JP5764673B2 - 浮体式風車設備の部品搬送方法 - Google Patents

浮体式風車設備の部品搬送方法 Download PDF

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Description

本開示は、水面に浮かぶ浮体と、該浮体に設置された風車とを備えた浮体式風車設備の部品搬送方法に関する。
近年、地球環境の保全の観点から風力発電装置の普及が進んでいる。特に、発電効率の向上に有利な大型の風力発電装置を洋上や湖上等の水上に設置する計画が様々な場所で進められている。
水上に設置される風力発電装置として、例えば特許文献1〜4に示されるように、水面に浮かぶ浮体上に風車を設置した浮体式風車設備が知られている。また、特許文献4には、浮体上の風車の安定性を確保するために、3本のコラム及びコラム上に設けられた風車を有する浮体式風車設備において、コラム内のバラスト水を調整する構成が開示されている。
このような浮体式風力発電設備では、メンテナンス時や据え付け・解体時等において、風車のタワー上部、ナセル又はハブのような高所と部品輸送船等の水面付近との間で風車の部品を移動させることがある。その場合、風車のナセル又はハブに設けられたウィンチ、風車のプラットホーム上に設置されたクレーン、あるいはクレーン船に装備されたクレーン等の昇降装置が用いられる。例えば、ナセル内の部品を部品輸送船に搬送する場合、ナセルに設けられたウィンチによって部品をナセルから吊り下ろしてプラットホーム上に一旦載置した後、プラットホーム上に設置されたクレーンあるいは船側が装備するクレーンで部品を吊り上げて、プラットホームから部品輸送船に部品を移動させる。
また、浮体式風車設備の部品搬送に関するものではないが、特許文献5には、風車の据え付け時に、タワーを傾斜させた状態で輸送船によって風車を輸送する構成が開示されている。
特開平3−57885号明細書 特開2001−165032号明細書 特開2002−188557号明細書 国際公開第2009/048830号 特表2011−521820号明細書
上記したような浮体式風車設備においては、部品輸送船との部品の受け渡しを水上で行う場合、波浪や潮流などの影響によって風車設備や部品輸送船が揺動するため、部品の受け渡しが困難となることがある。特に、浮体式風車設備は、浮体が水上に浮かんだ状態にあるので波浪や潮流などの影響によって浮体が揺動し、その僅かな揺動で風車のタワー上方が大きく変位する。そのため、例えばウィンチを用いてナセルから部品を吊り下ろす際に、部品がタワーに干渉してしまう可能性があり、また、部品をプラットホーム上に確実に載置するには高度な技術が必要となる。さらにまた、プラットホーム上に載置された部品を船側に移動させる際にも、同様に風車側及び船側が共に揺動するためこれらの間に相対変位が生じ、部品の受け渡し作業に困難が伴う。
また、風車のタワー上部、ナセル又はハブのような高所と部品輸送船等の水面付近との間で風車の部品を移動させる際に、プラットホーム上に一旦部品を吊り下ろした後、プラットホームから部品輸送船に部品を移動させる場合、鉛直方向の移動と水平方向の移動の2段階の作業が必要となり、作業効率の観点から望ましくない。
こういった点で、従来から浮体式風車設備における部品移動に関しては問題を抱えていたものの、特許文献1〜5にはこれらの問題を解決するための具体的手法については何ら開示されていない。例えば特許文献4は、風車の安定性を確保する目的でプラットホームの水平角又はタワーの垂直整列を維持するようにコラム内のバラスト水を制御する構成が開示されているが、これらの構成は部品搬送における作業性を考慮したものではない。また、特許文献5には、風車設備の輸送時の作業性については記載されているものの、風車側の高所に位置する部品を部品輸送船等の水面側へ移動させるための具体的な構成についていは何ら開示されていない。
本発明の少なくとも一実施形態の目的は、風車のタワー上部、ナセル又はハブのような高所と部品輸送船等の水面付近との間での部品搬送における作業性の向上を可能とした浮体式風車設備の部品搬送方法を提供することである。
本発明の少なくとも一実施形態に係る浮体式風車設備の部品搬送方法は、水面に浮かぶ浮体上に風車が設置された浮体式風車設備の部品搬送方法であって、前記風車が傾斜するように前記浮体の姿勢を制御する姿勢制御ステップと、前記風車のタワー上部、ナセル又はハブ側における第1積み降ろし位置と、前記水面側における第2積み降ろし位置との間で前記風車の部品を鉛直方向に沿って移動させる部品移動ステップとを備え、前記部品移動ステップでは、前記第1積み降ろし位置と前記第2積み降ろし位置との間の部品移動経路のうち少なくとも一部において、前記姿勢制御ステップによって前記風車を傾斜させた状態で前記部品の搬送を行うことを特徴とする。
上記浮体式風車設備の部品搬送方法によれば、タワー上部、ナセル又はハブ側における第1積み降ろし位置と、部品輸送船等の水面側における第2積み降ろし位置との間の部品移動経路のうち少なくとも一部において、浮体自体が揺動可能な特性を利用して風車を傾斜させた状態で部品の搬送を行うようにしている。これにより、部品を鉛直方向に移動させる際に部品とタワーとの離隔が十分に確保されるので、風車が波浪や潮流により揺動しても部品がタワーに干渉することを回避でき、延いては作業性を向上させることができる。また、風車を傾斜させた状態で鉛直方向に部品を移動させることは、高所から低所への鉛直方向の移動に加えて、風車のタワー基部から水平方向に離れた位置、すなわち部品輸送船等の第2積み下ろし位置へ近づける方向への移動も兼ねるため、部品移動における作業効率の向上も図れる。
幾つかの実施形態では、前記部品移動ステップでは、前記浮体から離れて前記水面上に浮かぶ部品輸送船における前記第2積み降ろし位置と、前記第1積み降ろし位置との間で前記部品を直接受け渡しする。
これにより、風車のプラットホームに一旦部品を置くことなく、第1積み降ろし位置から第2積み降ろし位置へ部品を移動させることができ、部品の受け渡し作業の効率化が図れ、作業時間も短縮できる。
幾つかの実施形態では、前記浮体は、前記風車が設置される第1コラムと、該第1コラムに接続され、前記第1コラムとともに仮想平面視三角形の各頂点を形成する第2コラム及び第3コラムと、前記第1コラムを前記第2コラム及び前記第3コラムのそれぞれに接続する一対の連結部とを含み、前記姿勢制御ステップでは、前記一対の連結部がなす角の二等分線に沿って、前記風車を前記第2コラム及び前記第3コラムに向けて傾斜させる。
一般に、一対の連結部によって囲まれる水域は、他の水域よりも波浪や潮流が小さいので、第2コラム及び第3コラムに向けて浮体を傾斜させることで、浮体の傾斜時に風車の揺動を抑制することができ、安定して部品の移動を行うことが可能となる。
幾つかの実施形態では、前記連結部がロワーハルであり、前記第1コラム、前記第2コラム、前記第3コラム又は前記一対のロワーハルの少なくとも一つには、各ロワーハルの延在方向における異なる位置に配置される複数のバラスト室が設けられ、前記姿勢制御ステップでは、前記複数のバラスト室におけるバラスト水量をそれぞれ調節して、前記風車を傾斜させる。
例えば、3つのコラムにそれぞれ一つの空間からなるバラスト室を設けた場合、浮体の浮力調整は離間した3点(3つのコラム)におけるバラスト水調整で行わなければならず、風車の傾斜角度を微調整することは困難となる。これに対して本実施形態では、ロワーハルの延在方向における異なる位置に複数のバラスト室を設けて、これらのバラスト室におけるバラスト水量をそれぞれ調節するようにしているので、風車の傾斜方向に細やかな重量分布を形成することが可能となり、風車の傾斜角度を高精度で調整することができる。また、ロワーハルに設けた複数のバラスト室におけるバラスト水量をそれぞれ調節するようにしているので、バラスト水が偏ることを防止でき、信頼性の高い姿勢制御が可能となる。
幾つかの実施形態では、前記浮体は、各バラスト室への前記バラスト水の供給及び排出を行うためのバラスト水供給部及びバラスト水排出部と、各バラスト室への空気の供給及び排出を行うための空気給排出部と、前記バラスト水供給部及び前記バラスト水排出部にそれぞれ設けられ前記バラスト水の供給量及び排出量を調節するバラスト水量調節部と、前記空気給排出部に設けられ前記空気の供給量及び排出量を調節する空気量調節部とを含み、前記姿勢制御ステップでは、前記バラスト水量調節部及び前記空気量調節部を操作して、前記複数のバラスト室におけるバラスト水量をそれぞれ調節する。
このように、バラスト水供給部及びバラスト水排出部に設けられたバラスト水量調節部と、空気給排出部に設けられた空気量調節部とを操作することによって、各バラスト室のバラスト水と空気の比率を精度よく調整できる。
幾つかの実施形態では、前記姿勢制御ステップでは、前記バラスト水量調節部及び前記空気量調節部を遠隔操作する。
これにより、遠隔地においても風車を傾斜させることが可能となり、更なる作業性の向上が図れる。
幾つかの実施形態では、各バラスト室におけるバラスト水の液面または各バラスト室に供給される前記バラスト水の流量を監視する監視ステップをさらに備え、前記姿勢制御ステップでは、前記監視ステップによる監視結果に基づき、前記浮体が目標姿勢となる各バラスト室の設定液面が実現されるように、前記複数のバラスト室におけるバラスト水量をそれぞれ調節する。
このように、各バラスト室におけるバラスト水の液面または各バラスト室に供給されるバラスト水の流量を監視し、浮体が目標姿勢となる各バラスト室の設定液面が実現されるように、複数のバラスト室におけるバラスト水量をそれぞれ調節することによって、所望の傾斜角となるように正確に風車を傾斜させることができる。
幾つかの実施形態では、前記浮体の実際の姿勢を検出する姿勢検出ステップと、前記浮体の前記実際の姿勢と目標姿勢とを比較する姿勢比較ステップと、前記姿勢比較ステップにおける比較結果を出力する比較結果出力ステップとをさらに備える。
このように、浮体の実際の姿勢と目標姿勢とを比較し、比較結果を出力することによって、比較結果に基づいて所望の傾斜角に確実に風車を傾斜させることができる。
幾つかの実施形態では、前記姿勢検出ステップでは、ジャイロまたは傾斜計の少なくとも一方を用いて前記浮体の実際の姿勢の検出を行う。
これにより、簡単な構成で以って正確に風車の姿勢制御を行うことが可能となる。
幾つかの実施形態では、前記浮体の実際の姿勢を検出する姿勢検出ステップと、前記浮体の前記実際の姿勢と目標姿勢とを比較する姿勢比較ステップと、前記姿勢比較ステップにおける比較結果に基づいて、前記姿勢制御ステップにおける各バラスト室の前記設定液面を補正する設定液面補正ステップとをさらに備える。
このように、浮体の実際の姿勢と目標姿勢とを比較し、比較結果に基づいて各バラスト室の設定液面を補正することによって、風車の傾斜角度をより正確に設定することができる。
幾つかの実施形態では、前記監視ステップでは、各バラスト室に設けられた液面計を用いて、前記バラスト水の液面を監視する。
これにより、簡単な構成で以って正確に風車の姿勢制御を行うことが可能となる。
幾つかの実施形態では、前記監視ステップでは、各バラスト室に前記バラスト水を供給するためのバラスト水供給部に設けられた流量計を用いて、各バラスト室に供給される前記バラスト水の流量を監視する。
このように、各バラスト室にバラスト水を供給する流量を監視することによって、各バラスト室におけるバラスト水量を適切に調節することができる。
幾つかの実施形態では、前記部品搬送ステップの後、前記複数のバラスト室におけるバラスト水量を調節して前記風車を直立させる姿勢戻しステップをさらに備える。
これにより、風車の通常運転に円滑に戻ることができる。
幾つかの実施形態では、前記浮体の目標姿勢が複数設定されており、前記姿勢制御ステップでは、前記複数の目標姿勢のうち一の目標姿勢となるように前記バラスト室におけるバラスト水量をそれぞれ調節する。
このように、予め複数の目標姿勢を設定しておくことによって、風車の周囲環境や部品輸送船の仕様等の部品移動条件に応じて最も適切な目標姿勢を簡単に選択することが可能となり、更なる作業性の向上が図れる。
幾つかの実施形態では、前記姿勢制御ステップでは、前記風車のタワーが鉛直方向に対してなす角度が0度より大きく且つ15度以下である。
このように、風車のタワーが鉛直方向に対してなす角度が0度より大きく且つ15度以下の範囲内となるように風車を傾斜させることによって、部品移動における作業性の向上を図りながら、部品移動中における風車の傾斜姿勢を安定して維持できる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、タワー上部、ナセル又はハブ側における第1積み降ろし位置と水面側における第2積み降ろし位置との間の部品移動経路のうち少なくとも一部において、風車を傾斜させた状態で部品の搬送を行うようにしたので、移動中の部品とタワーとの離隔が十分に確保され、風車が波浪や潮流により揺動しても部品がタワーに干渉することを回避でき、延いては作業性を向上させることができる。また、風車を傾斜させた状態で鉛直方向に部品を移動させることは、高所から低所への鉛直方向の移動に加えて、風車のタワー基部から水平方向に離れた位置、すなわち部品輸送船等の第2積み下ろし位置へ近づける方向への移動も兼ねるため、部品移動における作業効率の向上も図れる。
本発明の一実施形態における風車設備が海上に係留されている状態を示す斜視図である。 図1の風車設備を側方から視認した側面図である。 風車を構成する部品構成例を説明する図である。 本発明の一実施形態における風車を傾斜した状態を示す平面図である。 本発明の一実施形態におけるロワーハル及びコラムの構成例を示す平面図である。 本発明の一実施形態におけるロワーハル及びコラムの構成例を示す側面図である。 図7(a)〜(e)は、一実施形態における浮体式風車設備の部品搬送手順を示す図である。 図8(a)〜(d)は、他の実施形態における浮体式風車設備の部品搬送手順を示す図である。 図9(a),(b)は、他の実施形態における浮体式風車設備の部品搬送手順を示す図である。
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について説明する。ただし、実施形態として以下に記載され、あるいは、実施形態として図面で示された構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
以下、本発明の実施形態に係る部品搬送方法の対象である浮体式風車設備1について述べた後、その部品搬送方法について説明する。
なお、以下の説明では洋上に設けられた浮体式風車設備1を例示しているが、浮体式風車設備1の設置場所は洋上に限定されるものではなく、湖上や河川上等の水上であれば何れでもよい。また、図1〜図8では、浮体式風車設備1の一例として、セミサブ型の浮体10を有する浮体式風車設備1を示している。
図1は、本発明の一実施形態における浮体式風力発電装置が海上に係留されている状態を示した斜視図である。図2は、図1の浮体式風力発電装置を側方から視認した側面図である。
図1及び図2に示すように、浮体式風力発電装置1は、水面に浮かぶ浮体10と、浮体10上に設けられたプラットホーム9上に立設された風車(風力発電装置)2とを備えている。
一実施形態において、風車2は、風を受けて回転する少なくとも1枚のブレード3と、ブレード3が取り付けられるハブ4と、ハブ4が回転自在に取り付けられるナセル6と、ナセル6を支持するタワー8とを有している。ナセル6はタワー8に対してヨー旋回可能であってもよく、通常は、風向きに応じてブレード3が風上側へ配向されるようにナセル6が旋回する。そして、風を受けたブレード3が回転することで、発電機によって発電が行われる。ナセル6内の具体的な構成例については後述する。
一実施形態において、浮体10は、平面視において仮想三角形の頂点位置に配置された柱状の3つのコラム12,14,16を有するとともに、第1コラム12と第2コラム14とを接続する長尺状の第1ロワーハル20、及び第1コラム12と第3コラム16とを接続する長尺状の第2ロワーハル22とを有する。そして、これら3つのコラム12,14,16と2つのロワーハル20,22とによって、平面視において浮体10は略V字状に形成されている。そして、平面視略V字状の真ん中に位置する第1コラム12の上面にはプラットホーム9が設けられ、プラットホーム9上に、上述した風車2が設置されている。
また、第1ロワーハル20と第2ロワーハル22とが直角に交わるとともに、第1ロワーハル20と第2ロワーハル22との交角の二等分線に対して左右対称をなす仮想直角二等辺三角形の頂点位置に、上述した3つのコラム12,14,16が配置されていてもよい。
さらに、特に図示しないが、第2コラム14と第3コラム16とを接続する第3のロワーハルを更に有してもよい。さらにまた、第1ロワーハル20と第2ロワーハル22とが、補強用の梁部材によって連結されていてもよい。
なお、上記実施形態では、第1コラム12及び第2コラム14、第1コラム12及び第3コラム16をそれぞれ接続する連結部としてロワーハル20,22を例示したが、連結部はこれに限定されるものではない。
一実施形態において、浮体10は、後述するように、その内部にバラスト水を貯留するバラスト室30(図5及び図6参照)が形成されている。そして、このバラスト室30にバラスト水が注水されることで、図2に示すようにロワーハル24の上面よりも上方に喫水面WLが位置した状態で水面に係留される。
また、浮体10は、図1及び図2に示すように、その上面に風車2が設置されている第1コラム12が主風向Wに対して風上側に位置するように配置されてもよい。その場合、第2コラム14及び第3コラム16は、第1コラム12よりも主風向Wの風下側に位置するように配置される。このように、風車2が設置されている第1コラム12を主風向Wの風上側に位置するように配置することで、風荷重を受けて背面側に傾倒しようとする風車2の安定性を高めることが出来る。
さらに、浮体10には、図2に示すように、水底Eに固定されたアンカー26に連結された複数の係留索25が、懸垂曲線を描くようにカテナリ状に接続されていてもよい。その場合、浮体10は、これらアンカー26及び係留索25によって、浮体10に作用する漂流力や回転モーメントに抵抗して海上に係留される。
図3は風車を構成する部品構成例を説明する図である。
図3に示すように、一実施形態において、風車2は、ハブ4に連結された回転シャフト61と、電力を生成する発電機66と、回転シャフト61の回転エネルギーを発電機66に伝えるドライブトレイン63を含んでいる。なお、同図では一例としてドライブトレイン63及び発電機66がナセル6内に配置される場合を示しているが、これらの少なくとも何れかがタワー8側に配置されてもよい。
回転シャフト61は、ブレード3及びハブ4から構成されるロータ5と共に回転する。なお、ハブ4はハブカバー4aで覆われていてもよい。また、回転シャフト61は、一対の軸受62を介して回転自在にナセル6に支持されている。
ドライブトレイン63は、回転シャフト61に取り付けられた油圧ポンプ64と、高圧油ライン及び低圧油ラインを介して油圧ポンプ64に接続される油圧モータ65とを含んで構成される。油圧ポンプ64は、回転シャフト61によって駆動されて作動油を昇圧し、高圧の作動油(圧油)を生成する。油圧ポンプ64で生成された圧油は高圧油ラインを介して油圧モータ65に供給され、この圧油によって油圧モータ65が駆動される。油圧モータ65で仕事をした後の低圧の作動油は、低圧油ラインを経由して油圧ポンプ64に再び戻される。また、油圧モータ65の出力軸は発電機66の入力軸に接続されており、油圧モータ65の回転が発電機66に入力されるようになっている。なお、同図ではドライブトレイン63として油圧トランスミッションを用いた構成を例示したが、この構成に限定されるものではなく、ギヤ式増速機等の他のドライブトレインを用いてもよいし、ドライブトレイン63を設けずに、回転シャフト61と発電機66とを直結させた構成であってもよい。
一実施形態において、風車2は、メンテナンス時や据え付け・解体時等において上記したような各部品を移動させるための昇降装置を有している。図3には、昇降装置としてナセル6内に配置されたウィンチ69を例示している。ウィンチ69は、ナセル6内空間に配置され、ワイヤロープの先端に取り付けられたフックに部品60を吊り下げて、ナセル6内空間と外部との間で部品60を昇降させる。ナセル6の底面には開閉部67が設けられており、この開閉部67は部品移動時に開放される。なお、図3には開閉部67がナセル6の底面に設けられた場合を例示したが、開閉部67はナセル6の側面(回転シャフト61の両側の側面、ハブ4から遠い側の側面を含む)に設けられてもよいし、上面に設けられてもよい。この開閉部67は、風車2の通常運転時には閉じられている。また、ウィンチ69はナセル6の外側に設けられてもよいし、ハブ4側に設けられてもよい。昇降装置の別の構成例として、ナセル6の内部若しくは外部、又はハブ4に設けられたクレーンによって部品60を昇降させてもよい。なお、ウィンチ69やクレーン等の昇降装置はタワー8上部に設けられてもよい。
本実施形態における部品搬送方法によって搬送される部品としては、例えば、上記したようにナセル6内空間に配置される回転シャフト61、軸受62、ドライブトレイン63の各部品、発電機66の他に、ブレード3、ハブカバー4a、ナセル6を構成する各部品、制御盤等の電気機器などの各種の部品が挙げられる。勿論、タワー8の上方空間に配置される各種の部品であってもよい。また、メンテナンス時に用いられる部品も含まれる。
次に、図4〜図6を参照して、本実施形態における部品搬送方法について説明する。
なお、図4は本発明の一実施形態における風車を傾斜した状態を示す平面図である。図5は本発明の一実施形態におけるロワーハル及びコラムの構成例を示す側面図である。図6は本発明の一実施形態におけるロワーハル及びコラムの構成例を示す平面図である。
図4に示すように、幾つかの実施形態において、浮体式風車設備1の部品搬送方法は、風車2が傾斜するように浮体10の姿勢を制御する姿勢制御ステップと、風車2のタワー8上部、ナセル6又はハブ4側における第1積み降ろし位置Aと水面WL側における第2積み降ろし位置Bとの間で風車2の部品60を鉛直方向に沿って移動させる部品移動ステップとを備える。ここでは、第1積み下ろし位置Aはナセル6内空間、第2積み下ろし位置Bは部品輸送船100の場合を例示する。そして、部品移動ステップでは、第1積み降ろし位置Aと第2積み降ろし位置Bとの間の部品移動経路のうち少なくとも一部において、姿勢制御ステップによって風車2を傾斜させた状態で部品60の搬送を行う。
また、姿勢制御ステップでは、風車2のタワー8が鉛直方向に対してなす角度θが0度より大きく80度以下となるように風車2を傾斜させてもよい。また、風車の傾斜姿勢の安定維持の観点から、風車2のタワー8が鉛直方向に対してなす角度θが0度より大きく15度以下となるように風車2を傾斜させてもよい。
さらに、部品移動ステップでは、浮体10から離れて水面WL上に浮かぶ部品輸送船100における第2積み降ろし位置Bと、第1積み降ろし位置Aとの間で部品60を直接受け渡しするようにしてもよい。これにより、風車2のプラットホーム9に一旦部品60を置くことなく、第1積み降ろし位置Aから第2積み降ろし位置Bへ部品60を移動させることができ、部品60の受け渡し作業の効率化が図れ、作業時間も短縮できる。
勿論、第2積み降ろし位置Bはプラットホーム9であってもよく、その場合、第1積み降ろし位置Aと部品輸送船100との部品の受け渡しの途中において、部品60は第2積み降ろし位置Bであるプラットホーム9上に一旦載置されることとなる。
続いて、図5及び図6を用いて、姿勢制御手段について説明する。
図5に示すように、一実施形態において浮体10は、風車2の設置される第1コラム12と、第1コラム12と共に仮想平面視三角形の各頂点を形成する第2コラム14及び第3コラム16と、第1コラム12及び第2コラム14を接続する第1ロワーハル20と、第1コラム12及び第3コラム16を接続する第2ロワーハル22とを有する。この場合、姿勢制御ステップでは、第1ロワーハル20及び第2ロワーハル22がなす角の二等分線Lに沿って、風車2を第2コラム14及び第3コラム16に向けて傾斜させてもよい。通常、第1ロワーハル20及び第2ロワーハル22によって囲まれる水域は、他の水域よりも波浪や潮流が小さいので、第2コラム14及び第3コラム16に向けて浮体10を傾斜させることで、浮体10の傾斜時に風車2の揺動を抑制することができ、安定して部品60の移動を行うことが可能となる。また、部品60の搬送時には、風車2を傾斜させた方向から部品輸送船100を風車2に近づける。そのため、風車2を第2コラム14及び第3コラム16に向けて傾斜させれば、係留索25が設置されていない第1ロワーハル20及び第2ロワーハル22の間から部品輸送船100を近づけることができる。
図5及び図6に示すように、一実施形態では、第1コラム12、第2コラム14、第3コラム16、第1ロワーハル20又は第2ロワーハル22の少なくとも一つには、各ロワーハル20,22の延在方向における異なる位置に配置される複数のバラスト室30が設けられてもよい。複数のバラスト室30は、例えば、複数のバラスト室30は、各コラム12,14,16及び各ロワーハル20,22を仕切る隔壁31によって形成される。図では、第1ロワーハル20及び第2ロワーハル22の内部空間が各ロワーハル20,22の延在方向に直交する隔壁31によって仕切られ、各ロワーハル20,22の延在方向に沿って複数のバラスト室30が配列された場合を例示している。なお、各コラム12,14,16は、水平方向に配置された隔壁31によってコラム内空間が鉛直方向に仕切られ、鉛直方向に沿って複数のバラスト室30が配列された場合を例示している。
一実施形態においては、バラスト水を用いた浮体10の姿勢制御手段として、以下の構成を備えていてもよい。
図6に示すように、バラスト室30のバラスト水を増加させる機構として、各バラスト室30には、それぞれ、バラスト水を供給するためのバラスト水供給路32と、バラスト水供給路32に配置された開閉可能なゲート33と、バラスト室30内の空気を排出する空気排出路34と、空気排出路34に配置された空気バルブ35とが設けられている。バラスト水供給路32及びゲート33は、バラスト水として外部から海水を容易に注水できるように、浮体10が沈降する前の喫水面WLよりも下方に設けられる。そして、バラスト室30のバラスト水を増加させる際には、ゲート33及び空気バルブ35を開放すれば、バラスト室30内の空気が空気バルブ35から排出されるとともにバラスト水供給路32からバラスト室30の内部にバラスト水が注水される。
バラスト室30のバラスト水を低減させる機構として、各バラスト室30には、それぞれ、バラスト水を排出するための排出配管36と、排出配管36に配置された排出バルブ37と、バラスト室30内のバラスト水を吐出する吐出ポンプ39とが設けられている。ポンプ39は、例えば第1コラム12に設けられたポンプ室40に設置される。排出配管36は、一端側が吐出ポンプ39に接続されて各バラスト室30にわたって延在し、さらに各バラスト室30において分岐している。この各バラスト室30ごとに分岐した配管に、それぞれ排出バルブ37が設けられる。各排出バルブ37をそれぞれ独立して開閉制御することによって、各バラスト室30におけるバラスト水の排出量が調節できる。また、各バラスト室30には、それぞれ、空気を供給するための空気配管41と、空気配管41に配置された空気バルブ(不図示)とが設けられている。なお、空気配管41には、空気の供給を補助するためのポンプ(不図示)を接続してもよい。そして、バラスト室30のバラスト水を低減させる際には、排出バルブ37を開放させた状態で吐出ポンプ39を駆動するとともに空気バルブを開放すれば、バラスト室30内に空気が吸入されながらバラスト室30内のバラスト水が排出配管36を介して排出される。
なお、上記したバラスト水増加機構及びバラスト水低減機構は一例であり、各バラスト室30のバラスト水量を独立して調節可能であれば他の構成を採用してもよい。例えば、各バラスト室30にそれぞれ、バラスト水の供給配管及び排出配管と、空気抜き配管とが設けられていてもよい。また、隣接するバラスト室30間のバラスト水の移動を可能とし、複数のバラスト室30間でもバラスト水量の調節が行えるようにしてもよい。
また、各バラスト室30におけるバラスト水の液面を監視する監視ステップをさらに備えていてもよい。この場合、各バラスト室30には、バラスト水の液面を検出する液面計45が設けられている。液面計45は連続的又は断続的にバラスト水の液面を検出する。液面計45で検出された液面はコントローラ46に送られる。コントローラ46には、予め、浮体10が目標姿勢となるような各バラスト室30の設定液面が記憶されている。そして、コントローラ46は、液面計45で検出された各バラスト室30の液面と予め記憶された設定液面とを比較して、各バラスト室30の設定液面が実現されるように、上記したバラスト水増加機構及びバラスト水低減機構を制御することによって、複数のバラスト室30におけるバラスト水量をそれぞれ調節する。これにより、所望の傾斜角となるように正確に風車10を傾斜させることが可能となる。なお、監視ステップでは、バラスト水の液面の監視に替えて、又はこれに加えて、バラスト水供給路32に設けられた流量計(不図示)を用いて各バラスト室30に供給されるバラスト水の流量を監視してもよい。
さらに、他の実施形態において、浮体式風車設備1の部品搬送方法は、浮体10の実際の姿勢を検出する姿勢検出ステップと、浮体10の実際の姿勢と目標姿勢とを比較する姿勢比較ステップと、姿勢比較ステップにおける比較結果を出力する比較結果出力ステップとをさらに備えていてもよい。
この場合、図6に示すように、浮体10には、浮体10の実際の姿勢を検出するジャイロ又は傾斜計からなる姿勢検出センサ47が設置される。姿勢検出センサ47で検出された姿勢はコントローラ46に送られる。コントローラ46には、予め浮体10の目標姿勢が設定されている。そして、コントローラ46では、姿勢検出センサ47で検出された浮体10の実際の姿勢と目標姿勢とを比較し、比較結果を出力する。この比較結果に基づいて、バラスト水増加機構及びバラスト水低減機構を制御することによって、浮体10を目標姿勢に近づける。このように、浮体10の実際の姿勢と目標姿勢とを比較し、比較結果を出力することによって、比較結果に基づいて所望の傾斜角となるように確実に風車2を傾斜させることができる。
上記構成に加えて、姿勢比較ステップにおける比較結果に基づいて、姿勢制御ステップにおける各バラスト室30の設定液面をコントローラ46によって補正する設定液面補正ステップをさらに備えてもよい。このように、浮体10の実際の姿勢と目標姿勢とを比較し、比較結果に基づいて各バラスト室30の設定液面を補正することによって、風車2の傾斜角度θをより正確に設定することができる。
さらに、上記実施形態において、コントローラ46に浮体10の目標姿勢を複数設定してもよい。姿勢制御ステップでは、複数の目標姿勢のうち一の目標姿勢となるようにバラスト室30におけるバラスト水量をそれぞれ調節する。このように、コントローラ46に予め複数の目標姿勢を設定しておくことによって、風車2の周囲環境や部品輸送船100の仕様等の部品移動条件に応じて最も適切な目標姿勢を簡単に選択することが可能となり、更なる作業性の向上が図れる。
さらに、上記実施形態において、姿勢制御ステップでは、ゲート33、吐出ポンプ39、排出バルブ37又は空気バルブ34の少なくとも何れかを遠隔操作してもよい。これにより、遠隔地においても風車2を傾斜させることが可能となり、更なる作業性の向上が図れる。
また、部品搬送ステップの後、複数のバラスト室30におけるバラスト水量を調節して風車2を直立させる姿勢戻しステップをさらに備えてもよい。例えば、コントローラ46に目標姿勢として風車2の直立姿勢を設定しておき、姿勢戻しステップでは、この直立姿勢となるようにバラスト水増加機構及びバラスト水低減機構を制御して、風車2を通常運転時の姿勢に戻す。これにより、風車2の通常運転に円滑に戻ることができる。
以下、図7を参照して、一実施形態に係る浮体式風車設備の部品搬送手順について詳述する。図7(a)〜(e)は、一実施形態における浮体式風車設備の部品搬送手順を示す図である。なお、ここでは一例として浮体式風車設備1から部品輸送船100に部品60を移動させる場合について説明する。
まず、図7(a)に示すように、風車2が直立した状態で、第1ロワーハル20及び第2ロワーハル22で囲まれる水域から風車2の後方(すなわちナセル側6)に部品輸送船100を近接させる。次いで、図7(b)に示すように、ナセル6内の第1積み下ろし位置Aからウィンチ69によって部品60を鉛直方向下方に吊り下ろす。このとき、部品60がタワー8の途中まで到達したらウィンチ69を停止する。そして、図7(c)に示すように、風車2を第2コラム14及び第3コラム16の方向へ傾斜させる。具体的には、浮体10の内部に形成された複数のバラスト室30(図5及び図6参照)内のバラスト水量をそれぞれ調節することによって、浮体10の姿勢を制御し、所望の傾斜角度となるまで風車2を傾斜させた後、停止する。このとき、風車2が傾斜した状態において、部品輸送船100の第2積み下ろし位置Bが部品60の真下になるように部品輸送船100の位置を微調整する。
次いで、図7(d)に示すように、風車2が傾斜した状態を維持しながら、ウィンチ69によって部品60を部品輸送船100の第2積み下ろし位置Bまで吊り下ろし、部品60をウィンチ69から取り外す。そして、図7(e)に示すように、風車2の傾斜角度を調節して直立状態まで戻す。
上記実施形態では、第1積み下ろし位置Aからタワー8の途中まで部品60を一旦吊り下ろした後、風車2を傾斜させ、さらにタワー8の途中から第2積み下ろし位置Bまで部品60を吊り下ろす場合について説明した。他の実施形態として、図8に示すように、風車2を傾斜させた後、第1積み下ろし位置Aから第2積み下ろし位置Bまで部品60を吊り下ろすようにしてもよい。
図8(a)〜(d)は、他の実施形態における浮体式風車設備の部品搬送手順を示す図である。
まず、図8(a)に示すように、風車2が直立した状態で、風車2の後方に部品輸送船100を近接させたら、図8(b)に示すように風車2を傾斜させる。このとき、風車2が傾斜した状態において、部品輸送船100の第2積み下ろし位置Bが部品60の真下になるように部品輸送船100の位置を微調整する。次いで、図8(c)に示すように風車2が傾斜した状態を維持しながら、ウィンチ69によって部品60をナセル6内の第1積み下ろし位置Aから部品輸送船100の第2積み下ろし位置Bまで吊り下ろし、部品60をウィンチ69から取り外す。そして、図8(d)に示すように、風車2の傾斜角度を調節して直立状態まで戻す。
なお、これらの実施形態において、部品輸送船100から浮体式風車設備1へ部品60を移動させる場合には、上記と逆の手順を行う。
以上説明したように、上述の実施形態によれば、タワー8上部、ナセル6又はハブ4側における第1積み降ろし位置Aと水面側における第2積み降ろし位置Bとの間の部品移動経路のうち少なくとも一部において、風車2を傾斜させた状態で部品60の搬送を行うようにしたので、移動中の部品60とタワー8との離隔が十分に確保され、風車2が波浪や潮流により揺動しても部品60がタワー8に干渉することを回避でき、延いては作業性を向上させることができる。また、風車2を傾斜させた状態で鉛直方向に部品60を移動させることは、高所から低所への鉛直方向の移動に加えて、風車2のタワー基部から水平方向に離れた位置、すなわち部品輸送船100等の第2積み下ろし位置Bへ近づける方向への移動も兼ねるため、部品移動における作業効率の向上も図れる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはいうまでもない。
上述の実施形態では、浮体10の姿勢制御手段として、各バラスト室30におけるバラスト水量を調節する構成を例示したが、姿勢制御手段の構成はこれに限定されるものではない。例えば、浮体10に複数接続された係留策25の張力をそれぞれ調節することによって浮体10の姿勢制御を行う構成としてもよい。また、風車2を傾斜させる側の浮体10部位に錘や船等の自重を付与することによって浮体10の姿勢制御を行う構成としてもよい。さらに、風車2を傾斜させる側とは反対側の浮体10部位に浮きを取り付けて、浮体10の姿勢制御を行う構成としてもよい。さらにまた、風車2を傾斜させる側とは反対側の浮体10部位をクレーン船等で吊り上げて浮体10の姿勢制御を行う構成としてもよい。
また、上述の実施形態では、セミサブ型の浮体10を有する浮体式風車設備1について詳細に説明したが、これに限定されるものではなく、他の型の浮体10を有する浮体式風車設備1にも適用可能である。例えば、図9に示すように、スパー型の浮体80を有する浮体式風車設備1’に適用することもできる。スパー型の浮体80は、縦長の中空状の浮体本体81と、浮体本体81の下端部に形成されたバランスウェイト82とから構成される。浮体80の上方には、風車2が水面から突出した状態で支持されている。また、浮体80の水中部上方には、浮力体83が設けられるとともに、浮体本体81の下端には、浮体80の動揺を低減させるためのフーティング84が設けられている。また、浮体本体81には、複数の係留索(不図示)が放射状に配設されており、水底に配置されているアンカー(不図示)によってこれら複数の係留策が固定されている。
このような浮体式風車設備1’における部品移動に際しては、図9(a)に示すように、まず、ナセル6内の第1積み下ろし位置Aからタワー8の途中までウィンチ69によって部品60を吊り下ろす。そして、図9(b)に示すように、浮体80とともに風車2を傾斜させ、タワー8の途中から部品輸送船100の第2積み下ろし位置Bまでウィンチ69によって部品60を吊り下ろす。なお、図8に示したように、ナセル6内の第1積み下ろし位置Aから部品輸送船100の第2積み下ろし位置Bまで一度に部品60を吊り下ろしてもよい。また、部品輸送船100から浮体式風車設備1’へ部品60を移動させる場合には、上記と逆の手順を行う。
1 浮体式風車設備
2 風車
3 ブレード
4 ハブ
4a ハブカバー
5 ロータ
6 ナセル
8 タワー
9 プラットホーム
10 浮体
12 第1コラム
14 第2コラム
16 第3コラム
20 第1ロワーハル
22 第2ロワーハル
25 係留策
26 アンカー
30 バラスト室
31 隔壁
32 バラスト水供給路
33 ゲート
34 空気排出路
35 空気バルブ
36 排出配管
37 排出バルブ
39 吐出ポンプ
40 ポンプ室
41 空気配管
45 液面計
46 コントローラ
47 姿勢検出センサ
61 回転シャフト
62 軸受
63 ドライブトレイン
66 発電機
69 ウィンチ
80 浮体
81 浮体本体
82 バランスウェイト
83 浮力体
84 フーティング
100 部品輸送船
A 第1積み下ろし位置
B 第2積み下ろし位置

Claims (15)

  1. 水面に浮かぶ浮体上に風車が設置された浮体式風車設備の部品搬送方法であって、
    前記風車が傾斜するように前記浮体の姿勢を制御して前記風車のタワーが鉛直方向に対してなす角度を変化させる姿勢制御ステップと、
    前記風車のタワー上部、ナセル又はハブ側における第1積み降ろし位置と、前記水面側における第2積み降ろし位置との間で前記風車の部品を鉛直方向に沿って移動させる部品移動ステップとを備え、
    前記部品移動ステップでは、前記第1積み降ろし位置と前記第2積み降ろし位置との間の部品移動経路のうち少なくとも一部において、前記姿勢制御ステップによって前記タワーと前記部品との間の距離が大きくなる方向へ前記風車を傾斜させた状態で前記部品の搬送を行うことを特徴とする浮体式風車設備の部品搬送方法。
  2. 前記部品移動ステップでは、前記浮体から離れて前記水面上に浮かぶ部品輸送船における前記第2積み降ろし位置と、前記第1積み降ろし位置との間で前記部品を直接受け渡しすることを特徴とする請求項1に記載の浮体式風車設備の部品搬送方法。
  3. 水面に浮かぶ浮体上に風車が設置された浮体式風車設備の部品搬送方法であって、
    前記風車が傾斜するように前記浮体の姿勢を制御する姿勢制御ステップと、
    前記風車のタワー上部、ナセル又はハブ側における第1積み降ろし位置と、前記水面側における第2積み降ろし位置との間で前記風車の部品を鉛直方向に沿って移動させる部品移動ステップとを備え、
    前記部品移動ステップでは、前記第1積み降ろし位置と前記第2積み降ろし位置との間の部品移動経路のうち少なくとも一部において、前記姿勢制御ステップによって前記風車を傾斜させた状態で前記部品の搬送を行うようにし、
    前記浮体は、前記風車が設置される第1コラムと、該第1コラムに接続され、前記第1コラムとともに仮想平面視三角形の各頂点を形成する第2コラム及び第3コラムと、前記第1コラムを前記第2コラム及び前記第3コラムのそれぞれに接続する一対の連結部とを含み、
    前記姿勢制御ステップでは、前記一対の連結部がなす角の二等分線に沿って、前記風車を前記第2コラム及び前記第3コラムに向けて傾斜させることを特徴とする浮体式風車設備の部品搬送方法。
  4. 前記連結部がロワーハルであり、
    前記第1コラム、前記第2コラム、前記第3コラム又は前記一対のロワーハルの少なくとも一つには、各ロワーハルの延在方向における異なる位置に配置される複数のバラスト室が設けられ、
    前記姿勢制御ステップでは、前記複数のバラスト室におけるバラスト水量をそれぞれ調節して、前記風車を傾斜させることを特徴とする請求項3に記載の浮体式風車設備の部品搬送方法。
  5. 前記浮体は、各バラスト室への前記バラスト水の供給及び排出を行うためのバラスト水供給部及びバラスト水排出部と、各バラスト室への空気の供給及び排出を行うための空気給排出部と、前記バラスト水供給部及び前記バラスト水排出部にそれぞれ設けられ前記バラスト水の供給量及び排出量を調節するバラスト水量調節部と、前記空気給排出部に設けられ前記空気の供給量及び排出量を調節する空気量調節部とを含み、
    前記姿勢制御ステップでは、前記バラスト水量調節部及び前記空気量調節部を操作して、前記複数のバラスト室におけるバラスト水量をそれぞれ調節することを特徴とする請求項4に記載の浮体式風車設備の部品搬送方法。
  6. 前記姿勢制御ステップでは、前記バラスト水量調節部及び前記空気量調節部を遠隔操作することを特徴とする請求項5に記載の浮体式風車設備の部品搬送方法。
  7. 各バラスト室におけるバラスト水の液面または各バラスト室に供給される前記バラスト水の流量を監視する監視ステップをさらに備え、
    前記姿勢制御ステップでは、前記監視ステップによる監視結果に基づき、前記浮体が目標姿勢となる各バラスト室の設定液面が実現されるように、前記複数のバラスト室におけるバラスト水量をそれぞれ調節することを特徴とする請求項4乃至6の何れか一項に記載の浮体式風車設備の部品搬送方法。
  8. 前記浮体の実際の姿勢を検出する姿勢検出ステップと、
    前記浮体の前記実際の姿勢と目標姿勢とを比較する姿勢比較ステップと、
    前記姿勢比較ステップにおける比較結果を出力する比較結果出力ステップとをさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の浮体式風車設備の部品搬送方法。
  9. 前記姿勢検出ステップでは、ジャイロまたは傾斜計の少なくとも一方を用いて前記浮体の実際の姿勢の検出を行うことを特徴とする請求項8に記載の浮体式風車設備の部品搬送方法。
  10. 前記浮体の実際の姿勢を検出する姿勢検出ステップと、
    前記浮体の前記実際の姿勢と目標姿勢とを比較する姿勢比較ステップと、
    前記姿勢比較ステップにおける比較結果に基づいて、前記姿勢制御ステップにおける各バラスト室の前記設定液面を補正する設定液面補正ステップとをさらに備えることを特徴とする請求項7乃至9の何れか一項に記載の浮体式風車設備の部品搬送方法。
  11. 前記監視ステップでは、各バラスト室に設けられた液面計を用いて、前記バラスト水の液面を監視することを特徴とする請求項7乃至10の何れか一項に記載の浮体式風車設備の部品搬送方法。
  12. 前記監視ステップでは、各バラスト室に前記バラスト水を供給するためのバラスト水供給部に設けられた流量計を用いて、各バラスト室に供給される前記バラスト水の流量を監視することを特徴とする請求項7乃至10の何れか一項に記載の浮体式風車設備の部品搬送方法。
  13. 前記部品搬送ステップの後、前記複数のバラスト室におけるバラスト水量を調節して前記風車を直立させる姿勢戻しステップをさらに備えることを特徴とする請求項4乃至12の何れか一項に記載の浮体式風車設備の部品搬送方法。
  14. 前記浮体の目標姿勢が複数設定されており、
    前記姿勢制御ステップでは、前記複数の目標姿勢のうち一の目標姿勢となるように前記バラスト室におけるバラスト水量をそれぞれ調節することを特徴とする請求項4乃至12の何れか一項に記載の浮体式風車設備の部品搬送方法。
  15. 前記姿勢制御ステップでは、前記風車のタワーが鉛直方向に対してなす角度が0度より大きく且つ15度以下であることを特徴とする請求項1乃至14の何れか一項に記載の浮体式風車設備の部品搬送方法。
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