JP5784641B2 - 質量分析装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、質量分析計および質量分析方法に関する。
質量分析計は、中性分析分子をイオン化して、所定の範囲にわたるより小さいイオンを生成するように断片化し得る荷電親イオンを形成することが可能である。結果として得られたイオンは、累進的により高い質量/電荷(m/z)比で順次捕集されて、原分子の「フィンガープリントを作成する」ために使用可能であるとともに多くの他の情報を提供するいわゆる質量スペクトルを生成する。一般に、質量分析計は、高感度、低検出限界、および多様な用途を提供する。
磁場セクタ型、四重極型、および飛行時間型を含む質量分析計の多数の従来構成が存在する。
飛行時間型の質量分析計において、質量対電荷比に係わらず同等の運動エネルギーがすべてのイオン種に付与される。これは、引出格子電極と加速格子電極との間に形成された電界のイオンパケットを加速させることによって行われる。加速量は、これらの2つの電極間の電圧差によって表される。例えば、加速電極は、引出格子電極の電圧より上のV=10kVで保持され得る。すべてのイオン種に同等の運動エネルギーが付与されるということを表す別の方法は、より軽く高い荷電状態にあるイオンがより高い速度まで加速され、より重く低い荷電状態にあるイオンがより低い速度まで加速されること、すなわち、速度は質量対電荷比に反比例し、より正確には以下の式により質量対電荷比m/zの平方根に反比例することを示すことである。
Figure 0005784641
ここで、vは速度、Vは引出電極と加速電極との間の電圧、mはイオン種の質量、およびzは電荷である。
つい最近、本発明者の一人は、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,247,847号明細書[1]に記載されるように、別の基本原理によって動作する新型の質量分析計を開発した。米国特許第7,247,847号明細書の質量分析計は、すべてのイオン種を、それらの質量対電荷比に係わらず名目上等しい速度まで加速させて、いわゆる等速型の質量分析計または等風速線型の質量分析計を提供する。
すべてのイオン種を、それらの質量対電荷比に係わらず名目上等しい速度まで加速させるために、米国特許第7,247,847号明細書の質量分析計は、図1に概略的に示すように指数電圧パルスによって電極が駆動される、特別に設計されたマスフィルタを備える。従って、電極領域に入るイオンパケットは、公式V=Vexp t/τによって時間の経過につれて指数的に増加する時間依存性の瞬間電圧Vを経験し、ここでVはt=0における電圧であり、τは指数時定数である。これは、加速電圧Vが定数、すなわち時不変数である飛行時間型の設計と対照的である。米国特許第7,247,847号明細書は、マスフィルタが、イオンパケットのイオンを実質的に等速まで加速させる「指数ボックス」を提供すると示している。マスフィルタ(分析器と呼ばれることもある)は、電極配置および駆動回路を備え、当該駆動回路は、指数電圧プロファイルを電極配置に印加するように構成される。
図2は、米国特許第7,247,847号明細書に開示された駆動回路100の概略図である。駆動回路は、3つの主要な機能部を備えている。これらは、低電圧波形生成器102と、広帯域増幅器104と、昇圧変圧器106である。低電圧波形生成器102および広帯域増幅器104は、指数パルス形状を生成するために用いられ、昇圧変圧器106は、質量分析計電極を駆動するために用いられる高圧を実現するために必要である。
必要に応じて米国特許第7,247,847号明細書に開示された駆動回路は機能するが、この駆動回路は比較的複雑で製造するのに費用がかかる。特に、指数電圧パルスを生成するという要件により、増幅段が高帯域を有する必要がある。というのは、指数電圧パルスは、広い周波数範囲にわたって広がるパワーを有するからである。
本発明の第一の態様によれば、質量分析計であって、質量対電荷比を有する複数のイオンを各々が含むイオンパケットを要求に応じて供給するように構成されたイオン源であって、共通の質量対電荷比を有するイオンはイオン種と呼ばれる、イオン源と、イオン源からイオンパケットを受けるように配置された電極配置と、電圧プロファイルを電極配置に印加するように動作可能な駆動回路と、を備えるマスフィルタであって、電圧プロファイルが、質量対電荷比が高くなるにつれて高くなる運動エネルギーと前記質量対電荷比が高くなるにつれて低くなる速度とを各イオン種に付与する関数形を有する、マスフィルタと、マスフィルタから出力されたイオンを受けるように配置され、およびイオン種の運動エネルギーに基づき及び電圧プロファイルの関数形式を考慮して、異なるイオン種を区別するように動作可能なイオン検出器と、を備える、質量分析計が提供される。
この設計に到達する際、発明者らは米国特許第7,247,847号明細書の等速または等風速線「ルール」を無視したものの、マスフィルタ内で運動エネルギーによってイオン種を分離するというこの設計からの概念は維持し、それによって米国特許第7,247,847号明細書と同様の検出器手法を使用することが可能になっている。唯一の違いは、検出された信号エネルギーを質量対電荷比に対してマッピングする際にマスフィルタ内でイオンを加速させるために用いられる電圧プロファイルの関数形式を考慮する必要があることである。特に、等速手法からの脱却は固有の分解能損失に関連しない。言い換えれば、イオン種を速度および運動エネルギーに関して広げるマスフィルタを有することは、分解能損失につながらない。新しい設計原理の重要な結果は、マスフィルタにおいて電圧プロファイルのさまざまな関数形式を自由に使用できることと、等速「ルール」の結果として付いてくる指数形態にもはや関係しないことである。
通常、イオンを加速させるためにマスフィルタで使用される電圧プロファイルは単調に変化するものである。例えば、電圧プロファイルは線形とすることができる。
また、電圧プロファイルは周期関数とすることができ、ここで、コントローラを用いて、周期関数の規定の位置において、例えば、ゼロ交差、最大値、最小値、変曲点、または関数の他の特徴において、あるいは関数周期の絶対時間または絶対度で定義されたそのような特徴から参照されるオフセットにおいて、イオン源がイオンパケットをマスフィルタに注入するように、イオン源およびマスフィルタを制御する。
例えば、周期関数は正弦関数とすることができ、コントローラを設けて、電圧プロファイルが正弦関数の極値点にあるとき又は極値点の付近にあるとき、イオン源がイオンパケットをマスフィルタに注入するように、イオン源およびマスフィルタを制御する。
適切な周期関数の他の例は、三角関数(交互に並ぶ正および負の線形勾配部分)又はのこぎり波関数(観念的には無限勾配の急峻な遷移によって連結される繰返しの正の勾配部分)である。実際には、三角関数及びのこぎり波関数のいずれも、コントローラによる適切なゲート制御で使用される際に線形勾配電圧プロファイルを実施することに適しており、イオンパケットのイオンが周期関数の単一の勾配部分を経験するようにイオン源がイオンパケットをマスフィルタに注入することが確実になる。
駆動回路は、増幅装置と結合した電圧源を備え得る。
また、本発明は、質量分析方法であって、それぞれの質量対電荷比を有する複数のイオンを各々のパケットが含むイオンパケットを生成する工程と、電極配置によって画定されたマスフィルタ領域にそれぞれのイオンパケットを注入する工程と、ビーム軸に沿ってマスフィルタからイオンパケットを注入する工程と、電圧プロファイルを電極配置に印加する工程であって、電圧プロファイルが、質量対電荷比が高くなるにつれて高くなる運動エネルギーと質量対電荷比が高くなるにつれて低くなる速度とを各イオン種に付与する関数形式を有する、工程と、イオン種の運動エネルギーに基づき及び電圧プロファイルの関数形式を考慮して、異なるイオン種を区別することによって電圧プロファイルによって加速したイオンを検出する工程と、を含む質量分析方法を提供する。
正弦関数は、マスフィルタによって印加される特に好ましい電圧プロファイルである。というのは、実際に源が正弦電圧プロファイルを合成することを容易にする一方、同時に、−π/2と0との間、特に−π/2と−π/4との間の正弦波区間が、関数形式について、V=Vexp t/τという形の指数パルスに非常に近くなるからである。正弦電圧プロファイルを合成することは容易である。というのは、この正弦電圧プロファイルは、当然、定義上単一の周波数コンポーネントのみから構成される非常に狭い帯域を有するからである。これにより、例えば、電圧を上昇させる昇圧変圧器を伴う簡易な同調回路によって設けられ得る、マスフィルタ電極、実質上、発振器に対して非常に簡易で安価な駆動回路を使用することが可能になる。
なお、マスフィルタ電極に印加される電圧パルスは、ゲート制御によりイオンパケットをマスフィルタに入れる、またはマスフィルタから出す必要はない。というのは、これは他の手段によって行うことができるからである。従って、正弦波のある区間がイオンに作用することを設計によって確認する必要があるという問題を解決することができる。すなわち、イオン源は、所望の時点でイオンパケットをマスフィルタに注入することができ、イオンパケットは、電圧パルスの関数形式によって定義された時間の後にマスフィルタを出るように加速されることになるので、パルスの急峻な遮断は必要でない。
このように「正弦ボックス」マスフィルタを用いることは、すべてのイオン種がほぼ同等(しかし等しくない)の速度まで加速されるという点で、質量分析計が「指数ボックス」の等風速線原理に密接して動作することを意味する。しかし、速度と質量対電荷比との弱い依存関係も存在する。
反復波形が用いられる他の実施形態において、同じゲート制御手法を用いることができる。例えば、上昇する線形プロファイルが有効な関数形式として望ましい場合、電圧プロファイルは三角(すなわち、テントまたはハット)の電圧プロファイルとすることができ、三角関数の正の勾配部分のある区間のみがイオンパケット注入の適切なゲート制御によって選択される。
言い換えれば、ゲート制御手法は、正弦、三角、またはのこぎり波などの、途切れない周期的な電圧プロファイルによってマスフィルタが駆動されることを可能にし、関数の所望の部分がイオンパケットに該当する有効部分として選択可能である。
「正弦ボックス」手法に関する本発明の一実施形態によれば、質量分析計であって、それぞれの質量対電荷比を有する複数のイオンを各々が含むイオンパケットを要求に応じて供給するように構成されたイオン源と、イオンを受けるように配置された検出器と、マスフィルタ領域を画定するようにイオン源とイオン検出器との間に配置された電極配置を備えるマスフィルタと、正弦電圧プロファイルを電極配置に印加するように動作可能な駆動回路と、正弦電圧プロファイルが極値点(すなわち、正イオンに基づく分析計の場合、−π/2の位相における最小値、または負イオンに基づく分析計の場合、+π/2の位相における最大値)にある、または当該極値点の付近にあるときに、イオン源がイオンパケットをマスフィルタ領域に注入するように、イオン源およびマスフィルタを制御するように動作可能であるコントローラと、を備え、それによってイオンがそれらの質量対電荷比に係わらずほぼ等しい速度まで加速させられる、質量分析計が提供される。
好ましい実施形態において、コントローラは、正弦電圧プロファイルが変曲点に到達するまでに(すなわち、正イオンに基づく分析計の場合、0、または負イオンに基づく分析計の場合、πの位相において)、好ましくは、極値点とその直後に続く変曲点との間の時間の半分の時間までに(すなわち、正弦電圧プロファイルが、正イオンに基づく分析計の場合、−π/4、または負イオンに基づく分析計の場合、3π/4の位相に到達するまでに)、イオンパケットがマスフィルタ領域を出るように、イオン源およびマスフィルタを制御するように動作可能である。というのは、指数関数に最も近くなるのは正弦関数のこれらの区間だからである。
駆動回路は正弦波源を備え得る。この正弦波源は、好ましくは昇圧変圧器または電圧増幅器などの適切な増幅装置との組合せにおいてアナログ回路またはデジタル回路とすることができる。
「正弦ボックス」手法を用いて、質量分析方法であって、それぞれの質量対電荷比を有する複数のイオンを各々のパケットが含むイオンパケットを生成する工程と、電極配置によって画定されたマスフィルタ領域に、制御された時点においてそれぞれのイオンパケットを注入する工程と、正弦電圧プロファイルを電極配置に印加する工程と、を含み、イオンパケットをマスフィルタ領域に注入する該制御された時点は、正弦電圧プロファイルが極値点(すなわち、正イオンに基づく分析計の場合、−π/2の位相における最小値、または負イオンに基づく分析計の場合、+π/2の位相における最大値)にある、または当該極値点の付近にあるときであり、それによってマスフィルタ領域を通過するイオンパケットがそれらの質量対電荷比に係わらず略等しい速度まで加速される、質量分析方法が提供される。
好ましい実施形態において、コントローラは、正弦電圧プロファイルが変曲点に到達するまでに(すなわち、0またはπの位相において)、好ましくは、極値点とその直後に続く変曲点との間の時間の半分の時間までに(すなわち、正弦電圧プロファイルが、正イオンに基づく分析計の場合、−π/4、または負イオンに基づく分析計の場合、3π/4の位相に到達するまでに)、イオンパケットがマスフィルタ領域を出るように、イオン源およびマスフィルタを制御するように動作可能である。というのは、指数関数に最も近くなるのは正弦関数のこれらの区間だからである。
注入工程および印加工程は、正弦電圧プロファイルが変曲点に到達するまでに(すなわち、正イオンに基づく分析計の場合、0、または負イオンに基づく分析計の場合、πの位相において)、好ましくは、極値点とその直後に続く変曲点との間の時間の半分の時間までに(すなわち、正弦電圧プロファイルが、正イオンに基づく分析計の場合、−π/4、または負イオンに基づく分析計の場合、3π/4の位相に到達するまでに)、イオンパケットがマスフィルタ領域を出るように、実行されることが好ましい。というのは、指数関数に最も近くなるのは正弦関数のこれらの区間だからである。
本発明をより理解し、本発明の実施方法を示すために、添付の図面を一例として参照する。
従来技術のマスフィルタにおいて使用される指数電圧パルスを示す。 指数パルスの生成に適した従来技術の駆動回路の概略図である。 本発明の第1実施形態に係る質量分析計のブロック図である。 第1実施形態の質量分析計の概略断面図である。 第1実施形態のマスフィルタにおける加速の前後のイオンパケットの概略図である。 本発明の第2実施形態に係る質量分析計のブロック図である。 第2実施形態の質量分析計の概略断面図である。 第2実施形態のマスフィルタにおける加速の前後のイオンパケットの概略図である。 従来技術、第1実施形態、および第2実施形態のイオン質量数の関数としてのマスフィルタからのイオン流出速度のプロットである。 イオン質量数の関数としてのイオンエネルギーの対応するプロットである。
図3は、米国特許第7,247,847号明細書に開示されている、いわゆる等風速線型の等速質量分析計を制御するために使用され得る本発明の一実施形態の駆動回路41の概略図を示している。図3に示す構成要素には、イオン源12、検出器16、および駆動回路41が含まれ、これらの構成要素はすべてコントローラ114に電気的に接続されている。コントローラ114は、少なくともイオン源12および駆動回路41を制御するために使用される。また、コントローラは、検出器16からのデータを制御する又は受け取るために使用され得る。コントローラは、一連の制御線116を介して、イオン源12、駆動回路41、および検出器16の各々に電気的に接続される。
駆動回路41は、正弦波を生成するために使用される低圧波形生成器108を備える。例えば、波形生成器は発振器とすることができる。波形生成器は、昇圧変圧器110に電気的に接続されて波形生成器108の出力電圧を増加させる。図3に示す駆動回路41の概略図は低圧正弦波形生成器108の出力電圧を増加させる昇圧変圧器110を備えているが、高圧増幅器、例えば、高圧演算増幅器を用いて同様の結果が達成され得ることが理解されよう。
本発明の駆動回路41は、米国特許第7,247,847号明細書に開示された駆動回路に取って代わる。米国特許第7,247,847号明細書の駆動回路によって生成された波形は一連の離散指数パルスであった。しかし、本発明において、駆動回路41は連続正弦信号を生成する。従って、後述のとおり、コントローラ114は、分析計のさまざまな構成要素を同期させるために用いられる。
駆動回路41は、配線による固定正弦信号を供給するために用いられ得る。下記のとおり、イオン源12および検出器16を正弦信号と同期させることができるように、コントローラ114を用いて正弦信号を検出する。あるいは、例えば、正弦信号の周波数および振幅はコントローラ114によって調整され得る。
コントローラ114を用いて少なくともイオン源12および駆動回路41を制御する。これは、イオン源12および駆動回路41の電極への接触を切り換えて所要の供給電圧を供給するために使用される直列または並列の多数の制御線を用いて達成され得る。あるいは、制御回路は、図4に示し以下に説明するイオン源12の電極の各々へ電圧を供給し得る。コントローラを用いて検出器16を制御する場合、コントローラは、検出器の電極および検出器アレイ56を制御するために使用され得る。
図4は、図3に示す駆動回路41を用いて駆動され得る質量分析計の概略断面図である。これは、本発明の駆動回路41を用いて制御され得る質量分析計の例にすぎず、経時変化する電圧プロファイルを必要とする他の質量分析計が同様に使用され得ることが理解されよう。
気体の質量分析に関してこの質量分析計を説明するが、本発明は非気体検体に同様に適用可能である。
質量分析計10は、Oリング(図示せず)によって密封されたフランジ継手22によって結合されたステンレス鋼部分から主に形成された本体20を有する。本体20は細長くて中空である。気体入口24が本体20の一端に設けられている。メッシュ構造を有する第1イオンリペラー電極26が、気体入口24の下流で、本体20の内部にわたって設けられている。メッシュ構造は、気体入口24を通って導入された気体に対して高い透過性を示すが、適切な電圧が印加されるとイオンを反発するように機能する。
電子源フィラメント28と、電子ビーム電流制御電極30と、電子コレクタ32と、を備えるイオン化装置が第1イオンリペラー電極26の下流に配置される。電子源フィラメント28および電流制御電極30は、本体20の内部の一方側に配置され、電子コレクタ32は、本体20の内部の他方側に電子源フィラメント28および電流制御電極30に対向して配置される。適切な電流および電圧を印加することによって、電子が、電子源フィラメント28によって生成されて制御電極30によって平行にされ、本体20を横切ってコレクタ32までストリーム内を進むという点において、これらの特徴は従来の様式で動作する。
アインツェルレンズ34の形態をとるイオンコリメータがイオン化装置の下流に配置される。アインツェルレンズは、イオンビームを平行にするとして当該技術分野で知られている[2]。レンズ34の下流には、本体20の一方側のみに配置される第2イオンリペラー電極36と、環状であって本体20の横方向に延在し、イオンが通過する開口を有するイオンコレクタ電極38と、がある。イオンコレクタ電極38および本体10はともに接地される。
上述の特徴はともに、加速させられることに適した形態のイオンをそれらの質量対電荷比に従って供給するイオン源12を備えるものとみなされることができる。イオン源12の電極端子の各々はコントローラ114によって制御される。あるいは、下記のとおり、コントローラ114によって引き続き制御され得る電極36を除いて電極端子のすべてをそれぞれの電圧に固定して、イオン源12の動作をマスフィルタ14と同期させることが可能である。
コレクタ電極38の下流には、電極配置を備えるマスフィルタ14が位置付けられる。マスフィルタ14は、イオンコレクタ電極38と経時変化するパルス電極40との間を長さdにわたって延在する。経時変化するパルス電極40は、環状であり、かつイオンが通過する開口を有する。コントローラ114を用いて制御される経時変化するパルス電極40に経時変化電圧プロファイルを印加するために駆動回路41が設けられる。コントローラ114は、下記の態様において、イオン源12の動作がマスフィルタ14の動作と同期するように、駆動回路41と恒常的に連通している。
マスフィルタ14の外壁を画定する本体10の一部に出口42が設けられる。出口42は、質量分析計10の内部の圧力を、所要の動作圧力、一般に、1.3Pa(〜10e−3torr)未満まで低減させることができる真空システムの接続を可能にする。しかし、質量分析計10の内部の圧力を、質量分析計について通常の1.3×10−2Pa(〜10e−5torr)未満まで低減させることができる。出口42は、本体20の端部で、気体入口24の付近に位置付けられてもよい。
より一般的には、装置がイオンの短い飛行経路、すなわち、イオン源とイオン検出器との間の短距離を必要とするのみであることは、例えば、飛行時間型の質量分析計と比較して、本実施形態および他の実施形態の利点である。結果として、装置は、比較的低い真空度で(すなわち、比較的高圧で)動作することができ、これは特に携帯用装置について有利である。
米国特許第7,247,847号明細書では、「指数ボックス」という用語が、マスフィルタ14を指すために用いられた。というのは、マスフィルタ14は、各々のパルスがゼロ電圧への急峻な遮断で終わる指数上昇部分を有するパルス列または一連のパルスを用いて駆動されたからである。しかし、本発明においてマスフィルタ14は連続正弦波を用いて駆動されるので、マスフィルタ14は、「正弦ボックス」と呼ばれる。正弦ボックス14の寸法は、イオンコレクタ電極38と経時変化するパルス電極40との間の長さdと、これらの電極によって囲まれた領域とによって画定されることができる。
正弦ボックスの経時パルス電極40は駆動回路41の出力112に接続される。上述のとおり、コントローラ114は、イオン源12がマスフィルタ14と同期することができるように駆動回路41と連通する。
経時パルス電極40を越えて、質量分析計10は、イオン検出器16で終点となる。1組のリペラー電極52、54が経時パルス電極40の下流に配置される。第1電極52は、イオン経路の側に配置され、第2電極54は質量分析計の端壁であって、効果的にはイオン経路に配置される。2つの電極52、54は実質的に直交し、ともにイオン分散器を形成する。検出器アレイ56は、検出器ボックス58内に設けられる。ボックス58は、接地された本体10の外側にあり、本体10から検出器アレイ56へのイオンの通過を可能にする開口を有する。検出器アレイ56は、第1リペラー電極52に対向して配置される。イオン検出器アレイは、当該技術分野で知られている[3、4]。
検出器16の電極の各々およびアレイ検出器56に印加された電圧は、コントローラ14を用いて制御される。あるいは、検出器16の電極の各々に対する実際の駆動電圧は、コントローラ114によって供給され得る。各電極の電圧は固定されているので、電極を制御するためにコントローラを用いないことが好ましい。しかし、この場合、コントローラ114の動作が正弦ボックスと同期することができるように、コントローラ114によってアレイ検出器が制御され得る。
電極はすべて、セラミックまたは高密度ポリエチレン(HPDE)などの適切な絶縁材料から形成された電極支持体43上に取り付けられる。
駆動回路41との組合せにおける質量分析計10の動作を説明する。
分析されるべき気体は、気体入口24を介して低圧で質量分析計10の内部に入れられる。気体減圧手段は図示されていないが、膜の使用、毛細管漏出、ニードル弁など、多くの公知の利用可能な技術がある。気体は第1イオンリペラー電極26のメッシュを通過する。
そして、気体は電子源フィラメント28からの電子流によってイオン化され、正イオンのビームが生成される。電子は、電流制御電極30に対して正電圧で設定される電極である電子コレクタ32で捕集されて、約70eVのエネルギーで、図4の点線で示すようにイオン源の軸付近に供給される。これは、このエネルギーでほとんどの分子をイオン化することができるため、通常、電子衝突イオン化の最適エネルギーに関するものと一般にみなされるが、望ましくないレベルの細分化を引き起こすほど大きくない。電子コレクタ32に印加される正確な電圧は、通常、実験によって設定されるであろうが、おそらく140V程度になる。電子衝突イオン化源の多くの可能な設計、および実際に、イオン化を引き起こす他の方法が存在すると理解されたい。
電子流によってイオン化されない気体は、質量分析計10を通過し、出口42に接続された真空システムによって排出される。フランジ接続が適切である。
上記で参照した点線は、イオンが質量分析計10を通過することも示す。正電圧が第1イオンリペラー電極26に印加されて(正)イオンを反発し、アインツェルレンズ34を介して(正)イオンを誘導し、それによって細くて平行なイオンビームを生成する。正電圧が第2イオンリペラー電極36に印加され、それによってイオンビームは第2イオンリペラー電極36によって偏向される。図4で「A」と表記された点線経路をたどる偏向されたイオンは、空間電荷の蓄積を防ぐために接地されるイオンコレクタ電極38で捕集される。
イオンがマスフィルタに入ることを可能にするために、第2イオンリペラー電極36の電圧は、イオンの小さいパケットが偏向されないように周期的に0Vに設定され、それによってイオンはイオンコレクタ電極38の開口を介して正弦ボックス14に入る。このように、第2イオンリペラー電極36およびイオンコレクタ電極38は、イオンパケットを生成するパルス生成器を形成する。このパルス生成は駆動回路41の出力信号と同期する。正弦ボックスに入るイオンが正弦信号と同期することを確実にするために、コントローラ114を用いる。
正弦波と指数関数との数学的比較は、指数上昇に最もよく似ている正弦波の領域または区域が−π/2〜0の位相の間、特に−π/2と−π/4との間であることを示す。従って、正弦駆動信号が−π/2の位相である、または−π/2の位相に少なくとも近い場合に正イオンパケットが正弦ボックスに注入されることが必要である。上述のとおり、0電圧が電極36(イオン源12の一部)に印加されるように、コントローラは駆動回路41と連通して、それにより正弦駆動信号が−π/2の位相であるときに正イオンパケットが正弦ボックスに入ることが可能になる。
実際には正弦駆動信号が−π/2であるときにイオンパケットをマスフィルタ14に注入することが可能でない場合があることが理解されよう。イオンパケットを、正弦電圧プロファイルの最小値とも呼ばれるこの時点まで注入することによって、正弦電圧プロファイルは、最短時間の前または後に最小値10度、好ましくは5、4、3、2または1度内であり得る。
最大電圧はVmaxとして示される(この場合、イオンは正に荷電しているので、正弦波は負に向かう。負に荷電しているイオンの場合、正に向かうことが必要であろう)。経時変化する電圧パルスに起因する増加する電界のイオンに対する効果は、経時変化するパルス電極40に向けて、次第に増加する割合でイオンを加速することである。最大電荷を担持するイオンと同様に、最小質量を有するイオンは低慣性を有し、より急速に加速されるので、最低m/z比を有するイオンは最高加速度を経験する。逆に、最高m/z比を有するイオンは最低加速度を経験する。t秒後、すべてのイオンが距離dを移動し、経時変化するパルス電極40を通過する。従って、イオンはそれぞれのm/z比に従って空間的に分離される。これらのイオンとしての最軽量イオンは最高加速度を経験しており、従って距離dを最も速く移動している。イオンは異なる質量を有するので、異なる運動エネルギーを有する。
米国特許第7,247,847号明細書では、理論上ではすべてのイオンが等しい速度を有するように指数を用いた。しかし、本発明で用いられる正弦信号は指数から外れるので、すべてのイオンが等しい速度を有するわけではない。それにもかかわらず、運動エネルギーの拡大が別々の質量を有するイオンに対してなされるので、イオン種は、米国特許第7,247,847号明細書の等風速線型の設計における方法と概念的に同一の方法で、それらの異なる運動エネルギーに基づいて検出器において区別することができる。
運動エネルギーは、周知の式E=mv/2によって与えられるので、運動エネルギーは等風速線型の設計の質量に単純には比例しない。というのは、マスフィルタは、指数電圧パルスではなく、正弦曲線の単調区間に由来する電圧パルスをイオンに印加するからである。イオンパケットを加速させるために利用される正弦曲線の線分は、コントローラによって示された動作タイミングから分かる。公知の電圧パルス形状から、イオン種、すなわち、m/z比とマスフィルタから出る運動エネルギー(および速度)との関数関係を推論することができる。従って、従来技術の指数ボックスのような正弦ボックス14によって、マスフィルタ内でイオンに付与される運動エネルギーに基づいてイオンがそれらのm/z比に従って区別されることを可能にする。
イオンが等しい速度で現れる指数ボックスとは異なって速度の拡大に伴ってイオンが正弦ボックスを出るという事実は、m/z比と運動エネルギーとの関数関係を単に変化させるだけであるが、この関数関係は公知の電圧関数から分かっているので、分解能を損失することなく検出器においてこの関数関係を十分に考慮することができる。言い換えれば、指数ボックス設計の等風速線原理からの脱却は分解能の損失と根本的に関連がない。しかし、概念上、正弦ボックス設計の動作原理は、指数ボックス設計に類似したままである。というのは、どちらの場合も、イオン種は運動エネルギーについて分離され区別されるからである。正弦ボックス設計と指数ボックス設計の両方とも飛行時間型の質量分析計と概念上異なるままである。この飛行時間型の質量分析計は、ドリフトチューブでの十分な分離の後の到着時間に基づいてイオン種が検出器において区別されることを可能にするマスフィルタによって与えられた速度差に基づいて、イオン種を分離および区別することに基づいている。
それぞれ異なる電極に印加される必要がある電圧の正確な値は、質量分析計10で採用されたまさにその形状によって決まる。1組の適切な電圧の例は以下のとおりである。
イオンリペラー電極 +10V
電子コレクタ +140V
アインツェルレンズI +5V
II +3V
III +4V
イオンリペラー電極 +60V
イオンが正弦ボックスを出ると、イオンはそれらのm/z比に従って検出されることになり、そのため気体の質量スペクトルを導出することができる。
正弦ボックス14がイオンに異なる運動エネルギーを与えることによってそれらのm/z比に従ってイオンを加速させると、イオン検出器16は、イオンの運動エネルギーに基づいてイオンを区別することによって動作することができる。この手法は、イオンの異なる速度、従って到着時間に基づいてイオンの異なる質量を区別するイオン検出器を採用している従来の飛行時間型の質量分析計において使用される手法と異なる。
図4に示すイオン検出器16は、以下のとおり動作する。
定常正電圧は、湾曲した電界を生成するリペラー電極52、54に印加される。イオンが正弦ボックス14を出ると、当該イオンは、イオンを検出器アレイ56に向けて偏向させるように機能する、この湾曲した電界に入り、ここでイオンは検出される。偏向の量、従ってこの電界を通るイオンの軌道は、イオンのエネルギーによって決まり、ゆえに、イオンはそれらのm/z比に従って検出器アレイ56上で分散する。リペラー電極52、54の形状配置およびそれらの電極に印加される電圧はともに、検出可能なm/z比の範囲と達成される分解能とを決定する。質量スペクトルは、従来の態様で検出器アレイ信号から得られる。
リペラー電極52、54に印加される適切な電圧は、140V程度である。しかし、リペラー電極52、54に印加されることが必要な電圧は、まさにそれらの大きさ、形状および作業デバイスにおける配置によって決まる。+300Vと+500Vとの間の値が別々の状況において使用され得る。従って+400Vという数字は、単に例示的なものに過ぎないことが分かる。さらに、極性が逆の場合、もちろん負の値が用いられ得る。
このイオン検出器16によって単一のイオンパケットについて結果を得ることができる一方、信号対雑音比、それによって、分析計の感度を向上させるように、引き続くパケットを蓄積することができる。あるいは、このイオン検出器を用いて時間分解データを得ることができる。
図5は、正弦ボックス14の原理を概略的に示している。イオンパケット44が、ゼロ印加電圧を有するイオンコレクタ電極38において正弦ボックスに入る。そして、イオンは経時変化するパルス電極40に移動し、そこに経時変化する電圧プロファイル46(この例において、既述のとおり、イオンは正であるので、正弦波形は負に向かう)が駆動回路41によって印加される。経時変化するパルス電極を通過した後、後部の最重量イオン48(最大m/z比)と前部の最軽量イオン50(最小m/z比)とを有するイオンは、空間的に分離される。
上述のとおり、経時変化する電圧電極40は、正弦波を用いて常に駆動されることが理解されよう。しかし、イオンパケットは、正弦波信号の特定の点において正弦ボックスに入ることしかできない。この例において、イオンパケットが正弦ボックスに入ることが可能な時点が、上述のとおり、図5の電圧プロファイル46に示されている。これは、通常、−π/2の位相、すなわち、正弦波形の最小値における時点である。
米国特許第7,247,847号明細書では、マスフィルタを駆動するために用いられる指数パルスは一連の離散パルスであり、急峻な遮断を用いて各パルスを終端させる。本発明では正弦波を用いるので、急峻な遮断は存在しない。従って、正弦波が0の位相に到達する前にマスフィルタに注入されたイオンパケットのイオンのすべてが検出器16を出る、すなわち、離れる、去るように、分析計、駆動回路41、およびコントローラ114が動作されなければならない。米国特許第7,247,847号明細書で使用される指数駆動信号からのさらなる逸脱を防ぐために、正弦波が位相−π/4の位相に到達する前にイオンパケットのイオンのすべてがイオンフィルタを出ることが好ましい。
上記詳細な説明において、イオンの符号が明示されない限り、正イオン質量分析計を想定している。負イオン質量分析は一般的には用いられないが、本発明の原則は、負イオンに同様に十分に適用することができることが理解されよう。そのような場合、本明細書に記載の電界の極性を逆にする必要があるであろう。これは、実質上、イオンパケットが(−π/2ではなく)+π/2の位相または+π/2に近い位相でマスフィルタに注入される必要があり、(0ではなく)+π、より好ましくは(−π/4ではなく)+3π/4の位相によって出るはずであることを意味する。
単一の正弦源のみを説明してきたが、より高い周波数の、特に基底周波数または基本周波数の整数倍を有する、1つ以上の追加の正弦源を用いることが望ましい場合があることが理解されよう。ここで、異なる周波数コンポーネントが重ね合わされて、マスフィルタ電極に集合的に印加される。これは、各周波数コンポーネントの簡易な低コストの狭帯域増幅を使用する機能を引き続き維持しつつ、指数により近い関数近似が所与の時間区分にわたって達成されることを可能にし得る。
図6は、本発明の別の実施形態の駆動回路41の概略図である。図3に示す構成要素と共通の図6に示す構成要素とは、同一の参照符号を用いて識別する。図3に共通の駆動回路41の構成要素は同一の機能性を有する。
図6において、駆動回路41は、演算増幅器積分器または積分器118と、増幅器120とを備える。本実施形態の駆動回路41は、米国特許第7,247,847号明細書に開示された駆動回路に取って代わる。本発明の本実施形態において、駆動回路41は、直線的に増加する電圧信号、すなわち略して線形電圧信号を生成する。従って、コントローラ114を用いて質量分析計のさまざまな構成要素を同期させる。
駆動回路41を用いて積分器118の入力に負電圧を印加することによって積分器118を制御して、漸増電圧信号を生成する。漸減電圧信号は正駆動信号を用いることによって達成され得ることが理解されよう。積分器118に印加された入力信号の振幅は、出力信号の変化率を変化させるために用いられ得る。積分器は、復帰継電器を含み得るので、積分器118からの出力信号は、積分器118が飽和に到達する前または到達するときに再設定することができる。復帰継電器は、積分器118の帰還コンデンサと並列に接続された電圧制御スイッチの形態をとり得る。
コントローラ114は、線形電圧信号によってイオン源12と検出器16とを同期させるために使用される。言い換えれば、積分器118が再設定され、信号が積分器118の入力に印加された後に、コントローラ114を用いて少なくともイオン源12および駆動回路41を制御する。
本実施形態において、線形ボックスという用語は、第1実施形態を説明する上記正弦ボックスという用語および「等風速線」型の従来技術を説明するために用いられる指数ボックスという用語と同様に、マスフィルタを説明するために使用される。
線形ボックス14内の電極40に印加された線形電圧信号について、線形ボックス14を出るイオンは、通常、速度の拡大を含む。重要な特徴は、軽量イオンから重量イオンまでの定義された関数関係に従うイオンに付与された運動エネルギーをイオン種が依然として有することであり、より軽いイオンと比べて多い運動エネルギーを有するより重いイオンを伴い、またはより正確には、より低いm/z比イオンと比べて多い運動エネルギーを有するより高いm/z比イオンという荷電状態を含む。
積分器118のコンポーネントは知られており、積分器118の入力に印加された電圧はコントローラ114によって制御される。ゆえに、公知の計算を用いて積分器の出力を決定することが可能である。従って、線形ボックス14に印加される電圧信号の形状および値を決定することが可能である。電圧信号の形状は知られているので、特定の質量のイオンに付与されるエネルギーを計算し、従って当該イオンの質量を計算することが可能である。例えば数の積分が用いられ得る。上述のとおり、いったんイオンが線形ボックスを離れると、イオンはそれらのm/z比に従って検出されるので、検体の質量スペクトルを導出することができる。線形ボックス14がイオンに異なる運動エネルギーを与えることによってそれらのm/z比に従ってイオンを加速させると、イオン検出器16は、イオンの運動エネルギーに基づいてイオンを区別することによって動作することができる。この手法は、イオンの異なる速度、従って到着時間に基づいてイオンの異なる質量を区別する検出器を採用している従来の飛行時間型の質量分析計において使用される手法と異なる。
図7は、図4に示す実施形態のイオン検出器と異なるタイプのイオン検出器16を採用している質量分析計の概略断面図である。イオンが通過する開口を有する環状の第1検出器電極60が、指数パルス電極40の下流に配置される。この電極60はエネルギー選別器として機能する。これに続いて、第2検出器電極62がイオン経路内に配置される。これは、実質上単一素子検出器であり、例えば、ファラデーカップとすることができる。第1検出器電極60および第2検出器電極62に電圧を印加する電圧供給部63が設けられる。
使用中、第1検出器電極60および第2検出器電極62は、V+Vボルトの電位に設定され、ここでVは、上に定義したような経時変化する電圧プロファイルであり、Vは、V電子ボルト未満のエネルギーを有するイオンを反発または反射するように選択されたバイアス電圧である。従って、V電子ボルト以上のエネルギーを有するイオンのみが第1検出器電圧60を通過し、検出用の第2検出器電圧に到達する。別の配置は第1検出器電圧を省略し、それによってイオンは、反発されないイオンが検出される直前に第2検出器電極において反発される。
一連の質量スペクトルデータを得るために、Vは当初はゼロに設定され、そのためパケット内のすべてのイオンが検出される。次のパケットについては、Vをわずかに増加させて最小エネルギーのイオンを反射し、残りのイオンを検出する。すべてのイオンが反射されてイオンが検出されない状態の電界になるまで、パケットごとにVを漸増させながらこのプロセスを繰り返す。パケットごとに検出された信号の一連のデータを処理して、m/z比に対するイオン電流のグラフすなわち質量スペクトルを作成することができる。
あるいは、すべてのイオンを反発する高い値のVで開始することによってイオン検出を実行することができる。そして、Vがゼロであり、かつパケットのすべてのイオンが検出されるまで、Vは、引き続くイオンパケットごとに低減される。実際に、イオンエネルギーの全範囲に対応する多数の異なる値に対してVが掃引される限り、あらゆる任意の列において検出手順を実行することができる。必要なのは、当該イオンエネルギーの全範囲が検出手順中に含まれることだけである。このイオン検出器の分解能は、異なるVの値を用いて行われる測定の回数を変更することによって、必要に応じて変えることができる。所与のイオンエネルギー範囲に対する測定の回数が多いほど、より良好な分解能が得られる。また、1つ以上の狭いm/z領域に的をしぼるために、イオン検出器を特定の電圧、または狭い電圧範囲に設定することも可能である。
図8は、図6に示す駆動回路41によって駆動される際の線形ボックス14の原理を概略的に示している。イオンパケット44が、ゼロ印加電圧を有するイオンコレクタ電極38において線形ボックスに入る。そして、イオンは経時変化するパルス電極40に移動し、そこに線形電圧プロファイル46が駆動回路41によって印加される。線形パルス電極を通過した後、後部の最重量イオン48(最大m/z比)と前部の最軽量イオン50(最小m/z比)を有するイオンは、空間的に分離される。
線形ボックスの実施形態の変形例において、線形波形は、定振幅、短期間、および漸増繰返し周波数の周波数変調パルス列によって生成することができる。繰返し周波数は、直線的に増加する。このタイプの一連のパルスまたはパルス列は、線形パルスと完全に同等の効果をもたらす。というのは、パルスの時間平均が線形関数に対応するからである。別の変形例は、定繰返し周波数および直線的に増加するパルス振幅を伴うパルス列を提供し、これもまた線形関数を提供するであろう。周波数変調パルス列は、上述ののこぎり波関数および三角関数などの周期的な波形を生成するために用いられることに適している。また、周波数変調パルス列は、所望の他の関数形式を生成して本発明のさらなる実施形態を実施するために使用することができる。なお、周波数変調パルス列の手法は、米国特許第7,247,847号明細書[1]の従来技術の指数ボックス設計に関連してすでに提案されている。
本発明の実施形態において、駆動回路41は正弦または線形ボックス14の出口において電極40を駆動するとして説明され、線形ボックス14への入口における電極38は0ボルトに接続される。しかし、駆動回路41が正弦または線形ボックスへの入口において電極38を駆動し、正弦または線形ボックス14の出口における電極40が0ボルトに接続されるように、これらの2つを逆にすることも可能であることが理解されよう。この例において、ボックスの正しい電界の勾配を維持するために、駆動電圧は先行の実施形態に対して逆の極性を有する必要があることが理解されよう。それによってイオンは検出器の方へ引っ張られる、すなわち、引き付けられるのではなく、検出器の方へ押される。
また、線形ボックスの実施形態において図4の検出器方式を用いる実施形態、および正弦ボックスの実施形態において図7の検出器方式を用いる実施形態がさらに可能であることが理解されよう。
図9Aおよび図9Bは、線形ボックスの実施形態、正弦ボックスの実施形態、および米国特許第7,247,847号明細書の指数ボックスの性能を示すグラフである。図9Aは、単一の電子電荷q=1.602×10−19Cを前提とする、イオン質量数Nの関数としてのマスフィルタからのm/s単位での流出速度Vの図である。図9Bは、単一の電子電荷を前提とするイオン質量数Nの関数としてのマスフィルタの出口におけるeV単位でのイオンエネルギーEの対応する図である。すべての例が、電極38と電極40との間の、図4および図7に示す電極分離距離d=5×10−2mをとる。図9Aおよび図9Bの指数ボックス特性がそれぞれ実線Vexp、Eexpで示される。図9Aおよび図9Bの正弦ボックス特性がそれぞれ一点長鎖線Vsin、Esinで示される。図9Aおよび図9Bの線形ボックス特性がそれぞれ一点短鎖線Vlin、Elinで示される。指数の例については、時定数がτ=1×16−6−1であるとされた。線形の例については、傾斜度がR=1.15×10V/sであるとされた。正弦の例については、波の周波数がω=1.6×10Hzであり、波の振幅がv=2000Vであるとされた。両方の図において、目視比較を容易にするために、曲線が質量数20に対して正規化されている。正弦電圧プロファイルおよび線形電圧プロファイルの質量対電荷比の関数としての速度方程式の導出が付録AおよびBに示されており、これらは図9Aにグラフ化された関数である。図9Bにグラフ化された関数は、運動エネルギー、質量、速度すなわちE=1/2mvとの間のよく知られた関係の結果として直接的に付いてくるものである。
指数ボックス特性は、マスフィルタがすべてのイオン種を等しい速度まで加速させることと、イオン種に付与された運動エネルギーが質量数に直線的に比例することを示している。というのは当然、運動エネルギーが質量に比例し、速度がすべて同一であるからである。これに対して、正弦電圧パルスおよび線形電圧パルスは、低質量イオンが高質量イオンと比較してより高い速度まで加速される点(図9A)および低質量イオンが高質量イオンと比較してより低い運動エネルギーを付与される点(図9B)において、概して互いに同様のより複雑な関数関係を生成する。重要なことには、線形電圧プロファイルおよび正弦電圧プロファイルはともに、質量数の関数としてエネルギーの単調関数を示し、それによってイオン検出器において、到着エネルギーは質量数(または一般には質量対電荷比)に一義的に関連している。しかしE(N)曲線の小さい勾配によって明示されるように、エネルギー分解能、ゆえに質量分解能は、指数ボックスについての分解能ほど良好でない。この点に関して線形曲線と正弦曲線を比較すると、正弦ボックスは、線形ボックスと比較して大きい勾配、すなわち、良好なエネルギーまたは質量分解能をもたらす。また、正弦電圧関数を生成することは、一般に、線形電圧関数と比較して、より簡易な電子機器によって達成可能であるが、両方の関数とも、実施するのに指数電圧関数よりかなり簡易である。
正弦電圧プロファイルによって、イオンはマスフィルタに最も効率よく注入されて正弦関数の最小値と一致するように時間調整される。注入は、すべてのサイクルで、またはnサイクル(nは整数)、例えば、2サイクルまたは3サイクルごとに一度行われ得る。線形電圧プロファイルによって、周期的なのこぎり波、またはパルスとパルスとの間の所望の長さの休止時間を有するのこぎり波を用いることができ、これは、同期的な周期関数または非同期的な関数を提供することと同等であり得る。イオンの注入は、各線形傾斜の底部で最も効率よく行われる。のこぎり波は、正弦波中の時間の4分の3がイオンを加速させることができない不動作時間である一方、正弦波がその最小値まで戻るのを待つという点で、正弦波に対して利点を有する。正弦波の使用される部分は、最小値から4分の1サイクル後の変曲点までである。これに対して、傾斜の最上部において信号が傾斜の底部まで速やかに降下する場合、のこぎり波を不動作時間無しに設けることができる。従って、のこぎり波は、比較可能な正弦波のイオンパケットのスループットの4倍のスループット、および従来技術の米国特許第7,247,847号明細書で検討されている繰返し指数電圧プロファイルのスループットと同一のスループットを本質的に有している。
付録A:正弦電圧プロファイルを用いる加速
2つの電極間のイオンの質量Mおよび電界Eに配置された電荷+qは、
Figure 0005784641
によって与えられる加速度を経験する。
ここで、sは時間t内にイオンが移動する距離である。
2つの電極が距離dを離れ、かつ任意の時点でのこれらの電極間に印加された電圧がVである場合、加速度の式は、
Figure 0005784641
となる。
t=0においてV=0であり、Vが常に正であるように、振幅Vおよび周波数ωrad/sであって、電極間に印加された電圧が関数について正弦波である場合、
Figure 0005784641
であり、
イオンの加速度は
Figure 0005784641
として表され得る。
そして、瞬間速度vは、積分の式2によって下記のように求められ得る。
Figure 0005784641
ここで、Cは積分定数である。
そして、式3よりイオン速度がt=0においてゼロである場合、C=0である。
式3を再構成し、C=0とすると、時間tにおけるイオン速度の式が与えられる。
Figure 0005784641
そして、移動距離sがさらなる積分によって求められ得る。
Figure 0005784641
ここで、C’は第2積分定数である。
式5を再構成すると、
Figure 0005784641
が与えられる。
定義上、t=0においてs=0であり、よって式5より、
Figure 0005784641
である。
式7を式6に代入すると、時間t後のイオンの移動距離の式が与えられる。
Figure 0005784641
cos(ωt)についてマクローリン級数の最初の5項を代入することによって式8を展開すると、
Figure 0005784641
が与えられる。
式9を再構成すると、
Figure 0005784641
が与えられる。
そして、(より高次の項を無視して)第一次近似を行う。
Figure 0005784641
再構成すると、
Figure 0005784641
が与えられる。
イオンがより負側の電極に到達する時間tにおいて、イオンが移動した距離は、電極から離れた距離dとなる。
よって、dを式11のsに代入すると、
Figure 0005784641
が与えられる。
式12を再構成すると、流出時間teの式
Figure 0005784641
が与えられる。
終了時間の式(式13)を速度の式(式4)に代入すると、以下の流出速度veの式が与えられる。
Figure 0005784641
付録B:線形電圧プロファイルを用いる加速
2つの電極間のイオンの質量Mおよび電界Eに配置された電荷+qは、
Figure 0005784641
によって与えられる加速度を経験する。
ここで、sは時間t内にイオンが移動する距離である。
2つの電極が距離dを離れ、かつ任意の時点でのこれらの電極間に印加された電圧がVである場合、加速度の式は、
Figure 0005784641
となる。
電極に印加された電圧が初めにゼロであり、率Rで時間とともに直線的に増加する場合、
Figure 0005784641
であり、イオンの加速度の式が
Figure 0005784641
となる。
そして、瞬間速度vは、積分の式2によって下記のように求められ得る。
Figure 0005784641
ここで、Cは積分定数である。
そして、式3よりイオン速度がt=0においてゼロである場合、C=0であり、
Figure 0005784641
が与えられる。
そして、移動距離sがさらなる積分によって求められ得る。
Figure 0005784641
ここで、C’は第2積分定数である。
定義上、t=0においてs=0であり、よって式5より、C’=0である場合、
Figure 0005784641
が与えられる。
イオンが負側の電極に到達する時間tにおいて、イオンが移動した距離は、電極から離れた距離dとなる。
よって、dを式6のsに、tを式6のtに代入すると、
Figure 0005784641
が与えられる。
式4を式7に代入すると、
Figure 0005784641
が与えられる。
ここで、vはtにおけるイオン速度である。
式8を再構成すると、
Figure 0005784641
が与えられる。
式9を式4に代入すると、
Figure 0005784641
が与えられる。
再構成すると、質量対電荷比が流出速度の3乗に反比例することを示す
Figure 0005784641
が与えられる。
参照文献
[1]米国特許第7,247,847号明細書
[2]“Enhancement of ion transmission at low collision energies via modifications to the interface region of a 4-sector tandem mass-spectrometer”, Yu W., Martin S.A., Journal of the American Society for Mass Spectroscopy, 5(5) 460-469, May 1994
[3]“Advances in multidetector arrays for mass-spectroscopy − A LINK (JIMS)Project to develop a new high-specification array”, Birkinshaw K., Transactions of the Institute of Measurement and Control, 16(3), 149-1622, 1994
[4]“Focal plane charge detector for use in mass spectroscopy”, Birkinshaw K., Analyst, 117(7), 1099-1104, 1992

Claims (18)

  1. 質量分析計であって、
    質量対電荷比を有する複数のイオンを各々が含むイオンパケットを要求に応じて供給するように構成されたイオン源であって、共通の質量対電荷比を有するイオンはイオン種と呼ばれる、イオン源と、
    前記イオン源から前記イオンパケットを受けるように配置された電極配置と、該電極配置に電圧プロファイルを印加するように動作可能な駆動回路と、を備えるマスフィルタであって、該電圧プロファイルが、前記質量対電荷比が高くなるにつれて高くなる運動エネルギーと前記質量対電荷比が高くなるにつれて低くなる速度とを各イオン種に付与する関数形式を有する、マスフィルタと、
    前記マスフィルタから出力された前記イオンを受けるように配置されたイオン検出器であって、イオン種の運動エネルギーに基づき且つ前記電圧プロファイルの前記関数形式を考慮して、異なるイオン種を区別するように動作可能なイオン検出器と、を備える質量分析計。
  2. 前記電圧プロファイルは単調に変化する、請求項1に記載の質量分析計。
  3. 前記電圧プロファイルは線形である、請求項1に記載の質量分析計。
  4. 前記電圧プロファイルは周期関数であり、該周期関数の規定の位置において前記イオン源が前記マスフィルタにイオンパケットを注入するように、前記イオン源及び前記マスフィルタを制御するようにコントローラが設けられる、請求項1に記載の質量分析計。
  5. 前記周期関数は正弦関数であり、前記コントローラは、前記電圧プロファイルが該正弦関数の極値点にあるとき又は該極値点の付近にあるとき、前記マスフィルタにイオンパケットを注入することを前記イオン源にさせるように動作可能である、請求項4に記載の質量分析計。
  6. 前記コントローラは、前記正弦関数が前記極値点後の変曲点に到達するまでに前記イオンパケットが前記マスフィルタを出るように、前記イオン源及び前記マスフィルタを制御するように動作可能である、請求項5に記載の質量分析計。
  7. 前記イオンパケットは、前記極値点と前記変曲点との間の時間の半分の時間までに前記マスフィルタを出る、請求項6に記載の質量分析計。
  8. 前記極値点は−π/2の位相において最小値であり、前記イオンは正イオンである、請求項5〜7のいずれか1項に記載の質量分析計。
  9. 前記極値点は+π/2の位相において最大値であり、前記イオンは負イオンである、請求項5〜7のいずれか1項に記載の質量分析計。
  10. 質量分析方法であって、
    質量対電荷比を有する複数のイオンを各々のパケットが含むイオンパケットを生成する工程であって、共通の質量対電荷比を有するイオンはイオン種と呼ばれる、工程と、
    電極配置によって画定されたマスフィルタ領域にそれぞれのイオンパケットを注入する工程と、
    前記電極配置に電圧プロファイルを印加する工程であって、前記電圧プロファイルが、前記質量対電荷比が高くなるにつれて高くなる運動エネルギーと前記質量対電荷比が高くなるにつれて低くなる速度とを各イオン種に付与する関数形式を有する、工程と、
    イオン種の運動エネルギーに基づき且つ前記電圧プロファイルの前記関数形式を考慮して、異なるイオン種を区別することによって前記電圧プロファイルによって加速させられたイオンを検出する工程と、を含む質量分析方法。
  11. 前記電圧プロファイルは単調に変化する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記電圧プロファイルは線形である、請求項10に記載の方法。
  13. 前記電圧プロファイルは周期関数であり、前記イオンパケットは、該周期関数の規定の位置において前記マスフィルタに注入される、請求項10に記載の方法。
  14. 前記周期関数は正弦関数であり、前記電圧プロファイルが該正弦関数の極値点にあるとき又は該極値点の付近にあるとき、前記イオンパケットは前記マスフィルタに注入される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記注入工程及び前記印加工程は、前記正弦関数が前記極値点後の変曲点に到達するまでに前記イオンパケットが前記マスフィルタ領域を出るように実行される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記イオンパケットは、前記極値点と前記変曲点との間の時間の半分の時間までに前記マスフィルタ領域を出る、請求項15に記載の方法。
  17. 前記極値点は−π/2の位相において最小値であり、前記イオンは正イオンである、請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記極値点は+π/2の位相において最大値であり、前記イオンは負イオンである、請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。
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