JP5792435B2 - 火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置及び制御装置 - Google Patents

火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置及び制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、光センサによって筒内の火炎自発光を取り込むことにより内燃機関、特に、火花点火式内燃機関の筒内状態をモニタリングする装置に関する。また、そのモニタリングで得られた情報に基づいて火花点火式内燃機関を制御する装置に関する。
今日、自動車用の内燃機関には、燃料消費を低減するとともに二酸化炭素の排出を抑えるべく高い効率が求められている。熱効率の向上のためには燃焼の最適化が必要である。このため、内燃機関、特に、火花点火式内燃機関の試験或いは開発では、点火の直前或いは直後における筒内状態を把握することが非常に重要となっている。点火の直前或いは直後における筒内状態(例えば、空燃比分布)は燃焼に大きな影響を与える要素だからである。
筒内状態を把握するために従来用いられている方法には大別して2つの方法がある。1つの方法はレーザ誘起蛍光法(LIF法)に代表される可視化手法である。この方法は可視化エンジンを用いる方法であって、2次元の混合気分布を高精度に計測することが可能である。しかし、可視化エンジンは専用設計となるために、開発中の実機状態の再現には制約があることや開発へのフィードバックが遅いなどの課題がある。
従来用いられているもう1つの方法は、実機を用いて計測する方法である。例えば、赤外吸収法、ガスサンプル法、火炎のラジカル発光を用いる方法がそれに該当する。このうち、特に注目されるのが火炎のラジカル発光を用いる方法である。火炎のラジカルの発光強度と空燃比との間には一定の関係があるので、光センサによってラジカルの発光を捉えることによって、燃焼時の空燃比の計測が可能となる。
火炎のラジカル発光を用いた計測技術としては、特開2005−226893号公報に記載の技術や特開2000−111398号公報に記載の技術が知られている。特開2005−226893号公報に記載の技術では、火炎自発光に含まれるOHラジカル、CHラジカル、Cラジカルの発光がそれぞれの発光波長に対応して設けられた光センサによって検出され、それぞれの発光強度の比が算出される。そして、発光強度比と空燃比との間にある一定の関係に基づいて、算出した発光強度比から燃焼器の空燃比が特定される。
特開2000−111398号公報に記載の技術では、火炎の複数の測定点からの自発光がポイント・カセグレン光学系などの局所計測が可能な集光光学系によって集光される。そして、高速での時系列計測が可能な光計測装置により、OHラジカル、CHラジカル、Cラジカルに対応する各自発光成分が分光・測定される。そして、同時に計測された複数の測定点からのラジカル発光から、火炎状態やその構造及びその時間変化についての情報が取得され、さらに、空燃比についての情報も取得される。
上記の各公報に記載の技術は、内燃機関の実機を用いた計測にも適用可能と考えられる。しかし、上記各公報に記載の技術は何れも局所計測のための技術であるので、筒内のような比較的広い範囲の空間的な空燃比分布の計測には適していない。仮に、上記各公報に記載の技術を用いて空間的な空燃比分布を計測しようとすると、多数のセンサユニットを実機に取り付けねばならず、手間がかかりコスト面においても不利になる。
さらには、筒内の空燃比分布の計測は、試験・開発段階のみならず、市販車両の診断においても行いたいという要望がある。また、筒内の空燃比分布を車載の装置で計測することができれば、それを内燃機関の制御のための情報として用いることも可能である。しかし、上記各公報に記載の技術は、あくまでも試験・開発段階で用いられる技術であってハード構成が複雑なため、外付けの診断装置や車載の制御装置に適用することは困難である。
ところで、火花点火式内燃機関の実機への取り付けが容易なセンサとして、点火プラグ一体型の光センサが知られている。この光センサは光ファイバの束を備えていて、点火プラグを中心として各光ファイバの検出方向が放射状に配されている。このような点火プラグ一体型の光センサを実機に取り付け、各光ファイバによって燃焼の際のラジカル発光を取り込むことで、点火プラグを中心とした周方向の空燃比分布を計測することができる。
しかし、筒内は点火プラグを中心とした周方向だけでなく、径方向にも広がりを有している。筒内状態を正しく把握して効率的にエンジン開発を進めるためには、径方向における空燃比分布についても知る必要がある。なお、点火プラグ一体型の光センサの具体的な構成と、それを用いた計測方法については特開2001−147157号公報に詳しく記載されている。しかし、点火プラグ一体型の光センサを用いて筒内の空燃比分布を計測する方法、特に、径方向における空燃比分布を計測する方法については、上記公報を含めて何れの公知文献にも記載されていない。
特開2005−226893号公報 特開2001−147157号公報 特開2000−111398号公報
本発明は、火花点火式の内燃機関に関し、筒内状態の空間的なモニタリングを簡易なハード構成で実現することを課題とする。
上記の課題を達成するために、本発明は、次のような火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置を提供する。
本発明が提供する筒内状態モニタリング装置の第1の態様によれば、モニタリング装置は、点火位置の近傍に配置された光センサを備え、光センサによって筒内の予め定義されている検出領域の火炎自発光を取り込む。そして、光センサにより取り込まれる火炎自発光から特定の化学発光を分離し、特定化学発光の発光強度を時系列に算出する。モニタリング装置は、特定化学発光の発光強度の時系列変化から検出領域を火炎が伝播した期間を特定し、さらに、特定化学発光の発光強度の時系列データと火炎の伝播期間とから検出領域の各位置における特定化学発光の発光強度を特定する。
このような態様によれば、内燃機関に直接取り付けるセンサは、点火位置の近傍に配置される光センサのみで良い。このため、コスト的に有利だけでなく、実車に搭載することも容易である。本態様においてモニタリング装置が備える光センサは、筒内の火炎自発光を取り込む手段として光ファイバを用いることができる。光センサが光ファイバを束で備える場合には、光ファイバ毎に検出領域を割り当てることで筒内の広い領域をカバーすることができる。特に、各検出領域が点火位置を中心にして周方向に放射状に定義されている場合には、筒内のほぼ全域を均等にカバーすることが可能となる。光センサは点火プラグと一体化することもできる。点火プラグ一体型の光センサによれば、モニタリング装置の実車への搭載性はさらに向上する。また、光センサを点火プラグ一体型とすることで、既存の内燃機関にモニタリング装置を取り付け、外付けの診断装置としてモニタリング装置を用いることも可能となる。
また、本態様によれば、火花点火式内燃機関の筒内状態として筒内の燃焼時の空燃比分布を把握することができる。モニタリング装置によって特定される検出領域の各位置における特定化学発光の発光強度は、燃焼時の空燃比との間で相関を有しているからである。火炎自発光から分離する特定化学発光として好ましいのは、火炎面である反応帯における化学発光である。反応帯における化学発光には、CHラジカルの発光やCラジカルの発光が含まれる。CHラジカルやCラジカルの発光を検出することで、その時刻における反応帯、すなわち、火炎面の場所を特定することができる。また、反応帯と隣り合う予熱帯における化学発光も特定化学発光として用いることができる。予熱帯における化学発光には、HCHOラジカルの発光が含まれる。HCHOラジカルの発光を検出することで、その時刻における予熱帯の場所を特定することができる。
本態様においては、特定化学発光の発光強度を燃焼時の空燃比に関連付けるデータベースをモニタリング装置に記憶させておくこともできる。そのようなデータベースを有することにより、特定化学発光の発光強度の時系列データを空燃比の時系列データに変換することが可能となる。空燃比の時系列データが得られれば、それと火炎の伝播期間とから検出領域内の空燃比分布を特定することが可能となる。好ましくは、モニタリング装置に画像表示装置を備え、検出領域内の空燃比分布を2次元のイメージで表示する。このようなイメージ表示機能をモニタリング装置に持たせることで、内燃機関の試験・開発或いは診断におけるモニタリング装置の実用性がさらに向上する。
本発明が提供する筒内状態モニタリング装置の第2の態様によれば、モニタリング装置は、点火位置の近傍に配置された光センサを備え、光センサによって筒内の予め定義されている検出領域の火炎自発光を取り込む。そして、光センサにより取り込まれる火炎自発光から第1及び第2の特定の化学発光を分離し、各特定化学発光の発光強度を時系列に算出する。そして、第1或いは第2の特定化学発光の発光強度の時系列変化から検出領域を火炎が伝播した期間を特定する。さらに、モニタリング装置は、第1の特定化学発光と第2の特定化学発光の発光強度比を時系列に算出し、発光強度比の時系列データと火炎の伝播期間とから検出領域の各位置における発光強度比を特定する。
本態様によれば、先の態様と同じく、内燃機関に直接取り付けるセンサは、点火位置の近傍に配置される光センサのみで良い。このため、コスト的に有利だけでなく、実車に搭載することも容易である。本態様においても光センサは光ファイバを束で備えることができる。その場合、複数の検出領域が点火位置を中心にして周方向に放射状に定義され、各検出領域に1又は複数の光ファイバが割り当てられていることが好ましい。光センサは点火プラグと一体化することもできる。点火プラグ一体型の光センサによれば、モニタリング装置の実車への搭載性はさらに向上する。また、光センサを点火プラグ一体型とすることで、既存の内燃機関にモニタリング装置を取り付け、外付けの診断装置としてモニタリング装置を用いることも可能となる。
また、本態様によれば、火花点火式内燃機関の筒内状態として筒内の燃焼時の空燃比分布を把握することができる。モニタリング装置によって算出される検出領域の各位置における発光強度比は、燃焼時の空燃比との間で相関を有しているからである。また、本態様によれば、2種類の特定化学発光の発光強度の比をとることで、各特定化学発光の発光強度の時系列データに含まれるノイズの影響を低減することができる。したがって、本態様によれば、筒内の燃焼時の空燃比分布をより正確に把握することができる。なお、本態様においては、火炎面である反応帯における2種類の化学発光を第1及び第2の特定化学発光として分離することが好ましい。具体的には、CHラジカルの発光とCラジカルの発光である。算出する発光強度比は、CHラジカルの発光強度に対するCラジカルの発光強度の比でもよく、また、Cラジカルの発光強度に対するCHラジカルの発光強度の比でもよい。
本態様においては、上記の発光強度比を燃焼時の空燃比に関連付けるデータベースをモニタリング装置に記憶させておくこともできる。そのようなデータベースを有することにより、発光強度比の時系列データを空燃比の時系列データに変換することが可能となる。空燃比の時系列データが得られれば、それと火炎の伝播期間とから検出領域内の空燃比分布を特定することが可能となる。好ましくは、モニタリング装置に画像表示装置を備え、検出領域内の空燃比分布を2次元のイメージで表示する。このようなイメージ表示機能をモニタリング装置に持たせることで、内燃機関の試験・開発或いは診断におけるモニタリング装置の実用性がさらに向上する。
本発明が提供する筒内状態モニタリング装置の第3の態様によれば、モニタリング装置は、点火プラグと一体化された光ファイバの束を備える光センサを有する。点火プラグを中心にして複数の検出領域が周方向に放射状に定義され、そのそれぞれに1又は複数の光ファイバが割り当てられている。モニタリング装置は、各光ファイバにより取り込まれる火炎自発光から特定の化学発光を分離し、検出領域毎に特定化学発光の発光強度を時系列に算出する。そして、各検出領域における特定化学発光の発光強度の時系列変化から各検出領域を火炎が伝播した期間を特定し、各検出領域における火炎の伝播期間から各検出領域における火炎の伝播速度を算出する。
本態様によれば、火花点火式内燃機関の筒内状態として、点火プラグを中心にして周方向に放射状に定義された複数の検出領域における火炎の伝播速度をモニタリングすることができる。すなわち、筒内の火炎の伝播状態をモニタリングすることができる。また、光センサは点火プラグと一体化されているので、モニタリング装置の実車への搭載性は高く、さらには、既存の内燃機関にモニタリング装置を取り付けて外付けの診断装置として用いることもできる。
本態様において火炎自発光から分離する特定化学発光として好ましいのは、火炎面を形成する反応帯における化学発光、例えば、CHラジカルの発光やCラジカルの発光である。また、反応帯と隣り合う予熱帯における化学発光、例えば、HCHOラジカルの発光も特定化学発光として用いることができる。
火炎の伝播速度の算出にあたっては、簡易的には、火炎の伝播速度を一定と仮定し、その一定の値を火炎の伝播期間から算出することができる。また、火炎の伝播速度を所定の近似式で定義し、その近似式に含まれる係数の値を火炎の伝播期間から算出するようにしてもよい。近似式は、燃焼の物理モデルから得られる式でも良く、また、統計的に得られた式でもよい。
本態様においては、径方向に定義された点火位置からの検出距離が異なる複数のサブ検出領域から各検出領域を構成し、サブ検出領域毎に光ファイバを割り当てることもできる。この場合、モニタリング装置は、光ファイバにより取り込まれる火炎自発光から特定の化学発光の発光を分離し、サブ検出領域毎に特定化学発光の発光強度を時系列に算出する。そして、各サブ検出領域における特定化学発光の発光強度の時系列変化から各サブ検出領域を火炎が伝播した期間を特定し、各サブ検出領域における火炎の伝播期間からサブ検出領域毎に火炎の伝播速度を算出する。これによれば、点火後の火炎の伝播速度の時系列変化を把握することができる。
さらに、本態様においては、各検出領域における火炎の伝播速度から各検出領域の点火後の火炎面の位置を時系列に算出することも好ましい。より好ましくは、モニタリング装置に画像表示装置を備え、各検出領域の火炎面位置の時系列変化に基づいて筒内の火炎面の動きを2次元のイメージで表示する。このようなイメージ表示機能をモニタリング装置に持たせることで、内燃機関の試験・開発或いは診断におけるモニタリング装置の実用性がさらに向上する。
以上説明した各態様の筒内状態モニタリング装置は、火花点火式内燃機関の制御装置の1つの機能として実現することも可能である。特に、光センサが点火プラグと一体化されている場合には、簡易なハード構成で実現することできる。本発明は、次のような火花点火式内燃機関の制御装置を提供する。
本発明が提供する火花点火式内燃機関の制御装置の1つの態様によれば、制御装置は、点火プラグと一体化された光ファイバの束を備える光センサを有する。点火プラグを中心にして複数の検出領域が周方向に放射状に定義され、そのそれぞれに1又は複数の光ファイバが割り当てられている。制御装置は、各光ファイバにより取り込まれる火炎自発光から特定の化学発光を分離し、検出領域毎に特定化学発光の発光強度を時系列に算出する。そして、各検出領域における特定化学発光の発光強度の時系列変化から各検出領域を火炎が伝播した期間を特定する。制御装置には、特定化学発光の発光強度を燃焼時の空燃比に関連付けるデータベースが記憶されている。制御装置は、そのデータベースに基づいて各検出領域における特定化学発光の発光強度の時系列データを空燃比の時系列データに変換する。そして、各検出領域における空燃比の時系列データと火炎の伝播期間とから各検出領域の各位置における空燃比を特定し、さらには筒内の空燃比分布を特定する。制御装置は、筒内の空燃比分布を内燃機関の状態に関する情報として取得し、その情報に基づいて内燃機関の運転を制御する。
本発明が提供する火花点火式内燃機関の制御装置の第2の態様によれば、制御装置は、点火プラグと一体化された光ファイバの束を備える光センサを有する。点火プラグを中心にして複数の検出領域が周方向に放射状に定義され、そのそれぞれに1又は複数の光ファイバが割り当てられている。制御装置は、各光ファイバにより取り込まれる火炎自発光から第1及び第2の特定の化学発光を分離し、検出領域毎に各特定化学発光の発光強度を時系列に算出する。そして、各検出領域における第1或いは第2の特定化学発光の発光強度の時系列変化から各検出領域を火炎が伝播した期間を特定するとともに、各検出領域における第1の特定化学発光と第2の特定化学発光の発光強度比を時系列に算出する。制御装置には、第1の特定化学発光と第2の特定化学発光の発光強度比を燃焼時の空燃比に関連付けるデータベースが記憶されている。制御装置は、そのデータベースに基づいて各検出領域における発光強度比の時系列データを空燃比の時系列データに変換する。そして、各検出領域における空燃比の時系列データと火炎の伝播期間とから各検出領域の各位置における空燃比を特定し、さらには筒内の空燃比分布を特定する。制御装置は、筒内の空燃比分布を内燃機関の状態に関する情報として取得し、その情報に基づいて内燃機関の運転を制御する。
本発明が提供する火花点火式内燃機関の制御装置の第3の態様によれば、制御装置は、点火プラグと一体化された光ファイバの束を備える光センサを有する。点火プラグを中心にして複数の検出領域が周方向に放射状に定義され、そのそれぞれに1又は複数の光ファイバが割り当てられている。制御装置は、各光ファイバにより取り込まれる火炎自発光から特定の化学発光を分離し、検出領域毎に特定化学発光の発光強度を時系列に算出する。そして、各検出領域における特定化学発光の発光強度の時系列変化から各検出領域を火炎が伝播した期間を特定し、さらに、各検出領域における火炎の伝播期間から各検出領域における火炎の伝播速度を算出する。そして、各検出領域における火炎の伝播速度を内燃機関の状態に関する情報として取得し、その情報に基づいて内燃機関の運転を制御する。
以上述べたように、本発明によれば、火花点火式内燃機関の筒内状態の空間的なモニタリングを簡易なハード構成で実現することができる。
本発明の実施の形態1の筒内状態モニタリング装置のハード構成を示す図である。 本発明の実施の形態1の筒内状態モニタリング装置が備える点火プラグ一体型光センサの外観図である。 筒内における点火プラグ一体型光センサの検出領域を示す断面図である。 筒内における点火プラグ一体型光センサの検出領域を示す平面図である。 本発明の実施の形態1の筒内状態モニタリング装置の構成を機能別にブロックで示した機能ブロック図である。 スペクトル検出器から解析装置に入力される検出データの構造を模式的に示す図である。 火炎自発光スペクトルの一例を示す図である。 火炎自発光スペクトルから線スペクトルの分離手法について説明するための図である。 火炎の構造を示す図である。 検出領域における火炎の伝播期間の特定方法について説明するための図である。 検出領域における火炎の伝播速度の算出方法について説明するための図である。 検出領域における点火後の火炎面の位置の算出方法について説明するための図である。 CHラジカルとCラジカルの発光強度の比を空燃比に関連付けるデータベースのイメージを示す図である。 筒内の空燃比分布をイメージ表示するためのセルの設定を示す平面図である。 本発明の実施の形態1の筒内状態モニタリング装置による空燃比分布のイメージとLIF法により取得した空燃比分布とを並べて示す図である。 本発明の実施の形態2の筒内状態モニタリング装置の構成を機能別にブロックで示した機能ブロック図である。 本発明の実施の形態3の筒内状態モニタリング装置の構成を機能別にブロックで示した機能ブロック図である。 本発明の実施の形態4の筒内状態モニタリング装置の構成を機能別にブロックで示した機能ブロック図である。 可視化エンジンを用いて直接撮影した火炎と本発明の実施の形態4の筒内状態モニタリング装置により算出した火炎面位置との比較結果を示す図である。 本発明の実施の形態5の筒内状態モニタリング装置における点火プラグ一体型光センサの検出領域を示す断面図である。 本発明の実施の形態6の火花点火式内燃機関の制御装置の構成を機能別にブロックで示した機能ブロック図である。 分光器の他の構成例を示す図である。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1について図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態1の筒内状態モニタリング装置(以下、単にモニタリング装置という)のハード構成を示す図である。本モニタリング装置は、火花点火式内燃機関(以下、単にエンジンという)2の筒内状態を検出するためのセンサとして、エンジン2の点火プラグとして取り付け可能な点火プラグ一体型光センサ4を使用する。
図2は、点火プラグ一体型センサ4の外観図である。点火プラグ一体型センサ4は、複数の光ファイバの束を備えていて、各光ファイバにより火炎自発光を取り込むことができる。各光ファイバによる火炎自発光の検出領域40は、点火プラグの点火位置を中心にして円周方向に放射状に配されている。図3及び図4は、筒内における点火プラグ一体型光センサ4の検出領域40を示す断面図及び平面図である。これらの図では、検出領域40の筒内42における位置と、ピストン44、ボア壁46、吸気弁48及び排気弁49との位置関係が示されている。これらの図に示すように、点火プラグ一体型光センサ4の検出領域40は、筒内42のほとんどの領域、具体的には、ピストン44が上死点にあるときにボア径の約70%をカバーするように設定されている。
再び図1に戻ると、点火プラグ一体型センサ4が備える光ファイバ6の出射側は、分光器8の入口スリット8aに垂直方向に整列して接続されている。入口スリット8aはその長手方向を垂直方向に向けて配されている。分光器8は回折格子やプリズムなどを有したもので、詳細な火炎自発光のスペクトルを得ることができる。詳しくは、垂直方向に火炎自発光の位置情報、水平方向に分解した波長情報を持つ画像を出力として得ることができる。分光器8の出力は、スペクトル検出器10としての光増幅器付き高速度カメラによって連続撮影される。これにより、各検出領域の火炎自発光スペクトルが各サイクルの燃焼期間中において時系列に検出されることになる。なお、カメラの時間分解能によっては各サイクルに1〜2枚しか撮影できない場合もあるが、この場合はある撮影時期において火炎自発光スペクトルを撮影してサイクル平均し、撮影時期をずらして取得を行えば、サイクル平均の火炎自発光スペクトルを時系列に検出することができる。スペクトル検出器10で得られた検出データは、解析装置12に送られる。解析装置12は、検出データを解析して、その解析結果をディスプレイ14に表示する。
図5は、本モニタリング装置の構成を機能別にブロックで示した機能ブロック図である。図5に示すように、本モニタリング装置は解析装置12に様々な機能を備えている。解析装置12は、その機能別にスペクトル分離部20、火炎面位置算出部22、空燃比算出部24、データベース26及び空燃比分布出力部28から構成されている。以下、解析装置12が有する各機能について説明する。
スペクトル分離部20には、スペクトル検出器10から検出データが入力される。図6は、スペクトル検出器10からスペクトル分離部20に入力される検出データの構造を模式的に示す図である。検出データは、縦軸方向に火炎自発光の位置情報、横軸に分解した波長情報を持つデータであり、スペクトル検出器10からスペクトル分離部20には、この検出データが各サイクルの燃焼期間中において時系列に入力される。
図7は、検出データに含まれる火炎自発光スペクトルの一例を示す図である。検出される火炎自発光スペクトルは、OHラジカル、CHラジカル及びCラジカル等の線スペクトルと、CO−O結合時の連続スペクトルと、黒体輻射による連続スペクトルとが混ざった状態にある。スペクトル分離部20は、この状態の火炎自発光スペクトルから特定の化学発光(線スペクトル)のみを分離する。なお、火炎自発光スペクトルから線スペクトルを分離する具体的手法は、図8によって説明することができる。裾野の背景光(連続スペクトル)を多項式などの曲線で近似し、その近似曲線を基準にして線スペクトルを分離する。近似曲線を基準にしたときの発光強度の高さが、線スペクトルの発光強度となる。
本実施の形態では、スペクトル分離部20は、CHラジカルの線スペクトルとCラジカルの線スペクトルとを火炎自発光スペクトルから分離する。ここで、図9は火炎の構造を模式的に示した図である。火炎には反応帯と予熱帯とが存在し、反応帯が火炎面となる。図9では厚みを持たせて反応帯及び予熱帯を描いているが、これらの実際の厚みは極めて小さい。そして、火炎の伝播方向において、反応帯の後ろ側の領域は既燃ガス領域となる。このような火炎の構造において、CHラジカルとCラジカルは共に反応帯で検出されるラジカルである。なお、図7の火炎自発光スペクトルには示していないが、予熱帯からはHCHOラジカルの発光を検出することができる。また、既燃ガス領域では、OHラジカルの発光とCO−O結合時の発光を検出することができる。
スペクトル分離部20は、各検出領域40における火炎自発光スペクトルからCHラジカル及びCラジカルの各線スペクトルを分離し、各検出領域40における各線スペクトルの発光強度を時系列に算出する。スペクトル分離部20で得られた各検出領域40におけるCラジカルの発光強度の時系列データは空燃比算出部24に送られる。一方、各検出領域40におけるCHラジカルの発光強度の時系列データは、火炎面位置算出部22と空燃比算出部24とに並行して送られる。
火炎面位置算出部22は、スペクトル分離部20から送られた各検出領域40におけるCHラジカルの発光強度の時系列データに基づいて、各検出領域40における点火後の火炎面の位置を時系列に算出する。この計算は3段階に行われる。まず、最初の段階では、各検出領域40におけるCHラジカルの発光強度の時系列変化から、各検出領域40を火炎が伝播した期間が特定される。そして、次の段階として、各検出領域40における火炎の伝播期間から各検出領域40における火炎の伝播速度が算出される。そして、最後の段階として、各検出領域40における火炎の伝播速度から各検出領域40の点火後の火炎面の位置が時系列に算出される。
各検出領域40における火炎の伝播期間を特定する具体的手法は、図10によって説明することができる。図10に示すように、CHラジカルの発光強度の時系列変化からは、CHラジカル発光の検出開始時期と検出終了時期とを特定することができる。詳しくは、CHラジカルの発光強度がある閾値を初めて越えた時を検出開始と判断し、発光強度がピーク後に同閾値を下回った時を検出終了と判断することができる。CHラジカルの発光は反応帯で検出される化学発光であることから、その検出開始時期は火炎面が検出領域40に入った時期に当たり、検出終了時期は火炎面が検出領域40から出た時期に当たる。したがって、CHラジカル発光の検出開始時期から検出終了時期までの期間が、検出領域40における火炎の伝播期間であるとみなすことができる。
図11は、火炎の伝播期間から火炎の伝播速度を算出する具体的手法について説明するための図である。図11に示すグラフにおいて、縦軸は、ボア壁46までの距離を1としたときの点火位置からの距離であり、横軸は、ボア壁46への到達時間を1としたときの点火後の時間である。このグラフにおける曲線の傾きが、検出領域40における火炎の伝播速度に当たる。検出領域40の大きさは厳密にはピストン44の位置によって変化するが、通常燃焼時はほぼピストン44が上死点にあるときに火炎伝播が行われる。そのような状況では、本モニタリング装置のように検出領域40がボアの70%程度であるならば、火炎の伝播速度はほぼ一定と近似することができる。したがって、火炎の伝播速度は、検出領域40の径方向の長さを火炎の伝播期間で除算することによって算出することができる。
火炎の伝播速度が分かれば、点火後の経過時間から点火位置から火炎面までの距離を算出することができる。これにより、図12に示すように、任意の時期における検出領域40内の火炎面位置を算出することが可能となる。火炎面位置算出部22で得られた各検出領域40の火炎面位置の時系列データは、空燃比分布出力部28に送られる。
一方、空燃比算出部24は、CHラジカルの発光強度の時系列データとCラジカルの発光強度の時系列データとに基づいて点火後の各時刻での火炎面の空燃比を算出する。具体的には、まず、各検出領域40におけるCHラジカルとCラジカルの発光強度の比が時系列に算出される。そして、データベース26に基づいて、各検出領域40における各時刻の発光強度比が空燃比に変換される。データベース26はCHラジカルとCラジカルの発光強度の比を空燃比に関連付けるためのデータベースであり、そのイメージを図で表すと図13のようになる。なお、両ラジカルの発光強度の比と火炎面の空燃比との間に相関があることは公知の事実である。空燃比算出部24で得られた各検出領域40における火炎面の空燃比の時系列データは、空燃比分布出力部28に送られる。
空燃比分布出力部28は、火炎面位置算出部22から送られた火炎面位置の時系列データと、空燃比算出部24から送られた火炎面の空燃比の時系列データとを時刻をキーにして結合する。これにより、検出領域40内の各位置における火炎面の空燃比が特定されることになる。つまり、検出領域40における火炎の伝播方向、すなわち、ボアの径方向における空燃比分布が特定される。空燃比分布出力部28は、各検出領域40について得られた径方向の空燃比分布を全検出領域40について結合する。これにより、点火位置を中心とした円周方向における空燃比分布も特定され、検出領域全域における空燃比分布が特定されることになる。
空燃比分布出力部28は、特定した検出領域全域における空燃比分布をイメージ表示用に加工し、空燃比分布の2次元イメージをディスプレイ14に表示する。検出領域全域における空燃比分布を2次元のイメージとして表示することで筒内の空燃比分布を視覚的に捉えることが可能となる。
図14は、筒内の空燃比分布をディスプレイ14にイメージ表示するためのセルの設定を示す平面図である。図14に示す例では、空燃比分布の計測領域(検出領域全域)を周方向に8分割し、径方向に3分割して24個のセルで空燃比分布が表示されるようになっている。各セルが示す空燃比はその領域における平均空燃比である。
本モニタリング装置による実際の計測結果から得られた空燃比分布(当量比分布)のイメージを図15に示す。図15には、検証用にLIF法によって取得した空燃比分布(当量比分布)が並べて示されている。図15に示すケースAは吸気弁側に燃料が偏在している場合の空燃比分布であり、ケースBは排気弁側に燃料が偏在している場合の空燃比分布であり、ケースCはほぼ均質な場合の空燃比分布である。この図からは、ケースA,B,Cの何れにおいても、本モニタリング装置による結果とLIF法による結果とは定性的に一致していることが確認できる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について図を参照して説明する。
本発明の実施の形態2のモニタリング装置は、実施の形態1のものと同じく、図1に示すハード構成を有している。本モニタリング装置と実施の形態1のものとの相違は、解析装置12の機能にある。図16は、本モニタリング装置の構成を機能別にブロックで示した機能ブロック図である。実施の形態1のものと共通する機能のブロックについては同一の符号を付している。
本モニタリング装置の解析装置12は、CHラジカルとCラジカルの発光強度比から火炎面の空燃比を特定する代わりに、CHラジカルの発光強度から火炎面の空燃比を特定する。この処理のため、スペクトル分離部50は、火炎自発光スペクトルからCHラジカルの線スペクトルを分離し、CHラジカルの発光強度の時系列データを得る。スペクトル分離部50が得たCHラジカルの発光強度の時系列データは、火炎面位置算出部52と空燃比算出部54とに並行して送られる。火炎面位置算出部52における処理の内容は実施の形態1の火炎面位置算出部22における処理の内容と同じであるので、その説明については省略する。
空燃比算出部54は、CHラジカルの発光強度の時系列データに基づいて点火後の各時刻での火炎面の空燃比を算出する。具体的には、データベース56に基づいて各検出領域40における各時刻のCHラジカルの発光強度が空燃比に変換される。CHラジカルの発光強度と火炎面の空燃比との間には相関関係がある。データベース56には両者の関係が記憶されている。空燃比算出部54で得られた各検出領域40における火炎面の空燃比の時系列データは、空燃比分布出力部58に送られる。
空燃比分布出力部58は、火炎面位置算出部52から送られた火炎面位置の時系列データと、空燃比算出部54から送られた火炎面の空燃比の時系列データとを時刻をキーにして結合する。これにより、検出領域40内の各位置における空燃比が特定されることになる。空燃比分布出力部58は、各検出領域40について得られた空燃比分布を全検出領域40について結合し、得られた検出領域全域における空燃比分布を2次元のイメージでディスプレイ14に表示する。
同様に、Cラジカルの発光強度から火炎面の空燃比を特定することも可能である。Cラジカルの発光強度と火炎面の空燃比との間にも相関関係がある。したがって、データベースに両者の関係を記憶しておくことで、Cラジカルの発光強度から火炎面の空燃比を特定することができる。その場合の具体的な手順はCHラジカルの場合と同様であるので、その説明については省略する。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について図を参照して説明する。
図17は、本発明の実施の形態3のモニタリング装置の構成を機能別にブロックで示した機能ブロック図である。実施の形態1のものと共通する機能のブロックについては同一の符号を付している。
本モニタリング装置は、筒内状態をモニタリングするための情報として、予熱帯におけるHCHOラジカルの発光を検出することにその特徴がある。このため、解析装置12のスペクトル分離部60は、火炎自発光スペクトルからHCHOラジカルの線スペクトルを分離し、HCHOラジカルの発光強度の時系列データを得る。スペクトル分離部60が得たHCHOラジカルの発光強度の時系列データは、予熱帯位置算出部62と空燃比算出部64とに並行して送られる。
予熱帯位置算出部62は、HCHOラジカルの発光強度の時系列データに基づいて検出領域40を火炎が伝播した期間を特定する。予熱帯は反応帯と隣接しているので、HCHOラジカルの検出開始時期は、火炎面が検出領域40に入った時期とほぼ一致していると考えることができる。同様に、HCHOラジカルの検出終了時期は、火炎面が検出領域40から出た時期とほぼ一致していると考えることができる。したがって、HCHOラジカルの検出開始時期から検出終了時期までを火炎の伝播期間とみなすことに問題はない。そして、火炎の伝播期間から火炎の伝播速度を算出し、火炎の伝播速度から任意の時刻における予熱帯の位置を算出する。ここでも、火炎面の位置を予熱帯の位置と近似することができる。予熱帯位置算出部62で得られた各検出領域40における予熱帯位置の時系列データは、空燃比分布出力部68に送られる。なお、任意の時刻における予熱帯の位置が判明することで、HCHOラジカルの発光強度の時系列データから検出領域40の各位置におけるHCHOラジカルの発光強度を特定することもできる。
空燃比算出部64は、HCHOラジカルの発光強度の時系列データに基づいて点火後の各時刻での予熱帯の空燃比を算出する。具体的には、データベース66に基づいて各検出領域40における各時刻のHCHOラジカルの発光強度が空燃比に変換される。HCHOラジカルの発光強度と予熱帯の空燃比との間には相関関係がある。データベース66には両者の関係が記憶されている。空燃比算出部64で得られた各検出領域40における予熱帯の空燃比の時系列データは、空燃比分布出力部68に送られる。
空燃比分布出力部68は、予熱帯位置算出部62から送られた予熱帯位置の時系列データと、空燃比算出部64から送られた予熱帯の空燃比の時系列データとを時刻をキーにして結合する。これにより、検出領域40内の各位置における空燃比が特定されることになる。空燃比分布出力部68は、各検出領域40について得られた空燃比分布を全検出領域40について結合し、得られた検出領域全域における空燃比分布を2次元のイメージでディスプレイ14に表示する。
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4について図を参照して説明する。
実施の形態1−3のモニタリング装置は、筒内の空燃比分布の計測により筒内状態の空間的なモニタリングを行う装置であった。これに対し、本発明の実施の形態4のモニタリング装置は、筒内の火炎の伝播速度の分布を計測することによって筒内状態の空間的なモニタリングを行う装置である。火炎の伝播速度の分布が分かれば、筒内の点火後の火炎面の動きを2次元のイメージで動的に表現することもできる。
図18は、本発明の実施の形態4のモニタリング装置の構成を機能別にブロックで示した機能ブロック図である。実施の形態1のものと共通する機能のブロックについては同一の符号を付している。
本モニタリング装置においては、解析装置12は、スペクトル分離部70及び火炎面位置算出部72から構成される。スペクトル分離部70は、火炎自発光スペクトルからCHラジカルの線スペクトルを分離し、CHラジカルの発光強度の時系列データを得る。スペクトル分離部70が得たCHラジカルの発光強度の時系列データは火炎面位置算出部72に送られる。
火炎面位置算出部72は、CHラジカルの発光強度の時系列データに基づいて検出領域40を火炎が伝播した期間を特定する。詳しくは、CHラジカルは火炎面で検出されるので、CHラジカルの検出開始時期から検出終了時期までが火炎の伝播期間となる。次に、火炎面位置算出部72は、検出領域40内での火炎の伝播速度は一定であると仮定して、火炎の伝播期間から火炎の伝播速度を算出する。若しくは、火炎の伝播速度を所定の近似式で定義し、その近似式に含まれる係数の値を火炎の伝播期間から算出するようにしてもよい。その場合の近似式は、燃焼の物理モデルから得られる式でも良く、また、統計的に得られた式でもよい。
次に、火炎面位置算出部72は、各検出領域40における火炎の伝播速度から各検出領域40における任意の時刻での火炎面の位置を算出する。これにより、各検出領域40における火炎面位置の時系列データが得られる。火炎面位置算出部72は、各検出領域40における火炎面位置の時系列データをイメージ表示用に加工し、2次元のイメージでディスプレイ14に表示する。具体的には、検出領域40内の火炎面位置を直線もしくはスプラインなどで補間して火炎面輪郭イメージとしてディスプレイ14に表示する。この火炎面輪郭イメージを時間で変化させることで、筒内における点火後の火炎面の動きを視覚的に捉えることが可能となる。
図19は、可視化エンジンを用いて直接撮影した火炎と本モニタリング装置により表示される火炎面輪郭イメージとの比較結果を示す図である。この図から分かる通り、火炎面輪郭イメージと実測の火炎面とほぼ一致している。したがって、少なくとも計測領域内においては、本モニタリング装置は実用的な精度を確保できている。
なお、点火後の火炎面位置は、Cラジカルの発光強度の時系列データから算出することもできる。また、HCHOラジカルの発光強度の時系列データから点火後の火炎面位置を算出することもできる。その場合の具体的な手順はCHラジカルの場合と同様であるので、その説明については省略する。
実施の形態5.
次に、本発明の実施の形態5について図を参照して説明する。
本発明の実施の形態5のモニタリング装置は、点火プラグ一体型センサによる検出領域の設定と、その検出結果に基づく火炎の伝播速度の計算方法とに特徴がある。図20は、本モニタリング装置における点火プラグ一体型光センサ4′の検出領域を示す断面図である。この図に示すように、本モニタリング装置が用いる点火プラグ一体型光センサ4′では、1つの検出領域40′は、点火位置からの検出距離が異なる複数のサブ検出領域40a,40b,40cから構成されている。これらサブ検出領域40a,40b,40cのそれぞれに光ファイバが割り当てられ、サブ検出領域40a,40b,40c毎に火炎自発光スペクトルが取り込まれるようになっている。
本モニタリング装置では、サブ検出領域40a,40b,40c毎に特定化学発光、例えば、CHラジカルの発光強度を時系列に算出する。そして、その時系列データに基づいてサブ検出領域40a,40b,40c毎に火炎の伝播期間を特定し、各サブ検出領域40a,40b,40cにおける火炎の伝播期間から、サブ検出領域40a,40b,40c毎に火炎の伝播速度を算出する。
具体的には、まず、検出距離が最も短いサブ検出領域40aにおける火炎の伝播速度を算出する。その計算では、サブ検出領域40a内における火炎の伝播速度は一定であると仮定し、検出距離Laを火炎の伝播期間Taで除算することによって火炎の伝播速度を算出する。
次に、サブ検出領域40aの先端からサブ検出領域40bの先端までの領域における火炎の伝播速度を算出する。この計算では、サブ検出領域40bの検出距離Lbとサブ検出領域40aの検出距離Laとの差分距離(Lb−La)を算出する。また、サブ検出領域40bの火炎伝播期間Tbとサブ検出領域40aの火炎伝播期間Taとの差分期間(Tb−Ta)を算出する。そして、前記領域における火炎の伝播速度は一定であると仮定し、差分距離(Lb−La)を差分期間(Tb−Ta)で除算することによって前記領域における火炎の伝播速度を算出する。
さらに、サブ検出領域40bの先端からサブ検出領域40cの先端までの領域における火炎の伝播速度を算出する。この計算では、サブ検出領域40cの検出距離Lcとサブ検出領域40bの検出距離Lbとの差分距離(Lc−Lb)を算出する。また、サブ検出領域40cの火炎伝播期間Tcとサブ検出領域40bの火炎伝播期間Tbとの差分期間(Tc−Tb)を算出する。そして、前記領域における火炎の伝播速度は一定であると仮定し、差分距離(Lc−Lb)を差分期間(Tc−Tb)で除算することによって前記領域における火炎の伝播速度を算出する。
本モニタリング装置によれば、上述のように複数の領域に分けて検出領域40′内の火炎の伝播速度を算出することで、点火後の火炎の伝播速度の時系列変化を把握することができる。なお、本モニタリング装置における点火プラグ一体型センサ4′の構成と火炎の伝播速度の計算方法は、実施の形態4のモニタリング装置に好適に組み合わせることができる。
実施の形態6.
次に、本発明の実施の形態6について図を参照して説明する。
本発明の実施の形態6では、本発明を火花点火式内燃機関の制御装置に適用する。図21は、本発明の実施の形態6の制御装置の構成を機能別にブロックで示した機能ブロック図である。図21に示すように、本制御装置は、車載のエンジン2に取り付けられた点火プラグ一体型センサ4と、エンジン2のアクチュエータ200を操作する車載の制御ユニット100から構成されている。点火プラグ一体型センサ4と制御ユニット100とは光ファイバ6によって接続されている。
制御ユニット100は、それが有する機能別に、分光器102、スペクトル検出器104、解析ユニット106及びアクチュエータ操作ユニット108に分けることができる。ただし、これらの要素102,104,106,108は、制御ユニット100が有する種々の機能的な要素のうち、筒内状態のモニタリングに関係する要素のみを特別に図で表現したものである。したがって、図21は、制御ユニット100がこれらの要素のみで構成されていることを意味するものではない。なお、分光器102、スペクトル検出器104及び解析ユニット106は、それぞれ、実施の形態1−4の何れかの分光器8、スペクトル検出器10及び解析装置12とその機能において一致する。したがって、ここでは、制御ユニット100に特有の機能であるアクチュエータ操作ユニット108について重点的に説明する。
アクチュエータ操作ユニット108は、解析ユニット106で得られた筒内状態に関する情報を取得し、その情報に基づいてアクチュエータ200を操作する。どのようなアクチュエータ操作が行われるかは、筒内状態に関する情報の内容と、操作可能なアクチュエータ200の種類によって変わる。
まず、解析ユニット106で得られる情報が筒内の空燃比分布である場合について述べる。筒内の空燃比分布が経時的に変化する場合、それはインジェクタ、バルブ或いはポート壁面に付着したデポジットの影響による可能性が高い。そのような場合、アクチュエータ操作ユニット108は、アクチュエータ200としてデュアルインジェクションシステム、EGR弁、スワールコントロール弁、或いは、左右の吸気バルブのバルブ特性を変更する可変動弁機構などを選択する。デュアルインジェクションシステムによれば、左右のポートの噴射量を制御して空燃比分布の偏りを是正することができる。また、EGR弁によれば、左右のポートのEGR導入流を制御することにより、空燃比分布の偏りを是正することができる。スワールコントロール弁や可変動弁機構であれば、左右のポートの吸入空気量の制御によって空燃比分布の偏りを是正することができる。
次に、解析ユニット106で得られる情報が筒内の火炎伝播速度の分布である場合について述べる。火炎伝播の偏りはノッキングが発生する要因であり、また、燃焼速度が低下する要因にもなる。火炎伝播に偏りが生じる原因は経時変化であったり、或いは、エンジン本体の温度分布の影響であったりする。この場合、アクチュエータ操作ユニット108は、アクチュエータ200として多点点火式の点火装置やオイルジェットなどを選択する。多点点火式の点火装置によれば、それぞれの点火時期を制御することにより、火炎伝播の偏りを是正することができる。オイルジェットによれば、オイルによる冷却方向の制御によって火炎伝播の偏りを是正することができる。
その他.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、分光器は、図22に示すような複数の干渉フィルタを用いるものでも良い、火炎自発光の代表的なスペクトル形状は予めわかっているので、特徴的な波長のみの光を透過するフィルタを複数用いることで火炎自発光スペクトル形状を推定することができる。
2 エンジン
4,4′ 点火プラグ一体型光センサ
6 光ファイバ
8 分光器
8a 入口スリット
10 スペクトル検出器
12 解析装置
14 ディスプレイ
20 スペクトル分離部
22 火炎面位置算出部
24 空燃比算出部
26 データベース
28 空燃比分布出力部
40,40′ 検出領域
40a,40b,40c サブ検出領域
50 スペクトル分離部
52 火炎面位置算出部
54 空燃比算出部
56 データベース
58 空燃比分布出力部
60 スペクトル分離部
62 予熱帯位置算出部
64 空燃比算出部
66 データベース
68 空燃比分布出力部
70 スペクトル分離部
72 火炎面位置算出部
100 制御ユニット
108 アクチュエータ操作ユニット
200 アクチュエータ

Claims (23)

  1. 点火位置の近傍に配置されて筒内の前記点火位置を中心にして周方向に放射状に予め定義された検出領域の火炎自発光を取り込む光センサと、
    前記光センサにより取り込まれる火炎自発光から特定の化学発光を分離し、前記特定化学発光の発光強度を時系列に算出する手段と、
    前記特定化学発光の発光強度の時系列変化から前記検出領域を火炎が伝播した期間を特定する手段と、
    前記特定化学発光の発光強度の時系列データと火炎の伝播期間とから前記検出領域の各位置における前記特定化学発光の発光強度を特定する手段と、
    を備えることを特徴とする火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置。
  2. 前記特定化学発光は火炎の反応帯における化学発光であることを特徴とする請求項1に記載の火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置。
  3. 前記特定化学発光は火炎の予熱帯における化学発光であることを特徴とする請求項1に記載の火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置。
  4. 前記特定化学発光の発光強度を燃焼時の空燃比に関連付けるデータベースを記憶した手段と、
    前記データベースに基づいて前記特定化学発光の発光強度の時系列データを空燃比の時系列データに変換する手段と、
    空燃比の時系列データと火炎の伝播期間とから前記検出領域内の燃焼時の空燃比分布を特定する手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置。
  5. 前記検出領域内の燃焼時の空燃比分布を2次元のイメージで表示する手段、
    をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置。
  6. 前記光センサは光ファイバの束を備え、前記点火位置を中心にして周方向に放射状に定義された複数の検出領域のそれぞれに1又は複数の光ファイバが割り当てられていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置。
  7. 前記光センサは点火プラグと一体化されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置。
  8. 点火プラグと一体化された光ファイバの束を備える光センサであって、前記点火プラグを中心にして周方向に放射状に定義された複数の検出領域のそれぞれに1又は複数の光ファイバが割り当てられている光センサと、
    前記各光ファイバにより取り込まれる火炎自発光から特定の化学発光を分離し、検出領域毎に前記特定化学発光の発光強度を時系列に算出する手段と、
    各検出領域における前記特定化学発光の発光強度の時系列変化から各検出領域を火炎が伝播した期間を特定する手段と、
    前記特定化学発光の発光強度を燃焼時の空燃比に関連付けるデータベースを記憶した手段と、
    前記データベースに基づいて各検出領域における前記特定化学発光の発光強度の時系列データを空燃比の時系列データに変換する手段と、
    各検出領域における空燃比の時系列データと火炎の伝播期間とから各検出領域の各位置における空燃比を特定する手段と、
    各検出領域の各位置における空燃比から筒内の空燃比分布を特定する手段と、
    筒内の空燃比分布を内燃機関の状態に関する情報として取得し、前記情報に基づいて前記内燃機関の運転を制御する手段と、
    を備えることを特徴とする火花点火式内燃機関の制御装置。
  9. 点火位置の近傍に配置されて筒内の前記点火位置を中心にして周方向に放射状に予め定義された検出領域の火炎自発光を取り込む光センサと、
    前記光センサにより取り込まれる火炎自発光から第1及び第2の特定の化学発光を分離し、前記各特定化学発光の発光強度を時系列に算出する手段と、
    前記第1或いは第2の特定化学発光の発光強度の時系列変化から前記検出領域を火炎が伝播した期間を特定する手段と、
    前記第1の特定化学発光と前記第2の特定化学発光の発光強度比を時系列に算出する手段と、
    発光強度比の時系列データと火炎の伝播期間とから前記検出領域の各位置における発光強度比を特定する手段と、
    を備えることを特徴とする火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置。
  10. 前記第1及び第2の特定の化学発光はともに火炎の反応帯における化学発光であることを特徴とする請求項9に記載の火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置。
  11. 前記第1の特定化学発光と前記第2の特定化学発光の発光強度比を燃焼時の空燃比に関連付けるデータベースを記憶した手段と、
    前記データベースに基づいて発光強度比の時系列データを空燃比の時系列データに変換する手段と、
    空燃比の時系列データと火炎の伝播期間とから前記検出領域内の燃焼時の空燃比分布を特定する手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項9又は10に記載の火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置。
  12. 前記検出領域内の燃焼時の空燃比分布を2次元のイメージで表示する手段、
    をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置。
  13. 前記光センサは光ファイバの束を備え、前記点火位置を中心にして周方向に放射状に定義された複数の検出領域のそれぞれに1又は複数の光ファイバが割り当てられていることを特徴とする請求項9乃至12の何れか1項に記載の火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置。
  14. 前記光センサは点火プラグと一体化されていることを特徴とする請求項9乃至13の何れか1項に記載の火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置。
  15. 点火プラグと一体化された光ファイバの束を備える光センサであって、前記点火プラグを中心にして周方向に放射状に定義された複数の検出領域のそれぞれに1又は複数の光ファイバが割り当てられている光センサと、
    前記各光ファイバにより取り込まれる火炎自発光から第1及び第2の特定の化学発光を分離し、検出領域毎に前記各特定化学発光の発光強度を時系列に算出する手段と、
    各検出領域における前記第1或いは第2の特定化学発光の発光強度の時系列変化から各検出領域を火炎が伝播した期間を特定する手段と、
    各検出領域における前記第1の特定化学発光と前記第2の特定化学発光の発光強度比を時系列に算出する手段と、
    前記第1の特定化学発光と前記第2の特定化学発光の発光強度比を燃焼時の空燃比に関連付けるデータベースを記憶した手段と、
    前記データベースに基づいて各検出領域における発光強度比の時系列データを空燃比の時系列データに変換する手段と、
    各検出領域における空燃比の時系列データと火炎の伝播期間とから各検出領域の各位置における空燃比を特定する手段と、
    各検出領域の各位置における空燃比から筒内の空燃比分布を特定する手段と、
    筒内の空燃比分布を内燃機関の状態に関する情報として取得し、前記情報に基づいて前記内燃機関の運転を制御する手段と、
    を備えることを特徴とする火花点火式内燃機関の制御装置。
  16. 点火プラグと一体化された光ファイバの束を備える光センサであって、前記点火プラグを中心にして周方向に放射状に定義された複数の検出領域のそれぞれに1又は複数の光ファイバが割り当てられている光センサと、
    前記各光ファイバにより取り込まれる火炎自発光から特定の化学発光を分離し、検出領域毎に前記特定化学発光の発光強度を時系列に算出する手段と、
    各検出領域における前記特定化学発光の発光強度の時系列変化から各検出領域を火炎が伝播した期間を特定する手段と、
    各検出領域における火炎の伝播期間から各検出領域における火炎の伝播速度を算出する手段と、
    を備えることを特徴とする火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置。
  17. 前記特定化学発光は火炎の反応帯における化学発光であることを特徴とする請求項16に記載の火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置。
  18. 前記特定化学発光は火炎の予熱帯における化学発光であることを特徴とする請求項16に記載の火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置。
  19. 前記火炎の伝播速度を算出する手段は、火炎の伝播速度を一定とし、前記一定の値を火炎の伝播期間から算出することを特徴とする請求項16乃至18の何れか1項に記載の火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置。
  20. 前記火炎の伝播速度を算出する手段は、火炎の伝播速度を所定の近似式で定義し、前記近似式に含まれる係数の値を火炎の伝播期間から算出することを特徴とする請求項16乃至18の何れか1項に記載の火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置。
  21. 各検出領域は、径方向に定義された前記点火位置からの検出距離が異なる複数のサブ検出領域からなり、サブ検出領域毎に光ファイバが割り当てられ、
    前記発光強度を時系列に算出する手段は、前記光ファイバにより取り込まれる火炎自発光から特定の化学発光の発光を分離し、サブ検出領域毎に前記特定化学発光の発光強度を時系列に算出し、
    前記火炎の伝播期間を特定する手段は、各サブ検出領域における前記特定化学発光の発光強度の時系列変化から各サブ検出領域を火炎が伝播した期間を特定し、
    前記火炎の伝播速度を算出する手段は、各サブ検出領域における火炎の伝播期間からサブ検出領域毎に火炎の伝播速度を算出することを特徴とする請求項16乃至18の何れか1項に記載の火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置。
  22. 各検出領域における火炎の伝播速度から各検出領域の点火後の火炎面の位置を時系列に算出する手段と、
    各検出領域における火炎面位置の時系列変化に基づいて筒内の点火後の火炎面の動きを2次元のイメージで表示する手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項16乃至21の何れか1項に記載の火花点火式内燃機関の筒内状態モニタリング装置。
  23. 点火プラグと一体化された光ファイバの束を備える光センサであって、前記点火プラグを中心にして周方向に放射状に定義された複数の検出領域のそれぞれに1又は複数の光ファイバが割り当てられている光センサと、
    前記各光ファイバにより取り込まれる火炎自発光から特定の化学発光を分離し、検出領域毎に前記特定化学発光の発光強度を時系列に算出する手段と、
    各検出領域における前記特定化学発光の発光強度の時系列変化から各検出領域を火炎が伝播した期間を特定する手段と、
    各検出領域における火炎の伝播期間から各検出領域における火炎の伝播速度を算出する手段と、
    各検出領域における火炎の伝播速度を内燃機関の状態に関する情報として取得し、前記情報に基づいて前記内燃機関の運転を制御する手段と、
    を備えることを特徴とする火花点火式内燃機関の制御装置。
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