JP5828428B2 - 信号分離方法および信号分離装置 - Google Patents

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Description

本発明は、信号分離方法および信号分離装置に関し、特にMIMO(Multi-Input Multi-Output)による空間多重通信(SM: spatial multiplexing)の受信側で使用される信号分離方法および信号分離装置に関する。
MIMO(multiple-input multiple-output)空間多重 (SM: spatial multiplexing)は複数の送信アンテナから異なる情報を送ることで、帯域の拡張を必要とせずにスループットを倍増できる技術である。MIMO−SMによる通信は異なる信号が伝搬路で線形に重ね合わされて受信されるため、受信した信号を適切に分離することが必要である。信号分離法の精度はMIMO−SMのスループット増大効果を決定する主要因となるため、マルチアンテナ技術の広がりと共に様々な手法が提案されている(例えば、非特許文献1)。
最も単純な信号分離法として、MMSE (minimum mean square error)やZF(zero forcing)規範に基づく線形等化が挙げられる。線形等化による信号分離法は、線形処理のみで信号分離を行う簡易な方法であり、単純に実装できるという利点がある反面、達成できるダイバーシティオーダに制限があり、受信アンテナ数が少ない場合は非常に特性が悪い(例えば、非特許文献2)。
逐次干渉キャンセラ(SIC: successive interference canceller)はMIMO−SMの先駆的検討となったV-BLASTで用いられている構成であり、線形等化と干渉信号レプリカの除去を繰り返すことで信号分離の精度を高める方法である。SICは線形等化に若干の処理量の追加で実装できるが、判定帰還を必要とし、複数のシンボルを順に処理していくため同時処理ができず遅延が問題となる。また、良い特性のためには、はじめに検出するシンボルの精度を高める工夫や誤り訂正を含めた判定帰還が必要とされる(例えば、非特許文献2)。
近年では、LR (lattice reduction)法と線形等化や SICの組み合わせ(例えば、非特許文献3,4,5)が知られている。
LR法は、信号点の格子を通信路行列が好ましい形になるように変換する手法であり、変換された格子上でシンボルの判定を実行することで、通信路行列が悪条件 (ill conditioned)の場合でも線形等化やSICで安定した信号分離が可能となる。しかし、変換された格子上でシンボルの判定をしなければならないために軟判定値の出力が困難であり、シンボル点を硬判定しなければならないため、誤り訂正符号との相性が悪いという問題がある。さらに、PSKのように格子構造に基づかない信号点配置には適用できないといった欠点がある。
また、LR法はQR分解よりもさらに複雑であり、さらに、適用できる信号点配置はQAMに限られる。
他の信号分離法として、低演算量化された最尤 (ML: maximum likelihood)検出や最大事後確率 (MAP: maximum a posteriori)検出が挙げられる。最尤検出(MLD)は、誤り率を最小化できるが、送信アンテナ数をNt、変調多値数をMとするとMNtのオーダーという膨大な計算量を必要とするという問題がある。
また、通信路行列をQR分解した後に、Mアルゴリズムやsphere decodingを用いてML検出を近似する方法が知られている(非特許文献2)。
QR分解とMアルゴリズムとを組み合わせた方法は、QR分解を施した通信路行列に基づいて実装可能な計算量でMLDを近似するものであるが、SICと同様に逐次処理であるため処理遅延が問題となる。各段階で残す候補数をSとすると、S×Mの計算をNt回繰り返さなければならず、計算量を低減するためにSを小さくすると特性が劣化する。さらに、フェージング係数が変化する度にQR分解の実行が必要である。
QR分解とSphere decodingとを組み合わせた方法は、QR分解とMアルゴリズムとによる方法と同様に実装可能なMLDの近似であり、上記した問題の他に、残す候補の判定が難しいという問題がある。
また、QR分解後にSMC (sequential Monte-Carlo)法でシンボルの事後確率を計算し、実現可能な計算量でMAP推定を行う方法も提案されている(例えば、非特許文献6)。計算量はNtに対し線形のオーダーであるが、各ステージにおける処理は比較的複雑である。
上記したように、QR分解に基づく方法は逐次処理であるために、各アンテナからの信号の検出を同時処理できないという問題があり、また、演算量は指数関数的増加を示さないものの、1シンボルの検出当たりに要する処理は依然として大きいという問題がある。
また、Bayesian型MMSE等化による信号分離方法が知られている(例えば、非特許文献7,8)。
MMSE規範は元の送信シンボルと推定値との平均二乗誤差(MSE)を最小化するものであり、信号分離処理の処理を線形演算に制限しない場合は、次式(1)で表される推定値によって最小MSEが達成される。
なお、式では推定値はXの上部に“^”の記号を付しているが、以下の文書中では、X^によって表記する。
この推定値は、受信ベクトルがY=yとなるような送信ベクトルXの平均値を推定値とすることを意味しており、MSEが最小化される。式 (1)で定義される信号分離法をBayesian型 MMSE等化と呼ぶ(非特許文献7,8)。
式(1)において、期待値演算を事後pdfpX|Y (x|y)を用いて書き下せば、次式(2)となる。
式(2)は、MAP検出のように事後pdfを最大化するものを検索するのではなく、全通りのシンボルパターンに対応する事後pdfで重み付けすることを意味している。その点で、Bayesian型MMSE等化は軟判定のMAP検出と見なすことができる。Bayesian型MMSE等化の推定結果Xを硬判定すれば、MAP検出と等価となる。また、送信するシンボル点が等確率で選ばれるならば、ML検出とも等価である。
E.G.Larsson,"MIMO detection methods: How they work," IEEE Sig. Proc. Mag., vol. 26, pp. 91. 95, May 2009. 樋口,田岡 ,"マルチアンテナ無線伝送技術その3 MIMO多重法における信号分離技術," NTT DoCoMoテクニカル・ジャーナル , vol. 14, pp. 66.75, 4月 2006. H. Yao and G. W. Wornell, "Lattice-reductionaided detectors for MIMO communications systems", in Proc. IEEE Globecom'02, pp. 424.428, Nov. 2002. C. Windpassinger and R. F. H. Fischer, "Lowcomplexity near-maximum-likelihood detection and precoding for MIMIO systems using lattice reduction",; in Proc. ITW'03, Apr. 2003. D. W¨ubben, R. B¨ohnke, V. K¨uhn, and K. D. Kammeyer,"Near-maximum-likelihood detection of MIMO systems using MMSE-based lattice reduction," in Proc. IEEE ICC'04, pp. 798.802, June 2004. B. Dong, X. Wang, and A. Doucet, "A new class of soft MIMO demodulation algorithms," IEEE Trans. Sig. Proc., vol. 51, pp. 2752.2763, Nov. 2003. S. Chen, S. McLaughlin, B. Mulgrew, and P. M. Grant, "Adaptive Bayesian decision feedback equalizer for dispersive mobile radio channels,"; IEEE Trans. Commun., vol. 43, pp. 1937.1946, May 1995. S. K. Patra and B. Mulgrew, "Efficient architecture for Bayesian equalization using fuzzy filters," IEEE Trans. Circuits Syst. II, Analog Digit. Sig. Proc., vol. 45, pp. 812.820, July 1998.
MIMO空間多重通信は、複数のアンテナから送信された信号を受信側において分離することが必要であり、信号分離の精度を高めるにはその計算量が膨大となるという問題がある。
Bayesian型MMSE等化による信号分離方法において、式(2)で表される定義式をそのまま実行すると、MLやMAP検出と同様にMNt個のシンボルパターンを検査しなければならない。
例えば送信ベクトルが2つの送信シンボルx、xである場合には、式(2)の送信シンボルX^は以下の式(3)で表される。
上記式(3)は、雑音の分散をNとすると、ベイズの定理によって次式(4)に変形される。
ただし、λ(x、x)は次式(5)で表される。式(5)において、“:=”は定義を表す等号である。
上記式から、送信シンボルの個数が2の場合にはMパターンの[x]について2乗距離を計算する必要があり、送信シンボルの個数がNtの場合には、MNtパターンの[x …xNt]について2乗距離を計算する必要がある。
式(2)において、推定値X^を算出するに要する総和演算の回数は、送信シンボルのパターン数と同数が必要である。
図14は、上記したBayesian型MMSE等化による信号分離の演算手順を説明する図であり、2つの送信シンボルx、xの例について示している。
式(4)において、はじめに一方の送信シンボルxについて総和演算を行う。ここでは、式(4)の分子において送信シンボルxについて行った総和演算をAとし、式(4)の分母において送信シンボルxについて行った総和演算をBとしている(S100)。
次に、他方の送信シンボルxについて総和演算を行う。ここでは、式(4)の分子において送信シンボルxについて行った総和演算をCとし、式(4)の分母において送信シンボルxについて行った総和演算をDとしている(S101)。送信シンボルの推定値X^は、C/Dの演算によって求める(S102)。
したがって、本発明は上記課題を解決して、Bayesian型MMSE等化による信号分離の演算量を低減することを目的とする。
本願発明は、送信シンボルの離散的な信号点配置を一様連続的な分布で近似することによって、Bayesian型MMSE等化による送信シンボルX^の算出に要する総和演算の回数を低減して演算量を低減すると共に、特性劣化を抑制するものである。
本発明は、MIMO空間多重通信の受信において、Bayesian型MMSE等化(最小平均二乗誤差)によって信号分離を行う信号分離であり、信号分離方法の形態と信号分離装置の形態とすることができる。
(本発明の信号分離方法の形態)
本発明の信号分離方法の形態は、送信ベクトルを構成する各送信シンボルについて行うBayesian型MMSE等化の総和演算において、送信シンボルの内の一つの送信シンボルについては、離散的な信号点配置を一様連続な分布で近似することによって当該送信シンボルの総和演算に代えて積分を含まない閉形式とし、送信シンボルの内の近似を行わない残りの送信シンボルについては、総和演算を行う。
一つの送信シンボルの離散的な信号点配置を一様連続な分布で近似することによって、各送信シンボルについて行う総和演算の内の一つの総和演算を積分を含まない閉形式に置き換え、これによって総和演算の回数を低減し、Bayesian型MMSE等化による信号分離の演算量を低減する。
一様連続な分布で近似する送信シンボルは、送信シンボルの内で推定を行う送信シンボル、あるいは、送信シンボルの内で推定を行わない送信シンボルとすることができる。
本発明の信号分離方法において、送信シンボルの離散的な信号点配置を近似する一様連続な分布は、種々の分布を適用することができる。
一様連続な分布の一例は、信号点配置を表す複素平面上で、実軸および虚軸においてGauss分布であり、一様連続な分布の他の例は、信号点配置を表す複素平面上において原点を中心とする少なくとも一つの円上において一様連続な分布である。
円上の一様連続な分布の例は、信号点配置を表す複素平面上で、原点を中心とする単位円上において一様連続な分布であり、M−PSKの離散的な信号点配置の送信シンボルを一様連続な分布に近似する場合に適用することができる。
また、円上の一様連続な分布の別の例は、信号点配置を表す複素平面上で、原点を中心とし径を異にする複数の各円上において一様連続な分布であり、M−APSKの離散的な信号点配置の送信シンボルを一様連続な分布に近似する場合に適用することができる。
さらに、一様連続な分布の別の例は、信号点配置を表す複素平面上において面状の一様連続な分布であり、原点を中心とする正方形領域内において一様連続な分布とすることができ、QAMの離散的な信号点配置の送信シンボルを一様連続な分布に近似する場合に適用することができる。
本発明は、Bayesian型MMSE等化の期待値演算を事後確率密度関数で表したときの演算式において、送信シンボルの離散的な信号点配置を一様連続な分布で近似する。
分布関数は、Gauss関数、円上において一様連続な分布を表す関数、正方形領域内において一様連続な分布を表す関数とすることができる。円上において一様連続な分布を表す関数は、M−PSKの離散的な信号点配置や、M−APSKの離散的な信号点配置を一様連続な分布で近似する際に適用することができ、正方形領域内において一様連続な分布を表す関数は、QAMの離散的な信号点配置の一様連続な分布で近似する際に適用することができる。
(本発明の信号分離装置の形態)
本発明の信号分離装置の形態は、送信ベクトルを構成する各送信シンボルについて行うBayesian型MMSE等化の総和演算を行う演算部を備え、当該演算部は、送信シンボルの内の一つの送信シンボルについては、離散的な信号点配置を一様連続な分布で近似することによって当該送信シンボルの総和演算に代えて積分を含まない閉形式とし、送信シンボルの内の近似を行わない残りの送信シンボルについては、総和演算を行う。
演算部は、一つの送信シンボルの離散的な信号点配置を一様連続な分布で近似することによって、各送信シンボルについて行う総和演算の内の一つの総和演算を積分を含まない閉形式に置き換え、これによって総和演算の回数を低減し、Bayesian型MMSE等化による信号分離の演算量を低減する。
一様連続な分布で近似する送信シンボルは、送信シンボルの内で推定を行う送信シンボル、あるいは、送信シンボルの内で推定を行わない送信シンボルとすることができる。
本発明の信号分離装置において、送信シンボルの離散的な信号点配置を近似する一様連続な分布は、種々の分布を適用することができる。
一様連続な分布の一例は、信号点配置を表す複素平面上で、実軸および虚軸においてGauss分布であり、一様連続な分布の他の例は、信号点配置を表す複素平面上において原点を中心とする少なくとも一つの円上において一様連続な分布である。
円上の一様連続な分布の例は、信号点配置を表す複素平面上で、原点を中心とする単位円上において一様連続な分布であり、M−PSKの離散的な信号点配置の送信シンボルを一様連続な分布に近似する場合に適用することができる。
また、円上の一様連続な分布の別の例は、信号点配置を表す複素平面上で、原点を中心とし径を異にする複数の各円上において一様連続な分布であり、M−APSKの離散的な信号点配置の送信シンボルを一様連続な分布に近似する場合に適用することができる。
さらに、一様連続な分布の別の例は、信号点配置を表す複素平面上において面状の一様連続な分布であり、原点を中心とする正方形領域内において一様連続な分布とすることができ、QAMの離散的な信号点配置の送信シンボルを一様連続な分布に近似する場合に適用することができる。
本発明の信号分離装置の演算部は、Bayesian型MMSE等化の期待値演算を事後確率密度関数で表したときの演算式において、送信シンボルの離散的な信号点配置を一様連続な分布で近似する。
分布関数は、Gauss関数、円上において一様連続な分布を表す関数、正方形領域内において一様連続な分布を表す関数とすることができる。円上において一様連続な分布を表す関数は、M−PSKの離散的な信号点配置や、M−APSKの離散的な信号点配置を一様連続な分布で近似する際に適用することができ、正方形領域内において一様連続な分布を表す関数は、QAMの離散的な信号点配置の一様連続な分布で近似する際に適用することができる。
演算部は、近似を行う分布関数を複数種備えておき、送信シンボルの形態に応じて選択して適用することができる。
MIMO通信モデルおよび本発明の信号分離装置を説明するための図である。 本発明による信号分離の概略を説明するための図である。 M−PSKの変調および近似分布を説明するための図である。 M−QAMの変調および近似分布を説明するための図である。 M−APSKの変調および近似分布を説明するための図である。 Uniform ring近似によるQPSKのビット誤り率特性を示すグラフである。 Uniform ring近似による8−PSKのビット誤り率特性を示すグラフである。 Uniform ring近似による16−PSKのビット誤り率特性を示すグラフである。 Uniform ring近似による8−PSKのビット誤り率特性を示すグラフである。 Uniform ring近似による16−APSKのビット誤り率特性を示すグラフである。 Uniform square近似による16−QAMのビット誤り率特性を示すグラフである。 Gauss近似による8−PSKの特性およびUniform ring近似との比較を示すグラフである。 Gauss近似による16−QAMの特性およびUniform square近似との比較を示すグラフである。 Bayesian型MMSE等化による信号分離の演算手順を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
Bayesian型 MMSE等化によれば、定義式のまま実行するとML検出とほぼ同じ特性を達成できるものの同等の計算量が必要となる。本発明は、このBayesian型 MMSE等化において、送信シンボルの離散的な信号点配置を一様連続な分布で近似することによって、分離処理の計算量を低減する。
本発明は、変調形式としてM−PSK、M−APSK、QAMに適用することができ、また、送信アンテナ数も任意の個数とすることができる。例えば、信号点配置がPSKである場合には、信号分離の計算量をMNtオーダーからMNt−1のオーダーに低減することができる。計算量は依然として指数関数的のままであるが、冪数を1低減することができる。
例えば、Nt=2に限定した場合には、計算量は線形のオーダーとなる。小型端末はサイズの制限から搭載可能なアンテナ数が少なく、バッテリの節約から電力増幅器の非線形性に耐性のあるPSK変調が用いられる事情を考慮すると、送信アンテナの個数Ntを2としPSK変調とする通信形態の設定は、小型端末から基地局への伝送において十分に想定できるものである。
図1は、MIMO通信モデルおよび本発明の信号分離装置を説明するための図である。MIMO通信モデルは、送信アンテナ1,伝送路2,受信アンテナ3、チャンネル推定部4,および検出器5を備える。
MIMO通信モデルでは、送信アンテナ1から別々の送信ベクトルXが同時に同一の周波数で送信される。これらの送信ベクトルXは、伝送路2を経て複数の受信アンテナで受信される。検出器5では、各受信アンテナ3で受信された受信ベクトルYに基づいて、送信された複数の送信ベクトルXを個々の信号に分離する。
チャンネル推定部4は、パイロット信号を検出することによって伝送路2の特性を表わす通信路行列Hを推定する。検出器5は、チャンネル推定部4で推定した通信路行列Hを用いて、信号分離を行う。
本発明の検出器5は、受信した送信ベクトルを構成する各送信シンボルについて、Bayesian型MMSE等化の演算を行う演算部5A、および演算部5Aの演算結果に基づいて送信シンボルの推定値を算出する算出部5Bを備える。演算部5Aは、Bayesian型MMSE等化の演算で行う各送信シンボルの総和演算において、送信シンボルの内の一つの送信シンボルについては、離散的な信号点配置を一様連続な分布で近似することによってその送信シンボルの総和演算に代えて積分を含まない閉形式とし、送信シンボルの内の近似を行わない残りの送信シンボルについては、総和演算を行うことによって演算量を低減した信号分離を行う。
演算部5Aは、近似に用いる近似分布関数を記憶手段に格納し、送信ベクトルの変調方式に応じて記憶手段から適応する近似分布関数を読み出して、信号分離の演算に用いることができる。記憶手段は、演算部5A内に設ける構成とする他、別に設ける構成としてもよい。また、近似分布関数は、記憶手段に予め格納する他、図示しない入力部によって格納する構成とすることもできる。
以下、大文字(X,X,Y,…)を確率変数、その取り得る値(実現値)を小文字(x,x,y,…)で表現する。
送信アンテナ1のアンテナ数をNt、受信アンテナ3のアンテナ数をNrとし、図1は送信アンテナ1のアンテナ数をNtが2である例を示している。各送信アンテナ1は送信シンボル[X1、…、XNt]を有する送信ベクトルを送信する。受信アンテナ3は、MIMOチャネルHを伝搬した受信ベクトルYを受信する。受信ベクトルYは受信シンボル[Y1、…、YNr]で表される。
通信路の入出力関係は次式(6)で表される。
ここで、送信ベクトルX、受信ベクトルY、雑音ベクトルW、通信路行列Hは、以下の式(7)〜(10)で表される。“:=”は定義を表す等号である。
各送信シンボル X,i=1,…,Ntは互いに独立で同じ分布を持つ確率変数の列(i.i.d.)であり、それぞれM要素の信号点の集合χから任意の値をとる。雑音ベクトルの各要素も互いに独立で同じ分布を持つ確率変数の列(i.i.d.)であり、それぞれ平均0、分散Nの複素ガウス分布に従う。
MIMO−SMにおいて、信号分離によって受信ベクトルYから対応する送信ベクトルの推定値X^:=[X^ … X^Nt]を求める。
上記したMIMO通信モデルにおいて、信号点配置、送信アンテナ数、および受信アンテナ数は任意とすることができる。例えば、図1において、M要素の信号点の集合χをM−PSK、M−APSK,M−QAM等の出力点集合とし、送信アンテナ数をNt=2とすることができる。
複素信号X,Xを送信してY,Y,…,YNrを受信したとすれば、上記式(6)は次式(11)で表される。
ここで、hk,nは送信アンテナnから受信アンテkへの伝搬路応答であり、W,W,…,WNrは各受信アンテナから入力される信号の雑音成分である。各送信シンボルX,Xは、それぞれM要素の信号点の集合χから任意の値をとる。
集合χは、例えば、M−QAM(ただしMは2の偶数乗)、M−PSKの場合には、それぞれ次式(12)、(13)で表される。
集合χがM−APSKの場合には、リング数をK、各リングの半径をρ,…,ρ、各リング上の信号点数をM(k),k=1,…,K(ただし、Σ k=1M(k)=M)とすると、次式(14)で表される。
なお、MーPSKは、この定義においてK=1,ρ=1,M(1)=Mの場合と見なすことができる
Bayesian型MMSE等化において、式(1)から式(2),式(3)を導く際には、各送信シンボルXの事前確率密度関数pdfは離散的であるとしている。本発明は、送信シンボルXの離散的な値を一様連続的な分布で近似する。
本発明は、式(4)において送信シンボルXを一様連続な分布f(x)に従う確率変数で近似することによって計算量を低減する。
送信シンボルXを一様連続な分布で近似する際、推定を行う送信シンボルXに対して一様連続な分布の近似を適用する態様の他に、推定を行わない送信シンボルXに対して一様連続な分布の近似を適用する態様とすることができる。以下、推定を行う送信シンボルXに対して一様連続な分布の近似を適用する態様を第1のタイプとし、推定を行わない送信シンボルXに対して一様連続な分布の近似を適用する態様を第2のタイプとして説明する。
(第1のタイプ)
第1のタイプの態様では、送信シンボルXを推定する場合において、送信シンボルXを一様連続な分布f(x)で近似することは、推定を行う所望の送信シンボルの分布を近似することを意味する。所望のシンボルを近似して導かれる第1のタイプの推定式は、式(4)を一様連続な分布f(x)を用いて書き換えることによって以下の式(15)〜(17)で表される。
ここで、∫cは複素平面全体に渡る積分を表している。
関数f(x) には、
1)元の信号点配置をできるだけ忠実に再現していること、および
2)α(x),β(x)で与えられる積分を、積分を含まない形式である閉形式とすること
が求められる。閉形式とすることによって、式(15)で示されるように、Nt=2であるときに通常Mパターンの[x]の検査を必要とするBayesian型MMSE等化においてxについての総和演算が無くなり、Mパターンのxのみの総和演算によって、信号分離の算出を行うことができる。
(第2のタイプ)
送信シンボルXではなく送信シンボルXに対して一様連続な分布f(x)の近似を適用することも可能である。
推定を行う所望の送信シンボルXからみて送信シンボルXは干渉シンボルに相当する。したがって、第2のタイプの態様は、干渉となる送信シンボルに対して一様連続な分布f(x)の近似を適用することを意味している。
干渉となる送信シンボルを一様連続な分布を表す関数f(x)で近似して導かれる第2のタイプの推定式は、式(4)を一様連続な分布を表す関数f(x)を用いて書き換えることによって以下の式(18)で表される。
ただし、β´(x1)はβ(x2)において
と変数を交換したものに相当する。
第2のタイプは、第1のタイプと同様に計算量を削減することができるが、その特性は第1のタイプ と比較して劣ることが確認されている。
以下、様々な形の一様連続な分布関数f(x)について、第1のタイプおよび第2のタイプの推定式の導出を説明する。
なお、各推定式は、X^ではなくlogX^を与える式として表記されている。これは計算機で実装する際に、対数領域で計算をすることでオーバーフローを避けるためである。したがって、最終的な推定結果はX^=exp(logX^)として得られる。
図2は、本発明による信号分離の概略を説明するための図である。図2において、信号分離の演算は、Bayesian型MMSE等化の式において、複数の送信ベクトルの内の一つの送信ベクトルの送信シンボルに係わる総和演算を、一様連続な分布関数f(x)を用いることによって閉形式の積分(α(x),β(x))とし、残りの送信ベクトルの送信シンボルについて総和演算を行い(S1)、得られた演算結果から送信ベクトルの推定値X^を算出する(S2)。
S1の工程では、Bayesian型MMSE等化で行う総和演算の内、送信ベクトルの一つを一様連続な分布関数f(x)で近似することで、この送信ベクトルの各送信シンボルについての総和演算を不要とし、これによって計算量を低減することができる。
ここで、以下の推定式に共通して現れる変数を定義しておく。
第1のタイプの推定式で用いられる変数は以下の通りである。
第2のタイプの推定式で用いられる変数は以下の通りである。第2のタイプの推定式の元となるβ′(x)はβ(x)において式(19)の変数交換が施されたものに相当する。したがって、第2のタイプにおいては上記した式(20)〜(23)の変数を以下のものと読み替えればよい。
また、推定式において上記した変数の他に、導出過程中のみに現れる最終的な結果に影響を及ぼさない定数をCで表している。
対数領域で表記された推定式において、ΣR,logC,logで表記される総和演算が現れる。これらはそれぞれ、実数領域および複素数領域のヤコビアン対数に基づく総和演算であり、通常の加算を以下の式(30)、(30’)、(31)、(31’)で示すように、別の演算に置き換えて実行することを意味する。
ここで、maxRe(a,b),minRe(a,b)は、aとbのうち実数部が大きい(小さい)方を表している。
式(30’)および式(31’)は、式(30)および式(31)中の対数演算の項を省略した式である。式(30’)および式(31’)によって得られる特性は、後に示す図6〜図11に示すように、式(30)および式(31)によって得られる特性と比較して劣化の程度は低いことが確認される。また、対数演算の項を省略することによって計算量を削減することができる。
以下、送信ベクトルを一様連続な分布で近似する例として、Gauss分布による近似、QAMに適用する正方形領域の一様連続分布による近似、PSKやAPSKに適用する円(リング)上の一様連続分布による近似の各例について説明する。
[Gauss分布による近似]
送信ベクトルを近似する一様連続な分布としてガウス分布を用いる。ガウス分布による近似において、一様連続な分布の分布関数として、以下のガウス関数f(x)を用いる。
f(x)=exp(−|x|) … (32)
図3(d)は、ガウス分布の一例を示し、ガウス関数f(x)は複数の平面の実軸方向および虚軸方向についてガウス分布するものとする。ガウス分布は、実際のシンボルの分布と大きく異なるが、積分を簡易な閉形式にできる点で好ましい。
式(32)に式(16),(17)を代入して計算すると、α、βは以下の式(33)、(34)で表される。
(第1のタイプ)
推定する送信ベクトルに対してガウス分布による近似を適用すると、式(15)に式(33),(34)を代入することによって、推定送信シンボルX^は以下の式(35)で表される。
対数領域では、以下の式(36)で表される。
(第2のタイプ)
推定を行わない送信ベクトルに対してガウス分布による近似を適用すると、式(18)に式(33),(34)を代入することによって、推定送信シンボルX^は以下の式(37)で表される。
対数領域では、以下の式(38)で表される。
[正方形領域の一様連続分布による近似]
信号点配置がM−QAM(ただしMは2の偶数乗)である場合を近似する好適な例として、複素平面内の正方形領域における一様連続分布による近似(uniform square近似)を設定することができる。
図4(a)は16QAMの例を示し、図4(b)は正方形領域における一様連続分布の近似例を示している。
このuniform square近似は、格子状に離散的に分布するQAMの信号点配置を、信号点数が無限大のQAM(∞−QAM)で近似するものであり、原点を中心とし、頂点がκ+jκ,−κ+jκ,−κ−jκ,κ−jκの正方形領域Dκに、無数のシンボル点が一様連続的に分布している。
このuniform square近似を表す分布関数f(x)は、ユニットステップ関数U(・)を用いて以下の式(39)で表される。
式(39)において、κは、MーQAMの信号点の集合においてMを無限大としたときの極限を求めることで求めることができ、κ=√3/2となる。
上記式(39)で表される分布関数f(x)を式(17)、(16)に代入することによって、式(40)、(41)で表されるβおよびαが得られる。
ここで、
である。
(第1のタイプ)
推定する送信ベクトルに対してuniform square近似による近似を適用すると、式(15)に式(40),(41)を代入することによって、推定送信シンボルX^は以下の式(46)で表される。なお、式(41)において、
および
は非常に小さいので無視している。
式(46)において、e,eは非負であるので、式(46)は以下の式(47)の対数領域で計算することができる。
(第2のタイプ)
推定を行わない送信ベクトルに対してuniform square近似を適用すると、式(18)に式(33)を代入することによって、推定送信シンボルX^は以下の式(48)で表される。
対数領域では、以下の式(49)で表される。
[円(リング)上の一様連続分布による近似]
信号点配置がM−APSK、M−PSKである場合を近似する好適な例として、複素平面内において各円(リング)上で一様連続分布による近似(uniform ring近似)を設定することができる。なお、M−PSKは、M−APSKにおいて円(リング)の個数が1つの場合に相当している。
図3(a)〜(c)は、M−PSKにおいて、それぞれBPSK、QPSK、および8PSKの例を示し、図3(e)は単一の円(リング)上の一様連続分布の近似を示している。また、図5(a)はM−APSKにおいてDAPSKの例を示し、図5(b)は2つの円(リング)上の一様連続分布の近似を示している。
このuniform ring近似は、円(リング)上に離散的に分布するM−APSK、M−PSKの信号点配置を、信号点数が無限大の円(リング)の分布で近似するものである。
このuniform ring近似を表す分布関数f(x)は、以下の式(50)で表される。
式(50)を用いると共に、式(16)、(17)の被積分変数xをx=ρκjθの極座標表示し、φを任意の実数定数とすることによって、以下の式(51)、(52)が得られる。
ここで、I(・),I(・)はそれぞれ0次と1次の第1種変形ベッセル関数である。これらのベッセル関数は、以下に示すように指数関数で高精度に近似できることが知られている。
(第1のタイプ)
推定する送信ベクトルに対してuniform ring近似による近似を適用すると、式(51),(52)においてベッセル関数を指数関数で近似したα(x)、β(x)を式(15)に代入することによって、推定送信シンボルX^は以下の式(53)で表される。
対数領域では、以下の式(54)で表される。
PSKは、APSKにおいてK=1,ρ=1とした単一リングに相当する。このPSKでは、上記式(54)は以下の式(55)で表される。
(第2のタイプ)
推定を行わない送信ベクトルに対してuniform ring近似を適用すると、式(18)に式(51)を代入することによって、推定送信シンボルX^は以下の式(56)で表される。
対数領域では、以下の式(57)で表される。
PSKは、APSKにおいてK=1,ρ=1とした単一リングに相当する。このPSKでは、上記式(57)は以下の式(58)で表される。
表1に導出した推定式を示す。
[実施例]
以下に、本発明の信号分離による計算機シミュレーションの例を示す。
ここで、通信路行列Hのフェージング係数hk、n,k=1,…,Nr、n=1,2は全て独立で、各々平均0、分散1の複素ガウス分布に従うと仮定する。図6〜図11において、式(30’)、式(31’)を用いて得られる第1のタイプおよび第2のタイプのシミュレーション結果については、それぞれtype-Iおよびtype-IIで示し、式(30’)、式(31’)を用いて対数演算の項を省略したmax演算のみで得られる第1のタイプおよび第2のタイプのシミュレーション結果については、それぞれtype-I(max)およびtype-II(max)で示している。
図6〜図8は、受信アンテナ数がNr=2の場合において、uniform ring近似に基づいて本発明の信号分離法で受信したQPSK,8−PSK,16−PSKのビット誤り率(BER)特性を示している。
第1のタイプ(黒の三角印で示す)と第2のタイプ(白の三角印で示す)で示すビット誤り率を比較すると、第1のタイプは第2のタイプよりも優れた特性を有することが確認される。つまり、干渉となるシンボルを近似するよりも、推定を行う所望のシンボルを近似する方が好ましいことを示している。
BER=10−4において、第1のタイプと線形MMSE等化の特性差は11−12dBである。また、BERを最小化できるML検出と比較すると、同じBERにおける差は3dB以内に収まっている。
図9は、8−PSKで受信アンテナ数Nrを増加させたときのBER特性を示している。第2のタイプは第1のタイプよりも特性が劣ることを既に確認済みであるため、ここでは第1のタイプの結果のみを示している。図9から、受信アンテナ数Nrを増加させるとMLDとの差が縮まることが確認できる。
また、受信アンテナ数Nr=3においてMLDとの差はわずか0.8dBであり、受信アンテナ数Nr=4の場合ではグラフ上で視認できる差は無い。
図10は、受信アンテナ数がNr=2の場合において、16−APSKを用いたときのBERを示している。ここで用いた16−APSKは振幅が異なる二つの8−PSKの重ね合わせであり、K=2,ρ1=√2/5,ρ2=2√2/5,M(1)=M(2)=8である。これらのリング半径は、よく用いられるリング比1:2に対応している。図10より 、PSKの場合と同様の傾向のBER特性が確認できる。
APSKの推定式はPSKの推定式と比べ複雑度が高いが、第1のタイプとMLDの差はPSKの場合より大きい。
図11は、受信アンテナ数がNr=2の場合において、16−QAMをuniform square近似に基づいて受信したときのBER特性を示している。
PSKおよびAPSKの場合と同様に、第1のタイプの方が第2のタイプよりも特性が優れているが、BER特性の傾きから、達成できるダイバーシティオーダがPSKおよびAPSKの場合より低いことが確認できる。その結果、BER=10−4において線形MMSE等化と比較したときのE/Nの改善量は、第1のタイプでも3.5dB程度である。
図12,13はGauss近似の特性を示している。なお、Gauss近似に基づく推定式は、PSKおよびQAMの両方に適用し、uniform ring近似およびuniform square近似の特性を比較している。
16−QAMの結果より、QAMにおけるGauss近似の特性はuniform square近似の特性とほぼ同じであることが分かる。一方、PSKにおいては、uniform ring近似がGauss近似よりも大幅に優れていることが確認できる。この結果より、シンボル点分布の近似法が特性に大きな影響を与えると言える。
処理の複雑度の評価として、表2に計算機上に実装したプログラムの実行時間を示す。
第1のタイプおよび第2のタイプの処理時間は、簡易な手法である線形MMSE法には及ばないものの、MLDと比べて大幅に短縮されていることが確認できる。
本発明の信号分離によれば、Bayesian型 MMSE等化において、何れか一つの送信アンテナから到来する送信シンボルの分布を一様連続分布で近似することによって、Bayesian型 MMSE等化の推定式に含まれる積分について閉形式とすることができるため、MのオーダーをMのオーダーの計算量に低減して信号分離を実行することができる。また、シミュレーション結果から、ML検出に近い特性が達成できることも確認できる。APSK、PSKに対するuniform ring、QAMに対する uniform square近似、および Gauss近似の三種類の近似を、シミュレーション結果により比較した場合には、uniform ring近似が優れた特性を示すことが確認される。
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨に基づいて種々変形することが可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明は、M−APSK、M−PSK、M−QAMの各変調方式に適用することができる。
1 送信アンテナ
2 伝送路
3 受信アンテナ
4 チャンネル推定部
5 検出器
5A 演算部
5B 算出部
X 送信ベクトル
Y 受信ベクトル
H 通信路行列
W 雑音ベクトル

Claims (25)

  1. MIMO空間多重通信の受信において、Bayesian型MMSE等化(最小平均二乗誤差)によって信号分離を行う信号分離方法であって、
    送信ベクトルを構成する各送信シンボルについて行うBayesian型MMSE等化の総和演算において、
    当該送信シンボルの内の一つの送信シンボルについては、離散的な信号点配置を一様連続な分布で近似することによって当該送信シンボルの総和演算に代えて積分を含まない閉形式とし、
    前記送信シンボルの内の近似を行わない残りの送信シンボルについては、総和演算を行うことを特徴とする、信号分離方法。
  2. 前記一様連続な分布は、信号点配置を表す複素平面上で、実軸および虚軸においてGauss分布であることを特徴とする、請求項1に記載の信号分離方法。
  3. 前記一様連続な分布は、信号点配置を表す複素平面上で、原点を中心とする少なくとも一つの円上において一様連続な分布であることを特徴とする、請求項1に記載の信号分離方法。
  4. 前記送信シンボルは、M−PSKの信号点配置であり、
    前記一様連続な分布は、信号点配置を表す複素平面上で、原点を中心とする単位円上において一様連続な分布であることを特徴とする、請求項3に記載の信号分離方法。
  5. 前記送信シンボルは、M−APSKの信号点配置であり、
    前記一様連続な分布は、信号点配置を表す複素平面上で、原点を中心とし、径を異にする複数の各円上において一様連続な分布であることを特徴とする、請求項3に記載の信号分離方法。
  6. 前記送信シンボルは、QAMの信号点配置であり、
    前記一様連続な分布は、信号点配置を表す複素平面上で、原点を中心とする正方形領域内において一様連続な分布であることを特徴とする、請求項1に記載の信号分離方法。
  7. Bayesian型MMSE等化の期待値演算を事後確率密度関数で表したときの演算式において、前記事後確率密度関数を一様連続な分布関数によって近似することによって、前記送信シンボルの離散的な信号点配置を一様連続な分布で近似することを特徴とする、請求項1に記載の信号分離方法。
  8. 前記分布関数はGauss関数であることを特徴とする、請求項7に記載の信号分離方法。
  9. 前記分布関数は、円上において一様連続な分布を表す関数であることを特徴とする、請求項7に記載の信号分離方法。
  10. 前記分布関数は、正方形領域内において一様連続な分布を表す関数であることを特徴とする、請求項7に記載の信号分離方法。
  11. 前記一様連続な分布で近似する送信シンボルは、送信シンボルの内で推定を行う送信シンボルであることを特徴とする、請求項1から10の何れか一つに記載の信号分離方法。
  12. 前記一様連続な分布で近似する送信シンボルは、送信シンボルの内で推定を行わない送信シンボルであることを特徴とする、請求項1から10の何れか一つに記載の信号分離方法。
  13. MIMO空間多重通信の受信において、Bayesian型MMSE等化(最小平均二乗誤差)によって信号分離を行う信号分離装置であって、
    Bayesian型MMSE等化を行う演算部を備え、
    当該演算部は、
    送信ベクトルを構成する各送信シンボルについて行うBayesian型MMSE等化における各送信シンボルについての総和演算において、
    当該送信シンボルの内の一つの送信シンボルについて、離散的な信号点配置を一様連続な分布で近似することによって当該送信シンボルの総和演算に代えて積分を含まない閉形式とし、
    前記送信シンボルの内の近似を行わない残りの送信シンボルについて総和演算を行うことを特徴とする、信号分離装置。
  14. 前記一様連続な分布は、信号点配置を表す複素平面上で、実軸および虚軸においてGauss分布であることを特徴とする、請求項13に記載の信号分離装置。
  15. 前記一様連続な分布は、信号点配置を表す複素平面上で、原点を中心とする少なくとも一つの円上において一様連続な分布であることを特徴とする、請求項13に記載の信号分離装置。
  16. 前記送信シンボルは、M−PSKの信号点配置であり、
    前記一様連続な分布は、信号点配置を表す複素平面上で、原点を中心とする単位円上において一様連続な分布であることを特徴とする、請求項15に記載の信号分離装置。
  17. 前記送信シンボルは、M−APSKの信号点配置であり、
    前記一様連続な分布は、信号点配置を表す複素平面上で、原点を中心とし、径を異にする複数の各円上において一様連続な分布であることを特徴とする、請求項15に記載の信号分離装置。
  18. 前記送信シンボルは、QAMの信号点配置であり、
    前記一様連続な分布は、信号点配置を表す複素平面上で、原点を中心とする正方形領域内において一様連続な分布であることを特徴とする、請求項13に記載の信号分離装置。
  19. Bayesian型MMSE等化の期待値演算を事後確率密度関数で表したときの演算式において、前記送信シンボルの離散的な信号点配置を一様連続な分布で近似することを特徴とする、請求項13に記載の信号分離装置。
  20. 前記分布関数はGauss関数であることを特徴とする、請求項19に記載の信号分離装置。
  21. 前記分布関数は、円上において一様連続な分布を表す関数であることを特徴とする、請求項19に記載の信号分離装置。
  22. 前記分布関数は、正方形領域内において一様連続な分布を表す関数であることを特徴とする、請求項19に記載の信号分離装置。
  23. 前記一様連続な分布で近似する送信シンボルは、送信シンボルの内で推定を行う送信シンボルであることを特徴とする、請求項13から22の何れか一つに記載の信号分離装置。
  24. 前記一様連続な分布で近似する送信シンボルは、送信シンボルの内で推定を行わない送信シンボルであることを特徴とする、請求項13から22の何れか一つに記載の信号分離装置。
  25. 前記演算部は、前記事後確率密度関数を一様連続の分布で近似する複数種の分布関数を備え、送信シンボルの分布に応じて選択して適用することを特徴とする、請求項19に記載の信号分離装置。
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