JP5848233B2 - 核酸試験のための改善された方法 - Google Patents

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Description

本出願は、自動化された系における核酸分析のための改善された方法に、そしてこうした改善された分析を行うための分析系に関する。
核酸分析の分野で用いる系は、核酸を含有する試料のプロセシングを必要とする。こうしたプロセシングは、試料の選別、容器の移動、または1つの容器から別の容器への液体試料および試薬の移動、ならびに分析を含む。より高次のハイスループットのため、同時プロセシングはしばしば、多数の消耗品、例えばピペットチップおよび単一の容器またはマルチウェルプレートを用いて行われる。統合された、そして試料調製から分析法の結果を得るまでに必要なすべてのまたは少なくとも大部分の工程を自動的に実行する、分析装置に関する関心もまたある。
各々、試料を含有する試料試験管を受け取り、
各試料に関する試験要求を受け取り、前記試験要求は前記試料に関して行うべき1またはそれより多いアッセイを特定し、
1またはそれより多いアッセイを行うべきであるかどうかに応じて、各試料の1またはそれより多くの試料アリコット(aliquot)を生成し、
その試料アリコットに関して行うべきであるアッセイにしたがって、1またはそれより多くの試験クラスに試料アリコット各々を割り当て、
同じ試験クラスに属する試料アリコットを合わせて同じバッチとして、前記バッチは第一のアッセイを行うべき試料および第二のアッセイを行うべき試料を含み、
前記バッチ中に含有される核酸を同時に増幅し、
試料アリコットの分析を行って、前記試料アリコット中の核酸の存在および/または濃度を決定する
工程を含む、核酸分析法。
各々試料を含有する試料試験管を受け取る、試料受け取りユニット、
試料試験管上の同定を読み取る読み取り装置、
試料のための試験要求を受け取るデータ管理ユニットであって、前記試験要求は試料に関して行われるべきアッセイを特定し、データ管理ユニットは読み取り装置から試料試験管同定をさらに受け取る、前記データ管理ユニット、
いくつの試料アリコットが必要であるか決定し、試料アリコットを試験クラスに割り当て、そしてこうした割り当てを制御ユニットに提供する、データ管理ユニット、
ピペッターが、同じ試験クラスに割り当てられた試料アリコットを、ウェルの同じバッチ内にピペッティングするのを制御する、制御ユニット、
ウェルのバッチ内に試薬をピペッティングするための同じまたはさらなるピペッター、
核酸を増幅するためのウェルのバッチを熱プロファイルに供するための熱ユニット、
ウェルのバッチからシグナルを検出する検出ユニット、
バッチのウェルにおける核酸の存在および/または量を決定する評価ユニット
を含む、核酸含有試料を分析するための系。
核酸分析は、例えば疾患の検出、遺伝子状態(遺伝障害および素因)の決定、および法医学的目的のため、さらにその重要性が増加してきている。核酸分析について語る際、典型的には、試料中の特定の核酸の存在を検出することが意味され、そしてまた濃度も意味されうる。そのために、試料材料は、典型的には、試料中に含有される核酸材料を放出するために処理され、そしてしばしば検出しようとする核酸はまた精製される。しかし、試料中に存在する核酸が少量であり、そしてしばしば非常に限定された量の試料しか入手可能でないことを考慮すると、こうした検出は容易ではない。アッセイの感受性をますます増加させる代わりに、元来の試料中に含有される核酸材料を増幅して、核酸の存在または量の適切な検出を実行可能にすることがより有用であると証明されてきている。しばしば「増幅」と呼ばれるこうした増殖を達成するための標準法は、周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。この増幅法のため、試料材料(典型的には、核酸を放出させ、そしてこれを精製するためのなんらかの前処理後のもの)を適切な試薬と混合し、そして次いで温度周期に供する。各温度周期は、最適な条件下で、試料中に存在する核酸(NA)の量を複製する。以下に記載するであろうように、核酸の存在および/または濃度の検出は、増幅終了時または増幅プロセス中に実行可能である。
既知の増幅装置を用いた場合、同じ核酸に関して試験される試料のみが一緒に温度周期に供される。増幅のため、試料を増幅試薬と混合し(増幅混合物を得て)、そしてしばしばマイクロウェルプレート(MWP)のウェルに入れる(dispose)。次いで、全MWPを温度周期に供する。これは、増幅混合物がバッチ形式でプロセシングされることを意味する。MWP中のウェルの数は、1つのバッチで一緒にサイクリング可能な反応混合物の数を決定する。MWPのしばしば用いられる形式では、プレートあたり48、69、356および1536ウェルである。
同じNAに関して試験すべき十分な試料が入手可能でない場合、現在、2つのオプションが存在する。さらなる試料が来てバッチを満たすまで待つ(すなわち使用されるMWP中の空いた位置を満たす)かまたはプレート中で利用可能な位置よりも少ない試料でバッチを実行する(すなわち空のウェルを含むMWPをサイクリングする)かいずれかである。オプション1は、結果が利用可能となるまでの時間を増加させ、一方、オプション2は消耗品を無駄にする。したがって、どちらのオプションも試験効率を減少させる。
言及された不都合な点(さらなる試料が来るまで待つかまたは不完全なバッチを実行する)は、同じバッチ内で異なる核酸のための分析(すなわち異なるアッセイ)を実行することを可能にする方法および系によって軽減されうる。
核酸分析のためのこうした改善された方法は、
各々、試料を含有する試料試験管を受け取り、そして前記試料に関して行うべき1またはそれより多いアッセイを特定する、各試料に関する試験要求を受け取る工程を含む。1またはそれより多いアッセイを行うべきであるかどうかに応じて、各試料の1またはそれより多くの試料アリコットを得る。
次いで、試料アリコットの各々に関して、該アッセイが属する1またはそれより多い試験クラスを決定する。この決定は、特定の試料アリコットに関して行うべきである1またはそれより多いアッセイを特定する試験要求にしたがって行われる。
同じ試験クラスに属するアッセイを行うべきである試料アリコットを合わせてバッチとし、前記バッチは第一のアッセイを行うべき少なくとも1つの試料アリコット、および第一のアッセイとは異なる第二のアッセイを行うべき第二の試料アリコットを含む。
次いで、バッチを、試料アリコット中に含有される核酸の増幅のため、同じ温度プロファイルに供する。
次いで、第一および第二のアッセイにしたがって核酸検出を行い、これは増幅プロセス中または増幅プロセス完了後に実行可能である。
用語「試料」は、本明細書において、元来の試料に関してだけ用いられるのではなく、すでにプロセシングされている試料にも関する(ピペッティングされた、希釈された、試薬と混合された、精製済みの、増幅済みのもの等)。
試料アリコットは、試験に使用される試料の一部である。試料アリコットは、典型的には、試料の一部をウェル内にピペッティングすることによって生成され、ウェル内で次いで、さらなる処理を行う。2またはそれより多い試料アリコットが必要な場合、例えば、その試料のある容量を吸引し、そして2またはそれより多いウェルにその容量の一部を放出することが可能である。用語、試料アリコットは、また、試料アリコットをアッセイするために典型的には必要であるように、試薬および他の液体と混合された試料アリコットも含むように意図される。
今日の核酸分析は、感染(HIV、HCV等)、遺伝病および素因、ならびに家族関係および法医学的目的のための個人の同定を決定する、強力なツールである。典型的な試料において、核酸はわずかな量であるため、通常、試料中に含有される核酸を増幅する必要がある。こうした増幅には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、転写仲介分析(TMA)等のいくつかの方法が知られる。これらの方法は当該技術分野に周知であり、そしてしたがって、本明細書に詳細には記載しない。しかし、こうした方法の共通の必要条件は、患者試料中の核酸が、検出前に増幅されることである。こうした増幅のため、試薬と一緒に試料に特定の熱処理を行う必要がある(すなわち試料混合物を生成する)。多数の試料を平行して分析する自動化された系では、こうした増幅混合物の熱処理は一緒に行われる(バッチ形式)。
増幅のための熱処理は、最適化され、そして反復可能な核酸の増幅を達成する、特定の温度対時間プロファイルを含む。短縮して、これを熱プロファイルと呼ぶ。PCRの場合、熱プロファイルは、サイクル方式で、多数の加熱および冷却工程を含む。個々の周期は、特定の時間の間に、ベースライン温度(例えば40℃)からより高いレベルの温度(例えば70℃)に反応混合物を加熱し、次いで、より高いレベルの温度を維持し、ベースライン温度まで冷却し、そして次いで、あらかじめ決定された時間の間、ベースライン温度を維持する工程を含む。この分野でのアッセイ開発は、とりわけ、検出しようとする核酸の十分でそして再現可能な増幅を達成するのに適した熱プロファイルを発見することを意味する。LCRおよびTMAは、再現可能な増幅を得るために、異なるが、やはりよく特定された熱プロファイルを必要とし、これは次に、標準化された検出プロセスを可能にする。
本明細書で用いるようなバッチは、核酸増幅のために同じ熱プロファイルに同時に供される多数の試料アリコットである。これは、個々の試料アリコットが増幅中に同じ熱プロファイルに供される方式で、試料アリコットが一緒にグループ化されることを意味する。実際には、これはしばしば、同じバッチに属する試料アリコットをマイクロプレートのウェル内にピペッティングすることによって行われ、これを次いで熱ユニットによって熱プロファイルにしたがって処理する。これは、各試料アリコットがそれ自身のウェルを有し、そして試料アリコット(すなわち液体)が混合されないことを意味する。
NA増幅のための同じ熱処理に加えて、1つのバッチに属する試料アリコットを平行してピペッティングしてもよく、そして他の方式で(本明細書において、以下に記載するように)同時にプロセシングしてもよい。これは、試料アリコットが、これらの工程を実行するために、核酸増幅より前にすでに一緒にバッチ化されてもよいことを意味する。しかし、一緒にバッチ化することは、試料アリコットを混合することではなく、バッチのアリコットが各々、別個のウェル中に位置し、そして同時にプロセシングされることを意味する。こうした同時プロセシングは、少なくとも、バッチの試料アリコットが核酸増幅のための同じ熱プロファイルに供されることを含む。
言及されるアッセイを行うため、系は、1またはそれより多い分析ユニットまたは分析装置を含む。分析物の存在および/または濃度を決定するための分析機能は、例えば分析前工程として、他の機能もまた実行する装置のユニットによって実行されてもよいし、あるいは分析は、多かれ少なかれ、分析の単独の目的を持つ装置によって実行されてもよい。本出願の背景において、用語「分析装置」は、すべてのこうした態様を含むものとする。
分析装置は、決定しようとする分析物の存在および/または濃度を同定するシグナルを検出するセンサーを有する。核酸分析の分野において、センサーは、典型的には、分析物に結合した蛍光標識によって放出される蛍光を検出することが可能な蛍光センサーである。他の態様において、センサーは、試料から伝達される放射線を検出する光電子増倍管であってもよい。多数の試料アリコットを平行してアッセイするため、しばしば、画像化センサー、例えばCCDアレイが使用される。こうしたセンサーは、典型的には、光学フィルターと組み合わせて使用される。増幅中に、標識された核酸からの蛍光を検出するための分析装置セットアップは、例えばEP−B−1681555に記載される。
分析物は、その検出のために分析を行う分子である。しばしば、分析物の存在または非存在によって、医師が診断決断を下す、すなわち患者が特定の疾患を有するかどうかを決定することが可能になる。しかし、多くの場合、こうした診断決断は、1つの分析物のみに基づいて導かれることは不可能であり、2またはそれより多い分析物を一緒に判断するか、あるいは分析物に関する結果を患者の臨床的状況と関連させて判断しなければならない。
本出願にしたがった分析物は、核酸およびその誘導体である。核酸誘導体は、とりわけ、核酸の検出を可能にする標識が結合した核酸である。こうした標識は、例えば蛍光色素である。
分析物の存在および/または濃度を決定するための特異的試験は、アッセイタイプと呼ばれる。同じ分析物に関して、1より多いアッセイタイプが利用可能である可能性もあり、例えば異なる試料液体中(例えば血液中および尿中)の分析物の検出の場合がそうである。こうしたアッセイタイプを特定の試料に関して適用する場合、その試料に関してアッセイを行うと言う。
分析物の検出を実行するために採用される特定の手段は、アッセイプロトコルと呼ばれる。アッセイプロトコルは、用いる試薬のタイプおよび量、プロセシング工程、用いる消耗品および検出を実行する方法を含む。
言及したように、核酸分析の前に、しばしば試料処理が必要である。典型的な試料処理工程は、細胞の溶解、検出しようとする核酸の精製および/または分離、核酸増幅および検出用の試薬との混合である。本明細書に後で記載するように、こうした試料処理工程の性質は、試料を同じ試験クラスに割り当て可能であるかどうかを決定するために極めて重要である。
本説明記載の系は、試料を含む試料試験管がインプットされる、インプット・セクションを有する。しばしば試料試験管はラック中に位置し、各ラックは例えば5つの試料試験管を保持する。いくつかの態様において、インプット・セクション内へのインプットは手動で行われるが、また、例えばロボットアームまたはコンベヤを介した自動化インプットも含まれる。
試料試験管は、試料を保持するための容器(典型的にはバイアル)である。こうした試料試験管は、試料の損失を防止し、そして輸送中の試料の汚染を防止するためのクロージャーを有する。クロージャーは、試料試験管がインプット・セクションに進入した際にすでに除去されていてもよいし、あるいはクロージャーを開放するかまたは除去するためのキャップ・オープナーを系に提供してもよい。別の態様において、クロージャーは、試料試験管上に残り、そしてクロージャーを通じて試料を抜き取る(例えばスチール針での貫通によって)。試料試験管はさらに、添付された試験管同定を有する。こうした試験管同定は、バーコード、英数字コード、電子記憶チップ(例えばRFIDタグ)、磁気コード等であってもよい。こうしたコードの読み取り装置が当該技術分野に周知である(例えばバーコード読み取り装置およびRFID読み取り装置)。
系はさらに、分析装置を制御するための制御ユニット(CU)を含んでもよい。こうした制御ユニットは別個のユニットであってもよいし、または分析装置の不可分の一部であってもよい。制御ユニットは、アッセイプロトコルに必要な工程が分析装置によって行われる方式で、分析装置を制御する。これは、制御ユニットが、例えば分析装置に指示して、試料を試薬と混合する特定のピペッティング工程を行わせるか、または制御ユニットが分析装置を制御して、特定の時間の間、試料混合物をインキュベーションさせる等を意味する。制御ユニットは、データ管理装置から、特定の試料でどの試験を行うべきであるか情報を受け取り、そしてこれに基づいて、分析装置(そしてまたおそらく試料調製ユニット)が実行しなければならない工程を決定する。特定の態様において、制御ユニットは、データ管理ユニットと不可分であってもよく、または共通のハードウェアによって統合されていてもよい。
系はさらに、試験要求データベースを含むデータ管理ユニットを含む。こうしたデータベースは、試料試験管同定を、試料試験管中に含有される試料で行うべきアッセイと関連づけることを可能にする。特定の試料で行うべき1またはそれより多い分析試験を試験要求と呼ぶ。データ管理ユニットは、多くの態様において、LIS(実験室情報系)および/またはHIS(病院情報系)と接続される。データ管理ユニット(DMU)は、分析装置内にあるかまたは分析装置と同一場所に配置されてもよく、例えばデータ管理ユニットは制御ユニットの一部であってもよい。あるいは、DMUは、分析装置から遠く離れて位置してもよく、例えばネットワークを通じて分析装置に接続されたコンピュータ中に統合されていてもよい。
典型的なワークフローにおいて、医師は、患者に対して行うべき分析試験(アッセイ)を決定し、そして紙またはコンピュータ上でフォームに記入する。次いで、さらなるプロセシングのため、この試験要求を医学技術アシスタント(MTA)に伝達する。用語、MTAは、本明細書において、MTAとしての正式な教育を経た個人には限定されず、本明細書の以下に記載するように、他の個人、例えば看護師および任務を実行する非公式に訓練されたアシスタントもまた含むよう意図される。
MTAは、試験要求にしたがって、1またはそれより多い試料試験管内に、患者由来の試料(血液、尿、脊髄液等)を得る。試料試験管はあらかじめ標識されていてもよいし、または患者識別子が試料試験管に関連付けられる方式で、MTAによって標識されてもよい。守秘義務およびプライバシーのため、これは典型的には、ユニークな識別子を試験管に添付すること(いわゆる試料試験管同定)によって行われる。ユニークな識別子をデータベース(例えば上述のLISに属するデータベース)に保存し、データベースは識別子を患者の名前に関連付ける。ユニークな識別子は、典型的にはバーコード、数字または英数字コードである。ユニークな識別子は、通常、守秘義務のため、患者の名前を平易な言語では示さない。
試験要求が、医師によってすでにデータベース内にインプットされていない場合、受け取ったフォームに基づいて、MTAが試験要求をインプットするであろう。したがって、データベースは、試料試験管のユニークな識別子および試験要求、すなわち特定の試料で行うべき1またはそれより多い分析試験(アッセイ)の関連を保存している。
このセクションで言及するデータベースは、本出願の系のデータ管理ユニットであってもよいし、あるいはLIS、HISまたは別のデータベースであってもよい。後者の場合、ユニークな試料同定および行うべき1またはそれより多い試験の関連が、系のデータベースに伝達されるであろう。
試料に関する試験要求は、試料で行うべき1またはそれより多い分析試験(アッセイ)を決定する。各アッセイは、少なくとも1つの試験クラスに割り当てられる。この割り当ては、データ管理ユニット、制御ユニットまたは計算能力を有する別のユニットによって実行可能である。少なくとも1つの試験クラスへの割り当ては、以下に説明する割り当て規則にしたがって行われる。
試験要求に基づいて、データ管理ユニットは、いくつの試料アリコットが必要であるか(少なくともその試料に関して行うべき異なるアッセイの数)を決定し、そしてこうした試料を少なくとも1つの試験クラスに割り当てる。通常、アリコットはこの時点までに物理的に入手可能ではないが、データ管理ユニットは、こうしたアリコットに関して計画し、そして制御ユニットにアリコットを産生するよう指示するであろう。
アッセイは、そのアッセイのためのアッセイプロトコルに定義される、行うべき工程の順列を必要とする。アッセイは、典型的には、以下の工程を含有する:
特定の試験のために試料の溶解が必要である場合:溶解のために試料に添加すべき溶解試薬(単数または複数)、1またはそれより多い溶解試薬の容量、および1またはそれより多い溶解試薬と試料のインキュベーション期間。
特定の試験のために核酸の単離が必要である場合:検出すべき核酸を単離するための試薬(単数または複数)のタイプと容量、インキュベーション期間、混合または振盪作用、他の液体/試料構成要素から所望の核酸を分離する工程、ならびにさらなるプロセシングのために、検出すべき核酸を放出させる(set free)工程。
検出すべき核酸の増幅:増幅試薬のタイプおよび容量、核酸を増幅するための温度プロファイル。PCRの場合、増幅のため添加される試薬は、ヌクレオチドおよび温度耐性ポリメラーゼである。PCRはさらに、反応混合物の交互の加熱および冷却を含む温度プロファイルを必要とする。こうした温度プロファイルは、高温および低温、こうした高温および低温を維持する時間、ならびに典型的には秒あたりのケルビンとして提供される、加熱率または冷却率である傾斜(ramping)プロファイルを通じて定義可能である。
分析物検出のため、適切な試薬を添加し、これは大部分の場合、照射に際して蛍光シグナルを提供する。こうした検出試薬は、例えば、検出すべき核酸に結合する標識プローブである。さらなる試薬は、核酸二重鎖内に挿入されるSybGreenなどの挿入色素である。当該技術分野には、分析物を標識することによって、または検出可能実体を結合させることによって、分析物を検出可能にする、多様な技術が知られる。
アッセイプロトコルにおいて、用いるべきさらなる消耗品が特定される。こうした消耗品は、例えば使い捨てピペットチップおよび容器(例えばマイクロウェルプレートまたは個々の容器)である。
検出を行うため、検出ユニットを使用する。こうした検出ユニットは、バッチのウェル中に位置する試料アリコットを照射する光源、および試料アリコット中に分析物が存在するかどうかを決定することを可能にする、試料アリコットからのシグナルを得る検出装置を含む。検出装置は、典型的には、照射の際に試料アリコットによって放出される蛍光を検出する、光学検出装置である。しばしば、バッチの二次元画像を記録可能であるように、多数の感受性領域を有する検出装置を使用する。検出ユニットは、さらに、レンズ、フィルター、二色(dichroitic)ミラー等の多様な光学素子を含んでもよい。
評価ユニットは、検出装置から得たシグナルを評価して、分析物が試料アリコット中に存在するかどうかを決定する。評価ユニットは、典型的には、保存された参照値または閾値と、検出装置由来のシグナルを比較する、計算ユニットである。この前に、評価ユニットは受け取ったシグナルをオフセットおよびアーチファクトに関して補正し、そしてさらに画像情報を分析して、分析物由来のシグナルに相当する特定の領域のシグナルを抽出してもよい。評価ユニットは、さらに、長期に渡って検出装置からのシグナルを記録してもよい。曲線または他の数学的アルゴリズムに適合させることによって、こうした長期に渡る強度の情報を分析して、試料アリコット中の分析物の存在および/または濃度を決定してもよい。
本説明にしたがった試験クラスは、どの試料アリコットをバッチで一緒にプロセシングすることが可能かを示す。少なくとも、核酸増幅のために使用しようとする熱プロファイル(インキュベーション温度、時間プロファイル、増幅工程の数)にしたがって、特定の試料アリコットに割り当てられる試験クラスを選択する。これは、増幅のための熱プロファイルが同じ場合、同じバッチの試料アリコットで異なるアッセイが用いられるのであっても、試料アリコットが同じ試験クラスに割り当てられることを意味する。増幅のための熱処理に加えて、アッセイの他の工程もまた、同じバッチの試料アリコットと一緒に行うことが可能であることを理解しなければならない。
核酸増幅のために使用しようとする熱プロファイルがどちらの試料アリコットに関しても同じである場合、2つの試料アリコットは同じ試験クラスに割り当てられる。
同じ試験クラスを2つの試料アリコットに割り当てるためのさらなる必要条件として、
試料プロセシング工程が2つの試料アリコットに関して同じであり、そして/または
両方の試料アリコットがプロセシングのために同じ消耗品を必要とする
ことを要求してもよい。
しかし、3つの基準すべて(増幅のための熱プロファイル、試料プロセシング工程、使用される消耗品)が同じである場合にのみ、同じ試験クラスが2つの試料アリコットに割り当てられることが好適である。
しかし、上記データベースは、試験要求を系に入力する各場合に、これらの基準をチェックする必要はない。上述のように、アッセイ・プロトコルはすでに、NA増幅のための熱プロファイルの詳細を含有し、そしてしたがって、試験クラスが属するアッセイのレベルに関して決定可能である。または言い換えると、系に利用可能なアッセイタイプを、NA増幅に必要とする熱プロファイルに関してチェックして、そしてしたがって試験クラスに割り当ててもよい。これは、NA増幅に関して同じ熱プロファイルを必要とするアッセイを、同じ試験クラスに割り当てる一方、異なる熱プロファイルを有するアッセイを、異なる試験クラスに割り当てることを意味する。これは、試験クラスの数がアッセイタイプの数と等しいかまたはそれより少ないことを意味する。しかし、本明細書記載のプロセスの利点は、試験クラスの数がアッセイタイプの数より少ない場合にのみ達成可能である。この場合にのみ、異なるアッセイを行うべきである試料アリコットを増幅のために一緒にバッチ化可能である。
各アッセイタイプをそれぞれの試験クラスに割り当て、そして参照テーブル中の試験クラスとアッセイタイプの相関を保存することが好適である。次いで、その試料アリコットに関して、どのアッセイのタイプを行うべきであるかの試験オーダーをチェックし、そしてそのアッセイタイプに関して参照テーブルにおいてそれぞれの試験クラスを参照することによって、試料アリコットを試験クラスに割り当ててもよい。こうした参照テーブルは、以下の表の最初の2つの段のみを有してもよく、一方、他の段は説明のみのために示す:
Figure 0005848233
アッセイAおよびCで試験する試料アリコットは同じ試験クラスに属し、そしてしたがって、増幅のため一緒にバッチ化可能であることがわかる。同様に、アッセイBおよびDの試料は増幅のため一緒に合わせてバッチにすることも可能であり、一方、アッセイAの試料は、アッセイBまたはアッセイDの試料と同じバッチ中には合わせられない。この場合、2つの試験クラスは、アッセイを行うのに必要な2つの異なる熱プロファイルにしたがって定義されていることがさらにわかる。
用語、バッチ化は、本明細書において、試料アリコットを一緒に混合して液体混合物を得ることを意味しない。むしろ、アッセイの少なくとも増幅プロセスに関して、同時にプロセシング可能である方式で、試料アリコットを合わせることを意味する。これは例えば、試料アリコットを同じマイクロウェルプレートの別個のウェル内に入れることによって達成可能であり、これを次いで、すべての試料アリコットが同じ熱プロファイルに供されるように熱プロファイルで処理する。
試料アリコットで行うべきアッセイが異なる場合であっても、同じ試験クラスに属する試料アリコットを選別して同じバッチにしてもよい。これは同じ試験を要求する試料のみをプロセシングおよび分析のためにグループ化する方法または系に比較して、いくつかの利点を有する。異なる試験要求を持つ試料アリコットを一緒にグループ化する(一緒にバッチ化する)際、バッチはより早く満たされ、そしてしたがって、分析しようとする試料アリコットの待ち時間が減少しうる。さらに、混合されたバッチ(異なるアッセイを行うべき試料アリコットを含有するバッチ)が許されている場合、不完全なバッチまたは満たされていないバッチのプロセシングを回避可能であるため、分析系の効率が増進されうる。しかし、該方法は、バッチが完全に満たされる(すなわちそのバッチ中のすべての利用可能な位が満たされる)か、または混合されたバッチのみが許されることをまったく必要としないことを理解しなければならない。系が、異なる試験要求を有する試料アリコットでバッチを満たす自由を有する際に、利点はすでに利用可能である。
図1は、試験クラスに基づいて、試料のバッチを生成するためのハードウェアユニットおよび論理ユニットを含む系を示す。 図2は、リアルタイム検出のための系の光学的セットアップを示す。 図3は、試料アリコットのバッチを生成するための系の要素を示す。 図4は、試料アリコットを含有するマイクロウェルプレートを含むセグメント化熱ユニットを示す。
図面の詳細な説明
図1は、試料のバッチを生成するための系を示す。試料試験管(3)を含むラック(2)を系(1)のインプット・セクション(10)にインプットする。これを、手動で、または例えばロボットラック取り扱い装置によって自動的に行ってもよい。ラックをインプット・セクションから試料ピペッティング・セクション(20)に運ぶ。この移動の間、試料試験管上のバーコードがバーコード読み取り装置(5)によって読み取られる。バーコード読み取り装置は、読み取りデータを直接または他のユニットを介して、データ管理ユニット(6)に送る。データ管理ユニットは系内に統合されていてもよいし、または系と同一の場所に配置されるユニットであってもよい。あるいは、データ管理ユニットは、系から離れていてもよく、例えばネットワークを通じて装置に接続された計算ユニットであってもよい。データ管理ユニット(6)は、試験要求に基づいて、各試料または試料アリコットのための試験クラスを決定する。これは、どのアッセイが行われなければならないか、試験要求をチェックし、そして次いで、アッセイが属するのがどの試験クラスか、参照テーブルをチェックすることによって行われる。
制御ユニット(7)は、どの単数または複数のアッセイを特定の試料で行わなければならないか、データ管理ユニットからデータを受け取る。制御ユニットは、次いで、こうしたアッセイを行うには、分析装置によってどの工程を実行しなければならないかを決定する。制御ユニットは、特に、同じ試験クラスに属する試料アリコットが試料試験管から同じマイクロウェルプレートのウェル内にピペッティングされるように、ピペッターユニット(8)を制御する。図1は、2つのマイクロウェルプレートを示す。試験クラスIに属する試料アリコットをマイクロウェルプレート101’のウェル内にピペッティングする一方、試験クラスIIに属する試料アリコットをマイクロウェルプレート101’’内にピペッティングする。その後、マイクロウェルプレート101’および101’’を異なってプロセシングする。ピペッティングに関するいくつかの工程、使用する試薬、消耗品、インキュベーション、核酸分離等は、両アッセイに関して、同じであってもまたは異なってもよい。しかし、重要なことは、同じ試験クラスに属する試料アリコットが、核酸増幅のため同じ熱プロファイルに供されることである。
図2は、いわゆるリアルタイム検出のための系を示す。試料アリコットおよび試薬を含有する多数のマイクロウェル(103)を含むマイクロウェルプレート(101)を熱ユニット(102)に入れ、そして検出ユニット(300)で分析する。ペルチェ素子に熱的に接続された金属(典型的には銀または銅)で作製されたマウントによって熱ユニットを実現可能である。ペルチェ素子は、制御ユニットによって制御されて、あらかじめ定義された温度プロファイルにしたがって、マウントを、そしてしたがってまたマイクロウェルプレート中の試料混合物を加熱し、そして冷却する。こうした温度プロファイルは、核酸増幅を実行するため、マウントを望ましい温度(例えば摂氏90度)に加熱し、そして特定される温度(例えば摂氏40度)に冷却する多数の周期を含む。試料混合物を温度プロファイルに供する間、蛍光検出ユニットは、マイクロウェルプレートのウェルから放出される蛍光を測定する。示すような蛍光検出ユニットは、試料混合物に照射するための光源(例えばLEDランプまたはキセノンランプ)(111)、およびウェルから放出される蛍光を検出する検出装置(121)を含む。光源の照射は、光を焦点に集めるための光学素子(112)、およびウェル中に含有される蛍光標識の蛍光放出を誘発するのに適した光の波長域を透過するフィルター(113)を通じて導かれる。次いで、光は二色ミラー(114)に伝達され、そしてレンズまたはレンズ系(115)によってウェル内に分配される。ウェルから放出される蛍光照射は、レンズ系(115)によって収集され、そして二色ミラーによって反射される。これは、二色ミラーが励起波長を透過し、そして放出光を反射するように選択されることを意味する。放出された照射は、第二のフィルター(122)によってフィルター処理され、そして検出装置(121)上の光学素子(123)に導かれる。検出装置は、典型的にはCCD(電荷結合素子)検出装置であり、この装置は、放出強度の画像を生じる。次いでこの画像を評価して、それぞれの分析物がマイクロウェルプレートのウェル内に含有されるかどうかを決定する。こうしたリアルタイム検出系のセットアップおよび機能に関するさらなる詳細は、例えば、EP1681555に見られうる。
図1記載のマイクロウェルプレート101’および101’’を、図2記載の専用分析装置で分析するか、あるいはマイクロウェルプレート101’および101’’を続いて同じ分析装置で分析してもよい。
しかし、本明細書記載の概念にしたがって、同じ試験クラスに属するすべての試料アリコットを同じ温度プロファイルに供して、核酸増幅を実行する。原則として2つの態様が可能である。均一な熱ユニットは、マイクロウェルプレートのすべてのウェルを同時に同じ温度に加熱し、そしてしたがってすべてのウェルを同じ温度プロファイルに供する。これは同じマイクロウェルプレートにおいて、同じ試験クラスに属するアッセイのみを行うことを意味する。しかし、あるいは、異なる熱プロファイルを実行可能であるセグメント(2または4セグメントであってもよい)を有するセグメント化熱ユニットを使用してもよい。これは、1つのセグメントが例えば40〜70℃の周期である一方、熱ユニットの別のセグメントが45〜80℃の周期であることを意味する。これは、同じマイクロウェルプレートのいくつかのマイクロウェルが、第一の熱プロファイルに供される一方、他のものは第二の熱プロファイルに供されることを意味する。セグメント化熱ユニットの場合、特定のセグメントによって加熱されるウェル中に位置するすべての試料アリコットが同じ試験クラスに属する一方、全体のマイクロウェルプレートは、異なる試験クラスに属する試料アリコットを含有してもよい。
図3は、核酸の存在および/または濃度に関して試料を分析するための系を示す。示すマイクロウェルプレート101’および101’’は、図1記載の試料液体で満たされている。2つのマイクロウェルプレート101’、101’’は、各々、少なくとも2つの異なるアッセイを行わなければならない試料アリコットを含有し、すなわち、マイクロウェルプレート101’における試料アリコットの一部は、分析物Aの存在に関して試験され、一方、他のものは分析物Bの存在に関して試験されるであろう。
ピペッター8は、溶解試薬を容器201から、プレート101’および101’’のウェル内にピペッティングする。これらのプレートは、熱ユニット210aおよび210bの中に位置し、ここで溶解試薬の存在下で、これらはインキュベーションされて、試料液体から核酸が放出される。ユニット201aおよび201bは、さらに、放出された核酸を精製する機能を有する。このため、磁気誘引可能微小粒子の懸濁物を、容器202からプレートのウェル内にピペッティングする。放出された核酸は、微小粒子に結合し、これを次いで、磁力によってウェルの内壁上に分離し、そしてピペッターを用いて、ウェルから液体を除去した。微小粒子を、さらに、容器203由来の洗浄液中に懸濁し、再び、ウェルの内壁上で分離し、そしてウェルから液体を除去してもよい。最後に、容器204由来の溶出液中に微小粒子を懸濁して、微小粒子に結合した核酸を放出させる。次いで、この粒子を内部ウェル壁上で分離し、そして精製された核酸を含有する液体をウェルからピペッターで抜き取り、そしてマイクロウェルプレート102’および102’’のウェルに入れる(depose)。次いで、アッセイプロトコルにしたがって、試薬205、206、207、208を精製核酸含有ウェルに添加する。分析物Aに関して試験すべき試料アリコットを試薬205と混合し、Bに関して試験すべきものを試薬206と混合し、そしてさらなる試薬207はC用であり、そして試薬208は分析物D用である。次いで熱ユニット211aおよび211bで熱サイクリングを行う。これらのユニットはさらに、図2に示すような検出ユニットを有し、熱周期中の核酸の増幅を監視し、そしてウェル中の核酸の存在および/または濃度を評価する。
示す態様において、アッセイAおよびBを行うべきである試料アリコットをプレート201’内にピペッティングし、一方、CおよびDに関して試験する試料アリコットはプレート202’中に存在する。各熱ユニット201aおよび201bは、異なる温度プロファイルを実行してもよく、一方、同じユニット内のすべてのウェルを同じ温度プロファイルに供する(すなわち、図3における熱ユニットは均一である)。アッセイAおよびBは、どちらの試験も同じユニット210aで行われるように、同じ温度プロファイルを持たなければならない。これは、アッセイAおよびBが、同じインキュベーション温度プロファイルと適合する場合にのみ、同じ試験クラスに割り当てられることを意味する。
アッセイA、B、CおよびDは、以下の表にしたがって、2つの異なる試験クラスに属する。
Figure 0005848233
アッセイAにしたがって試験する試料アリコット(+によって示される)、およびアッセイCにしたがって試験するもの(Xによって示される)は、マイクロウェルプレート102’中で一緒にバッチ化される。マイクロウェルプレート102’を、40および70℃の間の熱サイクリングで、熱ユニット211a中で処理する。
アッセイBにしたがって試験する試料アリコット(・によって示される)、およびアッセイDにしたがって試験するもの(−によって示される)は、マイクロウェルプレート102’’中で一緒にバッチ化される。マイクロウェルプレート102’’を、45および80℃の間の熱サイクリングで、熱ユニット211a中で処理する。
わかるように、単一のアッセイにしたがって試験する試料アリコットのみを同じマイクロウェルプレート内に装填する、自動化された系に比較して、異なるアッセイ用の試料アリコットが、一緒にバッチ化される際、マイクロウェルプレートのよりよい利用が可能である。また、マイクロウェルプレートを満たすのに十分な試料アリコットが存在しない場合、マイクロウェルプレートのいくつかのウェルが空のまま(表示なし)であってもよいこともわかる。
図4は、互いに独立に温度制御可能な、2つの領域(211c’、211c’’)を有するセグメント化熱ユニット211cを示す。セグメント化熱ユニットは、例えば、US2005/0009070およびWO2008/030914に記載される。こうした熱ユニットを用いると、2つのセグメントに熱的にカップリングしたウェル中に位置する試料混合物で、異なる熱プロファイルを実行することが可能である。わかるように、アッセイAおよびCにしたがった熱処理をセグメント211c’で行う一方、アッセイBおよびDにしたがった熱処理をセグメント211c’’で行う。こうしたセグメント化熱ユニットを用いると、したがって、マイクロウェルプレートの優れた利用が可能であり、そして各タイプの比較的わずかなアッセイのみを行うべきであった場合、ハイスループットを達成することが可能である。当業者には、2より多いセグメントで熱ユニットを設計し、そして使用することが十分に考えられる。

Claims (11)

  1. 各々、試料を含有する試料試験管を受け取り、
    各試料に関する試験要求を受け取り、その試験要求はその試料に関して行うべき1またはそれより多いアッセイを特定し、
    各試料の1またはそれより多くの試料アリコットを得て、ここで各アリコットは試験要求にしたがって行うべきアッセイに対応し、
    その試料アリコットに関して行うべきであるアッセイにしたがって、試験クラスに各試料の1またはそれより多くの試料アリコット各々を割り当て、ここで特定の試料アリコットが割り当てられた試験クラスは、少なくともその特定の試料アリコットのために行うべきアッセイのために使用するべき核酸を増幅するための熱プロファイルにしたがって選択され、
    同じ試験クラスに属する試料アリコットを合わせてマイクロウェルプレート中でバッチとして、そのバッチは第一のアッセイを行うべき試料アリコットおよび第二の異なるアッセイを行うべき試料アリコットを含み、その第一のアッセイおよびその第二の異なるアッセイは少なくとも同じ熱プロファイルを使用し、
    バッチ中の試料アリコットに試薬を添加し、
    核酸の増幅の為のものと同じ熱プロファイルを用いて、バッチ中の試料アリコット中に含有される核酸を同時に増幅し、
    バッチ中の試料アリコットからシグナルを検出し、その試料アリコット中の核酸の存在および/または濃度を決定する
    工程を含む、核酸分析法。
  2. 割り当てることが、行うべきアッセイに対応する試験クラスを示す参照テーブルのチェックを含む、請求項1記載の方法。
  3. a)第一のアッセイおよび第二の異なるアッセイの試料プロセシング工程が同一であるかまたは
    b)第一のアッセイおよび第二の異なるアッセイの両者において同じ消耗品を使用する場合に、アリコットを同じ試験クラスに割り当てることをさらに含む、請求項1記載の方法。
  4. 分析を行うことが、試料アリコットからの蛍光の検出を含む、請求項1記載の方法。
  5. 各々試料を含有する試料試験管(3)を受け取る、試料受け取りユニット(10)、
    試料試験管上の同定を読み取る読み取り装置(5)、
    試料のための試験要求を受け取るデータ管理ユニット(6)であって、その試験要求は試料に関して行われるべきアッセイを特定し、データ管理ユニットは読み取り装置から試料試験管同定をさらに受け取り、ここでデータ管理ユニットは、各々の試料についてそれらに対応する試験要求にしたがって、いくつの試料のアリコットが必要であるか決定し、試料アリコットを試験クラスに割り当て、ここで試験クラスの割り当ては少なくとも、試料アリコットが供されるであろうアッセイにより用いられる核酸の増幅のための熱プロファイルに基づき、そしてこうした割り当てを制御ユニット(7)に提供し、ここで制御ユニットはピペッター(8)が、同じ試験クラスに割り当てられた試料アリコットをバッチ内にピペッティングするのを制御し、バッチはマイクロウェルプレート(101’、101’’)中のウェルを含み、同じ試験クラスを有しそれに割り当てられた各試料アリコットはマイクロウェルプレート(101’、101’’)の分離したウェル内にピペッティングされる、上記データ管理ユニット、
    マイクロウェルプレート(101’、101’’)のウェル内に試薬をピペッティングするための同じまたはさらなるピペッター、
    マイクロウェルプレート(101’、101’’)を、核酸を増幅するための熱プロファイルに供するための熱ユニット(102、210a、210b)、
    マイクロウェルプレート(101’、101’’)のウェルからシグナルを検出する検出ユニット(300)、
    マイクロウェルプレート(101’、101’’)のウェルにおける核酸の存在および/または量を決定する評価ユニット
    を含む、核酸含有試料を分析するための系(1)。
  6. マイクロウェルプレート(101’、101’’)のウェル中に含有される核酸を精製する精製ユニットをさらに含む、請求項5記載の系。
  7. データ管理ユニットの中に、試料アリコットが供せられるアッセイにしたがって、試験クラスを試料アリコットに割り当てるのに使用される参照テーブルが保存されている、請
    求項5記載の系。
  8. 熱ユニットが、異なる熱プロファイルを実行するように構成された2またはそれより多いセグメントを有する、請求項記載の系。
  9. 検出ユニットが、試料ウェル中に位置する試料アリコットを発光させるための発光ユニットを含み、そして試料ウェルから放出される蛍光を検出するための検出装置をさらに含む、蛍光検出ユニットである、請求項5記載の系。
  10. データ管理ユニットが、実験情報系(LIS)からの試料オーダーを受け取るように構成された、請求項5記載の系。
  11. a)第一のアッセイおよび第二の異なるアッセイの試料プロセシング工程が同一であるかまたは
    b)第一のアッセイおよび第二の異なるアッセイの両者において同じ消耗品を使用する場合に、第一のアッセイおよび第二の異なるアッセイのために使用される試料アリコットを同じ試験クラスに割り当てるように、データ管理ユニットを構成することをさらに含む、請求項5記載の系。
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