JP5782590B2 - 生体反応記録装置 - Google Patents
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らない。
る。
(社)日本臨床衛生検査技師会発行:"心電図・心機図検査の実際"(1996年11月1日2刷発行),第212頁、222頁
たとえば、測定用マイクロフォンを胸部につける位置が正しくないと波形が変わってしまうことは当然であるがこのほかに、検出された圧力センサーのデータ処理における測定者が設定する時定数によって波形が変わってしまう問題など多くの課題を解決して得られた心尖拍動図でなければ診断に役立たない。
請求項1に記載の生体反応記録装置は、生体の心尖拍動図を作成することができる測定値を圧力変化及び/あるいは波動の反射の測定結果として検出することができる新規の生体反応記録装置であって、前記生体反応記録装置は、少なくとも1つの前記拍動の検出部位の動きを、圧力変化として測定することができる圧力センサー及び/あるいは波動の反射を利用して測定する反射検出センサーと測定された信号等の増幅手段と測定されたデータを基に生体反応情報(以下、生体情報ともいう)を検出することができる演算処理部等のデータ処理手段と測定されたデータの少なくとも主要部分とデータ処理手段を用いて検出された生体情報あるいはデータ処理手段を用いて処理された情報あるいは処理途中の情報などのデータのうちの少なくとも一方を記憶することができる記憶手段(以下、データ処理手段を用いて検出された生体情報あるいはデータ処理手段を用いて処理された情報あるいは処理途中の情報などのデータを検出データともいう)と表示手段を有しているとともに、前記圧力センサー及び/あるいは反射検出センサーは測定部位の複数箇所の測定データを区別して測定することができる複数の検出センサーから構成されており、前記圧力センサー及び/あるいは反射検出センサーは前記測定する1つの拍動に関して生体の圧力及び/あるいは反射情報をそれぞれ測定することができ、前記記憶手段は前記複数箇所の測定データの少なくとも主要部分と前記検出データの少なくとも一方を記憶することができることを特徴とする生体反応記録装置において、
心尖拍動図に関する特徴点を、1拍動期間において、心音図から2音(大動脈弁閉鎖音)を同定し、心尖拍動図波形において、時間軸(横軸)方向で、2音より前に存在し、2音との間隔が50msec未満の2音に最も近い陽性極値をS点とし、心電図のQRS波の頂点付近に陰性極値が存在するときはその陰性極値点をC点とし、心電図のQRS波の頂点付近に陰性極値がない場合は、心電図のRから垂線を下ろし、その垂線と心尖拍動図波形が交わった点をC点とし、左房収縮による陽性波であるA波の陽性極値をA点とし、A波が陽性極値を持たず、持続的に上昇し、後述のC点にまで至る場合は、C点をA点とみなすものとし、C点から150msec未満後の陽性極値をE点とし、E点もS点も存在しないときにC点から150msec以上遅れて、かつ、心音図の2音から50msec以上前に存在する陽性極値をP点とし、2音から50msec以上後で、心尖拍動図の最初の陰性極値をO点とし、O点から後に存在し、O点から150msec未満の最初の陽性極値をF点とし、左房収縮による陽性波をA波とし、左室収縮期波をE波とし、急速流入波をF波とし、心尖拍動図の一次微分波形におけるA波、E波およびF波の陽性ピーク値をそれぞれa点、e点、f点としたとき、心尖拍動図波形の振幅軸(縦軸)を最小値を0ポイント,最大値を1000ポイントに正規化した状態において、
前記生体反応記録装置は、前記特徴点の少なくとも1つの存在有無を判定する手段を有しているとともに、さらに、
A点の高さが300ポイント未満であるか300ポイント以上であるかを判定する判定手段と、
C点の高さが300ポイント未満であるか300ポイント以上であるかを判定する判定手段と、
a点の高さがe点の4分の1未満であるか、4分の1以上で、かつ、2分の1未満であるか、2分の1以上であるかを判定する判定手段と、
F点の高さが50ポイント未満であるか、50ポイント以上で、かつ、200ポイント未満であるか、200ポイント以上であるかを判定する判定手段と、
f点の高さがe点の2分の1未満であるか、2分の1以上で、かつ、3分の2未満であるか、3分の2以上であるかを判定する判定手段と、
F波にオーバーシュートがあるか否かを判定する判定手段のうちの少なくとも一つの判定手段を有していることを特徴とする生体反応記録装置である。
請求項2に記載の生体反応記録装置は、生体の心尖拍動図を作成することができる測定値を圧力変化及び/あるいは波動の反射の測定結果として検出することができる新規の生体反応記録装置であって、前記生体反応記録装置は、少なくとも1つの前記拍動の検出部位の動きを、圧力変化として測定することができる圧力センサー及び/あるいは波動の反射を利用して測定する反射検出センサーと測定された信号等の増幅手段と測定されたデータを基に生体反応情報(以下、生体情報ともいう)を検出することができる演算処理部等のデータ処理手段と測定されたデータの少なくとも主要部分とデータ処理手段を用いて検出された生体情報あるいはデータ処理手段を用いて処理された情報あるいは処理途中の情報などのデータのうちの少なくとも一方を記憶することができる記憶手段(以下、データ処理手段を用いて検出された生体情報あるいはデータ処理手段を用いて処理された情報あるいは処理途中の情報などのデータを検出データともいう)と表示手段を有しているとともに、前記圧力センサー及び/あるいは反射検出センサーは測定部位の複数箇所の測定データを区別して測定することができる複数の検出センサーから構成されており、前記圧力センサー及び/あるいは反射検出センサーは前記測定する1つの拍動に関して生体の圧力及び/あるいは反射情報をそれぞれ測定することができ、前記記憶手段は前記複数箇所の測定データの少なくとも主要部分と前記検出データの少なくとも一方を記憶することができることを特徴とする生体反応記録装置において、
前記生体反応記録装置は前記特徴点の少なくとも2つの存在有無を判定する手段を有しているとともに、前記センサーの測定データとその処理データの少なくとも一方から雑音を除去する雑音処理手段をを有していることを特徴とする生体反応記録装置である。
請求項3に記載の生体反応記録装置は、生体の心尖拍動図を作成することができる測定値を圧力変化及び/あるいは波動の反射の測定結果として検出することができる新規の生体反応記録装置であって、前記生体反応記録装置は、少なくとも1つの前記拍動の検出部位の動きを、圧力変化として測定することができる圧力センサー及び/あるいは波動の反射を利用して測定する反射検出センサーと測定された信号等の増幅手段と測定されたデータを基に生体反応情報(以下、生体情報ともいう)を検出することができる演算処理部等のデータ処理手段と測定されたデータの少なくとも主要部分とデータ処理手段を用いて検出された生体情報あるいはデータ処理手段を用いて処理された情報あるいは処理途中の情報などのデータのうちの少なくとも一方を記憶することができる記憶手段(以下、データ処理手段を用いて検出された生体情報あるいはデータ処理手段を用いて処理された情報あるいは処理途中の情報などのデータを検出データともいう)と表示手段を有しているとともに、前記圧力センサー及び/あるいは反射検出センサーは測定部位の複数箇所の測定データを区別して測定することができる複数の検出センサーから構成されており、前記圧力センサー及び/あるいは反射検出センサーは前記測定する1つの拍動に関して生体の圧力及び/あるいは反射情報をそれぞれ測定することができ、前記記憶手段は前記複数箇所の測定データの少なくとも主要部分と前記検出データの少なくとも一方を記憶することができることを特徴とする生体反応記録装置において、
前記生体反応記録装置は前記特徴点の少なくとも2つの存在有無を判定する手段を有しているとともに、
測定されたデータの少なくとも主要部分からデータ処理手段を用いて検出された生体情報あるいはデータ処理手段を用いて処理された情報あるいは処理途中の情報などのデータ(以下、データ処理手段を用いて検出された生体情報あるいはデータ処理手段を用いて処理された情報あるいは処理途中の情報などのデータを検出データという)と対比する参照データを有していることを特徴とする生体反応記録装置である。
請求項4に記載の生体反応記録装置は、請求項3に記載の生体反応記録装置において、前記参照データを生体反応記録装置の外部から入力することができることを特徴とする生体反応記録装置である。
請求項5に記載の生体反応記録装置は、請求項3に記載の生体反応記録装置において、前記参照データを変更する手段を有していることを特徴とする生体反応記録装置である。
請求項6に記載の生体反応記録装置は、生体の心尖拍動図を作成することができる測定値を圧力変化及び/あるいは波動の反射の測定結果として検出することができる新規の生体反応記録装置であって、前記生体反応記録装置は、少なくとも1つの前記拍動の検出部位の動きを、圧力変化として測定することができる圧力センサー及び/あるいは波動の反射を利用して測定する反射検出センサーと測定された信号等の増幅手段と測定されたデータを基に生体反応情報(以下、生体情報ともいう)を検出することができる演算処理部等のデータ処理手段と測定されたデータの少なくとも主要部分とデータ処理手段を用いて検出された生体情報あるいはデータ処理手段を用いて処理された情報あるいは処理途中の情報などのデータのうちの少なくとも一方を記憶することができる記憶手段(以下、データ処理手段を用いて検出された生体情報あるいはデータ処理手段を用いて処理された情報あるいは処理途中の情報などのデータを検出データともいう)と表示手段を有しているとともに、前記圧力センサー及び/あるいは反射検出センサーは測定部位の複数箇所の測定データを区別して測定することができる複数の検出センサーから構成されており、前記圧力センサー及び/あるいは反射検出センサーは前記測定する1つの拍動に関して生体の圧力及び/あるいは反射情報をそれぞれ測定することができ、前記記憶手段は前記複数箇所の測定データの少なくとも主要部分と前記検出データの少なくとも一方を記憶することができることを特徴とする生体反応記録装置において、
前記生体反応記録装置は前記特徴点の少なくとも2つの存在有無を判定する手段を有しているとともに、
パターンマッチング技術を利用して判断情報を生成するデータ処理手段を有していることを特徴とする生体反応記録装置である。
請求項7に記載の生体反応記録装置は、請求項1〜6のいずれかに記載の生体反応記録装置において、少なくとも1つの前記拍動の検出部位の動きの圧力変化として測定されたデータの信号処理において、前記センサーの測定データを処理する信号処理回路のフィルタの遮断周波数あるいは時定数をパラメータ(以下、パラメータ1ともいう)として、同一もしくは同種の前記センサーの測定データに対して前記パラメータ1の値を異なる値にして測定データの信号処理を行った結果を前記生体の健康状態の診断情報に利用することを特徴とする生体反応記録装置である。
請求項8に記載の生体反応記録装置は、請求項1〜7のいずれかに記載の生体反応記録装置において、前記センサーの少なくとも被測定生体に接触する部分の形状が変形可能な状態に形成されていることを特徴とする生体反応記録装置である。
請求項9に記載の生体反応記録装置は、請求項1〜8のいずれかに記載の生体反応記録装置において、前記センサーの少なくとも被測定生体に接触する部分がフレキシブルに形成されていることを特徴とする生体反応記録装置である。
請求項10に記載の生体反応記録装置は、請求項1〜9のいずれかに記載の生体反応記録装置において、前記生体反応記録装置は、前記センサーと被測定生体との間の接触圧力あるいは前記センサーを構成する少なくとも2つの各圧力検出素子もしくは各圧力検出部分と被測定生体との間の接触圧力の差の少なくとも一方を検出することができる接触圧検出手段を有していることを特徴とする生体反応記録装置である。
請求項11に記載の生体反応記録装置は、請求項9または10に記載の生体反応記録装置において、前記生体反応記録装置は、前記接触圧検出手段によって検出された接触圧力に対応して前記接触圧力を変える手段を有していることを特徴とする生体反応記録装置である。
請求項12に記載の生体反応記録装置は、請求項1〜11のいずれかに記載の生体反応記録装置において、前記生体反応記録装置は、前記センサーを被測定生体の測定部所での前記測定が可能な状態に被測定生体に装着する手段を有していることを特徴とする生体反応記録装置である。
請求項13に記載の生体反応記録装置は、請求項12に記載の生体反応記録装置において、前記センサーを被測定生体に装着する手段が吸引力を利用した手段であることを特徴とする生体反応記録装置である。
請求項14に記載の生体反応記録装置は、請求項12または13に記載の生体反応記録装置において、前記センサーを被測定生体に装着する手段が粘着力を利用した手段であることを特徴とする生体反応記録装置である。
請求項15に記載の生体反応記録装置は、請求項1〜14のいずれかに記載の生体反応記録装置において、前記生体反応記録装置は前記測定データと検出データと生体の健康状態の診断情報の少なくとも1つを、静止画と動画の少なくとも一方としてリアルタイムで呈示することができる記録装置であることを特徴とする生体反応記録装置である。
請求項16に記載の生体反応記録装置は、請求項1〜15のいずれかに記載の生体反応記録装置において、前記生体反応記録装置は同一生体と複数生体の少なくとも一方の統計データを記憶する統計データ記憶手段を有していることを特徴とする生体反応記録装置である。
請求項17に記載の生体反応記録装置は、請求項1〜16のいずれかに記載の生体反応記録装置において、前記心尖拍動図もしくはその測定データが被測定生体の心電図と心音図と外部から入力したデータのいずれかに同期していることを特徴とする生体反応記録装置である。
請求項18に記載の生体反応記録装置は、請求項1〜17のいずれかに記載の生体反応記録装置において、前記拍動の振幅もしくは強度の分布を3次元の図形として及び/または3次元の図形の所定位置の断面図として表示することができることを特徴とする生体反応記録装置である。
請求項19に記載の生体反応記録装置は、請求項1〜18のいずれかに記載の生体反応記録装置において、前記センサーの圧力検出可能範囲はその外接円の直径が30mm以上の範囲であることを特徴とする生体反応記録装置である。
請求項20に記載の生体反応記録装置は、請求項1〜18のいずれかに記載の生体反応記録装置において、前記拍動の振幅分布と強度分布のいずれか一方または双方を検出して表示する時の生体の被測定領域が少なくとも直径5mmの円形の範囲であることを特徴とする生体反応記録装置である。
従来は、拍動を、被検者に前記のように防音室のような雑音の入りにくい環境に入ってもらい、胸部における代表点においてマイクロフォンを密着させた範囲の全体のあるいは平均的な値として測定して心尖拍動図を求め、その記録を紙に記録してきたが、これでは前記のように実際の診断に使えなかった。
装置に表示されるとともに、ステップ281に移り、被測定生体の健康情報を作成する。
たとえば、
(Z−1)被検者疾病情報を入力
Z−1A :被検者による入力。
患者もしくは被験者みずから入力する。
目的:自己管理、予防的。年齢、性別、身長、体重、血圧、既往歴等も必要なことを入力する。
Z−1B :専門医による入力ペースメーカーの有無、 投薬情報、不整脈、心不全の有無などを入力する。
象とする。
心尖拍動図の特徴点について説明する。図21は本発明の心尖拍動図測定器を用いて測定した左室機能が正常な被検者の心尖拍動図の例で、符号Rは心電図QRS波の頂点を表す。符号1は心音で1音を意味し、2は同じく心音で2音を意味する。符号X1は心電図、X2は心音図、X3は心尖拍動図を表す曲線、X4は心尖拍動図の曲線X3を横軸にとってある時間により微分した一次微分曲線を示す。
C―E時間(C点からE点までの時間)<125msecのときいに正常である。すなわち、このパラメータについては正常の範囲といえる。
125≦C―E時間<150msecは境界域で、要注意の病状である。P点の存在は明らかに異常所見である。すなわち、左室収縮能が低下しているか、もしくは、中等度以上の左室肥大が存在する可能性が大である。
この状態を図21に記入したものが図23である。
図27は25歳の女性で正常左室機能を有する被検者の例である。A点C点E点S点O点F点がそれぞれ同定できている。A点は320ポイントである。C点は320ポイントである。これは若年者で左室収縮能が正常で、特に拡張能のよい例で認められる。O点が低値を示し、F波が急峻で、相対的にA点とC点が高値を示すためである。C点から125msec未満にE点が存在する。E点から下行波を呈する。2音より50msec未満に頂点Sを有する再上行波を認める。S点から下行波を示す。2音から150msec未満にO点を認める。O点から100msec未満にF点を認める。F点はC点より低値である。F点はわずかにオーバーシュートを示している。これは図21と同様に、正常左室機能を有する若年者によく認められる所見である。左室の柔軟性の良さを表している。微分波形X16において、X17―X18間隔は、C−O間隔の40%以上であるため、左室機能が保たれていることの1指標である。aはeの1/4未満であり、拡張末期の左房収縮力が異常に亢進していないことを示すデータである。fはeの1/2未満であり、拡張初期の左室荷重が増大していないことを示すデータである。またaがfより小さいことは正常所見である。
図28は心疾患の既往のない71歳の女性の心尖拍動図である。A点、C点、E点、S点、O点は識別できるが、F点は認めない。左室心筋の伸展性が低下していることを表している。左室拡張能の低下所見である。この所見は加齢に伴う年齢相応の生理的なものと考えられる。また、C点からE点までが125〜150msec未満であり、左室収縮能が低下しているか、もしくは、中等度以上の左室肥大が存在する可能性があり、要注意の状態である。微分波形X22において、X23―X24間隔は、C−O間隔の30%以上であるため、左室機能が保たれていることの1指標である。またa点の値がe点の値の4分の1以上から2分の1未満であるため左室拡張末期の負荷と思われ、境界域であり要注意である。fが存在しないため、aとの比較はできない。
図29は正常左室機能を有する30歳の女性の例である。
A点とC点ともに300ポイントを越えている。これは若年者で左室収縮能が正常で、特に拡張能のよい例で認められる。O点が低値を示し、F波が急峻で、相対的にA点とC点が高値を示すためである。一次微分曲線においてa点が低値であることは左房収縮が増強していないことを示す所見である。また、E点が比較的早期に尖鋭化しているのが認められ、かつE点付近に2峰性の波形(矢印)を認める。これは、左室の反時計方向回転の影響もしくは、1音の振動が伝わったことによる影響が考えられる。この所見単独では異常所見とは断定できない。比較的若年の正常左室機能の被検者によく認められ、また高度貧血状態、交感神経緊張状態、甲状腺機能亢進症および僧帽弁狭窄の患者でも認められることがある。
図30は高血圧を持つ70歳の男性の例である。A点は300ポイントを越えて高値を示している。C点は300ポイント未満で正常範囲である。E点とS点は正常である。C点からE点までが125〜150msec未満であり、左室収縮能が低下しているか、もしくは、中等度以上の左室肥大が存在する可能性があり、要注意の状態である。O点は2音の150msec未満で正常範囲である。F点は同定できない。このことは拡張初期の左室拡張障害を示唆している。またA点が高値であり、かつ一次微分曲線のa点がe点の2分の1以上を示していることは左房収縮の増強による拡張末期の左室拡張障害を示唆する。
図31は高血圧性心疾患による心不全を来たした30歳の男性の例である。ベッド上安静を強いられ、酸素吸入と心不全治療薬の点滴を受けているNYHA心機能分類(ニューヨーク心臓協会心機能分類)4度の状態での記録である。A点は490ポイントで、C点は310ポイントをしめしており、いずれの点も異常値である。
図32は、拡張型心筋症と診断された42歳男性の例である。ベッド上安静と酸素吸入を強いられているNYHA心機能分類4度の状態の記録である。A点とC点がともに高く、a点の高さはe点の2分の1以上である。拡張末期圧上昇と左房収縮増強が示唆される。またf点はe点の3分の2以上である。拡張初期と拡張末期に負荷がかかっていることが示されている。特にf点が高いことは重篤な心不全状態を示唆している。E点は明瞭であるが、S点は認めない。S点を認めないことは、左室収縮障害例もしくは、左室収縮能は保たれているが、中等度以上の左室肥大例の可能性が高い。
図33は虚血性心筋症の54歳の男性の例である。心不全で緊急入院し、ベッド上安静と酸素吸入を強いられている状態(NYHA心機能分類4度)の記録である。A点とC点は
いずれも300ポイントを越える高い位置にある。a点はe点の4分の1から2分の1未満であり、左房収縮増強による左室拡張末期負荷が可能性が示唆され、C点が高値であることから、左室拡張末期圧が上昇していることが示唆される。収縮期波ではE点を認めず、P点を認め、左室収縮能低下もしくは中等度以上の左室肥大を示唆する所見である。S点を認めておらず、左室収縮能低下もしくは中等度以上の左室肥大を示唆する所見である。O点からF点までは急峻に立ち上がっており、F波はF点でオーバーシュートを呈している。54歳という年齢から考えて、このオーバーシュートの所見は左室拡張初期の荷重増大を示唆する。f点はe点の3分の2を越えており、左室拡張初期の荷重増大を示唆している。拡張期波と収縮期波のいずれにも異常所見があり重症心不全を疑わせる心尖拍動図波形である。
図34は拡張型心筋症の66歳の男性の例である。数メートルの平地歩行で息切れが出現しているNYHA心機能分類3度の状態での記録である。A点とC点はいずれも300ポイントを越えており、拡張末期の左室負荷が増大している可能性がある。a点はe点の4分の1から2分の1の間にあり、左房収縮増強の可能性がある。E波は丸みを帯びており、E点が不明瞭である。左室収縮能低下または左室肥大の可能性がある。S点は認めない。S点を認めないことは、左室収縮障害例もしくは、左室収縮能は保たれているが、中等度以上の左室肥大例の可能性が高い。F点はC点より低値であるが、f点はe点の3分の2を越えており、拡張初期の左室荷重の増大が疑われる。
図35は陳旧性心尖部心筋梗塞を有する57歳の男性の例である。NYHA心機能分類2度で、重労働以外の通常の生活が出来ている。A点が300ポイントで高値である。E点を認める。E点直前のノッチ(↑)は左室収縮時の反時計方向回転の影響もしくは、1音の振動が伝わったことによる影響が考えられる。S点を認めないことは、左室収縮障害例もしくは、左室収縮能は保たれているが、中等度以上の左室肥大例の可能性が高い。
図36は75歳の女性で、高血圧症と閉塞性動脈硬化症と陳旧性心尖部心筋梗塞の患者である。NYHA心機能分類2度である。明瞭な4音に一致してA点を認め、高さは300ポイントを越えており、またa点はe点の2分の1をはるかに越えている。左房収縮増強による左室拡張末期負荷が示唆される。C点は300ポイント未満である。収縮期波ではE点を認めず、P点を認める。左室収縮能低下もしくは中等度以上の左室肥大が疑われる。S点は認めず、左室収縮能低下もしくは中等度以上の左室肥大が疑われる。左室拡張末期負荷と左室収縮能低下あるいは中等度以上の左室肥大が考えられる心尖拍動図である。
図37は拡張型心筋症を持つ51歳の女性(NYHA心機能分類2度)の例である。日常生活は出来ているが、駅の階段は途中で休まないと登れない。A波は認めず、左房収縮による左室拡張末期負荷は少ないと思われる。また、E点が存在せず、P点が認められる。左室の収縮障害か中等度以上の左室肥大が示唆される。S点は認められるが、F点は認めない。左室心筋の伸展性の低下の所見であり、拡張初期の左室拡張能低下が示唆される。
図38は拡張型心筋症の66歳の女性の例である。日常生活においては、中等度以下の労作が可能なNYHA心機能分類2度である。A波はC点まで持続的に上昇しているため、定義上、A点とC点は同一となる。C点は150ポイント以下であり、またaも不明瞭で左房収縮による拡張末期の左室拡張障害の可能性は低いと思われる。E点ではなく、P点が認められる。左室収縮能低下もしくは、中等度以上の左室肥大を示唆する所見である。S点は認めない。この所見も左室収縮能低下もしくは中等度以上の左室肥大を示唆する所見である。O点とF点はいずれもかろうじて判別出来る程度に小さい。拡張初期の左室心筋の伸展性の低下の所見であり、左室拡張能低下を示唆する。
図39は陳旧性前壁中隔心筋梗塞で心不全(代償期)を呈する69歳の男性の例である。A波はC点までなだらかに上昇している。前述の定義より、A点とC点は同一となる。E点を認める。S点は認めないことより、左室収縮不全あるいは中等度以上の左室肥大を疑う。O点を辛うじて認める。F波およびF点は認めない。拡張初期の左室拡張能低下が示唆される。e点はみとめるがa点とf点はいずれも認めない。拡張初期の左房から左室への急速流入による負荷はないと考えられる。また、拡張末期の左房収縮増強による左室負
荷もないと考えられる。
図40は陳旧性前壁中隔心筋梗塞で非代償性心不全を呈する68歳の男性の例である。A波がC点まで持続的に上昇しているため、A点とC点は同一となる。A点は高く、左室拡張末期負荷が疑われる。a点はe点の4分の1から2分の1の間にあり、左房収縮増強による左室負荷の可能性がある。E点を認めるが、S点は認めない。左室収縮不全あるいは中等度以上の左室肥大を疑う所見である。O点とF点は明瞭である。F波はオーバーシュートを呈している。68歳という年齢から考えて、このオーバーシュートの所見は左室拡張初期の荷重増大を示唆する。f点はe点の3分の2を越えており、左室拡張初期の荷重増大を示唆している。F点はC点より低いが、f点はe点の3分の2以上であり、拡張初期の左室荷重の増大を疑う所見である。図39の例と異なり、非代償性の心不全と推測される。
図41は、非閉塞性肥大型心筋症の70歳の男性である。労作時に息苦しさが出現する。A点、C点ともに300ポイント以下である。a点はe点の2分の1以上で左房収縮による拡張末期の左室拡張負荷が示唆される。1音の振動によると思われるノッチ(↓)が認められる。E点はなく、P点がある。また、S点は認めない。P点の存在と、S点がないことから、左室の収縮障害か中等度以上の左室肥大が示唆される。F点は認められないことより、拡張初期の左室拡張障害が疑われる。
図42は、非閉塞性肥大型心筋症の68歳の女性である。重労働以外の労作は可能である。A波がC点まで持続的に上昇しているため、A点とC点は同一となる。C点は300ポイント以下である。a点はe点の2分の1以上で左房収縮による拡張末期の左室拡張負荷が示唆される。E点はなく、P点がある。また、S点は認めない。P点の存在と、S点がないことから、左室の収縮障害か中等度以上の左室肥大が示唆される。F点は低値で、拡張初期の左室拡張障害が疑われる。
図43は高度の大動脈弁狭窄を有する72歳の女性である。A点とC点のいずれも高値であり、また一次微分曲線のa点がe点の2分の1以上を示していることは左房収縮の増強による拡張末期の左室拡張障害を示唆する。F点が低値であることは拡張早期の左室拡張障害を示唆する。
図44は重症の大動脈弁閉鎖不全を有する72歳の男性である。A点とC点のいずれも高値であり、また一次微分曲線のa点がe点の2分の1以上を示していることは左房収縮の増強による拡張末期の左室拡張障害を示唆する。S点は認めないため、左室収縮不全あるいは中等度以上の左室肥大を疑われる所見である。F点が不明であることは拡張早期の左室拡張障害を示唆する。この疾患の特徴は拡張期において、O点からA点まで持続的に上
行する波形を呈することである。拡張期を通じて、大動脈から左室へ逆流する血液による左室圧上昇の影響が考えられる。
図45は中等度の僧帽弁狭窄を有する60歳の男性の例である。E点が早期に出現し、尖った形を呈しているのは、増強した1音の振動の影響が考えられる。左房収縮は、僧帽弁狭窄によって、左室には伝わりにくい状態であるため、aは非常に低い値となっている。A点とC点はともに300ポイント未満であり、左室の拡張末期負荷の可能性は低い。拡張期において、狭窄した僧帽弁を介して左房から左室への血液が通過するため、急速流入波(F波)を認めず、A波まで持続的に上行する波を形成するのが僧帽弁狭窄の特徴である。
図46は高度の僧帽弁閉鎖不全を有し、心不全を来たした61歳の女性である。A点とC点はいずれも300ポイント未満である。a点はe点の4分の1から2分の1の間にあり、左房収縮による左室拡張末期の負荷が示唆される。E波は丸みを帯び、E点は不明瞭である。S点は存在しない。S点を認めないことは、左室収縮障害もしくは、左室収縮能は保たれているが、中等度以上の左室肥大の可能性が高い。左房から左室へ急速流入する大量の血液によってひき起こされる、オーバーシュートを伴う鋭いF波が重症僧帽弁閉鎖不全の特徴である。そのためf点が著明に高く、e点の3分の2を越えている。
される。A点が高く、C点が正常で、a点が高い時は、左房収縮能亢進が示唆される。A点が高く、C点が正常で、a点が低い時は、左室拡張末期の負荷は軽度であることが示唆される。A点が低く、C点が正常で、a点が低い時は、左室拡張末期の負荷はないことが示唆される。A点が低く、C点が正常で、a点が高い時は、左房収縮能亢進が示唆される。
1:左室肥大、虚血、線維化による左室心筋の伸展性低下。
2:鬱血性心不全。
3:高心拍出状態。
4:急性僧帽弁逆流。
情報の活用は正確な診断を行うにあたって極めて重要である。
101,502,512,522,532,552,556,560,564,568,572,576:心尖拍動図
102,103,104,553,557,561,565,569,573,577:心音図
105,554,558,562,566,570,574,578:心電図
110:拍動図測定用のトランスデューサー
111:圧力伝達部
112,122:ケース外周枠
113,123:ケース側面
114,124:リード線
120:心音図測定用のトランスデューサー
121:心音測定部
200:生体反応記録装置
201,201a,201b,301:圧力センサー
202,305a:心音センサー
203:心電図用センサー
211,212,213,231,241:配線
220,320:制御・測定データ処理部
230,330:記憶部
240,340:表示部
241a〜241c,242a〜242c,243a〜243c,244a〜244d,251a〜251c,252a〜252c,253a〜253c:圧力センサー部
245:圧力センサーの外周部の内壁
246,255:圧力センサーの外周部の外壁
247:空間部
248,258:基板
271〜287:処理ステップ、処理内容、機能等を説明するための符号
300:生体反応記録システム
305b:センサー
311,315a,315b,331,341,351:連絡手段
350:遠隔管理部
500,510,520,530:心機図
501,511,521,531,551,555,559,563,567,571,575:心尖拍動図の一次微分曲線
503,513,523,533:心音図
504,514,524,534:心電図
5011,5013,5014,5111,5113,5114,5211,5213,5214,5311,5313,5314:心尖拍動図の一次微分曲線のピーク
5031,5131,5231,5331:1音
5032,5132,5232,5332:2音
5333:3音と4音が重合した状態
5034,5134:4音
5041,5141,5241,5341:QRS波
5511,5551,5591,5631,5671:等容性収縮期における微分波形の極値
5514,5554,5594,5634,5674:A波の極値
A1〜A5:各心尖拍動図のA波(左心房収縮波)
d1〜d9,d31〜d3,d91:心尖拍動図の微分波形の特徴の例を説明する点
P1〜P9:圧力検出位置を示す符号
Claims (20)
- 生体の心尖拍動図を作成することができる測定値を圧力変化及び/あるいは波動の反射の測定結果として検出することができる新規の生体反応記録装置であって、前記生体反応記録装置は、少なくとも1つの前記拍動の検出部位の動きを、圧力変化として測定することができる圧力センサー及び/あるいは波動の反射を利用して測定する反射検出センサーと測定された信号等の増幅手段と測定されたデータを基に生体反応情報(以下、生体情報ともいう)を検出することができる演算処理部等のデータ処理手段と測定されたデータの少なくとも主要部分とデータ処理手段を用いて検出された生体情報あるいはデータ処理手段を用いて処理された情報あるいは処理途中の情報などのデータのうちの少なくとも一方を記憶することができる記憶手段(以下、データ処理手段を用いて検出された生体情報あるいはデータ処理手段を用いて処理された情報あるいは処理途中の情報などのデータを検出データともいう)と表示手段を有しているとともに、前記圧力センサー及び/あるいは反射検出センサーは測定部位の複数箇所の測定データを区別して測定することができる複数の検出センサーから構成されており、前記圧力センサー及び/あるいは反射検出センサーは前記測定する1つの拍動に関して生体の圧力及び/あるいは反射情報をそれぞれ測定することができ、前記記憶手段は前記複数箇所の測定データの少なくとも主要部分と前記検出データの少なくとも一方を記憶することができることを特徴とする生体反応記録装置において、
心尖拍動図に関する特徴点を、1拍動期間において、心音図から2音(大動脈弁閉鎖音)を同定し、心尖拍動図波形において、時間軸(横軸)方向で、2音より前に存在し、2音との間隔が50msec未満の2音に最も近い陽性極値をS点とし、心電図のQRS波の頂点付近に陰性極値が存在するときはその陰性極値点をC点とし、心電図のQRS波の頂点付近に陰性極値がない場合は、心電図のRから垂線を下ろし、その垂線と心尖拍動図波形が交わった点をC点とし、左房収縮による陽性波であるA波の陽性極値をA点とし、A波が陽性極値を持たず、持続的に上昇し、後述のC点にまで至る場合は、C点をA点とみなすものとし、C点から150msec未満後の陽性極値をE点とし、E点もS点も存在しないときにC点から150msec以上遅れて、かつ、心音図の2音から50msec以上前に存在する陽性極値をP点とし、2音から50msec以上後で、心尖拍動図の最初の陰性極値をO点とし、O点から後に存在し、O点から150msec未満の最初の陽性極値をF点とし、左房収縮による陽性波をA波とし、左室収縮期波をE波とし、急速流入波をF波とし、心尖拍動図の一次微分波形におけるA波、E波およびF波の陽性ピーク値をそれぞれa点、e点、f点としたとき、心尖拍動図波形の振幅軸(縦軸)を最小値を0ポイント,最大値を1000ポイントに正規化した状態において、
前記生体反応記録装置は、前記特徴点の少なくとも1つの存在有無を判定する手段を有しているとともに、さらに、
A点の高さが300ポイント未満であるか300ポイント以上であるかを判定する判定手段と、
C点の高さが300ポイント未満であるか300ポイント以上であるかを判定する判定手段と、
a点の高さがe点の4分の1未満であるか、4分の1以上で、かつ、2分の1未満であるか、2分の1以上であるかを判定する判定手段と、
F点の高さが50ポイント未満であるか、50ポイント以上で、かつ、200ポイント未満であるか、200ポイント以上であるかを判定する判定手段と、
f点の高さがe点の2分の1未満であるか、2分の1以上で、かつ、3分の2未満であるか、3分の2以上であるかを判定する判定手段と、
F波にオーバーシュートがあるか否かを判定する判定手段のうちの少なくとも一つの判定手段を有していることを特徴とする生体反応記録装置。 - 生体の心尖拍動図を作成することができる測定値を圧力変化及び/あるいは波動の反射の測定結果として検出することができる新規の生体反応記録装置であって、前記生体反応記録装置は、少なくとも1つの前記拍動の検出部位の動きを、圧力変化として測定することができる圧力センサー及び/あるいは波動の反射を利用して測定する反射検出センサーと測定された信号等の増幅手段と測定されたデータを基に生体反応情報(以下、生体情報ともいう)を検出することができる演算処理部等のデータ処理手段と測定されたデータの少なくとも主要部分とデータ処理手段を用いて検出された生体情報あるいはデータ処理手段を用いて処理された情報あるいは処理途中の情報などのデータのうちの少なくとも一方を記憶することができる記憶手段(以下、データ処理手段を用いて検出された生体情報あるいはデータ処理手段を用いて処理された情報あるいは処理途中の情報などのデータを検出データともいう)と表示手段を有しているとともに、前記圧力センサー及び/あるいは反射検出センサーは測定部位の複数箇所の測定データを区別して測定することができる複数の検出センサーから構成されており、前記圧力センサー及び/あるいは反射検出センサーは前記測定する1つの拍動に関して生体の圧力及び/あるいは反射情報をそれぞれ測定することができ、前記記憶手段は前記複数箇所の測定データの少なくとも主要部分と前記検出データの少なくとも一方を記憶することができることを特徴とする生体反応記録装置において、
心尖拍動図に関する特徴点を、1拍動期間において、心音図から2音(大動脈弁閉鎖音)を同定し、心尖拍動図波形において、時間軸(横軸)方向で、2音より前に存在し、2音との間隔が50msec未満の2音に最も近い陽性極値をS点とし、心電図のQRS波の頂点付近に陰性極値が存在するときはその陰性極値点をC点とし、心電図のQRS波の頂点付近に陰性極値がない場合は、心電図のRから垂線を下ろし、その垂線と心尖拍動図波形が交わった点をC点とし、左房収縮による陽性波であるA波の陽性極値をA点とし、A波が陽性極値を持たず、持続的に上昇し、後述のC点にまで至る場合は、C点をA点とみなすものとし、C点から150msec未満後の陽性極値をE点とし、E点もS点も存在しないときにC点から150msec以上遅れて、かつ、心音図の2音から50msec以上前に存在する陽性極値をP点とし、2音から50msec以上後で、心尖拍動図の最初の陰性極値をO点とし、O点から後に存在し、O点から150msec未満の最初の陽性極値をF点とし、左房収縮による陽性波をA波とし、左室収縮期波をE波とし、急速流入波をF波とし、心尖拍動図の一次微分波形におけるA波、E波およびF波の陽性ピーク値をそれぞれa点、e点、f点としたとき、
前記生体反応記録装置は前記特徴点の少なくとも2つの存在有無を判定する手段を有しているとともに、前記センサーの測定データとその処理データの少なくとも一方から雑音を除去する雑音処理手段をを有していることを特徴とする生体反応記録装置。 - 生体の心尖拍動図を作成することができる測定値を圧力変化及び/あるいは波動の反射の測定結果として検出することができる新規の生体反応記録装置であって、前記生体反応記録装置は、少なくとも1つの前記拍動の検出部位の動きを、圧力変化として測定することができる圧力センサー及び/あるいは波動の反射を利用して測定する反射検出センサーと測定された信号等の増幅手段と測定されたデータを基に生体反応情報(以下、生体情報ともいう)を検出することができる演算処理部等のデータ処理手段と測定されたデータの少なくとも主要部分とデータ処理手段を用いて検出された生体情報あるいはデータ処理手段を用いて処理された情報あるいは処理途中の情報などのデータのうちの少なくとも一方を記憶することができる記憶手段(以下、データ処理手段を用いて検出された生体情報あるいはデータ処理手段を用いて処理された情報あるいは処理途中の情報などのデータを検出データともいう)と表示手段を有しているとともに、前記圧力センサー及び/あるいは反射検出センサーは測定部位の複数箇所の測定データを区別して測定することができる複数の検出センサーから構成されており、前記圧力センサー及び/あるいは反射検出センサーは前記測定する1つの拍動に関して生体の圧力及び/あるいは反射情報をそれぞれ測定することができ、前記記憶手段は前記複数箇所の測定データの少なくとも主要部分と前記検出データの少なくとも一方を記憶することができることを特徴とする生体反応記録装置において、
心尖拍動図に関する特徴点を、1拍動期間において、心音図から2音(大動脈弁閉鎖音)を同定し、心尖拍動図波形において、時間軸(横軸)方向で、2音より前に存在し、2音との間隔が50msec未満の2音に最も近い陽性極値をS点とし、心電図のQRS波の頂点付近に陰性極値が存在するときはその陰性極値点をC点とし、心電図のQRS波の頂点付近に陰性極値がない場合は、心電図のRから垂線を下ろし、その垂線と心尖拍動図波形が交わった点をC点とし、左房収縮による陽性波であるA波の陽性極値をA点とし、A波が陽性極値を持たず、持続的に上昇し、後述のC点にまで至る場合は、C点をA点とみなすものとし、C点から150msec未満後の陽性極値をE点とし、E点もS点も存在しないときにC点から150msec以上遅れて、かつ、心音図の2音から50msec以上前に存在する陽性極値をP点とし、2音から50msec以上後で、心尖拍動図の最初の陰性極値をO点とし、O点から後に存在し、O点から150msec未満の最初の陽性極値をF点とし、左房収縮による陽性波をA波とし、左室収縮期波をE波とし、急速流入波をF波とし、心尖拍動図の一次微分波形におけるA波、E波およびF波の陽性ピーク値をそれぞれa点、e点、f点としたとき、
前記生体反応記録装置は前記特徴点の少なくとも2つの存在有無を判定する手段を有しているとともに、
測定されたデータの少なくとも主要部分からデータ処理手段を用いて検出された生体情報あるいはデータ処理手段を用いて処理された情報あるいは処理途中の情報などのデータ(以下、データ処理手段を用いて検出された生体情報あるいはデータ処理手段を用いて処理された情報あるいは処理途中の情報などのデータを検出データという)と対比する参照データを有していることを特徴とする生体反応記録装置。 - 請求項3に記載の生体反応記録装置において、前記参照データを生体反応記録装置の外部から入力することができることを特徴とする生体反応記録装置。
- 請求項3に記載の生体反応記録装置において、前記参照データを変更する手段を有していることを特徴とする生体反応記録装置。
- 生体の心尖拍動図を作成することができる測定値を圧力変化及び/あるいは波動の反射の測定結果として検出することができる新規の生体反応記録装置であって、前記生体反応記録装置は、少なくとも1つの前記拍動の検出部位の動きを、圧力変化として測定することができる圧力センサー及び/あるいは波動の反射を利用して測定する反射検出センサーと測定された信号等の増幅手段と測定されたデータを基に生体反応情報(以下、生体情報ともいう)を検出することができる演算処理部等のデータ処理手段と測定されたデータの少なくとも主要部分とデータ処理手段を用いて検出された生体情報あるいはデータ処理手段を用いて処理された情報あるいは処理途中の情報などのデータのうちの少なくとも一方を記憶することができる記憶手段(以下、データ処理手段を用いて検出された生体情報あるいはデータ処理手段を用いて処理された情報あるいは処理途中の情報などのデータを検出データともいう)と表示手段を有しているとともに、前記圧力センサー及び/あるいは反射検出センサーは測定部位の複数箇所の測定データを区別して測定することができる複数の検出センサーから構成されており、前記圧力センサー及び/あるいは反射検出センサーは前記測定する1つの拍動に関して生体の圧力及び/あるいは反射情報をそれぞれ測定することができ、前記記憶手段は前記複数箇所の測定データの少なくとも主要部分と前記検出データの少なくとも一方を記憶することができることを特徴とする生体反応記録装置において、
心尖拍動図に関する特徴点を、1拍動期間において、心音図から2音(大動脈弁閉鎖音)を同定し、心尖拍動図波形において、時間軸(横軸)方向で、2音より前に存在し、2音との間隔が50msec未満の2音に最も近い陽性極値をS点とし、心電図のQRS波の頂点付近に陰性極値が存在するときはその陰性極値点をC点とし、心電図のQRS波の頂点付近に陰性極値がない場合は、心電図のRから垂線を下ろし、その垂線と心尖拍動図波形が交わった点をC点とし、左房収縮による陽性波であるA波の陽性極値をA点とし、A波が陽性極値を持たず、持続的に上昇し、後述のC点にまで至る場合は、C点をA点とみなすものとし、C点から150msec未満後の陽性極値をE点とし、E点もS点も存在しないときにC点から150msec以上遅れて、かつ、心音図の2音から50msec以上前に存在する陽性極値をP点とし、2音から50msec以上後で、心尖拍動図の最初の陰性極値をO点とし、O点から後に存在し、O点から150msec未満の最初の陽性極値をF点とし、左房収縮による陽性波をA波とし、左室収縮期波をE波とし、急速流入波をF波とし、心尖拍動図の一次微分波形におけるA波、E波およびF波の陽性ピーク値をそれぞれa点、e点、f点としたとき、
前記生体反応記録装置は前記特徴点の少なくとも2つの存在有無を判定する手段を有しているとともに、
パターンマッチング技術を利用して判断情報を生成するデータ処理手段を有していることを特徴とする生体反応記録装置。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の生体反応記録装置において、少なくとも1つの前記拍動の検出部位の動きの圧力変化として測定されたデータの信号処理において、前記センサーの測定データを処理する信号処理回路のフィルタの遮断周波数あるいは時定数をパラメータ(以下、パラメータ1ともいう)として、同一もしくは同種の前記センサーの測定データに対して前記パラメータ1の値を異なる値にして測定データの信号処理を行った結果を前記生体の健康状態の診断情報に利用することを特徴とする生体反応記録装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の生体反応記録装置において、前記センサーの少なくとも被測定生体に接触する部分の形状が変形可能な状態に形成されていることを特徴とする生体反応記録装置。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の生体反応記録装置において、前記センサーの少なくとも被測定生体に接触する部分がフレキシブルに形成されていることを特徴とする生体反応記録装置。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の生体反応記録装置において、前記生体反応記録装置は、前記センサーと被測定生体との間の接触圧力あるいは前記センサーを構成する少なくとも2つの各圧力検出素子もしくは各圧力検出部分と被測定生体との間の接触圧力の差の少なくとも一方を検出することができる接触圧検出手段を有していることを特徴とする生体反応記録装置。
- 請求項9または10に記載の生体反応記録装置において、前記生体反応記録装置は、前記接触圧検出手段によって検出された接触圧力に対応して前記接触圧力を変える手段を有していることを特徴とする生体反応記録装置。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の生体反応記録装置において、前記生体反応記録装置は、前記センサーを被測定生体の測定部所での前記測定が可能な状態に被測定生体に装着する手段を有していることを特徴とする生体反応記録装置。
- 請求項12に記載の生体反応記録装置において、前記センサーを被測定生体に装着する手段が吸引力を利用した手段であることを特徴とする生体反応記録装置。
- 請求項12または13に記載の生体反応記録装置において、前記センサーを被測定生体に装着する手段が粘着力を利用した手段であることを特徴とする生体反応記録装置。
- 請求項1〜14のいずれかに記載の生体反応記録装置において、前記生体反応記録装置は前記測定データと検出データと生体の健康状態の診断情報の少なくとも1つを、静止画と動画の少なくとも一方としてリアルタイムで呈示することができる記録装置であることを特徴とする生体反応記録装置。
- 請求項1〜15のいずれかに記載の生体反応記録装置において、前記生体反応記録装置は同一生体と複数生体の少なくとも一方の統計データを記憶する統計データ記憶手段を有していることを特徴とする生体反応記録装置。
- 請求項1〜16のいずれかに記載の生体反応記録装置において、前記心尖拍動図もしくはその測定データが被測定生体の心電図と心音図と外部から入力したデータのいずれかに同期していることを特徴とする生体反応記録装置。
- 請求項1〜17のいずれかに記載の生体反応記録装置において、前記拍動の振幅もしくは強度の分布を3次元の図形として及び/または3次元の図形の所定位置の断面図として表示することができることを特徴とする生体反応記録装置。
- 請求項1〜18のいずれかに記載の生体反応記録装置において、前記センサーの圧力検出可能範囲はその外接円の直径が30mm以上の範囲であることを特徴とする生体反応記録装置。
- 請求項1〜18のいずれかに記載の生体反応記録装置において、前記拍動の振幅分布と強度分布のいずれか一方または双方を検出して表示する時の生体の被測定領域が少なくとも直径5mmの円形の範囲であることを特徴とする生体反応記録装置。
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