次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
無線通信システムの一実施例について説明する。
無線通信システムは、主となる基地局eNB1と、該主となる基地局eNB1に従属する基地局eNB2と、ユーザ端末(UE: User Equipment)とを有する。
無線通信システムでは、主となる基地局eNB1、及び基地局eNB2と、ユーザ端末との間で、CoMP伝送が行われる。
主となる基地局eNB1はサービング基地局とも呼ばれる。また、主となる基地局eNB1に従属する基地局はノンサービング基地局とも呼ばれる。
サービング基地局eNB1は、CoMP伝送を実施する際に、該CoMP伝送を実施するための制御信号を送信する基地局であってもよい。また、ノンサービング基地局は、CoMP伝送を実施する際に、該CoMP伝送を実施するための制御信号を送信しない基地局であってもよい。
サービング基地局eNB1は、CoMP伝送を実施する際に、通信している又は接続している基地局であってもよい。また、ノンサービング基地局は、CoMP伝送を実施する際に、該CoMP伝送を実施するために追加された基地局であってもよい。
また、サービング基地局は第1の基地局と呼ばれてもよい。また、ノンサービング基地局は第2の基地局と呼ばれてもよい。
また、サービング基地局によりカバーされるエリアはサービングセルと呼ばれてもよい。また、ノンサービング基地局によりカバーされるエリアはノンサービングセルと呼ばれてもよい。このように呼ばれる場合、各基地局は、1つの無線通信帯域を有し、1つのサービスエリアを構成する。サービスエリアは、セルとも呼ばれる。サービングセル、ノンサービングセルは、3GPPにおけるセルの定義に相当するものであってもよい。
また、サービング基地局によりカバーされるエリアはサービングセル又はサービングセクタと呼ばれてもよい。また、ノンサービング基地局によりカバーされるエリアはノンサービングセル又はノンサービングセクタと呼ばれてもよい。このように呼ばれる場合、各基地局は、1つの無線帯域を有し、複数のサービスエリアを構成する。サービスエリアは、セル又はセクタとも呼ばれる。また、このように呼ばれる場合、各基地局は、複数の無線帯域を有し、複数のサービスエリアを構成するようにしてもよい。また、CoMP伝送では、サービングセル及びサービングセクタのみ上位から伝送される。従って、サービングセルからノンサービングセルへ、サービングセクタからノンサービングセクタへ、データを転送しなければならない。
サービング基地局は、CoMP伝送を制御する。CoMP伝送には、ユーザ端末から基地局への上りリンクの伝送と、基地局からユーザ端末への下りリンクの伝送とが含まれる。また、サービング基地局は、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH: Physical Downlink Control CHannel)を用いて、ユーザ端末へ、CoMP伝送に必要な制御信号を通知する。サービング基地局は、ユーザ端末へ、制御信号を送信する基地局である。サービング基地局は、無線通信システムとして決まるようにしてもよいし、ユーザ端末単位で決まるようにしてもよい。
下りリンクのデータは、サービング基地局とノンサービング基地局の両方又はどちらか一方から、物理下りリンク共有チャネル(PDSCH: Physical Downlink Shared CHannel)を用いて、ユーザ端末UEへ、伝送される。
上りリンクのデータは、物理上りリンク共有チャネル(PUSCH: Physical Uplink Shared CHannel)を用いて、サービング基地局とノンサービング基地局の両方又はどちらか一方に伝送される。
共有チャネルとは、共有チャネルの有する無線リソースを、ユーザ端末間で時間及び周波数の少なくとも一方で分割して使用するチャネルである。共通チャネルは、複数のユーザ端末へ、同じデータを送信するために使用されるチャネルであり、共有チャネルとは異なる。LTEに従って無線通信を行うシステム(以下、「LTEシステム」という)では、時間方向に6又は7シンボル、周波数方向に12サブキャリアで構成されるリソースブロック(RB: Resource Block)が定義される。LTEシステムでは、リソースブロックを最小単位として、各ユーザ端末に無線リソースを割り当てることで無線チャネルの共有を行う。
CoMP伝送を開始するための手順について説明する。
ユーザ端末UEが、サービング基地局eNB1によりカバーされるセルの端(以下、「セル端」という)に移動したとする。このとき、例えば、サービング基地局eNB1から送信された電波は、該サービング基地局とユーザ端末との間を伝搬することにより減衰する。サービング基地局eNB1から送信された電波を受信するユーザ端末では、必然的に、該電波の受信特性が劣化する。該電波の受信特性が劣化した結果、サービング基地局とユーザ端末との間の伝送特性(伝送速度)が劣化する。伝送特性の劣化により、回線が切れたり、所要伝送速度を満たせなくなったりするなどの障害が発生する場合がある。
伝送特性の劣化を改善する方法として、以下の方法が考えられる。
ユーザ端末は、サービング基地局以外の他のノンサービング基地局eNB2−eNBm(mは、m>1の整数)からの電波の受信電力を測定する。該ユーザ端末は、接続中のサービング基地局eNB1からの電波の受信電力と、ノンサービング基地局eNB2−eNBmからの電波の受信電力とを比較し、最も大きい受信電力である基地局eNBn(nは、0<n<m+1の整数)へハンドオーバを実施する。
受信電力を測定する際、ユーザ端末UEは、各基地局eNB1−eNBmから送信されるパイロット信号を受信し、該パイロット信号の受信信号の電力(受信電力)を測定する。LTEシステムでは、パイロット信号として、参照信号(RS: Reference Signal)が利用される。ユーザ端末UEは、参照信号の受信電力を測定するようにしてもよい。ユーザ端末は、サービング基地局へ、受信電力の測定結果を通知する。サービング基地局は、ユーザ端末により通知された受信電力の測定結果に基づいて、該ユーザ端末をハンドオーバさせるか否かを判断する。さらに、サービング基地局は、ユーザ端末をハンドオーバさせると判断した場合、どの基地局へハンドオーバさせるのかを判断する。サービング基地局は、ハンドオーバさせると判断した場合、ハンドオーバ先の基地局と、ユーザ端末に対してハンドオーバを実施することを通知する。サービング基地局により、ハンドオーバ先の基地局と、ユーザ端末へ、ハンドオーバが実施されることが通知されることにより、ハンドオーバが実行される。
しかし、ハンドオーバが実行されても、ハンドオーバ先の基地局からの電波の受信電力と、ハンドオーバされる前の基地局からの電波の受信電力との差が小さい場合がある。すなわち、基地局eNB1によりカバーされるセルのセル端は、基地局eNBnによりカバーされるセルのセル端である可能性が高いためである。受信電力の差が小さいと、ハンドオーバしても伝送特性の改善は小さい。伝搬特性の改善が小さい結果として、ハンドオーバの効果が小さい。すなわち、ハンドオーバを実施しても伝送特性の改善に至らない可能性がある。
CoMP伝送を行うことにより、セル端に位置するユーザ端末の伝送特性を改善することができる。
CoMP伝送が実行される際には、ユーザ端末は、ハンドオーバの際の処理と同様に、各基地局からの電波の受信電力を測定し、サービング基地局へ、該受信電力の測定結果を通知する。該受信電力の測定結果を受信したサービング基地局eNB1は、各基地局からの受信電力に基づいて、CoMPを実施する基地局を選択する。ここでは、CoMPを実施する基地局として、基地局eNBnが選択されたとする。CoMPを実施する基地局が選択されることにより、サービング基地局eNB1とノンサービング基地局eNBnが設定される。
CoMPを実施する基地局として、接続中の基地局以外の基地局からの受信電力の内、最大の受信電力である基地局を選択してもよい。また、CoMPを実施する基地局として、接続中の基地局からの受信電力と他の基地局からの受信電力との受信電力差を算出し、受信電力差が受信電力差閾値以下となる基地局を選択してもよい。
無線通信システムの一実施例では、CoMPの送信方法が選択され、CoMP伝送が実施される。CoMPの送信方法には、JP、CS及びCBが含まれる。JPには、JT、Dynamic Cell Selectionが含まれる。
さらに、送信データに付加すべきCPが設定される。具体的には、予め設定されたCP長を有するCPが設定されてもよい。Normal CPであってもよいし、Extended CPであってもよい。また、Normal CP、Extended CP以外の長さを有するCPであってもよい。該CPは、無線通信毎に設定されてもよい。該CPは、無線通信におけるサービス毎に設定されてもよい。該CPは、無線通信システムを提供する事業者毎に設定されてもよい。該CPは、セル毎に設定されてもよい。該CPは、国や地域毎に設定されてもよい。
図1は、無線通信システムの一実施例を示す。
図1には、無線通信システムの一実施例として、JPが示される。上述したように、JPでは、ユーザ端末UEへ、複数の基地局TP(Transmission points)からデータが伝送される。図1では、2つのTPから、ユーザ端末へ、データが送信される例が示される。2つのTPのうちの一方は、サービングセルである。
図2は、無線通信システムの一実施例を示す。
図2には、無線通信システムの一実施例として、CS/CBが示される。上述したように、あるセルをカバーする第1の基地局TP1と、該第1の基地局TP1によりカバーされるセルに隣接するセルをカバーする第2の基地局TP2との間で、セル端に位置するユーザ端末UE1−UE3に対する送信のためのスケジューリングが協調して行われる。第2の基地局TP2は、第1の基地局TP1によりカバーされるセルに重なるセルをカバーするものであってもよい。協調してスケジューリングが行われることにより干渉を低減したり、協調してビームが作成されることにより干渉を低減したりすることができる。
受信電力の代わりに、CPICH(Common Pilot Indicator CHannel) RSCP(Received Signal Code Power)、CPICH EC/N0、及びRSRP(Reference Signal Received Power)やRSRQ(Reference Signal Received Quality)を用いて、サービング基地局、ノンサービング基地局が選択されてもよい。受信電力やRSCP、RSRP等をまとめて無線回線品質(Channel Quality)としてもよい。また、受信電力やRSCP、RSRP等を離散化し無線回線品質情報とし、無線回線品質と同様に扱ってもよい。
ここで、W−CDMAシステムと同様に、CPICHは、基地局がユーザ端末へ送信するパイロット信号を伝送するチャネルであってもよい。RSCPは、CPICHの拡散コードのコード当たりの信号電力であってもよい。また、EC/N0とは拡散された信号1chip当たりのエネルギーと1Hz当たりの雑音電力密度の比であり、端的にはSNRと解釈されてもよい。
また、LTEシステムと同様に、RSRPは、Reference Signal(一般的には、パイロット信号)の受信電力あってもよく、CPICH RSCP相当と考えてよい。さらに、RSRQは、CPICH EC/N0相当と考えてよい。
無線通信システムでは、受信電力等の無線回線品質を用いて、CoMP伝送を実施するサービング基地局とノンサービング基地局が選択され、CoMP伝送ができるか否かが判断される。
例えば、CoMP伝送の1つの方法であるJTでは、複数の基地局で構成される送信側で協調又は一緒に、送信信号の処理が実施される。さらに、JTは、基地局間送信ダイバーシチとして実施される場合と、所謂ネットワークMIMOとして実施される場合とが検討されている。基地局間送信ダイバーシチは、送信サイトダイバーシチ、送信マクロダイバーシチと呼ばれることもある。ネットワークMIMOは、セクタ間MIMO、基地局間MIMO等と呼ばれることもある。基地局間MIMOは、セル間MIMOと呼ばれることもある。ここでは、ネットワークMIMOを一例として説明する。
複数の基地局からMIMO送信する場合、ユーザ端末において各基地局からの受信タイミングが一致していないとMIMO受信を実施することができない。同時に受信することを前提として、ストリームに重み付けと無線チャネル推定により各ストリームの分離を可能にしている。換言すれば、ストリームは、送信データ列である。ここで、ストリームとは、一般的に(特に有線通信サービスの分野)使われるストリームとは異なり、無線伝送、特に空間多重伝送に特化して使用される用語である。例えば送信ダイバーシチのように、同じデータを伝送するのであればストリームが同じであり、MIMO伝送のように異なるデータ列を伝送する場合は、データ列毎に複数のストリームが設定されている。
複数の基地局からの信号を同時に受信できない場合、各ストリームを分離できなくなり、伝送特性が劣化する。
また、LTEシステムや地上波ディジタル放送のようにOFDMAを用いた多元接続方式では、マルチパス干渉やフェージング対策として信号の前にガードインターバル(GI: Guard Interval)又はサイクリックプリフィックス(CP: Cyclic Prefix)が挿入される。
該CP長以内の受信時間差であれば、受信信号を合成することが可能である。従って、CP長を超える受信時間差がある受信信号は合成できない。さらに、CP長を超える受信時間差がある受信信号は、CP長以下の受信信号に対して干渉となる。従って、CP長を超える受信時間差がある受信信号は、伝送特性を劣化させる。よって、基地局間の受信時間差がCP長以上となった場合、CoMP伝送ができない。
基地局間の受信時間差を考慮してノンサービング基地局が選択されないことにより、CoMP伝送が実施される際に伝送特性が劣化することや、CoMP伝送を実施しない場合と比較して、伝送特性が改善しないなどの問題が生じる虞がある。さらに、このような問題が生じていてもCoMP伝送が実施される虞がある。
基地局の受信時間差は、以下のような理由で生じると考えられる。
1)基地局eNB1と、ユーザ端末UEとの間の距離と、基地局eNBnと該ユーザ端末との間の距離の違い。
仮に、各基地局が構成するセルのセル半径が同じであったとしても、ユーザ端末UEが、各基地局から等距離の位置にいるとは限らない。ユーザ端末UEが各基地局から等距離の位置にいない結果、ユーザ端末と、各基地局との間の距離が異なる。従って、同一タイミングで、各基地局から送信されたとしても、距離が異なれば伝搬遅延が異なる。伝搬遅延が異なる結果、受信時間差が生じる。
2)基地局eNB1とユーザ端末UEとの間の伝搬距離と、基地局eNBnとユーザ端末との間の伝搬距離の違い。
仮に、ユーザ端末UEが各基地局から等距離に位置し、同一タイミングで各基地局から送信されたとしても、伝搬経路が異なれば伝搬距離が異なる。伝搬距離が異なれば伝搬遅延も異なる。伝搬遅延が異なる結果、受信時間差が生じる。
3)基地局eNB1と基地局eNBnが同期していない。
仮に、各基地局からユーザ端末UEまでの伝搬距離が同じであったとしても、各基地局が非同期で、異なるタイミングで送信されれば、受信時間差が生じる。
CoMP伝送では、基地局間同期が前提となると考えられるが、該同期の精度については規定されておらず、実質的には非同期と同じ状態であると考えられる。
基地局間の受信時間差の測定により得られた受信時間差をCoMP伝送の制御に用いるようにしてもよい。基地局間の受信時間差の測定は、3GPP LTE仕様にする方向で合意されているためである。
さらに、W−CDMAシステムやLTEシステムでは一定の受信時間差以下となる精度で、基地局間同期がなされている。例えば、下りリンクの送信タイミングは略同一である。特に、LTEシステムではMBSFNが導入されるため、基地局間で下りリンクの送信が同期していなければならない。
CoMP伝送の制御に、基地局間の受信時間差の測定により得られた受信時間差を用いる具体的方法について説明する。
例えば、ユーザ端末における下りリンクの受信時間差に基づいて、CoMP伝送を制御するようにしてもよい。また、複数の基地局間での上りリンク伝送の受信時間差に基づいて、CoMP伝送を制御するようにしてもよい。
<下りリンク伝送の受信時間差に基づいて、CoMP伝送を制御する場合>
図3は、下りリンク伝送の受信時間差に基づいて、CoMP伝送を制御する無線通信システムの一実施例を示す。
無線通信システムは、基地局200n(nは、n>1の整数)と、ユーザ端末100とを有する。図3には、n=2の例について示される。n>2の場合についても同様である。図3において、基地局2001とユーザ端末100との間の距離は距離R1により表され、基地局2002とユーザ端末100との間の距離は距離R2により表される。ユーザ端末100は、基地局2001からのPDSCH、PDCCHを受信し、該基地局2001へ、PUCCHを送信する。基地局2002は、ユーザ端末100へ、PDSCHを送信する。
接続中の基地局2001(eNB1)と通信中のユーザ端末100は、例えば下りリンクの伝送品質が低下したことにより、伝送速度が低下したことを検出したとき、CoMP伝送が必要と判断する。CoMP伝送が必要と判断したユーザ端末100は、基地局2001へ、CoMP伝送を要求する。ここで、基地局2001が伝送品質や伝送速度の低下を検出したときに、CoMP伝送が必要と判断してもよい。
CoMP伝送の要求を受信した基地局2001は、ユーザ端末100に、接続中の基地局2001と、該基地局2001以外の他の基地局2002からの電波の受信電力及び受信時間差を測定し、基地局2001へ報告するよう要求する。受信電力及び受信時間差を測定し、報告することを要求するための信号を測定報告要求という。具体的には、ユーザ端末100が各基地局から送信されるべきパイロット信号を受信し、受信電力及び受信時間差を測定するようにしてもよい。該パイロット信号には、共通パイロット信号及び個別パイロット信号の少なくとも一方が含まれる。
測定報告要求を受信したユーザ端末100は、接続中の基地局2001と他の基地局2002からの電波の受信電力を測定し、該受信電力の測定結果を基地局2001へ報告する。
さらに、ユーザ端末100は、接続中の基地局2001と、他の基地局2002との受信時間差を測定し、算出する。ユーザ端末100は、該測定し、算出した受信時間差を、接続中の基地局2001へ通知する。
受信電力測定結果と、受信時間差の通知を受けた接続中の基地局2001は、受信時間差と、CoMP伝送が可能な受信時間差(以後、受信時間差閾値という)と比較する。
図4は、ユーザ端末100における受信時間差の一例(その1)を示す。基地局2001及び2002がシンボルレベル単位で、同期している場合、基地局2001及び2002の下りリンクの信号の送信タイミングが略同一である。従って、ユーザ端末100が、基地局2001と、基地局2002と等距離に位置する場合には、伝搬距離が同じになるため、ユーザ端末100は、基地局2001からの下りリンクの信号の受信タイミングと、基地局2002からの下りリンクの信号の受信タイミングは略同一である。従って、受信時間差は、零となる。
図5、図6は、ユーザ端末100における受信時間差の一例(その2)を示す。基地局2001及び2002がシンボルレベル単位で、同期している場合、基地局2001及び2002の下りリンクの信号の送信タイミングが略同一である。従って、ユーザ端末100と基地局2001との間の距離より、ユーザ端末100と基地局2002との間の距離が長い場合には、伝搬距離が異なる。伝搬距離が異なるため、ユーザ端末100は、基地局2001からの下りリンクの信号と、基地局2002からの下りリンクの信号とを異なるタイミングで受信する。従って、受信時間差は、零とはならない。
基地局2001は、受信時間差が受信時間差閾値以下であり、受信電力測定結果を用いて算出した受信電力差が受信電力差閾値以下である基地局を抽出する。図5、図6には、基地局2001からの下りリンクの信号の受信タイミングをTenb1、基地局2002からの下りリンクの信号の受信タイミングをTenb2、受信電力差閾値をTthとした場合について示される。
図5は、受信タイミングの差Tenb2−Tenb1が、受信時間差閾値Tth以下である場合である。この場合、Network MIMO、JT、DCS、CS/CBが可能であると判断される。
図6は、受信タイミングの差Tenb2−Tenb1が、受信時間差閾値Tthを超える場合である。この場合、Network MIMOは行わないと判断され、DCS、CS/CBが可能であると判断される。ユーザ端末100は、同時に、基地局2001からのPDCCHと、基地局2002からのPDSCHとを受信することはできないためである。同時に、基地局2001からのPDCCHと、基地局2002からのPDSCHとを受信するようにするため、ユーザ端末100は、アナログデジタル変換(ADC)以降のベースバンド処理(復調、復号処理など)を行う2系統の処理系を有するようにしてもよい。
基地局2001は、受信時間差が受信時間差閾値以下であっても、受信電力測定結果を用いて算出した受信電力差が受信電力差閾値以下である基地局がない場合、CoMP伝送は行わないと判断する。
また、基地局2001は、受信時間差が受信時間差閾値以下であり、受信電力測定結果を用いて算出した受信電力差が受信電力差閾値以下である基地局が複数ある場合、最も受信時間差が小さい基地局、及び最も受信電力差が小さい基地局の少なくとも一方を満たす基地局を選択する。基地局2001は、受信時間差が受信時間差閾値以下であり、受信電力測定結果を用いて算出した受信電力差が受信電力差閾値以下である基地局が複数ある場合、最も伝送速度が高くなる基地局を選択するようにしてもよい。
受信時間差閾値は、CoMP伝送の方法に応じて変更するようにしてもよい。例えば、JTの場合には受信時間差閾値を小さくし、CS/CBの場合には相対的に受信時間差閾値を大きくする。すなわち、干渉対策を目的としてCoMP伝送を実施するのか、所要伝送速度を改善するためにCoMP伝送を実施するのかなどに応じて、CoMP伝送の方法を選択する。
基地局2001は、選択した基地局2002をノンサービング基地局とする。基地局2001は、該ノンサービング基地局2002へ、CoMP伝送の実施を通知する。さらに、基地局2001は、ユーザ端末へ、上りリンク伝送及び下りリンク伝送のうちの少なくとも一方についてのCoMP伝送の実施を通知する。CoMP伝送の実施の通知には、CoMP伝送タイミングを表す情報が含まれてもよい。CoMP伝送タイミングは、CoMP伝送における送受信タイミングを表す情報が含まれてもよい。具体的には、無線フレームの番号(SFN: Sequence Frame Number)、無線フレームを構成するスロット番号やサブフレーム番号の何れか、又は絶対時間または相対時間を用いて伝送タイミングを通知する。
サービング基地局2001は、ユーザ端末100及びノンサービング基地局2002へ、送受信タイミング、変調方式、符号化率、CoMP伝送方式及びCoMP伝送に応じた制御情報を通知する。該制御情報には、例えば、JTにおける重み付け係数やプリコーディング行列やプリコーディング行列を示す情報(PMI: Precoding Matrix Indicator)等が含まれる。以下、変調方式、符号化率、CoMP伝送方式及びCoMP伝送に応じた制御情報をまとめて送信制御情報という。送信制御情報に含まれる情報は、上りリンク送信及び下りリンク送信の両者又はどちらか一方に対するものである。
また、サービング基地局2001は、選択した送信タイミングに合わせ、ノンサービング基地局2002へ、該ノンサービング基地局2002からユーザ端末100に下りリンクの信号を送信するためのデータを転送する。該下りリンクの信号を送信するためのデータは、上位装置から、ノンサービング基地局2002へ伝送されておらず、サービング基地局2001へ伝送されている。
サービング基地局2001は、信号処理を行わずに、該下りリンクの信号を送信するためのデータを転送するようにしてもよい。また、サービング基地局2001は、該下りリンクの信号を送信するためのデータを符号化し、符号化された下りリンクの信号を送信するためのデータに、選択したCoMP伝送方式に従った処理を施したデータを転送するようにしてもよい。また、サービング基地局2001は、該下りリンクの信号を送信するためのデータを符号化し、変調したデータを転送するようにしてもよい。
サービング基地局2001は、下りリンクの送信タイミングと、下りリンクの制御情報に従って、下りリンクのデータを符号化し、変調し、選択したCoMP伝送方式に従った処理を施し、無線周波数に変換し、ユーザ端末100へ送信する。
送信タイミング及び下りリンクの制御情報の通知を受けたノンサービング基地局2002は、送信タイミングと、下りリンクの制御情報に従って、サービング基地局2001から伝送されたデータを符号化し、変調し、CoMP伝送のための処理を実施する。該ノンサービング基地局2002は、CoMP伝送のための処理が実施されたデータを無線信号に変換し、ユーザ端末100へ送信する。つまり、ノンサービング基地局は、上位装置から直接伝送されたデータを送信するのではなく、サービング基地局2001から伝送されたデータを送信する。
ユーザ端末100は、サービング基地局2001から通知されたCoMP送受信タイミングや制御情報に基づいて、CoMP伝送方式に従って処理された信号を受信する。例えば、ユーザ端末100は、無線周波数からベースバンドに、受信信号を周波数変換し、CoMP伝送方式に従って処理された信号を受信するための処理を実施する。ユーザ端末100は、CoMP伝送方式に従って処理された信号を復調し、復号する。
上りリンクの伝送について説明する。
図7は、基地局における上りリンクの受信時間差に基づいて、CoMP伝送を制御する無線通信システムの一実施例を示す。
無線通信システムの構成は、図3と略同一である。図7において、基地局2001とユーザ端末100との間の距離は距離R1により表され、基地局2002とユーザ端末100との間の距離は距離R2により表される。ユーザ端末100は、基地局2001からのPDCCHを受信し、該基地局2001へ、PUSCH、PUCCHを送信する。ユーザ端末100は、基地局2002へ、PUSCHを送信する。
サービング基地局2001から通知された、上りリンクの送信タイミングと上りリンクの制御情報に従って、ユーザ端末100は、上りリンクのデータを符号化し、変調する。該ユーザ端末100は、上りリンクのデータに、選択したCoMP伝送方式に従った処理を施す。該ユーザ端末100は、無線周波数に、CoMP伝送方式に従った処理を施した上りリンクのデータを変換し、基地局2001及び基地局200nへ送信する。
サービング基地局2001及びノンサービング基地局2002は、サービング基地局2001により選択された上りリンクの送信タイミング及び上りリンクの制御情報に基づいて、CoMP伝送方式に従って処理された信号の受信を行う。例えば、サービング基地局2001及びノンサービング基地局2002は、無線周波数からベースバンドに、上りリンクのデータを周波数変換し、復調する。サービング基地局2001及びノンサービング基地局2002は、復調した上りリンクの信号に、CoMP伝送方式に従って処理された信号を受信するための処理を実施し、復号する。
ノンサービング基地局2002により復調された上りリンクのデータがサービング基地局2001へ伝送され、サービング基地局2001により、CoMP伝送方式に従って処理された信号を受信するための処理が実施されてもよい。
なお、新たに選択した基地局2002をサービング基地局として、接続中の基地局2001をノンサービング基地局としてもよい。この場合、ユーザ端末100は、基地局2001から基地局2002へハンドオーバを実施してもよい。
<上りリンク伝送の受信時間差に基づいて、CoMP伝送を制御する場合>
ユーザ端末100と通信中の基地局2001は、例えば上りリンクの伝送品質が低下したことにより伝送速度が低下したことを検出したとき、CoMP伝送が必要と判断する。CoMP伝送が必要と判断した基地局2001は、基地局2001に隣接する基地局又は基地局2001の周辺の基地局に対して、ユーザ端末100からの受信電力及び受信時間を測定・算出し、基地局2001に報告するよう要求する。ユーザ端末100が伝送品質や伝送速度の低下を検出し、CoMP伝送が必要か否かを判断してもよい。
さらに、基地局2002も同様に、ユーザ端末100からの受信電力及び受信時間を測定するよう設定する。さらに、ユーザ端末100にパイロット信号の送信を要求する。
パイロット信号の送信要求を受信したユーザ端末100は、接続中の基地局及び該接続中の基地局の周辺の基地局へ、パイロット信号を送信する。ユーザ端末100は、共通パイロット信号を送信してもよいし、個別パイロット信号を送信してもよい。
パイロット信号を受信した基地局2001及び基地局2002−200mは、ユーザ端末100からの受信電力を測定する。基地局2002−200mは、基地局2001へ、受信電力の測定結果を通知する。
さらに、基地局2001及び基地局2002−200mは、ユーザ端末100からの受信時間を測定し、算出する。基地局2001及び基地局2002−200mは、ユーザ端末100からのパイロット信号に基づいて、受信時間を測定し、算出するようにしてもよい。基地局2002−200mは、基地局2001へ、受信時間を通知する。
受信時間の通知を受信した基地局2001は、受信時間に基づいて、各基地局間の受信時間差を算出する。例えば、基地局2001は、基地局2001と基地局2002との間の受信時間差を算出する。
基地局2001は、受信時間差を算出すると、該受信時間差と、CoMP伝送が可能な受信時間差(以下、受信時間差閾値という)とを比較する。
図8、図9は、基地局2001および、基地局2002における受信時間差の一例を示す。基地局2001及び2002がシンボルレベル単位で同期している場合、基地局2001及び2002の上りリンクの信号の受信タイミングは略同一である。従って、ユーザ端末100と基地局2001との間の距離より、ユーザ端末100と基地局2002との間の距離が長い場合には、伝搬距離が異なるため、基地局2001がユーザ端末100から上りリンクの信号を受信するタイミングと、基地局2002がユーザ端末100から上りリンクの信号を受信するタイミングとは異なる。従って、受信時間差は、零とはならない。
基地局2001は、受信時間差が受信時間差閾値以下であり、受信電力測定結果を用いて算出した受信電力差が受信電力差閾値以下である基地局を抽出する。図8、図9には、基地局2001からの下りリンクの信号の受信タイミングをTenb1、基地局2002からの下りリンクの信号の受信タイミングをTenb2、受信電力差閾値をTthとした場合について示される。
図8は、受信タイミングの差Tenb2−Tenb1が、受信時間差閾値Tth以下である場合である。この場合、Network MIMO、JT、DCS、CS/CBが可能であると判断される。
図9は、受信タイミングの差Tenb2−Tenb1が、受信時間差閾値Tthを超える場合である。この場合、Network MIMOは行わないと判断され、DCS、CS/CBが可能であると判断される。ユーザ端末100は、同時に、基地局2001からのPDCCHと、基地局2002からのPDSCHとを受信することはできないためである。同時に、基地局2001からのPDCCHと、基地局2002からのPDSCHとを受信するようにするため、ユーザ端末100は、ADC以降のベースバンド処理(復調、復号など)を行う2系統の処理系を有するようにしてもよい。
基地局2001は、受信時間差が受信時間差閾値以下であり、受信電力測定結果を用いて算出した受信電力差が受信電力差閾値以下である基地局がない場合、CoMP伝送は行わないと判断する。
基地局2001は、受信時間差が受信時間差閾値以下であり、受信電力測定結果を用いて算出した受信電力差が受信電力差閾値以下である基地局が複数ある場合、最も時間差が小さい基地局及び最も受信電力差が小さい基地局の少なくとも一方を満たす基地局200nを選択する。基地局2001は、受信時間差が受信時間差閾値以下であり、受信電力測定結果を用いて算出した受信電力差が受信電力差閾値以下である基地局が複数ある場合、最も伝送速度が高くなる基地局200nを選択するようにしてもよい。
受信時間差閾値は、CoMP伝送の方法に応じて変更するようにしてもよい。例えば、JTの場合には受信時間差閾値を小さくし、CS/CBの場合には相対的に受信時間差閾値を大きくする。すなわち、干渉対策を目的としてCoMP伝送を実施するのか、所要伝送速度を改善するためにCoMP伝送を実施するのかなどに応じて、CoMP伝送の方法を選択する。
基地局2001は、選択した基地局200nをノンサービング基地局とする。基地局2001は、該ノンサービング基地局200nへ、CoMP伝送の実施を通知する。さらに、基地局2001は、ユーザ端末へ、上りリンク及び下りリンクのうちの少なくとも一方についてのCoMP伝送の実施を通知する。CoMP伝送の実施の通知には、CoMP伝送のタイミングを表す情報が含まれてもよい。CoMP伝送のタイミングは、CoMP伝送における送受信タイミングを表す情報が含まれてもよい。具体的には、無線フレームの番号(SFN)、無線フレームを構成するスロット番号やサブフレーム番号の何れか、又は絶対時間又は相対時間を用いて、CoMP伝送のタイミングを通知する。
サービング基地局2001は、ユーザ端末100及びノンサービング基地局200nへ、送受信タイミング、変調方式、符号化率、CoMP伝送方式及びCoMP伝送に応じた制御情報を通知する。該制御情報には、例えば、JTにおける重み付け係数やプリコーディング行列やプリコーディング行列を示す情報)(PMI)等が含まれる。以下、変調方式、符号化率、CoMP伝送方式及びCoMP伝送に応じた制御情報をまとめて送信制御情報という。送信制御情報は、上りリンク送信と下りリンク送信の両者またはどちらか一方に対するものである。
以下、具体的に説明する。
<実施例1>
<基地局によりCoMP伝送を行うか否かが判断される場合>
<下りリンクにおけるCoMP伝送を制御する場合>
<基地局200n>
図10は、基地局200nの一実施例を示す。
基地局200nは、受信無線部202と、CoMP受信処理部204と、復調部206と、復号部208と、無線回線品質情報抽出部210と、スケジューラ212と、CoMP通信制御部214と、無線回線品質測定算出部216と、送信データバッファ218と、下りPilot作成部220と、上りPilot送信要求作成部222と、CoMP伝送実施通知作成部224と、無線回線品質測定要求作成部226と、制御信号作成部228と、符号化部230と、変調部232と、CoMP送信処理部234と、送信無線部236と、CP制御部248とを有する。
受信無線部202は、アンテナと接続される。受信無線部202は、ユーザ端末100からの上りリンクの信号を受信する。上りリンクの信号には、無線回線品質情報が含まれる。受信無線部202は、上りリンクの信号をベースバンド信号に周波数変換する。受信無線部202は、CoMP受信処理部204に、周波数変換した上りリンクの信号を入力する。
CoMP受信処理部204は、受信無線部202と接続される。CoMP受信処理部204は、スケジューラ212による制御に従って、CoMP伝送方式、該CoMP伝送方式に応じた設定を行う。CoMP受信処理部204は、CoMP伝送方式、該CoMP伝送方式に応じた設定に従って、受信無線部202により入力された上りリンクの信号を処理する。CoMP受信処理部204は、復調部206に、CoMP伝送方式、該CoMP伝送方式に応じた設定に従って処理された上りリンクの信号を入力する。
復調部206は、CoMP受信処理部204と接続される。復調部206は、CoMP受信処理部204からの入力信号を復調する。復調の際、CP制御部248により制御に従って、CP長に応じた処理が行われる。復調部206は、復号部208に、復調した信号を入力する。
復号部208は、復調部206と接続される。復号部208は、復調部206により入力される復調信号を復号することにより受信信号を再生する。復号部208は、無線回線品質情報抽出部210、及び無線回線品質測定算出部216に、再生された受信信号(以下、受信データという)を入力する。また、復号部208は、受信データを出力する。
無線回線品質情報抽出部210は、復号部208と接続される。無線回線品質情報抽出部210は、復号部208により入力された受信データから無線回線品質情報を抽出する。無線回線品質情報抽出部210は、CoMP通信制御部214、及びスケジューラ212に、無線回線品質情報を通知する。
スケジューラ212は、無線回線品質情報抽出部210、受信無線部202、CoMP受信処理部204、復調部206、復号部208、符号化部230、変調部232、CoMP送信処理部234、送信無線部236、CP制御部248と接続される。スケジューラ212は、無線回線品質情報抽出部210からの無線回線品質に基づいて、下りリンクの伝送品質や下りリンクの伝送速度が低下したか否かを判定する。スケジューラ212は、下りリンクの伝送品質や下りリンクの伝送速度が低下したと判定した場合、CoMP通信制御部214に、下りリンクの伝送品質や下りリンクの伝送速度が低下したことを通知する。
スケジューラ212は、CoMP通信制御部214によりCoMP伝送が実施されると判断された場合に、以下の処理を行う。スケジューラ212には、CoMP通信制御部214から、下りリンクにおいてCoMP伝送が実施されることを表す情報、下りリンクにおけるCoMP伝送方式を表す情報が入力される。スケジューラ212は、下りリンクにおけるCoMP伝送を実施する際に使用する無線リソース及び送信タイミングを選択し、設定する。スケジューラ212は、符号化部230に設定してもよい。スケジューラ212は、下りリンクにおけるCoMP伝送で使用する変調方式、符号化率を選択し、設定する。スケジューラ212は、符号化部230、変調部232に設定してもよい。また、スケジューラ212は、選択した下りリンクにおけるCoMP伝送方式に応じた制御情報を選択し、設定する。スケジューラ212は、CoMP送信処理部234に設定してもよい。例えば、スケジューラ212は、JTのMIMO伝送を選択した場合、重み付け係数やプリコーディング行列等を選択する。スケジューラ212は、制御信号作成部228に、選択した情報を入力する。
さらに、スケジューラ212には、CoMP通信制御部214から、下りリンクにおいてCoMP伝送が実施されることを表す情報、下りリンクにおけるCoMP伝送方式を表す情報が入力される。スケジューラ212は、CP長を設定する。スケジューラ212は、制御信号作成部228、CP制御部248に、設定したCP長を表す情報を入力する。
また、スケジューラ212は、選択した情報を、基地局内におけるセクタ間インターフェース(図示なし)や基地局間インターフェース(図示なし)や上位装置(図示なし)等を介してノンサービング基地局へ通知する。選択した情報には、下りリンクにおけるCoMP伝送を実施する際に使用する無線リソース及び送信タイミング、下りリンクにおけるCoMP伝送で使用する変調方式、符号化率下りリンクにおけるCoMP伝送方式に応じた制御情報、CP長が含まれてもよい。
また、スケジューラ212は、ノンサービング基地局へ、該ノンサービング基地局から送信するデータを送信するための制御を行う。上述したように、ノンサービング基地局には送信データがないため、サービング基地局から基地局内におけるセクタ間インターフェースや基地局間インターフェースや上位装置等を介してノンサービング基地局へ、送信データが送信される。スケジューラ212は、送信データバッファ218に対して、ノンサービング基地局へ、送信データを転送するように命令する。
スケジューラ212は、CoMP伝送方式、及びCoMP伝送方式に関する設定、無線リソース、符号化率、変調方式等が設定される。スケジューラ212は、該設定に基づいて算出される送信データ量に従って、送信データバッファ218から送信データを取り出し、符号化部230に入力する。該送信データは、符号化部230により設定された符号化率に従って符号化され、変調部232により設定された変調方式に従って変調される。該送信データは、CoMP送信処理部234により設定されたCoMP伝送方式及び該CoMP伝送方式に従った設定に応じた処理が行われ、送信無線部236により周波数変換される。該送信データは、設定された送信タイミングに従ってアンテナを介してユーザ端末100へ送信される。
このとき、例えば、LTEシステムと同様に、物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)を用いて送信を行うようにしてもよい。また、LTEシステムと同様に、符号化部230により符号化された送信データに対し、セルIDやスロット番号及びユーザ端末番号に基づいて作成された初期値を使ったスクランブリングコードでスクランブリングを実施するようにしてもよい。
送信データバッファ218は、スケジューラ212、CoMP通信制御部214、符号化部230と接続される。送信データバッファ218は、スケジューラ212によるスケジューリングに従って、符号化部230に送信データを入力する。また、送信データバッファ218は、CoMP伝送が実施される際に、スケジューラ212によるノンサービング基地局に送信データを転送する命令に従って、送信データをノンサービング基地局に転送する。
送信データバッファ218からノンサービング基地局へ、送信データが伝送される際に、該送信データがそのまま伝送されてもよいし、信号処理された送信データが伝送されてもよい。伝送量の観点からは、信号処理された送信データが伝送される場合には、伝送量が増加するため、送信データがそのまま伝送される方が好ましい。信号処理される場合には、例えば、ノンサービング基地局へ、CoMP伝送に従った送信信号処理された送信データが伝送される。具体的には、符号化部230は、選択された符号化率に従って、送信データを符号化する。変調部232は、選択された変調方式に従って、変調する。CoMP送信処理部234は、選択されたCoMP伝送方式に従って、変調部232により変調された送信データに、CoMP送信処理を行う。CoMP送信処理部234によりCoMP送信処理された送信データは基地局内におけるセクタ間インターフェースや基地局間インターフェースや上位装置等を介してノンサービング基地局へ送信される。
ノンサービング基地局へ伝送される送信データは、該ノンサービング基地局のスケジューラ212によるスケジューリングに従って送信可能なデータ量に基づいて、送信データバッファ218から取り出される。送信可能なデータ量は、使用されるCoMP伝送方式、使用される無線リソース、符号化率、変調方式等によって設定される。
制御信号作成部228は、スケジューラ212と、符号化部230と接続される。制御信号作成部228は、スケジューラ212からの情報に基づいて、制御情報を作成する。制御信号作成部228は、符号化部230に、制御信号を入力する。
さらに、制御信号作成部228は、CoMP伝送で使用するCP長を示す情報を含む制御信号を作成してもよい。CP長を示す情報を含む制御信号を作成する際に、明示的にCoMP伝送で使用するCP長を表す情報を作成してもよい。また、CP長を示す情報を作成する際に、使用するCP長を表す情報をユーザ端末100のメモリに予め記憶しておくようにしてもよい。この場合、ユーザ端末100は、CoMP伝送で使用するCP長を表す情報を受信した場合、メモリから使用すべきCP長を読み出す。また、CoMP伝送には、Extended CP又はNormal CPのどちらか一方使用するようにしてもよい。また、Extended CP及びNormal CPとは異なるCP長を有するCPが使用されてもよい。
特に、CoMP伝送は、ユーザ端末100が隣接セルとの境界付近やセル端に位置する場合に実施される可能性が高いと考えられる。すなわち、基地局とユーザ端末100との間の伝搬距離が長く、遅延時間が長い場合に実施される可能性が高いと考えられる。従って、CoMP伝送が実施される場合、Extended CPを使用する方が有利であると考えられる。Normal CP又はExtended CP以外のCPを設定し、CoMP伝送に使用してもよい。
制御信号は、符号化部230、変調部232、CoMP送信処理部234、送信無線部236を介して、ユーザ端末100へ送信される。該制御情報は、下りリンクの信号の送信に先だって送信されてもよい。例えば、同じ無線フレームの先頭部分で制御信号を送信し、後半で下りリンクの信号を送信するようにしてもよい。つまり、該制御情報は、下りリンクの送信データを送信する無線フレームよりも時間的に前の送信無線フレームで送信されてもよい。
CoMP通信制御部214は、無線回線品質情報抽出部210と、スケジューラ212と、無線回線品質測定算出部216と接続される。CoMP通信制御部214は、スケジューラ212から下りリンクの伝送品質や下りリンクの伝送速度が低下したことが通知された際、無線回線品質情報抽出部210により入力される無線回線品質情報に基づいて、下りリンクにおけるCoMP伝送が必要か否かを判定する。CoMP通信制御部214は、下りリンクにおけるCoMP伝送が必要であると判定した場合、無線回線品質測定要求作成部224に、ユーザ端末100への無線回線品質測定要求信号を作成するよう通知する。
また、CoMP通信制御部214は、無線回線品質情報に基づいて、ノンサービング基地局を選択する。具体的には、CoMP通信制御部214は、サービング基地局の無線回線品質と、該サービング基地局以外の他の基地局の無線回線品質との差分を算出することにより無線回線品質差を求める。CoMP伝送方式通信制御部214は、無線回線品質差が無線回線品質差閾値以下となる基地局があるか否かを確認する。CoMP伝送方式通信制御部214は、無線回線品質差が無線回線品質差閾値以下となる基地局があると判断した場合、下りリンクにおけるCoMP伝送が可能であると判断する。CoMP伝送方式通信制御部214は、下りリンクにおけるCoMP伝送が可能と判断した場合、ノンサービング基地局を選択する。例えば、CoMP伝送方式通信制御部214は、最も無線回線品質差が小さい基地局をノンサービング基地局として選択するようにしてもよい。ここでは、ノンサービング基地局として、基地局200nが選択されたとする。さらに、CoMP伝送方式通信制御部214は、JP、CS/CB等のCoMP伝送方式から、使用する下りリンクのCoMP伝送方式を選択する。さらに、JPが選択される場合、JT、DCSから、下りリンクのCoMP伝送方式が選択されてもよい。
CoMP通信制御部214は、無線回線品質差が無線回線品質差閾値以下となる基地局がないと判断した場合、下りリンクにおけるCoMP伝送は行わないと判断する。下りリンクにおけるCoMP伝送は行わないと判断した場合、これまでの伝送方式による通信を継続するように制御するようにしてもよい。
また、CoMP通信制御部214は、無線回線品質がよいか否かに応じて、CoMP伝送が可能か否かを判断するようにしてもよい。無線回線品質がよいか否かに応じてCoMP伝送が可能か否かを判定する際に、無線回線品質が最良の基地局をノンサービング基地局として選択してもよい。無線回線品質が最良の基地局をノンサービング基地局として選択する際に、無線回線品質が最良の基地局が接続中の基地局2001でない場合、無線回線品質が最良の基地局をサービング基地局とし、かつ接続中の基地局2001から無線回線品質が最良の基地局へ、ユーザ端末100をハンドオーバさせるようにしてもよい。
また、CoMP通信制御部214は、伝送するデータのQoS(Quality of Service)クラス等で規定されている所要伝送速度に基づいて、ノンサービング基地局を選択するようにしてもよい。
また、CoMP通信制御部214は、下りリンクにおけるCoMP伝送が可能であると判断した場合、下りリンクのCoMP伝送が実施されることをCoMP伝送実施通知作成部224に通知する。また、CoMP通信制御部214は、下りリンクにおけるCoMP伝送を行わないと判断した場合、下りリンクのCoMP伝送を行わないことをCoMP伝送実施通知作成部224に通知するようにしてもよい。また、CoMP通信制御部214は、下りリンクのCoMP伝送が可能であるか否かを表す情報をCoMP伝送実施通知作成部224に通知するようにしてもよい。
また、CoMP通信制御部214は、ノンサービング基地局へ、基地局内におけるセクタ間インターフェースや基地局間インターフェースや上位装置等を介して、CoMP伝送が実施されることを表す情報を通知する。基地局間インターフェースには、例えば、LTEシステムにおけるX2が含まれる。CoMP伝送が実施されることを表す情報には、CoMP伝送が実施されることを表す情報が含まれてもよいし、CoMP伝送のタイミングを表す情報が含まれてもよい。
また、CoMP通信制御部214は、スケジューラ212に、下りリンクにおいて、CoMP伝送が実施されることを表す情報と、選択した下りリンクのCoMP伝送方式を表す情報とを通知する。
無線回線品質測定要求作成部226は、CoMP通信制御部214と、符号化部230と接続される。無線回線品質測定要求作成部226は、CoMP通信制御部214からの無線回線品質測定要求信号を作成する要求に従って、無線回線品質測定要求信号を制御信号として作成する。無線回線品質測定要求作成部226は、符号化部230へ、該制御信号を入力する。
下りPilot作成部220は、スケジューラ212、符号化部230と接続される。下りPilot作成部220は、スケジューラ212による制御に従って、パイロット信号を作成する。下りPilot作成部220は、符号化部230へ、パイロット信号を入力する。
符号化部230は、送信データバッファ218、下りPilot作成部220、上りPilot送信要求作成部222、CoMP伝送実施通知作成部224、無線回線品質測定要求作成部226、制御信号作成部228と接続される。符号化部230は、CoMP伝送実施通知作成部224、無線回線品質測定要求作成部226、及び制御信号作成部228からの制御信号を符号化する。例えば、符号化部230は、ターボ符号、畳み込み符号、リードミューラー符号などを用いて送信情報にパリティビットを追加するようにしてもよい。符号化率は、送信情報数/(送信情報数+パリティビット数)により表される。符号化率は、ターボ符号化のように方式のみで決まる場合もあれば、符号化後に繰り返し(repetition)や間引き(puncture)を実施することで決まる場合もある。符号化部230は、変調部232へ、符号化された制御信号を入力する。
変調部232は、符号化部230と接続される。変調部232は、符号化部230からの符号化された制御信号を変調する。変調部232は、無線チャネルに応じた変調方式が利用されてもよい。該変調方式には、例えば、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM、8PSK等の位相変調や直角位相振幅変調等が含まれてもよい。変調部232は、CoMP送信処理部234へ、変調した制御信号を入力する。
また、OFDM及びOFDMA等の多元接続方式を用いる場合、変調部232は、データをシリアル/パラレル変換し、それぞれのサブキャリアで直交変調し、IFFTを実施し、IFFTの結果の和をとるようにしてもよい。さらに、CPを付加するようにしてもよい。
CoMP送信処理部234は、変調部232と接続される。CoMP送信処理部234は、CoMP伝送が実施される場合に、スケジューラ212による制御に従って、CoMP伝送方式と、該CoMP伝送方式に応じた設定を行う。CoMP送信処理部234は、CoMP伝送が実施される場合に、設定されたCoMP伝送方式に従って、変調部232により変調されたデータに、CoMP送信処理を行う。CoMP伝送が実施されていない場合には、CoMP送信処理部234は、CoMP送信処理は行わない。また、LTEシステムと同様に、制御信号を送信する際には、CoMP伝送を実施しないようにしてもよい。また、制御信号はサービング基地局からのみ送信されるようにしてもよい。
変調部232により変調された後に、CoMP送信処理部234によりCoMP送信処理が行われる。これは、データをIQマッピングすることを変調として扱っているためである。IQマッピングとは、変調方式に従ってデータをIQ平面に割り当てることである。
また、IQ信号を直交変調することを変調とすることも可能である。例えば、PDCシステムにおける直交変調器などでは、IQ信号を直交変調することが変調とされる。IQ信号を直交変調する場合、CoMP処理は、変調の前に実施される。つまり、変調部232と、CoMP送信処理部234とが入れ替わり、符号化部230の出力信号がCoMP送信処理部234に入力され、CoMP送信処理部234の出力信号が変調部232に入力され、変調部232の出力信号が送信無線部236に入力される。
変調部232により変調された後に、CoMP送信処理部234によりCoMP送信処理が行われるようにしてもよいし、CoMP送信処理部234によりCoMP送信処理が行われた後に、変調部232により変調されてもよい。
復調についても同様に、CoMP処理の前に復調される。つまり、復調部206と、CoMP受信処理部204とが入れ替わり、受信無線部202の出力信号が復調部206に入力され、復調部206の出力信号がCoMP受信処理部204に入力され、CoMP受信処理部204の出力信号が復号部208に入力される。CoMP送信処理部234は、必要に応じてCoMP送信処理が行われた送信データを送信無線部236に入力する。
復調部206により復調された後に、CoMP受信処理部204によりCoMP受信処理が行われるようにしてもよいし、CoMP受信処理部204によりCoMP受信処理が行われた後に、復調部206により復調されてもよい。
送信無線部236は、CoMP送信処理部234と接続される。送信無線部236は、無線周波数に、CoMP送信処理部234からの送信データを変換する。送信無線部236は、無線周波数に変換された送信データを、アンテナを介して、ユーザ端末100へ送信する。制御信号は、下り制御チャネル、例えばLTEシステムにおけるPDCCHや、下りデータチャネル、例えばLTEシステムにおけるPDSCHを使用して送信されてもよい。制御信号には、CoMP伝送実施通知信号、無線回線品質測定要求信号が含まれてもよい。
CoMP伝送実施通知作成部224は、スケジューラ212、CoMP通信制御部214と、符号化部230と接続される。CoMP伝送実施通知作成部224は、CoMP通信制御部214により下りリンクのCoMP伝送が実施されることが通知された場合、CoMP伝送実施通知信号を作成する。CoMP伝送実施通知作成部224は、符号化部230に、CoMP伝送実施通知信号を入力する。CoMP伝送実施通知信号は、制御信号として扱われてもよい。該CoMP伝送実施通知信号は、符号化部230、変調部232、CoMP送信処理部234、送信無線部236を介して、ユーザ端末100へ送信される。
また、CoMP伝送実施通知作成部224は、CoMP通信制御部214により下りリンクのCoMP伝送を行わないことが通知された場合、CoMP伝送不可能通知信号を作成する。CoMP伝送実施通知作成部224は、符号化部230に、CoMP伝送不可能通知信号を入力する。該CoMP伝送実施通知信号は、符号化部230、変調部232、CoMP送信処理部234、送信無線部236を介して、ユーザ端末100へ送信される。
また、CoMP伝送実施通知作成部224は、CoMP通信制御部214により下りリンクのCoMP伝送が可能であるか否かを表す情報が通知された場合、下りリンクのCoMP伝送が可能であるか否かを表す情報を含むCoMP伝送通知信号を作成するようにしてもよい。CoMP伝送通知信号は、ユーザ端末100へ送信される。
CP制御部248は、復調部106、変調部232と接続される。CP制御部248は、スケジューラ212からのCP長を表す情報に基づいて、復調部106における復調の際、変調部232における変調処理の際に、CP長を制御する。
ノンサービング基地局には、サービング基地局から、使用する無線リソース、CoMP伝送タイミング、CoMP伝送方式及びCoMP伝送に関する設定、変調方式、符号化率等の制御情報が通知される。さらに、CP長を表す情報が通知されてもよい。CP長を表す情報も制御情報として扱われてもよい。
ノンサービング基地局は、該制御情報に含まれるCoMP伝送タイミングに従って、サービング基地局から伝送された送信データをユーザ端末100へ送信する。
具体的には、サービング基地局から伝送された送信データの形式により、受信後の信号処理が異なる。送信データの形式には、送信データそのもの、符号化された送信データ、符号化され変調された送信データ、符号化され変調されCoMP伝送に応じた信号処理が施された送信データが含まれる。
ここでは、一例として、ノンサービング基地局に、信号処理が施されていない送信データが伝送された場合を説明する。該送信データには、ノンサービング基地局により、信号処理が実施される。該送信データとは異なる送信データについても、ノンサービング基地局により適切な処理が実施される。
サービング基地局から基地局間インターフェース等を介して伝送された送信データは、ノンサービング基地局の送信データバッファ218に格納される。サービング基地局からのCoMP伝送タイミング、CoMP伝送方式及びCoMP伝送に関する設定、変調方式、符号化率等は、ノンサービング基地局のスケジューラ212に入力される。さらに、サービング基地局から通知されたCP長を表す情報は、スケジューラ212に入力される。
ノンサービング基地局のスケジューラ212は、CoMP伝送タイミングに従って、CoMP伝送に関する設定、使用する無線リソース、符号化率、変調方式等に基づいて送信データ量を算出する。ノンサービング基地局のスケジューラ212は、送信データ量に従って、送信データバッファ218から送信データを取り出し、符号化部230に入力する。該送信データは、符号化部230により設定された符号化率に従って符号化される。該送信データは、変調部232により設定された変調方式に従って変調され、さらにスケジューラ212により設定されたCPが付加される。該送信データは、CoMP送信処理部234により設定されたCoMP伝送方式及びCoMP伝送設定に従って処理され、送信無線部236により周波数変換される。該送信データは、設定された送信タイミングに従ってアンテナを介してユーザ端末100へ送信される。ここで、例えばLTEシステムと同様に、物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)を用いて送信を行うようにしてもよい。このとき、サービング基地局により送信に使用される無線リソースと、ノンサービング基地局により送信に使用される無線リソースは同一であり、使用する無線チャネルも同一である。
上述した実施例において、無線伝送速度に基づいて、CoMP伝送を行うか否かを判断するようにしてもよい。例えば、W−CDMAシステムやLTEシステムでは、ユーザ端末100がサービング基地局へ、下りリンクのデータ伝送においてデータが誤りなく伝送できたか、できなかったかを示すACK/NACKを通知する。すなわち、受信側でデータが誤りなく伝送できているかできていないかを判定する。誤りなく伝送できた場合にはACKを、そうでない場合、つまり、誤りを含んで伝送された場合や、受信できなかった場合などはNACKを送信元に対して通知する。
サービング基地局は、ACK/NACKに基づいて、実際のデータ伝送速度を測定することができる。サービング基地局は送信したデータ量を記憶しており、またACK/NACKが返送されるタイミングは一定であるため、基地局からデータを送信してからACK/NACKが返送されるまでの時間間隔は固定となる。よって、サービング基地局は、伝送速度を算出することができる。サービング基地局は、伝送速度と、QoS等で規定される所要伝送速度とを比較することにより、CoMP伝送を行うか否かを判断するようにしてもよい。つまり、サービング基地局は、伝送速度が所要伝送速度以下となった場合は、所要伝送速度を満たすために、CoMP伝送を実施すると判断するようにしてもよい。
また、上述した実施例では、基地局が一つのセルをカバーすることを前提として、サービング基地局とノンサービング基地局について説明した。基地局が複数のセル又はセクタを構成するようにしてもよい。例えば、3つのセル(またはセクタ)を有し、各セルが例えば中心角が120度の扇形のエリアを構成するようにしてもよい。このとき、同じ基地局により構成される隣り合うセル(またはセクタ)間で、COMP伝送が実施されてもよい。
図11は、同じ基地局により構成される隣り合うセル間で実施されるCoMP伝送を表す模式図である。図11において、PDCCHと、PUCCHは省略される。図11によれば、ユーザ端末100へ、サービングセルからのPDSCHと、ノンサービングセルからのPDSCHが送信される。
さらに、サービング基地局及びノンサービング基地局のどちらか一方または両方をリレーノード(Relay Node)としてもよい。ここで、リレーノードとは、例えば、3GPPのLTE−Advanced(LTE Release 10以降)で検討されている中継装置である。リレーノードは、基地局とユーザ端末との間の無線伝送を中継する。すなわち、リレーノードは、基地局から送信された送信波を受信し、復調復号し、復号により伝送誤りを訂正し、再び符号化し、変調し、ユーザ端末へ送信する。また、リレーノードは、ユーザ端末からの送信波を受信し、復号により伝送誤りを訂正し、再び符号化し、変調し、基地局へ送信する。リレーノードにより基地局とユーザ端末との間の中継が行われることにより、サービスエリア範囲(セル又はセクタ)の拡大やサービスエリア(セル又はセクタ)内に生じる通信不可能エリアへの対策が可能となる。通信不可能エリアは、不感エリア、デッドスポットと呼ばれてもよい。
リレーノードと基地局との間や、リレーノード間で、CoMP伝送を実施するようにしてもよい。
図12は、基地局とリレーノードとの間で実施されるCoMP伝送の一実施例(その1)を示す。
図12に示される例では、リレーノードは、サービング基地局の配下にある。リレーノードは、サービング基地局からの送信データを送信する。
図13は、基地局とリレーノードとの間で実施されるCoMP伝送の一実施例(その2)を示す。
図13に示される例では、リレーノードは、サービング基地局とは異なる他の基地局の配下にある。リレーノードは、他の基地局からの送信データを送信する。
図14は、リレーノード間で実施されるCoMP伝送の一実施例(その1)を示す。
図14に示される例では、各リレーノードは、それぞれサービング基地局とは異なる他の基地局の配下にある。各リレーノードは、それぞれ他の基地局からの送信データを送信する。
図15は、リレーノード間で実施されるCoMP伝送の一実施例(その2)を示す。
図15に示される例では、各リレーノードは、サービング基地局とは異なる他の基地局の配下にある。各リレーノードは、他の基地局からの送信データを送信する。
また、少なくとも一方の基地局の代わりに張出基地局(RRH: Remote Radio Header)を用いてCoMP伝送を実施するようにしてもよい。張出基地局は、光などの有線を使うことで基地局から無線部とアンテナまたはアンテナを切り離したものである。張出基地局は、基地局本体から離れた場所に、無線部とアンテナまたはアンテナを設置する。
図16は、基地局と、張出基地局との間で実施されるCoMP伝送の一実施例(その1)を示す。
図16に示される例では、張出基地局は、サービング基地局の配下にある。張出基地局は、サービング基地局からの送信データを送信する。
図17は、基地局と、張出基地局との間で実施されるCoMP伝送の一実施例(その2)を示す。
図17に示される例では、張出基地局は、サービング基地局とは異なる他の基地局の配下にある。張出基地局は、他の基地局からの送信データを送信する。つまり、張出基地局は、サービング基地局と通信を行わない。
図18は、張出基地局間で実施されるCoMP伝送の一実施例(その3)を示す。
図18に示される例では、各張出基地局は、それぞれサービング基地局とは異なる他の基地局の配下にある。張出基地局は、それぞれ他の基地局からの送信データを送信する。
図19は、張出基地局間で実施されるCoMP伝送の一実施例(その4)を示す。
図19に示される例では、各張出基地局は、サービング基地局とは異なる他の基地局の配下にある。張出基地局は、他の基地局からの送信データを送信する。
基地局、張出基地局、リレーノードを組み合わせて、CoMP伝送を実施するようにしてもよい。
上述したリレーノード、張出基地局を利用してCoMP伝送を実施する際に使用されるプロトコルは、サービング基地局とノンサービング基地局を利用してCoMP伝送を実施する場合と略同一である。リレーノードを用いた場合のリレーノード間通信と、張出基地局を用いた場合の基地局と、張出基地局との間の通信が追加される点が異なる。
<ユーザ端末100>
図20は、ユーザ端末100の一実施例を示す。
ユーザ端末100は、受信無線部102と、CoMP受信処理部104と、復調部106と、復号部108と、無線回線品質測定要求抽出部110と、無線回線品質測定算出部112と、送受信制御信号抽出部114と、上りPilot送信要求抽出部116と、CoMP伝送実施通知抽出部118と、送受信制御部120と、CoMP通信制御部122と、送信データバッファ124と、無線回線品質情報作成部126と、Pilot作成部128と、符号化部130と、変調部132と、CoMP送信処理部134と、送信無線部136と、CP制御部150とを有する。
受信無線部102は、アンテナと接続される。受信無線部102は、ベースバンド信号に、サービング基地局2001からの下りリンクの信号を周波数変換する。下りリンクの信号には、測定報告要求信号が含まれる。無線受信部102は、CoMP受信処理部104へ、周波数変換された下りリンクの信号を入力する。
CoMP受信処理部104は、受信無線部102と接続される。CoMP受信処理部104は、送受信制御部120による制御に従って、下りリンクの送信制御信号により指定されたCoMP伝送方式とCoMP伝送方式に関する設定を行う。CoMP受信処理部104は、受信無線部102により入力された信号に、必要に応じて、CoMP伝送方式とCoMP伝送方式に関する設定に従って処理する。
復調部106は、CoMP受信処理部104と接続される。復調部106は、CoMP受信処理部104により入力された信号を復調する。復調部106は、復調した信号を復号部108に入力する。
復号部108は、復調部106と接続される。復号部108は、復調部106からの復調信号を復号することにより受信信号を再生する。復号部108は、無線回線品質測定要求抽出部110、無線回線品質測定算出部112、送受信制御信号抽出部114、上りPilot送信要求抽出部116、CoMP伝送実施通知抽出部118へ、受信信号を入力する。また、復号部108は、受信信号を出力する。
無線回線品質測定要求抽出部110は、復号部108と接続される。無線回線品質測定要求抽出部110は、復号部108により入力された受信信号から無線回線品質測定要求を抽出する。無線回線品質測定要求抽出部110は、無線回線品質測定算出部112に、無線回線品質測定要求を入力する。
無線回線品質測定算出部112は、復号部108と、無線回線品質測定要求抽出部110と接続される。無線回線品質測定算出部112は、無線回線品質測定要求抽出部110からの無線回線品質測定要求信号に従って、接続中の基地局2001と、他の基地局2002−200mからの無線回線品質(Channel Quality)を測定する。無線回線品質測定算出部112は、無線回線品質情報作成部126に、無線回線品質の測定結果を通知する。ここで、無線回線品質には、受信電力、受信電界強度、SNR、CNR、及びW−CDMAシステムやLTEシステムにおけるCQI等の無線回線品質指標等が含まれる。また、無線回線品質には、CPICH RSCP、CPICH Ec/N0、及びRSRPやRSRQ等が含まれてもよい。これらをまとめて無線回線品質と総称されてもよい。無線回線品質を測定する際に、各基地局からのパイロット信号等を受信できるように、ユーザ端末100が設定されてもよい。例えばパイロット信号の受信電力等を測定し、算出できるように、ユーザ端末100が設定される。
無線回線品質情報作成部126は、無線回線品質測定算出部112と接続される。無線回線品質情報作成部126は、無線回線品質測定算出部112により入力された無線回線品質の測定結果に基づいて、無線回線品質情報を作成する。無線回線品質情報作成部126は、符号化部130へ、無線回線品質情報を入力する。
符号化部130は、送信データバッファ124と、無線回線品質情報作成部126と、Pilot作成部128と接続される。符号化部130は、送信データバッファ124、無線回線品質情報作成部126、Pilot作成部128からの入力データを符号化する。符号化部130は、変調部132に、符号化されたデータを入力する。該入力データでは、パイロット信号、無線回線品質情報、送信データが含まれる。
変調部132は、符号化部130と接続される。変調部132は、符号化部130からの符号化されたデータを変調する。変調部132は、無線チャネルに応じた変調方式が利用されてもよい。該変調方式には、例えば、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM、8PSK等の位相変調や直角位相振幅変調等が含まれてもよい。さらに、変調部132は、CP制御部150による制御に従ってCPを付加するようにしてもよい。変調部132は、CoMP送信処理部134へ、符号化されたデータが変調された変調信号を入力する。
CoMP送信処理部134は、変調部132と接続される。CoMP送信処理部134は、CoMP伝送が実施される場合に、送受信制御部120による制御に従って、CoMP伝送方式と、該CoMP伝送方式に関する設定を行う。CoMP送信処理部134は、CoMP伝送が実施される場合に、設定されたCoMP伝送方式に従って、変調部132からの変調信号に、CoMP送信処理を行う。
送信無線部136は、CoMP送信処理部134と接続される。送信無線部136は、無線周波数に、CoMP送信処理部134からの送信データを変換する。送信無線部136は、無線周波数に変換された送信データを上りリンクの信号として、アンテナを介して、基地局へ送信する。
ユーザ端末100は、上りリンク制御チャネルを使用して無線回線品質情報を報告するようにしてもよい。上りリンク制御チャネルには、例えば、LTEシステムにおけるPUCCHが含まれる。さらに、ユーザ端末100は、無線回線品質情報に、どの基地局からの無線回線品質であるかを識別するための情報を含めてもよい。
また、ユーザ端末100は、基地局2001に、基地局2002−200mからの無線回線品質を送信するようにしてもよい。また、例えば、ユーザ端末100は、基地局2001へ、基地局2002−200mからの無線回線品質のうち、無線回線品質の上位3つの無線回線品質と、該無線回線品質に対応する基地局を識別する情報を送信するようにしてもよい。ここで、3は一例であり、2であってもよいし、4以上であってもよい。このようにすることにより、無線回線品質情報により報告される情報を制限できる。
また、ユーザ端末100は、基地局2001へ、無線回線品質情報を一括して送信してもよいし、個別に順次送信してもよい。
また、ユーザ端末100へ、サービング基地局2001からCoMP伝送実施通知信号が送信された場合、該CoMP伝送実施通知信号は、受信無線部102、CoMP受信処理部104、復調部106、復号部108により処理され、再生される。
CoMP伝送実施通知抽出部118は、復号部108と接続される。CoMP伝送実施通知抽出部118は、復号部108により再生された信号から、CoMP伝送実施通知信号を抽出する。CoMP伝送実施通知抽出部118は、CoMP通信制御部122へ、抽出されたCoMP伝送実施通知信号を入力する。
CoMP通信制御部122は、CoMP伝送実施通知抽出部118と接続される。CoMP通信制御部122は、CoMP伝送実施通知抽出部118からのCoMP伝送実施通知信号に基づいて、送受信制御部120へ、CoMP伝送が実施されることを通知する。
また、サービング基地局2001から送信された制御信号は、受信無線部102、CoMP受信処理部104、復調部106、復号部108により処理され、再生される。
送受信制御信号抽出部114は、復号部108と接続される。送受信制御信号抽出部114は、復号部108により再生された信号から、下りリンク送信制御信号(受信制御信号)を抽出する。送受信制御信号抽出部114は、送受信制御部120へ、抽出された下りリンク送信制御信号を入力する。
送受信制御部120は、CoMP通信制御部122と、送受信制御信号抽出部114と、受信無線部102、CoMP受信処理部104、復調部106、復号部108、無線回線品質測定要求抽出部110、Pilot作成部128、符号化部130、変調部132、CoMP送信処理部134、送信無線部136、送信データバッファ124と接続される。
送受信制御部120は、送受信制御信号抽出部114により入力された下りリンク送信制御信号に従って、復号部108に符号化率を設定し、復調部106に変調方式を設定し、CoMP受信処理部104にCoMP伝送方式とCoMP伝送方式に関する設定を行う。
ユーザ端末100は、サービング基地局2001から通知されたCoMP伝送タイミング、CoMP伝送方式及びCoMP伝送設定、変調方式、符号化率等の制御情報に従って、サービング基地局2001とノンサービング基地局200nから送信されたデータを受信する。具体的には、受信無線部102は、受信信号をベースバンドに周波数変換する。CoMP受信処理部104は、CoMP伝送方式及びCoMP伝送設定に関する設定に従った処理を行う。復調部106は、CoMP受信処理部104により処理されたデータを復調する。復号部108は、送信データを再生する。また、ユーザ端末100は、サービング基地局2001から通知されたCP長を表す情報等の制御情報に従って、サービング基地局2001とノンサービング基地局200nから送信されたデータを受信する。具体的には、復調部106は、復調する際に、CP長制御部150により制御されるCP長に従って復調を行う。
CP制御部150は、送受信制御部120、復調部106、変調部132と接続される。CP制御部150は、送受信制御部120により通知されるCP長に従って、復調部106により復調が行われる際、変調部132により変調が行われる際に、CP長を制御する。
<無線通信システムの動作>
図21は、無線通信システムの動作の一実施例を示すシーケンス図である。図21には、一例として、2つの基地局がサービング基地局の候補とされる場合について説明する。1つの基地局がサービングの候補とされてもよいし、3以上の基地局がサービングの候補とされてもよい。
サービング基地局2001は、CoMP伝送を要求するか否かを判定する(ステップS2102)。つまり、CoMP送信制御部214は、CoMP伝送を行うか否かを判定する。ここでは、CoMP伝送を要求すると判定される。
サービング基地局2001は、ユーザ端末100へ、無線回線品質測定要求を送信する(ステップS2104)。つまり、無線回線品質測定要求作成部226は、ユーザ端末100へ送信する無線回線品質測定要求を作成する。ここで、「信号」としないのは、コマンドやメッセージ及びコンテキストの形式で通知されることがあるためである。以下、同様である。該無線回線品質測定要求信号は、ユーザ端末100へ送信される。
サービング基地局2001、基地局2002、基地局2003から、パイロットが送信される(ステップS2106)。つまり、スケジューラ212による制御に従って、下りPilot作成部220は、パイロットを作成する。該パイロットは、符号化部230、変調部232、送信無線部236を介して、ユーザ端末100に送信される。
ユーザ端末100は、サービング基地局2001、基地局2002、基地局2003からのパイロットの無線回線品質を測定する(ステップS2108)。つまり、無線回線品質測定算出部112は、サービング基地局2001、基地局2002、基地局2003からのパイロットの無線回線品質を測定する。例えば、CQIやRSRPやRSRQ等が求められる。
ユーザ端末100は、サービング基地局2001へ、無線回線品質結果通知を送信する(ステップS2110)。つまり、無線回線品質情報作成部126は、無線回線品質測定算出部112からの無線回線品質に基づいて、無線回線品質結果通知を作成する。
サービング基地局2001は、CoMP伝送が可能か否かを判定する。さらに、サービング基地局2001は、CoMP伝送が可能であると判定した場合には、ノンサービング基地局を選択する(ステップS2112)。さらに、サービング基地局2001は、CoMP伝送が可能であると判定した場合に、CP長を設定してもよい。つまり、CoMP通信制御部214は、ユーザ端末100からの無線回線品質結果通知に含まれる無線回線品質に基づいて、CoMP伝送が可能か否かを判定する。CoMP通信制御部214は、CoMP伝送が可能であると判定した場合、ノンサービング基地局を選択する。さらに、CoMP通信制御部214は、CP長を設定する。ここでは、CoMP伝送が可能であると判定され、ノンサービング基地局として、基地局2002が選択される。
サービング基地局2001は、ノンサービング基地局として選択した基地局2002へ、CoMP伝送実施通知を送信する(ステップS2114)。つまり、スケジューラ212は、ノンサービング基地局へ、CoMP伝送実施通知信号を送信するように、CoMP伝送実施通知作成部224に依頼する。CoMP伝送実施通知作成部224は、スケジューラ212からの依頼に従って、CoMP伝送実施通知を作成する。該CoMP伝送実施通知は、ノンサービング基地局に送信される。符号化部230、変調部232、送信無線部236を介して、ノンサービング基地局へ送信されてもよい。さらに、CoMP伝送用のCP長を表す情報を含むCoMP伝送実施通知が通知されてもよい。また、CoMP伝送用のCP長を表す情報は、CoMP伝送実施通知のタイミングとは異なるタイミングで送信されてもよい。
サービング基地局2001は、ユーザ端末100へ、CoMP伝送実施通知を送信する(ステップS2116)。つまり、スケジューラ212は、ユーザ端末100へ、CoMP伝送実施通知を送信するように、CoMP伝送実施通知作成部224に依頼する。CoMP伝送実施通知作成部224は、スケジューラ212からの依頼に従って、CoMP伝送実施通知を作成する。該CoMP伝送実施通知は、符号化部230、変調部232、送信無線部236を介して、ユーザ端末100へ送信される。さらに、CoMP伝送用のCP長を表す情報を含むCoMP伝送実施通知が通知されてもよい。また、CoMP伝送用のCP長を表す情報は、CoMP伝送実施通知のタイミングとは異なるタイミングで送信されてもよい。
ユーザ端末100と、サービング基地局2001,及びノンサービング基地局2002との間で、CoMP伝送が実施される(ステップS2118)。
<サービング基地局の動作>
図22は、サービング基地局の動作の一実施例を示す。図22には、主に、CoMP伝送が可能か否かを判定する際の処理が示される。
サービング基地局2001は、CoMP伝送が可能か否かを判定するためのCoMP伝送可否判定閾値CQIthを設定する(ステップS2202)。つまり、CoMP通信制御部214に、CoMP伝送可否判定閾値CQIthが設定される。
サービング基地局2001は、ユーザ端末100へ、基地局2002−200mとの間の無線回線品質の測定を要求する(ステップS2204)。つまり、無線回線品質測定要求作成部226により、無線回線品質の測定を要求するための無線回線品質測定要求が作成され、ユーザ端末100へ送信される。
サービング基地局2001は、ユーザ端末100から、該ユーザ端末100と基地局2002−200mとの間の無線回線品質の測定結果を受信する(ステップS2206)。つまり、無線回線品質情報抽出部210は、ユーザ端末100からの無線回線品質の測定結果を抽出する。無線回線品質情報抽出部210により抽出された無線回線品質の測定結果は、CoMP通信制御部214に入力される。
サービング基地局2001は、CQIの最大値CQImaxを0に設定し、kを0に設定し、nを0に設定する(ステップS2208)。つまり、CoMP通信制御部214は、CQImax=0、k=1、n=0に設定することにより初期化する。
サービング基地局2001は、k<m+1であるか否かを判定する(ステップS2210)。つまり、CoMP通信制御部214は、k<m+1であるか否かを判定する。
k<m+1である場合(ステップS2210:YES)、サービング基地局2001は、CQIk>CQImaxであるか否かを判定する(ステップS2212)。
CQIk>CQImaxである場合(ステップS2212:YES)、サービング基地局2001は、CQIk>CQImaxであるか否かを判定する(ステップS2212)。
CQIk>CQImaxである場合(ステップS2212:YES)、サービング基地局2001は、CQIkをCQImaxに設定し、nをkに設定する(ステップS2214)。
ステップS2214により設定された後、又はステップS2212によりCQIk>CQImaxでない場合、k+1をkに設定し、ステップS2210に戻る。
ステップS2210によりk<m+1でないと判定された場合(ステップS2210:NO)、サービング基地局2001は、CQImax>CQIthであるか否かを判定する(ステップS2218)。
CQImax>CQIthである場合(ステップS2218:YES)、サービング基地局2001は、CoMP伝送が可能であると判定する(ステップS2220)。サービング基地局は、ノンサービング基地局とともに、CoMP伝送を実施する。
CQImax>CQIthでない場合(ステップS2218:NO)、サービング基地局2001は、CoMP伝送を行わないと判定する(ステップS2222)。この場合、通常の伝送が実施される。これまでの伝送が継続されてもよい。
<上りリンクにおけるCoMP伝送を制御する場合>
<基地局200n>
基地局200nの一実施例は、図10に示される基地局と略同一である。
接続中のユーザ端末100と通信中の基地局2001のスケジューラ212は、無線回線品質情報抽出部210により抽出されるべき無線回線品質情報に基づいて、上りリンクの伝送品質を監視する。該スケジューラ212は、上りリンクの伝送品質が低下することにより、伝送速度が低下したことを検出した場合、CoMP通信制御部214に、伝送速度が低下したことを通知する。
CoMP通信制御部214は、スケジューラ212により伝送速度が低下したことが通知された場合、CoMP伝送を行うか否かを判断する。CoMP通信制御部214は、CoMP伝送を行うと判断した場合、当該基地局2001の近傍の基地局2002−200mへ、上りリンクの無線回線品質の測定を要求するための上りリンク無線回線測定要求情報を送信する。
上りリンク無線回線測定要求情報は、基地局2002−200mへ、基地局内におけるセクタ間インターフェースや基地局間インターフェースや上位装置等を介して通知される。
スケジューラ212は、無線回線品質測定算出部216に、無線回線品質の測定を要求する。無線回線品質測定算出部216は、スケジューラ212と、復号部208と接続される。無線回線品質測定算出部216は、スケジューラ212により要求された無線回線品質の測定に従って、無線回線品質を測定する。無線回線品質測定算出部216は、スケジューラ212へ、無線回線品質を入力する。
スケジューラ212は、上りPilot送信要求作成部222に、ユーザ端末100に上りリンクのパイロット信号を送信させるための上りリンクパイロット送信要求信号の作成を要求する。
上りPilot送信要求作成部222は、スケジューラ212と、符号化部230と接続される。上りPilot送信要求作成部222は、スケジューラ212により要求された上りリンクパイロット送信要求信号を作成し、符号化部230に入力する。上りリンクパイロット送信要求信号は、符号化部230により符号化され、変調部232により変調される。上りリンクパイロット送信要求信号は、CoMP送信処理部234を介して、送信無線部236により無線周波数に変換され、アンテナを介して、ユーザ端末100へ送信される。ユーザ端末100に、上りリンクパイロット送信要求信号が送信される際に、上りリンクパイロット送信要求信号の送信に必要な制御情報も送信されてもよい。該制御情報には、使用すべき無線リソース、送信タイミング等が含まれる。
ユーザ端末100により上りリンクのパイロット信号が送信される。基地局2002−200mは、該上りリンクのパイロット信号に基づいて、無線回線品質を測定する。基地局2002−200mは、基地局2001に、無線回線品質測定結果を通知する。
基地局2002−200mからの無線回線品質測定結果は、基地局2001の無線回線品質情報抽出部210により抽出される。無線回線品質情報抽出部210は、CoMP通信制御部214に、基地局2002−200mからの無線回線品質測定結果を入力する。CoMP通信制御部214は、無線回線品質情報に基づいて、上りリンクにおけるCoMP伝送が可能か否かを判断する。該CoMP通信制御部214は、CoMP伝送が可能であると判断した場合、ノンサービング基地局を選択する。ノンサービング基地局を選択する際、CoMP通信制御部214は、サービング基地局における無線回線品質と、各基地局の無線回線品質との間の差分を算出し、無線回線品質差が無線回線品質差閾値以下となる基地局があるか否かを判定するようにしてもよい。CoMP通信制御部214は、無線回線品質差が無線回線品質差閾値以下となる基地局があると判定した場合、上りリンクのCoMP伝送が可能であると判断する。CoMP通信制御部214は、無線回線品質差が無線回線品質差閾値以下となる基地局がないと判定した場合、上りリンクのCoMP伝送を行わないと判断する。
CoMP通信制御部214は、上りリンクのCoMP伝送が可能であると判断した場合、最も無線回線品質差が小さい基地局をノンサービング基地局として選択する。ここでは、ノンサービング基地局として、基地局200nが選択されたとする。
さらに、CoMP通信制御部214は、JR、CS等のCoMP伝送方式から使用すべき上りリンクのCoMP伝送方式を選択する。
CoMP通信制御部214は、上りリンクのCoMP伝送が可能であると判断した場合、スケジューラ212に、上りリンクのCoMP伝送が実施されることを表す情報と、上りリンクのCoMP伝送方式を通知する。
スケジューラ212は、CoMP通信制御部214により上りリンクのCoMP伝送が可能であると判断された場合、CoMP伝送実施通知作成部224に、上りリンクのCoMP伝送が実施されることを通知する。
CoMP伝送実施通知作成部224は、スケジューラ212と、符号化部230と接続される。CoMP伝送実施通知作成部224は、スケジューラ212により上りリンクのCoMP伝送が実施されることが通知された場合、CoMP伝送実施通知信号を作成する。該CoMP伝送実施通知信号は、ユーザ端末100に送信される。
CoMP通信制御部214は、上りリンクのCoMP伝送で使用すべきCPのCP長を設定する。CoMP通信制御部214は、スケジューラ212に、CP長を表す情報を入力する。
スケジューラ212は、上りリンクのCoMP伝送の際に使用する無線リソース及び送信タイミングを設定する。また、スケジューラ212は、上りリンクのCoMP伝送で使用すべき変調方式、符号化率を設定し、設定した上りリンクのCoMP伝送方式に応じた制御情報を設定する。例えば、制御情報として、CoMP伝送方式としてJRが設定された場合には、重み付け係数やプリコーディング行列が設定される。
スケジューラ212は、制御信号作成部228へ、上りリンクのCoMP伝送方式に応じた制御情報を入力する。スケジューラ212は、制御信号作成部228に、CP長を表す情報を入力するようにしてもよい。制御信号作成部228は、上りリンクの制御信号を作成し、符号化部230に入力する。該制御信号には、CP長を表す情報が含まれてもよい。該上りリンクの制御信号は、ユーザ端末100へ送信される。
サービング基地局2001は、ノンサービング基地局へ、基地局内におけるセクタ間インターフェース(図示なし)や基地局間インターフェース(図示なし)や上位装置(図示なし)等を介して、CoMP伝送が実施されることを表す情報を通知する。該基地局間インターフェースは、LTEシステムにおけるX2に相当するものであってもよい。CoMP伝送の実施を表す情報には、CoMP伝送を実施することを示す情報が含まれてもよいし、CoMP伝送のタイミングを表す情報が含まれてもよい。
サービング基地局2001は、ノンサービング基地局へ、基地局インターフェース等を介して、上りリンクの制御信号を通知する。ノンサービング基地局のスケジューラ212は、該上りリンクの制御信号に従って、当該ノンサービング基地局の受信無線部202、CoMP受信処理部204、復調部206、及び符号化部208等を制御する。
サービング基地局2001のスケジューラ212は、当該サービング基地局2001の受信無線部202、CoMP受信処理部204、復調部206、及び復号部208等を制御する。
ノンサービング基地局は、ユーザ端末100から、送信データを受信する。具体的には、ノンサービング基地局の受信無線部202により受信信号がベースバンド信号に変換される。ノンサービング基地局のCoMP受信処理部204によりサービング基地局2001から通知された制御信号に従って、CoMP伝送方式に従ったCoMP受信処理が実施される。ノンサービング基地局の復調部206によりサービング基地局2001から通知された制御信号に従って復調される。該制御信号には、例えば変調方式が含まれる。ノンサービング基地局の復号部208によりサービング基地局2001から通知された制御信号に従って復号される。該制御信号には、例えば符号化率が含まれる。以上の処理により、受信データが再生される。
復号されたデータは、例えば基地局間インターフェースを介してサービング基地局2001へ送信される。復調、復号されたデータがサービング基地局2001へ伝送されてもよい。また、例えば、復調、復号されたデータがベースバンドに周波数変換され、サービング基地局2001へ伝送されてもよい。サービング基地局2001は、ノンサービング基地局からの受信信号を、当該サービング基地局2001の受信信号と共に、CoMP伝送された信号を受信する処理を実施する。以降、全サービング基地局2001により受信する処理が実施されてもよい。また、ノンサービング基地局は、CoMP伝送された信号を受信する処理を実施することにより受信信号をサービング基地局2001へ伝送してもよい。
ノンサービング基地局と同様に、サービング基地局2001は、ユーザ端末100から送信されたデータを受信する。なお、ノンサービング基地局からベースバンド信号に変換されたデータが伝送される場合は、サービング基地局2001は受信した信号をベースバンド信号に変換し、該ベースバンド信号と合わせて、信号処理を実施する。
サービング基地局2001に集められたユーザ端末100からの送信データは、上位のパケットにまとめられ上位装置(図示なし)に伝送される。LTEシステムやW−CDMAシステム等の無線通信システムでは、無線チャネルで伝送されるデータの単位は、MAC(Medium Access Control)層のパケットである。MAC層のパケットは、MAC PDU(Protocol Data Unit)と呼ばれる。また、MACの上位層であるRLC(Radio Link Control)層のRLC PDUは、MAC PDUで構成される。RLCの上位のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層のPDCP PDUは、RLC PDUで構成される。例えば、LTEシステムと同様に、サービング基地局2001においてPDCP PDUにまとめられ、上位装置であるサービングゲートウェイ(Serving Gate Way: S−GW)へ送信されてもよい。サービングゲートウェイへ送信されたPDCP PDUは、コアネットワーク(Core Network)を介して、通信の相手先であるユーザ端末に伝送されてもよい。
<ユーザ端末>
ユーザ端末100の一実施例は、図20に示されるユーザ端末と同様である。
上りリンクの制御信号を受信したユーザ端末100では、受信無線部102により、該上りリンクの制御信号がベースバンド信号に変換される。ベースバンド信号に変換された上りリンクの制御信号は、復調部106により復調され、復号部108により復号されることにより再生される。
送受信制御信号抽出部114は、再生された信号から上りリンクの制御信号を抽出する。送受信制御信号抽出部114は、送受信制御部120に、上りリンクの制御信号を入力する。
送受信制御部120は、上りリンクの制御信号に従って、上りリンクの送信のために、符号化部130、変調部132、CoMP送信処理部134、及び送信無線部136等を制御する。該上りリンクの制御信号には、上りリンクの送信タイミングと、使用すべき無線リソース等が含まれる。
また、上りリンクのパイロット送信要求信号を受信したユーザ端末100では、受信無線部102により、該上りリンクのパイロット送信要求信号がベースバンド信号に変換される。復調部106により受信信号が復調される。復号部108により、復調された信号が復号されることにより受信信号が再生される。
上りPilot送信要求抽出部116は、復号部108により再生された信号から上りリンクのパイロット送信要求信号を抽出する。上りパイロット送信要求抽出部116は、送受信制御部120に、上りリンクのパイロット送信要求信号を入力する。
送受信制御部120は、上りパイロット送信要求抽出部116から上りリンクのパイロット送信要求信号が入力されると、該上りリンクのパイロット送信要求信号に含まれる制御信号に従って、パイロット信号を送信するための制御を行う。例えば、上りリンクのパイロット送信要求信号に含まれる制御信号には、送信タイミングやパイロット送信に使用する無線リソース等を表す情報が含まれる。送受信制御部120は、Pilot作成部128に、パイロット信号の作成を依頼する。
パイロット作成部128は、送受信制御部120による制御に従ってパイロット信号を作成する。パイロット作成部128により作成されたパイロット信号は、変調部132、送信無線部136、アンテナを介して基地局2001−200mへ送信される。パイロット信号は、符号化部130により符号化されてもよい。
パイロット信号は、例えばLTEシステムと同様に、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)や、物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)を使用して送信されてもよい。パイロット信号は、LTEシステムと同様に、参照信号(RS: Reference Signal)と呼ばれてもよい。
また、LTEシステムでは、上りリンクのデータ送信に使用する無線リソースを選択するために、システム帯域内で基地局から指定されたリソースブロックでサウンディングリファレンスシグナル(SRS: Sounding Reference Signal)が送信される。サウンディングとは、伝搬環境を測定するとの意味合いである。該サウンディングリファレンスシグナルを基地局が受信し、無線回線品質を測定し、算出することによって、上りリンクの伝送で使用する無線リソースを選択するようにしてもよい。LTEシステムと同様に、サブキャリア数と時間方向のシンボル数で規定されたリソースブロックを単位とする無線リソースで管理されてもよい。
PUCCHは、ユーザ端末に個別の制御チャネルである。また、PUSCHは、ユーザ端末間で共有して使用されるチャネルである。共有チャネルでは、無線リソースが複数のユーザ端末で分け合うことにより使用される。一方、共通チャネルでは、同じ情報が同じ無線リソースで複数のユーザ端末で使用されるものである。従って、共有チャネルと共通チャネルとは異なる。
基地局2001−200mは、ユーザ端末100から送信されたパイロット信号を受信する。無線回線品質測定算出部216は、パイロット信号に基づいて、受信電力等の無線回線品質を測定し、算出する。基地局2001の無線回線品質測定算出部216は、スケジューラ212、CoMP通信制御部214に、測定算出結果を入力する。基地局2002−200mの無線回線品質測定算出部216は、スケジューラ212による制御により、基地局内におけるセクタ間インターフェース(図示なし)や基地局間インターフェース(図示なし)や上位装置(図示なし)等を介して基地局2001に測定算出結果を転送する。該測定算出結果は、基地局2001のCoMP通信制御部214に入力される。
ユーザ端末100は、上りリンクの信号の送信を行う。具体的には、送受信制御部120は、使用無線リソース、変調方式及び符号化率から送信可能な送信データ量を算出する。送受信制御部120は、送信データバッファ124から送信データを読み出す。読み出されたデータは、符号化部130に入力される。符号化部130は、制御信号で指定された符号化方式に従って、該データを符号化する。変調部132は、制御信号で指定された変調方式に従って、符号化部130により符号化されたデータを符号化する。さらに、変調部132は、CP制御部150による制御に従ってCPを付加する。CoMP送信処理部134は、指定されたCoMP伝送方式及びCoMP伝送に必要な信号処理を施す。送信無線部136は、無線周波数に変換する。無線周波数に変換された信号は、アンテナを介して、基地局2001及び基地局200nへ送信される。
<無線通信システムの動作>
図21は、無線通信システムの動作の一実施例は、図21を参照して説明した動作と略同一である。
<サービング基地局の動作>
サービング基地局の動作の一実施例は、図22を参照して説明した動作と略同一である。
<実施例2>
<ユーザ端末によりCoMP伝送を行うか否かが判断される場合>
<下りリンクにおけるCoMP伝送を制御する場合>
<基地局200n>
図23は、基地局200nの一実施例を示す。
基地局200nは、受信無線部202と、CoMP受信処理部204と、復調部206と、復号部208と、無線回線品質情報抽出部210と、スケジューラ212と、CoMP通信制御部214と、無線回線品質測定算出部216と、送信データバッファ218と、下りPilot作成部220と、上りPilot送信要求作成部222と、CoMP伝送実施通知作成部224と、無線回線品質測定要求作成部226と、制御信号作成部228と、符号化部230と、変調部232と、CoMP送信処理部234と、送信無線部236と、CoMP伝送要求信号抽出部238と、CP制御部248とを有する。
図10を参照して説明した基地局と、CoMP伝送要求信号抽出部238を有する点で異なる。CoMP伝送要求信号抽出部238は、復号部108、CoMP通信制御部214と接続される。
基地局2001は、ユーザ端末100からCoMP伝送要求信号を受信する。
受信無線部202は、ベースバンド信号に、CoMP伝送要求信号を周波数変換する。復調部206は、ベースバンド信号に変換されたCoMP伝送要求信号を復調する。復号部208は、復調されたCoMP伝送要求信号を復号する。
CoMP伝送要求信号抽出部238は、復号されたCoMP伝送要求信号を抽出する。CoMP伝送要求信号抽出部238は、CoMP通信制御部214へ、CoMP伝送要求信号を入力する。
CoMP通信制御部214には、CoMP伝送要求信号抽出部238からCoMP伝送要求信号が入力される。CoMP通信制御部214は、無線回線品質測定要求作成部226へ、ユーザ端末100に無線回線品質の測定を要求するための無線回線品質測定要求信号を作成するように命令する。
無線回線品質測定要求作成部226は、CoMP通信制御部214による命令に従って、無線回線品質測定要求信号を制御信号として作成する。無線回線品質測定要求作成部226は、符号化部230に、無線回線品質測定要求信号を入力する。
無線回線品質測定要求信号は、符号化部230により符号化され、変調部232により変調され、送信無線部236により無線周波数に変換され、アンテナを介してユーザ端末100へ送信される。
CoMP伝送要求信号抽出部238以外の動作は、上述した基地局と略同一である。
<ユーザ端末100>
図24は、ユーザ端末100の一実施例を示す。
ユーザ端末100は、受信無線部102と、CoMP受信処理部104と、復調部106と、復号部108と、無線回線品質測定要求抽出部110と、無線回線品質測定算出部112と、送受信制御信号抽出部114と、上りPilot送信要求抽出部116と、CoMP伝送実施通知抽出部118と、送受信制御部120と、CoMP通信制御部122と、送信データバッファ124と、無線回線品質情報作成部126と、Pilot作成部128と、符号化部130と、変調部132と、CoMP送信処理部134と、送信無線部136と、伝送速度算出部138と、CoMP伝送要求信号作成部140と、CP制御部150とを有する。
図20を参照して説明したユーザ端末と、伝送速度算出部138と、CoMP伝送要求信号作成部140を有する点で異なる。伝送速度算出部138は、復号部108と、送受信制御部120と、CoMP通信制御部122と、送信データバッファ124と接続される。CoMP伝送要求信号作成部140は、CoMP通信制御部122と、符号化部130と接続される。
無線回線品質測定算出部112は、当該ユーザ端末100と通信中の基地局200からの下りリンクの信号に基づいて、無線回線品質を測定し、算出する。無線回線品質測定算出部112は、CoMP通信制御部140に、無線回線品質の測定結果を入力する。
また、伝送速度算出部138は、当該ユーザ端末100と通信中の基地局200からの下りリンクの信号に基づいて、下りリンクの伝送速度を算出する。伝送速度算出部138は、CoMP通信制御部122に、下りリンクの伝送速度を入力する。ここで、下りリンクの伝送速度は、一定期間において誤りなく受信できたデータ量から算出されてもよい。
CoMP通信制御部122は、無線回線品質測定算出部112により入力された無線回線品質の測定結果と、伝送速度算出部138により入力された下りリンクの伝送速度とに基づいて、CoMP伝送が必要か否か判断する。
CoMP通信制御部122は、CoMP伝送が必要であると判断した場合、CoMP伝送要求信号作成部140に、CoMP伝送要求信号の作成を要求する。
CoMP伝送要求信号作成部140は、CoMP通信制御部122によりCoMP伝送要求信号の作成が依頼された場合に、CoMP伝送要求信号を作成する。CoMP伝送要求信号作成部140は、符号化部130に、CoMP伝送要求信号を入力する。CoMP伝送要求信号は、符号化部130により符号化され、変調部132により変調され、送信無線部136により無線周波数に変換され、アンテナを介して基地局2001へ送信される。
<無線通信システムの動作>
図25は、無線通信システムの動作の一実施例を示すシーケンス図である。図25には、一例として、2つの基地局がサービング基地局の候補とされる場合について説明する。1つの基地局がサービングの候補とされてもよいし、3以上の基地局がサービングの候補とされてもよい。
ユーザ端末100は、CoMP伝送を要求するか否かを判定する(ステップS2502)。つまり、CoMP送信制御部122は、CoMP伝送を行うか否かを判定する。ここでは、CoMP伝送を要求すると判定される。
ユーザ端末100は、サービング基地局2001へ、CoMP伝送要求を送信する(ステップS2504)。つまり、CoMP伝送要求信号作成部140により作成されたCoMP伝送要求は、サービング基地局2001へ送信される。
サービング基地局2001は、無線回線品質測定要求を送信する(ステップS2506)。つまり、無線回線品質測定要求作成部226は、ユーザ端末100へ送信する無線回線品質測定要求を作成する。該無線回線品質測定要求は、ユーザ端末100へ送信される。
サービング基地局2001、基地局2002、基地局2003から、パイロットが送信される(ステップS2508)。つまり、スケジューラ212による制御に従って、下りPilot作成部220は、パイロットを作成する。該パイロットは、符号化部230、変調部232、送信無線部236を介して、ユーザ端末100へ送信される。
ユーザ端末100は、サービング基地局2001、基地局2002、基地局2003からのパイロットの無線回線品質を測定する(ステップS2510)。つまり、無線回線品質測定算出部112は、サービング基地局2001、基地局2002、基地局2003からのパイロットの無線回線品質を測定する。例えば、CQIやRSRPやRSRQ等が求められる。
ユーザ端末100は、サービング基地局2001へ、無線回線品質結果通知を送信する(ステップS2512)。つまり、無線回線品質情報作成部126は、無線回線品質測定算出部112からの無線回線品質に基づいて、無線回線品質結果通知を作成する。
サービング基地局2001は、CoMP伝送が可能か否かを判定する。さらに、サービング基地局2001は、CoMP伝送が可能であると判定した場合には、ノンサービング基地局を選択する(ステップS2514)。さらに、サービング基地局2001は、CoMP伝送が可能であると判定した場合に、CP長を設定してもよい。つまり、CoMP通信制御部214は、ユーザ端末100からの無線回線品質結果通知に含まれる無線回線品質に基づいて、CoMP伝送が可能か否かを判定する。CoMP通信制御部214は、CoMP伝送が可能であると判定した場合、ノンサービング基地局を選択する。さらに、CoMP通信制御部214は、CP長を設定する。ここでは、CoMP伝送が可能であると判定され、ノンサービング基地局として、基地局2002が選択される。
サービング基地局2001は、ノンサービング基地局として選択した基地局2002へ、CoMP伝送実施通知を送信する(ステップS2516)。つまり、スケジューラ212は、ノンサービング基地局へ、CoMP伝送実施通知を送信するように、CoMP伝送実施通知作成部224に依頼する。CoMP伝送実施通知作成部224は、スケジューラ212からの依頼に従って、CoMP伝送実施通知を作成する。該CoMP伝送実施通知は、ノンサービング基地局へ送信される。符号化部230、変調部232、送信無線部236を介して、ノンサービング基地局へ送信されてもよい。さらに、CoMP伝送用のCP長を表す情報を含むCoMP伝送実施通知信号が通知されてもよい。
サービング基地局2001は、ユーザ端末100へ、CoMP伝送実施通知を送信する(ステップS2518)。つまり、スケジューラ212は、ユーザ端末100へ、CoMP伝送実施通知を送信するように、CoMP伝送実施通知作成部224に依頼する。CoMP伝送実施通知作成部224は、スケジューラ212からの依頼に従って、CoMP伝送実施通知を作成する。該CoMP伝送実施通知は、符号化部230、変調部232、送信無線部236を介して、ユーザ端末100へ送信される。さらに、CoMP伝送用のCP長を表す情報を含むCoMP伝送実施通知が通知されてもよい。また、CoMP伝送用のCP長を表す情報は、CoMP伝送実施通知のタイミングとは異なるタイミングで送信されてもよい。
ユーザ端末100と、サービング基地局2001,及びノンサービング基地局2002との間で、CoMP伝送が実施される(ステップS2520)。
<上りリンクにおけるCoMP伝送を制御する場合>
<基地局200n>
基地局200nの一実施例は、図23に示される基地局と同様である。
基地局2001は、CoMP伝送要求信号を受信する。
受信無線部202は、CoMP伝送要求信号をベースバンド信号に周波数変換する。復調部206は、ベースバンド信号に変換されたCoMP伝送要求信号を復調する。復号部208は、復調されたCoMP伝送要求信号を復号する。
CoMP伝送要求信号抽出部238は、CoMP伝送要求信号を抽出する。CoMP伝送要求信号抽出部238は、CoMP通信制御部214に、CoMP伝送要求信号を入力する。
CoMP通信制御部214は、CoMP伝送要求信号抽出部238からCoMP伝送要求信号が入力されると、無線回線品質測定要求作成部226に、ユーザ端末100へ無線回線品質の測定を要求するための無線回線品質測定要求信号を作成するように命令する。
無線回線品質測定要求作成部226は、CoMP通信制御部214からの無線回線品質測定要求信号を作成する命令に従って、無線回線品質測定要求信号を制御信号として作成する。無線回線品質測定要求信号は、符号化部230により符号化され、変調部232により変調され、送信無線部236により無線周波数に変換され、アンテナを介してユーザ端末100へ送信される。
以下、基地局によりCoMP伝送が可能か否かを判断する場合と同様に動作する。
<ユーザ端末100>
ユーザ端末100の一実施例は、図24に示されるユーザ端末と同様である。
基地局2001と通信中のユーザ端末100は、基地局2001からACK又はNACKを受信する。
伝送速度算出部138は、基地局2001からのACK又はNACKに基づいて、上りリンクの伝送速度を算出する。伝送速度算出部138は、CoMP通信制御部122に、上りリンクの伝送速度を入力する。
CoMP通信制御部122は、伝送速度算出部138からの上りリンクの伝送速度と、無線品質測定算出部112からの無線品質測定結果に基づいて、CoMP伝送が必要か否かを判断する。CoMP通信制御部122は、CoMP伝送が必要であると判断した場合、CoMP伝送要求信号作成部140へ、CoMP伝送要求信号の作成を要求する。
CoMP伝送要求信号作成部140は、CoMP通信制御部122による要求に応じて、CoMP伝送要求信号を作成する。CoMP伝送要求信号は、符号化部130により符号化され、変調部132により変調され、送信無線部136により無線周波数に変換され、アンテナを介して基地局2001へ送信される。
<無線通信システムの動作>
無線通信システムの動作は、図25を参照して説明した動作と略同一である。
<変形例(その1)>
上述した無線通信システムにおいて、受信時間差Tdiffに基づいて、CoMP伝送が可能か否か判断されてもよい。
受信時間差Tdiffに基づいてCoMP伝送が可能か否か判断される際に、無線回線品質を含めて、CoMP伝送が可能か否か判断されてもよい。
<基地局2001>
図26は、基地局2001の一実施例を示す。
基地局2001は、図10を参照して説明した基地局と、受信時間差情報抽出部240と、受信時間差測定要求作成部242を有する点で異なる。受信時間差情報抽出部240は、復号部208と、CoMP通信制御部214と接続される。受信時間差測定要求作成部242は、スケジューラ212と、符号化部230と接続される。
基地局2001が、接続中のユーザ端末100と通信中である場合について説明する。
スケジューラ212は、下りリンクの伝送品質や下りリンクの伝送速度が低下したと判断した場合、CoMP通信制御部214へ、下りリンクの伝送品質や下りリンクの伝送速度が低下したことを通知する。
CoMP通信制御部214は、スケジューラ212から下りリンクの伝送品質や下りリンクの伝送速度が低下したことが通知されると、CoMP伝送が必要か否かを判断する。CoMP通信制御部214は、CoMP伝送が必要と判断した場合、無線回線品質測定要求作成部226へ、ユーザ端末100への無線回線品質測定要求信号を作成するよう依頼する。
無線回線品質測定要求作成部226は、CoMP通信制御部214からの無線回線品質測定要求信号を作成する依頼に応じて、無線回線品質測定要求信号を制御信号として作成する。該無線品質測定要求信号は、符号化部230により符号化され、変調部232により変調され、送信無線部236により無線周波数に変換され、アンテナを介してユーザ端末100へ送信される。ここで、無線回線品質は、通信中の基地局2001と、該基地局2001の周辺の基地局2002−200mからの信号の無線回線品質を示す。
CoMP通信制御部214によりCoMP伝送が必要と判断された場合、通信中の基地局2001からの送信波の受信タイミングと、他の基地局2002−200mの送信波の受信タイミングとに基づいて、受信時間差Tdiffを測定し、算出することをユーザ端末100に要求する。具体的には、CoMP通信制御部214は、受信時間差測定要求作成部242へ、受信時間差測定要求信号を作成するよう要求する。受信時間差測定要求作成部242は、受信時間差測定要求信号を作成する。受信時間差測定要求作成部242により作成された受信時間差測定要求信号は、符号化部230により符号化され、変調部232により変調され、送信無線部236により無線周波数に変換され、アンテナを介してユーザ端末100へ送信される。
基地局2001は、ユーザ端末100から受信時間差情報を受信する。
受信時間差情報抽出部238は、受信時間差情報を抽出する。受信時間差情報抽出部238は、CoMP通信制御部214に、受信時間差情報を入力する。
CoMP通信制御部214は、無線回線品質情報と受信時間差情報に基づいて、CoMP伝送が可能か否かを判断する。CoMP通信制御部214は、CoMP伝送が可能であると判断した場合、ノンサービング基地局を選択する。また、CoMP通信制御部214は、受信時間差情報に基づいて、CP長を設定するようにしてもよい。具体的には、予め記憶されたCP長から使用すべきCP長が設定される。予め記憶されるCP長には、Normal CPのCP長、Extended CPのCP長が含まれてもよい。さらに、予め記憶されるCP長には、Normal CP及びExtended CP以外のCP長が含まれてもよい。
CoMP通信制御部214は、受信時間差閾値Tthに基づいて、CP長を設定してもよい。該受信時間差閾値Tthは、Extended CPの長さ(16.67μsec)未満であるのが好ましい。受信時間差が受信時間差閾値Tthを超える場合に、Extended CPのCP長に設定するようにしてもよい。該受信時間差閾値Tthは、適宜変更可能である。具体的には、Extended CPの長さに基づいて、Extended CPの長さの半分である8.89μsecとしてもよい。該受信時間差閾値TthをNormal CPの長さに基づいて設定してもよい。
<ユーザ端末>
図27は、ユーザ端末100の一実施例を示す。
ユーザ端末100の一実施例は、図20を参照して説明したユーザ端末と、受信時間差測定要求抽出部142と、受信時間差測定算出部144と、受信時間差情報作成部146とを有する点で異なる。
受信時間差測定要求抽出部142は、復号部108と、送受信制御部120と接続される。受信時間差測定算出部144は、復号部108と、受信時間差測定要求抽出部142と接続される。受信時間差情報作成部146は、受信時間差測定算出部144と、符号化部130と接続される。
ユーザ端末100に無線回線品質測定要求信号が受信される。
無線回線品質測定算出部112は、無線回線品質を測定する。
ユーザ端末100に受信時間差測定要求信号が受信される。
受信時間差測定要求抽出部142は、受信時間差測定要求信号を抽出する。受信時間差測定要求抽出部142は、受信時間差測定算出部144に、受信時間差Tdiffの測定・算出を要求する。
受信時間差測定算出部144は、受信時間差測定要求抽出部142からの受信時間差測定要求信号に従って、受信時間差Tdiffを測定し、算出する。例えば、受信時間差測定算出部144は、基地局2001からの無線回線品質を測定する際に利用した信号の受信タイミングTenb1を測定する。また、受信時間差測定算出部144は、基地局2002からの無線回線品質を測定する際に利用した信号の受信タイミングTenb2を測定する。受信時間差測定算出部144は、受信タイミングTenb1と受信タイミングTenb2との間の差分を1スロットの時間で除算し、余りを受信時間差Tdiff_enb1−enb2として算出する。
受信品質は、基地局毎に例えばスロット単位で測定される。このため、実時間差には測定タイミング差も含まれる。従って、1スロットの時間で除算する。CoMP伝送のJTの場合には、複数の基地局からの送信波が同時に受信される。つまり、受信品質を測定する場合のように受信タイミングが異なることはない。 例えば、受信時間差Tdiffが1スロット+αである場合、αが受信時間差Tdiffとなる。
受信時間差測定算出部144は、基地局2001と、基地局2003−200mとの間の受信時間差Tdiff_enb1−enb3−Tdiff_enb1−enbmを測定算出する。受信時間差測定算出部144は、受信時間差情報作成部146に、受信時間差の算出結果を入力する。
受信時間差情報作成部146は、受信時間差測定算出部144により入力された受信時間差に基づいて、受信時間差情報を作成する。受信時間差情報は、変調部132により変調され、送信無線部136により無線周波数に変換され、基地局2001へ送信される。受信時間差情報は、一括して基地局2001へ送信されてもよいし、個別に順次送信されてもよい。
また、実施例1において説明した無線回線品質報告と同様に、全受信時間を基地局2001に報告(送信)してもよいし、例えば、受信時間差Tdiffが相対的に最も小さいものから3つを基地局2001に報告(送信)してもよい。該3は一例であり、2でもよいし、4以上であってもよい。
本変形例によれば、無線回線品質に基づいてCoMP伝送ができるか否かを判断する際に生じるCoMP伝送の品質劣化を防止できる。該品質劣化は、受信時間差Tdiffを用いないことによって生じるものが含まれる。特に、受信時間差Tdiffに敏感であるJTを用いたCoMP伝送ができるか否かの判断が可能となる。併せて伝送品質及び伝送速度の改善が可能となる。
<無線通信システムの動作>
図28は、無線通信システムの動作の一実施例を示すシーケンス図(その1)である。図28には、一例として、2つの基地局がサービング基地局の候補とされる場合について説明する。1つの基地局がサービングの候補とされてもよいし、3以上の基地局がサービングの候補とされてもよい。
サービング基地局2001は、CoMP伝送を要求するか否かを判定する(ステップS2802)。つまり、CoMP送信制御部214は、CoMP伝送を行うか否かを判定する。ここでは、CoMP伝送を要求すると判定される。
サービング基地局2001は、ユーザ端末100へ、無線回線品質測定要求を送信する(ステップS2804)。つまり、無線回線品質測定要求作成部226は、ユーザ端末100に送信する無線回線品質測定要求を作成する。該無線回線品質測定要求は、ユーザ端末100へ送信される。
サービング基地局2001、基地局2002、基地局2003から、パイロットが送信される(ステップS2806)。つまり、スケジューラ212による制御に従って、下りPilot作成部220は、パイロットを作成する。該パイロットは、符号化部230、変調部232、送信無線部236を介して、ユーザ端末100へ送信される。
ユーザ端末100は、サービング基地局2001、基地局2002、基地局2003からのパイロットの無線回線品質を測定する(ステップS2808)。つまり、無線回線品質測定算出部112は、サービング基地局2001、基地局2002、基地局2003からのパイロットの無線回線品質を測定する。例えば、CQIやRSRPやRSRQ等が求められる。
ユーザ端末100は、サービング基地局2001へ、無線回線品質結果通知を送信する(ステップS2810)。つまり、無線回線品質情報作成部126は、無線回線品質結果通知を作成する。
サービング基地局2001は、ノンサービング基地局を選択する(ステップS2812)。つまり、CoMP通信制御部214は、無線回線品質測定結果に基づいて、サービング基地局を選択する。ここでは、基地局2002がノンサービング基地局として選択される。
サービング基地局2001は、ユーザ端末100に、受信時間差測定算出要求を送信する(ステップS2814)。つまり、受信時間差測定要求作成部242により作成された受信時間差測定要求は、ユーザ端末100へ送信される。
サービング基地局2001、基地局2002から、パイロットが送信される(ステップS2816)。つまり、スケジューラ212による制御に従って、下りPilot作成部220は、パイロットを作成する。該パイロットは、符号化部230、変調部232、送信無線部236を介して、ユーザ端末100へ送信される。
ユーザ端末100は、受信時間差を測定し、算出する(ステップS2818)。つまり、受信時間差測定算出部144は、受信時間差を測定し、算出する。
ユーザ端末100は、サービング基地局2001へ、受信時間差算出結果通知を送信する(ステップS2820)。つまり、受信時間差情報作成部146により作成された受信時間差情報は受信時間差算出結果通知として、サービング基地局2001へ送信される。
サービング基地局2001は、CoMP伝送が可能か否かを判定する(ステップS2822)。つまり、CoMP通信制御部214は、ユーザ端末100からの受信時間差算出結果通知に基づいて、CoMP伝送が可能か否かを判定する。CoMP通信制御部214は、CoMP伝送が可能であると判定した場合、ノンサービング基地局を選択する。さらに、CoMP通信制御部214は、受信時間差算出結果通知に基づいて、CP長を設定する。ここでは、ノンサービング基地局として、基地局2002が選択される。
サービング基地局2001は、ノンサービング基地局として選択した基地局2002に、CoMP伝送実施通知を送信する(ステップS2824)。つまり、スケジューラ212は、ノンサービング基地局に、CoMP伝送実施通知を送信するように、CoMP伝送実施通知作成部224に依頼する。CoMP伝送実施通知作成部224は、スケジューラ212からの依頼に従って、CoMP伝送実施通知を作成する。該CoMP伝送実施通知は、ノンサービング基地局に送信される。符号化部230、変調部232、送信無線部236を介して、ノンサービング基地局に送信されてもよい。さらに、CoMP伝送用のCP長を表す情報を含むCoMP伝送実施通知が通知されてもよい。また、CoMP伝送用のCP長を表す情報は、CoMP伝送実施通知のタイミングとは異なるタイミングで送信されてもよい。
サービング基地局2001は、ユーザ端末100に、CoMP伝送実施通知を送信する(ステップS2826)。つまり、スケジューラ212は、ユーザ端末100に、CoMP伝送実施通知を送信するように、CoMP伝送実施通知作成部224に依頼する。CoMP伝送実施通知作成部224は、スケジューラ212からの依頼に従って、CoMP伝送実施通知を作成する。該CoMP伝送実施通知は、符号化部230、変調部232、送信無線部236を介して、ユーザ端末100へ送信される。さらに、CoMP伝送用のCP長を表す情報を含むCoMP伝送実施通知が通知されてもよい。また、CoMP伝送用のCP長を表す情報は、CoMP伝送実施通知のタイミングとは異なるタイミングで送信されてもよい。
ユーザ端末100と、サービング基地局2001,及びノンサービング基地局2002との間で、CoMP伝送が実施される(ステップS2828)。
図29は、無線通信システムの動作の一実施例を示すシーケンス図(その2)である。図29には、一例として、2つの基地局がサービング基地局の候補とされる場合について説明する。1つの基地局がサービングの候補とされてもよいし、3以上の基地局がサービングの候補とされてもよい。
サービング基地局2001は、CoMP伝送を要求するか否かを判定する(ステップS2902)。つまり、CoMP送信制御部214は、CoMP伝送を行うか否かを判定する。ここでは、CoMP伝送を要求すると判定される。
サービング基地局2001は、ユーザ端末100に、無線回線品質測定要求を送信する(ステップS2904)。つまり、無線回線品質測定要求作成部226は、ユーザ端末100へ送信する無線回線品質測定要求を作成する。該無線回線品質測定要求は、ユーザ端末100へ送信される。
サービング基地局2001は、ユーザ端末100に、受信時間差算出要求を送信する(ステップS2906)。つまり、受信時間差測定要求作成部242により作成された受信時間差算出要求は、ユーザ端末100へ送信される。
サービング基地局2001、基地局2002、基地局2003から、パイロットが送信される(ステップS2908)。つまり、スケジューラ212による制御に従って、下りPilot作成部220は、パイロットを作成する。該パイロットは、符号化部230、変調部232、送信無線部236を介して、ユーザ端末100へ送信される。
ユーザ端末100は、サービング基地局2001、基地局2002、基地局2003からのパイロットの無線回線品質を測定する(ステップS2910)。つまり、無線回線品質測定算出部112は、サービング基地局2001、基地局2002、基地局2003からのパイロット信号の無線回線品質を測定する。例えば、CQIやRSRPやRSRQ等が求められる。
ユーザ端末100は、受信時間差を測定し、算出する(ステップS2912)。つまり、受信時間差測定算出部144は、受信時間差を測定し、算出する。
ユーザ端末100は、サービング基地局2001へ、無線回線品質結果通知を送信する(ステップS2914)。つまり、無線回線品質情報作成部126は、無線回線品質結果通知を作成する。
ユーザ端末100は、サービング基地局2001へ、受信時間差算出結果通知を送信する(ステップS2916)。つまり、受信時間差情報作成部146により作成された受信時間差情報は受信時間差算出結果通知として、サービング基地局2001へ送信される。
サービング基地局2001は、CoMP伝送が可能か否かを判定する。さらに、サービング基地局2001は、CoMP伝送が可能であると判定した場合には、ノンサービング基地局を選択する(ステップS2918)。つまり、CoMP通信制御部214は、ユーザ端末100からの受信時間差算出結果通知に基づいて、CoMP伝送が可能か否かを判定する。CoMP通信制御部214は、CoMP伝送が可能であると判定した場合、無線回線頻出結果通知に基づいて、ノンサービング基地局を選択する。ここでは、ノンサービング基地局として、基地局2002が選択される。さらに、CoMP通信制御部214は、ユーザ端末100からの受信時間差算出結果通知信号に基づいて、CP長を設定する。
サービング基地局2001は、ノンサービング基地局として選択された基地局2002へ、CoMP伝送実施通知を送信する(ステップS2920)。つまり、スケジューラ212は、ノンサービング基地局へ、CoMP伝送実施通知を送信するように、CoMP伝送実施通知作成部224に依頼する。CoMP伝送実施通知作成部224は、スケジューラ212からの依頼に従って、CoMP伝送実施通知を作成する。該CoMP伝送実施通知は、ノンサービング基地局へ送信される。符号化部230、変調部232、送信無線部236を介して、ノンサービング基地局へ送信されてもよい。さらに、CoMP伝送用のCP長を表す情報を含むCoMP伝送実施通知が通知されてもよい。また、CoMP伝送用のCP長を表す情報は、CoMP伝送実施通知のタイミングとは異なるタイミングで送信されてもよい。
サービング基地局2001は、ユーザ端末100へ、CoMP伝送実施通知を送信する(ステップS2922)。つまり、スケジューラ212は、ユーザ端末100へ、CoMP伝送実施通知を送信するように、CoMP伝送実施通知作成部224に依頼する。CoMP伝送実施通知作成部224は、スケジューラ212からの依頼に従って、CoMP伝送実施通知を作成する。該CoMP伝送実施通知は、符号化部230、変調部232、送信無線部236を介して、ユーザ端末100へ送信される。さらに、CoMP伝送用のCP長を表す情報を含むCoMP伝送実施通知が通知されてもよい。また、CoMP伝送用のCP長を表す情報は、CoMP伝送実施通知のタイミングとは異なるタイミングで送信されてもよい。
ユーザ端末100と、サービング基地局2001,及びノンサービング基地局2002との間で、CoMP伝送が実施される(ステップS2924)。
<上りリンクの受信時間差Tdiffを用いてCoMP伝送が可能か否か判断する場合>
図30は、基地局200nの一実施例を示す。
基地局200nの一実施例は、図10を参照して説明した基地局と、受信時間差測定算出部244を有する点で異なる。受信時間差測定算出部244は、復号部108と、CoMP通信制御部214と接続される。
サービング基地局2001の受信時間差測定算出部244は、ユーザ端末100からの上りリンクの送信タイミングに対する受信タイミングを測定算出する。さらに、該受信時間差測定算出部244には、各基地局2002−200mにより測定算出されたユーザ端末100からの上りリンクの信号の送信タイミングに対する受信タイミングが、基地局インターフェース等を介して転送される。
基地局2001の受信時間差測定算出部244は、入力された情報に基づいて、受信時間差Tdiffを算出する。受信時間差測定算出部244は、CoMP通信制御部214に、受信時間差Tdiffの算出結果を通知する。
CoMP通信制御部214は、受信時間差Tdiffに基づいて、CoMP伝送が可能か否かを判断する。CoMP通信制御部214は、CoMP伝送が可能であると判断した場合、ノンサービング基地局を選択する。さらに、CoMP通信制御部214は、受信時間差Tdiffに基づいて、CP長を設定する。
下りリンクのCoMP伝送が必要か否かをユーザ端末100が判断するようにしてもよい。
図31は、基地局200nの一実施例を示す。
基地局200nは、図26を参照して説明した基地局と、CoMP伝送要求信号抽出部238を有する点で異なる。CoMP伝送要求信号抽出部238は、復号部208と、CoMP通信制御部214と接続される。
CoMP伝送要求信号抽出部238は、ユーザ端末100により送信される上りリンクの信号からCoMP伝送要求信号を抽出する。CoMP伝送要求信号抽出部238は、CoMP通信制御部214に、CoMP伝送要求信号を入力する。
図32は、ユーザ端末100の一実施例を示す。
ユーザ端末100は、図27を参照して説明した基地局と、CoMP伝送要求信号作成部140を有する点で異なる。CoMP伝送要求信号作成部140は、CoMP通信制御部122と、符号化部130と接続される。
CoMP伝送要求信号作成部140は、CoMP通信制御部122からCoMP伝送要求信号の作成が依頼された場合に、CoMP伝送要求信号を作成し、符号化部130に入力する。
また、上りリンクのCoMP伝送が必要か否かをユーザ端末が判断するようにしてもよい。
図33は、基地局200nの一実施例を示す。
基地局200nは、図30を参照して説明した基地局と、CoMP伝送要求信号抽出部238を有する点で異なる。CoMP伝送要求信号抽出部238は、復号部108と、CoMP通信制御部214と接続される。
CoMP伝送要求信号抽出部238は、ユーザ端末100からの上りリンクの信号から、CoMP伝送要求信号を抽出する。CoMP伝送要求信号抽出部238は、CoMP通信制御部214に、CoMP伝送要求信号を入力する。
<無線通信システムの動作>
図34は、無線通信システムの動作の一実施例を示す。
図34には、一例として、2つの基地局がサービング基地局の候補とされる場合について説明する。1つの基地局がサービングの候補とされてもよいし、3以上の基地局がサービングの候補とされてもよい。
サービング基地局2001は、CoMP伝送を要求するか否かを判定する(ステップS3402)。つまり、CoMP送信制御部214は、CoMP伝送を行うか否かを判定する。ここでは、CoMP伝送を要求すると判定される。
サービング基地局2001は、基地局2002、2003へ、無線回線品質測定要求を送信する(ステップS3404)。つまり、スケジューラ212から、基地局2002、2003に、無線回線品質測定要求が送信される。
サービング基地局2001は、基地局2002、2003へ、受信時間差算出要求を送信する(ステップS3406)。つまり、スケジューラ212から、基地局2002、2003へ、受信時間差算出要求が送信される。
サービング基地局2001は、ユーザ端末100へ、パイロット信号送信要求を送信する(ステップS3404)。つまり、上りPilot送信要求作成部222により作成されたパイロット信号送信要求は、ユーザ端末100へ、送信される。
ユーザ端末100は、基地局2001、2003、2003へ、パイロットを送信する(ステップS3410)。つまり、Pilot作成部128により作成されたパイロットは、基地局2001、2003、2003へ、送信される。基地局2001、2003、2003に対して、異なる符号系列を含むパイロット信号が送信されてもよい。
サービング基地局2001、基地局2002、基地局2003は、ユーザ端末100からのパイロット信号に基づいて、無線回線品質を測定する(ステップS3412)。つまり、無線回線品質測定算出部216は、ユーザ端末100からのパイロット信号に基づいて、無線回線品質を測定する。
サービング基地局2001、基地局2002、基地局2003は、ユーザ端末100からのパイロットに基づいて、受信時間を測定する(ステップS3414)。つまり、受信時間差測定算出部244は、ユーザ端末100からのパイロット信号に基づいて、受信時間を測定する。
基地局2002、基地局2003は、サービング基地局2001へ、無線回線品質結果通知を送信する。基地局2002、基地局2003の無線回線品質測定算出部216は、ユーザ端末100からのパイロットに基づいて、無線回線品質を測定する。該無線回線品質測定算出部216は、サービング基地局2001へ、無線回線品質結果通知を送信する。
基地局2002、基地局2003は、サービング基地局2001に、受信時間差算出結果通知を送信する。基地局2002、基地局2003の受信時間差測定算出部244は、ユーザ端末100からのパイロット信号に基づいて、受信時間を測定する。該受信時間差測定算出部244は、サービング基地局2001へ、無線回線品質結果通知を送信する。
サービング基地局2001は、当該サービング基地局2001により測定された受信時間と、基地局2002、基地局2003からの受信時間に基づいて、受信時間差を算出する(ステップS3420)。つまり、受信時間差測定算出部244は、当該サービング基地局2001により測定された受信時間と、基地局2002、基地局2003からの受信時間に基づいて、当該サービング基地局2001と、基地局2002、基地局2003との間の受信時間差を算出する。
サービング基地局2001は、CoMP伝送が可能か否かを判定する。さらに、サービング基地局2001は、CoMP伝送が可能であると判定した場合には、ノンサービング基地局を選択する(ステップS3422)。つまり、CoMP通信制御部214は、受信時間差測定算出部244からの受信時間差と、無線回線品質測定算出部216からの無線回線品質とに基づいて、CoMP伝送が可能であるか否かを判断する。ここでは、CoMP伝送が可能であると判断される。CoMP通信制御部214は、ノンサービング基地局として、基地局2002を選択する。さらに、CoMP通信制御部214は、受信時間差に基づいて、CoMP伝送用のCP長を設定する。
サービング基地局2001は、ノンサービング基地局として選択された基地局2002へ、CoMP伝送実施通知を送信する(ステップS3424)。つまり、スケジューラ212は、ノンサービング基地局へ、CoMP伝送実施通知を送信する。さらに、CoMP伝送用のCP長を表す情報が通知されてもよい。
サービング基地局2001は、ユーザ端末100に、CoMP伝送実施通知を送信する(ステップS3426)。つまり、CoMP伝送実施通知作成部224は、CoMP伝送実施通知を作成する。該CoMP伝送実施通知は、ユーザ端末100へ送信される。さらに、CoMP伝送用のCP長を表す情報が通知されてもよい。
ユーザ端末100と、サービング基地局2001,及びノンサービング基地局2002との間で、CoMP伝送が実施される(ステップS3428)。
図35は、無線通信システムの動作の一実施例を示す。
ユーザ端末100は、CoMP伝送を要求するか否かを判定する(ステップS3502)。ここでは、CoMP伝送を要求すると判定される。つまり、CoMP通信制御部122は、CoMP伝送を要求するか否かを判断する。ここでは、CoMP伝送を要求すると判断される。
ユーザ端末100は、サービング基地局2001へ、CoMP伝送を要求するためのCoMP伝送要求を送信する(ステップS3504)。CoMP伝送要求信号作成部140により作成されたCoMP伝送要求がサービング基地局2001に送信される。
ステップS3506−S3530は、図34のステップS3404−S3428と同様である。
また、ユーザ端末100が、CoMP伝送が必要か否かを判定し、ノンサービング基地局が選択された後に、受信時間差を測定するようにしてもよい。
図36は、無線通信システムの動作の一実施例を示す。
ユーザ端末100は、CoMP伝送を要求するか否かを判定する(ステップS3602)。ここでは、CoMP伝送を要求すると判定される。
ユーザ端末100は、サービング基地局2001へ、CoMP伝送を要求するためのCoMP伝送要求を送信する(ステップS3604)。
ステップS3606−S3530は、図28のステップS2804−S2828と同様である。
また、ユーザ端末100が、CoMP伝送が必要か否かを判定し、無線回線品質と、受信時間差とが測定された後に、CoMP伝送が可能か否か判断されてもよい。
図37は、無線通信システムの動作の一実施例を示す。
ユーザ端末100は、CoMP伝送を要求するか否かを判定する(ステップS3702)。ここでは、CoMP伝送を要求すると判定される。
ユーザ端末100は、サービング基地局2001へ、CoMP伝送を要求するためのCoMP伝送要求を送信する(ステップS3704)。
ステップS3706−S3726は、図29のステップS2904−S2924と同様である。
<変形例(その2)>
下りリンクのCoMP伝送が実施される場合に、ユーザ端末100によりノンサービング基地局が選択される。
図38は、ユーザ端末100の一実施例を示す。
ユーザ端末100は、図27を参照して説明したユーザ端末と、ノンサービング基地局情報作成部148を有する点で異なる。ノンサービング基地局情報作成部148は、CoMP通信制御部122と、符号化部130と接続される。
無線回線品質測定算出部112は、各基地局2002−200mからの無線回線品質を測定する。無線回線品質測定算出部112は、CoMP通信制御部122に、無線回線品質の測定結果を入力する。
CoMP通信制御部122は、無線回線品質の測定結果に基づいて、接続中の基地局2001からの無線回線品質との差が最小の無線回線品質を求める。CoMP通信制御部122は、該接続中の基地局2001からの無線回線品質との差が最小の無線回線品質となる基地局をノンサービング基地局として選択する。CoMP通信制御部122は、ノンサービング基地局として選択された基地局を表す情報をノンサービング基地局情報作成部148へ通知する。
ノンサービング基地局情報作成部148は、CoMP通信制御部122からのノンサービング基地局として選択された基地局を表す情報に基づいて、ノンサービング基地局情報を作成する。該ノンサービング基地局情報は、符号化部130により符号化され、変調部132により変調され、送信無線部136により無線周波数に変換され、アンテナを介して基地局2001へ送信される。
また、ユーザ端末100は、基地局2001に、ノンサービング基地局を選択する際に使用した無線回線品質情報を送信するようにしてもよい。
図39は、基地局200nの一実施例を示す。
基地局200nは、図26を参照して説明した基地局と、ノンサービング基地局情報抽出部246を有する点で異なる。ノンサービング基地局情報抽出部246は、復号部208と、CoMP通信制御部214と接続される。
ノンサービング基地局情報抽出部246は、ユーザ端末100から通知されたノンサービング基地局情報を抽出する。ノンサービング基地局情報抽出部246は、CoMP通信制御部214へ、ノンサービング基地局情報を入力する。
無線回線品質情報抽出部210は、ユーザ端末から通知された無線回線品質情報を抽出する。無線回線品質情報抽出部210は、CoMP通信制御部214へ、無線回線品質情報を入力する。
CoMP通信制御部214は、ノンサービング基地局情報抽出部246からのノンサービング基地局情報と、無線回線品質情報抽出部210からの無線回線品質情報とに基づいて、CoMP伝送ができるか否かを判断する。CoMP通信制御部214は、CoMP伝送ができると判断した場合には、ノンサービング基地局として、ノンサービング基地局情報により指定される基地局を選択するようにしてもよい。また、CoMP通信制御部214は、CoMP伝送ができると判断した場合には、ノンサービング基地局情報に関係なくノンサービング基地局を選択するようにしてもよい。ノンサービング基地局情報に関係なくノンサービング基地局を選択する場合、ノンサービング基地局情報に含まれる基地局をノンサービング基地局の候補としてもよい。
CoMP伝送が必要であるか否かは、上述したように、基地局2001によって判断されてもよいし、ユーザ端末100によって判断されてもよい。
図40は、ユーザ端末100の一実施例を示す。
図40に示されるユーザ端末100は、図38を参照して説明したユーザ端末と、CoMP伝送要求信号作成部140を有する点で異なる。CoMP伝送要求信号作成部140は、CoMP通信制御部122と、符号化部130と接続される。
図41は、基地局200nの一実施例を示す。
図41に示される基地局200nは、図39を参照して説明した基地局と、CoMP伝送要求信号抽出部238を有する点で異なる。CoMP伝送要求信号抽出部238は、復号部208と、CoMP通信制御部214と接続される。
図40に示されるユーザ端末100と、図41に示される基地局200nとを含む無線通信システムでは、ユーザ端末100によりCoMP伝送が必要であるか否か判断される。
図42は、無線通信システムの動作の一実施例を示す。
ステップS4202−S4216は、図29のステップS2902−S2916と略同一である。図42に示される例では、ユーザ端末100によりCoMP伝送が可能か否か判断される。さらに、CoMP伝送が可能であると判断された場合に、ユーザ端末100によりノンサービング基地局が選択される。
ユーザ端末100は、CoMP伝送が可能か否かを判断する。さらに、CoMP伝送が可能であると判断した場合、ノンサービング基地局を選択する(ステップS4218)。つまり、CoMP通信制御部214は、CoMP伝送が可能か否かを判定する。
ユーザ端末100は、サービング基地局2001へ、CoMP伝送が可能であるか否かの判断結果を表すCoMP伝送可否判断結果通知を通知する(ステップS4220)。つまり、サービング基地局2001に、CoMP伝送要求信号作成部140により作成されたCoMP伝送可否判断結果通知が送信される。
ユーザ端末100は、サービング基地局2001へ、ノンサービング基地局として選択された基地局を表す情報を含むノンサービング基地局選択結果通知を通知する(ステップS4222)。つまり、サービング基地局2001に、ノンサービング基地局情報作成部148により作成されたノンサービング基地局選択結果通知が送信される。
サービング基地局2001は、ユーザ端末100により通知された無線回線品質結果通知に基づいて、CoMP伝送が可能か否かを判定する。つまり、CoMP通信制御部214は、ユーザ端末100により通知された無線回線品質結果通知に基づいて、CoMP伝送が可能か否かを判定する。CoMP伝送が可能であると判定した場合、ノンサービング基地局選択結果通知に基づいて、ノンサービング基地局を選択する。
ステップS4226−S4230は、図29のステップS2920−S2924と略同一である。
図43は、無線通信システムの動作の一実施例を示す。
ステップS4302−S4316は、図29のステップS2902−S2916と略同一である。図43に示される例では、ユーザ端末100によりノンサービング基地局が選択される。
ユーザ端末100は、ノンサービング基地局を選択する(ステップS4318)。
ユーザ端末100は、サービング基地局2001へ、ノンサービング基地局として選択された基地局を表す情報を含むノンサービング基地局選択結果通知を通知する(ステップS4320)。つまり、サービング基地局2001へ、ノンサービング基地局情報作成部148により作成されたノンサービング基地局選択結果通知が送信される。
サービング基地局2001は、ユーザ端末100により通知された無線回線品質結果通知に基づいて、CoMP伝送が可能か否かを判定する。つまり、CoMP通信制御部214は、ユーザ端末100により通知された無線回線品質結果通知に基づいて、CoMP伝送が可能か否かを判定する。CoMP伝送が可能であると判定した場合、ノンサービング基地局選択結果通知に基づいて、ノンサービング基地局を選択する(ステップS4322)。
ステップS4324−S4328は、図29のステップS2920−S2924と略同一である。
図44は、無線通信システムの動作の一実施例を示す。
図44に示される例では、ユーザ端末100によりノンサービング基地局が選択される。サービング基地局2001は、ユーザ端末100によりノンサービング基地局として選択された基地局をノンサービング基地局として選択する。
ステップS4402−S4414は、図29のステップS2902−S2914と略同一である。
ユーザ端末100は、ノンサービング基地局を選択する(ステップS4416)。つまり、CoMP通信制御部122は、ノンサービング基地局を選択する。
ユーザ端末100は、サービング基地局2001に、ノンサービング基地局として選択された基地局を表す情報を含むノンサービング基地局選択結果通知を通知する(ステップS4418)。つまり、サービング基地局2001に、ノンサービング基地局情報作成部148により作成されたノンサービング基地局選択結果通知が送信される。
サービング基地局2001は、ユーザ端末100により通知された無線回線品質結果通知に基づいて、CoMP伝送が可能か否かを判定する(ステップS4420)。つまり、CoMP通信制御部214は、ユーザ端末100により通知された無線回線品質結果通知に基づいて、CoMP伝送が可能か否かを判定する。CoMP伝送が可能であると判定した場合、ノンサービング基地局選択結果通知に含まれ基地局をノンサービング基地局に設定する。
ステップS4422−S4426は、図29のステップS2920−S2924と略同一である。
<変形例(その3)>
上述した変形例において、CoMP伝送が可能か否かを判断する際に、受信時間差Tdiffと受信時間差閾値Tthとを比較するようにしてもよい。
具体的には、CoMP通信制御部214は、CoMP伝送が可能か否かを判断する際に、受信時間差Tdiffと受信時間差閾値Tthとを比較する。該CoMP通信制御部214は、受信時間差Tdiffが受信時間差閾値Tth以下である場合に、CoMP伝送が可能であると判断するようにしてもよい。さらに、CoMP伝送が可能であると判断した場合、該CoMP通信制御部214は、無線回線品質差が小さくかつ受信時間差Tdiffが受信時間差閾値Tthより小さい基地局をノンサービング基地局として選択するようにしてもよい。
逆に、該CoMP通信制御部214は、受信時間差Tdiffが受信時間差閾値Tthを超える場合には、CoMP伝送を行わないと判断するようにしてもよい。
図45は、CoMP伝送が可能か否かを判断する際の処理を示す。図45には、主に、CoMP通信制御部214による処理が示される。
サービング基地局2001は、基地局2001(eNB1)からの受信時間と、基地局2002(eNB2)からの受信時間の受信時間差Tdiffを算出する(ステップS4502)。
サービング基地局2001は、受信時間差Tdiffが、受信時間差閾値Tth未満であるか否かを判定する(ステップS4504)。
受信時間差Tdiffが、受信時間差閾値Tth未満である場合(ステップS4504:YES)、サービング基地局2001は、CoMP伝送が可能であると判定する(ステップS4506)。この場合、CoMP伝送が実施される。
受信時間差Tdiffが、受信時間差閾値Tth未満でない場合(ステップS4504:NO)、サービング基地局2001は、CoMP伝送を行わないと判定する(ステップS4508)。この場合、これまでの通信が維持される。
図45に示されるフローでは、基地局2001からの受信時間と、基地局2002からの受信時間との差が算出されたが、基地局2001と、該基地局2001とは異なる基地局との間で受信時間差が算出されてもよい。
<変形例(その4)>
CoMP伝送方式に応じて受信時間差閾値を設定するようにしてもよい。
例えば、CoMP伝送方式に含まれるJTは、所謂Network MIMOと呼ばれる。JTでは、複数の基地局を用いて下りMIMO伝送が実施される。
MIMO伝送が実施される際には、受信側において、チャネル推定と、ストリームの分離が行われる。
プリコーディングを用いて下り2×2 MIMOの場合を例にMIMOのストリームを説明する。
送信側で2のデータ列に分割された各データに対して、符号化・変調が施され、プリコーディングされた信号を1つのストリームと呼ぶ。2×2 MIMOの場合には2ストリームとなる。ストリームとは、所謂ストリーミングなどのようにアプリケーションにおけるデータストリームの意味とは異なる。アンテナの数がストリームに対応するのではない点に注意が必要である。例えば、送信ダイバーシチは同じデータを2のアンテナから送信するとしても1ストリームであり、2ストリームとはならない。ストリームを分離するには、プリコーディングを再びかける。チャネル推定結果に基づいて補正を実施してもよい。
下りMIMO伝送が実施される際に、ユーザ端末において基地局間の受信時間差Tdiffが大きいと、ストリームの分離精度が劣化する。ストリームの分離精度が劣化することにより、伝送品質が劣化する。つまり、下り伝送速度が低下する。最悪の場合、分離ができなくなり、データ伝送ができない虞がある。従って、JTを使用する場合の受信時間差閾値Tjtは、伝送品質の劣化がない値としなければならない。
図46は、CoMP伝送方式としてJTが可能か否かを判断する際の処理を示す。図46には、主に、サービング基地局のCoMP通信制御部214による処理が示される。
サービング基地局2001は、ユーザ端末から通知された基地局2001(eNB1)からの受信時間と、同様にユーザ端末から通知された基地局2002(eNB2)からの受信時間の受信時間差Tdiffを算出する(ステップS4602)。
サービング基地局2001は、受信時間差Tdiffが、JTの受信時間差閾値Tjt未満であるか否かを判定する(ステップS4604)。
受信時間差Tdiffが、受信時間差閾値Tjt未満である場合(ステップS4604:YES)、サービング基地局2001は、CoMP伝送方式としてJTが可能であると判定する(ステップS4606)。この場合、JTが実施される。
受信時間差Tdiffが、受信時間差閾値Tjt未満でない場合(ステップS4604:NO)、サービング基地局2001は、CoMP伝送を行わないと判定する(ステップS4608)。この場合、これまでの通信が維持される。
図46に示されるフローでは、ユーザ端末における基地局2001からの受信時間と、基地局2002からの受信時間との差が算出されたが、基地局2001と、該基地局2001とは異なる基地局との間で受信時間差が算出されてもよい。
また、CoMP伝送方法に含まれるCS/CBは、例えば、第1のセルを構成する第1の基地局と、該第1のセルに隣接又は重なる第1のセルとは異なる第2のセルを構成する第2の基地局との間で、セル端に位置するユーザ端末に対する送信が協調して実施される。
協調してスケジューリングされることにより干渉が低減され、協調してビームが作成(ビームフォーミング)されることにより干渉が低減される。
協調してスケジューリングされることはCSと呼ばれ、協調してビームが作成されることはCBと呼ばれる。
CS/CBでは、下りリンクのCoMP伝送を実施するサービング基地局又はノンサービング基地局のどちらか一方から、ユーザ端末100へデータ伝送が実施される。従って、JTの場合と比較し、受信時間差閾値Tcscbは厳しいものとはならない。
受信するビームの切換や基地局の切り換えのための時間が必要となるため、JTの場合の受信時間差閾値Tjtよりも大きな時間差を設定するのが好ましい。
以上を踏まえて受信時間差閾値Tthが設定される。受信時間差閾値Tthに基づいて、CoMP伝送が可能か否か判断され、CoMP伝送が可能であると判断された場合に、ノンサービング基地局の選択が行われる。
図47は、CoMP伝送が可能か否かを判断する際の処理を示す。図45には、主に、CoMP通信制御部214による処理が示される。
サービング基地局2001は、ユーザ端末から通知されたユーザ端末における基地局2001(eNB1)からの受信時間と、ユーザ端末から通知されたユーザ端末における基地局2002(eNB2)からの受信時間の受信時間差Tdiffを算出する(ステップS4702)。
サービング基地局2001は、受信時間差Tdiffが、受信時間差閾値Tjt未満であるか否かを判定する(ステップS4704)。
受信時間差Tdiffが、受信時間差閾値Tjt未満である場合(ステップS4704:YES)、サービング基地局2001は、CoMP伝送が可能であると判定する(ステップS4706)。この場合、JTでCoMP伝送が実施される。
受信時間差Tdiffが、受信時間差閾値Tjt未満でない場合(ステップS4704:NO)、サービング基地局2001は、CS/CBでCoMP伝送を行うと判定する(ステップS4708)。
図47に示されるフローでは、ユーザ端末から通知されたユーザ端末における基地局2001からの受信時間と、ユーザ端末における基地局2002からの受信時間との差が算出されたが、基地局2001と、該基地局2001とは異なる基地局との間で受信時間差が算出されてもよい。
図48は、CoMP伝送が可能か否かを判断する際の処理を示す。図48には、主に、CoMP通信制御部214による処理が示される。
サービング基地局2001は、ユーザ端末から通知されたユーザ端末における基地局2001(eNB1)からの受信時間と、ユーザ端末における基地局2002(eNB2)からの受信時間の受信時間差Tdiffを算出する(ステップS4802)。
サービング基地局2001は、受信時間差Tdiffが、受信時間差閾値Tcscb未満であるか否かを判定する(ステップS4804)。
受信時間差Tdiffが、受信時間差閾値Tcscb未満である場合(ステップS4804:YES)、サービング基地局2001は、CS/CBでCoMP伝送が可能であると判定する(ステップS4806)。この場合、Cs/CBでCoMP伝送が実施される。
受信時間差Tdiffが、受信時間差閾値Tcscb未満でない場合(ステップS4804:NO)、サービング基地局2001は、CoMP伝送を行わないと判定する(ステップS4808)。この場合、これまでの通信が維持される。
図48に示されるフローでは、ユーザ端末から通知されたユーザ端末における基地局2001からの受信時間と、ユーザ端末における基地局2002からの受信時間との差が算出されたが、基地局2001と、該基地局2001とは異なる基地局との間で受信時間差が算出されてもよい。
<変形例(その5)>
受信時間差閾値に従って、CoMP伝送方法を切り換えるようにしてもよい。
一例として、CoMP伝送方式として、JTとCS/CBのいずれか一方が使用される場合について説明する。
例えば、ユーザ端末から通知されたユーザ端末における基地局間の受信時間差閾値として、JTを用いた場合に伝送品質劣化のない受信時間差閾値Tjtが設定される。
サービング基地局のCoMP通信制御部214は、受信時間差閾値Tjtに基づいて、CoMP伝送方式を選択する。具体的には、CoMP通信制御部214は、受信時間差Tdiffが受信時間差閾値Tjt未満の場合はJTを選択し、受信時間差Tdiffが受信時間差閾値Tjt以上の場合はCS/CBを選択する。CoMP通信制御部214は、CoMP伝送が可能か否かを判断すると共にCoMP伝送方式を選択してもよい。また、CoMP通信制御部214は、CoMP伝送が可能か否かを判断し、可能であると判断された場合に、CoMP伝送方式を選択してもよい。また、CoMP通信制御部214は、CoMP伝送方式を選択した後に、CoMP伝送が可能か否かを判断してもよい。
また、CoMP通信制御部214は、CoMP伝送方式を選択する際に、伝送されるデータのQoSやQoSのクラスに基づいて選択してもよい。例えば、QoSやQoSのクラスの属性で規定された所要伝送速度や所要最大伝送遅延を満たすためにJTを実施しなければならない場合でも、受信時間差Tdiffが閾値Tjt以上である場合には、CoMP伝送を行わない。逆に、受信時間差Tdiffが閾値Tjt未満である場合にはCoMP伝送が可能となる。
また、JT及びDCSのいずれか一方、CS/CB及びDCSのいずれか一方をCoMP伝送方式として選択するようにしてもよい。
また、上りリンクのCoMP伝送についても、JT及びCSのいずれか一方をCoMP伝送方式として使用する場合も同様に、サービング基地局と他の基地局間における受信時間の差に対して受信時間差閾値Tjtが設定される。
<変形例(その6)>
CoMP伝送方式毎に受信時間差閾値が設定されてもよい。
一例として、JT及びCS/CBのいずれか一方をCoMP伝送方式として使用する場合について説明する。
例えば、受信時間差閾値として、JTを用いた場合に伝送品質劣化のない受信時間差閾値Tjtと、CS/CBを用いた場合に伝送品質劣化のない受信時間差閾値Tcscbが設定される。
サービング基地局のCoMP通信制御部214は、受信時間閾値に基づいて、CoMP伝送方式を選択する。具体的には、CoMP通信制御部214は、ユーザ端末における受信時間差Tdiffが受信時間閾値Tjt未満の場合はJTを選択する。CoMP通信制御部214は、受信時間差Tdiffが受信時間閾値Tjt以上受信時間閾値Tcscb未満の場合はCS/CBを選択する。CoMP通信制御部214は、受信時間差Tdiffが受信時間閾値Tcscb以上の場合、CoMP伝送を行わないと判断する。
図49は、CoMP伝送が可能か否かを判断する際の処理を示す。図49には、主に、CoMP通信制御部214による処理が示される。
サービング基地局2001は、ユーザ端末から通知されたユーザ端末における基地局2001(eNB1)からの受信時間と、同じくユーザ端末から通知されたユーザ端末における基地局2002(eNB2)からの受信時間の受信時間差Tdiffを算出する(ステップS4902)。
サービング基地局2001は、ユーザ端末における受信時間差Tdiffが、受信時間差閾値Tjt未満であるか否かを判定する(ステップS4904)。
ユーザ端末における受信時間差Tdiffが、受信時間差閾値Tjt未満である場合(ステップS4904:YES)、サービング基地局2001は、JTでCoMP伝送を実施すると判定する(ステップS4906)。
ユーザ端末における受信時間差Tdiffが、受信時間差閾値Tjt未満でない場合(ステップS4904:NO)、サービング基地局2001は、ユーザ端末における受信時間差Tdiffが、受信時間差閾値Tcscb未満であるか否かを判定する(ステップS4908)。
ユーザ端末における受信時間差Tdiffが、受信時間差閾値Tcscb未満である場合(ステップS4908:YES)、サービング基地局2001は、CS/CBでCoMP伝送を実施すると判定する(ステップS4910)。
ユーザ端末における受信時間差Tdiffが、受信時間差閾値Tcscb未満でない場合(ステップS4908:NO)、サービング基地局2001は、CoMP伝送を行わないと判定する(ステップS4912)。この場合、これまでの通信が維持される。
図49に示されるフローでは、ユーザ端末から通知されたユーザ端末における基地局2001からの受信時間と、同じくユーザ端末から通知されたユーザ端末における基地局2002からの受信時間との差が算出されたが、ユーザ端末から通知されたユーザ端末における基地局2001と、ユーザ端末から通知されたユーザ端末における該基地局2001とは異なる基地局との間で受信時間差が算出されてもよい。
また、JT及びDCSのいずれか一方を使用する場合にも、受信時間差閾値を設定するようにしてもよい。また、JT、DSC、及びCS/CBのいずれか1つでCoMP伝送方式を使用する場合にも同様に、それぞれの受信時間差閾値を設定するようにしてもよい。
さらに、上りリンクのCoMP伝送についても、JR及びCSのいずれか一方でCoMP伝送を実施する場合にもサービング基地局と他の基地局間における受信時間の差に対して受信時間差閾値Tjtを設定するようにしてもよい。このようにすることにより、下りリンクと同様に上りリンクについても、CoMP伝送方式を選択できる。
上述した実施例、変形例によれば、主たる基地局と、該主たる基地局とは異なる他の基地局とを含む複数の基地局と、移動局との間で協調通信を行う無線通信システムは示される。該無線通信システムは、協調通信において送信側となる局と受信側となる局との組を確立する際に、協調通信の受信側となる局が、他局からの要求信号応じて送信側となる局からの既知信号であるパイロットを測定した結果に関する情報を、主たる基地局に送信する。
上り方向の協調通信の場合に、主たる基地局から協調通信の開始要求が移動局に送信される。上り方向の協調通信の場合には、送信側となる局は移動局であり、受信側となる局は基地局及び他の基地局となる。つまり、この場合には、「協調通信の受信側となる局」に「他の基地局」が含まれ、「他局」に「主たる基地局」が含まれ、「送信側となる局」に「移動局」が含まれる。
本実施例によれば、基地局間協調通信が可能か否かを判断することができる。また、基地局間協調通信を実施できる。さらに、受信時間差を用いて基地局間協調通信が可能か否かを判断できる。
また、基地局間協調通信で用いるCPを選択できる。