図1は、本発明の実施形態に係る頭髪測定具1の全体を概略的に示す斜視図である。頭髪測定具1は、図4、5に示すように、毛髪(頭髪)を有する頭部の頭皮にあてがって使用するものであり、頭髪に係る毛髪または毛髪束(毛髪パネル)の正確な長さ測定、及び長さ測定における毛髪を伸ばす方向(毛髪を取る方向)の測定、及び意図した正確な長さでカットを行えるようにしたものである。
図1に示すように、本実施形態に係る頭髪測定具1は、平らな長板状の合成樹脂製の長尺部材2により構成されたものであり、全体的な外観は、文房具である一般的な定規と似たものになっている。異なる点としては、頭髪測定具1を構成する長尺部材2の一端部2a(周縁部の一部に該当)に、幅方向の中央部分で最も凹となるように湾曲形状の窪み(窪み部3)を形成したこと、その窪み部3の湾曲形状に合わせて一端部からの所定長さ単位の間隔で目盛線6が一表面2eに示してあること、各目盛線6に応じた両側面2c、2dの箇所に溝部4が形成してあること等がある。なお、図1中に示すX軸方向は頭髪測定具1の長手方向に沿った方向であり、Y軸方向は頭髪測定具1の長手方向に直交する幅方向に沿った方向であり、Z軸方向は頭髪測定具1の高さ方向(長手方向及び幅方向の両方に直交する方向。頭髪測定具1の厚み方向)に沿った方向である(他の図でも同様)。以下、頭髪測定具1について詳しく説明する。
本実施形態の頭髪測定具1は、長手方向(X軸方向)の寸法が約360mmであり、幅方向(Y軸方向)の寸法を50mmにしている(図1では長さ方向の途中を破断して、頭髪測定具1を示している)。頭髪測定具1の寸法は、上述した数値(長さ寸法360mm、幅寸法50mm)に限定されるものではないが、毛髪束の長さ測定時に、毛髪束を頭髪測定具1に載せて測定する場合に配慮すると、幅寸法は約20mm以上を確保することが好適である。さらに、毛髪束の載せやすさを確保した上で頭髪測定具1の使いやすさ(持ちやすさ)を考慮すると、長さ寸法と幅寸法との比率は、幅寸法の割合を「1」にすると、長さ寸法:幅寸法=「約10〜約5」:「1」という範囲内の比率にすることが好適となる。
なお、頭髪測定具1の材質は、合成樹脂に限定されるものではなく、例えば、天然素材である木材、竹等も適用できる。また、頭髪測定具1は、板厚として約約0.5mm〜約5mm程度の範囲である長尺部材2を適用できるが、持ちやすさ、および所要の剛性を確保するという点などを考慮すると、板厚としては約1〜2mm程度が好適である。
図2(a)に示すように、一端部2aの端面は、上述したように窪み部3が形成されている。この窪み部3は、一般的な人体の頭部における最も小さな曲率箇所より若干小さめの曲率にしている(例えば、R100〜120mm程度)。
また、頭髪測定具1は一表面2eに、一端部2aから10mm単位の間隔ごとに実線(約0.6mmの太さ)である目盛線6をそれぞれ示している(一表面2eに付加している)。これらの目盛線6は、窪み部3と同じ曲率で湾曲した湾曲線になっている。また、頭髪測定具1は、一端部2aから最初の目盛線6との中間となる箇所、および2番目以降の各目盛線6の中間となる箇所に、波線である中間目盛線7をそれぞれ示しており、これらの中間目盛線7も、目盛線6と同様の湾曲線にしている。さらに、一端部2aから1mm単位ごとの箇所(目盛線6および中間目盛線7を除いた箇所)には、各目盛線6より細線の1mm目盛線を示している(1mm目盛線も、目盛線6および中間目盛線7と同様に湾曲線になっている)。このように各目盛線6、7等を窪み部3に対して同じ曲率で湾曲させることで、毛髪束が自然な感じで湾曲した毛先となるように測定を行える。なお、図2(a)(c)以外の他の図では、図示内容が煩雑になることを避けるため、1mm目盛線の図示を省略している(図4、5等では、中間目盛線7の図示も省略している)。また、1mm目盛線は、10mm単位の範囲内で線の太さを変えており、一端部2aに近い方の1mm目盛線が最も細く、一端部2aから離れるにつれて、各1mm目盛線を太くしている。例えば、最も一端部2a寄りの1mm目盛線の線太さを0.20mm、2番目の1mm目盛線を0.22mm、3番目の1mm目盛線を0.24mm、4番目の1mm目盛線を0.26mm、6番目の1mm目盛線を0.28mm、7番目の1mm目盛線を0.30mm、8番目の1mm目盛線を0.32mm、9番目の1mm目盛線を0.34mmにしている(5番目の目盛線は上述した波線になる)。このように、各1mm目盛線の線太さをかえることで、各1mm目盛線を見極め易くしている。なお、上記とは逆に、一端部2aに近い方の1mm目盛線が最も太く、一端部2aから離れるにつれて細くすることも可能である。
頭髪測定具1は、一表面2eにおいて、上述した目盛線6ごとに、一端部2aからの長さ寸法を表す数値を示している(例えば、一端部2aから1番目の目盛線6には10mmの寸法を表す数値である「10」を示し、一端部2aから2番目の目盛線6には20mmの寸法を表す数値の「20」を示す)。さらに、頭髪測定具1は、一表面2eにおいて、上述した中間目盛線7ごとにも、一端部2aからの長さ寸法を表す数値を示している(例えば、一端部2aから1番目の中間目盛線7には5mmの寸法を表す「5」を示し、一端部2aから2番目の中間目盛線7には15mmの寸法を表す「15」を示している)。なお、頭髪測定具1は、一端部2a側の一表面2eに、一端部2aの方を指し示す白矢印9を計三箇所に示している。
さらに、頭髪測定具1は、両方の側面2c、2dに「V字」状の溝部4を形成している。各溝部4は丁度、目盛線6に応じた箇所に合わして形成されている。図3(a)は、一方の側面2dに形成された溝部4の拡大図であり、本実施形態の溝部4は、溝入口の両端4b、4cに至る溝幅W(開口幅)を約2mmにすると共に、側面2dから底頂部4aへの溝深さDを約1.5mmにしている。このような構造にすることで、理美容用鋏の刃部の背側となる峰部を溝部4に係止する(引っ掛ける)ことを可能にしている。
図3(b)は一般的な理美容用鋏Sを示している。理美容用鋏Sは、動刃となる部材と、静刃となる部材(指を通すリングに、指を引っかけるフックを突出した方の部材)とを重ね合わせてネジで回動自在に連結したものであり、動刃となる部材及び静刃となる部材のそれぞれは、連結箇所より先端側に刃部を設けている。
すなわち、静刃となる部材は、連結箇所より先端側を刃部Saとしており、刃部Saは、動刃と向き合う側を刃先部Sbにすると共に、その反対側となる刃部Saの背側を峰部Scにしている。刃先部Sbは、図3(c)に示すように、断面形状が先細の楔形であり、峰部Scは静刃となる部材の厚みと同等になっている。なお、図3(c)の刃部Saは、図3(b)におけるA−A線の断面を示しており、その断面は、動刃と擦れ合う側に少しスキを設けた刃裏面になっている。このような刃部Saの峰部Scは、角(エッジ)を有するものになっており、その峰部Scを上述した頭髪測定具1の溝部4にあてがうと、峰部Scの角(エッジ)が丁度、溝部4の内部に収まり係止された状態となり、それにより理美容用鋏Sの刃部Saを位置決めできる(図3(c)、図7(b)参照)。
また、図2(b)は頭髪測定具1の一方の側面2cからの視図であり、側面2cには、複数の溝部4が切り込みのように存在すると共に、その溝部4の底頂部4aに目盛線6が一致して、10mm単位の位置を側面2cにおいても確認できるようになっている。また、波線の中間目盛線7も側面2cに回り込んで示されている。なお、頭髪測定具1の他方の側面2dも、図2(b)に示す一方の側面2cと同様に構成されている。
図2(c)は、頭髪測定具1の他端部2b付近を拡大した平面図である。他端部2bの端面は、上述した一端部2bの窪み部3が、そのままX軸方向へシフトしたような突状窪み部8になっており、幅方向の中央部分8aが最も外方へ突出し、幅方向の両端8b、8cが中央部分8aより奥まって位置する。なお、他端部2bの一表面2eにおいても上述した図2(a)と同様の構成になっており、一表面2eには目盛線6、中間目盛線7、および1mm目盛線等が示されると共に、両方の側面2c、2dには各目盛線6の位置に合わせて溝部4が形成されている。
また、頭髪測定具1は、一表面2eの反対側(裏側)となる他表面2fについては、図2(a)(c)に示す構成と同様にしている。それにより、頭髪測定具1は、目盛線6および中間目盛線7を長尺部材2の全周にわたって示すようにしており、その結果、頭髪測定具1のいずれの方向からも、ユーザは目盛線6および中間目盛線7を確認でき、毛髪(毛髪束)の測定を行えるようにしている。
図4(a)(b)および図5は、上述した頭髪測定具1の使用状況を示し、これらの使用状況では、カット対象として、カット練習等に用いられる人頭模型(通常「ウィッグ」と称される。)を用いた例を図示しているが、人体の頭部への使用状況も同様となる。この人頭模型Hは、人頭を模した頭部全体に毛髪を植設したものである(なお、図4(a)(b)及び図5等では、使用状況のポイントを明確にするため、頭部に植設された毛髪全体の図示を省略しており、必要箇所のみの毛髪を示す)。
図4(a)は、人頭模型Hの側方からの視図であり、頭髪測定具1の一表面2eを人頭模型Hの側方と同方向の向きに合わせて測定する場合を示している。測定においては、測定対象となる10〜50mm程度の幅の毛髪束(毛髪パネル)h1、h2、h3等を頭部から摘み取り、それらの毛髪束h1、h2、h3等を頭髪測定具1を用いて測定する。例えば、図4(a)に示すように、後頭部の上方寄りに位置する毛髪束h3を測定する場合、頭部から摘み取った毛髪束h3を頭皮Haより立ち上げ、その毛髪束h3を頭髪測定具1の一表面2aに当てる。その際、頭髪測定具1の一端部2aを人頭模型Hにおける毛髪束h3の根元箇所となる頭皮Haへあてがう(突き当てる)。
図6(a)は、頭髪測定具1の一端部2aを後頭部付近の頭皮Haへ突き当てた状態を示している(図4(a)の毛髪束h30を測定する場合に応じた図)。頭髪測定具1の一端部2aには、上述した構成の窪み部3が形成されているので、一端部2aを頭皮Haに突き当てると、窪み部3の幅方向における両方の端部3b、3cが頭皮Haに接触することになる。すなわち、窪み部3は、その曲率を一般的な人体の頭部における最も小さな曲率箇所より若干小さめにしており、また、人頭模型Hの毛髪束h3の植設箇所は、平面に近い曲率であるため、窪み部3の中央付近では、頭皮Haと隙間が生じて、両方の端部3b、3cのみが頭皮Haと接触した状態になっている。そのため、頭髪測定具1を頭皮Haへ突き当てると、頭皮Haに対しては両方の端部3b、3cによる二点接触となり、図6(a)中に示した白矢印方向(左右方向)へ頭髪測定具1が振れることなく、安定した姿勢を維持することができる(白矢印方向にブレない)。
また、図7(a)は、頭髪測定具1による毛髪束h3の長さ測定の状況を示している。測定においては、頭髪測定具1の一表面2eに合わせた毛髪束h3の長さを、一表面2eに示される目盛線6、中間目盛線7(または上述した1mm目盛線)により測定する。なお、毛髪束h3のように一定の束量を測定する場合は、毛髪一本単位で測定するのではなく、全体的な平均値で測定を行うことが好適である。このような測定を行う際、頭髪測定具1は、図6(a)で説明したように、一端部2aを頭皮Haへ突き当てていれば、左右方向に振れることはないので、安定した測定を行えると共に、各目盛線6、7等と測定対象の毛髪を対比することで、長さの測定を正確に行える。さらに、各目盛線6、7等は湾曲線となっているため、毛先を曲線的に測定でき、毛先が頭皮Haの曲面にあわせた自然な感じで湾曲的に揃ったようにカットしやすくなる。
なお、図4(a)に示す他の毛髪束h1、h2等も、上述した毛髪束h3と同様に測定することが可能である。また、毛髪の測定は、上述したように毛髪束(毛髪パネル)で行う以外に、1本、2本等の本単位で行うことも勿論可能であり、このような本単位での測定においては、本発明に係る頭髪測定具1を用いることで、自然脱毛、切れ毛、未植毛部等の存在を明らかにすることに利用できる。
図4(b)は、人頭模型Hの前方からの視図であり、頭髪測定具1の一表面2eを人頭模型Hの前方となる向きに合わせて測定する場合を示している。この測定においても、測定対象となる毛髪束h10、h11、h12等を頭部から摘み取り、それらの毛髪束h10、h11、h12等を頭髪測定具1を用いて、上述した図4(a)の場合と同様に測定することになる。
図6(b)は、図4(b)において人頭模型Hの頭部の頂部付近に植設された毛髪束h11を頭髪測定具1で測定する場合の一端部2aを頭皮Haへ突き当てた状態を示したものである。人頭模型Hの頂部付近は、上述した図6(a)の毛髪束h3の植設された後頭部付近と異なる曲率であるが、頭髪測定具1の窪み部3は、その曲率を一般的な人体の頭部における最も小さな曲率箇所より若干小さめにしていることから、この場合でも、頭髪測定具1は、一端部2aにおいて、両方の端部3b、3cが頭皮Haに接触する状態となる。それにより、図6(b)中に示した白矢印方向(左右方向)へ頭髪測定具1が振れることなく、長さ測定を安定して行える。
図5は、人頭模型Hの上方からの視図であり、頭髪測定具1の一表面2eを人頭模型Hの上方となる向きに合わせて測定する場合を示している。この測定においても、測定対象となる毛髪束h20、h21、h22等を頭部から摘み取り、それらの毛髪束h20、h21、h22等を頭髪測定具1を用いて、上述した図4(a)等の場合と同様に測定を行う。この場合も、頭皮Haに突き当てた頭髪測定具1の一端部2aは、図6(a)(b)に示すような二点接触の状態となるので、安定した長さ測定を行うことができる。なお、図4(a)(b)、図5は長さ測定の例であり、頭部の別の箇所においても同様な測定が可能である。
一方、図7(b)は、頭髪測定具1を用いた理美容用鋏Sによる毛髪束h30のカット状況を示している。毛髪束h30に対しては、上述した図4、5等に示す状況で所望のカット長さを測定し、その測定したカット長さに応じた目盛線6の箇所の溝部4に、刃部Saの刃先部Sbと反対側となる峰部Scを合わせる。刃部Saの峰部Scを溝部4に合わせると、図3(c)で説明したように、刃部Saの峰部Scが溝部4に引っ掛かり係止された状態となって、刃部Saの位置が規制される。それにより、カット位置も自然と、刃部Saの峰部Scが収まっている溝部4に応じた目盛線6で示される箇所となり、目盛線6に基づきユーザが意図した長さで正確なカットを行える。
なお、本発明は、上述した実施形態の頭髪測定具1に限定されるものではなく、多数の変形例が存在する。図8(a)は、第1変形例の頭髪測定具10の要部を示す平面図であり、実線の目盛線に合わせて側面12c、12に形成した溝部14に加えて、波線の中間目盛線にも合わせて中間溝部19を形成したことが特徴になっている(その他の箇所は図1等の頭髪測定具1と同様)。中間溝部19は、溝部14と区別しやすいように、溝部14に比べて小さい寸法で形成されている(例えば、溝幅が2mmおよび溝深さが1.5mmである溝部14に比べて、中間溝部19は溝幅を1.5mm、溝深さを1mmにする)。これにより、溝部14の他に、中間溝部19でも図7(b)で示すように、理美容用鋏Sの刃部Saの位置決め(位置規制)を行えるようになり、第1変形例の頭髪測定具10は、より細かい寸法単位で正確な長さでカットを行える。
図8(b)は、第2変形例の頭髪測定具20の要部を示す側面図であり、実線の目盛線に合わせて設けた各溝部24を、頭髪測定具20を構成する長尺部材の全周にわたって形成したことを特徴としている(その他の箇所は図1等の頭髪測定具1と同様)。すなわち、図8(b)で示される一方の側面22cの各溝部24は、一表面22eおよび他表面22fにも連続しており(図8(b)において一表面22eおよび他表面22fに「V字」状の凹部で示される箇所が溝部24に相当)、また、図示していないが他方の側面にも溝部24が連続している。このように溝部24を全周にわたり連続して形成することにより、カットの際に用いる理美容用鋏の刃部を、頭髪測定具20の全周方向における任意の箇所で溝部24により位置決め(位置規制)することが可能となり、個々のユーザ(美容師、理容師等)がカットを行いやすい方向から作業する際、柔軟に対応して理美容用鋏のカット位置を案内できる。
図9(a)(b)は、第3変形例の頭髪測定具30の一端部32aおよび他端部32bを示す平面図である。第3変形例の頭髪測定具30は、図1等に示す頭髪測定具1とは異なり、一端部32aに窪み部を形成せずに、両方の側面32c、32dに対して一端部32aおよび他端部32bを直交した直線形状にしている。また、実線の各目盛線および波線の中間目盛線等も、一端部32aおよび他端部32bの端面に対して平行な直線になっており、実線の各目盛線に合わせて、側面32c、32dに溝部34を形成している。
そして、第3変形例の頭髪測定具30は、一端部32aおよび他端部32bの一表面32eにおいて、幅方向(Y軸方向)での一定長さ単位の間隔ごとに実線の幅目盛線31および波線の幅中間目盛線39を示している。
幅目盛線31は、一方の側面32dから10mmごとの間隔で長さを示しており、各幅目盛線31ごとに、一方の側面32dからの長さ寸法を表す数値(10、20、30、40)が付されている。また、幅中間目盛線39は、一方の側面32dから最初の幅目盛線31の中間となる箇所、および2番目以降の各幅目盛線31の中間となる箇所に示されたものである。このように幅目盛線31、幅中間目盛線39を一端部32aおよび他端部32bに設けることで、測定対象またはカット対象となる毛髪束(毛髪パネル)の幅を、幅目盛線31および幅中間目盛線39で確認できるようになり、測定対象またはカット対象となる毛髪束(毛髪パネル)となる量の概算を、幅という寸法で把握できる。
なお、幅目盛線31および幅中間目盛線39は、一表面32eだけでなく、一端部32aまたは他端部32bの端面に示すようにしてもよく、このように端面にまで示すと、端面側からも、掴み取った毛髪束(毛髪パネル)の幅を確認できるようになる。勿論、幅目盛線31および幅中間目盛線39は、一表面32eの反対側の他表面にも示すようにしてもよい。また、幅目盛線31および幅中間目盛線39は、一端部32aまたは他端部32bのいずれか一方側のみに設けるようにしてもよく、一端部32aのみに設けた場合は、毛髪の生え際となる根元側で毛髪束の幅測定を行うことができ、他端部32bのみに設けた場合は、毛髪の毛先側で毛髪束の幅測定を行うことができる。
図9(c)は、第4変形例の頭髪測定具40の一端部42aを示し、この第4変形例の頭髪測定具40は丁度、図1等に示す頭髪測定具1と図9(a)(b)に示す第3変形例の頭髪測定具30とを組み合わせたものになっており、一端部42aにおいて、幅方向(Y軸方向)の一定長さ単位の間隔ごとに実線の幅目盛線41および波線の幅中間目盛線49を設けている(その他の箇所は図1等の頭髪測定具1と同様)。これら幅目盛線41および幅中間目盛線49により、湾曲形状の一端部42aでも、測定対象またはカット対象となる毛髪束(毛髪パネル)の幅を、確認できる。
図10(a)は、第5変形例の頭髪測定具50の一端部52aを示し、この第5変形例の頭髪測定具50は丁度、図1等に示す頭髪測定具1の一端部2aに櫛部を設けた形態になっている。すなわち、頭髪測定具50は、一端部52aに複数の櫛歯51aを有する櫛部51を設けており、その他の点は、図1等に示す頭髪測定具1と同様であり、湾曲した実線の目盛線および波線の中間目盛線を設けると共に、側面52c、52dに溝部54を形成している。
櫛部51は、各櫛歯51aの先端を、図1等に示す頭髪測定具1の窪み部3を形成した一端部2aの端面と合うように湾曲した仮想湾曲線上に揃えている。それにより、各櫛歯51aの先端を、図4、5等に示すように頭部の頭皮Haに突き当てても、図1等に示す頭髪測定具1と同様に、両端の櫛歯による二点接触で毛髪(毛髪束)の長さ測定を行える。各櫛歯51aは、頭皮Haに突き当てられることから、人体の頭部に使用されることを考慮すると、先端を尖った形状にするのではなく、ある程度の丸みを帯びた形状にすることが好ましい。また、各櫛歯51aの歯長は、図10(a)に示す例では約5mmにしているが、この歯長に限定されるものではなく、約1mmから約10mm程度の数値範囲が適用可能であり、特に櫛機能(毛髪を掻き分ける機能)を確実に発揮させたい場合は、3mm以上で歯長を確保することが好ましい。
図10(b)は、頭髪測定具50の使用状況を示す概略斜視図である。頭髪測定具50は、一端部52aに櫛部51を有するので、毛髪の長さ測定を行う場合に、頭皮Haへ一端部52aを突き当てる際、一端部52aに設けられた櫛部51の各櫛歯51aで毛髪束h40、h41を掻き分けることができる。また、掻き分けた毛髪束h40、h41を構成する個々の毛髪は、各櫛歯51aの間に入り込むので、各櫛歯51aの先端を頭皮Haへ接することができる。それにより、第5変形例の頭髪測定具50は、毛髪量が多い頭部の毛髪(毛髪束)を測定する場合でも、櫛部51での毛髪の掻き分けにより、一端部52a(櫛歯51aの先端)を確実に頭皮へ突き当てて毛髪長さを正確に測定できる。
図11(a)は、第6変形例の頭髪測定具60の一端部62aを示す平面図である。この第6変形例の頭髪測定具60は主に、図1等に示す頭髪測定具1の一端部2aの窪み部3の形状に係る変形例となっている。すなわち、頭髪測定具60は、窪み部63の幅方向(Y方向)における両方の端部63b、63cを、図1等に示す頭髪測定具1の窪み部3の端部3b、3cのように尖った形状にするのではなく、丸めた形状(Rを付けた円弧形状)にしていることが特徴になっている。また、窪み部63の曲率(曲がり具合)も、図1の窪み部3より大きくして、窪み部63の中央部分63aが図1の場合に比べて、より深く凹となって窪むようにしている。
さらに、頭髪測定具60は、一表面62eに示す実線の目盛線66および波線の中間目盛線67を、図1等に示す頭髪測定具1とは異なり、直線にしている。これは、窪み部63の湾曲の度合いが、図1等に示す頭髪測定具1より大きくなっているので、頭髪測定具1と同様にすると、各目盛線の曲がり具合も大きくなりすぎ、長さを測定しにくくなるので、これを防ぐために、目盛線66および中間目盛線67を直線にしている(目盛線66および中間目盛線67は、側面62c、62dに直交する直線)。なお、頭髪測定具60において、その他の箇所は図1等の頭髪測定具1と同様であり、側面62c、62dに溝部64を形成している。このような頭髪測定具60の一端部62aを頭皮に突き当てた場合、頭皮と接触する窪み部63の両方の端部63b、63cが丸まっていることから、頭皮に対して優しい接触感が得られると共に、頭皮の曲率に合わせて端部63b、63cが接触するので確実な二点接触を得られる。
図11(b)(c)は、第7変形例の頭髪測定具70の一端部72aおよび他端部72bを示す平面図である。第7変形例の頭髪測定具70は、一端部72aを長手方向(X軸方向)に対して斜めで且つ湾曲した形状にして、略中央部73aが窪むように窪み部73を形成している。この窪み部73は、長手方向(X軸方向)に対して約45度に傾いた斜辺を丁度、図1等に示す頭髪測定具1の窪み部3と同等の曲率で湾曲させている。
第7変形例の頭髪測定具70は、このような窪み部73を形成することにより、頭部へ突き当てた状態で、頭髪測定具70の姿勢を、絶対的な鉛直方向又は絶対的な水平方向に沿ったものとなり、ユーザ(美容師又は理容師等)の方向感覚にマッチした目安として使いやすくなる。すなわち、ユーザ(美容師又は理容師等)は、カット又はセット等の作業を行う際、矩形状の鏡の枠の縦線又は横線若しくはキャビネットの縦線又は横線などのように、作業を行う周囲に存在する鉛直方向を表す線又は水平方向を表す線を、無意識的に略鉛直方向又は略水平方向の目安にしている。そのため頭髪測定具70は、頭部へ突き当てた状態の姿勢を略水平方向又は略鉛直方向にできるので、上述したユーザの周囲に存在する目安となる鉛直方向の縦線又は水平方向の横線と向きが揃うので、ユーザの方向感覚にマッチし実際的な使い勝手に有効である(図12(a)(b)参照)。
また、頭髪測定具70の一表面72eに示される実線の目盛線76および波線の中間目盛線77は、窪み部73(窪み部)と同じ曲率の曲線になっている。なお、頭髪測定具70の他端部72bでは、図11(c)に示すように、目盛線76および中間目盛線77が斜め曲線になっている関係上、図中の上側となる側面72dの側で、途切れた状態になっている。上記の箇所以外について、第7変形例の頭髪測定具70は、、図1等に示す頭髪測定具1と同様であり、例えば、側面72c、72dに溝部74を設けている。
図12(a)(b)は、第7変形例の頭髪測定具70を人頭模型Hに使用した状況を示している。なお、図12(a)(b)においても、図4(a)(b)および図5と同様に、使用状況のポイントを明確にするため、頭髪全体の図示を省略しており、必要箇所のみの頭髪(毛髪)を示している(以下、図20、21、23、24でも同様)。
図12(a)は、人頭模型Hの側方からの視図であり、頭髪測定具70の一表面72e又は他表面72fを人頭模型Hの側方となる向きに合わせて測定する場合を示す。例えば、人頭模型Hの後頭部の首寄り付近に植設された毛髪束h50の長さを測定する場合、頭髪測定具70は、一表面72eを人頭模型Hの側方と同方向に向けた状態で一端部72aを頭皮に突き当てることになる。ここで、人頭模型Hの後頭部の首寄り付近の頭皮Haは、図12(a)に示すように左下がりとなった斜めの下向き湾曲面であり、このような下向き湾曲面の頭皮Haに、頭髪測定具70の一端部72aを突き当てると、一端部72aの窪み部73の形状により、頭髪測定具70は略水平方向の姿勢となる。
さらに、人頭模型Hの頂部の後寄りの付近に植設された毛髪束h51の長さを測定する場合も、頭髪測定具70は、一表面72eを人頭模型Hの側方と同方向に向けた状態で一端部72aを頭皮Haに突き当てることになる。人頭模型Hの頂部の後寄りの付近の頭皮Haは、図12(a)に示すように右下がりとなった斜めの上向き湾曲面であり、このような上向き湾曲面の頭皮Haに、頭髪測定具70の一端部72aを突き当てると、一端部72aの窪み部73の形状により、頭髪測定具70は略鉛直方向の姿勢となる。
また、人頭模型Hの頂部の前寄りの付近に植設された毛髪束h52の長さを測定する場合は、頭髪測定具70は、他表面72fを人頭模型Hの側方と同方向に向けた状態で一端部72aを頭皮Haに突き当てることになる。人頭模型Hの頂部の前寄りの付近の頭皮Haは、図12(a)に示すように左下がりとなった斜めの上向き湾曲面であり、このような上向き湾曲面の頭皮Haに、頭髪測定具70の一端部72aを突き当てると、一端部72aの窪み部73の形状により、頭髪測定具70は略鉛直方向の姿勢となる。
一方、図12(b)は、人頭模型Hの前方からの視図であり、頭髪測定具70の一表面72e又は他表面72fを人頭模型Hの前方となる向きに合わせて測定する場合を示す。例えば、人頭模型Hの左側頭部の上寄り付近に植設された毛髪束h53の長さを測定する場合、頭髪測定具70は、他表面72fを人頭模型Hの前方へ向けた状態で一端部72aを頭皮Haに突き当てることになる。人頭模型Hの一方の側頭部の上寄り付近の頭皮Haは、図12(b)に示すように右下がりとなった斜めの上向き湾曲面であり、このような上向き湾曲面の頭皮Haに、頭髪測定具70の一端部72aを突き当てると、一端部72aの窪み部73の形状により、頭髪測定具70は略水平方向の姿勢となる。
また、人頭模型Hの頂部の左寄り付近に植設された毛髪束h54の長さを測定する場合は、頭髪測定具70は、一表面72eを人頭模型Hの前方へ向けた状態で一端部72aを頭皮Haに突き当てることになる。人頭模型Hの頂部の左寄り付近の頭皮Haは、図12(b)に示すように右下がりとなった斜めの上向き湾曲面であり、このような上向き湾曲面の頭皮Haに、頭髪測定具70の一端部72aを突き当てると、一端部72aの窪み部73の形状により、頭髪測定具70は略鉛直方向の姿勢となる。
さらに、人頭模型Hの頂部の右寄り付近に植設された毛髪束h55の長さを測定する場合は、頭髪測定具70は、他表面72fを人頭模型Hの前方へ向けた状態で一端部72aを頭皮Haに突き当てることになる。人頭模型Hの頂部の右寄り付近の頭皮Haは、図12(b)に示すように左下がりとなった斜めの上向き湾曲面であり、このような上向き湾曲面の頭皮Haに、頭髪測定具70の一端部72aを突き当てると、一端部72aの窪み部73の形状により、頭髪測定具70は略鉛直方向の姿勢となる。
そして、人頭模型Hの右側頭部の上寄り付近に植設された毛髪束h56の長さを測定する場合は、頭髪測定具70は、一表面72eを人頭模型Hの前方へ向けた状態で一端部72aを頭皮Haに突き当てることになる。人頭模型Hの右側頭部の上寄り付近の頭皮Haは、図12(b)に示すように左下がりとなった斜めの上向き湾曲面であり、このような上向き湾曲面の頭皮Haに、頭髪測定具70の一端部72aを突き当てると、一端部72aの窪み部73の形状により、頭髪測定具70は略水平方向の姿勢となる。
以上のように、第7変形例の頭髪測定具70は、斜めの一端部72aにより、頭部(頭皮)への突き当て状態において、略鉛直方向又は略垂直方向に沿った姿勢にしやすいので、ユーザ(美容師又は理容師等)の方向感覚にマッチした使い方を実現できる。
図13(a)〜(c)は、第8変形例の頭髪測定具80を示している。この頭髪測定具80は、幅方向(Y軸方向)で湾曲できるように弾性変形可能な可撓性を有する合成樹脂製の長板状の部材が形成されている。頭髪測定具80は、板厚が1mm未満であり、図13(a)に示すように、両方の側面82c、82dをユーザが手で摘んだ状態で、親指と人差し指を近づけるように手に力を入れると、図13(b)に示すように、一端部82aの端面が、湾曲するように弾性変形する(頭髪測定具80全体では雨樋状に弾性変形する)。また、手の力を抜くと、フラットな状態に戻る。なお、上記の箇所以外について、第8変形例の頭髪測定具80は、、図1等に示す頭髪測定具1と同様であり、側面82c、82dに溝部84を設けている(頭皮へあてがわれる一端部82aに窪み部を形成)。
このような特性を有する頭髪測定具80は、図13(c)に示すように、幅方向に湾曲させた状態で、長さ測定の対象となる毛髪束h60を一表面82eに載せると、フラットな状態に比べて、毛髪束h60が一表面82eから落ちにくくなり、安定した測定を行える。また、上述したような湾曲状態で、頭髪測定具80の一端部82aを頭部の頭皮に突き当てると、一端部82aの端面が窪み部により湾曲していることから、湾曲に係る両端と中央の計三点で頭皮に接触することになり、フラットな状態に比べてより安定した突き当て状態を確保できるので、この点においても安定した測定を行いやすくなる。
なお、第8変形例の更なる変形例としては、湾曲した状態が維持されるように頭髪測定具を構成する長尺部材を合成樹脂で成形してもよく、このようにすれば、図13(a)に示すように、手に力を入れなくても、湾曲状態の頭髪測定具を提供できる。また、このようにフラットな板状ではなく、湾曲状態の頭髪測定具を樹脂成形する場合は、湾曲状態(略「U字」状の状態)以外に、屈曲状態(略「V字」状に屈折して曲げた状態)にも成形できると共に、湾曲(又は屈曲)に係る深さ等も様々にした仕様のものを提供できる。
図14(a)〜(c)は、第9変形例の頭髪測定具90を示している。頭髪測定具90は、長手方向(X軸方向)に沿った長板状の部材を長手方向に沿って折り重ねて形成したものとなっている。具体的には折り重ねる一方の第1板状部91と、他方の第2板状部92とが長手方向に沿った一辺部99(折り重ねに係る連結側の辺部)で連結されており、他方の辺部(開放側の辺部)となる各板状部91、92の側面91c、92cの側を、一辺部99を中心に開閉可能にしている。このような構成の頭髪測定具90は、合成樹脂で一体的に成形されたものになっており、両部材91、92を連結する一辺部99がヒンジ状の可撓性を有することにより、一辺部99が弾性変形し、両部材91、92を開閉可能にしている。
各板状部91、92自体は基本的に、図11(b)(c)に示すは第7変形例の頭髪測定具70と同等の構成になっており、一端部91a、92aに窪み部93を形成すると共に、一表面91e、92e、他表面91f、92fに実線の目盛線および波線の中間目盛線を示すと共に、一方の側面91c、92cに溝部94を形成している。
また、第1板状部91と第2板状部92とが連結される他方の側面91d、92dには、細長の略筒棒状の一辺部99が形成されており、この辺部99にも、上述した実線の各目盛線の位置に合わせて、溝部94が形成されている(図14(b)参照)。
そして、第1板状部91と第2板状部92が閉じた状態を維持できるように、頭髪カット補助部90には係止機構が設けられている。この係止機構は、第1板状部91の一端部91aと他端部91bの両付近において、他表面91fより突設した棒状の突起部91gと、これらの突起部91gに対向するように第2板状部92に設けられた係止孔92gにより構成されている。係止孔92gの孔径と、突起部91gの外径は、いわゆる機械設計における「はめあい」という分野の「中間ばめ」又は「しまりばめ」となるような寸法関係に設定されている。それにより、一端部91aおよび他端部91bの付近にそれぞれ形成した突起部91gを、一端部92aおよび他端部92bの付近にそれぞれ形成した係止孔92gへ挿入すると、突起部91gは係止孔92gに係止(ロック)された状態となり、第1板状部91と第2板状部92は折り重なって一体化された状態となる(図14(b)および図14(c)の左図参照)。
また、第1板状部91と第2板状部92が閉じた状態から、各側面91c、92cが開くようにすると、突起部91gが係止孔92gから抜け出て、一辺部99を回動中心にして第1板状部91と第2板状部92が開き、それらの幅方向の断面が「V字」状の状態になる(図14(c)参照)。
このような第9変形例の頭髪測定具90は、閉じた状態又は開いた状態のいずれの状態でも、毛髪の長さ測定等に使用することができ、閉じた状態では、図11(b)(c)および図12(a)(b)に示す第7変形例の頭髪測定具70と同様の使い方ができる。
また、図15は、開いた状態の頭髪測定具90の一端部91a、92aを、人頭模型Hの後頭部の首寄り付近となる頭皮Haへ突き当てた状態を示している。この場合、頭髪測定具90が開いているため、頭皮Haへ突き当てられる一端部91a、92aでは、湾曲斜辺部93の側面91e、92e側となる計二つの端部と、一辺部99の端面の計三点で頭皮Haと接触することになる。そのため、突き当て状態で、頭髪測定具90は上下左右(図15中の白色矢印で示す向き)に振れることなく、安定した姿勢を維持でき、より安定した状態での長さ測定を行える。
さらに、「V字」状に開いた状態では、第1板状部91と第2板状部92との間に、測定対象となる毛髪又は毛髪束を納めることができるので、測定対象となる毛髪又は毛髪束の抜け落ちも防止して、安定した状態で測定することができる。なお、第9変形例の頭髪測定具90も、一端部91a、92aを湾曲斜辺部93としていることから、図12(a)(b)に示す第7変形例の頭髪測定具70と同様に、鉛直方向又は水平方向に向いた姿勢で、頭部へ突き当てることが可能であり、それにより、ユーザ(美容師又は理容師等)の方向感覚にマッチした使い方を実現できる。
図16(a)(b)は、第10変形例に係る頭髪測定具100を示している。この頭髪測定具100は、図11(b)(c)の第7変形例の頭髪測定具70に対して、湾曲している箇所を直線的にした形態にしている。すなわち、頭髪測定具70は、一端部102aを単なる斜線直線部103にしており、中央部分103aに窪みを形成していない(なお、斜線直線部103は、側面102c、102dに対して45度となる角度にしているが、この角度に限定されない)。
また、頭髪測定具100は、一表面102eに設けた目盛線106及び中間目盛線107も、一端部102aの斜線直線部103と平行的な直線の斜線にしている。これらの目盛線106及び中間目盛線107は一端部102aから他端部102bまで一表面102eに示しているが、他端部102bは側面102c、102dに対して直交する直線にしているので、他端部102bでは途中で途切れた状態になっている。なお、頭髪測定具100は、一表面102eの裏側の他表面も一表面102eと同様にしており、目盛線106に応じた側面102c、102dの箇所には、上述した場合と同様に、溝部104を形成している。
このような頭髪測定具100は、目盛線106及び中間目盛線107が直線的な斜線であることから、感覚的にユーザがカットに係る長さを見極めやすくなっており、上述した第7変形例の頭髪測定具70になじめないユーザにとっては好適な形態となる。
図17〜図21は、第11変形例に係る頭髪測定具110を示しており、図11(b)(c)の第7変形例の頭髪測定具70を更に変形したものとなっており、セットしたい角度方向に沿って頭髪の長さ測定等を行う場合に好適なものである。すなわち、第11変形例に係る頭髪測定具110は、図17(a)(b)に示すように、長尺部材112の一端部112aを、図17(c)に示すようにX軸に対して45度(図11(a)(b)の頭髪測定具70を基準にすると、X軸に対して135度に相当)となる仮想斜線K1に沿ったものにすると共に、中央付近113aで最も凹となるように湾曲させて窪ませた窪み部113を形成し、さらに、一方の側面112d側の端部113bで、湾曲の向きが変わって凸となる向きに突出して湾曲する形状にしている。そのため、一端部112aは、窪み部113の凹となる湾曲と、一方の側面112dの端部113bの凸となる湾曲を変曲点で繋ぐ曲線となっており、一方の端部113bと他方の端部113cが、直線の仮想斜線K1と接するような形状になっている。なお、頭髪測定具110は、図17(a)に示すように、一端部112a付近の一表面112eに、一端部112aに係る傾斜が45度であることを示すマーク114を付している。
図17(a)に示すように、頭髪測定具110は、一表面112eに、一端部112aの湾曲形状と同形状の目盛線116及び中間目盛線117を示している。これら目盛線116及び中間目盛線117は、上述した実施例及び各変形例と同様に一端部112aから他端部112bへと所定の間隔をあけて示されている。なお、頭髪測定具110は、一表面112eにおける巾方向の中間位置に、一端部112aから他端部112bにかけて中心線119を示している。そして、頭髪測定具110は、一端部112aからの距離を示す数値を、目盛線116に対して、中心線119の両側の箇所で付している。
また、図17(b)に示すように、頭髪測定具110は、他端部112bの形状を、一端部112aと異なる傾斜角度に基づいた形状にしている。すなわち、図18(c)に示すように、頭髪測定具110は、他端部112bを、X軸に対して22.5度となる仮想斜線K2に沿ったものにすると共に、中央付近118aで最も凹となるように湾曲させて窪ませた窪み部118を形成し、他方の側面112c側の端部118bで湾曲の向きが変わって凸となる向きに突出して湾曲する形状を形成している。このような他端部112bの形状は、一表面112eにおいて、上述した目盛線116及び中間目盛線117と湾曲線と異なる形状であることから、一表面112eにおける他端部112bの直近箇所には、目盛線116及び中間目盛線117が示されない領域が存在している。なお、図17(b)は他端部112b付近を一表面112eから示したものであり、一方、図18(c)は他端部112b付近を他表面112fから示したものである。
このように、頭髪測定具110は、他端部112bの形状を、窪み部118の凹となる湾曲と、他方の側面112cの端部118bの凸となる湾曲を変曲点で繋ぐ曲線にしており、他方の側面112c側の端部118bと一方の側面112d側の端部118cが、直線の仮想斜線K2と接するようになっている(図18(c)参照)。
また、図18(a)(b)に示すように、頭髪測定具110は、他表面112fに、他端部112bの湾曲形状と同形状の目盛線116′及び中間目盛線117′を示している。これら、目盛線116′及び中間目盛線117′は、他端部112bから一端部112aへと所定の間隔をあけて示されており、他端部112bからの距離を示す数値を、目盛線116′に対して、中心線119の両側の箇所で付している。なお、頭髪測定具110は、図18(b)に示すように、他端部112b付近の他表面112fに、他端部112aに係る傾斜が22.5度であることを示すマーク114′を付している。なお、他表面112eにおいて、上述した目盛線116′及び中間目盛線117′の湾曲線は、一端部112aの形状と異なることから、図18(a)に示すように、他表面112fにおける一端部112aの直近箇所には、目盛線116′及び中間目盛線117′が示されない領域が存在している。
図19(a)は、頭髪測定具110の一表面112eにおける一端部112aと他端部112bの中間箇所に示す複数の第一角度線115a〜第三角度線115cを示す。第一角度線115aは、中心線119に直交する向き(Y軸に平行な向き)の直線であり、第二角度線115bは、中心線119に対して45度傾斜した直線であり、第三角度線115cは、中心線119に対して第二角度線115bと反対側で45度傾斜した直線である(第三角度線115cは、第二角度線115bと中心線119で線対称になっており、図17(c)に示す仮想斜線K1と平行)。これら第一角度線115a〜第三角度線115cは、一表面112eにおいて間隔をあけて計三箇所で示されており、具体的には、一端部112aから約140mmの箇所、約240mmの箇所、約340mmの箇所に示しており、これらの三箇所で、毛髪を取る方向を第一角度線115a〜第三角度線115cで確認できるようにしている。
図19(b)は、頭髪測定具110の他表面112fにおける一端部112aと他端部112bの中間箇所に示す複数の第一角度線115a〜第七角度線115gを示す。第一角度線115a〜第三角度線115cは上述した一表面112eと同じである。また、第四角度線115dは中心線119に対して22.5度傾斜した直線であり(図18(c)に示す仮想斜線K2と平行な直線)、第五角度線115eは中心線119に対して67.5度傾斜した直線であり、第六角度線115fは中心線119に対して112.5度傾斜した直線であり、第七角度線115gは中心線119に対して157.5度傾斜した直線である。なお、第四角度線115d及び第五角度線115eは、第七角度線115g及び第六角度線115fと中心線119で線対称になっている。これら第一角度線115a〜第七角度線115gは、他表面112fにおいて間隔をあけて計三箇所で示されており、具体的には、他端部112bから約80mmの箇所、約180mmの箇所、約330mmの箇所に示しており、これらの三箇所で、毛髪を取る方向を第一角度線115a〜第七角度線115gで確認できるようにしている。
なお、上述した図17(a)(b)及び図18(a)(b)では図が煩雑になるのを避けるため、1mm単位の目盛線の図示を省略しており、図17(c)、図18(c)、及び図19(a)(b)では、各種目盛線の図示を省略している。また、第11変形例に係る頭髪測定具110は、上述した図11(b)(c)の第7変形例の頭髪測定具70と異なり、理美容用鋏の峰部を位置決めする溝部を形成していないので、長尺部材112には厚みが1mmの薄いものを用いて軽量化を図っている(勿論、第11変形例に係る頭髪測定具110にも、第7変形例の頭髪測定具70と同様に溝部を設けることも可能である)。
図20(a)(b)は、第11変形例の頭髪測定具110を人頭模型Hに使用した状況を示している。図20(a)は、人頭模型Hの側方からの視図であり、頭髪測定具110の一端部112a側を人頭模型Hの頭皮Haに突き当てた(あてがった)状態を示している。例えば、人頭模型Hの後頭部の首寄り付近に植設された毛髪束h61を測定する場合、毛髪の植設の自然な向き(後ろ向き)に合うように、頭髪測定具110は、一表面112eを人頭模型Hの側方と同方向に向けた状態で一端部112aを頭皮Haに突き当てることになる。また、この際、一端部112aには、窪み部113が形成されていることから、図17(a)(c)に示す端部113b、113cで頭皮Haと二点接触するので、突き当てた状態の頭髪測定具110を安定した姿勢で維持し、正確な測定を可能にする。
ここで、一端部112aは、図17(c)の仮想斜線K1に示すように、X軸に対して45度傾斜していることから、毛髪束h61が植設された頭皮Haの曲面に対して45度の方向で長さ測定を容易に行えるので、セットしたい方向が頭皮Haの曲面に対して45度の場合に、そのセット方向に対して正確な長さ測定を行える。この場合、頭髪測定具110を突き当てた頭皮箇所に対する45度の方向は、中心線119に沿った方向となるので、中心線119を見ることで、容易に頭皮に対する45度の角度を把握できる。また、図19(a)に示す第一角度線115a〜第三角度線115cにより、45度の傾斜した方向を基準(中心線119が基準線)にして、その基準(基準線の中心線119)に対する45度、135度の角度も第2角度線115b及び第3角度線115cで見極めることができ、様々な角度方向に対して毛髪束を取る方向を正確に測定することができる。
さらに、人頭模型Hの頂部の後寄りの付近に植設された毛髪束h62を測定する場合も、上記と同様に、頭髪測定具110の一端部112aを頭皮Haに突き当てて行うことになる。この場合も、上記と同様に、毛髪束h62が植設された頭皮Haの曲面に対して45度の方向で長さ測定を確実に行える。
また、人頭模型Hの頂部から前寄りの付近に植設された毛髪束h63、h64の長さを測定する場合、毛髪の植設の向き(前向き)に合うように、頭髪測定具110は、他表面112fを人頭模型Hの側方と同方向に向けた状態で一端部112aを頭皮Haに突き当てる。それにより、毛髪束h63、h64が植設された頭皮Haの曲面に対して45度の方向で長さ測定を確実に行える。なお、このような場合さらに、他表面112fに示す角度線115a〜115gで多様な角度方向を把握することができる。なお、毛髪の植設の向きとは異なり、毛髪を立て気味にセットする場合は、一表面112eを人頭模型Hの側方と同方向に向けた状態で一端部112aを、毛髪束h63、h64の植設された頭皮Haの箇所に突き当てることになる。
一方、図20(b)は、人頭模型Hの前方からの視図であり、頭髪カット後のセットの向きを考慮して、頭髪測定具110の一表面112e又は他表面112fを人頭模型Hの前方となる向きに合わせて測定することになる。例えば、人頭模型Hの左の側頭部付近に植設された毛髪束h71の長さを測定する場合、下向きの頭髪に合わせて、頭髪測定具110は、一表面112eを人頭模型Hの前方に向けた状態で一端部112aを頭皮に突き当てられることになる。一端部112aの窪み部113により、頭髪測定具110は安定した姿勢となり、それにより、毛髪束h71の植設された頭皮箇所の曲面に対して45度の角度で長さ測定を行える。
また、他の毛髪束h72、h73、h74に対しても、頭髪測定具110は、一表面112e又は他表面112fを人頭模型Hの前方に向けた状態で一端部112aを頭皮に突き当てられることになる。それにより、毛髪束h72、72、73がそれぞれ植設された頭皮箇所の曲面に対して45度の角度で長さ測定を行える。なお、カット後に毛髪を立ててセットする場合は、図20(b)に示す状態とは逆となるように一表面112e又は他表面112fを前方に向けて頭髪測定具110の一端部112aを頭皮へ突き当てればよい(例えば、毛髪束h72を立て気味にセットする場合、他表面112fを前方に向けて頭髪測定具110の一端部112aを頭皮へ突き当てる)。
なお、図20(a)(b)では、いずれも頭髪測定具110の一端部112aを頭皮へ突き当てる状態を示しているが、カット後の毛髪を頭皮に沿い気味にセットするような場合は、他端部112bを頭皮へ突き当てるようにすることが好適である。この場合、他端部112bは図18(c)に示すように、22.5度で傾斜していることから、突き当て箇所の頭皮曲面に対して22.5度の角度で長さ測定を行える(突き当てた頭皮に対する22.5度の方向は中心線119で確認できる)。
図21(a)(b)は、人頭模型Hの上方からの視図であり、一端部112a又は他端部112bを頭皮Haに突き当てた状態を示している。すなわち、図21(a)は、頭髪測定具110の一端部112aを頭皮Haへ突き当てた状態を示し、頭髪測定具110は対角的な位置の毛髪束h81、83に対して一表面112eを人頭模型Hの上方となる向きにしており、もう一方の対角的な位置の毛髪束h82、84に対して他表面112fを人頭模型Hの上方となる向きにしている。このように頭髪測定具110を突き当てることで、各毛髪束h81〜h84の植設箇所に対して自然な毛髪方向となる45度の角度で長さ測定を行える(45度の方向は中心線119に沿った方向)。
また、図21(b)は、頭髪測定具110の他端部112bを頭皮Haへ突き当てた状態を示し、頭髪測定具110は対角的な位置の毛髪束h91、93に対して一表面112eを人頭模型Hの上方となる向きにしており、もう一方の対角的な位置の毛髪束h92、94に対して他表面112fを人頭模型Hの上方となる向きにしている。このように頭髪測定具110を突き当てることで、各毛髪束h91〜h94の植設箇所に対して22.5度の角度で長さ測定を行える(22.5度の方向は中心線119に沿った方向)。
以上のことから、第11変形例に係る頭髪測定具110は、一端部112aと、他端部112bとの傾斜角度を相異させているので、頭皮へあてがう側を適宜切り替えることで頭皮に対して二種類の角度(例えば、45度と、22.5度)の長さ測定を行うことができる(図21(a)の突き当て状態および図21(b)の突き当て状態を参照)。また、一表面112eと他表面112fとを適宜裏返して使用することで、頭皮に対する角度も、さらに二種類(例えば、上記の45度に対する135度と、上記22.5度に対する157.5度)で長さ測定を行える(図20(a)(b)参照)。その上、一表面112e及び他表面112fに示される各角度線115a〜115g、中心線119を参照することで、様々な角度も確認できるので、長さを測定する対象の毛髪の取る方向も多様に確認することができる。
図22(a)(b)は、本発明の第12変形例に係る頭髪測定具120を示している。頭髪測定具120は、図1の実施形態に係る頭髪測定具1を変形したものであり、長尺部材112の長手方向となる一方の側面122cの略中央部122g(長尺部材の周縁部の一部に相当)に、窪み(補助窪み部131)を形成したことが特徴になっている。この補助窪み部131は、円弧状(扇状)に略中央部112gを切り取った形状になっており、円弧に係る曲率は、一端部122aに形成した窪み部123と同等にしており、例えば、人体の首回りの曲率と同程度(R100など)にすることも好適である。
また、図22(a)に示すように、頭髪測定具120は、一表面122eにおいて、補助窪み部131の上方に分度器マーク125を示すと共に、この分度器マーク125に合わせて複数の角度線125a〜125g(補助角度線に相当)を示している。これらの角度線125a〜125gは、図19(b)に示す各角度線115a〜115gのそれぞれと同じ角度を表しており、各角度線125a〜125gの交点は、分度器マーク125の中心と一致させると共に、補助窪み部131の頂点とも一致させている。さらに、頭髪測定具120は、巾方向における中央を示す中心線129を一表面122eに示すと共に、一端部122aに係る角度(X軸の長手方向に対する90度の角度)マーク124を付している。
そして、頭髪測定具120は、他方の端部122bを、Y軸方向に沿った直線形状にしている。また、頭髪測定具120は一表面122eにおいて、上述した箇所以外は、上記の実施形態及び変形例と同等にしており、具体的には図9(c)と同様に、幅目盛線114を示すと共に、図2(a)等と同様に湾曲した目盛線126を示している(中間目盛線等の各種目盛線及び距離を表す数値の図示等は、図22(a)(b)では省略している)。なお、一端部122aからの距離を表す数値は、図2(a)(c)に示すように付す以外に、たとえば、目盛線126に対して、一方の側面125cの側、及び他方の側面125dの側の両方に付すと共に、それらの各数値が中心線129を中心に対称となる向きに表すようにしてもよい。このような向きで数値を表すことにより、側面125c、125dのいずれの側から見ても、いずれか一方側の数値で距離を確認できるようになる。なお、中間目盛線に関する距離を表す数値は、中心線129に沿って付すようにしてもよい。
図22(b)は、頭髪測定具120の他表面122fを示している。この他表面122fも、基本的に図9(a)に示すように各目盛線を付しており、幅目盛線114′及び直線の目盛線126′を示している。なお、幅方向の中央箇所でX軸方向に延びる中心線129も示されており、他端部122bから距離を表す数値も、図示していないが、一表面122eと同様に目盛線126′等に合わして付されている。
また、頭髪測定具120は、長手方向の略中央部122gに設けた補助窪み部131の円弧的な湾曲線に対して、同心円的な円弧線を所定の間隔を開けて示した分度器マーク125′を示しており、この分度器マーク125′の中心と合うように、複数の角度線125a′〜125g′(補助角度線に相当)を波線で示している。これらの角度線125a′〜125g′は、一表面122eに示す角度線125a〜125gと同等の角度になっている。なお、角度線125a′は、略中央部122g付近の箇所の目盛線126′と一致している。
さらに、頭髪測定具120は、他表面122fの一端部122a付近においても、補助分度器マーク132を示すと共に、この補助分度器マーク132の中心から延出する角度線132b〜132gを示している。これらの各角度線132b〜132gは、上述した角度線125b〜125gと同じ角度を表している。頭髪測定具120は、これらの角度線132b〜132gに基づき、一端部122aでも頭髪のカット方向に係る測定を行えるようにしている。なお、第12変形例に係る頭髪測定具120は、両側面に理美容用鋏の位置決めに係る溝部を省略しており、頭髪測定具120を構成する合成樹脂製の長尺部材122の厚みは約1mmにしている。
このような頭髪測定具120は、図4、5に示す場合と同様に、一端部122aを頭皮各所の突き当てて、窪み部123の両端部123b、123cでの二点接触で毛髪束に係る長さを安定して測定できる。また、そのような突き当て状態でも、他表面122fに示す角度線132b〜132g及び中心線129により、毛髪束に係る角度(毛髪束を取る方向)を確認でき、特に、中心線129で頭皮の突き当て箇所に対する直角の方向を測定することができ、また、カット・セット時等の毛髪方向を角度線132b〜132gで考慮しながら、長さ測定も行える。
また、図23(a)(b)、図24(a)に示すように、第12変形例に係る頭髪測定具120は、より安定して毛髪の角度方向を容易に測定できるようにしている。すなわち、長手方向の略中央部122gに設けた補助窪み部131を人頭模型Hの頭皮Haにあてがうと、一表面122eに示す各角度線125a〜125g、又は他表面122fに示す各角度線125a′〜125g′に基づき頭髪のカット方向に係る測定(毛髪の角度測定)を行える。
補助窪み部131をあてがう場合は、一端部122aをあてがう場合に比べて、22.5度又は45度という横方向に広がる角度線125b、125c、125f、125g、125b′、125c′、125f′、125g′が、一端部122aに示される同角度の角度線132b、132c、132f、132gに比べて、長い線で示されていることから、長い線に基づき角度を測りやすいというメリットが生じる。さらに、突き当て方向に沿った寸法が、補助窪み部131をあてがう場合は頭髪測定具120の幅方向になることから、一端部122aを突き当てる場合に比べてかなり短くなるので、頭髪カット補助部120に邪魔されることなく、測定対象の毛髪を掴みやすくなる。また、図24(a)に示す後頭部に応じた向きの頭髪補助具120を、補助窪み部131で首の後ろ(首筋)へあてがうと、頭髪の襟足の方向(毛先の向かう方向)等を角度線125a〜125g、125a′〜125g′で測定できる。さらに、図24(a)に示す前頭部に応じた向きの頭髪補助具120では、前髪を構成する各毛髪パネルの方向(毛先の向かう方向)も角度線125a〜125g、125a′〜125g′で測定できる。
その上、補助窪み部131をあてがう場合は、頭皮の曲面に対して、頭髪測定具120が接線的な姿勢になるので、一端部122aを突き当てるときの頭皮曲面から法線方向に飛び出る姿勢に比べて(図4、5等参照)、ユーザが頭髪測定具120を扱いやすい。
そして、図24(b)に示すように、補助窪み部131を頭皮Haへあてがうと、補助窪み部131の両端部131a、131bのみで二点接触することになるので、あてがった状態で、頭髪測定具120がフラフラすることもなく、安定した姿勢で測定を行うことができる。それにより、例えば、図23(a)に示すように側方からの視図で前頭部、頂部、後頭部に補助窪み部131をあてがった場合、図23(b)に示す前方からの視図で左右側頭部、頂部に補助窪み部131をあてがった場合、図24(a)に示す上方からの視図で前頭部、後頭部に補助窪み部131をあてがった場合などでも、頭髪測定具120は、安定した姿勢を維持でき、それにより正確な角度測定を実現できる。なお、図24(a)は、顔の向きが分かるようにするため、前頭部にあてがった補助窪み部131を透過して目及び鼻等が見えるように図を描いている。
なお、上述した図1等の頭髪測定具1、および第1変形例の頭髪測定具10〜第12変形例の頭髪測定具120に係る各構成は、適宜組み合わせることも可能である。例えば、図8(a)に示す第1変形例の頭髪測定具10に係る中間溝部19も、第2変形例の頭髪測定具20〜第12変形例の頭髪測定具120にも適用可能である。さらにまた、図8(b)に示す第2変形例の頭髪測定具20に係る全周にわたって形成される溝部24も、第1変形例の頭髪測定具10、および第3変形例の頭髪測定具30〜第12変形例の頭髪測定具120に適用可能である。そして、図10(a)(b)に示す第5変形例の頭髪測定具50の櫛部51も、第7変形例の頭髪測定具70〜第12変形例の頭髪測定具120に適用可能である。
また、図1等の頭髪測定具1、第1変形例の頭髪測定具10〜第12変形例の頭髪測定具120、および上述した各種組合せの例等の全般において、目盛線および中間目盛線は、必ずしも全周にわたって示す必要はなく、必要な面のみに示すようにしてもよい。さらには、頭髪測定具を構成する長尺部材を透明にすれば、一表面のみに目盛線および中間目盛線等を設ければ、透けて他表面等からも目盛線および中間目盛線等を視認できるので好適となる。さらにまた、図1等の頭髪測定具1、第1変形例の頭髪測定具10〜第9変形例の頭髪測定具90、及び上述した各種組合せの例等の全般において、図7(b)等に示す理美容用鋏Sに対する位置決め(位置規制)が不要であり、毛髪(毛髪束)の長さ測定の用途を主にする場合、上述した溝部(および中間溝部)の省略も可能である。そして、上述した各頭髪測定具10〜120の長さに関する目盛線の寸法単位はmm又はcm系の単位以外も勿論適用可能であり、たとえば、インチ系の単位も適用できる。また、異なる単位系の寸法単位を併用することも可能であり、例えば、幅方向の中心線から一方の辺の側においては、mm系の寸法単位で目盛線及び寸法値を表し、幅方向の中心線から他方の辺の側においては、インチ系の寸法単位で目盛線及び寸法値を表してもよい。