図1は、MU−MIMOが適用されるHetnetの概略図である。図1に示すシステムは、基地局装置eNB(eNodeB)のセル内に局所的なセルを有する小型基地局装置RRH(Remote Radio Head)が設けられ、階層的に構成されている。このようなシステムにおける下りリンクのMU−MIMO伝送では、基地局装置eNBの複数のアンテナから複数の移動端末装置UE(User Equipment)に対するデータを同時に送信するだけでなく、小型基地局装置RRHの複数のアンテナから複数の移動端末装置UEに対するデータを同時に送信することも想定され、下り制御チャネルの容量が不足する可能性がある。
また、CoMPを適用したHetNetでは、マクロの基地局装置eNBに移動端末装置UEを接続したまま、ダイナミックにcell range expansionを行う可能性がある。この場合、小型基地局装置RRHのセル端近傍に位置する移動端末装置UEは、基地局装置eNBから下り制御信号を受信し、小型基地局装置RRHから下りデータ信号を受信する。このため、基地局装置eNBにおいて下り制御チャネルの容量が不足する可能性がある。この問題を解消するために、小型基地局装置RRHから下り制御信号を送信する構成も考えられるが、小型基地局装置RRHは下り制御チャネルの容量が少ない。
上記した構成等のように、MU−MIMOによって周波数利用効率が改善されるものの、基地局装置eNBの下り制御チャネルの容量が不足するといった問題が生じる可能性がある。図2は、下りリンクのMU−MIMO伝送が行なわれるサブフレームの一例を示す図である。サブフレーム内において、移動端末装置UEに対する下りデータの信号と該下りデータを受信するための下り制御情報の信号とは時分割多重されて送信される。
サブフレームの先頭から所定のOFDMシンボル(1〜3OFDMシンボル)は、下り制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control CHannel)用の無線リソース領域(PDCCH領域)として確保される。PDCCH領域は、サブフレームの先頭から最大3OFDMシンボルまでで構成され、トラフィック情報(例えば、接続するユーザ数等)に応じてサブフレームごとにOFDMシンボル数が動的に変化する(1〜3OFDMシンボル数のいずれかが選択される)。サブフレームの先頭から所定のシンボル数以降の無線リソースに、下りデータチャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared CHannel)用の無線リソース領域(PDSCH領域)が確保される。
また、PDCCH領域には、各移動端末装置UEに対応したDCIが割り当てられる。この場合、サブフレームの先頭から最大3つのOFDMシンボルから構成されるPDCCH領域のみでは、全ての移動端末装置UEに対してDCIを割り当てることができない場合が考えられる。例えば、図2に示す例では、DCIの増加によってPDCCH領域が不足し、移動端末装置UE#5、#6に対するDCIの割当リソースを確保できない。このように、MU−MIMO伝送を適用する無線通信システムにおいては、DCIの割当リソースの不足が想定され、MU−MIMO伝送のスループット特性に対する影響が問題となっている。
このようなPDCCH領域の不足を解決するために、サブフレームの先頭から最大3つのOFDMシンボル以外にPDCCHを拡張する(既存のPDSCH領域にPDCCHを拡張する)ことが考えられる。
本発明の第1の側面は、サブフレームの先頭シンボルから所定シンボル数以降の無線リソースに、周波数分割多重(Frequency Division Multiplexing)型のPDCCHを設定し、FDM型PDCCHに下り制御信号を配置し、下り制御信号と下りデータ信号を周波数分割多重して移動端末装置UEへ送信する。
図3は、既存のPDCCHとFDM型PDCCHが配置されたサブフレーム構成を示す図である。サブフレームの先頭数OFDMシンボル(1〜3OFDMシンボル)にはシステム帯域全体にわたり既存のPDCCHが配置され、既存のPDCCHが配置されたシンボル以降の無線リソースに、FDM型PDCCHが配置されている。1つのFDM型PDCCHの周波数領域の帯域幅は、無線リソースのスケジューリング単位の大きさ、例えば1リソースブロック(RB)である。
このように、拡張PDCCHとしてFDM型PDCCHを、基地局装置eNBから移動端末装置UEへ下り制御信号を送信するための下りリンクでサポートすることにより、既存のPDSCH領域の所定の周波数領域を拡張PDCCH領域として使用することができる。拡張PDCCH領域は、既存のPDSCH領域に配置されるユーザ個別のDM−RS(DeModulation-Reference Signal)を用いて復調することができる。DM−RSは、UE個別の復調用参照信号として規定されており、UEに対して個別にビームフォーミングできるので、十分な受信品質が得られる。このため、セル端付近のUEであっても通信環境が良好であればアグリゲーションレベルを下げることができ、スループットの改善を図ることができる。
ここで、システム帯域に対する拡張PDCCH(FDM型PDCCH)の割り当て方法について図4を参照して説明する。なお、図4では、一例として25の物理リソースブロック(PRB:Physical Resource Block)で構成されるセル帯域幅に対して、拡張PDCCHとして8個(NVRB=8)の仮想リソースブロック(VRB:virtual resource block)セットを設定する場合を示している。また、図4では、リソース配置タイプ0(Resource allocation type0)の場合を示している。もちろん、本発明はこれに限定されない。
リソースブロック配置タイプは、3種類の異なるタイプ(Resource allocation type0,1,2)がある。リソースブロック配置タイプ0と1は周波数領域で非連続周波数配置をサポートし、タイプ2は連続周波数配置のみをサポートする。リソースブロック配置タイプ0は、周波数領域中の個々のリソースブロックでなく、隣接するリソースブロックのグループによって示すことにより、ビットマップのサイズを削減している。図4では、セル帯域幅が25リソースブロックであるため、リソースブロックグループ(RBG)のサイズが2となっている。この場合、8個のVRBセットは、2個単位でPRBに配置(RBG=1、3、7、8)される。
基地局装置eNBは、移動端末装置UEに対して、拡張PDCCHとしてNVRB個のVRBセットを上位レイヤ信号で通知する。図4に示すように設定する場合には、移動端末装置UEに対して所定のRBG(ここでは、RBG=1、3、7、8)を通知する。また、VRBには、PRBインデックス(RBGインデックス)の小さい方から順番にVRBインデックスがナンバリングされる。
拡張PDCCHのリソースブロックは、前半スロット(1スロット目)と後半スロット(2スロット目)とに分けて下り制御信号を配置した構成とすることができる。また、拡張PDCCHのフォーマットとして、各ユーザの下り制御信号を複数のリソース要素グループ(REG)からなる制御チャネル要素(CCE)単位で割り当てる方法(with cross interleaving)と、各ユーザの下り制御信号をPRB単位で割り当てる方法(without cross interleaving)が考えられる。
移動端末装置UEは、with cross interleavingの場合には、CCEインデックスで規定されたサーチスペース内でブラインド復号を行い、without cross interleavingの場合には、VRBインデックスで規定されたサーチスペース内でブラインド復号を行う。以下に各フォーマットにおけるブラインド復号について説明する。
<with cross interleaving>
With cross interleavingにおいて、基地局装置eNBは、拡張PDCCHに対して、使用可能な無線リソース内の連続するREGから構成されるCCEを割り当てる。なお、1個のCCEは、9個のREGから構成される。また、1個のREGは、4個のリソースエレメントから構成される。例えば、基地局装置eNBは、各移動端末装置UEから通知された受信品質に基づいて、連続して割り当てるCCE数を示すアグリゲーションレベル(aggregation level Λ(=1,2,4,8))を決定する。そして、拡張PDCCHに対して、各移動端末装置UEのアグリゲーションレベルに応じたCCE数に対応するREGを設定する。
例えば、25個のPRBで構成されるセル帯域幅に対して、拡張PDCCHとして8個(NVRB=8)のVRBセットを、リソース配置タイプ0で配置する場合には、PRBの無線リソースに対して、図5Aに示すようにREGが配置される。
1個のCCEを構成する9個のREGは、拡張PDCCHを構成するVRBの無線リソースに対して、周波数方向に連続して割り当てられる。図5Bに示すように、連続するVRBセットの周波数方向に割り当てられた9個のREGが1個のCCEを構成する。なお、VRBの無線リソースにおいて、CRSなどの参照信号として割り当てられるリソースエレメントに対しては、当該リソースエレメントを除いてREGの割り当てが行われる。また、基地局装置eNBは、各移動端末装置UEのアグリゲーションレベルに基づいて、各移動端末装置UEの拡張PDCCH信号に対して、連続するCCEの割り当てを行う。
移動端末装置UEは、上位レイヤ信号によって設定される可能性のある複数の拡張PDCCHの候補をモニタする。これを、ブラインドデコーディングと称する。移動端末装置UEには、自装置あての拡張PDCCH信号が割り当てられているCCEおよび選択されているアグリゲーションレベルが通知されない。このため、自装置あての拡張PDCCH信号が割り当てられている可能性のあるすべてのCCEについて総当たりで拡張PDCCHの復号を行う。
また、基地局装置eNBは、移動端末装置UEによるブラインドデコーディングの試行回数を最小にするために、移動端末装置UEごとにサーチスペースを設定し、このサーチスペース内で、各移動端末装置UEあての拡張PDCCH信号用のCCEを割り当てることができる。この場合、移動端末装置UEは、対応するサーチスペース内で拡張PDCCHの復号を試みる。
サーチスペース内でブラインドデコーディングを試行する場合、移動端末装置UEは、各アグリゲーションレベルに応じて、サーチスペースを以下の式(1)で求めることができる。なお、各アグリゲーションレベルΛ(=1,2,4,8)に対応したPDCCHの候補数は、それぞれ、6,6,2,2である。
<without cross interleaving>
Without cross interleavingにおいて、基地局装置eNBは、拡張PDCCHに対して、各移動端末装置UEあてのDCIをPRB単位で割り当てる。例えば、基地局装置eNBは、各移動端末装置UEから通知された受信品質に基づいて、連続して割り当てるVRB数を示すアグリゲーションレベルを決定する。そして、拡張PDCCHに対して、各移動端末装置UEのアグリゲーションレベルに応じた数のVRBを、移動端末装置UEあてのDCIの無線リソースとして割り当てる。
Without cross interleavingでは、拡張PDCCHに対して、無線リソースをPRB単位で各移動端末装置UEあてのDCIの無線リソースとして割り当てる。拡張PDCCHが配置される可能性のある無線リソースにはユーザ個別の下り参照信号であるDM−RSが配置される。このため、拡張PDCCHの復調をDM−RSを用いて行うことができる。この場合、PRB単位でのチャネル推定が可能であり、各移動端末装置UEに対して効果的にビームフォーミングを形成できる。
移動端末装置UEは、上位レイヤ信号によって設定される可能性のある複数の拡張PDCCHの候補をモニタする。移動端末装置UEには、自装置あてのDCIが割り当てられている拡張PDCCHのVRBおよび選択されているアグリゲーションレベルが通知されない。このため、自装置あてのDCIが割り当てられている可能性のあるすべての拡張PDCCH信号のVRBについて総当たりで拡張PDCCHの復号を行う。
また、基地局装置eNBは、移動端末装置UEによるブラインドデコーディングの試行回数を最小にするために、移動端末装置UEごとにサーチスペースを設定し、このサーチスペース内で、各移動端末装置UEあてのDCI用のVRBを割り当てることができる。この場合、移動端末装置UEは、対応するサーチスペース内でDCIの復号を行えばよい(図6参照)。
サーチスペース内でブラインドデコーディングを試行する場合、移動端末装置UEは、各アグリゲーションレベル(VRB単位)に応じて、サーチスペースを以下の式(2)で求めることができる。なお、各アグリゲーションレベルΛ(=1,2,4,8)に対応したPDCCHの候補数は、それぞれ、6,6,2,2である。なお、ここでは、アグリゲーションレベルが6,6,2,2の場合について示しているが、もちろんアグリゲーションレベルおよびPDCCHの候補数は、これに限らない。
25のPRBで構成されるセル帯域幅に対して、拡張PDCCHとして8個(NVRB=8)のVRBセットを、リソース配置タイプ0で配置する場合には、VRBには、PRBインデックス(RBGインデックス)の小さい方から順番にVRBインデックスがナンバリングされる(図6参照)。
アグリゲーションレベル1では、VRB#0−#5に6つのサーチスペースが設定される。アグリゲーションレベル2では、VRB#0−#7に2VRB単位で4つのサーチスペースが設定される。アグリゲーションレベル4では、VRB#0−#7に4VRB単位で2つのサーチスペースが設定される。アグリゲーションレベル8では、VRB#0−#7に8VRB単位で1つのサーチスペースが設定される。なお、アグリゲーションレベル2、8では、VRB数の不足によってサーチスペースがオーバラップする。
そして、移動端末装置UEにおいて、アグリゲーションレベルに応じてサーチスペースがブラインドデコーディングされ、VRBに割り当てられたDCIが取得される。このように、without cross interleavingでは、各ユーザのDCIがPRB単位で割り当てられ、VRBインデックスで規定されたサーチスペースでブラインドデコーディングされる。
このように、拡張PDCCH(FDM型PDCCH)を制御チャネル領域として利用することにより、下り制御チャネルの容量を確保することが可能となる。また、サーチスペースを限定することにより、移動端末装置UEにおけるブラインドデコーディングの試行回数を抑えることが可能となる。
本発明の第2の側面は、PDCCHとFDM型PDCCHとで使用可能なアグリゲーションレベル、DCIフォーマットの種類を制限する。これにより、ブラインドデコーディング数を削減し、また環境に応じた特性の改善を図ることができる。
移動端末装置UEにおけるブラインドデコーディングの試行回数は、各アグリゲーションレベルΛ(=1,2,4,8)に対応したPDCCHの候補数(6,6,2,2)に基づく。例えば、アグリゲーションレベルΛ(=1,2,4,8)に対応したサーチスペース数が(6,6,2,2)の場合、移動端末装置UEは、既存のPDCCHを復号するために、16回(=6+6+2+2)のブラインドデコーディングを試行し、FDM型PDCCHを復号するために、16回のブラインドデコーディングを試行する。よって、PDCCHとFDM型PDCCHを併用する場合、PDCCHとFDM型PDCCHを併用しない場合と比較して、移動端末装置UEにおけるブラインドデコーディングの試行総数は増加する。
そこで、PDCCHとFDM型PDCCHとでアグリゲーションレベルΛが異なるよう、アグリゲーションレベルを制限する。例えば、PDCCHのアグリゲーションレベルを4または8に制限し、FDM型PDCCHのアグリゲーションレベルを1または2に制限する。これにより、移動端末装置UEにおけるブラインドデコーディング回数は、PDCCHに対して4回(=2+2)のブラインドデコーディングが試行され、FDM型PDCCHに対して12回(=6+6)のブラインドデコーディングが試行される。よって、PDCCHとFDM型PDCCHを併用する場合でも、移動端末装置UEにおけるブラインドデコーディングの試行総数を16回(=4+12)に抑えることができる。これは、PDCCHとFDM型PDCCHを併用しない場合の、移動端末装置UEにおけるブラインドデコーディングの試行総数と同数である。
なお、PDCCHおよびFDM型PDCCHに対するアグリゲーションレベルの制限は上記のケースに制限されない。例えば、ユーザ多重数が最大化するようにアグリゲーションレベルの制限を定めたり、セル端ユーザの特性改善が優先されるようにアグリゲーションレベルの制限を定めたりしてもよい。
移動端末装置UEは、事前にPDCCHおよびFDM型PDCCHについてアグリゲーションレベルの制限が通知される。移動端末装置UEは、PDCCHおよびFDM型PDCCHのアグリゲーションレベルが制限されている場合、制限されたアグリゲーションレベルに応じたブラインドデコーディングの回数に制限されるのでブラインドデコーディング回数の総数を減らすことができる。
また、PDCCHとFDM型PDCCHとでDCIフォーマットが異なるようにDCIフォーマット種別を制限する。例えば、PDCCHは、下りリンクスケジューリング割当用のDCI(例えば、DCIフォーマット1A,2など)の送信に制限し、FDM型PDCCHは、上りリンクグラント用のDCI(例えば、DCIフォーマット0,4など)の送信に制限する。なお、PDCCHおよびFDM型PDCCHにおけるDCIフォーマットの組合せはこれに限定されない。
これにより、移動端末装置UEは、下りリンクスケジューリング割当用のDCIが時間的に先に復調されるので、FDM型PDCCHよりも時間的に早く受信されるPDCCHを復号した直後にPDSCHの復調を開始できる。
上記したアグリゲーションレベルの制限またはDCIフォーマットの制限は、上位レイヤシグナリングを用いて基地局装置eNBから移動端末装置UEに通知し、上記制限の設定をダイナミックに切り替えるように構成してもよい。これにより、システムの柔軟な運用が可能になる。
本発明の第3の側面は、FDM型PDCCHが割り当てられたPRBの前半スロットと後半スロットとで、少なくとも一方のスロットに同一ビットサイズのDCIが複数配置されるように各スロットのDCI種別を制限する。これにより、移動端末装置UEにおけるブラインドデコーディングの試行回数が削減されるため、移動端末装置UEの負担を軽減できる。
例えば、LTE−A(Rel.10)で規定されたR−PDCCHは、前半スロットに下りリンクスケジューリング割当用DCI(例えば、DCIフォーマット1A,2Aなど)が配置され、後半スロットに上りリンクグラント用DCI(例えば、DCIフォーマット0,4など)が配置される。図7Aは、本発明者等が提案するFDM型PDCCHのリソースブロックに、R−PDCCHのDCI割当てをそのまま採用した場合のDCI配置を示す模式図である。
この場合、DCIフォーマット1Aと2Aとではビットサイズが異なるので別々にブラインドデコーディングが必要になる。また、DCIフォーマット0と4とはビットサイズが異なるので別々にブラインドデコーディングが必要になる。したがって、例えば、各アグリゲーションレベルΛ(=1,2,4,8)に対応したサーチスペース数が6,6,2,2であれば、移動端末装置UEにおいて、前半スロットに配置されたDCIフォーマット1Aに対して、(6+6+2+2=)16回のブラインドデコーディングが試行される。同様に、前半スロットに配置されたDCIフォーマット2A、後半スロットに配置されたDCIフォーマット0、後半スロットに配置されたDCIフォーマット4に対して、それぞれ16回のブラインドデコーディングが試行される。よって、移動端末装置UEにおけるブラインドデコーディングの試行総数は、16×4回(64回)となる。
一方、図7Bは、前半スロットに同一ビットサイズのDCIが複数配置されるようにDCIフォーマットを制限した例である。図7Bに示すように、図7Aでは後半スロットに配置されていた上りリンクグラント用のDCIフォーマット0が、前半スロットに再配置されている。DCIフォーマット0は、前半スロットに配置されている下りリンクスケジューリング割当用のDCIフォーマット1Aと同じビットサイズである。
この場合、移動端末装置UEにおいて、前半スロットに配置されたDCIフォーマット1A,0は同一ビットサイズであるので、1度のブラインドデコーディング(最大16回)で同時に復号できる。前半スロットに配置された残りのDCIフォーマット2A、後半スロットに配置されたDCIフォーマット4に対して、それぞれ16回のブラインドデコーディングが試行される。よって、移動端末装置UEにおけるブラインドデコーディングの試行総数は、16×3回(48回)となる。したがって、移動端末装置UEにおけるブラインドデコーディングの試行回数が削減されるため、移動端末装置UEの負担を軽減できる。なお、DCIフォーマット1AとDCIフォーマット0とは、ブラインドデコーディングを16回試行した後で、先頭1ビットを処理することにより区別される。
なお、図7Aにおいて前半スロットに配置されていたDCIフォーマット1Aを、後半スロットに配置する構成としてもよい。この場合、後半スロットに同じビットサイズであるDCIフォーマット0,1Aが配置される。この場合にも、移動端末装置UEにおけるブラインドデコーディングの試行総数は、16×3回(48回)となる。なお、FDM型PDCCHのリソースブロックにおける、同じメッセージサイズのDCIフォーマットの組合せは上記例に限定されない。
本発明の第4の側面は、クロスキャリアスケジューリング(Cross-carrier scheduling)にFDM型PDCCHを適用した場合のサーチスペース構成を提供する。
LTE−A(Rel−10)では、LTE(Rel.8)までのシステム帯域に相当する基本周波数ブロックをコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)と呼称し、複数のCCを集めて広帯域化することが合意されている。一部のCCは他セルからの干渉が強いが、別のCCは干渉の影響が少ないといった通信環境が発生し得る。そこで、他セルからの干渉が強いCCで送られる共有データチャンネル(PDSCHなど)のためのDCIの割り当てを、干渉の影響の少ない別のCCから行う仕組みが検討されている。ここでは、PDSCHを送るCCのPDCCHを、そのCCとは別のCCから送ることをクロスキャリアスケジューリングと呼ぶ。
図8は、クロスキャリアスケジューリングが適用される場合の概念図である。図8に示す方法では、PDSCHを送るCC(セカンダリセル)のPDCCHを、そのCC(セカンダリセル)とは別のCC(プライマリセル)から送るクロスキャリアスケジューリングが適用されている。具体的には、CC#1のPDSCHまたはPUSCHを割り当てるためのDCI−1がCC#1のPDCCHに割り当てられ、CC#2のPDSCHまたはPUSCHを割り当てるためのDCI−2が異なるCC#1のPDCCHに割り当てられている。各DCIには、スケジューリング先のCCを指し示す3ビットのCIF(Carrier Indicator Field)が付加されている。移動端末装置UEは、復調したDCIに付加されているCIF値に基づいていずれのCCに割り当てたPDSCHであるかを判断できる。
本発明は、クロスキャリアスケジューリングによって同一のCC(プライマリセル)に割り当てられたプライマリセルのPDSCH割り当て用のFDM型PDCCHと、セカンダリセルのPDSCH割り当て用のFDM型PDCCHとの2つのサーチスペースが連続するようにサーチスペースを構成する。図9にはプライマリセルとなるCC#1のサーチスペースとセカンダリセルとなるCC#2のサーチスペースとが連続構成となっている様子を示している。
このように、プライマリセルとセカンダリセルのサーチスペースが連続するサーチスペース構成により、プライマリセルとセカンダリセルのサーチスペースが重なるのを防止できる。これにより、異なるCC間のPDSCHを割り当てるDCIがブロッキングされる確率を低減することができる。
FDM型PDCCHへのDCIの割り当て方法がwith cross interleavingの場合、サブフレームnにおけるサーチスペースの開始位置は以下の式(3)で求めることができる。なお、各アグリゲーションレベルΛ(=1,2,4,8)に対応したFDM型PDCCHの候補数は、それぞれ、6,6,2,2である。
また、FDM型PDCCHへのDCIの割り当て方法がwithout cross interleavingの場合、PRB単位にDCIが割り当てられるので、サブフレームnにおけるサーチスペースの開始位置は以下の式(4)で求めることができる。
以下、図10を参照しながら、本発明の実施の形態に係る移動端末装置10および基地局装置20を有する無線通信システム1について説明する。移動端末装置10および基地局装置20は、LTE−Aをサポートしている。
図10に示すように、無線通信システム1は、基地局装置20と、この基地局装置20と通信する複数の移動端末装置10とを含んで構成されている。基地局装置20は、上位局装置30と接続され、この上位局装置30は、コアネットワーク40と接続される。また、基地局装置20は、有線接続または無線接続により相互に接続されている。各移動端末装置10は、セルC1、C2において基地局装置20と通信を行うことができる。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)等が含まれるが、これに限定されない。
各移動端末装置10は、LTE端末およびLTE−A端末を含むが、以下においては、特段の断りがない限り移動端末装置として説明を進める。また、説明の便宜上、基地局装置20と無線通信するのは各移動端末装置10であるものとして説明するが、より一般的には移動端末装置も固定端末装置も含むユーザ装置でよい。
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。なお、上りリンクの無線アクセス方式はこれに限定されない。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域を端末ごとに1つまたは連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
ここで、LTE−Aで規定される通信チャネル構成について説明する。下りリンクの通信チャネルは、各移動端末装置10で共有されるPDSCHと、下りL1/L2制御チャネル(PDCCH、PCFICH、PHICH)と、拡張PDCCHとを有する。PDSCHにより、ユーザデータおよび上位制御信号が伝送される。ここでは、サブフレームの先頭から所定のOFDMシンボル数(1〜3OFDMシンボル数)までの無線リソースに下り制御信号が多重され、所定のOFDMシンボル数より後の無線リソースに拡張PDCCH信号とPDSCH信号が周波数分割多重される。
拡張PDCCH(FDM型PDCCH)により、PDSCHおよびPUSCHのスケジューリング情報等が伝送される。拡張PDCCHは、PDSCHが割り当てられるリソース領域を用いてPDCCHの容量不足をサポートするために使用される。上位制御信号は、拡張PDCCHが設定されるPRB位置に関する情報(例えば、RBGの情報)、PDCCHおよび拡張PDCCHに対するアグリゲーションレベルの制限及びDCIフォーマット種別の制限、サーチスペースの開始位置を決定する制御式に用いるパラメータに関する情報などを含むことができる。
上りリンクの制御チャネルは、各移動端末装置10で共有されるPUSCHと、上りリンクの制御チャネルであるPUCCHとを有する。このPUSCHにより、ユーザデータが伝送される。PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、再送応答信号(ACK/NACK信号)等が伝送される。
図11を参照しながら、本実施の形態に係る基地局装置20の全体構成について説明する。基地局装置20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部(通知部)203と、ベースバンド信号処理部204と、呼処理部205と、伝送路インターフェース206とを備えている。
基地局装置20から移動端末装置10へ送信されるユーザデータは、基地局装置20の上位局装置30から伝送路インターフェース206を介してベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204は、PDCPレイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御、例えば、HARQの送信処理、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理を行う。
ベースバンド信号処理部204は、報知チャネルにより、移動端末装置10に対してセルにおける無線通信のための制御情報を通知する。セルにおける通信のための報知情報には、例えば、上りリンクまたは下りリンクにおけるシステム帯域幅、PRACHにおけるランダムアクセスプリアンブルの信号を生成するためのルート系列の識別情報(Root Sequence Index)等が含まれる。
各送受信部203は、ベースバンド信号処理部204からアンテナごとにプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。アンプ部202は、周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ201により送信する。一方、上りリンクにより移動端末装置10から基地局装置20に送信されるデータについては、各送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部202で増幅され、各送受信部203で周波数変換されてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部204に入力される。
ベースバンド信号処理部204では、入力されたベースバンド信号に含まれるユーザデータに対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース206を介して上位局装置30に転送される。呼処理部205は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、基地局装置20の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
次に、図12を参照しながら、本実施の形態に係る移動端末装置の全体構成について説明する。LTE端末もLTE-A端末もハードウエアの主要部構成は同じであるので、区別せずに説明する。移動端末装置10は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、アプリケーション部105とを備えている。
下りリンクのデータについては、複数の送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部102で増幅され、送受信部103で周波数変換されてベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部104でFFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理等がなされる。この下りリンクのデータの内、下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部105に転送される。アプリケーション部105は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理等を行う。また、下りリンクのデータの内、報知情報もアプリケーション部105に転送される。
一方、上りリンクのユーザデータは、アプリケーション部105からベースバンド信号処理部104に入力される。ベースバンド信号処理部104では、再送制御(H−ARQ (Hybrid ARQ))の送信処理や、チャネル符号化、プリコーディング、DFT処理、IFFT処理等が行われて各送受信部103に転送される。
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。その後、アンプ部102は、周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ101により送信する。
図13は、本実施の形態に係る基地局装置20が有するベースバンド信号処理部204および一部の上位レイヤの機能ブロック図であり、主にベースバンド信号処理部204の送信処理の機能ブロックを示している。図13には、最大M個(CC#0〜CC#M)のコンポーネントキャリア数に対応可能な基地局構成が例示されている。基地局装置20の配下となる移動端末装置10に対する送信データが上位局装置30から基地局装置20に対して転送される。
制御情報生成部300は、上位レイヤ・シグナリング(例えばRRCシグナリング)する上位制御情報をユーザ単位で生成する。また、上位制御情報は、あらかじめ拡張PDCCH(FDM型PDCCH)をマッピングできるリソース配置(PRB位置)信号を含むことができる。また、サーチスペースの開始位置を決定する上記各制御式に用いるパラメータに関する情報、アグリゲーションレベルの制限またはDCIフォーマット種別の制限に関する情報等を生成する。
データ生成部301は、上位局装置30から転送された送信データをユーザ別にユーザデータとして出力する。コンポーネントキャリア選択部302は、移動端末装置10との無線通信に使用されるコンポーネントキャリアをユーザごとに選択する。基地局装置20から移動端末装置10に対してRRCシグナリングによりコンポーネントキャリアの追加/削減を通知し、移動端末装置10から適用完了メッセージを受信する。
スケジューリング部310は、システム帯域全体の通信品質に応じて、配下の移動端末装置10に対するコンポーネントキャリアの割り当てを制御する。また、移動端末装置ごとに選択されたコンポーネントキャリアの中から特定のコンポーネントキャリア(PCC)が決められる。また、スケジューリング部310は、各コンポーネントキャリアCC#1−CC#Mにおけるリソースの割り当てを制御している。LTE端末ユーザとLTE−A端末ユーザとを区別してスケジューリングを行う。スケジューリング部310は、上位局装置30から送信データおよび再送指示が入力されるとともに、上りリンクの信号を測定した受信部からチャネル推定値やリソースブロックのCQIが入力される。
また、スケジューリング部310は、入力された再送指示、チャネル推定値およびCQIを参照しながら、上下制御情報および上下共有チャネル信号のスケジューリングを行う。移動通信における伝搬路は、周波数選択性フェージングにより周波数ごとに変動が異なる。そこで、スケジューリング部310は、各移動端末装置10へのユーザデータについて、サブフレームごとに通信品質の良好なリソースブロック(マッピング位置)を指示する(適応周波数スケジューリングと呼ばれる)。適応周波数スケジューリングでは、各リソースブロックに対して伝搬路品質の良好な移動端末装置10を選択する。そのため、スケジューリング部310は、各移動端末装置10からフィードバックされるリソースブロックごとのCQIを用いてリソースブロック(マッピング位置)を指示する。
同様に、スケジューリング部310は、適応周波数スケジューリングによって拡張PDCCHで送信される制御情報等について、サブフレームごとに通信品質の良好なリソースブロック(マッピング位置)を指示する。このため、スケジューリング部310は、各移動端末装置10からフィードバックされるリソースブロックごとのCQIを用いてリソースブロック(マッピング位置)を指示する。
また、スケジューリング部310は、移動端末装置10との間の伝搬路状況に応じてアグリゲーション数を制御する。PDCCHに関してはCCEアグリゲーション数、拡張PDCCHに関してはCCEアグリゲーション数(with cross interleavingの場合)またはVRBアグリゲーション数(without cross interleavingの場合)を制御する。なお、PDCCHと拡張PDCCHとでアグリゲーション数が制限される場合、制限されたアグリゲーション数の範囲内で制御する。例えば、PDCCHのアグリゲーション数が4,8に制限され、拡張PDCCHのアグリゲーション数が1,2に制限される。セル端ユーザに対してはCCEアグリゲーション数およびVRBアグリゲーション数を上げることになる。また、割り当てたリソースブロックで所定のブロック誤り率を満たすMCS(符号化率、変調方式)を決定する。スケジューリング部310が決定したMCS(符号化率、変調方式)を満足するパラメータがチャネル符号化部303、308、312、変調部304、309、313に設定される。
ベースバンド信号処理部204は、1コンポーネントキャリア内での最大ユーザ多重数Nに対応したチャネル符号化部303、変調部304、マッピング部305を備えている。チャネル符号化部303は、データ生成部301から出力されるユーザデータ(一部の上位制御信号を含む)で構成される下り共有データチャネル(PDSCH)を、ユーザごとにチャネル符号化する。変調部304は、チャネル符号化されたユーザデータをユーザごとに変調する。マッピング部305は、変調されたユーザデータを無線リソースにマッピングする。
また、ベースバンド信号処理部204は、複数のDCIフォーマットの中から所定のDCIフォーマットを使用して制御情報を生成する生成部(下り制御情報生成部306および上り制御情報生成部311)を備えている。複数のDCIフォーマットには、上りリンクグラントを内容とするDCIフォーマット(例えば、DCIフォーマット0/4)、下りリンクスケジューリング割当を内容とするDCIフォーマット(例えば、DCIフォーマット1Aなど)が含まれている。スケジューリング部310は、下り制御情報生成部306および上り制御情報生成部311に対して、PDCCHと拡張PDCCHとで適用するDCIフォーマットを制限することができる。例えば、PDCCHには下りDCIフォーマット(1A,2等)だけを適用するように制限し、拡張PDCCHには上りDCIフォーマット(0,4等)だけを適用するように制限する。また、スケジューリング部310は、拡張PDCCHに関しては、時間領域の前半スロットまたは後半スロットには同一ビットサイズのDCIフォーマットが複数配置されるように制御する。
下り制御情報生成部306は、下りリンクスケジューリング割当を内容とするDCIフォーマット(例えば、DCIフォーマット1Aなど)を用いて、PDSCHを制御するための下り共有データチャネル用制御情報を生成する。この際、当該下り共有データチャネル用制御情報は、ユーザごとに生成される。また、当該下り共有データチャネル用制御情報は、PDSCHが割り当てられた上りサービングセルを識別する識別フィールド(CIF)が含まれる。スケジューリング部310は、クロスキャリアスケジューリングが適用される場合、CIF値に基づいてサーチスペース開始位置を決定する。スケジューリング部310は、with cross interleavingの場合、式(3)で計算されるサーチスペース開始位置に基づいてサーチスペースを設定し、without cross interleavingの場合、式(4)で計算されるサーチスペース開始位置に基づいてサーチスペースを設定する。また、ベースバンド信号処理部204は、ユーザ共通の下り制御情報である下り共通制御チャネル用制御情報を生成する下り共通チャネル用制御情報生成部307を備えている。
上り制御情報生成部311は、上りリンクグラントを内容とするDCIフォーマット(例えば、DCIフォーマット0/4)を用いて、PUSCHを制御するための上り共有データチャネル用制御情報を生成する。当該上り共有データチャネル用制御情報は、ユーザごとに生成される。また、当該上り共有データチャネル用制御情報は、PUSCHが割り当てられた上りサービングセルを識別する識別フィールド(CIF)が含まれる。また、ベースバンド信号処理部204は、生成した上り共有データチャネル用制御情報をユーザごとにチャネル符号化するチャネル符号化部312と、チャネル符号化した上り共有データチャネル用制御情報をユーザごとに変調する変調部313とを備える。
セル固有参照信号生成部318は、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)を生成する。セル固有参照信号(CRS)は、上記PDCCH領域の無線リソースに多重されて送信される。また、ユーザ個別参照信号生成部320は、下り復調参照信号(DM−RS:Downlink Modulation-Reference Signal)を生成する。ユーザ固有の下り復調参照信号(DM−RS)は、上記PDSCH領域の無線リソースに多重されて送信される。
上記変調部309、313でユーザごとに変調された制御情報は制御チャネル多重部314で多重される。PDCCH用の下り制御情報は、サブフレームの先頭から1〜3OFDMシンボルに多重され、インタリーブ部315でインタリーブされる。一方、拡張PDCCH(FRM型PDCCH)用の下り制御情報は、サブフレームの所定のシンボル数より後の無線リソースに周波数分割多重され、マッピング部319でリソースブロック(PRB)にマッピングされる。この場合、マッピング部319は、スケジューリング部310からの指示に基づいてマッピングする。なお、マッピング部319は、without cross interleavingだけでなく、with cross interleavingを適用してマッピングしてもよい。
プリコーディングウエイト乗算部321は、複数のアンテナごとに、サブキャリアにマッピングされた送信データおよびユーザ個別の復調用参照信号(DM−RS)の位相および/または振幅を制御(シフト)する。プリコーディングウエイト乗算部321により位相および/または振幅シフトされた送信データおよびユーザ個別の復調用参照信号(DM−RS)は、IFFT部316に出力される。
IFFT部316には、インタリーブ部315およびマッピング部318から制御信号が入力され、マッピング部305からユーザデータが入力される。IFFT部316は、下りチャネル信号を逆高速フーリエ変換して周波数領域の信号から時系列の信号に変換する。サイクリックプレフィックス挿入部317は、下りチャネル信号の時系列信号にサイクリックプレフィックスを挿入する。なお、サイクリックプレフィックスは、マルチパス伝搬遅延の差を吸収するためのガードインターバルとして機能する。サイクリックプレフィックスが付加された送信データは、送受信部203に送出される。
図14は、ユーザ端末10が有するベースバンド信号処理部104の機能ブロック図であり、LTE−AをサポートするLTE-A端末の機能ブロックを示している。
無線基地局装置20から受信データとして受信された下りリンク信号は、CP除去部401でCPが除去される。CPが除去された下りリンク信号は、FFT部402へ入力される。FFT部402は、下りリンク信号を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)して時間領域の信号から周波数領域の信号に変換し、デマッピング部403へ入力する。デマッピング部403は、下りリンク信号をデマッピングし、下りリンク信号から複数の制御情報が多重された多重制御情報、ユーザデータ、上位制御信号を取り出す。なお、デマッピング部403によるデマッピング処理は、アプリケーション部105から入力される上位制御信号に基づいて行われる。デマッピング部403から出力された多重制御情報は、デインタリーブ部404でデインタリーブされる。なお、インタリーブされていない拡張PDCCH信号は、デインタリーブ部404を介さずに制御情報復調部405に入力される構成とすることができる。
また、ベースバンド信号処理部104は、制御情報を復調する制御情報復調部405、下り共有データを復調するデータ復調部406およびチャネル推定部407を備えている。制御情報復調部405は、多重制御情報から下り共通制御チャネル用制御情報を復調する共通制御チャネル用制御情報復調部405aと、多重制御情報から上り共有データチャネル用制御情報を復調する上り共有データチャネル用制御情報復調部405bと、多重制御情報から下り共有データチャネル用制御情報を復調する下り共有データチャネル用制御情報復調部405cとを備えている。データ復調部406は、ユーザデータおよび上位制御信号を復調する下り共有データ復調部406aと、下り共通チャネルデータを復調する下り共通チャネルデータ復調部406bとを備えている。
共通制御チャネル用制御情報復調部405aは、下りリンク制御チャネル(PDCCH)の共通サーチスペースのブラインドデコーディング処理、復調処理、チャネル復号処理などによりユーザ共通の制御情報である共通制御チャネル用制御情報を取り出す。共通制御チャネル用制御情報は、下りリンクのチャネル品質情報(CQI)を含んでおり、マッピング部415に入力され、基地局装置20への送信データの一部としてマッピングされる。
上り共有データチャネル用制御情報復調部405bは、下りリンク制御チャネル(PDCCH)のユーザ個別サーチスペースのブラインドデコーディング処理、復調処理、チャネル復号処理などにより上り共有データチャネル用制御情報(例えば、UL Grant)を取り出す。復調された上り共有データチャネル用制御情報は、マッピング部415に入力されて、上り共有データチャネル(PUSCH)の制御に使用される。
下り共有データチャネル用制御情報復調部405cは、下りリンク制御チャネル(PDCCH)のユーザ個別サーチスペースのブラインドデコーディング処理、復調処理、チャネル復号処理などによりユーザ固有の下り共有データチャネル用制御情報(例えば、DL assignment)を取り出す。復調された下り共有データチャネル用制御情報は、下り共有データ復調部406へ入力されて、下り共有データチャネル(PDSCH)の制御に使用され、下り共有データ復調部406aに入力される。
制御情報復調部405は、サブフレームの先頭シンボルからPCFICHを復調してPDCCHが配置される制御領域を特定し、特定された制御領域からPDCCHを復調する。また、制御情報復調部405は、制御領域の次シンボルからサブフレームの最終シンボルまでの無線リソース(データ領域)に周波数分割多重されている拡張PDCCHを復調する。
クロスキャリアスケジューリングが適用される場合、制御情報復調部405は、with cross interleavingの場合には、式(3)でサーチスペース開始位置を計算し、計算したサーチスペース開始位置に基づいて特定されるサーチスペースをブラインドデコーディングする。また、without cross interleavingの場合には、式(4)でサーチスペース開始位置を計算し、計算されるサーチスペース開始位置に基づいてサーチスペースをブラインドデコーディングする。
なお、”with cross interleaving”が適用された拡張PDCCHおよびPDCCHに対してCCE単位でブラインドデコーディングし、”without cross interleaving”が適用された拡張PDCCHおよびPDCCHに対して、VRB単位でブラインドデコーディングする。
制御情報復調部405は、拡張PDCCHとPDCCHのアグリゲーション数の制限情報が通知されている場合、拡張PDCCHとPDCCHとでそれぞれ制限された各アグリゲーションレベルに応じたブラインドデコーディングを実行する。また、PDCCHには下りDCI(フォーマット1A,2等)が割り当てられ、拡張PDCCHには上りDCI(フォーマット0,4等)が割り当てられる場合は、PDCCHから下りDCIが復調され、拡張PDCCHから上りDCIが復調される。拡張PDCCHについて、前半スロットまたは後半スロットに同一ビットサイズのDCIフォーマットが複数配置されている場合は、同一ビットサイズのDCIフォーマットは1度のブラインドデコーディングによって同時に復調される。
下り共有データ復調部406aは、下り共有データチャネル用制御情報復調部405cから入力された下り共有データチャネル用制御情報に基づいて、ユーザデータや上位制御情報を取得する。上位制御情報に含まれる拡張PDCCHがマッピング可能なPRB位置(VRB位置)は、下り共有データチャネル用制御情報復調部405cに出力される。下り共通チャネルデータ復調部406bは、上り共有データチャネル用制御情報復調部405bから入力された上り共有データチャネル用制御情報に基づいて、下り共通チャネルデータを復調する。
チャネル推定部407は、ユーザ固有の参照信号(DM−RS)、またはセル固有の参照信号(CRS)を用いてチャネル推定する。通常のPDCCH、with cross interleavingの拡張PDCCHを復調する場合には、セル固有の参照信号を用いてチャネル推定する。一方、without cross interleavingの拡張PDCCHおよびユーザデータを復調する場合には、DM−RSおよびCRSを用いてチャネル推定する。推定されたチャネル変動を、共通制御チャネル用制御情報復調部405a、上り共有データチャネル用制御情報復調部405b、下り共有データチャネル用制御情報復調部405cおよび下り共有データ復調部406aに出力する。これらの復調部においては、推定されたチャネル変動および復調用の参照信号を用いて復調処理を行う。
ベースバンド信号処理部104は、送信処理系の機能ブロックとして、データ生成部411、チャネル符号化部412、変調部413、DFT部414、マッピング部415、IFFT部416、CP挿入部417を備えている。データ生成部411は、アプリケーション部105から入力されるビットデータから送信データを生成する。チャネル符号化部412は、送信データに対して誤り訂正等のチャネル符号化処理を施し、変調部413はチャネル符号化された送信データをQPSK等で変調する。
DFT部414は、変調された送信データを離散フーリエ変換する。マッピング部415は、DFT後のデータシンボルの各周波数成分を、基地局装置20に指示されたサブキャリア位置へマッピングする。IFFT部416は、システム帯域に相当する入力データを逆高速フーリエ変換して時系列データに変換し、CP挿入部417は時系列データに対してデータ区切りでサイクリックプレフィックスを挿入する。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、さまざまに変更して実施可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更が可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施可能である。
本明細書には以下の発明の開示を含む。
(1-1)
移動端末装置宛の第1及び第2の下り制御信号を生成する信号生成部と、
第1の下り制御信号を、サブフレームの先頭から所定シンボル数までの制御領域に多重する第1の多重部と、
第2の下り制御信号を、制御領域の次シンボルからサブフレームの最終シンボルまでの無線リソースに周波数分割多重する第2の多重部と、
制御領域に多重された第1の下り制御信号と無線リソースに多重された第2の下り制御信号を送信する送信部と、
を有することを特徴とする無線基地局装置。
(1-2)
(1-1)の無線基地局装置において、第1の下り制御信号と第2の下り制御信号にそれぞれ割り当てるリソース要素の集約数を制御するスケジューラを備え、
前記スケジューラは、第1の下り制御信号と第2の下り制御信号とに異なる集約数を設定することにより、第1の下り制御信号と第2の下り制御信号に設定されるリソース要素の集約数を制限することを特徴とする。
(1-3)
(1-2)の無線基地局装置において、第1の下り制御信号と第2の下り制御信号に対するリソース要素の集約数の制限情報を、上位レイヤのシグナリングを用いて前記移動端末装置に通知することを特徴とする。
(1-4)
(1-1)の無線基地局装置において、第1の下り制御信号を、下りリンクデータチャネル制御用のフォーマットに制限し、第2の下り制御信号を、上りリンクデータチャネル制御用のフォーマットに制限するスケジューラを具備したことを特徴とする。
(1-5)
(1-4)の無線基地局装置において、第1の下り制御信号と第2の下り制御信号に対するデータチャネル制御用のフォーマットの制限情報を、上位レイヤのシグナリングを用いて前記移動端末装置に通知することを特徴とする。
(1-6)
(1-1)の無線基地局装置において、第2の下り制御信号が割り当てられた無線リソースの前半スロットと後半スロットとで、少なくとも一方のスロットに同一ビットサイズの下り制御信号フォーマットが複数配置されるように各スロットのフォーマット種別を制限することを特徴とする。
(1-7)
(1-1)の無線基地局装置において、セカンダリセルで送信するデータチャネル用の第2の下り制御信号を、プライマリから送るクロスキャリアスケジューリングが適用されている場合、データチャネルを送信するセルを示すCIF(Carrier Indicator Field)値に基づいて、サーチスペースの開始位置を決定することを特徴とする。
(1-8)
サブフレームの先頭から所定シンボル数までの制御領域に多重された第1の下り制御信号と、制御領域の次シンボルからサブフレームの最終シンボルまでの無線リソースに周波数分割多重された第2の下り制御信号を受信する受信部と、
受信した第1の下り制御信号をセル固有の参照信号を用いてチャネル推定し、受信した第2の下り制御信号をセル固有又はユーザ固有の参照信号を用いてチャネル推定するチャネル推定部と、
チャネル推定結果を用いて第1及び第2の下り制御信号を復調する復調部と、
を具備したことを特徴とする移動端末装置。
(1-9)
(1-8)の移動端末装置において、前記復調部は、第1の下り制御信号を制限された集約数でブラインドデコーディングし、第2の下り制御信号を第1の下り制御信号とは異なる制限された集約数でブラインドデコーディングすることを特徴とする。
(1-10)
(1-8)の移動端末装置において、前記復調部は、下りリンクデータチャネル制御用のフォーマットに制限された第1の下り制御信号を時間的に先に復号し、上りリンクデータチャネル制御用のフォーマットに制限された第2の下り制御信号をその後に復号することを特徴とする。
(1-11)
(1-8)の移動端末装置において、前記受信部は、少なくとも一方のスロットに同一ビットサイズの下り制御信号フォーマットが複数配置されるように、前半スロットと後半スロットとでフォーマット種別が制限された第2の下り制御信号を受信し、
前記復調部は、少なくとも一方のスロットにおいて、同一ビットサイズの複数の下り制御信号フォーマットを1度にブラインドデコーディングすることを特徴とする。
(1-12)
(1-8)の移動端末装置において、前記復調部は、セカンダリセルで送信するデータチャネル用の第2の下り制御信号を、プライマリから送るクロスキャリアスケジューリングが適用されている場合、データチャネルを送信するセルを示すCIF(Carrier Indicator Field)値に基づいて、サーチスペースの開始位置を決定することを特徴とする。
(1-13)
無線基地局装置で生成された第1及び第2の下り制御信号及び下りデータ信号を移動端末装置に対して送信し、前記移動端末装置において受信した第1及び第2の下り制御信号を復調する無線通信システムであって、
前記無線基地局装置は、
移動端末装置宛の第1及び第2の下り制御信号を生成する信号生成部と、
第1の下り制御信号を、サブフレームの先頭から所定シンボル数までの制御領域に多重する第1の多重部と、
第2の下り制御信号を、制御領域の次シンボルからサブフレームの最終シンボルまでの無線リソースに周波数分割多重する第2の多重部と、
制御領域に多重された第1の下り制御信号と無線リソースに多重された第2の下り制御信号を送信する送信部と、を具備し、
前記移動端末装置は、
サブフレームの先頭から所定シンボル数までの制御領域に多重された第1の下り制御信号と、制御領域の次シンボルからサブフレームの最終シンボルまでの無線リソースに周波数分割多重された第2の下り制御信号を受信する受信部と、
受信した第1の下り制御信号をセル固有の参照信号を用いてチャネル推定し、受信した第2の下り制御信号をセル固有又はユーザ固有の参照信号を用いてチャネル推定するチャネル推定部と、
チャネル推定結果を用いて第1及び第2の下り制御信号を復調する復調部と、を具備したことを特徴とする無線通信システム。
(1-14)
移動端末装置宛の第1及び第2の下り制御信号を生成するステップと、
第1の下り制御信号を、サブフレームの先頭から所定シンボル数までの制御領域に多重するステップと、
第2の下り制御信号を、制御領域の次シンボルからサブフレームの最終シンボルまでの無線リソースに周波数分割多重するステップと、
制御領域に多重された第1の下り制御信号と無線リソースに多重された第2の下り制御信号を送信するステップと、を具備したことを特徴とする無線通信方法。
(1-15)
サブフレームの先頭から所定シンボル数までの制御領域に多重された第1の下り制御信号と、制御領域の次シンボルからサブフレームの最終シンボルまでの無線リソースに周波数分割多重された第2の下り制御信号を受信するステップと、
受信した第1の下り制御信号をセル固有の参照信号を用いてチャネル推定し、受信した第2の下り制御信号をセル固有又はユーザ固有の参照信号を用いてチャネル推定するステップと、
チャネル推定結果を用いて第1及び第2の下り制御信号を復調するステップと、
を具備したことを特徴とする無線通信方法。