JP5765512B2 - バイオシリカの製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、バイオシリカ(bio-silica)の製造法、およびバイオシリカの製造においてバイオシリカの形状を制御する方法等に関する。
シリカは多種多様な用途に欠かせない材料であるが、一般に工業的なシリカ材料の作製方法は酸やアルカリの薬品を大量に使用し、かつ反応にも長時間を要する。これに対し、近年、生物を使用するバイオミネラリゼーションが注目を浴びている。
生物の歯や骨、貝殻や真珠などは、有機物と無機物とが互いにナノスケールからマクロスケールで融合または複合した構造体である。このような鉱物を生物が作り出す作用をバイオミネラリゼーションと呼ぶ。自然界では、膨大な量のシリカ(SiO2)が生物によって産出・利用されている。その生物の代表例が単細胞の珪藻である。珪藻の細胞壁は多くの植物の細胞壁とは異なり、セルロースではなくシリカを主成分として構成されている。
1999年以降Kroegerらにより、海洋性珪藻Cylindrotheca fusiformisの細胞壁をフッ素酸で溶かした溶液から、4kDa〜8kDaのポリペプチドSilaffin-1A1,Silaffin-1A2,Silaffin-1Bが単離され、これらのポリペプチドそれぞれにin vitroにおいて球状バイオシリカ形成能があることが示された(非特許文献1、2参照)。また、これら3種類のポリペプチドのアミノ酸配列はsilaffin-1と呼ばれる遺伝子上に、Silaffin-1A2とSilaffin-1Bとは1回ずつ、Silaffin-1A1は5回繰り返しコードされていた(図1参照)。
Silaffin-1は翻訳後調節により細胞内で分解作用を受け、それぞれの機能リピート単位に断片化されてから機能すると考えられているが、実際に生体内で各機能リピート単位に分かれてから機能しているかどうかは不明であり、リピート構造が保たれたまま機能している可能性も否定できない。いずれにしても、ケイ酸を顆粒状に凝集させ、球状バイオシリカ形成活性を有するこれらのポリペプチド(以下、総称して「シラフィン」という。)は、他の種類の珪藻にも存在し、珪藻殻形成に関与していると考えられている。
ところで近年、半導体微細加工技術をはじめとするナノテクノロジー分野では、生体物質の自己組織化機能に注目が集まっている。中でも、自然界の珪藻殻が持つ幾何学的な微細構造が注目されている。上述のように、珪藻由来ペプチドのシラフィンがin vitro系で珪酸を顆粒状に凝集させ、バイオシリカ形成活性を有することから、この生体物質の自己組織化機能を細胞外の人工的な環境で良好に再現・コントロールすることで、珪藻殻自己組織化機能を利用した人工バイオミネラリゼーション技術を開発・確立し、さらにこれを半導体微細加工技術に応用することが期待されている。そのため、例えばシラフィンを用いて半導体基板表面にナノスケールのバイオシリカを形成する場合に、基板表面へのシラフィンの吸着を制御することで、基板上にバイオシリカを所望のパターンに形成する技術の開発が求められている。
シラフィンを用いたバイオシリカの製造は、半導体微細加工技術への応用にとどまらず、種々の産業利用が期待されている。その一例が、バイオシリカを酵素などの生体高分子の固定化用担体として利用し、この機能高分子担体をバイオリアクターやバイオセンサー等に利用する技術の開発である。ナノスケールの球状バイオシリカは単位重量あたりの表面積が非常に大きく、このバイオシリカに活性を保持したまま酵素などの機能高分子を固定することで、バイオリアクター等に有用な優れた反応素子の提供が期待できる。また、ナノスケールのバイオシリカは球状以外の形状(例えば、繊維状)についても、マイクロフィルター、シリカナノファイバー、またはそれらの中に高分子機能を包埋した機能材料等の幅広い分野に応用し得る。そのためには、バイオシリカの形状や粒径(粒の大きさ)を良好に制御し、特にその微細化を図る方法が求められている。もちろん、バイオシリカの微細化は半導体微細加工技術への応用においても重要である。
これまでに、シラフィンまたはそのキメラ蛋白を使用してバイオシリカを製造する方法がいくつか報告されている(特許文献1、非特許文献3〜7参照)。さらに、組換えシラフィン(EAK1-R5)により形成されるシリカの大きさや構造は、温度や試薬の添加順序などによって操作が可能なことも示されている(非特許文献3参照)。しかし、これらの文献では、いずれも基質として高価なテトラメトキシシラン(TMOS)が用いられており、製造コストがかかることが難点であった。また、生成されるシリカの形状を制御する方法についても、より安全性及び操作性の優れたものが求められているのが現状である。
一方、ケイ酸ナトリウムを原料にしてミクロサイズのシリカを製造する方法についても報告がある。1つは非イオン性界面活性剤の存在下でアルカリケイ酸塩水溶液と鉱酸を混合撹拌してマイクロポアシリカ多孔質粒子を得る方法で(特許文献2)、もう1つはケイ酸ナトリウムをウシ血清アルブミン存在下で重合することにより生成粒子径を制御する方法である(非特許文献8)。しかしながら、これらはいずれもシラフィンを用いてバイオシリカを製造する方法ではない。
特開2006−197825号公報 特開2004−182492号公報
Nils Kroeger, Rainer Deutzmann, Manfred Sumper (1999) Polycationic Peptides from Diatom Biosilica That Direct Silica Nanosphere Formation. Science, 286:1129-1132. Nils Kroeger, Rainer Deutzmann, Manfred Sumper (2001) Silica-precipitating Peptides from Diatoms: The Chemical Structure of Silaffin-1A from Cylindrotheca fusiformis. J. Biol. Chem., 276:26066-26070. Marner WD et al, Biomacromol., (2008), vol. 9, No.1, p.1-5 M.B. Dickerson et al., J Nanoscience Nanotechnology, (2005), vol. 5, No.1, p.63-67 Rajesh R. Naik et al., Chem. Commun., 2004, 7; (15), p.1684-85 日本植物生理学会年会 要旨集、vol.49, p.357, 2008年 日本農芸化学会大会講演要旨集、vol.2007, p.18, 2007年 T Coradin, ChemBioChem, 2003, 3, p.1-9
上述の通り、ナノオーダーの特定形状のシリカは、様々な分野への応用が期待されているが、従来の方法では製造コストが高く、また得られるバイオシリカの形状制御も困難であるという問題があった。そこで、本発明は、シラフィンを用いたバイオシリカの新規製造法、および、シラフィンを用いたバイオシリカの製造において、バイオシリカの微細化を図るためその形状を制御する方法を提供すること等をその課題とする。
本発明者らは、大腸菌発現系により大量精製した単リピート型シラフィンおよび7回リピート型シラフィンの2種類の組換えシラフィンを用いて種々のバイオシリカ形成条件について検討した結果、バイオシリカの形状及び粒径が、用いる基質を選択すること、及び/又は当該基質に応じて反応液中或いは反応液の表面に中性環境を作成することによって変化し、これら該中性領域のpH勾配を調節することで、形成されるバイオシリカの形状及び粒径を制御しうること等を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、産業上有用な発明として、下記の発明を包含するものである。
項1.シラフィンを用いてバイオシリカを製造するにあたり、用いるケイ酸原を選択すること並びに/又はシラフィン及びケイ酸原を含有する反応液のpHを変えてpH勾配を形成することにより、得られる形状を制御することを特徴とするバイオシリカの製造方法。
項2.ケイ酸原が活性ケイ酸である、項1に記載の製造方法。
項3.シラフィン及び活性ケイ酸を含有する酸性反応液に塩基を添加して中性環境を形成する、項2に記載の製造方法。
項4.シラフィン及び活性ケイ酸を含有する酸性反応液のpHが2〜4の範囲である、項3に記載の製造方法。
項5.シラフィン及びケイ酸ソーダを含有する塩基性反応液に酸を添加して中性環境を形成する、項1に記載の製造方法。
項6.シラフィンが組換えシラフィンである、項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
項7.シラフィンが単リピート型又は7回リピート型の組換えシラフィンである、項6に記載の製造方法。
項8.シラフィンがヒスチジンのタグを付加した組換えシラフィンである、請求項6又は7記載の製造方法。
項9.項1〜8のいずれかの方法により製造されたバイオシリカ。
項10.シラフィン及びケイ酸を含有する酸性若しくはアルカリ性反応液中に、アルカリ若しくは酸を添加又は接触させて、該反応液中又は反応液の表面にpH勾配を形成させ、それにより形成されるバイオシリカの形状を制御する方法。
本発明によれば、バイオシリカの形状及び粒径を制御することにより新規なバイオシリカが得られ、高い強度のシリカ構造や安定な無機物−有機物コンポジットの形成が可能になる。それらは新規機能材料として幅広い分野に使用できる。
また、本発明のシラフィンを用いたバイオシリカの製造方法により、バイオシリカを限られた領域に規則性を持って配列できるようになるため、本発明は半導体微細加工の新たな技術としても非常に有用である。
さらに、本発明のシラフィンを用いたバイオシリカの製造方法によって得られた様々な形状のシリカは、マイクロフィルター、シリカナノファイバー等としても利用することができ、またそれらの中に例えばビオチンのような極めて吸着容量の大きな低分子を包埋することにより、あらゆるタンパク質の固定化担体としても利用し得る。
海洋性珪藻Cylindrotheca fusiformis由来シラフィン-1の全アミノ酸配列、および組換えシラフィン等を説明する図である。 酸性のシラフィン反応液に塩基を滴下することによって得られるバイオシリカ形成を示す写真である。A:活性ケイ酸をシラフィン反応液に滴下した後の最初の反応を示す。B:単リピートシラフィンによって形成された最初の反応生成物を示す。D:水酸化ナトリウムを滴下することによって得られたバイオシリカ形成を示す。E、G:水酸化ナトリウム(E)及びTris−Base(G)を滴下した場合に形成された繊維状バイオシリカを示す。C、F、H:シラフィンなし。 酸性シラフィン反応液に各種濃度の水酸化ナトリウムを滴下した場合のバイオシリカ形成を示す写真である。A:単リピート型シラフィン、B:7回リピート型シラフィン。 アルカリ性のシラフィン反応液に酸を滴下することによって得られるバイオシリカ形成を示す写真である(単リピート型シラフィンを用いた)。A:塩酸添加前のシラフィン反応液。B:シラフィンを含まない反応液。C:塩酸を滴下した後の最初の反応。D:塩酸を滴下した後のシラフィンを含まない反応液。E:一度シリカ沈殿が観察されたシラフィン反応液に塩酸を滴下することによってさらに形成されたバイオシリカ。 アルカリ性のシラフィン反応液に酸を滴下することによって得られるバイオシリカ形成を示す写真である(単リピート型シラフィンを用いた)。A:硫酸を滴下することによって形成されたバイオシリカのSEM顕微鏡画像。B:硫酸を滴下することによって形成されたバイオシリカの粒径分布。C、D:塩酸を用いた場合の結果。E、F:酢酸を用いた場合の結果。 アルカリ性のシラフィン反応液に酸を滴下することによって得られるバイオシリカ形成を示す写真である(シラフィン濃度は10μMであり、単リピート型シラフィンを用いた)。A、B:硫酸を滴下することによって得られたバイオシリカのSEM顕微鏡画像(A:低倍率、B:高倍率)。C:硫酸を滴下することによって得られたバイオシリカの粒径分布。D、E、F:塩酸を用いた場合の結果。G、H、I:酢酸を用いた場合の結果。
以下、本発明の好ましい態様について説明する。なお、本明細書および図面においてアミノ酸等を略号で表記する場合、その表記はIUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclature による略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、例えばアミノ酸については、GまたはGly:グリシン、AまたはAla:アラニン、VまたはVal:バリン、LまたはLeu:ロイシン、IまたはIle:イソロイシン、SまたはSer:セリン、TまたはThr:スレオニン、CまたはCys:システイン、MまたはMet:メチオニン、EまたはGlu:グルタミン酸、DまたはAsp:アスパラギン酸、KまたはLys:リジン、RまたはArg:アルギニン、HまたはHis:ヒスチジン、FまたはPhe:フェニルアラニン、YまたはTyr:チロシン、WまたはTrp:トリプトファン、PまたはPro:プロリン、NまたはAsn:アスパラギン、QまたはGln:グルタミンである。
[1]バイオシリカの製造方法
本発明のバイオシリカ製造法の一実施態様として、シラフィンを用いてバイオシリカを製造するにあたり、ケイ酸原を選択することによって、反応液のpHを変えることなく製造することができる。
さらに、好ましい実施態様としては、選択するケイ酸原に応じて、シラフィン及び当該ケイ酸原を含有する酸性若しくはアルカリ性反応液中又は該反応液の表面で中性環境を形成し、該中性環境の領域においてバイオシリカを形成させれば、より効率的に短時間で新規な形状のバイオシリカを製造することが出来る。
シラフィンは、天然シラフィン、合成シラフィンまたは組換えシラフィンの使用が例示され、特に限定されるものではないが、大腸菌などを用いた大量調製が可能なことから組換えシラフィンの使用が好ましい。図1および配列表の配列番号1には、海洋性珪藻Cylindrotheca fusiformis由来天然シラフィン-1(Silaffin-1)の全アミノ酸配列が示される。この一部のポリペプチド(SSKKSGSYSGSKGSK)を化学合成した合成シラフィンには、バイオシリカ形成能(沈積能)が認められている。組換えシラフィンとしては、常法に従い得られる組換えシラフィンが用いられる。たとえば、上記のようなバイオシリカ形成活性の中心となる配列をコードした遺伝子領域を含む発現ベクターを構築し、これらを導入して形質転換された、大腸菌を培養することにより得られるシラフィンを用いることができる。また、何らかの機能タンパク質の遺伝子を、バイオシリカ形成活性の中心となる配列をコードした遺伝子に融合させたもので、大腸菌を形質転換し、これらの大腸菌を培養して得られるシラフィンを用いてもよく、得られるシラフィンがバイオシリカ形成活性を有する限り用いることができる。ここで発現ベクターの構築、形質転換、大腸菌の培養などの手法としては、周知の操作と材料を用いて行うことができる。
本発明者が大腸菌発現系により大量精製した単リピート型シラフィンおよび7回リピート型シラフィンの2種類の組換えシラフィンの配列が、それぞれ配列番号4と5に示される。このうち単リピート型シラフィンは、シラフィン-1のリピート単位R7のアミノ酸配列(配列番号2)のN末にメチオニンを、C末にロイシン、グルタミン酸およびヒスチジンヘキサマーを付加したアミノ酸配列からなる。他方、7回リピート型シラフィンは、シラフィン-1の7つのリピート単位R1〜R7のアミノ酸配列(配列番号3)のN末にメチオニンを、C末にロイシン、グルタミン酸およびヒスチジンヘキサマーを付加したアミノ酸配列からなる(図1参照)。
後述の実施例に示すように、上記の単リピート型シラフィンおよび7回リピート型シラフィンのいずれもバイオシリカ形成活性が確認されているので、これらの組換えシラフィンを本発明に使用することが好ましい。これらの組換えシラフィンは、ニッケルカラムを用いて精製するためにC末にヒスチジンのタグを付加しているが、このようにヒスチジンのタグを付加した組換えシラフィンを使用することは以下の点から好ましい。即ち、シラフィンを用いてin vitro系でバイオシリカを形成する場合に、反応溶液中にニッケルイオンを加えることで、組換えシラフィンのヒスチジン側鎖がニッケルイオンと結合し、ニッケルを含有した特殊なバイオシリカの形成が可能である。このように他の原子・分子と結合親和性のある配列タグを付加した組換えシラフィンを使用することは、他の原子・分子を含有した特殊なバイオシリカを形成するのに有用である。なお、付加するのに好ましいヒスチジンタグの大きさは、ヘキサマー以上である。
もちろん、使用する単リピート型シラフィン、7回リピート型シラフィンの各アミノ酸配列は配列番号2〜5に示されるものに限られず、このうち1〜数個のアミノ酸を置換、欠失または付加させたものを使用してもよいし、2〜6回リピート型のシラフィンを使用してもよい。さらに、バイオシリカ形成活性を有する限り、他の珪藻由来のシラフィンや、その合成シラフィン、組換えシラフィンを使用してもよい。ここで、バイオシリカ形成活性を有するシラフィンとは、自発的なゲル化などの沈積作用でなく、短時間に、さまざまなケイ酸分子の重合を引き起こし、タンパク質乃至ペプチド等の生体高分子生成を促進する活性を有するシラフィンをいう。
本発明の製造方法の一実施態様においては、バイオシリカの原料となる物質であるケイ酸原(換言すれば、シラフィンのバイオシリカ形成活性の基質となる物質)を選択することによりバイオシリカを形成する場合、ケイ酸原の選択は、初期重合度を指標にして行うことができる。例えば、当該指標に基づいて、ケイ酸原として活性ケイ酸などを選択使用すれば、酸性環境においてpHを変えることなくバイオシリカを製造できる。本発明において、「初期重合度が低い」とは、通常、初期平均重合度が約200以下、好ましくは100程度以下のことをいう。このようなケイ酸原のなかでも、生成直後の活性ケイ酸やテトラアルコキシシランからアルコキシ基を脱離した直後のものなどが好適な例として挙げられ、さらには、イオン交換樹脂などを用いてケイ酸ソーダから結合するナトリウムなどをはずして得られる活性ケイ酸などがより好ましい。好適な活性ケイ酸としては、製造してすぐの、初期重合度の低いものが好ましく、とりわけ、200程度以下の重合度、好ましくは100程度以下の重合度のもの、より好ましくは30程度以下の重合度のものが好ましい。粒度としては、粒径が5nm以下、好ましくは、1〜4nmの粒径の活性ケイ酸が好ましい。
上述のように、生成直後の活性ケイ酸などが望ましく用いられるが、さらに、シラフィン及びケイ酸原を含有する反応液を酸性環境乃至塩基性環境からpHを変えて中性環境にし、バイオシリカを形成すれば、より効率的にシリカを形成することができる。
本発明のバイオシリカ製造法の好ましい実施態様において、シラフィン及びケイ酸原を含有する反応液のpHを変えてpH勾配を形成することによりバイオシリカを形成する場合、使用するケイ酸原は特に限定はされないが、酸性又はアルカリ性のケイ酸類を用いるのが好ましい。使用できる具体的な基質・原料の例示としては、活性ケイ酸(SiO2)、ケイ酸ソーダ(ケイ酸ナトリウム(Na2O・nSiO2・mH2O、式中n及びmは整数を表す))、ケイ酸カリウム、メタケイ酸マグネシウム(MgSiO3)、オルトケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4)、マグネシウムトリシリケート(Mg2Si3O8)、マグネシウムメゾトリシリケート、蛇紋石(Mg3Si2O7)、三ケイ酸マグネシウム・などのケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸ナトリウム、ケイ酸カルシウムアルミニウム、テトラメトキシシランなどのテトラアルコキシシランなどが挙げられる。好ましい具体例としては、活性ケイ酸、ケイ酸ソーダ、ケイ酸カリウム、テトラメトキシシランなどのテトラアルコキシシランからアルコキシ基を脱離した直後のものなどが挙げられ、とりわけ、活性ケイ酸(特に生成直後の活性ケイ酸)が好ましい。
本発明の製造方法の好ましい実施態様の一つを以下に具体的に説明する。
まず、反応液のpHを変えてpH勾配を形成することによるバイオシリカ形成反応のために、シラフィン、基質・原料となるケイ酸原(例えば活性ケイ酸)、水、緩衝液を含有する反応液を作成する。反応液中に含有させるシラフィンの量は、単リピート型シラフィンの場合、終濃度が通常100nM〜100μM、好ましくは1μM〜10μMとなるように調節し、7回リピート型シラフィンの場合、終濃度が通常10nM〜100μM、好ましくは100nM〜10μMとなるように調節する。また、反応液に含有させるケイ酸原の量は使用するケイ酸原料の種類によっても異なるが、ケイ素のモル量として終濃度が通常10mM〜300mM、好ましくは25mM〜200mMとなるように調節する。
当該反応液は、使用するケイ酸原の種類によって、酸性またはアルカリ性のいずれあってもよい。例えば、ケイ酸原が活性ケイ酸などの場合、シラフィン及びケイ酸原を含有する反応液は酸性(pH2〜4)になる。ケイ酸原がケイ酸ソーダ、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸ナトリウム、ケイ酸カルシウムアルミニウムなどの場合、シラフィン及びケイ酸原を含有する反応液はアルカリ性(pH9〜11)になる。また、反応液を所望の適切なpH環境に調整するために、反応液中にトリス塩酸、クエン酸リン酸等の各種緩衝液などを含有させてもよい。
次いで、反応液のpHを変えてpH勾配を形成する。より具体的には、上記反応液中またはその表面に中性環境を形成する。本発明において「中性環境を形成する」とは、酸性反応液であれば塩基(アルカリ溶液)を、またはアルカリ性反応液であれば酸(酸性溶液)を、それぞれの反応液に添加するか、或いは塩基又は酸をガス状若しくは液状にして反応液表面に吹きつけるなどして、反応液中又はその表面に中性環境(pH6〜8)を作り出すことをいう。添加する方法は特に限定はされず、反応液を撹拌しながらそこへ酸、塩基又はそれらの水溶液(以下単に試薬と称す場合もある)を滴下する方法、反応液に試薬をマイクロフィーダで微量ずつ供給する方法などが挙げられる。また反応液表面に試薬を、噴霧器等を用いて吹き付ける方法や揮発性のガス(例、アンモニアガスなど)により、液面pHを変える方法などの方法を採用することもできる。
本発明の製造方法においては、酸性反応液に塩基を添加して中性環境を形成する場合は、該中性領域におけるシラフィン触媒反応の反応点近傍で幅10〜400nmの繊維状バイオシリカが形成される。また、アルカリ性反応液に酸を添加して中性環境を形成する場合は、該中性領域におけるシラフィン触媒反応の反応点近傍で粒子径100nm以下の微小な球状バイオシリカが形成される。各バイオシリカの形状及び幅・粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)などを用いることにより測定可能である。
酸性反応液に添加する塩基(アルカリ溶液)としては、例えば、水酸化ナトリウム、Tris-base(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられ、より好ましくは、水酸化ナトリウム、Tris-base、水酸化カリウムなどが挙げられる。用いる塩基の濃度は、酸性反応液中又は表面に中性環境を形成し得る濃度であれば特に限定はされないが、通常、10mM〜1Mの塩基を用い、好ましくは、10mM〜500mMの塩基を用いる。添加する塩基の濃度が低いほど、得られる繊維状シリカの繊維の幅が細くなる。
アルカリ性反応液に添加する酸としては、例えば、硫酸、塩酸、酢酸、その他の有機酸などが挙げられ、好ましくは、硫酸、塩酸及び酢酸が挙げられる。用いる酸の濃度は、アルカリ性反応液中又は表面に中性環境を形成し得る濃度であれば特に限定はされないが、通常、10mM〜1Mの酸を用い、好ましくは、10mM〜100mMの酸を用いる。添加する酸が弱酸であるほど、得られる球状シリカの粒径が微小になる。
また、本発明の製造方法における反応温度については、通常、0〜60℃、好ましくは、10〜60℃、さらに好ましくは、20〜40℃の範囲で反応を行う。反応温度が0℃より低くになると得られるバイオシリカの粒子径が不均質になり、また60℃より高くなると得られるバイオシリカはゲル状になる。
さらに、本発明には上記製造方法によって得られたバイオシリカも包含される。
[2]バイオシリカの形状を制御する方法
上述のように、用いるシリカ基質・原料を活性ケイ酸などに選択するか、又は/及び用いるケイ酸原すなわちシリカ基質の種類に応じてシラフィン反応液のpHを酸性又はアルカリ性に調整し、さらに中性環境を形成するために反応液に加える塩基又は酸の種類によってpH勾配を作ることにより、得られるバイオシリカの形状および大きさを制御することが可能となる。
したがって、本発明には、シラフィン及びケイ酸原を含有する酸性若しくはアルカリ性反応液中に、アルカリ若しくは酸を添加又は接触させて、該反応液中又は反応液表面にpH勾配を形成させ、それにより形成されるバイオシリカの形状を制御する方法が包含される。
本発明の制御方法においては、シラフィン及びケイ酸原を含有する酸性反応液にはアルカリを、アルカリ性反応液には酸を添加又は接触させて、所望のpH勾配を形成する。pH勾配がアルカリ性から酸性へ向かう場合は、10〜500nmの球状のバイオシリカが得られる。また、pH勾配が酸性からアルカリ性へ向かう場合は、10〜400nm幅の繊維状のバイオシリカが得られる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれら実施例の記載によって何ら制限されるものではない。
(実施例1)
[1]実験に使用したシラフィン
シラフィンは、大腸菌発現系により大量精製した単リピート型の組換えシラフィン-1および7回リピート型の組換えシラフィン-1の2種類を使用した。(以下、これらを総称して、「組換えシラフィン」あるいは単に「シラフィン」という場合がある。)
シラフィンの調製において、宿主大腸菌にはBL21(DE3) (Novagen, EMD Biosciences, Inc., Canada)を使用し、プラスミドベクターにはpET21a (Novagen, EMD Biosciences, Inc., Canada)を使用した。また、ヒスチジンタグを付加し、ニッケルニトリロ酢酸(Ni-NTA)カラムを用いて精製を行った。実験に使用した単リピート型の組換えシラフィンおよび7回リピート型の組換えシラフィンのアミノ酸配列は、それぞれ配列番号4及び5に示される。
(実施例2)
[2]シラフィン酸性反応液への塩基添加
精製・濃縮・Buffer置換したシラフィンのサンプルに対し、Buffer置換に使用した脱imidazole bufferを用いて、観察するシラフィン濃度条件の10倍濃度になるように段階希釈を行った。そして以下の反応溶液を作製し、pH3の条件でシラフィン反応を行った。なお、以下の反応液中におけるケイ素のモル量は約147mMである。また、使用した活性ケイ酸の初期重合度は約100以下である。
Citric acid - phosphate buffer 1(89.2 mM Citric acid, 21.6 mM Na2HPO4)
(終濃度 17.8 mM) 200 μL
組換えシラフィン-1 100 μL
超純水 600 μL
1 % 活性ケイ酸水溶液 100 μL
Total 1000 μL
反応から3分後、上清を200 μLずつ取り分け、それぞれ2 μLの1 M, 500 mM, 100 mM, 50 mM, 10 mM NaOHを添加あるいは1 M Tris-base(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)を添加し、それぞれ5分間静置した。塩基性試薬を添加しなかった反応液、NaOHを添加した反応液、Tris-baseを添加した反応液それぞれに対し超純水での洗浄操作を数回(実験時期によって異なる)行い、反応産物を回収した。その後、ガリウム砒素基板(以下、「GaAs基板」という場合がある。)に、得られたバイオシリカを10μL程度スポットし、シリカゲル吸湿剤を敷いた10cmプラスチックシャーレに静置した後、フタをしてパラフィルムで密閉し数時間放置し、バイオシリカを乾燥させた。乾燥後、電子線露光装置 (ELS-3300PLM, Elionix, Tokyo, Japan)の走査型電子顕微鏡(SEM)機能を用いてバイオシリカを観察した。用いたNaOHはpKb= 0.2、Trisは温度依存性があるが室温(25 ℃)でのpKa = 8.06である。
(結果)
活性ケイ酸を含むシラフィン反応液を長時間静置すると微量のシリカ沈積物が生じたが、繊維状ではなかった(図2A)。
そこで、得られたバイオシリカを沈殿させ(上記参照)、上清に2 μLの1 M, 500 mM, 100 mM, 50 mM, 10 mM NaOH, あるいは1 M Tris-baseを添加すると直ちにバイオシリカ形成が起きた。1 M, 500 mM NaOHや1 M Tris-baseなど比重の大きい塩基は拡散せず試験管の底に滞留し、2層の液層を形成した。1 M NaOHの場合上層はpH 3、下層はpH 12であった。反応はこの境界から上層にかけて見られた(図2D)。100 mM 以下のNaOHは拡散したが、バイオシリカの収量は少なかった(data not shown)。得られたバイオシリカ構造は、幅 100 〜 400 nmの繊維状構造を含んでいた(図2B、E、G)。単リピート型シラフィンによって形成するバイオシリカでは、塩基添加した場合に繊維状構造を形成しやすく、添加した塩基濃度が低いほど繊維の幅は細くなった(図3A)。7回リピート型シラフィンを用いた場合は、添加した塩基の濃度に関わらず均質な繊維状構造であった(図3B)が、添加した塩基の濃度が高いほどゲルが多く認められた(data not shown)。
(実施例3)
[3]シラフィンアルカリ性反応液への酸添加
精製・濃縮・Buffer置換したシラフィンのサンプルに対し、Buffer置換に使用した脱imidazole bufferを用いて、観察するシラフィン濃度条件の10倍濃度になるように段階希釈を行った。そして以下の反応溶液を作製し、pH10.5の条件でシラフィン反応を行った。なお、以下の反応液中におけるケイ素のモル量は約89mMである。
リン酸緩衝液
(終濃度 80 mM) 200 μL
組換えシラフィン-1
(1.5 μMと10 μMの2通り) 100 μL
超純水 600 μL
ケイ酸ソーダ (終濃度 1%) 100 μL
Total 1000 μL
反応液を10 分間程度放置してバイオシリカ形成が起きないことを確認した後、 反応液に1 μLの0.5M H2SO4を添加したもの、1 μLの1M HClを添加したもの、1 μLの1M CH3COOHを添加したものの3通りについて、それぞれ酸添加後5分間静置した。この時の溶液の変化を、デジタルカメラを用いて記録した。また反応産物は超純水での洗浄を行い回収した。
その後、ガリウム砒素基板(以下、「GaAs基板」という場合がある。)に、得られたバイオシリカを10μL程度スポットし、シリカゲル吸湿剤を敷いた10cmプラスチックシャーレに静置した後、フタをしてパラフィルムで密閉し数時間放置し、バイオシリカを乾燥させた。乾燥後、電子線露光装置 (ELS-3300PLM, Elionix, Tokyo, Japan)の走査型電子顕微鏡(SEM)機能を用いてバイオシリカを観察した。
(結果)
ケイ酸ソーダを含むシラフィン反応液はバイオシリカを形成しなかった(図4A)が、この反応液に1 μLのHClを添加すると酸の拡散領域にのみシラフィン反応が認められた(図4C)。この酸添加により生成したバイオシリカを沈殿し、その上清のpHを測定すると依然10.5であった。この上清に再びHClを添加すると酸拡散領域におけるシリカ形成が再び起きた(図4E)。
酸強度の異なる硫酸(H2SO4)、塩酸(HCl)、酢酸(CH3COOH)の3種類の酸を用いて、酸性側へのpH変動の違いがバイオシリカ形成に反映されるかを検証した。3種類の酸の酸解離定数pKaはそれぞれ次の通りで、H2SO4はpKa= −10, 1.99、HClはpKa = −7、CH3COOHはpKa = 4.8である。それぞれ球状のバイオシリカ粒子形成が認められた(図5及び図6)。いずれの酸を用いて形成されたシリカ粒子も粒子径は≦100 nmの微小なものであった。
通常、添加した酸が強酸であるほど最頻粒子径が大きくなる。
以上のように、本発明は、シラフィンを用いたバイオシリカの新規製造法、およびバイオシリカ形状を制御する方法を提供するものであり、前述したとおり、半導体微細加工技術への利用のほか、マイクロフィルター、シリカナノファイバー若しくはこれらの中に高分子機能を包埋した機能材料として、また電気・電子材料、光学材料、酵素固定化材料として、さらには各種バインダーや充填材としてなど、様々な分野における新規機能材料として利用しうるなどといった産業上の利用可能性を有するものである。
[配列番号1]海洋性珪藻Cylindrotheca fusiformis由来シラフィン-1の全アミノ酸配列
[配列番号2]単リピート型シラフィン-1のアミノ酸配列
[配列番号3]7回リピート型シラフィン-1のアミノ酸配列
[配列番号4]単リピート型シラフィン-1のN末にメチオニンを、C末にロイシン、グルタミン酸およびヒスチジンヘキサマーを付加した組換えシラフィン-1のアミノ酸配列
[配列番号5]7回リピート型シラフィン-1のN末にメチオニンを、C末にロイシン、グルタミン酸およびヒスチジンヘキサマーを付加した組換えシラフィン-1のアミノ酸配列

Claims (7)

  1. 下記(A)または(B)に記載する組換えシラフィン、及びケイ酸原を用いてバイオシリカを製造する方法であって、
    (A)配列番号2〜5のいずれかに記載するアミノ酸配列からなる組換えシラフィン
    (B)配列番号2〜5のいずれかに記載するアミノ酸配列のうち、1〜数個のアミノ酸を置換、欠失または付加させてなる、バイオシリカ形成活性を有する組換えシラフィン:
    ケイ酸原として活性ケイ酸を用い、当該活性ケイ酸と上記組換えシラフィンを含有する酸性の反応液に塩基を添加してpH6〜8の中性環境を形成して繊維状バイオシリカを製造するか、または
    ケイ酸原としてケイ酸ソーダ、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸ナトリウム、及びケイ酸カルシウムアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種のケイ酸塩を用い、当該ケイ酸塩と上記組換えシラフィンを含有するアルカリ性の反応液に酸を添加してpH6〜8の中性環境を形成して球形バイオシリカを製造することを特徴とするバイオシリカの製造方法。
  2. 組換えシラフィン及び活性ケイ酸を含有する酸性反応液のpHが2〜4の範囲、または組換えシラフィン及びケイ酸塩を含有するアルカリ性反応液のpHが9〜11の範囲である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 形成される繊維状バイオシリカの幅が10〜400nm、または形成される球状バイオシリカの粒子径が10〜500nmである、請求項1または2に記載する製造方法。
  4. 酸性の反応液に添加する塩基の濃度、またはアルカリ性の反応液に添加する酸の濃度がそれぞれ10mM〜1Mである、請求項1乃至3のいずれかに記載する製造方法。
  5. 組換えシラフィンがヒスチジンのタグを付加した組換えシラフィンである、請求項1乃至4のいずれかに記載する製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかの方法により製造されたバイオシリカ。
  7. シラフィン及びケイ酸を含有する酸性若しくはアルカリ性反応液中に、アルカリ若しくは酸を添加又は接触させて、該反応液中又は反応液の表面にpH勾配を形成させ、それにより形成されるバイオシリカの形状を制御する方法。
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