JP5851179B2 - 輸液チューブの処理ユニットおよびこの処理ユニットを備える医用ポンプ - Google Patents
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Description
輸液ポンプの本体内では、定位置にセットされた輸液チューブの外周面が、本体内の複数のフィンガと開閉扉の内面との間に挟まれている。この輸液ポンプは、送液駆動部の複数のフィンガが個別駆動されることで、複数のフィンガが輸液チューブの外周面を長さ方向に沿って順次押圧して薬剤の送液を行う蠕動式輸液ポンプである(特許文献1を参照)。
このように、輸液チューブを輸液ポンプの本体において水平方向に通して保持する構造を採用しようとするのは、輸液チューブが輸液ポンプの本体内を上から下に向けて垂直に通っている輸液ポンプとは異なり、複数の輸液ポンプを上下位置にスタックした状態で重ねて保持しても輸液チューブが邪魔にならないという利点があるからである。
また、ラックを用いるのではなく、上下方向に沿って配置されたポールに対して複数台の輸液ポンプを上下方向に沿って重ねるように固定して使用する場合には、複数台の輸液ポンプから導出される複数本の輸液チューブは、それぞれ輸液ポンプの本体から導出されて本体から離れた状態で下方に向けて自由状態で垂らすことになる。このため、輸液チューブのまとまりがないので外観上の見栄えが悪く、輸液チューブが不用意に引っ張られた場合には、輸液チューブには直接引っ張り力がかかって負担となり、輸液チューブを用いた送液作業に悪影響が出るおそれがある。
上記構成によれば、医用ポンプの本体から導出される輸液チューブを、輸液チューブの処理ユニットが確実に保持することで、輸液チューブが不用意に引っ張られた場合であっても輸液チューブに負担がかかるのを防ぐことができる。
また、前記自由端を開いて、前記空間内に必要に応じて輸液チューブだけでなく、電気配線などもまとめて前記空間内に収容できるので、露出した配線やチューブが作業の妨げになることもなく、見栄えも向上する。
好ましくは、前記自由端は、前記医用ポンプの背面側に位置することを特徴とする。
好ましくは、前記輸液チューブの処理ユニットは、前記医用ポンプの側面部に位置することを特徴とする。
上記構成によれば、保持部の他端部側を弾性変形させてこの他端部側から保持部と取り付け基部との間に輸液チューブを通して保持できるので、複数の輸液チューブであっても散らばらないようにして本体側にまとめて保持できる。
好ましくは、前記取り付け基部は、前記本体カバーの穴部に着脱自在に圧入可能な圧入突起を有することを特徴とする。
上記構成によれば、処理ユニットを使用する場合には、処理ユニットの取り付け基部の圧入突起を、本体側の穴部に圧入するだけで簡単に装着することができ、処理ユニットが不要であるある場合には、簡単に取り外すこともできる。
あるいは、本発明は、二枚の板体でなる弾性変形可能な短冊状の板体であって、取付け基部となる第1の板体と、保持部となる第2の板体とを互いに重ねて形成されており、
前記第1および第2の各板体どうしの一端が接続部により固定されていて、
前記板体どうしの他端の前記第1の板体の端部が前記弾性に抗して外側に開く自由端として、前記第1の板体と前記第2の板体との間に空間を形成し、
前記自由端を前記弾性に抗して押し広げて前記輸液チューブを前記空間内に押し込んだ後、前記自由端を、弾性変形状態から元の状態に復帰させることにより、前記空間内に前記輸液チューブを挟んで収容保持する輸液チューブの処理ユニットを備え、
本体に設けられ、シリンジ内の薬剤を前記患者側に輸液する前記輸液チューブを横方向に装着するシリンジの収容部と、
前記本体に設けられ、前記輸液チューブを前記横方向に装着した状態で、前記シリンジの押子を押して前記シリンジ内の前記薬剤を送液するシリンジ押子駆動部と、
を有するシリンジポンプあることを特徴とする医用ポンプである。
あるいは、好ましくは、前記輸液チューブの処理ユニットは、前記医用ポンプの側面部に位置することを特徴とする。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明の医用ポンプである輸液ポンプの好ましい実施形態を示す斜視図である。図2は、図1に示す輸液ポンプをW方向から見た斜視図である。
図1と図2に示すように、本体カバー2の上部分2Aには、表示部3と、操作パネル部4が配置されている。表示部3は、画像表示装置であり例えばカラー液晶,有機ELで形成された表示装置を用いている。表示部3は、本体カバー2の上部分2Aの左上位置であって、開閉カバー5の上側に配置されている。本体カバー2の上部分2Aは、本体カバー2の上半分の部分である。本体カバー2の下部分2Bは、本体カバー2の下半分の部分である。本体カバー2の周囲部分もしくは一部分には、好ましくは本体カバー2の表面色とは異なる色、例えば黄色や赤色のシール材を貼ったり、塗装をすることで、ポンプの目印を表示することができる。このポンプの目印が設けられることで、後で説明するように、複数台の輸液ポンプ1を積み重ねて使用したり、あるいはこの輸液ポンプ1と他の種類のポンプ例えばシリンジポンプ等を積み重ねて使用する場合であっても、各ポンプの境目が視覚的に明確になるメリットがある。
操作パネル部4は、本体カバー2の上部分2Aにおいて表示部3の右側に配置され、操作パネル部4には、操作ボタンとしては、図示例では、例えばパイロットランプ4A、早送りスイッチボタン4B、開始スイッチボタン4C、停止スイッチボタン4D、メニュー選択ボタン4E等が配置されている。電源スイッチボタンは操作パネル部4とは別の位置に配置されている。
図2に示すように、開閉カバー5の表面には、好ましくは必要に応じて、輸液チューブ200をセットする際に、正しい送液方向であるT方向を明確に表示するための輸液チューブ設定方向表示部150が設けられている。輸液チューブ設定方向表示部150は、薬剤バッグ側を表示する薬剤バッグ表示部151と、患者側を表示する患者側表示部152と、薬剤の送液方向を明示する送液方向表示部153を有する。
なお、図1と図2におけるX方向、Y方向、Z方向は互いに直交しており、Z方向は上下方向である。X方向はT方向と平行であり輸液ポンプ1の左右方向で、Y方向は輸液ポンプ1の前後方向である。
図3と図4に示すように、チューブ装着部50は、輸液ポンプ1の本体部1B側に設けられており、チューブ装着部50は、表示部3と操作パネル部4の下部においてX方向に沿って設けられている。チューブ装着部50は、図2に示すように開閉カバー5を、回転軸5Aを中心としてCR方向に閉じると開閉カバー5により覆うことができる。
図3と図4に示すように、チューブ装着部50は、気泡センサ51と、上流閉塞センサ52と、下流閉塞センサ53と、右側位置の第1輸液チューブ保持部54と左側位置の第2輸液チューブ保持部55と、開閉カバー5を有している。チューブ装着部50には、チューブクランプ部270が配置されている。
医療従事者は、表示部3に表示されている表示内容を確認しながら、輸液チューブ200を輸液ポンプ1の本体の下半分の部分に水平方向に沿ってセットでき、輸液チューブ200がチューブ装着部50にセットされた後に、開閉カバー5は輸液チューブ200を覆うことができる。
図4に示すように、チューブ装着部50では、フック部材5Dとフック部材5Eの間の位置に対応して、送液駆動部60と、下流閉塞センサ53と、チューブクランプ部270が配置されている。しかし、チューブ装着部50では、気泡センサ51と上流閉塞センサ52は、フック部材5Dよりもさらに右側の位置に対応して配置されている。
図4に示すように、輸液チューブ200がX方向に水平にセットされると、輸液チューブ200は、固定台271と可動台272の間を通るようにセットされる。そして、医療従事者が開閉カバー5をCR方向に閉じると、突起275が操作部材273を加圧する。このため、操作部材273は、スプリングの力に抗して、押し下げられる。操作部材273が押し下げられると、この操作部材273の動きに連動して、可動台272が固定台271に対して下がることから、輸液チューブ200は固定台271と可動台272の間で押し潰されて、輸液チューブ200は閉塞できるようになっている。
図4に示す第1輸液チューブ保持部54と第2輸液チューブ保持部55は、輸液チューブ200を開閉カバー5とチューブ装着部50との間に挟み込んで潰してしまうことが無いように、チューブ装着部50内に確実に装着できるようにするために設けられている。
図1と図2に示すように、開閉カバー5の右側の側面部5Kは、斜め左上方向に向かって傾斜して形成されている。これにより、開閉カバー5を閉じて状態であっても、開閉カバー5が第1輸液チューブ保持部54の2つの突起54B,54Cと、傾斜案内部54Tの上にかぶらないようにしている。そして、開閉カバー5を閉じた状態であっても、医療従事者は、2つの突起54B,54Cと、傾斜案内部54Tを露出させて、輸液チューブ200の上流側200Aの装着状態を、目視で確認できる。
図5に示すように、背面部2Rには、バッテリ装着部カバー77と、装着部400が設けられている。バッテリ装着部カバー77は、不図示の着脱可能に内蔵されたバッテリを保護するカバーである。装着部400は、背面部2Rにおいてバッテリ装着部カバー77の付近に形成されており、第1係合部401、第2係合部402、第3係合部403、第4係合部404と、第1位置決め穴411、そして第2位置決め穴412を有している。
図6は、支持部材の取り付けユニット500が装着された背面部2Rを示す斜視図であり、図7は、支持部材の取り付けユニット500の裏面側を示す斜視図である。図8は、支持部材の取り付けユニット500が装着された背面部2Rを示す図である。
図6に示すように、支持部材の取り付けユニット500は、例えポールクランプと呼ぶことができ、輸液ポンプ1を支持するための支持部材としてのスタンドのポール900に対して着脱可能に保持(クランプ)するための取り付け器具である。この支持部材の取り付けユニット500は、図5に示す装着部400の第1係合部401、第2係合部402、第3係合部403、第4係合部404に対して、背面部2Rに沿ってZ2方向に沿って上向きにスライドしてはめ込むことで、背面部2Rに対して着脱可能に装着、係合される。
図6と図8では、基台501が第1装着姿勢RS1で、背面部2Rに対して装着、係合されており、図10では、基台501が第1装着姿勢RS1とは異なる第2装着姿勢RS2で、背面部2Rに対して装着されている。固定部590は、図8に示すように第1装着姿勢RS1の基台501では、第1方向(Z方向)に沿って配置された支持部材としてのポール900を、着脱可能に挟んで固定可能である。これに対して、固定部590は、図10に示すように第2装着姿勢RS2の基台501では、第1方向(Z方向)とは異なる第2方向(X方向)に沿って配置された支持部材としてのポール900を着脱可能に挟んで固定することができる。第1装着姿勢RS1と第2装着姿勢RSは、互いに90度回転した位置にある。このように、基台501が、第1装着姿勢RS1と第2装着姿勢RS2の2通りの装着姿勢で背面部2Rに対して取り付けることができるので、図8に示すZ方向に配置されたポール900を固定することができ、図10に示すX方向に配置されたポール900を固定することもできる。
図6と図8に示すように、固定部590は、強度保持ユニット502と、押圧部材503を有する。強度保持ユニット502は、略U字型に形成されており、第1突出部502Aと第2突出部502Bを有している。第1突出部502Aと第2突出部502Bは、間隔をおいて対面している。この間隔は、ポール900の幅よりも大きく設定されている。ポール900は、断面形状は特に限定されず、断面円形であっても矩形であっても良い。
図9(A)と図9(B)は、押し具532と第2突出部502Bの形状例と、異なるポール900,901にして固定された状態を示しており、図8においてZ1方向から見た図である。
これにより、例えば図9(A)に示すように、凹部550、551と、傾斜部552,553と凹部560、561と、傾斜部562,563の間には、断面円形のポール900をはさみ込むことで、輸液ポンプ1は、支持部材の取り付けユニット500を用いて、ポール900に対して着脱可能に固定することができる。また、図9(B)に示すように、凹部550、551と凹部560、561の間には、断面矩形のポール901をはさみ込むことで、輸液ポンプ1は、支持部材の取り付けユニット500を用いて、ポール901に対して着脱可能に固定することができる。このように、ポールの断面形状や太さが異なっても、輸液ポンプ1は、ポール900あるいは901に対して、容易にしかも確実に固定することができる。
なお、図8において、はめ込み突起部571を第1位置決め穴411から外すことで、支持部材の取り付けユニット500を装着部400からZ1方向に下げて取り外す際には、作業者は着脱操作部材504のつまみ部分570をRQ方向に持ち上げるだけでよい。これにより、支持部材の取り付けユニット500は装着部400から容易に取り外すことができる。図8において、はめ込み突起部571と第1位置決め穴411から外すことで、支持部材の取り付けユニット500を装着部400からZ1方向に下げて取り外す際には、作業者は着脱操作部材504のつまみ部分570をRQ方向に持ち上げるだけでよい。これにより、支持部材の取り付けユニット500は装着部400から容易に取り外すことができる。
なお、図10において、はめ込み突起部571を第2位置決め穴412から外して、支持部材の取り付けユニット500を装着部400からZ1方向に下げて取り外す際には、作業者は着脱操作部材504のつまみ部分570をRQ方向に持ち上げるだけでよい。これにより、支持部材の取り付けユニット500は装着部400から容易に取り外すことができる。
図11(A)は、輸液チューブの処理ユニット700を装着した状態の輸液ポンプ1の一部分を示す斜視図であり、図11(B)は、図11(A)に示す輸液チューブの処理ユニット700を装着した状態の輸液ポンプ1をQS方向から見た側面図である。図12は、輸液チューブの処理ユニット700の好ましい形状例を示す斜視図である。
輸液チューブの処理ユニット700は、好ましくは例えば弾性変形可能なプラスチックにより作られており、後で詳しく説明するように、約二枚の短冊状の板材を重ねてセットして、二枚の短冊状の板の間にチューブなどを通す空間を形成するような構成となっている。
この処理ユニット700は、軽量なプラスチックにより作られていると、弾性力を利用して輸液ポンプ1側に対して着脱可能に取り付けることができるばかりでなく、金属製の処理ユニットに比べて輸液チューブ200を傷つけることない。
輸液チューブの処理ユニット700は、略短冊状の第一の板体でなる取り付け基部701と、これに間隔をもって重ねるように配置される、第一の板体より短い短冊状の第二の板体でなる保持部702と、接続部703を有している。処理ユニット700は、取り付け基部701と、保持部702との間の空間に、輸液チューブ200および、これに加え、必要に応じて電気配線を、散らばらせずに集約して輸液ポンプ1の本体カバー2の左側面部2W側にまとめて保持するために設けられている。
図12に示すように、取り付け基部701は、内外面が曲面形状の第1取り付け部分711と内外面が曲面形状の第2取り付け部分712と、平面状の中間接続部分713を有する。取り付け基部701は、第1取り付け部分711と第2取り付け部分712と、中間接続部分713は、本体カバー2の左側面部2Wの形状に合わせて形成されている。すなわち、第1取り付け部分711は、中間接続部分713の一端部においてほぼ直角方向に起立して形成され、第2取り付け部分712は、中間接続部分713の他端部において第1取り付け部分711に向かい合うように、第1取り付け部分711よりも高さを低くして形成されている。
図13(A)は、背面部2Rの下部付近を示しており、背面部2Rには、2つの穴部2H1,2H2が、Z方向に関して間隔をおいて形成されている。これらの穴部2H1,2H2の深さ方向はY方向である。第1取り付け部分711の内面720が背面部2Rに密着されると、第1圧入突起721と第2圧入突起722は穴部2H1,2H2に対してそれぞれ圧入し、係合できる。
これにより、取り付け基部701は、背面部2Rと左側面部2Wと前面部2Xに対して密着した状態で、しかも着脱可能に確実に係合することができる。
図12に示すように、中間接続部分713は、縦面部713Aと横面部713Bを有し、断面L字型に形成されている。このような構造にすることにより、中間接続部分713の強度を増大することができるとともに、輸液ポンプ1の左側面部2Wと底面部に対して固定できる。
図13(B)に示すように、保持部702は、他端部702B側が取り付け基部701寄りになるように少し曲げて形成されている。他端部702Bの内側には、抜け止め用の突出部分738が丸みを帯びて弦状に形成されており、突出部分738の内側と中間接続部分713は、縦面部713Aの外面との間隔(開口部)SS1は、一端部702Aの内面と縦面部713Aの外面との間隔SS2に比べて、小さく設定されている。
図14(B)に示すように、第1取り付け部分711の内面720が背面部2Rに密着された状態で、第1圧入突起721と第2圧入突起722は、穴部2H1,2H2にそれぞれ圧入、係合されている。図15(A)では、第1圧入突起721が、穴部2H1に圧入、係合されている。同様にして、図15(B)に示すように、第2圧入突起722が、穴部2H2に圧入、係合されている。処理ユニット700は、輸液ポンプ1に対して、第1圧入突起721と第2圧入突起722と、突起731とを用いて、ワンタッチで取り付けることができる。また、処理ユニット700を使用しない場合には、ワンタッチで取り外すことができる。
これにより、輸液ポンプ1から導出される複数本の輸液チューブ200そして必要に応じて電気配線を確実にまとめて保持することで、輸液チューブ200そして必要に応じて電気配線のまとまりが良く、外観上の見栄えが良くなるばかりか、この輸液チューブ200が不用意に引っ張られた場合であっても処理ユニット700が輸液チューブ200を保持できるので、輸液チューブ200が引っ張り力を受けるのを防いで輸液チューブ200に負担がかかるのを防ぐことができる。このため、輸液チューブ200が薬液を送る送液動作に支障が生じない。
すなわち、輸液ポンプ1は、支持部材の取り付けユニット500を取り付けている状態で、この支持部材の取り付けユニット500を利用して、机999に対して斜めになるように置くことができる。これにより、輸液ポンプ1の使用者は、表示部3の表示内容を矢印SKで示すように斜め下方に目視で確認し易くなるメリットがある。
なお、図16、図17では、断面円形のポール900を使用するだけでなく、断面矩形のポール等を使用することもできる。使用できるポールの太さは、例えば12cmから40cm程度である。
図3に示すように医療従事者が、開閉カバー5を開けてチューブ装着部50に輸液チューブ200を設定する前に、図2に示す開閉カバー5の上に配置された輸液チューブ設定方向表示部150を見て輸液チューブ200のセット方向を目視で確認する。すなわち、図2に示すように、医療従事者が輸液チューブ200を輸液ポンプ1に対してT方向に沿って正しくセットできるようにするために、まず、医療従事者は、図2に示すように、開閉カバー5上の輸液チューブ設定方向表示部150の薬剤バッグ側を表示する薬剤バッグ表示部151と、患者側を表示する患者側表示部152と、そして薬剤の送液方向を明示する送液方向表示部153を目視で確認する。
なお、図8において、はめ込み突起部571と第1位置決め穴411から外して、支持部材の取り付けユニット500を装着部400からZ1方向に下げて取り外す際には、作業者は着脱操作部材504のつまみ部分570をRQ方向に持ち上げるだけでよい。これにより、支持部材の取り付けユニット500は装着部400から容易に取り外すことができる。
図19と図20に示す医用ポンプであるシリンジポンプ1001は、医用機器である医用ポンプの例であり、例えば集中治療室等で使用され、患者に対して、抗がん剤、麻酔剤、化学療法剤、輸血等、栄養剤等の薬剤の微量注入処置を、高い精度で比較的長時間行うことに用いられる微量持続注入ポンプである。
このシリンジポンプ1001に対しても、上述した輸液ポンプ1と同様にして、支持部材の取り付けユニット500と輸液チューブの処理ユニット700を適用して使用することができる。シリンジポンプ1001の本体カバー1002の形状と、輸液ポンプ1の本体カバー2の形状は、ほぼ共通化されている。
また、支持部材としてポールを用いる場合には、ポール側に複数本の輸液チューブや電気配線をまとめるための手段を設けることは難しい。しかし、本発明の実施形態の医用ポンプでは、ポールのような支持部材を用いて固定する場合でも、各医用ポンプの本体に対して輸液チューブの処理ユニット700を設けることにより、複数本の輸液チューブや電気配線をまとめることを容易にしかも確実に行える。
本発明の実施形態では、上下方向のような第1方向に沿って配置された支持部材であっても、患者ベッドの水平方向である第2方向に沿って配置された支持部材であっても、医用ポンプを着脱可能に容易に取り付けることができる。これにより、医用ポンプは治療室や病室等の医用ポンプを必要とする場所で幅広く使用することができる。
図8に示す押圧部材503は、作業者が回転操作部材531を正回転操作することにより、おねじ部530の押し具532を少しずつポール900に対して進出させる構造を有している。しかし、押圧部材503の構造はこれに限らず、例えば押し具532は、一定のところまではポール900に対して急激に進出して接近させることができ、押し具532がポール900に接近した時点で押し具532を少しずつ進出し、逆に押し具532がポール900をポール900から離れたときには、急激にポールから退出することができる構造を採用しても良い。これにより、医用ポンプをポール900に対して固定する作業が早くでき、しかも容易になる。
Claims (9)
- 薬剤を患者に対して輸液チューブを用いて輸液する医用ポンプに用いられて前記輸液チューブを保持する処理ユニットであって、前記医用ポンプの本体カバーに対して着脱可能に設けられており、
二枚の板体でなる弾性変形可能な短冊状の板体であって、
取り付け基部となる第1の板体と、保持部となる第2の板体とを互いに重ねて形成されており、前記第1および第2の各板体どうしの一端が接続部により固定されていて、
前記第1の板体と前記第2の板体との間に空間を形成し、前記板体どうしの他端の前記第2の板体の端部が前記弾性に抗して外側に開く自由端部とされ、
前記自由端部は前記弾性に抗して広げられている状態にて、前記輸液チューブが前記空間内に押し込まれることが可能で、前記自由端部が、前記開かれた弾性変形状態から元の状態に復帰された状態では、前記空間内に前記輸液チューブを挟んで収容保持できる構成とした
ことを特徴とする輸液チューブの処理ユニット。 - 前記自由端部は内側に曲がっており、かつ該自由端部の内側には突出部分が丸みを帯びて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の輸液チューブの処理ユニット。
- 前記自由端部は、前記医用ポンプの側面部の後方側に位置することを特徴とする請求項1に記載の輸液チューブの処理ユニット。
- 前記輸液チューブの処理ユニットは、前記医用ポンプの側面部に位置することを特徴とする請求項1に記載の輸液チューブの処理ユニット。
- 前記第1の板体を取り付け基部として、この取り付け基部は、前記本体カバーの穴部に着脱自在に圧入可能な圧入突起を有することを特徴とする請求項1に記載の輸液チューブの処理ユニット。
- 二枚の板体でなる弾性変形可能な短冊状の板体であって、
取り付け基部となる第1の板体と、保持部となる第2の板体とを互いに重ねて形成されており、前記第1および第2の各板体どうしの一端が接続部により固定されていて、
前記板体どうしの他端の前記第2の板体の端部が前記弾性に抗して外側に開く自由端部として、前記第1の板体と前記第2の板体との間に空間を形成し、
前記自由端部は前記弾性に抗して広げられている状態にて、前記輸液チューブが前記空間内に押し込まれることが可能で、前記自由端部が、前記開かれた弾性変形状態から元の状態に復帰された状態では、前記空間内に前記輸液チューブを挟んで収容保持できる構成である輸液チューブの処理ユニットを備え、
本体に設けられ、薬剤バッグ内の薬剤を患者側に輸液する輸液チューブを横方向に装着するチューブ装着部と、前記本体に設けられ、前記輸液チューブを前記横方向に装着した状態で、前記輸液チューブに蠕動運動をさせてしごくことで前記薬剤を送液するための送液駆動部と、閉じることで前記チューブ装着部と前記送液駆動部を覆う開閉カバーと、を有する輸液ポンプであることを特徴とする医用ポンプ。 - 二枚の板体でなる弾性変形可能な短冊状の板体であって、
取り付け基部となる第1の板体と、保持部となる第2の板体とを互いに重ねて形成されており、前記第1および第2の各板体どうしの一端が接続部により固定されていて、
前記板体どうしの他端の前記第2の板体の端部が前記弾性に抗して外側に開く自由端部として、前記第1の板体と前記第2の板体との間に空間を形成し
前記自由端部は前記弾性に抗して広げられている状態にて、前記輸液チューブが前記空間内に押し込まれることが可能で、前記自由端部が、前記開かれた弾性変形状態から元の状態に復帰された状態では、前記空間内に前記輸液チューブを挟んで収容保持できる構成である輸液チューブの処理ユニットを備え、
本体に設けられ、シリンジ内の薬剤を患者側に輸液する前記輸液チューブを横方向に装着するシリンジの収容部と、前記本体に設けられ、前記輸液チューブを前記横方向に装着した状態で、前記シリンジの押子を押して前記シリンジ内の前記薬剤を送液するシリンジ押子駆動部と、を有するシリンジポンプであることを特徴とする医用ポンプ。 - 前記輸液チューブの処理ユニットの前記自由端は、前記医用ポンプの側面部の後方側に位置することを特徴とする請求項6または7のいずれかに記載の医用ポンプ。
- 前記輸液チューブの処理ユニットは、前記医用ポンプの側面部に位置することを特徴とする請求項6または7のいずれかに記載の医用ポンプ。
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