以下、図を参照して本発明の実施形態を説明する。各実施形態及び変形例等に亘り、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すに留め、重複説明は省略する。
まず、本発明に係る画像形成装置全体の構成と動作について説明する。図2に示すように、画像形成装置本体100の上方にある粉体容器収納部となるトナー容器収容部31には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した粉体収納容器となる4つのトナー容器38Y,38M,38C,38Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。トナー容器収容部31の下方には中間転写ユニット15が配設されている。中間転写ユニット15が有する中間転写ベルト8の下方には、中間転写ベルト8に対向して各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y,6M,6C,6Kがベルト移動方向に並設されている。実施形態において、(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した部材には(Y、M、C、K)の符号を付して区別している。
トナー容器38Y,38M,38C,38K内には、粉体となる各色のトナーがそれぞれ収納されていて、トナー容器収容部31にトナー容器38Y,38M,38C,38Kが装着されると、トナー容器収容部31内に臨んでいる粉体補給装置となるトナー補給装置160Y,160M,160C,160Kによって、作像部6Y,6M,6C,6Kの各現像装置内に各色のトナーが供給(補給)される。
本形態において、作像部、トナー容器、トナー補給装置は、トナーの色以外はほぼ同一構成であるので、以下、1つの構成をそれぞれ代表して説明する。
図3に示すように、イエローに対応した作像部6Yは、像担持体となる感光ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配設された帯電部4Y、現像装置5Y(現像部)、クリーニング部2Y、図示しない除電部等で構成されたプロセスカートリッジとして構成されていて、画像形成装置本体100に対して着脱自在とされている。作像部6Yでは、感光体ドラム1Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われて、感光体ドラム1Y上にイエロー画像が形成されることになる。
なお、他の3つの作像部6M,6C,6Kも、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応した作像部6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。
図3において、感光体ドラム1Yは、不図示の駆動モータによって図3中の時計方向に回転駆動され、帯電部4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光装置7(図2を参照)から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程)。感光体ドラム1Yの表面は、現像装置5Yとの対向位置(現像領域)に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程)。
現像後の感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び1次転写バイアスローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
1次転写後の感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング部2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって機械的に回収される(クリーニング工程)。感光体ドラム1Yの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上の残留電位が除去される。こうして、感光体ドラム1Y上で行なわれる、一連の作像プロセスが終了する。
なお、上述した作像プロセスは、他の作像部6M,6C,6Kでも、イエロー作像部6Yと同様に行なわれる。すなわち、作像部の下方に配設された露光装置7から、画像情報に基づいたレーザ光Lが、各作像部6M,6C,6Kの感光体ドラム上に向けて照射される。詳しくは、露光装置7は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して各感光体ドラム1上に照射する。その後、現像工程を経て各感光体ドラム1上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、4つの1次転写バイアスローラ9Y,9M,9C,9K,2次転写バックアップローラ12、複数のテンションローラ、中間転写クリーニング部等で構成されている。中間転写ベルト8は、複数のローラ部材によって張架・支持されるとともに、2次転写バックアップローラ12の回転駆動によって図2中の矢印方向に無端移動される。
4つの1次転写バイアスローラ9Y,9M,9C,9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kとの問に挟み込んで、1次転写ニップを形成している。1次転写バイアスローラ9Y,9M,9C,9Kには、トナーの極性とは逆極性の転写バイアスが印加される。
中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y,1M,1C,1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ11との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ12が、2次転写ローラ11との問に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。中間転写ベルト8は、図示しない中間転写クリーニング部の位置に達し、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。こうして、中間転写ベルト8上で行われる、一連の転写プロセスが終了する。
2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、画像形成装置本体100の下方に配設された給紙部16から、給紙ローラ17やレジストローラ対18等を経由して搬送されたものである。詳しくは、給紙部16には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ17が図2中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ18のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対18に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対18のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対18が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト及び加圧ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
定着後の記録媒体Pは、排紙ローラ対19のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対19によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図3を用いて作像部における現像装置の構成・動作について、さらに詳しく説明する。現像装置5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ21Y、現像ローラ21Yに対向するドクターブレード22Y、現像剤収容部23Y,24Y内に配設された2つの搬送スクリュ25Y、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ26Y等で構成されている。現像ローラ21Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部23Y,24Y内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤YGが収容されている。現像剤収容部24Yは、その上方に形成された開口を介してトナー落下経路161Yに連通している。
このように構成された現像装置5Yは、次のように動作する。現像ローラ21Yのスリーブは、図3の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ21Y上に担持された現像剤YGは、スリーブの回転にともない現像ローラ21Y上を移動する。現像装置5Y内の現像剤YGは、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、トナー容器38Yに収容されているトナーが、トナー補給装置160Yからトナー落下経路161Yを介して現像剤収容部24Y内に補給される。
その後、現像剤収容部24Y内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ25Yによって、現像剤YGとともに混合・攪拌されながら、2つの現像剤収容部23Y,24Yを循環する(図3の紙面垂直方向の移動である。)。そして現像剤YG中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ21Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ21Y上に担持される。
現像ローラ21Y上に担持された現像剤YGは、図3中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード22Yの位置に達する。そして、現像ローラ21Y上の現像剤YGは、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域)まで搬送される。そして現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ21Y上に残った現像剤YGはスリーブの回転にともない現像剤収容部23Yの上方に達して、この位置で現像ローラ21Yから離脱される。
(第1の実施形態)
次に本発明に係るトナー補給装置160Y,160M,160C,160Kとトナー容器38Y,38M,38C,38Kについて説明するが、各トナー補給装置および各トナー容器は、セットされるトナー容器内のトナーの色以外は同一構成であるので、ここではトナーの色を識別するY,M,C,Kの符号を付さないでトナー補給装置160とトナー容器38Aとして説明する。
本発明に係るトナー容器38Aは、図1、図4に示すように、トナーが内部に収納される容器本体138と、容器本体の他端側内に配置されていて、粉体受け口170を有する搬送ノズル162が挿入されるノズル受入口(挿入部)139a及び容器本体138内の粉体となるトナーを粉体受け口170へ供給するための補給口139bを有するノズル受入部材139と、ノズル受入口139aを開閉する方向に移動自在な開閉部材となるシャッター部材140を有し、ノズル受入部材139が容器本体138に対して相対回転可能に設けられたタイプである。そして、このトナー容器38Aは、シャッター部材140が、搬送ノズル162がノズル受入部材139に挿入される動作によりノズル受入口139aを開く方向に移動し、ノズル受入口139aを閉じる方向に磁力で移動するものである。本形態において、ノズル受入口139aを開閉する方向とは、長手方向と同一方向である。
筒状の容器本体138は、その周面に一端側138aから他端側138bに掛けて容器内部に向かって突出した螺旋突起部138cが形成されていて、容器本体138が回転することでその内部に収納されているトナーを、一端側138aから他端側138bに搬送するように構成されている。
容器本体138の他端側138bの端面には、ノズル受入部材139を挿入するための開口138dと、螺旋突起部138cで搬送されて他端側138bの下部に堆積する、あるいは最初から他端側138bの下部に堆積しているトナーを容器本体138が回転することで容器内において上方へと持ち上げる汲み上げ部138e、138fと、容器本体138を回転するための駆動力が伝達される歯車143が形成されている。本形態において、汲み上げ部138e、138fは、その位相が180度ずれて互いに対向するように配置されている。汲み上げ部としては、本形態のように複数の汲み上げ部138e、138fではなく、汲み上げ部138eまたは汲み上げ部138fの何れか一方だけでもよく、また、その配置も90度位相として4つの汲み上げ部としたものであってもよい。あるいは4つ以上に数を増やすこともでき、汲み上げ部の数や形状について、後述する補給口139b及び粉体受け口170に対して、その上方からトナーを供給できる数及び形状であればよい。
ノズル受入部材139は、容器本体138の長手方向に延びる概略円筒形状を成し、その一端には、図4、図5に示すように、容器本体138に形成された開口138dに回転自在に装着されるノズル受入口(挿入部)139aが形成されている。ノズル受入部材139の外周面には、シャッター部材140の移動方向に延在する一対のスリット139cが互いに対向して形成されている。ノズル受入部材139の外周面には、シャッター部材140の移動方向に長く開口された補給口139bが形成されている。ノズル受入口139aと補給口139bとはノズル受入部材139内で連通するように形成されている。この補給口139bは、シャッター部材140の移動範囲内に、少なくともその一部が位置するように形成されている。ノズル受入口139aの内部には、トナーの漏れを防止するためのスポンジ部材で構成されたリング状のシール部材144が装着されている。
図4において、符号145は軸受部材を示し、符号146で示すシール部材を示す。リング状の軸受部材145は、容器本体138の開口138dとノズル受入部材139のノズル受入口139aの外側面との間に介装され、ノズル受入部材139を容器本体138に対して回転自在に支持する。シール部材146は、軸受部材145よりも容器本体138の内側に位置するノズル受入部材139の外周面に装着されるもので、リング状の基部から傾斜したリップ部146aが周方向に連続して傘状に形成されたものである。シール部材146は、ノズル受入部材139を容器本体138に挿入した際に、容器本体の開口138dの内周面に弾性変形して接触するように、ゴムまたは樹脂で形成されている。
シャッター部材140は筒状部材であって、ノズル受入部材139内に挿入される。シャッター部材140には、容器本体138の内部に向かって突出したガイドピン141が直径方向に貫通して形成されている。シャッター部材140は、このガイドピン141をノズル受入部材139の各スリット139c内に挿入することで、ノズル受入口139aを開閉する方向に移動自在とされている。本形態では、ノズル受入口139aと反対側に位置するノズル受入部材139の端面139dが、各スリット139cが形成された部分と連結されていて、シャッター部材140が移動する際のノズル受入部材139の剛性アップを図っている。無論、この端部139dがなくても剛性がある場合には、端部139dはなくても良い。シャッター部材140は、図4に示すノズル受入口139aを閉じる位置(閉位置)を閉めているときにはノズル受入口139aを閉じるとともに、補給口139bの一部を閉じるように構成されている。シャッター部材140は、搬送ノズル162がノズル受入部材139内に挿入されたときに図4に示す閉位置から容器内部に向かってスライドされて、ノズル受入口139aと補給口139bとを開くとともに、ノズル受入口139aと補給口139bを連通状態とする図7に示す開位置へと移動するように構成されている。
シャッター部材140の端面140aには、窪み部140bが形成されているとともに磁性体201が配置されている。ノズル受入部材との対向面となるシャッター部材140の外周面140cには、ノズル受入口139aを閉じる位置(閉位置)にシャッター部材140を保持する保持手段としての環状の凹部142bが形成されている。
シャッター部材140の対向面となるノズル受入部材139の内周面139eには、シャッター部材140の外周面140cに向かって突出した環状の凸部142aが形成されている。この凸部142aは、シャッター部材140に形成された凹部142bに挿入されることで、凹部142bと相まってノズル受入口139aを閉じる位置(閉位置)にシャッター部材140を保持する保持手段を構成する。この凸部142aと凹部142bで構成された保持手段による保持力は、後述する磁石200と磁性体201との吸着力よりも弱く設定されている。すなわち、保持手段による保持力は、磁石200と磁性体201とが吸着してシャッター部材140を移動する際に、磁石200と磁性体201との吸着状態を保持できるように設定されている。
本形態では、補給口139bがノズル受入口139aと隣接する範囲まで開口されているので、シャッター部材140が閉位置を占めている場合には、ノズル受入口139aと補給口139bとが閉じられるが、補給口139bが端面139d寄りに形成されている場合には、シャッター部材140が閉位置を占めている場合にはノズル受入口139aだけを閉じることになる。
このような構成のトナー容器38Aは、容器本体138の他端側138bがトナー容器収納31の奥側に位置するように画像形成装置本体100の手前側から奥側に向かってスライドさせて装着される。
図6はトナー補給装置160の全体図である。トナー補給装置160は、トナー容器38Aと、各トナー容器内に挿入されてトナーの供給を受ける搬送ノズル162と、搬送ノズル162と現像装置5とに連結され、搬送ノズル162に供給されたトナーを現像装置5へと搬送する搬送経路161を有している。搬送ノズル162は、トナー容器収納部31(画像形成装置本体100)の奥側で、トナー容器収納部31内に挿入されるトナー容器のシャッター部材140と対向するように配設されている。搬送ノズル162と搬送経路161の間には、搬送ノズル162で搬送されるトナーを貯めるサブホッパー163が設けられていて、トナーはサブホッパー163を介して搬送経路161へと供給される。
搬送経路161は、図4に示すように、ホース161Aと、ホース161A内に配置されていて回転することでサブホッパー163からのトナーを現像装置5に向かって搬送する搬送スクリュ161Bとを備えている。
搬送ノズル162は、トナー容器38Aのノズル受入部材139内に挿入される筒状のノズル部165と、ノズル部165とサブホッパー163とを接続する接続経路166と、ノズル部165内に配置されていて、トナー容器38Aから供給されるトナーを接続経路166へと搬送する搬送スクリュ167と、シャッター部材140のシール部材144と接触してシール面を構成するシール部材168と、付勢手段としてのコイルバネ169を備えている。
ノズル部165は、トナー容器の長手方向に延びていて、その外径は、ノズル受入部材139の内部にノズル受入口139aから挿入可能な径とされている。ノズル部165の先端側の外周面には、トナー容器38Aの補給口139bからトナーを受けて搬送スクリュ167へと案内する粉体受け口170が形成されている。ノズル部165の長さは、ノズル受入部材139の内部に挿入した際に、粉体受け口170が補給口139bと対向可能な長さに設定されている。
接続経路166は、粉体受け口170と反対側に位置するノズル部165の基端と一体的に形成されていて、ノズル部165と連通している。粉体受け口170は、ノズル部165の上面に位置するように形成されている。
搬送スクリュ167は、スクリュ部167aがノズル部165の先端から接続経路166まで形成されていて、ノズル部165に回転自在に支持されている。シール部材168は、スポンジなどでリング状に形成されていて、ノズル部165の外周面において長手方向に移動自在に支持されたホルダー171に装着されている。
コイルバネ169は、一方の端部169bがノズル部165の外周面に摺動可能及び軸中心に回動可能に保持されたホルダー171に、他方の端部169aがノズル部165の外周面に保持されたばね受け部材172に、それぞれ係止されていて、シール部材168をシール部材144側に付勢(ホルダー171がばね受け部材172から遠ざかる方向へ付勢)している。ノズル部165の先端には、突部165aが形成されているとともに、磁石200が配置されている。そして、シャッター部材140は、搬送ノズル162側に突部165aと係合する窪み部140bが形成されているとともに、搬送ノズル162側に配置された磁石200と対向する側に磁性体201を有している。
粉体受け口170は、ノズル部165がノズル受入部材139のノズル受入口139aから容器本体138内に挿入した際に、ノズル受入部材139の補給口139bと対向するように形成されている。
トナー補給装置160の駆動手段180について説明する。駆動手段180は、図6に示すように、フレーム181に固定された駆動源となる駆動モータ182と、搬送スクリュ167の端部には固定された歯車183と、トナー容器38Aをトナー容器収納部31(図2参照)に装着した時に、容器本体138の歯車143に噛合う歯車184と、図4に示す搬送スクリュ161Bの端部に固定された歯車185と、これら歯車183〜歯車185と噛合い、駆動モータ182の回転を各歯車に伝達する歯車輪列を備えている。駆動モータ182は、トナー容器38Aがトナー容器収納部31に装着された状態で、トナー補給信号が図示しない制御手段によって検知されると、一定時間回転するように制御手段によって制御される。
トナー補給装置160では、トナー容器38Aが回転すると、トナー容器38Aのノズル受入部材139は、容器本体138に対して回転自在に支持されてはいるが、ノズル受入部材139に保持されたシャッター部材140の窪み部140bが突部165aと係合するとともに、シャッター部材140の磁性体201が搬送ノズルの磁石200と磁力によって吸着することで、シャッター部材140の回転が阻止されるためノズル受入部材139の回転も阻止され、ノズル受入部材139及びシャッター部材140と容器本体138とが相対回転することになる。
なお、シャッター部材140の磁性体201と搬送ノズルの磁石200との磁力による吸着のみでは、シャッター部材140の回転阻止が不十分な場合には、シャッター部材140の窪み部140bと搬送ノズルの突部165aとが係合することでシャッター部材140の回転を阻止するように構成することもできる。例えば、シャッター部材140の窪み部140bを長手方向に対して直交する方向に延在させて溝状とし、搬送ノズルの突部165aをその溝に係合するよう長手方向に対して直交する方向に延在させた突部とすることができる。
図4、図7に示す形態において、粉体受け口170は、ノズル部165の上面に形成されていて、トナー容器38Aが回転しても、その向きは変わらないため、各トナー容器38Aをトナー容器収納部31に装着したときに、補給口139bが上面に向くように窪み部140bと突部165aとを形成すると確実にトナー容器内のトナーを粉体受け口170へと補給することができるので好ましい。
このような構成のトナー補給装置160の動作を図4〜図9を用いて説明する。トナー容器38Aは、図2に示すトナー容器収納部31への装着前、例えば輸送時や保管時においては、保持手段となる凸部142aと凹部142bによって閉位置に保持されたシャッター部材140によってノズル受入口139aが閉じられている。つまり、ノズル受入口139aと補給口139bとの連通が絶たれるため略密閉状態とされている。この状態から開口138d側を先端側として、図4に示すように、トナー容器収納部31に水平状態にしてトナー容器38Aを挿入する。挿入が進むと、ノズル部165の先端とシャッター部材140の端面140aとが接触する。このとき、シャッター部材140の窪み部140bにノズル部165の先端の突起165aが挿入して係合し、シール部材144とシール部材168とが接触するとともに、さらに、磁石200に磁性体201が吸着されることでシャッター部材140が搬送ノズル162側と一体化される。
トナー容器38Aをさらに奥側に向かって移動させると、図7に示すように、シャッター部材140がノズル部165によって容器本体138内に保持手段による保持力に抗して押し込まれる。また、トナー容器38Aの移動に伴い、シール部材168もトナー容器38Aによってコイルバネ169の付勢力に抗して奥側に押し込まれる。このため、シール部材168とシール部材144とが圧接状態となり、ノズル受入口139aのシール性が確保される。トナー容器38Aは、トナー容器38Aがトナー容器収納部31内にすべて収納されて図示しない支持部によって容器本体138の一端側138aが回転自在に保持されることで、その移動が停止して装着位置を占める。トナー容器38Aが装着位置を占めるまで、シャッター部材140は、ノズル部165によってさらに容器内部へとスライド移動され、トナー容器38Aが装着位置を占めることで、そのスライド移動が停止し開位置を占める。このとき、ノズル受入口139aは開放されるとともに補給口139bも開放され、粉体受け口170は、図8に示すように、ノズル受入部材139に形成されて上方に位置する補給口139bと対向し、トナー容器内と連通状態となる。
このような構成のトナー容器38Aによると、容器本体138の他端側138b内に配置され、粉体受け口170を有する搬送ノズル162のノズル部165が挿入されるとともに、容器本体138内のトナーを粉体受け口170へ供給するための補給口139bを有するノズル受入部材139と、ノズル受入口139aを開閉可能にノズル受入部材139に支持され、ノズル部165がノズル受入部材139内に挿入される動作によりスライド移動して少なくともノズル受入口139a、本形態ではノズル受入口139aとつながる補給口139bも開閉するシャッター部材140を有するので、ノズル部165がノズル受入部材139内に挿入されるまでは、ノズル受入口139aと補給口139bが閉状態に保たれる。ノズル部165がノズル受入部材139内に挿入してシャッター部材140がスライド移動すると、ノズル受入口139aが開放されるとともに、補給口139b近傍に溜まっているトナーがシャッター部材140によって容器内方に押しのけられる。このため、補給口139b周辺の空間を確保でき、補給口139bから粉体受け口170へのトナーTの供給を確実に行えるので、トナー容器38A内に収納されているトナーTの漏れや飛散を防止しながらも、確実に容器外にトナーを排出することができる。
トナー容器38Aが装着位置を占め、画像形成装置が作動し、トナー補給信号が図示しない制御手段から出力されると、図6に示す駆動モータ182が回転駆動する。駆動モータ182が回転駆動すると、その駆動力が歯車184を介して歯車143に伝達されてトナー容器38Aがそれぞれ回転する。また、駆動モータ182の駆動力は、歯車183を介してノズル部165内の搬送スクリュ167へ伝達され、搬送スクリュ167がトナーを接続経路166へ搬送する向きに回転するとともに、図4に示す歯車185を介して搬送経路161内の搬送スクリュ161Bへも伝達され、搬送スクリュ161Bがトナーを現像装置5へ搬送する向きに回転する。
トナー容器38Aが回転すると、容器内に収納されているトナーTが螺旋溝138cの作用により他端側138b側に搬送されるとともに、搬送されたトナーTと、他端側138bの下部に堆積していたトナーとが混ざり合う。
容器内下部に堆積したトナーTは、図9(a)に示すように、トナー容器38Aが回転すると、その回転によって汲み上げ部138e、138fで容器内において上方へと交互に持ち上げられ、図9(b)に示すようにその途中で落下して、補給口139b、粉体受け口170を介してノズル部165の内部に供給される。
つまり、トナー容器38Aの場合、容器内のトナーTは、容器1回転中に、その位置が一致しているノズル部165の粉体受け口170とノズル受入部材139に設けた補給口139bの上を汲み上げ部138e、138fが通過する度にノズル部165内にトナー供給が行われることになる。
ノズル部165の内部に供給されたトナーTは、図7に示すように、搬送スクリュ167によって接続経路166へ向かって搬送され、接続経路166上で落下する。落下したトナーTは、図4に示したサブホッパー163を介して搬送経路161内に送られ、搬送スクリュ161Bの回転作用によって現像装置5へと搬送されて補給されることになる。
一方、トナー容器38Aをトナー容器収納部31から離脱する場合には、図7に示す装着位置から手前側にトナー容器38Aを移動する。すると、シャッター部材140と搬送ノズル162とは、磁石200と磁性体201で吸着されて一体化されて保持されている。このため、シャッター部材140は、トナー容器38A内をトナー容器の移動に対して相対的にノズル受入部材139内をノズル受入口139a側に移動することとなる。シャッター部材140は、ノズル部165がノズル受入口139aから外部に抜け出る際にノズル受入口139aに進入し、凹部142bが凸部142a内に嵌り込むことで保持される。そして、トナー容器38Aの手前側への移動がさらに進むと、磁石200と磁性体201との吸着状態が解除される。
このようにシャッター部材140のノズル受入口139aを閉じる方向への移動が磁力によって行われるので、シャッター部材140を閉じる方向に移動する際にバネなどの付勢手段を用いる必要がなく、シャッター部材140とノズル受入部材139との組付性の簡素化を図ることができる。
(第2の実施形態)
図10(a)、図10(b)は、第2の実施形態の主要部の構成を示す。図10(a)、図10(b)では、第1の実施形態の構成に、ほぐし部材196を追加したものである。ほぐし部材196は、シャッター部材140の開閉動作と連動してシャッター部材140の移動方向に移動し、補給口139b近傍に溜まっているトナーを崩すもので、シャッター部材140の外周面140cから容器本体138の内部に向かって突出して形成されている。本形態では、複数のピンをシャッター部材140の外周面140cから放射状に容器本体138の内部に向かって突出させてほぐし部材196としている。
ほぐし部材196としては、ピンではなく、板部材あるいは、リング形状の部材であってもよく、要はシャッター部材140の外周面140cから容器本体138の内部に向かって突出していて、シャッター部材140の開閉動作と連動してシャッター部材140の移動方向に移動する形態のものであれば良い。
ほぐし部材196は、シャッター部材140が閉位置にある時には、補給口139bの端部よりも容器本体138の他端側138bを占める第1の位置を占め、シャッター部材140が開位置にある時には、補給口139bよりも容器本体138の一端側138aを占める第2の位置を占める。すなわち、ほぐし部材196は、シャッター部材140の移動に伴い、第1の位置と第2の位置とへ移動することになる。
このようなほぐし部材196を備えた構成であると、シャッター部材140のスライド移動による補給口139b近傍に溜まっているトナーの押しのけ作用とともに、ほぐし部材196の移動により補給口139b近傍に堆積しているトナーTの崩し作用によって、補給口139b周辺に空間を確保し易くなる。つまり、補給口139b近傍に堆積しているトナーTの崩し作用が向上することで、補給口139bから粉体受け口170へのトナーの供給を確実に行え、トナー容器38A内に収納されているトナーの漏れや飛散を防止しながらも、トナー残量が少なくなるとともに、トナーの凝集の発生をより少なくすることができ、確実に容器外にトナーを排出することができる。
(第3の実施形態)
図11(a)、図11(b)は、第3の実施形態の主要部の構成を示す。本形態は、第1の実施形態に対して、磁石200と磁性体201の配置を変更したものである。第1の実施形態では、磁石200は搬送ノズル162のノズル部165に、磁性体201はシャッター部材140に配置したが、本形態では磁石200をシャッター部材140に、磁性体201を搬送ノズル162のノズル部165に配置した。すなわち、シャッター部材140は、搬送ノズル162側に配置された磁性体201と対向する側に磁石200を有している。
(第4の実施形態)
図12(a)、図12(b)は、第4の実施形態の主要部の構成を示す。本形態はほぐし部材196を備えた第2の実施形態に対して、磁石200と磁性体201の配置を変更したものである。つまり、本形態でも磁石200をシャッター部材140に、磁性体201を搬送ノズル162のノズル部165に配置した。
このような第3、第4の実施形態の構成によると、磁石200がトナー容器収納部31(画像形成装置本体100)に対して着脱可能なトナー容器38A側に配置されるので、磁石200に異物が付着して磁力が弱くなった場合でも、トナー容器38Aをトナー容器収納部31(画像形成装置本体100)から離脱することで容易にメンテナンスをすることができる。また、磁石200をシャッター部材140に対して着脱自在な構成とすることで、新たな磁石200に容易に交換することができ、安定したシャッター部材140の開閉動作につながり、より確実に容器外にトナーを排出することができる。
(第5の実施形態)
本形態にかかる粉体収納容器としてのトナー容器38Bは、図13〜図15に示すように、開閉部材となるシャッター部材240とノズル受入部材239の構成が、他の実施形態と異なっている。
本形態におけるトナー容器38Bは、図13、図14に示すように、トナーが内部に収納される容器本体138と、容器本体の他端側内に配置されていて、粉体受け口170を有する搬送ノズル162が挿入されるノズル受入口(挿入部)239a及び容器本体138内の粉体となるトナーを粉体受け口170へ供給するための補給口239bを有するノズル受入部材239と、ノズル受入口239aを開閉する方向に移動自在な開閉部材となるシャッター部材240を有し、ノズル受入部材239が容器本体138に対して固定されたタイプである。そして、このトナー容器38Bは、シャッター部材240が、搬送ノズル162がノズル受入部材239に挿入される動作によりノズル受入口239aを開く方向に移動し、ノズル受入口239aを閉じる方向に磁力で移動するものである。本形態において、ノズル受入口239aを開閉する方向とは、長手方向と同一方向である。
本形態において、容器本体138の他端側138bの端面形成された開口138dには、ノズル受入部材239が容器本体138と相対回転可能に挿入される。ノズル受入部材239のノズル受入口(挿入部)239aには、リンク状のシール部材144が装着される。
ノズル受入部材239の特徴は、ガイド部材となる一対のスリット139と端面139dの構成がなく、ノズル受入口(挿入部)239aと補給口239bが連続 して形成されている点にある。
シャッター部材240は、筒状部材であって、シャッター部材140のようにガイドピン141はなく、ノズル受入部材239に対してノズル受入口239aと補給口239bを開閉する方向に移動自在とされている。
シャッター部材240の端面240aには、図14,図15に示すように、窪み部240bが形成されているとともに磁性体201が配置されている。ノズル受入部材239との対向面となるシャッター部材240の外周面240cには、ノズル受入口239aと補給口239bを閉じる位置(閉位置)にシャッター部材240を保持する保持手段としての環状の凹部242bが形成されている。
本形態において、シャッター部材240との対向側となる搬送ノズル162のノズル部165の端部には、第1の実施形態同様、磁石200が設けられている。
シャッター部材240との対向面となるノズル受入部材239の内周面239cには、シャッター部材240の外周面240cに向かって突出した環状の凸部242aが形成されている。この凸部242aは、シャッター部材240に形成された凹部242bに挿入されることで、凹部242bと相まってノズル受入口239aと補給口239bを閉じる位置(閉位置)にシャッター部材240を保持する保持手段を構成する。
この凸部242aと凹部242bで構成された保持手段による保持力は、磁石200と磁性体201との吸着力よりも弱く設定されている。すなわち、保持手段による保持力は、磁石200と磁性体201とが吸着してシャッター部材240を移動する際に、磁石200と磁性体201との吸着状態を保持できるように設定されている。
このような構成によると、シャッター部材240のノズル受入口239aと補給口239bを閉じる方向への移動が磁力によって行われるので、シャッター部材240を閉じる方向に移動する際にバネなどの付勢手段を用いる必要がなく、シャッター部材240とノズル受入部材239との組付性の簡素化を図ることができる。また、ノズル受入部材239はスリット139cや端面139dを備えていない構成であるので、その構成を簡素化することができるとともに、よりシャッター部材240の組付性の簡素化を図ることができる。また、シャッター部材240が閉位置となると、凸部242aが凹部242b内に位置した状態となるので、シャッター部材240を閉位置に保持することができるので、トナー漏れも防止することができる。
図16(a)、図16(b)は、開閉部材とノズル受入部材の変形例を示す。図16(a)、図16(b)に示す開閉部材としてのシャッター部材340は、上述の搬送ノズル162と対向する端面340aに、窪み部140bと、磁性体201が配置されている。シャッター部材340は、上述の搬送ノズル162の移動方向に延在し、その外周面340cが、ノズル受入口側となる端面340a側よりノズル受入口側と反対側となる底面340d側が大きくなる傾斜面に形成されていて、切頭円錐形状を成している。
このシャッター部材340は、ノズル受入部材339に設けたノズル受入口339aと補給口339bを開閉する方向に移動自在とされている。シャッター部材340の外周面340cには、保持部材を構成する凹部242bが形成されている。
ノズル受入部材339は、ノズル受入部材239同様、上述の容器本体138と相対回転可能に容器本体138の開口138dに挿入されているとともに、シール部材144を備えている。ノズル受入部材239との相違点は、シャッター部材340との対向面となる内周面339cとシール部材144の内周面144aとがつながることで、シャッター部材340の外周面340cの形状と同一形状に形成されているとともに、保持手段を構成する凸部341aが環状ではなく、内周面339cの周方向に間隔を開けて配置された複数の突起として形成されている点にある。凸部341aは、シャッター部材340が図16(b)に示す閉位置を占めたときに、凹部242bに挿入して、シャッター部材340を閉位置に保持する機能を備えている。
このような構成とすると、シャッター部材340のノズル受入口339aと補給口339bを閉じる方向への移動が磁力によって行われるので、シャッター部材340を閉じる方向に移動する際にバネなどの付勢手段を用いる必要がなく、シャッター部材340とノズル受入部材339との組付性の簡素化を図ることができる。シャッター部材340が閉位置となると、凸部341aが凹部242b内に位置した状態となるので、シャッター部材340を閉位置に保持することができるので、トナー漏れも防止することができる。
さらに、図13に示したトナー容器38Bの搬送中や保管時において、容器本体138内の内圧が過度に上昇して、閉位置を占めているシャッター部材340がノズル受入口339aから外方向に移動しようとしても、シャッター部材340の外周面340cの形状と、ノズル受入部材339の内周面339cの形状により、くさび効果が作用するので、シャッター部材340が不用意にノズル受入口339aを通過して外れてしまうことを防止することができる。
図17(a)、図17(b)は、開閉部材とノズル受入部材の変形例を示す。図17(a)、図17(b)に示す開閉部材としてのシャッター部材440は、上述の搬送ノズル162と対向する端面440aに、窪み部140bと、磁性体201が配置されている。シャッター部材440は、上述の搬送ノズル162の移動方向に延在し、ノズル受入口439a内に進入して塞ぐ大きさの先端部440bと、先端部440bよりも大径の鍔部440dを有した段差を有する筒状形状とされている。
このシャッター部材440は、ノズル受入部材439に設けたノズル受入口439aと補給口439bを開閉する方向に移動自在とされている。シャッター部材440の外周面440cには、保持部材を構成する凹部242bが形成されている。
ノズル受入部材439は、ノズル受入部材239同様、上述の容器本体138と相対回転可能に容器本体138の開口138dに挿入されているとともに、シール部材144を備えている。ノズル受入部材239との相違点は、シャッター部材440が図17(b)を占めた時に、鍔部440dと当接する規制部439dを有するとともに、シャッター部材440との対向面となる内容面439cに凸部341aが形成されている点にある。
このような構成とすると、シャッター部材440のノズル受入口439aと補給口439bを閉じる方向への移動が磁力によって行われるので、シャッター部材440を閉じる方向に移動する際にバネなどの付勢手段を用いる必要がなく、シャッター部材440とノズル受入部材439との組付性の簡素化を図ることができる。シャッター部材440が閉位置となると、凸部341aが凹部242b内に位置した状態となるので、シャッター部材440を閉位置に保持することができるので、トナー漏れも防止することができる。
さらに、図13に示したトナー容器38Bの搬送中や保管時において、容器本体138内の内圧が過度に上昇して、閉位置を占めているシャッター部材440がノズル受入口439aから外方向に移動しようとしても、シャッター部材440の鍔部440dがノズル受入部材439の規制部439dに当接するので、閉位置から外方向への移動が規制されるため、シャッター部材440が不用意にノズル受入口439aを通過して外れてしまうことを防止することができる。
なお、第5の実施形態示すトナー容器は、各ノズル受入部材が容器本体138に固定されたタイプのものを用いて説明したが、第1〜4の実施形態と同様に、各ノズル受入部材が容器本体138に相対回転可能なタイプとすることもできる。
上述の形態において、磁石の構成としては、磁石200単体の場合を例示したが、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、たとえば図18(a)に示すように、磁石200Aの外周を磁性体201Aで覆うような形態であってもよい。図18(a)はシャッター部材140への適用例を示すが、ノズル部165側に適用してもよく、磁石200Aの外周を磁性体201Aで覆うような形態とすればよい。
上述の形態では、磁石200を搬送ノズル162のノズル部165の先端(端部)に配置しているが、搬送ノズル162での磁石200の配置は、このような形態に限定されるものではない。たとえば、図18(b)に示すように、シャッター部材(開閉部材)側に位置する搬送スクリュ167の端部に磁石200Bを配置してもよい。この場合、突部165aで磁石200Bは隠れてしまうが、突部165aを磁性体で構成すれば、磁力をシャッター部材(開閉部材)側に伝えることができる。
つまり、搬送ノズル162側に設ける磁石の位置は、ノズル部165の先端に限定されるものではなく、シャッター部材(開閉部材)側に配置される磁性体に対して、ノズル部165の移動時にシャッター部材(開閉部材)が外れない磁力を付与できる範囲に設けられていればよい。逆に各シャッター部材に磁石を配置する場合も、搬送ノズル162側に配置される磁性体に対してノズル部165の移動時にシャッター部材(開閉部材)が外れない磁力を付与できる範囲に設けられていればよい。
上述の形態において、磁石200と磁性体201は、リング状のものを互いに対向するように配置したが、図19(a)に示すように、リング状の1つの磁性体201に対して、扇形の複数の磁石200Cを周方向に間隔を開けて対向配置した構成、あるいは図19(b)に示すように、リング状の1つの磁性体201に対して磁性体201よりも小径の磁石200Dを対向配置するようにしてもよい。磁石200Cは2つに限定されるものではなく、少なくとも1つ、周方向に120度の位相で3つ、あるいは90度の位相で4つ配置するようにしてもよい。磁石200Cと磁性体201の関係は逆に設けてもよい。要は各シャッター部材が移動しても搬送ノズル162側との吸着状態が保持される磁気吸着力を得られる構成であればよい。
上記形態では磁石や磁性体を搬送ノズル162や各シャッター部材に設けたが、各シャッター部材や搬送ノズル162のノズル部165の先端自体を、磁石や磁性体で構成したものであってもよい。この場合には磁石や磁性体を個別に配置する場合よりも部品点数を軽減することができるので好ましい。
上記形態では、保持手段を構成する各凹部をシャッター部材に、各凸部をノズル受入部材にそれぞれ形成したが、このような形態に限定されるものではなく、各凹部をノズル受入部材に、各凸部をシャッター部材に形態する逆の形態であっても構わない。