以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、先読み予告演出となるものが含まれていればよい。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示を開始するより前に、特図ゲームの保留情報などに基づいて実行可能となる予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出とも称される。例えば、先読み予告演出として、変動図柄予告やカウントダウン予告、保留表示予告といった、複数種類の予告演出のいずれかを実行することができればよい。
変動図柄予告は、飾り図柄の可変表示において最終停止表示される確定飾り図柄の一部または全部を、通常時における飾り図柄とは異なる特殊な飾り図柄に変化させることにより、あるいはチャンス目図柄として予め定められた組合せとすることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する。一例として、予告対象となる可変表示よりも前に実行される可変表示において最終停止表示される飾り図柄を、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない所定の表示色(例えば赤色など)を有する星型などの記号を示すものとすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。
カウントダウン予告は、飾り図柄の可変表示中に所定の文字列を表示することなどによりカウントダウンを開始したかのような態様の演出を実行することにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する。このように、カウントダウン予告は、複数回の可変表示にわたって連続した態様でカウントダウンをしていく予告演出であればよい。
保留表示予告は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する。一例として、特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位における表示色を、通常時における所定色(例えば青色)とは異なる特定色(例えば金色や虹色など)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。また、表示部位における表示柄を通常時とは異なる特定柄(例えば花柄など)とすることや、表示部位に通常時とは異なるキャラクタを表示することにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できるようにしてもよい。
保留表示予告は、予告対象となる可変表示に対する始動入賞が発生したタイミングで直ちに実行される。一方、変動図柄予告やカウントダウン予告は、予告対象となる可変表示に対する始動入賞が発生した後に開始される可変表示から演出を開始し、その予告演出の対象となる可変表示が開始されるよりも前の複数回の可変表示にわたって連続して実行される。
なお、必ずしも複数回の可変表示にわたって予告演出を実行する必要はなく、例えば、その予告演出の対象となる可変表示が開始される直前の1回のみの可変表示において予告演出を行うものであってもよい。また、例えば、予告対象となる可変表示が開始されるよりも前の可変表示から予告演出を開始して、その予告対象となる可変表示の直前に実行される可変表示までで予告演出を終了するものであってもよいし、予告対象となる可変表示中においても予告演出が実行されるものであってもよい。さらに、複数回の可変表示にわたって必ずしも連続して実行する必要はなく、例えば、1回おきまたは2回おきに間欠的に複数回の可変表示において予告演出を実行してもよい。ただし、カウントダウン予告については、カウントダウンが1回のみであったり間欠的であったりすると演出が不自然となってしまうので、複数回の可変表示にわたり連続して実行されることが望ましい。
こうした先読み予告演出としては、変動図柄予告やカウントダウン予告、保留表示予告の他にも、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、予告対象となる可変表示における可変表示結果などに基づいてストーリーの結果を表示するような演出が実行されてもよい。より具体的には、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、可変表示結果が「大当り」となる場合には試合やバトルに勝利する演出を行い、可変表示結果が「ハズレ」であれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合や、可変表示結果が「小当り」となる場合であれば、試合やバトルが引き分けて継続する演出を行うようにしてもよい。また、勝敗などの結果を表示するものではなく、物語などの所定のストーリーを複数回の可変表示にわたり順に展開させていくような演出を実行してもよい。あるいは、先読み予告演出として、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときに、可変表示結果が「大当り」となるか否かを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
飾り図柄の可変表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、飾り図柄の可変表示結果としてリーチ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみである。したがって、開放チャンス目を構成する確定飾り図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放大当り状態に制御されることに対応している。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第5可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したときに、第1始動口入賞指定コマンドが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したときに、第2始動口入賞指定コマンドが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否か、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドである。
この実施の形態では、入賞時乱数値判定処理(図21参照)において、始動入賞の発生に基づき、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否か、大当りの種別、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲になるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されることを指定する値や、大当り種別を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての乱数値MR3が含まれる決定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否か、大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が所定範囲の決定値に含まれる場合には変動パターン種別を認識できる。
図柄指定コマンドの一例として、コマンドC400Hを可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた第1図柄指定コマンドとし、コマンドC401Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる場合に応じた第2図柄指定コマンドとし、コマンドC402Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる場合に応じた第3図柄指定コマンドとし、コマンドC403Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合に応じた第4図柄指定コマンドとし、コマンドC404Hを可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた第5図柄指定コマンドとする。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、可変表示結果通知コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図12に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチαまたはスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。可変表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
図6は、この実施の形態における変動パターン種別を示している。図5に示す各変動パターンは、図6に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。
一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。また、スーパーリーチを伴う変動パターンについては、リーチ演出の内容(例えばスーパーリーチαであるかスーパーリーチβであるか)に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。あるいは、所定の可変表示演出が実行されるか否かなどに応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図6に示すように、各変動パターン種別には、可変表示態様や可変表示の内容に応じて、1つまたは複数の変動パターンが分類される。図5に示す変動パターンの具体的な分類については、例えば図11に示すような変動パターン決定テーブル134の設定から、特定することができる。すなわち、変動パターン決定テーブル134において、各変動パターン種別に応じて決定値が割り当てられた変動パターンは、その変動パターン種別に含まれるように分類されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図7は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、特図表示結果決定テーブルとして、図7(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと、図7(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。
これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。
すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30099」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。
その一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。
このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。
例えば、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。
こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。
あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図8は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。
大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。
すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「82」〜「99」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。
このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。
例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。
あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
図9及び図10は、ROM101に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。
この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図9(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、図9(B)に示す小当り変動パターン種別決定テーブル132Bと、図10(A)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aと、図10(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bとが、予め用意されている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3、変動パターン種別CA4−1及び変動パターン種別CA4−2のいずれかに割り当てられている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。
例えば、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3に対する決定値の割当てが異なっている。
これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
また、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。
例えば、大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合には、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターン種別CA4−1及び変動パターン種別CA4−2に対しては決定値が割り当てられていない。
これに対して、大当り種別が「突確」である場合には、変動パターン種別CA4−1及び変動パターン種別CA4−2に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3に対しては決定値が割り当てられていない。
これにより、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に応じて短期開放大当り状態に制御される場合には、通常開放大当り状態に制御される場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
なお、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。
これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
また、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられるようにしてもよい。
これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
ここで、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aは、例えば遊技状態が通常状態であるときに使用テーブルとして選択される。
これに対して、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bは、例えば遊技状態が確変状態や時短状態であるときに、時短制御が行われていることに対応する使用テーブルとして選択される。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aとハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bとでは、互いに各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。
これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aとハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bとでは、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。
これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
図11は、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブル134の構成例を示している。
変動パターン決定テーブル134は、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
変動パターン決定テーブル134では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、単一または複数の変動パターンに割り当てられている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。
すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。
特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。
遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図12に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。
図12に示す遊技制御用データ保持エリア150は、特図保留記憶部151Aと、普図保留記憶部151Bと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生することにより第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データや、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生することにより第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。
一例として、特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口や第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第1始動条件や第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留情報として、その記憶数が所定の上限記憶数に達するまで記憶する。
特図保留記憶部151Aにおける保留情報は、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が「4」に達したときと、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数の両方が「4」となり合計保留記憶数が「8」に達したときに、上限記憶数となる。
また、この実施の形態では、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データも保留情報に含まれ、保留番号と対応付けて特図保留記憶部151Aに記憶される。
一例として、特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞に対応して「1」を示す始動口データ、あるいは第2始動入賞口への入賞に対応して「2」を示す始動口データが、各遊技球の入賞順に従った保留番号と対応付けて記憶される。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動条件の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、別個の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。
この場合には、始動口データを各遊技球の入賞順に従った保留番号と対応付けて記憶する始動口データ記憶部を設けて、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
あるいは、第2特別図柄表示装置4Bにおける特図ゲームが第1特別図柄表示装置4Aにおける特図ゲームよりも優先して実行される場合には、有効な第2保留情報が記憶されていれば、その第2保留情報に対応する特図ゲームを実行し、有効な第2保留情報が記憶されていない場合にのみ、第1保留情報に対応する特図ゲームを実行すればよい。
この場合には、始動口データ記憶部が設けられなくてもよい。
普図保留記憶部151Bは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留データを記憶する。
例えば、普図保留記憶部151Bは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留情報として、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。
例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。
例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。
CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの一部または全部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。
例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
この実施の形態において、画像表示装置5の表示画面では、予め用意された複数種類の背景画像のうち、いずれかを選択的に表示することができる。図13は、背景画像を表示する動作の移行例を説明するための図である。図13に示す例では、背景A、背景B、背景C、背景Nという、4種類の背景画像が表示可能に用意されている。これらの背景画像は、大当り遊技状態や小当り遊技状態が終了したときや飾り図柄の可変表示が開始されるとき、または時短制御が終了したときといった、予め定められた背景変更条件のいずれかが成立したときに、現在の背景画像や大当り種別等に応じて切り替えられる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の背景画像を表示可能としてもよい。より具体的には、この実施の形態において特別演出状態の一例となる特別予告モードであるときには、通常演出状態の一例となる通常予告モードであるときとは異なる背景画像が表示されるようにしてもよい。すなわち、特別予告モード専用の背景画像を表示可能としてもよい。
背景Nは、ノーマル背景(通常背景)ともいい、特別な背景画像を表示していないとき、すなわち電源投入後などの背景画像はこの背景Nとなる。図13に示すように、任意の背景画像を表示しているときに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となった場合には、大当り遊技状態の終了後における背景画像が背景Aに変更される。また、任意の背景画像を表示しているときに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となった場合には、大当り遊技状態の終了後における背景画像が背景Bに変更される。背景N、背景Aまたは背景C(すなわち背景B以外)のいずれかを表示しているときに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合や、可変表示結果が「小当り」となった場合には、短期開放大当り状態や小当り遊技状態の終了後における背景画像が背景Cに設定される。
背景Aは、時短制御が行われる時短状態(低確高ベース状態)であることを遊技者が確定的に認識することができる背景画像である。背景Bは、時短制御とともに確変制御が行われる確変状態(時短付確変状態、高確高ベース状態)であることを遊技者が確定的に認識することができる背景画像である。背景Cは、短期開放大当り状態や小当り遊技状態の終了後に、確変制御が行われる高確状態(時短付確変状態または時短なし確変状態)であるか否かを認識することが困難な背景画像である。
背景Aまたは背景Bの背景画像を表示しているときに、時短制御が終了することに対応して、背景画像が背景Nに変更(初期化)される。背景Cであるときには、所定の通常背景移行判定がなされたことに対応して、背景画像が背景Nに変更(初期化)される。通常背景移行判定は、例えば背景画像が背景Cに変更されてからの経過時間が所定時間に達したことや、背景画像が背景Cに変更されてからの可変表示回数が所定回数に達したこと、可変表示が開始されるごとに所定割合で背景Cの表示終了抽選を行って終了する旨の抽選結果が得られたことといった、予め定められた所定条件が成立したことに基づいて、背景Cの表示を終了して背景画像を背景Nに変更(初期化)すると判定できればよい。
なお、背景画像の表示態様は、図13に示す移行例に限定されず、少なくとも可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合と、可変表示結果が「小当り」である場合とに対応して、短期開放大当り状態または小当り遊技状態が終了した後に、確変制御が行われる確変状態といった特別遊技状態であるか否かにかかわらず、共通の背景画像を表示することができればよい。こうした共通の背景画像を表示することにより、いわゆる潜伏確変といった、確変制御が行われているか否かを遊技者が認識不可能または認識困難な演出態様とすることができればよい。背景画像の表示態様に限定されず、例えば飾り図柄のモチーフや、飾り図柄の可変表示中に出現するキャラクタ画像、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDの点灯態様といった、任意の演出態様を変化させることにより、確変制御が行われる確変状態といった特別遊技状態であるか否かにかかわらず、共通の演出を実行することができればよい。
演出制御基板12に搭載されたROM121には、背景Aや背景B、背景C、背景Nといった複数種類の背景画像を選択的に表示する演出態様に対応して、図14に示すような演出制御パターンテーブル250A〜250Dを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM121には、背景画像の表示態様にかかわらず共通の演出制御パターンテーブル250Eを構成するテーブルデータが記憶されている。大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間などにおける、各種の演出制御の内容を示すデータは、各種演出制御パターンとして、各演出モードに共通の演出制御パターンテーブル250Eに予め格納されていればよい。
演出制御パターンテーブル250A〜250Dには、背景画像の表示態様が背景A、背景B、背景C、背景Nのいずれであるかに応じて、互いに演出態様が異なる各種の演出動作の制御内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。例えば、演出制御パターンテーブル250A〜250Dのそれぞれには、複数種類の変動パターンに対応する特図変動時演出制御パターンが予め格納されていればよい。なお、背景画像の表示態様にかかわらず複数種類の変動パターンに対応する特図変動時演出制御パターンは共通のものとしてもよい。
図15は、それぞれの背景画像の表示例を示している。図15(A)は、背景Nの背景画像を示している。ノーマル背景(通常背景)としての背景Nでは、表示画面の背景が単一色に設定され、特別な背景画像が表示されない。なお、背景Nとして単一色に設定するものに限定されず、所定のモチーフに応じた演出画像が表示されてもよい。図15(B)は、背景Aの背景画像を示している。背景Aとしては、「海」の背景画像が表示される。図15(C)は、背景Bの背景画像を示している。背景Bとしては、「山」の背景画像が表示される。図15(D)は、背景Cの背景画像を示している。背景Cとしては、「宇宙」の背景画像が表示される。
こうした背景画像の表示態様に代えて、あるいは背景画像の表示態様とともに、飾り図柄やキャラクタ画像の一方または双方について表示態様を変化させるようにしてもよい。また、背景画像の表示態様に代えて、あるいは背景画像の表示態様とともに、飾り図柄の可変表示中にスピーカ8L、8Rから出力させる効果音を変化させてもよいし、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯態様を変化させてもよい。
図16(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図16(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図16(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出といった所定演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図17(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図17(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図17(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)や図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、図17(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図17(B)では、バッファ番号「1」〜「5」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図17(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図17(B)に示す格納状態において新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」〜「5」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」〜「4」に対応した領域にシフトされる。図17(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのうち、バッファ番号「2」に対応した領域については、コマンド受信を正常に行えず、保留記憶数通知コマンドを取りこぼした場合の例が示されている。そのため、図17(B)に示す例では、バッファ番号「2」に対応して、本来、保留記憶数通知コマンドが格納されるべき4つ目の記憶領域における内容が「0000(H)」のままとなっている。
始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納される始動入賞時のコマンド(始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数通知コマンド)に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かや、実行する場合における先読み予告演出の種別が決定される。このとき、始動入賞時のコマンドに取りこぼしや不整合が発生した場合には、それらのコマンドに対応する保留情報の可変表示が実行(消化)されるまで、先読み予告演出の設定が行われないように制限される。こうした先読み予告演出の設定が制限される期間(先読み予告制限中)に始動入賞時のコマンドを受信した場合に、その受信タイミングで先読み予告演出の設定が行われなかったものに対応して、未判定情報が「1」(あるいはオン状態)にセットされる。なお、先読み予告演出の実行を制限する場合には、所定期間内に発生した始動入賞に対応する可変表示を対象とする先読み予告演出について、全部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよいし、一部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図18のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図18に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図19は、特別図柄プロセス処理として、図18に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図20は、始動入賞判定処理として、図19のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図20に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値とともに保留情報として、特図保留記憶部151Aにおける空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。
特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否か、さらには可変表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を決定するために用いられる。変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが属する変動パターン種別を決定するために用いられる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図18に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS212)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS213)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図18に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
なお、例えばステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されたときに、ステップS202の処理により第1特図保留記憶数の判定を行う以前に、第1始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われるようにしてもよい。一方、ステップS204にて第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されたときには、ステップS205の処理により第2特図保留記憶数の判定を行う以前に、第2始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われるようにしてもよい。これにより、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたときに、たとえ第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が上限記憶数に達して第1始動条件や第2始動条件が成立しない場合であっても、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。すなわち、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドは、第1始動条件や第2始動条件が成立するか否かにかかわらず、始動領域を遊技球が通過(進入)したことを認識可能に通知する始動通過情報として、主基板11から演出制御基板12へと送信されてもよい。
図20に示す始動入賞判定処理において、ステップS201の処理により第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されたときでも、ステップS202の処理により第1特図保留記憶数が上限値であると判定された場合には、ステップS213の処理が実行されず、第1保留記憶数通知コマンドの送信が行われないように制限される。一方、ステップS203の処理により第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されたときでも、ステップS204の処理により第2特図保留記憶数が上限値であると判定された場合には、ステップS213の処理が実行されず、第2保留記憶数通知コマンドの送信が行われないように制限される。すなわち、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口や第2始動入賞口における遊技球の通過(進入)に基づいて特別図柄を可変表示する特図ゲームの実行が可能であることを認識可能に通知する有効始動情報として、主基板11から演出制御基板12へと送信される。演出制御基板12の側では、始動通過情報となる始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)を受信した後、所定の受信待ち期間内に有効始動情報となる保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を受信しなかったことにより、無効始動入賞の発生を検出することができればよい。
また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が増加したことを認識可能に指定する保留記憶情報となる。
図21は、入賞時乱数値判定処理として、図20のステップS212にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図19のステップS110、図22)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図19のステップS111、図23)において、飾り図柄の可変表示態様を抽象的に分類した変動パターン種別の決定や、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図21に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、第1特図表示結果決定テーブル130Aまたは第2特図表示結果決定テーブル130Bを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(ステップS402)。その後、図20のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、その乱数値MR1を示す数値データが所定の小当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS404)。CPU103は、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「小当り」の特図表示結果に割り当てられた決定値について、大当り判定範囲の場合と同様の処理を実行することにより、乱数値MR1が小当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。ステップS404にて小当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS404;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS405)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「00H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
ステップS405の処理に続いて、ステップS401の処理により特定された現在の遊技状態における時短制御の有無に応じて、ハズレ用の変動パターン種別判定閾値を設定する(ステップS406)。例えば、時短制御が行われていないときには、「79」、「99」、「199」、「219」および「229」を、ハズレ用の変動パターン種別判定閾値に設定する。このうち、「79」は、図10(A)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aにおいて、合計保留記憶数にかかわらず変動パターン種別CA1−1に決定される乱数値MR3の上限値となっている。また、「99」は、合計保留記憶数が「0」または「1」であるときに、可変表示態様が「非リーチ」となる変動パターン種別に決定される乱数値MR3の上限値となっている。「199」は、合計保留記憶数が「2」〜「4」のいずれかであるときに、可変表示態様が「非リーチ」となる変動パターン種別に決定される乱数値MR3の上限値となっている。「219」は、合計保留記憶数が「5」〜「8」のいずれかであるときに、可変表示態様が「非リーチ」となる変動パターン種別に決定される乱数値MR3の上限値となっている。「229」は、合計保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチのリーチ演出が実行されない変動パターン種別に決定される乱数値MR3の上限値となっている。このように、変動パターン種別判定閾値は、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が含まれる決定値の範囲を特定し、変動パターン種別などに応じて予め設定された複数種類の変動カテゴリのうち、いずれに決定されるかを判定するために設定される判定値となる。この実施の形態では、少なくとも可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、合計保留記憶数にかかわらず共通して「非リーチ」の可変表示態様となる変動カテゴリを設け、乱数値MR3に基づいて、このような変動カテゴリに決定されるか否かを判定できればよい。
ステップS404にて小当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS404;Yes)、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS407)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「04H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。ステップS407の処理に続いて、小当り用の変動パターン種別判定閾値を設定する(ステップS408)。例えば、ステップS408の処理では、「251」を小当り用の変動パターン種別判定閾値に設定する。ここで、「251」は、変動パターン種別決定用の乱数値MR3における最大値であり、乱数値MR3は常に小当り用の変動パターン種別判定閾値以下の値となる。すなわち、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた変動カテゴリは1つのみ設けられて、その変動カテゴリに決定されると判定される。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別決定テーブル131を構成するテーブルデータから大当り種別決定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS410)。一例として、ステップS409にて大当り種別が「確変」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「01H」とし、大当り種別が「非確変」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「02H」とし、大当り種別が「突確」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「03H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。ステップS410の処理に続いて、ステップS409の処理による判定結果に応じた変動パターン種別判定閾値を設定する(ステップS411)。
ステップS406、S408、S411の処理のいずれかを実行した後には、それぞれの処理にて設定された変動パターン種別判定閾値と、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データとを用いて、乱数値MR3が含まれる決定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(ステップS412)。
なお、ステップS406、S408、S411の処理により、予め定められた変動パターン種別判定閾値を設定するものに代えて、図9および図10に示すような変動パターン種別決定テーブルのいずれかを設定して、変動カテゴリとしていずれの変動パターン種別に決定されるかの判定を行うようにしてもよい。その後、ステップS412の処理による判定結果に応じた変動カテゴリコマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図21に示す入賞時乱数値判定処理では、可変表示結果が「大当り」や「小当り」となる場合でも一律に変動パターン種別決定用の乱数値MR3が含まれる決定値の範囲となる変動カテゴリの判定を行うようにしている。これに対して、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定される場合には、変動カテゴリの判定を行わないようにしてもよい。この場合、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となることに応じた図柄指定コマンドを送信するとともに、可変表示結果が「大当り」または「小当り」であるときの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
図20に示す始動入賞判定処理や図21に示す入賞時乱数値判定処理では、図20におけるステップS211の処理を実行した後に、ステップS212にて図21に示す入賞時乱数値判定処理が実行されることで、図21におけるステップS405、S407、S410、S413の処理を実行し、さらに図20におけるステップS214の処理を実行する。これらの処理が実行されてから、図18に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図19のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部151Aに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に基づき、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図22は、特別図柄通常処理として、図19のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて合計保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」と対応付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ、及び始動口データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3などを示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。そして、ステップS232にて読み出した保留データに含まれる始動口データから特定される始動口が、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかを判定する(ステップS234)。このとき、ステップS232にて読み出した始動口データが「1」を示す場合には第1始動入賞口であると判定する一方、始動口データが「2」を示す場合には第2始動入賞口であると判定すればよい。
ステップS234にて第1始動入賞口であると判定されたときには(ステップS234;「1」)、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新する(ステップS235)。このときには、変動特図指定バッファの値を「1」に更新する(ステップS236)。
ステップS234にて第2始動入賞口であると判定されたときには(ステップS234;「2」)、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新する(ステップS237)。このときには、変動特図指定バッファの値を「2」に更新する(ステップS238)。
ステップS236、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファ値に対応する特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には第1特図表示結果決定テーブル130Aを使用テーブルにセットする一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルにセットする。CPU103は、こうしてセットされた特図表示結果決定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「大当り」または「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、特図表示結果を「大当り」と「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。このときには、ステップS240にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。ステップS240にて特図表示結果を決定することにより、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄を導出表示するか否かが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。
ステップS241にて「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データが、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
ステップS244の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、短期開放大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図23は、変動パターン設定処理として、図19のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。また、例えば遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
ステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS264)。そして、小当りフラグがオンであれば(ステップS264;Yes)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、小当り変動パターン種別決定テーブル132Bを選択してセットする(ステップS265)。
ステップS264にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS264;No)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを判定する(ステップS266)。そして、時短制御中ではないときには(ステップS266;No)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aを選択してセットする(ステップS267)。ステップS266にて時短制御中である場合には(ステップS266;Yes)、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bを選択し、変動パターン種別を決定するための使用テーブルにセットする(ステップS268)。なお、ステップS267、S268の処理のいずれかを実行したときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定するとよい。
ステップS263、S265、S267、S268の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。ここで、ステップS269の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。
大当りフラグがオンであるときには、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを構成するテーブルデータのうちから、ステップS263の処理により特定された大当り種別に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターン種別を決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「大当り」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターン種別のうちから、いずれかの変動パターン種別に決定できればよい。
小当りフラグがオンであるときには、小当り変動パターン種別決定テーブル132Bを参照し、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターン種別を決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「小当り」にする決定結果に対応して予め用意された変動パターン種別に決定できればよい。
大当りフラグと小当りフラグがともにオフであるときには、ステップS269の処理にて変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、ステップS269の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS269にて変動パターン種別を決定した後には、変動パターン決定テーブル134を選択し、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS270)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS270にてセットした変動パターン決定テーブル134を参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS271)。
変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、ステップS271の処理が実行されるときに乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタなどから抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出された始動入賞時に抽出されたものを、乱数値MR1〜MR3とともに、特図保留記憶部151Aにおける保留情報として記憶しておいてもよい。
ステップS271の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。また、ステップS271の処理では、ステップS269における変動パターン種別の決定結果にかかわらず、変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
ステップS271にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS272)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。
ステップS272の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS273)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS273の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS274)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS275)、変動パターン設定処理を終了する。
ステップS274でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから図18に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
図24は、特別図柄停止処理として、図19のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるかオフであるかを判定する(ステップS281)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS281;Yes)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS282)。例えば、ステップS282の処理では、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。続いて、当り開始指定コマンドのうちEXTデータの設定により大当り開始指定コマンドとなる演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS283)。
ステップS283の処理を実行した後には、時短フラグがオンとなっているか否かに対応して時短制御が行われている時短制御中であるか否かを判定する(ステップS284)。そして、時短制御中であれば(ステップS284;Yes)、大当り種別バッファ値を読み出して(ステップS285)、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかを特定する。このときには、特定された大当り種別が「突確」であるか否かを判定する(ステップS286)。
ステップS286にて「突確」の大当り種別であると判定されたときには(ステップS286;Yes)、時短制御の実行中に特図表示結果が「大当り」で「突確」の大当り種別となり短期開放大当り状態に制御されることに対応して、遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短中突確フラグをオン状態にセットする(ステップS287)。こうして時短中突確フラグをオン状態にセットしておくことにより、時短制御の実行中における「突確大当り」に対応して、短期開放大当り状態の終了後に確変制御とともに時短制御が行われる時短付確変状態(高確高ベース状態)に移行可能とする。
ステップS284にて時短フラグがオフであるときや(ステップS284;No)、ステップS286にて大当り種別が「突確」ではないとき(ステップS286;No)、あるいは、ステップS287の処理を実行した後には、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS288)。また、特図表示結果が「大当り」となったことに対応して、確変制御や時短制御を終了するための設定を行う(ステップS289)。例えば、ステップS289の処理では、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする。また、時短回数カウント値が「0」以外の値であれば、時短回数カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化すればよい。その後、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS290)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS281にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS281;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。そして、小当りフラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、小当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS292)。例えば、ステップS292の処理では、小当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。続いて、当り開始指定コマンドのうちEXTデータの設定により小当り開始指定コマンドとなる演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。また、小当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS294)。その後、特図プロセスフラグの値を小当り開放前処理に対応した値である“8”に更新する(ステップS295)。
ステップS291にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS292;No)、特図プロセスフラグの値を“0”に初期化する(ステップS296)。ステップS295、S296の処理のいずれかを実行した後には、確変制御や時短制御を終了するか否かの判定を行う(ステップS297)。例えば、ステップS297の処理では、時短回数カウント値が「0」であるか否かを判定し、「0」以外の値であれば、時短回数カウント値を1減算するように更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が「0」となったときには、時短制御を終了する旨の判定を行うようにすればよい。このとき、時短制御を終了すると判定された場合には、例えば時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時短制御を終了するための設定を行う。また、時短制御を終了するとともに確変制御を終了させてもよい。あるいは、確変制御が行われている確変制御中は、特図表示結果が「大当り」となるまで、時短制御も継続して行われるようにしてもよい。また、時短制御を終了させるか否かの判定とは別個に、確変制御を終了させるか否かの判定が行われるようにしてもよい。その後、遊技状態指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS298)、特別図柄停止処理を終了する。
図25は、大当り終了処理として、図19のステップS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS311)。一例として、図19に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS311の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS311;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過したときには(ステップS311;Yes)、大当り種別バッファ値を読み出して(ステップS312)、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであったかを特定する。このときには、特定された大当り種別が「突確」であるか否かを判定する(ステップS313)。
ステップS313にて大当り種別が「突確」と判定された場合には(ステップS313;Yes)、時短中突確フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS314)。時短中突確フラグがオンであるときには(ステップS314;Yes)、時短中突確フラグをクリアしてオフ状態に初期化してから(ステップS315)、ステップS316の処理に進む。これに対して、ステップS314にて時短中突確フラグがオフであるときには(ステップS314;No)、ステップS317の処理に進む。
ステップS313にて大当り種別が「突確」ではないと判定された場合や(ステップS313;No)、ステップS315の処理を実行した後には、時短制御を開始するための設定を行う(ステップS316)。例えば、CPU103は、時短フラグをオン状態にセットするとともに、時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」)を、時短回数カウンタに設定する。
ステップS314にて時短中突確フラグがオフと判定された場合や(ステップS314;No)、ステップS316の処理を実行した後には、ステップS312の処理により特定された大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS317)。大当り種別が「非確変」ではないと判定された場合には(ステップS317;No)、確変制御を開始するための設定を行う(ステップS318)。例えば、CPU103は、確変フラグをオン状態にセットする。
ステップS317にて大当り種別が「非確変」と判定された場合や(ステップS317;Yes)、ステップS318の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“0”に初期化してから(ステップS319)、大当り終了処理を終了する。
図26は、普通図柄プロセス処理として、図18のステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、ゲート通過判定処理を実行する(ステップS130)。例えば、ステップS130のゲート通過判定処理では、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づき、ゲートスイッチ21がオンであるか否かを判定し、オフであれば、そのままゲート通過判定処理を終了する。これに対して、ゲートスイッチ21がオンであるときには、普図保留記憶部151Bにおける普図ゲームの記憶数(普図保留記憶数)を示す普図保留記憶カウント値が、普図保留上限値として予め定められた値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留上限値に達していれば、通過ゲートにおける今回の遊技球の通過を無効として、ゲート通過判定処理を終了する。その一方で、普図保留上限値に達していない場合には、例えば乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。このとき抽出した乱数値MR5を示す数値データが、保留情報として普図保留記憶部151Bにおける空きエントリの先頭にセットされることで、乱数値MR5が記憶される。この場合には、普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してから、ゲート通過判定処理を終了する。
ステップS130のゲート通過判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値に応じて、図26に示すステップS140〜S143の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部151Bに格納された保留情報の有無などに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部151Bに格納された保留情報がある場合には、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果である普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかを決定する普図表示結果決定処理が実行してから、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
普図表示結果決定処理では、普図保留記憶部151Bから読み出した保留情報に含まれる普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどに基づき、ROM101の所定領域などに予め記憶された普図表示結果決定テーブルを参照して、普図表示結果を決定する。ここで、普図表示結果決定テーブルでは、時短フラグがオンである場合に、時短フラグがオフである場合よりも普図表示結果を「普図当り」とする決定がなされる割合が高くなるように決定値が普図表示結果に割り当てられている。これにより、時短状態や確変状態において高開放制御が行われる高ベース状態では、通常状態に比べて普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となりやすくなることで、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態(通過有利状態)となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。
また、普図表示結果決定処理では、普図表示結果に対応する普図変動時間の決定も行われる。このとき、時短フラグがオンである場合には、時短フラグがオフである場合よりも普図変動時間が短くなるように設定される。これにより、時短状態や確変状態において高開放制御が行われる高ベース状態では、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「普図当り」の可変表示結果が導出表示される間隔も短くなり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態(通過有利状態)となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。さらに、普図表示結果決定処理では、普図表示結果を「普図当り」とする場合に、第2始動入賞口を拡大開放状態(通過有利状態)とする時間である傾動制御時間や拡大開放状態(通過有利状態)とする回数である傾動制御回数を設定してもよい。このとき、時短フラグがオンである場合には、時短フラグがオフである場合よりも傾動制御時間や傾動制御回数が増加するように設定される。これにより、時短状態や確変状態において高開放制御が行われる高ベース状態では、第2始動入賞口が拡大開放状態(通過有利状態)となる時間や回数が増加することで、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。なお、第2始動入賞口を拡大開放状態(通過有利状態)とする設定は、ステップS142の普通図柄停止処理やステップS143の普通電動役物作動処理にて行うようにしてもよい。
ステップS141の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示装置20において普通図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が所定の普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。
ステップS142の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図変動時間が経過したことに基づき、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)させるための設定などを行う。ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を通常開放状態(通過不利状態)から拡大開放状態(通過有利状態)に変化させるための設定などが行われる。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図27のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図27に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図28は、コマンド解析処理として、図27のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図28に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS501;No)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS502;Yes)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS503)。例えば、ステップS503の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS502にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS502;No)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS504;Yes)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS505)。例えば、ステップS505の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS504にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS504;No)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(ステップS506;No)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(ステップS507;No)、その受信コマンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。そして、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS508;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS509)。
ステップS508にて受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS508;No)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS510)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS510;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS511)。
ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(ステップS506;Yes)、ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(ステップS507;Yes)、あるいはステップS503、S505、S509、S511の処理のいずれかを実行した後には、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納してから(ステップS512)、ステップS501の処理に戻る。
なお、変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
ステップS510にて受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS510;No)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS513)、ステップS501の処理に戻る。
始動口入賞指定コマンドや図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのように、始動入賞が発生したときに主基板11から受信する演出制御コマンドは、始動入賞時のコマンドともいう。また、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が増加したことを認識可能に指定する演出制御コマンドである第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、保留記憶情報ともいう。始動入賞が発生したときに、乱数値MR1〜MR3などを示す数値データに基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否かの判定結果、大当り種別の判定結果、変動カテゴリの判定結果を指定する演出制御コマンドである図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドは、判定結果情報ともいう。なお、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。各受信コマンドを区別して受信する場合には、取りこぼした受信コマンドの格納領域が空欄となり、1セットとして受信すべき一部の演出制御コマンドのみが過剰に格納されることになる。
図29は、演出制御プロセス処理として、図27のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、予告モード設定処理を実行する(ステップS161)。ステップS161の予告モード設定処理では、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が所定数以上であるか否かの検出結果に基づいて演出変更条件の一例となるモード移行条件が成立したか否かを判定し、成立した場合には通常演出状態の一例となる通常予告モードから、特別演出状態の一例となる特別予告モードへと移行させる。ステップS161にて予告モード設定処理を実行した後には、先読み予告演出の有無や演出態様を決定する先読み予告決定処理を実行する(ステップS162)。
図30は、図29のステップS161にて実行される予告モード設定処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す予告モード設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、パチンコ遊技機1における演出状態が通常演出状態としての通常予告モードであるか否かを判定する(ステップS721)。
ステップS721にて通常予告モードであるときには(ステップS721)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける記憶内容をチェックする(ステップS722)。そして、始動入賞時のコマンドとして、第1保留記憶数通知コマンドの新たな受信があったか否かを判定する(ステップS723)。
ステップS723にて第1保留記憶数通知コマンドの受信があったと判定された場合には(ステップS723;Yes)、その第1保留記憶数通知コマンドにより通知された第1特図保留記憶数は、予め定められた更新判定値に達したか否かを判定する(ステップS724)。
このとき用いられる更新判定値は、例えば第1特図保留記憶数が所定数以上であることを検出する場合に、第1特図保留記憶数における上限記憶数(例えば「4」)の近傍(例えば「3」)に設定されていればよい。上限記憶数の近傍となる更新判定値は、例えば上限記憶数の半分(1/2)よりも大きな値であればよい。上限記憶数の近傍となる更新判定値として、上限記憶数と同一の値が設定されてもよい。あるいは、更新判定値として、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が通常よりも短縮される特図保留記憶数に対応した値が設定されてもよい。可変表示時間が短縮される特図保留記憶数は、例えば特図保留記憶数が「0」であるときに決定可能な通常時の非リーチ変動パターンとは異なる短縮用の非リーチ変動パターンに決定可能となる特図保留記憶数であってもよいし、短縮用の非リーチ変動パターンに決定される一方で通常時の非リーチ変動パターンには決定されることのない特図保留記憶数であってもよい。
あるいは、ステップS724の処理にて用いられる更新判定値は、例えば第1特図を用いた特図ゲームが保留記憶されていることを検出するために、上限記憶数の近傍以外に設定されてもよい。より具体的には、第1特図を用いた特図ゲームが保留記憶されていることを示す「1」が、更新判定値として設定されてもよい。
ステップS724にて第1特図保留記憶数が更新判定値に達しているときには(ステップS724;Yes)、始動入賞ポイントの更新値を決定する(ステップS725)。そして、例えばステップS725にて決定された更新値を第1始動入賞ポイントに加算することなどにより、第1始動入賞ポイントの更新を行う(ステップS726)。
ステップS723にて第1保留記憶数通知コマンドの受信がないと判定された場合や(ステップS723;No)、ステップS724にて第1特図保留記憶数が更新判定値に達していないと判定された場合(ステップS724;No)、あるいはステップS726の処理を実行した後には、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態のうち時短制御に伴う高開放制御が行われない低ベース状態であるか否かを判定する(ステップS727)。
ステップS727にて低ベース状態ではなく高ベース状態であると判定された場合には(ステップS727;No)、始動入賞時のコマンドとして、第2保留記憶数通知コマンドの新たな受信があったか否かを判定する(ステップS728)。このとき、第2保留記憶数通知コマンドの受信があったと判定された場合には(ステップS728;Yes)、その第2保留記憶数通知コマンドにより通知された第2特図保留記憶数は、予め定められた更新判定値に達したか否かを判定する(ステップS729)。
このとき用いられる更新判定値は、ステップS724の処理で用いられる更新判定値と同様に、第2特図保留記憶数における上限記憶数(例えば「4」)の近傍(例えば「3」)、あるいは上限記憶数の近傍以外(例えば「1」)に設定されていればよい。ステップS729の処理で用いられる更新判定値は、ステップS724の処理で用いられる更新判定値と同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。すなわち、ステップS724の処理では、第1特図保留記憶数が第1記憶数以上であることを検出する一方で、ステップS729の処理では、第2特図保留記憶数が第1記憶数とは異なる第2記憶数以上であることを検出してもよい。
ステップS729にて第2特図保留記憶数が更新判定値に達しているときには(ステップS729;Yes)、始動入賞ポイントの更新値を決定する(ステップS730)。そして、例えばステップS729にて決定された更新値を第2始動入賞ポイントに加算することなどにより、第2始動入賞ポイントの更新を行う(ステップS731)。
第1始動入賞ポイントは、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられた第1始動入賞ポイントカウンタによって更新可能に記憶され、ステップS724の処理により第1特図保留記憶数が所定の更新判定値以上であると検出されるごとに、ステップS725の処理により決定された始動入賞ポイント値を加算するように更新される。第2始動入賞ポイントは、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられた第2始動入賞ポイントカウンタによって更新可能に記憶され、ステップS729の処理により第2特図保留記憶数が所定の更新判定値以上であると検出されるごとに、ステップS730の処理により決定された始動入賞ポイント値を加算するように更新される。
図31(A)は、ステップS725、S730の処理にて始動入賞ポイントの更新値を決定する割合の設定例を示している。図31(A)に示す例では、ステップS724、S729の処理で用いられる更新判定値が「3」であり、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が「3」または「4」である場合に、変動カテゴリコマンドにより指定された変動カテゴリに応じて異なる割合で、始動入賞ポイントの更新値が決定される。
例えば、保留記憶数(第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数)が同一で可変表示結果を「ハズレ」とする場合のうち、変動カテゴリが合計保留記憶数にかかわらずスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンに決定されることを示す「スーパーリーチ共通」であるときには、その他の「ハズレ」であるときよりも、より多くの更新値に決定される割合が高い。より具体的には、保留記憶数が「3」である場合のうち、変動カテゴリが「スーパーリーチ共通」であるときに変更値が「5ポイント」に決定される割合(70%)は、その他の「ハズレ」であるときの割合(20%)よりも高くなっている。また、変動カテゴリが「スーパーリーチ共通」であるときには変更値が「3ポイント」に決定されることがない一方、その他の「ハズレ」であるときには所定割合(80%の割合)で変更値が「3ポイント」に決定される。さらに、変動カテゴリが「スーパーリーチ共通」であるときには所定割合(30%)で変更値が「20ポイント」に決定される一方、その他の「ハズレ」であるときには変更値が「20ポイント」に決定されることがない。
保留記憶数が同一で可変表示結果を「大当り」とする場合には、可変表示結果を「ハズレ」または「小当り」とする場合よりも、より多くの更新値に決定される割合が高い。変動カテゴリが同一であれば、保留記憶数が第1保留数(例えば「3」)である場合に比べて、保留記憶数が第1保留数よりも多い第2保留数(例えば「4」)である場合の方が、より多くの更新値に決定される割合が高い。
図31(A)に示す決定割合の設定例に加え、図31(B)に示すような割合でも始動入賞ポイントの更新値が決定されてもよい。図31(B)に示す例では、ステップS724、S729の処理で用いられる更新判定値を「1」として、第1特図や第2特図を用いた特図ゲームが保留記憶されている場合に、保留記憶数や変動カテゴリに応じて異なる割合で、始動入賞ポイントの更新値が決定される。ただし、図31(B)に示す設定例では、図31(A)に示す設定例よりも、より少ない更新値に決定される割合が高い。こうした設定により、保留記憶数が所定数未満の第1保留数(例えば「1」または「2」)である場合に比べて、保留記憶数が第1保留数よりも多く所定数以上の第2保留数(例えば「3」または「4」)である場合の方が、より多くの更新値に決定される割合を高めてもよい。
なお、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)の新たな受信があったときに、保留記憶数(第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数)が更新判定値に達したことを条件に始動入賞ポイント(第1始動入賞ポイントまたは第2始動入賞ポイント)を更新するものに限定されず、図29に示すステップS161にて予告モード設定処理が実行されるごとに、保留記憶数が更新判定値に達していることを条件に始動入賞ポイントを更新するものとしてもよい。この場合には、保留記憶数が所定数以上であれば始動入賞ポイントが定期的に更新されていく。すなわち、保留記憶数が所定数以上である期間に応じて始動入賞ポイントを更新することができる。このとき、保留記憶数が第1保留数(例えば「3」)である場合に比べて、保留記憶数が第1保留数よりも多い第2保留数(例えば「4」)である場合の方が高い割合で、より多くの更新値に決定されるように設定してもよい。
または、保留記憶されている特図ゲームのうちに変動カテゴリが「スーパーリーチ共通」となるものがある場合には、その他の「ハズレ」しかない場合よりも高い割合で、より多くの更新値に決定されるように設定してもよい。または、保留記憶されている特図ゲームのうちに可変表示結果が「大当り」となるものがある場合には、「ハズレ」や「小当り」しかない場合よりも高い割合で、より多くの更新値に決定されるように設定してもよい。
加えて、保留記憶数が更新判定値に達していると連続して判定された回数が増加するに従って、より多くの更新値に決定されるように設定してもよい。この場合には、保留記憶数が所定数以上である期間が長くなれば、始動入賞ポイントがより増加しやすくなる。
保留記憶数が更新判定値に達していることが前回に検出されてからの経過時間を計測し、今回の検出までに経過した時間に応じて異なる更新値が決定されてもよい。例えば、前回の検出から第1経過時間(例えば5秒)以内に今回の検出がなされた場合には、その検出が第1経過時間よりも長い第2経過時間(例えば10秒)以内になされた場合よりも高い割合で、より多くの更新値に決定されるように設定してもよい。これにより、短時間のうちに始動入賞が複数回発生して保留記憶数が所定数以上であると検出された場合には、始動入賞ポイントが増加しやすくなる一方、長時間にわたり始動入賞が発生しない場合には、始動入賞ポイントが増加しにくくなる。
始動入賞の発生により特図ゲームが保留記憶される有効始動入賞の場合に限定されず、始動入賞が発生しても保留記憶数が上限記憶数であることにより特図ゲームが保留記憶されない無効始動入賞の場合にも、始動入賞ポイントが更新されるようにしてもよい。こうした無効始動入賞の発生を演出制御基板12の側で検出するために、例えば図20に示すステップS201の処理により第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されたときには、ステップS202の処理による判定が行われる前に、第1始動口入賞指定コマンドを送信する設定を行うようにしてもよい。また、ステップS204の処理により第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されたときには、ステップS205の処理による判定が行われる前に、第2始動口入賞指定コマンドを送信する設定を行うようにしてもよい。
演出制御用CPU120は、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)を受信した後、所定の受信待ち時間が経過するまでに対応する保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を受信しなかったことにより、無効始動入賞の発生を検出すればよい。始動入賞が発生したときに、その始動入賞が無効始動入賞であるか有効始動入賞であるかに応じて異なる割合で、始動入賞ポイントの更新値が決定されてもよい。例えば、無効始動入賞の発生が検出されたときには、始動入賞の発生が検出されて保留記憶数が更新判定値以上に達したことが検出されたときよりも高い割合で、より多くの更新値に決定されるように設定してもよい。すなわち、無効始動入賞の発生が検出されたときには、有効始動入賞の発生が検出されたときよりも高い割合で、より多くの更新値に決定されるように設定してもよい。
これにより、保留記憶数が上限記憶数に達しても遊技者が遊技球の発射を停止(いわゆる「止め打ち」)することを防止して、パチンコ遊技機1における稼働率の低下を抑制できる。また、遊技者が止め打ちしても間に合わずに、保留記憶数が上限記憶数に達してから無効始動入賞が発生してしまった場合に、遊技者の損失感を軽減することができる。
無効始動入賞が検出された場合には、対応する変動カテゴリコマンドなどの送信が行われないことから、そのコマンドで指定される変動カテゴリに応じた割合で始動入賞ポイントの更新値を決定することはできない。一方、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには既に受信した変動カテゴリコマンドなどが格納されており、こうしたコマンドで指定された変動カテゴリに応じた割合で、始動入賞ポイントの更新値を決定するようにしてもよい。例えば、保留記憶されている特図ゲームのうちに変動カテゴリが「スーパーリーチ共通」となるものがある場合には、その他の「ハズレ」しかない場合よりも高い割合で、より多くの更新値に決定されるように設定してもよい。または、保留記憶されている特図ゲームのうちに可変表示結果が「大当り」となるものがある場合には、「ハズレ」や「小当り」しかない場合よりも高い割合で、より多くの更新値に決定されるように設定してもよい。
ステップS727にて低ベース状態であると判定された場合や(ステップS727;Yes)、ステップS728にて第2保留記憶数通知コマンドの受信がないと判定された場合(ステップS728;No)、ステップS729にて第2特図保留記憶数が更新判定値に達していないと判定された場合(ステップS729;No)、あるいはステップS731の処理を実行した後には、モード移行判定値を設定する(ステップS732)。モード移行判定値は、第1始動入賞ポイントや第2始動入賞ポイントといった始動入賞ポイントと比較され、始動入賞ポイントがモード移行判定値に達したときに、演出変更条件の一例となるモード移行条件が成立する。
ステップS732の処理では、例えば図32(A)に示すように、背景画像の表示態様が背景C以外である場合に対応したモード移行判定値の設定が行われればよい。図32(A)に示す設定例では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態で時短制御に伴う高開放制御が行われない低ベース状態であるときに、モード移行判定値として「100ポイント」が設定される。一方、時短状態や確変状態で時短制御に伴う高開放制御が行われる高ベース状態であるときには、低ベース状態とは異なるモード移行判定値として「200ポイント」が設定される。このように、高ベース状態であるときのモード移行判定値は、低ベース状態であるときのモード移行判定値よりも大きな値となればよい。
高ベース状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくなる高開放制御が行われることから、始動入賞の検出回数(累計回数)や検出頻度が増大しやすい。そのため、高ベース状態であるときも低ベース状態であるときと同一のモード移行判定値を設定すると、始動入賞ポイントが直ちにモード移行判定値に達して演出変更条件が成立してしまい、通常演出状態となる通常予告モードから特別演出状態となる特別予告モードへと短期間のうちに移行してしまう。こうした特別予告モードへと容易に変更されてしまうことによる遊技興趣の減退を防止するために、高ベース状態であるときのモード移行判定値は、低ベース状態であるときのモード移行判定値よりも大きな値となるように、予め定められていればよい。
あるいは、ステップS732の処理では、例えば図32(B)に示すように、背景画像の表示態様が背景Cである場合に対応したモード移行判定値の設定が行われてもよい。図32(B)に示す設定例では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態で確変制御が行われていないときに、モード移行判定値として「100ポイント」が設定される。一方、確変状態で確変制御が行われているときには、通常状態または時短状態のときとは異なるモード移行判定値として「50ポイント」が設定される。このように、確変状態であるときのモード移行判定値は、通常状態または時短状態であるときのモード移行判定値よりも小さな値となればよい。
背景画像の表示態様が背景Cであるときには、短期開放大当り状態または小当り遊技状態の終了後に、確変制御が行われているか否かを認識することが困難になっている。このとき、確変制御が行われる確変状態であれば始動入賞ポイントがモード移行判定値に達しやすくして、通常状態や時短状態よりも演出変更条件が成立しやすくすることで、通常演出状態となる通常予告モードから特別演出状態となる特別予告モードへと移行しやすくする。このように確変状態であるか否かを認識困難な背景Cの背景画像が表示されているときには、始動入賞の発生に基づき特別予告モードに移行しやすいか否かによって、ある程度までは確変状態となっているか否かを示唆することができる。こうして、確変状態に制御されているか否かにかかわらず共通の演出となる背景Cの表示が行われている所定期間では、確変状態であるか否かに応じて特別予告モードに移行する難易度を異ならせることにより、演出状態が移行することに対する遊技者の興味を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
図30のステップS732にてモード移行判定値を設定した後には、始動入賞ポイントがモード移行判定値に達したか否かを判定する(ステップS733)。ステップS733にて始動入賞ポイントがモード移行判定値に達したと判定された場合には(ステップS733;Yes)、飾り図柄の可変表示に伴いリーチ演出が実行中であるか否かを判定する(ステップS734)。このとき、リーチ演出が実行中でなければ(ステップS734;No)、通常演出状態となる通常予告モードから特別演出状態となる特別予告モードに移行することを報知するモード移行演出の実行を開始する設定を行う(ステップS735)。例えば、ステップS735の処理では、モード移行演出を実行するために予め用意された演出制御パターンを使用パターンにセットして、その演出制御パターンに基づく演出動作制御が開始されればよい。
ステップS734にてリーチ演出が実行中である場合には(ステップS734;Yes)、そのリーチ演出が実行されている可変表示における可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS736)。ステップS736にて可変表示結果が「大当り」ではないと判定されたときには(ステップS736;No)、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられたモード移行指定フラグをオン状態にセットする(ステップS737)。こうしてモード移行指定フラグをオン状態にセットすることにより、リーチ演出の実行が終了してから、モード移行演出の実行を開始させることができる。
一方、リーチ演出の実行が終了して可変表示結果が「大当り」となることが認識可能になってからモード移行演出が実行されると、遊技者の興味は可変表示結果や大当り遊技状態におけるラウンドの実行などに向けられており、モード移行演出による演出効果を十分に高めることが困難になる。そこで、可変表示結果が「大当り」となる場合には、モード移行指定フラグをオフ状態のままとして、モード移行が行われないように制限する。
ステップS736にて可変表示結果が「大当り」であると判定された場合や(ステップS736;Yes)、ステップS735、S737の処理のいずれかを実行した後には、例えば始動入賞ポイントカウンタを初期化することなどにより、始動入賞ポイントをクリアする(ステップS738)。
ステップS733にて始動入賞ポイントがモード移行判定値に達していない場合や(ステップS733;No)、ステップS738の処理を実行した後には、飾り図柄の可変表示に伴いリーチ演出が実行中であるか否かを判定する(ステップS739)。このとき、リーチ演出が実行中でなければ(ステップS739;No)、始動入賞ポイントを報知するための演出動作制御を行ってから(ステップS740)、予告モード設定処理を終了する。例えば、ステップS740の処理では、始動入賞ポイントに応じて演出態様を変化させることにより、演出変更条件となるモード移行条件が成立するまでの達成度を報知する達成度報知演出における演出動作の制御が行われる。
一方、ステップS739にてリーチ演出が実行中である場合には(ステップS739;Yes)、ステップS740の処理を実行せずに予告モード設定処理を終了することにより、達成度の報知が行われないように制限する。リーチ演出が実行中であるときには、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対する遊技者の興味が高められている。このときに演出変更条件が成立するまでの達成度を報知しても、これによる演出効果を十分に高めることが困難になる。そこで、リーチ演出が実行中であるときには、達成度報知演出を実行せず、達成度の報知が行われないように制限する。ただし、リーチ演出の実行中であっても、ステップS731〜S733の処理は実行されることから、所定数以上の保留記憶数が検出されたことに基づいて、演出変更条件となるモード移行条件が成立したか否かの判定を行うことができる。
ステップS721にて通常予告モードではなく特別予告モードであると判定された場合には(ステップS721;No)、予め定められた特別予告モードの終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS741)。特別予告モードの終了条件は、例えば特別予告モードに移行してからの経過時間が所定時間に達したことや、特別予告モードにおける可変表示の実行回数が所定回数に達したこと、可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態が開始されること、画像表示装置5の表示画面にてデモ画面表示が行われたことなどといった、遊技の進行にかかわる所定のタイミング、あるいは遊技の進行にかかわりのない所定のタイミングにて、成立するものであればよい。
ステップS741にて特別予告モードの終了条件が成立していなければ(ステップS741;No)、予告モード設定処理を終了する。一方、特別予告モードの終了条件が成立したときには(ステップS741;Yes)、通常予告モードに移行させるための設定を行ってから(ステップS742)、予告モード設定処理を終了する。
図30に示す予告モード設定処理では、ステップS727にて低ベース中であると判定された場合には、ステップS728〜S731の処理を実行せずにステップS732の処理に進む。これにより、少なくとも時短制御に伴う高開放制御が行われていない低ベース中であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過したことによる始動入賞(第1始動入賞)の検出結果のみに基づいて、演出変更条件となるモード移行条件が成立したか否かが判定される。こうして、少なくとも時短制御に伴う高開放制御が行われていない低ベース中であるときには、第1始動入賞口を通過した遊技球に基づく始動入賞(第1始動入賞)の検出結果のみに基づいて、演出変更条件となるモード移行条件が成立したか否かを判定するための任意の処理が実行されればよい。
あるいは、ステップS725、S726の処理が実行されず第1始動入賞ポイントが更新されない場合に、低ベース中であると判定したときには、ステップS728〜S738の処理を実行せずにステップS739の処理に進み、始動入賞ポイントを報知する演出動作の制御のみを実行可能にしてもよい。このようにすれば、低ベース中であるときに、始動入賞の検出に基づき予告モードを変更するための処理負担を、大幅に軽減することができる。
図30に示す予告モード設定処理では、ステップS733にて始動入賞ポイントがモード移行判定値に達して演出変更条件が成立することにより、通常演出状態となる通常予告モードから特別演出状態となる特別予告モードに制御されるときに、ステップS738の処理により始動入賞ポイントがクリアされる。これに加え、可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されるときにも、始動入賞ポイントをクリアするようにしてもよい。一方、可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されるときでも、始動入賞ポイントはクリアされないようにして、大当り遊技状態となる以前の始動入賞ポイントが大当り遊技状態となった後にも持ち越されるようにしてもよい。また、特別予告モードであるときには始動入賞ポイントの更新が行われないように制限して、特別予告モードが終了するときに、始動入賞ポイントがクリアされてもよい。
例えばミッション演出モードといった、通常の演出モードとは異なる演出が所定期間にわたり行われる演出モードを設け、その所定期間内においてのみ、保留記憶数が所定数以上となったことなどに応じて始動入賞ポイントが更新されるようにしてもよい。ミッション演出モードでは、例えば「保留をためろ!」といったメッセージを報知することなどにより、所定の達成条件を遊技者が認識可能に提示する。そして、ミッション演出モードとなっている所定期間内に保留記憶数が所定数以上となったことの検出結果に基づいて、モード移行判定値といった演出変更条件が成立したときに、通常演出状態となる通常予告モードから特別演出状態となる特別予告モードに制御すればよい。特別予告モードに制御するときには、例えば「ミッション達成!」といったメッセージを報知することなどにより、提示された達成条件が成立(達成)したことを遊技者が認識可能に報知して、ミッション演出モードを終了させればよい。特別予告モードに制御することなくミッション演出モードとする所定期間が終了するときには、例えば「ミッション失敗!」といったメッセージを報知することにより、提示された達成条件が成立(達成)しなかったことを遊技者が認識可能に報知するとともに、始動入賞ポイントをクリアすればよい。
図30に示す予告モード設定処理では、ステップS725やステップS730の処理にて決定された始動入賞ポイントの更新値を、ステップS726やステップS731の処理にて加算するように更新した後、ステップS733の処理にてモード移行判定値に達したか否かの判定を行うようにしている。これに対して、始動入賞ポイントを減算するように更新して、モード移行判定値以下となったか否かを判定するようにしてもよい。この場合、ステップS738の処理などにより始動入賞ポイントをクリアするときに、始動入賞ポイントの初期値が設定されればよい。始動入賞ポイントの初期値としてベース状態や遊技状態にかかわらず一定値を設定した後、ステップS732の処理にてベース状態や遊技状態に応じて異なるモード移行判定値を設定してもよい。あるいは、始動入賞ポイントの初期値として、ベース状態や遊技状態に応じて異なる値を設定した後、ステップS732の処理ではベース状態や遊技状態にかかわらず一定のモード移行判定値を設定してもよい。
図30に示す予告モード設定処理では、ステップS724の処理にて第1特図保留記憶数が更新判定値に達していると判定されたときと、ステップS728の処理にて第2特図保留記憶数が更新判定値に達していると判定されたときに、第1始動入賞ポイントや第2始動入賞ポイントの更新を行うようにしている。これに対して、合計保留記憶数が所定の更新判定値に達しているか否かの判定を行い、達していると判定されたときに始動入賞ポイントの更新が行われるようにしてもよい。これにより、合計保留記憶数が所定数以上であるか否かの検出結果に基づいて、モード移行条件といった演出変更条件が成立したか否かを判定することができる。この場合、合計保留記憶数が所定数以上であるか否かを検出するために用いられる更新判定値は、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて異なる値が設定されてもよい。より具体的には、高ベース状態であるときの更新判定値(例えば「7」など)として、低ベース状態であるときの更新判定値(例えば「3」など)よりも大きな値が設定されてもよい。
図30に示す予告モード設定処理では、ステップS725やステップS730にて、予め複数種類が設定された始動入賞ポイントの更新値のうちから、いずれかの更新値に決定される。これに対して、保留記憶数が所定数以上であるときに発生した始動入賞の回数をカウントして、そのカウント値がモード移行判定値に達したときに演出変更条件が成立したとして、特別予告モードといった特別演出状態に制御してもよい。この場合、ステップS725、S726やステップS730、S731の処理に代えて、所定のカウント値を1加算(あるいは1減算)する処理が実行されればよい。
図33および図34は、図29のステップS162にて実行される先読み予告決定処理の一例を示すフローチャートである。図33および図34に示す先読み予告決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける記憶内容をチェックする(図33のステップS751)。そして、始動入賞時のコマンドのうち、少なくともいずれかとなる新たな受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS752)。例えば、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに少なくとも始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドまたは保留記憶数通知コマンドのうち、いずれかが新たに格納されているか否かを確認することにより受信コマンドの有無を判定できる。いずれのコマンドも新たに受信していなければ(ステップS752;No)、そのまま先読み予告決定処理を終了する。
ステップS752にて受信コマンドがあると判定された場合には(ステップS752;Yes)、既に先読み予告演出を実行中であるか否かを判定する(ステップS753)。例えば、ステップS753の処理では、演出制御フラグ設定部191に設けられた先読み予告実行中フラグがオンであるときに、先読み予告演出を実行中であると判定すればよい。先読み予告実行中フラグは、複数種類の先読み予告演出のうち、いずれかが実行されるときにオン状態にセットされる。なお、複数種類の先読み予告演出にそれぞれ対応して、複数の先読み予告実行中フラグを設けてもよい。
この実施の形態では、既に先読み予告演出を実行中であるときには、さらに先読み予告演出を実行するための処理が行われないようにして、既に決定した演出態様で先読み予告演出が実行される。一方、可変表示態様が「非リーチ」に決定される旨の入賞時判定結果に基づき先読み予告演出が実行されているときに、可変表示結果が「大当り」に決定される旨の入賞時判定結果やスーパーリーチを伴う変動パターンに決定される旨の入賞時判定結果が得られたときには、実行中の先読み予告演出からスーパーリーチや大当りの予告演出へと切り替えてもよい。
また、例えば「保留表示予告」の先読み予告演出のように、他の予告演出と重複して実行可能な先読み予告演出が実行中であるときには、さらに先読み予告演出を実行可能にしてもよい。あるいは、既に実行されている先読み予告演出の演出態様にかかわらず、さらに先読み予告演出を実行可能にしてもよい。
ステップS753にて先読み予告演出が実行中ではない場合には(ステップS753;No)、先読み予告演出の実行が制限される先読み予告制限中であるか否かを判定する(ステップS754)。ステップS754にて先読み予告制限中ではない場合には(ステップS754;No)、現在の遊技状態が時短制御を伴う時短制御中であるか否かを判定する(ステップS755)。
ステップS755にて時短制御中ではない場合には(ステップS755;No)、始動入賞の発生に基づく受信コマンドの順序と内容をチェックして(ステップS756)、正常に受信できたか否かを判定する(ステップS757)。ステップS757の処理では、例えば始動入賞時の受信コマンドが順番通りであるか否か、欠落なくすべて受信できたか否か、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しているか否か、始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドとの内容が整合しているか否かなどの確認を行い、いずれか1つでも否定された場合には、正常に受信できなかったと判定すればよい。なお、いずれか1つでも否定された場合に異常が発生したと判定するものに限定されず、例えばいずれか2つが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。あるいは、すべてが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。
ステップS757にて正常に受信できたと判定された場合には(ステップS757;Yes)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている前回までの変動カテゴリコマンドをチェックして(ステップS758)、先読み予告演出を実行可能な変動カテゴリであるか否かを判定する(ステップS759)。例えば、ステップS758の処理では、最新の変動カテゴリコマンドよりも1つ前までに受信して始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている変動カテゴリコマンドにより指定された変動カテゴリを読み取る。ステップS759の処理では、ステップS758における変動カテゴリの読取結果により、すべて「非リーチ」の可変表示態様に対応した変動カテゴリを指定するものである場合に、先読み予告演出を実行可能な変動カテゴリであると判定すればよい。こうして、予告対象となる可変表示が開始されるまでの各可変表示では、すべて「非リーチ」の可変表示態様となる場合に先読み予告演出が実行可能となる。これにより、先読み予告演出の途中でリーチ演出が実行されてしまい先読み予告演出の連続性が損なわれることを防止できる。なお、例えば「保留表示予告」の先読み予告演出のように、リーチ演出が実行されても演出の連続性が損なわれない先読み予告演出については、変動カテゴリコマンドで指定された変動カテゴリにかかわらず、先読み予告演出を実行可能であると判定してもよい。
ステップS759にて先読み予告演出を実行可能な変動カテゴリであると判定された場合には(ステップS759;Yes)、先読み予告演出を実行するか否かという先読み予告演出の有無と、実行する場合における先読み予告演出の種別(先読み予告種別)とを決定する(ステップS760)。一例として、ステップS760の処理では、先読み予告演出の有無と種別とを決定するための使用テーブルとして、予め用意された先読み予告種別決定テーブルを選択してセットする。先読み予告種別決定テーブルでは、予告対象となる可変表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された変動カテゴリコマンドの指定内容などに応じて、先読み予告種別決定用の乱数値と比較される乱数値が、先読み予告演出を実行するか否かの決定結果や、実行する場合における先読み予告種別などに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した先読み予告種別決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、先読み予告種別決定テーブルを参照することにより、先読み予告演出の有無と先読み予告種別とを決定すればよい。先読み予告種別決定テーブルとしては、現在の予告モードが通常予告モードであるか特別予告モードであるかに応じて、先読み予告演出の実行割合などを異ならせた複数種類のテーブルが、予め用意されていればよい。
ステップS760の処理では、例えば図35(A)に示すような通常予告モードである場合に対応した決定割合、または図35(B)に示すような特別予告モードである場合に対応した決定割合で、先読み予告演出の有無と先読み予告種別とが決定されればよい。図35(A)および図35(B)に示す決定割合の設定例では、特別予告モードであるときに、通常予告モードであるときよりも先読み予告演出を実行すると決定される割合が高くなる。より具体的には、特別予告モードであるときには、「変動図柄予告」、「カウントダウン予告」、「保留表示予告」のいずれかに必ず決定され、先読み予告演出を実行しない「予告実行なし」には決定されることがない。一方、通常予告モードであるときには、いずれの変動カテゴリであっても「予告実行なし」に決定されることがある。特に、変動カテゴリが「大当り」以外である場合には、「予告実行なし」に決定される割合が高い。このように特別予告モードでは先読み予告演出の実行割合が高くなることにより、通常演出状態としての通常予告モードよりも遊技者にとって有利な印象を与え、遊技興趣を向上させることができる。
ステップS760にて先読み予告演出を実行する決定割合の設定は、図35(A)および図35(B)に示すものに限定されず、特別予告モードでは通常予告モードよりも高い割合で先読み予告演出が実行される任意の設定であればよい。特別予告モードであるときには、全部の先読み予告演出について、通常予告モードよりも高い割合で実行されてもよいし、一部の先読み予告演出について、通常予告モードよりも高い割合で実行されてもよい。
図35(A)および図35(B)に示す設定例では、遊技状態が通常状態であるときに、可変表示結果が「小当り」となるときでも所定割合で「カウントダウン予告」の先読み予告種別に決定される。これに対して、例えば通常予告モードである場合には、可変表示結果が「小当り」となるときに「カウントダウン予告」の先読み予告種別に決定されないようにしてもよい。あるいは、例えば通常予告モードであるか特別予告モードであるかにかかわらず、可変表示結果が「小当り」となるときには「カウントダウン予告」の先読み予告種別に決定されないようにしてもよい。
図35(A)および図35(B)に示す設定例では、変動カテゴリに応じて先読み予告演出の有無や先読み予告種別の決定割合を異ならせている。こうした変動カテゴリに加え保留記憶数にも応じて、先読み予告演出の有無や先読み予告種別の決定割合を異ならせるように設定してもよい。例えば、変動カテゴリが「非リーチ共通」である場合には、保留記憶数が所定数未満であるときに、所定数以上であるときよりも高い割合で、所定の先読み予告演出を実行することに決定されるよう設定してもよい。一方、例えばスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンが含まれる変動カテゴリである場合や、可変表示結果が「大当り」となる場合には、保留記憶数が所定数以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、所定の先読み予告演出を実行することに決定されるよう設定してもよい。これらの設定により、複数回の可変表示にわたる先読み予告演出の実行回数が増加するに従って、可変表示結果が「大当り」となる期待感を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
加えて、図30に示すステップS723、S729の処理で用いられる更新判定値を保留記憶数における上限記憶数と同一または近傍に設定しておけば、特別予告モードに制御されるときには保留記憶数が上限記憶数と同一または近傍の記憶数となっている可能性が高まる。このように保留記憶数が増加した状態で先読み予告演出が実行されることにより、可変表示結果が「大当り」となる期待感を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
なお、遊技状態が大当り遊技状態や小当り遊技状態であるときには、先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。大当り遊技状態であるか否かは、例えば演出プロセスフラグの値が「6」または「7」のいずれかであるか否かに対応して、判定することができる。また、小当り遊技状態であるか否かは、例えば演出プロセスフラグの値が「4」または「5」のいずれかであるか否かに対応して、判定することができる。
一方、遊技状態が大当り遊技状態や小当り遊技状態であるときでも、先読み予告演出を実行可能にしてもよい。例えば始動入賞の発生に基づいて始動入賞時のコマンドを受信した後、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数が所定回数(例えば「10」)となったときに、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドを読み出して先読み予告演出を実行するか否かを決定し、そのラウンドを実行中に先読み予告演出を実行するようにしてもよい。この場合、先読み予告演出として、連続した態様の演出ではなく、例えば、今回の大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となることを確定的に報知する一発告知態様の演出を実行してもよいし、保留表示予告と同様の先読み予告演出のみを実行してもよい。
図33に示すステップS760の処理による決定に基づいて、先読み予告演出を実行しない「予告実行なし」であるか否かを判定する(ステップS761)。このとき、「予告実行なし」以外であれば(ステップS761;No)、「保留表示予告」の先読み予告演出を実行することに決定されたか否かを判定する(ステップS762)。
ステップS762にて「保留表示予告」の先読み予告演出を実行すると判定された場合には(ステップS762;Yes)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている最新の始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS763)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS763;Yes)、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示として、第1特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応する表示部位を、所定の予告表示態様で更新する制御を行ってから(ステップS764)、先読み予告決定処理を終了する。
例えば、ステップS764の処理では、始動入賞記憶表示エリア5Hにて第1特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位における表示色を、通常時における所定色(例えば青色)とは異なる特定色(例えば金色や虹色)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを報知できればよい。このときには、変動カテゴリコマンドにより指定された変動カテゴリに応じて異なる割合で、予告表示態様を複数態様のいずれかに決定してもよい。より具体的には、可変表示結果が「大当り」となる変動カテゴリが指定された場合に、その他の変動カテゴリが指定された場合よりも高い割合で、複数態様のうちの特定態様(例えば虹色の表示色)に決定されるようにすればよい。これにより、保留表示予告における予告表示態様が特定態様となることで、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知して、遊技者の期待感を高めることができる。
あるいは、特別予告モードであるときには、通常予告モードであるときとは異なる割合で、予告表示態様を複数態様のいずれかに決定してもよい。より具体的には、特別予告モードであるときに、可変表示結果が「大当り」となる変動カテゴリが指定された場合には、必ず特定態様(例えば金色の表示色)に決定される一方、可変表示結果が「ハズレ」や「小当り」となる変動カテゴリが指定された場合には、特定態様に決定されないようにしてもよい。これにより、特別予告モードであるときには、保留表示予告における予告表示態様が特定態様となるか否かにより、可変表示結果が「大当り」となるか否かを確定的に報知して、通常演出状態としての通常予告モードよりも遊技者にとって有利な印象を与え、遊技興趣を向上させることができる。
ステップS763にて第1始動口入賞指定コマンドではないと判定された場合には(ステップS763;No)、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示として、第2特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応する表示部位を、所定の予告表示態様で更新する制御を行ってから(ステップS765)、先読み予告決定処理を終了する。ステップS763〜S765の処理が実行されることにより、先読み予告演出として保留表示予告が実行される場合には、始動入賞が発生して始動入賞時のコマンドを受信したタイミングで直ちに予告演出を開始させることができる。
ステップS762にて「保留表示予告」以外の先読み予告演出を実行すると判定された場合には(ステップS762;No)、予告残回数カウンタに合計保留記憶数をカウント初期値として設定することなどにより(ステップS766)、先読み予告演出の残り実行回数を設定する。また、例えば先読み予告実行中フラグをオン状態にセットするといった、先読み予告演出が実行中であることに対応した設定を行う(ステップS767)。
ステップS767の処理を実行した後には、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている最新の始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS768)。なお、ステップS753にて先読み予告演出が実行中であると判定されたときや(ステップS753;Yes)、ステップS754にて先読み予告制限中であると判定されたとき(ステップS754;Yes)、ステップS755にて時短制御中であると判定されたとき(ステップS755;Yes)、ステップS759にて先読み予告演出を実行可能な変動カテゴリではないと判定されたとき(ステップS759;No)、あるいは、ステップS761にて「予告実行なし」と判定されたときにも(ステップS761;Yes)、ステップS768の処理に進む。
ステップS768にて第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS768;Yes)、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示として、第1特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応する表示部位を、通常表示態様で更新する制御を行ってから(ステップS769)、先読み予告決定処理を終了する。一方、ステップS768にて第1始動口入賞指定コマンドではないと判定された場合には(ステップS768;No)、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示として、第2特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応する表示部位を、通常表示態様で更新する制御を行ってから(ステップS770)、先読み予告決定処理を終了する。
ステップS757にて始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判定されたときには(ステップS757;No)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている最新のコマンドを確認し、少なくとも始動口入賞指定コマンド以外のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数通知コマンド)を受信しているか否かを判定する(図34のステップS771)。このとき、欠落しているコマンドが始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)のみであり、それ以外の図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数通知コマンドが順番通りに格納され、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容も整合していれば、ある程度までは正確性を担保できている可能性がある。
ステップS771にて少なくとも始動口入賞指定コマンド以外のコマンドを受信していると判定された場合には(ステップS771;Yes)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている前回までの変動カテゴリコマンドをチェックして(ステップS772)、先読み予告演出を実行可能な変動カテゴリであるか否かを判定する(ステップS773)。ステップS772、S773の処理では、図33のステップS758、S759の処理と同様に、最新の変動カテゴリコマンドより1つ前までに受信して始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている変動カテゴリコマンドの読出結果により、すべて「非リーチ」の可変表示態様に対応した変動カテゴリを指定するものである場合に、先読み予告演出を実行可能な変動カテゴリであると判定すればよい。ステップS773にて先読み予告演出を実行可能な変動カテゴリであると判定された場合には(ステップS773;Yes)、現在の遊技状態が確変制御を伴う確変制御中であるか否かを判定する(ステップS774)。
ステップS774にて確変制御中ではない場合には(ステップS774;No)、先読み予告演出の有無と先読み予告種別とを決定する(ステップS775)。ステップS775の処理では、例えば図35(C)に示すような決定割合で、先読み予告演出の有無と先読み予告種別とが決定されればよい。
図35(C)に示す決定割合の設定例では、合計保留記憶数にかかわらず可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した変動カテゴリである「非リーチ共通」のときと、「非リーチ共通」のとき以外に可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動カテゴリである「ハズレ各種」のときにのみ、「保留表示予告」の先読み予告種別に決定することができる。これにより、始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかった場合には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合にのみ先読み予告演出を実行可能として、先読み予告演出の実行頻度が過度に低下してしまうことを防止できる。なお、可変表示結果が「大当り」や「小当り」の場合にも、低い割合で先読み予告演出が実行可能となるように設定してもよい。あるいは、始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかった場合には、先読み予告演出が実行されないように制限してもよい。
ステップS775の処理による決定に基づいて、先読み予告演出を実行しない「予告実行なし」であるか否かを判定する(ステップS776)。このとき、「予告実行なし」以外であれば(ステップS776;No)、予告残回数カウンタに合計保留記憶数をカウント初期値として設定することなどにより(ステップS777)、先読み予告演出の残り実行回数を設定する。また、例えば先読み予告実行中フラグをオン状態にセットするといった、先読み予告演出が実行中であることに対応した設定を行う(ステップS778)。
ステップS771にて始動口入賞指定コマンド以外にも始動入賞時のコマンドに受信できなかったものがある場合や(ステップS771;No)、ステップS773にて先読み予告演出を実行可能な変動カテゴリではないと判定されたとき(ステップS773;No)、ステップS774にて確変制御中であると判定されたとき(ステップS774;Yes)、あるいはステップS776にて「予告実行なし」と判定されたときには(ステップS776;Yes)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける最新のコマンドに対応して、未判定情報をセットする(ステップS779)。例えば、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおけるバッファ番号ごとに、未判定情報の格納領域を設け、最新のコマンドに対応するバッファ番号の未判定情報を「1」(またはオン状態)にセットすればよい。
ステップS778、S779の処理のいずれかを実行した後には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示として、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を示す表示部位をそれぞれ、所定の非正常表示態様に変更して、新たに保留されたことに対応する表示部位の変更も行う(ステップS780)。なお、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)を正常に受信できなかった場合でも、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を正常に受信できていれば、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを特定することができるので、通常表示態様で保留表示を更新してもよい。非正常表示態様は、通常表示態様や予告表示態様であるときとは表示部位の表示色や表示形状、表示キャラクタなどの一部または全部を異ならせることにより、始動入賞時のコマンドに取りこぼしが生じたことを認識可能に報知できればよい。なお、新たに保留されたことに対応する表示部位のみを非正常表示態様とする一方で、その他の表示部位における表示態様は変更しなくてもよい。ステップS775の処理にて「保留表示予告」の先読み予告種別に決定されたときには、保留表示予告が実行されていること、および、始動入賞時のコマンドに取りこぼしが生じたことの双方を、認識可能に報知できればよい。あるいは、ステップS775の処理にて「保留表示予告」の先読み予告種別に決定されたときには、ステップS780の処理を実行せずに、図33に示すステップS763〜S765と同様の処理を実行して、所定の予告表示態様で保留表示を更新してもよい。
ステップS780の処理を実行した後には、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた先読み予告制限フラグをオン状態にセットするといった、先読み予告制限中の設定を行ってから(ステップS781)、先読み予告決定処理を終了する。
こうした先読み予告決定処理では、図33のステップS757にて始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判定した後、さらに図34のステップS771にて始動口入賞指定コマンド以外にも正常に受信できなかったコマンドがあると判定したときに、図33に示すステップS760の処理や図34に示すステップS775の処理を実行しないことで、先読み予告演出を実行しないように制限される。これにより、例えば第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が増加したことを認識可能に指定する保留記憶情報としての保留記憶数通知コマンドを正常に受信することができなかったときには、先読み予告演出の実行を制限することができる。
この実施の形態において、図30に示すステップS733の処理にて始動入賞ポイントがモード移行判定値に達して通常演出状態としての通常予告モードから特別演出状態としての特別予告モードに制御された後、ステップS741の処理にて特別予告モードの終了条件が成立したと判定されるまでは、図33に示すステップS760の処理にて図35(B)に示すような特別予告モードに対応した割合で、先読み予告演出の有無や先読み予告種別が決定される。
ここで、図29に示すステップS161の予告モード設定処理にて特別予告モードに制御する設定が行われたことに続いて、ステップS162の先読み予告決定処理が実行されたときに、特別予告モードの終了条件を成立させてもよい。この場合には、始動入賞ポイントがモード移行判定値に達することとなった始動入賞の発生に基づく可変表示についてのみ、特別予告モードに対応した割合で先読み予告演出の有無や先読み予告種別を決定することができるのに対し、始動入賞ポイントがモード移行判定値に達しなかった始動入賞に基づく可変表示については、通常予告モードに対応した割合で先読み予告演出の有無や先読み予告種別を決定する。
一方、特別予告モードに制御する設定が行われた後、例えば可変表示の実行回数が所定回数に達するまでの期間といった、所定期間において継続して特別予告モードに制御してから、特別予告モードの終了条件を成立させてもよい。この場合には、始動入賞ポイントがモード移行判定値に達することとなった始動入賞の発生に基づく可変表示に加え、その始動入賞より後に特別予告モードの制御中に発生した始動入賞に基づく可変表示についても、特別予告モードに対応した割合で先読み予告演出の有無や先読み予告種別を決定することができる。
また、通常予告モードから特別予告モードに制御する設定が行われたときに、既に保留記憶されている可変表示を予告対象とする先読み予告演出の有無や先読み予告種別を、通常予告モードではなく特別予告モードに対応する割合で決定してもよい。例えば、図30に示すステップS733の処理にて始動入賞ポイントがモード移行判定値に達したと判定されたときに、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドなどを読み取り、可変表示結果や変動カテゴリの特定結果に応じて、図35(B)に示す特別予告モードに対応する割合で先読み予告種別を決定すればよい。
このように、特別予告モードに対応した割合で先読み予告演出が決定される可変表示には、特別予告モードに制御するためのモード移行条件(演出変更条件)を成立させた始動入賞に基づき保留記憶された可変表示のみが含まれてもよいし、その始動入賞より後に発生した始動入賞に基づき保留記憶される可変表示や、その始動入賞より先に発生した始動入賞に基づき既に保留記憶されている可変表示のうち、一方または双方が含まれてもよい。
図30に示すステップS162にて先読み予告決定処理を実行した後には、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図36は、可変表示開始設定処理として、図30のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図36に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動開始時予告決定処理を実行する(ステップS521)。図37は、変動開始時予告決定処理として、図36のステップS521にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図37に示す変動開始時予告決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告制限中であるか否かを判定する(ステップS791)。このとき、先読み予告制限中であれば(ステップS791;No)、現在の遊技状態が時短制御を伴う時短制御中であるか否かを判定する(ステップS792)。
ステップS792にて時短制御中ではない場合には(ステップS792;No)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける記憶内容をチェックして(ステップS793)、始動入賞の発生に基づく受信コマンドの順序と内容をチェックする。そして、始動入賞時のコマンドを正常に受信できたか否かを判定する(ステップS795)。ステップS793〜S795の処理では、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいてバッファ番号が「1」〜「8」のそれぞれに対応して有効に格納された始動入賞時のコマンドについて、すべての順序と内容とが正しくなるように受信できたか否かを判定すればよい。
ステップS795にてすべて正常に受信できたと判定された場合には(ステップS795;Yes)、例えば先読み予告制限フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、先読み予告演出が実行されないようにした制限を解除する(ステップS796)。ステップS796の処理に続いて、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている始動入賞時のコマンドのうちに、未判定情報がセットされているものがあるか否かを判定する(ステップS797)。
ステップS797にて未判定情報があると判定された場合には(ステップS797;Yes)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて未判定情報がセットされている受信コマンドからみて、前回までの変動カテゴリコマンドをチェックして(ステップS798)、先読み予告演出を実行可能な変動カテゴリであるか否かを判定する(ステップS799)。ステップS799にて先読み予告演出を実行可能な変動カテゴリであると判定された場合には(ステップS799;Yes)、現在の遊技状態が確変制御を伴う確変制御中であるか否かを判定する(ステップS800)。ステップS800にて確変制御中ではない場合には(ステップS800;No)、先読み予告演出の有無と先読み予告種別とを決定する(ステップS801)。
ステップS801の処理では、例えば図38に示すような決定割合で、先読み予告演出の有無と先読み予告種別とが決定されればよい。図38に示す決定割合の設定例では、「変動図柄予告」の先読み予告種別に決定することができる。一方、「カウントダウン予告」や「保留表示予告」の先読み予告種別には決定されない。
カウントダウン予告は、複数回の可変表示にわたって連続した態様でカウントダウンをしていく予告演出であり、先読み予告演出の制限を解除した可変表示の開始時に未判定情報がセットされた可変表示に対して遡って実行すると、途中の可変表示からカウントダウンが始まるといった不自然な演出となるおそれがある。そこで、先読み予告演出の制限を解除した可変表示が開始されるときには、「カウントダウン予告」の先読み予告種別には決定されないように、先読み予告種別の決定割合が設定されればよい。
保留表示予告は、先読み予告演出の制限を解除した可変表示の開始時に未判定情報がセットされた可変表示に対して遡って実行すると、始動入賞記憶表示エリア5Hにて既に通常表示態様で表示されている表示部位を、途中から予告表示態様に変更することになり、不自然な演出となるおそれがある。そこで、先読み予告演出の制限を解除した可変表示が開始されるときには、「保留表示予告」の先読み予告種別には決定されないように、先読み予告種別の決定割合が設定されればよい。なお、不自然な演出となるおそれがなければ、「カウントダウン予告」や「保留表示予告」の先読み予告種別にも決定できるように決定割合が設定されてもよい。
ステップS801の処理では、未判定情報が「1」(またはオン状態)となっている保留情報のうち、直近の保留情報に対応する可変表示を予告対象とする先読み予告演出の有無や先読み予告種別の決定を行うようにしてもよい。あるいは、ステップS801の処理では、未判定情報が「1」(またはオン状態)となっている複数の保留情報がある場合に、それぞれの保留情報に対応する可変表示を予告対象とする先読み予告演出の有無や先読み予告種別の決定を行い、いずれかの可変表示を予告対象とする先読み予告演出を実行可能にしてもよい。こうして、先読み予告制限中に発生した始動入賞に基づく可変表示を予告対象とする先読み予告演出を実行できればよい。
ステップS801の処理による決定に基づいて、先読み予告演出を実行しない「予告実行なし」であるか否かを判定する(ステップS802)。このとき、「予告実行なし」以外であれば(ステップS802;No)、予告残回数カウンタに合計保留記憶数をカウント初期値として設定することなどにより(ステップS803)、先読み予告演出の残り実行回数を設定する。また、例えば先読み予告実行中フラグをオン状態にセットするといった、先読み予告演出が実行中であることに対応した設定を行う(ステップS804)。その後、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおけるバッファ番号「1」〜「8」のすべてに対応した未判定情報をクリアして「0」(またはオフ状態)としてから(ステップS805)、変動開始時予告決定処理を終了する。
なお、ステップS799にて先読み予告演出を実行可能な変動カテゴリではないと判定されたときや(ステップS799;No)、ステップS800にて確変制御中であると判定されたとき(ステップS800;Yes)、あるいはステップS802にて「予告実行なし」であると判定されたときにも(ステップS802;Yes)、ステップS805の処理に進む。また、ステップS797にて未判定情報があると判定されたときには、直ちにステップS805の処理を実行して、未判定情報がセットされた可変表示に遡って先読み予告演出を実行しないようにしてもよい。
図36のステップS521にて変動開始時予告決定処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS522)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS522;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS523)。
ステップS523にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS523;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、ステップS524の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
ステップS523にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS523;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS522にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS522;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS526)。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS526;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−3のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。また、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−4または変動パターンPC1−5のいずれかが指定された場合には、例えばステップS525と同様の処理を実行することにより、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS526にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS526;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS528)。一例として、ステップS528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
ステップS524、S525、S527、S528の処理のいずれかを実行した後には、モード移行指定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS529)。このとき、モード移行指定フラグがオンであれば、モード移行指定フラグをクリアしてオフ状態としてから(ステップS530)、リーチ演出の実行後にモード移行演出を実行して通常演出状態となる通常予告モードから特別演出状態となる特別予告モードへと移行させるための設定を行う(ステップS531)。これにより、演出変更条件となるモード移行条件が成立してもリーチ演出が実行中であったためにモード移行演出が実行できなかった場合には、そのリーチ演出が実行された可変表示における可変表示結果が「大当り」以外であれば、リーチ演出の実行が終了した後に次回の可変表示が実行されることに対応して、モード移行演出を実行することができる。なお、リーチ演出の実行が終了した後に次回の可変表示が実行されることに対応してモード移行演出を実行するものに限定されず、次回の可変表示が実行されるより前に、リーチ演出の実行が終了したことに対応してモード移行演出が実行可能となるようにしてもよい。
ステップS529にてモード移行指定フラグがオフである場合や(ステップS529;No)、ステップS531の処理を実行した後には、その他の可変表示中における演出の実行設定を行う(ステップS532)。
一例として、ステップS532の処理では、先読み予告演出とは異なる変動中予告演出を実行するための設定が行われてもよい。変動中予告演出は、開始条件が成立した特図ゲームに対応して実行される飾り図柄の可変表示中に、その可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する予告演出であればよい。
こうした変動中予告演出として、例えば可変表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ8L、8Rから所定の効果音(例えばアラーム音やチャイム音、サイレン音など)が出力されるような態様の演出や、遊技効果ランプ9などに含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部または全部を含む所定態様の演出を実行することにより、可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、変動中予告演出として、可変表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像(プレミアム画像)を表示する演出が実行されてもよい。
このような変動中予告演出についても、先読み予告演出の場合と同様に、特別予告モードといった特別演出状態であるときには、通常予告モードといった通常演出状態よりも高い割合で実行されるように設定すればよい。この場合、特別予告モードであるときには、全部の変動中予告演出について、通常予告モードよりも高い割合で実行されてもよいし、一部の変動中予告演出について、通常予告モードよりも高い割合で実行されてもよい。すなわち、特別演出状態であるときには、通常演出状態であるときよりも高い割合で、所定態様の変動中予告演出が実行されればよい。
他の一例として、ステップS532の処理では、可変表示結果が「大当り」となる可能性などにはかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われてもよい。より具体的には、遊技効果ランプ9に含まれる所定のランプが光るような態様の演出や、ミニキャラとなる所定の演出画像を表示する演出といった、所定態様の演出を実行できればよい。
さらに他の一例として、共通の変動パターンに対応するリーチ演出の態様を予め用意した複数態様のいずれかに設定可能とし、特別演出状態であるか否かに応じて異なる割合でリーチ演出の態様が設定されてもよい。すなわち、特別演出状態であるか否かに応じて異なる割合で、リーチ演出として所定態様の演出が実行されればよい。
こうした所定態様の演出についても、先読み予告演出の場合と同様に、特別演出状態であるときには、通常演出状態よりも高い割合で実行されるように設定すればよい。
特別演出状態に対応した割合で所定態様の演出(変動中予告演出を含む)が決定される可変表示には、特別演出状態に制御するための演出変更条件(モード移行条件)を成立させた始動入賞に基づき保留記憶された可変表示のみが含まれてもよいし、その始動入賞より後に発生した始動入賞に基づき保留記憶された可変表示や、その始動入賞より先に発生した始動入賞に基づき既に保留記憶されている可変表示のうち、一方または双方が含まれてもよい。
さらに、特別演出状態に制御されたときに実行中の可変表示についても、特別演出状態に対応した割合で所定態様の演出が実行されてもよい。例えば、特別演出状態への制御が開始されたときに実行中の可変表示に対応して、可変表示結果が「大当り」となるか否かや、スーパーリーチを伴う変動パターンといった特定の変動パターンであるか否かなどを、既に受信した可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドの読取結果から特定し、その特定結果に基づいて所定態様の演出を可変表示中に実行するか否かが、特別予告モードなどの特別遊技状態に対応した割合で決定されればよい。
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS533)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、例えばカウントダウン予告を実行するための設定がなされた場合には、その設定に対応した予告演出制御パターンが選択されてもよい。
ステップS533の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS534)。続いて、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS535)。このときには、例えばステップS533にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS536)、可変表示開始設定処理を終了する。
図39は、可変表示中演出処理として、図30のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図39に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS541)。一例として、ステップS541の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS541にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS541;No)、モード移行演出を実行するためのモード移行演出期間であるか否かを判定する(ステップS542)。モード移行演出期間は、例えば図31のステップS732や図36のステップS531にて設定されればよい。
ステップS542にてモード移行演出期間であるときには、モード移行演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS543)。一例として、ステップS543の処理では、モード移行演出用の演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用模型の動作などのうち、一部または全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。
ステップS542にてモード移行演出期間ではないときや(ステップS542;No)、ステップS543の処理を実行した後には、予告演出を実行するための予告演出期間であるか否かを判定する(ステップS544)。予告演出期間は、例えばカウントダウン予告などの先読み予告演出といった、所定の予告演出に対応して選択された予告演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS544にて予告演出期間であるときには(ステップS544;Yes)、予告演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS545)。
ステップS544にて予告演出期間ではないときや(ステップS544;No)、ステップS545の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS546)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS541にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS541;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS547)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS547;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS547にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS547;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS548)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS549)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS550)、可変表示中演出処理を終了する。
図40は、特図当り待ち処理として、図30のステップS173にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図40に示す特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS561)。
ステップS561にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していない場合には(ステップS561;No)、主基板11から伝送される当り開始指定コマンドのうちで、大当り遊技状態の開始に対応した大当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS562)。大当り開始指定コマンドの受信があれば(ステップS562;Yes)、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新してから(ステップS563)、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS562にて大当り開始指定コマンドの受信がない場合には(ステップS562;No)、当り開始指定コマンドのうちで、小当り遊技状態の開始に対応した小当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS564)。小当り開始指定コマンドの受信がなければ(ステップS564;No)、特図当り待ち処理を終了して、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過するまで待機する。小当り開始指定コマンドの受信があった場合には(ステップS564;Yes)、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS565)、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS561にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過した場合には(ステップS561;Yes)、画像表示装置5の画面上に表示されている現在の背景を特定する(ステップS566)。そして、特定した背景がノーマル背景(通常背景)となる背景Nの背景画像であるか否かを判定する(ステップS567)。
背景N以外の背景画像が表示されているときには(ステップS567;No)、背景Nの表示に移行するために予め定められた通常背景移行条件が成立したか否かを判定する(ステップS568)。例えば、背景Aまたは背景Bの背景画像が表示されているときに、時短制御が終了したことに対応して、通常背景移行条件が成立したと判定すればよい。また、例えば背景画像が背景Cに変更されてからの経過時間が所定時間に達したときや、背景画像が背景Cに変更されてからの可変表示回数が所定回数に達したとき、背景画像が背景Cに変更されてから先読み予告演出の実行回数が所定回数に達したとき、あるいは可変表示が開始されるごとに所定割合で背景Cの表示終了抽選を行って終了する旨の抽選結果が得られたときなどに、通常背景移行条件が成立したと判定すればよい。このように通常背景移行条件が成立したと判定された場合には(ステップS568;Yes)、背景画像の表示を初期化して背景Nに移行させる設定を行う(ステップS569)。
ステップS567にて背景Nの背景画像が表示されている場合や(ステップS567;Yes)、ステップS568にて通常背景移行条件が成立していないと判定された場合(ステップS568)、あるいはステップS569の処理を実行した後には、先読み予告演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS570)。
ステップS570にて先読み予告演出の実行中であると判定された場合には(ステップS570;Yes)、予告残回数カウント値を1減算するように更新する(ステップS571)。そして、減算後のカウント値が「0」となったか否かを判定する(ステップS572)。
ステップS572にて予告残回数カウント値が「0」であると判定された場合には(ステップS572;Yes)、例えば先読み予告実行中フラグをクリアしてオフ状態にするといった、先読み予告演出が実行中であることに対応した設定を解除する(ステップS573)。ステップS570にて先読み予告演出が実行中ではないときや(ステップS570;No)、ステップS572にて予告残回数カウント値が「0」ではないとき(ステップS572;No)、あるいはステップS573の処理を実行した後には、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS574)、特図当り待ち処理を終了する。
図41(A)は、小当り終了演出処理として、図30のステップS175にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図41(A)に示す小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、小当り終了演出中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS581)。小当り終了演出中フラグは、小当り終了演出が開始されることに対応して、後述するステップS584の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS581にて小当り終了演出中フラグがオフである場合には(ステップS581;No)、予め定められた小当り終了演出時間を設定する(ステップS582)。そして、小当り終了演出の開始設定を行う(ステップS583)。ステップS583の処理では、小当り終了演出を実行するために予め用意された小当り終了演出用の演出制御パターンを選択し、使用パターンとしてセットする。その後、使用パターンとしてセットした演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、小当り終了演出となる演出動作の開始制御が行われればよい。このときには、小当り終了演出中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS584)、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS581にて小当り終了演出中フラグがオンであるときには(ステップS581;Yes)、小当り終了演出時間が経過したか否かを判定する(ステップS585)。小当り終了演出時間が経過していなければ(ステップS585;No)、小当り終了演出となる演出動作の制御を行ってから(ステップS586)、小当り終了演出処理を終了する。小当り終了演出時間が経過したときには(ステップS585;Yes)、小当り終了演出中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS587)。また、小当り終了後における背景画像の移行設定(変更設定)を行う(ステップS588)。そして、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS589)、小当り終了演出処理を終了する。
図41(B)は、ステップS588における背景画像の移行設定例を示している。この移行設定例では、小当り遊技状態となる前の背景画像が背景A、背景C、背景Nのいずれかである場合と、背景Bである場合とに応じて、移行先(変更後)の背景画像を設定している。すなわち、小当り前の背景画像が背景A、背景C、背景Nのいずれかである場合には、移行先の背景画像を背景Cとする。その一方で、小当り前の背景画像が背景Bである場合には、移行先の背景画像を背景Bとする。小当り遊技状態の終了後には、その小当り遊技状態となる以前の遊技状態を継続させる。背景画像が背景Bであるときには、時短制御と確変制御の双方が行われる時短付確変状態(高確高ベース状態)であることを遊技者が認識できるように報知されている。したがって、背景画像が背景Bである場合には、小当り遊技状態の前後で背景画像は変更せずに、そのまま背景Bに移行した状態とすればよい。
図42(A)は、エンディング演出処理として、図30のステップS177にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図42(A)に示すエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、エンディング演出中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS601)。エンディング演出中フラグは、エンディング演出が開始されることに対応して、後述するステップS604の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS601にてエンディング演出中フラグがオフである場合には(ステップS601;No)、予め定められたエンディング演出時間を設定する(ステップS602)。そして、エンディング演出の開始設定を行う(ステップS602)。ステップS602の処理では、エンディング演出を実行するために予め用意されたエンディング演出用の演出制御パターンを選択し、使用パターンとしてセットする。その後、使用パターンとしてセットした演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、エンディング演出となる演出動作の開始制御が行われればよい。なお、大当り種別が「突確」である場合には、小当り終了演出と同様の演出動作が行われるように、演出制御パターンに基づく演出動作の制御が行われればよい。ステップS602の処理を実行した後には、エンディング演出中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS604)、エンディング演出処理を終了する。
ステップS601にてエンディング演出中フラグがオンである場合には(ステップS601;Yes)、エンディング演出時間が経過したか否かを判定する(ステップS605)。エンディング演出時間が経過していなければ(ステップS605;No)、エンディング演出となる演出動作の制御を行ってから(ステップS606)、エンディング演出処理を終了する。エンディング演出時間が経過したときには(ステップS605;Yes)、エンディング演出中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS607)。また、大当り終了後における背景画像の移行設定(変更設定)を行う(ステップS608)。そして、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS609)、エンディング演出処理を終了する。
図42(B)は、ステップS608における背景画像の移行設定例を示している。この移行設定例では、大当り種別や大当り遊技状態となる前の背景画像などに応じて、移行先(変更後)の背景画像を設定している。例えば大当り種別が「非確変」の場合に対応する通常開放大当り状態が終了するときには、大当り遊技状態となる前の背景画像にかかわらず、移行先の背景画像を背景Aとする。大当り種別が「確変」の場合に対応する通常開放大当り状態が終了するときには、大当り遊技状態となる前の背景画像にかかわらず、移行先の背景画像を背景Bとする。
大当り種別が「突確」である場合には、大当り遊技状態となる前の背景画像が背景A、背景C、背景Nのいずれかである場合と、背景Bである場合とに応じて、移行先(変更後)の背景画像を異ならせている。すなわち、大当り前の背景画像が背景A、背景C、背景Nのいずれかである場合には、移行先の背景画像を背景Cとする。その一方で、大当り前の背景画像が背景Bである場合には、移行先の背景画像を背景Bとする。大当り種別が「突確」である場合に対応した短期開放大当り状態の終了後には、確変制御が行われる一方で、時短制御については大当り前の制御を継続させる。背景画像が背景Bであるときには、時短制御と確変制御の双方が行われる時短付確変状態(高確高ベース状態)であることを遊技者が認識できるように報知されている。したがって、背景画像が背景Bである場合には、大当り遊技状態の前後で背景画像は変更せずに、そのまま背景Bに移行した状態とすればよい。こうした大当り種別が「突確」である場合の移行設定は、小当り遊技状態となった場合の移行設定と同様である。したがって、遊技者は、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合であるか、可変表示結果が「小当り」となった場合であるかを、背景画像の移行態様(変更態様)から認識することが不可能または困難である。
次に、パチンコ遊技機1において実行される演出動作の具体例について説明する。
図43は、画像表示装置5における背景画像の表示態様が背景C以外であり、現在の遊技状態が時短制御に伴う高開放制御の行われない低ベース状態である場合に、通常演出状態となる通常予告モードから特別演出状態となる特別予告モードに制御する動作例を示している。始めに、図43(A)に示すように、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける飾り図柄の可変表示が行われており、始動入賞記憶表示エリア5Hにて第1特図保留記憶数が「2」となっていることを特定可能な表示が行われている。
このとき、例えば図43(B)に示すように、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図保留記憶数が「3」になったものとする。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、図20に示すステップS211の処理などにより、第1始動口入賞指定コマンドを演出制御基板12に対して送信させる。また、図20に示すステップS213の処理により、第1保留記憶数通知コマンドを演出制御基板12に対して送信させる。
演出制御基板12の側では、演出制御用CPU120が図30に示すステップS723の処理により第1保留記憶数通知コマンドの受信ありと判定したときに、ステップS724にて第1特図保留記憶数が更新判定値以上であると判定することで、ステップS725の処理により始動入賞ポイントの更新値が決定される。一例として、図43(A)に示すように始動入賞ポイント表示エリアDG1にて始動入賞ポイントがモード移行判定値(例えば背景C以外の低ベース状態に対応した「100ポイント」など)に対し20%以上40%未満の範囲内(例えば「30ポイント」など)であることに対応して、5つの表示部位のうち2つの表示部位が点灯するような態様で表示されている。そして、ステップS725の処理により決定された始動入賞ポイントの更新値(例えば「20ポイント」など)が、ステップS726の処理により第1始動入賞ポイントに加算されることなどにより、始動入賞ポイントがモード移行判定値に対し40%以上60%未満の範囲内(例えば「50ポイント」など)に更新されたとする。
この場合、ステップS733の処理では、未だ始動入賞ポイントがモード移行判定値に達していないと判定される。このとき、ステップS739の処理によりリーチ演出を実行中ではないと判定されたことに基づいて、ステップS740の処理における演出動作制御により、始動入賞ポイントに対応する報知が行われる。これにより、例えば図43(C)に示すように、始動入賞ポイント表示エリアDG1では、3つ目の表示部位が点灯するような態様で表示が行われることで、遊技者は演出変更条件としてのモード移行条件が成立するまでの達成度を認識することができる。
続いて、例えば図43(D)に示すように、さらに第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図保留記憶数が「4」になったものとする。図30に示すステップS725の処理では、第1特図保留記憶数が「4」であるときに「3」であるときよりも高い割合で、より多くの更新値に決定される割合が高い。
また、可変表示結果が「大当り」となる場合には、例えば「100ポイント」といった、その他の可変表示結果となる場合よりも十分に多くの更新値に決定されることがあり、このような更新値が始動入賞ポイントに1回加算されるだけでモード移行判定値に達することがある。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における可変表示結果を含む可変表示態様に基づいて、保留記憶数が所定数以上であることが1回検出されたときに、所定割合で演出変更条件となるモード移行条件が成立するようにしてもよい。
特に、可変表示結果が「大当り」となる場合や、スーパーリーチを伴う変動パターンといった特定の変動パターンとなる場合には、保留記憶数が所定数以上であることが1回検出されるだけで、演出変更条件を成立させるように始動入賞ポイントの更新値が決定されてもよい。また、これらの場合には、その他の場合よりも、保留記憶数が所定数以上であることが1回検出されるだけで、演出変更条件を成立させるように始動入賞ポイントの更新値が決定される割合が高くなるように設定されてもよい。
図43(D)に示すような始動入賞の発生に基づいて、始動入賞ポイントの更新値が「100ポイント」に決定されて、第1始動入賞ポイントに加算されたとする。この場合、図31に示すステップS733の処理では、始動入賞ポイントがモード移行判定値に達したと判定される。そして、ステップS734の処理によりリーチ演出を実行中ではないと判定されたことに基づいて、ステップS735の処理によりモード移行演出を開始するための設定が行われる。また、ステップS739の処理によりリーチ演出を実行中ではないと判定されたことに基づいて、ステップS740の処理における演出動作制御により、始動入賞ポイントに対応する報知が行われる。これにより、例えば図43(E)に示すように、始動入賞ポイント表示エリアDG1では、5つの表示部位がすべて点灯するような態様で表示が行われ、モード移行判定値に達したことから、例えば図43(F)に示すように「チャージ完了」のメッセージを報知する演出画像が表示される。
図31に示すステップS739の処理によりリーチ演出を実行中であると判定された場合には、ステップS740の処理による達成度の報知が行われないように制限する。このときでも、ステップS721〜S733の処理は実行されることから、保留記憶数が所定数以上であることの検出結果に基づきモード移行条件が成立したか否かの判定は行うことができる。そして、ステップS733にてモード移行判定値に達したと判定されたときに、ステップS734の処理によりリーチ演出を実行中であると判定された場合には、ステップS737の処理によりモード移行指定フラグをオン状態にセットするものの、モード移行演出を開始するための設定は行われないように制限する。その後、図36に示すステップS529の処理にてモード移行指定フラグがオンであると判定されたときに、ステップS531の処理により、リーチ演出の終了後にモード移行演出を実行するための設定が行われる。
ステップS732またはステップS531の処理による設定などに基づいて、図39に示すステップS542の処理にてモード移行演出期間であると判定されたことなどにより、ステップS543の処理が実行されて、モード移行演出が実行される。これにより、例えば図43(G)に示すような演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させるといった、モード移行演出となる演出動作が実行される。図43(G)に示す例では、特別予告モードとして「特別モード」に突入することが報知される。
特別予告モードとなった後には、例えば図33に示すステップS760の処理にて、図35(B)に示すような決定割合で先読み予告演出の有無や先読み予告種別が決定される。こうした決定割合は、図35(A)に示すような通常予告モードであるときの決定割合とは異なり、先読み予告演出が実行される割合が高められている。したがって、始動入賞ポイントがモード移行判定値に達して演出変更条件としてのモード移行条件が成立したことにより、特別演出状態としての特別予告モードに制御されて、通常演出状態としての通常予告モードよりも先読み予告演出の実行割合が高められる。
なお、特別演出状態であるときには、通常演出状態であるときよりも高い実行割合で先読み予告演出が実行されるものに限定されず、任意の予告演出が通常演出状態であるときよりも高い実行割合で実行されてもよい。予告演出の実行割合が変化するものに代えて、あるいはこれとともに、リーチ演出における演出態様の決定割合を、特別演出状態であるか通常演出状態であるかに応じて異ならせてもよい。
図44は、画像表示装置5における背景画像の表示態様が背景C以外であり、現在の遊技状態が時短制御に伴い高開放制御の行われる高ベース状態である場合に、通常演出状態となる通常予告モードから特別演出状態となる特別予告モードに制御する動作例を示している。始めに、図44(A)に示すような飾り図柄の可変表示が行われているときに、始動入賞記憶表示エリア5Hにて第2特図保留記憶数が「2」となっていることを特定可能な表示が行われている。
このとき、例えば図44(B)に示すように、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図保留記憶数が「3」になったものとする。演出制御用CPU120は、図30に示すステップS727の処理にて高ベース中であって低ベース中ではないと判定し、ステップS728の処理により第2保留記憶数通知コマンドの受信ありと判定したときに、ステップS729にて第2特図保留記憶数が更新判定値以上であると判定することで、ステップS730の処理により始動入賞ポイントの更新値を決定する。ステップS732の処理では、背景画像の表示態様が背景C以外であり、遊技状態(ベース状態)が高ベース状態であることに対応するモード移行判定値として、低ベース状態であるときのモード移行判定値である「100ポイント」とは異なる「200ポイント」が設定される。これにより、たとえ始動入賞ポイントの更新値を決定するために実行されるステップS725やステップS730の処理が遊技状態にかかわらず共通の処理であっても、始動入賞ポイントがモード移行判定値に達する難易度を、遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに応じて異ならせることができる。
ステップS733の処理で未だモード移行判定値に達していないと判定され、ステップS739の処理によりリーチ演出を実行中ではないと判定されたことに基づいて、ステップS740の処理により始動入賞ポイントに対応する報知が行われる。これにより、例えば図44(C)に示すように、始動入賞ポイント報知エリアDG2では、表示部位が1つ更新されることで、遊技者は演出変更条件としてのモード移行条件が成立するまでの達成度を認識することができる。
続いて、例えば図44(D)に示すように、さらに第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図保留記憶数が「4」になったものとする。このとき、第2始動入賞ポイントが更新されて、モード移行判定値に達したものとする。
この場合、図30に示すステップS735の処理によりモード移行演出を開始するための設定が行われる。また、ステップS739の処理によりリーチ演出を実行中ではないと判定されたことに基づいて、ステップS740の処理における演出動作制御により、始動入賞ポイントに対応する報知が行われる。これにより、例えば図44(E)に示すように、始動入賞ポイント表示エリアDG2では、始動入賞ポイントがモード移行判定値に達したことに対応する表示が行われ、例えば図44(F)に示すような「チャージ完了」のメッセージを報知する演出画像が表示される。
その後、例えば図39に示すステップS542の処理にてモード移行演出期間であると判定されたことなどにより、ステップS543の処理が実行されて、モード移行演出が実行される。これにより、例えば図44(G)に示すような演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させるといった、モード移行演出となる演出動作が実行され、特別演出状態に制御される。図44(G)に示す例では、特別演出状態として「プレミアムモード」に突入することが報知される。この「プレミアムモード」では、図43(G)に示した「特別モード」と同様に、通常予告モードであるときよりも先読み予告演出の実行割合が高くなるようにすればよい。
あるいは、「プレミアムモード」では、通常の演出モードでは表示されることのない特別な演出画像(プレミアム画像)を表示するといった、通常の演出モードとは異なる演出動作が行われてもよい。また、「プレミアムモード」における演出動作として、プレミアム画像を携帯端末機により取得するための2次元バーコードを表示する演出動作や、画像表示とは異なる音声出力などの演出動作を含む所定演出により、遊技者に特典を付与するようにしてもよい。すなわち、特別演出状態であるときには、通常演出状態であるときよりも高い実行割合で予告演出が実行されることに代えて、あるいは、このような設定とともに、通常演出状態では実行されない演出動作や、遊技者に特典を付与する演出動作などが、実行されてもよい。
図45は、画像表示装置5における背景画像の表示態様が背景Cである場合の動作例を示している。始めに、図45(A)に示すような飾り図柄の可変表示が行われているときに、図45(B)に示すような第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図保留記憶数が「3」になったものとする。
こうした始動入賞の発生が検出されたことなどに基づいて、図30のステップS725の処理により始動入賞ポイントの更新値が決定され、ステップS726の処理により第1始動入賞ポイントの更新が行われる。そして、図30に示すステップS732の処理では、背景画像の表示態様が背景Cであることから、遊技状態が通常状態または時短状態であるか確変状態であるかに応じて、図32(B)に示すようなモード移行判定値として「100ポイント」(通常状態または時短状態の場合)あるいは「50ポイント」(確変状態の場合)が設定される。これにより、確変制御が行われる確変状態であるか否かを特定不能な背景Cの背景画像が表示される所定期間では、始動入賞ポイントがモード移行判定値に達する難易度を、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて異ならせることができる。
未だモード移行判定値に達していないと判定され、リーチ演出を実行中ではない場合には、始動入賞ポイントに対応する報知が行われる。例えば、遊技状態が通常状態または時短状態であるときには、モード移行判定値が確変状態であるときよりも大きな値に設定され、演出変更条件となるモード移行条件が成立しにくい。そのため、例えば図45(C)に示すように、始動入賞ポイント表示エリアDG3では、モード移行条件が成立するまでの達成度が低いことに対応した演出画像が表示される。一方、遊技状態が確変状態であるときには、モード移行判定値が通常状態または時短状態であるときよりも小さな値に設定され、演出変更条件となるモード移行条件が成立しやすい。そのため、例えば図45(D)に示すように、始動入賞ポイント表示エリアDG3では、モード移行条件が成立するまでの達成度が高いことに対応した演出画像が表示される。
図45(D)に示すような始動入賞ポイントの報知が行われた後、例えば図45(E)に示すように、さらに第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図保留記憶数が「4」になったものとする。このとき、第1始動入賞ポイントが更新されて、モード移行判定値に達したものとする。この場合には、モード移行演出を開始するための設定が行われる。また、リーチ演出の実行中ではない場合に、始動入賞ポイントに対応する報知が行われる。これにより、例えば図45(F)に示すような「チャージ完了」のメッセージを報知する演出画像が表示される。
その後、モード移行演出期間では、例えば図45(G)に示すような演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させるといった、モード移行演出となる演出動作が実行される。図45(G)に示す例では、特別演出状態として「高確期待大モード」に突入することが報知される。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。具体的な一例として、上記実施の形態では、モード移行判定値といった演出変更条件を、遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに応じて、あるいは遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異ならせるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、演出変更条件は遊技状態などにかかわらず一定のものとしてもよい。あるいは、演出変更条件を遊技状態などにかかわらず一定のものとする一方で、始動入賞ポイントの更新値を決定する割合が、パチンコ遊技機1における遊技状態などに応じて異なる割合に設定されてもよい。
上記実施の形態では、少なくとも遊技状態が低ベース状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく始動入賞(第1始動入賞)の検出のみに基づいて、演出変更条件が成立したか否かの判定が行われるものとして説明した。このような設定に代えて、あるいは、このような設定とともに、遊技状態が高ベース状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく始動入賞(第2始動入賞)の検出のみに基づいて、演出変更条件が成立したか否かの判定が行われるものとしてもよい。例えば、第1特図を用いた特図ゲームよりも第2特図を用いた特図ゲームを優先して実行する場合には、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい高ベース状態であるときに、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第1特図保留記憶数が所定数以上となりやすい。
この場合、遊技状態が高ベース状態である場合にも第1始動入賞の検出結果も考慮して演出変更条件の成否を判定すると、演出変更条件が容易に成立して特別演出状態に制御されてしまい、特別演出状態となることにより遊技者に与える印象が低下するおそれがある。そこで、遊技状態が高ベース状態であるときには、第1始動入賞を考慮せず、第2始動入賞の検出のみの基づいて演出変更条件の成否を判定することで、特別演出状態となることによる印象を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、パチンコ遊技機1では、図29に示すステップS161にて図30に示すような予告モード設定処理が実行されることにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過した遊技球の検出結果に基づいて、始動入賞ポイントが更新される。そして、ステップS733にて始動入賞ポイントがモード移行判定値に達することなどにより、演出変更条件が成立したときに、通常予告モードといった通常演出状態から特別予告モードといった特別演出状態に制御される。
ステップS725、S726の処理や、ステップS730、S731の処理は、それぞれステップS724の処理やステップS729の処理により第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が所定の更新判定値以上であると判定されたときに実行されて、第1始動入賞ポイントや第2始動入賞ポイントが更新される。
これにより、たとえ第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が上限記憶数に達して遊技者が遊技球の発射を停止(いわゆる「止め打ち」)するとしても、例えば先読み予告演出や変動中予告演出といった所定態様の演出が実行される割合を変化させることができ、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づく遊技興趣を向上させることができる。
図20のステップS213における設定に基づき保留記憶数通知コマンドが送信されることで、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が増加したことを、演出制御基板12の側で認識可能とすることができる。また、図21のステップS405、S407、S411のいずれかにおける設定に基づき図柄指定コマンドが送信されることや、ステップS413における設定に基づき変動カテゴリコマンドが送信されることで、始動入賞が発生したときに抽出された乱数値に基づく可変表示態様の判定結果を、演出制御基板12の側に通知することができる。一方、図33のステップS757にて始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判定され、図34のステップS771にて始動口入賞指定コマンド以外のコマンドに欠落などが生じている場合には、図33のステップS760や図34のステップS775における決定が行われないことから、先読み予告演出の実行が制限される。これにより、先読み予告演出の整合がとれなくなって、予告対象となる可変表示を行う以前に実行可能な予告演出の信頼度が低下することを防止できる。
図31に示すステップS740では、始動入賞ポイントに対応する報知を行うための演出動作制御が行われる。これにより、演出変更条件が成立するまでの達成度が報知され、遊技者は特別演出状態とするために必要となる始動入賞の程度を認識することができ、遊技興趣を向上させることができる。
図30に示すステップS723〜S731では、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が所定の更新判定値以上となったか否かの検出結果に応じて、達成度として報知される始動入賞ポイントが更新される。そして、ステップS733にてモード移行判定値に達したと判定されたときに、演出変更条件となるモード移行条件が成立したとして特別演出状態となる特別予告モードに制御される。これにより、特別演出状態に制御されるまでの達成度に対する遊技者の興味を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
図30に示すステップS725やステップS730では、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が所定数以上となったか否かの検出結果に応じて異なる割合で、または可変表示結果が「大当り」となる場合の変動パターンやスーパーリーチを伴う変動パターンといった特定の変動パターンに決定されるか否かの判定結果に応じて異なる割合で、始動入賞ポイントの更新値が決定される。これにより、特別演出状態に制御されるまでの達成度に対する遊技者の興味を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
図30に示すステップS725やステップS730では、保留記憶数(第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数)が所定の更新判定値以上である場合に、その保留記憶数が第1保留数であるときに比べて、第1保留数よりも多い第2保留数であるときの方が、より多くの更新値に決定される割合が高く、達成度となる始動入賞ポイントの更新量がより多く設定される。これにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づく遊技興趣を向上させ、パチンコ遊技機1における遊技を促進して稼働率を高めることができる。