JP5818932B2 - タッチ検出機能付き表示装置、および電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、タッチ検出機能を有する表示装置に係り、特に外部近接物体による静電容量の変化に基づいてタッチを検出するタッチ検出機能付き表示装置、およびそのようなタッチ検出機能付き表示装置を備えた電子機器に関する。
近年、いわゆるタッチパネルと呼ばれる接触検出装置を液晶表示装置等の表示装置上に装着し、あるいはタッチパネルと表示装置とを一体化し、その表示装置に各種のボタン画像等を表示させることにより、通常の機械式ボタンの代わりとして情報入力を可能とした表示装置が注目されている。このようなタッチパネルを有する表示装置は、キーボードやマウス、キーパッドのような入力装置を必要としないため、コンピュータのほか、携帯電話のような携帯情報端末などでも、使用が拡大する傾向にある。
タッチ検出方式にはいくつかの方式が存在するが、その一つとして静電容量式がある。例えば、特許文献1には、複数のX方向電極と、これらと対向配置された複数のY方向電極とを備え、それらの交差部に形成された静電容量が外部近接物体により変化することを利用してタッチを検出するタッチパネルが開示されている。これらの電極は、透光性のある材料を用いて形成されており、例えば、このタッチパネルを表示装置上に装着することより、ユーザは、表示画面を見ながら入力操作を行うことができるようになっている。
特開2008−129708号公報
ところで、透光性のある材料を用いて電極を形成しても、その電極に入射した光は、その透過率に応じてある程度弱められて射出される。よって、タッチパネルを表示装置上に装着した場合に、タッチ検出のための電極が配置された部分は、電極が配置されていない部分に比べて輝度が低下し、表示装置の輝度が不均一になってしまう。特に、ITO(Indium Tin Oxide)を用いて電極を構成した場合、例えば電極の抵抗を下げるために膜厚を厚くし、あるいは製造工程において結晶化が不十分な場合には、透過率が低くなり、あるいは色調がニュートラルでなくなり、この輝度の差が顕著になり、画質が低下するおそれがある。また、表示画素の3色(R,G,B)に対してそれぞれ輝度が異なる場合には、色度がずれてしまうおそれがある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、タッチ検出用の電極における光透過率に起因する画質の劣化を低減することができるタッチ検出機能付き表示装置、および電子機器を提供することにある。
本発明のタッチ検出機能付き表示装置は、複数のタッチ検出電極と、複数の表示素子とを備えている。複数のタッチ検出電極は、一方向に延在するように並設され、電極部分および開口部分を有する所定の電極パターンで形成され、外部近接物体に応じた静電容量の変化に基づく検出信号をそれぞれ出力するものである。複数の表示素子は、タッチ検出電極が形成された層と異なる層に形成され、タッチ検出電極に対応する領域においてその幅方向に所定数配置されたものである。上記所定の電極パターンは、表示素子の配置パターンに対応している。
本発明の電子機器は、上記タッチ検出機能付き表示装置を備えたものであり、例えば、テレビジョン装置、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、ビデオカメラあるいは携帯電話等の携帯端末装置などが該当する。
本発明のタッチ検出機能付き表示装置、および電子機器では、複数の表示素子が表示を行う際、その光は、表示素子の配置パターンに対応した所定の電極パターンを有するタッチ検出電極が配置された層を介して射出される。このとき、各表示素子に対応する領域には、同様な電極パターンが形成されるため、複数の表示素子全体として見たときの輝度低下の分布がより均一化される。
本発明のタッチ検出機能付き表示装置では、例えば、表示を行うための画素信号を表示素子に伝える信号線をさらに備え、電極部分の少なくとも一部は、信号線に対応した位置に配置されるようにしてもよい。この場合、例えば、表示動作を行う表示素子を選択するための選択線をさらに備え、電極部分の残りの部分は、選択線に対応した位置に配置されるようにしてもよい。また、電極部分は、例えば、互いに隣接する表示素子の間の境界に対応する位置に配置されるようにしてもよい。
例えば、表示素子は、少なくとも赤色表示素子、緑色表示素子、および青色表示素子を含む表示画素を構成し、電極部分は、赤色表示素子、緑色表示素子、および青色表示素子のうち、その電極部分に対する透過率が最も高い色光のための表示素子に対応する位置に少なくとも配置されるようにしてもよい。この場合、電極部分は、例えば、少なくとも赤色表示素子に対応する位置に配置されるようにしてもよい。また、例えば、電極部分は、さらに緑色表示素子に対応する位置にも配置されるようにしてもよい。また、例えば、電極部分および開口部分は、青色表示素子に対応する位置に配置されるようにしてもよい。この場合、開口部分は、例えば、赤色表示素子、緑色表示素子、および青色表示素子の配列方向における青色表示素子の中央付近に配置されるのが望ましい。
例えば、複数のタッチ検出電極の検出電極間領域に複数配置され、電極部分と開口部分とを有する所定のダミー電極パターンで形成されたダミー電極をさらに備え、所定のダミー電極パターンは、表示素子の配置パターンに対応するのが望ましい。
例えば、複数のタッチ検出電極と交差する方向に延在するように並設された複数の駆動電極を備え、タッチ検出素子は、複数のタッチ検出電極と複数の駆動電極との各交差部分に形成された静電容量の変化に基づいて外部近接物体を検出するようにしてもよい。
例えば、表示素子は、液晶層と、液晶層を挟んで駆動電極と対向するように配置された
画素電極とを含んで構成されるようにしてもよいし、液晶層と、液晶層と駆動電極の間に
形成された画素電極とを含んで構成されるようにしてもよい。
本発明のタッチ検出機能付き表示装置および電子機器によれば、タッチ検出電極の電極パターンを表示素子の配置パターンに対応して設けるようにしたので、タッチ検出電極における光透過率に起因する画質の劣化を低減することができる。
本発明のタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、指が接触または近接していない状態を表す図である。 本発明のタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、指が接触または近接した状態を表す図である。 本発明のタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、駆動信号およびタッチ検出信号の波形の一例を表す図である。 本発明の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の一構成例を表すブロック図である。 実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。 実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの画素配列を表す回路図および平面図である。 実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの駆動電極およびタッチ検出電極の一構成例を表す斜視図である。 第1の実施の形態に係るタッチ検出電極の一構成例を表す平面図である。 第1の実施の形態の変形例に係るタッチ検出電極の一構成例を表す平面図である。 第1の実施の形態の他の変形例に係るタッチ検出電極の一構成例を表す平面図である。 第1の実施の形態の他の変形例に係るタッチ検出電極およびダミー電極の一構成例を表す平面図である。 第2の実施の形態に係るタッチ検出電極の一構成例を表す平面図である。 タッチ検出電極における光透過率を表す特性図である。 タッチ検出電極の電極パターンを表す模式図である。 W色度のシミュレーション結果を表すプロット図である。 透過率比のシミュレーション結果を表すプロット図である。 透過率の電極抵抗依存性を表す特性図である。 第2の実施の形態の変形例に係るタッチ検出電極の一構成例を表す平面図である。 第3の実施の形態に係るタッチ検出電極の一構成例を表す平面図である。 実施の形態を適用した表示装置のうち、適用例1の外観構成を表す斜視図である。 適用例2の外観構成を表す斜視図である。 適用例3の外観構成を表す斜視図である。 適用例4の外観構成を表す斜視図である。 適用例5の外観構成を表す正面図、側面図、上面図および下面図である。 本発明の実施の形態の他の変形例に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.静電容量式タッチ検出の基本原理
2.第1の実施の形態
3.第2の実施の形態
4.第3の実施の形態
5.適用例
<1.静電容量式タッチ検出の基本原理>
まず最初に、図1〜図3を参照して、本発明のタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出の基本原理について説明する。このタッチ検出方式は、静電容量式のタッチセンサとして具現化されるものであり、例えば図1(A)に示したように、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極(駆動電極E1およびタッチ検出電極E2)を用い、容量素子を構成する。この構造は、図1(B)に示した等価回路として表される。駆動電極E1、タッチ検出電極E2および誘電体Dによって、容量素子C1が構成される。容量素子C1は、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに接続され、他端Pは抵抗器Rを介して接地されると共に、電圧検出器(タッチ検出部)DETに接続される。交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜数十kHz程度)の交流矩形波Sg(図3(B))を印加すると、タッチ検出電極E2(容量素子C1の他端P)に、図3(A)に示したような出力波形(タッチ検出信号Vdet)が現れる。なお、この交流矩形波Sgは、後述する駆動信号Vcomに相当するものである。
指が接触(または近接)していない状態では、図1に示したように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I0が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば図3(A)の波形V0のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。
一方、指が接触(または近接)した状態では、図2に示したように、指によって形成される容量素子C2が容量素子C1に直列に追加された形となる。この状態では、容量素子C1、C2に対する充放電に伴って、それぞれ電流I1、I2が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば図3(A)の波形V1のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。このとき、点Pの電位は、容量素子C1、C2を流れる電流I1、I2の値によって定まる分圧電位となる。このため、波形V1は、非接触状態での波形V0よりも小さい値となる。電圧検出器DETは、検出した電圧を所定のしきい値電圧Vthと比較し、このしきい値電圧以上であれば非接触状態と判断する一方、しきい値電圧未満であれば接触状態と判断する。このようにして、タッチ検出が可能となる。
<2.第1の実施の形態>
[構成例]
(全体構成例)
図4は、本発明の第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の一構成例を表すものである。このタッチ検出機能付き表示装置は、表示素子として液晶表示素子を用いており、その液晶表示素子により構成される液晶表示デバイスと静電容量式のタッチ検出デバイスとを一体化した、いわゆるインセルタイプの装置である。
このタッチ検出機能付き表示装置1は、制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、駆動電極ドライバ14と、タッチ検出機能付き表示デバイス10と、タッチ検出部40とを備えている。
制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14、およびタッチ検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する回路である。
ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。具体的には、ゲートドライバ12は、後述するように、走査信号Vscanを、走査信号線GCLを介して、画素PixのTFT素子Trのゲートに印加することにより、タッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20にマトリックス状に形成されている画素Pixのうちの1行(1水平ライン)を表示駆動の対象として順次選択するようになっている。
ソースドライバ13は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の各画素Pix(後述)に画素信号Vpixを供給する回路である。具体的には、ソースドライバ13は、後述するように、画素信号Vpixを、画素信号線SGLを介して、ゲートドライバ12により順次選択される1水平ラインを構成する各画素Pixにそれぞれ供給するものである。そして、これらの画素Pixでは、供給される画素信号Vpixに応じて、1水平ラインの表示が行われるようになっている。
駆動電極ドライバ14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の駆動電極COML(後述)に駆動信号Vcomを供給する回路である。具体的には、駆動電極ドライバ14は、駆動電極COMLに対して、駆動信号Vcomを時分割的に順次印加する。そして、タッチ検出デバイス30は、複数のタッチ検出電極TDL(後述)から、その駆動信号Vcomに基づくタッチ検出信号Vdetを出力し、タッチ検出部40に供給するようになっている。
タッチ検出機能付き表示デバイス10は、タッチ検出機能を内蔵した表示デバイスである。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、液晶表示デバイス20と、タッチ検出デバイス30とを有する。液晶表示デバイス20は、後述するように、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、1水平ラインずつ順次走査して表示を行うデバイスである。タッチ検出デバイス30は、上述した静電容量式タッチ検出の基本原理に基づいて動作し、タッチ検出信号Vdetを出力するものである。このタッチ検出デバイス30は、後述するように、駆動電極ドライバ14から供給される駆動信号Vcomに従って順次走査を行い、タッチ検出を行うようになっている。
タッチ検出部40は、制御部11から供給される制御信号と、タッチ検出機能付き表示デバイス10のタッチ検出デバイス30から供給されるタッチ検出信号Vdetに基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出し、タッチがある場合においてタッチ検出領域におけるその座標などを求め、出力信号Outとして出力する回路である。
(タッチ検出機能付き表示デバイス10)
次に、タッチ検出機能付き表示デバイス10の構成例を詳細に説明する。
図5は、タッチ検出機能付き表示デバイス10の要部断面構造の例を表すものである。このタッチ検出機能付き表示デバイス10は、画素基板2と、この画素基板2に対向して配置された対向基板3と、画素基板2と対向基板3との間に挿設された液晶層6とを備えている。
画素基板2は、回路基板としてのTFT基板21と、このTFT基板21上にマトリックス状に配設された複数の画素電極22とを有する。TFT基板21には、図示していないものの、各画素の薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)や、各画素電極22に画像信号Vpixを供給する画素信号線SGL、各TFTを駆動する走査信号線GCL等の配線が形成されている。
対向基板3は、ガラス基板31と、このガラス基板31の一方の面に形成されたカラーフィルタ32と、このカラーフィルタ32の上に形成された複数の駆動電極COMLとを有する。カラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のカラーフィルタ層を周期的に配列して構成したもので、各表示画素にR、G、Bの3色が1組として対応付けられている。駆動電極COMLは、液晶表示デバイス20の共通駆動電極として機能するとともに、タッチ検出デバイス30の駆動電極としても機能するものである。なお、この例では駆動電極を表示とタッチ検出とで共用するようにしたが、別体としてそれぞれ設けるようにしてもよい。駆動電極COMLは、図示しないコンタクト導電柱によってTFT基板21と連結され、このコンタクト導電柱を介して、TFT基板21から駆動電極COMLに交流矩形波形の駆動信号Vcomが印加されるようになっている。ガラス基板31の他方の面には、透光層33が形成され、その上にタッチ検出デバイス30の検出電極であるタッチ検出電極TDLが形成されている。タッチ検出電極TDLは、例えばITO(Indium Tin Oxide)、IZO、SnOなどにより構成されるものであり、透光性のある電極である。タッチ検出電極TDLは、後述するように、複数の開口部を有している。透光層33は、例えばSiN,SiCなど絶縁性の材料によって構成されるものであり、透光層33の屈折率は、視感度が高い波長550nm付近において、ガラス基板31の屈折率(例えば1.5程度)とタッチ検出電極TDLの屈折率(例えば1.8程度)の間の値(例えばSiNでは1.75程度、SiCでは1.6程度)になっている。この透光層33は、ガラス基板31とタッチ検出電極TDLの間における反射を低減するためのインデックスマッチング層として設けられたものである。さらに、このタッチ検出電極TDLの上には、偏光板35が配設されている。
ガラス板31は、後述するように、ユーザの見る角度による画質の変化を低減するため、薄く形成される方が望ましい。具体的には、その厚さは0.3mm以下が好ましく、0.2mm以下がさらに好ましい。
液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、TN(ツイステッドネマティック)、VA(垂直配向)、ECB(電界制御複屈折)等の各種モードの液晶が用いられる。
なお、液晶層6と画素基板2との間、および液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が配設され、また、画素基板2の下面側には入射側偏光板が配置されるが、ここでは図示を省略している。
図6は、液晶表示デバイス20における画素構造の構成例を表すものであり、(A)は回路図を示し、(B)は平面図を示す。液晶表示デバイス20は、マトリックス状に配列した複数の画素Pixを有している。各画素Pixは、3つのサブ画素SPixにより構成される。この3つのサブ画素SPixは、図5に示したカラーフィルタ32の3色(RGB)にそれぞれ対応するように配置されている。サブ画素SPixは、TFT素子Trおよび液晶素子LCを有している。TFT素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。TFT素子Trのソースは画素信号線SGLに接続され、ゲートは走査信号線GCLに接続され、ドレインは液晶素子LCの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端が駆動電極COMLに接続されている。
サブ画素SPixは、走査信号線GCLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他のサブ画素SPixと互いに接続されている。走査信号線GCLは、ゲートドライバ12と接続され、ゲートドライバ12より走査信号Vscanが供給される。また、サブ画素SPixは、画素信号線SGLにより、液晶表示デバイス20の同じ列に属する他のサブ画素SPixと互いに接続されている。画素信号線SGLは、ソースドライバ13と接続され、ソースドライバ13より画素信号Vpixが供給される。
さらに、サブ画素SPixは、駆動電極COMLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他のサブ画素SPixと互いに接続されている。駆動電極COMLは、駆動電極ドライバ14と接続され、駆動電極ドライバ14より駆動信号Vcomが供給される。
画素信号線SGLおよび走査信号線GCLは、図6(B)に示したように、互いに隣接するサブ画素SPixの間の境界に配置されている。具体的には、画素信号線SGLは、横方向に隣接するサブ画素SPixの間の境界に配置され、走査信号線GCLは、縦方向に隣
接するサブ画素SPixの間の境界に配置されている。画素信号線SGLおよび走査信号線GCLは、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、モリブデン、チタンなどの単層または多層膜などより構成される。これにより、画素信号線SGLおよび走査信号線GCLの部分では光が通らないようになっている。
この構成により、液晶表示デバイス20では、ゲートドライバ12が走査信号線GCLを時分割的に線順次走査するように駆動することにより、1水平ラインが順次選択され、その1水平ラインに属する画素Pixに対して、ソースドライバ13が画素信号Vpixを供給することにより、1水平ラインずつ表示が行われるようになっている。
図7は、タッチ検出デバイス30の一構成例を斜視的に表すものである。タッチ検出デバイス30は、対向基板3に設けられた、駆動電極COMLおよびタッチ検出電極TDLにより構成されている。駆動電極COMLは、図の左右方向に延在する複数のストライプ状の電極パターンに分割されている。タッチ検出動作を行う際は、各電極パターンには、駆動電極ドライバ14によって駆動信号Vcomが順次供給され、時分割的に順次走査駆動が行われるようになっている。タッチ検出電極TDLは、駆動電極COMLの電極パターンの延在方向と直交する方向に延びる電極パターンから構成されている。タッチ検出電極TDLのそれぞれは、後述するように、タッチ検出電極TDLにおける光透過率の輝度への影響を低減するため、複数の帯状電極部分を含む電極パターンを有している。タッチ検出電極TDL間(検出電極間領域)には、後述するように、ダミー電極37(図示せず)が配置されている。タッチ検出電極TDLの各電極パターンは、タッチ検出部40にそれぞれ接続されている。駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLにより互いに交差した電極パターンは、その交差部分に静電容量を形成している。
この構成により、タッチ検出デバイス30では、駆動電極ドライバ14が駆動電極COMLに対して駆動信号Vcomを印加することにより、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetを出力し、タッチ検出が行われるようになっている。つまり、駆動電極COMLは、図1〜図3に示したタッチ検出の基本原理における駆動電極E1に対応し、タッチ検出電極TDLは、タッチ検出電極E2に対応するものであり、タッチ検出デバイス30はこの基本原理に従ってタッチを検出するようになっている。図7に示したように、互いに交差した電極パターンは、静電容量式タッチセンサをマトリックス状に構成している。よって、タッチ検出デバイス30のタッチ検出面全体にわたって走査することにより、外部近接物体の接触または近接が生じた位置の検出も可能となっている。
図8は、タッチ検出電極TDLの一構成例を表すものである。タッチ検出電極TDLは、画素Pixと対応するように形成されている。具体的には、タッチ検出電極TDLは、画素Pixが配置された表示領域Sdにおいて、図6に示した画素信号線SGLに対応する部分に形成された帯状電極部分L1を有している。そして、この帯状電極部分L1は、走査信号線GCLに対応する位置に形成された接続部分LC1により互いに接続されるようになっている。この例では、接続部分LC1は、走査信号線GCLに対応する位置において、隣接する帯状電極部分L1を2箇所で接続しており、図示していないが、走査信号線GCLとその一部が重なるように形成されている。すなわち、帯状電極部分L1および接続部分LC1は、ともに光を通さない部分(画素信号線SGLおよび走査信号線GCL)に対応する位置に配置されている。タッチ検出電極TDLの帯状電極部分L1は、表示領域Sdの外側の額縁領域Sfにおいて互いに接続するようにパターン形成されており、タッチ検出部40と接続されている。
互いに隣接するタッチ検出電極TDLの間の領域(検出電極間領域Rd)には、複数のダミー電極37が形成されている。ダミー電極37は、タッチ検出電極TDLと同様にITOにより構成される。ダミー電極37もまた、画素Pixと対応するように形成されている。具体的には、ダミー電極37は、画素信号線SGLおよび走査信号線GCLに対応する位置に形成され、この例では、図8に示したように、緑(G)および青(B)のサブ画素SPixを囲むように配置されている。これにより、検出電極間領域Rdにおけるダミー電極37の電極パターンは、タッチ検出電極TDLにおける電極パターン(帯状電極部分L1および接続部分LC1)に似たものになっている。このようにダミー電極37を構成することにより、これらの領域における光透過率および反射率を近い値にすることができ、外部からタッチ検出電極TDLを見えにくくすることができる。また、ダミー電極37のそれぞれは、電気的に他の部分と接続されておらず、フローティング状態になっている。
ここで、サブ画素SPixは、本発明における「表示素子」の一具体例に対応する。画素信号線SGLは、本発明における「信号線」の一具体例に対応する。走査信号線GCLは、本発明における「選択線」の一具体例に対応する。画素Pixは、本発明における「表示画素」の一具体例に対応する。
[作用および効果]
続いて、本実施の形態のタッチ検出機能付き表示装置1の作用および効果について説明する。
(全体動作概要)
制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14、およびタッチ検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する。ゲートドライバ12は、液晶表示デバイス20に走査信号Vscanを供給し、表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する。ソースドライバ13は、ゲートドライバ12により選択された1水平ラインを構成する各画素Pixに、画素信号Vpixを供給する。駆動電極ドライバ14は、駆動電極COMLに対して駆動信号Vcomを順次印加する。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、表示動作を行うとともに、駆動信号Vcomに基づいてタッチ検出動作を行い、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetを出力する。タッチ検出部40は、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無およびタッチ座標を求め、その結果を出力信号Outとして出力する。
(タッチ検出電極TDL)
タッチ検出機能付き表示装置1では、タッチ検出電極TDLおよびダミー電極37は、画素Pixと対応するように形成されている。これにより、タッチ検出電極TDLおよびダミー電極37における光透過率に起因する輝度の低下や色度のずれを低減することができる。以下に、その詳細を説明する。
タッチ検出電極TDLおよびダミー電極37は、図8に示したように、表示領域Sdにおいて、図6に示した画素信号線SGLおよび走査信号線GCLに対応する部分に配置されている。すなわち、これらの電極は、もともと光を通さない部分に対応する位置に配置されている。これにより、サブ画素SPixからの光の大部分は、タッチ検出電極TDLおよびダミー電極37を透過することはない。一般に、タッチ検出電極TDLおよびダミー電極37は、ITOなど透光性のある材料を用いて形成しても、その電極に入射した光は、その透過率に応じてある程度弱められて射出される。特に、これらの電極では、例えばその電極抵抗を下げるために膜厚を厚くした場合や、製造工程において結晶化が不十分な場合などにおいて、光透過率が低くなってしまう。このような電極がサブ画素SPix上に形成された場合には、そのサブ画素SPixの輝度が低下してしまう。タッチ検出機能付き表示装置1では、タッチ検出電極TDLおよびダミー電極37を、図8に示したようにもともと光を通さない部分に対応する位置に配置することにより、これらの電極に起因する輝度の低下を低減することができる。
また、タッチ検出電極TDLおよびダミー電極37は、どのサブ画素SPixの周辺にも互いに似た電極パターンをもつように形成されている。言い換えれば、タッチ検出電極TDLおよびダミー電極37が、あるサブ画素SPixの周辺に顕著に多く形成されることはなく、あるいは顕著に少なく形成されることもない。このように、これらの電極が局所的に偏在することがないため、これらの電極における光透過率によって、例えば、ある色のサブ画素SPixのみ輝度が低下することはなく、画素Pixにおいて色度がずれてしまうおそれを低減することができる。
また、タッチ検出電極TDLおよびダミー電極37の電極パターンを、図8に示したように、サブ画素SPixに対応するように形成したので、仮に、製造の誤差により、タッチ検出電極TDLおよびダミー電極37がサブ画素SPixに対して全体的に少しずれた位置に形成されてしまった場合でも、そのずれの影響は、全てのサブ画素SPixに対して同じようになる。例えば、タッチ検出電極TDLおよびダミー電極37が、図8において、サブ画素SPixに対して横方向に若干ずれた位置に形成された場合、全てのサブ画素SPixに対してこれらの電極が若干ずれることとなり、例えば、ある色のサブ画素SPixのみタッチ検出電極TDLが多く重なることはない。すなわち、製造誤差に起因する色度のずれを低減することができる。
また、タッチ検出機能付き表示装置1では、ガラス板31を薄くしている。ユーザが表示装置の表示面を見る際、見る角度によって、画素Pixとタッチ検出電極TDLとの相対的な位置関係が変化する。特に、ガラス板31が厚い場合には、この相対的な位置関係の変化量が大きくなってしまい、例えば、全てのサブ画素SPixに、図8に示したタッチ検出電極TDLの帯状電極部分L1が多く重なることとなり、全体的な輝度の低下や色度のずれが生じるおそれがある。一方、タッチ検出機能付き表示装置1では、ガラス板31を薄くしているため、見る角度による画素Pixとタッチ検出電極TDLとの相対的な位置関係の変化を低減することができ、画質の変化を抑えることができる。
また、タッチ検出電極TDLでは、図8に示したように、帯状電極部分L1は接続部分LC1により互いに接続されている。このように接続部分LC1を設けることにより、タッチ検出電極TDLの電極抵抗を下げることができる。タッチ検出機能付き表示装置1では、外部近接物体の有無に対応したタッチ検出信号Vdetが、タッチ検出電極TDLを伝わり、タッチ検出部40へ入力される。よって、このタッチ検出電極TDLの電極抵抗は、低いことが望まれる。すなわち、タッチ検出電極TDLの電極抵抗が高い場合には、例えば、タッチ検出信号Vdetがタッチ検出電極TDLを伝わる際に減衰してしまうおそれがある。タッチ検出電極TDLでは、接続部分LC1を設けたので、タッチ検出電極TDLの電極抵抗を下げることができ、例えば、タッチ検出信号Vdetのばらつきを低減することができる。
(効果)
以上のように本実施の形態では、タッチ検出電極およびダミー電極の電極パターンをサブ画素に対応するように形成したので、どのサブ画素の周辺にも互いに似た電極パターンを形成することができ、色度のずれを低減することができる。
また、本実施の形態では、タッチ検出電極およびダミー電極の電極パターンを、画素信号線および走査信号線に対応する位置に形成したので、タッチ検出電極における光透過率の影響を低減し、輝度の低下を低減することができる。
また、本実施の形態では、ガラス板31を薄くしたので、ユーザの見る角度による表示画質の変化を抑えることができる。
また、本実施の形態では、タッチ検出電極に接続部分を設けるようにしたので、タッチ検出電極の電極抵抗を下げることができる。
[変形例1−1]
上記実施の形態では、接続部分LC1は、隣接する帯状電極部分L1を2箇所で接続するようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、図9に示したように、1箇所で接続するようにしてもよい。この変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置では、この接続部分(接続部分LC1B)を、走査信号線GCLに重なるように配置することができるため、上記実施の形態に比べ、タッチ検出電極に起因する輝度の低下を低減することができる。
[変形例1−2]
上記実施の形態では、接続部分LC1を設けるようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、図10に示すように、この接続部分を省いてもよい。この場合、検出電極間領域Rdにおいても、タッチ検出電極TDLCと検出電極間領域Rdとで互いに似た電極パターンにするために、図の横方向の電極部分を省いている。また、ダミー電極は、例えば、図10に示した、図の縦方向に隣接するダミー電極37Cを互いに接続することにより、図11に示すように、縦方向に長い電極(ダミー電極37D)として構成してもよい。このようにすることにより、タッチ検出電極TDLCと検出電極間領域Rdとで、さらに似た電極パターンにすることができ、外部からタッチ検出電極TDLCをより見えにくくすることができる。
<3.第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置5について説明する。本実施の形態は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のうち、タッチ検出電極およびダミー電極における光透過率が一番高い色に係るサブ画素SPixに対応する位置にこれらの電極を設けたものである。すなわち、タッチ検出機能付き表示装置5は、このようなタッチ検出機能付き表示デバイス50を用いて構成されたものである。その他の構成は、上記第1の実施の形態(図4など)と同様である。なお、上記第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図12は、タッチ検出機能付き表示装置5に係るタッチ検出電極TDL2の一構成例を表すものである。タッチ検出電極TDL2は、赤(R)のサブ画素SPixに対応する位置に、このサブ画素SPixの幅に対応する幅で形成されている。この赤(R)のサブ画素SPixに対応する位置に形成されたタッチ検出電極TDL2の電極部分は、上記第1の実施の形態に係るタッチ検出電極TDL(図8)と同様に、走査信号線GCLに対応する位置に形成された接続部分LC2により互いに接続されている。
検出電極間領域Rdには、上記第1の実施の形態に係るタッチ検出電極TDL(図8)と同様に、複数のダミー電極38が形成されている。ダミー電極38は、赤(R)のサブ画素SPixに対応する位置に形成されており、タッチ検出電極TDL2と検出電極間領域Rdとで互いに似た電極パターンになっている。
図13は、様々な膜厚のITO電極における光透過率を表すものである。横軸は光の波長を示し、縦軸は光透過率を示している。この例では、シート抵抗Rsを用いて膜厚を表している。すなわち、シート抵抗Rsが一番小さいもの(シート抵抗Rs=100[Ω/□])は、膜厚が一番厚いことを示し、一番大きいもの(シート抵抗Rs=1000[Ω/□])は、膜厚が一番薄いことを示している。図13に示したように、膜厚が厚いほど(シート抵抗Rsが小さいほど)、透過率の波長依存性が顕著になる。特に、赤(R,580〜780[nm])、緑(G,500〜600[nm])、青(B,400〜530[nm])の3色のうち、赤(R)の波長範囲において、ITO電極における透過率が最も高くなっている。
タッチ検出機能付き表示装置5では、ITO電極において最も透過率が高い色である赤(R)のサブ画素SPixに対応する位置にのみ、タッチ検出電極TDL2およびダミー電極38を形成している。すなわち、最も透過率が高い赤(R)の光のみがタッチ検出電極TDL2およびダミー電極38において弱まり、緑(G)、青(B)は、これらの電極を介さずに出力されるので、タッチ検出電極TDL2およびダミー電極38による輝度の低下を低減することができる。
また、タッチ検出機能付き表示装置5では、タッチ検出電極TDL2の各帯状電極部分L2をサブ画素SPixの幅に対応する幅で形成したので、上記第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1と比較して、電極抵抗を低減することができる。
(複数のITO電極パターンにおける特性比較)
タッチ検出機能付き表示装置5では、赤(R)のサブ画素SPixに対応する位置にのみITO電極を配置したが、その他、様々なITO電極パターンが考えられる。そこで、複数のITO電極パターンを用いて、表示装置としての特性のシミュレーションを行った。以下に、その詳細を説明する。
図14は、シミュレーションを行ったITO電極の電極パターンを模式的に表すものである。図14(A)は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のサブ画素SPixの全てを覆うようにITO電極を形成した場合(パターンPRGB)を示し、図14(B)〜(D)は、それぞれ、赤(R)、緑(G)、青(B)の各サブ画素SPixに対応する位置のみにITO電極を形成した場合(パターンPR,パターンPG,パターンPB)を示し、図14(E)は、赤(R)および緑(G)のサブ画素SPixに対応する位置にITO電極を形成した場合(パターンPRG)を示す。
図15は、図14(A)〜(E)に示した5種類の電極パターンにおいて、ITO電極の膜厚を変化させたときのW色度のシミュレーション結果を表すものである。図15に示したように、ITO電極の膜厚tが厚くなるにつれて、W色度は、白色(P0)付近から遠ざかるように変化する。例えば、パターンPRGBやパターンPBのW色度は、膜厚tが厚くなるにつれて、xおよびyが共に増える方向(すなわち黄色側)へ大きくシフトしてしまう。一方、パターンPRのW色度は、膜厚tが厚くなると、xが減る方向(すなわち水色側)へ若干シフトする程度である。つまり、図14(B)に示した、赤(R)のサブ画素SPixに対応する位置のみにITO電極を形成した場合(パターンPR)に、色度のずれを最も抑えることができることを示している。
図16は、図14(A)〜(E)に示した5種類の電極パターンにおいて、ITO電極の膜厚を変化させたときの透過率比のシミュレーション結果を表すものである。ここで、横軸はITO単膜透過率であり、ITO単膜透過率が大きくなるほど電極の膜厚tが薄いことを示し、ITO単膜透過率が小さくなるほど電極の膜厚tが厚いことを示している。また、縦軸は透過率比であり、ITO電極を配置しない場合を100%としたときの値である。図16に示したように、膜厚tが厚いほど(ITO単膜透過率が小さいほど)、透過率比は低下していく。その際、パターンPRおよびパターンPBでは、その透過率比の変化が少ない。特にパターンPRにおいて、透過率比の変化が少ないのは、赤(R)が他の色に比べて、図13に示したように光透過率が高く、さらに人間の目の視感度が悪いことによる。
以上、図15および図16を参照して、表示装置としての光学的な特性を説明したが、タッチ検出装置の観点からは、ITO電極の電極抵抗も重要なパラメータである。そこで、電極幅が異なる2つのパターンに対して、電極抵抗と透過率の関係をシミュレーションした。
図17は、パターンPRおよびパターンPRGにおける透過率の電極抵抗依存性を表すものである。横軸は電極抵抗を示し、縦軸は光透過率を示す。図17に示したように、図14(B)に示したパターンPRにおける透過率は、図14(E)に示したパターンPRGに比べて、同じ電極抵抗でも高い透過率を実現することができる。すなわち、パターンPRでは、膜厚tをパターンPRGよりも厚くすることにより、パターンPRGと同等の電極抵抗で、より高い透過率を実現することができる。
以上のように本実施の形態では、タッチ検出電極およびダミー電極の電極パターンを赤のサブ画素に対応する位置に形成したので、輝度の低下および色度のずれを低減することができる。
また、本実施の形態では、タッチ検出電極の各帯状電極部分をサブ画素の幅に対応する幅で形成したので、上記第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1と比較して、電極抵抗を低減することができる。
また、本実施の形態では、タッチ検出電極の電極パターンを赤のサブ画素に対応する位置に、そのサブ画素の幅に対応する幅で形成したので、電極抵抗を低減しつつ高い透過率を実現することができる。
その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
[変形例2−1]
上記実施の形態では、接続部分LC2は、帯状電極部分L2を2箇所で接続したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、第1の実施の形態の変形例と同様に、1箇所で接続してもよい。
[変形例2−2]
上記実施の形態では、接続部分LC2を設けるようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、図18に示すように、接続部分を省いてもよい。この場合、検出電極間領域Rdにおいても、タッチ検出電極TDL2Bと検出電極間領域Rdとで互いに似た電極パターンにするために、図12に示したダミー電極38の横方向の電極部分を省いてダミー電極38Bを構成している。また、このダミー電極は、上記第1の実施の形態の変形例と同様に、例えば、図18に示した、図の縦方向に隣接するダミー電極38Bを互いに接続することにより、縦方向に長い電極として構成してもよい。
<4.第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置7について説明する。本実施の形態は、複数のサブ画素SPixに対応する幅でタッチ検出電極およびダミー電極を形成するとともに、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のうちこれらの電極における光透過率が一番低い色のサブ画素SPixに対応する位置に開口部を配置したものである。すなわち、タッチ検出機能付き表示装置7は、このようなタッチ検出機能付き表示デバイス70を用いて構成されたものである。その他の構成は、上記第1の実施の形態(図4など)と同様である。なお、上記第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図19は、タッチ検出機能付き表示装置7に係るタッチ検出電極TDL3の一構成例を表すものである。タッチ検出電極TDL3は、複数のサブ画素SPixに対応する幅で形成されており、表示領域Sdにおいて、複数の開口部36(開口部36A,36B)を有している。これらの開口部36は、画素Pixと対応するように形成されている。具体的には、開口部36Aは、青(B)のサブ画素SPixに対応する位置に形成され、開口部36Bは、図の縦方向に隣接する画素Pixの境界に対応する位置に配置されている。このように、これらの開口部36は、画素Pixの周期で形成されている。
検出電極間領域Rdには、複数のダミー電極39が形成されている。ダミー電極39もまた、画素Pixと対応するように形成されている。具体的には、図19において、ダミー電極39は、図の横方向に隣接するダミー電極39の間の隙間が、画素Pixにおける青(B)のサブ画素SPixに対応するように配置されている。さらに、ダミー電極39は、図の縦方向に隣接するダミー電極39の間の隙間が、画素Pixの境界に対応するように配置されている。これにより、タッチ検出電極TDL3の電極パターンと検出電極間領域Rdの電極パターンは、互いに似たものになっている。
タッチ検出機能付き表示装置7では、タッチ検出電極TDL3における開口部36A、および図の横方向に隣接するダミー電極39の間の隙間が、青(B)のサブ画素SPixに対応する位置に配置されている。これは、図13に示したように、タッチ検出電極TDL3およびダミー電極39(ITO電極)における光透過率が、赤(R)、緑(G)、青(B)のうち、青(B)で最も低いことに対応している。すなわち、青(B)のサブ画素SPixを開口部36Aやダミー電極39の隙間の位置に配置することにより、青色の光がこれらの電極で弱まるのを抑えることができる。
図19に示した電極パターンは、図14(A)に示したパターンPRGBに、開口部36などを設けたものに対応する。図15で示したように、このパターンPRGBのW色度は、ITO電極の膜厚tが厚くなるにつれて、黄色側にシフトする。このことは、青(B)の光が他の2色に比べて弱いことを意味している。よって、図19に示したように、青(B)のサブ画素SPixに対応する部分に開口部36Aを設けることにより、ITO電極によって青(B)の光が弱まるのを抑えることができ、図15に示したパターンPRGBに示したような色度のずれを抑えることができる。
また、タッチ検出機能付き表示装置7では、開口部36Aおよび図の横方向に隣接するダミー電極39の間の隙間を、青(B)のサブ画素SPixの幅の中央付近になるように配置している。これにより、仮に、製造の誤差により、タッチ検出電極TDLおよびダミー電極37がサブ画素SPixに対して全体的に少しずれた位置に形成されてしまった場合でも、開口部36Aが青(B)のサブ画素SPix上に形成されていれば、上述した色度のずれを低減することが可能である。すなわち、製造誤差に起因する色度のずれを低減することができる。
以上のように本実施の形態では、タッチ検出電極TDL3の開口部36Aを青のサブ画素に対応する位置に形成したので、色度のずれを低減することができる。その他の効果は、上記第1および第2の実施の形態の場合と同様である。
<5.適用例>
次に、図20〜図24を参照して、上記実施の形態および変形例で説明したタッチ検出機能付き表示装置の適用例について説明する。上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
(適用例1)
図20は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表すものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511およびフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
(適用例2)
図21は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を表すものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部521、表示部522、メニュースイッチ523およびシャッターボタン524を有しており、その表示部522は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
(適用例3)
図22は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表すものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体531、文字等の入力操作のためのキーボード532および画像を表示する表示部533を有しており、その表示部533は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
(適用例4)
図23は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表すものである。このビデオカメラは、例えば、本体部541、この本体部541の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ542、撮影時のスタート/ストップスイッチ543および表示部544を有している。そして、その表示部544は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
(適用例5)
図24は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用される携帯電話機の外観を表すものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740、サブディスプレイ750、ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
以上、いくつかの実施の形態、変形例、ならびに電子機器への適用例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記の各実施の形態等では、透光層33を、ガラス基板31とタッチ検出電極TDLの間に形成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、タッチ検出電極TDLの上に形成してもよい。
例えば、上記各実施の形態等では、透光層33を設けるようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、透光層33を省いてもよい。
例えば、上記各実施の形態等では、検出電極間領域Rdにダミー電極を設けたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、ダミー電極を設けなくてもよい。
例えば、上記の各実施の形態等では、TNやVA、ECB等の各種モードの液晶を用いた液晶表示デバイス20とタッチ検出デバイス30とを一体化してタッチ検出機能付き表示デバイス10を構成したが、これに代えて、FFS(フリンジフィールドスイッチング)やIPS(インプレーンスイッチング)等の横電界モードの液晶を用いた液晶表示デバイスとタッチ検出デバイスとを一体化しても良い。例えば、横電界モードの液晶を用いた場合には、タッチ検出機能付き表示デバイス90を、図25に示したように構成可能である。この図は、タッチ検出機能付き表示デバイス90の要部断面構造の一例を表すものであり、画素基板2Bと対向基板3Bとの間に液晶層6Bを挟持された状態を示している。その他の各部の名称や機能等は図5の場合と同様なので、説明を省略する。この例では、図5の場合とは異なり、表示用とタッチ検出用の双方に兼用される駆動電極COMLは、TFT基板21の直ぐ上に形成され、画素基板2Bの一部を構成する。駆動電極COMLの上方には、絶縁層23を介して画素電極22が配置される。この場合、駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとの間の、液晶層6Bをも含むすべての誘電体が容量C1の形成に寄与する。
1,5,7…タッチ検出機能付き表示装置、2…画素基板、3,3B…対向基板、6,6B…液晶層、10,50,70,90…タッチ検出機能付き表示デバイス、11…制御部、12…ゲートドライバ、13…ソースドライバ、14…駆動電極ドライバ、20…液晶表示デバイス、21…TFT基板、22…画素電極、30…タッチ検出デバイス、31…ガラス基板、32…カラーフィルタ、33…透光層、35…偏光板、36A,36B…開口部、37,37B,37C,37D,38,38B,39…ダミー電極、40…タッチ検出部、COML…駆動電極、GCL…走査信号線、LC…液晶素子、LC1,LC2…接続部分、L1,L2…帯状電極部分、Out…出力信号、PR,PG,PB,PRG,PRGB…パターン、Pix…画素、Rd…検出電極領域、Rs…シート抵抗、Sd…表示領域、額縁領域Sf、SGL…画素信号線、SPpix…サブ画素、TDL,TDLB,TDLC,TDL2,TDL2B,TDL3…タッチ検出電極、Tr…TFT素子、Vcom…駆動信号、Vdet…タッチ検出信号、Vdisp…映像信号、Vpix…画素信号、Vscan…走査信号。

Claims (11)

  1. 一方向に延在するように並設され、電極部分および開口部分を有する所定の電極パターンで形成され、外部近接物体に応じた静電容量の変化に基づく検出信号をそれぞれ出力する複数のタッチ検出電極と、
    前記タッチ検出電極が形成された層と異なる層に形成され、前記タッチ検出電極に対応する領域においてその幅方向に所定数配置された複数の色の表示素子と
    を備え、
    前記所定の電極パターンは、前記表示素子の配置パターンに対応し、
    前記電極部分は、透過率が最も高い色光のための表示素子に対応する位置に少なくとも配置され、
    前記開口部分は、透過率が最も高い色光のための表示素子以外の表示素子の少なくとも1つに対応する位置に少なくとも配置されている
    タッチ検出機能付き表示装置。
  2. 一方向に延在するように並設され、電極部分および開口部分を有する所定の電極パターンで形成され、外部近接物体に応じた静電容量の変化に基づく検出信号をそれぞれ出力する複数のタッチ検出電極と、
    前記タッチ検出電極が形成された層と異なる層に形成され、前記タッチ検出電極に対応する領域においてその幅方向に所定数配置された複数の色の表示素子と
    を備え、
    前記所定の電極パターンは、前記表示素子の配置パターンに対応し、
    前記開口部分は、透過率が最も低い色光のための表示素子に対応する位置に少なくとも配置され、
    前記電極部分は、透過率が最も低い色光のための表示素子以外の表示素子の少なくとも1つに対応する位置に少なくとも配置されている
    タッチ検出機能付き表示装置。
  3. 表示を行うための画素信号を前記表示素子に伝える信号線をさらに備え、
    前記電極部分の少なくとも一部は、前記信号線に対応した位置に配置されている
    請求項1また2に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
  4. 表示動作を行う前記表示素子を選択するための選択線をさらに備え、
    前記電極部分の残りの部分は、前記選択線に対応した位置に配置されている
    請求項3に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
  5. 前記電極部分は、互いに隣接する前記表示素子の間の境界に対応する位置に配置されている
    請求項1また2に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
  6. 前記複数のタッチ検出電極の検出電極間領域に複数配置され、電極部分と開口部分とを有する所定のダミー電極パターンで形成されたダミー電極をさらに備え、
    前記所定のダミー電極パターンは、前記表示素子の配置パターンに対応している
    請求項1からのいずれか一項に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
  7. 前記複数のタッチ検出電極と交差する方向に延在するように並設された複数の駆動電極を備え、
    前記静電容量は、前記複数のタッチ検出電極と前記複数の駆動電極との各交差部分に形成されている
    請求項1からのいずれか一項に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
  8. 前記表示素子は、
    液晶層と、
    前記液晶層を挟んで前記駆動電極と対向するように配置された画素電極と
    を含んで構成される
    請求項に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
  9. 前記表示素子は、
    液晶層と、
    前記液晶層と前記駆動電極の間に形成された画素電極と
    を含んで構成される
    請求項に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
  10. タッチ検出機能付き表示装置と、
    前記タッチ検出機能付き表示装置を利用した動作制御を行う制御部と
    を備え、
    一方向に延在するように並設され、電極部分および開口部分を有する所定の電極パターンで形成され、外部近接物体に応じた静電容量の変化に基づく検出信号をそれぞれ出力する複数のタッチ検出電極と、
    前記タッチ検出電極が形成された層と異なる層に形成され、前記タッチ検出電極に対応する領域においてその幅方向に所定数配置された複数の色の表示素子と
    を有し、
    前記所定の電極パターンは、前記表示素子の配置パターンに対応し、
    前記電極部分は、透過率が最も高い色光のための表示素子に対応する位置に少なくとも配置され、
    前記開口部分は、透過率が最も高い色光のための表示素子以外の表示素子の少なくとも1つに対応する位置に少なくとも配置されている
    電子機器。
  11. タッチ検出機能付き表示装置と、
    前記タッチ検出機能付き表示装置を利用した動作制御を行う制御部と
    を備え、
    一方向に延在するように並設され、電極部分および開口部分を有する所定の電極パターンで形成され、外部近接物体に応じた静電容量の変化に基づく検出信号をそれぞれ出力する複数のタッチ検出電極と、
    前記タッチ検出電極が形成された層と異なる層に形成され、前記タッチ検出電極に対応する領域においてその幅方向に所定数配置された複数の色の表示素子と
    を有し、
    前記所定の電極パターンは、前記表示素子の配置パターンに対応し、
    前記開口部分は、透過率が最も低い色光のための表示素子に対応する位置に少なくとも配置され、
    前記電極部分は、透過率が最も低い色光のための表示素子以外の表示素子の少なくとも1つに対応する位置に少なくとも配置されている
    電子機器。
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