JP5836831B2 - 画像修正装置及びそのプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、入力画像から修正対象領域を除去すると共に、修正対象領域に隠された背景部分を復元する画像修正装置及びそのプログラムに関する。
従来、古いフィルム映像(静止画像)のスクラッチ等のノイズ部分や、撮影映像(動画像)内の不要物を除去し、その除去した領域を他の領域の情報を基に修正する画像修正手法が種々開発されている(非特許文献1、2参照)。
非特許文献1には、いわゆるインペインティング(Inpainting)の手法が開示されている。このインペインティング手法は、修正対象領域の周辺の等輝度線等の情報を、修正対象領域の内側に伝搬させていく手法(以下、第1従来手法という)である。
この第1従来手法は、周辺の情報を伝搬させていくだけであるため、スクラッチノイズのような細い領域においては有効に作用するが、修正対象領域が色や輝度の異なるテクスチャのような空間的に広がった領域においては適正に修正を行うことができない。また、第1従来手法は、基本的に色や輝度が変化する領域には適用できないため、時間方向に広がった領域の修正、すなわち、動画像への適用も困難である。
これに対し、非特許文献2には、解像度の階層関係(解像度ピラミッド)に基づいて、時空間方向に広がった修正対象領域を修正可能な手法(以下、第2従来手法という)が開示されている。
この第2従来手法は、動画像の修正対象の領域に予め定めた初期値を設定した第1のビデオシーケンスにおいて、各画素を中心に時空間方向にある大きさを持った画素情報である画像パッチのリスト(第1パッチリスト)を生成する。また、第2従来手法は、修正対象の動画像から修正対象領域を除外した第2のビデオシーケンスにおいて、第1のビデオシーケンスのデータセット(素材)となる画像パッチのリスト(第2パッチリスト)を生成する。
そして、第2従来手法は、第1パッチリストの各画像パッチに、当該画像パッチと類似度が最も高い第2パッチリストの画像パッチを適用して新たなパッチリストを生成し、類似度の累計(コヒーレンス)を計算するとともに、この新たなパッチリストを構成する画像パッチの画素によって、新たな動画像(ビデオシーケンス)を生成する。
そして、第2従来手法は、修正後の新たな動画像を第1のビデオシーケンスとして、前記処理を繰り返し、コヒーレンスが最大となる動画像を、修正した動画像として出力する。
しかし、この第2従来手法では、修正対象領域に隠された背景部分に存在する直線的な構造物の修正で問題が起きやすい。
ここで、図30の画像から修正対象領域を除去して、この修正対象領域に隠された背景部分を復元する例で説明する。この画像は、奥側が森林で、芝生が生えた平地に柵が設置されており、この柵の手前を横切るように鷹が飛んでいる様子を撮影したものである。この森林は、濃淡が異なる木々が生い茂っている。また、この芝生は黄緑色であり、この柵は桃色である。さらに、この鷹は、胴部が黒色であり、頭部が白色であり、嘴が黄色であり、脚が茶色である。
この例では、図30の鷹が修正対象領域であり、説明を分かりやすくするため、鷹を黒塗りで図示した(図31)。
また、説明を分かりやすくするため、図30では、柵を網掛で図示した。
この場合、第2従来手法は、解像度ピラミッドの最低解像度において、修正対象領域の平均画素値を算出して、この修正対象領域に隠された背景部分の初期値としている。例えば、図30の画像では、森が大部分を占めるため、修正対象領域の平均画素値(初期値)が緑色となる。このため、桃色の柵(直線的な構造物)は、その画素値が修正対象領域の平均画素値と大きく異なるため、修正対象領域の内側で確率的に残存しにくくなる。
さらに、第2従来手法は、画素値決定のプロセスにおいて、修正対象領域の境界から内側に対して重み付けがされているとしても、この直線的な構造物を長い距離にわたって延長することが困難である。
従って、第2従来手法では、図32のように柵が修正対象領域の中心まで延長されないことや、図33のように柵が修正対象領域の内側で接続されない(接続時につじつまが合わない)といった不正接続が発生する。この不正接続により、第2従来手法では、視覚的に望ましい結果が得られず、画像の品質が著しく低下することが多い。
そこで、修正対象領域に隠された直線的な構造物の接続関係を手動設定し、この接続情報で設定された直線的な構造物を優先的に修正することで、第2従来手法の問題を解決する手法が開示されている(非特許文献3、4)。
さらに、二次元画像に含まれる構造物の領域分布情報である構造情報を推定することで、第2従来手法の問題を解決する手法も開示されている(非特許文献5)。
M.Bertalmio, G.Sapiro, V.Caselles, and C.Ballester: "Image Inpainting," Proceedings of SIGGRAPH 2000, pp.417-424, July 2000. Y.Wexler, E.Shechtman, and M.Irani: "Space-Time Completion of Video," IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence, VOL.29, NO.3 pp.463-476, March 2007 Barnes, C., Shechtman, E., Finkelstein, A., Goldman, D.B.: Patchmatch: A randomized correspondence algorithm for structural image editing. In: Proceedings of ACM SIGGRAPH. (2009) Jian Sun, Lu Yuan, Jiaya Jia, and Heung-Yeung Shum. 2005. Image completion with structure propagation. ACM Trans. Graph. 24, 3 (July 2005), 861-868. Jiaya Jia, Chi-Keung Tang, "Image Repairing: Robust Image Synthesis by Adaptive ND Tensor Voting," Computer Vision and Pattern Recognition, IEEE Computer Society Conference on, p. 643, 2003 IEEE Computer Society Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR '03) - Volume 1, 2003
しかし、非特許文献3−5に記載の技術には、以下のような問題がある。
非特許文献3,4に記載の技術は、接続情報が複数存在する場合、それぞれを手動設定する必要があり、煩雑である。また、非特許文献3,4に記載の技術は、動画像を修正する場合、時間方向に正確な(つじつまのあった)接続情報を手動設定する必要もあり、非常に煩雑である。さらに、非特許文献3,4に記載の技術は、接続情報を手動設定するために、アプリケーションとして、インタラクティブなユーザーインターフェースの実現が必要となる。このように、接続情報に関する問題の原因となる接続情報の手動設定は、回避したいという強い要望がある。
また、非特許文献5に記載の技術は、修正対象領域に隠された背景部分において、構造物同士が交差しないことが適用条件となる。この適用条件が存在するため、非特許文献5に記載の技術は、一般的な動画像への適用が極めて限定され、汎用性が低くなる。
そこで、本発明は、前記した問題を解決し、高品質な背景復元画像を生成でき、接続情報を手動設定する必要がなく、汎用性が高い画像修正装置及びそのプログラムを提供することを課題とする。
前記した課題に鑑みて、本願第1発明に係る画像修正装置は、入力画像から修正対象領域を除去すると共に、修正対象領域に隠された背景部分を復元する画像修正装置であって、領域代表色画像生成手段と、接続領域抽出手段と、接続可能ペア判定手段と、相互接続ペア判定手段と、色占有率算出手段と、背景色画像生成手段と、背景推定画像生成手段と、第1画像修正手段と、第2画像修正手段と、を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、画像修正装置は、領域代表色画像生成手段によって、入力画像を類似色の画素で構成される分割領域に分割し、分割領域ごとの平均色である領域代表色を算出し、分割領域の各画素を分割領域の領域代表色とした領域代表色画像を生成する。ここで、領域代表色画像生成手段は、平均シフト法等の領域分割処理を入力画像に施すことで、入力画像を減色して、色解像度が低い領域代表色画像を生成する。
また、画像修正装置は、接続領域抽出手段によって、領域代表色画像で修正対象領域に隣接する修正対象隣接領域において、同一の領域代表色の画素が予め設定した数以上連続する接続領域を抽出すると共に、接続領域の両端から修正対象領域の内側へ接続領域の境界方向を示す2つの方向ベクトルの延長線に挟まれる延長領域を算出する。
なお、接続領域は、修正対象領域の内側で他の分割領域に接続される可能性がある分割領域を示すものである。
また、延長領域は、修正対象領域の内側に延長された分割領域を示すものである。
また、画像修正装置は、接続可能ペア判定手段によって、接続領域の全組み合わせについて領域代表色が類似するか否かを判定し、領域代表色が類似する接続領域の組み合わせを接続可能ペアとして出力する。ここで、接続可能ペア判定手段は、色空間上での距離が近いか否かによって、接続領域それぞれの領域代表色が類似するか否かを判定する。
また、画像修正装置は、相互接続ペア判定手段によって、接続可能ペアそれぞれの延長領域が互いに交差することを示す交差条件を満たすか否かを判定し、交差条件を満たす接続可能ペアを相互接続ペアとして出力する。ここで、画像修正装置は、背景部分の接続情報を示す相互接続ペアを求めるため、接続情報を手動設定する必要がない。さらに、画像修正装置は、構造物同士が交差しないといった適用条件が存在しないため、様々な画像に適用できる。
そして、画像修正装置は、色占有率算出手段によって、領域代表色ごとの画素数と、修正対象隣接領域の全画素数との比である色占有率を算出する。
また、画像修正装置は、背景色画像生成手段によって、色占有率が最高となる領域代表色を背景色として決定し、修正対象領域の全画素を背景色とした背景色画像を生成する。そして、画像修正装置は、背景推定画像生成手段によって、全ての相互接続ペアについて、背景色の次に色占有率が高い領域代表色の順に、領域代表色を有する相互接続ペアそれぞれの延長領域に沿って、背景色画像の画素を相互接続ペアの領域代表色とする。
この領域代表色背景推定画像は、修正対象領域に隠された背景部分を領域代表色として推定した画像であり、修正対象領域に隠されていた直線的な構造物が領域代表色による減色表現で描画されている。
また、画像修正装置は、第1画像修正手段によって、領域代表色画像の修正対象領域を領域代表色背景推定画像で置き換えた合成画像に対して、時空間上での解像度の階層関係に基づいて、類似する画像パッチの探索による画像修正処理を施して、領域代表色画像の背景部分が復元された領域代表色背景復元画像を生成する。ここで、第1画像修正手段は、この合成画像において、修正対象領域に隠されていた直線的な構造物が予め描画されているため、この直線的な構造物が確率的に残存し易く、不正接続を防止できる。
また、画像修正装置は、第2画像修正手段によって、入力画像の修正対象領域を領域代表色背景復元画像で置き換えた合成画像に対して、時空間上での解像度の階層関係に基づいて、類似する画像パッチの探索による画像修正処理を施して、入力画像の背景部分が復元された背景復元画像を生成する。ここで、第2画像修正手段は、この合成画像において、修正対象領域に隠されていた直線的な構造物が予め描画されているため、この直線的な構造物が確率的に残存し易く、不正接続を防止できる。さらに、画像修正装置は、第1画像修正手段及び第2画像修正手段がそれぞれ、類似する画像パッチの探索による画像修正処理を施すため、時空間及び色空間上での解像度の階層関係(2階層)を利用することができる。
なお、解像度の階層関係とは、色空間又は時空間上で解像度が異なる複数の画像において、低い解像度の計算結果(画素値)が高い解像度の画像に反映される関係を示すものである。
以下、「類似する画像パッチの探索による画像修正処理」を「画像修正処理」と略記する。
また、本願第2発明に係る画像修正装置は、相互接続ペア判定手段が、延長領域の交差により形成される交差領域が修正対象領域の内側に予め設定された割合以上含まれることを示す交差条件が、予め設定されたことを特徴とする。
かかる構成によれば、画像修正装置は、相互接続ペアを正確に判定できる。
また、本願第3発明に係る画像修正装置は、接続領域抽出手段が、2つの方向ベクトルが対向することを示す対向条件が予め設定され、接続領域の2つの方向ベクトルが対向条件を満たすか否かを判定し、対向条件を満たす接続領域を出力しないことを特徴とする。
かかる構成によれば、画像修正装置は、交差条件を満たす可能性のない延長領域を有する接続領域が、接続可能ペアに含まれる事態を防止できる。
また、本願第4発明に係る画像修正装置は、背景推定画像生成手段が、相互接続ペア判定手段で交差条件を満たさないと判定された接続可能ペアについて、当該接続可能ペアそれぞれの接続領域から修正対象領域の内側に予め設定された範囲までの領域代表色背景推定画像の画素を、接続領域の領域代表色とすることを特徴とする。
かかる構成によれば、画像修正装置は、修正対象領域の内側で途切れる背景部分も描画して、詳細な領域代表色背景推定画像を生成できる。
また、本願第5発明に係る画像修正装置は、修正対象領域として、領域代表色画像生成手段が分割した分割領域の1以上が指定され、指定された修正対象領域を接続領域抽出手段に出力する修正対象領域入力手段、をさらに備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、画像修正装置は、ユーザが、修正対象領域を構成する分割領域を指定できるため、修正対象領域の輪郭をなぞって入力する場合に比べて、その手間を軽減できる。
なお、本願第1発明に係る画像修正装置は、一般的なコンピュータが備えるCPU、メモリ、ハードディスクなどのハードウェア資源を、領域代表色画像生成手段、接続領域抽出手段、接続可能ペア判定手段、相互接続ペア判定手段、色占有率算出手段、背景色画像生成手段、背景推定画像生成手段、第1画像修正手段、第2画像修正手段として機能させるための画像修正プログラムによって実現することもできる。このプログラムは、通信回線を介して配布してもよく、CD−ROMやフラッシュメモリ等の記録媒体に書き込んで配布してもよい。
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
本願第1発明によれば、背景部分の接続情報を示す相互接続ペアを求めるため、接続情報を手動設定する必要がない。また、本願第1発明によれば、構造物同士が交差しないといった適用条件が存在しないため、様々な画像に適用でき、汎用性を高くすることができる。さらに、本願第1発明によれば、画像修正処理を施す際、修正対象領域に隠されていた直線的な構造物が予め描画されているため、不正接続を防止して、高品質な背景復元画像を生成することができる。
本願第2発明によれば、相互接続ペアの接続関係を正確に判定できるため、背景部分が詳細に復元された背景復元画像を生成することができる。
本願第3発明によれば、交差条件を満たす可能性のない延長領域を有する接続領域が接続可能ペアに含まれる事態を防止できるため、背景部分がより詳細に復元された背景復元画像を生成することができる。
本願第4発明によれば、修正対象領域の内側で途切れる背景部分も描画するため、背景部分がより詳細に復元された背景復元画像を生成することができる。
本願第5発明によれば、分割領域を修正対象領域として指定できるため、修正対象領域の輪郭をなぞって入力する場合に比べて、その手間を軽減でき、利便性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る画像修正装置の構成を示すブロック図である。 図1の領域分割・領域代表色算出手段で生成された領域代表色画像を示す図である。 図2の領域代表色画像の左上部分において、分割領域に付与されたIDを示す図である。 図2の領域代表色画像での修正対象隣接領域を示す図である。 図1の接続領域リスト生成手段による接続領域の抽出を説明するための修正対象隣接領域の拡大図である。 図1の接続領域リスト生成手段による方向ベクトルの算出を説明するための修正対象隣接領域の拡大図である。 図1の接続領域リスト生成手段による延長領域の算出を説明する図である。 図1の接続領域リスト生成手段による対向条件の判定を説明する図である。 図1の接続可能ペアリスト生成手段において、交差条件判定の第1例を説明する図である。 図1の接続可能ペアリスト生成手段において、交差条件判定の第2例を説明する図である。 図1の接続可能ペアリスト生成手段において、交差条件判定の第3例を説明する図である。 図1の接続可能ペアリスト生成手段において、交差条件判定の第4例を説明する図である。 図1の前景接続描画手段による初期構造分布推定画像の生成を説明する図である。 図2の領域代表色画像において、柵に対応する接続領域を示す図である。 図14の符号α部分の拡大図である。 図14の符号β部分の拡大図である。 図2の領域代表色画像から生成された初期構造分布推定画像を示す図である。 図1の初期構造分布修正手段の処理対象となる合成画像の図である。 図1の初期構造分布修正手段において、画像パッチを説明する図である。 図1の初期構造分布修正手段において、修正対象画像と素材画像との関係を説明する図である。 図1の初期構造分布修正手段において、画素値の更新を説明する図である。 図1の初期構造分布修正手段において、修正対象画像の更新を説明する図である。 図1の初期構造分布修正手段が生成した修正対象画像(領域代表色背景復元画像)の図である。 図1の最終修正手段の処理対象となる合成画像の図である。 図1の最終修正手段が生成した修正対象画像(背景復元画像)の図である。 図1の画像修正装置の全体動作を示すフローチャートである。 図26の初期構造分布推定処理を示すフローチャートである。 図26の初期構造分布修正処理を示すフローチャートである。 図26の最終修正処理を示すフローチャートである。 入力画像の一例を示す図である。 図30の入力画像に設定された修正対象領域の一例を示す図である。 従来の画像修正処理において、直線的な構造物が修正対象領域の中心まで延長されない状態の一例を示す図である。 従来の画像修正処理において、直線的な構造物の接続が正常に行われない状態の一例を示す図である。
[画像修正装置の構成]
図1を参照して、本発明の実施形態に係る画像修正装置1の構成について説明する。
画像修正装置1は、入力画像から修正対象領域を除去すると共に、修正対象領域に隠された背景部分を復元するものである。このため、画像修正装置1は、図1に示すように、修正対象領域処理手段10と、初期構造分布推定手段20と、初期構造分布修正手段(第1画像修正手段)30と、最終修正手段(第2画像修正手段)40とを備える。
ここで、画像修正装置1が修正対象とする入力画像を、図30の画像(映像)として説明する。
また、画像修正装置1は、カメラ(不図示)から入力画像を入力することとするが、予めカメラで撮影した入力画像を記憶手段(不図示)に記憶しておき、その記憶手段から入力画像を入力することとしてもよい。
修正対象領域処理手段10は、入力画像に関する処理を施すものであり、領域分割・領域代表色算出手段(領域代表色画像生成手段)11と、修正対象領域入力手段12とを備える。
領域分割・領域代表色算出手段11は、入力画像を類似色の画素で構成される分割領域に分割し、分割領域ごとの平均色である領域代表色を算出し、分割領域の各画素を分割領域の領域代表色として設定した領域代表色画像を生成するものである。
<領域分割処理>
図2,図3を参照して、領域分割処理について説明する(適宜図1参照)。
この領域分割・領域代表色算出手段11は、平均値シフト法(Mean Shift Segmentation法)等を応用した領域分割処理を入力画像に施す。この平均値シフト法では、一定の時空間バンド幅と色空間バンド幅とを指定することにより、時空間的に近隣にあり、かつ、RGB色空間等の色空間上での距離が近い画素の集合で、一つの分割領域(クラスタ)を形成する。その後、その微小な分割領域を統合して大きな分割領域にするために、それぞれの分割領域の算出色(平均色)画素の画素値同士の差が、非常に小さく設定された閾値(例えば、平均値シフト法で指定した色空間バンド幅の1/10)以下の領域を束ねていくことで、分割領域を形成する。このように、領域分割・領域代表色算出手段11は、平均値シフト法を応用することにより、入力画像を、総画素数に対して極めて小さい数の分割領域に分割できる。
また、領域分割・領域代表色算出手段11は、分割した分割領域ごとに、この分割領域内に含まれる画素の平均的な色を領域代表色として算出する。そして、領域分割・領域代表色算出手段11は、分割領域内に含まれる画素を、その分割領域の平均的な色とする。
なお、平均値シフト法は、例えば、参考文献「D. Comaniciu, P. Meer, "Mean Shift: A Robust Approach Toward Feature Space Analysis," IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence, pp. 603-619, May, 2002」に記載されている。
例えば、領域分割・領域代表色算出手段11は、図30の入力画像を、桃色の柵、黄緑色の芝生、黒色の鷹胴部、茶色の鷹脚部、白色の鷹頭部、黄色の鷹嘴部など、類似色の画素で構成される分割領域に分割して、図2の領域代表色画像を生成する。この領域代表色画像は、領域分割処理により、図30の入力画像と比べて、テクスチャなどの詳細な情報が消失し、構造的に類似した部分が領域代表色により統合され、単純な構造化画像になる。
なお、図2では、図面を見やすくするため、柵を網掛で図示した。
このとき、領域分割・領域代表色算出手段11は、分割した分割領域のそれぞれに、各分割領域を一意に識別するIDを付与する。例えば、図3に示すように、領域分割・領域代表色算出手段11は、図2の入力画像左上において、順番にID=1,2,3,4,5,・・・というように、IDを1ずつインクリメントしながら各分割領域に付与する。
なお、IDを付与する規則は、分割領域を一意に識別できればよく、この例に制限されない。
その後、領域分割・領域代表色算出手段11は、生成した領域代表色画像を、修正対象領域入力手段12と、接続領域リスト生成手段21と、修正対象パッチリスト生成手段31と、素材パッチリスト生成手段32とに出力する。
図1に戻り、画像修正装置1の構成について、説明を続ける。
修正対象領域入力手段12は、領域分割・領域代表色算出手段11から領域代表色画像が入力され、修正対象領域Hとして、この領域代表色画像を構成する分割領域の1以上を入力(指定)させるものである。
このとき、修正対象領域入力手段12は、表示装置(不図示)に表示された領域代表色画像において、修正対象領域Hとなる分割領域をユーザにマウス(不図示)で指定させることが好ましい。
ここで、修正対象領域Hは、入力画像において、ユーザが除去したいと指定した画像領域である。
また、修正対象領域Hは、複数の分割領域が選択された場合、一筆書きできるように、全ての分割領域の最外周が連続していればよい。
また、以下の説明では、図30の鷹が修正対象領域Hであることとする。
その後、修正対象領域入力手段12は、入力された修正対象領域Hを、接続領域リスト生成手段21と、修正対象パッチリスト生成手段31と、素材パッチリスト生成手段32と、修正対象パッチリスト生成手段41と、素材パッチリスト生成手段42とに出力する。
初期構造分布推定手段20は、修正対象領域Hに隠された背景部分の構造を推定する初期構造分布推定処理を施すものである。このため、初期構造分布推定手段20は、接続領域リスト生成手段(接続領域抽出手段)21と、接続可能ペアリスト生成手段(接続可能ペア判定手段)22と、相互接続ペア判定手段23と、色占有率算出手段24と、背景塗りつぶし手段(背景色画像生成手段)25と、前景接続描画手段(背景推定画像生成手段)26とを備える。
接続領域リスト生成手段21は、領域代表色画像で修正対象領域Hに隣接する修正対象隣接領域91(図4)において、同一の領域代表色の画素が予め設定した数以上連続する接続領域92(図4)を抽出するものである(接続領域の抽出)。
さらに、接続領域リスト生成手段21は、抽出した接続領域92の両端から修正対象領域Hの内側に向けた2つの方向ベクトル93(図6)の延長線に挟まれる延長領域94(図7)を算出する(延長領域の算出)。
<接続領域の抽出>
図4,5を参照して、接続領域の抽出について説明する(適宜図1参照)。
図4に示すように、接続領域リスト生成手段21は、領域分割・領域代表色算出手段11から入力された領域代表色画像において、修正対象領域入力手段12から入力された修正対象領域Hを外側に予め設定された画素数(例えば、1画素分)だけ拡大させて、修正対象隣接領域91を生成する。つまり、図4の修正対象隣接領域91は、おおよそ、図30の鷹(修正対象領域H)の輪郭を表しており、領域代表色を有する画素で構成されている。
以下、図5に示すように、修正対象隣接領域91が、異なる領域代表色A,B,C,Dの画素で構成される場合を例に、接続領域の抽出を詳細に説明する。
図5では、各正方形が修正対象隣接領域91の各画素を表し、この正方形の内部に付されたA,B,C,Dが各画素の領域代表色を表す。この場合、接続領域リスト生成手段21は、修正対象隣接領域91において、隣接画素の画素値(RGB値)を比較することで領域代表色A,B,C,Dの境界を検出する。そして、接続領域リスト生成手段21は、領域代表色A,B,C,Dそれぞれの画素が連続する画素集合を求める。
なお、接続領域リスト生成手段21は、隣接画素の画素値を比較する代わりに、分割領域のIDが変化する位置を境界として検出してもよい。
このとき、接続領域リスト生成手段21は、この画素集合が予め設定した画素数(例えば、3画素)以上であれば、この画素集合を接続領域92として抽出する。一方、接続領域リスト生成手段21は、この画素集合が予め設定した画素数未満であれば、この画素集合を処理対象としない。図5の例では、接続領域リスト生成手段21は、領域代表色Bの画素集合が2画素であるため、領域代表色A,C,Dの画素集合を接続領域92,92,92として抽出する。
この接続領域92は、修正対象領域Hの内側で他の分割領域に接続される可能性がある分割領域を示すものである。
<延長領域の算出>
図6,図7を参照して、延長領域の算出について説明する(適宜図1参照)。
図6では、図面を見やすくするため、接続領域92の領域代表色を示す“C”を省略した。また、図6では、修正対象領域Hの境界を一点鎖線で図示した。
図7では、図面を見やすくするため、修正対象隣接領域91を楕円形の実線で図示し、接続領域92を太線で図示し、延長領域94を網掛で図示した(図8〜図12も同様)。
図6に示すように、接続領域リスト生成手段21は、1画素幅である接続領域92を外側に予め設定された画素幅(例えば、2画素幅)だけ拡大させる。この例では、接続領域92が3画素幅となる。そして、接続領域リスト生成手段21は、接続領域92の両端、つまり、領域代表色Cと、領域代表色B,Dとの境界において、方向ベクトル93,93をそれぞれ算出する。以下、方向ベクトル93の算出方法について、2つの具体例を説明する。
方向ベクトルの算出方法の第1例は、接続領域92の両端で、外側と内側とに位置する画素の中心位置を結んで方向ベクトル93,93を求めるものである。具体的には、接続領域リスト生成手段21は、3画素幅に拡大された接続領域92の一端において、最も外側の画素中心点POから、修正対象領域Hに隣接する最も内側の画素中心点PIを指す方向ベクトル93を求める。また、接続領域リスト生成手段21は、この接続領域92の他端において、最も外側の画素中心点POから、修正対象領域Hに隣接する最も内側の画素中心点PIを指す方向ベクトル93を求める。
この方向ベクトル93,93は、接続領域92の両端から修正対象領域Hの内側に向けて、接続領域92の境界方向を示すものである。言い換えるなら、方向ベクトル93,93は、修正対象領域Hの内側に向けて、分割領域を延長する方向を示す。
方向ベクトルの算出方法の第2例は、接続領域の両端において、接線ベクトルの投票により方向ベクトル93を求めるものである(不図示)。具体的には、接続領域リスト生成手段21は、3画素幅に拡大された接続領域92の両端において、境界方向で隣り合う画素同士の接線ベクトルを算出する。そして、接続領域リスト生成手段21は、算出した接線ベクトルを数え上げて投票し、最多得票の接線ベクトルを方向ベクトル93として求める。
なお、方向ベクトル93は、その長さが任意であり、例えば、単位ベクトルであってもよい。
また、接続領域リスト生成手段21は、第1例又は第2例の何れを用いるか手動で設定できる。以下の説明では、接続領域リスト生成手段21が第1例の手法を用いることとする。
さらに、図7に示すように、接続領域リスト生成手段21は、方向ベクトル93,93の延長線に挟まれる領域を、延長領域94として算出する。このとき、接続領域リスト生成手段21は、方向ベクトル93,93と同じ方向で、方向ベクトル93,93の始点から両延長線が互いに交差するまで、両延長線を延長する。そして、接続領域リスト生成手段21は、接続領域92及び修正対象領域Hの境界線と、方向ベクトル93,93の両延長線との内側を、延長領域94として算出する。
この延長領域94は、修正対象領域Hの内側に延長された分割領域を示すものである。言い換えるなら、延長領域94は、分割領域ごとの領域代表色が修正対象領域Hの内側でどのように分布するか示したものである。
なお、接続領域リスト生成手段21は、方向ベクトル93,93の両延長線が互いに交差しない場合、領域代表色画像の端に到達するまで、方向ベクトル93,93の延長線を延長する。
<対向条件の判定>
図8を参照して、対向条件の判定について説明する(適宜図1参照)。
例えば、分割領域の一部が修正対象領域Hの内側に入り込んだ場合、他の分割領域に接続されることがなく、後記する交差条件を満たす可能性がないといえる。このため、接続領域リスト生成手段21は、図8に示すように、接続領域92の2つの方向ベクトル93,93が対向条件を満たすか否かを判定することが好ましい。そして、接続領域リスト生成手段21は、対向条件を満たす接続領域92を、後記する接続可能ペアリスト生成手段22に出力しない。
この対向条件は、2つの方向ベクトル93,93が対向することを示す条件である。具体的には、対向条件は、方向ベクトル93,93のなす角が任意の角度(例えば、150°)以下といった条件で予め設定される。
また、対向条件を満さない、つまり、交差条件を満たす可能性がある接続領域92は、接続可能ペアリスト生成手段22に出力することは言うまでもない。
その後、接続領域リスト生成手段21は、全ての接続領域92と、接続領域92それぞれについて、2つの方向ベクトル93と延長領域94とを格納した接続領域リストを生成して、接続可能ペアリスト生成手段22に出力する。
図5に戻り、画像修正装置1の構成について、説明を続ける(適宜図1参照)。
接続可能ペアリスト生成手段22は、接続領域リスト生成手段21から入力された接続領域リストに含まれる接続領域92,92,92の全組み合わせについて、領域代表色A,C,Dが類似するか否かを判定するものである。
具体的には、接続可能ペアリスト生成手段22は、接続領域92,92,92の領域代表色A,C,Dについて、SSD(Sum of Squared Distance)が予め設定された閾値以下である場合には類似すると判定し、このSSDが閾値を越える場合には類似しないと判定する(閾値判定)。
この閾値は、領域分割・領域代表色算出手段11で用いた閾値に基づいて予め設定できる(例えば、領域代表色算出手段11の閾値の半分)。
そして、接続可能ペアリスト生成手段22は、領域代表色A,C,Dが類似する接続領域92,92,92の組み合わせを、接続可能ペア(92,92)として対応づける。例えば、領域代表色A,Dが類似し、領域代表色A,C及びC,Dが類似しない場合、接続可能ペアリスト生成手段22は、接続領域92,92の組み合わせを接続可能ペア(92,92)として対応づける。
この接続可能ペア(92,92)は、後記する相互接続ペアの候補である。
その後、接続可能ペアリスト生成手段22は、全ての接続可能ペア(92,92)と、接続可能ペア(92,92)の接続領域92それぞれについて、2つの方向ベクトル93と延長領域94とを格納した接続可能ペアリストを生成して、相互接続ペア判定手段23に出力する。
相互接続ペア判定手段23は、接続可能ペアリスト生成手段22から入力された接続可能ペアリストに含まれる接続可能ペア(92,92)について、それぞれの延長領域94が交差条件を満たすか否かを判定するものである。
<交差条件の判定:第1例>
図9〜図12を参照して、交差条件の判定について、4つの具体例を説明する(適宜図1参照)。
図9,図10では、交差領域95のうち、修正対象領域Hの内側に含まれる部分をハッチングで図示した。
前記した交差条件は、図9に示すように、接続可能ペア(92,92)を構成する接続領域92について、2つの延長領域94が交差することを示す条件である。具体的には、交差条件は、延長領域94の交差により形成される交差領域95が、修正対象領域Hの内側に予め設定された割合(例えば、50%)以上含まれるといった条件で予め設定される。
この第1例では、ある接続可能ペア(92,92)について、2つの接続領域92それぞれの延長領域94が交差しており、交差領域95が形成される。そして、この交差領域95のハッチング部分が、修正対象領域Hの内側に50%以上含まれている。言い換えるなら、交差領域95の全面積のうち、修正対象領域Hの内側に50%以上の面積が残っている。このため、相互接続ペア判定手段23は、2つの延長領域94が交差条件を満たすと判定する。
<交差条件の判定:第2例>
この第2例では、図10に示すように、2つの延長領域94が交差しており、交差領域95が形成される。しかし、この交差領域95のハッチング部分が、修正対象領域Hの内側に50%以上含まれていない。このため、相互接続ペア判定手段23は、2つの延長領域94が交差条件を満たさないと判定する。
<交差条件の判定:第3例>
この第3例では、図11に示すように、2つの延長領域94が平行のために交差せず、交差領域95が形成されない。つまり、交差領域95のハッチング部分が修正対象領域Hの内側に一切含まれない。このため、相互接続ペア判定手段23は、2つの延長領域94が交差条件を満たさないと判定する。
<交差条件の判定:第4例>
この第4例では、図12に示すように、2つの延長領域94が修正対象領域Hの内側で途切れるために交差せず、交差領域95が形成されない。このため、相互接続ペア判定手段23は、2つの延長領域94が交差条件を満たさないと判定する。
前記した第1例のように、相互接続ペア判定手段23は、交差条件を満たす接続可能ペアを相互接続ペア(92,92)とする。
この相互接続ペア(92,92)は、互いに接続される接続領域92のペアを示した接続情報である。
その後、相互接続ペア判定手段23は、相互接続ペア(92,92)と、相互接続ペア(92,92)の接続領域92それぞれについて、2つの方向ベクトル93と延長領域94とを格納した相互接続ペアリストを生成して、色占有率算出手段24に出力する。
図1に戻り、画像修正装置1の構成について、説明を続ける。
色占有率算出手段24は、相互接続ペア判定手段23から入力された相互接続ペアリストに含まれる相互接続ペア(92,92)について、領域代表色ごとの色占有率を算出するものである。
この色占有率算出手段24は、修正対象隣接領域91における領域代表色ごとの画素数の合計と、修正対象隣接領域91の全画素数との比によって、領域代表色ごとの色占有率を算出する。そして、色占有率算出手段24は、この色占有率が高い領域代表色の順番を算出する。その後、色占有率算出手段24は、算出した領域代表色の順番と、相互接続ペア判定手段23から入力された相互接続ペアリストとを背景塗りつぶし手段25に出力する。
背景塗りつぶし手段25は、色占有率算出手段24から領域代表色の順番が入力され、色占有率が最高となる領域代表色を背景色として決定し、修正対象領域Hの全画素を背景色とした背景色画像を生成するものである。
その後、背景塗りつぶし手段25は、生成した背景色画像と、色占有率算出手段24から入力された領域代表色の順及び相互接続ペアリストとを前景接続描画手段26に出力する。
前景接続描画手段26は、全ての相互接続ペアについて、背景色の次から色占有率が高い領域代表色を有する相互接続ペアの順に、背景塗りつぶし手段25から入力された背景色画像の画素をその相互接続ペアの領域代表色とすることで、初期構造分布推定画像(領域代表色背景推定画像)を生成するものである。
<初期構造分布推定画像の生成>
図13を参照して、初期構造分布推定画像の生成について説明する(適宜図1参照)。
図13では、相互接続ペアを構成する接続領域は、それぞれ、符号92,92で図示した。また、接続領域92の2つの方向ベクトルは、それぞれ、符号93P1,93P2で図示した。また、接続領域92の2つの方向ベクトルは、それぞれ、符号93Q1,93Q2で図示した。
また、図13では、図面を見やすくするため、修正対象隣接領域91を楕円形の実線で図示し、接続領域92を太線で図示し、点PXQから作られる2次ベジェ曲線L2を一点鎖線で図示した。
具体的には、前景接続描画手段26は、接続領域92の中間点Pと、接続領域92の中間点Qとを算出する。また、前景接続描画手段26は、この中間点Pを起点として、方向ベクトル93P1,93P2の平均方向に延長した直線L1を算出する。また、前景接続描画手段26は、この中間点Qを起点として、方向ベクトル93Q1,93Q2の平均方向に延長した直線L1を算出する。そして、前景接続描画手段26は、直線L1,L1の交点Xを算出する。これによって、前景接続描画手段26は、点P,X,Qを制御点として、中間点P,Qを接続するベジェ曲線L2を算出できる。
ここで、中間点P,Qの一方がベジェ曲線L2の始点(例えば、中間点P)であり、残りの他方がベジェ曲線L2の終点(例えば、中間点Q)であることとする。この場合、前景接続描画手段26は、接続領域92の端から中心点Pまでの長さ、つまり、方向ベクトル93P1又は方向ベクトル93P2から中心点Pまでの長さを、描画円96の半径として算出する。そして、前景接続描画手段26は、ベジェ曲線L2の上に描画円96の中心が位置するように、ベジェ曲線L2の始点Pから終点Qまでベジェ曲線L2に沿って描画円96を移動させる。このとき、前景接続描画手段26は、この描画円96の移動範囲に含まれる画素を領域代表色で描画する。
このとき、前景接続描画手段26は、描画円96の直径を一定とせず、延長領域94でその描画円96が位置する箇所の幅に応じて、描画円96の直径を変化させてもよい。例えば、前景接続描画手段26は、描画円96の直径を、ベジェ曲線L2の始点Pで接続領域92の両端の長さとし、ベジェ曲線L2の終点Qで接続領域92の両端の長さとする。このとき、前景接続描画手段26は、始点Pと終点Qの間において、描画円96の中心とベジェ曲線L2の始点Pとの距離、及び、描画円96の中心とベジェ曲線L2の終点Qとの距離の割合により、接続領域92,92の両端の長さを比例配分した値を直径とする。
その後、前景接続描画手段26は、生成した初期構造分布推定画像を初期構造分布修正手段30に出力する。
このように、前景接続描画手段26は、延長領域94に沿ったベジェ曲線L2を算出し、ベジェ曲線L2の上で描画円96を移動させながら、この描画円96,96に含まれる各画素を相互接続ペア(92,92)の領域代表色とする。これによって、前景接続描画手段26は、接続されると推定された接続領域92が領域代表色により構造的に接続された初期構造分布推定画像の生成を可能にしている。
<接続領域の延長描画>
以下、図11,図12に戻り、接続領域の延長描画について説明する(適宜図1参照)。
例えば、図11,図12のような接続可能ペア(92,92)は、修正対象領域Hの内側に延長される可能性がありながら、交差条件を満たさないために相互接続ペア(92,92)と判定されない。従って、この接続可能ペア(92,92)の接続領域92は、入力画像の修正対象領域Hで隠される背景部分において、この修正対象領域Hの内側に延長され、かつ、その途中で途切れる可能性がある。
このため、前景接続描画手段26は、交差条件を満たさないと判定された接続可能ペア(92,92)について、接続領域92の延長描画を行うことが好ましい。具体的には、前景接続描画手段26は、この接続領域92から修正対象領域Hの内側に予め設定された範囲までの初期構造分布推定画像の画素を、接続領域の領域代表色で描画する(接続領域92の延長描画)。
ここで、接続領域92の延長描画を行う範囲は、例えば、2つの方向ベクトル93の平均方向を求め、その平均方向に数画素分である。また、接続領域92の延長描画を行う範囲は、接続領域92から修正対象領域Hの中心までの長さに対する割合(例えば、10%)としてもよい。
<初期構造分布推定画像の具体例>
以下、図30の柵に注目して、画像修正装置1が初期構造分布推定画像をどのように生成するか、具体例をあげて説明する。
領域分割・領域代表色算出手段11は、図30の入力画像に領域分割処理を施して、図2の領域代表色画像を生成する。
修正対象領域入力手段12は、図30の鷹が修正対象領域Hとして入力される。
接続領域リスト生成手段21は、図2の領域代表色画像で図31の修正対象領域Hに隣接する1画素分の領域を、図4の修正対象隣接領域91として求める。また、接続領域リスト生成手段21は、図4の修正対象隣接領域91から、図30の柵に対応する接続領域92,92,92,92を抽出する。
ここで、図14に示すように、図2の領域代表色画像において、符号α,βを付した接続領域92,92の近辺を拡大すると、図15,図16のようになる。
図14では、図面を見やすくするため、柵の部分を網掛で図示し(図17,図18,図23,図24も同様)し、鷹の部分における分割領域の図示を省略した。
図15,図16では、各正方形が各画素を表し、網掛で図示した画素が図14の柵の部分に対応し、黒塗りした画素が図14の修正対象領域Hに対応する。
また、図15,図16では、接続領域92を太線で図示した。
図15の接続領域92において、領域代表色は、R=0.70、G=0.60、B=0.63となる桃色である。また、図16の接続領域92において、領域代表色は、R=0.64、G=0.55、B=0.62となる桃色である。従って、接続領域92,92の領域代表色が類似するため、接続可能ペアリスト生成手段22は、図4の修正対象隣接領域91に含まれる接続領域92,92を接続可能ペア(92,92)として判定する。
これと同様、接続可能ペアリスト生成手段22は、図4の修正対象隣接領域91から、接続可能ペア(92,92),(92,92),(92,92),(92,92),(92,92)とを判定する。
相互接続ペア判定手段23は、図4の接続可能ペア(92,92),(92,92),(92,92),(92,92),(92,92),(92,92)が、交差条件を満たすか否かを判定する。ここで、前記6つの接続可能ペアのうち、接続可能ペア(92,92),(92,92)だけが交差条件を満たす。従って、相互接続ペア判定手段23は、接続可能ペア(92,92),(92,92)のみを相互接続ペアとして判定する。
図4の修正対象隣接領域91は、濃い緑色の森に対応する画素が大部分を占める。このため、色占有率算出手段24は、濃い緑色の領域代表色を1番目とし、柵(桃色)の領域代表色も色占有率に応じた順番を算出する。そして、背景塗りつぶし手段25は、濃い緑色を背景色として決定し、修正対象領域Hを濃い緑色とした背景色画像を生成する。
前景接続描画手段26は、相互接続ペア(92,92)の間をベジェ曲線で接続すると共に、相互接続ペア(92,92)の間をベジェ曲線で接続し、それぞれ、領域代表色である桃色で描画する。
ここで、接続領域92と接続領域92との領域代表色は、類似色であるが、厳密には異なる色である。この場合、前景接続描画手段26は、接続領域92と接続領域92との全画素数に対する領域代表色の平均を求め、平均した領域代表色で描画してもよい。また、前景接続描画手段26は、接続領域92又は接続領域92の領域代表色をランダムに選択し、選択した領域代表色で描画してもよい。
その結果、初期構造分布推定手段20は、図17の初期構造分布推定画像を生成する。この初期構造分布推定画像では、図30の鷹に隠されていた柵97が、図4の相互接続ペア(92,92)の間を接続するように、桃色で描画されている。また、この初期構造分布推定画像では、図30の鷹に隠されていた柵97が、図4の相互接続ペア(92,92)の間を接続するように、桃色で描画されている。さらに、この初期構造分布推定画像では、図30の鷹に隠されていた木が、それぞれの領域代表色で描画されている。
以上の具体例では、一枚のフレーム画像(静止画像)に初期構造分布推定処理を施す例を説明したが、入力画像が動画像の場合、初期構造分布推定手段20は、この入力画像を構成する全フレーム画像に初期構造分布推定処理を施すことは言うまでもない。
また、図30の柵に注目して説明したが、初期構造分布推定手段20は、柵以外についても同様の処理を施すことは言うまでもない。
図1に戻り、画像修正装置1の構成について、説明を続ける。
初期構造分布修正手段30は、時空間上での解像度の階層関係に基づいて、修正対象画像(合成画像)に初期構造分布修正処理(第1の画像修正処理)を施して領域代表色背景復元画像を生成するものである。このため、初期構造分布修正手段30は、修正対象パッチリスト生成手段31と、素材パッチリスト生成手段32と、修正対象パッチリスト更新手段33と、を備えている。
この修正対象画像は、修正対象パッチリスト生成手段31によって、領域分割・領域代表色算出手段11から入力された領域代表色画像の修正対象領域Hを、前景接続描画手段26から入力された初期構造分布推定画像で置き換えて合成されたものである。例えば、この修正対象画像は、図18に示すように、図2の領域代表色画像の鷹の部分に、図17の初期構造分布推定画像の鷹に隠された背景部分を合成した画像である。
なお、画像修正処理の詳細は、例えば、参考文献「Y.Wexler, E.Shechtman, and M.Irani: "Space-Time Completion of Video," IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence, VOL.29, NO.3 pp.463-476, March 2007」に記載されている。
また、解像度の階層関係は、解像度ピラミッドとも呼ばれ、本実施形態では、修正対象画像と同じ解像度である最高解像度と、最高解像度の半分の解像度である中間解像度と、最高解像度の1/4の解像度である最低解像度というように、3階層となっている。そして、解像度の階層関係は、低い解像度の計算結果(画素値)が高い解像度の画像に反映される関係を示している。
なお、解像度の階層関係は、前記参考文献に記載されており、画像修正装置1の動作と共に詳細に説明する。
修正対象パッチリスト生成手段31は、修正対象画像から、画素ごとに当該画素を中心画素とした予め定めた範囲の画素の画素値からなる画像パッチ(修正対象パッチ)で構成される修正対象パッチリストを生成するものである。
この修正対象パッチリスト生成手段31は、修正領域画像から、画素ごとに、当該画素を中心とした周囲の画素を含んだ小領域の画像パッチ(修正対象パッチ)を生成することで、当該画像パッチで構成されるリスト(修正対象パッチリスト)を生成する。この生成された修正対象パッチリストは、修正対象パッチリスト更新手段33に出力される。
ここで、図19を参照して、画像パッチについて説明する。
図19に示すように、修正対象画像Sは、xy座標の座標系で表されるフレーム画像の修正領域分の画像が時間方向tに連続した画像(動画像、映像)であるとする。このとき、座標(x、y)、時刻tにおける画素p=(x,y,t)を中心として、xy方向(空間方向)およびt方向(時間方向)に予め定めた大きさの画素群(W)、具体的にはそれら画像群の画素値の集合を画像パッチと呼ぶ。この画像パッチの大きさは、例えば、3×3×3画素、5×5×5画素、7×7×7画素等である。
図1に戻って、画像修正装置1の構成について説明を続ける。
素材パッチリスト生成手段32は、素材画像から、画素ごとに当該画素を中心画素とした予め定めた範囲の画素の画素値からなる画像パッチ(素材パッチ)で構成される素材パッチリストを生成するものである。この生成された素材パッチリストは、修正対象パッチリスト更新手段33に出力される。
この素材画像は、領域分割・領域代表色算出手段11から入力された領域代表色画像において、修正対象領域入力手段12に入力された修正対象領域Hを除去した画像である。
また、この素材パッチリスト生成手段32が生成する素材パッチリストを構成する画像パッチ(素材パッチ)は、その元となる画像が、修正対象パッチリスト生成手段31で処理した画像と異なるだけである。
すなわち、素材パッチリスト生成手段32は、図19に示すように、素材画像Dを、xy座標の座標系で表されるフレーム画像の素材領域分の画像が時間方向tに連続した画像(動画像、映像)であるとしたとき、座標(x、y)、時刻tにおける画素q=(x,y,t)を中心として、xy方向(空間方向)およびt方向(時間方向)に予め定めた大きさの画素群(V)を素材パッチとする。なお、修正対象パッチリスト生成手段31が生成する修正対象パッチと、素材パッチリスト生成手段32が生成する素材パッチの大きさ(画素数)は同じである。
ここで、図20を参照して、修正対象パッチリスト生成手段31が対象とする修正対象画像と、素材パッチリスト生成手段32が対象とする素材画像とについて説明する。図20(a)に示すように、修正対象画像Sは、修正対象領域Hを含んだ画像である。一方、図20(b)に示すように、素材画像Dは、修正対象画像Sから修正対象領域Hを除いた画像である。
図1に戻って、画像修正装置1の構成について説明を続ける。
修正対象パッチリスト更新手段33は、修正対象パッチリストの画像パッチを、当該画像パッチと最も類似度が高い素材パッチリストの画像パッチで置換して修正対象パッチリストを更新し、類似度の累計(コヒーレンス〔関連度〕)が最大となる最近似パッチリストを生成するものである。
すなわち、修正対象パッチリスト更新手段33は、以下の(1)式に示すコヒーレンスCoの値が最大となる修正対象パッチリストを生成するものである。
Figure 0005836831
ここで、pは修正対象画像S内の画素、qは素材画像D内の画素、Wは修正対象画像Sの画像パッチ(修正対象パッチ)、Vは素材画像Dの画像パッチ(素材パッチ)である(図19,図20参照)。また、simは、類似度を計算する関数であって、詳細は後記する。なお、修正対象画像Sは、コヒーレンスが最大となるように順次更新されるものであるため、ここでは、Sで表記している。
この修正対象パッチリスト更新手段33は、前記(1)式を最大とするため、類似パッチ探索手段331と、関連度算出手段332と、類似パッチ置換手段333と、画素値更新手段334と、更新終了判定手段335と、を備える。
類似パッチ探索手段331は、修正対象パッチリストの修正対象パッチWごとに、画像特徴量が最も類似する素材パッチリストの素材パッチVを探索するものである。
この類似パッチ探索手段331は、修正対象パッチWごとに、以下の(2)式(前記(1)式の関数sim)によって、修正対象パッチWと素材パッチVとの類似度を計算する。
Figure 0005836831
このdは、以下の(3)式に示すWとVとの画像特徴量の距離(例えば、各パッチに所属する全ピクセル分の特徴量を並べたベクトルのSSD距離である。また、σは、画像特徴量の分散を示す予め定めた定数である。
Figure 0005836831
なお、W(x,y,t)は、修正対象パッチWの画像特徴量である。例えば、画像特徴量W(x,y,t)は、修正対象パッチWに属するすべての画素値(R,G,B)と、輝度の2方向の瞬間変化量成分(u,v)からなる特徴量ベクトル(R,G,B,u,v)とする。
この(R,G,B)は、修正対象パッチWに属するすべての画素を構成する色の画素値からなるベクトルである。また、(u,v)は、修正対象パッチWにおける空間方向(x方向、y方向)の輝度の微分値Yx、Yy、および、時間方向(t方向)の輝度の微分値Ytで特定される瞬間変化量ベクトル(Yt/Yx,Yt/Yy)である。
なお、V(x,y,t)は、素材パッチVの画像特徴量であって、その内容は、修正対象パッチWの画像特徴量と同じである。
そして、類似パッチ探索手段331は、修正対象パッチWに最も類似する素材パッチVを特定し、その類似度を関連度算出手段332に出力するともに、対応する修正対象パッチWと素材パッチVとを類似パッチ置換手段333に出力する。
関連度算出手段332は、類似パッチ探索手段331で探索された修正対象パッチWごとに最も類似する素材パッチVの類似度を、修正対象パッチW分累計して、修正対象パッチリストの修正対象パッチを、類似する素材パッチで置き換えたときの、置換後の修正対象パッチリストと素材パッチリストとの関連の度合いを示す関連度(コヒーレンス)を計算するものである。
すなわち、関連度算出手段332は、類似パッチ探索手段331において前記(2)式で計算された類似度を用いて、前記(1)式に示すように、修正対象パッチWと素材パッチVとの最大類似度を修正対象パッチW分累計することで、コヒーレンスCoを算出する。この関連度算出手段332で計算されたコヒーレンスCoの値は、更新終了判定手段335に出力される。
類似パッチ置換手段333は、修正対象パッチリストの各修正対象パッチを、類似パッチ探索手段331で探索された類似度が最も高い素材パッチに置換して、新たな修正対象パッチリストを生成するものである。
この類似パッチ置換手段333は、後記する更新終了判定手段335から終了の指示が通知されるまで、更新した修正対象パッチリストを類似パッチ探索手段331に出力する。これによって、修正対象パッチリストは、順次更新されることになる。
また、類似パッチ置換手段333は、更新した修正対象パッチリストを画素値更新手段334に出力する。
画素値更新手段334は、入力画像の指定領域を更新するものである。
この画素値更新手段334は、得られたすべての修正対象パッチリストから、それぞれの修正対象画素に関係する修正対象パッチ群から得られるすべての画素値を用いて推定画素値を求め、これにより修正対象画像Sの修正対象領域Hの画素値を更新する。
具体的には、画素値更新手段334は、修正対象パッチリストの中で、修正対象画像Sの更新対象の画素の画素位置を含んだ修正対象パッチの当該画素位置に対応するすべての画素の画素値について、統計処理により求めた値(例えば、重み付き平均値等)によって、当該画素位置の画素値を推定画素値として決定する。
図21に示すように、例えば、画像パッチの大きさが3×3×3画素の場合、画素値を更新するために、27つの画素候補が存在することになる。ここで、図21では、画像パッチのうち、空間成分を表す3×3画素のみを図示した。このため、画素値更新手段334は、以下の式(4)及び式(5)で定義される重み付き平均値を用いて、推定画素値cを求める。
Figure 0005836831
Figure 0005836831
ここで、式(5)では、修正対象パッチWと素材パッチVとの類似度Sim(W ,V)及びαという2つの係数で重みw が定義されている。このとき、素材パッチVが修正対象領域Hの境界内側に入った距離をdistとした場合、α =γ^(−dist)を満たす。このとき、修正対象領域Hの境界から内側に対して距離変換処理(distance transform)を行うことで、修正対象領域Hの内側にある各ピクセルが境界からどれだけ内側に入ったかという距離(ユークリッド距離)を求めることができる。例えば、修正対象パッチWの中心が修正対象領域Hの内側で所定位置にある場合、その所定位置における距離がdistになる。
なお、式(4)及び式(5)では、pが画素を表す。
その後、画素値更新手段334は、更新終了判定手段335から入力された判定結果に応じて、修正対象領域Hの画素値が更新された修正対象画像Sを出力する。ここで、判定結果が次の解像度で更新の場合、画素値更新手段334は、この修正対象画像Sを修正対象パッチリスト生成手段31にフィードバック(出力)する。一方、判定結果が全解像度で更新完了の場合、画素値更新手段334は、この修正対象画像Sを最終修正手段40に出力する。
なお、画素値更新手段334が推定画素値を求めるために平均値を用いる手法は、統計的手法の一例であって、これに限定されるものではない。例えば、画素値更新手段334は、外れ値を落として確率的に高い推定画素値cを求めるため、平均値シフト(meanshift)法を用いて、更新対象の画素の画素値を求めてもよい。
更新終了判定手段335は、解像度ピラミッドの全解像度において、類似パッチ置換手段333が行う修正対象パッチリストの更新の終了判定、すなわち、画素値更新手段334における最適な画素値の更新が完了したか否かの判定を行うものである。
ここで、更新終了判定手段335は、関連度算出手段332で計算されたコヒーレンス(関連度)Coが、各解像度において最も大きくなったことを、各解像度における更新処理の完了判定の基準とする。つまり、更新終了判定手段335は、コヒーレンスCoが最大と判定されたとき、次の解像度で初期構造分布修正処理を行う。
ここで、コヒーレンスCoが最大となったときとは、これ以上、コヒーレンスCoの値が増加しないと判断したとき、例えば、コヒーレンスCoの増分割合が予め定めた閾値以下となったときである(コヒーレンスCoの収束)。
例えば、更新終了判定手段335は、解像度カウンタの初期値を0とし、最低解像度でコヒーレンスCoが最大となったとき、解像度カウンタをインクリメントして、解像度カウンタが予め設定された上限値未満であるか否かを判定する。ここで、更新終了判定手段335は、解像度カウンタが上限値未満であれば、次の解像度で更新を継続すると判定し、画素値更新手段334にその判定結果を通知する。一方、更新終了判定手段335は、解像度カウンタが上限値以上であれば、全解像度で更新完了と判定し、画素値更新手段334にその判定結果を通知する。
なお、更新終了判定手段335は、コヒーレンスCoの値によって、終了判定を行ったが、予め定めた更新回数を終了の判定条件としてもよい。また、更新終了判定手段335は、一旦更新を終了した場合であっても、図示を省略した入力手段を介して、操作者から更新の指示を入力された場合、指定回数分更新を繰り返すこととしてもよい。
このように、初期構造分布修正手段30は、図22示すように、素材画像Dと、順次更新される修正対象領域H(H)の画像とによって、素材画像Dとのコヒーレンスが最大となる修正対象画像S(S)を生成する。
この修正対象画像Sは、図23に示すように、図2の領域代表色画像と同等の色解像度で、図30の鷹に隠された背景部分が領域代表色で復元されているため、領域代表色背景復元画像とも呼ばれる。
最終修正手段40は、時空間上での解像度の階層関係に基づいて、修正対象画像(合成画像)に最終修正処理(第2の画像修正処理)を施して背景復元画像を生成するものである。このため、最終修正手段40は、修正対象パッチリスト生成手段41と、素材パッチリスト生成手段42と、修正対象パッチリスト更新手段43と、を備えている。
この修正対象画像は、修正対象パッチリスト生成手段41によって、外部から入力された入力画像の修正対象領域Hを、画素値更新手段334から入力された領域代表色背景復元画像の修正対象領域Hで置き換えて合成された画像である。この修正対象画像は、図24に示すように、図30の入力画像の鷹の部分に、図23の領域代表色背景復元画像の鷹に隠された背景部分を合成した画像である。
なお、最終修正手段40は、処理対象とする画像が異なるだけで、初期構造分布修正手段30と同様のため、詳細な説明を省略する。
また、この修正対象画像Sは、図25に示すように、入力画像と同等の色解像度で、柵(網掛で図示)も含めて、鷹に隠された背景部分が復元されているため、背景復元画像とも呼ばれる。
[画像修正装置の全体動作]
図26を参照して、図1の画像修正装置1の全体動作について説明する(適宜図1参照)。
画像修正装置1は、外部から、入力画像が入力される(ステップS1)。
画像修正装置1は、領域分割・領域代表色算出手段11によって、領域代表色画像を生成し、分割領域ごとの領域代表色を算出する(ステップS2、領域分割処理)。
画像修正装置1は、修正対象領域入力手段12によって、修正対象領域Hを指定する(ステップS3)。
画像修正装置1は、初期構造分布推定手段20によって、初期構造分布推定処理を行う(ステップS4)。
なお、この初期構造分布推定処理は、詳細を後記する(図27参照)。
画像修正装置1は、初期構造分布推定手段20によって、初期構造分布推定処理の結果を初期構造分布修正処理の初期値としてセットする。言い換えるなら、初期構造分布推定手段20は、初期構造分布修正処理の初期値として、初期構造分布推定画像を初期構造分布修正手段30に出力する(ステップS5)。
画像修正装置1は、初期構造分布修正手段30によって、時空間上での解像度の階層関係に基づいた初期構造分布修正処理(第1の画像修正処理)を施して、領域代表色背景復元画像を生成する(ステップS6)。
なお、この初期構造分布修正処理は、詳細を後記する(図28参照)。
画像修正装置1は、初期構造分布修正手段30によって、初期構造分布修正処理の結果を最終修正処理の初期値としてセットする。言い換えるなら、初期構造分布修正手段30は、最終修正処理の初期値として、領域代表色背景復元画像を最終修正手段40に出力する(ステップS7)。
画像修正装置1は、最終修正手段40によって、時空間上での解像度の階層関係に基づいた最終修正処理(第2の画像修正処理)を施して、背景復元画像を生成する(ステップS8)。
なお、この最終修正処理は、詳細を後記する(図29参照)。
[初期構造分布推定処理]
図27を参照して、図26の初期構造分布推定処理について説明する(適宜図1参照)。
初期構造分布推定手段20は、領域分割・領域代表色算出手段11から、領域代表色画像と、分割領域ごとの領域代表色とが入力される(ステップS41)。
接続領域リスト生成手段21は、領域代表色画像での修正対象隣接領域91から、接続領域リストを生成する(ステップS42)。
接続可能ペアリスト生成手段22は、接続領域リストに含まれる接続領域の全組み合わせについて、互いの領域代表色が類似するか否かによって接続可能ペアであるか否かを判定し(ステップS43)、接続可能ペアリストを生成する(ステップS44)。
相互接続ペア判定手段23は、接続可能ペアリストに含まれる接続可能ペアについて、交差条件を満たすか否かによって相互接続ペアであるか否かを判定する(ステップS45)。
色占有率算出手段24は、領域代表色ごとの色占有率を算出し、この色占有率が高い領域代表色の順番を算出する。
背景塗りつぶし手段25は、色占有率が最高となる領域代表色を背景色として決定する(ステップS46)。
背景塗りつぶし手段25は、修正対象領域Hを背景色で塗りつぶして描画する(ステップS47)。
前景接続描画手段26は、色占有率が高い領域代表色の順番に相互接続ペアを描画する(ステップS48)。
[初期構造分布修正処理]
<1回目の初期構造分布修正処理:最低解像度>
図28を参照して、図26の初期構造分布修正処理について説明する(適宜図1参照)。
初期構造分布修正手段30は、領域分割・領域代表色算出手段11から領域代表色画像が入力される(ステップS61)。
初期構造分布修正手段30は、修正対象領域入力手段12から修正対象領域Hが入力される(ステップS62)。
初期構造分布修正手段30は、初期構造分布推定手段20から、初期構造分布修正処理の初期値として、初期構造分布推定処理の結果が入力される。言い換えるなら、初期構造分布修正手段30は、初期構造分布推定手段20から、初期構造分布修正処理の初期値として、初期構造分布推定画像が入力される(ステップ63)。
修正対象パッチリスト生成手段31は、領域代表色画像の修正対象領域Hを初期構造分布推定画像で置き換えて合成画像を生成する。そして、修正対象パッチリスト生成手段31は、この合成画像を縮小して、最低解像度の低解像度修正対象画像Sを生成する。
素材パッチリスト生成手段32は、領域代表色画像から修正対象領域Hを除去して素材画像を生成する。そして、素材パッチリスト生成手段32は、この素材画像を縮小して、最低解像度の低解像度素材画像Dを生成する(ステップS64)。
素材パッチリスト生成手段32は、低解像度素材画像Dから、素材パッチで構成される素材パッチリストを生成する(ステップS65)。
修正対象パッチリスト生成手段31は、低解像度修正対象画像Sから、修正対象パッチで構成される修正対象パッチリストを生成する(ステップS66)。
類似パッチ探索手段331は、修正対象パッチリストの修正対象パッチごとに、画像特徴量が最も類似する素材パッチリストの素材パッチを探索する(ステップS67)。
関連度算出手段332は、探索された素材パッチの類似度を累計し、コヒーレンスを算出する(ステップS68)。
類似パッチ置換手段333は、修正対象パッチリストの各修正対象パッチを、類似度が最も高い素材パッチに置換して、修正対象パッチリストを更新する(ステップS69)。
画素値更新手段334は、修正対象パッチリストを構成する修正対象パッチから、低解像度修正対象画像Sの修正対象領域Hに対して推定画素値を求める。これによって、低解像度修正対象画像Sは、修正対象領域Hの画素値が更新される(ステップS70)。
更新終了判定手段335は、算出したコヒーレンスが最大になったか否かを判定する。例えば、更新終了判定手段335は、更新前後のコヒーレンスの増分割合が予め定めた閾値以下となったか否かによって、コピーレンスが最大になったか否かを判定する(ステップS71)。
ここで、コヒーレンスが最大でないと判定した場合(ステップS71でNo)、画像修正装置1は、ステップS67に戻って、修正対象パッチリストの更新を続ける。
一方、コヒーレンスが最大であると判定した場合(ステップS71でYes)、画像修正装置1は、ステップS72の処理に進む。
更新終了判定手段335は、次の解像度で初期構造分布修正処理を行うか否かを判定する(ステップS72)。
ここで、中間解像度及び最大解像度での初期構造分布修正処理を行うため(ステップS72でYes)、画素値更新手段334は、修正対象領域Hの画素値が更新された低解像度修正対象画像Sを、修正対象パッチリスト生成手段31にフィードバックする。その後、画像修正装置1は、ステップS64の処理に戻る。
<2回目の初期構造分布修正処理:中間解像度>
修正対象パッチリスト生成手段31は、フィードバックされた低解像度修正対象画像Sから、画素値が更新された修正対象領域Hを抽出して、中間解像度まで拡大する。また、修正対象パッチリスト生成手段31は、中間解像度の領域代表色画像の修正対象領域Hを、拡大した修正対象領域Hで置き換えて合成画像を生成する。以上の処理により、修正対象パッチリスト生成手段31は、中間解像度の中解像度修正対象画像Sを生成する。
素材パッチリスト生成手段32は、中間解像度の領域代表色画像から修正対象領域Hを除去して、中間解像度の中解像度素材画像Dを生成する(ステップS64)。
ステップS65〜S71までの処理は、最低解像度と同様のため、説明を省略する。
このとき、中解像度修正対象画像Sは、ステップS70の処理によって、修正対象領域Hの画素値が更新される。
更新終了判定手段335は、次の解像度で初期構造分布修正処理を行うか否かを判定する(ステップS72)。
ここで、最大解像度での初期構造分布修正処理を行うため(ステップS72でYes)、画素値更新手段334は、修正対象領域Hの画素値が更新された中解像度修正対象画像Sを、修正対象パッチリスト生成手段31にフィードバックする。その後、画像修正装置1は、ステップS64の処理に戻る。
<3回目の初期構造分布修正処理:最高解像度>
修正対象パッチリスト生成手段31は、フィードバックされた中解像度修正対象画像Sから、画素値が更新された修正対象領域Hを抽出して、最高解像度まで拡大する。また、修正対象パッチリスト生成手段31は、領域代表色画像の修正対象領域Hを、拡大した修正対象領域Hで置き換えて合成画像を生成する。
この合成画像は、最高解像度の高解像度修正対象画像Sとなる。
素材パッチリスト生成手段32は、領域代表色画像から修正対象領域Hを除去して、素材画像を生成する。
この素材画像は、最高解像度の高解像度素材画像Dとなる(ステップS64)。
ステップS65〜S71までの処理は、最低解像度及び中間解像度と同様のため、説明を省略する。
このとき、高解像度修正対象画像Sは、ステップS70の処理によって、修正対象領域Hの画素値が更新される。
更新終了判定手段335は、次の解像度レベルで初期構造分布修正処理を行うか否かを判定する(ステップS72)。
ここで、全解像度で初期構造分布修正処理が完了したため(ステップS72でNo)、画素値更新手段334は、修正対象領域Hの画素値が更新された高解像度修正対象画像Sを、領域代表色背景復元画像として最終修正手段40に出力する。その後、画像修正装置1は、初期構造分布修正処理を終了する。
このように、初期構造分布修正手段30は、色解像度が領域代表色まで減色された修正対象画像S及び素材画像Dを処理対象とすることで、解像度の階層関係に基づいた初期構造分布修正処理を施すことができる。
[最終修正処理]
<1回目の最終修正処理:最低解像度>
図29を参照して、図26の最終修正処理について説明する(適宜図1参照)。
最終修正手段40は、外部から入力画像が入力される(ステップS81)。
最終修正手段40は、修正対象領域入力手段12から修正対象領域Hが入力される(ステップS82)。
最終修正手段40は、初期構造分布修正手段30から、最終修正処理の初期値として、初期構造分布修正処理の結果が入力される。言い換えるなら、最終修正手段40は、初期構造分布修正手段30から、最終修正処理の初期値として、領域代表色背景復元画像が入力される(ステップ83)。
修正対象パッチリスト生成手段41は、入力された領域代表色背景復元画像から修正対象領域Hを抽出する。また、修正対象パッチリスト生成手段41は、入力画像の修正対象領域Hを、抽出した修正対象領域Hで置き換えて合成画像を生成する。そして、修正対象パッチリスト生成手段41は、この合成画像を縮小して、最低解像度の低解像度修正対象画像Sを生成する。
素材パッチリスト生成手段42は、入力画像から修正対象領域Hを除去して素材画像を生成する。そして、素材パッチリスト生成手段32は、この素材画像を縮小して、最低解像度の低解像度素材画像Dを生成する(ステップS84)。
ステップS85〜S91までの処理は、図28のステップS65〜S71と同様のため、説明を省略する。
このとき、低解像度修正対象画像Sは、ステップS90の処理によって、修正対象領域Hの画素値が更新される。
更新終了判定手段435は、次の解像度で最終修正処理を行うか否かを判定する(ステップS92)。
ここで、中間解像度及び最大解像度での最終修正処理を行うため(ステップS92でYes)、画素値更新手段434は、修正対象領域Hの画素値が更新された低解像度修正対象画像Sを、修正対象パッチリスト生成手段41にフィードバックする。その後、画像修正装置1は、ステップS84の処理に戻る。
<2回目の最終修正処理:中間解像度>
修正対象パッチリスト生成手段41は、フィードバックされた低解像度修正対象画像Sから、画素値が更新された修正対象領域Hを抽出して、中間解像度まで拡大する。また、修正対象パッチリスト生成手段41は、中間解像度の入力画像の修正対象領域Hを、拡大した修正対象領域Hで置き換えて合成画像を生成する。以上の処理により、修正対象パッチリスト生成手段41は、中間解像度の中解像度修正対象画像Sを生成する。
素材パッチリスト生成手段42は、中間解像度の入力画像から修正対象領域Hを除去して、中間解像度の中解像度素材画像Dを生成する(ステップS84)。
ステップS85〜S91までの処理は、最低解像度と同様のため、説明を省略する。
このとき、中解像度修正対象画像Sは、ステップS90の処理によって、修正対象領域Hの画素値が更新される。
更新終了判定手段435は、次の解像度で最終修正処理を行うか否かを判定する(ステップS92)。
ここで、最大解像度での最終修正処理を行うため(ステップS92でYes)、画素値更新手段434は、修正対象領域Hの画素値が更新された中解像度修正対象画像Sを、修正対象パッチリスト生成手段41にフィードバックする。その後、画像修正装置1は、ステップS84の処理に戻る。
<3回目の最終修正処理:最大解像度>
修正対象パッチリスト生成手段41は、フィードバックされた中解像度修正対象画像Sから、画素値が更新された修正対象領域Hを抽出して、最高解像度まで拡大する。また、修正対象パッチリスト生成手段41は、入力画像の修正対象領域Hを、拡大した修正対象領域Hで置き換えて合成画像を生成する。
この合成画像は、時空間及び色空間上で最高解像度の高解像度修正対象画像Sとなる。
素材パッチリスト生成手段42は、入力画像から修正対象領域Hを除去して、素材画像を生成する。
この素材画像は、時空間及び色空間上で最高解像度の高解像度素材画像Dとなる(ステップS84)。
ステップS85〜S91までの処理は、最低解像度及び中間解像度と同様のため、説明を省略する。
このとき、高解像度修正対象画像Sは、ステップS90の処理によって、修正対象領域Hの画素値が更新される。
更新終了判定手段435は、次の解像度で最終修正処理を行うか否かを判定する(ステップS92)。
ここで、全解像度で最終修正処理が完了したため(ステップS92でNo)、画素値更新手段434は、修正対象領域Hの画素値が更新された高解像度修正対象画像Sを、背景復元画像として外部(例えば、表示装置)に出力する。その後、画像修正装置1は、処理を終了する。
このように、最終修正手段40は、色解像度が入力画像と同等の修正対象画像S及び素材画像Dを処理対象とすることで、解像度の階層関係に基づいた最終修正処理を施すことができる。
以上のように、本発明の実施形態に係る画像修正装置1は、背景部分の接続情報を示す相互接続ペアを求めるため、この接続情報を手動設定する必要がない。さらに、画像修正装置1は、構造物同士が交差しないといった適用条件が存在しないため、様々な入力画像に適用でき、汎用性を高くすることができる。さらに、画像修正装置1は、画像修正処理を施す際、鷹に隠されていた柵が予め描画されているため、この柵が確率的に残存し易く、不正接続を防止して、高品質な背景復元画像を生成することができる。
さらに、画像修正装置1は、領域分割・領域代表色算出手段11が領域分割処理を行うことから、色空間上での減色効果が与えられた領域代表色画像を生成できる。このため、画像修正装置1は、時空間上での解像度の階層関係に加えて、色空間上での解像度の階層関係に基づいた画像修正処理を施すことで、背景部分がより詳細に復元された背景復元画像を生成することができる。
さらに、画像修正装置1は、修正対象領域入力手段12において、修正対象領域Hとして分割領域を指定できるため、修正対象領域Hの輪郭をマウスでなぞって入力する場合に比べて、その手間を軽減でき、利便性を向上させることができる。
さらに、画像修正装置1は、接続領域リスト生成手段21が対向条件を判定するため、交差条件を満たす可能性のない延長領域を有する接続領域92が接続可能ペアに含まれる事態を防止して、背景部分がより詳細に復元された背景復元画像を生成することができる。
さらに、画像修正装置1は、前景接続描画手段26が接続領域92の延長描画を行うため、修正対象領域Hの内側で途切れる背景部分も描画して、背景部分がより詳細に復元された背景復元画像を生成することができる。
本発明の実施形態に係る画像修正装置1について説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものでない。
以下、本発明の実施形態に係る画像修正装置1について、変形例を具体的に説明する。
(変形例1)
本実施形態では、入力画像を動画像(映像)として説明したが、静止画像であってもよい。
この場合、画像パッチは、時空間方向に大きさを持つ画像パッチではなく、空間方向(xy方向)のみに大きさを持つものとすればよい。
そして、類似パッチ探索手段331は、(3)式の代わりに、以下の(6)式を用いることとする。
Figure 0005836831
このW(x,y)、V(x,y)は、修正対象パッチW、素材パッチVのそれぞれの空間画像特徴量である。例えば、W(x,y)として、パッチ内の全画素の画素値(R,G,B)のベクトルを用いることができる。
(変形例2)
本実施形態では、修正対象領域Hとなる分割領域をユーザにマウスで指定させることとしたが、本発明は、これに限定されない。
つまり、修正対象領域入力手段12は、表示装置に表示された入力画像において、修正対象領域Hとなる分割領域をユーザにマウスで直接入力させてもよい。例えば、修正対象領域入力手段12は、マウスによって選択された任意の2点を対角頂点とする矩形領域を修正対象領域Hとしてもよいし、マウスのボタンをクリックした状態で、マウス表示位置を中心とした、ある大きさを持った領域の移動軌跡を修正対象領域Hとしてもよい。さらに、修正対象領域入力手段12は、入力画像から除去したい領域が修正対象領域Hに含まれていれば、除去したい領域の輪郭を正確に入力しなくともよい。
(その他変形例)
本実施形態では、解像度の階層関係を3レベルとしたが、本発明は、これに限定されない。例えば、解像度の階層関係は、画像パッチのサイズ制限から、通常で3レベル程度であり、最大で9レベル程度となる。さらに、本実施形態では、初期構造分布推定処理を行っているため、解像度の階層関係をあまり多くすることなく、背景部分を詳細に復元できる。以上の点を考慮して、本発明では、解像度の階層関係を任意に設定できる。
本実施形態では、ベジェ曲線を用いて初期構造分布推定画像を描画することとしたが、本発明は、これに限定されない。つまり、前景接続描画手段26は、ベジェ曲線以外の曲線、又は、直線を用いて、初期構造分布推定画像を描画してもよい。
本実施形態では、RGB色空間を用いることとしたが、本発明は、HSV色空間、L*a*b色空間等の色空間を利用することができる。
本実施形態では、図30の入力画像を一例として説明したが、本発明は、図30以外の入力画像に適用できることは言うまでもない。
本実施形態では、修正対象領域Hを1つとして説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、本発明は、修正対象領域Hが複数の場合、修正対象領域Hのそれぞれに対して、本実施形態で説明した処理を施せばよい。
1 画像修正装置
10 修正対象領域処理手段
11 領域分割・領域代表色算出手段(領域代表色画像生成手段)
12 修正対象領域入力手段
20 初期構造分布推定手段
21 接続領域リスト生成手段(接続領域抽出手段)
22 接続可能ペアリスト生成手段(接続可能ペア判定手段)
23 相互接続ペア判定手段
24 色占有率算出手段
25 背景塗りつぶし手段(背景色画像生成手段)
26 前景接続描画手段(背景推定画像生成手段)
30 初期構造分布修正手段(第1画像修正手段)
31 修正対象パッチリスト生成手段
32 素材パッチリスト生成手段
33 修正対象パッチリスト更新手段
331 類似パッチ探索手段
332 関連度算出手段
333 類似パッチ置換手段
334 画素値更新手段
335 更新終了判定手段
40 最終修正手段(第2画像修正手段)
41 修正対象パッチリスト生成手段
42 素材パッチリスト生成手段
43 修正対象パッチリスト更新手段
431 類似パッチ探索手段
432 関連度算出手段
433 類似パッチ置換手段
434 画素値更新手段
435 更新終了判定手段

Claims (6)

  1. 入力画像から修正対象領域を除去すると共に、前記修正対象領域に隠された背景部分を復元する画像修正装置であって、
    前記入力画像を類似色の画素で構成される分割領域に分割し、前記分割領域ごとの平均色である領域代表色を算出し、前記分割領域の各画素を当該分割領域の領域代表色として設定した領域代表色画像を生成する領域代表色画像生成手段と、
    前記領域代表色画像で前記修正対象領域に隣接する修正対象隣接領域において、同一の前記領域代表色の画素が予め設定した数以上連続する接続領域を抽出すると共に、前記接続領域の両端から前記修正対象領域の内側へ当該接続領域の境界方向を示す2つの方向ベクトルの延長線に挟まれる延長領域を算出する接続領域抽出手段と、
    前記接続領域の全組み合わせについて前記領域代表色が類似するか否かを判定し、前記領域代表色が類似する接続領域の組み合わせを接続可能ペアとして出力する接続可能ペア判定手段と、
    前記接続可能ペアそれぞれの延長領域が互いに交差することを示す交差条件を満たすか否かを判定し、前記交差条件を満たす接続可能ペアを相互接続ペアとして出力する相互接続ペア判定手段と、
    前記領域代表色ごとの画素数と、前記修正対象隣接領域の全画素数との比である色占有率を算出する色占有率算出手段と、
    前記色占有率が最高となる領域代表色を背景色として決定し、前記修正対象領域の全画素を前記背景色とした背景色画像を生成する背景色画像生成手段と、
    全ての前記相互接続ペアについて、前記背景色の次に色占有率が高い領域代表色の順に、当該領域代表色を有する相互接続ペアそれぞれの延長領域に沿って、前記背景色画像の画素を当該相互接続ペアの領域代表色とすることで、前記修正対象領域に隠された背景部分を前記領域代表色とした領域代表色背景推定画像を生成する背景推定画像生成手段と、
    前記領域代表色画像の修正対象領域を前記領域代表色背景推定画像で置き換えた合成画像に対し、類似する画像パッチの探索による画像修正処理を施して、前記領域代表色画像の前記背景部分が復元された領域代表色背景復元画像を生成する第1画像修正手段と、
    前記入力画像の修正対象領域を前記領域代表色背景復元画像で置き換えた合成画像に対し、類似する画像パッチの探索による画像修正処理を施して、前記入力画像の前記背景部分が復元された背景復元画像を生成する第2画像修正手段と、
    を備えることを特徴とする画像修正装置。
  2. 前記相互接続ペア判定手段は、前記延長領域の交差により形成される交差領域が前記修正対象領域の内側に予め設定された割合以上含まれることを示す前記交差条件が、予め設定されたことを特徴とする請求項1に記載の画像修正装置。
  3. 前記接続領域抽出手段は、前記2つの方向ベクトルが対向することを示す対向条件が予め設定され、前記接続領域の2つの方向ベクトルが前記対向条件を満たすか否かを判定し、前記対向条件を満たす接続領域を出力しないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像修正装置。
  4. 前記背景推定画像生成手段は、前記相互接続ペア判定手段で交差条件を満たさないと判定された接続可能ペアについて、当該接続可能ペアそれぞれの接続領域から前記修正対象領域の内側に予め設定された範囲までの前記領域代表色背景推定画像の画素を、当該接続領域の領域代表色とすることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の画像修正装置。
  5. 前記修正対象領域として、前記領域代表色画像生成手段が分割した分割領域の1以上が指定され、指定された当該修正対象領域を前記接続領域抽出手段に出力する修正対象領域入力手段、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の画像修正装置。
  6. 入力画像から修正対象領域を除去すると共に、前記修正対象領域に隠された背景部分を復元するために、コンピュータを、
    前記入力画像を類似色の画素で構成される分割領域に分割し、前記分割領域ごとの平均色である領域代表色を算出し、前記分割領域の各画素を当該分割領域の領域代表色として設定した領域代表色画像を生成する領域代表色画像生成手段、
    前記領域代表色画像で前記修正対象領域に隣接する修正対象隣接領域において、同一の前記領域代表色の画素が予め設定した数以上連続する接続領域を抽出すると共に、前記接続領域の両端から前記修正対象領域の内側へ当該接続領域の境界方向を示す2つの方向ベクトルの延長線に挟まれる延長領域を算出する接続領域抽出手段、
    前記接続領域の全組み合わせについて前記領域代表色が類似するか否かを判定し、前記領域代表色が類似する接続領域の組み合わせを接続可能ペアとして出力する接続可能ペア判定手段、
    前記接続可能ペアそれぞれの延長領域が互いに交差することを示す交差条件を満たすか否かを判定し、前記交差条件を満たす接続可能ペアを相互接続ペアとして出力する相互接続ペア判定手段、
    前記領域代表色ごとの画素数と、前記修正対象隣接領域の全画素数との比である色占有率を算出する色占有率算出手段、
    前記色占有率が最高となる領域代表色を背景色として決定し、前記修正対象領域の全画素を前記背景色とした背景色画像を生成する背景色画像生成手段、
    全ての前記相互接続ペアについて、前記背景色の次に色占有率が高い領域代表色の順に、当該領域代表色を有する相互接続ペアそれぞれの延長領域に沿って、前記背景色画像の画素を当該相互接続ペアの領域代表色とすることで、前記修正対象領域に隠された背景部分を前記領域代表色とした領域代表色背景推定画像を生成する背景推定画像生成手段、
    前記領域代表色画像の修正対象領域を前記領域代表色背景推定画像で置き換えた合成画像に対し、類似する画像パッチの探索による画像修正処理を施して、前記領域代表色画像の前記背景部分が復元された領域代表色背景復元画像を生成する第1画像修正手段、
    前記入力画像の修正対象領域を前記領域代表色背景復元画像で置き換えた合成画像に対し、類似する画像パッチの探索による画像修正処理を施して、前記入力画像の前記背景部分が復元された背景復元画像を生成する第2画像修正手段、
    として機能させるための画像修正プログラム。
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