JP5812806B2 - 画像符号化装置、画像復号装置、画像符号化方法及び画像復号方法 - Google Patents
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Description
この際、圧縮率が高くなると、画像符号化装置が予測画像を生成する際に用いる参照画像の品質が低下し、圧縮効率が低下する。また、画像復号装置から出力される復号画像の品質も低下する。
そこで、画像符号化装置が、符号化対象画像と局所復号画像との誤差(符号化歪み)を最小化するフィルタを設計し、そのフィルタを局所復号画像に適用することで、参照画像の品質を向上させるとともに、そのフィルタを示すフィルタ係数を画像復号装置に伝送し、画像復号装置が、そのフィルタ係数が示すフィルタを復号画像に適用することで、復号画像の品質を向上させる技術が開発されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、領域分類手段が、フィルタ処理対象画素が属する領域を分類する複数の分類方法のうち、局所復号画像生成手段により生成された局所復号画像を構成している画素に対するフィルタ処理対象画素の割合に対応する分類方法を用いて、フィルタ処理対象画素が属する領域を分類するように構成したので、符号化歪みの軽減処理の省略による演算量の削減に加えて、より効果的なフィルタ設計による符号化歪みの軽減処理の性能向上を期待することができる効果がある。
図1はこの発明の実施の形態1による画像符号化装置を示す構成図である。
図1において、符号化制御部1は予測処理が実施される際の処理単位となる符号化ブロックのサイズ(例えば、64×64画素など)を決定するとともに、選択可能な1以上の符号化モード(1以上のイントラ符号化モード、1以上のインター符号化モード)の中から、ブロック分割部2から出力される符号化ブロックに対する符号化効率が最も高い符号化モードを選択する処理を実施する。
また、符号化制御部1は符号化効率が最も高い符号化モードがイントラ符号化モードである場合、そのイントラ符号化モードで符号化ブロックに対するイントラ予測処理を実施する際に用いるイントラ予測パラメータを決定し、符号化効率が最も高い符号化モードがインター符号化モードである場合、そのインター符号化モードで符号化ブロックに対するインター予測処理を実施する際に用いるインター予測パラメータを決定する処理を実施する。
さらに、符号化制御部1は直交変換部5、量子化部6、逆量子化部7及び逆直交変換部8に与える予測差分符号化パラメータを決定する処理を実施する。
予測部3はフレームメモリ10に記憶されている参照画像(フィルタ処理後の局所復号画像)を参照しながら、符号化制御部1により決定された予測パラメータにしたがって、ブロック分割部2から出力された符号化ブロックに対する予測処理(符号化制御部1により決定された符号化モードに対応する予測処理であり、その符号化モードがイントラ符号化モードであればイントラ予測処理、その符号化モードがインター符号化モードであればインター予測処理)を実施して予測画像を生成する処理を実施する。なお、予測部3は予測画像生成手段を構成している。
直交変換部5は符号化制御部1により決定された予測差分符号化パラメータを参照して、減算部4から出力された予測残差信号に対する直交変換処理(例えば、DCT(離散コサイン変換)や、予め特定の学習系列に対して基底設計がなされているKL変換等の直交変換処理)を実施して変換係数を算出する処理を実施する。
なお、減算部4、直交変換部5及び量子化部6から画像圧縮手段が構成されている。
逆直交変換部8は符号化制御部1により決定された予測差分符号化パラメータを参照して、逆量子化部7から出力された変換係数に対する逆直交変換処理を実施して、減算部4から出力された予測残差信号に相当する局所復号残差信号を算出する処理を実施する。
なお、逆量子化部7及び逆直交変換部8から圧縮解除手段が構成されている。
フレームメモリ10は加算部9により算出された局所復号画像ブロックを一時的に格納し、一画面分の符号化が完了した段階でこれを局所復号画像として構成するとともに、フィルタ処理部14によるフィルタ処理後の局所復号画像を参照画像として記憶する記録媒体である。なお、フレームメモリ10は画像メモリを構成している。
領域分類部12はフレームメモリ10から読み出した局所復号画像の中で、フィルタ効果判定部11により判別されたフィルタ処理対象画素が属する領域を分類する処理を実施する。なお、領域分類部12は領域分類手段を構成している。
フィルタ処理部14はフィルタ設計部13により設計されたフィルタを用いて、フィルタ効果判定部11により判別されたフィルタ処理対象画素に対するフィルタ処理を実施し、フィルタ処理後の局所復号画像をフレームメモリ10に格納する処理を実施する。なお、フィルタ処理部14はフィルタ処理手段を構成している。
図2において、評価値算出部21はフレームメモリ10から読み出した局所復号画像を構成している画素に対してフィルタ処理が実施された場合の符号化歪みの軽減効果を表す評価値を算出する処理を実施する。
メモリ22は予め設定された閾値を記憶している記録媒体である。
評価値比較部23は評価値算出部21により算出された評価値がメモリ22に記憶されている閾値より大きい画素については、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素であると判別する処理を実施する。
まず、符号化制御部1は、予測処理が実施される際の処理単位となる符号化ブロックのサイズ(例えば、64×64画素など)を決定するとともに、選択可能な1以上の符号化モード(1以上のイントラ符号化モード、1以上のインター符号化モード)の中から、ブロック分割部2から出力される符号化ブロックに対する符号化効率が最も高い符号化モードを選択する。
符号化モードの選択方法は、公知の技術であるため詳細な説明を省略するが、例えば、利用可能な任意の符号化モードを用いて、符号化ブロックに対する符号化処理を実施して符号化効率を検証し、利用可能な複数の符号化モードの中で、最も符号化効率がよい符号化モードを選択する方法などがある。
さらに、符号化制御部1は、直交変換部5、量子化部6、逆量子化部7及び逆直交変換部8に与える予測差分符号化パラメータを決定する。
予測部3は、ブロック分割部2から符号化ブロックを受けると、フレームメモリ10に記憶されている参照画像を参照しながら、符号化制御部1により決定された予測パラメータにしたがって、その符号化ブロックに対する予測処理を実施して予測画像を生成する。
即ち、予測部3は、符号化制御部1により決定された符号化モードがイントラ符号化モードであれば、イントラ予測処理を実施してイントラ予測画像を生成し、その符号化モードがインター符号化モードであれば、インター予測処理を実施してインター予測画像を生成する。
直交変換部5は、減算部4から予測残差信号を受けると、符号化制御部1により決定された予測差分符号化パラメータを参照して、その予測残差信号に対する直交変換処理(例えば、DCT(離散コサイン変換)や、予め特定の学習系列に対して基底設計がなされているKL変換等の直交変換処理)を実施して変換係数を算出し、その変換係数を量子化部6に出力する。
量子化部6は、直交変換部5から変換係数を受けると、符号化制御部1により決定された予測差分符号化パラメータに含まれている量子化パラメータにしたがって、その変換係数を量子化し、量子化後の変換係数である圧縮データを逆量子化部7及び可変長符号化部15に出力する。
逆直交変換部8は、逆量子化部7から変換係数を受けると、符号化制御部1により決定された予測差分符号化パラメータを参照して、その変換係数に対する逆直交変換処理を実施して、減算部4から出力された予測残差信号に相当する局所復号残差信号を算出し、その局所復号残差信号を加算部9に出力する。
即ち、フィルタ効果判定部11は、局所復号画像を構成している画素の中には、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素と、符号化歪みの軽減効果が認められない画素とが混在しているので、画素(または、複数の画素からなる領域)毎に、フィルタ効果の大小を判定することで、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素を判別する。
まず、フィルタ効果判定部11の評価値算出部21は、フレームメモリ10から読み出した局所復号画像を構成している画素に対してフィルタ処理が実施された場合の符号化歪みの軽減効果を表す評価値を算出する。
ここで、評価値算出部21により算出される評価値は、その値が大きいほど、フィルタ効果が高く、フィルタによる符号化歪みの軽減処理によって、符号化歪みが大幅に軽減されることを意味している。
一方、評価値が小さければフィルタ効果も小さく、符号化歪みの軽減処理を実施しても、符号化歪みはそれほど軽減されないこと、あるいは、そもそも局所復号画像に存在している符号化歪みが無視できる程度に小さいことを意味している。
この実施の形態1は、この点に着目したものであり、フィルタ効果の小さい領域で符号化歪みの軽減処理を省略することで、符号化性能の大きな低下を伴うことなく、符号化歪みの軽減処理に係る演算量を削減するようにしている。
このとき、フィルタ効果の判定に要する処理の演算量を非常に小さく抑えることが極めて重要である。例えフィルタ効果の小さい領域についての符号化歪みの軽減処理を省略できても、効果判定に要する処理の演算量が大きくなれば、符号化処理の全体としては演算量を大きく削減することができないためである。
ここでは、図3に示すように、4×4画素単位で評価値を算出する例を示し、座標(i,j)における局所復号画像の画素値をI(i、j)とする。ただし、評価値を算出する単位は必ずしも4×4画素である必要はなく、N×M画素(N,Mは1以上の整数)でも構わない。
評価値算出方法1では、下記の式(1)にしたがって評価値を算出する。
式(1)において、μは4画素((i,j)、(i+2,j)、(i,j+2)、(i+2,j+2))の画素値を平均した値である。|*|は*の絶対値を表す記号である。
式(1)で算出される評価値は、4×4画素の領域における画素値のばらつきに相当し、画素値のばらつきが小さいほど、その値も小さくなる。
一般的に、符号化歪みの軽減処理は、なだらかなテクスチャ(模様)を持つ領域で効果が小さい。そのような領域では画素値のばらつきが小さいため、評価値は小さな値を示すことになる。
したがって、評価値が小さいほど、その領域は符号化歪みの軽減処理の効果が小さいと判断することができる。
なお、式(1)では、演算量を削減するため、(i,j)、(i+2,j)、(i,j+2)、(i+2,j+2)の4画素のみを用いているが、利用する画素の位置や個数は、必ずしもこのようにする必要はない。
評価値算出方法2では、下記の式(2)にしたがって評価値を算出する。
式(2)で算出される評価値は、算出方法1と同様に、4×4画素の領域における画素値のばらつきに相当し、画素値のばらつきが小さいほど、その値も小さくなる。
したがって、評価値が小さいほど、その領域は符号化歪みの軽減処理の効果が小さいと判断することができる。
なお、式(2)では、演算量を削減するため、(i,j)、(i+2,j)、(i,j+2)、(i+2,j+2)の4画素のみを用いているが、利用する画素の位置や個数は、必ずしもこのようにする必要はない。
評価値算出方法3では、下記の式(3)にしたがって評価値を算出する。
式(3)において、E(i,j)は、座標(i,j)における予測残差の絶対値を表す記号である。
式(3)で算出される評価値は、4×4画素の領域における予測残差の大きさに相当し、予測残差が小さいほど、その値も小さくなる。
一般的に、符号化歪みの軽減処理は、予測残差の小さな領域で効果が小さい。したがって、評価値が小さいほど、その領域は、符号化歪みの軽減処理の効果が小さいと判断することができる。なお、式(3)では、演算量を削減するため、(i,j)、(i+2,j)、(i,j+2)、(i+2,j+2)の4画素のみを用いているが、利用する画素の位置や個数は、必ずしもこのようにする必要はない。
一方、評価値が閾値以上の画素については、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素であると判別する。
なお、評価値比較部23は、その判別結果を示すフィルタ効果情報を領域分類部12、フィルタ設計部13及びフィルタ処理部14に出力するが、フィルタ効果情報は、例えば、図4に示すように、局所復号画像内の各画素に対応しており、フィルタ効果がないと判別された画素については“0”、フィルタ効果があると判別された画素については“0以外の値”が格納されている配列である。
この実施の形態1では、4×4画素単位で評価値が算出されているため、フィルタ効果の有無も4×4画素単位で決定される。
図5はメモリ22に記憶されている閾値が2のべき乗でない場合の評価値比較部23の処理内容を示すフローチャートである。
評価値比較部23は、評価値算出部21が評価値を算出すると、その評価値からメモリ22に記憶されている閾値を減算し(ステップST1)、その減算結果が“0”以上であるか否かを判定する(ステップST2)。
評価値比較部23は、その減算結果が“0”以上であれば、フィルタ効果情報における配列の中で、その評価値に係る画素に対応する座標に0以外の値(例えば、1)を格納する(ステップST3)。
一方、その減算結果が“0”より小さければ、フィルタ効果情報における配列の中で、その評価値に係る画素に対応する座標に0を格納する(ステップST4)。
メモリ22に記憶されている閾値が2のべき乗である場合、評価値比較部23における比較処理をビットシフトに置き換えることができる。
評価値比較部23は、評価値算出部21が評価値を算出すると、その評価値をnビット左にシフトする(ステップST11)。
このように、評価値をnビット左にシフトすることで、その評価値をメモリ22に記憶されている閾値(2のべき乗である閾値)で除算した場合の商を得ることができる。
このとき、評価値算出部21により算出された評価値が、メモリ22に記憶されている閾値以上であれば、当該商が1以上となり、その評価値が閾値より小さければ、当該商が0となる。
この場合、nビット左にシフトした評価値をそのまま格納すればよく、減算結果が0以上であるか否かの判定処理を省略することができる。
以下、領域分類部12の処理内容を具体的に説明する。
図7は領域分類部12の処理内容を示すフローチャートである。
領域分類部12は、0以外の値が格納されている場合、例えば、下記の式(4)に示すように、任意の画素の画素値S(x,y)と、任意の画素の周辺に存在している画素の画素値S(x+i,y+i)との絶対値差分の平均値Cave(x,y)を分割基準値として算出する(ステップST22)。
式(4)において、Nは任意の自然数である。
また、下記の式(6)に示すように、高域通過フィルタ処理後の値の絶対値CHF(x,y)を算出するようにしてもよい。
ここで、図8は領域番号の決定方法の一例を示す説明図である。
図8では、分割基準値が0〜15の整数となる場合の例を示しており、分割基準値が近い画素同士が同一の領域に分類される。
即ち、分割基準値が0〜3となる画素は領域0に分類され、分割基準値が4〜7となる画素は領域1に分類され、分割基準値が8〜11となる画素は領域2に分類され、分割基準値が12〜15となる画素は領域3に分類される。
なお、領域分類部12では、画素に対応するフィルタ効果情報の座標に0が格納されている場合、分割基準値の算出処理及び領域番号の決定処理を省略する。
ここで、図9は局所復号画像を構成している各画素に対応する領域番号を示す領域分類情報の一例を示す説明図である。
図9において、黒で表されている部分は、フィルタ効果がないと判別された画素が属している領域であり、分割基準値の算出処理及び領域番号の決定処理が省略されているため、領域番号を示す値が格納されていない。
即ち、フィルタ設計部13は、領域分類部12から出力された領域分類情報を参照して、領域毎に、符号化対象画像とフィルタ処理前の局所復号画像との残差(符号化歪み)を求め、その残差を最小化するフィルタを設計する。
この際、フィルタ設計部13では、フィルタ効果判定部11から出力されたフィルタ効果情報を参照して、フィルタ効果がないと判別された画素(または、フィルタ効果がないと判別された複数の画素からなる領域)については、フィルタ設計に係る処理を省略する。
図10はフィルタ設計部13の処理内容を示すフローチャートである。
まず、フィルタ設計部13は、フィルタ処理前の局所復号画像を構成している画素の中から任意の画素を選択し、その画素に対応するフィルタ効果情報の座標に0以外の値が格納されている否かを判定する(ステップST31)。
フィルタ設計部13は、0以外の値が格納されている場合、その選択した画素の値と、フィルタ処理前の局所復号画像における上記選択画素と同一位置にある画素の値とから、フィルタ設計に必要な情報を算出する(ステップST32)。
フィルタ設計部13により設計されるフィルタは、例えば、ウィーナーフィルタなどのように、符号化対象画像とフィルタ処理前の局所復号画像との残差を最小化するようなフィルタや、画素値の分散やエッジ強度に応じて通過域を変化させる低域通過フィルタ、帯域通過フィルタ、高域通過フィルタ等である。
フィルタ設計部13は、領域毎にフィルタ設計を行うと、そのフィルタを示すフィルタ係数をフィルタ処理部14及び可変長符号化部15に出力する(ステップST36)。
この際、フィルタ処理部14では、フィルタ効果判定部11から出力されたフィルタ効果情報を参照して、フィルタ効果がないと判別された画素(または、フィルタ効果がないと判別された複数の画素からなる領域)については、フィルタ処理を省略する。
図11はフィルタ処理部14の処理内容を示すフローチャートである。
まず、フィルタ処理部14は、フィルタ処理前の局所復号画像を構成している画素の中から任意の画素を選択し、その画素に対応するフィルタ効果情報の座標に0以外の値が格納されている否かを判定する(ステップST41)。
フィルタ処理部14は、0以外の値が格納されている場合、領域分類部12から出力された領域分類情報を参照して、その選択した画素が属している領域の番号を認識し、フィルタ設計部13により設計された領域毎のフィルタを示すフィルタ係数の中から、その領域番号に対応する領域のフィルタ係数を特定する。
そして、フィルタ処理部14は、その領域番号に対応する領域のフィルタ係数が示すフィルタを用いて、その選択した画素に対するフィルタ処理を実施する(ステップST42)。
なお、符号化制御部1により決定された符号化モードがインター符号化モードである場合、予測部3により予測処理が実施される際に探索された動きベクトルも可変長符号化して、その動きベクトルの符号化データをビットストリームに多重化する。
また、特許文献1に記載の方法では、領域分割のための基準と、フィルタ効果を判定するための基準とが必ず同じでなければならないが、当然ながら、両者で最適な基準が異なる。
この実施の形態1では、両者を完全に独立に構成することが可能であり、特許文献1に記載の方法よりも効果が高いことは明らかである。
図12はこの発明の実施の形態2による画像復号装置を示す構成図である。
図12において、可変長復号部31は図1の画像符号化装置により生成されたビットストリームを入力すると、そのビットストリームに多重化されている符号化データから、フィルタ係数、符号化モード、予測パラメータ、予測差分符号化パラメータ及び圧縮データの符号化データを可変長復号する処理を実施する。なお、可変長復号部31は復号手段を構成している。
逆直交変換部33は可変長復号部31により可変長復号された予測差分符号化パラメータを参照して、逆量子化部32から出力された変換係数に対する逆直交変換処理を実施して、図1の減算部4から出力された予測残差信号に相当する予測残差信号を算出する処理を実施する。
なお、逆量子化部32及び逆直交変換部33から圧縮解除手段が構成されている。
フレームメモリ36は加算部35により算出された復号画像ブロックを一時的に格納し、一画面分の復号が完了した段階でこれを復号画像として構成するとともに、フィルタ処理部39によるフィルタ処理後の復号画像を参照画像として記憶する記録媒体である。なお、フレームメモリ36は画像メモリを構成している。
領域分類部38はフレームメモリ36から読み出した復号画像の中で、フィルタ効果判定部37により判別されたフィルタ処理対象画素が属する領域を分類する処理を実施する。なお、領域分類部38は領域分類手段を構成している。
可変長復号部31は、図1の画像符号化装置により生成されたビットストリームを入力すると、そのビットストリームに対する可変長復号処理を実施して、1フレーム以上のピクチャから構成されるシーケンス単位、あるいは、ピクチャ単位にフレームサイズの情報を復号する。
例えば、符号化ブロックのサイズが映像信号の解像度に応じて決められた場合には、復号したフレームサイズ情報に基づいて、画像符号化装置と同様の手順で符号化ブロックのサイズを決定する。
符号化ブロックのサイズが、画像符号化装置側でビットストリームに多重化されている場合には、ビットストリームから復号した値を用いる。
ここでは、符号化ブロックに対応する予測パラメータ等を可変長復号する例を示しているが、図1の画像符号化装置が符号化ブロックを更に1つないし複数の予測処理単位である予測ブロックに分割している場合、予測処理単位となる1つ以上の予測ブロック毎に予測パラメータ等を可変長復号する。
逆直交変換部33は、逆量子化部32から変換係数を受けると、図1の逆直交変換部8と同様に、可変長復号部31から出力された予測差分符号化パラメータを参照して、その変換係数に対する逆直交変換処理を実施して、図1の減算部4から出力された予測残差信号に相当する予測残差信号を算出し、その予測残差信号を加算部35に出力する。
即ち、予測部34は、可変長復号部31により可変長復号された符号化モードがイントラ符号化モードであれば、イントラ予測処理を実施してイントラ予測画像を生成し、その符号化モードがインター符号化モードであれば、可変長復号部31により可変長復号された動きベクトルを用いたインター予測処理を実施してインター予測画像を生成する。
即ち、フィルタ効果判定部37は、復号画像を構成している画素の中には、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素と、符号化歪みの軽減効果が認められない画素とが混在しているので、画素(または、複数の画素からなる領域)毎に、フィルタ効果の大小を判定することで、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素を判別する。
領域分類部38では、図1の領域分類部12と同様に、フィルタ効果がないと判別された画素(または、フィルタ効果がないと判別された複数の画素からなる領域)については、分割基準値の算出処理及び領域番号の決定処理を省略する。
この際、フィルタ処理部14では、フィルタ効果判定部11から出力されたフィルタ効果情報を参照して、フィルタ効果がないと判別された画素(または、フィルタ効果がないと判別された複数の画素からなる領域)については、フィルタ処理を省略する。
図13はこの発明の実施の形態3による画像符号化装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
フィルタ効果判定部40は図1のフィルタ効果判定部11と同様に、加算部9により算出された局所復号画像を構成している画素の中で、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素であるフィルタ処理対象画素を判別する処理を実施するが、判別に用いる閾値を符号化対象画像の符号化に関する情報に基づいて設定し、その閾値を可変長符号化部41に出力している点で、図1のフィルタ効果判定部11と相違している。なお、フィルタ効果判定部40はフィルタ処理対象画素判別手段を構成している。
閾値設定部51は符号化制御部1から符号化対象画像の符号化に関する情報として、例えば、符号化歪みの軽減処理を省略する画素の割合を示す割合情報を受けると、評価値算出部21により画素毎に算出された評価値の累積ヒストグラムを生成し、その割合に対応する評価値を閾値として設定する処理を実施する。
評価値比較部52は評価値算出部21により算出された評価値が閾値設定部51により設定された閾値より大きい画素については、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素であると判別する処理を実施する。
フィルタ効果判定部40及び可変長符号化部41以外は、上記実施の形態1と同様であるため、フィルタ効果判定部40及び可変長符号化部41の処理内容だけを説明する。
まず、フィルタ効果判定部40の評価値算出部21は、上記実施の形態1と同様に、フレームメモリ36から読み出した局所復号画像を構成している画素に対してフィルタ処理が実施された場合の符号化歪みの軽減効果を表す評価値を算出する。
以下、閾値設定部51の処理内容を具体的に説明する。
図15は閾値設定部51の処理内容を示す説明図である。
閾値設定部51は、評価値のヒストグラムを生成すると、図15(c)に示すように、各評価値の頻度を累積していくことで、評価値の累積ヒストグラムを生成する。
閾値設定部51は、割合情報が示す割合と一致する累積頻度[%]を特定すると、その累積頻度に対応する評価値を特定し、その評価値を閾値として設定する。
図14の例では、符号化歪みの軽減処理を省略する画素の割合が50%であり、50%の累積頻度に対応する評価値が“1”であるため、閾値が“1”に設定される。
この場合、全体の50%の画素で、符号化歪みの軽減処理が省略されることになる。
評価値比較部52は、評価値算出部21が評価値を算出し、閾値設定部51から閾値を受けると、図2の評価値比較部23と同様に、その評価値と閾値を比較し、その評価値が閾値より小さい画素(または、評価値が小さい複数の画素からなる領域)については、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められない画素であると判別する。
一方、その評価値が閾値以上の画素については、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素であると判別する。
ここで、図16は可変長符号化部41により生成されるビットストリームの一例を示す説明図である。
閾値を重畳する位置としては、図16に示すようなピクチャパラメータセット等が考えられるが、ピクチャパラメータセット以外の位置に重畳することも考えられる。
図17はこの発明の実施の形態4による画像復号装置を示す構成図であり、図において、図12と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
可変長復号部61は図1の画像符号化装置により生成されたビットストリームを入力すると、そのビットストリームに多重化されている符号化データから、フィルタ係数、符号化モード、予測パラメータ、予測差分符号化パラメータ、圧縮データ及び閾値の符号化データを可変長復号する処理を実施する。なお、可変長復号部61は復号手段を構成している。
図18において、評価値算出部71は加算部35により算出された復号画像ブロックを構成している画素に対してフィルタ処理が実施された場合の符号化歪みの軽減効果を表す評価値を算出する処理を実施する。
評価値比較部72は評価値算出部により算出された評価値が可変長復号部61により可変長復号された閾値より大きい画素については、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素であると判別する処理を実施する。
可変長復号部61及びフィルタ効果判定部62以外は、上記実施の形態2と同様であるため、可変長復号部61及びフィルタ効果判定部62の処理内容だけを説明する。
まず、可変長復号部61は、図12の可変長復号部31と同様に、各々の符号化ブロックに対応する符号化モード、予測パラメータ、予測差分符号化パラメータ及び圧縮データを可変長復号するとともに、各々の符号化ブロック内の各領域に対応するフィルタ係数を可変長復号する。
また、可変長復号部61では閾値も可変長復号する。
評価値比較部72は、評価値算出部71が評価値を算出すると、その評価値と可変長復号部61により可変長復号された閾値を比較する。
評価値比較部72は、その評価値が閾値より小さい画素(または、評価値が小さい複数の画素からなる領域)については、図2の評価値比較部23と同様に、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められない画素であると判別する。
一方、その評価値が閾値以上の画素については、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素であると判別する。
上記実施の形態1〜4における画像符号化装置及び画像復号装置では、領域分類部12,38が、加算部9,35により算出された局所復号画像ブロック(復号画像ブロック)の中で、フィルタ効果判定部11,37等により判別されたフィルタ処理対象画素が属する領域を分類するものを示したが、その局所復号画像ブロック(復号画像ブロック)を構成している画素に対するフィルタ処理対象画素の割合に応じて、フィルタ処理対象画素が属する領域の分類方法を変更するようにしてもよい。
図19の例では、分割基準値に対応する領域番号の変換表を3種類備えており、局所復号画像ブロック(復号画像ブロック)を構成している画素に対するフィルタ処理対象画素の割合に応じて、(a)の変換表、(b)の変換表、または、(c)の変換表のいずれかを使用して、フィルタ処理対象画素が属する領域を分類する。
そこで、この実施の形態5では、領域分類部12,38が、フィルタ効果情報から符号化歪みの軽減処理が省略される画素の割合を算出し、図19に示す3種類の変換表の中から、その割合に対応する変換表を選択し、その変換表を用いて、フィルタ処理対象画素が属する領域を分類するようにしている。
図19の例では、分割基準値0〜3を領域0に割り当てる場合と、分割基準値0〜6を領域0に割り当てる場合と、分割基準値0〜9を領域0に割り当てる場合とを示している。
図15に示す累積ヒストグラムを分割基準値について作成すれば、領域0,領域1,領域2,領域3のそれぞれに属する画素の総数が所定の割合になるような変換表を生成することができる。
このようにすれば、どの画像においても、例えば、領域0〜3の各領域に属する画素の割合が全て全体の25%に近くなるようにすることができ、ある領域に属する画素が極端に少なくなったり、多くなったりすることを避けることができる。
Claims (11)
- フィルタ処理後の局所復号画像を記憶する画像メモリと、上記画像メモリに記憶されている局所復号画像を参照し、符号化対象画像に対する予測処理を実施して予測画像を生成する予測画像生成手段と、上記予測画像生成手段により生成された予測画像と上記符号化対象画像との差分画像を生成し、上記差分画像を圧縮する画像圧縮手段と、上記画像圧縮手段により圧縮された差分画像の圧縮を解除する圧縮解除手段と、上記圧縮解除手段により圧縮が解除された差分画像と上記予測画像生成手段により生成された予測画像を加算して局所復号画像を生成する局所復号画像生成手段と、上記局所復号画像生成手段により生成された局所復号画像を構成している複数の画素からなる画素群毎に、当該画素群における画素値のばらつき又は予測残差を評価値として算出し、上記評価値が閾値以上の画素群に属する画素については、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素であると判別するフィルタ処理対象画素判別手段と、上記局所復号画像生成手段により生成された局所復号画像の中で、上記フィルタ処理対象画素判別手段により符号化歪みの軽減効果が認められると判別された画素であるフィルタ処理対象画素が属する領域を分類する領域分類手段と、上記領域分類手段により分類された領域毎に、上記フィルタ処理対象画素判別手段により判別されたフィルタ処理対象画素に適用するフィルタを設計するフィルタ設計手段と、上記フィルタ設計手段により設計されたフィルタを用いて、上記フィルタ処理対象画素判別手段により判別されたフィルタ処理対象画素に対するフィルタ処理を実施し、フィルタ処理後の局所復号画像を上記画像メモリに格納するフィルタ処理手段と、上記フィルタ設計手段により設計されたフィルタを示すフィルタ係数及び上記画像圧縮手段により圧縮された差分画像を示す圧縮データを符号化し、上記フィルタ係数及び上記圧縮データの符号化データが多重化されたビットストリームを生成する符号化手段とを備え、
上記領域分類手段は、上記フィルタ処理対象画素が属する領域を分類する複数の分類方法のうち、上記局所復号画像生成手段により生成された局所復号画像を構成している画素に対する上記フィルタ処理対象画素の割合に対応する分類方法を用いて、上記フィルタ処理対象画素が属する領域を分類することを特徴とする画像符号化装置。 - 上記フィルタ処理対象画素判別手段は、上記局所復号画像生成手段により生成された局所復号画像を構成している複数の画素からなる画素群毎に、当該画素群における画素値のばらつき又は予測残差を評価値として算出する評価値算出部と、上記評価値算出部により算出された評価値が閾値以上の画素群に属する画素については、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素であると判別する評価値比較部とから構成されていることを特徴とする請求項1記載の画像符号化装置。
- 上記フィルタ処理対象画素判別手段は、上記局所復号画像生成手段により生成された局所復号画像を構成している複数の画素からなる画素群毎に、当該画素群における画素値のばらつき又は予測残差を評価値として算出する評価値算出部と、上記評価値算出部により画素群毎に算出された評価値の累積ヒストグラムを生成し、その累積ヒストグラムの累積頻度の中で、与えられた割合情報が示す符号化歪みの軽減処理を省略する画素の割合に対応する累積頻度を特定して、その特定した累積頻度に対応する評価値を閾値として設定する閾値設定部と、上記評価値算出部により算出された評価値が上記閾値設定部により設定された閾値以上の画素群に属する画素については、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素であると判別する評価値比較部とから構成されていることを特徴とする請求項1記載の画像符号化装置。
- フィルタ処理後の局所復号画像を記憶する画像メモリと、上記画像メモリに記憶されている局所復号画像を参照し、符号化対象画像に対する予測処理を実施して予測画像を生成する予測画像生成手段と、上記予測画像生成手段により生成された予測画像と上記符号化対象画像との差分画像を生成し、上記差分画像を圧縮する画像圧縮手段と、上記画像圧縮手段により圧縮された差分画像の圧縮を解除する圧縮解除手段と、上記圧縮解除手段により圧縮が解除された差分画像と上記予測画像生成手段により生成された予測画像を加算して局所復号画像を生成する局所復号画像生成手段と、上記局所復号画像生成手段により生成された局所復号画像を構成している複数の画素からなる画素群毎に、当該画素群における画素値のばらつき又は予測残差を評価値として算出し、上記評価値が閾値以上の画素群に属する画素については、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素であると判別するフィルタ処理対象画素判別手段と、上記局所復号画像生成手段により生成された局所復号画像の中で、上記フィルタ処理対象画素判別手段により符号化歪みの軽減効果が認められると判別された画素であるフィルタ処理対象画素が属する領域を分類する領域分類手段と、上記領域分類手段により分類された領域毎に、上記フィルタ処理対象画素判別手段により判別されたフィルタ処理対象画素に適用するフィルタを設計するフィルタ設計手段と、上記フィルタ設計手段により設計されたフィルタを用いて、上記フィルタ処理対象画素判別手段により判別されたフィルタ処理対象画素に対するフィルタ処理を実施し、フィルタ処理後の局所復号画像を上記画像メモリに格納するフィルタ処理手段と、上記フィルタ設計手段により設計されたフィルタを示すフィルタ係数及び上記画像圧縮手段により圧縮された差分画像を示す圧縮データを符号化し、上記フィルタ係数及び上記圧縮データの符号化データが多重化されたビットストリームを生成する符号化手段とを備え、
上記フィルタ処理対象画素判別手段は、上記局所復号画像生成手段により生成された局所復号画像を構成している複数の画素からなる画素群毎に、当該画素群における画素値のばらつき又は予測残差を評価値として算出する評価値算出部と、上記評価値算出部により画素群毎に算出された評価値の累積ヒストグラムを生成し、その累積ヒストグラムの累積頻度の中で、与えられた割合情報が示す符号化歪みの軽減処理を省略する画素の割合に対応する累積頻度を特定して、その特定した累積頻度に対応する評価値を閾値として設定する閾値設定部と、上記評価値算出部により算出された評価値が上記閾値設定部により設定された閾値以上の画素群に属する画素については、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素であると判別する評価値比較部とから構成されていることを特徴とする画像符号化装置。 - 上記閾値設定部は、上記累積頻度に対応する評価値を閾値として設定する際、上記閾値が予め設定している閾値の上限値を上回る場合、上記閾値を上記上限値に置き換えることを特徴とする請求項3または請求項4記載の画像符号化装置。
- 上記符号化手段は、上記閾値設定部により設定された閾値を符号化して、上記閾値の符号化データが多重化されているビットストリームを生成することを特徴とする請求項3または請求項4記載の画像符号化装置。
- ビットストリームに多重化された符号化データからフィルタを示すフィルタ係数及び差分画像を示す圧縮データを復号する復号手段と、上記復号手段により復号された圧縮データが示す差分画像の圧縮を解除する圧縮解除手段と、フィルタ処理後の復号画像を記憶する画像メモリと、上記画像メモリに記憶されている復号画像を参照し、符号化対象画像に対する予測処理を実施して予測画像を生成する予測画像生成手段と、上記圧縮解除手段により圧縮が解除された差分画像と上記予測画像生成手段により生成された予測画像を加算して復号画像を生成する復号画像生成手段と、上記復号画像生成手段により生成された復号画像を構成している複数の画素からなる画素群毎に、当該画素群における画素値のばらつき又は予測残差を評価値として算出し、上記評価値が閾値以上の画素群に属する画素については、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素であると判別するフィルタ処理対象画素判別手段と、上記復号画像生成手段により生成された復号画像の中で、上記フィルタ処理対象画素判別手段により符号化歪みの軽減効果が認められると判別された画素であるフィルタ処理対象画素が属する領域を分類する領域分類手段と、上記復号手段により復号されたフィルタ係数が示すフィルタを用いて、上記フィルタ処理対象画素判別手段により判別されたフィルタ処理対象画素に対するフィルタ処理を実施し、フィルタ処理後の復号画像を上記画像メモリに格納するフィルタ処理手段とを備え、
上記領域分類手段は、上記フィルタ処理対象画素が属する領域を分類する複数の分類方法のうち、上記復号画像生成手段により生成された復号画像を構成している画素に対する上記フィルタ処理対象画素の割合に対応する分類方法を用いて、上記フィルタ処理対象画素が属する領域を分類することを特徴とする画像復号装置。 - 上記フィルタ処理対象画素判別手段は、上記復号画像生成手段により生成された復号画像を構成している複数の画素からなる画素群毎に、当該画素群における画素値のばらつき又は予測残差を評価値として算出する評価値算出部と、上記評価値算出部により算出された評価値が閾値以上の画素群に属する画素については、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素であると判別する評価値比較部とから構成されていることを特徴とする請求項7記載の画像復号装置。
- 上記復号手段は、上記ビットストリームに多重化されている符号化データから閾値を復号し、
上記フィルタ処理対象画素判別手段は、上記復号画像生成手段により生成された復号画像を構成している複数の画素からなる画素群毎に、当該画素群における画素値のばらつき又は予測残差を評価値として算出する評価値算出部と、上記評価値算出部により算出された評価値が上記復号手段により復号された閾値以上の画素群に属する画素については、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素であると判別する評価値比較部とから構成されていることを特徴とする請求項7記載の画像復号装置。 - 予測画像生成手段が、画像メモリに記憶されているフィルタ処理後の局所復号画像を参照し、符号化対象画像に対する予測処理を実施して予測画像を生成する予測画像生成処理ステップと、画像圧縮手段が、上記予測画像生成処理ステップで生成された予測画像と上記符号化対象画像との差分画像を生成し、上記差分画像を圧縮する画像圧縮処理ステップと、圧縮解除手段が、上記画像圧縮処理ステップで圧縮された差分画像の圧縮を解除する圧縮解除処理ステップと、局所復号画像生成手段が、上記圧縮解除処理ステップで圧縮が解除された差分画像と上記予測画像生成処理ステップで生成された予測画像を加算して局所復号画像を生成する局所復号画像生成処理ステップと、フィルタ処理対象画素判別手段が、上記局所復号画像生成処理ステップで生成された局所復号画像を構成している複数の画素からなる画素群毎に、当該画素群における画素値のばらつき又は予測残差を評価値として算出し、上記評価値が閾値以上の画素群に属する画素については、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素であると判別するフィルタ処理対象画素判別処理ステップと、領域分類手段が、上記局所復号画像生成処理ステップで生成された局所復号画像の中で、上記フィルタ処理対象画素判別処理ステップで符号化歪みの軽減効果が認められると判別された画素であるフィルタ処理対象画素が属する領域を分類する領域分類処理ステップと、フィルタ設計手段が、上記領域分類処理ステップで分類された領域毎に、上記フィルタ処理対象画素判別処理ステップで判別されたフィルタ処理対象画素に適用するフィルタを設計するフィルタ設計処理ステップと、フィルタ処理手段が、上記フィルタ設計処理ステップで設計されたフィルタを用いて、上記フィルタ処理対象画素判別処理ステップで判別されたフィルタ処理対象画素に対するフィルタ処理を実施し、フィルタ処理後の局所復号画像を上記画像メモリに格納するフィルタ処理ステップと、符号化手段が、上記フィルタ設計処理ステップで設計されたフィルタを示すフィルタ係数及び上記画像圧縮処理ステップで圧縮された差分画像を示す圧縮データを符号化し、上記フィルタ係数及び上記圧縮データの符号化データが多重化されたビットストリームを生成する符号化処理ステップとを備え、
上記領域分類処理ステップでは、上記フィルタ処理対象画素が属する領域を分類する複数の分類方法のうち、上記局所復号画像生成処理ステップで生成された局所復号画像を構成している画素に対する上記フィルタ処理対象画素の割合に対応する分類方法を用いて、上記フィルタ処理対象画素が属する領域を分類することを特徴とする画像符号化方法。 - 復号手段が、ビットストリームに多重化された符号化データからフィルタを示すフィルタ係数及び差分画像を示す圧縮データを復号する復号処理ステップと、圧縮解除手段が、上記復号処理ステップで復号された圧縮データが示す差分画像の圧縮を解除する圧縮解除処理ステップと、予測画像生成手段が、画像メモリに記憶されているフィルタ処理後の復号画像を参照し、符号化対象画像に対する予測処理を実施して予測画像を生成する予測画像生成処理ステップと、復号画像生成手段が、上記圧縮解除処理ステップで圧縮が解除された差分画像と上記予測画像生成処理ステップで生成された予測画像を加算して復号画像を生成する復号画像生成処理ステップと、フィルタ処理対象画素判別手段が、上記復号画像生成処理ステップで生成された復号画像を構成している複数の画素からなる画素群毎に、当該画素群における画素値のばらつき又は予測残差を評価値として算出し、上記評価値が閾値以上の画素群に属する画素については、フィルタ処理による符号化歪みの軽減効果が認められる画素であると判別するフィルタ処理対象画素判別処理ステップと、領域分類手段が、上記復号画像生成処理ステップで生成された復号画像の中で、上記フィルタ処理対象画素判別処理ステップで符号化歪みの軽減効果が認められると判別された画素であるフィルタ処理対象画素が属する領域を分類するフィルタ処理対象画素判別処理ステップと、領域分類手段が、上記復号画像生成処理ステップで生成された復号画像の中で、上記フィルタ処理対象画素判別処理ステップで判別されたフィルタ処理対象画素が属する領域を分類する領域分類処理ステップと、フィルタ処理手段が、上記復号処理ステップで復号されたフィルタ係数が示すフィルタを用いて、上記フィルタ処理対象画素判別処理ステップで判別されたフィルタ処理対象画素に対するフィルタ処理を実施し、フィルタ処理後の復号画像を上記画像メモリに格納するフィルタ処理ステップとを備え、
上記領域分類処理ステップでは、上記フィルタ処理対象画素が属する領域を分類する複数の分類方法のうち、上記復号画像生成処理ステップで生成された復号画像を構成している画素に対する上記フィルタ処理対象画素の割合に対応する分類方法を用いて、上記フィルタ処理対象画素が属する領域を分類することを特徴とする画像復号方法。
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