JP5807633B2 - 加熱炉 - Google Patents
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Description
熱の放射量は高温側絶対温度の4乗と低温側絶対温度の4乗との差に比例するため、排気口から煙道への熱放射量を抑制することで、多大な省エネルギー効果が得られる。また、煙道へ向かう排気の温度が800℃程度になれば排気の温度を下げる必要がないため、効率的な熱利用が行われる。
特許文献2には、1又は複数の耐熱性の布部材を、支持部材を介して加熱炉の排気口内に、排気口内を通過する排気ガスの流れに沿って設置することで、排気口を通過する排気ガスで布部材を加熱し、加熱された布部材からの輻射熱を加熱炉内に入れて、排気口から外部に流出する熱を減少させる加熱炉の熱効率改善方法が記載されている。
特許文献2では、主に、排気口の断面形状が円である例について記載され、排気口の断面形状が四角の場合は支持部材として各筒体を使用すると記載されている。また、得られる熱効率改善効果については、電気炉の排気口内に設置した場合の効果のみが記載されている。
この発明の課題は、特許文献1および2とは異なる方法で排気口から煙道への熱放射量が抑制され、熱放射抑制性能が長期に渡って保持される加熱炉を提供することである。
この態様の加熱炉は、下記の構成(1)を有する。
(1)前記壁材は平板状であり、前記排気口の断面形状は短辺と長辺の長さが異なる長方形であり、前記壁材は前記短辺と平行に配置され、前記壁材により前記排気口に複数の同じ形状の空間が形成され、前記空間の前記長辺方向の寸法(L)が前記短辺の寸法(a)より小さい。
この態様の加熱炉が前記構成(1)を有することにより、前記構成(1)を有さない(Lがa以上である)加熱炉と比較して、放射熱量の抑制効果が大きくなる。
(2) 前記排気口は、耐火物からなる内壁と鉄皮(鉄製の外壁材)とにより形成され、前記鉄皮は、前記長辺に対応する長辺部と前記短辺に対応する短辺部を有し、前記壁材は、前記鉄皮の向かい合う前記長辺部間に固定された下梁と、前記下梁の上に積み上げられた耐火レンガと、前記耐火レンガの最上部に置かれて、前記鉄皮の向かい合う前記長辺部間に固定された上梁と、により形成されている。
この態様の加熱炉が前記構成(2) を有することにより、熱放射抑制構造が、強固で耐熱性が高い構造で加熱炉に形成されるため、長期の使用に耐えることができる。
(3) 前記排気の温度は900℃以上であり、前記排気口に連続する煙道内に、熱交換器が配置され、前記排気口の前記壁材が配置されている位置より下流で前記熱交換器より上流となる位置に、排気温度低下装置が設置されている。
図1および図2において、炉長方向をX、炉幅方向をY、鉛直方向をZで示す。
図1に示すように、この実施形態の加熱炉は、予熱帯11、加熱帯12、均熱帯13を有する。予熱帯11にはサイドバーナ14が設置されている。加熱帯12には軸流バーナ15が設置されている。均熱帯13には、ルーフバーナ16とサイドバーナ14が設置されている。加熱炉内に装入口17から装入されたスラブ2は、予熱帯11、加熱帯12、均熱帯13をこの順に移動することにより1200℃まで加熱されて、搬出口18から搬出される。排気の温度は900℃以上である。
煙道4の立ち上がり部41の下部に熱放射抑制構造5が形成されている。熱放射抑制構造5の下流に、ダイリューション用の空気導入口41aが形成されている。空気導入口41aと図示されない空気導入設備により、排気温度低下装置が構成されている。煙道4の水平部42の立ち上がり部41側には熱交換器6が配置され、排出部43側にはダンパー42aが配置されている。
すなわち、この加熱炉では、空気導入口41aから煙道4の立ち上がり部41に空気を入れて、排気の温度を800℃程度まで下げた後に、排気の熱を熱交換器6で利用している。
排気口3内に、平板状で非通気性材料からなる複数の壁材51が、排気口3の断面長方形の短辺と平行に等間隔で配置されている。すなわち、排気口3内に複数の壁材51が、互いに平行に且つ排気の流れと平行に、所定間隔で配置されている。複数の壁材51により、排気口3に複数の空間52が形成されている。これら複数の空間52が熱放射抑制構造5を構成する。
これらの空間52の断面形状は全て同じ長方形であり、その長方形の長辺の長さは排気口3の短辺の長さ(a)と同じであり、短辺の長さは隣り合う壁材51の隙間(L)である。隙間(L)は、排気口3の断面長方形の長辺(b)方向に沿った寸法である。隙間Lは寸法aより小さい。
この加熱炉によれば、排気口3に複数の壁材51からなる熱放射抑制構造5が形成されていない場合と比較して、排気に含まれる熱が排気口3から放射する量が低減できる。また、非通気性材料からなる壁材を使用しているため、目詰まりによって性能が低下することがない。
また、熱放射抑制構造5が、梁と耐火レンガにより、強固で耐熱性が高い構造で加熱炉に形成されているため、長期の使用に耐えることができる。
この実施形態において、熱放射抑制構造5を構成する壁材51の厚さは耐火レンガ51bの幅となる。熱放射抑制構造5による排気抵抗を小さくするために、壁材51の厚さは強度が確保できる範囲で薄くすることが好ましい。
具体的には、熱放射抑制構造5により加熱炉内への熱還流が生じるため、バーナの燃焼に使用する燃料を少なくできるとともに、排気の温度を800℃程度まで下げるためのダイリューションに必要な空気導入量を少なくできる。
ダイリューションでは、空気を導入することで高温の排気を希釈して排気温度を低下させるが、熱放射抑制構造5による熱放射抑制効果により、排気口3の放射熱に応じて余分に導入していた空気量が低減できるため、空気導入に使用するファン駆動電力を削減できる。図4のグラフから、L/aが小さいほど(特に、L/aが1より小さいほど)ダイリューション量が低減できるため、省エネルギー効果が高いことが分かる。
12 加熱帯
13 均熱帯
14 サイドバーナ
15 軸流バーナ
16 ルーフバーナ
17 装入口
18 搬出口
2 スラブ
3 排気口
4 煙道
4A 鉄皮
4B 耐火物からなる内壁
41 立ち上がり部
41a 空気導入口
42 水平部
42a ダンパー
43 排出部
5 熱放射抑制構造
51 壁材
51a 下梁
51b 耐火レンガ
52 熱放射抑制構造を構成する空間
6 熱交換器
Claims (3)
- 排気口に、非通気性材料からなる複数の壁材が、互いに平行に且つ排気の流れと平行に、所定間隔で配置されており、
前記壁材は平板状であり、前記排気口の断面形状は短辺と長辺の長さが異なる長方形であり、前記壁材は前記短辺と平行に配置され、前記壁材により前記排気口に複数の同じ形状の空間が形成され、前記空間の前記長辺方向の寸法(L)が前記短辺の寸法(a)より小さい加熱炉。 - 前記排気口は、耐火物からなる内壁と鉄皮とにより形成され、前記鉄皮は、前記長辺に対応する長辺部と前記短辺に対応する短辺部を有し、
前記壁材は、前記鉄皮の向かい合う前記長辺部間に固定された下梁と、前記下梁の上に積み上げられた耐火レンガと、前記耐火レンガの最上部に置かれて、前記鉄皮の向かい合う前記長辺部間に固定された上梁と、により形成されている請求項1に記載の加熱炉。 - 前記排気の温度は900℃以上であり、前記排気口に連続する煙道内に、熱交換器が配置され、前記排気口の前記壁材が配置されている位置より下流で前記熱交換器より上流となる位置に、排気温度低下装置が設置されている請求項1又は2に記載の加熱炉。
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JP2012285761A JP5807633B2 (ja) | 2012-12-27 | 2012-12-27 | 加熱炉 |
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Family Applications (1)
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