JP5775793B2 - 無給油式空気圧縮機及びその制御方法 - Google Patents

無給油式空気圧縮機及びその制御方法 Download PDF

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本発明は無給油式空気圧縮機及びその制御方法に関する。
サーミスタを温度センサとして用いた無給油式空気圧縮機として、特許文献1のものが知られている。この例では、吐出温度検出用にほぼ同一箇所に2本のセンサを設置して温度を比較することにより、片方が断線している場合には断線判断をする例が記載されている。
特開2000−345969号公報
無給油式空気圧縮機は圧縮空気経路に給油を行うことなく空気を圧縮する。空気は圧縮されると温度が上昇するが、無給油式空気圧縮機の場合は温度を冷却する媒体が混入されないため、給油式と比較して非常に高温となるのが一般的である。
圧縮空気の温度は空気圧縮機に備えられた温度センサによって測定される。そして、温度センサで測定された温度が予め設定された値よりも高くなると、例えば、警報を出したり、あるいは、故障と判断して圧縮機を停止させたりする等の制御が行われている。
温度センサとしてはサーミスタ素子が広く用いられている(上述の特許文献1参照。)。サーミスタ素子は安価で入手性に優れ、空気圧縮機の温度センサとして使用するに好適なものの1つである。
サーミスタは抵抗値が温度に依存して変化し、この抵抗値の変化を温度変化として検出するためにサーミスタ素子と制御基板とは配線で接続されて使用される。しかし、この配線自体が断線すると温度情報に基づく故障判断が不可能となることから、制御上、断線の判断が必要とされる。特許文献1は、吐出温度検出用にほぼ同一箇所に2本のセンサを設置して、温度を比較することにより片方が断線している場合には断線判断をする例を開示するものである。
他方、サーミスタの特性を利用した断線判断も可能である。サーミスタは半導体素子が温度によって抵抗値が変化する特性を使用している。換言すれば、温度が高いと抵抗値が下がり、温度が低いと抵抗値が上がる性質を温度センサとして利用している。したがって、制御基板で把握される抵抗値が空気圧縮機の使用環境からみて明らかに異常である場合に断線と判断することが可能となる。
例えば、空気圧縮機の場合、通常の使用態様は外気温度が0〜45℃であるため、この温度範囲を大幅に外れた抵抗値(例えば、マイナス20℃相当)が検出された場合には、明らかな異常値であることから断線であると判断することができる。
しかし、圧縮機の使用環境は様々であり、例えば、冬季の寒冷地で圧縮機が使用される場合、製品仕様上で想定された外気温度を大幅に外れ、周囲温度がマイナス20℃となることがある。このとき、実際には断線していないにも関らず、圧縮機が断線判断をしてしまうことになる。
例えば、次の現象が生じ得る。圧縮機は、使用者の圧縮空気の使用状況に応じて自動運転と自動停止を繰り返すため、周囲温度が低い環境で自動停止した場合は検出される温度も低下する。したがって、停止中にマイナス20℃を検出すると断線と判断され、次の起動が不可能となる。
一方、サーミスタの両端配線を入力する制御基板の分解能から、圧縮機としての温度測定範囲は約200〜300K(ケルビン)の範囲となる。この範囲を超えると温度検出の精度は著しく悪化する。
無給油式スクリュー圧縮機を例に具体的に述べる。無給油式スクリュー圧縮機は、単段圧縮機、複数段圧縮機が存在するが、比較的温度が低い二段式圧縮機の場合でも低圧段圧縮機本体および高圧段圧縮機本体それぞれの吐出温度は200℃〜250℃程度となる。したがって、この吐出温度の近辺で精度が良いサーミスタが選定される。
このとき、吐出温度を基準としてサーミスタを選定すると0℃近辺の温度測定の精度は悪くなる。このため、マイナス20℃を検出した場合に断線と判断する方式を採用した場合、温度測定精度の悪さから周囲温度が0℃近辺でも断線判断をしてしまうことがある。
このような誤った断線判断を回避するための策として、運転後、圧縮機が温まるまでの時間、すなわち、温度測定精度が高くなるまでの時間、例えば20秒程度は断線判断制御を行わずに運転する方法が考えられる。
しかし、無給油式スクリュー圧縮機の場合には、運転開始の直後、空気を吐出した後すぐに吐出温度が上昇していくため、一律に時間で評価することは困難でる。例えば、周囲温度が圧縮機使用範囲上限の40℃〜45℃を越えて運転された場合を想定すると、20秒以上断線判断をしないと、異常高温となった吐出温度が検出できず、圧縮機本体ブロックが損傷する可能性がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、圧縮空気の吐出温度検出センサが断線した場合であっても適正に制御を行うことができる無給油式空気圧縮機及びその制御方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明では特許請求の範囲に記載の構成、制御を採用する。その例を挙げるならば、無給油式空気圧縮機としては、無給油で空気を圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体の軸受へ供給される潤滑油が循環する潤滑油配管と、潤滑油の温度を検出する第1のサーミスタと、前記圧縮機本体から吐出される圧縮空気の温度を検出する第2のサーミスタと、圧縮機の運転を制御する圧縮機制御装置と、前記第2のサーミスタと前記圧縮機制御装置とを接続する配線とを備え、前記圧縮機の運転開始後、前記第1のサーミスタの検出温度が予め定められた基準温度に達した場合に前記配線の断線判断を開始するものが挙げられる。
さらには、負荷運転と無負荷運転とを切替制御する場合に上記の例を採用する方式も可能である。
また、制御方法の例として、次の制御が好適である。すなわち、圧縮機本体の軸受へ供給される潤滑油の温度を検出する第1のサーミスタによる検出温度が予め定められた基準温度に達した場合に、前記圧縮機本体から吐出される圧縮空気の温度を検出する第2のサーミスタと前記無給油式空気圧縮機を制御する制御装置とを接続する配線の断線判断を開始し、断線が判断されない場合には、圧縮空気の温度が予め定められた温度に達すると、警報を発する、あるいは、前記無給油式空気圧縮機を停止することが挙げられる。
上述の例におけるより具体的な態様は、発明を実施するための形態や図面の記載から明らかにされる。これらの記載は発明の内容を限定するものではないが、発明の一形態として好適なものである。
本発明によれば、圧縮空気の吐出温度検出センサが断線した場合でも圧縮機に異常が発生する前に対処可能な適正な制御が可能となる。
本実施形態の無給油式スクリュー圧縮機の全体構成を示す図。 制御構成を示すブロック図。 サーミスタ30a、30bの特性図。 サーミスタ29の特性図。 温度測定フロー図。 検証実験結果(外気温度が低い場合)。 検証実験結果(外気温度が高い場合)。
本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。以下では、タイミングギヤにより非接触かつ無給油で回転可能な雄雌一対のスクリューロータを有する圧縮機本体と、圧縮機本体内外の駆動部で使用される軸受及びギヤ用潤滑油と圧縮機本体の冷却用潤滑油系統と、この圧縮空気温度および潤滑油の温度を測定可能であるサーミスタを有する無給油式スクリュー圧縮機を例に説明する。
図1は無給油式スクリュー圧縮機の全体構成を示す図であり、機器構成及び圧縮空気と潤滑油のフロー図を図示している。
この図1において、圧縮機ユニットケース1に収納される無給油式スクリュー圧縮機は二段圧縮機であり、低圧段圧縮機本体(一段圧縮機)2aと高圧段圧縮機本体(二段圧縮機)2bを備えている。この低圧段圧縮機本体2aの吸込みガス通路の上流側には吸込み絞り弁6が設けられている。また、上記の圧縮機本体2a、2bは、いずれも圧縮室内に一対のスクリューロータである雄ロータ3及び雌ロータ4を収納している。雌雄ロータ3、4は、無給油及び非接触状態で回転自在に配設されており、その外周部には容積が変化するガス通路の溝が形成されている。
本実施形態の空気の流れを説明する。両圧縮機本体2a、2bは圧縮機本体駆動用モータ8により、駆動ギヤ7を介して回転駆動される。圧縮に使用されるガスは、吸込みフィルタ5を介して外部から常温で取り込まれる。圧縮機本体駆動用モータ8を駆動することにより、外部から空気が低圧段圧縮機本体2aに供給され、ここで圧縮された空気は、配管35aを通じて低圧段空冷式熱交換器(インタークーラ)9を通過して冷却された後、配管36を通じて高圧段圧縮機本体2bに供給される。高圧段圧縮機本体2bにより、さらに圧縮された空気は、配管35bを通じて高圧段空冷式熱交換器(アフタークーラ)11へ供給され冷却の後、圧縮機ユニット外部へ吐出される。
次に潤滑油の循環を説明する。駆動ギヤ7を収納するギヤケース12に充填されている潤滑油は、潤滑油配管21を通り、圧縮機潤滑油用空冷式熱交換器(オイルクーラ)13によって適正温度まで冷却され、潤滑油配管23に接続されたオイルフィルタ22を通過後、圧縮機本体2a、2b内を含む圧縮機用軸受及び駆動ギヤ7へ、これらの冷却及び回転潤滑のために供給され、再びギヤケース12へと回収される。
圧縮機ユニットケース1の内部(図1の左下側)には始動制御盤24を備え、内部に本実施形態のスクリュー圧縮機の運転等を制御する圧縮機制御装置31を有している。
また、圧縮機ユニットケース1を構成する筐体の内部(図1の右上側)には冷却ファン25が設けられている。冷却ファン25は、モータ26によって回転制御される。冷却ファン25の回転により、圧縮機ユニットケース1に形成した吸気孔27から外気が取り込まれる。この外気は、ユニット内部を冷却し、インタークーラ9、アフタークーラ11及びオイルクーラ13と熱交換が行われた後、圧縮機ユニットケース1に形成した排気孔28から排出される。
オイルクーラ13の出口側の潤滑油配管23には、潤滑油の温度を検出するセンサとして第1のサーミスタ29が設けられている。低圧段圧縮機本体2aと高圧段圧縮機本体2bから吐出される空気の温度はそれぞれ吐出配管35a、35bに取り付けた第2のサーミスタ30a、第3のサーミスタ30bで検出できる。
図2は本実施形態のスクリュー圧縮機において、温度検出及び表示に係る制御構成を示すブロック図である。具体的には、サーミスタ29、30a、30bによって温度を検出して、圧縮機を制御する構成を図示している。
図に示すように、サーミスタ29、30a、30bからの信号は圧縮機制御装置31にとりこまれる。圧縮機制御装置31は演算部31aと記憶部31bを備えており、サーミスタ29、30a、30bから取り込まれた温度情報を表示部31cに表示をしたり、演算部31aにより、記憶部31bにあらかじめ設定された温度よりも入力された温度が高いと判断した場合には、表示部31cに警報を表示したり、故障表示をして圧縮機を停止させる制御を行う。記憶部31bには演算部31aが行う制御に必要な情報が記憶され、例えば、後述する制御において用いられる各種の基準温度、基準時間が記憶されている。
次に、本実施形態に用いられるサーミスタの特性を説明する。図3は第2のサーミスタ30a、第3のサーミスタ30bの特性図であり、図4は第1のサーミスタ29の特性図である。
低圧段圧縮機本体2aと高圧段圧縮機本体2bの吐出温度は200〜250℃となるため、第2のサーミスタ30a及び第3のサーミスタ30bはこの範囲での測定精度が要求される。図3上に図示すると、区間Aでの温度測定精度が要求されることになる。図2に示す圧縮機制御装置31を用いた場合、サーミスタ30a、30bの抵抗値が500kΩをこえる区間(区間B)では、制御装置側では抵抗値が大きすぎること、および温度1℃の変化に対する抵抗値の変化量が大きすぎるため、温度の判定の誤差が大きくなる。通常運転時における吐出温度検出には問題ないが、断線検出時には問題となる。
本実施形態において生じる断線検出判断の問題を具体的に述べる。スクリュー圧縮機では、一般的に外気温度が0〜45℃で使用されることが想定されている。したがって、この温度範囲を大幅に外れた抵抗値(例えば、マイナス20℃相当)が検出されると、圧縮機制御装置31は断線が生じたと判断を行う。しかし、この圧縮機が冬季の寒冷地で使用される場合、周囲温度がマイナス20℃となることがあるだけではなく、圧縮機使用温度範囲下限の0℃近辺では、サーミスタの断線判断相当温度(マイナス20℃)と温度0℃との区別が難しく、製品仕様において想定された環境で使用されても、制御装置31が誤って断線と判断することがある。
一方、本実施形態の無給油式スクリュー圧縮機は圧縮機本体内を含む圧縮機用軸受及び駆動ギヤ7を有するため、これを潤滑するための潤滑油が使用されている。この潤滑油の温度が高温になると機器の焼きつきの恐れがあるため、第1のサーミスタ29にて潤滑油温度を検出している。
潤滑油温度は、吐出空気温度のように高温となることはなく、異常等を判断するための温度は70℃近辺である。そのため、故障を表示して圧縮機を停止させるために、図4に示すような特性のサーミスタを採用している。
このため、図3に示したサーミスタ特性(第2のサーミスタ30a、第3のサーミスタ30bの特性)に比べると、低温側での検出精度を高く維持できる。区間Cに示す範囲のように、0℃近辺での抵抗値は100kΩ以下であり、マイナス20℃近辺での抵抗値も約200kΩである。したがって、第1のサーミスタ29は、0℃とマイナス20℃の区別が精度良く可能であるため、圧縮機使用温度範囲(0〜45℃)を大きく下回るマイナス20℃以下を検出した場合には、サーミスタ29が断線したものと判断できる。
上記の状況に鑑み、本実施形態では、圧縮機の運転開始後、断線判断条件を満たすか否かを判定し、断線判断条件を満たし場合に断線判断を開始することとした。具体的には、図5に示すようなフローでサーミスタ30aと30bの断線検出を行う。図5は本実施形態のスクリュー圧縮機に係る温度測定フロー図である。
図5に示すように、運転開始とほぼ同時にサーミスタの温度判定を実施する。圧縮機制御手段31はスイッチングノイズなどによる装置の誤判断を防ぐため、本実施形態では、運転開始からts秒間は断線判定を実施しない、または断線判定の結果を他の制御に影響を与えないようにする(ただし、スイッチングノイズなどの問題が生じない等の事情があればこの条件に限定されないことはいうまでもない。)。
図2に示すように圧縮機制御装置31にはサーミスタ29、30a、30bの情報が送信されてくるが、この中で第1のサーミスタ29の検出温度が予め定めた基準温度To1℃以上となった場合に断線判断を開始する。この条件で断線判断を開始するのは次の理由による。
上述のように、低温時において生じ得る断線誤判断は、サーミスタ30a、30bの0℃近辺での温度検出精度の低さに起因している。一方で第1のサーミスタ29は、第2〜第3のサーミスタ30a、30bと比較して0℃近辺での測定精度がよい。したがって、第1のサーミスタ29の精度の良さを利用し、第2〜第3のサーミスタ30a、30bによって断線検出可能な温度であるか否かを判定することにしたものである。すなわち、第1のサーミスタ29の検出温度がTo1℃以上であれば、第2〜第3のサーミスタ30a、30bの断線検出が誤判断なく可能であることを意味している。
而して、潤滑油温測定用のサーミスタ29の検出温度がTo1℃以上となった後に、断線判断を開始する。これ以降、サーミスタ30aまたは30bの抵抗値があらかじめ設定した抵抗値Ra以上(例えば、マイナス20℃相当の抵抗値)になった場合は、断線と判断し、圧縮機を停止させる。
抵抗値Ra以上とならず、断線判断が行われない場合には、通常の温度測定が行われ、圧縮機制御装置31はサーミスタ30aまたは30bの抵抗値があらかじめ設定した抵抗値R2以下となった場合には(図5では吐出温度Tsd以上であるか否かを判断するものとして図示)、異常高温と判断し、圧縮機を停止する。この時、停止の前に警報を出すような制御をすることもある。これらの通常の測定においては、そもそもサーミスタ30a、30bが200℃以上となる吐出空気温度を測定するものとして選定されているので、精度良く判断が可能である。
上記の実施形態によれば、第2のサーミスタ30a、第3のサーミスタ30bの低温時の温度検出精度の悪さに起因する誤った断線判断を防ぐことができる。ただし、図5に示すフローは、第1のサーミスタ29が油温To1を検出する前には第2〜第3のサーミスタ30a、30bの断線検出を行わない制御であるため、この間に実際に断線が生じていてもこれを判断することができない。
そこで、吐出温度センサの断線を検出できない場合に生じ得る空気圧縮機の使用上のトラブルとの関係から検証を行った。以下、図面を援用しつつ説明する。
なお、検証は本実施形態による制御の妥当性の検証も兼ねている。すなわち、図5の制御フローにおいて、第1のサーミスタ29が油温To1を検出した後は第2〜第3のサーミスタ30a、30bが問題なく断線検出可能であることを想定しているが、この制御の妥当性もあわせて検証している。
図6及び図7は発明者らによる検証実験結果である。図6は本実施形態で想定した低温時の制御の検証であり、図7は本実施形態の制御を高温時に行った場合の検証である。
図6は温度が外気温度が低く(0℃を想定)、かつ吐出し圧力が低くサーミスタ30a、30b部に流れる圧縮空気の温度が低く温度が上昇しにくい場合のサーミスタによる検出温度と断線検出との関係を示す検証実験結果である。図では断線検出開始時間tsを5秒、断線検出開始温度To1を5℃、吐出温度センサ(サーミスタ30a、30b)による故障判定温度Tsdを210℃として評価している。
吐出温度センサの断線を検出できない場合に生じ得るトラブルは、次の(1)〜(4)の状況である。
(1)実際は断線しているが、断線検出ができない。
(2)上記(1)により、制御装置31は検出温度がマイナス20℃と誤判断する。
(3)上記(2)により、温度が誤判断されたまま、実際の吐出温度が上昇する。
(4)吐出温度が上昇して故障判定温度を超えても、制御装置31が異常判定できない。
図6の検証結果を説明する。周囲温度0℃から圧縮機を起動し、ts秒を経過、断線検出開始潤滑油温度がTo1℃を超えた時間に到達する(縦直線で図示)。このとき、吐出温度センサである第2のサーミスタ30a、第3のサーミスタ30bによって検出される温度は50℃を大きく超えていることが理解できる。
図3に特性を示したように、50℃以上では十分に精度良く温度を検出可能であるため、断線判断開始後の区間Vでは誤動作することがない。この時、断線検出をより早く開始するためには、断線検出開始潤滑油温度To1は圧縮機使用下限温度+10℃以下であることが望ましい。
また、図6に示すように、区間Vで断線検出が開始される時点の吐出空気温度は100℃以下である。二段吐出し圧力が0.7MPa(G)と高く吐出し空気温度が高い場合でも、周囲温度が0℃近辺と低い場合には二段吐出し温度も150℃以下である。したがって、第2のサーミスタ30a、第3のサーミスタ3bが断線検出前にいずれも断線していたとしても、実際の吐出温度は故障判定温度を十分に下回っているので問題は生じない。この場合は、区間V以降で断線検出がされて圧縮機が停止するので、上記(4)で想定した使用上のトラブルが回避される。
図7は周囲温度が高く、且つ吐出し圧力が高くサーミスタ30a、30b部に流れる圧縮空気の温度が高い場合の実験検証結果である。例えば周囲温度が45℃の場合、圧縮機の起動時にサーミスタ29の検出温度は45℃付近となる。このため、運転開始から断線検出開始時間ts秒経過後には、すでに断線検出開始温度To1を超えている。したがって、ts秒経過後には断線検出条件を満たしており、サーミスタ30a、30bの断線検出を開始する(区間W)。このため、もしサーミスタが断線していればその時点で圧縮機を停止できるし、もしサーミスタ30a、30bの検出温度が故障判定温度Tsdを超えていれば圧縮機を停止することも可能である。したがって、この場合も問題は生じないということができる。
外気温度が高い場合には故障判定温度に到達する時間が短いため(例えば図7の例では32秒で到達)、上記(4)のトラブルが生じやすいことになるが、図7に示したように、外気温度が高い場合には断線検出条件を早期に満たすことができる(図7では運転開始から5秒で条件具備)。
このように、本実施形態は外気温度が低い場合に生じ得る問題に起因する制御であるが、外気温度が高い場合にも好適に対応でき、広範な温度環境でトラブルを回避することができる。
上述の実施形態の説明では、2段のスクリュー圧縮機を例にしたが、本実施形態と同様の課題が生ずる空気圧縮機であれば同様の手段で解決可能であることはいうまでもない。
また、上述の実施形態の説明では、圧縮機の運転開始を例にして説明したが、圧縮空気の吐出開始後であれば、運転開始に限られない。例えば、空気圧縮機の無負荷運転(空気使用量が少ないときに圧縮機駆動用モータ8を回転させたままで行う負荷低減運転。例えば、吸込み絞り弁6を閉塞する運転、あるいは、吐出配管35に設ける放気弁(図示省略)を開き圧縮空気を開放する運転。説明は省略する。)が続いて潤滑油温測定用のサーミスタ29の検出温度がTo1よりも低くなった場合にも適用可能である。
無負荷運転から負荷運転への移行時の具体的実施例の説明は上述の説明と重複するので省略するが、上述の説明における圧縮機運転開始を「負荷運転移行」あるいは「負荷運転再開」と読み替え、圧縮機停止状態を「無負荷運転状態」と置き換えるだけでよい。例えば、無負荷運転中に温度が低下し、サーミスタ30a、30bの温度検出精度が低い温度帯となった場合に断線検出を停止し、負荷運転再開後の制御を上述したと同様に行うことで同様の効果が得られる。
以上、本発明の実施形態によれば、圧縮空気の吐出温度検出センサが断線した場合であっても、適正に故障表示や圧縮機の停止を行うことができる。
1…圧縮機ユニットケース、2a…低圧段圧縮機本体、2b…高圧段圧縮機本体、6…吸込み絞り弁、7…駆動ギヤ、8…圧縮機駆動用モータ、9…低圧段空冷式熱交換器、21…潤滑油用配管、23…潤滑油用配管、24…始動制御盤、29…第1のサーミスタ、30a…第2のサーミスタ、30b…第3のサーミスタ、31…圧縮機制御装置、35…配管。

Claims (7)

  1. 無給油で空気を圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体の軸受へ供給される潤滑油が循環する潤滑油配管と、潤滑油の温度を検出する第1のサーミスタと、前記圧縮機本体から吐出される圧縮空気の温度を検出する第2のサーミスタと、圧縮機の運転を制御する圧縮機制御装置と、前記第2のサーミスタと前記圧縮機制御装置とを接続する配線と、を備え、
    前記圧縮機の運転開始後、前記第1のサーミスタの検出温度が予め定められた基準温度に達した場合に前記配線の断線判断を開始することを特徴とする無給油式空気圧縮機。
  2. 無給油で空気を圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体から吐出される圧縮空気の温度を検出するサーミスタと、圧縮機の運転を制御する圧縮機制御装置と、前記サーミスタと前記圧縮機制御装置とを接続する配線とを備え、圧縮空気の使用量に応じて負荷運転と無負荷運転とを切替制御する無給油式空気圧縮機において、
    無負荷運転から負荷運転へ移行した後、断線判断条件を満たした場合に前記配線の断線判断を開始することを特徴とする無給油式空気圧縮機。
  3. 無給油で空気を圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体の軸受へ供給される潤滑油が循環する潤滑油配管と、潤滑油の温度を検出する第1のサーミスタと、前記圧縮機本体から吐出される圧縮空気の温度を検出する第2のサーミスタと、圧縮機の運転を制御する圧縮機制御装置と、前記第2のサーミスタと前記圧縮機制御装置とを接続する配線とを備え、圧縮空気の使用量に応じて負荷運転と無負荷運転とを切替制御する無給油式空気圧縮機において、
    無負荷運転から負荷運転へ移行した後、前記第1のサーミスタの検出温度が予め定められた基準温度に達した場合に前記配線の断線判断を開始することを特徴とする無給油式空気圧縮機。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の無給油式空気圧縮機において、前記圧縮機本体は低圧段圧縮機本体と高圧段圧縮機とを備えてなることを特徴とする無給油式空気圧縮機。
  5. 請求1〜のいずれか一項に記載の無給油式空気圧縮機において、前記配線の断線判断の開始は、予め定められた設定時間経過後に行うことを特徴とする無給油式空気圧縮機。
  6. 請求項またはに記載の無給油式空気圧縮機において、前記基準温度が、圧縮機使用下限温度+10℃以下であることを特徴とする無給油式空気圧縮機。
  7. 無給油式空気圧縮機の制御方法であって、
    圧縮機本体の軸受へ供給される潤滑油の温度を検出する第1のサーミスタによる検出温度が予め定められた基準温度に達した場合に、前記圧縮機本体から吐出される圧縮空気の温度を検出する第2のサーミスタと前記無給油式空気圧縮機を制御する制御装置とを接続する配線の断線判断を開始し、
    断線が判断されない場合には、圧縮空気の温度が予め定められた温度に達すると、警報を発する、あるいは、前記無給油式空気圧縮機を停止することを特徴とする無給油式空気圧縮機の制御方法。
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