以下、本発明の実施の形態に係る携帯電話機について説明する。
<携帯電話機の構成>
図1(a)、(b)および図2(a)、(b)は、実施の形態に係る携帯電話機1の構成を示す図である。図1(a)は、閉状態の携帯電話機1の構成を示す図である。図1(b)は、開状態の携帯電話機1の構成を示す図である。図2(a)および(b)は、チルト状態の携帯電話機1の構成を示す図である。
以下の説明において、携帯電話機1に対する「右」、「左」、「上」、「下」、「前」および「後」の方向は、図1(a)および(b)に示されたように設定される。また、互
いに直交するX軸、Y軸、Z軸を設定する場合、X軸、Y軸、Z軸の正方向は、それぞれ、上、左および手前方向に対応する。
また、「閉状態」は、図1(a)に示す如く、第1キャビネット10が、第2キャビネット20の前面に重ねられた状態である。「開状態」は、図1(b)に示す如く、第1キャビネット10が、第2キャビネット20の上側に並べられて配され、第1キャビネット10の前面と第2キャビネット20の前面が面一になった状態である。「チルト状態」は、図2(a)、(b)に示す如く、第1キャビネット10が、開状態から所定の角度だけ前方に傾いた状態である。
図1(a)、(b)を参照して、携帯電話機1は、第1キャビネット10と、第2キャビネット20と、これら第1、第2キャビネット10、20を連結する連結部30とで構成されている。
第1キャビネット10は、左右方向に長い平坦な直方体形状を有する。第1キャビネット10には、第1タッチパネル11が配されている。第1タッチパネル11は、第1ディスプレイ12および第1タッチセンサ13を含む。
第1ディスプレイ12の表示領域を覆うように第1タッチセンサ13が配置される。第1タッチセンサ13は、透明なシート状の部材からなる。第1ディスプレイ12に備えられるバックライト(図示せず)が点灯されることにより、第1タッチセンサ13を介して、第1ディスプレイ12の表示領域に表示された第1画面が閲覧可能となる。すなわち、第1タッチセンサ13の前面が表示面(以下、「第1表示面14」という)となる。
第1タッチセンサ13は、第1表示面14に対する接触を検出し、接触位置に応じた位置信号を出力する。
なお、以下の説明において、「タッチ」とは、たとえば、指やペンなどの接触部材によって表示面(第1表示面14、第2表示面24)に触れることである。ユーザが接触部材によって表示面を押したり、撫でたり、表示面に図形や文字を描いたりする場合に「タッチ」が行われる。また、「タップ」とは、接触部材が表示面を弾くように、表示面のある位置において接触部材をタッチさせ、短時間のうちにリリースさせることを言う。
第2キャビネット20は、左右方向に長い平坦な直方体形状を有する。第2キャビネット20には、第2タッチパネル21が配されている。第2タッチパネル21は、第2ディスプレイ22および第2タッチセンサ23を含む。第1タッチパネル11と同様、第2タッチセンサ23の前面が表示面(以下、「第2表示面24」という)となり、この第2表示面24に第2画面が表示される。第2ディスプレイ22および第2タッチセンサ23の構成は、第1ディスプレイ12および第1タッチセンサ13と同様である。
第2キャビネット20の下側面には、ハードキー群25が配される。ハードキー群25は、再生される音の音量のアップおよびダウンのためのキー等からなる。また、図2(b)に示すように、第1キャビネット10の後面の左側には、動画および静止画を撮像するためのレンズ窓15が配される。
閉状態において、第1表示面14および第2表示面24のうち、第1表示面14のみが外部へ臨む。このとき、第2表示面24は、第1キャビネット10の背後に配され、外部を臨まない。開状態およびチルト状態において、第1表示面14および第2表示面24の両方が、外部へ臨む。
なお、開状態において、第1表示面14の下側の境界は、第1キャビネット10の下側側面に近い位置(数ミリメートル)に位置する。第2表示面24の上側の境界は、第2キャビネット20の上側面に近い位置(数ミリメートル)に位置する。このように、開状態において第1表示面14と第2表示面24との間の隙間は小さいため、ユーザは、第1表示面14と第2表示面24とを、一体化された一つの表示面として、認識できる。
図2(a)および(b)を参照して、連結部30は、中央フレーム部31、第1右フレーム部32、第1左フレーム部33、第2右フレーム部34および第2左フレーム部35を有する。中央フレーム部31は、左右に延びる形状を有する。中央フレーム部31の右端は、第1右フレーム部32の一端および第2右フレーム部34の一端に接続する。中央フレーム部31の左端は、第1左フレーム部33の一端および第2左フレーム部35の一端に接続する。
第1右フレーム部32および第1左フレーム部33は、それぞれ左右方向に延びる軸(図示せず)を有する。この軸が、図示の溝部16により挟まれる。これら軸が、溝部16に沿って移動可能に第1キャビネット10に保持されることにより、第1キャビネット10が、左右方向を軸として回転可能で、且つ、上下方向にスライド可能に、第1右フレーム部32および第1左フレーム部33により保持される。
第2右フレーム部34および第2左フレーム部35は、第2キャビネット20を、左右方向を軸として回転可能に保持する。このように、第1および第2タッチパネル11、21は、第1および第2キャビネット10、20を介して連結部30により、開状態および閉状態との間で切換可能に支持される。
図3(a)〜(f)は、携帯電話機1が、開状態(図3(a))から閉状態(図3(f))へ、遷移される過程を、携帯電話機1の右側から見て説明する図である。ユーザは、閉状態からチルト状態(図3(d))を経て開状態へ、および開状態からチルト状態を経て閉状態へ、携帯電話機1を変形させることができる(図3参照)。
携帯電話機1が閉状態にあるとき(図3(a)参照)、第1キャビネット10を前方向(破線矢印の方向)へ移動させると、図3(b)に示す如く、第1キャビネット10の後面が、第2キャビネット20から離れる。このとき、第1キャビネット10および第2キャビネット20を支持する連結部30は、時計回りの方向(実線矢印方向)へ回転する。
図3(b)の状態において、第1キャビネット10をさらに前方向へ移動させながら下方向(破線矢印方向)に回転させると、図3(c)のように、第1キャビネット10および連結部30が配置される。
図3(c)の状態において、第1キャビネット10の下側の後面が連結部30に接するまで、第1キャビネット10をさらに破線矢印方向に回転させ、連結部30をさらに時計回りの方向(実線矢印方向)に回転させると、携帯電話機1は、図3(d)のチルト状態に至る。
チルト状態において、第1キャビネット10の後面の下側が連結部30に当接した状態に保たれたまま、連結部30を時計回りの方向へ回転(破線矢印参照)させると、携帯電話機1は、図3(e)に示される状態になる。すなわち、第1表示面14と第2表示面24とが略一面となる。
図3(e)に示される状態のとき、第1キャビネット10および第2キャビネット20との間には、間隙(数ミリメートル)が存在する。第1キャビネット10を、第2キャビ
ネット20に対して下側(一点鎖線矢印参照)へスライドさせると、図3(f)のように、携帯電話機1は開状態へと至る。このとき、第1キャビネット10の下側側面と、第2キャビネット20の上側側面とが、互いに接した状態となる。
なお、連結部30は、チルト状態、すなわち第1右フレーム部32および第1左フレーム部33と第2キャビネット2とが所定の鈍角(たとえば百数十度)をなす状態にあるとき、連結部30の回転を弱く係止するための構造を有する。このように回転が弱く係止されるため、ユーザは、携帯電話機1をチルト状態が保ったまま、利用することができ、且つ、容易にチルト状態を開状態または閉状態へと変化させることができる。
図4は、携帯電話機1の全体構成を示すブロック図である。本実施の形態の携帯電話機1は、上述した各構成要素の他、CPU100、メモリ200、カメラモジュール301、マイク302、音声エンコーダ303、キー入力回路304、通信モジュール305、映像デコーダ306、音声デコーダ307、スピーカ308、バッテリ309、電源管理回路310、クロック311、開閉センサ312、GPSモジュール313および加速度センサ314を備えている。
カメラモジュール301は、第1キャビネット10に内蔵され、第1キャビネット10の背面から外部を臨むレンズ窓15を有する(図2(b)参照)。カメラモジュール301は、撮像により生成した撮像信号をCPU100へ出力する。
マイク302は、第1キャビネット10に内蔵される(図1参照)。マイク302は、集音した音声を音声信号に変換して音声エンコーダ303へ出力する。音声エンコーダ303は、マイク302からのアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換し、変換されたデジタルの音声信号をCPU100へ出力する。
キー入力回路304は、ハードキー群25(図1参照)の各キーが押下されたときに、押下されたキーに応じた信号をCPU100へ出力する。
通信モジュール305は、通話や通信のための電波を送受信するアンテナ(図示せず)を備える。通信モジュール305は、CPU100から入力される信号を無線信号に変換し、アンテナを介して基地局へ送信する。また、通信モジュール305は、アンテナを介して受信した無線信号をCPU100が利用できる形式の信号へ変換し、変換された信号をCPU100へ出力する。
映像デコーダ306は、CPU100からの画像信号をデコードし、デコードした信号を第1ディスプレイ12および第2ディスプレイ22へ出力する。第1ディスプレイ12および第2ディスプレイ22は、映像デコーダ306からの信号から駆動信号を生成し、生成した駆動信号を、第1ディスプレイ12および第2ディスプレイ22が備える液晶パネル(図示せず)へ、それぞれ出力する。各液晶パネルは、入力された駆動信号に基づいて、第1画面および第2画面に画像を表示する。バックライトが点灯し、液晶パネルに描画された画面が表示されることにより、ユーザは、第1表示面14および第2表示面24を介して、表示された第1画面および第2画面を観ることができる。
音声デコーダ307は、CPU100からの音信号にデコード処理およびD/A変換を施し、変換された信号をスピーカ308に出力する。スピーカ308は、音声デコーダ307から入力される信号に基づき、音を出力する。
バッテリ309は二次電池を含み、携帯電話機1を構成する各部へ、電力を供給する。
電源管理回路310は、CPU100からの制御信号に基づき、バッテリ309に関する各種の情報を取得するとともに、二次電池の充電等のための制御信号を、バッテリ309へ出力する。電源管理回路310は、二次電池が出力する電圧を検知し、検知した電圧に応じたデジタル信号を、CPU100に出力する。CPU100は、このデジタル信号に基づき、二次電池が出力できる電力のおよその残量(以下、「電池残量」と言う。)を検出する。
クロック311は、時間を計測し、計測した時間を応じた信号をCPU100へ出力する。
開閉センサ312は、連結部30の第2キャビネット20に対する角度を検出する。開閉センサ312は、第2キャビネット20と連結部30がなす角度を検出する角度センサを備え、検出された角度に応じたデジタル信号を、CPU100へ出力する。CPU100は、開閉センサ312からの信号に基づき、第1キャビネット10および第2キャビネット20の配置状態(以下、「画面状態」と言う。)が、開状態、閉状態およびチルト状態の何れであるかを検出する。
なお、画面状態は、角度センサ以外の手段によって、検出されてもよい。たとえば、磁気センサが、画面状態の検出のために利用され得る。この場合、たとえば、第2キャビネット20に磁気センサが配され、第1キャビネット10または連結部30に磁石が配される。開閉センサ312は、磁気センサが画面状態によって異なる磁力を検知することに基づき、CPU100が開閉状態を検出するための信号を、CPU100へ出力する。
GPSモジュール313は、上空にある複数のGPS衛星からの信号に基づいて、経度、緯度等の地理的な現在位置を測位し、その位置情報、即ちGPS情報をCPU100に出力する。
加速度センサ314は、携帯電話機1に印加される加速度を検出する。加速度センサ314は3軸加速度センサであり、図1のX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の3方向に生じる加速度を検出する。加速度センサ314は、検出した加速度に応じた加速度信号をCPU100へ出力する。
メモリ200は、ROMおよびRAMを含む。メモリ200には、CPU100に制御機能を付与するための制御プログラムが記憶されている。また、CPU100が制御プログラムを実行する際、メモリ200は、一時的に利用または生成されるデータを記憶するワーキングメモリとしても使用される。
メモリ200は、制御プログラムの他に、画像データ、通信モジュール305を介して外部から取り込んだ情報、および第1および第2タッチセンサ13、23により入力された情報等が、所定のファイル形式で保存される。
また、メモリ200には、アプリケーションとともに、各アプリケーションを分類するための分類リストが記憶される。分類リストには、アプリケーションが、一つの表示面で表示されるのに適するか、あるいは、二つの画面で表示されるのに適するかを示す情報が、各アプリケーションに対応づけて保持される。分類リストの詳細については、追って図7(a)を参照して説明する。
CPU100は、キー入力回路304、各タッチセンサ13、23からの操作入力信号に基づき、制御プログラムに従って、カメラモジュール301、マイク302、通信モジュール305、第1および第2ディスプレイ12、22、スピーカ308等を動作させる
。これにより、CPU100は、通話、カメラ機能、電子メール、ウェブブラウザ、音楽プレーヤ等の各種アプリケーションを実行する。
CPU100は、画面状態の変化に応じて、第2ディスプレイ22の駆動状態を切り替える。画面状態が閉状態であるときに、CPU100は、第1キャビネット10に覆われ背後に隠れる第2ディスプレイ22のバックライトを消灯するとともに、第2ディスプレイ22の液晶パネルの駆動を停止し、第2ディスプレイ22を非駆動状態に設定する。このとき、第1ディスプレイ12は、第1ディスプレイ12のバックライトが点灯されるとともに、第1ディスプレイ12の液晶パネルが駆動されて、駆動状態に設定される。画面状態が開状態またはチルト状態であるときに、CPU100は、第1および第2ディスプレイ12、22の両方を駆動状態に設定する。
<実施例1>
以下、アプリケーションの起動画面と実行画面の制御に関する実施例を説明する。
本実施例において、「アプリケーション起動画面」とは、各種アプリケーションを実行するためのアイコンが、整列されて表示される画面のことである。また、「アプリケーション実行画面」とは、アプリケーションが実行されることにより表示される画面のことである。
また、本実施例において、「1画面モード」は閉状態を意味し、「2画面モード」は、開状態およびチルト状態を意味する。また、「1画面モード」と「2画面モード」を総称するときは、単に「画面モード」という。
図5は、本実施例に係るアプリケーション起動画面の表示例を示す図である。この表示例は、電池残量が多い場合のものである。
図5(a)は、1画面モードにおけるアプリケーション起動画面の表示例を示す。1画面モードにおいて、アプリケーション起動画面は、第1表示面14に表示される。この表示例の場合、アプリケーション起動画面は、17個のアイコンA01〜A17を含む。17個のアイコンA01〜A17は、それぞれ、順番に、検索(A01)、ウェブブラウザ(A02)、電子メール(A03)、ストップウォッチ(A04)、画像閲覧(A05)、メッセージ(A06)、コンタクトリスト(A07)、電卓(A08)、通話(A09)、万歩計(登録商標)(A10)、地図(A11)、電車乗換(A12)、文書ビューア(A13)、音楽プレーヤ(A14)、カメラ(A15)、データフォルダ(A16)、基本設定(A17)の機能を実行するためのアプリケーションに対応する。
これらアイコンの背景には、所定の背景画像が表示される。また、第1表示面14の下側には、待受け画面へと移行するためのホームアイコン403が表示される。アプリケーション起動画面の上側には、電池残量を表す電池アイコン401を含む、タスクバー402が表示される。タスクバー402には、電池アイコン401の他に、現在の電波の状態、現在の時刻等が表示される。図5(a)では、電池アイコン401は、略フル充電状態(全体が黒い)であることを表している。
図5(b)は、2画面モードにおけるアプリケーション起動画面の表示例を示す。2画面モードにおいて、アプリケーション起動画面は、第1表示面14と第2表示面24に表示される。
図6は、本実施例に係るアプリケーション起動画面のアイコンの表示更新処理を示すフローチャートである。アイコンの表示更新処理は、アプリケーション起動画面が表示面1
4または24に表示されているとき、所定の時間間隔(たとえば、数10秒〜数分)で実行される。
表示更新処理が起動されると、CPU100は、電池残量が少ないか否かを判定する(S101)。具体的には、CPU100は、電池残量検知部から入力される信号に基づいて、電池残量を検出する。そして、CPU100は、検出した電池残量が、所定閾値(たとえば、フル充電状態の15%)未満であるか否かを判定する。なお、この閾値は、携帯電話機1の利用環境等に応じて自動的に変更されもよいし、ユーザにより事前に設定されてもよい。
電池残量が少なくない場合(S101:NO)、アイコンの表示更新処理は終了される。電池残量が少ない場合(S101:YES)、CPU100は、アプリケーション起動画面に含まれる各アイコンが、電池残量が少ない状況下において、使用が推奨されるアプリケーションに対応するアイコン(以下、「第1アイコン」という)か、あるいは、使用が推奨されないアプリケーションに対応するアイコン(以下、「第1アイコン」という)かを、分類リストを参照して判定する(S102)。
図7(a)は、分類リストの構成を示す図である。分類リストには、アプリケーション毎に、そのアプリケーションの実行画面を表示する際の適正画面数が保持されている。図7(a)中の“適正画面数”の欄に、“1”と表示されたアプリケーションは、一つの表示面でアプリケーション画面が表示されるのに適するアプリケーション(以下、「第1アプリケーション」という)であり、“適正画面数”の欄に、“2”と表示されたアプリケーションは、二つの表示面でアプリケーション画面が表示されるのに適するアプリケーション(以下、「第2アプリケーション」という)である。
たとえば、ストップウォッチの機能を実行するアプリケーション(A04)は、ストップウォッチの計測状態や、計測の開始、終了の指示キー等、比較的単純な表示が行われる。また、このような表示が1画面で行われても、ユーザは、当該アプリケーションを円滑に使用できる。このように、アプリケーションの実行時に比較的単純な表示が行われ、且つ、1画面でも円滑に使用可能なアプリケーションは、第1アプリケーションに設定され、適正画面数は“1”とされる。これに対し、電子メールの機能を実行するアプリケーション(A03)は、メールの本文や、受信メールのリスト等、種々の情報が組み合わされた複雑な表示が行われる。また、このような表示は、通常、2画面を用いて行なわれ易い。このように、アプリケーションの実行時に複雑な表示が行われ、且つ、2画面で使用され易いアプリケーションは、第2アプリケーションに設定され、適正画面数は“2”とされる。
なお、2画面で表示が行われると、1画面で表示が行われる場合に比べ、電力消費がかなり高くなる。よって、電池残量が少ない場合、適正画面数が“2”である第2アプリケーションの使用は、推奨されない。このため、分類リストにおいて適正画面数が“2”とされた第2アプリケーションは、電池残量が少ない場合に、使用が推奨されず、適正画面数が“1”とされた第1アプリケーションの使用が推奨される。CPU100は、このような基準に基づいて、アプリケーション起動画面中のアイコンを第1アイコンと第2アイコンに分類する。
すなわち、図5のステップS102において、CPU100は、アプリケーション起動画面に含まれる各アイコンに対応するアプリケーションの適正画面数を、分類リストを参照して判定する。そして、CPU100は、適正画面数が“1”である第1アプリケーションに対応するアイコンを、使用が推奨されるアイコンとして第1アイコンに設定し、適正画面数が“2”である第2アプリケーションに対応するアイコンを、使用が推奨されな
いアイコンとして第2アイコンに設定する。
しかる後、CPU100は、第1アイコンの表示状態を、図5に示す通常の表示状態(背景画像が透けて見えない非透過の状態)に維持し、第2アイコンの表示状態を、背景画像が透けて見える半透過の状態に変更する(S103)。
図8(a)、(b)は、電池残量が閾値未満となったときのアプリケーション起動画面の表示例を示す図である。
図8(a)、(b)において、電池アイコン401は、電池残量が少ない状態(フル残量の約10%)であることを表している。また、表示された17個のアイコン(A01〜A17)のうち、第2アイコンである検索(A01)、ウェブブラウザ(A02)、電子メール(A03)、画像閲覧(A05)、地図(A11)、電車乗換(A12)、文書ビューア(A13)のアプリケーションに対応するアイコンは、表示状態が半透過の状態に変更される。第1アイコンであるストップウォッチ(A04)、メッセージ(A06)、コンタクトリスト(A07)、電卓(A08)、通話(A09)、万歩計(登録商標)(A10)、音楽プレーヤ(A14)、カメラ(A15)、データフォルダ(A16)、基本設定(A17)のアプリケーションのアイコンは、図5に示す通常の表示状態が維持される。
かかる表示形態の変更により、ユーザは、電池残量が少なくなったことを認識し、また、電力消費を抑制するために、第2アイコンの使用を回避するのが望ましいことを知ることができる。その上で、ユーザは、現在の状況に応じて、第2アプリケーションを使用するか、また、第1アプリケーションと第2アプリケーションをどのような画面モードで使用するかを決定することができる。
図8(a)の1画面モードにおいて、何れかのアイコンがユーザにより選択されると、選択されたアイコンに対応するアプリケーションが実行され、アプリケーション実行画面が第1表示面14に表示される。これに対し、図8(b)の2画面モードにおいて、何れかのアイコンがユーザにより選択されると、アプリケーションの実行に先立ち、ユーザに、所定の問い合わせを行うための画像であるダイアログボックス画像(以下、単に「ダイアログ」と言う。)が表示される。なお、ダイアログは、ユーザに問い合わせを行なわず、所定の通知を行うためだけの画像であってもよい。
図9は、2画面モードにおいてアイコンが選択されたときのダイアログの表示処理を示すフローチャートである。
CPU100は、表示面14および24に表示されている何れかのアイコンがタップされたか否かを判定する(S121:NO)。アイコンがタップされると(S121:YES)、CPU100は、選択されたアイコンが第1アイコンであるか第2アイコンであるか否かを判定する(S122)。選択されたアイコンが第1アイコンである場合、CPU100は、第1表示面14に、第1ダイアログを表示する(S123)。選択されたアイコンが第2アイコンである場合、CPU100は、第1表示面14に、第2ダイアログを表示する(S124)。
図10(b)は、第1ダイアログの表示例を示す図である。この表示例は、図10(a)に示すように、音楽プレーヤのアプリケーション(第1アプリケーション)に対応するアイコン(A14)がユーザにより選択されたときになされたものである。
図示の如く、第1ダイアログ405aは、テキスト表示領域406aと、実行ボタン4
07aおよびキャンセルボタン408aを含む。テキスト表示領域406aには、電池残量が少ないこと、当該アプリケーションを1画面モードで実行することが推奨されること、1画面モードへ切り替えるとアプリケーションが実行されることが、文字により表示される。実行ボタン407bは、当該アプリケーションの実行を2画面モードで受け付け、キャンセルボタン408bは、当該アプリケーションを実行しないことを受け付ける。
図11(b)は、第2ダイアログの表示例を示す図である。この表示例は、図11(a)に示すように、電子メールのアプリケーション(第2アプリケーション)に対応するアイコン(A03)がユーザにより選択されたときになされたものである。
図示の如く、第2ダイアログ405bは、テキスト表示領域406bと、実行ボタン407bおよびキャンセルボタン408bを含む。テキスト表示領域406bには、電池残量が少ないこと、および、当該アプリケーションを2画面モードで実行することは推奨されないことが、文字により表示される。実行ボタン407bは、当該アプリケーションの実行を受け付け、キャンセルボタン408bは当該アプリケーションを実行しないことを受け付ける。
図10(b)に示す第1ダイアログ405aにおいてキャンセルボタン408aが操作され、または、図11(b)に示す第2ダイアログ405bにおいてキャンセルボタン408bが操作されると、CPU100は、図12(a)に示すように、第1表示面14と第2表示面24に、アイコン選択前のアプリケーション起動画面(電池残量が少ない状態)を表示する。
図10(b)に示すように第1ダイアログ405aが表示された状態において、第1キャビネット10が第2キャビネット20の上に重ねられ、画面モードが2画面モードから1画面モードに切り替えられると、CPU100は、図13(a)に示すように、第1表示面14に、選択されたアイコン(A14)のアプリケーション実行画面(音楽プレーヤの実行画面)を表示する。図13(a)において、第1表示面14には、再生対象となっている楽曲のタイトル等の関連情報、音楽プレーヤの操作のためのボタン、再生の進捗を表すプログレスバー等が表示される。
図10(b)に示す第1ダイアログ405aにおいて実行ボタン407aが操作されると、CPU100は、図13(b)に示すように、第1表示面14と第2表示面24に、選択されたアイコン(A14)のアプリケーション実行画面(音楽プレーヤの実行画面)を表示する。図13(b)において、第1表示面14には、図13(a)と同様の画像が表示され、第2表示面24には、再生できる楽曲のリストが表示される。
図11(b)に示す第2ダイアログ405bにおいて実行ボタン407bが操作されると、CPU100は、図12(b)に示すように、第1表示面14と第2表示面24に、選択されたアイコン(A03)のアプリケーション実行画面(電子メールの実行画面)を表示する。図12(b)において、第1表示面14には、メールの本文404aを含む画面が表示され、第2表示面24には、受信メールのリスト404bが縦に整列されて表示される。
なお、実行ボタン407a、407bが操作されたときに、選択されたアプリケーションがバックグラウンドで停止中である場合には、この停止中であったアプリケーションが、再びフォアグラウンドで実行される。バックグラウンドで停止中でない場合、選択されたアプリケーションは、新たに起動され実行される。
以上、本実施例によれば、電池残量が少なくなると、アプリケーション起動画面に表示
される第2アイコンが半透過の状態で表示されるため、かかる表示に基づき、ユーザは、電池残量が少なくなったことを認識することができる。また、第1アイコンと第2アイコンとが異なる形態で表示されるため、ユーザは、電力消費が大きい2画面に適するアプリケーションのアイコン(第2アイコン)を識別することができ、電力消費を抑制するためには、第2アイコンの使用を回避するのが望ましいことを知ることができる。その上で、ユーザは、現在の状況に応じて、第2アプリケーションを使用するか、また、第1アプリケーションと第2アプリケーションをどのような画面モードで使用するかを決定することができる。
したがって、本実施例によれば、電池残量が少ないときに、電力消費が大きい第2アプリケーションの安直な使用をユーザに回避させることができ、よって、バッテリの使用時間を長くすることができる。
また、本実施例によれば、電池残量が少なくなった場合に、アプリケーション起動画面におけるアイコンの表示形態を変化させたにも拘らず、所定のアプリケーションの起動指示がなされたような場合にも、第1ダイアログ405aと第2ダイアログ405bによって、ユーザに、電池残量が少なくなったこと、および、2画面モードでのアプリケーションの使用が推奨されないことが報知されるため、2画面モードでのアプリケーションの使用がさらに抑制され得る。
特に、1画面モードでの使用に適するにも拘らず、2画面モードにて第1アプリケーションの起動指示がなされたような場合には、1画面モードへの移行をユーザに促す表示が第1ダイアログ405aにおいてなされるため、電力消費の大きい2画面モードによる無駄なアプリケーションの実行を回避することができ、電力消費を効果的に抑制することができる。
なお、図7(a)に示す分類リストには、予め、汎用的なアプリケーションが登録されている。分類リストにないアプリケーションが新たにインストールされる場合には、当該新たなアプリケーションが分類リストに追加される。
図7(b)は、アプリケーションを分類リストへ登録するための処理を示すフローチャートである。
CPU100は、まず、インストール対象のアプリケーションが、分類リストに未登録であるか否かを判定する(S111)。アプリケーションが分類リストへ未登録である場合(S111:YES)、CPU100は、当該アプリケーションを分類リストへ新規登録し、当該アプリケーションの適正画面数を“1”に設定する(S112)。これにより、新たなアプリケーションの登録が終了する。なお、ここでは、新に登録されるアプリケーションの適正画面数を“1”に設定したが、適正画面数を“2”として登録しても良い。あるいは、新たに登録されるアプリケーション自身が適正画面数に関する情報を含んでいてもよく、または、対象のアプリケーションの適正画面数がネットワークを介して取得可能であってもよい。この場合、CPU100は、対象のアプリケーションの適正画面数を、これらの情報に基づき、分類リストへ登録する。
なお、ダイアログ405aまたはダイアログ405bのかわりに、上述の如く通知のみを行うためのダイアログが表示される構成が採られてもよい。たとえば、図10(b)において、ダイアログ405aのかわりに、「電池残量が少なくなっています。1画面モードで利用することを推奨します。」なる通知を行うための、別のダイアログが表示され得る。この場合、このダイアログには、ダイアログ自身を消去するための所定のボタンを含み得るが、ユーザに選択肢を提供する手段(ボタン407a、408a等)は含まない。
上記通知がなされた後にダイアログが消去された場合、CPU100は、対象のアプリケーションを2画面モードで実行するとともに、画面モードが2画面モードから1画面モードに切り替えられると、実行中のアプリケーションを1画面モードで実行する。ユーザは、通知により電池残量が少なくなったことを認識した上で、現在の状況に応じて、1画面モードと2画面モードでのアプリケーションの実行を、適宜切り替えられる。
<実施例2>
上記実施例1では、電池残量が少なくなったときに、アプリケーション実行画面の表示が1画面表示に適するか2画面表示に適するかによって、アプリケーション起動画面に表示されるアイコンの表示形態が変更された。これに対し、実施例2では、さらに、携帯電話機1がどのような使用環境にあるかが加味されて、アイコンの表示形態が変更される。
図14(a)は、本実施例に係る分類リストの構成を示す図である。本実施例の分類リストは、図7(a)の分類リストに比べ、“修正条件”の項目と、“修正フラグ”の項目が追加されている。
“修正条件”の項目には、上記実施例1に係る図6の処理により修正されたアイコンの表示形態をさらに修正するための修正条件が保持されている。修正条件が無いアプリケーションは“修正条件”の項目が空欄とされる(便宜上、図14(a)には“−”が記載されている)。“修正フラグ”の項目には、修正条件が満たされた場合に“1”が保持され、修正条件が満たされない場合に“0”が保持される。
適正画面数が“2”であるアプリケーションに付された修正条件は、当該アプリケーションがその修正条件でしばしば使用されると想定される場合に付される。かかる修正条件が満たされる場合、当該アプリケーションは、電池残量の面からは2画面での使用が推奨されないものの、携帯電話機1の使用環境の面からは、2画面での使用ニーズが高いものと想定される。
たとえば、図14(a)では、検索(A01)、ウェブブラウザ(A02)、電車乗替(A12)のアプリケーションは、ユーザが旅行中に携帯電話機1を携行する場合にしばしば使用されると想定されるため、“旅行中”の修正条件が付されている、また、地図(A11)のアプリケーションは、ユーザが旅行中または歩行中に携帯電話機1を携行する場合にしばしば使用されると想定されるため、“旅行中”または“歩行中”の修正条件が付されている。
適正画面数が“1”であるアプリケーションに付された修正条件は、当該アプリケーションがその修正条件において使用されることが推奨されないような場合に付される。
たとえば、通話(A09)のアプリケーションは、ユーザが走行中に携帯電話機1を携行するような場合には、使用されることが推奨されないため、“走行中”の修正条件が付されている。
検索(A01)、ウェブブラウザ(A02)、地図(A11)および電車乗替(A12)のアプリケーションでは、適正画面数が“2”であるため、図6の処理によると、これらアプリケーションのアイコンの表示形態は“半透過”とされる。しかし、携帯電話機1の使用状況がこれらのアプリケーションの“修正条件”を満たすと、これらアイコンの表示形態が“半透過”から“普通”に変更される。この場合、これらアプリケーションの修正フラグが“1”に設定される。
また、通話(A09)のアプリケーションでは、適正画面数が“1”であるため、図6の処理によると、これらアプリケーションのアイコンの表示形態は“普通”とされる。し
かし、携帯電話機1の使用状況がこのアプリケーションの“修正条件”を満たすと、アイコンの表示形態が“普通”から“半透過”に変更される。この場合、当該アプリケーションの修正フラグが“1”に設定される。
このように、本実施例では、携帯電話機1の使用環境に応じて、アプリケーション起動画面に表示されるアイコンの表示形態が修正される。
なお、“歩行中”であるか否かの判定は、携帯電話機1に印加される加速度に基づいて行われる。具体的には、CPU100は、人が携帯電話機1を携帯して歩いたときに現れる略周期的な加速度の変動を、加速度センサ314が、所定の時間より長く(たとえば数秒間以上)検出した場合に、“歩行中”であると判定する。同様に、CPU100は、人が携帯電話機1を携帯して走ったときに現れる略周期的な加速度の変動を、加速度センサ314が、所定の時間より長く(たとえば数秒間以上)検出した場合に、“走行中”であると判定する。
また、“旅行中”であるか否かの判定は、GPSから取得されるGPS情報に基づいて行われる。すなわち、GPSモジュール313が検出した位置が、基点位置から、所定の距離以上(たとえば、数10キロメートル以上)離れている場合に、CPU100は、“旅行中”であると判定する。
上記基点位置は、事前にユーザ等により登録される。また、基点位置は、所定の時間間隔(たとえば、数時間)ごとに取得された位置情報の履歴から、統計的に算定されたものであってもよい。基点位置は、ユーザの日常の行動範囲(自宅、職場等)を表すものであれば、どのように設定されてもよいし、また複数の基点位置が設定されてもよい。
図14(b)は、本実施例に係るアイコンの表示更新処理を示すフローチャートである。図14(a)のフローチャートは、図6のフローチャートのステップS103の処理が、ステップS131、S132の処理に変更されている。
上記実施例1と同様、CPU100は、電池残量が閾値未満になると(S101:YES)、分類リストの適正画面数に基づいて、アプリケーション起動画面中のアイコンを第1アイコンと第2アイコンに分類する(S102)。次に、CPU100は、第1アイコンを“普通”の表示形態に設定し、第2アイコンを“半透過”の表示形態に設定する(S103)。そして、CPU100は、分類リストに含まれる修正条件が満たされるかを判定し、修正条件が満たされるアプリケーションに対応するアイコンの表示形態を、“普通”と“半透過”のうち、ステップS131で設定された表示形態とは異なる表示形態に変更する。このとき同時に、分類リストにおいて、当該アプリケーションに対応する修正フラグが変更される。こうして、全てのアイコンの表示形態を設定した後、CPU100は、設定した表示形態となるよう、全てのアイコンの表示形態を調整する(S132)。
図15(a)、(b)は、ユーザが旅行中に携帯電話機1を携行した場合のアプリケーション起動画面(電池残量が少ない場合)の表示例を示す図である。この場合、図14(a)の分類リストの修正条件に基づき、検索(A01)、ウェブブラウザ(A02)、地図(A11)および電車乗替(A12)のアプリケーションに対応するアイコンの表示形態が、半透過(図8(a)、(b)参照)から普通に修正される。
図16(a)、(b)は、ユーザが走行中に携帯電話機1を携行した場合のアプリケーション起動画面(電池残量が少ない場合)の表示例を示す図である。この場合、図14(a)の分類リストの修正条件に基づき、通話(A09)のアプリケーションに対応するアイコンの表示形態が、普通(図8(a)、(b)参照)から半透過に修正される。
図17は、電池残量が閾値未満であるときの2画面モードのアプリケーション起動画面において、所定のアイコンが選択されたときのダイアログの表示処理を示すフローチャートである。図17のフローチャートは、図9のフローチャートに対し、ステップS141〜S144が追加されている。
ユーザにより所定のアイコンが選択されると(S121:YES)、CPU100は、選択されたアイコンが、第1アイコンであるか、第2アイコンであるかを判定する(S122)。選択されたアイコンが第1アイコンである場合(S122:NO)、CPU100は、当該アイコンのアプリケーションの修正フラグが1であるかを、図14の分別リストに基づき判定する(S141)。そして、CPU100は、修正フラグが1であると(S141:YES)、第1表示面14に第3ダイアログを表示し(S142)、修正フラグが1でなければ(S141:NO)、上記実施例1と同様、第1表示面14に第1ダイアログを表示する(S123)。
ユーザにより選択されたアイコンが第2アイコンである場合(S122:YES)、CPU100は、当該アイコンのアプリケーションの修正フラグが1であるかを、図14の分別リストに基づき判定する(S143)。そして、CPU100は、修正フラグが1であると(S143:YES)、第1表示面14に第4ダイアログを表示し(S144)、修正フラグが1でなければ、上記実施例1と同様、第1表示面14に第2ダイアログを表示する(S124)。
図18(a)は、第3ダイアログの表示例を示す図である。図示の如く、第3ダイアログ405cは、テキスト表示領域406cと、実行ボタン407cおよびキャンセルボタン408cを含む。テキスト表示領域406cには、電池残量が少ないこと、および、当該アプリケーションを実行することは推奨されないことが、文字により表示される。実行ボタン407cは、当該アプリケーションの実行を2画面モードで受け付け、キャンセルボタン408cは、当該アプリケーションを実行しないことを受け付ける。
図18(b)は、第4ダイアログの表示例を示す図である。図示の如く、第4ダイアログ405dは、テキスト表示領域406dと、実行ボタン407dおよびキャンセルボタン408dを含む。テキスト表示領域406dには、電池残量が少ないこと、および、当該アプリケーションを実行するか否かが、文字により表示される。実行ボタン407dは、当該アプリケーションの実行を2画面モードで受け付け、キャンセルボタン408dは、当該アプリケーションを実行しないことを受け付ける。
選択されたアイコンが第1アプリケーションに対応するものである場合、図10(b)の第1ダイアログ405aでは、1画面モードへの移行が促されたが、図18(a)の第3ダイアログ405cでは、選択されたアイコンに対応するアプリケーションが現在の使用環境に適さないため、当該アプリケーションの使用が推奨されないことがユーザに報知される。
図18(a)の第3ダイアログ405cにおいて、ユーザが実行ボタン407cを操作すると、選択されたアイコンが実行され、その実行画面が、2画面モードで表示される。しかしながら、このような処理に替えて、ユーザが実行ボタン407cを操作すると、選択されたアイコンが実行される前に、さらに、図10(b)の第1ダイアログ405aが第1表示面14に表示されても良い。
選択されたアイコンが第2アプリケーションに対応するものである場合、図11(b)の第2ダイアログ405bでは、2画面モードでの当該アプリケーションの利用が推奨さ
れないことがユーザに報知されたが、図18(b)の第4ダイアログ405dでは、選択されたアイコンに対応するアプリケーションが現在の使用環境に適するため、電池残量が少なくなっていることともに、単に、当該アプリケーションを実行するか否かがユーザに問い合わされる。
図18(b)の第4ダイアログ405dにおいて、ユーザが実行ボタン407dを操作すると、選択されたアイコンが実行され、その実行画面が、2画面モードで表示される。
図18(a)、(b)の各ダイアログにおいて、ユーザがキャンセルボタン408c、408dを操作すると、上記実施例1と同様、ダイアログが消去され、アイコンが選択される前の状態でアプリケーション起動画面が表示される。
本実施例によれば、適正画面数の他、携帯電話機1の使用環境に応じてアイコンの表示形態が設定されるため、上記実施例1に比べ、アイコンの表示形態をさらに使用環境に整合するものとすることができる。よって、上記実施例1による効果に加え、ユーザの利便性を向上させ得るとの効果が奏される。
<実施例3>
上記実施例2では、携帯電話機1の使用環境に応じて、アイコンの表示形態が修正されたが、本実施例では、アプリケーションの使用頻度に応じて、アイコンの表示形態が修正される。具体的には、過去1ヶ月間の各アプリケーションの使用回数がカウントされる。そして、第2アプリケーションについては、使用回数が所定回数(たとえば50回)を超えるアプリケーションに対応するアイコンの表示形態が“半透過”から“普通”に修正され、第1アプリケーションについては、使用回数が所定回数(たとえば5回)未満のアプリケーションに対応するアイコンの表示形態が“普通”から“半透過”に修正される。
ここで、「アプリケーションの使用回数」とは、アプリケーション起動画面において各アイコンがタップされた回数である。CPU100は、アプリケーション起動画面において各アイコンが過去1ヶ月間にタップされた回数を、アプリケーションの使用回数として、分類リスト(メモリ200)に保持(記憶)させる。
図19(a)は、本実施例に係る分類リストの構成を示す図である。本実施例に係る分類リストでは、各アプリケーションが使用される毎に、使用回数がカウントアップされ、カウントアップされた使用回数が、当該アプリケーションの“使用頻度”の項目に保持される。そして、第2アプリケーションについては、使用回数が閾値回数(たとえば50回)を超えると修正フラグが“1”に設定され、第1アプリケーションについては、使用回数が閾値回数(たとえば5回)未満であると修正フラグが“1”に設定される。
図19(b)は、本実施例に係るアイコンの表示更新処理を示すフローチャートである。図19(b)のフローチャートは、図6のフローチャートのステップS103の処理が、ステップS151、S152の処理に変更されている。
上記実施例1と同様、CPU100は、電池残量が閾値未満になると(S101:YES)、分類リストの適正画面数に基づいて、アプリケーション起動画面中のアイコンを第1アイコンと第2アイコンに分類する(S102)。次に、CPU100は、第1アイコンを“普通”の表示形態に設定し、第2アイコンを“半透過”の表示形態に設定する(S151)。そして、CPU100は、分類リストに含まれる使用頻度を参照し、使用回数が閾値回数(たとえば50回)を超える第2アプリケーションに対応する第2アイコンの表示形態を、“半透過”から“普通”に修正し、使用回数が閾値回数(たとえば5回)未
満の第1アプリケーションに対応する第1アイコンの表示形態を、“普通”から“半透過”に修正する。
こうして、全てのアイコンの表示形態を設定した後、CPU100は、設定した表示形態となるよう、全てのアイコンの表示形態を調整する(S132)。
図20(a)、(b)は、分類リストが図19(a)の状態にあるときのアプリケーション起動画面(電池残量が少ない場合)の表示例を示す図である。図19(a)の分類リストでは、検索(A01)、ウェブブラウザ(A02)および電子メール(A03)の使用回数が閾値回数(50回)を超えているため、これらのアプリケーションに対応するアイコンの表示形態が、“半透過”(図8(a)、(b)参照)から“普通”に修正される。また、メッセージ(A06)の使用回数が閾値回数(5回)未満であるため、このアプリケーションに対応するアイコンの表示形態が、“普通”(図8(a)、(b)参照)から“半透過”に修正される。
図20(b)に示すアプリケーション起動画面において、ユーザにより第2アイコンが選択されると、図17のステップS143以降の処理が行われ、図11(b)に示す第2ダイアログ405bまたは図18(b)に示す第4ダイアログ405dが表示される。他方、図20(b)に示すアプリケーション起動画面において、ユーザにより第1アイコンが選択されると、修正フラグが“1”であるか“0”であるかに拘わらず、図10(b)の第1ダイアログ405aが表示される。
本実施例によれば、適正画面数の他、アプリケーションの使用頻度に応じてアイコンの表示形態が設定されるため、上記実施例1に比べ、アイコンの表示形態をさらにアプリケーションの使用頻度に整合するものとすることができる。よって、上記実施例1による効果に加え、ユーザの利便性を向上させ得るとの効果が奏される。
なお、本実施例と上記実施例2を組み合わせて、アプリケーション起動画面におけるアイコンの表示形態が設定されても良い。すなわち、適正画面数に基づいて設定されたアイコンの表示形態、図19(b)のステップS152の処理により修正し、さらに、図14(b)のステップS132の処理により修正するようにしても良い。
<その他>
以上、本発明に係る実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に何ら制限されるものではない。また、本発明の実施例も、上記以外に、種々の変更が可能である。
たとえば、上記実施例1では、図10(a)のように、第1アイコンが選択されると、図10(b)のように、1画面モードへの切り替えを促すテキストを含む第1ダイアログ405aが表示されたが、図21(b)のように、1画面モードへの切り替えを促すテキストを含まないダイアログ411が表示されても良い。図21(a)には、図10(a)がそのまま示され、図21(b)には、図21(a)において、アイコン(A14)(第1アイコン)が選択されたことが示されている。図21(b)において、テキスト表示領域412には、電池残量が少ないこと、および、当該アプリケーションを実行するか否かが、文字により表示される。実行ボタン413は、当該アプリケーションの実行を2画面モードで受け付け、キャンセルボタン414は、当該アプリケーションを実行しないことを受け付ける。
また、上記実施例では、アイコンが“普通”または“半透過”の状態で、アプリケーション起動画面に表示されたが、使用が推奨されないアイコンが他のアイコンから識別できるように表示されれば、これらアイコンは他の形態で表示されても良い。たとえば、図2
2(a)のように、第2アイコンが、第1アイコンよりも小さく表示されてもよく、また、図22(b)のように、第2アイコンが、第1アイコンと異なる彩度(たとえば通常より彩度を落とした状態)で表示されても良い。この他、第2アイコンの色相や明度が第1アイコンから変更されてもよい。また、第2アイコンは、透過度、縮尺、彩度、色相、明度等の変更が互いに組み合わされて、アプリケーション起動画面に表示されてよい。この他、第1アイコンまたは第2アイコンの上や近くに、識別のための所定の文字や図柄を表示するなど、他の方法により、第1アイコンと第2アイコンが識別可能とされてもよい。
上記実施例では、電池残量が少ないときに、アプリケーション起動画面におけるアイコンの表示形態の変更が行われたが、たとえば、携帯電話機1を省電力で動作させるための設定(以下、「省電力設定」と言う。)が可能であるような場合には、省電力設定がONに設定されたことに応じて、アイコンの表示形態が変更されても良い。
図24は、この場合のアイコンの表示更新処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、図6に示す実施例1のフローチャートのステップS101が、ステップS161に変更されている。すなわち、省電力設定がONに設定されると、S102以降のアイコンの表示更新処理が行われる。
この場合、省電力設定は、デフォルトでONに設定されていてもよいし、OFFに設定されていてもよい。あるいは、たとえば携帯電話機1が温度センサを備えている場合、気温が電池の性能が低下する温度帯にあるときに、自動的に省電力設定がONに設定されてもよい。携帯電話機1に備えられる各種のセンサやタイマーの検知内容に基づき、省電力設定のON/OFFが自動的に切り替えられてよい。
また、上記実施例では、アイコンの表示形態が更新される際に、各アイコンの配置は変更されなかったが、各アイコンは、アイコンの表示形態が更新されるに応じて、配置が調整されてもよい。たとえば、図23(a)に示すように、アイコンの表示形態が更新されるに応じて、第1アイコンと第2アイコンとが、それぞれ集められて表示されても良い。
上記実施例では、アプリケーション起動画面において、アイコンの表示更新処理が実行されたが、アイコンが表示される画面であれば、他の画面において、アイコンの表示更新処理が実行されても良い。たとえば、図23(b)のように、携帯電話機1の待受画面にアイコンが表示される場合に、アイコンの表示更新処理が実行され、アイコンの表示形態が変更されても良い。
また、実施例2では、修正条件として、“歩行中”、“走行中”および“旅行中”が例示されたが、たとえば、携帯電話機1が自宅または会社に有るか等、他の修正条件が適用されても良い。
また、上記実施例3では、過去1ヶ月間のアプリケーションの使用回数がアプリケーションの使用頻度とされたが、アプリケーションの使用頻度を判定するために、より細かい時間で使用回数が区切られてもよい。たとえば、24時間を3分割(朝、日中、夜)し、3つの時間帯ごとにアプリケーションの使用回数が分類リストへ含まれてもよい。この場合、3分割された時間帯ごとに過去1ヶ月間の使用回数がカウントされる。そして、時間帯ごとに、カウントされた使用回数と所定閾値とが比較され、アイコンの表示形態が修正される。これにより、たとえば、朝の通勤中、日中の仕事中、夜の在宅中に、それぞれ、よく利用される第2アプリケーションに対応する第2アイコンの表示形態が、“半透過”から“普通”に修正される。こうして、ユーザの生活形態に応じて、アプリケーション起動画面の表示が更新されると、さらに、ユーザの利便性が向上し得る。このような時間の分割はより細かくてもよいし、より長くてもよい。時間の分割は、一定間隔である必要は
なく、また特定の時間帯におけるアプリケーションの使用回数のみが、分類リストへ登録されてもよい。
また、実施例3では、アプリケーションの使用回数に基づいてアイコンの表示形態が修正されたが、たとえば、過去1ヶ月間にアプリケーションがフォアグラウンドで実行された総時間長等、アプリケーションの他の使用状況によってアイコンの表示形態が修正されても良い。この他、アプリケーションの使用状況を判別できるための数値であれば、各種センサから取得される他の情報、あるいは、ユーザによる携帯電話機1の使用状況に関する統計的データ等、いかなる内容の数値が利用されてもよい。
また、上記実施例2において、分類リストに含まれる修正条件は、ユーザが適宜設定を変更できるようにしてもよい。これにより、よりユーザの希望に即した処理が実行され得る。よって、ユーザの利便性がさらに向上させることができる。
さらに、分類リストの構成は、上記実施例1〜3に係る構成である必要はなく、たとえば、第1アプリケーションのみが登録されたリストがメモリ200に記憶され、このリストに登録されないアプリケーションは、CPU100により第2アプリケーションであると判定されてもよい。反対に、第2アプリケーションのみが登録されたリストがメモリ200に記憶されてもよい。この他、たとえば、各アプリケーションの実行プログラムや設定ファイル等に、2画面モードでの利用が適するか否かの情報が組み込まれて、メモリ200に記憶されてもよい。
上記実施例では、1画面モードにおいて、第2表示面24が、第1表示面14の背後に隠れるように配置されたが、第2表示面は、第1表示面の背後に隠れるように配置される必要はない。たとえば、第1および第2表示面が常に外部を臨むような構成、または、第2表示面がカバー等により外部から隠されるような構成であっても、本発明は適用可能である。
また、上記実施例では、開状態とチルト状態とが、特に区別されず、何れも2画面モードとして扱われたが、開状態とチルト状態とが互いに区別されて、各種の処理が実行されてよい。たとえば、アイコンの表示更新処理における、第1アイコンおよび第2アイコンへの分類は、開状態であるかチルト状態であるかによって、異なる方法で決定されてよい。
また、上記実施例では、図5に示すように、1画面モードではY軸正方向が視野の上側、2画面モードではX軸正方向が視野の上側になるように、表示が行われたが、1画面モードではX軸正方向が視野の上側、2画面モードではY軸正方向が視野の上側になるように、表示が行われても良い。
また、上記実施例では、ユーザが、図3(a)に示される閉状態から、図3(d)に示されるチルト状態、または、図3(f)に示される開状態に、第1表示面14および第2表示面24を位置づけることにより、画面モードが1画面モードから2画面モードに切り替えられた。しかしながら、画面モード(表示形態)の切替は、第1表示面14および第2表示面24の位置変更以外の操作によって行われても良い。たとえば、図1(b)の開状態または図2(a)、(b)のチルト状態において、携帯電話機1に配される所定キーの押下に基づき、画面モードが、1画面モードと2画面モードとの間で切り替えられる構成が採られてもよい。第1ディスプレイ12のみが駆動され1画面モードと、第1および第2ディスプレイ12、22の両方が駆動される2画面モードとが、CPU100の制御に基づき切り替え可能であれば、他の方法により画面モードの切り替えが行われて良い。
また、上記実施例では、アプリケーション起動画面においてアイコンが選択されると、選択されたアイコンに対応するアプリケーションが実行される前に、ダイアログが表示されたが、ダイアログが表示されることなく、選択されたアイコンに対応するアプリケーションが実行されても良い。ただし、第1アイコンを適正画面数が一つであるため、2画面モードにおいて第1アイコンが選択された場合には、上記実施例のようにダイアログが表示され、ユーザに1画面モードへの移行を促す報知が行われるようにするのが望ましい。
また、上記実施例および変更例では、携帯電話機1は、二つの表示面を備えたが、表示面の数は二つに限られず、3つ以上であってもよい。また、上記実施形態では、携帯電話機1が例示されたが、PDAやタブレットPC、電子書籍端末、携帯ゲーム機などの他の携帯端末装置に本発明を適用することもできる。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。たとえば、上記実施形態の一部または全部を組み合わせることができる。