JP5788730B2 - 集電体、電極構造体、非水電解質電池及び蓄電部品 - Google Patents

集電体、電極構造体、非水電解質電池及び蓄電部品 Download PDF

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Description

本発明は、大電流密度での充放電に適した集電体、電極構造体、非水電解質電池、及び蓄電部品(電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等)に関する。
従来、リチウムイオン電池に代表される非水電解質電池に対しては充電時間の短縮の要求があり、そのためには大電流密度で高速に充電できる必要がある。また、自動車用の非水電解質電池に対しては十分な自動車の加速性能を得るために、大電流密度の高出力放電ができることが要求されている。このように大電流密度で充放電する場合において、電池容量が低下しない特性(ハイレート特性)を向上させるためには電池の内部抵抗の低減が重要である。電気二重層キャパシタ・リチウムイオンキャパシタ等の他の非水電解質電池や帯電部品についても全く同様なことがいえる。
一般に内部抵抗の原因は、構成材料の電気抵抗、構成要素間の界面抵抗、電解液中の荷電粒子であるイオンの伝導抵抗、電極反応抵抗等があり、内部抵抗の低減にはそれぞれの抵抗を低減する必要がある。この中で特に重要な内部抵抗のひとつがアルミニウム箔や銅箔等の金属箔からなる導電性基材と活物質層との間に生じる界面抵抗であり、この界面抵抗を低減させる方法のひとつとしてこの界面の密着性を向上させることが効果的であることが知られている。
集電体と活物質層の密着性を向上させる方法として、例えば、導電性樹脂で集電体を被覆し、その上に活物質層形成用のペーストを塗工することが従来提案されている。特許文献1には導電性フィラーと結着剤としてビニルブチラールと可塑剤としてフタル酸ジブチルを含む導電性塗料を正極集電体に塗布して導電性塗膜を形成させる技術が開示されている。特許文献2には正極集電体の上にポリアクリル酸またはアクリル酸とアクリル酸エステルとの共重合体を主結着剤とし、炭素粉を導電フィラーとして含む導電性塗膜を形成する技術が開示されている。
特開平2−109256号公報 特開昭62−160656号公報
しかしながら、これらの技術では必ずしも十分なハイレート特性が得られず電極寿命も満足できないものであった。導電性基材と導電性樹脂とを具備した集電体と活物質層の界面抵抗を低減させる場合、この集電体の導電性樹脂層と活物質層との高い密着性だけでなく導電性樹脂層そのものの体積固有抵抗が低いことも重要である。ここでいう密着性とは導電性樹脂層と活物質層の界面抵抗や電極寿命に直接関与するものであり、電解液がこの界面に浸潤した状態においても剥離がなく、強固に密着する性質を意味する。さらに非水電解質電池やリチウムイオンキャパシタの正・負極では充放電によって活物質層中の活物質の体積が変化することから活物質が活物質層から剥離しやすくなり、更に活物質層と接着する集電体のとの界面で剥離が起こりやすい。特にハイレートの充放電では活物質の体積変化が急激であることから、集電体の導電性樹脂層と活物質層とは特に強固な密着性が必要であるが、従来の技術では導電性樹脂層と活物質層との密着性が低く、電池寿命において満足できるものではなく、また導電性樹脂層そのものの体積固有抵抗の低減が必ずしも十分ではなかった。
本発明の目的は非水電解質電池の内部抵抗を低減でき、リチウムイオン二次電池等の非水電解質電池や電気二重層用キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等の蓄電部品に好適に用いることができ、ハイレート特性を向上させることができ、電池寿命を延ばすことができる集電体を提供することである。本発明の集電体は更に活物質層又は電極材層を形成することにより、活物質層又は電極材層との密着性が良好な電極構造体になり得る。また、本発明の集電体に活物質層を形成した電極構造体を用いた非水電解質電池は、上記特性を有する集電体を有するので、内部抵抗を低減してハイレート特性を向上させることができる。更に、本発明はコピー機や自動車などに用いられる大電流の高速充放電が必要な電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等の蓄電部品を提供する。
本発明者は上記事情に鑑み、鋭意検討を行った結果、以下の集電体を得ることにより、ハイレート特性向上や電極寿命向上に優れる非水電解質電池や蓄電部品を得ることができることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
すなわち、本発明によれば、導電性基材の少なくとも片面に導電性を有する樹脂層を形成した集電体であって、該樹脂層は、硝化綿系樹脂と導電材を含み、且つMEK(メチルエチルケトン、以下同様)による抽出率(以下、「MEK抽出率」と称する。)が5質量%以上60質量%以下である集電体、および、この集電体を具備した電極構造体、非水電解質電池、蓄電部品(例:電気二重層キャパシタ又はリチウムイオンキャパシタ)が提供される。
本発明者らは、非水電解質電池等のハイレート特性を向上させるべく鋭意検討を行なった際に、導電性樹脂層のMEK抽出率がハイレート特性に強く相関していることを見出した。そして、MEK抽出率が5質量%以上60質量%以下である場合に、ハイレート特性が非常に優れていることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は2つの知見によって成立している。1つ目の知見は、MEK抽出率が60質量%以下である場合にハイレート特性が良好であるということである。MEK抽出率は、樹脂層中の硝化綿系樹脂がどの程度硬化しているかを示す指標の一つであるが、本発明者らは、MEK抽出率が100質量%以下の硝化綿系樹脂がアルミニウムや銅等の導電性基材との密着性に非常によいことを見出したが、電池として電解液を使用した場合には、抽出率が多すぎると硝化綿系樹脂が電解液の影響を受けるため、特に60質量%以下である場合に、導電性基材と導電性樹脂層の密着性や耐電解液性が非常に高く、その結果、ハイレート特性が良好になることを見出した。
もう一つの知見はMEK抽出率が5質量%以上である場合にハイレート特性が良好であるということである。上記のように、MEK抽出率は樹脂層中の硝化綿系樹脂がどの程度硬化しているかを示す指標の一つであるので、MEK抽出率が小さいほど硝化綿系樹脂の硬化が十分に進んでいると言える。本発明者らは、当初、好ましいMEK抽出率の範囲には下限が無く、MEK抽出率が小さければ小さいほど、硝化綿系樹脂の硬化が十分に進んでハイレート特性が向上するものと考えおり、事実5質量%未満でも導電性基材との密着性は非常によいものであったが、意外にもMEK抽出率が5質量%未満の場合には、ハイレート特性が悪化することを知見した。このような結果が得られた理由にはついては現在検討中であり必ずしも明らかではないが、硝化綿系樹脂の硬化の進み過ぎにより、樹脂層と活物質層の密着性が低下することが原因ではないかと推測している。
ところで、導電性樹脂層のMEK抽出率は、導電性樹脂層の材料組成だけで一意的に定まるものではなく、導電性樹脂層の形成方法で大きく変化するものである。本発明者らが実際に実験を行ったところ、同じ組成の樹脂材であっても、乾燥温度・乾燥時間・乾燥方法を変化させることによって、樹脂層のMEK抽出率が大きく変化し、例えば樹脂組成と乾燥温度が分かっていても、乾燥時間等の製造条件を変えるだけでMEK抽出率は変化した。従って、本発明者はMEK抽出率を定めることが極めて重要であることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
以下、種々の実施形態を例示する。以下に例示する実施形態は、互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記硝化綿系樹脂は、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、エポキシ系樹脂のうちの少なくとも一種と、硝化綿とを含む上記記載の集電体である。
好ましくは、前記硝化綿系樹脂は、アクリル系樹脂とポリアセタール系樹脂のうちの少なくとも一種と、メラミン系樹脂と、硝化綿とを含む上記記載の集電体である。
好ましくは、アクリル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、メラミン系樹脂、及び硝化綿の合計を100質量%としたとき、メラミン系樹脂は、5〜55質量%であり、硝化綿は、40〜90質量%である、上記記載の集電体である。
好ましくは、導電性基材がアルミニウム又は銅である、上記記載の集電体である。
好ましくは、上記記載の集電体の前記樹脂層上に活物質層又は電極材層を備える、電極構造体である。
好ましくは、上記記載の電極構造体を備える、非水電解質電池又は蓄電部品である。
本発明の集電体は、ハイレート特性に優れ、大電流密度での高速の充放電に適し長寿命化が達成され、また本発明の集電体を具備してなる電極構造体、リチウムイオン電池等の非水電解液電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ及び蓄電部品は、ハイレート特性に優れ、大電流密度での高速の充放電特性に優れ、長寿命化が達成されたものである。
図1は、本発明の一実施形態の集電体の構成を示す断面図である。 図2は、本発明の一実施形態の集電体を用いて形成された電極構造体の構成を示す断面図である。
以下、図1を用いて、本発明の一実施形態の集電体について説明する。
図1に示すように、本発明の集電体1は、導電性基材3の少なくとも片面に導電性を有する導電性樹脂層5を形成した集電体1であり、導電性樹脂層5は、硝化綿系樹脂と導電材を含み、且つMEKによる抽出率(以下、「MEK抽出率」と称する。)が5質量%以上60質量%以下である。
また、図2に示すように、集電体1の導電性樹脂層5上に活物質層(又は電極材層)9を形成することによって、非水電解質電池用、電気二重層キャパシタ用、又はリチウムイオンキャパシタ用として好適な電極構造体7を形成することができる。
以下、各構成要素について詳細に説明する。
(1)導電性基材
本発明の導電性基材としては、非水電解質電池用、電気二重層キャパシタ用、又はリチウムイオンキャパシタ用の各種金属箔が使用可能である。具体的には、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、ステンレス、ニッケルなどが使用可能である。その中でも導電性の高さとコストのバランスからアルミニウム、アルミニウム合金、銅が好ましい。正極としてアルミニウム箔を用いる場合、本発明はハイレート特性の向上を目的としていることから、導電性の高いJIS A1085などの純アルミニウム系を用いることが好ましい。導電性基材の厚さとしては、特に制限されるものではないが、0.5μm以上、50μm以下であることが好ましい。厚さが0.5μmより薄いと箔の強度が不足して樹脂層等の形成が困難になる場合がある。一方、50μmを超えるとその分、その他の構成要素、特に活物質層あるいは電極材層を薄くせざるを得ず、特に非水電解質電池や、電気二重層キャパシタ又はリチウムイオンキャパシタ等の蓄電部品とした場合、十分な容量が得られなくなる場合がある。
(2)導電性樹脂層
本発明では導電性基材の上に導電材を添加した樹脂層を形成する。導電性樹脂層の形成方法は特に限定されないが、樹脂の溶液や分散液、ペースト等を上記導電性基材上に塗工することが好ましい。塗工方法としてはロールコーター、グラビアコーター、スリットダイコーター等が使用可能であるが、特に制限されるものではない。本発明に用いる導電性樹脂層は、硝化綿系樹脂でなければならない。ここで、硝化綿系樹脂とは、樹脂成分として硝化綿を必ず含む樹脂をいい、樹脂成分全てが硝化綿である場合も含むものとする。これは種々の樹脂に導電材を添加して樹脂層の体積固有抵抗を調査した結果、MEK抽出率を規定したこの硝化綿系樹脂を用いると意外にも十分に低い内部抵抗や導電性基材や活物質層との密着性に優れた集電体が得られるという本発明者の知見に基づくものである。なお、この特性は、同じ導電材を添加しても硝化綿系樹脂以外の樹脂を使用した場合に樹脂層中での分布状態が異な等の何らかの影響で必ずしも上記特性を得ることができるのではない。これは、後述するMEK抽出率の規定と相まって抵抗等に差が出るためと推定される。
<硝化綿系樹脂>
本発明において、上述したように硝化綿系樹脂は、樹脂成分として硝化綿を含む樹脂であり、硝化綿のみからなるものであってもよく、硝化綿と別の樹脂とを含有するものであってもよい。硝化綿はニトロ基を有するセルロースであるが、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の他のセルロース類と比較して、電極に使用する用途としては例示される場合があっても、最適化に対する提案は行われておらず、積極的に使用するための最適化は従来なされていなかった。
本発明者らは、この硝化綿に導電材を分散して硝化綿系樹脂組成物を得て、導電性基材上に硝化綿系樹脂と導電材を含有する導電性を有する樹脂層を形成することにより、非水電解質電池のハイレート特性を飛躍的に向上させることができることを知見した。本発明に用いる硝化綿の窒素濃度は10〜13%、特に10.5〜12.5%が好ましい。窒素濃度が低すぎると、導電材の種類によっては十分分散できない場合があり、窒素濃度が高すぎると、硝化綿が化学的に不安定になり、電池に用いるには危険だからである。窒素濃度はニトロ基の数に依存するため、窒素濃度の調整はニトロ基数を調整することによって行うことができる。また、上記硝化綿の粘度は、JIS K−6703に基づく測定値が、通常1〜6.5秒、特に1.0〜6秒、酸分は0.006%以下、特に0.005%以下であることが推奨される。これらの範囲を逸脱すると、導電材の分散性、電池特性が低下する場合がある。
本発明の硝化綿系樹脂は、樹脂成分全体を100質量%とした場合、硝化綿を100質量%使用できるが、他の樹脂成分と併用して使用することもでき、併用する場合には少なくとも硝化綿を全樹脂成分に対して通常40質量%以上、好ましくは50質量%以上、90質量%以下、特に80質量%以下含むことが好ましい。硝化綿の割合は、具体的には例えば、20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,75,80,85,90質量%であり、ここで例示した何れか2つの数値の範囲内であってもよい。種々の樹脂に導電材を添加して製造した導電性樹脂層の内部抵抗を調査した結果、硝化綿を50質量%以上含むと樹脂層の抵抗が飛躍的に低減化でき、十分なハイレート特性が得られる上、密着性に優れ、長寿命化が計れることがわかった。一方、硝化綿の配合量が少なすぎると導電材の分散に対する硝化綿の配合による改善効果が得られない場合があり、40質量%以上の硝化綿を添加することにより、樹脂層の抵抗を十分低くできるためと推定される。
本発明の硝化綿系樹脂は、上述した硝化綿と併用して種々の樹脂を添加することが可能である。本発明においては、電池性能(キャパシタ性能を含む。以下同じ)を調査した結果、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、エポキシ系樹脂を併用添加することが好適であり、樹脂成分として硝化綿を100質量%を使用した場合と同様かそれ以上に電池性能を向上させることができる。以下にそれぞれの樹脂成分について説明する。以下の説明において、数平均分子量又は重量平均分子量は、GPC(ゲル排除クロマトグラフ)によって測定したものを意味する。
上記メラミン系樹脂は硝化綿と硬化反応を起こすため、樹脂の硬化性が向上し、導電性基材との密着性も向上することにより、電池性能が向上するものと推定される。添加量は、樹脂成分としての硝化綿を100質量%としたときの割合が5〜200質量%、より好ましくは10〜150質量%である。5質量%未満では添加する効果が低く、200質量%を超えると硬化が進みすぎて樹脂層が硬くなりすぎ、電池の製造時に剥離しやすくなり、放電レート特性が低下する場合がある。メラミン系樹脂としては、例えば、ブチル化メラミン、イソブチル化メラミン、メチル化メラミンなどを好適に用いることができる。メラミン系樹脂の数平均分子量は、例えば、500〜5万であり、具体的には例えば500,1000,2000,2500,3000,4000,5000,1万,2万,5万であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
上記アクリル系樹脂は導電性基材、特にアルミニウム、銅との密着性に優れることから、添加することによりさらに硝化綿系樹脂の導電性基材との密着性が向上させることができる。添加量は、硝化綿を100質量%としたときの割合が5〜200質量%、特に10〜150質量%が好ましい。5質量%未満では添加する効果が低く、200質量%を超えると導電材の分散に悪影響を及ぼして放電レート特性が低下する場合がある。アクリル系樹脂としてはアクリル酸あるいはメタクリル酸およびそれらの誘導体を主成分とする樹脂、また、これらのモノマを含むアクリル共重合体を好適に用いることができる。具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソプロピルなどやその共重合体である。また、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミドなどの極性基含有アクリル系化合物やその共重合体を好適に用いることもできる。アクリル系樹脂の重量平均分子量は、例えば、3万〜100万であり、具体的には例えば3万,4万,5万,6万,7万,8万,9万,10万,15万,20万,30万,40万,50万,60万,70万,80万,90万,100万であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
上記ポリアセタール系樹脂は可撓性、硝化綿との相溶性に優れていることから、樹脂層に適度な柔軟性を与え、活物質層との密着性が向上する。添加量は、硝化綿を100質量%としたときの割合が5〜200質量%、特に20〜150質量%が好ましい。5質量%未満では添加する効果が低く、200質量%を超えると導電材の分散に悪影響を及ぼして放電レート特性が低下する場合がある。ポリアセタール系樹脂としては、ポリビニルブチラール、ポリアセトアセタール、ポリビニルアセトアセタールなどが好適に使用可能である。ポリアセタール系樹脂の重量平均分子量は、例えば、1万〜50万であり、具体的には例えば1万,2万,3万,4万,5万,6万,7万,8万,9万,10万,15万,20万,50万であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
上記エポキシ系樹脂は導電性基材との密着性に優れることから、添加することによりさらに導電性基材との密着性が向上する。添加量は、硝化綿を100質量%としたときの割合が5〜200質量%、特に10〜150質量%が好ましい。5質量%未満では添加する効果が低く、200質量%を超えると導電材の分散に悪影響を及ぼして放電レート特性が低下する場合がある。エポキシ系樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型といったグリシジルエーテル型樹脂が好ましい。エポキシ系樹脂の重量平均分子量は、例えば、300〜5万であり、具体的には例えば300,500,1000,2000,3000,4000,5000,1万,2万,5万であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
本発明において、硝化綿系樹脂は、上述したように硝化綿を樹脂成分として100%含むものであってもよいが、上述したアクリル系樹脂とポリアセタール系樹脂のうちの少なくとも一種と、メラミン系樹脂と、硝化綿とを含むことがさらに好ましい。このような組み合わせの場合に、放電レート特性、電池長寿命化特性が特に良好になるからである。
また、本発明において、特にアクリル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、メラミン系樹脂、及び硝化綿の合計を100質量%としたとき、メラミン系樹脂が5〜55質量%であり、硝化綿が40〜90質量%であることがさらに好ましい。100質量%からメラミン系樹脂と硝化綿の配合量を引いた残りが、アクリル系樹脂又はポリアセタール系樹脂の配合量である。この場合に、放電レート特性、電池長寿命化特性がさらに良好になるからである。メラミン系樹脂の含有量は、具体的には例えば5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。硝化綿の含有量は、40,45,50,55,60,65,70,75,80,85,90質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
<導電材>
本発明の導電性樹脂層は、導電性基材と活物質層又は電極材層との間に設けられ、この間を移動する電子の通路となるので、この電子伝導性が必要である。硝化綿系樹脂自体は絶縁性が高いので、電子伝導性を付与するために導電材を配合しなければならない。本発明に用いる導電材としては公知の炭素粉末、金属粉末などが使用可能であるが、その中でも炭素粉末が好ましい。炭素粉末としてはアセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、カーボンナノチューブなどが使用可能である。導電材の添加量は、硝化綿系樹脂の樹脂成分(固形分、以下同じ)100質量%に対して40〜100質量%が好ましく、40〜80質量%がさらに好ましい。40質量%未満では形成される導電性樹脂層の体積固有抵抗が高くなり、100質量%を超えると導電性基材との密着性が低下するからである。導電材を硝化綿系樹脂の樹脂成分液に分散するには公知の方法を用いることができ、例えば、プラネタリミキサ、ボールミル、ホモジナイザ等を用いることによって分散することが可能である。
<MEK抽出率>
本発明は、導電性樹脂のMEK抽出率は、5質量%以上60質量%以下であることが必要である。抽出率が60質量%より高い場合には、集電体として活物質層との密着性は良くなるが、アルミニウム等の導電性基材との密着性と耐電解液性が劣り、長寿命化が図れず、電池の劣化を早める要因となり好ましくない。抽出率が5質量%未満になった場合、導電性樹脂層は導電性基材との密着性はよく耐電解液性は向上するが、活物質層との密着性が低下する。MEK抽出率が少なすぎると、硬化されていない官能基が減少し、活物質層との密着に必要な官能基が減少することになるため、活物質層との密着性が低下し、ハイレート特性の向上、長寿命化が図れない。なお、MEK抽出率は、好ましくは10質量%以上40質量%以下である。この場合、さらに密着性、耐電解液性の向上が見られ、ハイレート特性、長寿命化に優れた電池特性が得られる。なお、MEK抽出率は、塗膜の硬化状態を規定する方法としては知られているが、本発明は、硝化綿系樹脂を導電材とを有する導電性樹脂層が、導電性基材と活物質層との間に寄与する際の最適化を図るための条件として上述したようにMEK抽出率を最適化することにより、優れた集電体を得ることを設計思想とすることに成功したものであって、MEK抽出率を硬化状態として指標したものとは全く異なる。
MEK抽出率は、以下の方法で測定する。まず、導電性樹脂層を形成した集電体の質量を計測後、沸騰したMEKの中に1時間浸漬させ、洗浄用MEKにて洗浄し、オーブンにて150度で10分間乾燥後、抽出後の質量を測定する。次に、導電性樹脂層の塗膜を濃硫酸にて集電体から剥離させ、アルミ箔の重量を測定する。
本発明の集電体を得るには、先に述べたアルミニウム、銅等の導電性基材の少なくとも片面に導電性樹脂層を公知の方法で形成して得ることができるが、導電性樹脂層は上記MEK抽出率を有するものにする必要がある。例えば、塗工にて導電性樹脂層を形成する場合、焼付温度と焼付時間がMEK抽出率に影響する。このため、導電性樹脂層の材料の焼付温度は導電性基材の到達温度として100〜250℃が好ましく、130〜190℃がさらに好ましい。焼付時間は10〜60秒が好ましい。このような条件で導電性樹脂層を形成した場合に、MEK抽出率が5質量%以上60質量%以下にすることができる。また、100℃未満では硝化綿系樹脂が十分に硬化せず、250℃を超えると活物質層との密着性が低下する場合がある。MEK抽出率は、樹脂組成、樹脂液中の樹脂濃度、焼付温度、焼付時間、焼付方法などの種々の因子によって総合的に決定されるため、上記条件を適宜変更してもMEK抽出率が5質量%〜60質量%の範囲内になるように調整すればよい。
なお、一般に焼付温度が高いほど、焼付時間が長いほど、MEK抽出率が小さくなる傾向がある。従って、MEK抽出率を5質量%以上60質量%以下にするには、事前に導電性樹脂層を形成し、形成した導電性樹脂層においてMEK抽出率を測定し、測定されたMEK抽出率が5質量%より小さければ、焼付温度を低くするか焼付時間を短くし、測定されたMEK抽出率が60質量%よりも大きければ焼付温度を高くするか焼付時間を長くする等の調整が必要をすることが推奨される。上記の方法を用いれば、数回の試行錯誤を行うだけで、MEK抽出率を所望の値に設定することが可能である。
<抽出率と材料>
硝化綿を硬化することができる樹脂を添加することによって導電性樹脂層の密着性や、耐電解液性などを向上させることができ、アクリル樹脂やブチラール樹脂、エポキシ樹脂等を好適に用いることができる。これら樹脂をこれら樹脂と併用する場合にも、上述した方法で抽出率を制御することが可能である。また、添加樹脂の種類や比率などの組み合わせにおいて抽出率が変化することが考えられるが、上述した条件を適宜変更して設定することで抽出率を本発明の抽出率に制御することができる。
添加樹脂の配合比率による抽出率の制御例として、本発明においては、硝化綿を樹脂成分として単独使用するよりも、硝化綿、アクリル樹脂、メラミン樹脂を併用することによって柔軟に対応させることができる、導電性樹脂層のアルミ箔との密着性、上塗り層である活物質層との密着性、耐電解液特性を向上させることがでできるる。硝化綿/アクリル/メラミンの例において、抽出率が5〜60%になるための好ましい温度範囲は基材到達温度が100度〜250度であり、さらに好ましくは130度〜190度である。
添加樹脂の配合比率による抽出率の他の制御例として、抽出率を下げる場合には、例えば、硝化綿80重量部にメラミン樹脂20重量部を添加することができる。抽出率を低くすることにより耐電解液性や密着性の向上を図ることができる。ハイレート特性は優れる。
以上のように、本発明の集電体を用いれば、活物質層又は電極材層を形成し電解液が浸潤した状態においても、樹脂層と活物質層あるいは樹脂層と電極材層の界面に十分な密着性が確保できるだけでなく、導電性基材との界面にも十分な密着性の確保を兼ね備えることができる。また、充放電を繰り返した後においても大きな剥離は認められず、十分な密着性と優れた放電レート特性、長寿命化が図れた集電体が得られる。
本発明において、導電性樹脂層の厚さは特に制限されるものではないが、通常0.1μm以上、5μm以下が好ましく、さらに好ましくは0.3μm以上、3μm以下である。0.1μm未満では導電性樹脂層の形成にムラができ、導電性基材上を被覆できない部分が発生して、十分な電池特性が得られない場合がある。一方、5μmを超えると後述する非水電解質電池や蓄電部品に適用する際、その分、活物質層や電極材層を薄くせざるを得ない場合があることから十分な容量密度が得られない場合がある。また、リチウムイオン二次電池等に用いる場合、セパレータと組み合わせて巻回した際、曲率半径が非常に小さい内側の巻き部において、樹脂層に亀裂が入り、剥離部分が発生、非水電解質電池や蓄電部品の性能を劣化させる場合がある。
本発明の集電体の製造方法は、特に制限されるものではないが、導電性基材に樹脂層を形成する際、導電性基材表面の密着性が向上するように導電性基材自体に公知の前処理を実施することも効果的である。特に圧延にて製造したアルミニウム等の導電性基材を用いる場合、圧延油や磨耗粉が残留している場合があり、脱脂などによって除去することにより、密着性を向上させることができる。また、コロナ放電処理のような乾式活性化処理によっても密着性を向上させることができる。
電極構造体
本発明の集電体の少なくとも片面に活物質層又は電極材層を形成することによって、本発明の電極構造体を得ることができる。電極材層を形成した蓄電部品用の電極構造体については後述する。まず、活物質層を形成した電極構造体の場合、この電極構造体とセパレータ、非水電解質溶液等を用いて非水電解質電池用、例えばリチウムイオン二次電池用の電極構造体(電池用部品を含む)を製造することができる。本発明の非水電解質電池用電極構造体および非水電解質電池において集電体以外の部材は、公知の非水電池用部材を用いることが可能である。ここで、本発明において電極構造体として形成される活物質層は、従来、非水電解質電池用として提案されているものでよい。例えば、正極としてはアルミニウムを用いた本発明の集電体に、活物質としてLiCoO、LiMnO、LiNiO等を用い、導電材としてアセチレンブラック等のカーボンブラックを用い、これらをバインダであるPVDFに分散したペーストを塗工・乾燥させることにより、本発明の正極構造体を得ることができる。負極の電極構造体とする場合には、導電性基材として銅を用いた本発明の集電体に活物質として例えば黒鉛、グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ等を用い、これらを増粘剤であるCMCに分散後、バインダであるSBRと混合したペーストを活物質層形成用材料として塗工・乾燥させることにより、本発明の負極構造体を得ることができる。
非水電解質電池
本発明は非水電解質電池であってもよい。この場合、本発明の集電体を使用する以外には特に制限されるものではない。例えば、本発明の集電体を構成要素とする前記正極構造体と負極構造体の間に非水電解質を有する非水電解質電池用電解液を含浸させたセパレータで挟むことにより、本発明の非水電解質電池を構成することができる。非水電解質およびセパレータは公知の非水電解質電池用として用いられているものを使用可能である。電解液は溶媒として、カーボネート類やラクトン類等を用いることができ、例えば、EC(エチレンカーボネイト)とEMC(エチルメチルカーボネイト)の混合液に電解質としてLiPFやLiBFを溶解したものを用いることができる。セパレータとしては例えばポリオレフィン製のマイクロポーラスを有する膜を用いることができる。
蓄電部品(電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等)
本発明の電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等は、本発明の集電体を大電流密度での高速の充放電が必要な電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等の蓄電部品にも適応可能である。本発明の蓄電部品用電極構造体は本発明の集電体に電極材層を形成することによって得られ、この電極構造体とセパレータ、電解液等によって、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等の蓄電部品を製造することができる。本発明の電極構造体および蓄電部品において集電体以外の部材は、公知の電気二重層キャパシタ用やリチウムイオンキャパシタ用の部材を用いることが可能である。
電極材層は正極、負極共、電極材、導電材、バインダよりなるものとすることができる。本発明においては、本発明の集電体の少なくとも片側に前記電極材層を形成することによって電極構造体とした後、蓄電部品を得ることができる。ここで、電極材には従来、電気二重層キャパシタ用、リチウムイオンキャパシタ用電極材料として用いられているものが使用可能である。例えば、活性炭、黒鉛などの炭素粉末や炭素繊維を用いることができる。導電材としてはアセチレンブラック等のカーボンブラックを用いることができる。バインダとしては、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)やSBR(スチレンブタジエンゴム)を用いることができる。また、本発明の蓄電部品は、本発明の電極構造体にセパレータを挟んで固定し、セパレータに電解液を浸透させることによって、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタを構成することができる。セパレータとしては例えばポリオレフィン製のマイクロポーラスを有する膜や電気二重層キャパシタ用不織布等を用いることができる。電解液は溶媒として例えばカーボネート類やラクトン類を用いることができ、電解質は陽イオンとしてはテトラエチルアンモニウム塩、トリエチルメチルアンモニウム塩等、陰イオンとしては六フッ化りん酸塩、四フッ化ほう酸塩等を用いることができる。リチウムイオンキャパシタはリチウムイオン電池の負極、電気二重層キャパシタの正極を組み合わせたものである。これらの製造方法は本発明の集電体を用いる以外は、公知の方法に従って行うことができ、特に制限されるものではない。
以下、本発明の実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
<1.集電体の作製>
表1に示す樹脂を表1に示す割合でMEKに溶解した導電性樹脂層用溶液に、樹脂成分(樹脂の固形分、以下同じ)100質量%に対して60質量%のアセチレンブラックを添加し、ボールミルにて8時間分散して塗料とした。この塗料を厚さ20μmのアルミニウム箔(JIS A1085)の片面にバーコータで塗布し、基材到達温度が表1に示す温度になるように30秒間加熱して集電体を作製した。焼付後の樹脂層の厚さは、2μmであった。樹脂層の厚さは、フィルム厚み測定機 計太郎G(セイコーem製)を用いて、樹脂層形成部と未形成部(アルミ箔のみの部分)の厚みの差から樹脂層の厚さを算出した。
表1において、硝化綿の重量は固形分の重量である。また、表1で略称している樹脂詳細を表2に示す。
<2.リチウムイオン電池の放電レート特性評価、電極寿命評価>
<リチウムイオン電池の製造方法>
正極には、活物質のLiCoOと導電材のアセチレンブラックをバインダであるPVDF(ポリフッ化ビニリデン)に分散したペーストを厚さ70μmにて前記各集電体に塗工したものを用いた。負極には、活物質の黒鉛をCMC(カルボキシメチルセルロース)に分散後、バインダであるSBR(スチレンブタジエンゴム)と混合したペーストを厚さ20μmの銅箔に厚さ70μmにて塗工したものを用いた。これらの電極構造体にポリプロピレン製マイクロポーラスセパレータを挟んで電池ケースに収め、コイン電池を作製した。電解液としてはEC(エチレンカーボネート)とEMC(エチルメチルカーボネート)の混合液に1MのLiPFを添加した電解液を用いた。
<放電レート特性評価方法>
充電上限電圧4.2V、充電電流0.2C、放電終了電圧2.8V、温度25℃において、放電電流レート20Cの条件で、これらのリチウムイオン電池の放電容量(0.2C基準、単位%)を測定した。(1Cはその電池の電流容量(Ah)を1時間(h)で取り出すときの電流値(A)である。20Cでは1/20h=3minでその電池の電流容量を取り出すことができる。あるいは充電することができる。)
0.2Cを100%としたときの20Cにおける放電レートにより、以下の基準に従って、放電レート特性を評価した。
◎:70%以上
○:60%以上70%未満
△:50%以上60%未満
×:50%未満
<3.電気二重層キャパシタの放電レート特性評価、電極寿命評価>
<電気二重層キャパシタの製造方法>
電極材の活性炭、導電材のケッチェンブラックをバインダのPVDFに分散したペーストを厚さ80μmにて前記集電体に塗工し、正極、負極共同じ電極構造体とした。この電極構造体2枚に電解液を含浸した電気二重層キャパシタ用不織布を挟んで固定し、電気二重層キャパシタを構成した。電解液は溶媒であるプロピレンカーボネートに1.5MのTEMA(トリエチルメチルアンモニウム)と四フッ化ほう酸を添加したものを用いた。
<放電レート特性評価方法>
電上限電圧2.8V、充電電流1C、充電終了条件2h、放電終了電圧0V、温度25℃、放電電流レート500Cの条件で、これらの電気二重層キャパシタの放電容量(1C基準、単位%)を測定した。
1Cを100%としたときの500Cにおける放電レートにより、以下の基準に従って、放電レート特性を評価した。
◎:80%以上
○:70%以上80%未満
△:60%以上70%未満
×:60%未満
<抽出率測定>
樹脂層を形成した集電体の質量を計測後、沸騰したMEKの中に1時間浸漬させ、洗浄用MEKにて洗浄し、オーブンにて150度で10分間乾燥後、抽出後の質量を測定した。樹脂層の塗膜を濃硫酸にて集電体から剥離させ、アルミ箔の重量を測定した。樹脂層の塗布重量を計算し、全体の塗布重量を100%としたとき、MEKによって抽出された割合を抽出率として算出した。
<剥離試験>
T字剥離試験にて行った。粘着テープを基材に張り付け、300mm/minの速度にて50mmの長さをT字剥離にて行った。
まったく剥離しなかったものを○とし、剥離が見られたものを×とした。
<耐電解液性>
EC(エチレンカーボネート)とEMC(エチルメチルカーボネート)の混合液に1MのLiPFを加えた電解液に60質量%、24時間密封保存した。MEKにて洗浄後、剥離が見られたものを×、剥離のなかったものを○とした。
1:集電体
3:導電性基材
5:樹脂層(集電体用樹脂層)
7:電極構造体
9:活物質層又は電極材層

Claims (7)

  1. 導電性基材の少なくとも片面に導電性を有する樹脂層を形成した集電体であって、
    該樹脂層は、硝化綿系樹脂と導電材を含み、且つMEK(メチルエチルケトン、以下同様)による抽出率が5質量%以上60質量%以下であり、
    前記硝化綿系樹脂が含有する化綿の窒素濃度は10〜13%である、
    集電体。
  2. 前記硝化綿系樹脂は、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、エポキシ系樹脂のうちの少なくとも一種と、硝化綿とを含む請求項1に記載の集電体。
  3. 前記硝化綿系樹脂は、アクリル系樹脂とポリアセタール系樹脂のうちの少なくとも一種と、メラミン系樹脂と、硝化綿とを含む請求項1又は2に記載の集電体。
  4. アクリル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、メラミン系樹脂、及び硝化綿の合計を100質量%としたとき、メラミン系樹脂は、5〜55質量%であり、硝化綿は、40〜90質量%である、請求項3に記載の集電体。
  5. 導電性基材がアルミニウム又は銅である請求項1〜4の何れか1つに記載の集電体。
  6. 請求項1〜5の何れか1つに記載の集電体の前記樹脂層上に活物質層又は電極材層を備える、電極構造体。
  7. 請求項6に記載の電極構造体を備える、非水電解質電池又は蓄電部品。
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