JP5775937B2 - 多部位心室ペーシングのための不応及びブランキング間隔 - Google Patents

多部位心室ペーシングのための不応及びブランキング間隔 Download PDF

Info

Publication number
JP5775937B2
JP5775937B2 JP2013546231A JP2013546231A JP5775937B2 JP 5775937 B2 JP5775937 B2 JP 5775937B2 JP 2013546231 A JP2013546231 A JP 2013546231A JP 2013546231 A JP2013546231 A JP 2013546231A JP 5775937 B2 JP5775937 B2 JP 5775937B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pace
pacing
ventricular
sensing
site
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013546231A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014502536A (ja
JP2014502536A5 (ja
Inventor
ジェフリー イー スターマン
ジェフリー イー スターマン
ジェイムズ オー ギルカーソン
ジェイムズ オー ギルカーソン
クルジシュトフ ゼット シェイコ
クルジシュトフ ゼット シェイコ
ジェイムズ カルグレン
ジェイムズ カルグレン
Original Assignee
カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド
カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド, カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド filed Critical カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド
Publication of JP2014502536A publication Critical patent/JP2014502536A/ja
Publication of JP2014502536A5 publication Critical patent/JP2014502536A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5775937B2 publication Critical patent/JP5775937B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N1/00Electrotherapy; Circuits therefor
    • A61N1/18Applying electric currents by contact electrodes
    • A61N1/32Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents
    • A61N1/36Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents for stimulation
    • A61N1/362Heart stimulators
    • A61N1/3627Heart stimulators for treating a mechanical deficiency of the heart, e.g. congestive heart failure or cardiomyopathy
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N1/00Electrotherapy; Circuits therefor
    • A61N1/18Applying electric currents by contact electrodes
    • A61N1/32Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents
    • A61N1/36Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents for stimulation
    • A61N1/362Heart stimulators
    • A61N1/365Heart stimulators controlled by a physiological parameter, e.g. heart potential
    • A61N1/368Heart stimulators controlled by a physiological parameter, e.g. heart potential comprising more than one electrode co-operating with different heart regions
    • A61N1/3684Heart stimulators controlled by a physiological parameter, e.g. heart potential comprising more than one electrode co-operating with different heart regions for stimulating the heart at multiple sites of the ventricle or the atrium
    • A61N1/36842Multi-site stimulation in the same chamber
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N1/00Electrotherapy; Circuits therefor
    • A61N1/18Applying electric currents by contact electrodes
    • A61N1/32Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents
    • A61N1/36Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents for stimulation
    • A61N1/362Heart stimulators
    • A61N1/365Heart stimulators controlled by a physiological parameter, e.g. heart potential
    • A61N1/368Heart stimulators controlled by a physiological parameter, e.g. heart potential comprising more than one electrode co-operating with different heart regions
    • A61N1/3684Heart stimulators controlled by a physiological parameter, e.g. heart potential comprising more than one electrode co-operating with different heart regions for stimulating the heart at multiple sites of the ventricle or the atrium
    • A61N1/36843Bi-ventricular stimulation
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N1/00Electrotherapy; Circuits therefor
    • A61N1/18Applying electric currents by contact electrodes
    • A61N1/32Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents
    • A61N1/36Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents for stimulation
    • A61N1/362Heart stimulators
    • A61N1/365Heart stimulators controlled by a physiological parameter, e.g. heart potential
    • A61N1/368Heart stimulators controlled by a physiological parameter, e.g. heart potential comprising more than one electrode co-operating with different heart regions
    • A61N1/3684Heart stimulators controlled by a physiological parameter, e.g. heart potential comprising more than one electrode co-operating with different heart regions for stimulating the heart at multiple sites of the ventricle or the atrium

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Physiology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Electrotherapy Devices (AREA)

Description

〔優先権の主張〕
本出願は、引用により本明細書に組み込まれる2010年12月20日出願のStahmann他の「多部位左心室ペーシングという状況における不応及びブランキング間隔」という名称の米国特許仮出願出願番号第61/424,947号の「35 U.S.C.119(e)」の下での優先権の恩典を請求するものである。
本発明は、心調律管理のためのデバイス及び方法に関する。特に、本発明は、心臓再同期治療を投与するためのデバイス及び方法に関する。
心不全(HF)は、心機能の異常が周辺組織の代謝需要を満たすのに十分なレベルよりも低い可能性がある正常よりも少ない心拍出量を引き起こす臨床的症候群を指す。心不全は、様々な病因による可能性があり、虚血性心疾患が最も一般的である。心機能を増大させるように考案された薬物療法又はペーシング治療により心不全を治療することができる。一部の心不全患者には、心室内及び/又は心室間伝導欠陥(例えば、脚ブロック)があり、従って、電気刺激で心室収縮の同期を改善することによって心拍出量を増大させることができることが公知である。これらの問題を処置するために、心房及び/又は心室収縮の調節を改善する目的で1つ又はそれよりも多くの心腔に適切に時間調節された電気刺激を行う心臓再同期療法(CRT)と呼ばれる埋め込み型心臓デバイスが開発されている。心室再同期は、心不全を治療する際に有用であり、その理由は、直接的には変力性ではないが、再同期により、心室収縮調節の増大を得ることができ、拍出効率が改善すると共に心拍出量が増大するからである。
例示的なデバイスの構成要素を示す図である。 例示的なデバイスの電子回路のブロック図である。 多部位LVペーシングに対する不応期管理の開示する方式を示す図である。 多部位LVペーシングに対する不応期管理の開示する方式を示す図である。 多部位LVペーシングに対する不応期管理の開示する方式を示す図である。 多部位LVペーシングに対する不応期管理の開示する方式を示す図である。 多部位LVペーシングに対する左心室保護期の実施を示す図である。 多部位LVペーシングに対する左心室保護期の実施を示す図である。 多部位LVペーシングに対する左心室保護期の実施を示す図である。 多部位LVペーシングに対する左心室保護期の実施を示す図である。 多部位LVペーシングのための両心室トリガ式ペーシングモードの実施を示す図である。 多部位LVペーシングのための両心室トリガ式ペーシングモードの実施を示す図である。 多部位LVペーシングのための両心室トリガ式ペーシングモードの実施を示す図である。 多部位LVペーシングのための両心室トリガ式ペーシングモードの実施を示す図である。 多部位LVペーシングのための両心室トリガ式ペーシングモードの実施を示す図である。
複数の左心室部位を使用する心臓再同期治療の投与に具体的に適用可能である方法及びデバイスを本明細書に説明する。最適にこのような多部位左心室ペーシングを送出するには、単一部位左心室ペーシングとして心臓再同期治療を投与する既存のデバイスに実施されるある一定の作動的特徴の変更が必要である。以下に説明するように、これらの特徴は、不応期の管理、左心室保護期の実行、左心室単独ペーシングモードでの右心室の安全なペーシングの供給、及び両心室トリガ式ペーシングモードの実行に関するものである。
ハードウエアの説明
埋め込み型ペーシングデバイスは、典型的には、患者の胸部で皮下に又は筋肉下に設けられ、リードは、心腔の感知及び/又はペーシングに使用される心腔内に配置された電極にデバイスを接続するために静脈を縫うように通って心臓に達する。プログラマブル電子コントローラは、時間間隔の経過及び/又は電気的活性又は電気活動(すなわち、ペーシングパルスの結果としてではない固有心拍)の感知に応答してペーシングパルスを出力させる。図1は、患者の胸部において皮下に又は筋肉下に設けられた気密密封ハウジング130を含む埋め込み型ペーシングデバイス100の構成要素を示している。ハウジング130は、チタンのような導電性金属から形成することができ、かつ単極構成で電気刺激又は感覚を送出する電極として機能することができる。リード200及び300を受け取る絶縁材料で形成することができるヘッダ140が、ハウジング130上に取り付けられ、リード200及び300は、次に、パルス発生回路及び/又は感知回路に電気的に接続することができる。ハウジング130内には、本明細書に説明するようにデバイスに機能性をもたらす電子回路132が収められ、電子回路132は、電源、感知回路、パルス発生回路、デバイスの作動を制御するプログラマブル電子コントローラ、及び外部プログラマー又は遠隔モニタリングデバイス190と通信することができるテレメトリ送受信機を含むことができる。
回路132のブロック図を図2に示している。バッテリ22は、回路に電力を供給する。コントローラ10は、プログラムされた命令及び/又は回路構成に従ってデバイスの全体的な作動を制御する。コントローラは、マイクロプロセッサベースのコントローラとして実施され、かつASIC(例えば、有限状態機械)のような専用ハードウエア構成要素と共に実施されるか又はその組合せとして実施されるマイクロプロセッサ及びデータ及びプログラム記憶のためのメモリを含むことができる。コントローラのプログラミングは、その用語が本明細書に使用される時に、マイクロプロセッサによって実行されるコード又は特定の機能を実行するハードウエア構成要素の特定の構成を指す。コントローラが外部プログラマー及び/又は遠隔モニタリングユニットと通信することを可能にするテレメトリ送受信機80は、コントローラに接続される。感知回路30及びペーシング又はパルス発生回路20は、コントローラに接続され、感知回路30及びペーシング又はパルス発生回路20により、コントローラは、感知信号を解釈して、ペーシングモードに従ってペーシングパルスの送出を制御する。感知回路30は、検出電極から心房及び/又は心室電位図信号を受信し、かつ感知増幅器、感知増幅器からの感知信号入力をデジタル化するアナログ/デジタル変換器、及び感知増幅器の利得及び閾値を調節するために書き込むことができるレジスタを含む。パルス発生回路20は、心臓内に配置されたペーシング電極にペーシングパルスを送出し、かつ容量性放電パルス発生器、パルス発生器を制御するレジスタ、及びパルスエネルギ(例えば、パルス振幅及び幅)のようなペーシングパラメータを調節するレジスタを含む。パルス発生回路は、頻拍性不整脈が検出されるとショック電極を通じて除細動/電気的除細動ショックを送出するショックパルス発生器を含むことができる。
ペーシングチャンネルは、電極に接続したパルス発生器で構成され、一方、感知チャンネルは、電極に接続した感知増幅器で構成される。電極401〜40Nが図中に示されており、ここで、Nは、何らかの整数である。電極は、同じか又は異なるリードにあるとすることができ、かつMOSスイッチマトリックス70に電気的に接続される。スイッチマトリックス70は、コントローラによって制御され、かつそれぞれ感知チャンネル又はペーシングチャンネルを構成するために感知増幅器の入力又はパルス発生器の出力に選択された電極を切り換えるように使用される。デバイスには、感知チャンネル又はペーシングチャンネルを形成するために任意に組み合わせることができるあらゆる数のパルス発生器、増幅器、及び電極を装備することができる。スイッチマトリックス70により、電極の位置に基づいて心房又は心室チャンネルとすることができる単極又は双極構成で利用可能な埋め込まれた電極のうちの選択された電極を感知及び/又はペーシングチャンネルに組み込むことができる。
デバイスには、患者の分時拍出量を測定する分時拍出量センサ25及び活動レベルセンサ26が装備される。活動レベルセンサは、振動又は加速に応答して、適切なフィルタリングの後に、患者の物理活動レベルに比例した電気信号を生成するペースメーカーケースの内側の加速計のようなあらゆるタイプの動作検出器とすることができる。分時拍出量センサは、1対の電流源電極、及び経胸腔インピーダンスを測定する1対の電圧感知電極を含む。レート適応ペーシングでは、ペースメーカーは、感知された分時拍出量及び/又は加速計信号を使用して、より速い内因性リズムがない場合にペースメーカーが心臓をペーシングする速度を調節する。
心臓再同期治療のためのペーシングモード
コントローラは、いくつかのプログラムされたモードでデバイスを作動させることができ、プログラムされたモードは、デバイスによって使用される感知チャンネル及びペーシングチャンネル、及び感知されたイベント及び期間の終了に応答してどのようにペーシングパルスが出力されるかを定める。心臓再同期治療は、除脈ペーシングモードに関連して最も都合よく投与される。除脈ペーシングモードは、特定の最小限の心拍数を実施するように心房及び/又は心室をペーシングするのに使用されるペーシングアルゴリズムを指す。非同期ペーシングで不整脈を誘発するという危険性のために、徐脈を治療する殆どのペースメーカーは、定められた間隔内に発生する感知された心イベントがペーシングパルスをトリガ又は抑制するいわゆるデマンド型モードで同期して作動するようにプログラムされる。抑制デマンド型ペーシングモードでは、心腔による固有心拍が検出されない定められた補充収縮間隔の終了後に限り心周期中にペーシングパルスが心腔に送出されるように、補充収縮間隔を利用して感知された固有活性(intrinsic activity)に従ってペーシングを制御する。従来の二腔ペーシング(すなわち、右心房及び右心室に送出されるペーシングパルス)では、心周期間隔(CCI)と呼ばれる心室をペーシングする心室補充収縮期間を心室イベント間に定めることができ、心周期間隔では、CCIが、心室感知又はペースで再開される。CCIの逆は、下限心拍数又はLRLであり、これは、ペースメーカーにより心室が拍動することができる最低心拍数である。心房追跡モード及びAV順次ペーシングモードでは、房室ペーシング遅延間隔又はAVDと呼ばれる別の心室補充収縮期間が、心房及び心室イベント間に定められ、房室ペーシング遅延間隔では、心室ペーシングパルスは、心室感知が前に発生しない場合に房室ペーシング遅延間隔が終了すると送出される。心房追跡モード又はAV順次モードでは、房室ペーシング遅延間隔は、それぞれ、心房感知又はペースによってトリガされて、心室感知又はペースにより停止される。AVDが心房ペース又は感知で開始するように、心房追跡及びAV順次ペーシングは一般的に組み合わされる。心房をペーシングする心房補充収縮間隔は、単独で又は心室のペーシングに加えて、心室感知又はペースにより開始され、心房感知又はペースにより停止される補充収縮間隔として定めることができる。
上述したように、心臓再同期治療は、伝導遅延を補償するように1つ又はそれよりも多くの心腔に印加されるペーシング刺激である。心臓再同期治療は、最も一般的には、左心室伝導異常により引き起こされたか又は左心室伝導異常に起因する左心室機能障害による心不全患者の治療に適用される。このような患者では、左心室又は左心室部分は、収縮中に通常よりも遅く収縮し、それによって拍出効率が損なわれる。これは、右心室のみがペーシングされた時に、固有心拍中に及びペーシングされた心拍中に発生する可能性がある。このような患者において心室収縮を再同期させるために、左心室の一部が固有心拍又は右心室単独ペーシングされた心拍中に脱分極されると思われる時に対してペースにより予励起されるようにペーシング治療が適用される。特定の患者内の左心室の最適な予励起は、両心室トリガ式ペーシングで取得することができ、ペーシングパルスは、指定の負又は正のオフセット間隔により又は左心室単独ペーシングで分離された右心室及び左心室に送出される。
既存のデバイスは、従来的に、右心イベントに基づいて徐脈モードを使用して両心室又は左心室単独ペーシングを送出するように構成される。これらのモードでは、心室にペースを送出する補充収縮間隔は、右心室ペース又は感知により再開される(代替的に、AVDの場合に停止される)。右心室感知は、従って、心室ペーシングを抑制し、補充収縮間隔の終了により、結果的に右心室ペースが得られ、左心室ペーシングは、終了前又は後に発生するように予定される。左心室単独ペーシングの場合に、補充収縮間隔の終了は、基準点として作用する右心室疑似ペースにより示される。
CRTは、従来は、左心室のみ又は両心室トリガ式ペーシングとして投与され、左心室が、単一のペーシング部位でペーシングされ、これを、単一部位LVペーシングと本明細書で呼ぶ。しかし、ある一定の患者は、複数の左心室部位にペースを送出するCRTから恩典を受けることができ、これを、多部位LVペーシングと本明細書で呼ぶ。単一部位LVペーシングから多部位LVペーシングにある一定のデバイス挙動を移動することは簡単であるが、他のものでは最適性能が得られるように変更が必要である。以下に説明するように、これらのデバイス挙動は、感知チャンネル不応期の管理、左心室保護期の作動、右心室安全ペーシングに関連の左心室単独ペーシング、及びLVのみ及び両心室トリガ式ペーシング間の切り換えに関する。
多部位左心室ペーシングに対する不応期
ペースメーカー感知チャンネルの不応期は、感知チャンネルが入力電気信号に気付かず(不応化間隔又はブランキング間隔と呼ばれる)、及び/又はデバイスが感知イベント検出の目的にこのような信号を無視するように構成された期間を指す。増幅器の飽和を防止するためにペーシングパルスの送出後にある一定の時間にわたって感知増幅器を無効にすることが慣習的である。感知チャンネルも、電極後電位を感知することを回避して異なる感知チャンネルの間にクロストーキングを防止するために特定のペース後で不応化される。不応期は、再トリガ可能なノイズウインドウを含むことも多く、ノイズ間隔が、通常は不応期の最終部分を構成する。ノイズ間隔内に発生する感知されたイベントにより、ノイズ間隔が再開され、従って、不応期の長さが増大する。
単一部位LVペーシングを送出するように構成された既存のデバイスは、右心房感知チャンネル、右心室感知チャンネル、及び左心室感知チャンネルを利用することができる。これらのデバイスにおける感知チャンネル不応期は、以下のように管理される。1)特定の感知チャンネル内で発生する感知が、その特定の感知チャンネルの指定の持続時間の不応期を開始し、2)指定の持続時間の右心房不応期が、右心房ペースにより開始され、3)指定の持続時間の右心房不応期が、左心室又は右心室ペースにより開始され、4)指定の持続時間の左心室不応期が、右心室又は左心室ペースにより開始され、5)指定の持続時間の右心室不応期が、右心室又は左心室ペースにより開始される。この方式は、単一部位LVペーシングに適するが、多部位LVペーシングでは、最適性能が得られるように変更が必要である。
図3〜図6は、多部位LVペーシング状況における不応期管理の開示する方式を示している。多部位LVシステムは、図の各々は、様々なプログラムされた設定及び心周期タイプに対して右心房(A)感知チャンネル、右心室(RV)感知チャンネル、及び左心室(LV)感知チャンネルの時間ラインを示している。各同時線に沿った影付きのブロックは、以下に説明するように、感知チャンネルが不応であることを示し、LV時間ラインに沿った破線ブロックは、左心室保護期(LVPP)を示している。図3〜図6に示すように、左心房感知AS、右心室感知RVS、又は左心室感知LVSにより開始される感知後の不応期の挙動は、特定の感知チャンネル内で発生する感知がその特定の感知チャンネルの指定の持続時間の不応期を開始することである。
図3は、LVがRVの前にペーシングされる二部位LVペーシングの状況を示し、一方、図4は、RVが最初にペーシングされる二部位LVペーシングの状況を示している。図5は、第1のLV部位への第1の左心室ペースLVP1が右心室疑似ペース[RVP]と同期しすなわち同時である、第2のLV部位への第2の左心室ペースLVP2がその後送出される二部位LV単独ペーシングを示している。図6は、第1の左心室ペースLVP1が右心室疑似ペース[RVP]と同期する、すなわち同時である第2の左心室ペースLVP2の前に発生する二部位LV単独ペーシングを示している。図3では、RV及びLV不応期が左心室ペースLVP1により開始された時に、次の左心室ペースLVP2及び右心室ペースRVPは、それらの心室不応期に影響を与えないことに注意すべきである。図4では、RV及びLV不応期が右心室ペースRVPにより開始された時に、これらの心室不応期は、次の左心室ペースLVP1及び左心室ペースLVP2によって影響されない。図5及び図6の両方では、LVP1により開始されたRV及びLV不応期は、LVP2又は右心室疑似ペース[RVP]によって影響されない。また、各関連では、LVP1及びLVP2ペースの各々は、同じ設定を使用することができるRA不応期をトリガする。また、全ての場合に、LVP2ペースは、LVP1ペースにより開始されるLVPPを延長しないことに注意すべきである。
図3〜図6は、RA不応期が右心房ペースAPにより開始されることを示している。また、LVP1ペースは、RA不応期を開始し、その後のLVP2ペースは新しいRA不応期を開始する。左心室ペースにより開始される2つのRA不応期は同じ設定を共用することが好ましい。また、LVP2ペースがLVP1ペースにより開始されるRA不応期に該当する場合に、LVP1により開始されるRA不応期は終了する。この方式の理論的根拠は、AGC(自動利得制御)及び不応期の絶対かつ再トリガ可能な構成要素を再開することを含むLVP1の後と同じ全ての理由からLVP2の後にRA不応期を再開することである。別の実施形態において、LVP2ペースは、新しいRA不応期を開始するのではなく、LVP1〜LVP2間隔によりLVP1により開始されるRA不応期を延長する。これは、再トリガ可能な構成要素及びAGCが異なると思われるので新しい不応期を開始することと同じものではないことに注意すべきである。
図3〜図6は、RV及びLVペース後不応期が心室脱分極をもたらすペーシングシーケンスにおいて第1の心室ペースで開始することも示している。RV及びLVペース後不応期は、LVP1及びLVP2と同じであることが好ましい。1つ又はそれよりも多くのLVペースが抑制された場合に(例えば、LVPPのために)、RV及びLVペース後不応期は、心室脱分極をもたらすペーシングシーケンスの第1の残りの心室ペースで全ての心室感知チャンネルに対して開始することに注意すべきである。図3〜図6に示す不応性の挙動を1つよりも多いLV感知チャンネル及び2つよりも多いLVペーシング部位に拡張することができる。
多部位左心室ペーシングに対する左心室保護期
左心室が右心室感知によってリセットされる補充収縮間隔が励起されるとペーシングされるペーシングモードでは、左心室ペースが脱分極の後に発生して不整脈をトリガするいわゆる受攻期において送出される可能性があるという危険性がある。この危険性を低減するために、右心イベントに基づいて単一部位LVペーシングを送出する既存のデバイスは、従来的に、左心室感知又はペースにより開始され、かつ付加的な左心室ペーシングが抑制される左心室保護期(LVPP)を実行している。図7は、既存のデバイスにおけるLVPPアルゴリズムの挙動を示している。全てのLVペースは、LVPPをトリガするLVペース以外のLVPP中に抑制される。非不応性のLV感知又はLVペースは、LVPPを開始する。LVPP中の非不応性のLV感知は、LVPPを再開し、従って、LVペース抑制期間を延長する。
単一心周期中の複数のLVペーシングパルスの送出には、上述の既存のデバイスに使用されたLVPP挙動を変更することが必要である。変更がなければ、第1のパルス後のLVペーシングパルスは、LVPPにより抑制され、一部の更に別のペーシング危険が緩和されない可能性がある。いくつかのオプションがLVPP挙動変更に対して存在し、そのいずれかもLVペーシングに関連のLVペーシング危険を緩和しながら第1のLVペーシングパルス後のLVペーシングパルスの抑制を防止する。以下に説明するように、様々なオプションに利点及び短所がある。
1つのオプションでは、二部位LVペーシングに対して示されているが、既存の単一LVPP間隔は、2つのLVPP間隔により置換される。これらの2つの間隔は、独立して作用し、LVペーシング部位1の第1の抑制ペーシング及びLVペーシング部位2の第2の抑制ペーシングである。各LVPP間隔の挙動は、既存の単一LVPP間隔と類似のものである。2つのLVPP間隔は、ペーシング部位を保護しており、かつこれらの部位を異なる心周期において異なるシーケンスでペーシングすることができることに注意すべきである。図8は、この実施形態を示している。図示のように、第1のLVペースLVP1は、LVペーシング部位1に送出されて、左心室保護期LVPP1を開始する。第2のLVペースLVP2は、LVペーシング部位2に送出されて、左心室保護期LVPP2を開始する。RVペーシングパルスは、LVP1の前に、LVP2の後に、又はLVP1とLVP2の間に送出することができる。第1のLV部位でのLVペースは、LVPP1中に抑制され、第2のLV部位でのLVペースは、LVPP2中に抑制される。また、図8に示すように、非不応性のLVS又はLVP1は、LVPP1を開始し、全てのLV1ペースは、LVPP1をトリガしたLVP1ペース以外のLVPP1中に抑制される。同様に、非不応性のLVS又はLVP2は、LVPP2を開始し、全てのLVP2ペースは、LVPP2をトリガしたLVP2ペース以外のLVPP2中に抑制される。
図8によって示す特定的な実施形態において、それぞれ、LVP1及びLVP2ペーシング部位から別々の感知信号LVS1及びLVS2を発生する2つの左心室感知チャンネルが使用される。図示のように、LVS1及びLVS2は、それぞれ、LVPP1及びLVPP2をトリガすることができる。代替的に、同じLVSを両方のLVPP間隔にトリガとして使用することができる。このオプションは、単一のLV感知チャンネルが利用可能である場合に限り使用することができる。また、非不応性のLVSは、一方又は両方の(使用されるのが1つのLV感知か、又は2つのLV感知かにより)LVPP間隔を再トリガする。このオプションをあらゆる数のLVペーシング部位に拡張することができる。例えば、4つのLVペーシング部位が単一心周期内でペーシングされる場合に、4つのLVPP間隔を使用することができる。このオプションの長所は、各LV部位が固有の保護期により保護されるという点である。複数のLV感知入力を使用する別の長所は、最も明瞭に個々のLVペーシング部位を保護するという点である。複数のLVPP間隔の短所は、システムが、デバイス内で及びユーザインタフェース上で複数の保護期を管理すべきであるという点である。複数のLV感知チャンネルを使用する短所は、システムが、付加的な感知ハードウエアを含み、かつ複数の感知ベクトルを管理すべきであるという点である。
第2のオプションでは、単一LVPP間隔が使用される。LVPP挙動は、LVペーシング部位当たりに1つのLVペーシングパルスが送出されることを除き、既存のLVPP挙動と類似のものである。詳しくは、LVペースによってトリガされたLVPP間隔に対して、LVPP中にLVペーシング部位当たりに第1のLVペース、但し、第1のペースのみが送出される。全ての他のLVペースは抑制される。LV感知によってトリガされたLVPP間隔に対して、LVPP間隔中の全てのLVペースが抑制される。LVPP間隔は、LVPP間隔中にLVペースによってではなく(LVペースによってトリガされたLVPP間隔に対しては開始LVペース以外の)、非不応性のLV感知により再トリガされる。図9は、この実施形態を示している。図示のように、あらゆる部位に対する非不応性のLVS又はLVPは、LVPPを開始する。LVPPを開始するLVペースは、抑制されない。LVPP中の非不応性のLV感知は、LVPPを再開し、従って、LVペース抑制期間を延長する。第2の部位でのLVペースLVP2は、LVPPにより抑制されず、LVPP中のLVペースは、LVPPを再トリガしない。単一LVPPを使用する時に、LVP1及びLVP2ペースは、密に離間すべきである(例えば、100ms以内)。この条件を前提として、LVP2ペースでLVPPを再開しない理論的根拠は、その後のLVP1が、LVP2ペーシング部位のLV受攻期に該当するのに十分なほどすぐには発生しないことである。また、この実施形態において、LVP2は、非不応性のLV感知が送出されたLVP1と抑制されたLVP2の間に発生した場合にLVP1により開始されたLVPP中に抑制される。図9に示すように、単一のLV感知LVSは、LVPPをトリガ及び再トリガすることができる。このオプションは、単一のLV感知チャンネルが利用可能である場合に限り使用することができる。代替的に、複数のLV感知チャンネルからのLV感知は、トリガとして使用することができ、かつLVPP間隔を再トリガすることができる。単一LVPP間隔の長所は、簡潔さであり、1つの間隔のみがパルス発生器内で及びユーザインタフェース上で管理されさえすればよい。このオプションにより、依然として上述のLVペースパルス離間条件が満たされた場合は十分な保護が得られる。単一LVPP間隔の短所は、複数の保護期を使用するオプションと比較すると、何らかのレベルのLV部位ペーシング保護が失われる可能性があるという点である。
第3のオプションでは、単一LVPP間隔も使用されるが、第1のLVペース後のLVペースは、LVPP間隔を再トリガする。この実施形態を図10に示している。LVペースによってトリガされたLVPP間隔に対して、LVPP中にLVペーシング部位当たりの第1のLVペースのみが送出され、全ての他のLVペースは抑制される。LV感知によってトリガされたLVPP間隔に対して、LVPP中の全てのLVペースが抑制される。いずれの部位に対する非不応性のLVS又はLVPも、LVPPを開始する。LVPP中の非不応性のLV感知は、LVPPを再開し、従って、LVペース抑制期間を延長する。LVP2ペースは、LVP1により開始されたLVPPにより抑制されない。第2のLVP2は、LVPPを再開し、従って、LVペース抑制期間を延長する。図10に示すように、単一のLV感知チャンネルからのLV感知LVSは、LVPPをトリガ及び再トリガする。このオプションは、単一のLV感知チャンネルが利用可能である場合に限り使用することができる。代替的に、複数のLV感知チャンネルからの複数のLV感知入力(例えば、LVS1及びLVS2)は、LVPP間隔をトリガ及び再トリガすることができる。一実施形態において、LVP2によるLVPP延長は、初期LVPP間隔と同じであり、一方、他の実施形態において、初期LVPP間隔より短いか又は長い。このオプションは、LVP1ペースがLVP2ペーシング部位のLV受攻期に該当することができるようにLVペースが離間している場合に必要である場合がある。
LVPPは、高レートLVペーシングと干渉する可能性がある。この問題を回避するか又は最小にするために、心拍数が増加する時にLVPPを短縮することができる。適切に実行された場合に、これは、患者を受攻時間中のペーシングの危険性に露出せず、その理由は、QT間隔は、心拍数の増加と共に通常短くなるからである(すなわち、受攻時間がLVイベントに向けて移動する)。この概念(時にはLVPPスクイーズと呼ぶ)は、既存のデバイスに実施され、かつ上述の多部位LVペーシングに向けてLVPP方式のどれかと協働するように拡張することができる。
既存の単一部位LVペーシングデバイスに実施される左心室の別のタイプの保護は、受攻時間へのLVペーシングを防止するために、連続的な心周期中に隣接したペーシングLVペース間の最小限の分離を保証することである。このパラメータは、LVPIと指定された最小LVペーシング間隔である。一部の内科医は、例えば、LVペーシング治療の不適切な抑制を引き起こすLVにおける過剰感知のためにLVPPを無効にしたいと思う場合がある。LVPPが無効にされた場合にも、依然として内科医から多少隠れたペーシング危険性を緩和すべきである。例えば、特定の危険が、LVペースがそれぞれ右心室ペース(又は疑似ペース)の後に及び前に送出される正のオフセットLVペーシングから負のオフセットLVペーシングへの遷移サイクル中に生じる。遷移サイクル内の次のLVペースが前回のサイクルより早く発生するので、この特定の危険が受攻期中に発生する危険性がある。
多部位LVペーシングが可能なデバイスは、LVPPを実施するのに使用するのと同じLVPIを実行する規則を使用することができる。起こり得る例外は、LVPIは、LVペースの後に限りトリガされ、かつLVPIをユーザによって無効にすることができないことである可能性がある。既存のシステムは、LVオフセットが変化する遷移サイクルでLVPIを呼び出し、これを多部位LVシステムに実施することができる。しかし、多部位LVシステムでは、LVPIも、1)LVペースとLVペース間(例えば、LVP1とLVP2間)の間隔が変化するか、又は2)付加的なLVペースが追加される遷移サイクルで呼び出す必要がある場合もある。
多部位左心室単独ペーシング及び右心室安全ペーシング
上述したように、LVPPは、LVSによってトリガされた時に左心室に対して保護を提供する。しかし、LV単独ペーシングでは、LVSが過剰感知による場合に、不全収縮が起こる可能性がある。これを矯正するために、既存のデバイスは、LVSは発生するがRVSは発生しない時に右心室疑似ペースの代わりに送出される右心室安全ペースを使用することができる。既存のデバイスにおけるDDDモードでのLV単独ペーシングの基本的なタイミング挙動は、RV感知が心周期間隔CCIを再開するか、又はLVPP又はLVPIがLVペースを抑制するか、又はLVペースが指定の最小CCI間隔に違反しない限り、LVペースがAV遅延の終わりに出されることである。LVペースが、LVPP又はLVPIにより抑制された場合に、RV安全ペースが、LVペースの代わりに出される。LVペースが最小心周期間隔に違反すると思われる場合に、LVペースが最小心周期間隔を違反しない点まで遅延される。この方式は単一部位LV単独ペーシングに適切であるが、多部位LV単独ペーシングに対して不適切である。
右心室安全ペーシングを伴う多部位LV単独ペーシングの本発明に開示する方式では、LVペースは、RV感知が心周期間隔を再開するか、LVPP又はLVPIがLVペースの一部又は全てを抑制するか、又はLVペースの1つ又はそれよりも多くが最小CCIに違反しない限り、AV遅延(例えば、DDDモードで)又はCCI(例えば、VVIモードで)の終わりに出される。最小CCIに違反すると思われる全てのLVペースは、遅延又は抑制されることになる。全ての心周期は、RV感知が発生しない時にRV疑似ペースが心周期にわたって基準として作用するようにRVイベントのみを使用して定められる。RV疑似ペースは、心室ペースのみが左心室に送出されるサイクルに対してLVペースの1つと同期してすなわち同時に発生する場合があるが、同期して発生する必要はない。RV安全ペースは、全てのLVペースがLVPP又はLVPIのために抑制される場合に送出され、かつ一部のLVペースがLVPP又はLVPIのために抑制される場合に出すことができる。
LVペースの送出に関して、上述したように多部位LV単独ペーシング方式を実行するオプションとして、以下がある(単独で又は組み合わせて使用することができる)。
1.LVPP又はLVPI内に発生して、LVPP又はLVPI終了後の送出に予定されたあらゆるLVペースを予定の時点で送出される全てのLVペースを抑制し、
a.現在の心周期に対しては抑制されたLV部位をペーシングしない。
b.LVPP又はLVPI終了直後に抑制されたLV部位をペーシングする。
2.AV遅延(例えば、DDDモードで)又はCCI(例えば、VVIモードで)の前か又はこの終わりと同期する全てのLVペースが抑制されるが(LVPP又はLVPIのために)、LVPP又はLVPIの終了の後の送出に予定された少なくとも1つのLVペースがある場合に、
a.予定の時点でLVPP及びLVPIから外れる全てのLVペースを送出する。
b.LVPP又はLVPI終了直後に、LVPP及びLVPIから外れる全てのLVペースを送出する。
c.LVPP又はLVPI終了直後に、LVPP及びLVPI内に予定されたLVペースをかつ予定の時点で全ての残りのLVペースを送出する。
d.LVPP又はLVPI終了直後に、LVPP及びLVPI内に予定されたものを含む全てのLVペースを送出する。
e.LVPP又はLVPIの終了の直後に、LVPP及びLVPIに収まるものを含む全てのLVペースを送出する。
f.LVPP又はLVPIから外れるとしても全ての残りのLVペースを抑制する。
3.AV遅延(例えば、DDDモードで)又はCCI(例えば、VVIモードで)の前か又はこの終わりと同期する全てのLVペースが抑制されるわけではなく、AV遅延又はCCIの終了後のLVペースが抑制される場合にはRV安全ペースを出さない。
本明細書に説明するペーシング方式では、全ての心周期は、RVイベントのみを使用して定められる。一実施形態において、心周期の基準として作用するRV疑似ペースが、心室ペースのみが左心室に送出されるサイクルに対してLVペースの1つと同期してすなわち同時に発生する。この実施形態の付加的な挙動オプション(相互に排除しない)には、以下がある。
1)RV擬似ペースをAV遅延(例えば、DDDモードで)又はCCI(例えば、WIモードで)の終了及びLVペースの1つと整合させ、
a.RV擬似ペースの前のみ又はこれと同期して付加的なLVペースを許容する。
b.RV擬似ペースの後のみ又はこれと同期して付加的なLVペースを許容する。
c.RV擬似ペースの前、後、又はこれと同期して付加的なLVペースを許容する。
2)RV疑似ペースをLVペースの1つではなくAV遅延(例えば、DDDモードで)又はCCI(例えば、VVIモードで)の終了と整合させる。上述のオプション1a及び1bは、ユーザインタフェース及び一部の場合にシステムの挙動のユーザの理解を簡素化すると考えられる。
上述したように、本発明に開示する方式では、RV安全ペースは、全てのLVペースがLVPP又はLVPIのために抑制される場合に送出され、かつ一部のLVペースがLVPP又はLVPIのために抑制される場合に出すことができる。(LVペーシングは、ノイズにより抑制することができ、この規則は、ノイズに抑制されたLVペース、並びにLVPP又はLVPIペースに適用することができることも注意されたい。)多部位LVペーシング内の複雑にする要素は、主要なLVペースの1つ又はそれよりも多くを抑制することができるが、遅れているLVペースの1つ又はそれよりも多くは抑制することができないという点である(例えば、LVPPは、LVペーシングシーケンス中に終了する場合がある)。別の複雑にする要素は、RV疑似ペースと同期するLVペースを抑制することができるが、時間的に遅れた予定のLVペースは抑制されないという点である。従って、確実にAV遅延及びCCI規則が満たされるようにするためには、たとえ1つ又は複数のLVペースがLVPP又はLVPIの間隔から外れるとしても、RV安全ペーシングが必要である場合がある。上述したような多部位LV単独ペーシング方式を実行するオプションには、以下がある(単独で又は組み合わせて使用することができる)。
1)全てのLVペースが抑制される場合に(LVPP又はLVPIのために)、RV疑似ペースと同期するRV安全ペースを送出する。
2)1つ又はそれよりも多くのLVペースが抑制されるが(LVPP又はLVPIのために)、LVPP又はLVPIの終了後の送出に予定された少なくとも1つのLVペースがある場合に、予定の時点でLVPP及びLVPIから外れる全てのLVペースを送出し、
a.どのLVペースが抑制されたかとは無関係にRV安全ペースを送出しない。
b.RV疑似ペースの前又はこれと同期する全てのLVペースが抑制される場合に、
i.RV疑似ペースと同期するRV安全ペースを送出して、LVPP又はLVPIから外れるとしても全ての残りのLVペースを抑制する。
ii.RV疑似ペースと同期するRV安全ペースを送出して、予定の時点でLVPP及びLVPIから外れる全ての残りのLVペースを送出する。
iii.RV疑似ペースと同期するRV安全ペースを送出して、LVPP又はLVPIの終了の直後に、全ての残りのLVペースを送出する。
3)RV疑似ペース後のLVペースのみが抑制される場合に、RV安全ペースを出しない。(注:これは、第1のLVペースによってトリガされたLVペース不応時点が、LVペーシングシーケンスの持続時間よりも長い場合には起こることができない。)
多部位左心室ペーシングのための両心室モード
CRTの通常の送出中に最適に心室を再同期させるために、心室は、固有活性化が心室ペーシング部位のいずれかで発生する前にペーシングされる。しかし、一部の場合には、固有活性化が、ペーシングパルス送出の予定の時点の前に発生する。これらの「補充収縮」は、例えば、不規則な心房心拍数のために心房性不整脈中に又はPR間隔短縮のために高心拍数時に発生する可能性がある。これらの補充収縮中に少なくとも部分的に心室を再同期させるために、既存のデバイスは、上述したような条件が発生した時に切り換えられる両心室トリガ式ペーシングモードを実行している。このモードでは、固有活性又は内活性が右心室ペーシング部位で検出された場合に(すなわち、RV感知が行われる)、ペースは右心室及び左心室ペーシング部位に送出される。アルゴリズムの前提は、脱分極が右心室部位で発生したが、左心室部位はRV感知の直後にペーシングすることによってまだ少なくとも多少同期させることができることである。RV感知が実際にLV遠電界イベントの検出により引き起こされる場合があるので(その場合、ペーシングする必要があるのはRVである)、RVもLVもRV感知が発生するとペーシングされる。両心室トリガ式ペーシングは、既存のデバイスに実施されるように、多部位LVペーシングには対応していない。これを図11に示している。通常サイクル中、RV及びLVは、固有活性化がペーシング部位でも発生する前にペーシングされる。両心室をトリガされたか又はBTサイクル中に、右心室及び左心室ペーシングパルスは、RV感知直後に送出される。
多部位LVペーシング状況において両心室トリガ式ペーシングモードを実行する異なる実施形態が図12〜図15によって示されている。全ての実施形態に対して、通常サイクル中に、RV及び複数のLV部位は、固有活性化がいずれかのペーシング部位で発生する前にペーシングされる。第1の実施形態が、図12によって示されており、BTサイクル中に、RV及び複数のLV部位の1つのみがRV感知の直後にペーシングされる。単一のLV部位は、最良の再同期治療を投与するために複数のLV部位から選択される。BT治療中にペーシングされるLV部位は、通常サイクルでのペース送出に向けて有効にされるLV部位から選択することができ、又は通常サイクルにおけるペース送出に向けて有効にされないLV部位から選択することができる。第2の実施形態が、図13によって示されており、BTサイクル中に、RV及び複数のLV部位の2つ又はそれよりも多くが、RV感知の直後にペーシングされる。BT治療中にペーシングされるLV部位は、通常サイクルでのペース送出に向けて有効にされるLV部位から選択することができ、通常サイクルにおけるペース送出に向けて有効にされないLV部位から選択することができ、又は通常サイクルにおけるペース送出に向けて有効にされるLV部位及び有効にされないLV部位の組合せから選択することができる。第3の実施形態が、図14によって示されており、BTサイクル中、RV及び複数のLV部位の1つ又はそれよりも多くが、RV感知直後にペーシングされる。この実施形態において、LV部位の少なくとも1つは、第1のLVペース後にペーシングされ、RVペースは、いずれのLVペースとも同時に又はこの前に発生する。(この状況での「同時」とは、ほぼ又は生理的に同時を意味することは認められるものとする。複数のペースが正確に同時に送出された状態で、ペーシング閾値及び電極荷電平衡を変えかねない望ましくない電気電流路が発生する可能性がある。この影響を回避するために、ペースを小さいオフセット(5ms)で送出することができ、依然として生理的に同時の刺激が得られる。)LVペース部位及び/又はBTサイクルでのLVとLVの間隔は、通常サイクルに使用されるものと同じ場合もあれば、異なる場合もある。第4の実施形態が、図15によって示されており、BTサイクル中、RV及び複数のLV部位の1つ又はそれよりも多くが、RV感知直後にペーシングされる。この実施形態において、LV部位の少なくとも1つは、第1のLVペース後にペーシングされ、RVペースは、LVペースの少なくとも1つの後に発生する。
例示的な実施形態
以下に説明する例示的な実施形態において、心臓ペーシングデバイスは、ペーシングパルスを発生させるパルス発生回路、心臓電気活動を感知するための感知回路、ペーシングタイミング間隔を定める心イベントを検出し、かつプログラムされたモードに従ってペーシングパルスの送出を制御するためのコントローラ、及び選択された感知チャンネル及びペーシングチャンネルを形成するためにパルス発生回路及び感知回路を選択された電極に接続するようにコントローラによって作動可能なスイッチマトリックスを含む。コントローラは、次に、適切なペーシング及び感知チャンネルを形成して、本明細書に説明する異なる方式を使用する多部位LVペーシングを送出するようにプログラムされる。
不応期を実施し、不応期が、感知チャンネルが無効にされる時か又は感知された活動が心イベント検出の目的に対して無視される時のいずれかである例示的な実施形態において、コントローラは、右心室感知チャンネルを通じて心臓活動を感知し、右心室感知によってリセットされる心周期間隔中にLV1及びLV2と指定された少なくとも2つの左心室部位への左心室ペーシングチャンネルを通じたペースの送出を予定し、かつ第1の心室ペースが心周期中に送出された時に右心室感知チャンネルに対してペース後不応期を開始するようにプログラムされる。コントローラは、1)第1の心室ペースが心周期中に送出された時に左心室感知チャンネルを通じて心臓活動を感知して、左心室感知チャンネルに対してペース後不応期を開始し、2)感知がその感知チャンネルにおいて検出された時にいずれの感知チャンネルに対しても感知後不応期を開始し、3)心周期中に送出された各心室ペースに対して心房感知チャンネルを通じて心房活動を感知して、心房感知チャンネルに対してペース後不応期を開始し、4)同じプログラムされた設定を使用して部位LV1及びLV2に左心室ペースを送出する際にペース後不応期を開始し、5)右心室感知により抑制されない限り、心周期間隔中に右心室ペーシングチャンネルを通じて右心室にペースを送出し、次に、心周期間隔中に部位LV1及びLV2に左心室ペースを送出し、右心室感知又は右心室ペースで心周期間隔をリセットし、右心室ペースが送出された時に右心室及び左心室感知チャンネルのためのペース後不応期の開始の後に、ペース後不応期をLV1及びLV2への次のペースによって影響されない状態にし、6)右心室感知により抑制されない限り、部位LV1及びLV2への左心室ペースの送出の後に、心周期間隔中に右心室ペーシングチャンネルを通じて右心室にペースを送出し、右心室感知又は右心室ペースで心周期間隔をリセットし、第1の心室ペースが部位LV1に送出された時に右心室及び左心室感知チャンネルのためのペース後不応期の開始後に、ペース後不応期を部位LV2への右心室ペース及び次のペースによって影響されない状態にし、7)右心室感知により抑制されない限り、右心室疑似ペースと同期する左心室ペースを部位LV1に送出して、次に、心周期間隔中に部位LV2に左心室ペースを送出し、右心室感知又は右心室疑似ペースで心周期間隔をリセットし、第1の心室ペースが部位LV1に送出された時に右心室及び左心室感知チャンネルのためのペース後不応期の開始後に、ペース後不応期を部位LV2への次のペースによって影響されない状態にし、8)右心室感知により抑制されない限り、部位LV1に左心室ペースを送出して、次に、心周期間隔中に右心室疑似ペースと同期する左心室ペースを部位LV2に送出し、右心室感知又は右心室疑似ペースで心周期間隔をリセットし、ペースが部位LV1に送出された時に右心室及び左心室感知チャンネルのためのペース後不応期の開始後に、ペース後不応期を部位LV2への次のペースによって影響されない状態にし、及び/又は9)部位LV1に左心室ペースを送出して、次に、心周期中に部位LV2に左心室ペースを送出し、部位LV1へのペースの送出時に部位LV1の全ての更に別のペーシングが抑制される左心室保護期を開始し、左心室保護期が部位LV2へのペースによって影響されないように更にプログラムすることができる。
LVPPを実施する例示的な実施形態において、コントローラは、右心室及び左心室感知チャンネルを通じて心臓活動を感知し、右心室感知によってリセットされる心周期間隔中にLV1及びLV2と指定された少なくとも2つの左心室部位への左心室ペーシングチャンネルを通じたペースの送出を予定し、部位LV1への左心室ペースの後又は左心室感知後に部位LV1に向けて部位LV1への更に別のペースが抑制される左心室保護期を開始し、部位LV2への左心室ペース後又は左心室感知後に、部位LV2に向けて、部位LV1への更に別のペースが抑制される左心室保護期を開始するようにプログラムされる。コントローラは、1)1つ又はそれよりも多くの付加的な左心室部位への左心室ペーシングチャンネルを通じたペースの送出を予定して、その部位へのペース又は左心室感知後に各々の付加的な部位に対して別々の左心室保護期を開始し、2)別々の感知チャンネルを通じて部位LV1及びLV2で心臓活動を感知し、部位LV1への左心室ペース後又は部位LV1での左心室感知後に限り部位LV1に向けて左心室保護期を開始し、部位LV2への左心室ペース後又は部位LV1での左心室感知後に限り部位LV2に向けて左心室保護期を開始し、3)1つ又はそれよりも多くの付加的な左心室部位への左心室ペーシングチャンネルを通じたペースの送出を予定して、その部位へのペース又はその部位での左心室感知後に限り各々の付加的な部位に対して別々の左心室保護期を開始し、及び/又は4)心拍数の増加と共に左心室保護期の各々を短縮するように更にプログラムすることができる。別の実施形態において、コントローラは、右心室感知チャンネルを通じて心臓活動を感知し、右心室感知によってリセットされる心周期間隔中に少なくとも2つの左心室部位への左心室ペーシングチャンネルを通じたペースの送出を予定して、左心室ペース後に、心周期間隔中に左心室部位に送出された第1の左心室ペース以外の全てが抑制されるペースで開始される左心室保護期を開始するようにプログラムされる。コントローラは、1)左心室感知チャンネルを通じて心臓活動を感知して、左心室感知後に、左心室への全てのペースが抑制される感知で開始される左心室保護期を開始し、2)感知チャンネルが不応の時に、心イベント検出の目的に対して感知チャンネルが無効にされ、又は感知された活動が無視されるように感知チャンネルに対して選択される不応期を定め、第1の心室ペースが心周期中に送出された時に右心室及び左心室感知チャンネルの両方のためのペース後不応期の開始後に、非不応左心室感知がペースで開始されるか、又は感知で開始される左心室保護期中に発生した場合に感知で開始される左心室保護期として左心室保護期を再開及び延長し、3)ペースで開始される左心室保護期中に左心室ペース後に、ペースで開始される左心室保護期として左心室保護期を再開及び延長し、及び/又は4)心拍数の増加と共にペースで開始されかつ感知で開始された左心室保護期の各々を短縮するように更にプログラムすることができる。
RV安全ペーシングを有する多部位LV単独ペーシングを実施する例示的な実施形態において、コントローラは、右心室及び左心室感知チャンネルを通じて心臓活動を感知し、右心室感知によってリセットされる心周期間隔中に少なくとも2つの左心室部位への左心室ペーシングチャンネルを通じたペースの送出を予定するようにプログラムされ、左心室ペースは、右心室感知によってリセットされる補充収縮間隔の終了との時間関係で送出され、補充収縮間隔の終了は、基準点として作用する右心室疑似ペースにより示され、コントローラは、更に、左心室感知後に、1つ又はそれよりも多くの左心室ペースが抑制される左心室保護期を開始して、全ての予定された左心室ペースが左心室保護期により又はそうでなければ他の方法で心周期間隔中に抑制される場合に、右心室疑似ペースと同期して右心室安全ペースを送出するようにプログラムされる。コントローラは、1)1つ又はそれよりも多くの予定された左心室ペースが左心室保護期により又は他の方法で心周期間隔中に抑制されるが少なくとも1つの左心室ペースが左心室保護期外に予定された場合は右心室安全ペースを送出せず、2)1つ又はそれよりも多くの予定された左心室ペースが左心室保護期により又は他の方法で心周期間隔中に抑制されるが少なくとも1つの左心室ペースが左心室保護期外に予定された場合は右心室安全ペースを送出せず、左心室保護期により抑制されていた左心室ペースをその終了直後に送出し、3)右心室疑似ペース前に又はこれに同期して発生するように予定された全ての左心室ペースが左心室保護期により又は他の方法で心周期間隔中に抑制される場合には、右心室疑似ペースと同期して右心室安全ペースを送出し、心周期間隔中に全ての残りの予定の左心室ペースを抑制し、4)右心室疑似ペース前に又はこれに同期して発生するように予定された全ての左心室ペースが左心室保護期により又は他の方法で心周期間隔中に抑制される場合には、右心室疑似ペースと同期して右心室安全ペースを送出し、左心室保護期から外れてかつそれ以外の方法で抑制されていない全ての残りの予定の左心室ペースをそれらの予定の時点で心周期間隔中に送出し、5)右心室疑似ペース前に又はこれに同期して発生するように予定された全ての左心室ペースが左心室保護期により又は他の方法で心周期間隔中に抑制される場合には、右心室疑似ペースと同期して右心室安全ペースを送出し、左心室保護期から外れる全ての残りの予定された左心室ペースをその終了の直後に送出し、6)右心室疑似ペース前に又はこれに同期して発生するように予定された全ての左心室ペースが左心室保護期により又は他の方法で心周期間隔中に抑制されない場合は、右心室安全ペースを送出せず、7)最小心周期間隔を実施して、抑制しなければ指定の最小心周期間隔に違反する左心室ペースを抑制し、8)抑制しなければ指定の最小心周期間隔に違反する左心室ペースを抑制して、最小心周期間隔が経過した直後に抑制された左心室ペースを送出し、及び/又は9)抑制しなければ指定の最小心周期間隔に違反する左心室ペースを抑制することによって最小心周期間隔を実施するように更にプログラムすることができ、かつ心周期間隔中に全ての左心室ペースが指定の最小心周期間隔の違反に対して抑制される場合には、指定の部位にかつ最小心周期間隔が経過した後に指定の時点で1つ又はそれよりも多くの左心室ペースを送出するように更にプログラムすることができる。
多部位LVペーシング状況において両心室トリガ式ペーシングを実施する例示的な実施形態において、コントローラは、右心室感知チャンネルを通じて心臓活動を感知し、通常ペーシングモード又は両心室トリガ式ペーシングモードで作動し、通常ペーシングモードにおいて、右心室感知によってリセットされる心周期間隔中に少なくとも2つの左心室部位への左心室ペーシングチャンネルを通じたペースの送出を予定し、かつ両心室トリガ式ペーシングモードにおいて、右心室感知によってトリガされた時に右心室ペーシングチャンネルを通じて右心室にペースを送出し、選択された左心室部位で左心室に単一のペースを送出するようにプログラムされる。コントローラは、1)両心室トリガ式ペーシングモードでペーシングされる選択された左心室部位が、通常モードでペーシングされる左心室部位の中から選択されるように、及び/又は2)両心室トリガ式ペーシングモードでペーシングされる選択された左心室部位が、通常モードでペーシングされる左心室部位と異なるように更にプログラムすることができる。別の実施形態において、コントローラは、右心室感知チャンネルを通じて心臓活動を感知し、通常ペーシングモード又は両心室トリガ式ペーシングモードで作動し、通常ペーシングモードにおいて、右心室感知によってリセットされる心周期間隔中に少なくとも2つの左心室部位への左心室ペーシングチャンネルを通じたペースの送出を予定して、かつ両心室トリガ式ペーシングモードにおいて、右心室感知によってトリガされた時に右心室ペーシングチャンネルを通じて右心室にペースを送出し、選択された左心室部位で左心室に複数のペースを送出するようにプログラムされる。コントローラは、1)両心室トリガ式ペーシングモードでペーシングされる選択された左心室部位が、通常モードでペーシングされる左心室部位の中から選択されるように、2)両心室トリガ式ペーシングモードでペーシングされる選択された左心室部位が、通常モードでペーシングされる左心室部位の中から選択されるように、3)両心室モードにおいて、右心室感知の直後に右心室ペースと同期する少なくとも1つの第1の左心室ペースを送出して、次に、選択された間隔の後に少なくとも1つの次の左心室ペースを送出するように、4)次の左心室ペースが通常モードに使用される左心室ペース間の間隔と同じである選択された間隔で第1の左心室ペースの後に送出されるように、及び/又は5)次の左心室ペースが通常モードに使用される左心室ペース間の間隔と異なる選択された間隔で第1の左心室ペースの後に送出されるように更にプログラムすることができる。
本発明を上述の特定的な実施形態に関連して説明した。上述の実施形態は、有利であると考えられるあらゆる方法で組み合わせることができることを認めるべきである。また、多くの代案、変形、及び修正は、当業者には明らかであろう。他のこのような代案、変形、及び修正は、以下に添付の特許請求の範囲に該当することが意図されている。
A 右心房
LVP1 第1の左心室ペース
LVP2 第2の左心室ペース
RV 右心室
RVP 右心室疑似ペース

Claims (10)

  1. 心臓ペーシングデバイスであって、
    ペーシングパルスを発生させるためのパルス発生回路と、
    心臓電気活動を感知するための感知回路と、
    ペーシングタイミング間隔を定める心イベントを検出し、かつプログラムされたモードに従ってペーシングパルスの送出を制御するためのコントローラと、
    選択された感知チャンネル及びペーシングチャンネルを形成するために前記パルス発生回路及び感知回路を選択された電極に接続するように前記コントローラによって作動可能なスイッチマトリックスと、
    を含み、
    前記コントローラは、
    右心室感知チャンネルを通じて心臓活動を感知し、
    右心室感知によってリセットされる心周期間隔中にLV1及びLV2と指定された少なくとも2つの左心室部位への左心室ペーシングチャンネルを通じたペースの送出を予定し、
    感知チャンネルが不応の時に、心イベント検出の目的に対して該感知チャンネルが無効にされるか又は感知された活動が無視されるように選択不応期を定め、
    第1の心室ペースが心周期中に送出される時に前記右心室感知チャンネルに対してペース後不応期を開始し、
    第1の心室ペースが部位LV1に送出された時の前記右心室感知チャンネルに対するペース後不応期の開始後に、前記ペース後不応期を部位LV2への次のペースによって影響されない状態にする、
    ようにプログラムされる、
    ことを特徴とする心臓ペーシングデバイス。
  2. 前記コントローラは、
    左心室感知チャンネルを通じて心臓活動を感知し、
    第1の心室ペースが心周期中に送出される時に前記左心室感知チャンネルに対してペース後不応期を開始する、
    ように更にプログラムされる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記コントローラは、いずれかの感知チャンネルに対して感知がその感知チャンネルにおいて検出された時に感知後不応期を開始するようにプログラムされることを特徴とする請求項1から請求項2のいずれか1項に記載のデバイス。
  4. 前記コントローラは、
    心房感知チャンネルを通じて心房活動を感知し、
    心周期中に送出される各心室ペースに対して前記心房感知チャンネルに対するペース後不応期を開始する、
    ように更にプログラムされる、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のデバイス。
  5. 前記コントローラは、部位LV1及びLV2に左心室ペースを送出する際に開始される前記ペース後不応期が同じプログラムされた設定を使用するようにプログラムされることを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
  6. 前記コントローラは、
    部位LV1及びLV2への前記ペースが右心室感知により抑制されない限り、心周期間隔中に右心室ペーシングチャンネルを通じて前記右心室にペースを送出し、次に、該心周期間隔中に部位LV1及びLV2に左心室ペースを送出し、
    右心室感知又は右心室ペースのいずれかに対して前記心周期間隔をリセットし、
    前記右心室ペースが送出された時の前記右及び左心室感知チャンネルに対するペース後不応期の開始後に、該ペース後不応期をLV1及びLV2への次のペースによって影響されない状態にする、
    ように更にプログラムされる、
    ことを特徴とする請求項5又は請求項2に記載のデバイス。
  7. 前記コントローラは、
    部位LV1及びLV2への左心室ペースの送出後に、右心室へのペースが右心室感知により抑制されない限り、心周期間隔中に右心室ペーシングチャンネルを通じて前記右心室にペースを送出し、
    右心室感知又は右心室ペースのいずれかに対して前記心周期間隔をリセットし、
    第1の心室ペースが部位LV1に送出された時の前記右及び左心室感知チャンネルに対するペース後不応期の開始後に、該ペース後不応期を部位LV2への次のペース及び前記右心室ペースによって影響されない状態にする、
    ように更にプログラムされる、
    ことを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
  8. 前記コントローラは、
    部位LV1及びLV2への前記ペースが右心室感知により抑制されない限り、右心室疑似ペースと同期する左心室ペースを部位LV1に送出し、次に、心周期間隔中に部位LV2に左心室ペースを送出し、
    右心室感知又は右心室疑似ペースのいずれかに対して前記心周期間隔をリセットし、
    第1の心室ペースが部位LV1に送出された時の前記右及び左心室感知チャンネルに対するペース後不応期の開始後に、該ペース後不応期を部位LV2への次のペースによって影響されない状態にする、
    ように更にプログラムされる、
    ことを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
  9. 前記コントローラは、
    部位LV1及びLV2への前記ペースが右心室感知により抑制されない限り、部位LV1に左心室ペースを送出し、次に、心周期間隔中に右心室疑似ペースと同期する左心室ペースを部位LV2に送出し、
    右心室感知又は右心室疑似ペースのいずれかに対して前記心周期間隔をリセットし、
    前記ペースが部位LV1に送出された時の前記右及び左心室感知チャンネルに対するペース後不応期の開始後に、該ペース後不応期を部位LV2への次のペースによって影響されない状態にする、
    ように更にプログラムされる、
    ことを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
  10. 前記コントローラは、
    部位LV1に左心室ペースを送出し、次に、心周期中に部位LV2に左心室ペースを送出し、
    部位LV1へのペースの送出時に、部位LV1の全ての更なるペーシングが抑制される左心室保護期を開始する、
    ように更にプログラムされ、
    前記左心室保護期は、部位LV2へのペースによって影響されない、
    ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のデバイス。
JP2013546231A 2010-12-20 2011-12-15 多部位心室ペーシングのための不応及びブランキング間隔 Expired - Fee Related JP5775937B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201061424947P 2010-12-20 2010-12-20
US61/424,947 2010-12-20
PCT/US2011/065251 WO2012087757A1 (en) 2010-12-20 2011-12-15 Refractory and blanking intervals for multi-site ventricular pacing

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014502536A JP2014502536A (ja) 2014-02-03
JP2014502536A5 JP2014502536A5 (ja) 2014-05-15
JP5775937B2 true JP5775937B2 (ja) 2015-09-09

Family

ID=45529186

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013546231A Expired - Fee Related JP5775937B2 (ja) 2010-12-20 2011-12-15 多部位心室ペーシングのための不応及びブランキング間隔

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8611999B2 (ja)
EP (1) EP2654886B1 (ja)
JP (1) JP5775937B2 (ja)
AU (1) AU2011349642B2 (ja)
WO (1) WO2012087757A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012087758A2 (en) 2010-12-20 2012-06-28 Cardiac Pacemakers, Inc. Left ventricular pacing protection for multi-site left ventricular pacing
AU2011349645B2 (en) 2010-12-20 2015-05-28 Cardiac Pacemakers, Inc. Left ventricle-only and right ventricular safety pacing
JP5788525B2 (ja) 2010-12-20 2015-09-30 カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド 多部位心室ペーシングのための両心室トリガ式ペーシング
US10052488B2 (en) * 2010-12-20 2018-08-21 Cardiac Pacemakers, Inc. Refractory and blanking intervals in the context of multi-site left ventricular pacing

Family Cites Families (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6477415B1 (en) 1998-12-29 2002-11-05 Medtronic, Inc. AV synchronous cardiac pacing system delivering multi-site ventricular pacing triggered by a ventricular sense event during the AV delay
US6496730B1 (en) * 1998-12-29 2002-12-17 Medtronic, Inc. Multi-site cardiac pacing system having conditional refractory period
US6427084B2 (en) 1999-08-23 2002-07-30 Cardiac Pacemakers, Inc. Multi-site hybrid hardware-based cardiac pacemaker
US6904315B2 (en) * 2000-12-14 2005-06-07 Medtronic, Inc. Atrial aware VVI: a method for atrial synchronous ventricular (VDD/R) pacing using the subcutaneous electrode array and a standard pacing lead
US6512952B2 (en) 2000-12-26 2003-01-28 Cardiac Pacemakers, Inc. Method and apparatus for maintaining synchronized pacing
US6574506B2 (en) 2000-12-26 2003-06-03 Cardiac Pacemakers, Inc. System and method for timing synchronized pacing
US6829505B2 (en) 2000-12-26 2004-12-07 Cardiac Pacemakers, Inc. System and method for cardiac rhythm management with synchronized pacing protection period
US7003347B2 (en) 2000-12-26 2006-02-21 Cardiac Pacemakers, Inc. System and method for cardiac rhythm management with dynamically adjusted synchronized chamber pacing protection period
US6480740B2 (en) 2000-12-26 2002-11-12 Cardiac Pacemakers, Inc. Safety pacing in multi-site CRM devices
US6795734B2 (en) 2000-12-26 2004-09-21 Cardiac Pacemakers, Inc. Method and apparatus for display of ventricular electrograms
US6438421B1 (en) 2000-12-26 2002-08-20 Cardiac Pacemakers, Inc. Mode transition timing for synchronized pacing
US6553258B2 (en) * 2000-12-26 2003-04-22 Cardiac Pacemakers, Inc. System and method for managing refractory periods in a cardiac rhythm management device with biventricular sensing
US7260432B2 (en) 2001-10-11 2007-08-21 Cardiac Pacemakers, Inc. Timing cycles for synchronized multisite cardiac pacing
US6757562B2 (en) 2001-10-25 2004-06-29 Cardiac Pacemakers, Inc. Reduction of left-ventricular offset interaction with tachyarrhythmia detection
US7113823B2 (en) 2001-10-26 2006-09-26 Cardiac Pacemakers, Inc. Morphology-based optimization of cardiac resynchronization therapy
US6915160B2 (en) * 2002-02-08 2005-07-05 Cardiac Pacemakers, Inc. Dynamically optimized multisite cardiac resynchronization device
US7016729B2 (en) 2002-12-30 2006-03-21 Cardiac Pacemakers, Inc. Reduction of interaction with tachyarrhythmia detection by negative offset pacing
US7013176B2 (en) 2003-01-28 2006-03-14 Cardiac Pacemakers, Inc. Method and apparatus for setting pacing parameters in cardiac resynchronization therapy
US7130689B1 (en) 2004-02-24 2006-10-31 Pacesetter, Inc. Methods and systems for optimizing cardiac pacing intervals for various physiologic factors
US7295874B2 (en) 2005-01-06 2007-11-13 Cardiac Pacemakers, Inc. Intermittent stress augmentation pacing for cardioprotective effect
US7555340B2 (en) 2005-04-01 2009-06-30 Cardiac Pacemakers, Inc. Electrogram morphology-based CRT optimization
US8620430B2 (en) * 2006-06-30 2013-12-31 Cardiac Pacemakers, Inc. Selection of pacing sites to enhance cardiac performance
US20080114408A1 (en) 2006-11-13 2008-05-15 Shuros Allan C Method and device for simulated exercise
US7890172B2 (en) 2007-01-18 2011-02-15 Cardiac Pacemakers, Inc. Pacing output configuration selection for cardiac resynchronization therapy patients
US8886306B2 (en) * 2008-08-20 2014-11-11 Cardiac Pacemakers, Inc. Triggered high-output pacing therapy
US8929983B2 (en) 2008-11-10 2015-01-06 Cardiac Pacemakers, Inc. Reverse hysteresis and mode switching for intermittent pacing therapy
AU2011349645B2 (en) 2010-12-20 2015-05-28 Cardiac Pacemakers, Inc. Left ventricle-only and right ventricular safety pacing
JP5788525B2 (ja) 2010-12-20 2015-09-30 カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド 多部位心室ペーシングのための両心室トリガ式ペーシング
WO2012087758A2 (en) 2010-12-20 2012-06-28 Cardiac Pacemakers, Inc. Left ventricular pacing protection for multi-site left ventricular pacing

Also Published As

Publication number Publication date
WO2012087757A1 (en) 2012-06-28
AU2011349642A1 (en) 2013-08-01
JP2014502536A (ja) 2014-02-03
EP2654886A1 (en) 2013-10-30
US8611999B2 (en) 2013-12-17
US20120158087A1 (en) 2012-06-21
EP2654886B1 (en) 2018-05-02
AU2011349642B2 (en) 2015-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10052488B2 (en) Refractory and blanking intervals in the context of multi-site left ventricular pacing
JP5788525B2 (ja) 多部位心室ペーシングのための両心室トリガ式ペーシング
JP5857069B2 (ja) 心臓ペーシングデバイス
JP5784748B2 (ja) 左心室限定かつ右心室安全ペーシング
US6553258B2 (en) System and method for managing refractory periods in a cardiac rhythm management device with biventricular sensing
US7379773B2 (en) Method and apparatus for maintaining synchronized pacing
US6829505B2 (en) System and method for cardiac rhythm management with synchronized pacing protection period
US20020120298A1 (en) Apparatus and method for ventricular rate regularization
AU2011349646A1 (en) Biventricular-triggered pacing for multi-site ventricular pacing
AU2011349643A1 (en) Left ventricular pacing protection for multi-site left ventricular pacing
JP5775937B2 (ja) 多部位心室ペーシングのための不応及びブランキング間隔

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140326

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140326

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141001

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20141222

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20150129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150302

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20150413

TRDD Decision of grant or rejection written
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150413

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150609

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150706

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5775937

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees