以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材における例えば上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。
図2は、スティックコントローラ122の構成例を示す側面図である。スティックコントローラ122は、遊技者が把持する操作桿122Aを含み、操作桿122Aの所定位置(例えば遊技者が操作桿122Aを把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタン121が設けられている。トリガボタン121は、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿122Aを操作手(例えば左手など)で把持した状態で所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することによって所定の指示操作ができるように構成されている。
操作桿122Aの内部には、トリガボタン121に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図4を参照)が内蔵されている。スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部には、操作桿122Aに対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123が設けられている。例えば、傾倒方向センサユニット123は、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿122Aの中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿122Aの中心位置よりも右側で遊技盤6の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されている。
なお、下皿におけるスティックコントローラ122の取付位置は、下皿の中央部分に限られず、左右のいずれかに寄せた位置であってもよい。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)に、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、または電磁的に検出できるように構成される。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図4を参照)が設けられている。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿および下皿の中央部分において上下の位置関係にあるが、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122の取付位置を、上皿および下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。また、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置の位置関係が上下ではなく、例えば左右の位置関係であってもよい。
スティックコントローラ122に設けられたトリガボタン121は、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿122Aを操作手で把持した状態において、操作指で押引操作することなどにより指示操作ができるように構成されている。プッシュボタン120は、スティックコントローラ122とは別個に上皿を形成するガラス扉枠2の所定位置に設けられ、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿122Aを把持しない状態でも、操作手で押下操作することなどによって指示操作ができるように構成されている。従って、プッシュボタン120に比べて、トリガボタン121に対して、連続的な指示操作となる連打操作がなされることは困難である。
また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126が内蔵されている。この実施の形態では、例えば、バイブレータ用モータ126の軸の重心を偏らせたり軸に重りを取り付け、演出制御用マイクロコンピュータ100によりバイブレータ用モータ126を回転制御することによって振動を生じさせ、スティックコントローラ122を振動動作させるように制御される。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態の遊技機は、2つの特別図柄表示器8a,8bを備えているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えていてもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
また、遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。飾り図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の飾り図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせが停止表示される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として飾り図柄の変動表示が行われるが、演出表示装置9で行われる演出は、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、サッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、飾り図柄が揃って停止表示される。ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば、「135」)が停止表示されることもある。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、飾り図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に飾り図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどに限らず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)になる。
また、特別図柄や飾り図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や飾り図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および飾り図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、トリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿122Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機にしてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンの種別を決定するための乱数や変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図7は、あらかじめ用意された飾り図柄の変動パターンを示す説明図である。図7に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図7に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる飾り図柄を仮停止させた後に飾り図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図7に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図7において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図7に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図7に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、確変大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、通常大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
図6に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図9(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図9(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図9(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図9(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図9(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図9(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図9(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図9(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図9(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図9(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図9(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図9(B),(C)に示すように、第1特別図柄用の小当り判定テーブルを用いる場合には1/300の割合で小当りと決定されるのに対して、第2特別図柄用の小当り判定テーブルを用いる場合には1/3000の割合で小当りと決定される。従って、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図9(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図9(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図9(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
なお、この実施の形態では、図9(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられている(10/40の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して3個の判定値が割り当てられている(3/40の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
「確変大当り」は、15ラウンドの大当り遊技状態に制御され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行するような大当りである。なお、この実施の形態では、確変状態に移行する場合には時短状態にも移行する。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される。
また、「通常大当り」は、15ラウンドの大当り遊技状態に制御され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行せず、時短状態にのみ移行するような大当りである。そして、時短状態に移行した後、特別図柄および飾り図柄の変動表示が所定回数(例えば、100回)実行されるまで時短状態が維持される。ただし、時短状態に移行した後、所定回数の変動表示が実行される前に大当りが発生した場合には、時短状態が終了する。
「突然確変大当り」は、「確変大当り」や「通常大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.5秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。そして、この実施の形態では、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行する。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される。ただし、この実施の形態では、突然確変大当りとなった場合には、確変状態(高確率状態)に制御されるのみで、時短状態(高ベース状態)には制御されない(すなわち、高確率/低ベース状態に制御される。)。
なお、突然確変大当りとなった場合にも、15ラウンドの確変大当りの場合と同様に、必ず確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行されるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、突然確変大当りの場合には大入賞口の開放回数は2回であるが、すなわち、突然確変大当りにもとづく大当り遊技のラウンド数は2であるが、突然確変大当りにもとづく大当り遊技のラウンド数を、通常大当りおよび確変大当りのラウンド数と同じ(例えば、15ラウンド)にしてもよい。その場合には、1ラウンドの開放時間をさらに短くする(例えば、0.1秒にする)。
「小当り」は、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.5秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。小当りについても、突然確変大当りにもとづく大当り遊技と同様に、1ラウンドの開放時間をさらに短くしてもよい。
この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.5秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.5秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
図10(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「通常大当り」である場合に用いられる図10(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「確変大当り」である場合に用いられる図10(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて2ラウンド大当り状態に制御する場合には、15ラウンド大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図10(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図10(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図11(A)〜(C)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。このうち、図11(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図11(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。また、図11(C)は、遊技状態が確変状態または時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図11に示す例では、遊技状態が確変状態または時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B,135Cを用いる場合を示しているが、確変状態または時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図11(C)に示す例では、1つの確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いる場合を示しているが、確変/時短状態用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルを用いる場合を示しているが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。また、このような場合であっても、特定の可変表示パターンとしてのスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対して共通の判定値を割り当てるように構成すればよい。
なお、「特定の可変表示パターン」とは、スーパーリーチを伴う変動パターンなど、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」は、その特定の可変表示パターンによる可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を意味する。例えば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図11(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図11(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(図11(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるように構成されている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
なお、この実施の形態では、図10に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図11(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が時短状態や確変状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図12(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図12(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図12(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図12(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図13は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動時間の情報を含む変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図7に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび突然確変(突確)大当り/小当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信し、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(突然確変(突確)大当り/小当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを示す演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であることを示す演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを示す演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
なお、通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンドおよび確変状態指定コマンドを状態指定コマンドと総称することがある。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶数そのものを指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。この場合、例えば、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する演出制御コマンドを送信するとともに、保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドとして第1保留記憶数と第2保留記憶数とで共通の演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
また、例えば、第1保留記憶数を指定する場合と第2保留記憶数を指定する場合とで別々の演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)を送信するようにしてもよい。この場合、例えば、保留記憶数指定コマンドとして、MODEデータとして第1保留記憶数または第2保留記憶数を特定可能な値(例えば、第1保留記憶数を指定する場合には「C0(H)」、第2保留記憶数を指定する場合には「C1(H)」)を含むとともに、EXTデータとして保留記憶数の値を設定した演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
また、例えば、同じ第1保留記憶数を指定する場合であれば、MODEデータを共通にし、EXTデータを異ならせることによって、第1保留記憶数の加算または減算を指定した演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。例えば、共通のMODEデータ「C0(H)」を用い、第1保留記憶数の減算を指定する場合にはコマンドC000(H)を送信するようにし、第1保留記憶数の加算を指定する場合にはコマンドC001(H)を送信するようにしてもよい。さらに、第2保留記憶数を指定する場合にはMODEデータを異ならせて、第2保留記憶数の減算を指定する場合にはコマンドC100(H)を送信するようにし、第2保留記憶数の加算を指定する場合にはコマンドC101(H)を送信するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図14に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
なお、この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
また、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図15は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS321)。また、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図16は、ステップS321の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認する(ステップS211A)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212A)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS211Bに移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213A)、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214A)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図17参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215A)。ステップS215Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
図17は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図17に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。RAMに形成されているとは、RAM内の領域であることを意味する。
また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS216A)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS211B)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212B)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213B)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214B)。
そして、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215B)。ステップS215Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS216B)。
図18および図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。つまり、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致する。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS57)。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じた状態指定コマンド(通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンドまたは確変状態指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS58)。ステップS58の処理で、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグはセットされていないが時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、時短状態指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグも時短フラグもセットされていない場合には、通常状態指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、識別情報の変動が開始される度に状態指定コマンドを送信するが、例えば、変動開始時に前回の変動時から遊技状態が変化したか否かを判定し、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた状態指定コマンドを送信するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当りにするか否か決定する。すなわち、大当り判定用乱数の値が大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値(図9参照)のいずれかに一致するか否か判定する(ステップS61)。すなわち、ステップS61では、CPU56は、始動口スイッチ通過処理におけるステップS215Aの処理やステップS215Bの処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定処理(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とを比較する処理)を行う。
ステップS61では、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
また、現在の遊技状態が確変状態であるか否かは、確変フラグがセットされているか否かによって確認される。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定された後、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当りとすることに決定しなかった場合には、CPU56は、小当り判定テーブル(図9(B),(C)参照)を使用して小当りにするか否か判定する(ステップS62)。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、小当りとすることに決定する。ステップS62の処理では、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図9(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図9(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が小当り判定値のいずれにも一致しない場合には、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図9(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図9(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。すなわち、CPU56は、始動口スイッチ通過処理におけるステップS215Aの処理またはS215Bの処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納した大当り種別判定用乱数を読み出して、大当り種別の決定を行う。なお、図9(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」を設定し、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」を設定し、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」を設定する。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
その後、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図20は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図10(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図10(D)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(ステップS95のY)、CPU56は、ステップS99に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS96のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図11(A)参照)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS102に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS96のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図11(B)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS102に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS95のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図11(C)参照)を選択する(ステップS99)。そして、ステップS102に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S99の処理が実行されることによって、合算保留記憶数が3以上である場合には、図11(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)には、図11(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するステップS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図13参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図11(C)参照)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図11(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS95で時短フラグがセットされていないと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図11(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97,S98またはS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図12参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図13参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
また、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS107)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
なお、はずれと決定されている場合において、変動パターン種別を決定する前に、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S99,S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図11に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図11に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行うことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して連続予告演出を行うように構成することが好ましい。
図21は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの表示結果指定コマンド(図14参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもないときには(すなわち、通常大当りであるときには)、CPU56は、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
大当りフラグがセットされていないときには、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄の停止時柄を導出表示し(ステップS127)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS128)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS129)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には突然確変大当り/小当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)によって判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15。突然確変大当りの場合には2)をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
また、ステップS133で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS140)。確変フラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態をともなわず、時短状態にのみ制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS147)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に突然確変大当り/小当り開始指定コマンドを送信する(ステップS148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、2)をセットする(ステップS150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS151)。
小当りフラグもセットされていなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS152)。
図24は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には突然確変大当り/小当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、大当りの種別が通常大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、通常大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りであれば、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS168)。そして、ステップS173に移行する。
通常大当りでなければ(すなわち、確変大当りまたは突然確変大当りであれば)、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS169)。次いで、CPU56は、大当りの種別が確変大当りであるか否かを確認する(ステップS170)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りであれば、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS171)。そして、ステップS173に移行する。一方、確変大当りでなければ(すなわち、突然確変大当りであれば)、CPU56は、セットされていれば、時短フラグをリセットする(ステップS172)。そして、ステップS173に移行する。
ステップS169〜S172の処理が実行されることによって、この実施の形態では、確変大当り(15ラウンドの大当り)にもとづく大当り遊技を終了するときに、確変状態(高確率状態)に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される(すなわち、高確率/高ベース状態に移行される)。また、突然確変大当りにもとづく大当り遊技を終了するときには、確変状態(高確率状態)にのみ移行され、時短状態(高ベース状態)には移行されない(すなわち、高確率/低ベース状態に移行される)。なお、突然確変大当りにもとづく大当り遊技を終了するときにも、確変状態(高確率状態)に移行するとともに時短状態(高ベース状態)にも移行する(すなわち、高確率/高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。この場合、例えば、突然確変大当りにもとづく大当り遊技終了後、変動表示を100回終了したときに時短状態(高ベース状態)を終了させるようにしてもよいし、100回の変動表示を経過した以降も、例えば、次の大当りになるまで時短状態(高ベース状態)が継続するようにしてもよい。
なお、突然確変大当りにもとづく大当り遊技を終了するときには、時短状態の制御に関しては突然確変大当りが発生した時点の状態が維持されるようにしてもよい。すなわち、突然確変大当りが発生した時点で既に時短状態に制御され時短フラグがセットされていれば、2ラウンドの大当り遊技終了後も時短状態が維持され、突然確変大当りが発生した時点で時短状態に制御されていなければ(時短フラグがセットされていなければ)、2ラウンドの大当り遊技終了後も時短状態には制御されないようにしてもよい。そのように制御することによって、小当りが生じたのか突然確変大当りが生じたのかを遊技者がより把握しづらくなる。小当りが生じた場合には遊技状態は変更されないが、突然確変大当りが生じた場合にもベース状態が変化しないので、いずれかが生じたのかを識別することが難しいからである。ただし、突然確変大当りが発生した時点で既に時短状態(高ベース状態)に制御されていた場合であっても、その突然確変大当りにもとづく2ラウンドの大当り遊技中は低ベース状態であることが望ましい。そのため、突然確変大当りが発生した時点で既に時短状態(高ベース状態)に制御されていた場合には、突然確変大当り発生時点で時短状態であったことを示す退避情報を一旦記憶した上で、時短フラグをリセットして時短状態を終了し(低ベース状態に移行し)、2ラウンドの大当り遊技終了後に再び時短フラグをセットして、時短状態(高ベース状態)に移行するようにすればよい。また、その後、時短状態(高ベース状態)で100回の変動表示を終了した場合には、確変潜伏状態に移行して確変状態であるか否かを認識不能としてもよいし、確変状態であることを報知可能にするためのミッション演出(所定の操作等がなされた等の条件が成立した場合に確変状態であることを報知)を開始するようにしてもよい。また、この実施の形態では、突然確変大当りとなった場合には、確変状態(高確率状態)に制御されるのみで、時短状態(高ベース状態)には制御されない(すなわち、高確率/低ベース状態に制御される)が、突然確変大当りとなったときに実際の遊技状態が確変状態であった場合には、高確率/高ベース状態に移行するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、ステップS167,S171の処理でセットされた時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、ステップS167,S171の処理でセットされた時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS173)。
次に、演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100)が実行する所定の演出を説明する。以下、所定の演出を、演出モードという。また、演出モードとして演出表示装置9における表示画面の背景色を例にする。
図25に示すように、演出モードとして、第1ランク演出モード、第2ランク演出モード、第3ランク演出モード、第4ランク演出モードおよび第5ランク演出モードがある。各々の演出モードの背景色は、互いに異なる。なお、この実施の形態では、5つの演出モードを例示するが、演出モードの種類は、複数種類であれば、5種類に限られない。
各々の演出モードは、ランク付けがなされ、第1ランク演出モードが最も高いランクの演出モードである。以下、ランクの数が多くなるほどランクが低くなり、第5ランク演出モードが最も低いランクの演出モードである。
ランクが高い/低いは、価値付与条件が成立したときに、遊技者に付与する価値が高い/低いに対応している。この実施の形態では、遊技者に付与する価値は、遊技状態が確変状態である可能性を示唆する示唆演出である。具体的には、価値が高い示唆演出であるほど、遊技状態が確変状態である信頼度が高い。換言すれば、実際に遊技状態が確変状態である場合に、価値が高い示唆演出が実行される頻度が高く、実際には遊技状態が確変状態でない場合に、価値が低い示唆演出が実行される頻度が高い。なお、この実施の形態では、示唆演出は遊技状態が確変状態である可能性を示唆する演出であるから、具体的には、遊技状態が確変状態であるのか否かを遊技者が把握しがたい状態(確変潜伏状態ともいう。)において、実際の遊技状態が確変状態であるか否かをある程度把握可能にする演出であるから、以下、示唆演出を、確変潜伏示唆演出という。
また、各々の演出モードの演出が実行されているときに、あらかじめ決められている変更条件が成立した場合に、1つ上のランクの演出モードに移行したり、1つ下のランクの演出モードに移行したりする。
図26は、確変潜伏示唆演出の種類を示す説明図である。図26に示す例では、5種類の確変潜伏示唆演出がある。図26(A)に示す潜伏確定演出は、遊技状態が確変状態であることを報知する演出である。つまり、実際に遊技状態が確変状態である場合に限り実行され、実際には遊技状態が確変状態でない場合には、潜伏確定演出が実行されることはない。
図26(B)に示す高可能性演出は、遊技状態が確変状態である可能性が高いことを示す演出である。つまり、実際に遊技状態が確変状態である場合に、実際には遊技状態が確変状態でない場合に比べて、高い割合で高可能性演出が実行される。
図26(C)に示す低可能性演出は、遊技状態が確変状態である可能性が低いことを示す演出である。つまり、実際に遊技状態が確変状態である場合にも、実際には遊技状態が確変状態でない場合にも実行されるが、実際に遊技状態が確変状態である場合に実行される割合は、高可能性演出に比べて低い。
図26(D)に示す非確変報知演出は、遊技状態が確変状態でないことを報知する演出である。つまり、実際に遊技状態が確変状態でない場合に限り実行され、実際には遊技状態が確変状態である場合には、非確変報知演出が実行されることはない。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面に表示されるキャラクタ画像の種類(キャラクタ画像の形状や色)を異ならせることによって、異なる確変潜伏示唆演出が実現されているが、他の演出態様によって異なる確変潜伏示唆演出を実現するようにしてもよい。一例として、いずれの確変潜伏示唆演出を実行する場合でも同じ形状のキャラクタ画像を用い、演出表示装置9の表示画面におけるキャラクタ画像の動きの違いやキャラクタ画像の大きさの違いによって、異なる確変潜伏示唆演出を実現する。また、確変潜伏示唆演出はキャラクタ画像を用いる演出に限られず、演出表示装置9の表示画面の背景形状等を用いてもよい。
図27は、演出モードと確変潜伏示唆演出との関係を示す説明図である。図27に示す例では、演出モードが第1ランク(第1ランク演出モード)である場合には、価値付与条件が成立したときに、実際に遊技状態が確変状態である場合には潜伏確定演出が実行され、実際に遊技状態が確変状態でない場合には非確変確定演出が実行される。
また、演出モードが第2ランク(第2ランク演出モード)である場合には、価値付与条件が成立したときに、実際に遊技状態が確変状態である場合には比較的高い割合で割合で潜伏確定演出が実行される。なお、演出モードが第2ランクである場合には、高い割合で、高可能性演出が実行される。
演出モードが第3ランク(第3ランク演出モード)である場合には、価値付与条件が成立したときに、実際に遊技状態が確変状態である場合には低い割合で潜伏確定演出が実行される。なお、演出モードが第3ランクである場合には、中程度の割合で、高可能性演出が実行される。
演出モードが第4ランク(第4ランク演出モード)である場合には、価値付与条件が成立したときに、実際に遊技状態が確変状態である場合には極めて低い割合で潜伏確定演出が実行される。なお、演出モードが第4ランクである場合には、低い割合で、高可能性演出が実行される。
演出モードが第5ランク(第5ランク演出モード)である場合には、実際の遊技状態が確変状態であるときにも非確変状態であるときにも、同程度の割合で高可能性演出および低可能性演出が実行される。
以上のように、高いランクの演出モードの演出が実行されているときに価値付与条件が成立した場合には、遊技者により高い価値が付与される。上述したように、遊技者に付与される価値は、確変潜伏示唆演出による価値(より具体的には、遊技者に提供される実際の遊技状態が確変状態であることの可能性の程度)である。
次に、演出モードの変更条件の基になる演出であって操作手段に対する操作にもとづく操作対応演出を説明する。この実施の形態では、操作対応演出として、図28の説明図に示す操作対応演出Aと、図29の説明図に示す操作対応演出Bと、図30,図31の説明図に示す操作対応演出Cとがある。
まず、図28を参照して、操作対応演出Aを説明する。図28に示す例では、演出表示装置9の表示画面における左中右の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて識別情報の可変表示(変動)が行われているときに(図28(A),(B)参照)、スティックコントローラ122の操作を促す画像9aが表示される(図28(C)参照)。次いで、照準を示す画像9c、ターゲットを示す画像9eが表示される(図28(C)参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技者によるスティックコントローラ122の操作状況に応じて、画面における照準を示す画像9cを移動させたり(図28(D),(E)参照)、砲弾が発射されたかのような画像を表示する(図28(F)参照)。
図28(G)に示す例では、ターゲットを示す画像9eに砲弾が命中したことを示す報知画像が表示された後(図示せず)、演出モードのランクが上がる可能性が増したことを示す報知画像9fが表示される。その後、飾り図柄の表示結果(停止図柄)が停止表示される(図28(H)参照)。
なお、図28には、ターゲットを示す画像9eに砲弾が命中したことを示すような表示演出が実行される場合の例が示されているが、照準を示す画像9cとターゲットを示す画像9eとがずれている状態で遊技者が砲弾が発射されたかのような画像を表示させるための操作(例えば、図4に示すプッシュボタン120やトリガボタン121の押下)を行ったときには、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ターゲットを示す画像9eに砲弾が命中しなかったことを示すような表示演出を実行する。また、遊技者が待った操作を行わなかった場合には、砲弾が発射されたかのような画像を表示しないか、または砲弾が命中しなかったことを示すような表示演出を実行する。
次に、図29を参照して、操作対応演出Bを説明する。図29(A)〜(H)に示す演出は、ターゲットを示す画像9d,9eが2つ表示されることを除き、図28に示された例と同じである。
また、図29には、ターゲットを示す画像9eに砲弾が命中したことを示すような表示演出が実行される例が示されているが(図29(F),(G)参照)、準を示す画像9cとターゲットを示す画像9d,9eとが合致していない状態で遊技者が砲弾が発射されたかのような画像を表示させるための操作(例えば、図4に示すプッシュボタン120やトリガボタン121の押下)を行ったときには、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ターゲットを示す画像9d,9eに砲弾が命中しなかったことを示すような表示演出を実行する。
図29に示す操作対応演出Bでは、ターゲットを示す画像9d,9eが2つ表示されるので、操作対応演出Aに比べて、ターゲットを示す画像に砲弾が命中したことを示すような表示演出が実行されやすい。すなわち、遊技者は、ターゲットを示す画像に砲弾が命中したことを示すような表示演出を発生させやすい、
操作対応演出によるゲームの成否(ゲーム結果)は演出モードの変更条件を成立させる条件になる。また、操作対応演出Aは、操作対応演出Bに対して、演出モードを上のモードに変更させやすい高難易度操作対応演出に相当する。なお、操作対応演出A,Bによるゲーム結果として、ターゲットを示す画像に砲弾が命中したことを示すような表示演出が実行されることと(ゲーム結果「成功」に対応)、ターゲットを示す画像に砲弾が命中しなかったことを示すような表示演出(ゲーム結果「失敗」に対応)とがある。
図30および図31を参照して、操作対応演出Cを説明する。図30および図31に示す例では、演出表示装置9の表示画面における左中右の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて識別情報の可変表示(変動)が行われているときに(図30(A)参照)、スティックコントローラ122の操作を促す画像9aが表示される(図30(B)参照)。
さらに、図30(C)に示すように、演出表示装置9の表示画面において賞品群9iを示す画像が表示されるとともに、クレーンを示す画像9hが表示される。そして、遊技者によってスティックコントローラ122を右方向に傾斜させるような操作が行われたことにもとづいて、図30(D)に示すように、クレーンを示す画像9hが表示画面の左方から中央に移動するような態様の演出が実行される。
スティックコントローラ122の振動動作開始のタイミングが到来すると、図31(E)に示すように、スティックコントローラ122の振動動作が開始される。振動は、例えば5秒間継続する。
スティックコントローラ122が振動動作している期間において、遊技者によってスティックコントローラ122を手前方向に傾斜させる操作が行われた後、賞品を取得するための操作(例えば、図2に示すトリガボタン121の押下)が行われたときには、図31(F),(G)に示すように、クレーンを示す画像9hによって賞品を掴み取ることに成功するような態様の表示演出が実行される。
そして、操作対応演出によるゲーム結果を報知するための画像9j(図31に示す例では、「チャンス!」の画像)が表示される(図31(H)参照)。その後、飾り図柄の表示結果(停止図柄)が停止表示される(図31(I)参照)。
なお、図30および図31に示す例では、操作対応演出によるゲーム結果「成功」に対応する演出が例示されているが、遊技者が賞品を取得するための操作(例えば、図2に示すトリガボタン121の押下)を行ったときに、クレーンを示す画像9hにおけるアームの部分がいずれの賞品にも届かないような位置関係にあったときには、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作対応演出によるゲーム結果「失敗」に対応する演出を実行する。操作対応演出によるゲーム結果「失敗」に対応する演出は、クレーンが賞品を掴み損なったかのような表示演出である。また、遊技者が待った操作を行わなかった場合には、クレーンが動く表示演出を行わないか、またはクレーンが賞品を掴み損なったかのような表示演出を実行する。
図30および図31に示す操作対応演出Cでは、賞品群9iは移動表示されないので、ターゲットを示す画像が移動表示される操作対応演出A,Bに比べてゲームの難易度(ゲームを成功に導く難しさの度合い、具体的にはターゲットに砲弾を命中させづらさやクレーンでの賞品の掴みづらさ)は低いといえる。すなわち、ゲームの結果を「成功」にしやすい。すなわち、操作対応演出A,B,Cのうち、操作対応演出Aの難易度が最も高く、操作対応演出Cの難易度が最も低い。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図32は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
なお、ステップS701の処理で、演出制御用CPU101は、演出制御装置9の表示画面の背景を、第3ランク(第3ランク演出モード)に応じた背景色にする。また、演出モードが第3ランクであることを示すデータをRAMに設定する。
その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、ステップS705〜S706の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS705)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存されている。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101が、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図14参照)であるのか解析する。
図33〜図35は、コマンド解析処理(ステップS705)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS622)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS623)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS627)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)をセットする(ステップS632)。
受信した演出制御コマンドが突確大当り/小当り開始指定コマンドであれば(ステップS633)、演出制御用CPU101は、突確大当り/小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS635)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS636)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS637)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS638)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンド)であれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)をセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが突確大当り/小当り終了指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、突確大当り/小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数カウンタの値を+1する(ステップS646)。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示(第1保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合)、または第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示(第2保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合)を更新する(ステップS647)。具体的には、表示数を1増やす。なお、合算保留記憶数カウンタは、RAMに形成されている、
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS648)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数カウンタの値を−1する(ステップS649)。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示(第1保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合)、または第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示(第2保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合)を更新する(ステップS650)。具体的には、表示数を1減らす。
受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば(ステップS670)、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをリセットする(ステップS671)。受信した演出制御コマンドが確変状態指定コマンドであれば(ステップS672)、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(ステップS673)。受信した演出制御コマンドが時短状態指定コマンドであれば(ステップS674)、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをリセットする(ステップS675)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS691)。そして、ステップS611に移行する。
図36は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図36に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、ゲーム決定用乱数SR2、および確変潜伏示唆演出決定用乱数SR3を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、飾り図柄の可変表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、飾り図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの飾り図柄のことである。なお、飾り図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
ゲーム決定用乱数SR2は、操作対応演出(図28〜図31参照)すなわちゲームを実行するか否かと、操作対応演出の種類を決定するための乱数である。
確変潜伏示唆演出決定用乱数SR3は、確変潜伏示唆演出の種類を決定するための乱数である。
図37は、図32に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、飾り図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。
また、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り/小当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り/小当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り/小当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図38は、図37に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図39は、図37に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した変動パターンコマンド)を読み出す(ステップS820)。また、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)を読み出す(ステップS821)。そして、変動パターンコマンドと表示結果指定コマンドとにもとづいて、飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS822)。なお、決定された飾り図柄の表示結果は、RAMに形成されている飾り図柄表示結果格納領域に格納される。
図40は、飾り図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図40に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りまたは確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。ただし、受信した表示結果指定コマンドが通常通常大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)には、停止図柄として、偶数図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)には、停止図柄として、奇数図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。
具体的には、通常大当りまたは確変大当りにすることに決定されている場合には、SR1−1を抽出し、SR1−1を用いて左中右の停止図柄(左中右の図柄が揃った飾り図柄の組合せ)を決定する。通常大当りにすることに決定されているときには、決定された図柄が奇数図柄であった場合には、例えば1つずらした図柄を停止図柄にする。また、確変大当りにすることに決定されているときには、決定された図柄が偶数図柄であった場合には、例えば1つずらした図柄を停止図柄にする。
なお、通常大当りにすることに決定されているときにも確変大当りにすることに決定されているときにも奇数図柄および偶数図柄を選択可能にし、突然確変大当りおよび小当りになった場合(図50におけるステップS887参照)だけでなく、通常大当りおよび確変大当りになった場合にも確変潜伏示唆演出を実行可能であるようにしてもよい。通常大当りおよび確変大当りになった場合に確変潜伏示唆演出を実行する場合には、確変潜伏示唆演出の種類を決定するときに、例えば、そのときの演出モード(具体的には、ランク)と大当りの種類(大当り種別)とに応じて確変潜伏示唆演出の種類を決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りまたは小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として突確大当りおよび小当りの場合のチャンス目である「135」の組合せを決定する。
なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。
そして、はずれの場合には、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。
具体的には、演出制御用CPU101は、例えば、はずれ図柄にすることに決定されていない場合であって、かつ、リーチすることに決定されていない場合には、SR1−1〜SR1−3を抽出し、SR1−1を用いて左図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定し、SR1−3を用いて右図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合には、SR1−1〜SR1−2を抽出し、SR1−1を用いて左右図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定する。なお、決定された左中右図柄がチャンス目であった場合には、例えば、左図柄を1図柄ずらす。
そして、演出制御用CPU101は、潜伏示唆演出中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS823)。潜伏示唆演出中フラグがセットされていない場合には、ステップS828に移行する。潜伏示唆演出中フラグがセットされている場合には、変動回数カウンタの値を+1する(ステップS824)。また、変動回数カウンタの値が所定値(この例では、30)になった場合には(ステップS825)、潜伏示唆演出中フラグをリセットし(ステップS826)、実行されていた確変潜伏示唆演出を停止し、演出表示装置9の表示画面の背景色を、RAMに記憶されている演出モードに対応する背景色に戻す(ステップS827)。
なお、潜伏示唆演出中フラグは、確変潜伏示唆演出の実行中(複数回の可変表示に亘って実行される。)であることを示すフラグである。また、実行されていた確変潜伏示唆演出を停止するということは、確変潜伏示唆演出に相当するキャラクタ画像を演出表示装置9から消去する(表示しない)ということである。また、変動回数カウンタの値が所定値に達していない場合には、演出制御用CPU101は、実行されている確変潜伏示唆演出のキャラクタ画像(図26参照)の演出表示装置9における表示を継続する。
この実施の形態では、確変潜伏示唆演出は、大当り遊技の終了後に、所定の価値付与条件が成立した場合に開始されるが、そのときの演出モードを示すデータはRAMに保存されている。ステップS827の処理が実行されることによって、RAMに保存されていたデータが示す演出モードの演出を実行する状態に戻るので、確変潜伏示唆演出を開始することに決定された後、30回の可変表示が実行された場合には、確変潜伏示唆演出が終了するとともに、演出モードが確変潜伏示唆演出の開始前の演出モードに戻される。
また、演出制御用CPU101は、これから開始される飾り図柄の可変表示結果がはずれ図柄であり、かつ、変動パターンがリーチ演出を伴わない場合には、操作対応演出(具体的には、操作対応演出によるゲーム)を開始するか否かと、開始する場合の操作対応演出の種類(具体的には、操作対応演出によるゲームの種類)を決定する操作ゲーム決定処理を実行する(ステップS828,S829)。
なお、この実施の形態では、確変潜伏示唆演出の実行中には操作対応演出は実行されないが(図39におけるステップS823およびステップS825の「N」参照)、確変潜伏示唆演出の実行中にも操作対応演出を実行するようにしてもよい。そのように構成する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、操作対応演出の結果が「成功」であった場合(複数回「成功」になった場合でもよい。)、確変潜伏示唆演出の種類を、確変状態である可能性が高いことに対応する演出(実際に確変状態であるときに選択されやすい演出:図26参照)に変更する。
なお、飾り図柄の可変表示結果がはずれ図柄であることは、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドであったり(図14参照)、ステップS822の処理で決定された停止図柄が左右不一致の図柄の組合せ(チャンス目を除く。)であることによって確認される。変動パターンがリーチ演出を伴うか否かは、変動パターンコマンド格納領域に格納されている変動パターンコマンドによって確認される。
また、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブル(図41参照)を選択する(ステップS831)。次いで、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS832)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS833)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS834)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(ステップS835)。
なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU101は、所定時間が経過する毎に左中右の飾り図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDP109がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9に出力し、演出表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって飾り図柄の変動が実現される。
また、演出制御用CPU101は、画像データをVRAMの所定領域に書き込む場合に、実際には、例えば、Vブランク割込にもとづくVブランク割込処理で画像データをVRAMに書き込む制御を行う。従って、演出制御用CPU101は、RAMの所定領域にVRAMに書き込むデータを一時保存し、Vブランク割込処理でRAMの所定領域のデータをVRAMに書き込む制御を行う。Vブランク割込は、演出表示装置9に供給される垂直同期信号の周期と同周期でVDP109が発生する割込である。例えば、演出表示装置9の画面変更周波数(フレーム周波数)が30Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は33.3msであり、フレーム周波数が60Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は16.7msである。この例では、Vブランク割込処理でVRAMにデータを書き込むが、他の処理において、VRAMにデータを書き込むようにしてもよい。他の処理は、例えば、演出制御用が内蔵するタイマにもとづくタイマ割込や、飾り図柄変動中処理である。なお、他の処理においてVRAMにデータを書き込む処理を実行する場合には、例えば定期的に、実行周期とVブランク割込の周期との同期を取るための処理を実行することが好ましい。
その後、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS836)。
図41は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)の組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。
図41に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや演出種類に応じて用意されている。また、大当りの報知に関する演出や大当り遊技中の演出を実行するためのプロセステーブルも用意されている。
なお、この実施の形態では、飾り図柄の変動に関わる画像データは、プロセステーブルには設定されていない。飾り図柄の変動自体は、演出制御用CPU101によって、プロセステーブルを使用せずに直接制御される。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
図42は、図39に示されたステップS829の操作ゲーム決定処理を示すフローチャートである。図43は、操作ゲーム決定テーブルを示す説明図である。
図42に示すように、操作ゲーム決定処理において、演出制御用CPU101は、ゲーム決定用乱数SR2を抽出する(ステップS501)。そして、ゲーム決定用乱数と操作ゲーム決定テーブルとを用いてゲーム(操作対応演出)を実行するか否かを決定し、ゲームを実行することに決定した場合にはゲームの種類(操作対応演出の種類)を決定する(ステップS502)。
ステップS502の処理では、演出制御用CPU101は、ゲーム決定用乱数に一致する判定値に対応する内容(ゲームを実行しない、ゲームを実行する場合のゲームの種類)を決定結果にする。なお、図43に示すゲームAは操作対応演出Aのことであり、ゲームBは操作対応演出Bのことであり、ゲームCは操作対応演出Cのことである。
なお、この実施の形態では、実際の遊技状態(確変状態/非確変状態(通常状態))に関わらず、ゲームA,B,Cの選択割合は同じであるが、実際の遊技状態に応じてゲームA,B,Cの選択割合を変えてもよい。例えば、実際の遊技状態が確変状態である場合にはゲームAが選択されやすくしたり、実際の遊技状態が非確変状態である場合にはゲームCが選択されやすくしたりする。
演出制御用CPU101は、ゲームを実行することに決定した場合には(ステップS503)、RAMに形成されている演出開始待ちタイマに、ゲームを開始するまでの時間(例えば、3秒)に相当する値をセットする(ステップS504)。
また、決定したゲームの種類を示すデータをRAMに記憶し(ステップS505)、ゲームの実行回数を計数するためのゲーム回数カウンタの値を+1する(ステップS506)。なお、ゲーム回数カウンタは、RAMに形成されている。そして、ゲーム演出処理を実行することを示すゲーム実行フラグをセットする(ステップS507)。
図44および図45は、図37に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。また、演出時間計測タイマがセットされている場合(演出時間計測タイマの値が0でない場合)には、演出時間計測タイマの値を−1する(ステップS840D)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS841)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS842)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS843)。また、その次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS844)。
また、演出制御用CPU101は、ゲーム実行フラグがセットされている場合には、ゲーム演出処理を実行する(ステップS845,S846)。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS847)、演出制御用CPU101は、左中右の飾り図柄の次表示画面(前回の飾り図柄の表示切替時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS848)。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動制御が実現される。VDP109は、所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および飾り図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値(例えば、30msに相当する値)を再セットする(ステップS849)。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS851)。変動時間タイマがタイムアウトしているときには、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS853)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS852)、演出制御用CPU101は、ステップS863の処理を実行する。
図46および図47は、ゲーム演出処理を示すフローチャートである。ゲーム演出処理において、演出制御用CPU101は、ゲームが実行されていること(ゲーム開始後であること)を示す演出中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS511)。演出中フラグがセットされている場合には、ステップS520に移行する。
演出中フラグがセットされていない場合には、演出開始待ちタイマがタイムアウトしている(0になっている)か否か確認する(ステップS512)。演出開始待ちタイマがタイムアウトしている場合には、処理を終了する。演出開始待ちタイマがタイムアウトしていなければ、演出開始待ちタイマの値を−1する(ステップS513)。そして、演出開始待ちタイマが0になったか否か確認する(ステップS514)。演出開始待ちタイマが0になっていなければ、処理を終了する。演出開始待ちタイマが0になった(すなわち、タイムアウトした)場合には、演出時間計測タイマに、ゲームに期間に相当する値をセットする(ステップS515)。また、ゲームA(操作対応演出A)、ゲームB(操作対応演出B)またはゲームC(操作対応演出C)の演出画面(図28(B)、図29(B)、図30(B)参照)を演出表示装置9に表示する(ステップS516)。
なお、ステップS516では、演出制御用CPU101は、図42に示されたステップS502の処理で決定されステップS505の処理でRAMに保存されているデータに応じた種類のゲームの演出画面を表示する。すなわち、ステップS502の処理で決定された種類のゲームの実行を開始する。
また、ゲームCを実行する場合には、演出制御用CPU101は、バイブレータ用モータ126を駆動してスティックコントローラ122の振動動作を開始する(ステップS517)。そして、演出中フラグをセットする(ステップS518)。
ステップS520では、演出制御用CPU101は、実行されるゲームの種類がゲームAまたはゲームBであるか否か確認する。ゲームAまたはゲームBであるか否かは、RAMに記憶されているデータ(図42におけるステップS505参照)によって確認される。ゲームAまたはゲームBである場合には、ステップS550に移行する。
ゲームAでもゲームBでもない場合、すなわちゲームCである場合には、演出時間計測タイマがタイムアウトしている(0になっている)か否か確認する(ステップS521)。演出時間計測タイマがタイムアウトしている場合には、ステップS541に移行する。
演出時間計測タイマがタイムアウトしていなければ、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122による横方向の操作を検出したか否かを確認する(ステップS522)。すなわち、演出制御用CPU101は、遊技者から見て左右方向にスティックコントローラ122の操作桿122Aが操作されたことを示す検出信号を、スティックコントローラ122に設けられている傾倒方向センサユニット12から入力したか否かを判定する。
横方向の操作を検出した場合には、操作検知フラグをセットする(ステップS523)。操作検知フラグは、ゲーム中に何らかの操作が行われたことを示すフラグである。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置の表示画面において、クレーンを示す画像9hが表示画面の横方向に移動するような態様の演出を実行する(ステップS524:図30(D)参照)。具体的には、遊技者が操作桿122Aを操作している時間に対応する距離だけクレーンを示す画像9hを左右方向に移動させる。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122による下方向の操作を検出したか否かを確認する(ステップS525)。具体的には、演出制御用CPU101は、遊技者から見て手前方向にスティックコントローラ122の操作桿122Aが操作されたことを示す検出信号を、スティックコントローラ122に設けられている傾倒方向センサユニット12から入力したか否かを判定する。
下方向の操作を検出した場合には、操作検知フラグをセットする(ステップS526)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置の表示画面において、クレーンを示す画像9hが表示画面の下方向に移動するような態様の演出を実行する(ステップS527:図31(E)参照)。具体的には、遊技者が操作桿122Aを操作している時間に対応する距離だけクレーンを示す画像9hを下方向に移動させる。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のプッシュボタン120(図4参照)が押下されたか否か確認する(ステップS528)。すなわち、プッシュセンサ124(図4参照)から検出信号が出力されたか否か確認する。プッシュボタン120が押下された場合には、操作検知フラグをセットする(ステップS529)。
また、演出制御用CPU101は、クレーンを示す画像9hにおけるアームの先端の表示位置が、賞品群9iにおけるいずれかの賞品の画像の表示位置に届くか否か確認する(ステップS530)。演出制御用CPU101は、ステップS527の処理による移動量を把握でき、かつ、賞品群9iの画像は静止表示されているので、クレーンを示す画像9hの移動後の表示位置(表示画面における座標)と各賞品の画像の表示位置(表示画面における座標)とから、ステップS530の判定処理を実行することができる。
なお、ステップS528の処理で、プッシュボタン120が押下されたことを検出することに代えて、トリガボタン121の操作がなされたか否かを確認してもよい。すなわち、操作対応演出(ゲーム)において、プッシュボタン120を操作手段の一つとして用いてもよいし、トリガボタン121を操作手段の一つとして用いてもよい。
アームの先端の表示位置が、賞品群9iにおけるいずれの賞品の画像の表示位置にも届かないと判定した場合には、演出制御用CPU101は、ゲーム結果が「失敗」であったことを報知する画面を演出表示装置9に表示する(ステップS531)。そして、処理を終了する。
アームの先端の表示位置が、賞品群9iにおけるいずれかの賞品の画像の表示位置に届くと判定した場合には、演出制御用CPU101は、クレーンを示す画像9hによって賞品を掴み取ることに成功するような態様の表示演出を実行し(図31(G)参照)、ゲーム結果が「成功」であったことを報知する画面を演出表示装置9に表示する(ステップS532)。なお、図31に示す例では、そのような画像は、「チャンス!」の文字画像である(図31(H)参照)。
そして、演出制御用CPU101は、ゲーム結果が成功であったことを示すゲーム成功フラグをセットし、ゲーム実行フラグをリセットする(ステップS533)。また、バイブレータ用モータ126の駆動を停止してスティックコントローラ122の振動動作を停止する(ステップS534)。また、演出中フラグをリセットする(ステップS535)。
ゲーム実行フラグがリセットされるとゲーム演出処理は実行されないので(図44のステップS845参照)、ゲーム結果が成功であった場合には、その時点でゲームは終了する。なお、ゲーム結果が成功でなかった場合には、演出時間計測タイマがタイムアウトするまでゲームは継続される。
ステップS541では、演出制御用CPU101は、ゲーム実行フラグをリセットする。また、バイブレータ用モータ126の駆動を停止してスティックコントローラ122の振動動作を停止する(ステップS542)。また、演出中フラグをリセットする(ステップS543)。
なお、この実施の形態では、ゲームCを実行可能な期間においてスティックコントローラ122は振動するが、スティックコントローラ122の振動は必須のことではなく、ゲームCにおいて、スティックコントローラ122を振動させなくてもよい。
ステップS550では(ゲームAまたはゲームBの実行中である。)、演出制御用CPU101は、演出時間計測タイマがタイムアウトしている(0になっている)か否か確認する。演出時間計測タイマがタイムアウトしている場合には、ステップS571に移行する。
演出時間計測タイマがタイムアウトしていない場合には、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面において、ターゲットを示す画像9e(ゲームAの場合)またはターゲットを示す画像9d,9e(ゲームBの場合)をあらかじめ決められている所定距離だけ移動させる(ステップS551:図28(D),(E)および図29(D),(E)参照)。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122による操作を検出したか否かを確認する(ステップS552)。すなわち、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿122Aが操作されたことを示す検出信号(操作方向すなわち傾斜方向の情報を含む。)を、スティックコントローラ122に設けられている傾倒方向センサユニット12から入力したか否かを判定する。
操作を検出した場合には、操作検知フラグをセットする(ステップS523)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面において、検出信号に含まれる操作方向の情報が示す方向に照準を示す画像9cを移動させる(ステップS554:図28(D),(E)および図29(D),(E)参照)。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のプッシュボタン120(図4参照)が押下されたか否か確認する(ステップS555)。すなわち、プッシュセンサ124(図4参照)から検出信号が出力されたか否か確認する。プッシュボタン120が押下された場合には、操作検知フラグをセットする(ステップS556)。また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面において、砲弾が発射されたかのような画像を表示する(図28(F)および図29(F)参照)。
また、演出制御用CPU101は、照準を示す画像9cにおける中心位置が、ターゲットを示す画像9e(ゲームAの場合)またはターゲットを示す画像9d,9eの内部の位置になっているか否か確認する(ステップS558)。すなわち、照準がターゲットに合致しているか否か確認する。演出制御用CPU101は、ステップS551およびステップS554の処理による移動量を把握できるので、プッシュボタン120が押下された時点での照準を示す画像9cの表示位置(表示画面における座標)とターゲットを示す画像9e(ゲームAの場合)またはターゲットを示す画像9d,9eの表示位置(表示画面における座標)とから、ステップS558の判定処理を実行することができる。
なお、ステップS555の処理で、プッシュボタン120が押下されたことを検出することに代えて、トリガボタン121の操作がなされたか否かを確認してもよい。すなわち、操作対応演出(ゲーム)において、プッシュボタン120を操作手段の一つとして用いてもよいし、トリガボタン121を操作手段の一つとして用いてもよい。
照準がターゲットに合致していない場合には、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面において、砲弾がターゲットから外れたかのような表示演出を行う(ステップS562)。
照準がターゲットに合致している場合には、演出制御用CPU101は、ターゲットを示す画像に砲弾が命中したことを示す報知画像(砲弾命中報知画像)を表示した後、演出モードのランクが上がる可能性が増したことを示す報知画像9fを表示する(ステップS559:図28(G),図29(G)参照)。
そして、演出制御用CPU101は、ゲーム結果が成功であったことを示すゲーム成功フラグをセットし、ゲーム実行フラグをリセットする(ステップS560)。また、演出中フラグをリセットする(ステップS561)。
ゲーム実行フラグがリセットされるとゲーム演出処理は実行されないので(図44のステップS845参照)、ゲーム結果が成功であった場合には、その時点でゲームは終了する。なお、ゲーム結果が成功でなかった場合には、演出時間計測タイマがタイムアウトするまでゲームは継続される。
ステップS571では、演出制御用CPU101は、ゲーム実行フラグをリセットする。また、演出中フラグをリセットする(ステップS572)。
図48は、図37に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされていたら確定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS8300)。また、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って演出表示装置9において停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS8301)。
次いで、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りにすることに決定されているか否か確認する(ステップS8302)。大当りまたは小当りにすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りまたは小当りにすることに決定されているか否か確認することもできる。大当りまたは小当りとすることに決定されていない場合には、ステップS8311に移行する。
大当りまたは小当りにすることに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りの開始を報知する演出(ファンファーレ演出)に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8304)。
そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8305)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8306)。さらに、演出用タイマに、大当り表示時間に相当する値をセットする(ステップS8307)。
その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8308)。
ステップS8312では、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動中にゲーム(操作対応演出)を実行したか否か確認する(ステップS8311)。なお、演出制御用CPU101は、例えば図42に示すステップS507の処理でゲーム実行フラグをセットするとともに、ゲーム実行フラグとは別のフラグをセットし、ステップS8311の処理で、そのフラグがセットされている否か確認することによって、ゲームを実行したか否か判定することができる。
ゲームを実行した場合には、演出制御用CPU101は、操作検知フラグ(図46におけるステップS523,S526,S529、図47におけるステップS553,S556参照)がセットされているか否か確認する(ステップS8312)。操作検知フラグがセットされていない場合には、RAMにおける未操作カウンタの値を+1する(ステップS8313)。そして、ステップS8318に移行する。
操作検知フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、操作検知フラグをリセットし(ステップS8314)、ゲーム成功フラグ(図47におけるステップS533,S560参照)がセットされているか否か確認する(ステップS8315)。ゲーム成功フラグがセットされている場合には、成功回数カウンタの値を+1し(ステップS8316)、ゲーム成功フラグをリセットする(ステップS8317)。
そして、演出制御用CPU101は、演出モードのランク変更条件が成立したか否か判定する(ステップS8318)。
図49は、ランク変更条件の一例を示す説明図である。図49に示す例では、ランク変更条件は、ゲーム回数カウンタの値が10になったことである。すなわち、ゲーム(操作対応演出)が10回実行されたことである。
また、この実施の形態では、演出モードが第1ランクであるときには、ランク変更条件を成立させない。つまり、演出モードが第1ランクになっているときには、ランクを落とさないようにする。
また、図49には、ランク変更条件が成立したときにランクをどのように変更するかも示されているが、図49に示す例では、未操作カウンタの値が10であれば、演出モードのランクが1つ下のランクに下げられる。未操作カウンタの値は、ゲーム終了後に、ゲーム中に何らかの操作がなされたときにセットされる操作検知フラグがセットされていないときに+1されるので(図48におけるステップS8312,S8313参照)、未操作カウンタの値が10であるということは、10回のゲームのいずれにおいても何等の操作もなされなかったことを意味する。遊技者がゲームに全く参加しなかったことを意味する。すなわち、遊技者がゲームに全く参加しなかった場合には、演出モードのランクが下げられる。なお、図46および図47に示すように、ゲーム中に、遊技者が、プッシュボタン120やトリガボタン121の押下とスティックコントローラ122の移動操作とのいずれかを1回で行えば、操作検知フラグがセットされるので、未操作カウンタの値が+1されることはない。
また、未操作カウンタの値が10未満である場合には、成功回数カウンタの値が5以上であれば、演出モードのランクが1つ上のランクに上げられる。また、成功回数カウンタの値が2よりも大きく5よりも小さい場合には、演出モードのランクは維持される。また、成功回数カウンタの値が1以下であれば、演出モードのランクが1つ下のランクに下げられる。ただし、演出モードが最低ランク(第5ランク演出モード)になっているときには、成功回数カウンタの値が5以下の場合には、演出モードのランクは維持される。
ただし、最後に実行されたゲームが高難易度操作対応演出に相当するゲームAであった場合には、成功回数カウンタの値が2よりも大きく5よりも小さい場合でも、演出モードのランクが1つ上のランクに上げられる。
すなわち、高難易度操作対応演出の実行により変更条件が成立したときに、他の操作対応演出(この例では、ゲームB,C)の実行により変更条件が成立したときに比べて、演出モードは高い割合で高ランクの演出モードに変更される。
なお、最後に実行されたゲームがゲームAであるか否かは、図42に示されたステップS505の処理でRAM記憶されたデータによって確認される。
また、成功回数カウンタの値は、10回のゲームのうちゲーム結果が「成功」であった回数を示しているので、「成功」の回数が多ければランクは上がり、「成功」の回数が少なければランクは下がり、「成功」の回数が中程度であれば演出モードのランクは維持されることになる。
なお、図10に示されたランク変更条件およびランクの変更方法は一例であって、他のランク変更条件やランクの変更方法を用いてもよい。例えば、ランク変更条件を成立させるゲーム回数カウンタの値として他の値を用いてもよい。
また、図49に示す例では、演出モードが第1ランク以外のいずれのランクでってもランクの変更方法を同じにしたが、ランク変更条件が成立したときに演出モードに応じてランクの変更方法を変えてもよい。例えば、ランク変更条件が成立したときに演出モードが高ランクである程、上のランクに移行しづらくしたり(具体的には、ランクを上げる条件になる成功回数カウンタの値を大きくする)、ランク変更条件が成立したときに演出モードが高ランクである程、下のランクに移行しづらくしたりする(具体的には、ランクを下げる条件になる成功回数カウンタの値を小さくする)。
また、高難易度操作対応演出に相当するゲームAに関する制御も一例であって、ゲームの難易度に応じて価値の付与の仕方を、この実施の形態の場合とは異ならせてもよい。例えば、ゲームAのゲーム結果が「成功」であった場合に高いポイントを加算し、ゲームAの次に難易度高いゲームBのゲーム結果が「成功」であった場合にやや少ないポイントを加算し、最も難易度が低いゲームCのゲーム結果が「成功」であった場合に最も少ないポイントを加算し、ランク変更条件が成立したときに、ポイントの総計があらかじめ決められている所定値を越えていれば、演出モードのランクを上げるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、ランク変更条件を、所定数(この例では、10)のゲームが実行されたことにしているが、例えば、ゲームが実行される度にランク変更条件を成立可能にしてもよい。その場合には、一例として、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ゲームの成否を抽選によって決定し、抽選結果に応じてゲームの「成功」または「失敗」に対応する演出を実行し、「成功」の場合には高い割合で演出モードのランクを高くし、「失敗」の場合には高い割合で演出モードのランクを低くする。そのように制御する場合には、ゲームの成否の抽選にもとづいて演出モードを変更することに決定することが、ランク変更条件が成立したことに相当する。また、ランク変更条件が成立するか否かを抽選によって決定するようにしてもよい。一例として、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ゲームの「成功」と「失敗」のそれぞれに応じて抽選によってランクを上げたり下げたりすることに決定する。その場合に、何ランク上げたり下げたりするかまで抽選によって決定するようにしてもよい。そのように制御する場合には、抽選に当選したことが、ランク変更条件が成立したことに相当する。
演出制御用CPU101は、演出モードのランク変更条件が成立した場合には、図49に例示された変更方法によって演出モードのランクを変更(演出表示装置9の表示画面の背景色を変更:図25参照)し、変更後の演出モードを示すデータを、現在の演出モードを示すデータとしてRAMに記憶する(ステップS8319)。ただし、図49に示すように、演出モードのランクは変更されないこともある。
また、演出制御用CPU101は、成功回数カウンタ、ゲーム回数カウンタおよび未操作カウンタを0に初期化する(ステップS8320,S8321)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8322)。
図50は、図37に示された演出制御プロセス処理における大当り/小当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り/小当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り/小当り終了演出タイマが設定されている(動作中である)か否か確認する(ステップS881)。大当り/小当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS885に移行する。
大当り/小当り終了演出タイマが設定されていない場合には、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)または突確大当り/小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS882)。大当り終了指定コマンド受信フラグまたは突確大当り/小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグまたは突確大当り/小当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS883)、大当り/小当り終了演出タイマに大当り終了表示時間また小当り終了表示時間に相当する値を設定する(ステップS884)。
ステップS885では、演出制御用CPU101は、大当り/小当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り/小当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間また小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS886)。経過していない場合には、処理を終了する。
大当り終了演出時間また小当り終了表示時間が経過している場合には、演出制御用CPU101は、大当りの種別が突然確変大当りであったか、または小当りであったか否か確認する(ステップS887)。大当りの種別または小当りであるか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。
突然確変大当りまたは小当りであった場合には、演出制御用CPU101は、確変潜伏示唆演出決定用乱数SR3を抽出する(ステップS891)。そして、演出制御用CPU101は、そのときの演出モード(具体的には、演出モードのランク)と抽出した確変潜伏示唆演出決定用乱数とを用いて確変潜伏示唆演出の種類を決定する(ステップS892)。
図51および図52は、ステップS892の処理で使用される確変潜伏示唆演出決定テーブルを示す説明図である。確変潜伏示唆演出決定テーブルは、ROMに記憶されている。確変潜伏示唆演出決定テーブルには、確変潜伏示唆演出の種類に応じた判定値が設定されている。
図51(A),(B),(C)および図52(D),(E)に示すように、確変潜伏示唆演出決定テーブルには、演出モードのランク毎のテーブルが含まれている。また、各々のテーブルは、確変状態フラグがオンしている場合(実際の遊技状態が確変状態である場合)に使用されるテーブルと確変状態フラグがオフしている場合(実際の遊技状態が非確変状態である場合)に使用されるテーブルとを含む。
演出制御用CPU101は、ステップS892の処理で、そのときの演出モードに応じて、図51(A),(B),(C)および図52(D),(E)に示すテーブルのうちのいずれかを選択し、さらに選択したテーブルに含まれる2つのテーブル(確変状態フラグがオンしている場合に使用されるテーブルと確変状態フラグがオフしている場合に使用されるテーブル)のうち、確変状態フラグの内容(オンまたはオフ)で特定される遊技状態(確変状態または非確変状態)に対応する方を選択する。そして、選択したテーブルにおいて確変潜伏示唆演出決定用乱数の値に一致する判定値に応じた確変潜伏示唆演出の種類を、実行する確変潜伏示唆演出の種類として決定する。なお、確変状態フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560が図18に示された特別図柄通常処理で可変表示(変動)を開始する度に送信する(遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動開始時に前回の変動時から遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じたコマンドを送信してもよい。)状態指定コマンド(確変状態指定コマンドまたは通常状態指定コマンド:ステップS58参照)の受信にもとづいて図35におけるステップS670やステップS673の処理でセット/リセットされるフラグである。
図51(A)に示すように、演出モードが第1ランク(最高ランク)であるときには、確変状態フラグがオンしている場合には、常に「潜伏確定演出」が選択される。また、確変状態フラグがオフしている場合には、常に「非確変報知演出」が選択される。「潜伏確定演出」は実際の遊技状態が確変状態であるときにのみ選択可能であり、「非確変報知演出」は実際の遊技状態が非確変状態であるときにのみ選択可能であるから(図51および図52の全てを参照)、演出モードが第1ランクであるときには、確変潜伏示唆演出の実行によって、遊技状態が遊技者に報知されることになる。
図51(B)に示すように、演出モードが第2ランク(上から2番目のランク)であるときには、確変状態フラグがオンしている場合には、比較的高い割合で「潜伏確定演出」が選択され、かつ、比較的高い割合で「高可能性演出」が選択される。確変状態フラグがオフしている場合には、比較的高い割合で「非確変報知演出」が選択され、かつ、比較的高い割合で「低可能性演出」が選択される。
なお、「高可能性演出」および「低可能性演出」は、実際の遊技状態が確変状態であるときにも非確変状態であるときにも選択可能である。また、「高可能性演出」は、実際の遊技状態が非確変状態であるときに比べて、実際の遊技状態が確変状態であるときに選択されやすい(図51および図52の全てを参照)。また、「低可能性演出」は、実際の遊技状態が確変状態であるときに比べて、実際の遊技状態が非確変状態であるときに選択されやすい(図51および図52の全てを参照)。
図51(C)に示すように、演出モードが第3ランク(上から3番目のランク)であるときには、確変状態フラグがオンしている場合には、低い割合(第1ランクおよび第2ランクと比較した場合)で「潜伏確定演出」が選択され、かつ、中程度の割合(第2ランクと比較した場合)で「高可能性演出」が選択される。確変状態フラグがオフしている場合には、低い割合(第1ランクおよび第2ランクと比較した場合)で「非確変報知演出」が選択され、かつ、中程度の割合(第2ランクと比較した場合)で「低可能性演出」が選択される。
図52(D)に示すように、演出モードが第4ランク(下から2番目のランク)であるときには、確変状態フラグがオンしている場合には、極めて低い割合(第1ランク〜第3ランクと比較した場合)で「潜伏確定演出」が選択され、かつ、低い割合(第2ランクおよび第3ランクと比較した場合)で「高可能性演出」が選択される。確変状態フラグがオフしている場合には、極めて低い割合(第1ランク〜第3ランクと比較した場合)で「非確変報知演出」が選択され、かつ、低い割合(第2ランクおよび第3ランクと比較した場合)で「低可能性演出」が選択される。
図52(E)に示すように、演出モードが第5ランク(最低ランク)であるときには、実際の遊技状態が確変状態であるときにも非確変状態であるときにも、同程度の割合で「高可能性演出」および「低可能性演出」が選択され、かつ、ほとんどの場合に「低可能性演出」が選択される。よって、遊技者は、演出モードが第5ランクであるときに実行される確変潜伏示唆演出によって実際の遊技状態を把握することは困難である。
演出制御用CPU101は、ステップS892の処理で確変潜伏示唆演出の種類を決定した後、確変潜伏示唆演出を実行する(ステップS893)。すなわち、演出表示装置9の表示画面に、確変潜伏示唆演出の種類に応じたキャラクタ画像(図26参照)を表示する。また、確変潜伏示唆演出の実行中であることを示す潜伏示唆演出フラグをセットする(ステップS894)。潜伏示唆演出フラグは所定回の可変表示(変動)が実行されるまでリセットされないので(図39におけるステップS825,S826参照)、ステップS892の処理で決定された種類の確変潜伏示唆演出は、保留記憶数が0になって可変表示が実行されない期間が生じたとしても、所定回の可変表示が実行されるまで途切れることなく継続して実行される。そして、演出制御用CPU101は、成功回数カウンタ、未操作カウンタおよびゲーム回数カウンタを0に初期化しておく(ステップS895〜S897)。
その後、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS880)に応じた値に更新する(ステップS898)。
以上に説明したように、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、スティックコントローラ122に対する遊技者の操作にもとづくあらかじめ決められている変更条件(例えば、操作対応演出が所定回実行されたこと)が成立した場合に、演出モードを変更し、価値付与条件が成立したときに(例えば、突然確変大当りにもとづく大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したとき:図50におけるステップS887参照)、どのような確変潜伏示唆演出を実行するのかを決定し(遊技者に付与する価値を決定することに対応)、実行する確変潜伏示唆演出を決定するときに、そのときの演出モードに応じて確変潜伏示唆演出の決定割合を異ならせる(所定の演出の種類に応じた価値の付与に相当)ので、価値付与条件が成立する前の遊技者の操作に対する意欲を持続させることができ、遊技者の操作にもとづく遊技の興趣をより向上させることができる。
なお、特許文献1に記載された遊技機は、本発明における価値付与条件に対応する特定遊技状態の終了まで、演出状態の変更に関わる遊技者による所定の操作は有効にならないので、価値付与条件の成立以前に遊技者の操作に対する意欲を喚起することは困難である。
また、上記の実施の形態では、確変潜伏示唆演出等の価値を遊技者に付与する契機となる価値付与条件の成立として、突然確変大当りにもとづく大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了を例示したが(図50におけるステップS887参照)、他の条件を用いてもよい。例えば、突然確変大当りまたは小当りの発生時点から所定回の可変表示が実行されたことを価値付与条件の成立としてもよい。その場合、所定回を抽選によって決定するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、演出モードの変更条件に影響する操作手段に対する操作として、目標物(例えば、ターゲットの画像9d,9eや賞品群9i)を狙った操作手段に対する左右の操作や手前への操作を例示したが、操作手段に対する操作として、他の操作を用いてもよい。例えば、所定の限られた時間内において操作手段に対する接触やボタンの押下等がなされた場合に演出モードが上のランクに上がりやすいようにしたり、単に(所定の限られた時間内に限らず)、操作手段に対する接触やボタンの押下等がなされたことのみによって(すなわち、単に遊技者が接触や押下等の何らかの反応をしたことのみによって)ゲームが成功したとして演出モードが上のランクに上がりやすいようにしたりしてもよい。
また、上記の実施の形態では、確変潜伏示唆演出を開始することに決定された後、30回の可変表示が実行された場合に、確変潜伏示唆演出が終了するとともに演出モードが確変潜伏示唆演出の開始前の演出モードに戻されたが、30回の可変表示が実行される前に、通常大当りまたは確変大当りが発生したときには、その時点で、確変潜伏示唆演出を終了するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、大当り遊技の他に小当り遊技を実行可能な遊技機を例にしたが、小当り遊技に代えて、または小当り遊技に加えて、期間が極めて短い(ラウンド数が少ない、ラウンドの期間が短い等であるが、突然確変大当り遊技のラウンド数やラウンドの期間と同じことが好ましい。)大当り遊技が終了した後、遊技状態を通常状態に制御する突然通常大当り遊技や、期間が極めて短い大当り遊技が終了した後、遊技状態を時短状態に制御する突然時短大当り遊技を実行するようにしてもよい。そして、突然確変大当り遊技および突然通常大当り遊技が終了した後にベース状態を低ベース状態にして潜伏示唆演出を実行したり、突然確変大当り遊技および突然時短大当り遊技が終了した後にベース状態を高ベース状態にするとともに時短回数(高ベース状態において実行可能な可変表示回数)を同じにして、潜伏示唆演出を実行したりする。
また、上記の実施の形態では、遊技者に付与される価値として確変潜伏示唆演出を例にしたが、遊技者に付与される価値は、確変潜伏示唆演出に限られず、他の価値であってもよい。例えば、いわゆるプレミア演出(例えば、大当りになることに決定されている場合にのみ実行される演出)を実行可能な遊技機において、価値付与条件が成立したときに、以後の所定期間においてプレミア演出を実行するか否か決定し、決定の際に、そのときの演出モードに応じて、プレミア演出を実行することに決定される割合やプレミア演出の種類を変えるようにしてもよい。
また、演出表示装置9にQRコード(登録商標)を表示する機能を有し、遊技者が例えば携帯電話機の2次元バーコード読み取り機能を用いてQRコード(登録商標)を読み取り、QRコード(登録商標)にもとづいて所定のWebサーバから所定の情報をダウンロードするように構成されている場合に、価値付与条件が成立したときに、以後の所定期間においてQRコード(登録商標)を表示するか否か決定し、決定の際に、そのときの演出モードに応じて、QRコード(登録商標)の出現率やQRコードの種類を変えるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、操作手段として傾倒操作可能なスティックコントローラ122を例示したが、複数方向への操作が可能な操作手段であれば、スティックコントローラ122以外の操作手段を用いてもよい。例えば、操作手段として複数方向にスライド操作可能なスイッチやボタン、コントローラを用いることができる。また、例えば、操作手段として、図2に示されたスティックコントローラ122よりも簡便な構造のジョイスティックや十字キーなどを用いてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。