JP5831338B2 - 誘起アキシアル荷重の測定装置及びその測定方法 - Google Patents

誘起アキシアル荷重の測定装置及びその測定方法 Download PDF

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本発明は、球面ころを有しているころ軸受に生じる誘起アキシアル荷重を測定するための測定装置、及び、その測定方法に関する。
自動調心ころ軸受のように、球面ころを有しているころ軸受では、球面ころが本来の自転軸に対して傾く、いわゆるスキューが生じることがある。スキューが生じると、ころ軸受において、回転性能の低下のみならず、球面ころの滑りによる偏磨耗や焼き付きが発生することもある。
スキューの発生原因の一つとして、ころ軸受の軌道面の曲率や表面粗さ等が考えられることから、スキューの発生を実験的に調査することは、ころ軸受の軌道面の曲率等の詳細な諸元を決定するために重要となる。つまり、ころ軸受の性能を維持するために、球面ころのスキューをコントロールすることは、非常に重要な事項である。
そこで、内輪又は外輪の軌道面に対して球面ころが及ぼす荷重をセンサによって検知すれば、スキューの発生を把握することができると考えられ、このような、軌道面に対して球面ころが及ぼす荷重を検知するための手段として、例えば、特許文献1に記載の構成がある。
特開2005−249594号公報(図7参照)
特許文献1に記載の装置の場合、外輪の軌道面に対して球面ころが及ぼす荷重を求めることが可能であり、スキューの発生を把握することはできるが、スキューすることに起因してころ軸受に生じる誘起アキシアル荷重を求めることはできない。
このような誘起アキシアル荷重を求めることができれば、ころ軸受の軌道面の曲率等の詳細な諸元の見直し(設定)に役立てることができるが、特許文献1に記載の装置では、このような見直しを行うだけの十分な情報が得られないという問題がある。
そこで、本発明は、球面ころがスキューすることに起因してころ軸受に生じる誘起アキシアル荷重を求めることが可能となる測定装置及び測定方法を提供することを目的とする。
(1)本発明は、内輪、外輪及びこれら内輪と外輪との間に設けられている複数の球面ころを有しているころ軸受に、当該球面ころがスキューすることに起因して生じる誘起アキシアル荷重を求めるための測定装置であって、前記球面ころの傾きを検出するための変位センサと、前記ころ軸受に一定のアキシアル荷重を付与する荷重付与部と、回転する前記ころ軸受に作用しているアキシアル荷重の変動を検出するための荷重センサとを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、変位センサの検知信号によって球面ころの傾きを検出することで、球面ころのスキューの発生を検出することができる。そして、荷重センサの検知信号によって、回転しているころ軸受に作用しているアキシアル荷重の変動を検出することにより、その変動した荷重を、誘起アキシアル荷重としてみなすことができる。したがって、球面ころの傾き、つまりスキューの発生と、アキシアル荷重の変動との関係を知ることができ、この関係に基づいて、スキューに起因してころ軸受に生じる誘起アキシアル荷重を求めることが可能となる。
(2)また、前記測定装置は、前記変位センサの検知信号と前記荷重センサの検知信号とを取得して、当該変位センサによって前記球面ころの傾きが検出された際の、当該荷重センサによって検出された前記ころ軸受のアキシアル荷重の変動値を算出する演算器を、更に備えているのが好ましい。
この場合、スキューが発生した際にころ軸受に作用したアキシアル荷重の変動値を、スキューに起因した誘起アキシアル荷重として、演算器が算出することができる。
(3)また、前記測定装置は、前記外輪のアキシアル方向一方への移動を拘束する部材を有しているフレームと、前記内輪をアキシアル方向一方へ向かって押す押圧面を有しているシャフトとを更に備え、前記荷重付与部は、ボルト部を有し前記フレームからアキシアル方向に延びているガイド軸と、前記ボルト部に螺合するナット部を有しこのナット部と一体となってアキシアル方向に移動する移動体と、を有し、前記ナット部を前記ボルト部に沿ってアキシアル方向一方側へ移動させることにより、前記移動体が前記シャフトをアキシアル方向一方側に押して、前記ころ軸受に前記一定のアキシアル荷重を付与するのが好ましい。
この場合、ボルト部に対するナット部の位置を変更することにより、前記一定のアキシアル荷重を調整することが可能となり、また、ナット部の位置を固定することで、ころ軸受に対して一定のアキシアル荷重を付与した状態が得られる。
(4)また、前記(3)に記載の測定装置において、前記荷重センサは、前記移動体と前記シャフトとの間に設けられ、当該移動体は当該荷重センサを介して当該シャフトを押すのが好ましい。
この場合、ころ軸受に作用しているアキシアル荷重の変動の他に、前記荷重付与部によってころ軸受に作用させる一定のアキシアル荷重を、荷重センサによって管理することが可能となる。
(5)また、本発明は、内輪、外輪及びこれら内輪と外輪との間に設けられている複数の球面ころを有しているころ軸受に、当該球面ころがスキューすることに起因して生じる誘起アキシアル荷重を求めるための測定方法であって、前記ころ軸受に一定のアキシアル荷重を付与した状態で、当該ころ軸受を回転させ、前記球面ころの傾きを検出すると共に、この回転する前記ころ軸受に作用しているアキシアル荷重の変動を検出することを特徴とする。
本発明によれば、球面ころの傾きを検出することで、球面ころのスキューの発生を検出することができる。そして、回転しているころ軸受に作用しているアキシアル荷重の変動を検出することにより、その変動した荷重を、誘起アキシアル荷重としてみなすことができる。したがって、球面ころの傾き、つまりスキューの発生と、アキシアル荷重の変動との関係を知ることができ、この関係に基づいて、スキューに起因してころ軸受に生じる誘起アキシアル荷重を求めることが可能となる。
本発明によれば、球面ころのスキューの発生とアキシアル荷重の変動との関係を知ることができ、この関係に基づいて、スキューに起因してころ軸受に生じる誘起アキシアル荷重を求めることが可能となる。この結果、ころ軸受における、例えば軌道面の曲率や表面粗さ等の諸元の見直し(設計)に役立てることが可能となる。
本発明の誘起アキシアル荷重の測定装置の実施の一形態を示す縦断面図である。 ころ軸受及びその周囲を示す縦断面図である。 測定装置のブロック図である。 変位センサ及び荷重センサからの検知信号に基づいて、演算器が出力した情報を説明するグラフである(第一試料について)。 変位センサ及び荷重センサからの検知信号に基づいて、演算器が出力した情報を説明するグラフである(第二試料について)。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の誘起アキシアル荷重の測定装置の実施の一形態を示す縦断面図である。この誘起アキシアル荷重の測定装置1(以下、測定装置1という)は、内輪11、外輪12及びこれら内輪11と外輪12との間に設けられている複数の球面ころ13を有しているころ軸受10に生じる誘起アキシアル荷重を求めるための装置である。なお、この誘起アキシアル荷重は、内輪11及び外輪12に対して球面ころ13がスキューすることに起因して、ころ軸受10内に生じる軸方向の荷重である。
ころ軸受10の構成について説明する。図2は、ころ軸受10及びその周囲を示す縦断面図である。ころ軸受10は、シャフト5の一部に外嵌した内輪11、フレーム6の一部に取り付けられている外輪12と、これら内輪11と外輪12との間に二列となって介在している球面ころ13とを有している。内輪11の外周面に形成されている軌道面は曲面からなり、また、外輪12の内周面に形成されている軌道面も曲面からなり、これら軌道面を、球面ころ13が転動する。球面ころ13の軸方向端面14は、球面ころ13の中心線Aに直交する平面として形成されている。球面ころ13の中心線Aは、前記軌道面を転がる球面ころ13の自転軸となる。
図1において、測定装置1は、シャフト5と、誘起アキシアル荷重の測定対象となるころ軸受10を介してこのシャフト5を回転可能として支持しているフレーム6とを備えている。更に、測定装置1は、フレーム6の内のころ軸受10側の部材(環状部材35)に設置されている変位センサ2と、そのアキシアル方向について反対側に設置されている荷重付与部3及び荷重センサ4とを備えている。なお、本実施形態の測定装置1では、ころ軸受10が設置されている側、つまり、図1の左側を、アキシアル方向一方側と定義し、その反対側(図1の右側)を、アキシアル方向他方側と定義する。また、測定装置1は、変位センサ2及び荷重センサ4の検知信号を取得して、この検知信号を処理するコンピュータからなる演算器7(図3参照)を備えている。図3は、測定装置1のブロック図である。
図1において、フレーム6は、床面に対して固定状態とされるフレーム本体30を備えており、フレーム本体30は、アキシアル方向一方側でころ軸受10を保持する第一壁部31、荷重付与部3が設けられている第二壁部32、及び、これら壁部31,32を連結している連結部33を有している。第一壁部31が、誘起アキシアル荷重の測定対象となるころ軸受10を介して、シャフト5を回転可能として支持している。そして、第二壁部32は、転がり軸受(複列の円筒ころ軸受)34を介して、シャフト5を回転可能に支持している。
第一壁部31は、ころ軸受10の外輪12を取り付けるための環状部材35を有している。図2において、環状部材35は、環状の本体部36と、この本体部36から径方向内側に突出している環状のフランジ部37とを有している。本体部36の内周面36aに、外輪12の外周面が嵌合する。そして、フランジ部37のアキシアル方向他方側の側面37aに、外輪12のアキシアル方向一方側の側面が接触する。
環状部材35は、第一壁部31の本体部分から取り外し可能であり、測定対象となるころ軸受10の寸法に応じて取り替えることができるが、第一壁部31の本体部分に取り付けられた状態では、アキシアル方向に拘束され移動不能となる。このため、ころ軸受10が環状部材35に取り付けられた状態では、この環状部材35によって外輪12はそのアキシアル方向一方側への移動が拘束される。
また、シャフト5は、ころ軸受10の内輪11が外嵌する第一軸部41と、この第一軸部41よりも直径の大きい第二軸部42とを有している。第二軸部42のアキシアル方向一方側には、環状の面43が形成されており、シャフト5がアキシアル方向一方側に押されると、この環状の面43は、内輪11をアキシアル方向一方へ向かって押す押圧面となる。なお、後に説明するが、誘起アキシアル荷重の測定を行う際、図示していない回転駆動機構により、シャフト5は回転した状態にある。
図1において、フレーム6は、更に、ころ軸受10及び転がり軸受34によって回転可能に支持されているシャフト5を、荷重付与部3がアキシアル方向一方側に向かって押すための負荷機構部38を有している。
負荷機構部38は、荷重付与部3からアキシアル荷重を受ける第一部材38a、シャフト5のアキシアル方向他方側の端面と接触する第二部材38b、第一部材38aをアキシアル方向に移動可能としてガイドするガイド部材38c、及び、第一部材38aと第二部材38bとの間に介在している円錐ころ軸受38dを有している。
第一部材38aは、シャフト5と同心状に配置されるアキシアル方向に短い有底円筒部材であり、第二部材38bは、第一部材38aの径方向内側に配置されシャフト5と一体回転可能である。円錐ころ軸受38dは、シャフト5及び第二部材38bを回転自在に保ちつつ、第一部材38aに与えられたアキシアル荷重を第二部材38bに伝達することができる。
図2において、フレーム6は、更に、変位センサ2をフレーム6(環状部材35)に取り付けるための取り付け部材39を有している。取り付け部材39は、円環板状の部材であり、径方向外側部において環状部材35に固定され、取り付け部材39の径方向内側部に変位センサ2が一つ固定されている。これにより、変位センサ2は、ころ軸受10が有する球面ころ13のアキシアル方向隣りであってその近傍位置に設置され、フレーム6に固定状態となる。
変位センサ2は、球面ころ13の軸方向端面14の変位を検知する非接触式のセンサであり、本実施形態では、レーザ変位計である。この変位センサ2の検出方向、つまり、レーザの照射方向は、端面14に垂直な方向であり、端面14のうち中心線Aが通過する領域以外の径方向外側の面を検知対象領域としている。
このため、球面ころ13が、自身の中心線A(自転軸)に対して傾くと、つまりスキューすると、端面14の前記検知対象領域は変位する。したがって、この変位センサ2は、端面14の変位を検知することができ、この検知信号によれば、球面ころ13が、自身の中心線A(自転軸)に対して傾いたか否かの検出が可能となる。
さらに、球面ころ13がスキューして端面14が傾くと、その傾きに応じた検知信号を変位センサ2は出力する。この検知信号によれば、スキューする前の状態を基準とした端面14の傾き角度を求めることが可能となる。なお、本実施形態では、端面14の傾きの有無及び端面14の傾き角度については、演算器7の演算処理によって求められる。
なお、シャフト5の回転によって球面ころ13は公転もするため、変位センサ2は、アキシアル方向一方側の列に含まれる複数の球面ころ13それぞれの端面14を、次々と検知することとなる。すべての球面ころ13がスキューしていない場合、端面14を検知しているタイミングにおける変位センサ2の出力(検出値)は、一定である。しかし、仮に一つの球面ころ13がスキューすると、そのスキューした球面ころ13の端面14を検知したタイミングで、その検出値が、他の球面ころの端面14を検知した際の検出値と異なる。これにより、演算器7は、球面ころ13のスキュー(端面14の傾き及びその角度)を求めることが可能となる。また、各列の球面ころ13の数は既定値であることから、変位センサ2の検知信号に基づいて、演算器7は、スキューした球面ころ13の個数を求めることも可能である。
図1において、荷重付与部3は、フレーム6の第二壁部32からアキシアル方向他方側に延びているガイド軸20と、このガイド軸20に沿ってアキシアル方向に移動する移動体23とを有している。本実施形態では、四本のガイド軸20が設けられており、それぞれの一部にはボルト部21が形成されている。
移動体23は、剛性を有する平板部材からなり、各ボルト部21に螺合するナット部22を有している。四つのナット部22又は四本のガイド軸20は、(同期して)回転可能な構成であり、この回転により、ナット部22をボルト部21に沿ってアキシアル方向一方側へ移動させることができ、この結果、移動体23はナット部22と一体となって同方向に移動することができる。
このように、移動体23が、アキシアル方向一方側に移動することにより、本実施形態では、移動体23は、荷重センサ4及び負荷機構部38を介して、シャフト5をアキシアル方向一方側に押して、ころ軸受10(内輪11と外輪12との間)に一定のアキシアル荷重を付与することができる。この一定のアキシアル荷重を、初期アキシアル荷重ともいう。
そして、ボルト部21に対するナット部22の位置を変更することにより、一定のアキシアル荷重を調整することが可能となり、また、ナット部22の位置を固定することで、ころ軸受10に対して一定のアキシアル荷重を付与した状態が得られる。なお、この一定のアキシアル荷重は、後述する荷重センサ4によって測定することができる。
荷重センサ4は、移動体23とシャフト5との間に設けられており、本実施形態では、移動体23と負荷機構部38との間に設けられている。このため、移動体23は、荷重センサ4及び負荷機構部38を介してシャフト5を押すこととなる。なお、本実施形態の荷重センサ4は、ロードセルからなる。
ここで、ころ軸受10の球面ころ13がスキューすると、これに起因して、ころ軸受10の内部に誘起アキシアル荷重が発生する。この誘起アキシアル荷重は、スキューの態様により変動する。図1において、ころ軸受10の外輪12は環状部材35によってアキシアル方向一方側への移動が規制されており、また、シャフト5の第二軸部42が内輪11をアキシアル方向一方側へ前記初期アキシアル荷重により押し付けている。このため、ころ軸受10が回転し、その内部に誘起アキシアル荷重が発生すると、この誘起アキシアル荷重は、シャフト5及び負荷機構部38を介して、荷重センサ4に伝達される。
したがって、荷重センサ4は、回転するころ軸受10に作用しているアキシアル荷重を検出し、この検出したアキシアル荷重と、前記初期アキシアル荷重との差、つまり、アキシアル荷重の変動値を、スキューに起因した誘起アキシアル荷重として検出することができる。さらに、この誘起アキシアル荷重の変動も検出することができる。
つまり、誘起アキシアル荷重は、荷重付与部3によって与えられた初期アキシアル荷重を基準とした、アキシアル荷重の変動成分である。なお、本実施形態では、このアキシアル荷重(誘起アキシアル荷重)を、荷重センサ4が出力する検知信号に基づいて、演算器7が演算処理することにより求めることができる。
以上の本実施形態に係る測定装置1が実行する、誘起アキシアル荷重の測定方法について説明する。
図1に示すように、フレーム6に保持したころ軸受10に対して、荷重付与部3によって、一定の初期アキシアル荷重を付与した状態とし、かつ、このころ軸受10を一定の回転速度で回転させる。
そして、ころ軸受10の球面ころ13の自転軸に対する傾きを、変位センサ2の検知信号に基づいて検出すると共に、この回転するころ軸受10に作用しているアキシアル荷重の変動を、荷重センサ4の検知信号に基づいて検出する。なお、変位センサ2が検出する球面ころ13の傾きは、本来、規定されている球面ころ13の自転軸(中心線A)、つまり、設計値に対する傾きである。
変位センサ2及び荷重センサ4それぞれは、継続的に検知信号を演算器7に送信する(図3参照)。
そして、演算器7は、変位センサ2の検知信号と荷重センサ4の検知信号とを取得すると、これら検知信号に基づいて、変位センサ2が球面ころ13の傾きを検出した際の、荷重センサ4が検出したアキシアル荷重の変動値を(前記)算出する。なお、この変動値は、一定のアキシアル荷重を基準としたプラスの値及びマイナス値である。
図4と図5とは、変位センサ2及び荷重センサ4からの検知信号に基づいて、演算器7が出力した情報を説明するグラフである。図4と図5とでは、異なる軸受仕様を有するころ軸受である。図4に示す出力結果が得られたころ軸受10を第一試料といい、図5に示す出力結果が得られたころ軸受10を第二試料という。
図4と図5とにおいて、横軸は、荷重付与部3によって第一試料と第二試料とに与えられた、初期アキシアル荷重(一定のアキシアル荷重)の値であり、この初期アキシアル荷重の値を変更して、誘起アキシアル荷重の測定を行っている。
縦軸(左側)は、変位センサ2の検知信号に基づいて求められた球面ころ13のスキュー角度であり、縦軸(右側)は、荷重センサ4の検知信号に基づいて求められたころ軸受10から受けるアキシアル荷重の変動値、つまり、誘起アキシアル荷重である。図4と図5中の実線がスキュー角度を示しており、破線が誘起アキシアル荷重を示している。
図4に示すように、荷重付与部3によって、初期アキシアル荷重として、F1(kN)を第一試料に対して付与した場合、この第一試料の球面ころ13にスキューが発生し、その際の端面14の角度がθ1に変化している。そして、このF1(kN)の初期アキシアル荷重を付与した際に、誘起アキシアル荷重f1(kN)が発生している。
また、図5に示すように、荷重付与部3によって、初期アキシアル荷重として、F2(kN)を第二試料に対して付与した場合、この第二試料の球面ころ13にスキューが発生し、その際の端面14の角度がθ2に変化している。そして、このF2(kN)の初期アキシアル荷重を付与した際、誘起アキシアル荷重f2(kN)が発生している。
また、この第二試料では、初期アキシアル荷重として、F3(kN)を付与した場合にもスキューが発生し、その際の端面14の角度がθ3に変化している。そして、この際、誘起アキシアル荷重f3(kN)が発生している。
さらに、第二試料では、他の値の初期アキシアル荷重を付与した場合も、スキューが発生しており、その際の、端面14の角度と、誘起アキシアル荷重との関係とを求めることができる。
以上、本実施形態に係る測定装置1及び測定方法によれば、球面ころ13の中心線A(自転軸)に対する傾きを、変位センサ2が検出することで、球面ころ13のスキューの発生を検出することができる。そして、回転しているころ軸受10に作用しているアキシアル荷重の変動を、荷重センサ4によって検出することにより、その変動した荷重を、ころ軸受10に作用した誘起アキシアル荷重としてみなすことができる。したがって、球面ころ13の傾き、つまりスキューの発生と、アキシアル荷重の変動との関係を知ることができ、この関係に基づいて、スキューが発生した際にころ軸受10に作用したアキシアル荷重の変動値を、スキューに起因した誘起アキシアル荷重として、演算器7が算出することができる。
そして、このようにして求められた、スキューに関する情報と、誘起アキシアル荷重との関係、つまり、演算器7からの出力結果に基づいて、ころ軸受10における、例えば軌道面の曲率や表面粗さ等の諸元の見直し(設計)に役立てることが可能となる。
また、本実施形態の測定装置では、荷重センサ4は、シャフト5を回転可能に保持した状態としてかつアキシアル方向に押すことができる負荷機構部38と、移動体23との間に設けられていることから、この荷重センサ4によれば、ころ軸受10に作用しているアキシアル荷重の変動の他に、荷重付与部3によってころ軸受10に作用させる初期アキシアル荷重(一定のアキシアル荷重)を測定することができ、荷重センサ4を用いて初期アキシアル荷重の設定を行うことが可能となる。
また、本発明の測定装置1は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。例えば、シャフト5及びフレーム6等の形状を、他の形状とすることができる。また、荷重付与部3についても、前記実施形態で説明した構成とは異なる構成であってもよい。
1:測定装置 2:変位センサ 3:荷重付与部 4:荷重センサ 5:シャフト 6:フレーム 7:演算器 10:ころ軸受 11:内輪 12:外輪 13:球面ころ 20:ガイド軸 21:ボルト部 22:ナット部 23:移動体 43:環状の面(押圧面) A:中心線(自転軸)

Claims (5)

  1. 内輪、外輪及びこれら内輪と外輪との間に設けられている複数の球面ころを有しているころ軸受に、当該球面ころがスキューすることに起因して生じる誘起アキシアル荷重を求めるための測定装置であって、
    前記球面ころの傾きを検出するための変位センサと、
    前記ころ軸受に一定のアキシアル荷重を付与する荷重付与部と、
    回転する前記ころ軸受に作用しているアキシアル荷重の変動を検出するための荷重センサと、
    を備えていることを特徴とする誘起アキシアル荷重の測定装置。
  2. 前記変位センサの検知信号と前記荷重センサの検知信号とを取得して、当該変位センサによって前記球面ころの傾きが検出された際の、当該荷重センサによって検出された前記ころ軸受のアキシアル荷重の変動値を算出する演算器を、更に備えている請求項1に記載の誘起アキシアル荷重の測定装置。
  3. 前記外輪のアキシアル方向一方への移動を拘束する部材を有しているフレームと、
    前記内輪をアキシアル方向一方へ向かって押す押圧面を有しているシャフトと、
    を更に備え、
    前記荷重付与部は、ボルト部を有し前記フレームからアキシアル方向に延びているガイド軸と、前記ボルト部に螺合するナット部を有しこのナット部と一体となってアキシアル方向に移動する移動体と、を有し、前記ナット部を前記ボルト部に沿ってアキシアル方向一方側へ移動させることにより、前記移動体が前記シャフトをアキシアル方向一方側に押して、前記ころ軸受に前記一定のアキシアル荷重を付与する請求項1又は2に記載の誘起アキシアル荷重の測定装置。
  4. 前記荷重センサは、前記移動体と前記シャフトとの間に設けられ、当該移動体は当該荷重センサを介して当該シャフトを押す請求項3に記載の誘起アキシアル荷重の測定装置。
  5. 内輪、外輪及びこれら内輪と外輪との間に設けられている複数の球面ころを有しているころ軸受に、当該球面ころがスキューすることに起因して生じる誘起アキシアル荷重を求めるための測定方法であって、
    前記ころ軸受に一定のアキシアル荷重を付与した状態で、当該ころ軸受を回転させ、
    前記球面ころの傾きを検出すると共に、この回転する前記ころ軸受に作用しているアキシアル荷重の変動を検出することを特徴とする誘起アキシアル荷重の測定方法。
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