JP5809853B2 - 集合住宅用給湯設備 - Google Patents
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Description
そして、集合住宅に用いられる給湯設備については、例えば、特許文献1、2に記載されているように、集熱パネルが各戸のベランダに垂直状態で設置され、居住空間を狭めない態様で設けられている。
また、集熱パネルは太陽光に対して垂直配置された場合に集熱効率が最大になるので、ベランダに垂直配置された状態では集熱率が低くなるという課題もある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、集熱パネルによって効率的な集熱を行うと共に、集合住宅の上層階と下層階の間で利用可能な集熱量の差が生じるのを防止する集合住宅用給湯設備を提供することを目的とする。
そして、屋上に集熱パネルを設置することで各戸の居住空間を狭めることはないため、集熱パネルの設置は自由度が高い。従って集熱パネルは効率的な集熱が可能な角度で設置することが可能である。
また、ソーラ熱交換器がプレート式熱交換器である場合、プレート式熱交換器は一般的に耐圧設計になっているので、熱媒Aから受ける圧力が高くなる下層階にソーラ熱交換器を設置しても、故障等の発生を抑制可能である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る集合住宅用給湯設備10は、集合住宅に設置され、集熱パネル11によって加熱した熱媒A(本実施の形態では不凍液)を熱源にして貯湯タンク12内の水を加熱する設備である。以下詳細に説明する。
複数の集熱パネル11は第2の循環回路14によって直列に接続され、複数の集熱パネル11を有する集熱パネル群15を形成している。各集熱パネル11は、効率的な集熱が可能な向き(方角)及び角度(仰角)で屋上13に設置されている。
なお、集熱パネル群は、複数の集熱パネルを並列に接続して形成することや、それぞれが2〜3枚の集熱パネルを直列に接続してなる複数のグループを並列に接続して形成することもできる。
第2の循環回路14には熱媒Aが循環しており、熱媒Aは集熱パネル群15を通過する際に太陽光により加熱されて昇温し、貯湯タンク12内の水を加熱するための熱源となる。
第2の循環回路14には、集熱パネル群15の入側と出側にそれぞれポンプ16、17が取付けられ、熱媒Aは、ポンプ16、17の運転によって第2の循環回路14を循環する。ポンプ16、17は、集熱パネル群15に対し直列に配置されているので、いずれか一方を廃止しポンプを1つにすることも可能である。
貯湯タンク12は、内側に貯湯タンク12内の水を加熱するタンク用熱交換器21を備えている。タンク用熱交換器21は、熱媒B(本実施の形態では不凍液)が循環する第1の循環回路22に連結され、熱媒Bを熱源にして貯湯タンク12内の水を加熱する。
第1の循環回路22には、熱媒Bを第1の循環回路22に循環させるポンプ24と加熱による熱媒Bの膨張を吸収するアキュームタンク25が設けられている。なお、ポンプ24から出た熱媒Bは、ソーラ熱交換器23を通った後にタンク用熱交換器21に送られる。
制御装置26には、ポンプ24に加えて、ソーラ熱交換器23に送られる熱媒Bの温度Tinを計測する温度センサ28とソーラ熱交換器23から送り出された熱媒Bの温度Toutを計測する温度センサ29が信号接続されている。
本実施の形態において温度センサ28、29はサーミスタであり、共に第1の循環回路22に設けられている。
制御装置26は、各戸に設けられ、各戸にある制御装置26はそれぞれ、他の制御装置26と連携することなく独立して、信号接続されているポンプ24を制御する。
各制御装置26はマイクロコンピュータ等によって構成でき、そのマイクロコンピュータには時刻及び時間の管理を行うためのプログラム等が搭載されている。
また、制御装置26には、熱媒Aの熱によって貯湯タンク12内の水を加熱する集熱加熱運転を行う時間帯が設定可能であり、その設定された時間帯に集熱加熱運転を行う。
制御装置26は、図3に示すように、制御装置26の管理する時刻を基にして集熱加熱運転を行う時間帯であるか否かの判定を行う(ステップS1)。そして、集熱加熱運転を行う時間帯でないという判定がなされた場合、予め定められた時間が経過した後に改めてステップS1の判定を行う。
本実施の形態では、午前9時〜午後4時の時間帯が集熱加熱運転を行う時間帯として設定されているが、この時間帯設定は変更することができる。
さぐり運転は、熱媒Aを熱源に貯湯タンク12内の水を加熱するのに先立って、熱媒Aが貯湯タンク12内の水を加熱するのに十分な温度を備えているか否かを判定するために行われる。具体的には、ポンプ24を所定時間(例えば5〜15秒)作動した後、温度センサ28、29を介して計測した温度を基に熱媒Aを熱源に貯湯タンク12内の水を加熱するか否かを判定する。なお、この判定は、温度センサ29と貯湯タンク12下部にある温度センサ(図示せず)で計測した温度を基に行ってもよい。
このように最後のさぐり運転からの時間経過をさぐり運転開始の条件にしたのは、時間が経過しなければ、最後にさぐり運転を行ってからの熱媒Aの温度変化量は小さく、改めてさぐり運転を行う意義がないためである。
I2はI1より長い時間の値であり、本実施の形態では、I1=5分、I2=10分で、Pは50℃〜70℃の範囲(具体的には60℃)である。I2>I1としているのは、熱媒Bが高温のときにさぐり運転を行う時間間隔を長くすると、熱媒Bが沸騰して第1の循環回路22等に過大な圧力がかかる虞があるためである。そして、熱媒Bが低温のときにさぐり運転を行う時間間隔を短くすると、新たにさぐり運転を行っても一つ前のさぐり運転の際に得られた判定結果(即ち、熱媒Aの温度が貯湯タンク12の水を加熱するのに十分でないという判定結果)と同じ判定結果を得る可能性が高く、ポンプ24の作動によって消費される電力が無駄になるためである。
制御装置26は、温度センサ28、29で熱媒Bの温度を計測し、温度センサ29の計測温度Toutから温度センサ28の計測温度Tinを差し引いた温度差の値△T(△T=Tout−Tin)と制御装置26に予め設定された値αを比較する(ステップS6)。
△Tがα未満の場合、制御装置26は、熱媒Aによる貯湯タンク12内の水の加熱を行わないことを決定し、ポンプ24の運転を停止する(ステップS8)。
そして、制御装置26は、ポンプ24の運転を継続しながら、所定の時間間隔(例えば3分間隔)で温度センサ28、29を介してTin及びToutをそれぞれ計測し、△Tが予め定められた温度差β未満になったの検知すると(ステップS7)、ポンプ24を停止し(ステップS8)、熱媒Aによる貯湯タンク12内の水の加熱を終える。
本実施の形態では、α、βは3〜7℃の範囲で例えば5℃である。
このようなTinとToutを参照した貯湯タンク12内の水の加熱制御は、各戸で個別に行われる。
ここで、第2の循環回路14は、集合住宅の屋上13から地上にかけて配管されているので、地上近くに設置されたソーラ熱交換器23は、上層階に設置されたものに比べ熱媒Aから高い圧力を受けることになる。本実施の形態では、ソーラ熱交換器23が、一般的に高い耐圧性能を有することで知られるプレート式熱交換器であり、熱媒Aから受ける圧力で損傷等が生じるのを抑制されている。
そして、ソーラ熱交換器23は、タンク用熱交換器21のようにタンク内に設置されておらず、点検や取替え等を容易に行えるので、メンテナンス性に優れている。
なお、居住空間31に配置されている台所18及び浴槽19等と居住外空間30に配置されている貯湯タンク12、12aは配管接続されている。
導管14aは集熱パネル群15を通過して加熱された熱媒Aを屋上13から地上に向かって送り、各階で熱媒Aを連結管14bに供給する。また、連結管14bには、屋上13から地上にかけて設けられ、導管14aに対して略平行な導管14cが連結されている。導管14cは、導管14aから連結管14bに供給された熱媒Aを回収し屋上13まで運んでいる。
このように連結管14bに開閉弁32を設けることで、ソーラ熱交換器23への熱媒の流れを止めることができ、ソーラ熱交換器23のメンテナンスを容易に行うことができる。
また、連結管14bには、ソーラ熱交換器23の出側に、ソーラ熱交換器23から送り出される熱媒Aの流量を開度調整によって変更するバランシングバルブ33が設けられている。
ソーラ熱交換器23を介して貯湯タンク12に供給される熱量が各戸によって大きく異なったアンバランスな状態は、バランシングバルブ33の開度調整によって改善することができる。
導管14dには、集熱パネル群15の熱媒Aの出側に、集熱パネル11で加熱された熱媒Aを一時的に蓄えるミキシングタンク35が設けられている。集熱パネル群15を通過した熱媒Aは、ミキシングタンク35内に流入し、ミキシングタンク35内に蓄えられている熱媒Aと混ざり合った後にミキシングタンク35から流出して導管14dを通って導管14aに送られる。
従って、集熱パネル11で加熱された熱媒Aは、ミキシングタンク35内で温度の平均化がなされた後に、貯湯タンク12内の水を暖める熱源として用いられるので、ソーラ熱交換器23での熱交換を安定したものにすることができ、貯湯タンク12内の水を安定的に加熱することが可能である。
この複数の温度センサ36とポンプ16、17には、図2(B)に示すように、集熱制御装置27が信号接続されている。集熱制御装置27は、温度センサ36を介して熱媒Aの温度を計測し、その計測温度に基づいて、導管14dに設けられたポンプ16、17の運転を制御する。
集熱制御装置27はマイクロコンピュータ等によって構成でき、そのマイクロコンピュータには制御用のプログラムが搭載されている。なお、制御装置26及び集熱制御装置27は非接続であり、集熱制御装置27は制御装置26と連携することなくポンプ16、17の制御を行う。
従って、制御装置26及び集熱制御装置27に搭載されているプログラムは、制御装置と集熱制御装置を連携する場合に比べて簡素なものとなり、プログラムの設計コストを抑制可能である。
貯湯タンク12aに送られた湯は、貯湯タンク12a内の頂部に湯の層を形成する。そして、この湯の層は貯湯タンク12aの頂部から底部に向かって徐々に拡大する。貯湯タンク12a内の全体が湯で満たされると、貯湯タンク12a内の湯は、接続管20を介して貯湯タンク12の頂部に流入し、貯湯タンク12にも湯の層を形成する。
なお、ヒートポンプ装置38は主として深夜電気料金の時間帯に運転される。
そして、各戸には、水道管40が引き込まれており、水道管40から供給される水道水は、貯湯タンク12、12aから送り出される湯に混合されて台所18等に供給される。
例えば、各戸に2つ設けている貯湯タンクは1つであってもよい。また、集熱パネル相互の接続は、直列接続に限定されず、並列に接続しても良いし、2〜3枚の集熱パネルを直列接続して集熱パネル群をなし、その集熱パネル群を並列に接続するようにしても良い。
Claims (3)
- 集合住宅に設置され、集熱パネルによって加熱した熱媒Aを熱源にして貯湯タンク内の水を加熱する集合住宅用給湯設備において、
前記集合住宅の屋上に前記集熱パネルを配置し、内側にタンク用熱交換器を備える前記貯湯タンクと該タンク用熱交換器に第1の循環回路を介して接続されたソーラ熱交換器とを前記集合住宅の各戸にそれぞれ設け、該各ソーラ熱交換器と前記集熱パネルを第2の循環回路で接続し、前記第2の循環回路には、前記ソーラ熱交換器毎に、該ソーラ熱交換器から送り出される前記熱媒Aの流量を開度調整によって変更するバランシングバルブを設け、前記第1の循環回路に熱媒Bを、前記第2の循環回路に前記熱媒Aをそれぞれ循環させて前記貯湯タンク内の水を加熱することを特徴とする集合住宅用給湯設備。 - 請求項1記載の集合住宅用給湯設備において、前記貯湯タンク内の水は、前記集合住宅の各戸に設けられたヒートポンプ装置によっても加熱されることを特徴とする集合住宅用給湯設備。
- 請求項1又は2記載の集合住宅用給湯設備において、前記ソーラ熱交換器はプレート式熱交換器であることを特徴とする集合住宅用給湯設備。
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