[1.パチンコ機の全体構造]
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図7を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体について説明する。図1は実施形態に係るパチンコ機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図であり、図2はパチンコ機の正面図であり、図3はパチンコ機の側面図であり、図4はパチンコ機の平面図であり、図5はパチンコ機の背面図であり、図6はパチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図であり、図7はパチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。
図1乃至図7において、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技ホールの島(図示しない)に設置される外枠2と、外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、本体枠3に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域605を遊技者が視認し得る遊技窓101とその遊技窓101の下方に配置され且つ遊技の結果によって払出される球を貯留する貯留皿としての皿ユニット300とを備えた扉枠5と、を備えて構成されている。
外枠2には、その下方前方に装飾カバー板15を補強するカバー補強金具14が固着されている。また、本体枠3には、上記したように遊技盤4が着脱自在に装着し得る他に、その裏面下部に打球発射装置650と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板1136等が一纏めに設けられている基板ユニット1100が取付けられ、本体枠3の後面開口580(図6を参照)を覆うカバー体1250が着脱自在に設けられている。更に、扉枠5には、上記した皿ユニット300の他に、遊技窓101を閉塞するようにガラスユニット450と、ハンドル装置400とが設けられている。そして、本実施形態の特徴は、扉枠5に設けられる皿ユニット300が1つであり、しかも、従来は本体枠3に設けられていたハンドル装置400が扉枠5に設けられ、また、扉枠5と本体枠3とが正面から見て略同じ方形の大きさであるため、正面から本体枠3が視認できなくした点である。以下、パチンコ機1を構成する部材について詳細に説明する。
[1−1.外枠]
外枠2について、主として図8乃至図12を参照して説明する。図8は、外枠2の正面斜視図であり、図9は、同外枠2の正面から見た分解斜視図であり、図10は、同外枠2の正面図であり、図11は、同外枠2の背面図であり、図12は、図10のB−B断面図(A)と図12(A)のC−C断面図(B)、D−D断面図(C)、E−E断面図(D)である。また、図13は本体枠の上軸支金具と外枠の上支持金具との脱着構造を説明するための斜視図であり、図14は外枠の上支持金具の裏面に設けられるロック部材の取付状態を示す分解斜視図(A)と下方から見た斜視図(B)である。更に、図15は軸支ピンとロック部材との関係を説明するための上支持金具部分の裏面図であり、図16はロック部材の作用を説明するための上支持金具部分の裏面図である。
図8及び図9において、本実施形態に係る外枠2は、横方向へ延びる上下の上枠板10及び下枠板11と、縦(上下)方向へ延びる左右の側枠板12,13とを、夫々の端部を連結するための連結部材19で連結することによって方形状に組み付けられるものである。具体的には、連結部材19は、中央と左右とに段差のある表彰台状に形成され、突出した中央の部分が上枠板10及び下枠板11の両端部中央に形成された係合切欠部20に嵌合され、一段下がった左右の部分の平面に上枠板10の裏面と下枠板11の上面とが当接し且つ一段下がった左右の部分の一側面に側枠板12,13の内側面が当接するようになっている。
そして、その状態で、上枠板10の係合切欠部20の両側方及び下枠板11の係合切欠部20の両側方に夫々形成される挿通穴21と連結部材19の一段下がった左右の部分の平面に形成される複数(図示の場合2個)の連結穴22(図9の上枠板10と側枠板12とを連結する連結部材19に表示するが、他の連結部材19にも存在する)とを一致させて上方又は下方から複数(図示の場合2本)の連結ビス23で止着し、更に、側枠板12,13の上下端部分に穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴24と連結部材19の一段下がった左右の部分の側面に形成される複数(図示の場合3個)の連結穴25とを一致させて側方外側から複数(図示の場合3本)の連結ビス26,27で止着することにより、上下の上枠板10及び下枠板11と左右の側枠板12,13とが強固に連結固定される。ただし、3本の連結ビス26,27のうち、1本の連結ビス27は、側枠板12,13と連結部材19とを連結するものではなく、上枠板10及び下枠板11と連結部材19とを側方から直接連結するものである。
外枠2を構成する上枠板10と下枠板11、及び側枠板12,13のうち、上枠板10と下枠板11とは従来と同じ木製であり、側枠板12,13は、軽量金属、例えば、アルミニュウム合金の押出し成型板により構成されている。上枠板10及び下枠板11を従来と同じ木製で構成した理由は、パチンコ機1を遊技場に列設される島に設置する場合に、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くするためである。一方、側枠板12,13をアルミニュウム合金の押出し成型板により構成した理由は、従来の木製に比べ強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することができるため、側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の側面壁540〜543(図69を参照)の正面から見たときの左右幅を広くすることができる。このため左右方向の寸法の大きな遊技盤4を本体枠3に装着することができることになり、結果的に遊技盤4の遊技領域605を大きく形成することができるからである。
なお、側枠板12,13をアルミニュウム合金の平板で構成すると、充分な剛性が確保できないため、図12(C)に示すように、側枠板12(側枠板13も全く同じ構造である。)の後方部分内側にリブによって後方が開放した空間部28(側枠板13の空間部28は図11に表示)を形成して後方部分の肉厚h1が厚くなるように引き抜き成型されている。もちろん、この肉厚h1は、従来の木製の肉厚と同等若しくは若干薄い寸法となっている。
また、図12(B),(D)に示すように、側枠板12の空間部28の前方には、連結部材19の一段下がった左右の部分の一方の部分が嵌め込まれる溝部29(側枠板13の溝部29は図8に表示)が形成されている。側枠板12の溝部29から前端部までは、図12(B)〜(D)に示すように、その内側面が連結部材19の一段下がった左右の部分の他方の部分が当接する平板状をなすものであるが、その平板部に材料軽減のための浅い凹部が形成されている。更に、溝部29が形成される反対側の面(外側面)には、図8及び図12(B)に示すように、上支持金具45の垂下片部53が挿入される凹部30(側枠板13の凹部30は図9に表示)が形成されている。
そして、上記のように形成される軸支側の側枠板12には、連結部材19を取付けるための構成以外に、その上部に上支持金具45の垂下片部53を側枠板12の外側に止着ビス32で止着するための取付穴31が穿設されると共に、その下部に下支持金具66の垂直当接片72に形成される取付穴69と一致させて止着ビス34で止着するための取付穴33が穿設されている。また、取付穴33の下部であって側枠板12の前方部分に側枠板12とカバー補強金具14とを止着ビス36で止着するための取付穴35が形成されている。
一方、開放側の側枠部13には、連結部材19を取付けるための構成以外に、その上部に閉鎖用突起38を取付ネジ39で取付けるための取付穴37が穿設され、その下部に閉鎖用突起41を取付ネジ42で取付けるための取付穴40が穿設されると共に、さらに最下方に側枠板13とカバー補強金具14とを止着ビス44で止着するための取付穴43が形成されている。
なお、この閉鎖用突起38,41は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取付けられる錠装置1000のフック部1054,1065(図121を参照)と係合するものであり、後に詳述するように錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖用突起38,41との係合が外れて本体枠3を外枠2に対して開放することができるものである。
また、下枠板11と左右の側枠板12,13の下部前面に固定されるカバー補強金具14は、閉止時においてその上面に本体枠3が載置されるものであり、カバー補強金具14の表面及び側面は、装飾カバー板15によって被覆されている。なお、外枠2の装飾カバー板15の開放側の上面には、本体枠3の閉止時に本体枠3をスムーズに案内するための案内板18が交換可能に装着されている。
ところで、本体枠3を開閉自在に軸支する構造として、上枠板10と側枠板12とを連結する機能も兼用する上支持金具45とカバー補強金具14の一側上面に沿って取付けられる下支持金具66とが設けられている。上支持金具45には、前方に突出している支持突出片46に支持突出片46の側方から先端中央部に向かって屈曲して形成された支持鉤穴47が形成されており、この支持鉤穴47に本体枠3の後述する上軸支金具503の軸支ピン504(図71を参照)が着脱自在に係合されるようになっている。
また、下支持金具66も前方に突出した形状に形成されているが、この突出した部分に上向きに支持突起68が突設され、この支持突起68に本体枠3の後述する枠支持板506(図72を参照)に形成される支持穴が挿入される。したがって、外枠2に本体枠3を支持するためには、下支持金具66の支持突起68に本体枠3の枠支持板506に形成される支持穴を係合させた後、本体枠3の上軸支金具503の軸支ピン504を支持鉤穴47に掛け止めることにより簡単に開閉自在に軸支することができる。
また、上支持金具45は、上枠板10の軸支側の上面及び前面に凹状に形成される取付段部49に装着されるものであるが、その装着に際し、上支持金具45に形成される複数(図示の場合2個)の取付穴48と取付段部49に穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴50とを一致させて取付ビス51を上方から差し込み、上枠板10の裏面から押し当てられる挟持板52に止着することにより上支持金具45が上枠板10に堅固に固定される。
また、上支持金具45の外側側方には、側枠板12の外側に当接する垂下片部53があり、その垂下片部53にも取付穴が穿設され、この取付穴と取付穴31とを止着ビス32で止着することにより、上支持金具45と側枠板12とを固定すると共に、上枠板10と側枠板12とを上支持金具45を介して連結している。
一方、下支持金具66は、前述したように側枠板12の取付穴33と垂直当接片72の取付穴69とを一致させた状態で止着ビス34で止着し、さらに、下支持金具66の水平面の中程に穿設される取付穴70に取付ネジ71を差し込むことにより、装飾カバー板15を介してカバー補強金具14の上面に止着されるものである。
上記のように構成される外枠2において、その構成部材である上枠板10と下枠板11と側枠板12,13とを連結部材19で連結することにより、連結部材19が側枠板12,13の内面に密着して止着されると共に連結部材19と上枠板10及び下枠板11が係合した状態で止着されるので、その組み付け強度が高く頑丈な方形状の枠組みとすることができる。上記した連結部材19と上枠板10及び下枠板11との係合状態に加え、連結部材19の側枠板12,13への取付けに際し、溝部29に連結部材19の一段下がった左右の部分の一方の部分が嵌め込まれる構造であるため、連結部材19の側枠板12,13への取付けが強固となり、これによっても方形状の枠組みの強度を向上することができると共にその位置決めを正確に行うことができる。
また、連結部材19によって上枠板10、下枠板11、側枠板12,13を連結した後、上支持金具45を所定の位置に取付けたときに、図10及び図11に示すように、各枠板10,11,12,13の外側面(外周面)から外側に突出する部材は存在しないので、パチンコ機1を図示しないパチンコ島台に設置する際に、隣接する装置(例えば、隣接する玉貸器)と密着して取付けることができる。また、下支持金具66を取付けたときにも、カバー補強金具14の上面と下支持金具66の上面とが略同一平面となるようになっている。
ところで、本体枠3を開閉自在に軸支するための上支持金具45の裏面には、図14に示すようにロック部材80が回動自在に軸支されている。より詳細に説明すると、図14(A)に示すように、上支持金具45の支持突出片46は、先端部が円弧状の平板として形成されると共に支持突出片46の外側縁に沿って直角に折り曲げられた垂下壁46aが形成される。この垂下壁46aにより、上支持金具45の支持突出片46の強度を向上させることができると共に、正面から見たときに次に説明するロック部材80が視認できないようにして外観を良くし、更に、次に説明するロック部材80の弾性片80cの先端当接部が当接する部位として利用したりロック部材80が支持突出片46から外側に飛び出さないように停止部として利用している。また、支持突出片46に形成される支持鉤穴47は、垂下壁46aが形成されない反対側の側方から内側にやや向ってさらに先端中央部に向かって傾斜状となるように屈曲して形成されている。そして、支持鉤穴47の傾斜状穴部の溝寸法は、軸支ピン504の直径よりもやや大きな寸法に形成されている。
また、上記した垂下壁46aは、支持鉤穴47の前方の入口端部から支持突出片46及び上支持金具45の外側縁に沿って直角に折り曲げられて形成されていると共に、支持鉤穴47の前方の入口端部の部分で内側に向って折り曲げられて停止垂下部47aとなっている。また、支持突出片46の略中央に取付穴46bが穿設され、取付穴46bにロック部材80がリベット81によって回転自在に軸支されている。ロック部材80は、合成樹脂によって成型されるものであり、ストッパー部80aと操作部80bとがL字状に形成され、また操作部80bと反対側に円弧状の弾性片80cが一体的に延設されている。そして、ストッパー部80aと操作部80bとがなすL字状の基部にリベット81が挿通される取付穴80dが形成されている。しかして、ロック部材80がリベット81によって取付穴46bに取付けられて支持突出片46の裏面に回転自在に固定した状態においては、図14(B)に示すように、弾性片80cの先端当接部が垂下壁46aの内側面と当接しており、ストッパー部80aが支持鉤穴47の傾斜状穴部を閉塞するようになっている。また、このときストッパー部80aの先端部分は、支持鉤穴47の傾斜状穴部の先頭空間部分を閉塞した状態となっていない。即ち、通常の状態で支持鉤穴47の先頭空間部分には、本体枠3の上軸支金具503の軸支ピン504が挿入される空間が形成されている。
ところで、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の先端空間部分に挿入されてストッパー部80aの先端側方が入口端部の停止垂下部47aに対向している状態(この状態ではストッパー部80aの先端側方と停止垂下部47aとの間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲して形成される支持鉤穴47の傾斜状穴部の先端空間部分に位置する軸支ピン504とストッパー部80aの先端面80eとの夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠3を軸支している軸支ピン504が支持鉤穴47の先端部分に当接した状態となっているので、軸支ピン504からストッパー部80aの先端面80eへの負荷がほとんどかかっていないため、ロック部材80の弾性片80cに対し負荷がかかっていない状態となっている。また、図15(A)に示すように、ストッパー部80aの先端面80eが操作部80bを操作して回動したときにロック部材80がスムーズに回動するように円弧状に形成されている。図示の場合、この円弧状先端面80eの円弧中心は、リベット81の中心(ロック部材80の回転中心)である。
このため、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって円弧状の先端面80eに当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン504と円弧状の先端面80eとの当接部分に作用する分力F1(円弧状先端面80eの円弧の法線方向)と、軸支ピン504と支持鉤穴47の傾斜状穴部の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向がリベット81の中心(ロック部材80の回転中心)を向くため、ロック部材80のストッパー部80aの先端部が支持突出片46から外れる方向(図示の時計方向)に回転させるモーメントが働かず、軸支ピン504がロック部材80のストッパー部80aの先端部と支持鉤穴47の傾斜状穴部の一側内面との間に挟持された状態を保持する。このため、通常の軸支状態でもあるいは軸支ピン504の作用力がロック部材80にかかった状態でも、ロック部材80の弾性片80cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性片80cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン504の支持鉤穴47からの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材80のストッパー部80aの先端部が支持突出片46から外れる方向(図示の時計方向)に回転させられても、ストッパー部80aの先端部の一側方が停止垂下部47aに当接してそれ以上外れる方向に回転しないので、ロック部材80が支持突出片46の外側にはみ出ることはない。
また、図15(A)に示す実施形態においては、ストッパー部80aの円弧状先端面80eの円弧中心がリベット81の中心(ロック部材80の回転中心)であることにより、軸支ピン504に対し支持鉤穴47の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向の作用力Fがかかってもロック部材80に回転モーメントが生じないものについて説明したが、図15(B)に示すように、ストッパー部80aの円弧状先端面80fの曲率半径をさらに小さくし、且つロック部材80のリベット81による軸支位置を支持突出片46の内側にした場合に、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって円弧状の先端面80fに当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン504と円弧状の先端面80fとの当接部分に作用する分力F1(円弧状先端面80fの円弧の法線方向)と、軸支ピン504と支持鉤穴47の傾斜状穴部の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けた場合において、分力F1によって回転モーメントが働いてロック部材80を図示の矢印方向(時計回転方向)に回転させるが、ロック部材80が回転してもストッパー部80aの先端一側方が停止垂下部47aに当接するだけであるため、ロック部材80が支持突出片46の外側にはみ出ることもないし、ロック部材80の弾性片80cに対しても負荷がかかることもない。
つまり、図15(A)及び図15(B)に示す実施形態から理解することができる点は、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって先端面80e,80fに当接したとき、その作用力Fの軸支ピン504と先端面80e,80fとの当接部分に作用する分力F1によってロック部材80を回転させる回転モーメントが生じない位置若しくはロック部材80をその先端部が支持突出片46の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材80の回転中心(リベット81により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材80の弾性片80cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材80が回転してもストッパー部80aの先端一側方が停止垂下部47aに当接するだけであるため、ロック部材80が支持突出片46の外側にはみ出ることもない。なお、ストッパー部80aの先端面の形状が円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材80をその先端部が支持突出片46の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材80の回転中心(リベット81により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材80の弾性片80cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材80が回転してもストッパー部80aの先端一側方が停止垂下部47aに当接するだけであるため、ロック部材80が支持突出片46の外側にはみ出ることもないという点を本出願人は確認している。
上記のように構成されるロック部材80の作用について図16を参照して説明する。外枠2に本体枠3を開閉自在に軸支する前提として、本体枠3の枠支持板506(図71を参照)に形成される支持穴(図示しない)に下支持金具66の支持突起68が挿通されていることが必要である。そのような前提において、図16(A)に示すように、本体枠3の上軸支金具503の軸支ピン504をロック部材80のストッパー部80aの側面に当接させて押し込むことにより、図16(B)に示すように、ロック部材80が弾性片80cを変形させながら反時計方向に回動させるので、軸支ピン504を支持鉤穴47に挿入することができる。そして、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の先頭空間部分に到達すると、図16(C)に示すように、軸支ピン504とストッパー部80aの先端側面とが当接しなくなるためロック部材80が弾性片80cの弾性力に付勢されて時計方向に回動し、ロック部材80のストッパー部80aが再度通常の状態に戻って支持鉤穴47の入口部分を閉塞すると同時に、ストッパー部80aの先端部分が軸支ピン504と対向して軸支ピン504が支持鉤穴47から抜け落ちないようになっている。そして、この状態は、図16(D)に示すように、本体枠3が完全に閉じられた状態でもあるいは本体枠3の通常の開閉動作中も保持される。次いで、軸支ピン504を支持鉤穴47から取り外すためには、図16(E)に示すように、指を支持突出片46の裏面に差し入れてロック部材80の操作部80bを反時計方向に回動することにより、ロック部材80が弾性片80cの弾性力に抗して回動し、ストッパー部80aの先端部分が支持鉤穴47から退避した状態となるため、軸支ピン504を支持鉤穴47から取り出すことができる。その後、本体枠3を持ち上げて、枠支持板506に形成される支持穴と下支持金具66の支持突起68との係合を解除することにより、本体枠3を外枠2から取り外すことができる。
上記したように、第二実施形態に係る外枠2の上支持金具45に設けられるロック部材80は、ストッパー部80aと操作部80bと弾性片80cとが合成樹脂によって一体的に形成されているので、上支持金具45の裏面に極めて簡単に取付けることができると共に、極めて簡単な構造であるため故障も少なく且つ製造コストの低減を計ることができる。また、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって先端面80e,80fに当接したとき、その作用力Fの軸支ピン504と先端面80e,80fとの当接部分に作用する分力F1によってロック部材80を回転させる回転モーメントが生じない位置若しくはロック部材80をその先端部が支持突出片46の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材80の回転中心(リベット81により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材80の弾性片80cに対しても負荷がかかることはなく、合成樹脂で一体形成される弾性片80cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン504の支持鉤穴47からの脱落を防止することができると共に、ロック部材80が回転してもストッパー部80aの先端一側方が停止垂下部47aに当接するだけであるため、ロック部材80が支持突出片46の外側にはみ出ることもない。
[1−2.扉枠の全体構成]
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図17乃至図22を参照して説明する。図17は、扉枠の正面図であり、図18は、扉枠の背面図である。また、図19は、扉枠を右前方から見た斜視図であり、図20は、扉枠を左前方から見た斜視図である。図21は、扉枠の正面から見た分解斜視図であり、図22は、扉枠の背面から見た分解斜視図である。
図17、図18、図21及び図22に示すように、扉枠5は、外形が縦長の矩形状に形成され内周形状が縦長の多角形状とされた遊技窓101を有する扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の上部に取付けられる横長のトップランプ電飾ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の下部に取付けられる皿ユニット300と、扉枠ベースユニット100の後側に遊技窓101を閉鎖するように取付けられるガラスユニット450と、ガラスユニット450の後側下部を被覆するように扉枠ベースユニット100の後側に取付けられる防犯カバー470とを備えている。この扉枠5における扉枠ベースユニット100には、詳細な説明は後述するが、遊技窓101の左右両側にサイドスピーカ電飾ユニット120を備えており、このサイドスピーカ電飾ユニット120、トップランプ電飾ユニット200、及び皿ユニット300によって、遊技窓101の外周が囲まれた形態となっている。また、扉枠5には、皿ユニット300の正面視左側(開放側)に遊技球の打込操作をするためのハンドル装置400が備えられている。
[1−2A.扉枠ベースユニット]
続いて、扉枠5における扉枠ベースユニット100について、主に図23乃至図31を参照して説明する。図23(A)は扉枠ベースユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠ベースユニットの背面斜視図である。図24は、扉枠ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図25は、扉枠ベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図26は、扉枠ベースユニットにおけるサイドスピーカ電飾ユニットの左ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図27は、図26を後ろから見た分解斜視図である。図28は、扉枠ベースユニットにおけるサイドスピーカ電飾ユニットの右ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図29は、図28を後ろから見た分解斜視図である。更に、図30は、扉枠ベースユニットにおける球送りユニットを分解して示す分解斜視図である。また、図31(A)は扉枠ベースユニットにおけるジョイントユニットの部分を拡大して示す斜視図であり、(B)はジョイントユニットを分解して示す分解斜視図である。
図示するように、扉枠ベースユニット100は、外形が縦長の矩形状に形成されると共に、前後方向に貫通し内周が縦長で多角形状に形成された遊技窓101を有した扉枠ベース本体110と、扉枠ベース本体110の前側で遊技窓101の左右両側に固定されるサイドスピーカ電飾ユニット120と、扉枠ベース本体110の後側に固定される金属製で枠状の補強板金140と、補強板金140の後側に固定される横長の装着台160と、装着台160に固定され皿ユニット300から供給される遊技球を一つずつ打球発射装置650へ送る球送りユニット170と、扉枠ベース本体110の後側で補強板金140及び装着台160を介して固定される球送りユニット170の略下側に配置され、ハンドル装置400における操作ハンドル部410の回転操作を打球発射装置650へ伝達させるジョイントユニット180とを主に備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース本体110の前側で遊技窓101の左下側に固定される左下装飾基板190と、扉枠ベース本体110における皿ユニット300の球抜き経路393と対応する位置に形成された球抜き経路開口112を閉鎖する球抜き経路カバー191と、扉枠ベース本体110の後側で遊技窓101よりも下側に固定される扉装飾駆動基板192と、扉装飾駆動基板192を後方から覆う扉装飾駆動基板カバー193と、扉枠ベース本体110の後側でジョイントユニット180の直上に固定されるハンドル中継端子板194と、遊技窓101の下側で扉枠ベース本体110の後側に形成され左下装飾基板190やハンドル中継端子板194からの配線等を収容可能な配線収容溝110bを後側から閉鎖する配線カバー195と、遊技窓101の左右上部に夫々配置され扉枠ベース本体110の後側に回動可能に軸支される止めレバー196とを備えている。
本例の扉枠ベースユニット100は、合成樹脂からなる矩形状の扉枠ベース本体110の後側に、金属板金をリベット等で組立てた補強板金140が固定されることで、全体の剛性が高められていると共に、トップランプ電飾ユニット200や皿ユニット300等を充分に支持することができる強度を有している。
また、扉枠ベースユニット100における左下装飾基板190は、その前面に複数のLED190aが実装されており、後述する皿ユニット300の左端部を発光装飾させることができるようになっている。一方、扉装飾駆動基板192は、扉枠5に設けられる電飾部品や電気部品(各基板等に実装されたLEDやランプ、スピーカ121,391、ハンドル装置400の操作ハンドル部410内に設けられるスイッチ、貸球ユニット301、操作ボタンユニット370等)からの配線が集約して接続され、その扉装飾駆動基板192からの配線が本体枠3の裏面に取付けられる基板ユニット1100に組み込まれる扉中継基板1102等を介しての払出制御基板1186や遊技盤4に取付けられる主制御基板ボックス624の主制御基板4100(図187を参照)に接続されている。
[1−2A−1.扉枠ベース本体]
まず、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110は、図24及び図25等に示すように、合成樹脂によって縦長の額縁状に形成されており、前後方向に貫通し内形が縦長で多角形状の遊技窓101が全体的に上方へオフセットするような形態で形成されている。この扉枠ベース本体110は、遊技窓101によって形成される上辺、及び左右の側辺の幅が、後述する補強板金140の上側補強板金141、軸支側補強板金142、及び開放側補強板金143の幅と略同じ幅とされており、正面視における扉枠ベース本体の大きさに対して、遊技窓101が可及的に大きく形成されている。従って、扉枠5の後側に配置される遊技盤4のより広い範囲を遊技者側から視認できるようになっており、従来のパチンコ機よりも広い遊技領域を容易に形成することができるようになっている。
また、扉枠ベース本体110における遊技窓101よりも下方には、軸支側(正面視で左側)の上部に皿ユニット300の賞球連絡樋343が貫通する賞球通過口111と、賞球通過口111の下方で皿ユニット300における球抜き経路393と対応する位置に形成された球抜き経路開口112と、開放側(正面視で右側)の上部に球送りユニット170を装着するための球送り開口113と、球送り開口113のさらに開放側寄りに後述するシリンダ錠1010が挿通する錠穴114と、球送り開口113の下側でハンドル装置400のカム416が挿通可能なカム挿入開口115とが、扉枠ベース本体110を貫通するように夫々形成されている。
更に、扉枠ベース本体110には、遊技窓101の下端の左右両側に詳細は後述するが防犯カバー470の装着弾性片473を装着するための装着開口部116と、装着開口部116の夫々左右外側に配置され後述するサイドスピーカ電飾ユニット120における左右下側のサイドスピーカ121の後端を逃がすためのスピーカ用開口117とが、貫通するように夫々形成されている。
また、扉枠ベース本体110の後側には、遊技窓101の内周に略沿って前側へ凹みガラスユニット450の前面外周縁が当接可能なガラスユニット支持段部110aと、遊技窓101の下側で下側補強板金144の前面と略対応する位置に前側へ凹んで形成され配線を収容可能な配線収容溝110bと、カム挿入開口115が開口し前側へ向かって凹みジョイントユニット180を取付けるためのジョイントユニット装着凹部110cとを備えている。
更に、扉枠ベース本体110の後側には、その下辺から後方へ所定量突出する扉枠突片110d,110eが形成されており、これら扉枠突片110d,110eが、後述する本体枠3の係合溝584,585内に挿入されることで、扉枠5が本体枠3に対して位置決め係止されるようになっている。なお、扉枠突片110dの後方への突出量は、扉枠突片110eの突出量よりも大きくなるように形成されている。
また、扉枠ベース本体110には、図示するように、その前面上部に、トップランプ電飾ユニット200を固定するための前方へ突出した複数の取付ボス110hが備えられていると共に、その後面に、止めレバー196を回転可能に軸支するための止めレバー取付部110iが備えられている。また、その他に、扉枠ベース本体110には、サイドスピーカ電飾ユニット120、補強板金140、装着台160、皿ユニット300等を固定するための取付ボスや、取付穴が適宜位置に多数形成されている。
[1−2A−2.サイドスピーカ電飾ユニット]
続いて、扉枠ベースユニット100におけるサイドスピーカ電飾ユニット120は、扉枠5の前面で遊技窓101の左右両側を電飾(発光装飾)すると共に、遊技窓101の四隅に配置された四つのサイドスピーカ121によって所定の音楽や効果音等を遊技者に対して発することができるものであり、遊技窓の101の軸支側(正面視で左側)に配置される左サイドスピーカ電飾ユニット120Lと、遊技窓101の開放側(正面視で右側)に配置される右サイドスピーカ電飾ユニット120Rとを備えている。このサイドスピーカ電飾ユニット120は、左右のユニット夫々に、縦長の電飾部122と、電飾部122の上下に夫々配置されサイドスピーカ121を有する音響部130とを備え、略左右が対称の構成となっている。
詳述すると、サイドスピーカ電飾ユニット120の電飾部122は、図26乃至図29に分解して示すように、縦長の半円柱状で透明なサイド電飾レンズ123と、サイド電飾レンズ123の後側に配置されサイド電飾レンズ123と共に円柱を構成する透明なサイド電飾リフレクタ124と、サイド電飾リフレクタ124の後側に配置されるサイド電飾ベース125と、サイド電飾ベース125の後側に固定されるサイド装飾基板126と、サイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124の上端及び下端を夫々前側から包み込むように形成されサイド電飾ベース125に取付けられることでサイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124を支持するサイド電飾フラッシュカバー127と、サイド電飾フラッシュカバー127のフラッシュ開口127aを後側から閉鎖する透光性を有したフラッシュレンズ128と、フラッシュレンズ128の後側に配置されサイド電飾ベース125の前面に支持されるフラッシュ基板129とを備えている。
このサイドスピーカ電飾ユニット120の電飾部122は、サイド電飾基板126の前面に、上下方向に所定間隔で様々な色に発光可能な複数のカラーLED126aと、複数のLED126aの上下に高輝度の白色LED126bとが夫々実装されている。また、サイド電飾リフレクタ124及びサイド電飾ベース125におけるサイド電飾基板126のLED126a,126bと対応する位置には、夫々前後方向に貫通する開口部124a,125aが形成されており、サイド装飾基板126に実装されたLED126a,126bからの光が、サイド電飾ベース125の開口部125a、及びサイド電飾リフレクタ124の開口部124aを通して前方へ照射することができるようになっている。
また、電飾部122では、サイド電飾レンズ123とサイド電飾リフレクタ124の透明な円柱内の内側に、サイド電飾レンズ123の内周全体とサイド電飾リフレクタ124の内周の一部にかかるように断面略U字状のサイドレンズシート123aが配置されている。このサイドレンズシート123aは、透過光や反射光を、パール状或いは彩光状に見せる公知の光学シートにより形成されおり、遊技者側から見ると、このサイドレンズシート123aによって、サイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124により形成された透明な円柱(パイプ)内に、あたかも蛍光管(蛍光管)が配置されたような外観を呈することができるようになっている。
更に、電飾部122では、サイド電飾リフレクタ124に、サイド装飾基板126の複数のLED126aと対応して形成された複数の開口部124aを、上下方向に三つのグループに分割する分割壁124bを備えており、この分割壁124bによって所定のLED126aからの光が他のグループへ進入するのを抑制するようにしている。つまり、分割壁124bによって、サイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124によって形成される蛍光管を上中下の三つに明確に分割することができるようになっている。従って、サイド装飾基板126に実装された複数のLED126aを適宜発光させることで、蛍光管を全体的あるいは部分的に発光させたり、上中下の各部分毎に様々な色に発光させたりすることができるようになっている。
また、サイド電飾リフレクタ124には、サイド装飾基板126における上下のLED126bと対応した位置に、前側から凹んだレンズ凹部124cが形成されており、このレンズ凹部124cに前側から半円形状のサブレンズ122a(図28及び図29を参照)が挿入されるようになっている。本例の電飾部122は、このサブレンズ122a及びLED126bにより、LED126aを発光させる前に、LED126bのみを強く発光させることで、サイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124によって形成される蛍光管をあたかも本物の蛍光灯のように、両端のみが光ってから点灯するような発光演出をすることができるようになっている。
更に、電飾部122は、サイド電飾フラッシュカバー127の後側に支持されるフラッシュ基板129の前面に強い光を発光可能なフラッシュライト129a(例えば、超高輝度白色LED等)が取付けられており、このフラッシュライト129aを発光させることで、閃光(フラッシュ)を遊技者側へ照射させることができるようになっている。
サイドスピーカ電飾ユニット120の音響部130は、最前部に配置され略円形のスピーカ開口131aを有したスピーカ飾り131と、スピーカ飾り131のスピーカ開口131aを後側から閉鎖するパンチングメタルからなる略円盤状のスピーカカバー132と、スピーカカバー132の後側に配置されスピーカ飾り131と協働してスピーカカバーを狭持し円形のスピーカ前支持口133aを有した飾りスペーサ133と、飾りスペーサ133のスピーカ前支持口133aを後側から閉鎖するように配置されるサイドスピーカ121と、サイドスピーカ121の外周に後側から嵌合するスピーカ嵌合口134aを有した裏押え部材134とを主に備えている。
この音響部130は、図示するように、スピーカ飾り131や飾りスペーサ133、及び裏押え部材134の形状が、取付けられる位置に応じて異なる形状とされている。具体的には、図26及び図27に示すように、正面視で左上の音響部130では、スピーカ飾り131が円筒状に形成された上で左側から外方へ延び出す装飾部131bを有し、飾りスペーサ133がスピーカ飾り131内へ挿入可能な円筒状とされると共に、裏押え部材134にはスピーカ飾り131の装飾部131bと組になる裏押え装飾部134bが形成されている。なお、左上の音響部130には、裏押え部材134の裏押え装飾部134bの上部に配置され補強板金140における上軸支部146の軸ピン145よりも下側を覆うヒンジカバー135を更に備えている。また、正面視で左下の音響部130では、スピーカ飾り131が装飾部131bを有した板状に形成されると共に、飾りスペーサ133がスピーカ飾り131の装飾部131bと組になるスペーサ装飾部133bを有した板状に形成され、裏押え部材134がリング状に形成されている。
一方、図28及び図29に示すように、正面視で右上の音響部130では、スピーカ飾り131が円筒状に形成されると共に、飾りスペーサ133と裏押え部材134とがスピーカ飾り131内へ挿入可能な円筒状に形成されている。また、正面視で右下の音響部130では、スピーカ飾り131が円環状に形成された上で、飾りスペーサ133がスピーカ飾り131の後面と当接するスペーサ装飾部133bを有した平板状に形成されると共に、裏押え部材134がリング状に形成されている。なお、右下の音響部130では、裏押え部材134の更に後側に、裏押え部材134を前側から挿通固定可能な貫通する裏押え部材固定口136aを有した飾りベース136を更に備えている。
本例のサイドスピーカ電飾ユニット120における四つのサイドスピーカ121は、図示するように、遊技窓101の上下左右の四隅に配置されており、蓋然的に、遊技する遊技者の頭部に対しても上下左右の位置に配置されるようになっているので、各サイドスピーカ121に対して独立した音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、後述する下部スピーカ391を加えた2.1chサラウンド信号或いは4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができるようになっている。なお、本例のサイドスピーカ121は、主に中音域から高音域を担当し、下部スピーカ391は、低音域を担当するものとなっている。
[1−2A−3.補強板金]
次に、扉枠ベースユニット100における補強板金140は、主に図24及び図25に示すように、扉枠ベース本体110の上辺部裏面に沿って取付けられる上側補強板金141と、扉枠ベース本体110の軸支側辺部裏面に沿って取付けられる軸支側補強板金142と、扉枠ベース本体110の開放側辺部裏面に沿って取付けられる開放側補強板金143と、扉枠ベース本体110の遊技窓101の下辺裏面に沿って取付けられる下側補強板金144と、が相互にビス等で締着されて方形状に形成されている。
この補強板金140は、図24に示すように、軸支側補強板金142の上下端部に、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン145を有する上軸支部146と、その下面に軸ピン147(図18を参照)を有する下軸支部148と、が一体的に形成されている。そして、上下の軸ピン145,147が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具503及び下軸支金具509に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に設けられるものである。
また、補強板金140の下側補強板金144は、所定幅を有して扉枠ベース本体110の横幅寸法と略同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁が後方に向って折曲した下折曲突片149となっており(図25を参照)、上方長辺端縁の両側部が後方に向って折曲した上折曲突片150となっているものの、その両側部の上折曲突片150に挟まれる部分が垂直方向に延設される垂直折曲突片151となっている。下折曲突片149の突出量はあまり大きくなく、この下折曲突片149が溝部や凹部と係合して凹凸係合をなすものではなく、強度を高めるために形成されているのに対し、両側部の上折曲突片150の突出量は下折曲突片149の突出量よりもやや大きく下方からの不正具の侵入を多少防止するが、むしろ、本実施形態における下側補強板金144の構成で最も特徴的な構成は、垂直折曲突片151である。
この垂直折曲突片151は、その上端縁形状が後述するガラスユニット450のユニット枠451の下端形状に合致するように凹状に形成され、ガラスユニット450を扉枠5の裏面側に固定したときに、垂直折曲突片151の上端片がガラスユニット450のユニット枠451における幅方向(前後方向)の略中央の外周に沿って形成される係合溝451cに係合するようになっている。なお、下側補強板金144には、扉枠ベース本体110に形成された賞球通過口111の底面を除く外周を保護する賞球通過口被覆部152が形成されている。
また、補強板金140の開放側補強板金143には、上側補強板金141と下側補強板金144との間の長辺の両側に、後方へ向かって屈曲された開放側外折曲突片153及び開放側内折曲突片154が夫々形成されており、開放側外折曲突片153よりも開放側内折曲突片154の方が後方へ長く延び出したように形成されている。また、上側補強板金141には、その長辺の両側に後方へ向かって屈曲された屈曲突片155,156が夫々形成されている。更に、軸支側補強板金142には、その長辺の外側端に後方へ延び出した軸支側L字状折曲突片157が形成されている。また、開放側補強板金143の後側下部には、後述する錠装置1000の扉枠用フック部1041と当接するフックカバー158が取付けられている。
[1−2A−4.装着台・球送りユニット]
次に、扉枠ベースユニット100における装着台160及び球送りユニット170について説明する。まず、装着台160は、図18、図24、及び図25に示すように、扉枠ベースユニット100の板部裏面の上半分を覆うように取付けられ、防犯カバー470と同様に透明な合成樹脂によって前方が開放した横長直方体状に形成されている。この装着台160は、発射レール515から発射された球をスムーズに遊技盤4に導くために、扉枠5を閉めたときに装着台160の後面と本体枠3の板部511とによって発射レール515を挟持するように形成されており、装着台160の後面に球飛送誘導面161が形成されている。ところで、本実施形態に係る装着台160には、その軸支側上部に下側補強板金144に形成される賞球通過口被覆部152の後方突出部を貫通させる賞球通過口用開口162が形成されており、その開放側下部に球送りユニット170を取付ける球送りユニット取付凹部163が形成されている。この球送りユニット取付凹部163から斜め方向の領域が球飛送誘導面161となっている。
また、装着台160の中程下部には、後述する球抜き経路カバー191、扉装飾駆動基板192及び扉装飾駆動基板カバー193を取り外す際に指を入れることができる蓋用切欠き164が形成されていると共に、装着台160の上辺の一部には、垂直に立設される立壁165が形成されている。この立壁165は、図18に示すように、防犯カバー470を取付けたときに、防犯カバー470の前面と当接して防犯カバー470の下部が前方に移動しないように規制するためのものである。
更に、この装着台160には、上述した球飛送誘導面161の下方から賞球通過口用開口162にかけて斜め状に後方へ向かって突設された防犯突片166を備えている。この防犯突片166は、前述したように、本体枠3の板部511に形成される防犯空間586との間で、扉枠5と本体枠3との下側辺部における内側の突条及び係合部を構成するものである。
一方、球送りユニット170は、図30に示すように、球送りユニット取付凹部163に固定される箱状の本体部171と、本体部171の支持軸171aに回動可能に軸支された球送り部材172と、球送り部材172の球受部を上方へ回動させると共に回転可能に球送り部材172に軸支された錘173とを備えている。この球送りユニット170は、球送り部材172が後述する打球発射装置650の打球槌687の往復動差に対応して揺動することで、皿ユニット300の第三傾斜面311cの流下端にある球を、本体部171に形成された打球供給口171bを通して発射レール515の発射位置に1個ずつ供給するものである。
なお、図中の符号174は、Eリングであり、本体部171の支持軸171aから球送り部材172が抜けるのを防止したり、球送り部材172から錘173が抜けるのを防止したりするものである。
[1−2A−5.ジョイントユニット]
続いて、扉枠ベースユニット100におけるジョイントユニット180について説明する。ジョイントユニット180は、図31に示すように、扉枠ベース本体110のジョイントユニット装着凹部110cの内部に収納されて横方向にスライド可能なスライド体182と、スライド体182が収納された状態でジョイントユニット装着凹部110cの前面を被覆するカバー体184とから構成されている。
扉枠ベース本体110のジョイントユニット装着凹部110cは、前面が開放した直方体の箱状に形成され、その後面にカム挿入開口115が開設されている。また、ジョイントユニット装着凹部110cの一つの略対角線状に位置する隅部には、ジョイントユニット180のカバー体184を固定するための一対の取付穴110fが形成されている。更に、ジョイントユニット装着凹部110cの内側面の上辺及び底辺には、スライド体182の上下辺の外側面と当接してスライド体182がスムーズに移動できるようにするための円弧状の当接凸部110g(図31(B)では下辺の当接凸部110gだけを図示し、上辺の当接凸部110gは図示省略されている。)が突設されている。
一方、ジョイントユニット180のスライド体182は、ジョイントユニット装着凹部110cとカバー体184とによって形成される空間内に左右方向に移動可能に収納されるように、ジョイントユニット装着凹部110cよりも小さな後面が開放した直方体の箱状に形成され、その後面壁には、後方へ所定量突出し略水平方向に並んで配置された二つの案内突起182aと、背面視で右側の案内突起182aの下側に配置され後方へ突出する板状のスライド突片183と、二つの案内突起182aの間でスライド突片183よりも背面視で左側に後述するハンドル装置400の配線通し筒部428が貫通するように穿設された矩形状の筒部材貫通開口182bとを備えている。このスライド体182のスライド突片183は、スライド時の進行方向(背面視で右方向)が斜めにカットされた傾斜辺183aとなっている。また、スライド体182の前面壁には、ハンドル装置400における回転軸415の先端部に固定されるカム416が収納されるカム係合凹部182cがリブによってコ字形状に形成されている。そして、カム係合凹部182cを形成するリブの一部の垂直部分がカム係合凹部182c内に突出するように円弧状のリブとして形成され、その部分がカム416と当接するカム当接部182dとなっている。
また、ジョイントユニット180のカバー体184は、前面が開放した直方体の箱状に形成され、その前面にスライド体182の前面に突設される円筒ボス状の案内突起182aが挿入されてスライド体182の移動を案内する横長穴状の2つの案内横穴194aと、スライド体182の前面に突設されるスライド突片183が挿通される挿通横穴184bと、操作ハンドル部410の後握り部材413の後端に取付けられてカム挿入開口115から挿入される配線通し筒部428の後端部が臨む配線開口184cと、ジョイントユニット装着凹部110cの取付穴110fと対応する位置から外方へ突出するように形成された取付穴184dとを備えている。この取付穴184dを介してジョイントユニット装着凹部110cの取付穴110fへ所定のビス(図示しない)を止着することで、カバー体184をジョイントユニット装着凹部110cに取付けることができるようになっている。
ジョイントユニット180のスライド体182とカバー体184とをジョイントユニット装着凹部110cに組み付けるには、ジョイントユニット装着凹部110cにスライド体182を収納し、その状態でカバー体184を前方から被覆する。被覆する際には、案内突起182aが案内横穴194aに、スライド突片183が挿通横穴184bに、夫々挿通するようにする。そして、被覆した後には、取付穴184dを介して取付穴110fにビスで螺着することにより、スライド体182を内部に収納した状態となってジョイントユニット180の組み付けが終了する。
[1−2B.トップランプ電飾ユニット]
次に、扉枠5におけるトップランプ電飾ユニット200について、主に図32乃至図39を参照して説明する。図32(A)はトップランプ電飾ユニットの正面斜視図であり、(B)はトップランプ電飾ユニットの背面斜視図であり、図33はトップランプ電飾ユニットを斜め前下から示す斜視図である。図34(A)はトップランプ電飾ユニットを主な構成毎に分解して前から示す分解斜視図であり、(B)は(A)を後から示す分解斜視図である。また、図35はトップランプ電飾ユニットにおけるトップランプリフレクタユニットを分解してトップランプベースと共に前から示す分解斜視図であり、図36は図35を後から示す分解斜視図である。更に、図37はトップランプ電飾ユニットにおける左回転灯を分解して示す分解斜視図であり、図38はトップランプ電飾ユニットにおける右回転灯を分解して示す分解斜視図であり、また、図39はトップランプ電飾ユニットにおける中央回転灯を分解して示す分解斜視図である。
本実施形態の扉枠5におけるトップランプ電飾ユニット200は、図33にも示すように、左右方向に並んだ三つの回転灯244,264,284(所謂、パトライト(登録商標))を備えており、それら回転灯244,264,284の大きさは正面視で左側から順に大きなものが配置されている。このトップランプ電飾ユニット200は、横長で箱状のトップランプベース210と、トップランプベース210の前面に固定されると共にトップランプベース210を挟んで扉枠べースユニット100の前面上部に固定されるトップランプリフレクタユニット220と、トップランプリフレクタユニット220の前面に取付けられる左回転灯ユニット240、右回転灯ユニット260、及び中央回転灯ユニット280と、左回転灯ユニット240、右回転灯ユニット260、及び中央回転灯ユニット280の前面を夫々覆いトップランプリフレクタユニット220に取付けられる回転灯カバー201,202,203と、トップランプリフレクタユニットの略中央下面を覆うリフレクタインナ204と、を主に備えている(図34を参照)。
また、トップランプ電飾ユニット200には、トップランプベース210の前側右に固定されるトップランプ電源基板205と、トップランプベース210の後側に固定される二つのトップランプ装飾駆動基板206とを更に備えている。このトップランプ電源基板205は、トップランプ電飾ユニット200内の各基板224,226,231やLED244a,266a,231a、各回転灯ユニット240,260,280のモータ245,265,285や各基板248,268,288,296のLED、後述するガラスユニット450のLED453a等へ電源基板1136(後述する)からの電源を中継して供給するためのものである。また、トップランプ装飾駆動基板206は、トップランプリフレクタユニット220内のLEDや、中央回転灯ユニット280内のLED、及び各回転灯ユニット240,260,280のモータ245,265,285等の発光や駆動を、後述する周辺基板4010(周辺制御基板4140)からの制御信号に基いて駆動させるためのものである。
[1−2B−1.トップランプベース]
次に、トップランプ電飾ユニット200におけるトップランプベース210は、図35及び図36に示すように、上面及び左右側面が扉枠ベースユニット100の上辺及び左右側辺と略沿った形状とされると共に、下面が扉枠ベースユニット100の遊技窓101と略沿った形状とされ、横長で前後方向の中間で仕切られたような箱状に形成されている。このトップランプベース210は、その外周沿った位置に、後側から扉枠ベース本体110の取付ボス110hが挿通されると共に、前側からトップランプリフレクタユニット220から後方へ突出する取付ボス221iの後端が嵌合して夫々を位置決めし、所定のビスが挿通可能な挿通孔を有した略筒状の取付ボス部211を複数備えている。この取付ボス部211に対して、後方から扉枠ベースユニット100の取付ボス110hの先端を挿入すると共に、前方からトップランプリフレクタユニット220の取付ボス221iの後端を挿入し、扉枠ベースユニット100の後側から所定のビスをトップランプリフレクタユニット220の取付ボス221iへ止着することで、トップランプベース210(トップランプ電飾ユニット200)が扉枠ベースユニット100に取付固定されるようになっている。
また、トップランプベース210には、トップランプリフレクタユニット220から後方へ突出する固定ボス221jの後端が嵌合し所定のビスが通過可能な挿通孔を有した複数の固定ボス部212が備えられている。この固定ボス部212を介して後側からトップランプリフレクタユニット220の固定ボス221jへ所定のビスを止着することで、トップランプベース210とトップランプリフレクタユニット220とを互いに組付けることができるようになっている。
更に、トップランプベース210には、正面視で右側端部付近に、トップランプ電源基板205の接続コネクタ205aが挿通可能なコネクタ開口部213を備えており、このコネクタ開口部213を介してコネクタ205aがトップランプベース210の後側から臨むようになっている。また、トップランプベース210の後側の左右には、夫々基板取付部214が備えられており、この基板取付部214にトップランプ装飾駆動基板206が取付けられるようになっている。
[1−2B−2.トップランプリフレクタユニット]
続いて、トップランプ電飾ユニット200におけるトップランプリフレクタユニット220について説明する。本実施形態のトップランプリフレクタユニット220は、図35及び図36にも示すように、トップランプベース210を前方から被覆可能とされ後側が開放された箱状のリフレクタベース221を備えている。このリフレクタベース221は、前面に三つの回転灯244,264,284が並んで取付けられる、中央の回転灯284と左右の回転灯244,264との間が、前方へ大きく突出する筒状の円筒部221aと、円筒部221aから下方へ垂下すると共に下方へ向かうに従って後方へ傾斜する傾斜部221bとによって仕切られている。このリフレクタベース221は、円筒部221aには略円形の開口部が形成されていると共に、傾斜部221bには上下方向に三つ並んだ矩形状の開口部が形成されている(図33を参照)。また、リフレクタベース210には、左右両端に前方へ突出する縦長の膨出部221eを備えており、この膨出部221eの前面に縦長に開口する矩形状のスリット221fが形成されている。このリフレクタベース211は、図示するように、二つの円筒部221a及び傾斜部221bと、二つの膨出部221eによって、三つの回転灯244,264,284の取付位置が後方へ凹んだような形状となっている。
また、リフレクタベース221は、二つの円筒部221a及び傾斜部221bとの間(中央の回転灯284が配置される位置)が、後方へ凹んだ緩やかな湾曲面形状とされていると共に、二つの円筒部221a及び傾斜部221bとの間に、左右方向略中央を挟んだ左右に正面視で略台形状に貫通するレンズ開口部221gが形成されている。更に、リフレクタベース221には、各回転灯244,264,284を備えた各回転灯ユニット240,260,280の回転灯ユニットベース241,261,281の前端が後側から通過可能な回転灯取付口221hが形成されている。また、リフレクタベース221には、トップランプベース210の取付ボス部211と嵌合する後方へ突出した複数の取付ボス221iと、トップランプベース210の固定ボス部212と嵌合し後方へ突出した複数の固定ボス221jとを備えている。なお、詳細な図示は省略するが、リフレクタベース221には、トップランプベース210を介さずに、扉枠ベースユニット100へ直接取付けられる取付ボス221kも備えられている。
ところで、トップランプリフレクタユニット220は、リフレクタベース221の他に、リフレクタベース221の後側で左右方向略中央に固定される一対のトップインナレンズ222と、トップインナレンズ222の後側でリフレクタベース221のレンズ開口部221gと対応した位置に配置される一対のレンズシート223と、レンズシート223の後側に配置され前面に複数のカラーLED224aが実装された一対のリフレクタ装飾基板224と、リフレクタベース210における円筒部221a内に後側から挿入され開口部221cを閉鎖する透明な丸レンズ225と、丸レンズ225及びトップインナレンズ222を挟んでリフレクタベース210の円筒部221a及び傾斜部221bの後側に配置され前面にLED226aが実装された一対の仕切装飾基板226とを備えている。
このトップインナレンズ222は、透明な樹脂により形成されており、リフレクタベース221のレンズ開口部221gを閉鎖する略台形で湾曲面状の湾曲レンズ部222aと、リフレクタベース221における傾斜部221bの三つの開口部221dを閉鎖する仕切レンズ部222bと、丸レンズ225の後端と当接する丸レンズ支持部222cとを備えている。なお、湾曲レンズ部222aの上下辺には鋸状の拡散レンズ部222dが形成されており、湾曲レンズ部222aとは異なる態様で発光することができると共に、発光していない時でも前側からの光を乱反射させることができるようになっている。
また、トップインナレンズ222には、拡散レンズ部222dの後側から後方へ板状に突出する突出片222eと、上下の突出片に挟まれ湾曲レンズ部222aの後側にレンズシート223を支持する支持凹部222fとが形成されている。なお、図示するように、リフレクタ装飾基板224では複数のLED224aが、トップインナレンズ222の突出片222eと対応した位置に列設されていると共に、トップインナレンズ222の湾曲面レンズ部222aと対応した位置にも分散配置されている。これにより、トップインナレンズ222の湾曲レンズ部222aと拡散レンズ部222dとでは、夫々異なる態様で発光させることができるようになっている。
なお、レンズシート223は、リフレクタ装飾基板224に実装されたLED224aからの透過光や、他の光源等からの反射光を、パール状或いは彩光状に見せる公知の光学シートとされている。また、仕切装飾基板226に実装されたLED226aは、超高輝度LEDとされており、強い閃光を発することができるようになっている。
更に、トップランプリフレクタユニット220には、リフレクタベース221の左右の膨出部221eに形成された縦長のスリット221fを閉鎖するトップサイドレンズ227と、トップサイドレンズ227の上端を前側から固定するトップサイドレンズ押え228と、トップサイドレンズ227及びリフレクタベース221の後側に配置されるレンズシート229と、リフレクタベース221の後側に固定されることでレンズシート229を狭持するトップサイド基板ベース230と、トップサイド基板ベース230に固定されレンズシート229を介して前方のトップサイドレンズ227へ光を照射可能なカラーLED231aが前面に実装されたトップサイド基板231とを更に備えている。
このトップサイドレンズ221は、透明な樹脂により平面視でく字状に形成されると共に、上下の端部に夫々係止片227a,227bが形成されており、下端の係止片227bをリフレクタベース221におけるスリット221fの下端と係止させた上で、上端の係止片227aをトップサイドレンズ押え228により押えることで、リフレクタベース221に取付けられるようになっている。また、トップサイドレンズ221の後側に配されるレンズシート229は、上記のレンズシート223と同様の光学シートで形成されていると共に、図示するように、湾曲状に形成されており、リフレクタベース221に取付けられることで、トップサイドレンズ227の後側に、あたかも円柱状の蛍光管が配置されているような外観を呈することができるようになっている。
また、トップサイド基板ベース230は、図示するように、縦長の矩形枠状に形成され、その枠内を通して後側に固定されるトップサイド基板231のLED231aからの光が、レンズシート229及びトップサイドレンズ227を介して前面へ光を照射することができるようになっている。
[1−2B−3.回転灯ユニット]
次に、トップランプ電飾ユニット200における三つの回転灯ユニット240,260,280について説明する。まず、左回転灯ユニット240は、図37に示すように、上下方向に貫通する円形状の開口241aを有し、その開口241aがリフレクタベース221の回転灯取付口221hから前側へ突出した位置となるようにリフレクタベース221の後側に固定される回転灯ユニットベース241と、回転灯ユニットベース241の開口241aと同軸上に配置され回転灯ユニットベース241の上面に固定される略円環状の回転部ベース242と、回転部ベース242と同軸上に配置され回転部ベース242の上面に摺動回転可能に載置される回転灯ベースギア243と、回転灯ベースギア243から垂下するようにその下面に固定される回転灯244と、回転灯ベースギア243の軸線と略平行でリフレクタベース221の回転灯取付口221hよりも後側の軸線上に配置され回転軸245aが回転灯ユニットベース241の上面から上方へ突出するように回転灯ユニットベース241の下面に固定される左回転灯モータ245と、左回転灯モータ245の回転軸245aに固定され回転灯ベースギア243と噛合する伝達ギア246と、回転灯ベースギア243の全体及び伝達ギア246の一部を上方から覆うと共に回転灯ベースギア243を回転部ベース242と協働して軸支し、回転灯ユニットベース241に固定される回転部ホルダ247と、回転灯ベースギア243と同軸上で回転部ホルダ247の下面に固定され、下方の回転灯244へ向かって発光可能な高輝度カラーLED(図示は省略)を有した左回転灯基板248と、を備えている。
また、左回転灯ユニット240は、回転部ホルダ247を上方から覆う回転灯ユニットカバー249と、回転灯244の回転位置を検出する左回転位置検出センサ250と、左回転位置検出センサ250が実装された左回転位置検出基板251と、を更に備えている。
この左回転灯ユニット240の回転灯ユニットベース241は、その上面に開口241aの内周に略沿って形成された取付段部241bと、開口241aよりも後側の位置で下方へ向かって垂下しリフレクタベース211の後側に取付けられる取付部241cと、開口241aの後側に配置され左回転灯モータ245を固定するモータ固定部241dとを備えており、この取付段部241b内に上方から回転部ベース242が嵌合するようになっている。また、回転部ベース242には、回転灯ユニットベース241の開口241aと同軸上で小径の軸支口242aと、回転灯ベースギア243の外周よりも外側となる上面の所定位置に左回転位置検出基板251の下端を支持する基板支持部242bと、基板支持部242bよりも後方に配置され左回転灯基板248及び左回転位置検出基板251に接続される配線を係止する配線係止部242cとを備えている。
また、回転灯ベースギア243は、外径が回転部ベース242の軸支口242aよりも大径の円環状の平歯車とされ、下面から下方へ向かって延び回転部ベース242の軸支口242a内に挿通可能な円筒状のギア軸筒(図示は省略)と、ギア軸筒よりも小径で上下方向に貫通する軸支穴243aと、下面の外周から半径方向外方へ突出した回転位置検出片243bとを備えている。この回転灯ベースギア243の軸筒の外径は、回転部ベース242の軸支口242aの内径よりも若干小径とされており、軸支口242a内へ挿入されることで、回転灯ベースギア243が軸支口242aと略同軸上に回転することができるようになっている。また、左回転灯ユニット240では、回転灯ベースギア243の回転位置検出片243bを、左回転位置検出センサ250で検出することで、回転灯244の回転位置を検出することができるようになっている。
更に、回転部ホルダ247は、図示は省略するが、回転部ベース242の軸支口242aと同軸上となる位置に下方へ突出し回転灯ベースギア243の軸支穴243a内へ挿通可能な円筒状のホルダ軸筒が形成されている。このホルダ軸筒の外径は、回転灯ベースギア243の軸支穴243aよりも若干小径とされており、ホルダ軸筒を回転灯ベースギア243の軸支穴243aへ挿入することで、回転灯ベースギア243をホルダ軸筒と略同軸上に回転させることができるようになっている。つまり、本例の左回転灯ユニット240では、回転部ベース242の軸支口242a、回転灯ベースギア243のギア軸筒及び軸支穴243a、回転部ホルダ247のホルダ軸筒によって、回転灯ベースギア243が回転可能に軸支されている。なお、回転部ホルダ247のホルダ軸筒の下端に、左回転灯基板248が固定されるようになっている。また、回転部ホルダ247には、図示は省略するが、その下面の回転部ベース242の基板支持部242bと対応する位置に、左回転位置検出基板251の上端を支持する基板支持部が形成されており、左回転位置検出基板251が回転部ベース242と回転部ホルダ247とで狭持固定されるようになっている。
また、左回転灯ユニット240の回転灯244は、図示するように、回転灯ベースギア243の下側に配置される透明な円盤状の回転灯レンズ252と、回転灯レンズ252の下側に配置され回転灯ベースギア243の下面に固定されるリフレクタ253と、リフレクタ253を覆うリフレクタカバー254とで構成されている。この回転灯244のリフレクタ253は、表面に金属光沢を有したメッキ処理が施されており、円盤状のベース部253aと、ベース部253aの中央に穿設された開口部253bと、ベース部253aの下面から下方へ垂下する湾曲状の反射部253cと、ベース部253aの上面から上方へ延びだし上端が回転灯ベースギア243と当接可能な複数の取付ボス253dと、を備えている。
この回転灯244は、リフレクタ253の開口部253bから回転灯レンズ252の下面が臨むようになっていると共に、回転灯レンズ252にはリフレクタ253の取付ボス253dを挿通可能な挿通孔252aが形成されており、挿通孔252aに取付ボス253dを挿通させた上で、取付ボス253dを回転灯ベースギア243へ固定することで、回転灯レンズ252が回転灯ベースギア243とリフレクタ253との間に狭持固定されるようになっている。また、回転灯244のリフレクタカバー254は、平面視で略正八角形状とされ、上方が開放された箱状となっていると共に、リフレクタ253における反射部253cの内面側と対向する側面に開口部254aが形成されている。
続いて、右回転灯ユニット260は、図38に示すように、上下方向に貫通する円形状の開口261aを有し、その開口261aがリフレクタベース221の左側の回転灯取付口221hから前側へ突出した位置となるようにリフレクタベース221の後側に固定される回転灯ユニットベース261と、回転灯ユニットベース261の開口261aと同軸上に配置され回転灯ユニットベース261の上面に固定される略円環状の回転部ベース262と、回転部ベース262と同軸上に配置され回転部ベース262の上面に摺動回転可能に載置される回転灯ベースギア263と、回転灯ベースギア263から垂下するようにその下面に固定される回転灯264と、回転灯ベースギア263の軸線と略平行でリフレクタベース221の回転灯取付口221hよりも後側の軸線上に配置され回転軸265aが回転灯ユニットベース261の上面から上方へ突出するように回転灯ユニットベース261の下面に固定される右回転灯モータ265と、右回転灯モータ265の回転軸265aに固定され回転灯ベースギア263と噛合する伝達ギア266と、回転灯ベースギア263の全体及び伝達ギア266の一部を上方から覆うと共に回転灯ベースギア263を回転部ベース262と協働して軸支し、回転灯ユニットベース261に固定される回転部ホルダ267と、回転灯ベースギア263と同軸上で回転部ホルダ267の下面に固定され、下方の回転灯264へ向かって発光可能な高輝度カラーLED(図示は省略)を有した右回転灯基板268と、を備えている。
また、右回転灯ユニット260は、回転部ホルダ267を上方から覆う回転灯ユニットカバー269と、回転灯264の回転位置を検出する右回転位置検出センサ270と、右回転位置検出センサ270が実装された右回転位置検出基板271と、を更に備えている。
この右回転灯ユニット260の回転灯ユニットベース261は、その上面に開口261aの内周に略沿って形成された取付段部261bと、開口261aよりも後側の位置で下方へ向かって垂下しリフレクタベース211の後側に取付けられる取付部261cと、開口261aの後側に配置され右回転灯モータ265を固定するモータ固定部261dとを備えており、この取付段部261b内に上方から回転部ベース262が嵌合するようになっている。また、回転部ベース262には、回転灯ユニットベース261の開口261aと同軸上で小径の軸支口262aと、回転灯ベースギア263の外周よりも外側となる上面の所定位置に右回転位置検出基板271の下端を支持する基板支持部262bと、基板支持部262bよりも後方に配置され右回転灯基板268及び右回転位置検出基板271に接続される配線を係止する配線係止部262cとを備えている。
また、回転灯ベースギア263は、外径が回転部ベース262の軸支口262aよりも大径の円環状の平歯車とされ、下面から下方へ向かって延び回転部ベース262の軸支口262a内に挿通可能な円筒状のギア軸筒(図示は省略)と、ギア軸筒よりも小径で上下方向に貫通する軸支穴263aと、下面の外周から半径方向外方へ突出した回転位置検出片263bとを備えている。この回転灯ベースギア263の軸筒の外径は、回転部ベース262の軸支口262aの内径よりも若干小径とされており、軸支口262a内へ挿入されることで、回転灯ベースギア263が軸支口262aと略同軸上に回転することができるようになっている。また、右回転灯ユニット260では、回転灯ベースギア263の回転位置検出片263bを、右回転位置検出センサ270で検出することで、回転灯264の回転位置を検出することができるようになっている。
更に、回転部ホルダ267は、図示は省略するが、回転部ベース262の軸支口262aと同軸上となる位置に下方へ突出し回転灯ベースギア263の軸支穴263a内へ挿通可能な円筒状のホルダ軸筒が形成されている。このホルダ軸筒の外径は、回転灯ベースギア263の軸支穴263aよりも若干小径とされており、ホルダ軸筒を回転灯ベースギア263の軸支穴263aへ挿入することで、回転灯ベースギア263をホルダ軸筒と略同軸上に回転させることができるようになっている。つまり、本例の右回転灯ユニット260では、回転部ベース262の軸支口262a、回転灯ベースギア263のギア軸筒及び軸支穴263a、回転部ホルダ267のホルダ軸筒によって、回転灯ベースギア263が回転可能に軸支されている。なお、回転部ホルダ267のホルダ軸筒の下端に、右回転灯基板268が固定されるようになっている。また、回転部ホルダ267には、図示は省略するが、その下面の回転部ベース262の基板支持部262bと対応する位置に、右回転位置検出基板271の上端を支持する基板支持部が形成されており、右回転位置検出基板271が回転部ベース262と回転部ホルダ267とで狭持固定されるようになっている。
また、右回転灯ユニット260の回転灯264は、図示するように、左回転灯ユニット240の回転灯244よりも全体的に大きく、回転灯ベースギア263の下側に配置される透明な円盤状の回転灯レンズ272と、回転灯レンズ272の下側に配置され回転灯ベースギア263の下面に固定されるリフレクタ273と、リフレクタ273を覆うリフレクタカバー274とで構成されている。この回転灯264のリフレクタ273は、表面に金属光沢を有したメッキ処理が施されており、円盤状のベース部273aと、ベース部273aの中央に穿設された開口部273bと、ベース部273aの下面から下方へ垂下する湾曲状の反射部273cと、ベース部273aの上面から上方へ延びだし上端が回転灯ベースギア263と当接可能な複数の取付ボス273dと、を備えている。
この回転灯264は、リフレクタ273の開口部273bから回転灯レンズ272の下面が臨むようになっていると共に、回転灯レンズ272にはリフレクタ273の取付ボス273dを挿通可能な挿通孔272aが形成されており、挿通孔272aに取付ボス273dを挿通させた上で、取付ボス273dを回転灯ベースギア263へ固定することで、回転灯レンズ272が回転灯ベースギア263とリフレクタ273との間に狭持固定されるようになっている。また、回転灯264のリフレクタカバー274は、平面視で略正八角形状とされ、上方が開放された箱状となっていると共に、リフレクタ273における反射部273cの内面側と対向する側面に開口部274aが形成されている。
次に、中央回転灯ユニット280は、図39に示すように、上下方向に貫通する円形状の開口281aを有し、その開口281aがリフレクタベース221の左右方向中央の回転灯取付口221hから前側へ突出した位置となるようにリフレクタベース221の後側に固定される回転灯ユニットベース281と、回転灯ユニットベース281の開口281aと同軸上に配置され回転灯ユニットベース281の上面に固定される略円環状の回転部ベース282と、回転部ベース282と同軸上に配置され回転部ベース282の上面に摺動回転可能に載置される回転灯ベースギア283と、回転灯ベースギア283から垂下するようにその下面に固定される回転灯284と、回転灯ベースギア283の軸線と略平行でリフレクタベース221の回転灯取付口221hよりも後側の軸線上に配置され回転軸285aが回転灯ユニットベース281の上面から上方へ突出するように回転灯ユニットベース281の下面に固定される中央回転灯モータ285と、中央回転灯モータ285の回転軸285aに固定され回転灯ベースギア283と噛合する伝達ギア286と、回転灯ベースギア283の全体及び伝達ギア286の一部を上方から覆うと共に回転灯ベースギア283を回転部ベース282と協働して軸支し、回転灯ユニットベース281に固定される回転部ホルダ287と、回転灯ベースギア283と同軸上で回転部ホルダ287の下面に固定され、下方の回転灯284へ向かって発光可能な高輝度カラーLED(図示は省略)を有した中央回転灯基板288と、を備えている。
また、中央回転灯ユニット280は、回転部ホルダ287を上方から覆う回転灯ユニットカバー289と、回転灯284の回転位置を検出する中央回転位置検出センサ290と、中央回転位置検出センサ290が実装された中央回転位置検出基板291と、を更に備えている。
この中央回転灯ユニット280の回転灯ユニットベース281は、その上面に開口281aの内周に略沿って形成された取付段部281bと、開口281aよりも後側の位置で下方へ向かって垂下しリフレクタベース211の後側に取付けられる取付部281cと、開口281aの後側に配置され中央回転灯モータ285を固定するモータ固定部281dとを備えており、この取付段部281b内に上方から回転部ベース282が嵌合するようになっている。また、回転部ベース282には、回転灯ユニットベース281の開口281aと同軸上で小径の軸支口282aと、回転灯ベースギア283の外周よりも外側となる上面の所定位置に中央回転位置検出基板291の下端を支持する基板支持部282bと、基板支持部282bよりも後方に配置され中央回転灯基板288及び中央回転位置検出基板291に接続される配線を係止する配線係止部282cとを備えている。
また、回転灯ベースギア283は、外径が回転部ベース282の軸支口282aよりも大径の円環状の平歯車とされ、下面から下方へ向かって延び回転部ベース282の軸支口282a内に挿通可能な円筒状のギア軸筒(図示は省略)と、ギア軸筒よりも小径で上下方向に貫通する軸支穴283aと、下面の外周から半径方向外方へ突出した回転位置検出片283bとを備えている。この回転灯ベースギア283の軸筒の外径は、回転部ベース282の軸支口282aの内径よりも若干小径とされており、軸支口282a内へ挿入されることで、回転灯ベースギア283が軸支口282aと略同軸上に回転することができるようになっている。また、中央回転灯ユニット280では、回転灯ベースギア283の回転位置検出片283bを、中央回転位置検出センサ290で検出することで、回転灯284の回転位置を検出することができるようになっている。
更に、回転部ホルダ287は、図示は省略するが、回転部ベース282の軸支口282aと同軸上となる位置に下方へ突出し回転灯ベースギア283の軸支穴283a内へ挿通可能な円筒状のホルダ軸筒が形成されている。このホルダ軸筒の外径は、回転灯ベースギア283の軸支穴283aよりも若干小径とされており、ホルダ軸筒を回転灯ベースギア283の軸支穴283aへ挿入することで、回転灯ベースギア283をホルダ軸筒と略同軸上に回転させることができるようになっている。つまり、本例の中央回転灯ユニット280では、回転部ベース282の軸支口282a、回転灯ベースギア283のギア軸筒及び軸支穴283a、回転部ホルダ287のホルダ軸筒によって、回転灯ベースギア283が回転可能に軸支されている。なお、回転部ホルダ287のホルダ軸筒の下端に、中央回転灯基板288が固定されるようになっている。また、回転部ホルダ287には、図示は省略するが、その下面の回転部ベース282の基板支持部282bと対応する位置に、中央回転位置検出基板291の上端を支持する基板支持部が形成されており、中央回転位置検出基板291が回転部ベース282と回転部ホルダ287とで狭持固定されるようになっている。
また、中央回転体ユニット280の回転灯294は、図示するように、その大きさが左回転灯ユニット240の回転灯244と、右回転灯ユニット260の回転灯264との中間の大きさとされ、回転灯ベースギア283の下側に配置される透明な円盤状の回転灯レンズ292と、回転灯レンズ292の下側に配置され回転灯ベースギア283の下面に固定されるリフレクタ293と、リフレクタ293を覆うリフレクタカバー294とで構成されている。この回転灯284のリフレクタ293は、表面に金属光沢を有したメッキ処理が施されており、円盤状のベース部293aと、ベース部293aの中央に穿設された開口部293bと、ベース部293aの下面から下方へ垂下する湾曲状の反射部293cと、ベース部293aの上面から上方へ延びだし上端が回転灯ベースギア283と当接可能な複数の取付ボス293dと、を備えている。
この回転灯284は、リフレクタ293の開口部293bから回転灯レンズ292の下面が臨むようになっていると共に、回転灯レンズ292にはリフレクタ293の取付ボス293dを挿通可能な挿通孔292aが形成されており、挿通孔292aに取付ボス293dを挿通させた上で、取付ボス293dを回転灯ベースギア283へ固定することで、回転灯レンズ292が回転灯ベースギア283とリフレクタ293との間に狭持固定されるようになっている。また、回転灯284のリフレクタカバー294は、平面視で略正八角形状とされ、上方が開放された箱状となっていると共に、リフレクタ293における反射部293cの内面側と対向する側面に開口部294aが形成されている。
ところで、本実施形態の中央回転灯ユニット280は、図示するように、回転部ホルダ287と回転灯ユニットカバー289との間に、回転灯ユニットカバー289の前側の三つの側面に形成された複数の切欠き部289a内へ後側から挿入される複数の突出部295aを有したカバーレンズ295と、カバーレンズ295の後側に配置され表面に複数のカラーLED296aが実装されたカバー装飾基板296とを更に備えている。これらカバーレンズ295及びカバー装飾基板296は、回転部ホルダ287の前端に形成された溝状のレンズ支持部287a及び基板支持部287bに夫々下端が支持されると共に、回転灯ユニットカバー289に形成された図示しない溝状のレンズ支持部及び基板支持部に夫々上端が支持されることで取付けられるようになっている。本例では、カバー装飾基板296のLEDを発光させることで、中央回転灯ユニット280の回転灯ユニットカバー289の前端を発光装飾させることができるようになっている。
[1−2C.皿ユニット]
次に、扉枠5における皿ユニット300について、主に図40乃至図63を参照して説明する。図40は皿ユニットの正面斜視図であり、図41は皿ユニットの背面斜視図であり、図42は皿ユニットの平面図である。図43は、図42におけるA−A断面図である。図44は皿ユニットの皿奥板を取外した状態で示す背面図であり、図45は皿ユニットの皿奥板及び貸球ユニットを取外した状態で後から示す斜視図である。また、図46は皿ユニットを主な構成部品毎に分解して前から示す分解斜視図であり、図47は図46を後ろから示す分解斜視図である。また、図48は皿ユニットにおける皿ユニット本体を分解して前から示す分解斜視図であり、図49は図48を後ろから示す分解斜視図である。更に、図50は皿ユニットにおける第一球抜き機構を示す背面図であり、図51は皿ユニットにおける第二球抜き機構を後から示す斜視図である。また、図52は皿ユニットにおける操作ボタンユニットを分解して示す分解斜視図であり、図53は皿ユニットにおける操作ボタンユニットの操作ボタンユニット基板を取外した状態の底面図であり、図54は皿ユニットにおける操作ボタンユニットのメインボタンを下から示す底面斜視図であり、図55は皿ユニットにおける操作ボタンユニットのメインボタンを分解して示す分解斜視図である。
また、図56は扉枠に取付けられたハンドル装置の断面図であり、図57はハンドル装置を構成する操作ハンドル部とジョイントユニットとの関係を示す斜視図であり、図58はハンドル装置における操作ハンドル部の分解斜視図である。更に、図59は操作ハンドル部とジョイントユニットの動作を説明するための動作図であり、図60はハンドル装置と本体枠に設けられる打球発射装置との関係を示す斜視図であり、図61はハンドル装置と打球発射装置とを連結する状態を説明するための断面図である。更に、図62(A)は皿ユニット内での遊技球の流れを示す説明図であり、(B)は皿ユニット内での第二球抜き口と遊技球の流れとの関係を示す説明図である。また、図63は、皿ユニットにおける横長の球流入口と貯留皿との関係を示す説明図である。
本実施形態の扉枠5における皿ユニット300は、後述する賞球ユニット800から払出され遊技球を貯留することができると共に、貯留した遊技球を球送りユニット170を介して後述する打球発射装置650へ供給することができるものである。この皿ユニット300は、図46及び図47にも示すように、上方及び後方が開放され所定量の遊技球を貯留可能な貯留皿311を有した皿体310と、皿体310の前面を覆う皿ユニット本体320と、皿ユニット本体320及び皿体310の後面を覆う板状の皿奥板340と、皿体310の貯留皿311に貯留された遊技球を全て排出可能な第一球抜き機構350と、皿体310の貯留皿に貯留された遊技球の一部残して排出可能な第二球抜き機構360と、パチンコ機1に隣接して設置された図示しない球貸し機(CRユニットとも称す)を作動させる貸球ユニット301と、皿体310の上面に固定され遊技状態(遊技状況)によって遊技者が操作可能な操作ボタンユニット370と、皿体310の下側で皿ユニット本体320と皿奥板340との間に配置され扉枠ベースユニット100におけるサイドスピーカ電飾ユニット120のサイドスピーカ121よりも大型の下部スピーカ391を有した下部スピーカユニット390と、皿ユニット本体320の正面視右下隅に配置されるハンドルベース303と、ハンドルベース303に支持され遊技球の打込操作をするためのハンドル装置400とを主に備えている。なお、符号302は、後述する皿ユニット本体320における皿電飾基板336と接続される電気配線を覆う配線カバーである。また、図示するように、皿奥板340の正面視で左側には、皿ユニット本体320の左端を発光装飾させる左下装飾基板190が配置されている。
この皿ユニット300における貸球ユニット301は、図示するように、左右方向の略中央で皿奥板340の上辺に固定されており、貸球ボタン301aと、貸球ボタン301aの横に配置された返却ボタン301bと、貸球ボタン301aと返却ボタン301bとの間に配置され球貸し機に現金やプリペイドカードの残数を表示する貸出残表示器(図示せず)と、を備えている。この貸球ユニット301は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸し機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、貸球ボタン301aを押すと、所定数の遊技球を皿ユニット300の貯留皿311内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン301bを押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却されるようになっている。
また、皿ユニット300における操作ボタンユニット370のメインボタン371及び二つのサブボタン372は、遊技盤4に設けられる液晶表示装置1400等で行われる遊技内容(遊技演出)に遊技者が参加する際に操作するものである。
[1−2C−1.皿体]
まず、皿ユニット300における皿体310は、図示するように、平面視で左端から全体の略2/3を占め上方及び後方に開放された所定深さの貯留皿311と、貯留皿311内の底部の所定位置に配置され上下方向に貫通する第二球抜き口312と、貯留皿312の右端から貯留皿311と連続し第三傾斜面311cの下流側に配置されると共に遊技球が流通可能とされ遊技球を第二球抜き口312の略直下まで誘導可能な第一球抜き経路313(図44及び図47を参照)と、貯留皿311の右側で略菱形状に上方へ開放し操作ボタンユニット370を装着可能な操作ボタンユニット装着凹部314と、操作ボタンユニット装着凹部314の後側で略円形状に開口し第一球抜き機構350の第一球抜きボタン351が装着される第一球抜きボタン装着口315と、第一球抜きボタン装着口315の略直下に配置され第一球抜き機構350を支持する第一球抜き機構支持部316と、を主に備えている。
この皿体310における貯留皿311は、皿奥板340の球流入口341の前面に配置され平面視で右側及び前側へ向かって低くなる第一傾斜面311aと、第一傾斜面311aの右側端部の後部と連続し右側及び後側へ向かって低くなる第二傾斜面311bと、第二傾斜面311bの右側端部と連続し奥皿板340の球供給口342へ向かって低くなる第三傾斜面311cと、第一傾斜面311aの右側端部の前部及び第二傾斜面311bの前側端部と連続し右側及び第二傾斜面311bへ向かって低くなる第四傾斜面311dと、第四傾斜面311dの右側端部と連続し第四傾斜面311dへ向かって低くなる第五傾斜面311eと、を備えている(図42及び図43等を参照)。
また、貯留皿311には、第五傾斜面311eの後側端部から上方へ立上り遊技球が越境不能とされた仕切壁311fと、仕切壁311fと第三傾斜面311cとの間に配置され第三傾斜面311cへ向かって低くなる第六傾斜面311gとを更に備えている。なお、第二球抜き口312は、第一傾斜面311aと第二傾斜面311bとの間に配置されている。また、第二球抜き口312は、通常は第二球抜き機構360の第二球抜きシャッター364により閉鎖された状態となっている。
本実施形態の貯留皿311では、図示するように平面視で、第一傾斜面311aは、貯留皿311の大きさの略半分を占める大きさの四角形状(台形状)とされていると共に、第二傾斜面311bは、左右方向の長さが貯留皿311の長さの約1/4で前後方向の奥行きが第三傾斜面311cへ向かって狭くなるような変五角形状とされ、更に、第三傾斜面311cは、前後方向の奥行きが遊技球の外径よりも若干大きい横長の区形状とされている。また、第四傾斜面311dは、左右方向の長さが第二傾斜面311bと略同じ長さで第二傾斜面311bへ向かうに従って長さが短くなる四角形状(台形状)とされている。更に、第五傾斜面311eは、その後側端部が左端部から右方向へ第三傾斜面311cと略平行に所定距離延びた上で後方の第三傾斜面311cへ向かって斜めに延びた後に仕切壁311fを挟んで第三傾斜面311cに沿って延びると共に、前側端部(右側端部)が後側端部の右端部へ向かって右方向へ向かうに従って後方へ向かうように延び、全体として逆へ字状に形成されており、仕切壁311fが第五傾斜面311eの後側端部に沿って形成されている。
また、この貯留皿311は、図示するように、第一傾斜面311aの左側端部と前側端部、第四傾斜面311dの前側端部、及び第五傾斜面の前側端部(右側端部)から上方へ立上る外周壁311hを備えており、この外周壁311hにより貯留皿311が皿体310の上面から下方へ所定量凹んだ形態となっている。また、貯留皿311の外周壁311hは、第一傾斜面311a、第四傾斜面311d、及び第五傾斜面311eの前側端部では右方向へ向かうに従って前方へ向かうような緩い円弧状に形成されており、球流入口341から第一傾斜面311a上へ流入した遊技球が、外周壁311hにおける球流入口341と対向する位置と当接すると、第五傾斜面311eの方向へ反射して第五傾斜面311d上へ流通するようになっている。また、第五傾斜面311eは、球流入口341から貯留皿311内へ流入してきた遊技球が登坂可能な緩斜面とされており、第五傾斜面311eの右端部まで登坂した後に、その向きを変えて第四傾斜面311dの方向(左方向)へ流下するようになっている。つまり、本例の貯留皿311は、球流入口341から流入した遊技球を、一旦第五傾斜面311eへ迂回させてから球供給口342への供給路となる第三傾斜面311cへ流入させるようになっている。
また、貯留皿311における第六傾斜面311gは、他の傾斜面311a〜311eと比較して傾斜角度が急になっており、その下流側となる第三傾斜面311c上で複数の遊技球を球供給口342へ向かって左右方向へ一列に整列させ易くすることができるようになっている。なお、第三傾斜面311cには、ステンレス製のレール体304が装着されるようになっており、流通する遊技球による耐摩耗性を向上させるようにしていると共に、遊技球に帯電した静電気を除去することができるようになっている。
更に、貯留皿311の第三傾斜面311cは、図44及び図47に示すように、その右側端部が、斜め右下へ潜り込んだ上で下方へ垂下し後側が開放された溝状に形成されていると共に第一球抜き経路313と連続するように形成されており、第一球抜き経路313と連続することで左右方向に対して折り返すような流路が形成されている。この第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分は、第一球抜き機構350の第一球抜きスライド356により流路が閉鎖されるようになっており、この第一球抜きスライド356に望むように皿奥板340の球供給口342が開口している。これにより、第三傾斜面311cを流下してきた遊技球が、第一球抜きスライド356により流下を遮られることで、球供給口342側へと流通するようになっている。
なお、皿体310における第一球抜き機構支持部316には、第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分の横(正面視で右側、図44では左側)に第一球抜きスライド356が左右方向へスライド可能に挿入配置されるスライド溝316a、スライド溝316aを挟んで第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分の反対側には後述する第一球抜きバネ357の下端部を係止する鉤部316bとが形成されている。
[1−2C−2.皿ユニット本体]
次に、皿ユニット300における皿ユニット本体320は、図48及び図49に示すように、皿ユニット300の前面を構成し皿体310と下部スピーカユニット390の前面を被覆し上方及び後方が開放された箱状の本体部321を備えている。この本体部321は、正面視で左側の約3/4が前方へ膨出したような形態となっており、この膨出した部分の内側(後側)に下部スピーカユニット390が収容されるようになっている。また、本体部321には、その膨出した部分の前面の中央右寄りで下部スピーカユニット390の下部スピーカ391と対応する位置に貫通するように形成されたスピーカ用開口321aと、スピーカ用開口321aの左側に形成されたダミー開口321bと、ダミー開口321bの左側に形成された第二球抜きボタン用開口321cとが夫々貫通するように形成されている。更に、本体部321には、右下隅部にハンドルベース303を取付けるための楕円形状のハンドルベース取付口321dと、ハンドルベース取付口321dの上側に配置され後述するシリンダ錠1010が臨む錠用開口321eと、ハンドルベース取付口dの左側で前側へ膨出した部分の右側面に開口する区形状のダクト用開口321fと、左右方向の略中央下部に開口する区形状の球排出口321gと、を備えている。
また、皿ユニット300における皿ユニット本体320には、本体部321のスピーカ用開口321aとダミー開口321bとを前側から覆う前面裏板322と、前面裏板322のスピーカ用開口322aを通して本体部321のスピーカ用開口321aと対応する前面に配置されパンチングメタルからなり四隅が切り落とされた板状の右カバー323と、右カバー323の前面の略中央に配置され右カバー323よりも小型で表面に金属光沢のメッキ処理が施された板状の右飾りベース324と、右飾りベース324の前面の略中央に配置され右飾りベース324よりも小型で板状の右飾り325と、前面裏板322における本体部321のダミー開口321bと対応する前面に配置されパンチングメタルからなり四隅が切落とされた板状の左カバー326と、左カバー326の前面の略中央に配置され左カバー326よりも小型で表面に金属光沢のメッキ処理が施された板状の左飾りベース327と、左飾りベース327の前面の略中央に配置され左飾りベース327よりも小型で板状の左飾り328と、本体部321のスピーカ用開口321a、ダミー開口321b、及び第二球抜きボタン用開口321cの周縁を装飾する枠状の前面本体329と、を主に備えている。この皿ユニット本体320における前面裏板322には、本体部321のスピーカ用開口321aへ望むように貫通する複数の透孔322aが形成されており、これら透孔322a及び右飾りベース323のパンチング孔(図示は省略)を介して下部スピーカ391からの音を外部へ良好に伝達させることができるようになっている。
また、本例の皿ユニット本体320は、左下装飾基板190の前側で本体部321の左端に固定される本体左飾りベース330と、本体左飾りベース330の前面に固定され表面に金属光沢のメッキ処理が施された本体左飾り331と、を更に備えている。この本体左飾りベース330は、透光性を有しており、本体左飾りベース330の後側に配置される左下装飾基板190のLED190aによって発光装飾させることができるようになっている。
更に、皿ユニット本体320は、本体部321のダクト用開口321fを覆うパンチングメタルからなる板状のダクト用カバーと、ダクト用カバーが表面から臨むようなダクト用切欠き部333aが形成され、本体部321における前側へ膨出した部分の右側面全体を覆うと共に表面に金属光沢のメッキ処理を施した本体右飾り333と、を更に備えている。
また、皿ユニット本体320は、本体部321の上縁に沿って配置され上下方向に貫通する横長のスリット334aを複数有し、表面に金属光沢のメッキ処理が施された本体上飾り334と、本体上飾り334の下側で本体部321内に配置され、本体上飾り334のスリット334a内へ挿入される導光部335aを有した上飾りレンズ335と、上飾りレンズ335の下側に配置され上面に複数のカラーLED336aが実装された皿電飾基板336と、を備えている。この皿電飾基板336のLED336aを適宜発光させることで、上飾りレンズ335を介して本体上飾り334、つまり、皿ユニット本体320の上縁を発光装飾させることができるようになっている。
[1−2C−3.皿奥板]
続いて、皿ユニット300における皿奥板340は、図46及び図47等に示すように、全体が横長の板状に形成され、正面視で左上隅部に配置され横長の区形状で前後方向に貫通する球流入口341と、球流入口341よりも右下方向へ所定距離はなれて配置され遊技球が通過可能な区形状で貫通する球供給口342と、球流入口341と連通し後方へ延出する角筒状の賞球連絡樋343と、を主に備えている。この皿奥板340の球流入口341は、図43等に示すように、皿体310の貯留皿311内へ向かって開口すると共に、左右方向の長さが貯留皿311の第一傾斜面311aの長さと略同じ長さとされている。また、球供給口342は、貯留皿311における第三傾斜面331cの右端で第一球抜き機構350の第一球抜きスライド356と対応した位置に配置されている。また、賞球連絡樋343は、球流入口341に対して正面視で左端に偏った位置に配置されていると共に、左右方向の長さが球流入口341の長さに対して約半分の長さとされ、後端が扉枠ベース本体110の賞球通過口111を貫通して後述する満タンユニット900における前方誘導通路920の流下端(前端)の出口921と連通するようになっている。
また、皿奥板340は、賞球連絡樋343の前端が球流入口341に対して後方へ所定量控えた位置に配置されており、球流入口341と賞球連絡樋343との間に、球流入口341の左右方向全長に亘って延び遊技球が流通可能な棚部344を更に有している。この棚部344により賞球連絡樋343を流通してきた遊技球を、貯留皿311の第二球抜き口312よりも下流側へ流入させることができるようになっている。
更に、奥皿板340は、後述する下部スピーカユニット390の球抜き経路393と対応し略L字状に貫通した球抜き経路用開口345と、球抜き経路用開口345の正面視左上で球流入口341(皿体310における第二球抜き口312)の下側に配置され、後述する第二球抜き機構360のラッチユニット366の後端が挿通される区形状に貫通したラッチ用開口346と、正面視で右上隅部に配置され略区形状に貫通する配線挿通口347と、球流入口341と配線挿通口346との間で奥皿板340の上辺に配置され貸球ユニット301を取付けるための貸球ユニット取付部348と、を備えている。
[1−2C−4.第一球抜き機構]
次に、皿ユニット300における第一球抜き機構350は、図44、図45及び図50等に示すように、遊技者が押圧操作する第一球抜きボタン351と、第一球抜きボタン351を上下方向へスライド可能に支持すると共に皿体310の第一球抜きボタン装着口315に対して下側から挿入される第一球抜きボタンベース352と、第一球抜きボタンベース352の上部に皿体310を挟んで第一球抜きボタン351が上方へ突出するように固定される第一球抜きボタン装飾体353と、第一球抜きボタン装飾体353と第一球抜きボタンベース352とで支持された第一球抜きボタン351の下端の正面視で右側(図50では左側)となる皿体311の第一球抜き機構支持部316の位置に支持される回動軸354と、回動軸354に回動可能に軸支され一端側が第一球抜きボタン351の下端部と当接すると共に他端側が下方へ延出した逆L字状の第一球抜きクランク355と、第一球抜きクランク355の他端側の下端と当接可能とされると共に皿体311の第一球抜き機構支持部316に略左右方向へスライド可能に支持され、皿体310の第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分を閉鎖可能な第一球抜きスライド356と、第一球抜きクランク355が所定方向へ回動するように付勢する第一球抜きバネ357と、を備えている。
この第一球抜き機構350の第一球抜きスライド356は、皿体310における第一球抜き機構支持部316のスライド溝316a内に挿入配置されることで左右方向へスライドすることができるようになっていると共に、その状態で、第一球抜きクランク355が回動することで第一球抜きクランク355の他端側の下端によって左右方向へスライドさせられるようになっている。この第一球抜きスライド356は、左右方向へスライドすることで先端部が皿体310の第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分の流路内に対して進退することができるようになっており、境界部分へ前進して流路を閉鎖すると第三傾斜面311cを流通してきた遊技球を球供給口342へ供給することができ、境界部分から後退して流路を開放すると第三傾斜面311cを流通してきた遊技球を第一球抜き経路313側へ供給(排出)することができるようになっている。
また、第一球抜きクランク355には、回動軸354を挟んで第一球抜きボタン351の下端部と当接する一端側とは反対側に第一球抜きバネ357の上端部を係止する鉤部355aが形成されている。この第一球抜きバネ357は、その上端部を第一球抜きクランク355の鉤部355aに係止すると共に、下端部を皿体310における第一球抜き機構支持部316の鉤部316bに係止することで、第一球抜きクランク355を、第一球抜きスライド356が第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分を閉鎖する位置、及び第一球抜きボタン351が最も上昇した位置となる方向へ回動するように付勢することができるようになっている。
この第一球抜き機構350は、遊技者によって第一球抜きボタン351が押圧されると、第一球抜きボタン351の下端部と当接する当接ピン355bを介して、第一球抜きクランク355が第一球抜きバネ357の付勢力に抗してその一端側が下方へ移動する方向へ回動すると共に、その他端側が第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分から遠ざかる方向へ移動する。そして、第一球抜きスライド356が第一球抜きクランク355の下端と共に第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分から遠ざかる方向へと移動し、第一球抜きスライド356の先端が境界部分の流路内から後退して第三傾斜面311cと第一球抜き経路313とが連通した状態となり、第三傾斜面311cつまり貯留皿311内の全ての遊技球を、第一球抜き経路313を介して外部へ排出することができるようになっている。
なお、第一球抜きボタン351の押圧を解除すると、第一球抜きバネ357の付勢力により第一球抜きクランク355が回動して、第一球抜きボタン351が上昇すると共に、第一球抜きスライド356の先端が第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分の流路内へ前進してその流路を閉鎖し、第三傾斜面311c上(貯留皿311内)の遊技球を、球供給口342を介して打球発射装置650へ供給することができるようになっている。
[1−2C−5.第二球抜き機構]
続いて、皿ユニット300における第二球抜き機構360は、図51等に示すように、皿ユニット本体320における本体部321の第二球抜きボタン用開口321cから前方へ向かって突出する第二球抜きボタン361と、第二球抜きボタン361が先端に嵌合固定され後述する下部スピーカユニット390によって前後方向へスライド可能に支持された第二球抜きスライド362と、第二球抜きスライド362の前後方向の移動を伝達し下部スピーカユニット390により左右方向へ延びる軸回りに回動可能に軸支された棒状の第二球抜きクランク363と、第二球抜きクランク363の回動により皿体310における第二球抜き口312を閉鎖する閉位置と第二球抜き口312を開放する開位置との間で上下方向へ延びる軸周りに回動可能とされた第二球抜きシャッター364と、第二球抜きシャッター364を第二球抜き口312が閉鎖される閉位置へ付勢する第二球抜きバネ365と、第二球抜きバネ365の付勢力に抗して第二球抜きシャッター364を開位置へ保持可能なラッチユニット366と、第二球抜きシャッター364の下面を摺動可能に支持すると共に第二球抜き口312と対応した開口部367aを有し、皿体310の下側に固定される第二球抜きベース367と、第二球抜きスライド362の後端を摺動可能に保持すると共にラッチユニット366を支持し、後述する下部スピーカユニット390のスピーカボックス392と協同して第二球抜きクランク363を回動可能に軸支する第二球抜き機構支持体368(図44及び図47を参照)と、を備えている。
この第二球抜き機構360の第二球抜きスライド362には、その後端部に上方へ開放され第二球抜きクランク363の下端部が挿入される伝達溝362aと、後端部から後方へ突出しラッチユニット366の係合爪366aと係合可能な係合突起362bとを備えている。また、第二球抜きクランク363は、略上下方向へ延びた棒状の部材とされ、その下端部が第二球抜きスライド362の伝達溝362a内へ上方から挿入されると共に、上下方向の略中間部分で下部スピーカユニット390のスピーカボックス392により回動可能に軸支されている。而して、第二球抜きスライド362が前後方向へスライドすると、その伝達溝362aのスライドに伴って第二球抜きクランク363の下端部が移動し、第二球抜きクランク363が回動すると共に、第二球抜きクランク363の上端部が下端部とは反対方向へ移動するようになっている。
また、第二球抜きシャッター364は、図示するように、第二球抜きスライド362よりも上方に配置され、皿体310の第二球抜き口312及び第二球抜きベース367の開口部367aを閉鎖可能な平面視略半円形状(D字状)で板状の閉鎖部364aと、閉鎖部364aから左右方向の一方(正面視で左方向、図51では右方向)へ延びる棒状の棹部364bとを備えており、全体として略P字状に形成されている。また、この第二球抜きシャッター364は、棹部364bの先端が皿体310と第二球抜きベース367とによって上下方向へ延びる軸周りに回動可能に軸支されていると共に、棹部364bの後側で左右方向の略中間部分に、第二球抜きクランク363の上端部が当接するようになっている。更に、第二球抜きシャッター364における棹部364bの後側基端部分に第二球抜きバネ365の前端部が係止されるようになっている。なお、図示は省略するが、第二球抜きバネ365の後端部は、皿体310の下面から下方へ垂下する係止ボスに係止されるようになっており、第二球抜きバネ365により、第二球抜きシャッター364の閉鎖部364aが第二球抜き口312を閉鎖する閉位置(図51に示す位置)となるように付勢されている。
また、第二球抜き機構360の第二球抜きベース367は、開口部367aと第二球抜きシャッター364を軸支する位置との間に、第二球抜きクランク363の上端部が通過可能な前後方向へ延びるスリット367bを備えており、このスリット367bを介して第二球抜きベース367の下側で軸支された第二球抜きクランク363の上端部が、第二球抜きベース367の上面に配置された第二球抜きシャッター364の棹部364bと当接することができるようになっている。なお、第二球抜きベース367は、図示するように、浅い皿状に形成されており、皿体310とで第二球抜きシャッター364を収容する収容空間を形成することができるようになっている。また、第二球抜きシャッター364を収容する収容空間の高さは、遊技球の外径よりも小さく低い高さとされており、第二球抜きシャッター364が回動して第二球抜き口312が開状態となっても、皿体310と第二球抜きベース367との間に遊技球が進入しないようになっている。
本実施形態の第二球抜き機構360は、遊技者が皿ユニット本体320の前面から前方へ突出する第二球抜きボタン361を押すと、第二球抜きスライド362が後方へスライドすると共に、第二球抜きスライド362の伝達溝362aに案内されて第二球抜きクランク363の下端部が後方へと移動するように第二球抜きクランク363が回動する。そして、第二球抜きクランク363が回動することでその上端部が下端部とは反対方向の前方へ移動することとなり、第二球抜きクランク363の上端部と当接する第二球抜きシャッター364が、第二球抜きバネ365の付勢力に抗して棹部364bの先端を中心として閉鎖部364aが前方へ移動するように回動する。このようにして閉鎖部364aが前方へ移動して皿体310の第二球抜き口312及び第二球抜きベース367の開口部367aが開放されると、貯留皿311における第二球抜き口312よりも上流側に貯留された遊技球が第二球抜き口312を通って皿ユニット300の下方外部へ排出されることとなる。
なお、本例の第二球抜き機構360には、ラッチユニット366を備えており、第二球抜きボタン361を押して第二球抜きスライド362の後端の係合突起362bがラッチユニット366における一対の係合爪366aの間に当接すると、一対の係合爪366aが係合突起362bを挟むように閉じて係合し、第二球抜きバネ365の付勢力に抗して第二球抜きボタン361が押された状態、つまり、第二球抜きシャッター364の閉鎖部364aにより第二球抜き口312が開いた(開放され)位置に保持することができるようになっている。この状態で、第二球抜きボタン361を押すと、ラッチユニット366の一対の係合爪366aが開いて、係合突起362bとの係合が解除され、第二球抜きバネ365の付勢力により第二球抜きシャッター364の閉鎖部364aが第二球抜き口312を閉鎖する位置へと復帰できるようになっている。
[1−2C−6.操作ボタンユニット]
次に、皿ユニット300における操作ボタンユニット370は、図52乃至図55等に示すように、皿ユニット300における皿体310の操作ボタン装着凹部314に対して上方から装着固定されるものであり、平面視で正方形の四隅を切落とした八角形状のメインボタン371と、メインボタン371の左右両側に夫々対称に配置され平面視でホームベース形状の左サブボタン372L及び右サブボタン372Rからなる一対のサブボタン372と、メインボタン371とサブボタン372を上下方向へ摺動可能に保持すると共に皿体310の操作ボタン装着凹部314内へ挿入される操作ボタンユニットベース373と、操作ボタンユニットベース373の上面を装飾する板状の操作ボタンユニット装飾部材374と、操作ボタンユニットベース373の下側に固定され操作ボタンユニット370を発光装飾させるカラーLED375aが上面に複数実装された操作ボタンユニット基板375と、を備えている。
また、操作ボタンユニット370には、メインボタン371の操作を検出するメインボタンセンサ376と、左サブボタン372Lの操作を検出する左サブボタンセンサ377Lと、右サブボタン372Rの操作を検出する右サブボタンセンサ377Rと、を更に備えている。これらメインボタンセンサ376、左サブボタンセンサ377L及び右サブボタンセンサ377Lは、夫々発光部と受光部とを備えたフォトセンサとされており、操作ボタンユニット基板375の所定位置に夫々固定されている。
この操作ボタンユニット370における操作ボタンユニットベース373には、図示するように、平面視で略菱形形状とされ、メインボタン371を上方から収容可能なメインボタン収容凹部373aと、メインボタン収容部373aの内周面に形成されメインボタン371を上下方向へ案内するために上方が開放された上下方向へ延びる複数の案内溝373bと、メインボタン収容凹部373aの底面に形成された略円形状の開口部373cと、メインボタン収容凹部373aの外周に沿って所定幅で開口し下側に配置された操作ボタンユニット基板375のLED375aからの光を上面側へ導く複数の導光用開口部373dと、サブボタン372を上方から収容可能な一対のサブボタン収容凹部373eと、長軸の対角線上隅部に形成されたネジ挿通孔373fと、操作ボタンユニットベース373の上面を形成する板状の天板部373gと、天板部373gの外周に沿って下面から下方へ外周を囲うように垂下する板状の側壁部373hと、を主に備えている。
この操作ボタンユニットベース373は、天板部373gと側壁部373hとにより、下面が開放された箱状に形成されており、この天板部373gの所定位置に、メインボタン収容凹部373a、複数(ここでは、八個)の導光用開口部373d、二つのサブボタン収容凹部373e、及び二つのネジ挿通孔373fが夫々開口している。また、操作ボタンユニットベース373は、メインボタン収容凹部373aは、案内溝373bが形成されていないところの厚さが肉厚に形成されており、内壁面と底面の強度・剛性が高められていると共に、メインボタン収容凹部373aの外周に形成された各導光用開口部373dが、夫々上下方向に長い筒状に形成されており、これら筒状の導光用開口部373dの外周壁によってもメインボタン収容凹部373aが補強されている(図53を参照)。
また、メインボタン371は、図54及び図55に示すように、メインボタン371の上面を形成し透光性を有したメインボタンレンズ371aと、メインボタンレンズ371aを支持し上下が開放された筒状のメインボタンベース371bと、メインボタンベース371bの下側に配置される振動体371cと、振動体371cを包み込むと共にメインボタンベース371bの下側に取付ビス371dを介して固定される振動体ホルダ371eと、を備えている。なお、図示は省略するが、メインボタン371には、上端がメインボタンベース371aの下側側面に当接すると共に、下端が操作ボタンユニットベース373におけるメインボタン収容凹部373aの底面と当接し、メインボタン371が上昇するように付勢するメインボタンバネを備えている。
このメインボタン371におけるメインボタンレンズ371aは、平面視が八角形状で下面が開放された箱状に形成され、表面側が滑らかな形状とされているのに対して、裏面側には複数の小レンズ部が形成されており、操作ボタンユニット基板375のLED375aからの光を広く拡散させて、メインボタン370の表面全体が略均一に発光装飾させることができるようになっている。
また、メインボタンベース371bは、図示するように、上端側の外形がメインボタンレンズ371と同様の八角形状とされているのに対して、上下方向の略中間部から下端側が下方へ窄まる円錐形状とされており、下端部が操作ユニットボタンベース373におけるメインボタン収容凹部373aの底面に形成された開口部373cから下方へ延出して操作ボタンユニット基板375の中央に配置されたLED375a群の直上に位置することができるようになっている。また、メインボタンベース371bには、対向する二辺から下方へ延出するメイン係止爪371fと、操作ボタンユニットベース373の案内溝373b内へ挿入される上下方向に延びた複数の案内凸条371gと、を備えている。このメインボタンベース371bのメイン係止爪371fが、操作ボタンユニットベース373におけるメインボタン収容凹部373a内の係止部(図示は省略する)に係止されることで、メインボタン371がメインボタンバネの付勢力によりメインボタン収容凹部373aから抜け出るのを防止することができるようになっている。
更に、メインボタンベース371bは、一方のメイン係止爪371fの内側に、振動体ホルダ371e及び取付ビス371dを介して振動体371cを取付けられるようになっていると共に、振動体371cを取付ける部位の内側に、メインボタンセンサ376によって検出される検出片371h(図54を参照)が形成されている。
本例のメインボタン371は、メインボタンバネの付勢力に抗してメインボタン371を下方へ押すと、メインボタンベース371bの検出片371hがメインボタンセンサ376の発光部と受光部との間に進入してその操作がメインボタンセンサ376により検出されるようになっている。また、メインボタン371は、メインボタンセンサ376により操作が検出されると、振動体371cが作動するようになっており、振動体371cの作動によってメインボタン371が振動することで、遊技者に対してメインボタン371の操作が受付けられていることを認識させることができると共に、メインボタン371の振動により遊技者を驚かせることができるようになっている。なお、操作ボタンユニット基板375には、実装されたLED375aからの光によってメインボタンセンサ376が誤作動するのを防止するための遮光板375bが取付けられている。
また、操作ボタンユニット370のサブボタン372は、平面視が略二等辺直角三角形状で透光性を有したサブボタンレンズ372aと、サブボタンレンズ372aを平面視がホームベース状の上面に支持し操作ボタンユニットベース373におけるサブボタン収容凹部373e内へ上方から収容されるサブボタンベース372bと、サブボタンベース372bとサブボタン収容凹部373eの底面との間でサブボタンレンズ372aの下方に配置されサブボタンベース372bを上昇させる方向へ付勢するサブボタンバネ372cと、を備えている。このサブボタン372のサブボタンベース372aには、サブボタンバネ372cを挟んた前後に下方へ垂下するサブ係止爪372dと、ホームベース状の長辺から下方へ垂下する板状の案内壁部372eと、案内壁部372eの下端から更に下方へ延出する検出片372fと、を備えている。
このサブボタン372は、サブ係止爪372dが、操作ボタンユニットベース373におけるサブボタン収容凹部373e内の係止部(図示は省略する)に係止されるようになっており、サブ係止爪372dが係止部に係止されることで、サブボタン372がサブボタンバネ372cの付勢力によりサブボタン収容凹部373eから抜け出るのを防止することができるようになっている。また、サブボタン372は、サブボタンバネ372cの付勢力に抗して下方へ押されると、サブボタンベース372bの検出片372fがサブボタンセンサ377の発光部と受光部との間に進入してサブボタン372の操作がサブボタンセンサ377により検出されるようになっている。
更に、操作ボタンユニット370の操作ボタンユニット装飾部材374は、図示するように、平面視形状が略菱形で板状に形成されており、メインボタン371のメインボタンレンズ371a及び二つのサブボタン372のサブボタンレンズ372aが通過可能な開口部374aが形成されていると共に、操作ボタンユニットベース373の導光用開口部373dと対応する位置に透光性を有した装飾部材レンズ374bが備えられている。また、長軸の対角線上隅部には、図示しない取付ビスが上方から挿通可能な取付孔374cが穿設されており、この取付孔374c及び操作ボタンユニットベース373のネジ挿通孔373fを介して所定の取付ビスにより操作ボタンユニット370が皿体310へ取付固定されるようになっている。なお、本例では、操作ボタンユニット装飾部材374の上面には、二つの取付孔374cを隠すネジ隠し378が貼付けられるようになっている。
本実施形態の操作ボタンユニット370は、上述したように、操作ボタンユニットベース373が、メインボタン収容凹部373a、導光用開口部373d、及び側壁部373hによって三重の筒状に形成されており、強度及び剛性が高められているので、メインボタン371等を叩いたりして強く操作されても、操作ボタンユニット370が破損し難くなっている。また、操作ボタンユニット370は、皿体310の操作ボタン装着凹部314に対して上方から装着固定されるようになっており、万が一、操作ボタンユニット370が破損したり不具合が発生したりした場合でも、皿体310の上方から簡単に着脱して交換することができるようになっている。更に、操作ボタンユニット370は、皿体310を介してその下側が後述する下部スピーカユニット390のスピーカボックス392に支持(載置)されているので、メインボタン371等からの耐衝撃性や耐荷重性が更に高められており、操作ボタンユニット370のみならず皿ユニット300全体が破損し難くなっている。
[1−2C−7.下部スピーカユニット]
続いて、皿ユニット300における下部スピーカユニット390は、図46及び図47に示すように、扉枠ベースユニット100におけるサイドスピーカ電飾ユニット120のサイドスピーカ121よりも大径の下部スピーカ391と、下部スピーカ391を正面視における前面右寄りの位置で、皿ユニット本体320における本体部321のスピーカ用開口321aの後側となる位置に保持する箱状のスピーカボックス392と、を主に備えている。本実施形態の下部スピーカユニット390は、スピーカボックス392の内部空間が開放口392aを通して外部へ開放されたバスレフ型スピーカとされており、下部スピーカ391のスピーカ径に対してより重低音を発することができるようになっている。
このスピーカボックス392の開放口392aは、皿ユニット本体320における本体部321のダクト用開口321fに望む位置に形成されており、下部スピーカ391の振動によりスピーカボックス392内を出入りする空気の流れが、ダクト用開口321fを介して出入りするようになっている。また、下部スピーカ391の駆動(振動)によりダクト用開口321fを介して出入りする空気の流れは、ハンドル装置400における操作ハンドル部410の握り部材412,413を通るように形成されており、操作ハンドル部410を操作する遊技者の手に下部スピーカ391からの空気の流れ(風)を当てることができ、遊技者に対してこれまでにない感触を与えて、楽しませることができるようになっている。なお、下部スピーカ391に対して、人間の可聴帯域よりも低い周波数の音響信号を送ることで、ダクト用開口321fから風だけを遊技者に当てることができ、メインボタン371の振動体371cと合わせて、これまでの遊技機にない触感演出を楽しませることができるようになっている。
また、スピーカボックス392には、その後面に、皿体310の第一球抜き経路313及び第二球抜き口312の下流に配置され、第一球抜き経路313及び第二球抜き口312を流通してきた遊技球を、スピーカボックス392の左右方向略中央の下部に誘導する球抜き経路393を備えている。この球抜き経路393は、後方が開放された略L字状に形成されており、皿ユニット300における奥皿板340の球抜き経路用開口345を介して扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球抜き経路用開口111を閉鎖する球抜き経路カバー191によって後側が閉鎖されるようになっている。また、球抜き経路393を流通した遊技球は、皿ユニット本体320における本体部321の球排出口321gから、皿ユニット300の下方へ排出されるようになっている。
更に、スピーカボックス392には、正面視で左側上部に第二球抜き機構360の第二球抜きスライド362の前端を前後方向へ摺動可能に保持する第二球抜きスライド保持孔394と、第二球抜きスライド保持孔394の後側に配置され第二球抜き機構360の第二球抜き機構支持体368を支持する第二球抜き機構支持部395と、を備えている。これら、第二球抜きスライド保持孔394及び第二球抜き機構支持部395によって、第二球抜き機構360を所定位置に支持することができるようになっている。
[1−2C−8.ハンドル装置]
次に、皿ユニット300におけるハンドル装置400は、図56乃至図58等に示すように、扉枠5の開放側下部前面に設けられる操作ハンドル部410と、操作ハンドル部410に対応する扉枠5の裏面に組み付けられて操作ハンドル部410の回動操作に応じて回転する回転軸415と連携され且つ回転軸415の回転運動をスライド運動に変化させるジョイントユニット180と、から構成されている。
まず、操作ハンドル部410は、扉枠5における皿ユニット300の皿ユニット本体320における本体部321のハンドルベース取付口321dから前方へ突出するように取付けられる円筒状のハンドルベース303のハンドル支持筒部303aに挿入固定される。このハンドル支持筒部303aは、パチンコ機1の上方から見た平面視で外側(右側)に向くように傾斜して形成されているため、ハンドル支持筒部303aに挿入固定される操作ハンドル部410も平面視で外側に傾斜(換言するならば、パチンコ機1の前面垂直面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠5に取付固定されることになる。このように、操作ハンドル部410を平面視で外側に向けて傾斜させることにより、遊技者が操作ハンドル部410を握り易く、回動動作に違和感がなく回動操作が行いやすいという利点がある。そして、本実施形態においては、後述するように、操作ハンドル部410を傾斜設置しても、操作ハンドル部410の回転軸415の回転運動がスムーズに伝達されて打球発射装置650の弾発力を調整することができる構造が採用されている。なお、操作ハンドル部410のハンドル支持筒部303aへの挿入後、ハンドル支持筒部303aと操作ハンドル部410(正確には、後握り部材413)とをビス等で連結して操作ハンドル部410がハンドル支持筒部303aから引き抜きできないようになっている。
また、操作ハンドル部410は、図58に示すように、前握り部材412と、後握り部材413と、前握り部材412と後握り部材413との間で回動自在に軸支される回動操作部材414と、回動操作部材414にその一端部が固定される直線円柱状の回転軸415と、回転軸415の他端部に固定されるカム416と、から構成されている。後握り部材413は、ハンドル支持筒部303aに嵌合される小径部と小径部の前方の大径部とが一体的に形成され、その中心に回転軸415が貫通される軸貫通穴418が形成されている。回転軸415が軸貫通穴418に挿通される際には、軸受ブッシュ417が軸貫通穴418の後端に嵌めこまれ、その軸受ブッシュ417に回転軸415が挿通される。一方、軸受ブッシュ417を介して軸貫通穴418に貫通された回転軸415は、後握り部材413の前面側に固定される固定軸受部材423の軸受穴424を貫通して回動操作部材414の中心に形成される軸嵌合穴426に嵌合される。
また、後握り部材413の前面側には、タッチセンサ420、発射停止スイッチ422を固定するための突起や取付穴(共に図示しない)が設けられると共に、単発ボタン421が揺動自在に支持される揺動ピン(図示しない)が形成され、それらの突起や取付穴及び揺動ピンにタッチセンサ420、発射停止スイッチ422及び単発ボタン421が取付けられている。そして、それらが取付けられた状態でタッチセンサ420や発射停止スイッチ422からの配線が纏められて後握り部材413の軸貫通穴418の側方に形成される配線通し穴419を有した配線通し筒部428及び配線開口184c(図31を参照)から扉枠5の裏面に導き出され、ハンドル中継端子板194(図24及び図25を参照)に接続されるようになっている。このハンドル中継端子板194からの配線は、上述した下補強板36に沿って取付けられており、後述する払出制御基板1186に電気的に接続されるようになっている。また、固定軸受部材423と回動操作部材414との間には、付勢スプリング425が回転軸415に周設されるように設けられ、この付勢スプリング425が回動操作部材414を常に元の位置に復帰させるようになっている。更に、回動操作部材414の軸嵌合穴426の外側にはスイッチ接触凸部427が突設され、回動操作部材414が付勢スプリング425の付勢力により元位置にある場合に、スイッチ接触凸部427が発射停止スイッチ422のアクチュエータに接触して発射停止スイッチ422をOFFとし、回動操作部材414が遊技者によって回動操作されるとスイッチ接触凸部427が発射停止スイッチ422のアクチュエータと離れてONとする。また、発射停止スイッチ422がONとなっている状態で単発ボタン421が揺動可能になるので、単発ボタン421を押圧することにより、発射停止スイッチ422のアクチュエータをOFF操作することができるようになっている。
なお、回動操作部材414の外周表面には、導電性のメッキが施されており、遊技者が回動操作部材414に接触することによりタッチセンサ420が接触を検出するようになっている。そして、遊技者が回動操作部材414を回動して発射停止スイッチ422がONとなり且つタッチセンサ420が接触を検出しているときに打球発射装置650の後述する発射モータ695(図91を参照)が回転駆動されるようになっている。
また、回転軸415の先端に固定されるカム416は、勾玉状に形成され、回転軸415の回転にしたがって後述するジョイントユニット180のスライド体182(図31及び図59を参照)のカム当接部182dを押圧して一方向にスライドさせるようになっている。そして、本実施形態においては、この回転軸415の先端に固定されるカム416とジョイントユニット180のスライド体182との連携構造によって前述したような操作ハンドル部410の平面視での傾斜状取付けが可能となっている。
上述したように、操作ハンドル部410を扉枠5の前面側からハンドルベース303のハンドル支持筒部303aに挿通支持し、ジョイントユニット180を扉枠5の裏面側からジョイントユニット装着凹部110cに取付けることにより、図56に示すように、回転軸415の先端部に固定されるカム416がスライド体182のカム係合凹部182cに収納されるようになっている。この場合、操作ハンドル部410が平面視で傾斜状に取付けられることにより、カム416も扉枠5の垂直面に対して傾斜状となっているが、カム係合凹部182cが前後方向に所定の空間幅を有しているので、傾斜したカム416の全体をカム係合凹部182cの空間内に収納できるようになっている。また、その収納状態は、図59(A)に示すように、カム416の回転中心がカム当接部182dの側方に位置し、勾玉状のカム416の先端がカム係合凹部182cの下方空間内に位置するようになっている。
上述した状態で操作ハンドル部410の回動操作部材414を遊技者が回動操作すると、回転軸415が回動し、それにつれてカム416も回転するので、図59(B)に示すように、カム係合凹部182cのカム当接部182dとカム416の一側外形面(回転前方の外形面)との当接によってスライド体182が一方向(図59の場合には、図示の右側方向)にスライド移動する。つまり、回転軸415の回転運動がスライド体182のスライド運動に変換される。このため、図59(A)に示す初期状態(回動前)におけるカム416の回転中心とスライド体182のスライド突片183の進行方向の端辺との距離S1が、カム416の最大限の回転によって距離S1よりも大きな距離S2となる。つまり、スライド体182のスライド突片183が「S2−S1」の距離だけスライドすることになる。そして、ジョイントユニット180のスライド突片183のスライド移動が、図57、図60、図61に示すように、打球発射装置650のスライド部材710に伝達されて打球発射装置650の付勢バネ684(図91を参照)の張力を調節し、もって打球槌687の付勢力の強弱を調整して遊技者の望む打球の弾発力を得ることができる。なお、ハンドル装置400と打球発射装置650との関係については、打球発射装置650についての説明の後で詳細に説明する。
なお、操作ハンドル部410の内部から配線通し穴419、配線通し筒部428及び配線開口184cを通って扉枠5の裏面に導出された配線は、扉枠5の裏面下辺に沿って軸支側に引き回され、その後、本体枠3の裏面側に取付けられる基板ユニット1100に集約して取付けられる払出制御基板1186の操作ハンドル用端子1194(図132を参照)に接続されるようになっている。
[1−2C−9.皿ユニットの作用効果]
続いて、本実施形態の皿ユニット300の貯留皿311内における遊技球の流れについて図62及び図63を主に参照して説明する。本例では、後述する賞球ユニット800から払出された遊技球が、満タンユニット900、奥皿板340の賞球連絡樋343を介して球流入口341から貯留皿311内へ流入するようになっており、球流入口341から流入した遊技球が、初めに第一傾斜面311aへと流入するようになっている。この第一傾斜面311aは、前側及び正面視右側が低くなるように形成されており、球流入口341から第一傾斜面311aへ流入した遊技球は、第一傾斜面311aの傾斜に沿って貯留皿311の前側外周を囲う外周壁311hの球流入口341と略対向する位置と当接することとなる。外周壁311hのこの位置は、球流入口341が形成された皿裏板340の面に対して曲線状に傾斜しており、外周壁311hに当接した遊技球は、正面視で右方向へ反射するようになっている。
そして、球流入口341から貯留皿311内へ流入して外周壁311hで右方向へ反射した遊技球は、第四傾斜面311dを越えて第五傾斜面311eへと進入する。この第五傾斜面311eは、正面視で左側、つまり、第四傾斜面311d側が低くなると共に、その傾斜角度が第一傾斜面311aから進入してきた遊技球が登坂可能な緩い斜度とされており、第四傾斜面311dを越えて第一傾斜面311aから進入してきた遊技球が、第五傾斜面311eを上りながら第五傾斜面311eの上部(平面視で右側端部)へと流通することとなる。また、この第五傾斜面311eは、前側から右側端部を巡って後側までが外周壁311hと仕切壁311fとによって仕切られており、第五傾斜面311eへ進入した遊技球は、その周りを囲う外周壁311h及び仕切壁311fに略沿うように第五傾斜面311e内を巡って第五傾斜面311eの左側に配置された第四傾斜面311d側へ戻るようになっている。
第五傾斜面311eから第四傾斜面311dへ進入した遊技球は、第四傾斜面311dの傾斜に従って第四傾斜面311dの後側にある第二傾斜面311bへと流通し、更に、第二傾斜面311bから右側の第三傾斜面311cへと進入して、第三傾斜面311cの下流端に配置された皿裏板340の球供給口342から球発射装置650へと供給されるようになっている。つまり、球供給口341から貯留皿311内へ流入した遊技球は、第一傾斜面311aから第二傾斜面311bを介して直接第三傾斜面311cへ向わずに、第一傾斜面311aから第四傾斜面311dを介して第五傾斜面311eへ一旦進入した上で、第四傾斜面311e及び第二傾斜面311bを介して第三傾斜面311cへ至るようになっており、球流入口341から流入した遊技球を迂回させることができるようになっている。
これにより、貯留皿311の全体を有効に使って複数の遊技球を貯留することができ、従来のパチンコ機のように貯留の少ない状態で貯留され遊技球が球流入口341を塞いでしまうことで、満タンユニット900の満タンスイッチ916が作動して、遊技球の払出しが停止してしまったり、球発射装置650での遊技球の発射動作が停止してしまったりして遊技が中断してしまうのを良好に防止することができるようになっている。
ところで、本例の皿ユニット300の貯留皿311に多くの遊技球が貯留されることで球流入口341が貯留された遊技球によって閉鎖されて、皿裏板340の賞球連絡樋343と賞球ユニット800との間に配置された満タンユニット900内で遊技球が滞留すると、満タンユニット900の満タンスイッチ916が作動して、賞球ユニット800からの遊技球の払出しを停止したり、球発射装置650での遊技球の発射動作を停止したりするようになっており、特に球発射装置650の発射動作が停止されると遊技を中断せざる負えなくなるので、遊技者は、貯留皿311に貯留された遊技球が適宜の量となったら第一球抜きボタン351や第二球抜きボタン361を操作して、貯留皿311から遊技球を皿ユニット300の下方に配置した容器(例えば、ドル箱)へ排出する必要がある。なお、本例では、満タンスイッチ916が作動すると、貯留皿311内が満タンである旨を遊技者に案内してから球発射装置650の発射動作を停止させるようになっている。
この貯留皿311内から遊技球を排出するには、皿ユニット300の上面に配置された第一球抜きボタン351を操作する(押す)と、第一球抜き機構350の第一球抜きスライド356がスライドして、第三傾斜面311cの下流端と第一球抜き経路313との間の閉鎖を解除し、第三傾斜面311cの遊技球を第一球抜き経路313へと流下させ、球抜き経路393を介して球排出口321gから皿ユニット300の下方へと排出することができるようになっている。この第一球抜きボタン351の操作により、貯留皿311における最も低い位置となる第三傾斜面311cの下流端から遊技球を抜くことができるので、貯留皿311内から全ての遊技球を排出することができるようになっている。しかしながら、第一球抜きボタン351の操作による球抜きでは、第三傾斜面311cにおいて遊技球が一列に整列されるので、球抜きに時間がかかる問題がある。
そこで、皿ユニット300の前面左側に配置された第二球抜きボタン361を操作する(押す)と、第二球抜き機構360の第二球抜きシャッター364が移動して貯留皿311内の第二球抜き口312が開放され、貯留皿311内における第二球抜き口312よりも上流側の遊技球が第二球抜き口312を通り、球抜き経路393を介して球排出口321gから皿ユニット300の下方へと排出することができるようになっている(図62(B)を参照)。この第二球抜き口312は、図示するように、遊技球の外径よりも数倍大きい開口とされており、一度に多くの遊技球を素早く排出することができるようになっている。従って、第一球抜きボタン351と第二球抜きボタン361の二つのボタンの存在により、遊技者に対して球抜きにかける時間の長短を選択させることができるようになっている。また、遊技中に大当りとなった場合に皿ユニット300に大量の球が払出されることになり、これを放置して遊技を継続すると皿ユニット300の上流側に設けられる満タンスイッチ916(図111を参照)の機能が作動して払出動作が停止されたり弾発動作が停止されて大当り中であるにもかかわらず遊技球の打球動作が停止して遊技が継続できなくなったりする虞れがあり、このような場合に、第二球抜きボタン361の操作を行うことにより、皿ユニット300に貯留されつつある球を球抜すると同時に発射位置への球の供給を維持して大当り中の遊技を継続することができるようになっている。
また、本例の皿ユニット300では、第二球抜きボタン361を操作すると、第二球抜き機構360のラッチユニット366により、第二球抜きシャッター364が開位置で保持され、第二球抜き口312が開いたままの状態とすることができるようになっている。この状態で第二球抜き口312よりも上流側の遊技球が排出されて、第一傾斜面311a上の遊技球が殆どなくなると、球流入口341から流入する遊技球は、上述したように、外周壁311hで反射して第五傾斜面311eの方向へ流通しようとし、第四傾斜面311dや第五傾斜面311e、及び第二球抜き口312よりも下流側の第二傾斜面311bや第三傾斜面311c上に遊技球が供給されるようになっている。従って、球発射装置650の発射動作により第三傾斜面311c上の遊技球が消費されても、球流入口341から貯留皿311内へ遊技球が流入して来る限り、第二傾斜面311b、第四傾斜面311d、及び第五傾斜面311eを介して第三傾斜面311cへ遊技球が供給されると共に、遊技球の発射動作を停止させて流入してきた遊技球が多くなれば第二球抜き口312から輩出されることとなるので、第二球抜き口312を開放したままでも、常に貯留皿311内に一定量の遊技球を確保して、遊技を継続させることができるようになっている。つまり、大当り遊技状態中等の遊技球の払出しが連続するような状態でも、貯留皿311内の遊技球の量を気にすることなく遊技を続けることができるようになっている。
本例の皿ユニット300では、皿体310の貯留皿311は、図63等に示すように、その底面が第一傾斜面311a、第二傾斜面311b、第三傾斜面311cが連続して正面視で右方向(球供給口342)へ向うに従って低くなるようになっているのに対して、皿奥板340の球流入口341は、略水平に左右方向へ長く延びた矩形状とされているので、蓋然的に、貯留皿311の底面と球流入口341の底辺との間に段差が形成されるようになっていると共に、その段差が正面視右方向へ向うほど大きくなるようになっている。この貯留皿311の底面と球流入口341の底辺との間の段差は、球流入口341の左端では殆ど段差がない状態となっており、球流入口341の右端では遊技球の外径よりも若干高い段差となっている。これにより、賞球連絡樋343を介して前後方向へ略真直ぐに流入してきた遊技球は、主に段差の少ない球流入口341の中央寄りも左側の部分を通って貯留皿311内へ流入することとなるので、段差の少ない分、球流入口341から貯留皿311へ落下する遊技球の位置エネルギー(落下エネルギー)も小さく、貯留皿311へ与える負荷を軽減させて貯留皿311が破損するのを防止することができるようになっている。
ところで、貯留皿311内での遊技球の貯留量が多くなって第一傾斜面311a上にも多くの遊技球が貯留されるようになると、賞球連絡樋343を介して球流入口341から貯留皿311内へ流入する遊技球が、貯留皿311内に貯留された遊技球を横から押すような形となり、各遊技球に横方向の力が作用することで遊技球同士が押し合った状態となる。その状態で、球供給口342を介して貯留皿311(第三傾斜面311c)内の遊技球が消費されると、第三傾斜面311cの上流付近(第二傾斜面311b)で遊技球の流路の幅が狭くなると、遊技球同士が押し合って遊技球の流動性が低下し球詰りが発生する場合があるが、本例では、上述したように、球流入口341が左右方向へ延びた矩形状とされているので、賞球連絡樋343からの遊技球が棚部344を通って第二傾斜面311bへ直接流入し、第三傾斜面311cへ遊技球を供給することができるようになっている(図62(B)を参照)。
また、球流入口341の左右方向中央よりも右側の部分は、球流入口341の下辺が貯留皿311の底面に対して遊技球の外径よりも高くなっているので、棚部344を介して貯留皿311内へ流入する遊技球が、貯留皿311内に貯留された遊技球の上側に流入することとなり、遊技球同士が横方向へ押し合うのを抑制して遊技球の流動性が低下すのを防止することができると共に、上から流入する遊技球により下側の遊技球(特に皿奥板340の前面と当接した遊技球)は横方向への移動が促され、自然と球詰りを解消させることができるようになっている(図63を参照)。
このように、本例の貯留皿300は、貯留皿311内に貯留された遊技球の量が多くなっても、賞球ユニット800から払出された遊技球を、横長の球流入口341の棚部344を介して貯留皿311内に貯留された遊技球の上側へ流入させるようにしているので、貯留皿311内で遊技球の球詰りが発生するのを良好に防止することができ、貯留皿311内の遊技球を気にすることなく遊技を継続させて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
[1−2D.ガラスユニット]
次に、扉枠5におけるガラスユニット450について、主に図64乃至図66を参照して説明する。図64はガラスユニットの正面斜視図であり、図65はガラスユニットを分解して前から示す分解斜視図であり、図66は図65を後から示す分解斜視図である。このガラスユニット450は、図示するように、遊技窓101よりも大きな開口を有し合成樹脂で成型した環状で縦長八角形状のユニット枠451と、ユニット枠451の開口の前後端を夫々閉鎖する二枚の透明なガラス板452と、二枚のガラス板452の間でユニット枠451の内周に添って配置される帯状のガラス装飾基板453と、を備えている。
このガラスユニット450におけるユニット枠451は、後方側が開放されガラス装飾基板453が挿入される基板挿入溝451aと、基板挿入溝451aからユニット枠451の内周側へ向って開口する複数の開口部451bと、ユニット枠451の前後方向略中央の外周に形成された係止溝451cと、正面視で左側上端より左方向へ突出する端子板支持部451dと、上下方向中央に対して上寄りの外周位置から左右方向へ夫々突出する止め片451eと、下辺の両端から左右方向外方へ夫々突出する係止突起451fと、を備えている。
また、ガラスユニット450におけるガラス装飾基板453は、帯状で可撓性を有しており、表面側(ユニット枠451の内面側)にユニット枠451の開口部451bと対応する位置に複数のカラーLED453aが実装されており、ガラス装飾基板453をユニット枠451の基板挿入溝451a内へ挿入すると、LED453aが開口部451bを介してユニット枠451の内面側へ臨むようになっている。
更に、ガラスユニット450は、ガラス装飾基板と接続されユニット枠451の端子板支持部451dに支持されるガラス装飾中継端子板454と、ガラス装飾中継端子板454にガラス装飾基板453の端部を固定する基板押え455と、ガラス装飾中継端子板454を支持したユニット枠451の端子板支持部451dを覆う端子板ホルダ456と、を更に備えている。
このガラスユニット450は、ユニット枠451の基板挿入溝451a内にガラス装飾基板453が挿入された状態で、ユニット枠451の前後にガラス板452が夫々接着固定されている。そして、このガラスユニット450は、ユニット枠451の外周下辺に形成された係合溝451cが補強板金140の垂直折曲突片151と係合すると共に、ユニット枠451の外周縁と止め片451e及び係止突起451fとが扉枠ベース本体110のガラスユニット支持段部110a内に後側から嵌合された上で、止めレバー196により扉枠5に対して脱着可能に取付けられるようになっている。
また、ガラスユニット450は、ガラス装飾基板453のLED453aを適宜発光させることで、二つのガラス板452の間を発光装飾させることができるようになっており、これまでのパチンコ機とは異なる雰囲気(ムードのある)の遊技窓101を有したパチンコ機1とすることができるようになっている。
[1−2E.防犯カバー]
続いて、扉枠5における防犯カバー470について、主に図21及び図22を参照して説明する。この防犯カバー470は、上記したガラスユニット450の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与されたものであり、図示するように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金142,143の間のガラスユニット450の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部が遊技盤4の内レール603の下方円弧面に沿った円弧状の当接凹部471として形成されていると共に、その当接凹部471に沿って後方に向って防犯後突片474が突設されている。また、防犯カバー470を取付けた状態で軸支側裏面には、防犯後端部突片475が斜め状に突設形成されている。一方、防犯カバー470の前面には、防犯カバー470を取付けた状態でガラスユニット450におけるユニット枠451の下方形状に沿った防犯前突片472が突設されると共に、下部両端にU字状に形成される装着弾性片473が前方に向けて突設形成されている。
上記のように構成される防犯カバー470は、装着弾性片473を扉枠ベースユニット100に形成される装着開口部116に装着することにより、扉枠5の裏面側に着脱自在に取付けられる。そして、取付けた状態では、図示は省略するが、防犯前突片472がガラスユニット450のユニット枠451の後方下片面と対面するようになっている。また、防犯前突片472の前端は、垂直折曲突片151と当接している。また、防犯後突片474及び防犯後端部突片475は、後方へ突出した状態となっているが、扉枠5を閉じたときに、防犯後突片474の軸支側の半分は、遊技盤4に固定される内レール603の下側面に侵入して対面した状態となるが、防犯後突片474の開放側の半分は、前構成部材601の内レール603に形成されたレール防犯溝607に挿入された状態となり、また、防犯後端部突片475は、本体枠3の軸支側に形成される防犯突起608の上面に沿って重合状の位置となる(図76を参照)。
而して、防犯カバー470を取付けて扉枠5を閉じた状態においては、前述した扉枠突片110dと係合溝584,585とによる防犯構造、及び後述する防犯突片166と防犯空間586とによる防犯構造に加えて、ガラスユニット450の下方から不正具を侵入させようとしても、防犯前突片472とユニット枠451との重合により、防犯カバー470の前面下方方向からの不正具の侵入が防止され、防犯後突片474と前構成部材601を構成する内レール603との重合により、防犯カバー470の後面下方方向からの不正具の侵入が防止される。特に、扉枠5の軸支側の斜め下方からの不正具の侵入に対しては、防犯突起608と防犯後端部突片475との重合構造によって外レール602への不正具の侵入が阻止され、さらに内レール603と防犯後突片474との重合構造によって遊技盤4の遊技領域605への不正具の侵入を阻止することができるようになっている。
また、同様に、扉枠5の開放側の斜め下方からの不正具の侵入に対しては、前述した開放側補強板金143の二重の折曲突片153,154による防犯構造に加えて、レール防犯溝607と防犯後突片474との凹凸係合によりさらに遊技盤4の遊技領域605への不正具の侵入を阻止することができる。なお、防犯カバー470の裏面側の防犯後突片474と防犯後端部突片475との間の垂直面は、扉枠5を閉じた状態で外レール602と内レール603とで形成される打球の誘導通路の前面下方部分を覆うものであるため、誘導通路部分を飛送若しくは逆送する打球のガラス板452への衝突を防止する機能も有している。
[1−3.本体枠]
次に、パチンコ機1における本体枠3について、図67乃至図75を参照して説明する。図67は、部品を取付ける前の本体枠主体500の正面図であり、図68は、部品を取付ける前の本体枠主体500の背面図であり、図69は、部品を取付ける前の本体枠主体500の側面図であり、図70は、部品を取付ける前の本体枠主体500の背面から見た斜視図であり、図71は、部品を取付けた本体枠3の前方から見た斜視図であり、図72は、部品を取付けた本体枠3を外枠2に軸支した状態を前方から見た斜視図であり、図73は、部品を取付けた本体枠3の背面図であり、図74は、部品を取付けた本体枠3の背面から見た斜視図であり、図75は、パチンコ機1の中程(主制御基板ボックス624部分)の水平線で切断したパチンコ機の断面平面図である。
本実施形態の本体枠3は、遊技盤4が前面側から着脱自在に装着し得ると共に、打球発射装置650と、賞球を払い出すための賞球タンク720とタンクレール部材740と球通路ユニット770と賞球ユニット800(本発明の払出ユニットに相当)と満タンユニット900と、外枠2に対する本体枠3の施錠及び本体枠3に対する扉枠5の施錠を行う錠装置1000と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板1136等が一纏めに設けられている基板ユニット1100と、後面開口580を覆うカバー体1250と、等の各種の部品が装着される本体枠主体500を備えている。
まず、上記した各種の部品が装着される本体枠主体500及び各種の部品が装着された本体枠3について説明する。図67において、本体枠主体500の一側上下には、本体枠3を外枠2に開閉軸支するための上軸支金具503及び下軸支金具509(共に図71を参照)を取付けるための軸支金具取付段部501,502が形成され、この軸支金具取付段部501,502に上軸支金具503及び下軸支金具509を取付けた状態では、本体枠主体500の上辺及び側辺が上軸支金具503の上辺及び側辺と略同一平面状となり、本体枠主体500の下辺及び側辺が下軸支金具509の下辺及び側辺と略同一平面状となっている(図73を参照)。ここで、上軸支金具503と下軸支金具509について図71と図73を参照して説明する。上軸支金具503は、本体枠主体500の裏面に取付部を有すると共にその上端辺が前方に突出し、その前方に突出した上面に軸支ピン504が立設固定され、その軸支ピン504の側方に扉軸支穴505が穿設されている。
一方、下軸支金具509は、本体枠主体500の裏面に取付部を有すると共にその下端辺及びやや上部に2つの支持板506,507が一体的に突設されている。下方に位置する支持板506は、本体枠3を外枠2の下支持金具66に支持するための枠支持板506を構成するものであり、上方に位置する支持板507は、扉枠5の下軸支部148を本体枠3に支持するための扉支持板507を構成するものである。このため、枠支持板506に外枠2の下支持金具66の支持突起68を挿入するための軸支穴(図示しない)が形成され、扉支持板507に扉枠5の下軸支部148に突設される軸ピン147を挿入するための軸支穴508が穿設されている。
ところで、本体枠主体500は、正面から見た場合に、長方形状に形成され、その上部の約3/4が遊技盤4を設置するための遊技盤設置凹部510(図71を参照)となっており、その遊技盤設置凹部510の下方のやや奥まった領域が板部511となっている。また、遊技盤設置凹部510を囲む前面側の前面上辺部及び前面開放側辺部は、扉枠5の裏面と対面するように所定幅を有して形成されており、前面上辺部には、横方向に平行状に突設される突起によって上部防犯二重溝581が形成され、正面から見て右側の前面開放側辺部には、外側に側部防犯溝582が形成されると共に内側に後端が第一側面壁540に接続される傾斜面となっている内壁によって形成される防犯凹部583が形成され、正面から見て左側の前面軸支側辺部は、前面上辺部や前面開放側辺部と異なり扉枠5の裏面と対面する所定幅を有するように形成されていないが、本体枠主体500の前面軸支側辺部が前面上辺部や前面開放側面部に比べて前方への突出量が多い軸支辺部587(図110を参照)となっている。
より詳細に説明すると、前面上辺部に形成される上部防犯二重溝581は、扉枠5の上辺部裏面に取付固定される上側補強板金141の両長辺端を後方に向って折曲される折曲突片155,156が夫々挿入されるようになっているものである。また、前面開放側辺部に形成される側部防犯溝582及び防犯凹部583は、扉枠5の開放部裏面に取付固定される開放側補強板金143の両長辺端を後方に向って折曲される開放側外折曲突片153及び開放側内折曲突片154が夫々挿入されるようになっているものである。更に、前面軸支側辺部の軸支辺部587には、扉枠5の軸支側裏面に取付固定される軸支側補強板金142の軸支側L字状折曲突片157の先端部が当接するようになっている。
そして、上記した構造によって扉枠5と本体枠3との当接面の隙間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を防止することができ、特に、最も不正行為が行われやすい開放側辺部や次いで不正行為が行われやすい上辺部における不正行為の防止をはかることができる構造となっている。もちろん、軸支側における軸支側補強板金142と軸支側L字状折曲突片157との当接による不正行為の防止も充分に機能するが、多くの場合、軸支側は、頑丈な支持金具45,66と軸支金具503,509とで本体枠3と扉枠5とが連結されているため、上辺部及び開放側辺部に比べて本体枠3と扉枠5との間に隙間が作り難い。このため、本実施形態においては、二重の防犯構造ではなく、一重の防犯構造としている。これらの点については、後に詳述する。
また、遊技盤設置凹部510を囲む前面側の前面上辺部、前面開放側辺部、及び前面軸支側辺部には、上記した構成以外に前面開放側辺部の上部、中間部、下部に本体枠3の開放側裏面に取付けられる後述する錠装置1000に設けられる扉用フック部1041(図121を参照)を貫通させて前方に飛び出させるための扉用フック穴549が開設されており、また、前面軸支側辺部の内側面に遊技盤4に形成される位置決め凹部611と係合するための盤位置決め突起576が設けられている。更に、前面軸支側辺部の盤位置決め突起576のやや下方位置の内側前方面に、扉枠5を閉じた状態で軸支側補強板金142の軸支側L字状折曲突片157の先端が挿入される上下2つの規制突起577が突設されている。この規制突起577の作用については前述した通りである。また、図67に示すように、開放側の平面部分と遊技盤設置凹部510との境目の上下に遊技盤4に設けられる遊技盤止め具614の端部が係合される盤止め具挿入穴578が形成されている。
次に、板部511の構成について図67乃至図72を参照して説明する。板部511の上面は、遊技盤4を載置するための遊技盤載置部512となっており、その遊技盤載置部512の略中央に遊技盤4を載置したときに、遊技盤4に形成されるアウト口606(図76を参照)の下面を支持する通路支持突起513が突設されている。また、図67に示すように、板部511の前面の中央部から開放側の端部に向かってレール取付ボス514が所定間隔を置いて突設され、このレール取付ボス514に発射レール515(図71を参照)がビス止め固定されている。また、発射レール515の先端位置に対応する板部511の前面には、レール接続部材516が突設され、遊技盤設置凹部510に遊技盤4が設置されたときに、遊技盤4の内レール603の下流端である接続通路部609(図76を参照)と隣接するようになっている。
また、レール接続部材516の側方位置(発射レール515と反対側の位置)には、遊技盤4の下部を固定するための楕円形状の遊技盤固定具519(図71を参照)の上端部を取付けるための固定具取付ボス517が突設され、その斜め下方にストッパー518が突設されている。即ち、遊技盤固定具519は、固定具取付ボス517を中心にして回転自在に設けられ、遊技盤載置部512に遊技盤4が載置された状態で時計方向に回動して遊技盤固定具519を遊技盤4の前面に押圧して遊技盤4を固定するものである。また、遊技盤を取り外す場合には、遊技盤固定具519を反時計方向に回して取り外すことにより、簡単に行うことができる。この場合、遊技盤固定具519はストッパー518により反時計方向の余分な回転ができないようになっている。
また、板部511の開放側下部は、手前側に膨出状に突設された(裏面から見れば凹状となっている)直方体状の発射装置取付部520が形成されており、この発射装置取付部520に本体枠主体500の裏面から打球発射装置650が固定されている。この点については、後に詳述する。上記した発射装置取付部520の前面壁部分には、前述したジョイントユニット180のスライド突片183と連携されるスライド部材710(図95を参照)が収納されるハンドル連結窓522が形成され、そのハンドル連結窓522の隣接する位置に打球槌687の軸受689(図91を参照)の端面が臨む軸用穴523が開設されている。また、発射装置取付部520の上壁部分には、打球発射装置650の打球槌687が上方に突出するための槌貫通開口521が切欠形成され、その槌貫通開口521の斜め上方の板部511の前面に錠装置1000のシリンダ錠1010が貫通するシリンダ錠貫通穴526が開設されている。
一方、板部511の裏面には、図68に示すように、軸支側の上部から板部511の中央部分に向けて延設された後下方に向かう球抜排出通路524が形成されている。この球抜排出通路524は、後述する球抜接続通路880(図71を参照)から排出される球をパチンコ機1の下方から島の内部に排出するためのものである。また、上述した発射装置取付部520の上方には、円柱状の案内突起525が後方に向かって突設され、この案内突起525に後述する基板ユニット1100の案内孔1212(図128を参照)が差し込まれて基板ユニット1100の取付けを容易にしている。また、基板ユニット1100をビスで取付けるための取付穴部527が板部511の左右上下に形成され、この取付穴部527に基板ユニット1100の取付片1122を対応させてビスで止着する。また、発射装置取付部520の凹状の内部には、打球発射装置650を取付けるための発射装置取付ボス529が後方に向かって突設され、更に、開放側の最下端部には、図70に示すように、本体枠3を外枠2に対して閉じる際に、装飾カバー板15の上面に当接しながら本体枠3の閉止動作を案内するために先端が先細状で縦長形状の案内突片528が後方に向かって突設されている。
板部511には、以上説明した構成以外に、図70に示すように、軸支側の端部上面に球抜排出通路524の上流端の開口である球抜接続開口530が形成されている。この球抜接続開口530に球抜接続通路880の下流端が接続されるようになっている。また、球抜接続開口530に隣接する部分は、後に詳述する満タンユニット900(図71を参照)を載置するための満タンユニット載置部531が板部511と直交するように水平状に形成され、その満タンユニット載置部531の前方部分に満タンユニット900の係合片924(図111を参照)と係合するユニット係合溝532が形成されている。更に、図71に示すように、満タンユニット載置部531の前方の板部511の前面には、扉枠5の開放時に満タンユニット900の出口921から排出される賞球を堰き止める出口開閉装置579が設けられている。
この出口開閉装置579については、詳細に説明しないが、扉枠5が閉じているときには、扉枠5の裏面に当接するレバーによって開閉板が下降した状態となっているが、扉板5が開放されるとレバーへの当接がなくなるため開閉板が上昇して出口921を閉塞するものである。このため、扉枠5の開放時においても満タンユニット900内に貯留された賞球が出口921から零れ落ちることがない。また、図71に示すように、板部511の上端辺にそって形成される遊技盤載置部512であって発射レール515の発射部の上方に対応する位置に上下方向に貫通する締結穴533を形成し、その締結穴533の前方部分に締結バンド619を掛け止めるための締結連杆534が差し渡されている。この締結連杆534は、本体枠3からの遊技盤4の取り外しを防止するための機構である。
次に、遊技盤設置凹部510の構成について説明する。遊技盤設置凹部510は、軸支側の内側面及び上記した上辺部及び開放側の鍔面部から後方へ周設される第一側面壁540と、第一側面壁540から後方に周設される第二側面壁541と、第二側面壁541から後方に周設される第三側面壁542と、第三側面壁542から後方に周設される第四側面壁543、とにより、本体枠3の左右側辺及び上辺の後方部分が囲まれた凹状に形成されているものである。
なお、第一側面壁540〜第四側面壁543は、背面から見て上辺及び右辺(軸支側の辺)が段差をもって後方に真っ直ぐに延長されるように形成されるのに対し、左辺(開放側の辺)が第一側面壁540から第四側面壁543に向かうにしたがって内側に傾斜する段差状(図75を参照)に形成される。これは、左辺(開放側の辺)の第一側面壁540から第四側面壁543までを後方に真っ直ぐ形成したときに、本体枠3を開放する際に、第四側面壁543の最後端部が外枠2の側枠板13の内面と当接してスムーズに開放できない場合があるため、開放側の第一側壁面540から第四側面壁543までが内側傾斜状とすることによりスムーズに開放することができるようにしたものである。
また、それと同時に開放側の第一側面壁540に沿って錠装置1000が取付けられるが、その取付けを第一側面壁540の後端辺に設けられる錠取付穴547(図117を参照)を利用して行うため、その錠取付穴547を形成するためにも開放側の第一側面壁540から第四側面壁543を傾斜段差状に形成したものである。更に、第一側面壁540〜第四側面壁543の段差の寸法も、第一側面壁540と第二側面壁541との段差は、後述する遊技盤4の裏面の周辺と当接する必要があるため、ある程度大きな段差をもって形成されるが、それ以外の段差は、極めて小さな段差となっている。もちろん、第二側面壁541〜第四側面壁543までは段差を形成することなく連続的に形成してもよい。
そして、上記した側面壁540〜543は、図69に示すように、夫々奥行き幅寸法d1,d2,d3,d4を有するように形成され、本実施形態の場合、d1+d2+d3+d4=約135mmとなっている。特に、第一側面壁540の幅寸法d1は、遊技盤4の厚みに相当し、残りの第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間に遊技盤4に設けられる各種の遊技装置の後方突出部分が収納されるようになっている。
つまり、第一側面壁540は、遊技盤4の厚さと略同じ奥行寸法を有する前側面壁を構成し、第二側面壁541〜第四側面壁543は、遊技盤4の周辺部裏面と当接する段差部を有して第一側面壁540から後方に向かって略第一側面壁540と平行状に延設され且つ遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁を構成するものである。特に、本実施形態の場合には、図4に示すように、第二側面壁541〜第四側面壁543のすべての部位の後方への突出量が、本体枠3の裏面側上部に固定される賞球タンク720の球を貯留する貯留部728の後面壁722と略同じ位置となるように形成されている。
これにより、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4の略全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。
また、図68及び図70に示すように、第四側面壁543の後端辺からは背面から見てその左辺(開放側)、上辺及び右辺(軸支側)に、開放側後面壁544、上後面壁545及び後面壁としての軸支側後面壁546が夫々パチンコ機の正面と平行となるように内側に向かって突設されている。軸支側後面壁546は、その前面が平板状(図67を参照)となっており、その後面に球払出機構を構成する後述の球通路ユニット770と賞球ユニット800とが着脱自在に取付けられるようになっている。従って、軸支側後面壁546の内側への突出幅寸法は、球通路ユニット770と賞球ユニット800とを取付ける幅があれば充分である。
また、上後面壁545は、その前面が平板状(図67を参照)となっており、その後面に後述するタンクレール部材740が取付けられるため、その下端辺が傾斜状に形成されている。従って、上後面壁545の内側への突出幅は、傾斜状に取付けられるタンクレール部材740の高さ幅寸法があれば充分である。更に、開放側後面壁544には、その前面が平板状(図67を参照)となっており、その後面に後述するカバー体1250を軸支するカバー体支持筒部575が形成されている。したがって、開放側後面壁544の内側への突出幅寸法は、カバー体支持筒部575を形成する幅寸法があれば充分である。
上述したように、第四側面壁543の後端辺から内側に向かって突設される開放側後面壁544、上後面壁545及び軸支側後面壁546の前面が平板状に形成され、この平板状部分が遊技盤4の周辺部に対応するものであるため、上記したように、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4の略全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。なお、開放側後面壁544、上後面壁545及び軸支側後面壁546の内側は、後面開口580となっており、この後面開口580が後述するカバー体1250によって開閉自在に閉塞されるようになっている。
次に、遊技盤設置凹部510の更に詳細な構成について説明すると、前述したように、開放側の平面部分には、錠装置1000の扉枠用フック部1041が貫通する扉用フック穴549が上中下の3箇所開設されているが、その上下の扉用フック穴549のさらに上中下に錠装置1000の後述する係止突起1004が係合される錠係止穴548(図68を参照)が形成されている。また、開放側の第一側面壁540に沿って錠装置1000が取付けられるが、その取付けをビスで行うための錠取付穴547(図68を参照)が第一側面壁540の後端部の上部と中程に形成されている。なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されるビス止め部1003とシリンダ錠貫通穴526の上方近傍に形成される錠取付穴547とを対応させてビスで止着することにより、錠装置1000の下方も取付けられるようになっている。
また、図70に示すように、第一側面壁540の上辺前方の左右には、本体枠3を外枠2に対して閉止する際に、外枠2の上枠板10の内周面と当接する案内円弧突起552が突設され、第一側面壁540の後端辺中央に後述する賞球タンク720の切欠部729と連通する逃げ凹部551が形成され、第一側面壁540と第二側面壁541と接続する垂直面にタンク取付溝550が形成されている。そして、このタンク取付溝550に賞球タンク720の取付鍔部733を取付けたときには、図74に示すように、賞球タンク720の切欠部729が逃げ凹部551と連通して賞球タンク720内に貯留された球の球圧が増加したときに圧抜きして球詰まりが発生しないように機能する。また、賞球タンク720を本体枠3に取付けたときには、平面視で賞球タンク720の正面側から見て奥側の後面壁722と第四側面壁543の後端辺が略一致(図4を参照)するようになっている。なお、上記した案内円弧突起552は、本体枠3の上辺を外枠2の上枠板10の内周面と当接させることにより、本体枠3を持ち上げて本体枠3の下辺と装飾カバー板15との間に隙間を形成し、その隙間から不正器具を挿入するような不正行為を防止するためのものである。
また、前述した上後面壁545には、タンクレール部材740を取付けるためのレール係止溝553が後面開口580の開口縁に沿って形成されており、また、第四側面壁543と上後面壁545の屈曲部にレール係止溝554が形成されている。そして、これらレール係止溝553,554にタンクレール部材740の係止突片749,750(図99を参照)を係止させることにより、タンクレール部材740を本体枠3に取付けることができる。また、タンクレール部材740を取付けたときの下流側に対応する上後面壁545の上部には、レール掛止弾性片555が形成され、レール係止溝553,554にタンクレール部材740の係止突片749,750を係止させて、タンクレール部材740を本体枠3に取付けたときに、その係止状態が外れないようにレール掛止弾性片555がタンクレール部材740の下流側上端の上から当接するようになっている。
このタンクレール部材740を取り外すときには、レール掛止弾性片555を後方へ押圧しておいてからレール係止溝553,554と係止突片749,750との係止状態を解除すべくタンクレール部材740を上方に持ち上げればよい。また、レール掛止弾性片555の側方に逃げ穴556が穿設され、レール掛止弾性片555の下方にアース線接続具557(図110等を参照)形成されている。逃げ穴556は、タンクレール部材740に設けられる整列歯車747の軸ピン748の端部を逃がすために穿設されるものであり、また、アース線接続具557は、タンクレール部材740の内部に貼着される金属製の導電板(図示しない)に接触していると共に、電源基板1136に設けられるアース用コネクタに接続される配線が接続されるものである。
また、軸支側後面壁546には、図68及び図70に示すように、軸支側後面壁546の左右両端に垂直状の立壁560を立設し、その立壁560の間に球通路ユニット770と賞球ユニット800とが取付けられる。また、左右の立壁560の間の最上流部から中流部よりやや上方まで賞球案内突起561が屈曲状に突設されている。この賞球案内突起561は、軸支側後面壁546にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように後方に向かって突設され、後述する球通路ユニット770を取付けたときに、球通路ユニット770の球落下通路772(図104を参照)に対応するもので、賞球を一列状に誘導するものである。また、賞球案内突起561の左右には、球通路ユニット770をビスで止着するための通路ユニット取付ボス562、及び位置決めするための位置決めピン574が突設されると共に、後述する球切れスイッチ778(図104を参照)に対面するスイッチ対応突起563が突設されている。通路ユニット取付ボス562及び位置決めピン574については、後に詳述する。
更に、左右の立壁560の中流部から下流部にかけて賞球ユニット800の係合部としての鉤状係合部824(図106を参照)と係合する係止部としての係合突片565と、賞球ユニット800のボタン挿通係合穴821(図106を参照)と係合するロック用弾性爪564と、が形成されると共に、賞球ユニット800のスプロケット807の回転軸808(図106を参照)の端部が受入れられる逃げ穴566が形成されている。また、軸支側後面壁546の下方には、払出モータ用逃げ開口部572が形成されており、この払出モータ用逃げ開口部572に賞球ユニット800の駆動モータとしての払出モータ815が臨むようになっている(図71を参照)。そして、賞球ユニット800は、軸支側後面壁546の裏面最下端に形成される係止溝573のその下端を係止して係合突片565及びロック用弾性爪564によって軸支側後面壁546に着脱自在に取付けられるようになっている。この着脱自在の構成については、後に詳述する。
また、軸支側後面壁546の開放側の端部には、そのカバー体1250の開放側の端辺が入り込むカバー体当接溝567が形成されていると共に、カバー体当接溝567の下方に施錠壁569が突設されている。カバー体当接溝567には、カバー体1250の止め穴1253(図74及び図139を参照)に対応する止め穴568が形成されており、これら止め穴1253,568とを一致させて図示しないビスで止着することにより、カバー体1250によって本体枠3の後面開口580を閉塞固定することができるようになっている。また、施錠壁569には、平面視U字状の施錠用突出鉤片570が突設され、本体枠3に対してカバー体1250を閉じた状態で施錠用突出鉤片570をカバー体1250に形成される貫通穴1254(図74を参照)を貫通させ、例えば、南京錠等の錠を施錠用突出鉤片570に掛け止めることにより、南京錠の鍵を有する責任者しかカバー体1250を開放することができないようにすることができる。
以上、遊技盤設置凹部510及び板部511とからなる本体枠主体500の構成について説明してきたが、上記に説明した以外に、板部511の最下端辺部に、扉枠5を閉じたときに、扉枠ベース本体110の下辺を後方に向けて折曲した扉枠突片110d,110e(図25を参照)が挿入される係合溝584,585(図67を参照)が形成されている。係合溝584は、前述した発射装置取付部520の下方に形成される溝であり、係合溝585は、係合溝584の一端から軸支側に向って形成される溝である。なお、係合溝585に対応する扉枠突片110dは、係合溝584に対応する扉枠突片110eの突出量よりも大きくなるように後方に向って突設されている。ただし、開放端下部には、突出量の多い扉枠突片110dが僅かに形成されている。そして、上記した扉枠突片110d,110eと係合溝584,585とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における外側の突条及び係合部を構成するものである。
上記のように板部511には、発射レール515や出口開閉装置579が設けられ且つレール接続部材516や発射装置取付部520が突設形成されているが、発射装置取付部520及び発射レール515の板部511における配置位置が開放側に偏り、しかもそれらが板部511の表面よりも突出して形成されている。このため、扉枠5を閉じた状態において、発射装置取付部520及び発射レール515が配置される板部511の略中央部から開放側にいたる領域は、扉枠5の裏面と発射装置取付部520及び発射レール515の前面とが密着した状態となるため、前述した扉枠突片110dと係合溝585との隙間を上手にすり抜けてきたピアノ線等の不正具を扉枠5の裏面と発射装置取付部520及び発射レール515の前面との間をさらに上手にすり抜けさせて遊技盤4の表面側若しくは遊技盤4の裏面側に到達させることは極めて困難である。
一方、発射装置取付部520及び発射レール515が配置されない板部511の略中央部から軸支側にいたる領域は、板部511の表面に突出した部分がないため、扉枠5を閉じた状態において、扉枠5の裏面と板部511の前面との間に空間586が生じてしまう。このため、前述した扉枠突片110dと係合溝584との隙間を上手にすり抜けてきたピアノ線等の不正具が扉枠5の裏面と板部511の前面との間の空間586を簡単にすり抜けてしまうことができるため、この空間586を不正具が上方に向ってすり抜けないように、扉枠5の裏面下部に取付けられる装着台160には、扉枠5を閉じた状態で空間586に侵入する防犯突片166が形成されている。この防犯突片166は、板部511の略中程から軸支側端部までいたるように装着台160に形成されている。したがって、発射レール515及び遊技盤4に取付けられる外レール602の下方空間は、装着台160に突設される防犯突片166を受入れる防犯空間586を構成している。そして、この防犯突片166と防犯空間586とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における内側の突条及び係合部を構成するものである。
本体枠3は、上記したように、遊技盤4、打球発射装置650、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、満タンユニット900、錠装置1000、基板ユニット1100及びカバー体1250が取付けられるが、以下、これらを順次説明する。
[1−3A.遊技盤の概略構成]
遊技盤4の概略構成について図76乃至図86を参照して説明する。図76は、遊技盤4の正面から見た斜視図であり、図77は、遊技盤4の正面図であり、図78は、遊技盤4の背面図であり、図79は、遊技盤4の平面図であり、図80は、遊技盤4に形成される取り外し防止機構部分の拡大斜視図であり、図81は、遊技盤4の取り外し防止機構に対する本体枠側の構造を示す本体枠3の部分斜視図である。また、図82は、図76乃至図79に示す遊技盤とは異なる第二の実施形態の遊技盤における前構成部材、遊技パネル、及びパネルホルダを組立てた状態で縦方向に切断して示す断面図であり、図83は、第二の実施形態の遊技盤を主に構成する前構成部材、遊技パネル、及びパネルホルダ等を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図84は、図83を斜め後から見た分解斜視図である。更に、図85は、盤用基板ホルダに主制御基板ボックスを固定した状態で斜め後から示す斜視図である。図86は、図85を盤用基板ホルダ、ドロワホルダ、及び主制御基板ボックスに分解して斜め後から示す分解斜視図である。また、図87は遊技盤における機能表示ユニットの分解斜視図の概略図である。更に、図88は機能表示シールの概略図であり、図89は遊技窓を介して遊技盤の機能表示シールを見た部分図である。
本実施形態の遊技盤4は、図76乃至図79等に示すように、外形が略正方形状で所定厚さのベニア板等の木製合板により形成された遊技パネル600と、遊技パネル600の前面に遊技領域605を囲むように取付けられる前構成部材601と、前構成部材601の後側に固定される機能表示ユニット640(図87等を参照)と、から構成されており、遊技パネル600により遊技領域605の後端が区画形成されるようになっている。
一方、第二の実施形態の遊技盤4は、図82乃至図83に示すように、透明板状の遊技パネル600Aと、遊技パネル600Aを保持し外形が略正方形状のパネルホルダ630と、パネルホルダ630を介して遊技パネル600Aの前面に取付けられる前構成部材601と、前構成部材601に固定される機能表示ユニット640と、から構成されており、第一の実施形態の遊技パネル600が、透明な遊技パネル600Aとパネルホルダ630とに分割して構成されていると共に、前構成部材601と機能表示ユニット640は、第一の実施形態と同じ構成とされている。
遊技パネル600,600Aの表面には、遊技領域605に各種の遊技装置や多数の障害釘(いずれも図示省略)が植立されている。そして、それらの遊技装置や障害釘が設けられた後に前構成部材601がパネルホルダ630の前面に取付けられるが、その前構成部材601は、遊技領域605の外周を囲むように内部が円形の空洞状に形成され且つ外形がパネルホルダ630の外形に沿った形状に形成されており、その下辺中程から上辺の中心を過ぎた斜め上方までの円弧面が外レール602として形成され、その外レール602の終端に設けられる衝止部620の下部位置から上辺の衝止部620の対称の逆流防止部材604が設けられる位置までが内レール603として形成されている。外レール602は、その始端部に発射レール515の延長状に設けられたレール接続部材516に連接する接続通路部609が斜め状に形成されており、その接続通路部609に隣接してファール口610が形成されている。また、ファール口610の上流端から衝止部620までの外レール602には、金属製のレールが密着して取付けられている。
なお、衝止部620は、勢いよく外レール602を滑走してきた打球が衝突したときに、その衝突した打球を遊技領域605の内側に反発させるようにゴムや合成樹脂の弾性体が設けられるものであり、逆流防止部材604は、一端発射されて遊技領域605の内側に取り入れられた打球が再度外レール602に逆流しないように防止するものである。更に、外レール602の下部一側には、金属製のレールの一部に沿うように防犯突起608が突設されている。この防犯突起608は、扉枠5が閉じられた状態で前述したように防犯カバー470に突設される防犯後端部突片475と上下方向に重複して本体枠3と扉枠5の軸支側の隙間の中程よりやや下方から挿入されるピアノ線等の不正具の侵入を防止するものである。
また、内レール603の下部中央には、アウト口606が設けられ、そのアウト口606から逆流防止部材604までの内レール603と外レール602との間は、発射された打球が遊技領域605まで誘導される誘導通路を構成するものであるが、遊技領域605に到達せずに外レール602を逆流した打球はファール口610に取り込まれて後述する満タンユニット900のファール球入口923に導かれて再度皿ユニット300に排出されるようになっている。なお、遊技領域605は、実質的に内レール603によって囲まれる領域である。また、内レール603のアウト口606から衝止部620に向かう途中の前構成部材601には、レール防犯溝607が形成されている。このレール防犯溝607は、扉枠5が閉じられた状態で前述したように防犯カバー470に突設される防犯後突片474の一部が侵入するように溝状に形成されており、このレール防犯溝607と防犯後突片474との凹凸係合により、上下方向に重複して本体枠3と扉枠5における開放側の隙間の中程よりやや下方から挿入されるピアノ線等の不正具の侵入を最終的に防止するものである。
ところで、遊技盤4の一側には、本体枠3に形成される盤位置決め突起576に嵌合する位置決め凹部611が形成され、遊技盤4の他側には、本体枠3に形成される盤止め具挿入穴578に挿入される遊技盤止め具614が設けられている。遊技盤止め具614は、押し込み固定したときにその端部が盤止め具挿入穴578に挿入されるようになっている。而して、遊技盤4を本体枠3に固定するためには、本体枠3の前面側から位置決め凹部611が盤位置決め突起576に嵌合するように斜め方向から差し込んだ後、遊技盤4の全体を本体枠3の第一側面壁540に押し込み、その状態でフリーな状態となっている遊技盤止め具614を押し込み固定してその端部を盤止め具挿入穴578に挿入して固定する。その後、遊技盤固定具519を回動して遊技盤4の下部前面を固定する。これによって遊技盤4を本体枠3に簡単に装着することができる。遊技盤4を取り外すには、上記の手順と逆の手順で取り外せばよい。
また、本実施形態における遊技盤4は、遊技盤4の本体枠3からの不正な取り外しを極めて簡単に防止する構成を有している。即ち、図76及び図80に示すように、遊技盤4の下方の通路用切欠部613と反対側の下端部に遊技盤4の前後に貫通する取付用切欠部616を形成し(正確には、前構成部材601に取付用切欠部616が形成されている。)、その取付用切欠部616の下部に水平方向に締結バー617を掛け渡し固定する。締結バー617には、その略中央に締結バンド619を掛け止めるための帯溝状の締結部618が形成されている。一方、本体枠3に設けられる取り外し防止機構としては、前述したように、本体枠3下方の板部511の上端辺にそって形成される遊技盤載置部512であって発射レール515の発射部の上方に対応する位置に上下方向に貫通する締結穴533を形成し、その締結穴533の前方部分に締結バンド619を掛け止めるための締結連杆534が差し渡されている(図81を参照)。
上記のように構成される遊技盤4を本体枠3の遊技盤設置凹部510に収納配置したときには、図80に示すように、締結バー617が遊技盤載置部512に当接して載置した状態になると共に、締結部618と締結連杆534とが一致した状態となる。そして、その状態で締結部618と締結連杆534との一致している部分に対して、締結バー617の上方から一般的に市販されている締結バンド619の先端を取付用切欠部616に差し込んで下方に向けて締結穴533に差し込み前方に導き、その先端を締結バンド619の締結具部分に係合させる。そして、締結バンド619の締結具より前方に飛び出した不必要な先端部分を切断しておく。このようにすれば、締結バンド619を切断しない限り、遊技盤止め具614と遊技盤固定具519等の固定を解除しても、遊技盤4を本体枠3から取り外すことができない。締結バンド619を切断すれば、遊技盤4を本体枠3から取り外すことはできるものの、例えば、締結バンド619をパチンコ店独特のものを使用することにより、異なる締結バンドが締結されていれば、遊技盤4を取り外して何らかの不正行為を行われたことが容易に理解することができるものである。このように極めて簡単な取り外し防止機構により遊技盤4の本体枠3からの不正な取り外しを防止することができる。
また、遊技盤4の外形形状は、その上部左右に切欠部612が形成され、また、ファール口610の側方斜め下に後述する満タンユニット900の前方誘導通路920部分の一部が挿入される通路用切欠部613が形成されている。また、前構成部材601の下方左右には、証明確認用の証紙を貼付する証紙貼付部615が設けられている。更に、前構成部材601における下方右の証紙貼付部615の上側には、機能表示シール649が貼付けられている。
一方、遊技盤4の裏面には、遊技領域605に設けられる各種の遊技装置(例えば、一般入賞口2004,2101、始動口2001,2002、大入賞口2003、等)に入賞した球を下流側に整列して誘導することができる裏箱621の裏面に遊技領域605の略中央に配置される表示装置としての液晶表示装置1400(図151等を参照)の表示を制御する液晶制御基板4150及び周辺制御基板4140が収納される周辺基板ボックス622が取付けられている。
更に、遊技盤4の裏面には、裏箱621の下方に盤用基板ホルダ623が固定されている。この盤用基板ホルダ623は、その前方に裏箱621によって整列誘導された入賞球を集めるように空間部(この空間部は、前後方向の幅が裏箱621の幅よりも比較的広いものとして形成されている。)が形成され、その空間部の底面に落下口629(図75を参照)が形成されている。この落下口629は、アウト口606の後面部分で合流して後述する基板ユニット1100に形成されるアウト球通路1119(図128を参照)に連通するものである。
また、盤用基板ホルダ623には、その裏面に遊技動作を制御する主制御基板4100を収納する主制御基板ボックス624と、後述する基板ユニット1100に設けられる払出制御基板1186や電源基板1136等と接続するための中継端子板625と、が取付けられている。中継端子板625には、遊技盤4を本体枠3に装着するだけで自動的に基板ユニット1100に設けられているドロワコネクタ1200,1202と接続されるドロワコネクタ626,627が備えられている。
更に、盤用基板ホルダ623には、ドロワコネクタ626,627の間から中継端子板625を貫通するように後方に向かって突出する接合案内突起628が形成されている。この接合案内突起628は、後に詳述するように遊技盤4を本体枠3に装着する作業を行ったときに、基板ユニット1100側に設けられるドロワコネクタ1200,1202と遊技盤4側に設けられるドロワコネクタ626,627とが自然に接続されるように基板ユニット1100の枠用基板ホルダ1101に形成される接合案内孔1213に挿入される(図128を参照)ものである。なお、これらドロワコネクタの接続については、後に詳述する。
[1−3A−1.前構成部材・遊技パネル・パネルホルダ・パネル裏板]
続いて、第二の実施形態の遊技盤4における遊技パネル600Aの保持構造について、主に図82乃至図84を参照して詳細に説明する。この遊技盤4は、図示するように、遊技領域605と対応する大きさの透明な合成樹脂からなる板状の遊技パネル600Aと、遊技パネル600Aを前方から着脱可能に保持する合成樹脂からなる枠状のパネルホルダ630と、パネルホルダ630の前側に配置され遊技領域605の外周を区画形成すると共に遊技領域605内に遊技球を案内する案内する外レール602及び内レール603を備えた前構成部材601と、パネルホルダ630の後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内に配置される板状のパネル裏板635とを主に備えている。
この前構成部材601は、図示するように、その後面側に、後方へ突出する複数の位置決めボス601a及び位置決め突起601bが備えられている。これら位置決めボス601a及び位置決め突起601bは、詳細は後述するが、後側に配置されるパネルホルダ630や盤用基板ホルダ623、及び遊技パネル600Aと位置決めできるようになっている。
遊技盤4における遊技パネル600Aは、その外形が遊技領域605よりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂板により形成されている。なお、遊技パネル600Aの板厚は、パネルホルダ630よりも薄く、図示しない障害釘を植設しても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。
この遊技パネル600Aには、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔600aと、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔600bが夫々備えられている。これら嵌合孔600a及び長孔600bは、遊技領域605よりも外側に配置されており、パネルホルダ630との位置決めを行うものである。また、遊技パネル600Aには、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部600cが夫々備えられている。この係合段部600cは、遊技パネル600Aの板厚の略半分を切欠いた形態とされると共に、嵌合孔600a及び長孔600bと同様に、遊技領域605よりも外側に配置されており、遊技パネル600Aをパネルホルダ630へ係合固定するためのものである。
また、遊技パネル600Aには、所定位置に内レール固定孔600dが複数備えられている。この内レール固定孔600dに内レール603の後側から突出する位置決め突起601bを嵌合固定させることで、内レール603を所定の位置に固定することができるようになっている。
更に、遊技パネル600Aには、センター役物2300、及びアタッカユニット2000等が備えられるように内形が所定形状で前後方向に貫通する開口部600eが複数形成されていると共に、それらを固定するための固定孔が適宜位置に形成されている。なお、これら開口部600eは、遊技パネル600Aの上下左右方向の外周に対して貫通しないような形状となっており、遊技パネル600Aの外周が繋がっているので、開口部600eによって遊技パネル600Aの強度が低下するのを抑制するようになっている。
遊技盤4におけるパネルホルダ630は、遊技パネル600Aを包含する大きさで外形が略四角形状とされ、第一の実施形態の遊技盤4における遊技パネル600の厚さと略同じ厚さ(本例では、約20mm)とされた熱可塑性合成樹脂からなるものである。このパネルホルダ630には、遊技パネル600Aを着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部630aと、保持段部630aの内側において略遊技領域605と同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口630bとを主に備えている。
パネルホルダ630の保持段部630aは、前面からの深さが遊技パネル600Aの厚さと略同じ深さとされており、保持段部630a内に保持された遊技パネル600Aの前面がパネルホルダ630の前面と略同一面となるようになっている。また、この保持段部630aは、その前側内周面が、遊技パネル600Aの外周面に対して所定量のクリアランスC(図82を参照)が形成される大きさとされている。このクリアランスCにより、温度変化や経時変化により相対的に遊技パネル600Aが伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。なお、クリアランスC内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ630には、保持段部630aに保持される遊技パネル600Aに形成された嵌合孔600a及び長孔600bと対応する位置に配置され、保持段部630aの前面から前方に向かって延び、遊技パネル600Aの嵌合孔600a及び長孔600bに嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン630cを備えている。これらの突出ピン630cを遊技パネル600Aの嵌合孔600a及び長孔600bに嵌合及び挿通することで、パネルホルダ630と遊技パネル600Aとを互いに位置決めすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ630には、遊技パネル600Aの係合段部600cと対応する位置に、係合段部600cと係合する係合爪630d及び係合片630eを供えている。詳述すると、甲82及び図82に示すように、係合爪630dは、パネルホルダ630の上側の保持段部630aに配置されており、遊技パネル600Aにおける上側の係合段部600cと対応し、保持段部630aの前面から前方に向かって突出し係合段部600cと弾性係合するようになっている。この係合爪630dは、その先端がパネルホルダ630の前面から突出しない大きさとされている。一方、係合片630eは、パネルホルダ630の下側の保持段部630aに配置され、遊技パネル600Aにおける下側の係合段部600cと対応し、保持段部630aの前面との間に遊技パネル600Aの係合段部600cが挿入可能な大きさの所定の隙間を形成した状態で、パネルホルダ630の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びる形態とされている。これら係合爪630d及び係合片630eに遊技パネル600Aの係合段部600cを係合させることで、遊技パネル600Aがパネルホルダ630に対して着脱可能に保持されるようになっている。
また、パネルホルダ630には、前構成部材601に備えられた位置決めボス601aを挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔630fを備えており、このボス挿通孔630fに前構成部材601の位置決めボス601aを挿通することで、パネルホルダ630と前構成部材601とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ630には、図82及び図84に示すように、その後面側に、上下方向の中央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部630gが備えられている。この取付支持部630gにより、パネルホルダ630の後面は、下端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部630gに取付固定される裏ユニット2000における裏箱621のフランジ状の固定部621a(図154等を参照)を収容できる深さ(本例では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とすることが望ましい)とされている。この取付支持部630gに所定の部材を取付固定することで、その固定部621aがパネルホルダ630よりも後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ630すなわち遊技盤4をパチンコ機1の遊技盤設置凹部510内に確実に設置装着できるようになっている。
また、パネルホルダ630の後面側には、下端より所定高さまでの所定範囲内で取付支持部630gが形成された位置より下側に形成され、前側に向かって窪み、パネル裏板635を収容可能な収容凹部630hと、この収容凹部630h内に前後方向に貫通するように配置されパネル裏板635に形成された係止爪635cを係止可能な係止部630iとを更に備えている。この収容凹部630hは、パネル裏板635の係止爪635cを係止部630iに係止させることでパネル裏板635を着脱可能に収容すると共に、収容されたパネル裏板635の後面が、パネルホルダ630の後面と略同一面となるように形成されている。
更に、パネルホルダ630には、図82及び図84に示すように、後面側の取付支持部630g内及び収容凹部630hよりも上側に配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔630jが所定配列で配置されている。また、パネルホルダ630には、取付孔630jと対応するように配置される複数の位置決め孔630kが備えられている。この位置決め孔630kは、取付孔630jを用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば、裏箱621における前面のフランジ状に形成された固定部621aから前方へ突出する位置決め突起(図示は省略する))が挿入されるものである。なお、本例では、位置決め孔630kは、背面視略矩形状(角孔状)の止り孔とされている。
なお、取付孔630jに対して、その孔の内径が大径のものと小径のものとを混在させるようにして、取付固定する所定の部材の大きさや重量等に応じて、適宜径の取付孔630jを用いるようにしても良い。
更に、パネルホルダ630には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部630lが形成されており、肉抜き部630lによりパネルホルダ630の重量が軽減されるようになっている。図83に示すように、収容凹部630hの前側、つまり、パネルホルダ630の前面側の下端から所定高さまでの所定範囲内には、これらの肉抜き部630lが形成されておらず、その範囲内では、パネルホルダ630の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される前構成部材601の接続通路部609の後面が略平らな面となり、打球発射装置650から発射された遊技球が、滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ630は、図示するように、肉抜き部630lが形成されることで、取付孔630j等がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネルホルダ630の強度を維持したりするために、格子状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ630には、障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等の位置決め手段に対応した位置決め部630mが形成されており、障害釘植設装置に遊技パネル600を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ630の下部には、前構成部材601のアウト口606と連通する開口630nと、前構成部材601のファール口610と連通する連通孔630oとが更に備えられている。
次に、パネル裏板635は、パネルホルダ630の後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内の肉抜き部630lを覆うように配置されると共に、パネルホルダ630の収容凹部630hに後面同士が略同一面となるように収容可能とされ、平面状の後面に所定配列で配置され所定のビスを螺合可能な複数のビス孔635aと、ビス孔635aと対応するように配置される複数の位置決め孔635bと、パネルホルダ630の係止部630iに係止可能な係止爪635cと、前面側から貫通しないように陥没する減量用の凹陥部635dとを備えている。
なお、このパネル裏板635におけるビス孔635a及び位置決め孔635bは、パネルホルダ630における取付孔630j及び位置決め孔630kと略同じ構成とされている。また、このパネル裏板635もパネルホルダ630と同様に、凹陥部635dにより、ビス孔635a及び位置決め孔635b等が形成された部分がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネル裏板635の強度を維持したりするために、格子状のリブが形成された状態となっている。更に、パネル裏板635には、パネルホルダ630の開口630n、連通孔630o、及びボス挿通孔630fと対応した位置に前後方向に貫通する開口635eが備えられている。
このパネル裏板635は、パネルホルダ630の収容凹部630hに収容させると共に、パネル裏板635の係止爪635cをパネルホルダ630の係止部630iに係止させることで、パネルホルダ630と一体となり、その状態では、パネル裏板635の後面が、パネルホルダ630の後面と略同一面となる。このようにパネルホルダ630とパネル裏板635とを一体化することで、パネルホルダ630の後面側には、貫通口630bの外周側で略全周に亘って所定配列で取付孔630j、ビス孔635a等からなる取付孔と、位置決め孔630k及び635bが配置されることとなり、それら取付孔の存在により、所定の部材を任意の位置に取付固定できるようになっている。
上述したように、本例における遊技パネル600Aの保持構造によると、前方からパネルホルダ630の保持段部630a内へ遊技パネル600Aを嵌合挿入して、係合爪630d及び係合片630eと、係合段部600cとを係合させることで、パネルホルダ630に遊技パネル600Aを保持させることができると共に、遊技パネル600Aとパネルホルダ630の前面側が略面一となるようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくても遊技パネル600Aをパネルホルダ630に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘の植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるようになっている。
また、遊技領域605を有した遊技盤4を、遊技パネル600A、パネルホルダ630、及び前構成部材601に分割するようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化する遊技パネル600Aを交換パーツとすると共に、パネルホルダ630及び前構成部材601を共通パーツとすることができ、パネルホルダ630や前構成部材601等をリサイクル可能とすることができると共に遊技パネル600Aのみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤4を備えたパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ630に予め複数の取付孔630jが所定配列で備えられているので、機種に応じてパネルホルダ630の後面側に取付固定される裏ユニット2000や盤用基板ホルダ623等の種々の所定の部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取付孔630jの位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ630を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができるようになっている。
[1−3A−2.盤用基板ホルダ]
続いて、遊技盤4における盤用基板ホルダ623の詳細な構成について、主に図85及び図86を参考にして説明する。この盤用基板ホルダ623は、遊技パネル600又はパネルホルダ630の後側に取付固定されるものであり、図示するように、前方及び上方が開放された箱状とされ、その底部が左右方向の略中央で前側に向かって低くなるように傾斜しており、遊技パネル600,600Aの後側に排出された遊技球を受け取った上で、左右方向の略中央から下方へ排出することができるようになっている。この盤用基板ホルダ623の後面には、主制御基板ボックス624を取付けるための主制御基板ボックス取付部623aが形成されていると共に、主制御基板ボックス取付部623aの横(背面視で右側)に主制御基板ボックス624に備えられた封止部624aと対応する被封止部623bが形成されている。また、盤用基板ホルダ623の後面には、中継端子板625及びドロワコネクタ626,627を支持するドロワホルダ636が固定されている。
本例の主制御基板ボックス624は、盤用基板ホルダ623の後面の主制御基板ボックス取付部623aに支持されると共に、主制御基板ボックス624の封止部624aが主制御基板ボックス取付部623aの横の被封止部623bへ封止されるようになっている。そして、この状態で主制御基板ボックス624を盤用基板ホルダ623から取り外す場合、主制御基板ボックス取付部623aの被封止部623bに開封痕が残るようになっており、主制御基板ボックス624が不正に取り外されたか否かが目視で判るようになっている。
[1−3A−3.機能表示ユニット]
まず、本実施形態のパチンコ機1における機能表示ユニットは、図87に示すように、機能表示基板640a、カバー部材640bを備えいる。この機能表示基板640aは、図示するように、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12を備えおり、セグメント表示器SEG1には第一特別図柄表示器641が割り当てられ、セグメントSEG2には第二特別図柄表示器642が割り当てられている。セグメント表示器SEG1,SEG2は、英数字及び図形等を表示することができるようになっており、これらの英数字及び図形等を特別図柄として表示することによって、後述するアタッカユニット2000の第一始動口2001に遊技球が入賞すると、セグメント表示器SEG1が所定の特別図柄を変動表示し、第二始動口2002に遊技球が入賞すると、セグメント表示器SEG2が所定の特別図柄を変動表示するようになっている。
また、LED1には第一特別図柄記憶ランプ643a、LED2には第一特別図柄記憶ランプ643bが夫々割り当てられ、LED3には第二特別図柄記憶ランプ644a、LED4には第二特別図柄記憶ランプ644bが夫々割り当てられている。第一始動口2001へ入賞した遊技球は、特別図柄の変動表示で使用されないときには、入賞した遊技球の球数を第一特別図柄の保留数として第一特別図柄記憶表示器643が点灯又は点滅するようになっている。具体的には、第一特別図柄の保留球(始動記憶)が1球のときには第一特別図柄記憶ランプ643aが点灯して第一特別図柄記憶ランプ643bが消灯し、保留球が2球のときには第一特別図柄記憶表示器643がともに点灯し、保留球が3球のときには第一特別図柄記憶ランプ643aが点滅して第一特別図柄記憶ランプ643bが点灯し、保留球が4球のときには第一特別図柄記憶表示器643がともに点滅する。一方、第二始動口2002へ入賞した遊技球は、特別図柄の変動表示で使用されないときには、入賞した遊技球の球数を第二特別図柄の保留数として第二特別図柄記憶表示器644が点灯又は点滅するようになっている。具体的には、第一特別図柄の保留球(始動記憶)が1球のときには第二特別図柄記憶ランプ644aが点灯して第二特別図柄記憶ランプ644bが消灯し、保留球が2球のときには第二特別図柄記憶表示器644がともに点灯し、保留球が3球のときには第二特別図柄記憶ランプ644aが点滅して第二特別図柄記憶ランプ644bが点灯し、保留球が4球のときには第二特別図柄記憶表示器644がともに点滅する。
更に、LED5には普通図柄表示器645が割り当てられている。LED5は赤色/緑色/橙色を点灯することができるLEDであり、これらの赤色/緑色/橙色を組み合わせて点灯することもできるようになっている。LED5は、その点灯する色を普通図柄として表示することによって、後述するゲート部材2200のゲート2201を遊技球が通過すると、所定の普通図柄が変動表示するようになっている。
また、LED6〜LED9には普通図柄記憶表示器646が夫々割り当てられている。ゲート2201を通過した遊技球は、普通図柄の変動表示で使用されないとき(普通図柄表示器645にて普通図柄の変動表示を実行しているとき及び可動片2005を開閉動作させているときにゲート2201を通過したことにより即座に普通図柄の変動表示に使用されない遊技球)には、通過した遊技球の球数を保留数として普通図柄記憶表示器646が点灯するようになっている。具体的には、保留球が1球のときには普通図柄記憶ランプ646aが点灯して普通図柄記憶ランプ646b〜646dが消灯し、保留球が2球のときには普通図柄記憶ランプ646a,646bが点灯して普通図柄記憶ランプ646c,646dが消灯し、保留球が3球のときには普通図柄記憶ランプ646a〜646cが点灯して普通図柄記憶ランプ646bが消灯し、保留球が4球のときには普通図柄記憶表示器646がすべて点灯する。
また、LED10には遊技状態表示器647が割り当てられている。LED10は赤色/緑色/橙色を点灯することができるLEDであり、これらの赤色/緑色/橙色を組み合わせて点灯することもできるようになっている。LED10は、その点灯する色を遊技状態として表示することによって、遊技状態が確率変動である旨を報知するようになっている。
更に、LED11には2ラウンド表示ランプ648a、LED12には15ラウンド表示ランプ648bが夫々割り当てられている。上述したように、2ラウンド表示ランプ648aは大入賞口2003が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回である旨を点灯して報知するようになっており、一方、15ラウンド表示ランプ648bはラウンドが15回である旨を点灯して報知するようになっている。
このように、機能表示基板640aに実装された、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12は、第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648が夫々割り当てられており、各種機能表示を行う、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12、つまり第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648が機能表示基板640aに集約された構成になっている。
また、第一特別図柄表示器641及び第二特別図柄表示器642は、大当り遊技状態を特別図柄として夫々変動表示するため、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648と区別して、それらに割り当てられるLED1〜LED12と異なるセグメント表示器SEG1,SEG2を用いて、英数字及び図形等を特別図柄として変動表示している。
なお、普通図柄記憶表示器646に割り当てられるLED6〜LED9の数と、ラウンド表示器648に割り当てられるLED11,LED12の数と、の和が固定値6となっている。
ところで、機能表示基板640aは、カバー部材640bに図示しないネジで固定され、カバー部材640bが遊技盤4の前構成部材601の裏面から図示しないネジで取付けられるようになっている。前構成部材601には、機能表示基板640aのセグメントSEG1,SEG2に対応する位置にセグメント表示器用開口601cが形成されており、これらのセグメント表示器SEG1,SEG2が表示する内容を視認できるようになっている。
また、前構成部材601には、図87にも示すように、機能表示基板640aのLED1〜LED12に対応する位置にLED用挿通孔601dが夫々設けられており、カバー部材640bを前構成部材601の裏面に取付ける際に、LED1〜LED12が遊技盤4と干渉しないようになっている。これらのLED用挿通孔601dは、LED1〜LED12の点灯又は点滅した光が隣接するLEDの点灯又は点滅した光と誤認されないように円筒状に形成されている。なお、セグメント表示器SEG1,SEG2が表示する内容、LED1〜LED12が点灯又は点滅して表示する内容は、後述する機能表示シール649に印刷されている。前構成部材601には、機能表示シール649を貼り付ける機能表示シール貼付部601eが形成されている。なお、機能表示シール貼付部601eには凹部601fが形成されている。この凹部601fにマイナスドライバ等の工具を挿入して貼り付けた機能表示シール649を剥がし易くしている。ここで、機能表示シール649を剥がし易くするために機能表示シール649に突出部を設けることも考えられるが、扉枠5を本体枠3から開閉する際に、その突出部が何らかの原因によって引っ張られて機能表示シール649が機能表示シール貼付部601eから剥がれるおそれがある。そこで本実施形態では、機能表示シール貼付部601eに凹部601fを形成することによって、扉枠5を本体枠3から開閉する際に、機能表示シール649が機能表示シール貼付部601eから剥がれないようにしている。
[1−3A−4.機能表示シール]
次に、遊技機4における機能表示シール649は、図88に示すように、その表面に機能表示ごとにグループGrp1〜Grp3にグループ化等されて印刷されており、遊技盤4の非遊技領域である前構成部材601に形成された機能表示シール貼付部601eに貼り付けられている。
グループGrp1は、図88に示すように、第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643から構成されており、これらの第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643を視認できる実線SL1で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されている。実線SL1で囲まれた領域は、第一特別図柄表示器641による表示や第一特別図柄記憶表示器643による点灯又は点滅を視認できるように、第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643と対応する位置が透明となっている。グループGrp1では、第一始動口2001への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を表示する。例えば、第一始動口2001へ始動入賞すると、第一特別図柄表示器641が所定の特別図柄を変動表示したり、入賞した遊技球の球数を第一特別図柄の保留数として第一特別図柄記憶表示器643が点灯又は点滅したりする。このように、第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643を1つのグループGrp1にグループ化することによって、これらの第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643が第一始動口2001への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL1で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されたグループGrp1を目視することによって第一始動口2001への遊技球の始動入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
一方、グループGrp2は、図88に示すように、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644から構成されており、これらの第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644を視認できる実線SL2で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されている。実線SL2で囲まれた領域は、第二特別図柄表示器642による表示や第二特別図柄記憶表示器644による点灯又は点滅を視認できるように、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644と対応する位置が透明となっている。このグループGrp2では、第二始動口2002への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を表示する。例えば、第二始動口2002へ遊技球が始動入賞すると、第二特別図柄表示器642が所定の特別図柄を変動表示したり、入賞した遊技球の球数を第二特別図柄の保留数として第二特別図柄記憶表示器644が点灯又は点滅したりする。このように、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644を1つのグループGrp2にグループ化することによって、これらの第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644が第二始動口2002への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL2で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されたグループGrp2を目視することによって第二始動口2002への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
また、グループGrp3は、図88に示すように、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646から構成されており、これらの普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646を視認できる実線SL3で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されている。実線SL3で囲まれた領域は、普通図柄表示器645による点灯や普通図柄記憶表示器646による点灯を視認できるように、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646と対応する位置が透明となっている。普通図柄表示器645は、上述したように、可動片2005の開閉の有無を所定の普通図柄として変動表示し、可動片2005が閉状態から開状態となると、遊技球が第二始動口2002へ入賞し易くなる。このため、普通図柄表示器645には、第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648と見分けが付くように星印が印刷されている。このグループGrp3では、ゲート2201に関する各種情報を表示することもできるようになっている。例えば、ゲート2201を遊技球が通過すると、普通図柄表示器645が所定の普通図柄を変動表示したり、通過した遊技球の球数を保留数として普通図柄記憶表示器646が点灯したりする。このように、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646を1つのグループGrp3にグループ化することによって、これらの普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646が普通図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL3で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されたグループGrp3を目視することによって普通図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
更に、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648と対応する位置には、図88に示すように、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648が視認できる実線SL4〜SL6で夫々囲まれた状態で区画されて印刷されている。実線SL4〜SL6で囲まれた領域は、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648による点灯を視認できるように、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648と対応する位置が透明となっている。ラウンド表示器648には、ラウンドの最大回数を理解し易いように、2ラウンド表示ランプ648aと対応する位置にはラウンドの最大回数である値2が印刷され、15ラウンド表示ランプ648bと対応する位置にはラウンドの最大回数である値15が印刷されている。上述したように、遊技状態表示器647は点灯する色を遊技状態として表示することによって遊技状態が確率変動である旨を報知し、2ラウンド表示ランプ648aは大入賞口2003が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回である旨を点灯して報知し、15ラウンド表示ランプ648bはラウンドが15回である旨を点灯して報知する。これにより、遊技者は、実線SL4で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷された遊技状態表示器647を目視することによって遊技状態を容易に確認することができ、実線SL5で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷された2ラウンド表示ランプ648aを目視することによってラウンドの最大回数が2回であるか否かを容易に確認することができ、実線SL6で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷された15ラウンド表示ランプ648bを目視することによってラウンドの最大回数が15回であるか否かを容易に確認することができる。
なお、本実施形態では、上述したように、グループGrp1〜グループGrp3は実線SL1〜SL6で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されており、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648と対応する位置は遊技状態表示器647、ラウンド表示器648が視認できる実線SL4〜SL6で夫々囲まれた状態で区画されて印刷されている。
このように、機能表示シール649は、図87に示した機能表示基板640aに集約して実装された、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12の機能がグループGrp1〜Grp3等のようにグループ化されてその内容が印刷されており、区画されている。また普通図柄表示器645等には星印が印刷されており、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12が表示する内容が、機能表示シール649に集約して印刷されても、それらの意味を容易に理解することができるようになっている。
このような機能と印刷された内容との対応関係が、図88に示すように、シール管理番号649aとして機能表示シール649に印刷されている。このシール管理番号649aは、図88及び図89に示すように、扉枠5を本体枠3に閉じた際に、遊技窓101を介して遊技窓101から視認し難い位置に印刷されており、遊技者に必要ではない情報を伝えないようになっている。また、機能表示シール貼付部601eに設けた凹部601fも、図88及び図89に示すように、扉枠5を本体枠3に閉じた際に、遊技窓101を介して視認し難い位置に形成されており、凹部601fを遊技者に視認し難くしている。
また、シール管理番号649aは、パチンコ機1を製造するメーカの作業者が、パチンコ機1を組立る際に、誤って別仕様の機能表示シールを取付ける作業ミスを防止するためのものである。また、シール管理番号649aは機能表示シール649の在庫管理にも用いられており、グループGrp1〜グループGrp3等の態様がシール管理番号649aに紐付けされて管理されている。これにより、シール管理番号649aを調べると、シール管理番号649aに対応する機能表示シール649の在庫が分かるようになっている。
ここで、近年のパチンコ機は、そのライフサイクルの短縮化にともないパチンコ機の開発期間も短くなってきている。このため、本実施形態では、例えば、大入賞口2003が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回、15回である旨を点灯して報知する2ラウンド表示ランプ、15ラウンド表示ランプに加えて、ラウンド数が5回、8回である旨を点灯して報知する5ラウンド表示ランプや8ラウンド表示ランプを追加する場合、始動口の数を2つから1つに減らす場合等によるパチンコ機1の仕様変更には、共通の機能表示基板640aを使用することで対応することができるようになっている。このようなパチンコ機1の仕様変更にともない機能表示シールに印刷する内容も変更するため、上述した、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12の機能と、機能表示シールに印刷された内容と、の対応関係を、シール管理番号として機能表示シールに印刷している。これにより、例えばパチンコ機1の製造元では、ラインの作業者が遊技盤4に機能表示シール649を貼り付ける前に、パチンコ機1の仕様と機能表示シール649とが対応しているか否かを、シール管理番号649aを目視することによって確認することができ、パチンコ機1の仕様に対応しない機能表示シール649が貼り付けられるのを防止することができる。なお、機能表示シール649はシールであり、接着剤などを機能表示シール649の裏面等に塗る作業工程がなく、生産性の向上に寄与している。
[1−3B.打球発射装置]
次に、打球発射装置650について図90乃至図95を参照して説明する。図90は、打球発射装置650の全体の斜視図(A),発射モータ部分を取り外した状態の斜視図(B)であり、図91は、打球発射装置650の分解斜視図であり、図92は、打球発射装置650と発射レール515との関係を示す正面図(A),発射モータ部分の斜視図(B)であり、図93は、操作ハンドル部410を操作していない状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図94は、操作ハンドル部410を操作している状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図95は、打球発射装置650に設けられるスライド部材710の平面図(A),正面図(B),正面から見た斜視図(C),正面図(B)のA−A断面図(D)である。
打球発射装置650は、発射ベース枠651に打球槌687を回動自在に軸支すると共に、その打球槌687に往復回動を付与する発射モータ695を発射ベース枠651に取付け、さらに打球槌687に復帰する付勢力を付与する付勢バネ684の付勢力を調節するスライド杆677及びスライド部材710が発射ベース枠651に設けられることにより構成される。
より詳細に説明すると、図91に示すように、発射ベース枠651は、合成樹脂によって横長な長方形状に成型されるものであり、その略中心に打球槌687の軸受689が嵌合される軸受筒652が形成され、その上部及び側方に打球槌687の発射原点位置を規制するゴムストッパー部材653,654が取付け固定されている。即ち、ゴムストッパー部材653,654は、打球槌687が付勢バネ684の付勢力により発射原点位置に戻ったときに打球槌687の衝撃を受け止めるものである。また、発射ベース枠651の後方(発射レール515の下方に対応する部位の反対側)の上方に横長細溝状のスライド案内孔655が形成され、そのスライド案内孔655の下方にスライド部材収納空間656が形成されている。
このスライド案内孔655は、後述するスライド杆677の後端上部に突設される案内係止片678が挿入されてスライド杆677のスライド移動を案内するものであり、スライド部材収納空間656には、スライド部材710が左右方向に移動可能に収納されるものである。なお、スライド杆677の前方部分のスライド案内は、スライド杆677の前方に形成される案内長孔680に止めネジ682によって発射ベース枠651に形成される止め穴662に止着される案内ブッシュ681を貫通させることにより行われる。また、スライド部材収納空間656の底面には、図92に示すように、長方形状の連結開口664が形成されている。
また、発射ベース枠651の上辺の前方部分には、発射ベース枠651の本体に対して庇部が形成されており、軸受筒652の上方の庇部に作動片用開口657が穿設されている。この作動片用開口657には、扉枠5の皿ユニット300の下流側の打球供給口171b(図18を参照)に臨んで設けられている球送り部材172(図18を参照)の錘173と当接する作動片658が作動片用開口657の開口縁の後方上部に突設されている取付部660に止めピン659によって揺動自在に設けられるものである。作動片658は、「て」字状に形成され、その上辺の後端部が止めピン659によって軸支され、その軸支部から下方の円弧部に打球槌687と一体的に回動するベース板690に突設される作動片当接部693と当接し、打球槌687の往復動作に連動して上辺部が球送り部材172を揺動させ、球送り部材172の揺動動作により打球供給口171bから流出する打球を1個ずつ発射レール515の発射位置に供給するようになっている。
更に、発射ベース枠651には、発射モータ695を内蔵するモータカバー694を止着するためのモータ取付ボス661が後方下部に2箇所と前方上部に1箇所の合計3箇所に突設されていると共に、スライド部材収納空間656の下部後方にスライド杆677をスライドさせるためにスライド部材710と連結される揺動片672の下端の軸穴673が挿入される揺動片用ボス663が突設されている。
上記した発射ベース枠651には、打球発射装置650の剛性を高めるために金属プレート665が略密着するように取付けられている。このため、金属プレート665には、軸受筒652、下方のゴムストッパー部材653、スライド案内孔655、案内ブッシュ681、及び揺動片用ボス663に夫々対応する貫通孔666,667,668,669,671が形成されていると共に、スライド部材710の連結凸部712が貫通する横長楕円状の貫通孔670も貫通されている。上記のように構成される金属プレート665は、スライド部材710をスライド部材収納空間656に収納した後、夫々の貫通孔666〜671がそれに対応する部材652,653,655,681,712,663を貫通あるいは一致させるように発射ベース枠651に密着させてビス止めすることにより発射ベース枠651に固定されるものである。
金属プレート665が取付けられた発射ベース枠651の揺動片用ボス663の先端部分が貫通孔671から頭を出しているが、その頭の部分に揺動片672の軸穴673が挿通されて、揺動片672が下端を中心にして揺動自在に軸支される。揺動片672は、図91に示すように、縦長杆状に形成され、その下端に軸穴673が形成され、その中程にスライド部材710の連結凸部712が挿入されるやや縦長穴形状の連結穴674が形成されている。そして、その連結穴674より上方の前方面がスライド杆677の一端(後端)と当接する当接部675となっている。しかして、揺動片672を揺動片用ボス663に挿通し、且つ貫通孔670から頭を出しているスライド部材710の連結凸部712に連結穴674を挿入してワッシャ付きピン676を連結凸部712に止着することにより、揺動片672が発射ベース枠651に取付けられる。そして、取付けられた揺動片672は、スライド部材710のスライドに伴って下端を中心にしてその上方部分が揺動するようになっている。
また、金属プレート665の上部前面には、横長杆状のスライド杆677が左右方向にスライド可能に取付けられる。即ち、スライド杆677の後方上部に突設されるL字状の案内係止片678を金属プレート665の貫通孔668に貫通係合させ、スライド杆677の前方に形成される案内長孔680に止めネジ682を有する案内ブッシュ681を貫通させて止めネジ682を止め穴662に止着する。上記した案内係止片678と貫通孔668、及び案内長孔680と案内ブッシュ681とにより、スライド杆677が金属プレート665を介して発射ベース枠651にスライド可能に装着される。また、スライド杆677には、その一端(後端)に上述した揺動片672の当接部675と当接する被当接部679が形成され、その他端(前端)に付勢バネ684の一端の係止輪685を掛け止めるためのバネ係止部683が突設されている。
金属プレート665が取付けられた発射ベース枠651の軸受筒652が貫通孔666から突出しているが、その軸受筒652には、打球槌687の軸受689が抜け落ちないように嵌合されている。軸受689の軸には、打球槌687の下端部が固着されると共に同時にベース板690が固着される。ベース板690には、その前方裏面側に作動片658と当接する作動片当接部693が突設され、その前方前面に付勢バネ684の他端の係止輪686を掛け止めるためのバネ係止部692が突設され、さらにその後方前面に発射モータ695のモータカム697と係脱するモータ当接突片691が突設されている。打球槌687の上端には、合成樹脂製の槌先688が固着されており、この槌先688が発射レール515の下端部とその上方に固着される発射位置ストッパー702とによって形成される発射位置に突入するように臨んでいる。
一方、発射ベース枠651の前述したモータ取付ボス661には、モータカバー694に収納された発射モータ695が取付けられる。より具体的には、図92(B)に示すように、モータカバー694は、内部に発射モータ695を収納するように形成された円筒部と、円筒部の前方に拡大してモータ取付ボス661に取付けるための取付固定穴699が形成される取付部と、が一体的に形成され、円筒部の内部に収納される発射モータ695のモータ軸696の先端に逆回転防止カム698とモータカム697とが固定されている。
この逆回転防止カム698の外周には、多数の逆歯が形成されており、ストッパー片取付ボス701に揺動自在に固定されるストッパー片700(図93を参照)と係合して発射モータ695の逆方向の回転を防止している。これは、モータカム697が逆方向に回転してモータカム697とモータ当接突片691とが噛合って打球発射装置650が駆動できなくなる故障が発生しないように防止するためである。また、モータカム697は、勾玉状に形成されており、発射モータ695の回転に伴いモータ当接突片691と係脱しながら打球槌687を往復動作させる。なお、モータカバー694をモータ取付ボス661に取付けたときには、図90(A)に示すように、打球発射装置650の主たる構成が後面から見て被覆されたような状態となっている。
ところで、前述したスライド部材収納空間656に収納されてスライド移動するスライド部材710は、図95に示すように、後方が開放した直方体状に形成され、その前面に楕円形状の楕円凸部711が突設され、更に、楕円凸部711の後方位置に円形状の連結凸部712が突設されている。また、上面及び下面には、スライド部材収納空間656内をスライドし易いように断面円弧状のスライド用当接突部713がその両端に突設されている。一方、直方体状に形成されるスライド部材710の空間は、扉枠5の裏面下部に設けられるジョイントユニット180のスライド突片183が挿入される挿入空間714となっている。
そして、この挿入空間714は、スライド方向前方の側壁手前側に第一傾斜面715が形成されると共に、その第一傾斜面715のやや後方寄りに上面及び下面の内側から内部に向かって突設され且つ相互の先端間に所定の間隔が形成される挟持片716が形成されている。挟持片716の手前側にも奥に向かって側方視でハ字状に傾斜する第二傾斜面717も形成されている。しかして、スライド突片183が挿入空間714に挿入された状態では、図95(B)に示すように、スライド突片183の傾斜辺183a側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片716の間に挿入された状態となっている。なお、スライド部材710の挿入空間714の側方に空間部718が形成されているが、この空間部718は、特に機能を奏しているわけではない。
而して、上記のように構成されるスライド部材710は、スライド部材収納空間656に収納された状態で、図92(A)に示すように、スライド部材収納空間656の底面に形成される楕円形状の連結開口664に挿入空間714が臨むように形成されていると共に、スライド部材710がスライド部材収納空間656の一方の空間内壁に当接した状態(図92(A)では左の空間内壁に当接しているように図示されているが、通常の状態では右の空間内壁に当接した状態となっている。)となっている。
そこで、まず、スライド部材710と打球発射装置650の付勢バネ684の強弱を調整する関係について説明すると、スライド部材710がスライド部材収納空間656の内部の初期位置(図92(A)において右の空間内壁に当接した位置)にあるときには、図93に示すように、スライド部材710の連結凸部712に連結された揺動片672が略垂直状態となっている。このため、揺動片672と当接しているスライド杆677も付勢バネ684の付勢力により一方向(図93において左側方向)に付勢された状態で揺動片672の当接部675とスライド杆677の被当接部679とが当接した状態となっている。この状態では、付勢バネ684が張力されていないので、打球槌687が発射モータ695の回転に従動して往復回動しても、打球槌687の復帰力も弱く、発射位置にある打球が弾発されても遊技盤4の遊技領域605に到達することはない。
一方、スライド部材収納空間656の内部をスライド部材710が初期位置から他方方向に移動したとき(図92(A)において左の空間内壁方向に向かって移動したとき)、図94に示すように、揺動片672が下端の軸穴673を軸として揺動して傾動するため、当接部675と被当接部679との当接によりスライド杆677が他方向(図94において右側方向)に向かってスライド移動する。すると、スライド杆677のバネ係止部683に係止されている付勢バネ684も張力されて伸びた状態となる。この状態では、付勢バネ684が張力されているので、打球槌687が発射モータ695の回転に従動して往復回動したときの打球槌687の復帰力が強くなり、発射位置にある打球が強く弾発されて遊技盤4の遊技領域605に到達する。そして、この打球の弾発力の強弱は、スライド部材710のスライド部材収納空間656内でのスライド量に応じて調整することができる。
上記したように、スライド部材710を移動させることにより、打球発射装置650による弾発力を調整することができるが、このスライド部材710の移動は、前述したハンドル装置400の操作ハンドル部410の回動操作部材414の回動操作に応じて移動するジョイントユニット180のスライド体182の移動と連動するようになっている。この点について図60等を参照して説明する。
前述したように、ハンドル装置400の操作ハンドル部410の回動操作部材414を回転させることにより、回転軸415の先端に固着される勾玉状のカム416も回転するため、ジョイントユニット180のスライド体182がジョイントユニット装着凹部110cの内部を一方向に向かってスライド移動する。このため、スライド体182の前面に突設されるスライド突片183も同じ方向にスライド移動することになる。スライド体182のスライド突片183は、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態では、本体枠5の発射装置取付部520に形成される連結開口664を貫通してスライド部材710の挿入空間714に挿入されるようになっている。この場合の挿入状態は、前述したようにスライド突片183の傾斜辺183a側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片716の間に挿入された状態である。したがって、スライド突片183が一方向に向かってスライド移動すると、スライド部材710も同一方向に向かってスライド移動することになる。このとき、前述したように、スライド部材710のスライド移動に伴ってスライド杆677もスライド移動するので、付勢バネ684の付勢力を調整することができる。つまり、ハンドル装置400の回動操作部材414を回動操作することにより、打球発射装置650の打球の弾発力を調整することができるものである。
ところで、本実施形態においては、ハンドル装置400が扉枠5に設けられ、打球発射装置650が本体枠3に設けられているので、扉枠5を開閉する毎にハンドル装置400のスライド突片183と打球発射装置650のスライド部材710とが連携したり離れたりすることになる。しかし、本実施形態においては、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じることにより、スライド突片183がスライド部材710の挿入空間714に自動的に挿入されてハンドル装置400と打球発射装置650とが連携され、逆に、本体枠3に対して扉枠5を開放することにより、スライド突片183が挿入空間714から離れてハンドル装置400と打球発射装置650とを分離することができるので、極めて簡単に扉枠5の開閉に伴ってハンドル装置400と打球発射装置650との連携・分離を行うことができる。特に、スライド突片183が挿入空間714に挿入される際には、スライド突片183の位置が上下方向に多少ずれていても、挿入空間714内に突設される挟持片716の第二傾斜面717によってスライド突片183がスムーズに挟持位置に挿入されるようになっている。
また、時として、操作ハンドル部410の回動操作部材414に遊技者が詰め物を詰めてある程度回動した位置で固定している場合があるが、遊技場の店員がその詰め物を知らずに扉枠5を開閉する場合がある。このような場合でも、扉枠5を開放する場合には、単にスライド突片183が挿入空間714から離れるだけであるので問題はないが、扉枠5を閉める場合に、スライド突片183の位置が多少一方向にずれた状態となっているものの、スライド突片183の傾斜辺183aとスライド部材710の第一傾斜面715との協働作用により、扉枠5の閉止動作に伴ってスライド部材710を一方向に移動させながら最終的にスライド突片183とスライド部材710とが係合するようになっている。つまり、本実施形態においては、操作ハンドル部410の回動操作部材414がどのような回動位置で固定されていても、操作ハンドル装置400と打球発射装置650との連携を行うことができるものである。
[1−3C.賞球タンク]
次に、本体枠3の裏面上部に取付けられる賞球タンク720について、主として図96を参照して説明する。図96は、賞球タンク720の斜視図(A)、平面図(B)、側面図(C)である。賞球タンク720は、前述したように、本体枠3の裏面上部に形成されるタンク取付溝550(図70を参照)に着脱自在に取付けられるものである。しかして、賞球タンク720は、長方形状の箱状に形成され、パチンコ機1の正面側から見て、その前面壁721に切欠部729が形成され、その底面が上流側壁724から下流側壁723に向かって傾斜する第一傾斜底面726と前面壁721から次に説明する排出口730に向かって傾斜する第二傾斜底面727とによって貯留部728が形成されている。
また、その第二傾斜底面727の傾斜下端に排出口730が形成されるが、この排出口730は、パチンコ機1の正面側から見て賞球タンク720の後面壁722よりも外側に突出するように下流側壁723と後面壁722とをコ字状に連結する排出口突出壁725に囲まれるように形成されている。また、賞球タンク720の前面壁721の両端外側には、タンク取付溝550と係合する取付鍔部733が形成されていると共に、賞球タンク720の底面の裏面側に本体枠3の第四側面壁543に載置当接する載置当接片731,732が突設され、さらに、賞球タンク720の上流側の後面壁722の下部に後述する球ならし部材744を取付けるための球ならし取付軸735が突設されている。また、排出口730を除く賞球タンク720の後面壁722及び上流側壁724には、球の跳ね飛びを防止するための溢れ防止部材734が着脱自在に取付けられるようになっている。
上記のように構成される賞球タンク720においては、本体枠3のタンク取付溝550に対して取付鍔部733を上方から差し込むように取付け、載置当接片731,732を本体枠3の第四側面壁543に当接させる。これによって、賞球タンク720が本体枠3の裏面側上部に載置して取付けられるが、この取付けられた状態においては、図74に示すように、前面壁721の切欠部729を介して貯留部728と本体枠3の裏面に形成された逃げ凹部551とが連通し、また、図4に示すように、排出口730が次に説明するタンクレール部材740の上流端部に臨むようになっている。したがって、賞球タンク720において、球を貯留する貯留部728(第一傾斜底面726及び第二傾斜底面727に対応する貯留空間部分)の前後方向の幅は、本体枠3の第二側面壁541〜第四側面壁543までの前後方向の幅と略同じとなるように形成されると共に、それらの側面壁541〜543までの上部に載置されるようになっている。
また、前述したように、本体枠3の第一側面壁540〜第四側面壁543は、遊技盤4の周辺部の後方突出空間を覆うように深く形成されているので、その側面壁541〜543の上部に載置される賞球タンク720の貯留部の深さは、従来の貯留タンクにくらべて浅く形成されているものの、賞球が貯留されて重量が増加しても賞球タンク720の全体を本体枠3の側面壁542〜543で支持しているので、傾斜底面726,727が変形することなく貯留された球をスムーズに排出口730に導くことができる。また、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているため、貯留部728に貯留された球の流れが第二傾斜底面727から外側に向かって流れるように構成されている。このため、従来のように傾斜底面の一部に開口を設けて排出口としていた賞球タンクに比べて、排出口近傍の貯留部に球詰まり解消のための球崩し突部を突出形成することなく球詰まりが発生し難い構造とすることができる。
そして、本実施形態においては、前述したように、遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上部外側に賞球タンク720の貯留部が載置された状態で、しかも、賞球タンク720の排出口730が貯留部の後面壁722よりも外側に突出して設けられているため、タンクレール部材740が賞球タンク720の貯留部の外側(パチンコ機1の正面から見て奥側)に位置して、タンクレール部材740と賞球タンク720の貯留部728とが上下方向に重複しない位置となっているので、遊技盤4の裏面に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上辺を本体枠3の上辺に近い位置で後方に向って突出させることができ、これにより、遊技装置の後方突出部が遊技盤4の上辺部で突出していても後側面壁541〜543の内部に楽に収納することができる。
更に、賞球タンク720の貯留部728が遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上部外側に載置されているか否かに関係なく、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているという構成だけで従来の賞球タンクにはない独特の効果を奏するものである。これについて図97を参考にして説明する。図97は、従来の賞球タンク(A),(B)と本実施形態に係る賞球タンク(C)との排出口部分における球の圧力状態を示す平面図である。図において、通常時、賞球タンク720に貯留される球は、賞球タンク720の貯留部に貯留されて滞留した状態となっている。この場合、従来の賞球タンクのように貯留部の傾斜底面の一部を開口して排出口730Aを形成している場合、例えば、図97(A)に示すように、球崩し突部736Aと反対側に排出口730Aが形成された賞球タンクや、図97(B)に示すように、球崩し突部736Bに隣接して排出口730Bが形成されている場合には、排出口730A,730Bの部分では、貯留された球の圧力とその圧力に基く賞球タンクの側壁からの反作用により、常に排出口730A,730B部分に四方から球圧がかかった状態となっている。
このため、たまたま球の重合具合によって球同士の圧力が釣り合い、下流側の球が流れ出ても、排出口730A,730B部分で球噛み状態が発生し球詰まりが発生することがあった。これに対し、本実施形態に係る賞球タンク720では、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているので、図97(C)に示すように、排出口730部分における貯留された球の圧力は、貯留部から排出口730方向に向かう作用力とその反作用だけの二方向からの圧力であり、従来のように四方から圧力を受けるわけではない。このため、下流側の球が流れ出ても、排出口730部分における球噛み状態が発生し難く、球詰まりが発生しないという優れた効果を奏することができる。
[1−3D.タンクレール部材]
続いて、上記した賞球タンク720の下方に配置されるタンクレール部材740について主として図98乃至図100を参照して説明する。図98は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ機1の背面側から見た斜視図であり、図99は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ機1の正面側から見た斜視図であり、図100は、タンクレール部材740の下流部と球通路ユニット770の上流部との関係を示す断面図(A)と平面図(B)である。
タンクレール部材740は、前述したように、本体枠3の上後面壁545のレール係止溝553,554(図70を参照)に着脱自在に取付けられるものである。そのため、タンクレール部材740には、その後面側の側面の左右辺及び下辺にレール係止溝553に上から差し込まれる複数の係止突片749が突設されると共に、その後面側側面の上辺中央にレール係止溝554に上から掛け止められる鉤状の係止突片750が突設されている。しかして、タンクレール部材740は、上面が開放した傾斜樋状に形成され、その上流端上面が賞球タンク720の排出口730に臨み、その下流端下面が後に詳述する球通路ユニット770に臨んでいる。また、タンクレール部材740の内部は、図4に示すように仕切壁741によって球が2列に整列して流下する通路742となっている。
なお、通路742の底面は、細溝が切り欠けられており、通路742を球と一緒に転動する異物がその細溝から下方に落下するようになっている。また、通路742の側壁には、静電気を除去するための金属板(図示しない)が貼付されており、この金属板の下流端が前述したアース線接続具557(図68を参照)に接続されている。このため、タンクレール部材740を流下する球に帯電していた静電気が金属板からアース線接続具557を介して電源基板1136のアース用コネクタを経て外部にアースされるようになっている。
また、タンクレール部材740の中流域のやや下流側に重錘を有する卵形状の球ならし部材744が揺動自在に設けられている。この球ならし部材744は、前述した賞球タンク720の球ならし取付軸735に揺動自在に軸支されるものであり、タンクレール部材740における2列の夫々の通路742内に向かって垂下され、各通路742を流下する球が上下方向に複数段で流下してきたときに1段となるように整流するものである。また、球ならし部材744の設置位置より下流側のタンクレール部材740の上面が球押え板745によって被覆されている。この球押え板745は、球ならし部材744によって1段とならなかった球を強制的に1段とするように傾斜円弧状に形成されるものである。
更に、タンクレール部材740の下流端部には、夫々の通路742に臨んで一対の整列歯車747が軸ピン748によって回転自在に軸支されている。この整列歯車747は、外周に複数の歯が形成され、一対の整列歯車747における歯のピッチが半ピッチずつずれるようにして軸ピン748に固定されている。このため、タンクレール部材740の各通路742を流下してきた球の上部が整列歯車747の歯と噛合いながら下流側に流下するときに2列の通路742の球が交互に1つずつ送られることになる。この場合、図100に示すように、各通路742を流れてきた球は、整列歯車747と噛合いながら2列の通路742の下部に形成される傾斜面743に沿って中央方向に誘導され、その誘導中に次に説明する球通路ユニット770の球落下通路772の上端入口773に2列の通路742からの球を交互に一列状にして落下するようになっている。なお、整列歯車747は、その上面を円弧状の歯車カバー746によって被覆されている。
[1−3E.球通路ユニット]
次に、上記したタンクレール部材740から一列状に落下される球を賞球ユニット800に導くための球通路ユニット770について、主に図101乃至図105を参照して説明する。図101は、本体枠3と球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す分解斜視図であり、図102は、球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す背面図であり、図103は、球通路ユニット770の背面から見た斜視図であり、図104は、球通路ユニット770の正面図であり、図105は、球通路ユニット770と賞球ユニット800との連結構造を説明するための側面図である。なお、図102及び図103において、賞球ユニット800部分は、ギアカバー866、アルミ放熱板841、ユニットサブ板825が削除され、ユニットベース体801に形成された球通路部分をわかりやすく描いたものである。ただし、ギア等については、球通路との関係を理解し易くするため、一点鎖線で示してある。
本例の球通路ユニット770は、略長方形状の板材の裏面(背面から見える面を表面という。)に屈曲した一対の屈曲通路壁771によって球落下通路772が形成されている。この球落下通路772は、図100(A)に示すように、その上流が前後方向(背面から見て奥行方向)に屈曲する前後屈曲通路部772aと、前後屈曲通路部772aに連通して左右方向(背面から見て左右方向)に屈曲する左右屈曲通路部772bと、左右屈曲通路部772bに連通して略垂直状となっている垂直通路部772cとからなっている。
この前後屈曲通路部772aは、図100(A)に示すように、上述したタンクレール部材740から落下する上端入口773の位置が前述したように2列の通路742の略中央であるため、本体枠3の上後面壁545及び軸支側後面壁546の表面から背面側に離れた位置となっているので、前後屈曲通路部772aと軸支側後面壁546に突設される賞球案内突起561とによって球落下通路772を軸支側後面壁546の表面に近い位置とするように前後方向に屈曲するものである。また、左右屈曲通路部772bは、図104に示すように、タンクレール部材740から前後屈曲通路部772aを落下してきた球の勢いを弱めるために球通路ユニット770の略横幅一杯にコ字状に屈曲して形成されるものである。
更に、垂直通路部772cも略垂直状に形成されているものの若干緩やかに湾曲して形成され、その垂直通路部772cを構成する一方の屈曲通路壁771に切欠部775が形成され、その切欠部775に上端が支軸777によって軸支される球切れ検出片776が揺動自在に取付けられている。この球切れ検出片776の側方には、球切れスイッチ778が取付けられ、球切れスイッチ778のアクチュエータ779が球切れ検出片776に当接している。球切れ検出片776及び球切れスイッチ778によって垂直通路部772cでの球切れを検出する球切れ検出機構が構成されている。
しかして、垂直通路部772cに球が存在しているときには、垂直通路部772cに存在する球によって球切れ検出片776が押圧されてアクチュエータ779を押して球切れスイッチ778をONとするが、垂直通路部772cに球詰まりや球欠乏により球が存在しなくなると球切れ検出片776が垂直通路部772c内に向かって揺動するので、アクチュエータ779が球切れスイッチ778をOFFとする。球切れスイッチ778がOFFになると、後述する賞球ユニット800の払出モータ815の回転が停止して賞球の払出が停止されるようになっている。
なお、切欠部775の下端部には、球切れ検出片776の通路部と反対側への過剰な揺動を防止するためにストッパー突起780が形成されており、また、球通路ユニット770の球切れ検出片776に対応する垂直通路部772cに球詰まり用挿入溝781が形成されている。この球詰まり用挿入溝781は、球詰まり等で球切れ検出片776の揺動動作が行われ難い場合に、球通路ユニット770の後面側からピンを差し込んで球切れ検出片776部分の球詰まりの解消を図るために設けられるものである。更に、球切れ検出片776に対面する他方の屈曲通路壁771は、若干球切れ検出片776側に向かって膨出状に形成されている。これは、垂直通路部772cに球が存在しているときに確実に球切れ検出片776を押圧して球切れスイッチ778をONにするためである。
また、球通路ユニット770には、上記した球落下通路772を避けた位置に止め穴782と位置決めボス783とが形成されている。位置決めボス783は、本体枠3の軸支側後面壁546に形成される位置決めピン574に係合されるものであり、止め穴782は、同様に軸支側後面壁546に形成される通路ユニット取付ボス562に対応するものである。しかして、球通路ユニット770を本体枠3に取付けるには、図101に示すように、位置決めボス783を位置決めピン574に係合させながら通路ユニット取付ボス562と止め穴782とを一致させ、その状態で止め穴782からビス784を螺着することにより行うことができる。更に、球通路ユニット770には、その一側中程にカバー体1250の係合片と係合するカバー体係合溝785が形成されていると共に、下部に賞球ユニット800と連結するための連結蓋部材786が回動自在に設けられている。
連結蓋部材786は、図103に示すように、長方形状の板材の裏面に円弧状に突設される一対の通路壁790を突設することにより構成されており、球通路ユニット770の下部表面の左右両端部に突設される軸支部としての支持突片787に、連結蓋部材786の両端部から延びる支持片788の先端に突設される回転軸部としての突起軸789を嵌合することにより回動自在に軸支されるものである。また、連結蓋部材786は、閉じることにより球通路ユニット770の下方に延長されて通路壁790によって形成される通路と球落下通路772の下流端部とが連通した状態(図105(B)に示す状態)と、開放することにより通路壁790によって形成される通路と球落下通路772の下流端部とが連通しない状態(図105(A)に示す状態)と、に回動し得るが、開放した状態から閉じた状態に移行する際に、連結蓋部材786の支持片788を案内する案内突起791が球通路ユニット770の後面下端部に突設されている。
而して、球通路ユニット770を本体枠3の軸支側後面壁546に固定した状態で、しかも、後述するように賞球ユニット800を同じく軸支側後面壁546に装着した状態(図105(A)に示す状態)で、連結蓋部材786を閉じて賞球ユニット800に設けられる係止弾性爪820によってその後面を係止することにより、球通路ユニット770の球落下通路772と賞球ユニット800の屈曲通路803とを通路壁790にて連通して、球通路ユニット770の球落下通路772を落下する球を賞球ユニット800の屈曲通路803に導くことができるものである。このように球通路ユニット770に回動自在な連結蓋部材786を設けた理由は、後述するように賞球ユニット800を本体枠3に対して着脱自在に装着し易くすることと、その着脱自在に装着したことに起因して球通路ユニット770と賞球ユニット800との間に形成される空間が球のスムーズな落下を阻害しないようにするためである。
また、球通路ユニット770に突設される一対の屈曲通路壁771の間に本体枠3の軸支側後面壁546にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように突設される賞球案内突起561を挿入することで、球落下通路772の上端入口773がタンクレール部材740の2列の通路742の略中央下部に位置するように、球落下通路772の上流部を背面からみて前後方向に屈曲する前後屈曲通路部772aとして形成する。これにより、一対の整列歯車747によって2列で流下する球を交互に1個ずつ賞球ユニット800側に送り出す構成において、球落下通路772を通して球を1個ずつスムーズに賞球ユニット800に送り出すことができる。また、この構成によれば、複数の部材の組立体から球落下通路772を構成する必要がないため、球落下通路772を構成する部品点数を削減することができると共に、球落下通路772の組み付け作業性を向上することができる。
また、タンクレール部材740から前後屈曲通路部772aを落下してきた球は、左右屈曲通路部772bを通過することでその勢いを弱め、その後、垂直通路部772cを通って賞球ユニット800に送られる。また、勢いが弱められた状態で球が送り込まれる垂直通路部772cには、球切れを検出するための球切れ検出機構(球切れ検出片776及び球切れスイッチ778)が設けられる。これにより、球落下通路772での球切れ、言い換えれば賞球ユニット800に供給する球が切れたこと(球切れ)を確実に検出することができる。
[1−3F.賞球ユニット]
次に、上記した球通路ユニット770の下流側に配置される賞球ユニット800について、主に図106乃至図109を参照して説明する。図106は、賞球ユニット800の背面側から見た分解斜視図であり、図107は、払出モータ815と払出部材としてのスプロケット807との関係を説明するための背面図であり、図108は、賞球ユニット800の通路と駆動関係を説明するための背面図であり、図109は、図108のA−A断面図である。
図106において、賞球ユニット800は、一対の屈曲通路壁802によって球通路を構成する屈曲通路803、賞球通路810、及び球抜通路811が形成されるユニットベース体801と、ユニットベース体801の後面を覆うユニットサブ板825と、ユニットサブ板825の上部表面(後面側)に取付けられる賞球ユニット内中継端子板830と、ユニットサブ板825の略中央表面領域(後面側領域)に設けられるギア群843,844,847及び検出円盤850(回転伝達部材)を被覆するギアカバー866とから構成されている。以下、これらの構成を順次説明する。
ユニットベース体801は、略長方形状の板状(この板部分を「底面」という場合がある。)に形成され、その板状のユニットサブ板825側に向かって突設される一対の屈曲通路壁802によって屈曲通路803が形成されている。屈曲通路壁802は、ユニットベース体801の上部中央から下流側の略中程まで球の直径よりもやや大きな間隔で突設されるが、その中程から下流側に大きく左右に分かれて中程から下流端までユニットベース体801の両端辺の側壁を兼ねている。また、中程の屈曲通路壁802が大きく左右に分かれた部分は、球送り回転体としてのスプロケット807が配置される振分空間805を構成し、その振分空間805の下部からユニットベース体801の下流端までに左右に分かれた屈曲通路壁802の対をなすように通路区画壁809が突設形成されている。
つまり、中程から下流側の左右の屈曲通路壁802と通路区画壁809とによって振分空間805から左右に2つの通路が構成されることなり、一方の通路が賞球通路810を構成し、他方の通路が球抜通路811を構成している。なお、通路区画壁809も左右に大きく分かれており、その分かれた通路区画壁809の内側に払出モータ815を収納するモータ収納空間814が形成されている。即ち、払出モータ815は、球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)を避けた位置であって、その球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間814に収納固定される。なお、屈曲通路803は、通路803内に停留する球のスプロケット807への圧力を弱めるために蛇行状に形成されて振分空間805に到達しているが、その振分空間805の上流側の底面に楕円形状の開口804が形成されている。この開口804は、屈曲通路803内に入った小さなゴミ等を貯留するもので、賞球ユニット800を本体枠3から取り外したときに溜まったゴミ等を取り出すことができるようになっている。
また、上記した振分空間805には、外周に球が嵌り合う複数(図示の場合は、3つ)の凹部が形成された払出部材としてのスプロケット807が回転自在に配置されるが、このスプロケット807が固定される回転軸808の他端を軸支する軸受筒806が振分空間805の底面に形成されている。また、振分空間805の底部を構成する通路区画壁809の上端部は、スプロケット807の回転円弧に沿った凹円弧状に形成され、その一方に形成される賞球通路810の上流部には、計数スイッチ812が着脱自在に装着されている。
この計数スイッチ812は、先端部に球が通過する円形状の通過穴が形成された直方体状の磁気センサからなり、その後端部の形状と合致するスイッチ嵌合凹部865を屈曲通路壁802で形成することにより、簡単に着脱自在に取付けられるものである。なお、計数スイッチ812からの配線(図示しない)は、後述する賞球ユニット内中継端子板830に接続されるようになっている。更に、賞球通路810を構成する屈曲通路壁802の下流側には、ユニットサブ板825と一体的に形成される通路蓋板部859に形成される係止部860と係合する係止爪813が複数形成されている。ただし、複数の係止爪813のうち、通路蓋板部859の下端の一方の係止部860と係合する係止爪813は、通路区画壁809側に形成されている。
また、ユニットベース体801の下方であって賞球通路810と球抜通路811との間には、払出モータ815を収納する円形状のモータ収納空間814が形成されるが、このモータ収納空間814の内部に払出モータ815の円筒状本体が収納されるようになっている。ただし、払出モータ815は、その前面に形成される一対の取付片816によってユニットサブ板825の下方に取付けられるアルミ放熱板841の裏面側にビス817で固着されるようになっている。そして、払出モータ815がユニットサブ板825のアルミ放熱板841に取付けられた状態で、払出モータ815のモータ軸818は、アルミ放熱板841に穿設された軸挿通穴842を貫通して第一ギア843が固着されるようになっている。
また、ユニットサブ板825及びアルミ放熱板841でユニットベース体801の後面側を被覆することにより、上記した屈曲通路803、賞球通路810、及び球抜通路811が形成される奥行幅方向の空間内に払出モータ815の円筒状本体部分も収納配置されることになる。そして、払出モータ815を収納するモータ収納空間814と前述したスプロケット807が配置される振分空間805とが、上下方向の極めて近い位置関係に形成されているため、ユニットベース体801の上下方向の長さを短くすることができ、結果的に賞球ユニット800のコンパクト化を図ることができる。
更に、ユニットベース体801には、上記した球抜通路811の最下端に球抜きされた球を賞球ユニット800の裏面側に誘導する誘導突片819が突設され、この誘導突片819に誘導された球が後述する球抜接続通路880に誘導されて最終的にパチンコ機1の外部(島台の下方に設けられる回収樋)に放出されるようになっている。また、ユニットベース体801の上部には、前述した球通路ユニット770の連結蓋部材786を係止する係止弾性爪820が突設されると共に、賞球ユニット800を本体枠3の軸支側後面壁546に着脱自在に取付けるためのボタン挿通係合穴821及び鉤状係合部824と、ユニットベース体801とユニットサブ板825を挟持した状態でギアカバー866とを連結するための取付ボス823が設けられている。
このボタン挿通係合穴821には、ユニットベース体801の上部一側に設けられて棒状の着脱ボタン822が奥行幅方向に摺動自在に取付けられるものであり、後述するように、その前方先端が本体枠3の軸支側後面壁546に形成されるロック用弾性爪564に対応している。また、ボタン挿通係合穴821の後端面は、図101に示すように、ロック用弾性爪564の先端部が入り込むように凹状となっている。また、鉤状係合部824は、本体枠3の軸支側後面壁546に形成される係合突片565と係合するもので、賞球ユニット800を軸支側後面壁546に押し当てて下方に押下げることにより、鉤状係合部824と係合突片565とが係合するものである。そして、その係合状態においてロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821とが係合するので、賞球ユニット800の上方向の移動ができないようになっている。
なお、鉤状係合部824は、ユニットベース体801の上部左右に形成されている。また、ユニットサブ板825を挟持した状態でユニットベース体801とギアカバー866とを連結するための取付ボス823は、後面側に向かって長く突設され、ユニットサブ板825に穿設される貫通穴858を貫通した後、ギアカバー866の取付穴867に対応させ、そのギアカバー866の表面からネジ868を螺着することにより、ユニットサブ板825を挟持した状態でユニットベース体801とギアカバー866とを連結している。
上記したユニットベース体801を被覆するユニットサブ板825の構成について説明すると、ユニットサブ板825は、ユニットベース体801の屈曲通路803部分と振分空間805部分と賞球通路810部分とを覆う合成樹脂製の板材に払出モータ815が取付けられると共に球抜通路811の下流部分とを覆うアルミ放熱板841を取付けることにより構成されている。そして、ユニットサブ板825の合成樹脂板部の表側(後面側)には、賞球ユニット内中継端子板830を取付けるための中継基板領域826が上部に形成され、その下方に複数のギア843,844,847や検出円盤850が取付けられるギア領域840が形成されている。
この中継基板領域826は、略正方形状に形成され、その正方形状に沿って賞球ユニット内中継端子板830を載置する載置リブ827が突設され、その一側垂直辺の上下に後述する基板カバー835の係合突起836と係合する係合溝部828が形成され、その他側垂直辺の中央に基板カバー835の係止突部837と係合する係止爪部829が形成されている。また、中継基板領域826には、着脱ボタン822が挿通されるボタン挿通穴834と賞球ユニット内中継端子板830をビス(図示しない)で止着するための取付ボス部832が形成されている。
上記した中継基板領域826に取付けられる賞球ユニット内中継端子板830は、賞球ユニット800に設けられる上述した計数スイッチ812、払出モータ815、及び後述する回転角スイッチ855からの配線と、後述する払出制御基板1186(図71及び図126を参照)からの配線とを中継するもので、そのために複数のコネクタが設けられると共に、着脱ボタン822が挿通されるボタン挿通穴833と取付ボス部832に対応する取付穴831とが穿設されている。しかして、賞球ユニット内中継端子板830を中継基板領域826の載置リブ827に載置した状態で取付穴831と取付ボス部832とを合致させて図示しないビスで止着することにより賞球ユニット内中継端子板830をユニットサブ板825の表面(後面)に止着することができる。
また、上記のように取付けられる賞球ユニット内中継端子板830は、基板カバー835によって被覆される。基板カバー835は、略正方形状の前面側が開放したボックス状に形成され、その一側垂直辺の上下基部に係合突起836と他側垂直辺の略中央側面に係止突部837が形成されている。また、基板カバー835の正方形状の垂直面には、ボタン開口838と接続開口部839とが形成されている。しかして、基板カバー835の係合突起836を中継基板領域826の係合溝部828に差し込んで係合した後、係止突部837と係止爪部829とを係合させることにより、簡単に基板カバー835で賞球ユニット内中継端子板830を被覆することができる。逆に、取り外す場合には、係止爪部829を弾性変形させて係止突部837との係合を解除すると共に基板カバー835を斜め手前側に引いて係合突起836と係合溝部828との係合を解除することができる。なお、基板カバー835を被覆した状態では、ボタン挿通係合穴821に係合されている着脱ボタン822の頭部がボタン挿通穴833,834を挿通してボタン開口838から外部に僅かに臨んでいる。また、賞球ユニット内中継端子板830に接続された配線は、接続開口部839から外部に引き出されるようになっている。
次に、ユニットサブ板825に形成されるギア領域840に設けられるギア843,844,847、及び検出円盤850について説明する。前述したように、払出モータ815のモータ軸818の先端は、ユニットサブ板825のアルミ放熱板841に穿設される軸挿通穴842を貫通してユニットサブ板825の表面(後面側)に突出しており、その突出した部分に第一ギア843(駆動ギア)が固着されている。第一ギア843の上方には、第一ギア843と噛合する第二ギア844(回転伝達ギア)がギアカバー866の裏面(前面側)に一端が圧入され且つアルミ放熱板841に穿設される軸穴846に他端が支持される軸845に回転自在に設けられ、その第二ギア844の上方には、第二ギア844と噛合する第三ギア847(回転伝達ギア)がユニットサブ板825に形成される軸穴849に圧入された軸848に回転自在に設けられている。更に、第三ギア847の上方には、第三ギア847と噛合するギア部852(従動ギア)を有する検出円盤850がスプロケット807を軸支する回転軸808に回転自在に設けられている。
なお、図109に示すように、モータ軸818の先端部がギアカバー866に形成される受穴に遊嵌されている。また、回転軸808は、その一端がユニットベース体801に形成される軸受筒806に圧入されて支持され、その他端がギアカバー866に形成される軸受穴に支持されるものであるが、ギア領域840の中央よりやや下方に形成された軸貫通穴864を貫通して振分空間805においてスプロケット807を回転自在に軸支し、ユニットサブ板825とギアカバー866とによって形成される空間において検出円盤850を回転自在に軸支している。ただし、図109に示すように、スプロケット807の後端部が検出円盤850の中心前面部と係合した状態となっているので、スプロケット807と検出円盤850とは、回転軸808を中心として一体的に回転するようになっている。したがって、払出モータ815が回転駆動すると、その回転が第一ギア843、第二ギア844、第三ギア847、検出円盤850のギア部852を介してスプロケット807を回転するように伝達される。
この検出円盤850の外周は、ギア部852の円よりも一回り大きく形成されており、そのギア部852よりも外側に突出している外周部分には、スプロケット807の凹部と同じ数(図示の場合には、3個)の検出切欠851が形成されている。この検出切欠851は、ユニットサブ板825の表面に形成される基板取付部857に挟持支持されるセンサ基板854に設けられる投受光方式の回転角スイッチ855(回転位置検出手段)によって検出されるものである。そして、回転角スイッチ855は、払出動作時において所定のインターバル時間内に検出切欠851の検出個数を検出することにより、スプロケット807が正常に回転しているか否かを監視するためのものである。仮に、回転角スイッチ855により、異常回転が検出されたとき(多くは、スプロケット807による球噛み状態)には、スプロケット807を所定回数正逆回転させて異常状態(例えば、球噛み状態)を解消するものである。なお、実際に払いだされた球の個数は、前述した賞球通路810に設けられる計数スイッチ812によって検出して計数のために使用している。なお、図109に示すように、センサ基板854の他端辺もギアカバー866に形成される基板取付部に挟持されるようになっている。
上述したように、ギア領域840に設けられる複数のギアのうち、第二ギア844だけがギアカバー866側に圧入される回転軸845に回転自在に設けられているところ、ギア領域840を覆うギアカバー866には、ユニットベース体801に突設されてユニットサブ板825の貫通穴858を貫通する取付ボス823の先端部に対応する位置に穿設される取付穴867が形成されている。そして、ギアカバー866側に設けられる第二ギア844の歯とユニットサブ板825側に設けられる第一ギア843及び第三ギア847の歯とを噛合せながら、取付穴867と取付ボス823とを一致させた状態でギアカバー866の後面からネジ868で螺着することにより、ユニットサブ板825を挟持する状態でユニットベース体801とギアカバー866とが一体的に固定される。また、ギアカバー866の一側側面には、賞球ユニット内中継端子板830に接続される配線(例えば、賞球ユニット内中継端子板830と後述する払出制御基板1186とを接続する配線等)を掛け留めて纏める配線処理片869が突設されている。
以上、賞球ユニット800の構成について説明してきたが、ユニットベース体801とユニットサブ板825と賞球ユニット内中継端子板830と基板カバー835とギアカバー866とを組み付けた状態においては、図109に示すように、払い出すべき球が導かれる屈曲通路803の下方位置に払出モータ815の円筒状の本体部分が収納されるように位置する。また、ユニットベース体801には、球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)内に配置されたスプロケット807と、球通路を避けた位置であって球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間814に収納された払出モータ815と、を設け、ユニットサブ板825には、その非閉塞面側に沿って払出モータ815のモータ軸818の回転をスプロケット807の回転軸808に伝達する回転伝達部材(第一ギア843、第二,3ギア844,847、及び検出円盤850のギア部852)を設け、しかも、払出モータ815と屈曲通路803の振分空間805に配置される払出部材としてのスプロケット807とをユニットサブ板825の後面のギア領域840に設けられる複数のギア843,844,847,850(852)によって回転駆動するように連結した構造となっている。即ち、ユニットベース体801とユニットサブ板825との間に形成される球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)の奥行き幅内にスプロケット807と払出モータ815とを収納し、しかも、スプロケット807と払出モータ815とを連結する回転伝達部材(第一ギア843、第二,3ギア844,847、及び検出円盤850のギア部852)をユニットサブ板825の非閉塞面側の所定幅内に沿って設けたので、球通路の外側に払出モータやスプロケットの一部を配置したものに比べて、賞球ユニット800を薄型化することができる。
また、このような賞球ユニット800は、賞球ユニット800内の球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)が一条の通路形状で形成されることにより、より一層の薄型化が図られている。即ち、従来のように、払出モータ815を賞球ユニットの前面側又は後面側又は側方側に突出させるものと異なり、本体枠3の軸支側後面壁546の後面側に取付けたときに、賞球ユニット800のいずれの部分もさらに後方に向かって突出することがない構造とすることができる。なお、図109において、払出モータ815の前端部分がユニットベース体801の後面よりも僅かに突出して構成されているが、この突出部分は、図71に示すように、軸支側後面壁546の下方の払出モータ用逃げ開口部572から本体枠3の前方部分に臨むようになっているため、結果的にその突出寸法から軸支側後面壁546の板厚寸法を差し引いた寸法だけ突出する程度となり、軸支側後面壁546よりも前方に向かう突出量は僅かなものとなっている。また、このような構成をとることにより、本実施形態では、賞球ユニット800が取付けられる本体枠3の軸支側後面壁546と遊技盤4の裏面との間に、遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部分を収納する収納空間を奥行き幅方向で大きくとることができる。
更に、上記のように構成される賞球ユニット800を本体枠3の軸支側後面壁546に取付けるためには、図101に示すように、鉤状係合部824と係合突片565とを対応させて位置合わせした後、賞球ユニット800の下端を係止溝573に掛け止め且つ鉤状係合部824と係合突片565とを係合させるために賞球ユニット800を軸支側後面壁546に密着させたまま下方に押下げる。このとき、賞球ユニット800の下端部と係止溝573とが係合し且つ鉤状係合部824と係合突片565とが係合しているので、取付自体は完了しているが、賞球ユニット800を上方に移動させることにより簡単に上記の夫々の係合状態が解除されてしまうため、これを防止するために、ロック用弾性爪564がボタン挿通係合穴821に係合するようになっている。
つまり、ロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821とが係合することにより、取付状態で賞球ユニット800の上方への移動を防止している。このように、賞球ユニット800を取付けた後に、球通路ユニット770の連結蓋部材786を前述したように回動して係止弾性爪820で係止することにより、球通路ユニット770の球落下通路772下流端と賞球ユニット800の屈曲通路803の上流端とを一対の通路壁790によって構成される通路を介して連通化することができる。また、賞球ユニット800を取付けた状態では、賞球通路810の下流端と後に詳述する満タンユニット900の賞球入口927とが接続され、球抜通路811の下流端が球抜接続通路880の上流端と接続される。
一方、賞球ユニット800を取り外すときは、係止弾性爪820による係合を解除して連結蓋部材786を手前側に回動し、その後、着脱ボタン822を押圧してロック用弾性爪564を前面側に移動させてロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821との係合を解除させ、その後着脱ボタン822を押圧したままの状態で賞球ユニット800を上方に引き上げて賞球ユニット800の下端部と係止溝573との係合及び鉤状係合部824と係合突片565との係合を解除して賞球ユニット800を手前側に引き出すことにより、賞球ユニット800を簡単に取り外すことができる。
[1−3G.満タンユニット]
続いて、上記した賞球ユニット800の下流側に配置される満タンユニット900について、主として図110乃至図116を参照して説明する。図110は、賞球ユニット800と満タンユニット900との関係を示す斜視図であり、図111は、満タンユニット900の斜視図であり、図112は、満タンユニット900の正面から見た分解斜視図であり、図113は、満タンユニット900の背面から見た分解斜視図であり、図114は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す一部破断斜視図であり、図115は、満タンユニット900に設けられる底面揺動板907部分で切断した横断面図であり、図116は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す断面図である。
満タンユニット900は、前述したように本体枠3の満タンユニット載置部531に載置固定されるものであり、図112に示すように、上面が開放したボックス状に形成されるボックス主体901と、ボックス主体901の上面を覆う蓋体926とから構成されている。ボックス主体901は、賞球通路810の下流端から流入した球が内部をジグザグ状に誘導されて出口921から排出されるようになっている。このため、その上流部に蓋体926に形成される賞球入口927から流入した球を一端から他端に向かって側方に誘導する側方誘導通路902が形成されている。側方誘導通路902の賞球入口927の直下の一端部には、球を側方に向かって誘導するように凹円弧状に形成される側方誘導受部903が設けられ、側方誘導通路902の他端内面に側方誘導通路902を流れてきた球の衝撃を受け止めて球を下流側に誘導する緩衝部材904が設けられている。
また、側方誘導通路902の他端内面に設けられる緩衝部材904に衝突した球は、向きを下流側に変えた後、側方誘導通路902の球の流れと逆方向に流れるように誘導される逆側方誘導通路905が形成されている。逆側方誘導通路905を流れた球は、その後、前方に向かって形成される前方誘導通路920に導かれて前方誘導通路920の流下端に形成される出口921から前述した皿ユニット300の賞球連絡樋343に導かれる。
ところで、逆側方誘導通路905の上流側の底面には、その底面の全域に亘って開口する底面開口906が形成され、その底面開口906を底面揺動板907が揺動自在に閉塞している。底面開口906は、上面が開放された略正方形の凹状に形成され、その内部の正面から見て前後方向の側壁に一対の軸支突起911が突設されている。また、底面開口906の凹状の底面にバネ913の下端を位置決めするための円形状のバネ載置凹部912が形成されている。一方、底面開口906を閉塞する底面揺動板907は、略正方形状に形成され、その裏面下流側に正面から見て軸支突起911に嵌合することにより軸支される半円形状の軸受部908が突設形成されている。
また、底面揺動板907の裏面中央には、図115に示すように、バネ913の上端が係止されるバネ係止突起910が下方に向かって突設されている。したがって、底面揺動板907は、バネ913の付勢力によりその上流側が常に上方へ揺動された方向に付勢されている。そして、バネ913は、通常の賞球の払出個数(例えば、15個)が一度に底面揺動板907上に載置したときでも底面揺動板907が下方に揺動せず、賞球の払出個数以上の所定個数の球が底面揺動板907上に載置したときに下方に揺動するようなバネ係数を有するバネ部材によって形成されている。更に、底面揺動板907の上流側に検出突片909が前方に向かって突出されている。この検出突片909は、底面揺動板907の軸受部908を軸支突起911に嵌合軸支したときに、連通孔929を貫通して次に説明するスイッチ収納空間914に位置するようになっている。
また、逆側方誘導通路905の上流端部の側壁の外側には、満タンスイッチ916を収納するためのスイッチ収納空間914が一体的に形成されている。スイッチ収納空間914に満タンスイッチ916を取付けるために、スイッチ収納空間914の上部であって逆側方誘導通路905の上流端部の側壁の外側面にスイッチ取付部918が形成され、そのスイッチ取付部918に満タンスイッチ916を保持するスイッチホルダ915の取付片917がネジ919によって止着されている。満タンスイッチ916は、投光器と受光器とからなるスイッチとして構成され、その受光器と投光器との間を検出突片909が上下に揺動することによりON・OFFを検出するものである。
更に、逆側方誘導通路905の下流側の一側方にファール球通路922が形成されている。ファール球通路922は、その上流側のファール球入口923が図114に示すように、前述したファール口610に連通し、その下流側が前方誘導通路920の上流側に連通するように屈曲して形成されている。このため、ファール口610に取り入れられたファール球は、ファール球入口923から屈曲したファール球通路922を通って前方誘導通路920に導かれ、さらに出口921及び賞球連絡樋343を通って皿ユニット300に戻される。
また、ボックス主体901には、出口921の両側方とファール球入口923の一側方に満タンユニット載置部531に形成されるユニット係合溝532に係合される係合片924が突設されると共に、蓋体926に形成される掛止片928と係合する掛止突起925が形成されている。この掛止突起925は、ボックス主体901の左右後方の側壁上部に適宜形成されている。
一方、蓋体926は、ボックス主体901の側方誘導通路902、逆側方誘導通路905、前方誘導通路920、及びファール球通路922の上面を覆うような板形状に形成され、側方誘導通路902に上流端に対応する位置に正方形状の賞球入口927が開口されている。また、蓋体926の周囲には、ボックス主体901の掛止突起925と係合するための掛止片928が下方に向かって突設されている。
上記のように構成される満タンユニット900においては、図110に示すように、賞球ユニット800の賞球通路810から払出された球が賞球入口927から側方誘導通路902の上流側に入って側方誘導受部903によって側方に向かって誘導されて緩衝部材904に衝突する。緩衝部材904に衝突した球は、そのまま下流側に向かって逆側方誘導通路905を側方誘導通路902の誘導方向と逆方向に誘導されて前方誘導通路920に導かれ、前方誘導通路920の出口921から賞球連絡樋343を通って皿ユニット300に導かれる。また、ファール球入口923から入ったファール球も屈曲したファール球通路922によって球の勢いを弱められて前方誘導通路920に合流し、前方誘導通路920の出口921から賞球連絡樋343を通って皿ユニット300に導かれる。
そして、通常時、満タンユニット900内を球が自然に流れているときには、側方誘導通路902から逆側方誘導通路905に球が移動する際に、底面揺動板907に落下するが、通常の賞球の払出個数程度では、バネ913の弾発力が強いので、底面揺動板907が揺動することがなく、図115の実線で示すように、検出突片909が投受光方式の満タンスイッチ916の投光器と受光器との間に入ってスイッチが導通しない状態(OFF)となっている。これに対し、皿ユニット300に賞球が貯留されて満タンユニット900内にも球が充満してきたときには、前方誘導通路920及び逆側方誘導通路905の上流側の全域に形成される底面揺動板907上に貯留された球の圧力により底面揺動板907がバネ913の付勢力に抗して下方に揺動し、図115の二点鎖線で示すように、検出突片909が投受光方式の満タンスイッチ916の投光器と受光器との間から外れてスイッチが導通した状態(ON)となる。満タンスイッチ916がONすると、賞球ユニット800の払出モータ815の回転駆動が停止(所定個数の賞球を払出している最中にON信号が導出された場合には、その所定個数の賞球が払出されてから停止)するようになっている。
上記したように、満タンユニット900においては、球が流下する通路(図示の場合には、逆側方誘導通路905)の通路底面の幅と略同じ幅の底面揺動板907によって満タンスイッチ916を作動させるようにすると共に、通常時の球の流れによって揺動せずある程度の球が載置したときに底面揺動板907揺動するように付勢部材(バネ913)で付勢したので、従来のように一部の通路の底面等に球が載置したことにより球詰まりを検出するものに比べて、その一部の通路部分における球の載置が球詰まりによって検出されない事態を確実に防止することができる。このことは、球の満タンを確実に検出することができるものである。
また、本実施形態に係る満タンユニット900においては、本体枠3の満タンユニット載置部531に着脱自在に取付けるものであるため、従来のように、満タン装置を本体枠に形成された払出通路の内部に組み付けるものに比べて、本体枠に満タン構造のための通路を形成する必要がない。また、満タンユニット900の内部をジグザグ状の通路とすることにより、賞球ユニット800の賞球通路810から払出された球の勢いを弱めながら皿ユニット300に誘導することができるので、払い出された賞球が皿ユニット300から外に飛び出すこともない。更に、本実施形態に係る満タンユニット900は、ファール球を導くファール球通路922が賞球を払い出す前方誘導通路920の途中に球の勢いを弱めて合流するようになっているので、賞球の流れを阻害することなくファール球を合流させることができる。
[1−4.錠装置]
次に、本体枠3の開放側の裏側端辺に沿って垂直方向に取付けられる錠装置1000について主として図117乃至図125を参照して説明する。図117は、錠装置1000と本体枠3との関係を示す背面斜視図であり、図118は、錠装置1000の本体枠3への掛け止め構造を示す拡大側方断面図であり、図119は、パチンコ機1の縦方向中央よりやや下方の位置で水平方向に切断した一部断面図であり、図120は、錠装置1000と本体枠3の側壁540,541との詳細な関係を示す拡大断面図であり、図121は、錠装置1000の側面図(A)、前面側から見た斜視図(B)であり、図122は、錠装置1000の背面側から見た斜視図(A)、錠装置1000のコ字状基体1001の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050の斜視図(B),(C)であり、図123は、錠装置1000の分解斜視図であり、図124は、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050の作用を説明するための正面図であり、図125は、不正防止部材1023,1032の作用を説明するための正面図である。
錠装置1000は、本体枠3の開放側の第一側面壁540に沿って本体枠3の略上端から下端にかけて取付けられるものであり、図117に示すように、本体枠3の外周側辺と第一側面壁540の立ち上がり部との間の上下端近い部分及び中程に形成される複数(図示の場合、3個)の錠係止穴548と、第一側面壁540の垂直面の上部と中程に切り欠けられて形成される錠取付穴547とシリンダ錠貫通穴526の上部近傍に形成される錠取付穴547と、によって次に説明する錠装置1000のコ字状基体1001が支持固定されるものである。そこで、以下、錠装置1000の構造について詳細に説明する。
図121乃至図123に示すように、錠装置1000は、断面コ字状に形成される錠基体としてのコ字状基体1001と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる本体枠用摺動杆1050と、本体枠用摺動杆1050の摺動を不正に行うことができないようにコ字状基体1001の下部に取付けられる不正防止部材1023,1032と、からなる。
コ字状基体1001は、金属を断面コ字状となるように折り曲げ、その内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設けるものであるが、その横幅寸法は従来の断面L字状に成形された基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いものとなっている。これは、前述したように遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしたため、側面壁540と本体枠3の外周辺との間の寸法が極めて小さくなっていることにより、本実施形態に係る錠装置1000の横幅寸法を小さく形成して錠装置1000を本体枠3の裏側に取付けることができるような取付構造として改良したためである。そして、コ字状基体1001の断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取付けられるため、錠装置1000が本体枠3に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態の不正防止構造となっている。
まず、コ字状基体1001の開放側と反対の閉塞側上下に本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065が貫通される長方形状のフック貫通開口1002が開設されると共に、閉塞側であって第一側面壁540と密着する側面1001b(図123を参照)上部と中程に水平方向にビス止め部1003が突設され、更に、開放側の第一側面壁540と密着しない側面1001a(図123を参照)の上端部及び中間部と、開放側の両側面1001a,1001bの下端部に係止突起1004が突設形成されている。
このビス止め部1003と係止突起1004は、錠装置1000を本体枠3の裏面に取付けるためのものであり、係止突起1004を本体枠3の錠係止穴548に差し込んで上方に移動させ(図118を参照)、その状態でビス止め部1003と錠取付穴547とが一致するため、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができる。なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程のビス止め部1003だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されるビス止め部1003とシリンダ錠貫通穴526の上方近傍に形成される錠取付穴547とを対応させて図示しないビスで止着することにより、錠装置1000の下方も取付けられるようになっている。
また、その取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を錠係止穴548に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中の2箇所に形成されたビス止め部1003及びコ字状基体1001の開放側(前方部)に形成されたビス止め部1003を錠取付穴547にビスで固定する構造であるため、錠装置1000の前方部を係止突起1004と錠係止穴548で係止し、錠装置1000の後方部をビス止め部1003と錠取付穴547で固定し且つ錠装置1000の下方部をビス止め部1003と錠取付穴547で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。
換言すると、錠装置1000を極めて横幅寸法の薄いコ字状基体1001に集約して構成した場合でも、錠装置1000の前方部と後方部との係止及び固定により、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造(固定構造でもよい)を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003及びビス止め部1003がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着する側面1001bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が第一側面壁540と密着する側面1001bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるものである。
また、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bの上部、中程、下部に挿通穴1005が形成され、コ字状基体1001に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納した状態で挿通穴1005にリベット1006を差込んでかしめることにより、コ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を摺動自在に取付けることができる。即ち、扉枠用摺動杆1040の上中下の3箇所に形成されるリベット用長穴1042と本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に夫々1つずつ形成されるリベット用長穴1055,1061にリベット1006を貫通させることにより、扉枠用摺動杆1040が上方に移動できるようにし、本体枠用摺動杆1050が下方に移動できるようになっている。したがって、図122(B)に示すように本体枠用摺動杆1050のリベット用長穴1055,1061の下端部にリベット1006が貫通しており、図122(C)に示すように扉枠用摺動杆1040のリベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通している。
更に、コ字状基体1001の下方部には、その閉塞側面に不正防止切欠部1007が形成されると共に、その開放側の本体枠3の第一側面壁540と密着する側面1001bの前端部にシリンダ錠1010を取付けるための錠取付片1008が側方に向かって突設され、更に、第一側面壁540と密着する側面1001bに挿入縦開口1020、バネ係止片1021、及び逃げ横穴1022が夫々形成されている。不正防止切欠部1007は、後に説明する第一不正防止部材1023のストッパー片部1027が進退するようになっている。この点については、後に詳述する。また、錠取付片1008は、錠装置1000を本体枠3の裏面に取付けた状態で、遊技盤設置凹部510の下端辺よりも下方の位置となるようにコ字状基体1001の側面1001bの前端部から側方に向かって突設されるが、この錠取付片1008には、シリンダ錠1010が貫通する錠挿通穴1009が形成されると共にシリンダ錠1010の錠取付基板1011に形成される取付穴1013をビス1012で取付けるための取付穴1014が上下2箇所に穿設され、更に、錠装置1000の下部を本体枠3の裏面に取付けるためのビス止め部1003が穿設されている。
また、挿入縦開口1020は、シリンダ錠1010に固定される係合カム1016の第一係合突片1017及び第二係合突片1018がシリンダ錠1010の回動時に侵入するための開口であり、バネ係止片1021は、不正防止部材1023,1032に設けられるバネ1035が係止されるものであり、逃げ横穴1022は、連結ピン1034の移動の邪魔をしないように逃げ穴を構成するものである。この点については後に詳述する。
上記した錠取付片1008に取付けられるシリンダ錠1010について説明すると、シリンダ錠1010は、錠取付基板1011の前方に円筒状のシリンダ錠本体が固定され、そのシリンダ錠本体の錠軸1015が錠取付基板1011より後面に出ており、その錠軸1015の後端に係合カム1016がビス1019によって固定されている。係合カム1016は、ブーメラン形状に形成され、その一端辺が回動時に本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合する第一係合突片1017となっており、その他端辺が回動時に扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合する第二係合突片1018となっている。そして、上記のように構成されるシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体部分を錠挿通穴1009に挿通して錠取付基板1011の上下2箇所に形成される取付穴1013と錠取付片1008の取付穴1014とを一致させてビス1012で螺着することにより、シリンダ錠1010をコ字状基体1001に固定することができる。
次に、コ字状基体1001に取付けられる不正防止部材1023,1032,について図123を参照して説明する。不正防止部材1023,1032は、シリンダ錠1010を正式な鍵で回動せずに、例えばピアノ線や針金等で不正に本体枠用摺動杆1050を下降させることを防止するためのものである。しかして、不正防止部材1023,1032は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結した構造となっている。第一不正防止部材1023は、上端の揺動軸穴1025を中心にして揺動自在に構成される縦長の板状に形成され、その揺動軸穴1025を前述したコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を摺動自在に取付けるための挿通穴1005及びリベット1006のうち、最下方の挿通穴1005及びリベット1006によって取付けられる。
また、第一不正防止部材1023には、その板状面に挿入縦開口1020と重複する縦長な突片挿入穴1026が開設され、この突片挿入穴1026に第二係合突片1018が挿入し得るようになっている。つまり、突片挿入穴1026と挿入縦開口1020を第二係合突片1018が貫通することにより、コ字状基体1001の内部に設けられる扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045と第二係合突片1018とが係合するようになっている。また、第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026の開設位置の斜め上方の外形線が傾斜部1024となっている。この傾斜部1024は、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017の後面側と当接するもので、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017と傾斜部1024とが当接することにより第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として揺動(図125(B)において時計回転方向)するようになっている。
更に、第一不正防止部材1023には、突片挿入穴1026の斜め下方の外形線上にストッパー片部1027が突設され、そのストッパー片部1027の下方に規制突片1031が突設され、規制突片1031の前方部にピン穴1029と連結穴1030とが上下に形成されている。ストッパー片部1027は、本体枠用摺動杆1050の施錠時に不正防止切欠部1007及び本体枠用摺動杆1050の係合切欠部1066に侵入係合して本体枠用摺動杆1050が不正に摺動しないようにするものである。また、規制突片1031は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とはバネ1035によって連結されるが、そのバネ1035で連結されたときに第二不正防止部材1032の付勢方向への移動を規制するものである。ピン穴1029は、ガイドピン1028が固定されるものであり、ガイドピン1028が第一不正防止部材1023の裏面側からピン穴1029に固定された状態で、そのガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端部に形成される横長状開口部に係合させることにより、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001の側面1001bに沿って案内するものである。更に、連結穴1030は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結するためのものである。
上記した第一不正防止部材1023に連結される第二不正防止部材1032は、逆「て」字状の板材で形成され、その上部一端に連結穴1033が形成され、その上部他端にバネ係止穴1036が穿設され、下方端部に当接部1037が設けられている。連結穴1033は、第一不正防止部材1023の連結穴1030と一致させて連結ピン1034で連結するためのものであり、バネ係止穴1036は、一端がコ字状基体1001のバネ係止片1021に係止されるバネ1035の他端を係止するものである。また、当接部1037は、本体枠3の閉鎖時に外枠2の内側下部に固定される閉鎖用突起41と当接するものである。なお、上記した第一不正防止部材1023及び第二不正防止部材1032の作用については、後に詳述する。
次に、コ字状基体1001の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050について説明する。まず、扉枠用摺動杆1040は、縦長の金属製の板状部材から構成され、その一側縦辺の上中下の3箇所に扉枠用フック部1041が前方に向かって一体的に突設されている。この扉枠用フック部1041は、コ字状基体1001内に収納したときに、その開放側から前方に突出しているもので、錠装置1000を本体枠3の裏面に固定したときに、本体枠3に形成される扉用フック穴549(図67及び図68を参照)から前方に突出し、扉枠5の裏面に形成されるフックカバー158(図18を参照)に係止するものである。なお、扉枠用フック部1041は、下向きの係合爪形状となっているため、扉枠用摺動杆1040を上昇させることにより扉枠用フック部1041とフックカバー158との係止状態を解除することができる。
また、扉枠用摺動杆1040の上中下の側面中央に、リベット1006が挿通される縦長のリベット用長穴1042が形成され、リベット用長穴1042のうちの最上部のリベット用長穴1042の下方及び扉枠用摺動杆1040の最下端にガイド突起1043が突設されている。リベット用長穴1042は、コ字状基体1001の挿通穴1005に挿通されるリベット1006が貫通されるものであり、しかも、このリベット1006が扉枠用摺動杆1040の上昇動作を邪魔しないように縦長に形成されている。そして、通常状態においては、リベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通当接した状態となっている。また、ガイド突起1043は、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に形成される突片移動穴1056,1064に挿通されるものであり、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の摺動動作を案内するようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040の上端部にスプリングフック部1046が形成され、このスプリングフック部1046にスプリング1048の一端が係止され、そのスプリング1048の他端が本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051に形成されるスプリングフック部1057に係止される。これにより、扉枠用摺動杆1040が下方向に、本体枠用摺動杆1050が上方向に、夫々相互に付勢されている。扉枠用摺動杆1040の中程には、当接弾性片1047が凸状に形成されている。この当接弾性片1047は、扉枠用摺動杆1040の一側側面からプレスで打ち出して凸状に形成したものであり、コ字状基体1001の内側面に当接して内部で扉枠用摺動杆1040がガタつかないようにするものである。
更に、扉枠用摺動杆1040の下方部分の側面には、共に縦長な遊び穴1044と上昇係合穴1045とが形成されている。遊び穴1044は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動するときに、その回動動作の邪魔にならないように第一係合突片1017の先端部が移動しえる空間を構成するものである。また、上昇係合穴1045は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動するときに、その回動動作によって扉枠用摺動杆1040が上昇するように係合するためのものである。なお、扉枠用摺動杆1040の縦辺下部後方には、不正防止切欠部1007よりも上下方向に大きな切欠である逃げ切欠部1049が形成されている。この逃げ切欠部1049は、第一不正防止部材1023のストッパー片部1027を確実に不正防止切欠部1007及び係合切欠部1066に係合させるために邪魔しないように形成されるものである。
一方、本体枠用摺動杆1050は、金属板製の上フック部材1051と、金属板製の下フック部材1052と、上フック部材1051と下フック部材1052とを連結する連結線杆1052と、から構成されている。つまり、本体枠用摺動杆1050は、従来のように1つの金属製の縦長板で構成されているわけではなく、フック部1054,1065を有する上フック部材1051と下フック部材1052とを金属製の板材をプレスで形成し、その金属製の上フック部材1051と下フック部材1052とを細い金属製の連結線杆1053で連結したものである。このため、狭いコ字状基体1001の空間に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを効率よく収納することができる。
ところで、上フック部材1051には、その上端部に後方に向かってフック部1054が突設され、その板面部にリベット用長穴1055と突片移動穴1056とが形成され、また、その前方の縦辺下端部にスプリングフック部1057と連結穴1058とが形成され、さらに、その上辺及び下辺に当接部1059が形成されている。フック部1054は、コ字状基体1001の上方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の上部に設けられる閉鎖用突起38に係合するもので上向きに係止爪部が形成されている。
このリベット用長穴1055は、扉枠用摺動杆1040の上部に形成されるリベット用長穴1042に対応するものであり、このリベット用長穴1055にリベット1006が貫通された通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1055の最下端部を貫通した状態となっている。これにより、上フック部材1051が下方に向かって移動することができるようになっている。突片移動穴1056は、前述したように扉枠用摺動杆1040の上方のガイド突片1043が挿入されて、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内するようになっている。スプリングフック部1057は、前述したようにスプリング1048の他端が係止されるものである。また、連結穴1058は、連結線杆1053の上端が折り曲げられて挿入されるものである。更に、当接部1059は、コ字状基体1001に収納されたときに、コ字状基体1001の内部側壁に当接して上フック部材1051の摺動動作においてガタつきがなくスムーズに行われるようにするためのものである。
一方、下フック部材1052には、その下端部に後方に向かってフック部1065が突設され、その板面部の上方から下方にかけてリベット用長穴1061と下降係合穴1062と遊び穴1063と突片移動穴1064とが順次形成され、また、その前方の縦辺上端部に連結穴1060が、その後方の縦辺下部に係合切欠部1066が夫々形成され、さらに、その上辺及び下辺に当接部1067が形成されている。フック部1065は、コ字状基体1001の下方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の下部に設けられる閉鎖用突起41に係合するもので上向きに係止爪部が形成されている。リベット用長穴1061は、扉枠用摺動杆1040の下部に形成されるリベット用長穴1042に対応するものであり、このリベット用長穴1061にリベット1006が貫通された通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1061の最下端部を貫通した状態となっている。
これにより、下フック部材1052が下方に向かって移動することができるようになっている。下降係合穴1062は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動するときに、その回動動作によって本体枠用摺動杆1050が下降するように係合するためのものである。また、遊び穴1063は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動するときに、その回動動作の邪魔にならないように第二係合突片1018の先端部が移動し得る空間を構成するものである。突片移動穴1064は、前述したように扉枠用摺動杆1040の下方のガイド突片1043が挿入されて、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内するようになっている。また、連結穴1060は、連結線杆1053の下端が折り曲げられて挿入されるものである。更に当接部1067は、コ字状基体1001に収納されたときに、このコ字状基体1001の内部側壁に当接して下フック部材1052の摺動動作においてガタつきがなくスムーズに行われるようにするためのものである。
以上、錠装置1000を構成する各部材について説明してきたが、この錠装置1000を組み付けるには、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051と下フック部材1052とを連結線杆1053で連結し、その状態で扉枠用摺動杆1040のガイド突片1043を上フック部材1051と下フック部材1052の突片移動穴1056,1064に挿入すると共に、相互のリベット長穴1042とリベット用長穴1055,1061を位置合わせして重ね合わせ、その重ね合わせた状態で上フック部材1051のフック部1054と下フック部材1052のフック部1065とをコ字状基体1001のフック貫通開口1002に貫通させながら扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001のコ字状の空間に挿入する。その後、挿通穴1005からリベット1006を差し込む。
この際、リベット1006がリベット用長穴1055,1061、1042を貫通するように差し込む。ただし、最下端のリベット1006を差し込むときには、第一不正防止部材1023の揺動軸穴1025にもリベット1006を差し込んで第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に同時に取付ける必要がある。なお、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に取付ける前に、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結し且つガイドピン1028をピン穴1029に図示しないビスで止着しておき、さらにガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端の開口部に挿入しておく必要がある。
更に、リベット1006で扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001内に収納固定した状態で、スプリング1048をスプリングフック部1046,1057相互間に掛け渡し、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを相互に反対方向に付勢し、さらに、バネ1035をバネ係止片(穴)1021,1036に掛け渡して第二不正防止部材1032が規制突片1031に当接した状態とする。その後、錠取付片1008の錠挿通穴1009にシリンダ錠1010の円筒状本体部分を挿入してシリンダ錠1010をビス1012で取付穴1014に固定する。なお、このとき係合カム1016の第一係合突片1017の先端部が傾斜部1024の外側で且つ挿入縦開口1020に僅かに挿入し、係合カム1016の第二係合突片1018の先端部が第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026及び挿入縦開口1020に僅かに挿入した状態となるようにシリンダ錠1010を錠取付片1008に取付ける。
上記のようにして組み付けた錠装置1000を本体枠3の裏面に取付けるためには、前述したように、扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041を本体枠3に形成される扉用フック穴549に差し込みながら、鉤型に突出する係止突起1004を本体枠3の錠係止穴548に差し込んで上方に移動させ、その状態で水平方向に突出したビス止め部1003及びビス止め部1003を錠取付穴547に一致させ、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、図117に示すように、錠装置1000を本体枠3の裏面に強固に固定することができる。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003及びビス止め部1003がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着する側面1001bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が第一側面壁540と密着する側面1001bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるものである。
ところで、本体枠3の裏面に取付けられた錠装置1000の作用について図124及び図125を参照して説明する。まず、図124を参照して本体枠3の開閉動作と扉枠5の開閉動作について説明する。本体枠3が外枠2に対して閉じ且つ扉枠5が本体枠3に対して閉じている状態においては、図124(A)に示すように、外枠2の閉鎖用突起38,41と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止し且つ扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041と扉枠5のフックカバー158とが係止した状態となっている。その状態でシリンダ錠1010に図面示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図124(B)に示すように、第一係合突片1017の先端が本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合してスプリング1048の付勢力に抗して下フック部材1052を下方に押下げ、これと連結されている連結線杆1053と上フック部材1051も押下げられて下降する。このため、外枠2の閉鎖用突起38,41と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止状態が解除されるため、本体枠3を前面側に引くことにより本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を閉じる場合には、フック部1054,1065がスプリング1048の付勢力により上昇した状態(図124(A)に示す状態と同じ上昇した位置)となっているが、フック部1054,1065の上辺が外側に向かって下り傾斜しているため、強制的に本体枠3を外枠2に対して押圧することにより、フック部1054,1065の上辺傾斜部が閉鎖用突起38,41の下端部と当接するので、本体枠用摺動杆1050が下方に下降し、遂には、フック部1054,1065の上向き爪部と閉鎖用突起38,41とが再度係止した状態となって本体枠用摺動杆1050が上昇して係止状態に戻る。
一方、シリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第二係合突片1018が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図124(C)に示すように、第二係合突片1018の先端が扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合してスプリング1048の付勢力に抗して扉枠用摺動杆1040を上方に押し上げ上昇する。このため、扉枠5のフックカバー158と扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041とが係止状態が解除されるため、扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠3に対して開放することができる。
なお、扉枠5を閉じる場合には、扉枠用フック部1041がスプリング1048の付勢力により下降した状態(図124(A)に示す状態と同じ下降した位置)となっているが、扉枠用フック部1041の下辺が外側に向かって上り傾斜しているため、強制的に扉枠5を本体枠3に対して押圧することにより、扉枠用フック部1041の下辺傾斜部がフックカバー158の上端部と当接するので、扉枠用摺動杆1040が上方に上昇し、遂には、扉枠用フック部1041の下向き爪部とフックカバー158とが再度係止した状態となって扉枠用摺動杆1040が下降して係止状態に戻る。なお、本実施形態における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の全長と略同じ長さに形成されると共に、そのコ字状基体1001が本体枠3の縦方向の側面の略全長に亘って取付けられ、しかも、扉枠5との係止部である扉枠用フック部1041が扉枠用摺動杆1040の上端部、中央部、下端部の3箇所に形成されているため、扉枠5と本体枠3の縦方向の全長における施錠が確実に行われ、扉枠5と本体枠3との間を無理やりこじ開けてその間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を行うことができないという利点もある。
上記したように、本実施形態に係る錠装置1000は、シリンダ錠1010に差し込んだ鍵を一方向に回動することにより、外枠2に対する本体枠3の施錠を解除し、他方向に回動することにより、本体枠3に対する扉枠5の施錠を解除することができる。この場合、シリンダ錠1010に鍵を差し込むことなく本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065にピアノ線等を引っ掛けてこれを下降させる不正行為が行われることがあるが、本実施形態においては、このような不正行為を行うことができないようになっている。このような不正行為を防止する構造の第一番目が第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とから構成されるロック機構であり、第二番目の不正防止構造がコ字状基体1001の閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050が収納される構造である。
まず、第一番目の不正防止構造であるロック機構の作用について図125を参照して説明する。まず、外枠2と本体枠3とが閉じている状態においては、図125(A)に示すように、外枠2の閉鎖用突起41と第二不正防止部材1032の当接部1037とが当接した状態となっている。この状態においては、バネ1035の付勢力により第一不正防止部材1023が反時計方向に回動してストッパー片部1027が不正防止切欠部1007内に侵入し、ストッパー片部1027が不正防止切欠部1007に対応する位置にある本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052に形成される係合切欠部1066と係合した状態となっている。このため、本体枠用摺動杆1050にピアノ線等を引っ掛けて引き降ろそうとしても、ストッパー片部1027と係合切欠部1066とが係合しているので、本体枠用摺動杆1050を不正に下方に引き降ろすこと(解錠すること)が不能となり、本体枠3を開放するという不正行為を行うことができない。
一方、シリンダ錠1010に鍵を差し込んで正規に本体枠3を開錠する場合には、図125(B)に示すように、鍵を回動させることにより係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入するように回動される。この第一係合突片1017の回動時に、第一不正防止部材1023の傾斜部1024と第一係合突片1017の側面とが当接するため、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として図示の時計回転方向に回転を始め、ストッパー片部1027も不正防止切欠部1007から退避するように移動する。このため、ストッパー片部1027と係合切欠部1066との係合が解除された状態となる。このとき、第二不正防止部材1032は、バネ1035を伸ばして当接部1037が後退した位置となっている。この状態でさらに係合カム1016を回動させて第一係合突片1017も回動させると、第一係合突片1017の先端が下フック部材1052の下降係合穴1062に係合して本体枠用摺動杆1050の全体を下降させるので、フック部1054,1065と外枠2の閉鎖用突起38,41との係止状態が解除されて本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を外枠2に対して閉じるときには、第二不正防止部材1032は、規制突片1031に当接した状態となっているため、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032との位置関係は、図125(A)に示す状態と略同じ位置関係になっている。この状態で本体枠3を閉めると、外枠2の閉鎖用突起41と第二不正防止部材1032の当接部1037とが正面から当接し、最終的に図125(A)に示す状態となる。このため、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠3を閉じるときに邪魔になることはない。また、本実施形態においては、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠用摺動杆1050の下降動作だけが不正に行われないように防止しているのは、本体枠用摺動杆1050を不正に開放すれば、解放後に扉枠用摺動杆1040を手動で簡単に開けることができることと、ピアノ線等で摺動杆を上昇させる不正行為は事実上行い難いという理由により、本体枠用摺動杆1050に対する不正操作ができないように工夫されている。
また、上記した第一番目の不正防止構造であるロック機構であっても、第一不正防止部材1023をピアノ線等で揺動させることにより、ロック機構の機能を無力化することも不可能ではない。そこで、万一ロック機構のロック機能が不正な行為により無力化される場合を想定すると、本実施形態においては、錠装置1000が本体枠3に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001の閉鎖空間に収納されて完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んでコ字状基体1001の閉鎖空間の内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げようとしても、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bによって不正具の閉鎖空間への侵入が阻止されるため、不正行為を簡単に行うことができない構造となっている。
以上、詳述したように、本実施形態に係る錠装置1000は、その横幅寸法が従来のL字状基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設け且つ錠装置1000を操作するためのシリンダ錠1010のコ字状基体1001への取付位置を遊技盤の下端辺よりも下方となる位置としたので、遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしても、錠装置1000を本体枠3の裏側に強固に取付けることができる。そして、断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取付けられるため、錠装置1000が本体枠3に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んで内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げる等の不正行為を簡単に行うことができない。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を錠係止穴548に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中下の3箇所に形成されたビス止め部1003及びビス止め部1003を錠取付穴547にビスで固定する構造であるため、錠装置1000の前方部を係止突起1004と錠係止穴548で係止し、錠装置1000の後方部をビス止め部1003及びビス止め部1003と錠取付穴547で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。
なお、上記した実施形態においては、コ字状基体1001の下方部をビス止めする構造として錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と本体枠3のシリンダ錠貫通穴526の上部近傍に形成した錠取付穴547とを螺着する構造としたが、これに代えて、シリンダ錠1010を錠取付片1008に取付けるビス1012を利用して、ビス1012の先端が錠取付片1008を貫通して螺着される錠取付穴をシリンダ錠貫通穴526の上下に形成する構造でも良い。また、コ字状基体1001の下方部をビス止めしなくても、錠装置1000の後方部のビス止め部1003と錠取付穴547との固定だけでも、錠装置1000を本体枠3の裏面に強固に固定されることを確認している。
また、上記した実施形態においては、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を左右の側面1001a,1001bを有するコ字状基体1001で完全に被覆するものとしたが、例えば、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を第一側面壁540に密着しない反対側の側面1001aに摺動自在にリベット等で装着し、第一側面壁540に密着する側面1001bを省略したL字状基体(錠基体)とし、そのL字状基体(錠基体)の側面1001aと第一側面壁540とによって形成される閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納する構造としてもよい。この場合でも、実施形態と同じような取付構造及び不正防止構造とすることができる。
[1−5.基板ユニット]
次に、本体枠3の裏面下部に取付けられる基板ユニット1100について、主として図126乃至図134を参照して説明する。図126は、基板ユニットを背面側から見た斜視図であり、図127は、基板ユニットの背面側から見た分解斜視図であり、図128は、基板ユニットを前面側から見た斜視図であり、図129は、基板ユニットの前面側から見た分解斜視図であり、図130は、基板ユニットの主体をなす枠用基板ホルダの前面側から見た正面図であり、図131は、枠用基板ホルダの背面図であり、図132は、基板ユニットの背面図であり、図133は、払出制御基板ボックス及び端子基板ボックスを取り外した状態の基板ユニットの背面図であり、図134は、基板ユニットに設けられる各基板の接続関係を示す平面図であり、図135は、基板ユニットと遊技盤との電気的な接続を示す概略図であり、図136は、払出制御基板と基板ユニットとの配線等を示すパチンコ機の背面図の一部であり、図137は、図138の断面図の断面箇所を説明するための遊技盤(ただし、この遊技盤は、図76乃至図80に示す取り外し防止機構を組み込んだ遊技盤である。)の正面図であり、図138は、図137のC−C断面図である。
基板ユニット1100は、本体枠3の裏面下部に複数形成されるホルダ用の取付穴部527(図68及び図70を参照)に取付けられるものであり、図126及び図127に示すように、合成樹脂成形された枠用基板ホルダ1101に、扉中継基板1102、電源基板ボックス1103、端子基板ボックス1104、払出制御基板ボックス1105、主ドロワ中継基板1107、及び副ドロワ中継基板1108の各種基板を取付けることにより構成されている。上記の基板のうち、扉中継基板1102、電源基板ボックス1103、端子基板ボックス1104、及び払出制御基板ボックス1105は、枠用基板ホルダ1101の後面側に前後方向に重複して取付けられ、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108は、枠用基板ホルダ1101の前面側に取付けられるものである。後述するように、電源基板1136は+34V、+18V及び+9Vを作成して供給するため極めて高温な熱源となっており、電源基板1136から発せられた熱が上昇する。このため、払出制御基板1186を収納する払出制御基板ボックス1105を電源基板ボックス1103の上面に重複して取付けることによって、その上昇する熱を受けずに済むようになっている。なお、払出制御基板ボックス1105の裏面には、電源基板1136等からの電磁波の影響を防止すると共に電源基板1136から発せられる熱を放熱するために金属製のシールド放熱板1106が取付けられ、また、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108は、基板カバー1109に被覆されて取付けられている。以下、基板ユニット1100を構成する各部材について詳細に説明する。
なお、本実施形態におけるシールド放熱板1106は、特に、電源基板ボックス1103の上面から熱が発せられた熱を外部(外気)に放熱するために、図127及び図129に示すように、シールド放熱板1106の板面が凹凸状の凹凸面1106aとして形成されている。シールド放熱板1106によって払出制御基板1186に伝達される熱を小さく抑えることができる。凹凸面1106aによって外部(外気)との接触面積を増加させて放熱効果を高めるものである。また、凹凸面1106aは、設置したときに熱が放熱し易いように垂直状若しくは傾斜状に形成することが望ましい。もちろん、シールド放熱板1106に凹凸面1106aを形成しても電磁波に対するシールド効果が損なわれることはない。シールド放熱板1106は電源基板1136等からの電磁波の影響を防止する。これにより、電磁波によるノイズの影響を抑えることができるため、ノイズの影響による払出制御基板ボックス1105に収納された払出制御基板1186の誤動作を防止することができる。また、このシールド放熱板1106のシールド放熱機能は、電源基板ボックス1103と払出制御基板ボックス1105との間だけではなく、枠用基板ホルダ1101に他の複数の基板ボックスが重複して取付けられる場合には、その下側に位置する基板ボックスと上側に位置する基板ボックスとの間に、本実施形態と同じシールド放熱板1106を設けることによっても奏されるものである。
まず、枠用基板ホルダ1101は、横長状に合成樹脂で成形され、図127及び図130に示すように、その後面側一側部(図130において右側部)に配線用開口1124が形成され、配線用開口1124の内側に扉中継基板1102を取付けるための中継基板用凹部1110が形成されている。この中継基板用凹部1110は、略正方形状の扉中継基板1102の外形に合致するように正方形状の凹部として形成され、この中継基板用凹部1110内の上下辺には、扉中継基板1102の裏面を支える当接突部1113が突設されると共に、中継基板用凹部1110に扉中継基板1102を収納した状態で扉中継基板1102の一側縦辺の表面と係止する止め爪1111が形成されている。また、中継基板用凹部1110の外側寄りの上下には、電源基板ボックス1103の一端辺に形成される係合係止穴1135に係合されて図示しないビスで止着するための取付ボス1112が突設されている。
また、枠用基板ホルダ1101の後面側において、上記した中継基板用凹部1110よりも中央寄りに内部に通す配線を係止して纏めるための2つの配線処理片1114が形成されている。この配線処理片1114は、垂直面に対して側方から見たときにL字状に突出形成されるもので、その垂直面とL字状突片との間に配線を掛け止めるようになっている。更に、枠用基板ホルダ1101の中継基板用凹部1110の上部から略中央よりやや他端側に近い部分までが電源基板ボックス1103を取付けるための領域(次に説明する右側の低い領域)となっており、その上下辺に電源基板ボックス1103の裏面と当接する当接突部1115が突設されている。したがって、この電源基板ボックス取付領域に電源基板ボックス1103を当接突部1115に当接するように取付けた状態では、電源基板ボックス1103の裏面と枠用基板ホルダ1101の垂直面との間に空間が形成され、この空間内に基板相互を接続する配線が収納されることになり、この収納された配線を係止して纏めるものが2つの配線処理片1114である。
なお、電源基板ボックス1103を取付ける領域の他端辺から枠用基板ホルダ1101の他端辺(図130において左側辺)までは、後方への突出量が大きく形成されている。つまり、枠用基板ホルダ1101は、背面から見たときに、中央よりやや左側の位置で左側が高く右側が低い段差状に形成されており、その右側の低い領域が電源基板ボックス1103を取付けるための領域(以下、「電源基板ボックス取付領域」という場合がある。)となっている。そして、この電源基板ボックス取付領域の他端辺側には、電源基板ボックス1103の他端辺上下に突設される挿入突起1134が挿入される挿入口1115aが形成されている。このため、電源基板ボックス1103を取付けるためには、挿入突起1134を挿入口1115aに差し込んだ後、電源基板ボックス1103の一端辺上下に形成される係合係止穴1135を取付ボス1112に上から差し込んで図示しないビスで止着することにより、電源基板ボックス1103を枠用基板ホルダ1101に固定することができる。
更に、枠用基板ホルダ1101の背面側において、上記した段差状の高い領域は、払出制御基板ボックス1105を取付けるための領域(以下、「払出制御基板ボックス取付領域」という場合がある。)の一部を構成するものであり、この段差状の高い領域の一部には、横L字状の凹状の配線引き廻し空間1116が形成されている。この配線引き廻し空間1116の底面には、配線用開口1121(図129乃至図132を参照)が形成されており、電源基板ボックス取付領域内の2つの配線処理片1114に掛け止められた配線を配線引き廻し空間1116及び配線用開口1121から枠用基板ホルダ1101の前面側に引き出すようになっている。また、払出制御基板ボックス取付領域の他端側(図127の左端部側)には、払出制御基板ボックス1105の係合弾性片1184が係合するための係止突部1117が突設形成されている。
次に、枠用基板ホルダ1101の前面側の構成について説明すると、図128、図129、図131に示すように、枠用基板ホルダ1101の前面側の略中央には、アウト球通路1119が逆さL字状に形成されている。このアウト球通路1119は、前述したアウト口606(図78を参照)、球抜排出通路524(図68を参照)の下流側、及び落下口629(図75を参照)と対応するように上方が幅広く形成され、下流側が球を列状に排出するように幅狭く形成されている。したがって、基板ユニット1100を本体枠3に取付けたときには、図71に示すように、アウト球通路1119の幅広上流部がアウト口606の下面を支持する通路支持突起513の後方に位置するようになっている。そして、アウト球通路1119の下流端からアウト球や入賞球、あるいは球抜き球がパチンコ機の外部(一般的に、島の回収樋)に向かって放出されるものである。
また、枠用基板ホルダ1101の前面側であって払出制御基板ボックス取付領域に対応する前面側には、その上方領域に主ドロワ中継基板1107と副ドロワ中継基板1108とを横方向に所定間隔を空けて並列状に取付けるドロワ取付領域1120が形成されている。ドロワ取付領域1120には、夫々の中継基板1107,1108に形成された支持穴1204,1205が貫通されて各中継基板1107,1108を支持するためのドロワ取付ボス1118が突設されると共に、夫々の中継基板1107,1108の中間位置の上下に接合案内孔1126と案内孔1125が穿設されている。この接合案内孔1126は、図138に示すように、遊技盤4を本体枠3に装着する作業に伴って、基板ユニット1100側に設けられるドロワコネクタ1200,1202(ホルダ側コネクタ)と遊技盤4側に設けられるドロワコネクタ626,627(遊技盤側コネクタ)とが自然に接続されるように遊技盤4の盤用基板ホルダ623に形成される接合案内突起628(図78を参照)が挿入されるものである。一方、案内孔1125は、基板ユニット1100を本体枠3に取付ける際に、本体枠3に突設される案内突起525(図68及び図70を参照)が挿入されるもので、基板ユニット1100の位置決めを行うと共に装着作業の容易化を図っているものである。また、枠用基板ホルダ1101の左右両辺及び下辺には、基板ユニット1100を本体枠3に取付けるための取付片1122が外側に向かって突設され、取付片1122を本体枠3の取付穴部527(図68を参照)に対応させて図示しないビスで止着することにより、基板ユニット1100が本体枠3の背面下部に取付けられる。なお、取付穴部527は、図70に示すように、取付片1122の外形形状に合致する外周壁を有して形成されている。更に、枠用基板ホルダ1101の他端側(図128の右側)側壁の外側に、配線を係止するための配線掛止片1123が突設形成されている。
枠用基板ホルダ1101の構成は、概ね上記した通りであるが、そのような構成を有する枠用基板ホルダ1101に取付けられる各種の基板の構成について説明する。まず、枠用基板ホルダ1101の後面側の中継基板用凹部1110に装着される扉中継基板1102について説明すると、扉中継基板1102には、図127に示すように、多ピンコネクタ形式の内部接続端子1130と扉枠用接続端子1131とが設けられている。扉枠用接続端子1131は、枠用基板ホルダ1101にすべての基板を取付けた状態においても、図132に示すように、背面から見て外部から視認できるようになっており、扉枠5に設けられるランプ及びLEDからなる電飾部品やスピーカ等の扉枠用配線1212(図134を参照)が配線用開口1124を通って扉枠用接続端子1131に接続されるものである。また、内部接続端子1130は、副ドロワ中継基板1108に設けられる扉枠用コネクタ1203に内部配線1213(図134を参照)によって接続されるものである。ただし、この内部配線1213は、前述した配線処理片1114及び配線引き廻し空間1116、配線用開口1124を敷設されるように枠用基板ホルダ1101の内部に設けられている。
また、枠用基板ホルダ1101の後面側の電源基板ボックス取付領域に取付けられる電源基板ボックス1103は、電源基板1136(図133を参照)を固定するボックス主体1132と、ボックス主体1132を被覆するカバー体1133と、から構成されている。ボックス主体1132には、その一端部の上下に取付ボス1112と係合する係合係止穴1135が一体的に形成され、その他端部の上下に挿入口1115aに挿入される挿入突起1134が一体的に形成されている。また、電源基板1136のカバー体1133に被覆されない部分(図133の右側部と左下部)には、図133に示すように、電源スイッチ1137と電源線コネクタ1138とCRユニット電源コネクタ1139とアース用コネクタ1140と払出制御基板用電源コネクタ1141とが設けられている。電源スイッチ1137は、パチンコ機1の全ての電気機器に電源を供給するためのスイッチであり、パチンコ機1を使用する際にONとするものである。また、電源線コネクタ1138は、島内に供給されている交流24V(AC24V)の電源用配線からの電源配線を接続したり、パチンコ機1に帯電したノイズ等を外部にフレームグランドとしてアースしたりするためのコネクタである。CRユニット電源コネクタ1139は、パチンコ機1に隣接されるカード式球貸器(図示しない;一般的に、CRユニットと言われている。)への電源を供給したりするためのコネクタである。アース用コネクタ1140は、パチンコ機1に設けられる帯電防止用の種々のアース線が電気的に接続されており、パチンコ機1に侵入したノイズ等を、電源線コネクタ1138を介して、外部にアースするためのコネクタである。具体的には、扉枠5(補強板211〜214)からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドとしてアース用コネクタ1140aと電気的に接続され、タンクレール部材740を流下する球からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドFG1としてアース用コネクタ1140bと電気的に接続され、賞球ユニット800からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドFG1としてアース用コネクタ1140cと電気的に接続され、CRユニットからのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドとしてアース用コネクタ1140dと電気的に接続されている。これらのフレームグランドは、電源線コネクタ1138のフレームグランドと電気的に接続されており、このフレームグランドを介して、パチンコ機1の外部にアースされる。更に、払出制御基板用電源コネクタ1141には、図134に示すように、電源供給用配線1214が接続され、電源供給用配線1214が払出制御基板1186の電源用端子1192に接続されている。そして、この電源供給用配線1214により、払出制御基板1186を介して他の制御基板(例えば、周辺基板ボックス622に収納される液晶制御基板4150や主制御基板ボックス624に収納される主制御基板4100)等に電源を供給するようになっている。なお、電源供給用配線1214は、払出制御基板用電源コネクタ1141から配線引き廻し空間1116に導かれ払出制御基板ボックス1105の裏面から後方に引き出されて電源用端子1192に接続されるようになっている。つまり、この電源供給用配線1214も枠用基板ホルダ1101の内部に敷設された状態となっている。
ところで、電源基板ボックス1103のカバー体1133の後面は、図127に示すように、段差状に形成され、その段差の高い領域が端子基板ボックス1104を取付けるための取付領域1142となっており、段差の低い領域が払出制御基板ボックス1105を取付けるための取付領域1143となっている。取付領域1143は、枠用基板ホルダ1101の前述した払出制御基板ボックス取付領域と一緒になって横長の払出制御基板ボックス1105を取付けるための取付領域を構成するものである。なお、上記した段差部の略中央には、払出制御基板ボックス1105の後述する係合片1182(図129を参照)が係合挿入される係合穴1146が形成されている。
端子基板ボックス1104を取付けるための取付領域1142を構成するカバー体1133には、端子基板ボックス1104の裏面側に形成される位置決めピン1148及び係合片部1147と夫々位置決め若しくは係合する位置決め穴1145及び取付係合穴1144が形成されている。係合片部1147は、断面L字状に形成される一方、取付係合穴1144は、幅広部と幅狭部とが連続する穴状に形成されているので、係合片部1147を取付係合穴1144の幅広部に挿入した後、一方向(図示の場合は、枠用基板ホルダ1101の中央方向)にスライド移動させることにより、L字状の係合片部1147と取付係合穴1144の幅狭部とが係合するようになっている。なお、端子基板ボックス1104の他側辺の下部に掛止片1149が突設され、端子基板ボックス1104がカバー体1133にスライド移動係合されたときに、掛止片1149が払出制御基板ボックス1105のボックス主体1180の一部と係合するようになっている。なお、この係合は、少し力を入れて端子基板ボックス1104を非係合方向にスライド移動させることにより、簡単に外れる程度の係合状態である。
また、端子基板ボックス1104には、図132に示すように、複数の外部情報端子1151と払出制御基板用端子1156とが設けられる外部端子板1150aと、度数表示器用端子1152と電源アース端子1153とCRユニット用端子1154と払出制御基板用端子1155とが設けられるCRユニット端子板1150bと、の2つの基板が上下方向に並列状に収納されている。外部端子板1150aに設けられる複数の外部情報端子1151は、大当り情報出力信号や始動口入賞情報出力信号等のパチンコ機1の管理に必要な各種の情報信号を外部(例えば、遊技場に設置してある管理コンピュータ(ホールコンピュータ))に導出するためのコネクタであり、それらの情報信号は、主として主制御基板ボックス624に収納されている主制御基板4100から後に詳述する主ドロワ中継コネクタ1200を介して払出制御基板1186に伝送され、さらに払出制御基板1186に設けられる外部端子板用端子1188と払出制御基板用端子1156との接続により、最終的に複数の外部情報端子1151の夫々に伝達される。CRユニット端子板1150bの度数表示器用端子1152は、パチンコ機1の、例えば皿ユニット300に設けられるプリペイドカードの残度数表示器、貸球スイッチ、及び返却スイッチとの配線が接続されるものである。また、電源アース端子1153は、2つのコネクタから構成され、一方のコネクタ(図132の左側)には電源基板1136のCRユニット電源コネクタ1139からの配線が接続され、他方のコネクタには電源基板1136の複数のアース用コネクタ1140のうちの1つのアース用コネクタ1140からの配線が接続されるものである。更に、CRユニット用端子1154は、図示しないCRユニットからの配線が接続されるものであり、払出制御基板1186のCRユニット端子板用端子1189と払出制御基板用端子1155とが接続されることにより、払出制御基板1186とCRユニットとが接続されることになる。
上記したように、端子基板ボックス1104は、主制御基板ボックス624に収納される主制御基板4100からの遊技情報を外部に導出する外部端子板1150aと、払出制御基板1186とCRユニットとの接続を中継するCRユニット端子板1150bと、の両方の基板を収納するものであり、これらは従来別々の基板ボックスに収納されてパチンコ機1の裏面に別々の位置に設けられていたが、本実施形態においては、1つの端子基板ボックス1104に纏めて枠用基板ホルダ1101に装着したものである。このため、特に、本実施形態の場合、主制御基板4100と外部端子板1150aとを直接配線で接続することなく、払出制御基板1186を介して接続した独特な構成を有するものとなっている。
次に、枠用基板ホルダ1101の払出制御基板ボックス取付領域と電源基板ボックス1103のカバー体1133に形成される取付領域1143とにわたって取付けえる払出制御基板ボックス1105について、主として図127、図129及び図132を参照して説明する。払出制御基板ボックス1105は、横長の長方形状の払出制御基板1186が図示しないビス等で固定されるボックス主体1180と、ボックス主体1180に取付けられて払出制御基板1186の表面を覆うカバー体1181と、から構成されている。ボックス主体1180とカバー体1181とは、その一側辺(図132の右側辺)を係合させ、その他側辺(図132の左側辺)に分離切断部1183でカシメ固定している。これによってボックス主体1180とカバー体1181とを分離するためには、分離切断部1183を切断しないと分離できないようになっている。ただし、分離切断部1183におけるカシメ固定は、複数箇所(図示の場合は、1〜4の数字で示す4箇所)のうち、いずれかをカシメ部材でカシメれば良く、例えば、検査等で分離する必要がある場合には、3回まで行うことができる。もちろん、不正に分離した場合には、切断した痕跡が残ることになるので、不正行為があったか否かを直ちに知ることができる。また、ボックス主体1180の一側短辺中央には、電源基板ボックス1103のカバー体1133に形成される係合穴1146に差し込まれる係合片1182が突設形成され、他側短辺下部には、枠用基板ホルダ1101に形成される係止突部1117に弾性係合する係合弾性片1184が形成されている。したがって、払出制御基板ボックス1105を枠用基板ホルダ1101に取付けるには、係合片1182を係合穴1146に差し込んだ後、係合弾性片1184を係止突部1117に係合させることにより、簡単に取付けることができる。そして、枠用基板ホルダ1101の払出制御基板ボックス取付領域と電源基板ボックス1103のカバー体1133に形成される取付領域1143とにわたって払出制御基板ボックス1105を取付けた状態においては、それらの取付領域1143内に払出制御基板ボックス1105が収納された状態となり左右方向にも上下方向にも移動できないように固定された状態となっている。逆に、取り外す場合には、係合弾性片1184を弾性方向と逆方向に押圧して係合弾性片1184と係止突部1117との係合を外して払出制御基板ボックス1105を引き上げながら、係合穴1146から係合片1182を引き抜くことにより、払出制御基板ボックス1105を枠用基板ホルダ1101から外すことができる。
また、上記したボックス主体1180とカバー体1181とによって被覆される払出制御基板1186には、その一側部(図132の右側部)に扉枠開放スイッチ用端子1185a、本体枠開放スイッチ用端子1185b、賞球ユニット用端子1187、外部端子板用端子1188、CRユニット端子板用端子1189、操作ハンドル用端子1194、エラーLED表示器4130、エラー解除スイッチ4131、及び球抜きスイッチ4132が設けられ、その他側下部(図132の左側部)に満タンスイッチ用端子1190、検査用出力端子1191、電源用端子1192、発射モータ用端子1193、及び内部接続端子1195が設けられている。
扉枠開放スイッチ用端子1185aは、扉枠5が本体枠3から開放されたことを検出する扉枠開放スイッチ4133からの配線が接続されるコネクタである。本体枠開放スイッチ用端子1185bは、本体枠3が外枠2から開放されたことを検出する本体枠開放スイッチ4134からの配線が接続されるコネクタである。賞球ユニット用端子1187は、前述した賞球ユニット800の中継基板480からの配線が接続される多ピンコネクタである。外部端子板用端子1188は、前述したように外部端子板1150aの払出制御基板用端子1156に接続される多ピンコネクタである。CRユニット端子板用端子1189は、前述したようにCRユニット端子板1150bの払出制御基板用端子1155に接続される多ピンコネクタである。満タンスイッチ用端子1190は、満タンユニット900の満タンスイッチ916からの配線が接続されるコネクタである。エラーLED表示器4130は、CRユニット接続異常等のパチンコ機の状態を表示する。エラー解除スイッチ4131は、操作されるとエラーLED表示器4130に表示されているエラーに応じた解除方法の案内がサイドスピーカ121や下部スピーカ391から流れる。球抜きスイッチ4132は、操作されると賞球タンク720及びタンクレール部材740に貯留された球を排出開始する(球抜き開始する)。検査用出力端子1191は、払出制御基板1186を検査する際に検査機器に接続するためのコネクタであり、検査用の各種の出力信号を出力するための端子である。電源用端子1192は、前述したように電源基板1136の払出制御基板用電源コネクタ1141に電源供給用配線1214によって接続されるコネクタである。発射モータ用端子1193は、打球発射装置650の発射モータ695からの配線が接続されるコネクタである。操作ハンドル用端子1194は、ハンドル装置400の操作ハンドル部410の内部に設けられるタッチセンサ420及び発射停止スイッチ422からの配線が接続されるコネクタである。内部接続端子1195は、主ドロワ中継基板1107に設けられる払出制御基板用コネクタ1201に信号電源配線1215によって接続されるコネクタである。
なお、エラー解除スイッチ4131の左方近傍には、図132に示すように、抵抗R1194a〜R1194dが配置されている。これらの抵抗R1194a〜R1194dは、操作ハンドル用端子1194に入力された各種検出信号に扉枠5(図18に示した補強板211〜214)からのノイズ等が侵入した際に、グランド(GND)が不安定にならないようにするものであり、その詳細な説明は後述する。
次に、枠用基板ホルダ1101の前面側に形成されるドロワ取付領域1120に取付ける主ドロワ中継基板1107と副ドロワ中継基板1108について説明する。図129に示すように、主ドロワ中継基板1107には、遊技盤4の裏面側に取付けられる中継端子板625に設けられる主ドロワコネクタ626(遊技盤側コネクタ:図78を参照)と接続される主ドロワ中継コネクタ1200(ホルダ側コネクタ)と、払出制御基板1186の内部接続端子1195と信号電源配線1215を介して接続される払出制御基板用コネクタ1201とが上下に設けられている。また、副ドロワ中継基板1108には、遊技盤4の裏面側に取付けられる中継端子板625に設けられる副ドロワコネクタ627(遊技盤側コネクタ:図78を参照)と接続される副ドロワ中継コネクタ1202(ホルダ側コネクタ)と、扉中継基板1102の内部接続端子1130と内部配線1213を介して接続される扉枠用コネクタ1203とが上下に設けられている。また、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108には、各基板の左右両側に支持穴1204,1205が穿設され、支持穴1204,1205をドロワ取付領域1120に突設されるドロワ取付ボス1118に差し込むことにより、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108をドロワ取付領域1120内に位置決め支持され、その後、基板カバー1109で被覆することにより、堅固に固定される。
ところで、基板カバー1109には、主ドロワ中継基板1107に設けられる主ドロワ中継コネクタ1200及び払出制御基板用コネクタ1201と、副ドロワ中継基板1108に設けられる副ドロワ中継コネクタ1202及び扉枠用コネクタ1203とが基板カバー1109の外側に突出するための長方形状のコネクタ用開口1206,1207,1208,1209が開設され、また、基板カバー1109の裏面側に、ドロワ取付ボス1118の先端部が挿通されるピン挿通穴1210(図127を参照)が形成されると共に、左右両端に基板カバー1109を枠用基板ホルダ1101に図示しないビスで止着するための止め穴1211が形成されている。このため、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108の支持穴1204,1205をドロワ取付領域1120に突設されるドロワ取付ボス1118に差し込み、ドロワ取付ボス1118の先端部をピン挿通穴1210に挿通しながら基板カバー1109で被覆し、止め穴1211に図示しないビスで止着することにより、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108をドロワ取付領域1120内に堅固に固定することができる。
以上、基板ユニット1100の構成について説明してきたが、本実施形態の場合には、パチンコ機1を駆動制御するために必要な各種の基板のうち、遊技盤4の変更に伴って交換される主制御基板4100及び液晶制御基板4150以外の基板である扉中継基板1102、電源基板ボックス1103に収納された電源基板1136、端子基板ボックス1104に収納された外部端子基板1150、払出制御基板ボックス1105に収納された払出制御基板1186を、枠用基板ホルダ1101に予め組み付けてユニット化し、その組み付けてユニット化した基板ユニット1100を本体枠3の背面側下部に取付けるだけの簡単な作業によって、従来別々に本体枠3の背面側に取付けていた各種の基板取付作業に比べ、作業能率を向上することができる。また、この場合、基板ユニット1100にユニット化される各基板同士の配線も枠用基板ホルダ1101の内部に収めることができるので、基板同士を接続する配線が乱雑に入り乱れることがなく、整然と敷設することができる。
また、本実施形態においては、基板ユニット1100の前面に主ドロワ中継コネクタ1200(ホルダ側コネクタ)を有する主ドロワ中継基板1107と副ドロワ中継コネクタ1202(ホルダ側コネクタ)を有する副ドロワ中継基板1108とが設けられているので、図138に示すように、本体枠3に遊技盤4をその前面側から装着する作業に伴って、遊技盤4の裏面側に設けられる中継端子板625の主ドロワコネクタ626と副ドロワコネクタ627(遊技盤側コネクタ)が夫々対応する主ドロワ中継コネクタ1200と副ドロワ中継コネクタ1202(ホルダ側コネクタ)とに接続されるので、遊技盤4の装着と基板間の接続とを同時に行うことができる。このため、遊技盤4の交換作業を手際よく行うことができる。
更に、本実施形態においては、基板ユニット1100を本体枠3の裏面に固定した後に、本体枠3に設けられる各種の電気機器との配線の接続作業が必要な払出制御基板ボックス1105と、外部のCRユニットや管理コンピュータとの接続作業が必要な端子基板ボックス1104と、を基板ユニット1100の最も後方の視認し易い位置に並列状に配置する一方、外部との接続作業の必要性が少ない電源基板ボックス1103や扉中継基板1102を内部に配置しているので、複数の基板を前後方向に効率よく重複配置することができ、基板ユニット1100の大きさを最小限に設計することができる。ただし、内部に配置される電源基板ボックス1103や扉中継基板1102においても、外部に接続される端子部分は、すべて外部から視認できるようになっているので、それらの接続作業が手探りになるという問題はない。
[1−5A−1.基板ユニットと遊技盤との電気的な接続(ドロワコネクタによる接続)]
次に、基板ユニット1100と遊技盤4との電気的な接続について図135を参照して説明する。上述したように、遊技盤4側にはドロワコネクタ626,627が設けられ、基板ユニット1100側にはドロワコネクタ1200,1202が設けられている。図135(a)に示すように、遊技盤4側のドロワコネクタ626,627を基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202に挿入することで電気的に接続することができる。遊技盤4側のドロワコネクタ626,627は、図135(b)に示すように、ターミナル626a,627aを備えており、基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202は、図135(c)に示すように、コンタクト1200a,1202aを備えている。遊技盤4側のドロワコネクタ626,627を基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202に挿入すると、図135(c)に示すように、ターミナル626a,627aがコンタクト1200a,1202aを押し下げコンタクト1200a,1202aが変位する。この変位によって発生したコンタクト1200a,1202aの反発力は、ターミナル626a,627aを強く接触することで電気的な導通状態となる。これにより、遊技盤4側のドロワコネクタ626,627と、基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202と、には、各種制御基板相互による(例えば、主制御基板4100と払出制御基板1186とによる)各種制御信号を伝える制御信号ラインが形成される。また遊技盤4側のドロワコネクタ626と、基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200と、には、さらに、電源基板1136によって作成された各種電圧を供給する電圧供給ラインが形成される。このように、遊技盤4を本体枠3に着脱自在に装着することで、遊技盤4側のドロワコネクタ626,627と、基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202と、による制御信号ライン及び電圧供給ラインが接離自在に接続することができる。
なお、本実施形態におけるターミナル626a,627a及びコンタクト1200a,1202aは、ベローズタイプのものを採用している。ピンタイプのものでは作業時にうっかりピンに触れて曲げてしまうおそれがあるが、ベローズタイプのものではそのおそれがない。また、ターミナル626a,627a及びコンタクト1200a,1202aのメッキには摩擦係数の小さい金メッキを採用している。これにより、遊技盤4の着脱時のすべり良さ(嵌合の良さ)が確保されている。
ここで、遊技盤4を本体枠3に取付けるときに、図133に示した電源スイッチ1137を入れたままの状態で、その作業を行うと、ターミナル626aとコンタクト1200aとの接点、具体的には、各種電圧供給ライン用接点では大電流(後述する突入電流)が流れるため溶着することとなる。この溶着した状態のまま、遊技盤4を本体枠3に無理に押し込んで取付けようとすると、コンタクト1200aが折れ曲がって壊れたり、その遊技盤4を本体枠から取り外すときに、コンタクト1200aがドロワコネクタ1200から剥がれて破損したりして、ドロワコネクタ1200が使用できなくなる。
また、ターミナル626aとコンタクト1200aとが溶着すると、コネクタの破損にともない、各種制御基板が誤動作したり、各種制御基板に実装された電子部品が破損したりするおそれもある。そこで、本実施形態では、溶着を防止する回路を後述する主制御基板4100に設けて対応している。その詳細な説明については後述する。
[1−5A−2.賞球ユニットとの配線等]
次に、払出制御基板ボックス1105に収納された払出制御基板1186と賞球ユニット800との配線等について図136を参照して説明する。賞球ユニット内中継端子板830には、上述したように、計数スイッチ用コネクタ830a、払出モータ用コネクタ830b、回転角スイッチ用コネクタ830c、球切れスイッチ用コネクタ830d、アース用コネクタ830e、及び払出制御基板用コネクタ830fが設けられている。
計数スイッチ用コネクタ830aは計数スイッチ812からの配線が接続され、払出モータ用コネクタ830bは払出モータ815からの配線が接続され、回転角スイッチ用コネクタ830cは回転角スイッチ855からの配線が接続され、球切れスイッチ用コネクタ830dは球通路ユニット770の球切れスイッチ778からの配線が接続され、アース用コネクタ830eは払出モータ815からのアース線が接続されている。払出制御基板用コネクタ830fは払出制御基板1186の賞球ユニット用端子1187と配線(ハーネス)により接続されている。
球切れスイッチ778からの配線及び回転角スイッチ855からの配線を除いた、計数スイッチ812からの配線、払出モータ815からの配線、払出モータ815からのアース線、及び賞球ユニット用端子1187とのハーネスは、配線処理片869により掛け留めてまとめられている。
島から供給された球は、上述したように、賞球タンク720及びタンクレール部材740に貯留され、球通路ユニット770に取り込まれ、賞球ユニット800に導かれる。球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生する。このため、賞球ユニット800はノイズの影響を受けやすり環境下にある。
上述したように、賞球ユニット800のセンサ基板854には回転角スイッチ855が設けられており、この回転角スイッチ855からの検出信号は、球の静電放電によるノイズの影響を受けやすい。また、上述した、払出制御用コネクタ480fと賞球ユニット用端子1187とを接続するハーネス、つまり賞球ユニット800と払出制御基板1186とを接続するハーネスも球の静電放電によるノイズの影響を受けやすい。
[1−6.カバー体]
次に、カバー体1250について、図5、図70及び図74等を参照して説明する。カバー体1250は、本体枠3の後面開口580を覆うものであり、その一側の上中下の3箇所に本体枠3の背面一側に形成されるカバー体支持筒部575に上方から挿入される軸支ピン1251が形成され、その他側の略中央に球通路ユニット770に形成されるカバー体係合溝785と係合する係合片1252が形成されている。しかして、カバー体1250の軸支ピン1251をカバー体支持筒部575に差し込むことにより、カバー体1250を本体枠3に開閉自在に軸支し、係合片1252をカバー体係合溝785に係止することにより、カバー体1250を本体枠3に閉じた状態とすることができ、遊技盤4に設けられる各種部品の背面を保護することができる。なお、開放する場合には、係合片1252とカバー体係合溝785との係合を解除すればよい。
また、図示の場合のカバー体1250においては、開放側の係合片1252の上下に止め穴1253が形成され、また、本体枠3の施錠壁569に突設される施錠用突出鉤片570を貫通させる貫通穴1254が形成され、更に詳細に図示しないが、次に説明する第二実施形態に係るカバー体1270と同じように、接続操作用開口1255、立壁、当接突起、補強リブが形成されている。これら接続操作用開口1255、立壁、当接突起、補強リブは、第二実施形態に係るカバー体1300の接続操作用開口1303、立壁1304、当接突起1305、補強リブと同じ位置に設けられて同じ機能を奏するものである。そして、カバー体1250を閉じた状態で、カバー体1250の止め穴1253と本体枠3側の止め穴568とを一致させて図示しないビスで止着することにより、カバー体1250によって本体枠3の後面開口580を閉塞固定することができる。そして、本体枠3に対してカバー体1250を閉じた状態で施錠用突出鉤片570がカバー体1250の貫通穴1254を貫通しているので、例えば、南京錠等の錠を施錠用突出鉤片570に掛け止めることにより、南京錠の鍵を有する責任者しかカバー体1250を開放することができないようにすることができる。
[1−6A.カバー体の他の実施形態]
上記した図5及び図74に示したカバー体1250(以下、「第一実施形態に係るカバー体1250」という。)は、図5からも明らかなように、遊技盤4の裏面下部に取付けられる主制御基板ボックス624を除いた遊技盤4の裏面を覆うように形成されているが、これを主制御基板ボックス624を含む遊技盤4の裏面の全体を覆うカバー体としても良い。このようなカバー体1300(以下、「第二実施形態に係るカバー体1300」という。)を取付けたパチンコ機について、図139乃至図150を参照して説明する。図139は、第二実施形態に係るカバー体を取付けたパチンコ機であってカバー体を開放した状態の背面から見た斜視図であり、図140は、第二実施形態に係るカバー体を取付けたパチンコ機の側面図であり、図141は、第二実施形態に係るカバー体を取付けたパチンコ機であってカバー体の開放側から見た斜視図であり、図142は、第二実施形態に係るカバー体を取付けたパチンコ機であってカバー体の軸支側から見た斜視図であり、図143は、第二実施形態に係るカバー体を取付けたパチンコ機の背面図であり、図144は、第二実施形態に係るカバー体を取り外した状態のパチンコ機の背面図であり、図145は、第二実施形態に係るカバー体の下辺部と重合当接する払出制御基板ボックスの斜視図であり、図146は、第二実施形態に係るカバー体の内側から見た斜視図であり、図147は、第二実施形態に係るカバー体に設けられるシリンダ錠の作用を説明するための背面図であり、図148は、図143のA−A断面図であり、図149は、図143のB−B断面図であり、図150は、図143のC−C断面図である。なお、図139乃至図150において、それ以前の図面に表示される構成と同じ機能を奏する構成には、同一の符号を付してある。
この第二実施形態に係るカバー体1300が取付けられるパチンコ機1の外枠2Aは、図139及び図140に示すように、前述した第二実施形態に係る外枠2Aであり、扉枠5に設けられる皿ユニット300の形状も若干異なるものである。更に、本体枠3の構成も軸支側後面壁546の開放端側に形成される後述する止め穴568、施錠穴569a及び案内孔569bを有する施錠壁569の点(図144を参照)、及び後側面壁を構成する第三側面壁542及び第四側面壁543の切欠部221の位置が下方まで延設されている点(図140を参照)で相違し、また、払出制御基板ボックス1105の構成においても、カバー体1181に当接低段面1181aが形成される点(図145を参照)で相違するだけである。ただし、図139及び図144に表示される主制御基板ボックス624は、図78に示される実施形態と同様に遊技盤4の裏面下部に取付けられる盤用基板ホルダ623に取付けられるものであり、図139及び図144においては、遊技盤4の図示が省略されている。
そこで、まず、図146を参照して第二実施形態に係るカバー体1300について説明する。カバー体1300は、やや縦長長方形状の周辺の側壁が立ち上がった皿状に合成樹脂によって形成され(側壁部や長方形板部の上半分には、多数の空気穴が形成されている。)、その縦辺一側の側壁に本体枠3に形成されるカバー体支持筒部575に挿入されて軸支される複数(図示の場合には4個)の軸支ピン1301が一体的に形成され、その縦辺他側の側壁のやや上部寄りに球通路ユニット770に形成されるカバー体係合溝785に係合する係合片1302が一体的に形成されている。この軸支ピン1301と係合片1302は、第一実施形態に係るカバー体1250と同様に、カバー体1300の軸支ピン1301をカバー体支持筒部575に差し込むことにより、カバー体1300を本体枠3に開閉自在に軸支し、係合片1302をカバー体係合溝785に係止することにより、カバー体1300を本体枠3に閉じた状態とすることができ、遊技盤4に設けられる主制御基板ボックス624を含む各種部品の背面を保護することができるものである。そして、この第二実施形態に係るカバー体1300が第一実施形態に係るカバー体1250と異なる点は、ただ単に開閉自在に設けられるだけではなく、閉じた状態で不正に開放することができないようにシリンダ錠1309が設けられる点と、主制御基板ボックス624の裏面まで覆ってしまうため、主制御基板ボックス624に外部に露出して設けられるRAMクリアスイッチ624aと検査機器が接続される試験用端子624b,624cとに対応する位置に接続操作用開口1303が設けられている点と、カバー体1300の下辺の側壁の先端辺が閉じた状態で払出制御基板ボックス1105のカバー体1181の表面に当接する点である。そこで、これらの第二実施形態に係るカバー体1300の特徴的な構成について以下説明する。
まず、接続操作用開口1303について説明すると、接続操作用開口1303は、カバー体1300の下辺の当接下辺側壁1306の上部に長方形状に形成されており、その大きさは、図143に示すように主制御基板ボックス624に外部に露出して設けられるRAMクリアスイッチ624aと検査機器が接続される試験用端子624b,624cとが臨む大きさに開設されている。また、接続操作用開口1303の内側には、閉じた状態で主制御基板ボックス624の外周面に当接する立壁1304と当接突起1305とが突設されている。立壁1304は、接続操作用開口1303の左右開口縁に沿って比較的高く形成され、当接突起1305は、接続操作用開口1303の上開口縁から一側開口縁に沿って比較的低く突設形成されており、これらの立壁1304と当接突起1305は、図148及び図149に示すように、主制御基板ボックス624の外周面(主制御基板ボックス624に収納される主制御基板4100の表面を含む)との間に隙間が生じないようにして接続操作用開口1303から不正具を差し込んで主制御基板ボックス624に対して不正な行為が行えないようにしている。
次に、カバー体1300の下辺に形成される当接下辺側壁1306について説明すると、カバー体1300を本体枠3に対して閉じたときに、当接下辺側壁1306は、図149及び図150に示すように、枠用基板ホルダ1101に取付けられる払出制御基板ボックス1105のカバー体1181の上辺部分に当接するようになっている。このため、第二実施形態に係るカバー体1300が取付けられるパチンコ機1の枠用基板ホルダ1101に装着される払出制御基板ボックス1105のカバー体1181の上辺部には、図145に示すように、表面より一段と低く形成される当接低段面1181aが形成されている。しかして、枠用基板ホルダ1101に取付けられる払出制御基板ボックス1105は、図144に示すように、枠用基板ホルダ1101の払出制御基板ボックス取付領域と電源基板ボックス1103のカバー体1133に形成される取付領域1143とにわたって取付けられた状態において、それらの取付領域1143内に払出制御基板ボックス1105が収納された状態となり左右方向にも上下方向にも移動できないように固定された状態となっている。このため、払出制御基板ボックス1105のカバー体1181の上面の一部である当接低段面1181aがカバー体1300の当接下辺側壁1306によって当接被覆されることによって、カバー体1300を開放しない限り、払出制御基板ボックス1105を枠用基板ホルダ1101から取り外すことができない構成となっている。
次に、シリンダ錠1309に関連する構成について説明する。図146において、カバー体1300の下方側の下方寄りにシリンダ錠1309を貫通するための楕円形状の錠穴1308が開設されている。この錠穴1308にシリンダ錠1309の断面楕円状のネジ部1310が貫通され、この貫通したネジ部1310に内側からナット1312が螺着されることによりシリンダ錠1309が錠穴1308に固定される。また、シリンダ錠1309には、ネジ部1310の中心から錠軸1311がカバー体1300の内側に向かって突設され、その錠軸1311を楕円形状の施錠片1313の下方部に穿設されるネジ穴1314に貫通させてナット1315で締着することにより、施錠片1313をシリンダ錠1309の後端部に固着している。この構成により、シリンダ錠1309に鍵(遊技場の管理責任者等が所持している)を差し込んで回動することにより施錠片1313を90度の範囲で回動することができるようになっている。また、錠穴1308の下部には、カバー体1300を閉じる際に、開閉を案内するための案内突起1316が内側に向かって突設されている。更に、カバー体1300の開放側の上方部であって係合片1302の上下にネジを螺着するためのネジ止め穴1307が形成されている。
一方、上記したネジ止め穴1307、施錠片1313、及び案内突起1316に対応するように、本体枠3側には、止め穴568、施錠穴569a、及び案内孔569bが形成されている。この構成について図144を参照して説明すると、本体枠3の前述した軸支側後面壁546には、前述したようにカバー体当接溝567が形成されているが、このカバー体当接溝567の上下部(球通路ユニット770のカバー体係合溝785を挟んだ上下)にネジ止め穴1307に対応する止め穴568が形成されている。更に、本体枠3の軸支側後面壁546の下方部には、図147に示すように、施錠壁569が本体枠3の縦中心線方向に向かって延設されており、その施錠壁569の上下に施錠穴569aと案内孔569bとが開設されている。施錠穴569aは、楕円形状に形成されて施錠片1313が貫通するようになっていると共に、施錠穴569aの前面側周囲の施錠壁569は、補強用のリブが突設されている。
しかして、カバー体1300を開放状態から閉止状態に回動させることにより、図147(A)に示すように、案内突起1316が案内孔569bに挿入されつつ、シリンダ錠1309の施錠片1313が施錠穴569aを貫通した状態となる。その状態でシリンダ錠1309に鍵を差し込んで回動することにより、図147(B)に示すように、施錠片1313が90度回転し、施錠片1313の一端部が施錠壁569の前面側と係合する。このため、カバー体1300が本体枠3に対して施錠されることになる。また、シリンダ錠1309によるカバー体1300の施錠は、カバー体1300の下方部であるため、カバー体1300の上方部を本体枠3に固定するために、閉じた状態で合致しているネジ止め穴1307と止め穴568に図示しないネジを螺着することにより、カバー体1300の上方部も本体枠3に固定される。なお、カバー体1300の上方部にもシリンダ錠を設けて、上下でシリンダ錠によってカバー体1300を本体枠3に施錠しても良い。
また、第二実施形態に係るカバー体1300は、図140に示すように、閉じた状態で、その背面側が賞球タンク720の最後端部(本実施形態の場合には、排出口730の後面壁)、及びタンクレール部材740の後端壁と側方から見たときに同一垂直面となっている。このため、パチンコ機1の背面から見たときに、背面側の上部から下方までに凹凸がなく、きわめてスッキリした形状となっているため、パチンコ機1を運搬するときに全体の厚みが均一で把握し易いため、積み込みや重ね合わせ作業が行いやすく、また、実際に遊技場の島台に設置する際も、背向列設されるパチンコ機1の背面において、相手方のパチンコ機の背面に突出する配線等を気にすることなく、きわめてスムーズに設置することができるものである。この点は、第一実施形態に係るカバー体1250を使用したパチンコ機1においても、図3に示すように同一の効果を奏するものである。
なお、上記した第二実施形態において、カバー体1300の閉止状態を上方のネジと下方のシリンダ錠1309との両方で行った理由は、第一の理由として、カバー体1300が第一実施形態に係るカバー体1250に比べて被覆面積が縦方向に大きくなっているため、カバー体1300の中央だけで閉止状態を保持すると上下部分が熱によって変形するおそれがあるため、上下の2箇所で閉止状態を保持する構成にしたこと。第二の理由として、前述したようにカバー体1300の当接下辺側壁1306によって払出制御基板ボックス1105の上辺部に当接するようにしたので、特に、カバー体1300の下辺部をこじ開けることができないようにカバー体1300の下方部の閉止状態を強固に維持することが必要であり、結果的にカバー体1300の上方部も閉止せざるを得ないこと。そして、この第二の理由により、特に下辺部の閉止状態を維持するためにシリンダ錠1309等の施錠装置(シリンダ錠に限らず、遊技場の管理者しか解錠できない施錠装置であれば良い。)を用いることが望ましい。
以上、第二実施形態に係るカバー体1300について説明してきたが、この第二実施形態に係るカバー体1300は、カバー体1300を本体枠3に対して閉じたときに、カバー体1300の下辺部である当接下辺側壁1306が枠用基板ホルダ1101に取付けられる払出制御基板ボックス1105のカバー体1181の上辺部分に当接被覆するようになっているため、カバー体1300を開放しない限り、払出制御基板ボックス1105を枠用基板ホルダ1101から取り外すことができない構成となっている。そして、カバー体1300がシリンダ錠1309によって施錠されるため、カバー体1300に被覆される主制御基板ボックス624に対する不正行為はもちろん、カバー体1300に被覆されない払出制御基板ボックス1105に対する不正行為も防止することができる。また、カバー体1300を閉じた状態で且つシリンダ錠1309を施錠した状態であっても、カバー体1300に接続操作用開口1303が開設されているため、試験用の試験用端子624b,624cに検査機器を接続したり、あるいはソフトウエア等が暴走して復旧する際に、RAMクリアスイッチ624aを操作したりすることができる。そして、この接続操作用開口1303の内側には、立壁1304や当接突起1305が形成されて主制御基板ボックス624との間に隙間が生じないようにされているので、接続操作用開口1303からピアノ線等を挿入して遊技盤4の裏面に対する不正行為を防止することができる。
更に、第二実施形態に係るカバー体1300は、閉じた状態で、その背面側が賞球タンク720の最後端部、及びタンクレール部材740の後端壁と側方から見たときに同一垂直面となっているため、パチンコ機1の背面から見たときに、背面側の上部から下方までに凹凸がなく、きわめてスッキリした形状となっており、パチンコ機1を運搬するときに全体の厚みが均一で把握し易いため、積み込みや重ね合わせ作業が行いやすく、また、実際に遊技場の島台に設置する際も、背向列設されるパチンコ機1の背面において、相手方のパチンコ機の背面に突出する配線等を気にすることなく、きわめてスムーズに設置することができる。
[2.遊技盤の詳細構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の詳細な構成について、まず、図151乃至図157を参照して説明する。図151は、遊技盤の正面図であり、図152は、遊技盤を斜め右前から見た斜視図である。図153は、遊技盤を斜め左前から見た斜視図であり、図154は、遊技盤を斜め後から見た斜視図である。また、図155は、遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図156は遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め後から見た斜視図である。図157(A)は遊技盤におけるアタッカユニット、サイド入賞口部材、及びセンター役物のみを斜め前から示す斜視図であり、(B)は(A)を斜め後から示す斜視図である。
図示するように、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4は、外レール602及び内レール603を有し、遊技者が操作ハンドル部461を操作することで遊技媒体としての遊技球(単に「球」とも称す)が打ち込まれる遊技領域605の外周を区画形成する枠状の前構成部材601と、前構成部材601の後側に取付けられ遊技領域605を閉鎖するように配置される遊技パネル600と、遊技領域605の外側でアウト口606よりも右側の前構成部材601下部に配置された機能表示ユニット640と、機能表示ユニット640の前面に貼り付けられる機能表示シール649と、遊技領域605内の左右方向略中央でアウト口606の上側に配置され遊技パネル600の前面に支持されるアタッカユニット2000と、アタッカユニット2000の左側で遊技領域605の外周に沿って配置され遊技パネル600の前面に支持されるサイド入賞口部材2100と、遊技領域605の略中央部分に配置され遊技パネル600に支持される枠状のセンター役物2300と、遊技パネル600を貫通するように複数穿設された発光装飾孔600fに対して遊技パネルの後側から挿入され、遊技パネル600の前面側へ光を導くパネルレンズ部材2500と、遊技パネル600の後側に取付けられる裏ユニット3000と、裏ユニット3000の後側に透明な遊技パネル600及びセンター役物2300の枠内を通して遊技者側から視認可能に取付けられ所定の演出画像を表示可能な演出表示手段としての液晶表示装置1400と、を主に備えている。
本例のパチンコ機1における遊技盤4は、図示するように、センター役物2300の枠内を通して、左右方向略中央で液晶表示装置1400の上側に配置された円形状の回転装飾体3102と、回転装飾体3102の後側で且つ左右両側に配置された高札形状の揺動装飾体3202と、液晶表示装置1400の右側に配置され忍者姿をした立体的なキャラクタ体3402と、液晶表示装置1400の左側に配置され上下方向へ複数配置された歯車形状の歯車装飾体3502とが遊技者側から視認できるように配置されている。これら、回転装飾体3102、揺動装飾体3202、キャラクタ体3402、及び歯車装飾体3602は、詳細は後述するが、裏ユニット3000に夫々備えられている。なお、裏ユニット3000には、揺動装飾体3202の左右両側で且つ前側に天井装飾体3302が備えられている。
また、遊技盤4における液晶表示装置1400の後側には、周辺基板4010を収容した周辺基板ボックス622と、液晶表示装置1400へ電源を供給するインバータ基板1411を収容したインバータ基板ボックス1410とが備えられている。この液晶表示装置1400は、裏ユニット3000における裏箱621の後側にロック部材3036を介して脱着可能に取付けられている。
[2−1.アタッカユニット]
本例のパチンコ機1における遊技盤4のアタッカユニット2000は、遊技パネル600における左右方向中央の下部に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものである。このアタッカユニット2000は、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が受入可能とされた複数の受入口(入賞口)を有しており、具体的には、左右方向の略中央に配置された第一始動口2001と、第一始動口2001の下側に配置された第二始動口2002と、第二始動口2002の下側に配置され第一始動口2001や第二始動口2002よりも左右方向へ大きく延びた区形状の大入賞口2003と、大入賞口2003の左右両側やや上寄りに配置された一般入賞口2004と、を備えている。
このアタッカユニット2000の第一始動口2001は、上側が開放されており遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。この第一始動口2001へ受入れられた遊技球は、後述する裏ユニット3000の右誘導部材3018に備えられた第一始動口センサ3022に検出された後に下方へ排出されるようになっている。
一方、第一始動口2001の下側に配置された第二始動口2002は、第一始動口2001との間に始動口ソレノイド2010により拡開可能な一対の可動片2005が配置されており、一対の可動片2005が略垂直に立上った状態では第一始動口2001と一対の可動片2005とによって第二始動口2002へ遊技球が受入不能となるのに対して、一対の可動片2005が左右方向へ拡開した状態では第二始動口2002へ遊技球が受入可能となるようになっている。つまり、第二始動口2002が一対の可動片2005により可変入賞口となっている。なお、一対の可動片2005は、後述するセンター役物2300におけるゲート部2350のゲートセンサ2352による遊技球の通過の検出に基いて始動口ソレノイド2010の駆動により開閉されるようになっている。この第二始動口2002へ受入れられた遊技球は、アタッカユニット2000内に備えられた第二始動口センサ2012で検出された後に、下方へ排出されるようになっている。
また、アタッカユニット2000の大入賞口2003は、その開口を閉鎖可能な横長矩形状の開閉部材2006によって開閉可能とされている。この開閉部材2006は、下辺が回動可能に軸支されており、略垂直な状態では大入賞口2003を閉鎖して遊技球を受入不能とすることができると共に、上辺が前側へ移動するように回動すると大入賞口2003を開放して遊技球を受入可能とすることができるようになっている。この大入賞口2003へ受入れられた遊技球は、アタッカユニット2000内に備えられたカウントセンサ2014によって検出された後に下方へ排出されるようになっている。また、開閉部材2006は、通常の遊技状態では大入賞口2003を閉鎖した状態となっており、第一始動口2001や第二始動口2002へ遊技球が受入れられる(始動入賞する)ことで抽選される特別抽選結果に応じて(特別抽選結果が「大当り」の時に)アタッカソレノイド2016の駆動により開閉するようになっている。
更に、アタッカユニット2000の一般入賞口2004は、図示するように、上向きに開放されており、遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。このアタッカユニット2000における左側の一般入賞口2004へ受入れられた遊技球は、後述する裏ユニット3000の左誘導部材3016に備えられた一般入賞口センサ3020によって検出された後に下方へ排出されるようになっている。また、右側の一般入賞口2004へ受入れられた遊技球は、後述する裏ユニット3000の右誘導部材3018に備えられた一般入賞口センサ3020によって検出された後に下方へ排出されるようになっている。
[2−2.サイド入賞口部材]
また、遊技盤4におけるサイド入賞口部材2100は、遊技パネル600における左右方向中央から左寄りの下部で、アタッカユニット2000が挿入固定される開口部600eよりも左側に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものであり、アタッカユニット2000における正面視左側の一般入賞口2004と並ぶように遊技領域605の外周に沿って互いに背向するようにされた二つの一般入賞口2101を備えている。これら二つの一般入賞口2101は、図示するように、上方に開放され遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。
また、サイド入賞口部材2100には、その左上端部に左側の端部が遊技領域605の外周と略接するような位置に配置され、右側の端部へ向うに従って低くなるように傾斜した第一棚部2102と、第一棚部2102とは二つの一般入賞口2101を挟んで反対側且つ下側に配置され遊技領域605の左右方向中央側(アタッカユニット2000の第二始動口2002や大入賞口2003側)へ向かって低くなる第二棚部2103と、を備えており、第一棚部2102によって遊技領域605の外周に沿って流下してきた遊技球を遊技領域605の中央側へ寄せることができるようになっている。
なお、二つの一般入賞口2101は、第一棚部2102の右側の端部よりも右側へ配置されており、棚部2102により遊技球が遊技領域605の中央側へ寄せられても、一般入賞口2102へ入賞する可能性があるようになっている。また、二つの一般入賞口2101の間の上側にも、遊技領域605の中央側へ向って低くなるように傾斜した第三棚部2104が備えられている。
このサイド入賞口部材2100は、全体的に透光性を有するように形成されており、第二棚部2103の後側にサイド入賞口装飾基板が備えられていると共に、サイド入賞口部材2100の後側に後述する裏ユニット3000におけるサイドランプ装飾基板3014が配置されるようになっており、これらサイド入賞口装飾基板及びサイドランプ装飾基板3014によってサイド入賞口部材2100が発光装飾可能とされている。
[2−3.センター役物]
また、遊技盤4におけるセンター役物2300は、透明な遊技パネル600の略中央を貫通するように大きく形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものであり、図示するように、遊技領域605の大半を占める大きさで枠状に形成され、正面視右側の外周面は遊技領域605の外周との間で遊技球の外径よりも若干大きい隙間が形成されるように円弧状に形成されていると共に、左側の外周面は遊技領域605の外周との間で所定幅の領域が形成されるように垂下した略直線上に形成されている。
このセンター役物2300は、遊技パネル600の前面と当接する薄板状で枠状に形成されたフランジ部2300aと、フランジ部2300aから遊技パネル600の開口部600e内へ向って延出する挿入壁部2300bと、フランジ部2300aから前方へ突出する前壁部2300cと、を主に備えている。このセンター役物2300の前壁部2300cには、上側の外周面における左右方向中央のやや右寄りの位置から左側に、左方向へ向うに従って低くなるように傾斜した上棚部2301が形成されており、遊技領域605内の上部へ打ち込まれた遊技球が、上棚部2301へ流下するとセンター役物2300の左側を通って流下するようになっていると共に、上棚部2301よりも右側へ流下(進入)した遊技球はセンター役物2300の右側を通って一気に遊技領域605の下部へ流下するようになっている。つまり、センター役物2300における上棚部2301よりも右側へ遊技球が進入するように遊技球を打ち込むと、遊技球の流下を楽しむ機会が少なくなるようになっているので、遊技球の打込強さを適宜調整させることができ、緊張感を維持させて漫然とした遊技となるのを抑制することができるようになっている。
また、センター役物2300は、前壁部2300bの左側の外周面に遊技領域605を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口2302と、ワープ入口2302内に進入した遊技球を検出するワープ進入検出センサ2302aと、ワープ入口2302に進入した遊技球を枠内へ放出するワープ出口2303と、ワープ出口2303から放出された遊技球を左右方向へ転動させた後にアタッカユニット200の上側の遊技領域605内へ放出させ挿入壁部2300bの下辺上面に形成されたステージ2310と、を主に備えている。このセンター役物2300におけるステージ2310は、ワープ出口2303から放出された遊技球が供給される第一ステージ2311と、第一ステージ2311の前側に配置され第一ステージ2311から遊技球が供給されると共に遊技領域605内へ遊技球を放出可能とされた第二ステージ2312と、を備えている。なお、上記ワープ進入検出センサ2302aが遊技球を検出した場合には周辺制御基板4140に検出信号が出力され、該検出信号の入力を周辺制御MPU4140aが監視することにより上記ワープ入口2302内への遊技球の進入を検出している。
これら第一ステージ2311及び第二ステージ2312は、左右方向の略中央が低くなるような湾曲面状に形成されている。また、第一ステージ2311の左右方向略中央の後側には、遊技球が進入可能なチャンス入口2313が形成されており、チャンス入口2313へ進入した遊技球はセンター役物2300におけるフランジ部2300aの下端前面のチャンス出口2314から遊技領域605内へ放出されるようになっている。このチャンス出口2314は、図示するように、アタッカユニット2000における第一始動口2001の直上に配置されており、チャンス出口2314から放出された遊技球は、高い確率で第一始動口2001へ受入れられる(入賞する)ようになっている。
なお、本例のセンター役物2300におけるステージ2310は、透明な部材で形成されており、このステージ2310を通して、後述する裏ユニット3000の下部装飾体3010が遊技者側から視認できるようになっている。
また、センター役物2300には、前壁部2300bの左側の外周面でワープ入口2302よりも上側に、内レール603と略接するように左方向へ延出する透明なアーチ部2315を更に備えている。このアーチ部2315は、前壁部2300bの略前端から薄板状の延びだしており、アーチ部2315と遊技パネル600の前面との間に遊技球が通過可能な空間を形成している。これにより、遊技領域605の上部に打ち込まれて上棚部2301によってセンター役物2300の左側へ誘導された遊技球が、アーチ部2315の後側を通って下流側へ流下するようになっている。
更に、センター役物2300には、前壁部2300bの左側の外周面でアーチ部2315付近に遊技球の通過を検出するゲート部2350を備えている。このゲート部2350は、前壁部2300bの左側の外周面でアーチ部2315の上側に配置され遊技領域605を流下する遊技球が進入可能とされたゲート入口と、ゲート入口に進入した遊技球を検出するゲートセンサ2352と、ゲートセンサ2352で検出された遊技球を前壁部2300bの外周面から遊技領域605へ放出するゲート出口2353とを備えている。なお、本例では、ゲート部2350のゲート出口2535が、アーチ部2315と同じ高さの位置に形成されており、ゲートセンサ2352で検出された遊技球が、アーチ部2315をあたかも潜ったかのように見えるようになっている。
また、センター役物2300は、上棚部2301の右側で左右方向の略中央に円形状の開口窓2316を備えており、この開口窓2316から後述する裏ユニット3000の回転装飾体3102が望むようになっている。
[2−4.パネルレンズ部材]
本例のパチンコ機1におけるパネルレンズ部材2500は、遊技パネル600における遊技領域605内でセンター役物2300が挿入される開口部600eよりも外側の位置に円形や×形状で前後方向へ貫通するように形成された複数の発光装飾孔600fを発光装飾させるものである。このパネルレンズ部材2500は、センター役物2300の外周で左上側に形成された複数の発光装飾孔600fと対応した透明な上パネルレンズ2510と、上パネルレンズ2510の後側に配置され表面に複数のLEDが実装された上パネルレンズ基板2512と、センター役物2300の外周で左下側に形成された複数の発光装飾孔600fと対応した透明な下パネルレンズ2520と、下パネルレンズ2520の後側に配置され表面に複数のLEDが実装された下パネルレンズ基板2522とを備えている。
このパネルレンズ部材2500における上パネルレンズ2510及び下パネルレンズ2520は、板状のレンズベース部2501と、レンズベース部2501から前方へ突出し挿入される発光装飾孔600fの形状と略同形状とされた複数の挿入導光部2502とを備えている。この上パネルレンズ2510及び下パネルレンズ2520の挿入導光部2502は、遊技パネル600の発光装飾孔600fに後側から挿入された状態で、その先端が遊技パネル600の前面と略一致するように形成されており、遊技パネル600の前面を流下する遊技球に対して可及的に影響を及ぼさないようになっている。
本例のパネルレンズ部材2500は、上パネルレンズ基板2512及び下パネルレンズ基板2522のLEDを適宜発光させることで、ベニア合板等の不透明な遊技パネル600を用いても遊技球が流下する領域を発光装飾させることができ、これまでにない遊技パネル600の装飾を遊技者に見せることができると共に、パチンコ機1を目立たせて他のパチンコ機との差別化を計ることができる。
[2−5.裏ユニット]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の裏ユニット3000の詳細な構成について、図158乃至図185を参照して説明する。図158(A)は裏ユニットを斜め前から見た斜視図であり、(B)は裏ユニットを斜め後から見た斜視図である。図159は、裏ユニットを主な構成毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図160は、裏ユニットを主な構成毎に分解して斜め後から見た分解斜視図である。図161(A)は裏ユニットにおける上部ユニットを斜め前から見た斜視図であり、(B)は上部ユニットを斜め後から見た斜視図である。図162は、裏ユニットにおける上部ユニットを主な構成毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図163は、上部ユニットを主な構成毎に分解して斜め後から見た斜視図である。図164(A)は上部ユニットにおける回転装飾体ユニットの正面図であり、(B)は回転装飾体ユニットを斜め前から見た斜視図であり、(C)は回転装飾体ユニットを斜め後から見た斜視図である。
また、図165は、上部ユニットにおける回転装飾体ユニットを主な構成毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、166は、回転装飾体ユニットを主な構成毎に分解して斜め後から見た分解斜視図である。図167は、回転装飾体ユニットにおける回転により可動する回転装飾体の動きを示す説明図である。図168は、上部ユニットにおける回転装飾ユニットを昇降させる昇降機構を概略で示す正面図であり、図169(A)は図168の昇降機構の背面図であり、(B)は(A)の昇降機構に上部ユニットカバーを加えて示す背面図である。図170は、上部ユニットにおける昇降機構の動きを示す説明図である。図171(A)は上部ユニットにおける揺動装飾体ユニットを斜め前から示す斜視図であり、(B)は揺動装飾体ユニットを斜め後から示す斜視図であり、図172(A)は揺動装飾体ユニットを主要な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(B)は揺動装飾体ユニットを主要な構成毎に分解して後から見た分解斜視図であり、図173は、揺動装飾体ユニットの動きを示す説明図である。
更に、図174(A)は左可動天井ユニットを斜め前から見た斜視図であり、(B)は右可動天井ユニットを斜め前から見た斜視図であり、(C)は右可動天井ユニットを斜め後から見た斜視図であり、(D)は左可動天井ユニットを斜め後から見た斜視図である。図175は、左右の可動天井ユニットを主要な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図176は、左右の可動天井ユニットを主要な構成毎に分解して後から見た分解斜視図である。図177(A)は裏ユニットにおけるキャラクタユニットを斜め前から見た斜視図であり、(B)はキャラクタユニットを斜め後から見た斜視図であり、(C)はキャラクタユニットの固定側中継基板を外した状態で示す側面図である。図178(A)はキャラクタユニットを主要な構成毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、(B)は(A)を斜め後から見た分解斜視図である。図179は、図177(C)におけるア−ア断面図であり、図180(A)はキャラクタ体が右側へ移動した状態で図177(C)におけるイーイ線において切断した断面図であり、(B)は図177(C)におけるイ−イ線で切断した断面図であり、(C)は図177(C)におけるウ−ウ線で切断した断面図である。
また、図181(A)はキャラクタユニットにおけるキャラクタ体を主要な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(B)は(A)を斜め後から見た分解斜視図である。図182は、キャラクタユニットにおけるキャラクタ体の頭部の可動機構を概略で示す側面図であり、図183は、キャラクタユニットにおけるキャラクタ体の胴体部の可動機構を概略で示す平面図である。図184(A)は裏ユニットにおける歯車装飾体ユニットを斜め前から見た斜視図であり、(B)は歯車装飾体ユニットを斜め後から見た斜視図である。図185(A)は歯車装飾体ユニットを主要な構成毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、(B)は(A)を斜め後から見た分解斜視図である。更に、図188は、回転装飾体、天井装飾体、キャラクタ体が可動した状態で遊技盤を示す正面図である。
本実施形態の遊技盤4における裏ユニット3000は、遊技パネル600の後側に配置固定されており、図示するように、遊技パネル600から所定距離後側へ離れた位置に液晶表示装置1400を支持する裏箱621と、裏箱621内で液晶表示装置1400の上側に配置される上部ユニット3002と、裏箱621内で液晶表示装置1400の右側に配置されるキャラクタユニット3400と、裏箱621内で液晶表示装置1400の左側に配置される歯車装飾体ユニット3500と、を主に備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱621内で液晶表示装置1400の下側且つセンター役物2300におけるステージ2310よりも下側に配置される棚状の下部装飾体3010と、下部装飾体3010の前側且つ左右方向の略中央に配置されると共にセンター役物2300におけるステージ2310の直下に配置され、表面にステージ2310を下側から発光装飾させるLEDを実装したステージ下装飾基板3012と、裏箱621の左下前端付近で遊技パネル600に取付けられたサイド入賞口部材2100と対応する位置に配置され、表面に複数のLEDが実装されたサイドランプ装飾基板3014と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱621の下部前端に取付けられ、サイド入賞口部材2100の一般入賞口2101へ受入れられた遊技球と、アタッカユニット2000における左側の一般入賞口2004へ受入れられた遊技球とを下方へ誘導する左誘導部材3016と、左誘導部材3016の右側に配置され、アタッカユニット2000の第一始動口2001及び右側の一般入賞口2004へ受入れられた遊技球を下方へ誘導する右誘導部材3018と、を備えている。この左誘導部材3016は、サイド入賞口部材2100の一般入賞口2101と、アタッカユニット2000の左側の一般入賞口2004へ受入れられた遊技球を、夫々異なる流路を通って下方へ誘導排出するようになっており、夫々の流路に遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ3020が備えられている。一方、右誘導部材3018は、アタッカユニット2000の第一始動口2001と右側の一般入賞口2004へ受入れられた遊技球を下端付近までは夫々異なる流路を通って下方へ誘導排出されるようになっており、第一始動口2001と対応した流路には第一始動口センサ3022が、右側の一般入賞口2004と対応した流路には一般入賞口センサ3020が備えられている。また、右誘導部材には、磁気を検出可能な磁気検出センサ3024が備えられている。
また、裏ユニット3000には、裏箱621の後側下部に配置されランプ駆動基板を収容した横長矩形状のランプ駆動基板ボックス3030と、裏箱621の後側に固定されランプ駆動基板ボックス3030の背面視で左側に配置されたパネル中継端子板3032と、裏箱621の後側上部に配置された横長矩形状の上部抵抗基板3034と、裏箱621の後側に取付けられ液晶表示装置1400を脱着可能に保持するロック部材3036と、を更に備えている。
この裏ユニット3000における裏箱621は、図示するように、前側が開放された箱状に形成され、前端に外方へ突出するフランジ状の固定部621aが複数備えられており、この固定部621aを介して遊技パネル600の後側に固定されるようになっている。また、裏箱621は、後壁621bの略中央に矩形状の開口621cが形成されており、この開口621cを通して後側に支持される液晶表示装置1400が遊技者側から視認できるようになっている。更に、裏箱621は、各ユニット3002,3400,3600や、各基板3012,3014,3032,3034等を取付固定するための取付部が適宜位置に形成されている。
また裏箱621は、背面視で開口621cの右側に、液晶表示装置1400の左右両辺から外方へ突出する一方(背面視で右辺)の固定片1402を挿入係止する液晶支持部を備えていると共に、開口621cの背面視で左側にロック部材3036が取付けられており、このロック部材3036により液晶表示装置1400の他方(背面視で左辺)の固定片1402を支持することで、液晶表示装置1400が裏箱621の後側に脱着可能に取付けられるようになっている。
更に、裏箱621は、図示するように、矩形状の開口621c内における正面視で右側の内周辺から内側へ向かって延びだした二つの三角形状の保護片621dを備えている。この保護片621dの前面に、後述するキャラクタユニット2400が配置されており、キャラクタユニット2400における胴体部可動機構2470によって右腕部2402cを略水平方向へ往復回動させた際に、その慣性力等によってキャラクタユニット2400が液晶表示装置1400の前面と当接するのを防止することができ、液晶表示装置1400やキャラクタユニット3400に不具合が発生するのを回避させることができるようになっている。
裏箱621の後側に取付けられたパネル中継端子板3032は、後述する周辺制御基板4140と主制御基板4100との接続を中継するものである。また、パネル中継端子板3032は、主制御基板4100と、磁気検出センサ3024、カウントセンサ2014、一般入賞口センサ3020、ゲートセンサ2352、始動口ソレノイド2010、アタッカソレノイド2016、及び機能表示基板640aとの接続を中継するものでもある。
また、裏箱621の後側に取付けられたランプ駆動基板ボックス3030内には、ランプ駆動基板3031が収容されている。このランプ駆動基板3031は、遊技盤4に備えられた各装飾基板3012,3014,3124,3214,3216,3320,3328,3432,3456,3482,3526,3530に実装されたLEDを駆動するものである。また、ランプ駆動基板3031は、後述する裏ユニット3000の各装飾体を駆動するモータ3106,3160,3212,3312,3418,3472,3514やソレノイド3127,3455を駆動する他に、扉枠5に備えられたトップランプ電飾ユニット200の左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285を駆動するものである。なお、ランプ駆動基板3031は、発熱する抵抗器をまとめた上部抵抗基板3034と接続されている。
[2−5A.上部ユニットの全体構成]
裏ユニット3000における上部ユニット3002は、図161等に示すように、全体的に横長に形成され、裏箱621内で開口621cの上側に取付け固定されるものである。この上部ユニット3002は、左右方向の略中央で前面に配置され正面視で円形状の回転装飾体ユニット3100と、回転装飾体ユニット3100の後側に配置され回転体ユニット3100を昇降させる昇降機構3150と、昇降機構3150を支持する上部ユニットカバー3004と、上部ユニットカバー3004の後側で左右方向の略中央に配置された揺動装飾体ユニット3200と、揺動装飾体ユニット3200の左右両側で上部ユニットカバー3004の後側に配置された可動天井ユニット3300と、可動天井ユニット3300及び揺動装飾体ユニット3200の後側に配置されると共に上部ユニットカバー3004、揺動装飾体ユニット3200、及び可動天井ユニット3300を支持する上部ユニットベース3006と、を主に備えている。
この上部ユニット3002は、正面視で遊技パネル600の外周と、枠状のセンター役物2300の内周(枠内)との間に対応する位置に配置されており、図151に示すように、通常の状態では、センター役物2300の開口窓2316から回転装飾体3102の一部、高札形状の揺動装飾体3202の下部が見える他は、遊技者側から視認し難い位置(配置範囲とも称す)に配置されている。
この上部ユニット3002は、前面で左右方向の略中央に配置された回転装飾体ユニット3100を上下方向へ昇降させることができ、上昇位置の時には回転装飾体ユニット3100の回転装飾体3102が、センター役物2300の開口窓2316から遊技者側へ臨むようになっている。また、回転装飾体ユニット3100が下降位置の時には、上部ユニットカバー3004の左右方向略中央が、センター役物2300の開口窓2316を通して遊技者側から視認できるようになっており(図186を参照)、この上部ユニットカバー3004の後側に配置された後述する揺動装飾体ユニット3200におけるカバー部材3210の前面に取付けられた上部ユニット後装飾基板3214によって発光装飾されるようになっている。
[2−5A−1.回転装飾体ユニット]
上部ユニット3002における回転装飾体ユニット3100は、図164乃至図167に示すように、所定円内に配置され四つ巴状で手裏剣形状を四分割した四つの回転装飾体3102を備えており、これら四つの回転装飾体3102が所定の回転軸を中心に回転することで、夫々の回転装飾体3102が回転軸から遠ざかる方向へ、つまり、所定円から突出するように移動し、全体的に大きく広がったような状態で回転可能とされたものである。詳述すると、昇降機構3150に支持され前後方向へ延びると共に後端が閉鎖された浅い円筒状の回転装飾体ユニットベース3104と、回転装飾体ユニットベース3140の後側で回転装飾体ユニットベース3104の中心軸から偏芯した所定位置に配置される回転装飾体駆動モータ3106と、回転装飾体駆動モータ3106によって回転駆動する駆動ギア3108と、駆動ギア3108と噛合し回転装飾体ユニットベース3104と略同軸上に配置された従動ギア3110と、従動ギア3110と共に回転し回転装飾体ユニットベース3104の前端付近で回転軸に対して直角方向へ広がる円盤状の回転面3112aを有した第一回転部材3112と、第一回転部材3112の外周に略同軸上で相対回転可能に支持されたリング状の第二回転部材3114と、を備え、四つの回転装飾体3012が第一回転部材3112及び第二回転部材3114の前側に夫々支持されている。
この回転装飾体ユニット3100における第二回転部材3114には、図示するように、周方向に対して略等間隔で四つ配置され、前方へ延びる回転可能な第一軸部材3116が保持されている。一方、第一回転部材3112には、図示するように、円盤状の回転面3112aに、周方向へ略等間隔で四つ配置され回転軸を通らない線上で所定方向へ延びる長孔状の案内部3112bが形成されている。この第一回転部材3112の案内部3112bには、その長孔内を摺動可能とされたブッシュを介して前方へ延びる回転可能な第二軸部材3118が夫々保持されている。また、第一回転部材3112には、その外周と前面の外縁付近に所定間隔で複数のローラ3112cが備えられており、このローラ3112cが第二回転部材3114と当接することで、第二回転部材3114を相対回転可能に支持することができるようになっている。
これら第二回転部材3114及び第一回転部材3112に保持された第一軸部材3116及び第二軸部材3118の先端に、各回転装飾体3102が支持されている。具体的には、一つの回転装飾体3102は、一組の第一軸部材3116と第二軸部材3118とによって支持されており、第一軸部材3116側では第一回転部材3112(第二回転部材3114)の回転軸に対して半径方向の位置が変化しないようになっていると共に、第二軸部材3118側では案内部3112bをスライドすることで第一回転部材3112の回転軸に対して半径方向の位置が変化するようになっている。これにより、第二軸部材3118の位置が変化することで回転装飾体3102が、第一軸部材3116を中心として回動することとなり、回転装飾体3102の回動によってその一部が外周よりも外側へ突出することができるようになっている。
また、回転装飾体ユニット3100は、第一回転部材3112における円盤状の回転面3112aの後側に配置され、第二回転部材3114と略同径のリング状で第二回転部材3114に固定される回転保持部材3120を更に備えており、第一回転部材3122の回転面3112aが、第二回転部材3114と回転保持部材3120との間に配置されることで、第二回転部材3114が前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。なお、図示するように、第二回転部材3114及び回転保持部材3120には、周方向の所定位置に切欠き状のロック部3114a,3120aを夫々備えている。また、回転装飾体ユニットベース3104の上部には、第二回転部材3114や回転保持部材3120のロック部3114a,3120aと対応した幅で前後方向へ延びた切欠き部3104aが形成されている。
更に、回転装飾体ユニット3100は、回転保持部材の後側に配置され略矩形状の開口部3122aを有した基板支持部材3122と、基板支持部材3122の後側に固定され開口部3122aから前側へ臨むように複数のLEDが実装された回転装飾体装飾基板3124と、を更に備えている。本例では、回転装飾体3102、第一回転部材3112、及び第二回転部材3114等が透光性を有するように形成されており、回転装飾体装飾基板3124によって回転する回転装飾体3102等を発光装飾させることができるようになっている。また、第一回転部材3112、第二回転部材3114、回転保持部材3120、基板支持部材3122、及び回転装飾体装飾基板3124は、筒状の回転装飾体ユニットベース3104内に収容されるようになっている。
また、回転装飾体ユニット3100は、回転装飾体ユニットベース3104の後側上部に第二回転部材3114の回転をロックする回転ロック機構3126が備えられている。この回転ロック機構3126は、上方へプランジャが進退可能とされたロックソレノイド3127と、ロックソレノイド3127の駆動により第二回転部材3114のロック部3114aと嵌合可能なロック片3128aが上下動可能とされたロック部材3128とを備えている。この回転ロック機構3126は、ロックソレノイド3127のプランジャを上昇させるとロック部材3128のロック片3128aが下降し、プランジャを下降させるとロック片3128aが上昇するようになっており、ロック片3128aが下降して第二回転部材3114のロック部3114a内に嵌合挿入されると、第二回転部材3114の回転がロックされた状態となるようになっている。また、ロックソレノイド3127のプランジャは、コイルスプリングによって上昇方向へ付勢されていると共に、通電時にプランジャが下降するようになっており、通常時(非通電時)はロック片3128aが下降した状態(ロックした状態)となるようになっている。
更に、回転装飾体ユニット3100は、回転装飾体ユニットベース3104の後側に取付けられ、前側に駆動ギア3108、従動ギア3110、及びロック機構3126のロックソレノイド3127等を収容し後側に回転装飾体駆動モータ3106が固定されるギアボックス3130と、ギアボックス3130の後側で回転装飾体駆動モータ3106の上側に固定される配線カバー3132と、回転装飾体3102(第一回転部材3112)の回転位置を検知する回転位置検知センサ3134と、を更に備えている。本例では、図示するように、従動ギア3110に、外方へ突出する検知片3110aを備えており、この検知片3110aを回転位置検知センサ3134で検知することで回転装飾体3102の回転位置を検知することができるようになっている。
また、回転装飾体ユニット3100には、回転装飾体ユニットベース3104の後側に、上下方向の略中央で左右両端付近に一対の支持部3104bを備えている。この支持部3104bには、後方へ延出する支持ピン3136が夫々回転不能な状態で取付けられるようになっており、各支持ピン3136には、一端側に大径の鍔部3138aを有した二つの支持ブッシュ3138が、夫々の鍔部3138aが互いに離反した向きとなるように回転可能に挿入されている。また、支持ピン3136の先端(後端)には、Eリングが装着されており、このEリングによって支持ブッシュ3138が支持ピン3136から抜けるのを阻止している(図164等を参照)。
この一対の支持部3104bに固定された支持ピン3136と支持ピンに3136に挿入された二つの支持ブッシュ3138は、二つの支持ブッシュ3138の円筒部が、後述する昇降機構3150における二つのスライド部材3152のユニット支持孔3152aに夫々挿入された状態とすることで、支持ピン3136がユニット支持孔3152aに対して回転可能且つ長孔の延びた方向へスライド可能に支持されるようになっている。これにより、回転装飾体ユニット3100が昇降機構3150における二つのスライド部材3152の一端側に支持されるようになっている。
なお、本例の回転装飾体ユニット3100は、第二回転部材3114(回転装飾体ユニットベース3104)の直径が、液晶表示装置1400の上下寸法の略半分の径とされていると共に、回転装飾体3102が回転して外側へ突出した時の回転直径が、液晶表示装置1400の上下寸法の約2/3の径とされている。また、回転装飾体3102は、表面の装飾に合わせた複数の貫通する開口を有すると共に、表面全体に銀光沢のメッキ層を備えている。一方、第一回転部材3112及び第二回転部材3114は、略無色透明とされており、表面に形成された緻密なレリーフ状の装飾により、後側に配置された回転装飾体装飾基板3124からの光を乱屈折させることができると共に、回転装飾体装飾基板3124を遊技者側から見辛くすることができるようになっている。なお、回転装飾体装飾基板3124は、前面が白色とされており、第一回転部材3112等を通して、遊技者側から認識し辛くなっている。
次に、本例の回転装飾体ユニット3100における回転装飾体3102の動きについて主に図167を参照して説明する。まず、通常の状態では、回転ロック機構3126のロック片3128aが第二回転部材3114のロック部3114a内に嵌合挿入されていると共に、第二回転部材3114と第一回転部材3112とが第一軸部材3116及び第二軸部材3118を介して回転装飾体3102で連結されており、この状態で回転装飾体駆動モータ3106を回転駆動させても、第一回転部材3112が回転しないようになっている。
この状態で、回転ロック機構3126のロックソレノイド3127を駆動してロック片3128aを上昇させると、ロック片3128aが第二回転部材3114のロック部3114aから抜けて、回転のロックが解除される。その後、回転装飾体駆動モータ3106によって、第一回転部材3122が正面視で反時計回りの方向へ回転するように回転駆動させる(図167(A)を参照)。すると、第一回転部材3112の回転に伴って第二回転部材3114も反時計回りへ回転すると共に、各回転装飾体3102に遠心力が作用することとなる。
そして、回転装飾体3102に作用する遠心力により、回転装飾体3102が回転軸よりも外側へ移動しようとするが、回転装飾体3102を支持する第一軸部材3116は、第二回転部材3114に対して相対的に位置が固定されており、第一軸部材3116側が半径方向外側へ移動することはない。一方、第二軸部材3118は、第一回転部材3112の回転面3112a上で、回転軸の半径方向外側へ向うほど組となる第一軸部材3116へ接近するように延びた案内部3112bに沿ってスライド可能とされており、作用する遠心力によって回転軸にから遠ざかる方向へ移動しようとする。
ところが、第一軸部材3116と第二軸部材3118との距離は変わらないので、第二軸部材3118が遠ざかる方向へ移動しようとすると、それらの距離を維持するために第一軸部材3116を支持し第一回転部材3112と相対回転可能とされた第二回転部材3114が相対的に回転(反時計回りの方向へ更に回転)することで、第二軸部材3118が案内部3112bに沿ってスライドすることが可能となる。この第二軸部材3118が回転軸が遠ざかる方向へ移動することで、回転装飾体3102は、第一軸部材3116を中心に反時計周りの方向へ回動することとなり、回転装飾体3102の刃状の部分が第二回転部材3114(回転装飾体ユニットベース3104)の外周よりも突出することとなる(図167(B)を参照)。
そして、第二軸部材3118が、案内部3112bにおける回転軸に対して遠ざかった端部に到達すると、これ以上は、第二軸部材3118がスライドすることはできないので、回転装飾体3102の突出回動が停止し、この状態で四つの回転装飾体3102と第一回転部材3112及び第二回転部材3114が回転し続けることとなる(図167(C)を参照)。
一方、回転装飾体3102の回転を停止させる場合は、回転装飾体駆動モータ3106の回転駆動を維持した状態で、回転ロック機構3126りロックソレノイド3127の駆動を停止させ、コイルスプリングの付勢力によりロック片3128aが降下する方向へ付勢する。この時、ロック片3128aの下端が第二回転部材3114の外周に当接し、第二回転部材3114が回転してそのロック部3114aが上端に(ロック片3128aの位置に)到達すると、ロック片3128aが第二回転部材3114のロック部3114a内に嵌合進入し、ロック片3128aによって第二回転部材3114の回転がロックされて停止する(図167(D)を参照)。
この第二回転部材3114の回転がロックされた状態でも、回転装飾体駆動モータ3106が回転駆動しており、第一回転部材3112が反時計回りの方向へ回転しようとする。この際に、回転不能とされた第二回転部材3114に支持された第一軸部材3116対して、第一回転部材3112の回転によって第二軸部材3118が第一軸部材3116へ近づこうとするが、上述したように、回転装飾体3102を支持する一組の第一軸部材3116と第二軸部材3118とはその距離が変わらないので、それらの距離を維持するために、第二軸部材3118が案内部3112bに沿って回転軸に接近する方向へ移動することとなる。これにより、回転装飾体3102は、第一軸部材3116を中心に時計回りの方向へ回動し、第二回転部材3114の外周から突出した部分が、内周側へと移動することとなる(図167(E)を参照)。
そして、第二軸部材3118が、案内部材3112bにおける回転軸に対して近付いた端部に到達すると、これ以上は、第二軸部材3118がスライドすることができないので、第一軸部材3116、回転装飾体3102及び第二軸部材3118を介して第一回転部材3102の回転が阻止され、第一回転部材3112の回転が停止すると共に、四つの回転装飾体3102の突出が収納され、初期の状態となった後に、回転装飾体駆動モータ3106の回転駆動が停止するようになっている。
このように、本例の回転装飾体ユニット3100によると、端に回転装飾体3102が回転するだけでなく、半径方向外側へ突出するので、回転装飾体3102全体の回転半径が拡径して見た目を大きく変化させることが可能となり、遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、遊技者の関心を強く引き付けることができ、他のパチンコ機に対して大きく差別化して遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
[2−5A−2.昇降機構]
上部ユニット3002における回転装飾体ユニット3100を昇降させる昇降機構3150は、図162や図168等に示すように、上部ユニットカバー3004の前面にスライド可能に支持されると共に、左右方向略中央を通る上下方向へ延びた移動軸線に対して対称に配置された一対の透明で円弧状のスライド部材3152と、スライド部材3152における内周側の側面と回動可能に当接すると共に内周側の側面に沿って所定距離離反して配置され、スライド部材3152が内周側(中心方向)へ移動するのを阻止する二つの第一スライド保持部材3154と、二つの第一スライド保持部材3154の間と対応した位置に配置されスライド部材3152が中心方向及び半径方向外側へ移動するのを阻止する一つの第二スライド保持部材3156と、を主に備えている。
第一スライド保持部材3154及び第二スライド保持部材3156は、夫々上部ユニットカバー3004に固定されるピンと、ピンに対して回転可能に挿入されるブッシュとを備えており、ブッシュの外周がスライド部材3152と当接するようになっており、第一スライド保持部材3154及び第二スライド保持部材3156によって、スライド部材3152が、円弧状のスライド軸線に沿って移動(スライド)することができるようになっている。この円弧状のスライド軸線は、詳述すると、正面視で遊技パネル600の外周と枠状のセンター役物2300の内周との間の配置範囲内から、中心が下側に位置するようにセンター役物2300の内周側で遊技領域605の略中央へ向かって延びるような円弧状の軸線とされている。そして、スライド部材2352は、このスライド軸線に沿った略一定幅の円弧状に形成されている。
この昇降機構3150におけるスライド部材3152は、互いに接近した一端側(左右方向中央寄りの側)にスライド軸線に対して交差する方向へ長く延びた長孔状のユニット支持孔3152aと、外周側の側面に沿って複数の歯が列設されたラックギア3152bと、スライド軸線に沿って円弧状に延びるスリット3152cと、スライド部材3152の後面から後方へ突出しラックギア3152bの基端部に沿って円弧状に延びる棚状の検知部3152dとを主に備えている。なお、図示するように、第二スライド保持部材3156は、スライド部材3152のスリット3152c内に挿入されている。
このスライド部材3152のユニット支持孔3152aに、回転装飾体ユニット3100の支持ピン3136及び支持ブッシュ3138を挿入することで、二つのスライド部材3152によって回転装飾体ユニット3100を左右方向の略中央位置に支持することができるようになっている(図169(A)等を参照)。
また、昇降機構3150は、左右方向中央よりも外側に配置された第一スライド保持部材3154を通り円弧状のスライド軸線に対して略直角方向へ延びる軸線上に配置されスライド部材3152のラックギア3152bと噛合するピニオンギア3158と、ピニオンギア3158を回転駆動させ上部ユニットカバー3004の後側に固定された昇降駆動モータ3160と、スライド部材3152の検知部3152dと当接可能とされた当接部3162a及び扇状の検知片3162bを有し当接部3162aと検知片3162bとの間で上部ユニットカバー3004に回動可能に軸支された検知部材3162と、検知部材3162の検知片3162bを検知可能とされ上部ユニットカバー3004に固定された昇降検知センサ3164と、を更に備えている。
この検知部材3162は、当接部3162aが所定の付勢手段によって円弧状のスライド軸線の中心を向くように付勢されており、当接部3162aがスライド部材3152の検知部3152dと当接していない時は、検知片3162bが昇降検知センサ3164により検知可能な位置へ回動し、当接部3162aがスライド部材3152の検知部3152dと当接すると、検知片3162bが昇降検知センサ3164により検知不能な位置へ回動するようになっている(図170を参照)。
また、昇降機構3150は、左右方向の略中央で上部ユニットカバー3004の下端に下面が下方へ臨むように取付けられた保持磁石3166を更に備えている。この保持磁石3166は、回転装飾体ユニット3100が上昇位置の時に、回転装飾体駆動モータ3106のモータケースと当接して磁着することで、回転装飾体駆動モータ3106を介して回転装飾体ユニット3100を上昇位置に保持することができるようになっている。
更に、昇降機構3150は、左右方向中央寄りに配置された第一スライド保持部材3154を通り円弧状のスライド軸線に対して略直角方向へ延びる軸線上に配置され、スライド部材3152における棚状の検知部3152dの上面と回動可能に当接する第三スライド保持部材3168と、第一スライド保持部材3154、第二スライド保持部材3156、第三スライド保持部材3168、及びピニオンギア3158の前端を軸支し、上部ユニットカバー3004に固定されると共に、スライド部材3152の一部とピニオンギア3158を前側から覆うカバー部材3170(図161等を参照)と、を更に備えている。この第三スライド保持部材3168は、第一スライド保持部材3154や第二スライド保持部材3156と同様に、上部ユニットカバー3004に固定されるピンと、ピンに対して回転可能に挿入されるブッシュとを備え、ブッシュの外周が検知部3152dの上面と当接するようになっている。
次に、本例の上部ユニット3100における昇降機構3150の動きについて、主に図170を参照して説明する。まず、通常の状態では、図170(A)に示すように、回転装飾体ユニット3100が上昇位置に位置しており、この状態では、昇降機構3150における二つのスライド部材3152は、回転装飾体ユニット3100を支持しない他端側が互いに遠ざかった位置となっていると共に、回転装飾体ユニット3100を支持する一端側が上昇して上部ユニットカバー3004の中央下端と略同じ高さの位置となっている。これにより、二つのスライド部材3152は、遊技パネル600の外周とセンター役物2300の内周との間の配置範囲内に位置しており、遊技者側からほとんど見えないようになっている(図151を参照)。
なお、この昇降機構3150は、スライド部材3152の一端側に回転装飾体ユニット3100を支持し他端側には何も支持していないので、一端側に回転装飾体ユニット3100の重量によって常に下方へ移動しようとする力が作用しており、その力に対してラックギア3152bに噛合したピニオンギア3158を回転駆動させる昇降駆動モータ3160が抵抗となって回転装飾体ユニット3100を上昇位置に維持できるようになっている。また、昇降機構3150には、上部ユニットカバー3004に取付けられた保持磁石3166が、回転装飾体ユニット3100の回転装飾体駆動モータ3106のモータカバーに磁着することで、回転装飾体ユニット3100が上昇位置に維持するのを補佐することができるようになっている。
この上昇位置の状態から、正面視で左側の昇降駆動モータ3160を反時計回りに、右側の昇降駆動モータ3160を時計回りの方向へ夫々同時に回転駆動させることで、各ピニオンギア3158の回転に伴って、ピニオンギア3158と噛合するラックギア3152bを介して左側のスライド部材3152が時計回りの方向へ、右側のスライド部材3152が反時計回りの方向へ夫々スライド移動することとなる。つまり、左右のスライド部材3152の一端側が、夫々下方へ移動することとなり、それら一端側のユニット支持孔3152aに支持された回転装飾体ユニット3100が下方へ移動することとなる。なお、本例では、各スライド部材3152が下降方向へ移動を開始すると、検知部材3162の当接部3162aが、スライド部材3152の検知部3152dから外れるようになっており、当接部3162aが検知部3152dから外れることで、検知部材3162が付勢手段によって回動し、検知片3162bが昇降検知センサ3164によって検知されるようになっている。
ところで、左右のスライド部材3152は、左右対称に配置された円弧状のスライド軸線に沿って移動するので、その移動位置に応じてスライド部材3152の一端側同士の距離も変化するようになっているが、回転装飾体ユニット3100を支持するユニット支持孔3152aが、長孔状に形成されているので、ユニット支持孔3152a内を回転装飾体ユニット3100の支持ピン3136及び支持ブッシュ3138がスライドすることで、一端側同士の距離の変化に対応して回転装飾体ユニット3100を支持することができ、スライド部材3152(回転装飾体ユニット3100)がスムーズにスライド(昇降)することができるようになっている。
この昇降駆動モータ3160の回転駆動により、スライド部材3152の一端側が下方へスライドし、スライド部材3152におけるスリットの他端側の端部が第二スライド保持部材3156に当接すると、第二スライド保持部材3156によってスライド部材3152のスライドが規制され、スライド部材3152の下降方向への移動が停止すると共に、昇降駆動モータ3160の回転駆動が停止して、回転装飾体ユニット3100が下降位置に位置した状態となる(図170(B)を参照)。
そして、回転装飾体ユニット3100が、下降位置に到達すると、上述したように、ロックソレノイド3127を駆動してロック部材3128のロック片3128aを解除した上で、回転装飾体駆動モータ3106を回転駆動させて、第一回転部材3112、第二回転部材3114、及び回転装飾体3102を回転させると共に、その遠心力により各回転装飾体3102を第一軸部材3116回りに回動させて外側へ突出させ、その状態で回転演出を遊技者に提示することとなる(図170(C)を参照)。なお、回転装飾体ユニット3100が下降位置に到達する前に、回転装飾体3102の回転を開始させるようにしても良い。
一方、回転装飾体ユニット3100を下降位置から上昇位置へ移動させる場合は、各将校駆動モータ3160を上記とは逆の方向へ夫々回転駆動させることで、スライド部材3152の一端側が上昇方向へとスライドし、回転装飾体ユニット3100が上昇を開始する。そして、スライド部材3152の検知部3152dが検知部材3162の当接部3162aと当接すると、検知部材3162の検知片3162bが回動し、昇降検知センサ3164による検知片3162bの検知が不能となると、昇降駆動モータ3160の回転駆動が停止させられてスライド部材3152のスライドが停止し、回転装飾体ユニット3100が上昇位置に位置した状態となる(図170(A)を参照)。
このように、本例の昇降機構3150によると、ラックギア3152bを有したスライド部材3152を、円弧状に形成しているので、直線状に形成した場合と比較して、配置範囲におけるセンター役物2300(遊技領域605)の中央を中心とした放射状に延びる方向の配置スペースが狭くても、スライド部材3152が曲ることでスライド部材3152をより長くすることが可能となり、回転装飾体ユニット3100の昇降範囲を可及的に長くすることができ、大きく移動する回転装飾体ユニット3100によって遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、一端側に回転装飾体ユニット3100を支持した透明で長尺状のスライド部材3152が、枠状のセンター役物2300の内側へ延びた円弧状のスライド軸線方向へ移動することで、回転装飾体ユニット3100を上下方向へ移動させることができると共に、回転装飾体ユニット3100の移動軌跡に略沿うようにスライド部材3152が延び出すので、従来のパチンコ機に見られるように装飾体の移動方向に対して交差(略直交)する方向からアーム部材(スライド部材に相当)で装飾体を支持して移動させるようにした場合と比較して、回転装飾体ユニット3100と共に移動するスライド部材3152を目立ち難くすることが可能となり、相対的に回転装飾体ユニット3100を目立たせることができ、回転装飾体ユニット3100の回転装飾体3102の動きを楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[2−5A−3.揺動装飾体ユニット]
続いて、上部ユニット3002における揺動装飾体ユニット3200は、図171乃至図173に示すように、高札形状の複数(四つ)の揺動装飾体3202と、揺動装飾体3202を先端側に回動可能に支持すると共に基端側が前後方向へ延びる所定軸周りに回転可能に支持された棒状の棹部材3204と、棹部材3204を左右方向へ回動させると共に左右方向へスライド可能とされた板状のスライドプレート3206と、スライドプレート3206を左右方向へスライド可能に支持すると共に、棹部材3204の基端側を回転可能に支持するベース部材3208と、ベース部材3208の前面に固定されスライドプレート3206と棹部材3204の前面を被覆するカバー部材3210と、カバー部材3210の所定位置に固定されスライドプレート3206を左右方向へスライド駆動させる揺動駆動モータ3212と、カバー部材3210の前面で左右方向の略中央に配置され前面側に複数のLEDが実装された上部ユニット後装飾基板3214と、ベース部材3208の後側に取付けられ前面側に複数の揺動装飾体3202を後側から発光装飾可能な複数のLEDを実装した揺動装飾体装飾基板3216と、ベース部材3208に固定されスライドベース3206のスライド位置を検知する揺動検知センサ3218と、を主に備えている。
この揺動装飾体ユニット3200の揺動装飾体3202は、図示するように、将棋の駒状の上辺に屋根状の棒が載ったいわゆる高札と略同じ形状で、前面に三つの木片が吊下げられた鳴子を模した形状とされており、全体が一体的に透明な樹脂で成形されていると共に、裏面が略平らに形成されている。この揺動装飾体3202は、裏面側から各部に対応した色が施されている。
また、棒状の棹部材3204は、長手方向へ延びたスリットを備えており、このスリット内にスライドベース3206から前方へ突出する揺動ピンが挿入されている。また、スライドベース3206には、揺動ピン3206aの他に、左右方向へ延びた長孔状の三つのスライド孔と、スライド孔とは別に棹部材3204の基端側をベース部材3208に回転可能に支持する支持軸3205が通過可能な長孔状の挿通孔と、所定位置に切欠き3206dを備えた検知片3206eと、正面視で左端に配置され上下方向へ延びた長孔状の揺動スリット3206fと、を備えている。このスライドベース3206の揺動スリット3206f内には、揺動駆動モータ3212の回転軸に固定されたクランク部材3220の、回転軸とは偏芯した位置に配置されたクランク軸3220aが摺動可能に挿入されるようになっている。
また、ベース部材3208は、透光性を有した合成樹脂によって前側が開放された薄い箱状に形成されており、スライドベース3206のスライド孔3206b内へ挿入されるスライド支持軸3208aと、棹部材3204の基端側を軸支する支持軸3205を固定するボス状の軸固定部3208bと、を備えている。このベース部材3208のスライド支持軸3208aを、所定のブッシュを介してスライドベース3206のスライド孔3206bへ挿入することで、スライドベース3206を左右方向へスライド可能に支持することができるようになっていると共に、その状態で軸固定部3208bがスライドベース3206の挿通孔3206cと対応した位置に配置されており、軸固定部3208bに固定された支持軸3205がスライドベース3206に当らないようになっている。
また、ベース部材3208には、揺動装飾体3202の後側に位置する部分に、×状の貫通する透光窓3208cを有している。この透光窓3208cの後には、揺動装飾体装飾基板3216に実装されたLEDが配置されるようになっており、透光窓3208cを通してLEDからの光が直接前側の揺動装飾体3202へ照射されるようになっている。
次に、本例の揺動装飾体ユニット3200における揺動装飾体3202の動きについて、主に図174を参照して説明する。正面視での図示は省略するが、この揺動装飾体ユニット3200は、通常の状態では、棹部材3204が略垂直方向へ延びた状態となっており、この状態では、ベース部材3208のスライド支持軸3208aが、スライドベース3206におけるスライド孔3206bの左右方向略中央に位置した状態となる(図172等を参照)。また、その状態では、スライドベース3206における検知片3206eの切欠き部3206dが、揺動検知センサ3218と略一致した位置となっており、検知片3206eが非検知の状態となっている。更に、揺動駆動モータ3212の回転軸に固定されたクランク部材3220は、そのクランク軸3220aが上死点又は下死点の何れかの位置に位置した状態となっている。
この状態で揺動駆動モータ3212を回転駆動させると、クランク部材3220のクランク軸3220aが回転軸に対して所定半径の円周上に沿って周回移動を開始する。このクランク軸3220aの周回移動により、クランク軸3220aがスライドベース3206における揺動スリット3206f内を摺動すると共に、クランク作用によってスライドベース3206がスライド孔3206bに沿った左右方向へスライドすることとなる。このスライドベース3206の左右方向への移動と共に、棹部材3204のスリット3204a内に挿入されたスライドベース3206の揺動ピン3206aも移動することで、棹部材3204が基端側を中心として回動し、先端側に軸支された揺動装飾体3202もスライドベース3206と同じ方向へ移動することとなる。
そして、図173(A)に示すように、クランク部材3220のクランク軸3220aが、正面視で最も右側の位置へ到達すると、揺動装飾体3202の右側への移動も最大となり、更に、クランク軸3220aが周回移動すると、クランク軸3220aが左側へ移動を開始すると共に、棹部材3204を介して揺動装飾体3202も左側へ移動し、クランク軸3220aが最も左側の位置へ到達すると、揺動装飾体3202の左側への移動も最大になる(図173(B)を参照)。このように、クランク軸3220aが周回移動を重ねることで、スライドベース3206が左右方向へ交互にスライドすると共に、揺動装飾体3202が左右方向へ交互に移動し、揺動装飾体3202が左右に揺れる動きをさせることができる。
なお、揺動装飾体3202は、棹部材3204の先端側において回動可能に軸支されているので、スライドベース3206(棹部材3204)の移動方向が変わる際に、慣性力によって棹部材3204の先端側を中心として回動し、棹部材3204の先端の移動よりも更に大きく揺動装飾体3202が動くこととなり、大きく揺動する揺動装飾体3202の動きを楽しませることができるようになっている。
また、スライドベース3206が左右方向の中心から左右へスライド移動すると、揺動検知センサ3218がスライドベース3206の検知片3206eを検知した状態となるようになっており、揺動装飾体3202の揺動を停止させる際には、検知片3206eが非検知となる位置、つまり、検知片3206eの切欠き部3206dと揺動検知センサ3218とが略一致する位置で揺動駆動モータ3212を停止させることで、棹部材3204が略垂直な状態となった通状の状態(初期位置)に復帰させることができる。
このように、本例の揺動装飾体ユニット3200によると、複数(四つ)の揺動装飾体3202が左右方向へ揺動するので、その動きにより遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、基端側が軸支された棹部材3204の途中のスリット3204aを介して、左右方向へスライドするスライドベース3206により棹部材3204の先端側に軸支された揺動装飾体3202を左右方向へ揺動させるようにしているので、スライドベース3206の移動量よりも揺動装飾体3202の移動量をより大きくすることが可能となり、大きく揺れる揺動装飾体3202により揺動装飾体3202の揺動演出を遊技者に気付かせ易くすることができ、揺動に気付くことで遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。
[2−5A−4.可動天井ユニット]
上部ユニット3002における可動天井ユニット3300は、回転装飾体ユニット3100のやや後側で揺動装飾体ユニット3200の左右両側に配置され、センター役物2300の内周上部と液晶表示装置1400の上端とを結んで天井を形成するような板状の天井装飾体3302を備えているものであり、左側に配置された左可動天井ユニット3300Lと、右側に配置された右可動天井ユニット3300Rとから構成されている。この可動天井ユニット3300は、図174乃至図176等に示すように、矩形状で左右方向へ延びる一辺側に回動軸3302aを有した略板状の天井装飾体3302と、天井装飾体3302の回動軸3302aを回動可能に軸支する天井ベース3304と、天井装飾体3302の一方の回動軸3302aに固定され回動軸3302aの軸心とは偏芯した位置で天井装飾体3302とは反対方向へ延びた軸部3306aを有するリンク部材3306と、リンク部材3306の軸部3306a及び天井装飾体3302の回動軸3302aとは異なる位置で回動軸3302aと平行に延びる所定の軸心を中心とした円弧状に形成され、リンク部材3306の軸部3306aが摺動可能に係合する係合部3308a、及び円弧状の外周に沿って複数の歯が列接されたギア部3308bとを有したカム部材3308と、カム部材3308のギア部3308bと噛合する円形の駆動ギア3310と、駆動ギア3310を回転駆動させる天井駆動モータ3312と、天井駆動モータ3312を支持すると共にカム部材3308をその円弧状に延びる方向へスライド可能に支持し天井ベース3304に固定されるモータ固定部材3314と、を主に備えている。
また、可動天井ユニット3300は、カム部材3308を挟んでモータ固定部材3314とは反対側に配置され、モータ固定部材3314と協働してカム部材3308を円弧方向へスライド可能に保持するカムカバー3316と、モータ固定部材3314におけるカム部材3308の一方のスライド端部よりも外側に固定されカム部材3308のスライド位置を検知する天井位置検知センサ3318と、を更に備えている。この可動天井ユニット3300におけるカム部材3308は、係合部3308aが円弧方向の一方の端部に配置されており、ギア部3308bが円弧状の外周面に形成されている。また、カム部材3308は、円弧方向へ延びるスリット3308cと、他方の端部に配置された平板状で天井位置検知センサ3318に検知される検知片3308dとを有している。一方、モータ固定部材3314には、カム部材3308のスリット3308c内に摺動可能に挿入される円筒状の軸ピン3314aを有しており、この軸ピン3314aによってカム部材3308がスリット3308cの延びる範囲内で円弧方向へスライド可能とされている。
更に、可動天井ユニット3300は、天井装飾体3302の裏側に配置され表面に複数のLEDが実装された天井装飾基板3320と、天井ベース3304の上面に取付けられ天井装飾基板3320と接続される配線を押える配線押え3322と、天井ベース3304の上面に固定され可動天井ユニット3300を上部ユニットベース3006へ取付けるためのブラケット3324と、を更に備えている。また、図示するように、天井ベース3304は、左右方向における遊技領域605の外側を向く端部から下方へ垂下する側壁部3304aを有している。この可動天井ユニット3300は、天井ベース3304の側壁部3304aの下側に取付けられると側壁部材3326と、側壁部材3326の裏側(遊技領域605の外側を向いた側)に取付けられ表側に複数のLEDが実装された側壁装飾基板3328と、を更に備えている。なお、詳細な図示は省略するが、本例の天井装飾体3302は、手裏剣形状の貫通孔を複数有した本体と、本体の貫通孔へ裏側から挿入嵌合される透光性を有したレンズ体とで構成されており、天井装飾基板3320の貫通孔の裏側と対応した位置にLEDが実装されている。
次に、本例の上部ユニット3100における可動天井ユニット3300の動きについて説明する。この可動天井ユニット3300は、通常の状態では、板状の天井装飾体3302が、センター役物2300の内周後側の上面を塞ぐようにその面が略水平方向を向いた状態となっており、まさに天井を形成したような状態となっている。この状態では、カム部材3308が上昇した位置となり、その検知片3308dが天井位置検知センサ3318により検知された状態となっている。
この状態から天井駆動モータ3312を所定方向へ回転駆動させると、駆動ギア3310の回転に伴って駆動ギア3310と噛合するギア部3308bを有したカム部材3308が、カム部材3308の延びる円弧方向に沿って下方へ移動する。このカム部材3308と共に係合部3308aも下方へ移動することで、係合部3308aと係合するリンク部材3306の軸部3306aも下方へ移動する方向に力が作用し、その力によって軸部3306aが下方へ移動するようにリンク部材3306が回転することとなる。このリンク部材3306の回転により、天井装飾体3302が回動軸3302aを中心として回動し、天井装飾体3302の左右方向へ延びる後側の辺が下方へと移動を開始する。
そして、円弧方向に沿って下方へ移動するカム部材3308のスリット3308cの上端がモータ固定部材3314の軸ピン3314aと当接すると、カム部材3308の下方への移動が規制され、カム部材3308の移動が停止すると共に、天井駆動モータ3312の回転駆動も停止する。この状態では、図示するように、板状の天井装飾体3302が略垂直な状態となり、その天井面が遊技者側を向いた状態となる(図186を参照)。
一方、天井装飾体3302が略垂直な状態から、略水平な状態へ移動させるには、天井駆動モータ3314を上記とは逆方向へ回転させることで、天井装飾体3302が回動軸3302aを中心に逆方向へ回動し、天井装飾体3302の左右方向へ延びる下側の辺が上昇して、通常の略水平な状態に復帰することができる。
このように、本例の可動天井ユニット3300によると、天井駆動モータ3312の回転軸に対して偏芯した位置に配置された所定の軸心を中心とした円弧状のカム部材3308を、天井駆動モータ3312によってその円弧方向へスライドさせると共に、カム部材3308の係合部3308aに更に異なる位置に軸心が配置されたリンク部材3306の偏芯した軸部3306aを係合させることで、リンク部材3306を介して天井装飾体3302を回動させるようにしているので、天井装飾体3302の回動軸3302aに所定径の従動ギアを固定すると共にその従動ギアを天井駆動モータ3312の回転軸に固定された駆動ギア3310で駆動して回動させるようにした場合と比較して、回動機構をコンパクトな大きさにまとめることが可能となり、可動天井ユニット3300を狭い場所にも配置することができ、天井装飾体3302の動きを楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、天井装飾体3302を、リンク部材3306、カム部材3308、及び駆動ギア3310を介して天井駆動モータ3312で回動させるようにしているので、天井駆動モータ3312の回転軸に天井装飾体3302の回動軸3302aを直結した場合と比較して、ギア比等により天井駆動モータ3312の回転軸にかかる負荷を低減させることができ、天井駆動モータ3312つまり可動天井ユニット3300の耐久性を高めることができると共に、早期に不具合が発生するのを防止することができる。
[2−5B.キャラクタユニット]
裏ユニット3000におけるキャラクタユニット3400は、図177等に示すように、忍者を模式化すると共に立体的に造形したキャラクタ体3402と、キャラクタ体3402を左右方向へ移動させると共に所定軸周りに回動させ裏箱621内に固定されるキャラクタ体移動機構3410と、を備えている。キャラクタユニット3400におけるキャラクタ体3402は、所定のキャラクタにおける首から上の頭部3402aと、首から下の胴体部3402bとの二つに大きく分けられている。このキャラクタユニット3400は、頭部3402aを可動させる頭部可動機構3450と、胴体部3402bにおける右腕部3402cを可動させる胴体部可動機構3470とを更に備えている。
このキャラクタユニット3400におけるキャラクタ体移動機構3410は、図178及び図179等に示すように、裏箱621内の所定位置に支持され縦長で板状のユニットベース3411と、ユニットベース3411の上部前面に固定され下方及び後方が開放された箱状で左右方向に長く延びた上部ガイド部材3412と、ユニットベース3411の下部前面に固定される下部ガイド部材3413と、上端がユニットベース3411と上部ガイド部材3412との間で及び下端がユニットベース3411と下部ガイド部材3413との間で夫々左右方向へスライド可能に支持される縦長板状で、前面における上下方向の中央よりもやや下側に下方へ向って突出する歯が左右方向に複数列設された上ラックギア3414aを有するスライドベース3414と、スライドベース3414の前側下端に固定され上ラックギア3414aと対向する下ラックギア3415aを有したラック部材3415と、スライドベース3414の前面左側に固定されキャラクタ体3402における頭部3402aを支持する頭部可動機構3450を回動可能に支持する頭部支持アーム3416と、頭部支持アーム3416の下側でスライドベース3414の前面に固定されキャラクタ体3402における胴体部3402bを支持する胴体部可動機構3470を回動可能に支持する胴体部支持アーム3417と、上ラックギア3414aと下ラックギア3415aとの間の所定位置で下部ガイド部材3413の前面に回転軸が後方へ延びだすように取付けられたキャラクタ体駆動モータ3418と、キャラクタ体駆動モータ3418の回転軸に固定され下ラックギア3415aと噛合する円盤状の駆動ギア3419と、駆動ギア3419と上ラックギア3414aの両方に噛合し下部ガイド部材3413に回転可能に支持され駆動ギア3419と同じ外径でリング状のサブギア3420と、を主に備えている。
このキャラクタ体移動機構3410における上部ガイド部材3412は、箱状の前面の裏面が、ユニットベース3411の前面と略平行に延びた平坦面とされている。また、下部ガイド部材3413は、ユニットベース3411の下端から前方へ所定量延びると共に左右方向へ延びた底板部3413aと、底板部3413aの前端から板状に上方へ立上る前板部3413bと、前板部3413bの所定位置で左右両端から後方へ延出し後端がユニットベース3411の前面と当接する脚部3413cとを備えている。
この下部ガイド部材3413は、図示するように、前板部3413bの前面に、左右方向の略中央で上下方向の中央よりも下側の位置に回転軸が位置するようにキャラクタ体駆動モータ3418が取付けられるようになっている。また、下部ガイド部材3413は、キャラクタ体駆動モータ3418が取付けられる位置よりも上側で、前板部3413bの裏面から後方へ円筒状に突出し十字状に配置された四つの軸ボス3413dを更に備えている。これら軸ボス3413dには、夫々転動ブッシュ3421が回転可能に挿入されており、四つの転動ブッシュ3421に接するようにサブギア3420の内周が接している(図179を参照)。これにより、下部ガイド部材3413にサブギア3420が回転可能に支持されるようになっている。
また、キャラクタ体移動機構3410は、スライドベース3414の上端で左右方向の両端付近に上下方向へ延びる軸周りに回転可能に軸支された一対の上ローラ3422と、ラック部材3415の下面から下方に突出し前後方向へ延びる軸周りに回転可能に軸支され左右方向に離反して配置された一対の下ローラ3423と、下ローラ3423と隣接しラック部材3415の後面から後方に突出し上下方向へ延びる軸周りに回転可能に軸支された一対の下後ローラ3424と、を更に備えている。この上ローラ3422は、上部ガイド部材3412の裏面を転動可能とされている。また、下ローラ3423は、下部ガイド部材3413における底板部3413aの上面を転動可能とされていると共に、下後ローラ3424は、ユニットベース3411の前面を転動可能とされている。
このラック部材3415は、下ラックギア3415aの他に、図示するように、前側へ突出する板状の検知片3415bを更に有している。この検知片3415bは、下部ガイド部材3413に取付けられたキャラクタ体移動検知センサ3425に検知されるようになっており、下部ガイド部材3413つまりスライドベース3414(キャラクタ体3402)の左右方向の移動位置を検知することができるようになっている。
スライドベース3414に固定される頭部支持アーム3416及び胴体部支持アーム3417は、夫々前方へ突出し上下方向に離反した三角板状のアーム部3416a,3417aと、アーム部3416a,3417aの前端付近に上下方向へ貫通する支持孔3416b,3417bと、を備えている。これら支持孔3416b,3417bに、後述する頭部可動機構3450の支持軸3452b,3453b及び胴体部可動機構3470の支持軸3480b,3477bを夫々挿入することで、頭部3402a及び胴体部3402bを夫々回動可能に軸支することができると共に、スライドベース3414と共に左右方向へ移動させることができるようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、本例では、頭部支持アーム3416と胴体部支持アーム3417の支持孔3416b,3417bは、スライドベース3414に固定された状態で、夫々の軸心が異なる位置に配置されている。
また、キャラクタ体移動機構3410は、略水平方向に延びた板状でスライドベース3414の前面に配置されると共にユニットベース3411に固定され、所定の幅で上下方向へ貫通し所定方向へ延びる頭部スリット3426aを有したスロープ部材3426を更に備えている。一方、図示するように、下部ガイド部材3413には、前板部3413bの前面で、上下方向の略中央で取付けられたキャラクタ体駆動モータ3418よりも上側の位置から前側に突出し左右方向へ延びた板状のスロープ片3413eを更に備えており、このスロープ片3413eに、所定の幅で上下方向へ貫通し所定方向へ延びる胴体部スリット3413fが形成されている。これらスロープ部材3426及び下部ガイド部材3413の頭部スリット3426a及び胴体部スリット3413fは、平面視で、左方向へ向うに従って前方向へ延びるように形成されている(図180を参照)。なお、詳細な図示は省略するが、本例では、頭部スリット3426a及び胴体部スリット3413fは、その延び方が互いに異なるように形成されている。
これら頭部スリット3426a及び胴体部スリット3413fには、後述する頭部可動機構3450の摺動軸3453c及び胴体部可動機構3470の摺動軸3480cが夫々摺動可能に挿入されるようになっており、スライドベース3414の左右方向の移動と共に、頭部可動機構3450及び胴体部可動機構3470が左右方向へ移動すると、各摺動軸3453c,3480cが頭部スリット3426a及び胴体部スリット3413fに沿って摺動し、頭部可動機構3450及び胴体部可動機構3470つまりキャラクタ体3402の頭部3402a及び胴体部3402bが所定軸周りに回動するようになっている。
更に、キャラクタ体移動機構3410は、ユニットベース3411の右側端部に固定されるキャラクタ体固定側中継基板3428と、スライドベース3414の前面側に固定されるキャラクタ体可動側中継基板3429と、キャラクタ体固定側中継基板3428とキャラクタ体可動側中継基板3429とを電気的に接続する配線ケーブル3430と、キャラクタ体移動機構3410の前面右端に配置され上下方向へ長く延びた透光性を有する右レンズ部材3431と、キャラクタ体右レンズ部材3431の後側に配置され前面に複数のLEDが実装されたキャラクタ体右装飾基板3432と、を備えている。本例では、配線ケーブル3430として、フレキシブルフラットケーブルが用いられている。また、キャラクタ体右装飾基板3432は、図示するように、上下に分割されている。
一方、キャラクタユニット3400における頭部可動機構3450は、図181及び図182等に示すように、透光性を有した頭部ベース3451と、頭部ベース3451の上部に固定される頭部上支持部材3452と、頭部ベース3451の下部に固定される頭部下支持部材3453と、頭部ベース3451の前面に左右方向へ延びる軸周りに回動可能とされキャラクタ体3402の頭部3402aを支持する頭部クランク3454と、頭部クランク3454をプランジャの進退によって回動駆動させ頭部ベース3451の略中央に取付けられる頭部ソレノイド3455と、頭部ベース3451の後側に固定され前面に複数のLEDが実装された頭部装飾基板3456と、を備えている。この頭部ベース3451の後面の所定位置にレンズ部が形成されており、そのレンズ部により、頭部装飾基板3456からの光を前方へ拡散させることができるようになっている。
この頭部可動機構3450の頭部上支持部材3452及び頭部下支持部材3453は、後側へ延びた板状の上片部3452a及び下片部3453aを備えており、それら上片部3452a及び下片部3453aの下面及び上面から円筒状の支持軸3452b,3453bが互いに対向するように延びだしている。これら支持軸3452b,3453bは、平面視で同軸上に配置されている。また、頭部下支持部材3453は、下片部3453aの下面から下方へ延出する円筒状の摺動軸3453cを備えている。この摺動軸3453cは、支持軸3452b,3453bに対して平面視で後側且つ右側寄りに配置されている。
この頭部上支持部材3452及び頭部下支持部材3453の支持軸3452b,3453bを、キャラクタ体移動機構3410における頭部支持アーム3416の支持孔3416bに挿入することで、頭部可動機構3450が上下方向へ延びる所定軸周りに回動可能に支持されるようになっている。また、頭部下支持部材3453の摺動軸3453cを、キャラクタ体移動機構3410におけるスロープ部材3426の頭部スリット3426a内に挿入することで、スライドベース3414の左右方向への移動に伴って頭部スリット3426aのカム作用により、頭部可動機構3450(キャラクタ体3402の頭部3402a)を支持軸3452b,3453b周りに回動させることができるようになっている。
この頭部可動機構3450は、頭部ソレノイド3455を適宜駆動させることで、キャラクタ体3402における頭部3402aを上下方向へ回動させることができ、あたかもキャラクタが頷いているような動作をさせることができるようになっている。
他方、キャラクタユニット3400における胴体部可動機構3470は、図181及び図183等に示すように、キャラクタ体3402における胴体部3402bの裏側に取付固定されるものであり、胴体部3402bの裏面側に取付けられる下部部材3471と、下部部材3471の下側に回転軸が上方へ延出するように固定される右腕駆動モータ3472と、右腕駆動モータ3472の回転軸に固定されると共に下部部材3471の上側に配置され扇状の外周に歯を列設した扇状駆動ギア3473と、扇状駆動ギア3473と噛合する扇状の第一従動ギア3474と、第一従動ギア3474と伴に回転し上方へ長く延びた伝達軸3475と、伝達軸3475の上端付近に固定された扇状の第二従動ギア3476と、伝達軸3475の上端を軸支すると共に下部部材3471と協働して胴体部3402bにおける右腕部3402cの基端側を上下方向へ延びる軸周りに回動可能に軸支し下部部材3471の上側に固定される上部部材3477と、を備えている。また、右腕部3402cは、下部部材3471と上部部材3477とで軸支され回動軸を中心とし第二従動ギア3476と噛合する半円形の腕部ギア3478を有しており、右腕駆動モータ3472の回転駆動によって右腕部3402cが水平方向へ回動するようになっている。
この胴体部可動機構3470における扇状駆動ギア3473は、ギアと隣接した扇状の検知片3473aを有しており、下部部材の上面に固定された右腕回動検知センサ3479により検知されることで、右腕部3402cの回動位置を検知することができるようになっている。
また、胴体部可動機構3470は、下部部材3471よりも下側の位置で胴体部3402bの裏側に固定される胴体部下支持部材3480を更に備えている。この胴体部下支持部材3480及び上部部材3477は、後方へ延びた下片部3480a及び上片部3477aを備えており、それら下片部3480a及び上片部3477aの上面及び下面から円筒状の支持軸3480b,3477bが互いに対向するように延びだしている。これら支持軸3480b,3477bは、平面視で同軸上に配置されている。また、胴体部下支持部材3480は、下片部3480aの下面から下方へ延出する円筒状の摺動軸3480cを備えている。この摺動軸3480cは、支持軸3480b,3477bに対して平面視で後側且つ右側寄りに配置されている。
この胴体部下支持部材3480及び上部部材3477の支持軸3480b,3477bを、キャラクタ体移動機構3410における胴体部支持アーム3417の支持孔3417bに挿入することで、胴体部可動機構3470が上下方向へ延びる所定軸周りに回動可能に支持されるようになっている。また、胴体部下支持部材3480の摺動軸3480cを、キャラクタ体移動機構3410における下部ガイド部材3413の胴体部スリット3413f内に挿入することで、スライドベース3414の左右方向への移動に伴って胴体部スリット3413fのカム作用により、胴体部移動機構3470(キャラクタ体3402の胴体部3402b)を支持軸3480b,3477b周りに回動させることができるようになっている。
更に、胴体部可動機構3470は、胴体部3402bにおける左手上部に手裏剣形状に開口する貫通孔内に裏側から挿入される透光性を有した胴体部レンズ部材3481と、胴体部レンズ部材3481の後側に配置され前面に少なくとも一つのLEDが実装された胴体部装飾基板3482と、を更に備えている。これら胴体部レンズ部材3481と胴体部装飾基板3482は、胴体部3402bの裏側に取付けられるようになっている。
この胴体部可動機構3470は、右腕駆動モータ3472を扇状駆動ギア3473の範囲内で正転、逆転を繰返すことで、右腕部3402cが略水平方向の往復回動を繰返し、あたかも左手に持った手裏剣を、繰出しているような動作をさせることができるようになっている。
次に、本例のキャラクタユニット3400におけるキャラクタ体3402の動きについて説明する。このキャラクタユニット3400のキャラクタ体3402は、通常の状態では、図151に示すように、正面視でほとんどが液晶表示装置1400の右端よりも外側に位置する退避位置に位置している。そして、キャラクタ体駆動モータ3418の駆動によりキャラクタ体3402が左方向へスライド移動し、液晶表示装置1400の前面に位置する出場位置に位置するようになっており(図186を参照)、退避位置と出場位置との間で左右方向へスライド移動することができるようになっている。
具体的には、キャラクタ体3402は、キャラクタ体移動機構3410におけるスライドベース3414の前側に支持されており、キャラクタ体駆動モータ3418により駆動ギア3419を所定方向へ回転駆動させると、駆動ギア3419と噛合する下ラックギア3415aを有したラック部材3415を介してスライドベース3414が左右方向の一方へ移動することとなる。このキャラクタ体移動機構3410では、駆動ギア3419の上側に配置されたリング状のサブギア3420が駆動ギア3419と噛合しており、駆動ギア3419の回転方向とは逆方向へ回転するようになっていると共に、サブギア3420の外径が駆動ギア3419の外径と同じ径とされており、駆動ギア3419と同じ速度で逆方向へ回転するようになっている。
更に、サブギア3420は、下ラックギア3415aと対向配置されたスライドベース3414の上ラックギア3414aと噛合しており、サブギア3420の回転により上ラックギア3414aが、下ラックギア3415aと同じ速度で同じ方向へ移動することとなり、上下方向へ離反した下ラックギア3415aと上ラックギア3414aとでスライドベース3414が左右方向の一方へ移動するようになっている。なお、ラック部材3415の検知片3415bは、スライドベース3414が右側へ移動した退避位置の時に、キャラクタ体移動検知センサ3425により検知され、スライドベース3414が左側へ移動した出場位置の時には非検知となるようになっている。
このキャラクタ体移動機構3410は、キャラクタ体3402を左右方向へ移動させるだけでなく、キャラクタ体3402の頭部3402aと胴体部3402bを、夫々異なる軸心周りに回動可能に支持すると共に、それら頭部3402aと胴体部3402bを異なる回動角度で可動させることができるようになっている。
詳述すると、キャラクタ体3402の頭部3402aは、スライドベース3414に取付けられた頭部支持アーム3416によって回動可能に軸支されており、スライドベース3414と伴に左右方向へ移動するようになっている。また、頭部3402aにおける頭部可動機構3450の摺動軸3453cが、ユニットベース3411に固定されたスロープ部材3426の頭部スリット3426a内に挿入されており、スライドベース3414(頭部3402a)が左右方向へ移動することで、摺動軸3453cが頭部スリット3426a内を摺動するようになっている。
この頭部スリット3426aは、図180に示すように、左側へ向うに従って前側へ延びるように形成されており、頭部3402aが左側へ移動すると、摺動軸3453cが頭部スリット3426cによって前側へ移動することとなり、摺動軸3453cにおける前後方向の位置の変化により、頭部3402aが頭部支持アーム3416に軸支された支持軸3452b,3453b周りに回動することとなる。
一方、キャラクタ体3402における胴体部3402bは、スライドベース3414に取付けられた胴体部支持アーム3417によって回動可能に軸支されており、スライドベース3414と伴に左右方向へ移動するようになっている。また、胴体部3402aにおける胴体部可動機構3470の摺動軸3480cが、ユニットベース3411に固定された下部ガイド部材3413の胴体部スリット3413f内に挿入されており、スライドベース3414(胴体部3402b)が左右方向へ移動することで、摺動軸3480cが胴体部スリット3413f内を摺動するようになっている。
この胴体部スリット3413fは、図180(C)に示すように、左側へ向うに従って前側へ延びるように形成されており、胴体部3402bが左側へ移動すると、摺動軸3480cが胴体部スリット3413fによって前側へ移動することとなり、摺動軸3480cにおける前後方向の位置の変化により、胴体部3402bが胴体部支持アーム3417に軸支された支持軸3480b,3477b周りに回動することとなる。なお、頭部スリット3426cと胴体部スリット3413fは、その延びる形態が異なっていると共に、頭部3402aの支持軸3452b,3453bと胴体部3402bの支持軸3480b,2477bが異なる位置に配置されているので、頭部3402aと胴体部3402bの回動角度が異なっており、キャラクタ体3402の動きに深味を与えている。
このように、本例のキャラクタユニット3400によると、キャラクタ体3402が液晶表示装置1400の前面へ位置するように左右方向へスライド移動すると共に、所定軸周りに回動するので、キャラクタ体3402の動きを目立たせることができ、キャラクタ体3402が可動することでキャラクタ体3402に注目させて、その動きを楽しませることができると共に、キャラクタ体3402の可動により遊技者の期待感を高めて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、キャラクタ体駆動モータ3418の駆動によりスライドベース3414を左右方向へスライドさせるだけで、キャラクタ体3402を左右方向へ移動させると共に所定軸周りに回動させることができるので、キャラクタ体3402に回動させるための回動駆動手段を別途備える必要がなく、キャラクタ体3402の移動にかかる構成を簡略化することができる。また、キャラクタ体3402を回動させる回動駆動手段を必要としないので、その回動駆動手段の代わりに、キャラクタ体3402の頭部3402aや胴体部3402b等を可動させる頭部可動機構3450や胴体部可動機構3470等を備えることが可能となり、キャラクタ体3402に対して更に複雑な動きをさせることができ、その動きにより遊技者を楽しませたり驚かせたりして、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、キャラクタ体3402を前側に支持するスライドベース3414に対して、下側では下ローラ3423が下部ガイド部材3413における底板部3413aの上面を、下後ローラ3424がユニットベース3411の前面を夫々転動するように配置すると共に、上側では上ローラ3422が上部ガイド部材3412の裏面を転動するようにしており、キャラクタ体3402の重量によりスライドベース3414に、上端が前側へ倒れるような荷重が作用してもスライドベース3414を略直立した状態で保持して左右方向へスムーズにスライドさせることができる。
また、キャラクタ体移動機構3410では、上下方向へ長く延びたスライドベース3414に対して、下端に配置され下ラックギア3415aに加えて上下方向の略中央に配置された上ラックギア3414aによってもスライドベース3414を左右方向へ移動駆動させるようにしているので、スライドベース3414をガタ付きなくスムーズにスライドさせることができる。
また、駆動ギア3419及び上ラックギア3414aと噛合するサブギア3420を、リング状に形成しているので、サブギア3420に無理な力が作用した場合、サブギア3420が弾性変形してその力を逃がすことができ、ギア歯が噛み込んでスライドベース3414の移動が停止してしまったり、スライドベース3141がガタ付きながら移動してしまったりするのを防止することができる。
[2−5C.歯車装飾体ユニット]
裏ユニット3000における歯車装飾体ユニット3500は、図184及び図185等に示すように、上下方向に三つ並んだ歯車状の上歯車装飾体3502a、中歯車装飾体3502b、及び下歯車装飾体3502cを有した歯車装飾体3502を備えており、遊技状態に応じて歯車装飾体3502が回転するものである。詳述すると、この歯車装飾体ユニット3500は、歯車装飾体3502を左右方向へ延びる軸周りに夫々回転可能に軸支し、左面が開放された縦長箱状のユニットベース3510と、ユニットベース3510の開放された左面を閉鎖するユニットカバー3512と、ユニットカバー3512の左面下部に取付けられユニットベース3510内に回転軸が延びだす歯車駆動モータ3514と、歯車駆動モータ3514の回転軸に固定される駆動ギア3516と、駆動ギア3516と噛合し下歯車装飾体3502cの軸部3503に固定される下ギア3518と、下ギア3518と噛合し中歯車装飾体3502bの軸部3503に固定される中ギア3520と、中ギア3520と噛合し上歯車装飾体3502aの軸部3503に固定される上ギア3522と、を主に備えている。
また、歯車装飾体ユニット3500は、駆動ギア3516の回転位置を検知する歯車位置検知センサ3524と、ユニットベース3510内で下ギア3518、中ギア3520、及び上ギア3522の右側(歯車装飾体3502側)に配置され右側面に複数のLEDが実装された歯車装飾基板3526と、ユニットベース3510の右面の後端で上下方向の中央付近に前側へ向けて取付けられロウソクを模した立体的なロウソク装飾体3528と、ロウソク装飾体3528の後側に配置され前面にLEDを実装したロウソク装飾基板3530と、を更に備えている。駆動ギア3516には、半径方向外方へ延出する検知片3516aを備えており、この検知片3516aを歯車位置検知センサ3524で検知することで、駆動ギア3516すなわち三つの歯車装飾体3502の回転位置を検知することができるようになっている。
この歯車装飾体ユニット3500は、三つの歯車装飾体3502は、上歯車装飾体3502aが中歯車装飾体3502bや下歯車装飾体3502cよりも大径とされていると共に、中歯車装飾体3502bの軸部3503が、上歯車装飾体3502aや下歯車装飾体3502cの軸部3503よりも短いものとされている。これにより、中歯車装飾体3502bが、上歯車装飾体3502aや下歯車装飾体3502cの歯車よりも左側に位置しそれら噛合していない状態となっている。また、ユニットベース3510は、その右面に、図示するように、底辺及び後辺に沿って配置されたL字状の枠柄と、歯車状の複数の立体的なレリーフとが形成されており、意匠性が高められている。
下ギア3518、中ギア3520、及び上ギア3522は、同径の平歯車とされており、駆動ギア3516の回転により、下ギア3518と上ギア3522が駆動ギア3516とは逆方向に、中ギア3520が駆動ギア3516と同じ方向に夫々同じ回転速度で回転するようになっている。
三つの歯車装飾体3502及びユニットベース3510は、部分的に透光性を有するように形成されており、ユニットベース3510内に配置された歯車装飾基板3526によって発光装飾されるようになっている。また、歯車装飾体3502の各歯が不透光とされていると共に、各歯が周回する位置と対応した位置に歯車装飾基板3526のLEDが実装されている。これにより、歯車装飾体3502が回転することで、歯車装飾基板3526からの光が歯車装飾体3502の歯によって遮られたり遮られなかったりするのを交互に繰返すこととなり、発光態様等を変化させることなく動的な発光装飾をすることができるようになっている。
このように、本例の歯車装飾体ユニット3500は、上下方向に並んだ三つの歯車装飾体3502が、互いに噛合していない状態となっているものの、歯車装飾体3502を左右方向に延びた軸周りに同時に回転させるようにしているので、遊技者側からは、各歯車装飾体3502が噛合して回転しているように錯覚させることができ、歯車装飾体3502の回転演出を楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[3.主基板・周辺基板]
続いて、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図187を参照して説明する。図187は主基板及び周辺基板のブロック図である。パチンコ機1の制御構成は、図示するように、主基板4000のグループ及び周辺基板4010のグループから構成されており、これら2つのグループにより各種制御が分担されている。主基板4000のグループは、遊技動作(遊技の進行)を制御する主制御基板4100と、遊技球の払出し等を制御する払出制御基板1186と、を備えて構成されている。また、周辺基板4010のグループは、主制御基板4100からのコマンドに基いて遊技中の各種演出を制御する周辺制御基板4140と、周辺制御基板4140からのコマンドに基いて液晶表示装置1400での演出画像の表示を制御する液晶制御基板4150と、を備えている。
[3−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図187に示すように、マイクロプロセッサとしての主制御MPU4100aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート4100bと、上述したRAMクリアスイッチ624aと、を備えている。主制御MPU4100aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵される他に、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPU4100aは、第一始動口2001へ受入れられた遊技球を検出する第一始動口センサ3022、第二始動口2002へ受入れられた遊技球を検出する第二始動口センサ2012、及び一部の一般入賞口センサ3020からの検出信号が夫々主制御I/Oポート4100bを介して入力されたり、ゲートセンサ2352、一般入賞口センサ3020、カウントセンサ2014及び裏ユニット3000に取付けられた磁気検出センサ3024からの検出信号が、遊技盤4に取付けられたパネル中継端子板3032、主制御I/Oポート4100bを介して入力されたりする。主制御MPU4100aは、これらの検出信号に基いて、主制御I/Oポート4100bそしてパネル中継端子板3032を介して始動口ソレノイド2010及びアタッカソレノイド2016への駆動信号を出力したり、主制御I/Oポート4100b、パネル中継端子板3032、機能表示基板640aを介して第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648に駆動信号を出力したりする。
また主制御MPU4100aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を、上述した主ドロワ中継基板1107を介して払出制御基板1186に送信したり、この払出制御基板1186からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を、主ドロワ中継基板1107を介して受信したりする。更に主制御MPU4100aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポート4100bを介して後述する周辺基板4010の周辺制御基板4140に送信したりする(主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間は図示しないハーネスより電気的に接続されている)。なお、主制御MPU4100aは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板1186からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御基板4140に送信する。
主制御基板4100には、その詳細な説明は後述するが、電源基板1136から各種電圧が供給されている。この電源基板1136は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をその内蔵するRAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ624aが操作されると、内蔵するRAMから消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ624aの操作信号(検出信号)は、主ドロワ中継基板1107を介して払出制御基板1186にも出力されるようになっている。
また、主制御基板4100には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板1136から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力するようになっている。この停電予告信号は、主制御I/Oポート4100bを介して主制御MPU4100aに入力される他に図示しないハーネスを介して払出制御基板1186等にも伝達されている。
[3−2.払出制御基板]
遊技球の払出し等を制御する払出制御基板1186は、図187に示すように、払出しに関する各種制御を行う払出制御部4110と、上述した発射モータ695の発射制御を行う発射制御部4120と、上述した、エラーLED表示器4130と、エラー解除スイッチ4131と、球抜きスイッチ4132と、を備えて構成されている。
払出制御基板1186における払出しに関する各種制御を行う払出制御部4110は、図187に示すように、マイクロプロセッサとしての払出制御MPU4110aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート4110bと、払出制御MPU4110aが正常に動作しているか否かを監視する外部ウォッチドックタイマ4110c(以下、「外部WDT4110c」と記載する。)と、上述した払出モータ815に駆動信号を出力する払出モータ駆動回路4110dと、を備えて構成されている。払出制御MPU4110aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵される他に、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御MPU4110aは、その詳細な説明は後述するが、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンドを受信したり、主制御基板4100からのRAMクリアスイッチ624aの操作信号(検出信号)が入力されたりする他に、満タンスイッチ916からの検出信号が入力されたり、球切れスイッチ778、計数スイッチ812及び回転角スイッチ855からの検出信号が賞球ユニット内中継端子板830を介して入力されたりする。
また払出制御MPU4110aは、主制御基板4100からの払出しに関する各種コマンドを受信すると、その受信した払出しに関する各種コマンドに基いて払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815に駆動信号を出力したり、球抜きスイッチ4132が操作されると、この操作信号(検出信号)に基いて上述した、賞球タンク720及びタンクレール部材740に貯留された遊技球を排出する(球抜きする)ために払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815に駆動信号を出力したり、図示しないCRユニット(球貸し機)からの貸球要求信号がCRユニット端子板1150bを介して入力されると、この貸球要求信号に基いて払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815に駆動信号を出力したり、満タンスイッチ916からの検出信号が入力されると、この検出信号に基いて払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815への駆動信号を停止して払出モータ815を停止したりする。
更に払出制御MPU4110aは、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器4130に表示したり、その状態を示す各種コマンドを主制御基板4100に送信したり、計数スイッチ812からの検出信号が入力されると、この検出信号に基いて、実際に払出した遊技球の球数を外部端子板1150aに出力したりする。この外部端子板1150aは、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
一方、払出制御基板1186における発射モータ695の発射制御を行う発射制御部4120は、図187に示すように、各種信号が入力される入力回路4120aと、定時間毎にクロック信号を出力する発信回路4120bと、このクロック信号に基いて発射モータ695の回転速度を決定する基準パルスを出力する発射制御回路4120cと、この発射制御回路4120cからの基準パルスに基いて発射モータ695に駆動信号を出力する発射モータ駆動回路4120dと、を備えて構成されている。発射制御回路4120cは、発信回路4120bからのクロック信号に基いて、1分当たり約99.95個の遊技球が遊技領域605に向けて発射されるよう発射モータ695の回転速度を制御している。つまり、上述した打球槌687の可動を制御している。
なお、上述したハンドル装置460(操作ハンドル部461)には、上述したように、タッチセンサ420、発射停止スイッチ422が内蔵されており、操作ハンドル部461の回動操作部材464に触れるとタッチセンサ420により検出され、単発ボタン421を操作すると発射停止スイッチ422により検出される。これらの検出信号は、その詳細な説明は後述するが、上述したハンドル中継端子板194を介して入力回路4120aに入力されている。また、CRユニットがCRユニット端子板1150bに電気的に接続されると、CR接続信号がCRユニット端子板1150bを介して入力回路4120aに入力される。
この払出制御基板1186には、電源基板1136から各種電圧が主制御基板4100と同様に供給されている。この電源基板1136は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板1186に電力を供給するキャパシタを備えている。このキャパシタにより払出制御MPU4110aは電源遮断時にでも払出しに関する各種の払出情報をその内蔵するRAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した払出情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ624aが操作されると、その内容が内蔵するRAMから消去(クリア)されるようになっている。
[3−3.周辺制御基板]
周辺基板4010における演出制御を行う周辺制御基板4140は、図187に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4140aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM4140bと、高音質の演奏を行う音源IC4140cと、この音源IC4140cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM4140dと、を備えて構成されている。
周辺制御MPU4140aは、パラレル入出力ポート、シリアル入出力ポート及びウォッチドックタイマ(WDT)等の各種入出力ポートを内蔵しており、主制御基板4100から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基いて、扉枠5に備えられた各装飾基板のLEDに点灯信号又は点滅信号を出力する扉枠側点灯点滅コマンドをランプ駆動基板3031に出力したり、遊技盤4に備えられた各発光装飾基板3606のLEDに点灯信号又は点滅信号を出力する遊技盤側点灯点滅コマンドをランプ駆動基板3031に出力したり、扉枠5に備えられたトップランプ電飾ユニット200の左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285に回転駆動信号を出力する扉枠側モータ駆動コマンドをモータ駆動基板3013に出力したり、遊技盤4に備えられた回転装飾体駆動モータ3106、昇降駆動モータ3160、揺動駆動モータ3212、天井駆動モータ3312、キャラクタ体駆動モータ3418、右腕駆動モータ3472、歯車駆動モータ3514に回転駆動信号を出力する遊技盤側モータ駆動コマンドや、ロックソレノイド3127、頭部ソレノイド3455に駆動信号を出力する遊技盤側ソレノイド駆動コマンド等をランプ駆動基板3031に出力したり、音ROM4140dから抽出する音情報を示す制御信号(音コマンド)を音源IC4140cに出力したり、液晶表示装置1400に表示させる画面を示す表示コマンドを液晶制御基板4150に出力したりする。
周辺制御MPU4140aから液晶制御基板4150に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPU4140aからランプ駆動基板3031に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、扉枠側モータ駆動コマンド、遊技盤側モータ駆動コマンド、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
このランプ駆動基板3031は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を、副ドロワ中継基板1108を介して扉枠5に備えられた各装飾基板126,190,206,224,225,296等のLEDに出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を遊技盤4に備えられた各装飾基板3012,3014,3124,3216,3320,3328,3432,3456,3482,3526,3530のLEDや、扉枠5のガラスユニット450におけるガラス装飾基板453のLED453aに出力したりする。また、ランプ駆動基板3031は、受信した扉枠側モータ駆動コマンドに基いて回転駆動信号を、副ドロワ中継基板1108を介して扉枠5に備えられた左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285に出力したり、受信した遊技盤側モータ駆動コマンドに基いて回転駆動信号を遊技盤4に備えられた回転装飾体駆動モータ3106、昇降駆動モータ3160、揺動駆動モータ3212、天井駆動モータ3312、キャラクタ体駆動モータ3418、右腕駆動モータ3472、歯車駆動モータ3514に出力したり、更には、受信した遊技盤側ソレノイド駆動コマンドに基いて駆動信号を遊戯盤に備えられたロックソレノイド3127や頭部ソレノイド3455に出力したりする。
また、周辺制御MPU4140aは、遊技盤4の回転装飾体3102、回転装飾体ユニット3100(昇降機構3150)、揺動装飾体3202、天井装飾体3302、キャラクタ体3402(キャラクタ体移動機構3410)、右腕部3402c(胴体部可動機構3470)、歯車装飾体3502の可動位置を夫々検知する検知センサ3134,3164,3218,3425,3479,3524からの検知信号が、ランプ駆動基板3031を介して夫々入力されており、これらの検知信号に基いて、回転装飾体3102、回転装飾体ユニット3100、揺動装飾体3202、天井装飾体3302、キャラクタ体3402、右腕部3402c、歯車装飾体3502の原位置を把握している。
また、周辺制御MPU4140aは、扉枠5の回転灯244,264,284の回転位置を夫々検出する左回転位置検出センサ250、右回転位置検出センサ270、中央回転位置検出センサ290からの検出信号が、副ドロワ中継基板108及びモータ駆動基板3013を介して夫々入力されており、これらの検出信号に基いて各回転灯224,264,284の回転位置を把握している。更に周辺制御MPU4140aは、液晶制御基板4150が正常動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御基板4150から入力されたり、扉枠5における皿ユニット300に備えられた操作ボタンユニット370のメインボタン371やサブボタン372の操作を検出するメインボタンセンサ376やサブボタンセンサ378からの操作検出信号が、副ドロワ中継基板1108及びランプ駆動基板3031を介して入力されたりする。なお、メインボタン371には、振動体371cが備えられており、この振動体371cに対して副ドロワ中継基板1108及びランプ駆動基板3031を介して周辺制御MPU4140aから駆動信号が送られるようになっている。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aから出力された音コマンドに基いて音ROM4140dから音情報を抽出し、ランプ駆動基板3031、そして副ドロワ中継基板1108を介して扉枠5のサイドスピーカ121や下部スピーカ391から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。
なお、周辺制御基板4140は、図示しない、外部ウォッチドックタイマ(外部WDT)も備えており、周辺制御MPU4140aは、その内蔵されたウォッチドックタイマ(内蔵WDT)と外部WDTとを併用して周辺制御MPU4140aのシステムが暴走していないかを診断している。
[3−4.液晶制御基板]
次に、周辺基板4010における液晶表示装置1400の描画制御を行う液晶制御基板4150は、図示するように、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU4150aと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する液晶制御ROM4150bと、上述した液晶表示装置1400を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)4150cと、液晶表示装置1400に表示される画面の各種データを記憶するキャラROM4150dと、このキャラROM4150dに記憶されている各種データが転送されてコピーされるキャラRAM4150eと、を備えている。
この液晶制御MPU4150aは、パラレル入出力ポート、シリアル入出力ポート等を内蔵しており、周辺制御基板4140から上述した表示コマンドを受信すると、その詳細な説明は後述するが、受信した表示コマンドに基いてVDP4150cを制御して液晶表示装置1400の描画制御を行う。なお、液晶制御MPU4150aは、正常に動作していると、上述したように、その旨を伝える動作信号を周辺制御基板4140に出力する。
液晶制御ROM4150bは、液晶表示装置1400に描画する画面を生成するための各種プログラムの他に、表示コマンドに対応するスケジュールデータ、表示コマンドに対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、液晶表示装置1400に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、キャラROM4150dに記憶されている各種データをキャラRAM4150eの後述する非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って液晶表示装置1400に描画される画面データを、前もって、キャラROM4150dからキャラRAM4150eの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
液晶制御MPU4150aは、周辺制御基板4140から表示コマンドを受信すると、この表示コマンドに対応するスケジュールデータを抽出し、この抽出したスケジュールデータの先頭の画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。そして液晶制御MPU4150aは、先頭の画面データに続く画面データを抽出してVDP4150cに出力する。このように、液晶制御MPU4150aは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ、液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。
VDP4150cは、液晶制御MPU4150aから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基いてキャラRAM4150eから後述するスプライトデータを抽出して液晶表示装置1400に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを液晶表示装置1400に出力する。なお、VDP4150cは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、液晶表示装置1400の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを液晶表示装置1400に出力する方式である。
キャラROM4150dは、極めて多くのスプライトデータを記憶しており、その容量が大きくなっている。キャラROM4150dの容量が大きくなると、つまり液晶表示装置1400に描画するスプライトの数が多くなると、キャラROM4150dのアクセス速度が無視できなくなり、液晶表示装置1400に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速いキャラRAM4150eに、キャラROM4150dに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、このキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出している。スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態でキャラROM4150dに記憶されている。
ここで、「スプライト」とは、液晶表示装置1400にまとまった単位として表示されるイメージである。例えば、液晶表示装置1400に種々の人物を表示させる場合には夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、液晶表示装置1400に複数人の人物を表示させる場合には複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて液晶表示装置1400に表示される。
なお、スプライトは縦横夫々64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「キャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のキャラクタを用いて表現することができる。このように、キャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
液晶表示装置1400は、左右方向に800画素、上下方向に600画素(SVGA)を有しており、液晶表示装置1400の左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動されるようになっている。液晶表示装置1400は、液晶制御基板4150から出力された1ライン分の描画データが入力されると、液晶ドライブ回路1315bは、この1ライン分の描画データに基いて、主走査として液晶表示装置1400の左から右に向かって順次、1ライン分の画素に夫々出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基いて、主走査として液晶表示装置1400の左から右に向かって順次、1ライン分の画素に夫々出力する。
また、液晶表示装置1400は、インバータ基板1411によって点灯されるバックライト(冷陰極管)が内蔵されている。
[4.遊技内容]
本実施形態のパチンコ機1における遊技内容について、主に図188を参照して説明する。図188は、主制御基板における機能的な構成を示すブロック図である。まず、本実施形態のパチンコ機1における主制御基板4100での遊技演出制御に係る機能的な構成について、図188等を参考に説明する。なお、遊技球の払出しに係る機能的な構成については省略する。本例の主制御基板4100では、図示しないROMに予め格納された所定のプログラムを主制御MPU4100aによって実行することで各種の遊技制御や演出制御等が具現化されるようになっている。この主制御基板4100には、ゲートセンサ2352から遊技球の検出信号が入力されると、普通図柄に対する抽選結果となる所定の普通乱数を発生させる普通乱数発生手段4200と、発生した普通乱数を所定の条件に応じて一時的に記憶する普通図柄保留記憶手段4202と、普通図柄保留記憶手段4202により記憶された上で実行された普通乱数と対応する普通図柄変動パターンを、主制御基板4100のROMに格納された所定の普通図柄変動パターンテーブルから選択する普通図柄変動パターン選択手段4204と、選択された普通図柄変動パターンに基いて普通図柄表示器645の普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段4206と、普通図柄表示制御手段4206によって普通図柄表示器645に表示された普通乱数(普通抽選結果)が「普通当り」であると始動口ソレノイド2010を駆動して一対の可動片2005を拡開させる始動口開閉制御手段4208と、普通図柄保留記憶手段4202に保留記憶された普通図乱数の数を記憶数として普通図柄記憶表示器646に表示させる普通図柄記憶数表示制御手段4210とを備えている。
上述の普通図柄保留記憶手段4202は、普通図柄表示制御手段4206によって普通図柄が変動表示中に、ゲートセンサ2352からの遊技球の検出信号を契機として発生した普通乱数を所定数(例えば、四つ)まで記憶すると共に、普通図柄の変動表示が可能となるまで記憶した普通乱数の実行を保留するものである。
また、主制御基板4100には、第一始動口2001への始動入賞により第一始動口センサ3022で検出された検出信号に基いて第一特別図柄に対する第一特別抽選結果となる所定の第一特別乱数を発生させる第一特別乱数発生手段(第一特別乱数カウンタ)4212と、第一特別乱数発生手段4212において発生した第一特別乱数を所定の条件に応じて一時的に記憶する第一特別図柄保留記憶手段(主制御MPU4100aのRAMにおける第一特別図柄保留記憶領域)4214と、第一特別図柄保留記憶手段4214により記憶される演出群決定乱数及び変動乱数と対応する第一特別図柄変動パターンを、主制御基板4100のROMに予め記憶された所定の特別図柄変動表示パターンテーブル(変動パターンテーブル)から選択する第一特別図柄変動パターン選択手段4216と、第一特別図柄変動パターン選択手段4216で選択された第一特別図柄変動パターンに基いて第一特別図柄表示器641の第一特別図柄を変動表示させる第一特別図柄表示制御手段4218と、第一特別図柄保留記憶手段4214で保留記憶された第一特別乱数の数を記憶数として第一特別図柄記憶表示器643に表示させる第一特別図柄記憶数表示制御手段4220とを備えている。
更に、主制御基板4100には、第二始動口2002への始動入賞により第二始動口センサ2012で検出された検出信号に基いて第二特別図柄に対する第二特別抽選結果となる所定の第二特別乱数を発生させる第二特別乱数発生手段(第二特別乱数カウンタ)4222と、第二特別乱数発生手段4222において発生した第二特別乱数を所定の条件に応じて一時的に記憶する第二特別図柄保留記憶手段(主制御MPU4100aのRAMにおける第二特別図柄保留記憶領域)4224と、第二特別図柄保留記憶手段4224で記憶される演出群決定乱数及び変動乱数と対応する第二特別図柄変動パターンを、主制御基板4100のROMに予め記憶された所定の特別図柄変動表示パターンテーブル(変動パターンテーブル)から選択する第二特別図柄変動パターン選択手段4226と、第二特別図柄変動パターン選択手段4226で選択された第二特別図柄変動パターンに基いて第二特別図柄表示器642の第二特別図柄を変動表示させる第二特別図柄表示制御手段4228と、第二特別図柄保留記憶手段4224で保留記憶された第二特別乱数の数を記憶数として第二特別図柄記憶表示器644に表示させる第二特別図柄記憶数表示制御手段4230とを備えている。
これら第一特別図柄保留記憶手段4214及び第二特別図柄保留記憶手段4224は、第一及び第二特別図柄表示制御手段4218,4228によって第一及び第二特別図柄が変動表示中等の新たに特別図柄を変動表示させることができない時に、第一始動口センサ3022や第二始動口センサ2012からの検出信号を契機とした第一特別乱数や第二特別乱数を夫々所定数(例えば、夫々四つ)まで記憶すると共に、特別図柄の変動表示が可能となるまで記憶した第一特別乱数や第二特別乱数の実行を保留するものである。
なお、主制御基板4100には、第一特別図柄保留記憶手段4214と第二特別図柄保留記憶手段4224で保留された第一特別乱数や第二特別乱数を、始動口2001,2002への始動入賞タイミングよりも、第二特別乱数の方を優先して実行(消化)させる優先保留消化手段4231を備えており、この優先保留消化手段4231によって第二特別乱数、つまり、第二始動口2002に係る抽選結果の保留が優先して実行(消化)されるようになっている。
また、主制御基板4100には、第一特別図柄保留記憶手段4214や第二特別図柄保留記憶手段4224に記憶された、第一特別乱数(第一特別抽選結果)や第二特別乱数(第二特別抽選結果)に基いて遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段4232と、有利遊技状態発生手段4232からの指示に基いて大入賞口2003を閉鎖する開閉部材2006を所定パターンで開閉するようにアタッカソレノイド2016の駆動制御をする大入賞口開閉制御手段4234とを備えている。
また、主制御基板4100には、有利遊技状態発生手段4232によって有利遊技状態が発生する第一特別乱数に基づく判定結果及び第二特別乱数に基づく判定結果に応じて、第一特別図柄変動パターンテーブル及び第二特別図柄変動パターンテーブルを変更する変動パターンテーブル変更手段4236を更に備えている。この変動パターンテーブル変更手段4236は、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果に応じた変動パターンテーブルに変更するものである。
更に、主制御基板4100には、普通乱数、第一特別乱数、第二特別乱数に応じた、普通図柄変動パターン、第一特別図柄変動パターン、第二特別図柄変動パターン、及び、第一特別図柄記憶、第二特別図柄記憶等に基いて、演出コマンド等の所定の制御用のコマンドを生成するコマンド生成手段4238と、コマンド生成手段4238で生成されたコマンドを周辺制御基板4140へ送信するコマンド送信手段4240とを備えている。
本実施形態のパチンコ機1は、扉枠5の右下に配置された操作ハンドル部461を遊技者が回転操作することで、皿ユニット300の貯留皿311に貯留された遊技球が、透明な遊技パネル600の前面に配置された遊技領域605内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始されるようになっている。遊技領域605内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2300の上側の左側或いは右側の遊技領域605内を流下することとなる。なお、遊技球の打込強さは、操作ハンドル部461の回転量によって調整することができるようになっており、時計回りの方向へ回転させるほど強く打ち込むことができるようになっている。また、遊技領域605内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル600の前面に植設されており、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。
センター役物2300の上部へ打ち込まれた遊技球が、左右方向の略中央から左側を流下してセンター役物2300の上棚部2301へ到達すると、上棚部2301によってセンター役物2300の左側の領域へと誘導される。そして、センター役物2300の左側を流下する遊技球が、センター役物2300の左側側面に配置されたゲート部2350のゲート入口2351に進入してゲートセンサ2352により検出されると、その検出信号に基いて主制御基板4100では、普通乱数発生手段4200で普通抽選結果としての普通乱数が発生する。そして、その普通乱数に基いて、機能表示ユニット1400における普通図柄表示器645の普通図柄が変動表示(一つのLEDからなる普通図柄表示器645が、赤色、緑色、橙色に交互に発光)され、所定時間(例えば、2秒〜30秒の間)経過後に抽出された普通乱数(普通抽選結果)に基いた普通図柄が停止表示(普通図柄表示器645が赤色又は緑色の何れかに発光)される。この普通図柄の変動表示は、普通図柄変動パターン選択手段4204において所定の普通図柄変動パターン選択テーブルから選択された普通図柄変動パターンに基いて行われるようになっている。
詳しくは、抽選された普通乱数が「普通当り」乱数の場合、当りを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器645が緑色に発光)され、抽選された普通乱数が「普通ハズレ」乱数の場合、ハズレを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器645が赤色に発光)されるようになっている。そして、当りを示唆する普通図柄が停止表示されると、第二始動口2002を閉鎖する一対の可動片2005が所定時間(例えば、0.3秒〜3秒の間)拡開して、第二始動口2002へ遊技球が入賞できるようになっている。
なお、普通図柄の変動時間や第二始動口2002における可動片2005の拡開時間については、後述する特別乱数(特別抽選結果)に応じて変化させるようにしても良く、例えば、特別乱数(特別抽選結果)として、「時短当り(低確率時短当り、高確率時短当り、等を含む)」が抽出された場合に、その変動時間や拡開時間を短い時間に変更するようにしても良い。具体的には、例えば、普通図柄変動パターン選択手段4204において普通図柄変動パターンを選択する普通図柄変動パターンテーブルを異なるテーブルと差替えた上で、選択させることで容易に変化させることができる。
なお、本例のパチンコ機1では、センター役物2300の上側において、左右方向中央から左側には遊技球が流下可能な領域が備えられているものの、中央から右側は遊技領域605の外周に沿って下方へ延びる円弧状の領域が備えられており、この領域に遊技球が進入するとゲート部2350やワープ入口2302へ遊技球が進入する機会を得ることなくセンター役物2300の下側へ送られてしまい、チャンスが少なくなると共に遊技球の動きがあまり楽しめなくなるようになっている。従って、遊技者は、遊技球がセンター役物2300の上側において左右方向中央から左側の領域を流下するように、操作ハンドル部461の回転量を適宜調整して遊技することとなり、闇雲に遊技球を強く打ち込むような遊技操作を抑制して、パチンコ機1本来の操作ハンドル部461の操作による遊技を楽しませて興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
ところで、本例では、普通図柄表示器645において普通図柄が変動表示中に、ゲートセンサ2352で遊技球の通過が検出されると、変動中の普通図柄停止して先に発生・抽出された普通乱数の結果が確定するまでの間、ゲートセンサ2352からの検出信号に基いて抽出された普通乱数(普通図柄変動パターンを含む)を普通図柄記憶保留手段4202で一時的に記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された普通乱数の数(保留数とも言う)を、普通図柄記憶表示器646で表示するようになっている。この普通図柄記憶表示器646は、四つのLEDからなっており、点灯する各LEDの数によって記憶数を示唆するようになっており、本例では、四つまで記憶して表示するようになっている。なお、記憶数が四つを越えた場合は、ゲートセンサ2352の検出信号に基いて抽出された普通乱数が破棄されるようになっている。
また、遊技領域605内へ打ち込まれセンター役物2300の左側を流下した遊技球は、サイド入賞口部材2100の棚部2102によってセンター役物2300の下側で遊技領域605の中央側へ寄せられるようになっている。そして、センター役物2300の下方に配置された一般入賞口2004,2101に遊技球が入賞して、一般入賞口センサ3020に検出されると、その検出信号に基いて主制御基板4100では払出制御基板1186に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応じて払出制御基板1186が賞球ユニット800の払出モータ815を制御して所定数(例えば、10個)の遊技球が、貯留皿311へ払出されるようになっている。
なお、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が、一般入賞口2004,2101、第一始動口2001、第二始動口2002、及び大入賞口2003の何れにも入賞しなかった場合、遊技領域605の左右方向中央下端に設けられてアウト口606から、遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。また、遊技球が、一般入賞口2004,2101、第一始動口2001、第二始動口2002、及び大入賞口2003の何れに入賞しても、入賞した遊技球は、遊技領域605内へ戻されること無く遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
一方、センター役物2300の左側を流下する遊技球が、センター役物2300の左側側面に開口するワープ入口2302へ進入すると、センター役物2300のステージ2310における後側の第一ステージ2311へと供給されるようになっている。そして、第一ステージ2311上へ供給された遊技球は、第一ステージ2311上を左右方向へ転動して、前方へと放出されて第二ステージ2312上へと供給される。この第二ステージ2312でも遊技球が左右方向へ転動してアタッカユニット2000の上方の遊技領域605内へ放出される。このステージ2310へ供給された遊技球が、第一ステージ2311における中央のチャンス入口2313へ進入すると、アタッカユニット2000における第一始動口2001の直上に配置されたチャンス出口2314から遊技領域605内へ放出され、遊技球が高い確率で第一始動口2001へと受入れられるようになっている。そして、遊技球が第一始動口2001に受入れられて第一始動口センサ3022に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球ユニット800から所定数(例えば、3個)の遊技球が、貯留皿311へ払出されるようになっている。
なお、本例のパチンコ機1では、第一始動口2001、第二始動口2002、及び大入賞口2003が、上下方向に並んで配置されているので、ステージ2310から放出される遊技球が、高い確率で第一始動口2001等に受入れられるようになっており、第二始動口2002や大入賞口2003が受入可能な時に、遊技球がステージ2310やチャンス出口2314から放出されると受入れられる可能性が高いので、第一始動口2001だけでなく第二始動口2002や大入賞口2003に対しても、遊技球の受入れに関する期待感を持たせて興趣を高めることができるようになっている。
ところで、遊技球がゲート部2350のゲート入口2351へ進入してゲートセンサ2352により検出されて普通抽選結果として「普通当り」が抽選されると、上述したように、第二始動口2002を閉鎖する一対の可動片2005が所定時間拡開して入賞可能となり、その入賞可能となった時に、遊技球が第二始動口2002へ受入れられて第二始動口センサ2012に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球ユニット800から所定数(例えば、4個)の遊技球が、貯留皿311へ払出されるようになっている。
また、主制御基板4100では、これら第一始動口2001、第二始動口2002に遊技球が入賞して、第一始動口センサ3022、第二始動口センサ2012に検出されると、第一始動口2001では第一特別乱数発生手段4212による所定の第一特別乱数の発生・抽出が、第二始動口2002では第二特別乱数発生手段4222による所定の第二特別乱数の発生・抽出が夫々行われる。そして、抽出された特別乱数に基いて、機能表示ユニット1400の対応する第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642に表示された特別図柄の変動表示が開始された後に、抽出された特別乱数と対応する特別図柄が特別抽選結果として停止表示されるようになっている。これら第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642において、「大当り」を示唆する態様(15R大当り図柄(15R高確率時短当りAを示唆する15R高確率時短当り図柄、15R高確率時短当りBを示唆する15R高確率時短当りB図柄、15R低確率時短当りを示唆する15R低確率時短当り図柄、JP大当りを示唆するJP当り図柄)、2R大当り図柄(2R高確率時短当りを示唆する2R高確率時短当り図柄、2R高確率非時短当りを示唆する2R高確率非時短当り図柄))で特別図柄が停止表示されると、アタッカユニット2000の開閉部材2006が、所定のパターンで開閉動作する特別有利遊技状態(例えば、大当り遊技状態)が発生し、その間に大入賞口2003へ遊技球を入賞させることで、より多くの遊技球を獲得できるようになっている。なお、一つの遊技球が大入賞口2003へ入賞すると、賞球ユニット800から所定数(例えば、13個)の遊技球が貯留皿311へ払い出されるようになっている。
なお、これら第一始動口2001、第二始動口2002においても、ゲート部2350への遊技球の進入による普通図柄の変動表示と同様に、第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642において特別図柄が変動表示中、又は、特別有利遊技状態としての大当り遊技状態中等の特別図柄を変動表示さることができない時に、始動口2001,2002へ遊技球が入賞して第一始動口センサ3022、第二始動口センサ2012で検出されると、特別図柄の変動表示が可能となるまでの間、第一始動口センサ3022、第二始動口センサ2012からの検出信号に基いて抽出された第一特別乱数や第二特別乱数を、第一特別図柄保留記憶手段4214や第二特別図柄保留記憶手段4224で記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された特別乱数の数を、第一特別図柄記憶表示器643や第二特別図柄記憶表示器644において表示するようになっている。これら第一特別図柄記憶表示器643や第二特別図柄記憶表示器644は、夫々二つのLEDからなっており、消灯・点灯・点滅する各LEDの発光状態の組合せによって記憶数を示唆するようになっており、本例では、夫々四つまで記憶して表示するようになっている。なお、記憶数が四つを越えた場合は、抽出された特別乱数が破棄されるようになっている。また、優先保留消化手段4231によって、第二特別図柄保留記憶手段4224で記憶(保留)された第二特別乱数が、第一特別図柄保留記憶手段4214で記憶された第一特別乱数よりも優先して実行(消化)されるようになっている。つまり、第二始動口2002に係る抽選結果の保留が、第一始動口2001に係る抽選結果の保留よりも優先して実行(消化)されるようになっている。
また、主制御基板4100では、第一始動口センサ3022、第二始動口センサ2012の検出に基いて抽出された第一特別乱数や第二特別乱数の特別乱数を、大当り判定テーブルと照合することで、その特別乱数が、「ハズレ」、「大当り」の何れであるかが判別され、さらに「大当り」については、第一始動口センサ3022、第二始動口センサ2012の検出に基いて抽出された第一図柄乱数や第二図柄乱数の図柄乱数を、図柄決定テーブルと照合することで、その図柄乱数が「2R大当り」、「15R大当り」の何れかであるか、及び「高確率非時短当り」、「低確率時短当り」、「高確率時短当り」の何れであるかが判別されるようになっている。
そして、第一始動口2001、第二始動口2002への遊技球の始動入賞を契機として抽出(抽選)された第一特別乱数や第二特別乱数が(特別抽選結果が)「15R大当り」の場合、主制御基板4100は、有利遊技状態発生手段4232によってアタッカユニット2000の開閉部材2006を開状態とした後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口2003に入賞の何れかの条件が充足すると開閉部材2006を閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、15回数(15ラウンド)繰返すようになっており、「2R大当り」の場合、主制御基板4100は、有利遊技状態発生手段4232によってアタッカユニット2000の開閉部材2006を開状態とした後に、所定時間(例えば、約0.3秒)経過、或いは、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口2003に入賞の何れかの条件が充足すると開閉部材2006を閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、2回数(2ラウンド)繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させるようになっている。
ところで、本実施形態のパチンコ機1では、第一始動口2001や第二始動口2002への遊技球の始動入賞を契機として抽出された第一特別乱数や第二特別乱数に応じて(特別抽選結果に応じて)、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642が変動表示される他に、液晶表示装置1400においても、特別乱数(特別抽選結果)に応じた演出画像が表示されるようになっている。具体的には、第一特別図柄表示器641で実行される第一特別図柄の変動表示及び第二特別図柄表示器642で実行される第二特別図柄の変動表示が開始されると、液晶表示装置1400においても、複数の異なる図柄(本例では「0」〜「9」の図柄)からなる一連の装飾図柄列が複数列(例えば、左・中・右の三列)表示された状態で各装飾図柄列の変動表示が開始され、その後に、順次停止表示され、最終的に全ての装飾図柄列が停止表示されると、停止表示された装飾図柄の組合せによって抽出された特別乱数の判定結果が遊技者側に示唆されるようになっている。つまり、始動入賞による特別抽選結果に応じて、複数の装飾図柄列が変動表示された後に特別抽選結果を示唆するように停止表示される演出画像が表示されるようになっている。具体的には、第一特別図柄表示器641及び第二特別図柄表示器642における15R高確率時短当り図柄Aの導出表示に同期して液晶表示装置1400に装飾図柄の15R高確率時短当り図柄(同一の奇数図柄の組み合わせ)を導出表示し、15R高確率時短当りBの導出表示に同期して装飾図柄の15R高確率時短当りB図柄(同一の偶数図柄の組み合わせ。なお偶数図柄のうち予め決められた同一の偶数図柄の組み合わせ(例えば「222」、「444」)としてもよい)を導出表示し、15R低確率時短当りの導出表示に同期して装飾図柄の15R低確率時短当り図柄(同一の偶数図柄の組み合わせ。なお偶数図柄のうち予め決められた同一の偶数図柄(装飾図柄の15R高確率時短当りB図柄とは異なる)の組み合わせ(例えば「666」、「888」としてもよい))を導出表示し、JP大当りの導出表示に同期して装飾図柄のJP当り図柄(「1」、「2」、及び「3」を全て含む組み合わせ)を導出表示し、2R高確率時短当りの導出表示に同期して装飾図柄の2R高確率時短当り図柄(「1」、「2」、及び「3」を全て含む組み合わせ)を導出表示し、2R高確率非時短当りの導出表示に同期して装飾図柄の2R高確率非時短当り図柄(「1」、「2」、及び「3」を全て含む組み合わせ)を導出表示する。
なお、本例では、JP当り図柄、2R高確率時短当り図柄、及び2R高確率非時短当り図柄として装飾図柄の「1」、「2」、及び「3」を全て含む組み合わせのいずれかを導出表示するように制御され、液晶表示装置1400に導出表示される装飾図柄の停止図柄からは、JP大当り、2R高確率時短当り、及び2R高確率非時短当りのいずれであるのかを判別困難となっている。また、JP大当りとは、15回のラウンドが実行されるものであり、この15回のラウンドのうち、まず2R大当りと同様の制御(大入賞口2003を2R大当りと同様の開閉パターンで開閉制御)を実行した後、残りのラウンドとして15R大当りと同様の制御(大入賞口2003を15R大当りと同様の開閉パターンで開閉制御)を実行するものである。本例では、液晶表示装置1400に導出表示される装飾図柄の停止図柄からJP大当り、2R高確率時短当り、及び2R高確率非時短当りのいずれであるのかを判別困難であるため、JP大当りとなった場合にJP大当りであることを悟られにくいだけでなく、2R大当り(2R高確率時短当り、2R高確率非時短当り)となった場合にも2R大当りであることを悟られにくくすることができ、2R大当りとなった場合であってもJP大当りであることを期待して遊技させることが可能であるため、遊技興趣の低下を抑止できる。
また、液晶表示装置1400には、上記第一始動口2001へ入賞した遊技球の球数及び上記第二始動口2002へ入賞した遊技球の球数を保留数(始動記憶数)として個々に表示している。具体的には、液晶表示装置1400には、第一始動口2001へ入賞した遊技球の球数に応じた第一特別図柄の保留数を表示する領域として、第一保留表示領域1400a〜1400dの4つの表示領域を有し、第二始動口2002へ入賞した遊技球の球数に応じた第二特別図柄の保留数を表示する領域として、第二保留表示領域1400e〜1400hの4つの表示領域を有している。そして、周辺制御基板4140aは、主制御基板4100からのコマンド(保留数コマンド)に基づいて、第一特別図柄の保留数が0である場合には第一保留表示領域1400a〜1400dを第1の保留態様で表示し、第一特別図柄の保留数が1の場合には第一保留表示領域1400aの表示を第1の保留態様とは異なる第2の保留態様に変化させ、第一特別図柄の保留数が2の場合には第一保留表示領域1400a及び第一保留表示領域1400bの表示を第2の保留態様に変化させ、第一特別図柄の保留数が3の場合には第一保留表示領域1400a〜1400cの表示を第2の保留態様に変化させ、第一特別図柄の保留数が4の場合には第一保留表示領域1400a〜1400dの表示を第2の保留態様に変化させる。同様に、第二特別図柄の保留数が0である場合には第二保留表示領域1400e〜1400hを第1の保留態様で表示し、第二特別図柄の保留数が1の場合には第二保留表示領域1400eの表示を第1の保留態様とは異なる第2の保留態様に変化させ、第二特別図柄の保留数が2の場合には第二保留表示領域1400e及び第二保留表示領域1400fの表示を第2の保留態様に変化させ、第二特別図柄の保留数が3の場合には第二保留表示領域1400e〜1400gの表示を第2の保留態様に変化させ、第二特別図柄の保留数が4の場合には第二保留表示領域1400e〜1400hの表示を第2の保留態様に変化させる。即ち、第2の保留態様で表示される第一保留表示領域1400a〜1400dの数及び第二保留表示領域1400e〜1400hの数によって第一特別図柄の保留数及び第二特別図柄の保留数を特定可能に表示している。なお、本例では、上記第一始動口2001へ入賞した遊技球の球数及び上記第二始動口2002へ入賞した遊技球の球数を保留数(始動記憶数)として個々に表示するように構成したが、上記第一始動口2001へ入賞した遊技球の球数及び上記第二始動口2002へ入賞した遊技球の球数を纏めて表示するものであってもよい。
なお、第一保留表示領域1400a〜1400dの表示は、第一特別図柄の変動表示を開始する毎(具体的には第一特別図柄の変動表示を開始する旨を示す変動パターンコマンドを受信する毎)にシフト(第一保留表示領域1400b〜1400dの表示を第一保留表示領域1400a〜1400cに移動表示)され、第二保留表示領域1400e〜1400hの表示は、第二特別図柄の変動表示を開始する毎(具体的には第二特別図柄の変動表示を開始する旨を示す変動パターンコマンドを受信する毎)にシフト(第二保留表示領域1400f〜1400hの表示を第一保留表示領域1400e〜1400gに移動表示)される。
また、液晶表示装置1400で実行される装飾図柄の変動表示は、第一特別図柄表示器641で実行される第一特別図柄の変動表示及び第二特別図柄表示器642で実行される第二特別図柄の変動表示に同期して実行され、第一特別図柄及び第二特別図柄を停止表示する以前に装飾図柄が停止表示される。また、第一及び第二特別図柄表示器641,642の特別図柄よりも、液晶表示装置1400に表示される装飾図柄の方が大きく見易いため、一般的に遊技者は液晶表示装置1400に表示された装飾図柄に注目することとなる。
この複数の装飾図柄列が変動表示する演出の一つとして、一つの変動する装飾図柄列(例えば中装飾図柄)を残して停止表示された装飾図柄(例えば左装飾図柄、右装飾図柄)の組合せが特定条件(同一の図柄で停止)を充足するか、全ての装飾図柄列に同一の図柄の組み合わせが表示されるように同期して装飾図柄の変動表示(所謂全回転リーチ)を実行する「リーチ演出」があり、この「リーチ演出」を実行する場合の特別抽選結果として、リーチ演出後に大当り図柄を停止表示する「リーチ当り」、リーチ演出後にはずれ図柄を停止表示する「リーチハズレ」、がある。また、「リーチ演出」と繋がるように表示され、リーチ表示後に、変動表示している残りの装飾図柄列を強調して表示する等の演出を実行する「リーチ発展演出」もある。また、液晶表示装置1400には、始動入賞に係る演出表示だけでなく、大当り遊技状態中に表示される「大当り遊技演出」等も表示可能とされている。
なお、第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642での特別図柄の変動表示は、主制御基板4100によって直接制御されるようになっているのに対して(図187を参照)、液晶表示装置1400での装飾図柄の変動表示は、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される抽選結果に係るコマンドに基づいて周辺制御基板4140及び液晶制御基板4150によって制御されるようになっている。これにより、特に遊技者が注目する液晶表示装置1400での装飾図柄の変動表示を周辺制御基板4140等で制御するようにしているので、主制御基板4100から送信されてくる抽選結果に係る或る一つのコマンド(変動パターンコマンド)に対して、複数の装飾図柄の変動パターンを予め用意することで液晶表示装置1400における装飾図柄の変動パターンをより多くすることができる。また、大当り遊技状態中等に実行される「大当り遊技演出」等も周辺制御基板4140等で制御されるようになっており、様々なパターンの演出が予め用意されている。これにより、主制御基板4100における演算処理の負荷を高めることなく実行される演出の表示パターンを増やすことができ、遊技者をより楽しませて飽きられ難いパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、周辺制御基板4140では、演出画像の制御の他に、抽選結果に係るコマンドに基いて、裏ユニット3000に備えられた可動する各種の装飾体3100,3102,3202,3302,3402,3502等を適宜作動させると共に、遊技盤4等に備えられた各種の装飾基板3012,3014,3124,3214,3216,3320,3328,3432,3456,3482,3526,3530に実装されたLEDを適宜駆動させるようにしており、可動演出や発光演出によって遊技者を楽しませることができるようになっている。
[5.制御処理]
次に、主制御基板4100(特に主制御MPU4100a)で実行される制御処理の例について説明する。図189(a)は、当該パチンコ機1に電源が投入されたとき、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aによって行われる制御処理の手順を示すフローチャートである。
同図189(a)に示されるように、この実施の形態にかかる主制御基板4100はまず、RAMクリアスイッチ624aが操作されていることを条件にステップS1の処理として、各種のレジスタやRAMに格納されているデータを初期化する。RAMクリアスイッチ624aはパチンコ機1の背面側に設けられ、本体枠3が開放されなければ操作できないようになっている。また、RAMクリアスイッチ624aは電源投入から所定期間(例えば1秒)が経過する以前の操作に応じてクリア信号を主制御基板4100に出力し、電源投入時に主制御MPU4100aがクリア信号を入力されていると判断した場合に初期化処理(ステップS1)を実行して各種のレジスタや主制御MPU4100aのRAMに格納されているデータを初期化するようになっている
なお、図示していないがこの例では、パチンコ機1への電源を遮断するときには遊技の進行状況を示す情報(例えば各種フラグ等)を主制御MPU4100aのRAMに保存するバックアップ処理を実行する。そしてパチンコ機1への電源を投入したときにRAMクリアスイッチ624aが操作されていなければ、初期化処理(ステップS1)を実行することなくバックアップ処理で主制御MPU4100aのRAMに保存された情報を参照し、該情報に応じた状態に復旧させる復旧処理を実行する。また、パチンコ機1への電源投入時にRAMクリアスイッチ624aを操作した場合には、復旧処理を実行することなく初期化処理を実行してパチンコ機1を初期状態に設定するようになっている。
次いで、ステップS2の処理として、予め定められた数値範囲内で更新される数である乱数の更新を行う。すなわち、この実施の形態にかかる主制御基板4100では、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)、上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)についての抽選処理に供される演出群決定乱数及び変動乱数、上記特別図柄の変動表示に対応して液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか否かの抽選処理に供されるリーチ乱数(リーチ乱数)、上記特別乱数に基づいて大当りとすると判定された場合に大当りの種類を決定するための抽選処理に供される図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)、上記可動片2005の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理に供される乱数(普通乱数)等々、といった乱数を保持する乱数カウンタを備えている。
なお、本例では第一特別図柄と第二特別図柄とで共通のリーチ乱数を用いるように、すなわち第一始動口2001に始動入賞した場合であっても、第二始動口2002に始動入賞した場合であっても、リーチ乱数を更新する同一のカウンタからリーチ乱数を取得するように構成しているが、リーチ乱数を更新する乱数の範囲が異なるカウンタから取得することによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよいし、取得したリーチ乱数と比較するリーチ判定テーブルとして第一特別図柄に対応する第一リーチ判定テーブルと、第二特別図柄と対応し、第一リーチ判定テーブルとは異なる判定値が設定される第二リーチ判定テーブルとを備えることによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよい。
このステップS2の処理では、これら乱数のうちの当落に関わらない乱数(演出群決定乱数及び変動乱数)のみが更新されるかたちで当該乱数カウンタのカウンタ操作が行われることとなる。なお、こうしてステップS1及びS2の処理が行われた後は、上記ステップS2の処理のみが基本的に繰り返し行われる。ただし、この実施の形態では、例えば4ms毎に以下のタイマ割込制御が行われる。
図189(b)は、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aによって定期的に行われるタイマ割込制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図189(b)に示されるように、この割込制御ではまず、ステップS11の処理として、レジスタの退避処理が行われる。次いで、ステップS12の処理として、上記ゲートセンサ2352、上記第一始動口センサ3022、上記第二始動口センサ2012、上記カウントセンサ2014、一般入賞口センサ3020など、各種のスイッチからの検出信号が入力される。そして次に、ステップS13の処理として、上記乱数を発生させる乱数カウンタの値を更新するための乱数更新処理が行われる。なお、このステップS13の処理では、上述の乱数のうち、上記特別図柄及び上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(特別乱数、普通乱数)が更新されるかたちで上記乱数カウンタのカウンタ操作が行われる。
そして、こうして乱数の更新が行われた後、当該主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS14の処理として、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む特別図柄プロセス処理を実行する。なお、この特別図柄プロセス処理については後述するが、ここでは、基本的に、上記主制御MPU4100aのRAMに格納されている遊技の進行状況を示す特別図柄プロセスフラグ(第一特別図柄プロセスフラグ、第二特別図柄プロセスフラグ)に基づいて該当する処理が選択的に実行されることとなる。
そして次に、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS15の処理として、上記可動片2005の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理を含む普通図柄プロセス処理を実行する。なお、この普通図柄プロセス処理についても後述することとするが、ここでも、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。また、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当り遊技状態(2R大当り遊技状態の一部を除く)の終了後の所定期間内は、上記可動片2005の駆動頻度がより高くなるように当該抽選処理を実行する構成となっている(いわゆる時短状態)。なお、この実施の形態では、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を上記大当り遊技状態の終了後の所定期間だけ短縮するとともに、上記可動片2005の開放時間を延長することによって、こうした時短状態を実現するようにしている。
また、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)及び普通図柄プロセス処理(ステップS15)が行われると、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS16の処理として、同特別図柄プロセス処理にて主制御MPU4100aのRAMの所定の領域に設定されたコマンドを上記周辺基板4010などに送信する処理を行う。次いで、ステップS17の処理として、上記普通図柄プロセス処理にて同じくRAMの所定の領域に設定されたコマンドを例えば上記周辺基板4010などに送信する処理を行う。
また、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS18の処理として、例えばホール管理用コンピュータに供給される当り情報(15R大当り、2R大当り)などのデータを出力する情報出力処理を行う。
そして次に、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS19の処理として、上記第一始動口センサ3022、上記第二始動口センサ2012、上記カウントセンサ2014、一般入賞口センサ3020などの検出信号がオン状態にあるときは、それら信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるよう上記払出制御基板1186に払出制御コマンドを出力する。これにより、上記払出制御基板1186に搭載される払出制御MPU4110aは、払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。
また、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS20の処理として、始動記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する。次いで、ステップS21の処理として、パチンコ機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。そしてその後、常時動作するアクチュエータの駆動制御を行うとともに(ステップS22)、上記レジスタの内容を復帰させ(ステップS23)、割込許可状態に設定した時点で(ステップS24)、この制御が終了することとなる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマによる割込処理によって遊技制御処理を実行することとしたが、当該割込処理では例えば割り込みが発生したことを示すフラグのセットのみを行うようにしてもよい。ただしこの場合、遊技制御処理をメイン処理にて実行することとなる。
図190は、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図190に示されるように、この主制御基板4100の主制御MPU4100aはまず、上記第一始動口センサ3022による検出信号がオン状態(第一始動口2001への入球あり)にあることを条件に(ステップS31)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS32)。また、上記第二始動口センサ2012による検出信号がオン状態(第二始動口2002への入球あり)にあることを条件に(ステップS33)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS34)。
次いで、大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS35)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の制御を行う大当り制御処理(ステップS39)を実行する。
一方、大当り実行中フラグがセットされていなければ、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS36)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行し(ステップS37)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でないことを条件に(ステップS36)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS38)。このようにこの例では、第二特別保留数カウンタの値が「0」でないときには第二特別図柄の変動表示を優先的に実行するように構成されている。
図191は、上記第一始動口通過処理(ステップS32)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS31の処理において、上記第一始動口センサ3022がオン状態にあり、上記第一始動口2001への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図191に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS41の処理として、まず、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU4100aのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の第一特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS41の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS42〜S44の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS42の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS43の処理として、上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記演出群決定乱数及び上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS44の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU4100aのRAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS41の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS42〜ステップS44の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、主制御MPU4100aは、時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御していることを示す時短フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS45)、時短フラグがセットされていなければステップS43で取得した第一特別乱数に基づいて大当りとなるか否か及び演出群決定乱数に基づいて液晶表示装置1400で行われる遊技演出の態様種別(本例では後述する疑似変動の回数に応じた種別)を当該乱数に基づく変動表示を開始する以前に判定する演出事前判定処理を実行した後(ステップS46)、処理を終了する。
本例では、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンの決定に用いる変動パターンテーブル(図201参照)として、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果に対応する複数種類のテーブル(本例では後述する疑似変動を実行しない割合が高いテーブル(リーチ1、2R1、特定1、非特定1)、疑似変動を2回実行する割合が高いテーブル(リーチ2、2R2、特定2、非特定2)、及び疑似変動を3回実行するテーブル(リーチ3、2R3、特定3、非特定3)の3種類のテーブル)を備えている。この判定結果毎に設けられる複数種類の変動パターンテーブルは、選択される変動パターンの種類や割合等が異なるように設定され、テーブル毎に液晶表示装置1400で実行される遊技演出の態様種別が異なるように(全く別のものに限らず、一部が重複するものであってもよい)なっている。そして、主制御MPU4100aは、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定するときに、まず特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、演出群決定乱数に対応するテーブルを選択し、該選択したテーブルと変動乱数とを比較することにより対応する変動パターンに決定する。
また、第一始動口2001に始動入賞した場合に、時短フラグがセットされていれば(ステップS45)、演出事前判定処理を実行することなく、第一特別図柄の保留数に応じた保留数コマンドをセットして処理を終了する(ステップS47)。これにより、第二始動口2002への始動入賞を増加させる時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御しているときには第一特別図柄に関わる事前判定を実行することなく、始動入賞の発生と第一特別図柄の保留数を通知する処理だけが実行される。
なお、本例では第一始動口2001に始動入賞が発生した場合に、遊技状態が時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)であれば第一特別図柄に関わる事前判定を実行しないように構成したが、遊技状態が時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)である場合に第一始動口2001に始動入賞が発生したことに関連して実行される予告演出(先読み予告)を実行しないように構成すればよく、第一始動口2001に始動入賞が発生した場合に遊技状態とは無関係に常に第一特別図柄に関わる事前判定を実行し、該事前判定の結果を含む保留数コマンドを受信した周辺制御MPU4140aが、遊技状態が時短状態であれば当該始動入賞に関連して実行される予告演出(先読み予告)を実行しないように構成するものであってもよい。
図192は、上記第二始動口通過処理(ステップS34)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS33の処理において、上記第二始動口センサ2012がオン状態にあり、上記第二始動口2002への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図192に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS51の処理として、まず、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU4100aのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の第二特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS51の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS52〜S54の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS52の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS53の処理として、上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、演出群決定乱数及び変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS54の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU4100aのRAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS51の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS52〜ステップS54の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、主制御MPU4100aは、ステップS53で取得した第二特別乱数に基づいて大当りとなるか否か及び演出群決定乱数に基づいて液晶表示装置1400で行われる遊技演出の態様種別を当該乱数に基づく変動表示を開始する以前に判定する演出事前判定処理を実行した後(ステップS56)、処理を終了する。
図193は、上記演出事前判定処理(ステップS46、S55)についてその手順を示すフローチャートである。なお、第一始動口通過処理のステップS46で実行される演出事前判定処理と第二始動口通過処理のステップS55で実行する演出事前判定処理とは共通のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数が異なるだけであるため、ここでは第一始動口通過処理のステップS46で実行される第一特別図柄に関する演出事前判定処理についてのみ説明する。なお、第一特別乱数に基づいて大当りとするか否かの抽選確率と第二特別乱数に基づいて大当りとするか否かの抽選確率とを異ならせたり、第一特別図柄の演出群決定乱数及び変動乱数に基づいて選択される変動パターンの種類と第二特別図柄の演出群決定乱数及び変動乱数に基づいて選択される変動パターンの種類とを異ならせたりすることにより、第一始動口通過処理のステップS46で実行される演出事前判定処理で参照するテーブルと第二始動口通過処理のステップS55で実行される演出事前判定処理で参照するテーブルとを異ならせるようにしてもよい。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、演出事前判定処理を開始すると、図194に示す事前判定テーブルと取得した乱数、具体的には第一特別乱数、リーチ乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、演出群決定乱数及び変動乱数とを比較することにより大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別、を特定する(ステップS61)。
また、高確率状態の制御を実行している旨を示す確変フラグがセットされている場合には高確率の大当り判定値と第一特別乱数とを比較することにより大当りとなるか否か判定し、確変フラグがセットされていない場合には低確率の大当り判定値と第一特別乱数とを比較することにより大当りとなるか否かを判定する。この高確率の大当り判定値(1499〜1548)は、後述する高確率時の大当り判定テーブルに設定されて特別乱数と対比される大当り判定値と同一の乱数値とされ、低確率の大当り判定値(1544〜1548)は、後述する低確率時の大当り判定テーブルに設定されて特別乱数と対比される大当り判定値と同一の乱数値とされている。そのため、ステップS61で第一特別乱数と高確率時事前判定テーブル又は低確率時事前判定テーブルとを比較することにより、大当りとなるか否かを正確に特定することができる。
なお、本例では事前判定テーブルの大当り判定値と後述する大当り判定テーブルの大当り判定値と同一の乱数としたがこれに限られるものではない。例えば、事前判定テーブルの大当り判定値として大当り判定テーブルの大当り判定値の一部だけを含むものや、大当り判定テーブルの大当り判定値の一部又は全部と大当り判定テーブルの大当り判定値とは異なる所定数の乱数値とを含むように構成し、演出事前判定処理において大当りとなる可能性の程度を判定するようにしてもよい。
具体的には、大当り判定値及び大当り判定値とは異なるはずれ判定値のうち一部を高確率乱数グループとしてそれぞれ判別可能とするとともに、該高確率乱数グループとして判別可能とされる上記大当り判定値の上記はずれ判定値に対する割合は、上記大当りの当選確率が決定づけられる上記大当り判定テーブルの割合よりも高く設定されてなる高確率乱数決定付手段、及び乱数取得手段により取得される乱数のうちの当落乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)が上記はずれ判定値と上記大当り判定値とのいずれかに分類判別される上記大当り判定についてはこれを未実行の状態に維持したままで、同判定に供される当落乱数が大当り判定値及びはずれ判定値の混在された上記高確率乱数グループに属する値であるか否かを判断することで、保留の状態とされている判定処理毎に大当りの当選に係る期待度(疑似当選確率)についての先行判定を実行可能とする疑似確率先行判定手段、を備え、上記疑似確率先行判定手段により大当りの当選に係る期待度を先行判定するようにしてもよい。
このように大当り判定値及びはずれ判定値が混在された高確率乱数決定付手段を備えるようにしたことで、未だ保留の状態とされている大当り判定の当落結果についての機密情報が漏出され得るリスクを排除した従来の演出構造を維持しつつも、当該高確率乱数決定付手段における大当り判定値及びはずれ判定値の混在率に応じた上記大当りの当落に係る期待度(疑似当選確率)についてはその先行判定が実行可能とされるようになる。例えば、上記大当り判定の実行(判定処理の消化)に先立って、当該大当り判定に供される当落乱数が高確率乱数グループに属する値(特殊当り判定値)である旨の先行判定がなされなかったときは、該先行判定された特殊当り判定値でない乱数値(高確率乱数グループと対の関係となる低確率乱数グループに属する値)に基づく判定処理が消化されるときの大当りの当選に係る期待度(疑似当選確率)は、上記大当りの期待度(当選確率)よりも低いことが確定されることとなる(疑似的に低くされた当選確率)。
このような高確率乱数グループについての先行判定手法によれば、特定の判定処理が保留の状態とされた時点では、その大当り判定を見実行の状態(保留状態)にて維持するにもかかわらず、その期待度(疑似当選確率)についてはこれを先行して、例えば、その保留表示の新規出力時や保留消化に応じたシフト表示時などの予め定められたタイミングにて報知することが可能とされるようになる。
そして、事前判定テーブルと取得した乱数との比較の結果、特定した情報(大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別など)と第一特別図柄の保留数(第一特別保留数カウンタの値)とを示す第一特別図柄保留数コマンドをセットする(ステップS62)。これにより、始動入賞が発生した始動口(第一始動口2001、第二始動口2002のいずれか一方)、該始動口に対応して記憶される保留数の数、発生した始動入賞に基づく第一特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に周辺基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aが把握できるようになる。
図195は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS37)についてその手順を示すフローチャートである。第一特別図柄プロセス処理では、上述の第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御MPU4100aのRAMに格納されている第一特別乱数を読み出し、読み出した第一特別乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS80)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)
3.演出群決定乱数及び変動乱数に基づいて上記第一特別図柄表示器641に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記液晶表示装置1400に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS82)
4.第一特別図柄表示器641における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS83)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記第一特別図柄表示器641に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS84)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図189参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図196は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図196に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS101の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS102の処理として、上記主制御MPU4100aのRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、リーチ乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、演出群決定乱数及び変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS103及びS104の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPU4100aのRAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、リーチ乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、演出群決定乱数及び変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS105の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りの当落についての抽選処理である大当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS106)、この処理を終了する。
図197は、上記大当り判定処理(ステップS105)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、現在の遊技状態が高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS111)、図198(A)に示す高確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS112)、現在の遊技状態が低確率状態であれば(ステップS111)、図198(A)に示す低確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS113)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数とを比較する(ステップS114)。
図198(A)に示す大当り判定テーブルは、上記主制御MPU4100aのROMに記憶され、遊技状態が低確率時(通常状態及び低確率時短状態)の場合に使用する低確率時の大当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率非時短状態、高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の大当り判定テーブルと、を備えている。そして、低確率時の大当り判定テーブルでは、5種類の特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、1544種類の乱数値が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記特別乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、高確率時の大当り判定テーブルでは、低確率時の大当り判定テーブルに設定される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)と同一の特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)を含む50種類の特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)が大当り判定値と一致し、1499種類の乱数値がはずれ判定値と一致するように上記特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)では、大当りに当選したことを示す大当り判定値が低確率時(通常状態及び時短状態)の10倍に高められる。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS115)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットして処理を終了し(ステップS116)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、はずれとすると判定した場合には、図示しないリーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数との比較の結果(ステップS117)、リーチはずれとすると判定した場合には(ステップS118)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS119)。なお、リーチ判定テーブルでは、上記事前判定テーブルと同様に、9種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、230種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。
図199は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図199に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記大当り判定処理(ステップS105)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS121)を判別することにより行う。
主制御MPU4100aは、大当りフラグがセットされていれば、第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一図柄乱数と図198(B)に示す図柄決定テーブルとを比較することにより(ステップS122)、大当りの種類を決定し、該決定した大当りの種類に対応する第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)を決定する(ステップS123)。
図198(B)に示すように、図柄決定テーブルには、判定結果毎(2R高確率時短当り、2R高確率非時短当り、15R高確率時短当りA、15R高確率時短当りB、15R低確率時短当り、JP大当り)に図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板4100の主制御MPU4100aでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。
具体的には、
1.15R大当り遊技状態に制御し、該15R大当り遊技状態の終了後に再び大当りとなるまで前記高確率時短状態に制御するものであって液晶表示装置1400において高確率状態であることを判別可能な遊技演出を実行する15R高確率時短当りA
2.15R大当り遊技状態に制御し、該15R大当り遊技状態の終了後に再び大当りとなるまで前記高確率時短状態に制御するものであって液晶表示装置1400において高確率状態であるか否かを判別困難な遊技演出を実行する15R高確率時短当りB
3.15R大当り遊技状態に制御し、該15R大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の所定回数(100回)の変動表示が実行されるまで前記低確率時短状態に制御し、その後、低確率非時短状態(通常状態)に制御するものであって液晶表示装置1400において低確率状態であるか否かを判別困難な遊技演出を実行する15R低確率時短当り
4.15R大当り遊技状態の前半に2R大当り遊技状態と同様の制御を実行し、15R大当り遊技状態の終了後に前記高確率時短状態に制御するものであって液晶表示装置1400において高確率状態であることを判別可能な遊技演出を実行するJP大当り
5.2R大当り遊技状態に制御し、該2R大当り遊技状態の終了後に再び大当りとなるまで前記高確率時短状態に制御するものであって液晶表示装置1400において高確率状態であることを判別可能な遊技演出を実行する2R高確率時短当り
6.2R大当り遊技状態に制御し、該2R大当り遊技状態の終了後に再び大当りとなるまで前記高確率非時短状態に制御するものであって液晶表示装置1400において高確率状態であるか否かを判別困難な遊技演出を実行する2R高確率非時短当り
の6種類の大当りの中からいずれかの大当りに決定する。
なお、本例では大当り遊技状態終了後の時短状態として上記普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示制御に要する時間、上記可動片2005の開放時間等を同一態様で制御する時短状態に制御するが、大当りの種類に応じて時短状態の制御内容を異ならせるようにしてもよい。例えば、15R高確率時短当りA、JP大当り、及び2R高確率時短当りとなった場合には大当り遊技状態の終了後に実行される普通図柄の変動時間を0.3秒とする第1時短状態に制御し、15R高確率時短当りB及び15R低確率時短当りとなった場合には大当り遊技状態の終了後に実行される普通図柄の変動時間を第1時短状態よりも長い1秒とする時短状態に制御することで、遊技者にとってより有利な第1時短状態と第1時短状態よりも遊技者に不利な第2時短状態とに制御するようにしてもよい。
また、本例では、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルとを、を備えている。また、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルでは、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルに比べて15R高確率時短当りAに決定される割合が高められている。これにより、時短状態の制御を実行している場合に発生しやすい第二始動口2002への始動入賞が生じた場合には、第一始動口2001への始動入賞が生じた場合に比べてより多くの賞球を獲得できる大当りが発生するようにしている。
また、大当りの種類を決定すると大当りの種類に応じた停止図柄を第一特別図柄の停止時の態様として決定する。具体的には、15R高確率時短当りAに決定した場合には第一特別図柄の15R高確率時短当り図柄に決定し、15R高確率時短当りBに決定した場合には第一特別図柄の15R高確率時短当りB図柄に決定し、15R低確率時短当りに決定した場合には第一特別図柄の15R低確率時短当り図柄に決定し、JP大当りに決定した場合には第一特別図柄のJP当り図柄に決定し、2R高確率時短当りに決定した場合には第一特別図柄の2R高確率時短当り図柄に決定し、2R高確率非時短当りに決定した場合には第一特別図柄の2R高確率非時短当り図柄に決定する。一方、ステップS121で大当りフラグがセットされていなければ、第一特別図柄の変動停止時の態様としてはずれ図柄に決定する(ステップS127)。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、ステップS128の処理として、これら抽選結果(大当りの種類、リーチはずれ、はずれのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺基板4010に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS129の処理として、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。周辺制御MPU4140aは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて液晶表示装置1400を表示制御する。
図200は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図200に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS141)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS123で決定した大当りの種類に応じた複数種類の変動パターンテーブル(2R大当りの場合に選択される2R1〜2R3、JP大当りの場合に選択される2R1〜2R3、特定1〜特定3、非特定1〜非特定3)のうち第一特別図柄通常処理のステップS102で読みだした演出群決定乱数に応じたテーブルを選択し(ステップS142)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS143)、リーチ時の変動パターンテーブル(リーチ1〜リーチ3)のうち第一特別図柄通常処理のステップS102で読みだした演出群決定乱数に応じたテーブルを選択し(ステップS144)、大当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のはずれ(リーチ演出を実行しないはずれ)となる場合には、はずれ時の変動パターンテーブルを選択する(ステップS145)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS146)、決定した変動パターンを開始することを周辺基板4010に通知する変動パターンコマンドをセットして第一特別図柄表示器641に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS147)。また、主制御MPU4100aは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS148)。これにより、こうして決定された変動時間だけ第一特別図柄表示器641及び上記液晶表示装置1400にて演出制御が行われるようになる。
図201に示すように変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPU4100aは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、第一特別図柄通常処理のステップS102で読みだした演出群決定乱数に対応するテーブルを選択した後、該選択したテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読みだした変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御MPU4100aのROMに記憶されている。
また、本例では一の判定結果に対応して設けられる複数種類のテーブルは、疑似変動を実行する回数に応じて設けられている。疑似変動とは、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の1回の変動表示に対応して液晶表示装置1400で装飾図柄の変動表示を複数回実行するものである。この例では、疑似変動を実行しない割合が高いテーブル(リーチ1、2R1、特定1、非特定1)と、疑似変動を2回実行する割合が高いテーブル(リーチ2、2R2、特定2、非特定2)と、疑似変動を3回実行するテーブル(リーチ3、2R3、特定3、非特定3)と、の3種類のテーブルを備えるように構成されている。また、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられる変動パターンテーブルのうち、疑似変動を実行する割合が高いテーブル(例えばリーチ3、2R3、特定3、非特定3)が選択される割合は、15R高確率時短当りAとなる場合に最も高く(241分の134)、次いで、15R低確率時短当り及び15R高確率時短当りB(241分の124)、JP大当り及び2R大当り(241分の118)、リーチはずれ(241分の14)の順に設定されている。一方、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられる変動パターンテーブルのうち、疑似変動を実行する割合が低いテーブル(例えばリーチ1、2R1、特定1、非特定1)が選択される割合は、リーチはずれとなる場合に最も高く(241分の192)、次いで、JP大当り及び2R大当り(241分の72)、15R低確率時短当り及び15R高確率時短当りB(241分の71)、15R高確率時短当りA(241分の62)の順に設定されている。
即ち、本例では、複数種類の変動パターンテーブルのうち、大当りとなる場合にははずれ(リーチはずれ)となる場合よりも疑似変動を実行する回数が多いテーブル(例えば2R3、特定3、非特定3)を選択する割合が高くなるように設定され、さらに遊技者にとってより有利な大当りとなる順に、疑似変動を実行する回数が多いテーブル(例えば2R3、特定3、非特定3)を選択する割合が高くなるように設定されている。具体的には、15R大当り遊技状態に制御して該15R大当り遊技状態の終了後に再び大当りとなるまで前記高確率時短状態に制御するものであって液晶表示装置1400において高確率状態であることを判別可能な遊技演出を実行することにより遊技者にとって最も有利な15R高確率時短当りAとなる場合に特定3のテーブルを選択する割合が最も高く、次いで15R大当り遊技状態に制御して該15R大当り遊技状態の終了後に再び大当りとなるまで前記高確率時短状態に制御するものであって液晶表示装置1400において高確率状態であるか否かを判別困難な遊技演出を実行する15R高確率時短当りB、及び15R大当り遊技状態に制御し該15R大当り遊技状態の終了後に低確率時短状態に制御するものであって特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を100回実行したときに低確率非時短状態(通常状態)に制御する15R低確率時短当りとなる場合に非特定3のテーブルを選択する割合、15R大当り遊技状態の前半に2R大当り遊技状態と同様の制御を実行し、15R大当り遊技状態の終了後に前記高確率時短状態に制御するものであって液晶表示装置1400において高確率状態であることを判別可能な遊技演出を実行するJP大当り、2R大当り遊技状態に制御し、該2R大当り遊技状態の終了後に再び大当りとなるまで前記高確率時短状態に制御するものであって液晶表示装置1400において高確率状態であることを判別可能な遊技演出を実行する2R高確率時短当り、及び2R大当り遊技状態に制御し、該2R大当り遊技状態の終了後に再び大当りとなるまで前記高確率非時短状態に制御するものであって液晶表示装置1400において高確率状態であるか否かを判別困難な遊技演出を実行する2R高確率非時短当りとなる場合に2R3のテーブルを選択する割合、の順序で設定されている。換言すると、より多くの疑似変動が実行された場合には大当りとなる割合が高く、かつより有利な大当りとなる割合が高い。従って、疑似変動の回数に応じて大当りへの期待を抱かせるとともにより有利な大当り(例えば15R高確率時短当りA)に対する期待を抱かせることができるため、遊技興趣の低下を抑止できる。
また、本例では大当り遊技状態の終了後に液晶表示装置1400の表示態様(背景色、背景態様、装飾図柄の態様など)が異なる複数種類の演出モードのうちいずれかの演出モードに制御する。演出モードは、遊技状態(高確率時短状態、高確率非時短状態、低確率時短状態、低確率非時短状態(通常状態))及び大当りの種類に応じて複数種類設けられ、遊技状態の変化や大当り遊技状態の終了等に応じて対応する演出モードに制御することにより演出効果を向上させている。具体的には、演出モードとして、15R高確率時短当りA終了後、JP大当り終了後及び2R高確率時短当り終了後の高確率時短状態に制御している場合に実行され、高確率状態に制御していることを判別可能な高確率確定モード、15R低確率時短当り終了後の低確率時短状態及び15R高確率時短当りB終了後の高確率時短状態に制御している場合に実行され、高確率状態に制御していることを判別困難な未確定時短モード、2R高確率非時短当り終了後の高確率非時短状態に制御している場合に実行され、高確率状態に制御していることを判別困難な未確定非時短モード、及び低確率非時短状態(通常状態)に制御している場合に実行され、低確率状態に制御していることを判別可能な通常モードを有している。周辺制御基板4140の周辺制御ROM4140bには、主制御基板4100から送信されて液晶表示装置1400の表示内容を指示するコマンド(具体的には変動パターンコマンド)に対応して実行する制御プログラムを上記演出モード毎に複数備えている。そして、周辺制御MPU4140aは、主制御基板4100から液晶表示装置1400の表示内容を指示するコマンド(変動パターンコマンド)を受信した場合には現在の演出モードに応じた複数種類の制御プログラムのうち受信したコマンドに応じた制御プログラムに従って液晶表示装置1400を表示制御することで、演出モードに応じた液晶表示装置1400の表示内容を制御している。
なお、この例では始動入賞時に上記演出群決定乱数と上記変動乱数とを取得するように構成したが、始動入賞時には少なくとも上記演出事前判定処理(ステップS46)で使用する演出群決定乱数を取得するものであればよく、上記変動乱数は変動パターン設定処理(第一変動パターン設定処理、第二変動パターン設定処理)を実行するときに取得するようにしてもよい。
また、第一特別図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS149の処理として、低確率時短状態の継続回数がセットされる時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、該時短回数カウンタをカウントダウンした後(ステップS150)、同時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS151)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、上記低確率時短状態の制御を終了することを示す時短終了フラグをセットする(ステップS152)。
上記ステップS149の処理にて時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合や、ステップS151の処理にて時短回数カウンタが「0」でないと判断された場合には、その時点で上記ステップS153の処理に移行する。そして、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS153)、この処理を終了する。
図202は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図202に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS171の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS82)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS172)、次にステップS173の処理に移行する。すなわち、このステップS173の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図203は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図203に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS181の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記第一特別図柄表示器641に表示させるための表示制御を行うとともに、上記液晶表示装置1400に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺基板4010へのコマンドとしてセットする(ステップS182)。
次いで、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上記時短終了フラグがセットされているときには(ステップS183)、時短終了フラグをリセットするとともに(ステップS184)、時短フラグをリセットする(ステップS185)。これにより低確率時短状態の制御を終了させて低確率非時短状態(通常状態)の制御を開始するようになる。
また、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS186)、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS187)、大当り遊技状態の開始までの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS188)。そして、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットするとともに上記時短フラグをリセットし(ステップS189)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS190)、この処理を終了する。なお、大当り開始コマンドは、周辺基板4010に送信されるコマンドであり、大当りの種類(15R高確率時短当りA、15R高確率時短当りB、15R低確率時短当り、JP大当り、2R高確率時短当り、2R高確率非時短当り)に応じて個々に用意されている。ステップS187では、大当りの種類(15R高確率時短当りA、15R高確率時短当りB、15R低確率時短当り、JP大当り、2R高確率時短当り、2R高確率非時短当り)に応じた大当り開始コマンド(15R高確率時短当りA開始コマンド、15R高確率時短当りB開始コマンド、15R低確率時短当り開始コマンド、2R高確率時短当り開始コマンド、2R高確率非時短当り開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技状態の演出が液晶表示装置1400、ランプ・LED及びスピーカ121,391等により実行される。
図204は、大当り制御処理(ステップS39)についてその手順を示すフローチャートである。大当り制御処理では、大当り制御プロセスフラグに応じて、以下の3つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「大当り」を示唆する態様となったときに上記大当り遊技状態に移行する旨などの遊技者への報知が上記周辺基板4010によって行われるまで待機する大入賞口開放前処理(ステップS91)
2.特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「大当り」を示唆する態様となったときに、上記大入賞口2003を開放状態に制御する大入賞口開放中処理(ステップS92)
3.大当り遊技状態が終了する旨の遊技者への報知が上記周辺基板4010によって行われるまで待機する大入賞口開放後処理(ステップS93)
なお、上記大当り制御プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図189参照)において、上記大入賞口開放前処理(ステップS91)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図205は、上記大入賞口開放前処理(ステップS91)についてその手順を示すフローチャートである。
上記大当り制御プロセスフラグが当該大入賞口開放前処理を行うべき旨を示しているときは、同図205に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS201の処理として、大入賞口2003を開放状態にするまでの待機時間を示すインターバルタイマを1減算し、インターバルタイマが0、すなわち、インターバルタイマにセットされた待機時間が経過したか否かを判別する(ステップS202)。
インターバルタイマにセットされた待機時間が経過したら上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当り遊技状態のラウンドを開始することを示すラウンド開始コマンドをセットする(ステップS204)。ラウンド開始コマンドは、周辺基板4010に送信されるコマンドであり、大当りの種類(15R高確率時短当りA、15R高確率時短当りB、15R低確率時短当り、JP大当り、2R高確率時短当り、2R高確率非時短当り)及び実行するラウンドに応じて個々に用意されている。ステップS204では、大当りの種類(15R高確率時短当りA、15R高確率時短当りB、15R低確率時短当り、JP大当り、2R高確率時短当り、2R高確率非時短当り)及び実行するラウンドとしての1ラウンド(1R)に応じたラウンド開始コマンドをセットする。これにより、ラウンド開始コマンドによって指示された大当りの種類及び1ラウンド(1R)に応じた大当り遊技状態の演出が液晶表示装置1400、ランプ・LED及びスピーカ121,391等により実行される。
次いで、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当りの種類に応じたラウンドの実行回数(15R大当り(15R高確率時短当りA、15R高確率時短当りB、15R低確率時短当り、JP大当り)であれば「15回」、2R大当り(2R高確率時短当り、2R高確率非時短当り)であれば「2回」)を開放カウンタにセットし(ステップS205)、大当りの種類に応じた開放時間(大入賞口2003を開放状態に制御してから閉塞状態に制御するまでの時間:15R大当り(15R高確率時短当りA、15R高確率時短当りB、15R低確率時短当り)であれば「30s(30秒)」、JP大当り及び2R大当り(2R高確率時短当り、2R高確率非時短当り)であれば「300ms(0.3秒)」)を開放タイマにセットする(ステップS206)。
以上の設定処理を終了すると、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、開放カウンタを1減算し(ステップS210)、大入賞口2003への入球数を計数する入球カウンタを0にセットして(ステップS211)、大入賞口2003を開放状態に制御する(ステップS212)。その後、上記大入賞口開放中処理(ステップS92)にプロセス移行されるよう上述の大当り制御プロセスフラグを更新した時点で(ステップS213)、この処理を終了する。
なお、インターバルタイマが0でない、すなわち、インターバルタイマにセットした待機時間が経過していないと判断したときには、その後の処理を実行することなく大入賞口開放前処理を終了する。
図206は、上記大入賞口開放中処理(ステップS92)についてその手順を示すフローチャートである。なおこの大入賞口開放中処理は、上記ラウンド遊技を繰り返し実行する場合に実行される。
上記大当り制御プロセスフラグが当該大入賞口開放中処理を行うべき旨を示しているときは、同図206に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS221の処理として、カウントセンサ2014による検出信号に基づいて大入賞口2003への遊技球の入球があったか否かを判別する。そして、この入球があることを条件に、ステップS222の処理として、大入賞口2003内への遊技球の入球数をカウンタ値として得る入球カウンタをカウントアップし、入球カウンタの値が10以上であれば(ステップS223)、ステップS226に進み、ラウンドを終了するための処理を行う。
また、入球カウンタの値が10未満であれば、開放タイマを1減算し(ステップS224)、開放タイマの値が0、すなわち、開放タイマにセットされた大入賞口2003の開放時間が経過した場合には(ステップS225)、大入賞口2003を閉塞状態に制御する(ステップS226)。次いで、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、開放カウンタが0、すなわち、大当りを開始するときにセットされたラウンドの実行回数を終了したか否かを判別する(ステップS227)。
開放カウンタが0である場合には、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当り終了コマンドをセットする(ステップS229)。大当り終了コマンドは、周辺基板4010に送信されるコマンドであり、大当りの種類(15R高確率時短当りA、15R高確率時短当りB、15R低確率時短当り、JP大当り、2R高確率時短当り、2R高確率非時短当り)に応じて個々に用意されている。
ステップS229では、15R大当り遊技状態を終了する場合には15R大当りの種類(15R高確率時短当りA、15R高確率時短当りB、15R低確率時短当り、JP大当り)に応じた大当り終了コマンドをセットし、2R大当り遊技状態を終了する場合には2R大当りの種類(2R高確率時短当り、2R高確率非時短当り)に応じた大当り終了コマンドをセットする。これにより、大当りの種類に応じた大当り遊技状態を終了するときの演出が液晶表示装置1400、ランプ・LED及びスピーカ121,391等により実行される。
次いで、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当りの種類に応じた終了待機時間をインターバルタイマにセットし(ステップS230)、上記大入賞口開放後処理(ステップS93)にプロセス移行されるよう上述の大当り制御プロセスフラグを更新した時点で(ステップS231)、この処理を終了する。
また、ステップS227で開閉カウンタが0でない場合には、ラウンド終了コマンドをセットする(ステップS235)。ラウンド終了コマンドは、周辺基板4010に送信されるコマンドであり、大当りの種類(15R高確率時短当りA、15R高確率時短当りB、15R低確率時短当り、JP大当り、2R高確率時短当り、2R高確率非時短当り)及び終了するラウンドに応じて個々に用意されている。ステップS235では、大当りの種類(15R高確率時短当りA、15R高確率時短当りB、15R低確率時短当り、JP大当り、2R高確率時短当り、2R高確率非時短当り)及び終了するラウンドに応じたラウンド終了コマンドをセットする。これにより、ラウンド終了コマンドによって指示された大当りの種類及び終了するラウンドに応じた大当り遊技状態の演出が液晶表示装置1400、ランプ・LED及びスピーカ121,391等により実行される。
次いで、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当りの種類に応じたラウンド待機時間(大入賞口2003を閉塞状態に制御してから再び大入賞口2003を開放状態に制御するまでの時間)をインターバルタイマにセットし(ステップS236)、上記大入賞口開放後処理(ステップS93)にプロセス移行されるよう上述の大当り制御プロセスフラグを更新した時点で(ステップS231)、この処理を終了する。
なお、ステップS225で開放タイマが0でない、すなわち、開放タイマにセットされた開放時間が経過していないと判断した場合には、以降の処理を実行することなく処理を終了する。これにより、次にタイマ割込が発生した場合に、再び大入賞口開放中処理が実行される。
このように、この実施の形態では、大当り遊技状態において、開放タイマにセットされた開放時間が経過したこと及び大入賞口2003内への遊技球の入球数が所定数(この例では、10個)に達したことの一方が成立した場合に実行中のラウンドを終了する。すなわち、開放タイマにセットされた開放時間が経過した場合及び大入賞口2003内への入球数が所定数(この例では、10個)に達した場合にラウンドの終了条件が成立したと判断し、実行中のラウンドを終了する処理を行う。なお、2R大当り遊技状態では、大入賞口2003内への遊技球の入球数が所定数(この例では、10個)に達したときにはラウンドの終了条件が成立したと判断せずに、開放タイマにセットされた開放時間が経過したときにだけラウンドの終了条件が成立したと判断して実行中のラウンドを終了するようにしてもよい。
図207は、上記大入賞口開放後処理(ステップS93)についてその手順を示すフローチャートである。
上記大当り制御プロセスフラグが当該大入賞口開放後処理を行うべき旨を示しているときは、同図207に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS251の処理として、大入賞口2003を開放状態にするまでの待機時間を示すインターバルタイマを1減算し、インターバルタイマが0、すなわち、インターバルタイマにセットされた待機時間が経過したか否かを判別する(ステップS252)。インターバルタイマが0でなければ、インターバルタイマにセットされた待機時間が経過していないと判断し、以降の処理を実行することなく処理を終了する。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、インターバルタイマにセットされた待機時間が経過し、開放カウンタの値が0であると判断した場合に(ステップS253)、2R高確率非時短当りでなければ(ステップS254)、時短フラグをセットし(ステップS255)、15R低確率時短当りであれば時短回数カウンタに初期値(本例では100回)をセットする(ステップS257)。その後、大当りフラグ及び大当り実行中フラグをリセットし(ステップS258)、初期値である大入賞口開放前処理(ステップS91)にプロセス移行されるよう上述の大当り制御プロセスフラグを更新した時点で(ステップS260)、この処理を終了する。
また、ステップS253で開放カウンタが0でない場合には、大当りの種類(15R高確率時短当りA、15R高確率時短当りB、15R低確率時短当り、JP大当り、2R高確率時短当り、2R高確率非時短当り)及び実行するラウンドに応じたラウンド開始コマンドをセットする(ステップS262)。そして、大当りの種類に応じた開放時間(15R大当り(15R高確率時短当りA、15R高確率時短当りB、15R低確率時短当り)であれば「30s(30秒)」、2R大当り(2R高確率時短当り、2R高確率非時短当り)であれば「300ms(0.3秒)」)を開放タイマにセットする(ステップS263)。また、開放カウンタを1減算し(ステップS266)、大入賞口2003を開放状態に制御する(ステップS267)。その後、上記大入賞口開放中処理(ステップS92)にプロセス移行されるよう上述の大当り制御プロセスフラグを更新した時点で(ステップS268)、この処理を終了する。
ステップS268で大入賞口開放中処理にプロセス移行されるように大当り制御プロセスフラグを更新することにより、次にタイマ割込が発生した場合に大入賞口開放中処理が実行される。また、大入賞口開放中処理では、ラウンドの終了条件が成立したことに基づいて大入賞口開放後処理にプロセス移行されるように大当り制御プロセスフラグを更新する。つまり、大当り遊技状態では、大入賞口開放前処理で設定した内容に基づいて大入賞口開放中処理を実行して最初のラウンド(1ラウンド)を実行した後、大入賞口開放後処理と大入賞口開放中処理とを繰り返し実行することにより大当り遊技状態のラウンドを複数回実行する。
なお、図示していないが、主制御MPU4100aは、15R高確率時短当りA、15R高確率時短当りB、JP大当り、2R高確率時短当り、及び2R高確率非時短当りを終了するときには、確変フラグをセットし、15R低確率時短当りを終了するときには、確変フラグをリセットする。そして、大当り判定処理(ステップS105)のステップS111で確変フラグの状態を確認し、確変フラグがセットされていなければ、低確率時の大当り判定テーブルを用いて当りとするか否かの判定を行い、確変フラグがセットされていれば、高確率時の大当り判定テーブルを用いて当りとするか否かの判定を行う。これにより、低確率状態の制御と高確率状態の制御とを切り替え、各遊技状態の制御が可能になる。
次に、周辺基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aによって実行される処理について説明する。図208は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記周辺基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aによって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
図208に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPU4140aは、初期設定処理を行う(ステップS501)。この初期設定処理は、周辺基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aのRAMをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS501)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS502)。
この実施の形態では、周辺制御MPU4140aは、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16ms経過したときに16ms経過フラグTをセットするとともに、16ms経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS502で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS503)、16ms定常処理を行う(ステップS504)。
この16ms定常処理では、主制御基板4100から受信したコマンドにもとづいて液晶表示装置1400、ランプ・LED、スピーカ121,391等を制御する処理が実行される。16ms定常処理を終了すると、再びステップS502に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS503〜ステップS504を繰り返し行う。一方、ステップS502で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)ときには、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図209は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、周辺制御MPU4140aは、ステップS601〜ステップS606の処理を実行する。ステップS601のコマンド解析処理では、主制御基板4100から受信したコマンドを解析する。ステップS602の演出制御処理では、変動パターン設定処理(第一変動パターン設定処理のステップS147、第二変動パターン設定処理)でセットされることにより送信された変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて液晶表示装置1400に関わる制御処理を実行する。
また、ステップS603の音制御処理では、スピーカ121,391に関わる制御処理を実行する。ステップS604のランプ制御処理では、パチンコ機1に設けられたランプ・LEDに関わる制御処理を実行する。ステップS605の情報出力処理では、ランプ駆動基板3031にランプ・LEDの点灯信号を送信する処理などを実行する。ステップS606の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS602)で各種設定に用いられる乱数(例えば先読み乱数、態様変更判定乱数)を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS601〜ステップS606の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときに直ぐに16ms定常処理を最初から(ステップS601のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS502で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS606)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
[6.先読み予告]
次に、上記主制御基板4100から送信される保留数コマンドに基づいて周辺制御MPU4140aが実行する先読み予告について図210及び図212を参照して説明する。ここで先読み予告について説明する。上述したように、周辺制御MPU4140aは、上記主制御基板4100から送信される上記保留数コマンドに基づいて保留表示領域1400a〜1400h(第一保留表示領域1400a〜1400d、第二保留表示領域1400e〜1400h)の各領域を、対応する保留球がない状態を示す第1保留態様と対応する保留球がある状態を示す第2保留態様とのいずれかに制御することにより第一特別図柄の保留数及び第二特別図柄の保留数を表示する。この第2保留態様は大当りとなる可能性の程度に応じた複数種類の態様を含み、周辺制御MPU4140aは、上記保留数コマンドを受信したことに基づいて上記保留表示領域1400a〜1400hのうち態様する領域を上記第2保留態様に制御する場合に、先読み予告するか否か及び先読み予告する場合に対応する領域を第2保留態様のうちいずれの態様で表示するかを決定し、先読み予告すると決定された場合には第2保留態様のうち決定した態様で保留表示領域1400a〜1400hの対応する領域を表示制御することにより、大当りとなる可能性の程度を事前に予告するものである。
図210は、先読み予告を実行するか否か及び先読み予告を実行する場合の先読み予告の種類を決定するために用いる先読み判定テーブルである。本例では、遊技状態毎、及び事前判定情報毎に先読み予告を実行するか否か及び先読み予告の種類を決定するために用いる先読み判定テーブルを備えている。具体的には、遊技状態が低確率非時短状態及び高確率非時短状態の場合に使用する先読み判定テーブルとして、事前判定情報(はずれ、リーチ1〜リーチ3、2R1〜2R3、非特定1〜非特定3、特定1〜特定3)毎に対応するテーブルが設けられ、遊技状態が低確率時短状態の場合に使用する先読みテーブルとして、事前判定情報(はずれ、リーチ1〜リーチ3、2R1〜2R3、非特定1〜非特定3、特定1〜特定3)毎に対応するテーブルが設けられ、遊技状態が高確率時短状態の場合に使用するテーブルとして、事前判定情報(はずれ、リーチ1〜リーチ3、2R1〜2R3、非特定1〜非特定3、特定1〜特定3)毎に対応するテーブルが設けられている。
本例では、先読み予告を実行していない場合には上記複数種類の第2保留態様として黒丸を表示し、先読み予告を実行している場合には上記複数種類の第2保留態様として、黄色表示の三角、赤表示の三角、白表示の三角、金表示の三角、ダイヤ、星、及びハートの7種類の態様のいずれかを表示する。また、低確率時短状態及び高確率時短状態では先読み予告の態様としてダイヤ、星、ハートのいずれかだけが表示され、さらに高確率時短状態では、はずれ(リーチはずれを含む)となる場合か15R高確率時短当りAとなる場合にのみ先読み予告を実行する。また、低確率時短状態では、はずれとなる場合か15R大当り(15R低確率時短当り、15R高確率時短当りA、15R高確率時短当りB)となる場合にのみ先読み予告としてダイヤを表示する。また、低確率非時短状態及び高確率非時短状態では、疑似変動を2回以上実行する場合にのみ赤表示の三角が表示され、疑似変動が3回実行する場合にのみ白表示の三角が表示され、疑似変動を3回実行して15R高確率時短当りAとなる場合にのみ金表示の三角が表示される。また、はずれとなる場合か15R大当り(15R低確率時短当り、15R高確率時短当りA、15R高確率時短当りB)となる場合にのみ先読み予告としてダイヤを表示する。さらに、リーチはずれとなる場合か15R高確率時短当りAとなる場合にのみ先読み予告としてハートを表示する。これにより、表示される第2保留態様の種類に応じて15R大当り遊技状態に対する期待を変化させることができる。
なお、遊技状態を高確率時短状態に制御しているときに、リーチはずれ(はずれとなる場合を含むようにしてもよい)となる場合か、15R低確率時短当り又は15R高確率時短当りBとなる場合、若しくは15R低確率時短当りとなる場合に、保留表示領域1400a〜1400hのうち対応する領域を特定の態様(例えばドクロ)で表示する先読み予告を実行するようにしてもよい。すなわち、低確率非時短状態(通常状態)では15R大当りの発生を期待して遊技を行う一方で、高確率時短状態では遊技者は高確率時短状態の継続を望み、15R高確率時短当りの発生がすることを狙って遊技を行うため、大当り遊技状態の終了後に低確率時短状態に制御されることで高確率時短状態を終了させる15R低確率時短当りとなる可能性のあるリーチ(本例では一つの変動する装飾図柄列を残して停止表示された装飾図柄の組み合わせが15R低確率時短当り図柄の一部を構成する同一の偶数図柄で停止)となった場合には、はずれとなることを期待する。このような遊技者の心理状態を利用し、先読み予告として15R低確率時短当りとなる可能性のあるリーチを実行する以前から15R低確率時短当りとなる可能性があることを予告することにより、遊技興趣を変化させることができる。
また、本例では15R高確率時短当りBとなる場合にも15R低確率時短当りとなる場合にも液晶表示装置1400には装飾図柄の停止図柄として同一の偶数図柄の組み合わせを停止表示し、さらに15R高確率時短当りBの終了後及び15R低確率時短当りの終了後には高確率状態に制御しているか否かを判別困難な態様で液晶表示装置1400を表示制御する(本例では高確率状態に制御しているか否かを判別困難な未確定時短モードに制御する)ため、はずれ及び15R低確率時短当りとなる場合だけでなく、15R高確率時短当りBとなる場合にも上記保留表示領域1400a〜1400hのうち対応する領域を特定の態様(例えばドクロ)で表示する先読み予告を実行するように構成するが、15R高確率時短当りBとなる場合には上記保留表示領域1400a〜1400hのうち対応する領域を特定の態様で表示する先読み予告を実行しないようにしてもよい。但し、15R高確率時短当りBとなる場合にも保留表示領域1400a〜1400hのうち対応する領域を特定の態様(例えばドクロ)で表示する先読み予告を実行し、大当り遊技状態の終了後に高確率時短状態に制御されている可能性が完全には失われていないことを把握させることにより、上記保留表示領域1400a〜1400hのうち対応する領域を特定の態様(例えばドクロ)で表示する先読み予告を実行して大当りとなった場合であっても遊技者を過度に落胆させることを回避でき、遊技興趣の大幅な低下を抑止可能である。
周辺制御MPU4140aは、上記コマンド解析処理を実行して上記保留数コマンドを受信していれば、先読み予告に関する抽選に用いる先読み乱数を更新するカウンタから先読み乱数を取得し、該取得した先読み乱数と現在の遊技状態及び受信した保留数コマンドによって特定された事前判定情報に対応する先読み判定テーブルとを比較することにより先読み予告の実行の有無及び先読み予告の種類を決定する。そして、保留表示領域1400a〜1400hのうち受信した保留数コマンドによって指定された保留球に対応する領域を決定した態様で表示制御する。
なおこの例では周辺制御MPU4140aは、複数種類の第2保留態様として黄色表示の三角、赤表示の三角、白表示の三角、及び金表示の三角のいずれかに決定した場合には、これらの決定結果を周辺制御MPU4140aに内蔵されるRAMの記憶領域に記憶した後、まず黄色表示の三角を表示する。そして、周辺制御MPU4140aは、予め決められている所定条件が成立する毎に表示態様を変化させるか否かの抽選を行い、該抽選結果に応じた態様に変化させるようにしている。具体的には、周辺制御MPU4140aは、遊技球がワープ入口2302に進入する毎、及び特別図柄表示器(第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642)にて特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始する毎、に態様変更判定乱数を更新するカウンタから態様変更判定乱数を抽出し、該抽出した態様変更判定乱数と図211に示す態様変更判定テーブル(図211(A)に示すワープ通過時態様変更判定テーブル、及び図211(B)に示す変動開始時態様変更判定テーブル)とを比較することにより表示態様(この例では表示色)を変更するか否かの抽選を行う。
すなわち、周辺制御MPU4140aは、ワープ進入検出センサ2302aからの検出信号が入力されると上記態様変更判定乱数を更新するカウンタから態様変更判定乱数を抽出し、該抽出した態様変更判定乱数と図211(A)に示すワープ通過時態様変更判定テーブルのうち上記先読み乱数と先読み判定テーブルとに基づいて決定されている態様(表示色)及び現在の表示態様(表示色)に応じたテーブルとを比較して表示態様を変更するか否かの抽選を行い、表示態様を変更すると判定した場合には保留表示領域(第一保留表示領域1400a〜1400d、第二保留表示領域1400e〜1400h)のうち対応する保留表示領域をワープ通過時態様変更判定テーブル及び態様変更判定乱数に基づいて決定された表示態様に変更する。
また、周辺制御MPU4140aは、上記変動パターンコマンドを受信すると当該変動パターンコマンドに基づいて液晶表示装置1400にて装飾図柄の変動表示を開始する以前に上記態様変更判定乱数を更新するカウンタから態様変更判定乱数を抽出し、該抽出した態様変更判定乱数と図211(B)に示す変動開始時態様変更判定テーブルのうち上記先読み乱数と先読み判定テーブルとに基づいて決定されている態様(表示色)及び現在の表示態様(表示色)に応じたテーブルとを比較して表示態様を変更するか否かの抽選を行い、表示態様を変更すると判定した場合には保留表示領域(第一保留表示領域1400a〜1400d、第二保留表示領域1400e〜1400h)の表示をシフトするときに保留表示領域(第一保留表示領域1400a〜1400d、第二保留表示領域1400e〜1400h)のうち対応する保留表示領域を変動開始時態様変更判定テーブル及び態様変更判定乱数に基づいて決定された表示態様に変更する。
なお、ワープ入口2302内に遊技球が進入したことに基づいて行われる上記表示態様を変更するか否かの判定の結果、表示態様を変更すると判定された場合には表示制御MPU4140aは直ちに保留表示領域(第一保留表示領域1400a〜1400d、第二保留表示領域1400e〜1400h)のうち対応する保留表示領域をワープ通過時態様変更判定テーブル及び態様変更判定乱数に基づいて決定された表示態様に変更する。このように構成することにより、液晶表示装置1400にて実行される装飾図柄の変動表示の表示結果だけでなく、ワープ入口2302内への遊技球の進入発生時に保留表示領域が変化するか否かにも注目させることができる。また、ワープ入口2302内に遊技球が進入したことに基づいて上記表示態様を変更するか否かの判定を行うため、第一特別図柄の保留数や第二特別図柄の保留数が最大値に達している場合であってもワープ入口302内への遊技球の進入を狙って遊技者に操作ハンドル部461を操作させて遊技球を遊技領域605内に打ち込ませることができる。すなわち、第一特別図柄の保留数や第二特別図柄の保留数が最大値に達している場合の止め打ちを防止することができる。
また、変動パターンコマンドを受信したことに基づいて行われる上記表示態様を変更するか否かの判定の結果、表示態様を変更すると判定された場合には液晶表示装置1400に表示される保留表示領域(第一保留表示領域1400a〜1400d、第二保留表示領域1400e〜1400h)の表示をシフトするときに保留表示領域(第一保留表示領域1400a〜1400d、第二保留表示領域1400e〜1400h)のうち対応する保留表示領域を変動開始時態様変更判定テーブル及び態様変更判定乱数に基づいて決定された表示態様に変更する。このように構成することにより、液晶表示装置1400にて実行される装飾図柄の変動表示の表示結果だけでなく、未だ変動表示が開始されずに保留状態とされている保留球を示す保留表示領域が変化するか否かにも注目させることができる。なお、本例ではワープ入口2302内に遊技球が進入したこと及び変動パターンコマンドを受信したことに基づいて上記表示態様を変更するか否かを判定するように構成したが、いずれか一方だけを実行するように構成してもよい。
また、図211に示すように本例では黄色表示の三角、赤表示の三角、白表示の三角、金表示の三角の四段階の表示態様を有し、表示態様を変更する旨の判定がなされる毎に上記四段階の表示態様のうち上記先読み乱数と先読み判定テーブルとに基づいて決定されている表示態様(表示色)を上限として予め決められている黄色表示の三角→赤表示の三角→白表示の三角→金表示の三角の表示順序に従って保留表示領域(第一保留表示領域1400a〜1400d、第二保留表示領域1400e〜1400h)のうち対応する保留表示領域の表示態様を次に表示されるように決められている表示態様(例えば黄色表示の三角の表示態様である場合には一段階上の赤表示の三角の表示態様)に変更するように構成されている。すなわち、表示態様の変化は予め決められた表示順序に従って行われ、表示態様を変更する旨の判定がなされた場合に任意の表示順序の表示態様を飛ばして二段階以上先の表示順序の表示態様には変更しない。このように構成することにより、長期間に亘ってワープ入口2302への遊技球の進入を狙って遊技を行わせることができる。なお、該当する保留表示領域の変動表示の結果が大当りとなる場合などの特別な変更条件が成立している場合には任意の表示順序の表示態様を飛ばして二段階以上先の表示順序の表示態様に変更するようにしてもよい。
また、上記先読み乱数と先読み判定テーブルとに基づいて予め決められている黄色表示の三角→赤表示の三角→白表示の三角→金表示の三角の表示順序は、表示順序が後の表示態様が表示される程に遊技者に対する有利度が高くなるように設定されている。具体的には、黄色表示の三角では、疑似変動を実行しない場合にも表示されるのに対し、赤表示の三角では、疑似変動を2回以上実行する場合にのみ表示され、白表示の三角では、疑似変動を3回実行する場合にのみ表示され、金表示の三角では、疑似変動を3回実行して大当りとなる場合にのみ表示される。また、上記したように疑似変動を実行する回数が多い程、遊技者に有利な大当りとなる割合が高くなるように設定されるため、上記表示順序が後の表示態様が表示される程遊技者に対する有利度が高くなっている。
また、本例では予め決められている黄色表示の三角→赤表示の三角→白表示の三角→金表示の三角の表示順序に従って保留表示領域(第一保留表示領域1400a〜1400d、第二保留表示領域1400e〜1400h)のうち対応する保留表示領域の表示態様を順方向(次の表示順序)へ変更するように構成したが、逆方向(先の表示順序)への変更と順方向(次の表示順序)への変更とを組み合わせて実行するものであってもよい。すなわち、表示態様を変更する旨の判定がなされた場合に次の表示順序である順方向へ表示態様を変更するか、表示順序が先の逆方向へ表示態様を変更するかを決定していずれかを表示制御するようにしてもよい。このように構成することにより、有利度が高い表示態様(次の表示順序の表示態様)が表示されるか、有利度が低い表示態様(先の表示順序の表示態様)が表示されるかに注目させることができ、興趣が向上する。
このように、複数種類の第2保留態様として黄色表示の三角、赤表示の三角、白表示の三角、及び金表示の三角のうちのいずれかに決定した場合にこれら四段階の表示態様のうちまず有利度が最も低い黄色表示の三角を表示した後、予め決められている所定条件が成立する毎に表示態様を変化させるか否かの抽選を行って表示態様を変化させる旨の抽選結果が得られた場合に現在の表示態様よりも一段階有利度が高い表示態様(例えば現在の表示態様が黄色表示の三角である場合には赤表示の三角)に変化させるため、上記先読み乱数と先読み判定テーブルとに基づいて予め決められている表示態様が例え最も有利度が低い黄色表示の三角である場合であっても表示態様の変化を期待して遊技を行わせることができ、遊技者を落胆させない。
図212に示すように、第一特別図柄の保留数及び第二特別図柄の保留数が共に「0」の場合には、保留表示領域1400a〜1400hを第1保留態様(破線丸表示)で表示制御し(図212(A))、第一特別図柄の保留数及び第二特別図柄の保留数が共に「0」の場合であって特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示中に第一始動口2001への始動入賞が発生して第一特別図柄の保留数が「1」となった場合に先読み予告を実行しないと判定すれば、第一保留表示領域1400aを黒丸で表示制御し、他の保留表示領域1400b〜1400hを第1保留態様で表示制御する(図212(B))。なお、第一特別図柄の保留数及び第二特別図柄の保留数が共に「0」の場合であって特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示中に第二始動口2001への始動入賞が発生して第二特別図柄の保留数が「1」となって先読み予告を実行しないと判定されたときにも第二保留表示領域1400eを黒丸で表示制御し、他の保留表示領域1400a〜1400d,1400f〜1400hを第1保留態様で表示制御する。また、第一特別図柄の保留数が「2」の場合に第一特別図柄2001への始動入賞が発生して第一特別図柄の保留数が「3」となって星の態様で表示制御する先読み予告を実行すると判定すれば、当該保留球に対応する第一保留表示領域1400cを星の態様で表示制御することにより先読み予告を実行する(図212(C))。
また、上述したように本例では、第二特別図柄の保留球を第一特別図柄の保留球よりも優先して消化するように制御する。また、上記時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)では、第二始動口2002への始動入賞が非時短状態(低確率非時短状態、高確率非時短状態)よりも増大するため、第一特別図柄の変動表示よりも第二特別図柄の変動表示を実行する割合が高くなる。また、遊技状態が時短状態(低確率非時短状態、高確率非時短状態)である場合に第一始動口2001への始動入賞が発生して先読み予告を実行すると、大当りとなる期待が高い保留球を保留(ストック)した状態で第二始動口2002への始動入賞を大量に発生させて大当りを狙うことが可能になり、短期間に大当りを複数回発生させることが可能になるため、必要以上に射幸性を煽るおそれがある。そのため、本例では第二始動口2002への始動入賞が増大する時短状態(低確率時短状態、高確率時短状態)に制御している場合には、第一特別図柄の始動入賞に関わる先読み予告を実行しないように制御している(図212(D))。また、遊技状態が非時短状態(低確率非時短状態、高確率非時短状態)である場合には、第一特別図柄の始動入賞に関わる先読み予告と第二特別図柄の始動入賞に関わる先読み予告との両方が実行される可能性がある。第一特別図柄の始動入賞に関わる先読み予告と第二特別図柄の始動入賞に関わる先読み予告との両方が実行されている状態で、第二特別図柄の変動表示の結果として大当り遊技状態が発生したときには第一特別図柄の始動入賞に関わる先読み予告を終了することにより大当り遊技状態の終了後に時短状態(低確率時短状態、高確率時短状態)に制御されているにもかかわらず第一特別図柄の始動入賞に関わる先読み予告が実行されることを防止することができる。
なお、第二特別図柄の変動表示を第一特別図柄の変動表示に優先して実行することなく、始動入賞の発生した順序で保留球を消化する(順次変動)ように構成した場合には、大当りとなる期待が高い保留球を保留(ストック)した状態とすることが困難であるため、遊技状態が時短状態(低確率時短状態、高確率時短状態)である場合にも第一特別図柄の始動入賞に関わる先読み予告を実行するようにしてもよい。
[7.本実施形態と本発明との関係]
本実施形態における液晶表示装置1400は本発明における演出表示手段に、本実施形態におけるキャラクタユニット3400は本発明における可動装飾体ユニットに、本実施形態におけるキャラクタ体3402は本発明の装飾体に、本実施形態における頭部3402aは本発明における上装飾体に、及び本実施形態における胴体部3402bは本発明における下装飾体に、夫々相当している。また、本実施形態における下部ガイド部材3413の胴体部スリット3413fは本発明における下案内部及び案内孔に、本実施形態における頭部支持アーム3416は本発明における上回動支持部に、本実施形態における胴体部支持アーム3417は本発明における下回動支持部に、本実施形態におけるスロープ部材3426の頭部スリット3426aは本発明における上案内部及び案内孔に、及び、本実施形態における頭部下支持部材3453の摺動軸3453cと胴体部下支持部材3480の摺動軸3480cは本発明における挿通ピンに、夫々相当している。
[8.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技パネル600の開口部600eを通して視認可能な液晶表示装置1400の右端部付近から、遊技状態に応じて液晶表示装置1400の前側へ忍者のキャラクタを立体的に造形したキャラクタ体3402が、左方向へ移動して液晶表示装置1400の前面に位置すると共に、上下方向へ延びた軸周りに回動するので、従来のパチンコ機における可動する装飾体と比較して、左右方向へ移動するだけでなく回動もする三次元的な動きをするので、これまでにない装飾体(キャラクタ体3402)の動き(可動演出)を遊技者に見せることができ、キャラクタ体3402の動きを飽きられ難くすることができると共に、遊技者の関心を強く引き付けて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、忍者のキャラクタを立体的に造形したキャラクタ体3402を、左右方向へ移動させると共に上下軸周りに回動させるようにしており、キャラクタ体3402の可動によって遊技者側から見えるキャラクタ体3402の見え方が刻々と変化するので、遊技者の見る位置やタイミング等によってキャラクタ体3402の見え方が異なることとなり、遊技者のキャラクタ体3402(装飾体)に対する新鮮な感覚を維持させることができ、飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、忍者のキャラクタを立体的に造形したキャラクタ体3402が、遊技状態に応じて液晶表示装置1400の右端部付近から左方向へ移動して液晶表示装置1400の前側へ位置すると共に上下軸周りに回動するので、キャラクタ体3402によって液晶表示装置1400に表示された演出画像の一部が遮られることとなり、遊技者に対してキャラクタ体3402の可動を気付かせ易くすることができると共に、遊技者がキャラクタ体3402の可動に気付くことで、可動するキャラクタ体3402に注目させることができ、キャラクタ体3402の動きを楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、忍者のキャラクタを立体的に造形し頭部3402aと胴体部3402bとに分かれたキャラクタ体3402を夫々別々に軸支したスライドベース3414(可動側)を、左右方向へ移動可能に支持するユニットベース3411(固定側)に、スライドベース3414の移動方向とは異なる方向へ夫々延びる頭部スリット3426aと胴体部スリット3413fを備えるようにすると共に、頭部3402aと胴体部3402bに、頭部スリット3426aと胴体部スリット3413fに案内される摺動軸3453c,3480cを備えるようにしているので、スライドベース3414をキャラクタ体3402と共に左右方向へ移動させると、上下の摺動軸3453c,3480cが夫々頭部スリット3426a,胴体部スリット3413fに案内されることでその前後方向の位置が変化して頭部3402aと胴体部3402bがその軸周りに夫々異なる回動をすることとなる。従って、頭部3402aと胴体部3402bとに上下に分けられたキャラクタ体3402が、夫々異なる動きをするので、より訴求力の高い動きをキャラクタ体3402にさせることが可能となり、キャラクタ体3402の可動によって遊技者の関心を強く引き付けることができ、飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、上述したように、スライドベース3414やキャラクタ体3402に、キャラクタ体3402を回動させるための駆動手段を備えなくても、キャラクタ体3402を回動させることができるので、少なくとも駆動手段の分だけはキャラクタ体3402の大きさや形状に対する制約を緩和させることができ、よりインパクトのある立体形状のキャラクタ体3402とすることができる。また、回動させるため駆動手段に替えて、更に頭部可動機構3450,胴体部可動機構3470や、キャラクタ体右装飾基板3432,頭部装飾基板3456,胴体部装飾基板3482等を備えることができるので、より遊技者を楽しませたり驚かせたりすることが可能なキャラクタ体3402とすることができ、キャラクタ体3402の可動演出や発光演出等の両方を楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、インパクトの高いキャラクタ体3402とすることができ、遊技者の関心を強く引き付けて、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
更に、貫通した長孔状の頭部スリット3426aや胴体部スリット3413fに、摺動軸3453c,3480cを挿通させることで案内するようにしており、多少の振動等では摺動軸3453c,3480cがスリット3426a,3413fから抜けてしまうことはなく、摺動軸3453c,3480cとスリット3426a,3413fとの関係を維持させることができるので、スリット3426a,3413fによって摺動軸3453c,3480cを確実に案内させることが可能となり、案内することができなくなる不具合が発生するのを可及的に低減させることができ、キャラクタ体3402による可動演出を確実に楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、キャラクタ体3402の頭部3402aと胴体部3402bの回動を夫々異なるようにしていると共に、頭部3402aが回動して遊技者の方向を向くようにしているので、遊技者をドキッとさせることが可能となり、キャラクタ体3402に対して強い関心を寄せることができ、キャラクタ体3402の動きを楽しませることができると共に、キャラクタ体3402が動くことで遊技に対する期待感を高めることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技領域605内に配置された枠状のセンター役物2300における内周よりも上側の配置範囲内に配置された上部ユニット3002の昇降機構3150では、遊技領域605の略中央を通り上下方向へ延びた移動軸線に対して対称に配置された一対の円弧状のスライド部材3152が、遊技状態に応じて夫々円弧状のスライド軸線に沿って移動すると、スライド部材3152の一端側に支持された回転装飾体ユニット3100が、センター役物2300における内周の内側、つまり、上昇した後退位置から降下した前進位置へと移動軸線に沿って移動すると共に、一対のスライド部材3152が夫々回転装飾体ユニット3100の移動軌跡に略沿うように延び出すので、従来のパチンコ機のように装飾体の移動方向に対して交差(略直交)する方向からアーム部材(スライド部材に相当)で装飾体を支持して移動させるようにした場合と比較して、回転装飾体ユニット3100と共に移動するスライド部材3152を目立ち難くすることが可能となり、相対的に回転装飾体ユニット3100を目立たせることができ、回転装飾体ユニット3100の動きを楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。一方、昇降機構3150によって昇降移動する回転装飾体ユニット3100は、回転装飾体駆動モータ3106により第一回転部材3112を回転させると、第一回転部材3112及び第二回転部材3114の外周よりも外側へ複数の回転装飾体3102の一部が突出するので、第一回転部材3112及び第二回転部材3114を含めた回転装飾体3102の外観が大きく変化し、遊技者を驚かせることができると共に、回転装飾体3102の変化により遊技に対する期待感を高めることが可能となり、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、第一回転部材3112及び第二回転部材3114から複数の回転装飾体3102が突出することで、回転装飾体ユニット3100の外観が大きく変化するので、移動すると共に回転する回転装飾体3102による可動演出のインパクトを高めることが可能となり、回転装飾体ユニット3102による可動演出に気付き易くすることができ、遊技者を回転装飾体3102に注目させて可動演出を楽しませることができると共に、遊技者の関心を強く引き付けることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、回転装飾体ユニット3100を移動させる一対のスライド部材3152を、センター役物2300の内周よりも内側へ延びた円弧状のスライド軸線に沿って延びるようにしている、換言すると、スライド部材3152を一定曲率の円弧状に形成しているので、従来のようにラックギア(スライド部材に相当)を直線状に形成した場合と比較して、配置範囲におけるセンター役物2300(遊技領域605)の中央を中心とした放射状に延びる方向の配置スペースが狭くても、スライド部材3152が曲ることでスライド部材3152をより長くすることが可能となり、回転装飾体ユニット3100の移動範囲を可及的に長くすることができ、大きく移動する回転装飾体ユニット3100によって遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、一対のスライド部材3152によって、回転装飾体ユニット3100を支持するようにしているので、回転装飾体ユニット3100に回転装飾体駆動モータ3106、第一回転部材3112、第二回転部材3114、複数の回転装飾体3102、及び回転ロック機構3126等を備えて重量が増しても、回転装飾体ユニット3100を問題なく移動させることができたり、移動中の回転装飾体ユニット3100が大きく揺れることなくスムーズに移動させたりすることができ、より遊技者の興趣を高められる回転装飾体ユニット3100を移動させることができると共、回転装飾体ユニット3100の移動に係る不具合が発生するのを防止することができ、不具合の発生により遊技が中断して遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。従って、回転する回転装飾体3102を上下方向へ問題なく移動支持することができると共に、回転装飾体ユニット3100の両側から一対のスライド部材3152で支持するようにしているので、回転装飾体駆動モータ3106や第一回転部材3112等の回転による反力が回転装飾体ユニット3100からスライド部材3152側へ作用しても、その反力に充分対抗して回転装飾体ユニット3100が揺れたり歪んだりするのを防止することができ、違和感無く回転装飾体ユニット3100の可動演出を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、スライド部材3152の少なくとも一部を、正面視で遊技パネル600の外周とセンター役物2300の内周との間の配置範囲内に配置するようにしているので、遊技パネル600やセンター役物2300を不透明な素材で構成することで配置範囲内に配置されたスライド部材3152等を遊技者側から見えなくすることができる。従って、スライド部材3152を保持したり移動させたりする第一スライド保持部材3154や第二スライド保持部材3156、ピニオンギア3158や昇降駆動モータ3160等の昇降機構3150を配置範囲内に配置したり、回転装飾体ユニット3100が上昇位置の時にスライド部材3152の略全体が配置範囲内に配置されるようにしたりすることで、遊技者側からスライド部材3152や昇降機構3150を見え難くすることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
更に、スライド部材3152を、遊技パネル600の面に略って延びた円弧状のスライド軸線に沿って延びるようにしている、つまり、スライド部材3152が遊技パネル600の面に略沿って延びているので、スライド部材3152にかかる前後方向の奥行を可及的に小さくすることが可能となり、パチンコ機1の奥行寸法が大きくなるのを防止することができ、本パチンコ機1を遊技ホールにおける既存の島設備に問題なく設置することができる。
また、上部ユニット3002の昇降機構3150における一対のスライド部材3512の一端側に、長孔状のユニット支持孔3152aを備え、そのユニット支持孔3152a内に回転装飾体ユニット3100の回転装飾体ユニットベース3104を、摺動可能に支持するようにしているので、移動軸線に対して対称に配置された一対のスライド部材3152がスライド方向へ移動することによって、一対のスライド部材3152における一端側の同士の距離が変化しても、回転装飾体ユニットベース3104の支持部3104bに支持された支持ピン3136が長孔状のユニット支持孔3152a内を摺動することで、向きが変化することなく回転装飾体ユニット3100を支持することができ、一対のスライド部材3152によって回転装飾体ユニット3100を移動軸線に沿って確実に移動させることができる。
また、回転装飾体ユニット3100が上昇位置(後退位置)の時に、昇降機構3150の保持磁石3166、回転装飾体ユニット3100における回転装飾体駆動モータ3106の鉄製のモータケースとが磁力によって磁着するので、その磁着によって上昇位置に位置する回転装飾体ユニット3100の保持を簡単な構成で補助することができ、昇降機構3150が大型化するのを抑制することができると共に、スライド部材3152をスライドさせる昇降駆動モータ3160やラックギア3152b及びピニオンギア3158に余分な負荷がかかるのを防止することができ、昇降機構3150の耐久性を高めることができる。また、保持磁石3166と回転装飾体駆動モータ3106とが磁着することで回転装飾体ユニット3100を上昇位置(後退位置)に保持することができるので、回転演出可能な重量のある本例の回転装飾体ユニット3100でも充分に後退位置に保持することができる。
更に、スライド部材3152の外周側面にスライド軸線に沿ったラックギア3152bを備えた上で、ラックギア3152bと噛合するピニオンギア3158を昇降駆動モータ3160によって回転駆動させることでスライド部材3152をスライド軸線方向へ移動させるようにしているので、簡単な構成でスライド部材3152を移動させることができ、パチンコ機1にかかるコストが増加するのを抑制することができると共に、ラックギア3152bとピニオンギア3158の噛合によりスライド部材3152の動きの応答性を高めることができ、スライド部材3152つまり回転装飾体ユニット3100の動きをより機敏なものとして様々な動きの演出に対応させることが可能となり、回転装飾体ユニット3100の動きを楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、スライド部材3152におけるラックギア3152bとは反対側の内側側面に第一スライド保持部材3154を配置すると共に、スライド部材3152のスリット3152c内に第二スライド保持部材3156を挿入配置することでスライド部材3152がスライド軸線に対して直角方向へ移動するのを阻止すると共にスライド軸線方向へ移動可能に保持するようにし、スライド部材3152が二つの第一スライド保持部材3154と一つの第二スライド保持部材3156との三点で挟まれた状態となるので、スライド部材3152をガタ付くことなくスムーズにスライド軸線方向へ移動させることが可能となり、ガタ付きにより移動時に回転装飾体ユニット3100が揺れてしまって回転装飾体ユニット3100の動きが不自然な見苦しいものとなるのを防止することができ、回転装飾体ユニット3100の移動を確実に楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、二つの第一スライド保持部材3154は、スライド部材3152のラックギア3152bが邪魔することなくスライド部材3152をスライド可能に保持することができる上に、一つの第二スライド保持部材3156がスリット3152c内に挿入配置されることでスライド部材3152の移動範囲をスリット3152cの長さと略同じとすることができ、スライド部材3152を確実に移動可能に保持することができる。
更に、スライド部材3152のラックギア3152bと噛合するピニオンギア3158を、左右方向外側の第一スライド保持部材3154を通りスライド軸線に対して略直角方向へ延びる軸線上に配置しており、第一スライド保持部材3154によって、ピニオンギア3158に対してスライド部材3152のラックギア3152bが少なくとも遠ざかる方向へ移動するのを防止することができるので、ピニオンギア3158とラックギア3152bとの噛合せが不完全となってスライド部材3152を移動させることができなくなったり、噛合せ不良によりピニオンギア3158やラックギア3152bが偏摩耗して不具合が発生したりするのを防止することができ、スライド部材3152を確実に移動させることができると共に、耐久性(信頼性)を高めることができる。
また、スライド部材3152を透明な素材で形成するようにしているので、スライド部材3152により回転装飾体ユニット3100を移動させる際に、スライド部材3152が遊技者側から視認可能となる位置へ移動しても、スライド部材3152を見辛くしてスライド部材3152を認識し難くすることができ、スライド部材3152を認識することで回転装飾体ユニット3100の動きを楽しめなくなるのを防止して、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、透明なスライド部材3152の移動に伴って可動する検知部材3162の検知片3162bを昇降検知センサ3164で検知するようにしているので、スライド部材3152が透明であっても検知部材3162を昇降検知センサ3164で検知することでスライド部材3152の移動位置を確実に検知することが可能となり、スライド部材3152すなわち回転装飾体ユニット3100に遊技者を楽しませられる所望の動き(可動演出)をさせることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、検知部材312を不透明な素材としており、昇降検知センサ3164を光電形センサ等の比較的安価なセンサを用いることができるので、パチンコ機1にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技状態に応じて回転装飾体駆動モータ3106により回転部材としての第一回転部材3112を回転させると、第一回転部材3112と共にその外周の相対回転可能とされた第二回転部材3114も回転し、第一回転部材3112の回転面3112aに備えられた案内部3112bに案内された第二軸部材3118が、回転による遠心力によって外側の方向へ移動すると共に、回転装飾体3102を軸支する第一軸部材3116と第二軸部材3118とが周方向に対して互いに遠ざかる方向へ移動することで、第二回転部材3114の第一軸部材3116周りに回転装飾体3102が回転し、回転装飾体3102の一部が第二回転部材3114の外周よりも外側へと突出した状態で回転する。一方、第一回転部材3112を停止させる前に、第二回転部材3114のロック部3114aにロック部材3128のロック片3128aを挿入させて第二回転部材3114を先に回転停止させることで、停止した第二回転部材3114に対して第一回転部材3112の回転により、第一軸部材3116と第二軸部材3118とが周方向に対して互いに接近する方向へと移動すると共に、第二軸部材3118が案内部3112bによって内側の方向へ案内移動して、回転装飾体3102が第一軸部材3116に対して突出する方向とは反対方向へ回転し、外周よりも外側へ突出した部分が内側へ後退して最初の状態に復帰するような回転演出をさせることができる。
従って、第一回転部材3112を回転させると、第二回転部材3114の外周よりも外側へ複数の回転装飾体3102の一部が突出するので、第一回転部材3112や第二回転部材3114を含めた回転装飾体ユニット3100の外観が大きく変化し、遊技者を驚かせることができると共に、回転装飾体ユニット3100の変化により遊技に対する期待感を高めることが可能となり、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、第一回転部材3112及び第二回転部材3114から複数の回転装飾体3102が突出することで、回転装飾体ユニット3100の外観が大きく変化するので、回転装飾体ユニット3100による回転装飾体3102の回転演出のインパクトを高めることが可能となり、回転装飾体3102による回転演出に気付き易くすることができ、遊技者を回転装飾体3102に注目させて回転演出を楽しませることができると共に、遊技者の関心を強く引き付けることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、上述したように、複数の回転装飾体3102を第一回転部材3112の回転による遠心力で突出させるようにしており、回転装飾体ユニット3100における回転装飾体3102の突出移動に係る構成を簡単なものとすることができるので、回転装飾体ユニット3100における突出移動に係る構成が占める割合を低減させることが可能となり、相対的に、回転装飾体装飾基板3124や回転ロック機構3126等を備えるスペースを容易に確保することができ、より遊技者の興趣を高められる回転装飾体ユニット3100を具現化することができる。
更に、第一回転部材3112の円盤状の回転面3112aに案内部3112bを備えて複数の回転装飾体3102を支持するようにしているので、第一回転部材3112の回転により回転装飾体3102が外側へ移動して突出すると、回転停止時には複数の回転装飾体3102で覆われていた回転面3112aの表面が、回転装飾体3102の突出移動によって遊技者側から視認できるように現れることとなり、回転装飾体ユニット3100全体の外観(見た目)を大きく変化させることができ、遊技者に与えるインパクトを高めることができる。
ところで、回転装飾体3102を後退させる後退手段として、バネ等の付勢力を用いた付勢手段によって後退させるようにした場合、回転装飾体3102を遠心力で突出させるためには、回転装飾体3102にかかる遠心力よりは弱い力の付勢力を有した付勢手段とする必要があり、回転装飾体3102の突出・後退を繰返すことで、付勢手段が疲労して所望の付勢力を発生させることができなくなってしまい、回転装飾体3102を後退させることができなくなる虞がある。これに対して、第一回転部材3112と共に回転している第二回転部材3114を先に回転停止させると、第二回転部材3114の第一軸部材3116に対して、第一回転部材3112の第二軸部材3118が周方向に対して接近する方向へ移動することとなり、その移動により第一軸部材3116との距離を保つように第二軸部材3118が案内部3112bに沿って案内移動させられ、回転装飾体3102が第一軸部材3116周りに回転して外周よりも外側へ突出した部分を内側へ後退させることができる。而して、第二回転部材3114を先に停止させれば良く、回転ロック機構3126を含む後退手段にかかる構成を簡略化することができると共に、後退手段として付勢力を用いた付勢手段を用いる必要がなく、回転装飾体ユニット3100の耐久性を向上させて不具合の発生を防止することができる。
また、回転装飾体ユニット3100における第一回転部材3112や第二回転部材3114の回転軸を、前後方向を向くように配置しており、第二回転部材3114の外周よりも外側へ突出する回転装飾体3102の回転面が、遊技者側を向いた向きとなるので、回転する回転装飾体3102が見易くなり、回転装飾体3102の突出による回転装飾体ユニット3100全体の外観の変化を判り易くすることができ、回転装飾体ユニット3100による回転演出をより楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一回転部材3112、第二回転部材3114や、回転装飾体3102の回転面が、遊技球の打ち込まれる遊技領域605の面と略平行な面となるので、回転軸を上下方向や左右方向へ向けた場合と比較して、回転軸周りを回転する第一回転部材3112及び第二回転部材3114(突出した回転装飾体3102)の外径をより大きくすることができ、回転装飾体3102等を目立たせることができると共に回転装飾体ユニット3100のインパクトをより高めることができ、遊技者の関心を強く引き付けることが可能なパチンコ機1とすることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
上記実施形態から把握し得る請求項及び請求項以外の技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
(解決手段1)
始動条件の成立後、開始条件の成立に基づいて複数種類の図柄情報を変動表示して表示結果を導出表示する可変表示装置を備え、予め決められている当選条件が成立した場合に前記可変表示装置に特定表示結果を導出表示した後、遊技者に利益を付与する利益付与状態に制御する遊技機において、
少なくとも前記当選条件が成立するときに成立する演出条件が成立するか否かを前記開始条件の成立以前に判定する演出条件判定手段と、
前記始動条件の成立を示す始動情報を、前記始動条件の成立した順序を特定可能に所定数まで記憶可能な始動情報記憶手段と、
前記開始条件の成立時に前記始動情報記憶手段に記憶される始動情報のうち当該開始条件の成立した始動情報に基づいて前記当選条件が成立するか否かを判定する開始時当落判定手段と、
該開始時当落判定手段により前記当選条件が成立すると判定された場合に前記特別条件が成立するか否かを判定する開始時状態判定手段と、
前記開始時当落判定手段及び前記開始時状態判定手段の判定結果に基づいて前記複数種類の図柄情報の変動表示を開始してから前記表示結果を導出表示するまでの前記可変表示装置の変動態様を決定する変動態様決定手段と、
該変動態様決定手段が決定した前記変動態様に基づいて前記可変表示装置を表示制御し、前記開始時当落判定手段及び前記開始時状態判定手段の判定結果に応じた表示結果を導出表示する表示制御手段と、
前記演出条件判定手段の判定結果に基づいて、当該始動条件に応じた前記始動情報の前記開始条件が成立する以前に前記利益付与状態に制御する割合が高いことを示唆する先行演出を実行するか否かを判定する先行演出判定手段と、
該先行演出判定手段により前記先行演出を実行する旨の判定がなされた場合に、前記先行演出を実行する先行演出実行手段と、
該先行演出実行手段が実行する前記先行演出の演出態様として、前記当選条件の成立期待度に応じて実行される割合が異なるように設定される複数種類の演出態様の中から前記演出条件判定手段の判定結果に応じていずれかの演出態様に決定する演出態様決定手段と、
所定の変更条件が成立したことに基づいて前記先行演出実行手段が実行する前記先行演出の演出態様を変更するか否かを判定する演出態様変更判定手段と、を備え、
前記先行演出実行手段は、前記演出態様決定手段によって決定された前記演出態様がいずれであるかに関わらず前記複数種類の演出態様のうち最も前記当選条件の成立期待度の低い演出態様の前記先行演出を実行した後、前記演出態様変更判定手段によって前記先行演出の演出態様を変更する旨の判定がなされる毎に実行中の前記先行演出の演出態様の次に前記当選条件の成立期待度の低い演出態様に変更して前記先行演出を実行し、
前記演出態様変更判定手段は、前記先行演出実行手段によって実行される前記先行演出の演出態様が前記演出態様決定手段によって決定された前記演出態様と合致している場合には前記先行演出の演出態様を変更しない旨の判定をすることを特徴とする遊技機。
解決手段1記載の遊技機によれば、演出態様決定手段によって決定された演出態様がいずれであるかに関わらず複数種類の演出態様のうち最も当選条件の成立期待度の低い演出態様の先行演出を実行した後、変更条件の成立に応じて先行演出の演出態様を変更する旨の判定がなされる毎に実行中の先行演出の演出態様の次に当選条件の成立期待度の低い演出態様に変更されるため、変更条件の成立に対して興味を抱かせることができ、変更条件が成立した場合に先行演出の演出態様が変更されるか否かに注目させることができる。また、実行中の先行演出の演出態様が演出態様決定手段によって決定された先行演出の演出態様と合致している場合には先行演出の演出態様を変更しないため、予め決められている当選条件の成立期待度に応じた演出態様よりも当選条件の成立期待度の高い演出態様の先行演出が実行されることを防止でき、当選条件の成立期待度に応じた先行演出を実行することができる。
(解決手段2)
前記演出態様変更判定手段は、前記先行演出実行手段による前記先行演出の実行中に前記開始条件が成立したことに基づいて前記先行演出の演出態様を変更するか否かを判定することを特徴とする解決手段1記載の遊技機。
解決手段2記載の遊技機によれば、可変表示装置で複数種類の図柄情報の変動表示が開始される毎に先行演出の演出態様が変更され得るため、可変表示装置で複数種類の図柄情報の変動表示を開始するときに変動表示の表示結果だけでなく、先行演出の演出態様の変化にも注目させることができ、遊技興趣が向上する。
(解決手段3)
遊技球が打ち込まれる遊技領域が前面に形成される遊技盤と、
該遊技盤の前記遊技領域に設けられて遊技球が通過可能な通過口と、
該通過口を通過する遊技球を検出する通過検出手段と、をさらに備え、
前記演出態様変更判定手段は、前記先行演出実行手段による前記先行演出の実行中に前記通過検出手段が前記通過口を通過する遊技球を検出したことに基づいて前記先行演出の演出態様を変更するか否かを判定することを特徴とする解決手段1又は解決手段2に記載の遊技機。
解決手段3記載の遊技機によれば、遊技球が通過口を通過する毎に先行演出の演出態様が変更され得るため、可変表示装置で実行される複数種類の図柄情報の変動表示だけでなく、遊技球が通過するか否かにも注目させることができ、遊技興趣が向上する。また、通過口への遊技球の通過を狙って遊技を行わせることができ、新たな遊技を提供することができる。
(解決手段4)
前記可変表示装置は、前記始動情報記憶手段に記憶される前記始動情報を個別に表示する複数の始動記憶表示領域を有し、
前記先行演出実行手段は、前記複数の始動記憶表示領域に表示される前記始動情報のうち前記先行演出判定手段によって前記先行演出を実行する旨の判定がなされた始動情報を前記複数種類の演出態様のうちいずれかの演出態様で表示制御して前記先行演出を実行することを特徴とする解決手段1乃至解決手段3のいずれかに記載の遊技機。
解決手段4記載の遊技機によれば、始動情報記憶手段に記憶される始動情報を個別に表示する複数の始動記憶表示領域のうち先行演出を実行する旨の判定がなされた始動情報を複数種類の演出態様のうちいずれかの演出態様で表示制御して先行演出を実行するため、図柄情報の変動表示が実行されていない場合であっても先行演出が実行される始動情報に応じた変動表示を開始する以前から遊技者に期待を抱かせることができ、遊技興趣が向上する。
(解決手段5)
遊技盤の前面に形成され、遊技球が打ち込まれる遊技領域と、
該遊技領域に配置される複数種類の入賞口と、
前記複数種類の入賞口のうち始動口に入賞した遊技球を検出したことに基づいて始動条件を成立させる始動検出手段と、
前記始動条件の成立後、開始条件の成立に基づいて複数種類の図柄情報を変動表示して表示結果を導出表示する可変表示装置を備え、予め決められている当選条件が成立した場合に前記可変表示装置に特定表示結果を導出表示した後、遊技者に利益を付与する利益付与状態に制御する遊技機において、
前記始動条件の成立時に所定の始動情報を取得する始動情報取得手段と、
該始動情報取得手段によって取得した前記始動情報を所定数まで記憶可能な始動情報記憶手段と、
該始動情報記憶手段に記憶される始動情報のうち前記開始条件の成立した始動情報に基づいて前記当選条件が成立するか否かを判定する開始時当落判定手段と、
該開始時当落判定手段の判定結果に基づいて前記複数種類の図柄情報の変動表示を開始してから前記表示結果を導出表示するまでの前記可変表示装置の変動態様を決定する変動態様決定手段と、
該変動態様決定手段が決定した前記変動態様に基づいて前記可変表示装置を表示制御し、前記開始時当落判定手段の判定結果に応じた表示結果を導出表示する表示制御手段と、
前記始動情報記憶手段に記憶される前記始動情報の開始条件が成立する以前に、該始動情報について前記当選条件が成立するか否かを事前判定する事前判定手段と、
該事前判定手段の判定結果に基づいて、当該始動情報についての前記当選条件が成立する期待度を示唆する先行演出を所定の演出態様で実行する先行演出実行手段と、
前記遊技領域の前記複数種類の入賞口を配置する領域とは異なる特定の領域に打ち込まれた遊技球を検出する特定検出手段と、を備え、
前記先行演出実行手段により実行される前記先行演出の演出態様として、前記当選条件の成立する期待度が異なるように設定される複数種類の演出態様が設定されており、
前記先行演出実行手段は、前記表示制御手段による前記変動態様の表示制御中において、前記特定検出手段により前記特定の領域に打ち込まれた遊技球が検出されたことに基づいて、前記複数種類の演出態様のうち、実行されている演出態様よりも前記当選条件の成立する期待度が高い演出態様に変更し得る変動中演出態様変更手段を有することを特徴とする。