JP5760548B2 - 粒子状物質処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、粒子状物質処理装置に関する。
内燃機関の排気通路に放電電極を設け、該放電電極からコロナ放電を発生させることにより粒子状物質(以下、PMともいう。)を帯電させてPMを凝集させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このようにPMを凝集させることにより、PMの粒子数を減少させることができる。また、PMの粒子径が大きくなるため、下流側にフィルタを設けたときに該フィルタにてPMを捕集しやすくなる。
しかし、コロナ放電を発生させると、強い放電に起因する高速電子により、PMが粉砕されてしまい、微細化される。そうすると、PMを凝集させる効果が低くなる。このため、PMの粒子径が小さくなり且つPMの粒子数が増加する虞がある。一方、電極に印加する電圧を小さくし過ぎるとPMを凝集することが困難となり得る。
特開2006−194116号公報
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、電極に印加する電圧の適正化を図ることにより、粒子状物質の凝集を促進させることを目的とする。
上記課題を達成するために本発明による粒子状物質処理装置は、
内燃機関の排気通路に設けられる電極と、
前記電極に接続され電圧を印加する電源と、
前記電極を通る電流を検出する電流検出装置と、
前記電源により前記電極へ電圧を印加したときに前記電流検出装置により電流が検出されるか否かの境界となる印加電圧を検出する印加電圧下限値検出装置と、
前記印加電圧下限値検出装置により検出される印加電圧を学習する印加電圧下限値学習装置と、
前記印加電圧下限値学習装置により学習された前記印加電圧よりも大きな電圧を印加する印加電圧制御装置と、
を備える。
ここで、電極に電圧を印加すると、PMを帯電させることができる。帯電したPMは、クーロン力や排気の流れにより排気通路の内壁へ向かって移動する。排気通路の内壁に到達したPMは、排気通路に電子を放出するため、電極よりも接地側に電気が流れる。そして、電子を放出したPMは、近くに存在する他のPMと凝集するため、粒子数を減少させることができる。
ところで、電極への印加電圧が小さすぎると、PMが帯電しないために、PMが凝集されない。このため、印加電圧が小さすぎると、電流がほとんど通らなくなる。したがって、PMを凝集させるには、ある程度大きな電圧を印加する必要がある。この印加電圧は、PMが帯電することにより電流が通り得る印加電圧である。そして、印加電圧下限値検出
装置は、電圧を印加したときに電流が通るか否かの境界にあるときの印加電圧を検出している。これは、電圧を印加しても電流が通らない印加電圧の最大値、または、電圧を印加したときに電流が通る印加電圧の最小値としてもよい。また、印加電圧を徐々に増加させたときに、電流が通り始めるときの印加電圧としてもよい。このようにして検出される印加電圧よりも大きな電圧を印加することにより、PMを凝集させることができる。
また、印加電圧下限値検出装置により検出される印加電圧を学習することにより、次回以降に電極へ電圧を印加するときに、PMを凝集可能な電圧を速やかに印加することができる。このため、PMの凝集が開始されるまでの時間を短縮することができる。なお、「学習」は、「記憶」としてもよい。
また、本発明においては、前記印加電圧下限値学習装置は、前記電極に付着物が存在しないときに、前記学習を行うことができる。
ここで、電極にPMや水などの物質が付着すると、これら付着物を介して電極と排気通路との間に電気が流れ易くなる。すなわち、電極の絶縁性が低下する。そうすると、印加電圧下限値検出装置により検出される印加電圧がより小さくなる。すなわち、電圧を印加したときに、電流が検出されているにもかかわらず、PMが凝集されていない場合がある。このように、電極の付着物を介して電流が通っても、排気中に浮遊しているPMを帯電させることができなければPMを凝集させることができない。したがって、電極に付着物が存在していると、印加電圧を学習してもPMの凝集が困難となり得る。このため、電極に付着物が存在しているときには、印加電圧下限値検出装置により検出される印加電圧の学習は行わない。なお、印加電圧下限値検出装置による印加電圧の検出を行わないとしてもよい。そして、電極に付着物が存在しないときに印加電圧下限値検出装置により印加電圧の検出行い、さらに該印加電圧の学習を行う。なお、電極に付着物が存在しないときとは、たとえば、粒子状物質処理装置が新品のときや、新品時からの走行距離が短く電極にPMが付着していないと考えられる所定距離を走行するまでの間のとき、さらには、粒子状物質処理装置を交換した直後のときとすることができる。このようにして、PMの凝集を行うことができる印加電圧の下限値をより正確に求めることができる。
本発明においては、前記電極の付着物を除去する処理である電極の再生を行う再生装置を備え、
前記印加電圧下限値学習装置は、前記再生装置により電極の再生が行われた後に、前記学習を行うことができる。
再生装置は、たとえば、電極の温度を上昇させることにより、該電極に付着している物質を酸化させるか又は蒸発させる。また、電極の温度を高くし、且つ、排気中の酸素濃度を高くしてもよい。また、電極を加熱してもよい。そして、電極の再生が完了した直後や、電極の再生が完了してから前記所定距離を走行するまでの間であれば、電極に付着物が存在しない。このため、電極の付着物を介して通る電流が電流検出装置により検出されることがないため、PMの凝集を行うことができる印加電圧の下限値をより正確に求めることができる。
本発明においては、前記排気通路に設けられ前記電極が設置される処理部と、
前記処理部と前記排気通路との間で電気を絶縁する絶縁部と、
前記処理部を接地させる接地部と、
前記電源により前記電極へ電圧を印加したときに前記電流検出装置により検出される電流にパルス電流が発生するか否かの境界となる印加電圧を検出する印加電圧上限値検出装置と、
前記印加電圧上限値検出装置により検出される印加電圧を学習する印加電圧上限値学習
装置と、
を備え、
前記電流検出装置は、前記接地部にて電流を検出し、
前記印加電圧制御装置は、前記印加電圧下限値学習装置により学習された前記印加電圧よりも大きく且つ前記印加電圧上限値学習装置により学習された前記印加電圧よりも小さな電圧を前記電極に印加することができる。
電極に印加する電圧を大きくすると、電極からより多くの電子が放出される。このため、PMの凝集を促進させることができるので、PMの粒子数をより減少させることができる。しかし、電極への印加電圧を大きくし過ぎると、コロナ放電やアーク放電などの強い放電が起こり得る。このような強い放電が起こると、高速電子によりPMが微細化されてしまう。したがって、印加電圧を大きくすれば良いというものでもない。
そこで、電圧を印加したときに強い放電が発生しないように印加電圧を設定する。なお、コロナ放電やアーク放電などの強い放電を発生させないような印加電圧であっても、PMを凝集させることはできる。ここで、接地部において電流を検出している場合には、電極において強い放電が発生したときに、パルス電流が検出される。すなわち、パルス電流が発生しないように電圧を印加すれば、強い放電が発生することを抑制できる。
例えば、パルス電流が発生するまで印加電圧を徐々に増加させ、パルス電流が発生したときの印加電圧を検出する。なお、印加電圧上限値検出装置は、パルス電流が発生しない範囲で印加電圧が最大となるようにフィードバック制御を行ってもよい。
また、印加電圧上限値検出装置により検出される印加電圧を学習する(「記憶する」としてもよい)ことにより、次回以降に電極へ電圧を印加するときに、パルス電流が発生する印加電圧よりも小さな電圧を速やかに印加することができるため、強い放電が発生することを抑制できる。
そして、印加電圧下限値学習装置により学習された印加電圧よりも大きく且つ印加電圧上限値学習装置により学習された印加電圧よりも小さな電圧を印加することで、PMの凝集をより促進させることができる。
なお、電流検出装置は、電極よりも電位の基準点側において電流を検出している。一般に、電極より電源側では、電極より接地側よりも、配線が長かったり、配線を太くしたりする。また、電極よりも電源側では電荷が蓄えられることもある。そうすると、仮に電極よりも電源側において電流を検出した場合には、電極において強い放電が発生しても、そのときに電流検出装置により検出される電流の上昇および下降が緩慢となる。このため、パルス電流を検出することが困難な場合もある。
一方、電極より接地側では、相対的に配線を短く且つ細くすることができる。このため、電極より接地側において電流を検出した場合には、強い放電が発生したときにパルス電流を検出しやすい。したがって、電極よりも接地側において電流を検出することで、強い放電が発生したことをより確実に検出することができる。
また、絶縁部を備えることにより、接地部以外に電気が流れることを抑制できる。このため、強い放電が発生したときにパルス電流をより正確に検出することができる。
本発明によれば、電極に印加する電圧の適正化を図ることにより、粒子状物質の凝集を促進させることができる。
実施例1,2に係る粒子状物質処理装置の概略構成を示す図である。 印加電圧と、パルス電力と、非パルス電力と、PM粒子数と、PM粒子数低減率と、の関係を示した図である。 実施例1に係る印加電圧の制御フローを示したフローチャートである。 実施例2に係る印加電圧の制御フローを示したフローチャートである。
以下、本発明に係る粒子状物質処理装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
(実施例1)
図1は、本実施例に係る粒子状物質処理装置1の概略構成を示す図である。粒子状物質処理装置1は、ガソリン機関の排気通路2に設けられる。
粒子状物質処理装置1は、両端が排気通路2に接続されているハウジング3を備えて構成される。ハウジング3の材料には、ステンレス鋼材を用いている。ハウジング3は、排気通路2よりも直径の大きな中空の円柱形に形成されている。ハウジング3の両端は、端部に近くなるほど断面積が小さくなるテーパ状に形成されている。なお、図1においては、排気が排気通路2を矢印の方向に流れて、ハウジング3内に流入する。このため、ハウジング3は排気通路2の一部としてもよい。
排気通路2とハウジング3とは、絶縁部4を介して接続されている。絶縁部4は、電気の絶縁体からなる。絶縁部4は、排気通路2の端部に形成されるフランジ21と、ハウジング3の端部に形成されるフランジ31と、に挟まれる。排気通路2とハウジング3とは、たとえばボルト及びナットにより締結される。そして、これらボルト及びナットを介して電気が流れないように、これらボルト及びナットにも絶縁処理を施しておく。このようにして、排気通路2とハウジング3との間に電気が流れないようにしている。
ハウジング3には、電極5が取り付けられている。電極5は、ハウジング3の側面を貫通しており、該ハウジング3の側面から該ハウジング3の中心軸方向へ延びて該中心軸近傍において排気の流れの上流側へ折れ曲がり、該中心軸と平行に排気の流れの上流側へ向かって伸びている。そして、上流側でさらにハウジング3の側面側へ折れ曲がり、該ハウジング3の側面を貫通して外部へ通じている。
そして、電極5とハウジング3との間に電気が流れないように、電極5には電気の絶縁体からなる碍子部51,55が設けられている。この碍子部51,55は、電極5とハウジング3との間に位置しており、電気を絶縁すると共に、電極5をハウジング3に固定するための機能を有する。
そして、電極5の一端は、電源側電線52を介して電源6に接続されている。電源6は、電極5へ通電すると共に、印加電圧を変更することができる。この電源6は、電線を介して制御装置7及びバッテリ8に接続されている。制御装置7は、電源6が電極5に印加する電圧を制御する。また、電源6には、電位の基準点に接続するための接地電線54が接続されている。この接地電線54により電源6が接地される。
また、電極5の他端は、短絡電線56を介して接地電線54に接続されている。短絡電線56の途中には、回路を開閉するためのスイッチ57が設けられている。電源6により電圧を印加しているときにスイッチ57をONとすることにより、短絡電線56を電気が
流れる。このときには、電極5が短絡している状態となるため、該電極5の温度が上昇する。なお、本実施例においては短絡電線56及びスイッチ57が、本発明における再生装置に相当する。また、本実施例では、下流側の碍子部51に電源側電線52を接続し、上流側の碍子部55に短絡電線56を接続しているが、これに代えて、下流側の碍子部51に短絡電線56を接続し、上流側の碍子部55に電源側電線52を接続してもよい。
また、ハウジング3には接地側電線53が接続されており、該ハウジング3は接地側電線53を介して接地されている。接地側電線53には、該接地側電線53を通る電流を検出する検出装置9が設けられている。検出装置9は、例えば、接地側電線53の途中に設けられる抵抗の両端の電位差を測定することで電流を検出する。この検出装置9は、電線を介して制御装置7に接続されている。そして、検出装置9により検出される電流が制御装置7に入力される。なお、電源側電線52よりも接地側電線53のほうが電気的な容量が小さいため、接地側電線53に検出装置9を設けたほうが電流を検出するときの応答性が高い。
なお、制御装置7には、アクセル開度センサ71、クランクポジションセンサ72、温度センサ73、エアフローメータ74が接続されている。アクセル開度センサ71は、内燃機関が搭載されている車両の運転者がアクセルペダルを踏み込んだ量に応じた電気信号を出力し、機関負荷を検出する。クランクポジションセンサ72は、機関回転数を検出する。温度センサ73は、内燃機関の冷却水の温度または潤滑油の温度を検出することで内燃機関の温度を検出する。エアフローメータ74は、内燃機関の吸入空気量を検出する。
また、制御装置7には、スイッチ57が電線を介して接続されており、制御装置7はスイッチ57のON−OFF操作を行う。ここで、電源6から電極5へ電圧が印加されているときにスイッチをONとすることで、短絡電線56に電流が通る。一方、スイッチをOFFとすることで、短絡電線56には電流が通らなくなる。
このように構成された粒子状物質処理装置1では、スイッチ57がOFFのときに電源6から電極5へ負の直流高電圧を印加することで、該電極5から電子が放出される。すなわち、ハウジング3よりも電極5のほうの電位を低くすることで、電極5から電子を放出させている。そして、この電子により排気中のPMを負に帯電させることができる。負に帯電したPMは、クーロン力とガス流によって移動する。そして、PMがハウジング3へ到達すると、PMを負に帯電させた電子は該ハウジング3へと放出される。ハウジング3へ電子を放出したPMは凝集して粒子径が大きくなる。また、PMが凝集することで、PMの粒子数は低減する。すなわち、電極5へ電圧を印加することで、PMの粒子径を大きくし且つPMの粒子数を低減させることができる。
ところで、碍子部51を含む電極5にPMまたは水などの物質が付着すると、電極5の絶縁性が低下する。そして、これら付着物を介して電極5とハウジング3との間に電気が流れ得る。そうすると、電極5から放出される電子が減少するため、排気中に浮遊しているPMを帯電させることが困難となり、PMを凝集させることが困難となる。このため、電極5の再生処理を実施する。
ここで、電極5の再生処理とは、碍子部51,55を含む電極5に付着しているPMや水などの付着物を除去するための処理である。本実施例では、スイッチ57をONとしつつ電源6から電圧を印加することにより電極5の再生処理を行う。すなわち、電極5を短絡させることにより、該電極5の温度を上昇させて付着物を燃焼または蒸発させて除去する。なお、PMを速やかに酸化させるためには、排気中の酸素濃度が高いほうがよい。このため、電極5を短絡させる前または短絡させているときに、排気中の酸素濃度が高くなるようにしてもよい。排気中の酸素濃度を高くするために、たとえば、車両の駆動源とし
て内燃機関及びモータを備えるハイブリッド車においては、内燃機関に燃料を供給せずにモータにより内燃機関のクランク軸を回転させてもよい。これにより、内燃機関から空気を排出することができるため、排気中の酸素濃度を高めることができる。また、内燃機関を停止させる前に機関回転数を一旦上昇させ、該機関回転数が高い状態のときに燃料の供給を停止することで、排気通路内に空気を排出させることができる。そして、その後に内燃機関が停止したときに電極5を短絡させればよい。また、減速運転中のフューエルカット時には、排気中の酸素濃度が高くなるため、このときに電極5を短絡させてもよい。
電極5の再生は、たとえば前回の電極5の再生が行われてからの車両の走行距離が閾値に到達したときに行うことができる。また、電極5の絶縁性が低下したと判定されたときに電極5の再生を行ってもよい。たとえば、電極5とハウジング3との間に電気が流れていることを検出装置9により検出される電流に基づいて判定することができる。すなわち、電極5とハウジング3との間に付着物を介して電気が流れていないときには、排気中に浮遊するPM量に応じて電流が変化する。したがって、排気中のPM量を推定または検出し、該PM量に応じた電流が検出されれば、電極5とハウジング3との間に付着物を介して電気が流れていないと判定できる。一方、電極5とハウジング3との間に付着物を介して電気が流れているときには、検出装置9により検出される電流がより大きくなる。すなわち、排気中のPM量に応じた電流よりも大きな電流が検出される。したがって、検出電流がPM量に応じた電流よりも所定値以上大きければ、電極5とハウジング3との間に付着物を介して電気が流れていると判定できるので、このときに電極5の再生処理を行えばよい。
そして、本実施例では、電極5の再生処理が完了した直後に、電源6から電極5へ印加する電圧の最小値を設定する。ここで、電源6から電極5への印加電圧が小さすぎると、電圧を印加しても、PMの粒子数が変化しない場合がある。すなわち、PMがほとんど凝集しない印加電圧(以下、無効電圧とする。)が存在する。このため、印加電圧が無効電圧の範囲内であれば、PMの粒子数は変化せず、検出装置9により電流が検出されない。
ここで、図2は、印加電圧と、パルス電力と、非パルス電力と、PM粒子数と、PM粒子数低減率と、の関係を示した図である。なお、この関係は、機関回転数、機関負荷、内燃機関の温度などによって変わる。ここで、パルス電力とは、パルス電流が発生しているときの電力である。このパルス電流は、コロナ放電などの強い放電が発生しているときに検出される。非パルス電力とは、パルス電流が発生していないときの電力である。PM粒子数とは、排気中の一立方センチメートルあたりのPMの粒子数である。PM粒子数低減率とは、PM粒子数が低減された度合いを示す値であり、「ハウジング3に流入するPM粒子数」から「ハウジング3から流出するPM粒子数」を減算して得られるPM粒子数の減少量を、「ハウジング3に流入するPM粒子数」で除算した値である。
図2に示されるように、印加電圧が0からAまでの間ではパルス電力及び非パルス電力が0(W)となっている。すなわち、電流がほとんど通っていない。このため、PM粒子数及びPM粒子数低減率もほとんど変化がない。したがって、図2においては、0からAまでの印加電圧が無効電圧に相当する。この無効電圧は個体差が大きいために、粒子状物質処理装置毎に求める必要がある。
そして本実施例では、電源6により電極5へ電圧を印加したときに検出装置9により電流が検出されるか否かの境界となる印加電圧を検出及び学習する。これは、電流が流れ始める印加電圧を検出及び学習するとしてもよい。また、無効電圧の最大値または電流が通る印加電圧の最小値を検出及び学習するとしてもよい。そして、無効電圧よりも大きな電圧を電極5に印加する。以下、電流が検出されるか否かの境界となる印加電圧を印加電圧下限値という。
図3は、本実施例に係る印加電圧の制御フローを示したフローチャートである。本ルーチンは、制御装置7により所定の時間毎に繰り返し実行される。
ステップS101では、電極5に水やPMなどの付着物が存在しないか否か判定される。本ステップでは、印加電圧下限値の検出及び学習に適した状態であるか否か判定される。たとえば、粒子状物質処理装置1が新品の場合には、電極5に付着物が存在しないと判定される。また、電極5の再生が行われてから所定の期間は、電極5に付着物が存在しないと判定される。所定の期間は、電極5に付着した物質により電極5の絶縁性が低下するまでの期間として予め実験等により求めておく。また、本ステップでは、電極5の再生の直後であるか否か判定してもよい。そして、ステップS101で肯定判定がなされた場合にはステップS102へ進む。なお、印加電圧下限値の学習が必要と判断されるときに電極5の再生をし、その後、ステップS102へ進んでもよい。
ステップS102では、印加電圧が0(V)とされる。すなわち、電極5に電圧を印加しないようにしている。本ルーチンでは、印加電圧を0(V)から徐々に増加させていき、検出電流が閾値よりも大きくなったときに印加電圧が無効電圧よりも大きくなったと判定している。このため、ステップS102では、印加電圧を増加させる前の状態としている。
ステップS103では、印加電圧を増加させる。このときの印加電圧の増加量は、印加電圧下限値を検出するために適した値として予め設定しておく。すなわち、印加電圧の増加量が小さすぎると、電流が上昇するまでに何度も電圧を増加させなくてはならないため、時間がかかってしまう。一方、印加電圧の増加量が大きすぎると、電流が上昇するまでの時間は短縮できるが、印加電圧下限値を正確に求めることが困難となる。したがって、要求される時間と、要求される精度と、に基づいて印加電圧の増加量を決定してもよい。
ステップS104では、検出電流が取得される。この検出電流は、検出装置9により検出される電流である。
ステップS105では、ステップS104で取得される検出電流が所定値Bよりも大きいか否か判定される。本ステップでは、電極5に電流が通っているか否か判定される。すなわち、印加電圧が無効電圧よりも大きくなったか否か判定される。所定値Bは、PMの凝集が行われていないと考えられる検出電流であり、予め実験等により求める。
ステップS105で肯定判定がなされた場合にはステップS106へ進み、否定判定がなされた場合にはステップS103へ戻る。なお、本実施例においてはステップS102からステップS105を処理する制御装置7が、本発明における印加電圧下限値検出装置に相当する。
ステップS106では、現時点での印加電圧を印加電圧下限値V1として記憶する。すなわち、電極5へ電圧を印加したときに検出装置9により電流が検出されるか否かの境界となる印加電圧を学習している。なお、本実施例においてはステップS106を処理する制御装置7が、本発明における印加電圧下限値学習装置に相当する。
一方、ステップS101で否定判定がなされた場合には、ステップS107へ進む。ここで、ステップS101で否定判定がなされた場合には、電極5の付着物の影響により、印加電圧下限値を求めることが困難であるため、過去に学習した印加電圧下限値に基づいて印加電圧の制御を行う。
そのため、ステップS107では、ステップS106で記憶された印加電圧下限値V1が読み込まれる。
ステップS108では、ステップS107で読み込まれた印加電圧下限値V1に所定値Vを加算することで、電極5に印加する電圧が算出される。所定値Vは、PMを効果的に凝集させることのできる加算値として予め実験等により求めておく。なお、本実施例においてはステップS108を処理する制御装置7が、本発明における印加電圧制御装置に相当する。
このようにして、PMを凝集させることができる電圧の下限値を学習することで、電極5に電圧を印加するときに該下限値よりも大きな電圧を印加することができるため、PMの凝集を速やかに開始することができる。このため、PM粒子数をより減少させることができる。
(実施例2)
実施例1では、印加電圧下限値V1を学習したが、本実施例では、さらに電極5へ電圧を印加したときに検出装置9により検出される電流にパルス電流が発生するか否かの境界となる印加電圧V2(印加電圧上限値V2)を学習する。そして、実施例1で学習される印加電圧下限値V1と、本実施例で学習される印加電圧上限値V2と、の間の電圧を印加してPMの凝集を促進させる。その他の装置などは実施例1と同じため説明を省略する。
ここで、電極5に印加する負の電圧を大きくすると、電極5からより多くの電子が放出される。このため、PMの凝集を促進させることができるので、PMの粒子数をより減少させることができる。しかし、電極5への印加電圧を大きくし過ぎると、コロナ放電やアーク放電などの強い放電が起こり得る。このような強い放電が起こると、高速電子によりPMが微細化されてしまう。したがって、PMの凝集を促進させるためには、コロナ放電などの強い放電が起こるよりも低い電圧に調節するとよい。ここで、コロナ放電などの強い放電が発生すると、検出装置9によりパルス電流が検出される。
そこで本実施例では、印加電圧をパルス電流が発生しない範囲に調節する。すなわち、パルス電流が発生する印加電圧よりも小さな電圧を電極5に印加する。これにより、パルス電流が発生することを抑制し、PMの粒子数が増加することを抑制する。このため、パルス電流が発生するまで、印加電圧を大きくし、該パルス電流が発生し始める印加電圧を検出する。なお、パルス電流が発生する前に、パルス電流が発生する予兆を電流から読み取って、パルス電流が発生する印加電圧を検出してもよい。このようにして検出される印加電圧は、パルス電流が発生するか否かの境界となる印加電圧である。そして、このときに検出される印加電圧を印加電圧上限値V2とする。
図4は、本実施例に係る印加電圧の制御フローを示したフローチャートである。本ルーチンは、制御装置7により所定の時間毎に繰り返し実行される。なお、図3に示したフロート同じ処理がなされるステップについては同じ符号を付して説明を省略する。
ステップS106で印加電圧下限値V1が記憶された後にステップS201へ進む。ステップS201では、印加電圧を増加させる。このときの印加電圧の増加量は、パルス電流が発生するか否かの境界となる印加電圧を検出するために適した値として予め設定しておく。すなわち、印加電圧の増加量が小さすぎると、パルス電流が発生するまでに何度も電圧を増加させなくてはならないため、時間がかかってしまう。一方、印加電圧の増加量が大きすぎると、パルス電流が発生し始めるまでの時間は短縮できるが、パルス電流が発生するか否かの境界となる印加電圧を正確に求めることが困難となる。したがって、要求される時間と、要求される精度と、に基づいて印加電圧の増加量を決定してもよい。なお
、ステップS103における印加電圧の増加量と同じとしても良い。
ステップS202では、検出電流が取得される。この検出電流は、検出装置9により検出される電流である。
ステップS203では、電流の高周波成分が存在するか否か判定される。パルス電流は、電流の高周波成分として抽出可能である。そこで、検出装置9により検出される電流をハイパスフィルタに通して、高周波成分を抽出する。このように、ハイパスフィルタを通したことにより高周波成分が抽出された場合に、高周波成分が存在すると判定される。
なお、電流の高周波成分が存在するか否かは、電流の標準偏差が所定値よりも大きいか否かに基づいて判定することもできる。所定値は、高周波成分の有無を判定するための固定値であり、予め実験等により求めておく。また、たとえば、検出電流の上昇率が閾値以上で且つ上昇量が閾値以上の場合に、高周波成分が存在すると判定することもできる。そして、ステップS203で肯定判定がなされた場合には、ステップS204へ進み、否定判定がなされた場合にはステップS201へ戻り印加電圧が再度増加される。なお、本実施例においてはステップS201からステップS203を処理する制御装置7が、本発明における印加電圧上限値検出装置に相当する。
ステップS204では、現時点での印加電圧を印加電圧上限値V2として記憶する。なお、本実施例においてはステップS204を処理する制御装置7が、本発明における印加電圧上限値学習装置に相当する。
一方、ステップS101で否定判定がなされた場合には、ステップS107が処理された後、ステップS205へ進む。ステップS205では、ステップS204で記憶された印加電圧上限値V2が読み込まれる。
次に、ステップS206では、ステップS107で読み込まれた印加電圧下限値V1と、ステップS205で読み込まれた印加電圧上限値V2と、に基づいて、電極5に印加する電圧が算出される。たとえば、ステップS107で読み込まれた印加電圧下限値V1と、ステップS205で読み込まれた印加電圧上限値V2と、の中間の値を電極5に印加する電圧として算出してもよい。また、印加電圧が高いほうがPMの凝集が促進されるため、前記中間の値よりもステップS205で読み込まれた印加電圧上限値V2寄りの値を電極5に印加する電圧としてもよい。
このようにして、PMが凝集し始める印加電圧およびパルス電流が発生し始める印加電圧を学習することで、電極5に電圧を印加するときに、PMの凝集を速やかに開始することができる。このため、PM粒子数をより減少させることができる。
なお、ステップS101では、電極5に水やPMなどの付着物が存在しないか否か判定していたが、これに代えて、内燃機関の積算運転時間が上記学習を行う時間となっているか否か判定してもよい。すなわち、内燃機関の積算運転時間に応じて所定の間隔で学習を行ってもよい。そうすると、電極5に付着物が存在する場合においても上記学習が行われることになる。
ここで、電極5にPMが付着していると、電極5の絶縁性が低下するため、無効電圧の最大値が小さくなり、印加電圧下限値V1が小さくなる。しかし、電極5にPMが付着していたとしても、印加電圧下限値V1の減少量が小さい場合もあり得る。すなわち、電極5の再生を行わなくても、絶縁性がほとんど低下していない場合もある。また、実際に印加する電圧は、印加電圧下限値V1と印加電圧上限値V2との中間値に設定されるため、
印加電圧下限値V1に多少の誤差があってもPMを凝集可能な印加電圧に設定することができる。したがって、積算運転時間に基づいて学習の時期を決定してもよい。これにより、学習の機会を増やすことができる。
1 粒子状物質処理装置
2 排気通路
3 ハウジング
4 絶縁部
5 電極
6 電源
7 制御装置
8 バッテリ
9 検出装置
21 フランジ
31 フランジ
51 碍子部
52 電源側電線
53 接地側電線
54 接地電線
55 碍子部
56 短絡電線
57 スイッチ
71 アクセル開度センサ
72 クランクポジションセンサ
73 温度センサ
74 エアフローメータ

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられる電極と、
    前記電極に接続され電圧を印加する電源と、
    前記電極を通る電流を検出する電流検出装置と、
    前記電源により前記電極へ電圧を印加したときに前記電流検出装置により電流が検出されるか否かの境界となる印加電圧を検出する印加電圧下限値検出装置と、
    前記印加電圧下限値検出装置により検出される印加電圧を記憶する印加電圧下限値学習装置と、
    前記印加電圧下限値学習装置により記憶された前記印加電圧よりも大きな電圧を印加する印加電圧制御装置と、
    を備える粒子状物質処理装置。
  2. 前記印加電圧下限値学習装置は、前記電極に付着物が存在しないときに、前記記憶を行う請求項1に記載の粒子状物質処理装置。
  3. 前記電極の付着物を除去する処理である電極の再生を行う再生装置を備え、
    前記印加電圧下限値学習装置は、前記再生装置により電極の再生が行われた後に、前記記憶を行う請求項1または2に記載の粒子状物質処理装置。
  4. 前記排気通路に設けられ前記電極が設置される処理部と、
    前記処理部と前記排気通路との間で電気を絶縁する絶縁部と、
    前記処理部を接地させる接地部と、
    前記電源により前記電極へ電圧を印加したときに前記電流検出装置により検出される電流にパルス電流が発生するか否かの境界となる印加電圧を検出する印加電圧上限値検出装置と、
    前記印加電圧上限値検出装置により検出される印加電圧を記憶する印加電圧上限値学習装置と、
    を備え、
    前記電流検出装置は、前記接地部にて電流を検出し、
    前記印加電圧制御装置は、前記印加電圧下限値学習装置により記憶された前記印加電圧よりも大きく且つ前記印加電圧上限値学習装置により記憶された前記印加電圧よりも小さ
    な電圧を前記電極に印加する請求項1から3の何れか1項に記載の粒子状物質処理装置。
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