JP5769152B2 - 経験評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、キャンプをはじめとする体験学習活動を、簡便で効果的に評価することのできる経験評価方法、システム及びブログラムに関する。
例えば、キャンプの評価方法としては、心理学の既存の理論に基づいた効果変数(自己概念、自己効力感など)を用いた、局面的な評価が主流であった。この評価のメリットは、キャンプにおける効果要因を、既存の理論に基づいて説明可能なことであり、一方、デメリットは、評価の範囲が効果変数に限定され、多くの効果を含むキャンプの一面しか明らかにすることができないことである。
キャンプの総合的な効果を測定する試みもあるが、効果と要因の理論的背景に乏しく、キャンプの何がどのように影響を及ぼしたのか同定が困難であり、事業改善を第一義とする評価のツールとしては課題があった。
また、心理テストとしての信頼性と妥当性を得ることと、キャンプの総合的な効果を測定する目的から、項目数の削減が困難であり、調査時の負担の軽減に限界がある。さらに、事前事後のデータを統計的に比較することを前提とした方法であり、現場の主催者、指導者には利用が難しい。
昨今、Means-End理論を応用し、キャンプの効果の要因を究明する研究も行われている。Means-End理論とは、消費者が製品やサービスを選択する要因を明らかにするためのマーケティングの方法である。消費者にとって重要な製品の特性(Attribute)、その特性によって得られる結果(Consequence)、その結果によってもたらされる個人的価値(Value)のつながりを、ラダーリングという方法で調査し、それらを結合することで、消費者の重要とする製品の特性―結果―価値のつながりを示したHVM(Hierarchical
Value Map)にモデル化するものである。
キャンプ研究では、コース中の活動(登山、カヌーなど)を特性とし、その特性から得られる体験の質(挑戦、協力など)を結果ととらえ、個人的な価値(キャンプ効果)へのつながりを検証するものである。
キャンプは、様々な内容と効果の広がりを見せており、すべてのキャンプを、画一的な尺度で評価することは、限界がある。そこで、Means-End理論分析をキャンプ評価に用いることによって、1)多様な効果を抽出でき、2)その効果に影響を及ぼした、キャンプ要因を明らかにすることができる。さらに、質的な調査方法によって、3)現場での調査の負担を軽減し、4)統計的検定を不要とすることで、広くキャンプ指導者が利用でき、事業改善に有効となると考えられていた。
非特許文献1〜6は、Means-End理論について研究したものである。それら研究では、1)結果が不確実で、効果要因の相互作用によって結果が得られるような冒険活動を含んだキャンプ評価が対象となっている。2)実験的アプローチ(演繹的)、調査的アプローチ(帰納的)の両方に利用でき、キャンプ参加者の特性の違い、活動プログラムの違いによって、効果の要因を比較することができる。3)30名程度の参加者から利用でき(特性、結果、価値が限定されている場合)、数時間の活動から、長期間の活動まで、幅広いキャンプ評価に利用できる。4)特定の効果、要因に焦点を当てて、ラダーリング調査することができる。そのため、要因と効果の関係を既存の理論より演繹することもできるし、事例的に関連を示唆し、仮説生成することもできる。5)キャンプ終了後に1回の調査で終えることができる。さらに、フォローアップテストとしても利用可能であり、キャンプ効果の維持について比較可能である。6)インタビューと質問紙の両方で調査が可能で、いずれもキャンプ効果から開始される3列・3〜6段のラダーである。7)複数の評定者による80%程度の信頼性を満たしたコード化が必要である。8)マトリクス、及びHVMを作成するためにMeans-End理論分析専用ソフトウェアであるLadderMapを用いている。9)特性、結果、価値の段階のコード数、及びラダー数が多いと、HVMが複雑化し、結果の意味を解釈しにくくなる。
そのように、従来のMeans-End理論に基づく体験学習の評価は、研究中心で、得られたHVMは極めて複雑で、実際の体験学習の主催者に、十分利用できるものではなかった。上記Means-End理論研究の動向分析から、コード化の信頼性、専用のソフトウェアの利用、結果の複雑化が実用上の課題であることがわかった。
そこで、各種体験学習の実践現場での実用、さらなる科学的研究への応用を目的として、種々の各種体験学習の評価を可能にする経験評価方法、システム及びプログラムを開発することとした。
本発明は、上記課題を解決するため、
(1)
経験について、効果、活動、体験の順にラダーリング調査した結果をコンピュータに入力し、活動、体験、効果及び任意のパラメータをデータベースに記憶するデータ作成手段と、
前記データ作成手段でデータベースに蓄積したデータをコンピュータが読み出し、効果の段、体験の段、活動の段に配置するとともに、各段のデータ件数及び段同士の連結件数に応じて編集及び可視化するモデル化手段と、
前記モデル化手段で可視化したモデルから指定した件数以下の出力を制限した上でコンピュータがモデル化するカットオフ手段と、
前記モデル化手段で表示された可視化した結果について各段のデータ件数及び/又は段同士の連結件数に対応する表示を相対的に変更する修正手段と、
を備えることを特徴とする経験評価システムの構成とした。

(2)
さらに、前記モデル化手段で可視化したモデルをパラメータにより分割した上で、コンピュータがそれぞれをモデル化するモデル分割手段と、
モデル分割手段によるモデル化をコンピュータが統計的検証を行う検定手段と、
を備えることを特徴とする(1)に記載の経験評価システムの構成とした。

(3)
前記モデル化手段で可視化したモデルから指定したデータの連結のみに出力を制限した上でコンピュータがモデル化する出力調整手段を備えることを特徴とする(1)又は(2)に記載の経験評価システムの構成とした。

(4)
(1)〜(3)の何れかに記載の経験評価システムを実現することを特徴とするプログラム。

(5)
(4)に記載のプログラムを保存したことを特徴とする記録媒体の構成とした。

(6)
経験について、効果、活動、体験の順にラダーリング調査した結果をコンピュータに入力し、活動、体験、効果及び任意のパラメータをデータベースに記憶するデータ作成ステップと、
前記データ作成ステップでデータベースに蓄積したデータをコンピュータが読み出し、効果の段、体験の段、活動の段に配置するとともに、各段のデータ件数及び段同士の連結件数に応じて編集及び可視化するモデル化ステップと、
前記モデル化ステップで可視化したモデルから指定した件数以下の出力を制限した上でコンピュータがモデル化するカットオフステップと、
各段のデータ件数及び/又は段同士の連結件数に対応する表示を相対的に変更する修正ステップと、
前記モデル化ステップで可視化したモデルから指定したデータの連結のみに出力を制限した上でコンピュータがモデル化する出力調整ステップと、
前記モデル化ステップで可視化したモデルをパラメータにより分割した上でコンピュータがそれぞれをモデル化するモデル分割ステップと、
前記モデル分割ステップでモデル化したものをコンピュータが統計的検証を行う検定ステップと、を備えることを特徴とする経験評価方法の構成とした。
ここで、「経験」とは、学校教育の授業、例えば計算ドリルをこなすことによって計算力の向上を図るというような予め定まった目的を有する活動ではなく、日常の人の行動も含め、目的が1つではない活動であって、人が活動を体験することによって、人それぞれ感じ方の異なる効果を包含する活動である。即ち、人の活動−体験−効果の集まりである。例えば、キャンプ、その他野外活動、人材開発セミナー、運動会など、主催者が企画した参加、体験型のプログラムなどである。
「主催者」とは、体験学習を企画し、参加者に提供、運営する者である。「参加者」とは、体験学習に参加する者である。
「活動」とは、体験学習の中の個別的な企画(プログラム名)である。「体験」とは、各活動について、参加者が、体験後どのような体験として認識したか、参加者の主観的な認識であって、参加者が得たスキルは含まれない。「効果」とは、体験学習を通じて参加者が、参加者がスキルアップしたと感じた項目である。活動、体験、効果は、各種体験学習に応じて、主催者が適宜選択する。
「ラダー」とは、質問内容であり、本願発明では、効果、体験、活動に関する3種の質問からなる。「パラメータ」とは、参加者をグループ分けする変数である。例えば、性別、年齢、経験の有無を含む経験年数、参加者を所定人数に分け、グルーピングするために任意に割り当てた記号などで、複数採用できる。「モデル」とは、体験学習のラダーリング調査結果を回答頻度に応じて各ラダーの回答群を関連付けて可視化したグラフで、HVMが例示でき、好適である。
「カットオフ」とは、可視化したモデルから指定した件数以下の出力を制限する、即ち指定件数以下の回答を削除することである。「統計的検証」とは、パラメータによって分割されたモデルを相互に比較し、その有意差を検定する統計的手法である。例えば、χ(カイ)二乗検定などが例示でき、好適である。
本ソフトウェアの特徴は、1)ラダーを、活動(具体的な活動(プログラム))、体験(体験の質)、効果(体験学習の効果)の3つの段階に限定し、関連付けすることで、コード化時のバイアス(テキスト処理の困難性)を解消し、2)簡易なHVMを作成可能で、3)簡便なマトリクス(データベース)から、HVM出力までのアルゴリズムを簡略化することができる。さらに、4)特定のパラメータ変数によりχ(カイ)二乗検定を同一ソフト上にて実行可能とし、パラメータ間の相違の統計的認識を可能としたことにある。
Means-End理論に基づいたシンプルなHVMにより、参加者が経験したキャンプなどの体験学習の効果、その効果につながる体験、その体験を得るための具体的な活動のつながりが、簡易かつ明瞭にすることができるようになった。その結果、人の経験を客観的に評価することができるようになるとともに、参加者の体験学習の認識を容易に理解することができるようになった。また、参加人数、回答数の変動にも、簡単に対応できる汎用性のあるものである。
具体的には、ラダーを既存のキャンプ理論から引用した選択式(価値には自然体験効果尺度、結果には児童用組織キャンプ体験評価尺度の因子を用いる)とすることで、先行研究と比較することが容易にできる。
これらの尺度を併用し、効果量又は体験量をパラメータ変数としたHVMの比較により、それらとキャンプ要因との関係を明らかにすることができる。なお、実施例1におけるラダー選択と尺度得点の一致率は80%であった。
体験学習の実践現場において、選択式のラダーリング調査を作成することにより、体験学習のねらい、そのねらいを達成するために参加者に与えたい体験(体験の質)、その体験を得るための具体的な活動の選択といった一連の企画過程そのものを主催者側で再点検できるだけでなく、その評価を直接的にすることができ、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act
cycle)における計画と評価機能を一体化した評価ツールを提供することができる。
本発明である経験評価方法のシステム構成を示す図である。 本発明である経験評価方法の流れを示すフローチャートである。 本発明である経験評価方法を利用してラダーリング調査(アンケート)の一例を示す図である。 本発明である経験評価方法におけるデータ構造を示す表である。 本発明である経験評価方法によりモデル化した状態(オリジナルHVM)を示す図である。 本発明である経験評価方法によりモデル化したものから出力レベルを制限(カットオフ)した状態(HVM)を示す図である。 本発明である経験評価方法によりモデル化したものから出力項目を制限(出力調整)した状態を示す図である。 本発明である経験評価方法によりモデル化したものをパラメータにより分割した状態(分割HVM)を示す図である。 実施例2のアンケート用紙である。 実施例2のデータ構造を示す表である。 実施例2の全データに基づくモデル化状態を示す図(オリジナルHVM)である。 図11において、(A)カットオフ処理(15以下の回答数削除)、(B)修正処理(図11に比べ円径を0.8倍、直線の太さを0.5倍)したときのモデル化状態を示す図である。 図12における(A)及び(B)の処理を行った修正HVMである。 図9のパラメータ(タフネス)で分割したときのHVM(モデル分割)である。 図14において、社会的タフネスに限定して表示(出力調整手段)したHVMである。
以下、図面を参照して本願発明について詳細に説明する。
図1は、本発明である経験評価方法のシステム構成を示す図である。経験評価システム1は、キャンプ等の各種活動の束である体験学習1bを終えた参加者に、ラダーリング調査3(アンケート)を実施し、当該調査3の結果をコンピュータ4に入力してデータベース5に蓄積したものについて、コンピュータ4により評価6を行うものである。
調査3は、体験学習1bの後に参加者にアンケートを採ることである。参加者がアンケート用紙に記入したものを主催者が回収してコンピュータ4に入力しても良いし、主催者がアンケート回答用のウェブサイトを用意してインターネットを介して参加者の回答を収集しても良い。
コンピュータ4は、入力装置等から入力された調査3の結果をデータベース5に記憶すると共に、データベース5のデータを集計して評価6を実行し、評価6の結果を出力装置等に出力する。
データベース5は、コンピュータ4の記憶装置であり、コンピュータ4が評価6を実行する際に必要となるデータを蓄積する。単にデータをカンマで区切ったCSV(Comma
Separated Values)形式等のデータファイルも含むものとする。
評価6は、経験評価方法1aがプログラム化されたものであり、当該プログラムは記録媒体等に記録されたり、電気通信回線を通じて提供される等して、コンピュータ4にインストールされる。
図2は、本発明である経験評価方法の流れを示すフローチャートである。経験評価システム1の評価6は、経験評価方法1aにより行う。経験評価方法1aは、データ作成5a、モデル化6aを含み、必要に応じて、カットオフ6b、出力調整6d、修正6c、モデル分割6e、及びカイ二乗検定6fの各ステップ又は各手段を備える。
データ作成5aは、調査3のデータをコンピュータ4に入力し、評価6に必要な形式でデータベース5に記憶する。具体的には、3つの必須項目(ラダー)と、複数個の任意項目(回答例など)からなるテーブルを作成しておき、各項目の入ったレコードをテーブルに追加していく。
モデル化6aは、コンピュータ4がデータベース5からデータを読み取り、データを編集して可視化したものを出力する。具体的には、必須項目を各段に配置し、各段の要素数及び段同士の関連性を画像化する。
カットオフ6bは、各段の要素数及び段同士の関連性が指定した基準以下のものを表示しないようにコンピュータ4が制御することにより、要素の強さ及び関連性の強さについて把握しやすくする。
修正6cは、各段の要素数及び段同士の関連性を示す表示を、理解できる表示結果とすべく、コンピュータ4が入力指令に基づき、各段のデータ件数及び/又は段同士の連結件数に対応する表示を相対的に変更することにより、データ数の多少に対応し、各種体験学習への汎用性を可能にする。具体的には、データ数に対応した円の大きさ、段同士の関連性を示す直線の太さを相対的に任意のものに変更する手段である。
出力調整6dは、指定した要素と、当該要素と関連のある別の段の要素以外は出力しないようにコンピュータ4が制限することにより、指定した要素についての内容を把握しやすくする。
モデル分割6eは、任意項目のうち1つを選択し、当該任意項目の内容によってコンピュータ4が必須項目を分配した上で、モデル化6aを分けて出力することにより、その内容による比較をしやすくする。
検定6fは、モデル分割6eしたものに対し、統計的検定、例えばχ二乗検定を実施し、統計的な検証を行う。モデル分割6eをする前とした後とで要素数のブレが有意差のあるものかどうかといった判定、モデル分割同士の要素の差異を有意差があるものかどうかを検定することができる。尚、カットオフ6b及び出力調整6dしたものに対する検証も含むものとする。
図3は、本発明である経験評価方法を利用してラダーリング調査(アンケート)の一例を示す図である。調査3は、ラダーリング調査であり、図3に示すような様式で、3つのラダー3a、3b、3cと、3つの列3d、3e、3fからなる。
ラダー3a、3b、3cには必須項目についての質問がなされるが、上段のラダー3aには効果2bについての質問、中段のラダー3bには活動2についての質問、下段のラダー3cには体験2aについての質問が配置される。この順で質問することで、高い信頼性の体験学習の評価が一層可能になる。
列3d、3e、3fには同じ質問がなされており、Aの列3dから回答し、Aの列3dを終了したら、Bの列3eを回答し、Bの列3eを終了したらCの列3fを回答し、Cの列3fで終了となる。
ラダーリング調査は、いずれの段も選択式回答と、自由記述式回答を選択できる。効果2b、活動2、体験2aの順で測定するが、最大3列まで回答できるので、同じ効果2bでも複数の活動2が要因となっている場合は別の列に回答する。
各段に既存の理論に基づいた因果関係の選択式回答を採用して、実証的研究の評価ツールとして利用することができるので、効果2b、活動2、体験2aの選択項目を特定することにより、計画された学習過程を直接評価することができる。
図4は、本発明である経験評価方法におけるデータ構造を示す表である。データ作成5aによってコンピュータ4のデータベース5内に蓄積されるデータの内容を表形式で示したものである。
データ項目として、活動2、体験2a、効果2bのラダーデータと、HVMを比較するためのパラメータ2cを設ける。尚、ラダーデータは必須であるが、パラメータ2cは任意の数で設けることができる。ここでは、性別、学年を採用している。これらパラメータを収集することで、性別、学年差による体験学習の評価の差異を確認することができる。
尚、自由記述で回答を得た場合、入力の前に、回答のコード化の作業が必要になり、コードが多すぎるとHVMが複雑化し、結果の解釈がしにくくなる。一方、少なすぎると得られた結果が抽象化し、具体的な事業改善の判断材料になりにくくなる。
図5は、本発明である経験評価方法によりモデル化した状態(オリジナルHVM)を示す図である。
モデル化6aは、データベース5内のデータのうち、活動2、体験2a、効果2bの必須項目について、HVMとして可視化する。
モデル化6aでは、上段に効果2b、中段に体験2a、下段に活動2を配置する。まず、効果2bの各データについて、データ件数に応じた半径の円をコンピュータ4が計算して描画する。同様に、体験2aと活動2の各データについても、データ件数に応じた半径の円をコンピュータ4が計算して描画する。
次に、効果2bの各データと体験2aの各データについて、連結件数に応じた幅の直線を計算して円同士を直線で繋ぐ。同様に、体験2aの各データと活動2の各データについても、連結件数に応じた幅の直線を計算して円同士を直線で繋ぐ。
連結については、ある活動2をした者のうち、ある体験2aをした者の人数が、その活動2と体験2aを連結する直線の太さになる。同じ活動2をした者がいても、別の体験2aをした場合は、その活動2と別の体験2aを連結する直線へと分けられる。
図6は、本発明である経験評価方法によりモデル化したものから出力レベルを制限(カットオフ)した状態(HVM)を示す図である。各段のデータ数が多いと連結の直線が重なるなどして、視覚的に把握しづらく、体験学習の評価を理解することができなくなる。
カットオフ6bでは、より重要なデータや連結を把握するために、指定したデータ件数及び連結件数より少ないものはコンピュータ4が出力しないように制御することで、モデル化6aを精選することができる。
カットオフ6bのレベルが高ければ高いほど信頼性のあるモデルと言えるが、少数意見が削除されるので、適正なカットオフ6bの目安は、モデルが事象を説明するために解釈しやすいかどうかで判断する。
図7は、本発明である経験評価方法によりモデル化したものから出力項目を制限(出力調整)した状態を示す図である。視覚的に把握しやすくする方法として、特定のデータに着目してその連結を見るものもある。
出力調整6dでは、いずれかの段のデータを1つ選択し、そのデータと他の段のデータとの間に連結がある場合にだけ、コンピュータ4が出力するように制御することで、選択したデータの連結傾向を把握することができる。
活動2、体験2a、効果2bの各段階における、特定のデータとの連結のみを出力することによって、特定の効果2bの要因となった活動2と体験2a、特定の体験2aの要因となった活動2とその体験2aから得られる効果2b、特定の活動2から得られる体験2aと効果2bについて、確認することができる。
これにより、1回の調査3で、キャンプ等の体験学習の全体を評価6することができるだけでなく、特定の活動2の評価6や、特定の効果変数と既存の媒介線数との関連を明らかにすることもできる。
図8は、本発明である経験評価方法によりモデル化したものをパラメータにより分割した状態(分割HVM)示す図である。モデル分割6eでは、パラメータ2cによって、HVMを分割して出力する。
パラメータ2cとしては、性別や学年などの項目を設ける。コンピュータ4がパラメータ2cで分けてそれぞれをモデル化6aすることにより、パラメータ2cの違いによる、キャンプ等の体験学習の効果、学習過程の違いを視覚的に確認することができる。
例えば、小学生と中学生でHVMを分割することにより、それぞれの発達段階に適した、活動の提供や、効果の特徴を理解することができる。また、心理テストを併用し、効果の高かったものと、低かったものを分けてHVMを出力することにより、より高い効果2bを得るためにどのような活動2や体験2aを提供したら良いか判断することができる。
さらに、パラメータ2cと活動2、体験2a、効果2bの関連の強さを明らかにするために、コンピュータ4が検定6fを実行する。これにより、キャンプ等の体験学習の活動2、体験2a、効果2bに影響を及ぼしたパラメータ2cの効果について統計的な判断基準を得ることができる。
図9〜図13を参照して、本発明である経験評価方法をより具体的に説明する。実施例2に係る経験は、ある会社の新入社員の合宿研修(体験学習)である。
新人研修の参加者は、男性293人、女性25人の合計318名であった。それぞれを任意の16斑のグループ(A〜P)に分け、各種活動2を経験させた。体験学習の全ての活動2が終了した後に、参加者に、図9に示すアンケート用紙3gに示す手順で新人研修に参加して身についたスキル(効果)について回答してもらった。
回答順はA列の質問1→質問3の順とした。質問1は、「どのようなタフネス(スキル)が身についたか?」であり、効果2bに関するラダーである。質問2は、「質問1で回答したスキルに寄与した活動は?」であり、活動2に関するラダーである。質問3は、「質問2で回答した活動が、質問1のスキルを身につける要因になったのは、どのような体験だったからか?」であり、体験2に関するラダーである。複数回答があれば、B列、C列に進む。
なお、当該研修では、参加者1人、回答は1列とした。複数回答の場合いは、当然回答数は、人数と一致しない。また、質問に対する回答は、新人研修の目的を含むものとして予め用意される(1.〜5.)。これら回答は、主催者が提供する経験に基づき任意かつ適宜決定される。
参加者の回答は、図10に示すように、既存の表計算ソフトに入力され、コンピュータ4の記憶部にデータベース5として格納される。図10には、その一部を抜粋して示した。テキストデータ(回答)を編集するため、効果2b、体験2a、活動2などの回答にはコード2e、2fが付されている。なお、名前については、ここでは通し番号とした。性別、斑、タフネスは、データを分割し、分割HVMを作成するためのパラメータ2c、2fであり、それらにもコード2eが付される。
タフネスパラメータ2fは、図9のアンケート用紙3gとは別に、評価者が、参加者のタフネスを獲得の高低を評価したもので、タフネスについての総合的評価である。自己申告であってもよい。
図10に示すデータベースを用いて、実施例1の経験評価システムで、モデル化したグラフ(全データに基づくオリジナルHVM)を図11に示す。上段が効果の回答、中段が体験についての回答、下段が活動の回答群である。
体験学習への参加者(回答数)が多いと、図11に示すように、円の大きさ(回答数)、直線の太さ(円と円とに共通する回答数)、即ち、データ件数及び連結件数が混み合って、体験学習の評価を理解することはできない。従来は、これらの結果を、評価を把握しやすいように、個別に手作業で修正していた。
本発明では、カットオフ手段、修正手段を備えるため、データ件数に大きな変動があっても、HVMを最適化でき、体験学習の代表的な意見を抽出し、容易に把握することができる。従って、本発明では体験学習プログラムの客観的評価が極めて容易になる。
図12(A)に15以下の回答を削除(カットオフ処理)したHVM、(B)に図11に比べ円径を0.8倍、直線の太さを0.5倍(修正処理)にしたHVMを示す。データ件数、連結件数が多数であると、図12(A)、(B)であっても、まだ体験学習評価(HVM)を理解することはできない。図12(A)のHVMでは円が大きすぎ(データ件数が多数)、図12(B)では直線が多すぎ(連結件数多数)て、とても体験学習の評価を理解することができない。
そこで、図12(A)及び(B)の処理を共に施した。その結果を修正HVMとして、図13に示す。図13のHVMであれば、容易に実施例2の体験学習に参加した参加者の体験学習についての代表的意見を抽出、理解することができる。即ち、評価を容易に最適化することができる。分割モデル化手段及び検定手段、出力調整手段についても実施例1同様に備える。
図13から、例えば、効果の段の「社会的タフネス」のスキルを身につけたと感じた参加者について、そのスキルを向上させた体験は「他社との交流体験」であり、その体験を感じた最大回答(最も太い直線)の活動が「那須登山」であることが容易に理解できる。
そして、実施例2に示す体験学習の参加者は、「那須登山活動」を、意外にも「自然・環境体験」と感じるより「他者との交流体験」として捉えていた。このように、主催者の意図通りに参加者が活動を通じ、目的の効果を体験できたか、各活動が目的とする効果の要因となったか、容易に検証することができる。
このように、データ件数の変動があっても、カットオフ手段及び回答数に応じた円径、直線の太さを相対的に変更する修正手段を備えることで、あらゆる経験の客観的評価を簡易化することができる。
その結果、体験学習の内容の内部評価、改善に役立つとともに、体験学習依頼者への報告において、依頼者が意図したスキルを身につける体験学習であったかどうか、即ち期待する効果を得られる体験学習であったか、目的の効果を得られる活動を含むものであったか、主催者が提供するプログラムとして適切であったかを明瞭に示すことができる。
図14に、図13のHVMについて、さらに図10に示すタフネスパラメータ2fに基づく分割モデル化処理を行った結果を示す。図14から、総合的なタフネスの獲得度差について、どのような活動、経験が要因であるかを分析することができる。ここでは、カットオフを15のままとしたため、「那須登山」以外の活動は除外されている。そして、統計的分析を行うと、タフネスの獲得度の差に有意差はなかった。
図14のモデル化に加え、図15では、「社会的タフネス」について、限定表示(出力調整処理)を行うことで、社会的タフネス及び活動と、評価者のタフネスパラメータ2fとの関係を理解することができる。
カットオフ処理、修正処理を行って評価(表示)を最適化した上で、パラメータによる分割及び統計的検定、さらに各種回答に限定した出力調整処理、或いはその逆の手順にて、それらを組み合わせることで、総合的経験の評価から個別的な活動及び効果間の関係も容易かつ信頼性をもって把握することができる。
1 経験評価システム
1a 経験評価方法
1b 体験学習
2 活動
2a 体験
2b 効果
2c パラメータ
2e コード
2f パラメータ
3 調査
3a ラダー
3b ラダー
3c ラダー
3d 列
3e 列
3f 列
3g アンケート用紙
4 コンピュータ
5 データベース
5a データ作成
6 評価
6a モデル化
6b カットオフ
6c 修正
6d 出力調整
6e モデル分割
6f 検定

Claims (6)

  1. 経験における効果、活動、体験に関する質問について、効果、活動、体験の順に質問して得た調査結果であるラダーリング調査結果をコンピュータに入力し、活動、体験、効果及び参加者をグループ分けする変数であるパラメータをデータベースにコンピュータが記憶するデータ作成手段と、
    前記データ作成手段でデータベースに蓄積したデータをコンピュータが読み出し、コンピュータがモニタ上の効果の描画範囲である上段、体験の描画範囲である中段、活動の描画範囲である下段に配置するとともに、各段のデータ件数及び段同士の連結件数に応じてコンピュータが編集及び可視化するモデル化手段と、
    前記モデル化手段で可視化したモデルから指定した件数以下の出力を制限した上でコンピュータがモデル化するカットオフ手段と、
    前記モデル化手段で表示された可視化した結果について各段のデータ件数及び/又は段同士の連結件数に対応する表示をコンピュータが相対的に変更する修正手段と、
    を備えることを特徴とする経験評価システム。
  2. さらに、前記モデル化手段で可視化したモデルをパラメータにより分割した上で、コンピュータがそれぞれをモデル化するモデル分割手段と、
    モデル分割手段によるモデル化をコンピュータが統計的検証を行う検定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の経験評価システム。
  3. 前記モデル化手段で可視化したモデルから指定したデータの連結のみに出力を制限した上でコンピュータがモデル化する出力調整手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の経験評価システム。
  4. コンピュータを、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の経験評価システムの各手段として機能させるためのプログラム。
  5. 請求項4に記載のプログラムを保存したことを特徴とする記録媒体。
  6. 経験における効果、活動、体験に関する質問について、効果、活動、体験の順に質問して得た調査結果であるラダーリング調査結果をコンピュータに入力し、活動、体験、効果及び参加者をグループ分けする変数であるパラメータをデータベースにコンピュータが記憶するデータ作成ステップと、
    前記データ作成ステップでデータベースに蓄積したデータをコンピュータが読み出し、コンピュータがモニタ上の効果の描画範囲である上段、体験の描画範囲である中段、活動の描画範囲である下段に配置するとともに、各段のデータ件数及び段同士の連結件数に応じてコンピュータが編集及び可視化するモデル化ステップと、
    前記モデル化ステップで可視化したモデルから指定した件数以下の出力を制限した上でコンピュータがモデル化するカットオフステップと、
    各段のデータ件数及び/又は段同士の連結件数に対応する表示をコンピュータが相対的に変更する修正ステップと、
    前記モデル化ステップで可視化したモデルから指定したデータの連結のみに出力を制限した上でコンピュータがモデル化する出力調整ステップと、
    前記モデル化ステップで可視化したモデルをパラメータにより分割した上でコンピュータがそれぞれをモデル化するモデル分割ステップと、
    前記モデル分割ステップでモデル化したものをコンピュータが統計的検証を行う検定ステップと、を備えることを特徴とする経験評価方法。
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