図1は、遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
前枠12には、上球皿15に賞球や貸出球を払い出すための後述する払出ユニット43や、その払出ユニット43を制御する払出制御基板45が設けられている。また、前枠12の前面側には、遊技者が遊技球を借りる際に操作する球貸ボタン220、遊技者が遊技球を借りる際に使用するカードの残高を表示する残高表示装置222、そのカードを排出させる際に操作する排出ボタン224などが配設されている。なお、本実施例では、残高表示装置222として複数の7セグメントLEDにより残高表示が可能なものを用いているが、LEDドットアレーや液晶などの表示装置として構成してもよい。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、後述する演出を制御する手段によって遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。遊技盤50は、遊技機枠に着脱可能に取り付けられている。すなわち、ぱちんこ遊技機10は、遊技機枠はそのままにして遊技盤50のみ(図中一点鎖線参照)を取り替えることができ、それにより遊技ホールへの新機種の導入が可能なものとなっている。
始動口62は、遊技球の入球が当否抽選を実行する契機となる入球口であって、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62に設けられた拡開機構63(いわゆる電動チューリップ)を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。拡開機構63は、始動口62の開口部上部に設けられた二つの羽根部材で構成され、閉鎖時は始動口62の真上から落下する遊技球だけが入球できる程度の狭い開口幅となる。一方、拡開機構63が拡開された開放時は始動口62の開口幅が拡がることとなり、始動口62の真上だけでなくその近傍を落下する遊技球も始動口62へ誘導でき入球容易性が向上する。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、始動口62へ入球があるたびに実行される。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を開放させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに開始される特別遊技において「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66は、例えばアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の設置個数としては、一つだけ設置する構成に限らず、複数個の大入賞口66を設置してそれぞれを遊技状態等に応じて使い分ける構成としてもよい。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示装置である。特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄である。特別図柄192の変動表示が停止したときの図柄態様が、あらかじめ当りと定められた図柄であった場合に、その停止図柄が表示されたタイミングが大当り発生タイミングとなる。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。本実施例における特別図柄192は、当りの図柄態様である「0」〜「9」といった数字、文字、記号、または外れの図柄態様である「−」の記号で表される。これらの数字または記号が高速で次々に入れ替わって特別図柄表示装置61へ表示されることにより、特別図柄192の図柄変動表示が実現される。なお、特別図柄192の態様は上記の数字または記号に限られず、英字などの文字であってもよいし、7セグメントLEDを構成する各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってもよい。また、7セグメントLEDは、「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントからなる8個のセグメントで構成されてもよい。この場合、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。さらに、特別図柄表示装置61を7セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の特別図柄192を表現してもよい。
演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄190を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクターが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄190は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄190の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、本実施例では液晶ディスプレイなどの高精細なドットマトリクス型表示装置で構成されるが、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を7セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は拡開機構63を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。本実施例における普通図柄表示装置59は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。このとき、通常状態では例えば1/256程度の低確率にて普通図柄が当りの図柄で停止し、後述する入球容易状態では例えば250/256程度の高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、拡開機構63が所定時間拡開される。拡開機構63の開放時間は、例えば通常状態では0.1秒間であり、入球容易状態では6秒間である。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技領域52の左下部には、特別図柄保留表示装置20が設けられ、その対称位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に普通図柄保留表示装置22が設けられている。
特別図柄保留表示装置20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
普通図柄保留表示装置22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作する操作入力手段であり、その操作入力の内容に応じて演出内容等に変化が加えられる。本実施例における操作ボタン82は一つのボタンで構成されるが、複数のボタンや十字キーなどの方向指示ボタンで構成されてもよい。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。特別図柄192は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄190は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって特別図柄192が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄190が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄192および装飾図柄190の変動が停止される。
装飾図柄190の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄190の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。
特別遊技は、開始デモ演出と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ演出の画面表示後に大入賞口66が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口66の開閉ないし単位遊技が所定の複数回数、例えば15回繰り返された後、終了デモ演出と呼ばれる演出画面の表示によって特別遊技が終了される。これに対し、当否抽選が小当りと呼ばれる結果に該当した場合は小当り遊技が実行される。小当りは、当否抽選の結果としては外れに含まれる結果である。小当り遊技は、一部の種類の特別遊技と類似の態様にて実行される単位遊技である。ただし、小当り遊技として実行される単位遊技は1回だけであり、複数回数の単位遊技が実行される特別遊技とは異なる。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである特別図柄192および装飾図柄190の変動時間短縮(以下、適宜「時短」という)が開始される。特別図柄192および装飾図柄190の時短は、特別図柄192および装飾図柄190の変動時間が通常状態よりも短縮される状態である。特別図柄192および装飾図柄190の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短も終了する。時短により特別図柄192および装飾図柄190の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。
特別図柄192および装飾図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、拡開機構63の開放延長が実施されることにより始動口62への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。開放抽選の確率変動は、開放抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。拡開機構63の開放延長は、拡開機構63の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。このように、入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、始動口62への入球容易性も増すため、始動口62への入球数が増加する可能性も高い。したがって、特別図柄192および装飾図柄190の時短および入球容易状態により、その期間中は始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさずに遊技し続けることが可能となる。
なお、本実施例における入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、拡開機構63の開放延長という3つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても始動口62への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである当否抽選の確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。当否抽選の確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。当否抽選の確変は次の大当りが発生するまで継続されるが、変形例として、所定の限定的な回数の図柄変動がなされたときに終了する構成であってもよい。本実施例においては、確変が開始されるときに同時に特別図柄192および装飾図柄190の時短や入球容易状態も開始されるが、変形例として時短や入球容易状態の開始を伴わない確変が実行される場合があってもよい。
また、ぱちんこ遊技機10に隣接するように貸出装置200が設けられている。貸出装置200は、有価価値としてのカードを受け付けるカードユニットとして構成されている。なお、カードはプリペイドカードや会員カードの形で遊技ホールにて購入されるものである。貸出装置200の前面にはカード挿入口208が設けられ、その上方に使用可ランプ210およびカード挿入ランプ212が設けられている。なお、変形例においては、有価価値としてICチップを内蔵したコイン(いわゆるICコイン)を受け付けるようにしてもよい。また、有価価値として紙幣も受け付けるようにし、その紙幣挿入口を設けてもよい。使用可ランプ210は、遊技球が貸出可能であるときに点灯し、貸出不能であるときに点滅する。カード挿入ランプ212は、カード挿入口208におけるカード挿入時に点灯し、カード非挿入時に消灯する。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容、スピーカ18から出力する音声、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿ってスピーカ18から出力する音声や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。また、払出ユニット43は、貸出装置200からの貸出要求信号の入力にしたがい、貸出個数情報に応じた遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、RAMクリアスイッチ92のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102(「主制御装置」として機能する)と、図柄の演出等を制御するサブ基板104(「副制御装置」として機能する)とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。なお、遊技制御装置100には、上述した払出制御基板45(「払出制御装置」として機能する)が通信可能に接続されているが、本図においてはその図示を省略している。
図4は、ぱちんこ遊技機10および貸出装置200の電気的構成を示すブロック図である。遊技制御装置100の各制御基板は、演算処理を実行するCPU、遊技プログラムが格納されたROM、遊技プログラムを実行する上で作業領域として機能するRAM等の素子を含んで構成される。なお、RAMは揮発性の処理RAMであってもよいし、遊技データをバックアップ可能な不揮発性のバックアップRAMであってもよい。同様に、貸出装置200の貸出制御基板202は、演算処理を実行するCPU、貸出制御プログラムが格納されたROM、貸出制御プログラムを実行する上で作業領域として機能するRAM等の素子を含んで構成される。
すなわち、メイン基板102は、CPU102a、ROM102b、RAM102c、入出力インターフェイス(I/F)102d、通信インターフェイス(I/F)102e等を含むマイクロコンピュータから構成されている。サブ基板104は、CPU104a、ROM104b、RAM104c、入出力I/F104d、通信I/F104e等を含むマイクロコンピュータから構成されている。払出制御基板45は、CPU106a、ROM106b、RAM106c、入出力I/F106d、通信I/F106e等を含むマイクロコンピュータから構成されている。貸出制御基板202は、CPU202a、ROM202b、RAM202c、入出力I/F202d、通信I/F202e等を含むマイクロコンピュータから構成されている。なお、メイン基板102およびサブ基板104には、抽選用の所定桁数の乱数値を発生させるための図示しない乱数発生回路が搭載されている。
メイン基板102とサブ基板104とは通信ラインL1を介して接続されている。通信ラインL1は複数の信号線からなり、メイン基板102とサブ基板104との間でパラレル通信が行われる。本実施例では、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向である。このため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102、サブ基板104に配置される。このようなデータ送信の一方向性が保たれるため、逆方向へのデータの送信はできず、またデータ送信の要求もできない。したがって、送信側の基板からデータを送信しない限り、受信側の基板でそれを参照することはできない。
メイン基板102と払出制御基板45とは通信ラインL2を介して接続されている。通信ラインL2は複数の信号線からなり、メイン基板102と払出制御基板45との間でパラレル通信が行われる。なお、変形例においては、メイン基板102と払出制御基板45との間でシリアル通信を行うようにしてもよい。本実施例では、メイン基板102と払出制御基板45の間におけるデータの送受信は双方向である。このため、双方向通信による遊技球の払出制御が実現される。払出制御基板45には、遊技球の払出を検出するカウントセンサ152からの検出信号が入力される。なお、カウントセンサ152は、上球皿15の上部に開口する払出口の近傍に設けられている。払出制御基板45は、払出ユニット43を構成する払出モータ154を駆動制御する。
貸出制御基板202は、通信ラインL3を介して払出制御基板45に接続されている。通信ラインL3は複数の信号線からなり、貸出制御基板202と払出制御基板45との間でパラレル通信が行われる。本実施例では、貸出制御基板202と払出制御基板45の間におけるデータの送受信は双方向である。このため、双方向通信による貸出球払出制御が実現される。遊技者が遊技球を借りるために球貸ボタン220を操作すると、貸出制御基板202は、その旨を示す貸出要求信号を払出制御基板45に向けて送信する。それにより、遊技球を貸し出すための払出制御が開始される。この払出制御において、貸出制御基板202と払出制御基板45との間で後述するBRDY信号、BRQ信号、PRDY信号、EXS信号等の送受信が行われる。貸出制御基板202には、上述した使用可ランプ210、カード挿入ランプ212のほか、カードR/W214が接続されている。カードR/W214は、カードにその残高を読み取り、また記録するリーダ/ライタである。
図3に戻り、メイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、変動パターン決定手段115、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、メイン状態記憶手段126、初期化実行手段127、電断復帰制御手段128を備える。を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への入球を契機に、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112が当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当りの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
当否抽選手段112は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための開放抽選として抽選値を取得する。当否抽選手段112は、開放抽選の抽選値と当否結果の対応関係が定められた当否テーブルを保持し、その当否テーブルを参照して開放抽選の当否結果を決定する。通常状態においては1/256の確率で当りとなる当否テーブルを参照し、入球容易状態においては250/256の確率で当りとなる当否テーブルを参照する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。当否抽選手段112は、当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。当否抽選手段112による当否抽選においては、通常時には図5(a)の通り、当否抽選値が0〜399の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には図5(b)の通り、大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜399の範囲に該当する場合だけでなく、400〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。大当りに該当した場合、15R大当りと2R大当りのいずれとなるか、および、確変を伴うか否かは、特別図柄の停止図柄に応じて別途決定される。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、当否抽選手段112が取得する当否抽選値が65000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図3に戻り、当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄のかたちで変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。当否抽選手段112は、図柄変動を開始するタイミングにおいて、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。図柄決定手段114は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。
図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による開放抽選の結果に応じて決定する。図柄決定手段114は、開放抽選の結果を普通図柄のかたちで普通図柄表示装置59に変動表示させるために、開放抽選の結果に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が始動口62の拡開機構63を所定時間拡開する。
図柄決定手段114は、決定した停止図柄を示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
図6は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図6(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図6(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図6(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。図柄決定手段114は、図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、「0」〜「9」の数字および「−」の記号で表される特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、奇数の数字が大当りに対応し、偶数の数字が小当りに対応し、「−」の記号が外れに対応する。
図6(a)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち奇数の数字である特別図柄「1」「3」「5」「7」「9」が大当りに対応付けられている。そのうち、特別図柄「7」は確変を伴う15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「0〜99」に対応付けられる。特別図柄「3」は確変を伴う2R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられる。特別図柄「1」「5」「9」は確変を伴わない15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「150〜189」に特別図柄「1」が対応付けられ、「190〜229」に特別図柄「5」が対応付けられ、「230〜255」に特別図柄「9」が対応付けられる。
図6(b)に示す通り、特別図柄「−」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図6(c)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち偶数の数字である特別図柄「0」「2」「4」「6」「8」が小当りに対応付けられている。特別図柄「0」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、特別図柄「2」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。特別図柄「4」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、特別図柄「6」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、特別図柄「8」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
図3に戻り、変動パターン決定手段115は、当否抽選の結果に応じて複数種の変動パターンからいずれかの変動パターンを選択する。変動パターン決定手段115は、変動パターンを決定するために参照すべき変動パターンテーブルを保持する。図柄決定手段114は、決定した変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。変動パターン決定手段115は、複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつとともに、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄および装飾図柄の変動が停止される。
図7は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。変動パターン決定手段115は、当否判定結果が外れのときは図7(a)に示される外れ用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が15R大当りのときは図7(b)に示される15R大当り用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が2R大当りまたは小当りのときは図8(c)に示される2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルを参照する。
図7(a)においては、パターン抽選値0〜10には「スーパー1」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値11〜20には「スーパー2」というスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値21〜255には「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。このように、当否判定結果が外れの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性がある。なお、外れ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。
図7(b)においては、パターン抽選値0〜120には「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値121〜240には「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値241〜250には「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値251〜255には「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。このように、当否判定結果が15R大当りの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。
図7(c)においては、パターン抽選値0〜122には「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値123〜255には「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当りまたは小当りの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
図3に戻り、変動パターン決定手段115は、普通図柄の変動表示時間を決定する。通常状態においては変動表示時間を60秒に決定し、入球容易状態においては変動表示時間を6秒に決定する。
保留制御手段116は、始動口62へ新たな入球があって新たに当否抽選が実行されるときにそれ以前の入球ないし抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな入球に基づく当否抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では当否抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保留球として保持する。ここでいう当否抽選値は、当否抽選値、図柄抽選値、変動パターン抽選値を含む。保留制御手段116はさらに、当否抽選手段112により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ特別図柄保留表示装置20、普通図柄保留表示装置22の点灯数または点滅数により表される。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、変動パターン決定手段115により決定された変動パターンにしたがって特別図柄192の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、それ以前になされた当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。メイン表示制御手段118は、特別図柄192の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、判定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値を変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口66を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を15回繰り返す15R大当りと、15R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。15R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を約0.5秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、15R大当りと同様の開放態様で大入賞口66を開放させてもよい。
特定遊技実行手段122は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後に遊技状態を時短状態および入球容易状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、図柄決定手段114により決定された図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態および入球容易状態は、特別図柄192の変動表示回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。ただし、同時に確変状態へ移行した場合は確変状態が続く限り時短状態および入球容易状態も継続される。すなわち、次の大当りが発生するまで継続される。
このように時短状態および入球容易状態の終期は遊技状態に応じて定まる。時短状態においては、特別図柄192の変動表示時間が概ね短くなるよう、変動パターン決定手段115が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段116による当否抽選結果の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段116による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の時短、普通図柄の確変、拡開機構63の開放延長が実施される。一方、確変状態は、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は当否抽選手段112による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
メイン状態記憶手段126は、メイン基板102による制御状態を含む遊技状態を記憶する。具体的には、当否抽選の結果や決定された変動パターンの情報、図柄変動中、特別遊技中あるいは特定遊技中(確変中、時短中)である等の現在の遊技状態や、図柄変動の経過情報を表す変動残余時間などを後述するバックアップRAMの所定領域にそれぞれ格納する。仮に外的要因等によって図柄変動中に電源が遮断されたとしても、電源再投入時にバックアップRAMから必要な情報が読み出されてサブ基板104側に送信される。
初期化実行手段127は、RAMクリアスイッチ92を介した外部入力があったとき、またはメイン状態記憶手段126による記憶処理中にエラーが発生したときなど、予め設定した初期化条件が成立したときに、それまでバックアップRAMに記憶されていたデータをクリアする初期化処理を実行する。
電断復帰制御手段128は、電源遮断時に後述する電断時処理を実行し、電源投入時に後述する電源投入時処理を実行する。電源ユニット48(図2参照)には電圧監視手段が設けられており、メイン基板102への供給電圧が基準電圧を下回ると、メイン基板102に向けてその旨を表す「電断信号」を出力する。電断復帰制御手段128は、この電断信号を受信すると、遊技状態を保存するための後述する電断時処理を実行する。また、このように電源が遮断された後に再投入されると、電断復帰制御手段128は、遊技制御を正常に開始するための後述する電源投入時処理を実行する。
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の図柄変動演出の表示過程が定められた複数の変動演出パターンを保持する。変動演出パターンには、3列の図柄からなる装飾図柄190の各図柄の変動開始から停止までの変動過程が定められている。
演出決定手段132は、当否抽選手段112から受け取る当否抽選の結果に基づき、変動パターン決定手段115により決定された特別図柄の変動パターンに対応する変動演出パターンを選択する。そして、選択した変動演出パターンをパターン記憶手段130から読み出し、その変動演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。演出決定手段132は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段131は、装飾図柄190の停止図柄の組合せとその配置を、当否抽選手段112による当否抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば当否抽選手段112による当否判定結果が15R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190として揃える数字には、特別図柄192と同じ数字が選ばれるのが好ましいが、必ずしも同じ数字でなくともよい。例えば、特別図柄192が「7」の場合は装飾図柄190が「777」となる。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄を含む演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動開始コマンドを受け取ったときに新たな図柄変動を開始させる。
演出表示制御手段134は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯・消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
次に、本実施例における遊技球の払出制御について詳細に説明する。上述のように、遊技球の貸出は、カードに記録された金額の引き落としを前提に行われる。つまり、遊技球の貸出に際して金銭の支払いが伴うため、その貸出料金には消費税が発生する。このため、税率が変更されてもその変更前後の遊技球の実質的価値が適正に維持されるよう遊技球の払出個数を調整する必要がある。一方、その払出個数を遊技ホール側の意向に応じて任意に設定変更可能とすると、機種によって遊技球の実質的価値を変えるような不正行為も懸念される。
そこで、本実施例では、貸出単位あたりの遊技球の払出個数を算出し、それを示す貸出個数情報を遊技盤50の製造時にメイン基板102のROM102b(「貸出単位記憶手段」として機能する)に記録する。また、電源投入後のぱちんこ遊技機10の初期動作時、および遊技球の貸出のための払出制御時に、メイン基板102にてROM102bの貸出個数情報を逐次読み出し、払出制御基板45に送信する。払出制御基板45は、受信した貸出個数情報に基づいて遊技球の払出制御を実行する。すなわち、メイン基板102のROM102bに貸出個数情報を記録しておくことで、遊技盤50の出荷後にこれを書き換えられないようにし、また、払出制御基板45においてメイン基板102から貸出個数情報を受信するごとにこれを設定することにより、事後的な貸出個数情報の改変を防止する。以下、このような払出制御のための具体的構成および方法について説明する。
図8は、払出制御に用いられるコマンドデータの構造図である。図8(a)は主制御MODEコマンド、図8(b)は主制御EVENTコマンド、図8(c)は払出制御MODEコマンド、図8(d)は払出制御EVENTコマンドをそれぞれ示している。各コマンドデータは8ビットのデータからなる。便宜上、各図にはビット番号とビット名が付されている。メイン基板102は、所定の割込みごとに払出制御基板45への主制御MODEコマンドの送信、払出制御基板45からの払出制御MODEコマンドの受信、払出制御基板45への主制御EVENTコマンドの送信、および払出制御基板45からの払出制御EVENTコマンドの受信を順次実行する。
図8(a)に示す主制御MODEコマンドは、払出個数の指定および払出制御基板45への制御指令を行うためのコマンドである。この主制御MODEコマンドは、その最上位ビット(ビット番号:7)が「1」とされることで識別される。この主制御MODEコマンドは、貸出要求にかかる遊技球(「貸出球」ともいう)の払出個数を示す場合と、賞球の払出個数を示す場合があり、そのいずれであるかが「SET」(ビット番号:6)に表される。すなわち、「SET」が「1」である場合は貸出球の払出個数を示し、「0」である場合は賞球の払出個数を示す。「ME」(ビット番号:5)は受け皿満タン状態の有無を表し、「1」である場合は受け皿満タン状態のため払い出しを停止すべきことを示し、「0」である場合は受け皿が満タンでないため通常の払い出しが可能であることを示す。そして下位5ビット(「PY4」〜「PY0」)にて払出個数情報(「貸出データ」としても機能する)が表される。「SET」が「1」である場合、その下位5ビットによりメイン基板102のROM102bに記録された貸出個数情報が示される。すなわち、払出制御基板45は、この主制御MODEコマンドを受け取ることにより税率を加味した貸出個数情報を取得することができるようになる。
なお、本実施例ではこのように下位5ビットを用いることで貸出個数情報、つまり貸出単位あたりの遊技球の払出個数として1個から32個までが指定可能となっている。例えば、下位5ビットが、「00001」の場合は1個を指定し、「11111」の場合は32個を指定するようになっている。本実施例では貸出単位として100円分を1単位とし、現在のように消費税が5%である場合、その貸出単位あたりの払出個数として25個が設定される。つまり、遊技者は、100円で25個の遊技球を購入することができ、その100円に5%の消費税が内税として含まれる。遊技球の値段は1球あたり4円であり、そのうちホールが得る有価価値は3.8円となる。この場合、例えば遊技者が球貸ボタン220を介して500円を指定した場合、貸出装置200はこれを5単位として払出制御基板45に要求する。払出制御基板45は、メイン基板102から貸出個数情報の情報を取得しているため、消費税が5%であれば、その25個に貸出単位数である5を乗算した125個の遊技球を払い出すよう払出機構を制御する。
そして、将来的に税率が変更された場合には、その税率に合わせた貸出個数情報がメイン基板102のROM102bに記録された状態で遊技盤50が出荷される。例えば税率が10%となった場合、貸出単位は100円分を1単位としたまま、その貸出単位あたりの払出個数として24個を設定する。そうすると、1球あたり約4.17円となるため、そのうちホールが得る有価価値は約3.79円となり、当初の3.8円に近い値を維持できる。また税率が15%となった場合、同様に貸出単位は100円分を1単位としたまま、その貸出単位あたりの払出個数として23個を設定する。そうすると、1球あたり約4.35円となり、そのうちホールが得る有価価値は約3.78円となり、当初の3.8円に近い値を維持できる。さらに税率が20%となった場合、同様に貸出単位は100円分を1単位としたまま、その貸出単位あたりの払出個数として22個を設定する。そうすると、1球あたり約4.55円となり、そのうちホールが得る有価価値は約3.79円となり、当初の3.8円に近い値を維持できる。本実施例では、この貸出個数情報を遊技盤50の製造時にメイン基板102のROM102bに書き込んで出荷するため、遊技ホールにて事後的のそのROM102bの貸出個数情報が書き換えられることは防止される。
図8(b)に示す主制御EVENTコマンドは、払出制御基板45への制御指令を行うためのコマンドである。この主制御EVENTコマンドは、その最上位ビット(ビット番号:7)が「0」とされることで識別される。この主制御EVENTコマンドは、その下位5ビット(「DU4」〜「DU0」)にて連続払出個数情報が表される。払出制御においては後述のように、遊技球を所定個数ずつ数回にわたって払い出すことにより、要求された個数の遊技球を払い出す制御も実行される。
図8(c)に示す払出制御MODEコマンドは、払出制御基板45が主制御MODEコマンドを受信したことに対してメイン基板102へ応答するためのコマンドである。この払出制御MODEコマンドは、その全ビット(「PA7」〜「PA0」)を主制御MODEコマンドと同内容として返信される。このため、メイン基板102は、払出制御MODEコマンドから受信した払出制御MODEコマンドが、それに先だって送信した主制御MODEコマンドと同一であるか否かにより通信異常がなかったかどうかを判定することができる。
図8(d)に示す払出制御EVENTコマンドは、払出制御基板45が主制御EVENTコマンドを受信したことに対してメイン基板102へ応答するためのコマンドである。この払出制御EVENTコマンドは、その下位3ビットにより払出ユニット43の状態を通知する。すなわち、「PER」が「1」である場合は払出異常中であることを示し、「0」である場合は払出異常ではないことを示す。また、「PBY」が「1」である場合は払出中であることを示し、「0」である場合は払出中ではないことを示す。さらに、「PUE」が「1」である場合は球経路球切れ中、球経路球不足中、払出モータ異常中、カウントセンサ異常中などのエラー発生中であることを示し、「0」である場合はそのエラーが発生していないことを示す。
メイン基板102は、払出制御の開始に先立って払出制御基板45との間で上記主制御MODEコマンド、払出制御MODEコマンド、主制御EVENTコマンド、および払出制御EVENTコマンドの送受信を実行する。その結果、異常がなければ払出制御を開始し、異常があれば払出制御を禁止する。
図9は、払出制御の制御過程を例示するタイミングチャートである。同図においては上段からBRDY信号の出力状態、BRQ信号の出力状態、PRDY信号の出力状態、EXS信号の出力状態、払出モータ154の駆動状態が示されている。同図の横軸は時間の経過を示している。
図示のように、払出制御基板45は、遊技球の払出準備が整っている状態において、その旨を示すPRDY信号をオンにする。この状態において遊技者が球貸ボタン220を操作すると、貸出装置200は、その球貸ボタン220の1回の操作で貸し出される有価価値(本実施例では500円)の遊技球が払い出されるまで、払出制御基板45に向けてBRDY信号(貸出要求信号)を出力する。また、カードR/W214は、このときカード挿入口208に挿入されているカードの残高をその有価価値を減算したものに書き換える。その残高情報は、残高表示装置222にも表示される。
貸出装置200は、BRDY信号を出力してから設定時間経過後、払出制御基板45に向けてBRQ信号(貸出指令信号)を出力する。BRQ信号は、球貸ボタン220の1回の操作で貸し出される有価価値を分割して払い出すために出力される信号であり、本実施例では貸出単位として100円分の遊技球を払い出す指令である。したがって、本実施例において遊技者が球貸ボタン220を1回操作した場合、貸出単位数は5単位となる。なお、本実施例における1単位あたりの貸出個数は、図8(b)に示した主制御EVENTコマンドの下位5ビットに指定される連続払出個数が対応する。
払出制御基板45は、BRQ信号を受信すると、貸出装置200に向けてその払出要求を了解したことを示すEXS信号を出力する。そして、EXS信号を出力してから設定時間経過後、BRQ信号の出力を停止するとともに貸出指示を示す制御信号を出力し、払出モータ154の駆動を開始する。それにより、払出モータ154は貸出単位に相当する数の遊技球を払い出すために予め設定された時間駆動される。カウントセンサ152は、その間払い出された遊技球の個数をカウントする。そして、払い出される遊技球のカウントもれのないよう、払出モータ154が停止されてから所定の待ち時間Tが設けられる。
このようにして貸出単位に相当する数の遊技球の払い出しが完了すると、払出制御基板45は、その旨を示すためにEXS信号の出力を停止する。貸出装置200は、このEXS信号の出力が停止されたときに、球貸ボタン220の1回の操作で貸し出される数(本実施例では5単位に対応する125球)の払い出しが完了したか否かを判定し、完了していない場合には、再び払出制御基板45に向けてBRQ信号を出力する。その結果、払出制御基板45により再び貸出単位に相当する数の遊技球の払出制御が実行される。このような処理を繰り返し、球貸ボタン220の1回の操作で貸し出される数の払い出しが完了すると、貸出装置200は、BRDY信号の出力を停止する。
図10は、貸出制御の開始ごとに実行される処理の流れを概略的に示すシーケンス図である。遊技者による球貸ボタン220の操作により、貸出装置200から払出制御基板45に貸出要求信号(BRDY信号)が送信されると(S300)、払出制御基板45からメイン基板102に向けてその旨を示す要求入力情報が送信される(S302)。メイン基板102は、この要求入力情報を受信すると、ROM102bから貸出個数情報を読み出し(S304)、その貸出個数情報を主制御MODEコマンドに含めて払出制御基板45へ向けて送信する(S306)。
払出制御基板45は、メイン基板102からその主制御MODEコマンドを受信すると、それに示された貸出個数情報をRAM106c(「貸出個数記憶手段」として機能する)に書き込み(S308)、その主制御MODEコマンドと同一内容の払出制御MODEコマンドをメイン基板102に返信する(S310)。また、払出制御基板45は、電源投入時の初期動作時にもメイン基板102から貸出個数情報を受け取っており、これを初期貸出個数情報としてRAM106cに記録しているため、その貸出制御時に主制御MODEコマンドから読み取った貸出個数情報と初期貸出個数情報とが一致していることを確認する(S312)。一方、メイン基板102は、先に送信した主制御MODEコマンドと払出制御基板45から返信された払出制御MODEコマンドとが一致したことを確認する(S314)。そして、遊技球を払い出す際の連続払出個数情報を主制御EVENTコマンドに含めて払出制御基板45へ送信する(S316)。
払出制御基板45は、この主制御EVENTコマンドを受け取ると、その連続払出個数情報をRAM106cに書き込み、続いて払出ユニット43による払出処理に異常がないか否かを示す情報を払出制御EVENTコマンドに含めてメイン基板102へ送信する(S318)。そして、それまで受け取った情報等に基づき正常な払出制御が実行可能であることを確認したうえで(S320)、払出制御の実行を開始する(S322)。一方、メイン基板102は、それまで受け取った情報等に基づき正常な払出制御が実行可能であることを確認したうえで(S324)、遊技制御の実行を開始する(S326)。
ここで、本実施例における電断復帰の方法について概説する。例えば、図柄変動中に停電等の外的要因により遊技制御装置100への電源供給が遮断されると、その図柄変動は中断を余儀なくされる。また、本実施例ではサブ基板104側で電源遮断時の遊技制御状態のバックアップがなされていないため、装飾図柄190により表示予定であった当否抽選の結果、変動パターンにしたがう図柄変動の変動残余時間、装飾図柄190の停止図柄等の情報が不明となってしまう。本実施例では、そのような場合であっても電源復帰時にはその中断された図柄変動の残りを円滑に再開できるよう電断投入時処理が実行される。
すなわち、メイン基板102には、上述したCPU102a、ROM102b、RAM102c等のほか、遊技データをバックアップするための不揮発性のバックアップRAM等を備えている。ROM102bには、遊技プログラムのほか、その遊技プログラムに初期状態を示すパラメータ群(以下、単に「初期状態データ」とよぶ)が保持される。電源が遮断されるとCPUが動作を停止し、RAM102c上のデータも消失するが、バックアップRAMに格納された遊技データは保持される。ここでいう「遊技データ」とは、初期状態データと後述の中途状態データを含むデータであり、このうちの全部または一部のデータがバックアップの対象となる。
バックアップRAMは、中途状態データを保持する。ここでいう「中途状態データ」とは、前回の電源遮断時における遊技状態を示す遊技データである。電源が投入されると、CPU102aは、遊技プログラムをROM102bからRAM102cにロードする。そして、バックアップRAMに適切な中途状態データが存在しないときには、初期状態データを処理用RAMにロードし、その初期状態データに基づいて遊技プログラムを実行することにより、初期状態から遊技を開始する。一方、バックアップRAMに中途状態データが適切にバックアップされていれば、CPU102aは、初期状態データの代わりに中途状態データをRAM102cにロードし、そのRAM102cにロードされた中途状態データに基づいて遊技プログラムを実行する。これにより、電源遮断時に中断された遊技状態が再現可能となる。
一方、CPU102aは、このような電源復帰時や通常の電源投入時における初期動作時に、払出制御基板45との間で払出制御を開始するための処理を実行する。具体的には、図10のS304〜S318の処理が実行される。
電源が遮断されると、電源ユニット48から遊技制御装置100や払出制御基板45への供給電圧は徐々に低下する。電源ユニット48の電圧監視手段は、その供給電圧が所定の電断判定値を下回ると、電断信号をメイン基板102に向けて送信する。電断復帰制御手段128は、その電断信号を受信すると、特定の遊技データを退避するための電断時処理を実行する。すなわち、この電断時処理によってRAM102c上の遊技データ、当否抽選結果や決定された変動パターン、図柄変動の有無などの遊技状態を含む中途状態データの全部または一部がバックアップRAMに退避される。電断時処理中には、通常の遊技処理はスリープする。供給電圧がCPU102aが稼動可能な最低電圧を下回ると、CPU102aは停止してしまう。このため、CPU102aは、供給電圧が所定の電断判定値を下回ってからさらに最低電圧を下回る前に電断時処理を完了させる。
一方、サブ基板104においても、ROM104bに演出制御等の遊技プログラムが保持される。サブ基板104のパターン記憶手段130の機能は主としてROM104bにより実現され、その処理過程で用いられるフラグ等の情報がRAM104cに記憶される。サブ基板104の他の手段の各機能は、主としてCPU104aが実行する遊技プログラムにより実現される。ただし、本実施例のサブ基板104はバックアップ機能を有しないため、電源が遮断されるとCPU104aが動作を停止し、RAM104c上のデータは消失する。
電源が投入されると、CPU104aは、遊技プログラムをROM104bからRAM104cにロードして遊技プログラムを実行する。仮に図柄変動中に停電等の外的要因により電源供給が遮断されると、装飾図柄の変動表示はその中断を余儀なくされ、RAM104c上のデータも消失する。本実施例では、そのような場合であっても電源復帰時にはその中断された装飾図柄の変動表示を速やかに再開できるように後述する電断投入時処理が実行される。
また、払出制御基板45においても、ROM106bに払出制御のための制御プログラムが保持される。払出過程で用いられるフラグ等の情報はRAM106cに記憶される。ただし、本実施例の払出制御基板45はバックアップ機能を有しないため、電源が遮断されるとCPU106aが動作を停止し、RAM106c上のデータは消失する。電源が投入されると、CPU106aは、制御プログラムをROM106bからRAM106cにロードして制御プログラムを実行する。
図11は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、所定の電源投入時処理を実行する(S10)。この電源投入時処理は、電源が投入されたときに遊技データをロードして遊技プログラムを正常に動作させるものである。この電源投入時処理は、通常は遊技機の起動が正常に終了された場合の電源投入時に実行されるが、停電などの予期しない電源遮断後の再投入時にも電断復帰処理として実行される。この断復帰処理の内容については説明の便宜上、S20の電断時処理の説明の後に述べることにする。
続いて、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入球した場合の処理を実行し(S11)、通常遊技中であれば(S12のY)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理(S16)や、小当り遊技の制御処理を実行し(S17)、S10の入賞処理においてセットされた賞球数により各種の入賞に応じた賞球の払い出しや、遊技者が貸出要求を行った場合の払い出しを行う払出処理を実行する(S18)。電源の遮断が検出されると、上述した電断時処理を実行する(S20)。
図12は、図11におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。この通常遊技制御処理は、メイン基板102における特別図柄変動処理の実行(S250)、サブ基板104における装飾図柄変動処理の実行(S252)が、繰り返し処理されることとなる。
図13は、図12におけるS250の特別図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S60のN)、保留制御手段116により当否抽選値の保留がなされている場合(S70のY)、当否抽選手段112が保留制御手段116から当否抽選値を読み出して当否を判定し(S72)、図柄決定手段114が特別図柄192を決定し(S74)、変動パターン決定手段115が特別図柄192の変動パターンを決定し(S76)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して特別図柄192の図柄変動(すなわち当該変動)を開始する(S77)。保留制御手段116により抽選値の保留がなされていない場合はS72からS77までの処理をスキップする(S70のN)。
すでに図柄変動表示が開始されている場合(S60のY)、特別図柄の図柄変動表示を処理し(S78)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S80のY)、変動停止コマンドをサブ基板104へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S82)、本図のフローを終了する。図柄表示の停止タイミングに達していない場合はS82の処理をスキップして本図のフローを終了する(S80のN)。
図14は、図12におけるS252の装飾図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。サブ基板104がメイン基板102から変動開始コマンドを受信した場合(S260のY)、演出決定手段132は、受信された当否判定結果および特別図柄の停止図柄に応じて装飾図柄の停止態様を決定する(S262)。また、受信された当否判定結果および変動パターンに応じて変動演出パターンを決定し(S264)、予告演出パターンを決定する(S266)。演出表示制御手段134は、決定された変動演出パターンおよび予告演出パターンにしたがった演出制御を開始する(S268)。一方、サブ基板104が変動開始コマンドを受信していなければ(S260のN)、S262からS268の処理はスキップされる。
続いて、図柄変動中であれば(S270のY)、演出表示制御手段134は、対応する演出制御を実行する(S272)。そして、サブ基板104がメイン基板102から変動停止コマンドを受信すると(S274のY)、S262で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止して演出制御を終了する(S276)。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときは(S274のN)、S276の処理をスキップする。変動表示が開始済みでないときは(S270のN)、S272からS276の処理をスキップする。
図15は、図11におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、すでに特別遊技が開始済みであって(S92のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口66の開放処理を実行する(S100)。このとき、設定された大当り演出の表示も開始する。大入賞口66が開放済みであれば(S98のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S92において特別遊技が開始済みでない場合は(S92のN)、特別遊技を開始して(S94)、その開始デモ演出の表示を開始し(S96)、本処理を一旦終了する。
S106においては、特別遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、後述する終了フラグを参照して特別遊技終了条件が満たされるか否かを判定し(S110)、特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了し(S118)、特定遊技、すなわち確変、時短、および入球容易状態を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118およびS120の処理をスキップする。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降のフローをスキップする。
図16は、図15におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、通過フラグを一律にオフにするとともに開閉パターンの動作を設定し(S124)、大入賞口66を開放させる(S126)。また、現在の単位遊技の繰り返し回数に対応した大当り演出、または繰り返し回数が異なる回数になることに対応した大当り演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図17は、図15におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は大入賞口66を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、入球数による終了条件が満たされなくとも(S130のN)、開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口66を閉鎖する(S134)。開放時間による終了条件も満たされなければ(S132のN)、S134以降のフローをスキップする。
なお、15R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口66への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から開閉パターンに沿った設定時間の経過である。15R大当りの場合は、その開放開始から30秒の経過であり、2R大当りの場合は、その開放開始から0.5秒の経過である。ただし、0.5秒の開放は極めて短いため、10球以上の入球はもちろん、入球そのものが困難である。その大入賞口の開放と同時に遊技球を打ち出したとしても入球困難であるため、大入賞口66の極短開放が行われる2R大当りについては、大入賞口66の開放前にその開放を予測して遊技球を打ち出す必要がある。一方、15R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から30秒の経過である。このとき、継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。本実施例においてこの継続上限回数は15回である。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
図18は、図11におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が小当りであった場合(S150のY)、既に小当り遊技が開始済みであって(S152のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S158のN)、大入賞口66の開放処理を実行し(S160)、開放済みであれば(S158のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S162)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S164のY)、S166へ移行する。閉鎖状態でなければ(S164のN)、S166以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S152において小当り遊技が開始済みでない場合は(S152のN)、小当り遊技を開始して(S154)、2R大当りと同様の開始デモ演出の表示を開始し(S156)、本処理を一旦終了する。
S166においては、小当り遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でなければ(S166のN)、小当り遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、小当り遊技終了条件が満たされることになる。小当り遊技終了条件が満たされていれば(S170のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S172)、終了デモ演出の表示を開始する(S174)。小当り遊技終了条件が満たされていなければ(S170のN)、本処理を一旦終了する。S166にてデモ演出中であると判定され(S166のY)、終了デモ演出が終了した場合(S176のY)、小当り遊技を終了する(S178)。終了デモ演出が終了していない場合は(S176のN)、S178の処理をスキップする。小当りでない場合は(S150のN)、本図のS152以降のフローをスキップする。
図19は、図18におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S180のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S182)、大入賞口66の開放を開始する(S184)。開放タイミングでないときは(S180のN)、S182およびS184の処理をスキップする。
図20は、図18におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の終了タイミングとなったとき(S190のY)、終了フラグをオンにし(S192)、大入賞口66を閉鎖する(S194)。なお、この閉鎖タイミングは、大入賞口66の開放開始から0.5秒の経過したタイミングである。閉鎖タイミングでなければ(S190のN)、S192およびS194の処理をスキップする。
図21は、図11のS20における電断時処理を詳細に示すフローチャートである。
メイン基板102に電断信号が入力されると(S220のY)、図11から図20に示した通常の遊技処理は停止され、図柄変動情報を含む遊技状態を保存する処理が実行される。電断復帰制御手段128は、バックアップ対象となる遊技データを特定し、チェックサム(以下、「第1チェックサム」とよぶ)を生成してバックアップRAMに記録する(S222)。チェックサムの生成方式は、例えばその遊技データの特定の下位ビットに対して所定の加算処理を施すなど、既知の方式であればよい。このとき特定される遊技データには中途状態データが含まれており、電断復帰制御手段128は、その遊技データをバックアップRAMに退避させる(S224)。この遊技データのバックアップが正常に完了すると、バックアップRAMの所定領域に設定された正常処理フラグをオンにする(S226)。一方、電断信号の入力がなければ(S220のN)、本処理はスキップされる。なお、変形例においてはS226の処理を省略してもよい。
図22は、図11のS10に関連する電断復帰処理を詳細に示すフローチャートである。上述のように電源が遮断された後に再投入されると、まずサブ基板104が起動し、続いてメイン基板102が起動する。本実施例では、電源復帰時に電源ユニット48からメイン基板102への電源供給タイミングをサブ基板104への電源供給タイミングよりも設定時間遅延させることで、サブ基板104をメイン基板102よりも先に起動させる。なお、変形例においては、電源投入時にメイン基板102にて実行されるリセット処理のタイミングを、サブ基板104にて実行されるリセット処理のタイミングよりも遅延させることで、サブ基板104をメイン基板102よりも先に起動させるようにしてもよい。このようにサブ基板104をメイン基板102よりも先に起動させるのは、メイン基板102が起動したタイミングでサブ基板104へ送信する情報を、サブ基板104側で取りこぼさないようにするためである。なお、同様の理由から、電源投入時には払出制御基板45についてもメイン基板102より先に起動する。
電断復帰制御手段128は、遊技制御が未だ開始されていなければ(S230のN)、RAMクリアスイッチ92がオンにされていれば(S231のY)、初期化実行手段127に上述した初期化処理を実行させる(S232)。このとき、バックアップRAMに中途状態データ等の遊技データが保持されていれば、消去される。RAMクリアスイッチ92がオンにされていない場合(S231のN)、電源遮断時の遊技状態を再現するための「再現処理」が実行される。すなわち、電断復帰制御手段128は、まずバックアップRAMを参照し、正常判定フラグがオンにされているかを判定する。そして、正常判定フラグがオンにされていれば(S234のY)、バックアップRAMからRAM102cに中途状態データをロードするとともに、電源遮断時に生成した第1チェックサムも取得する。続いて、ロードした中途状態データから、第1チェックサムの生成方式と同一方式にて新たなチェックサム(以下、「第2チェックサム」とよぶ)を生成し、第1チェックサムと第2チェックサムとが一致するか否かを判定する。このとき、両チェックサムが一致していれば(S236のY)、ロードした中途状態データに基づいて、電源遮断時の遊技状態を再現する(S238)。
電源遮断時において図柄変動が途中で中断されていた場合には、メイン基板102において、この電源再投入時に電断復帰制御手段128がメイン表示制御手段118に特別図柄192の図柄変動を再開させるための処理を実行する。また、電断復帰制御手段128は、その図柄変動が再開されることを示す電断復帰コマンドをサブ基板104に送信する。サブ基板104には、この電断復帰コマンドとともに、メイン基板102における電源復帰時の遊技状態として図柄変動中である旨の情報、当否抽選結果の保留状態等の情報が送られる。サブ基板104においては、演出表示制御手段134が対応する装飾図柄の図柄変動を開始するための処理を実行する。そして、正常処理フラグをオフにする(S240)。一方、正常処理フラグがオフになっている場合(S234のN)、チェックサムが一致しなかった場合には(S236のN)、S232へ移行して初期化処理を実行し、ROMから初期状態データをロードする。続いて、払出制御を実行するための貸出情報設定処理を実行する(S242)。電源投入により既に遊技制御が開始されていれば(S230のY)、S231からS242の処理をスキップする。
次に、本実施例の払出処理の詳細について説明する。図23は、貸出装置200において実行される貸出要求処理を示すフローチャートである。貸出制御基板202は、電源投入時にRAMクリアおよび割込み許可等の所定の初期化処理を行った後、所定の制御周期にて図示の処理を実行する。
すなわち、貸出装置200は、未だ貸出処理が開始されていなければ(S400のN)、払出制御基板45からPRDY信号が入力されているか否かに基づき、貸出可能状態であるか否かを判定する。このとき、貸出可能状態であれば(S402のY)、球貸ボタン220が操作されたことを示す貸出操作入力があれば(S404のY)、貸出単位数Nをセットする(S406)。本実施例では上述のように、球貸ボタン220の1回の操作により5単位(500円分)の貸出が設定されているため、ここではN=5として設定する。そして、BRDY信号を出力した後、BRQ信号(貸出要求信号)を出力する(S408)。なお、貸出可能状態でない場合には(S402のN)、S404からS408の処理をスキップする。貸出操作入力がなければ(S404のN)、S406およびS408の処理をスキップする。
既に貸出処理が開始されていれば(S400のY)、EXS信号の入力がなくなったか否かに基づき、貸出単位に対応する貸出処理(「単位貸出」ともいう)が完了したか否かを判定する。単位貸出が完了していれば(S410のY)、貸出単位数Nを1減算する(S412)。このとき、貸出単位数がゼロでなければ(S414のN)、S408に移行して次の単位貸出を要求する。このようにして貸出制御が進められ、貸出単位数Nがゼロになると(S414のY)、BRDY信号の出力を停止することにより貸出要求処理を終了する(S416)。なお、S410において単位貸出が完了していなければ(S410のN)、S412からS416の処理をスキップする。
図24は、図22のS242においてメイン基板102が実行する貸出情報設定処理を詳細に示すフローチャートである。メイン基板102は、まず、ROM102bに記録された貸出個数情報を読み出し(S420)、主制御MODEコマンドを設定し(S422)、続いて主制御EVENTコマンドを設定する(S424)。そして、まず、設定された主制御MODEコマンドを払出制御基板45に向けて送信する(S426)。それにより、払出制御基板45から払出制御MODEコマンドが返信されると(S428のY)、先に送信した主制御MODEコマンドと受信した払出制御MODEコマンドの貸出個数情報が一致しているか否かを判定する。このとき双方の貸出個数情報が一致していれば(S430のY)、S433へ移行する。一方、貸出個数情報が一致していなければ(S430のN)、遊技制御を一旦停止し(S432)、設定された主制御MODEコマンドを払出制御基板45に向けて再度送信する(S426)。なお、この設定コマンドの再送信を行う場合に、例えば図示しないランプを点灯させるなど、遊技球の貸出にエラーが発生している旨を示すエラー報知処理を実行するようにしてもよい。
続いてS433においては、設定された主制御EVENTコマンドを払出制御基板45に向けて送信する(S433)。それにより、払出制御基板45から払出制御EVENTコマンドが返信されると(S434のY)、その払出制御EVENTコマンドを参照する。そして、払出ユニット43の払出処理に異常がないと判定すると(S436のY)、遊技制御開始を設定する(S438)。それにより、図11におけるS11以降の処理が開始される。一方、払出ユニット43の払出処理に異常があると判定すると(S436のN)、遊技制御を停止し(S439)、本処理を一旦終了する。なお、このように異常があると判定された場合に、例えば図示しないランプを点灯させるなど、遊技球の払出処理に関してエラーが発生している旨を示すエラー報知処理を実行するようにしてもよい。
図25は、図22のS242において払出制御基板45が実行する貸出情報設定処理を詳細に示すフローチャートである。払出制御基板45は、メイン基板102から送信された主制御MODEコマンドおよび主制御EVENTコマンドのいずれかを受信すると(S440のY)、予め定める検査手順に基づきそれらのコマンドが正常か否かを判定する。このとき、コマンドが正常であれば(S442のY)、主制御MODEコマンドを受信していれば(S444のY)、その主制御MODEコマンドの情報をRAM202cに記録するとともに(S446)、その主制御MODEコマンドと同内容の払出制御MODEコマンドを設定してメイン基板102に向けて返信する(S448)。主制御MODEコマンドを受信していなければ(S444のN)、S446およびS448の処理をスキップする。また、主制御EVENTコマンドを受信していれば(S450のY)、その主制御EVENTコマンドの情報をRAM202cに記録するとともに(S452)、払出制御EVENTコマンドを設定してメイン基板102に向けて返信する(S454)。主制御EVENTコマンドを受信していなければ(S450のN)、S452およびS454の処理をスキップする。
そして、主制御MODEコマンドおよび主制御EVENTコマンドの双方を記憶済みであれば(S456のY)、それらのコマンドに基づく情報を設定し(S458)、払出許可を設定する(S460)。一方、主制御MODEコマンドおよび主制御EVENTコマンドのいずれも受信できない場合(S440のN)、コマンドが正常でない場合(S442のN)、双方のコマンドを記憶済みでない場合(S456のN)には、いずれも払出禁止を設定する(S462)。
図26は、図11のS18の払出処理を詳細に示すフローチャートである。払出制御基板45は、S460により払出許可が設定されていれば(S470のY)、貸出装置200から貸出要求信号が入力されれば(S472のY)、貸出球の払出制御(貸出制御)を開始する(S474)。一方、貸出要求ではなく(S472のN)、各入賞口への入球に基づく賞球払出要求があれば(S476のY)、その賞球払出制御を開始する(S478)。貸出要求も賞球払出要求もなければ(S476のN)、S478の処理をスキップする。S462により払出禁止が設定されていれば(S470のN)、S472からS478の処理をスキップする。
図27は、図26のS474またはS478にて実行される払出制御処理を詳細に示すフローチャートである。なお、S474における貸出球の払出制御処理と、S478における賞球の払出制御処理とは厳密には異なるが、ここでは便宜上、一つのフローチャートを用いて説明する。
貸出球の払出制御においては、まず払出情報設定処理が実行される(S480)。この払出情報設定処理の概要は図10に示したとおりであり、基本的には図24に示したメイン基板102による貸出情報設定処理と、図25に示した払出制御基板45による貸出情報設定処理とが実行される。メイン基板102は、図24のS432においては遊技制御継続を設定し、S434においては遊技制御の中断を設定する。また、払出制御基板45は、図25のS458において、電源投入による初期動作時に設定した貸出個数情報(初期貸出個数情報)と、この払出制御時の貸出個数情報とが異なる場合には、ROM106b(「基本個数記憶手段」として機能する)に予め記憶している基本貸出個数情報を設定する。この基本貸出個数情報としては、税率変更前の貸出個数情報(本実施例では貸出単位あたり25個)、つまり遊技者に相対的に有利な貸出個数情報が設定されている。
そして、払出制御基板45は、貸出装置200からの貸出要求信号に含まれる貸出単位数の情報に基づいてトータルの払出個数N1を設定する(S481)。上述のように、払出制御基板45はメイン基板102から受け取った貸出個数情報(貸出単位あたりの遊技球の数)を保持しているため、その貸出個数情報に貸出単位数を乗算した数を払出個数N1を設定する。例えば、上述のように貸出個数として25個、貸出単位数として5単位が設定されている場合、払出個数N1は125個となる。
続いて、連続払出数N2を設定する(S482)。この連続払出数N2は貸出装置200からBRQ信号が入力されるごとに払い出される個数であり、主制御EVENTコマンドに設定されていた個数である。本実施例では、この連続払出数N2として貸出単位に相当する25個が設定される。そして、予め定める待ち時間をセットし(S484)、払出モータ154の駆動を開始する(S486)。なお、払出モータ154の駆動時間は単位払出の個数に応じて予め設定されている。このとき、カウントセンサ152により遊技球の払い出しが検出されるごとに連続払出数N2を1減算する(S490)。このS488およびS490の処理を、払出モータ154の駆動を停止してから待ち時間が経過するまで繰り返し実行する(S492のN)。待ち時間が経過すると(S492のY)、連続払出数N2がゼロになっていれば(S494のY)、払出個数N1から連続払出数N2を減算する(S496)。このとき、払出個数N1がゼロになっていなければ(S498のN)、S482に戻り、次のBRQ信号が入力されたときの払出処理のために、同様の処理を実行する。このようにして、払出個数N1がゼロになると(S498のY)、予め設定した払出終了処理を実行する(S500)。
一方、S492にて待ち時間が経過したにもかかわらず(S492のY)、連続払出数N2がゼロになっていなければ(S494のN)、払出処理を中断し(S502)、エラー報知を実行する(S504)。遊技ホールの店員は、このエラー報知がなされた場合に、球切れ対処などのしかるべき措置をとることができる。
一方、賞球の払出制御においては、払出情報設定処理において、いずれの入賞口への入球があったかに応じて予め定められた賞球数が設定される(S480)。払出制御基板45は、その賞球数に基づいてトータルの払出個数N1を設定する(S481)。
続いて、連続払出数N2を設定する(S482)。この連続払出数N2は主制御EVENTコマンドに設定されていた個数である。そして、予め定める待ち時間をセットし(S484)、払出モータ154の駆動を開始する(S486)。なお、払出モータ154の駆動時間はその連続払出数に応じて予め設定されている。このとき、カウントセンサ152により遊技球の払い出しが検出されるごとに連続払出数N2を1減算する(S490)。このS488およびS490の処理を、払出モータ154の駆動を停止してから待ち時間が経過するまで繰り返し実行する(S492のN)。待ち時間が経過すると(S492のY)、連続払出数N2がゼロになっていれば(S494のY)、払出個数N1から連続払出数N2を減算する(S496)。このとき、払出個数N1がゼロになっていなければ(S498のN)、S482に戻り、同様の処理を実行する。このようにして、払出個数N1がゼロになると(S498のY)、予め設定した払出終了処理を実行する(S500)。一方、S492にて待ち時間が経過したにもかかわらず(S492のY)、連続払出数N2がゼロになっていなければ(S494のN)、払出処理を中断し(S502)、エラー報知を実行する(S504)。遊技ホールの店員は、このエラー報知がなされた場合に、球切れ対処などのしかるべき措置をとることができる。
以上に説明したように、本実施例では、税率の変更等により貸出単位あたりの遊技球の払出個数が変更された場合には、その変更後の貸出個数情報がメイン基板102のROM102bに記録される。そして、ぱちんこ遊技機10の電源投入による初期動作時および貸出球の払出開始時その貸出個数情報が払出制御基板45へ送信され、払出制御基板45がその貸出個数情報を受信するごとにこれを更新する。このため、貸出個数情報が変更されてもその変更後の貸出個数情報に基づく払出制御が実行されるようになり、税率の変更にも柔軟に対応することができる。特に、その税率変更後の貸出個数情報が遊技盤50の製造段階でメイン基板102のROM102bに書き込まれるため、例えば税率変更時以降に設置される新台から税率変更の反映された遊技盤50を設置するよう調整を行うことで、新台入荷に併せて税率変更に効率よく対応することもできる。また、メイン基板102から払出制御基板45へ送信した主制御MODEコマンドに示される貸出個数情報と、払出制御基板45からメイン基板102へ返信された払出制御MODEコマンドに示される貸出個数情報とが一致しない場合には、遊技制御を開始および継続しないようにすることで、誤った情報に基づく払出処理の実行を防止することができる。さらに、税率変更後の貸出個数情報が遊技盤50の製造段階でメイン基板102のROM102bに書き込まれるため、遊技盤50の出荷後に遊技ホール側の意向に応じて貸出単位情報を任意に設定変更することが困難となるため、変更について公正を担保することが可能となる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
(変形例1)
上記実施例では、遊技球を遊技媒体とする第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が一つ存在する遊技機に対して上記払出制御を適用する例を示した。変形例においては、従来にいう第2種ぱちんこ遊技機その他の機種の遊技機、特定の機種のぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する遊技機、複数の機種のぱちんこ遊技機に相当する遊技が混在する遊技機に対して上記払出制御を適用してもよい。あるいは、ぱちんこ遊技機に限らず、雀球遊技機、アレンジボールといった他の弾球遊技機、スロットマシンのような回胴式遊技機に対して上記払出制御を適用してもよい。遊技球ではなく、メダル等を遊技媒体とする遊技機に対して上記払出制御を適用してもよい。
(変形例2)
上記実施例では述べなかったが、払出制御基板45は、図25の貸出情報設定処理において、貸出個数情報が送信されるべき期間として予め設定された送信待ち時間が経過するまでに主制御MODEコマンドの入力がない場合には、ROM106bに予め記憶された基本貸出個数情報をRAM106cに記録し、その基本貸出個数情報に基づいて遊技球の払出を実行するようにしてもよい。なお、この基本貸出個数情報については、上述した税率変更前の貸出個数情報(本実施例では貸出単位あたり25個)、つまり遊技者に相対的に有利な貸出個数情報を用いることができる。
(変形例3)
上記実施例では述べなかったが、メイン基板102と払出制御基板45との間で貸出個数情報を送受信する際に、遊技球の発射を許可する旨を示す発射許可信号の送受信を同期させるように行ってもよい。例えば、主制御MODEコマンドの一部に発射許可信号を示すビットを設けるようにしてもよい。そして、その送受信が正常に終了した場合に、発射制御基板47による遊技球の発射動作制御を許可するようにしてもよい。
(変形例4)
上記実施例では述べなかったが、遊技機に本来接続されることのない装置が入れ替えられて接続されたようなときには、そのことを的確に検出する必要もある。このため、遊技機における装置が適切に接続されているか否か、又は適切な装置が接続されているか否かを検査する必要がある。
この目的を達成するために、遊技制御装置と払出制御装置とを接続する2n(8)本の通信ラインの各々を識別することができる互いに異なる2n(8)個の確認信号を、前記遊技制御装置又は前記払出制御装置のいずれか一方の装置から他方の装置へ前記通信ラインを介して供給する確認信号供給手段を含み、かつ、前記他方の装置において前記通信ラインを介して受信した受信信号から前記通信ラインの接続状態(断線状態や混線状態)を確認する遊技機の配線確認手段において、前記他方の装置は、前記受信信号に含まれる高レベルの信号及び低レベルの信号の少なくとも一方と予め記憶されているチェックデータとを比較して通信ラインの接続状態を判断する通信ライン受信手段を含み、前記確認信号供給手段は、前記通信ラインの各々について、前記低レベルの信号又は前記高レベルの信号のいずれかの信号を順次生成し、これをn(3)回まで行って生成した信号を前記確認信号として前記通信ラインに発する確認信号生成手段を有し、かつ、前記確認信号生成手段は、各回ごとの信号生成に際して、2n/2(4)本の通信ラインには低レベルの信号を割り当て、残りの2n/2(4)本の通信ラインには高レベルの信号を割り当てた通信ライン割当パターンで信号を生成するとともに、各回ごとの通信ライン割当パターンの全てを異ならしめて前記確認信号を生成する通信ライン割当手段を有し、前記通信ライン割当手段は、今回の通信ラインの割り当てについて、前回の通信ラインの割り当ての際に低レベルの信号が割り当てられた通信ラインの半分の通信ラインについては、低レベルの信号を割り当て、残りの通信ラインについては、高レベルの信号を割り当て、かつ、前回の通信ラインの割り当ての際に高レベルの信号が割り当てられた通信ラインの半分の通信ラインについては、高レベルの信号を割り当て、残りの半分の通信ラインについては、低レベルの信号を割り当てる遊技機の配線確認手段を提供することにより解決可能である。
また、前記確認信号供給手段は、前記n回までの各回の全てについて低レベルの信号を発した通信ラインについては、高レベルの信号を、かつ前記n回までの各回の全てについて高レベルの信号を発した通信ラインについては、低レベルの信号を、n+1回目に生成してもよい。また、他方の装置は、前記受信信号に含まれる高レベルの信号及び低レベルの信号の少なくとも一方から、前記通信ラインの接続状態を判断する通信ライン判断手段を含んでもよい。また、払出制御装置は、前記受信信号に含まれる高レベルの信号及び低レベルの信号の少なくとも一方から、前記通信ラインの接続状態を判断する通信ライン判断手段を含んでもよい。こうすることにより、遊技機における装置が適切に接続されているか否か、又は適切な装置が接続されているか否かを判断することができるのである。
遊技制御装置は、確認信号供給手段を含み、確認信号供給手段は、確認信号生成手段と通信ライン割当手段とからなる。通信ライン割当手段は、通信ラインを構成する各々の通信ラインに対して如何なる確認信号を割り当てるかを定めるものである。また、確認信号生成手段は、通信ライン割当手段によって割り当てられた確認信号を生成するものである。このような構成とすることにより、確認信号供給手段は、通信ラインを構成する各々の通信ラインを識別し得る確認信号を払出制御装置に供給することができるのである。
払出制御装置は、確認信号受信手段を含み、確認信号受信手段は、通信ライン判断手段を含む。確認信号受信手段は、通信ラインに供給された信号を受信する。通信ライン判断手段は、確認信号受信手段により受信した信号が示す値に基づいて通信ラインの接続状態を判断する。
全ての通信ライン割当パターンについて通信ラインに信号を出力したか否かを判断するこの判断は、後述する如く、通信ラインの本数が2n本であるときには、n回に至ったか否かを判断するものである。例えば、通信ラインの本数が8本であるときには、3回に至ったかを判断するのである。
2
n本の通信ラインの各々を識別することができる確認信号、即ち、2
n本の通信ラインの全てについて異なる信号を生成することができるのである。例えば、第1通信ラインについて生成された信号は、「1」−「1」−「1」であり、これが第1通信ラインの確認信号である。また、第6通信ラインについて生成された信号は、「0」−「1」−「0」であり、これが第6通信ラインの確認信号である。
また、通信ラインの本数が2n本のときには、n+1回まで処理を繰り返すこととしてもよい。例えば、通信ラインの本数が8本であるときには、4回までの処理を繰り返すのである。4回目の信号を生成するときには、上に示す4回目の行の通信ライン割当パターンを読み出して信号を生成する。即ち、第1通信ラインに対してはデータ値「0」を、8通信ラインに対してはデータ値「1」となる通信ライン割当パターンで信号を割り当てる。尚、4回目の行に示した「−」の記号は、任意のデータ値の信号を割り当ててよいことを示すものである。即ち、4回目の行の通信ライン割当パターンにおいて、第2通信ライン〜第7通信ラインに対してはデータ値「0」を割り当ててもデータ値「1」を割り当ててもよいのである。4回まで通信ラインを割当てることとした場合には、第1通信ラインの確認信号は、「1」−「1」−「1」−「0」となり、第8通信ラインの確認信号は、「0」−「0」−「0」−「1」となる。このように4回まで通信ラインの割当てを行い、確認信号を生成するとしたときには、2n本の通信ラインの全てについて、その接続状態を的確に判別することができるのである。
この接続状態を確認した後に、以下のような処理を実行する。遊技制御装置は、貸出単位あたりの遊技媒体の払出個数である貸出個数情報を記録した貸出単位記憶手段を備え、初期動作時に前記貸出個数情報を読み出して前記払出制御装置へ送信する。払出制御装置は、貸出個数情報を記録するための貸出個数記憶手段を備え、遊技制御装置から貸出個数情報を受信するごとにその貸出個数情報を更新するとともに、その貸出個数情報を前記遊技制御装置に返信し、貸出要求信号が入力された場合に貸出データと前記貸出個数情報に基づく払出個数の遊技媒体を払い出しを行う。また、遊技制御装置は、払出制御装置へ送信した貸出個数情報と前記払出制御装置から受信した貸出個数情報とが一致した場合に遊技制御を開始し、一致しない場合には遊技制御の開始を留保し、貸出個数情報を払出制御装置へ再度送信する。