JP5803038B2 - 溶接加工に伴う花咲き現象の発生防止方法 - Google Patents

溶接加工に伴う花咲き現象の発生防止方法 Download PDF

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本発明は,従来の各種鋼材に対してアーク溶接を行う際,溶融金属が空気と触れることにより過酸化状態のスラグ状に変化する通称花咲き現象の発生防止方法に関するものである。
従来,ステンレスやチタンなどの各種鋼材を溶接する方法として,TIG溶接,MIG溶接やMAG溶接などがあり,特にTIG溶接が一般には広く使用されている。このTIG溶接法は,溶接時に母材の溶融金属部分を空気から遮蔽して保護する目的で,アルゴンなどの不活性ガスを吹き付けて溶接しているが,溶接面の裏面は空気と触れることで過酸化状態となり,特に薄板の溶接時はスラグ状に変化する通称花咲き現象が発生し美観を損ねるだけでなく,ピンホールの発生や該溶接加工製品の欠陥発生の原因となるため,その防止策として煩雑なバックシールド法の実施が必須条件となっていた。
これを回避する手段について,パイプや箱形状のものについては,内部に不活性ガスを注入して空気と置換した状態で溶接を行い,内面の酸化を防止する方法が取られている。しかし,平板状の場合は,溶接する箇所の裏面に不活性ガスを吹き付けながら溶接するか,溶接裏面を例えば高分子フィルムで覆って袋状とし,この内部に不活性ガスを注入する方法が取られている。その他,特開平7−132394に記載のようにアルコキシド溶液を塗布あるいは噴霧する方法がある。また本発明に近似の手段として目的はそれぞれ異なるが,特開2010−110787には,ホットプレス法における鋼板加熱時の酸化スケールの生成防止を目的とした酸化防止剤の使用例,一方,市販品に溶接等加熱時の熱伝導による金属のひずみや変色(酸化)を抑えることを目的とした,加熱部の近傍に塗布する断熱剤等があり,一部に於いて採用されているが,本願の花咲き防止剤としては何れも実用性に欠ける物である。
しかも,平板を対象とした従来の方法には次のような問題点を有している。アルゴンやヘリウムなどの不活性ガスを溶接部の裏面に吹き付けながら溶接する方法は,高価な不活性ガスが垂れ流し状態となるためコスト高となる。また,高分子フィルムで溶接部裏面の必要最小限を覆って不活性ガスを注入する方法は,前準備の養生に手間がかかり作業性,能率性が低下すると共に,溶接時の高熱にて,高分子フィルムの固定テープが剥離したり,高分子フィルムが溶融したりして空気が混入することがある。その他,特開平7−132394のアルコキシド溶液を塗布あるいは噴霧する方法は,アルコキシドは加水分解し易く不安定であると共に,強塩基性かつ毒性を有するものが多いことから,取扱いに細心な注意を払う必要がある。また,特開2010−110787に記載の酸化防止剤の適用温度は950℃で,本発明者が目的とする例えばステンレス鋼のアーク溶接時の溶融金属温度約1400℃に適用できるものではなく,また,一方はアーク溶接時の入熱にて塗布した酸化防止剤を破壊させながら溶接するもので,本発明に係る塗布剤は,アーク溶接中破壊させることなく空気を遮蔽するものである。市販の断熱剤はクリーム状で含む液体が熱にて気化する際の気化熱にて断熱を計っており,これをアーク溶接する裏面に直接塗布して使用しても,約1400℃の高温に耐えるものではない。
特開平7−132394号公報 特開2010−110787号公報
本発明は,主としてTIG溶接における溶接面の裏側の花咲き現象を防止することを目的とするもので,高価な不活性ガスや人体に有害な薬品を使用することなく,溶接ビード裏面の花咲き現象を防止する方法を提供しようとするものである。
本発明者等は,上述した課題を鋭意検討し,発明を完成させたもので,その要旨は以下の通りである。
ステンレス鋼又はチタン溶接部の裏面又はその周辺に於いて,溶融金属の一部が空気酸化に伴い,過酸化状態のスラグ状に変化する通称花咲き現象を発生する箇所に対し,加熱状態に於いても組成変化を生じない酸化物の粉末を主剤とし,これにポリビニールアルコール又はデキストリンを粘着剤とし,水又はアルコールを用いて混練し塗料状に加工した物質を,溶接個所の裏面乃至はその周辺部に塗布したうえで溶接加工することを特徴とする溶融金属の酸化乃至は過酸化状となる通称花咲現象の発生防止法である。
本発明の方法は,ステンレスやチタン鋼材の溶接加工時の裏ビード及びその周辺の過酸化防止に効果を示し,特に問題となっていた薄板溶接加工時に溶接面裏側がスラグ状に変化する花咲き現象の発生を防止することができる。
ステンレス板2枚をTIG溶接にて仮付けし,本発明の実施例に用いた試験体の写真である。 図1の裏面の写真である。 溶接面裏面に本発明に係る塗布剤を塗布した試験体の写真である。 図3の試験体のTIG溶接後の写真である。 TIG溶接後の裏面塗布剤の状態を示す写真である。 TIG溶接後に裏面に塗布剤を除去した試験体の写真である。 図6の裏焼けを,電解焼取りにて除去した試験体の写真である。 図6の部分拡大写真である。 本発明の比較例とし,塗布剤未塗布の試験体のTIG溶接後の写真である。 図9の試験体の裏焼けを,電解焼取りにて除去した写真である。 図10の部分拡大写真である。 チタン材への本発明の適用及び非適用状態を示す比較写真である。 チタン材への非適用部を拡大した写真である。 チタン材への適用部を拡大した写真である。
本発明の実施の形態の一例として,ステンレス平板2枚を直角状にTIG溶接した場合並びにチタン板をなめ付け溶接した場合を図面に従って説明する。なお,本発明に係る塗布剤を塗布することが可能であれば,パイプや箱形状など他の形状でも同様の方法で花咲き現象を防止することができる。
主剤となる酸化アルミニウム粉末,酸化チタン粉末並びに酸化マグネシウム粉末を重量比で80:15:5の割合にて混合し,これにポリビニールアルコール(のり状)を主剤に対して20%並びに水を40%程度加えて混練し,塗料状の塗布剤とした。
試験体は図1に示すように,SUS304(2B材)2枚にて直角を形成するようにTIG溶接にて仮付けしたもので,SUS304の板厚はそれぞれ1mmである。図2は仮付け溶接した裏面の状態を示すもので,これに上述の塗布剤を塗布し,ヘアードライヤーを用いて乾燥させた状態を図3に示す。
図3の試験体の仮付け側を,シールドガス(アルゴン)流量15リットル/分,電流35Aにて手動によるTIG溶接を行った。溶接後の試験体の表と裏の状態を図4と図5に示す。
図6は図5の塗布剤を歯ブラシにて払い落とした状態を示すものである。軽い裏焼けがあるが,これを電解焼け取りにて除去すると,図7及び図8に示すように,過酸化によるスラグ通称花咲き現象が認められず綺麗な素地であった。
本発明の比較例として,図1と同様な試験体に塗布剤を塗布しないで溶接した後の状態を図9に示す。図10は図9の裏焼けを電解焼け取りにて除去したものであるが,焼け取りにても除去できない過酸化によるスラグ通称花咲き現象が認められた。図11は花咲き部を拡大したものである。
主剤となる酸化アルミニウム粉末,酸化チタン粉末並びに酸化マグネシウム粉末を重量比で70:20:10の割合にて混合し,これにポリビニールアルコール(のり状)を主剤に対して1%並びに水を40%程度加えて混練し,塗料状の塗布剤とした。
主剤となる酸化アルミニウム粉末,酸化チタン粉末並びに酸化マグネシウム粉末を重量比で90:5:5の割合にて混合し,これにポリビニールアルコール(のり状)を主剤に対して1%並びに水を40%程度加えて混練し,塗料状の塗布剤とした。
主剤となる酸化アルミニウム粉末,酸化チタン粉末を重量比で80:20の割合にて混合し,これにポリビニールアルコール(のり状)を主剤に対して1%並びに水を30%程度加えて混練し,塗料状の塗布剤とした。
主剤となる酸化アルミニウム粉末,酸化チタン粉末を重量比で70:30の割合にて混合し,これにポリビニールアルコール(のり状)を主剤に対して1%並びに水を40%程度加えて混練し,塗料状の塗布剤とした。
主剤を酸化アルミニウム粉末,酸化チタン粉末を重量比で50:50の割合にて混合し,これにポリビニールアルコール(のり状)を主剤に対して10%並びに水を40%程度加えて混練し,塗料状の塗布剤とした。
実施例2〜実施例6にて調合した塗布剤は,実施例1と同様に評価した結果,実施例6を除いてはいずれも花咲き現象の発生を防止することができた。
実施例6については,塗布剤を塗布して乾燥中にクラックが発生し,TIG溶接に供することができなかった。
主剤を酸化アルミニウムのみを,ポリビニルアルコール(のり状)を主剤に対して,1%並びに水を40%程度加えて撹拌したが,沈降性が高く試験体に塗布することが困難で,TIG溶接試験に供することができなかった。
実施例1の配合において,ポリビニールアルコールをデキストリン(のり状)に変えて同様な試験を実施したところ,実施例1と同様に良好な結果が得られた。
実施例1の配合において,水をエチルアルコールに変えて同様な試験を実施したところ,実施例1と同様に良好な結果が得られた。
5cm×15cm,板厚1mmのチタン平板の片側に実施例4にて配合の塗布剤を塗布して乾燥後,実施例1と同一条件にてTIGにてなめ付け溶接をした。結果を図12,図13及び図14に示す。図からも分かるように本発明の効果を確認することができた。
上述の如く,本発明により各種鋼材に対して,溶接ビード裏面並びにその周辺を過酸化状態にすることなく接合することができる。

Claims (1)

  1. ステンレス鋼又はチタン溶接部の裏面又はその周辺に於いて,溶融金属の一部が空気酸化に伴い,過酸化状態のスラグ状に変化する通称花咲き現象を発生する箇所に対し,加熱状態に於いても組成変化を生じない酸化物の粉末を主剤とし,これにポリビニールアルコール又はデキストリンを粘着剤とし,水又はアルコールを用いて混練し塗料状に加工した物質を,溶接個所の裏面乃至はその周辺部に塗布したうえで溶接加工することを特徴とする溶融金属の酸化乃至は過酸化状となる通称花咲現象の発生防止法。
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