JP5783939B2 - リン回収装置 - Google Patents

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Description

ここに記載する実施の形態は、下水や食品加工工場排水等に含まれるリンを回収して再資源化するためのリン回収装置に関する。
近時、世界的なリン鉱石資源の枯渇が懸念されているが、現状の日本はリン原料の100%を輸入に依存しているため、リン資源の枯渇対策が求められている。一方、下水道にはリン鉱石として輸入されるリンの約50 %に相当する量のリンが流入していると推定されているが、現状では有効利用されているのはそのうちの約10 %に過ぎない。また、リンは閉鎖性水域の富栄養化による環境汚染の原因物質となるため、下水中から積極的にリンを分離回収して再資源化するための技術が有効である。
下水の処理水に含まれたリンを回収する技術としては、ヒドロキシアパタイト(HAP)やリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)を用いる晶析法が実用化されている。
特開2010−214260号公報
エバラ時報No.227(2010-4)下水処理分野における晶析技術を利用したりん回収
しかしながら、晶析法によるリン回収技術においては、晶析反応を促進させるための薬剤がそれぞれ用いられる。例えばヒドロキシアパタイトを用いるHAP法では、下水二次処理水をリン回収の対象とする場合に、晶析反応を行うHAP生成装置の他に脱炭酸装置やカルシウム添加装置などの前処理装置が必要になる。とくにHAP法では、被処理水に含まれる炭酸がリンの晶析反応の大きな阻害要因となるため、脱炭酸装置において被処理水に硫酸を添加してエアを吹き込み、被処理水から炭酸を除去している。
このように晶析法では、前処理や精製を含めた複数の処理工程において種々の薬剤が用いられるため、処理全体として薬剤の消費量が多い。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、実質的に薬剤を用いることなく前処理・リン吸着・脱水を効率良く連続的に行い、吸着剤をリン含有資源として回収することができるリン回収装置を提供することを目的とする。
実施形態に係るリン回収装置は、(i)リンを含有する被処理水を供給するための被処理水供給ラインが上部に接続され、リンが分離された処理水を排出するための処理水排出ラインが下部に接続された脱炭酸塔と、(ii)前記脱炭酸塔内に2枚のろ布を平行に送り出す1対のろ布送給ドラムと、(iii)前記1対のろ布送給ドラムから送り出された2枚のろ布を巻き取る1対のろ布巻取ドラムと、(iv)無機層状化合物からなる粉末状のリン吸着剤が前記2枚のろ布の間に挟み込まれるように、前記リン吸着剤を前記2枚のろ布の相互間に供給するリン吸着剤供給装置と、(v)前記脱炭酸塔の上部に設けられ、前記被処理水供給ラインに連通し、前記被処理水供給ラインから供給される被処理水を前記2枚のろ布の間に挟み込まれたリン吸着剤に向けて散水し、これにより被処理水から炭酸成分を除去するとともに、被処理水中のリンを前記リン吸着剤に吸着させる散水管と、(vi)前記ろ布巻取ドラムの上流側に設けられ、前記2枚のろ布の間に挟み込まれたリン吸着剤を前記2枚のろ布ごとプレスし、リンを吸着した前記吸着剤を脱水する脱水機構と、(vii)脱水した前記リン吸着剤に吸着したままの状態でリンを回収する回収機構と、を具備することを特徴とする。
第1の実施形態のリン回収装置を示す構成ブロック図。 第2の実施形態のリン回収装置を示す構成ブロック図。
ここに記載する実施の形態を以下に説明する。
(1)実施形態のリン回収装置は、
(i)リンを含有する被処理水を供給するための被処理水供給ラインL1が上部に接続され、リンが分離された処理水を排出するための処理水排出ラインL2が下部に接続された脱炭酸塔3と、
(ii)前記脱炭酸塔内に2枚のろ布51,52を平行に送り出す1対のろ布送給ドラム41,42と、
(iii)前記1対のろ布送給ドラムから送り出された2枚のろ布を巻き取る1対のろ布巻取ドラム43,44と、
(iv)無機層状化合物からなる粉末状のリン吸着剤が前記2枚のろ布の間に挟み込まれるように、前記リン吸着剤を前記2枚のろ布の相互間に供給するリン吸着剤供給装置6と、
(v)前記脱炭酸塔の上部に設けられ、前記被処理水供給ラインに連通し、前記被処理水供給ラインから供給される被処理水を前記2枚のろ布の間に挟み込まれたリン吸着剤に向けて散水し、これにより被処理水から炭酸成分を除去するとともに、被処理水中のリンを前記リン吸着剤に吸着させる散水管31と、
(vi)前記ろ布巻取ドラムの上流側に設けられ、前記2枚のろ布の間に挟み込まれたリン吸着剤を前記2枚のろ布ごとプレスし、リンを吸着した前記吸着剤を脱水する脱水機構8と、
(vii)脱水した前記リン吸着剤に吸着したままの状態でリンを回収する回収機構9と、を有する。
ここに記載する実施形態のリン回収装置は、脱炭酸機能とリン吸着・脱水・回収機能とを兼ね備え、1つの装置においてリン吸着→脱水→回収の連続操作を行うようにしている。すなわち、リン回収装置は、脱炭酸塔において被処理水から炭酸を除去する一方で、同じ脱炭酸塔においてリン吸着剤によりリンを吸着し、リン吸着物を脱水し、脱水したリン吸着物を回収する。
実施形態のリン回収装置では、上方の散水管から下方のリン吸着剤に被処理水を散水してリン吸着剤にリンを吸着させているが、脱炭酸塔内にある程度の量の被処理水を貯留しておき、貯留した被処理水中に2枚のろ布間に挟み込まれたリン吸着剤が浸漬されるような行程を選択すると、リン吸着効率をさらに向上させることが可能である。
実施形態のリン回収装置では、リン吸着後の吸着剤を脱水し、リン含有資源として利用可能な脱水ケーキの形態で回収するため、リンをリン吸着剤から脱離するための薬剤を必要とせず、また、脱離したリンを晶析するための薬剤も必要としないという利点がある。
また、実施形態のリン回収装置では、リン成分脱離や吸着剤再生、リン成分の晶析回収といった多数のプロセス付与が不要となり、カルシウム添加装置のような前処理装置、リンを吸着剤から分離するための分離装置、および分離したリンを晶析させるための晶析反応装置が不要になるという利点がある。
(2)上記(1)において、リン吸着剤を挟み込んだ2枚のろ布を脱炭酸塔内で変曲させる複数のブライドルロールをさらに有することが好ましい(図2)。
この実施形態では、リン吸着剤を挟み込んだ2枚のろ布が脱炭酸塔内において順方向に所定距離だけ進んだところで、複数のブライドルロールのうちの第1のロールによりリン吸着剤を挟み込んだ2枚のろ布を変曲させ、ろ布の移動の向きを180°変え(順方向から逆方向に変え)、脱炭酸塔内においてろ布が逆方向に所定距離だけ戻ったところで、複数のブライドルロールのうちの第2のロールによりリン吸着剤を挟み込んだ2枚のろ布を変曲させ、脱炭酸塔内においてろ布の移動の向きを180°変え(逆方向から順方向に変え)、これにより脱炭酸塔内においてリン吸着剤を挟み込んだ2枚のろ布の行程が長くなり、2枚のろ布の間に挟み込まれたリン吸着剤と被処理水との接触が増大し、リンの吸着効率が向上する。
この場合に、第1のブライドルロール(第1の変曲点)の上流側のろ布より下流側のろ布のほうが上方に位置し、また第2のブライドルロール(第2の変曲点)の上流側のろ布より下流側のろ布のほうが上方に位置するように、第1及び第2のブライドルロールを脱炭酸塔内に配置することが望ましい(図2)。
このような配置とすることにより、上方から散布されるリン濃度の高い被処理水が吸着能の低下した下流側の吸着剤と接触し、リン濃度の低い被処理水が吸着能の低下していない上流側の吸着剤と接触するので、全体のリン吸着効率がバランス良く向上される。
(3)上記(1)または(2)のいずれかにおいて、脱炭酸塔が側部に通気口を有することが好ましい。
この実施形態では、通気口から脱炭酸塔内に取り込んだ外気が散水管から散水される被処理水と十分に接触して、被処理水から炭酸が効率よく除去される。
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかにおいて、無機層状化合物からなる粉末状のリン吸着剤としてハイドロタルサイト様物質を用いることが好ましい。
無機層状化合物にからなる粉末状のリン吸着剤としてハイドロタルサイト様物質を用いることができる。このハイドロタルサイト様物質は比重1を超え、比重2前後にあるカルシウム及び/又はマグネシウムを含む化合物である。その構造は無機層状を成す。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかにおいて、脱水機構は、2枚のろ布の間に挟み込まれたリン吸着物(リン吸着剤とそれに吸着されたリン成分)を両側からプレスする複数対の脱水プレスロールを有することが好ましい。
この実施形態では、脱炭酸塔を出た直後のリン吸着物を複数対の脱水プレスロールにより圧下量を段階的に上げていく多段プレスすることで、リン吸着物を十分に脱水することができる。脱水されたリン吸着物は、2枚のろ布の間に挟み込まれた状態で送られ、1対の巻取ドラムにより2枚のろ布が両面から剥ぎとられた後に、回収機構に回収される。
(6)上記(1)乃至(5)のいずれかにおいて、脱炭酸塔内に設けられ、リン吸着剤を挟み込んだ2枚のろ布を水平に案内するための複数対のガイドロールをさらに有することが好ましい。
この実施形態では、複数対のガイドロールは、脱炭酸塔内の適所に所定の相互ピッチ間隔に配置され、リン吸着剤を挟み込んだ2枚のろ布が脱炭酸塔内で垂れ下がらないように可動に支持し、案内する。
(7)上記(1)乃至(6)のいずれかにおいて、被処理水として下水の二次処理水が被処理水供給ラインを介して脱炭酸塔内に供給されることが好ましい。
ここに記載する実施形態のリン回収装置は、下水道や食品加工工場等の産業排水処理に用いられ、例えば活性汚泥法をはじめとする生物学的排水処理から排出される余剰汚泥の処理工程において、余剰汚泥の脱離液(二次処理水)の処理に利用される。
以下、添付の図面を参照して種々の好ましい実施の形態をそれぞれ説明する。
(第1の実施形態)
図1を参照して第1の実施形態のリン回収装置を説明する。
本実施形態のリン回収装置1は、下水処理場の付帯設備として設置され、生物処理槽の下流側に設けられた最終沈殿池2から送られてきた二次処理水(生物処理後の余剰汚泥からの脱離液)を脱炭酸塔3内にて散水し、炭酸を除去するとともにリン吸着剤に二次処理水に含まれるリン酸イオン(以下、単にリンという)を吸着させ、リン吸着物を脱水し、脱水したリン吸着物を回収するものである。すなわち、本実施形態では、生物学的水処理工程を経た後の汚泥処理工程から排出される汚泥脱離液(二次処理水)を被処理水とし、この被処理水から分離したリンをリン吸着剤に吸着した状態で脱水し、脱水物(リン吸着剤+吸着リン)をそのままの形態でリン回収物として回収するものである。ここでいう余剰汚泥の処理工程とは、汚泥濃縮や汚泥脱水工程、嫌気性消化処理の汚泥脱離液いずれであってもよい。また、被処理水は、下水処理の汚泥処理工程に適用した場合、被処理水の排水量や水質が安定していることから、計画的なリン回収に寄与することができるため、更に望ましい。
脱炭酸塔3の上部には被処理水供給ラインL1に接続された散水管31が取り付けられている。散水管31は、所定ピッチ間隔に開口する複数の孔を有し、ポンプP1を有するラインL1を介して最終沈殿池2の上部に接続されている。ポンプP1の駆動により最終沈殿池2から二次処理水が散水管31に供給され、脱炭酸塔3内の自由空間に上方から二次処理水が散水されるようになっている。
脱炭酸塔3の側部には複数の通気口32が形成されている。これらの通気口32は、脱炭酸塔3内の自由空間に十分な量の外気を取り込みうる大きさと数に設定されている。通気口32から脱炭酸塔3内に取り込んだ空気は散水された二次処理水と接触し、二次処理水に含まれる過飽和の遊離炭酸は空気に触れると水中から空気中へ揮散し、これにより二次処理水から炭酸が除去される。
脱炭酸塔3の底部には処理水排出ラインL2が接続されている。処理水排出ラインL2は、三方弁V2を介してドレインラインL3およびリターンラインL4の2つのラインにそれぞれ接続されている。ドレインラインL3は図示しない処理水タンクに接続されている。一方、リターンラインL4は、循環ポンプP2を有し、三方弁V1を介して被処理水供給ラインL1に接続されている。2つの三方弁V1,V2を切り替え、循環ポンプP2を起動させると、処理水がラインL1に戻され、戻された処理水が被処理水と混合された状態で散水管31に供給され、脱炭酸塔3の自由空間に再び散水されるようになっている。すなわち、被処理水(及び処理水)は、供給ラインL1→散水管31→脱炭酸塔3の自由空間→排出ラインL2→三方弁V2→リターンラインL4→三方弁V1→供給ラインL1からなるループ状回路において循環させることができるようになっている。また、ポンプP1,P2および三方弁V1,V2の動作が図示しない制御器により制御されることにより、各ラインL1〜L4を通る流量と圧力が最適制御されるようになっている。
2枚のろ布51,52が、上下1対の送給ドラム41,42からそれぞれ送り出され、脱炭酸塔3内の下部スペースを通過し、上下1対の巻取ドラム43,44にそれぞれ巻き取られるようになっている。脱炭酸塔3の下部の両側部には搬入口と搬出口がそれぞれ形成されており、2枚のろ布51,52は搬入口から脱炭酸塔3内に入り、搬出口から出ていくようになっている。なお、送給ドラム41,42および巻取ドラム43,44は、平行かつ水平に移動される2枚のろ布51,52が撓まないように、ろ布51,52に所望の張力がそれぞれ生じるように図示しない制御器により高精度かつ高応答に制御されるようになっている。
リン吸着剤供給装置6が下側の送給ドラム41の上方に設けられ、送給ドラム41から送り出された直後の下側のろ布51の上にリン吸着剤供給装置6から粉末状のリン吸着剤61が供給されるようになっている。リン吸着剤供給装置6は、図示しない制御器により制御される調整弁を有し、リン吸着剤61の供給量を高精度に調整できるようになっている。これにより下側のろ布51の上に所望厚みのリン吸着剤層が形成され、この上に上側の送給ドラム42から上側のろ布52が被さるように連続送給され、その結果として2枚のろ布51,52の間にリン吸着剤61が挟み込まれた層状構造が連続的に形成されるようになっている。
2枚のろ布51,52にリン吸着剤61が挟み込まれた層状構造が通過するためのパスラインの上下には多数のガイドロール7が配置されている。これらのガイドロール7により前記層状構造がパスラインから逸脱しないように誘導案内されるようになっている。なお、ガイドロール7は、脱炭酸塔3の内部ばかりでなく、脱炭酸塔3の外部にも設置されている。
2枚のろ布51,52は、強度と剥離性を備えたものであれば、不織布のような繊維質シートであってもよいし、延伸された樹脂フィルムであってもよい。本実施形態では上側のろ布52のほうが目が粗く、下側のろ布51は目が細かいものを用いた。しかし、これのみに限定されるべきではなく、上下のろ布51,52に同じ目の粗さのものを用いてもよい。
リン吸着剤61には、無機層状化合物にからなる粉末状または粒状のハイドロタルサイト様物質を用いることが好ましい。ハイドロタルサイト様物質は比重1を超え、比重2前後にあるカルシウム及び/又はマグネシウムを含む化合物であり、その構造は無機層状を成している。ここで、ハイドロタルサイト様物質を構成する金属イオン分については、アルカリ土類等の2価の金属イオンと3価の金属イオンの複合形態を利用することができるが、リン資源として再利用できる形態である元素から、任意に選定すればよく、ここでは種類や含有比率、製造方法等は限定は無く、公知の手法から選定する。
脱水機構としての複数対の脱水プレスロール8が脱炭酸塔3の外部パスラインの上下に配置され、脱炭酸塔3の搬出口から出てくる上記層状構造に多段のプレス圧力を印可して該層状構造中のリン吸着物を効率よく脱水するようになっている。すなわち、プレス圧力は、前段の脱水プレスロール8が最も小さく、中段の脱水プレスロール8がそれより大きく、後段の脱水プレスロール8が最も大きい。
脱水したリン吸着物(脱水ケーキ)から2枚のろ布51,52を円滑に剥ぎ取るために、巻取ドラム43,44の直ぐ上流側に小径のブライドルロールがそれぞれ取り付けられている。
回収機構としての回収容器9が層状構造のパスライン終端の下方に設置され、2枚のろ布51,52が剥ぎ取られた脱水ケーキ62が回収容器9に回収されるようになっている。
次に上記実施形態の作用を説明する。
最終沈殿池2から散水管31に供給される二次処理水は、例えば20〜140mg/リットル程度の有機リンを含んでいる。4つのドラム41,42,43,44およびリン吸着剤供給装置6の動作をそれぞれ制御し、上下2枚のろ布51,52間にリン吸着剤61が挟み込まれた層状構造を形成する。この層状構造を脱炭酸塔3の下部スペースへ連続的に送り、脱炭酸塔3の上部で空気と接触させて炭酸を除去した二次処理水を吸着剤61に浸透させてリンを吸着させる。このとき、被処理水(及び処理水)を供給ラインL1→散水管31→脱炭酸塔3の自由空間→排出ラインL2→三方弁V2→リターンラインL4→三方弁V1→供給ラインL1からなるループ状回路において循環させ、リン吸着効率を上昇させる。
脱炭酸塔3を出た直後のリン吸着物を複数対の脱水プレスロール8により圧下量を段階的に上げていく多段プレスすることで、リン吸着物を十分に脱水する。脱水されたリン吸着物は、2枚のろ布51,52の間に挟み込まれた状態で送られ、1対の巻取ドラム43,44により2枚のろ布51,52をそれぞれ剥ぎ取る。引き続き脱水ケーキ(リン吸着物)を回収容器9に回収する。二次処理水はろ布51,52を通してリン吸着剤61と接触するので、二次処理水に含まれる固形分がろ布で分離され、不純物の少ないリン吸着物を回収できる。回収されたリン吸着物は、無機化合物とリンからなるため、そのまま肥料として使用できる。
このようにしてリン回収装置1では、脱炭酸塔3において被処理水から炭酸を除去する一方で、同じ脱炭酸塔3においてリン吸着剤61によりリンを吸着し、リン吸着物を脱水し、脱水したリン吸着物を回収することができる。
(第2の実施形態)
次に図2を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。なお、本実施形態を説明するにあたり、本実施形態が上記の実施形態と重複する部分の説明を省略するか又は簡略化する。
第2実施形態の水処理装置1Aでは、2枚のろ布51,52間にリン吸着剤61を挟み込んだ層状構造を脱炭酸塔3内で変曲させる2つのブライドルロール11をさらに有している。
本実施形態の装置1Aでは、層状構造が脱炭酸塔3内において順方向に所定距離だけ進んだところで、第1のブライドルロール11により層状構造を変曲させ、層状構造の移動の向きを180°変え(順方向から逆方向に変え)、脱炭酸塔3内において層状構造が逆方向に所定距離だけ戻ったところで、第2のブライドルロール11により層状構造を変曲させ、脱炭酸塔3内において層状構造の移動の向きを180°変え(逆方向から順方向に変え)、これにより脱炭酸塔3内においてリン吸着剤を含む層状構造の行程が長くなり、2枚のろ布の間に挟み込まれたリン吸着剤と被処理水との接触が増大し、リンの吸着効率が向上する。
この場合に、第1のブライドルロール11(第1の変曲点)の上流側のろ布より下流側のろ布のほうが上方に位置し、また第2のブライドルロール11(第2の変曲点)の上流側のろ布より下流側のろ布のほうが上方に位置するように、第1及び第2のブライドルロール11を脱炭酸塔3内に配置することが望ましい。
このような配置とすることにより、上方から散布されるリン濃度の高い被処理水が吸着能の低下した下流側の吸着剤と接触し、リン濃度の低い被処理水が吸着能の低下していない上流側の吸着剤と接触するので、全体のリン吸着効率がバランス良く向上し、システム全体として効率的にリン回収処理を行うことができる。
上述した実施形態によれば、無機層状化合物に由来する粉末状のリン吸着剤を用いて下水二次処理水のリンを吸着・回収することができる。特に、脱炭酸塔と可動式のろ布を組み合わせることにより、薬剤を用いることなく前処理・リン吸着・脱水を効率良く連続的に行い、吸着剤をリン含有資源として回収することができる。
上述の実施形態によれば、リン吸着剤に吸着したままの状態で利用可能な形態でリンを回収でき、例えば肥料として回収したリンを吸着剤ごと耕作地に投肥することができる。
1,1A…リン回収装置、
2…最終沈殿池、
3…脱炭酸塔、31…散水管、32…通気口、
41,43…ろ布送給ドラム、42,44…ろ布巻取ドラム、
51,52…ろ布、
6…リン吸着剤供給装置、
61…リン吸着剤、62…脱水ケーキ(回収リン+リン吸着剤)、
7…ガイドロール、
8…脱水プレスロール(脱水機構)、
9…脱水ケーキ回収容器(回収機構)、
11…ブライドルロール、
P1,P2…ポンプ、V1,V2…三方弁、
L1…被処理水供給ライン、
L2…処理水排出ライン、
L3…ドレインライン、
L4…リターンライン。

Claims (7)

  1. リンを含有する被処理水を供給するための被処理水供給ラインが上部に接続され、リンが分離された処理水を排出するための処理水排出ラインが下部に接続された脱炭酸塔と、
    前記脱炭酸塔内に2枚のろ布を平行に送り出す1対のろ布送給ドラムと、
    前記1対のろ布送給ドラムから送り出された2枚のろ布を巻き取る1対のろ布巻取ドラムと、
    無機層状化合物からなる粉末状のリン吸着剤が前記2枚のろ布の間に挟み込まれるように、前記リン吸着剤を前記2枚のろ布の相互間に供給するリン吸着剤供給装置と、
    前記脱炭酸塔の上部に設けられ、前記被処理水供給ラインに連通し、前記被処理水供給ラインから供給される被処理水を前記2枚のろ布の間に挟み込まれたリン吸着剤に向けて散水し、これにより被処理水から炭酸成分を除去するとともに、被処理水中のリンを前記リン吸着剤に吸着させる散水管と、
    前記ろ布巻取ドラムの上流側に設けられ、前記2枚のろ布の間に挟み込まれたリン吸着剤を前記2枚のろ布ごとプレスし、リンを吸着した前記吸着剤を脱水する脱水機構と、
    脱水した前記リン吸着剤に吸着したままの状態でリンを回収する回収機構と、
    を具備することを特徴とするリン回収装置。
  2. 前記リン吸着剤を挟み込んだ2枚のろ布を前記脱炭酸塔内で変曲させる複数のブライドルロールをさらに有することを特徴とする請求項1記載の装置。
  3. 前記脱炭酸塔が側部に通気口を有することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載の装置。
  4. 前記無機層状化合物からなる粉末状のリン吸着剤としてハイドロタルサイト様物質を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の装置。
  5. 前記脱水機構は、前記2枚のろ布の間に挟み込まれたリン吸着物を両側からプレスする複数対の脱水プレスロールを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の装置。
  6. 前記脱炭酸塔内に設けられ、前記リン吸着剤を挟み込んだ2枚のろ布を水平に案内するための複数対のガイドロールをさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の装置。
  7. 前記被処理水として下水の二次処理水が前記被処理水供給ラインを介して前記脱炭酸塔内に供給されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の装置。
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