JP5782885B2 - マイクロ波加熱による金属微粒子の製造 - Google Patents
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Description
(1)金属酸化物または金属水酸化物を分散した有機溶媒にマイクロ波を照射して加熱することにより平均粒径が10nm以下の金属微粒子を製造する方法であって、該有機溶媒中に、酸性化合物または塩基性化合物、および有機修飾剤が含有されており、該酸性物質が、硝酸、塩酸またはその混合物から選ばれ、該塩基性化合物が、イミダゾール化合物から選ばれ、該有機修飾剤が、炭素数8以上の脂肪酸またはアミン化合物から選ばれることを特徴とする金属微粒子の製造方法。
(2)金属酸化物または金属水酸化物が、金、白金、パラジウム、銀、銅、ニッケル、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、イリジウムから選ばれた1種またはそれ以上の金属からなる上記(1)に記載の金属微粒子の製造方法。
(3)上記有機溶媒中に酸性化合物を添加し反応温度以下で加熱してエージング処理した後に反応温度にまで昇温させる上記(1)または(2)に記載の金属微粒子の製造方法。
(4)上記有機溶媒中に塩基性物質を添加し反応温度に加熱する上記(1)から(3)のいずれかに記載の金属微粒子の製造方法。
(5)金属酸化物または金属水酸化物を分散した有機溶媒にマイクロ波を直接照射する上記(1)から(4)のいずれかに記載の金属微粒子の製造方法。
(1)金属微粒子の製造原料として、入手が容易な金属酸化物あるいは金属水酸化物を利用することができる。
(2)従来のオイルバス加熱などの間接加熱では、数時間以上の反応時間を要したが、短時間で金属微粒子が製造できる。さらに、従来のマイクロ波加熱では金属微粒子が製造できなかった反応条件での製造が可能となる。
(3)単分散性で約10nm以下のナノサイズ金属微粒子を収率よく製造することができる。
(4)反応時における反応容器の破損、損傷などの問題が解消される。
本発明は、従来法では金属微粒子が生成しない反応条件下にあっても、有機溶媒中に酸性化合物または塩基性化合物を共存させることにより金属微粒子を製造することができることを見出したことに基づくものである。
本発明における酸性化合物の特異な作用効果は以下のことから確認される。
例えば、白金のナノ微粒子を製造する本発明の反応系には、原料の酸化白金と王水が存在し、王水には酸化白金が溶解するものの、王水は少量であるから酸化白金が完全に溶解するには不十分であること、また、白金の王水溶解物である塩化白金酸を原料とするマイクロ波加熱では白金微粒子を製造することはできなかったことを考慮すると、王水はある種の触媒的性能を発揮していると考えられる。このことは、さらに、塩化白金酸は橙色をしているにもかかわらず本発明の反応系は黒色(酸化白金の色)のままで反応が進行する、王水などの酸性化合物の存在がなければ白金ナノ微粒子の製造はできないことにより裏づけられる。
また、酸化銀からの銀微粒子の製造においては、イミダゾールなどの塩基性化合物が共存することが好ましい。
[原料金属酸化物、金属水酸化物]
本発明の微粒子の製造方法は、少なくとも1種またはそれ以上の金属酸化物または水酸化物を有機溶媒中に分散させた溶液を用いる。上記金属元素の種類は特に限定されることはなく、金属微粒子を構成する所望の金属の種類に応じていかなる種類のものをも単独で、また組み合わせて使用することができる。生成する金属微粒子の粒径は約10nm以下であり、その収率は80から100%を達成することができる。
例えば、微粒子を構成する金属が銀の場合はAg2O、白金の場合はPtO2・nH2O、金の場合はAu2O3・nH2O、亜鉛の場合はZn(OH)2、ニッケルの場合はNi(OH)2 、銅の場合はCu(OH)2などを原料として用いることができる。その他、微粒子を構成する金属元素としては、例えば、銀、金、インジウム、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、白金、銅、ニッケル、亜鉛などそれぞれの酸化物、水酸化物を単独または複数組み合わせて用いることができる。また、それらの金属酸化物、水酸化物はその製造方法や履歴などには関係なく本発明に原料として利用できる。これらの原料としての金属酸化物または水酸化物は、その反応性、生成する金属微粒子の粒径などを考慮すると、その粒径が40から80μmであることが好適であり、その有機溶媒中での金属濃度は0.001〜10モル/lが好ましい。さらに好ましくは、0.01〜1モル/lの範囲である。金属酸化物の濃度が低すぎると生産量が少なくなり経済的ではなく、高濃度になると還元反応が不十分となり、また、生成した金属微粒子の凝集が起こる可能性が大きくなるため好ましくない。
金属酸化物の有機溶媒分散液には酸性化合物が共存することが必要であり、酸性化合物の存在がなければ比較例1に示すように金属微粒子は得られない。酸性化合物が共存することで、例えば、図1にみられるように凝集することなく分散したナノ微粒子が得られ、その粒度分布は図4にみられるように単分散とすることができる。
酸性化合物としては酸性を示す物質であればいずれのものも使用可能であるが、例えば、硝酸、塩酸、その混合物、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸などを挙げることができる。上述したように、酸性化合物は触媒的作用効果を示すものと考えられるから必要な量は多くはない。酸性化合物が必要とされる量は、金属酸化物1モルに対して0.01〜100モルの範囲である。さらに好ましくは、0.1〜10モルの範囲である。酸性化合物の量が下限より少なくなると金属微粒子の生成が困難となり、上限を超えると微粒子の生成が困難となるとともに、生成した金属微粒子が酸性化合物により汚染されることがあるため、その用途が限定されることがあり好ましくない。酸性化合物の添加時期は、少なくとも最終反応温度に保持している期間は共存するように調整される。
金属酸化物の有機溶媒分散液には塩基性化合物が共存することが必要であり、塩基性化合物の存在がなければ金属微粒子の収率は著しく低下する。 塩基性化合物としては塩基性を示す物質であればいずれのものも使用可能であるが、例えば、イミダゾール化合物、ピリジン化合物、ピリミジン化合物、ピラジン化合物、ピリダジン化合物などを挙げることができる。塩基性化合物が必要とされる量は、金属酸化物1モルに対して0.01〜10.0モルの範囲である。さらに好ましくは、0.1〜5.0モルの範囲である。金属酸化物分散液中にこの範囲内の塩基性化合物が共存することにより金属ナノ微粒子を製造することが好ましい。
金属酸化物または金属水酸化物は溶媒中で還元されて微粒子状の金属に変換されるが、有機溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセリン、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノール、ペンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノールや1-オクタノールなどのアルコール類、1,3,5-トリメチルベンゼン、1,2,4-トリメチルベンゼン、1,3,4-トリメチルベンゼ、1,2,4,5-テトラメチルベンゼン、1-プロピルベンゼン、1-ブチルベンゼン、2-ブチルベンゼン、2-メチル-1-プロピルベンゼン、2-メチル-2-プロピルベンゼンなどの芳香族化合物、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミドなどの単独または混合物が例示される。
有機修飾剤は、生成した金属微粒子の凝集力を抑制し安定な一次粒子の形成に寄与するものであるが、他に生成後の粒子の酸化を防止する機能をも有する。有機修飾剤は金属微粒子からすると不純物であるからその使用量は必要最小限にすることが好ましい。
有機修飾剤としては炭素数が8以上の高級脂肪酸類やアミン化合物が用いられる。例えば、カプリン酸(C=10)、ラウリン酸(C=12)、ミリスチン酸(C=14)、パルミチン酸(C=16)、ステアリン酸(C=18)などの飽和脂肪酸、オレイン酸(C=18、二重結合1個)、リノール酸(C=18、二重結合2個)、リノレン酸(C=18、二重結合3個)などの不飽和脂肪酸、分岐状脂肪酸(C=16、主鎖側の炭素数が9)、他に環状脂肪酸、ヒドロキシル脂肪酸などが挙げられる。これらのなかでも、飽和脂肪酸が好適である。
アミン化合物を有機修飾剤とする場合は、金属酸化物または金属水酸化物に対し等モル量以上とすることが好ましく、ナノ粒子の精製時に過剰なアミンは回収することができる。
反応系を、最終の反応温度に維持している期間中有機修飾剤は金属原料と共存していることが好ましい。最終の反応温度に維持する前に、エージング処理工程を行う場合には、エージング処理以後に反応系に有機修飾剤を添加することが好ましい。
本発明における還元反応が進行する温度範囲は、140℃から240℃が好適であり、更に好適には、140℃から195℃の温度範囲を挙げることができる。反応温度が低いと、還元反応が生起したとしても反応速度が遅く経済的ではない。また、反応温度は混合溶媒の沸点によって上限は制限される。反応系は、減圧、常圧、加圧のいずれでもよく必要に応じて選択することができる。
反応温度は、1段階加熱または複数段階加熱のいずれかが採用される。1段階加熱であれば、反応温度を140℃から240℃に保つことにより実施され、複数段加熱であれば、最終反応温度よりも低い温度に一旦昇温しその温度で保持(エージング)する、次いで最終の反応温度にまで昇温し保持することにより反応を完結する。こうしたエージング処理により、ナノ微粒子の製造において酸化物または水酸化物表面を活性化し、収率が向上する利点がある。
例えば、銀のナノ微粒子の製造では、有機溶媒中に塩基性物質を添加した後一度に反応温度まで昇温することにより製造することができる。金や白金のナノ微粒子の製造では、反応系を最終反応温度よりも低い温度に一旦昇温しその温度(一段階の温度)で保持した後に有機修飾剤を添加して最終の反応温度にまで昇温し保持することにより反応を完結することが好ましい。こうしたエージング処理の温度は、例えば、室温〜120℃の温度範囲とすることが好適である。
本発明で使用されるマイクロ波照射装置は、容器内に収納された金属酸化物を含む有機溶媒を所定の温度に加熱させることができるものであればいずれの装置でも差し支えないが、例えば、四国計測工業株式会社製のキャビティ型マイクロ波反応装置(SMW−107)などにより、ガラス製の容器内で金属微粒子の生成反応を実施することができる。特に、金属微粒子を製造する際に起こることがある容器の破損問題を解決するには、反応の遂行全般にわたり、金属酸化物を含有する混合溶媒にのみ常にマイクロ波を照射することが重要である。
例えば、マイクロ波発生装置1、該マイクロ波発生装置から照射されるマイクロ波の照射領域内に設置されたマイクロ波透過材料からなる容器3、マイクロ波遮蔽部材5を有し、該マイクロ波遮蔽部材5が容器3内で金属酸化物または金属水酸化物を分散した有機溶媒(反応液)4が収納されていない空間部を覆うように設置されているマイクロ波発生装置が好適に用いられる。容器内の空間部を覆うように設置されたマイクロ波遮蔽部材5(スカート部)は容器内壁に付着し取り残された金属微粒子にはマイクロ波が照射されないように遮蔽して過加熱による容器の破損を防止する。
また、マイクロ波発生装置、該マイクロ波発生装置から照射されるマイクロ波の照射領域内に設置された容器からなり、容器内の金属酸化物または金属水酸化物を分散した有機溶媒(反応液)が収納されている部分に対応する該容器壁にのみをマイクロ波透過材料から形成する装置により同様の照射効果を得ることができる。
還流管を取り付けた100mLの三ツ口フラスコに酸化白金(PtO2・nH2O)1.5g(キシダ化学)、デカン酸0.765g、王水0.12gを1−ヘキサノール17.92gと1,3,5−トリメチルベンゼン6.25gの混合溶液に添加した。この懸濁液に四国計測工業株式会社製キャビティ型マイクロ波反応装置(SMW107)を用いて、マイクロ波(2.45GHz)を照射し、35℃/ minの昇温速度で110℃まで昇温し、30分間エージングした後、マイクロ波を一旦停止し、7.92gのオレイルアミンを添加した。さらに、110℃、30分間エージングを行った後、35℃/minの昇温速度で152℃まで昇温し、10分間保持した。加熱の間、マグネチックスターラで撹拌を行い、反応温度はANRITSU製光ファイバー温度計(FL2000)のファイバープローブを懸濁液中に浸漬することで計測・制御を行った。濾過・精製後、800℃での強熱減量からナノサイズの白金微粒子が1.2g生成し、収率は91%であることが確認された。生成物はヘキサンに分散し、透過型電子顕微鏡観察を行った。1%(W/W)に調整した白金微粒子をDLS(動的光散乱法)により粒径分布を計測した結果、平均粒径8.6nmの白金微粒子が生成していることが確認された。透過型電子顕微鏡写真を図1に、白金微粒子の粒径分布を図4に示す。
還流管を取り付けた100mLの三ツ口フラスコに三酸化二金(Au2O3・nH2O)0.576g(添川理化学)、王水0.2gをジメチルスルホキシド(DMSO)35.84gと1,3,5−トリメチルベンゼン12.5gの混合溶液に添加した。この懸濁液に四国計測工業株式会社製キャビティ型マイクロ波反応装置(SMW107)を用いて、マイクロ波(2.45GHz)を照射しながら、35℃/ minの昇温速度で50℃まで昇温し、30分間エージングした。マイクロ波を一旦停止し、17.4gのオレイルアミンを添加した後、直ちにマイクロ波加熱により70℃/minの昇温速度で140℃まで昇温し、水浴で急冷した。加熱の間、マグネチックスターラで撹拌を行い、反応温度はANRITSU製光ファイバー温度計(FL2000)のファイバープローブを懸濁液中に浸漬することで計測・制御を行った。濾過・精製後、800℃での強熱減量からナノサイズの金微粒子が0.45g生成し、収率は94%であることが確認された。生成物はヘキサンに分散し、透過型電子顕微鏡観察を行った。1%(W/W)に調整した金微粒子をDLS(動的光散乱法)により粒径分布を計測した結果、平均粒径7.9nmの金微粒子が生成していることが確認された。透過型電子顕微鏡写真を図2に、ナノ微粒子の粒径分布を図5に示す。
還流管を取り付けた1Lのセパラブル容器に、1−ヘキサノール89.4g、1,3,5−トリメチルベンゼン30.4gの混合溶媒を加えた後、酸化銀9g(東洋化学工業)、ミリスチン酸(C13H27COOH)9g、ヘプタデシルイミダゾール6gを添加し、分散した。この懸濁液に四国計測工業株式会社製キャビティ型マイクロ波反応装置(SMW107)を用いて、マイクロ波(2.45GHz)を照射し、反応温度を157℃まで30℃/minで昇温した。157℃到達後、10分間その温度を保持し,反応を終了した。加熱の間,メカニカル攪拌機で撹拌を行い、反応温度はANRITSU製光ファイバー温度計(FL2000)のファイバープローブを懸濁液中に浸漬することで計測・制御を行った。濾過・精製後、800℃での強熱減量からナノサイズの銀微粒子が8.0g生成し、収率は95%であることが確認された。生成物はヘキサンに分散し、透過型電子顕微鏡観察を行った結果、10%(W/W)に調整した銀微粒子をDLS(動的光散乱法)により粒径分布を計測した結果、平均粒径4.8nmの銀微粒子が生成していることが確認された。透過型電子顕微鏡写真を図3に、銀微粒子の粒径分布を図6に示す。
還流管を取り付けた100 mLの三ツ口フラスコに酸化白金(PtO2・nH2O)0.25 g(キシダ化学)、デカン酸1.68 g、塩酸0.08 gを1-ヘキサノール17.92 gと1,3,5-トリメチルベンゼン6.25 gの混合溶液に添加した。この懸濁液に四国計測工業株式会社製キャビティ型マイクロ波反応装置(SMW107)を用いて、マイクロ波(2.45GHz)を照射し、35℃/ minの昇温速度で110℃まで昇温し、30分間エージングした後、マイクロ波を一旦停止し、1.32gのオレイルアミンを添加した。さらに、110℃、30分間エージングを行った後、35℃/ minの昇温速度で152 ℃まで昇温し、10分間保持した。加熱の間、マグネチックスターラで撹拌を行い、反応温度はANRITSU製光ファイバー温度計(FL2000)のファイバープローブを懸濁液中に浸漬することで計測・制御を行った。濾過・精製後、800℃での強熱減量からナノサイズの白金微粒子が0.18g生成し、収率は87%であることが確認された。
本比較例では、実施例1おいて王水を使用しなかったところ、原料粉末のままで還元されナノサイズの微粒子は製造できなかった。以下に、試験方法を示す。
還流管を取り付けた100mLの三ツ口フラスコに酸化白金(PtO2・nH2O)1.5g(キシダ化学)、デカン酸0.765gを1−ヘキサノール17.92gと1,3,5−トリメチルベンゼン6.25gの混合溶液に添加した。この懸濁液に四国計測工業株式会社製キャビティ型マイクロ波反応装置(SMW107)を用いて、マイクロ波(2.45GHz)を照射し,35℃/ minの昇温速度で110℃まで昇温し、30分間エージングした後、マイクロ波を一旦停止し、7.92gのオレイルアミンを添加した。さらに110℃、30分間エージングを行った後、35℃/minの昇温速度で152℃まで昇温し、10分間保持したが、生成物はヘキサンに分散せず、ナノ粒子は得られなかった。加熱の間、マグネチックスターラで撹拌を行い、反応温度はANRITSU製光ファイバー(FL2000)のファイバープローブを懸濁液中に浸漬することで計測・制御を行った。
本比較例では、塩化白金酸(白金の王水溶解物)を金属原料化合物としたところ還元反応が起きなかった。以下に試験方法を示す。
使用還流管を取り付けた100mLの三ツ口フラスコに白金の王水溶解生成物である塩化白金酸(H2PtCl6・6H2O)1.5g、デカン酸0.765gを1−ヘキサノール17.92gと1,3,5−トリメチルベンゼン6.25gの混合溶液に添加した。この懸濁液に四国計測工業株式会社製キャビティ型マイクロ波反応装置(SMW107)を用いて、マイクロ波(2.45GHz)を照射し、35 ℃/minの昇温速度で110℃まで昇温し、30分間エージングした後、マイクロ波を一旦停止し、7.92gのオレイルアミンを添加した。さらに110℃、30分間エージングを行った後、35℃/minの昇温速度で152℃まで昇温し、10分間保持したが、白金イオンは還元せず、ナノ粒子は得られなかった。加熱の間,マグネチックスターラで撹拌を行い、反応温度はANRITSU製光ファイバー温度計(FL2000)のファイバープローブを懸濁液中に浸漬することで計測・制御を行った。
2:マイクロ波導波管
3:反応容器
4:反応液
5:マイクロ波遮蔽部材(スカート)
6:マイクロ波漏洩防止部材
7:マイクロ波透過材料
Claims (5)
- 金属酸化物または金属水酸化物を分散した有機溶媒にマイクロ波を照射して加熱することにより平均粒径が10nm以下の金属微粒子を製造する方法であって、該有機溶媒中に、酸性化合物または塩基性化合物、および有機修飾剤が含有されており、該酸性物質が、硝酸、塩酸またはその混合物から選ばれ、該塩基性化合物が、イミダゾール化合物から選ばれ、該有機修飾剤が、炭素数8以上の脂肪酸またはアミン化合物から選ばれることを特徴とする金属微粒子の製造方法。
- 金属酸化物または金属水酸化物が、金、白金、パラジウム、銀、銅、ニッケル、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、イリジウムから選ばれた1種またはそれ以上の金属からなる請求項1に記載の金属微粒子の製造方法。
- 上記有機溶媒中に酸性化合物を添加し反応温度以下で加熱してエージング処理した後に反応温度にまで昇温させる請求項1または2に記載の金属微粒子の製造方法。
- 上記有機溶媒中に塩基性物質を添加し反応温度に加熱する請求項1から3のいずれかに記載の金属微粒子の製造方法。
- 金属酸化物または金属水酸化物を分散した有機溶媒にマイクロ波を直接照射する請求項1から4のいずれかに記載の金属微粒子の製造方法。
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