JP5794362B2 - 蓄電装置 - Google Patents
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Description
このような蓄電装置は、いわゆるバスバーと称される金属板等により形成される配線部材を電極端子に接続して、他の蓄電装置等の装置と電気的に接続されて使用される場合が多い。
蓄電装置の電極端子にバスバーを接続する場合、例えば下記特許文献1に記載のような、バスバーを固定するためのボルト部分とリベット部材とが同一軸芯上に配置される電極端子の配置構成とすると、バスバーに外力が作用したときにリベット部材に対して回転トルクが作用する位置関係となる。
従って、例えば、下記特許文献1に記載のように電極端子が雄ねじ(ボルト)で構成されている場合では、バスバーに形成した貫通孔にその雄ねじを通してナット等によって締め込むと、それに伴ってリベット部材がねじられることになる。
このようなねじり力がリベット部材に作用すると、装置筐体の貫通部分においてシール不良が発生したり、あるいは、リベット部材のかしめ位置において発生する応力によってかしめ部分の接合界面が微妙にずれて、装置筐体内の電解液や腐食性のガスがその部分に侵入して腐食させ、電気抵抗が増大してしまう場合がある。
更には、バスバーを電極端子に固定した後においても、そのバスバーの接続先との位置関係が変動する等によって、バスバーに力がかかると、上記と同様に、リベット部材がねじられることになり、同様の不都合が発生する。
このため、リベット部材に回転トルクがかかっても、それを阻止する構成が考えられており、例えば下記引用文献1では、装置筐体の貫通部分において回り止めのリブを形成している。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、リベット部材の貫通箇所に配置されるシール部材を可及的に保護しながら、リベット部材を確実に回り止めする点にある。
更に、上記非円形状として、貫通方向視で、外方側に凸の湾曲形状となるようにしているので、リベット部材に回転トルクが作用したときに、リベット部材と貫通孔の端縁との間に存在するシール部材は、広い範囲でその回転トルクを受け止めることになる。
従って、装置筐体を貫通する箇所におけるリベット部材の外形形状が、貫通方向視で、円形状から大きくずれたものとなり、的確にリベット部材の回り止めを行える。
更には、扁平形状の装置筐体の厚さが薄い場合でも、通電経路となるリベット部材の体積を十分に確保することができ、電気抵抗の増大を抑制することができる。
すなわち、装置筐体を貫通する箇所におけるリベット部材の外形形状が、貫通方向視で、楕円形状となっているので、的確にリベットの回り止めを行えると共に、楕円形状の湾曲形状でシール部材を押圧するので、シール部材に作用する力が分散される。
すなわち、装置筐体を貫通する箇所におけるリベット部材の外形形状が、貫通方向視で、瓢箪型形状となっているので、的確にリベットの回り止めを行えると共に、瓢箪型形状における湾曲形状部分でシール部材を押圧するので、シール部材に作用する力が分散される。
すなわち、上記リベット部材としては、電極端子も一体化して、バスバーとの接続も1つの部材で行ってしまうように構成することも考えられる。
そのように構成することによって、電極端子周りの構成を簡素化できるのであるが、その反面、バスバーとの接続部分の材料についてもリベット部材の部分と同一の材料で構成しなければならないという制限が加わってしまうことになる。
リベット部材は、蓄電要素との通電経路を構成する他の部材との関係で、どのような材料を採用するかについて制限を受ける場合が多く、例えばバスバーをネジ止めしようとしたような場合、いわゆるクリープによって締結力が低下してしまう場合もある。
そこで、コの字状に屈曲形成された金属板の片側をリベット部材と接続し、もう一方の片側でバスバーと接続する構成とすることで、電極端子周りの部材の設置面積の増大を抑制することができる。
電極端子をコの字上に形成すると、電極端子にバスバーを取り付ける際に、あるいは、電極端子にバスバーを固定した後においてバスバーに外力が作用したときに、リベット部材に回転トルクが作用してしまうことになるが、リベット部材の外形形状等を上述のように設定することで、リベット部材の回り止めとシール部材の保護とを確保できる。
すなわち、電極端子にバスバーを固定する手法としては、ボルトとナットとの締結によって固定する手法をとる場合が多い。
このような構成では、ボルトとナットとの締結作業時に、その締結のために加えた力が、リベット部材に対して回転トルクとして作用してしまう。
そこで、上述のように、リベット部材等の外形形状を適切に設定することが特に有効となる。
すなわち、リベット部材の装置筐体貫通箇所を気密封止するシール部材を、装置筐体に沿う平坦部と、上記貫通孔に入り込む起立部とを有する形状に形成して、その両方の構成部分で効果的に封止している。
この形状における起立部は、上記貫通孔の形状に適合させて形成しているので、装置の組み立て作業におけるシール部材を取り付け作業では、起立部を貫通孔に嵌め込むだけで、シール部材の位置決めを行うことができる。
又、上記第2の発明によれば、リベット部材の外形形状を適切に設定することで、的確にリベット部材の回り止めを行える。
又、上記第3の発明によれば、装置筐体を貫通する箇所におけるリベット部材の外形形状を楕円形状とすることで、シール部材に作用する力の分散と的確なリベットの回り止めとを実現できる。
又、上記第4の発明によれば、装置筐体を貫通する箇所におけるリベット部材の外形形状を瓢箪型形状とすることで、シール部材に作用する力の分散と的確なリベットの回り止めとを実現できる。
又、上記第5の発明によれば、バスバーとの接続のために、コの字状に屈曲形成された金属板の片側をリベット部材固定する構成とすることで、バスバーとの接続部分での材料的な制限を受けることなく、電極端子周りの部材の設置面積の増大を抑制することができる。
又、上記第6の発明によれば、バスバーをボルトとナットとの締結によって電極端子に固定する際に、リベット部材に回転トルクが作用しても、シール部材を保護することができる。
又、上記第7の発明によれば、装置の組み立て作業におけるシール部材を取り付け作業では、起立部を貫通孔に嵌め込むだけで、シール部材の位置決めを行うことができるので、組み立て作業性を向上させることができる。
以下の第1実施形態〜第3実施形態の各実施形態では、いずれも、蓄電装置である電池として二次電池の1例である非水電解液二次電池(より具体的にはリチウムイオン電池)を例示して説明する。
本第1実施形態の非水電解液二次電池RBは、図1及び図2の斜視図並びに図3の正面図に示すように、金属製の缶体1と金属製の蓋部2とを備える装置筐体BC(以下において、単に「筐体BC」と称する)を有している。
缶体1は、扁平な有底筒状(より具体的には有底矩形筒状)に形成され、それの扁平面と直交する1側面を開放面としている。蓋部2は、略平板状で短冊状の長方形に形成されており、缶体1の開放面を覆う姿勢で配置されて、缶体1と溶接されている。
すなわち、蓋部2は、筐体BCにおいて、一対の扁平面と直角に交差する側面を構成している。
扁平な有底矩形筒状の缶体1と缶体1の開放面を覆う短冊形状の蓋部2とによって、筐体BCは全体として扁平な直方体形状を有している。尚、図2は、完成した二次電池RB(図1に示すもの)から缶体1を除いて筐体BC内部の構成を図示している。又、図3においても、缶体1及び後述の蓄電要素3を2点鎖線で示して、筐体BCの内部を透視した形態で示している。
本第1実施形態並びに後述の第2実施形態及び第3実施形態は、いずれも、蓄電装置として二次電池RBを例示しているので、蓄電要素3を、電池において一般的に使用される「発電要素3」と称する。
発電要素3は、長尺帯状の箔状正極板と長尺帯状の箔状負極板とを長尺帯状のセパレータを挟んで巻芯周りに扁平形状に巻回することで、箔状正極板と箔状負極板とを積層したもので、箔状正極板と箔状負極板とからなる一対の電極板の夫々に活物質を表裏両面に塗布して構成されている。
箔状正極板及び箔状負極板には、横幅方向の一端側に活物質を塗布しない未塗工部3a,3bを形成しており、その未塗工部3a,3bを、横幅方向で互いに逆側に突出させる配置して巻回している。
集電体4,6は、この接続部4a,6aにおいて、発電要素3の未塗工部3a,3bと接合される。集電体4,6が、正面視で筐体BCの左右両端部に分かれて配置されている関係で、箔状正極板の未塗工部3aと箔状負極板の未塗工部3bとは、幅方向で逆側に位置している。
正極側の集電体4の接続部4aが、側面視で渦巻き状に巻回されている箔状正極板の未塗工部3aの存在空間に入り込み、負極側の集電体6の接続部6aが、側面視で渦巻き状に巻回されている箔状負極板の未塗工部3bの存在空間に入り込んで、束ねられた未塗工部3a,3bが、夫々、接続部4a,6aと接合されている。
集電体4,6は、蓋部2を貫通する金属製のリベット部材REにて蓋部2に固定され、そのリベット部材REは、集電体4,6と電気的に接続されて、端子ボルト5,7と発電要素3との間の通電経路のうちの、集電体4,6と端子ボルト5,7との間の通電経路を構成している。
図5において、正極側及び負極側の部材の符号をまとめて付しているように、正極側の端子ボルト5と負極側の端子ボルト7とは同一形状であり、構成材料のみが異なる。図5(b)は、端子ボルト5,7をネジ部5b,7b側から見た斜視図で示しており、図5(c)は、端子ボルト5,7をリベット部5a,7aから見上げた斜視図で示しており、更に、図5(a)は、端子ボルト5,7を底面視で示すものである。図5に示すように、リベット部5a,7aは、底面視すなわちリベット部5a,7aが蓋部2を貫通する貫通方向視での形状が、蓋部2の長手方向に長い楕円形状であり、又、中実のリベットとして構成している。
換言すると、装置筐体BCを貫通する箇所におけるリベット部5a,7aの外形形状が、貫通方向視で、少なくとも一部の端部が、外方側に凸の湾曲形状となる非円形状に形成されている。
負極側の構成も同様であり、樹脂製の上部ガスケット11,蓋部2,樹脂製の下部ガスケット12及び集電体6に対してリベット部7aを貫通させ、そのリベット部7aの筐体BC内方側端部をかしめることで、集電体6の蓋部2への固定と、端子ボルト7に対する電気配線とを行う(図3参照)。上部ガスケット11及び下部ガスケット12は、正極側の上部ガスケット9及び下部ガスケット10と同様に、リベット部7a及び集電体6と蓋部2との間の電気的な絶縁と気密シールを確保するためのものであり、シール部材SEである上部ガスケット11は、蓋部2におけるリベット部7aの貫通孔2aの端縁とリベット部5aとの間に入り込んでいる。
端子ボルト5,7や集電体4,6を含む負極側の電極構造と正極側の電極構造とは同一構造のものが対称に配置されている関係にあり、金属部材の材料のみが異なる。
正極側の金属部材はアルミニウムにて構成し、負極側の金属部材は銅にて構成している。
正極側の上部ガスケット9によって、その形状を図7に示す。
上部ガスケット9は、蓋部2に沿う平板状の平坦部9aと、その平坦部9aから垂直に起立する筒状の起立部9bとを有している。
筒状の起立部9bの内部空間は、平坦部9aも含めて貫通しており、端子ボルト5のリベット部5aが嵌入する空間となっており、又、起立部9bの外壁側が、蓋部2に形成されている貫通孔2aに嵌入して、貫通孔2aの端縁とリベット部5aとの間に入り込む。
従って、筒状の起立部9bの高さ方向は、リベット部5aが蓋部2を貫通する貫通方向であり、その貫通方向視での起立部9bの内部空間の形状は、リベット部5aの外形形状と適合した楕円形状としている。
蓋部2に形成された貫通孔2aは、上記貫通方向視で、蓋部2を貫通する箇所におけるリベット部5aの外形形状の輪郭と略相似形状の楕円形状に形成されており、その貫通孔2aの形状に合わせて、起立部9bの外周側の形状も楕円形状に形成されている。
そのため、バスバー101を、ナット102によって端子ボルト5,7に固定する際、ナット102を締め込む力によって、リベット部5a,7aに回転トルク(上記貫通方向の軸周りに回転させようとする力)が作用するが、リベット部5a,7aを楕円形状に形成し、蓋部2の貫通孔2aをそのリベット部5a,7aの外形形状と略相似形状の楕円形状とすることで、その回転トルクを受け止めて、端子ボルト5,7の回り止めをする。
この際、リベット部5a,7aの上記貫通方向視での外形形状が楕円形状となっており、外方側に凸の湾曲形状の部分に対して接触圧が作用するので、上部ガスケット9,11の起立部は、周方向での広い範囲で、上記回転トルクを受け止めることになり、上部ガスケット9,11に作用する力を分散させることになる。
図6に示すものは、図5に示すものと比較して、端子ボルト5,7におけるリベット部5a,7aの形状のみが異なる。
図6に示す端子ボルト5,7のリベット部5a,7aは、底面視(リベット部5a,7aの貫通方向視)での形状が、2つの楕円(又は円)を連ねて蓋部2の長手方向に長い瓢箪型形状であり、又、上記と同様に中実のリベットとして構成している。この瓢箪型形状も、装置筐体BCを貫通する箇所におけるリベット部5a,7aの外形形状が、貫通方向視で、少なくとも一部の端部が、外方側に凸の湾曲形状となる非円形状となっている。
図8に示す上部ガスケット9も、蓋部2に沿う平板状の平坦部9aと、その平坦部9aから垂直に起立する筒状の起立部9bとを有している。
図7に示すものと同様に、筒状の起立部9bの内部空間は、平坦部9aも含めて貫通しており、端子ボルト5のリベット部5aが嵌入する空間となっており、又、起立部9bの外壁側が、蓋部2に形成されている貫通孔2aに嵌入して、貫通孔2aの端縁とリベット部5aとの間に入り込む。
図8に示す上部ガスケット9は、リベット部5aの貫通方向視での起立部9bの内部空間の形状は、リベット部5aの外形形状と適合した瓢箪型形状としており、又、蓋部2に形成された貫通孔2aは、上記貫通方向視で、リベット部5aの外形形状と略相似形状の瓢箪型形状に形成されており、その貫通孔2aの形状に合わせて、起立部9bの外周側の形状も瓢箪型形状に形成されている。
この際、リベット部5a,7aの上記貫通方向視での外形形状が瓢箪型形状となっており、外方側に凸の湾曲形状の部分に対して接触圧が作用するので、上部ガスケット9,11の起立部は、周方向での広い範囲で、上記回転トルクを受け止めることになり、上部ガスケット9,11に作用する力を分散させることになる。
更には、ナット102を締結してバスバー101を固定した後においても、バスバー101を他の装置に接続した際に、他の装置との相対変位等によって端子ボルト5,7の軸芯周りに回転トルクがかかる場合があり、そのような場合にも、上部ガスケット9,11に作用する力を分散させることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本第2実施形態は、上記第1実施形態と、電極端子TM付近の構成が異なるもので、筐体BC,筐体BC内に配置される集電体4,6及び発電要素3の構成は、上記第1実施形態の構成と共通である。
本第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、集電体4,6は、蓋部2を貫通する金属製のリベット部材REにて蓋部2に固定される構成であり、そのリベット部材REが、集電体4,6と電気的に接続されて、電極端子TMと発電要素3との間の通電経路のうちの一部を構成しているが、その具体構成が異なる。
上記第1実施形態では、リベット部材REがリベット部5a,7aとして端子ボルト5,7と一体化している構成であるのに対して、本第2実施形態では、リベット部材REは、図12(b)等に示すように、リベット部材REが単独のリベット26,27として形成されている。
正極側のボルト保持台21と負極側のボルト保持台22とは同一形状であり、図12(a)に示すように、金属板を正面視でコの字状に形成している。
正極側のボルト保持台21の設置箇所付近の拡大断面図である図11に示すように、ボルト保持台21は、上方側に位置するコの字の片側がバスバー101と接続するための接続部21aで、下方側に位置するコの字の片側がリベット26の頭部と接続するための接続部21bとなっており、それら接続部21a,21bを基端側の連結部21cで連結した構成となっている。
本第2実施形態も、電極端子TMとバスバー101とが、ボルトとナットとの締結によって固定される構成としており、上方側の接続部21aには、バスバー101を固定するための固定用ボルト23のネジ部を挿通させる孔21eが形成され、コの字で囲む空間に、固定用ボルト23の頭部を保持している。又、下方側の接続部21bには、リベット26を貫通させる孔が形成されている。
ボルト保持台21における下方側の接続部21bには、固定用ボルト23及びリベット26の矩形板状の頭部が入り込む平面視で矩形の段差21dが形成されており、この段差21dの縦壁が固定用ボルト23の頭部と係合して固定用ボルト23の回り止めをしている。リベット26の頭部は、段差21dの底面に溶接等によって固定されている。
図9に示すように、上方側の接続部21aから突出している固定用ボルト23のネジ部にバスバー101を通してナット102によって固定する際は、ナット102のネジ込みに応じて、固定用ボルト23の頭部位置が上昇するが、上昇端まで移動しても、固定用ボルト23の頭部が段差21dの縦壁との係合を維持するように各部の寸法が設定されている。
又、上部ガスケット9及び下部ガスケット10の形状や、蓋部2に形成する貫通孔2aの形状は、上記第1実施家形態におけるものと同一形状である。
本第2実施形態においても、樹脂製の上部ガスケット9,蓋部2,樹脂製の下部ガスケット10及び集電体4に対してリベット26を貫通させ、そのリベット26の筐体BC内方側端部をかしめることで、集電体4の蓋部2への固定と、ボルト保持台21に対する電気配線とを行う。
負極側においても、樹脂製の上部ガスケット11,蓋部2,樹脂製の下部ガスケット12及び集電体6に対してリベット27を貫通させ、そのリベット27の筐体BC内方側端部をかしめることで、集電体6の蓋部2への固定と、ボルト保持台22に対する電気配線とを行う。
このため、バスバー101を、ナット102によってボルト保持台21,22に固定する際、ナット102を締め込む力によって、ボルト保持台21,22を経て、リベット26,27に回転トルク(上記貫通方向の軸周りに回転させようとする力)が作用する点は、上記第1実施形態と同様であり、リベット26,27を楕円形状又は瓢箪型形状に形成し、蓋部2の貫通孔2aをそのリベット26,27の外形形状と略相似形状の楕円形状又は瓢箪型形状とすることで、その回転トルクを受け止めて、固定用ボルト23,24の回り止めをする。
この際、リベット26,27の上記貫通方向視での外形形状が楕円形状又は瓢箪型形状となっており、外方側に凸の湾曲形状の部分に対して接触圧が作用するので、上部ガスケット9,11の起立部は、周方向での広い範囲で、上記回転トルクを受け止めることになり、上部ガスケット9,11に作用する力を分散させることになる。
ナット102を締結してバスバー101を固定した後においても、バスバー101を他の装置に接続した際に、他の装置との相対変位等によって固定用ボルト23,24の軸芯周りに回転トルクがかかる場合があり、そのような場合にも、上部ガスケット9,11に作用する力を分散させることができる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本第3実施形態は、上記第2実施形態に近い構成を有するもので、上記第2実施形態では、固定用ボルト23,24をボルト保持台21,22に保持させて、ナット102でバスバー101を固定する構成であるのに対して、本第3実施形態では、後述の固定用ナット31,32を、電極端子TMであるナット保持台33,34に保持させて、図14に示すように、ボルト103にてバスバー101を挟み込んで固定する構成としている。
上記第2実施形態とは、筐体BC内に配置される集電体4,6及び発電要素3の構成は共通であり、電極端子TM付近の構成も多くの部分で共通する。
本第3実施形態においても、上記第1実施形態及び上記第2実施形態と同様に、集電体4,6は、蓋部2を貫通する金属製のリベット部材REにて蓋部2に固定される構成であり、そのリベット部材REが、集電体4,6と電気的に接続されて、電極端子TMと発電要素3との間の通電経路のうちの一部を構成しているが、上記第2実施形態では、ボルト保持台21,22が固定用ボルト23,24を保持しているのに対して、本第3実施形態では、ナット保持台33,34が固定用ナット31,32を保持する関係で、ナット保持台33,34の形状が、細部において、ボルト保持台21,22の形状と異なるものとなっている。
ナット保持台33,34の配置位置は、上記第2実施形態におけるボルト保持台21,22の配置位置と同一であり、蓋部2における筐体BC外方側の面に、正極側の電極端子TMであるナット保持台33と、負極側の電極端子TMであるナット保持台34とが配置されている。
正極側のナット保持台33の設置箇所付近の拡大断面図である図16に示すように、ナット保持台33は、上方側に位置するコの字の片側がバスバー101と接続するための接続部33aで、下方側に位置するコの字の片側がリベット35の頭部と接続するための接続部33bとなっており、それら接続部33a,33bを基端側の連結部33cで連結した構成となっている。
上方側の接続部33aには、バスバー101を固定するためのボルト103のネジ部を挿通させる孔33eが形成され、コの字で囲む空間に、固定用ナット31を保持している。又、下方側の接続部33bには、リベット35を貫通させる孔が形成されている。
ナット保持台33における下方側の接続部33aには、固定用ナット31及びリベット35の頭部が入り込む平面視で6角形の段差33dが形成されており、この段差33dの縦壁が固定用ナット31と係合して固定用ナット31の回り止めをしている。リベット35の頭部は、段差33dの底面に溶接等によって固定されている。
図14に示すように、上方側の接続部33aにバスバー101を固定する際は、バスバー101の孔及びナット保持台33の孔33eにボルト103のネジ部を通して、ナット保持台33に保持されている固定用ナット31にねじ込む。ボルト103のネジ込みに応じて、固定用ナット31が上昇するが、上昇端まで移動しても、固定用ナット31の下端側が段差33dの縦壁との係合を維持するように各部の寸法が設定されている。
又、上部ガスケット9及び下部ガスケット10の形状や、蓋部2に形成する貫通孔2aの形状は、上記第1実施家形態及び上記第2実施形態におけるものと同一形状である。
本第3実施形態においても、樹脂製の上部ガスケット9,蓋部2,樹脂製の下部ガスケット10及び集電体4に対してリベット35を貫通させ、そのリベット35の筐体BC内方側端部をかしめることで、集電体4の蓋部2への固定と、ナット保持台33に対する電気配線とを行う。
負極側においても、樹脂製の上部ガスケット11,蓋部2,樹脂製の下部ガスケット12及び集電体6に対してリベット36を貫通させ、そのリベット36の筐体BC内方側端部をかしめることで、集電体6の蓋部2への固定と、ナット保持台34に対する電気配線とを行う。
この際、リベット35,36の上記貫通方向視での外形形状が楕円形状又は瓢箪型形状となっていることによって、上部ガスケット9,11の起立部は、周方向での広い範囲で、上記回転トルクを受け止めることになり、上部ガスケット9,11に作用する力を分散させることになる。
ボルト103を締結してバスバー101を固定した後においても、バスバー101を他の装置に接続した際に、他の装置との相対変位等によってボルト103の軸芯周りに回転トルクがかかる場合があり、そのような場合にも、上部ガスケット9,11に作用する力を分散させることができる。
以下、本発明のその他の実施形態を列記する。
(1)上記第1実施形態〜上記第3実施形態では、いずれも、電極端子TMとバスバー101とをボルトとナットとの締結によって固定しているが、バスバー101を電極端子TMに溶接にて固定する構成としても良い。
この場合でも、バスバー101の接続先との相対変位等によって、リベット部材REに回転トルクが作用する場合があり、そのような場合にも有効にシール部材SEを保護できる。
(2)上記第1実施形態〜上記第2実施形態では、いずれも、電極端子TMとリベット部材REとが直接的に連結されている場合を例示しているが、適宜の部材を介して両者を間接的に連結する構成としても良い。
(3)上記第1実施形態〜上記第3実施形態では、リベット部材REの軸の中心軸芯と、バスバー101をボルトとナットとによって締結する際の回転軸芯とが同一軸芯として重なるように配置する場合を例示しているが、必ずしも同一軸芯の配置となる必要はなく、筐体BCに対するリベット部材REの貫通方向視において、中心軸同士が多少ずれても良い。このような配置であっても、バスバー101からリベット部材REへの力の伝達効率が変わるだけであり、バスバー101に作用する外力が、リベット部材REに作用する回転トルクの起源となり得る。
(4)上記第1実施形態〜上記第3実施形態では、シール部材SEとして、上部ガスケット9,11に起立部を設ける構成を示したが、下部ガスケット10,12に起立部を設ける構成としても良い。又、より気密性を高めるために、貫通孔2aとシール部材SEの間やシール部材SEとリベット部材REとの間のわずかな隙間を埋めるように、耐電解液性を有して適度な弾性を有する公知のシール材、例えば炭化水素系のゴムを、第2のシール部材SEとして配置しても良い。
(5)上記第1実施形態〜上記第3実施形態では、蓄電装置として、電池、特に非水電解液二次電池RBを例示して説明しているが、非水電解液二次電池以外の二次電池や、一次電池、更には、いわゆるキャパシタ等にも本発明を適用できる。
RE リベット部材
SE シール部材
TM 電極端子
3 蓄電要素
4,6 集電体
9a 平坦部
9b 起立部
101 バスバー
Claims (1)
- 装置筐体の外方側に電極端子が配置され、前記装置筐体の内方側に、蓄電要素と、その蓄電要素と前記電極端子との間の通電経路の一部を構成する集電体とが配置され、
前記装置筐体に設けられた貫通孔を貫通する状態で、前記集電体を前記装置筐体に固定すると共に、前記集電体と電気的に接続されて前記通電経路の一部を構成するリベット部材が配置されている蓄電装置であって、
前記電極端子は、前記リベット部材の頭部と接続するための接続部と、他の装置と電気的に接続するための接続部とが、連結部で連結されてコの字状に形成され、
前記電極端子と、他の装置と電気的に接続するためのバスバーとが、ボルトとナットとの締結によって固定されるように構成され、
前記電極端子に、前記ボルトの頭部又は前記ナットが入り込む段差が形成されている蓄電装置。
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