本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る情報表示装置10を含む情報処理システムは、図1に例示するように、情報表示装置10と、サーバ装置20と、端末装置30とを含んで構成される。ここで情報表示装置10と、サーバ装置20とは、インターネット等の通信手段を介して互いに通信可能に接続される。
また情報表示装置10は、図1に例示するように、制御部11と、記憶部12と、出力部13と、第1通信部14と、第2通信部15と、操作部16とを含んで構成される。
ここで制御部11は、CPUなどのプログラム制御デバイスであり、記憶部12に格納されたプログラムに従って動作する。本実施の形態においてこの制御部11は、利用者登録処理、排除利用者設定処理、メッセージ受領処理、メッセージ出力処理の各処理を実行する。この制御部11の詳しい動作については後に述べる。
記憶部12は、メモリデバイス等を含んで構成される。本実施の形態においてこの記憶部12は、制御部11によって実行されるプログラムを保持する。このプログラムは、DVD−ROM等のコンピュータ可読な記録媒体を用いて提供され、この記憶部12に格納されたものであってもよい。またこの記憶部12は、制御部11のワークメモリとしても動作する。出力部13は、例えば液晶表示パネルや、電子ペーパー等であり、制御部11から入力される指示に従ってメッセージ等の情報を出力する。
第1通信部14は、無線LANや携帯電話回線網によるネットワークインタフェース等であり、インターネット等の通信手段を介してサーバ装置20との間で情報を授受する。この第1通信部14は、制御部11から入力される指示に従い、サーバ装置20から種々の情報を取得し、制御部11に出力する。
第2通信部15は、ブルートゥース(登録商標)や、FeliCa(登録商標)、RFID等のいわゆるNFC(Near Field Communication)デバイスであり、この第2通信部15から高々1メートル程度の範囲を通信可能範囲とし、当該通信可能範囲にある端末装置30との間で情報を授受するものである。
操作部16は、タッチパネルやボタン等であり、利用者の指示操作を受け入れて当該指示操作の内容を制御部11に出力する。本実施の形態の一例では、この操作部16は図2に例示するように、出力部13の一例であるディスプレイ(液晶ディスプレイまたは電子ペーパー)の下辺に沿って一列に配された、3つのボタンB1,B2,B3を含む。
サーバ装置20は、一般的なサーバコンピュータであり、本実施の形態では、利用者データベース101とメッセージデータベース102とを保持する(なお、図1ではサーバ装置20は一つだけ示しているが、このサーバ装置20は複数のコンピュータ装置を含むシステムであってもよい)。このサーバ装置20は、情報表示装置10から受信する要求に応答して利用者データベース101やメッセージデータベース102に情報を記録し、またこれらのデータベースに格納されている情報を検索し、検索の結果(検索の対象となる情報があったか否か、または当該検索の対象となった情報そのもの)を情報表示装置10へ配信する。
本実施の形態の一例に係る利用者データベース101は図3(a)に例示するようなものであり、情報表示装置10を特定する情報(P:各情報表示装置10に固有に設定されている識別情報)に関連付けて、複数の利用者情報(U)を記録したものである。また本実施の形態の一例では利用者情報(U)は、利用者を特定する情報としての利用者名と、当該利用者が利用する端末装置30を特定する情報(端末装置30のNFCデバイスに固有の情報や、端末装置30が携帯電話機であれば電話番号等)と、管理者であるか否かを表す管理者フラグと、排除対象利用者であるか否かを表す排除フラグと、宛先情報の提供可否を表す可否情報とを互いに関連付けたものである。
またメッセージデータベース102は、図3(b)に例示するように、情報表示装置10を特定する情報(P)に関連付けて、メッセージ情報(M)を記録したものである。ここでメッセージ情報(M)は、宛先を特定する情報と、メッセージの内容を表す内容情報とを互いに関連付けたものである。またここではメッセージ情報を生成した日時を表す登録日時の情報がさらに関連付けられているものとしている。
また本実施の形態においては、サーバ装置20は、情報表示装置10から利用者データベース101またはメッセージデータベース102へのアクセスを受け入れたときに、当該情報表示装置10を特定する情報に関連付けられた利用者情報(U)が一つもない場合は、利用者が登録されていない旨の情報(未登録情報)を、アクセス元の情報表示装置10に対して報知する。
さらにこのサーバ装置20は、情報表示装置10から端末装置30を特定する情報とともに、利用者情報の要求を受信すると、当該受信した端末装置30を特定する情報をキーとして利用者データベースを検索する。ここで検索の結果、利用者情報が見出されたときには、サーバ装置20は、当該見出した利用者情報を情報表示装置10に対して送信する。またここで検索の結果、利用者情報が見出されなかったときには、その旨を表す情報(新規利用者情報)を、情報表示装置10に対して送信する。
端末装置30は、例えばスマートフォン等の携帯電話機、またはハンディターミナル等であり、図4に例示するように、制御部31と、記憶部32と、操作部33と、表示部34と、第1通信部35と、第2通信部36を含んで構成される。
ここで制御部31は、CPUなどのプログラム制御デバイスであり、記憶部32に格納されたプログラムに従って動作する。本実施の形態においてこの制御部31は、情報表示装置10との間で通信し、利用者の登録処理を実行する。またこの制御部31は、メッセージの登録処理として、情報表示装置10が宛先情報を送信する場合は、当該宛先情報の一覧を表示出力する。そして制御部31は、操作者からの指示操作に応じて、メッセージの情報を生成して、情報表示装置10に送出する。
記憶部32は、メモリデバイス等を含んで構成される。本実施の形態においてこの記憶部32は、制御部31によって実行されるプログラムを保持する。このプログラムは、DVD−ROM等のコンピュータ可読な記録媒体を用いて提供され、この記憶部32に格納されたものであってもよい。またこの記憶部32は、制御部31のワークメモリとしても動作する。
操作部33は、タッチパネルやテンキー等であり、利用者の指示操作を受け入れて、当該受け入れた指示操作の内容を制御部31に出力する。表示部34は、ディスプレイ等であり、制御部31から入力される指示に従って情報を表示する。第1通信部35は、NFCデバイスであり、制御部31から入力される指示に従い、情報表示装置10の第2通信部15との間で情報を授受する。また第2通信部36は、例えば無線LANや携帯電話回線網を介して、インターネット上のサーバ(サーバ装置20が含まれてもよい)との間で情報を授受する。
次に、情報表示装置10の制御部11の動作について述べる。本実施の形態では、この制御部11は利用者登録処理、排除利用者設定処理、メッセージ受領処理、及びメッセージ出力処理の各処理を実行する。具体的な例としてこの制御部11は、機能的には、図5に例示するように端末利用者特定部41と、処理選択部42と、利用者登録処理部43と、宛先提供可否判定部44と、宛先提供部45と、メッセージ受入部46と、メッセージ記録部47と、メッセージ出力部48とを含んで構成される。
端末利用者特定部41は、第2通信部15の通信可能範囲に在圏する端末装置30を特定する情報を取得する。この端末装置30を特定する情報は、端末装置30のNFCデバイスに固有の情報や、端末装置30が携帯電話機であれば電話番号等でよい。端末利用者特定部41は、予め情報表示装置10に固有に定められている情報表示装置10を特定する情報と、この取得した端末装置30を特定する情報(以下、対象端末情報と呼ぶ)とをサーバ装置20に送信し、サーバ装置20の利用者データベース101に、当該対象端末情報を含んだ利用者情報を要求する。
ここでサーバ装置20が、当該情報表示装置10を特定する情報に関連付けられた利用者情報(U)が一つもないとして、利用者が登録されていない旨の未登録情報を報知したときには、端末利用者特定部41は、当該未登録情報を利用者登録部43に出力する。また端末利用者特定部41は、サーバ装置20が要求に応答して、送信した情報を含む利用者情報を検索により見出し、当該利用者情報に係る情報(利用者情報そのもの、またはその利用者名、管理者フラグ、排除フラグ、及び可否情報を含む利用者情報の一部でもよい)を送信すると、当該情報(以下、認証情報と呼ぶ)を受信し、処理選択部42に出力する。
さらに端末利用者特定部41は、サーバ装置20が送信した情報を含む利用者情報が検索により見出されなかった旨を表す外部利用者情報を送信すると、当該外部利用者情報を受信して、メッセージ作成者として当該外部利用者情報と、メッセージを作成するべき旨の指示とをメッセージ受入部46に出力する。
処理選択部42は、端末利用者特定部41がサーバ装置20から受信した認証情報を受け入れて、処理選択の処理を開始する。具体的にこの処理選択部42は、上記受け入れた認証情報を参照して排除フラグがオンであるときには、「メッセージを受け入れられない」旨の情報を出力部13に表示して、その後端末利用者特定部41が受信した対象端末情報で特定される端末装置30から受信する指示を無視する。
またこの処理選択部42は、上記受け入れた認証情報の排除フラグがオフであれば、対象端末情報をメッセージ出力部48に出力する。処理選択部42はさらに、この排除フラグがオフである認証情報を参照して、管理者フラグがオンとなっていれば、利用者の登録処理と、宛先一覧の表示処理と、メッセージの受入処理とのうち、どの処理を行うかを促す画面を出力部13に表示する。ここで利用者の登録処理を行うべき指示を受け入れると、処理選択部42は、利用者登録処理部43に対して登録処理を開始するよう指示する。
また、メッセージの受入処理を行うべき指示を受けたときには、処理選択部42は、メッセージ受入部46に対して、端末利用者特定部41がサーバ装置20から受信した認証情報を、メッセージ作成者を表す情報として出力するとともに、メッセージを作成するべき旨の指示を出力する。
また処理選択部42は、宛先一覧の表示処理を行うべき指示を受けると、端末利用者特定部41がサーバ装置20から受信した認証情報を宛先提供可否判定部44に出力するとともに、宛先の一覧を提示するべき旨の指示を宛先提供部45に出力する。
さらに処理選択部42は、上記受け入れた認証情報を参照して、管理者フラグがオフであれば、端末利用者特定部41がサーバ装置20から受信した認証情報を、メッセージ作成者を特定する情報として出力するとともに、メッセージを作成するべき旨の指示を、メッセージ受入部46に対して出力する。
利用者登録処理部43は、サーバ装置20から受信された、利用者が登録されていない旨を表す未登録情報が入力されると、出力部13に利用者を登録するよう促す文字列や画像の表示を行う。そして端末装置30に対してその入力を促すよう指示する。具体的には、この利用者登録処理部42は、端末装置30に対して最初の利用者として、利用者名の入力を促すよう指示する。端末装置30が、この指示に応じてその操作者から利用者名の入力を受け入れて、当該受け入れた利用者名を送信すると、利用者登録処理部42は、当該送信した利用者名を受け入れる。そして利用者登録処理部43は、サーバ装置20に対して、情報表示装置10を特定する情報と、端末利用者特定部41が端末装置30から受信した対象端末情報と、端末装置30から受け入れた利用者名とを送信し、利用者データベース101に記録するよう指示する。サーバ装置20では、この指示を受けて、当該受信した情報を互いに関連付けた利用者情報を生成して、利用者データベース101に記録する。
本実施の形態では、この最初に登録された利用者が管理者となることとし、サーバ装置20は、ここで生成した利用者情報にでは管理者フラグをオン、排除フラグをオフ、宛先情報の提供可否を「可」として記録する。
また利用者登録処理部43は、処理選択部42から登録処理の開始指示を受けると、端末装置30(管理者の端末装置30、つまり対象端末情報で特定される端末装置30)を再度第2通信部15の通信可能圏内に近づけるべき旨の表示を出力部13に行う(図6(a))。これに対して端末装置30の操作者が再度、その端末装置30を第2通信部15の通信可能圏内に近づけ、端末装置30を特定する情報が送信されると、利用者登録処理部43は、当該送信された端末装置30を特定する情報を受け入れる。そして利用者登録処理部43は当該受け入れた端末装置30を特定する情報と、対象端末情報とを比較する。ここで当該比較の結果、両者が互いに異なっていれば、利用者登録処理部43は処理を中断する。
また比較の結果、利用者登録処理部43が受け入れた端末装置30を特定する情報と、対象端末情報とが一致したときには、利用者登録処理部43は、登録の対象となる端末装置30を第2通信部15の通信可能圏内に近づけるべき旨の表示を出力部13に行う(図6(b))。このとき、併せて動作をキャンセルする指示を入力可能としてもよい(図6(b)ではボタンB1が押下されたときキャンセルすることとなる)。利用者登録処理部43はキャンセルの指示が入力されると、処理を中断する。
一方、登録の対象となる新規の利用者がその端末装置30を第2通信部15の通信可能圏内に近づけ、端末装置30を特定する情報が送信されると、利用者登録処理部43は、当該送信された端末装置30を特定する情報を受け入れる。利用者登録処理部43は、当該第2通信部15の通信可能圏内に在圏する端末装置30(新規の登録希望利用者の端末装置30)に対して利用者名の入力を促すよう指示する。端末装置30が当該指示に応答して利用者名の入力を操作者に対して促し、操作者が入力した利用者名を送信すると、利用者登録処理部43は当該利用者名の情報を受け入れて、情報表示装置10を特定する情報と、登録の対象となる利用者の端末装置30を特定する情報と、当該端末装置30から受け入れた利用者名とを送信し、利用者データベース101に記録するよう指示する。サーバ装置20では、この指示を受けて、当該受信した情報を互いに関連付けた利用者情報を生成して、利用者データベース101に記録する。サーバ装置20は、ここでは生成した利用者情報にでは管理者フラグをオフ、排除フラグをオフ、宛先情報の提供可否を「不可」として記録する。
またこの利用者登録処理部43は、後に説明する宛先提供部45から、利用者情報とともに修正すべき旨の情報を受け入れると、当該利用者情報を端末装置30に送信して修正を受け入れる。端末装置30では、この利用者情報を受信して、当該情報に含まれる利用者名と、管理者フラグと、排除フラグと、可否情報とを表示する(端末装置30を特定する情報については表示をしてもよいが修正を受け入れないこととする)。そして端末装置30では、これらに対する修正(例えば排除フラグをオンとするなど)を操作者から受け入れる。端末装置30が当該修正後の利用者情報を情報表示装置10に対して送信すると、情報表示装置10の利用者登録処理部43は、当該修正された利用者情報を情報表示装置10を特定する情報とともにサーバ装置10に送信し、利用者情報の修正を要求する。サーバ装置20では、この要求を受けて、当該送信された情報表示装置10を特定する情報に関連付けて利用者データベース101に記録されている利用者情報のうち、当該送信された端末装置30を特定する情報と同じ端末装置30を特定する情報を含む利用者情報を、送信された利用者情報で置き換える。
宛先提供可否判定部44は、認証情報の入力を受けて、当該認証情報に含まれる宛先情報の提供可否を参照し、「可」とされていれば、宛先提供部45に対して提供を許諾する旨を出力する。これにより、当該特定された利用者に係る利用者情報が、利用者データベース101において宛先情報の提供が可として設定されているか否かにより、利用者データベース101に保持された利用者情報を端末装置30に対して提示するか否かが制御される。
宛先提供部45は、処理選択部42から宛先の一覧を提示するべき旨の指示を受けると、宛先提供可否判定部44から提供を許諾する旨が出力されたか否かを調べる。ここで宛先提供可否判定部44から提供を許諾する旨が出力されなければ、宛先提供部45は処理を終了する。また、宛先提供可否判定部44から提供を許諾する旨が出力されていれば、宛先提供部45は、サーバ装置20に対して情報表示装置10を特定する情報とともに、宛先となる利用者情報の一覧を要求する。
この要求に応じてサーバ装置20が、当該要求とともに送信された情報表示装置10を特定する情報に関連付けて、利用者データベース101に格納されている利用者情報を送信する。すると宛先提供部45は、当該利用者情報を受信して当該受信した利用者情報のそれぞれに含まれる利用者名の一覧を、出力部13に表示する。
またここでサーバ装置20は利用者データベース101に格納されている利用者情報だけでなく、要求元の情報表示装置10を特定する情報に関連付けてメッセージデータベース102に格納されているメッセージの作成者を表す情報(後に述べるように利用者名であるものとする)を取得し、利用者データベース101に格納されている利用者情報に含まれる情報と、このメッセージ作成者を表す情報とを重複を除いて、情報表示装置10に対して送信してもよい。この場合は、宛先提供部45は、当該利用者情報とメッセージの作成者を表す情報とを受信して当該受信した情報のそれぞれに含まれる利用者名の一覧を、出力部13に表示する。
なお、宛先提供部45は、宛先となる利用者名の一覧を出力部13に出力している間、対象端末情報で特定される端末装置30が、第2通信部15の通信可能範囲に在圏しているか否かを所定のタイミングごとに繰り返し調べる。そして端末装置30が、第2通信部15の通信可能範囲に在圏していないと判断される場合は、その時点から予め定めた時間だけ待機してから利用者名の一覧の表示処理を終了してもよい。
このとき、当該予め定めた時間は、認証情報に含まれる管理者フラグがオンであるか否かによって異ならせてもよい。たとえば管理者フラグがオンである場合の時間は、管理者フラグがオフである場合の時間よりも長めとしてもよい。また、管理者フラグがオフである場合の時間を「0」(通信可能範囲から離脱した場合に直ちに表示を中止する)としてもよい。また、このとき、上記予め定めた時間だけ待機した後、宛先提供部45は、対象端末情報で特定される端末装置30が、第2通信部15の通信可能範囲に在圏しているか否かを再度調べ、対象端末情報で特定される端末装置30が、第2通信部15の通信可能範囲に在圏していないときに、利用者名の一覧の表示処理を終了することとしてもよい。
ここで利用者が、当該一覧から利用者を選択する操作を行うと、宛先提供部45は、当該利用者に対してメッセージを送信するか、当該利用者の利用者情報を修正するかを問い合せる表示を行い、利用者に選択を促す。ここで利用者がメッセージを送信する旨の指示を行うと、認証情報を、メッセージ作成者を表す情報として出力するとともに、宛先提供部45は選択された利用者の利用者情報を宛先としてメッセージを作成するべき旨の指示を、メッセージ受入部46に出力する。
また宛先提供部45は、利用者情報を修正する旨の指示を利用者から受け入れると、当該選択された利用者の利用者情報を修正するべき旨の情報を、利用者登録処理部43に出力する。
メッセージ受入部46は、メッセージを作成するべき旨の指示を受けると、端末装置30に対してメッセージの入力を促すよう指示する。そして端末装置30の操作者が端末装置30の促すところに従って、端末装置30を操作してメッセージを入力する。このように本実施の形態では操作者は、使い慣れた自己所有の端末装置30を用いてメッセージの入力操作を行うことができる。メッセージ受入部46が、端末装置30がその操作者から入力を受けたメッセージを送信すると、当該送信されたメッセージを第2通信部15を介して受け入れる。そして当該受け入れたメッセージをメッセージ記録部47に出力する。またこのときメッセージ受入部46は、メッセージ作成者を表す情報として、メッセージを作成するべき旨の指示とともに受け入れた情報(利用者名や外部利用者情報)を、受け入れたメッセージとともにメッセージ記録部47に出力する。さらにメッセージ受入部46は、メッセージを作成するべき旨の指示とともに宛先となる利用者情報を受け入れている場合は、当該宛先となる利用者情報も、受け入れたメッセージとともにメッセージ記録部47に出力する。
なお、メッセージ受入部46は、メッセージの作成者を表す情報として外部利用者情報が入力された場合は、メッセージとともに利用者名を入力するべき旨、操作者に促すよう端末装置30に対して指示してもよい。この場合、メッセージ受入部46は、メッセージとともに入力された利用者名を受け入れて、当該受け入れた利用者名をメッセージの作成者を表す情報としてメッセージ記録部47に出力することとする。
メッセージ記録部47は、メッセージ受入部46から受け入れたメッセージとともに、宛先となる利用者情報が入力された場合は、当該利用者情報と、メッセージ作成者を表す情報と、受信したメッセージとを、情報表示装置10を特定する情報とともにサーバ装置20に送信し、これらを関連付けてメッセージデータベース102に記録させる。
またこのメッセージ記録部47は、メッセージ受入部46から受け入れたメッセージとともに、宛先となる利用者情報が入力されていなければ(つまり宛先が明示的に指定されていなければ)、当該情報表示装置10に関連付けて利用者データベース101に記録されている利用者情報のうちから予め選択された利用者情報を宛先として、当該利用者情報(このうち端末装置30を特定する情報だけでもよい)と、メッセージ作成者を表す情報と、受信したメッセージとを、情報表示装置10を特定する情報とともにサーバ装置20に送信し、これらを関連付けてメッセージデータベース102に記録させる。
ここで宛先が明示的に指定されない場合に、利用者データベース101に記録されている利用者情報のうちから選択される利用者情報は例えば、当該情報表示装置10を特定する情報に関連付けて、利用者データベース101に最初に登録された利用者情報であってもよい。また、当該情報表示装置10を特定する情報に関連付けて、利用者データベース101に登録された利用者情報のうち、管理者フラグがオンとなっている利用者情報(複数ある場合は複数の利用者情報を宛先とする)であってもよい。さらに当該情報表示装置10を特定する情報に関連付けて、利用者データベース101に登録された利用者情報のうち、宛先情報の提供可否が「可」となっている利用者情報(複数ある場合は複数の利用者情報を宛先とする)であってもよい。
メッセージ出力部48は、サーバ装置20に対して、情報表示装置10を特定する情報とともに、入力された対象端末情報が宛先として関連付けられているメッセージが、メッセージデータベース102に記録されているか否かを問い合わせる。サーバ装置20は、この問い合わせに応答して入力された対象端末情報が宛先として関連付けられているメッセージをメッセージデータベース102から検索し、検索の結果、メッセージが見出された場合は、当該メッセージと、それに関連付けてメッセージデータベース102に記録されている、メッセージの作成者を表す情報(認証情報に含まれる利用者名でよい)を情報表示装置10へ送信する。また検索の結果、メッセージが見出されなければ、サーバ装置20は、メッセージがない旨の情報を情報表示装置10へ送信する。
メッセージ出力部48は、サーバ装置20からメッセージがない旨の情報を受信すると、出力部13に例えば「新規メッセージはありません」のような情報を表示する。またこのメッセージ出力部48は、検索の結果として見出されたメッセージが送信された場合には、出力部13に当該メッセージを表示する。この際、メッセージ出力部48は、当該メッセージの内容だけでなく、当該メッセージの作成者を表す情報を併せて表示してもよい(図6(c))。
なお、このメッセージ出力部48としての動作においても、制御部11は対象端末情報で特定される端末装置30が、第2通信部15の通信可能範囲に在圏しているか否かを所定のタイミングごとに繰り返し調べることとする。そして当該端末装置30が、第2通信部15の通信可能範囲に在圏していないと判断される場合は、その時点から予め定めた時間だけ待機してからメッセージの出力処理を終了してもよい。
このとき、当該予め定めた時間は、認証情報に含まれる管理者フラグがオンであるか否か、または当該端末装置30を特定する情報が、この情報表示装置10を特定する情報に関連付けて利用者データベース101に記録されているか否かによって異ならせてもよい。たとえば管理者フラグがオンである場合の時間は、管理者フラグがオフである場合の時間よりも長めとしてもよい。また、管理者フラグがオフである場合の時間を「0」(通信可能範囲から離脱した場合に直ちに表示を中止する)としてもよい。また、このとき、上記予め定めた時間だけ待機した後、制御部11は、対象端末情報で特定される端末装置30が、第2通信部15の通信可能範囲に在圏しているか否かを再度調べ、対象端末情報で特定される端末装置30が、第2通信部15の通信可能範囲に在圏していないときに、メッセージの出力処理を終了することとしてもよい。
さらに制御部11は、各部の処理がいずれも終了した場合には、記憶部12に記録した宛先の情報やメッセージの情報等を削除する。
またここで端末装置30の制御部31の動作例について述べる。この制御部31は、情報表示装置10から、利用者名の入力を促すよう指示を受けると、当該指示に応じて利用者名の入力を促す表示を行う。そして制御部31は、操作者から利用者名の入力を受け入れると、当該受け入れた利用者名を指示元である情報表示装置10へと送信する。
またこの制御部31は、利用者情報を情報表示装置10から受信して、その修正を促すよう指示を受けると、当該指示に従い、当該受信した利用者情報に含まれる利用者名と、管理者フラグと、排除フラグと、可否情報とを表示する。なお、端末装置30を特定する情報についても表示してもよい。そして制御部31は、利用者名と、管理者フラグと、排除フラグと、可否情報との少なくとも一つについての修正を操作者から受け入れて、当該修正後の利用者情報を情報表示装置10に対して送信する。
さらに制御部31は、情報表示装置10からメッセージの入力を促すよう指示を受けると、当該指示に従い、メッセージの入力欄を表示して、メッセージの入力を受け入れる。ここで操作者が、メッセージを入力すると、制御部31は、当該操作者から入力を受けたメッセージを情報表示装置10へ送信する。またこのとき制御部31は、情報表示装置10からメッセージの入力とともに、利用者名の入力を促すよう指示を受けると、当該指示に従い、メッセージの入力欄と利用者名の入力欄とを表示して、メッセージと利用者名との入力を受け入れる。ここで操作者が、メッセージと利用者名とを入力すると、制御部31は、当該操作者から入力を受けたメッセージと利用者名とを情報表示装置10へ送信する。ここで制御部31は、利用者名が入力されるまではメッセージが入力されても情報表示装置10へのメッセージの送信を行わないよう制御してもよい。つまり、利用者名なしのままでメッセージが送られないよう制御してもよい。また、この制御部31は操作者から利用者名の入力を受け入れる代わりに、予め端末装置30に設定されている利用者名の情報を、操作者が入力したメッセージとともに情報表示装置10に送信することとしてもよい。
本実施の形態は、以上の構成を備えてなり、次のように動作する。具体的に以下の例では、家庭の玄関先に情報表示装置10を置いておく例について述べる。このとき当該情報表示装置10を用いて、予め当該家庭に属する利用者(以下、A,B,Cとする)を利用者データベース101に登録しておく。またここでは利用者A,Bについては管理者フラグがオンであるとし、利用者Cについては管理者フラグがオフであるとする。また、利用者A,B,Cのいずれも、排除フラグはオフであり、また宛先情報の提供可否が「可」として設定されているものとする。
ここで例えば利用者Aが端末装置30Aを情報表示装置10に近接させると、情報表示装置10の第2通信部15の通信可能範囲に利用者Aの端末装置30Aが在圏することとなる。そこで情報表示装置10はこの端末装置30Aを特定する情報を取得し、当該情報とこの情報表示装置10を特定する情報とに関連付けられた利用者情報をサーバ装置20に対して要求する。
サーバ装置20では、利用者Aに係る利用者情報を情報表示装置10に送信し、情報表示装置10では、利用者Aの利用者情報を受信する。ここで利用者Aについては、管理者フラグがオンであり、排除フラグがオフであるので、情報表示装置10は、サーバ装置20に対して利用者Aを宛先とするメッセージを要求する。
ここではこの段階でサーバ装置20において利用者Aを宛先とするメッセージが、メッセージデータベース102に記録されていないものとする。そこで情報表示装置10は、サーバ装置20からメッセージがない旨の情報を受信し、「新規メッセージはありません」といった情報を表示出力する。
また情報表示装置10は、利用者の登録処理と、宛先一覧の表示処理と、メッセージの受入処理とのうち、どの処理を行うかを促す画面を表示する。ここで利用者Aが宛先の一覧を提示するべき旨の指示を行うと、利用者Aについては宛先情報の提供可否が「可」であるので、サーバ装置20に対して情報表示装置10を特定する情報とともに、宛先となる利用者情報の一覧を要求する。
サーバ装置20は、当該要求とともに送信された情報表示装置10を特定する情報に関連付けて、利用者データベース101に格納されている利用者情報を読み出すとともに、要求元の情報表示装置10を特定する情報に関連付けてメッセージデータベース102に格納されているメッセージの作成者を表す情報(後に述べるように利用者名であるものとする)を取得し、利用者データベース101に格納されている利用者情報に含まれる情報と、このメッセージ作成者を表す情報とを重複を除いて送出する。
情報表示装置10では、こうしてサーバ装置20から利用者情報と、メッセージの作成者を表す情報とを受信して当該受信した情報のそれぞれに含まれる利用者名の一覧を表示する。利用者Aが、例えば当該一覧から利用者Cを選択する操作を行うと、情報表示装置10は、利用者Cに対してメッセージを送信するか、利用者Cの利用者情報を修正するかを問い合せる表示を行って利用者Aに選択を促す。
ここで利用者Aがメッセージを送信する旨の指示を行うと、利用者Aの利用者名の情報をメッセージ作成者を表す情報として出力するとともに、選択された利用者Cの利用者情報を宛先としてメッセージを作成する。具体的にここでは、情報表示装置10は、利用者Aの端末装置30Aに対してメッセージの入力を促すよう指示する。端末装置30Aの操作者である利用者Aは、この端末装置30Aの促すところに従って、端末装置30Aを操作してメッセージを入力する。そして端末装置30Aがその操作者である利用者Aから入力を受けたメッセージを送信すると、当該送信されたメッセージを情報表示装置10が第2通信部15を介して受け入れる。
ここでの例では、宛先となる利用者Cの利用者情報が入力されているので、情報表示装置10は、当該利用者Cの利用者情報を宛先とし、メッセージ作成者を表す情報である利用者Aの利用者名と、入力されたメッセージとを、情報表示装置10を特定する情報とともにサーバ装置20に送信する。
サーバ装置20では、当該受信した情報に基づいて、宛先を利用者C、メッセージの作成者を表す情報を利用者Aの利用者名として、これらをメッセージに関連付けてメッセージデータベース102に記録する。
この後、利用者Cがその所有する端末装置30Cを情報表示装置10に近接させると、情報表示装置10の第2通信部15の通信可能範囲に利用者Cの端末装置30Cが在圏することとなって、情報表示装置10はこの端末装置30Cを特定する情報を取得し、当該情報と情報表示装置10を特定する情報とに関連付けられた利用者情報をサーバ装置20に対して要求する。
サーバ装置20では、利用者Cに係る利用者情報を情報表示装置10に送信し、情報表示装置10では、利用者Cの利用者情報を受信する。ここで利用者Cについては、排除フラグがオフであるので、情報表示装置10は、サーバ装置20に対して利用者Cを宛先とするメッセージを要求する。
ここではサーバ装置20のメッセージデータベース102に、利用者Cを宛先とした、利用者Aからのメッセージが記録されているので、サーバ装置20は、当該メッセージと、当該メッセージの作成者を表す情報である、利用者Aの利用者名とを送出する。
情報表示装置10は、この情報を受信して、サーバ装置20が送出したメッセージと、当該メッセージの作成者を表す利用者Aの利用者名とを併せて表示する。こうして利用者Cが利用者Aからのメッセージを受け取ることができるようになる。
また本実施の形態の動作の別の例として、例えば宅配便の配達者Dが端末装置30Dを情報表示装置10に近接させる場合を説明する。これは具体的に、宅配便を届けに来た配達者Dが、この情報表示装置10を玄関先に配した家庭が留守であるなどして配達ができなかった場合に、その旨のメッセージを残したい場合などが考えられる。
この例では、利用者(配達者)Dがその所有する端末装置30Dを情報表示装置10に近接させると、情報表示装置10の第2通信部15の通信可能範囲に利用者Dの端末装置30Dが在圏することとなる。そこで情報表示装置10はこの端末装置30Dを特定する情報を取得し、当該情報と、情報表示装置10を特定する情報とに関連付けられた利用者情報をサーバ装置20に対して要求する。
サーバ装置20では、この要求元である情報表示装置10を特定する情報に関連付けられた利用者情報のうちに、利用者Dの端末装置30Dを特定する情報を含むものがないので、この利用者Dが外部利用者であるとして、操作者に対し、メッセージとともに利用者名を入力するよう促すべく端末装置30Dに対して指示する。
端末装置30Dは、情報表示装置10からメッセージの入力とともに、利用者名の入力を促すよう指示を受けて、当該指示に従い、メッセージの入力欄と利用者名の入力欄とを表示して、操作者である利用者Dからメッセージと利用者名との入力を受け入れ、当該受け入れたメッセージと利用者名とを情報表示装置10へ送出する。
情報表示装置10は、メッセージとともに入力された利用者名を受け入れるが、ここでは宛先となる利用者情報が入力されていない(つまり宛先が明示的に指定されていない)ので、当該情報表示装置10を特定する情報に関連付けて利用者データベース101に記録されている利用者情報のうちから予め選択された利用者情報を宛先として、メッセージ作成者を表す情報(端末装置30Dから受け入れた利用者名)と、受信したメッセージとを、情報表示装置10を特定する情報とともにサーバ装置20に送信する。なお、ここでは宛先となる利用者は、利用者情報のうち、管理者フラグがオンとなっている利用者情報(複数ある場合は複数の利用者情報を宛先とする)に係る利用者A,Bであるものとする。
サーバ装置20では、当該受信した情報に基づいて、宛先を利用者A,B、メッセージの作成者を表す情報を利用者Dが入力した利用者名として、これらをメッセージに関連付けてメッセージデータベース102に記録する。
これにより、その後、利用者Aまたは利用者Bがそれぞれが所持する端末装置30Aまたは30Bを情報表示装置10に近接されたとき、当該利用者A,B宛のメッセージとして利用者Dが入力したメッセージが表示されることとなる。
このように本実施の形態では、外部利用者がメッセージを残す場合に、宛先となる利用者の一覧が提供されることがなく、一方で予め登録された利用者であって、宛先一覧の提供が許諾された利用者に対しては宛先の一覧が提供されることとなる。
さらに、本実施の形態では、仮に悪意ある利用者Eがメッセージを残した場合に、利用者A,Bなど管理者としての利用者は、この利用者Eを利用者データベース101に登録するとともに、その排除フラグをオンに設定することができる。このようにした場合、その後利用者Eがその端末装置30Eを情報表示装置10に近接させたとしても、メッセージ等が受け付けられない旨が表示されて悪用されるなどの虞がない。また仮にこの情報表示装置10が盗難されたとしても、この情報表示装置10自体には宛先情報は記録されていないので、個人情報の漏洩機会が低減される。
さらに本実施の形態のここまでの説明においてメッセージは、文字列の情報に限られるものではない。すなわち、メッセージはビットマップ画像であってもよいし、写真やバイナリファイル、音声データ等であっても構わない。
また本実施の形態のここまでの説明では、情報表示装置10と端末装置30との間はNFCによる通信によるものとしていたが、これに限られるものではなく、例えば無線LAN等によって通信するものであってもよい。さらに情報表示装置10とサーバ装置20との間の通信は、端末装置30を介して行われてもよい。この場合、情報表示装置10がサーバ装置20へ送信するべき要求やデータは、端末装置30に送出され、端末装置30が当該要求やデータをサーバ装置20に対して、無線LANや、携帯電話通信網を介して送出する。また、端末装置30はこの場合、無線LANや、携帯電話通信網を介してサーバ装置20から情報表示装置10宛のデータ等を受信し、当該データを情報表示装置10へ送出する。この場合、情報表示装置10とサーバ装置20との間の通信は、端末装置30において傍受できないようにするため、所定の方法で暗号化されていてもよい。
さらに本実施の形態のサーバ装置20では、利用者データベース101に含まれる各利用者情報に、利用者ごとのメールアドレスなどの連絡先情報を関連付けて保持可能となっていてもよい。この場合、サーバ装置20は、メッセージを受信したときに、その宛先となった利用者情報に連絡先情報が含まれていれば、当該連絡先情報に対してメッセージがある旨(あるいはメッセージそのもの)を送信してもよい。
さらに本実施の形態のここまでの説明では、メッセージは端末装置30にて入力され、情報表示装置10に送出されて、情報表示装置10からサーバ装置20へ送信されるものとしていたが、本実施の形態はこれに限られない。
すなわち端末装置30は、情報表示装置10からメッセージの入力を促すよう指示を受けるときに、併せて情報表示装置10を特定する情報と、宛先となる利用者情報(あれば)と、メッセージの作成者を表す情報とを受け入れておく。そして当該指示に従い、メッセージの入力欄を表示して、メッセージの入力を受け入れる。また端末装置30は、メッセージの作成者を表す情報が外部利用者情報であれば、利用者名の入力欄を表示して利用者名の入力を受け入れることとする。
ここで操作者が、メッセージ(利用者名の入力欄がある場合はメッセージと利用者名、以下メッセージ等と表記する)を入力すると端末装置30は、当該情報表示装置10を特定する情報と、宛先となる利用者情報と、入力されたメッセージ等をサーバ装置20へ送出する。サーバ装置20では、当該受信した情報に基づいて、情報表示装置10を特定する情報と、宛先となる利用者情報と、メッセージの作成者を表す情報と、メッセージとを関連付けてメッセージデータベース102に記録する。なお端末装置30は、宛先となる利用者情報が入力されなかった場合は、当該情報表示装置10を特定する情報に関連付けて利用者データベース101に記録されている利用者情報のうちから予め選択された利用者情報を宛先とするよう、サーバ装置20に指示してもよい。
この場合、サーバ装置20では、当該情報表示装置10を特定する情報に関連付けて利用者データベース101に記録されている利用者情報のうちから予め選択された利用者情報を宛先として、情報表示装置10を特定する情報と、当該宛先となる利用者情報と、メッセージの作成者を表す情報と、メッセージとを関連付けてメッセージデータベース102に記録する。ここでも予め選択された利用者情報については既に述べた例と同様のものであるとする。
さらにこの例において、メッセージの作成者を表す情報は必ずしも情報表示装置10から受け入れる必要はない。すなわちこの例においては、端末装置30の操作者に必ず利用者名を入力させることとすればよい。このようにすれば、端末装置30と情報表示装置10とは必ずしも双方向に通信を行わなくてもよい。すなわち情報表示装置10は、当該情報表示装置10を特定する情報を表す符号画像(バーコードやQRコード(登録商標)等)を表示し、端末装置30が当該表示された符号画像をカメラ等で撮像して取得し、当該符号画像をデコードして情報表示装置10を特定する情報を取得することとすればよい。このとき端末装置30は、メッセージの入力欄と利用者名の入力欄とを表示して操作者からそれぞれの情報の入力を受け入れることとする。
ここで操作者が、メッセージと利用者名とを入力すると、端末装置30は、符号画像を復号して得た情報表示装置10を特定する情報と、入力されたメッセージと、利用者名とをサーバ装置20へ送出する。またこのとき端末装置30はサーバ装置20に対して、当該情報表示装置10を特定する情報に関連付けて利用者データベース101に記録されている利用者情報のうちから予め選択された利用者情報を宛先とさせる。
サーバ装置20では、当該受信した情報に基づいて、情報表示装置10を特定する情報と、宛先となる利用者情報と、メッセージの作成者を表す情報と、メッセージとを関連付けてメッセージデータベース102に記録する。
さらに本実施の形態では、サーバ装置20が端末装置30ごとに最終のアクセス時刻を記録しておき、メッセージについては当該アクセス時刻より前に記録されたか、後に記録されたかによってメッセージの未読・既読を管理してもよい。なお、メッセージの未読・既読の管理方法についてはこれに限らず、メッセージごとに、メッセージを送信したときに受信していた利用者情報に含まれる情報で特定される端末装置30を関連付けて追記することで、メッセージを読み取った利用者を特定することにより行うなど、種々の方法が採用できる。
また本発明の実施の形態は、ここまでに述べた例に限られない。本発明の実施の形態に係る情報処理システムは、例えば図7に例示するように、情報提供装置50と、サーバ装置20′と、端末装置30′とを含むものであってもよい。ここで情報提供装置50は、制御部51と、記憶部52と、通信部53とを含んで構成され、端末装置30′との間で通信を行う。またこの端末装置30′は、サーバ装置20′との間で情報を授受する。
この制御部51は、CPUなどのプログラム制御デバイスであり、記憶部52に格納されたプログラムに従って動作する。本実施の形態のこの例においてこの制御部51は、情報提供装置50を特定する情報(P)を発信する処理を実行する。
記憶部52は制御部51によって実行されるプログラムを保持する。このプログラムは、DVD−ROM等のコンピュータ可読な記録媒体に格納されて提供され、この記憶部52にインストールされたものであってもよい。またこの記憶部52は制御部51のワークメモリとしても動作する。本実施の形態の一例では、この記憶部52には、情報提供装置50を特定する情報(P)が保持される。
通信部53は、ブルートゥース(登録商標)や、FeliCa(登録商標)、RFID等のいわゆるNFC(Near Field Communication)デバイスであり、この通信部53から高々1メートル程度の範囲を通信可能範囲とし、当該通信可能範囲にある端末装置30′との間で情報を授受するものである。
本実施の形態のこの例においては、サーバ装置20′は、一般的なサーバコンピュータである。この例でのサーバ装置20は複数のコンピュータ装置を含むシステムであってもよい。このサーバ装置20′は、端末装置30′との間でインターネットや携帯電話通信網等の広域通信手段を介して情報の送受を行う。またこのサーバ装置20′は、図8に例示するような利用者データベース103を保持する。
本実施の形態の一例に係る利用者データベース103は図8に例示するようなものであり、情報提供装置50を特定する情報(P:各情報提供装置50に固有に設定されている識別情報)に関連付けて、少なくとも一つの利用者情報(U)を記録したものである。また本実施の形態の一例では利用者情報(U)は、利用者を特定する情報としての利用者名と、当該利用者が利用する端末装置30′へのメッセージの送信先を表す宛先情報(端末装置30′のメールアドレスや、端末装置30′が携帯電話機であれば電話番号等でもよい)とを関連付けたものである。さらに本実施の形態のある例では、利用者データベース103には、管理者となる利用者の利用者名と、当該利用者を認証するためのパスワードとが、情報提供装置50を特定する情報(P)ごとに設定されていてもよい。
またこのサーバ装置20′は、端末装置30′から情報提供装置50を特定する情報(P)と、メッセージの本文情報と、当該情報の送信元である端末装置30′へのメッセージの送信先を表す宛先情報(以下、当初発信元宛先情報と呼ぶ)とを受信すると、サーバ装置20′は、固有のメッセージ識別子(D)を発行し、当該メッセージ識別子と、受信した情報(P)と、メッセージの本文情報(M)と、当初発信元宛先情報(I)とを互いに関連付けたメッセージレコードを生成し、メッセージデータベースとして蓄積して保持する。
またサーバ装置20′は、当該受信した情報(P)に関連付けられた利用者情報(U)を利用者データベース103から検索する。ここで、受信した情報(P)に関連付けられた利用者情報(U)が見出されると、サーバ装置20′は、当該利用者情報(U)に含まれる少なくとも一つの宛先情報(A)を読み出す。そしてサーバ装置20′は、当該読み出した宛先情報(A)で表される各宛先宛に、蓄積したメッセージの本文情報(M)と、それに関連付けられたメッセージ識別子(D)と、当初発信元宛先情報(I)とを送信する。
さらにこのサーバ装置20′は、メッセージ識別子(D)と、メッセージの本文情報(M)と、少なくとも一つの宛先情報(A:当初発信元宛先情報として蓄積されたものを含んでもよい)と、当該情報の送信元である端末装置30′へのメッセージの送信先を表す宛先情報(F:以下、単に発信元宛先情報と呼ぶ)とを端末装置30′から受信すると、このメッセージ識別子(D)と、メッセージの本文情報(M)とを関連付けてメッセージレコードを生成し、メッセージデータベースに蓄積して保持する。またこのときサーバ装置20′は、当該宛先情報(A)の表す宛先宛に、当該当該宛先情報(A)と、受信したメッセージの本文情報(M)と、それに関連付けられたメッセージ識別子(D)と、発信元宛先情報(F)とを送信する。なお、このとき当初発信元宛先情報(I)が表す宛先宛には、宛先情報(A)や発信元宛先情報(F)を含めずに、受信したメッセージの本文情報(M)と、それに関連付けられたメッセージ識別子(D)とのみを送信することとしてもよい。
このように当初発信元宛先情報が表す宛先宛に宛先情報を送信しない場合、この当初発信元宛先情報が表す宛先である端末装置30′からの返信には、宛先情報が明示的には含まれないこととなる。つまりこの場合サーバ装置20′は、メッセージ識別子(D)と、メッセージの本文情報(M)と、当該情報の送信元である端末装置30′へのメッセージの送信先を表す宛先情報(F:発信元宛先情報、この例では当初発信元宛先情報(I)と同じ)とを端末装置30′から受信することとなる。
このときには、サーバ装置20′は、メッセージ識別子(D)と、メッセージの本文情報(M)とを関連付けてメッセージレコードを生成し、メッセージデータベースに蓄積して保持するとともに、当該受信したメッセージ識別子(D)に関連付けられてメッセージデータベースに蓄積されている、情報提供装置50を特定する情報(P)を読み出し、この情報(P)に関連付けられた利用者情報(U)を利用者データベース103から読み出して、当該利用者情報(U)に含まれる少なくとも一つの宛先情報(A)を取得する。そしてサーバ装置20′は、当該取得した宛先情報(A)で表される各宛先宛に、受信したメッセージの本文情報(M)と、メッセージ識別子(D)と、当初発信元宛先情報(I)とを送信する。
端末装置30′は、例えばスマートフォン等の携帯電話機、またはハンディターミナル等であり、図4に例示した端末装置30と同様の構成を備える。
この例に係る端末装置30′では、その制御部31は操作者の操作により情報提供装置50に対して、当該情報提供装置50自身を特定する情報(P)を要求する。そしてこの要求に応答して情報提供装置50が、当該情報提供装置50自身を特定する情報(P)を送出すると、当該情報(P)を受信する。
そして制御部31は、メッセージの入力欄を表示して、メッセージの入力を受け入れる。ここで操作者がメッセージの本文を入力すると、制御部31は、当該操作者から入力を受けたメッセージ本文を表すメッセージの本文情報と、情報提供装置50から受け入れた情報(P)とをサーバ装置20′へ送信する。
またこの端末装置30′の制御部31は、サーバ装置20′からメッセージの本文情報(M)を受信すると、操作者に対してメッセージの受信を報知する。ここで操作者がメッセージを表示するよう指示すると、制御部31は当該サーバ装置20から受信したメッセージの本文情報(M)を表示する。また端末装置30′は、このとき、宛先情報(A)が受信されていれば、当該宛先情報(A)を併せて表示してもよい。
さらに端末装置30′の制御部31は、受信したメッセージに対する返信の指示を操作者から受け入れると、メッセージの入力欄を表示して、メッセージの入力を受け入れる。ここで操作者がメッセージの本文を入力すると、制御部31は、当該操作者から入力を受けたメッセージの本文情報(M)と、受信したメッセージ識別子(D)とをサーバ装置20′へ送信する。
また制御部31は、メッセージの本文情報(M)に加えて宛先情報(A)を表示しているときに、操作者から宛先情報の一部を選択する指示を受けたときには、当該選択された一部の宛先情報(A)と、操作者が入力したメッセージの本文情報(M)とをサーバ装置20′へ送信する。これにより例えば、受信した宛先情報に含まれる当初発信元宛先情報(I)を除く宛先へメッセージを送信するといったことができるようになる。
本実施の形態のこの例では、以上の構成を備えてなり、次のように動作する。具体的に以下の例では、家庭の玄関先に情報提供装置50を置いておく例について述べる。このときサーバ装置20′には、予め情報提供装置50を特定する情報に関連付けて、当該家庭に属する利用者の利用者名(以下、A,B,Cとする)と、それぞれの宛先情報(α,β,γとする)とが登録されているものとする。これらの情報の登録は、ウェブサービスを用いる、広く知られた方法で行うことができるので、ここでの詳しい説明を省略する。
ここで例えば宅配便の配達者Dが端末装置30′Dを情報表示装置10に近接させるとする。これは具体的に、宅配便を届けに来た配達者Dが、この情報提供装置50を玄関先に配した家庭が留守であるなどして配達ができなかった場合に、その旨のメッセージを残したい場合などが考えられる。
利用者(配達者)Dがその所有する端末装置30′Dを情報提供装置50に近接させると、情報提供装置50の通信部55の通信可能範囲に利用者Dの端末装置30′Dが在圏することとなる。そこで情報提供装置50はこの情報提供装置50を特定する情報(P)を取得し、当該情報(P)を端末装置30′Dへ送信する。
端末装置30′Dでは、メッセージの入力欄を表示して、メッセージの入力を受け入れる。ここで操作者がメッセージの本文として、例えば「宅配便、お届けにあがりましたが、ご不在のため持ち帰りました。再配達ご希望の場合は、ご都合のよい日時を返信してください」などと入力する。すると端末装置30′Dは、当該操作者から入力を受けたメッセージ本文を表すメッセージの本文情報(M1)と、情報提供装置50から受け入れた情報(P)とをサーバ装置20′へ送信する。
サーバ装置20′は、端末装置30′から情報提供装置50を特定する情報(P)と、メッセージの本文情報(M1)と、当該情報の送信元である端末装置30′へのメッセージの送信先を表す宛先情報(発信元宛先情報(I))とを受信する。サーバ装置20′は、固有のメッセージ識別子(D)を発行し、当該メッセージ識別子(D)と、受信した情報(P)と、メッセージの本文情報(M1)と、当初発信元宛先情報(I)とを互いに関連付けたメッセージレコードを生成し、メッセージデータベースに蓄積して保持する。
またこのサーバ装置20′は、当該受信した情報(P)に関連付けられた利用者情報(U)を利用者データベース103から検索し、当該利用者情報(U)に含まれる宛先情報(A:α,β,γ)を読み出す。そしてサーバ装置20′は、当該読み出した宛先情報(A:α,β,γ)で表される各宛先宛に、蓄積したメッセージの本文情報(M1)と、それに関連付けられたメッセージ識別子(D)と、当初発信元宛先情報(I)を含む宛先情報(A:α,β,γ,I)とを送信する。
これにより利用者A,B,Cはそれぞれの端末装置30′にてメッセージの本文情報(M1)を受信する。そして利用者Aがこのメッセージを表示させ、返信する指示を行うと、その端末装置30′Aは、メッセージの入力欄を表示して、メッセージの入力を受け入れる。ここで操作者(利用者Aとする)が「了解です。私は受け取れませんがBが受け取れると思います。Bへ何時なら大丈夫?」といったメッセージの本文を入力すると、端末装置30′は、当該操作者から入力を受けたメッセージの本文情報(M2)と、受信したメッセージ識別子(D)と、受信した宛先情報(A:α,β,γ,I)とをサーバ装置20′へ送信する。
サーバ装置20′は、メッセージ識別子(D)と、メッセージの本文情報(M2)と、宛先情報(A:α,β,γ,I)と、当該情報の送信元である端末装置30′へのメッセージの送信先を表す発信元宛先情報(F:この場合は宛先情報αと同じ)とを端末装置30′Aから受信すると、このメッセージ識別子(D)と、メッセージの本文情報(M2)とを関連付けてメッセージレコードを生成し、メッセージデータベースに蓄積して保持する。またこのときサーバ装置20′は、当該受信した宛先情報(A:α,β,γ,I)の表す宛先宛に、当該宛先情報(A:α,β,γ,I)と、受信したメッセージの本文情報(M2)と、それに関連付けられたメッセージ識別子(D)と、発信元宛先情報(F:α)とを送信する。なお、このとき当初発信元宛先情報(I)が表す宛先宛には、発信元宛先情報(F:α)や宛先情報を含めずに、受信したメッセージの本文情報(M2)と、それに関連付けられたメッセージ識別子(D)とを送信する。
ここで利用者Bは、その端末装置30′Bにてメッセージの本文情報(M2)を受信することとなる。そして利用者Bがこのメッセージを表示させ、返信する指示を行うと、その端末装置30′Bは、メッセージの入力欄を表示して、メッセージの入力を受け入れる。ここで操作者(利用者B)が「今日は18時以降なら大丈夫です」といったメッセージの本文を入力すると、端末装置30′は、当該操作者から入力を受けたメッセージの本文情報(M3)と、受信したメッセージ識別子(D)と、受信した宛先情報(A:α,β,γ,I)とをサーバ装置20′へ送信する。
サーバ装置20′は、メッセージ識別子(D)と、メッセージの本文情報(M3)と、宛先情報(A:α,β,γ,I)と、当該情報の送信元である端末装置30′へのメッセージの送信先を表す発信元宛先情報(F:この場合は宛先情報βと同じ)とを端末装置30′Aから受信すると、このメッセージ識別子(D)と、メッセージの本文情報(M3)とを関連付けてメッセージレコードを生成し、メッセージデータベースに蓄積して保持する。またこのときサーバ装置20′は、当該受信した宛先情報(A:α,β,γ,I)の表す宛先宛に、当該宛先情報(A:α,β,γ,I)と、受信したメッセージの本文情報(M3)と、それに関連付けられたメッセージ識別子(D)と、発信元宛先情報(F:β)とを送信する。なお、このとき当初発信元宛先情報(I)が表す宛先宛には、発信元宛先情報(F:β)や宛先情報を含めずに、受信したメッセージの本文情報(M3)と、それに関連付けられたメッセージ識別子(D)とを送信する。
ここまでの段階で、配達者Dは、その端末装置30′Dにてメッセージの本文情報(M2,M3)の双方を受信していることとなる。そこでこの利用者Dが、端末装置30′Dに返信を指示し、「再配達時間、承りました。18時以降、再度伺います」といったメッセージの本文を入力すると、端末装置30′Bは、当該操作者から入力を受けたメッセージの本文情報(M4)と、受信したメッセージ識別子(D)とをサーバ装置20′へ送信する。
そしてサーバ装置20′は、メッセージ識別子(D)と、メッセージの本文情報(M4)と、当該情報の送信元である端末装置30′Dのメッセージの送信先を表す宛先情報(F:発信元宛先情報、この例では当初発信元宛先情報(I)と同じ)とを端末装置30′から受信する。サーバ装置20′は、メッセージ識別子(D)と、メッセージの本文情報(M4)とを関連付けてメッセージレコードを生成し、メッセージデータベースに蓄積して保持するとともに、当該受信したメッセージ識別子(D)に関連付けられてメッセージデータベースに蓄積されている、情報提供装置50を特定する情報(P)を読み出し、この情報(P)に関連付けられた利用者情報(U)を利用者データベース103から読み出して、当該利用者情報(U)に含まれる宛先情報(A:α,β,γ)を取得する。そしてサーバ装置20′は、当該取得した宛先情報(A:α,β,γ)で表される各宛先宛に、受信したメッセージの本文情報(M4)と、メッセージ識別子(D)と、当初発信元宛先情報(I)とを送信する。
こうして利用者A,B,Cが、配達者Dからのメッセージを受領できるようになる。このとき利用者(配達者)Dの端末装置30′Dには、一度も利用者A,B,Cの宛先情報α,β,γが知らされることがないので、仮にこの端末装置30′Dが盗用されたとしても、利用者A,B,Cの情報が漏洩することがない。
さらに本実施の形態のこの例において、サーバ装置20′は、情報提供装置50にその端末装置30′を近接させた利用者から受信したメッセージの本文情報を、当該情報提供装置50を特定する情報(P)に関連付けて記録されている利用者情報(U)の宛先情報(A)に対して送信することとしていたが、この送信は予め定めた条件により制限されてもよい。
例えば、本実施の形態の一例では、サーバ装置20′は、情報提供装置50を特定する情報(P)に関連付けて、利用者情報(U)のほかに送信制御情報を保持する。この送信制御情報は、例えば宛先情報のリスト(L)である。
この場合、端末装置30′から情報提供装置50を特定する情報(P)と、メッセージの本文情報と、当該情報の送信元である端末装置30′へのメッセージの送信先を表す宛先情報(当初発信元宛先情報)とを受信すると、サーバ装置20′は、固有のメッセージ識別子(D)を発行し、当該メッセージ識別子と、受信した情報(P)と、メッセージの本文情報(M)と、当初発信元宛先情報(I)とを互いに関連付けたメッセージレコードを生成し、メッセージデータベースに蓄積して保持する。
そしてサーバ装置20′は、宛先情報のリスト(L)を読み出して、当該リスト(L)に当初発信元宛先情報(I)が含まれているか否かを調べる。ここでリスト(L)に当初発信元宛先情報(I)が含まれている場合にはサーバ装置20′は、このメッセージの本文情報(M)を他の端末装置30′へ送信することなく処理を終了する。
また、このリスト(L)に当初発信元宛先情報(I)が含まれていない場合には、サーバ装置20′は、当該受信した情報(P)に関連付けられた利用者情報(U)を利用者データベース103から検索する。ここで、受信した情報(P)に関連付けられた利用者情報(U)が見出されると、サーバ装置20′は、当該利用者情報(U)に含まれる少なくとも一つの宛先情報(A)を読み出す。そしてサーバ装置20′は、当該読み出した宛先情報(A)で表される各宛先宛に、蓄積したメッセージの本文情報(M)と、それに関連付けられたメッセージ識別子(D)と、当初発信元宛先情報(I)とを送信する。
またここではリスト(L)を送信の対象から排除する発信元を列挙したものとした(いわゆるブラックリストであるとした)が、本実施の形態のこの例は、この限りではない。例えばこのリスト(L)を、メッセージの送信の対象となる発信元を列挙したものとして扱ってもよい(いわゆるホワイトリスト)。
この例では、サーバ装置20′が、発行したメッセージ識別子(D)と、受信した情報(P)と、受信したメッセージの本文情報(M)と、当初発信元宛先情報(I)とを互いに関連付けたメッセージレコードを生成し、メッセージデータベースに蓄積して保持した後に、宛先情報のリスト(L)を読み出して、当該リスト(L)に当初発信元宛先情報(I)が含まれているか否かを調べる。
ここでの例では、リスト(L)に当初発信元宛先情報(I)が含まれていない場合にはサーバ装置20′は、このメッセージの本文情報(M)を他の端末装置30′へ送信することなく処理を終了する。また、このリスト(L)に当初発信元宛先情報(I)が含まれている場合には、サーバ装置20′は、当該受信した情報(P)に関連付けられた利用者情報(U)を利用者データベース103から検索する。ここで、受信した情報(P)に関連付けられた利用者情報(U)が見出されると、サーバ装置20′は、当該利用者情報(U)に含まれる少なくとも一つの宛先情報(A)を読み出す。そしてサーバ装置20′は、当該読み出した宛先情報(A)で表される各宛先宛に、蓄積したメッセージの本文情報(M)と、それに関連付けられたメッセージ識別子(D)と、当初発信元宛先情報(I)とを送信する。
このようなサーバ装置20′のリスト(L)は、ウェブサービスによって、情報提供装置50の設置者に適宜変更可能としてもよいし、また別の例では、例えば端末装置30′においてメッセージの本文情報を受信したときに、端末装置30′からサーバ装置20′に対して、メッセージ識別子(D)または当初発信元宛先情報(I)の少なくとも一方を送信するとともに、当該メッセージの本文情報の発信元をリスト(L)に加えるよう指示することによって行ってもよい(リスト(L)がブラックリストである場合)。
この場合、サーバ装置20′は、端末装置30′からメッセージ識別子(D)または当初発信元宛先情報(I)の少なくとも一方とともに当該指示を受信して、その当初発信元宛先情報(I)(メッセージ識別子(D)のみを受信したときには、当該受信したメッセージ識別子(D)に関連付けて記憶している当初発信元識別情報(I))をリスト(L)に追加する。
またここでは利用者の登録はウェブサービスを用いることとして説明したが、情報表示装置50と端末装置30′とを用いて次のような処理によりサーバ装置20′に対して利用者の登録を要求しても構わない。
すなわち、未だサーバ装置20′の利用者データベース103に利用者等が登録されていない情報表示装置50に対し、最初の利用者Aが所有する端末装置30′を近接させると、情報提供装置50の通信部55の通信可能範囲に利用者Aの端末装置30′が在圏することとなる。そこで情報提供装置50は自装置を特定する情報(P)を取得し、当該情報(P)を端末装置30′へ送信する。
ここで端末装置30′では、メッセージの入力欄を表示するとともに、利用者登録の指示を受け入れ可能である旨(メニュー画面等)を表示する。利用者Aがこのメニュー画面等を操作して、利用者登録の指示を行うと、端末装置30′は、利用者登録の要求と、情報提供装置50から受け入れた情報(P)と、端末装置30′を特定する情報(端末装置30′のメールアドレス等でよい)とをサーバ装置20′へ送信する。
この例に係るサーバ装置20′は、管理者となる利用者の利用者名と、当該利用者を認証するためのパスワードとが、情報提供装置50を特定する情報(P)ごとに、利用者データベース103に設定されている。そしてサーバ装置20′は、端末装置30′から情報表示装置50を特定する情報(P)とともに、利用者登録の要求を受信すると、まず、当該情報(P)が、登録モードにある情報表示装置50の一覧(後述)に含まれるか否かを調べる。ここで当該情報(P)が登録モードにある情報表示装置50の一覧に含まれなければ、サーバ装置20′は、当該受信した情報表示装置50を特定する情報(P)をキーとして利用者データベース103を検索する。ここで検索の結果、利用者情報が見出されなかったときには、サーバ装置20′は、管理者となる利用者の利用者名とパスワードとを入力するべき旨の指示を端末装置30′に送信する。
一例としてこの指示は、端末装置30′に対して電子メールにて行われる。この電子メールには情報表示装置50を特定可能な情報(情報Pのほか、この電子メールを特定する情報など、サーバ装置20′において入力された管理者の利用者名等を関連付ける情報表示装置50′が特定できればどのような情報でもよい)が含まれる。
端末装置30′の利用者は、電子メールにて受信した指示に従い、管理者となる利用者の利用者名とパスワードと情報表示装置50を特定可能な情報とをサーバ装置20′に送信する。この送信は電子メールを用いて行われてもよいし、サーバ装置20′上が提供するウェブページを用いて行われてもよい。
サーバ装置20′は、端末装置30′から利用者の利用者名とパスワードと情報表示装置50を特定可能な情報とを受信すると、当該受信した情報で特定される情報表示装置50を特定する情報(P)に関連付けて、管理者となる利用者の利用者名とパスワードとを利用者データベース103に格納する。またこのとき、サーバ装置20′は、情報表示装置50を特定する情報(P)に対して、当該受信した利用者名と、端末装置30′へのメッセージの送信先を表す宛先情報(端末装置30′のメールアドレスや、端末装置30′が携帯電話機であれば電話番号等でもよい)とを含む利用者情報(U)とを関連付けて利用者データベース103に格納する。
サーバ装置20′はまた、端末装置30′から情報表示装置50を特定する情報(P)とともに、利用者登録の要求を受信し、当該受信した情報表示装置50を特定する情報(P)をキーとして利用者データベース103を検索したときに、当該検索の結果として利用者情報が見出されたときには、サーバ装置20′は、当該見出した利用者情報に含まれる端末装置30′へのメッセージの送信先に対して、新規登録者の端末装置30′を情報表示装置50へ近接させるよう指示するメッセージを送信する。またサーバ装置20′は、当該受信した情報(P)で特定される情報表示装置50を登録モードにあるものとして記憶する。具体的にサーバ装置20′は、この受信した情報(P)を、登録モードにある情報表示装置50の一覧に含めて記憶する。
このメッセージを受けた端末装置30′の利用者Aは、登録しようとする利用者Bの端末装置30′(以下、区別のため端末装置30′Bとする)を、情報表示装置50に近接させる。すると、情報提供装置50の通信部55の通信可能範囲に利用者Bの端末装置30′Bが在圏することとなる。そこで情報提供装置50は自装置を特定する情報(P)を取得し、当該情報(P)を端末装置30′Bへ送信する。
端末装置30′Bでは、メッセージの入力欄を表示するとともに、利用者登録の指示を受け入れ可能である旨(メニュー画面等)を表示する。端末装置30′Bの操作者がこのメニュー画面等を操作して、利用者登録の指示を行うと、端末装置30′Bは、利用者登録の要求と、情報提供装置50から受け入れた情報(P)と、端末装置30′Bを特定する情報(端末装置30′Bのメールアドレス等でよい)とをサーバ装置20′へ送信する。
サーバ装置20′は、端末装置30′Bから情報表示装置50を特定する情報(P)とともに、利用者登録の要求を受信すると、当該情報(P)が、登録モードにある情報表示装置50の一覧(後述)に含まれるか否かを調べる。ここでは当該情報(P)が登録モードにある情報表示装置50の一覧に含まれる。そこでサーバ装置20′は、利用者の利用者名とパスワードとを入力するべき旨の指示を端末装置30′B、または管理者の端末装置30′に送信する。
一例としてこの指示は、端末装置30′Bまたは端末装置30′に対して電子メールにて行われる。この電子メールには情報表示装置50を特定可能な情報が含まれる。
この電子メールを受信した端末装置30′Bまたは端末装置30′の操作者は、当該電子メールにて受信した指示に従い、端末装置30′Bの利用者Bの利用者名と、端末装置30′Bへのメッセージの送信先を表す宛先情報と、情報表示装置50を特定可能な情報とをサーバ装置20′に送信する。この送信は電子メールを用いて行われてもよいし、サーバ装置20′上が提供するウェブページを用いて行われてもよい。
サーバ装置20′は、端末装置30′Bまたは端末装置30′から利用者Bの利用者名と、端末装置30′Bへのメッセージの送信先を表す宛先情報と、情報表示装置50を特定可能な情報とを受信すると、当該受信した情報で特定される情報表示装置50を特定する情報(P)に対して、当該受信した利用者Bの利用者名と、端末装置30′Bへのメッセージの送信先を表す宛先情報とを含む利用者情報(U)とを関連付けて利用者データベース103に格納する。そしてサーバ装置20′は、当該受信した情報で特定される情報表示装置50を特定する情報(P)を、登録モードにある情報表示装置50の一覧から取り除く。
本実施の形態のこの例では、このような処理によっても、利用者の登録を受け入れることができる。また、サーバ装置20′において、既に記録されている利用者名とともに、新たな端末装置30′へのメッセージの送信先を表す宛先情報が受信された場合は、サーバ装置20′は、当該既に記録されている利用者名に関連付けている宛先情報を、受信した新たな宛先情報で上書きして利用者データベース103を更新してもよい。これにより利用者データベース103の内容を修正することが可能となる。
さらに、ここでの例においてサーバ装置20′は、情報表示装置50を特定する情報(P)を、登録モードにある情報表示装置50の一覧に含めたときには、当該一覧に含めてからの時間を計時し、予め定めた時間までに当該一覧に含めた情報表示装置50を特定する情報(P)に関連付けられるべき利用者名等の情報を受信しないときには、当該情報表示装置50を特定する情報(P)を、登録モードにある情報表示装置50の一覧から取り除くこととしてもよい(いわゆるタイムアウトの処理)。