<第一の実施形態>
本発明の第一の実施形態に係る検体検査装置は、被験者から採取された血液検体に含まれる赤血球、白血球および血小板などの血球成分を分類し、計数する血球分析装置である。
図1は、血球分析装置1の外観構成を示す斜視図である。血球分析装置1は、図1に示すように、測定ユニット3と、測定ユニット3の前面側(矢印Y1方向側)に配置された搬送装置4と、測定ユニット3および搬送装置4に電気的に接続されたパーソナルコンピュータからなる制御装置5とを備えている。制御装置5は、表示部52と、入力デバイス53とを含んでいる。表示部52は、測定ユニット3から送信されたデジタル信号のデータを分析して得られた分析結果などを表示するために設けられている。
搬送装置4は、分析が行われる前の検体を収容するサンプル容器100が収容された複数のラック101を保持することが可能な分析前ラック保持部41と、分析が行われた後の検体を収容するサンプル容器100が収容された複数のラック101を保持することが可能な分析後ラック保持部42と、ラック101を矢印X1およびX2方向に横送りする図示しないラック搬送部と、サンプル容器100のバーコード100bを読み取るとともに、ラック101に貼付されたバーコード101aを読み取る図示しないバーコード読取部を含んでいる。
図2は、サンプル容器を保持するラックおよびラックに保持されたサンプル容器の外観構成を示す斜視図である。ラック101には、図2に示すように、10本のサンプル容器100を一列に収容可能なように10個の容器収容部101bが形成されている。各サンプル容器100のバーコード100bは、各検体に固有に付されたものであり、各検体の検査結果の管理などに使用される。また、各容器収容部101bには、それぞれ、収容したサンプル容器100のバーコード100bが視認可能なように開口部101cが設けられている。ラック101のバーコード101aは、各ラックに固有に付されたものであり、検体の検査結果の管理などに使用される。
図3は、血球分析装置1の測定ユニット3の構成を示すブロック図である。測定ユニット3は、図3に示すように、検体である血液をサンプル容器100から吸引する検体吸引部31と、検体吸引部31により吸引した血液から検出用試料を調製する試料調製部32と、試料調製部32により調製された検出用試料から血液の血球を検出する検出部33とを含んでいる。また、測定ユニット3は、検体吸引部31や試料調製部32などを内部に収容するユニットカバー34と、サンプル容器100をユニットカバー34(図1参照)の内部に取り込み、検体吸引部31による吸引位置までサンプル容器100を搬送するサンプル容器搬送部35をさらに含んでいる。また、測定ユニット3は、各部を制御するためのCPU36と、CPU36により実行されるプログラムや、それに用いられるデータを記憶させるためのメモリ37と、制御装置5と相互に通信可能に接続された通信インタフェース38とをさらに備えている。
検出部33は、RBC検出(赤血球の検出)およびPLT検出(血小板の検出)をシースフローDC検出法により行うとともに、HGB検出(血液中の血色素の検出)をSLS−ヘモグロビン法により行うように構成されている。また、検出部33は、WBC検出(白血球の検出)を、半導体レーザを使用したフローサイトメトリー法により行うようにも構成されている。また、検出部33で得られた検出結果は、検体の測定データとして、制御装置5に送信される。なお、この測定データは、ユーザに提供される最終的な検査結果(赤血球数、血小板数、ヘモグロビン量、白血球数など)のもととなるデータである。
サンプル容器搬送部35は、サンプル容器100を把持することが可能な図示しないハンド部と、図示しないバーコード読取部と、サンプル容器100を矢印Y1およびY2方向に水平移動させるサンプル容器移送部355とを有している。ハンド部は、搬送装置4が搬送するラック101の搬送路の上方に配置されている。サンプル容器移送部355は、検体セット部355a(図1参照)を有し、検体セット部355aを図示しない吸引位置に配置させることが可能である。
図4は、血球分析装置1の制御装置5の構成を示すブロック図である。制御装置5は、図4に示すように、制御部51と、表示部52と、入力デバイス53とから主として構成されたコンピュータ500によって構成されている。
制御部51は、図4に示すように、CPU51aと、ROM51bと、RAM51cと、ハードディスク51dと、読出装置51eと、入出力インタフェース51fと、通信インタフェース51gと、画像出力インタフェース51hとから主として構成されている。CPU51a、ROM51b、RAM51c、ハードディスク51d、読出装置51e、入出力インタフェース51f、通信インタフェース51g、および画像出力インタフェース51hは、バス51iによって接続されている。
CPU51aは、ROM51bに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM51cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するようなアプリケーションプログラム54aをCPU51aが実行することにより、コンピュータ500が制御装置5として機能する。
ROM51bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどによって構成されており、CPU51aに実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータなどが記録されている。
RAM51cは、SRAMまたはDRAMなどによって構成されている。RAM51cは、ROM51bおよびハードディスク51dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU51aの作業領域として利用される。
ハードディスク51dは、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU51aに実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。制御装置5用の検体検査プログラム54aもハードディスク51dにインストールされている。また、ハードディスク51dには、操作者情報データベース54b、検査結果データベース54cおよび動作履歴データベース54dがそれぞれ設けられている。各データベースの詳細については後述する。
読出装置51eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブなどによって構成されており、可搬型記録媒体54に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体54には、アプリケーションプログラム54aが格納されており、コンピュータ500がその可搬型記録媒体54からアプリケーションプログラム54aを読み出し、そのアプリケーションプログラム54aをハードディスク51dにインストールすることが可能である。
なお、上記アプリケーションプログラム54aは、可搬型記録媒体54によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ500と通信可能に接続された外部の機器から上記電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、上記アプリケーションプログラム54aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ500がアクセスして、そのアプリケーションプログラム54aをダウンロードし、これをハードディスク51dにインストールすることも可能である。
また、ハードディスク51dには、例えば、米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、アプリケーションプログラム54aは上記オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
入出力インタフェース51fは、例えば、USB、IEEE1394、RS−232Cなどのシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインタフェース、およびD/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインタフェースなどから構成されている。入出力インタフェース51fには、入力デバイス53が接続されており、ユーザがその入力デバイス53を使用することにより、コンピュータ500にデータを入力することが可能である。
通信インタフェース51gは、例えば、Ethernet(登録商標)インタフェースである。コンピュータ500は、その通信インタフェース51gにより、所定の通信プロトコルを使用して測定ユニット3、搬送装置4との間でデータの送受信が可能である。
画像出力インタフェース51hは、LCDまたはCRTなどで構成された表示部52に接続されており、CPU51aから与えられた画像データに応じた映像信号を表示部52に出力するようになっている。表示部52は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示するように構成されている。
図5は、血球分析装置1の制御装置5の検体検査処理を示すフローチャートである。ここからは、図5を参照しつつ、本実施形態における制御装置5(CPU51a)の検体検査処理について説明する。
まず、ステップS1において、CPU51aは、初期設定処理を実行する。次に、ステップS2において、CPU51aは、ログイン画面F(図6参照)を表示部52に表示させる。
図6は、表示部52に表示されるログイン画面Fの一例を示す図である。ログイン画面Fは、図6に示すように、IDフィールドF2、パスワードフィールドF3およびOKボタンF4を備える。操作者は、入力デバイス53によって、IDフィールドF2およびパスワードフィールドF3にIDおよびパスワードをそれぞれ入力し、OKボタンF4を選択することで、IDおよびパスワードの入力を確定させる。ここで、IDとは、操作者を識別するための識別情報である。
図5に戻って、ステップS3において、CPU51aは、IDおよびパスワードの入力を受け付けたか否か判定する。IDおよびパスワードの入力を受け付けたと判定した場合(ステップS3においてYES)、ステップS4において、CPU51aは、受け付けたIDおよびそれに対応するパスワードが、操作者データベース54bに登録されているか否かを判定する。
図25は、ハードディスク51dに設けられた操作者情報データベース54bを示す模式図である。操作者情報データベース54bは、リレーショナルデータベースであり、図25に示すように、ID、パスワードおよびグループのフィールドを備えている。IDは、操作者ごとにユニークに定まる情報であり、操作者を特定するために用いられる。パスワードは、操作者が設定したパスワードである。グループは、操作者がユーザ、サービスマンおよび管理者の三つのグループのいずれに属するかを示す情報である。本実施形態における血球分析装置1では、操作者が属するグループによって実行可能な機能が異なる。
ユーザグループに属する操作者(以下、ユーザ)は、血球分析装置1が設置された施設における操作者であり、主として被験者から採取された検体の検査などを行う。ユーザのIDおよびパスワードは、管理者グループに属する操作者(以下、管理者)によって、ユーザ登録画面(図示しない)において、操作者情報データベース54bに登録される。ユーザは、管理者に設定された範囲において、血球分析装置1における検体の測定、測定の登録、検査結果の変更および削除、検査結果のバリデート(承認)、表示画面の外部出力、設定変更などの各種処理を実行可能である。
管理者は、血球分析装置1が設置された施設における操作者であり、主として血球分析装置1のユーザの管理を行う。管理者のIDおよびパスワードは、サービスマングループに属する操作者(以下、サービスマン)によって操作者情報データベース54bに登録される。管理者は、上述したように、血球分析装置1における各種機能のうち、いずれを実行可能とするかをユーザごとに設定可能である。また、管理者は、ユーザが実行可能な血球分析装置1における機能のすべてを実行可能である。
サービスマンは、血球分析装置1を施設に納入する業者側の操作者であり、主として血球分析装置1のメンテナンス作業を行う。サービスマンは、血球分析装置1のメンテナンスに係る機能、例えば、装置側でエラーを監視する範囲の設定やエラーをスキップする機能の設定など、ユーザおよび管理者にはできない設定の変更などの機能を実行可能である。また、サービスマンは、ユーザが実行な血球分析装置1における機能のすべてを実行可能である。ただし、サービスマンは、ユーザによって得られた検査結果および動作履歴を変更および削除することができない。この点については後述する。
図5に戻って、受け付けたIDおよびそれに対応するパスワードが、操作者データベース54bに登録されていないと判定した場合(ステップS4においてNO)、ステップS5において、CPU51aは、表示部52に受け付けたIDおよびそれに対応するパスワードが、操作者データベース54bに登録されていない旨を操作者に知らせるエラー画面J(図7参照)を表示させる。
図7は、表示部52に表示されるエラー画面Jの一例を示す図である。図7に示すように、エラー画面Jには、「入力されたIDおよびパスワードは登録されていません。」というメッセージが表示される。また、エラー画面Jは、OKボタンJ1を備えている。操作者は、入力デバイス53によって、OKボタンJ1を選択することで、エラー画面解除の指示をすることができる。
図5に戻って、ステップS6において、CPU51aは、エラー画面解除の指示の受け付けたか否か判定する。エラー画面解除の指示を受け付けたと判定した場合(ステップS13においてYES)、CPU51aは、エラー画面解除処理を実行することで、表示部52に表示されているエラー画面Jを消す。その後、CPU51aは、後述するステップS10における処理を実行する。
受け付けたIDおよびそれに対応するパスワードが、操作者データベース54bに登録されていると判定した場合(ステップS4においてYES)、ステップS7において、CPU51aは、受け付けたIDと対応するグループを、操作者データベース54bを参照して判定する。受け付けたIDと対応するグループがユーザである場合(ステップS7においてユーザ)、CPU51aは、ステップS8における処理に移行する。ステップS8においては、ユーザグループに対応する機能の範囲において血球分析装置1が動作する。以下、ステップS8におけるCPU51aの処理をユーザモードと称す。また、受け付けたIDと対応するグループがサービスマンである場合(ステップS7においてサービスマン)、CPU51aは、ステップS9における処理に移行する。ステップS9においては、サービスマングループに対応する機能の範囲において血球分析装置1が動作する。以下、ステップS9におけるCPU51aの処理をサービスモードと称す。ユーザモードおよびサービスモードにおけるCPU51aの処理の詳細については後述する。
次に、ステップS10において、CPU51aは、操作者からのシャットダウンの指示を受け付けたか否か判定する。シャットダウンの指示を受け付けたと判定した場合(ステップS10においてYES)、ステップS11において、CPU51aは、シャットダウン処理を実行する。また、シャットダウンの指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS10においてNO)、CPU51aは、ステップS2の処理を実行する。
図8は、ユーザモードにおけるCPU51aの処理を示すフローチャートである。ここからは、図8を参照しつつ、制御装置5(CPU51a)のユーザモードにおける処理について説明する。なお、以下の説明において、ユーザモード動作における操作者、すなわちユーザは、管理者によって、少なくとも検査結果の変更および削除の機能を実行可能であるように設定されているものとする。
ステップS101において、CPU51aは、表示部52に初期画面521(図9参照)を表示させる。
図9は、ユーザモードにおいて表示部52に表示される初期画面521の一例を示す図である。図9に示すように、初期画面521は、検体測定、設定画面の表示、検査結果の表示、動作履歴の表示、ログオフおよびシャットダウン指示などの処理を実行するようCPU51aに指示するための各種ボタンを備えている。操作者は、入力デバイス53によって上記各種ボタンを選択することで、CPU51aに各種処理を実行するよう指示することができる。
次に、ステップS102において、CPU51aは、操作者からの検体測定の指示を受け付けたか否か判定する。検体測定の指示を受け付けたと判定した場合(ステップS102においてYES)、ステップS103において、CPU51aは、検体測定処理を実行する。
図10は、血球分析装置1の制御装置5の検体測定処理を示すフローチャートである。ここからは、図10を参照しつつ、制御装置5(CPU51a)の検体測定処理について説明する。
まず、ステップS201において、CPU51aは、測定ユニット3に検体の測定開始の指示を送信する。測定ユニット3における検体の測定動作の詳細については後述する。次に、ステップS202において、CPU51aは、測定ユニット3から送信される測定データを受け付けたか否か判定する。測定データを受け付けたと判定した場合(ステップS202においてYES)、ステップS203において、CPU51aは、受け付けた測定データをRAM51cに記憶させる処理を実行する。次に、ステップS204において、CPU51aは、RAM51cに記憶させた測定データを解析することで検査結果を取得する。次に、ステップS405において、CPU51aは、取得した検査結果を、操作者のIDとともにハードディスク51dに設けられた検査結果データベース54cに記憶させる。
図26は、ハードディスク51dに設けられた検査結果データベース54cを示す模式図である。検査結果データベース54cは、リレーショナルデータベースであり、図26に示すように、検体ID、WBC、RBC、・・・、IDのフィールドを備えている。検体IDは、サンプル容器100に収容された検体ごとにユニークに定められる識別情報である。WBCおよびRBCは検査項目であり、それぞれ血中の白血球数および赤血球数を示す。検査項目についてはWBCおよびRBCに限らず、血中の血小板数およびヘモグロビン量などであってもよい。IDは、その検査結果が取得されたときにおける装置の操作者のIDを示している。
図10に戻って、ステップS206において、CPU51aは、検査結果データベース54cに記憶させた検査結果を示す検査結果表示画面B(図11参照)を表示部52に表示させる処理を実行する。
図11は、ユーザモードにおいて表示部52に表示される測定結果画面Bの一例を示す図である。検査結果表示画面Bは、図11に示すように、検体のIDなどが表示される検体情報フィールドB1、検査を実行した操作者のIDなどが表示される操作者情報フィールドB2および検体の検査項目が表示される測定結果フィールドB3を備えている。検査結果表示画面Bを表示部52に表示させてから所定の時間が経過すると、CPU51aは、図8に示すフローチャートのステップS102における処理を実行する。
図12は、血球分析装置1の測定ユニット3の検体測定動作を示すフローチャートである。ここからは、図12を参照しつつ、測定ユニット3の検体測定動作について説明する。
まず、ステップS301において、CPU37は、初期処理を実行し、測定ユニット3の各部を初期動作位置に戻す。次に、ステップS302において、CPU37は、制御装置5から送信される測定開始指示を受け付けたか否か判定する。測定開始指示を受け付けたと判定した場合(ステップS302においてYES)、ステップS303において、CPU37は、吸引位置まで搬送されたサンプル容器100から検体を吸引するよう検体吸引部31を制御する。次に、ステップS304において、CPU37は、吸引した検体から検出用試料を調製するよう試料調製部32を制御する。次に、ステップS305において、CPU37は、検出用試料から分析対象の成分を検出するよう検出部33を制御する。次に、ステップS306において、CPU37は、測定データを制御装置5に送信する。
次に、ステップS307において、CPU37は、制御装置5からのシャットダウン指示を受け付けたか否か判定する。シャットダウン指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS307においてNO)、CPU37は、ステップS302の処理を実行する。
シャットダウン指示を受け付けたと判定した場合(ステップS307においてYES)、ステップS308において、CPU37は、動作履歴を制御装置5に送信し、シャットダウン処理を実行する。
一方、CPU51aは、測定ユニット3から送信された動作履歴を受け付け、受け付けた動作履歴を、操作者のIDとともにハードディスク51dに設けられた動作履歴データベース54dに記憶させる。
図27は、ハードディスク51dに設けられた動作履歴データベース54dを示す模式図である。動作履歴データベース54dは、リレーショナルデータベースであり、図27に示すように、日付、時間、内容およびIDの各フィールドを備えている。日付は、その動作履歴が発生した日付を示している。時間は、その動作履歴が発生した時間を示している。内容は、その動作履歴の内容(エラーなど)を示している。IDは、その動作履歴が発生したときに装置を操作していた操作者のIDを示している。
図8に戻って、検体測定の指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS102においてNO)、ステップS104において、CPU51aは、表示部52に検査結果一覧画面E(図13参照)が表示されているか否かを判定する。表示部52に検査結果一覧画面Eが表示されていない場合(ステップS104においてNO)、ステップS105において、CPU51aは、検査結果一覧画面Eを表示する指示を受け付けたか否か判定する。検査結果一覧画面Eを表示する指示を受け付けたと判定した場合(ステップS105においてYES)、ステップS106において、CPU51aは、表示部52に、検査結果一覧画面Eを表示させる。
図13は、ユーザモードにおいて表示部52に表示される検査結果一覧画面Eの一例を示す図である。検査結果一覧画面Eは、図13に示すように、各検査結果の概要が表示される概要表示フィールドE1および概要表示フィールドE1において選択された検査結果の詳細が表示される詳細表示フィールドE2を備える。
図8に戻って、検査結果一覧画面Eが表示部52に表示されている場合(ステップS104においてYES)および検査結果一覧画面Eを表示部52に表示させた場合、ステップS107において、CPU51aは、測定結果編集開始指示を受け付けたか否か判定する。測定結果編集開始指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS107においてNO)、CPU51aは、ステップS102における処理を実行する。測定結果編集開始指示を受け付けたと判定した場合(ステップS107においてYES)、ステップS108において、CPU51aは、検査結果編集処理を実行する。
図14は、血球分析装置1の制御装置5の検査結果編集処理を示すフローチャートである。ここからは、図14を参照しつつ、制御装置5(CPU51a)の検査結果編集処理について説明する。ここで、編集処理とは、検査結果の内容の変更や削除などを実行する処理である。
表示部52に表示される検査結果一覧画面Eの概要表示フィールドE1には、検査結果が表形式で一覧表示される。ここで、表の一行が検査結果データベース54cに登録された一つの検査結果と対応している。操作者は、入力デバイス53によって、一つの行を選択することで、それと対応する一つの検査結果を選択することができる。ステップS501において、CPU51aは、概要表示フィールドE1において検査結果の選択を受け付けたか否か判定する。
操作者は、入力デバイスによって検査結果を選択することで、選択した検査結果に対する編集指示をCPU51aに対して行うことができる。検査結果の選択を受け付けたと判定した場合(ステップS501においてYES)、ステップS502において、CPU51aは、選択を受け付けた検査結果に対する編集指示を受け付けたか否か判定する。操作者は、入力デバイス53によって、CPU51aに選択した検査結果に対する編集処理の指示を行うことができる。操作者は、例えば、入力デバイス53が備えるDeleteボタン(図示しない)を押下することで検査結果の削除処理の指示を行うことができる。
検査結果に対する編集指示を受け付けたと判定した場合(ステップS502においてYES)、ステップS503において、CPU51aは、編集指示を受け付けた検査結果に対して、受け付けた指示に基づく編集処理を実行する。
検査結果の選択を受け付けていないと判定した場合(ステップS501においてNO)、検査結果に対する編集指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS502においてNO)および編集処理を実行した場合、CPU51aは、図8に示すフローチャートのステップS102における処理を実行する。
図8に戻って、検査結果一覧画面Eの表示指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS105においてNO)、ステップS109において、CPU51aは、動作履歴画面G(図15参照)が表示部52に表示されているか否か判定する。動作履歴画面Gが表示部52に表示されていない場合(ステップS109においてNO)、ステップS110において、CPU51aは、動作履歴画面の表示指示を受け付けたか否か判定する。動作履歴画面の表示指示を受け付けたと判定した場合(ステップS110においてYES)、ステップS111において、CPU51aは、動作履歴画面を表示部52に表示させる。
図15は、ユーザモードにおいて表示部52に表示される動作履歴画面Gである。検査結果一覧画面Gは、図15に示すように、動作履歴の一覧が表示される動作履歴一覧フィールドG1を備えている。
図8に戻って、動作履歴画面Gが表示部52に表示されている場合(ステップS109においてYES)および動作履歴画面Gを表示部52に表示させた場合、CPU51aは、ステップS102における処理を実行する。
動作履歴画面Gの表示指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS110においてNO)、CPU51aは、ステップS112において、ログオフの指示を受け付けたか否か判定する。ログオフの指示を受け付けたと判定した場合(ステップS112においてYES)、ステップS113において、CPU51aは、ログオフ処理を実行する。その後、CPU51aは、図5に示すフローチャートのステップS10における処理を実行する。ログオフの指示を受け付けていないと判定した場合、CPU51aは、ステップS102における処理を実行する。
図16は、サービスモードにおけるCPU51aの処理を示すフローチャートである。ここからは、図16を参照しつつ、制御装置5(CPU51a)のサービスモードにおける処理について説明する。
ステップS601において、CPU51aは、表示部52に初期画面521(図17参照)を表示させる。
図17は、サービスモードにおいて表示部52に表示される初期画面521の一例を示す図である。ここで、サービスモードにおけるすべての表示画面、すなわち、初期画面521(図17参照)、測定結果画面B(図18参照)、検査結果一覧画面E(図19参照)、エラー画面K(図21参照)、動作履歴画面G(図22参照)およびエラー画面L(図24参照)には、すなわち、現在の操作者がサービスマンであることを示すモード表示バーAが含まれる。また、モード表示バーAは表示部52上を移動可能である。操作者は、入力デバイス53によって、モード表示バーAを表示部52上において自由に移動させることができる。
図16に戻って、ステップS602において、CPU51aは、操作者からの検体測定の指示を受け付けたか否か判定する。検体測定の指示を受け付けたと判定した場合(ステップS602においてYES)、ステップS603において、CPU51aは、検体測定の処理を実行する。係る検体の測定においては、サービスマンは、コントロール試料を測定し、その測定結果や装置の動作履歴などを確認することで血球分析装置1が正常に稼動しているかどうかを確認する。
図18は、サービスモード動作において表示部52に表示される測定結果画面Bの一例を示す図である。ステップS603における処理は、図8に示すフローチャートのステップS103における処理とほぼ同様であるが、CPU51aが、図18に示す検査結果表示画面Bを表示部52に表示させる点で異なる。
図16に戻って、検体測定の指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS602においてNO)、ステップS604において、CPU51aは、表示部52に検査結果一覧画面E(図19参照)が表示されているか否か判定する。表示部52に検査結果一覧画面Eが表示されていない場合(ステップS604においてNO)、ステップS605において、CPU51aは、検査結果一覧画面Eの表示指示を受け付けたか否か判定する。検査結果一覧画面Eを表示する指示を受け付けたと判定した場合(ステップS605においてYES)、ステップS606において、CPU51aは、表示部52に、検査結果一覧画面Eを表示させる。
図19は、サービスモードにおいて表示部52に表示される検査結果一覧画面Eの一例を示す図である。ここで、CPU51aは、各検査結果の概要が一覧表示される概要表示フィールドE1において、操作者情報データベース54bを参照し、サービスマンのIDと対応する検査結果のフラグ欄にSマークを表示させる。これにより、操作者(サービスマン)は、それぞれの検査結果がサービスマンによるものか否かを識別可能である。
図16に戻って、検査結果一覧画面Eが表示部52に表示されている場合(ステップS604においてYES)および検査結果一覧画面Eを表示部52に表示させる処理を実行した場合、ステップS607において、CPU51aは、検査結果編集開始指示を受け付けたか否かを判定する。検査結果編集開始指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS607においてNO)、CPU51aは、ステップS602における処理を実行する。検査結果編集開始指示を受け付けたと判定した場合(ステップS607においてYES)、ステップS608において、CPU51aは、検査結果編集処理を実行する。
図20は、血球分析装置1の制御装置5の検査結果処理を示すフローチャートである。ここからは、図20を参照しつつ、制御装置5(CPU51a)の検査結果編集処理について説明する。ここで、編集処理とは、検査結果の内容の変更や削除などを実行する処理である。
表示部52に表示される検査結果一覧画面Eの概要表示フィールドE1には、検査結果が表形式で一覧表示されている。ここで、表の一行が検査結果データベース54cに登録された一つの検査結果と対応している。操作者は、入力デバイス53によって、一つの行を選択することで、対応する一つの検査結果を選択することができる。ステップS701において、CPU51aは、検査結果の選択を受け付けたか否かを判定する。
操作者は、入力デバイスによって検査結果を選択することで、選択した検査結果に対する編集指示をCPU51aに対して行うことができる。検査結果の選択を受け付けたと判定した場合(ステップS701においてYES)、ステップS702において、CPU51aは、選択を受け付けた検査結果に対する編集指示があるか否かを判定する。操作者は、入力デバイス53によって、CPU51aに選択した検査結果に対する編集処理の指示を行うことができる。操作者は、例えば、入力デバイス53が備えるDeleteボタン(図示しない)を押下することで検査結果の削除の指示を行うことができる。
検査結果に対する編集指示を受け付けたと判定した場合(ステップS702においてYES)、ステップS703において、CPU51aは、編集指示を受け付けた検査結果が、サービスマンのIDと対応しているか否かを、フラグ欄にSマークが表示されているか否かに基づき判定する。編集指示を受け付けた検査結果が、サービスマンのIDと対応していないと判定した場合(フラグ欄にSマークが表示されていない場合、ステップS703においてNO)、ステップS704において、CPU51aは、対象の検査結果を編集できない旨を操作者(サービスマン)に知らせるためのエラー画面K(図21参照)を表示部52に表示させる。
図21は、表示部52に表示されるエラー画面の一例を示す図である。図21に示すように、エラー画面Kには、「この検査結果は編集できません。」というメッセージが表示される。操作者は、入力デバイス53によって、OKボタンK1を選択することで、エラー画面解除の指示をすることができる。
図20に戻って、ステップS705において、CPU51aは、エラー画面解除の指示を受け付けたか否か判定する。エラー画面解除の指示を受け付けたと判定した場合(ステップS705においてYES)、CPU51aは、表示部52に表示されているエラー画面Kを解除する。
編集指示を受け付けた検査結果が、サービスマンのIDと対応していると判定した場合(フラグ欄にSマークが表示されている場合、ステップS703においてYES)、ステップS706において、指示に基づき編集処理を実行し、検査結果データベース54cを更新する。
検査結果の選択を受け付けていないと判定した場合(ステップS701においてNO)、検査結果に対する編集指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS702においてNO)、エラー画面解除の指示の受け付けたと判定した場合および検査結果データベース54cを更新した場合、CPU51aは、図16に示すフローチャートのステップS602における処理を実行する。
図16に戻って、検査結果一覧画面Eの表示指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS605においてNO)、ステップS609において、CPU51aは、動作履歴画面G(図22参照)が表示部52に表示されているか否かを判定する。動作履歴画面Gが表示部52に表示されていない場合(ステップS609においてNO)、ステップS610において、CPU51aは、動作履歴画面Gの表示指示を受け付けたか否かを判定する処理を実行する。動作履歴画面Gの表示指示を受け付けたと判定した場合(ステップS610においてYES)、ステップS611において、CPU51aは、動作履歴画面Gを表示部52に表示させる処理を実行する。
図22は、サービスモードにおいて表示部52に表示される動作履歴画面Gの一例を示す図である。ここで、CPU51aは、各検査結果の概要が一覧表示される動作履歴一覧フィールドG1において、操作者情報データベース54bを参照し、サービスマンのIDと対応する動作履歴のフラグ欄にSマークを表示させる。これにより、操作者(サービスマン)は、それぞれの検査結果がサービスマンによるものか否かを識別可能である。
図16に戻って、動作履歴画面Gが表示部52に表示されている場合(ステップS610においてYES)および動作履歴画面Gを表示部52に表示させる処理を実行した場合、ステップS612において、CPU51aは、動作履歴編集開始指示を受け付けたか否か判定する。動作履歴編集開始指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS612においてNO)、CPU51aは、ステップS602における処理を実行する。動作履歴編集開始指示を受け付けたと判定した場合(ステップS612においてYES)、ステップS613において、CPU51aは、動作履歴編集の処理を実行する。ここで、編集処理とは、動作履歴の内容の変更や削除などを実行する処理である。
図23は、血球分析装置1の制御装置5の動作履歴編集処理を示すフローチャートである。ここからは、図23を参照しつつ、制御装置5(CPU51a)の動作履歴編集処理について説明する。
表示部52に表示される動作履歴画面Gの動作履歴一覧フィールドG1には、動作履歴が表形式で一覧表示されている。ここで、表の一行が一つの動作履歴と対応している。操作者は、入力デバイス53によって、一つの行を選択することで、対応する一つの動作履歴を選択することができる。ステップS801において、CPU51aは、動作履歴の選択を受け付けたか否かを判定する処理を実行する。
操作者は、入力デバイス53によって、動作履歴を選択することで、選択した動作履歴の編集指示をCPU51aに対して行うことができる。動作履歴の選択を受け付けたと判定した場合、(ステップS801においてYES)ステップS802において、CPU51aは、選択を受け付けた動作履歴に対する編集指示を受け付けたか否か判定する。操作者は、入力デバイス53によって、CPU51aに選択した検査結果に対する編集処理の指示を行うことができる。操作者は、例えば、入力デバイス53が備えるDeleteボタン(図示しない)を押下することで動作履歴の削除の指示を行うことができる。
動作履歴に対する編集指示を受け付けたと判定した場合(ステップS802においてYES)、ステップS803において、CPU51aは、編集指示を受け付けた動作履歴がサービスマンのIDと対応しているか否かを、フラグ欄にSマークが表示されているか否かに基づき判定する。編集指示を受け付けた動作履歴がサービスマンのIDと対応していないと判定した場合、(フラグ欄にSマークが表示されていない場合、ステップS803においてNO)、ステップS804において、CPU51aは、対象の動作履歴を編集できない旨を操作者(サービスマン)に知らせるためのエラー画面L(図24)を表示部52に表示させる。
図24は、サービスモードにおいて表示部52に表示されるエラー画面Lの一例を示す図である。図24に示すように、エラー画面Lには、「この動作履歴は編集できません。」というメッセージが表示される。操作者は、入力デバイス53によって、OKボタンL1を選択することで、エラー画面解除の指示をすることができる。
図23に戻って、ステップS805において、CPU51aは、エラー画面解除の指示を受け付けたか否か判定する。エラー画面解除の指示を受け付けた場合(ステップS804aにおいてYES)、CPU51aは、表示部52に表示されているエラー画面Lを解除する。
編集指示を受け付けた動作履歴がサービスマンのIDと対応していると判定した場合、(フラグ欄にSマークが表示されている場合、ステップS803においてYES)、ステップS806において、CPU51aは、編集処理を実行し、動作履歴データベース54dを更新する。
検査結果の選択を受け付けていないと判定した場合(ステップS801においてNO)、検査結果に対する編集指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS802においてNO)、エラー画面解除の指示を受け付けたと判定した場合および動作履歴データベース54dを更新した場合、CPU51aは、図16に示すフローチャートのステップS602における処理を実行する。
図16に戻って、動作履歴画面Gの表示指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS610においてNO)、CPU51aは、ステップS614において、ログオフの指示を受け付けたか否か判定する。ログオフの指示を受け付けたと判定した場合(ステップS614においてYES)、ステップS615において、CPU51aは、ログオフ処理を実行し、その後、図5に示すフローチャートのステップS10における処理を実行する。ログオフの指示を受け付けていないと判定した場合、CPU51aは、ステップS602における処理を実行する。
本実施形態における血球分析装置1では、上述したように、サービスマンが検査結果および動作履歴を編集する場合、その検査結果および動作履歴がサービスマンのIDと対応するか否か判定し、サービスマンのIDと対応していないと判定した場合には、その検査結果および動作履歴を編集できないように構成されている。そのため、本実施形態における血球分析装置1では、サービスマンが、メンテナンス作業に伴って発生した検査結果および動作履歴を削除する際に、ユーザによって得られた検査結果および動作履歴を誤って削除するおそれがない。
<第二の実施形態>
ここからは、第二の実施形態に係る検体検査装置について説明する。第二の実施形態に係る検体検査装置は、サービスモードにおいてログオフ処理を実行する際に、サービスマンのIDと対応する検査結果および動作履歴を一括して削除可能である点が第一の実施形態に係る検体検査装置と異なり、他の点は同一である。
図28は、サービスモードにおける処理を示すフローチャートである。ここからは、図28を参照しつつ、制御装置5(CPU51a)のサービスモードにおける処理について説明する。
ここで、ステップS1001からS1014およびステップS1019は、図16に示すフローチャートのステップS601からS614およびステップS615における処理とそれぞれ同様であるため説明を省略する。
ステップS1015において、CPU51aは、ログオフ画面H(図29参照)を表示部52に表示させる。
図29は、サービスモードにおいて表示部52表示されるログオフ画面Hの一例を示す図である。図29に示すように、ログオフ画面Hには「サービスモードにおける検査結果を削除します。」というメッセージが表示される。また、ログオフ画面Hは、チェックボックスH1とOKボタンH2を備える。
図28に戻って、ステップS1016において、CPU51aは、動作履歴削除指示を受け付けたか否かを判定する。操作者は、入力デバイス53によって、チェックボックスH1を選択し、OKボタンH2を押すことで、CPU51aに対して動作履歴削除指示を行うことができる。ここで、操作者が、入力デバイス53によって、チェックボックスH1を選択せずにOKボタンH2を選択した場合、CPU51aに対する動作履歴削除指示は行われない。このように、サービスモードにおける動作履歴を削除するか否かを選択可能とすることで、メンテナンス作業において、業者側の操作者であるサービスマンがどのような操作を実行したかを動作履歴により確認したいという、施設側の操作者であるユーザや管理者のニーズに応えることができる。
動作履歴削除指示を受け付けたと判定した場合(ステップS1016においてYES)、ステップS1017において、CPU51aは、検査結果データベース54cおよび動作履歴データベース54dから、サービスマンのIDと対応付けられた検査結果および動作履歴をすべて削除する。また、動作履歴削除指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS1016においてNO)、ステップS1018において、CPU51aは、検査結果データベース54cから、サービスマンのIDと対応付けられた検査結果をすべて削除する。
本実施形態における血球分析装置1では、上述したように、サービスモード動作においてログオフ処理を実行する際に、検査結果データベース54cおよび動作履歴データベース54dから、サービスマンのIDと対応付けられた検査結果、または、サービスマンのIDと対応付けられた検査結果および動作履歴を削除できるように構成されている。そのため、本実施形態における検体検査装置では、サービスマンが、メンテナンス作業により発生した情報を削除せずにログオフしてしまうおそれがない。
なお、本実施形態における血球分析装置1では、上述した構成に限らず、ステップS1014においてログオフの指示を受け付けたと判定した場合、CPU51aが、検査結果データベース54cおよび動作履歴データベース54dから、サービスマンのIDと対応付けられた検査結果および動作履歴を自動的に一括して削除し、その後、ログオフ処理を実行するように構成されてもよい。
<第三の実施形態>
ここからは、第三の実施形態に係る検体検査システムについて説明する。第三の実施形態に係る検体検査システムでは、病院などの施設に設置された第一の実施形態または第二の実施形態に係る複数の検体検査装置と、サポートセンターに設置されたサーバコンピュータがネットワークを介して接続されている。
図30は、第三の実施形態に係る検体検査システム7の構成を示す模式図である。図30に示すように、検体検査システム7においては、病院などの施設に設置された複数の血球分析装置1が、サポートセンターに設置されたサーバコンピュータ2と、ネットワーク6を介して接続されている。サーバコンピュータ2は、ユーザモードにおける動作履歴と、サービスモードにおけるコントロール試料の検査結果および動作履歴を管理する。ホストコンピュータ2には、血球分析装置1ごとに図26に示す検査結果データベースおよび図27に示す動作履歴データベースが設けられている。
第一の実施形態に係る血球分析装置1は、所定のタイミング、例えば、緊急性が高い場合には即時、緊急性が低い場合には装置のシャットダウン時に、ユーザモードにおける動作履歴と、サービスモードにおけるコントロール試料の検査結果および動作履歴をホストコンピュータ2に送信する。また、第二の実施形態に係る血球分析装置1は、上記所定のタイミングに加えて、ログオフ処理を実行する際に、サービスモードにおけるコントロール試料の検査結果または動作履歴の少なくとも一方をサーバコンピュータ2に送信し、その後、送信した検査結果および動作履歴を削除する。
サーバコンピュータ2は、血球分析装置1から送信された、ユーザモードにおける動作履歴およびサービスモードにおけるコントロール試料の検査結果および動作履歴を受信し、受信した検査結果および動作履歴を、それを送信してきた血球分析装置1と対応する検査結果データベースおよび動作履歴データベースにそれぞれ記憶させる。
本実施形態における検体検査システム7では、上述したように、第一および第二の実施形態に係る血球分析装置1のユーザモードにおける動作履歴と、サービスモードにおけるコントロール試料の検査結果および動作履歴をサポートセンターに設置されているサーバコンピュータ2によって管理するよう構成されている。そのため、本実施形態における検体検査システム7では、各施設に設置されている血球分析装置1の状態や、装置のメンテナンス作業の状況をサポートセンターにおいて監視することができる。
<他の実施形態>
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記各実施形態において、検体検査装置は血球分析装置であるが、本発明はこれに限らない。本発明では、検体検査装置が、血液凝固測定装置、血液像分析装置、尿中有形成分分析装置、生化学分析装置および免疫分析装置などであってもよい。
また、上記各実施形態において、搬送装置4によって、ラック101に保持された検体容器100を検体セット部355aに搬送しているが、本発明はこれに限らない。本発明では、検体容器100が、操作者によって、検体セット部355aに直接配置されるように構成されてもよい。
また、上記各実施形態において、検査結果および動作履歴が、操作者の識別情報(ID)と対応付けられて検査結果データベース54cおよび動作履歴データベース54dにそれぞれ記憶されているが、本発明はこれに限らない。例えば、検査結果および動作履歴が、操作者の識別情報(ID)および操作者の属するグループを示す情報のうち、少なくとも一方と対応付けられて検査結果データベース54cおよび動作履歴データベース54dにそれぞれ記憶されてもよい。