[1.スロットマシンの全体構成]
以下、図面を参照して本発明の遊技機における好適な実施形態について、スロットマシン1を例に図面を参照して説明する。図1は、本発明の遊技機の一例として適用したスロットマシンの正面図である。図2はスロットマシンを前から見た斜視図であり、図3はスロットマシンを後から見た斜視図である。また、図4は、図1におけるA−A線断面図である。図5は扉形前面部材を開放した状態でスロットマシンを前から見た斜視図であり、
図6は前面開閉部材と共に遊技ユニットの中パネルユニットを開放した状態でスロットマシンを前から見た斜視図である。更に、図7は、図5において遊技ユニットと外本体の一部を分解して示す分解斜視図である。図8はスロットマシンを主要な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図9はスロットマシンを主要な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態のスロットマシン1は、遊技ホール等に設置され前面が開口する箱状の外本体2と、外本体2の前面を開閉可能に閉鎖する扉形前面部材3と、扉形前面部材3を通して遊技者側(前方側)から視認可能とされ外本体2内に収納された遊技ユニット4と、を主に備えている。本例のスロットマシン1は、扉形前面部材3における上下方向の略中央から上側に前後方向に貫通し透明カバー201により閉鎖された遊技窓200を備えており、この遊技窓200を通して外本体2内に収納された遊技ユニット4の前面が視認できるようになっている。
遊技ユニット4には、詳細は後述するが、回転軸が左右方向へ延びる互いに同軸上に配置された三つのリール410を備えた図柄変動表示装置400と、図柄変動表示装置400の上側に配置され遊技状態に応じて所定の演出を行う演出装置としての可動演出ユニット600及び演出表示ユニット540と、を備えており、各リール410の外周の一部が扉形前面部材3の遊技窓200を通して視認できるようになっている。この遊技ユニット4の図柄変動表示装置400は、三つのリール410の外周面に複数種類の図柄が列状に備えられており、各リール410を回転させることで、図柄を変動させることができるようになっている。また、演出装置は、遊技状態に応じて複数の可動体601が可動する可動演出ユニット600と、可動演出ユニット600の後側に配置され遊技状態に応じて演出画像を表示する演出表示ユニット540と、を備えており、扉形前面部材3の遊技窓を通して可動体と演出画像が視認できるようになっている。
また、スロットマシン1は、扉形前面部材3における遊技窓200の下側前面に、遊技媒体としてのメダルを投入する投入口214と、投入口214へのメダルの投入後に所定条件を充足すると操作が受付可能となる操作レバー215と、を備えており、操作レバー215を操作することで図柄変動表示装置400の各リール410が一斉に同じ方向へ回転するようになっている。また、スロットマシン1は、扉形前面部材3に、各リール410と対応した三つの停止ボタン216を備えており、各停止ボタン216を適宜操作することで各リール410の回転を停止させることができ、停止した図柄の組合せに応じて所定数のメダルが受皿240へ払出されるようになっている。
このスロットマシン1は、外本体2が遊技機を設置する遊技ホールにおける島設備等に取付けられており、扉形前面部材3の表側(操作レバー215や停止ボタン216等が備えられた側)が遊技者と対向し、遊技窓200を通して三つのリール410の一部が視認できるようになっている。
[1−1.外本体]
続いて、スロットマシン1における外本体2について、図2乃至図9を参照して、詳細に説明する。外本体2は、図7等に示すように、前面が開口した箱状の本体箱100と、本体箱100内の下部中央に取付けられ投入されたメダルを受けると共に遊技結果に応じてメダルを払出す払出装置110と、払出装置110から溢れたメダルを収納する収納箱120と、スロットマシン1の電源を制御する電源基板131(図37を参照)を備えた電源装置130と、を主に備えている。なお、収納箱120には、メダルが満タンとなったことを検知する収納箱スイッチ121が備えられている(図37を参照)。
また、外本体2は、本体箱100内で払出装置110の後側に配置され背板104の内面に取付けられた後スピーカ140を備えている。この後スピーカ140は、主に低音を出力するウーハとされている。また、外本体2は、本体箱100内で背板104の上部内面に取付けられた配線中継基板ボックス150を備えている。この配線中継基板ボックス150は、外本体2側及び扉形前面部材3側と遊技ユニット4側との各種電気配線の接続を中継するためのものであり、詳細な図示は省略するが、主扉中継基板151(図37を参照)や払出装置110等と主制御基板320との接続を中継するための主中継基板151と、扉装飾駆動基板276等と周辺制御基板550とを接続するための周辺中継基板152とを備えている。この配線中継基板ボックス150の主中継基板151及び周辺中継基板152には、前方へ突出した主中継コネクタ及び周辺中継コネクタ152aを備えており、これら主中継コネクタ及び周辺中継コネクタ152aが遊技ユニット4におけるコネクタボックス330の主中継被コネクタ331及び周辺中継被コネクタ332(図14等を参照)と接合することができるようになっている。
更に、外本体2は、本体箱100内で正面視右側の側板102の内面上部に取付けられた外部中継端子板160を備えている。この外部中継端子板160は、配線中継部材150の主中継基板151を介して、主制御基板320や払出装置110等からの遊技情報を、遊技ホール側に設置されたホールコンピュータ(図示せず)へ出力するために各配線同士の接続を中継するものである。
[1−1A.本体箱]
外本体2の本体箱100は、図示するように、底面を形成する板状の底板101と、底板の左右両側から上方へ立上る板状の側板102と、側板102の上端同士を連結する板状の天板103と、天板103、左右の側板102、及び底板101で形成された正面視縦長矩形状の後面開口を閉鎖する板状の背板104と、を備えており、前面のみが開口した形態となっている。この本体箱100は、左右の側板102の前縁が、上方へ向かうに従って僅かに後退するように傾斜しており、本体箱100の前面開口が後傾状態の傾きを有している。また、外本体2の本体箱100は、その内部における高さ方向の略中央に棚板状の仕切板105を備えており、仕切板105によって本体箱100内のスペースが上スペースと下スペースに分割されている。
本体箱100の側板102は、上下方向の中央よりもやや上側の位置の外面に、内側へ向かって窪み前後方向へ延びた取っ手部102aを備えている。また、天板103には、遊技ホール等の島設備(図示せず)に備えられた上桟(図示しない)と対向する位置に、固定用の貫通孔103aが複数穿設されている。更に、背板104には、図3等に示すように、上端付近に形成された略矩形状に貫通した二つの換気口104aと、換気口104aの下側に形成され左右方向へ細長く延びたスリット104bと、下端付近に形成され電源装置130が臨む縦長の放熱口104cと、後スピーカ140が後側から臨むように複数形成されたスピーカ孔104dと、を備えている。
また、本体箱100の仕切板105は、金属板を屈曲形成したものであり、図7等に示すように、左右両端に所定幅の段が形成されるように中央側が上方へ突出した中央突部105aと、左右両端から下方へ略垂直に延出した横取付片105bと、中央突部105aの後端から上方へ略垂直に延出した後取付片105cと、を備えている。この仕切板105は、左右の横取付片105bが側板102の内面に、後取付片105cが背板104の内面に夫々取付けられることで、本体箱100内に固定されるようになっている。
本例では、本体箱100における仕切板105によって仕切られた上側の上スペース内に遊技ユニット4が挿入固定されるようになっており、仕切板105に遊技ユニット4が載置固定されるようになっている。
更に、本体箱100は、正面視左側の側板102の前端に取付けられる長尺状のヒンジ補強部材106と、ヒンジ補強部材106から前方へ延出し上下方向に離間して配置された一対の本体側ヒンジ107と、本体側ヒンジ107の前端から上方へ突出するヒンジピン108と、を備えている(図8等を参照)。扉形前面部材3の扉側ヒンジ202のヒンジ孔にヒンジピン108を挿入することで、本体箱100(外本体2)に対して扉形前面部材3を開閉可能に支持することができるようになっている。
また、本体箱100は、正面視右側の側板102の前端に取付けられる長尺状の施錠補強部材109を備えている。この施錠補強部材109は、図示は省略するが、所定位置に扉形前面部材3における施錠装置280の係止片284と係止する係止部を備えている。この施錠補強部材109は、図示するように、その前端が側板102の前端から前方へ延出するように取付けられており、扉形前面部材3を閉じた状態とすると、扉形前面部材3と本体箱100との隙間を覆うことができ、不正工具等の挿入を阻止することができるようになっている。
更に、本体箱100には、正面視右側の側板102における前端付近内側に、扉形前面部材3の開閉を検知するための扉開放スイッチ161(図37を参照)が取付けられている。この扉開放スイッチ161により外本体2(本体箱100)に対して扉形前面部材3が開放されていたり、半開きとなっていたりするのを検知することができるようになっている。
[1−1B.払出装置]
外本体2における払出装置110は、図7等に示すように、本体箱100内における仕切板105で仕切られた下スペースの略中央に配置されており、扉形前面部材3の投入口214から投入されてメダルセレクタ270によって振分けられたメダルを受け上方へ開口したホッパ111と、ホッパ111の下側に配置されメダルを払出す払出機構(図示は省略)を有した装置本体112と、を備えている。この払出装置110は、ホッパ111にオーバーフロー口111aを有しており、ホッパ111内が一杯になって溢れたメダルがオーバーフロー口111aを介して払出装置110の正面視右側に配置された収納箱120へ排出されるようになっている。
また、払出装置110の装置本体112は、内部にホッパ111によって受けられたメダルを払出すために一枚ずつ送ることが可能な払出モータ113(図37を参照)を有する公知の送り装置を備えていると共に、前面の所定位置に送り装置によって送られたメダルを一枚ずつ検知することが可能な払出センサ114(図37を参照、払出カウントセンサとも称す)と、払出センサ114に検知されたメダルを扉形前面部材3側へ送るための払出口112aを備えている。この払出口112aから放出されたメダルは、扉形前面部材3の受皿内へ送られるようになっている。
この払出装置110は、装置本体112の下面が本体箱100における底板101の上面に取付けられている。また、払出装置110は、配線中継基板ボックス150の主中継基板151を介して遊技ユニット4の主制御基板320に接続されている。
[1−1C.電源装置]
外本体2における電源装置130は、正面視で払出装置110の左側に配置されており、左側の側板102の内面に取付けられている。この電源装置130は、払出装置110等の電気部品に電気を供給するためのものであり、電源基板131(図37を参照)と、電源基板131を覆う基板カバー132とを備えている。基板カバー132は、側板102と接する側のみが開放された箱状に形成されており、背板103に形成された放熱口104cよりも大きく形成されている。また、基板カバー132は、各面に複数の貫通したスリットが形成されていると共に、後面が放熱口104cから臨むようになっており、スリット及び放熱口104cを介して電源基板からの熱を外本体2外へ放出することができるようになっている。
この電源装置130の基板カバー132は、透明な合成樹脂で形成されており、内部に収容された電源基板131等が外側から見えるので、電源基板131等に対する不正行為を発見し易くなっている。また、図3に示すように、基板カバー132によって背板102に形成された放熱口104cが閉鎖されるようになっており、スロットマシン1の後側から放熱口104cを介して不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
[1−2.扉形前面部材]
次に、スロットマシン1における扉形前面部材3について、図1乃至図9を参照して詳細に説明する。扉形前面部材3は、図示するように、正面視で上下方向の略中央から上側の略全体が前後方向に貫通し透明カバー201によって閉鎖され遊技窓200を備えており、この遊技窓200を通して後側(外本体2内)に配置された遊技ユニット4の前面が遊技者から視認できるようになっている。また、扉形前面部材3は、正面視左端の後面に、外本体3(本体箱100)のヒンジピン108を挿入可能とされたヒンジ孔を有する扉側ヒンジ202を備えており、扉形前面部材3のヒンジ孔にヒンジピン108を挿入することで、外本体2に対して開閉可能に支持されるようになっている。
また、扉形前面部材3は、遊技窓200の下辺に沿って配置され遊技を行うための操作部210と、操作部210の下側に配置され前面が平坦状の意匠部230と、意匠部230の下側で扉形前面部材3の下端に配置されメダルを収容可能な皿状の受皿240と、を備えている。この扉形前面部材3は、遊技窓200の透明板201の面に対して操作部210がやや前方へ膨出した形態となっており、操作部210の前端と連続するように意匠部230が下方へ延出した状態となっている。また、扉形前面部材3は、意匠部230の下端と受皿240との間が後方へ窪んだ形態となっており、その奥壁に二つの前スピーカ241が備えられていると共に、二つの前スピーカ241の間には払出装置110やメダルセレクタ270等からのメダルを受皿240内へ放出するための矩形状の放出口242が備えられている。
扉形前面部材3は、詳細な図示は省略するが意匠部230に、スロットマシン1のコンセプトに沿った所定のキャラクタ等の絵柄や、図柄変動表示装置におれる当選役の図柄の組合せの絵柄等が施されている。また、扉形前面部材3は、図4に示すように、意匠部230の後側に配置された発光部材231と、発光部材231の後側に配置され発光部材231からの光を前方へ反射される意匠部リフレクタ232と、を備えており、発光部材231を発光させることで意匠部230を発光装飾させることができるようになっている。なお、本例では、発光部材231として冷陰極管が用いられている。
また、扉形前面部材3は、遊技窓200の左右両側の外周前面に配置されたサイド装飾部材250と、遊技窓200の上側の外周前面に配置されたトップ装飾部材260とを備えている。これらサイド装飾部材250、トップ装飾部材260、及び遊技窓200は、透明カバー201によって前側から一体的に被覆されている。これにより、遊技窓200とサイド装飾部材250及びトップ装飾部材260との間の境目が透明カバー201によって覆われた状態となるので、遊技窓200の隙間を通して不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。なお、透明カバー201の材質としては、透明な合成樹脂(例えば耐衝撃性、耐擦傷性、光学特性に優れたゴム入りのメタクリル樹脂を用いることが望ましく、本例では、三菱レイヨン株式会社製「アクリペット(登録商標)IRD30」を用いている。
更に、扉形前面部材3は、遊技窓200よりも下側で後面側に配置され投入口214に投入されたメダルを払出装置110側か受皿240側の何れに振分けるメダルセレクタ270と、メダルセレクタ270によって払出装置110側へ振分けられたメダルを払出装置110のホッパ111上へ誘導するメダル樋271と、メダルセレクタ270によって受皿240側へ振分けられたメダルを受皿240へ誘導する返却樋272と、を備えている。
メダルセレクタ270は、詳細な図示は省略するが、内部に備えられた図示しないソレノイド270aの駆動によってメダルの流路を切替えることができるようになっていると共に、投入センサ270bによって投入口214へ投入されたメダルを検知することができるようになっている(図37を参照)。このメダルセレクタ270は、通常時は投入口214から投入されたメダルが払出装置110側へ誘導されるようになっており、投入口214から投入されたメダルが規定枚数を超えた場合やメダルの投入を拒否する遊技状態等の時には投入口214から投入されたメダルが受皿240側へ誘導されるようになっている。
扉形前面部材3の返却樋272は、メダルセレクタ270からのメダルを下方へ誘導して放出口242から受皿240内へ放出することができるようになっていると共に、返却樋272の後面における扉形前面部材3を閉じた時に払出装置110の払出口112aと対向する位置に受口272aを備えており、払出口112aから払出されたメダルを受口272aで受けた上で、下方の放出口242へ誘導して受皿240へ放出することができるようになっている。
また、扉形前面部材3は、遊技窓200よりも下側で後面側に、主扉中継基板275及び扉装飾駆動基板276(図37を参照)を被覆する扉中継基板カバー273と、扉形前面部材3の正面視右端に沿って配置され扉形前面部材3と外本体2とを施錠する施錠装置280と、を備えている。この施錠装置280は、外本体2に対して扉形前面部材3を閉鎖状態に施錠することができると共に、扉形前面部材3の後面に対して遊技ユニット4の中パネルユニット500を保持させたり保持を解除させたりすることができるようになっている。なお、扉形前面部材3における操作部210の正面視右端には、施錠装置280の鍵穴281が露出しており、この鍵穴281に対応する鍵を挿入して操作することで施錠装置280を可動させることができるようになっている。
[1−2A.操作部]
扉形前面部材3の操作部210は、図示するように、遊技窓200の面に対して前方へ膨出した形態となっており、遊技窓200の下辺に沿って略水平方向へ延びた棚部210aと、棚部210aの前端から下方へ垂下した垂下部210bとを備えている。また、この操作部210は、棚部210aの正面視左右方向の中央からやや左寄りの位置に配置され大径の押しボタンからなるMAXベットボタン212と、MAXベットボタン212の左側(棚部210aの左端付近)に配置され小径の押しボタンからなる1ベットボタン213と、棚部210aの右端付近に配置されたメダルの投入口214と、を備えている。操作部210の投入口214に投入されたメダルは、メダルセレクタ270を介して払出装置110のホッパ111へ送られるようになっている。
また、操作部210は、1ベットボタン213の前方の垂下部210bに配置され前方へ延出したレバー式の始動レバー215と、始動レバー215よりも右側で垂下部210bにおける左右方向の略中央に配置され左右方向へ列設された大径の押しボタンからなる三つの停止ボタン216と、停止ボタン216よりも右側で垂下部210bにおける投入口214の略前方に配置された小型の押しボタンからなる返却ボタン217と、始動レバー215の正面視左側に配置され小径の押しボタンからなる貯留解除ボタン218と、を備えている。
操作部210のMAXベットボタン212は、投入口214から投入されたメダルの枚数を記憶(貯留)した主制御基板320に対して、記憶したメダルの枚数から1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)のメダルの引き落とし(投入)を指示するものである。また、1ベットボタン213は、主制御基板320で記憶したメダルの枚数から1枚のメダルの引き落とし(投入)を指示するものである。更に、貯留解除ボタン218は、主制御基板320で記憶(貯留)されたメダルの記憶を解除して、記憶した枚数のメダルを受皿240へ払出すものである。また、操作部210の返却ボタン217は、メダルセレクタ271で停留されたメダルを受皿240へ返却するものである。
また、操作部210の始動レバー215は、投入口214へメダルを投入した後にMAXベットボタン212や1ベットボタン213等の操作により主制御基板320によって1回のゲームの開始が許可された時に遊技者が操作すると、図柄変動表示装置400の各リール410を回転させて図柄を変動表示、つまり、ゲームを開始させるものである。また、停止ボタン216は、図柄変動表示装置400においてリール410が回転している状態で遊技者が操作することでリール410を停止させることができ、三つのリール410a,410b,410cに夫々対応した三つの停止ボタン216a,216b,216cを備えており、各リール410を夫々独立して停止させることができるようになっている。なお、図示は省略するが、各停止ボタン216の下側には、LEDを備えた停止ボタン装飾基板を備えており、停止ボタンを発光装飾させることができるようになっている。
[1−2B.サイド装飾部材及びトップ装飾部材]
扉形前面部材3のサイド装飾部材250は、略一定断面で上下方向へ延び透光性を有したサイドレンズ251と、サイドレンズ251の後側に配置された前面の複数のLEDが実装されたサイド装飾基板252(図5等を参照)と、サイドレンズ251を支持すると共にサイドレンズ251を通したサイド装飾基板252のLEDからの光を遊技者側へ反射させるサイドリフレクタ253と、を備えている。このサイド装飾部材250は、サイド装飾基板252のLEDがフルカラーLEDとされており、LEDを発光させることでサイド装飾部材250全体を適宜色に発光装飾させることができるようになっている。
また、サイド装飾部材250は、サイドリフレクタ253におけるサイドレンズ251よりもスロットマシン1の左右方向中央側が、サイドレンズ251の前端よりも前方へ突出した形態となっている。これにより、サイドレンズ251を通したLEDからの光が直接遊技窓200を照らするのを防止することができ、サイド装飾部材250の発光装飾によって図柄変動表示装置400や演出表示ユニット540及び可動演出ユニット600等が見辛くなるのを防止することができるようになっている。
更に、サイド装飾部材250は、サイド装飾基板252に実装したLEDを上下方向に所定間隔で列設しているので、サイドレンズ251全体を略均一に発光させることができる他に、各LEDを順次発光させることで流れるような発光演出を行ったり、各LEDの発光色を異ならせることで虹のような発光演出を行ったりすることができ、様々な発光演出を行うことができるようになっている。
扉形前面部材3のトップ装飾部材260は、前端が円弧状に形成され透光性を有した板状のトップレンズ上261と、トップレンズ上261の下側に配置されると共に前端が円弧状に形成され透光性を有したトップレンズ下262と、トップレンズ262下及びトップレンズ上261の後側に配置され前面に複数のLEDが実装されたトップ装飾基板263(図4を参照)と、トップレンズ上261及びトップレンズ下262を支持すると共にトップレンズ上261及びトップレンズ下262を介したトップ装飾基板253からの光を遊技者側へ反射させるトップリフレクタ264と、を備えている。
トップ装飾部材260のトップレンズ上261及びトップレンズ下262は、それらの前端が、左右方向の中央が前方へ膨出するような円弧状に形成されており、トップレンズ下262の前端がトップレンズ上261の前端よりも若干後退した位置に夫々配置されている。また、トップ装飾基板263は、トップレンズ上261及びトップレンズ下262の夫々の後端と対向する位置に、複数のLED(フルカラーLED)が夫々列設されており、トップレンズ上261とトップレンズ下262を夫々独立して発光装飾させることができるようになっている。
[1−2C.施錠装置]
扉形前面部材3の施錠装置280は、前側から特定の鍵(キー)を挿入可能とされた鍵穴281を有したシリンダ282と、シリンダ282の回動によって上下方向に摺動し扉形前面部材3の後面で正面視右端に沿って上下方向へ延びたスライダ283と、スライダ283の上下両端に配置されると共にスライダ283の昇降によって回動可能とされ後方へ延出した鉤状の係止片284と、を備えている。この施錠装置280の係止片284は、扉形前面部材3を閉じた状態で外本体2の係止部(図示は省略)に係止されるようになっており、係止部に係止片284を係止させることで外本体2に対して扉形前面部材3を施錠することができるようになっている。なお、これらシリンダ282、スライダ283、及び係止片284等は、扉形前面部材3の後面に取付けられ上下方向へ延びた施錠ベース285に夫々支持されている。
また、施錠装置280は、施錠ベース285の所定位置に上下方向へスライド可能なスライド軸286を備えている。スライド軸286は、詳細な図示は省略するが、下端が施錠ベース285から略水平方向へ延出した延出片上に当接すると共に、コイルバネによって下方へ付勢された状態となっている。この施錠装置280は、スライド軸286が後述する遊技ユニットにおける中パネルユニット500の連結機構530における連結棹532の連結孔532aに挿入可能とされており、連結孔532aに挿入することで扉形前面部材3と中パネルユニットとを連結して、外本体2に対して扉形前面部材3を開いた時に、扉形前面部材3と共に中パネルユニット500が開くようにすることができるようになっている。
[1−3.遊技ユニットの全体構成]
次に、スロットマシン1における遊技ユニット4について、図10乃至図13を参照して詳細に説明する。図10はスロットマシンにおける遊技ユニットを前から見た斜視図であり、図11は中パネルユニットを開いた状態で遊技ユニットを前から見た斜視図である。また、図12は遊技ユニットを主要な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図13は遊技ユニットを主要な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。
遊技ユニット4は、前側が開放された箱状のボックスユニット300と、ボックスユニット300内の下部に収容固定され円筒状の外周面に複数種類の図柄が備えられた三つのリール410を有する図柄変動表示装置400と、図柄変動表示装置400の前面側が遊技者側から視認可能としボックスユニット300の前面を閉鎖可能とされた中パネルユニット500と、を備えている。遊技ユニット4は、ボックスユニット300における正面視左側前端の上部にヒンジ機構310が備えられており、このヒンジ機構310によって中パネルユニット500が開閉可能に支持されている。
また、遊技ユニット4は、中パネルユニット500の前面が略平坦に形成されており、外本体2に対して扉形前面部材3を閉じた状態で扉形前面部材3の遊技窓200を通して中パネルユニット500の前面の略全体が遊技者側から視認できるようになっている。遊技ユニット4の中パネルユニット500には、略平坦に形成された前面に、ボックスユニット300の前面を閉鎖した状態で図柄変動表示装置400の三つのリール410と対応した位置に配置された横長矩形状の下開口部501と、下開口部501の上側に配置され左右方向の長さが下開口部501と略同じ長さとされた横長矩形状の上開口部502とが、夫々前後方向へ貫通した状態で形成されていると共に、上開口部502を通して前側から視認可能に配置され遊技状態に応じて所定の演出を提示可能な演出装置としての演出表示ユニット540と可動演出ユニット600を備えている。従って、本例の遊技ユニット4は、扉形前面部材3の遊技窓200を通して、図柄変動表示装置400の三つのリール410の前面側と、中パネルユニット500の演出表示ユニット540及び可動演出ユニット600とが遊技者側から視認できるようになっている。
本例の遊技ユニット4は、中パネルユニット500の下開口部501を通して、三つのリール410における前面側に位置した列方向の四段の図柄が視認できるようになっており、後述する五つの有効ライン401上に停止した図柄を確実に視認することができるようになっている。
[1−3A.ボックスユニット]
続いて、遊技ユニット4におけるボックスユニット300について、主に図10乃至図14を参照して詳細に説明する。図14は、遊技ユニットにおけるボックスユニットを主要な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。ボックスユニット300は、前方及び下方が開放された箱状のボックス本体301と、ボックス本体301の下端に取付けられる板状の底部材302と、ボックス本体301内の前端左右両側に取付けられる板状の前端補強部材左303及び前端補強部材右304と、前端補強部材303左及び前端補強部材右304の上端同士を連結すると共にボックス本体301内の天板部前端に取付けられる板状の前端補強部材上305と、前端補強部材上305と略平行で上下方向の中央よりも上側の位置に配置され前端補強部材左303と前端補強部材右304とを連結する板状の前端補強部材中306と、を備えている。
このボックスユニット300は、ボックス本体301が合成樹脂によって一体成形されていると共に、底部材302、前端補強部材左303、前端補強部材右304、前端補強部材上305、及び前記補強部材中306が夫々屈曲成形した金属板によって形成されており、各補強部材によってボックス本体301の全体的な剛性が高められている。
ボックスユニット300は、前端補強部材中306が、底部材302上に図柄変動表示装置400を載置した時に、図柄変動表示装置400よりも若干上側となる位置に固定されており、ボックス本体301内における前端補強部材中306よりも下側のスペースに対して前側から図柄変動表示装置400を挿入固定することができるようになっている。
また、ボックスユニット300は、上述したように、金属板によって形成された底部材302上に図柄変動表示装置400が載置固定されるようになっており、図柄変動表示装置400を強固に支持することができるようになっている。
また、ボックスユニット300は、前端補強部材左303の上部に、中パネルユニット500を開閉可能に支持するためのヒンジ機構310を備えている。このヒンジ機構310は、前端補強部材左303に取付けられる固定側部材311と、中パネルユニット500に取付けられる可動側部材312と、可動側部材312と固定側部材311に対して両端が夫々軸支される所定長さの第一リンク部材313と、第一リンク部材313とは異なる位置で両端が夫々可動側部材312と固定側部材311とに軸支され第一リンク部材313よりも長い第二リンク部材314と、を備えている。
ヒンジ機構310は、詳細な図示は省略するが、第二リンク部材314が略水平方向へ延びた板状の形態とされていると共に、固定側部材311、可動側部材312、及び第一リンク部材313が、夫々上下方向へ延びた板体の上下両端を略水平方向へ屈曲させた形態とされている。ヒンジ機構310は、固定側部材311及び可動側部材312における上下方向へ延びた部位で、夫々ボックス本体301側及び中パネルユニット500側に取付けられていると共に、固定側部材311及び可動側部材312における略水平方向へ延びた部位において第一リンク部材313や第二リンク部材314が夫々軸支されている。
ヒンジ機構310の可動側部材312は、図14等に示すように、上下方向へ延びた板状の部位に、上下方向に離間して配置され貫通した一対の接続孔312aを備えている。この可動側部材312の接続孔312aは、大径の上側と小径の下側とが連通したダルマ形の内形形状とされており、この接続孔312aに中パネルユニット500におけるヒンジ接続部材519の段付ピン状の接続部519bを挿入接続することで、可動側部材312に中パネルユニット500を脱着可能に取付けることができるようになっている。
また、ヒンジ機構310は、ボックスユニット300に対して中パネルユニット500を閉じた状態の時に、可動側部材312の取付面が遊技窓200の面と略平行となるようになっている。換言すると、中パネルユニット500を閉じた状態では、可動側部材312の略水平方向へ延びた部位が左右方向へ延びた状態となっている(図14を参照)。
更に、ヒンジ機構310は、中パネルユニット500を閉じた状態で、略水平方向へ延びた部位の長さが短い第一リンク部材313の両端が、固定側部材311及び可動側部材312に対して夫々正面視で左端寄りの位置に軸支されている。一方、略水平方向へ延びた部材の長さが長い第二リンク部材314は、第一リンク部材313よりも正面視右側の位置で固定側部材311及び可動側部材312に夫々軸支されている。また、ヒンジ機構310は、固定側部材311と可動側部材312とにおける第一リンク部材313と第二リンク部材314とを軸支した軸間距離が、固定側部材311側の方が可動部材312側よりも軸間距離が長くなるように軸支されている(図11を参照)。
従って、本例のヒンジ機構310は、中パネルユニット500を閉じた状態(可動側部材312が左右方向へ延びた状態)から開く方向へ可動させると、可動側部材312が全体的に固定側部材311から遠ざかるように前方へ移動すると共に、可動側部材312の正面視右端側が左端側よりも大きく前方へ移動し、ボックスユニット300に対して中パネルユニット500の正面視右端が前方へ移動するように回動して開くこととなる。これにより、可動側部材312に取付けられた中パネルユニット500の仮想上の回動中心を、ヒンジ機構310よりも外側に配置された扉形前面部材3の回動中心(ヒンジピン108の軸心)に可及的に近付けることができるので、扉形前面部材3と共に中パネルユニット500を開閉させるようにした時に、扉形前面部材3と共に中パネルユニット500を回動し易くすることができ、スムーズに開閉させることができるようになっている。
また、このヒンジ機構310は、上述したように、第一リンク部材313及び第二リンク部材314によって可動側部材312全体が前方へ移動するようになっており、可動側部材312に取付けられた中パネルユニット500の仮想上の回動中心を前方へ移動させながら回動させることができるので、中パネルユニット500からボックスユニット500内に延出した部位がボックスユニット500と接触し難くすることができ、中パネルユニット500を良好に開閉させることができるようになっている。
更に、ボックスユニット300は、ボックス本体301内の後壁における前端補強部材中306よりも上側の位置に取付けられ主制御基板320を収容した主制御基板ボックス321と、主制御基板ボックス321の下側でボックス本体301内の後壁における前端補強部材中306と略同じ高さの位置に取付けられたコネクタボックス330と、を備えている。
この主制御基板320は、操作部210におけるメダルの投入や始動レバー215や停止ボタン216等の操作に基いて遊技を制御するものである。また、主制御基板320を収容した主制御基板ボックス321は、前後二つの部材により主制御基板320全体を包み込むように収容するようになっており、二つの部材間には封印機構322が備えられている。これにより、主制御基板ボックス321を開けると、開封痕が残るようになっており、不正な開封を発見することができるようになっていると共に、不正な開封を躊躇させて不正行為が行われるのを抑制することができるようになっている。
また、ボックスユニット300のコネクタボックス330は、主制御基板320及び周辺制御基板550と外本体2に備えられた配線中継基板ボックス150の主中継基板151及び周辺中継基板152とを接続するための主中継被コネクタ331及び周辺中継被コネクタ332を備えている。このボックスユニット300のコネクタボックス330は、主制御基板320と接続された主中継被コネクタ331と、周辺制御基板550と接続された周辺中継被コネクタ332とが、夫々後方へ向けて備えられており、遊技ユニット4を外本体3内に挿入することで、主中継被コネクタ331と周辺中継被コネクタ332とが、外本体2における配線中継基板ボックス150の主中継コネクタと周辺中継コネクタ152aとに夫々接合するようになっている。
また、ボックスユニット300は、ボックス本体301における前面の正面視右上隅部に、ヒンジ機構310によって開閉可能に支持された中パネルユニット500をボックス本体301の前面を閉鎖した状態で保持することが可能なロック部材340を備えている。このロック部材340によりボックス本体301に対して中パネルユニット500を閉状態でロックすることで、遊技ユニット4全体を持ち運んだりする際に、中パネルユニット500が開いてしまうのを防止することができるようになっている。
[1−3B.図柄変動表示装置]
次に、遊技ユニット4における図柄変動表示装置400について、主に図15乃至図19を参照して説明する。図15は遊技ユニットにおける図柄変動表示装置を主要な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図16は図柄変動表示装置を主要な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。また、図17は図柄変動表示装置における一つのリールユニットを分解して右斜め前から見た分解斜視図であり、図18はリールユニットを分解して左斜め前から見た分解斜視図である。更に、図19は、図柄変動表示装置の断面図である。
遊技ユニット4における図柄変動表示装置400は、ボックスユニット300内に脱着可能に取付けられるようになっており、円筒状のリール410を有すると共にリール410を回転駆動可能とされたリールユニット420と、三つのリールユニット420を支持すると共にボックスユニット300内に取付可能とされたユニットフレーム440と、ユニットフレーム440の正面視左端を補強支持する板状のフレーム補強部材460と、ユニットフレーム440の正面視右端に配置されると共に右端のリールユニット420(リールユニット右420c)に取付けられる基板ケース470と、基板ケース470に支持される図柄変動主中継基板471及び図柄変動周辺中継基板472と、を備えている。
図柄変動表示装置400は、リールユニット420として、正面視左側に配置されたリールユニット左420aと、中央に配置されたリールユニット中420bと、右側に配置されたリールユニット右420cの三つのリールユニット420を備えており、各リールユニット420はリールユニット右420cの一部を除いて同じ構成となっている。このリールユニット420は、図17及び図18に示すように、円筒状に形成されたリール410と、リール410を回転駆動させるリールモータ421と、リールモータ421を支持すると共に上下両端がユニットフレーム440に支持される板状のリールユニットベース422と、を備えている。
また、リールユニット420は、リール410内における前端付近に位置しリールユニットベース422に取付けられる枠状のリフレクタ423と、リフレクタ423の後側に取付けられ前面に複数のLEDが実装されたリール装飾基板424と、リール410内の所定位置でリールユニットベース422に取付けられリール410の回転位置を検知する回転位置検知センサ425と、リールユニットベース422の後端上部に取付けられリールモータ421及び回転位置検知センサ425と図柄変動主中継基板471との接続を中継するためのリールモータ中継基板426と、リールモータ中継基板426に隣接してリールユニットベース422に取付けられリール装飾基板424と図柄変動周辺中継基板472との接続を中継するためのリール装飾中継基板427と、を備えている。
更に、リールユニット420は、リフレクタ423の正面視右側に取付けられる板状の遮光板428を備えている。この遮光板428は、リール装飾基板424のLEDからの光が、リール410の右外側へ漏れるのを防止するためのものである。この遮光板428は、リールユニット左420a及びリールユニット中420bにのみ備えられており、リールユニット右420cには備えられておらず、これら三つのリールユニット420は遮光板428の有無を除いてその他は同一の構成となっている。
このリールユニット420のリール410は、図示するように、所定幅で所定径の円筒状に形成され透光性を有した円筒部411と、円筒部411の軸方向の一端側(リールユニットベース422が配置される側とは反対側)から軸心へ向かって延びた四つのスポーク412と、四つのスポーク412を連結し円筒部411の軸心に配置されたハブ413と、ハブ413の中心すなわち円筒部411の軸心に軸方向へ貫通した軸孔414と、を備えている。リール410の四つのスポーク412は、円筒部411の周方向に対して等間隔で夫々配置されている。このリール410は、ハブ413に形成された軸孔414にリールモータ421の回転軸が挿入固定されるようになっている。
また、リール410は、一つのスポーク412から円筒部411内へ軸心と略平行に延びた板状の検知片415を備えている。この検知片415は、リールユニットベース422に取付けられた回転位置検知センサ425によって検知されるようになっており、検知片415を回転位置検知センサ425で検知することで円筒部411つまりリール410の回転位置を検知することができるようになっている。
また、リールユニット420のリールモータ421は、本例ではステッピングモータとされており、回転位置検知センサ425からのリール410の回転位置の検知に基いて主制御基板320により正確に回転角度が制御されてリール410を所望の位置に回転停止させることができるようになっている。
また、リールユニット420のリールユニットベース422は、金属板を屈曲形成したものであり、図示するように、上下両端が略水平方向へ延びるようにリール410側へ折り曲げられており、その折り曲げられた部位がユニットフレーム440に取付けられるようになっている。また、リールユニットベース422には、リールモータ421を取付ける位置よりも下側にリール410内へ延出したステーを備えており、こりステーの先端に回転位置検知センサ425が取付けられている。
更に、リールユニット420のリフレクタ423は、リール410の幅と略同じ幅とされると共にリール410の内周付近から軸心方向へ板状に延びリール410の周方向に沿って所定間隔で配置された複数の隔壁板423aと、複数の隔壁板423aにおける左右両端の端部同士を連結する板状の側板423bと、正面視右側の側板423b後端外面から後方へ延出しリールユニットベース422に取付けるための取付片423cと、を備えている。このリフレクタ423は、複数の隔壁板423aと左右の側板423bによって正面視略目字状で、前後方向に貫通した箱枠状に形成されており、前後方向へ貫通した三つの空間を形成するようになっている。また、リフレクタ423は、複数の隔壁板423aにおける前端側の間隔がリール410の外周に備えられた図柄列の図柄の間隔と略同じ間隔とされており、三つの空間が連続した三つの図柄に対応することができるようになっている。
また、リールユニット420のリール装飾基板424は、箱枠状のリフレクタ423の後端(リール410の中心側端部)を閉鎖するようにリフレクタ423に取付けられており、リフレクタ423の隔壁板423aで仕切られた各空間に対して複数(本例では二つ)のLED(フルカラーLED)が臨むように夫々実装されている。これにより、リール装飾基板424のLEDを適宜発光させることで、リフレクタ423を介してリール410の連続した三つの図柄を夫々独立して発光装飾させることができるようになっている。
リールユニット420のユニットフレーム440は、図示するように、リールユニット420の上下及び後側を覆う形態とされており、適宜形状に屈曲成形した二つの金属板材を組合わせて形成されている。また、ユニットフレーム440は、上面に取っ手441を備えており、スロットマシン1の組立てやメンテナンス等の際に容易に持ち運べるようになっている。
リールユニット420における図柄変動主中継基板471は、各リールユニット420における各リールモータ中継基板426と主制御基板320との接続を中継するためのものであり、図柄変動周辺中継基板472は、各リールユニット420における各リール装飾中継基板427と周辺制御基板550との接続を中継するためのものである。この図柄変動主中継基板471及び図柄変動周辺中継基板472において、主制御基板320や周辺制御基板550からの配線を脱着することで、図柄変動表示装置400と主制御基板320や周辺制御基板550とを簡単に接続したり、接続を解除したりすることができるようになっている。
なお、本例の図柄変動表示装置400は、三つのリール410の各外周に、図38等に示すような図柄が備えられている。具体的には、可撓性を有した樹脂フィルムに複数種類の図柄を列状に印刷した図柄シート(図柄帯とも称す)が、各リール410の外周面に取付けられているものである。
[1−3C.中パネルユニット]
続いて、遊技ユニット4における中パネルユニット500の全体構成について、主に図20乃至図22を参照して説明する。図20(A)は遊技ユニットにおける中パネルユニットを前から見た斜視図であり、(B)は中パネルユニットを後から見た斜視図である。図21は中パネルユニットを主要な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図22は中パネルユニットを主要な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。
遊技ユニット4における中パネルユニット500は、正面視の外形がボックスユニット300の外形と略同じ大きさとされ正面視日の字形状に形成された枠状のベース部材510と、ベース部材510における上下方向中央よりも下側の枠部前面を被覆するように取付けられ板状で透光性を有した前面下パネル511と、前面下パネル511の後側でベース部材510における右下側枠部の上部後側に取付けられ前面に複数のLEDが実装された第一演出装飾基板512と、第一演出装飾基板512と前面下パネル511との間でベース部材510の前側に取付けられ第一演出装飾基板512の各LEDからの光を仕切るリフレクタ部材513と、リフレクタ部材513及び第一演出装飾基板512の下側でベース部材510における右下側枠部の下部後側に取付けられ前面下パネル511を通して前面に実装された複数のLEDが遊技者側から視認可能とされた第二演出装飾基板514と、を備えている。
また、中パネルユニット500は、前面下パネル511の後側でベース部材510における下側枠部前側に取付けられ上面に複数のLEDが実装された横長のリール下装飾基板515と、リール下装飾基板515の上側でベース部材510における下側枠部後側に取付けられリール下装飾基板515のLEDからの光を斜め後上方へ導光可能とされた横長板状で透明なリール下レンズ部材516と、ベース部材510における中間側枠部の下部に配置され斜め前下方へ向かって光を照射するように下面に複数のLEDが実装された横長のリール上装飾基板517と、リール上装飾基板517を内部保持すると共にベース部材510における中間側枠部の下部後側に取付けられ上方及び前方が開放された横長箱状で透明なリール上レンズ部材518と、ベース部材510における左側枠部前側に取付けられボックスユニット300におけるリンク機構310の可動側部材312と接続可能とされた板状のヒンジ接続部材519と、を備えている。
更に、中パネルユニット500は、前面下パネル511を通して遊技者側から視認可能とされると共にベース部材510における左下側枠部前側に取付けられ遊技状態等を表示可能とされた遊技状態表示装置520と、ベース部材510における右側枠部後側で上下方向の略中央に取付けられ扉形前面部材3における施錠装置280のスライド軸286と連結するための連結機構530、を備えている。
更に、中パネルユニット500は、ベース部材510の左上側、右上側、上側、及び中間側の枠部後側に脱着可能に取付けられ遊技状態に応じて所定の演出画像を表示可能な演出表示ユニット540と、演出表示ユニット540の後側に取付けられ周辺制御基板550(図4、図37等を参照)を収納した周辺制御基板ボックス551と、周辺制御基板ボックス551の後側に位置するようにベース部材510の上側枠部後側で回動可能に支持される箱状のランプ駆動基板ボックス560と、ランプ駆動基板ボックス560内に収容されるランプ駆動基板561と、演出表示ユニット540の前側でベース部材510における上下方向中央から上側前面を被覆するようにベース部材510の左上側、右上側、上側、及び中間側の枠部前側に取付けられ遊技状態に応じて可動演出を行うことが可能な可動演出ユニット600と、を備えている。
中パネルユニット500は、ベース部材510とその前面下部に取付けられる上方が開口したコ字状の前面下パネル511とによって前後方向に貫通した横長矩形状の下開口部501を形成するようになっている。この下開口部501は、中パネルユニット500をボックスユニット300に対して閉じた状態で、図柄変動表示装置400における三つのリール410の前面と対応した位置に形成されており、左右方向の長さが列設された三つのリール410の全長よりも若干長く形成されていると共に、上下方向の高さがリール410に備えられた図柄列に対して四つの図柄が視認できる高さとされている。これにより、中パネルユニット500の下開口部501を通して図柄変動表示装置400により表示される複数の図柄が遊技者側から視認できるようになっている。
また、中パネルユニット500は、前面下パネル511の上側に備えられた可動演出ユニット600のユニットベース610に、下開口部501の横幅と略同じ横幅とされ前後方向に貫通した上開口部502が形成されており、上開口部502を通して複数の可動体601が視認できるようになっていると共に、更に可動体601の後側に配置された演出表示ユニット540の表示画面が前側から視認できるようになっている。この中パネルユニット500は、図示するように、下開口部501と上開口部502とが上下に並んで配置されており、扉形前面部材3の遊技窓200を通して、前面下パネル511、図柄変動表示装置400により表示される複数の図柄、可動演出ユニット600の前面、可動体、及び演出表示ユニット540に表示される演出画像等が遊技者側から視認できるようになっている。
中パネルユニット500の前面下パネル511は、図示は省略するが、前面にスロットマシン1のコンセプトに沿ったキャラクタや絵柄等が透光性を有した状態で施されており、下開口部501から臨む図柄変動表示装置400により表示される複数の図柄の外周を装飾することができるようになっている。
また、中パネルユニット500における第一演出装飾基板512及びリフレクタ部材513は、図示するように、リフレクタ部材513が、縦長矩形状の外形で前後方向に貫通した箱枠状に形成され、内部が上下方向に四つに区画された形態となっており、第一演出装飾基板512におけるリフレクタ部材513の各区画と対応した位置に夫々二つのLEDが実装されている。これにより、前面下パネル511におけるリフレクタ部材513と対応した部位(前側の部位)を上下方向へ四つに分けて夫々独立して発光装飾させることができ、発光させる区画を適宜組合せることで多彩な発光演出を行うことができるようになっている。また、中パネルユニット500における第二演出装飾基板514は、複数のLEDとして五つの7セグメントLEDを備えており、三つの7セグメントLEDが左右方向に列設されていると共に、その下側に二つの7セグメントLEDが列設されている。これら第一演出装飾基板512や第二演出装飾基板514は、遊技状態に応じて各LEDを適宜発光させることで、遊技者に対してチャンスの到来等を示唆することができるようになっている。
更に、中パネルユニット500におけるリール下装飾基板515及びリール下レンズ部材516は、上面に複数のLEDが実装された上側にリール下レンズ部材516が配置されていると共に、リール下レンズ部材516が図柄変動表示装置400におけるリール410の外周と略沿うように湾曲状に形成されている。これにより、リール下装飾基板515のLEDからの光がリール下レンズ部材516を通過すると、その光がリール410側へ屈折することとなり、リール410の外周面を照らしてリール410に備えられた図柄を見易くすることができるようになっている。また、リール下装飾基板515のLEDからの光がリール下レンズ部材516で反射すると、その光が前側へ反射することとなり、前側に配置された前面下パネル511を後側から照らして前面下パネル511の下辺を発光装飾させることができるようになっている。
また、中パネルユニット500におけるリール上装飾基板517及びリール上レンズ部材518は、リール上装飾基板517がリール上レンズ部材518によって前端が後端よりも上側へ位置するように傾斜した状態で支持されており、リール上装飾基板517の下面に実装された複数のLEDが斜め前方下側へ向かって光を照射するようになっている。これにより、リール上レンズ部材518を通して斜め前方下側へ照射された光が、扉形前面部材3における遊技窓200を閉鎖する透明カバー201で斜め後方下側へ反射することとなり、透明カバー201で反射した光によって図柄変動表示装置400のリール410の外周面を照らすことができ、リール410に備えられた図柄を見易くすることができるようになっている。
更に、中パネルユニット500のヒンジ接続部材519は、上下方向へ延びた板状の本体519aと、本体519aの後面から後方へ突出すると共に上下方向に離間して配置され後端側が前端側よりも大径とされた段付ピン状の一対の接続部519b(図22を参照)と、を備えており、全体が金属によって形成されている。このヒンジ接続部材519は、一対の接続部519bがベース部材510の後面から後方へ突出するようにベース部材510に取付けられている。このヒンジ接続部材519の接続部519bを、ボックスユニット300のヒンジ機構310における可動側部材312の接続孔312aに挿入接続することで、中パネルユニット500をボックスユニット300の前面に対して開閉可能に取付けることができるようになっている。
また、中パネルユニット500の演出表示ユニット540は、本例では液晶表示装置とされており、横長矩形状の表示画面の大きさが可動演出ユニット600におけるユニットベース610の上開口部502と略同じ大きさとされている。中パネルユニット500の周辺制御基板550は、演出表示ユニット540の後側に取付けられた上で、後側から前側が開放された薄箱状の周辺制御基板ボックス551によって被覆されている。この周辺制御基板550は、主制御基板320からの制御コマンドに基いて、演出表示ユニット540による画像演出や、可動演出ユニット600を用いた可動演出や、各装飾基板等を用いた発光演出等を制御するためのものである。
更に、中パネルユニット500のランプ駆動基板ボックス560は、図示するように、上端に左右方向へ延び正面視右端が自由端とされた一対の軸部560aを有しており、これら軸部560aをベース部材510の後面上部に形成された一対の軸受部510aへ挿入することで、ベース部材510に対して回転可能に支持されるようになっている。そして、ベース部材510から演出表示ユニット540を脱着する際には、ランプ駆動基板ボックス560の下端が上昇するように回動させることで、ランプ駆動基板ボックス560をベース部材510から取外すことなく演出表示ユニット540を脱着することができるようになっている。また、ランプ駆動基板ボックス560に収容されたランプ駆動基板561は、周辺制御基板550からの制御コマンドに基いて可動演出ユニット600の駆動モータ644,674や、各装飾基板のLED等を駆動させるためのものである。
[1−3C−1.状態表示装置]
次に、中パネルユニット500における遊技状態表示装置520について詳細に説明する。この遊技状態表示装置520は、図21に示すように、遊技状態表示基板521と、遊技状態表示基板521の前面下部に実装され左右に並んだ二つの7セグメントLEDからなる払出数表示部522と、払出数表示部522の直上に配置された一つのLEDからなるメダル投入ランプ523と、メダル投入ランプ523の直上に配置された一つのLEDからなるスタートランプ524と、スタートランプ524の直上に配置された一つのLEDからなるリプレイランプ525と、リプレイランプ525の上側に配置され上下に列設された三つのLEDからなるベット数表示部526と、ベット数表示部526の上側に配置された一つのLEDからなる打止めランプ527と、打止めランプ527の右側に配置され一つのLEDからなるエラーランプ528と、エラーランプ528の右側に配置され一つのLEDからなる予備ランプ529と、を備えている。
遊技状態表示装置520におけるメダル投入ランプ523は、投入口214へ投入されたメダルの貯留数(主制御基板320による記憶数)が0になると点灯し、遊技者に対してメダルの投入を促すことができるようになっている。また、スタートランプ524は、始動レバー215の操作の受付が可能となりゲームを開始することが可能となると点灯するものである。更に、リプレイランプ525は、リプレイゲームの時に点灯するものである。また、ベット数表示部526は、遊技者が選択したベット数を点灯したランプの数によって表示するものである。
遊技状態表示装置520における打止めランプ527は、ボーナスゲームが終了した後にメダルを受付けない打止め状態となった時に点灯するものである。また、エラーランプ528は、スロットマシン1の遊技中に何かトラブルや、故障等が生じた場合に点灯するものである。なお、遊技状態表示装置520における点灯とは、点滅も含むものである。
[1−3C−2.連結機構]
次に、中パネルユニット500における連結機構530について説明する。本例の連結機構530は、ベース部材510の正面視右側の後面で上下方向の中央付近に取付けられる案内ベース531と、案内ベース531によってベース部材510の正面視右端から外方へスライド可能に支持され前端に上下方向へ貫通した連結孔532aを有する横長の連結棹532と、連結棹532の基端側に一端側が軸支され他端側がベース部材510の後面よりも後方へ突出可能とされた棒状の第一アーム533と、第一アーム533の他端側に一端側が軸支され基端側が案内ベース531の後側左端で遊動可能に軸支された棒状の第二アーム534と、を備えている。
この連結機構530は、詳細な図示は省略するが、連続するように軸支された連結棹532、第一アーム533、及び第二アーム534が、平面視で略N字状となるように配置されており、案内ベース531によって案内された連結棹532が左右方向へスライドすると、第一アーム533と第二アーム534が夫々回動するようになっている。また、連結機構530は、連結棹532の先端(正面視右端)に形成された連結孔532aに扉形前面部材3における施錠装置280のスライド軸286を挿入させることで中パネルユニット500と扉形前面部材3とを互いに連結することができ、外本体2に対して扉形前面部材3を開閉させると、中パネルユニット500が扉形前面部材3と共にボックスユニット300に対して開閉させることができるようになっている。
[1−3C−3.可動演出ユニット]
続いて、中パネルユニット500における可動演出ユニット600について、主に図23乃至図33を参照して詳細に説明する。図23(A)は中パネルユニットにおける可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、(B)は可動演出ユニットを後から見た斜視図である。図24は可動演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図25は可動演出ユニットを主な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。また、図26は(A)は可動演出ユニットにおける前側可動ユニットを前から見た斜視図であり、(B)は前側可動ユニットを後から見た斜視図である。また、図27は前側可動ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図28は前側可動ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。更に、図29(A)は可動演出ユニットにおける後側可動ユニットを前から見た斜視図であり、(B)は後側可動ユニットを後から見た斜視図である。また、図30は後側可動ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図31は後側可動ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図32は可動演出ユニットにおける駆動プーリを示す斜視図であり、図33は可動演出ユニットにおける駆動ワイヤの一部を拡大して示す斜視図である。
この中パネルユニット600における可動演出ユニット600は、横長矩形状に形成された上部開口502を通して視認可能とされた四つの可動体601を備えており、演出表示ユニット540の表示画面の前面で四つの可動体601を遊技状態に応じて左右方向へ移動させることで所定の可動演出を行うことができるものである。図示するように、本例では、四つの可動体601によって、上開口部502を閉鎖することができる、つまり、演出表示ユニット540の表示画面全体を被覆することができるようになっている。
可動演出ユニット600の各可動体601は、正面視で縦長矩形状の枠状に形成されており、この枠内が窓部601aとされていると共に窓部601aが透明板によって閉鎖された状態となっている。これら可動体601は、回転軸が前後方向へ延び外周面の一部が上端から突出し左右方向へ離間して配置された一対の上端ローラ602aと、回転軸が上下方向へ延び一対の上端ローラ602aの間に配置されると共に上部前面及び後面から外周面の一部が突出した一対の上前後ローラ602bと、回転軸が前後方向へ延び外周面の一部が下端から突出し左右方向へ離間して配置された一対の下端ローラ602cと、回転軸が上下方向へ延び一対の下端ローラ602cの間に配置されると共に下部前面及び後面から外周面の一部が突出した一対の下前後ローラ602dと、を備えている。可動体601は、各ローラ602a,602b,602c,602dが各レール631,632,661,662に適宜接触することで左右方向へスムーズに移動することができるようになっている。
この可動演出ユニット600は、前面が平坦で前後方向へ貫通した横長矩形状の上開口部502が形成され枠状で透光性を有したユニットベース610と、ユニットベース610における上枠部の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された上枠部装飾基板611と、ユニットベース610における下枠部の後側に配置され前面の複数のLEDが実装された下枠部装飾基板612と、ユニットベース610における左枠部の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された左枠部装飾基板613と、ユニットベース610における右枠部の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された右枠部装飾基板614と、上枠部装飾基板611、下枠部装飾基板612、左枠部装飾基板613、及び右枠部装飾基板614の後側に配置されると共にユニットベース610の後側に取付けられ枠状のユニットカバー620と、を備えている。
また、可動演出ユニット600は、上枠部装飾基板611、下枠部装飾基板612、左枠部装飾基板613、及び右枠部装飾基板614とユニットカバー620との間に配置され二つの可動体601を有した前側可動ユニット630と、前側可動ユニット630とユニットカバー620との間に配置され二つの可動体601を有した後側可動ユニット660と、ユニットカバー620の下枠部前面に取付けられ前側可動ユニット630の二つの可動体601(前左可動体601FL及び前右可動体601FR)の移動位置を検知するための前側可動体検知基板690と、ユニットベース610の上枠部後面に取付けられ後側可動ユニット660の二つの可動体601(後左可動体601RL及び後右可動体601RR)の移動位置を検知するための後側可動体検知基板695と、を備えている。これら前側可動体検知基板690及び後側可動体検知基板695には、夫々左右方向に複数の位置検知センサ691,696が取付けられており、各可動体601の移動位置を夫々別々に検知することができるようになっている。
[1−3C−3A.前側可動ユニット]
次に、可動演出ユニット600における前側可動ユニット630について、主に図26乃至図28等を参照して詳細に説明する。この前側可動ユニット630は、二つの可動体601として前左可動体601FLと前右可動体601FRとを同一線上で左右方向へ移動させることができるものである。この前側可動ユニット630は、ユニットベース610の後側に取付けられ二つの可動体601の上端を左右方向へ案内する前上レール631と、前上レール631と対向配置されると共にユニットベース610の後側に取付けられ二つの可動体601の下端を左右方向へ案内する前下レール632と、を備えている。これら前上レール631及び前下レール632は、夫々下方及び上方が開放された断面略コ字状に形成されており、コ字状内に可動体601の上端及び下端が夫々挿入されるようになっており、レール631,632の内面に可動体601の各ローラ602a,602b,602c,602dが適宜接触することで可動体601を左右方向へスムーズに案内することができるようになっている。
また、前側可動ユニット630は、前下レール632の正面視左端付近で回転軸が前後方向へ延びるように配置された前左用端部プーリ633a及び前左用端部プーリ633aの前側で同軸上に配置された前右用端部プーリ633bと、前左用端部プーリ633a及び前右用端部プーリ633bにおける上端に接する左右方向(水平方向)へ延びた接線に対して夫々下端が略接し前下レール632よりも正面視右側で回転軸が前後方向へ延びるように同軸上に夫々配置された前左用中間第一プーリ634a及び前右用中間第一プーリ634bと、前左用中間第一プーリ634a及び前右用中間第一プーリ634bにおける右端に接する上下方向(垂直方向)へ延びた接線に対して夫々左端が略接すると共に前左用端部プーリ633a及び前右用端部プーリ633bにおける下端に接する左右方向(水平方向)へ延びた接線に対して夫々下端が略接し回転軸が前後方向へ延びるように同軸上に夫々配置された前左用中間第二プーリ635a及び前右用中間第二プーリ635bと、前左用中間第一プーリ634aの右端に接する上下方向(垂直方向)へ延びた接線に対して左端が略接すると共に前左用中間第二プーリ635aの右端に接する上下方向へ延びた接線に対して右端が略接し前上レール631と前下レール632との上下方向中央よりも下側で回転軸が前後方向へ延びるように配置された前左用駆動プーリ636a、及び前右用中間第一プーリ634bの右端に接する上下方向(垂直方向)へ延びた接線に対して左端が略接すると共に前右用中間第二プーリ635bの右端に接する上下方向へ延びた接線に対して右端が略接し前上レール631と前下レール632との上下方向中央よりも上側で回転軸が前後方向へ延びるように配置された前右用駆動プーリ636bと、を備えている。
更に、前側可動ユニット630は、前左用端部プーリ633aと前左用中間第一プーリ634aとの間に配置され前左可動体601FLの下部後面に取付けられる前左用スライダ637aと、前右用端部プーリ633bと前右用中間第一プーリ634bとの間に配置され前右可動体601FRの下部後面に取付けられる前右用スライダ637bと、一端側が前左用スライダ637aに取付けられると共に他端側が前左用中間第一プーリ634a、前左用駆動プーリ636a、前左用中間第二プーリ635a、及び前左用端部プーリ633aに順次巻き掛けられた上で前左用スライダ637aに取付固定される線状の前左用駆動ワイヤ639aと、一端側が前右用スライダ637bに取付けられると共に他端側が前右用中間第一プーリ634b、前右用駆動プーリ636b、前右用中間第二プーリ635b、及び前右用端部プーリ633bに順次巻き掛けられた上で前右用スライダ637bに取付固定される線状の前右用駆動ワイヤ639bと、を備えている。
また、前側可動ユニット630は、前左用スライダ637aと前左用駆動ワイヤ639aの一端側との間に介装され前左用駆動ワイヤ639aに張力を付与可能とされた前左用引張バネ641aと、前右用スライダ637bと前右用駆動ワイヤ639bの一端側との間に介装され前右用駆動ワイヤ639bに張力を付与可能とされた前右用引張バネ641bと、を備えている。これら前左用引張バネ641a及び前右用引張バネ641bは、コイルバネとされており、一端側(正面視左端側)が前左用駆動ワイヤ639a及び前右用駆動ワイヤ639bの他端側が前左用スライダ637a及び前右用スライダ637bに取付固定された近傍で前左用スライダ637a及び前右用スライダ637bに取付けられていると共に、他端側(正面視右端側)が前左用駆動ワイヤ639a及び前右用駆動ワイヤ639bの一端側に圧着固定された丸形圧着端子からなる連結部材642を介して取付けられている。
更に、前側可動ユニット630は、前左用駆動プーリ636aの後側に配置され前左用駆動プーリ636aを回転駆動させる前左用駆動モータ644aと、前右用駆動プーリ636bの後側に配置され前右用駆動プーリ636bを回転駆動させる前右用駆動モータ644bと、前左用駆動プーリ636aと前左用駆動モータ644aとの間に配置されユニットベース610の正面視右枠部側面内側に取付けられると共に前左用駆動モータ644aを支持する前左用モータベース646と、前右用駆動プーリ636bと前右用駆動モータ644bとの間に配置されユニットベース610の正面視右枠部側面内側に取付けられると共に前右用駆動モータ644bを支持する前右用モータベース647と、前左用モータベース646に取付けられユニットベース610と協働して前左用中間第一プーリ634a及び前右用中間第二プーリ634bと前左用中間第二プーリ635a及び前右用中間第二プーリ635bを回転可能に支持する中間プーリブラケット648と、ユニットベース610の後側に取付けられユニットベース610と協働して前左用端部プーリ633a及び前右用端部プーリ633bを回転可能に支持する端部プーリブラケット649と、を備えている。
本例の前側可動ユニット630における駆動ワイヤ639(前左用駆動ワイヤ639a及び前右用駆動ワイヤ639b)は、図33等に示すように、中央に配置された線状の第一部材639cの外周に線状の第二部材639dを所定ピッチでヘリカル状に巻き回した形態となっており、少なくとも中央の第一部材639cが金属撚線によって形成されている。これにより、駆動ワイヤ639回りの環境温度が高くなってもゴムベルト等と比較して駆動ワイヤ639が大きく伸びてしまうのを抑制することができるようになっている。
また、前側可動ユニット630の駆動プーリ636(前左用駆動プーリ636a及び前右用駆動プーリ636b)は、図32(a)に示すように、駆動ワイヤ639が巻き掛けられるリール部636cの底部外周に駆動ワイヤ639のヘリカル状に形成された第二部材639dのピッチと略同じピッチで形成された斜めに延びる複数の溝636dを備えている。この駆動プーリ636の溝636d内に駆動ワイヤ639の第二部材639dが嵌合することで駆動プーリ636と駆動ワイヤ639との滑りを防止して、駆動プーリ636の回転により駆動ワイヤ639を確実に送ることができるようになっている。
また、前側可動ユニット630のスライダ637(前左用スライダ637a及び前右用スライダ637b)は、金属板材を屈曲して成形したものであり、下部における正面視左端に駆動ワイヤ639の他端側が取付固定されていると共に、その右側に引張バネ641(前左用引張バネ641a及び前右用引張バネ641b)の左端側が取付けられている。また、スライダ637は、下部における正面視右端に、左端に固定された駆動ワイヤ639の延長線と略直交するように前後方向へ延びた板状のストッパ片637cと、ストッパ片637cの端部から駆動ワイヤ639の延長線上と交わる位置まで形成され駆動ワイヤ639が通過可能とされた切欠状の通過部637dと、を備えている。
この前側可動ユニット630は、スライダ637におけるストッパ片637cよりも正面視左側に駆動ワイヤ639の一端側が位置すると共に駆動ワイヤ639の一端側に丸形圧着端子からなる連結部材642が圧着されており、この連結部材642に引張バネ641の他端側(正面視右端側)が取付けられている。つまり、スライダ637における正面視左端からストッパ片637cまでの間で、引張バネ641と連結部材642とが位置すると共に引張バネ641が引張られた状態となっており、引張バネ641によって駆動ワイヤ639に張力が付与された状態となっていると共に、連結部材642に圧着された駆動ワイヤ639がストッパ片637cの通過部637dを通って右方向(中間第一プーリ634側)へ延びだした状態となっている。
なお、ストッパ片637cの通過部637dは、連結部材642よりも狭く形成されており、連結部材642が通過できないようになっている。これにより、駆動ワイヤ639が中間第一プーリ634側へ引張られて引張バネ641が伸ばされても、連結部材642がストッパ片637cに当接することで引張バネ641の伸長が規制され、引張バネ641がこれ以上伸びないようになっている。これにより、駆動モータ644(前左用駆動モータ644a及び前右用駆動モータ644b)によって駆動ワイヤ639の一端側が正面視右方向へ移動するように駆動されると、駆動ワイヤ639を介して引張バネ641の他端側(右端側)が引張られて伸長することとなるが、引張バネ641の伸長が停止するまでの間は引張バネ641の一端側(左端側)が移動しないため、可動体601が静止したままの状態となり、駆動モータ644の駆動開始に対して可動体601が移動開始するまでにタイムラグが発生する問題があるが、引張バネ641の他端側(右端側)に連結された連結部材642がスライダ637のストッパ片637cに当接することで、引張バネ641の伸長量が規制されてタイムラグを可及的に少なくすることができ、可動体601を遅滞なく的確に移動させることができるようになっている。
また、前側可動ユニット630の二つのスライダ637は、駆動ワイヤ639(前左用駆動ワイヤ639a)よりも後側の位置で上方へ立上った板状の本体部637eを備えており、この本体部637eの上端が可動体601の下部後面に取付けられるようになっている。また、スライダ637は、図28等に示すように、本体部637eの下端から後方へ延出した検知片637fを更に備えており、この検知片637fが前側可動体検知基板690に備えられた位置検知センサ691に検知されることで各可動体601の左右方向の移動位置を検知することができるようになっている。なお、スライダ637の検知片637fは、前左用スライダ637aよりも前右用スライダ637bの方が下方に位置しており、位置検知センサ691によって前左可動体601FL及び前右可動体601FRの移動位置を夫々別々に検知することができるようになっている。
本例の前側可動ユニット630における同軸上に配置された、前左用端部プーリ633aと前右用端部プーリ633b、及び前左用中間第一プーリ634aと前右用中間第一プーリ634b、前左用中間第二プーリ635aと前右用中間第二プーリ635bは、夫々独立して回転することができるようになっている。これにより、各プーリ間に巻き回された前左用駆動ワイヤ639aと前右用駆動ワイヤ639bは、前左用駆動モータ644aと前右用駆動モータ644bによって夫々独立して送られるようになっており、前左用スライダ637aと前右用スライダ637bを介して前左可動体601FLと前右可動体601FRが夫々独立して左右方向へ移動することができるようになっている。
なお、前側可動ユニット630では、前左可動体601FL及び前右可動体601FRが、前上レール631と前下レール632とによって左右方向へ案内されているので、前左可動体601FLと前右可動体601FRとが互いに重なったり、追い抜いたりするような動きをすることはできないようになっている。
この前側可動ユニット630は、上述したように、各プーリ633,634,635,636に巻き掛けられた駆動ワイヤ639が、スライダ637の下部で引張バネ641によって張力(テンション)が付与されるようになっており、従来の無端環状のベルトを用いた場合と比較して、ベルトに張力を付与させるためにプーリをスライドさせる機構を備える必要がないので、図示するように、前下レール632に沿って配置された端部プーリ633及び中間プーリ634,635が、夫々ユニットベース610と端部プーリブラケット649及び中間プーリブラケット648とによって位置が固定された状態で軸支されており、簡単な構成で軸支されていると共に、端部プーリ633と中間プーリ634,635とが可及的に離反した位置に配置されており、可動体601の可動範囲が可及的に広くなるようになっている。
また、前側可動ユニット630は、図示するように、端部プーリ633と中間プーリ634,635とを結んだ軸線が前下レール632に沿って左右方向へ延びると共に、中間プーリ634,635と駆動プーリ636とを結んだ軸線が前下レール632に対して直角方向の上下方向へ延びるように夫々配置しているので、端部プーリ633、中間プーリ634,635、及び駆動プーリ636によって駆動ワイヤ639が略L字状に巻き掛けられた状態となっている。これにより、駆動ワイヤ639を送るための駆動モータ644(前左用駆動モータ644a及び前右用駆動モータ644b)が他の部材の邪魔にならない位置に配置された状態となっている。
[1−3C−3B.後側可動ユニット]
続いて、可動演出ユニット600における後側可動ユニット660について、主に図29乃至図33等を参照して詳細に説明する。この後側可動ユニット660は、前左可動体601FL及び前右可動体601FRの後側で二つの可動体601として後左可動体601RLと後右可動体601RRとを同一線上で左右方向へ移動させることができるものである。この後側可動ユニット660は、ユニットカバー620の前側に取付けられ二つの可動体601の上端を左右方向へ案内する後上レール661と、後上レール661と対向配置されると共にユニットカバー620の前側に取付けられ二つの可動体601の下端を左右方向へ案内する後下レール662と、を備えている。これら後上レール661及び後下レール662は、夫々下方及び上方が開放された断面略コ字状に形成されており、コ字状内に可動体601の上端及び下端が夫々挿入されるようになっており、レール661,662の内面に可動体601の各ローラ602a,602b,602c,602dが適宜接触することで可動体601を左右方向へスムーズに案内することができるようになっている。
また、後側可動ユニット660は、後上レール661の正面視右端付近の後側で回転軸が前後方向へ延びるように配置された後左用端部プーリ663a及び後左用端部プーリ663aの後側で同軸上に配置された後右用端部プーリ663bと、後左用端部プーリ663a及び後右用端部プーリ663bと同じ高さに配置されると共に後上レール661の正面視左端付近の後側で回転軸が前後方向へ延びるように配置された後左用駆動プーリ666aと、後左用端部プーリ663a及び後右用端部プーリ663bと同じ高さに配置されると共に後左用駆動プーリ666aよりも正面視右側で回転軸が前後方向へ延びるように配置された後右用駆動プーリ666bと、を備えている。これら駆動プーリ666(後左用駆動プーリ666a及び後右用駆動プーリ666b)は、後述する駆動ワイヤ669を巻き掛けるプーリ部666cと、プーリ部666cの後側に一体的に取付けられた平歯車状のギア部666dと、を備えている(図32を参照)。
更に、後側可動ユニット660は、後左用端部プーリ663aと後左用駆動プーリ666aとの間に配置され後左可動体601RLの上部後面に取付けられる後左用スライダ667aと、後右用端部プーリ663bと後右用駆動プーリ666bとの間に配置され後右可動体601RRの上部後面に取付けられる後右用スライダ667bと、一端側が後左用スライダ667aに取付けられると共に他端側が後左用駆動プーリ666a、及び後左用端部プーリ663aに順次巻き掛けられた上で後左用スライダ667aに取付固定される線状の後左用駆動ワイヤ669aと、一端側が後右用スライダ667bに取付けられると共に他端側が後右用駆動プーリ666b、及び後右用端部プーリ663bに順次巻き掛けられた上で後右用スライダ667bに取付固定される線状の後右用駆動ワイヤ669bと、を備えている。
また、後側可動ユニット660は、後左用スライダ667aと後左用駆動ワイヤ669aの一端側との間に介装され後左用駆動ワイヤ669aに張力を付与可能とされた後左用引張バネ671aと、後右用スライダ667bと後右用駆動ワイヤ669bの一端側との間に介装され後右用駆動ワイヤ669bに張力を付与可能とされた後右用引張バネ671bと、を備えている。これら後左用引張バネ671a及び後右用引張バネ671bは、コイルバネとされており、一端側(正面視右端側)が後左用駆動ワイヤ669a及び後右用駆動ワイヤ669bの他端側が後左用スライダ667a及び後右用スライダ667bに取付固定された近傍で後左用スライダ667a及び後右用スライダ667bに取付けられていると共に、他端側(正面視左端側)が後左用駆動ワイヤ669a及び後右用駆動ワイヤ669bの一端側に圧着固定された丸形圧着端子からなる連結部材672を介して取付けられている。
更に、後側可動ユニット660は、後左用駆動プーリ666aの下側に配置されると共に後左用駆動プーリ666aのギア部666dと噛合する後左用駆動ギア673aと、後左用駆動ギア673aの後側に配置され後左用駆動ギア673aを回転駆動させる後左用駆動モータ674aと、後右用駆動プーリ666bの下側に配置されると共に後右用駆動プーリ666bのギア部666dと噛合する後右用駆動ギア673bと、後右用駆動ギア673bの後側に配置され後右用駆動ギア673bを回転駆動させる後右用駆動モータ674bと、を備えている。
また、後側可動ユニット660は、駆動プーリ666(後左用駆動プーリ666a及び後右用駆動プーリ666b)及び駆動ギア673(後左用駆動ギア673a及び後右用駆動ギア673b)と駆動モータ674(後左用駆動モータ674a及び後右用駆動モータ674b)との間に配置されユニットカバー620における正面視上枠部左端後面に取付けられると共に駆動モータ674を支持する後用モータベース676と、後用モータベース676の前側に取付けられ駆動プーリ666及び駆動ギア673の前面を被覆するギアカバー677と、ユニットカバー620の後側に取付けられユニットカバー620と協働して端部プーリ663(後左用端部プーリ663a及び後右用端部プーリ663b)を回転可能に支持する端部プーリブラケット679と、を備えている。この後側可動ユニット660は、駆動プーリ666が、前後に配置されたギアカバー677と後用モータベース676とによって回転可能に支持されている。
本例の後側可動ユニット660における駆動ワイヤ669(後左用駆動ワイヤ669a及び後右用駆動ワイヤ669b)は、前側可動ユニット630の駆動ワイヤ639と同じ構成とされており、図33等に示すように、中央に配置された線状の第一部材669cの外周に線状の第二部材669dを所定ピッチでヘリカル状に巻き回した形態となっており、少なくとも中央の第一部材669cが金属撚線によって形成されている。これにより、駆動ワイヤ669回りの環境温度が高くなってもゴムベルト等と比較して駆動ワイヤ669が大きく伸びてしまうのを抑制することができるようになっている。
また、後側可動ユニット660の駆動プーリ666(後左用駆動プーリ666a及び後右用駆動プーリ666b)は、図32(b)に示すように、駆動ワイヤ669が巻き掛けられるプーリ部666cの底部外周に駆動ワイヤ669のヘリカル状に形成された第二部材669dのピッチと略同じピッチで形成された斜めに延びる複数の溝666eを備えている。この駆動プーリ666の溝666e内に駆動ワイヤ669の第二部材669dが嵌合することで駆動プーリ666と駆動ワイヤ669との滑りを防止して、駆動プーリ666の回転により駆動ワイヤ669を確実に送ることができるようになっている。
また、後側可動ユニット660のスライダ667(後左用スライダ667a及び後右用スライダ667b)は、金属板材を屈曲して成形したものであり、後部における正面視右端に駆動ワイヤ669の他端側が取付固定されていると共に、その左側に引張バネ671(後左用引張バネ671a及び後右用引張バネ671b)の右端側が取付けられている。また、スライダ667は、後部における正面視左端に、右端に固定された駆動ワイヤ669の延長線と略直交するように上下方向へ延びた板状のストッパ片667cと、ストッパ片667cの端部から駆動ワイヤ669の延長線上と交わる位置まで形成され駆動ワイヤ669が通過可能とされた切欠状の通過部667dと、を備えている。
この後側可動ユニット660は、スライダ667におけるストッパ片667cよりも正面視右側に駆動ワイヤ669の一端側が位置すると共に駆動ワイヤ669の一端側に丸形圧着端子からなる連結部材672が圧着されており、この連結部材672に引張バネ671の他端側(正面視左端側)が取付けられている。つまり、スライダ667における正面視右端からストッパ片667cまでの間で、引張バネ671と連結部材672とが位置すると共に引張バネ671が引張られた状態となっており、引張バネ671によって駆動ワイヤ669に張力が付与された状態となっていると共に、連結部材672に圧着された駆動ワイヤ669がストッパ片667cの通過部667dを通って左方向(駆動プーリ666側)へ延びだした状態となっている。
なお、ストッパ片667cの通過部667dは、連結部材672よりも狭く形成されており、連結部材672が通過できないようになっている。これにより、駆動ワイヤ669が駆動プーリ666側へ引張られて引張バネ671が伸ばされても、連結部材672がストッパ片667cに当接することで引張バネ671の伸長が規制され、引張バネ671がこれ以上伸びないようになっている。これにより、駆動モータ674(後左用駆動モータ674a及び後右用駆動モータ674b)によって駆動ワイヤ669の一端側が正面視左方向へ移動するように駆動されると、駆動ワイヤ669を介して引張バネ671の他端側(左端側)が引張られて伸長することとなるが、引張バネ671の伸長が停止するまでの間は引張バネ671の一端側(右端側)が移動しないため、可動体601が静止したままの状態となり、駆動モータ674の駆動開始に対して可動体601が移動開始するまでにタイムラグが発生する問題があるが、引張バネ671の他端側(左端側)に連結された連結部材672がスライダ667のストッパ片667cに当接することで、引張バネ671の伸長量が規制されてタイムラグを可及的に少なくすることができ、可動体601を遅滞なく的確に移動させることができるようになっている。
また、後側可動ユニット660の二つのスライダ667は、駆動ワイヤ669よりも上側の位置で前方へ延びた板状の本体部667eを備えており、この本体部667eの前端が可動体601の上部後面に取付けられるようになっている。また、スライダ667は、図30等に示すように、本体部667eの前端から上方へ延出した検知片667fを更に備えており、この検知片667fが後側可動体検知基板695に備えられた位置検知センサ696に検知されることで各可動体601の左右方向の移動位置を検知することができるようになっている。なお、スライダ667の検知片667fは、後左用スライダ667aよりも後右用スライダ667bの方が前方に位置しており、位置検知センサ696によって後左可動体601RL及び後右可動体601RRの移動位置を夫々別々に検知することができるようになっている。
本例の後側可動ユニット660における同軸上に配置された、後左用端部プーリ663aと後右用端部プーリ663bは、夫々独立して回転することができるようになっている。これにより、各プーリ663,666間に巻き回された後左用駆動ワイヤ669aと後右用駆動ワイヤ669bは、後左用駆動モータ674aと後右用駆動モータ674bによって夫々独立して送られるようになっており、後左用スライダ667aと後右用スライダ667bを介して後左可動体601RLと後右可動体601RRが夫々独立して左右方向へ移動することができるようになっている。
なお、後側可動ユニット660では、後左可動体601RL及び後右可動体601RRが、後上レール661と後下レール662とによって左右方向へ案内されているので、後左可動体601RLと後右可動体601RRとが互いに重なったり、追い抜いたりするような動きをすることはできないようになっている。
この後側可動ユニット660は、上述したように、各プーリ663,666に巻き掛けられた駆動ワイヤ669が、スライダ667の下部で引張バネ671によって張力(テンション)が付与されるようになっており、従来の無端環状のベルトを用いた場合と比較して、ベルトに張力を付与させるためにプーリをスライドさせる機構を備える必要がないので、図示するように、後上レール661に沿って配置された端部プーリ663及び駆動プーリ666が、夫々位置が固定された状態で軸支されており、簡単な構成で軸支されていると共に、端部プーリ663と駆動プーリ666とが可及的に離反した位置に配置されており、可動体601の可動範囲が可及的に広くなるようになっている。
また、後側可動ユニット660は、後下レール662が前側可動ユニット630の前下レール632と略同じ高さとされている一方、後上レール661が前側可動ユニット630の前上レール631よりも上側に配置されており、スロットマシン1の前側から可動演出ユニット500を見た時に、後上レール661が見辛くなるようになっており、遊技者側から後上レール661が見えることで見栄えが悪くなるのを防止することができるようになっている。また、後側可動ユニット660では、後上レール661と後下レール662との間隔が、前側可動ユニット630における前上レール631と前下レール632との間隔よりも広くなっており、後上レール661及び後下レール662に案内される後左可動体601RL及び後右可動体601RRの高さが、前左可動体FL及び前右可動体FRの高さよりも高く形成されているが、夫々の窓部601aの高さは同じ高さとされている。
[1−3C−3C.可動体の動き]
次に、可動演出ユニット600における複数(四つ)の可動体601の動きについて、主に図34乃至図36を参照して説明する。図34は可動演出ユニットにおける可動体の動きを示す説明図であり、図35は図34に続く可動体の動きを示す説明図であり、図36は図35に続く可動体の動きを示す説明図である。
本例の可動演出ユニット600は、ユニットベース610に形成された横長矩形状の上部開口502を通して遊技者側から四つの可動体601を視認することができるようになっており、これら四つの可動体601が上部開口502内で左右方向へ移動することができるようになっていると共に、四つの可動体601を左右方向へ並べることで上部開口502を閉鎖することができるようになっている。つまり、四つの可動体601によって演出表示ユニット540の表示画面の前面全体を被覆することができるようになっている。
四つの可動体601による演出表示ユニット540の前面全体を被覆する配置パターンとしては、前側可動ユニット630の前左可動体601FL及び前右可動体601FRを正面視で左端及び右端へ夫々寄せると共に、後側可動ユニット660の後左可動体601RL及び後右可動体601RRを正面視で上部開口502の左右方向中央で互いに接するように位置するパターン(図34(a)を参照)、前側可動ユニット630の前左可動体601FL及び前右可動体601FRを中央で互いに接するように位置させると共に、後側可動ユニット660の後左可動体601RL及び後右可動体601RRを左端及び右端へ夫々寄せて両端に位置させたパターン(図34(b)を参照)、前側可動ユニット630の前右可動体601FRを右端に位置させた上で前左可動体601FLを前右可動体601FRに接するように位置させると共に、後側可動ユニット660の後左可動体601RLを左端に位置させた上で後右可動体601RRを後左可動体601RLに接するように位置させたパターン(図34(c)を参照)、前側可動ユニット630の前左可動体601FLを左端に位置させた上で前右可動体601FRを前左可動体601FLと接するように位置させると共に、後側可動ユニット660の後右可動体601RRを右端に位置させた上で後左可動体601RLを後右可動体601RRと接するように位置させたパターン(図34(d)を参照)、前側可動ユニット630の前左可動体601FLを左端に位置させた上で、前左可動体601FLの右側へ後左可動体601RL、前右可動体601FR、後右可動体601RRの順に並ぶように夫々を位置させたパターン(図34(e)を参照)、後側可動ユニット660の後左可動体601RLを左端に位置させた上で、後左可動体601RLの右側へ前左可動体601FL、後右可動体601RR、前右可動体601FRの順に並ぶように夫々を位置させたパターン(図34(f)を参照)、等がある。
上述した各可動体601の配置パターンでは、演出表示ユニット540に表示された演出画像は、各可動体601の矩形状に形成された各窓部601aを通して視認することができるようになっており、窓部601aに演出表示ユニット540の表示画面が四つに仕切られた状態となるようになっている。
続いて、可動演出ユニット600は、前左可動体601FL及び後左可動体601RLと、前右可動体601FR及び後右可動体601RRとを、夫々前後方向に重ねることで、後側に配置された演出表示ユニット540の表示画面の約半分の面積を、可動体601の窓部601aを通さずに遊技者側から直接視認させることができるようになっている。この時の各可動体601の配置パターンとしては、前左可動体601FL及び後左可動体601RLを左端に位置させると共に、前右可動体601FR及び後右可動体601RRを右端に位置させたパターン(図35(g)を参照)、前左可動体601FLと前右可動体601FRを左右方向の中央で互いに接するように位置させると共に、後左可動体601RLと後右可動体601RRを中央で互いに接するように位置させたパターン(図35(h)を参照)、前左可動体601FL及び後左可動体601RLを左端に位置させた上で、前右可動体601FR及び後右可動体60RRを前左可動体601FL及び後左可動体601RLと接するように位置させたパターン(図35(i)を参照)、前右可動体601FR及び後右可動体601RRを右端に位置させた上で、前左可動体601FL及び後左可動体601RLを前右可動体601FR及び後右可動体601RRと接するように位置させたパターン(図35(j)を参照)、前左可動体601FL及び後左可動体601RLを左端に位置させると共に、前右可動体601FR及び後右可動体601RRを前左可動体601FL及び後左可動体601RLの右端から上部開口502の右端までの略中央に位置させたパターン(図35(k)を参照)、前右可動体601FR及び後右可動体601RRを右端に位置させると共に、前左可動体601FL及び後左可動体601RLを前右可動体601FR及び後右可動体601RRの左端から上部開口502の左端までの略中央に位置させたパターン(図35(l)を参照)、前左可動体601FL及び後左可動体601RLを上部開口502の中央よりも全体的に左側へ位置させると共に、前右可動体601FR及び後右可動体601RRを上部開口502の中央よりも全体的に右側へ位置させたパターン(図36(m)を参照)、等がある。
上記の図35(g)の例では、可動体601の窓部601aを通さずに演出表示ユニット540の演出画像を遊技者側から直接視認することができる直接視認領域が、左右両端の可動体601に挟まれた状態で上部開口502の中央に形成されており、直接視認領域の大きさが表示画面の約半分の大きさとなっている。同じく、直接視認領域の大きさが表示画面の約半分の大きさとなるパターンは、図35(i)や図35(j)の例があり、図35(i)のパターンでは中央よりも右側に、図35(j)のパターンでは中央より左側に、表示画面の半分の大きさの直接視認領域が形成されている。これらのパターンでは、直接視認領域が一つのみとなっているので、比較的大きな演出画像を良好な状態で遊技者に視認させることができるようになっている。
一方、図35(h)の例では、各可動体601を中央で互いに接するように配置しているので、可動体601の左右両側に表示画面の約1/4の大きさの演出画像を直接視認することができる直接視認領域が形成されている。また、図35(k)や図35(l)の例では、約1/4の大きさの直接視認領域が、図35(k)では右端から、図35(l)の例では左端から直接視認領域、可動体601、直接視認領域、可動体601の順で交互に形成されている。これらのパターンでは、直接視認領域が可動体601を挟んで二つに分けられた状態となっている。
また、図36(m)の例では、表示画面の約1/6の大きさの直接視認領域が、左端から直接視認領域、可動体601、直接視認領域、可動体601、直接視認領域の順に交互に三つ形成されている。更に、図36(n)〜(q)の例では、表示画面の約1/8の大きさの直接視認領域が、左端から可動体601、直接視認領域、可動体601、直接視認領域、可動体601の順に交互に二つ形成されている。これらのパターンでは、一つの直接視認領域が一つの可動体601よりも小さくなるので、直接視認領域から臨む演出画像よりも、可動体601や可動体601の窓部601aを通して視認できる演出画像等が目立つようになっている。
上述した各可動体601の配置パターンは、一例であり、その他に種々の配置パターンを構成しても良い。また、詳細な説明は省略するが、在る配置パターンから異なる配置パターンへ変化させる際の各可動体601の可動順序については任意に設定することができ、可動演出や画像演出等に応じて各可動体601を適宜移動させるようになっている。
また、演出表示ユニット540に表示する演出画像として、可動体601の窓部601aと共に移動するような演出画像を表示させることができるようになっており、遊技者から見るとあたかも可動体601の窓部601aに画像が表示されているように錯覚させることができ、多彩な演出を提供することができるようになっている。
[1−4.スロットマシンの電装構成]
続いて、本例のスロットマシン1における主制御基板320や周辺制御基板550、各種装飾基板等による電装構成について、主に図37を参照して説明する。図37は、スロットマシンにおける電装構成を概略で示すブロック図である。本例のスロットマシン1は、遊技動作を制御するための主制御基板320と、主制御基板320からの制御コマンドに基いて遊技動作に付随して行われる各種の演出を制御するための周辺制御基板550と、を備えている。これら主制御基板320及び周辺制御基板550は、夫々遊技ユニット4に取付けられている。
スロットマシン1は、図示するように、主制御基板320に、主中継基板151を介して、外本体2内に備えられた電源基板131の電源スイッチ133及びリセットスイッチ134、払出装置110の払出モータ113及び払出センサ114(払出カウントセンサ)、外部中継端子板160、扉開放スイッチ161、収納箱スイッチ121が夫々接続されている。また、主制御基板320には、主中継基板151を介して扉形前面部材3に取付けられた主扉中継基板275が接続されている。この主扉中継基板275には、扉形前面部材3の操作部210におけるMAXベットボタン212、1ベットボタン213、始動レバー215、左停止ボタン216a、中停止ボタン216b、右停止ボタン216c、返却ボタン217、及び貯留解除ボタン218が、接続されている。また、主扉中継基板275には、扉形前面部材3の後側に取付けられたメダルセレクタ270のソレノイド270a及び投入センサ270bが接続されている。これにより、MAXベットボタン212、1ベットボタン213、始動レバー215、左停止ボタン216a、中停止ボタン216b、右停止ボタン216c、返却ボタン217、貯留解除ボタン218、メダルセレクタ270は、主扉中継基板275及び主中継基板151を介して主制御基板320に接続されている。
また、スロットマシン1は、主制御基板320に、遊技ユニット4における中パネルユニット500に取付けられた遊技状態表示装置520の遊技状態表示基板521が接続されており、主制御基板320によって、遊技状態表示基板521に備えられた払出数表示部522、メダル投入ランプ523、スタートランプ524、リプレイランプ525、ベット数表示部526、打止めランプ527、エラー表示ランプ528、予備ランプ529が駆動制御されるようになっている。
更に、スロットマシン1は、主制御基板320に、遊技ユニット4における図柄変動表示装置400に取付けられた図柄変動主中継基板471が接続されている。この図柄変動主中継基板471には、三つのリールユニット420(左リールユニット420a,中リールユニット420b,右リールユニット420c)に夫々備えられたリールモータ中継基板426(426a,426b,426c)が夫々接続されており、各リールモータ中継基板426(426a,426b,426c)には、夫々リールモータ421(421a,421b,421c)と回転位置検知センサ425(425a,425b,425c)が接続されている。これにより、主制御基板320によって三つの各リール410a,410b,410cの回転・停止が直接制御されるようになっている。
また、スロットマシン1は、主制御基板320に、設定スイッチ/エラー解除スイッチ323、打止め解除/エラー解除スイッチ324、打止有無スイッチ325、清算有無スイッチ326、設定キースイッチ327が夫々接続されている。これらのスイッチを操作することでスロットマシン1の基本的な設定を行うことができるようになっている。
また、スロットマシン1は、主制御基板320に接続された周辺制御基板550に、周辺中継基板152を介して外本体2内に取付けられた後スピーカ140と、扉形前面部材3に取付けられた扉装飾駆動基板276とが接続されている。この扉装飾駆動基板276には、扉形前面部材3に備えられた発光部材231、サイド装飾基板252、トップ装飾基板263、前スピーカ241が接続されており、扉装飾駆動基板276では、周辺制御基板276からの制御コマンドに基いて、発光部材231、サイド装飾基板252、及びトップ装飾基板263を制御するようになっている。
また、スロットマシン1は、周辺制御基板550に、遊技ユニット4における図柄変動表示装置400に備えられた図柄変動周辺中継基板472と、中パネルユニット500に備えられた演出表示ユニット540、及びランプ駆動基板561とが夫々接続されている。この図柄変動周辺中継基板472には、三つのリールユニット420(420a,420b,420c)に夫々備えられたリール装飾中継基板427(427a,427b,427c)が接続されており、各リール装飾中継基板427(427a,427b,427c)には、リール装飾基板424(424a,424b,424c)が接続されている。
更に、スロットマシン1は、周辺制御基板550に接続されたランプ駆動基板561に、中パネルユニット500に取付けられた第一演出装飾基板512、第二演出装飾基板514、リール上装飾基板517、リール下装飾基板515、上枠部装飾基板611、下枠部装飾基板612、左枠部装飾基板613、及び右枠部装飾基板614が夫々接続されている。また、ランプ駆動基板561には、可動演出ユニット600に備えられた前左用駆動モータ644a、前右用駆動モータ644b、後左用駆動モータ674a、後右用駆動モータ674b、前側可動体検知基板690、及び後側可動体検知基板695が夫々接続されている。
本例のスロットマシン1における払出装置110は、払出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ114を放出口払出口112a内に有しており、この払出センサ114からメダル1枚ごとの払出メダル信号が主制御基板320に入力されている。この払出装置110では、払出しに必要な枚数のメダルが不足しているか、或いはメダルが全く無い状態であった場合、払出センサ114による枚数検出が滞ることとなり、払出しが滞ってから所定時間(例えば3秒間)が経過すると、払出センサ114より払出しメダルの異常信号が主制御基板320へ出力するようになっている。そして、払出センサ114からの異常信号に基いて、主制御基板320では、メダルの払出しに異常が発生したことを知らせる内容をエラー表示ランプ528や演出表示ユニット540等に表示させて遊技者やホール従業員等に異常が発生したことを報知するようになっている。
また、収納箱120には収納箱スイッチ121が設けられており、内部に貯留されたメダルの貯留数が所定数量を超えた場合、メダルが所定数量を超えた検出信号を主制御基板320に出力する。このとき演出表示ユニット540、エラー表示ランプ528等によりメダル貯留の異常を知らせるエラー表示が行われ、遊技者やホール従業員等に異常が発生したことが報知されるようになっている。
更に、スロットマシン1におけるメダルセレクタ270は、その内部にソレノイド270aや投入センサ270bが設置されている。この投入センサ270bは、投入口214から投入されたメダルを検出し、メダルの検出信号を主制御基板320に出力する。また、ソレノイド270aがOFFの状態の時に、投入口214へメダルが投入されると投入センサ270bによって検出されるようになっている。一方、ソレノイド270aがONの状態の時は、メダルセレクタ270内で投入センサ270bに到達する通路がロックアウトされてメダルの投入が受付けられなくなり、遊技者がメダルを投入しても、メダルセレクタ270を通って返却樋272へ送られて受皿240へ排出されるようになっている。なお、このとき合わせて投入センサ270bの機能が無効化されるので、メダル投入によるベット又はメダルの貯留の何れも行われないようになっている。
[1−4A.主制御基板]
次に、スロットマシン1における主制御基板320について説明する。本例の主制御基板320は、図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての主制御MPU320aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート320bと、リールモータ421に駆動信号を出力するドライブ回路320cと、スロットマシン1の設定(例えば、設定1〜6)を変更する設定キー(鍵穴、設定キースイッチ327)と、設定スイッチ/エラー解除323と、打止有無スイッチ325と、精算有無スイッチ326と、を主に備えている。また、主制御基板320は、主制御MPU320aに、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROM320dと、一時的にデータを記憶するRAM320eと、を備えている他に、動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も備えている。
この主制御基板320は、MAXベットボタン212、1ベットボタン213、始動レバー215、左停止ボタン216a、中停止ボタン216b、右停止ボタン216c、返却ボタン217、貯留解除ボタン218、払出装置110の払出カウントスイッチ、扉開放スイッチ161、及び収納箱スイッチ121からの検出信号が主制御I/Oポート320bを介して入力されており、これらの検出信号に基づいて、メダルセレクタ270のソレノイド370a、遊技状態表示装置520の払出数表示部522、メダル投入ランプ523、スタートランプ524、リプレイランプ525、ベット数表示部526、打止めランプ527、エラー表示ランプ528、予備ランプ529、及び払出装置110の駆動手段等への駆動信号を、主制御I/Oポート320bを介して、出力することができるようになっている。
また、主制御基板320は、主制御I/Oポート320bを介して、リール410a,410b,410cの回転位置を検知する回転位置検知センサ425a,425b,425cからの検知信号が入力されるようになっていると共に、主制御I/Oポート320bを介して、リール410a,410b,410cを夫々回転させるリールモータ421a,421b,421cへ駆動信号を出力することができるようになっている。この主制御基板320は、回転位置検知センサ425a,425b,425cからの検知信号によって、各リール410a,410b,410cの停止位置を検知することができるようになっており、有効ライン401上に停止した図柄を知ることができるようになっている。
更に、主制御基板320は、主制御I/Oポート320bを介して、設定スイッチ/エラー解除323、打止有無スイッチ325、精算有無スイッチ326、打止め解除/エラー解除スイッチ324からの信号が入力されるようになっていると共に、主制御I/Oポート320bを介して、メダル払出信号、メダル投入信号や遊技ステータス等を外部中継端子板160に出力することができるようになっている。
主制御基板320における設定スイッチ/エラー解除323は、設定キー(設定キースイッチ327)の状況によって役割が変わるものであり、設定キースイッチ327がOFFのときは(遊技可能状態)、エラー解除スイッチとして機能し、設定キーがONのときは(設定変更状態)、設定スイッチとして機能するようになっている。
この設定キーによるスロットマシン1の設定の変更手順について説明する。まず、スロットマシン1を電源OFFの状態とし、その状態で設定キースイッチ327を操作する。詳しくは、設定キースイッチ327に所定のキーを差し込んでキーを右へ90度回転させる。次に、設定キースイッチ327にキーが差し込まれた状態でスロットマシン1を電源ONにする。電源ONは、電源装置130の電源スイッチ133を操作することによって行なう。電源ONにすると、現在のスロットマシン1の設定が遊技状態表示装置520の払出数表示部522(図示しないクレジット表示部でも良い)に表示される(例えば、設定1の場合には「1」が表示される)。次に、設定スイッチ323を操作する。設定スイッチ323を操作すると、表示されていた設定値に1が加算された数値が表示される。但し、表示されている数値が6の場合は、加算されずに表示される値が1に戻る。このように設定スイッチ323を操作して、所望の設定の値が表示されると、始動レバー215を操作する。始動レバー215を操作することによって、設定が確定する。キーを左へ90度回転させ、設定キースイッチ327に差し込まれているキーを抜く。そして、次に電源投入されたときには、先ほど設定した設定値でスロットマシン1が動作するようになる。
また、主制御基板320における打止め有無スイッチ325は、ボーナスゲームが終了した後にメダルを受付けない状態、つまり、「打止め」の状態にするか、それとも継続してゲームを行うことを許容するかを決定するスイッチである。
また、主制御基板320における精算有無スイッチ326は、ボーナスゲームが終了した後にクレジット分のメダルを払出す(「精算」する)か、それとも「精算」しないかを決定するスイッチである。
更に、主制御基板320は、外部中継端子板160を介して、スロットマシン1を設置する遊技ホール側のホールコンピュータと接続されており、ホールコンピュータ側へメダル投入信号、メダル払出信号、遊技ステータス等を送信するようになっており、これらの信号に基いてホールコンピュータでは、スロットマシン1に投入されたメダルの枚数を把握したり、スロットマシン1が払出したメダルの枚数を把握したり、スロットマシン1の遊技状態等を把握したりして、計数管理を行っている。
[1−4B.周辺制御基板]
続いて、スロットマシン1における周辺制御基板550について説明する。この周辺制御基板550は、図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU550aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM550bと、一時的にデータを記憶する周辺制御RAM550cと、高音質の演奏を行うことが可能な音源IC550dと、音源IC550dが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶された音ROM550eと、を備えている。周辺制御基板550の周辺制御MPU550aは、パラレル入出力ポートやシリアル入出力ポート等の各種入出力用のI/Oポート550fを備えている。また、周辺制御基板550には、液晶表示装置からなる演出表示ユニット540を表示制御するVDP550g(Video Display Processorの略)等を備えた液晶制御部を備えている。
この周辺制御基板550は、主制御基板320からの制御信号(制御コマンド)に基いて、扉装飾駆動基板276やランプ駆動基板561へ駆動信号を出力するようになっており、扉装飾駆動基板276を介して扉形前面部材3の発光部材231、サイド装飾基板252、トップ装飾基板263を駆動することができると共に、ランプ駆動基板561を介して中パネルユニット500の第一演出装飾基板512、第二演出装飾基板514、リール上装飾基板517、リール下装飾基板515、上枠部装飾基板611、下枠部装飾基板612、左枠部装飾基板613、右枠部装飾基板614、駆動モータ644,674等を駆動することができるようになっている。
また、周辺制御基板550における音源IC550dは、周辺制御MPU550aからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROM550eから音情報を抽出し、各種演出に合わせた音楽及び効果音等を後スピーカ140及び前スピーカ241からが出力せるものである。
更に、周辺制御基板550における液晶制御部は、図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPUと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する液晶制御ROMと、演出表示ユニット540を表示制御するVDP550g(Video Display Processorの略)と、表示される画面の各種データを記憶するキャラROMと、キャラROMに記憶されている各種データが転送されてコピーされるキャラRAMと、を備えている。
この液晶制御MPU550aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等のI/Oポート550fを備えており、周辺制御MPU550aからの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDP550gを制御して演出表示ユニット540の描画制御を行っている。
液晶制御ROMは、描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御MPU550aからの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、キャラROMに記憶されている各種データをキャラRAMの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って描画される画面データを、前もって、キャラROMからキャラRAMの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
液晶制御MPUは、周辺制御MPU550aからの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを液晶制御ROMから抽出してVDP550gに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを液晶制御ROMから抽出してVDP550gに出力する。このように、液晶制御MPUは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ液晶制御ROMから抽出してVDP550gに出力する。
VDP550gは、液晶制御MPUから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいてキャラRAMからスプライトデータを抽出して表示する描画データを生成し、この生成した描画データを演出表示ユニット540に出力する。またVDP550gは、液晶制御MPUからの画面データを受入れないときに、その旨を伝える実行中信号を液晶制御MPUに出力する。なお、VDP550gは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、演出表示ユニット540の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを出力する方式である。
キャラROMには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。キャラROMの容量が大きくなると、つまり、描画するスプライトの数が多くなると、キャラROMのアクセス速度が無視できなくなり、描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速いキャラRAMに、キャラROMに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、このキャラRAMからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態でキャラROMに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、演出表示ユニット540にまとまった単位として表示されるイメージである。例えば、種々の人物を表示させる場合には夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、複数人の人物を表示させる場合には複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて描画される。
なお、スプライトは縦横夫々64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「キャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのキャラクタを用いて表現することができるし、人物等比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3等で配置した合計6個のキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のキャラクタを用いて表現することができる。このように、キャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
演出表示ユニット540は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動されるようになっている。演出表示ユニット540は、液晶制御部から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査として正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素に夫々出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、演出表示ユニット540は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査として正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素に夫々出力する。
[2.リールの図柄及び当選役]
続いて、本実施形態におけるスロットマシン1の各リール410の外周面に備えられた図柄と複数の図柄の組合せによる当選役について、主に図38乃至図40を参照して説明する。図38は、スロットマシンにおける各リールの外周面に備えられた図柄列を展開して示す展開図である。また、図39は、スロットマシンの遊技窓から見える下開口部501を拡大して示す正面図である。更に、図40は、スロットマシンにおける図柄の組合せと当選役及びメダルの払出枚数の一例を示す説明図である。本例のスロットマシン1は、図柄変動表示装置400における三つのリール410a,410b,410cの外周面に夫々複数種類の図柄が列設されている。
この図柄の種類としては、詳細な図案については図示は省略するが図38に示すように、赤色で数字の7の字が描かれた「赤7」図柄、白色で数字の7の字が描かれた「白7」図柄、青色で数字の7の字が描かれた「青7」図柄、さくらんぼ(チェリー)が描かれた「チェリー」図柄、横長楕円の一部にベルが描かれた「リプベル」図柄、外形が横長楕円形状に描かれた「リプレイ」図柄、二つのベルが描かれた「ベル」図柄、外形がハート型に描かれた「ハート」図柄、及び外形が星型に描かれた「星」図柄、外形が雲形に描かれた「雲」図柄、を備えており、同じ図柄が上下に隣接しないように列設されている。
これらの図柄の中で、「赤7」図柄、「白7」図柄、「青7」図柄は他の図柄に比べて目立ち易く、識別し易い図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リールの回転中や、リールが停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことを言う。この「赤7」図柄は、各リール410a,410b,410cに一つしかなく、加えて色彩も赤色と他の図柄に比べて視認し易いようになっている。また「白7」図柄は、左リール410aと中リール410bに夫々一つしかなく、加えて色彩も白とこれも他の図柄に比べて視認し易いようになっている。これらの図柄はリール410a,410b,410cの回転中もその色彩や図柄の大きさから、遊技者が目標の図柄にすることが容易となっている。
リール410の外周に備えられたこれらの図柄は、図39に示すように、下開口部501を通して一部が遊技者側から見えるようになっており、この範囲内において停止表示された図柄の組合せによって当選役が予め決められている。つまり、下開口部501を通して視認できる三列×三段の九つの図柄に対して、当選を決めるための有効な並び(有効ライン)上に停止した図柄の組合せに応じた当選役が予め決められている。この有効ライン401としては、左右方向へ並んだ上段ライン401a、中段ライン401b、下段ライン401c、斜めに並び右側が上がった右上ライン401d、右側が下がった右下ライン401eの五つの有効ライン401がある。
これら有効ライン401の選択は、投入口214へメダルを投入した上で、MAXベットボタン212又は1ベットボタン213を操作することで選択することができ、一回のゲームに用いるメダルの数に応じて選択できる有効ライン401が増減し、メダルを多く用いるほど有効ライン401が多くなるようになっている。なお、一般に、1ゲームに用いるメダルの数が1枚の時を「1ベット(1BET)」、2枚の時を「2ベット(2BET)」、3枚の時を「3ベット(3BET)」、等と称し、本例のスロットマシン1では一回のゲームに最大で3枚のメダルを用いることができるようになっている。
この一回のゲームに用いるメダルの枚数は、1ベットボタン213を操作することで一枚ずつ引落す(投入する)ことができ、MAXベットボタン212を操作するといっぺんに最大数(ここでは3枚)引落すことができる。そして、メダルを1枚用いる場合では、中段ライン401bのみが有効となる。また、メダルを2枚用いる場合では、中段ライン401bに加えて上段ライン401aと下段ライン401cも有効となり、有効なラインが三つとなる。更に、メダルを3枚用いる場合では、上記の「2BETライン」に加えて、右上ライン401d及び右下ライン401eも有効となり、有効なラインが合計で五つとなる。
このスロットマシン1では、1ベットボタン213又はMAXベットボタン212の操作によって選択されたベット数(有効ライン401数)が遊技状態表示装置520におけるベット数表示部526に表示されるようになっている。なお、中段ライン401bのみが有効の時を「1BETライン」と、上段ライン401a、中段ライン401b、及び下段ライン401cが有効の時を「2BETライン」と、全ての有効ライン401が有効の時を「3BETライン」と、夫々称す。
そして、1ベットボタン213やMAXベットボタン212で有効ライン401を選択した後に、遊技者が始動レバー215を操作すると、図柄変動表示装置400に備えられた三つのリール410が同一方向へ回転を開始し、図柄が変動表示されることとなる。その後、遊技者が三つの停止ボタン216を操作することで、操作した停止ボタン216と対応したリール410が停止し、回転した全てのリール410が停止すると図柄の組合せが確定し、有効ライン401上に停止した図柄の組合せに応じた当選役が付与されるようになっている。
以下では、所定の当選役に対応する図柄の組合せ態様が何れか一つの有効ライン401上に表示された場合のことを、(所定の)当選役に対応する図柄(これを当選役図柄という)の組合せが揃う、或いは当選役図柄が揃った、という。
[2−1.当選役]
次に、本例のスロットマシンにおける当選役について説明する。当選役には、遊技者が有利となる有利遊技状態(BBゲーム、RBゲーム、CRBゲーム、RTゲーム、リプレイゲーム、等)を発生させるものと、所定数のメダルを遊技者に付与(払出す)するものと、メダルの払出し等の特典を全く付与しないもの(所謂「ハズレ」)と、があり、MAXベットボタン213や1ベットボタン212によるベット操作により選択された有効ライン401上に停止した図柄の組合せに応じて遊技者に付与されるものである。
[2−1A.ビッグボーナス(BB)]
まず、当選役としてのビッグボーナス(BB)は、図40に示すように、有効ライン401上に停止した図柄が全て「赤7」図柄の時に付与される当選役であり、当選後に有利遊技状態としてのBBゲーム(ビッグボーナスゲーム)が開始される。なお、BBが当選した際には、メダルの付与(払出し)は行われないようになっている。このBBは、リール410を回転させるために遊技者が始動レバー215を操作すると、主制御基板320において内部抽選が行われ、その抽選結果がBBに当選した上で、有効ライン401上にBB図柄が揃うと、BBゲームを遊技者に付与するものであり、内部抽選においてBBが当選しない限り、有効ライン401上にBB図柄が揃わないようになっている。なお、内部抽選でBB図柄が当選してもBB図柄が揃わなかった場合は、その内部抽選の抽選結果を保持して次のゲームに持ち越すようにしても良い。
このBBにより付与されるBBゲームは、メダルの獲得が容易な複数回に亘るゲームが集中して行われるようになっており、規定枚数のメダル(例えば、300枚)が遊技者に付与する(払出す)まで継続して実行される。そして、払出されたメダルが規定枚数分に到達すると(或いは規定枚数を超えた場合としても良い)、BBゲームが終了するようになっている。本例では、BB図柄が各リール410a,410b,410cに夫々一つずつしか配置されていないため(図38参照)、有効ライン401に対してBB図柄を正確に狙って(後述する引込み制御が可能な範囲で)各停止ボタン216の停止操作を行わないと、BB図柄を揃えることができないようになっている。従って、目標とする図柄を狙って停止操作を行う所謂「目押し」の技量を必要とし、スロットマシン1に代表される回胴式遊技機における遊技の醍醐味を楽しむことができるようになっている。
従って、遊技者の「目押し」の技量が高ければ(主に遊技に熟練した遊技者等、遊技の熟練度が高い遊技者)、目的の図柄を狙った位置(例えば、下開口部501内)に表示させる(停止させる)ことが容易なものとなる。一方、遊技者の「目押し」の技量が低ければ(主に遊技に未熟な遊技者等、遊技の熟練度が低い遊技者)、目的の図柄を狙った位置(例えば、下開口部501内)に表示させる(停止させる)ことが容易なものとはならない(困難であるといえる)。
なお、BBゲームが終了すると、その後は通常ゲーム状態となるのではなく、後述する制御により特殊状態としてリプレイの当選確率が通常ゲーム状態よりも高く制御されている特定のRT状態(アールテイ状態、リプレイタイム)となるCRTゲーム(チャンスリプレイタイムゲーム)が行われるようになっている。このCRTゲームでは、所定のゲーム回数にわたり遊技者に有利な状態が継続するものである(例えば、所定の当選役に一定期間当選し易くなる等)。すなわち、BB図柄が揃うと、BBゲームでメダルを獲得できることに加えて、遊技者に有利な状態になるという付加的な特典(例えば、さらにメダルを多く獲得できる等)が付与されるようになっている。
[2−1B.レギュラーボーナス(RB)]
次に、当選役としてのレギュラーボーナス(RB)は、有効ライン401上に停止した図柄の組合せが、「白7」−「赤7」−「赤7」の図柄の組合せの時に付与される当選役であり、当選後に遊技者に対して有利遊技状態としてのRBゲーム(レギュラーボーナスゲーム)が行われるようになっている。なお、RBが当選した場合も、メダルの付与が行われないようになっている。RBゲームは、メダルの獲得が容易な複数回に亘るゲームが集中して行われ、BBゲームが実行される場合よりも少ない規定枚数のメダル(例えば、20枚)を遊技者に付与する(払出す)まで継続して実行され、払出されたメダルが規定枚数分に到達すると(或いは規定枚数を超えた場合としてもよい)、RBゲームが終了するようになっている。
なお、RBゲームとしては、規定のゲーム回数だけ(例えば7回)継続させて、この規定のゲーム回数に到達すると、RBゲームを終了させるようにしても良いし、規定枚数分に到達するか、規定のゲーム回数に到達するか、の何れかの条件が満たされた場合にRBゲームを終了させるようにしても良い。或いは、規定枚数分に到達するか、規定のゲーム回数に到達するか、の何れかの条件が満たされた場合に、RBゲームを終了させるようにしても良い。
本例では、RBが当選役となるRB図柄を構成する各図柄(「赤7」図柄、「白7」図柄)も、BB図柄の場合と同様、各リール410a,410b,410cに夫々一つずつしか配置されていないため(図38参照)、目押しが必要な図柄となっている。
なお、RBゲーム終了後には、LRTゲーム(ロングリプレイタイムゲーム)という遊技特典が付与されるようになっている(詳細は後述する)。このLRTゲームも上記CRTゲームと同様に所定のゲーム回数にわたり遊技者に有利な状態が継続するものである(例えば、所定の当選役に一定期間当選し易くなる等)。すなわち、RB図柄が揃うと、RBゲームでメダルを少量獲得したうえで、遊技者に有利な状態になるという付加的な特典(例えば、さらにメダルを多く獲得できる等)が付与されるようになっている。
[2−1C.チェリーラッシュボーナス(CRB)]
続いて、当選役としてのチェリーラッシュボーナス(CRB)は、有効ライン401上に停止した図柄の組合せが、「リプベル」−「ベル」−「リプレイ」の図柄の組合せ時に付与される当選役であり、当選後に遊技者に対して有利遊技状態としてのCRB(チェリーラッシュボーナスゲーム)が行われるようになっている。このCRB図柄が揃った際(CRB図柄が揃った当該ゲーム)にも、メダルは付与されず、CRB図柄が揃うことはCRBゲームへ移行する契機としての役割のみとなっている。
このCRBゲームでは、上記RBゲーム等に準じたメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われることになる。これは、規定枚数のメダル(例えば、35枚)を払出すまで継続して実行され、払出されたメダルが規定枚数分に到達すると(或いは、規定枚数を超えた場合としても良い)、CRBゲームが終了するようになっている。このCRBゲームでは、複数の当選役(後述するベル及びチェリー)の双方に毎ゲーム当選した状態となる。すなわち、CRBゲームでは、「ベル」図柄、及び「チェリー」図柄の何れも揃えることが可能な状態となっている(詳細は後述する)。
CRB図柄の組合せを構成する各図柄(「リプベル」図柄、「ベル」図柄、「リプレイ」図柄)は、各リール410a,410b,410cに満遍なく配置されているため(図38参照)、CRB図柄については、BB図柄及びRB図柄とは異なり、目押しの必要なく揃えることができるようになっている。
更に、CRBゲーム終了後にも遊技特典としてLRTゲームが付与されるようになっている(詳細は後述する)。すなわち、CRB図柄が揃うと、CRBゲームでメダルを少量獲得できることに加えて、遊技者に有利な状態になるという付加的な特典(例えば、さらにメダルを多く獲得できる等)が付与されるようになっている。
このように、スロットマシン1ではBBゲーム、RBゲーム、CRBゲームという三つのボーナスゲームにより遊技者がメダルを集中して獲得できる機会が設けられている。但し、遊技者が大量のメダルを獲得することが可能なものはBBゲームだけとなっている。また、スロットマシン1では、1回のゲームで払出されるメダルの最大枚数(例えば、15枚)が予め決められており、1回のゲーム結果として払出されるメダルの枚数は、この最大枚数を超えないものとなっている。これにより、RBゲーム及びCRBゲームにて獲得可能なメダルの枚数は、1回のゲームで獲得可能な最大枚数(15枚)に比べれば多いものの、BBゲームにて獲得可能なメダルの枚数に比べると相当に少ない(約1/10程度)となっている。つまり、上記最大枚数に近い枚数メダルの払出しが連続して行われることによって獲得可能な枚数とほとんど変わりない獲得枚数となっている。
[2−1D.リプレイ]
次に、当選役としてのリプレイは、有効ライン401上に停止した図柄の組合せが、「リプベル」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せの時に付与される当選役であり、遊技者に対してメダルの消費を伴わないリプレイゲームが一回付与される。なお、リプレイが当選した場合も、メダルの付与が行われないようになっている。このリプレイゲームは、MAXベットボタン212や1ベットボタン213等のベット操作をする必要がないゲームのことであり、メダルを消費することなく始動レバー215を操作することができるゲームである。なお、リプレイの当選確率を高くするようにしても良く、遊技者が消費するメダルの量が増加するのを抑制することができ、遊技者に対して得した気分にさせることができると共に、当選してもメダルの払出しを行わないので、ホール側に与える負荷が増加するのを抑制することができる。
また、本例では、各リール410a,410b,410cに「リプベル」図柄、「リプレイ」図柄を夫々満遍なく配置(例えば、「リプレイ」図柄から「リプレイ」図柄までの間に配置する他の図柄(「リプレイ」図柄とは異なる種類の図柄のこと)を1個から最大でも4個までにする)しており、リプレイ図柄を目押しの必要なく揃えることができるようになっている。なお、この図柄の配置と目押しの必要性との関係等については後述のリール停止処理にて説明する。
[2−1E.ベル]
次に、当選役としてのベルは、有効ライン401上に停止した図柄の組合せが、「リプベル」−「ベル」−「ベル」の図柄の組合せの時に付与される当選役であり、ベル図柄が揃うと、規定枚数(例えば、6枚)のメダルの払出しが行われるようになっている。つまり、ベル図柄が揃うと6枚のメダルの払出しという遊技特典が付与されるようになっている。従って、ベルは、ゲームを進める上でメダルの増加を期待できたり、メダルの消費を抑えることが期待できたりする当選役となっている。
なお、ベルに当選する頻度が高くなると、遊技者はゲームを進めていくだけでメダルを増加させることが可能となってしまい(BBやRBに当選しなくともメダルが増加してしまうこととなってしまう)、スロットマシン1のゲーム性が損なわれてしまう。また、遊技者が過度のメダルを獲得することが容易となり、遊技ホール側との利益バランスが崩れるという事態を招いてしまうことも危惧される。従って、ベルという当選役には、ゲーム進行の中で遊技者がメダルを大量消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせるに留め、リプレイに比べて当選確率が低く抑えられている。これにより、「ベル」図柄、「リプベル」図柄についても、前述の「リプレイ」図柄と同様、各リール410a,410b,410cに満遍なく配置して目押しの必要なく揃えられるものとしても問題がないようになっている。この図柄の配置と目押しの必要性との関係等については後述のリール停止処理にて説明する。
[2−1F.チェリー]
次に、当選役としてのチェリーは、有効ライン401上に停止した図柄の組合せが、「ANY」−「ANY」−「チェリー」の図柄の組合せの時に付与される当選役である。ここで、「ANY」図柄とは、何れかの図柄のことであり、右リール410cの図柄のみが「チェリー」図柄で停止し、その他の左リール410a及び中リール410bの図柄は何れかの図柄で停止した状態である。このチェリー図柄が揃うと、規定枚数(例えば、15枚)のメダルの払出しが行われるようになっており、15枚のメダルの払出しという遊技特典が付与されるようになっている。
このチェリー図柄は、全てのリール410a,410b,410cが停止した状態における図柄の組合せ態様により揃ったと判定されるのではなく、少なくとも一つのリール410についてのみ、当該リール410が停止した状態において有効ライン401上に表示された図柄により揃ったと判定されるものであるといえる。但し、メダルの払出しは全てのリール410停止後に行われる。なお本実施形態のスロットマシン1では上記でいう「少なくとも一つのリール」を右リール410cとしている。
また、スロットマシン1では、有効ライン401が2BETラインのうちの下段ライン又は3BETラインのうちの右下がりラインの何れかのみとなっているため、「チェリー」図柄が下開口部501内に表示される場合、右リール410cの下段位置のみに表示される。このとき右リール410cの下段位置に表示されたチェリー図柄は、上記の2つの有効ライン401ともに含まれることとなる。つまり、下段ライン及び右下がりラインに重複してチェリー図柄が揃っているということになる。従って、このときの払出し枚数は、〔 15枚×2=30枚 〕となるはずである。ところが、スロットマシン1では、1回のゲームでのメダルの最大払出枚数を15枚としているので、この場合の払出しは15枚(最大値、上限)ということになっている。
チェリーについても、前述のベルと同様に、ゲームの進行の中で遊技者がメダルを大量消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせるに留め、リプレイに比べて当選確率を低く抑えている。従って、「チェリー」図柄についても、前述のリプレイ図柄等と同様、各リール410a,410b,410c(特に右リール410c)に満遍なく配置(この場合は、「チェリー」図柄から「チェリー」図柄までの間に配置する他の図柄を1個から最大4個までとする)ことにより、問題なくチェリー図柄を目押しの必要なく揃えることのできるものとすることができるようになっている。なお、この図柄の配置と目押しの必要性との関係等については後述のリール停止処理にて説明する。
上述したように、チェリーは、少なくとも一つのリール410についてのみ、当該リール410が停止した状態において有効ライン401上に当該「チェリー」図柄が表示されれば揃ったと判定される当選役であり、なおかつ、最大枚数の払出しのある当選役となっている。
また、前述したベルとチェリーは、ともにメダルの払出しという遊技特典に対応した当選役であることから、以下では、必要に応じてこれらをまとめて「小役」と呼ぶ。
なお、本例のスロットマシン1では、ベルとチェリーの2つを小役として説明したが、これらの他にさらに小役を設けることもできる。例えば、「ベル」図柄、「チェリー」図柄とは異なる種類の図柄を設けて、これに対応するメダルの払出し枚数(規定枚数)を異ならせて上記の小役と区別したり、或いは各リール410a,410b,410cの図柄の配置数を少なくして、目押しの必要な当選役図柄として難易度をつけたりすることも可能である。
[2−1G.BBゲーム専用役]
次に、当選役としてのBBゲーム専用役は、BBゲーム中に限って有効となる図柄の組合せであり、有効ライン401上に停止した図柄が左から「リプベル」−「リプレイ」−「ベル」の図柄の組合せの時に付与される当選役であり、遊技者に対してメダルが15枚付与されるようになっている。これにより、BBゲーム中にBBゲーム専用役に当選すると、多くのメダルを獲得することができるので、BBゲーム専用役の図柄の組合せで停止するように、停止操作させて遊技者を楽しませることができるようになっている。また、上述したように、各リール410には「リプベル」図柄、「リプレイ」図柄、「ベル」図柄が満遍なく多く備えられており、BBゲーム専用図柄を有効ライン401上に停止させ易くなっているので、BBゲーム専用役に当選できる可能性が高く、遊技者の関心をBBゲームに強く引付けることができ、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる。また、BBゲーム専用役図柄についても目押しの必要なく揃えることができるものとなっている。
なお、RBゲームでは、上記BBゲーム専用役とは異なる当選役を設けても良い。更に、BBゲーム専用役のようなボーナスゲーム中限定の小役を設けずに、上記ベルやチェリーを代わりに用いるものとしても良い(その場合、ボーナスゲーム中では夫々のメダルの払出し枚数を変える等しても良い)。
[2−1H.ハズレ]
続いて、当選役としてのハズレは、有効ライン401上で停止した図柄の組合せが、上述以外の組合せの時に付与される当選役であり、遊技者に対してメダルの払出しも特典の付与もなく、また次回以降のゲームに変化を及ぼすこともないものである。なお、ハズレは遊技者に当該ゲーム及び次回以降のゲームにおいて何の遊技特典も付与しない当選役であるともいえる。
スロットマシン1の図柄のうち、「ハート」図柄、及び「雲」図柄、「星」図柄については、上記の何れの当選役図柄の組合せ態様にも含まれない図柄である。従って、これらの図柄はハズレ図柄でということになる。また上記に何れかの当選役図柄であっても、図柄の組合せ態様としてみた場合に当選役図柄が揃ったとみなされない場合には、ハズレ(ハズレとなる図柄の組合せ態様)ということになる。
以上がスロットマシン1における夫々の当選役と、夫々の当選役に対応する図柄の組合せ態様である。そして、本例のスロットマシン1では、BB図柄、及びRB図柄を除く全ての当選役図柄が目押しの必要なく揃えることができるということである。つまり、遊技者は毎回のゲームに特に目押しを行うことにより絶えず緊張(集中するため)を強いられて疲労してしまうといったことが極力軽減され、スムーズなゲームの進行ができるようになっている。
なお、これらの図柄は上記で説明した図柄や図柄の組合せ態様に限定されるものではない。また、上記の図柄に加えて複数種類の図柄を新たに設けることもできる。そして、当選役の種類をさらに増やすことや、或いは減らすこともできる。さらに、上記で述べた当選役は全てを必ず設けることに限定されるものではなく、適宜必要な種類の当選役を選ぶこととしても良い。
[2−1I.リプレイタイム]
ここで、当選役ではないが、BBゲームやRBゲーム等の終了後に開始されるリプレイタイムゲーム(RTゲーム)について説明する。このRTゲームは、リプレイの当選確率を通常ゲームに比べて当選し易くした状態を、所定のゲーム回数(ゲーム期間)に亘って継続させるものである。これにより、ゲームの回数と比較してメダルの消費量を少なくすることができ、遊技者を楽しませることができるようになっている。
なお、RTゲーム中に、例えば、内部抽選でリプレイが抽選されている時に、リール410の停止操作によってリプレイ役ではない図柄の組合せで停止(リプバン外しとも称す)させると、RTゲームが終了するようにしても良い。これにより、リプレイゲームが続くことでゲーム内容が単調となって飽き易くなり、遊技に対する興趣を低下させてしまうのを抑制することができる。
[2−1J.その他]
また、その他のゲームとして、所定の条件に基いて、各リール410が回転中に、各停止ボタン216を操作する順番やタイミング等を、演出表示ユニット540やスピーカ140,241等を用いて案内するアシストタイムゲーム(ATゲーム)を行うようにしても良い。このATゲーム(AT演出とも称す)は、始動レバー215の操作により、主制御基板320で内部抽選された抽選結果が、小役等に当選した時に、演出画像や演出サウンドによって停止ボタン216を操作する手順等を案内してナビゲートするものであり、このAT演出によって小役の取りこぼし少なくして遊技者を楽しませることができると共に、飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、ATゲームは、所定ゲーム回数の消化、また、所定時間の経過、図柄が所定の組合せで停止、等の条件が成立すると、終了させるようにすることが望ましい。また、ATゲームを実行するか否かは、周辺制御基板550において決定するようにしても良い。
[3.遊技処理]
次に、本例のスロットマシン1における基本的な遊技処理について、主に図41乃至図50を参照して説明する。図41は、スロットマシンにおける一回のゲームの基本的な処理を示すフローチャートである。また、図42は始動処理の内容を示すフローチャートである。更に、図43は抽出乱数値の当り値判定テーブルであり、図44はRTゲーム中における抽出乱数値の当り値判定テーブルである。また、図45はリール停止処理の内容を示すフローチャートであり、図46は判定処理の内容を示すフローチャートである。更に、図47はBBゲーム開始処理の内容を示すフローチャートであり、図48はBBゲーム終了判定処理の内容を示すフローチャートである。また、図49はRBゲーム開始処理の内容を示すフローチャートであり、図50はRBゲーム終了判定処理の内容を示すフローチャートである。
更に、図51はCRBゲーム開始処理の処理手順を示すフローチャートであり、図52はCRBゲーム終了判定処理の処理手順を示すフローチャートであり、図53はRTゲーム開始処理の処理手順を示すフローチャートであり、図54はRTゲーム終了判定処理の処理手順を示すフローチャートである。この遊技処理は、主制御基板320において、所定の制御プログラムを実行することで行われるものである。
[3−1.基本処理]
まず、スロットマシン1における一回のゲームの基本処理について説明する。図41に示すように、先ずステップS1では、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源の立上げ時等においては、上述した各種装置や基板類等の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。
次のステップS2では、投入口214から投入されたメダルの枚数により、或いは既に貯留されているメダルがある場合にはMAXベットボタン212(又は1ベットボタン213)の押下操作により掛け数が決定され、始動レバー215の操作待ちの状態となるベット処理を行う。すなわち、一回のゲームの掛け数(ベット数)が決定され、始動レバー215の操作が可能な状態となるまでがBET処理にて実行される。
続くステップS3では、ステップS2において操作待ちの状態となった始動レバー215の操作によりゲームをスタートさせると共に、主制御基板320において何れかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理は、次のステップS4にて回転を開始する全てのリール410a,410b,410cが停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること)となる前の段階において、何れかの当選役を今回のゲームの抽選結果とするか否かを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選の抽選結果が何れかの当選役に該当する場合に限り、該当する当選役が許容されるようになっている。
次のステップS4では、ステップS3の内部抽選処理の終了に伴い全てのリール410a,410b,410cの回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理では、全てのリール410a,410b,410cの回転が開始された時点で各停止ボタン216a,216b,216cの押下操作を有効とし、停止ボタン216a,216b,216cの操作が有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させると共に、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプは各停止ボタン216a,216b,216cに夫々備えられているランプである。
続くステップS5では、遊技者による停止ボタン216a,216b,216cの押下操作が受付けられて、その受付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応するリール410a,410b,410cの回転を停止させるリール停止処理を実行する。
更に、次のステップS6では、ステップS5において全てのリール410a,410b,410cの回転が停止状態になったと判定した時点で、有効ライン401上に停止表示された図柄の組合せと、ステップS3において決定された内部抽選の結果として許容されているものとを照合して当選役の判定を行う判定処理を実行する。
そして、ステップS7では、ステップ6において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に基づくメダルの払出処理を実行する。また当選役がBBやRB、リプレイ等の場合には、夫々遊技状態の変更や再遊技等の各種遊技特典の付与を実行する。
以上が、スロットマシン1の基本的な一回のゲームの処理手順である。ここで、ステップS2(BET処理)、ステップS3(内部抽選処理)、ステップS4(リール回転処理)は、一連の操作として遊技者により行われるものであり、これらの処理(ステップS2、ステップS3、ステップS4)をまとめて始動処理とも称す。以下にこの始動処理の具体的な説明をする。
[3−2.始動処理]
続いて、基本処理におけるベット処理、内部抽選処理、及びリール回転処理を合せた始動処理について説明する。図42に示すように、本例の始動処理では、まずステップS101にてメダルの投入、又は1ベットボタン213やMAXベットボタン212等のベットボタンの操作があるか否かが判定される。そして、ステップS101でベットボタンの操作又はメダル投入があると判定されると、次のステップS102に移る。なお、この判定はMAXベット(ここでは3BET)に相当するメダルの投入(つまり、3枚以上のメダルの投入)やMAXベットとなるように1枚ベットボタン213や、MAXベットボタン212の操作が有った場合にのみ、操作があると判定されるようになっている。
次のステップS102では、受付処理として、ベット数(本例では、MAXベット(3BET)のみ)を決定すると共に、ベット数表示部526においてベット数に応じた有効ライン401の数を示すランプを点灯させる。
続くステップS103では、始動レバー215の操作を有効化する。始動レバー215の操作が有効化されると、この始動レバー215の操作が受付けられるまで操作待ちの状態となり、次のステップS104に移る。
ステップS104では、始動レバー215の操作が有効化されているか否か、且つ、始動レバー215の操作が受付けられたか否かを判定する。先のステップS103にて始動レバー215の操作が有効化されている時に、遊技者により始動レバー215が操作されて始動レバー215の操作が受付けられると、この判定が満たされることとなり、次のステップS105へ移る。
一方、ステップS101において遊技者がベット操作又はメダル投入をしない、或いはMAXベットに至らない場合は、ステップS101の判定が満たされず、ステップS104に移る。この場合では、ステップS104の判定も満たされないので、ステップS101に戻り、上記の処理を繰返すこととなる。
なお、リプレイゲームでは、新たにメダルのベットを必要としないので、ステップS101の判定が満たされないこととなるが、リプレイゲーム処理(詳細は後述する)にてMAXベットコマンドが主制御基板320(主制御MPU)に格納されているので、このコマンドによって自動的にMAXベット状態とされ、これにより、ステップS101の判定が満たされることとなる。
ステップS104において判定が満たされると、ステップS105では、ステップS104での始動レバー215の操作を受けて、始動レバー215の操作を無効化する。
続くステップS106では、始動レバー215の操作を契機として乱数の抽出を行う。そして、乱数の抽出を行った後に、次のステップS107に移る。なお、この時の乱数を抽出するタイミングについては、始動レバー215の操作後直ぐに行っても良いし、所定時間(例えば0.5秒後等)後に行っても良く、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
そして、ステップS107では、フラグ処理として、抽出された乱数値(以下では、抽出乱数値という)から何れの当選役に該当するかを判定(乱数値の照合)する。この判定では、後述する当り値判定テーブルにて抽出乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは、予め決められた当選役の乱数値に、抽出乱数値が該当(合致、一致)するか否かを判定することであり、抽出乱数値が何れかの当選役に該当すると判定された場合、該当する当選役に応じたフラグをON(=1)にする。このON(=1)となった当該当選役に対応するフラグのことを当該当選役当選フラグと称す。
このフラグ処理では、当該ゲームにて抽出乱数値の照合を行う際に、判定の基準となる当り値判定テーブルを決定する場合、後述するBBゲーム中フラグ等のゲーム状態フラグを参照して当該ゲームにおける当り値判定テーブルを決定する。すなわち、当該ゲームにてON(=1)状態となっているゲーム状態フラグに対応する当り値判定テーブルをセットして抽出乱数値の照合を行う。ゲーム状態フラグには、BBゲーム中フラグの他に、RBゲーム中フラグ、RTゲーム中フラグ、等がある。そして、これらのゲーム状態フラグの何れもOFF(=0)状態となっている場合には、常に通常ゲーム中フラグをON(=1)の状態とする。
一方、ステップS107において、抽出乱数値が何れの当選役にも該当しないと判定された場合、「ハズレ」となり、ハズレフラグをONにする。ここで、当選フラグ又はハズレフラグ(これらを総称して成立フラグという)とは、該当する成立フラグがONになっている時に限り、その成立フラグに該当した当選役図柄を揃えることが可能となるものである。従って、ハズレフラグが成立フラグに該当する場合は、何れの当選役図柄も揃えることができないことになる。これらステップS106及びステップS107は、スロットマシン1の内部にて乱数抽選を行っていると言うこともでき、以下ではこれらのステップのことを、まとめて内部抽選、或いは内部抽選を行う等とも称す。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは内部抽選(図41なおけるステップS3)に相当する。
次のステップS108では、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの一回前のゲーム)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば、4.1秒経過)したか否かを判定する。なお、このウェイトタイマは、当該ゲームにおいてリール410の回転が開始された時から次回のゲームでリール410の回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアップ(既に4.1秒経過した)となった場合には、この判定が満たされ、次のステップS109に移る。また、この判定はウェイトタイマがタイムアップするまでループする。
ステップS109では、全てのリール410a,410b,410cの回転を開始させる。そして全てのリール410a,410b,410cの回転の速さが一定となると、夫々の停止ボタン216a,216b,216cの操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者は停止ボタン216a,216b,216cの押下操作が有効になったことを知ることができるようになっている。
なお、スロットマシン1では、回転を開始したリール410は遊技者による停止操作(停止ボタン216a,216b,216cの押下操作)が受付けられるまで、一定の速さで回転を維持し続けるようになっている。
そして、次のステップS110では、ウェイトタイマをリセットすると共に、次回の始動処理までウェイトタイマをスタートさせ、始動処理が終了する。
[3−3.内部抽選確率]
ここで、操作レバー215の操作を契機として抽選される内部抽選について説明する。本例のスロットマシン1では、内部抽選の結果(抽出乱数値の照合の結果)が当該ゲームで該当する当選役(以下では、該当当選役をいう)として許容されようになっており、この抽選結果が所定の当選役に当選となる。この該当当選役が許容された当該ゲームの結果は、上述したように「成立フラグ」として、内部抽選の結果を示す情報コマンド(制御コマンド)として以降の処理(リール停止処理、判定処理、払出処理等)に反映されるようになっている。
本例のスロットマシン1では、乱数抽出を行う際の乱数値の範囲(抽出範囲)が予め決められている。この抽出範囲は、例えば、0から16383までの整数値(つまり、214=16384個の乱数)と決められている。なお、本例では、抽出範囲の乱数値を0から16383まで(214=16384個の乱数値)としているが、0から32767まで(215=32768個の乱数値)や、0から65535まで(216=65536個の乱数値)をとしても良い。この乱数の抽出範囲を拡大すると、その分だけ抽出可能な乱数値の範囲(いわゆる分母)が大きくなるので特定の乱数値が偏って抽出されるといった事象が起こり難くなる。
この抽出範囲内においては、更に夫々の当選役に対応する乱数値が予め割り当てられている。例えば、抽出範囲(0から16383)内の乱数値のうち、BBに対応する乱数値を「1」とすれば、抽出乱数値が「1」となった場合に、内部抽選の結果は「BBに当選した」ということになり、BBの内部抽選フラグ(成立フラグ、この場合は前述の当選フラグともいう)が当該ゲームでの情報コマンドとして処理されることになる。また、これを利用すると、抽出範囲及びBBに対応する乱数値から、BBの当選確率(BBが内部抽選の結果として選び出される確率、抽選確率)を算出することができる。上記の例(BB)でいえば、
〔 BBに対応する乱数値の総個数/抽出範囲内の乱数値の総個数 〕
が、1/16384となり、BBの当選確率は1/16384でということになる。
このように全ての当選役には夫々対応する乱数値が決められており(設定されており)、これらの乱数値は、夫々の当選役に対応する当り値と呼ばれる。上記の例(BB)では、抽出範囲内の乱数値「1」がBBに対応する当り値ということになる。また、当り値が複数存在する場合、例えば、BBの当り値を抽出範囲内の連続する乱数値「1」、「2」、「3」、「4」とすれば、BBの当り値の範囲は乱数値「1」から「4」までとなる。そして、抽出乱数値が乱数値「1」から「4」までの何れかに該当すると判定される(照合される)と、内部抽選の結果として「BBに当選した」ということになる。
このことから、全ての当選役はその当り値の範囲が決められ、内部抽選で抽出乱数値が何れかの当選役の当り値の範囲に該当するか否かが判定されることになる。この時、抽出乱数値が何れの当選役の当り値の範囲にも該当しない場合は、ハズレ、となる。すなわち、ハズレの当り値の範囲は、全ての当選役における当り値の範囲以外ということになる。なお、当り値は当選許容値とも呼ばれることがある。
続いて、本実施形態のスロットマシン1における内部抽選確率について具体的に説明する。図43(図43(a)、図43(b)、図43(c)、図43(d))は、スロットマシン1の全ての当選役についての当り値と内部抽選確率を具体的に示している。なお、これらは夫々、当り値判定テーブルとして予め主制御基板320のROM320d等に格納されているものである。
まず、図43(a)は、通常状態のゲーム(通常ゲームという)における各当選役及びハズレの当り値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(通常判定テーブルという)。ここで、BB及びRBについては、夫々BBのみ、或いは、RBのみとなる当り値の範囲(単独当選当り値という)と、BB+その他の当選役(ベル、チェリー)、RB+小役(ベル、チェリー)となる当り値の範囲(共有当選当り値)に分けられている。
上記のBB及びRBの単独当選当り値は、ベルやリプレイ、チェリー等の当り値と同様に、その該当する当選役一つのみに対応している。すなわち、この図43(a)では、例えば、
抽出乱数値が「2000」の場合は、ベルの当り値に該当する。
抽出乱数値が「4000」の場合は、リプレイの当り値に該当する。といったことになり、同様に、
抽出乱数値が「1」の場合は、BBの当り値に該当する。
抽出乱数値が「60」の場合は、RBの当り値に該当する。
抽出乱数値が「80」の場合は、CRBの当り値に該当する。というように、一つの抽出乱数値に対して、一つの当選役のみが対応するものである。
一方、BB及びRBの共有当選当り値は、図43(a)では、例えば、
抽出乱数値が「10」の場合は、BB+ベルの当り値に該当する。
抽出乱数値が「62」の場合は、RB+チェリーの当り値に該当する。というように、一つの抽出乱数値に対して、複数(この場合、二つ)の当選役が対応するものである。つまり、抽出乱数値が共有当選当り値に該当する場合、複数の当選役の何れにも当選したということになる。これは、前述したフラグ処理(図42のステップS107参照)にて、BB及びその他の当選役(ベル又はチェリー)の2つの当選フラグを、或いは、RB及び小役(ベル又はチェリー)の二つの当選フラグ(内部抽選フラグ)を同時にONにするということである。
そして、BB及びRBについては、単独当選当り値及び共有当選当り値を合計(合算)した当り値の範囲が、BB全体及びRB全体の当り値ということになり、このことからBB全体及びRB全体の当選確率を算出することができる。
すなわち、
BB(全体) 60/16384(1/273.06)
RB(全体) 3/16384(1/5461.33)というように、BB全体の当選確率、RB全体の当選確率が算出される。
また、図43(a)では、CRBについては、共有当選当り値は設けていない。更に、BB(BB全体)、CRB、RB(RB全体)の当選確率を比べてみると、CRBはBBに比べると当選し難く(つまり、当選確率が低い)、RBに比べると当選し易い(つまり、当選確率が高い)といえる。
図43(b)は、BBゲームにおける各当選役及びハズレの当り値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(BBゲーム判定テーブルという)。
これによれば、BBゲーム中は、BB及びRB、さらにCRBの抽選も行われないこと
になる。BBゲーム中は、このときのみ有効となる(当り値が存在することになる)BBゲーム専用役の当り値が抽出範囲の大半以上を占めている(当り値の総数11250個)。従って、BBゲーム中は、約3回に2回程度はBBゲーム専用役に当選することが多くなるといえる。また、BBゲーム専用役の当り値が増加した代わりに、ハズレに該当する当り値は大幅に減少(当り値の総数2334個)している。このため、BBゲーム中は、通常ゲームに比べて極めてハズレとなる可能性が低くなるということもいえる。
図43(c)は、RBゲームにおける各当選役及びハズレの当り値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(RBゲーム判定テーブルという)。
これによれば、RBゲーム中は、BB及びRB、更にCRBの抽選は行われないことになる。そして、上記の図43(b)で説明したBBゲーム中との違いは、RBゲーム中は、BBゲーム専用役の抽選は行わず、ベル及びチェリーの何れかのみに当選する可能性があるということである。このとき、ベルの当り値の範囲がほとんどを占めている(当り値の総数15984個)ため、ほぼ毎回ベルに当選することが多くなるといえる。なお、RBゲーム中は、ハズレに該当する当り値が0となるため、ハズレになることがない。
図43(d)は、CRBゲームにおける各当選役及びハズレの当り値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(CRBゲーム判定テーブルという)。
これによれば、CRBゲーム中は、BB及びRB、更にCRBの抽選は行われないことになる。そして、上記のBBゲーム中、RBゲーム中との違いは、CRBゲーム中は、BBゲーム専用役の抽選は行わず、ベル及びチェリーの何れかのみに当選する可能性があるということである。このとき、チェリーの当り値の範囲がほとんどを占めている(当り値の総数15984個)ため、ほぼ毎回チェリーに当選することが多くなるといえる。なお、CRBゲーム中は、ハズレに該当する当り値が0となるため、ハズレになることがない。
既に前述したが、CRBゲーム中は、ベル及びチェリーの双方に当選した状態となる。すなわち、CRBゲーム判定テーブルに従った抽選によって、ベル、チェリーの何れかが結果として選び出された場合、当該当選役フラグ(例えば、チェリー)をON(=1)にするとともに、他方の当選役フラグ(例えば、ベル)もON(=1)にするということになる。
[3−4.RTゲーム]
本例のスロットマシン1ではBBゲームの終了後からCRTゲーム(チャンスリプレイタイムゲーム)が開始されるようになっている。
そして、RBゲーム及びCRBゲーム、何れの終了後からLRTゲーム(ロングリプレイタイムゲーム)が開始される。
ここで、RTゲームとは、所定のゲーム回数(ゲーム期間)リプレイの当選確率を通常ゲームに比べて当選し易くした状態を継続させるものである。このRTゲームを、開始するための条件等(所定のゲーム回数等を含む)によってさらに分けたものが、CRTゲーム、LRTゲームである。そして、CRTゲームでは所定のゲーム回数を100回、LRTゲームでは所定のゲーム回数は4000回としている。なお、以下では特に説明のないかぎり、RTゲームと呼ぶ場合はCRTゲーム、LRTゲームの双方を含むものとする。
そして、RTゲーム中にBB、RB及びCRBの何れかに当選すると、上記所定のゲーム回数にまだ到達していない場合であってもRTゲームは終了となる。
また、RTゲーム中は、遊技者に向けてその遊技状態がRTゲーム中であることを認識(識別)できる態様にて実行させる。具体的には、RTゲーム中であることの表示(演出表示ユニット540等による)や、効果音(スピーカ140,241等による)により識別可能なものとなっている。
また、LRTゲームはCRTゲームに比べて所定のゲーム回数が相当に多く(約40倍)なっている。そして、約273回に1回はBBに当選する可能性があることから(図43(a)参照)、LRTゲーム中にBBに当選する確率は非常に高いといえる。このことから、LRTゲームは、次回BB当選略確定RTとも呼ばれるものである。すなわち、LRTゲームは、ほぼBBの当選によって終了する可能性が高いものとなる。これに対して、CRTゲームは、所定のゲーム回数に到達することによって終了する可能性が高いものであるといえる。
図44は、RTゲームにおける各当選役及びハズレの当り値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(RTゲーム判定テーブルという)。このRTゲーム判定テーブルは、CRTゲーム中及びLRTゲーム中の何れにも用いられるものである。リプレイ以外の当選役の当り値については前述した通り(図43(a)と同じ)であるため説明は省略する。すなわち、RTゲーム中は、通常ゲームでリプレイとなっていた当り値に加えて、更にハズレとなっていた当り値の多くがリプレイの当り値に変更されるため、リプレイの当選確率が約1/1.38にまで高く変更されている。このように、RTゲームでは、リプレイに当選する可能性が高くなるため、ハズレとなる可能性が低くなる。つまり、再遊技となることが増えるため、遊技者が新たにメダルを掛ける(次々にメダルを消費する)度合い(割合)が通常ゲームに比べて減少することになる。従って、RTゲームは、遊技者にとって有利な条件でゲームを行うことのできるものであるといえる。
なお、RTゲーム判定テーブルをCRTゲーム及びLRTゲームに共通して用いるものとしたが、これに限定されない。つまり、夫々別の判定テーブルを用いるものであっても良い。また、この例ではRTゲームにて、リプレイを通常ゲームに比べて当選し易い当選役としたがこれに限定されない。すなわち、小役(ベルやチェリー)としても良い。このようにすると、RTゲーム中は、小役となる可能性が高くなり、通常ゲームに比べてメダルが払出される機会が増えることとなる。つまり、遊技者が消費するメダルの量と、払出されるメダルの量とにあまり差が生じなくなる(メダルを増やせる可能性もあることとなる)。又は、リプレイ及び小役ともども当選し易い当選役としても良い。この場合は、RTゲーム中にメダルを増やしていくことも可能となる。
なお、スロットマシン1には複数の設定値(設定値1から4までの4段階)を設けてい
る(夫々の図示は省略する)。そして、夫々の設定値では内部抽選確率に格差(段階的な差、極端な差等)がつけられている。この設定値は、設定値1<設定値2<設定値3<設定値4、というように設定値が高くなるほど当選役(特にBB、CRB、RB等)の内部抽選確率が優遇されるようになっている。例えば、設定値1に比べると設定値4ではBBの当選確率が高く決められているのでBBに当選する可能性が高いといったようなことである。このように段階的な設定値を設けることにより、設定値ごとに特徴を持たせて遊技者が設定値の推測する際の手掛かりとしたり、遊技ホール側等の経営に合せた設定値にてスロットマシン1の運用をしたり、といったことが可能となる。なお、上記のような設定値に限られることはない。また、上記の図43及び図44は設定値4に相当する内部抽選確率を示したものである。
[3−5.リール停止処理]
次に、基本処理におけるリール停止処理について詳細に説明する。上述したように、始動処理が終了すると、一定速度で回転を続けているリール410を停止させるための操作(停止操作、つまり、停止ボタン216a,216b,216cの押下操作)待ちの状態となり、続いてリール停止処理が行われるようになっている。なお、本例では、リール停止処理の一例として「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を説明する。
図45に示すように、リール停止処理では、まずステップS201で、当該ゲームでの内部抽選の結果を示す内部抽選フラグに従ってリール停止制御テーブルを選択する。このリール停止制御テーブルは予め全ての内部抽選フラグについてパターンが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとして主制御基板320のROM320dに格納されている。
このステップS201において、内部抽選フラグに基づいてリール停止制御テーブルが選択された状態になると、各停止ボタン216a,216b,216cの押下操作が受付けられるまで待受け状態となる(ステップS202,S210,S217)。これらの待受け状態で、左リール410a、中リール410b、右リール410cの各リール410が既に停止しているか否か、或いは、第一リール停止フラグがONとなっていない状態(F=0、つまりOFFの状態)であるか否かを判定すると共に、合せて停止ボタン216a,216b216cの何れかが押下されたか否かについても判定する。全ての停止ボタン216a,216b,216cの押下操作が受付けられるまでは、ステップS209の判定が満たされず、ステップS202以降の処理を繰返すようになっている。
ここで、停止ボタン216a,216b,216cの押下操作の受付けられた順番(停止操作手順)を、夫々「順押し」、「逆押し」、「中押し」と呼ばれる停止操作手順(又は押し順ともいう)に分ける。
まず、「順押し」の停止操作手順とは、左リール410aを第第一番目に停止させる操作手順(つまり、左停止ボタン216aを第一番目に押下操作する手順)のことをいい、第二番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 左リール→中リール→右リール 〕、
或いは、
〔 左リール→右リール→中リール 〕
となる2つの停止操作手順に更に分けられる。これら2つをまとめて「順押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「順はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
また、「逆押し」の停止操作手順とは、「順押し」と反対に右リール410cを第一番目に停止させる操作手順(つまり、右停止ボタン216cを第一番目に押下操作する手順)のことをいい、第二番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 右リール→中リール→左リール 〕、
或いは、
〔 右リール→左リール→中リール 〕
となる2つの停止操作手順に更に分けられる。これら2つをまとめて「逆押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「逆はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
更に、「中押し」の停止操作手順とは、中リール410bを第一番目に停止させる操作手順(つまり、中停止ボタン216bを第一番目に押下操作する手順)のことをいい、第二番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 中リール→左リール→右リール 〕、
或いは、
〔 中リール→右リール→左リール 〕
となる2つの停止操作手順に更に分けられる。これら2つをまとめて「中押し」と呼ぶ。
続いて、ステップS202では、左リール410aが停止状態となったことを示すフラグ(左リール停止フラグLF)がOFF(LF=0)であり、なお且つ、左停止ボタン216aの押下操作が受付けられたか否かを判定する。ステップS201で、停止ボタン216a,216b,216cの押下操作の待受け状態から「順押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に左停止ボタン216aが押下されると、ステップS202の判定が満たされ、ステップS203に移る。
ステップS203では、第一リール停止フラグがOFF(F=0)であるか否かを判定する。ここでいう「第一リール」とは第一番目に停止操作が受付けられる、或いは、第一番目に停止するリール410のことである。この例(「順押し」)では、左リール410aの停止操作が第一番目に受付けられるので、第一リール停止フラグがOFFの状態(F=0)となっている。従って、ステップS203の判定は満たされ、次のステップS204に移る。
次のステップS204では、左リール410aについて第一リール停止処理が行われる。この第一リール停止処理では、内部抽選フラグに対応するリール停止制御テーブルに基づいて内部抽選フラグに対応する当選役図柄の停止位置の制御を実行する。
続くステップS206では、残りのリール410(ここでは、中リール410b及び右リール410c)の停止を制御するためのリール停止制御テーブルを決定し、次のステップS207へ移る。
更に、ステップS207では、第1リール停止フラグをON(F=1)として、次のステップS208に移る。
続いて、ステップS208では、左リール停止フラグLFをON(LF=1)として、ステップS209に移る。
このステップS209では、全てのリール410a,410b,410cが停止状態となったか否かを判定する。この例では、まだ左リール停止フラグLFがONとなっただけであり、中リール410b及び右リール410cはまだ回転中であるので、この判定が満たされず、ステップS202に戻り以降の処理を繰り返し実行する。
そして、再びステップS202以降の処理が実行される場合、すでに左リール410aは停止状態となっているのでステップS202の判定は満たされず、ステップS210に移る。
このステップS210では、中リール410bが停止状態となったことを示すフラグ(中リール停止フラグMF)がOFF(MF=0)であり、なお且つ、中停止ボタン216bの押下操作が受付けられたか否かを判定する。ここでは「順押し」の停止操作手順に沿うため、中停止ボタン216bの押下操作が受付けられることとなる。従って、ステップS210の判定が満たされ、次のステップS211に移る。
次のステップS211では、ステップS203と同様に第一リール停止フラグがOFF(F=0)であるか否かを判定する。そして、この時点では既に第一リール停止フラグはON(F=1)となっているため、この判定が満たされず、ステップS213に移る。
ステップS213では、中リール停止処理として、内部抽選フラグに対応するリール制御テーブル(この場合は、ステップS206で決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、この時、中リール410bは第二番目に停止するリール410(第二リール)となり、ステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216に移り、中リール停止フラグMFをON(MF=1)としてステップS209に移る。
そして、再度ステップS209では、左リール410a及び中リール410bが停止状態となっただけであり、まだ右リール410cは回転中で停止状態(右リール停止フラグRFがOFFとなっている)となっていないので、この判定が満たされず、ステップS202に戻り、再度以降の処理を繰り返し実行する。
更に、三度目のステップS202以降の処理では、先ずステップS217で右リール停止フラグMFがOFF(MF=0)であり、なお且つ、右停止ボタン216cの押下操作が受付けられたか否かを判定することとなるが、以降のステップS218,S220等の処理は、上記のステップS210以降の処理(ステップS211,S213)と同様であるため詳細な説明は省略する。
そして、ステップS223にて、右リール停止フラグRFをON(MF=1)として、ステップS209に移る。
最後にステップS209では、この時点において、全てのリール410a,410b,410cが停止状態となっているので、この判定が満たされ、リール停止処理が終了する。
なお、「逆押し」の停止操作手順の場合も上記と同様の説明ができる。すなわち、ステップS201で、停止ボタン216a,216b,216cの押下操作の待受け状態から「逆押し」の停止操作手順に沿って最初(第一番目)に右停止ボタン216cが押下されると、ステップS202、S210の判定が満たされず、ステップS217に移る。そして、ステップS217以降は、先述のステップS203,S204,206,S206,S208と同様に処理される。つまり、最初(第一番目)に右停止ボタン216cが押下されているので、ステップS217,S218の判定は満たされ、右リール410cについて第一リール停止処理が行われる(ステップS219)。そして、残りの左リール410a、中リール410bのリール停止制御テーブルが決定され(ステップS221)、第一リール停止フラグおよび右リール停止フラグRFがONにセットされる(ステップS222,S223)。
その後は、ステップS221で決定したリール停止制御テーブルに基づいて、左リール停止処理(ステップS205)および中リール停止処理(ステップS213)が、左停止ボタン216aおよび中停止ボタン216bの押下操作順に従って実行される。なお、「逆押し」の停止操作手順では、「順押し」の停止操作手順の時と同様に、右リール410cのみが停止状態となり、上段位置及び下段位置に何れかの当選役図柄があった場合、まだ2つの有効ライン401の何れにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。従って、ステップS221の段階では、何れの有効ライン401にも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、何れかを選び出すものとすればよい。
ところで、「中押し」の停止操作手順の場合は上記の説明と一部異なる点があるため、以下に説明する。すなわち、ステップS201で、停止ボタン216a,216b,216cの押下操作の待受け状態から「中押し」の停止操作手順に沿って最初(第一番目)に中停止ボタン216bが押下されると、ステップS202の判定が満たされず、ステップS210に移る。そして、ステップS210以降は、先述のステップS203,S204,206,S206,S208と同様に処理される。つまり、最初(第一番目)に中停止ボタン216bが押下されているので、ステップS210,S211の判定は満たされ、中リール410bについて第一リール停止処理が行われる(ステップS212)。そして、残りの左リール410a、右リール410cのリール停止制御テーブルが決定され(ステップS214)、第一リール停止フラグおよび中リール停止フラグMFがONにセットされる(ステップS215,S216)。
その後は、ステップS216で決定したリール停止制御テーブルに基づいて、左リール停止処理(ステップS205)および右リール停止処理(ステップS220)が、左リール停止ボタン211aおよび右リール停止ボタン211cの押下操作順に従って実行される。ここで、「中押し」の場合は、「順押し」におけるステップS206(或いは、「逆押し」におけるステップS221)とは異なり、この時点でまだ4つの有効ラインの何れにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。つまり、第1停止リール(この場合は中リール410b)の停止目のうちで中段位置の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、その該当図柄を基準とした有効ライン上に残りのリール(左リール410a、右リール410c)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるので、ここでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式又はテーブル方式の何れのリール停止処理を実行しても良く、何れの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すれば良い。
[3−6.リール停止制御]
次に、リール停止処理におけるリール停止制御について説明する。リール停止制御では、成立フラグに対応した当選役図柄(該当当選役図柄)を下開口部501内に引込む制御のことである(いわゆる、引込み制御といわれ、所定のコマ数を上限として図柄の引込みを行う)。具体的には、遊技者によるリール410の停止操作が受付けられた時点で、下開口部501内に停止させることが可能な範囲(以下、引込み制御可能範囲と称する)として、例えば4コマを予め決めておき、その範囲内に該当当選役図柄がある場合、これを下開口部501内に引き込んでリール410を停止させる制御を実行する。
なお、ここでいう「引込み制御可能範囲」とは、リール410の停止操作が受付けられてから当該リールが停止するまでに、リール410の回転方向に移動が可能な最大コマ数のことをいう。例えば、引込み可能な範囲を最大で4コマとすれば、所定の位置(例えば中段)には、当該リール410の停止操作が受付けられた時の位置からリール410の回転方向に4個目の図柄まで表示可能となる。つまり、最大で4コマ未満の範囲(より詳しくは、4コマから1ステップ差引いた範囲)で図柄の引込みが可能となる。なお、一の図柄からリール410の回転方向に隣接する他の図柄までが1コマである。
従って、このリール停止制御によれば、リール410の停止操作が受付けられた時点で、下開口部501内に該当当選役図柄がなかったとしても、該当当選役図柄が引込み可能な範囲内にあれば、その該当当選役図柄を下開口部501内にまで移動させた上で停止させることが可能となる。また、この引込み制御を行うことにより、遊技者は該当当選役図柄の目押しのタイミングが多少早かったとしても、引込み可能範囲内に当該当選役図柄があれば、その当該当選役図柄を下開口部501内(有効ライン401上)に引込んで停止させることができる。従って、取りこぼし(当該当選役図柄を揃えることができずに当該当選役に対応する遊技特典を獲得できずにその遊技特典が消滅してしまうこと)が生じることを極力抑えることができるようになっている。
ここで、各停止ボタン216を操作したときの各リール410のリール停止制御について説明する。なお、本実施形態のスロットマシン1では、各リール410の外周面に21個の図柄が列設されており、三つの図柄を上限として図柄の引込み制御が行われるようになっている。
なお、各リール410に列設されている図柄のうち、引込み可能となる図柄は、以下の通りである。
下開口部501を通して表示される有効ライン401上の位置が複数ある時は、当該有効ライン401上の一の位置と他の位置との間の最大コマ数をMとし(有効ライン401上の位置が一つのときはM=0)、引込み制御可能なコマ数をNとすると、停止操作した時のリール410の位置から(N+M)コマを上限として図柄の引込みが可能となる。ここで、「最大コマ数」とは、上段及び下段の両方が有効ライン401上に位置する場合には2コマ(中段が有効ライン401上に位置したとしても2コマ)であり、上段及び中段が有効ライン401上に位置する場合には1コマとなる。同様に、中段及び下段が有効ライン401上に位置する場合にも1コマとなる。
本例のスロットマシン1では、BB及びRB以外の当選役が成立フラグとなる場合には、遊技者の目押しを必要とせずに必ず該当当選役図柄を揃えることができる(前述の図38参照)。これは、ベル、リプレイについては、対応するそれぞれの当選役図柄が最大で4コマ分の図柄おきに配置されているからである。そして、CRBについても同様に目押しを必要とせずに揃えることができるようになっている。
また、チェリーについては、判定の対象となるのは、右リール410cの「チェリー」図柄であり、これも最大で4コマ分の図柄おきに配置されているため、目押しを必要とせずにチェリー図柄を揃えることができるようになっている。
既に前述したが、特にCRBゲーム中は、ベル及びチェリーの双方に当選した状態となっている。更にこのとき、ベル及びチェリーの何れを優先して揃えることができるかについては、「チェリー>ベル」という優先順位(CRBゲーム中の優先順位という)が設けられている。すなわち、CRBゲーム中には、ベル図柄に優先してチェリー図柄を揃えさせようとする引込み制御を実行するようになっている。
なお、「チェリー」図柄について更に着目すると、左リール410a上では、「チェリー」図柄から「チェリー」図柄までの間に他の図柄が6コマ(6個)分配置されている(図38参照)。これにより、左リール410aでは、リール410のどの位置で停止操作が受付けられても、必ず「チェリー」図柄を上段位置、或いは下段位置の何れかに引き込んで停止させることができるようになっている。
例えば、配列番号12番(以下では、単に○○番という)の「赤7」図柄、或いは11番の「ハート」図柄を下開口部501内の下段位置付近に目押しした場合、そのまま停止すると「リプベル」図柄(10番)→「ハート」図柄(11番)→「赤7」図柄(12番)と下開口部501内の上段位置から下段位置に停止することになる。しかし、上記引込み制御により最大4個(4コマ)の図柄分だけ移動可能とすると、11番の「ハート」図柄から8番の「青7」図柄までリール回転方向に移動して停止させることができる。この結果、下開口部501内には「チェリー」図柄(6番)→「リプベル」図柄(7番)→「青7」図柄(8番)となり、「チェリー」図柄を上段位置に停止させることができる。
このことから、「チェリー」図柄が揃うこととなる場合には、左リール410a上にも「チェリー」図柄を停止させる(引込む)ものとすることが望ましい。これは、チェリーが成立フラグに該当する場合、実際の判定対象となる右リール410c上(下段位置)に加えて左リール410a上(上段位置、或いは下段位置)にも「チェリー」図柄が停止することを意味する。このようにすれば、左リール410a上(上段位置、或いは下段位置)に「チェリー」図柄が表示されれば、右リール410c上(下段位置)にも「チェリー」図柄が表示されるという印象を遊技者に強く持たせることができる。従って、右リール410c上(下段位置)には「チェリー」図柄が停止しているが、左リール410a上(上段位置、或いは下段位置)には「チェリー」図柄が停止していない状態をいわゆるリーチ目とすることも可能となる。
また、共有当選当り値の当選役の場合は、BB図柄(又はRB図柄)を優先的に引込むものとしている。ただし、BB図柄(又はRB図柄)は目押しが必要な図柄であるため、BB図柄(又はRB図柄)が引込み不可能なとき(引込み可能範囲にない)には他方の当選役図柄を引込むものとする。そして、既に説明したとおり、このとき他方の当選役図柄は取りこぼすことなく揃えることが可能となる。従って、共有当選当り値の当選役に該当する場合には、BB図柄又は他方の当選役(小役)図柄の何れかを必ず揃えることができるようになっている。
以上のことから、本例のスロットマシン1では、BB図柄及びRB図柄以外の当選役図柄については、目押しを必要とせずに揃えることができる。つまり、BB及びRB以外の当選役については「取りこぼし」を生じることがないということになる。従って、目押しの技量の差により、遊技者ごとに利益の差が大きくなる(メダルの獲得枚数に大幅な差が生じること等)ことを極力解消することができる。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式又はテーブル方式の何れのリール停止処理を実行しても良く、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すれば良い。
但し、このようなリール停止制御が行われる場合には、以下のようなデメリットもある。すなわち、まず、リールの停止操作タイミングとずれてリール410a,410b,410cが停止表示されることが多くなることから、遊技者としては、リール410の停止操作タイミングに対し、リール410a,410b,410cが本来はどのようなタイミングにて停止されるのかを認識し難くなってしまう。
このため、ようやく所望の当選フラグ(例えばBB等のボーナス)が内部的に成立された状態(内部抽選フラグとなった状態)に移行しても、遊技者が、同フラグが内部的に成立される前の状態(BB等のボーナス図柄が揃わないように停止制御される状態)のイメージを持ったままリールの停止操作を行ってしまうと、所望のタイミングにてリール410a,410b,410cを停止表示させることが困難となり、ひいては遊技興趣が低下してしまう。特に、スロットマシン1の機種やメーカによって停止タイミングが異なる場合があり、これによって所望のタイミングにてリール410a,410b,410cを停止表示させることが一層困難とされてしまう。
[3−7.判定処理]
続いて、基本処理における判定処理について詳細に説明する。この判定処理は、リール停止処理が終了した後に、下開口部501内にて何れかの有効ライン401上に当選役図柄が揃っているか(何れかの当選役に該当する図柄の組合せ態様が表示されているか)否かについて判定を行うものであり、リール停止処理により全てのリール410a,410b,410cが停止した状態となると、下開口部501内の停止目の態様(停止した図柄の組合せ)から、何れかの有効ライン401上に当選役図柄が揃っているか(当選役に対応する図柄の組合せ態様が表示されているか)否かを判定する。なお、特に全てのリール410が停止状態となった場合の停止目のことは出目と呼ばれることもある。
この判定処理は、図46に示すように、ステップS301、S302、S303では、それぞれ、CRBゲーム中であるか否か、RBゲーム中であるか否か、BBゲーム中であるか否かを判定する。これは後述するCRBゲーム中フラグ、RBゲーム中フラグ、BBゲーム中フラグというゲーム状態フラグのON状態(=1)、OFF状態(=0)を判定するものである。
CRBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS301の判定が満たされ、ステップS390に移る。同様にして、RBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS302の判定が満たされ、ステップS380に移る。また、BBゲーム中フラグがON(=1)となっているとステップS303の判定が満たされ、ステップS370に移る。
CRBゲーム中フラグ、RBゲーム中フラグ、及びBBゲーム中フラグの何れもOFF(=0)となっている場合、ステップS301、S302、S303の判定が何れも満たされず、ステップS304に移る。
ステップS304で、RTゲーム終了判定処理(詳細は後述する)を実行した後、何れかの有効ライン401上に揃っている当選役図柄に応じて、さらに以下のステップS310,S320,S330,S340,S350の何れかに移る。
ステップS310では、BB図柄が揃っているか否かを判定する。何れかの有効ライン401上にBB図柄が揃っている場合(「赤7」−「赤7」−「赤7」)、この判定が満たされ、次のステップS312に移る。
次のステップS312では、BBゲーム開始処理を実行する。ここでは、BBゲームとして、メダルの獲得が容易な複数回に亘るゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS320では、RB図柄が揃っているか否かを判定する。何れかの有効ライン401上にRB図柄が揃っている場合(「白7」−「赤7」−「赤7」)、この判定が満たされ、次のステップS322に移る。
次のステップS322では、RBゲーム開始処理を実行する。ここでは、RBゲームとして、BBゲームに準じたメダルの獲得が容易な複数回に亘るゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS330では、CRB図柄が揃っているか否かを判定する。何れかの有効ライン401上にCRB図柄が揃っている場合(「リプベル」−「ベル」−「リプレイ」)、この判定が満たされ、次のステップS332に移る。
次のステップS332では、CRBゲーム開始処理を実行する。ここでは、CRBゲームとして、BBゲームに準じたメダルの獲得が容易な複数回に亘るゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS340では、リプレイ図柄が揃っているか否かを判定する。何れかの有効ライン401上にリプレイ図柄が揃っている場合(「リプベル」−「リプレイ」−「リプレイ」)、この判定が満たされ、次のステップS342に移る。
次のステップS342では、リプレイゲーム処理を実行する。このリプレイゲーム処理では、当該ゲームでのベット数と同じベット数(この例ではMAXベット)にて次回のゲームを開始させるために、MAXベットコマンドを主制御基板320のRAM320eに一旦記憶させる。このコマンドに基づき、次回のゲームを再遊技として開始させることができる。
そして、ステップS344では、リプレイ当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。
ステップS350では、小役図柄が揃っているか否かを判定する。何れかの有効ライン401上に小役図柄が揃っている場合(「リプベル」−「ベル」−「ベル」、又は「ANY」−「ANY」−「チェリー」)、この判定が満たされ、次のステップS352に移る。
次のステップS352では、揃っている小役図柄に応じた規定枚数のメダルの払出しを実行する(払出装置110より規定枚数のメダルを払出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出数表示部522に表示する)。これにより、遊技者には当該小役に対応した規定枚数のメダルが払出されたことが報知(告知、表示)される。
そして、ステップS354では、該当する小役当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。
なお、有効ライン401上に何れの当選役図柄も揃っていない場合、上記のステップS310,S320,S330,S340,S350の何れの判定も満たされず、ステップS360に移る。なお、このときの出目は「ハズレ目(バラバラな図柄の組合せ態様)」とも呼ばれる。
ステップS360では、ハズレ処理を実行する。このハズレ処理では、この時点でON(=1)状態となっている当選フラグがBB及びRBを除く他の当選フラグの場合、当該当選フラグをOFF(=0)にする。また、何れの当選フラグもON(=1)となっていない場合(このときはハズレフラグがON(=1)となっている)には、ハズレフラグをOFF(=0)にする。
従って、当該当選フラグが、BB当選フラグ、RB当選フラグ、の何れにも該当しない場合、この時点で「取りこぼし」が確定することになる。なお、スロットマシン1では、この「取りこぼし」が生じる当選役は無いものであるが、小役等には「取りこぼし」が生じる可能性を持たせた当選役を含めても良い。
一方、当該当選フラグがBB当選フラグ及びRB当選フラグの何れに該当する場合、当該当選フラグはOFFとならず、次ゲーム以降に持ち越される。これにより、BB及びRBについては取りこぼしを生じることがなく、該当する当選役図柄を揃えることができるまで当該当選フラグが持ち越されていくことになる。従って、遊技者は、BB、RBといった他の当選役に比べて利益の度合いの高い当選役の取りこぼしを心配することがなくBB、RBの遊技特典は必ず獲得できるという安心感を持ってゲームに臨むことができる。また、特に目押しの技量の低い遊技者にとっては、BB図柄(或いはRB図柄)を揃えるまで何度でも目押しの練習ができることになる。
上記のステップS304からステップS360までの処理は、通常ゲーム、RTゲームの場合に実行する処理となる。次にステップS370以降の処理について説明する。ここでの処理は、BBゲーム、RBゲーム及びCRBゲームの場合に実行する処理である。
まず、ステップS370では、BBゲーム時払出役図柄が揃っているか否かを判定する。ここでいう「BBゲーム時払出役」とは、ベル、チェリーに加えてBBゲーム専用役を含めたBBゲーム中にメダルの払出しがある当選役の総称である。そして、何れかの有効ライン401上にBBゲーム時払出役図柄が揃っている場合(「リプベル」−「ベル」−「ベル」、「ANY」−「ANY」−「チェリー」、「リプベル」−「リプレイ」−「ベル」、の何れか)、この判定が満たされ、次のステップS372に移る。
次のステップS372では、揃っているBBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払出しを実行する(払出装置110より規定枚数のメダルを払出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出数表示部522に表示する)これにより、遊技者には当該BBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS372に次いで、ステップS374では、BBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。その後、ステップS376に移り、RTゲーム開始処理(詳細は後述する)を実行する。
また、上記のステップS370の判定が満たされない場合、ステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。特にこの例では、取りこぼしが生じないため、当該成立フラグにはハズレフラグが該当する。すなわち、ステップS378では、当該ハズレフラグをOFF(=0)にする。
次にステップS380以降の説明をする。ステップS380では、RBゲーム時払出役図柄が揃っているか否かを判定する。なお、この「RBゲーム時払出役」も、前述のBBゲーム時払出役と同様にRBゲーム中に払出しがある当選役の総称である(この場合は、ベル、チェリーが該当する)。そして、何れの有効ライン401上にRBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS382に移る。
次のステップS382では、揃っているRBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払出しを実行する(払出装置110より規定枚数のメダルを払出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出数表示部522に表示する)これにより、遊技者には当該RBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS382に次いで、ステップS384では、RBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。その後、ステップS386に移り、RTゲーム開始処理(詳細は後述する)を実行する。
また、上記のステップS380の判定が満たされない場合、前述のステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。なお、これは先に説明したため、説明は省略する。
次にステップS390以降の説明をする。ステップS390では、CRBゲーム時払出役図柄が揃っているか否かを判定する。なお、この「CRBゲーム時払出役」も、前述のRBゲーム時払出役と同じであるため、説明は省略する。何れかの有効ライン401上にCRBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS392に移る。
次のステップS392では、揃っているCRBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払出しを実行する(払出装置110より規定枚数のメダルを払出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出数表示部522に表示する)これにより、遊技者には当該CRBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS392に次いで、ステップS394では、CRBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。その後、ステップS386に移り、RTゲーム開始処理(詳細は後述する)を実行する。
また、上記のステップS390の判定が満たされない場合、ステップ396に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。なお、これは先に説明したステップS378と同じ内容であるため、説明は省略する。
[3−8.BBゲーム開始処理]
次に、判定処理におけるBBゲーム開始処理について説明する。図47に示すように、BBゲーム開始処理は、まず、ステップS401において、BBフラグがON(=1)となっているか否かを判定する。ステップS401の判定が満たされると、ステップS404に移る。ステップS404では、BBゲーム中フラグをON(=1)にすると共に、BBフラグをOFF(=0)にする。続いて、ステップS406では、BBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次のゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け、MAXベット)にてBBゲームが開始されるようになっている。
また、ステップS401の判定が満たされない場合、ステップS402に移り、エラー処理を実行する。この場合となるのは、BBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、BB図柄が揃ってしまうような場合であり、何らかの不正な行為(例えば、ゴト行為)が行われたか、或いは、スロットマシン1に故障(不具合)が生じたか、何れかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラー表示ランプ528の点灯や、その他のLED等にエラー発生を知らせる表示を行うようになっている。
[3−9.BBゲーム終了判定処理]
続いて、判定処理におけるBBゲーム終了判定処理について説明する。図48に示すように、BBゲーム終了判定処理は、まず、ステップS451で、判定処理のステップS372にてメダルの払出しがあったことを受けて、BBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS452では、累計払出枚数が300枚を超えたか否かを判定する。このステップS452の判定が満たされない場合、ステップS454に移り、BBゲーム中の累計払出枚数を払出数表示部522に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしても良い)。このステップS452の判定が満たされると、ステップS460に移る。
ステップS460では、BBゲーム中フラグをOFF(=0)にした後、ステップS462にてRTゲーム開始フラグをON(=1)にして処理を終了する。
[3−10.RBゲーム開始処理]
続いて、判定処理におけるRBゲーム開始処理について説明する。このRBゲーム開始処理は、図49に示すように、まず、ステップS501で、RBフラグがON(=1)となっているか否かを判定する。このステップS501の判定が満たされると、ステップS504に移る。ステップS504では、RBゲーム中フラグをON(=1)にすると共に、RBフラグをOFF(=0)にする。続いて、ステップS506にて、RBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次のゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け、MAXベット)にてRBゲームが開始されるようになっており、遊技者は通常ゲームと比べて特別な違和感を覚えることなくゲームを行うことができるようになっている。
また、ステップS501の判定が満たされない場合、ステップS502に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、RBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、RB図柄が揃ってしまうような場合が該当し、何らかの不正な行為(例えば、ゴト行為)が行われたか、或いはスロットマシン1に故障(不具合)が生じたか、何れかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラー表示ランプ528の点灯や、その他のLED等にエラー発生を知らせる表示を行うようになっている。
[3−11.RBゲーム終了判定処理]
続いて、判定処理におけるRBゲーム終了判定処理について説明する。このRBゲーム終了判定処理は、図50に示すように、まず、ステップS551で、判定処理のステップS382においてメダルの払出しがあったことを受けて、RBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS552では、累計払出枚数が20枚を超えたか否かを判定する。このステップS552の判定が満たされない場合、ステップS554に移り、RBゲーム中の累計払出枚数を払出数表示部528に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしても良い。そして、ステップS552の判定が満たされると、ステップS556に移る。
ステップS556では、RBゲーム中フラグをOFF(=0)にした後、ステップS558にてRTゲーム開始フラグをON(=1)にして処理を終了する。
[3−12.CRBゲーム開始処理]
次に、判定処理におけるCRBゲーム開始処理について説明する。このCRBゲーム開始処理は、前述の図46のステップS330の判定が満たされた場合に実行され、図51に示すように、まず、ステップS601では、CRBフラグがON(=1)となっているか否かを判定する。ステップS601の判定が満たされると、ステップS604に移る。ステップS604では、CRBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示は省略するが、このときCRBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS606にて、CRBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け)にてCRBゲームが開始される。このことにより、遊技者は通常ゲームと比べて特別な違和感を覚えることなくゲームを行うことができる。
既に前述した通り、CRBゲーム中は、CRBゲーム中の優先順位により、チェリー図柄を優先的に揃えることのできる状態となっている。従って、CRBゲーム中は、効率良くメダルを獲得していくことができる。これにより、35枚という累計払出枚数に数回のゲームで到達することが可能となる。また、このような数回だけメダルの払出しが連続的に行われることは、通常ゲームであっても十分ありえることであるため、「通常ゲームとほぼ見分けの付かない遊技状態にて、何れの当選役(主にはチェリー)が連続して当選するような状況」を作り出すことができる。
また、ステップS601の判定が満たされない場合、ステップS602に移り、エラー処理を実行する。このエラー処理は前述したものと同じであるため説明は省略する。
[3−13.CRBゲーム終了判定処理]
続いて、判定処理におけるCRBゲーム終了判定処理について図52を用いて説明する。まず、ステップS651では、前述の図46のステップS392にてメダルの払出しがあったことを受けて、CRBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS652では、累計払出枚数が35枚を超えたか否かを判定する。このステップS652の判定が満たされない場合、処理は終了となる。なお、CRBゲーム中は累計払出枚数等の表示(払出数表示部522や、その他LED等の表示手段による表示)は一切行われないものである。そして、このステップS652の判定が満たされると、ステップS660に移る。
ステップS660では、CRBゲーム中フラグをOFF(=0)にした後、ステップS662にてLRTゲーム開始フラグをON(=1)にして処理を終了する。
なお、この例では、BBゲーム、RBゲーム及びCRBゲームにおいて夫々規定枚数を超えるメダルの払出しがあった場合に終了するものとしたが、これに限定されない。すなわち、ゲーム回数が規定回数を超えた場合に終了するものとしても良いし、これらを適宜組合せたものであっても良い。また、上記BBゲーム及びRBゲームについては、通常ゲームと異なる掛け数にて行うものとしても良い。このようにすると、遊技者は、通常ゲームとは明らかに異なるゲームであることを明確に認識することができる。
[3−14.RTゲーム開始処理]
次に、判定処理におけるRTゲーム開始処理について、図53を用いて詳細に説明する。前述の図46の判定処理において、ステップS374,S384,S394を経由する場合、RTゲーム開始処理を実行する。なお、このRTゲーム開始処理は上記ステップS374,S384,S394の何れを経由した場合も同じ内容の処理が実行される。
まず、ステップS801では、CRTゲーム開始フラグがON(=1)であるか否かを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS802では、CRTゲーム回数を「50回」にセットする。
そして、次のステップS804では、CRTゲーム中フラグをON(=1)にする。また、図示は省略するが、このときCRTゲーム開始フラグをOFF(=0)にする。これにより、次ゲームからCRTゲームが開始される。
一方、ステップS801の判定が満たされない場合、ステップS810に移り、LRTゲーム開始フラグがON(=1)であるか否かを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS812では、LRTゲーム回数を「4000回」にセットする。
そして、次のステップS814では、LRTゲーム中フラグをON(=1)にする。また、図示は省略するが、このときLRTゲーム開始フラグをOFF(=0)にする。これにより、次ゲームからLRTゲームが開始される。
また、上記のステップS801、S810の判定が何れも満たされない場合、何れの処理も行われず終了となる。
[3−15.RTゲーム終了判定処理]
次に、判定処理におけるRTゲーム終了判定処理について、図54を用いて詳細に説明する。前述の図46の判定処理において、ステップS301、S302、S303の何れの判定も満たされない場合、このRTゲーム終了判定処理が実行される。
まず、ステップS901では、RTゲーム中フラグ(CRTゲーム中フラグ、又はLRTゲーム中フラグの何れか)がON(=1)となっているか否かを判定する。この判定が満たされない場合、何れの処理も行われず終了となる。
そして、ステップS901の判定が満たされると、次のステップS902では、RTゲーム回数を「1」だけ減算して、ステップS904に移る。
ステップS904では、残りのRTゲーム回数が「0」であるか否かを判定する。RTゲーム回数が「0」であれば、この判定が満たされ、次のステップS906に移り、RTゲーム中フラグ(CRTゲーム中フラグ又はLRTゲーム中フラグ)をOFF(=0)にする。
一方、ステップS904の判定が満たされない場合、ステップS910に移り、BBフラグ、RBフラグ及びCRBフラグ、の何れかがON(=1)となっているか否かを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該RTゲームにて、BB、RB及びCRBの何れかに当選した場合が該当する。
そして、ステップS910の判定が満たされると、次にステップS906に移り、RTゲーム中フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。ここでの処理は、すなわち、RTゲームがBB、RB及びCRBの何れかの当選によって終了となることを示している。
ステップS910の判定が満たされない場合、処理は終了となる。
[4.演出動作の制御]
以上は、主制御基板320による制御の例であるが、本例のスロットマシン1では、ゲームの進行に合せて周辺制御基板550により各種演出動作の制御を実行する。これは主制御基板320から出力される各種コマンド(情報コマンド、出力信号)に基づいて、周辺制御基板550(主に周辺制御MPU550a等)にて実行するものである。前述の通り主制御基板320から出力された各種コマンドは、一旦、周辺制御基板550のRAM550cに記憶される。そして、当該コマンドに基づき、予め用意された演出態様を選択し、実行するものである。このような演出態様は、演出態様データテーブル(図示しない)としてROM550b内に格納されており、当該コマンドに対応する演出態様が複数用意されている。
例えば、演出態様としては、当該ゲームのみで完結するもの(以下、単発演出態様という)や、複数のゲームに亘って行われるもの(以下、連続演出態様という)等が含まれる。このうち、単発演出態様には、当該当選フラグを示唆する演出(示唆演出、告知演出、詳細は後述)、メダルの払出しを知らせる演出(払出演出、なお、払出し枚数までを知らせる態様でも良い)等がある。
演出態様としての示唆演出は、遊技者に当該当選フラグを直接的に知らせる演出(告知演出)とは異なり、当該当選フラグを間接的に知らせる演出のことをいう、例えば、当該当選フラグに該当する当選役の形、色等を表現した表示等を行うといったことである。また、また、示唆演出は、当該当選フラグがない場合(つまり、ハズレの場合)にも行われる。この場合には、ハズレであることを気付き難い内容の演出とする(例えば、何れの当選役とも取れるような曖昧な内容)。これにより、当該ゲームがハズレであることを遊技者に気付き難くすることができる。
更に、告知演出は、例えば、当該当選フラグがBBであった場合、「ボーナス確定!」等、遊技者が当該ゲームで何れの当選役となったかを明確に知ることのできるものである。この演出は、特にBBやRB等遊技者にとって喜ばしい当選役(メダルを大量に獲得できるため)について実行させるとより効果的である。すなわち、遊技者がBB等に当選した際に、そのことを祝福する意味合いを持たせることができるからである。
また、連続演出態様としては、通常ゲーム中、BBゲーム、RBゲーム、RTゲーム等の遊技状態に対応したものがある。これらは、遊技状態がどのようになっているかを明確にするものであり、遊技者はこれらの演出(連続演出)が行われることにより、現在の遊技状態が通常ゲーム中であるのか、BBゲーム中であるのか、といった区別を付けることが容易となる。
そして、RTゲーム中は、開始から終了まで、その旨を遊技者が認識できるよう連続演出を実行させる。例えば、CRTゲームの回数をカウントする表示や、規定回数に近づくにつれて危機感迫る効果音を発生させること等である。このようにすると、遊技者はCRTゲームの残り回数がどれほどあるのか確認しながらゲームを進めていくことができる。
また、LRTゲームでは、連続演出は実行させるが、LRTゲームの回数のカウント表示は特に行わないものであっても良い。これはLRTゲームが4000回という遊技者から見て相当に長いゲーム期間であるため、規定回数の終わりをほとんど気にする必要が無いからである。そして、上記回数のカウント表示を行わないことは、例えば、遊技者がLRTゲームの規定回数を知り得ていない場合、何時までRTゲーム(LRTゲーム)が続くのか分からずハラハラしながらRTゲームを続けられるという効果を奏することができる。
以上の演出態様は、演出表示ユニット540による演出画像の表示や、スピーカ140,241等による効果音の出力、装飾基板のLED等による発光や点灯、可動演出ユニット600における可動体601の可動、等として実行させることができる。このような演出態様は、遊技者が長い時間ゲームを続けている場合等、退屈な印象を与え辛くすることができるものである。特に、演出表示ユニット540の演出画像と、可動演出ユニット600の可動体601の動きとを合せた演出(コラボレーション演出)を行うことで、遊技者を充分に楽しませることができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
[5.本実施形態と本発明との関係]
本実施形態の遊技ユニット4における図柄変動表示装置400のリール410は本発明の図柄表示体に、本実施形態の中パネルユニット500における演出表示ユニット540は本発明の演出表示手段に、本実施形態における可動演出ユニット600、前側可動ユニット630、及び後側可動ユニット660は本発明の可動体ユニットに、夫々相当している。また、本実施形態における前上レール631、前下レール632、後上レール661、及び後下レール662は本発明の案内部材に、本実施形態における端部プーリ633,663、及び駆動プーリ636,666は本発明のプーリに、夫々相当している。
本実施形態におけるスライダ637,667のストッパ片637c,667c、通過部637d,667d、及び連結部材642,672は本発明の伸長規制手段に、本実施形態の駆動ワイヤ639,669は本発明の駆動伝達部材に、本実施形態の引張バネ641,671は本発明の弾性部材に、本実施形態の駆動モータ644,674は本発明の移動駆動手段に、夫々相当している。
[6.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のスロットマシン1によると、遊技状態に応じて中パネルユニット500における可動演出ユニット600の駆動モータ644,674により離間して配置された駆動プーリ636,666及び端部プーリ633,663に巻き掛けられた駆動ワイヤ639,669を送ると、駆動ワイヤ639,669の両端が何れも可動体601のスライダ637,667に取付けられているので、駆動ワイヤ639,669が送られた方向と対応した方向へ可動体601を移動させることができる。この駆動ワイヤ639,669は、他端側が伸縮可能な引張バネ641,671を介して接続されていると共に、引張バネ641,671によって駆動ワイヤ639,669に張力が作用するように駆動ワイヤ639,669が端部プーリ633,663や駆動プーリ636,666に巻き掛けられている、つまり、引張バネ641,671が伸長するように駆動ワイヤ639,669が端部プーリ633,663や駆動プーリ636,666に巻き掛けられているので、温度変化や経年変化等によって駆動ワイヤ639,669が伸びても、その分引張バネ641,671が縮むことで駆動ワイヤ639,669が撓むのを防止することができ、端部プーリ633,663や駆動プーリ636,666との摩擦抵抗等が低下するのを防止して可動体601を確実に移動させることができる。また、引張バネ641,671が伸長することで駆動ワイヤ639,669に張力(付勢力)が作用するようにしており、従来のような一対のプーリの何れかをスライド可能に支持した上で離反する方向へ付勢する付勢機構を備える必要がないので、端部プーリ633,663や駆動プーリ636,666の間をクリアな状態とすることができ、可動体601の移動範囲を可及的に長くすることができる。また、図柄変動表示装置400における列設された複数のリール410の全長と略同じ長さのレール631,632,661,662の両端近傍に端部プーリ633,663や駆動プーリ636,666が配置されており、レール631,632,661,662の略全長に亘って可動体601を移動させることができるので、可動体601の可動範囲を可及的に広くすることができ、大きく移動する可動体601により遊技者を楽しませられる可動演出を行うことが可能となり、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、従来のようなプーリをスライドさせてベルトに付勢力(張力)を作用させる付勢機構を備える必要がないので、可動体601の移動に係る機構を簡略化することができ、スロットマシン1に係るコストが増加するのを抑制することができると共に、可動体601を移動させる機構を備えるためのスペースを小さくすることが可能となり、図柄変動表示装置400に対して可動体601を可及的に接近させた位置に配置することができ、図柄変動表示装置400と可動体601とを遊技者の同一視界に入り易くして図柄の変動と可動体601の可動演出とを同時に楽しませることができる。
また、金属ワイヤにより形成した駆動ワイヤ639,669の一端側を可動体601に固定すると共に、駆動ワイヤ639,669の他端側を引張バネ641,671を介して接続するようにしている、つまり、駆動ワイヤ641,671を有端の部材としているので、従来のように無端環状の部材を用いる必要がなく、駆動ワイヤ639,669に係るコストを低減させることができると共に、従来のようにゴムで形成した場合と比較して駆動ワイヤ639,669を細くすることができるので、駆動ワイヤ639,669を巻き掛ける端部プーリ633,663や駆動プーリ636,666を相対的に小さくしたり、可動体601を移動させる機構を全体的に小さくしたりすることができる。
更に、金属ワイヤで駆動ワイヤ639,669を形成しているので、スロットマシン1内の温度が上昇しても、熱(温度)により駆動ワイヤ639,669が伸びたり切れたりするのを防止することができ、可動体601の応答性が悪くなったり動かなくなったりする不具合が発生するのを防止することができると共に、可動体601を良好な状態で可動(移動)させることができ、可動体601の動きにより遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、金属ワイヤで駆動ワイヤ639,669を形成しており、スロットマシン1内の温度が高くなっても可動体601を良好に可動させることができるので、スロットマシン1内に熱の発生源となる駆動モータ644,674等を複数備えても問題なく可動体601を良好に可動させることができ、スロットマシン1に複数の可動体601を備えてよりインパクトの高い可動演出を遊技者に提供することができると共に、遊技者を楽しませることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能なスロットマシン1とすることができる。
また、駆動ワイヤ639,669を、中央に配置さした第一部材639c,669cと、第一部材639c,669cの外周に所定ピッチでヘリカル状に巻き付けられた第二部材639d,669dとで構成しており、ヘリカル状に形成された第二部材669dによって、駆動ワイヤ639,669における長手方向の断面形状が不同一となるので、駆動ワイヤ639,669を滑り難くすることが可能となり、駆動モータ644,674により駆動ワイヤ639,669を介して可動体601を確実に移動させることができ、可動体601の動きを楽しませて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、駆動プーリ636,666に第二部材639d,669dと嵌合する所定ピッチの溝636d,666dを備えており、溝636d,666dと第二部材639d,669dとを嵌合させるようにしているので、駆動ワイヤ636,666を機械的に係合させることができ、駆動ワイヤ636,666が滑るのを確実に防止することができる。
更に、前レール631,632や、後レール661,662によって夫々二つの可動体601F,601Rを案内支持しており、夫々の可動体601の移動抵抗を低減させることが可能となるので、駆動ワイヤ639,669を介して引張られた引張バネ641,671が移動開始時に大ききく作用する静摩擦抵抗によって伸長し、駆動モータ644,674によって駆動ワイヤ639,669が駆動されても引張バネ641,671が伸ばされている間は可動体601が移動を開始せずにタイムラグが発生してしまうのを可及的に低減させることができ、可動体601の応答性を高めて意図した可動演出を確実に行わせることができる。
また、引張バネ641,671の伸長量を規制するストッパ片637c,667c等を備えているので、駆動モータ644,674によって駆動ワイヤ639,669の一端側が手繰り寄せられるように引張られて(送られて)引張バネ641,671が伸長しても、ストッパ片637c,667cと連結部材642,672によって引張バネ641,671の伸長量が規制されることで駆動ワイヤ639,669の一端側によって可動体601を直ちに引張ることができ、駆動モータ644,674の駆動タイミングと可動体601の移動タイミングとのズレを可及的に小さくすることができる。従って、駆動モータ644,674によって可動体601を何れの方向へ移動させても、可動体601の応答性が悪くなるのを抑制することができるので、可動体601による可動演出をタイミング良く行うことができると共に、可動体601が不自然な動きをするのを防止することができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、また、一対の上レール631,661と下レール632,662で二つの可動体601を案内するようにしているので、可動体601(可動ユニット630,660)の数に対してレール631,632,661,662の数を相対的に少なくすることができ、スロットマシン1の構成に係る部品点数を少なくしてコストが増加するのを抑制することができる。
また、演出表示ユニット540(演出画像)の前側で四つの可動体601が移動するようにしているので、演出表示ユニット540に表示された演出画像の少なくとも一部を可動体601によって遮ることで、遊技者に対して可動体601を目立たせることができ、遊技者を可動体601に注目させて可動体601による可動演出を楽しませることができると共に、四つの可動体601によって演出表示ユニット540の前面全体を覆うことができるので、四つの可動体601によって演出表示ユニット540を隠して遊技者に対して何が隠されているのかを想像させてワクワクさせたり、四つの可動体601による前面全体の被覆を解除することで演出表示ユニット540を見えるようにして演出画像を楽しませたりすることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、四つの可動体601によって演出表示ユニット540の前面全体を被覆したり、露出させたりすることができるので、スロットマシン1に対する見た目の印象を大きく変化させることができ、遊技者を驚かせて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、遊技者の関心を強く引付けることができ、遊技するスロットマシンとして本スロットマシン1を選択させ易くすることができる。
更に、演出表示ユニット540の下辺(上辺)の長さを、レール631,632,661,662の長さや列設された三つのリール410における横方向の全長と略同じ長さとしているので、遊技者に対して演出表示ユニット540や可動体601と図柄変動表示装置400とを略同格に見せることが可能となり、これまでのスロットマシンとは一見して異なる印象のスロットマシン1とすることができ、遊技者の関心を強く引付けられるスロットマシン1とすることができると共に、可動体601と演出表示ユニット540とを目立たせることができ、可動演出や演出画像を楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技機としてスロットマシン1(パチスロ機)に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチンコ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。