本発明の実施例を以下に説明する。
まず、本発明の遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1(以下、パチンコ機1と略称する)を正面からみた正面図であり、図2は、パチンコ機を示す背面図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ機の前面側、奥側を背面側として説明する。尚、本実施の形態におけるパチンコ機の前面とは、遊技者側からパチンコ機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
図1は、本発明が適用されたパチンコ機及びカードユニットを示す正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠100(図2参照)と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101(図2参照)と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ一側を中心に開閉可能に設けられている。また、前面枠101の背面側には、機構部品等が取り付けられる機構板105(図2参照)が一側を中心にして開閉可能に取り付けられている。尚、本実施の形態では、下扉枠103は前面枠101に対して一側を中心に開閉可能に設けられているが、開放可能に設けられていなくてもよく、例えばネジ等により前面枠101の前面に止着されていてもよい。
図1に示すように、ガラス扉枠102の下方に取り付けられた下扉枠103の前面上部には、遊技媒体(遊技球)としてのパチンコ球(打球)を貯留可能な遊技球貯留部としての打球供給皿(上皿とも言う)3が、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて突設されているとともに、この打球供給皿3の下方には、後述する操作レバー300が揺動自在に軸支される突出部としての下台4が、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて突設されている。その側方には、パチンコ球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。
上部の打球供給皿3と下部の下台4との間には、下台4の側方を覆うように、下扉枠103の前面から前方に向けて膨出する中カバー350(図5,6参照)が設けられている。中カバー350の前面左右側には、後述する左右一対のスピーカ27bから出力される音が放音される放音部351,351が形成されているとともに、後述する左右一対の送風ファン515,515からの風が送出される送風口352,352が形成されている。尚、下台4周辺の詳細な説明は後述することとする。
打球供給皿3の上流側端部には、後述する背面側の機構板105に設けられた球払出装置97から払い出される賞球を受け入れ可能とする払出口112が形成されているとともに、その下方には、打球供給皿3に待機(貯留)している待機球を前面枠101の背面に形成された余剰球誘導通路(図示略)に流出させて返却口120に返却するための球抜き口(図示略)が内部に形成されている。また、打球供給皿3の下流側端部には、打球供給皿3に待機している待機球を、後述する発射装置により打ち出される発射位置に誘導する待機球誘導口119が形成されている。
待機球誘導口119の近傍に設けられる発射装置により打ち出された打球は、打球誘導レール117により遊技領域7に誘導される。打球誘導レール117の途中には、発射装置により打ち出されたものの遊技領域7に到達することなく戻ってきたファール球を前述したファール球口116に誘導して回収するファール球誘導通路118(図1参照)が形成されており、該ファール球は、ファール球口116を介して背面側の余剰球誘導通路(図示略)に流出されるようになっている。
ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた遊技盤6が配置されている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示する複数の変動表示領域を含む変動表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。また、変動表示装置9の上部には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。変動表示装置9には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行う。変動表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(図3参照)によって制御される。特別図柄表示器8は表示部が小型であるので、変動表示の態様および変動表示の表示結果が変動表示装置9と比べて見づらいため、遊技者は主として変動表示装置9の方に注目する。
特別図柄表示器8は、たとえば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に当りの種類を把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を変動表示するように構成されていてもよい。また、変動表示装置9は、液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行う。
なお、本実施の形態においては、変動表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、変動表示装置9は、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。また、変動表示装置9は、回転ドラム式表示装置等の機械式の表示装置であってもよい。
変動表示装置9の下方には、パチンコ球を受け入れ可能な入賞領域としての第1始動口15aおよび第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15では、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13,13が設けられている。第1始動口15aは、上方を向いて開口しており、常にパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となっている。一方、第2始動口15bは、上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13,13が設けられているため、可動片13,13が閉状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が不可能な状態となり、可動片13,13が開状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となる。このように、第1始動口15aは入賞のしやすさが変化せず、第2始動口15bは可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する。
なお、始動入賞装置15は、可動片13,13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、パチンコ球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。また、始動入賞装置15は、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられたものであってもよく、可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられたものであってもよい。
始動入賞装置15の可動片13,13は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されることにより、閉状態から所定期間開状態とされた後、閉状態とされる。始動入賞装置15の可動片13,13が開状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、始動入賞装置15の可動片13,13が閉状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞しなくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
変動表示装置9の下部には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bに入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしてもよく、4個よりも少ない値にしてもよい。
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球及び他方の領域に入ったパチンコ球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21a(図3参照)も設けられている。
パチンコ球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のLEDが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となったときに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13,13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32へのパチンコ球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域として、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39よりなる複数の通常入賞口が設けられる。第1通常入賞口29へのパチンコ球の入賞は、第1入賞口スイッチ29aによって検出される。第2通常入賞口30へのパチンコ球の入賞は、第2入賞口スイッチ30aによって検出される。第3通常入賞口33へのパチンコ球の入賞は、第3入賞口スイッチ33aによって検出される。第4通常入賞口39へのパチンコ球の入賞は、第4入賞口スイッチ39aによって検出される。なお、第1始動口15a、第2始動口15b、および、大入賞口も、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域を構成する。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aが内蔵される装飾発光部25が設けられ、下部には、入賞しなかったパチンコ球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27aが設けられ、前述した中カバー350の内部には、効果音を発する2つのスピーカ27bが設けられている。遊技領域7の外周には、天枠LED28a(図3参照)が内蔵される天枠発光部28Hと、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左発光部28Lの所定箇所に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの所定箇所に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。尚、本実施の形態では賞球LED51及び球切れLED52を左枠LED28bや右枠LED28cとは個別に設けていたが、左枠LED28bや右枠LED28cの発光態様を異ならせることにより賞球払出中や補給球が切れた旨を報知するようにしてもよい。また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
賞球LED51、球切れLED52、装飾LED25a、天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c等の各種発光手段は、主基板31から出力される演出制御コマンドに基づき演出制御用マイクロコンピュータ81から出力されるシリアル信号に基づいて点灯制御(LED制御)される。また、スピーカ27a,27bからの音発生制御(音制御)は、後述する音声出力基板70によって行なわれる。
カードユニット50には、たとえば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、および、カード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠が設けられている。
遊技者の打球操作ハンドル5の操作により図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球は、打球誘導レール117を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。パチンコ球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)のパチンコ球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中にパチンコ球がV入賞領域に入賞しカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、たとえば15ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。なお、V入賞領域を設けずに、各ラウンドにおいて無条件で継続権が発生するように制御してもよい。
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
また、特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、変動表示装置9、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄および飾り図柄の変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでの、いずれか早い方の条件が成立するまで継続される。
また、入賞に応じたパチンコ球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて始動入賞装置15の可動片13,13が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動口15bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだパチンコ球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出されるパチンコ球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。たとえば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施の形態の場合では、たとえば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
このように、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合が一般的に「ベース」と呼ばれるが、たとえば1分間等の単位時間におけるパチンコ球の最大発射数は、一定数に制限されている。このため、「ベース」は、単位時間において、遊技領域に設けられた複数の入賞口への入賞による賞球の払出球数の合計値によっても示すことができる。たとえば、単位時間におけるパチンコ球の最大発射数を100球とすると、単位時間における入賞による賞球の払出球数の合計値は、一般的な「ベース」の値と一致することとなる。このような関連性に基づいて、本実施形態では、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれを異常監視対象入賞口としており、該異常監視対象入賞口の入賞による賞球の払出球数の合計値は、ベースと呼ばれ、入賞に関する異常監視の対象として用いられる。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
変動表示装置9において変動表示される飾り図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに飾り図柄の表示結果が導出表示されて飾り図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、変動表示装置9により、左,中,右図柄がゾロ目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および飾り図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
特別図柄表示器8と変動表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、変動表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施の形態の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の変動表示領域のうち左,右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がLEDや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、変動表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなる可能性がある旨ことを報知する大当り予告演出が行なわれる場合がある。尚、この大当り予告演出の種類や内容に関しては後述することとする。
この実施の形態の場合は、大当りとして、通常大当りおよび確変大当りというような複数種類の大当りが設けられている。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態にならず、かつ、時短状態にならないことにより、低確率状態、かつ、低ベース状態となる大当り(非確変大当り)である。このような、低確率状態かつ低ベース状態となった状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、所定期間に亘り時短状態になる高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りとなった後においては、所定期間が経過すると時短状態が終了し、高確率状態、かつ、低ベース状態になる。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。
次に、パチンコ遊技機1の背面(裏面)の構造について図2を参照して説明する。図2は、パチンコ機及びカードユニットを示す背面図である。
図2に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、変動表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、LEDドライバ基板(図示省略)、および、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91Aが設けられている。電源基板910は、一部が払出制御基板37と重なっているが、払出制御基板37に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分には、パチンコ遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、変動表示装置9、LEDなどの発光体、スピーカ27a,27b等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板159が設置されている。ターミナル基板159には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)36が設置されている。
尚、前記球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)及び球貸し情報(球貸し個数信号)は、主基板31から情報端子基板36を介して外部に出力するようにしてもよい。すなわち、このようにターミナル基板159に設けられた球切れ用端子、賞球用端子、球貸し用端子を情報端子基板36に設けることで、配線や基板の取り付け作業等を容易にすることができる。また、ターミナル基板159及び情報端子基板36それぞれに設けられる各端子を1つの基板にまとめて搭載してもよく、このようにすることで製造コストを削減することができる。
図示しない遊技機設置島から供給される球を貯留可能な球タンク38に貯留されたパチンコ球は、タンクレールを通り、カーブ樋を経てケースカバーで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、通路内に球がない旨を検出する遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ197が設けられている。球切れスイッチ197が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ197はパチンコ球通路内のパチンコ球の有無を検出するスイッチであるが、球タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(球タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167がパチンコ球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対してパチンコ球の補給が行なわれる。
入賞に基づく景品としてのパチンコ球や球貸し要求に基づくパチンコ球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、パチンコ球は、余剰球誘導通路を経て下台4に導かれる。さらにパチンコ球が払出されると、スイッチ片(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19(図3参照)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。尚、満タンスイッチ19がオンした状態において、球払出装置の動作及び打球発射装置の駆動は必ずしも停止させなくてもよいし、あるいはオンした時点から所定時間経過後に停止させるようにしてもよい。
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、パチンコ遊技機1に搭載されている払出制御基板37、LEDドライバ基板35、音声出力基板70、インタフェース基板66、中継基板77、および、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ156と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、第4入賞口スイッチ39a、満タンスイッチ19からの信号の他、電源断信号およびクリア信号等の各種信号を遊技制御用マイクロコンピュータ156に与える入力ドライバ回路58と、始動入賞装置15の可動片13,13を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内の経路を切換えるためのソレノイド21aを遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって各種の情報信号をホール管理コンピュータ等のパチンコ遊技機1の外部に設けられた装置に出力する情報出力回路53とが搭載されている。情報出力回路53から出力された情報信号は、情報端子基板36を介して、パチンコ遊技機1の外部に出力される。
尚、本実施の形態では満タンスイッチ19の検出信号は払出制御基板37を経由して主基板31に入力されるようになっているが、払出制御基板37を経由することなく入力ドライバ回路58に直接入力されるようにしてもよい。
情報出力回路53から出力される情報信号としては、大当り1情報信号、大当り2情報信号、大当り3情報信号、高確率情報信号、時短情報信号、第1始動情報信号、第2始動情報信号、第1入賞数異常信号、第2入賞数異常信号、第1ベース異常信号、第2ベース異常信号、および、始動口入賞異常信号が含まれる。
大当り1情報信号、大当り2情報信号および大当り3情報信号のそれぞれは、確変大当り、非確変大当り等の大当りの種類を特定した大当りの発生を示す信号である。高確率情報信号は、確率変動が生じたことを示す信号である。時短情報信号は、時短状態が生じたことを示す信号である。第1始動情報信号は、第1始動口15aへの入賞により特別図柄および飾り図柄の変動表示開始に利用されるパチンコ球が検出されたことを示す信号である。第2始動情報信号は、第2始動口15bへの入賞により特別図柄および飾り図柄の変動表示開始に利用されるパチンコ球が検出されたことを示す信号である。
第1入賞数異常信号は、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれを異常監視対象入賞口として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中での入賞数が第1入賞数異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、入賞数異常状態または第1入賞数異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。第2入賞数異常信号は、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれを異常監視対象入賞口として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中での入賞数が第1入賞数異常判定値よりも大きい第2入賞数異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、入賞数異常状態または第2入賞数異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。
第1ベース異常信号は、前述の異常監視対象入賞口を対象として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中でのこれら入賞口への入賞数に基づく賞球数の合計値(以下、ベースという)が第1のベース異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、ベース異常状態または第1ベース異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。第2ベース異常信号は、前述の異常監視対象入賞口を対象として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中でのこれら入賞口への入賞数に基づく賞球数の合計値(ベース)が第1のベース異常判定値よりも大きい第2のベース異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、ベース異常状態または第2ベース異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。
始動口入賞異常信号は、第2始動口15bを対象として、可動片13,13が閉状態であるときにパチンコ球が入賞したことに基づく異常状態が生じたときに、そのような異常状態が生じた旨を示す信号である。
なお、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、第4入賞口スイッチ39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、パチンコ球を検出できる遊技媒体検出手段(この例ではパチンコ球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、および、第4入賞口スイッチ39aへのパチンコ球の入賞を検出する入賞検出手段でもある。
なお、ゲート32のような通過ゲートであっても、賞球の払出しが行なわれるものであれば、通過ゲートへパチンコ球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(たとえばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。また、V入賞領域に入賞したパチンコ球がカウントスイッチ23でも検出される。よって、大入賞口に入賞したパチンコ球数は、カウントスイッチ23による検出数に相当する。また、V入賞領域に入賞したパチンコ球はV入賞スイッチのみで検出されるようにし、大入賞口に入賞したパチンコ球数は、V入賞スイッチによる検出数とカウントスイッチ23による検出数との和になるようにしてもよい。また、V入賞領域を設けず、最終ラウンド以外のラウンドでは、常に継続権が発生するようにしてもよい。また、V入賞領域を設け、1ラウンド目は無条件(V入賞領域への入賞によらず)継続権が発生し、2ラウンド目以降においてV入賞領域への入賞により継続権が発生するようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行うプロセッサであるCPU56、および、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、CPU56の他に少なくともRAM55が内蔵されていればよい。また、ROM54およびI/Oポート57は、外付けであっても内蔵されていてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ156においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ156が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ156で実現されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、クロック信号を発生させるクロック回路、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ、乱数回路、および、CPU56に割込要求信号を送出するCTCを内蔵する。
乱数回路は、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データをランダムRとして読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。尚、大当りとするか否かの判定は、実際には特別図柄および飾り図柄の変動表示の開始時に、始動入賞時に抽出した乱数値に基づいて実行される。また、乱数回路が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数など、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数とし
て用いてもよい。
乱数回路は、ユーザによる数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能により、乱数回路は、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数回路が更新する数値データの初期値を設定する機能を有しており、たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ156の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路が更新する数値データの初期値として設定する。これにより、乱数回路が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。また、初期値を設定するときに、IDナンバを用いた所定の演算を行うことにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバを見ただけでは乱数の初期値を認識しにくくすることができる。そのため、無線信号を用いた取込み信号をパチンコ遊技機1に対して発生させるなどの行為によって、大当り状態への移行条件を不正に成立させられてしまうことをより確実に防止することができ、セキュリティ性を向上させることができる。
クロック回路は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を2の7乗(=128)分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路に出力する。リセットコントローラは、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ156をシステムリセットする。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、発生可能な乱数の値の範囲が異なる2つの乱数回路を搭載する。第1の乱数回路は、12ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、12ビット乱数回路ともいう)である。12ビット乱数回路は、12ビットで発生できる範囲(すなわち、1から4095までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。また、第2の乱数回路は、16ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、16ビット乱数回路ともいう)である。16ビット乱数回路は、16ビットで発生できる範囲(すなわち、1から65535までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。2つの乱数回路は、予め選択されたどちらか一方の回路が乱数の発生に用いられる。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ156が2つの乱数回路を内蔵する場合を説明するが、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1つの乱数回路を内蔵してもよく、3以上の乱数回路を内蔵してもよい。また、この実施の形態では、12ビット乱数回路および16ビット乱数回路を包括的に表現する場合、または、12ビット乱数回路と16ビット乱数回路とのうちいずれかを指す場合に、乱数回路という。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを、遊技の進行状態を示すデータと定義する。この実施の形態では、RAM55の全部の記憶領域が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ156のリセット端子には、電源基板910からのリセット信号が入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータのリセット端子にも、電源基板910からのリセット信号が入力される。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156および払出制御用マイクロコンピュータは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156および払出制御用マイクロコンピュータは動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156および払出制御用マイクロコンピュータの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156および払出制御用マイクロコンピュータの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(主基板31を含む)に搭載してもよいし、複数の電気部品制御基板のうち一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の電気部品制御基板に供給するようにしてもよい。
さらに、払出制御基板37を経由して、電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力ドライバ回路58に入力される。電源断信号は、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力ドライバ回路58に入力される。クリア信号は、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。
尚、本実施の形態では、電源断信号は払出制御基板37を経由して主基板31に入力されるようになっているが、払出制御基板37を経由することなく入力ドライバ回路58に直接入力されるようにしてもよい。また、電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを検出する電断検出回路(図示略)を、主基板31に設けてもよいし、主基板31及び払出制御基板37の双方に設けてもよい。あるいは、電源基板910に設け、電源断信号を主基板31及び払出制御基板37の双方に入力されるようにしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、大当り遊技状態以外の状態においてカウントスイッチ23により球が検出されたとき、すなわち、例えば大当り遊技状態以外の状態において特別可変入賞球装置20の開閉板が前述した不正器具等により遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)とされてカウントスイッチ23により球が検出されたときに、エラーが発生したとして、エラー情報を出力する旨を示す演出制御コマンドを演出制御基板80に送信する。
また、クリア信号は、主基板31において分岐され、払出制御基板37にも供給される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ156が入力ポートを介して入力したクリア信号の状態を、出力ポートを介して払出制御基板37に出力してもよい。
また、複数のスイッチのそれぞれは、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、複数のスイッチのそれぞれから各スイッチの入力状態を示す入力検出信号を受ける。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156が搭載するシリアル出力回路78は、シフトレジスタなどによって構成され、CPU56が出力する演出制御コマンドをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。また、シリアル出力回路78は、CPU56が出力する制御信号をシリアルデータに変換して、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力する。なお、特別図柄表示器8、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10および普通図柄保留記憶表示器41には、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換ICがそれぞれ設けられ、中継基板77からの制御信号をパラレルデータに変換して、特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に供給される。
また、本実施の形態では、CPU56が出力する制御信号をシリアル出力回路78にてシリアルデータに変換して、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力するようになっていたが、これら特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41からなる各表示器を主基板31に中継基板等を介すことなく直接接続し、CPU56が出力する制御信号をパラレルデータのまま各表示器8、18、10、41に出力するようにしてもよい。このようにすることで、外部から信号が入ることがないので、正確な表示を行うことができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、LED制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御基板80には、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、変動表示装置9での表示制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ81等の電気部品制御手段が搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドをシリアルデータ方式として受信し、飾り図柄を可変表示する変動表示装置9の表示制御を行う。尚、演出制御手段が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドをパラレルデータ方式として受信し、飾り図柄を可変表示する変動表示装置9の表示制御を行うようにしてもよい。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、遊技盤6に設けられているステージLED25bの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cの表示制御を行い、スピーカ27からの音出力の制御を行う。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ81には、演出制御手段が出力する各LED51、52、28a、28b、28cを表示制御するための制御信号をパラレルデータからシリアルデータに変換するシリアル出力回路253が搭載されている。また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ81には、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して演出制御手段に出力するシリアル入力回路254が搭載されている。したがって、演出制御手段は、シリアル出力回路253を介して制御信号をシリアルデータ方式として出力することによって、各LED51、52、28a、28b、28cの表示制御を行う。
また、遊技盤6側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板としての装飾基板98、ステージ装飾基板99が設けられている。盤側IC基板98,99は、中継基板88を介して演出制御基板80と接続される。また、前面枠101側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板としての中前板天基板473a、左前板天基板473b、右前板天基板473c、操作台基板508、上皿基板509が設けられている。これら各枠側IC基板473a、473b、473c、508、509は、中継基板88,89を介して演出制御基板80と接続される。
なお、図3に示すように、演出制御基板80、中継基板88および中継基板89は、バス型に1系統の配線ルートで接続される。図4は、中継基板77および演出制御基板80の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、演出制御に関して演出制御基板80のみを設ける場合を示すが、LEDドライバ基板および音声出力基板を設けてもよい。この場合、LEDドライバ基板および音声出力基板には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU86、RAM85、シリアル出力回路253、シリアル入力回路254、クロック信号出力部256および入力取込信号出力部257を含む演出制御用マイクロコンピュータ81を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU86は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、シリアル入力回路260および入力ポート261を介して演出制御コマンドを受信する。この場合、シリアル入力回路260は、シリアルデータ方式として受信した演出制御コマンドをパラレルデータに変換し出力する。また、演出制御用CPU86は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に変動表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ81と共動して変動表示装置9の表示制御を行うVDP262が演出制御基板80に搭載されている。VDP262は、演出制御用マイクロコンピュータ81とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP262は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して変動表示装置9に出力する。
演出制御用CPU86は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP262に出力する。CGROMは、変表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP262は、演出制御用CPU86の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP262は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。
さらに、演出制御用CPU86は、シリアル出力回路253を介してLEDを駆動する信号を出力する。シリアル出力回路は、入力したLEDを駆動する信号(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して中継基板88に出力する。また、演出制御用CPU86は、音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。
また、クロック信号出力部256は、クロック信号を中継基板88に出力する。クロック信号出力部256からのクロック信号は、中継基板88,89を介して各枠側IC基板473a、473b、473c、508,509に搭載されたシリアル−パラレル変換ICや入力ICに供給される。また、クロック信号出力部256からのクロック信号は、中継基板88を介して盤側IC基板98,99に搭載されたシリアル−パラレル変換ICや入力ICに供給される。したがって、この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換ICおよび各入力ICに共通のクロック信号が供給されることになる。
また、入力取込信号出力部257は、演出制御用CPU86の指示に従って、中継基板88,89を介して、枠側IC基板508、509に入力取込信号(ラッチ信号)を出力する。枠側IC基板508に搭載された入力ICは、演出制御用マイクロコンピュータ81からの入力取込信号を入力すると、レバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513、ボタンスイッチ516の検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板88,89を介して演出制御用マイクロコンピュータ81に出力する。
また、入力取込信号出力部257は、演出制御用CPU86の指示に従って、中継基板88,89を介して、枠側IC基板508以外の各枠側IC基板473a、473b、473c、508に入力取込信号(ラッチ信号)を出力する。各枠側IC基板に搭載された入力ICは、演出制御用マイクロコンピュータ81からの入力取込信号の入力に基づいて演出制御コマンドをラッチして取り込む。
音声合成用IC173は、音番号データを入力すると、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27a、27bに出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ81は、制御信号としてのシリアルデータとともに、クロック信号を中継基板89に出力する。また、入力ICに入力信号をラッチさせるための入力取込信号を中継基板88に出力する。
中継基板88は、演出制御用マイクロコンピュータ81から入力したシリアルデータおよびクロック信号を、盤側IC基板98,99に搭載された各シリアル−パラレル変換ICに供給する。そして、各シリアル−パラレル変換ICは、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していれば入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技盤6に設けられた各LED25a、25bに供給する。
また、中継基板89は、バス型に1系統の配線ルートで中継基板88と接続されており、各シリアル−パラレル変換ICに接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、盤側IC基板上でバス形式に接続されている。また、盤側IC基板に搭載された各シリアル−パラレル変換ICにはそれぞれ固有のIDがある。
中継基板89に入力されたシリアルデータおよびクロック信号は、各枠側IC基板473a、473b、473c、508、509に搭載された各シリアル−パラレル変換ICに供給される。そして、各シリアル−パラレル変換ICは、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していれば入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、前面枠101に設けられた各LED51、52、28a、28b、28c、514,515aに供給する。
また、各シリアル−パラレル変換ICに接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、各枠側IC基板上でバス形式に接続されている。また、シリアル−パラレル変換ICに接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、中継基板89から直接接続される。また、各枠側IC基板に搭載された各シリアル−パラレル変換ICにはそれぞれ固有のIDがある。
また、枠側IC基板508には、操作レバー300に設けられたレバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513及び打球供給皿3に設けられたボタンスイッチ516の検出信号を入力する入力ICが搭載されている。この実施の形態では、枠側IC基板508、509に搭載された入力ICと演出制御用マイクロコンピュータ81とは、中継基板88,89を介して入力信号線、クロック信号線および入力取込信号線が接続されており、演出制御用マイクロコンピュータ81は、所定のタイミングで、入力取込信号を中継基板88,89を介して入力ICに出力する。すると、入力ICは、入力取込信号(ラッチ信号)に基づいてレバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513、ボタンスイッチ516からの検出信号をラッチし、中継基板88,607を介して演出制御用マイクロコンピュータ81に出力する。この場合、入力ICは、レバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513、ボタンスイッチ516からパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。
盤側IC基板88,89に搭載されたシリアル−パラレル変換ICと各枠側IC基板473a、473b、473c、508,509に搭載されたシリアル−パラレル変換ICとは、1系統の配線を介して接続されている。1系統の配線を介して接続とは、具体的には、各中継基板88,89がバス型に接続されているとともに、各シリアル−パラレル変換ICがバス型またはデイジーチェーン型に接続されていることである。なお、この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換ICはバス型に接続されている。このように、この実施の形態では、盤側IC基板に搭載された各シリアル−パラレル変換ICと、各枠側IC基板に搭載された各シリアル−パラレルICとが、中継基板88,89を介してコネクタを用いて1系統の配線を介して接続されている。そのため、コネクタの着脱を行うだけで前面枠101と遊技盤6との配線作業を行うことができ、前面枠101と遊技盤6との着脱作業をさらに容易に行えるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、盤側IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換IC、枠側IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換ICおよび入力ICに、演出制御用マイクロコンピュータ81から共通のクロック信号を入力する。そのため、シリアル−パラレル変換ICへのクロック信号の配線と入力ICへのクロック信号の配線とを共通化することができ、演出制御手段と盤側IC基板との間の通信、および演出制御手段と枠側IC基板との間の通信を、それぞれ1チャネルを用いて実現することができ、配線数を低減することができる。また、盤側IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換IC、枠側IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換IC、および入力ICを容易に同期させることができ、クロック信号用の配線数も低減することができる。
この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換ICには、あらかじめアドレスが付与されており、演出制御用マイクロコンピュータ81は、シリアルデータに変換した制御信号を出力する際に、シリアルデータにアドレスを付加して出力する。尚、制御信号は、固定長(コマンドのバイト数(例えば2バイトや3バイトのコマンド))のコマンドで構成され、アドレスに対応するビットを異ならせている。各IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換ICは、シリアルデータを入力すると、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していればパラレルデータに変換して各LEDに供給する(すなわち、出力する)。アドレスが合致していなければ各LEDへの供給は行わない。尚、シリアル−パラレル変換ICに入力されるシリアルデータは、アドレスに対応するビット以外のビットも点灯パターン等に応じて異なっており、これにより各アドレスに対応するLEDが様々な点灯パターンにて発光するようになっている。
つまり、演出制御用マイクロコンピュータ81は、大当り遊技状態以外の状態においてカウントスイッチ23から球検出信号が入力されたときに遊技制御用マイクロコンピュータ156から出力される演出制御コマンドを受信したことに基づいて、前面枠101側に設けられた各種LEDの点灯を制御するための制御信号を出力するときには、枠側シリアル−パラレル変換回路を特定可能なアドレス情報を付加した制御信号をシリアル出力回路253からシリアル信号方式で出力する。
このように、演出制御用マイクロコンピュータ81は、シリアルデータに変換した制御信号を出力する際に、シリアルデータにアドレスを付加して出力し、各IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換ICは、シリアルデータを入力すると、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していればパラレルデータに変換して各LEDに供給するようになっているため、前面枠101における遊技盤6以外の箇所に設けられた各LED等による発光演出が行われる際に、該発光により遊技盤6側に設けられた変動表示装置9等にて行われている演出が遮られることがないので、演出効果の減退を防止できるとともに、パラレルの場合に比べてシリアルの方が配線数が少なくなるので、配線が容易になる。
次に、下扉枠103の構造を、図1及び図5〜図8に基づいて説明する。図5は、図1のA−A断面図である。図6は、図5のB−B断面図である。図7は、操作レバーを示す斜視図である。図8は、(a)は操作レバーが後方に揺動されたときの上部付近の構造を示す拡大断面図であり、(b)は操作レバーが前方に揺動されたときの上部付近の構造を示す拡大断面図である。尚、図5における左側及び図6における下側がパチンコ機の前面側である。
図5に示されるように、パチンコ機1の本体前面下部を構成する下扉枠103の前面上部には、左右方向に延びる打球供給皿3が前方に向けて突設されているとともに、前面下部には、左右方向に延びる下台4が前方に向けて突設されている。これら打球供給皿3と下台4とは所定距離上下に離間して配置されており、これら打球供給皿3と下台4との間には、上下方向に延びる操作レバー300が設けられている。
打球供給皿3は、背面側が開口する中空状の上カバー360を、下扉枠103の前面上部に取り付けることにより形成されている。上カバー360の上面には、パチンコ球を貯留可能な上向きに開口する貯留凹部3aが凹設されているとともに、左右方向の中央部には、遊技者により押圧操作が可能な操作ボタン516が上面から前面にかけて設けられ、内蔵されるボタンスイッチ516aにて操作ボタン516操作が検出されるようになっている。
上カバー360の内部には、操作レバー300の揺動範囲を規制するための規制部材361が設けられている。規制部材361は、操作レバー300の先端を規制する規制部361aと、該規制部361aから背面側に向けて延設される取付片361bと、からなるポリカーボネイトやエポキシ樹脂等の硬質の合成樹脂材からなり、取付片361bの後端がネジ362により下扉枠103の前面に止着されている。規制部361aには、下面側に開口する略円柱状の規制凹部363が、後側に向けて傾斜状に形成されており、操作レバー300の先端(上端)が遊挿されるようになっており、この規制凹部363の内側周面363a及び内上面363b(図8参照)が、操作レバー300の揺動範囲を当接規制する当接規制部を構成している。
この当接規制部材361は、上カバー360から離間して配設され、これにより規制部材361に加わる衝撃が上カバー360に直接伝達されないようにし、衝撃が主に上カバー360よりも強度が高い下扉枠103にて吸収されるようにしている。そして上カバー360の下面における規制凹部363の直下には、操作レバー300の先端(他端)が挿通される挿通口364が対応して形成されている。
尚、本実施の形態では、当接規制部材361は上カバー360から離間して配設されているが、当接規制部材361を上カバー360に固定したり、上カバー360と一体成型してもよい。
一方、下台4は、背面側が開口する中空状の下カバー365を、下扉枠103の前面下部に取り付けることにより形成されている。下カバー365の上面には、後述する操作レバー300の基端(一端)が遊挿される略円形の挿通口368が形成されている。また、下カバー365の下面には、図6に示されるように、前述した返却口120が形成されているとともに、下カバー365の前面には、返却口120からパチンコ球を流出(返却)または阻止するためのシャッター(図示略)を操作するスライド式の返却レバー113(図1参照)が設けられている。
そして図5及び図6に示されるように、下カバー365の内部には、返却口120に連通する返却通路120a(図6参照)が内部に配設されている。また、左右方向の略中央位置には、操作レバー300を固定するための支持板366が前後方向に延設されており、この支持板366の後端がネジ367により下扉枠103の前面に止着されている。この支持板366は、規制部材361と同様にポリカーボネイトやエポキシ樹脂等の硬質の合成樹脂材にて形成されている。そして下カバー365から離間して配設され、これにより支持板366に加わる衝撃が下カバー365に直接伝達されないようにし、衝撃が主に下カバー365よりも強度が高い下扉枠103にて吸収されるようにしている。
尚、本実施の形態では、支持板366は下カバー365から離間して配設されているが、支持板366を下カバー365に固定したり、下カバー365と一体成型してもよい。
下台4の上方には、前述した中カバー350が取り付けられており、打球供給皿3と下台4との間に、送風ファン515やスピーカ27b等が配設される内部空間が形成されている。中カバー350は、特に図6に示されるように、背面側が開口するとともに、前面側に向けて膨出する膨出形状をなしており、その前面の左右方向の中央部には、前面側に開放する平面視台形状の操作用凹部353が凹設されている。そして、下台4の上面における操作用凹部353により外部に露呈された領域に、操作レバー300が配置されている。つまり、操作レバー300は、打球供給皿3、下台4、中カバー350の操作用凹部353の内面により、上下面、左右側面及び背面が覆われている。
送風口352,352は、中カバー350における操作用凹部353を形成する平面視略ハの字形に形成された左右一対の傾斜面350a,350aにそれぞれ形成されている。送風口352,352は、複数の横長スリットにて形成され、これら各スリットにはルーバー(図示略)及び針金等の進入を防止するネット等が設けられている。このように送風口352,352が、後側に向けて互いに中央寄りに傾斜する左右一対の傾斜面350a,350aにそれぞれ形成されていることで、操作レバー300に対して、左右側から別々に風を送出することができる。また、風を斜め前方に送出されるため、遊技者に直接風が当たって不快な思いをさせることがない。
本実施の形態の操作レバー300は、例えば後述する大当り予告演出等の演出が実行されているときや、遊技履歴の閲覧や各種設定操作を行う場合等において、変動表示装置9に表示されるキャラクタやカーソル等の画像等の操作対象部を移動させる操作を行う場合に使用される。具体的な使用例については後述することとする。
打球供給皿3と下台4との間に、遊技者により操作可能に設けられる操作レバー300は、図5及び図7に示されるように、一端側が軸支され、他端側が多軸方向(本実施の形態では4軸方向)に揺動自在に支持された所謂ジョイスティックである。具体的には、操作レバー300は、金属製のレバーアーム301と、レバーアーム301の外周に装着される軟質合成樹脂製のグリップカバー302と、レバーアーム301の基端を回動自在に軸支する軸受部材303と、軸受部材303を支持板366の前端上面に固定するための軸受台座304と、から主に構成されている。
レバーアーム301は、金属製の丸棒にて骨材として構成され、特に詳細な図示はしないが、その基端(下端)に形成された球状の軸部301aが、軸受部材303に形成された軸受部としての球面軸受303a(図5参照)内に回動自在に軸承されており、これによりレバーアーム301が多軸方向(本実施の形態では、前・後・左・右・斜め前左・斜め前右・斜め後左・斜め後右の8方向)に揺動自在とされているとともに、いずれの方向にも外力が加わっていない状態において、略垂直方向を向く起立姿勢に保持するための姿勢保持機構(例えばバネ等によりレバーアーム301を鉛直下方に付勢して起立姿勢に保持する等)が設けられている(図示略)。
レバーアーム301は、上下方向の中央位置よりもやや上方位置において、前方に向けて屈曲する屈曲部が形成されているとともに、その先端は打球供給皿3の下面に形成された挿通口364を挿通して、その直上に位置する規制凹部363内に遊挿されている。そして規制凹部363内に遊挿された状態で、半球面状に形成された先端面301bが、軸受部を中心とした球面状の内上面363bに摺接されるようになっている。
また、レバーアーム301が軸受部を中心として所定の方向に揺動したときに、その先端部近傍の周面が規制凹部363の内側周面363aに当接するようになっている。つまり、レバーアーム301の揺動範囲は、規制凹部363の内側周面363aとの当接により規制される。そしてこの規制範囲は、球面軸受303aに軸承されたレバーアーム301の最大揺動範囲(最大傾倒角度)よりも小さく設定されているため、レバーアーム301が過度な力で傾倒操作された場合でも、レバーアーム301の先端が内側周面363aに当接することにより揺動が規制され、負荷が規制部材361側に分散されるため、球面軸受303aに無理な負荷が加わることが防止される。よって、特に軸受部材303が破損したり、あるいは該軸受部材303の近傍に配置されるレバースイッチ510a〜510d等が故障したり、該軸受部材303を固定する支持板366や、下扉枠103における支持板366の固定箇所が破損しにくい。
また、レバーアーム301の先端面301bが、規制凹部363の内上面363bに摺接されていることで、傾倒方向の揺動規制だけでなく、球面軸受303aに対する上方への移動が規制されるため、例えばパチンコ機1の搬入時等において、搬送者が操作レバー300を握ってパチンコ機1を持ち上げるなどして、上方に向けて過度な力が加わった場合でも、内上面363bとの摺接により上方への移動が規制され、負荷が規制部材361側に分散されるため、球面軸受303aに対して逸脱方向に無理な負荷が加わることが防止される。
また、レバーアーム301の下端は、軸部301aから支持板366に形成された貫通口366aを挿通して下方に垂下されて支持板366の下方に延出され、この下端には、支持板366の下方に前後左右に設けられた4つのレバースイッチ510a〜510dに選択的に当接可能な円盤状の当接盤301cが形成されている。
この当接盤301cは、レバーアーム301が後側に傾倒されたときに前側のレバースイッチ510aに当接し、レバーアーム301が前側に傾倒されたときに後側のレバースイッチ510cに当接し、レバーアーム301が左側に傾倒されたときに右側のレバースイッチ510bに当接し、レバーアーム301が右側に傾倒されたときに左側のレバースイッチ510dに当接する。さらに、レバーアーム301が斜め後右側に傾倒されたときに前側及び左側のレバースイッチ510a,510dに当接し、レバーアーム301が斜め後左側に傾倒されたときに前側及び右側のレバースイッチ510a,510bに当接し、レバーアーム301が斜め前右側に傾倒されたときに後側及び左側のレバースイッチ510d,510cに当接し、レバーアーム301が斜め前左側に傾倒されたときに後側及び右側のレバースイッチ510b,510cに当接するようになっている。
つまり、軸受部材303の下方には、レバーアーム301の4軸方向(前・後・左・右・斜め前左・斜め前右・斜め後左・斜め後右の8方向、図7中白抜き矢印参照)の傾倒を検出するための4つのレバースイッチ510a〜510d(図3参照)が設けられており、これら各レバースイッチ510a〜510dから出力される信号を演出制御用マイクロコンピュータ81が受信することにより、操作レバー300の揺動(傾倒)方向を特定し、該特定した方向に向けて、後述する照準カーソル(照準位置)を移動させる制御を行うようになっている。
尚、これらレバーアーム301の傾倒方向を検出するレバースイッチ501a〜510dは、スイッチセンサに限定されるものではなく、フォトセンサ等、他のセンサを適用してもよい。
グリップカバー302は、図5及び図7に示されるように略円筒状に形成され、レバーアーム301の外周に相対回転不能に装着される。グリップカバー302の下部は、下端に向けて漸次外方に拡径するスカート部302aが形成され、その下方に配置される軸受部材303の上面が覆われているため、いずれの軸方向にも傾倒していない起立姿勢(図5及び図7の状態)及びいずれかの軸方向に傾倒した傾倒姿勢となっても、下カバー365の上面に形成された挿通口368を介して軸受部材303や下台4の内部が露呈したり、内部の種々の装置に対する不正行為を目的として針金等の異物が容易に進入されないようになっている。
グリップカバー302の上端開口は閉塞されているとともに、上端外周には、外方に拡がるフランジ部302bが形成され、グリップカバー302の上端面302cの面積が増大されている。このようにすることで、例えば図5に示されるように、操作レバー300が起立姿勢にある場合や、図8(a)に示されるように、操作レバー300が後方に傾倒され、レバーアーム301の先端が規制凹部363の内側面363a後側に当接して揺動が規制された場合や、操作レバー300が前方、つまり遊技者側に傾倒され、レバーアーム301の先端が規制凹部363の内側面363a前側に当接して揺動が規制された場合や、特に図示はしないが、操作レバー300が左方または右方に傾倒され、レバーアーム301の先端が規制凹部363の内側面363a左側または右側に当接して揺動が規制された場合において、上カバー360の下面に形成された挿通口364が常にグリップカバー302の上端面302cにより閉塞されるため、挿通口364を介して打球供給皿3の内部が露呈したり、内部の種々の装置に対する不正行為を目的として針金等の異物が容易に進入されないようになっている。
さらに、上カバー360の下面における挿通口364の周囲と、グリップカバー302の上端面302cとは、それぞれ軸受部を中心とする球面状に形成されているとともに、互いに摺接されているため、内部の種々の装置に対する不正行為を目的として針金等の異物の進入がより効果的に防止される。
グリップカバー302の屈曲部後面側には、トリガー512が揺動自在に設けられており、図5に示されるように、遊技者は操作レバー300を握った手でトリガー512を手前側に押圧操作することができるようになっている。
また、円筒状のグリップカバー302の内部には、前述したタッチセンサ513が設けられており、遊技者が操作レバー300を握るもしくは触れたことを検出することができるようになっている。尚、本実施の形態のタッチセンサ513は、金属製のレバーアーム301における導電率の変化の検出により接触されたか否かを検出する誘電センサであり、金属製のレバーアーム301の上下方向略中央位置に環装されている。尚、タッチセンサ513の検出部をグリップカバー302の表面に露呈させ、遊技者により直接接触されるように設けて接触を検出するようにしてもよい。
また、操作レバー300に振動を発生させるバイブレータ514が設けられており、例えば後述するように、操作レバー300を操作しているときにバイブレータ514を駆動して操作レバー300を振動させることにより、遊技者に対して触覚にて衝撃を与えることができるようになっている。
以上、本発明の実施の形態としてのパチンコ機1にあっては、操作レバー300が過度な力で操作されても、該操作レバー300の揺動範囲が当接規制部である規制凹部363の内面との当接により規制されることで、無理な負荷が軸受部材303のみにかかることなく、規制部材361に分散されるため、軸受部材303の故障や該軸受部材303が設けられている遊技枠103の破損等が防止される。また、パチンコ遊技機1の本体前面に突設された遊技球貯留部である打球供給皿3と突出部である下台4との間に操作レバー300が配置されることで、軸受部材303と規制部材361とを打球供給皿3及び下台4それぞれに配設することができるばかりか、操作レバー300の先端が本体前面から張り出すこと等がないので、パチンコ遊技機1の本体の搬送時等において操作レバー300が破損しにくくなる。
具体的には、操作レバー300の上端は、下扉枠103の前面から前方に突出する打球供給皿3により上方から被覆され、かつ、図5に示されるように、打球供給皿3及び下台4の前端部よりも前方に張り出さないように設けられているため、例えばパチンコ遊技機1の本体が前側に倒れたとしても、操作レバー300が打球供給皿3や下台4により保護される。
次に、遊技機の動作について説明する。図9は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ156が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ156(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容
を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ156が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ81は、初期化指定コマンドを受信すると、変動表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路(図示略)を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路(図示略)にランダムR(大当り判定用乱数)の値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ156が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図10に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合や、正規の時期以外の時期において第2始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に、異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
各乱数は、以下のように使用される。(1)ランダム1:大当りの種別を決定する(大当り種別決定用)(2)ランダム2:特別図柄のはずれ図柄を決定する(はずれ図柄決定用)(3)ランダム3:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)(4)ランダム4:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)(5)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、(1)の大当り種別決定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されたハードウェア(乱数回路(図示略))が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ156によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。具体的には、特別図柄表示器8にて変動を開始するときに大当りとするか否かを抽選するとともに、特別図柄表示器8の変動が停止したときに、はずれであれば変動を開始できる状態にプロセスを移行させる一方、大当りであればプロセスを大当りとして大入賞口を開放制御するプロセスに移行させる。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、変動表示装置9における飾り図柄の表示制御に関する演出制御コマンドなどを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力すること
によって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図11は、特別図柄プロセス処理として、図10に示すステップS27にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図12は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図12に示す始動入賞判定処理において、CPU56は、まず、図3に示す第1始動口スイッチ14aと第2始動口スイッチ14bのうち、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ14aからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ14aからの検出信号がオン状態であれば(ステップS201;Yes)、RAM55の遊技制御用データ保持エリアに設けられた第1特図保留記憶部151Aに記憶されている保留データの個数に対応した第1保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU56は、RAM55の遊技制御カウンタ設定部に設けられた第1保留記憶数カウンタの値(第1保留記憶数カウント値)を読み取ることなどにより、第1保留記憶数を特定すればよい。
図13(a)は、第1特図保留記憶部の構成例を示している。第1特図保留記憶部151Aは、始動入賞装置15が形成する第1始動口15aに遊技球が入賞して第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動口15aへの入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その入賞(遊技球の検出)による第1始動条件の成立に基づいてCPU56により乱数回路等から抽出された各種の乱数値を示す数値データを保留データとし、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。この実施の形態では、大当り判定用のランダムRを示す数値データと、大当り種別決定用のランダム1を示す数値データとが、保留データとして第1特図保留記憶部151Aに記憶される。
図12のステップS202にて第1保留記憶数が上限値ではない場合には(ステップS202;No)、例えば第1保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、第1保留記憶数を1加算する(ステップS203)。そして、乱数回路やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、大当り判定用のランダムRや大当り種別決定用のランダム1を示す数値データを、抽出する(ステップS204)。このとき抽出した各乱数値を示す数値データが、保留データとして第1特図保留記憶部151Aにおける空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値が記憶される(ステップS205)。
ステップS205の処理を実行した後には、例えばRAM55の遊技制御カウンタ設定部に設けられた合計保留記憶数カウンタの値(合計保留記憶数カウント値)を1加算することなどにより、合計保留記憶数を1加算する(ステップS206)。続いて、例えばROM54における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板80に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS207)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図10に示すステップS29の飾り図柄コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
ステップS201にて第1始動口スイッチ14aからの検出信号がオフ状態である場合や(ステップS201;No)、ステップS202にて第1保留記憶数が上限値に達している場合(ステップS202;Yes)、あるいは、ステップS207の処理を実行した後には、第2始動口15bに対応して設けられた第2始動口スイッチ14bからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS208)。このとき、第2始動口スイッチ14bからの検出信号がオフ状態であれば(ステップS208;No)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2始動口スイッチ14bからの検出信号がオン状態である場合には(ステップS208;Yes)、RAM55の遊技制御用データ保持エリアに設けられた第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの個数に対応した第2保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS209)。このとき、CPU56は、RAM55の遊技制御カウンタ設定部に設けられた第2保留記憶数カウンタの値(第2保留記憶数カウント値)を読み取ることなどにより、第2保留記憶数を特定すればよい。
図13(b)は、第2特図保留記憶部の構成例を示している。第2特図保留記憶部151Bは、始動入賞装置15が形成する第2始動口15bに遊技球が入賞して第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲームの保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動口15bへの入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その入賞(遊技球の検出)による第2始動条件の成立に基づいてCPU56により乱数回路等から抽出された各種の乱数値を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。この実施の形態では、大当り判定用のランダムRを示す数値データと、大当り種別決定用のランダム1を示す数値データとが、保留データとして第2特図保留記憶部151Bに記憶される。
図12のステップS213にて第2保留記憶数が上限値に達していれば(ステップS209;Yes)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2保留記憶数が上限値ではない場合には(ステップS209;No)、例えば第2保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、第2保留記憶数を1加算する(ステップS210)。そして、乱数回路やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、大当り判定用のランダムRや大当り種別決定用のランダム1を示す数値データを、抽出する(ステップS211)。このとき抽出した各乱数値を示す数値データが、保留データとして第2特図保留記憶部151Bにおける空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値が記憶される(ステップS212)。
ステップS212の処理を実行した後には、例えば合計保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、合計保留記憶数を1加算する(ステップS213)。続いて、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板80に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS214)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図10に示すステップS29の飾り図柄コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板80に対して伝送される。以上のような始動入賞判定処理を実行した後には、特別図柄プロセスフラグの値に応じて、図11に示すステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、特別図柄表示器8による特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、大当り判定用のランダムRを示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、特別図柄表示器8による特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、特別図柄表示器8において特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、RAM55の遊技制御タイマ設定部に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特別図柄プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、特別図柄表示器8にて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM55の遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特別図柄プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、小当りフラグがオンである場合には特別図柄プロセスフラグの値を“8”に更新する。さらに、大当りフラグ及び小当りフラグがいずれもオフである場合には、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大入賞口開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突然確変」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」又は「確変」であることに対応して15ラウンド大当り状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンド遊技の実行回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定する。これに対して、大当り種別が「突然確変」であることに対応して2ラウンド大当り状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、ラウンド遊技の実行回数となる大入賞口の開放回数を「2回」に設定する。
ステップS115の大入賞口開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド21aに対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS116の大入賞口開放後処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大入賞口開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。
ステップS117の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、変動表示装置9やスピーカ27a、27b、各種LEDなどといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り種別に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。
ステップS118の小当り開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において可変入賞動作の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば可変表示結果が「小当り」であることに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、可変入賞動作における大入賞口の開放回数を「2回」に設定すればよい。
ステップS119の小当り開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド21aに対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、変動表示装置9やスピーカ27a、27b、各種LEDなどといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。
図14は、図11のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す特別図柄通常処理において、CPU56は、まず、例えばRAM55の遊技制御カウンタ設定部に記憶されている合計保留記憶数カウント値などに基づき、第1保留記憶数と第2保留記憶数の合計値である合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。このとき、合計保留記憶数が「0」以外であれば(ステップS231;No)、例えば合計保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、合計保留記憶数を1減算するように更新する(ステップS232)。
ステップS232の処理を実行した後には、まず、例えば遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値などに基づき、第2保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS233)。このとき、合計保留記憶数が「0」であれば(ステップS233;Yes)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、大当り判定用のランダムRを示す数値データと、大当り種別決定用のランダム1を示す数値データを、それぞれ読み出す(ステップS234)。このときには、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、第1保留記憶数を1減算するように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS235)。そして、第2始動条件が成立したことに基づく特図ゲームを開始することに対応して、遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動特図指定バッファの値(変動特図指定バッファ値)を「1」に設定する(ステップS236)。
ステップS233にて第2保留記憶数が「0」以外であると判定された場合には(ステップS233;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、大当り判定用のランダムRを示す数値データと、大当り種別決定用のランダム1を示す数値データを、それぞれ読み出す(ステップS237)。このときには、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、第2保留記憶数を1減算するように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS238)。そして、第1始動条件が成立したことに基づく特図ゲームを開始することに対応して、変動特図指定バッファ値を「2」に設定する(ステップS239)。
ステップS236、S239の処理のいずれかを実行した後には、可変表示結果を「ハズレ」、「小当り」、「大当り」のいずれとするかを判定するための使用テーブルとして、ROM54に記憶される表示結果決定テーブル130を選択してセットする(ステップS240)。例えば、ステップS240の処理では、ROM54における表示結果決定テーブル130の記憶アドレスを、決定テーブルポインタなどにセットすればよい。
図15は、ROMに記憶される表示結果決定テーブルの構成例を示している。表示結果決定テーブル130は、特別図柄表示器8による特別図柄を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、大当り判定用のランダムRに基づいて決定するために参照されるテーブルである。
表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて、大当り判定用のランダムRと比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果のいずれかに割り当てられている。この実施の形態では、第1始動条件が成立したことに基づく特図ゲームであるか、第2始動条件が成立したことに基づく特図ゲームであるかにかかわらず、同一の表示結果決定テーブル130を参照して特図表示結果が決定される。
これに対して、第1始動条件の成立に基づく特図ゲームの場合と、第2始動条件の成立に基づく特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。この場合には、第1始動条件の成立に基づく特図ゲームの場合と、第2始動条件の成立に基づく特図ゲームの場合とでは、「小当り」の特図表示結果に対する決定値の割当てを異ならせてもよい。一例として、第2始動条件の成立に基づく特図ゲームの場合には、第1始動条件の成立に基づく特図ゲームの場合に比べて、「小当り」の特図表示結果に決定される割合が低くなるように、各特図表示結果に決定値が割り当てられるようにしてもよい。
このような設定により、第2始動条件の成立に基づく特図ゲームでは、第1始動条件の成立に基づく特図ゲームに比べて、可変表示結果が「小当り」となる確率を低下させて、確変状態や時短状態における高開放制御で第2始動口15bに遊技球が進入しやすくなっているときに、特図表示結果が「小当り」となって賞球がほとんど得られない小当り遊技状態に制御されてしまうことを防止して、確変状態や時短状態での遊技に間延びが生じることによる遊技興趣の減退を抑制することができる。さらに、第2始動条件の成立に基づく特図ゲームの場合には、「小当り」の特図表示結果に決定されることがないように決定値が割り当てられるようにしてもよい。
CPU56は、こうしてセットされた表示結果決定テーブル130を参照することにより、図14のステップS234、S237にて読み出された大当り判定用のランダムRを示す数値データが、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、特図表示結果を「大当り」や「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS241)。そして、ステップS241にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS242)。
ステップS242にて「大当り」であると判定された場合には(ステップS242;Yes)、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。
図16は、ROMに記憶される大当り種別決定テーブルの構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」とする旨の判定がなされて大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、可変表示態様を「非確変」や「確変」、「突然確変」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、RAM55の遊技制御バッファ設定部に設けられた変動特図指定バッファの値(変動特図指定バッファ値)が「1」であるか「2」であるかに応じて、大当り種別決定用のランダム1と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突然確変」などの大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、15ラウンド大当り状態に制御するか2ラウンド大当り状態に制御するかの決定結果や、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。例えば、「非確変」又は「確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、15ラウンド大当り状態に制御するとの決定結果に対応し、「突然確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、2ラウンド大当り状態に制御するとの決定結果に対応している。また、「非確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御しないとの決定結果に対応する一方で、「確変」又は「突然確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御するとの決定結果を示している。
図16に示す大当り種別決定テーブル131では、変動特図指定バッファ値が「1」であるか「2」であるかに応じて、各大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。例えば、「確変」の大当り種別に対しては、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「37」〜「72」の範囲の決定値が割り当てられる一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に「37」〜「100」の範囲の決定値が割り当てられる。「突然確変」の大当り種別に対しては、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に「73」〜「100」の範囲の決定値が割り当てられる一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には決定値が割り当てられていない。
図16に示す設定例では、第2始動条件が成立したことに基づく特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定したときには、大当り種別を「突然確変」として2ラウンド大当り状態に制御すると決定されることがない。このような設定により、確変状態や時短状態における高開放制御で第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなっているときに、大当り種別が「突然確変」となって賞球がほとんど得られない2ラウンド大当り状態に制御されてしまうことを防止して、確変状態や時短状態での遊技に間延びが生じることによる遊技興趣の減退を抑制することができる。このような設定とともに、第2始動条件の成立に基づく特図ゲームが第1始動条件の成立に基づく特図ゲームよりも優先して実行されることで、確変状態や時短状態から15ラウンド大当り状態となる割合を高めて、遊技興趣を向上させるようにしてもよい。
なお、変動特図指定バッファ値が「2」である場合でも、例えば変動特図指定バッファ値が「1」であるときよりも少ない決定値が、「突然確変」の特図表示結果に対して割り当てられるようにしてもよい。また、遊技状態が時短状態であるときには、大当り種別が「突然確変」となって2ラウンド大当り状態の終了後に確変状態へと移行すれば、遊技者にとっての有利度合いが増大することになる。そこで、遊技状態が時短状態であるときには、変動特図指定バッファ値が「2」である場合でも、「突然確変」の特図表示結果に対して決定値が割り当てられるように、大当り種別決定テーブル131におけるテーブルデータを構成してもよい。
こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、図14のステップS234、S237にて読み出した大当り種別決定用のランダム1を示す数値データに基づき、「非確変」、「確変」、「突然確変」といった予め複数用意された大当り種別のいずれかに決定する(ステップS244)。なお、ステップS239の処理で変動特図指定バッファ値を「2」に設定した場合には、大当り種別決定テーブル131にて「突然確変」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていないことから、大当り種別が「突然確変」に決定されることはない。
ステップS242にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS242;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS245)。
ステップS245にて「小当り」であると判定されたときには(ステップS245;Yes)、ステップS244の処理を実行した後には、大入賞口開放回数最大値を設定する(ステップS246)。このときには、例えば、可変表示結果が「大当り」に決定された場合において、ステップS244にて決定された大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかであれば、大入賞口開放回数最大値を15回開放遊技に対応した「15」に設定する。これに対して、可変表示結果が「大当り」に決定された場合において、ステップS244にて決定された大当り種別が「突然確変」であれば、大入賞口開放回数最大値を2回開放遊技に対応した「2」に設定する。また、可変表示結果が「小当り」に決定された場合にも、大入賞口開放回数最大値を2回開放遊技に対応した「2」に設定する。
ステップS245にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS245;No)、ステップS246の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS247)。一例として、ステップS245にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS245にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。さらに、ステップS242にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。さらに、大当り種別を「突然確変」とする決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS247にて確定特別図柄を設定した後には、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。また、ステップS231にて合計保留記憶数が「0」である場合には(ステップS231;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS249におけるデモ表示設定では、例えば変動表示装置9において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する客待ちデモ指定コマンドが、主基板31から演出制御基板80に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、例えばROM54における客待ちデモ指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、客待ちデモ指定コマンドの送信設定を行う。こうして設定された客待ちデモ指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図10に示すステップS29の飾り図柄コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ156から演出制御用マイクロコンピュータ81に対する制御コマンドの送出方式について説明する。この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ81から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機になる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ81が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。
この実施の形態では、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドは2バイト構成である。1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
コマンド8000(H)〜800F(H)は、特別図柄の可変表示に対応して変動表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。
コマンド8C00(H)〜8C06(H)は、変動表示装置9における飾り図柄の停止図柄(表示結果)の内容を指定する演出制御コマンドである。なお、この実施の形態では、コマンド8C00(H)〜8C04(H)を図柄情報指定コマンドという。
コマンド8C00(H)は、特別図柄の停止図柄(表示結果)がはずれ図柄と決定されたことを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。コマンド8C01(H)は、特別図柄の停止図柄が非確変図柄と決定されたこと(つまり非確変大当り(通常大当りともいう。)と決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)である。
コマンド8C02(H)は、特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定されたことを指定する演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド)である。
コマンド8C03(H)は、特別図柄の停止図柄が突然確変図柄と決定されたこと(つまり突然確変大当りと決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(突然確変大当り指定コマンド)である。コマンド8C04(H)は、特別図柄の停止図柄が小当り図柄と決定されたこと(つまり小当りと決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(小当り指定コマンド)である。
コマンド8F00(H)は、変動表示装置9における飾り図柄の可変表示(変動)の停止を指定する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド、図柄確定指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9500(H)〜9503(H)は、変動表示装置9における遊技状態に応じた背景表示を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド)である。コマンド9500(H)は、変動表示装置9における通常遊技状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、変動表示装置9における確変状態(高確率状態)のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率状態背景指定コマンド)である。コマンド9502(H)は、変動表示装置9における時短状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンド9503(H)は、変動表示装置9におけるチャンスモード状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(チャンス状態背景指定コマンド)である。なお、チャンスモードは、突然確変大当りおよび小当りの終了後に確変状態への移行に対する期待を持たせる演出モードである。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA000(H)〜A002(H)は、大当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA000(H)は、通常大当り(非確変大当り)が決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ1指定コマンド)である。コマンドA001(H)は、確変大当りが決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ2指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、突然確変大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ3指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、15ラウンド大当り遊技におけるラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。コマンドA2XX(H)は、15ラウンド大当り遊技におけるラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。
コマンドA301(H)〜A303(H)は、大当り遊技が終了することを指定する演出制御コマンド(エンディング指定コマンド)である。コマンドA301(H)は、通常大当り遊技の終了(大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されているか否かを特定不能な追撃モードに突入することを報知する追撃モード報知を実行すること)を指定する演出制御コマンド(エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、確変大当りが決定されたときの大当りの終了を指定する演出制御コマンド(エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、突然確変大当りの終了を指定する演出制御コマンド(エンディング3指定コマンド)である。
コマンドA4XX(H)は、2ラウンド大当り遊技(突然確変大当り遊技)におけるラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。コマンドA5XX(H)は、2ラウンド大当り遊技(突然確変大当り遊技)におけるラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、「XX」にはラウンド数が設定される。
コマンドA600(H)は、小当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(小当り用ファンファーレ指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、XXで示される数の始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンド(始動入賞記憶指定コマンド)である。
コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞報知指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ156から上述した演出制御コマンドを受信すると、内容に応じて変動表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、上記演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、変動表示装置9に大当り中の入賞球数を表示する場合はカウントスイッチ23のカウント数を指定する演出制御コマンドなども主基板31から演出制御基板80に送信される。
次に、演出制御基板80における動作を説明する。演出制御基板80では、電源基板から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ81が起動し、CPU86が図17のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図17に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU86は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップSa51)、RAM85のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板80に搭載された図示せぬCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。続いて、CPU86は、記憶領域設定指令処理を実行することにより、VDP262が備える一時記憶メモリ(図示略)における記憶領域を、固定アドレスエリアと可変アドレスエリアとに設定するための指令を行う(ステップSa52)。
記憶領域設定指令処理を実行した後には、事前転送指令処理を実行することにより、一時記憶メモリ(図示略)の固定アドレスエリアとなる記憶領域に、変動表示装置9における表示頻度が所要の演出画像に比べて高くなるように設定された演出画像に対応した画像データを一時記憶させるための指令を行う(ステップSa53)。
次いで、RAM85の演出制御フラグ設定部に設けられたタイマ割込みフラグを監視して、そのフラグがオンとなったか否かを判定する(ステップSa54)。そして、タイマ割込みが発生せずにタイマ割込みフラグがオフである場合には(ステップSa54;No)、タイマ割込みが発生するまでループ処理を実行して待機する。他方、タイマ割込みの発生によりタイマ割込みフラグがオンとなった場合には(ステップSa54;Yes)、そのフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップSa55)、主基板31から送信された演出制御コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行する(ステップSa56)。
ステップS56のコマンド解析処理では、まず、受信コマンドバッファをチェックして主基板31から送信された演出制御コマンドの受信があるか否かの判定が行われる。そして、受信コマンドありと判定したときには、そのコマンドを受信コマンドバッファから読み出す。これに続いて、読み出された受信コマンドに対応する各種の処理が実行される。
コマンド解析処理を実行した後には、飾り図柄プロセス処理を実行する(ステップSa57)。この飾り図柄プロセス処理では、変動表示装置9の表示画面にて行われる飾り図柄の可変表示の進行状況に応じて、変動表示装置9の表示出力、スピーカ27a、27bからの音声出力、各種LEDの点灯動作などにより各種の演出動作を実行するための設定が行われる。そして、演出側乱数値更新処理が実行されることにより(ステップSa58)、演出制御基板80の側にて乱数回路(図示略)等によりカウントされる各種の乱数値が更新される。さらに、変動表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップSa59)。その後、ステップSa54に戻る。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板31から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、CPU86は、自動的に割込み禁止状態に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。
主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生した割込みに対応して、CPU86は、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、演出制御用マイクロコンピュータ81が備える入出力ポートに含まれる入力ポートのうちで、信号中継基板13を介して主基板31から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートから、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM85の演出制御バッファ設定部に設けられた演出側受信コマンドバッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出側受信コマンドバッファに格納する。その後、CPU86は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
図18は、図17のステップS57にて実行される飾り図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。飾り図柄プロセス処理では、例えばRAM85の演出制御フラグ設定部に設けられた飾り図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS100〜S105の各処理が実行される。
ステップSa100の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始コマンド受信待ち処理は、主基板31からの可変表示開始コマンドを受信したか否かに基づいて変動表示装置9における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップSa101の飾り図柄可変表示設定処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この飾り図柄可変表示設定処理は、特別図柄表示器8による特図ゲームにて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、変動表示装置9における飾り図柄の可変表示を含めた変動表示装置9における演出画像の表示動作や、飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄が導出表示されるまでの期間において各種の演出画像を変動表示装置9に表示させる表示動作といった、各種の演出動作を行うために、例えば演出制御パターンテーブル(図示略)に格納されている複数種類の演出制御パターンのうちから、可変表示パターンや表示結果の種類などに対応するものを選択する処理を含んでいる。また、特に本実施の形態では、後述する報知設定処理が行われる。
ステップSa102の飾り図柄変動中処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この処理において、CPU86は、RAM85の演出制御タイマ設定部に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値を、例えば1減算するなどして更新し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して、演出制御パターンから表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなどの演出制御データを読み出す。このとき読み出された演出制御データに従って、例えば表示制御部(図示略)のVDP262に表示制御指令を送信することや、VDP262から転送されるデータに応じた各種処理を実行すること、音制御部(図示略)に音声制御指令を送信すること、ランプ制御部(図示略)にランプ制御指令を送信することといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御が行われる。また、特に本実施の形態では、後述する報知演出処理が行われる。そして、演出制御パターンから飾り図柄の可変表示の終了に対応した終了コードが読み出されると、大当り開始コマンド受信待ち時間に対応する所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。この後、飾り図柄プロセスフラグの値を大当り開始待ち処理に対応した値である“3”に更新する。
ステップSa103の大当り開始待ち処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この処理において、CPU86は、主基板31から送信された大当り開始コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り開始コマンドを受信した場合には、飾り図柄の可変表示結果が大当りであるとの判断に基づき、飾り図柄プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、主基板31からの大当り開始コマンドを受信することなく、演出制御プロセスタイマがタイムアウトした場合には、飾り図柄の可変表示結果がハズレであるとの判断に基づき、飾り図柄プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップSa104の大当り中演出処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この処理において、CPU86は、例えば変動表示装置9における表示動作を制御して大当り遊技状態に応じた画像を表示させたり、スピーカ27a,27bにおける音声出力動作を制御して大当り遊技状態に応じた音声を出力させたり、各種LEDにおける点灯/消灯動作を制御して大当り遊技状態に応じた点灯・消灯・点滅の動作をさせたりするといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を行う。そして、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技が最終ラウンド(例えば第15ラウンド)の終了に達したことや、主基板31から送信される大当り終了コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップSa105のエンディング演出処理は、飾り図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理は、例えば変動表示装置9に所定の演出画像を表示させたり、スピーカ27a,27bから音声を出力させたり、各種LEDを点灯させたりすることにより、大当り遊技状態の終了を報知するための演出動作を制御する処理を含んでいる。
図19は、図18のステップSa101にて実行される報知設定処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す報知設定処理において、CPU86は、まず、主基板11から受信した図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が、非確変大当り、確変大当りのいずれかであるか否かを判定する(ステップSa151)。非確変大当り、確変大当りのいずれでもなければ(ステップSa151;No)、そのまま報知設定処理を終了する。
ステップSa151にて特別図柄の停止図柄(表示結果)が、非確変大当り、確変大当りのいずれかであると判定された場合には(ステップSa151;No)、「非ロックオン報知」、「ロックオン報知」といった報知種別を決定するための使用テーブルとして、報知種別決定テーブル160を選択してセットする(ステップSa152)。ここで、「非ロックオン報知」では、変動表示装置9の画面上に表示される照準カーソル(照準位置)を操作レバー300により操作しながらタイミングよくトリガー512を操作して敵機(目標対象)を撃ち落すことにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されるか否かが報知される。これに対して、「ロックオン報知」では、変動表示装置9の画面上に表示される照準カーソル(照準位置)を操作レバー300により操作して敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)をロックオンしてからトリガー512を操作してして敵機(目標対象)を撃ち落すことにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されるか否かが報知される。
図20は、ROMに記憶される報知種別決定テーブルの構成例を示している。報知種別決定テーブル160は、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかに応じて、報知種別決定用の乱数値に基づき、非ロックオン報知、ロックオン報知といった複数種類の報知種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別が「非確変」である場合には、抽出された報知種別決定用の乱数値が「1」〜「100」の範囲の数値であれば、「非ロックオン報知」に決定され、報知種別決定用の乱数値が「101」〜「191」であれば、「ロックオン報知」に決定される。大当り種別が「確変」である場合には、抽出された報知種別決定用の乱数値が「1」〜「80」の範囲の数値であれば、「非ロックオン報知」に決定され、報知種別決定用の乱数値が「81」〜「191」であれば、「ロックオン報知」に決定される。
このように、大当り種別が「確変」であるときには、「非確変」であるときよりも高い確率で「ロックオン報知」に決定されるため、「ロックオン報知」を実行することで、遊技者の大当り遊技状態の発生に対する期待感を効果的に高めることができる。
次いで、RAM85の演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタ等により更新される報知種別決定用の乱数値を示す数値データを抽出する(図19のステップSa153)。そして、図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が、非確変大当り、確変大当りのいずれであるかに応じて、報知種別決定用の乱数値を示す数値データに基づき、ステップSa152にてセットされた報知種別決定テーブル160を参照することなどにより、報知種別を「非ロックオン報知」、「ロックオン報知」のいずれかに決定する(ステップSa154)。
次いで、操作レバー300の操作に応じた照準カーソル(照準位置)の移動速度を決定するための使用テーブルとして、移動速度決定テーブル161を選択してセットする(ステップSa155)。
図21は、ROMに記憶される移動速度決定テーブルの構成例を示している。移動速度決定テーブル160は、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかに応じて、移動速度決定用の乱数値に基づき、操作レバー300の操作に応じた照準カーソル(照準位置)の移動速度を、低速、中速、高速といった複数種類の速度のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別が「非確変」である場合には、抽出された移動速度決定用の乱数値が「1」であれば、「低速」に決定され、移動速度決定用の乱数値が「2」〜「6」の範囲の数値であれば、「中速」に決定され、移動速度決定用の乱数値が「7」〜「20」であれば、「高速」に決定される。大当り種別が「確変」である場合には、抽出された移動速度決定用の乱数値が「1」〜「14」の範囲の数値であれば、「低速」に決定され、移動速度決定用の乱数値が「15」〜「19」であれば、「中速」に決定され、移動速度決定用の乱数値が「20」であれば、「高速」に決定される。
このような設定により、大当り種別が「確変」である場合、「非確変」である場合よりも高い確率で「低速」に決定される。そして、操作レバー300の操作に応じた照準カーソル(照準位置)の移動速度が低速であればある程、照準カーソル(照準位置)を敵機(目標対象)に調整しやすくなる。このため、大当り種別が「確変」である場合、「非確変」である場合よりも、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されるか否かが報知される割合が高くすることができ、遊技興趣が向上させることができる。
次いで、RAM85の演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタ等により更新される移動速度決定用の乱数値を示す数値データを抽出する(図19のステップSa156)。そして、図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が、非確変大当り、確変大当りのいずれであるかに応じて、移動速度決定用の乱数値を示す数値データに基づき、ステップSa152にてセットされた移送速度決定テーブル161を参照することなどにより、移動速度を「低速」、「中速」、「高速」のいずれかに決定してから(ステップSa157)、報知設定処理を終了する。
図22、図23、図24、及び図25は、図18のステップS102にて実行される報知演出処理の一例を示すフローチャートである。この報知演出処理において、CPU86は、まず、RAM85の演出制御フラグ設定部に設けられた報知中フラグがオンであるか否かを判定する(図22のステップSa171)。報知中フラグがオフであれば(ステップSa171;No)、図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が、非確変大当り、確変大当りのいずれかであるか否かを判定する(ステップSa172)。図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が、非確変大当り、確変大当りのいずれでもなければ(ステップSa172;No)、そのまま報知演出処理を終了する。
ステップSa172にて図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が、非確変大当り、確変大当りのいずれかであると判定された場合には(ステップSa172;Yes)、例えばRAM85の演出制御プロセスタイマ値と所定の報知開始判定値とが合致するか否かなどに応じて、報知演出の開始タイミングとなったか否かを判定する(ステップSa173)。本実施の形態では、変動表示装置9において左中右の飾り図柄を同一の非確変図柄が停止表示されたタイミングが、報知演出の開始タイミングとなる。報知演出の開始タイミングとなっていなければ(ステップSa173;No)、そのまま報知演出処理を終了する。
ステップSa173にて報知演出の開始タイミングとなっている場合には(ステップSa173;Yes)、報知演出となる演出動作を開始するための設定を行う(ステップSa174)。一例として、ステップSa174の処理では、報知演出に対応した演出制御パターンを各種演出制御パターンテーブルから読み出し、演出制御プロセスタイマの設定を行う。具体的には、操作レバー300及びトリガー512の操作が有効となる操作有効期間に対応するタイマ初期値などが演出制御プロセスタイマに設定される。その後、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読み出した制御データに従い、例えば表示制御部(図示略)のVDP262に表示制御指令を送信することや、VDP262から転送されるデータに応じた各種処理を実行すること、音制御部(図示略)に音声制御指令を送信すること、ランプ制御部(図示略)にランプ制御指令を送信することにより、報知演出となる演出動作が開始される。
その後、RAM85の演出制御フラグ設定部に設けられた報知中フラグをオン状態にセットしてから(ステップSa175)、報知演出処理を終了する。
ステップSa171にて報知中フラグがオフである場合には(ステップSa171;Yes)、操作有効期間が経過したか否かを判定する(ステップSa176)。ステップS176の処理では、ステップSa174にて設定された演出制御パターンに示される操作有効期間終了判定値が、演出制御プロセスタイマ値と合致するか否かなどにより、操作有効期間が経過したか否かが判定される。操作有効期間が経過していなければ(ステップSa176;No)、ステップSa154にて決定された報知種別が「非ロックオン報知」であるか否かを判定する(ステップSa177)。
ステップSa177にて報知種別が「非ロックオン報知」である場合には(ステップSa177;Yes)、操作レバー300が操作されたか否か、すなわちレバースイッチ510a〜510dのいずれかがオンであるかを判定する(図23のステップSa178)。操作レバー300が操作されていれば(ステップSa178;Yes)、操作レバー300の操作、すなわちレバースイッチ510a〜510dのいずれがオンであるかに応じて、変動表示装置9の画面上に表示される照準カーソル(照準位置)を移動させる制御を行う(ステップSa179)。
一例として、ステップSa179の処理では、レバースイッチ510aがオンであれば、照準カーソル(照準位置)を変動表示装置9の画面上方に移動させ、レバースイッチ510bがオンであれば、照準カーソル(照準位置)を変動表示装置9の画面左側に移動させ、レバースイッチ510cがオンであれば、照準カーソル(照準位置)を変動表示装置9の画面下方に移動させ、レバースイッチ510dがオンであれば、照準カーソル(照準位置)を変動表示装置9の画面右側に移動させる制御が行われる。また、レバースイッチ510a及びレバースイッチ510bがオンであれば、照準カーソル(照準位置)を変動表示装置9の画面左斜め上方に移動させ、レバースイッチ510a及びレバースイッチ510cがオンであれば、照準カーソル(照準位置)を変動表示装置9の画面右斜め上方に移動させる制御を行う。さらに、レバースイッチ510b及びレバースイッチ510dがオンであれば、照準カーソル(照準位置)を変動表示装置9の画面左斜め下方に移動させ、レバースイッチ510c及びレバースイッチ510dがオンであれば、照準カーソル(照準位置)を変動表示装置9の画面右斜め下方に移動させる制御を行う。
ステップSa178にて操作レバー300が操作されていない場合や(ステップSa178;No)、ステップSa179の処理を実行した後には、トリガー512が操作されたか否か、すなわちトリガースイッチ512aがオンであるか否かを判定する(ステップSa180)。トリガー512が操作されていなければ(ステップSa180;No)、そのまま報知演出処理を終了する。
ステップSa180にてトリガー512が操作されている場合には(ステップSa180;Yes)、変動表示装置9の画面上の敵機(目標対象)のX座標(変動表示装置9の画面上の横方向の座標)及びY座標(変動表示装置9の画面上の縦方向の座標)と、照準カーソル(照準位置)のX座標及びY座標とから、敵機(目標対象)と照準カーソル(照準位置)との離間距離Zを算出する(ステップSa181)。次いで、主基板11から受信した図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が確変大当りであるか否かを判定する(ステップSa182)。図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が確変大当りであれば(ステップSa182;Yes)、RAM85の演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタ等により更新されるテーブル選択用の乱数値を示す数値データを抽出し(ステップSa183)、抽出したテーブル選択用の乱数値が奇数であるか否かを判定する(ステップSa184)。
ステップSa184にてテーブル選択用の乱数値が奇数である場合には(ステップSa184;Yes)、報知パターンを報知HP1及び報知HP2のいずれかに決定するための使用テーブルとして、報知パターン決定テーブル162A(報知パターン決定テーブルA)を選択してセットする(ステップSa185)。これに対して、ステップSa184にてテーブル選択用の乱数値が偶数である場合には(ステップSa184;Yes)、報知パターンを報知HP1及び報知HP2のいずれかに決定するための使用テーブルとして、報知パターン決定テーブル162B(報知パターン決定テーブルB)を選択してセットする(ステップSa186)。
ステップSa182にて図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が確変大当りではない場合、すなわち非確変大当りである場合には(ステップSa182;No)、報知パターンを報知HP1及び報知HP2のいずれかに決定するための使用テーブルとして、報知パターン決定テーブル162C(報知パターン決定テーブルC)を選択してセットする(ステップSa187)。
図26は、この実施の形態における報知パターンを示している。この実施の形態では、報知HP1〜報知HP3の報知パターンが予め用意されている。報知HP1の報知パターンでは、敵機(目標対象)を撃墜する演出(撃墜演出)が実行された後、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されることを示すバトルモードに突入することを報知するバトルモード突入報知が実行される。報知HP2の報知パターンでは、敵機(目標対象)がミサイルを回避する演出(回避演出)が実行された後、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されているか否かを特定不能な追撃モードに突入することを報知する追撃モード報知が実行される。報知HP3の報知パターンでは、ミサイルが発射されることなく敵機(目標対象)が逃亡する演出(逃亡演出)が実行された後、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されているか否かを特定不能な追撃モードに突入することを報知する追撃モード報知が実行される。
図27は、ROMに記憶される報知パターン決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、「非ロックオン報知」の報知種別に対応して、図27(a)に示す報知パターン決定テーブル162A(報知パターン決定テーブルA)と、図27(b)に示す報知パターン決定テーブル162B(報知パターン決定テーブルB)と、図27(c)に示す報知パターン決定テーブル162C(報知パターン決定テーブルC)とが、予め用意されている。
報知パターン決定テーブル162A、162Bは、報知種別として「非ロックオン報知」に決定され、図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が確変大当りであるときに、敵機(目標対象)と照準カーソル(照準位置)との離間距離Z(mm)に応じて、報知パターンを、報知パターン決定用の乱数値に基づいて、報知HP1及び報知HP2のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
報知パターン決定テーブル162Aでは、離間距離Zが5未満の場合、抽出された報知パターン決定用の乱数値が「1」〜「100」の範囲のいずれの数値であっても、報知HP1の報知パターンに決定され、報知HP2の報知パターンに決定されることはない。離間距離Zが5以上10未満である場合には、抽出された報知パターン決定用の乱数値が「1」〜「80」の範囲の数値であれば、報知HP1の報知パターンに決定され、報知パターン決定用の乱数値が「81」〜「100」であれば、報知HP2の報知パターンに決定される。離間距離Zが10以上30未満である場合には、抽出された報知パターン決定用の乱数値が「1」〜「50」の範囲の数値であれば、報知HP1の報知パターンに決定され、報知パターン決定用の乱数値が「51」〜「100」であれば、報知HP2の報知パターンに決定される。離間距離Zが30以上である場合には、抽出された報知パターン決定用の乱数値が「1」〜「30」の範囲の数値であれば、報知HP1の報知パターンに決定され、報知パターン決定用の乱数値が「31」〜「100」であれば、報知HP2の報知パターンに決定される。
報知パターン決定テーブル162Bでは、離間距離Zが5未満の場合、抽出された報知パターン決定用の乱数値が「1」〜「100」の範囲のいずれの数値であっても、報知HP1の報知パターンに決定され、報知HP2の報知パターンに決定されることはない。離間距離Zが5以上10未満である場合には、抽出された報知パターン決定用の乱数値が「1」〜「60」の範囲の数値であれば、報知HP1の報知パターンに決定され、報知パターン決定用の乱数値が「61」〜「100」であれば、報知HP2の報知パターンに決定される。離間距離Zが10以上30未満である場合には、抽出された報知パターン決定用の乱数値が「1」〜「40」の範囲の数値であれば、報知HP1の報知パターンに決定され、報知パターン決定用の乱数値が「41」〜「100」であれば、報知HP2の報知パターンに決定される。離間距離Zが30以上である場合には、抽出された報知パターン決定用の乱数値が「1」〜「10」の範囲の数値であれば、報知HP1の報知パターンに決定され、報知パターン決定用の乱数値が「11」〜「100」であれば、報知HP2の報知パターンに決定される。
このような設定により、図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が確変大当りである場合には、報知パターン決定テーブル162A、162Bのいずれがセットされたときでも、離間距離Zが5未満であれば、報知HP1の報知パターンに決定され、報知HP2の報知パターンに決定されることはない。このため、特別図柄の停止図柄(表示結果)が確変大当りである場合において、離間距離Zが5未満となったときには、撃墜演出が実行された後、バトルモード突入報知(確変報知)が実行される。また、報知パターン決定テーブル162Aと報知パターン決定テーブル162Bとを比較すると、離間距離Zが5以上である場合には、報知パターン決定テーブル162Bよりも報知パターン決定テーブル162Aの方が、報知HP1の報知パターンに決定される割合が高くなる一方で、報知HP2の報知パターンに決定される割合が低くなるように設定されている。このため、報知パターン決定テーブル162Bが使用テーブルとしてセットされた場合よりも、報知パターン決定テーブル162Aが使用パターンとしてセットされた場合の方が、撃墜演出が実行された後、バトルモード突入報知(確変報知)が実行される割合が高くなる一方で、回避演出が実行された後、追撃モード突入報知が実行される割合が低くなる。
さらに、報知パターン決定テーブル162A、162Bでは、離間距離Zが大きくなるにつれて、報知HP1の報知パターンに決定される割合が低くなる一方で、報知HP2の報知パターンに決定される割合が高くなるように設定されている。すなわち、離間距離Zが大きくなるにつれて、撃墜演出が実行された後、バトルモード突入報知(確変報知)が実行される割合が低くなる一方で、回避演出が実行された後、追撃モード突入報知が実行される割合が高くなる。これにより、操作レバー300に対する興趣を向上させることができる。
報知パターン決定テーブル162Cは、報知種別として「非ロックオン報知」に決定され、図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が非確変大当りであるときに、敵機(目標対象)と照準カーソル(照準位置)との離間距離Z(mm)に応じて、報知パターンを、報知パターン決定用の乱数値に基づいて、報知HP1及び報知HP2のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
報知パターン決定テーブル162Cでは、離間距離Zがいずれの範囲であるか、抽出された報知パターン決定用の乱数値が「1」〜「100」の範囲のいずれの数値であるかに関わらず、報知HP2の報知パターンに決定され、報知HP1の報知パターンに決定されることはない。このため、特別図柄の停止図柄(表示結果)が非確変大当りである場合には、回避演出が実行された後、突撃モード突入報知が実行される。
次いで、RAM85の演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタ等により更新される報知パターン決定用の乱数値を示す数値データを抽出する(図23のステップSa188)。そして、離間距離Zに応じて、報知パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づき、ステップSa185〜Sa187の処理にいずれかにてセットされた報知パターン決定テーブルを参照することなどにより、報知パターンを報知HP1及び報知HP2のいずれかに決定する(ステップSa189)。続いて、ステップSa189にて決定された報知パターンが報知HP1の報知パターンであるか否かを判定する(ステップSa190)。
ステップSa190にて報知HP1の報知パターンであると判定された場合には(ステップSa190;Yes)、撃墜演出となる演出動作を開始するための設定を行うとともに(ステップSa191)、RAM85の演出制御バッファ設定部に設けられた報知パターン指定バッファ値を“1”に更新する(ステップSa192)。一例として、ステップSa191の処理では、撃墜演出に対応した演出制御パターンを各種演出制御パターンテーブルから読み出し、演出制御プロセスタイマの設定を行う。その後、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読み出した制御データに従い、例えば表示制御部(図示略)のVDP262に表示制御指令を送信することや、VDP262から転送されるデータに応じた各種処理を実行すること、音制御部(図示略)に音声制御指令を送信すること、ランプ制御部(図示略)にランプ制御指令を送信することにより、撃墜演出となる演出動作が開始される。
ステップSa190にて報知HP1の報知パターンではないと判定された場合、すなわち報知HP2の報知パターンであると判定された場合には(ステップSa190;No)、回避演出となる演出動作を開始するための設定を行うとともに(ステップSa193)、RAM85の演出制御バッファ設定部に設けられた報知パターン指定バッファ値を“2”に更新する(ステップSa194)。一例として、ステップSa194の処理では、回避演出に対応した演出制御パターンを各種演出制御パターンテーブルから読み出し、演出制御プロセスタイマの設定を行う。その後、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読み出した制御データに従い、例えば表示制御部(図示略)のVDP262に表示制御指令を送信することや、VDP262から転送されるデータに応じた各種処理を実行すること、音制御部(図示略)に音声制御指令を送信すること、ランプ制御部(図示略)にランプ制御指令を送信することにより、回避演出となる演出動作が開始される。
ステップSa192、Sa194の処理のいずれかを実行した後には、RAM85の演出制御フラグ設定部に設けられた報知中フラグをオン状態にセットしてから(ステップSa195)、報知演出処理を終了する。
ステップSa177にて報知種別が「非ロックオン報知」ではない場合、すなわち「ロックオン報知」である場合には(ステップSa177;No)、操作レバー300が操作されたか否か、すなわちレバースイッチ510a〜510dのいずれかがオンであるかを判定する(図24のステップSa196)。操作レバー300が操作されていれば(ステップSa196;Yes)、RAM85の演出制御フラグ設定部に設けられたロックオンフラグがオンであるか否かを判定する(ステップSa197)。
ステップSa197にてロックオンフラグがオフである場合には(ステップSa197;No)、操作レバー300の操作、すなわちレバースイッチ510a〜510dのいずれがオンであるかに応じて、変動表示装置9の画面上に表示される照準カーソル(照準位置)を移動させる制御を行う(ステップSa198)。
一例として、ステップSa198の処理では、レバースイッチ510aがオンであれば、照準カーソル(照準位置)を変動表示装置9の画面上方に移動させ、レバースイッチ510bがオンであれば、照準カーソル(照準位置)を変動表示装置9の画面左側に移動させ、レバースイッチ510cがオンであれば、照準カーソル(照準位置)を変動表示装置9の画面下方に移動させ、レバースイッチ510dがオンであれば、照準カーソル(照準位置)を変動表示装置9の画面右側に移動させる制御が行われる。また、レバースイッチ510a及びレバースイッチ510bがオンであれば、照準カーソル(照準位置)を変動表示装置9の画面左斜め上方に移動させ、レバースイッチ510a及びレバースイッチ510cがオンであれば、照準カーソル(照準位置)を変動表示装置9の画面右斜め上方に移動させる制御を行う。さらに、レバースイッチ510b及びレバースイッチ510dがオンであれば、照準カーソル(照準位置)を変動表示装置9の画面左斜め下方に移動させ、レバースイッチ510c及びレバースイッチ510dがオンであれば、照準カーソル(照準位置)を変動表示装置9の画面右斜め下方に移動させる制御を行う。
ステップSa198の処理を実行した後には、主基板11から受信した図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が確変大当りであるか否かを判定する(ステップSa199)。
ステップSa199にて図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が確変大当りである場合には(ステップSa199;Yes)、変動表示装置9の画面上の敵機(目標対象)のX座標及びY座標と、照準カーソル(照準位置)のX座標及びY座標とから、敵機(目標対象)と照準カーソル(照準位置)との離間距離Zを算出する(ステップSa200)。次いで、ステップSa200にて算出された離間距離Zが5未満であるか否かを判定する(ステップSa201)。離間距離Zが5未満であれば(ステップSa201;Yes)、変動表示装置9の画面にロックオンされた旨を表示(ロックオン表示)させるとともに(ステップSa202)、RAM85の演出制御フラグ設定部に設けられたロックオンフラグをオン状態にセットする(ステップSa203)。
ステップSa195にてロックオンフラグがオンである場合には(ステップSa195;Yes)、操作レバー300の操作に関わらず、変動表示装置9の画面上の敵機(目標対象)の移動に応じて照準カーソル(照準位置)を移動させる制御を行う(ステップSa204)。
ステップSa194にて操作レバー300が操作されていない場合や(ステップSa194;No)、ステップSa199にて図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が確変大当りではない場合、すなわち非確変大当りである場合(ステップSa199;No)、ステップSa201にて離間距離Zが5以上である場合(ステップSa201;No)、ステップSa203、Sa204の処理のいずれかを実行した後には、トリガー512が操作されたか否か、すなわちトリガースイッチ512aがオンであるか否かを判定する(ステップSa205)。トリガー512が操作されていなければ(ステップSa205;No)、そのまま報知演出処理を終了する。
ステップSa205にてトリガー512が操作されている場合には(ステップSa205;Yes)、RAM85の演出制御フラグ設定部に設けられたロックオンフラグがオンであるか否かを判定する(ステップSa206)。ロックオンフラグがオンであれば(ステップSa206;Yes)、ロックオンフラグをクリアするとともに(ステップSa207)、報知パターンを報知HP1及び報知HP2のいずれかに決定するための使用テーブルとして、報知パターン決定テーブル162D(報知パターン決定テーブルD)を選択してセットする(ステップSa208)。
ステップSa195にてロックオンフラグがオフである場合には(ステップSa195;No)、変動表示装置9の画面上の敵機(目標対象)のX座標及びY座標と、照準カーソル(照準位置)のX座標及びY座標とから、敵機(目標対象)と照準カーソル(照準位置)との離間距離Zを算出する(ステップSa209)。次いで、主基板11から受信した図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が確変大当りであるか否かを判定する(ステップSa210)。
ステップSa210にて図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が確変大当りである場合には(ステップSa210;Yes)、報知パターンを報知HP1及び報知HP2のいずれかに決定するための使用テーブルとして、報知パターン決定テーブル162E(報知パターン決定テーブルE)を選択してセットする(ステップSa211)。
ステップSa210にて図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が確変大当りではない場合、すなわち非確変大当りである場合には(ステップSa210;No)、報知パターンを報知HP1及び報知HP2のいずれかに決定するための使用テーブルとして、報知パターン決定テーブル162F(報知パターン決定テーブルF)を選択してセットする(ステップSa212)。
図28は、ROMに記憶される報知パターン決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、「ロックオン報知」の報知種別に対応して、図28(a)に示す報知パターン決定テーブル162D(報知パターン決定テーブルD)と、図28(b)に示す報知パターン決定テーブル162E(報知パターン決定テーブルE)と、図28(c)に示す報知パターン決定テーブル162F(報知パターン決定テーブルF)とが、予め用意されている。
報知パターン決定テーブル162Dは、報知種別として「ロックオン報知」に決定され、図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が確変大当りである場合において、敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)がロックオンされたときに、報知パターンを、報知パターン決定用の乱数値に基づいて、報知HP1及び報知HP2のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
報知パターン決定テーブル162Dでは、抽出された報知パターン決定用の乱数値が「1」〜「100」の範囲のいずれの数値であっても、報知HP1の報知パターンに決定され、報知HP2の報知パターンに決定されることはない。このため、敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)がロックオンされたときには、撃墜演出が実行された後、バトルモード突入報知(確変報知)が実行される。
報知パターン決定テーブル162Eは、報知種別として「ロックオン報知」に決定され、図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が確変大当りである場合において、敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)がロックオンされなかったときに、報知パターンを、報知パターン決定用の乱数値に基づいて、報知HP1及び報知HP2のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
報知パターン決定テーブル162Eでは、離間距離Zが5以上10未満である場合、抽出された報知パターン決定用の乱数値が「1」〜「70」の範囲の数値であれば、報知HP1の報知パターンに決定され、報知パターン決定用の乱数値が「71」〜「100」であれば、報知HP2の報知パターンに決定される。離間距離Zが10以上30未満である場合には、抽出された報知パターン決定用の乱数値が「1」〜「50」の範囲の数値であれば、報知HP1の報知パターンに決定され、報知パターン決定用の乱数値が「51」〜「100」であれば、報知HP2の報知パターンに決定される。離間距離Zが30以上である場合には、抽出された報知パターン決定用の乱数値が「1」〜「40」の範囲の数値であれば、報知HP1の報知パターンに決定され、報知パターン決定用の乱数値が「41」〜「100」であれば、報知HP2の報知パターンに決定される。
報知パターン決定テーブル162Eでは、離間距離Zが大きくなるにつれて、報知HP1の報知パターンに決定される割合が低くなる一方で、報知HP2の報知パターンに決定される割合が高くなるように設定されている。すなわち、離間距離Zが大きくなるにつれて、撃墜演出が実行された後、バトルモード突入報知(確変報知)が実行される割合が低くなる一方で、回避演出が実行された後、追撃モード突入報知が実行される割合が高くなる。これにより、操作レバー300に対する興趣を向上させることができる。
報知パターン決定テーブル162Fは、報知種別として「ロックオン報知」に決定され、図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が非確変大当りであるときに、敵機(目標対象)と照準カーソル(照準位置)との離間距離Z(mm)に応じて、報知パターンを、報知パターン決定用の乱数値に基づいて、報知HP1及び報知HP2のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
報知パターン決定テーブル162Fでは、離間距離Zがいずれの範囲であるか、抽出された報知パターン決定用の乱数値が「1」〜「100」の範囲のいずれの数値であるかに関わらず、報知HP2の報知パターンに決定され、報知HP1の報知パターンに決定されることはない。このため、特別図柄の停止図柄(表示結果)が非確変大当りである場合には、回避演出が実行された後、突撃モード突入報知が実行される。
次いで、RAM85の演出制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタ等により更新される報知パターン決定用の乱数値を示す数値データを抽出する(図25のステップSa213)。そして、離間距離Zに応じて、報知パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づき、ステップSa208、Sa211、Sa212の処理にいずれかにてセットされた報知パターン決定テーブルを参照することなどにより、報知パターンを報知HP1及び報知HP2のいずれかに決定する(ステップSa214)。続いて、ステップSa214にて決定された報知パターンが報知HP1の報知パターンであるか否かを判定する(ステップSa215)。
ステップSa215にて報知HP1の報知パターンであると判定された場合には(ステップSa215;Yes)、撃墜演出となる演出動作を開始するための設定を行うとともに(ステップSa216)、RAM85の演出制御バッファ設定部に設けられた報知パターン指定バッファ値を“1”に更新する(ステップSa217)。一例として、ステップSa216の処理では、撃墜演出に対応した演出制御パターンを各種演出制御パターンテーブルから読み出し、演出制御プロセスタイマの設定を行う。その後、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読み出した制御データに従い、例えば表示制御部(図示略)のVDP262に表示制御指令を送信することや、VDP262から転送されるデータに応じた各種処理を実行すること、音制御部(図示略)に音声制御指令を送信すること、ランプ制御部(図示略)にランプ制御指令を送信することにより、撃墜演出となる演出動作が開始される。
ステップSa215にて報知HP1の報知パターンではないと判定された場合、すなわち報知HP2の報知パターンであると判定された場合には(ステップSa215;No)、回避演出となる演出動作を開始するための設定を行うとともに(ステップSa218)、RAM85の演出制御バッファ設定部に設けられた報知パターン指定バッファ値を“2”に更新する(ステップSa219)。一例として、ステップSa218の処理では、回避演出に対応した演出制御パターンを各種演出制御パターンテーブルから読み出し、演出制御プロセスタイマの設定を行う。その後、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読み出した制御データに従い、例えば表示制御部(図示略)のVDP262に表示制御指令を送信することや、VDP262から転送されるデータに応じた各種処理を実行すること、音制御部(図示略)に音声制御指令を送信すること、ランプ制御部(図示略)にランプ制御指令を送信することにより、回避演出となる演出動作が開始される。
ステップSa216、Sa218の処理のいずれかを実行した後には、RAM85の演出制御フラグ設定部に設けられた報知中フラグをクリアしてオフ状態にしてから(ステップSa220)、報知演出処理を終了する。
ステップSa176にて操作有効期間が経過した場合には(ステップSa176;Yes)、報知HP1の報知パターンに決定する(ステップSa221)。続いて、逃亡演出となる演出動作を開始するための設定を行うとともに(ステップSa223)、RAM85の演出制御バッファ設定部に設けられた報知パターン指定バッファ値を“3”に更新する(ステップSa224)。一例として、ステップSa223の処理では、逃亡演出に対応した演出制御パターンを各種演出制御パターンテーブルから読み出し、演出制御プロセスタイマの設定を行う。その後、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読み出した制御データに従い、例えば表示制御部(図示略)のVDP262に表示制御指令を送信することや、VDP262から転送されるデータに応じた各種処理を実行すること、音制御部(図示略)に音声制御指令を送信すること、ランプ制御部(図示略)にランプ制御指令を送信することにより、逃亡演出となる演出動作が開始される。
その後、RAM85の演出制御フラグ設定部に設けられた報知中フラグをクリアしてオフ状態にしてから(ステップSa224)、報知演出処理を終了する。
図29は、図18のステップSa105にて実行されるエンディング演出処理の一例を示すフローチャートである。図29に示すエンディング演出処理において、CPU86は、まず、RAM85の演出制御フラグ設定部に設けられたエンディング演出中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップSa241)。ここで、エンディング演出中フラグは、後述するステップSa245の処理が実行されることによりオン状態にセットされる一方で、ステップSa248の処理が実行されることによりクリアされてオフ状態となる。
ステップSa241にてエンディング演出中フラグがオフである場合には(ステップSa241;No)、RAM85の演出制御バッファ設定部に設けられた報知パターン指定バッファ値を“1”であるか否かを判定する(ステップSa242)。このとき、報知パターン指定バッファ値を“1”であれば(ステップSa242;Yes)、バトルモード突入報知(確変報知)となる演出動作を開始するための設定を行う(ステップSa243)。一例として、ステップSa243の処理では、報知パターン指定バッファ値が“1”であることに対応して、バトルモード突入報知(確変報知)を実行するための演出制御パターンを各種演出制御パターンテーブルから読み出し、演出制御プロセスタイマの設定などを行う。
ステップSa242にて報知パターン指定バッファ値を“1”以外である場合には(ステップSa242;No)、追撃モード突入報知となる演出動作を開始するための設定を行う(ステップSa244)。一例として、ステップSa244の処理では、報知パターン指定バッファ値が“2”、“3”のいずれかであることに対応して、追撃モード突入報知を実行するための演出制御パターンを各種演出制御パターンテーブルから読み出し、演出制御プロセスタイマの設定などを行う。
ステップSa243、Sa244の処理のいずれかを実行した後には、エンディング演出中フラグをオン状態にセットしてから(ステップSa245)、エンディング演出処理を終了する。
そして、ステップSa241にてエンディング演出中フラグがオンであると判定された場合には(ステップSa241;Yes)、例えば演出制御プロセスタイマ値と演出制御パターンに示される演出終了判定値とが合致するか否かなどに応じて、エンディング演出の終了タイミングとなったか否かを判定する(ステップSa246)。なお、ここでのエンディング演出は、バトルモード突入報知(確変報知)、追撃モード突入報知を含めた、大当り遊技状態の終了に対応して実行される演出動作のことである。
ステップSa246にてエンディング演出の終了タイミングではないと判定された場合には(ステップSa246;No)、エンディング演出となる演出動作を制御するための設定を行う(ステップSa247)。一例として、ステップSa247の処理では、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読み出した制御データに従い、例えば表示制御部(図示略)のVDP262に表示制御指令を送信することや、VDP262から転送されるデータに応じた各種処理を実行すること、音制御部(図示略)に音声制御指令を送信すること、ランプ制御部(図示略)にランプ制御指令を送信することにより、エンディング演出となる演出動作の制御が行われるようにすればよい。こうしたステップSa247の処理を実行した後には、エンディング演出処理を終了する。
これに対して、ステップSa246にてエンディング演出の終了タイミングであると判定された場合には(ステップSa246;Yes)、例えばエンディング演出中フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、例えば表示制御部(図示略)のVDP262に表示制御指令を送信することや、VDP262から転送されるデータに応じた各種処理を実行すること、音制御部(図示略)に音声制御指令を送信すること、ランプ制御部(図示略)にランプ制御指令を送信することにより、エンディング演出を終了するための設定を行う(ステップSa248)。このときには、飾り図柄プロセスフラグの値を可変表示開始コマンド受信待ち処理に対応した値である“0”に更新してから(ステップSa249)、エンディング演出処理を終了する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ81のCPU86が行う報知演出について説明する。
演出制御基板80では、CPU86が、図19に示す報知設定処理において、図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が、非確変大当り、確変大当りのいずれであるかに応じて、報知種別を「非ロックオン報知」、「ロックオン報知」のいずれかに決定する(ステップSa154)とともに、照準カーソル(照準位置)の移動速度を「低速」、「中速」、「高速」のいずれかに決定する(ステップSa157)。
次いで、CPU86は、図18のステップSa102の飾り図柄変動中処理において、図30(a)及び(b)に示すように、飾り図柄の可変表示を実行し、図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が、非確変大当り、確変大当りのいずれであるかに関わらず、変動表示装置9において左中右の飾り図柄を同一の非確変図柄を停止表示させる。そして、CPU86は、図22〜図25に示す報知演出処理において、報知演出の開始タイミングになったと判定することから(ステップSa173;Yes)、報知演出となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa174)、図30(c)及び(d)に示すように、報知演出の開始画面を変動表示装置9に表示させる。
一例として、図柄情報指定コマンドより特別図柄の停止図柄(表示結果)として確変大当りが指定され、ステップSa154にて報知種別が「非ロックオン報知」に決定された場合において、図31(a)及び(b)に示すように、操作レバー300が操作されて敵機(目標対象)と照準カーソル(照準位置)との離間距離Zが5未満となったときに、トリガー512が操作されると(ステップSa180;Yes)、CPU86は、報知HP1の報知パターンを決定する(ステップSa189)。そして、CPU86は、撃墜演出となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa191)、図31(c)及び(d)に示すように、照準カーソル(照準位置)が敵機(目標対象)に合った状態でミサイルを発射して敵機(目標対象)を撃墜する演出が実行される。その後、CPU86は、図29に示すエンディング演出処理において、バトルモード突入報知(確変報知)となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa243)、図31(e)に示すように、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されることを示すバトルモードに突入することが報知される。
また、上記の場合において、図32(a)及び(b)に示すように、操作レバー300が操作されて敵機(目標対象)と照準カーソル(照準位置)との離間距離Zが5未満でない時に、トリガー512が操作されて報知HP1の報知パターンが決定されたときには(ステップSa189)、撃墜演出となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa191)、図32(c)及び(d)に示すように、照準カーソル(照準位置)が敵機(目標対象)に合っていない状態でミサイルを発射したにも関わらず、ミサイルが敵機(目標対象)に命中して敵機(目標対象)を撃墜する演出が実行される。その後、CPU86は、図29に示すエンディング演出処理において、バトルモード突入報知(確変報知)となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa243)、図32(e)に示すように、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されることを示すバトルモードに突入することが報知される。
これに対して、上記の場合において、図33(a)及び(b)に示すように、操作レバー300が操作されて敵機(目標対象)と照準カーソル(照準位置)との離間距離Zが5未満でない時に、トリガー512が操作されて報知HP2の報知パターンが決定されたときには(ステップSa189)、回避演出となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa193)、図33(c)及び(d)に示すように、照準カーソル(照準位置)が敵機(目標対象)に合っていない状態でミサイルが発射されて、敵機(目標対象)がミサイルを回避する演出が実行される。その後、CPU86は、図29に示すエンディング演出処理において、追撃モード突入報知となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa243)、図33(e)に示すように、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されているか否かを特定不能な追撃モードに突入することが報知される。
さらに、上記の場合において、図34(a)〜(c)に示すように、操作レバー300及びトリガー512が操作されることなく、操作有効期間が経過したときには(ステップSa176;Yes)、報知HP3の報知パターンが決定される(ステップSa221)。そして、CPU86は、逃亡演出となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa223)、図34(d)に示すように、ミサイルが発射されることなく敵機(目標対象)が逃亡する演出(逃亡演出)が実行される。その後、CPU86は、図29に示すエンディング演出処理において、追撃モード突入報知となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa243)、図34(e)に示すように、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されているか否かを特定不能な追撃モードに突入することが報知される。
他の例として、図柄情報指定コマンドより特別図柄の停止図柄(表示結果)として非確変大当りが指定され、ステップSa154にて報知種別が「非ロックオン報知」に決定された場合において、図35(a)及び(b)に示すように、操作レバー300が操作されて敵機(目標対象)と照準カーソル(照準位置)との離間距離Zが5未満となったときに、トリガー512が操作されても(ステップSa180;Yes)、CPU86は、報知HP2の報知パターンを決定する(ステップSa189)。そして、CPU86は、回避演出となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa193)、図35(c)及び(d)に示すように、照準カーソル(照準位置)が敵機(目標対象)に合っていない状態でミサイルが発射されて、敵機(目標対象)がミサイルを回避する演出が実行される。その後、CPU86は、図29に示すエンディング演出処理において、追撃モード突入報知となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa243)、図35(e)に示すように、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されているか否かを特定不能な追撃モードに突入することが報知される。
また、上記の場合において、図33(a)及び(b)に示すように、操作レバー300が操作されて敵機(目標対象)と照準カーソル(照準位置)との離間距離Zが5未満でない時に、トリガー512が操作されたときにも(ステップSa180;Yes)、CPU86は、報知HP2の報知パターンを決定する(ステップSa189)。そして、CPU86は、回避演出となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa193)、図33(c)及び(d)に示すように、照準カーソル(照準位置)が敵機(目標対象)に合っていない状態でミサイルが発射されて、敵機(目標対象)がミサイルを回避する演出が実行される。その後、CPU86は、図29に示すエンディング演出処理において、追撃モード突入報知となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa243)、図33(e)に示すように、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されているか否かを特定不能な追撃モードに突入することが報知される。
さらに、上記の場合においても、図34(a)〜(c)に示すように、操作レバー300及びトリガー512が操作されることなく、操作有効期間が経過したときには(ステップSa176;Yes)、報知HP3の報知パターンが決定される(ステップSa221)。そして、CPU86は、逃亡演出となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa223)、図34(d)に示すように、ミサイルが発射されることなく敵機(目標対象)が逃亡する演出(逃亡演出)が実行される。その後、CPU86は、図29に示すエンディング演出処理において、追撃モード突入報知となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa243)、図34(e)に示すように、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されているか否かを特定不能な追撃モードに突入することが報知される。
さらに他の例として、図柄情報指定コマンドより特別図柄の停止図柄(表示結果)として確変大当りが指定され、ステップSa154にて報知種別が「ロックオン報知」に決定された場合において、図36(a)に示すように、操作レバー300が操作されて敵機(目標対象)と照準カーソル(照準位置)との離間距離Zが5未満となると(ステップSa201;Yes)、敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)がロックオンされ(ステップSa203)、図36(b)に示すように、変動表示装置9の画面にロックオンされた旨を表示(ロックオン表示)させる(ステップSa202)。そして、トリガー512が操作されると(ステップSa205;Yes)、CPU86は、報知HP1の報知パターンを決定し(ステップSa214)、撃墜演出となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa216)、図36(c)及び(d)に示すように、敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)をロックオンした状態でミサイルを発射して敵機(目標対象)を撃墜する演出が実行される。その後、CPU86は、図29に示すエンディング演出処理において、バトルモード突入報知(確変報知)となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa243)、図36(e)に示すように、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されることを示すバトルモードに突入することが報知される。
また、上記の場合において、図32(a)及び(b)に示すように、操作レバー300が操作されて敵機(目標対象)と照準カーソル(照準位置)との離間距離Zが5未満となってロックオンされていないときに(ステップSa201;No)、トリガー512が操作されて報知HP1の報知パターンが決定されたときには(ステップSa214)、撃墜演出となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa216)、図32(c)及び(d)に示すように、敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)がロックオンされていない状態でミサイルを発射したにも関わらず、ミサイルが敵機(目標対象)に命中して敵機(目標対象)を撃墜する演出が実行される。その後、CPU86は、図29に示すエンディング演出処理において、バトルモード突入報知(確変報知)となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa243)、図32(e)に示すように、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されることを示すバトルモードに突入することが報知される。
これに対して、上記の場合において、図33(a)及び(b)に示すように、操作レバー300が操作されて敵機(目標対象)と照準カーソル(照準位置)との離間距離Zが5未満となってロックオンされてないときに(ステップSa201;No)、トリガー512が操作されて報知HP2の報知パターンが決定されたときには(ステップSa214)、回避演出となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa218)、図33(c)及び(d)に示すように、敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)がロックオンされていない状態でミサイルが発射されて、敵機(目標対象)がミサイルを回避する演出が実行される。その後、CPU86は、図29に示すエンディング演出処理において、追撃モード突入報知となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa243)、図33(e)に示すように、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されているか否かを特定不能な追撃モードに突入することが報知される。
さらに、上記の場合においても、図34(a)〜(c)に示すように、操作レバー300及びトリガー512が操作されることなく、操作有効期間が経過したときには(ステップSa176;Yes)、報知HP3の報知パターンが決定される(ステップSa221)。そして、CPU86は、逃亡演出となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa223)、図34(d)に示すように、ミサイルが発射されることなく敵機(目標対象)が逃亡する演出(逃亡演出)が実行される。その後、CPU86は、図29に示すエンディング演出処理において、追撃モード突入報知となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa243)、図34(e)に示すように、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されているか否かを特定不能な追撃モードに突入することが報知される。
またさらに他の例として、図柄情報指定コマンドより特別図柄の停止図柄(表示結果)として非確変大当りが指定され、ステップSa154にて報知種別が「ロックオン報知」に決定された場合において、図35(a)及び(b)に示すように、操作レバー300が操作されて敵機(目標対象)と照準カーソル(照準位置)との離間距離Zが5未満となっても、ロックオンされない。そして、トリガー512が操作されると(ステップSa205;Yes)、CPU86は、報知HP1の報知パターンを決定し(ステップSa214)、回避演出となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa216)、図35(c)及び(d)に示すように、敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)がロックオンされていない状態でミサイルが発射されて、敵機(目標対象)がミサイルを回避する演出が実行される。その後、CPU86は、図29に示すエンディング演出処理において、追撃モード突入報知となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa243)、図35(e)に示すように、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されているか否かを特定不能な追撃モードに突入することが報知される。
さらに、上記の場合においても、図34(a)〜(c)に示すように、操作レバー300及びトリガー512が操作されることなく、操作有効期間が経過したときには(ステップSa176;Yes)、報知HP3の報知パターンが決定される(ステップSa221)。そして、CPU86は、逃亡演出となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa223)、図34(d)に示すように、ミサイルが発射されることなく敵機(目標対象)が逃亡する演出(逃亡演出)が実行される。その後、CPU86は、図29に示すエンディング演出処理において、追撃モード突入報知となる演出動作を開始するための設定を行うことにより(ステップSa243)、図34(e)に示すように、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されているか否かを特定不能な追撃モードに突入することが報知される。
以上説明したように、パチンコ機1によれば、CPU86は、レバースイッチ510a〜510dによって検出される操作レバー300の操作や、トリガースイッチ512aによって検出されるトリガー512の操作に応じて、すなわち操作レバー300の操作により移動される照準カーソル(照準位置)と敵機(目標対象)との離間距離Zや、敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)をロックオンしたか否か、トリガー512を操作したか否かに応じて、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されることを示すバトルモードに突入することを報知するバトルモード突入報知(確変報知)が異なる割合で実行される。これにより、操作レバー300及びトリガー512の操作に対する興趣を向上させることができる。
また、操作レバー300とトリガー512との操作態様を異ならせることにより、操作レバー300及びトリガー512の操作に対する興趣がさらに向上する。
さらに、報知パターン決定テーブル162A、162Bの設定では、図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が確変大当りである場合、離間距離Zが5未満であれば、報知HP1の報知パターンに決定され、報知HP2の報知パターンに決定されることはない。その一方で、離間距離Zが5以上であるときには、報知HP1の報知パターンに決定されることも、報知HP2の報知パターンに決定されることもある。このような設定によれば、離間距離Zが5未満の範囲内に調整された状態でトリガー512が操作されたか、離間距離Zが5未満の範囲外(5以上)にある状態でトリガー512が操作されたかに応じて、バトルモード突入報知(確変報知)が異なる割合で実行される。これにより、操作レバー300の操作によって離間距離Zが5未満の範囲内に調整されたか否かといった操作レバー300に対する興趣を向上させることができる。
また、報知パターン決定テーブル162A、162Bの設定では、離間距離Zが大きくなるにつれて、報知HP1の報知パターンに決定される割合が低くなるようになっている。このような設定により、離間距離Zが5未満の範囲から外れるにつれて、バトルモード突入報知(確変報知)が実行される割合が低い割合で実行されるため、操作レバー300に対する興趣をさらに向上させることができる。
さらに、敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)がロックオンされたときに使用テーブルとしてセットされる報知パターン決定テーブル162Dの設定では、報知HP1の報知パターンに決定され、報知HP2の報知パターンに決定されることはない。その一方で、敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)がロックオンされなかったときに使用テーブルとしてセットされる報知パターン決定テーブル162Eの設定では、報知HP1の報知パターンに決定されることも、報知HP2の報知パターンに決定されることもある。このような設定によれば、敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)がロックオンされた状態でトリガー512が操作されたか、敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)がロックオンされていない状態でトリガー512が操作されたかに応じて、バトルモード突入報知(確変報知)が異なる割合で実行される。これにより、操作レバー300の操作によって敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)がロックオンされたか否かといった操作レバー300に対する興趣を向上させることができる。また、図柄情報指定コマンドより特別図柄の停止図柄(表示結果)として非確変大当りが指定されている場合には、離間距離Zが5未満となっても、敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)がロックオンされることがない。これにより、敵機(目標対象)がミサイルを回避する演出が実行された後、追撃モード突入報知となる演出動作が実行されるにも関わらず、敵機(目標対象)を撃墜する演出が実行された後、バトルモード突入報知(確変報知)となる演出が実行されるかのような印象を遊技者に与えてしまうことを防止することができる。
加えて、移動速度決定テーブル160の設定では、大当り種別が「確変」である場合、「非確変」である場合よりも、操作レバー300の操作に応じた照準カーソル(照準位置)の移動速度が、照準カーソル(照準位置)を敵機(目標対象)に調整しやすい「低速」が高い割合で決定される。このような設定により、大当り種別が「確変」である場合、「非確変」である場合よりも、照準カーソル(照準位置)と敵機(目標対象)との離間距離Zを5未満の範囲に調整しやすくなり、バトルモード突入報知(確変報知)が実行される割合を高くすることができるため、遊技興趣が向上する。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、上記実施の形態では、変動表示装置9において、図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が、非確変大当り、確変大当りのいずれであるかに関わらず、非確変図柄が停止表示された後、大当り遊技が開始される前に、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されるか否か報知する変動中昇格演出として、報知演出が実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、変動表示装置9において、図柄情報指定コマンドより指定される特別図柄の停止図柄(表示結果)が、非確変大当り、確変大当りのいずれであるかに関わらず、非確変図柄が導出表示された後、大当り遊技中に大当り昇格演出として報知演出が実行されてもよいし、大当り遊技の終了後(エンディング演出中)にエンディング昇格演出として報知演出が実行されてもよい。また、報知演出は、大当り遊技の終了後に確変状態に制御されるか否かを報知するものに限定されず、例えば大当り遊技中に、大当り遊技の終了後、時短状態に制御される特図ゲームの実行回数(時短回数)が50回及び100回のいずずれになるかを報知する演出として実行されてもよい。さらに、報知演出は、大当りとなる可能性がある旨ことを報知する大当り予告演出として実行されてもよい。
さらに、報知演出は、追撃モード突入報知が行われた後、確変状態に制御されているか否かを報知する確変潜伏報知演出として実行されてもよい。例えば、確変状態が潜伏している場合において、報知HP1の報知パターンに決定されたときには、撃墜演出を実行することにより、確変状態が潜伏していることを報知するようにし、報知HP2の報知パターンに決定されたときには、回避演出を実行することにより、また、報知HP3の報知パターンに決定されたときには、逃走演出を実行することにより、確変状態が潜伏していることを報知しないようにすればよい。一方、確変状態が潜伏していない場合には、報知HP2、報知HP3のいずれかの報知パターンに決定することにより、回避演出、逃走演出のいずれかを実行させればよい。
また、報知演出は、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに、表示結果を「大当り」に決定するランダムRが記憶されているか否かを予告する先読演出として実行されてもよい。例えば、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに、表示結果を「大当り」に決定するランダムRが記憶されている場合や、合計保留記憶数に関わらず、スーパーリーチを伴う変動パターンに決定するランダム2が記憶されている場合において、報知HP1の報知パターンに決定されたときには、撃墜演出を実行することにより、表示結果を「大当り」に決定するランダムRが記憶されていることを予告するようにし、報知HP2の報知パターンに決定されたときには、回避演出を実行することにより、また、報知HP3の報知パターンに決定されたときには、逃走演出を実行することにより、表示結果を「大当り」に決定するランダムRが記憶されていることを予告しないようにすればよい。一方、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに、表示結果を「大当り」に決定するランダムRも、合計保留記憶数に関わらず、スーパーリーチを伴う変動パターンに決定するランダム2も記憶されていない場合には、報知HP2、報知HP3のいずれかの報知パターンに決定することにより、回避演出、逃走演出のいずれかを実行させればよい。
また、上記実施の形態では、操作レバー300の操作に応じて照準カーソル(照準位置)が変動表示装置9の画面上で移動するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、照準カーソル(照準位置)が変動表示装置9の画面上に固定され、敵機(目標対象)を含む背景画像が操作レバー300の操作に応じて移動するものであってもよい。また、敵機(目標対象)は、変動表示装置9の画面上に固定されているものであってもよいし、移動するものであってもよい。
また、上記実施の形態では、大当り種別が「確変」である場合、「非確変」である場合よりも、操作レバー300の操作に応じた照準カーソル(照準位置)の移動速度を高い割合で「低速」に決定することで、照準カーソル(照準位置)と敵機(目標対象)との離間距離Zを5未満の範囲に調整しやすくするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、大当り種別が「確変」である場合、「非確変」である場合よりも、照準カーソル(照準位置)の初期位置を高い割合で敵機(目標対象)に近いに配置することで、照準カーソル(照準位置)と敵機(目標対象)との離間距離Zを5未満の範囲に調整しやすくなるようにしてもよい。また、大当り種別が「確変」である場合、「非確変」である場合よりも、照準カーソル(照準位置)が高い割合でオート補正されることで、照準カーソル(照準位置)と敵機(目標対象)との離間距離Zを5未満の範囲に調整しやすくなるようにしてもよい。あるいは、大当り種別が「確変」である場合、「非確変」である場合よりも、遊技が簡単になるものであってもよく、例えば発射されるミサイルの数が高い割合で多くなるものであってもよい。さらには、大当り種別が「確変」である場合、「非確変」である場合よりも、例えば照準カーソル(照準位置)の数が高い割合で多くなるものや、照準カーソル(照準位置)の大きさが高い割合で大きくなるものであってもよい。
また、上記実施の形態では、操作レバー300及びトリガー512が操作されることなく、操作有効期間が経過したときには、ミサイルが発射されることなく敵機(目標対象)が逃亡する演出(逃亡演出)が実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、操作レバー300及びトリガー512が操作されることなく、操作有効期間が経過したときには、ミサイルが自動的に発射されるようにしてもよい。この場合、操作有効期間が経過したときには、報知種別が「非ロックオン報知」、「ロックオン報知」のいずれに決定されているかや、敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)がロックオンされているか否か、図柄情報指定コマンドより特別図柄の停止図柄(表示結果)として非確変大当り、確変大当りのいずれかが指定されたかに応じて、報知パターンを報知HP1及び報知HP2のいずれかに決定するための使用テーブルとして、報知パターン決定テーブル162A〜162Fのいずれかを選択してセットすればよい。例えば、報知種別が「非ロックオン報知」に決定されている場合において、図柄情報指定コマンドより特別図柄の停止図柄(表示結果)として確変大当りが指定されているときには、報知パターン決定テーブル162Bを選択してセットし、非確変大当りが指定されているときには、報知パターン決定テーブル162Cを選択してセットすればよい。また、報知種別が「ロックオン報知」に決定されている場合において、敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)がロックオンされているときには、報知パターン決定テーブル162Dを選択してセットすればよい。さらに、報知種別が「ロックオン報知」に決定されているが、敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)がロックオンされている場合において、図柄情報指定コマンドより特別図柄の停止図柄(表示結果)として確変大当りが指定されているときには、報知パターン決定テーブル162Eを選択してセットし、非確変大当りが指定されているときには、報知パターン決定テーブル162Fを選択してセットすればよい。また、報知種別が「非ロックオン報知」に決定されている場合や、敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)がロックオンされていない場合には、変動表示装置9の画面上の敵機(目標対象)のX座標及びY座標と、照準カーソル(照準位置)のX座標及びY座標とから、敵機(目標対象)と照準カーソル(照準位置)との離間距離Zが算出される。そして、離間距離Zに応じて、報知パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づき、セットされた報知パターン決定テーブルを参照することなどにより、報知パターンを報知HP1及び報知HP2のいずれかに決定すればよい。そして、報知HP1の報知パターンに決定されたときには、撃墜演出となる演出動作が実行され、報知HP2の報知パターンに決定されたときには、回避演出となる演出動作が実行されるようにすればよい。
また、上記実施の形態では、報知種別が「ロックオン報知」に決定されている場合において、離間距離Zが5未満となったときに、変動表示装置9の画面にロックオンされた旨が表示(ロックオン表示)されることにより、報知種別が「ロックオン報知」である旨が遊技者に報知されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、報知種別が「ロックオン報知」であるか否かは、離間距離Zが5未満となる以前に、遊技者に報知されてもよい。一例として、図22に示すステップSa173にて報知演出の開始タイミングとなっていると判定された場合に(ステップSa173;Yes)、ステップSa154にて決定された報知種別が「ロックオン報知」であるか否かを判定するようにし、「ロックオン報知」であれば、報知演出が開始する旨を報知するとともに、敵機(目標対象)に対して照準カーソル(照準位置)をロックオンすることを指示する演出動作を行うようにすればよい。
また、上記実施の形態では、本発明の第1操作手段として操作レバー300が設けられ、第2操作手段としてトリガー512が設けられているものとして説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば図37(a)に示すように、第1操作手段として押下操作可能なAボタンを、第2操作手段としてAボタンとは機能の異なる押下操作可能なBボタンを設けるようにしてもよい。また、図37(b)に示すように、第1操作手段として押下操作により方向を選択可能な十字キーを設け、第2操作手段として押下操作可能な所定の指示(上記実施の形態ではミサイルの発射)を与える指示ボタンを設けるようにしてもよい。さらに、第1操作手段と第2操作手段が一体になったものとして、図37(c)に示すようなジョグダイアルを設けるようにしてもよい。図37(c)に示すジョグダイアルは、その周辺部分が回転操作された場合、第1操作手段として機能し、「Chance」と描かれた中心部分が押下操作された場合、第2操作手段として機能する。あるいは、変動表示装置9の画面をタッチパネルとして機能させ、遊技者が指で画面をなぞっているときには、変動表示装置9の画面を第1操作手段として機能させ、指で画面を押下したときには、変動表示装置9の画面を第2操作手段として機能させればよい。
また、上記実施の形態では、報知演出において、変動表示装置9の画面上に表示される照準カーソル(照準位置)を操作レバー300により操作しながらトリガー512を操作して敵機(目標対象)を撃ち落すシューティングゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではななく、報知演出において実行されるゲームは任意であり、例えば釣りゲームや、野球、サッカー、ラグビー、バスケットボール、バレーボール、ゴルフ、ハンティングなどなどのスポーツゲームであってもよい。一例として、釣りゲームでは、変動表示装置9の画面上に表示される釣り針(照準位置)を操作レバー300の操作により移動させ、トリガー512の操作により釣り針(照準位置)を水中に落とすようにすればよい。そして、魚が釣れた場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されている旨を報知する一方で、釣れなかった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されているか否かを特定不能な報知を行えばよい。他の例として、バスケットボールのゲームでは、変動表示装置9の画面上に表示されるシュートを放つ位置(照準位置)を操作レバー300の操作により移動させ、トリガー512の操作によりシュートするようにすればよい。そして、バスケットにボールが入った場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されている旨を報知する一方で、入らなかった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されているか否かを特定不能な報知を行えばよい。
さらに、報知演出において実行されるゲームは、操作レバー300により操作により照準位置が移動され、トリガー512の操作により照準位置が決定されるもの以外であってもよい。例えばキャラクタが左右の分かれ道で、いずれの道に進むかを、図37(a)に示すAボタン及びBボタンのいずれかが操作されたかいに応じて決定し、これを複数回行った後、宝物にたどり着けば、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されている旨を報知する一方で、たどり着けなければ、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されているか否かを特定不能な報知を行う探険ゲームが報知演出において実行されてもよい。
また、上記実施の形態では、第2始動条件が成立したことに基づく特図ゲームが、第1始動条件が成立したことに基づく特図ゲームよりも優先して実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、始動条件の成立順に従って、第1始動条件が成立したことに基づく特図ゲームと、第2始動条件が成立したことに基づく特図ゲームと、が実行されるものであってもよい。
上記実施の形態では、可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて小当り遊技状態に制御され、小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われない。その一方で、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突確」となったことに基づいて2ラウンド大当り状態に制御され、2ラウンド大当り状態が終了した後には、高確高ベース状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、大当り種別が「突確」となる場合や可変表示結果が「小当り」となる場合に代えて、あるいは、これらの場合に加えて、「突然時短」や「突然通常」となる場合を設けるようにしてもよい。一例として、「突然時短」と「突然通常」は、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別に含まれるものとする。この場合、大当り種別決定テーブル131は、変動特図指定バッファ値に応じて、大当り種別決定用のランダム1と比較される数値(決定値)を、「突然時短」や「突然通常」の大当り種別に割り当てるテーブルデータが含まれるように構成されればよい。そして、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突然時短」となるときには、大当り種別が「突確」の場合と同様にして2ラウンド大当り状態に制御され、2ラウンド大当り状態が終了した後には、大当り種別が「突確」の場合とは異なり低確高ベース状態に制御される。他方、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突然通常」となるときには、大当り種別が「突確」の場合と同様にして2ラウンド大当り状態に制御され、2ラウンド大当り状態が終了した後には、大当り種別が「突確」の場合とは異なり低確低ベース状態に制御される。これにより、2ラウンド大当り状態の終了後に制御される遊技状態に対する遊技者の期待感を高め、遊技興趣を向上させることができる。
このような「突然時短」や「突然通常」を設ける場合には、「突然時短」及び「突然通常」以外である場合とは異なる変動パターン種別や変動パターンに決定するようにしてもよい。これにより、大当り種別が「突然時短」や「突然通常」であることにより2ラウンド大当り状態に制御されるにもかかわらず、15ラウンド大当り状態に制御される場合と同様の演出動作が行われて遊技者に不信感を与えてしまうことを防止できる。また、大当り種別が「突然時短」や「突然通常」となる場合には、可変表示結果が「小当り」となる場合、あるいは、大当り種別が「突確」となる場合と、共通の変動パターン種別に決定可能としてもよい。これにより、変動パターンを決定する際には、大当り種別が「突然時短」や「突然通常」となる場合であるか、可変表示結果が「小当り」となる場合あるいは大当り種別が「突確」となる場合であるかにかかわらず、共通の変動パターン決定テーブルを用いることができ、データ容量の削減を図ることができる。
また、上記実施の形態では、操作レバー300は、パチンコ機1の下部前面を構成する下扉枠103の前面下部に突設された下台4に一端が軸支され、前面上部に突設された打球供給皿3の内部に設けられた規制部材361により他端(先端)の揺動範囲が規制されるようになっていたが、上方の打球供給皿3に一端を軸支し、下方の下台4にて他端(下端)の揺動範囲が規制されるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、遊技球貯留部が打球供給皿3であり、突出部が下台4とされていたが、操作レバー300が少なくとも遊技球貯留部と突出部とにより上下端が軸支及び揺動規制されるものであれば、例えば下台4に遊技球貯留部が設けられ、その上方に打球供給皿とは別に突設された突出部にて他端を軸支または揺動規制するようにしてもよい。さらに、下台4に、打球供給皿3から溢れたパチンコ球を貯留可能な貯留凹部を形成してもよい。
また、上記実施の形態では、操作レバー300は、突出部としての下台4に下端が軸支され、上端が多軸方向に揺動(傾動(傾倒))自在に設けられていたが、本発明は、一端を中心に揺動自在に軸支される操作レバーに限定されるものではなく、例えば遊技媒体貯留部または突出部のうち一方に対して、操作レバーの一端を連結する連結部を介して傾動または移動可能に取り付けられるとともに、遊技媒体貯留部または突出部のうち他方に設けられ操作レバーの他端に当接する当接規制部により該操作レバーの傾動または移動範囲が規制されるものであれば、例えば遊技球貯留部または突出部に対して、操作レバーを起立姿勢のまま多軸方向にスライド移動(水平移動)可能に連結された操作レバー等であってもよい。
また、上記実施の形態では、操作レバー300はパチンコ機1の左右方向の略中央位置に配置されていたが、中央よりも右側または左側に配置されていてもよい。
また、上記実施の形態では、打球供給皿3の内部に設けた規制部材361にて操作レバー300の上端の揺動範囲を規制していたが、打球供給皿3の上カバー360に形成した挿通口364にて直接規制してもよい。
また、上記実施の形態では、操作レバー300による操作により移動される操作対象部として、変動表示装置9に表示される照準画像やミサイル画像等が一例として記載したが、これらに限定されるものではなく、例えばキャラクタ画像等の他の画像であってもよい。
さらに、操作対象部は、このような表示器に表示される画像に限定されるものではなく、例えば遊技盤6等に可動自在に設けられた演出用の役物(構造物)であってもよく、操作レバーの操作により、役物の一部が所定方向に可動すればよい。
また、上記実施の形態では、遊技機の一例として、パチンコ球を遊技盤6に向けて発射することにより遊技を行うパチンコ機1が適用されていたが、遊技球またはメダル等の遊技媒体を含む遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン等の種々の遊技機にも適用可能である。
具体的に説明すると、図38には、本発明が適用された遊技機の他の例としてのメダル式のスロットマシン1000が示されている。このスロットマシン1000には、可変表示装置としてのリール1001を回転させてゲームを開始させるためのスタートスイッチ1002、リール1001の回転を停止させるストップスイッチ1003、メダル投入口1004等の操作手段が設けられる操作台1005が、本体前面の上下方向の略中央位置から前方に向けて突設されているとともに、メダルを貯留する下皿1006が本体前面下部に突設されている。また、スロットマシン1000には、遊技に関連する演出画像等を表示可能な液晶表示器1009が設けられている。
本発明の操作レバー300は、その下端が下皿1006の所定箇所に軸承されるとともに、その上端は、操作台1005と下皿1006との間に前方に向けて突設された突出部1007にて、揺動規制されている。このように本発明の操作レバーは、スロットマシン1000の本体前面に突設された突出部1007と下皿1006(遊技媒体貯留部)との間に配設可能である。
図39には、本発明が適用された遊技機の他の例としての遊技球を用いたスロットマシン1000’が示されている。この遊技球を用いたスロットマシン1000’では、操作台1005の上面に貯留凹部1008が形成され、該操作台1005も遊技媒体貯留部として機能しており、本発明の操作レバー300は、その下端が下皿1006の所定箇所に軸承されるとともに、その上端は、操作台1005にて揺動規制されている。このように本発明の操作レバーは、遊技球を用いたスロットマシン1000’の本体前面に突設された操作台1005(突出部、遊技媒体貯留部)と下皿1006(遊技媒体貯留部)との間に配設可能である。また、スロットマシン1000’には、遊技に関連する演出画像等を表示可能な液晶表示器1009が設けられている。
尚、このようなスロットマシン1000,1000’等、遊技者にとって有利な特定遊技状態であるビッグボーナスやレギュラーボーナス、再遊技役(リプレイ)が通常よりも高確率で当選するリプレイタイム、遊技者にとって有利な操作手順が報知されるアシストタイム、リプレイタイム中に遊技者にとって有利な操作手順が報知されるアシストリプレイタイム等に移行可能に制御されるものにおいては、これら特定遊技状態に移行する可能性がある旨を報知する報知演出として、前述した「非ロックオン報知」や「ロックオン報知」等で説明したような報知演出等を液晶表示器1009で実行可能としてもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、変動表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。