JP5814973B2 - Ip非圧縮映像エンコーダ - Google Patents

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Description

本発明は、映像エンコーダに関し、より詳細には、非圧縮映像のIPパケットストリームから圧縮映像のIPパケットストリームに変換する映像エンコーダに関する。
映像を圧縮し伝送する従来の映像エンコーダは、3G−SDI、HD−SDIあるいはSD−SDIといった非圧縮のデジタル映像信号を入力し、MPEG2、H−264、JPEG2000等の圧縮技術を用いて圧縮したデータをMPEG2−TSのフォーマットに格納し、DVB−ASIまたはEthernet(登録商標)に送信する。Ethernetへの送信については、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers)で標準化されたSMPTE2022−1/2の仕様に準拠したFEC(Forward Error Correction)方式、パケットフォーマットを用いて送信を行う映像エンコーダが増えてきている。
3G−SDI、HD−SDIあるいはSD−SDIといった非圧縮の映像信号を入力する映像エンコーダは、その用途としてスタジアム等でカメラに接続して用いたり、放送局内で映像の加工を行う場合に用いる事が多い。従って、非圧縮の映像信号を伝送する同軸ケーブルを入力に接続するだけで、出力の同軸ケーブル上に圧縮した映像信号を乗せたDVB−ASI信号が得られるとか、あるいは出力のEthernet上でSMPTE2022−2フォーマットに格納された圧縮映像信号を得られるという操作の利便性は重要である。
しかしながら、映像信号は1本の同軸ケーブルあるいは光ファイバーケーブル上で1つのデータストリーム、あるいは一対のデータストリーム(3G−SDI Level−Bの場合)しか送れない。このため、複数の映像データストリームを扱う放送局等のシステムにおいては、映像データストリームに比例した数の映像エンコーダを具備するか、非圧縮の映像信号複数から映像エンコーダへ入力する映像信号を選択するためにマトリックススイッチャ等の切替え装置が必要となる。
図5は、映像データストリームに比例した数の従来の映像エンコーダを具備した映像配信システム500を示す図であり、図6は、マトリックススイッチャを備えた映像配信システム600を示す図である。図5、図6とも、多数の競技場からの映像を放送センターに集めて、映像エンコーダで圧縮した後、放送局へ伝送するシステムを示している。
図5のシステム500においては、競技場510−1〜510−10からの映像を各々エンコードするために映像エンコーダ522−1〜522−99を放送センター520に備えている。映像エンコーダ522−1〜522−99で圧縮された映像は映像伝送部523に入力され、映像伝送部523内で特定の映像が選択され、映像処理され、外部ネットワークへ送られる。
図6のシステム600においては、マトリックススイッチャ624により競技場610−1〜610−10からの映像信号のなかから映像エンコーダ621−1〜621−2に入力する映像信号を選択する。映像エンコーダ621−1〜621−2で圧縮された映像は映像伝送部623に入力され、映像処理後、外部ネットワークに送られる。
3G−SDI、HD−SDIあるいはSD−SDIといった非圧縮の映像信号は、通常は同軸ケーブルを用いて伝送する。しかし、同軸ケーブルを用いた映像信号の伝送は距離の制限があるため、競技場510−1〜510−10又は610−1〜610−10の映像信号を放送センター520又は620まで伝送するためには、電気信号を光信号に変換する機器を用いて、光ファイバーケーブルを経て伝送している。図5ではカメラ511−1〜511−99により出力されたHD−SDIの映像信号を、E/O変喚器(電気信号から光信号)512−1〜512−99を用いて電気信号から光信号に変換し、光ファイバーで伝送し、放送センター520においてO/E(光信号から電気信号)変換器521−1〜521−99を用いて光信号から電気信号に戻している。図6では同様にカメラ611−1〜611−99により出力されたHD−SDIの映像信号を、E/O変喚器612−1〜612−99を用いて電気信号から光信号に変換し、光ファイバーで伝送し、放送センター620においてO/E変換器621−1〜621−99を用いて光信号から再度電気信号に変換している。
このように、従来の技術では、複数のスタジアムからの映像を日時により切り替えて中継するスポーツ中継システム、外部からの多数の映像を受信し分配する放送局の局内分配システム等の多数の非圧縮の映像信号の内から選択的に複数の映像信号を選択して圧縮するシステムにおいては、前もって全ての非圧縮の映像信号に対して個別に映像エンコーダを準備しておくか、ビデオ信号用のマトリックススイッチャを映像エンコーダの前に置いて、エンコードの対象となる映像を切り替える必要がある。
これらのシステムでは図5の事例に示すように不稼動の機器を設置しておく、すなわち中継が行われない競技場の映像用にも映像エンコーダを準備しなければならない場合が多い。サッカーのワールドカップ、オリンピック等のスポーツイベントで、日々の競技スケジュールに応じて、機器の組み換えを行う事が現実的ではない事はあきらかである。
不稼働の機器の台数を少なくするためには、図6に示す様な構成にしておく方法がある。しかし、図6の構成では、極めて高価なマトリックススイッチャを準備する必要があるうえ、マトリックススイッチャの物理ポート数により選択される映像の本数が制限され、システムの柔軟性が失われるという課題があった。
従来の技術を用いた場合の別の課題は伝送路を構築するためのコストである。図5および図6に示す様に、映像信号を電気信号から光信号に変換し、光信号から電気信号に戻すためには、専用の機器の購入、設置のコストが必要である。さらに、ダークファイバー等の名称で通信キャリヤから提供されている専用光ファイバーのサービスは国によっては多大なサービス料金を課されている。また、同軸ケーブルを前提としたこれらのシステムはケーブルの取り回しが大変で、放送センター内等での敷設に多大なコストを要するという問題点もあった。
本発明の目的は、上記に述べた課題を解決し、不稼動の機器の比率を減らし、高価なマトリックススイッチャを必要とせず、システムの柔軟性を高め、伝送路構築、およびケーブル敷設のためのコストを低減する事を可能とする映像エンコーダを提供する事にある。この目的を達成するために、本発明ではIPネットワークで用いられることを前提とした映像エンコーダを提供する。
本発明の映像エンコーダは、非圧縮映像信号をIPパケット化したストリームよりIPパケット化した圧縮映像のストリームを発生させる映像エンコーダである。
この機能を実現するために本発明の映像エンコーダは、ネットワークより非圧縮映像信号をIPパケット化した1又は複数のストリームを受信する受信手段と、受信した非圧縮映像信号をIPパケット化したストリームから映像データを取り出す取出し手段と、取り出した映像データを圧縮する圧縮手段と、圧縮した映像データを、IPパケット化して圧縮映像のストリームを作成する作成手段とIPパケット化した圧縮映像のストリームを送信する送信手段とを有し、受信手段により受信した非圧縮映像信号のIPパケットストリームから映像データを取り出し、取出した映像データを圧縮し、圧縮した映像データからIPパケット化した圧縮映像のストリームを作成し、その圧縮映像のストリームをネットワークに送信する事を可能とする。
さらに、本発明の映像エンコーダは非圧縮映像信号をIPパケット化したストリームからオーディオデータを取出す取出し手段と、取出したオーディオデータを圧縮する圧縮手段を更に含み、送信手段が圧縮されたオーディオをIPパケット化して送信する送信手段を更に含むことにより、取出したオーディオデータを圧縮し、IPパケット化して送信することも可能とする。
本発明によれば、IPパケット化した非圧縮の映像信号を、本発明のIP非圧縮映像エンコーダに直接送信し、圧縮映像のIPパケットストリームを生成することができるため、IPネットワークを伝送路として用い、IPネットワークのルーティング・スイッチング機能を活用する事により、映像配信システムにおいて不稼動の機器の比率を減らし、高価なマトリックススイッチャを用いず、システムの柔軟性を高め、伝送路構築、およびケーブル敷設のためのコストを低減する事ができる。また、非圧縮の映像信号から圧縮された映像信号をネットワークの内側でエンコード可能とすることができるため、形態としてまったく新しい放送ネットワークを構築することが可能となる。
本発明の一実施形態にかかるIP非圧縮映像エンコーダを示す構成図である。 本発明の一実施形態にかかる映像伝送システムの構成図である。 図2の映像伝送システムでの、非圧縮映像のIPパケット化から圧縮映像のIPパケットを復号化してHD−SDIに出力するまでのフローチャートである。 本発明の一実施形態にかかる映像配信システムの構成図である。 従来の映像配信システムを示す構成図である。 従来の映像配信システムを示す構成図である。 SMPTE2022−5/6規定のFEC方式、パケットフォーマット示す図である。 SMPTE2022−1/2規定のFEC方式、パケットフォーマット示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるIP非圧縮映像エンコーダを示す構成図である。図1に記載のIP非圧縮映像エンコーダはSMPTE2022−5/6に準拠したFEC方式、パケットフォーマットの非圧縮映像のIPパケットストリームを10GbpsのEthrnet111より受信し、SMPTE2022−1/2の仕様に準拠した圧縮映像のIPパケットストリームを1GbpsのEthernet111に送信する。
ここで、図7にSMPTE2022−6で規定されたパケットフォーマットとSMPTE2022−5で規定されたFEC方式を示す。非圧縮映像は図7のIPパケットのMedia Payloadのフィールドに乗せられ伝送される。Media Payloadは1376オクテットの固定長である。図7に示すSMPTE2022−5のFEC方式では、送信側において、SMPTE2022−6準拠のIPパケット内のMedia Payload内のデータからL×Dのマトリックスを作ることにより行単位、列単位の排他的論理和の演算を行う。このデータの演算により、FECのデータを生成し、FEC専用のIPパケットを作り送信する。一方で受信側においては、送信側と同様のマトリックスを作り、受信したSMPTE2022−6のIPパケットおよびFECパケットを用いて、送信側と同様に行単位、列単位の排他的論理和の演算を行う事により、パケットロスが発生した場合でも失われたパケットを復元する事が出来る。SMPTE2022−5の規定内ではFECのモードとして列だけのサポート、行と列のサポート、行数と列数の選択等が可能であるが、本発明に関する説明の主眼ではないので説明を省く。
図8にSMPTE2022−2で規定されたパケットフォーマットとSMPTE2022−1で規定されたFEC方式を示す。圧縮映像は図8のIPパケットのMPEG2−TS Payloadのフィールドに乗せられ伝送される。このフィールドには最大7個までのMPEG2−TSを乗せる事が出来る。図8に示すSMPTE2022−1のFEC方式は、行列のサイズの制限等の違いはあるが、基本的な動作原理は図7のSMPTE2022−5と同じである。
図1に記載のIP非圧縮映像エンコーダ100は、IP入力インタフェース部110と、エンコーダ部120と、IP出力インタフェース部130とを備える。
IP入力インタフェース部110は、10Gbps Ethernetのパケット処理部1101と、FEC処理部1102と、FEC制御用のバッファメモリ1103とから構成される。パケット処理部1101は、10Gbps Ethernet 111から入力したIPパケット1111を、MAC(Media Access Control)サブレイヤ、IPレイヤ、UDPレイヤ、およびRTPレイヤにおいて検査する。そして、MACアドレスおよびIPアドレスが、IP非圧縮映像エンコーダ100が必要とするアドレスに一致し、FCS検査、パケット長検査、およびチェックサム検査の結果が正常であったIPパケットのみをFEC処理部1102に転送する。FEC処理部1102は、パケット処理部1101から渡されたIPパケットをFEC制御用のバッファメモリ1103に書き込むとともに、受信側としてFECマトリックスの制御を行う。FEC処理部1102は、バッファメモリ1103に所定のFECマトリックスを構成するのに必要なIPパケットが全て書き込まれたと判断したら、バッファメモリ1103から当該FECマトリックス用のデータを読み出し、FECの演算を行う事によりパケットロスしたパケットを復元しエラー訂正処理を行う。エラー訂正処理後のIPパケットストリームは、FEC処理部1102によりエンコーダ部120に送られる。
エンコーダ部120はIP非圧縮映像エンコーダに入力したIPパケットストリームから非圧縮映像信号を取り出す信号抽出部121と、取り出した非圧縮映像信号を入力とし、映像データおよび音声データを出力するエンコーダ制御部123と、取り出した映像データ、音声データを圧縮・符号化するエンコーダ122と、MPEG2−TSの多重器125と、圧縮された映像信号をIPパケット化する信号変換部124とを有する。
信号抽出部121は、IP入力インタフェース部110のFEC処理部1102から渡されたIPパケットストリーム内のRTPのシーケンス番号の検査を行い、正常なIPパケットからRTP、UDP、IP、MACのヘッダを外し、非圧縮映像信号1211を抽出し、エンコーダ制御部123に転送する。
エンコーダ制御部123は信号抽出部121から入力した非圧縮映像信号1211より映像データ1231とオーディオデータ1232−1〜1232−8を抽出し、エンコーダ122に転送する。この3G−SDI、HD−SDIあるいはSD−SDIの非圧縮映像信号1211から映像データ、オーディオデータの抽出については、それぞれSMPTE424M、292M、259Mの規格に基づき所定のフィールドのデータを抽出する事により行う。オーディオデータについては、3G−SDI、HD−SDIは最大16チャネルまでサポートしているが、本実施例では8チャネルをエンコードの対象とする。
エンコーダ122は、非圧縮の映像データをH.264符号化により圧縮を行う映像エンコーダ1221と8チャネル分のオーディオデータをAAC(Advanced Audio Coding)オーディオに圧縮するオーディオエンコーダ1222とから構成される。
映像エンコーダ1221は、エンコーダ制御部123から非圧縮の映像データ1231を入力し、H.264の圧縮映像のPES(Packetized Elementary Stream)1223を出力する。オーディオエンコーダ1222はエンコーダ制御部123からオーディオデータ1232−1〜1232−8を入力し、AAC圧縮した圧縮オーディオのPES 1234−1〜1234−8を出力する。
MPEG2−TSの多重器125は映像エンコーダ1221から圧縮映像のPES 1223、圧縮オーディオのPES 1234−1〜1234−8を入力し、TSパケットを作成し、多重化されたMPEG2−TS 1251を発生する。
信号変換部124は、SMPTE2022−2の仕様に基づきMPEG2−TS 1251を7TSパケット単位にRTPのペイロードに入れ、RTPヘッダ、UDPヘッダ、およびIPヘッダを付ける事により、IPパケット化する。
IP出力インタフェース部130は、FEC処理部1302と、FEC制御用のバッファメモリ1303と、1Gbps Ethernetのパケット処理部1301とにより構成される。FEC処理部1302は、信号変換部124から渡されたIPパケットをFEC制御用のバッファメモリ1303に書き込むとともに、送信側としてのFECマトリックスの制御を行う。FEC処理部1302は、バッファメモリ1303に所定のFECマトリックスを構成するのに必要なIPパケットが全て書き込まれたと判断したら、バッファメモリ1303より当該FECマトリックス用のデータを読み出し、FECの演算を行う事によりFECパケットを生成する。FECパケット、信号変換部124からのIPパケットはSMPTE2022−1で定められた所定の順番で、FEC処理部1302からパケット処理部1301に送られる。
パケット処理部1301は、FEC処理部1302よりのIPパケットにMACヘッダ、FCSを付け、1Gbps EthernetのMACサブレイヤの処理を行い、IPパケット 1311を1Gbps Ethernet 131へ送信する。
図2は、図1に記載のIP非圧縮映像エンコーダ100を使用した映像伝送システムの一例である映像伝送システム200を示す図である。映像伝送システム200は、カメラ230と、非圧縮映像伝送装置210と、IP非圧縮映像エンコーダ100と、IPデコーダ220とを備えている。カメラ230と非圧縮映像伝送装置210とは、同軸ケーブル 201により接続され、非圧縮映像伝送装置210は、IP非圧縮映像エンコーダ100とは10Gbps Ethernet 111により接続され、またIP非圧縮映像エンコーダ100は、IPデコーダ220と1Gbps Ethernet 131により接続されている。さらに、IPデコーダ220は、HD−SDIの非圧縮映像信号2221を出力するための同軸ケーブル 221が接続されている。
非圧縮映像伝送装置210は、ケーブル201を介してカメラ230からのHD−SDIの非圧縮映像信号2011を入力し、SMPTE2022−5/6のFEC方式、パケットフォーマットに準拠してパケット化し10Gbps Ethernet 111に送信する装置である。この機能を持つ装置は2012年の時点ですでに製品化されており、例えばメディアグローバルリンクス社のMD8000である。IPデコーダ220はSMPTE2022−1/2のFEC方式、パケットフォーマットに準拠したIPパケットを1Gbps Ethernet 131から受信して復号化し、HD−SDIの非圧縮映像信号2211を出力する装置である。この機能を持つ装置は2012年の時点ですでにTandberg社、NEC社、Fujitsu社等の複数の会社で製品化されている。
図2の映像伝送システム200においては、非圧縮映像伝送装置210によりIPパケット化された非圧縮映像のIPパケットストリーム1111は、10Gbps Ethernet 111を介して、IP非圧縮映像エンコーダ100に入力され、圧縮映像のIPパケットストリーム1311に変換される。圧縮映像のIPパケットストリーム1311は、IP非圧縮映像エンコーダ100から1Gbps Ethernet 131を介してIPデコーダ220に入力される。IPデコーダ220において、圧縮映像のIPパケットストリームは復号化され、ケーブル221を介してHD−SDIの非圧縮映像信号2211として出力されるか、ケーブル222を介してHDMIの非圧縮映像信号2221として出力される。
図3は、図2の映像伝送システム200おける、非圧縮映像のIPパケット化から圧縮映像のIPパケットを復号化してHD−SDIに出力するまでの一連の流れを示すフローチャートである。
ステップ301において、HD−SDIの映像信号を、非圧縮映像伝送装置210によりSMPTE2022―5/6の仕様に準拠したFEC方式、パケットフォーマットを用いて、IPパケット化し、IPパケットストリーム1111を10Gbps Ethernetに送信する。
ステップ302において、10Gbps Ethernet 111に送信されたIPパケットストリーム1111は、IP非圧縮映像エンコーダ100のIP入力インタフェース部110に入力される。
ステップ303において、IPパケットストリーム1111は、IP入力インタフェース部110でIPレイヤ、UDPレイヤ、およびRTPレイヤのチェックを受ける。MACアドレスおよびIPアドレスがIP非圧縮映像エンコーダ100が必要とするアドレスに一致しておりエラーの無かったIPパケットのみを対象にFEC処理が行われ、パケットロスとなったパケットをエラー訂正により回復させる。エラー訂正により回復されたパケットを含むパケット群がエンコーダ部120の信号抽出部121に送られる。
ステップ304において、信号抽出部121はIPパケットストリーム内のRTPのシーケンス番号の検査を行い、正常なIPパケットからRTP、UDP、IP、MACのヘッダを外し、結果としての非圧縮映像信号をエンコーダ制御部123に転送する。エンコーダ制御部123は信号抽出部121より渡された非圧縮映像信号から映像データと8チャネルのオーディオデータを抽出し、エンコーダ122に転送する。
ステップ305において、エンコーダ122は、エンコーダ制御部123が取り出した映像信号をH.264符号化により圧縮し、8チャネルのオーディオ信号をAAC(Advanced Audio Coding)により圧縮し、H.264の圧縮映像のPESと、8チャネル分のAACオーディオのPESを出力する。ここで、映像の圧縮技術はH.264に限られず、JPEG2000、H−264、VC−3等の圧縮技術の使用も考えられるし、オーディオの圧縮技術についてもAACに限られず、AC3、MPEG2 Layer1等の使用も考えられる。
ステップ306において、MPEG2−TSの多重器125はエンコーダ122の出力であるH.264の圧縮映像のPESと、8チャネル分のAACオーディオのPESからTSパケットを作成し、多重化されたMPEG2−TSを発生する。
ステップ307において、信号変換部124は、SMPTE2022−2の仕様に基づき多重器125の出力のMPEG2−TSを7TSパケット単位にRTPのペイロードに入れ、RTPヘッダ、UDPヘッダ、およびIPヘッダを付ける事により、IPパケット化する。
ステップ308において、IP出力インタフェース部130は、信号変換部124の出力のIPストリームにFEC演算を行い、FECパケットを生成付加する。そして各IPパケットにMACヘッダおよびFCSを付け、1Gbps EthernetのMACサブレイヤの処理を行い、1Gbps Ethernet 131へ送信する。
ステップ309において、IP非圧縮映像エンコーダ100の出力した圧縮映像のIPパケットストリーム1311は、IPデコーダ220で復号化され、HD−SDIの非圧縮映像信号として出力される。
図4は、本発明のIP非圧縮映像ビデオエンコーダを、図5または図6の従来の映像配信システムに適用した構成を示すである。
図4では、複数の競技場(図4において、例として競技場410−1〜410−10)の各カメラに対応して非圧縮映像伝送装置412−1〜412−99が設置されており、競技場の各カメラの非圧縮映像はSMPTE2022−5/6に準拠したIPパケットストリームに変換され、10Gbps Ethernetを介してIPネットワーク410に送られる。放送センター420はIPネットワーク410より必要なIPパケットストリームを選択し、IP非圧縮映像エンコーダ422〜424に入力する。IP非圧縮映像エンコーダ422〜424の出力である圧縮映像のIPパケットストリーム群は1Gbps Ethernetを経由して映像伝送部421に入力され、映像処理後、外部に送られる。 なお、図4の実施形態において、競技場の数、カメラ等映像機器の数、10Gbps Ethernetおよび1Gbps Ethernetについて、本実施例に記した数はあくまで例であって、本発明においては、これらの数に限定されることはない。
図4のシステムでは図5および図6のシステムと比べ、IPパケットした非圧縮の映像信号を、本発明のIP非圧縮映像エンコーダに直接送信し、圧縮映像のIPパケットストリームを生成することができる。そのため、IPネットワークを伝送路として用い、IPネットワークのルーティング・スイッチング機能を活用する事により、映像配信システムにおいて不稼動の機器の比率を減らし、高価なマトリックススイッチャを用いず、システムの柔軟性を高め、伝送路構築、およびケーブル敷設のためのコストを低減する事ができる。
本発明のIP非圧縮映像エンコーダを用いることにより、得られるもう1つの利点は、従来1対1の同軸ケーブルを用いている事によって発生していたシステム上の制約を映像圧縮に関してEthernetをベースにして動かすことにより、形態としてまったく新しい放送ネットワークを構築することが可能となるという事である。
本発明は、スポーツイベントでの映像伝送システム、放送局内の映像配信システム等、複数の映像データストリームを扱うシステムに使用できる。
100、422〜424 IP非圧縮映像エンコーダ
110 IP入力インタフェース部
1101 パケット処理部
1102 FEC処理部
1103 FEC制御用バッファメモリ
111 10Gbps Ethernet
1111、1311 IPパケットストリーム
120 エンコーダ部
121 信号抽出部
1211 非圧縮映像信号
122 エンコーダ
1221 映像エンコーダ
1222 オーディオエンコーダ
1223 圧縮映像のPES
12341〜12348 圧縮オーディオのPES
123 エンコーダ制御部
1231 映像データ
1232−1〜1232−8 オーディオデータ
1234−1〜1234−8 圧縮オーディオのPES
124 信号変換部
125 MPEG2−TSの多重器
1251 MPEG2−TS
130 IP出力インタフェース部
1301 パケット処理部
1302 FEC処理部
1303 FEC制御用バッファメモリ
131 1Gbps Ethernet
200 映像伝送システム
201、221 同軸ケーブル
2011、2211 HD−SDI映像信号
222 HDMI(登録商標)ケーブル
2222 HDMI映像信号
210、412−1〜412−99 非圧縮映像伝送装置
220 IPデコーダ
230、411−1〜411−99、511−1〜511−99、611−1〜611−99 カメラ
400、500、600 映像配信システム
410 IPネットワーク
410−1〜410−10、510−1〜510−10、610−1〜610−10 競技場
420、520、620 放送センター
421、523,623 映像伝送部
512−1〜512−99、612−1〜612−99 E/O変喚器
521−1〜521−99、621−1〜621−99 O/E変換器
522−1〜522−99、621−1〜621−2 映像エンコーダ
624 マトリクススイッチャ

Claims (4)

  1. IPパケット化された非圧縮映像信号を伝送する第1のネットワークと、IPパケット化された圧縮映像信号を伝送する第2のネットワークとを接続し、前記第1のネットワークから受信した前記IPパケット化された非圧縮映像信号を圧縮し、前記第2のネットワークに前記IPパケット化された圧縮映像信号を伝送するための映像エンコーダであって、
    前記第1のネットワークから前記IPパケット化された非圧縮映像信号を受信する受信手段と、
    前記IPパケット化された非圧縮映像信号から映像データを取り出す取出し手段と、
    記映像データを圧縮する圧縮手段と、
    前記圧縮手段により圧縮された前記映像データをIPパケット化して、前記IPパケット化された圧縮映像信号を作成する作成手段と、
    前記IPパケット化された圧縮映像信号前記第2のネットワークに送信する送信手段と
    を備えることを特徴とする映像エンコーダ。
  2. 前記取出し手段は、オーディオデータを取出すオーディオデータ取出し手段を更に含み
    記圧縮手段は、前記オーディオデータを圧縮するオーディオデータ圧縮手段を更に含む
    ことを特徴とする請求項に記載の映像エンコーダ。
  3. IPパケット化された非圧縮映像信号を伝送する第1のネットワークと、
    IPパケット化された圧縮映像信号を伝送する第2のネットワークと、
    前記第1のネットワークと前記第2のネットワークとを接続し、前記第1のネットワークから受信した前記IPパケット化された非圧縮映像信号を圧縮し、前記第2のネットワークに前記IPパケット化された圧縮映像信号を伝送するための映像エンコーダと
    を備え、
    前記映像エンコーダは、
    前記第1のネットワークから前記IPパケット化された非圧縮映像信号を受信する受信手段と、
    前記IPパケット化された非圧縮映像信号から映像データを取り出す取出し手段と、
    前記映像データを圧縮する圧縮手段と、
    前記圧縮手段により圧縮された前記映像データをIPパケット化して、前記IPパケット化された圧縮映像信号を作成する作成手段と、
    前記IPパケット化された圧縮映像信号を前記第2のネットワークに送信する送信手段と
    を含むことを特徴とする映像配信システム。
  4. 前記映像エンコーダの前記取出し手段は、オーディオデータを取出すオーディオデータ取出し手段を更に含み、
    前記映像エンコーダの前記圧縮手段は、前記オーディオデータを圧縮するオーディオデータ圧縮手段を更に含む
    ことを特徴とする請求項3に記載の映像配信システム。
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