行:修飾語(どのように)の単語番号(1)
h42の行:修飾語(どのように)の単語番号(2)
v1の行:述語の単語番号(1)
v2の行:述語の単語番号(2)
数in1:入力文に含まれている数値(1)
数in2:入力文に含まれている数値(2)
数out:出力文(回答)に含まれている数値(1)
数out2:出力文(回答)に含まれている数値(2)複数の数値を配列に記録
修飾型:修飾の仕方の識別
rm1の行:回答文の主語を修飾する単語の単語番号(1)
rm2の行:回答文の主語を修飾する単語の単語番号(2)
rs1の行:回答文の主語の単語番号(1)
rs2の行:回答文の主語の単語番号(2)
rh41の行:回答文の修飾語(どのように)の単語番号(1)
rh42の行:回答文の修飾語(どのように)の単語番号(2)
rv1の行:回答文の述語の単語番号(1)
rv2の行:回答文の述語の単語番号(2)
(注)ro1,ro2,rh11,rh12,rh21,rh22,rh31,rh32は表示上の都合によりここでは省略。
図34〜図41は本人工知能装置に情報を入力することにより、入力した情報に関する数々の質問に回答することができる動作例について示している。
図34のI1〜I15では先の例文を入力し意味の解釈(入力した語列から単語を識別、構文分析)が正しく実施されていることを示している。例文により本人工知能装置に情報が記録されたので、次にQ1〜Q18に示す数々の質問を入力することとする。人工知能装置が出力した回答をA1〜A18に示す。
Q1〜Q5は質問として各「店の予算」について確認する質問である。各質問文から回答を抽出するための検索キーを自律的に生成して回答に対応する単語および数値を抽出し、回答文を正しく生成している。各店の予算と質問の数値を比較し、質問の内容と整合するか否かの判断を自律的に実施している。
Q6〜Q10は質問として各「店の距離」について確認する質問である。各質問文から回答を抽出するための検索キーを自律的に生成して回答に対応する単語および数値を抽出し、回答文を正しく生成している。各店の距離と質問の数値を比較し、質問の内容と整合するか否かの判断を自律的に実施している。
Q11,Q12は店の距離が一番短いものと長いものを抽出する質問である。
各店の距離のデータを抽出し、抽出した距離のデータから一番短いものと一番長いものをそれぞれ正しく選択して回答している。
Q13,Q14は店の予算が一番高いものと低いものを抽出する質問である。
各店の予算のデータを抽出し、抽出した予算のデータから一番高いものと一番低いものをそれぞれ正しく選択して回答している。
Q15,Q16は質問の条件を満足するものを全て抽出する質問である。
Q15では距離の条件を満足する全ての店が正しく抽出されている。
Q16では予算の条件を満足する全ての店が正しく抽出されている。
Q17,Q18では条件を満足する候補から更に追加の条件を満足するものを抽出していく質問である。
Q17ではQ16で予算を満足する候補から更に距離の条件を満足する候補を正しく抽出している。
Q18ではQ17で絞り込んだ候補に対して更に「おすすめ」が「日本酒」である店を正しく抽出している。
図36、図37はQ11,Q12の質問に対して回答を生成するプロセスについて示したもの
関連するデータ(本問題では距離のデータ)を検索している。さらに検索したデータから一番「短い」または「長い」条件を満足するものを識別するプログラムが起動し正しく回答を生成している。
図38、図39、図40はQ16,Q17,Q18に対応して条件を満足する候補を段階的に絞っていくプロセスについて示したものである。
図38では予算(予算は8000円以下)を満足する候補を抽出する問題である。本質問で
系から問題に関連するデータ(本問題では予算のデータ)を検索している。検索したデータと質問の条件とを比較し条件を満足する候補を正しく抽出している。抽出した候補は処理用のデータを記録するパターン記録器の「汎用記録器」の記録領域に格納されている。
図39は図38で生成した候補から更に追加の条件(距離が1km以下)を満足する候補を抽出している。
図38において予算を満足する候補が4つに絞られている。図39では4つの候補に対して距離の条件を満足する候補を絞り込む問題である。問題の種類を検出し4つの候補についての距離のデータを検索している。検索後、検索したデータと質問の条件とを比較し条件を満足する候補を正しく抽出している。抽出した候補は処理用のデータ記録器「汎用記録器」に格納されている。
図40は図39で生成した候補から更に追加の条件(おすすめはワインである店)を満足する候補を抽出している。図39において3つに絞られた候補の「おすすめ」を検索し、「おすすめ」が「ワイン」であるか否かの判断を実施し、条件を満足するものが2つ「店C」と「店E」であることを正しく識別している。
図41は蓄積した知識体系を使って質問に回答する動作例について示している。
知識としては「りんご3個の値段は300円です」が記録されている。質問として「りんご5個の値段は何ですか」を入力したとする。この時、本人工知能装置は下記のような動作を実施し、質問に正しく回答することができる。
ステップ1:質問に対応するデータ(「りんご」「5個の」「値段」)が知識として存在 するか検索する。(知識として存在していれば記録されているデータを使用 して回答を生成する。)
ステップ2:知識として存在していなければ関連情報を検索(「りんご」の「値段」)が 関連情報として存在するか検索する。(関連情報として「りんご」「3個の 」「値段」が「300円」であることを検出する。)
ステップ3:ステップ2で検出した関連情報を使って質問への回答を生成する。
(りんごの単価を計算し質問における個数「5個」の値段を算出し回答する 。)
各処理で生成した情報はパターン記録器の「汎用記録器」の記録領域に格納し、後で実施する他の処理においても情報の利用が可能である。
図42は物理の問題(質点の運動)の解法例について示したものである。
ボールを初速:Vm/s、迎角:tdegで投げた場合の飛距離について求める問題である。
人工知能装置への知識としては▲1▼ボールの初速はVです。▲2▼ボールの迎角はtです。▲3▼Vは10m/sです。▲4▼tは45degです。が入力されている。次に人工知能装置への質問としてQ:ボールの飛距離は何ですか?という質問を入力した。この時、人工知能装置の処理状況を図43に示す。人工知能装置はボールの飛距離に関するデータが既に存在する否かの確認を第1ステップとして実施している。飛距離に関するデータが存在していない事を確認すると、飛距離を導出するプログラムを起動し、ボールの初速および迎角に関するデータの検索を行っている。ボールの初速はV(記号)で数値は10m/sであること、ボールの迎角はt(記号)で数値は45degであることを知識から検索している。次のステッ
正しく出力している。図44は本問題における知識の蓄積および回答の生成について単語識別番号で出力したものを示している。
図45〜図47は数学の問題の解法例について示したものである。図45は演算が複数ある式の解を求める問題である。式の内容を分析し演算の優先度を考慮して正しく処理ステップを進めている。
図46は式に関数が含まれる場合の処理例である。関数の識別を実施し正しく処理ステップを進めている。
図47は2次方程式の解を求める問題である。入力した情報が2次方程式であることを識別し2次項、1事項、0事項の係数を抽出し正しく解(x1=‐1,x2=‐0.5)を導出している。
図48、図49は微分方程式の解を求める問題である。図48は入力文として次の3つの文を入力している。
・入力文1:x0は4です。
・入力文2:x1は5です。
・入力文3:2 d2x/dtdt +3 dx/dt +1 =0
本人工知能装置は上記の入力により次の処理を逐次行っている。
・初期情報x0,x1を記録
・入力文3において入力された式が微分方程式であることを検出し解を求めるプログラム を起動
・入力文および記録した情報から微分方程式を解くために必要な情報(初期値x0,x1 および微分方程式の係数(2次、1次、0次)の検索および識別を実施
・微分方程式の解(解の形および特性根)の導出
処理を実施し特性根(p1=‐1.0,p2=‐0.5)および初期条件から解の係数(A=‐14,B=v18)が正しく導出されている。
図50、図51は2つの関数の交点を求める問題である。図50は入力文として次の3つの文を入力している。
・入力文2:g=2x
・入力文3:fとgの交点は何ですか。
本人工知能装置は上記の入力により次の処理を逐次行っている。
・関数fの特性抽出(2次係数、1次係数、0次係数)
・関数gの特性抽出(2次係数、1次係数、0次係数)
・関数h=g−fの係数算出(2次係数、1次係数、0次係数)
・h=0から交点x1,x2の導出
処理を実施し交点であるx1=‐2,x2=2が正しく導出されている。図51は本処理において生成した新規情報が知識として記録する動作例について示している。図51の文番号1の列において解析1に「1」、解析2に「2」、解析3に「‐4」の数字が記録されている。
これは入力文1において関数fを分析し、2次関数であることを識別した上で2次係数が「1」、1次係数が「2」、0次係数が「‐4」であること識別し記録したものである。
同様に入力文2において2次係数が「0」、1次係数が「2」、0次係数が「0」であること識別し記録している。入力文3において交点を求める問題であることを検出しh=g−f=0から交点x1,x2を導出し、結果を文番号3の数out「‐2」、数out2「2」として記録している。
図52、図53は2つの関数が囲む面積を求める問題である。図52は入力文として次の3つの文を入力している。
・入力文2:g=2x
・入力文3:fとgの囲む面積は何ですか。
本人工知能装置は上記の入力により関数が囲む面積を求める問題であることを検出し次の処理を逐次行っている。
・関数fの特性抽出(2次係数、1次係数、0次係数)
・関数gの特性抽出(2次係数、1次係数、0次係数)
・関数h=g−fの係数算出(2次係数、1次係数、0次係数)
・h=0から交点x1,x2の導出
・関数h=g−fの積分を実施し積分[関数h=g−f]の係数を導出
・積分範囲[x1−x2]における積分値を導出
(2つの関数の囲む面積の処理には前出の2つの関数の交点を求める処理プログラムを一 部活用している)
図53は積分値「10.666」が正しく求められ、文番号の数outの欄に記録されている。
図54〜図64は物理の問題の解法例について示している。与えられた物理に関する知識(情報)から運動方程式を自律的に生成する動作例について示している。
図54は問題の定義を示したものである。バネと減衰器を介した質量mの運動方程式を求める問題である。本問題の解は下記となる。
運動方程式(解) d2x/dt2+(D/M)dx/dt+(K/M)x=g
本問題の回答を生成するために、図55の知識(情報)および質問を人工知能装置に入力している。入力した知識(情報)および質問がパターン記録器の記録ユニットに格納されている様子を図56および図57に示す。
本人工知能装置に図55に示した知識(情報)を入力し、図58および図59に示した質問を入力した時の動作について説明する。
図58は「何が物体に働きますか」という質問を入力している。この時、人工知能装置は
抽出している。本質問の関連情報は記録ユニットの番号3,4,5から検出されている。抽出された情報としては項の型、項の内容([3].[2],[1])である。
項の型の定義は図59の下段に示している。型番号3は(±記号・x)の型であることを示している。同様に型番号4は(±記号・dx/dt)の型であること、型番号5は(±記号・記号)の型であることを示している。図58において抽出した関連情報としては下記であることを示している。
記録ユニット3: −kx
記録ユニット4: −d dx/dt
記録ユニット5: +mg
図59は「運動方程式は何ですか」という質問を入力した時の動作例について示したものである。この時、本人工知能装置は下記のような動作を実施し、質問に正しく回答することができる。
ステップ0:質問に対応するデータ(運動方程式)が知識として存在するか検索する。
(知識として存在していれば記録されているデータを使用して回答を生成す る。)
ステップ1:知識として存在していなければ関連情報(物体に働く力:記録ユニット3, 4,5の情報)から運動方程式を生成する。(図60参照)
ステップ2:式の整理(移項処理)(図61、図62参照)
ステップ3:式の整理(正規化処理)(図63参照)
ステップ4:運動方程式の表示(図64参照)
図60〜図63では処理の過程が分かるように各処理過程における項(左辺の項、右辺の項)の各要素を記号番号および記号で表示している。ステップ1においては以下の関係を使用して運動方程式が生成されている。
m d2/dt2= 物体に働く力(−kx−d dx/dt+mg)
ステップ2およびステップ3ではステップ1で生成した方程式を整理(移項および正規化)し、最終的な運動方程式(図64)を正しく導出している。
また求められた運動方程式に初期条件(x0,x1)を追加し図48で説明した微分方程式の解を求める処理プログラムを起動することにより運動方程式の挙動を容易に求めることができる。
以上では本人工知能装置が問題を解く実行例について示したが、ここで示した実行例以外の様々な問題に対しても解決できる能力を有している。
一般的に次の条件を有し、人間が解ける問題に関しては本人工知能装置も解くことが可能である。
条件1:問題を解くために必要な情報およびパラメータが問題の中または過去に記録した 情報に含まれている。
条件2:問題を解くための情報およびパラメータの処理の仕方を定義することができる。
人間が問題を解く場合には、問題を解くうえで必要な情報を識別、検索し、検索した情報を知識として記録している問題を解くための情報の処理の仕方に沿って情報を処理し、解を導出する。本人工知能装置も全く同じ方法で解を導出することができる。
発明の効果
本発明によれば、入力した情報に関して情報の源泉、信頼性、新規性、分野、テーマ、主語、主語の修飾、述語、述語の修飾、修飾関係、いつ、どこで、誰が、何を、どのように、なぜ、したのかを分析し文構造に整理するとともに有用と判断した情報を自律的に記録し知識体系として構築することが可能である。また入力した情報を内部に構築した知識体系と照合して評価し、評価結果に応じた処理(情報の記録、知識体系の更新・改良、指示内容の実行、質問に対する回答)を自律的に実施する。さらに情報に含まれている単語の一部を一般化し、逐次入力される情報と情報の関係を情報に対応するするパターンの集合とパターンの集合との関係を強化することにより有意なパターン間の関係を抽出し、一連の入力情報から常識、一般的な考え方および問題解決方法を自律的に構築していくことが可能である。
従来は機械に入力情報の処理等を行わせる場合、計算機にあらかじめプログラムを設定する必要があった。入力した情報から状況を判断するプログラム、個々の条件に応じ機械に動作させるプログラムを作成し、機械に搭載した計算機に実装し実行する必要があった。プログラムは専用のプログラム言語により作成する必要があり、開発に多大な時間を要する等のデメリットがあった。条件の検出および対応する動作が適切でなければ、計算機に実装したプログラムを人間が修正する必要があり、修正に多大な時間を要する等のデメリットがあった。
本発明によれば情報の処理の仕方を学習することにより処理を実施するので、逐次プログラミングする必要は無い。処理の方法に関する情報を自然言語で入力することにより、機械が処理の方法を記録、学習していくので大幅に労力を削減することができる。
また、処理の変更もプログラムの変更によらず、パターンの変更とパターン間の接続を変更することにより対応することが可能であるので非常に柔軟性、対応力の高いシステムとなっている。
通常のプログラミングでは変数、定数の定義および処理の内容を事前に決めておく必要があるため、処理結果に応じて多くの分岐が生じるような処理の実現には多大な労力を要する。(現実的には実現が困難な場合が多い。)一方、本発明では処理に使用する変数および定数に対応する情報の検索は自然言語(単語、記号)を組み合わせたパターンを使用することにより実施しており、より人間の思考に近い情報の検索方式となっている。所謂、連想記憶システムにおける情報の記録および検索を具体化したシステムとなっているため、処理に使用する変数、定数に対応する情報の格納場所を事前に厳密に定義しておく必要は無い。新規の情報が発生した段階で自然言語(単語、記号)の組み合わせたパターンを検索キーとして逐次、登録・記録することができる。また登録・記録した情報を自然言語(単語、記号)の組み合わせた検索パターンで容易に検索することができる。これによりプログラミングにおける変数および定数の定義という制約に縛られないシステムとなっている。
さらに、処理の内容については条件付き処理を状況(パターンおよびパターンの分析結果により条件の成立性を識別する)に応じて条件に対応する処理を実施し、実施した処理において、さらに条件付き処理が出現すれば、その条件を分析し処理を決定するという方式で逐次処理を進めていくことが可能である。従って、人間が問題解決するのと同じ思考プロセス(条件文の集合)を自然言語で定義することにより、本人工知能装置はその内容を逐次、解釈し必要な処理を進めていくことができる。処理の結果、新しく生成される情報は処理に応じた適切な単語の組合せを検索キーとして記録するので、別の処理において生成した情報を使用する場合でも容易に検索することができる。つまり生成した情報、知識を知識体系に組み込み、将来において必要になった場合に活用することが容易にできるシステムとなっている。本発明では処理の結果生成した新規の情報を逐次、知識体系に組み込み、別の処理において知識体系に組み込まれた情報を適宜、検索して処理を進めていくことができる。また情報の検索対象も知識体系全体、直近に処理した処理結果に限定する等、処理に応じて適切に選択することが可能である。
人間が思考(言語)により解決可能な問題に関しては、その問題を解決する手法または手順を自然言語で示すことにより、本発明の人工知能装置は、入力された問題解決の手法または手順に従って、自律的に問題を解決することができる。
問題解決の手法または手順にあいまいな点、不確定な点があれば、その都度、通知し解決策の手法及び手順の明確化を図りながら問題を解決していくことができる。さらに、人間の問題解決策および行動決定策を自然言語(文)で入力することにより本発明は自律的に条件付処理に変換した上で、条件の成立性を確認しながら処理を進めていくという動作が可能である。人間の問題解決および行動決定に相当する動作をプログラミングすることなく自然言語(文)で表現された知識(問題解決および行動決定に関する手順および思考方法)を入力することにより、人間が思考により問題解決または行動決定するように問題解決または行動決定を実施することが可能となる。
本発明の知識体系は真実、事実、規則、常識、定義、論理に基づいて構築されている。これらと整合しない情報は知識体系に取り込まない。また全ての処理過程は人間が理解できる言語または記号で表示することが可能な透明性のあるシステムとなっている。人間が蓄積してきた正しい知識を源泉として知識体系を構築し、全ての処理過程における処理状況も人間が理解できる形で表示することが可能なシステムとなっているので「記号接地問題」を解決した「暴走しない人工知能」の実現が可能である。また、問題解決にあたっては構築した知識体系を活用するとともに、問題解決に必要な処理プログラムを自律的に起動し処理結果を知識体系に組み込んで知識体系のさらなる向上を図ることができる。
人工知能装置の構成例 パターンの構成例 語列から単語、文要素、修飾関係が逐次、識別されていく動作例 時事文の例 入力情報の評価例 知識体系の構築例(その1) 知識体系の構築例(その2) 知識体系の構築例(その3) 知識体系の構築例(その4) 知識体系の構築例(その5) 指示内容の実行例(条件付き処理の実施例) 質問への回答例 励起パターンと関連パターンの接続強化の動作例(その1) 励起パターンと関連パターンの接続強化の動作例(その2) 常識および一般的考え方の構築例 問題および解決策の一般化の動作例 入力した言語からプログラミング無しで直接的に処理を実行する方法 入力しや言語群の逐次実行例 処理手順を自律的に生成し処理の結果生じた状況に対してさらに次の処理手順を自律的に生成し処理を進める例 入力した情報を条件部と処理部に識別し文構造として記録する動作例 記録ユニットの機能概要 英語翻訳の機能構成例 英語翻訳へのパターン遷移例 問題の意味を解釈して自律的に回答を生成する方法の機能構成例 問題の意味を解釈して自律的に回答を生成する方法のパターン遷移例 プログラム実行例(その1)構文分析の例(例文1〜例文4) プログラム実行例(その2)構文分析の例(例文5〜例文7) プログラム実行例(その3)構文分析の例(例文8〜例文10) プログラム実行例(その4)構文分析の例(例文11〜例文13) プログラム実行例(その5)構文分析の例(例文14〜例文15) プログラム実行例(その6)構文分析の例(入力情報の新規性検出例) プログラム実行例(その7)構文分析の例(入力情報の記録例1) プログラム実行例(その8)構文分析の例(入力情報の記録例2) プログラム実行例(その9)構文分析の例(知識と質問に対する回答の例1) プログラム実行例(その10)構文分析の例(質問に対する回答の例2) プログラム実行例(その11)構文分析の例(最短を求める質問への回答) プログラム実行例(その12)問題解決の例(最長を求める質問への回答) プログラム実行例(その13)問題解決の例(条件を満足する解の抽出例1) プログラム実行例(その14)問題解決の例(条件を満足する解の抽出例2) プログラム実行例(その15)問題解決の例(条件を満足する解の抽出例3) プログラム実行例(その16)問題解決の例(関連情報を使用した回答生成) プログラム実行例(その17)問題解決の例(物理の問題の解法例1) プログラム実行例(その18)問題解決の例(物理の問題の解法例2) プログラム実行例(その19)問題解決の例(物理の問題の解法例3) プログラム実行例(その20)問題解決の例(数学の問題の解法例1) プログラム実行例(その21)問題解決の例(数学の問題の解法例2) プログラム実行例(その22)問題解決の例(2次方程式の解) プログラム実行例(その23)問題解決の例(微分方程式の解1) プログラム実行例(その24)問題解決の例(微分方程式の解2) プログラム実行例(その25)問題解決の例(関数の交点を求める1) プログラム実行例(その26)問題解決の例(関数の交点を求める2) プログラム実行例(その27)問題解決の例(囲む面積を求める1) プログラム実行例(その28)問題解決の例(囲む面積を求める2) プログラム実行例(その29)物理の問題の例(運動方程式を生成する1) プログラム実行例(その30)物理の問題の例(運動方程式を生成する2) プログラム実行例(その31)物理の問題の例(運動方程式を生成する3) プログラム実行例(その32)物理の問題の例(運動方程式を生成する4) プログラム実行例(その33)物理の問題の例(運動方程式を生成する5) プログラム実行例(その34)物理の問題の例(運動方程式を生成する6) プログラム実行例(その35)物理の問題の例(運動方程式を生成する7) プログラム実行例(その36)物理の問題の例(運動方程式を生成する8) プログラム実行例(その37)物理の問題の例(運動方程式を生成する9) プログラム実行例(その38)物理の問題の例(運動方程式を生成する10) プログラム実行例(その39)物理の問題の例(運動方程式を生成する11)
1 パターン変換器
2 パターン記録器
3 パターン分析器
4 パターン制御器
5 パターン逆変換器
6 パターン照射器

Claims (4)

  1. 情報(言語、文章、知識、数式、記号、画像、音声)をパターンに変換するパターン変換器と、変換したパターン、パターンの照合および合致(励起)の条件、パターン間の接続関係、接続関係のあるパターンとの関係およびパターンの分析結果を記録する記録ユニットから構成されたパターン記録器と、パターン、パターンの照合および合致(励起)の条件、パターン間の接続関係、接続関係のあるパターンとの関係を自律的または人間の指示により登録、変更し、パターンの状態およびパターンの分析結果に応じてパターンの処理および制御を実施するパターン制御器と、パターンの励起の履歴を記録し、記録した励起履歴の情報を使用して状況の分析および問題の識別を実施し、問題解決に必要な記録ユニットを励起するパターン照射器と、パターンを情報に変換するパターン逆変換器と、入力した情報に関して情報の源泉、信頼性、新規性、分野、テーマ、主語、主語の修飾、述語、述語の修飾、修飾関係、いつ、どこで、誰が、何を、どのように、なぜ、したのか、文の種類(平常文、疑問文、命令文、条件文、真実、事実、規則、常識、定義、論理、説明、仮説、予測、意見、感想、噂)、数式、物理式、化学式、記号および記録している関連情報との関係を分析し情報を検索し易い構造に整理してパターン記録器に記録するパターン分析器を備え、入力した情報から自律的に知識体系を構築するとともに、構築した知識体系を活用して状況の分析および問題の識別を実施し、問題を解決するための情報検索、処理を実施するプログラムの起動、問題解決に必要な情報の生成と知識体系への組み込みを実施し、自律的に問題を処理するとともに更なる知識の向上を行う人工知能装置。
  2. 情報(言語、文章、知識、数式、記号、画像、音声)をパターンに変換するパターン変換器と、変換したパターン、パターンの照合および合致(励起)の条件、パターン間の接続関係、接続関係のあるパターンとの関係およびパターンの分析結果を記録する記録ユニットから構成されたパターン記録器と、パターン、パターンの照合および合致(励起)の条件、パターン間の接続関係、接続関係のあるパターンとの関係を自律的または人間の指示により登録、変更し、パターンの状態およびパターンの分析結果に応じてパターンの処理および制御を実施するパターン制御器と、パターンの励起の履歴を記録し、記録した励起履歴の情報を使用して状況の分析および問題の識別を実施し、問題解決に必要な記録ユニットを励起するパターン照射器と、パターンを情報に変換するパターン逆変換器と、入力した情報に関して情報の源泉、信頼性、新規性、分野、テーマ、主語、主語の修飾、述語、述語の修飾、修飾関係、いつ、どこで、誰が、何を、どのように、なぜ、したのか、文の種類(平常文、疑問文、命令文、条件文、真実、事実、規則、常識、定義、論理、説明、仮説、予測、意見、感想、噂)、数式、物理式、化学式、記号および記録している関連情報との関係を分析し情報を検索し易い構造に整理してパターン記録器に記録するパターン分析器を備え、問題解決に必要な記録ユニットを逐次、励起していくことにより問題を解決するための処理および処理プログラムの識別と起動を自律的に実行し問題を解決する人工知能装置。
  3. 情報(言語、文章、知識、数式、記号、画像、音声)をパターンに変換するパターン変換器と、変換したパターン、パターンの照合および合致(励起)の条件、パターン間の接続関係、接続関係のあるパターンとの関係およびパターンの分析結果を記録する記録ユニットから構成されたパターン記録器と、パターン、パターンの照合および合致(励起)の条件、パターン間の接続関係、接続関係のあるパターンとの関係を自律的または人間の指示により登録、変更し、パターンの状態およびパターンの分析結果に応じてパターンの処理および制御を実施するパターン制御器と、パターンの励起の履歴を記録し、記録した励起履歴の情報を使用して状況の分析および問題の識別を実施し、問題解決に必要な記録ユニットを励起するパターン照射器と、パターンを情報に変換するパターン逆変換器と、入力した情報に関して情報の源泉、信頼性、新規性、分野、テーマ、主語、主語の修飾、述語、述語の修飾、修飾関係、いつ、どこで、誰が、何を、どのように、なぜ、したのか、文の種類(平常文、疑問文、命令文、条件文、真実、事実、規則、常識、定義、論理、説明、仮説、予測、意見、感想、噂)、数式、物理式、化学式、記号および記録している関連情報との関係を分析し情報を検索し易い構造に整理してパターン記録器に記録するパターン分析器を備え、入力した情報から自律的に知識体系を構築するとともに、構築した知識体系を活用して状況の分析および問題の識別を実施し、問題を解決するための情報検索、処理を実施するプログラムの起動、問題解決に必要な情報の生成と知識体系への組み込みを実施し、自律的に問題を処理するとともに更なる知識の向上を行う人工知能装置を機能させるためのソフトウェア。
  4. 情報(言語、文章、知識、数式、記号、画像、音声)をパターンに変換するパターン変換器と、変換したパターン、パターンの照合および合致(励起)の条件、パターン間の接続関係、接続関係のあるパターンとの関係およびパターンの分析結果を記録する記録ユニットから構成されたパターン記録器と、パターン、パターンの照合および合致(励起)の条件、パターン間の接続関係、接続関係のあるパターンとの関係を自律的または人間の指示により登録、変更し、パターンの状態およびパターンの分析結果に応じてパターンの処理および制御を実施するパターン制御器と、パターンの励起の履歴を記録し、記録した励起履歴の情報を使用して状況の分析および問題の識別を実施し、問題解決に必要な記録ユニットを励起するパターン照射器と、パターンを情報に変換するパターン逆変換器と、入力した情報に関して情報の源泉、信頼性、新規性、分野、テーマ、主語、主語の修飾、述語、述語の修飾、修飾関係、いつ、どこで、誰が、何を、どのように、なぜ、したのか、文の種類(平常文、疑問文、命令文、条件文、真実、事実、規則、常識、定義、論理、説明、仮説、予測、意見、感想、噂)、数式、物理式、化学式、記号および記録している関連情報との関係を分析し情報を検索し易い構造に整理してパターン記録器に記録するパターン分析器を備え、問題解決に必要な記録ユニットを逐次、励起していくことにより問題を解決するための処理および処理プログラムの識別と起動を自律的に実行し問題を解決する人工知能装置を機能させるためのソフトウェア。
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