JP5775303B2 - 不安に対する治療法 - Google Patents

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Description

<関連出願のクロスリファレンス>
本願は、2007年7月3日付けの米国特許出願(USSN)第60/947,892号に対して優先権を主張するものであり、該出願はすべての目的についてこの参照により本明細書中に完全に組み込まれる。
<コンピュータが読める形式で提出された「配列表」、テーブル、又はコンピュータプログラムのリストに対する参照>
ファイル026372000210PC_SeqList.txt中に記載された配列表は40,504バイトで、Tasker外の「不安に対する治療法」と共にファイルされた本願のために2008年6月30日に作成された。このファイルに含まれている情報は、この参照によって本明細書中に組み込まれる。
<本発明の背景>
不安及びうつは、重大な臨床的及び社会経済的意義を有する主要な精神疾患である。臨床的うつ病は一般的に不安障害と一緒に呈され、その逆も同じである。患者は、まれに、1つだけ又は他方の症状を呈する。
一般人の間では、これらの疾患は日常のパフォーマンスに影響を与え、衝動制御、金融行動、薬物乱用並びに組織との相関を示す。不安は、恐怖、懸念及び心配を含む感情の複雑な組み合わせに関与する不快な状態である。多くの場合、動悸、吐き気、胸の痛み、息切れ、又は緊張型頭痛などの身体的感覚を伴う。不安障害は、突然に起き得る(急性不安)並びに/若しくは徐々に数年間の期間で起き得る(慢性)、及び正常な日常生活のルーチンを行うことを阻害し若しくは防止するかもしれない異常で、病的な不安、心配、恐怖、及び神経状態のいくつかの異なる型をカバーする包括的な用語である。不安障害は、しばしば衰弱性の慢性状態で、それは若年期から存在し又は突然、誘起イベントの後に始まり得る。それらは、高ストレス時に突発する傾向がある。
不安はしばしば、認知的、身体的、感情的、及び行動的要素を有するものとして記載される(非特許文献1)。認知的要素は、広範及び不確実な危険への予期を伴う。身体的には、身体は生命体が脅威に対処するための準備を行う(緊急反応として知られる):血圧並びに心拍数は増加し、発汗が増加し、主要な筋肉グループへの血流が増加し、及び免疫系並びに消化器系の機能は阻害される。外部からは、不安の身体的徴候は青白い皮膚、発汗、震え、及び瞳孔散大を含んでもよい。感情的には、不安は恐怖又はパニックの感覚を引き起こし、及び身体的には吐き気並びに悪寒を引き起こす。行動的には、自発的及び非自発的行動の両者が、不安の原因を回避又は避けるよう仕向けるかもしれない。これらの行動は頻繁に起こり、しばしば不適応で、不安障害の最も極端なものである。しかしながら、不安は常に病的又は不適応ではない:それは恐怖、怒り、悲しみ、並びに幸福と共にある一般的な感情で、それは生存との関係で非常に重要な機能を持つ。
扁桃体や海馬に関連した神経回路が、不安の根底にあると考えられる(非特許文献2)。悪臭又は悪味などの不快で潜在的に有害な刺激に直面すると、PETスキャンは扁桃体での血流の増加を示す(非特許文献3;非特許文献4)。これらの研究では、参加者は中程度の不安をも報告した。このことは、不安は生命体が潜在的に有害な行動に従事することを防ぐために設計された保護的メカニズムであることを示すだろう。
不安に対する従来の治療法は、行動療法、ライフスタイルの変化及び/又は薬物療法(薬)を含む。これらの疾患の治療に使用されるほとんどの薬は、その使用を制限するであろう副作用を有し、習慣性及び依存性を引き起こすことが知られている。
シナプス後肥厚部−95タンパク質(PSD−95)は、NMDARsを興奮毒性及び虚血性脳損傷を仲介するパスウェイに共役する(非特許文献5)。この共役は、PSD−95/NMDAR相互作用複合体のどちらかの側の修飾ドメインに結合するペプチドを用いて、伝達ニューロンによって阻害される。この処置は、NMDAR活性をブロックすることなく下流にあるNMDARシグナリングを弱め、培養皮質ニューロンを興奮毒性傷害から保護し、及び一過性局所脳虚血のラットにおける脳梗塞のボリュームを減少させた。この結果により、脳卒中及び興奮毒性により媒介される他の病気の治療のため、PSD−95/NMDARのペプチド拮抗薬を使用する提案に至った。一つのそのような拮抗薬のフェーズI試験において、重大な副作用は観察されなかった。
Seligman、Walker & Rosenhan, 2001年 Rosen & Schulkin,Psychol.Rev.,105(2):325−350,1998 Zald & Pardo, PNAS, 94(8):4119−4124, 1997 ZaId、 Hagen & Pardo, J.Neurophysiol., 87(2):1068−1075, 2002 Aarts et al., Science 298, 846−850(2002)
<発明の簡単な概要>
本発明は、PSD95とNMDA受容体との特異的結合を阻害する薬剤を効果的な治療方法で患者に投与することを含む、不安の症状を発症する若しくはリスクを有する患者の治療又は効果的な予防の方法を提供する。該薬剤は、内在化ペプチドに連結したNMDA受容体C末端から3から25アミノ酸からなるアミノ酸配列又はPSD−95受容体のPDZドメイン1及び/又は2からなるアミノ酸配列を有する活性ペプチドを含むキメラペプチドであってもよい。該活性ペプチドは、[E/D/N/Q]−[S/T]−[D/E/Q/N]−[V/L](配列番号:1)を含むアミノ酸配列を有してもよい。該活性ペプチドは、ESDV(配列番号:2)、ESEV(配列番号:3)、ETDV(配列番号:4)、ETEV(配列番号:5)、DTDV(配列番号:6)、DTEV(配列番号:7)からなる群より選択されたアミノ酸配列を含んでもよい。該活性ペプチドはKLSSIETDV(配列番号:8)を含むアミノ酸配列を有してよい。該キメラペプチドは、YGRKKRRQRRRKLSSIETDV(配列番号:9)を含むアミノ酸を有してもよい。該キメラプチドは、YGRKKRRQRRRKLSSIETDVの(配列番号:9)からなるアミノ酸配列を有してもよい。該活性ペプチドは、KLSSIESDV(配列番号:10)を含むアミノ酸配列を有してもよい。該キメラペプチドは、YGRKKRRQRRRKLSSIESDV(配列番号:11)を含むアミノ酸配列を有してもよい。該アミノ酸配列は、YGRKKRRQRRRKLSSIESDV(配列番号:11)からなってもよい。
該患者は、該拮抗薬で治療が必要な不安以外の疾患はなくてもよい。該患者は、興奮毒性で媒介される不安以外の疾患はなくてもよい。該患者は脳卒中ではなくてもよい。オプションで、該患者は、興奮毒性で媒介される疾患はない。該薬剤は不安を促進するイベントの経験を持つ患者に対応して投与されてもよい。該患者は急性不安のエピソードを有してもよい。該患者はパニック障害を経験していてもよい。該患者は恐怖症を有し、及び該恐怖にさらされているか又はさらされようとしていてもよい。該患者は社会不安障害を有し、及び該障害を誘起するであろう社会状況にさらされているか又はさらされようとしていてもよい。該患者は強迫性障害を有し、及び該障害の症状を示していてもよい。該患者は不安の身体的感覚を有していてもよい。該身体的感覚は動悸、吐き気、胸の痛み、息切れ、及び/又は緊張型頭痛を含んでもよい。
該患者は心的外傷後ストレス症候群を有してもよい。該患者は分離不安を有してもよい。該薬剤は将来のイベントについて不安を経験する患者に対応して投与されてもよい。該効果的な治療方法は、患者において不安の診断に対応して投与されてもよい。該方法は不安の治療又は効果的な予防に効果的な二番目の治療方法を投与することをさらに含んでもよい。該二番目の治療方法は、第二の薬剤を投与することを含んでもよい。該二番目の治療方法は、会話治療を与えることを含んでもよい。いくつかの方法では、該患者は人間である。該薬剤は点滴静注又は皮下注射によって投与されてもよい。該効果的な治療方法は、該患者の不安症状の診断後、該症状を緩和し又は該症状の一層の発展を停止し若しくは阻害するために投与されてもよい。該薬剤は医薬組成物として薬学的に許容される担体と共に投与されてもよい。
いくつかの方法は、不安の症状及び/又は徴候の治療の効果を評価するために、該患者をモニタリングすることをさらに含む。該キメラペプチドは、0.05から500mgの用量で、必要に応じ0.1から100mg、0.5から50mg、又は1から20mgの用量で投与されてもよい。
本発明は上記に定義された薬学的に許容される担体及び薬剤を含む、患者の不安の症状の予防又は治療のための医薬組成物をさらに提供する。該医薬組成物は、不安の症状の治療又は効果的な予防に適したものであると表示するラベルを持ってもよい。
本発明は、不安の治療又は効果的な予防のための薬剤の製造において、上記に定義された薬剤の使用をさらに提供する。
本発明は、内在化ペプチドに連結したtSXVペプチドを効果的な治療方法で患者に投与することを含む、不安に苦しむ又はリスクがある患者において不安の症状の治療又は効果的な予防の方法をさらに提供する。
図1は高架式十字迷路試験での平均訓化スコア(±SEM)を示す。 図2はオープンフィールド試験での平均訓化スコア(+SEM)を示す。
<定義>
「キメラポリペプチド」は複合ポリペプチドを指す(すなわち、1つの連続したアミノ酸配列で、通常は1つのアミノ酸配列に融合されていない2つ(又はそれ以上)の異なる異種のポリペプチドから構成される)。
「PDZドメイン」という用語は、約90アミノ酸のモジュラータンパク質ドメインを指し、脳のシナプスタンパク質PSD−95、ショウジョウバエの中隔結合タンパク質Discs−Large(DLG)、及び上皮のタイトジャンクションタンパク質ZO1(ZO1)と有意な配列相同性(例えば、少なくとも60%)を有することを特徴とする。PDZドメインはまた、Discs−Large相同性リピート(「DHRs」)及びGLGFリピートとしても知られている。PDZドメインは、一般にコアコンセンサス配列を維持するように見える(Doyle, D. A., 1996, Cell 85:1067−76)。代表的なPDZドメインを含むタンパク質とPDZドメイン配列は米国特許出願2006−0148711A1に開示され、それは参照によって本明細書中に完全に組み込まれる。
「PLタンパク質」又は「PDZリガンドタンパク質」の用語は、PDZドメインと分子複合体を形成する天然のタンパク質、又は全長タンパク質から分離して発現された場合(例えば、3から25残基のペプチド断片、例えば、3、4、5、8、10、12、14、又は16残基のペプチド断片として)カルボキシ末端がそのような分子複合体を形成するタンパク質を指す。該分子複合体は、例えば米国特許出願2006−0148711A1に記載された「Aアッセイ」若しくは「Gアッセイ」を使ってインビトロで、又はインビボで観察されることができる。
「PLモチーフ」は、PLタンパク質のC末端のアミノ酸配列(例えば、C末端3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、20又は25の連続したアミノ酸残基)(「C末端のPL配列」)、又はPDZドメインに結合することが知られた内部配列(「内部PL配列」)を指す。
「PLペプチド」は、PDZドメインに特異的に結合するPLモチーフを含む若しくはからなる、あるいはそれ以外の場合には基づくペプチドである。
「NMDA受容体」又は「NMDAR」という用語は、NMDAと相互作用することが知られる膜結合タンパク質を指す。該用語は、従って、本出願に記載される様々な形態のサブユニット型を含む。このような受容体はヒト又は非ヒト(例えば、マウス、ラット、ウサギ、サル)由来であってもよい。
「単離された」又は「精製された」の用語は、目的の種(例えば、ペプチド)が、目的の種を含む自然発生源から得られたサンプルなどの、サンプルに存在する混入物から精製されてきたことを意味する。目的の種が単離され又は精製される場合、主要な高分子種(ポリペプチド)がサンプル中に存在し(つまり、モルベースで、それが組成物中の任意の他の個々の種よりも量が多い)、及び好ましくは、該目的の種が存在する全ての高分子種の少なくとも約50%(モルベースで)を含む。一般的には、単離された、精製された又は実質的に純粋な組成物は、組成物中にある全ての高分子種の80から90パーセントより多く含む。最も好ましくは、該目的の種は本質的に均一に精製され(すなわち、混入された種は、従来の検出方法では該組成物中に検出できない)、そこでは該組成物は本質的に単一の高分子種からなる。
「ペプチド模倣剤」とは、本発明のペプチドと実質的に構造及び/又は機能的特性が同一の合成化学物質を指す。該ペプチド模倣剤は、アミノ酸の完全に合成された、非天然の類似体を含むことができ、又は部分的に天然のペプチドアミノ酸と部分的にアミノ酸の非天然類似体を有するキメラ分子である。該ペプチド模倣剤は、置換が模倣剤の構造及び/又は阻害若しくは結合活性を実質的に変更しない限り、任意の量の天然アミノ酸による保守的な置換をも取り込むことができる。ポリペプチド模倣剤の組成物は非天然構造組成物の任意の組み合わせを含むことができ、典型的には3つの構造グループからなる:a)天然アミド結合(「ペプチド結合」)連鎖以外の残基連鎖;b)天然アミノ酸残基の代わりの非天然残基;又はc)二次構造の模倣を誘導する残基(すなわち、例えば、ベータターン、ガンマターン、ベータシート、アルファへリックス構造、及びそれに類似するものなどの二次構造を誘導又は安定化するもの)。
「特異的結合」の用語は、例えば、リガンドと受容体の二つの分子間の結合を指し、多くの他の様々な分子の存在下においても別の特異的分子(受容体)と結合する分子(リガンド)の能力を特徴とする(すなわち不均一な分子の混合物の中で、一分子が他の分子に優先的に結合することを示す)。リガンドと受容体の特異的結合は、過剰量の非標識リガンドの存在下で検出可能な標識されたリガンドと受容体との結合が減少することでも(すなわち、結合競合アッセイ)証拠づけられる。
統計的に有意とは、p値が<0.05、好ましくは<0.01、及び最も好ましくは<0.001であることを指す。
「患者」は、人間、家畜(domestic animal)(例えば、猫、犬)、家畜(farm animal)(例えば、鶏、牛、羊、馬、豚)、及び実験動物(例えば、ラット、マウス)を指す。
抗体という用語は、完全な抗体及びその結合フラグメントを含めて使用される。通常、フラグメントは抗原への特異的結合において、それが由来する完全な抗体と競合し、及び他の抗体と競合する。
「薬剤」という用語は、薬理学的活性を有する又は有する可能性のある化合物について記述するために使用される。薬剤は、既知の治療薬、薬理活性が確認されているがさらに治療法の評価を受けている化合物、及び薬理活性をスクリーニングする必要のあるコレクション並びにライブラリのメンバーである化合物を含む。該用語は、抗体、タンパク質並びに低分子化合物(500D未満)を含むペプチド、及び天然産物などの有機又は無機の化学物質を含む。
「症状」又は「臨床症状」という用語は、患者によって知覚される病気の主観的な証拠(吐き気の感覚など)を指す。「徴候」は、血圧の上昇など、医師により観察された病気の客観的な証拠を指す。症状と徴候は必ずしも相互に排他的ではない。
<発明の詳細な説明>
<I.一般事項>
本発明は、不安の症状の治療又は効果的な予防に有益な薬剤を提供する。本発明は、PSD95とNMDAR2Bとの特異的結合の拮抗薬がこの疾患のラットモデルにおいて不安を減少することが分かった実施例中に記載された結果に部分的に基づいている。不安は、そのような拮抗薬が、興奮毒性の結果として知られていない不安に有益であろうという提案がなされてきた他の病気とは異なっている。メカニズムの理解は本発明の実施のために必要とされていないけれども、本発明のそのような薬剤がNMDARs(特にNAR2A、2B、2C、及びD)とシナプス後膜肥厚95タンパク質との相互作用を阻害すること(すなわち、PSD−95阻害剤)によって少なくとも部分的に作用すると信じられている。該薬剤は、PSD−95とnNOS(GenBank NM_008712)との相互作用をも阻害してもよい。該薬剤は、PSD95ファミリーメンバーSAP102(Muller, Neuron 17, 255−265 (1996))、SAP97(GenBank NM_007862)、及びPSD93(GenBank NM_0011807)、又はPDZを含むタンパク質であるTIP1(GenBank NM_029564)の相互作用をも阻害してもよい。1つ又は複数のそのような阻害の結果として、該薬剤は中枢神経の興奮性NMDA介在神経伝達を阻害し、及びそのような伝達より生じる不安の徴候並びに/又は症状を阻害すると信じられている。ただし、本発明の方法は任意の不安の型に使用できるが、それらは特に、緊急に起きる又は起きることが予想される誘起イベントの結果である、パニック発作などの不安の急性発症に有益である。
本方法で使用される薬剤は、以前に脳卒中の治療に有用であることが報告されていて、深刻な有害事象なしに、この事象のためのフェーズI臨床試験を受けている。脳卒中の治療に使用される投与量及び治療方法は、不安のために、特に不安の急性発症のために使用することもできる。不安のより慢性型は、より長い期間薬剤を投与する必要があるだろう。
<II. 薬剤>
薬剤は少なくとも2つの要素を有するキメラペプチド及びペプチド模倣剤を含む。最初の要素は、NMDA受容体のPLモチーフ(すなわち、PLペプチド)若しくはPSD95のPDZドメインを含む又は基づくアミノ酸配列を有する活性ペプチドである。本発明に有用な活性ペプチドは、シナプス後膜肥厚95タンパク質(PSD−95)(ヒトのアミノ酸配列はStathakism,Genomics44(1):71 − 82(1997)によって提供される)のPDZドメイン1並びに2と、神経性N−メチル−D−アスパラギン酸受容体(Mandich et al., Genomics 22, 216−8 (1994))のNR2Bサブユニットを含む一以上のNMDA受容体2サブユニットのC末端PL配列との相互作用を阻害する。NMDAR2BはGenBank番号4099612、C末端20アミノ酸FNGSSNGHVYEKLSSIESDV(配列番号:12)及びPLモチーフESDV(配列番号:2)を有する。活性ペプチドは、好ましくはヒト型のPSD−95及びヒトのNMDAR受容体を阻害する。しかし、阻害は該タンパク質の変種からでも示されることができる。使用され得るNMDA及びグルタミン酸受容体のリストが下に表示される:
いくつかの活性ペプチドはPSD−95と複数のNMDARサブユニットとの相互作用を阻害する。このような例では、該ペプチドの使用は、必ずしも異なるNMDARsによる興奮性神経伝達へのそれぞれの貢献の理解を必要としない。他の活性ペプチドは単一のNMDARに特異的である。
活性ペプチドは、任意の上記サブユニットのC末端からのPLモチーフを含み又は基づいて、[S/T]−X−[V/L]を含むアミノ酸配列を有する。この配列は好ましくは、本発明のペプチドのC末端にある。好ましいペプチドは、[E/D/N/Q]−[S/T]− [D/E/Q/N]−[V/L](配列番号:1)をC末端に含むアミノ酸配列を有する。代表的なペプチドは、ESDV(配列番号:2)、ESEV(配列番号:3)、ETDV(配列番号:4)、ETEV(配列番号:5)、DTDV(配列番号:6)、DTEV(配列番号:7)をC末端アミノ酸として含む。二つの特に好ましいペプチドはKLSSIESDV (配列番号:10)及び KLSSIETDV(配列番号:8)である。内在化ペプチドのない本発明のペプチドは、通常、3から25アミノ酸を有し、5から10アミノ酸のペプチド長(また、内在化ペプチドなしに)、及び特に9アミノ酸が好まれる。そのような活性ペプチドのいくつかにおいて、すべてのアミノ酸はNMDA受容体のC末端からなる。
他の活性ペプチドは、PSD−95のPDZドメイン1及び/若しくは2、又はPSD−95とNMDA受容体(NMDA2Bのような)との相互作用を阻害する任意のサブフラグメントを含む。このような活性ペプチドは、PSD−95のPDZドメイン1及び/若しくはPDZドメイン2からの少なくとも50、60、70、80、又は90アミノ酸を含む。それは、Stathakism, Genomics 44(l):71−82 (1997)(ヒト配列)、若しくはNP_031890.1、GI:6681195 (マウス配列)により提供されるPSD−95のアミノ酸約65から248番、又は他の変種の対応する領域内にある。
本発明の任意のペプチドは、細胞の細胞膜を介してのトランスロケーションを容易にする内在化ペプチドと、好ましくはそのN末端に連結されることができる。これらのペプチドの例は、HIV由来のtat(Vives et al., 1997, J. Biol.Chem.272:16010;Nagahara et al., 1998, Nat.Med.4:1449)、ハエ(Drosophila)のアンテナペディア(antennapedia)(Derossi et al., 1994, J. Biol.Chem.261:10444)、単純ヘルペスウイルスのVP22(Elliot and D’Hare, 1997, Cell 88:223−233)、抗DNA抗体の相補性決定領域(CDR)2若しくは3(Avrameas et al., 1998, Proc.Natl Acad.Sci.U.S.A., 95:5601−5606)、70kDaヒートショックタンパク質(Fujihara, 1999, EMBO J. 18:411−419)及びトランスポータン(transportan)(Pooga et al., 1998, FASEB J. 12:67−77)を含む。例えば、HIVのTAT内在化ペプチドYGRKKRRQRRR(配列番号:37)を使用することができる。このHIVTat内在化ペプチド及び活性ペプチドを含む二つの好ましいペプチドは、YGRKKRRQRRRKLSSIETDV(配列番号:9、Tat−NR2B9c(TDV))、及びYGRKKRRQRRRKLSSIESDV(配列番号:11、Tat−NR2B9c(SDV))である。
標準的なtat配列YGRKKRRQRRR(配列番号:37)の変異体も使用することができる。2007年3月2日付けの係属中の米国特許出願60/904507によると、標準的なtatペプチドはN型カルシウムチャンネルに結合及び阻害し、その結合により様々な副作用を誘導する可能性があると報告している。本発明の実施はメカニズムの理解に依存していないが、tatの膜を横断する能力とN型カルシウムチャネルに結合することの両者は、該ペプチド中の異常に高い頻度で起こるプラスに帯電したY、R、及びK残基により付与されると信じられている。本発明で使用する変異型ペプチドは、細胞への取り込みを容易にする能力を保持するが、N型カルシウムチャンネルへ結合する能力は減少している。いくつかの適切な内在化ペプチドは、アミノ酸配列XGRKKRRQRRR(配列番号:38)を含み又はからなり、そのXはY以外のアミノ酸又は何もなしである(この場合、GがフリーのN末端残基である)。好ましいtat変異体は、N末端のY残基がFで置換される。従って、FGRKKRRQRRR(配列番号:39)を含む又はからなるtat変異体が好まれる。別の好ましいtat内在化ペプチドは、GRKKRRQRRR(配列番号:40)からなる。XGRKKRRQRRR(配列番号:38)をフランクする追加的な残基が存在するならば(活性ペプチドの他に)、該残基は例えば、tatタンパク質のこのセグメントをフランクする天然のアミノ酸、スペーサー、又は二つのペプチドドメインを結合することに通常使用されるリンカ―アミノ酸(例えば、gly(ser)(配列番号:41)、TGEKP(配列番号:42)、GGRRGGGS(配列番号:43)、又はLRQRDGERP(配列番号:44)(例えば、Tang et al.(1996), J. Biol.Chem.271, 15682− 15686;Hennecke et al.(1998), Protein Eng.11, 405−410を参照))である。又は、該残基はフランキング残基なしに該変異体を取り込む能力を検出できる程度に減少しない、及びフランキング残基なしに該変異体と比べてN型カルシウムチャネルの阻害を有意に増加しない任意の他のアミノ酸であってもよい。好ましくは、活性ペプチド以外のフランキングアミノ酸の数は、XGRKKRRQRRR(配列番号:38)のいずれかの側に10を超えない。好ましくは、フランキングアミノ酸は存在せず、内在化ペプチドは直接活性ペプチドのC末端に連結される。
N型カルシウムチャンネルを阻害することなしにPSD−95相互作用を阻害するための本発明の任意の活性ペプチドを取り込ませるのに使用され得る他のtat変異体は、以下の表2に示されるものを含む。これらの内在化ペプチドは、目的の取り込み及びN型カルシウムチャネルを阻害しないことを確認するためにスクリーニングされることが推奨される。これらの配列はN型カルシウムチャンネルを阻害することなしに輸送能力を維持することが本明細書中で予想され、従って不安の治療のためのより大きい治療の指標を示す。
Xは、フリーのアミノ末端、ビオチン分子又は他のキャッピング部分を表し、限定はされないが、H、アセチル、ベンゾイル、アルキル基(脂肪族)、ピログルタミン酸、シクロアルキル基を末端に有するアルキル基、アルキルスペーサーを有するビオチン、(5,6)−FAMを含む。N末端ペプチドにキャッピング基を化学結合するものは、アミド化学、スルファミド化学、スルホン化学、アルキル化化学を通して行われてもよい。また、Xは、チロシン以外のアミノ酸であってもよい。
内在化ペプチドは通常融合ペプチドとして活性ペプチドに連結されるが、化学結合によっても結合され得る。2つの成分の結合は、結合剤又は接合剤を介して行われることができる。そのような多数の薬剤は、商業的に利用でき、S.S.Wong、蛋白質接合とクロスリンクの化学、CRCプレス(1991)によって概説される。クロスリンク薬剤のいくつかの例は、J−サクシニミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸(SPDP)又はN,N’−(1,3−フェニレン)ビスマレイミド;N,N’−エチレン−ビス−(イオドアセタミド)又は6から11の炭素メチレンブリッジを有する(スルフヒドリル基に比較的特異的な)他の薬剤;及び、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン(これはアミノ基及びチロシン基と不可逆的なリンクを形成する)を含む。他のクロスリンク試薬は、p,p’−ジフルオロ−m,m’−ジニトロジフェニルスルフォン(これは、アミノ基及びフェノール基と不可逆的なクロスリンクを形成する);ジメチルアジピミデート(これはアミノ基に特異的である);フェノール1,4−ジスルフォニルクロライド(これは主にアミノ基と反応する);ヘキサメチレンジイソシアネート若しくはジイソチオシアネート、又はアゾフェニル−p−ジイソシアネート(これは主にアミノ基と反応する);グルタルアルデヒド(これはいくつかの異なる側鎖と反応する)及びジスジアゾベンジジン(これは主にチロシン及びヒスチジンと反応する)を含む。
これら直前に記載したようなペプチドは、阻害剤の結合親和性を向上させるために、細胞膜を通過して輸送される阻害剤の能力を改善するために、又は安定性を向上するために、オプションで誘導体化(例えば、アセチル化、リン酸化、及び/又はグリコシル化)されることができる。具体的な例としては、C末端から3番目の残基がS又はTの阻害剤の場合、この残基は該ペプチドを使用する前にリン酸化されてもよい。
本発明のペプチドは、オプションで内在化ドメインに融合され、固相合成又は遺伝子組換えの方法で合成されることができる。ペプチド模倣剤は、科学文献及び特許文献に記載される様々な手続き及び方法論を使って合成されてもよい。例えば、有機合成集、Gilman et al.、(Eds) John Wiley & Sons, Inc., NY、al−Obeidi(1998) Mol.Biotechnol.9:205−223、Hruby (1997) Curr.Opin.Chem.Biol.1:114−119、 Ostergaard (1997) Mol.Divers. 3:17−27、 Ostresh (1996) Methods Enzymol.267:220−234がある。
内在化ペプチドのない本発明のペプチドは、通常、3から25アミノ酸を有し、5から10アミノ酸のペプチド長(また、内在化ペプチドなしに)、及び特に9アミノ酸が好まれる。
ペプチド又はペプチド模倣剤の適切な薬理学的活性は、望ましくは、実施例中に記載された動物モデルを用いて確認されることができる。オプションで、ペプチド又はペプチド模倣剤は、この参照により組み込まれる米国特許出願20050059597に記載されるアッセイを使って、PSD−95とNMDAR2Bとの相互作用を阻害する能力をもスクリーニングされることができる。有用なペプチドは、このようなアッセイにおいて、通常50μM、25μM、 10μM、0.1μM、又は0.01μM未満のIC50値を有する。好ましいペプチドは通常0.001から1μM、より好ましくは0.05から0.5又は0.05から0.1μMの間のIC50値を有する。
これら直前に記載したようなペプチドは、阻害剤の結合親和性を向上させるために、細胞膜を通過して輸送される阻害剤の能力を改善するために、又は安定性を向上するために、オプションで誘導体化(例えば、アセチル化、リン酸化、及び/又はグリコシル化)されることができる。具体的な例としては、C末端から3番目の残基がS又はTの阻害剤の場合、この残基は該ペプチドを使用する前にリン酸化されてもよい。
薬剤はまた、PSD95とNMDAR2Bとの間の相互作用、及び/又は上記した他の相互作用を阻害する低分子化合物をも含む。適切な低分子阻害剤は、2005年12月29日付の係属中の国際出願番号PCT/US2006/062715に記載され、それはこの参照により本明細書中に完全に組み込まれる。これらの分子は、PSD95に結合する化合物ライブラリのインシリコスクリーニングによって同定され、代表的な化合物の結合は実験的に確認された。適切な化合物は、一般構造P−A−B−C−D−Eを有する化合物で、そこではDとEはオプションであり、及びPは、
(式中、R、R、R、R、及びRの一つは−COOHであり、及びR、R、R、R、及びRのその残りは、F、H、OCH並びにCHからなる群から選択され;
及びXは、−A−B−C−D−Eで、ここではA、B、C、D並びにEは単結合を介して連結され)、
及び、AはC=O、NH、SO並びに(CH(式中、m=0、1、2、3、4、又は5)からなる群から選択され;
Bは、−OCH−、C=O、
(式中、R−R10の一つは−C−D−Eに結合し、及び式中R−R10のその残りはH、OH、F、Cl、Br、I、CH、CHCH並びにOCHの群から選択され、並びにn=0又は1で);
又は、飽和又は不飽和のシクロアルキル又は複素環からなる群より選択される環系;
又は、
(式中、o並びにp=0又は1で、q=0、1、2、3、又は4で、及びR11は、置換若しくは非置換の低級アルキル、アミド、チオエーテル、フェニル、フェノール、インドール、イミダゾール、NH(NH)(N(+)H)、COOH、SH、OH、又はHからなる群より選択され);
Cは、−O−、C=O、NH、CONH、S、フタルアミド、CH、H、SO及び(CH(式中、r=0、1、2、3、4、又は5)からなる群より選択され;
Dはオプションで、Cが末端でない場合、Dは−CN−、C=O、NH、S、O、SO2、 (CH(式中、s=0、1、2、3、4、又は5)及び(CH−OH(式中、t=0、1、2、3、4又は5)並びに
からなる群より選択され;
及びEはオプションで、並びにDが末端でない場合、Eは、いずれかは低級アルキル、低級アルコキシ、ケトン、OH、COOH、ニトロソ、N置換インドリン、又は細胞膜透過ペプチドで置換されたシクロヘキシル又はフェニルで;又は−(CH−(CHR1213)(式中、U=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、1、12、13、14、15、16、又は17、及びR12並びにR13は独立して、H、OH、シクロヘキサン、シクロペンタン、フェニル、置換フェニル、シクロペンタジエンからなる群より選択されて);又はイソプロピル、イソブチル、1−イソプロピル−2−メチル−ブチル、1−エチル−プロピルを含む分岐した低級アルキルであり;又は−NH−COR14(式中、 R14は(CR1516H(式中、V=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、 16、又は17、及びR15並びにR16は独立して、H、シクロヘキサン、フェニル、及び細胞膜透過ペプチドからなる群より選択される)を含む。
また、Pは:
(式中、t=0、1、又は2で、R、R、R、R、R、又はRのいずれかはCOOHであり、R、R、R、R、R、並びにRのその残りは、H、CH3、F、並びにOCHからなる群から選択され、及びXは、−A−B−C−D−Eで、
(式中、A、B、C、D及びEは単結合を介して連結され、及び
AはC=O、SO、NH、並びに(CH(式中、m=0、1、2、3、4、又は5)からなる群から選択され;
Bは、−OCH、C=O、;又は
(式中、R−Rの一つは−C−D−Eに結合し、及び式中、R−Rのその残りはH、OH、F、Cl、Br、I、CH、CHCH並びにOCHの群から選択され、並びにn=0又は1);
又は、飽和若しくは不飽和のシクロアルキル又は複素環からなる群より選択される環系;
又は、
(式中、o並びにp=0又は1で、及びR10は置換若しくは非置換のアルキル、アミド、チオエーテル、フェニル、フェノール、インドール、イミダゾール、NH(NH)(N(+)H)、COOH、SH、OH、又はHからなる群より選択され);
Cは、C=O、NH、S、フタルアミド、−O−、CH、H、SO2、及び(CH(式中、r=0、1、2、3、4、又は5)からなる群より選択され;
Dはオプションで、Cが末端でない場合、DはC=O、−CN−、NH、S、O、SO、 (CH(式中、s=0、1、2、3、4、又は 5)並びに
からなる群より選択され;
及びEは、いずれかは低級アルキル、低級アルコキシ、ケトン、OH、COOH、ニトロソ、N置換インドリンで置換されたフェニル又はシクロヘキシルで;又は−(CHR1112(式中、u=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17、及びR11並びにR12は独立して、H、OH、シクロヘキサン、シクロペンタン、フェニル、置換フェニル、シクロペンタジエンからなる群より選択される);又は、イソプロピル、イソブチル、1−イソプロピル−2−メチル−ブチル、1 −エチル−プロピルを含む分岐した低級アルキルであり;又は−NH−COR11(式中 R11は(CR1213(式中、s=0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17、及びR12並びにR13は独立して、H、シクロヘキサン、フェニル、及び細胞膜透過ペプチドからなる群より選択される)である))。
いくつかの好ましい化合物は、次の構造を有する:
(式中、Rは、0−4Rで置換されたシクロヘキシル、0−4Rで置換されたフェニル、−(CH−(CHR)、分岐したC1−6アルキル(イソプロピル、イソブチル、1−イソプロピル−2−メチルーブチル、1−エチル−プロピル)及び−NH−C(O)−(CR1011Hからなる群より選択されたメンバーであり;
各R7は、独立して、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−C(O)R12、OH、COOH、−NO、N置換インドリン、並びに細胞膜透過ペプチドからなる群より選択されたメンバーであり;
各R及びRは、独立して、H、OH、シクロヘキサン、シクロペンタン、フェニル、置換フェニル(例えば、ハロ、アルキル、及び/又はヒドロキシル基で置換された)、並びにシクロペンタジエンからなる群より選択され;
各R10及びR11は、独立して、H、シクロヘキサン、フェニル、並びに細胞膜透過ペプチドからなる群より選択され;
12は、C1−6アルキル並びにアリールからなる群より選択されたメンバーであり;
及び、u並びにvの各々は、独立して0から20であり;
式中、R、R、R、R及びRの一つは−COOHで、並びに式中R、R、R、R、及びRのその残りは、それぞれ独立して、F、H、OCH、並びにCHからなる群より選択される。)
一つの実施形態では、Rは−(CH−(CHR)である。別の実施形態では、R1は−(CH−(CHR)以外のR1置換基の上記群のメンバーである。
好ましい薬剤は、次の構造を有する
その他の化合物は、天然又は合成分子からスクリーニングされてもよい。スクリーニングされる薬剤は、また、海洋微生物、藻類、植物、菌類のような自然発生源から得られる可能性があり、ペプチドのランダムライブラリ又は他の化合物はまた、PSD95への結合、及びNMDARs並びに/若しくは上記セクションIに記載された分子とPSD95との相互作用を阻害する能力をスクリーニングされてもよい。コンビナトリアルライブラリが、ステップバイステップの様式で合成することができる多くの種類の化合物のために生産されてもよい。そのような化合物は、ポリペプチド、ベータターン模倣剤、多糖類、リン脂質、ホルモン、プロスタグランジン、ステロイド、芳香族化合物、複素環化合物、ベンゾジアゼピン、オリゴマーのN置換グリシン及びオリゴカルバミン酸を含む。該化合物の大規模なコンビナトリアルライブラリは、Affymaxの国際出願WO95/12608、Affymaxの国際出願WO93/06121、コロンビア大学の国際出願WO94/08051、Pharmacopeiaの国際出願WO95/35503及びスクリプスの国際出願WO95/30642(各出願は全ての目的のためにこの参照によって組み込まれる)に記載された、エンコードされた合成ライブラリ(ESL)法によって構築され得る。ペプチドライブラリは、ファージディスプレイ法によって生成されてもよい。Devlinの国際出願WO91/18980を参照する。Aドメインのマルチマーを構成するアビマー(Avimers)は、同様の方式で抗体に使用されることができる(Silverman et al.,Nat.Biotechnol.23,1493−4 (2005))。上記された結合及び抑制性の特性を有する化合物は、不安の動物モデルでさらにスクリーニングされることができる。オプションで、上記任意の化合物は、医薬組成物として、医薬賦形剤と混合される。
<III.不安>
文脈から明らかでない場合は、不安への言及は、精神疾患の診断と統計マニュアル、第4版(DSM―IV−TR)及び/又は以下に定義された不安の任意の型を含む。不安のサブタイプの多くは、急性発症(すなわち、もしあれば、より少ない若しくはより激しくない症状並びに徴候が比較的長い間隔で分けられた、比較的に多数の並びに/若しくは激しい症状並びに徴候が比較的に短期間で現れる)を特徴とする。多くの場合、急性発症は、緊急に発生した又は発生することが予期される特定のイベントによりしばしば誘起される。不安とそのサブタイプは、患者がDSM−IV−TRの基準を満たすかどうかを決定する質問表を適用することによって通常診断される。
<全般性不安障害>
全般性不安障害は、男性の2倍女性に発症し及びかなりの機能障害に導く可能性のある一般的な慢性疾患である(Brawman−Mintzer & Lydiard,J.Clin.Psychiatry, 57 (Suppl.7):3−8, 1996;Bull.Menninger Clin., 61(2 suppl.A):A66−A94, 1997;J.Clin.Psychiatry, 58(suppl.3):16−25, 1997)。その名のとおり、全般性不安障害は、任意の特定の対象や状況に焦点を当てていない長期間持続する不安を特徴とする。言い換えれば、それは、非特異的又は漠然としている。この障害を有する人々は、何かに恐れを感じるが、特定の恐怖を明確にすることができない。彼らは常に思い悩み、及び不安を制御するのが難しい。永続的な筋緊張及び自律神経性の恐怖反応のため、彼らは、頭痛、動悸、めまい、及び不眠症を発症するかもしれない。これらの身体的な訴えは、強烈で長期的な不安と組み合わせされ、通常の日常活動への対処を難しくさせる。
<パニック障害>
パニック障害では、人は、震え並びに身震い、混乱、めまい、吐き気、呼吸困難、及び死が迫っているような感じ若しくは当惑するような状況の感覚を引き起こす、強烈な恐怖並びに不安の短い発作に苦しむ。米国精神医学会(2000年)は、パニック発作を、突然起こり並びにピークが10分以内に発生し、及び時折何時間も持続し得る恐怖又は不快感として定義する。
パニック発作は時折突然発生するように見えるが、それらは一般的に、恐ろしい経験、長期のストレス、又はさらに運動の後に起こる。パニック発作(特に、最初の1つ)が起こった多くの人は、心臓発作を起こしていると考え、しばしば医師又は救急室に駆け込む。検査が全て正常だと判明したとしても、人はそれでも不安で、何か自分の体に悪いところがあるのではという恐怖を強化するだけの不安の身体的な徴候を示す。人間の体の正常な機能における任意の変化への認識の高まり(過覚醒)がパニック発作に苦しむ個人によって認められ及び生命を脅かす可能性のある病気として解釈されるだろう。
階段を登る時のような心拍数の正常な変化が、パニックに苦しんでいる人に認識され、何か彼らの心臓に悪いところがある又は別のパニック発作を起こそうとしていると彼らに考えさせるように誘導する。幾人かは過度に心配し始め、仕事を辞めたり又は将来の発作を避けるために家を出ることを拒否さえする。パニック障害は、いくつかの明らかに自発的な発作が将来の発作についての永続的な懸念につながる場合に診断され得る。
<広場恐怖症>
パニック障害の一般的な合併症は広場恐怖症(逃避が難しい若しくは気恥ずかしい場所又は状況にあることについての不安(Craske,2000年;Gorman,2000年))である。 該言葉の定義は、患者がしばしば発症する回避行動を指すように拡張される。パニック発作の患者が、例えば運転中にその発症をしたような場合、彼又は彼女は運転を避けるようになり、それは不安を軽減し、及びその後、行動の強化の結果、将来の運転がより難しくなる。
<恐怖症>
このカテゴリは、強く非合理的な恐怖、及び対象又は状況の回避に関わる。人は、該恐怖が不合理であるが、該不安は残ることを知る。強い恐怖反応を誘発する特定の刺激又は状況があるため、恐怖障害は全般性不安障害及びパニック障害とは異なる。クモの恐怖に苦しむ人は、クモに恐怖を感じ、彼又は彼女はスピードを出した車の外にジャンプしてそれから逃げようと試みるだろう。
恐怖症を有する人々は特に強力な想像力を持っていて、ナイフ、橋、血液、屋内、特定の動物又は状況などの恐れる対象物に遭遇することにより、恐ろしい結果を強く予測する。これらの個人は、自分たちの懸念は過剰及び理不尽であるが、一般的には不安を制御することができないと一般的に認識している。
<社会不安障害>
社会不安障害は社会恐怖症としても知られる。この障害を有する個人は、他人にネガティブに評価されること又は衝動的な行為のために公に辱められることへの強烈な恐怖を経験する。ほぼだれでもが群衆の前で話す又はパフォーマンスする場合、「舞台恐怖症」を経験する。有意な不安なしに公にパフォーマンスすることができる社会不安障害を有するアーティスト又はパフォーマーが時折いるので、自分たちの芸術をパフォーマンス及び実践することへの愛情が、彼らの不安を減少させるかもしれない。しかし、社会恐怖症を有する人はしばしば心配になり、子供たちが幼い頃から楽器の演奏をするなどのパフォーマンスは、もし彼らが天性のパフォーマーでない場合、論外である。実際には、公共の監視及び潜在的な辱めの恐怖が波及するので、通常の生活が不可能になり得る(den Boer 2000年;Margolis & Swartz,2001年)。もう一つの社会恐怖症は愛への内気であり、特定の男子に最も悪影響する。これらに苦しむ人は、親密な大人の関係を開始することはできないことを見出す(Gilmartin 1987年)。
<強迫性障害>
強迫性障害は、主として強迫及び/又は強制を特徴とする不安障害の型である。強迫は、窮迫的、反復的、侵入的思考であり、又個人がしばしば認識するイメージは無意味である。強制とは、不安を緩和するために、その人が何かをすることを強制的に又は無理やりと感じる反復的行動である。OCD(強迫性障害)の思考パターンは、迷信(もしXがなされれば、Yは起こらない――Xを行うことが実際にはYを阻止するということが如何に現実的でなかったとしても、もしYがそもそも現実的な脅威である場合)にたとえられてもよい。この行動の一般的な例は、ドアが空いていると強迫され、強制的に常にドアを確認及び再確認することにつながり得る。多くの場合、該プロセスは全く論理的でないように見える。例えば、特定のパターンでの歩行の強制は、何か悪いことが起ころうとしているという強迫を軽減するために採用されることがある。照明や他の家庭用品はまた強迫の一般的な対象である。
<心的外傷後ストレス障害>
心的外傷後ストレス障害は、戦闘、強姦、人質に取られること、又は深刻な事故に巻き込まれることなどの心的外傷経験から生じる不安障害である。患者は、フラッシュバック、回避的行動、及びその他の症状を経験するかもしれない。心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、該患者が高度に外傷性のものであるとして経験するストレスのかかるイベントへの暴露又は直面という特定の深刻な心理的影響のための用語である。臨床的に、このようなイベントは、通常の心理的防衛がそのインパクトに対処できない程度に、実際の若しくは切迫する死、深刻な身体的傷害、又は身体的及び/若しくは心理的整合性に関与する。それは、既存の精神状態の症状というよりは、心的外傷経験の結果であるということを強調するために、心的外傷後ストレス反応と呼ばれる。PTSD反応の存在は、経験の強度、その期間、及び関係する個人に影響される。
PTSDは外部の要因又は複数の要因によって誘起されるかもしれない。その症状は以下のものを含んでもよい:悪夢、フラッシュバック、感情的な脱離若しくは感情の麻痺(感情的な自己苦行又は解離)、不眠、思い出させるものの回避並びに思い出させるもの(「トリガー」)に暴露された場合の極度の苦痛、食欲不振、易刺激性、過覚醒、記憶喪失(注意を払うことが困難に見えてもよい)、過度の驚愕反応、臨床的うつ病、及び不安を含む。また、PTSDを患う人が一つ又は複数の他の精神疾患の合併症を示すことが可能である;これらの疾患はしばしば、臨床的うつ病(又は、双極性障害)、全般性不安障害、及び様々な中毒を含む。
心的外傷の1月以内に見られる症状は、DSM−IVによると急性ストレス障害と呼ばれ、PTSDではない。この期間後に症状が改善されなければ、PTSDが診断される。PTSDは3つのサブフォームがある:急性PTSDは3カ月の期間後に治まる。該症状が続く場合、診断は慢性PTSDに変更される。3番目のサブフォームは、イベントの、数月、数年、又は数十年間後に発生する可能性がある遅発性PTSDと称される。
PTSDは、1980年に精神疾患の診断及び統計マニュアル(DSM)に最初に登場した。戦争の退役軍人は最も公に認知されたPTSDの被害者である;長期的な精神疾患が、第一次世界大戦の退役軍人に正式に観察された。PTSDはまた、社会の中で疎外されたグループでの問題として認識されてきた。そのようなグループの一つはオーストラリアのアボリジニの人々、及び世界各地の他の先住民である。これらの事例では、子供及び成人の心的外傷の繰り返される履歴、家族から子供がいなくなること、対人暴力並びに薬物乱用、及び早期死亡によりPTSDレベルが高い世代の人々を生じる。
PTSDは、通常、暴力犯罪、強姦、及び戦争経験などの心的外傷と関連する。しかし、がんの生存者及びその親族の間でPTSDの報告が増え続けている(Smith 1999年、Kangas 2002年)。ほとんどの研究は、乳癌の生存者(Green 1998年、Cordova 2000年、Amir & Ramati,J.Anxiety Disord.,16(2):195−206,2002)、並びに子供とその両親のがんの生存者(Landolt 1998年、Stuber 1998年)に関わるもので、5から20%の有病率を示す。特徴的な侵入及び回避症状が、負傷、治療、及び死の外傷性記憶を有するがん患者で記載されている(Brewin 1998年)。がんの診断及び治療に関係する異なるストレスイベントに関連する心的外傷が実際にPTSDのストレス要因として認定されるかどうかはいまだ意見の相違がある(Green 1998年)。心的外傷としてのがんは多面的で、戦闘の様な苦痛を引き起こし得る複数のイベントを含み、再発の可能性及び生命を脅かす様々な即時性を有する拡張期間をしばしば特徴とする(Smith 1999年)。
<分離不安>
分離不安は、社会的に従事するのにもがき又は主な介護者の不在中に社会参加する学校に通う年代の子供に影響を与える。分離不安は学校恐怖症に類似することができる。
<露出不安>
露出不安は、露出不安(自閉症の著者ドナウィリアムズによる、耐えるには極端すぎる自分自身の存在感に関連付けられた不安を指す目に見えないケージ)という本に最初に記載された。露出不安は、「自分で」、「自分により」、又は「自分のために」何かを行うことに苦闘するようになる不随意の回避反応、転換反応、及び報復反応の広範性の自己防衛状態を誘起するものとして記載された。「非自己」として物事を行うようになることによって、該不安を有する者は、他人の性格、役割、及び声を演じることで物事を時折行うこともできた。露出不安はさらに、混乱したジグソーパズルという本中で、回避性人格障害、反抗的行為障害及び需要回避症候群から区別された。
<IV. 治療を受け入れる患者>
治療を受け入れる患者は、上記された及び/又は診断と統計マニュアル(2000年)(DSM IV TR)(ISBN 0−89042−024−6)(参照により本明細書中に組み入れられる)の基準によって定義された不安を有する人間を含む。そのような患者のいく人かは低レベルの慢性症状を経験し、他の者は症状が欠如又はずっと低下した期間により区切られる強烈な症状の急性発症を経験する。治療は、症状が存在する間に治療的に、又は、例えば以前に不安のエピソードを誘起したイベントがまさに起こりそうな患者の様な症状を発症する高いリスクが考慮される患者において、症状を発症することが予想される前に予防的に投与されてもよい。患者はまた、実施例に記載されるように不安の実験動物モデル、及び人間の状態に似た不安を経験する家畜(domestic animal)並びに家畜(farm animal)を含む。
本発明の方法は上記に議論した任意の型の不安について実施されてもよいが、それらは、パニック障害、恐怖症、社会不安障害、強迫性障害、分離不安並びに心的外傷後傷害などの急性発症を有する型、及び主観的な不快感と共に身体的感覚を有する他の急性障害に最も適している。このような障害では、患者は急性発症の発症後すぐに治療されてもよい。いくつかの障害では、患者は、トリガイベントから生じることが予想される急性発症の発症の前に代替し又は加えて治療されてもよい。例えば、将来のイベント(例えば、飛行機に乗る)に対する恐怖症を有する患者は、将来のイベントが十分に直前になって不安のエピソードが誘起される前に治療されてもよい。
患者のいく人かは不安と共にうつの合併症を有する。治療を受け入れる患者は、PSD95−NMDAR拮抗薬による治療を以前に提案されている他の疾患若しくは障害を有するか又は有していなくてもよい。これらの疾患と状態は、興奮毒性が媒介する疾患、脳卒中、てんかん、低酸素症、外傷性脳損傷並びに脊髄損傷の様な脳卒中と関連しないCNSへの外傷性傷害、アルツハイマー病及びパーキンソン病を含む。このような合併症が存在する患者においては、本発明の薬剤は不安及び合併症に対して効果があり得る。
<VI. 治療法>
本発明の薬剤は、上記のような不安の症状を発症するのに苦しむ又はリスクを有する患者を治療するのに使用される。急性発症を有する不安の型において、治療は通常、該エピソードを促進する誘起イベントの前か、又は該エピソード開始後できるだけ早くに開始される。治療がエピソードの開始した後に投与される場合、治療は通常、不安のエピソード開始後1から6時間以内に投与される。本発明の薬剤の一回の用量でしばしば十分である。しかしながら、複数回の用量が、6から24時間の間隔でも投与されてもよい。
治療への患者の反応は、DSM−IV−TRの基準による不安並びにそのサブタイプの徴候及び症状を決定することによりモニターされてもよい。
本発明の方法は、不安に対する従来の治療法と組み合わせることができる。そのような従来の治療法は、行動療法、ライフスタイルの変化及び/又は薬剤療法を含む。不安に対する主流の治療法は、抗不安薬並びに/若しくは抗うつ薬の処方、及び/又は認知行動療法士への紹介(例えば、会話治療)からなる。従来の治療薬は、ベンゾジアゼピン(ザナックス(xanax)など)並びに主なクラスのほとんどの抗うつ薬(SSRI、TCAs、MAOIs)、及びクエチアピン(Quetiapine)を含む。
<VII. 医薬組成物、投与量及び投与経路>
本発明のペプチド及びペプチド模倣剤は、医薬組成物の形で投与されてもよい。医薬組成物は、GMP条件下で製造される。医薬組成物は、以下に示す任意の投与量を含む単位用量形態(すなわち、単一の投与のための投与量)で提供され得る。医薬組成物は、混合、溶解、造粒、糖衣錠形成、粉末化(levigating)、乳化、カプセル化、封入(entrapping)、又は凍結乾燥工程の従来の方法で製造されてもよい。特に、本発明の凍結乾燥ペプチド又はペプチド模倣剤は、以下で説明する処方及び組成物中で使用されてもよい。
医薬組成物は、ペプチド又はペプチド模倣剤を医療用に使用され得る製剤へと加工することを促進する、一つ又は複数の生理学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤又は助剤を使って、従来の方法で処方されてもよい。適切な処方は、選択された投与経路に依存する。
投与は、非経口、静脈内、経口、皮下、動脈内、頭蓋内、髄腔内、腹腔内、局所、鼻腔内又は筋中であってもよい。静脈内投与が好まれる。
非経口投与のための医薬組成物は、好ましくは滅菌及び実質的に等張である。注射については、ペプチド又はペプチド模倣剤は水溶液中に処方されてもよく、好ましくはハンクス溶液、リンガー溶液、又は生理食塩水若しくは酢酸緩衝液(注射部位での不快感を軽減するため)などの生理的に互換性のある緩衝液中である。該溶液は、懸濁剤、安定化剤、及び/又は分散剤などの調剤を含んでもよい。
また、ペプチド又はペプチド模倣剤は、使用前に適したビークル(例えば無菌で発熱物質フリーの水)で構成するために粉末状でもよい。
経粘膜的な投与については、透過させる障壁に適切な浸透剤が、該処方中に使用される。この投与経路が、該化合物を鼻腔に運ぶために又は舌下投与のために使用されてもよい。
経口投与については、治療される患者により経口摂取されるために、該化合物は該ペプチド又はペプチド模倣剤と、錠剤、ピル、糖衣錠、カプセル、液体、ジェル、シロップ、スラリー、懸濁液及びそれに類似するものとしての薬学的に許容できる担体とを組み合わせることにより処方されてもよい。例えば、粉末、カプセル及び錠剤などの経口固形製剤については、適切な賦形剤は、ラクトース、ショ糖、マンニトール及びソルビトールなどの糖質のような充填剤;トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、ジャガイモ澱粉、ゼラチン、ガムトラガント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)などのセルロース製剤;顆粒剤;及び結合剤を含む。必要であれば、架橋したポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸若しくはアルギン酸ナトリウムの様なその塩などの崩壊剤が加えられてもよい。必要な場合は、固形用量形態は標準的な技術を使用して糖衣又は腸溶コーティングされてもよい。例えば、懸濁液、エリキシル剤及び溶液などの経口液体製剤については、適した担体、賦形剤又は希釈剤は水、グリコール、オイル、アルコールを含む。さらに、香料、防腐剤、着色剤及びそれに類似するものを加えてもよい。
前に記載した製剤に加えて、該化合物はまた、徐放性製剤として処方されてもよい。このような長期持続製剤は、移植(例えば、皮下又は筋中)又は筋肉注射によって投与されてもよい。従って、例えば、該化合物は適した高分子あるいは疎水性材料(例えば、許容されるオイル中のエマルジョンとして)若しくはイオン交換樹脂と共に、又は、例えば中程度の水溶性塩の様な中程度の水溶性誘導体として処方されてもよい。
あるいは、他の医薬品運搬システムが用いられてもよい。リポソーム及びエマルジョンがペプチド及びペプチド模倣剤を運搬するのに使用されてもよい。ジメチルスルホキシドのような特定の有機溶剤が、また、通常より大きな毒性の犠牲を払うが、用いられてもよい。さらに、該化合物は治療剤を含む固体高分子の半透性マトリックスなどの徐放システムを使用して運搬されてもよい。
徐放性カプセルは、その化学的性質に応じて、数週間から最大100日以上の間ペプチド又はペプチド模倣剤を放出することができる。治療剤の化学的性質及び生物学的安定性に応じて、タンパク質の安定化のためのさらなる戦略を採用してもよい。
本発明のペプチド又はペプチド模倣剤は荷電側鎖又は末端を含むので、それらは、遊離酸若しくは塩基として、又は薬学的に許容できる塩として任意の上記製剤に含まれることができる。薬学的に許容できる塩は、実質的に遊離塩基の生物学的活性を保持する及び無機酸と反応して調製されるそれらの塩である。医薬用の塩は、遊離塩基形態に対応するものよりも水溶液及びその他のプロトン性溶媒中により溶解する傾向がある。
本発明の薬剤は、本来の目的を達成するために効果的な用量で使用される。治療に有効な量とは、現在不安の症状を経験している患者において、少なくとも一つの不安若しくはそのサブタイプの徴候及び/又は症状の悪化を除去、減少、又は阻害するのに十分な薬剤の量を意味する。例えば、量は、未治療患者のコントロールの人と比較して治療を受けた患者(人間又は動物)における少なくとも一つの不安の徴候又は症状を有意に減少させた場合、治療に効果があると考えられている。該量はまた、本発明の方法で治療しない比較対象の患者のコントロール群の平均結果よりも、個々の治療した患者がより好ましい結果を達成した場合、治療に有効だと考えられる。予防に有効な薬剤の量とは、現在症状を経験していないがそのような症状を発症する一般人と比較して高いリスクを有すると考えられる患者において、少なくとも一つの不安若しくはそのサブタイプの徴候及び/又は症状の発症を遅延、阻害、又は防止するのに十分な薬剤の量を意味する。例えば、量は、薬剤で未治療のコントロールの人と比較して、該薬剤で治療を受けた不安の症状を発症するリスクのある患者がその徴候又は症状を減少させた場合、予防に効果があると考えられている。有効量とは、治療又は予防のいずれかに有効な量を意味する。効果的な治療法とは、上記した本来の目的を達成するために必要な有効量及び投与頻度の組み合わせたものを意味する。
好ましい用量範囲は、脳卒中の6時間以内に患者の体重1kg当たり0.001から20μmolの薬剤を含み、オプションで患者の体重1kg当たり0.03から3μmolの薬剤を含む。いくつかの方法では、6時間以内に患者の体重1kg当たり0.1から20μmolの薬剤が投与される。いくつかの方法では、患者の体重1kg当たり0.1から10μmolの薬剤が6時間以内に投与され、より好ましくは6時間以内に患者の体重1kgあたり約0.3μmolの薬剤が投与される。他の実施例では、用量範囲は、患者の体重1kg当たり0.005から0.5μmolの薬剤である。体重1kg当たりの投与量は、質量に対する異なる表面面積比率を補正するために6.2で割ることによってラットからヒトへ変換されることができる。投与量は、モル単位からグラムへ、ペプチドの分子量を乗じることにより変換されることができる。人間に使用する本発明のペプチド及びペプチド模倣剤の適切な投与量は、0.001から5mg/kg患者の体重、又はより好ましくは0.005から1mg/kg患者の体重、若しくは0.05から1mg/kg、あるいは0.09から0.9mg/kgを含む。75kgの患者のための絶対的な重量については、これらの投与量は0.075から375mg、0.375から75mg、又は3.75mgから75mg、若しくは6.7から67mgと計算される。例えば、患者の体重の変化を含むよう四捨五入すると、投与量は通常0.05から500mg以内に、好ましくは0.1から100mg、0.5から50mg、又は1から20mg以内である。
薬剤の投与量は、治療される被験者、被験者の体重、苦痛の重症度、投与方式、及び処方する医師の判断に依存する。症状が検出される間又はそれらが検出されない時であっても、治療は断続的に繰り返されてもよい。治療は単独で又は他の治療薬との組み合わせで提供されてもよい。
薬剤の治療に有効な用量は、実質的な毒性を引き起こすことなく治療効果を提供することができる。ペプチド又はペプチド模倣剤の毒性は、例えばLD50値(集団の50%が致死する用量)又はLD100値(集団の100%が致死する用量)を測定することで、細胞培養又は実験動物における標準的な薬学的手順により測定され得る。毒性と治療効果との間の用量比は治療指数である。高い治療指数を示すペプチド又はペプチド模倣剤が好まれる(例えば、Fingl et al.,1975年:治療の薬理学的基礎,Ch.1,P.lを参照)。
<VIII. スクリーニング方法>
本発明はさらに、不安を治療するのに有用な活性を持つペプチド、ペプチド模倣剤、及び他の化合物をスクリーニングする方法を提供する。化合物は不安の動物モデルに投与される。不安は、実施例で記載されるように、ラットなどの動物を不慣れな環境に配置し応答を観察する(例えば、格子線を横切り、又は開いた若しくは閉じた管を選択する)ことにより誘導され得る。
本方法中でスクリーニングに適した化合物はPSD−95とNDMAR2Bとの相互作用を阻害することが知られたペプチド、ペプチド模倣剤及び低分子化合物(すなわち500Daより小さい)を含む。表1に示されるNDMARとPDZドメインの他のペア間の相互作用を阻害することが知られた他のペプチド、ペプチド模倣剤、及び低分子化合物もスクリーニングされてもよい。
スクリーニングされる化合物は、天然並びに合成の双方、有機並びに無機のものであり、及びポリマー(例えば、オリゴペプチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、及びポリヌクレオチド)、低分子化合物、抗体、糖、脂肪酸、ヌクレオチド並びにヌクレオチド類似体、天然の構造物の類似体(例えば、ペプチド模倣剤、核酸類似体、及びそれに類似するもの)、及び多数の他の化合物を含んでもよい。化合物は、ランダム若しくは組み合わせペプチド又は非ペプチドライブラリなどの多様なライブラリから調製されてもよい。ライブラリは、化学的に合成されたライブラリ、遺伝子組換え(例えば、ファージディスプレイライブラリ)、及びインビトロ翻訳ベースライブラリを含む。化学的に合成されたライブラリの例としては以下に記載される、Fodor et al., 1991, Science 251:767−773;Houghten et al., 1991, Nature 354:84−86;Lam et al., 1991, Nature 354:82−84;Medynski, 1994, Bio/Technology 12:709−710;Gallop et al., 1994, J. Medicinal Chemistry 37(9):1233−1251;Ohlmeyer et al., 1993, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:10922−10926;Erb et al., 1994, Proc.Natl.Acad Sci.USA 91:11422−11426;Houghten et al., 1992, Biotechniques 13:412;Jayawickreme et al., 1994, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:1614−1618;Salmon et al., 1993, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:11708−11712;WO93/20242;及びBrenner and Lerner, 1992, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5381−5383。ファージディスプレイライブラリの例は以下に記載される、Scott and Smith, 1990, Science 249:386−390;Devlin et al., 1990, Science, 249:404−406;Christian, R.B. et al., 1992, J.MoI.Biol.227:71 1−718);Lenstra, 1992, J.Immunol.Meth.152: 149−157;Kay et al., 1993, Gene 128:59−65;1994年8月18日付のWO94/18318。インビトロ翻訳ベースライブラリは、WO91/05058に記載されたもの及びMattheakis et al., 1994, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:9022−9026を含む。非ペプチド性ライブラリの例は、ベンゾジアゼピンのライブラリ(例えば、Bunin et al., 1994, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:4708−4712)が使用するのに採用されてもよい。ペプトイドライブラリ(Simon et al., 1992, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:9367−9371)も使用されてもよい。使用可能なライブラリのもう一つの例では、ペプチド中のアミド官能基がパーメチル化(permethylated)されて化学的に変換されたコンビナトリアルライブラリを生成するものが、Ostresh外(1994, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:11138−11142)により記載される。
<方法>
実験は、体重250から325gの成体雄スプラーグドーリーラットで行われた(チャールズリバーラボラトリ、カナダ)。すべての手順は、動物ケアに関するカナダ評議会により確立されたガイドラインに従い及びプリンスエドワードアイランド大学の動物ケア委員会の承認を得ている。すべての動物は、ケージに2から3匹の集団で飼育し、食料並びに水への自由なアクセスがあり、及び外界温度は21±1℃並びに12:12時間明/暗サイクルを有する部屋で飼育された。
イソフルラン/酸素麻酔下で尾静脈を介してNA−1(又は生理食塩水ビークル)の注射を行った90分後、ラットはオープンフィールドの活動領域中で試験され、覚醒状態及び新しい環境に訓化する能力の両方を測定された。また、ラットは高架式十字迷路の中で試験された。この迷路はラットの不安/情動を評価するために使用された。該迷路は、中央のプラットフォームから伸びた及び床から1.5mの高さである4つのアームからなる(2つは開いたもの、2つは閉じたもの:15cm幅及び60センチの長さ)。ラットは迷路の中心部に配置され及び任意のアームに入る自由な選択肢を与えられた;運用としては、アーム中に頭と前肢を有するものとして定義される。開いた又は閉じたアームのいずれかで過ごした時間を、10分のトライアルの間記録し、二方向(頭上及び水平方向)から同時になされたビデオ録画からスコア化した(先入観なしの実験者)。
<結果>
図1は、高架式十字迷路試験での平均訓化スコア(±SEM)を示す。10分のトライアルで開いたアーム中で過ごした合計時間に有意差は見つからなかった(生理食塩水174.80±43.23;NA1 127.46±18.99)。t14=1.003、p=0.333。馴化スコアは、高架式十字迷路の最後の5分で開いたアームで過ごした合計時間(秒)から高架式十字迷路の最初の5分で開いたアームで過ごした合計時間を引いたものとして計算された。生理食塩水(n=8);NA−1(3nmol/gram;n=8)、t14=−2.49、p=0.026。
図2はオープンフィールド試験での平均訓化スコア(+SEM)を示す。10分のトライアル中に格子を横切った合計に有意差は見つからなかった(生理食塩水:37.13±6.4;NA−1:28.88±6.62)。t14=0.896、p=0.385。馴化スコアは、オープンフィールド試験の最後の5分で格子を横切った合計数からオープンフィールド試験の最初の5分で格子を横切った合計数を引いたものとして計算された。生理食塩水 (n=8);NA−1(3nmol/gram;n=8)。T14=3.373、p=0.005。
NA−1を用いた治療が2つの別々の試験でラットの不安/情動レベルを減少することが、図1及び図2から結論され得る。高架式十字迷路の中でのパフォーマンスは、「閉じた」アーム又は「開いた」アームのいずれかで過ごした時間の平均量として定量化された;通常では、ラットはオープンスペースを避ける傾向にある。NA−1で処置したラットは、該アッセイの最初の5分について、生理食塩水で処置したラットと似たように行動した。しかしながら、次の5分では、それらは生理食塩水で処置したラットよりも開いたアームでより多くの時間を示し(閉じたアームでの時間は減少)、そのことは一旦試験に訓化すると、それらは不安のレベルがより低くなることを示唆している(図1)。NA−1の投与90分後、ラットはまたオープンフィールドの活動領域中で試験され、覚醒状態及び新しい環境に訓化する能力の両方を測定された。それらは、覚醒と訓化に変換される探索行動の指標として、10分のトライアルの間に格子を横切る合計回数をスコアされた。高架式十字迷路と同様に、オープンフィールド試験されたラットは、またそのトライアルの最初の5分においてコントロール(生理食塩水)とNA−1処置グループに違いを示さなかった。その後、しかしながら、NA−1処置されたラットは、生理食塩水で処置された動物と比較して訓化スコアが改善し(格子を横切るのが減少した)、そのことは、それらがよりオープンフィールドの環境に訓化したことを示唆した。
前述の発明は理解をわかりやすくする目的のために詳細に記載されているものの、特定の変更が付加した特許請求の範囲内で実践され得ることは明らかである。上記で引用したすべての出版物、文書、アクセス番号及びそれに類似するものは、それぞれが個々に示されると同程度に、参照によって全ての目的のために完全に本明細書中に組み込まれる。一以上のシーケンスのバージョンが異なる時期に同じアクセス番号と関連付けられる場合、アクセス番号の言及は、そのアクセス番号をも含む任意の優先権出願に時期を戻す現在の出願を提出した時期に関連するバージョンを意味する。文脈から明らかでない場合は、任意の工程、機能、要素、又は実施例は任意の他との組み合わせで使用されてもよい。

Claims (8)

  1. 不安の治療又は効果的な予防のための医薬組成物であって当該医薬組成物はNMDA受容体とPSD95との特異的結合を阻害するペプチドを含み
    前記ペプチドのC末端アミノ酸配列は、ESDV(配列番号:2)又はETDV(配列番号:4)であり、かつ、前記ペプチドは、YGRKKRRQRRRKLSSIETDV(配列番号:9)又はYGRKKRRQRRRKLSSIESDV(配列番号:11)を含むペプチドである、医薬組成物。
  2. 不安の治療又は効果的な予防のための医薬組成物であって、当該医薬組成物はNMDA受容体とPSD95との特異的結合を阻害するペプチドを含み、
    前記ペプチドは、YGRKKRRQRRRKLSSIETDV(配列番号:9)又はYGRKKRRQRRRKLSSIESDV(配列番号:11)からなる、医薬組成物
  3. 患者の不安の治療又は効果的な予防のための医薬組成物であって、
    (a) 前記患者は、前記薬剤での治療を必要とする不安以外の疾患を患っていないか、
    (b) 前記患者は、興奮毒性で媒介される不安以外の疾患を患っていないか、
    (c) 前記患者は、脳卒中を患っていないか、
    又は
    (d) 前記患者は、興奮毒性で媒介される疾患を患っていない、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  4. 患者の不安の治療又は効果的な予防のための医薬組成物であって、
    (a) 前記薬剤は、不安を促進するイベントの経験を持つ患者に対応して投与されるか、
    (b) 前記患者は、急性不安のエピソードを有するか、
    (c) 前記患者は、パニック障害を経験しているか、
    (d) 前記患者は、恐怖症を患っており、そして恐怖症にさらされているか又はさらされよとしているか、
    (e) 前記患者は、社会不安障害を患っており、そして前記障害を誘起するであろう社会状
    況にさらされているか又はさらされようとしているか、
    (f) 前記患者は、強迫性障害を患っており、そして前記障害の症状を示しているか、
    又は、
    (g) 前記患者は、心動悸、吐き気、胸の痛み、息切れおよび/または緊張型頭痛といった、不安の身体的感覚があるか、
    (h) 前記患者は、心的外傷後ストレス症候群を患っているか、
    又は、
    (i) 前記患者は、分離不安を患っている、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  5. 患者の不安の治療又は効果的な予防のための医薬組成物であって、
    (a) 前記薬剤は、将来のイベントについて不安を経験する前記患者に対応して投与されるか、
    又は、
    (b) 前記効果的な治療方法は、前記患者において不安の診断に対応して施される、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  6. 患者の不安の治療又は効果的な予防のための医薬組成物であって、
    前記患者は、ヒトである、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  7. 前記医薬組成物は、静脈内又は皮下注射によって投与される、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  8. 患者の不安の治療又は効果的な予防のための医薬組成物であって、
    不安の症状及び/又は徴候の治療効果を評価するために、前記患者をモニタリングする、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
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