JP5757617B2 - ダリウス型垂直軸風車、ダリウス型垂直軸風車の翼、およびダリウス型垂直軸風車のローター - Google Patents

ダリウス型垂直軸風車、ダリウス型垂直軸風車の翼、およびダリウス型垂直軸風車のローター Download PDF

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Description

本発明は、揚力型垂直軸風車、揚力型垂直軸風車の翼、および揚力型垂直軸風車のローターに関する。なかでも、ダリウス型垂直軸風車、ダリウス型垂直軸風車の翼、およびダリウス型垂直軸風車のローターに関する。
地球温暖化対策と化石燃料の減耗等によるエネルギー安全保障のため、再生可能エネルギーの利用促進が重要になってきている。中でも大型の風力発電はコスト低下が進んでおり、世界的に導入量が増加している。しかし、小型・マイクロ風車は、小型分散電源として将来期待される技術であるが、導入コストが高いことや騒音発生の課題などがあり、普及するまでにはいたっていない。
また、最近は太陽光発電が脚光をあびているが、風力発電とのハイブリッドが有効であることは知られており、さらに地球上には、例えば高緯度地域など、太陽光エネルギーよりも風力エネルギーが強い場所もあり、小型・マイクロ風車の現在抱えている上記のような課題が解決されれば、広い地域に普及する可能性を秘めている。
ここで、風力発電に用いる風車には、風向と平行に回転軸が配置される水平軸風車と、風向と垂直に回転軸が配置される垂直軸風車とがある。このうち、水平軸風車は風向に応じて軸方向を変化させる必要があるが、垂直軸風車は風向に関係なく回転力を得られるというメリットがある。また、垂直軸風車は方向を変える機構が必要ないため、水平軸風車より構造が簡素にでき、小型化が容易で導入コストを下げることができる利点を持つ。なお、垂直軸風車は重量物である発電機をローターよりも下方(地面近く)に設置できることも、一般的に言われている特徴の一つである。
このような垂直軸風車には、翼に発生する抗力を主駆動力として風車を回転させる抗力型と、翼に発生する揚力を主駆動力として風車を回転させる揚力型とがあり、前者にはサボニウス型、パドル型等の風車があり、後者にはダリウス型、ジャイロミル型(いわゆるストレートダリウス型を含むものとする)等の風車がある。
抗力型風車は弱風でも起動性がよいという利点があるが、周速比(Tip Speed Ratio;TSR=(翼先端の周速度)/(風速))が1以上にならないため、高速回転させて高出力を得ることができないという欠点がある。一方、揚力型風車は1よりも大きい周速比が得られ、周速比が大きいときのエネルギー効率が高いという利点があるが、周速比が小さいときには充分な回転力が得られず、起動性が悪いという欠点がある。
この点に関し、揚力型風車の起動性を改善するため、下記特許文献1に記載されているように、サボニウス風車などの抗力型風車を組み合わせる方法が知られている。しかし、複雑な構造のため、小型化しにくく導入コストが高くなるという課題の他、技術的には、ローター重量が増加する課題や、高回転数状態で抗力型風車は抵抗体として機能するため途中で切り離すなどの対策が必要となるため構造が非常に複雑になり一層導入コストが高くなるといった課題もある。
また、下記非特許文献1には、ダリウス型垂直軸風車において、翼弦長を翼の中央部から上下両方に向かって段階的に変化させて上下対称とする構成が開示されており、翼の中央部を細くすることで、エネルギー効率が向上する旨が記載されている。
特開2006−348810号公報(図3、段落0027〜0030) 米国Sandia National Laboratoryによる研究報告(Kadlec, E.G., The Potential of Advanced Darrieus Wind Turbines,6th ASES Biennial Wind Energy Conference and Workshop Proceedings, June 1983.)(Fig.1)
一方、ダリウス型風車などの揚力型垂直軸風車は、重心がローター(複数の翼で構成される)の中心部付近にあるため,動力を伝達する回転軸を支える軸受から重心までの距離が長くなり,回転に伴う振動(以降、回転振動と称する)を引き起こす原因となっている。このような回転振動が生じると風車の耐久性や発電効率に悪影響を及ぼすだけでなく、振動による騒音発生の問題が生じるため好ましくない。特に、風車が共振した場合には、異常な振動や騒音の原因となるだけでなく、風車の構造物自体や回転軸、又は軸受等が繰返し荷重によって破損する可能性があるなど、耐久性に悪影響を及ぼすことがあった。
このような回転振動を低減させるために、一般的には、中央ポールあるいは回転軸をローター中心部に設け、支持ケーブルや外枠構造を使用した両端支持(両持ち式)として安定性を高めていた。また、ローターを支える固定支柱の一端が自由端で他端が固定端である片持ち式の場合には、比較的剛性の高い回転軸を採用し、ストラット(アーム)によって翼と回転軸とを接続し、ローターの剛性を高めるなどの構成をとっていた。
また、発電機をローター重心部に置くタイプもあり、このタイプの場合、回転振動を低減させる観点からは理想的であるが、ローター内部に風の流れをさえぎる大型の抵抗物体が存在することになるため、風車の性能が低減される欠点を持っている。
本発明は、上述の事柄に留意してなされたものであって、安価に製造できる簡単な構造で、揚力型垂直軸風車の起動性を向上させるとともに、回転振動を低減させることを目的とする。
上記課題を解決するために、流線形断面の複数の翼を備えた揚力型垂直軸風車において、各翼の弦長が、上端から下端に向かって徐々に増加するとともに、各翼の重心が、上下方向中央よりも下方に存在する、揚力型垂直軸風車とした。
ここで、「徐々に増加」には、線形的に徐々に増加する場合や、非線形的に徐々に増加する場合を含む。
この揚力型垂直軸風車は、各翼の弦長(翼弦長)が上端から下端に向かって徐々に増加している構成を備えているため、翼の空力特性におけるレイノルズ数効果によって、翼弦長が大きな、翼の下端部同士の間で大きな抗力差が生み出される結果、これによって大きなローター起動トルクが発生して起動性が向上する。各翼同士の形状は同一形状であることが好ましい。
また、各翼の弦長が上端から下端に向かって“徐々”に増加している構成を備えているため、各翼の形状が上端から下端に向かって滑らかに変化することになり、回転時における流れの乱れ(渦など)が生じにくくなって、これにより、性能が低下しにくく、また騒音が発生しにくい揚力型垂直軸風車とすることができる。
さらに、翼の上下方向中央部は弦長が比較的狭いため、高いエネルギー効率を確保することができる。
加えて、流線形断面を有する複数の翼を備えた構成であるため、翼弦長の増加した下端部近傍(流線形断面である)であっても高速回転時において抵抗になりにくい。
また加えて、各翼の重心が上下方向中央よりも下方に存在する低重心化された構成であるため、回転振動を低減させることができる。通常、翼の断面が相似形のまま弦長を増加させれば重心は上下方向中央よりも下方に存在することとなる。各翼の重心は、翼の上端から翼全長(翼の上端から下端にいたる全長)の65%以上、下方に位置することが好ましい。
さらに加えて、前述のように回転振動を低減させることができるため、片持ち式の簡単な構成にしやすく、これにより安価に製造することができる。
各翼の弦長が、上端から下端に向かって非線形的に徐々に増加する、揚力型垂直軸風車とすることができる。
この揚力型垂直軸風車は、翼の重心がより下方側となり(低重心化)、回転振動を更に低減させることができる。また、平均静止トルクが大きくなって起動性が更に向上する。
揚力型垂直軸風車が、各翼を上端及び下端でそれぞれ連結した形状のローターを備えた、ダリウス型垂直軸風車である、揚力型垂直軸風車とすることもできる。ここで、「ダリウス型垂直軸風車」には、ストレートダリウス型風車は含まれないものとする。
このとき、各翼の形状が、半円環状である、揚力型垂直軸風車とすることが好ましい。
この揚力型垂直軸風車は、低重心化することができ、また、起動性及び出力特性が更に優れたものとなる。
各翼の形状が、半縦長楕円環状である、揚力型垂直軸風車とすることも好ましい。
この揚力型垂直軸風車は、平均静止トルクが大きくなることで、起動性が更に優れたものとなる。
各翼の形状が、半横長楕円環状である、揚力型垂直軸風車とすることも好ましい。
この揚力型垂直軸風車は、更に低重心化することができる。また、静止トルクの平滑化が図れることで起動性が優れたものとなる。
ローターの下端に回転軸を取り付けた片持ち式とすることで、ローターの内側には回転軸が存在していない構造とした、揚力型垂直軸風車とすることも好ましい。
この揚力型垂直軸風車は、低重心化できて回転振動を低減させることができるという本発明の特徴を活かしたものであり、一般的に不安定と考えられる上記構成としても、回転振動が増加しにくい。また、上記構成の揚力型垂直軸風車は、部品点数が少なく製造も比較的容易であるため、更に安価に製造することができる。
また、上記課題は、流線形断面の複数の翼を備えた揚力型垂直軸風車において、各翼の弦長が、上端から下端に向かって徐々に増加するとともに、各翼の重心が、上下方向中央よりも下方に存在し、各翼の形状が、半円環状、半縦長楕円環状、又は半横長楕円環状であり、揚力型垂直軸風車が、各翼を上端及び下端でそれぞれ連結した形状のローターを備えたダリウス型垂直軸風車であり、ローターの下端に回転軸を取り付けた片持ち式とすることで、ローターの内側には回転軸が存在していない構造とした、揚力型垂直軸風車によっても解決される。
同じく、上記課題は、上記何れか記載の揚力型垂直軸風車に用いられる、揚力型垂直軸風車の翼やローターによっても解決される。
本発明により、安価に製造できる簡単な構造で、揚力型垂直軸風車の起動性を向上させるとともに、回転振動を低減させることができる揚力型垂直軸風車を提供することができる。
第一シミュレーションに用いたローター(二枚の翼で構成)を示す図である。 第一シミュレーションに用いた翼の弦長を示す図である。 第二シミュレーションに用いたローター(二枚の翼で構成)を示す図である。 第三シミュレーションに用いたローター(二枚の翼で構成)を示す図である。 第三シミュレーションにおける静止トルクの分布を示す図である。 片持ち式のダリウス型垂直軸風車を例示する図である。 ローターの構成を例示する図である。
以下、図を用いて本発明を例示説明する。本発明の揚力型垂直軸風車は、流線形断面の複数の翼を備えた揚力型垂直軸風車であって、各翼の弦長が、翼の上端から下端に向かって徐々に増加するとともに、各翼の重心が、翼の上下方向中央よりも下方に存在する構成を備えている。
また、以降のシミュレーションは、翼素運動量複合理論における二重多流管モデル(DMS:Double-Multiple Streamtube model)(上流側と下流側で分けるモデル)に基づき行っている。高い先端周速比λにおいて、運動量理論では扱えない部分を経験的なモデル式(参考:Wind Turbine Technology, Editor:David A. Spera, ASME Press, 1994, p.238 Eq.(5-36))で置き換える際のフィッティングパラメータ(ac)について、下記計算のすべてにおいて、ac=0.3を採用して計算を行った。その他の計算条件は、次の通りである。
(計算条件)
・風速(V) :6 m/s
・空気温度(T) :20℃
・翼型 :NACA 0018 (対称翼)
・使用する空力データのレイノルズ数(Re):40000, 80000, 160000, 360000, 700000
・動的失速効果は考慮しない(各データの相対比較となる)。
・ベアリングなどによる摩擦力による損失などは考慮しない。
・翼取付角(ピッチ角)は0度に固定。
・翼スパン方向に沿った翼弦長の変化は,翼弦中心位置を基準に左右均等に翼弦長が増加するように仮定。(翼の取付け位置は翼弦長の中心という意味)
・翼の材質は軽量材料を想定し、仮想的であるが、密度を162 kg/m3(一様)と仮定した。
・計算は、風速一定(V = 6 m/s)で回転数を変化させたときの、起動性の指標となるトルク値(単位:[Nm]) や、エネルギー効率(出力特性)の指標となる出力係数(Cp)などを、先端周速比(λ=翼先端の周速度/風速)の関数として求める。
[第一シミュレーション]
本第一シミュレーションでは、二枚の半円環状の翼(同一形状)からなる円形状(円環状)のローターを想定し、翼弦長の増加度合い(上端から下端に向かって増加する)を変化させたもので各種特性を求めた。
具体的には、二枚の半円環状の翼からなる円形状のローターを備えた円形垂直軸風車(円形ダリウス型風車)を基本として考え、図1および図2に示すような翼弦長変化を持たせた5種類のローター(No.A〜D,No.S)を用いた風車を想定し、これらの各種特性を計算によって比較した。No.Sは翼弦長cが0.2mで一定の場合である。
なお、No.Aは、各翼の弦長が上端から下端に向かって線形的に徐々に増加した構成であり特許請求の範囲に記載された各請求項に係る発明の技術的範囲から外れるため、参考例としての位置づけである
ここで、図2において、Wは、ローター頂点に原点を持ち鉛直下向きに高さ方向を示すパラメータである。また、図2の翼弦長は、翼を高さ方向に21のセクション(W=0〜20)に分けた場合の、各セクションにおける中間値(代表翼弦長)を示してある。
なお、図1に示してあるローターは何れも、二枚の半円環状の翼を上端及び下端でそれぞれ連結した形状の、円形状(円環状)としたものである。以下に、第一シミュレーションの計算結果をまとめたものを示す。なお、この比較では、最大半径R=1mとローター高さH=2mを各ケースとも共通にした。
ここで、「X^2型変化」とは、前述のようにWを仮定した場合の「W2乗型変化」のことであり、詳しくは「高さパラメータの2乗に依存する翼弦長変化」のことである。同様に、「X^3型変化」とは、同様にWを仮定した場合の「W3型変化」のことであり、詳しくは「高さパラメータの3乗に依存する翼弦長変化」のことである。また、「X^2型+X^3型の合成非線形変化」とは、同様にWを仮定した場合の「W2乗型+W3乗型の合成変化」のことであり、詳しくは「高さパラメータの2乗(翼の上部)および3乗(翼の下部)に依存する翼弦長変化の合成」のことである。
また、翼弦長cについて、0.15m〜0.25mの表示は、翼の上端の弦長が0.15mであり、下端の弦長が0.25mであることを示す。一方、0.15m〜0.36m〜0.54mの表示は、翼の上端の弦長が0.15mであり、下端の弦長が0.54mであることを示し、表示真中の数値0.36mは、X^2型変化部分を計算するための下端弦長パラメータである(ローター中央部の翼弦長ではない)。
また、重心位置とは、翼の上端から下端にいたる全長に対して、翼の上端からの重心位置を示す。例えば、重心位置が50%であれば翼の上下方向中央に重心があり、重心位置が70%であれば、上端から重心までの長さと重心から下端までの長さとの比率は、70:30になる。
表1に示すように、従来の翼弦長一定タイプの翼(No.S)から、翼の弦長を上端から下端に向かって線形的に徐々に増加(No.A)又は非線形的に徐々に増加(No.B〜D)させると、重心位置が下がって低重心化することができる。また、線形的に徐々に増加(No.A)させるよりも、非線形的に徐々に増加(No.B〜D)させることで、更に低重心化することができる。
また、平均静止トルクの面では、翼の弦長を非線形的に変化させたもの(No.B〜D)が大きくなり、起動性が良いことが判った。特にNo.Dの平均静止トルクは最も大きく好ましい。なお、特に提示しないが、静止トルクのローター方位角分布については、何れも同様な分布であった。以上より、第一シミュレーションでは、低重心化でき、かつ平均静止トルクの大きなNo.Dが最良であると考えられる。
[第二シミュレーション]
本第二シミュレーションでは、図3に示すように、二枚の翼からなるローターの形状を変化させて、各種特性を求めた。ローター形状としては無限に考えられるが、No.Dの円形ダリウス型風車と同じ翼弦長変化を持った典型的なダリウス型風車(No.F)とひし形風車(No.G)を想定し、性能の比較を行った。
詳説すれば、No.Dは、二枚の半円環状の翼を、上端及び下端でそれぞれ連結した形状の円形状(円環状)のローターとしたものであり、No.Fは、二枚の弓形状の翼を、上端及び下端でそれぞれ連結した形状の典型ダリウス型のローターとしたものであり、No.Gは、二枚の「くの字」状の翼を、上端及び下端でそれぞれ連結した形状のひし形のローターとしたものである。
なお、この比較でも、最大半径R=1mとローター高さH=2mを、各ケースとも共通にした。以下に、第二シミュレーションの計算結果をまとめたものを示す。
表2に示すように、No.Dの円形状のローターが最も重心位置が低く、この形状は低重心化に有効であることがわかる。また、円形状のローターは、平均静止トルクや最大出力係数も典型ダリウス型やひし形のものに比べて高い値である。
[第三シミュレーション]
本第三シミュレーションでは、図4に示すように、二枚の翼からなるローターの形状を楕円形状(楕円環状)に変化させて、各種特性を求めた。No.Dの円形状(円環状)ダリウス型風車を基本として、No.Dと同じ翼弦長変化を持った縦横比の異なる楕円形状(楕円環状)のローター(No.H,I,J)を考え、性能の比較を行った。
詳説すれば、No.Hは、二枚の半縦長楕円環状(縦長の楕円環を左右に分割した半割れ片のような形状)の翼を、上端及び下端でそれぞれ結合して縦長楕円形状(縦長楕円形環状)のローターとしたものであり、No.IおよびNo.Jは、二枚の半横長楕円環状(横長の楕円環を左右に分割した半割れ片のような形状)の翼を、上端及び下端でそれぞれ結合して横長楕円形状(横長楕円環状)のローターとしたものである。以下に、第三シミュレーションの計算結果をまとめたものを示す。
表3に示すように、ローター形状を横長(No.I,No.J)にするほど低重心化できる。また、ローター形状を横長にすると円形のもの(No.D)よりも大きな最大出力係数を示し最大効率が上昇する(No.I)が、横長にしすぎると最大効率は減少する(No.J)。
また、起動性の観点より、静止トルクを比較すると、縦長楕円形状のローターが平均静止トルクが一番大きく、偏平化して横長にすると減少していく。しかし、静止トルクの分布を示す図5(静止トルクをローター方位角に対してあらわしたグラフ)に見られるように、偏平化したNo.Jでは、最大静止トルクが減少する一方で負のトルクも絶対値が小さくなっており、偏平化していくことでトルクの平滑化が期待できそうである。低重心であり、効率も上がり、また負のトルクも小さくなる最適な形状は,No.Iの付近にあるといえるかもしれない。
これら前述した翼又はローターを備えた揚力型垂直軸風車(ダリウス型垂直軸風車)1としては、図6に示すような、ローター2の下端に回転軸4を取り付けた片持ち式とすることでローター2の内側には回転軸4が存在していない構造とすることができる。ローター2は、同一形状である二枚の半円環状の翼3を、上端及び下端でそれぞれ連結して円形状(円環状)に構成されている。図6の例では、二枚の半円環状の翼3を一体的に形成して円形状のローター2としてある。
ここで、同一形状である二枚の半横長楕円環状の翼を、上端及び下端でそれぞれ連結して横長楕円形状(横長楕円環状)のローターとしてもよい。また、同一形状である二枚の半縦長楕円環状の翼を、上端及び下端でそれぞれ連結して縦長楕円形状(縦長楕円環状)のローターとしてもよい。
このような揚力型垂直軸風車1は、部品点数が少なく製造も比較的容易であるため、より安価に製造することができるのである。
なお、図6の揚力型垂直軸風車(ダリウス型垂直軸風車)1の回転軸には、発電装置などが連結されることになる。
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本出願の願書に添付された特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が可能である。
例えば、上記シミュレーションでは、二枚の翼を用いたが、これに限定されず、図7のNo.D3及び No.D4に示すように、同一形状である三枚や四枚などの複数枚の翼を用いてもよい。このようにすると、一般的には、静止トルクが平滑化し、起動させやすい揚力型垂直軸風車となる。
また、上記シミュレーションでは、翼は、単一の翼型(NACA 0018)であり、翼弦長の増加に伴って、翼型を維持したままで翼断面を相似的に大きくしていた。しかし、これに限定されず、翼弦長の増加に伴って翼型を変化させた翼としてもよい。例えば、翼の上部、中央部、下部で翼型が異なっていてもよい。
1 ダリウス型垂直軸風車(揚力型垂直軸風車)
2 ローター
3 翼
4 回転軸

Claims (7)

  1. 流線形断面の複数の翼を備えたダリウス型垂直軸風車において、
    各翼を上端及び下端でそれぞれ連結した形状のローターを備え、
    各翼の弦長が、上端から下端に向かって非線形的に徐々に増加するとともに
    各翼の重心が、上下方向中央よりも下方に存在しており
    ローターの下端に回転軸を取り付けた片持ち式とすることで、ローターの内側には回転軸が存在していない構造とした、
    ダリウス型垂直軸風車。
  2. 各翼の形状が、
    半円環状である、
    請求項1記載のダリウス型垂直軸風車。
  3. 各翼の形状が、
    半縦長楕円環状である、
    請求項1記載のダリウス型垂直軸風車。
  4. 各翼の形状が、
    半横長楕円環状である、
    請求項1記載のダリウス型垂直軸風車。
  5. 流線形断面の複数の翼を備えたダリウス型垂直軸風車において、
    各翼の弦長が、上端から下端に向かって非線形的に徐々に増加するとともに、
    各翼の重心が、上下方向中央よりも下方に存在し、
    各翼の形状が、半円環状、半縦長楕円環状、又は半横長楕円環状であり、
    各翼を上端及び下端でそれぞれ連結した形状のローターを備え、
    ローターの下端に回転軸を取り付けた片持ち式とすることで、ローターの内側には回転軸が存在していない構造とした、
    ダリウス型垂直軸風車。
  6. 請求項1〜5何れか記載のダリウス型垂直軸風車に用いられる、
    ダリウス型垂直軸風車の翼。
  7. 請求項1〜5何れか記載のダリウス型垂直軸風車に用いられる、
    ダリウス型垂直軸風車のローター。
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