JP5800818B2 - 高量産性の薄層光バイオリアクター - Google Patents

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Description

本発明は、光バイオリアクターにおける細胞培養の分野に関する。より詳細には、本発明は、傾斜方向に沿って平均勾配で傾いた表面を有する細胞の培養用の光バイオリアクターに関し、その表面上に溶液が流れ、その表面は上流側及び下流側を有し、溶液は懸濁した細胞を含む。
光バイオリアクターの生産性(単位体積あたりのバイオマスの生産量)は、光バイオリアクターの比表面積(培養物体積に照射される表面積の割合)に直接関連する。実際には光を供給することがこのタイプの方法の主な制約要因である。培養物体積における光吸収が重要である。したがって、2つの受光光束(q=250W・m−2及びq=50W・m−2)に関して溶液の膜の厚さ(m)の関数として量産性(kg/m・h)を示している図5に示されるように、照射される大きな比表面積を有する光バイオリアクターを用いる必要がある。
一般的な光バイオリアクターは、(厚さが5cmで光束が250W・m−2の場合)4×10−2kg・m・h−1の最大量産性の場合には5cm〜30cmの間に含まれる厚さの溶液の膜で動作する。
しかし、薄膜を得るための研究は培養物の高度な閉じ込めにつながり、多くの技術的な実施の問題、すなわち(栄養素、気体/液体比、熱の)十分な移動を保証するように媒体を攪拌することの困難さや、光に曝される壁上へのバイオフィルムの形成が生じ、それによって光が溶液中を通ることが阻止される。
照射される大きな比表面積を得るための1つの解決策は、バイオマスが培養される溶液の厚さを低減することである。
米国特許第5,981,271号明細書は、藻類及びシアノバクテリアの培養用の光バイオリアクターの例を挙げており、培養物の厚さ(これは、発明者によると、通常は15cm〜30cmの間に含まれる)は、5mm〜18mmにまで低減される。これは、他方の下流の幅側よりも高い上流の幅側をそれぞれ有する2つの傾いた矩形平面を用いることによって可能となっている。第1の平面の下流の幅側は、第2の平面の上流の幅側と同じ高さに位置し、これらの2つの側は互いに流体連通している。第2の平面の下流側が第1の平面の上流側に垂直に位置するように2つの平面は直列に配置されている。コレクターが第2の平面の下流側の下に配置されている。ポンプを含む上昇流循環回路が、コレクター内に回収された溶液を第1の平面の上流側に向かって運ぶことを可能にする。したがって、溶液は2つの平面上を流れ、閉循環回路において第1の平面まで流れ戻る。
両方の平面は1.1%〜2.5%の勾配を有し、これは、0.63°〜1.43°の間の傾斜角度に相当する。
上記光バイオリアクターの欠点は、コレクター及び上昇流循環回路が、細胞が光に曝されない暗い体積部を構成することである。実際、この光バイオリアクターの場合は、上昇流循環回路のポンプが動作することができるように最低限の量がコレクター内に存在する必要がある。この場合、これらの暗いゾーンによってバイオマスの生産性が低下する結果となる。また、細胞は、一旦コレクターに入るとしばらくの間循環せず、このため生産性に悪影響を及ぼす。
また、溶液を光バイオリアクターの上部まで上昇させるためにポンプを用いることは傾斜の増大を妨げる。実際、傾斜角度の増大は、より大きなコレクターの必要性につながり、したがって暗い体積部の増大につながる。
上記光バイオリアクターの別の欠点は、上昇流循環回路において経る時間を最小限に抑えるために必要な傾斜している2つの基材の直列に配置されたレイアウトである。太陽光照射状況における最適な使用は、傾いている基材の(北に対する)適切な向き及び(水平に対する)適切な傾斜を求めることによって、システムが捕捉する光束を最大限にすることを必要とする。したがって、2つの傾いている基材の反対の傾斜を有する直列に配置されたレイアウトは、それらの基材が同時に最適に機能すること、すなわち、それらの表面の一方又は他方に最適な暴露が選択されなければならないことを妨げる。培養物を流すことを可能にするには、2つの傾いている基材のうちの一方を他方よりも高い高さに更に配置する。結果として、一日の終わりに、第2の基材の表面が上記傾いている基材によって影になり、光バイオリアクターの全体的な効率が低減することになる。
本発明の目的は、従来技術の少なくとも1つの欠点を解決することである。この目的のために、本発明は、表面を有するとともに傾斜方向に沿って平均勾配で傾いている流動基材を備え、該流動基材上に溶液が流れ、該流動基材は上流側及び下流側を有し、前記溶液は懸濁した細胞を含む、細胞の培養用の光バイオリアクターを提供し、該光バイオリアクターは、前記傾斜方向に対してほぼ平行である上昇流方向に沿って前記溶液を前記下流側から前記上流側へ運ぶ上昇流リフトを備えることを特徴とする。
本発明の1つの利点は、暗い体積部を減らすこと、及び表面の傾斜を増大可能にすることである。
他の選択的及び非制限的特徴は、以下の通りである。
−前記上昇流リフトは、前記傾斜方向に平行に延びる透明なチューブである。
−前記光バイオリアクターは、前記平均勾配のアジャスターを備え、前記上昇流リフトは、前記流動基材と一体である。
−前記光バイオリアクターは、該光バイオリアクターを垂直軸に沿って回転させる装置を備える。
−前記流動基材は、前記上昇流リフトの入口ポートが配置される最低高さの地点と、前記上昇流リフトの出口ポートが配置される少なくとも1つの最高高さの地点とを含む。
−前記流動基材は平らで矩形であり、前記表面の前記下流側の部分によって側溝が形成され、該側溝は、前記流動基材の前記傾斜方向に垂直な方向に沿って傾いている。
−前記光バイオリアクターは、前記表面を覆う透明な蓋を備え、該蓋は、前記溶液の表面に空気の膜を残すように構成されている。
−前記流動基材の前記表面は凹凸を有する。
−前記流動基材の前記表面にコーティングが塗布され、該コーティングは、前記流動基材の表面エネルギーを増大させるために親水性であり、及び又は、前記流動基材の前記表面上への細胞の付着を回避するために付着防止性である。
−溶液分散部が前記上昇流リフトの出口に位置し、前記溶液分散部は、前記流れが前記流動基材の前記表面を全体的に覆うよう、前記溶液を広げるように構成されている。
他の目的、特徴及び利点は、限定ではなく例示として与えられる図面を参照して以下で与えられる詳細な説明を読めばより明らかとなるであろう。
本発明による光バイオリアクターの実施形態を示す図である。 溶液の下流分散部として規則的に穿孔されている管を有する本発明による光バイオリアクターの実施形態を部分的に示す図である。 分散部として垂直バーを有する、図2の光バイオリアクターの一つの変形形態を部分的に示す図である。 図3の光バイオリアクターの別の部分図である。 量産性を溶液の膜の厚さの関数として示すグラフである。 収率と、細胞を含有する溶液を透過する光束とを、流動基材上で経る時間に対する上昇流循環回路において経る時間の比の関数として示すグラフである。
光バイオリアクター
光バイオリアクターの一例を、図1を参照して以下で説明する。
本発明による光バイオリアクター1は、溶液中に懸濁した細胞の培養用の光バイオリアクター、特に、自身の光合成に光の供給を必要とする微細藻類又はシアノバクテリアのバイオマスの培養及び生産用の光バイオリアクターである。
光バイオリアクター1は、表面20を有するとともに傾斜方向I−Iに沿った平均勾配で傾いている流動基材2を備え、流動基材2上に溶液が流れる。流動基材2は、上流側21及び下流側22を有している。
流動基材2の傾斜は、薄膜培養物、すなわち流動基材2上を流れる溶液が1.5cm未満の厚さの薄膜を形成することを可能にする。薄膜培養物は、光バイオリアクター1の比表面積(流動基材2上に存在する培養物の体積に照射される表面の割合)が増大するという利点を有し、それによって、バイオマス量の生産収率が改善され、通常の技術と比較して10g/Lよりも高い高濃度(およそ10倍の増加)のバイオマスが得られる。
実際には、比表面積が大きくなるほど、所与の体積に対して照射される表面が増大する。この場合、微細藻類及びシアノバクテリアにおいて光合成反応が促進される。
光バイオリアクター1は、傾斜方向I−Iにほぼ平行である上昇流方向に沿って下流側22から上流側21へ溶液を運ぶ上昇流リフト3を備えている。
そのような上昇流リフト3は、流れの下流のコレクターを不要にすることを可能にし、したがってコレクターの体積部に相当する暗い体積部をなくすことを可能にし、それによって、細胞を含有する溶液の移動の恒久的な設定を確実にする。
また、傾斜方向I−Iに平行なそのような上昇流リフト3は、垂直な上昇流リフトよりも有利である。実際、垂直な上昇流リフトは、光バイオリアクターを照射する光線(これらの光線は好ましくは傾斜方向I−Iに垂直である)に垂直ではないため、最適に照射されることができない。これとは反対に、傾斜方向に平行な上昇流リフト3は、その最適な照射及び流動基材2の最適な照射を同時に可能にする。
バイオマス生産収率を最適化するために考慮される重要な要因は、(流動基材2上の)流動部分において経る時間Tと、(上昇流リフト3を通る)上昇流部分において経る時間Tとの比Rであり、図6に示されているようにR=T/Tは収率をRの関数として表す。したがって、Rが増大し、かつ透過した光束が増大すると、生産性が低減することが留意される。
0.25未満というRの低い値は、光バイオリアクターの許容可能な機能を確実にする。これは、上昇流リフト3内で細胞が経る時間が、流動基材2上で細胞が経る時間と比べて低くなければならないことを示唆する。流動基材2に平行な上昇流リフト3はこの要件を満たす。
このことはまた、従来技術の直列に配置されたレイアウトを不要にすることを可能にする。この場合、光バイオリアクターは、その傾斜が南北方向を向くような向きにすることができ、これは最適な暴露に相当する。
上昇流リフト3は、傾斜方向I−Iに平行に延びる透明なチューブとしてもよい。透明なチューブを使用すると、従来技術の上昇流循環回路に相当する暗い体積部をなくすことができる。
細胞を含有する溶液は、チューブ内にガスを注入することによって、又は流体を循環させる機械的なシステム(例えばポンプ)によって、チューブに沿って上昇移動させられる。
チューブは、チューブ内に暗い体積部を作り出さないように、1.5cm未満の直径を有することが好ましい。細胞は溶液中に懸濁している。直径が大きすぎると、チューブの壁に近い細胞が、チューブのより内部に位置する細胞に光が到達することを妨げる可能性がある。
上昇流リフト3は、傾いている流動基材2と一体としてもよく、それによって光バイオリアクターの使用が容易になり(組み立てが必要ではない)、上昇流リフト3と流動基材2との間のシールを確実にする。
また、流動基材2には、50mN・m−1よりも大きい表面エネルギーを特徴とする十分な湿潤性を有する材料を選択し、それによって流動基材2の表面上に均一な液体の膜が形成することを確実にすることが重要である。好適な材料の例は、ステンレス鋼及びガラスである(表面エネルギーは50mN・m−1よりも大きい)。
光バイオリアクター1は、平均勾配のアジャスター4を備えてもよい。これにより、年間にわたってバイオマス生産収率を最適化することが可能となる。実際、1年のうちでは太陽の頂点(地平線上の太陽の日周の最も高い位置)が変化する。さらに、細胞が受け取る太陽光からのエネルギーは、(傾斜が南北方向を向くように光バイオリアクターを配置する場合は)太陽光線と基材の傾斜との間の角度に依存する。したがって、傾斜を変更することができない場合は、バイオマス生産収率は夏に最適となり冬に最小となる。平均勾配のアジャスター4を用いると、年間を通じてバイオマス生産収率を最適化することができる。
平均勾配のアジャスター4は手動であってもよく又は電動であってもよい。平均勾配のアジャスター4が電動である場合、このアジャスターは自動化してもよく、そうでなくてもよい。
平均勾配のアジャスター4は、(例えばラック又はクランクを用いる)機械的なエレベーター、又は油圧エレベーター(油圧ピストン又は空気圧ピストン)であってもよい。
光バイオリアクター1は、垂直軸に沿って光バイオリアクターを回転させる装置も備えてもよい。そのような光バイオリアクターの回転装置は、空の太陽の軌道の全体にわたって傾斜の向きを調節することを可能にする。
したがって、バイオマス生産収率を一日中最適化することができる。
光バイオリアクターの回転装置は、手動であってもよく又は電動であってもよい。光バイオリアクターの回転装置が電動である場合、この装置は自動化してもよく、そうでなくてもよい。
光バイオリアクターの回転装置は、太陽光追尾装置であってもよい。上記回転装置は、ヘリオスタットのように、空の太陽の軌道に追従することを可能にする任意の他の装置であってもよい。
地平線上の太陽の頂点及びその軌道の移動に追従する可能性を強調してきたが、本発明による光バイオリアクターは、単に自然照明又は人工照明とともに簡単に用いてもよい。
傾いている流動基材2は、最低高さの部分23を含む。上昇流リフト3の入口ポート31は、最低高さの部分23のレベルに位置している。
これは、溶液が蓄積するバッファーゾーンを最大限まで低減することを可能にする。
傾いている流動基材2は、最高高さの部分24を含む。上昇流リフト3の出口ポート32は、最高高さの部分24のレベルに位置している。
したがって、懸濁した細胞を含有する溶液は、最低高さの部分23に達すると、最高高さの部分24まで直接上昇し、それによって溶液の不必要な移動を最小限に抑える。
一つの変形形態では、光バイオリアクターは、平らで矩形の流動基材2を備え、流動基材2には、その下流側の部分によって側溝25が形成されている。側溝25は、流動基材2の傾斜方向I−Iに垂直な方向に沿って傾いている。
したがって、側溝25は、流動基材2の下流側において溶液が滞留するという現象を回避することを可能にし、細胞を含有する溶液の最適な混合を確実にする。
液体を最低高さの部分23へ運ぶ側溝25の設計は単純であるが、同時に、流動基材を有する光バイオリアクターの正しい動作の主な制約を配慮し、すなわち、水圧ループの他の部分(上昇流リフト3、最高高さの部分における分散、最低高さの部分における回収)と比較して流動部分において経る時間に有利に働く。
また、流動基材2の矩形で平らな形態の設計は、単位の単純な乗算による外挿によって生産ニーズに容易に適合することを可能にする。
光バイオリアクター1は、傾いている表面を覆うための透明な蓋を備えてもよい。蓋は、流れる溶液の表面に空気の膜を残すように構成されている。これによって、従来技術の重大な欠点を目下構成する、光バイオリアクターの照射される表面上へのバイオフィルムの形成を回避することが可能となる。加えて、蓋によって、他の微生物、熱調節及び/又は流れる溶液の上方の気相によって溶液が汚染されるリスクを低減することが可能となるか、又はその代わりに水の蒸発を防止することが可能となる。
熱調節及び/又は気相の組成の調節は、当業者に既知である温度調節器及び/又はガス調節器によって可能なので、これらは以下でより詳細には説明しない。
気相の調節は、細胞の光合成成長の限界を回避するために十分な溶存炭素含量を確実にすることを可能にする。
しかし、特定の状況では、その結果として酸素が液相中に蓄積するリスクがあり、すなわち、液相中の高すぎる濃度の酸素が微細藻類又はシアノバクテリアに有害である可能性がある。この酸素は、光合成中に生成される。この場合、蓋と溶液の表面との間に閉じ込められている大気中に含まれる余分な酸素を排出させるために、空気掃引装置を設けてもよい。
流動基材2の表面は、平滑であってもよく、そうでなくてもよい。微細な凹凸を有する表面の利点は、細胞を含有する溶液と溶液の表面の上方に位置する大気との間の交換に有利に働く僅かな乱流の流動を可能にすることである。この僅かな乱流の流動は、細胞が僅かに混合されるため、細胞の再生にも有利に働く。このように、細胞は、溶液の表面に近い位置と、流動基材2の表面に近い、溶液の底部の位置との間で振動する。
流動基材2の表面にコーティングを塗布することもできる。該コーティングは、流動基材2の表面エネルギーを増大させるための親水性コーティングとすることができる。このコーティングは、例えば親水性処理を受けているか又は受けていないテトラフルオロエチレンの熱可塑性ポリマー(PTFE)のようなポリマーコーティングである、流動基材2上への細胞の付着を防止するための付着防止コーティングであってもよい。コーティングは、親水性であるとともに付着防止性であるコーティングであってもよい。
溶液の分散部6は、上昇流リフト3の出口に位置している。分散部6は、流れが流動基材2の表面を全体的に覆うように、溶液を広げるように構成されている。これは、流動基材2の表面の最適な使用を確実にする。
流動基材2が2つの幅側及び2つの長さ側を有する矩形である場合の例が以下で与えられる。傾斜方向I−Iは、長さ側に平行である。分散部は、流動基材2の表面を、上流側21に対応する流動基材の幅側において全体的に覆うように、溶液を広げるように構成されている。
分散部6は、図2に示されるように、開口62が規則的に穿孔されているとともに上流側21に平行に延びるチューブ61であってもよい。
分散部6は、図3及び図4に示されるように、上流側21に底流の方法で流動基材2に垂直に配置された高さ調節可能な垂直バー65であってもよい。垂直バー65は、流動基材2の表面の僅かに上方に位置している。したがって、上昇流リフト3の出口ポート32を介して溶液が達すると、溶液は垂直バー65の上流に広がる。垂直バー65は溶液の一部を保持し、すなわち溶液はこの場合、垂直バー65に沿って、任意に流動基材2の上流側端に向かって広がる。
流動基材2の傾斜が大きい場合、換言すると5度よりも大きい傾斜の場合、上述した2つのタイプの分散部を有利に組み合わせてもよい。この場合、穿孔されたチューブを、垂直バーの上流に位置し、穿孔されたチューブは、流動基材2の上流側における溶液の最初の分散を可能にし、垂直バーは、低い保持によって流束を均質にすることを可能にする。この場合、均一な流動膜が得られる。
本発明による光バイオリアクター1は、炭素又は栄養素のレベルに起因する制限なく捕捉された光束の変換に関して最適な点で機能することを可能にする。
バイオマス生産収率は、従来の光バイオリアクターと比較して桁違いで得られる。
したがって、本発明者らは、試験中に、20×10−2kg・m−3−1の最大の生産性、すなわち(250W・m−2の照射の場合)(従来の光バイオリアクターの1kg・m−3〜5kg・m−3と比較して)本発明による光バイオリアクターの最適な動作時の17kg・m−3のバイオマス濃度に気が付いた。
寸法
寸法決めの例を以下に与える。
この例では、光バイオリアクター1は、幅が70cmの側と長さが100cmの側とを有する矩形の流動基材2と、直径1cmの円形の断面を有する透明なチューブの形態の上昇流リフト3とを有する。流動基材2の傾斜は5度である。
明らかに、本明細書では寸法は単に例示として与えられ、生産のニーズに応じて変更することができる。例えば、流動基材2の幅は30cmまで低減させることができ、チューブの直径は1.5cmまで増大させることができ、傾斜は15度まで増大させることができる。
使用
本発明は、バイオマスの生成におけるその使用に関して説明したが、液体の処理用の光触媒の分野において用いることもできる。実際には、この分野では、照射される大きな比表面積が同様に必要である(照射される壁のファウリング、材料の大量の移送等を回避するために必要とされる)。

Claims (10)

  1. 表面を有するとともに傾斜方向(I−I)に沿って平均勾配で傾いている流動基材(2)を備え、該流動基材(2)上に溶液が流れ、該流動基材(2)は上流側(21)及び下流側(22)を有し、前記溶液は懸濁した細胞を含む、細胞の培養用の光バイオリアクター(1)において、
    前記傾斜方向(I−I)に対してほぼ平行である上昇流方向に沿って前記溶液を前記下流側(22)から前記上流側(21)へ運ぶ上昇流リフト(3)を備えることを特徴とする光バイオリアクター。
  2. 前記上昇流リフト(3)は、前記傾斜方向(I−I)に平行に延びる透明なチューブである、請求項1に記載の光バイオリアクター。
  3. 前記平均勾配のアジャスター(4)を備え、前記上昇流リフト(3)は、前記流動基材(2)と一体である、請求項1または2に記載の光バイオリアクター。
  4. 前記光バイオリアクターを垂直軸に沿って回転させる装置を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光バイオリアクター。
  5. 前記流動基材(2)は、
    前記上昇流リフト(3)の入口ポート(31)が配置される最低高さの地点(23)と、
    前記上昇流リフト(3)の出口ポート(32)が配置される少なくとも1つの最高高さの地点(24)と
    を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光バイオリアクター。
  6. 前記流動基材(2)は平らで矩形であり、前記表面の前記下流側の部分によって側溝(25)が形成され、該側溝(25)は、前記流動基材の前記傾斜方向(I−I)に垂直な方向に沿って傾いている、請求項5に記載の光バイオリアクター。
  7. 前記表面を覆う透明な蓋を備え、該蓋は、前記溶液の表面に空気の膜を残すように構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光バイオリアクター。
  8. 前記流動基材(2)の前記表面は凹凸を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光バイオリアクター。
  9. 前記流動基材(2)の表面エネルギーを増大させるための親水性コーティング、及び/又は前記流動基材(2)の前記表面上への細胞の付着を回避するための付着防止コーティングが、前記流動基材(2)の前記表面に塗布される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の光バイオリアクター。
  10. 溶液分散部(6)が前記上昇流リフト(3)の出口に位置し、前記溶液分散部(6)は、前記流れが前記流動基材(2)の前記表面を全体的に覆うよう、前記溶液を広げるように構成されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光バイオリアクター。
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