以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示(可変表示ともいう))される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄ともいう)が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示演出を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、表示図柄を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示(保留表示ともいう)が行われる。ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせる。この実施の形態では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の青色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の赤色表示とする。
演出表示装置5の表示領域には、表示領域の中央右端領域に変動中特図表示エリア5Iが設けられている。変動中特図表示エリア5Iには、現在実行されている変動表示に対応した画像が表示される。第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける特図ゲームの実行中には、図41に示すように、変動中特図表示エリア5Iに、丸型で赤色の画像と三角型で青色の画像(第4図柄ともいう)とが交互に表示されて第4図柄の変動表示が実行される。即ち、第1または第2開始条件の成立とともに、始動入賞記憶表示エリア5Hから除去された表示がこの変動中特図表示エリア5Iにシフトして表示されることとなる。この、変動中特図表示エリア5Iの表示により、遊技者は第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bのいずれかで特図ゲームが実行されていることを把握することができる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよく、特に、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数を1個としても良い。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示(可変表示ともいう))する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「期待度」や、「大当り信頼度」や「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチA、ノーマルリーチB、ノーマルリーチC(小当り、突確のみ)、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチAやスーパーリーチB、スーパーリーチCといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチA、ノーマルリーチBのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、ノーマルリーチのリーチ態様についても、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)は、ノーマルリーチA<ノーマルリーチBとなるように設定されているとともに、スーパーリーチのリーチ態様についても、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)は、スーパーリーチA<スーパーリーチB<スーパーリーチCとなるように設定されている。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、演出図柄の変動表示態様などにより遊技者に報知するための変動表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった変動表示演出が実行可能である。尚、本実施の形態における「滑り」や「擬似連」の変動表示演出は、主基板11の側で後述する前変動パターンが判定されることに対応して実行するか否かが判定されるとともに、実行されるタイミングは、演出制御基板12の側で判定されるようになっている。
「滑り」の変動表示演出では、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて演出図柄を変動させてから、複数の演出図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rなど)にて演出図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した演出図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の演出図柄表示エリア(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lと「右」の演出図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて演出図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の変動表示演出では、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでに複数の演出図柄を仮停止表示させた後、所定数の演出図柄について変動表示を再度実行することにより、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する演出図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の変動表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて演出図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて演出図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、演出図柄の変動表示が開始されてから全部の演出図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて演出図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の変動表示演出では、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する演出図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再変動表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の変動表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、演出図柄の変動表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の変動表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。尚、こうした演出図柄の変動表示動作を利用した変動表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの変動表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出を実行しても良い。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、先読み予告演出となるものが含まれる。先読み予告演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特図ゲームの保留情報などに基づいて実行可能となる予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される演出図柄の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する先読み予告演出は、連続予告とも称される。この実施の形態では、先読み予告演出として、第1先読み予告演出と、第2先読み予告演出と、が実行可能になっている。なお、これら以外の先読み予告演出が実行されるようにしてもよい。
第1先読み予告演出は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位を、通常時における表示態様とは異なる特殊態様(例えば表示色や形状が異なるもの)に変化させることにより、予告対象となる変動表示において「大当り」や特定の変動表示パターンである「スーパーリーチ」となる可能性などを予告する保留表示予告となっている。特殊態様は複数種類設けられており、いずれの特殊態様となったかに応じて、変動表示結果が「大当り」となること、変動表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知する。
また、第2先読み予告演出は、予告の対象となる変動表示が実行されるまでの複数回の変動表示に亘り、演出表示装置5において一連の演出を実行する連続予告となっている。第2先読み予告の演出態様は複数種類設けられており、いずれの演出態様であるかに応じて、変動表示結果が「大当り」や特定の変動表示パターンである「スーパーリーチ」となること、変動表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知する。
なお、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示部位に加えて、変動中特図表示エリア5Iにおいても第1先読み予告演出が実行されるようにしてもよい。この実施の形態では、保留が消化されたことに対応して始動入賞記憶表示エリア5Hから除去された保留記憶表示は、この変動中特図表示エリア5Iにシフトして表示されることとなるが、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特殊態様で保留記憶表示がなされているときに、変動中特図表示エリア5Iにシフトする場合には、変動中特図表示エリア5Iにおける表示も特殊態様とするようにしてもよい。このようにすることで、変動表示が実行された後も、保留記憶表示を使用した第1先読み予告演出の内容を確認することができるようになる。
また、この実施の形態では、このような先読み予告演出とは別に、演出図柄の変動表示が実行されるときに、当該変動表示の変動パターンや変動表示結果に基づいて、当該変動表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される変動中予告演出が実行されるようになっている。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常大当り」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の判定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定演出図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定演出図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定演出図柄)が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて変動表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、変動表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
演出図柄の変動表示結果として開放チャンス目を構成する確定演出図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、変動表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。また、リーチ組合せを構成する確定演出図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、変動表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。つまり、開放チャンス目を構成する確定演出図柄、並びにリーチ組合せを構成する確定演出図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している。但し、リーチ組合せを構成する確定演出図柄は、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときには表示され易く、「小当り」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときには表示され難くなっている。尚、これらリーチ組合せを構成する確定演出図柄は、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみとしても良い。したがって、リーチ組合せの確定演出図柄は、短期開放大当り状態に制御される可能性が高いこととなる。
確定演出図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる演出図柄の変動表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる演出図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定演出図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の変動表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の変動表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定演出図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、演出表示装置5の表示領域にて演出図柄を変動表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、演出図柄の変動表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を判定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターンの前方部分(リーチ状態となるまでに実行される変動部分であって、リーチ状態とならないものである場合は、全ての変動部分に相当)を指定する前変動パターン指定コマンドである。コマンド82XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターンの後方部分(リーチ状態となってからの変動部分)を指定する後変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する前変動パターンまたは後変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する変動表示結果指定コマンドである。変動表示結果指定コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの判定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの判定結果(大当り種別判定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別判定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別判定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる旨の事前決定結果及び大当り種別判定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第5変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別判定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別判定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否か、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、後変動パターン判定用の乱数値MR3がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(後変動パターンの変動カテゴリ)を示す変動カテゴリコマンドである。
この実施の形態では、入賞時乱数値判定処理(図19及び図20参照)において、始動入賞の発生に基づき、変動表示結果が「大当り」に判定されるか否かや「小当り」に判定されるか否か、大当りの種別、後変動パターン判定用の乱数値MR3がいずれの判定値の範囲になるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、変動表示結果が「大当り」や「小当り」に判定されることを指定する値や、大当り種別を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての乱数値MR3が含まれる判定値の範囲を指定する値(カテゴリを指定する値)を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、変動表示結果が「大当り」や「小当り」に判定されるか否か、大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて、後変動パターンの変動カテゴリを認識(特定)できる。
図柄指定コマンドの一例として、コマンドC400Hを変動表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた第1図柄指定コマンドとし、コマンドC401Hを変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる場合に応じた第2図柄指定コマンドとし、コマンドC402Hを変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる場合に応じた第3図柄指定コマンドとし、コマンドC403Hを変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合に応じた第4図柄指定コマンドとし、コマンドC404Hを変動表示結果が「小当り」となる場合に応じた第5図柄指定コマンドとする。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、変動表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。
また、変動カテゴリコマンドの一例として、コマンドC600Hを変動カテゴリが「非リーチ」となる場合に応じた第1変動カテゴリコマンドとし、コマンドC601Hを変動カテゴリが「スーパーリーチ」となる場合に応じた第2変動カテゴリコマンドとし、コマンドC602Hを変動カテゴリが「その他」となる場合に応じた第3変動カテゴリコマンドとすればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random
Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central
Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データ
の更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成さ
れる。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、後変動パターン判定用の乱数値MR3、前変動パターン判定用の乱数値MR4、普図表示結果判定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図13に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における演出図柄の変動表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
後変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンの後方部分である後変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。前変動パターン判定用の乱数値MR4は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンの前方部分である前変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果判定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「256」の範囲の値をとる。
図5及び図6は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が突確を除く「大当り」となる場合、「突確・小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が突確を除く「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。また、変動表示結果が「突確・小当り」である場合に対応した変動パターンは、突確・小当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチAまたはノーマルリーチBのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチA、スーパーリーチBまたはスーパーリーチCといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがあり、突確・小当り変動パターンには、ノーマルリーチCのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンがある。大当り変動パターンと突確・小当り変動パターンは、変動表示結果が「大当り」または「突確・小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
この実施の形態において実行可能な各変動パターンは、図5及び図6に示すように、前変動パターンと後変動パターンとの組み合わせよって構成される。但し、非リーチの変動パターン(非リーチPA1−5を除く)については、前変動パターンのみで構成される。尚、図5においては、非リーチの変動パターン(非リーチPA1−5を除く)の後変動パターンとして、後変動パターンが存在しないことを示す「PR0」の変動パターン名が、便宜上格納されている状態を示しているが、これら非リーチの変動パターンの後変動パターンは存在しない。
この実施の形態では、図5及び図6(A)に示すように、はずれとなる場合と大当りとなる場合の前変動パターンとして、変動時間が10秒で通常演出としての特別演出を伴わない通常の変動表示が実行されるPF1の前変動パターン(通常)と、変動時間が4.75秒とPF1よりも短くて特別演出を伴わない通常の変動表示が実行されるPF2の前変動パターン(短縮)と、変動時間が1.50秒とPF2よりも更に短くて特別演出を伴わない通常の変動表示が実行されるPF3の前変動パターン(超短縮)と、特別演出として「滑り」を伴う変動表示が実行されるPF4の前変動パターン(滑り)と、特別演出として2回の仮停止が実行される「擬似連」を伴う変動表示が実行されるPF5の前変動パターン(擬似連2回)と、特別演出として3回の仮停止が実行される「擬似連」を伴う変動表示が実行されるPF6の前変動パターン(擬似連3回)と、が設定されている。
また、図6(B)に示すように、突確・小当りとなる場合の前変動パターンとして、変動時間が12秒で通常の変動表示が実行されるPF7の前変動パターンと、特別演出として「滑り」を伴う変動表示が実行されるPF8の前変動パターンと、特別演出として1回の仮停止が実行される「擬似連」を伴う変動表示が実行されるPF9の前変動パターンと、が設定されている。尚、これらPF7、PF8、PF9の前変動パターンだけが決定され、後変動パターンが存在しない非リーチPC1−1、非リーチPC1−2、非リーチPC1−3については、停止図柄として、チャンス目が表示され、PF7、PF8、PF9の前変動パターンとともにノーマルリーチCに対応するPF7の後変動パターンが存在するノーマルPC1−4、ノーマルPC1−5、ノーマルPC1−6については、停止図柄として、リーチ状態ではずれの演出図柄の組み合わせ(リーチ目)が表示される。
また、はずれとなる場合と大当りとなる場合の後変動パターンとしては、図5及び図6に示すように、リーチ演出を含まない通常の変動表示が実行されるPR1の後変動パターン(通常)と、リーチ演出として第1態様のノーマルリーチAの演出が実施されるPR2の後変動パターン(ノーマルリーチA)と、リーチ演出として第2態様のノーマルリーチBの演出が実施されるPR3の後変動パターン(ノーマルリーチB)と、リーチ演出として第3態様のスーパーリーチAの演出が実施されるPR4の後変動パターン(スーパーリーチA)と、リーチ演出として第4態様のスーパーリーチBの演出が実施されるPR5の後変動パターン(スーパーリーチB)と、リーチ演出として第5態様のスーパーリーチCの演出が実施されるPR6の後変動パターン(スーパーリーチC)と、が設定されている。
また、図6(B)に示すように、突確・小当りとなる場合の前変動パターンとしては、リーチ演出として第6態様のノーマルリーチCの演出が実施されるPR7の後変動パターン(ノーマルリーチC)が設定されている。
尚、はずれとなる場合と大当りとなる場合と突確・小当りとなる場合のいずれについても、後変動パターンが存在しない非リーチの変動パターンが設定されており、これら後変動パターンが存在しない場合には、後変動パターンが存在しないことを示す「PR0」が設定される。
つまり、後変動パターンのうち、後変動パターンPR0は、変動時間が存在しない(つまり、後変動が実行されない)後変動パターンであり、後変動パターンPR1は、変動時間が3.75秒である非リーチ変動の後変動パターンであり、後変動パターンPR2は、変動時間が5.00秒でノーマルリーチAのリーチ演出が実行される後変動パターンであり、後変動パターンPR3は、変動時間が10.50秒でノーマルリーチBのリーチ演出が実行される後変動パターンであり、後変動パターンPR4は、変動時間が15.50秒でスーパーリーチAのリーチ演出が実行される後変動パターンであり、後変動パターンPR5は、変動時間が20.75秒でスーパーリーチBのリーチ演出が実行される後変動パターンであり、後変動パターンPR6は、変動時間が25.50秒でスーパーリーチCのリーチ演出が実行される後変動パターンであり、後変動パターンPR7は、変動時間が8.00秒でノーマルリーチCのリーチ演出が実行される後変動パターンである。
また、前変動パターンのうち、前変動パターンPF1は、変動時間が10.00秒で滑りや擬似連等の特別演出が実行されない前変動パターンであり、前変動パターンPF2は、変動時間が4.75秒で滑りや擬似連等の特別演出が実行されない前変動パターンであり、前変動パターンPF3は、変動時間が1.50秒で滑りや擬似連等の特別演出が実行されない前変動パターンであり、前変動パターンPF4は、変動時間が10.75秒で特別演出として滑りが実行される前変動パターンであり、前変動パターンPF5は、変動時間が12.75秒で特別演出として2回の擬似連が実行される前変動パターンであり、前変動パターンPF6は、変動時間が14.00秒で特別演出として3回の擬似連が実行される前変動パターンであり、前変動パターンPF7は、変動時間が12.00秒で滑りや擬似連等の特別演出が実行されない前変動パターンであり、前変動パターンPF8は、変動時間が12.75秒で特別演出として滑りが実行される前変動パターンであり、前変動パターンPF9は、変動時間が17.00秒で特別演出として1回の再変動を伴う擬似連が実行される前変動パターンである。
図5及び図6に示すように、上述した前変動パターンと後変動パターンのぞれぞれに、所定の変動時間が設定されており、各変動パターンの変動時間は、個々の変動パターンを構成する前変動パターンの変動時間と、後変動パターンの変動時間との合計となる。
つまり、この実施の形態では、非リーチPA1−5を除く非リーチの変動パターンは、前変動パターンのみで構成され、リーチの変動パターンは、いずれも、前変動パターンと後変動パターンの組み合わせによって構成されており、例えば、前変動パターンとしてPF4の前変動パターン(滑り)と、後変動パターンとしてPR4の後変動パターン(スーパーリーチA)との組み合わせが決定されることで、滑りの演出が実行された後にスーパーリーチAの演出が実行されるスーパーPA3−6の変動パターンが決定されることになる。
尚、この実施の形態では、図5及び図6に示すように、「滑り」の演出が実行された後にスーパーリーチとなる場合にはスーパーリーチAのみが決定され、スーパーリーチBやスーパーリーチCは決定されないようになっているとともに、「擬似連」の演出が実行された後にスーパーリーチとなる場合には、スーパーリーチBまたはスーパーリーチCのみが決定され、スーパーリーチAは決定されないようになっているように、前変動パターンと後変動パターンの一部の組み合わせについては決定されないように設定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、前変動パターンと後変動パターンの全ての組み合わせが決定されるようにしても良い。
これら前変動パターンと後変動パターンの組み合わせについては、具体的には、後述する図9〜図12に示すハズレ時後変動パターン判定テーブル(通常時)、ハズレ時変動パターン判定テーブル(時短制御中)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留0,1)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留2〜4)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留5〜8)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留0)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留1)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留2〜8)、大当り時後変動パターン判定テーブル、大当り時前変動パターン判定テーブル、突確・小当り時後変動パターン判定テーブル、突確・小当り時前変動パターン判定テーブルに基づいて決定(判定)される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や判定、設定を行うために用意された複数の判定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図9〜図12に示す前変動パターンと後変動パターンを決定(判定)するための各種の判定テーブル等のテーブルデータなどが、記憶されている。
図7は、ROM101に記憶される特図表示結果判定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、特図表示結果判定テーブルとして、図7(A)に示す第1特図表示結果判定テーブル130Aと、図7(B)に示す第2特図表示結果判定テーブル130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果判定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果判定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果判定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果判定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果判定テーブル130Aや第2特図表示結果判定テーブル130Bにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定結果に割り当てられる判定用データとなっている。第1特図表示結果判定テーブル130Aと第2特図表示結果判定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると判定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果判定テーブル130Aと第2特図表示結果判定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると判定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの判定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果判定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の判定値(「30000」〜「30350」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果判定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に判定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて変動表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて変動表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると判定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると判定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表示結果判定テーブル130Bにおいても、第1特図表示結果判定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の判定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果判定テーブル130Bでは、第1特図表示結果判定テーブル130Aに比べて少ない判定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると判定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果判定テーブルを参照して、特図表示結果の判定を行うようにしてもよい。
図8は、ROM101に記憶される大当り種別判定テーブル131の構成例を示している。大当り種別判定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると判定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに判定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブル131では、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別判定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の判定値(「83」〜「100」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して判定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに判定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに判定する場合とで、大当り種別を「突確」に判定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると判定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の判定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない判定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の判定を行うようにしてもよい。
図9〜図12は、ROM101に記憶される変動パターン判定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン判定テーブルとして、図9(A)に示すハズレ時後変動パターン判定テーブル(通常時)と、図9(B)に示すハズレ時後変動パターン判定テーブル(時短制御中)と、図10(A)に示すハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留0,1)と、図10(B)に示すハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留2〜4)と、図10(C)に示すハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留5〜8)と、図11(A)に示すハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留0)と、図11(B)に示すハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留1)と、図11(C)に示すハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留2〜8)と、図12(A)に示す大当り時後変動パターン判定テーブルと、図12(B)に示す大当り時前変動パターン判定テーブルと、図12(C)に示す突確・小当り時後変動パターン判定テーブルと、図12(D)突確・小当り時前変動パターン判定テーブルとが、予め用意されている。
図9(A)に示すハズレ時後変動パターン判定テーブル(通常時)は、時短制御や確率変動制御が実施されていない通常状態において特図表示結果を「ハズレ」にすると判定されたときに、後変動パターンを後変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに判定するために参照されるテーブルであり、図9(B)に示すハズレ時後変動パターン判定テーブル(時短制御中)は、時短制御が実施されている時短状態において特図表示結果を「ハズレ」にすると判定されたときに、後変動パターンを後変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに判定するために参照されるテーブルである。ハズレ時後変動パターン判定テーブル(通常時)では、特図保留記憶数(合計保留記憶数)の数が「0」〜「1」、「2」〜「4」、「5」〜「8」のいずれかに応じて、後変動パターン判定用の乱数値MR3と比較される数値(判定値)が、後変動パターンPR0〜PR6のいずれかに割り当てられている。また、ハズレ時後変動パターン判定テーブル(時短制御中)では、特図保留記憶数(合計保留記憶数)の数が「0」、「1」、「2」〜「8」のいずれかに応じて、後変動パターン判定用の乱数値MR3と比較される数値(判定値)が、後変動パターンPR0〜PR6のいずれかに割り当てられている。これらハズレ時後変動パターン判定テーブル(通常時)及びハズレ時後変動パターン判定テーブル(時短制御中)には、各特図保留記憶数(合計保留記憶数)において、互いに各後変動パターンに判定される割合が異なるように、判定値が各後変動パターンに割り当てられている部分がある。これにより、ハズレ時後変動パターン判定テーブル(通常時)であれば、特図保留記憶数(合計保留記憶数)が「0」〜「1」、「2」〜「4」、「5」〜「8」のいずれかであるかに応じて、同一の後変動パターン(例えばPR0)に判定される割合を異ならせることができ、ハズレ時後変動パターン判定テーブル(時短制御中)であれば、特図保留記憶数(合計保留記憶数)が「0」、「1」、「2」〜「8」のいずれかであるかに応じて、同一の後変動パターン(例えばPR0)に判定される割合を異ならせることができる。
但し、この実施の形態のハズレ時後変動パターン判定テーブル(通常時)並びにハズレ時後変動パターン判定テーブル(時短制御中)では、図9に示すように、後述する先読み予告の予告対象となるスーパーリーチの後変動パターン「PR4」、「PR5」、「PR6」に対しては、特図保留記憶数(合計保留記憶数)の数に係わらず、共通の判定値範囲である800以上のMR3の乱数値が割り当てられていることで、始動入賞時における特図保留記憶数(合計保留記憶数)が、当該始動入賞に対応する変動表示が実施されるときの特図保留記憶数(合計保留記憶数)と異なっても、必ずスーパーリーチと判定されるように設定されている。
更に、この実施の形態のハズレ時後変動パターン判定テーブル(通常時)並びにハズレ時後変動パターン判定テーブル(時短制御中)では、図9に示すように、非リーチの後変動パターン「PR0」に対しては、特図保留記憶数(合計保留記憶数)の数に係わらず、共通の判定値範囲である399以下のMR3の乱数値が割り当てられていることで、始動入賞時における特図保留記憶数(合計保留記憶数)が、当該始動入賞に対応する変動表示が実施されるときの特図保留記憶数(合計保留記憶数)と異なっても、必ず非リーチと判定されるように設定されている。
図10(A)に示すハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留0,1)、図10(B)に示すハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留2〜4)、図10(C)に示すハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留5〜8)、図11(A)に示すハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留0)、図11(B)に示すハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留1)、図11(C)に示すハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留2〜8)は、ハズレ時後変動パターン判定テーブルに基づいて後変動パターンが判定された後に、前変動パターンを、前変動パターン判定用の乱数値MR4に基づいて、判定された後変動パターンに対応するいずれかの後変動パターンに判定するために参照されるテーブルである。
ハズレ時前変動パターン判定テーブルでは、ハズレ時後変動パターン判定テーブルにおいて判定された各後変動パターンのいずれかに応じて、前変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される数値(判定値)が、前変動パターンPF1〜PF6のいずれかに割り当てられている。ここで、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留0,1)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留2〜4)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留5〜8)は、遊技状態が通常状態であるときに使用テーブルとして選択される。これに対して、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留0)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留1)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留2〜8)は、例えば遊技状態が時短状態であるときに使用テーブルとして選択される。これらハズレ時前変動パターン判定テーブルには、ハズレ時後変動パターン判定テーブルにて判定された各後変動パターンに対応して、互いに各前変動パターンに判定される割合が異なるように、判定値が各前変動パターンに割り当てられている部分がある。
ハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留0,1)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留2〜4)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留5〜8)とハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留0)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留1)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留2〜8)とでは、互いに各前変動パターンに判定される割合が異なるように、判定値が各前変動パターンに割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、同一の前変動パターンに判定される割合を異ならせることができる。
また、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留0,1)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留2〜4)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留5〜8)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留0)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留1)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留2〜8)のいずれも、各前変動パターンに判定される割合が、保留記憶数の合計である合計保留記憶数の範囲毎に異なるように割り当てられている部分がある。
具体的には、図10に示す各ハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常中)については、後変動パターン「PR0」に対応する前変動パターン「PF1」、「PF2」、「PF3」、「PF4」に対する判定値の割り当てが合計保留記憶数の範囲毎に異なるように設定されている。つまり、合計保留記憶数が1以下である場合には、「PF2」の前変動パターン(短縮)と「PF3」の前変動パターン(超短縮)に対する判定値の割り当てがなく、「PF1」の前変動パターン(通常)に対する判定値の割り当てが多いことで、「PF1」の前変動パターン(通常)が決定されやい。また、合計保留記憶数が2〜4の範囲である場合には、「PF2」の前変動パターン(短縮)に対する判定値の割り当てが多いことで、「PF2」の前変動パターン(短縮)が決定されやすい。また、合計保留記憶数が5以上の範囲である場合には、「PF3」の前変動パターン(超短縮)に対する判定値の割り当てが多いことで、「PF3」の前変動パターン(超短縮)が決定されやすくなっており、保留記憶数が多くなるに従って、短い変動時間の前変動パターンが決定されやすくなることで、単位時間に消化される保留記憶数が多くなるようになっている。
同様に、図11に示す各ハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中)についても、後変動パターン「PR0」に対応する前変動パターン「PF1」、「PF2」、「PF3」、「PF4」に対する判定値の割り当てが合計保留記憶数の範囲毎に異なるように設定されている。具体的には、「PF1」の前変動パターン(通常)に対する判定値の割り当てが、保留記憶数が増加するにつれて漸減するように設定されているとともに、「PF3」の前変動パターン(超短縮)に対する判定値の割り当てが、保留記憶数が増加するにつれて漸増するように設定されている。よって、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常中)の場合と同様に、保留記憶数が多くなるに従って、短い変動時間の前変動パターンが決定されやすくなることで、単位時間に消化される保留記憶数が多くなるようになっている。
尚、図11に示す各ハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中)の「PF2」、「PF3」に対応する判定値数は、同一の保留記憶数の場合におけるハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常中)において「PF2」、「PF3」に対応する判定値数よりも多くなるように設定されていることで、遊技状態が時短中である場合には、通常状態であるときよりも、「PF2」の前変動パターン(短縮)や「PF3」の前変動パターン(超短縮)が決定されやすくなることで、単位時間に消化される保留記憶数が多い、つまり、単位時間に実行される特図ゲーム数が多くなることにより、大当りが発生するまでの期間が短縮されるようになっている。
図12(A)に示す大当り時後変動パターン判定テーブルは、「非確変大当り」または「確変大当り」とすると判定されたときに、後変動パターンを後変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに判定(決定)するために参照されるテーブルである。大当り時後変動パターン判定テーブルでは、大当り種別が「突確」を除く「非確変」または「確変」のいずれかに応じて、後変動パターン判定用の乱数値MR3と比較される数値(判定値)が、リーチ演出を伴う後変動パターンPR2〜PR6のいずれかに割り当てられている。この大当り時後変動パターン判定テーブルには、各大当り種別において、互いに各後変動パターンに判定される割合が異なるように、判定値が各後変動パターンに割り当てられている部分がある。これにより、大当り種別が「非確変」か「確変」のいずれかであるかに応じて、同一の後変動パターン、例えば、スーパーリーチの後変動パターンであるPR4〜PR6に判定される割合を異ならせることができる。
但し、この実施の形態の大当り時後変動パターン判定テーブルでは、図12に示すように、後述する先読み予告の予告対象となるスーパーリーチの後変動パターン「PR4」、「PR5」、「PR6」に対しては、大当り種別(「非確変」または「確変」)に係わらず、必ず共通の判定値範囲である50以上のMR3の乱数値が割り当てられていることで、MR3の乱数値が50以上であれば、必ずスーパーリーチであると判定することができるよう設定されている。
図12(B)に示す大当り時前変動パターン判定テーブルは、大当り時後変動パターン判定テーブルにおいて後変動パターンが判定された後に、前変動パターンを、前変動パターン判定用の乱数値MR4に基づいて、複数種類のうちのいずれかに判定するために参照されるテーブルである。大当り時前変動パターン判定テーブルでは、大当り時後変動パターン判定テーブルにおいて判定された各後変動パターンのいずれかに応じて、前変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される数値(判定値)が、前変動パターンPF1、PF4〜PF6のいずれかに割り当てられている。この大当り時前変動パターン判定テーブルには、大当り時後変動パターン判定テーブルにて判定された各後変動パターンに対応して、互いに各前変動パターンに判定される割合が異なるように、判定値が各前変動パターンに割り当てられている部分がある。これにより、大当り時後変動パターン判定テーブルにて判定された各後変動パターンに応じて、同一の前変動パターンに判定される割合を異ならせることができる。
尚、この実施例では、後変動パターンPR2〜PR6に対して、図6(A)に示す変動パターンとなるように、所定の前変動パターンのみを割り当てるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら後変動パターンPR2〜PR6に対して、全ての前変動パターンを割り当てるようにしても良い。
図12(C)に示す突確・小当り時後変動パターン判定テーブルでは、特図表示結果を「大当り」にすると判定され、且つ大当り種別を「突確」と判定されたとき(変動表示結果が「突確」となったとき)及び特図表示結果を「小当り」にすると判定されたとき(変動表示結果が「小当り」となったとき)に、後変動パターンを後変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに判定するために参照されるテーブルである。突確・小当り時後変動パターン判定テーブルでは、変動表示結果が「突確」または「小当り」のいずれかに応じて、後変動パターン判定用の乱数値MR3と比較される数値(判定値)が、後変動パターンPR0またはPR7のいずれかに割り当てられている。この突確・小当り時後変動パターン判定テーブルには、各変動表示結果において、互いに各後変動パターンに判定される割合が異なるように、判定値が各後変動パターンに割り当てられている部分がある。これにより、変動表示結果が「突確」が「小当り」のいずれであるかに応じて、同一の後変動パターン(例えば、PR7)に判定される割合を異ならせることができる。尚、PR7に対しては、突確のみにおいて判定値を割り当てることで、突確となる場合においてのみ、ノーマルリーチCの後変動パターンPR7が決定されるようにしても良い。
図12(D)に示す突確・小当り時前変動パターン判定テーブルは、大当り時後変動パターン判定テーブルにおいて後変動パターンが判定された後に、前変動パターンを、前変動パターン判定用の乱数値MR4に基づいて、複数種類のうちのいずれかに判定するために参照されるテーブルである。突確・小当り時前変動パターン判定テーブルでは、突確・小当り時後変動パターン判定テーブルにおいて判定された各後変動パターンのいずれかに応じて、前変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される数値(判定値)が、前変動パターンPF7PF9のいずれかに割り当てられている。この突確・小当り時前変動パターン判定テーブルには、突確・小当り時後変動パターン判定テーブルにて判定された各後変動パターンに対応して、互いに各前変動パターンに判定される割合が異なるように、判定値が各前変動パターンに割り当てられている部分がある。これにより、大当り時後変動パターン判定テーブルにて判定された各後変動パターンに応じて、同一の前変動パターンに判定される割合を異ならせることができる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図13に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図13に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、後変動パターン判定用の乱数値MR3、前変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、後変動パターン判定用の乱数値MR3、前変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かやスーパーリーチとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を判定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や判定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブル(図28参照)が記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンや予告演出制御パターン等の各種演出制御パターンが格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、図28に示すように、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンや、滑りや擬似連の変動パターンごとに、それぞれの演出開始タイミングを異ならせた複数種類の演出制御パターンが含まれてもよい。
図14(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータにおいて演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば演出図柄の変動表示中における各演出図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば演出図柄の変動表示中における演出図柄の変動表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図14(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31A(図1参照)に対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図14(B)に示す演出動作は、演出図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、演出図柄の変動表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、演出図柄の変動表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば演出図柄の変動表示を開始するときなどに、前変動パターン指定コマンドや後変動パターン指定コマンドとから特定される前変動パターンと後変動パターンとの組み合わせによる変動パターンに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出といった所定演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(演出表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図15(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図15(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図15(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)や図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、図15(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図15(B)では、バッファ番号「1」〜「5」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図15(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図15(B)に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」〜「5」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」〜「4」に対応した領域にシフトされる。図15(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのうち、バッファ番号「2」に対応した領域については、コマンド受信を正常に行えず、保留記憶数通知コマンドを取りこぼした場合の例が示されている。そのため、図15(B)に示す例では、バッファ番号「2」に対応して、本来、保留記憶数通知コマンドが格納されるべき4つ目の記憶領域における内容が「0000(H)」のままとなっている。
始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納される始動入賞時のコマンド(始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数通知コマンド)に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かや、実行する場合における先読み予告パターンが決定される。このとき、始動入賞時のコマンドに取りこぼしや不整合が発生した場合には、それらのコマンドに対応する保留情報の変動表示が実行(消化)されるまで、先読み予告演出の設定が行われないように制限される。こうした先読み予告演出の設定が制限される期間(先読み予告制限中)に始動入賞時のコマンドを受信した場合に、その受信タイミングで先読み予告演出の設定が行われなかったものに対応して、未判定情報が「1」(あるいはオン状態)にセットされる。なお、先読み予告演出の実行を制限する場合には、所定期間内に発生した始動入賞に対応する変動表示を対象とする先読み予告演出について、全部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよいし、一部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図16のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図16に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図17は、特別図柄プロセス処理として、図16に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図18は、始動入賞判定処理として、図17のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図18に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、後変動パターン判定用の乱数値MR3、前変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR4を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR4を示す数値データがセットされる。
特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否か、さらには変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を判定するために用いられる。後変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む後変動パターンを判定するために用いられる。乱数値MR4は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む前変動パターンを判定するために用いられる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や演出図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む変動表示態様の判定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図16に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS212)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS213)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図16に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図19は、入賞時乱数値判定処理として、図18のステップS212にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図17のステップS110、図21)により、特図表示結果(特別図柄の変動表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの判定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図17のステップS111、図22)において、演出図柄の変動表示態様を具体的に規定する変動パターンの判定などが行われる。他方、これらの判定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄を導出表示すると判定される乱数値MR1であるか否かの判定や、演出図柄の変動表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かのカテゴリ判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、演出図柄の変動表示態様が所定表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告演出を実行するか否かを決定することができる。
図19及び図20に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、第1特図表示結果判定テーブル130Aまたは第2特図表示結果判定テーブル130Bを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の判定に用いられる特図表示結果判定用テーブルデータを選択する(ステップS402)。その後、図18のステップS209にて抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理により選択された特図表示結果判定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各判定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する判定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる判定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく変動表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、その乱数値MR1を示す数値データが所定の小当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS404)。CPU103は、ステップS402の処理により選択された特図表示結果判定用テーブルデータにおいて「小当り」の特図表示結果に割り当てられた判定値について、大当り判定範囲の場合と同様の処理を実行することにより、乱数値MR1が小当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。ステップS404にて小当り判定範囲内と判定された場合には(ステップS404;Yes)、変動表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行った後(ステップS405)、ステップS418に進む。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「04H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
ステップS418においては、変動カテゴリを「小当り」に特定してステップS420に進む。
また、ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS410)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別判定テーブル131を構成するテーブルデータから大当り種別判定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別判定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに判定されるかを判定する。こうしたステップS410の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS411)。一例として、ステップS410にて大当り種別が「確変」に判定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「01H」とし、大当り種別が「非確変」に判定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「02H」とし、大当り種別が「突確」に判定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「03H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
ステップS411の処理に続いて、ステップS412では、CPU103は、ステップS410の処理において判定した大当り種別が「突確」であるか否かを判定する。ステップS410の処理において判定した大当り種別が「突確」であるか否かは、例えば、ステップS411の処理において図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「03H」とするためのコマンドテーブルを設定したか否かを判定すればよい。大当り種別が「突確」である場合には(ステップS412;Yes)、ステップS417に進む。
大当り種別が「突確」でない場合には(ステップS412;No)、ステップS413に進んで、ステップS209の処理において抽出した乱数値MR3が50以上であるか否か、つまり、確変大当り、非確変大当りに係わらずスーパーリーチの後変動パターンに対して割り当てられている判定値に該当するか否かを判定する。乱数値MR3が50以上である場合には、ステップS416に進む。一方、乱数値MR3が50以上でない場合には、ステップS414に進んで、ステップS410の処理において判定した大当り種別が確変大当りであるか否かを判定する。
確変大当りでない場合には、ステップS417に進む。確変大当りである場合には、更に、ステップS209の処理において抽出した乱数値MR3が25以上であるか否か、つまり、確変大当りの場合においてのみスーパーリーチの後変動パターンに対して割り当てられている判定値に該当するか否かを判定する。
抽出した乱数値MR3が25以上である場合には、ステップS416に進む。一方、抽出した乱数値MR3が25以上でない場合には、ステップS417に進む。
ステップS416においては、後変動パターンの変動カテゴリを「スーパーリーチ」に特定してステップS420に進む。また、ステップS417においては、後変動パターンの変動カテゴリを「その他」に特定してステップS420に進む。つまり、本実施の形態では、「突確」を除く「非確変」、「確変」大当りにおいて、判定値の「50」が大当りに応じた変動カテゴリの閾値として設定されており、乱数値MR3の値が「50」以上であれば、自動的に変動カテゴリが「スーパーリーチ」と判定されるようになっている。
一方、ステップS404の処理において、小当り判定範囲内と判定されなかった場合には(ステップS404;No)、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS421;図20)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「00H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
そして、ステップS209の処理において抽出した乱数値MR3が800以上であるか否か、つまり、ハズレ時後変動パターン判定テーブル(通常時)及びハズレ時後変動パターン判定テーブル(時短制御中)において、合計保留記憶数に係わらずにスーパーリーチの後変動パターンに共通に割り当てられている判定値範囲に該当するか否かを判定する(ステップS422)。乱数値MR3が800以上である場合は(ステップS422;Yes)、変動カテゴリを「スーパーリーチ」に特定して(ステップS423)、ステップS420に進む。
乱数値MR3が800未満である場合は(ステップS422;No)、ステップS209の処理において抽出した乱数値MR3が399以下であるか否か、つまり、ハズレ時後変動パターン判定テーブル(通常時)及びハズレ時後変動パターン判定テーブル(時短制御中)において、合計保留記憶数に係わらずに非リーチの後変動パターンに対して共通して割り当てられている判定値範囲に該当するか否かを判定する(ステップS424)。乱数値MR3が399以下である場合は(ステップS424;Yes)、変動カテゴリを「非リーチ」に特定して(ステップS425)ステップS420に進む。また、乱数値MR3が399以下でない場合には(ステップS424;No)、変動カテゴリを「その他」に特定してステップS420に進む。つまり、本実施の形態では、判定値の「800」及び「399」がハズレに応じた変動カテゴリの閾値として設定されており、乱数値MR3の当りが「800」以上であれば、自動的に変動カテゴリが「スーパーリーチ」と判定され、「399」以下であれば、自動的に変動カテゴリが「非リーチ」と判定され、「400」以上「799」以下であれば、自動的に変動カテゴリが「その他」と判定されるようになっている。
そして、ステップS420の処理においてCPU103は、ステップS416、ステップS417、ステップS418、ステップS423、ステップS425、ステップS426のいずれかの処理により特定した変動カテゴリに応じた変動カテゴリコマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行った後、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図18に示す始動入賞判定処理や図19及び図20に示す入賞時乱数値判定処理では、図18におけるステップS211の処理を実行した後に、ステップS212にて図19及び図20に示す入賞時乱数値判定処理が実行されることで、図19におけるステップS405、S411、S421、S420の各種コマンドを送信するための処理を実行し、さらに図18におけるステップS214の処理を実行する。これらの処理が実行されてから、図16に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図17のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される以前に判定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、後変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて後変動パターンを複数種類のいずれかに判定する処理や、後変動パターンの判定結果に基づき、前変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データを用いて前変動パターンを複数種類のいずれかに判定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターン(前変動パターンと後変動パターン)が判定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、後変動パターン判定用の乱数値MR3、前変動パターン判定用の乱数値MR4を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を判定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、変動表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、変動表示結果が「小当り」となったときには、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図21は、特別図柄通常処理として、図17のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR4を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが判定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR4を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを判定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファ値に対応する特図表示結果判定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には第1特図表示結果判定テーブル130Aを使用テーブルにセットする。一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には第2特図表示結果判定テーブル130Bを使用テーブルにセットする。また、CPU103は、図19に示すステップS402の処理と同様に、現在の遊技状態に対応した特図表示結果判定用テーブルデータを選択すればよい。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを判定する(ステップS240)。
ステップS239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果判定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる判定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが判定される。例えば、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、第1特図表示結果判定テーブル130Aや第2特図表示結果判定テーブル130Bにおいて遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常判定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を判定する。これに対して、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、第1特図表示結果判定テーブル130Aや第2特図表示結果判定テーブル130Bにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別判定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を判定する。
ステップS240にて特図表示結果を判定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに判定するための使用テーブルとして、大当り種別判定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別判定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを判定する(ステップS244)。
ステップS244の処理にて大当り種別を判定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に判定されることになる。こうして判定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、判定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の判定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の判定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする判定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする判定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする判定結果に応じて、短期開放大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図22及び図23は、変動パターン設定処理として、図17のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、例えば遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかを特定し(ステップS263)ステップS264に進む。
ステップS264において、CPU103は、ステップS263において特定された大当り種別が「突確」であるか否かを判定する(ステップS264)。大当り種別が「突確」である場合は(ステップS264;Yes)、ステップS270に進み、大当り種別が「突確」でない場合は(ステップS264;No)、後変動パターンを複数種類のいずれかに判定するための使用テーブルとして、図12(A)に示す大当り時後変動パターン判定テーブルを選択し(ステップS265)、大当り時後変動パターン判定テーブルにおいてステップS263において特定された大当り種別(「非確変」または「確変」)に対応した判定値と乱数値MR3とに基づき後変動パターンを判定する(ステップS266)。そして、判定した後変動パターンに応じた後変動パターン指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS267)、図12(B)に示す大当り時前変動パターン判定テーブルを選択して(ステップS267a)ステップS273に進む。
ステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS269)。そして、小当りフラグがオンであれば(ステップS269;Yes)、後変動パターンを複数種類のいずれかに判定するための使用テーブルとして、図12(C)に示す突確・小当り時変動パターン判定テーブルを選択し(ステップS270)、変動表示結果(ステップS264でNoであれば「突確」、ステップS269でYesであれば「小当り」)に対応した判定値と乱数値MR3とに基づき後変動パターンを判定する(ステップS271)。そして、判定した後変動パターンに応じた後変動パターン指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS271a)、図12(D)に示す当突確・小当り時前変動パターン判定テーブルを選択してステップS273に進む。
ステップS269にて小当りフラグがオンでなければ(ステップS269;No)、第1特図保留記憶部151A及び第2特図保留記憶部151Bを参照することで、合計保留記憶数を特定し(ステップS281)、遊技状態が時短中であるか否かを判定する(ステップS281a)。尚、時短中であるか否かは、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認することで判定すればよい。時短中である場合は(ステップS281a;Yes)、ハズレ時後変動パターン判定テーブル(時短制御中)を選択してステップS283に進み、時短中でない場合は(ステップS281a;No)、ハズレ時後変動パターン判定テーブル(通常時)を選択してステップS283に進む。
ステップS283の処理において、CPU103は、ハズレ時後変動パターン判定テーブル(通常時)またはハズレ時後変動パターン判定テーブル(時短制御中)において、乱数値MR3に基づき合計保留記憶数に応じた後変動パターンを判定する(ステップS283)。そして、判定した後変動パターンに応じた後変動パターン指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS283a)、遊技状態が時短中であるか否かを判定する(ステップS284)。尚、時短中であるか否かは、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認することで判定すればよい。
時短中ではない場合は(ステップS284;No)、更に、ステップS281の処理において特定した合計保留記憶数が1以下であるか否かを判定する(ステップS285)。合計保留記憶数が1以下である場合は(ステップS285;Yes)、図10(A)に示すハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留0,1)を選択して(ステップS286)ステップS273に進み、合計保留記憶数が1以下でない場合、つまり、2以上である場合は(ステップS285;No)、ステップS281の処理において特定した合計保留記憶数が4以下であるか否かを判定する(ステップS287)。合計保留記憶数が4以下である場合(ステップS287;Yes)、つまり、合計保留記憶数が「2」〜「4」である場合は、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留2〜4)を選択して(ステップS288)ステップS273に進み、合計保留記憶数が4以下でない、つまり、5以上である場合は(ステップS287;No)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留5〜8)を選択して(ステップS289)ステップS273に進む。
ステップS284にて時短中である場合は(ステップS284;Yes)、ステップS281の処理において特定した合計保留記憶数が0であるか否かを判定する(ステップS291)。合計保留記憶数が0である場合は(ステップS291;Yes)、図11(A)に示すハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留0)を選択して(ステップS292)ステップS273に進み、合計保留記憶数が0でない場合、つまり、1以上である場合は(ステップS291;No)、ステップS281の処理において特定した合計保留記憶数が1であるか否かを判定する(ステップS293)。合計保留記憶数が1である場合は(ステップS293;Yes)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留1)を選択して(ステップS294)ステップS273に進み、合計保留記憶数が1でない、つまり、2以上である場合は(ステップS293;No)、ハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留2〜8)を選択して(ステップS295)ステップS273に進む。
ステップS273の処理にてCPU103は、ステップS267aで選択された大当り時前変動パターン判定テーブル、ステップS272で選択された突確・小当り時前変動パターン判定テーブル、ステップS286で選択されたハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留0,1)ステップS288で選択されたハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留2〜4)、ステップS289で選択されたハズレ時前変動パターン判定テーブル(通常時、保留4〜8)、ステップS292で選択されたハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留0)、ステップS294で選択されたハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留1)、ステップS295で選択されたハズレ時前変動パターン判定テーブル(時短制御中、保留2〜8)のうちのいずれかにおいて、乱数値MR4に基づき後変動パターンに応じた前変動パターンを判定する(ステップS273)。そして、判定した前変動パターンに応じた前変動パターン指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS273a)。
ステップS273aにて前変動パターン指定コマンドの送信設定を行った後には、ステップS266、ステップS271またはステップS283で判定された後変動パターンの変動時間と、ステップS273で判定された前変動パターンの変動時間とを合計した時間を、特別図柄の変動表示時間である特図変動時間として設定する(ステップS274)。特別図柄の変動表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから変動表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。
ステップS272の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS275)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS275の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS276)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果指定コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS277)、変動パターン設定処理を終了する。
ステップS276でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから図16に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、後変動パターン指定コマンド、前変動パターン指定コマンド、変動表示結果指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば変動表示結果指定コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、後変動パターン指定コマンド、前変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
図24は、図17のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図17に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して(ステップS322)、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであったかを特定する。このときには、特定された大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS323)。そして、大当り種別が「非確変」ではないと判定された場合には(ステップS323;No)、確変制御を開始するための設定を行う(ステップS324)。例えば、CPU103は、確変フラグをオン状態にセットする。
ステップS323にて大当り種別が「非確変」であると判定された場合や(ステップS323;Yes)、ステップS324の処理を実行した後には、時短制御を開始するための設定を行う(ステップS325)。例えば、CPU103は、時短フラグをオン状態にセットするとともに、時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」など)を、時短回数カウンタに設定する。なお、大当り種別が「突確」である場合には、短期開放大当り状態となる以前に時短制御が行われていたか否かに応じて、時短制御を開始する設定を行うか否かを異ならせてもよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、時短回数カウント値の初期設定は行わず、次に特図表示結果が「大当り」となるまで、確変制御と時短制御の双方が継続して行われるように設定してもよい。その後、特図プロセスフラグの値を“0”に初期化してから(ステップS326)、大当り終了処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図25のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図25に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や判定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図26は、コマンド解析処理として、図25のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS501;No)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS502;Yes)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS503)。例えば、ステップS503の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS502にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS502;No)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS504;Yes)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS505)。例えば、ステップS505の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS504にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS504;No)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(ステップS506;No)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(ステップS507;No)、その受信コマンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。そして、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS508;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS509)。
ステップS508にて受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS508;No)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS510)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS510;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS511)。
ステップS510にて受信コマンドが第2保留記憶通知コマンドではない場合には(ステップS510;No)、その受信コマンドは前変動パターン指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS512)。前変動パターン指定コマンドであるときには(ステップS512;Yes)、前変動パターン指定コマンドを前変動パターン格納領域に更新記憶し(ステップS513)、前変動パターン指定コマンド受信フラグをセットした後(ステップS514)、ステップS501に戻る。
ステップS512にて受信コマンドが前変動パターンコマンドではない場合には(ステップS512;No)、その受信コマンドは後変動パターン指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS515)。後変動パターン指定コマンドであるときには(ステップS515;Yes)、後変動パターン指定コマンドを後変動パターン格納領域に更新記憶し(ステップS516)、後変動パターン指定コマンド受信フラグをセットした後(ステップS517)、ステップS501に戻る。
ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(ステップS506;Yes)、ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(ステップS507;Yes)、あるいはステップS503、S505、S509、S511、S514、S517の処理のいずれかを実行した後には、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納してから(ステップS519)、ステップS501の処理に戻る。
なお、変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
ステップS515にて受信コマンドが後変動パターン指定コマンドではない場合には(ステップS515;No)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS518)、ステップS501の処理に戻る。
始動口入賞指定コマンドや図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのように、始動入賞が発生したときに主基板11から受信する演出制御コマンドは、始動入賞時のコマンドともいう。また、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が増加したことを認識可能に指定する演出制御コマンドである第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、保留記憶情報ともいう。保留記憶情報には、始動口入賞指定コマンドも含まれる。始動入賞が発生したときに、乱数値MR1〜MR3などを示す数値データに基づいて、変動表示結果が「大当り」や「小当り」に判定されるか否かの判定結果、大当り種別の判定結果、変動カテゴリの判定結果を指定する演出制御コマンドである図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドは、判定結果情報ともいう。なお、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド、のいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。各受信コマンドを区別して受信する場合には、取りこぼした受信コマンドの格納領域が空欄となり、1セットとして受信すべき一部の演出制御コマンドのみが過剰に格納されることになる。
具体的な一例として、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのいずれかを受信したときには、第1保留記憶数通知待ち時間や第2保留記憶数通知待ち時間が経過しているか否かを判定する。このとき、これらの待ち時間が経過していなければ、始動口入賞指定コマンドに対応するコマンドとして正常な受信期間内に受信できたとして、既に始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに記憶されている始動口入賞指定コマンドと対応付けて、受信コマンドを格納する。一方、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのいずれかを受信したときに、第1保留記憶数通知待ち時間や第2保留記憶数通知待ち時間が経過していれば、始動口入賞指定コマンドが欠落しているとして、あるいは、正常な受信期間内に受信できなかったとして、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにて新たなバッファ番号と対応付けて、受信コマンドを格納すればよい。
図27は、この実施の形態において演出制御基板12(演出制御用CPU120)において使用される乱数値SR1〜SR3を示している。
このうちSR1は、前変動パターン指定コマンドから特定される特別演出の内容として、擬似連や滑りの演出が含まれているときに、これら擬似連や滑りの演出を実施するタイミングを複数(この実施例では以下に示すように3つ)の中から決定するために用いられる乱数値であり、例えば、「1」〜「251」の範囲の値をとる。
また、乱数値SR2は、先読み予告処理において、予告対象となる可変表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された変動カテゴリコマンドの指定内容とステップS710aにて特定した合計保留記憶数に応じて第1先読み予告及び第2先読み予告の実行・非実行を決定するために用いられる乱数値であり、例えば、「1」〜「100」の範囲の値をとる。乱数値SR3は、第1先読み予告、第2先読み予告の実行が決定された場合に、予告対象となる可変表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された変動カテゴリコマンドの指定内容に応じて先読み予告パターンを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
尚、遊技効果を高めるために、これら乱数値SR1〜SR3以外の乱数値を乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出するようにしてもよい。
次に、この実施の形態において演出制御基板12(演出制御用CPU120)において使用される演出制御パターンテーブルについて、図28を用いて説明する。演出制御パターンテーブルは、前述したように、ROM121に記憶されており、前変動パターン指定コマンドから特定される前変動パターンと、後変動パターン指定コマンドから特定される後変動パターンとの各組み合わせに対して、少なくとも1つが割り当てられている。尚、図28には、演出制御パターンテーブルに格納されている特図変動時演出制御パターンのみを示ししている。
具体的には、前変動パターン指定コマンドから特定される前変動パターンが、擬似連の変動パターンであるPF5、PF6、PF9や滑りの変動パターンであるPF4、PF8以外の前変動パターンである場合には、前変動パターン指定コマンドと後変動パターン指定コマンドの組み合わせに対して1つのみの特図変動時演出制御パターンが設定されている一方、前変動パターン指定コマンドから特定される前変動パターンが、擬似連の変動パターンであるPF5、PF6、PF9や滑りの変動パターンであるPF4、PF8である場合には、図28に示すように、擬似連や滑りの演出が実行されるタイミングが異なる3種類の特図変動時演出制御パターンが設定されている。
例えば、滑りの変動パターンであるPF4のみを含む場合には、図28に示すように、滑りの演出が実行されるタイミングが早いCPA1−4Aの特図変動時演出制御パターンと、滑りの演出が実行されるタイミングが中間であるCPA1−4Bの特図変動時演出制御パターンと、滑りの演出が実行されるタイミングが遅いCPA1−4Cの特図変動時演出制御パターンと、が設定されている。
同様に、擬似連の変動パターンであるPF5と後変動パターンPR1との組み合わせについては、図28に示すように、擬似連の演出が実行されるタイミングが早いCPA1−5Aの特図変動時演出制御パターンと、滑りの演出が実行されるタイミングが中間であるCPA1−5Bの特図変動時演出制御パターンと、滑りの演出が実行されるタイミングが遅いCPA1−5Cの特図変動時演出制御パターンと、が設定されている。
尚、その他の擬似連の変動パターンであるPF6やPF9もPF5と同様に実行タイミングが異なる3つの特図変動時演出制御パターンが設定されているともに、その他の滑りの変動パターンであるPF8も、PF4と同様に実行タイミングが異なる3つの特図変動時演出制御パターンが設定されている。
このように、この実施の形態では、前変動パターン指定コマンドから特定される前変動パターンが、滑りまたは擬似連の演出パターンである場合には、演出が実行されるタイミングが早いタイプAの特図変動時演出制御パターンと、演出が実行されるタイミングが中間のタイプBの特図変動時演出制御パターンと、演出が実行されるタイミングが遅いタイプCの特図変動時演出制御パターンと、の3つ特図変動時演出制御パターンのうちの1つの演出制御パターンが、図29に示す演出制御パターンタイプ決定テーブルと、乱数値SR1とに基づいて決定されるようになっている。
つまり、この実施の形態では、滑りまたは擬似連の演出が実行されるタイミングが、演出制御基板12(演出制御用CPU120)において決定されるようになっているので、これら滑りまたは擬似連の演出が実行されるタイミングを、遊技制御用マイクロコンピュータ100にて決定する場合に比較して、遊技制御用マイクロコンピュータ100における決定負荷を低減することができる。
図29は、この実施の形態に用いた演出制御パターンタイプ決定テーブルを示す図である。この演出制御パターンタイプ決定テーブルは、滑りまたは擬似連の演出が実行されるタイミングを決定するために使用されるテーブルであり、滑りの前変動パターンであるPF4とPF8のそれぞれについて、タイプA、タイプB、タイプCに対して乱数値SR1の判定値が割り当てられているとともに、擬似連の前変動パターンであるPF5とPF6とPF9のそれぞれについて、タイプA、タイプB、タイプCに対して乱数値SR1の判定値が割り当てられている。
具体的には、滑りの前変動パターンであるPF4に関しては、図29に示すように、早いタイミングに該当するタイプAに対して1〜100の判定値が割り当てられ、中間のタイミングに該当するタイプBに対して101〜200の判定値が割り当てられ、遅いタイミングに該当するタイプCに対して201〜251の判定値が割り当てられている。つまり、滑り演出が発生する場合には、早いタイミングと中間のタイミングよりも、遅いタイミングが少しだけ決定され難くなっている。
また、小当りまたは突確当りにおいて発生する滑りの前変動パターンであるPF8に関しては、図29に示すように、早いタイミングに該当するタイプAに対して1〜150の判定値が割り当てられ、中間のタイミングに該当するタイプBに対して151〜230の判定値が割り当てられ、遅いタイミングに該当するタイプCに対して231〜251の判定値が割り当てられている。つまり、滑り演出の実行されるタイミングとして、早いタイミングが決定され易くなるように設定されており、滑り演出が早いタイミングで実行された場合には、小当りとなる可能性が高いことが示唆されるようになっている。
また、擬似連2回の前変動パターンであるPF5に関しては、図29に示すように、早いタイミングに該当するタイプAに対して1〜80の判定値が割り当てられ、中間のタイミングに該当するタイプBに対して81〜160の判定値が割り当てられ、遅いタイミングに該当するタイプCに対して161〜251の判定値が割り当てられており、いずれのタイミングについても、ほぼ等しい割合にて決定されるように設定されている。
また、擬似連3回の前変動パターンであるPF6に関しては、図29に示すように、早いタイミングに該当するタイプAに対して1〜30の判定値が割り当てられ、中間のタイミングに該当するタイプBに対して31〜100の判定値が割り当てられ、遅いタイミングに該当するタイプCに対して101〜251の判定値が割り当てられており、遅いタイミングが最も高い割合にて決定されるようになっている。
また、擬似連1回の前変動パターンであるPF9に関しては、早いタイミングに該当するタイプAに対して1〜150の判定値が割り当てられ、中間のタイミングに該当するタイプBに対して151〜230の判定値が割り当てられ、遅いタイミングに該当するタイプCに対して231〜251の判定値が割り当てられており、早いタイミングが最も高い割合にて決定されるようになっている。
つまり、擬似連の場合には、擬似連が実施されるタイミングが早いと少ない回数の擬似連となる可能性が高く、擬似連が実施されるタイミングが遅いと多い回数の擬似連となる可能性が高くなっており、これら擬似連の回数が実施されるタイミングによって示唆されるように設定されている。
尚、本実施例では、これら滑りや擬似連の実行タイミングを、当該可変表示において大当りとなるか否かやスーパーリーチとなるか否かによって、異なるように決定することで、これら滑りや擬似連の実行タイミングによって大当りとなるか否かやスーパーリーチとなるか否かを示唆するようにしていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら滑りや擬似連の実行タイミングによって大当りとなるか否かやスーパーリーチとなるか否かを示唆するようにしても良い。
図30は、演出制御プロセス処理として、図25のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、第4図柄処理を実行し(ステップS160)、該第4図柄処理終了後は先読み予告演出の有無や演出態様を決定する先読み予告処理を実行する(ステップS161)。
ここで、図31に基づいて、ステップS160にて実行される第4図柄処理について説明する。第4図柄処理において演出制御用CPU120は、まず、第4図柄の変動中であるか否かを第4図柄変動中フラグがセットされているか否かに基づいて判定する(ステップS180)。
第4図柄変動中フラグがセットされていない場合、つまり、第4図柄が変動中でない場合には、ステップS181に進んで、後変動パターン受信フラグまたは前変動パターン受信フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。
後変動パターン受信フラグまたは前変動パターン受信フラグのいずれもセットされていない場合には当該処理を終了する一方、後変動パターン受信フラグまたは前変動パターン受信フラグのいずれかがセットされている場合には、ステップS182に進んで、第4図柄の変動を開始するとともに、第4図柄変動中フラグをセットして(ステップS183)、当該処理を終了する。
また、第4図柄変動中フラグがセットされている場合、つまり、第4図柄が変動中である場合には、ステップS180からステップS185に進んで、第4図柄の変動を行う第4図柄変動処理を実行する。
この第4図柄変動処理では、図41に示すように、演出表示装置5の表示領域内の所定領域に設定された第4図柄表示部内に表示された第4図柄である「○」と「△」の図柄の色を、所定時間毎に赤色や青色に交互に変化させて変動させる処理が実行される。
具体的には、「○」または「△」の図柄の色が変更されたときにセットされる第4図柄変動表示タイマがタイマアップしたか否かを判定し、第4図柄変動表示タイマがタイマアップしていない場合には、該第4図柄変動表示タイマを−1して当該第4図柄変動処理を終了し、第4図柄変動表示タイマがタイマアップした場合には、表示色が変化されている一方の図柄表示を白色表示にするとともに、表示色が白色の他方の図柄表示を赤色表示または青色表示に変化させ、第4図柄変動表示タイマのタイマカウントをスタートさせるようになっており、このようにすることで、第4図柄変動表示タイマに設定されている期間(例えば0.5秒)毎に、「○」または「△」の図柄の表示色が交互に変化するように表示される。
次に、ステップS186に進んで、図柄確定コマンド受信フラグがセットされているか否か、つまり、特別図柄の停止図柄が導出表示される変動表示停止タイミングであるか否かを判定する。
図柄確定コマンド受信フラグがセットされていない場合には当該処理を終了する一方、図柄確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、ステップS187に進んで、第4図柄変動中フラグをリセットした後、第4図柄の変動表示を停止する第4図柄変動停止処理を実行したのち、当該処理を終了する。
第4図柄変動停止処理においては、該第4図柄の変動開始時に受信した変動表示結果指定コマンドから特定される変動表示結果が「大当り」である場合には、「○」の赤色表示が継続表示されることで停止図柄として表示される一方、変動表示結果指定コマンドから特定される変動表示結果が「はずれ」である場合には、「△」の青色表示が継続表示されることで停止図柄として表示される。
このように、この実施の形態においては、後変動パターン受信フラグまたは前変動パターン受信フラグのいずれかがセットされていれば第4図柄の変動表示が実施されるので、後変動パターン受信フラグまたは前変動パターン受信フラグのいずれかがセットされていないことで、後述するように、演出表示装置5において演出図柄の変動表示が実行されなくても、第4図柄については変動表示が実行されるので(図41参照)、遊技者は、変動表示が実行されていることを認識できるようになる。
また、この実施の形態においては、第4図柄として異なる図柄である「○」と「△」の図柄を用いて変動表示を実施する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第4図柄として、例えば、「○」または「△」の一方の図柄のみを使用して、該一方の図柄の表示色を、所定期間毎に、例えば、白色と赤色に交互に変化させることで変動表示を行うようにしても良い。
また、この実施の形態においては、第4図柄においては、特別図柄のように、第1特図と第2特図とを設けずに、第1始動入賞でも第2始動入賞でも同じ第4図柄の変動表示を実施しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1始動入賞の場合には、「○」の図柄のみを使用して、「○」の図柄の表示色を、所定期間毎に、例えば、白色と青色に交互に変化させることで変動表示を行い、第2始動入賞の場合には、「△」の図柄のみを使用して、「△」の図柄の表示色を、所定期間毎に、例えば、白色と赤色に交互に変化させることで変動表示を行うようにしても良い。尚、このように、第1始動入賞の場合と第2始動入賞に対応した第4図柄の変動表示を行う場合においては、上記した「○」と「△」のように、形状等が異なるものではなく、形状等が同一のものであっても良い。
図32、図33は、図30のステップS161にて実行される先読み予告処理の一例を示すフローチャートである。図32、図33に示す先読み予告処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける記憶内容をチェックする(ステップS701)。そして、始動入賞時のコマンドのうち、少なくともいずれかとなる新たな受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS702)。例えば、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに少なくとも始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドまたは保留記憶数通知コマンドのうち、いずれかが新たに格納されているか否かを確認することにより受信コマンドの有無を判定できる。いずれのコマンドも新たに受信していなければ(ステップS702;No)、そのまま先読み予告処理を終了する。
ステップS702にて受信コマンドがあると判定された場合には(ステップS702;Yes)、既に先読み予告演出を実行中であるか否かを判定する(ステップS703)。例えば、ステップS703の処理では、演出制御フラグ設定部191に設けられた先読み予告実行中フラグ(第1先読み予告実行中フラグ、または/及び、第2先読み予告実行中フラグ)がオンであるときに、先読み予告演出を実行中であると判定すればよい。先読み予告実行中フラグは、先読み予告演出(第1先読み予告演出、または/及び、第2先読み予告演出)が実行されるときにオン状態にセットされる。
この実施の形態では、既に先読み予告演出を実行中であるときには、さらに先読み予告演出の実行を判定するための処理が行われないようにして、既に判定した演出態様で先読み予告演出が実行される。一方、変動表示態様が「非リーチ」に判定される旨の入賞時判定結果に基づき先読み予告演出が実行されているときに、変動表示結果が「大当り」に判定される旨の入賞時判定結果やスーパーリーチを伴う変動パターンに判定される旨の入賞時判定結果が得られたときには、実行中の先読み予告演出からスーパーリーチや大当りの予告演出へと切り替えてもよい。なお、既に実行されている先読み予告演出の演出態様にかかわらず、さらに先読み予告演出を実行可能にしてもよい。
ステップS703にて先読み予告演出が実行中ではない場合には(ステップS703;No)、先読み予告演出の実行が制限される先読み予告制限中であるか否かを判定する(ステップS704)。ステップS704にて先読み予告制限中ではない場合には(ステップS704;No)、現在の遊技状態が時短制御を伴う時短制御中(高ベース状態)であるか否かを判定する(ステップS705)。
ステップS705にて時短制御中ではない場合には(ステップS705;No)、大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップS705a)。尚、大当り遊技中であるか否かは、セットされている演出制御プロセスフラグの値を参照し、該演出制御プロセスフラグが大当り中演出処理を示す”6”、またはエンディング演出処理を示す”7”であるか否かを判定すれば良い。
ステップS705aにて大当り遊技中ではない場合には(ステップS705a;No)、第1始動口入賞指定コマンドがセットされているか否か、つまり、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動入賞であるか否かを判定する(ステップS705b)。このように、この実施の形態においては、第1始動入賞であるか否かを判定することにより、第1始動入賞のみを先読み予告演出の対象としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第2始動入賞のみを対象とする先読み予告演出を、時短制御中において実行するようにしても良い。
ステップS705bにて第1始動口入賞指定コマンドがセットされている場合には(ステップS705b;Yes)、始動入賞の発生に基づく受信コマンドの順序と内容をチェックして(ステップS706)、正常に受信できたか否かを判定する(ステップS707)。ステップS707の処理では、例えば始動入賞時の受信コマンドが順番通りであるか否か、欠落なくすべて受信できたか否か、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しているか否か、始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドとの内容が整合しているか否かなどの確認を行い、いずれか1つでも否定された場合には、正常に受信できなかったと判定すればよい。なお、いずれか1つでも否定された場合に異常が発生したと判定するものに限定されず、例えばいずれか2つが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。あるいは、すべてが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。
ステップS707にて正常に受信できたと判定された場合には(ステップS707;Yes)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている前回までの変動カテゴリコマンドをチェックして(ステップS708)、先読み予告演出を実行可能な変動カテゴリであるか否かを判定する(ステップS709)。例えば、ステップS708の処理では、最新の変動カテゴリコマンドよりも1つ前までに受信して始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている変動カテゴリコマンドにより指定された変動カテゴリを読み取る。ステップS709の処理では、ステップS708における変動カテゴリの読取結果により、すべて「非リーチ」の変動表示態様に対応した変動カテゴリを指定するものである場合に、先読み予告演出を実行可能な変動カテゴリであると判定すればよい。こうして、予告対象となる変動表示が開始されるまでの各変動表示では、すべて「非リーチ」の変動表示態様となる場合に先読み予告演出が実行可能となる。これにより、先読み予告演出の途中でリーチ演出が実行されてしまい先読み予告演出の連続性が損なわれることを防止できる。なお、変動カテゴリコマンドで指定された変動カテゴリにかかわらず、先読み予告演出を実行可能であると判定してもよい。
ステップS709にて先読み予告演出を実行可能な変動カテゴリであると判定された場合には(ステップS709;Yes)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを参照することで合計保留記憶数を特定し(ステップS710a)、乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから先読み予告判定用の乱数値SR2及び先読み予告パターン判定用の乱数値SR3を抽出して(ステップS710b)(図27参照)ステップ710cに進む。このうち乱数値SR2は、先読み予告処理において、予告対象となる変動表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された変動カテゴリコマンドの指定内容とステップS710aにて特定した合計保留記憶数に応じて第1先読み予告及び第2先読み予告の実行・非実行を判定するために用いられる乱数値であり、例えば、「1」〜「100」の範囲の値をとる。乱数値SR3は、第1先読み予告、第2先読み予告の実行が判定された場合に、予告対象となる変動表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された変動カテゴリコマンドの指定内容に応じて先読み予告パターンを判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
ステップS710cにおいて、演出制御用CPU120は、図34(A)に示す第1先読み予告実行判定テーブルを用いて、ステップS710bにおいて乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した乱数値SR2、予告対象となる変動表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された変動カテゴリコマンドの指定内容及びステップS710aにおいて特定した合計保留記憶数に応じた第1先読み予告演出の実行・非実行を判定し(ステップS710c)、ステップS710dに進む。
このように、この実施の形態では、第1先読み予告演出の実行・非実行を合計保留記憶数に応じて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1先読み予告演出の実行・非実行を第1保留記憶数に応じて決定するようにしても良い。
尚、第1先読み予告実行判定テーブルにおいては、変動カテゴリが「非リーチカテゴリ」である場合、合計保留記憶数が「1」であるときは5%、合計保留記憶数が「2」であるときは4%、合計保留記憶数が「3」であるときは3%、合計保留記憶数が「4」であるときは2%、合計保留記憶数が「5」以上であるときは1%の割合で、それぞれ第1先読み予告の実行が判定される。変動カテゴリが「スーパーリーチカテゴリ」である場合、合計保留記憶数が「1」であるときは35%、合計保留記憶数が「2」であるときは30%、合計保留記憶数が「3」であるときは25%、合計保留記憶数が「4」であるときは20%、合計保留記憶数が「5」以上であるときは15%の割合で、それぞれ第1先読み予告の実行が判定される。変動カテゴリが「その他カテゴリ」である場合、合計保留記憶数が「1」であるときは12%、合計保留記憶数が「2」であるときは10%、合計保留記憶数が「3」であるときは8%、合計保留記憶数が「4」であるときは6%、合計保留記憶数が「5」以上であるときは4%の割合で、それぞれ第1先読み予告の実行が判定される。変動カテゴリが「小当り」である場合、合計保留記憶数が「1」であるときは30%、合計保留記憶数が「2」であるときは25%、合計保留記憶数が「3」であるときは20%、合計保留記憶数が「4」であるときは15%、合計保留記憶数が「5」以上であるときは10%の割合で、それぞれ第1先読み予告の実行が判定される。変動カテゴリが「大当り」である場合、合計保留記憶数が「1」であるときは90%、合計保留記憶数が「2」であるときは80%、合計保留記憶数が「3」であるときは70%、合計保留記憶数が「4」であるときは60%、合計保留記憶数が「5」以上であるときは50%の割合で、それぞれ第1先読み予告の実行が判定される。尚、「大当り」の変動カテゴリであるか否かは、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに記憶されている図柄指定コマンドが「非確変大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」に対応する図柄指定コマンドであることから特定されるカテゴリである。
このように、第1先読み予告実行判定テーブルにおいては、合計保留記憶数が同一数であれば、変動カテゴリが「スーパーリーチカテゴリ」や「小当りカテゴリ」である場合には、「非リーチカテゴリ」や「その他カテゴリ」である場合よりも、先読み予告演出が実行される割合が高くなっており、変動カテゴリが「大当り」である場合には、「非リーチカテゴリ」や「その他カテゴリ」である場合よりも、第1先読み予告演出が実行される割合が高くなっている。尚、いずれの保留記憶数においても、第1先読み予告演出が実行される割合は、「大当りカテゴリ」の場合が最も高い。また、第1先読み予告実行判定テーブルにおいては、保留記憶数が増加するほど、第1先読み予告演出が実行される割合が低くなっている。
ステップS710cの処理を実行した後は、該ステップS710cの処理において第1先読み予告演出の実行が判定されたか否かを判定する(ステップS710d)。ステップS710cの処理において第1先読み予告演出の実行が判定されなかった場合(非実行に判定)は(ステップS710d;No)、ステップS712aに進み、ステップS710cの処理において第1先読み予告演出の実行が判定された場合(実行に判定)は(ステップS710d;Yes)、第1先読み予告演出の予告パターンを判定するために用いるテーブルとして図35(A)に示す先読み予告パターン判定テーブルAを選択し(ステップS710e)、該先読み予告パターン判定テーブルAを用いて、乱数値SR3、予告対象となる変動表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された変動カテゴリコマンドの指定内容に応じた第1先読み予告パターンを判定する(ステップS710f)。
ステップS710fの処理では、例えば図35(A)に示すような判定割合で、第1先読み予告演出の先読み予告パターンが判定されればよい。図35(A)に示す判定割合の設定例では、変動カテゴリに応じて、第1先読み予告演出における先読み予告パターンの判定割合を異ならせている。
この実施の形態では、第1先読み予告演出の先読み予告パターンとして、SYP1−1、SYP1−2、SYP1−3の3種類が設けられている。この実施の形態では、第1先読み予告演出は、先読み判定の対象となった予告対象となる変動表示に対応する保留記憶表示の表示態様を通常とは異なる特殊態様に変化させる先読み予告演出となっている。先読み予告パターンSYP1−1、SYP1−2、SYP1−3では、それぞれ異なる特殊態様に変化させる先読み予告演出が実行される。例えば、先読み予告パターンSYP1−1に判定された場合には、予告対象となる変動表示に対応する保留記憶表示の表示態様を例えば銀色表示とする第1先読み予告演出が実行され、先読み予告パターンSYP1−2に判定された場合には、予告対象となる変動表示に対応する保留記憶表示の表示態様を例えば金色表示とする第1先読み予告演出が実行され、先読み予告パターンSYP1−3に判定された場合には、予告対象となる変動表示に対応する保留記憶表示の表示態様を例えば星形表示とする第1先読み予告演出が実行される。
図35(A)に示すように、先読み予告パターン判定テーブルAでは、変動カテゴリが「非リーチカテゴリ」である場合は、先読み予告パターンとしてSYP1−1が100%の割合で選択判定され、変動カテゴリが「スーパーリーチカテゴリ」である場合は、先読み予告パターンとしてSYP1−1が10%、SYP1−2が90%の割合で選択判定され、変動カテゴリが「その他」である場合は、先読み予告パターンとしてSYP1−1が99%、SYP1−2が1%の割合で選択判定され、変動カテゴリが「小当り」である場合は、先読み予告パターンとしてSYP1−1が80%、SYP1−2が20%の割合で選択判定され、変動カテゴリが「大当り」である場合は、先読み予告パターンとしてSYP1−1が35%、SYP1−2が45%、SYP1−3が20%の割合で選択判定される。
このように、先読み予告パターン判定テーブルAにおいて変動カテゴリが「大当り」である場合には、全ての先読み予告パターンが判定可能になっている。このような設定により、先読み予告パターンSYP1−3の第1先読み予告演出が実行された場合には、変動表示結果が「大当り」となることが確定し、先読み予告パターンSYP1−2の第1先読み予告演出が実行された場合には、変動表示結果が「大当り」、「小当り」またはスーパーリーチ、ノーマルリーチ等のその他のハズレが発生することが確定するようになる。更に、先読み予告パターンSYP1−1の第1先読み予告演出が実行された場合には、変動表示結果が「大当り」、「小当り」またはスーパーリーチ、ノーマルリーチ等のその他のハズレ、非リーチの全てが発生する。このような設定により、第1先読み予告演出の先読み予告パターンがSYP1−3>SYP1−2>SYP1−1の順番で、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなり、遊技者の期待度も高くなる。
ステップS710fの処理において第1先読み予告演出の先読み予告パターンを判定した後は、判定した先読み予告パターンを、演出制御バッファ設定部194に設けられた先読み予告バッファに格納して(ステップS711)ステップS712aに進む。また、ステップS711では、第1予告残回数カウンタに特図保留記憶数をカウント初期値として設定することなどにより、第1先読み予告演出の残り実行回数を設定するとともに、例えば第1先読み予告実行中フラグをオン状態にセットするといった、第1先読み予告演出が実行中であることに対応した設定を行う。なお、先読み予告パターンは、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号に対応付けて記憶してもよい。
ステップS712aでは、後述する第2先読み予告演出の先読み予告パターンが、演出制御バッファ設定部194に設けられた先読み予告バッファに格納されているか否かを判定する(ステップS712a)。第2先読み予告演出の先読み予告パターンが先読み予告バッファに格納されている場合(ステップS712a;Yes)、つまり、既に、第2先読み予告演出である連続予告の実行が判定されている場合にはステップS718に進む一方、第2先読み予告演出の先読み予告パターンが先読み予告バッファに格納されていない場合(ステップS712a;No)、つまり、第2先読み予告演出である連続予告の実行が判定されていない場合には、図34(B)に示す第2先読み予告実行判定テーブルを用いて、ステップS710bにおいて乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した乱数値SR3、予告対象となる変動表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された変動カテゴリコマンドの指定内容及びステップS710aにおいて特定した合計保留記憶数に基づいて、合計保留記憶数に応じた割合にて第2先読み予告演出の実行・非実行を判定し(ステップS712b)、ステップS712cに進む。
このように、この実施の形態では、第2先読み予告演出の実行・非実行を合計保留記憶数に応じて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第2先読み予告演出の実行・非実行を第1保留記憶数に応じて決定するようにしても良い。
具体的には、ステップS712bにおいては、第2先読み予告実行判定テーブルに基づいて、変動カテゴリが「非リーチカテゴリ」である場合、合計保留記憶数が「1」であるときは2%、合計保留記憶数が「2」であるときは3%、合計保留記憶数が「3」であるときは4%、合計保留記憶数が「4」であるときは5%、合計保留記憶数が「5」以上であるときは6%の割合で、それぞれ第2先読み予告の実行が判定される。変動カテゴリが「スーパーリーチカテゴリ」である場合、合計保留記憶数が「1」であるときは20%、合計保留記憶数が「2」であるときは25%、合計保留記憶数が「3」であるときは30%、合計保留記憶数が「4」であるときは35%、合計保留記憶数が「5」以上であるときは40%の割合で、それぞれ第2先読み予告の実行が判定される。変動カテゴリが「その他」である場合、合計保留記憶数が「1」であるときは6%、合計保留記憶数が「2」であるときは8%、合計保留記憶数が「3」であるときは10%、合計保留記憶数が「4」であるときは12%、合計保留記憶数が「5」以上であるときは14%の割合で、それぞれ第2先読み予告の実行が判定される。変動カテゴリが「小当り」である場合、合計保留記憶数が「1」であるときは15%、合計保留記憶数が「2」であるときは20%、合計保留記憶数が「3」であるときは25%、合計保留記憶数が「4」であるときは30%、合計保留記憶数が「5」以上であるときは35%の割合で、それぞれ第2先読み予告の実行が判定される。変動カテゴリが「大当り」である場合、合計保留記憶数が「1」であるときは55%、合計保留記憶数が「2」であるときは65%、合計保留記憶数が「3」であるときは75%、合計保留記憶数が「4」であるときは85%、合計保留記憶数が「5」以上であるときは95%の割合で、それぞれ第2先読み予告の実行が判定される。
このように、第2先読み予告実行判定テーブルにおいては、合計保留記憶数が同一数であれば、変動カテゴリが「大当りカテゴリ」や「スーパーリーチカテゴリ」や「小当りカテゴリ」である場合には、「非リーチカテゴリ」や「その他カテゴリ」である場合よりも、第2先読み予告演出が実行される割合が高くなっている。尚、いずれの保留記憶数においても、第2先読み予告演出が実行される割合は、「大当りカテゴリ」の場合が最も高い。また、第2先読み予告実行判定テーブルにおいては、第1先読み予告実行判定テーブルの傾向とは逆に、保留記憶数が増加するほど、第2先読み予告演出が実行される割合が高くなっている。
つまり、図34に示すように、この実施の形態においては、第1先読み予告実行判定テーブルにおける判定値の割り当て傾向と、第2先読み予告実行判定テーブルにおける判定値の割り当て傾向とが逆転するように割り当てられていることで、同じ変動カテゴリについて、同一の保留記憶数に対応する判定割合が異なっているので、例えば、同一の保留記憶数においてスーパーリーチとなるときに、第1先読み予告の実行が判定される割合と第2先読み予告の実行が判定される割合とが異なるようになっている。尚、スーパーリーチ以外の変動カテゴリにおいても、図34に示すように、第1先読み予告の実行が判定される割合と第2先読み予告の実行が判定される割合とが異なるようになっている。
尚、本実施の形態では、前述したように、第2先読み予告実行判定テーブルにおいて、保留記憶数が増加するほど第2先読み予告演出が実行される割合が高く設定されているのは、第2先読み予告が連続予告演出であるので、保留記憶数が多い方が連続演出を実行するのに適していること、また、第1先読み予告実行判定テーブルにおいて、保留記憶数が増加するほど第1先読み予告演出が実行される割合が低く設定されているのは、第1先読み予告が保留予告演出であるので、保留記憶数に影響されることなく演出を実行可能であることに基づくものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの判定割合の傾向が逆傾向となるように設定しても良い。
ステップS712bの処理を実行した後は、該ステップS712bにおいて第2先読み予告演出の実行が判定されたか否かを判定する(ステップS712c)。第2先読み予告演出の実行が判定されなかった場合(非実行に判定)は(ステップS712c;No)、ステップS716に進み、第2先読み予告演出の実行が判定された場合(実行に判定)は(ステップS712c;Yes)、ステップS710fで判定された第1先読み予告演出の先読み予告パターンが最も大当り信頼度の低い先読み予告パターンSYP1−1であるか否かを判定する(ステップS712d)。
ステップS710fで判定された第1先読み予告演出の先読み予告パターンがSYP1−1であれば(ステップS712d;Yes)、第2先読み予告演出の予告パターンを判定するために用いるテーブルとして図35(C)に示す先読み予告パターン判定テーブルCを選択して(ステップS713a)ステップS714に進み、ステップS710fで判定された第1先読み予告演出の先読み予告パターンがSYP1−1でなければ(ステップS712d;No)、2先読み予告演出の予告パターンを判定するために用いるテーブルとして図35(B)に示す先読み予告パターン判定テーブルBを選択して(ステップS713b)ステップS714に進む。
図35(B)に示すように、先読み予告パターン判定テーブルBでは、変動カテゴリが「非リーチカテゴリ」である場合は、先読み予告パターンとしてSYP2−1が100%の割合で選択判定され、変動カテゴリが「スーパーリーチカテゴリ」である場合は、先読み予告パターンとしてSYP2−2が100%の割合で選択判定され、変動カテゴリが「その他」である場合は、先読み予告パターンとしてSYP2−1が100%の割合で選択判定され、変動カテゴリが「小当り」である場合は、先読み予告パターンとしてSYP2−1が100%の割合で選択判定され、変動カテゴリが「大当り」である場合は、先読み予告パターンとしてSYP2−1が35%、SYP2−2が45%、SYP2−3が20%の割合で選択判定される。
このように、先読み予告パターン判定テーブルBにおいて変動カテゴリが「大当り」である場合には、全ての先読み予告パターンに判定可能になっている。このような設定により、先読み予告パターンSYP2−3の第2先読み予告演出が実行された場合には、変動表示結果が「大当り」となることが確定し、先読み予告パターンSYP2−2の第2先読み予告演出が実行された場合には、変動表示結果が「大当り」、またはスーパーリーチ、が発生することが確定するようになる。更に、先読み予告パターンSYP2−1の第2先読み予告演出が実行された場合には、変動表示結果が「大当り」、「小当り」またはノーマルリーチ等のその他のハズレ、非リーチが発生する。このような設定により、第2先読み予告演出の先読み予告パターンがSYP2−3>SYP2−2>SYP2−1の順番で、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなり、遊技者の期待度も高くなる。尚、この実施の形態では、先読み予告パターンSYP2−3の第2先読み予告演出が実行された場合には、変動表示結果が「大当り」となることが確定し、先読み予告パターンSYP2−2の第2先読み予告演出が実行された場合には、変動表示結果が「大当り」、またはスーパーリーチ、が発生することが確定するように設定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読み予告パターンSYP2−3の第2先読み予告演出が実行された場合には、「大当り」となる可能性が著しく高いが、はずれとなる場合があっても良いし、先読み予告パターンSYP2−2の第2先読み予告演出が実行された場合には、スーパーリーチとなる可能性が著しく高いが、スーパーリーチ以外の変動パターンとなる場合があっても良い。
また、図35(C)に示すように、先読み予告パターン判定テーブルCでは、変動カテゴリが「非リーチカテゴリ」、「スーパーリーチ」、「その他」、「小当り」である場合は、先読み予告パターンとしてSYP2−2が100%の割合で選択判定され、変動カテゴリが「大当り」である場合は、先読み予告パターンとしてSYP2−2が80%、SYP2−3が20%の割合で選択判定される。
このように、先読み予告パターン判定テーブルCにおいて変動カテゴリが「大当り」である場合には、先読み予告パターンとしてSYP2−2及びSYP2−3に判定可能であり、変動カテゴリが「非リーチカテゴリ」、「スーパーリーチ」、「その他」、「小当り」である場合には、先読み予告パターンとしてSYP2−2のみに判定される。このような設定により、先読み予告パターンSYP2−3の第1先読み予告演出が実行された場合には、変動表示結果が「大当り」となることが確定し、先読み予告パターンSYP2−2の第2先読み予告演出が実行された場合には、変動表示結果が「大当り」、「小当り」またはスーパーリーチ、ノーマルリーチ等のその他のハズレ、非リーチが発生する。このような設定により、第2先読み予告演出の先読み予告パターンがSYP2−3>SYP2−2の順番で、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなり、第1先読み演出の先読み予告パターンSYP1−1に続いて第2先読み予告演出の先読み予告パターンSYP2−1が実行されることが制限されているため、遊技者の期待度も高くなる。尚、この実施の形態では、先読み予告パターンSYP2−3の第2先読み予告演出が実行された場合には、変動表示結果が「大当り」となることが確定するように設定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読み予告パターンSYP2−3の第2先読み予告演出が実行された場合には、「大当り」となる可能性が著しく高いが、はずれとなる場合があっても良い。
この実施の形態では、前述したように、第2先読み予告演出の先読み予告パターンとして、SYP2−1、SYP2−2、SYP2−3の3種類が設けられている。この実施の形態では、第2先読み予告演出は、先読み判定の対象となった予告対象となる変動表示が実行されるまでの複数回の変動表示に亘って一連のキャラクタ画像など使用して実行される連続予告となる先読み予告演出となっている。先読み予告パターンSYP2−1、SYP2−2、SYP2−3では、それぞれ異なる演出態様の連続予告となる先読み予告演出が実行される。例えば、先読み予告パターンSYP2−1に判定された場合には、予め定められたキャラクタ画像Aを使用した連続予告が実行され、先読み予告パターンSYP2−2に判定された場合には、予め定められたキャラクタ画像Bを使用した連続予告が実行され、先読み予告パターンSYP2−3に判定された場合には、予め定められたキャラクタ画像Cを使用した連続予告が実行される。
なお、先読み予告パターンSYP1−1と先読み予告パターンSYP2−1との組合せ以外の先読み予告演出は重複して実行可能なので、遊技者の期待感を損なうことなく、遊技者の期待感を煽る予告演出を好適に実行することができる。このように、この実施の形態においては、先読み予告パターンSYP1−1である場合には、先読み予告パターンSYP2−1に対して決定割合の割り当てがない先読み予告パターン判定テーブルCを使用して第2先読み予告演出の種類を決定することにより、期待度が最も低い先読み予告パターンSYP1−1と先読み予告パターンSYP2−1との組合せを全く決定しないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1先読み予告演出のパターンと第2先読み予告演出のパターンとをランダムに決定し、該決定した第1先読み予告演出のパターンと第2先読み予告演出のパターンの組み合わせが、期待度が最も低い先読み予告パターンSYP1−1と先読み予告パターンSYP2−1との組合せである場合には、いずれか一方のパターンを、期待度が最も低いパターン以外のパターンに変更することにより、先読み予告パターンSYP1−1と先読み予告パターンSYP2−1との組合せを決定しないようにしても良い。
また、この実施の形態においては、期待度が最も低い先読み予告パターンSYP1−1ではない、先読み予告パターンSYP1−2が決定された場合には、ステップS712dにおいてNoと判定されることにより、先読み予告パターン判定テーブルBが選択されて、期待度が最も低い先読み予告パターンSYP2−1が決定される場合があるが、この場合にあっては、期待度が最も低い組み合わせではないものの、第1先読み予告演出の期待度よりも、第2先読み予告演出の期待度が低くなってしまうことで、遊技者の期待感を低下させてしまう可能性があるので、このような組み合わせとなった場合には、上記した期待度が最も低い組み合わせの一方を変更するのと同様に、期待度が低い方のパターンをより期待度の高い他のパターンに変更することにより、これら期待度が低いパターンが決定されることを制限するようにしても良い。
この実施の形態では、一の始動入賞の発生に基づいて送信された変動カテゴリコマンドの指定内容に基づいて、第1先読み予告演出及び第2先読み予告演出を実行するか否かや実行する場合の先読み予告パターンが判定される。これにより、同一の予告対象について大当り信頼度の低い先読み予告演出が重複して実行されることを制限できるので、予告演出によって遊技者の期待感を損なうことを防止でき、遊技の興趣が向上する。
また、この実施の形態では、図32のステップS710cにおいて、第1先読み予告演出を実行するか否かや実行する場合の先読み予告パターンが判定された後に、その判定結果に基づいて、図33のステップS713aまたはS713bが実行され、第2先読み予告演出を実行するか否かや実行する場合の先読み予告パターンが判定される。これにより、大当り信頼度の低い先読み予告演出が重複して実行されることを確実に制限できる。
ステップS713aまたはS713bの処理による判定に続いて、判定した先読み予告パターンを、演出制御バッファ設定部194に設けられ先読み予告バッファに格納する(ステップS715)。また、ステップS715では、第2予告残回数カウンタに特図保留記憶数をカウント初期値として設定することなどにより、第2先読み予告演出の残り実行回数を設定するとともに、例えば第2先読み予告実行中フラグをオン状態にセットするといった、第2先読み予告演出が実行中であることに対応した設定を行う。なお、先読み予告パターンは、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号に対応付けて記憶してもよい。
ステップS715の処理に続いて、先読み予告バッファの記憶内容を確認することなどにより、第2先読み予告演出を実行すると判定されたか否かを判定する(ステップS716)。
第2先読み予告演出を実行すると判定された場合には(ステップS716;Yes)、先読み予告バッファに格納された第2先読み予告演出の先読み予告パターンに基づいて、第2先読み予告演出の実行を開始するための設定を行う(ステップS717)。ステップS717の処理では、第2先読み予告演出の先読み予告パターンに対応した先読み予告演出用の演出制御パターンを読み出して、当該演出制御パターンに基づいて演出表示装置5などにおける演出制御を開始すればよい。
ステップS717の処理の後や、ステップS716において第2先読み予告演出を実行しないと判定された場合には(ステップS716;No)、先読み予告バッファの記憶内容を確認することなどにより、第1先読み予告演出を実行すると判定されたか否かを判定する(ステップS718)。
第1先読み予告演出を実行すると判定された場合には(ステップS718;Yes)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている最新の始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS719)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS719;Yes)、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示として、第1特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応する表示部位を、第1先読み予告演出の先読み予告パターンに対応した予告表示態様で更新する制御を行ってから(ステップS720)、先読み予告処理を終了する。
ステップS719にて第1始動口入賞指定コマンドではないと判定された場合には(ステップS719;No)、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示として、第2特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応する表示部位を、第1先読み予告演出の先読み予告パターンに対応した予告表示態様で更新する制御を行ってから(ステップS721)、先読み予告処理を終了する。ステップS719〜S721の処理が実行されることにより、第1先読み予告演出として保留表示予告が実行される場合には、始動入賞が発生して始動入賞時のコマンドを受信したタイミングで直ちに予告演出を開始させることができる。
図32のステップS703にて先読み予告演出が実行中であると判定されたときや(ステップS703;Yes)、ステップS704にて先読み予告制限中であると判定されたとき(ステップS704;Yes)、ステップS705にて時短制御中であると判定されたとき(ステップS705;Yes)、ステップS705aにて大当り遊技中であると判定されたとき(ステップS705a;Yes)、ステップS705bにて第1始動口入賞していコマンドがセットされていないと判定されたとき(ステップS705b;No)、ステップS709にて先読み予告演出を実行可能な変動カテゴリではないと判定されたとき(ステップS709;No)、あるいは、図33のステップS718にて第1先読み予告演出を実行しないと判定された場合には(ステップS718;No)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている最新の始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS722)。
ステップS722にて第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS722;Yes)、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示として、第1特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応する表示部位を、通常表示態様で更新する制御を行ってから(ステップS723)、先読み予告処理を終了する。一方、ステップS722にて第1始動口入賞指定コマンドではないと判定された場合には(ステップS722;No)、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示として、第2特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応する表示部位を、通常表示態様で更新する制御を行ってから(ステップS724)、先読み予告処理を終了する。
ステップS707にて始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判定されたときには(ステップS707;No)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける最新のコマンドに対応して、未判定情報をセットする(ステップS731)。例えば、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおけるバッファ番号ごとに、未判定情報の格納領域を設け、最新のコマンドに対応するバッファ番号の未判定情報を「1」(またはオン状態)にセットすればよい。
ステップS731の処理を実行した後には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示として、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を示す表示部位をそれぞれ、所定の非正常表示態様に変更して、新たに保留されたことに対応する表示部位の変更も行う(ステップS732)。なお、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)を正常に受信できなかった場合でも、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を正常に受信できていれば、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを特定することができるので、通常表示態様で保留表示を更新してもよい。非正常表示態様は、通常表示態様や予告表示態様であるときとは表示部位の表示色や表示形状、表示キャラクタなどの一部または全部を異ならせることにより、始動入賞時のコマンドに取りこぼしが生じたことを認識可能に報知できればよい。なお、新たに保留されたことに対応する表示部位のみを非正常表示態様とする一方で、その他の表示部位における表示態様は変更しなくてもよい。
ステップS732の処理を実行した後には、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた先読み予告制限フラグをオン状態にセットするといった、先読み予告制限中の設定を行ってから(ステップS733)、先読み予告処理を終了する。
こうした先読み予告処理では、ステップS707にて始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判定したときに、図32のステップS710fや図33のS714の処理を実行しないことで、先読み予告演出(第1先読み予告演出や第2先読み予告演出)を実行しないように制限される。これにより、例えば第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が増加したことを認識可能に指定する保留記憶情報としての保留記憶数通知コマンドを正常に受信することができなかったときには、先読み予告演出の実行を制限することができる。
なお、始動口入賞指定コマンドのみが欠落している場合や、保留記憶数通知コマンドのみが欠落している場合、あるいは、始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドとが整合しない場合にも、先読み予告演出を実行しないように制限されてもよい。すなわち、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のいずれが増加したかを認識可能に指定する保留記憶情報を取りこぼしたときには、先読み予告演出の実行を制限できればよい。これにより、信憑性の低い情報に基づいて先読み予告演出が実行されることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
例えば始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドといった、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のいずれが増加したかを認識可能に指定する保留記憶情報の一部または全部を取りこぼしたときには、その保留記憶に対応する変動表示の実行が終了するまで、先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、先読み予告演出と変動表示結果との整合がとれなくなることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
例えば図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった、始動入賞の発生時における判定結果を認識可能に指定する判定結果情報の一部または全部を取りこぼしたときには、その保留記憶に対応する変動表示の実行が終了するまで、先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、先読み予告演出と変動表示結果との整合が取れなくなることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
例えば図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった判定結果情報の一部を取りこぼした場合に、その他の判定結果情報によって判定結果を認識可能な場合であっても、その判定結果に基づく先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、信憑性の低い情報に基づいて先読み予告演出が実行されることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
例えば図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった複数の判定結果情報から認識可能な判定結果が整合しない場合に、いずれかの判定結果情報によって認識可能な判定結果に基づく先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、信憑性の低い情報に基づいて先読み予告演出が実行されることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、時短制御に伴う高開放制御が行われる高ベース状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づく先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。高開放制御が行われているときには、第2始動入賞口に遊技球を通過(進入)させて優先的に実行される第2特図を用いた特図ゲームを実行し続けることが可能になる。そのため、大当り遊技状態の終了前から第1特図を用いた特図ゲームの保留データに基づいて先読み予告演出の実行を開始して、大当り遊技状態の終了後にも継続して先読み予告演出を実行すると、変動表示結果が「大当り」となる保留データなどを保持した状態で多数回の変動表示を継続して実行することができ、第2特図を用いた特図ゲームを実行することで変動表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態へと繰り返し制御されることになってパチンコ遊技機1の射幸性が著しく高められるおそれがある。さらに、遊技者が第1特図を用いた特図ゲームで変動表示結果が「大当り」となることを認識しながら、第2始動入賞口に遊技球を繰り返し通過(進入)させて第2特図を用いた特図ゲームを繰り返し実行するか、第2始動入賞口に遊技球を通過(進入)させずに第1特図を用いた特図ゲームを実行するかにより、変動表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態へと制御されるタイミングを、遊技者の技量によって大きく変化させられるおそれがある。そこで、高ベース状態であるときには第1始動入賞の発生に基づく先読み予告演出の実行を制限することにより、第1特図を用いた特図ゲームに対応して変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者が認識できないようにして、健全な遊技性を確保することができる。
これに加えて、例えば高ベース状態であるときに始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドといった保留記憶情報の一部または全部を取りこぼした場合には、たとえ図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった判定結果情報を正常に受信したとしても、先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、第1特図を用いた特図ゲームに対応して変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者が認識できてしまうことを防止して、健全な遊技性を確保することができる。
一方、例えば始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドといった保留記憶情報の一部を取りこぼした場合に、先読み予告演出の少なくとも一部(例えば、信頼度の最も低い先読み予告演出など)を実行することは許可してもよい。これにより、正常に受信できたコマンドを可能な限り利用して先読み予告演出を実行することができ、先読み予告演出の実行頻度が過度に低下してしまうことを防止できる。
また、例えば図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった判定結果情報の一部を取りこぼした場合に、先読み予告演出の少なくとも一部(例えば、信頼度の最も低い先読み予告演出など)を実行することは許可してもよい。これにより、正常に受信できたコマンドを可能な限り利用して先読み予告演出を実行することができ、先読み予告演出の実行頻度が過度に低下してしまうことを防止できる。
あるいは、例えば図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった複数の判定結果情報から認識可能な判定結果が整合しない場合に、先読み予告演出の少なくとも一部(例えば、信頼度の最も低い先読み予告演出など)を実行することは許可してもよい。これにより、正常に受信できたコマンドを可能な限り利用して先読み予告演出を実行することができ、先読み予告演出の実行頻度が過度に低下してしまうことを防止できる。
一方、遊技状態が大当り遊技状態や小当り遊技状態であるときでも、先読み予告演出を実行可能にしてもよい。例えば始動入賞の発生に基づいて始動入賞時のコマンドを受信した後、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数が所定回数(例えば「10」)となったときに、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドを読み出して先読み予告演出を実行するか否かを判定し、そのラウンドを実行中に先読み予告演出を実行するようにしてもよい。この場合、先読み予告演出として、連続した態様の演出ではなく、例えば、今回の大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となることを確定的に報知する一発告知態様の演出を実行してもよいし、保留表示予告と同様の先読み予告演出のみを実行してもよい。
図30に示すステップS161にて先読み予告処理を実行した後には、先読み予告制限解除設定処理を実行する(ステップS163)。先読み予告制限解除設定処理では、先読み予告演出(第1先読み予告演出、第2先読み予告演出)を実行しないように制限される先読み予告制限中であるときに、所定条件の成立に基づき制限を解除するための処理や、実行中の先読み予告演出が終了したことに応じて、新たな先読み予告演出を実行可能とするための処理が実行される。例えば、先読み予告実行中フラグ(第1先読み予告実行中フラグ、第2先読み予告実行中フラグ)がオン状態である場合には、変動が開始されるごとに、予告残回数カウンタの値を1減算していき、予告残回数カウンタの値が0になったときに、先読み予告実行中フラグをオフ状態にリセットする。また、先読み予告制限フラグがオン状態である場合には、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいてバッファ番号が「1」〜「8」のそれぞれに対応して有効に格納された始動入賞時のコマンドについて、すべての順序と内容が正しくなるように受信できたことを条件に、例えば先読み予告制限フラグをクリアするなどして、先読み予告演出が実行されないようにした制限を解除すればよい。
図30に示すステップS163にて先読み予告制限解除設定処理を実行した後には、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の変動表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この変動表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、演出表示装置5における演出図柄の変動表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の変動表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この変動表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の変動表示が開始されることに対応して、演出表示装置5における演出図柄の変動表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定演出図柄や各種の演出制御パターンを判定する処理などを含んでいる。
ステップS172の変動表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この変動表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、演出図柄の変動表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから演出図柄の変動表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、演出図柄の変動表示結果となる最終停止図柄としての確定演出図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定演出図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する変動表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定演出図柄を導出表示して変動表示結果を確定させることができる。確定演出図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図36は、変動表示開始設定処理として、図30のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図36に示す変動表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの記憶領域を参照し、変動表示結果指定コマンドを受信しているか否か(ステップS521a)、つまり、変動表示の開始タイミングであるか否かを判定する。変動表示結果指定コマンドを受信している場合には(ステップS521a;Yes)、後変動パターン受信フラグ及び前変動パターン受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS521b)。後変動パターン受信フラグ及び前変動パターン受信フラグがセットされている場合には(ステップS521b)、ステップS521cに進む。尚、ステップ521aの処理において変動表示結果指定コマンドを受信していない場合(ステップS521a;No)と、ステップS521bの処理において後変動パターン受信フラグ及び前変動パターン受信フラグがセットされていない場合(ステップS521b;No)は、ともにステップS535に進み、演出プロセスフラグの値を変動表示開始待ち処理に対応した値である“0”に更新してから(ステップS535)、変動表示開始設定処理を終了する。尚、ステップ521aの処理において変動表示結果指定コマンドを受信していない場合(ステップS521a;No)には、ステップS535を実行することなく、当該変動表示開始設定処理を終了しても良い。
次に、演出制御用CPU120は、ステップ521cにて、受信した前変動パターン指定コマンド及び後変動パターン指定コマンドを参照することで前変動パターンと後変動パターンを特定する。そしてステップ522にて、例えば主基板11から伝送された変動表示結果指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS522)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS522;Yes)、ステップ521cにて特定した変動パターンが演出図柄の変動表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS523)。
ステップS523にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS523;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを判定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄判定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち演出表示装置5の表示領域における「左」の演出図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定演出図柄を判定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄判定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち演出表示装置5の表示領域における「右」の演出図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定演出図柄を判定する。このときには、右確定図柄判定テーブルにおける設定などにより、右確定演出図柄の図柄番号が左確定演出図柄の図柄番号とは異なるように、判定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄判定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち演出表示装置5の表示領域における「中」の演出図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定演出図柄を判定する。なお、ステップS524の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定演出図柄を判定すればよい。
ステップS523にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS523;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを判定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄判定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち演出表示装置5の表示領域における「左」と「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の演出図柄を判定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄判定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち演出表示装置5の表示領域における「中」の演出図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定演出図柄を判定する。ここで、例えば中確定演出図柄の図柄番号が左確定演出図柄及び右確定演出図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定演出図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定演出図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定演出図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定演出図柄を判定するときには、左確定演出図柄及び右確定演出図柄の図柄番号との差分(図柄差)を判定し、その図柄差に対応する中確定演出図柄を設定してもよい。
ステップS522にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS522;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS526)。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS526;Yes)、ステップS521で特定した後変動パターンがリーチの変動パターンであるか否かを判定する(ステップS526a)。リーチの変動パターンでない場合には、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを判定する(ステップS527a)。一例として、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを判定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目判定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定演出図柄の組合せを判定すればよい。
一方、リーチの変動パターンである場合には、複数種類のはずれのリーチ目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを判定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるリーチ目判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のリーチ目判定テーブルを参照することなどにより、リーチ目のいずれかを構成する確定演出図柄の組合せを判定すればよい。
ステップS526にて「突確」または「小当り」以外の「非確変大当り」または「確変大当り」であると判定されたときには(ステップS526;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを判定する(ステップS528)。一例として、ステップS528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄判定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄判定テーブルを参照することなどにより、演出表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の演出図柄を判定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる演出図柄を確定演出図柄とする判定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの演出図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定演出図柄に判定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの演出図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定演出図柄に判定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定演出図柄に判定された場合には、変動表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定演出図柄に判定された場合には、変動表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
ステップS524、S525、S527a、S527b、S528の処理のいずれかを実行した後には、変動中予告演出の実行の有無と、実行する場合における変動中予告演出の演出態様に対応した変動中予告パターンとを判定する(ステップS529a)。一例として、ステップS529aの処理では、変動中予告演出の有無と変動中予告パターンとを判定するための使用テーブルとして、予め用意された変動中予告判定テーブルを選択してセットする。変動中予告判定テーブルでは、変動表示結果指定コマンドから特定される変動表示結果や、ステップS521cにて後前変動パターン指定コマンド並びに前変動パターン指定コマンドにて特定した変動パターンなどに応じて、変動中予告種別判定用の乱数値と比較される数値(判定値)が、変動中予告演出を実行しない場合に対応する「実行なし」の判定結果や、変動中予告演出を実行する場合における複数の変動中予告パターンなどに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した変動中予告判定用の乱数値を示す数値データに基づいて、変動中予告判定テーブルを参照することにより、変動中予告演出の有無と変動中予告パターンとを判定すればよい。
ステップS529aの処理では、例えば図37に示すような判定割合で、変動中予告演出の有無と変動中予告パターンとが判定されればよい。図37に示す判定割合の設定例では、変動表示結果が「ハズレ(非リーチ)」、「ハズレ(リーチ)」、「大当り」、「小当り」のいずれであるかに応じて、変動中予告演出の有無や変動中予告パターンの判定割合を異ならせている。
ここで、図37に示す「ハズレ(非リーチ)」の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」で変動表示態様が「非リーチ」である場合を示し、「ハズレ(リーチ)」の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」で変動表示態様が「リーチ」である場合を示す。
この実施の形態では、予告X、予告Y、予告Zの3種類の変動中予告パターンが用意されている。予告Xは、「キャラクタ表示」の変動中予告演出を実行する変動中予告パターンであり、予告Yは、「ステップアップ動作」の変動中予告演出を実行する変動中予告パターンであり、予告Zは、「操作予告」の変動中予告演出を実行する変動中予告パターンである。
「キャラクタ表示」の変動中予告演出では、演出図柄の変動表示中に、例えば演出表示装置5の表示画面にて、所定位置に予め用意されたキャラクタ画像を表示させる演出表示が行われる。
「ステップアップ動作」の変動中予告演出では、演出図柄の変動表示中に、例えば演出表示装置5の表示画面にて、予め用意された複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り換えて表示させる演出表示により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するような演出動作が行われることがある。なお、「ステップアップ動作」の変動中予告演出では、予め用意された複数種類の演出画像のうちいずれか1つ(例えば所定の順番において最初に表示される演出画像など)が表示された後、演出画像が切り換えられることなく、変動中予告演出における演出表示を終了させることがあるようにしてもよい。また、「ステップアップ動作」の変動中予告演出では、演出図柄の変動表示中に、例えば可動部材を所定の順番に従って複数種類の動作態様で動作させる演出動作により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するような演出動作が行われてもよい。なお、「ステップアップ動作」の変動中予告演出では、可動部材が1種類の動作態様で演出動作を行った後、2段階目の演出動作に切り換えられることなく、予告演出における演出動作を終了させることがあるようにしてもよい。
「操作予告」の変動中予告演出では、演出図柄の変動表示中に、遊技者によりスティックコントローラ31Aが操作されたことに応じて、例えば演出表示装置5の表示画面における演出画像の表示を変更することや、スピーカ8L、8Rから出力させる音声などを変更することにより、演出動作を変化させる。一例として、「操作予告」の変動中予告演出では、演出図柄の変動表示中に、操作促進演出となる所定の演出動作が行われる。操作促進演出は、例えば演出表示装置5の表示画面における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、遊技者による所定の操作態様でのスティックコントローラ31Aの操作を促す演出動作であればよい。
ステップS529aの処理を実行した後には、ステップS521cにて特定した前変動パターンが滑り・擬似連の前変動パターンか否か、つまり、PF4〜PF6、PF8〜PF9のいずれかであるか否かを判定する(ステップS529c)。前変動パターンが滑り・擬似連の前変動パターンである場合には(ステップS529c;Yes)、演出制御用CPU120は、乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから演出図柄変動制御パターン判定用の乱数値SR1を抽出して(ステップS530)、図29に示す演出制御パターン判定テーブルを選択する(ステップS531)。
そして、演出制御用CPU120は、演出制御パターン判定テーブルにおいて、乱数値SR1に基づき前変動パターンの演出制御パターンタイプを判定し(ステップ531a)、該判定した演出制御パターンタイプに応じた演出制御パターン(図28参照)をセットして(ステップS531b)ステップS532に進む。尚、このステップS531a及びステップS531bの処理においては、例えば、図28に示すように、前変動パターンが特別演出として滑りを実行するPF4であり、且つ後変動パターンが、変動時間が存在しないPR0である場合、ステップS531aの処理において演出制御パターンタイプがタイプAに判定された場合は、ステップS531bの処理において演出制御パターンを滑りタイミングが早いCPA1−4Aをセットし、ステップS531aの処理において演出制御パターンタイプがタイプBに判定された場合は、ステップS531bの処理において演出制御パターンを滑りタイミングが中間のCPA1−4Bをセットし、ステップS531aの処理において演出制御パターンタイプがタイプCに判定された場合は、ステップS531bの処理において演出制御パターンを滑りタイミングが遅いCPA1−4Cをセットする。
また、ステップS529cの処理にて前変動パターンが滑り・擬似連の前変動パターンではない場合(ステップS529c;No)、つまり、PF1〜PF3、PF7である場合には、ステップS521cの処理にて特定した前変動パターンと後変動パターンに対応する演出制御パターンをセットして(ステップS529d)、ステップS532に進む。尚、このステップS521dの処理においては、例えば、図28に示すように、前変動パターンが特別演出を実行しないPF1であり、且つ後変動パターンが、変動時間が存在しないPR0である場合、演出制御パターンを一義的にCPA1−1にセットし、前変動パターンが特別演出を実行しないPF2であり、且つ後変動パターンが、変動時間が存在しないPR0である場合、演出制御パターンを一義的にCPA1−2にセットし、前変動パターンが特別演出を実行しないPF3であり、且つ後変動パターンが、変動時間が存在しないPR0である場合、演出制御パターンを一義的にCPA1−3にセットする。
ステップS531bの処理またはステップS592dの処理を実行した後には、ステップS521cにて特定した変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS532)。続いて、演出表示装置5における演出図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS533)。このときには、例えばステップS531b並びにステップS529dにおいてセットされた演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、演出表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて演出図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を変動表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS534)、変動表示開始設定処理を終了する。
尚、本実施の形態では、変動表示開始設定処理のステップS521aにおいて変動表示の開始のタイミングを変動表示結果指定コマンドを受信しているか否かにより判定しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、前述した保留記憶数減算指定コマンドが送信される場合であれば、該保留記憶数減算指定コマンドを受信しているか否かを判定して変動表示の開始のタイミングであることを特定するようにしても良い。
図38は、変動表示中演出処理として、図30のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図38に示す変動表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した変動表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS541)。一例として、ステップS541の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、変動表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS541にて変動表示時間が経過していない場合には(ステップS541;No)、予告演出を実行するための予告演出期間であるか否かを判定する(ステップS542)。予告演出期間は、例えば、図36のステップS529で選択された変動中予告パターンごとに予め定められていればよい。ステップS542にて予告演出期間であるときには(ステップS542;Yes)、予告演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS543)。
一例として、ステップS543の処理では、各変動中予告パターンに対応する予告演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用模型の動作などのうち、一部または全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。
ステップS542にて予告演出期間ではないときや(ステップS542;No)、ステップS543の処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS544)。リーチ演出期間は、所定のリーチ演出に対応して選択されたリーチ演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS544にてリーチ演出期間であるときには(ステップS544;Yes)、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS545)。
ステップS544にてリーチ演出期間ではないときや(ステップS544;No)、ステップS545の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、演出図柄の変動表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS546)、変動表示中演出処理を終了する。
ステップS541にて変動表示時間が経過した場合には(ステップS541;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS547)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS547;No)、変動表示中演出処理を終了して待機する。なお、変動表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS547にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS547;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、演出図柄の変動表示において表示結果となる最終停止図柄(確定演出図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS548)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS549)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS550)、変動表示中演出処理を終了する。
次に、パチンコ遊技機1における制御の具体的な一例について説明する。
パチンコ遊技機1では、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されたときや、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されたときに、図18のステップS209にて抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データに基づき、ステップS212にて入賞時乱数値判定処理が実行される。
入賞時乱数値判定処理では、図19のステップS403にて特図表示結果判定用の乱数値MR1が大当り判定範囲内である旨の判定がなされたときに(ステップS403;Yes)、ステップS410、S413での送信設定に基づき、変動表示結果が「大当り」となる旨の判定結果を通知する図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
演出制御基板12の側では、例えば演出制御用CPU120が図30のステップS161にて先読み予告処理を実行したときに、先読み予告演出を実行可能であれば、図32のステップS710、図33のステップS713a,S713bにて先読み予告演出の有無や先読み予告パターンなどが判定される。
図39は、第1先読み予告演出の演出表示装置5における演出動作例を示している。図39(A)は、先読み予告パターンSYP1−1の第1先読み予告演出の演出動作例であり、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて、予告対象の保留記憶表示(ここでは3番目の保留記憶表示)の表示態様が先読み予告パターンSYP1−1に対応した銀色表示となる。また、図39(B)は、先読み予告パターンSYP1−3の第1先読み予告演出の演出動作例であり、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて、予告対象の保留記憶表示(ここでは3番目の保留記憶表示)の表示態様が先読み予告パターンSYP1−3に対応した星形表示となる。
図40は、第2先読み予告演出の演出表示装置5における演出動作例を示している。図40(A)〜(C)は、先読み予告パターンSYP2−1の第2先読み予告演出の演出動作例であり、図40(A)〜(C)の複数回の変動表示に亘って、演出表示装置5に先読み予告パターンSYP2−1に対応したキャラクタ画像Aが表示される連続予告が実行される。図40(D)〜(F)は、先読み予告パターンSYP2−3の第2先読み予告演出の演出動作例であり、図40(D)〜(F)の複数回の変動表示に亘って、演出表示装置5に先読み予告パターンSYP2−3に対応したキャラクタ画像Cが表示される連続予告が実行される。
なお、図32のステップS710にて第1先読み予告演出を実行することが判定され、図33のステップS713aまたはS713bにて第2先読み予告演出を実行することが判定された場合には、第1先読み予告演出と第2先読み予告演出とが同一期間に重複して実行されることになる。しかしながら、図39(A)に示す、最も大当り信頼度の低い先読み予告パターンSYP1−1の第1先読み予告演出と、図40(A)〜(C)に示す、最も大当り信頼度の低い先読み予告パターンSYP2−1の第2先読み予告演出と、は重複して実行されないようになっている。このような設定により、大当り信頼度の低い先読み予告演出が同一期間に重複して実行されることを制限できるので、予告演出によって遊技者の期待感を損なうことを防止でき、遊技の興趣が向上する。
次に、本実施の形態において演出制御基板12にて前変動パターン指定コマンドまたは後変動パターン指定コマンドのいずれかを受信できなかった場合における演出表示装置5の表示態様について説明する。先ず、図41(A)に示すように、演出図柄及び第4図柄が変動中である状態から、該変動表示の特図変動時間が経過することによって、図41(B)に示すように。演出図柄が「ハズレ」を示す組合せで導出表示されるとともに第4図柄の変動が停止される。そして、保留記憶を消化して次の変動表示が開始されることで第4図柄の変動が開始されるが、演出制御基板12にて前変動パターン指定コマンドまたは後変動パターン指定コマンドのいずれかを受信できなかった場合は、図41(C)に示すように、演出図柄の変動表示は実行されずに前回の「ハズレ」を示す組合せで導出表示された状態で維持される。
尚、この変動パターンコマンドまたは後変動パターン指定コマンドのいずれかを受信できなかった場合の変動中は、第4図柄は「○」と「△」の図柄の色を、所定時間毎に赤色や青色に交互に変化させて変動しているため、遊技者は第4図柄を視認することで演出図柄の変動が実施されずとも特別図柄の変動は実施中であることを認識することができる。
図41(D)に示すように、演出制御基板12にて図柄確定コマンドを受信すると、演出制御用CPU120が、今回の変動における特図変動時間が経過したと判断し、第4図柄の変動が停止される。そして、図41(E)に示すように、保留記憶を消化して次の変動表示が開始されるが、演出制御基板12にて前変動パターン指定コマンド及び後変動パターン指定コマンドが受信できている場合は、第4図柄の変動とともに演出図柄の変動が再開される。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上記実施の形態では、複数種類の予告演出のうち、第1先読み予告演出と、第2先読み予告演出と、の組合せにおいて大当り信頼度の最も低い演出態様の予告演出が重複して実行されることを制限していた。これに限定されず、複数種類の予告演出のうち、この組合せ以外において、大当り信頼度の最も低い演出態様の予告演出が重複して実行されることを制限するようにしてもよい。
例えば、先読み予告演出と変動中予告演出との組合せおいて、大当り信頼度の最も低い演出態様の予告演出が重複して実行されることを制限するようにしてもよい。具体的には、図30のステップS161の先読み予告処理において、大当り信頼度の最も低い演出態様の先読み予告演出を実行することに判定された場合には、その先読み予告演出の実行中などにおいて図36のステップS529aの処理において、大当り信頼度の最も低い演出態様の変動中予告演出(例えば予告X)を実行することに判定されないようにすればよい。なお、変動中予告演出として、大当り信頼度の最も低い演出態様の変動中予告演出(例えば予告X)を実行することが判定された場合には、大当り信頼度の最も低い演出態様の先読み予告演出を実行することに判定されないようにしてもよい(即ち、判定の順序は問わない)。
また、変動中予告演出として、第1変動中予告演出と第2変動中予告演出とを実行可能にして、第1変動中予告演出と第2変動中予告演出との組合せにおいて大当り信頼度の最も低い演出態様の予告演出が重複して実行されることを制限するようにしてもよい。具体的には、図36のステップS529aの処理において、第1変動中予告演出及び第2変動中予告演出を実行するか否かと、実行する場合の演出態様を判定するとともに、大当り信頼度の最も低い演出態様の変動中予告演出が重複して実行されることが制限されるように演出態様を判定すればよい。なお、変動中予告演出の判定の方法としては、第1変動中予告演出を実行するか否かと実行する場合の演出態様とを判定し、その判定結果に基づいて第2変動中予告演出を実行するか否かと実行する場合の演出態様とを判定するようにしてもよいし、第2変動中予告演出を実行するか否かと実行する場合の演出態様とを判定し、その判定結果に基づいて第1変動中予告演出を実行するか否かと実行する場合の演出態様とを判定するようにしてもよい。第1変動中予告演出及び第2変動中予告演出を実行するか否かと、実行する場合の演出態様を一括して判定するようにしてもよい。
また、先読み予告演出の実行中に、さらに先読み予告演出を実行する場合において、実行中の先読み予告演出が大当り信頼度の最も低い演出態様である場合には、さらに大当り信頼度の最も低い演出態様の先読み予告演出の実行が制限されるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、大当り信頼度の最も低い演出態様の予告演出が重複して実行されることを制限する一例として、大当り信頼度の最も低い演出態様の予告演出が重複して実行されないようにしていたが、大当り信頼度の最も低い演出態様の予告演出が重複して実行されにくくするようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、第1先読み予告演出の実行の有無、実行する場合の演出態様を判定してから、当該判定結果に基づいて第2先読み予告演出の実行の有無、実行する場合の演出態様を判定するようにしていたが、第1先読み予告演出及び第2先読み予告演出の実行の有無、実行する場合の演出態様を同時に判定するようにしてもよい。また、第2先読み予告演出の実行の有無、実行する場合の演出態様を判定してから、当該判定結果に基づいて第1先読み予告演出の実行の有無、実行する場合の演出態様を判定するようにしてもよい。この場合、大当り信頼度の最も低い演出態様の変動中予告演出が重複して実行されることが制限されるように、それぞれの演出態様を判定されるようにすればよい。
また、一の予告演出の実行の有無、実行する場合の演出態様の判定と、他の予告演出の実行の有無、実行する場合の演出態様の判定と、それぞれの判定結果にかかわらず独立して判定するようにして、それぞれ大当り信頼度の最も低い演出態様に判定された場合には、一方の演出態様を差し替えるか、一方の予告演出を実行しないようすることで、大当り信頼度の最も低い演出態様の予告演出が重複して実行されることが制限されるようにしてもよい。
また、同一期間に重複して実行される予告演出同士において、大当り信頼度の最も低い演出態様の予告演出が実行されることを制限することに限定されず、同一の予告対象に対する予告演出において、それぞれの演出態様が大当り信頼度の最も低いものとなることを制限するようにしてもよい。
上記実施の形態では、現在の遊技状態が時短制御を伴う時短制御中(高ベース状態)である場合には(ステップS705;Yes)、先読み予告演出の有無と実行する場合における先読み予告演出の演出態様に対応した先読み予告パターンとを判定するためのステップS710cの処理をスキップし、先読み予告演出を実行しないようになっていた。これに限定されず、高ベース状態においても先読み予告演出が実行されることがあるようにしてもよい。なお、上記実施の形態では、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるため、高ベース状態において第1始動入賞の発生に基づく先読み予告演出した場合、変動表示結果が「大当り」となる保留データなどを保持した状態で多数回の変動表示を継続して実行することができてしまう可能性があるので、高ベース状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の発生に基づく先読み予告演出のみを実行し、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動入賞の発生に基づく先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。
上記実施の形態の先読み予告演出における特別態様において、複数段階に表示態様が変化する先読み予告パターンがあってもよい。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留記憶表示が2番目以降であるときには、第1態様(例えば銀色表示)として、保留記憶表示が1番目になったときに、第1態様となった場合よりも大当り信頼度が高い第3態様(例えば星形表示)とする先読み予告パターンがあってもよい。このような先読み予告パターンを設けることで、遊技者の期待感を段階的に煽る先読み予告演出が実行できるようになる。
また、上記実施の形態では、先読み予告演出における保留記憶表示の特殊態様は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかによらず同じであったが、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、表示態様(色や形状など)を異ならせてもよい。
保留記憶情報としての保留記憶数通知コマンドを正常に受信することができなかったときに先読み予告演出の実行を制限することに代えて、あるいはこれとともに、始動入賞の発生に基づいて抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを用いて変動表示結果が「大当り」に判定されると判定されたときには、その判定の対象となった変動表示における表示結果に基づき制御された大当り遊技状態が終了するまでの期間内に発生した始動入賞に基づく先読み予告演出の実行を制限してもよい。これにより、始動入賞が発生したときの遊技状態に応じて変動表示結果や変動カテゴリを判定した結果に基づいて先読み予告演出が実行される場合に、その演出内容の整合性を保ちつつ、遊技興趣を向上させることができる。
また、図19に示すステップS403の処理では、ステップS402の処理にて選択された特図表示結果判定用テーブルデータを用いた判定を行う。このように、変動表示結果が「大当り」に判定されるか否かの判定に用いられる大当り判定範囲を示す大当り判定用データとして、遊技状態が確変状態(高確状態)ではないときに所定数の大当り判定値を含んだ通常判定用データと、遊技状態が確変状態であるときに所定数よりも多数の大当り判定値を含んだ特別判定用データとが設けられ、始動入賞が発生したときの遊技状態が確変状態ではないときに通常判定用データを用いて変動表示結果を判定する一方、始動入賞が発生したときの遊技状態が確変状態であるときには特別判定用データを用いて変動表示結果を判定する。ここで、遊技状態が確変状態であるときに、始動入賞の発生に基づいて抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを用いて変動表示結果が「大当り」に判定されると判定するとともに、大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データを用いて大当り種別が「非確変」に判定されて大当り遊技状態の終了後には確変制御が行われないと判定したときには、その判定の対象となった変動表示における表示結果に基づき確変制御が終了するまでの期間内に発生した始動入賞に基づく先読み予告演出の実行を制限してもよい。これにより、確変制御が終了するにもかかわらず、確変状態に対応した特別判定用データを用いて変動表示結果が「大当り」に判定される旨の判定結果に基づく先読み予告演出が実行されてしまうことを防止して、演出内容の整合性を保つことができる。
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
加えて、本発明の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行い、表示結果を導出表示する変動表示手段を備え、当該変動表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
また、本実施の形態では、始動入賞判定処理において遊技状態に拘らず必ず入賞時乱数値判定処理を実施し、該入賞時乱数値判定処理において特定した変動カテゴリの送信設定を行うことで先読み予告演出を実行しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本実施の形態では先読み予告演出は時短制御中や大当り遊技中は実施されないため、時短制御中や大当り遊技中であれば始動入賞判定処理において入賞時乱数値判定処理を実行しないようにしても良い。
また、前記実施例では、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドの受信に応じて変動表示開始待ち処理から変動表示開始設定処理に移行するようにしていが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドに代えて前変動パターン指定コマンドと後変動パターン指定コマンドとを共に受信したことを条件に、変動表示開始設定処理に移行するようにすることで、コマンドの数を削減しつつ、前変動パターン指定コマンドと後変動パターン指定コマンドのいずれか一方のみを受信しても、変動表示開始設定処理に移行しないことで、演出図柄の変動表示が実行されないようにしても良い。
また、前記実施例では、大当りとなる場合とはずれとなる場合とで同一の前変動パターン指定コマンドと後変動パターン指定コマンドを送信する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当りとなる場合とはずれとなる場合とで異なる前変動パターン指定コマンドと後変動パターン指定コマンドを送信することで、前変動パターン指定コマンドまたは後変動パターン指定コマンドから大当りとなるか否かを、演出制御用CPU120が特定できるようにしても良い。
また、前記実施例において演出制御用CPU120は、後変動パターン指定コマンドにて特定されるリーチ種別のリーチ演出のみを実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、後変動パターン指定コマンドにて特定されるリーチ種別がスーパーリーチBであるが、同時に受信した前変動パターン指定コマンドが、特別演出を含むものである場合には、スーパーリーチBではなくスーパーリーチCを実行する等のように、演出制御用CPU120において、後変動パターン指定コマンドにて指定されたリーチ演出の態様を、該後変動パターン指定コマンドとともに受信した前変動パターン指定コマンドから特定される前変動パターンに応じて変更するようにしても良い。
また、前記実施例においては、変動カテゴリコマンドとして、後変動パターン指定コマンドにて特定されるリーチ演出のカテゴリ(非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ)のみを送信するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動カテゴリコマンドとして、後変動パターン指定コマンドにて特定されるリーチ演出のカテゴリに加えて、前変動パターン指定コマンドにて特定される特別演出のカテゴリ(特別演出なし、滑り、擬似連1回、擬似連2回、擬似連3回)を含む変動カテゴリコマンドを送信するようにしても良く、この場合にあって演出制御用CPU120は、変動カテゴリコマンドに含まれる特別演出のカテゴリについては、先読み予告演出を実行しないようにすれば良い。
尚、前変動パターン指定コマンドにて特定される特定演出のカテゴリを送信する場合には、特定演出のカテゴリとリーチ演出のカテゴリとの組み合わせを1のコマンドにて送信しても良いし、特定演出のカテゴリとリーチ演出のカテゴリとを個別のコマンドにて送信するようにしても良い。
また、前変動パターン指定コマンドにて特定される特定演出のカテゴリを送信する場合には、これら前変動パターン指定コマンドに基づくカテゴリを送信するための各処理と、後変動パターン指定コマンドに基づくカテゴリを送信するための各処理とをモジュール化して、共通の処理部分については、同一の処理モジュールを使用することで、プログラム全体の容量を削減するようにしても良い。
また、前記実施例では、後変動パターンを先に決定する形態を例示しているが、前変動パターンを先に決定するようにしても良い。
また、後変動パターンを決定した後、該決定した後変動パターンに対応付けられた前変動パターンのみを決定可能とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前変動パターンと後変動パターンとを全く無関係に選択するようにしても良い。
また、前記実施例においては、図9〜図12に示すように、変動表示する特別図柄の種別(第1特図、第2特図)に対応する保留記憶数にかかわらず、合計保留記憶数に応じて後変動パターンを決定し、該決定した後変動パターンに対応する前変動パターンを決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示する特別図柄の種別(第1特図、第2特図)に対応する保留記憶数に応じて後変動パターンや前変動パターンを決定するようにしても良い。
また、前記実施例においては、始動入賞時に実行する入賞時乱数判定処理と、変動開始時に実行する変動パターン設定処理とを個別の処理とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら入賞時乱数判定処理や変動パターン設定処理における各処理をモジュール化して、共通の処理部分については、同一の処理モジュールを使用することで、プログラム全体の容量を削減するようにしても良い。
以上説明したように、上記実施の形態のパチンコ遊技機1では、後変動パターン指定コマンドに対応する変動カテゴリコマンドにもとづいて先読み予告演出が実行されるため、先読み予告演出の制御において前変動パターン指定コマンドを考慮する必要がないので、先読み予告演出の制御負荷を低減することができる。
また、第1特図保留記憶部151A及び第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留記憶の数に応じて異なった振分けにて非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチが決定されるため、保留記憶の数に応じて非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチを変化させることができる一方、先読み予告演出の対象となるスーパーリーチについては、保留記憶の数に係わらない共通の振分けにて決定されるため、保留記憶の数が変化することにより先読み予告演出と実際のリーチの態様とが一致しなくなってしまうことを防止できる。
また、特別図柄通常処理及び変動パターン設定処理では、擬似連演出の実行タイミングを決定する必要がないので、特別図柄通常処理及び変動パターン設定処理における負荷を軽減できる。
また、特定演出の内容についてのみ特定してカテゴリコマンドを送信できるので、これらカテゴリコマンドを送信するための制御負荷を軽減できる。
また、特別図柄通常処理及び変動パターン設定処理にて決定された実行態様とは異なる意図しない実行態様の変動表示演出が実行されてしまうことを防止できる。
また、演出図柄の変動表示演出が実施されなくても、第4図柄の変動表示演出は実行されるので、特別図柄通常処理及び変動パターン設定処理にて決定された実行態様とは異なる意図しない実行態様の変動表示演出が実行されてしまうことを防止しつつ、遊技者に変動表示演出が実施されていることを認識させることができる。
また、上記の実施の形態において、以下の制御をさらに行うようにしてもよい。
上記の実施の形態では、変動開始時の合計保留記憶数によって変動パターンの選択割合が異なるため、ステップS209の処理において抽出した乱数値MR3が、合計保留記憶数に係わらずに同一の変動パターンに決定される判定値の範囲であるか否かをステップS212の入賞時乱数値判定処理にて判定することに基づいて先読み予告処理を実行するようになっていた。しかし、入賞時乱数値判定処理における判定方法はこれに限らず、特定の合計保留記憶数(例えば、「0」)を基準にして変動パターンの判定を行うようにしてもよい。
具体的には、入賞時乱数値判定処理を実行するときに、実際に変動が開始されるときの合計保留記憶数を把握することはできないので、実際に変動が開始されるときの合計保留記憶数が「0」であると仮定して変動パターンの判定を行う。そして、入賞時乱数値判定処理において「リーチ」に対応した変動パターンであると判定されたときには、判定の対象となった変動が開始されるまでの複数の変動に亘って判定された変動パターンに対応したキャラクタ画像を先読み予告演出として表示する。
先読み予告演出として複数の変動に亘りキャラクタ画像を表示し、該先読み予告演出の対象となっていた変動が開始されたときには、当該変動においても複数の変動に亘り表示されたキャラクタ画像に関連した演出を実行する。例えば、キャラクタ画像を継続的に表示するものや、表示されていたキャラクタを用いた群予告やセリフ予告を実行するもの、表示されていたキャラクタを用いたリーチ演出を実行するものであればよい。このようにすることで、複数の変動に亘って関連性のある演出を実行し遊技の興趣を高めることができる。
しかし、合計保留記憶数が変化することによって入賞時乱数値判定処理における変動パターンの判定結果と実際に開始される変動パターンとが異なることがある。具体的には、入賞時乱数値判定処理における判定では合計保留記憶数が「0」であると仮定することで「リーチ」に対応した変動パターンであると判定されるが、実際に変動が開始されるときには合計保留記憶数が「3」であることにより「非リーチ」に対応した変動パターンが決定されることがある。
そこで、入賞時乱数値判定処理における変動パターンの判定結果が「リーチ」に対応した変動パターンであり、且つ、実際に開始される変動パターンも「リーチ」に対応した変動パターンであるとき、つまり、入賞時乱数値判定処理における判定結果と実際に開始される変動パターンとが共通であるときには、実際に開始された変動において先読み予告演出として表示されていたキャラクタ画像に対応した演出を実行するようにし、入賞時乱数値判定処理における変動パターンの判定結果は「リーチ」に対応した変動パターンであるが、実際に開始される変動パターンは「非リーチ」に対応した変動パターンであるとき、つまり、入賞時乱数値判定処理における変動パターンの判定結果と実際に開始される変動パターンとが共通でないときには、実際に開始された変動において先読み予告演出として表示されていたキャラクタ画像に対応した演出を実行しないようにすればよい。これにより、入賞時乱数値判定処理において正確に変動パターンを判定できないものであっても不整合なく先読み演出を実行することができる。
なお、入賞時乱数値判定処理における判定で合計保留記憶数を「0」と仮定し、実際に変動が開始されるときには合計保留記憶数が「1」であるなど双方の合計保留記憶数が異なる場合であっても、入賞時乱数値判定処理において「リーチ」に対応した変動パターンであると判定され、且つ、実際に開始される変動パターンも「リーチ」に対応した変動パターンであるとき、つまり、入賞時乱数値判定処理における判定結果と実際に開始される変動パターンとが共通であるときには、実際に開始された変動において先読み予告演出として表示されていたキャラクタ画像に対応した演出を実行するようにすることが望ましい。このようにすることで、入賞時乱数値判定処理時と変動の開始時とで合計保留記憶数が異なる場合であっても、実際に開始された変動にまで亘って関連した演出が実行される機会が増えるので遊技の興趣を高めることができる。
なお、入賞時乱数値判定処理において仮定する合計保留記憶数は「0」に限らず他の合計保留記憶数であってもよい。また、「リーチ」に対応した変動パターンであると判定されたときに先読み予告演出を実行するものに限らず、「擬似連」などリーチ以外に対応した変動パターンであると判定されたときに先読み予告演出を実行するものであってもよい。さらに、先読み予告演出もキャラクタ画像の表示に限らず、背景画像を変化させる演出やランプの発光による演出、スピーカが発する音声による演出であってもよい。