JP5845017B2 - フライバイワイヤ方式のコントロール・カラムのクロスカップル作動のための位置制御システム - Google Patents

フライバイワイヤ方式のコントロール・カラムのクロスカップル作動のための位置制御システム Download PDF

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Description

本発明は一般に航空機用のコントロール・カラム(操縦桿/操縦輪)に関し、より詳細には航空機用のフライバイワイヤ方式のコントロール・カラムに関する。
民生用航空機及び軍用航空機の性能要件は高まってきており、機械式のリンク機構を用いる従来の制御技術では、操縦士(パイロット)が高度な精神活動及び手動制御活動から解放されることはない。従って、今日の高性能な航空機だけでなく、一部の輸送用航空機は「コントロール・カラム」とも呼ばれる「フライバイワイヤ」方式のサイドスティックやセンタースティックを用いている。
こうしたフライバイワイヤ方式のコントロール・カラムは、航空機の操縦翼面(操舵面)に関する触覚フィードバックをコントロール・カラムに再現する。
「受動的(パッシブ)な」コントロール・カラムにおいて、操縦士は、飛行制御コンピュータ(FCC)への制御入力としてコントロール・カラムのスティックに与えられた偏位に応じてスプリング又はダンパからの力(操縦反力)を感ずる。これらの力(操縦反力)は、スプリング及びダンパのパッケージにより実現される。このような受動的なコントロール・カラムでは、操縦士の操縦力(即ち、受ける感触)は、通常は(所定の設定に)固定されている。
この受動的(パッシブ)な制御という概念の欠点は、従来の操縦装置とは対照的に、操縦士が航空機の操縦翼面(操舵面)との接触を失い、又、コックピットにいる第2の操縦士との接触を断たれる点である。このため、操縦士は触覚情報を失って、視覚的な手掛かりだけで、実際のフライト(飛行)状態、利用可能なトリム制御パワー(動力)、他の操縦士の行動に関する情報を得るしかない。
「直接駆動方式による能動的(アクティブ)な」コントロール・カラムでは、操縦士は精巧なサーボシステムのみを用いて再現される制御力を体感(体験)する。直接駆動方式による能動的な制御システムでは、モータ、駆動用電子機器、並びに高帯域閉ループ力及び減衰制御アルゴリズムを用いて、航空機の操縦翼面(操舵面)の触覚フィードバックを再現するスティックに直接に触覚フィードバックを供給する。この高帯域システムを用いることにより、システムは多数のセンサと複雑な制御システムのために高価でかさばるものとなっている。更に、こうした直接駆動方式による能動的なシステムでは、モータが故障すると、スティックがロックされて操縦士は航空機を制御できなくなってしまうことが考えられる。これを是正するには、不必要な冗長性をシステムに組み込むことが必要である。
標準的で「完全に能動的(アクティブ)な」コントロール・カラムの欠点を有することなく、一方のコントロール・カラムに、他方のコントロール・カラムを操作する操縦士の行動に関する触覚フィードバックを供給するために用いることができる、コントロール・カラムのための調整可能な触覚フィードバックシステムを提供することが望まれている。
一の態様において、本発明は、第1及び第2のコントロールスティックの間に、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する両スティックの位置の食い違いに関する触覚フィードバックを供給するように構成された航空機制御システムを提供する。
より詳細には、一の実施の形態において、第1及び第2のスティック、第1及び第2のフィードバックアセンブリ、並びに制御機構を備える航空機制御システムが提供される。一の実施の形態では、システムは間接駆動方式の能動的(アクティブ)な制御システムを用いて構成される。
第1のフィードバックアセンブリは、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して移動可能に構成される。第1のスティックは、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)及び第1のフィードバックアセンブリに対して移動可能に構成される。第1のスティックは、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する第1のスティックの位置である第1のスティック位置を有する。第1のフィードバックアセンブリは、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する第1のフィードバックアセンブリの位置である第1のフィードバック位置を有する。第1のスティック及び第1のフィードバックアセンブリは、「第1のスティック位置」マイナス「第1のフィードバック位置」により得られる第1の相対誤差を有する。
第2のフィードバックアセンブリは、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して移動可能に構成される。第2のスティックは、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)及び第2のフィードバックアセンブリに対して移動可能に構成される。第2のスティックは、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する第2のスティックの位置である第2のスティック位置を有する。第2のフィードバックアセンブリは、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する第2のフィードバックアセンブリの位置である第2のフィードバック位置を有する。第2のスティック及び第2のフィードバックアセンブリは、「第2のスティック位置」マイナス「第2のフィードバック位置」により得られる第2の相対誤差を有する。
制御機構は、第1のフィードバック位置コマンドが第2の相対誤差と等しくなり、第2のフィードバック位置コマンドが第1の相対誤差と等しくなるように第1及び第2のフィードバックアセンブリを位置決めせよという第1及び第2のフィードバック位置コマンドを制御機構が供給するクロスカップルモードを有する。
一の実施の形態において、第1のフィードバックアセンブリは、間接駆動方式の触覚フィードバックを第1のスティックに供給するように構成される。この間接駆動方式の触覚フィードバックは、第1のフィードバックアセンブリの第1のフィードバック中立位置から第1のスティックが移動されると受動的(パッシブ)な触覚フィードバックを第1のスティックに供給する。第2のフィードバックアセンブリは、間接駆動方式の触覚フィードバックを第2のスティックに供給するように構成される。この間接駆動方式の触覚フィードバックは、第2のフィードバックアセンブリの第2のフィードバック中立位置から第2のスティックが移動されると受動的(パッシブ)な触覚フィードバックを第2のスティックに供給する。この状況において、システムは、触覚フィードバックを供給すると共に、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する受動的(パッシブ)な触覚のプロフィールを調整できるように、フィードバックアセンブリの位置の調整(能動的(アクティブ)な制御)を行うことができる。
特定の実施の形態では、第1のフィードバックアセンブリは、第1のフィードバック中立位置を画成する第1のカム面と、カム面を偏倚させる第1の抵抗機構とを含む。第1のスティックは第1のカムフォロワを含む。第1の抵抗機構は、第1のカムフォロワの第1のフィードバック中立位置からの移動に対する抵抗を徐々に強めて受動的(パッシブ)な触覚フィードバックを供給する。第2のフィードバックアセンブリは、第2のフィードバック中立位置を画成する第2のカム面と、第2の抵抗機構とを含む。第2のスティックは第2のカムフォロワを含む。第2の抵抗機構は、第2のカムフォロワの第2のフィードバック中立位置からの移動に対する抵抗を徐々に強めて受動的(パッシブ)な触覚フィードバックを供給する。
更に特定の実施の形態では、第1及び第2の触覚フィードバックのための抵抗機構は、スプリング及びダンパ機構によって構成される。加えて、一の実施の形態では、第1及び第2のカム面は概してV字型に設けられ、第1のカムフォロワは第1のカム面のV字内に配置され、第2のカムフォロワは第2のカム面のV字内に配置されるように構成される。一の実施の形態では、第1及び第2のフィードバック中立位置は、第1及び第2のカムフォロワがV字型の面の両側に接触する位置に設けられる。
一の実施の形態において、第1のフィードバックアセンブリは、受動的(パッシブ)な触覚フィードバックを第1のスティックに供給すると共に第1のフィードバック中立位置を画成する第1のジンバル機構を含む。第1のフィードバックアセンブリは、第1のフィードバックアセンブリのフィードバックプロフィールをメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して調整できるように、メカニカルグラウンドに対する第1のフィードバック中立位置の位置調整を行う第1のアクチュエータを更に含む。加えて、第2のフィードバックアセンブリは、受動的(パッシブ)な触覚フィードバックを第2のスティックに供給すると共に第2のフィードバック中立位置を画成する第2のジンバル機構を含む。第2のフィードバックアセンブリは、第2のフィードバックアセンブリのフィードバックプロフィールをメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して調整できるように、メカニカルグラウンドに対する第2のフィードバック中立位置の位置調整を行う第2のアクチュエータを更に含む。第1及び第2のフィードバックアセンブリの受動的(パッシブ)な部分は、間接駆動方式の能動的(アクティブ)な駆動機構を構成するために第1及び第2のアクチュエータと第1及び第2のスティックとの間に配置される。
一の実施の形態において、第1のジンバル機構及び第1のスティックは、第1の共通軸周りを枢動可能にメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に枢着され、第2のジンバル機構及び第2のスティックは、第2の共通軸周りを枢動可能にメカニカルグラウンドに枢着されて構成される。
特定の実施の形態では、第1のアクチュエータは、第3の軸周りを両者間で相対的な枢動が可能であるように第1のジンバル機構へ枢動可能に連結されたリニアアクチュエータとして構成される。第1のアクチュエータは、第3の軸から離間(オフセット)して設けられる第4の軸周りを移動可能であるようにメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)へ枢動可能に連結される。第2のアクチュエータは、第5の軸周りを両者間で相対的な枢動が可能であるように第2のジンバル機構へ枢動可能に連結されたリニアアクチュエータとして構成される。第2のアクチュエータは、第5の軸から離間(オフセット)して設けられる第6の軸周りを移動可能であるようにメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)へ枢動可能に連結される。
一の実施の形態において、第1のフィードバックアセンブリは、第1のアクチュエータの故障がメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)及び第1のフィードバックアセンブリに対する第1のスティックの移動を妨げることがないように構成され、第2のフィードバックアセンブリは、第2のアクチュエータの故障がメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)及び第2のフィードバックアセンブリに対する第2のスティックの移動を妨げることがないように構成される。
一の実施の形態において、制御機構は、第1及び第2のスティックの内の選択された一方のフィードバックアセンブリをメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して固定位置に維持する優先モードを更に有し、優先モードにおいて、制御機構は第1及び第2のスティック位置の差に基づいて第1及び第2のスティックの内の選択されていない他方のフィードバックアセンブリの位置を調整するように構成される。これにより、第1及び第2のスティックの間の食い違いについての触覚フィードバックを行わずに一方のスティックを作動させることが可能となる。
より詳細な優先モードの構成では、第1のスティックがスティックの内の選択された一方である場合(選択されたスティックである場合)、制御機構は、第2のフィードバック位置が「第2のフィードバック位置」プラス「第1のスティック位置」マイナス「第2のスティック位置」となるように、第2のフィードバック位置を制御する。第2のスティックがスティックの内の選択された一方である場合(選択されたスティックである場合)、制御機構は、第1のフィードバック位置が「第1のフィードバック位置」プラス「第2のスティック位置」マイナス「第1のスティック位置」となるように、第1のフィードバック位置を制御する。
一の実施の形態において、第1のフィードバックアセンブリ及び第1のスティックは第1の共通軸の周りを枢動するようにメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に枢動可能に固定される。更に、第2のフィードバックアセンブリ及び第2のスティックは第2の共通軸の周りを枢動するようにメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に枢動可能に固定される。第1のスティック位置及び第1のフィードバック位置は第1の共通軸周りの角度として測定され、第2のスティック位置及び第2のフィードバック位置は第2の共通軸周りの角度として測定される。
更なる実施の形態では、フライバイワイヤ方式のサイドスティックに供給されるフィードバックプロフィールの調整を可能とする航空機制御システムが提供される。システムは、第1のスティックと、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する受動的(パッシブ)な第1のフィードバックプロフィールを第1のスティックに供給する第1のフィードバック機構とを含む。第1のフィードバック機構の少なくとも一部分は、第1のフィードバックプロフィールを調整するためにメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)及び第1のスティックに対して移動可能に構成される。
特定の実施の形態では、第1のアクチュエータが、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する第1の受動的(パッシブ)なフィードバック機構の位置を調整して第1のフィードバックプロフィールを調整するために、第1の受動的(パッシブ)なフィードバック機構に連結されて含まれる。更に、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する第1の受動的(パッシブ)なフィードバック機構の位置を調整できるように、フィードバック制御機構が第1のアクチュエータを制御するように構成されて含まれる。
一の実施の形態においては、システムは、第2のスティックと、第2のフィードバック機構と、第2のアクチュエータとを含む。第2のフィードバック機構は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する受動的(パッシブ)な第2のフィードバックプロフィールを第2のスティックに供給する。第2のフィードバック機構の少なくとも一部分は、第2のフィードバックプロフィールを調整するためにメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)及び第2のスティックに対して移動可能に構成される。第2のアクチュエータが、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する第2の受動的(パッシブ)なフィードバック機構の位置を調整して第2のフィードバックプロフィールを調整する。メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する第2の受動的(パッシブ)なフィードバック機構の位置を調整するために、フィードバック制御機構が第2のアクチュエータを制御するように構成される。
更なる実施の形態では、第2のフィードバック機構は第2のフィードバック中立位置を画成する。フィードバック制御機構は、第2のフィードバック中立位置に対する第2のスティックの位置と一致する位置に第1のフィードバック機構の位置を調整するように構成される。
一の実施の形態において、フィードバック制御機構は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する第1のスティックの絶対位置に一致するメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する絶対位置に向けて第2のスティックを偏倚させる偏倚力を与えるために、第2のアクチュエータを制御して第2のフィードバック機構の位置を調整するように構成される。
一の実施の形態において、フィードバック制御機構は、第1のフィードバックアセンブリの最新(カレント)の第1のフィードバック位置が「第1のフィードバックアセンブリの従前のフィードバック位置」プラス「第1及び第2のスティック位置の差」に等しくなるように、第1の受動的(パッシブ)なフィードバック機構の位置を調整する第1のアクチュエータを制御するように構成される。
一の実施の形態において、第2のスティック位置が第1のスティック位置に一致していないとき、フィードバック制御機構は第1のアクチュエータを制御して第1のフィードバック機構を前後に振動させるように構成されている。この構成は、制御に食い違いがある、又は航空機が失速状態になったという警報を両操縦士に与えるために用いることができる。
更に、このシステムは、第1のアクチュエータの故障がメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する第1のスティックの移動を妨げないように構成するものとしてもよい。
更なる実施の形態では、第1のスティックと、第2のスティックと、第2のフィードバックアセンブリと制御機構とを含む航空機制御システムが提供される。第1のスティックはメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して移動可能に構成される。第1のスティック位置は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)の第1の共通中立位置に対する第1のスティックの位置として画成される。第2のスティックはメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して移動可能に構成される。第2のフィードバックアセンブリは、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)及び第2のスティックに対して移動可能に構成される。第2のスティック位置は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)の第2の共通中立位置に対する第2のスティック位置として画成される。共通中立位置は、異なる場所にあっても同一の中立位置を表すものとして画成される。第2のフィードバック位置は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する第2のフィードバックアセンブリの位置として画成される。
制御機構は、第2のスティック位置が第1のスティック位置と一致した位置に維持されるように、第2のフィードバックアセンブリの位置を制御するように構成される。
航空機のコントロールスティックにフィードバックを供給する方法が同じく提供される。
航空機のコントロールスティックにフィードバックを供給する一の方法において、この方法は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する第1のスティックの位置である第1のスティック位置を検出するステップと;メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する第1のフィードバックアセンブリの位置である第1のフィードバック位置を検出するステップと;「第1のスティック位置」マイナス「第1のフィードバック位置」により得られる第1の相対誤差を決定するステップと;メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する第2のスティックの第2のフィードバックアセンブリの位置である第2のフィードバック位置が第1の相対誤差と等しくなるように調整するステップとを含む。
より詳細な構成として、方法は更に、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する第2のスティックの位置である第2のスティック位置を検出するステップと;第2のフィードバック位置を検出するステップと;「第2のスティック位置」マイナス「第2のフィードバック位置」により得られる第2の相対誤差を決定するステップと;第1のフィードバック位置が第2の相対誤差と等しくなるように、第1のフィードバック位置を調整するステップとを含む。
一の方法では、第1及び第2のフィードバック位置を調整するステップは実質的に連続して行われ、第1及び第2のスティックの一方がメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して他方のスティックとは異なる位置に移動されると、第1及び第2のフィードバック位置の少なくとも一方の第1及び第2のフィードバックアセンブリが調整されて第1及び第2のスティックがメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して実質的に同一の相対的な位置に留まるように構成される。
一の方法では、この方法は、第1のスティックが第1のフィードバックアセンブリのフィードバック中立位置から偏位したときに第1のスティックを受動的(パッシブ)に偏倚させ、第2のスティックが第2のフィードバックアセンブリのフィードバック中立位置から偏位したときに第2のスティックを受動的(パッシブ)に偏倚させるステップを更に含む。
一の方法では、この方法は、第2のスティックを優先する優先モードを開始するステップと;優先モードにおいて、第1及び第2のスティック位置を検出するステップと;第1のフィードバック位置を検出するステップと;メカニカルグラウンド(機械的地面/気体)に対する第2のスティックの位置である第2のスティック位置を検出するステップと;「第2のスティック位置」マイナス「第1のスティック位置」により得られる第1のスティックの相対誤差を決定するステップと;第1のスティックの相対誤差を第1のフィードバック位置に加えることにより第1のフィードバック位置を調整するステップとを更に含む。
一の方法では、この方法は、第1及び第2のスティック位置の間に差があるときに第2のフィードバック位置を常に固定位置に維持するステップを更に含む。
この方法は、第1のスティック位置が第2のスティック位置に一致していないときに第1のフィードバック位置を往復するように調整することにより第1のスティックを振動させるステップを更に含んでもよい。
更なる方法は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する第1のスティックの位置である第1のスティック位置を検出するステップと;メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対する第1のフィードバックアセンブリの位置である第1のフィードバック位置を検出するステップと;メカニカルグラウンド(機械的地面/気体)に対する第2のスティックの位置である第2のスティック位置を検出するステップと;「第2のスティック位置」マイナス「第1のスティック位置」により得られる第1の相対誤差を決定するステップと;第1の相対誤差を第1のフィードバック位置に加えることにより第1のフィードバック位置を調整するステップとを更に含む。
一の実施の形態において、この方法は、第1及び第2のスティック位置の間に差があるときに第2のフィードバックアセンブリの位置を常に固定位置に維持するステップを更に含む。この方法によれば、スティックの一方だけが異なる2つのスティックの間の相対誤差についてのフィードバックを得る優先モードとしてシステムを用いることができる。
更なる方法では、航空機制御システムの第1のスティックに触覚フィードバックを供給する方法が提供される。この方法は、第1のスティックが第1のフィードバックアセンブリの第1のフィードバック中立位置から移動したときに受動的(パッシブ)なフィードバックを供給するステップと;第1のフィードバックアセンブリによって第1のスティックに加えられる偏倚力を調整するために、グラウンド中立位置に対する第1のフィードバックアセンブリの第1のフィードバック中立位置の位置調整を行うステップとを含む。
より詳細な一の実施の形態では、第1のフィードバック中立位置の位置調整を行うステップは、航空機の第2のスティック位置の相対的な位置調整に対応して第2のスティック位置に関する触覚フィードバックを第1のスティックに供給するように、グラウンド中立位置に対する第1のフィードバック中立位置の位置調整を行うステップを含む。
特定の実施の形態では、第2のスティック位置の相対的な位置調整は、第2のフィードバックアセンブリの第2のフィードバック中立位置からの第2のスティック位置の相対的な位置調整として構成される。第1のフィードバック中立位置の位置調整を行うステップは、第2のフィードバック中立位置からの第2のスティック位置の偏位に一致するように第1のフィードバック中立位置の位置調整を行うステップを含む。
一の方法では、この方法は、第1のフィードバック中立位置に対する第1のスティック位置の差に基づいて第2のフィードバックアセンブリの第2のフィードバック中立位置の位置調整を行うステップを更に含む。更に特定の構成では、第2のフィードバック中立位置の位置調整を行うステップは、第1のフィードバック中立位置からの第1のスティック位置の偏位に一致するように第2のフィードバック中立位置の位置調整を行うステップを含む。
一の方法では、第2のスティック位置の相対的な調整は、第1のスティック位置に対する第2のスティック位置の相対的な位置調整として構成され、第1のフィードバック中立位置の位置調整を行うステップは、「第2のスティック位置」マイナス「第1のスティック位置」プラス「第1のフィードバック中立位置」に一致する位置に第1のフィードバック中立位置を位置決めするステップを含む。
更なる方法では、第1及び第2のフィードバック中立位置の位置調整を行うステップは、第1及び第2のスティックをメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して同一の位置に実質的に維持するように構成される。
なお、これらの方法及びシステムの態様のいくつかを一緒に用いることも、あるいは別々に用いることもできる。
本発明の他の態様、目的及び利点は、添付図面を併せ見れば、以下の詳細な説明により更に明らかになるであろう。
本明細書に組み入れられ、本明細書の一部を形成する添付図面は、本発明の複数の態様を例示し、記述と共に、本発明の原理の説明に資する。
図1は、本発明の実施の形態に従う航空機制御システムの単純化された概略図である。
図2は、図1に示す航空機制御システムの一のモード(クロスカップルモード)を示す概略フロー図である。
図3は、図1に示す航空機制御システムの他のモード(優先モード)を示す概略フロー図である。
本発明は、ある好ましい実施の形態と関連付けて説明されるが、それら実施の形態に限定する意図はない。反対に、意図するところは、全ての代替物、変形、及び均等物を、特許請求の範囲に定義されているように本発明の精神と範囲の内に含まれるものとして、カバーすることである。
図1に、航空機のピッチ、ロール又はピッチとロールとの両方を制御する航空機制御システム100の単純化した概略図を示す。航空機制御システム100は概して、第1及び第2のコントロール・カラム102、104(総称的に「コントロール・カラム102、104」と呼ぶ)を含む。コントロール・カラム102、104は、操縦士(例えば、操縦士(パイロット)と副操縦士(コ・パイロット)と)がピッチ、ロール及び/又はピッチとロール等の、航空機の多様な機動を制御するために用いる。
航空機のピッチ及び/又はロールを調整するためのコントロール・カラムの操作が機械的装置によって航空機の操縦翼面(操舵面)に直接的に伝えられるわけではないことから、コントロール・カラム102、104は、フライバイワイヤ方式のコントロール・カラムであるものといえる。実際には、コントロール・カラムの中立位置(ニュートラル・ポジション)からの偏位は、電気信号に変換される。この信号は、この電気信号を用いて航空機の操縦翼面(操舵面)にそれと比例するだけの変化を生じさせるアクチュエータに送信される。
コントロール・カラム102、104は操縦翼面(操舵面)と機械的にはリンクしていないため、制御システム100は、コントロール・カラム102、104が操縦翼面に機械的に連結されていれば操縦士が得るであろう感触を再現するために触覚フィードバックを組み込んでおり、その触覚フィードバックがコントロール・カラム102、104に加えられる。例えば、操縦士が(大きな舵角で)大幅なピッチ又はロールを要求すると、触覚フィードバックは、操縦翼面(操舵面)の変化を実現するために操縦士がコントロール・カラムに加えなければならない力(操縦(反)力)の大きさを増加させる。従って、航空機の姿勢の制御における大幅な(大きな舵角での)偏位は、対応するコントロール・カラムに操縦士が大きな力(操縦力)を加えることで実現される。
コントロール・カラム102、104は概して、第1及び第2のスティック108、110(即ち、操縦士及び副操縦士用のスティック)を含み、これを用いて操縦士は所望のピッチ及び/又はロールに関する制御信号を入力する。第1及び第2のスティック108、110は、第1及び第2のフィードバックアセンブリ112、114と連動して触覚フィードバックを供給する。コントロール・カラム102、104は、フィードバックアセンブリ112、114の動的(ダイナミック)な調整を制御する電子制御機構106に連結されている。
各フィードバックアセンブリ112、114は、触覚フィードバックを対応するスティック108、110に供給する。触覚フィードバックは2つの成分を有している。第1に、触覚フィードバックは、フライト(飛行)状態(姿勢)、即ち、中立(ニュートラル)位置からのスティックの偏位量によって操縦士が要求しているピッチ又はロールの量に関する。触覚フィードバックの第2の部分は、2つの異なるコントロール・カラム、即ちコントロール・カラム102とコントロール・カラム104との不一致(食い違い)に関する。より詳細には、フィードバックアセンブリ112、114は、2つのスティック108、110がメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して同じ位置にないとき、即ち、両操縦士が互いに矛盾(対立)する制御コマンドを航空機に与えている場合に触覚フィードバックを供給する。
図1を参照すると、この実施の形態のコントロール・カラム102と104とは、実質的に同一に設けられている。概して、スティック108は第1の握り部(グリップ)116を含み、スティック110は第2の握り部(グリップ)118を含む。両操縦士は、所望量のピッチ及び/又はロールを制御するために手動で握り部(グリップ)116、118を操作する。握り部(グリップ)116は第1の連接棒120に作動可能に連結され、握り部(グリップ)118は第2の連接棒122に作動可能に連結されて設けられる。連接棒120、122は各々、第1及び第2のカムフォロワ124、126に作動可能に連結されている。若しくは、第1及び第2のカムフォロワ124、126を含んで設けられる(本実施の形態においては、ローラとして図示されている)。カムフォロワ124、126は、対応するフィードバックアセンブリ112、114と相互作用(連動)して可変の(変動する)触覚フィードバックプロフィールをスティック108、110に供給する。
スティック108、110は、第1及び第2のグラウンド中立位置132、134の対応する一方に対して、第1又は第2の共通枢着点128、130のうち対応する一方の周りを枢動する。対応するグラウンド中立位置132、134に対するスティック108、110の角変位(入力角)は、操縦士が要求しているピッチ又はロールの量に比例する。即ち、航空機の対応する操縦翼面(操舵面)の位置の変化(舵角)の量に比例する。
一般に、フィードバックアセンブリ112、114は、グラウンド中立位置132、134からのスティック108、110の移動に対して抵抗を供給することによって、操縦士に触覚フィードバックを供給する。一の実施の形態では、フィードバックアセンブリ112、114は、間接駆動方式の能動的(アクティブ)なフィードバックアセンブリとして設けられる。このように、システムは能動的(アクティブ)なフィードバックと受動的(パッシブ)なフィードバックとの両方を供給する。フィードバックアセンブリ112、114は、受動的(パッシブ)なフィードバックを、前述のように、スティック108、110の制御状態に関する触覚フィードバックの第1の形(フォーム/プロフィール)として用いる。これは、要求されたピッチ及び/又はロールの量に関し、航空機の操縦翼面(操舵面)への結合(取り付け)を再現する。この受動的(パッシブ)なフィードバックは、一以上のスプリング及び/又はダンパ、又は他の偏倚装置を用いることにより、フィードバック中立位置からのスティック108、110の回転移動(回転角度)に対抗する抵抗機構136、138(即ち、スプリングダンパ‐パッケージ)によって供給される。
典型的な実施の形態では、抵抗機構の抵抗プロフィールは、スティック108、110の中立位置132、134からの角変位(又は偏位)の量が大きいほど増加する。この抵抗が操縦士にフィードバックを供給し、操縦士がある量のピッチ又はロールを要求するときには操縦士が記憶する筋力が抵抗機構136、138のスプリング及びダンパの力(操縦反力)に打ち勝つ大きさの押す又は引く力(操縦力)を加えるようにする。従って、操縦士は、航空機の制御にはどの程度の力(操縦力)が必要か、即ち、一定量のピッチ及び/又はロールのためにグラウンド中立位置132、134に対してスティック108、110の位置を調整するにはどの程度の力(操縦力)を使うのか「学習」することになる。
図示の実施の形態におけるフィードバックアセンブリ112、114は、第1及び第2のV字型のカム面148、150を各々有する、プロファイル加工された(プロフィール形状を有する)第1又は第2のカム144、146を含み、カム面148、150にはカムフォロワ124、126が相互作用(連動)する。カムフォロワ124、126がカム面148、150の中心、即ち、「V字」の底から離れる方向に移動すると、抵抗機構136、138は、対応するスティック108、110に加えられる角度方向の力を増加させて触覚フィードバック(操縦反力)を操縦士に供給する。
カム面148、150の中心点は、この位置では、フィードバックアセンブリ112、114によってスティック108、110に回転力が加えられない、「フィードバック中立位置」又は「ジンバル中立位置」とも呼ぶことができる。一の実施の形態において、フィードバック中立位置(図1参照)では、カムフォロワ124、126は、対応するV字型のカム面148、150の両側に接触し、そのため、フィードバックアセンブリ112、114によってスティック108、110に回転力が加えられることがない。図1では、フィードバック中立位置は、グラウンド中立位置132、134と整列した状態にあるものとして示されている。
航空機制御システム100は、2つの異なるスティック108、110への制御入力に食い違い(相違)がある場合に触覚フィードバックを両操縦士に供給するようにも構成されている。即ち、一方の操縦士が他方の操縦士とは程度(舵角)の異なるピッチ及び/又はロールを供給しようとすると触覚フィードバックが生じる。これは、前述の触覚フィードバックの第2の形(フォーム/プロフィール)であり、能動的(アクティブ)なフィードバックである。
一の実施の形態において、フィードバックアセンブリ112、114は、一方の操縦士の行為が2つのスティック108、110の位置に偏差(食い違い)を生じさせる場合に、第1及び第2のスティック108、110をメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対して同じ位置に維持しようとするように構成されている。
一方のスティック108、110に他方のスティック110、108の作動に関する能動的(アクティブ)な触覚フィードバックを供給するため、フィードバックアセンブリ112、114は、移動可能な第1及び第2のジンバル152、154の一方を含む。第1及び第2のジンバル152、154は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対する第1及び第2のカム144、146の位置を調整するための第1及び第2のアクチュエータ156、158の対応する一方によって駆動される。カム144、146の位置の調整は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対する力のフィードバックプロフィールを調整する。このため、スティック108、110がメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して移動されるときに、対応するフィードバックアセンブリ112、114によって異なる力が(異なるフィードバックプロフィールで)対応するスティック108、110に加えられるように設けることが可能である。
更に、受動的(パッシブ)なフィードバック部分、即ち、抵抗機構136、138、対応するジンバル152、154、カム144、146がアクチュエータ156、158との間に配置されているために、アクチュエータが直接的にスティック108、110に連結されて設けられず、及び/又は、スティック108、110が、少なくともある程度は、アクチュエータ156、158からは独立して移動し得る、間接駆動が実現される。
ジンバル152、154は、各々第1及び第2の共通枢着点128、130周りに回転できるように(アクチュエータ156、158を介して)メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に回転可能に取り付けられている。このため、このように設けられたコントロール・カラム102、104のスティック108、110及びジンバル152、154は、各々の共通枢着点128、130によって実現される対応する共通軸周りの回転が許容されている。
ジンバル152、154の位置、ひいては対応するカム144、146の共通枢着点128、130周りの位置を調整することにより、対応するスティック108、110に加えられる抵抗又はフィードバックのプロフィールが変化し、2つのスティック108、110によって供給されたコマンド間の食い違いを示す触覚フィードバックが、抵抗の増加又は減少として操縦士に供給される。力(操縦反力)のフィードバックプロフィールにおけるこの調整機能は、他のスティックから偏位(逸脱)させようと試みる他の操縦士によって加えられる操縦力の付加を相殺するように、一方の操縦士がスティックを移動する矯正力を提供して、そのような制御の食い違う操縦力を入力する場合に、2つのスティック108、110を共通位置に維持するために用いることもできる。
図示の実施の形態において、アクチュエータ156、158は、メカニカルグラウンド機械的地面/機体159に枢動可能に連結され、ジンバル152、154へ枢動可能に連結されたリニアアクチュエータとして図示されている。しかしながら、例えば、共通枢着点128、130に配置されたロータリアクチュエータ、又はジンバル152、154の対応する歯車装置に作用する歯車を有するモータ等の、他のアクチュエータを用いることもできる。メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対するジンバル152、154の位置の調整を行うことができる、他のタイプの駆動メカニズムを用いることもできる。
一般に、スティック108、110の一方を偏位させると、航空機制御システム100の制御機構106は、他方のスティック108、110と結合するフィードバックアセンブリ112、114に、対応するジンバル152、154の位置を比例して調整するように命令する。これにより、対応するカム144、146の位置とそのフィードバック中立位置とが調整され、移動されたスティックの偏位に関する触覚フィードバックが他方のスティック108、110に供給される。加えて、対応するスティックを操作する操縦士が操縦力をかけない限り、そのスティックは、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対して偏位されたスティックと同じスティック位置に移動される。
各スティック108、110には、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対するスティック108、110の絶対位置に関するフィードバックを制御機構106に供給する、1つ以上のスティック位置センサ160、162が結合されている。メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対するこれらの絶対位置は、第1のスティック108については第1のスティック位置、第2のスティック110については第2のスティック位置と呼ぶことができる。これらの位置は、図示の実施の形態においては、共通枢着点128、130周りの角度位置である。メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対するこれらの絶対位置は、典型的には、共通枢着点128、130周りのグラウンド中立位置132、134からの相対的な角変位の形式で用いられる。しかしながら、他のシステムでは(直交)座標(情報)の形式の座標系を用いてもよい。
各ジンバル152、154には、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対するジンバル152、154の絶対位置に関するフィードバックを制御機構106に供給する、少なくとも1つのジンバル位置センサ164、166が結合されている。メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対するこれらの絶対位置は、総称して第1及び第2のフィードバック位置、より具体的には、第1及び第2のジンバル152、154の各々について、第1及び第2のジンバル位置と呼ぶことができる。更に、これらの位置は、図示の実施の形態においては、共通枢着点128、130周りの角度位置である。メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対するこれらの絶対位置は、典型的には、共通枢着点128、130周りのグラウンド中立位置132、134からの相対的な角変位の形式で用いられる。しかしながら、絶対座標系又は円筒座標系を構築して用いるものとしてもよい。
制御機構106は、概して、ジンバル152、154の位置を制御、監視するための第1及び第2の下層(ローレベル)位置コントローラ168、170(「ジンバルコントローラ」とも呼ぶ)を含む、2階層制御機構として設けられる。下層位置コントローラ168、170は、アクチュエータ156、158を制御して共通枢着点128、130周りのジンバル152、154の位置、ひいてはカム144、146の位置を制御する。
好ましい実施の形態では、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対して正確にジンバル152、154を位置決めするために、ジンバル152、154の制御は閉ループ制御として設けられる。この閉ループ制御は、比例微積分(PID)制御とすることもできる。
制御機構106は上層(ハイレベル)コントローラ172(「クロスカップリングコントローラ」又は「二重(デュアル)スティックコントローラ」とも呼ぶ)を更に含む。上層コントローラ172は、概して、スティック108、110及びジンバル152、154の位置情報を比較して処理し、ジンバル152、154の位置の望ましい配置又は調整を命令するジンバル位置コマンドを発生するように設けられる。ジンバル位置コマンドは下層(ローレベル)位置コントローラ168、170によって実行される。
同様に、上層(ハイレベル)コントローラ172はスティック及びジンバルの位置情報をスティック位置センサ160、162、及びジンバル位置センサ164、166から受信する。典型的には、この情報は下層(ローレベル)位置コントローラ168、170から上層(ハイレベル)コントローラ172に伝えられる。しかしながら、情報が上層(ハイレベル)コントローラ172へ直接に伝達されるような他の機構として設けるものとしてもよい。
更には、コントローラ168、170、172は別々のコントローラとして図示されているが、コントローラ168、170、172の全ての機能を実行する単一モジュールのコントローラを構成することもできる。
更なるコントロール・カラム102、104の構造及び他の特徴については、(1)本件出願の譲受人に譲渡された代理人事件番号507975の同時係属出願である2010年7月28日出願の出願番号12/845,160「間接駆動方式の能動的(アクティブ)なコントロール・カラム(INDIRECT DRIVE ACTIVE CONTROL COLUMN)」、及び(2)本件出願の譲受人に譲渡された代理人事件番号507949の同時係属出願である2010年7月28日出願の出願番号12/845,246「受動的コントロール・カラムへの手動作動による転換機能を有する能動的コントロール・カラム(ACTIVE CONTROL COLUMN WITH MANUALLY ACTIVATED REVERSION TO PASSIVE CONTROL COLUMN)」で更に記載されている。両出願の教示及び開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
制御システム100の概略構成は既に説明したので、制御システム100の作動(オペレーション)について説明する。
メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対してジンバル152、154が中立位置にある、即ち、ジンバル中立位置が図1に示したグラウンド中立位置132、134と一致しているとき、スティック108、110が受けるフィードバック抵抗は、スティック108、110をグラウンド中立位置132、134から、ひいてはカム144、146のジンバル中立位置から偏位させたことによりカムフォロワ124、126がカム面148、150に沿って移動する際に抵抗機構136、138の偏倚によって発生する力の大きさに基づいている。この構成においては、「学習」した大きさの操縦力をスティック108、110に加えて抵抗機構136、138による抵抗に打ち勝つことによって所望量のピッチ及び/又はロールを入力するには、操縦士に記憶された筋力(筋肉の記憶)が用いられる。このように、ジンバル中立位置からのある大きさ(舵角)の偏位は、所定の大きさの操縦力と結びつけられるようになる。
しかしながら、第1及び第2のスティック108、110が、対応するグラウンド中立位置132、134から同時に、かつ等しく偏位されない場合は、スティック108、110に加えられる力を調整するため、制御機構106は、それに対応して第1及び第2のジンバル152、154の位置を変化させるよう命令する。これにより、対応するフィードバックアセンブリ112、114のフィードバック中立位置が調整される。その結果、2つの個別のスティック108、110の間に制御入力の食い違いがあるという触覚フィードバックが両操縦士に供給される。これにより、グラウンド中立位置132、134からメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対する所望の絶対位置にスティック108、110を移動させるために両操縦士がスティック108、110に加える必要がある操縦力の大きさも調整される。従って、所望の程度の偏位に対応する筋力(筋肉の記憶)は、対応するフィードバックアセンブリ112、114によって供給される新たなフィードバックプロフィールに打ち勝つために必要な操縦力とは一致しなくなる。
制御機構106は、各スティック108、110の位置に関する触覚フィードバックが他方のコントロール・カラム102、104にフィードバックされるクロスカップルモードとなるように構成してもよい。あるいは、制御機構106は、優先権を有する側(優先側)のスティックが優先権を有さない側(非優先側)のスティックからの触覚フィードバックを受信せず、優先権を有さない側のスティックだけが優先権を有する側のスティックとの間の誤差の程度に比例した触覚フィードバックを受信する優先モードとなるように構成してもよい。
図示の実施の形態において、各スティック108、110は、対応するスティックに優先権を与え、システムをクロスカップルモードから離脱させて優先モードとする優先権ボタン176、178を含む。
典型的には、一方の優先権ボタン176、178が起動されない限りクロスカップルモードがデフォルトモードとされるため、先ずはクロスカップルモードを説明する。
このモードにおいて、操縦士がどちらかのスティック108、110に対する何らかの入力を行わない内は、スティック108、110はグラウンド中立位置132、134に位置するのが普通であり、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159又は対応するジンバル152、154又は概してカム面148、150に対して偏位していない。同様に、対応するジンバル152、154及びカム面148、150のジンバル中立位置も、グラウンド中立位置132、134、即ち、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対する中立位置に位置しなければならない。従って、スティック108、110及びジンバル152、154の位置は、グラウンド中立位置132、134から測定すると、例えばゼロでなければならない。
クロスカップルモード(「通常モード」又は「デフォルトモード」とも呼ぶ)では、制御機構106は、第1のジンバル152の位置が第2のジンバル154のジンバル位置に対する第2のスティック110のスティック位置の差に一致するように、ジンバル152、154のジンバル位置及び対応するカム面148、150を操作するように作動する。同様に、第2のジンバル154のジンバル位置は、第1のジンバル152のジンバル位置に対する第1のスティック108のスティック位置の差に一致するように作動される。これらのジンバル位置は、典型的には、グラウンド中立位置132、134に対するジンバル中立位置の位置に基づいて定められる。
この作動について詳しく述べると、前述のように第1のスティック位置は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159(即ち、グラウンド中立位置132)に対する第1のスティック108の位置である。第1のフィードバック位置(「第1のジンバル位置」とも呼ぶ)は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159(即ち、グラウンド中立位置132)に対する第1のフィードバックアセンブリ(即ち、ジンバル152)の位置である。「第1の相対誤差」は「第1のスティック位置」マイナス「第1のフィードバック位置」により得ることができる。従って、第1の相対誤差は、ジンバル152の対応するジンバル中立位置に対する第1のスティック108の位置である。第1の相対誤差がゼロの場合、第1のフィードバックアセンブリ112、具体的には抵抗機構136によって第1のスティック108に加えられる角度方向の力(回転力)は合力においてゼロとされる。
同様に、第2のスティック位置は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159(即ち、グラウンド中立位置134)に対する第2のスティック110の位置である。第2のフィードバック位置(「第2のジンバル位置」とも呼ぶ)は、メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159(即ち、グラウンド中立位置134)に対する第2のフィードバックアセンブリ(即ち、ジンバル154)の位置である。「第2の相対誤差」は「第2のスティック位置」マイナス「第2のフィードバック位置」により得ることができる。従って、第2の相対誤差は、ジンバル154の対応するジンバル中立位置に対する第2のスティック110の位置である。第2の相対誤差がゼロの場合、第2のフィードバックアセンブリ114、具体的には抵抗機構138によって第2のスティック110に加えられる角度方向の力(回転力)は合力においてゼロとされる。
制御機構106がクロスカップルモードにあるときには、制御機構106は、第1のフィードバック位置コマンドが第2の相対誤差と等しくなり、第2のフィードバック位置コマンドが第1の相対誤差と等しくなるように第1及び第2のフィードバックアセンブリ112、114(ジンバル152、154)を位置決めせよという第1及び第2のフィードバック位置コマンド(「ジンバル位置コマンド」とも呼ぶ)を制御機構106が供給するように設けられる。この制御は、第1及び第2のスティック108、110の対応するジンバル152、154に対する位置の漸進的変化が他方の機構に素早くフィードバックされる、動的(ダイナミック)な制御として設けられる。これにより一部の実施の形態では、実質的に2つのスティックを大きく異なるスティックの絶対位置(絶対スティック位置)に調整できないように設けられている。
この作動の一例を説明する。
初期的に一方のスティックのみ、例えば第1のスティック108のみに、グラウンド中立位置132に対して「正の方向(図1に矢印180で示した、共通枢着軸128周りの時計回り方向)へ10°」スティックを偏位させる力の大きさと等しい操縦士の入力があったと仮定する。また、第2のスティック110への第2の操縦士からの初期的な入力はゼロであると仮定する。
第1のスティック108は、「正の方向へ10°」の第1のスティック位置に移行する。メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対する第1のジンバル152の位置には変化がなかったので、第1のジンバル位置はゼロである。ジンバル152に対する第1のスティック108のこの位置の変化によって、「正の方向へ10°」の第1の相対誤差が生じる。前述のように、制御機構106が作動して、第1の相対誤差を第2のジンバル154に対する第2のジンバルコマンドとする。このように、制御機構106は、「正の方向へ10°」の第2のジンバルコマンドを第2のジンバルコントローラ170に向けて送信/発生し、第2のジンバルコントローラ170は第2のジンバル154が共通(枢着)軸130周りに「正の方向へ10°」の位置に回転するまで閉ループ制御を用いて第2のアクチュエータ158を制御する。
これにより、第2のスティック110も第2のジンバル154と共に共通(枢着)軸130周りに「正の方向(矢印181で示す正の方向)へ10°」回転する。これは、他方の操縦士によって第2のスティック110に外力が加えられておらず、第2のカムフォロワ126が第2のカム146に捕捉(保持)されていることにより生じる。
従って、第1のスティック108を制御している操縦士による初期的なこの入力の後、両方のスティックが共通枢着点128、130周りに「正の方向へ10°」の第1及び第2のスティック位置に偏位する。
ここで、制御機構106は、個々のスティック108、110が対応するジンバル152、154に対して移動しているかどうかを検証して他方のコントロール・カラム102、104のジンバルコマンドを調整すべきかどうかを判断するための論理回路を含んで設けられている。
この場合では、第1のスティック108のみが対応するジンバル152に対して移動された(即ち、第1の相対誤差に変化がある)ことから、その結果として、第2のジンバル154だけがその位置、即ち、グラウンド中立位置134から調整されることとなる。第2のスティック110は第2のジンバル154と共に回転することによってジンバル中立位置に留まることから、その結果として、第2の相対誤差はゼロのままであり、論理回路は、第1のジンバルコマンドを変化させる必要はないと判断することとなる。従って、第1のジンバルコマンドは第1のジンバル152をゼロ位置、即ち、グラウンド中立位置132に制御し続けることとなる。
もし第2のスティック110を制御している操縦士が航空機を操縦しようと決め、スティック110をこの「正の方向へ10°」の位置から偏位させると、制御機構106は、第1のジンバル152の位置を調整するための新たな第1のジンバルコマンド信号を発生させる。これは、第2のスティック110を新たな位置に移動させる操縦力を加えることにより、第2のスティック110がそのジンバル中立位置から偏位して、新たなゼロではない第2の相対誤差が生じるためである。
典型的には、2つのジンバル152、154の制御は動的(ダイナミック)な処理として設けられ、スティック108、110の位置の極微小な変化でも他方のフィードバックアセンブリ112、114に対するジンバルコマンドに、対応する変化を生じさせるように設けられている。これは、スティック108、110の一方の位置の漸進的変化に伴ってスティック108、110に加えられるフィードバックの力を連続的に調整するように設けられたものであり、作動中は、第2のスティックの新たな偏位をもたらす操縦力と相殺する反力を創生して、第2のスティック110を「正の方向へ10°」の第2のスティック位置から移動することを妨げるように作用する。
第2のスティック110を制御している操縦士が、例えば、第2のスティック110を「負の方向(図1に矢印182で示す)へ1°」戻そうとする場合には、この操作は、制御機構106、詳細には上層(ハイレベル)コントローラ172(第2の相対誤差/ジンバルコマンド信号)を介して第1のスティック108に連結された第1のフィードバック機構112にフィードバックされる。その結果、個別のコントロール・カラム102、104が送信する信号に、現在、食い違いがあるという触覚フィードバックが第1のスティック108を制御している操縦士に供給される。
第2の操縦士による操縦が行われない場合、第1のスティック108を制御している第1の操縦士は、「正の方向へ10°」の偏位に関連する受動的(パッシブ)なフィードバックを受けている。従って、第1のスティック108を制御している操縦士は、抵抗機構136によって供給される抵抗に打ち勝つため、「正の方向へ10°」のスティック位置に第1のスティック108を維持するために第1のスティック108に加えるように「学習」した大きさの力(操縦力)を加えている。そのため、第1のスティック108には等しい作用力/反作用力がかけられて、第1のスティック108は平衡状態におかれることとなる。
更には、第2のスティック110は第2のカム面150に沿ったジンバル中立位置に留まっているので、第2のスティック110への外力(操縦力)による負荷も、第2のジンバル154による負荷もゼロであり、そのため第2のスティック110は平衡状態におかれることとなる。このため、第2のスティック110への負荷も合力においてゼロとなり、第2のスティック110は平衡状態のままである。
しかし、第2のスティック110がそのスティック位置から操作される、即ち、「正の方向へ10°」の第2のスティック位置から矢印182で示す反時計回りの方向に偏位される場合には、第2のスティック110と第2のジンバル154との間に第2の相対誤差が生じる。制御機構106は第2の相対誤差の変化を検出(検知)し、第1のジンバルコマンドの実行を開始して第1のジンバル152の位置がこの相対誤差と一致するように調整を行う。これにより、第1のスティック108に加えられている力(操縦反力)が略即座に調整され、第1のスティック108と第2のティック110との間の食い違いを示す触覚フィードバックが第1の操縦士に供給される。
例えば、第2のスティックが「正の方向へ9°」の第2のスティック位置まで到達する(即ち、「負の方向へ1°」だけ移動される)と、第2の相対誤差は「負の方向へ1°」となる。これは、「正の方向へ9°の第2のスティック位置」マイナス「正の方向へ10°の第2のジンバル位置」により得られる差に一致する。
この「負の方向へ1°」の第2の相対誤差は、今度は第1のジンバル152の位置を調整するために制御機構106によって第1のジンバルコントローラ168に送信される第1のジンバルコマンドとなる。従って、第1のジンバルコントローラ168は、「負の方向へ1°」の位置まで矢印184で示す反時計回りに第1のジンバル152を駆動する。この第1のジンバル152の反時計回りの移動によって、第1のスティック108を制御している第1の操縦士に触覚フィードバックが供給される。
第1の操縦士が「正の方向へ10°」の第1のスティック位置にスティック108を維持しようと試みる場合には、第1の操縦士が第1のスティック108に加える操縦力は、典型的には、(グラウンド中立位置132に対する絶対的な偏位で)「正の方向へ11°」の第1のスティック位置に第1のスティック108を移動する力の大きさに等しくなる(相当する操縦力)まで増加される場合もある。これは、フィードバック機構112からの、より詳細には、対応する第1のジンバル中立位置からの第1のカム144に対する第1のスティック108の実際の相対的な偏位が、「正の方向へ11°」となる原因となる。この「正の方向へ11°」という第1のジンバル152と第1のスティック108との間の相対的な偏位は、「グラウンド中立位置132からの第1のスティック108の(初期的な)絶対的な偏位である「正の方向へ10°」マイナス「新たな第1のジンバルコマンドによるグラウンド中立位置132からの第1のジンバル152の(追加的な)偏位である負の方向へ1°」の偏位の値に等しい。
典型的には、第1のスティック108に加えられるこの触覚フィードバックは、第2の操縦士と協議して個別の操縦士による2つの個別の制御入力の間の食い違いを修正するように第1の操縦士を促す。この時点で、一方の操縦士が自分のスティックに外力(操縦力)の負荷を加えることをやめ、このために操縦の為されない側のスティックを操縦の為されている側のスティックと同じ位置に移動させることができる。
しかし、第1のジンバル152が「負の方向へ1°」の第1のジンバル位置に移行する一方で、第1の操縦士が第1のスティック108を「正の方向へ10°」の第1のスティック位置に維持する場合には、これが第2のジンバルコマンドの新たな変化を誘発する。今度は新たな第1の相対誤差(即ち、(相対的な偏位である)「正の方向へ11°」の偏位)が存在することとなるので、第2のジンバルコマンドは「正の方向へ11°」となる。この新たな第2のジンバルコマンドにより、第2のジンバルコントローラ170は第2のジンバル154を(絶対的な偏位で)「正の方向へ11°」の第2のジンバル位置まで駆動する。これにより、抵抗が第2のスティック110に追加される。
より詳細には、第2の操縦士が「負の方向へ1°」の偏位に必要な力を第2のスティック110に加える場合には、ジンバル154が(絶対的な偏位で)「正の方向へ11°」の第2のジンバル位置に「正の方向へ1°」移動しつつあるので、この場合の(絶対的な偏位で)「正の方向へ9°」の第2のスティック位置への第2のスティック110の移動は、(フィードバック力を含めると)「負の方向へ2°」の偏位に相当する操縦力を入力することを操縦士に要求することとなる。これは第2のスティック110が第2のジンバル154の第2のジンバル中立位置に対して「負の方向へ2°」相対的に偏位しつつあるためである。
しかし、この場合に第2の操縦士が「負の方向へ1°」の偏位に必要な大きさの操縦力を加えただけ(加えたまま)の場合には、第2のスティックは、実際には(第1の操縦士の操縦力によって)「正の方向へ10°」の絶対位置へ戻される。
この両ジンバル152、154の同時調整は、両操縦士に両者の入力コマンドの間に食い違いがあるという触覚フィードバックを与えるシステムの動的(ダイナミック)な制御として設けられる。一の実施の形態において、当然ながら、もし両操縦士がこの食い違いを維持、即ち、第1のスティックを「正の方向へ10°」の第1のスティック位置に、第2のスティックを「正の方向へ9°」の第2のスティック位置に維持しようとする場合には、第1及び第2のジンバルの連続する調整が起こるため、両操縦士はスティックを平衡状態に維持した状態で操縦力を増加し続けることが必要となるであろう。この連続した操縦力の増加は、両操縦士にどちらのスティックによって制御をすべきかの判断を促すこととなるであろう。
更には、第1及び第2のジンバルコマンドの調整は動的(ダイナミック)であるために、この第1及び第2のジンバルコマンドの更新によって、典型的には、第2のスティックが「正の方向へ9°」の第2のスティック位置に到達できないこととなるであろう。実際には、第2のスティックが「正の方向へ10°」の第2のスティック位置に実質的に留まるように、第2のジンバルの位置は、第2の操縦士によって「負の方向(即ち、矢印182で示した反時計回りの方向)」に加えられる操縦力に対抗して連続的に調整されることとなる。
このように、フィードバック機構112、114は、「正の方向へ10°」の位置の近傍で両方のスティックを平衡状態とするように、対応するスティック108、110に加えられる力の大きさを調整し続ける。換言すれば、ジンバル位置の調整がスティック位置の食い違いに対抗するように作用し、2つのスティックをメカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159に対して同じ位置に保持しようと調整する。
ここで、もし第1の操縦士が第1のスティック108を「正の方向へ10°」の第1のスティック位置に維持することを望まず、第1のスティック108に外から加える操縦力を単に一定に保とうとした場合には、「負の方向へ1°」の新たな第1のジンバルコマンドが(第2の操縦士によって操作された)「正の方向へ9°」の同一のスティック位置に第1及び第2のスティック108、110を移動させるだろう。
第1の操縦士には第1のスティック108をそのジンバル中立位置から(相対的な偏位で)「正の方向へ10°」偏位させるのに必要な操縦力をまだ加え続ける意図がある。しかし、ジンバル中立位置は新たな第1のジンバルコマンドのために「負の方向へ1°」移動しているので、第1のスティックと第1のジンバルとの間の相対誤差(相対的な偏位)だけが「正の方向へ10°」のまま保持される。より詳細には、(絶対的な偏位である)「正の方向へ9°の第1のスティック位置」マイナス「負の方向へ1°のジンバル位置」が、「正の方向へ10°」の相対誤差として保たれる。
加えて、第1のスティック108は第1のジンバル152と共に移動しているので第1の相対誤差は変化せず、そのため、論理回路は第2のジンバルコマンドを変更する必要はないと判断し、第2のジンバルコマンドは「正の方向へ10°」のまま保たれる。
この場合も、スティック108、110に作用する合力はゼロとなるので、スティック108、110は平衡状態に保たれている。両操縦士によって加えられる外力(操縦力)は、ジンバル152、154によって相殺される。
図2は、クロスカップルモードにあるときに第1及び第2のジンバルコマンドを発生させる論理回路200の概略図である。第1の分岐202は第2のジンバルコマンドの決定に関する。第2の分岐204は第1のジンバルコマンドの決定に関する。この2つの分岐は、コマンドを決定するために用いられる入力以外は略同一である。従って、第2の分岐は実質的に同様に作動するという理解のもと、ここでは第2のジンバルコマンドを決定する第1の分岐202のみを説明する。
第1の分岐202は、第1のスティック位置(ブロック206)及び第1のジンバル位置(ブロック208)の検知された入力を用いる。次に、第1の相対誤差が、第1のスティック位置から第1のジンバル位置を減じることによって決定される(ブロック210)。第1の相対誤差は次に、ローパスフィルタで処理される(ブロック212)。フィルタ処理された第1の相対誤差は、比較されて所定の閾値より大きいかどうか判断される(ブロック214)。フィルタ処理された第1の相対誤差が閾値よりも大きい場合、第2のジンバルコマンドは第1の相対誤差に一致するように定められる(ブロック216)。フィルタ処理された第1の相対誤差が閾値より大きくない場合、第1の相対誤差は負の閾値(閾値の負)の値よりも小さいかどうかを判定するために比較される(ブロック218)。フィルタ処理された第1の相対誤差が負の閾値(閾値の負)の値よりも小さい場合(ブロック218)、第2のジンバルコマンドは第1の相対誤差に一致するように定められる(ブロック216)。フィルタ処理された第1の相対誤差が負の閾値(閾値の負)の値よりも小さくない場合(ブロック218)、第2のジンバルコマンドはゼロと定められる(ブロック220)、即ち、第2のジンバル154は、グラウンド中立位置134まで駆動される。これらの比較ステップは、例えばシステム内の振動、又はセンサに関連する誤差等によるスティック108、110の位置の極微小な変化によるジンバルコマンドの調整を排除するために役立つ。
前述のように、これらの計算は略連続的に行われ、ジンバルコマンドの位置の更新が略瞬時に行われる。
クロスカップルモードについては説明したので、優先モードについて説明する。各スティック108、110は、スティックに優先権を与えるための対応する優先権ボタン176、178を含む。優先モードでは、優先権が与えられた側(優先側)のスティックは、優先権が与えられない側(非優先側)のスティックからの触覚フィードバックを受けない。従って、優先権が与えられた側(優先側)のスティック108、110に対応するジンバル152、154は、常にグラウンド中立位置132、134に制御される。このモードでは、優先権が与えられない側(非優先側)のスティックだけが触覚フィードバック、即ち、第1及び第2のスティック位置の間の食い違いに関する力を受ける。より詳細には、優先権が与えられない側(非優先側)のスティックが第1のスティックの偏位に追随しない場合には、第2のスティックにフィードバックが供給される。更には、優先モードでは、優先権が与えられない側(非優先側)のフィードバックアセンブリは、優先権が与えられない側(非優先側)のスティックを優先権が与えられた側(優先側)のスティックと同じスティック位置に維持するように構成されている。
優先権を与えられた(優先側の)第1のスティック108に基づいて、優先モードの一例を説明する。
ここでも、例示するスティック108、110及びジンバル152、154は、初期的にグラウンド中立位置132、134にあると仮定する。
このモードは、優先権が与えられない側(非優先側)のスティックに対するジンバルコマンドを決定するために異なる方法を用いる。このモードでは、第2のジンバルコマンド(即ち、優先権が与えられない側(非優先側)のスティックに対するジンバルコマンド)は、「従前の第2のジンバル位置(即ち、優先権が与えられない側(非優先側)のジンバル位置)」プラス「[第1のスティック位置]マイナス[第2のスティック位置](即ち、「[優先側スティック位置]マイナス[非優先側スティック位置]」)の値」の合計に等しく定められる。
従って、もし第1のスティック108が「正の方向へ10°」の第1のスティック位置に移動されると、第2のスティック110は、第2の操縦士による入力がない限りはここでも「正の方向へ10°」の第2のスティック位置に移動される。これは、第2のジンバルコマンドが「最新(カレント)のゼロ°の第2のジンバル位置」プラス「[第1のスティック位置(「正の方向へ10°」)]マイナス[第2のスティック位置(「ゼロ°」)]の差」の合計となるためである。なお、ここでもこの計算は、実際には、はるかに漸進的なスケールで連続して行われる。このため、第2のスティック110に作用する外力(操縦力)の負荷が存在しないと考えられるため、第2のジンバルコマンドは「正の方向へ10°」と定められて、第2のジンバル154を「正の方向へ10°」の位置に駆動し、同時に第2のスティック110を同じ位置まで駆動する。
ここで、第1の操縦士が第1のスティック108を再び操作した場合には、第2のジンバル154は第1及び第2のスティック108、110の間の新たな位置の差に応じて調整される。もし第2のスティック110が「正の方向へ10°」の位置に保持されると、第1のスティック108の移動に関する触覚フィードバックが第2のスティックに発生する。より詳細な例示のために、第1のスティック108が「正の方向へ9°」の第1のスティック位置に向かう負の方向へ移動(矢印184)したものと仮定する。
第2のジンバルコントローラは、第2のジンバル154を駆動するように同様に指示される。この時点で、第1のスティック位置(「正の方向へ9°」)と第2のスティック位置(「正の方向へ10°」)の差は「負の方向へ1°」である。この値が「最新(カレント)の第2のジンバル位置である正の方向へ10°」に加算され、第2のジンバル154が「正の方向へ9°」に駆動される。第2の操縦士からの外力(操縦力)/入力がなければ、第2のスティック110は第2のジンバル154と共に「正の方向へ9°」の第2のスティック位置に移動する。なお、制御機構106の動的(ダイナミック)な作用のため、第1のスティック108が「正の方向へ9°」の位置に移行した後ではなく、第1のスティック108が「正の方向へ10°」の位置から偏位すると、略即座にかつ連続して第2のスティック110の移動が行われる。
しかし、第2の操縦士がこの移動に抵抗し、第2のスティック110を「正の方向へ10°」の第2のスティック位置に維持しようと試みる場合には、この食い違いについての触覚フィードバックが、少なくとも初期的には、約1°分に相当する力の大きさで第2の操縦士に供給される。これは、第2の操縦士が第2のジンバル154の第2のジンバル中立位置と一致しない位置に第2のスティックを維持しようとして操縦力を加えているためである。
他の例では、第2の操縦士が第2のスティック110に「負の方向へ1°」の偏位(矢印182)に相当する力を加えた場合に、第2のジンバル154が第2の操縦士の入力を相殺するように調整するため、第2のスティック110は、実質的に「正の方向へ10°」の位置に留まる例を挙げることができる。
第2のスティック110が反時計回り(矢印182)に偏位しはじめると、「第1のスティック位置」マイナス「第2のスティック位置」の相対誤差が発生する。これにより、第2のジンバル154が正の方向に移動して加えられたこの操縦力を相殺する。
これは第1及び第2のスティック位置の間の相対誤差を加算することによって第2のジンバル154の位置を調整し続ける動的(ダイナミック)なシステムであるため、最終的には、第2のジンバルコマンドは「正の方向へ11°」に等しいものとなる。この更新された位置では、第2の操縦士がスティックを「負の方向に1°」偏位させるのに等しい力を加えているものと通常考えられるため、第2のスティック110は実質的に「正の方向へ10°」の位置に保持される。
この操縦力は、第2のジンバル154の新たな位置、及びそれに応じた「正の方向へ11°」の位置における新たなフィードバック力のプロフィールによってオフセット(相殺)される。このように、第2のスティック110は、そのジンバル中立位置から「負の方向へ1°」変位し、これにより第2のジンバル154が「正の方向へ1°」の力を第2のスティック110に加え、以て操縦士が発生させている操縦力を置き換える(相殺する)。従って、第2のスティック110は第1のスティック108と同一の位置に相当する実質的に「正の方向へ10°」の位置で平衡状態となる。
第2の操縦士が「負の方向へ1°」の偏位に相当する操縦力を加えるのをやめようと決めると、第2のジンバル154は第2のスティック110を第1のスティック位置、即ち、「正の方向へ10°」の位置に維持し続けるために調整を行う。第2の操縦士が第2のスティック110から操縦力を抜き始めると、第2のジンバル154によって第2のスティック110に加えられる力(即ち、「正の方向へ1°」に相当する力)は、第2のスティック110を漸進的に正方向に(即ち、「正の方向へ10°」プラス「矢印181によって図示した方向への増分」)偏位させる。この増分は第1のスティック位置と第2のスティック位置との間に新たな相対誤差を生じさせる。しかしながら、これは第2のジンバルコマンドの調整を生じさせるコマンドとは反対の効果を有する(調整力を抑制するように作用する)相対誤差である。
第2の操縦士が第2のスティック110を「負の方向へ9°」の位置に向けて移動し続けることで第1及び第2のスティック108、110の位置の間の食い違いを維持しようとした場合には、第2のジンバル154はその位置を正方向に増加させて第2のスティック110に作用する力を増加させるように命令され続けることとなる。このため、第2の操縦士は、第2のスティックに加える負の方向への操縦力の大きさを増加させ続けることもある。しかしながら、ここでも、最も可能性が高いのは、操縦士による操縦力の増加はカム面150の位置の調整により作用する第2のジンバル154によって加えられる力の増加によって打ち消され続けるため、第2のスティックが再び「正の方向へ10°」の位置における平衡位置に留まることである。メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)159を基準とすると、カム面150のこの調整は、結果としてそれによって発生する力のプロフィールの調整を生じさせる。
図3は、優先モードに関する制御論理回路のブロック図300である。ここでも、図の上半分は第2のジンバルコマンド(ブロック302)の決定に関し、図の下半分は第1のジンバルコマンド(ブロック304)の決定に関するものである。この例では、上半分と下半分は実質的に同様に作動するので、上半分、即ち、第2のジンバルコマンドを決定する部分のみを説明する。
このモードは、第1のスティック位置(ブロック306)、第2のスティック位置(ブロック308)、第1のジンバル位置(ブロック310)、及び第2のジンバル位置(ブロック312)についての入力を用いる。第1のスティック108と第2のスティック110との間の相対誤差(第1のスティック−第2のスティック相対誤差と呼ぶ)は、第1のスティック位置から第2のスティック位置を減算することによって決定される(ブロック314)。次に、第1のスティック−第2のスティック相対誤差は、閾値と比較される(ブロック316、318)。第1のスティック−第2のスティック相対誤差が閾値より大きい、又は負の閾値(閾値の負)の値より小さい場合は、第1のスティック−第2のスティック相対誤差はそのまま用いられる(変化させない)(ブロック320)。そうでない場合、第1のスティック−第2のスティック相対誤差はゼロとされる(ブロック322)。このステップは、スティック位置の極微小な変化が第2のジンバルの位置の変化に影響することを防止する。
次に、この第1のスティック−第2のスティック相対誤差は、新たな第2のジンバルコマンド(ブロック324)を決定するために第2のジンバル位置に加算される。
このアルゴリズムは、第2のジンバルコマンドをローパスフィルタ処理するステップを含む(ブロック326)。
アルゴリズムは、第1のスティックがそのグラウンド中立位置から移動されたかどうかを連続してチェックする(ブロック328)。第1のスティック108がその中立位置132から移動されていない場合には、第2のジンバルコマンドをゼロとする(ブロック330)。これは、第1のスティック108がその中立位置132から移動されていない場合に、第2のジンバル154は第2のスティック110をそのグラウンド中立位置134に駆動するように命令するためである。
第1のスティック108がその中立位置132から移動されている場合には、アルゴリズムは、第2のスティック110が優先権を有しているかどうか判断するためにチェックする(ブロック332)。第2のスティック110が優先権を有している場合には、第2のジンバルコマンドもゼロとする(ブロック330)。前述のように、優先権を与えられたスティックは他方のスティック位置に関する触覚フィードバックを受けないため、そのジンバルは対応するグラウンド中立位置に留まるように制御される。第2のスティック110が優先権を有しない場合には、第2のジンバルコマンドはそのまま用いられる(変化させない)(ブロック334)。
なお、第1のジンバルコマンド(ブロック304)を決定する際、アルゴリズムのその部分で用いられる相対誤差は、「第2のスティック位置」マイナス「第1のスティック位置」である、第2のスティック−第1のスティック相対誤差である(ブロック336)。
本システム実施の形態は、二重(デュアル)入力スティック振動モードを更に含んでもよい。二重入力スティック振動モードは、各スティック108、110のジンバルコントローラを用いて、実質的に正弦波の信号を対応するジンバル位置コマンドの位置コマンドに重ね合わせて設けられる。一の実施の形態において、正弦波信号の振幅は5°、周波数は30Hzに設けられる。これにより、両スティック108、110は、2つのスティック108、110の間に食い違いがあることを示す振動を受ける。これは、2つのスティック108、110の間の食い違いが長時間続いた後に供給されるように設けてもよい。
複数の実施の形態では、失速警報振動モードを更に含んでもよい。このモードでは、各スティック108、110のジンバルコントローラ168、170が、正弦波の信号を対応するジンバル位置コマンドの位置コマンドに重ね合わせるように設けられる。
一の実施の形態において、失速警報振動モードと二重(デュアル)入力スティック振動モードとが同時に作動するように設けられる。こうした実施の形態において、両操縦士に供給される警報のタイプによって異なる触覚フィードバックを供給するために、重ね合わせる正弦波信号の振幅と周波数の一方又は両方を変化させるものとしてもよい。
例えば、一の実施の形態において、失速警報振動モードの振幅が10°、周波数が10Hzとして設けるものとしてもよい。このように設けると、両操縦士は2種類の別々の振動を容易に区別して適切な種類の警報を判断できる。
メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)に対して調整可能に設けられた受動的(パッシブ)なフィードバックアセンブリを用いることの更なる特徴は、完全に受動的(パッシブ)なフィードバックアセンブリ又は完全に能動的(アクティブ)なフィードバックアセンブリが有する欠点を有さないことである。
より詳細には、第1に、位置調整が可能なジンバル152、154及びそれに対応する位置調整が可能なカム144、146を用いることで、フィードバックアセンブリ112、114へのフィードバック力のプロフィールの調整が可能となる利点を有する。これにより、他方のスティックの位置の調整に基づくフィードバックプロフィールの動的(アクティブ)な調整が可能となる。
加えて、本システムは半受動的(セミ‐パッシブ)な機構であるため、故障に関連した問題が少ないという利点を有する。より詳細には、もし本実施の形態のアクチュエータ156、158が故障しても、スティック108、110はアクチュエータ156、158に直接的に連結されていないため、移動を妨げられることがない。そのような状況でも、スティック108、110は共通枢着点128、130周りの回転が許容され、アクチュエータ156、158の故障によってロックされることはない。
更に、こうした半受動的(セミ‐パッシブ)な機構を用いる場合には、検知及びフィードバックの量を減らすことができ、アクチュエータ自体が航空機の操縦翼面(操舵面)に関する触覚フィードバックを供給することができる。実際には、受動的(パッシブ)なフィードバックは、カム144、146及び対応する抵抗機構136、138によって供給される。その結果、分析すべきデータ量を著しく減らすことができ、高帯域制御システムの必要性を低下させることができる。
本明細書中で引用する公報、特許出願及び特許を含む全ての文献は、各文献を個々に、具体的に示し、引用して組み込むかのように、又、その全体を本明細書に記載するかのように、引用して組み込まれる。
本発明の説明に関連して(特に以下の請求項に関連して)用いられる名詞及び同様な指示語の使用は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、単数及び複数の両方に及ぶものと解釈される。語句「備える」、「有する」、「含む」及び「包含する」は、特に断りのない限り、オープンエンドターム(即ち「〜を含むが限らない」という意味)として解釈される。本明細書中の数値範囲の具陳は、本明細書中で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各値を個々に言及するための略記法としての役割を果たすことだけを意図しており、各値は、本明細書中で個々に列挙されたかのように、明細書に組み込まれる。本明細書中で説明される全ての方法は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、あらゆる適切な順番で行うことができる。本明細書中で使用するあらゆる例又は例示的な言い回し(例えば「など」)は、特に主張しない限り、単に本発明をよりよく説明することだけを意図し、本発明の範囲に対する制限を設けるものではない。明細書中のいかなる言い回しも、請求項に記載されていない要素を、本発明の実施に不可欠であるものとして示すものとは解釈されないものとする。
本明細書中では、本発明を実施するため本発明者が知っている最良の形態を含め、本発明の好ましい実施の形態について説明している。当業者にとっては、上記説明を読めば、これらの好ましい実施の形態の変形が明らかとなろう。本発明者は、熟練者が適宜このような変形を適用することを期待しており、本明細書中で具体的に説明される以外の方法で本発明が実施されることを予定している。従って本発明は、準拠法で許されているように、本明細書に添付された請求項に記載の内容の修正及び均等物を全て含む。更に、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、全ての変形における上記要素のいずれの組合せも本発明に包含される。
100 航空機制御システム
102 第1のコントロール・カラム
104 第2のコントロール・カラム
106 電子制御機構
108 第1のスティック
110 第2のスティック
112 第1のフィードバックアセンブリ(機構)
114 第2のフィードバックアセンブリ(機構)
116 第1の握り部(グリップ)
118 第2の握り部(グリップ)
120 第1の連接棒
122 第2の連接棒
124 第1のカムフォロワ(カムローラ)
126 第2のカムフォロワ(カムローラ)
128 第1の共通枢着点
130 第2の共通枢着点
132 第1のグラウンド中立位置
134 第2のグラウンド中立位置
136 第1の抵抗機構(スプリング・ダンパ‐パッケージ)
138 第2の抵抗機構(スプリング・ダンパ‐パッケージ)
144 第1のカム
146 第2のカム
148 第1のカム面
150 第2のカム面
152 第1のジンバル
154 第2のジンバル
156 第1のアクチュエータ
158 第2のアクチュエータ
159 メカニカルグラウンド(機械的地面/機体)
160 第1のスティック位置センサ
162 第2のスティック位置センサ
164 第1のジンバル位置センサ
166 第2のジンバル位置センサ
168 第1のジンバルコントローラ(下層位置コントローラ)
170 第2のジンバルコントローラ(下層位置コントローラ)
172 クロスカップリングコントローラ(上層コントローラ)
176 第1の優先権ボタン
178 第2の優先権ボタン
180 正の方向(時計回り)への回転
181 正の方向(時計回り)への回転
182 負の方向(反時計回り)への回転
184 負の方向(反時計回り)への回転
200 論理回路(クロスカップルモード)
202 第1の分岐(第2のジンバルコマンドの決定)
204 第2の分岐(第1のジンバルコマンドの決定)
206 第1のスティック位置
208 第1のジンバル位置
210 第1の相対誤差決定
212 ローパスフィルタ処理
214 第1の相対誤差と閾値との比較判断
216 第2のジンバルコマンドは第1の相対誤差と一致するものと決定する
218 第1の相対誤差と負の閾値との比較判断
220 第2のジンバルコマンドはゼロと決定する
300 論理回路(優先モード)
302 第2のジンバルコマンドの決定
304 第1のジンバルコマンドの決定
306 第1のスティック位置
308 第2のスティック位置
310 第1のジンバル位置
312 第2のジンバル位置
314 第2のスティック位置から第1のスティック位置を減算
316 第1のスティック−第2のスティック相対誤差と閾値との比較
318 第1のスティック−第2のスティック相対誤差と負の閾値との比較
320 第1のスティック−第2のスティック相対誤差はそのまま用いられる
322 第1のスティック−第2のスティック相対誤差はゼロとされる
324 第2のジンバル位置に加算する
326 ローパスフィルタ処理
328 第1のスティック位置の連続的なチェック
330 第2のジンバルコマンドをゼロとする
332 第2のスティックが優先権を有しているかチェックする
334 第2のジンバルコマンドはそのまま用いられる
336 第1のスティック位置から第2のスティック位置を減算

Claims (10)

  1. メカニカルグラウンドに対して移動可能に構成された第1のフィードバックアセンブリと;
    前記メカニカルグラウンド及び前記第1のフィードバックアセンブリに対して移動可能に構成された第1のスティックとを備え;
    a)前記第1のスティックは、前記メカニカルグラウンドに対する前記第1のスティックの位置である第1のスティック位置を有し;
    b)前記第1のフィードバックアセンブリは、前記メカニカルグラウンドに対する前記第1のフィードバックアセンブリの位置である第1のフィードバック位置を有し;
    c)前記第1のスティック位置マイナス前記第1のフィードバック位置により得られる第1の相対誤差を有し;
    前記メカニカルグラウンドに対して移動可能に構成された第2のフィードバックアセンブリと;
    前記メカニカルグラウンド及び前記第2のフィードバックアセンブリに対して移動可能に構成された第2のスティックとを備え;
    a)前記第2のスティックは、前記メカニカルグラウンドに対する前記第2のスティックの位置である第2のスティック位置を有し;
    b)前記第2のフィードバックアセンブリは、前記メカニカルグラウンドに対する前記第2のフィードバックアセンブリの位置である第2のフィードバック位置を有し;
    c)前記第2のスティック位置マイナス前記第2のフィードバック位置により得られる第2の相対誤差を有し;
    前記第1及び第2のフィードバックアセンブリを位置決めせよという第1及び第2のフィードバック位置コマンドを前記第1のフィードバック位置コマンドが前記第2の相対誤差と等しくなり、前記第2のフィードバック位置コマンドが前記第1の相対誤差と等しくなるように供給するクロスカップルモードを有する、制御機構を備える;
    航空機制御システム。
  2. 前記第1のフィードバックアセンブリは、前記第1のフィードバックアセンブリの第1のフィードバック中立位置から前記第1のスティックが移動されたときに受動的な触覚フィードバックを前記第1のスティックに供給するように構成され;
    前記第2のフィードバックアセンブリは、前記第2のフィードバックアセンブリの第2のフィードバック中立位置から前記第2のスティックが移動されたときに受動的な触覚フィードバックを前記第2のスティックに供給するように構成された;
    請求項1に記載の航空機制御システム。
  3. 前記第1のフィードバックアセンブリは、前記第1のフィードバック中立位置を画成する第1のカム面と、第1の抵抗機構とを含み、前記第1のスティックは第1のカムフォロワを含み、前記第1の抵抗機構は、前記第1のカムフォロワの前記第1のフィードバック中立位置からの移動に対する抵抗を徐々に強めるように受動的な触覚フィードバックを供給するように構成され;
    前記第2のフィードバックアセンブリは、前記第2のフィードバック中立位置を画成する第2のカム面と、第2の抵抗機構とを含み、前記第2のスティックは第2のカムフォロワを含み、前記第2の抵抗機構は、前記第2のカムフォロワの前記第2のフィードバック中立位置からの移動に対する抵抗を徐々に強めるように受動的な触覚フィードバックを供給するように構成された;
    請求項2に記載の航空機制御システム。
  4. 前記触覚フィードバックのための前記第1及び第2の抵抗機構は、スプリング及びダンパ機構によって構成され;
    前記第1及び第2のカム面はV字型に設けられ、前記第1のカムフォロワは前記第1のカム面のV字内に配置され、前記第2のカムフォロワは前記第2のカム面のV字内に配置され、前記第1及び第2のフィードバック中立位置は、前記第1及び第2のカムフォロワが前記V字型の面の両側に接触する位置に設けられた;
    請求項3に記載の航空機制御システム。
  5. 前記第1のフィードバックアセンブリは、前記受動的な触覚フィードバックを前記第1のスティックに供給すると共に前記第1のフィードバック中立位置を画成する第1のジンバル機構を含み、前記第1のフィードバックアセンブリは、前記メカニカルグラウンドに対する前記第1のフィードバック中立位置の位置調整を行う第1のアクチュエータを更に含み;
    前記第2のフィードバックアセンブリは、前記受動的な触覚フィードバックを前記第2のスティックに供給すると共に前記第2のフィードバック中立位置を画成する第2のジンバル機構を含み、前記第2のフィードバックアセンブリは、前記メカニカルグラウンドに対する前記第2のフィードバック中立位置の位置調整を行う第2のアクチュエータを更に含む;
    請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の航空機制御システム。
  6. 前記第1のジンバル機構及び前記第1のスティックは、第1の共通軸周りを枢動可能に前記メカニカルグラウンドに枢着されて構成され、前記第2のジンバル機構及び前記第2のスティックは、第2の共通軸周りを枢動可能に前記メカニカルグラウンドに枢着されて構成された、請求項5に記載の航空機制御システム。
  7. 前記第1のフィードバックアセンブリは、前記第1のアクチュエータの故障が前記メカニカルグラウンド及び前記第1のフィードバックアセンブリに対する前記第1のスティックの移動を妨げることがないように構成され、前記第2のフィードバックアセンブリは、前記第2のアクチュエータの故障が前記メカニカルグラウンド及び前記第2のフィードバックアセンブリに対する前記第2のスティックの移動を妨げることがないように構成された、請求項5又は請求項6に記載の航空機制御システム。
  8. 前記制御機構は、前記第1及び第2のスティックの内の選択された一方のフィードバックアセンブリを前記メカニカルグラウンドに対して固定位置に維持する優先モードを更に有し、前記優先モードにおいて、前記制御機構は前記第1及び第2のスティック位置の差に基づいて前記第1及び第2のスティックの内の選択されていない他方のフィードバックアセンブリの位置を調整するように構成された、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の航空機制御システム。
  9. 前記第1のスティックが前記第1及び第2のスティックの内の選択された一方である場合、前記制御機構は、前記第2のフィードバック位置が前記第2のフィードバック位置プラス前記第1のスティック位置マイナス前記第2のスティック位置となるように前記第2のフィードバック位置を制御するように構成され、前記第2のスティックが前記第1及び第2のスティックの内の選択された一方である場合、前記制御機構は、前記第1のフィードバック位置が前記第1のフィードバック位置プラス前記第2のスティック位置マイナス前記第1のスティック位置となるように前記第1のフィードバック位置を制御するように構成された、請求項8に記載の航空機制御システム。
  10. 前記第1のフィードバックアセンブリ及び前記第1のスティックは第1の共通軸の周りを枢動するように前記メカニカルグラウンドに枢動可能に固定されるように構成され、前記第2のフィードバックアセンブリ及び前記第2のスティックは第2の共通軸の周りを枢動するように前記メカニカルグラウンドに枢動可能に固定されるように構成され、前記第1のスティック位置及び前記第1のフィードバック位置は前記第1の共通軸周りの角度として測定され、前記第2のスティック位置及び前記第2のフィードバック位置は前記第2の共通軸周りの角度として測定されるように構成された、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の航空機制御システム。
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