JP5811545B2 - 疲労のバイオマーカーおよびその利用 - Google Patents
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Description
現在、疲労・倦怠感を主症状として医療機関へ訪れる患者の数は、痛みを主症状とする患者の数に次いで2番目に多い。しかしながら、疲労を客観的に評価する方法は、これまでに開発されていない。疲労感および倦怠感は、ヒトが日常的に経験する感覚であり、生体のホメオスタシスの乱れを知らせる重要な生体シグナルである。しかし、疲労感はあくまでも主観的なものであり、疲労度を客観的に示すものではない。乳酸が疲労の原因物質であると考えられた時期もあるが、乳酸レベルの変動は、運動の指標になり得るが、疲労状態の指標にはならないということもわかってきている。さらに、疲労に効果的な治療法も見出されておらず、抗疲労成分として、カフェインやタウリン、アスコルビン酸などが知られているに過ぎない。
本発明者らは、健常者および慢性疲労症候群の患者の血漿における代謝物の変動をさらに解析し、得られた測定値に対してさらに独自の手法を組み合わせることによって、疲労のバイオマーカーを見出し、本発明を完成するに至った。
バイオマーカーQ2=R2−R3
として得られたバイオマーカーQ1およびQ2の少なくとも一方が正(Q1>0またはQ2>0)の場合に、「疲労あり」と評価され、バイオマーカーQ1およびQ2のいずれもが負(Q1<0かつQ2<0)の場合に、「疲労なし」と評価される。なお、生体サンプル中のイソクエン酸の、健常者の測定値に対する被験者の測定値の比率を算出し、イソクエン酸の比率とcis−アコニット酸の比率との差がバイオマーカーとして用いられてもよい。すなわち、被験者から得た生体サンプル中のイソクエン酸濃度(測定値M4)と、イソクエン酸に関する基準値(第4の基準値B4)との比(第4の比率R4)を算出し、これらに基づいて、
バイオマーカーQ3=R4−R3
として得られたバイオマーカーQ3も、バイオマーカーQ1およびQ2とともに用いられてもよく、この場合、バイオマーカーQ1〜Q3の少なくとも一つが正(Q1>0、Q2>0またはQ3>0)の場合に、「疲労あり」と評価され、バイオマーカーQ1〜Q3のいずれもが負(Q1<0かつQ2<0かつQ3<0)の場合に、「疲労なし」と評価される。
バイオマーカーQ4=R1−R3
バイオマーカーQ5=R1−R4
バイオマーカーQ6=R2−R4
もまた、本発明のバイオマーカーであり、バイオマーカーQ1〜Q3と同様に疲労の評価に用いられ得ることを、本明細書を読んだ当業者は容易に理解する。
バイオマーカーQ2a=R2−R4
バイオマーカーQ3a=R5−R4
として得られたバイオマーカーの少なくとも1つが正(Q1a>0、Q2a>0またはQ3a>0)の場合に、「疲労あり」と評価され、バイオマーカーのいずれもが負(Q1a<0かつQ2a<0かつQ3a<0)の場合に、「疲労なし」と評価される。
バイオマーカーQ4a=R1−R4
バイオマーカーQ5a=R1−R5
バイオマーカーQ6a=R2−R5
もまた、本発明のバイオマーカーであり、バイオマーカーQ1、Q2a,Q3aと同様に疲労の評価に用いられ得ることを、本明細書を読んだ当業者は容易に理解する。
バイオマーカーQ7=第2の比率R2
バイオマーカーQ8=第3の比率R3
バイオマーカーQ9=第4の比率R4
バイオマーカーQ10=第5の比率R5
バイオマーカーQ11=第6の比率R6
バイオマーカーQ12=第7の比率R7
として提供される。バイオマーカー(Q7〜Q12)は、決定木数理モデルにより解析された結果、何れも90%以上の感受性と特異性を示している。後述する実施例に示すように、図7に挙げた項目を用いて解析した場合は、バイオマーカーQ7〜Q12の少なくとも1つが条件(R2<79.1%、R3<69.3%、R4<66.0%、R5<66.6%、R6<83.7%、およびR7<74.3%)を満たした場合、「疲労あり」と評価され、バイオマーカーQ7〜Q12の全てが上記の条件を満たさない場合、「疲労なし」と評価される。
バイオマーカーQ7a=第2の測定値M2
バイオマーカーQ8a=第3の測定値M3
バイオマーカーQ9a=第4の測定値M4
バイオマーカーQ10a=第5の測定値M5
バイオマーカーQ11a=第6の測定値M6
バイオマーカーQ12a=第7の測定値M7
として提供される。バイオマーカー(Q7a〜Q12a)は、決定木数理モデルにより解析された結果、何れも90%以上の感受性と特異性を示している。特に、Q8a〜Q10aが好ましく、バイオマーカーQ8a〜Q10aの少なくとも1つがそれぞれに対応する閾値よりも小さいという条件を満たした場合、「疲労あり」と評価され、バイオマーカーQ8a〜Q10aの全てが上記の条件を満たさない場合、「疲労なし」と評価されてもよい。バイオマーカーQ8a〜Q10aは、Q9aが優先して用いられることが好ましく、次いでQ8aが用いられ、さらにQ10aが用いられることが好ましい。これによって、被験者が慢性疲労症候群であるか否かを95%以上の確率で判定し得る。
バイオマーカーQ13=M2/M1
バイオマーカーQ14=M3/M2
バイオマーカーQ15=M4/M3
バイオマーカーQ16=M3/M1
バイオマーカーQ17=M4/M1
バイオマーカーQ18=M4/M2
として提供され、同様に用いられ得る。このような実施形態は、後述する実施例(例えば、図4)にて実証されている。図4に示すような、それぞれを3軸上に示した場合に、正常群と慢性疲労症候群とを差別化し得る。例えば、後述する実施例にて示すように、Q13〜Q15を用いて、
(a*Q13+b*Q14+c*Q15)+d ・・・(A)
の数値a,b,c,dを判別分析によって演算したところ、90%以上の正確さで慢性疲労症候群患者を判別し得た。ここで、d>0の場合が正常群を示し、d<0の場合が慢性疲労症候群を示す。また、判別分析の代りにPartial Least Square、Support Vector Machine等の分析を行った場合であっても、同様の結果を得られた。
バイオマーカーQ13a=M2/M1
バイオマーカーQ14a=M4/M2
バイオマーカーQ15a=M5/M4
バイオマーカーQ16a=M4/M1
バイオマーカーQ17a=M5/M1
バイオマーカーQ18a=M5/M2
として同様に提供されかつ用いられ、図6に示すような、それぞれを3軸上に示した場合に、正常群と慢性疲労症候群とを差別化し得る。例えば、後述する実施例にて示すように、Q13a〜Q15aを用いて、
(a*Q13a+b*Q14a+c*Q15a)+d ・・・(A’)
の数値a,b,c,dを判別分析によって演算したところ、90%以上の正確さと95%以上の感受性/特異性で慢性疲労症候群患者を判別し得た。ここで、d>0の場合が正常群を示し、d<0の場合が慢性疲労症候群を示す。また、判別分析の代りにPartial Least Square、Support Vector Machine等の分析を行った場合であっても、同様の結果を得られた。
本発明は、上述したバイオマーカーに基づいた、疲労を評価するための方法、キットおよびシステムを提供する。
上述した第1実施形態におけるバイオマーカーQ1〜Q6のうち少なくとも2つ(またはバイオマーカーQ1a〜Q6aのうち少なくとも2つ)を用いることによって、被験者の疲労状態を評価することができる。例えば、バイオマーカーQ1およびQ2は
Q1=第1の比率R1−第2の比率R2
Q2=第2の比率R2−第3の比率R3
として提供され、「疲労あり」の評価は
Q1>0またはQ2>0
として提供され、「疲労なし」の評価は
Q1<0かつQ2<0
として提供されるので、
R1=M1/B1
R2=M2/B2
R3=M3/B3
として得られた第1〜第3の比率(R1〜R3)に基づいてQ1およびQ2を算出することによって、被験者の疲労状態が評価され得る。なお、Q1およびQ2は少なくとも一方が正であればよいので、一方を算出するだけで被験者の疲労状態が評価され得る場合がある。すなわち、R1とR2を比較するか、またはR2とR3を比較するだけで、被験者の疲労状態が評価され得る場合がある。
バイオマーカーQ3=第4の比率R4−第3の比率R3
として提供され、バイオマーカーQ1およびQ2と組み合わせた「疲労あり」の評価は
Q1>0、Q2>0、またはQ3>0
として提供され、バイオマーカーQ1およびQ2と組み合わせた「疲労なし」の評価は
Q1<0かつQ2<0かつQ3<0
として提供されるので、
R4=M4/B4
として得られた第4の比率(R4)とすでに得られている第3の比率(R3)とに基づいて算出したQ3を用いることによって、Q1およびQ2を用いる場合と同様に、被験者の疲労状態が評価され得る。すなわち、本発明にかかる疲労評価方法は、(4)被験者から得た生体サンプル中のイソクエン酸濃度の測定値の、第4の基準値に対する第4の比率を得る工程をさらに包含してもよく、この場合、第1の比率と第4の比率とを比較する工程、第2の比率と第4の比率とを比較する工程、および、第3の比率と第4の比率とを比較する工程、の少なくとも1つをさらに包含することが好ましく、例えば、第2の比率の、第1の比率に対する比率、第3の比率の、第2の比率に対する比率、および第4の比率の、第3の比率に対する比率の少なくとも1つを用いて、判別分析、Partial Least Square、Support Vector Machine等の分析を行う工程をさらに包含することがより好ましい。
バイオマーカーQ1a=第1の比率R1−第2の比率R2
バイオマーカーQ2a=第2の比率R2−第4の比率R4
バイオマーカーQ3a=第5の比率R5−第4の比率R4
として提供され、この場合の「疲労あり」の評価は
Q1a>0、Q2a>0、およびQ3a>0の中、少なくとも一つを満たすこと、
として提供され、「疲労なし」の評価は
Q1a<0かつQ2a<0かつQ3a<0
として提供されるので、
R1=M1/B1
R2=M2/B2
R4=M4/B4
R5=M5/B5
として得られた第1、第2、第4および第5の比率(R1、R2、R4およびR5)に基づいてQ1a〜Q3aを算出することによって、被験者の疲労状態が評価され得る。なお、Q1a〜Q3aもまた少なくとも1つが正であればよいので、いずれか1つを算出するだけで被験者の疲労状態が評価され得る場合がある。
(a*M2/M1+b*M3/M2+c*M4/M3)+d ・・・(B)
にM1〜M4の全てを入力して得られた結果に基づいて慢性疲労症候群であるか否かを判定することが好ましい。また、バイオマーカーQ13a〜Q18aのいずれか3つ(例えば、Q13a〜Q15a)を判別分析、Partial Least Square、またはSupport Vector Machine等の分析に供することによって、より高度な判別を行い得る。特に、代表的な判別解析を行い、上述したように、式(B’)
(a*M2a/M1a+b*M4a/M2a+c*M5a/M4a)+d ・・・(B’)
にM1a、M2a、M4aおよびM5aの全てを入力して得られた結果に基づいて慢性疲労症候群であるか否かを判定することが好ましい。
上述したような疲労評価方法を実施するために用いられる試薬を併せ持つキットもまた、本発明の範囲内である。すなわち、本発明にかかる第1のキットは、疲労を評価するために、コハク酸濃度を測定するための第5の試薬を備えていることを特徴としており、必要に応じて、イソクエン酸濃度を測定するための第4の試薬をさらに備えていてもよく、さらに、グルコース濃度を測定するための第1の試薬、クエン酸濃度を測定するための第2の試薬、cis−アコニット酸濃度を測定するための第3の試薬、リンゴ酸濃度を測定するための第6の試薬、および、乳酸濃度を測定するための第7の試薬からなる群より選択される試薬の少なくとも1つをさらに備えていてもよい。
上述したような疲労評価方法を実行するために用いられるシステムもまた、本発明の範囲内である。下記実施形態では、本発明に係る疲労評価システムを構成する各部材が、「CPUなどの演算手段がROMやRAMなどの記録媒体に格納されたプログラムコードを実行することによって実現される機能ブロックである」場合を例にして説明するが、同様の処理を行うハードウェアによって実現してもよい。また、処理の一部を行うハードウェアと、当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うプログラムコードを実行する上記演算手段とを組み合わせて実現することもできる。さらに、上記各部材のうち、ハードウェアとして説明した部材であっても、処理の一部を行うハードウェアと、当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うプログラムコードを実行する上記演算手段とを組み合わせて実現することもできる。なお、上記演算手段は、単体であってもよいし、装置内部のバスや種々の通信路を介して接続された複数の演算手段が共同してプログラムコードを実行してもよい。
その結果、表1に示すように、健常者と慢性疲労患者とを分類する際に、コハク酸およびイソクエン酸を除く複数の測定項目の中で、cis−アコニット酸が最も重要な因子であること、そして、cis−アコニット酸測定値が閾値T3(10.66μM)よりも低くなると、被験者が慢性疲労症候群であると95%の確率で判定し得ることがわかった。
Claims (22)
- 第1の比率R 1 と第2の比率R 2 との差(R 1 −R 2 )が正である、
第1の比率R 1 と第3の比率R 3 との差(R 1 −R 3 )が正である、
第1の比率R 1 と第4の比率R 4 との差(R 1 −R 4 )が正である、
第1の比率R 1 と第5の比率R 5 との差(R 1 −R 5 )が正である、
第2の比率R 2 と第3の比率R 3 との差(R 2 −R 3 )が正である、
第2の比率R 2 と第4の比率R 4 との差(R 2 −R 4 )が正である、
第2の比率R 2 と第5の比率R 5 との差(R 2 −R 5 )が正である、
第3の比率R 3 と第4の比率R 4 との差(R 3 −R 4 )が正である、および
第4の比率R 4 と第5の比率R 5 との差(R 5 −R 4 )が正である
の少なくとも1つの条件が成立するか否かを判定する工程
を包含し、
第1の比率R 1 は、被験者から得た生体サンプル中のグルコース濃度の測定値の、健常者から得た生体サンプル中の平均グルコース濃度に対する比率であり、
第2の比率R 2 は、被験者から得た生体サンプル中のクエン酸濃度の測定値の、健常者から得た生体サンプル中の平均クエン酸濃度に対する比率であり、
第3の比率R 3 は、被験者から得た生体サンプル中のcis−アコニット酸濃度の測定値の、健常者から得た生体サンプル中の平均cis−アコニット酸濃度に対する比率であり、
第4の比率R 4 は、被験者から得た生体サンプル中のイソクエン酸濃度の測定値の、健常者から得た生体サンプル中の平均イソクエン酸濃度に対する比率であり、
第5の比率R 5 は、被験者から得た生体サンプル中のコハク酸濃度の測定値の、健常者から得た生体サンプル中の平均コハク酸濃度に対する比率である、健常者と慢性疲労症候群の患者とを識別する方法。 - 被験者から得た生体サンプル中の、グルコース濃度の測定値、クエン酸濃度の測定値、cis−アコニット酸濃度の測定値、イソクエン酸濃度の測定値、およびコハク酸濃度の測定値からなる群より選択される少なくとも2つを得る工程、ならびに
クエン酸濃度の上記測定値のグルコース濃度の上記測定値に対する比率、cis−アコニット酸濃度の上記測定値のクエン酸濃度の上記測定値に対する比率、およびイソクエン酸濃度の上記測定値のcis−アコニット酸濃度の上記測定値に対する比率、あるいは、クエン酸濃度の上記測定値のグルコース濃度の上記測定値に対する比率、イソクエン酸濃度の上記測定値のクエン酸濃度の上記測定値に対する比率、およびコハク酸濃度の上記測定値のイソクエン酸濃度の上記測定値に対する比率を、判別分析、Partial Least Square、またはSupport Vector Machineの分析に供する工程
を包含する、健常者と慢性疲労症候群の患者とを識別する方法。 - 目的とする代謝物質の、被験者から得た生体サンプル中の濃度の測定値と、該測定値を用いた、決定木数理モデルに基づく解析によって得た閾値とを比較する工程、および
上記測定値が上記閾値よりも小さいという条件が成立するか否かを判定する工程
を包含し、
上記代謝物質が、cis−アコニット酸、イソクエン酸およびコハク酸濃度からなる群より選択される少なくとも1つである、健常者と慢性疲労症候群の患者とを識別する方法。 - 上記代謝物質がイソクエン酸である場合の上記測定値と上記閾値とを比較する工程が、上記代謝物質がコハク酸である場合の上記測定値と上記閾値とを比較する工程に引き続いて行われる、請求項3に記載の方法。
- 上記代謝物質がcis−アコニット酸である場合の上記測定値と上記閾値とを比較する工程が、上記代謝物質がイソクエン酸である場合の上記測定値と上記閾値とを比較する工程に引き続いて行われる、請求項4に記載の方法。
- 目的とする代謝物質の、被験者から得た生体サンプル中の濃度の測定値の、健常者から得た生体サンプル中の平均濃度に対する比率を得る工程、
上記比率を、上記測定値を用いた決定木数理モデルに基づく解析によって得た閾値と上記平均濃度との比率である参照値と比較する工程、および
上記比率が上記参照値よりも小さいとの条件が成立するか否かを判定する工程
を包含し、
上記代謝物質が、cis−アコニット酸、イソクエン酸およびコハク酸濃度からなる群より選択される少なくとも1つである、健常者と慢性疲労症候群の患者とを識別する方法。 - 上記代謝物質がイソクエン酸である場合の上記比率を得る工程が、上記代謝物質がコハク酸である場合の上記比率を得る工程に引き続いて行われる、請求項6に記載の方法。
- 上記代謝物質がcis−アコニット酸である場合の上記比率を得る工程が、上記代謝物質がイソクエン酸である場合の上記比率を得る工程に引き続いて行われる、請求項7に記載の方法。
- 被験者から得た生体サンプル中のグルコース濃度の測定値と健常者から得た生体サンプル中の平均グルコース濃度との間で実質的な差異がない場合に行われる、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
- 目的とする代謝物質の、被験者から得た生体サンプル中の濃度を測定するための試薬を備えており、
上記代謝物質が、cis−アコニット酸、イソクエン酸およびコハク酸濃度からなる群より選択される少なくとも1つである、健常者と慢性疲労症候群の患者とを識別するためのキット。 - グルコース濃度を測定するための試薬をさらに備えている、請求項10に記載のキット。
- 目的とする代謝物質の、被験者から得た生体サンプル中の濃度の測定値の、健常者から得た生体サンプル中の平均濃度に対する比率を示す呈示部を備えており、
上記代謝物質が、cis−アコニット酸、イソクエン酸およびコハク酸濃度からなる群より選択される少なくとも1つである、健常者と慢性疲労症候群の患者とを識別するためのキット。 - 被験者から得た生体サンプル中のグルコース濃度の測定値の、健常者から得た生体サンプル中の平均グルコース濃度に対する比率を示す呈示部をさらに備えている、請求項12に記載のキット。
- 被験者から得た生体サンプル中のグルコース濃度、クエン酸濃度、cis−アコニット酸濃度、イソクエン酸濃度およびコハク酸濃度の測定値からなる群より選択される少なくとも2つの測定値を受容する測定値受容部、
健常者から得た生体サンプル中の平均グルコース濃度、平均クエン酸濃度、平均cis−アコニット酸濃度、平均イソクエン酸濃度および平均コハク酸濃度を、上記測定値に対応する、少なくとも2つの基準値として格納した基準値格納部、
上記測定値受容部からの上記測定値と上記基準値格納部からの上記基準値を受け取って、健常者と慢性疲労症候群の患者とを識別するための情報を生成する演算部、および
上記演算部からの上記情報を受け取って、健常者と慢性疲労症候群の患者とを識別する評価部
を備えた、健常者と慢性疲労症候群の患者とを識別するためのシステムであって、
上記演算部が、
グルコース濃度の、上記測定値の上記基準値に対する第1の比率R 1 、
クエン酸濃度の、上記測定値の上記基準値に対する第2の比率R 2 、
cis−アコニット酸濃度の、上記測定値の上記基準値に対する第3の比率R 3 、
イソクエン酸濃度の、上記測定値の上記基準値に対する第4の比率R 4 、および
コハク酸濃度の、上記測定値の上記基準値に対する第5の比率R 5
からなる群より選択される少なくとも2つの比率を算出し、
上記評価部が、
第1の比率R 1 と第2の比率R 2 との差(R 1 −R 2 )が正である、
第1の比率R 1 と第3の比率R 3 との差(R 1 −R 3 )が正である、
第1の比率R 1 と第4の比率R 4 との差(R 1 −R 4 )が正である、
第1の比率R 1 と第5の比率R 5 との差(R 1 −R 5 )が正である、
第2の比率R 2 と第3の比率R 3 との差(R 2 −R 3 )が正である、
第2の比率R 2 と第4の比率R 4 との差(R 2 −R 4 )が正である、
第2の比率R 2 と第5の比率R 5 との差(R 2 −R 5 )が正である、
第3の比率R 3 と第4の比率R 4 との差(R 3 −R 4 )が正である、および
第4の比率R 4 と第5の比率R 5 との差(R 5 −R 4 )が正である
の少なくとも1つの条件が成立するか否かを判定する、システム。 - 被験者から得た生体サンプル中の、グルコース濃度の測定値、クエン酸濃度の測定値、cis−アコニット酸濃度の測定値、イソクエン酸濃度の測定値、およびコハク酸濃度の測定値からなる群より選択される少なくとも2つの測定値を受容する測定値受容部、
上記測定値受容部からの上記測定値を受け取って、健常者と慢性疲労症候群の患者とを識別するための情報を生成する演算部、および
上記演算部からの上記情報を受け取って、健常者と慢性疲労症候群の患者とを識別する評価部
を備えた、健常者と慢性疲労症候群の患者とを識別するためのシステムであって、
上記演算部が、クエン酸濃度の上記測定値のグルコース濃度の上記測定値に対する比率、cis−アコニット酸濃度の上記測定値のクエン酸濃度の上記測定値に対する比率、およびイソクエン酸濃度の上記測定値のcis−アコニット酸濃度の上記測定値に対する比率、あるいは、クエン酸濃度の上記測定値のグルコース濃度の上記測定値に対する比率、イソクエン酸濃度の上記測定値のクエン酸濃度の上記測定値に対する比率、およびコハク酸濃度の上記測定値のイソクエン酸濃度の上記測定値に対する比率を、判別分析、Partial Least Square、またはSupport Vector Machineの分析を実行する、システム。 - 目的とする代謝物質の、被験者から得た生体サンプル中の濃度の測定値を受容する測定値受容部、
該測定値を用いた、決定木数理モデルに基づく解析によって得た閾値を格納した閾値格納部、
上記測定値受容部からの上記測定値と上記閾値格納部からの上記閾値を受け取って、健常者と慢性疲労症候群の患者とを識別する演算部、および
上記演算部からの情報を受け取って、健常者と慢性疲労症候群の患者とを識別する評価部
を備えた、健常者と慢性疲労症候群の患者とを識別するためのシステムであって、
上記演算部が、上記測定値を用いた決定木数理モデルに基づく上記解析を実行し、
上記評価部が、上記測定値と上記閾値とを比較し、
上記代謝物質が、cis−アコニット酸、イソクエン酸およびコハク酸濃度からなる群より選択される少なくとも1つである、システム。 - 上記演算部において、上記代謝物質がイソクエン酸である場合の上記比較が、上記代謝物質がコハク酸である場合の上記比較に引き続いて行われる、請求項16に記載のシステム。
- 上記演算部において、上記代謝物質がcis−アコニット酸である場合の上記比較が、上記代謝物質がイソクエン酸である場合の上記比較に引き続いて行われる、請求項17に記載のシステム。
- 目的とする代謝物質の、被験者から得た生体サンプル中の濃度の測定値を受容する測定値受容部、
上記代謝物質の、健常者から得た生体サンプル中の平均濃度を基準値として格納した基準値格納部、
上記測定値受容部からの測定値と上記基準値格納部からの基準値を受け取って、健常者と慢性疲労症候群の患者とを識別するための情報を生成する演算部、および
上記演算部からの情報を受け取って、健常者と慢性疲労症候群の患者とを識別する評価部
を備えた、健常者と慢性疲労症候群の患者とを識別するためのシステムであって、
上記演算部が、上記測定値の上記基準値に対する比率を算出し、さらに、上記測定値を用いた決定木数理モデルに基づく解析を実行して閾値を算出し、
上記評価部が、上記比率と上記閾値とを比較し、
上記代謝物質が、cis−アコニット酸、イソクエン酸およびコハク酸濃度からなる群より選択される少なくとも1つである、システム。 - 上記演算部が、上記代謝物質がイソクエン酸である場合の上記比率を算出した後に上記代謝物質がコハク酸である場合の上記比率を算出する、請求項19に記載のシステム。
- 上記演算部が、上記代謝物質がcis−アコニット酸である場合の上記比率を算出した後に上記代謝物質がイソクエン酸である場合の上記比率を算出する、請求項20に記載のシステム。
- 上記評価部が、被験者から得た生体サンプル中のグルコース濃度の測定値と健常者から得た生体サンプル中の平均グルコース濃度との間で実質的な差異があるか否かを判定する、請求項19〜21のいずれか1項に記載のシステム。
Priority Applications (3)
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